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【場】『私立秋映学園』 三学期
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>>841
「おいおい、店に入るのに『お邪魔します』はねーだろ」
からかうように笑う。
……つまりそれは、そんなにも『世間知らず』にならざるを得ない育ち方をしたということだが。
だが、気を回し過ぎるほうが失礼なんだろうとイザベルは思う。
彼女は強い。腫れものに触るような態度は侮辱になる。
「ヒヒヒ、なんだアタシがイカしてるって今更気づいたか?」
「まっ、ウチの生徒は常連多いけどな。
小中高大と一貫のマンモス校だからよォ。
自然と通学路にある店にゃあ詳しくなるのさ」「アタシは高校からだけどよ」
実際、客はまばらと言ったが……その数少ない客に、大学生と思わしき姿がいくつかある。
イザベルも秋映に通うのは今年で6年目だ。他の連中は倍ほど通っている。
それなら、嫌でも周辺地理には詳しくなるものだろう。
そんな話をしながら、適当に二人掛けのテーブル席に座る。
カウンター席も空いていたが、正面から向かい合って話せるテーブル席がふさわしいだろう。
「チッ、先輩風吹かすの失敗しちまったぜ」
お代は自分で払うという穂風に、冗談めかして答えてから。
スッと真面目な顔をして、紺色の鋭い瞳を穂風に向けた。
「…………………んじゃまぁ」
「――――改めて、聞かせてくれや」
「おまえが、今までどうやって暮らしてきたのかよ」
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