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【場】『私立秋映学園』 三学期
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>>849
ニッ
「おう。知りたいって気持ちを止める権利は、誰にだってねェんだ」
「くだらねぇ家の事情なんざ、ぶっ壊しちまおうぜ」
あえて、くだらないと断じよう。
家の繁栄とか、そんなものはくだらない。
穂風の勇気と欲求に比べれば、ずっとずっとくだらないものだ。
カチャ
カチャ
(礼儀もそうだが、やっぱ行儀もいいのな。
教育自体はちゃんとされてたってことなんだろーが……)
ともあれ、イザベルもナポリタンを食べ始める。
穂風とは対照的に、肘をついて食器の音も鳴らして、随分お行儀が悪い。
ア ム
モム
モム
大口で頬張って、口元についたケチャップを親指で拭いつつ。
「そこなんだよなァ。
もしかすると、おまえの家も『外』をよく知らねーから探し方がよくわかってねェのか?」
それはちょっとだけ、有り得そうな話ではある。
幼いころから屋敷の中で暮らしてきた一族が、外界のシステムに精通しているのか? という話だ。
警察に電話して捜索を願う、ぐらいのことは知ってそうでもあるのだが……
「……あるいは、警察には頼れない、とか」
「おまえ、学校行かせてもらってなかったんだろ?
確かそれ、この国じゃ『罪』になるんだぜ。教育は親の『義務』だからな」
罪が露見すれば、閉鎖された一族に司法のメスが入ることになる。
その介入を嫌った、とか。
「とすると、探すなら自分の一族以外の奴を使いっぱしりにしてんのかもなァ。
使用人とか、そもそも外にツテが一切ないとも思えねーし」
司法に頼らず、自らの手駒で連れ戻そうとすれば、効率は随分落ちるだろう。
仮に『家』が穂風を連れ戻そうとしているのなら、今の平穏はそういう事情の上に成り立っているのかもしれない……と、イザベルは考える。
「警察に頼れないのはこっちも同じだけどな。
結局おまえは『家出少女』で、話せば警察はおまえを家に連れ戻そうとするだろーさ。
……暴行とか受けてねーってんならなおさらだ。その方が警察も楽だしよ」
「頼れる弁護士とか知り合いにいりゃあ相談できたかもしれねェけどなァ」
まぁ、無い物ねだりをしてもしょうがない。
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