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【場】『私立秋映学園』 三学期

841葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 22:18:23
>>840

「……は、はい。」

(私、『雨女』……なのかな?)

入店する穂風。
フードを脱ぐ。

      ベチャ

雨から身を守る手段はあったけれど。

          チリン
           チリン

「ええと……お邪魔します。」

     グシ

        グシ 

やや乱れた髪を手で直す。
片側だけ伸びた、薄い紅色の前髪。

  パシ
 
      「あ――、ど、どうも。」

   ぐし!

      ……グシ

          グシ

タオルを受け取って、濡れた顔を拭く。

    パッ

「ぷは……」

……顔からタオルを離す。

       バサ

髪に隠れた左目が垣間見えるが――やはり、異常はない。
右目と同じ、意志を内に秘めた、赤黒の瞳。

「イザベルさん、常連さん、なんですね。
 なんだか、かっこいい……です。」

       ニコ …

注文が手馴れて見えた。
小さく笑みつつ、タオルで服の水気を取る。

「あ、じゃあ、ええと、その……
 ホットケーキ……と。ミルクティーを。」

        「あ……お代は、その、私が。」

穂風は、自分の分は自分で払いたい。
それは、穂風の一種の――自立に対するほこりだった。




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