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【場】『私立秋映学園』 三学期
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>>840
「……は、はい。」
(私、『雨女』……なのかな?)
入店する穂風。
フードを脱ぐ。
ベチャ
雨から身を守る手段はあったけれど。
チリン
チリン
「ええと……お邪魔します。」
グシ
グシ
やや乱れた髪を手で直す。
片側だけ伸びた、薄い紅色の前髪。
パシ
「あ――、ど、どうも。」
ぐし!
……グシ
グシ
タオルを受け取って、濡れた顔を拭く。
パッ
「ぷは……」
……顔からタオルを離す。
バサ
髪に隠れた左目が垣間見えるが――やはり、異常はない。
右目と同じ、意志を内に秘めた、赤黒の瞳。
「イザベルさん、常連さん、なんですね。
なんだか、かっこいい……です。」
ニコ …
注文が手馴れて見えた。
小さく笑みつつ、タオルで服の水気を取る。
「あ、じゃあ、ええと、その……
ホットケーキ……と。ミルクティーを。」
「あ……お代は、その、私が。」
穂風は、自分の分は自分で払いたい。
それは、穂風の一種の――自立に対するほこりだった。
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