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【場】『私立秋映学園』 三学期

834イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 01:21:56
>>833

     「…………そーか」

家出――――家出。
なんて安っぽい言葉なんだろうか。
見たとこ中高生程度の少女が、家出をしたという。
親はいるけど、会いたくないという。
まったく、安っぽいにもほどがある。
言葉にしてしまえば、『反抗期』の一言で済まされてしまいそうなそれ。

だが、しかし。

      「……参ったね、どーも」

――――こいつ、学校に行きたいって言ったんだぜ。
元々どっかの学校に通ってるのなら、『転校したい』ってのが正しいだろ?
……違うんだな。おまえは、親に学校に通わせてもらってなかったんだな。
病弱って訳でもなさそうだ。
虐待されてるってわけでもなさそうだ。
こいつ、昼間っから八百屋でバイトできるんだぜ。
どうやって暮らしてるのか知らないが、こいつは働いて金貰ってるんだぜ。
それで、『自立』しようって言うんだぜ。


        「――――見捨てちゃ、女が廃るわな」


それは少し、勘弁願いたい。
イザベルはニカっと笑い、ドンと自らの胸を叩いた。

    「いいぜ、ホフリ! 手ェ貸してやる!
     ……つってもアタシもそんないい知恵があるってわけでもねーんだが」

ツラいところだが、事実だ。すぐに困った顔になる。
先ほども言ったが、一介の学生には手に余るのだ。
腕を組んで、ウンウンと唸った。

         「とりあえず、戸籍がどーなってっかだなァ。幼稚園とか小学校に行ったことはあんのか?
          つーか親が捜索願い出してるのかどーかもか……出してそうだと思うか?
          親がおまえの事連れ戻したいと思ってそうなら、ちょっと面倒だぜ」




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