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【場】『私立秋映学園』 三学期
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>>529
ヤーコの感情をぶつけられて、それでも彼女は暁利と友だちであろうとして。
暁利はしばらく、ヤーコに顔を向けることが出来なかった。ヤーコの視界に映る彼女の表情は、
いろんなものを混ぜた結果醜い色になったジュースだった。
口を固く結んで、眉を寄せて、涙を流さないように努めて、視線は下へ降ろされていた。
長い睫毛が瞬きの度に跳ねて、化粧を重ねた時のポテンシャルの高さが覗えた。
高校生になったら、暁利もメイクを覚えるだろう。いや、もうある程度はしているかもしれない。
でも、今ここにいる彼女は『素顔』だ。『綺麗に見せる』ことも、『汚いものを隠す』こともしていない。
「……『スタンド』は、前へ進む精神があってこそ、身につくものだって」
俯きながらも、訥々と語り始める。
「だから、わたしだって全力で前に進んでた。それで走りきって、ゴールが見えてた。
でも、その前に大きな落とし穴があって、転がり落ちて心が折れてた」
そして、『嵐ノ宮暁利』は『関東也哉子』の手を掴む。
引き上げられるために。逃げ出さないために。
「『全部受け入れる』……なんて、わたしにはまだできない。
どうやってするのか、教えてほしい」
立ち向かう者 臆病者
顔を上げて、『也哉子の目』を直視する『嵐ノ宮暁利』。
夕暮れを反射しているためか、ブラウンの瞳の上できらりと輝いている太陽。
也哉子でも他の少女でも、彼女とここまで近い『距離』で触れ合った覚えはない。
昨日までの暁利には、暁利の思う『親友』などは存在しなかったから。
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