したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

【場】『私立秋映学園』 三学期

525関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 03:39:06
>>524

「……………………」

ジッと、嵐ノ宮の言葉を聞く。
その内容は、よくわからない。多分、向こうも伝える気はない。
迫る『空き缶』、注がれる視線。
どれも、怖い。酷く怖い。
それでも也哉子は一瞬瞠目すると、静かに目を開いて嵐ノ宮を真っ直ぐ見た。
肩は震えているし、呼吸は荒いけれど。

「……さっきまでは、思ってたよ。
 暁利ちゃんは優しい子で、いい子で、『そういうの』とはなんにも関係ない子だって思ってた」

その震えを隠そうともせず、じっと真っ直ぐ嵐ノ宮を見る。

「ついさっき、違うのかなって思った。
 もしかしたら、『そういうこと』ができる子で、したこともあるのかなって、ちょっと思った」

汗が噴き出す。足が震える。
カタカタと鳴る顎を必死に抑えて、せめて言葉だけは滑らかに紡げるように。

「ごめんね、暁利ちゃん」

今日何度目かも分からない、謝罪の言葉を紡ぐ。

「あたし、押し付けてたね。
 怖いから、殺されたくないから、暁利ちゃんは良い子だって、思い込みたかった。
 暁利ちゃんのこと、何も考えてなかった」

震える足を押さえつけて、すっくと立ち上がる。
 ・ ・ ・
「いいよ」

「凄く怖いし、逃げ出したいけど。
 あたし、暁利ちゃんから逃げたくないから……『いいよ』」




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板