1992年に王子製紙、伊藤忠商事の2社が出資して設立し、その後の96年、富士ゼロックスと富士ゼロックスオフィスサプライ(FXOS)が出資参画したニュージーランド南島インバーカーギル市にある植林会社SPFL社(Southland Plantation Forest Company of New Zealand Limited)からのチップ船積み第一船が出港する運びとなった。
この海外植林プロジェクトは92年に始まり、樹種はユーカリ・ナイテンスで目標面積は1万ha。なおSPFL社は、04年2月にFSC森林認証を取得している。今回の船積みはニュージーランドからの広葉樹チップとしては初めてのFSC認証チップ積み出しとなる。これを記念して3月10日には、現地のインバーカーギル市(同市は埼玉県熊谷市と姉妹都市)で「チップ船積み祝賀会」が開催された。
当日は、日本から政府関係者として齋藤正樹駐ニュージーランド大使をはじめ、株主を代表して王子製紙(鈴木正一郎社長)、伊藤忠商事(小林栄三社長)、富士ゼロックス(有馬利男社長)、FXOS(上西昌男社長)、日本郵船(宮原耕治社長)といった関係企業の代表ほか多数が出席し、同国政府代表者などの出迎えを受け、チップ工場や船内見学、祝賀パーティなどで楽しんだ。チップ船は途中、別の港に寄港するため、日本に到着するのは3月末頃の予定。
SPFL社(資本金2,220万NZ㌦。出資比率は王子:51%、伊藤忠:30%、富士ゼロックス:10%、FXOS:9%)は92年からユーカリの植林を始め、05年3月末時点で9,795haの植林が完了する見込み。すでに04年8月から伐採を開始している。伐採した植林木は伊藤忠商事100%出資の現地木材会社であるSWEL社(South Wood Export Limited)にチップ加工および船積みを委託、FSC認証チップとして全量を王子製紙・日南工場へ出荷する。王子製紙では、この自社植林地からのFSC認証チップを配合して、FXOSが販売するFSC認証コピー・プリンター用紙を製造する予定。なお王子製紙は、2010年までに海外植林木チップの使用比率を30%にまで高めたい意向。