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製紙産業スレッド

836荷主研究者:2017/07/09(日) 11:13:03

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00433973?isReadConfirmed=true
2017/6/30 05:00 日刊工業新聞
セルロースナノファイバー最前線・企業編(10)北越紀州製紙

特殊紙事業に付加価値

耐湿・耐水性が求められる用途を想定したCNF撥水エアロゲル

【捕集性能向上】
 北越紀州製紙は2016年末、セルロースナノファイバー(CNF)をガラス繊維シート(不織布)との複合体およびエアロゲル(多孔体)の2形態でサンプル供給する体制を整えた。エアフィルター濾材に使われるガラス繊維シートは、特殊紙事業の主力製品。ガラス繊維の隙間にCNFをクモの巣状に張り巡らし、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで捕集性能を高めている。

 一方、比表面積が極めて大きくなるCNFエアロゲルは超高性能の断熱材や触媒の担持体、吸着材への利用を想定。CNFの分散媒として水に親水性のアルコールを加え、乾燥時の凝集を防いでスポンジ状のエアロゲルを作製することに成功した。

【CNFの弱点】
 同社のガラス繊維シートは、半導体・液晶製造などのクリーンルーム用高性能エアフィルターにも使われている。これまでにCNFガラス繊維シート複合体を空調設備工事大手を含め、十数社にサンプル供給した。性能評価試験の結果が出始め、「CNFの弱点ともいえる耐湿性を補う撥水処理などの改善要望が寄せられている」(中俣恵一技術開発本部研究所長兼新機能材料開発室長兼環境統括部長)という。

 すでにエアロゲルでは耐湿・耐水性が求められる用途を想定し、シーズとして撥水タイプも開発済み。需要創出の可能性を広げている。

 北越紀州は12年に買収したフランスの特殊紙メーカー、デュマとともに車載用バッテリーセパレーターの世界展開を進めるなど、特殊紙事業を成長分野に位置付ける。軽量・超高強度というCNFの特性を生かした構造材用途の実用化が遅れている実態もあり、当面は「CNFによって特殊紙や板紙などの既存事業で付加価値を高める」(同)ことに重点を置く。

【CNCも供給】
 また、CNFに続いて17年初め、カナダのパルプ製造・販売子会社からパルプを硫酸で化学処理してセルロースの結晶部分だけにしたセルロースナノクリスタル(CNC)の日本向けサンプル供給を始めた。国内で研究開発が進む繊維状のCNFに比べアスペクト比(長さ/幅比)が小さく、取り扱いが容易なのが特長。製造コストはCNFに比べ現状で3分の1程度とされ、結晶体なので乾燥・粉末加工しやすい。主に流動性向上や摩擦抵抗を低減する添加剤としての用途が期待されている。

 「CNFとCNCのどちらが先行するか分からないが、両にらみで用途開発を進める」(岸本晢夫社長)としている。

(金曜日に掲載)

(2017/6/30 05:00)


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