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製紙産業スレッド

624とはずがたり:2014/08/10(日) 09:28:20
>>623-624
 古紙を利用するのは、安価でありまた省資源であるのは間違いない。しかし、古紙を利用するには化石燃料をエネルギー源として使用することを忘れてはならない。古紙の利用が増えれば、それだけ化石燃料の使用も増える。

 一方、化学パルプの生産法では、その過程で出る副産物の可燃性の排液(約50%を占める)を燃焼させてエネルギー源とすることが可能である。すなわち化学パルプ化は化石燃料に頼ることなく、すべてを樹木から作る。そのため、植林と密接にリンクしていると言える。

 肝心なことは、環境問題と省資源、すなわち、化学パルプと古紙とのバランスを考えて使用することなのである。

輸入に依存する中国の製紙産業

 紙製品の生産が、中国をはじめとする新興国で急激に伸び、先進国では減少したことは、前回の記事で述べた。

 紙の原料であるパルプの生産でも、図1のように、木材パルプの生産量が2000年来トータルとして変化がないのは、やはり新興国の増加分と先進国での減少分が、ほぼ一致しているからだ。

 図2は化学パルプの2000年と2012年における変化である。図に示すように、2000年の1位から3位の化学パルプ生産国である米国、カナダ、日本は、2012年までに揃ってその生産量を減少させた。北米市場と日本の紙製品の需要減のためである。

図2
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/paper/img_d32422944020c1e56e8069de845683c575378.jpg

 表2は各国におけるパルプ生産の増減を示しているが、2000年から2012年にかけて、米国、カナダ、日本がそれぞれ500万トン、440万トン、190万トンで計1130万トン減らした。

 一方、ブラジル、ロシア、インドネシア、チリ、中国は、それぞれ67万トン、110万トン、270万トン、240万トン,410万トン、計1700万トン増やしている。

表2
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/paper/img_e36fb80b1a4ec313cb6a12d3c74262f8113274.jpg

 表2に示されるように、中国の化学パルプ生産量は世界一の紙・板紙生産国(1億トン)としては少なく、2012年にはわずか550万トンである。

 一方、ブラジル、インドネシア、チリの輸出量は、2000年に比較して2012年には約990万トン増加している。この間、中国の輸入は1066万トン増加している。従って、3国の輸出増はほぼ中国向けの増加だと推測できる。

 世界一の製紙大国となった中国は、古紙の多くを米国、日本をはじめとする先進国からの輸入に依存している。製紙用化学パルプもまた、ブラジル、チリなどの南米、インドネシアなどに依存しているのである。


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