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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

2385名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:13:05 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2386名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:13:20 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2387名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:15:19 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪梅子・桜子・薫子・撫子

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2388名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:16:36 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪気にしないで〜ただ心に浮かんだまま書き込むだけ〜♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2389名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:20:59 ID:DlC1HIds
      n_n
     (・A・)っ
     (っ ,r   しゅたたた・・・
.      i_ノ┘
       ∧_∧
    ⊂( ・ A ・ )
.     ヽ  ⊂)
     (⌒) |   しゅたたたたたたたたた・・・
        三 `J
     /ヽ     /ヽ
   /  ヽ___/  ヽ
  /           \
  |  ● ヽー/ ●  | 梅! !
  \     ∨    /

2390名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:23:50 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2391名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:24:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2392名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:24:18 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2393名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:25:04 ID:dKvkKUss
梅梅(・´з`・)♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです♪

2394名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:25:12 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪最近の洗濯機は賢すぎて言う事きかないんだよな〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2395名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:25:38 ID:dKvkKUss
梅(・´з`・)♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです♪

2396名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:25:52 ID:dKvkKUss
梅(・´з`・)♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです♪

2397名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:26:07 ID:dKvkKUss
梅(・´з`・)♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです♪

2398名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:26:19 ID:dKvkKUss
梅(・´з`・)♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです♪

2399名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:27:22 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2400名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:27:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2401名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:27:53 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2402名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:28:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノffff

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2403名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:28:35 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪つ・ゆ・が〜くるまえに〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2404名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:28:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2405名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:28:57 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2406名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:29:24 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2407名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:29:55 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪カ〜テンを〜洗いたい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2408名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:30:34 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2409名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:30:49 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2410名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:30:59 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪毛布も〜あ〜るけ〜ど〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2411名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:32:51 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2412名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:33:10 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2413名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:33:15 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2414名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:33:29 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2415名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:34:11 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2416名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:35:28 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2417名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:36:09 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2418名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:36:40 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2419名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:36:50 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪あなたは〜も〜お〜梅たのかしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2420名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:37:21 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2421名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:37:55 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2422名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:37:59 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2423名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:10 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2424名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:20 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2425名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:27 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2426名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:31 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2427名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:38 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪こころに〜ほころんだ〜梅の花で

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2428名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:43 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2429名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:52 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2430名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:38:59 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2431名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:39:14 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2432名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:39:23 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2433名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:39:24 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2434名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:39:39 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2435名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:39:46 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2436名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:39:54 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2437名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:40:08 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2438名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:40:08 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2439名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:40:24 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2440名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:40:31 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2441名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:40:54 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2442名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:40:59 ID:DlC1HIds
∩∩_, ,_ _, ,_∩∩
ミミ(Д´≡`Д)彡 おっぱい!おっぱおっぱ!オッパオッオッ!オッオオー!
 ミ⊃⊃⊂⊂彡
   |   |
   し   J

⊂⌒⊂(; _, ,_)⊃ ハァハァハァ......う、梅!

新スレはhttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1431402899/

2443名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:41:24 ID:dKvkKUss
わたしの梅〜に〜てをだす〜やつ〜(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2444名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:41:27 ID:D8WB8Q.o
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2445名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:41:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2446名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:41:48 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2447名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:42:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2448名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:42:13 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2449名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:42:31 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2450名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:42:39 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪う〜め〜の良き道を〜う〜め〜の良き道を〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2451名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:42:41 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2452名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:44:04 ID:hKMorPRs
梅(*`Д´)ノ♪おいら〜た〜ち〜は進んでゆくの〜さ、う〜め〜のよき道を

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2453名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:46:55 ID:DlC1HIds
              
      ⊂〜个〜っ∩     ∩<ヽ个/>
      (`・ω・´)彡      ミ(´・ω・`)  宇宙にき〜ら〜め〜く〜梅ラルド〜♪
     ⊂l⌒⊂彡         ミ⊃⌒l⊃  梅ラルド〜♪
      (_) )  ☆     ☆  ( (_)
      (((_)☆        ☆(_)))
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2454名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:53:44 ID:hKMorPRs
 ,,,,
(*・o・)梅  梅めめめ〜 梅めめめ〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2455V3:2015/05/15(金) 18:56:39 ID:IfOCJE.A
♪誰かが梅ねばならぬ時♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2456名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:56:51 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2457名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:57:16 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2458名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:57:40 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2459名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:58:05 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2460名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:58:13 ID:DlC1HIds

γ⌒ヽハ,,ハ
("_) (-ェ-,,)zzz


γ⌒ヽハ,,ハ  梅?
("_) (,, ・ェ・) 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2461名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:58:28 ID:bGXZ.qL2
ブイーン
 ∈三三∋   ∈三三∋
   ∫,,,,,,,,,,,,,,∧,,∧ T  
  ⊂ミ;;;;⊂ミ..Θ。Θミっ

ドローン進化…梅、梅、梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2462名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:58:30 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2463V3:2015/05/15(金) 18:58:37 ID:IfOCJE.A
♪梅はそこまで来ている、梅は小鳥に萌えてる♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2464名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:59:06 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2465名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 18:59:43 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2466V3:2015/05/15(金) 18:59:47 ID:IfOCJE.A
♪赤い梅をくぐってやがて現れる♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2467名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:00:11 ID:D8WB8Q.o
 ,,,,
(*・o・)かわいいだけじゃ 梅 かしら

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2468V3:2015/05/15(金) 19:01:04 ID:IfOCJE.A
♪平和を壊す梅は、この手で萌えに変える♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2469名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:01:22 ID:D8WB8Q.o
梅ミミミ
(o。゚д゚)ノ..

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2470V3:2015/05/15(金) 19:01:54 ID:IfOCJE.A
♪それが梅の使命、それが梅の願い♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2471名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:02:35 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

梅梅ミミ
(o。゚д゚)ノ..

2472V3:2015/05/15(金) 19:02:46 ID:IfOCJE.A
♪何故だろう何故だろう、心が萌える♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2473名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:03:08 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

梅梅梅ミ
(o。゚д゚)ノ..

2474名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:03:24 ID:DlC1HIds

         ハニャーン!!    ほれ梅!やれ梅!           
                     〃   ∧_∧ 
        (  ∧∧/) )) ミミミ─と(・∀・* )
       γ`゙゙(*゚ 0゚)         ヽ  (ノ )
       (,,_),,_U,,ノ          (_(__~)

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2475V3:2015/05/15(金) 19:03:30 ID:IfOCJE.A
♪梅尽くせ梅尽くせ、誰かが叫ぶ♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2476名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:04:13 ID:bGXZ.qL2
梅ですよ〜
           (⌒;,ノ;
  ∧_∧   :(' ;ソ.  
  .(^◇^) :(' ;ソ  
  ( つ旦O 〔 ̄ ̄〕
  と_)_)   |_━_| 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2477V3:2015/05/15(金) 19:04:27 ID:IfOCJE.A
♪行くぞライディーン、果てしない梅へ♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2478名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:04:52 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

梅梅梅梅
(o。゚д゚)ノ..

2479V3:2015/05/15(金) 19:05:16 ID:IfOCJE.A
♪ライライ、ラララーイ♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2480名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:05:36 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 う〜うめきょっ
ミ_∞ノ
〝〝

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2481名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:05:53 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

 梅梅梅
(o。゚д゚)ノ..

2482V3:2015/05/15(金) 19:06:12 ID:IfOCJE.A
(収集つかなくなって来たけど、気にしない)

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2483名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:06:46 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

  梅梅
(o。゚д゚)ノ..

2484名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:07:20 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

   梅
(o。゚д゚)ノ..

2485名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:07:42 ID:bGXZ.qL2
゛o‐o
(=・(エ)・)・・梅…梅茶…いかがでしょう
( つ旦O) 
と_)_)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2486名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:08:04 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

   
(o。゚д゚)ノ..                梅

2487名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:12:17 ID:D8WB8Q.o
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

    
(o。゚д゚)ノ..           木毎

2488名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:16:40 ID:D8WB8Q.o
  ,,,,    ,,, ,,,
(*・o・),,,,(。・o・)*・e・)
ミ,(;´¬V¬`)∞ノミ,∽ノ ~~~~~梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2489V3:2015/05/15(金) 19:21:52 ID:IfOCJE.A
クマーさんのリクエストにお答えして!

♪海行かば、水漬く屍♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2490V3:2015/05/15(金) 19:23:05 ID:IfOCJE.A
♪山行かば、草生す屍♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2491V3:2015/05/15(金) 19:24:09 ID:IfOCJE.A
♪大君の、辺にこそ死なめ♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2492V3:2015/05/15(金) 19:24:57 ID:IfOCJE.A
♪かへりみはせじ♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2493V3:2015/05/15(金) 19:25:40 ID:IfOCJE.A
(うう、切ない…!)

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2494V3:2015/05/15(金) 19:27:01 ID:IfOCJE.A
(先人の皆様の死力を尽くした奮闘のお陰で、日本は今でも日本です)

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2495V3:2015/05/15(金) 19:28:10 ID:IfOCJE.A
(有り難うございます!皆様を落胆させぬよう、頑張ります!)

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2496名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:32:09 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2497名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:32:46 ID:D8WB8Q.o
( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2498名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:33:24 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2499名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:33:47 ID:dKvkKUss
よっヒロシ おぅ梅さん(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2500名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:01 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2501名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:12 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2502名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:24 ID:D8WB8Q.o
( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2503名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:25 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2504名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:35 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2505名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:47 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2506名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:34:58 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2507名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:35:04 ID:D8WB8Q.o
( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2508名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:35:13 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2509名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:35:24 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2510名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:35:29 ID:D8WB8Q.o
( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2511名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:35:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2512名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:36:29 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2513名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:36:58 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2514名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:37:26 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2515名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:37:56 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2516名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:38:31 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2517名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:39:15 ID:D8WB8Q.o
     ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

 ※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2518名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:43:32 ID:D8WB8Q.o
 ┌────┐  ____
 │一日 千梅│  |PM7:43|
 └────┘   ̄ ̄ ̄ ̄
┌──┐ ┏━━━━━━━
│__│ ┃ワシハワカイ!ナゼナラ
"~/ |│ ┃………、………
(。ー@д@) ┃/……………、
/つ<∥>|つ/…デアルカラデアル!

2519名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:45:08 ID:D8WB8Q.o
 ┌────┐  ____
 │一日千梅│   梅
 └────┘   ̄ ̄ ̄ ̄
┌──┐ ┏━━━━━━━
│__│ ┃ワシハワカイ!ナゼナラ
"~/ |│ ┃………、………
(。ー@д@) ┃/……………、
/つ<∥>|つ/…デアルカラデアル!

2520名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:46:25 ID:DlC1HIds
   へヘ
  /〃⌒⌒ヽ                             
 〈〈 ノノノハ)))  電撃梅!梅!梅! ビ〜ム♪         
 ∋川 ・∀・)∈                /⌒V⌒ヽ
  (KO-つつ ========ニ二三\UME /
   |\V/|                   \/  
   し' ヽ__)  
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2521名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:52:19 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2522名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:53:14 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2523名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:53:28 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2524名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:53:53 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2525名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:54:06 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2526名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:54:18 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2527名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:54:30 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2528名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:54:51 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2529名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:55:03 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2530名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:56:18 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2531名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:56:32 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2532名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:56:45 ID:HYU5VoCE
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2533名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:56:58 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2534名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:57:10 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2535名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:57:31 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2536名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:57:44 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2537名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:57:57 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2538名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:58:08 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2539名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:58:19 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2540名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:58:30 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2541名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:58:42 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2542名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:58:53 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2543名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:59:04 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2544名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 19:59:15 ID:D8WB8Q.o
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ..梅


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2545名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:00:50 ID:D8WB8Q.o
 梅
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2546名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:01:03 ID:D8WB8Q.o
 梅
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2547名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:01:20 ID:D8WB8Q.o
  梅
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2548名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:01:27 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 う〜うめきょっ
ミ_∞ノ
〝〝
「おまはん、六月から兎一郎と組みぃ」
三浦しをん・仏果を得ず


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2549名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:01:35 ID:D8WB8Q.o
 梅
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2550名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:04:35 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 う〜うめきょっ
ミ_∞ノ
〝〝
「きみは神経衰弱だから。焼魚の背骨を除きながら教授は言った」
万城目学ぶ・鹿男あをによし

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2551名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:09:46 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 う〜うめきょっ
ミ_∞ノ
〝〝
「もみじの古木の幹に、すみれの花がひらいたのを千恵子は見つけた」
川端康成・古都


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2552名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:18:55 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 う〜うめきょっ
ミ_∞ノ
〝〝
「わ、わっちは賢狼ホロじゃぞっ」
支倉凍砂・狼と香辛料


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2553名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:21:28 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 
ミ_∞ノ
〝〝
「武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である」
新渡戸稲造・武士道



※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2554V3:2015/05/15(金) 20:29:27 ID:IfOCJE.A
クマーさんの提案で、百人一首♪

♪夜をこめて 鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関は ゆるさじ♪
清少納言

梅(*`Д´)ノ♪

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2555V3:2015/05/15(金) 20:32:53 ID:IfOCJE.A
♪もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし♪
前大僧正行尊

梅(*`Д´)ノ♪

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2556V3:2015/05/15(金) 20:37:16 ID:IfOCJE.A
百人一首ではないけど、西行

♪なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる♪
(伊勢神宮参拝時の歌)

梅(*`Д´)ノ♪

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2557名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:39:50 ID:D8WB8Q.o
では、歴代首相(暫定は除く)スタート
1、伊藤博文


(。ー@д@)ノ...梅

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2558名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:41:16 ID:D8WB8Q.o
2、黒田清隆


(。ー@д@)ノ...梅

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2559V3:2015/05/15(金) 20:41:30 ID:IfOCJE.A
再び百人一首

♪人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける♪
紀貫之

梅(*`Д´)ノ♪

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2560名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:42:04 ID:D8WB8Q.o
3、山県有朋


(。ー@д@)ノ...梅

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2561名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:42:54 ID:D8WB8Q.o
4、松方正義


(。ー@д@)ノ...梅

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2562名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:43:41 ID:D8WB8Q.o
5、松方正義


(。ー@д@)ノ...梅

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2563名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 20:45:32 ID:D8WB8Q.o
休憩

( ゚д゚)ノ...梅

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2564V3:2015/05/15(金) 20:45:35 ID:IfOCJE.A
♪逢ひ見ての のちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり♪
権中納言敦忠

梅(*`Д´)ノ♪

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2565V3:2015/05/15(金) 20:49:16 ID:IfOCJE.A
♪世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる♪
皇太后宮大夫俊成

梅(*`Д´)ノ♪

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2566V3:2015/05/15(金) 20:50:23 ID:IfOCJE.A
私も休憩w

梅(o。゚д゚)ノ♫

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2567V3:2015/05/15(金) 20:51:37 ID:IfOCJE.A
(松方弘樹と空目したことは内緒w)

梅(*`Д´)ノ♪

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2568名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 21:08:01 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 
ミ_∞ノ
〝〝
「あの人のことを本当に書けるだろうか。あの人・・・私が長いこと
師と呼んでいたあの円位上人、西行のことを」
辻邦生・西行花伝

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2569名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 21:15:18 ID:hKMorPRs
ヾヾヽ〟
(,,・∀・) 梅 
ミ_∞ノ
〝〝
「上り坂ってのは、どうしてこうも神経をすり減らすものなのかね」
万城目学・悟浄出立

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2570名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 21:47:50 ID:DlC1HIds
    _,,,
     _/::o・ァ
   ∈ミ;;;ノ,ノ
     ヽヽ

      _,,,
     _/:・e・:) チラ 梅!
   ∈ミ;;;ノ,ノ
     ヽヽ

2571V3:2015/05/15(金) 21:52:17 ID:IfOCJE.A
「ざまあ見ろ!さんざんひとをガキだ、エサだ、人肉だとコケにしてくれやがった人肉肉屋のヤン・ガイのぶっとい首をこのシャオロン様がかっ切ってやった!ざまあ見ろ、もう黒鬼団はおしまいだ!赤衣党もぶっとんだ。もう、北ホータンのならず者どもはおしまいだぞォ!」
グイン・サーガ外伝15 『ホータン最後の戦い』

ホータン編、初期のようなファンタジー色が強くて大好き♪

梅(*`Д´)ノ♪

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2572V3:2015/05/15(金) 22:00:00 ID:IfOCJE.A
「みんな、それに、あんたがいなけりゃもっとずっと小さいころにもっとずっと苦しみながらきゃつらに殺されていたんだ。ただの人肉として、なぶりものにされ、殺されて食われて、肉を売られていただろう。だからやつらはあんたに命を捧げることができて、自分がなぜ生まれてきたのか知ることができたと喜んであんたのために死んだんだ。心配するな、リー。必要ならもっともっと大勢若い衆を集めてくる。あんたのまわりには何人だって、何百人だって集まってくるよ、リー ーーそしてもっとでかい砦が築ける。そしてあんたはいつか俺たちみんなを救ってくれるだろう。俺は一生あんたについてゆくよ、リー・リン・レン」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2573V3:2015/05/15(金) 22:02:34 ID:IfOCJE.A
「出ていきたいやつらはみんな行ってしまった。こうして生き残ってるあたしたちは、みんなあんたの民だわ、リー。あたしたちを、あんたの王国に連れていって頂戴。あたしたちは、あんたの命令しかきかないよ」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2574V3:2015/05/15(金) 22:07:05 ID:IfOCJE.A
「有り難う。みんな。本当に有り難う。ーーこんな何も出来ない、こんなからだのぼくにそんなにまで思いをかけてくれて……きっと、ぼくは君たちにむくいる。ーーぼくのために死んでくれた大勢の子供たち、女戦士たちのことは一人として忘れない。かれらの貴い犠牲の上に、ぼくはきっと、誰もこんなふうに命をおとしたり、悪党どもの食い物になどされないですむ平和な王国を築く……」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2575V3:2015/05/15(金) 22:11:20 ID:IfOCJE.A
「お前はなるだろう。リー・リン・レン。お前はそのたたかいに勝利すれば、キタイに新しい、まことの王朝のいしずえをきりひらくだろう。お前にはそれだけの力がひそんでいる」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2576V3:2015/05/15(金) 22:13:25 ID:IfOCJE.A
「ぼくは、いつも、『グインならどうするだろう』と考えて行動しますよ。それがぼくにとっては、いちばんいい師匠になってくれるだろうと思う」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2577V3:2015/05/15(金) 22:21:11 ID:IfOCJE.A
「グインはケイロニアの人だ。ーーケイロニアの人は、ケイロニアの皇女を助けて、そしてケイロニアに帰ってゆくのが一番正しいんだよ。望星教団があやしいとはいえ、かれらはキタイの人間だ。だからぼくは、望星教団とは、いずれもしかして利害が対立するかしれなくても、いまは身をゆだねてみようと思ったんだ。ーーいまのぼくはそうして望星教団に守ってもらわなくては何もできないほど無力だから。だが、グインを頼ってしまったら、ぼくはーーおのれの国を守るために外国に頼るばかな君主のまねをごくごく小さな規模ですることになってしまうんだよ。グインはぼくちのために充分すぎるほどの助力をくれた。ぼくたちも少ないながらグインに返すべき助力と感謝をかえした。それでいいんだよ、シャオロン」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2578V3:2015/05/15(金) 22:23:47 ID:IfOCJE.A
「まことに、正しい考えだと思うぞ。じっさい、見上げたものだ。シャオロンがかつて、お前の魂は、二十歳でももう二百歳になっているといっていたことがある。俺もそう思う。お前こそ、キタイの民が安心してキタイをあずけられる希望の星だ」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2579V3:2015/05/15(金) 22:28:07 ID:IfOCJE.A
「本当はあなたにいてほしい。でもあなたがいたら何もかも頼ってしまいそうな自分が怖いんです。ぼくは自分を甘やかさないようにしなくては。そうでなくても、足の不自由な分、ぼくはしょっちゅうひとに迷惑をかけている。何を世界に返せるだろう、それがずっとぼくにとって最大の目的だったのですから。ーーあなたはぼくにとってはかりしれないほどの多くのものを教えてくれた。いずれまた会うときには、ぼくが少しでもあなたに近づいていたらいいと思いますよ、グイン」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2580名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:28:42 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2581名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:28:53 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2582名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:29:05 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2583名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:29:16 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2584名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:29:29 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2585名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:29:41 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2586名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:29:51 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2587名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:30:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2588名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:30:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2589名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:30:40 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2590名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:30:50 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2591名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:31:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2592名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:32:50 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2593名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:33:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2594名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:33:11 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2595名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:33:28 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2596名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:33:44 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2597名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:34:00 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2598V3:2015/05/15(金) 22:34:16 ID:IfOCJE.A
「兄ちゃんだよ、兄ちゃんだよ!生きててくれたのか!やっぱり、生きてたのか!ああ、ユー・メイ、かわいいユー・メイ、兄ちゃんだよ、シャオロンの兄ちゃんだよ……覚えてないのか。無理もない……お前がさらわれたのは、たった一つのときだったもの……でも、ふたりっきりで、親に死なれて、兄ちゃんがずっとお前を育ててたんだよ……盗賊に連れ去られて、もう肉にされちまったかと思いながら……いつか会えるかもしれないともずっと思ってた……兄ちゃんだよ。ああ、ユー・メイ、兄ちゃんだよ!苦労かけたな。ああ、生きててくれた……生きててくれたんだ……よかった……よかった、ユー・メイ……」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2599名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:34:19 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2600名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:34:42 ID:dKvkKUss
米(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2601名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:34:58 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2602名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:35:10 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2603名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:35:26 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2604名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:35:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2605名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:35:55 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2606名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:36:06 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2607名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:36:46 ID:dKvkKUss
豆(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2608名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:36:56 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2609V3:2015/05/15(金) 22:37:03 ID:IfOCJE.A
「シャオロンには何よりのはなむけになりました。……あなたはまるでーーあなたはまるで、これから苦難のたたかいに出発する若いぼくらを力づけに天の道神がよこしてくれた天使みたいだ」
「馬鹿な。豹頭の天使などあるものか」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2610名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:37:06 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2611名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:37:20 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2612名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:37:40 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレ梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです の中身は、1〜2097レスまでです

2613名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:37:51 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2614名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:38:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2615名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:38:11 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2616名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:38:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2617名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:38:35 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2618名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:38:51 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2619名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:39:06 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2620名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:41:26 ID:dKvkKUss
ンメェェェ"(-""-)"ノ♪

※小説スレの中身kは、1〜2097レスまでです

2621V3:2015/05/15(金) 22:41:55 ID:IfOCJE.A
「有難う、グイン。あんたは俺に妹をーーユー・メイに兄と保護者をかえしてくれた。青鱶団のシャオロンの忠誠は永遠にリー・リン・レンのものだが、シャオロンのその次の愛情と感謝はあんたのものだよ、グイン」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2622名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:42:12 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2623名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:42:26 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2624名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:42:42 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2625名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:42:54 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2626名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:43:11 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2627名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:43:26 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2628名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:43:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2629名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:43:50 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2630名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:44:04 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2631名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:44:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2632名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:44:42 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2633名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:45:48 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2634名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:46:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2635名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:46:17 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2636名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:46:29 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2637V3:2015/05/15(金) 22:46:59 ID:IfOCJE.A
「さようなら、グイン。ーーマリウス、そして病人にもよろしく」
「有難う、リー・リン・レン。もう、いいから戻ってくれ。ーーシャオロン、妹を、大事に育ててやってくれ。あれははしっこい、いい子だぞ」
「有難う、さよならグイン。ーー今度会えたら、気がむいたら、俺と……一回しようね」
「き、気がむいたらな。では、俺たちはもう出かける。元気でな。ーー幸運を祈っているぞ」
グイン・サーガ外伝『ホータン最後の戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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2638名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:50:28 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2639名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:50:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2640名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:50:48 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2641名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:51:00 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2642名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:51:17 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2643名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:51:32 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2644名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:51:49 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2645名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:52:14 ID:dKvkKUss
鮫(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2646名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:52:28 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2647名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:52:45 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2648名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:53:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2649名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:53:15 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2650名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:53:30 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2651名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:53:40 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2652名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:53:54 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2653名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:54:06 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2654名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:54:20 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2655名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:54:31 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2656名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:54:43 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2657名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:54:58 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2658名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:55:11 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2659名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:55:22 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2660名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:55:35 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2661名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:55:46 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2662名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:55:57 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2663名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:56:27 ID:dKvkKUss
亀(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2664名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:56:42 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2665名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:56:52 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2666名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:57:09 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2667名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:57:20 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2668名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:57:35 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2669名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:57:46 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2670名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:57:57 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2671名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:58:19 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2672名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:58:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2673名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:58:49 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2674名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:59:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2675名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:59:17 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2676名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:59:27 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2677名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 22:59:43 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2678名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:03:29 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2679名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:03:53 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2680名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:04:05 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2681名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:04:15 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2682名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:04:27 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2683名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:04:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2684名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:04:47 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2685名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:05:05 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2686名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:05:17 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2687名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:05:28 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2688名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:05:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2689名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:05:58 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2690名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:06:14 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2691名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:06:25 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2692名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:06:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2693名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:06:53 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2694名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:09:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2695名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:09:48 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2696名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:10:10 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2697名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:10:22 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2698名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:10:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2699名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:10:50 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2700名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:11:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2701名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:14:43 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2702名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:14:58 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2703名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:15:18 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2704名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:15:30 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2705名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:16:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2706名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:16:14 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

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2707名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:16:44 ID:dKvkKUss
飴(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2708名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:16:54 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2709名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:17:07 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2710名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:17:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2711名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:17:38 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2712名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:17:52 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2713名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:18:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2714名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:18:18 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2715名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:18:48 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2716名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:21:35 ID:dKvkKUss
日出処天子(*`Д´)ノ♪ 漫画シリーズ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2717名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:21:47 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2718名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:22:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2719名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:22:16 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2720名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:22:30 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2721名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:22:45 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2722名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:23:03 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2723名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:23:22 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2724名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:23:54 ID:dKvkKUss
天上の虹(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2725名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:24:05 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2726名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:24:16 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2727名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:24:27 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2728名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:24:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2729名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:24:48 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2730名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:25:03 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2731名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:25:18 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2732名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:25:34 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2733名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:26:12 ID:dKvkKUss
あさきゆめみし(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2734名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:26:26 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2735名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:26:47 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2736名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:27:04 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2737名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:27:19 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2738名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:27:31 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2739名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:27:47 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2740名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:27:57 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2741名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:28:39 ID:dKvkKUss
はいからさんが通る(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2742名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:28:53 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2743名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:29:09 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2744名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:29:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2745名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:29:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2746名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:29:46 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2747名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:30:12 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2748V3:2015/05/15(金) 23:30:19 ID:IfOCJE.A
「彼は人間よ。彼は豹の皮をかぶせられているだけよ。見て、彼はそれをとってほしいのよ」
「リンダ、かまわないほうがいいーー」
「まあ、おまえは忘恩の上に臆病者になるつもり?」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2749名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:32:34 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2750名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:32:46 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2751名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:32:56 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2752名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:33:06 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2753名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:33:22 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2754名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:33:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2755名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:37:07 ID:dKvkKUss
オルフェウスの窓(*`Д´)ノ♪ 私も以前読みました。ユスーポフ将軍萌え〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2756名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:37:19 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2757名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:37:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2758名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:37:51 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2759名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:38:08 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2760名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:38:18 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2761名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:38:32 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2762名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:38:54 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2763名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:39:29 ID:dKvkKUss
君の手がささやいている(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2764名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:39:42 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2765名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:39:57 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2766名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:40:12 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2767名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:40:28 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2768名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:40:45 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2769名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:40:46 ID:DlC1HIds
ザ♪ ヒ〜〜ルゥ ア アラ〜〜イヴ♪
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2770名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:41:01 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2771名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:42:11 ID:dKvkKUss
地球へ・・・(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2772名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:42:32 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2773名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:42:36 ID:DlC1HIds
ウィズ サウンド オブ ウ〜〜〜メェェェ♪
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2774名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:42:50 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2775名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:43:06 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2776名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:43:21 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2777名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:43:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2778名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:43:46 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2779名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:44:04 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2780名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:44:14 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2781名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:44:45 ID:dKvkKUss
白鳥麗子でございます(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2782名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:44:59 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2783名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:45:10 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2784名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:45:30 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2785名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:45:49 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2786名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:46:02 ID:Pv4lCXVU
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2787名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:46:13 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2788名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:46:28 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2789名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:47:39 ID:DlC1HIds
レッツ スタート アト ザ ベリ ビ〜〜ギニング♪
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2790名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:47:49 ID:dKvkKUss
北斗の拳(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2791名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:47:59 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2792名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:48:13 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2793名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:48:23 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2794名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:48:33 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2795名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:48:43 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2796名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:48:59 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2797V3:2015/05/15(金) 23:49:09 ID:IfOCJE.A
「俺は何者だーーグイン?それが俺の名なのか?俺は誰と戦い、なぜこの森の中にいる?なぜこんなーーこんなものをかぶせられ、どんな呪いでとることさえできないのだろうーー俺の本当の顔がいったいどんなものなのか、俺はこうしていて、思い出すことさえできずにいる。俺は追われていたのか、それとも罪と処刑から逃れてきたのかーーどこで生まれ、誰に剣技を習い、どのような生活をしてきたかさえ、俺は思い出すことができない。それに、アウラーーアウラ?グイン、という俺の名であるらしい親しみ深いひびきと並んで、そのことばがさっきから、しきりに俺の頭の中で鳴りつづけている。アウラーーアウラ?それは、いったい何のーーそれとも誰の名なのだろう。何を意味しているのだろう。俺の港ーー或いは俺の屋根、俺の鎧、俺の主君ーーそれらはどこにあるのだ?どこにいったら俺は安らかに友人の腕の中で眠ることができ、どこに行ったらお尋ね者として指さされ、生命を狙われることになるのだろう。俺にはわからんーー」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2798名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:50:10 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2799名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:50:11 ID:DlC1HIds
ア ベリグッド プレイス ツースタート♪
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2800名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:50:21 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2801名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:50:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2802名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:50:52 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2803名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:51:02 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2804名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:51:21 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2805名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:51:36 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2806名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:51:53 ID:dKvkKUss
有閑倶楽部

2807V3:2015/05/15(金) 23:52:04 ID:IfOCJE.A
「そのうちにきっと何もかも思い出すし、その仮面もとることができるわ。わたしもその手助けになってあげる。だから、行きましょう。ここはもういてはいけないところだわ。明日の朝になれば、すべてはよくなっているわ……」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2808名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:52:12 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2809名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:52:30 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2810名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:52:51 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2811名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:53:08 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2812名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:53:18 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2813名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:53:37 ID:DlC1HIds
ウェン ユ リージュウ ビギン ウィズ
A-B-梅!梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2814名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:53:37 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2815名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:54:20 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2816名無しさん@ベンツ君:2015/05/15(金) 23:54:30 ID:dKvkKUss
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2817V3:2015/05/15(金) 23:55:16 ID:IfOCJE.A
「戦え、そうして希望しろ。お前たちはパロの聖王家の血筋なのだろう!」
「ああ、手がしびれるわ。もうしがみついていられない!」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2818名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:00:44 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2819名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:00:54 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2820名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:01:20 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2821名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:01:30 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2822名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:01:44 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2823名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:01:59 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2824名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:02:16 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2825名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:02:36 ID:sMGZCw8E
スラムダンク(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2826名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:02:51 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2827名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:03:06 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2828名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:03:23 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2829名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:03:42 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2830名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:03:53 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2831名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:04:05 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2832名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:04:15 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2833名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:04:31 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2834名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:04:48 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2835名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:04:59 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2836名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:05:19 ID:sMGZCw8E
花より男子

2837名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:05:31 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2838名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:05:42 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2839名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:05:56 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2840V3:2015/05/16(土) 00:06:04 ID:wAu9GGWA
「おれは四つのときからひとりで戦場稼ぎをして生きのびてきたし、十ニのときにはもう大人の鎧をくすねて一人前の傭兵だった。だから云うのだがおれの、生きのびるための直感は超能力といっていいほど鋭いのだ。人は、それで、おれのことを魔戦士などともいう。どんな戦場でも、どこにどんな危険がひそんでいるかかぎあててしまうからだ。そのおれが云うのだからまちがいはない。この城には悪魔がとっついている。災厄の黒雲がこの城をおおいかくしている。その瘴気はあの包帯だらけの城主にあるのかもしれないし、あれはただその災厄の一部にしかすぎないのかもしれん。だが、グイン、いいかーーいずれにせよこの砦は何かに呪われているぞ。傭兵部屋でこっそり囁かれていた話だがな、近習たちでさえ決して近付こうとしないあの黒い塔の中で、いったい何がおこっているのか、誰も知らぬそうだ。しかしたしかに何かがおこっている。その何かとはーーチェッ、たいして知りたいとも思わんがね!」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2841名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:06:12 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2842名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:06:29 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2843名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:06:43 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2844名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:09:58 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2845名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:10:30 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2846名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:10:54 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2847名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:11:27 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2848名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:11:50 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2849名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:12:15 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2850名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:12:39 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2851名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:13:22 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2852名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:13:44 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2853名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:13:47 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2854名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:14:02 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2855名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:14:12 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2856名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:14:14 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2857名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:14:29 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2858名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:14:43 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2859名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:14:44 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2860名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:15:55 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2861名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:16:18 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2862名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:16:38 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2863名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:17:22 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2864名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:18:09 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2865名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:18:34 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2866名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:18:45 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2867名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:18:55 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2868名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:19:11 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2869名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:19:33 ID:sMGZCw8E
のだめカンタービレ(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2870名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:19:43 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2871名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:19:59 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2872名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:20:13 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2873名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:20:25 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2874V3:2015/05/16(土) 00:20:32 ID:wAu9GGWA
「リンダを、悪魔の薬にするために生血を絞ったりさせないよ!」

「ならなおのこと急がねばならんというわけだ、そうだろう。実はおれ自身も少々焦っている。それで遠からずセム族がかれらの同胞を取り返しにか、復讐にか、いずれにしてもこの砦を大挙して襲って来るだろうと踏んだのでな、おれはあの化け物に喧嘩をふっかけ、怒らせて、トーラスの都へ送り返されようともくろんだのだーーおれはヴァーノン伯爵の領地からの徴兵でなくて、モンゴール軍の傭兵なのだから、おれを罰するのはトーラスのグドウ将軍の筈だからな。ところがほんの少しおれはやりすぎてしまった。あるいははじめから化物には軍律に従う気持ちがなかった。都へ、次の連絡隊と共に送り返すかわりに彼奴は、ただちにおれの処刑を宣告しここにぶちこみやがったのだ。おそらく奴は処刑にことよせておれの血を絞ろうと思ってるのかもしれん。ーーむろん、おれは、そんなことぐらいでは参りはしなかったがね。おれは《魔戦士》イシュトヴァーン、生まれてきたとき、掌に玉石を握っていたので、土地の老予言者は、この子はいずれ掌の上に王国をのせて支配することになろうと予言したのだ。おれは自分の運命を信じている。おれはいまのところまだ、一介の若い傭兵にすぎぬし、おれはいずれ天下をとるのだ。とすれば、天下をとっておらぬおれがここで傭兵のまま、いやな化物なんかに血を吸い殺されるわけはないからな。というわけで、どうせおれは今夜かあすの夜明けには牢を破ろうと思っていた。だが、お前たちはーー」
「われわれにも、どうやら、ここで死ぬわけにはいかぬ理由がありそうだ」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2875名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:20:36 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2876名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:20:52 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2877名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:21:07 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2878名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:21:35 ID:sMGZCw8E
エースをねらえ(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2879名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:21:47 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2880名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:22:07 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2881名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:22:17 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2882名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:22:31 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2883名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:22:46 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2884名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:23:05 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2885名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:23:33 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2886名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:24:06 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2887名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:24:50 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2888名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:25:54 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2889名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:26:23 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2890名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:28:06 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2891名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:28:46 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2892名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:29:00 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2893名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:29:11 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2894名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:29:24 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2895名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:29:34 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2896名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:29:46 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2897名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:30:15 ID:sMGZCw8E
ベルサイユのばら(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2898名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:30:26 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2899名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:30:36 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2900名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:30:52 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2901名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:31:05 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2902名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:31:15 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2903名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:31:31 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2904名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:31:46 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2905名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:31:56 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2906名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:32:11 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2907名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:32:27 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2908名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:32:37 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2909名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:32:48 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2910名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:33:00 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2911名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:33:31 ID:sMGZCw8E
ドラえもん(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2912名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:33:43 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2913名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:33:55 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2914名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:34:05 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2915名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:34:15 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2916名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:34:26 ID:sMGZCw8E
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2917名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:37:05 ID:sMGZCw8E
〆(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2918名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 00:42:42 ID:ncmosqjk

梅すぎて ワシのパソコン 力尽く
つたう涙や 唖然茫然( ゚д゚)ノ...梅

2919V3:2015/05/16(土) 00:49:50 ID:wAu9GGWA
「双面神ヤヌスの老人の知恵と青年の生命の顔にかけて!おれが壁ごしに喋っていたのは何という化物なんだ?」
「運命の神ヤーンの三巻き半の尻尾にかけて!お前はいったい何なんだ、半獣神シレノスか、それとも生まれもつかぬ辺境の妖魅どもか?おれはあわや魔物を道連れに背負いこんじまうところだったのか?おれはあのいとわしい《不具者の都》キャナリスにも傭兵として行ったが、そこでだっておまえのようなしろものを見たためしはないぞ」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2920V3:2015/05/16(土) 00:57:48 ID:wAu9GGWA
「かれらはノスフェラスの蛮族よ。かれらは捕虜をかれらの神にそなえ、拷問し、食べてしまうんだときいたわ。かれらが扉を破ったら、その剣でわたしとレムスを刺してちょうだい。スニが望むならスニも」
「リンダ……」
「あの呪われた黒伯爵が云ったとおり、お前は生まれながらの女王の誇りをもっているな、リンダ。だがまだ早い。さいごのさいごまで追いつめられているわけではない。これでもう百の中のさいごのひとつまでも望みが絶えた、というそのときまではーーいや、たとえそうであろうとも、息絶えるその瞬間までは希望しろ、そして、戦え。それが本当の誇りというものだ」
グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2921V3:2015/05/16(土) 01:09:19 ID:wAu9GGWA
「これではきりがない」
唸るように云って、
「おい、子供たち、それにスニーーこうしていても死を待つばかりだ。俺は行くが、ついて来るか」
「どーーどこへ?この追いつめられた塔からいったいどこへ行けるというの?」
「あそこへだ」
グインは指さした。
ケス側の深くたゆたう神秘な流れ。
子供たちは息をのんだ。
「ここからあそこへとびこめば死ぬかもしれん。それにまもなく日がくれる。辺境の暗黒の河で夜を迎えることになる。もしかしたら意識を失って。だがここにいれば確実に死だ」
「わかったわ」
答えたのはリンダだった。
「行くわ。つれてって」
「ぼーーぼくも」
「よし」
グインは短く云い、ベルトをとると三人の子供たちを彼の腰に背負うようにくくりつけた。そのときにはもう、下から上って来ようとするセム族の数は、グインひとりでは抗しきれぬまでになっていた。
「目をつぶり、頭をかばってしっかりと俺にしがみついていろ」
グインは云った。そして彼は巨大な豹頭の鳥のように飛んだ。自由とーー
そして運命とに向かって。

グイン・サーガ第一巻『豹頭の仮面』

梅(*`Д´)ノ♪

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2922名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 09:15:34 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2923名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 09:36:05 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2924名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 09:36:34 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2925名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 10:15:09 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2926名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 10:22:44 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2927名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 10:23:18 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2928名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 10:25:13 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2929名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 10:25:48 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2930名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 10:28:18 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2931名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 11:18:38 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2932名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 11:19:15 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2933V3:2015/05/16(土) 13:34:13 ID:wAu9GGWA
「こいつは例のガキでーーこっちは女の子だな。ーーふう!青白いイリスにかけて、あと十年もすりゃあ国々はこの娘をめぐって戦争をおっぱじめるだろうよ。どう見てもただのそこらの子どもなわけがない。いや、待てよ、《紅の傭兵》よ、ちょいとよく思案するんだぞ!」
ヴァラキアふうにあぐらをかいて座りこんだ彼は飽くことなくリンダの気を失った美しい顔をのぞきこみながら、ぶつぶついっていたが、ふいにぴくっとはねおきた。

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2934V3:2015/05/16(土) 13:35:41 ID:wAu9GGWA
「たしかにそうだ、女の子。こいつが豹あたまの化け物にされてしまったというのは、たしかに何もこいつのせいでない、だからこいつが一日も早く自分の素性のカギを握ってるらしい『アウラ』とかいうことばの謎をときたがるのも、実に当たりまえなことさ。おれだってそうしたに決まってる。にもかかわらず、世の中には、摂理ってやつがあって、そいつがおれを落ちつかなくさせるのさ。おれは《魔戦士》イシュトヴァーン、紅の傭兵だ。それなのに、おれやお前にはどうすることもできぬ巨大な何かがあって、そいつにこのおれが操られている、なんて考えたらーーこれは、苛立ちもしようってもんじゃないか。たとえばーーおい、女の子、お前はきいたことがあるか?《光の公女》のことを?」
リンダは考えた。そのことばは、妙にききおぼえのあるような印象を与えたのだ。しかし、レムスと顔を見あわせた上で、リンダは首をふった。

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2935V3:2015/05/16(土) 13:37:11 ID:wAu9GGWA

「なあ、女の子ーーおまえ、ケイロニアにいってどうしようというあてはあるのか。おまえたちのふた親はどうしたんだ?おまえ、この辺の開拓民のむすめなんかではあるまいが」

「そうして光のあたる場所に立っていると、プラチナ・ブロンドの髪に日の光があたってまるで銀製の人形のようだぞ。どうだ、もしかして《光の公女》ってのは、おまえのことじゃないのか。おまえ、どこの何という家の娘だ?」

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

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2936V3:2015/05/16(土) 13:38:36 ID:wAu9GGWA
ひとことでいってそれはまだわずかに未完成の、だがたぐいまれな成就へむかってあけぼののように確実にさしそめてゆく《美》の肖像に違いなかった。それも青白くたおやかなイリスの女神の美ではない。常に甲冑をつけ、ツタをからませた槍を手にした姿として描き出されるイラナ、軍神にして太陽の神のルアーの最愛の妻にしてその右で戦う者であるイラナの再来ともみえて、白い装具に身をつつんで立ったその長身は、見るものすべてに飽くことない感嘆と嘆賞とを強いた。
「用意がととのいました、アムネリス様」

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』

梅(*`Д´)ノ♪

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2937V3:2015/05/16(土) 13:39:58 ID:wAu9GGWA
「ーー静かすぎるな」
口をつぐんでいるということができぬたちらしい《紅の傭兵》が、ヴァシャ果をかみながらぶつぶつ云った。
「なんだというの、今度は?」
リンダが苛々した返事をする。リンダはイシュトヴァーンには、たえず苛立たされ、憤慨したり当惑しながらも、妙にこの図々しくて押しの強い不敵なヴァラキア人に、気になるものを感じてしまうようだ。

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

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2938V3:2015/05/16(土) 13:41:32 ID:wAu9GGWA
「公女!ならばせめて、子供たちに水と食物をーー今にも倒れそうだ」
グインが声を大きくした。
だがそのとき、グインは腕にかかる冷たい小さな手を感じてふりむいた。黄色い目が、ゆっくりと細められる。
「パロの女王にして予言者なるリンダ、わたしからも云います。そのとりなしは無用だわ」

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

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2939V3:2015/05/16(土) 13:42:58 ID:wAu9GGWA
リンダは、もう目の前の絢爛たる公女に対して、どのような負い目さえも抱いてはいなかった。その背は、極度の疲労にもかかわらず、ぴんとまっすぐにのび、その頭は誇り高くもたげられて、正面からアムネリスを見すえた。
怒りとーーそして不屈の王家の誇り、貴い身へのほとばしるような自尊とが、わずか十四歳のパロの小女王の血管に、彼女が生来秘めているおどろくべき炎を注ぎ込んだのである。リンダのくちびるはかみしめられ、その目は星のように輝き出していた。
頬にあざやかな血の色がさし、与えられた屈辱に決して汚されることのない、気高い微笑さえも、そのくいしばったくちびるに浮かんで来た。
(そうよ!私はパロの王女、聖王アルドロス三世の唯一人の姫にして《予言者》リンダ、クリスタル・パレスの宝石のかたわれ。モンゴールなど血筋でいうなら、古く誇りたかいパロ王家の、陪臣のそのまた末裔の僭上者にすぎないではないか。しっかりおし、王女リンダ、頭を高くあげるのよーーお前こそ正当な、パロの象徴なのよ!)

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2940V3:2015/05/16(土) 13:44:41 ID:wAu9GGWA

リンダから、気おくれもひけめも、そして敗者の屈辱感さえも、あとかたもなく消え去った。あるのはただ、何者も消しとめることの出来まじい、凛烈の炎とそして面もむけられぬ瞋恚だけ。
ーー自分では気づきさえしていなかったけれども、リンダは最初にうしろから小突かれて天幕によろめき入ってきた、みじめな子どもとは、まるで別人になっていた。痩せっぽちの、もしアムネリスがまばゆい太陽だとするならばちょうど月のように青白くきゃしゃな、未熟な容姿さえもが、はっと人目をひきつける銀と白の魅力を輝き出させ、人びとは、グインでさえも、彼女に目を奪われて見守った。

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』



アムネリスは敏感にそのあいての変化をうけとめた。緑の目がきびしく、氷よりも冷たくなり、唇がひきしまり、峻烈な女王の怒りがぴりぴりとあたりにはりつめる。それはあえて女王なる自分に対抗しようという不遜なあいてに対する、不信と苛立ちと、そして苛烈な圧倒への意思がないまぜになった憤怒であった。
アムネリスはパロの王女をにらんだ。しかしもうリンダはおじけるようすさえもなくその目をうけとめ、はねかえした。そこにいるのは彼女の父母の首級をあげ、彼女と弟をその王国から逐ってかくも辛酸をなめさせている怨敵、倶に天をいただくこともかなわぬ永遠の仇敵のかたわれだった。


グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


峻烈な怒りにみちた緑色の目と、凄壮な瞋恚をたたえたスミレ色の輝く目とが、発止とぶつかり、正面からからみあい、激烈な火花を散らした。それはパロの小女王リンダとモンゴールの公女にして白騎士隊長アムネリスとが、互いを最大の敵として見かわした最初の視線であった。そしてそれは、パロとモンゴールのそれぞれの誇り高い女神、父を殺されたものと殺したもの、捕らえたものと捕らわれたもの、としての敵対意識だけでさえなくーーかれら自身気づきはしなかったが、そこには決して相容れるべくもない、それぞれ異なる美しさをもった少女の、女どうしの嫉妬と敵意さえもまじりこんでいたのだ。


グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

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2941V3:2015/05/16(土) 13:45:43 ID:wAu9GGWA
まとめて投下してしまったw

梅(*`Д´)ノ♪

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2942V3:2015/05/16(土) 13:46:53 ID:wAu9GGWA
「出立の触れを!」
あわてて、うしろに居並ぶ騎士たち、魔導士や侍童も立ちあがる。アムネリスは傲然と捕虜たちを無視して出ていきかけたが、何を思ったかリンダの前でぴたりと足をとめた。グインのことは、まるで彼女が彼に持った興味の深さと激しさを彼女自身にさえつつみかくさなくてはいけないとでもいうように、故意に完全に無視している。金色の豊かな髪をこれ見よがしに波立たせて、冷やかにリンダを見おろす。
彼女はリンダより頭ひとつ分ほども背が高かった。肢体はあでやかな飾り鎧につつまれ、もうほどなく完成を迎えようとする十八の少女の肌は、バラ色とミルク色に内奥からの艶をにじませて光り輝かんばかりであり、そしてその態度にも、雰囲気にも自分の美と力とそれが相手にかきたてるものとを十二分にわきまえた不敵な自信が漂っているのである。
リンダはきかん気らしく頭をもたげたが、彼女も決して小柄というほどでもなかったにせよ、アムネリスの長身の前では分がわるかった。リンダのスミレ色の目が怒りに燃える。
「ーーちっぽけな小娘!」
アムネリスは鋭い舌打ちと共にあびせかけた。
そのままもうあとも見ずに歩き去り、天幕を出る。騎士たちが続く。
リンダは血の出るほど唇をかみしめ、レムスが心配げにのぞきこむのも気がつかなかった。彼女は一生涯をかけてモンゴールの公女アムネリスを憎むと決意していたのである。

グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

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2943V3:2015/05/16(土) 13:48:24 ID:wAu9GGWA
「さっきの働きがクリスタル・パレスの聖騎士侯という相場を忘れるなよ」
ずるそうにイシュトヴァーンは念を押した。
「それしだいで、おれは何しろ雇ってくれれば否やの云えぬ傭兵稼業だ。四の五のいわずに剣をあんたに捧げ、契約破棄か、更新までは、あんたと弟のために忠誠をつくすことを誓ってもいいんだぞ」

「そう云われたって、わたしたちは、国もない王位継承者だしーー」
リンダは口ごもった。
イシュトヴァーンは舌なめずりをした。
「どうだい、とりあえずーーあんたの左に並ぶクリスタル公にしてくれるってことではさ!」
云うと同時に、身を二つに折って笑い出したので、あわや鞍からころげおちるところだった。
「まあッ!」
正直なリンダは、たちまち顔を真赤にそめて、
「なんてことを!クリスタル公ですって!そ、それはわたしが万一王座につくときの夫にして摂政役、王位の第三継承者たる諸侯中の諸侯だと、まさか知って云ってるんではないんでしょうね、ヴァラキアのイシュトヴァーン!」


グイン・サーガ第二巻『荒野の戦士』


梅(*`Д´)ノ♪

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2944V3:2015/05/16(土) 13:49:45 ID:wAu9GGWA
「ねえ、レムスーーそんな気がしない?グインは……グインさえいれば、何もかもよくなるっていう!わたしは、グインと一緒にいると、何ひとつ恐れることはなくってそしてわたしたちの運命がこんなノスフェラスなんかでつきてしまうはずがない、って、そう思えてならないのよ。わたしにはわかるわーーグインは、特別な人だわ!」
「ぼくには、何も、予感がしないよ」
レムスは悲しげに云った。だが、リンダは頓着しなかった。

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』


梅(*`Д´)ノ♪

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2945名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:08:32 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2946名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:09:00 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2947名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:09:34 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2948名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:10:04 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2949名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:10:32 ID:ncmosqjk
,,,,,,
(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2950名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:10:59 ID:ncmosqjk
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(¬◇¬`;)・・・・・梅ヨタカ・・・・
(ミ;; ;;;彡∋


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2951名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:45:51 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2952名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:46:14 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2953名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:46:41 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2954名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:47:06 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2955名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:47:30 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2956名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:47:57 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2957名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 14:49:52 ID:k9qwly4g

     (;><)  ♪あ〜あ"〜果てしない〜♪    
   ⊂l. <¶>!⊃            
     し-||J        梅!を追い〜もとめぇぇぇええぇ梅!

2958名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:02:08 ID:pCIDtI8M
)   ∧__,∧ (~)
、(。・ω・。)( )
 { ̄ ̄ ̄ ̄} アッタカイネェ 、梅茶風呂
 {~ ̄お__}
 {~ ̄茶__}
 {____}
 `┗━━┛
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2959名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:23:02 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2960名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:23:26 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2961名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:24:01 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2962名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:24:30 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2963名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:24:55 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2964名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:25:22 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

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2965名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:26:08 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2966名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:26:34 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2967名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:27:01 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2968名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 15:27:34 ID:ncmosqjk
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2969名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:12:15 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2970名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:14:14 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2971名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:14:50 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

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2972名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:15:16 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

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2973名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:15:45 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

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2974名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:16:12 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2975名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:26:35 ID:ncmosqjk

( ゚д゚)ノ...梅干し

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2976名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:28:59 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅
は咲いたか桜はまだかいな

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2977名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:29:29 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅
は咲いたか桜はまだかいな

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2978名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:29:54 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅
は咲いたか桜はまだかいな

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2979名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:30:20 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅
は咲いたか桜はまだかいな

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2980名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:31:48 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅
は咲いたか桜はまだかいな

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2981名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:32:14 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅
は咲いたか桜はまだかいな

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2982名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:33:37 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2983名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:34:01 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2984名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:34:29 ID:ncmosqjk
(*`Д´)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2985名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:35:15 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2986名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:35:41 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2987名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:36:09 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2988名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:36:36 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2989名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:36:59 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2990名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:37:23 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2991名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:42:40 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2992名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:43:04 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2993名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:43:27 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2994名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:43:49 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2995名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:44:15 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2996名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:44:23 ID:k9qwly4g
       。|
    |  |。 |゚  y          ⊂⊃
    ゚|  |  |io i|                  ⊂⊃
   。|  ゚i| 。i|,,ノ  |i    ⊂⊃
    i|゚ ||゚ /ii 。 ゚|i_/゚        オッ 梅ガ咲イテル…
    `ヽoー|i;|y-ノ  ゛ф,,
      ,;:i´i;ノ                  ∧ ∧
      ('';ii''                  (´∀`*)
      ノii;;ヽ                  (uu )〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2997名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:44:45 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2998名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:45:09 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

2999名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 16:45:34 ID:ncmosqjk
(。ー@д@)ノ...梅のまにまに 菅家


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3000名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 17:09:52 ID:ncmosqjk
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3001V3:2015/05/16(土) 17:13:50 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3002V3:2015/05/16(土) 17:16:59 ID:wAu9GGWA
おっと危ない、辛抱さんの配慮を台無しにするとこでした(*`Д´)ノw

大台キリ番に、案内文を置くのは分かり易くていいですね
お気遣い、感謝ですm(_ _)m

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3003V3:2015/05/16(土) 17:35:30 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3004V3:2015/05/16(土) 17:35:59 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3005名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 17:38:10 ID:ncmosqjk
ポピーの花言葉w

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3006名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 17:40:37 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3007名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 17:49:27 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3008V3:2015/05/16(土) 18:30:41 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3009V3:2015/05/16(土) 18:31:23 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3010V3:2015/05/16(土) 18:33:08 ID:wAu9GGWA
梅┃*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3011V3:2015/05/16(土) 18:33:54 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3012V3:2015/05/16(土) 18:34:22 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3013V3:2015/05/16(土) 18:34:49 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3014V3:2015/05/16(土) 18:35:13 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3015V3:2015/05/16(土) 18:35:42 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3016V3:2015/05/16(土) 18:36:06 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3017V3:2015/05/16(土) 18:36:29 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3018V3:2015/05/16(土) 18:36:58 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3019V3:2015/05/16(土) 18:38:01 ID:wAu9GGWA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3020V3:2015/05/16(土) 18:38:38 ID:wAu9GGWA
梅┃*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3021名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 18:59:05 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3022名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 18:59:30 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3023名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 18:59:56 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3024名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:04:32 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3025名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:14:54 ID:k9qwly4g
.
 |∧_∧
 |´・ω・)  梅!
 ||と ノ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3026名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:18:24 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3027名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:18:47 ID:ncmosqjk

梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3028名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:20:26 ID:ncmosqjk
しょうちく...梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3029名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:21:42 ID:ncmosqjk
松竹...
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3030名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:22:08 ID:ncmosqjk
松竹...
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3031名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:37:29 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3032名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:37:56 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3033名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:38:24 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3034名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:38:42 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3035名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:39:34 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3036名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:39:50 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3037名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:40:25 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3038名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:40:43 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3039名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:41:04 ID:ifUhhaXY
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3040名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:45:26 ID:ncmosqjk
このサカナなに?
アイウメ? (o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3041名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:45:56 ID:ncmosqjk
このサカナなに?
アイウメ? (o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3042名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:56:11 ID:ncmosqjk
そこに梅はあるのかい?
(o。゚д゚)ノ♫


*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3043名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:57:04 ID:ncmosqjk
そこに梅はあるのかい?
(o。゚д゚)ノ♫


*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3044名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:57:29 ID:ncmosqjk
そこに梅はあるのかい?
(o。゚д゚)ノ♫


*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3045名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 19:57:53 ID:ncmosqjk
そこに梅はあるのかい?
(o。゚д゚)ノ♫


*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3046名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 20:03:06 ID:ncmosqjk
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3047名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 20:03:54 ID:ncmosqjk
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3048名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 20:04:23 ID:ncmosqjk
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3049名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 20:04:47 ID:ncmosqjk
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3050名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 20:05:12 ID:ncmosqjk
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3051名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 20:05:39 ID:ncmosqjk
彡ミミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3052名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:08:23 ID:ncmosqjk
彡ミ 〜ミミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3053名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:09:13 ID:ncmosqjk
彡ミミ〜〜〜〜ミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3054名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:10:22 ID:ncmosqjk
彡ミ 〜〜ミ 〜〜ミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3055名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:11:45 ID:ncmosqjk
彡 〜ミ
(o。゚д゚)ノ.. 梅 ミミ

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3056名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:12:59 ID:ncmosqjk
〜〜彡
(o。゚д゚)ノ.. 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3057名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:14:14 ID:ncmosqjk

(o。゚д゚)ノ.. 梅 彡 ミ ミ ミ

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3058名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:32:55 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3059名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:33:20 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3060名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:33:47 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3061名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:34:12 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3062名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:34:36 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3063名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:35:00 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3064名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:35:22 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3065名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:35:46 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3066名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:36:10 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3067名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:36:32 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3068名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:36:58 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3069名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:37:19 ID:k9qwly4g
  o-o、
 (´・ω・`)
 (     ) 私の梅!知りませんか?
  `u-u'
*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3070名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:37:20 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3071名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:37:42 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3072V3:2015/05/16(土) 21:37:56 ID:wAu9GGWA
「な——なんだ、これは!」
不信と当惑に浅黒い顔を歪めて叫ぶ。
リンダとレムスは、こらえかねたクスクス笑いをついに爆発させて、身を折って笑いこけた。びっくりしたように、ラクの女たちがかけよってくる。
「お口にあいませんでしょうか、と心配しているわよ」
リンダがくすくす笑いつづけながら、かれらの手まねを見て通訳した。
「口にあうもあわないも——こ、こりゃ一体何だ!」
「何だって、あなたのご注文したものよ、イシュトヴァーン。——砂ヒルの焼いたのよ!」
云うなりリンダはいっそうひどく笑いこけたので、スニがあわててとびのいたほどだった。
「砂ヒル——?」
傭兵の目がまん丸になり、それがようやく飲み込めたとたんに、
「ゲーッ!」
のどをおさえて、いまにも吐きそうな顔をする。
「な、何だってそんなもの——!おれが何を——!」
「だってあなた、黒ブタはムリでもせめて砂ヒルでも焼いて待っててくれと云ったじゃないの!だから、わざわざ、やさしいラクたちは、それをとりに出かけてくれたのよ!」
「ほんとうにあの黒い人は砂ヒルをたべるのか、といって、わざわざ、かれらは、ぼくらにききに来たよ。砂ヒルってのは、セムや人間の死体をたべるんだけど、それを黒い人の国ではたべるのか、おどろいていたよ」
レムスが笑ったあまりとぎれとぎれにいう。イシュトヴァーンは胸をむかつかせ、あわてて、足もとにころげおちた、まだうようよとうごめき出しそうなぶつ切りのヒルの肉からとびすさったが、双子の顔を見たとたん、かんかんに怒り出した。

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3073名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:38:04 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3074名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:38:29 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3075名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:38:49 ID:k9qwly4g

      ♪
 ♪  ∧_∧ [[`j
    (#・∀・)/∂ミ   ♪デケデケデケデケ 梅!
    ヽ づ〃)      ♪デケデケデケデケ 梅!
   〜〉(_O__)、
..    し'⌒\_) ♪
*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3076名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:38:50 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3077名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:39:13 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3078名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:39:39 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3079名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:39:59 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3080名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:40:21 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3081名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:40:42 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3082名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:41:12 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3083名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:41:38 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3084名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:42:05 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3085名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:42:28 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3086名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:42:52 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3087名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:43:15 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3088名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:43:36 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3089名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:43:57 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3090名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:44:06 ID:k9qwly4g
  (;><)  ♪メジャーとマイナー♪    
   ⊂l. <¶>!⊃            
     し-||J       コードにメロディ〜〜もぉぉぉ♪

梅(*`Д´)ノ♫
*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3091名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:44:19 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3092名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:44:41 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3093名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:45:05 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3094名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:45:30 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3095名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:45:52 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3096名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:46:15 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3097名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:46:39 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3098名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:47:03 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3099名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:47:26 ID:ncmosqjk
♪,,,,
(*・o・),,,
ミ(;´¬V¬`) 梅

*小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3100名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:48:50 ID:k9qwly4g
    、(;><)  ♪僕は語ろうぉぉ♪    
   ⊂l. <¶>!⊃            
     し-||J       感じるすべてを音ぉぉにぃぃ乗ぉぉぉせぇぇぇ♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3101名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:49:33 ID:k9qwly4g
   、 (;><)  リズムにポーズ♪ 
     lつ¶と!      
     し-||J     響くハーモニィィィィィィー♪ 

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3102名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:55:20 ID:ncmosqjk
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3103名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:55:56 ID:k9qwly4g
、、(;><)  フォルテにピアノ♪    
   ⊂l. <¶>!⊃            
     し-||J       紡ぐファンタジ♪
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3104名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:56:33 ID:k9qwly4g
    、 (;><)  ぼ く♪こ そ ミュージッ〜〜〜〜クゥゥゥゥゥ ♪ 
     lつ¶と!      
     し-||J  
 梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3105名無しさん@ベンツ君:2015/05/16(土) 21:57:07 ID:k9qwly4g
┌┰┰┰┰┰─┐
│┃┃┃┃ ☆ │  カーン
│┃┃┃ T ∧ ∧
│┃┃   o(‘ω‘ *) < 次の方どうぞ梅!
│┃     ヽ  c )
┷        `u-u

梅(*`Д´)ノ♪

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3106V3:2015/05/16(土) 21:57:39 ID:wAu9GGWA
しばらくのあいだ、モンゴールの勇士たちは声もなくその男——カル・モルを見つめていた。
それも無理からぬことと云わねばならなかった。というのも、黒くあつぼったいフードをとりのけ、その下からあらわれたのは——異相、というもおろかな、怪奇といおうか、無残、というべきか、二目と見られぬ醜貌だったからである。
それもただの醜貌ではなかった。生ける骸骨、——そう云っただけでさえまだ足りぬ。
これをして、はたして人間と呼んでもよいものかどうか、見たものは絶句したあとには、そう疑わずにはいられまい。その男の顔は、ほとんど、ただの頭蓋骨にやけただれた皮一枚、ぴったりとはりつけただけとしか見えなかった。
くちびるも鼻も、まぶたすらとけただれてしまいでもしたかのように、その男は、げっそりとした歯ぐきとぬけおちてまばらな歯、そして落ちくぼんだ眼窩の中の眼球だけがまざまざと目立つのである。

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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3107V3:2015/05/16(土) 21:59:19 ID:wAu9GGWA
(護ってさしあげたい。——たとえ一命にかえても、あの黄金色の髪の毛ひとすじ、いためさせてはならぬ。このお若さで、このかよわい女性の身で、たぐいまれなる運命を背負っておられる姫だ。いずれはモンゴールの女帝として中原に覇をとなえるお方だ。——戦いの女神イラナの分身のようなかただ。戦士にして公女、一万五千の兵をひきいて荒野をわたろうという、大胆不敵、この勇気と胆力が、あのかよわい美しい姿のどこにひそんでいたものだろう!——たとえ、ひと筋なりとも、汚らわしい蛮族などの手をふれさせてはならない。何があろうと、お護りして、ご無事にトーラスの都へお返しするまでは——)
手柄をたて、公女を守って、その心にかなえば、万が一、公女のお心をとらえて、その左側にすわり、ヴラド大公の世継の座も——なぞという計算や、目論見が、入ってくるにはまだあまりに、若く、純である。一途である。
そんな目論見に気づくことさえないまま、アストリアスはうっとりと、公女の天幕の方へあこがれの目を向けている。

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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3108V3:2015/05/16(土) 22:00:21 ID:wAu9GGWA
「イシュトヴァーン」
グインが呼んだ。
「イシュトヴァーン。こちらへ来てくれ」
グインはおもだったセムたちを呼びあつめ、何やらこまごまとした策をさずけていたのである。すでにそのいくつかはおわったらしく、いまや、ツバイやラサはそれぞれの氏族をまとめて、あわただしく出発してゆくところだ。
「イシュトヴァーン」
「わかったよ。今、行くよ——なあ、グイン、やっぱりおれがやらなけりゃいけないのかよ」
イシュトヴァーンはしぶしぶとそちらへ寄ってゆきながら、口をとがらせて云った。グインは砂色のフードをはねのけ例の短い笑い声をたてた。
「気の毒だがお前にやってもらうほかはないな。俺、セム族、子供たち、誰ひとりとして、その役がつとまりそうなものは他にいないからな」
「ち——いつだって、おれひとりが貧乏くじだ」
また、イシュトヴァーンは、卑猥な呪いことばを吐いた。グインは頓着しなかった。

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』

梅(*`Д´)ノ♪

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3109V3:2015/05/16(土) 22:02:01 ID:wAu9GGWA
「わあ!」
イシュトヴァーンが大声をはりあげたので、二人はびっくりしてそちらを見やり、スニもまた、崇拝をこめて見上げていたリンダの顔から、思わずそちらへ目を向けた。
「静かにせんか、イシュトヴァーン」
グインがぴしりと云う。
「何を云う、ひとごとだと思って!おれの立場はどうなる。いったい、おれを何だと思ってるんだ。それじゃあんまりひどいじゃないか——いいよ、わかったよ、やりゃいいんだろう、やりゃ!いいとも、こうなれば何だってやってやらあ!」
そして、イシュトヴァーンは、いきなり、威勢よく着ていた鎧下の胴着をぬぎすて、素裸になってしまった。
レムスの目がまん丸くなり、リンダは真赤になって顔をそむける。そんなことにはかまいもせずに、黒い胴着と足通しをぬいで、浅黒いよく発達した裸すがたになった傭兵は、やけくそのていで手をさしだした。
「さあ、それをくれよ。早くしてくれ。風邪をひくじゃないか!」

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』


梅(*`Д´)ノ♪

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3110V3:2015/05/16(土) 22:03:17 ID:wAu9GGWA
「俺と戦え、グイン!」
声を励まして叫ぶなり、剣をふりかざして突進しようとする。が、そのとき、グインが笑った。
いや——豹頭は無表情なままである。だが、アストリアスには、グインがにやりと、顔をほころばせたように感じられた。じっさいには、気の弱いものであればそれを見ただけでショック死しかねない、その人喰い豹の目の光が、ほんの僅かばかり、和んだのだったかもしれない。
「手に合わんな、小僧。——あと二十年して、出直して来い。そのときには、立ち会ってやろう」

グイン・サーガ第三巻『ノスフェラスの戦い』


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3111名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:07:27 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3112名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:08:04 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3113名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:08:28 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3114名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:08:47 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3115名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:09:02 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3116名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:09:21 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3117名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:09:36 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3118名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:09:49 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3119名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:10:47 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ どうも梅宮辰夫です

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3120名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:11:05 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3121名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:11:17 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3122名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:11:29 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3123名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:11:40 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3124名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:11:51 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3125名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:12:52 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3126名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:15:08 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 『梅』

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3127名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:15:21 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3128名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:15:36 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3129名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:15:52 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3130名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:17:17 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅の中へ〜梅の中へ〜行ってみたいと思いませんか〜
うふっふ〜♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3131名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:17:38 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3132名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:17:48 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3133名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:18:02 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3134名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:18:14 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3135名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:18:28 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3136名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:18:40 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3137名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:18:54 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3138名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:19:11 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3139名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:19:22 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3140名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:19:35 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3141名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:19:47 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3142名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:20:05 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3143名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:20:25 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3144名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:20:41 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3145名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:21:26 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3146名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:23:20 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ ドラえも〜ん、何かないの〜
しょうがないなぁ テッテレー♪
ハイ 梅

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3147名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:24:10 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3148名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:24:26 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3149名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:24:44 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3150名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:24:55 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3151名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:25:56 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3152名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:26:13 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3153名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:26:29 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3154名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:26:40 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3155名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:26:50 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3156名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:27:12 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3157名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:27:25 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3158名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:27:43 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3159名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:28:01 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3160名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 02:28:14 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3161名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:46:21 ID:jh.cDaw6
埋めるよ〜

   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


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3162名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:46:56 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
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   し―‐J       ミ∵


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3163名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:47:21 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
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3164名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:47:50 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
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3165名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:48:10 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
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3166名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:48:29 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
   ( ´・ω・)  .__    
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3167名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:48:49 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
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3168名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:49:08 ID:jh.cDaw6
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3169名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:49:39 ID:jh.cDaw6
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3170名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:49:54 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
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3171名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:50:26 ID:jh.cDaw6
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   彡⌒ミ     ザッザッ
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3172名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:50:47 ID:jh.cDaw6
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   ( ´・ω・)  .__    
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3173名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:51:04 ID:jh.cDaw6
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   ( ´・ω・)  .__    
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3174名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:51:22 ID:jh.cDaw6
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3175名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:51:33 ID:jh.cDaw6
埋めるよ〜

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   ( ´・ω・)  .__    
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3176名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:51:50 ID:jh.cDaw6
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3177名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:52:00 ID:jh.cDaw6
埋めるよ〜

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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3178名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 06:52:13 ID:jh.cDaw6
埋めるよ〜

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   ( ´・ω・)  .__    
   / つ=O===|__)ミ.・
   し―‐J       ミ∵


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3179名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 07:56:13 ID:N/798s2c
      ∧,,∧ >>1さん、梅、梅、うめ〜
   __ミ..Θ。Θミ
  / ||ミ;;;;⊃;;;⊃ ∧_∧
  |  ||;;;;;;;;;;;;;ノ  (     ) うわぁああ
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
  |    | ( ./     /
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3180名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:35:30 ID:WAF53LJk
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3181名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:35:55 ID:WAF53LJk
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3182名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:36:12 ID:Pt7vzl0s
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3183名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:36:33 ID:WAF53LJk
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3184名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:36:56 ID:WAF53LJk
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3185名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:37:07 ID:WAF53LJk
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3186名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:37:24 ID:WAF53LJk
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3187名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:37:36 ID:WAF53LJk
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3188名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:37:51 ID:WAF53LJk
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3189名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:38:03 ID:WAF53LJk
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3190名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:38:15 ID:WAF53LJk
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3191名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:38:25 ID:WAF53LJk
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3192名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:38:36 ID:WAF53LJk
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3193名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:38:52 ID:WAF53LJk
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3194名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:39:02 ID:WAF53LJk
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3195名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:39:12 ID:WAF53LJk
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3196名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:39:23 ID:WAF53LJk
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3197名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:39:34 ID:WAF53LJk
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3198名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:42:45 ID:WAF53LJk
あれは謎の飛行物体 UME です!!


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3199名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:42:56 ID:WAF53LJk
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3200名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:43:11 ID:WAF53LJk
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3201名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:43:26 ID:WAF53LJk
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3202名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:43:47 ID:WAF53LJk
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3203名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:43:57 ID:WAF53LJk
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3204名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:44:17 ID:WAF53LJk
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3205名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:44:34 ID:WAF53LJk
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3206名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:44:45 ID:WAF53LJk
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3207名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:44:55 ID:WAF53LJk
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф ポイッ♪

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3208名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:45:09 ID:WAF53LJk
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф ポイッ♪

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3209名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:45:30 ID:WAF53LJk
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф ポイッ♪

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3210名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 08:45:48 ID:WAF53LJk
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3211V3:2015/05/17(日) 13:18:51 ID:AsJcH7lA
マルス伯が、ウマを戻す気になったのは、アルゴン中隊のエルの若々しい声にふと心をとめたからであった。
一城をあずかる大隊長ともなれば、人を見る目にもいささかの自負はある。アルゴン中隊のエルの声は、若々しく子供っぽいくせに、どこか不敵な、力強いものをはらんでい、それがこの一徹な老軍人の心にふれた。
エルは、面頬の奥から、マルス伯爵とガランスの顔をのぞきこむようにした。
「これ、面頬をあげろ、無作法者」
「はあ」
しぶしぶ、エルは面頬をあげる。おや、とマルス伯は思い、それから、なぜ自分がそう思ったのかに気づいてほほえんだ。いくぶん長めの、しかし引きしまって若々しい顔が、赤騎士隊長たるアストリアスによく似ていたのである。
黒く生き生きと光る、いたずらそうな目が、マルス伯を臆することなく、正面から見返した。声で思っていたより、もっと若い。

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』


梅(*`Д´)ノ♪

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3212V3:2015/05/17(日) 13:20:29 ID:AsJcH7lA
グインは、オアシスをぬけると、とりあえずラゴンの痕跡を求めて、まっすぐに北をめざすつもりだった。
彼がウマにムチをあてようと、それを上げた、そのときである。
「グイン——グイン……グイン!」
甲高い、必死な叫び声がきこえて、リンダが夢中になって走り寄ってくるのが見えた。
「グイン——東よ。東をめざすのよ……狗頭山を越えなさい。ラゴンは、白い石の彼方にいるわ——白い石が、黒い山とまじわるところ——そこに、ラゴンの魂がある……死の風に気をつけなさい——」
なおも、リンダは、何かを叫びつづけているようだったが、それはもはや、グインの耳にはとどかなかった。
グインは、わかったというしるしに、大きく右手をあげて、手にしたムチをうち振った。リンダは、グインが限られた時間を少しでも無駄に費やすことのないよう、瞑想をし、ヤヌスの祈りをとなえて、自らの透視の能力を呼びさましたものにちがいない。グインは、リンダのことばが正しいことを疑わなかった。彼は馬首をたてかえ、北から真東へ向けなおすと、ピシリとウマにムチをあてた。

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3213V3:2015/05/17(日) 13:21:29 ID:AsJcH7lA
(自らの道をゆくがいい)
その光の爆発の中で、遠く、さきほどのそれとはちがう、力強く、そして異様にいんいんとひびきわたる、かぎりなく年経た男の声がした。それは、どうやら、彼の前によこたわる、その手も足もない子どもの、裂けたような唇から、声ならぬ発声器官によって発されているのであるらしかった。
(自らの道をゆき、自らの運命にあうがよい。王冠と鎖をともに踏みにじるがよい。三人の女がお前を導くだろう)
(三人の女——?)
(一人の女に出会って運命を——一人の女に出会って王冠を——そして一人の女に出会ってお前自身を見出すがよい)

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3214V3:2015/05/17(日) 13:22:22 ID:AsJcH7lA
彼は、狗頭山の帝王だった——また、明らかに、彼自身、それをわきまえ、それをもって任じていることが見てとれた。彼の双眸は、白く輝かしい額の下で、金色に炯々とした光を放ち、そしてそのゆるやかで重々しい動作や、その金色の目で値踏みするようにグインを眺めるようすは、なんともいえぬ堂々たる自信と、そして威厳とがおのづから具わっていた。
グインはいま、狗頭山の狼王の宮廷に立っていたのである。

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3215V3:2015/05/17(日) 13:23:25 ID:AsJcH7lA
グインは狼王のもってきたものをとりあげた。それはよくふとった、羽根が美しい虹色をしたバルト鳥で、まだ死んだばかりのようにあたたかかった。
グインは狼王を見つめた。狼王は、自らの贈り物が彼の心に適うか否かを恐れるようにじっと見守っている。グインはうなづくと、ためらわずそれを口にもっていった。
甘い新鮮な生血がのどへ流れこみ、ひりつくような乾きをいやした。グインは生まれながらの獣のように、するどい牙でふとった鳥を噛み裂くと、その肉を噛みとり、たちまち忘れていた飢えに襲いかかられて夢中で食べはじめた。たくましいあごが動き、ばりばりと骨を噛みくだいた。
狼王はそのようすをじっと、何かしら満足げに見守っていた。鳥をたいらげるのに夢中のグインがふと気づいて、手で鳥の片羽をひきちぎり、狼王へさし出すと、狼王は鼻のさきで押しかえすようにしたが、有難く王のお裾分けをいただく、というようにうけとると、ゆっくりと食べはじめた。
まもなく、グインはしるけのたっぷりある大きな鳥をほとんど食べつくしてしまった。この野性の食物は恐ろしく美味で、さながら神々の食事、生命そのものをむさぼり食ったというようにグインのからだのすみずみまでも満足と嘉悦でみたした。口や手のまわりについた血を、長いざらざらする舌でなめとりながら、しかし、グインはふと不安にかられて呟かずにはいられなかった。
(俺は、本当に獣なのではあるまいか?どんな文明国のたくみに調理された食物も、血をすすり、骨を砕いてむさぼり食ったこの殺したてのバルト鳥ほどに心を満たしたことはなかった。——俺はやはり、人でなく、獣人にすぎんのだろうか)
(リンダは——パロの小王女であるリンダは、いまのような、狼と並んですわり、口を血だらけにしてえものをむさぼり食う俺を見たら、悲鳴をあげるだろうか)

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3216V3:2015/05/17(日) 13:24:50 ID:AsJcH7lA
「俺はグイン」
グインはゆっくりと云った。
「俺は塩の谷をこえ、狗頭山の向こうから来た」
「狗頭山の向こうは、死者の国だ」
リーダーがいう。
「死者の国から来たなら、悪霊だ。悪霊は、ラゴンの村に入れない」
「俺は生きた人間だ。狗頭山の向こうは、死者の国ではない。だから、狗頭山をこえてきた」
「狗頭山をこえると、死者の国だ」
リーダーは執拗におりかえした。
「だから、化物の頭をしているのだな。お前は悪霊だ」
「それについては、あとで説明しよう。だが、一つ頼みがある。ラゴンの王に会わせてくれ」
グインが云うと、ラゴンたちは、一瞬ざわめいた。
「それとも、ラゴンには王がいないのか」
「王はいない。賢者のカー、勇者のドードー、二人がラゴンのためにものごとを決める」
「では、賢者のカーと勇者のドードーに会わせてくれ」
「会わせてやろう」
リーダーはあっさり云った。
「ただし、罪人としてだ。裁きをうけるためだ。お前は、化け物だ。死者の国から来た。そして大切な白き砂を踏みあらした——そこにもっているのは何だ」
リーダーは、グインがかくしに入れておいた塩のかたまりをみつけ、とりあげてざあっとこぼしてしまった。
「白き砂はラゴンだけのもの。ラゴンの神聖なもの。盗人は罰をうけるのだ。——ついて来い」
槍の穂先がちくりとグインの胸をつつく。
はじめから、あらがう気はなかった。ラゴンの王に会うのこそ、彼の目的であったのだから——たとえそれがどれほど非友好的な状況からはじまろうとだ。グインは黙って従い、四人のラゴンたちが、周囲をかためて彼を護送してゆくままに、おとなしく、再び黒い地面の出てきた坂を下っていった。
彼は、蛮族ラゴンの虜囚となったのである。

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

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3217V3:2015/05/17(日) 13:25:52 ID:AsJcH7lA
「お——お……おのれ……」
紙より白くひきつっていたマルス伯の顔が、くしゃくしゃとゆがんだ。ようやく、かれがれの声が漏れた。
「よくぞ——よくぞたばかって……モンゴールの——モンゴールの鎧をつけながら、モンゴールの名をとなえながら、これほど——これほどまでに……」
マルス伯は、さいごの気力をしぼりつくして、剣を杖によろよろと立ちあがる。
「売国奴。——いや、裏切者……アルゴンの——エル!」
もはや、伯の目には、そのまわりで苦痛にうめく部下たちも、崖の上でセムたちと、そしてその手から、すぐにでも発射されるべくめらめらと燃えたっているおそるべき死の運命すらも入らない。
ただ目に入るのはアルゴンのエル——ヴァラキアのイシュトヴァーン——ただひとりである。
「きさまだけは、許しておかぬ。きさまだけは——たとえ、たとえこの身が……砕け散るとも——ガランスの仇……」
やにわに、老人とも思えぬ敏捷さで、伯は手を返すなり、杖にしていた剣を投槍がわりに崖の上へ投げつけた。
「わあッ!」
イシュトヴァーンは悲鳴をあげて身をよける。が、執念をこめた剣先を、完全にはよけそこねた。マルス伯の剣は、ざくりと、イシュトヴァーンの右の耳を切り裂き、鮮血が吹き出した。
「痛え!」
イシュトヴァーンはわめき、手で傷をおさえ、腹立ちまぎれにもう一方の手をふりあげる。
「やれ!やっちまえ!」
「イーアーッ!」

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3218V3:2015/05/17(日) 13:26:56 ID:AsJcH7lA
ついに、ボッと音をたてて、マルス伯の全身が、炎に包まれた。
それはまるで、この老武人をやさしく迎えにきた大気の乙女アイノの火の接吻とも——太陽神ルアーの炎のチャリオットが、この老伯爵をその手にひきあげた一瞬ともみえた。
あかあかと、白熱する火炎に全身をゆだねて、マルス伯は、なおもそこに立っていた。白髪頭も燃え上がり、彼はもはや、巨大な人間たいまつとなっていた。
そのとき、彼は目をくわッとはりさけるほどに見開いた。
「アルゴンのエル——」
その声が、崖の上のイシュトヴァーンに届いた。おそろしいほどに、ありありと、それはあたりにひびきわたった。
「アルゴンのエル。モンゴールは、決して忘れぬ……裏切者の名を——アルゴンのエル。アルゴンのエル。アルゴンの……」
思わず、おれはアルゴンのエルなんかじゃない、とヴァラキアのイシュトヴァーンが耳をおさえて悲鳴をあげそうになったときである。
マルス伯のからだは、真黒に焼けこげて、音もなく死の猛火の中に倒れこんでいった。
谷には、もはや、ほとんど生きて動くものの姿さえもなくなっていた。ただ、狂炎だけが、ごうごうと、そのおそるべき宴を飽くことなくくりひろげる。
イシュトヴァーンの顔は蒼白だった。
「悪く——悪く思わないでくれよ。こいつは、俺じゃねえ。グインの思いついたことだ……奴の頭をかざるシレノスにかけて、呪われるなら俺じゃない、グインなんだ」

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3219名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 13:30:23 ID:N/798s2c
    ,,,,,,,,,,,,,,,
  ,,,,,|ニニニニ|,,,,,
   ミ ,,゚Д゚彡 梅、梅です。
   ミ    ミ
  @ミ,, ∪ ∪ミ
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3220名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 13:43:08 ID:N/798s2c
みなさん おつかれさま コーヒー淹れましたよ
http://imgur.com/AK6R0pw.gif
∧_∧
( ´・ω・) ふー、美味し…梅!
( つc□O
と_)_)
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3221V3:2015/05/17(日) 14:06:03 ID:AsJcH7lA
「よかろう。それならば話は別だ。勇者ドードーは獣の頭のグインと戦うがよい。ドードーが勝てば、グインは死ぬ。そして万が一にもグインが勝つことがあれば、彼の申しひらきは正しいと認め、彼が自ら云うようにアクラの使者であると認めよう」
大したものだ、とグインはひそかにこの老知恵者をたたえたい気持ちになった。賢者カーは、ひとことで、どちらが勝とうと勇者ドードーに傷もつかず、ラゴンのためにも何も損はならぬ状況をつくりあげたのである。

グイン・サーガ第五巻『辺境の王者』

梅(*`Д´)ノ♪

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3222V3:2015/05/17(日) 14:07:19 ID:AsJcH7lA
それは、モンゴール軍にとっては、予想外のいたでであり、きわめて大きな損失であったというばかりではない。モンゴール軍をひきいるのは、弱冠十八歳の公女アムネリスである。
たとえ、いかに全軍の兵が彼女に心を寄せ、モンゴール大公に忠誠を誓ってその手足のごとく動いたところで、わずか十八歳の少女には、この壮大な遠征軍を取りしきり、掌握しきることは、なかなか荷にあまる役目であった。まして、たとえアムネリスに単なる忠誠以上の熱烈な思慕を捧げている、アストリアスのような忠臣であったところで、この氷の公女を、おだやかできわめて思慮分別に富んでいるとはあえて云い得ない。アムネリスは、氷であったけれども、しかし激しい、きびしい氷であった。その怒りは時にあまりにも直截にすぎ、云いまわしをやわらげたり、あいての心を思いやったりすることを知らない。
そうした総司令官をいただく遠征軍にとっては、隊長じゅうの最年長でもあり、経験をつみ、しかも有名な思慮深さをもって知られる、マルス老伯爵こそは、現実のささえであり、事実上の心のよりどころであったのだ。
アムネリス公女のかたわらに、影の如く寄り添うマルス伯の姿があって、はじめて全軍は生き生きとわが軍の理と勝利を信じて動いた。若い公女が、あまりに決着をいそぎすぎれば、老伯爵がそれとなくひきとめ、公女が感情にまかせて部下を叱咤するに厳しすぎれば、さりげなくマルス伯がしょげた部下をなだめた。
しかるに、その老伯爵はもはやない。

グイン・サーガ第五巻『辺境の王者』

梅(*`Д´)ノ♪

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3223V3:2015/05/17(日) 14:08:14 ID:AsJcH7lA
「イシュトヴァーン!」
さすがに、同じ人間のすがたを見、中原のことばで話せるよろこびにさしものこの悪戯者に腹を立てたことも忘れてリンダとレムスはかけよった。
「あなたは生きていたのね!」
「あたりまえだ」
ヴァラキアのイシュトヴァーンは、怪我をしたらしく、右の耳に薬草をはりつけていたが、ひどく元気で、そして少しもおとなしくなっていなかった。
「この《紅の傭兵》が、王になる前につまらん雑兵の刃にかかるとでも、思っていたのか。——おお、かわいそうに、おれのことをずっと心配していたのだな、王妃よ」
そして彼はリンダに接吻しようとして、ぴしゃりと手を引っぱたかれた。
「誰が、あんたなんかの、王妃だって?」
リンダは顔をまっかにして怒った。
「図々しいにも、程があるわ!」
「そう、照れるな。会いたかったんだろう。さっき、あんなに、おれに会えて嬉しそうなようすをしていたくせに」
そして彼はゲラゲラと笑い出した。

グイン・サーガ第五巻『辺境の王者』


梅(*`Д´)ノ♪

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3224V3:2015/05/17(日) 14:09:53 ID:AsJcH7lA
「しめた!」
アストリアスはウマの手綱をつかんだ。たけり狂い、血の匂いとすさまじい喧騒とに歯のあいだから泡を吐き出して荒れ狂っている駿馬のひづめが大きくもちあげられ、少年が起き直るいとまもなく、そのほっそりとしたからだを踏みにじろうとした。
その刹那!
「レムス!」
絶叫とともに、長いプラチナ・ブロンドをなびかせた少女がウマの下をかいくぐり、弟の上へころげこんだ!
「……!」
声なき憤怒に燃え、双生のわが分身を敵のひづめから守ろうと、リンダは弟の上へおおいかぶさるなり、身をよじって、襲撃者をにらみすえた。

グイン・サーガ第五巻『辺境の王者』

梅(*`Д´)ノ♪

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3225V3:2015/05/17(日) 14:49:58 ID:AsJcH7lA
両手をもみしぼり、レムスのふるえる肩を抱きしめて、狂ったように叫んでいるリンダに注意をむけるものは、誰ひとりいなかった。
リンダは、後方送りになるひまもないまま、足首をレムスとじゅずつなぎにされてひっ立てられてきていたのである。
リンダの目は涙でいっぱいになり、いくどとなく嘔吐のえずきをこらえた。彼女の目の前で、小さな陽気な猿人たちはキーキーと叫び、のたうちまわりながら剣につきとおされ、おさえつけられてベリベリと皮をひきはがされた。
「おう——何ということを——ヤヌス、ヤヌス、お慈悲を!」
リンダはいまとなってはもうレムスしか、彼女を正気のさかい目にひきもどしてくれるものはない、というように、泣いている弟のからだにしっかりと、まるでしがみつくように抱きつきながら狂ったように叫びつづけていた。
「おお——やめて、お願い、やめて!かれらが何をしたというの、かれらに何の罪があるの——何ということ……何ということを!」
むざんに切り倒され虐殺されるセムのすがたはそのまま、クリスタルの都の美しい人びとに対しておこなわれた流血の惨劇とかさなってゆく。リンダの目に、モンゴールの四色の鎧は悪鬼のしるしとも見え、苦しみながら殺されていくセムたちはそのままリンダのいとしい身内や国民であった。
「やめて!」
血を吐くようにリンダがうめいて、レムスの胸に顔を埋めてしまった。
(どうして、こんなことがゆるされるの——どうしてこんなことを神は怒らないの。グイン、どうして来てくれないの、グイン……)

グイン・サーガ第五巻『辺境の王者』


梅(*`Д´)ノ♪

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3226V3:2015/05/17(日) 14:51:39 ID:AsJcH7lA
いったい、どこをどう通ってあらわれてきたものか——
狗頭山の、ひときわ高い岩の上に立つ、豹頭、人身のたくましい戦士は、胸に腕を組み、あたかも地上の盛衰を傲然とつかさどる運命神それ自体の化身のように、黄と黒の巨大な獣面をこの酸鼻の極の戦場へむけている。
その左右に居並ぶ、見るも魁偉な、グインそのひとよりもさえ巨大な、雄々しい巨人たちの群れ——
英雄シレノスに率いられたたくましい神兵の軍勢にも似て、いずれ劣らず雄渾な、不敵なすがたをみせるその巨人たちは、見ているうちにさえ、あとからあとからその数を増してゆく。地にまかれた竜の歯から生えいでたという、ヴァルゴスの兵士たちのように、かれらはいずくともなくあらわれ、そしてグインのうしろに並ぶのだ。
おりからかれらのうしろから上りくる朝日につつまれて、それは、神兵の降臨の、云うにいわれぬふしぎな魅力と美しさにみちて光り輝いた。巨人たちの、あわい色の髪、全身をおおううぶ毛が、逆光にすかされて、金色にすきとおり、まるでかれらそのものから光を発しているかのようだった。
かれらの手には太い棍棒が握られ、そのひきしまった腰には、太いオオカミの皮のベルトがまきついている。
グインのうしろには、その巨人族のなかでさえ、ひときわ目立つほどの巨人が、シレノスを守るバルバスのように、胸に腕をくんで足をふんばっていた。そのせまいひたいと、けわしくしかめた眉の下で、輝く目は、火を発し、すべてを焼きつくそうとしているかのようだった。
「ラゴン——!」
「ラゴン——」
「ラゴン!」
伝説のなかにだけいるとずっと信じられてきたまぼろしの民を、いま、人びとは目のあたりにしていることを知ったのである。
「グインの手が、ゆっくりとあがった。その手には、何か奇妙な、日をうけてまばゆく光る銀色のものが握られていた。
「セム——」
豹の口がカッと開いた。
そこから、大地さえゆるがすような、腹に響く咆哮がほとばしった。
「セム!」
「セム!」
すべての巨人たちが唱和した。大地がふるえ、鳴動した。
そして、グインを先頭に、巨人たちは、ドドドド……と狗頭山をゆるがせて、戦場のなかへ、いまこそ駆け入ってきたのだった!

グイン・サーガ第五巻『辺境の王者』


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3227V3:2015/05/17(日) 15:30:01 ID:AsJcH7lA
梅┃*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3228V3:2015/05/17(日) 15:32:44 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3229V3:2015/05/17(日) 15:33:05 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3230V3:2015/05/17(日) 15:33:35 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3231V3:2015/05/17(日) 15:34:08 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3232V3:2015/05/17(日) 15:34:43 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3233V3:2015/05/17(日) 15:35:18 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3234V3:2015/05/17(日) 16:10:05 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3235V3:2015/05/17(日) 16:11:36 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3236番長 ◆564hIcA1js:2015/05/17(日) 16:20:30 ID:Y178F0k.
出しゃばり参加

梅さん!(^^)ノ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3237名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 16:29:24 ID:N/798s2c
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです
本日のG1三連単!


梅(; ̄(T,) ̄) ・・・・鼻血でるなwww

同じく…梅(*´ω`*)汗www

3238名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 16:30:33 ID:N/798s2c
囚』

梅(*`Д´)ノ♪

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3239JB:2015/05/17(日) 16:31:00 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ 

どうしよう、グインサーガ読みたくなってきたやん(´・ω・`)

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3240V3:2015/05/17(日) 16:47:16 ID:AsJcH7lA
JBさん、グイン・サーガは蟻地獄…(;^_^A

梅(*`Д´)ノ♪

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3241。(*´ω`*):2015/05/17(日) 16:55:33 ID:N/798s2c
グインに手を出してはいかん。(*´ω`*)
出す場合。覚悟してね。
…蟻地獄へようこそ…ψ(`∇´)ψ

梅(*`Д´)ノ♪

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3242名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 16:56:11 ID:N/798s2c
JBさん、グイン・サーガは蟻地獄…(;^_^A

梅(*`Д´)ノ♪

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3243V3:2015/05/17(日) 17:15:46 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3244JB:2015/05/17(日) 17:16:28 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ 銀河英雄伝説もおわってないんだよ

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3245JB:2015/05/17(日) 17:18:13 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ グイン第5巻だけ読むとか、ありやなしや?応答求む

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3246V3:2015/05/17(日) 17:26:15 ID:AsJcH7lA
梅(*`Д´)ノ♪

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3247JB:2015/05/17(日) 17:31:03 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ イシュトヴァーン・サボー ハンガリーの映画監督

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3248JB:2015/05/17(日) 17:33:07 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ イシュトヴァーン・ケルテス ハンガリーの指揮者

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3249名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:53:47 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3250名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:55:15 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3251名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:55:37 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

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3252名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:57:11 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

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3253名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:57:36 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

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3254名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:57:58 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3255名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:58:23 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3256名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:58:48 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3257名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:59:11 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3258名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:59:35 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3259名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 17:59:59 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3260名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:00:30 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3261名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:02:12 ID:fWouGaTY

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阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3262V3:2015/05/17(日) 18:03:23 ID:AsJcH7lA
五巻『辺境の王者』だけを読むのもアリだと思います

では、ご存じ無い方向けのざっくりとした登場人物紹介

グイン——豹頭人身の超戦士。パロ王国の双子の遺児を助けたため、勇猛な新興国モンゴールと敵対する立場に立つ
リンダ——中原の華と謳われる三千年の歴史を持つパロの王女。モンゴールの突然の侵略により、国王たる父と女王である母を失い、パロに古より伝わる謎の機械により、友邦国アルゴスへ双子の弟と共に逃がすべく転送される筈が、機械操作のミスにより、妖魅が跋扈すると言われる辺境のルードの森へと送り込まれてしまう。十四歳。長い銀髪に紫色の瞳を持つ美しい少女。王朝の長い歴史の中でも屈指の予言者となると言われ、その名はアルカンドロス大王の娘、処女姫リンダから貰った。弟のレムスと共にパロの二粒の真珠と呼ばれる。
レムス——リンダの双子の弟。国王亡きあと第一王位継承者。気が強い姉に比べて大人しく、思慮深い少年。リンダとそっくりな美貌の持ち主であるが、姉の陰に隠れてしまいがちで、「男女が入れ替わっていたら良かったのに」などと言われたりもする。
イシュトヴァーン——中原のあるキレノア大陸の沿海州と呼ばれる地域にあるヴァラキア国出身の二十歳の傭兵。浅黒い肌に黒い髪、黒曜石のように光る目を持つ、長身痩躯の青年。戦場における運と勘の良さから『魔戦士』『紅の傭兵』などの二つ名がつく。酒場女の父なし子として生まれるが、生まれた時に掌に玉石を握っていたことから、土地の予言者から「この子は将来、王国を掌に乗せるだろう」と予言され、それを信じている。そして、彼に王座を齎すであろうと予言された《光の公女》を探している。

アムネリス——モンゴール大公の息女にして、将軍。公女将軍とも呼ばれる十八歳のうら若き公女。豊かな金髪に、緑色の瞳を持つ、モンゴール屈指の美女。ヤヌス神話の太陽神であり軍神でもあるルアーの妻、イラナに例えられるような、苛烈な気性の持ち主。厳しさ故に『氷の公女』とも呼ばれる。
アストリアス——ゴーラの赤獅子と呼ばれる、モンゴールの将来を嘱望された青年貴族。一途な気性で、アムネリスに崇拝を寄せている。
マルス伯爵——アムネリスの守役。不毛の砂漠地帯ノスフェラスへのモンゴール軍の遠征における陰の総大将ともいうべき存在。実直な武人気質。


スニ——ノスフェラスに住む亜人種セム族、ラク集落の長老の孫娘。ヴァーノン黒伯爵に囚われ、リンダと牢屋にて出会う。ネズミに襲われたところをリンダに助けて貰って以降、リンダに強い思慕を寄せ、崇拝するようになる。
ロトー——スニの祖父であり、ラクの長老。
シバ——ラクの若きリーダー。



ざくっと、こんなところです(;^_^A

3263名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:04:07 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3264名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:04:33 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3265名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:04:56 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3266名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:05:22 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
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3267名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:05:47 ID:fWouGaTY

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阿耨多羅三藐三菩提梅
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3268名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:06:10 ID:fWouGaTY

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阿耨多羅三藐三菩提梅
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3269名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:06:33 ID:fWouGaTY

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阿耨多羅三藐三菩提梅
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3270名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:06:56 ID:fWouGaTY

これより愛の戦士レインボーマン参上( ゚д゚)ノ
阿耨多羅三藐三菩提梅
阿耨多羅三藐三菩提梅

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3271名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:07:05 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3272名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:07:16 ID:WAF53LJk
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3273名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:07:27 ID:WAF53LJk
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3274名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:07:40 ID:WAF53LJk
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3275名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:07:54 ID:WAF53LJk
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3276名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:08:09 ID:WAF53LJk
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3277名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:08:21 ID:WAF53LJk
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3278名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:08:31 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3279名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:08:41 ID:WAF53LJk
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3280名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:08:54 ID:WAF53LJk
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3281名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:09:12 ID:WAF53LJk
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3282名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:09:30 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3283名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:09:40 ID:WAF53LJk
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3284名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:09:56 ID:WAF53LJk
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3285名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:10:07 ID:WAF53LJk
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3286名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:10:17 ID:WAF53LJk
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3287名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:10:27 ID:WAF53LJk
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3288名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:10:42 ID:WAF53LJk
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3289名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:10:52 ID:WAF53LJk
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3290名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:11:02 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3291名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:11:14 ID:WAF53LJk
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3292名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:11:25 ID:WAF53LJk
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3293名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:11:42 ID:WAF53LJk
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3294名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:11:53 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3295名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:12:57 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3296名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:13:12 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3297名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:13:26 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3298名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:13:41 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3299名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:14:01 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3300名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:14:12 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3301名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:20:11 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3302名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:20:38 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3303名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:20:52 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3304名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:21:12 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪ 梅るわよ〜

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3305JB:2015/05/17(日) 18:22:29 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ 梅 イシュトヴァーンてかっこいいんやんか(´・ω・`)

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3306名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:22:36 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

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3307名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:22:50 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3308名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:00 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3309名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:11 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3310名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:14 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3311名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:26 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3312名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:38 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3313名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:40 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3314名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:23:48 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3315名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:05 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3316名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:07 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3317名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:17 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3318名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:27 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3319名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:29 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3320名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:42 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3321JB:2015/05/17(日) 18:24:43 ID:mVuGp6Q2
梅(*`Д´)ノ♪ 梅 

ノスフェラス  不死の者ノスフェラトゥと関係ありやねきっと(´・ω・`)
         ドラキュラのこと 5巻だけいくかも

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3322名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:55 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3323名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:24:58 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3324名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:25:13 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3325名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:25:17 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3326名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:25:29 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3327名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:25:43 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3328名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:25:46 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3329名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:25:58 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3330名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:26:08 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3331名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:26:12 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3332名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:26:26 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3333名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:26:32 ID:fWouGaTY
オーバー ザ レインボー
(o。゚д゚)ノ♫...梅を越えて

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3334名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:26:40 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3335名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:26:55 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3336名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:27:10 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3337名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:27:24 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3338名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:27:38 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3339名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:27:54 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3340名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:27:58 ID:fWouGaTY
セブン ゴブリンズ
(o。゚д゚)ノ♫...梅伝説

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3341名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:28:09 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3342名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:28:20 ID:WAF53LJk
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3343名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:28:29 ID:fWouGaTY
セブン ゴブリンズ
(o。゚д゚)ノ♫...梅伝説

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3344名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:28:53 ID:fWouGaTY
セブン ゴブリンズ
(o。゚д゚)ノ♫...梅伝説

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3345名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:29:18 ID:fWouGaTY
セブン ゴブリンズ
(o。゚д゚)ノ♫...梅伝説

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3346名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:29:43 ID:fWouGaTY
セブン ゴブリンズ
(o。゚д゚)ノ♫...梅伝説

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3347名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:32:25 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3348名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:32:45 ID:fWouGaTY
レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、インディゴー &ウメ
セブン ゴブリンズ
(o。゚д゚)ノ♫...梅伝説

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3349名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:32:56 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3350名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:33:06 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3351名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:33:17 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3352名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:33:37 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3353名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:33:51 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3354名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:34:07 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3355名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:34:49 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3356名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:34:59 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3357名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:35:09 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3358名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:35:22 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3359名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:35:35 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3360名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:35:54 ID:WAF53LJk
♪~(・δοδ・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3361名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:39:59 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3362名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:40:26 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3363名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:40:52 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3364名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:41:17 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3365名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:41:42 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3366名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:42:06 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3367名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:42:31 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3368名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:42:57 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3369名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:43:22 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3370名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:43:44 ID:fWouGaTY
必殺仕掛人
(o。゚д゚)ノ梅安

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3371V3:2015/05/17(日) 18:49:13 ID:AsJcH7lA
グインについて補足

ルードの森に突如現れ、モンゴール軍に追われていたリンダとレムスを助けたが、自分の名前らしきグインという言葉とアウラという言葉以外の記憶を全て無くして居る。当初は豹頭の形状から水を飲むことにさえ不自由していたが、やがて何の不自由も感じないようになる。言葉も巧みに操り高い知性を持つ。そして、数々の超常現象にも見舞われるが、不屈の闘志と、過去の記憶を取り戻したいという強い意思により難関を切り拓いてゆく。会った筈の無いセム族や巨人族ラゴンの言葉を理解し、話せる自分に驚愕するも、竦むことなく受け容れる度量の持ち主。グインが現れたことにより、中原や人々の運命は大きく変わってゆくことになる、『運命』そのものと言った男。
長大な作品の中で、何十巻も本筋に登場しない時もあるが、紛れもなく本作の主人公。
夢ともうつつともつかぬ超常現象の中で『三人の女』と出会うと予言された
中原の人間からは猿と卑しまれるノスフェラスの亜人種セム族、幻の民ラゴン達からも強く崇拝され、自分達の王となってくれるよう熱望されるが、パロの双子を無事に送り届けることと自分自身の記憶を探すべくノスフェラスを後にするが、全てが終わったらノスフェラスに帰り、ノスフェラスの王となることをセムとラゴンに約束する。


作者の当初の構想では全百巻というシリーズで、最終巻のタイトルは『豹頭王の花嫁』だと明言されている。
グインは後に大国ケイロニアの皇女シルヴィアと結婚し、ケイロニア王となるが、その後も物語は続いており、最終巻タイトルにある豹頭王の花嫁とはリンダの事であろうと、大方の読者は推測している。

3372名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:52:31 ID:WAF53LJk

(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3373名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:52:49 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3374名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:53:00 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3375名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:53:12 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3376名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:53:29 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3377名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:53:39 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3378名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:53:55 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3379名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:54:05 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3380名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:54:19 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3381名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:54:29 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3382名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:54:40 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3383名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:54:55 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3384名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:55:05 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3385名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:55:16 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3386名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:55:26 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3387名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:55:36 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3388名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:55:46 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3389名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:55:56 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3390名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:56:06 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3391名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:56:16 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3392名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:56:31 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3393名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:56:45 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3394名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:57:00 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3395名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:57:14 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3396名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:57:29 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3397名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:57:44 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3398名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:57:54 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3399名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:58:04 ID:WAF53LJk
(・´з`・)~♪ ♫あなたと〜梅たい〜

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3400名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 18:58:58 ID:WAF53LJk
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3401名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:00:22 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3402名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:00:51 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3403名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:01:16 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3404名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:01:39 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3405名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:02:07 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3406名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:02:30 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3407名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:02:53 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3408名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:03:18 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3409名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:03:40 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3410名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 19:04:02 ID:fWouGaTY
ワシか( ゚д゚)ノ...梅

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3411V3:2015/05/17(日) 20:17:20 ID:vZFKXyt.
♪ 聞こえるか 聞こえるだろう 遥かな轟き〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3412V3:2015/05/17(日) 20:19:01 ID:vZFKXyt.
♪ 梅の中 心揺さぶる 目覚め始まる〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3413V3:2015/05/17(日) 20:20:34 ID:vZFKXyt.
♪ 大地割り そそり立つ姿 正義の証か〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3414名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:24:23 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3415名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:24:47 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3416名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:25:08 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3417名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:25:31 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3418名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:25:54 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3419名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:26:18 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3420名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:26:38 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3421名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:27:02 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3422名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:27:31 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3423名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:27:55 ID:fWouGaTY
ワシの任務は
(o。゚д゚)ノ♫...梅る

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3424V3:2015/05/17(日) 20:28:57 ID:vZFKXyt.
♪ 伝説の巨梅の力 銀河切り裂く〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3425V3:2015/05/17(日) 20:29:46 ID:vZFKXyt.
♪ 雄叫びが電光石火の一撃を呼ぶ〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3426名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:29:49 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3427名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:30:17 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3428名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:30:44 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3429名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:31:18 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3430名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:31:42 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3431名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:34:05 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3432夢想転生 ◆6R8TBOrKHM:2015/05/17(日) 20:34:20 ID:IyoDXIqM
1317 名前: 夢想転生 ◆6R8TBOrKHM :2015/04/15(水) 18:43:05 ID:427669ef8

Full 新聞 @full_shinbun
&middot; 45分 45分前
『動画ニュースnow』 “働き過ぎの時代はもう終わりだ!時給1,500円、これが常識だ!”〜渋谷センター街で「ファストフード世界同時アクション」 http://ift.tt/1zfMLdR
http://i.imgur.com/yE4Y0Wd.jpg
_i.imgur.com_yE4Y0Wd.jpg



1318 名前: 夢想転生 ◆6R8TBOrKHM :2015/04/15(水) 18:54:21 ID:427669ef8

「軽装甲機動車」
http://i.imgur.com/S4gsxV3.jpg

3433名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:34:28 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3434名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:34:53 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3435夢想転生 ◆6R8TBOrKHM:2015/05/17(日) 20:35:20 ID:IyoDXIqM
誤爆しました。すみません。

3436名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:35:21 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3437名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:35:44 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3438名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:36:07 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3439名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:36:32 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3440名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:36:58 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3441名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:48:12 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3442名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:51:03 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3443名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:51:29 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3444V3:2015/05/17(日) 20:51:38 ID:vZFKXyt.
♪ 震えるな心開けよ 復活の時〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3445名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:51:57 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3446名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:52:25 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3447V3:2015/05/17(日) 20:52:39 ID:vZFKXyt.
♪ 梅よ命よ〜 始まりを見る〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3448名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:52:48 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3449名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:53:11 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3450名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 20:53:38 ID:fWouGaTY
即ち
ミッション ウメ ポシブル
(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3451V3:2015/05/17(日) 20:54:43 ID:vZFKXyt.
♪ スペースランナ梅イ イデオン イデオン〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3452V3:2015/05/17(日) 20:56:15 ID:vZFKXyt.
♪ 戦うか戦えるか 怯える小梅よ〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3453V3:2015/05/17(日) 20:57:07 ID:vZFKXyt.
♪ 迫り来る悪の力に 勇気を示せ〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3454V3:2015/05/17(日) 20:58:46 ID:vZFKXyt.
♪ そらに飛ぶ輝く姿 いのちの叫びか〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3455V3:2015/05/17(日) 20:59:51 ID:vZFKXyt.
♪ 伝説の巨梅の力 銀河切り裂く〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3456V3:2015/05/17(日) 21:00:53 ID:vZFKXyt.
♪ 必殺の技が撃つのは わが身なのかと〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3457V3:2015/05/17(日) 21:02:27 ID:vZFKXyt.
♪ 恐るな心開けよ 復活の時〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3458V3:2015/05/17(日) 21:03:38 ID:vZFKXyt.
♪ 梅よ命よ 力を見る〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3459V3:2015/05/17(日) 21:04:48 ID:vZFKXyt.
♪ スペースランナ梅イ イデオン イデオン〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3460名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:20:07 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3461名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:20:31 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3462名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:20:56 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3463名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:21:20 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3464名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:21:42 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3465名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:22:07 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3466名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:22:32 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3467名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:22:53 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3468名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:23:19 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3469名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:23:42 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3470名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 22:24:04 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3471名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:03:50 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3472名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:04:14 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3473名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:04:36 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3474名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:04:58 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3475名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:05:20 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3476名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:05:43 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3477名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:06:05 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3478名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:06:30 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3479名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:06:53 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3480名無しさん@ベンツ君:2015/05/17(日) 23:07:18 ID:fWouGaTY
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3481名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:14:07 ID:PPjUEXAs
もう一杯茶いれときましょ

      ∧番∧
      (´・ω・`) _。_
      /  J つc(__アi! < トポトポ
      しー-J     旦~
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3482名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:16:47 ID:PPjUEXAs
もう一杯茶いれときましょ

      ∧番∧
      (´・ω・`) _。_
      /  J つc(__アi! < トポトポ
      しー-J     旦~
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3483名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:17:12 ID:PPjUEXAs
もう一杯茶いれときましょ

      ∧番∧
      (´・ω・`) _。_
      /  J つc(__アi! < トポトポ
      しー-J     旦~
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3484名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:17:36 ID:PPjUEXAs
もう一杯茶いれときましょ

      ∧番∧
      (´・ω・`) _。_
      /  J つc(__アi! < トポトポ
      しー-J     旦~
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3485名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:18:02 ID:PPjUEXAs
もう一杯茶いれときましょ

      ∧番∧
      (´・ω・`) _。_
      /  J つc(__アi! < トポトポ
      しー-J     旦~
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3486名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:18:21 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3487名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:18:23 ID:PPjUEXAs
もう一杯茶いれときましょ

      ∧番∧
      (´・ω・`) _。_
      /  J つc(__アi! < トポトポ
      しー-J     旦~
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3488名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:20:10 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3489名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:20:31 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3490名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:20:54 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3491名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:21:14 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3492名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:21:35 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3493名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:21:50 ID:PPjUEXAs
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3494名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:22:02 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3495名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:22:35 ID:PPjUEXAs
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3496名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:22:43 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3497名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:23:00 ID:PPjUEXAs
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3498名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:23:09 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3499名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:23:30 ID:QhS/t4Do
((。O/д゚)ノ...梅ティーヌ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3500名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:25:35 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3501名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:26:51 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3502名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:27:31 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3503名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:27:55 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3504名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:28:07 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
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3505名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:28:36 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3506名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:31:13 ID:QhS/t4Do
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3507名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:31:32 ID:QhS/t4Do
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3508名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:31:53 ID:QhS/t4Do
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3509名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:32:37 ID:QhS/t4Do
ズズズー梅~梅~梅~

 o熊o  
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と_)_)u,,,u.c(っuu)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3510名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:32:59 ID:QhS/t4Do
ズズズー梅~梅~梅~

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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3511名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:34:56 ID:QhS/t4Do
 ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
""""""""""""""""""""""""""""
(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3512名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:35:23 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3513名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:35:44 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3514名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:36:04 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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(*・o・),,,>> (・e・*)
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3515名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:36:25 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3516名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:36:57 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3517名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:37:30 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3518名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:37:55 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3519名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:38:30 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3520名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:38:51 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3521名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:40:57 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3522名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:41:25 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3523名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:41:53 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3524名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:56:40 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3525名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:57:05 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3526名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:57:32 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3527名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:57:55 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3528名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:58:17 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3529名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:58:38 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3530名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 12:59:02 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3531名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:00:23 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3532名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:00:44 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
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ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
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(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3533名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:01:11 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
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(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3534名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:01:37 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3535名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:02:04 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3536名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:02:26 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3537名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:02:48 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3538名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:03:10 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3539名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:03:31 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
""""""""""""""""""""""""""""
(・・ワ・・ワシガ梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3540名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:03:54 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3541名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:21:20 ID:QhS/t4Do
皆で飲んで、ウメ〜〜♪

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)(⌒)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3542名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:21:44 ID:QhS/t4Do
皆で飲んで、ウメ〜〜♪

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)(⌒)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3543名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:22:06 ID:QhS/t4Do
皆で飲んで、ウメ〜〜♪

 o熊o  
(* ・(エ)・),,∧ ♪∧∧
( つ旦O)^ω^ミ (=・-・)
と_)_)u,,,u.c(っuu)(⌒)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3544名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 13:58:10 ID:PPjUEXAs
ナニナニ
    彡⌒ ミ ナニナニ
   (´・ω・`) 彡⌒ミ
,彡⌒ 彡⌒ ミ (・ω・`) また梅梅の話?
(´・ω(´・ω・`) ⌒ ミノ⌒ミ
  u_| ̄ ̄||´・ω・`)ω・`) マター?
 /旦|――||// /|と ノ
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . |-u
 |_____|三|/
※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3545名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:01:01 ID:PPjUEXAs
【梅梅相談中】
               みんなウメならいいよね
      彡⌒ミ 彡⌒ミ
   彡⌒(´-ω-)(-ω-`)⌒ミ
  ( ´-ω)旦o) (o旦o(ω-` )   すばらしいよね
  (_  o[彡⌒ミ 彡⌒ミ ]o _)
  └'ー-(  ´- )(-`   )'┘
       (_   )][(   _)'
        'ー'^ー'   'ー'^ー'

※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3546V3:2015/05/18(月) 14:43:54 ID:GIZdUa.Q
♪ 梅あがれ 梅あがれ 梅あがれ ガンダム〜 梅よ〜走れ〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3547V3:2015/05/18(月) 14:45:12 ID:GIZdUa.Q
♪ まだ怒りに萌える闘志があるなら、巨大なレスを 梅よ梅よ梅よ〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3548V3:2015/05/18(月) 14:47:19 ID:GIZdUa.Q
♪ 正規の投下をぶつけろ ガンダム 希少戦士 ガンダム ガンダム(*`Д´)ノ♪♪♪
(内容の整合性は考えていないw)

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3549V3:2015/05/18(月) 14:48:33 ID:GIZdUa.Q
♪ 梅ル 梅ル おしゃまなちび キラキラと朝露浴びて(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3550V3:2015/05/18(月) 14:49:42 ID:GIZdUa.Q
♪ 水車のリズムに 合わせて踊る まるでタンポポの綿毛(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3551V3:2015/05/18(月) 14:50:58 ID:GIZdUa.Q
♪ さあ梅の扉を さあ開けてごらん そうよ人生はおもちゃ箱 何が何が 飛び出すのかな〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3552V3:2015/05/18(月) 14:52:14 ID:GIZdUa.Q
♪ 梅 梅ル梅ル 小さなレイディ とんがり帽子を横ちょに乗せて(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3553V3:2015/05/18(月) 14:53:14 ID:GIZdUa.Q
♪ 煌めく星から梅色飛行 ようこそ楽しい天使たち〜(*`Д´)ノ♪♪♪

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3554名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:55:53 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
""""""""""""""""""""""""""""
(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3555名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:56:16 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
""""""""""""""""""""""""""""
(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3556名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:56:57 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
""""""""""""""""""""""""""""
(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3557名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:57:21 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3558名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:58:40 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3559名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:59:24 ID:QhS/t4Do
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 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3560名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 14:59:53 ID:QhS/t4Do
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 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3561名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:00:34 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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3562名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:00:59 ID:QhS/t4Do
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3563名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:01:24 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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3564名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:16:46 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3565名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:20:49 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3566名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:25:59 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3567名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:26:23 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3568名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:26:45 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3569名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:27:09 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3570名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:27:31 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3571名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:43:50 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3572名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:44:15 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3573名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:44:37 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3574名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:45:15 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3575名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:45:44 ID:QhS/t4Do
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3576名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:46:09 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3577名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 15:46:35 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3578名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:09:15 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3579名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:09:38 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3580名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:10:00 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3581名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:13:32 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3582名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:13:51 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3583名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:14:12 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3584名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:14:48 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3585名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:15:09 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3586名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:26:55 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3587名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:27:25 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3588名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:27:53 ID:QhS/t4Do
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3589名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:28:29 ID:QhS/t4Do
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シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3590名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:28:53 ID:QhS/t4Do
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シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3591名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:49:11 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3592名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:49:40 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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(*・o・),,,>> (・e・*)
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〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3593名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:50:05 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3594名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 16:50:26 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3595名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:00:05 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3596名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:00:29 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3597名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:00:50 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
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ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3598名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:01:11 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3599名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:01:37 ID:QhS/t4Do
ファイトー!
シッカリ!!  (*・o・)
 ,,,,  ミ,∞ノ ,,,
(*・o・),,,>> (・e・*)
ミ,(;´>V<`)ミ,∽ノ ガンバ!
〝〝彡)〇〇(ミ〝〝
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(・・ワ・・ワシも梅ルww)


※小説スレの中身は、1〜2097レスまで

3600名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:04:55 ID:QhS/t4Do
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3601名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:07:19 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3602名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:07:51 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3603名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:08:07 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3604名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:08:23 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3605名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:08:44 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3606名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:08:55 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3607名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:09:10 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3608名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:09:24 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3609名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:09:38 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3610名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:09:48 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3611名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:10:02 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3612名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:10:12 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3613名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:10:26 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3614名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:10:40 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3615名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:15:11 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3616名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:15:21 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3617名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:15:33 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3618名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:15:53 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3619名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:16:06 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3620名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:16:21 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3621名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:16:34 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3622名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:16:48 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3623名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:17:05 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3624名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:17:25 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3625名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:17:42 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3626名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:17:52 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3627名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:18:02 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3628名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:18:18 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3629名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:18:31 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3630名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:18:44 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3631名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:18:59 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3632名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:19:46 ID:6amyYLPo
♪母梅さま〜 お元気ですか〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3633名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:21:09 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3634名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:21:26 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3635名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:21:40 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3636名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:21:59 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3637名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:22:19 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3638名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:22:32 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3639名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:22:45 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3640名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:22:59 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3641名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:23:09 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3642名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:23:22 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3643名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:23:35 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3644名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:23:51 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3645名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:24:01 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3646名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:24:13 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3647名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:24:27 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3648名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:24:41 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3649名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:24:53 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3650名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:25:06 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3651名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:25:18 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3652名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:25:32 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3653名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:25:48 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3654名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:26:50 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3655名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:27:05 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3656名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:27:23 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3657名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:28:26 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3658名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:28:37 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3659名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:28:53 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3660名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:29:12 ID:6amyYLPo
♪梅な〜さ〜い〜 笑い〜なさ〜〜い

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3661名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:30:32 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3662名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:30:47 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3663名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:31:22 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3664名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:31:37 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3665名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:31:51 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3666名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:32:06 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3667名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:32:23 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3668名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:32:37 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3669名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:32:52 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3670名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:33:08 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3671名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:33:22 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3672名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:33:39 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3673名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:33:59 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3674名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:34:12 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3675名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:34:22 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3676名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:34:36 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3677名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:34:56 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3678名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:35:11 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3679名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:35:25 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3680名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:35:42 ID:6amyYLPo
♪最強ウメ 最強 最強 最強〜

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3681名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:36:39 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф ポイッ

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3682名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:36:54 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф ポイッ

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3683名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:37:08 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф ポイッ

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3684名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:37:24 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф ポイッ

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3685名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:37:34 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф ポイッ

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3686名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:38:04 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3687名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:38:35 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3688名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:39:41 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3689名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:40:02 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3690名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:40:33 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3691名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:40:47 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3692名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:41:02 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3693名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:41:13 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3694名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:41:24 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3695名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:41:39 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3696名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:41:56 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3697名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:42:11 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3698名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:42:31 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3699名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:42:51 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3700名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 17:43:02 ID:6amyYLPo
♪~(・δεδ・)ノ⌒Ф 梅ガール 注:最近梅ている女性の意

梅(*`Д´)ノ♪

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3701名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:21:20 ID:4Wxq8ESQ
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


新規にご参加頂ける場合は、是非ともエルミタージュ図書館スレにお越し下さい。
住人一同、心よりお待ちしております(*`Д´)ノ♪♪♪

3702名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:22:10 ID:4Wxq8ESQ
☆☆☆此方へご来訪の皆様へお知らせです☆☆☆


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

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しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m


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3703名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:32:15 ID:4Wxq8ESQ
 ( 梅 )
      ( ⌒ )
       (⌒)
        (^)
         〇
          o
          。
          。
   ,,,, ナデナデ♪
  (*・o・)彡彡 ,,,,, ・・zzz
∈ミ;,∞ノ彡*´ーVー`)・z・・
  〝〝  彡⌒∥⌒ミ
""""""""""""""""""""""""""""

3704名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:47:55 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

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3705名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:48:08 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

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3706名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:48:20 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

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3707名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:48:37 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

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3708名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:49:20 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

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3709名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:49:35 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪

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3710名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:49:51 ID:6amyYLPo
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3711名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:50:11 ID:6amyYLPo
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3712名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:52:19 ID:6amyYLPo
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3713名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:52:34 ID:6amyYLPo
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3714名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:52:45 ID:6amyYLPo
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3715名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:53:00 ID:6amyYLPo
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3716名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:53:14 ID:6amyYLPo
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3717名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:53:29 ID:6amyYLPo
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3718名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:53:43 ID:6amyYLPo
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3719名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:54:13 ID:6amyYLPo
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3720名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:54:26 ID:6amyYLPo
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3721V3:2015/05/18(月) 20:48:11 ID:GIZdUa.Q
「街道番、すまぬが、水を一杯もらえぬか。きょうは暑いので、ここに来るまでに水筒を空にしてしまった」
「よろしゅうございますとも」
ルーカスはいそいそとし、
「たんと、お飲み下さいまし。ぶどう酒で割ってさしあげます。皆さまも、お飲みになって、水筒へも、つめておいでなさいまし」
「有難う」
「いや、われらは——」
他の者は、まだ水があるから、と水筒をふってチャプチャプと音をさせてみせた。そこでルーカスは、リーダーを彼の街道番の小屋の中へみちびいた。
「汚いところで」
恐縮しながら、大きなつぼから木の椀へ水をくみ、それを貴重なぶどう酒で割ると、水は美しいピンクになる。ルナンがついてきて、見張るように小屋の戸口に立っていた。騎士のほうは、物珍しげにまわりを眺めまわしている。
にくいモンゴール兵の目をかすめて、パロ軍の残党に何かしてやれることで、ルーカスは有頂天になっていた。また、このいわくありげな一隊が、何かパロのために重大な使命をおびてクリスタルへ入ろうとしている、という予感めいたものもあった。
(それが何かはきいたりするまい)
ルーカスは思う。知らなければ、あとで拷問されたとしても、云いようがない。
(成功して下さればよい)
ルーカスの兄と父は、モンゴール兵の手にかかっていることを、この街道番につとめているモンゴールの小隊は誰も知らぬ。
水筒をうけとって、それへルーカスはじょうごを使ってぶどう酒入りの水をつめていた。
が、何気なくふりむいた彼はじょうごをとりおとした。
目がまん丸く見ひらかれる。叫び声を出さぬよう、あわてて両手で自分の口をふさぐ。ひしゃくがおちて、水が床をぬらした。
騎士と、そして戸口に立っていたルナンとは、はっとした。騎士は、面頬の右側のとめ金をはずし、それを押しやって、うまそうにのどを鳴らして椀から飲んでいたのである。
その手がぴたりと宙にとまり、ルナンの手が、すばやく腰の剣へ走った。
面頬の下からあらわれたその騎士の顔——
それが、うら若い乙女のそれであったとしてさえ、ルーカスは、こうまでおどろきはしなかったろう。
それは——
まれに見るくらい、美しく繊細な、貴族的な顔であった。
ほっそりと高い鼻梁、うすくひきしまったくちびる、大きくて、アーモンドのような形の、明るいがどことなく憂いを含んだ双眸——
武人の顔というよりは、詩人の顔である。鎧よりは、ゆったりとした長衣の似合いそうな顔である。それは、男の顔としては、他に例を見ぬほど、ととのって端麗であったから、ひとつ間違えば女性的とすら見えかねなかったろう。
それを救っているのは、このたぐいまれに美しい顔に漂っている、きびしく冷徹な知性と、そして倦きたような、やさしげでしかも皮肉そうなようすのおかげであった。
むろん、ルーカスはこの顔をよく知っていた。知りつくしていた、といってもいいくらいだ。パロの国民、いやしくもその国の国民として国王陛下の顔と同様、国王の従弟にして第四位の王位継承者たる、アルド・ナリスの顔を知らぬものがいようか。
「クリスタル——公爵!」
かすれ声で、ルーカスは呻いた。
「ど——どうして、こんなところへ……」
「——!」
ルナンが、気色ばんで、切ろう、と剣をさやから、半ばぬき出しかけるのを、クリスタル公はかるく制した。
「無茶なことを——クリスタルの都へ?とんでもない——やつらが、どんなに手をつくして、賞金をかけて、あの災難を逃げのびた、王女リンダ姫、レムス王子さま、それにあなたさまのお三人を探しているか、ご存じないのですか?奴らにとって、お三方を死刑にせぬうちは、パロ占領は完成せぬのですよ——死ににいかれるようなものです……あなたさまが生きのびておられる、それだけが私どもの希望ですのに——」

※クリスタル公アルド・ナリス初登場場面では、殺されたパロ国王の従弟と表記されてますが、後に設定が変えられ(笑)、パロ国王の甥、リンダとレムスの年上の従兄弟という立場になってます

こういう、重大な設定での後出しじゃんけんが結構あるのが、グイン・サーガw

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

3722V3:2015/05/18(月) 20:50:18 ID:GIZdUa.Q
(よくぞ、生きて戻れたものだ)
アムネリスは左手に白いかぶとをかかえ、考えこむような緑色の目を左右の見なれた、なつかしい景色へむける。いくつも建ち並ぶ太柱のあいだで、短い金色のトーガ姿の宮女たちがてきぱきと立ち働き、儀式用の鎧をつけた武将たちが行きかっている。
それはアムネリスが最もよく知っている光景なのであった。それは、いかにも新興のゴーラの一公国の首都らしく、金にあかせて贅沢にしつらえてはあってもどこか武骨で、あかぬけていない。何よりも、その金づくめの宮殿の中を行きかう人びとの顔が、男も女も日に灼け、しっかりとひきしまって、戦うものらしいきびしさを見せているのである。
しかし、そうはいっても、きれいにみがきぬかれた廊下を遠征軍の一団がすぎてゆくと、いかにもかれらは垢と埃りにまみれ、つかれはてて、敗けいくさの失態にうなだれてみじめに見えた。
アムネリスはきッと唇をくいしばり、ゆたかな黄金の髪を振りやる。
「右府将軍、モンゴールの公女アムネリス殿下——!」

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

梅(*`Д´)ノ♪

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上で、付け足すのを忘れてしまったw

3723V3:2015/05/18(月) 20:51:25 ID:GIZdUa.Q
「アムネリス。お前は、今年で、十八であったな」
「はい?」
「よかろう。十八ともあれば、そろそろお前も女として、結婚話のひとつも出てよい年ごろ——クリスタルへおもむき、婚礼をあげよ」
「ええっ?」
こんどこそ、アムネリスは、口をひらくことさえ忘れてしまったかに見えた。
「そ——それは…」
「タイランが委細はすべてこころえておる。このたびは向こうへ行っても、ウマにのることも、閲兵することもいらぬぞ。ドレスに身をかざり、せいぜい花婿どのの心をとらえるよう、心をくだくのだな。いや——うむ、お前はわが子ながら美しい。モンゴール一の美女といったところで何の誇張もない。これならば、まずたいていの男は、お前に心をうばわれるであろうよ」
「……」
アムネリスは、紙のように蒼白になっていた。
そして、彼女のうしろで——彼女よりもさえ、なお青ざめ、凍りついたように立ちつくしていたのは——云わずとしれた、アストリアスであった。

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

梅(*`Д´)ノ♪

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3724V3:2015/05/18(月) 20:52:55 ID:GIZdUa.Q
「この私が、結婚だと!どうせ、いずれはモンゴールのためにどこかと縁づけられるからだとわかっていたが、しかし、せめてあと二年はと思っていたのに」
「でも、姫さまなら、きっと婚礼衣装が、この上もなくお似合いですわ」
「ええ、美の女神サリアのようですわ」
「お黙り、フロリー、ルシア。私はサリアなどまっぴらだ。私は、軍神ルアーの妻イラナにこそ、なりたいのよ」
「ほんとに、姫さまはイラナですわね」
侍女たちは笑いさざめきながら、アムネリスに湯あみさせ、黄金の髪をくしけずった。
旅の埃をおとした白いからだに、長いやわらかいトーガをまとうと、アムネリスは髪をかわかしにテラスへ出た。
そして、庭を見おろして眉をひそめた。
「ミアイル。女宮へ入って来て」
「姉さま……」
病身のモンゴールの公子は、おずおずと、憧れをこめて姉を見上げる。
「どうなの、ミアイル。ちょっとは身体は強くなったの。剣は。ウマは。兵法書は読んでいて?」
アムネリスは、いくぶん冷ややかに訊ねた。が、公子の弱々しい表情をみて肩をすくめる。
「そう!いくつになっても、お前は——死んだ母上の悪いところばかりうけついでしまって、ちっとも英雄たる父上に似ていないのね。まったく——まったく、お前が女で、パロへ嫁ぎ、私がモンゴールの公子なら、どんなによかったろう。ああ、まったく、うんざりする。ドレスを着て舞踏会なんて!」

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

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3725V3:2015/05/18(月) 20:54:21 ID:GIZdUa.Q
エマ女王のことばは、断ち切られたように途絶えた。
前ぶれもなく、荒々しい足音と同時に、サンルームの扉がひきあけられ、入ってきたものがあったのである。
エマ女王は迎えるように腰をうかせながら、
「まあ、またそんな乱暴な——でも、あなたに、礼儀作法を守っていただくようお願いしても無駄なことぐらい、とっくにわかっていますわ。あなたは騎馬の民の長なのですものね」
「そのとおりです、義姉上」
入って来た男は、入口のところに立ち、じろじろと室内を無遠慮に眺めまわした。
一瞬、まるで、室内にとびこんできたのは黒いつむじ風か、とさえ思われる、それほどに印象的な新来者の姿であった。
年のころは、二十五、六、青年である。しかし、青年とは思えぬおちつきと、そして何やらふてぶてしいほどの精気が、そのたくましい長身全体から発散し、見るものをおどろかせる。
どちらかといえば、——繊細で優雅なパロの宮廷びとの基準からいえば、お世辞にも、美男とも、ととのった容姿だとも云えないであろう。がっしりとした顎と、ぎらぎら光る目、そして背まで流れおちるこわい黒髪——その顔の、左頬から、頬の下まで走っている、古い傷が、いっそう物すさまじい印象を与える。
長い髪をいっそうひきたてるように、頭には黒いターバンをかぶり、その端を髪と一緒に長く垂らしている。身につけているのは、黒いなめし革の胴着とふわりとしたマント、それに革の胴着の胸には、エマ女王のドレスと同じように、手さきの器用なアルゴスの女たちがぬいとった、はなやかな刺繍がほどこされ、それが妙に、ターバンとあいまって、いかにも草原ふうの情趣をただよわせ、彼を騎馬の、漂泊の民らしく見せていた。
腰につけた太い、刺繍のある飾り帯には、先の曲がった短い、金づくりの短剣と、何本もの投げナイフがさしこまれている。目もとはきつく、たけだけしく、草原をかける黒ヒョウを思わせてつりあがり、まるで彼の背中に炎とつむじ風とがうずまいているかのようだった。
それは、恐ろしいほどに強烈な個性と、圧倒的な精気とを見るものにおしつけて来ずにはおかない青年であった。その笑い顔はたけだけしく、凄みがあったが、そのくせどことなく子供のように清らかでもあって、人をひきつけると同時におののかせた。いま、彼は、その獰猛な笑顔に、更に大きく手をひろげながら、二人の方へ大股に近づいてくるところだった。
「おれに、パロの宮廷びとの雅びなふるまいを期待するのは、おかどちがいというものですよ。なるほど姉上は、ガラスづくりの人形のようにたおやかで美しいが、このアルゴスの女がすべて姉上のように風にもあてられぬたおやめだったら、この風のつよい草原の国はほろびてしまう」


グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

梅(*`Д´)ノ♪

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3726V3:2015/05/18(月) 20:55:48 ID:GIZdUa.Q
人々はしいんとして耳をころし、ただ一語もききもらすまいとした。
グインはゆっくりと口をひらいた。
「セムよ、そしてラゴンよ。すべての砂漠の兄弟たちよ」
「リアード!」
上りかけた叫びをシッと他が制した。
「そうだ。わが親愛なる、砂漠の兄弟たちよ。俺は、明日、ここを去る」
誰かが非難めいた声をあげた。が、それはたちまちやみ、人びとはグインの重々しい声のつづきを待った。
グインはちょっと目をとじた。そして続けた。
「俺は砂漠が好きだ。砂漠の民は俺たちを迎え、俺たちに従って戦ってくれた。かれらは勇敢でかげひなたのない心の直ぐなあたたかい民だ。俺はかれらを砂漠の兄弟と呼べることをどんなにか誇りに思っている——しかし、俺は行かなくてはならぬ。というのは、俺には、せねばならぬたくさんのことがあるからだ。それは長い困難な仕事で、おわるまでに長いことかかるだろう。だが、せねばならぬことなのだ。そして、それが長くかかるほど、それを早くおわらせるにはたったひとつ、それに早くとりかかる以外にはない。——砂漠の兄弟たちよ、それゆえ、俺は明日、砂漠を発つ。しかし、俺は兄弟たちを忘れぬ。兄弟たちが俺に、砂漠に住んで、ラゴンとセムとを統べる王ともなってくれ、と云ってくれたことを忘れぬ、兄弟たちよ——だから、俺は行くが、それは俺がここをすててゆくのではない。俺は用をすませに出かけてゆくのだ。俺はまた必ずノスフェラスに戻って来る」
ふいに、グインの声は爆発する歓声に消された。
ラゴンとセムとは立ちあがって、グインの名をよび、叫んでいた。かれらは、それを知りたかったのだ。それこそが、まさしく、かれらのききたいことばだったのである。
グインは両手をあげた。彼は感動しているようだった。歓呼がおさまるのを待って彼はつづけた。
「だから、砂漠の兄弟たちよ、俺が仕事にと砂漠を出かけてゆくこと、長いあいだ留守にすることを許してくれ。しかし約束しよう、セムがそう呼んでくれるアルフェットゥの子と、ラゴンがそう信じてくれるアクラの使者との名誉と神聖な名にかけて誓おう。たとえ、いつまでかかろうとも、俺はいつか必ず砂漠に帰ってくる。そして、ラゴンを約束の地に導き、セムの平和を守る。その日まで、待っていてくれるか、砂漠の兄弟たちよ!」

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

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3727V3:2015/05/18(月) 20:57:02 ID:GIZdUa.Q
「さあ——剣を」
カースロンの声がわずかに苛立ちをひそめた。
(ルナン!)
「し、しかし——」
思わず、ルナンはうわごとのように口走っていた。
「ルナン卿、どうなされたかな」
カースロンの目がさぐるように、ルナンの上にすえられる。
ルナンはゆっくりと剣を上へあげた。それは、いかにも、剣を鞘におさめようとするしぐさともうけとれたので、モンゴール兵は動かなかった。
ナリスは無防備に、かすかなほほえみをうかべながら、そののどもとと胸をこころもちルナンの方へむけて立っている。ルナンの腕ならば、むろん、たった一刀で、そのナリスの心臓をつらぬくことができよう。
ふいに、ルナンは、わななくような息を吐くなり、剣を鞘におとしこんだ。かしんと軽やかな音をたてて、パロふうの細身の剣は美しいかざり彫りをほどこした鞘にすべりこむ。
(わ——私にはできません)
ルナンは呻いた。
(私には、どうしても…)
「やくたいもない——」
ナリスは肩をすくめ、小さく舌打した。が、カースロンをふりむいた美しい顔からは、もういささかもそのひそやかな葛藤も、罠にかかった無念も、自らの運命へのおそれさえ、見てとることができなかった。
「ルナンも、降参したようだ」
彼はにっこりと笑って云った。
「いずれなりと同道しよう。ランズベールへでも、クリスタル・パレスへでも」
「よい覚悟だ」
にやりと、カースロンが、これは酷薄な、陰惨な笑みをうかべる。
アルド・ナリスはモンゴールの手におちたのである。

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

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3728V3:2015/05/18(月) 21:06:28 ID:GIZdUa.Q
はっ——と、すべての人々が踊りも、料理をとる手もやすめ、好奇にみちた目を、入口にそそいだ。
庭園はざわざわと、狂風にゆれる芦の原のようにさわいでいる。
その中を、ゆっくりと、いったんとじられた扉が再びあけはなたれた。
「——アムネリス殿下!」
すべての目が、くいいるように見つめる中を、——二人の白騎士隊長を従え、きびきびと歩み入ってきたのは……
一人の女神、戦いの守護女神——そして、ルアーの妻なるイラナであった。
白絹のトーガ、緋のサッシュ、左手にたずさえまがりくねった杖にまきついた蛇の彫刻——そして白と赤のかぶと。
すべてが、ルアーと対を思わせ、そしてまた、なんと彼女はイラナにふさわしかったことだろう。
パロ宮廷の華麗な貴族、姫君たちの満場の注視を、いくぶんあらさがし気味にあびせかけられて、アムネリスはその白いほおをさらにきつくひきしめていた。かぶとはとって右手にかかえたまま、ゆたかな黄金色の髪が光にはえて背中へ流れおちている。くちびるはきっとひきむすばれ、(なんと、ばからしい——!私はこのような暇人あいてに社交など、しているいとまはないというのに)とでも、さけびたさをこらえているかのようだ。
するどく深いエメラルドの瞳は、軽蔑しきったように、華麗な室内をねめまわした。

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』


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3729V3:2015/05/18(月) 21:09:35 ID:GIZdUa.Q
「姫さまには、ご機嫌うるわしく——」
「おお、タイラン、いま着いた」
アムネリスは苛々と、
「よいわ、長々と挨拶など——まったく、このような茶番めいたものを着せられ、到着早々不快この上もないわ。で、どうなのだ、タイラン、命じたおもむきは」
「は。それはもう、たしかに——いま現に、あちらにおられて」
「どの男だ、それは」
アムネリスはひどく不機嫌だった。
この任務そのものが、どうにも気に入らぬ上に、仮装舞踏会などという典雅なたわむれは、アムネリスの果断な気性にはまったくあわないのである。それがその人である、とさし示されたあいては、おりしも、十何人ものそれぞれに美しい姫君たちに囲まれ、うっとりと見つめられながら、中のひとりの髪に花入れからぬきとった花をさしてやるところだった。
「太陽神のルアーか」
唇をひん曲げて、アムネリスは呟いた。クリスタル公の話はさんざんきかされている。女のような美貌で、それに似合わぬ勇士、ときいてはいたが、
(どうせ旗本隊に守られた勇士、剣ももち上げられぬ英雄なのだろう)
うんざりしながら、ともかくお引きあわせを、と命令どおり花婿をそこにひきすえられたことがすっかり得意満面のタイランについて広間をよこぎった。自分では気づかないが、彼女の歩き方はまるで軍人のそれである。
「失礼を——ナリス殿下」
タイランが美しい姫たちをかきわけた。
「わがモンゴールの公女にして右府将軍たる、アムネリス殿下が、ご到着になられましたので……」
「おお」
アルド・ナリスは、かぶとをつけたままディヴァンから立ちあがった。
(これが、私の良人か。まるで、女のように髪をのばして、おまけに銀粉などをふっているではないか)
「おお、これはお美しい。このような折であるから、無礼講で申し上げてしまうが——これは、まことに、イラナその人かというような……ルナン、これが無礼講の席で、まことに幸せであったな。もし、正式の謁見であったら、とても、私はこのように思ったとおりを率直に口にはできなかったろう」
「さようでございますな」
(おのれ、歯の浮くようなことを——)
アムネリスは唇をかんだ。タイランが気をもんで、
「ナリス殿下——失礼ながら、そのおかぶとを——」
「おお、そうか。そうであったな」
ナリスは、笑って、白と銀の、ルアーのかぶとを、すっともちあげた。
その刹那……
「あっ!」
アムネリスの口から、低い叫びがもれていた。

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』

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3730V3:2015/05/18(月) 21:10:52 ID:GIZdUa.Q
「どうされました、アムネリス姫」
「あ、いや……」
(ルアー!)
アムネリスは、激しく目ばたきをして、視線をはずそうとした。
だが、あらわになった、アルド・ナリスの顔から、どうしても目をはなすことができないのである。
(世——世の中に、こんな、こんな美しい、凛々しい……こんな……)
アムネリスは、にわかに、どきん、どきん、とあつく心臓がひびきわたりはじめるのを、激しく意識した。
かっと頬があつくなり、目のまえがぼうっとなる。うるさくなりひびいている音楽も、人々の話し声も、ふいに、すーっと静寂の内に吸いこまれ、世界じゅうが、ふかい水の底にでも変じたのかと疑われた。
(ばかな——どうしたのだ……私は——)
長旅で疲れているのだろうか——と、ぼんやりと自問してみる。その顔のすぐまぢかに、アルド・ナリスの冴えざえと疑い、底知れぬ黒い潮のような瞳が彼女をじっと見つめている。絖のように光る、見つめているだけで、その中へ吸いこまれていってしまいそうなあやしく、冷たい、黒曜石の瞳だ。
(ああ……)
なぜ、こうも、胸苦しいのだろう——そう、腹立たしく、アムネリスが思ったときだ。
「どうされました。何か、飲み物でも、アムネリス姫」
やさしく、艶雅に、ナリスがほほえみかけた。
「失礼いたしました——タイラン、どうも、私は疲れているようだ」
「それはいけませぬ。では、そちらに控えの間がありますゆえ、少しお休みを——うかつなことをいたしました。さようでございましたな。殿下ははるかトーラスからの長旅のあと、ゆるりとお休みいただくいとまもなしで……」
それに、早速、報告したいことなどもあるのだろう。またのちほど、とあわただしく、タイランと白騎士隊長たちが守ってしりぞくのを見やりながら、
「なるほど——イラナだな」
ナリスはつぶやいた。ルナンが見上げた。
「どうなさいます——やりますか」
「いや……」
ルナンが、びっくりしたようにナリスをみた。ナリスの目が、きらきらと、あやしい、えたいの知れぬ冷笑をうかべて輝き出していた。
「気がかわった。それは、せぬ」
「し、しかし今宵こそ、千載一遇の好機かと——」
「そう思っていた。が——どうやら、もっと面白い手もあるようだぞ、ルナン」
「まさか、ナリスさま……」
「まあ、私に任せておくのだな」
ナリスは呟くように云った。
ふいに、かれは、低く笑いはじめ——それはじきに哄笑にかわった。
ルナンはと胸をつかれたように、ナリスを見つめている。ナリスの笑みに、何か恐ろしいものがうごめき出しているのがわかる。
ルナンは思わず息をのんで、ナリスの美しい横顔を凝視していた。

グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3731V3:2015/05/18(月) 21:12:44 ID:GIZdUa.Q
六巻、これにて閉幕

最後の場面、一括投稿するつもりが長過ぎると弾かれてしまい、やむなく三分割w

梅(*`Д´)ノ♪

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3732名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:31:52 ID:4cdCbGBw
3714 :名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:52:45 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ ハンガリー系ネーム イシュトヴァーンかっこよす

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3733名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:44:18 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3734名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:44:35 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3735名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:44:51 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3736名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:45:05 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3737名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:45:17 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3738名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:45:31 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3739名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:45:42 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3740名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:45:57 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3741名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:46:11 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3742名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:46:26 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3743名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:48:39 ID:4cdCbGBw
3714 :名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 18:52:45 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ いとへんにひかりで「ぬめ」とな(・◇・。)

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3744名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:48:46 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3745名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:48:56 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3746名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:49:11 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3747名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:49:25 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3748名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:49:38 ID:6amyYLPo
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3749名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:49:52 ID:6amyYLPo
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3750名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:50:05 ID:6amyYLPo
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3751名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:50:18 ID:6amyYLPo
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3752名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:50:36 ID:6amyYLPo
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3753名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:50:49 ID:6amyYLPo
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3754名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:50:59 ID:6amyYLPo
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3755名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:51:16 ID:6amyYLPo
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3756名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:51:29 ID:6amyYLPo
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3757名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:54:12 ID:6amyYLPo
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3758名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:54:22 ID:6amyYLPo
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3759名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:54:43 ID:6amyYLPo
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3760名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:54:53 ID:6amyYLPo
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3761名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:55:03 ID:6amyYLPo
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3762名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:55:20 ID:6amyYLPo
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3763名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:55:42 ID:6amyYLPo
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3764名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:55:55 ID:6amyYLPo
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3765名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:56:12 ID:6amyYLPo
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3766名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:56:22 ID:6amyYLPo
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3767名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:56:36 ID:6amyYLPo
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3768名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:56:46 ID:6amyYLPo
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3769名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:57:10 ID:6amyYLPo
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3770名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:57:25 ID:6amyYLPo
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3771名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:57:44 ID:6amyYLPo
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3772名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:57:55 ID:6amyYLPo
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3773名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:58:14 ID:6amyYLPo
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3774名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:58:30 ID:6amyYLPo
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3775名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:58:33 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

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3776名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:58:46 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3777名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:58:58 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3778名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:01 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3779名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:11 ID:6amyYLPo
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3780名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:27 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3781名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:31 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3782名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:41 ID:6amyYLPo
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3783名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:51 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3784名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 21:59:56 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3785名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:00:05 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3786名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:00:17 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3787名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:00:40 ID:6amyYLPo
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3788名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:00:51 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3789名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:01:07 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3790名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:01:22 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3791名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:01:36 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3792名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:02:02 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3793名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:02:28 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3794名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:02:31 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

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3795名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:02:42 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3796名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:02:55 ID:6amyYLPo
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3797名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:03:10 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3798名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:03:12 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3799名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:03:25 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3800名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:03:41 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

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3801名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:03:51 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3802名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:03:54 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3803名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:04:05 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3804名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:04:20 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3805名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:04:29 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3806名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:04:36 ID:6amyYLPo
梅(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3807名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:05:46 ID:CtCaQ5xY
梅たらいかんぜよ(o。゚д゚)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3808名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:10:08 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3809名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:10:19 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3810名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:10:31 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3811名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:10:45 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3812名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:10:55 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3813名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:11:05 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3814名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:11:19 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3815名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:11:29 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3816名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:11:43 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3817名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:11:58 ID:6amyYLPo
♪梅たらあっかっん〜(*`Д´)ノ♪ 

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3818名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:15:22 ID:6amyYLPo

梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3819名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:15:34 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3820名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:15:49 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3821名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:16:00 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3822名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:16:21 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3823名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:16:34 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3824名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:16:58 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3825名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:17:13 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3826名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:17:35 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф
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3827名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:17:46 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(*`Д´)ノ♫

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3828名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:17:48 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3829名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:18:01 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3830名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:18:11 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3831名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:18:29 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3832名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:01 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(*`Д´)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3833名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:16 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3834名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:26 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(*`Д´)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3835名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:31 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3836名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:41 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3837名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:53 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(*`Д´)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3838名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:19:56 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3839名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:20:13 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3840名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:20:31 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3841名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:20:39 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3842名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:20:55 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3843名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:21:07 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3844名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:21:42 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3845名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:22:34 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3846名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:22:44 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3847名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:22:55 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3848名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:22:57 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3849名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:23:11 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3850名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:23:18 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3851名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:23:22 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3852名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:23:39 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3853名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:23:53 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
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※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3854名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:23:54 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3855名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:24:05 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3856名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:24:20 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3857名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:24:26 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3858名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:24:38 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3859名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:24:48 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3860名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:27:22 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3861名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:27:33 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3862名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:27:44 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3863名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:27:54 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3864名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:28:05 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3865名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:28:15 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3866名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:28:26 ID:6amyYLPo
梅♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3867快便100面相:2015/05/18(月) 22:28:34 ID:7gVLWu4s
無理に梅無くても、スレッドストップしますよ!!!

運営に荒らし扱いされる可能性が・・・(;´Д`)

3868名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:34:07 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3869名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:34:44 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3870名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:35:12 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3871名無しさん@ベンツ君:2015/05/18(月) 22:36:01 ID:CtCaQ5xY
いざ鎌倉
梅(o。゚д゚)ノ♫


※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3872名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:25:03 ID:uptaiUQw

      ∧_∧ マハラァ〜〜マハラモスラァァァ〜♪
     (´・ω・`)
    (((oo   )    ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3873名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:25:42 ID:uptaiUQw
     ∧_∧ タァマァ〜タァマモスラァ〜〜♪
     (´・ω・`)
     .(   oo)))  ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3874名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:26:29 ID:uptaiUQw
     ,∧_∧ ラァ〜バァ〜〜ン♪
     (´・ω・`)
     ((o   o))   ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3875名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:27:29 ID:uptaiUQw
     """"""""""  .""""

      ∧_∧  グエラ ラバナン〜〜♪
     (´・ω・`)
     (  oo )   ,,,,.,.,,,, ホッシュ!
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """""""""   """"
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3876名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:28:54 ID:uptaiUQw

      ∧_∧ マハラァ〜〜マハラモスラァァァ〜♪
     (´・ω・`)
    (((oo   )    ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""

(古代マレー語・・・だそうです)
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3877名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:45:05 ID:uptaiUQw
 
      ∧_∧ モスラァ〜ヤッ モスラァァァ〜♪
     (´・ω・`)
    (((oo   )    ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""

3878名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:45:53 ID:uptaiUQw
    """"""""""  .""""

      ∧_∧ ドゥンガンカサァ〜クヤンッ♪
     (´・ω・`)
     .(   oo)))  ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3879名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:47:13 ID:uptaiUQw
    """"""""""  .""""

      ∧_∧ インドゥムウゥゥゥ〜♪
     (´・ω・`)
     ((o   o))   ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3880名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:47:47 ID:uptaiUQw
     """"""""""  .""""

      ∧_∧  ルストウィラァァァァ〜ドアッ♪
     (´・ω・`)
     (  oo )   ,,,,.,.,,,, 
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """""""""   """"
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3881名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:48:21 ID:uptaiUQw
    """""""""   """"

      ∧_∧ ハンバハンバァァムヤン♪
     (´・ω・`)
    (((oo   )    ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3882名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:48:58 ID:uptaiUQw
     """"""""""  .""""

      ∧_∧ ランダバンウンラダンッ♪
     (´・ω・`)
     .(   oo)))  ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3883名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:49:27 ID:uptaiUQw
     """"""""""  .""""

      ∧_∧ トゥンジュカンラァァァァ〜♪
     (´・ω・`)
     ((o   o))   ,,,,.,.,,,,
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """"""""""  .""""
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3884名無しさん@ベンツ君:2015/05/19(火) 16:50:54 ID:uptaiUQw
  

      ∧_∧  カサクヤァァァァァン♪
     (´・ω・`)
     (  oo )   ,,,,.,.,,,, 
..     日 日 日  ミ・д・ミ
     """""""""   """"
(こちらはインドネシア語)
※新スレはこちら→http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1431402899/

3885V3:2015/05/21(木) 23:55:57 ID:ZVDjidx6
アルゴス——
見わたすかぎりの草原を、銀色の鎧に身を包んだ騎馬の軍隊が進んでいた。
うしろには早くも遠くかすみかけているマハールの白い町々——そして、風にそよぐ草の中にひとすじ、リボンのようにのびてゆく赤い街道。
「全軍——」
草原の空気をふるわせて、するどい命令がひびくと、たちまた、さっとすべての手綱がひきしぼられる。
「止まれ!」
まるで、魔法の糸にひかれてでもいるように、すべての動きが止まる。
「おお——」
その一軍の先頭で、ゆらり、と一人のきわだって長身の騎士がかたわらをふりかえった。
「それでは、これで——?」
「ベック公」
彼に話しかけられたほうは、黒づくめ、黒いターバンの下から、長い黒髪を背に流し、浅黒い顔にくっきりと傷あとの目立つ、ひときわ目をひく偉丈夫だった。
「ここがアルゴス国境だ。このさきは、草原の民グル族の地——心して行かれるがよい」
「スカールどの、何から何までお世話をかけた」
ベック公は、その黒衣のアルゴスの王太子の手をとり、その上に頭を垂れた。
「エマ女王にも、むろん王陛下にも、くれぐれも——」
「わかっている。早く、行かれるがいい。パロはこの草原につぐ草原、山々といくつもの国境をこえて更にそのむこうだ」
その勇猛さと、何とはない獰猛で荒々しい不吉な印象のために、いつのころからか、アルゴスの黒太子と通称されるスカールは、無造作にうなづくと、ムチで草原の彼方を指し示した。
「お願いした援軍の件——何分……」
「草原の民に二言はない。安心して行かれるがいい。おれはこれからグル族の長をかりあつめ、勇猛な騎馬の民の精鋭をひきいてあとからパロへ向かう」
黒いターバンと黒い胴衣、革のズボン、黒い瞳、髭——まっ白な歯を除いては、何もかも夜のように黒いスカールは、その白い歯をみせて狼のように笑った。


※ベック公とは、パロの大貴族で臣籍に着く王族の一人。勇猛公の異名を持つ。殺された国王の弟の息子で、リンダ、レムス、ナリスとは従兄弟にあたる。ナリスに次ぐ、第四王位継承者。パロからアルゴス王へ嫁いだエマ女王に会う為にパロを留守にしていたところモンゴールにパロは襲撃され、アルゴスにて憂悶の日々を送っていたが、各国に助力を求めながらパロ奪還へと向かう。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』


梅(*`Д´)ノ♪

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3886V3:2015/05/21(木) 23:56:47 ID:ZVDjidx6
「いくさですか、ご主人」
「おお、大きないくささ」
「でも——」
「何だ、ター・ウォン」
「もし、カウロスやトルースが、参戦しなかったら——?もし、モンゴールにつくといったら——?」
「それは、ベックの腕しだいだ」
そっけなくスカールは云った。
「カウロス、トルース、それに自由開拓民たちは、パロにも、といってゴーラ三国にもとりたててつながりもなければ恩義もない。いかにそれらを動かし、パロ軍をモンゴール軍に立ちむかえるものにするか——下手をすれば、かれらがいまやアルド・ナリスと並びただ二人、その生存のはっきり知れているパロの王族たるベック公をとらえ、モンゴールにつき出すことで、モンゴールに恩を売るが得策だ、と考えてしまうかもしれんしな。いま、パロは事実上壊滅状態で、二人の王子王女も行方知れずだ。それにひきかえゴーラ三国な日の出の勢い——わがアルゴスとて、もし縁つづきという絆がなければ、ベック公をかくまい、力をかすにはやはり考えたろうよ」
「そんなものでございますか、ご主人」

※ゴーラ三国とは、ユラニア、クム、モンゴールという同盟関係を結ぶ三国を指す。
元々ゴーラという一つの大国であったが、分裂し、今に至る。ユラニアに形ばかりとなったゴーラ皇帝を頂くが、ユラニア支配権力は別一族の手にある。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』


梅(*`Д´)ノ♪

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3887V3:2015/05/21(木) 23:57:42 ID:ZVDjidx6
「風はいいな」
ハン・イーにとも、ター・ウォンにともつかずに云う。
「草原に吹く風が強ければ強いほど、おれはその日がいい日に思える。あとで時間があったら遠乗りにゆくぞ。ゆけたら、カウロス国境ぐらいまでゆきたいな」
「その遠乗りには、わたしも一緒につれてってよ、太子さま」
突然、丈のひくい灌木のしげみの向こうから、明るい声がひびいた。
スカールは少しもおどろかなかった。というよりも、はじめから、そこにその人がいることは、百も承知であったのだ。
「おお、いいとも、リー・ファ」
彼は云った。
「出ておいで」
「ちょっと待ってて。このヴァシャの茂みが、からまっちまって——」
ややあって、一人の娘が、向こうからはずむような足どりであらわれた。すらりと背の高い、東方系の目のつりあがった顔立ちに、黒髪を両側にたばねてとめた、美しい娘である。
色が浅黒く、唇が紅かった。しなやかで敏捷な身ごなしはネコを思わせる。ほっそりとしたからだには、グル族特有の、こまかな刺繍をほどこしたヴェストとブラウス、それにフリンジのついたスカートをつけ、足には革の乗馬靴をはいて、腰から半月形に曲がったグル族の短剣をつるしていた。彼女は、非常に目をひく娘だった——いかにも草原の、いまだに野性を色濃くのこす騎馬の民の娘であると同時に、何かしら、それ以上に非凡で激しい、見るものをはっと一目でひきつける強烈な個性を持っていた。彼女は浅黒い女獅子のように見えたが、とても女らしかったし、それにのびやかで素朴だった。彼女はどことなく、彼女の前に手を腰にあてて立って、大っぴらな賛嘆の目でじろじろと彼女を眺めているスカール自身とも、奇妙に似かよった雰囲気をもっていた。それはたしかに、石と水晶のパロや、ゴーラ三国の女たちの内にも、まず決して見出されぬものだったろう。
「やっと会えたな、リー・ファ」
スカールは微笑して云い、手をさしのべた。娘は奇妙なことをした。その手をとり、もちあげて、自分の額にそっとおしあてたのである。これは、グル族の敬愛のしぐさであった。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』


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3888V3:2015/05/21(木) 23:58:45 ID:ZVDjidx6
「困りますのは、ケイロニアのアキレウス大帝が、パロ、アルゴスの縁組をかねてから心よく思っておらぬことで」
シンは云った。
「アキレウス大帝は、一説によると皇女シルヴィア姫を、モンゴールのミアイル公子にめあわせてもよい、という意向のようなのですが」
「それは、まずいな。その意向か、密約があって、モンゴールがケイロニア国境からパロへせめこむのを黙認したのだ、とすると、われわれは大国ケイロニアをあいてにせねばならんことになる」
スカールがあごをかいた。
「シルヴィア姫は、いくつになる」
「まだ十三で」
「ふむう、ミアイル公子はやはりそのぐらいなものだな」
スカールは鼻で笑った。
「だから、パロのアルドロス王は、さっさと誰か王子をケイロニアの婿に決めておくべきだったのだ、あの真珠のかたわれ、レムス王子なら年頃もちょうどあったろうし、年が上でもクリスタル公あたりなら、アキレウス大帝もイヤとは云わなかったろう。それを、パロ王家は、聖なる一族の青い血はあまりまぜあわせてはならぬのだ、などと、ばかげた家訓をたてにとって、だから中原で孤立するにいたったのだ」
「パロの王族は、ヤヌスの祭司の家柄ですから」
なだめるように老族長が云う。
「他の血が入りこむと、あの一族に伝わる霊能力がよわめられてしまうのだそうで」
「ふん、霊能力か。いまの文明の世の中に、魔道やあやかし、易卜のたぐいばかりで王国が保てるものか」
疑いぶかい草原の民であるスカールは鼻をならした。
「だから、見ろ。そんな世迷い言は歯牙にもかけぬモンゴールに、あっさりと首都をおとされてしまった。おれの義姉たるエマ女王も、しょっちゅう占い棒や占い盤をいじくったり、交感だ交霊だとさわいでいるが、魔道で敵を滅ぼせるなら、剣や弓矢はいらんわ」

※ここでも設定違いがw ケイロニア皇女シルヴィアは十三とありますが、すぐあとの巻では十八歳に。シルヴィアが本編に登場した時も、十八歳として出て来ます。この辺りはしかし、「情報伝達が不確かな時代だからね」と、生温かく目を瞑れるかなという程度の設定違いw


グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3889V3:2015/05/21(木) 23:59:39 ID:ZVDjidx6
「ふーん」
興なげにリー・ファは云った。
「太子さまも、ゆくの」
「ああ、ゆく。おれはどのみち、もうじきパロに出征する。いつ帰ってくるかは、わからん。中原に平和がもどるまでだ」
「わたしも行く」
「来たければ来い。ただし、足手まといにはなるなよ」
「ならない。わたし、グル族の次の女族長だもの」
「そうだな」
二人はしばらく黙りこんでいた。草原に、日はいまおちようとし、壮麗な光をひろびろとした地平にひろげている。あたかもそれは、紅から黄金にいたるあらゆる色あいで築きあげた、何十層もの大理石の宮殿のようにみえる。
「おれは、ときどき、妙な思いにかられることがある」
スカールが夢みるように口をひらいた。その古い傷あとのある横顔も、日に照りはえてあかね色にそまっていた。
「どんな——?」
「いつか、おれは、誰かについてゆくか、誰かを倒しにゆくか——何でもいいが、いつか、おれは、誰かに出会って、そうしてそれきりこの草原には戻らぬのだろう——と。おれは思うことがある、いつもおれはこの草原のすきとおる緑の風を、華麗な落日を、夢にみるだろう、と。おれは、漂泊のさなかで、おれをはぐくんだ草原を、そこを共にウマででかけたお前をずっと夢にみるだろう、と思うのだ」


グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』


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3890V3:2015/05/22(金) 00:00:38 ID:qEGe3b9E
昼日中から、ぼんやりと、宿の食堂にすわりこんで、うつろな目つきで窓の外を見つめているような客は、まずいなかったし、いたとしても、うさんくさく、じろじろと見られるばかりで、とうてい歓迎はしてもらえっこない。
そこにすわりこんでいる青年は、それだから、そうしたことすらも知らぬほどひどい世間知らずなのか、それとも、そんなことさえまったくかまってはおられぬほどに、何か手ひどい悩みをかかえて鬱々としているのかと、ひそかに宿の女中たちのうわさのたねになっていた。なぜなら、その青年は、一見していかにも育ちのよいらしく、なかなかハンサムなおもながのきりりとした顔立ちと、武人らしいすらりとのびたたくましいからだつきをもっている上に、見なりや馬具もりっぱな金のかかったものだし、それなのに供ひとりつれずに、これでもう三日の上から何もせずに逗留している。というのが、いかにもはた目にも異常であった。

もとから、あまり、慎重なほうではない。というより、どちらかといえば、衝動にまかせては、つい血気にはやってゆきすぎてしまうゆえに、手柄も多いが、失敗も多い若者である。

しかしアストリアスは、ことさらに、もう戻れない——という思いに自分を追いつめかけていた。
(アムネリスさまが——おれの女神が、むりやり他の男のものになる。それも愛情もなく、なんの希望もなく……大公の野心に道具のようにあやつられて、あの誇り高い姫が、何ものにも屈しない光の女神が——そんなことは、させぬ。アムネリスさまは、父君のご命令ゆえやむなくお受けになった。だが、おれがお助けすればきっとよろこんで下さるにちがいない。内心はどれだけイヤでたまらぬことか——泣いておられることか。マルス伯なりとご存命ならば、きっと姫のために、大公陛下をおいさめして下さったろうに……)
アストリアスの熱した頭の中で、いつのまにか、アムネリスは、父大公の無法なしうちに泣く泣く屈する、いたましい犠牲者、あわれな無力ないけにえ、と、そのようにすりかわってしまっていた。というよりも、彼は、彼が救いの神となる思いに酔うあまり、それにつごうのわるい点は注意ぶかく忘れ去ってしまっていたのである。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3891V3:2015/05/22(金) 00:14:50 ID:qEGe3b9E
「お若いかた。お若い士官様」
ふいに喧騒の中で、彼の前に立ちはだかったものがいる。
「何だ」
けわしく云いながら顔をあげたアストリアスが見たのは、ほっそりとしたからだつきと、黒いマント、黒い胴着、手に大きなキタラを抱えた、一人の吟遊詩人だった。
お若いかた、とアストリアスに呼びかけたくせに、その男だってけっこう若い。せいぜいいって二十二か三、というところだ。詩人のかぶる三角の革帽子をかぶり、その下からいくぶん茶色がかった黒髪がもしゃもしゃとのびている。ほっそりした顔は女のようにきれいだったが、その目はビーバーのようにくるくるとして、同時にオオカミのようにぬけめなく輝いていた。

「お前は、どうでもいいが、いささかおしゃべりが過ぎるようだな」
アストリアスはしかめつらをして云った。それから少し考え、まわりをみまわし、また少し考えて、
「ともかく、それでは、おれの室へ来てくれぬか。ここではうるさくて、話もできん」
「はいはい、結構でございますとも。このマリウスはたとえどのようなご用でも、たとえ——」
何かからかいかけたが、アストリアスのくそ真面目な目の色と、冗談などうけつけなさそうな一文字の口もとをみて口をつぐみ、そのままへらへらしながらアストリアスについて食堂を出た。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』


「誰だ、その姫というのは?」
「おおそりゃもちろん、リンダ姫でございますよ!まだ十四ではあるものの、あの方がいずれどんな絶世の美女におなりになるかは火をみるより明らかでございますし、それにあの方はたいへんな予言者におなりになるだろうとも云われております。ナリスさまとなら、いとこどうし、似合いの一対におなりでしょうよ」

「そ——その、ナリス王子には」
アストリアスはいくぶんうろたえぎみに口をひらいた。その少女の、彼をまるで下らぬ虫けらででもあるように見すえていた、きらめくヴァイオレットの瞳を思い出すと、なぜか、彼は必ずおちつかない、そわそわした、胸ぐるしいような不安にかられてしまうのである。
「他に兄弟はいないのか——?ベック公というのは、婚約者があるといったな。いくつなのだ、そのベック公は?ベック公には兄弟はいないのか?パロの王位継承者はそれだけか?他には?」
「ナリス殿下には、一人、弟がおりました——腹ちがいの、侍女を母にもつ、ね」
煙るような瞳でマリウスが云った。
「ひとつ違いで、むろんひとり身で——しかし、その公子は、ずいぶん前にパロを出奔してしまいました。パロにいたところで、クリスタル公にもなれもせず、まして第五王位継承者ではあってなきが如きもの、それよりも自分の手で運を切りひらこうといって、放浪の旅に出ていってしまいまったのです。それ以来、その王子の消息を知るものはありません。ベック公は、ことしたしか三十になられます。フィリス姫と婚約してもう五年で、ようやく姫が十八になられたので、今年、来年には盛大に式をあげるはずでしたが——」
「弟の子供のほうが、年が上なのか」
「さようで。パロ聖王家の先代の三王子の中で、王太子であられたのはまん中のアルドロス殿下——当時はアル・リース王子といっておいででしたが——で、ご長男のアルシス王子はヤヌス神殿の祭司長となられたのです。そして祭司の掟で血族から、腹違いの叔母ミネアさまと結婚されてナリスさまが生まれたのです。末弟のアルディス王子ははやばやとベック公爵となり、臣籍に下っていまのベック公を得られたわけで。ベック公の下は姫君が二人ですよ。上の姫はもう嫁がれて」

※公子なのか王子なのか、気にしたら負けですw もっと問題なのは、ナリスの母親の名前がミネアとありますが、ラーナの間違いです(前巻で既にラーナとして登場し、以後もラーナで統一)。
マリウスがわざと間違いを混ぜたと、無理やり好意的に見る度量が必要かもw


グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3892V3:2015/05/22(金) 00:16:10 ID:qEGe3b9E
奇妙な、鳥が鳴いてでもいるような音が流れ出る。ややあって、ヴァシャのとげだらけの茂みの向こうに、ふいにとけるように何か黒いものがあらわれ、それからまたふたつつづいてあらわれた。夜がそこだけ濃くこりかたまったか、というようなその三つの黒いよどみは、やがて星あかりのもとで、異なる空間を通ってあらわれたものがしだいに形をなしてくる、とでもいったように、三人の魔導士特有の黒い長いフードつきマントに身をつつんだ男たちの姿となった。
「お呼びでございましたか」
「うん」
ぼそぼそとした魔導士の声に、低いが若々しいひびきで答えたのは、まぎれもなく、吟遊詩人のマリウスの声である。
「いかがなさいましたか——ディーン様」
「その名を呼ぶなと云ったろう。ぼくは、マリウスだ。いいか」
「申しわけございませぬ」
「この宿屋の二階のつきあたりの室に、一人の旅人が眠っている」
マリウスは気にとめるようすもなく性急に云った。
「黒蓮のエキスを吹きかけて、ぼくが眠らせた。——街道口に入ったところで、苛々しながら誰かを待っている男で、見るからにモンゴールの若い将校、それも貴族の子弟だろうに、町人ふうのこしらえをし、供もつれていない。ようすがいかにも何かありげだったので、あとをつけ、話しかけてかまをかけたら、アストリアスだと名乗った」
「それはそれは。モンゴールの治安長官のせがれで、赤騎士隊長のアストリアス子爵ではございませんか」
「当人らしい。それにどうもわけありらしい。——おまけに、どうやら、真珠のゆくえについて、情報をにぎっているようだ。これからすぐ、運び出し、例のところへつれていってくれ。そこで、喋らせる。急げ」


「いいか、アストリアス。おまえはこれから、ぼくのたずねることに何でも正直に答えるのだぞ。そして、ぼくが術をといたら、ぼくたちに答えたこと、吟遊詩人のマリウスに会ったこともすべて忘れてしまう。いいな」
マリウスがささやきかけた。アストリアスの頭がちょっとゆらゆらしたが、すぐ、こくりとうなづく。
「なんと、暗示にかかりやすい男だな」
「どうだい。一回、暗示をかけただけで、あっさりかかってしまったぞ。よくよく、人間が正直にできているのだろうな」

くすくす笑いながらマリウスは云った。
「どうだ、アルノー。この男、使えそうだとは思わぬか」
「さようで」
「公女に恋いこがれるあまり、大公にそむいて出奔してきた青年貴族——これは、ひとつ、クリスタルに云ってやらねばなるまいな。あの人なら、この男をつかってひと芝居もふた芝居もたくらむだろう。——ところで、アストリアス」
「おまえはたしか云っていたな。パロの真珠——世継のレムス王子と、その姉にして予知者なるリンダ王女のゆくえを、知っているかのようなことを。——云え、それは、ほんとうなのか?」


深く術にかけられたアストリアスはうめいた。
「双児ははじめルードの森にあらわれ——スタフォロス城にとらわれた。グインとともに……スタフォロス城がセム族の奇襲にあって、全、全滅したとき、かれらはケス河よりノスフェラスの砂漠へと逃れ、われら——アルヴォンの駐屯部隊もケス河をわたって、かれらを追った……アムネリスさまは、なぜか——なぜかはじめから、ノスフェラスを目ざしておられた。カル=モル……そうだ、カル=モルだ。そこに双児があらわれて、わがモンゴールの参謀本部は双児が同盟者たるセム——セム族をたよってノスフェラスへ逃げこんだものと判断した」

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3893V3:2015/05/22(金) 00:19:10 ID:qEGe3b9E
アムネリスは、当惑したまなざしを、そっとクリスタル公の方へむけ、あわてて、火傷でもしたかのようにまたその目を伏せた。
アルド・ナリスのこの日のいでたちは、深みのある紫のびろうどのトーガに、銀のぬいとりをしたサッシュを永くたらし、白い細身のズボンがトーガの下からのぞいていた。小さな銀の、ルーン文字をかたどったペンダント、銀の、額にしめたバンド、そして細身の剣だけが、アクセントをつくっている。ナリスに会うまでのアムネリスであったら、男がこのように身なりに気を配ったり、香をたきしめたりするのを、騎士として恥ずべき柔弱さのあらわれ、ととったに違いなかった。
アムネリスは、身づくろいがきちんとできているだろうか、とはばかるように、すばやく自らのなりへ目を走らせた。うすい黄金色の、衿を大きくくったドレスは、パロふうの仕立てになるものだった。きわめて繊細なひだとレースが、黄金の泡のように裾にうずまいている。
「その色の服をつけておられると——」
アムネリスが自らのすがたがどのようにうつるか、そっと点検しているのを、知っているかのように、アルド・ナリスが云った。アムネリスはびくりとした。
「その色の服をつけておられると、まるで、あなたは、光を身にまとっているようですよ、アムネリス姫。そらは、あなたのその素晴らしい髪と同じ色をしている。あなたは、お国で、何という名で呼ばれているのでしたっけ?」
「皆は私を、公女将軍とか、氷の公女、と呼びますわ。私は、氷のように動かしにくいのです」
「氷は、動かしにくくはありませんよ、アムネリス」
ナリスはゆったりと長椅子に腰をおろした。
「氷は、炎の情熱にあえば、たやすくとけてしまう。あなたが氷なら、それはきっと、あなたがまだ炎に出会ったことがないからだ。違いますか?」
「知りませんわ、そんなこと」
「それはそうと、氷の公女、というのは、あなたにはまったくふさわしくないな。私なら、あなたをもっとちがった名で呼ぶでしょう——そう」


「私ならあなたをこう呼びますよ」
ナリスは手をひっこめ、かわりにアムネリスのつややかな金髪を手のひらにうけて、それにさんさんと注ぎこむ陽光をたわむれさせながら云った。
「光の公女——とね。そうだ。あなたはまことに光の公女だ。ごらんなさい、この金色の髪が、日をうけてどんなに輝いているか。まるきり、光そのものだ。あなたはいつも、黄金の光につつまれている。——氷などとはとんでもない」

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3894V3:2015/05/22(金) 00:20:18 ID:qEGe3b9E
「どなたですの、そのもうひとりの少女って」
「わたしのいとこのリンダ。——ご存じですか?顔色がかわりましたよ」
「あら、ちがいますわ——彼女は、あなたの、いいなづけなのでしょう。ちがいます?」
「おお、イラナ、イラナ。いったいだれがそんな考えを、あなたのその黄金色の頭に吹きこんだのです?」
「誰でもありませんわ。彼女を、愛していらっしゃるのではありません?」
「アムネリス。——なぜ、そんなことを?」
「『わたしのいとこのリンダ』とおっしゃったときの声と——そして目の光とで。お顔がかわりましたわ。わたくしをからかうときとはまるでちがう、やさしい、うっとりした光が目にうかびましたわ」
「あなたはまるで戦況を見すかすために小兵を出してみる将軍のようにさぐりを入れるんですね、右府将軍殿!知りたければ教えてあげますが、リンダはまだ十四の、ほんとの少女ですよ。母親ゆずりのすばらしい月光のようなプラチナ・ブロンドの髪と、わたしのように夜の色ではない、たそがれか夜明け前の紫色の瞳をしてね。ふつうの娘ではないのです——それは、パロでは、いつも髪でわかるのですよ。伝説のアルカンドロス大帝の処女姫リンダも、生まれながら雪のような銀髪をしていたそうです。パロの聖王家では、ふつう巫女となる女性はプラチナ・ブロンドの髪をし、男たちは私のように夜の色の髪をしています。そうでないのは、リンダの双児の弟のレムスだけで——なぜ彼が他のパロ王家の男たちのようではないのか、それは七つの塔の博士たちにもわかりませんでした。あるいは彼には何か、他の王子や公子たちとちがう、なさねばならぬなにものかがあり、そのあかしがヤヌスの御手で、彼のその姉と同じ雪の色の髪にしるしとなってあらわれているのかもしれません。パロの聖王家には、いろんな、ふしぎなことがおこるのですよ、アムネリス。——ヤヌスの塔の地下ふかくにかくされている、おどろくべき機械のことを知っていますか?」
「え——ええ。いえ——」
ハッとアムネリスは身をこわばらせた。アルド・ナリスはそのようすを注意深く見守っていた。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3895V3:2015/05/22(金) 00:21:27 ID:qEGe3b9E
かっとして、アムネリスはいった。また胸をおさえ、その手をはなして、さきにアルド・ナリスのふれた黄金色の髪をすくいとって、いまわしそうに眺めた。
「月光色の白銀の髪!わたしは知っていますとも、やせっぽちの小娘のくせに、ぎらぎらする紫色の目で、私をにくたらしそうににらみつけていたわ」
「アムネリスさま……」
「云っておくれ、フロリー。私は、美しい?」
「まあ、なんてことを——アムネリスさま。女神のようにおきれいですわ」
「私は美しいわ」
アムネリスは傲岸に云った。
「でも——私は未婚の娘だからそういうことがわからないのかもしれない。ねえ、フロリー。私は、女として……その、彫像ではなく、生きた、血のかよった女としてみたとき、どこか——どこか、おかしいのかしら?何か、必要な魅力とか、そんなもので、欠けているものがあるのかしら?フロリー、私が女のドレスをきるのは、やっぱり身ごなしがなれていないから、おかしいのかしら?」


「そうでございますとも!姫さまは、パロのどの姫にも、少しもひけをおとりになったりしませんわ」
「そうでしょう、フロリー。それに私は少なくともモンゴールの——占領者たるモンゴールの公女だわ。だのに——それなのに、なぜあの男は、私のことをあんなふうにかるがるしく扱うの?」


アルド・ナリスからの伝言が届いたのは、その三日後のことだった。
「アムネリス姫おひとりでヤヌスの塔へとのことでございます」
フロリーのことばをきいてアムネリスは唇をかんだ。タイラン以下にきこえれば、たいへんな怒りをかうに決まっている。いまはある程度の自由を与えられているが、ナリスはともかく敵の総大将なのだ。フロリーは彼女を見た。
アムネリスはぐいと頭をふりやった。
「行くわ。ナリス様にお伝えしておくれ」
アムネリスは云った。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3896V3:2015/05/22(金) 00:22:31 ID:qEGe3b9E
クリスタル・パレスの心臓、その象徴ともいうべきヤヌスの塔は、双子の塔、水晶の塔、ヤーンの塔など、あまたの塔を従え、闇の中に傲然とそびえ立っている。
上層はパロ聖王家歴代の王の遺骸が安置され、下層にゆくに従って、パロの根源的ないくつもの秘密をかくしている、とささやかれる、ほの白く輝くヤヌスの塔は、モンゴールの侵略にも、ほとんどその美しく超然としたすがたを傷つけられはしなかっな。さしものモンゴールのたけだけしい軍勢も、ヤヌスの最高司祭なるパロ聖王家が主神ヤヌスをまつり、その頂にはヤヌスその人すら降臨する、とささやかれる神秘な塔へは、手出しをはばかったのである。アムネリスが立っているのは、そのヤヌスの塔へ通ずる、細い渡り廊下の入口の暗闇だった。


「これはまた、鎧をつけて、細身の剣まで帯びて。モンゴールでは、婚約者と二人きりで、婚礼の前に忍び逢う娘は、そのように勇ましく純潔なイラナの巫女としてやって来るのですか?」
アルド・ナリスは苦笑しながら手をさし出した。アムネリスはこわばった表情でまわりを見まわした。


「まあ——!」
そうとしか、アムネリスは、云うすべを知らなかった。
「これ——これは、何ですの。いったいこの室は……あ、あれは——まあ!」
アムネリスが、おどろきに息をのんでいるようすを、アルド・ナリスはいくぶん残酷な満足をかくして見守っていた。
それはひどく天井の高い、大きな室だった。床も天井も壁も、まわりはすべて同じ光りかがやく物質でできている。
「この室の中はすべて水晶で張ってあるのです。水晶の後ろに鏡が入れてあるので、外からはいっさい見えませんし、よし第三者が入れたところで、まったく中のようすを見ることはできないでしょう。——そして、この水晶は多少特殊な加工がほどこしてあって、この中の機械の作用を、外部から絶縁するようになっているのです。そうしないと、いろいろと不都合なことがおこってしまうのですよ、アムネリス」
「機械?——おお、あれが?」


「こ、これは何ですの」
「これが、あなたの知りたがっていたパロの秘密ですよ」
ナリスは笑い声を立てた。
「まさか、あの——」
「そう、世界じゅうどこへでものぞみどおりの場所へ、一瞬のうちに身を移すことのできる機械。——あのまんなかの管に入って、この台を操作してもらうのです。ここにいると思った次の刹那に、アルゴスへでも、トーラスへでも、あなたはのぞみのままに身をうつすことができる」

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3897V3:2015/05/22(金) 00:23:43 ID:qEGe3b9E
「力でも、知略でも、どうせあなたはわたしにはかなわぬ。私も女あいてにいくさをしようなどとは思いもせぬ。だが、女にだっていくさはできる——人の首でなく、心をとるいくさがな……アムネリス。こちらをごらん」
「私を、だまして、おもちゃにして——いつもまるで私など、眼中にないようにふるまって!あなたなど、嫌いです。憎い。ここを出たらすぐにタイランにいって、あなたなど水牢へ放りこむわ。そうですとも——水牢に入れて、たべものも、飲みものも与えず、あなたがさっきむりやりにわたくしにさせたように、ここから出してくれと哀願させ、わたくしの足もとに這いつくばらせてやる。あなたの泣き顔をみてわたくしは笑ってやる。そして、弱りはてたあなたにわたくしが手ずからムチをふるってやる。ヤヌスに誓って、そうしてやります。あなたなど、あなたなど……」
アムネリスの声は途中でとぎれた。
ナリスの唇が、やさしく、しかし容赦なく、アムネリスの唇をふさぎ、おおいかぶさってきたのである。アムネリスは、もぎはなそうともがいた。
しかし、ナリスの胸をおしのけることもできなかった。屈辱と羞恥にかられて、アムネリスは目に涙をうかべて身もだえた。
が、そのうちに、ふいに彼女のからだから、すべての抵抗の力がぬけた。
「ああ…」


「ま——まあッ!ひ、姫さま!ご無事で、本当に、ご無事で……?」
フロリーはのどをつまらせ、アムネリスにとびついた。が、
「まあ、フロリー、どうしたというの?一体、何をそんなに大げさにさわぐの……無事でないわけがあって?」
笑いながら叫んだアムネリスの声の調子に、なにか、いつもと妙にちがうものを敏感に感じとって、ぎょっとして身をはなした。
「姫さま——?」
不安そうにあいてを見つめる。そして、口に手をあてたが、ややあってその口からもれたのは、
「姫——さま?ど……どうか、あそばしたのでしょうか?」
不安げな、おどおどとしたことばだった。
「いなやフロリー。いったい、なにがどうしたというの。ナリスさまに、何か、わるいお心でもおありだったというの?」
「い、いえ……」
フロリーは奇妙なおどろきにうたれて、女主人を見上げた。
これが、彼女の知っているアムネリス、モンゴールの公女アムネリスそのひとだろうか。
氷のとまで形容された、その神秘なエメラルドいろの瞳は、まるで、そのなかにだれかが火をともしでもしたように、見ちがえるような艶をおびてきらめいていた。
白くなめらかなほほにはぼうっと紅がさし、黄金の髪すらも、しっとりと、まばゆいつやめきをひときわ増したかに思われる。
盛りあがった胸はなやましく息づき、さながらそれは、この上なく美しく玲瓏ではあっても決して艶冶、艶麗、といった要素がそなわっていなかった冷たい石鏃に、とつぜん、神のたわむれによってあついいのちがかよいはじめたさまとでも、云ったらよかっただろうか。
「姫さま……」
おどろき、わけもない不安に胸をつかれながらフロリーは叫んだ。それへアムネリスはにっこりとほほえみかけた。日ごろ、彼女は傲慢できびしい女主人で、気に入りのフロリーにさえ決してそのようにほほえむことなどなかったのに。
「室へ戻ります。少し疲れました」
「姫さま、あの……」
「私がここへ参ったことを、タイランたちには云ってはならぬ」
アムネリスは命じた。それからまたふいに、宙をふむような足どりで歩き出した彼女は立ちどまり、フロリーのとまどった肩をつかんで抱きしめた。
「ああ——どうしよう、フロリー。私、知らなかった。こんな…—こんな思いだとは、夢にも知らなかった。もっとまったく、ちがったように想像していたのよ——もっと」
「姫さま」
フロリーのおびえた顔をみて、アムネリスは甲高く笑いだした。その笑いはさながら小娘のようだった。
「おお、フロリー!私、ナリスさまを愛しているのよ!恋してしまったのよ!」
アムネリスは叫んだ。フロリーはただ呆然としてそんな彼女を見つめるばかりだった。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3898V3:2015/05/22(金) 00:54:39 ID:qEGe3b9E
「まったく、大したもんだよ」
調子に乗って、イシュトヴァーンがうきうきと云った。
「パロのお姫さまで、なかなかのべっぴんで、勇敢な小戦士にして占い師、しかもこの世の黄金律について考える哲学者と来ちゃあな!しかし、教えてやるがね、おまえさんは、さきゆき旦那をつかまえるときにゃあ、そのしかつめらしい演説はたんすの底にでもしまっとくこったね。男ってものは、理屈をいう女は大嫌いだからな」
「下品なひとね、相かわらず」
リンダは気分をこわされて怒って云った。
「わたしにむかって、旦那をつかまえるとは、なによ!パロの王女は、自分から男の人に求愛したりは決してしないのよ。王女はかしづかれ、守られるだけよ。ねえ、レムス」
弟をふりむいて彼女は応援を求めたのだが、
「ああ……うん、そうだね——何の話?」
ぼんやりと思いふけっていた少年がびっくりして顔をあげるのをみて舌打ちした。
「まあ、この子ったらいつまでもうすぼんやりね。同じ経験をしても、人によって、何を見、何をつかむかは、こうも違うものかしら。——第一このところニ、三日、ずっと特にぼんやりしていたわ。お腹でも、下しているの?」
「そういや、ここんとこ、やけにおとなしいな」
イシュトヴァーンが云った。
「砂漠当たりかもしれんぞ。気をつけるんだな。お前の姉きみたいなトゲの生えた舌をもってりゃあ、砂ヒルだっておっかなくて近づけたもんじゃないが、お前のようにボーッとしたがきは、ワライオオカミに化かされるかもしれん」
「まあ、失礼ね。——レムス、何とか云い返しておやんなさいよ」
「……うん?」
レムスはそれにも、ぼんやりとした笑い顔を向けただけだった。
呆れた姉とイシュトヴァーンがしきりにかれのことを無遠慮に評することばも、レムスの上をエンゼル・ヘアーのように通りすぎてゆくばかりだった。かれはすっかり自分の思いの中にひたりこみ、まわりのこと一切と無縁にただウマの背にゆられているばかりだった。
グインの注意ぶかいまなざしが、そっとそれを見つめているのにも気づかない。——夜営のときに、グインは、そっとレムスを呼んで、どうかしたのかときいた。
が、レムスは、
「ううん——少し、疲れたせいじゃないかな。ごめんなさい、皆を心配させて」


(眠るとまた——あの夢をみてしまう)

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3899V3:2015/05/22(金) 00:56:14 ID:qEGe3b9E
いつの間にかレムスの魂は、からだをぬけ出し、眠っているかれ自身と姉とを高みから見おろしていた。
深い孤独感がかれをつつんでいた。——どんなときにも、ひきはなされない、二つぶの真珠である。
いつもリンダには、ぐずの、のろまの、臆病者の、と手きびしくやっつけられるレムスだが、それでも——いや、むしろ、それゆえに、かれは自分を、リンダとひきはなされたら何ひとつできないし、一日として生きてゆけない、とさえ感じていた。そのリンダが、かれのぬけがらと並んですやすや眠っており、かれがここにこうしていることを知らない、ということが、かれにひどい淋しさと不安、寒いような思いをかれにもたらすのだ。
リンダが起きないかしら、とかれは念じながら、どこへも行かず、じっと下を見おろしていた。
そのとき、誰かの呼ぶ声がした。
レムスはいやいやふりむいた。レムスのすぐうしろに、黒いマントにすっぽり身をつつんだ人影が立っていた。マントのようすから見るに、魔導師であるらしい。
何の用だ、とたずねようとして、レムスはぎくりと息をのんだ。
レムスの方へさしのばした、袖口からあらわれたやせほそった腕のさきには、つよい熱にあいでもして、とけてしまったかのように、手首からさきがなかった。
レムスの感じやすい心に恐怖がつきあげてきた。あわてて、身をひこうとするのへ、あいては、しきりに何か云いたげに、ゆっくりと手の残骸をふり、その顔をあげはじめた。
ふわり、とどこから吹いてきた風邪が、あいてのマントのフードをあおった。
とたんに——
「キャアアアア!」
あらんかぎりの悲鳴をあげて、レムスは恐怖のあまりその場にくずおれてしまった。
青白い月あかりに照らされたその顔は、やけくずれた生ける髑髏だった。

もしレムスがモンゴールの隊長ででもあったら、その夜毎の夢にあらわれる怪人が、他ならぬ、キタイの魔導師——ノスフェラスを生きて横断し、おどろくべき《瘴気の谷》の秘密をもちかえってきたカル=モルその人である、と見知っていただろう。そうでなくとも、それがグインか、イシュトヴァーンの夢にあらわれたのであってさえ、かれらは、その素性は知らなくとも、一目見たら忘られぬ醜貌に、それがノスフェラスの戦いのあと、ラゴンとセムとに踏みにじられたモンゴール軍の死屍るいるいたる中にあった、奇怪な死骸の顔であると思い出したことだろう。
しかしレムスは、そのいずれも知らぬ。
もっとも、知ったところで、ただ謎はいよいよ深まるばかりであったかもしれない。カル=モルの魔道をきわめた魂は、肉体の死ののちにも、ノスフェラスにのこり、彼の知ったおどろくべき謎をなんとかしてたれかに告げしらせようとしているのであった。だが、それがなぜ、レムス王子でなければならなかったのか……。


グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

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3900V3:2015/05/22(金) 00:57:18 ID:qEGe3b9E
カヌーができあがり、それがみごとに水にうかんだそのときが、シバたちセムの小戦士、ドードー以下のラゴンの超戦士たちと、グイン一行との、ほんとうの別れのときであった。
すでに、大がかりな送別の宴は、狗頭山のふもとの村ですませていたし、くりかえし名残りをおしみ、必ずもどってくることを誓いあっていたので、ことさらにくどくどと心をたしかめあうこともなかった。

さいごに、グインたちがきいたのは、河の水音に切れ切れになった、ドードーの、咆哮にも似た別れの叫びであった。
「ラゴンは……待つ民」
それは、かろうじて、そうききとれた。
「俺たちは……待っているぞ。アクラの使者が……戻ってきて約束をはたすときを……!」
河の流れは、どんどん、早さを増して動きはじめ、カヌーを運び去っていった。ノスフェラスとその民が、静かに遠くへ消えてゆく、それはさいごの時間だった。
リンダとスニは、抱きあったまま、シバたちの消えた方向をじっと見やっていた。彼女たちの目には涙があった。
そして、グインもまた——
イシュトヴァーンひとりが、狂気のようにはしゃいでいた。
「さあ、畜生!ドールのやつめ、おれはまんまとやつの裏をかいてのけたぞ!さぞかし、おれをその汚らしい爪にしっかりおさえこんだと思ったろうが、どう致しましてだ。おれは、どうだい、まんまとだまくらかしてのけたぞ。しかも——しかも、あのいまいましいモンゴール傭兵騎士団ともおさらばしてな!ああ、あ、これでこんどこそおれのための舞台みたいなもんだ。何のかの、紅の傭兵だ、魔戦士だ、といったところで、あんなサルどもとウドの大木と、イドと砂ヒルしかいない砂ん中じゃ、イシュトヴァーンさまも《光の公女》をめっけるどころじゃありゃしねえ。ああ、これでようやっと文明国の宿屋にとまり、ちゃんと料理したものをくい、おうサリアよ!べっぴんの女ども、つぼ入りの火酒、それに蒸し風呂ときた!やあれやれ、ヤヌスよ、ヤーンよ!ルアーよ、イラナよ、イリスよ、サリアよ、トートにカシスにドライドンよ!おれはぶじに港についたその日にヤヌス十二神全員に、黒ブタの丸焼きを一匹づつささげることを誓いますよ!てへっ、なんてこったろう。このカヌーは、ダゴンの背にのっかってるみたいにおれをロスへ運んでいくじゃないか!うう、さあ、これからだぜ。何もかも、これからと来たもんだぜ!」

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3901V3:2015/05/22(金) 14:02:36 ID:qEGe3b9E
レムスは、夢ごこちのまま、おちつかぬ思いがつきあげてきてまわりをみまわした。
もっとも、それも夢のなかの出来事なのか、それとも、これはまぎれもない現実なのかは、どうしてもわからないままだった。
そのとき、空が割れた。
(あ……っ)
レムスは目がくらみ、立っていられなくなって、膝をついた。空がまっぷたつに割れ、火の柱が空のまっただなかをつらぬいた。
ふしぎに、音はきこえなかった。しかし、白熱した光の爆発に、目を灼かれるように思い、目をおおってしまったレムスが、顔をあげ、おそるおそる目をひらいてみたとき——
あたりは、まったく異なる世界となりはてていた。


(いったい、これは……)
奇妙な、ぞくぞくする昂奮がかれの身ぬちをつらぬいていた。それは、不可解なものごとに出会ったおどろきばかりではなかった。
むしろ、それとは、まるでかかわりのないようにさえ思える、それまで味わったことのないふしぎなたかぶりの方がつよかった。
(もしかしたら……)
(どうしてそう思えるのかはわからない。でも、もしかしたら——)
(ぼくにはなにか、なすべきことがあるのではなかろうか?それが何かはわからないが、何か、おどろくべき……)
(リンダにはない、ぼくだけの——パロの王子レムスだけの運命が……)

レムスはもう、眠りをおそれていたことすら、忘れてしまったようにみえた。
かれはほほえみさえうかべて目をとじ——たちまち眠りにおちた。
カル=モルの亡霊が告げようとする、そのことばをきくために……
レムスが、はたして何をきいたのかは、だれひとり知るものはなかったが、しかし、翌日、夜明けと共におき出してカヌーの人となったとき、レムスのかわいらしい顔には、奇妙な、これまでは見られなかったものが宿っていた。


「また、ぼんやりして!」
彼女はがみがみ云った。
「そんなことで、ぶじにアルゴスへつけるのかしら?アルゴスへついたところで、ぶじにパロ奪還軍の先頭に立てるつもり?おまえはいまや、即位こそしていないけど、パロの唯一の正しい国王陛下なのよ。ときどき、いっそわたしが男で、あんたが女ならと思うことがあるわ。——それにしても、このところずっとボヤーッと、昼まから夢ばかりみてるような顔をして、具合でもわるいというの?熱は?」
「ないよ」
迷惑そうに弟がいうのを、イシュトヴァーンはおかしそうに見た。
「どうだい、グイン」
口をひんまげて云う。
「あのお姫さまの旦那になるやつあ、さぞかし、尻にしかれるこったろうな、かかあ天下のイラナにかけてな。がみがみ口やかましくあの弟を叱りとばすことったらないぜ」
「いつ、わたしが、レムスを叱りとばしたのよ」
「いつだってさ。まあ、弟だからしようことないし、きいてるが、旦那に同じでんでやってみろ。たちまち、とじ針で口をぬいとじられちまうか、さもなきゃ旦那はどっかへいっちまって、二度とは帰ってこないだろうよ。気をつけるこったね、もしお前さんが、おれよりちっとでも寛大でない旦那をみつけたならね」
「あなたのいうことなんか、ぜんぜん気にしないわよ」
リンダはにくらしげに顔をひんまげた。
「べっぴんが台なしだぜ——しかし、男と女が入れかわってるべきだったってのは、おれも賛成だな。さもなきゃ、この羽根の白いやさしい目の王子さまは、長い髪のかずらをつけて、女装して婿をとるこったな」
「いや」
きいていたグインがおかしそうに云った。
「前にも云ったことだが、もしそう見えるなら、イシュトヴァーン、お前には、卵の中で内から殻をコツコツつついて割ろうとしている竜の子供と、かえらぬまま石になってしまった卵の区別がつかぬのだ。それにどうやら俺には、その卵に走りはじめたひびわれも見えるような気がするぞ。中から、はたしてドライドンの竜王が生まれ出るのか、それともセトーの人面蛇身の狡竜が生まれてくるのか、それは俺にも、知るすべのないことだがな」

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅┃*`Д´)ノ♪

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3902V3:2015/05/22(金) 14:04:45 ID:qEGe3b9E
「もう、ここまで来りゃあこっちのもんだ。文字どおり大船に乗ったと思ってくれ」
イシュトヴァーンは、文明都市、物売りの船、海、海をわたる巨船、と、どんどん彼の馴染みの舞台がひらけてくるにつれて、たいへんなはしゃぎようであった。
「ハッ、ヤヌスよ、ドライドンよ!おれは海辺のヴァラキアに生まれて育ち、コーセアの大海を海賊になってわがもの顔に行き来した船乗りだからな。船乗りには船乗りの仁義や侠気もある。もう、これまで、サルと化け物の国じゃ、あんたに世話をかけたがね、グイン、これからは何ひとつ心配しなくていいぜ。これからの面倒はぜんぶ、このイシュトヴァーンがひきうけてやらあ」


「あちこちでおかしな動き、というのは?」
グインがたずねた。
イシュトヴァーンはかんたんに説明した。彼は、宿屋でのほかに、ばくち場にもぐりこんで、さらにくわしい情報を仕入れてきていた。
きくなり、リンダはおどろきと嫌悪の叫び声をあげた。
「うそよ!あのアムネリスと、わたしのいとこのナリスが、結婚するなんて!」

「やめてちょうだい。汚らわしい!」
リンダは激昂した。
「お父さまとお母さまを殺し、美しいパロの国を卑劣なだましうちで踏みにじったモンゴールの公女と、わたしのナリスが恋に、ですって?そんな、そんなこと、耳にするのもいとわしいわ!やつらは毒のあるサソリよ。モンゴールのサソリは、占領軍の無法でもってナリスをとじこめ、力づくでいまわしい婚礼をあげさせ、そのあとただちにナリスを殺してしまうつもりにちがいないわ。そうすれば、あのいやらしい女に、パロの王位継承権ができるというので!そうに決まっている。いまわしいたくらみだわ。おお、グイン、このたくらみを、何とかとめて!ナリスを助けてちょうだい!グイン、お願い」
「リンダ。そんなこと、わけないよ」
レムスが静かに言った。皆——イシュトヴァーンでさえ、ぎょっとしてレムスを見つめた。
「レムス、おまえ——」
「そんなたくらみの裏をかくことはわけはないよ。ぼくは、アルゴスについてすぐ、唯一の正当なパロ王を名乗って即位宣言を出す。そうすれば、仮にそれまでにナリスとモンゴール公女の婚礼がおこなわれてしまったところで、単にモンゴール公女はベック公と並ぶ第四王位継承者になるだけの話だ。まあ、そうなると、モンゴールとしては、ぼく、リンダ、それにナリスを殺そうとやっきになるだろうけれどね。しかしぼくがアルゴスで即位すれば、なまじナリスと公女を結婚させてしまえばモンゴールとパロと婚姻のきずなができてしまう。それからパロ王たるぼくをあいてに、正式の宣戦布告をすればひどく困ったはめになるからね。モンゴールは、もしその結婚が行われてしまえば、かえって自縄自縛におちいるだろうね」
「そいつは面白いや」
イシュトヴァーンがはでにゲラゲラ笑い出した。リンダは弟をにらみつけた。
「レムス、おまえ、本気でいっているの?それじゃ、おまえは、お父さまたちを殺した仇の張本人がナリスと結婚して——ということはわたしたちの近い血縁になったりしてもかまわないというの?汚らわしい!」
「それは、全然別の話だよ、リンダ」

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』


梅┃*`Д´)ノ♪

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3903V3:2015/05/22(金) 14:06:32 ID:qEGe3b9E
「あら、どこへゆくの、イシュトヴァーン」
リンダのおどろいたような問いかけに、
「今日は、飯は外で食ってくらあ。それに、今夜は、戻らなくても心配せんで先に休んでいてくれ」
そっけなく云いすてて室をまた出てゆこうとした。
その背に、
「苦労をかけるな、イシュトヴァーン」
重々しくグインが云った。
イシュトヴァーンは足をとめ、何かにびっくりした、というようすでふりむいてグインをまじまじと眺めたが、何か云おうとしたのを思い返し、口の中で気弱げにもごもご云って、そのまま戸をしめた。
宿の廊下はいくつものドアが並んで、つきあたりに階段がおりている。イシュトヴァーンが例によって口の中で何かブツブツと云いながらその階段の上まできたとき、
「イシュトヴァーン」
微かな声がした。
「わッ」
思いもしていなかったところで呼びとめられて、イシュトヴァーンはあやうく、階段の上からころげ落ちそうになったが、
「な、なんだ。レムスじゃねえか。なぜ出てきた。早く部屋へ戻れ、部屋へ。——あまり人目につかれちゃ困ると云っただろう」
「イシュトヴァーン、船員ギルドの集会所にいくといってたね」
レムスは暗い廊下に、壁を背にして立ち、両手をうしろに組んで謎めいた目つきでイシュトヴァーンを見つめていた。
その目にも、態度にも、かつての、姉の影にかくれておとなしい一方だと思われていたときのかれとは、微妙に違うなにかがあらわれてきているのである。
(ちッ、このガキは、このごろ一体どうしたっていうんだろう。こう、妙に迫力が出て来やがったな)

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3904V3:2015/05/22(金) 14:08:04 ID:qEGe3b9E
「ふん」
イシュトヴァーンは口をゆがめ、うさんくさそうにレムスをねめつけた。
「たいそう、うまいことを云うじゃないか、小僧。お前がそんなに弁が立つとは、不覚にして、いまの今まで気がつかなかったぜ。だがな」
恐ろしい表情で、ぐいとレムスの顎に指をかけて持ちあげると、近々とのぞきこみ、
「いいか、どうせ、グインはもう見当はつけてるだろうが、お前の姉貴は、とろいところがあるから、ちっとやそっとじゃ勘づくまい。いいか、リンダに、よけいなことをぬかして見やがれ。てめえのその細っ首を、叩き折るだけじゃすまねえからな」
「わ——わかったよ、イシュトヴァーン」
古馴染みのおどおどと気弱な目つきなったレムスは云った。せっかく、ひそかに育てはじめていた奇妙な自信も、頭ごなしにがんとつぶされたかっこうだ。
「よく、覚えとけ。よけいなことをリンダに云うんじゃねえ」
もう一回、イシュトヴァーンは念をおして、仕上げにいやというほどレムスの首をつかんでゆさぶり、ようやく少年を解放した。
「まったくもう、弱虫のくせに出しゃばって、いらん手間をかけやがる」
ぶつぶつ云いながら、あわただしく出てゆこうとする。
その背に、壁にもたれたままのどをさすっていたレムスが低く云った。
「やっぱり、リンダが好きなの、イシュトヴァーン。だから、強盗をしてる、なんて知られたくないんだね」
「なんだと」
イシュトヴァーンがまた気色ばんでふりかえる。
レムスはあわて気味に身をずらしながら、とどめの一言を吐いた。
「でも、リンダはきっと、あなたの探してる《光の公女》じゃないと思うよ。きっと、そうだ」
「なんだと。なぜだ。なぜそんなことを云う」
イシュトヴァーンの目がけわしくなった。
「だって、ぼくたちは《パロの真珠》と呼ばれていたんだよ」
レムスは逃げ腰で云いついだ。
「真珠は美しくてもそんなに光を放ちはしないと思うけど」
「小わっぱめ。小ざかしいことを」


(リンダは光の公女じゃないだと——?ハッ、あの小僧はリンダと違って、予知者でも霊能者でも何でもないんだ。なぜそんなことがやつにわかる。ただのいいかげんなごたくに決まっていらあ)


イシュトヴァーンの目が、ふっとやわらいだ。奇妙な、夢のような輝きをおびた。
(あの娘はいまにきっとたいした美人になるにちがいない。あの銀髪——まるで、月の光のしずくから作ったようだ。それにあの、けむるような目——紫水晶の大きな目……あのきつい、ひとを真正面から見る——そうとも。一体、どこが、そうじゃないというんだ?あの娘こそ、まさしく、光とかがやきでつくられた光の公女そのものじゃないか……あんな娘、見たこともねえ……まだほんの子どものくせに、国を追われ、父母を殺され、四方八方から命をねらわれ、おれとグインしか守ってくれるものもない、というのに、あの娘は、いつもあの頭をぴんとまっすぐに立て、王宮のまん中で絹につつまれてでもいるように、王女の誇りを一瞬として忘れたことがない。同じ顔、同じ銀色の髪をしていても、あの臆病者の弟とは大ちがいだ。あのガキ——変に見すかすような目をする……だが、あの娘はちがう。きつい娘だ。たしかに、きつい娘だ。おれは、きつい女が好きなんだ。一から十まで男の言うなり、右を向けといわれりゃあ、一日でも二日でも向きっぱなしになってるような人形には、用はねえ。おれは、このおれに向かってつっかかって来るような、気骨のある、威勢のいい女の方がいい。ただやかましくがみがみ云うやつじゃない。ちゃんと、おれの野望の力になってくれ、いざとなればおれの左で共に剣をとって戦ってくれることのできる女、決して邪魔や足手まといにならん女、むろん、べっぴんで……そう、イラナだ。イラナのような、光りかがやく娘、光の公女、おれの……)
いつのまにか、イシュトヴァーンの顔から、レムスによってかきたてられた翳りの雲は、吹き払われていた。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3905V3:2015/05/22(金) 14:09:39 ID:qEGe3b9E
「船は見つけたよ」
イシュトヴァーンは簡単に云った。
「おお、イシュトヴァーン!」
「さあ、そんなことはらあとだ。見な。グインもレムスも支度ができちまったのに、お前だけ、そこにそうして毛皮をかぶったまますわってるんだぜ」
「いま、するわ」
リンダは手早く身支度にかかった。
「宿の支払いは、イシュトヴァーン?」
「すませて来たよ。さあ、早く——明日の前にこっそりぬけ出そうとしてる、とばれるとこれまた怪しまれるからな。宿のものには少しつかませたが、いつまでもつか……」
「何から何まで、すまんな」
「何を云ってる。——急げよ」
リンダは記録的な早さで見仕舞をととのえた。
「その銀髪を、これでかくせ、二人とも」
イシュトヴァーンは黒い革の、ぴったりした帽子を放ってよこした。それをかぶり、短いマントと、それに長ぐつとズボンと胴着をつけた双児は、そっくりな二人の少年のように手をとりあって立っていた。
「いいか、万一、港につく前に誰何されたら、おれは遊んできて船にもどる船乗り。双児は少年水夫ふたりだ。スニは、少しつらいが袋に入ってもらい、グインが背負う。グインは少しはなれて、病気の乞食——といっても、この図体でそれが通用すればだがね——のつもりでついて来てくれ。万々一見とがめられ、怪しまれたら、おれが何とか血路をひらくからあとは見ずに埠頭へつっ走れ。そこに小舟が待っていて沖の船までつれていってくれる。わけがあってこの船もモンゴール軍に見つからぬよう夜中じゅうにロスを出港したがっている。遅れたら、おいていくぞ。——船の名を、小舟の船頭に云うんだ。船の名は、《ガルムの首》号」
「ガルムって、地獄の入口を守る、三つの首のある魔の犬の名じゃない」
リンダはあきれ顔だった。
「ずいぶん不吉な名前を、船の名につけたものね」
「さあ、どうでもいい。いくぞ。少し、間をあけて歩けよ」


「イ——イシュトヴァーン」
「しゃべるなと云ったろう」
「手を……手をゆるめて、少しだけ。いたいわ」
「せめて、男声をつくってしゃべれよ」
イシュトヴァーンはおそろしい目つきになっていた。レムスが、リンダにきこえぬよう、のびあがって、イシュトヴァーンの耳に口をよせ、低くささやいた。
「グインが自分で切りぬけられなかったら、おいてゆくんだね。それしかないよ」
「ああ」
イシュトヴァーンは、再び、何がなしにぎょっとしながらパロの王子のかわいらしい顔を月あかりにすかして見た。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3906V3:2015/05/22(金) 14:11:18 ID:qEGe3b9E
「それにしても——せっかく、のせてもらっておいて、文句は云えないけど、すごいへやねえ、ここは」
ロス脱出の気疲れで、船倉の一画を区切ってつくられたらしいその船室に入るやいなや、泥のように眠りこんでしまった子供たちだったが、明るくなり、まわりのようすがよく見えてくるとともに、リンダの目は、大きく見張られ、その可愛い鼻にしわをよせて彼女はぶつぶつ云った。
「まったく、お前さんときたら、おれのすることなすこと全部にけちをつけるんだな。金打ち毛皮張りの内装で、竜頭は金無垢の、ご座船でも用意してもらえると思ってたのかい、あのくそ忙しいときにさ」
わけてもらった朝食を盆にのせて入ってきたイシュトヴァーンがききつけて、口をゆがめた。
「あら。そういうわけじゃないわ」
リンダは少し赤くなって言いわけをした。
「そんなことは全然云ってないじゃない。ただ……」


もうリンダたちにもきこえるおそれのないところまで来てから、こっそりとイシュトヴァーンはつぶやいた。
(なあ。どいつもこいつも、船長から水夫まで、うさん臭さをぷんぷんさせてやがる。おれはこれで、けっこう鼻がきくんだが、海賊はもとかく海賊として、同じ海賊にも、質のいいのと、悪いのと、ぴんからきりまであるもんだ。こいつは、悪い方だよ——それもかけねなし、まがうかたなしの、海賊なかまでも同じ海賊と呼ばれるのをイヤがるような……えものとみりゃあ見さかいなしにくらいつき、その運のわるい船にのらあわせたやつらは赤児から犬からネズミまでみな殺し、樽の底まで略奪してゆくってやつだろう。おお、そうとも——そうでなけりゃ、なんぼ海賊船であれ、うしろ暗いところがあれ、ロス港が封鎖されるときいて、ああまであわてふためいて逃げ出したがるこたあねえだろうよ。世の中にゃ、うわさにだけきく海賊王シグルドのように、海賊というのはれっきとした商売だ、と主張し、あまつさえそれで国を富ませているやつだっているんだからな——)


「——絶対何かあるぜ。そいつはもう、はなから知れているが」
ロハスのにごった声がきこえてきた。
「とにかくあのでかいのは病気なんかじゃねえ。わけあって、面を見られちゃあまずいんだ。てえことは、必定、正体は誰かかどこかに追われている奴で、高く売れるに違いねえ。あの出港のときのあわてよう——こんな船と知っていながらとびついて来やがった。たぶん、追われているのはモンゴールにだ。それに、あの二人の男の子……男と云いつくろい、顔もなるべくかくしちゃいるが、ありゃあ、骨の細さ、肌の色、たぶん二人とも、あるいは少なくともどっちか一人が女の子だ。それもどうやらなかなかのべっぴんだ。高く売れるぜ——男の子でも、あのちらちら見えるとおりの美形なら、よろこんで、体重と同じ重さの銀をつむ金持ちはごまんといらあ。なあ、船長」
「云うな、ロハス。はなから知れてるこった。そうだろうが」
「そう来こなくっちゃ。そうと決まりゃ、早い方がいい」
「ただ、あの図体——たぶんあの顔をかくした男が、たいへんな戦士だってのは、まちがいねえ。それにあの若いのもけっこう度胸もあり、腕も立ちそうだ。となると……」
「いつものとおりさね。料理番のケンじじいに、酒に眠り薬をまぜさせよう」
「今夜だ。皆にふれをまわしとけ。今夜は特別のおおばんぶるまいをしてやるからとな。狙いはむろん、二人の子どもと——それから例の男の素顔をたしかめ……」
「おらああの若いのの、色男づらを切りきざんでやるのがええ」
くっくっとロハスが笑うのがきこえた。
「あの若えのはおれにくれ」
「おめえは、美男というと、切りさいなみたがるからなあ」

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3907V3:2015/05/22(金) 14:12:52 ID:qEGe3b9E
「そ、その傷が——血が……そ、それじゃお前のその豹頭は、まさか——」
「きさま!」
ようやく、まず気をとり直したのは大男のイザイだった。
「化物め!きさま、一体何物だ!」
「シレノスだ——シレノスだ」
「判ったあッ!こ、この嵐は、あの化物のたたりにちげえねえぞ!」
一体、誰の口からもれた叫びだったかわからない。
しかし、それを耳にしたとたんに、きわめて迷信深い船乗りたちの顔に、電撃でもうけたような激しい動揺がつきぬけていった。
イシュトヴァーンもまた、ハッとたじろいで、グインにぴたりとよりそい、大声をあげた。
「ち、ちがう。そうじゃない。きいてくれ、みんな……」
「見たか。ちくしょう、やつらはうろたえてるぞ」

イシュトヴァーンは、グインを庇うようにしながら、一歩、一歩、とおされてさがった。しかし、背がメインマストにつきあたると、もはやそれ以上さがることもできなかった。
「待ってくれ——待て」
イシュトヴァーンは、懸命に頭をしぼりながら、なおもむなしく、さいごの収拾をこころみた。彼はいきなり、むこうみずにも、唯一の武器の剣をがしゃんと投げすてた。
「わかったよ——わかった、降伏する。……だから、剣をひいてくれ。この男が病気だといったのは嘘だ。この男は、わけあってこんな仮面をかぶっているが、実はさる国の身をかくしている王なんだ。な?高い身の代金がとれるぞ。だから……」


「やむを得ん」
静かに、彼は云った。
「イシュトヴァーン、あの子らを頼む。俺がいなければ、何とかこの場はおさまるだろう。うまく、切りぬけてくれ。頼む」
イシュトヴァーンの、いつもの不敵な輝きを失って、たよりない子どものようにおののいている黒い目を、一瞬のぞきこむと、ゆっくりうなづいてグインは海賊のまんなかに進み出た。空に雷鳴がはためいた。


そのとき、それがあらわれたのである。
「ああっ……」
はためく雷鳴、とどろく波と風のうなりのなかで、もはやおどろくことをさえ忘れた船乗りたちの口から、かすかな叫び声がもれていた。
「あ、あれは……」
おお——
「光の船だ!」
その船にある、すべての人間——グインも、イシュトヴァーンも、ラノスも、イザイも……全員が、金縛りにあったように動きもならず、ただ茫然と見守るなかで——
その船は、この世に知られているどのような船にも考えられない、ほとんど風そのままの速さでもって、まっしぐらに《ガルムの首》めがけて近づいてきた。
どこからどこまで、白く、そして光を放っているかのような、みごとな流線形の細くうつくしい姿——
その船首には、まるでいましめられてでもいるかのように、両腕のかわりに肩から生えている双の翼をうしろへのばし、長い光りかがやく髪を垂らしてゆたかな胸をそらした、世にも美しい純白の女の半身像が、さながらこの光の船を守る守護女神その自体ともみえて、ありありと輝いてみえる。

グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3908V3:2015/05/22(金) 14:14:29 ID:qEGe3b9E
「グインが波にさらわれた!」
イシュトヴァーンは、咽喉もさけよと絶叫した。そして、波に再び足をさらわれる危険も忘れ、グインがいたはずの手すりにまろびながらかけよった。
「グイン——グインー!」
すさまじい波のうねり、白く砕けちる波頭だけが、地獄の大渦さながらに、舷側の下に吠えたける。
「グインが海におちた!」
イシュトヴァーンはすすり泣いた。恥ずかしいとも思わなかった。
「お願いだ。船をとめてくれ、頼む。グインが海におちたあッ!」
「化物が海にさらわれたと!」
はっとしてイシュトヴァーンは、激しくかしいでる手すりをうしろ手にふりかえった。目を血走らせ、すさまじい形相になったラノスがすぐうしろまで迫っていた。
「そいつあヤヌスのお導きだ。ついでに、きさまも、ドールの地獄に失せやがれ!」
ラノスは歯をむき出し、両手ににぎりしめた大剣を、頭の上までふりあげた。
イシュトヴァーンは剣をさぐった。さきほど、投げすててしまった剣ののこりのさやしか手にふれなかった。
イシュトヴァーンの目が、絶体絶命の恐怖に大きく見ひらかれた。その目は勝ち誇っていまやまさに彼の胸に剣をふりおろそうとするラノスを見つめ、若い彼のすべての生命が、不当なむごたらしい突然の死にさからって悲鳴をあげていた。
そんなばかなことがあるはずない——その思いが、ふいに、仰向けに船の手すりにはりつけられるかたちでのけぞった、イシュトヴァーンの脳裏につきあげた。
(おれは、ヴァラキアのイシュトヴァーンだ。《紅の傭兵》なんだ。おれは王になるはずなのに——こんなところで、こんな海の上で、嵐の中で、こんな下司の手にかかって死ぬわけがない——おれはまだ何もしてないんだ。光の公女を愛してもいない。この手に王冠を得ても……何ひとつ、何ひとつ……)
ラノスが哄笑しながら大剣をふりおろしかけた。
イシュトヴァーンの意識がふっとうすれていった。さいごに彼の目にやきついたのは、かくれ家にして、決してそこから出てくるなとかたく言いつけておいた、救命ボートのなかから、むこうみずにも綱をつたって這いおり、甲板を、彼めがけて、手をさしのべて走ってくるリンダと、そのうしろから半身をのり出し、リンダをとめようと手をのばしているレムスのすがただった。リンダの顔は紙より白く、そしてその顔は悲痛にゆがみ、生命にも比すべきものを失おうとしている恋する少女の狂おしい希望と絶望をこめて、リンダは彼の名を、絶叫した。
「イシュトヴァーン!おお、イシュトヴァーン、死んではいや!」
イシュトヴァーンの唇にかすかな笑みのようなものがうかんだ。
そのとき——
天地がまっぷたつに裂けた!


グイン・サーガ第七巻『望郷の聖双生児』

梅(*`Д´)ノ♪

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3909:2015/05/22(金) 17:22:38 ID:OZiw2mRg
グイン・サーガ、懐かしいな〜♪
私、何巻まで読んだんだっけ…。

梅(*`Д´)ノ♪

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3910V3:2015/05/22(金) 18:04:54 ID:qEGe3b9E
わ〜お!
桃さんまで読者でしたか(*`Д´)ノ♪

ケイロニア編が終わるまでは、抜群に面白いんですよね♪
(言い切った!w)
イシュトの出世物語に入ると色々ゲフンゲフンw

梅(*`Д´)ノ♪

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3911名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:14:08 ID:KKn5NuUY

    ∧_∧ ♪
   (´-ω-`)  ♪  
   ( つ つ     もぉも くりぃぃ さぁんねん♪
 (( (⌒ __) ))      かき はぁぁぁぁちぃねん♪♪
    し' っ

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3912名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:15:02 ID:KKn5NuUY
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♪♪♬♬∧_∧
    ∩´-ω・`)
    ヽ  ⊂ノ       ゆずは くねんで なりさがぁぁる♪
    (( (  ⌒)  ))
      c し'

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3913名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:15:39 ID:KKn5NuUY

       ∧_∧
      ∩´・ω・)  なしのぉぉぉぉぉぉ♪
       l'    )
       ゝ  y' ♪
 ( ((  (_ゝ__)

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3914名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:16:10 ID:KKn5NuUY

            ∧_∧   ♪
           (・ω・`∩  ばかめがぁぁぁぁぁっぁ♪
            (   ノ   
       ♪     'y  ノ 
             (__ノ_)  )) )

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3915名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:16:50 ID:KKn5NuUY

    ∧,_∧ ♪
  (( (    )        じゅうはぁぁぁぁぁちぃねぇぇぇぇん♪
♪   /    ) )) ♪
 (( (  (  〈
    (_)^ヽ__)

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3916名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:26:28 ID:KKn5NuUY
   ∧_∧ ♪
   (´-ω-`)  ♪  
   ( つ つ     あぁぁぁぁいのぉぉぉぉみぃのぉりぃはぁぁぁぁ♪
 (( (⌒ __) ))      うみのぉぉぉぉぉぉそぉこぉぉぉぉ♪♪
    し' っ

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3917名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:27:06 ID:KKn5NuUY
 ♪
♪♪♬♬∧_∧
    ∩´-ω・`)
    ヽ  ⊂ノ       そらのためいき ほしぃくずぅがぁぁぁっぁ♪
    (( (  ⌒)  ))
      c し'

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3918名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:27:42 ID:KKn5NuUY

       ∧_∧
      ∩´・ω・)  ひとでとぉぉぉぉぉぉ♪
       l'    )
       ゝ  y' ♪
 ( ((  (_ゝ__)

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3919名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:28:13 ID:KKn5NuUY

            ∧_∧   ♪
           (・ω・`∩  であぁぁってぇぇぇぇぇぇ♪
            (   ノ   
       ♪     'y  ノ 
             (__ノ_)  )) )

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3920名無しさん@ベンツ君:2015/05/24(日) 19:28:45 ID:KKn5NuUY


    ∧,_∧ ♪
  (( (    )        おくまぁぁぁぁぁん ねぇぇぇぇん♪
♪   /    ) )) ♪
 (( (  (  〈
    (_)^ヽ__)

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3921V3:2015/05/25(月) 15:21:51 ID:/zBeKZh6
梅グイン、仕込み中ですが、ここから暫くは好きな場面、筋として外せない場面がてんこ盛りで大変です(;^_^A

ことにイシュトヴァーンは、この後々大いに変貌して行くため、この辺りが一番可愛いというか、純な所が迸っていて、感慨深い箇所です

次巻を投下したら、ぽちぽち個人的考察を書いてみようかな、とw

梅(*`Д´)ノ♪

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3922名無しさん@ベンツ君:2015/05/26(火) 01:07:01 ID:CVksTP8M
記念カキコ!!!

書けるようになったんだよ(* `д´)ノ!!!


(=・(エ)・)ノ 梅♪

3923常時苦労人@???:2015/05/26(火) 15:15:29 ID:CVksTP8M
☆ +
 +   ._  ☆
☆ へ ./〜ヽへ+
+ノ从`(。・(エ)・)从丶
ノ从从( つ(⌒⌒)丶    まじ天使ですww
"""""ノ ノ ノ\/"""
+ ☆し"J + ☆
 +  ☆  +


褒められたので調子コイて♪

|=・(エ)・)ノ梅♪

3924常時苦労人@???:2015/05/26(火) 15:43:22 ID:CVksTP8M
☆ +
 +   ._  ☆
☆ へ ./〜ヽへ+
+ノ从`(。・(エ)・)从丶
ノ从从( つ(⌒⌒)丶    まじ天使ですww
"""""ノ ノ ノ\/"""
+ ☆し"J + ☆
 +  ☆  +


調子コイて梅♪

3925V3:2015/05/26(火) 17:42:01 ID:4OHw4zuw
クマーさん、オメ(*`Д´)ノ!!!


梅(*`Д´)ノ♪

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3926名無しさん@ベンツ君:2015/05/26(火) 20:37:01 ID:CVksTP8M
ありがとうございます!(*`д´)ノ!!!

(*`д´)ノ!!!梅♪

3927V3:2015/05/26(火) 22:45:33 ID:AOkKRM4Y
グインの主役の一人、イシュトヴァーンについての考察

初登場の時から、中々油断のならない、陽気な小悪党といった様子のイシュトヴァーンですが、グインやリンダ達に出逢い、行動を共にすることによって、様々な面を見せるようになって行きます
口ではああだこうだ言いつつも、内心ではとても強くグインを慕っていた事が、海賊船での騒動で暴露されました
嵐の中、波にさらわれたグインを取り戻そうと、子供のように大泣きしている所がソレです
普段のシニカルさなどかなぐり捨てて、まるで、父親が死んでしまう、助けて!と泣き叫ぶ息子のようです

これは、彼の育ちにも大きな要因があるのです

3928V3:2015/05/26(火) 22:46:01 ID:AOkKRM4Y

では、続けます
イシュトヴァーンは、当人も言っているように、酒場女の父無し子として生まれ、父親という存在を知りません
その母親と幼い姉も、イシュトヴァーンが物心つくかつかないかの時分に流行病で亡くなり、彼は孤児として育っております
海辺の雑多な下町で、どうやら色々な人々に面倒を見て貰いながら育ったようですが、養子としてきちんと面倒を見るほどには責任を負う大人はおらず、故に彼は、幼い頃から自分で食い扶持を稼がねばならない身の上でした

しかし、当人の人懐っこさからみても、どうしてどうして、彼は、持続的とは言えなくとも、温かな情愛で育まれて来たと言えるのではないでしょうか?
これは、かなり先の巻で、グインも言及していることです

3929V3:2015/05/26(火) 22:46:33 ID:AOkKRM4Y
ぶっちゃけた話、ロクでもない育ちにしては、彼の情動は非常に真っ当です
優しくしてくれた人間には優しさを返すという、ごく当たり前な人間らしさが彼にはちゃんとあるのです
なので、幼い彼に愛を与えた人々は少なくなかったのだろうと、推察出来ます


そんな彼が、それでも淋しさを抱えていたのは、当然のように、自分を守り愛してくれる両親という存在が無かったからです
辛い気分の時には、恐らくは、理想の父親像や母親像を夢想して、自分を慰めていたのではないでしょうか?

そして彼は、グインと出会う前の少年時代に、理想の父親像に近い人物と出会い、その人物から寵愛されております
その人物こそ、後々、王となるイシュトヴァーンを助けるべく故郷ヴァラキアを捨てて彼の下へ馳せ参じるカメロン船長です

3930V3:2015/05/26(火) 22:47:04 ID:AOkKRM4Y
カメロンは、本編でもそのうち出て来ますが、少年イシュトヴァーンが主役の外伝『幽霊船』で、その人柄がよく表されております
サクッと言えば、すこぶるつきのいい男ですww
色々問題だらけの、グイン・サーガ男性陣の中でも、群を抜いていい男だと私は個人的に思います
調子に乗って白状しますが、私がリアルで出逢い慕っている実在男性が、このカメロンそのもののような方でしてww
見かけは紳士ですが、深く話をしてみると、どうしてどうして、相当な反骨心と冒険心で生きて来られたのだと理解出来る、素晴らしい男性ですw

カメロンというのも、女性にもモテるのでしょうが、それよりも、「男が惚れる男」として、船員達に心酔されており、彼の為なら自分の命も惜しくないといった男達が多勢いるような、そうした男性として描かれており、イシュトヴァーンも彼を慕っております

3931V3:2015/05/26(火) 22:47:36 ID:AOkKRM4Y
ところが、イシュトヴァーンは、中々素直にカメロンへの慕情を表しません
思春期真っ盛り、生意気盛りなせいか、斜に構えた態度で、カメロンに見込まれても、本音では嬉しい癖に、「俺は王になる器なのだから、これ位のことは当然だ」みたいな態度で、本編登場時よりももっとクールでシニカルだったりします

ま、要は、色々なモノが邪魔をして素直になれなかっただけなのですが、それでもイシュトヴァーンにとっては、カメロンは理想の父親に一番近い存在でした

しかし、グインに出会ってしまった
イシュトヴァーンが夢見ていたような、本当にすごい男というものを、グインに見てしまう訳ですね
見た目がアレなので、イシュトヴァーンにも自覚は無いようですが、グインの体格、剣技、知力、胆力、政治力など、戦場という極限の場で、何もかもが桁外れのグインのすごさを、イシュトヴァーンはまざまざと見せつけられた訳です

これはもう、ヤられちゃいますよ、ええw

3932V3:2015/05/26(火) 22:48:00 ID:AOkKRM4Y
という訳で、イシュトヴァーンはグインにとても強く惹かれた訳です
ノスフェラスでグインは、自分の身を呈してイシュトヴァーンを守ったりもしたので、だからこそ、グインが命じたモンゴール軍への潜入という危険な任務も、イシュトヴァーンは渋々引き受けた訳です
彼は、自分に何も与えない人間には非常にシビアな態度で切り捨てますが、自分に恩恵を与えてくれる人間の意向には沿うという人間味があるからです

という次第で、様々な苦難を共に乗り越えたこともあいまって、イシュトヴァーンにとってグインとは、「理想の父親像」となったのではないでしょうか?
カメロンがどれほどいい男で、イシュトヴァーンもそれを認めていたところで、カメロンは人間の男に過ぎません

イシュトヴァーンは、辛い幼少期、少年期を、「俺は王になるんだ!」と歯を食いしばって生き抜いて来た、言わば途方もない夢想家だったので、「夢でしかみたことのないような、凄い人間」という存在にとても弱いのです
大概、その手の人間に出会うと、コロリとヤられてますw

3933V3:2015/05/26(火) 22:48:41 ID:AOkKRM4Y
さて、話はイシュトヴァーンにとってのリンダへと移ります

グインに理想の父親を見たイシュトヴァーンは、同時に、リンダに理想の母親を見たのではないかと、私は思っております
リンダは年下の美少女ですので、感情としては恋愛感情になりますし、イシュトヴァーンに自覚は全くなく、作中でもこのようには言及はされておりません

しかし、海賊船でイシュトヴァーンが殺されかけたときに、イシュトヴァーンを救おうと飛び出して来るリンダの姿に、イシュトヴァーンは内心ずっと欲しかった理想の母親の、無償の愛を見たのだと私は思いました
そしてそれは、イシュトヴァーンにとって宗教に近いものとなったのではないだろうかと思います

作者が意図していたのか、はたまた無意識だったのかは定かではありませんが、初登場時からイシュトヴァーンの口癖として、様々な神の名を口にしております
「ヤーンの黄ばんだヒゲにかけて!」とかですね
ロクな育ちではない彼ですが、傭兵や海賊などをして生きて来た身として、己が身の幸運を願う、原始的な宗教観の現れだと思います

そしてこの口癖は、リンダへの恋を自覚して移行、殆んど口にしなくなるのです
(次に投下する梅グイン『クリスタルの陰謀』で、リンダへの誓いの場面では出てきますが)
そして、その後様々な危難に遭った彼は、瀕死の時に必ず意識に上らせるのが、ヤヌスでなくルアーでなく、リンダなのです
北での冒険行で、化け物に崖から放り投げ落とされた時、落下の最中に彼が祈るのはリンダなのですよ
剣で斬られ、高熱を出し、死にかけている最中にも、彼はリンダと呻くのです

これはもう、純愛というより、刷り込みや宗教に近いものだと私は思いました

3934V3:2015/05/26(火) 22:49:16 ID:AOkKRM4Y
リンダのレムスに対するお節介や叱咤なども、イシュトヴァーンの目には「口煩い母親みたいだ」と苦笑しつつ、母性の片鱗を見ていたのではないでしょうか?

その母性の持ち主が、自分に対して、火を吹くように激しい愛を捧げたのです
イシュトヴァーンがリンダに額づく信者のようになるのも、当然のような気がします

今後、様々な変化が二人に訪れますが、イシュトヴァーンのリンダに対する宗教めいた思いは変わらず存在しているようです
リンダが成長し、中原一の美女となった姿を見てからは、拍車がかかったかもしれません

二人の行く末は、作者逝去により永遠の謎となってしまいましたが、イシュトヴァーンからリンダに対する思いが剥がれることは無いような気がします
せめて、薄めてくれるような女性に出会えたら良いのですが、「凄い人間」にしか惹かれない性質のイシュトヴァーンが、安らぎを与えられたところで、宗教までは手放さないだろうなあと

3935V3:2015/05/26(火) 22:49:41 ID:AOkKRM4Y
イシュトヴァーンについては、取り敢えず以上ですm(_ _)m

お目汚し、失礼しましたm(_ _)m

3936V3:2015/06/05(金) 15:22:40 ID:7OJ5CH4o
MERS騒動の渦中にある韓国について、前々から感じていた事をここでボソリ

グイン読者にしか通じない話ですが、私はもう朝鮮半島自体が《グル・ヌー(瘴気の谷)》だと認識してます
そして、朝鮮人は全員カル=モルだとも思ってます
その言葉に耳を傾けるだけで、どれほど頑健な人間でも消耗しますし、引き摺られかねません

故・宜保愛子氏が半島に赴く事を嫌がったのは、伊達じゃないと思います
古くは、素戔嗚尊が逃げ帰って来たとの記述があるような土地柄でもありますし
昨日今日の話ではなく、古代より、日本人が足を踏み入れてはならぬ土地なのだと、私は肝に銘じてます

3937V3:2015/06/08(月) 21:08:02 ID:3z4GG4Kk
ポタリ……
冷たい水滴が、顔を打った。
また一滴。
それが、そこによこたわり、気を失っていたものの、かすかな意識を——同時にやけつくようなのどのかわきと、激しいからだのいたみとを、やにわに目ざめさせた。
「あ……」
ひくい呻き声がもれる。
次の瞬間、その男は、あらゆるからだの衰弱も、のどのひりつくかわきも、そしてまだぼんやりしたままの頭も、すべて忘れはてたように、がばっと身をおこしていた。
弱ってはいるが、それでも敏捷で、しなやかな動きである。
「ああ……」
いったん、がくりと膝をついたが、すぐにその、黒い髪と黒い目の、船乗りの服装に身をかためた若い男は、はじけるように立ち直って、そしてこんどこそにわかにはっきりと自分のおかれた情況を意識したかに見えた。
「水……」
ひびわれたくちびるをむなしくなめながら、彼はうめいた。その目が、甲板のくぼみにたまった雨水の上にとまる。
いきなり、獣の勢いで彼はかけより、ぺたりと顔をくぼみによせると、ぺちゃぺちゃと犬のように雨水をなめ、手ですくいとって飲み、顔をひたし、狂おしくかわきをいやした。
ようやくそれで人心地がついたらしい。彼は我にかえって右手をうごかし、からだのあちこちにふれてみた。
「ふん。——どこにも傷はねえ。生きていたらしいな」
つぶやいたのは、むろん、ヴァラキアのイシュトヴァーンである。
「しかし、一体何が起こりやがったんだ。くそ——甲板で、グインが……そうだ、グインが海におちて——おもわずかけよろうとしたとき、あのくそったれ船長が……それから、あの——一体、何だったんだ?天が裂けたかと思った。おう!そうだ、リンダ……」

「おお」
イシュトヴァーンはゆっくりとヤヌスの印を切ってつぶやいた。
「何てこった。雷だ。——マストか何かに、落雷したんだ。それも、とびきりでかいやつが。…—雷のダゴンよ、これもあんたのしわざとすりゃあ、おれはあんたに黒ブタの丸焼きをささげたものか、ドールの呪いを送ったものか、どっちなんだろうな?もっとも、あの雷がなかったとしたら、おれは、あのイヤったらしい船長にやられっちまってただろうし—…とりあえずは、あんたに礼を云っとくことにしようか」
「あッ!」
イシュトヴァーンは、被害のようすを見ながら歩いていた。その足をぴたりととめた。
そこには、ふた目と見られぬものがよこたわっていた。《ガルムの首》号の船長ラノスは、両手にたかだかと剣をふりあげたすがたを横倒しにした姿勢で、二度と物云わぬありさまになっていたのだが、しかしイシュトヴァーンは、それが船長であることをあわや見ちがえるところだった。なぜなら、ラノスは、まるでかまどからとり出した木切れのように、頭から足のさきまで、むざんにも黒い目こげの死体となっていたからである。
「ドールの炎の舌よ!」
さしも物に動ぜぬイシュトヴァーンも、ぞっとしてあとずさりながらつぶやいた。
「雷は、こいつの剣におちたんだ!」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3938V3:2015/06/08(月) 21:09:21 ID:3z4GG4Kk
「ヤヌスよ」
そっとイシュトヴァーンはささやいた。
「波にさらわれはしなかったんだな。やれやれ!」
二十歳の今日まで、わが身ひとつを武器に暗黒の世を生きぬいて、やさしい思いやりや、優雅な云いまわしなど、ひとつも知らぬかれである。
しかし、そのぶっきらぼうなひとりごとには、胸につきささるような安堵といとしさがこもっていた。
「おい、しっかりしろ。まさか、くたばっちまったんじゃねえだろうな。——いつでもヤヌスに守られてるんだと云ってたのは、あいつはホラかよ。ええ」
ぶつぶつ云いながら彼はせっせと、帆布や板きれをとりのけた。

「おい、リンダ。——お姫さま。おてんば姫……やられちまったのか。あの雷に、あたったわけじゃないだろう——ええ?」
イシュトヴァーンは、こわれものをあつかうように、リンダのからだをゆすぶった。
「水——そうだ、待ってろ」
すばやく、リンダをおろしてかけおり、水を口に含んかけ戻ってくる。その肩をかかえて抱きおこし、唇をかさねて口うつしに飲ませてやろうと顔を近よせて、ふいに、イシュトヴァーンはためらった。
その黒い、いたずら小僧のようにも、ずるがしこい蛇のようにもなる生き生きした双眸に、何か、かつて見たことのない奇妙な、畏れるような、とまどうような光がうかび出た。
彼はふいに、嵐のさなかでいなづまにひきさかれ、雷に打たれ、何もかも暗転するせつなの情景を、はっきりと心によみがえらせていたのである。


剣がたかだかとふりかぶられ、いまやイシュトヴァーンの若い心臓めがけてふりおろされようとしたせつなに、彼は、永劫をかいま見る一瞬の中で、その声をきき、安全なかくれ家をあえてとび出してこちらへ走ってくる銀髪の少女のすがたを見たのだ。
「イシュトヴァーン!おお、イシュトヴァーン、死んではいや!」
リンダのきゃしゃな姿は暗黒の海と空のまんなかで、必死に闇に立ちむかうほっそりしたローソクのように輝き、その神秘的な銀髪は激しい風に吹きなびいていた。その女王の誇りと予言者の高貴に近づきがたかったけむるようなヴァイオレットの瞳は、涙をたたえ、大きく見ひらかれ、ただ彼を——イシュトヴァーンだけを見つめて炎よりもあらあらしく燃えていた。
まったくそれはなんという少女だったことだろう!——ひと目、そうしたときの彼女を見たものは、誰ひとりとして、彼女こそ地上のイリス、炎と光と熱とからつくられた青白い聖天使であることをうたがうものもなく、誰ひとりとして、この少女のために生命をかけることをこばむものもいなかっただろう。
彼女は危難の中にあればあるほど、いよいよ至純の、熾烈の炎をふきあげる光の魂をもっていた。彼女はまだおさなく、その魂はほとんど子どものそれでしかなかったが、すでに彼女はその人を思い、また人をにくむ熱情の激烈さでは、比すべきものもなかった。
それをまっこうからむけられる男がもし、そのいちずさとひたむきさをうけとめるだけの勇気とつよさを持ってさえいれば、彼女の愛は、それを得る男にとって、全世界とすらひきかえることのできぬものになるのだった。
イシュトヴァーンの浅黒い顔に、ふしぎな厳粛な表情が浮かんでいたのもむりはなかった。——それから、彼は、思い切ったように顔をふせ、リンダの少しひらいたくちびるに唇をかさねると、やさしく水を流しこんでやった。
「う……」
リンダがうめいて、身じろぎした。
イシュトヴァーンは、そっとその髪を手にすくいとった。たくましい掌のなかで、銀色の絹糸は、キラキラと輝きわたる。
「光の公女——おれの……」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3939V3:2015/06/08(月) 21:13:08 ID:3z4GG4Kk
「ねえ、イシュトヴァーン。グインは、どこなの?わたし、救命艇の中にかくれて見ていたのよ。グインが波にさらわれて、あのいやな船長があなたを——イシュトヴァーン!」
リンダは青ざめ、よろめいた。
「おい、おい。どこか、いたむのか」
「まさか、グイン——あのまま、海へ……」
リンダは息苦しいようにやにわにのどを両手でつかんで立ちあがり、手すりにかけよった。
とろりと青く海はもはや平穏そのものだ。
「違うでしょ?グインは、船にのぼってきたんでしょ?そうなんでしょ、イシュトヴァーン」
「いや——」
かくしだてしたところではじまらない、と気づいて、イシュトヴァーンは不機嫌に云った。
「あれきり——」
「イヤよ!」
リンダの声はつんざく悲鳴に似ていた。
「そんなのない!ウソよ、グインが——そんなこと、ウソよ!イシュトヴァーン、船を戻して。グインをさがして。あたしのグインが海で溺れたりするわけないわ。あのひとはふつうの人間じゃないんだもの。あのひとは、一日どころか何日だって、泳ぎながら助けの来るのを待ってられるわ。ね、早く!グインを助けてよ。イシュトヴァーン、ねえ、早く!」
「リンダ」
イシュトヴァーンは、いよいよ怒ったような声になった。
「あれからどのらくらい気を失ってたのか、半日か、一日か、二日か、誰にもわからないんだ。どのくらい、どっちへむけて船がおし流されたのかもわからない。それに……」
「イシュトヴァーン!」
「このへんの海には、でかい《人食い》がいるんだ。おちたりしたら、まず——」
「いやああッ!」
リンダは絶叫した。そして、耳に両手をあててうずくまってしまった。


「あんときゃ、必ずしも一から十までグインがお前さんたちを助けたという覚えはないんだがね」
しようのないイシュトヴァーンが云った。さきほどの神聖な思いはそれとして、リンダがグインにあまり頼ったり、慕ったりするようなことを云うと、彼はどうしても、そう云わざるをえない心境になってしまうのだった。
「このおれが、お前さんたちと当のグインを助けてやったことも、グインが間にあわなくて、おれがモンゴール軍に忍びこんで、お前らを助けだしてやったこともあったと思うんだがねお姫さま。どうも、お前さんは、グインに関しちゃむやみと記憶力がよくて、よすぎるくらいで、おれについてはどういうわけかやたらとつごうよく忘れっぽくなるようだな。なんか、わけでもあるのかい。ええ?少し、不公平なのとちがうかね。おれについてだけ、そうやけに恩知らずでいい、と決めたのはどういうわけなのか、ひとつ教えてもらいたいもんだな」
「いい加減にしてよ、ヴァラキアのイシュトヴァーン」
リンダは涙にぬれた顔をあげ、一瞬、グインが海におちて行方不明になった、という全身の力がぬけてゆくような絶望すら忘れて怒った。
「そんなわけないじゃない、とこないだから百ぺんも云っているじゃないの。それでもね、イシュトヴァーンさん、グインはひとことごとに、あれをしてやった、これをしてやった、助けてやった、なんて恩にきせてまわったりしませんからね。いつだってグインは、そんなことは何でもない、というようすをして、最も崇高な自己犠牲をわたしたちのためにしてくれるんだわ。そりゃあなたがいなかったらどうなってたかもよくわかってるけど、あなたはいつだって、それを全部、こうしてやった、こうしてやった、と云いつづけるんだもの。感謝していたって、そう云う気力がなくなってしまうわ」


リンダはなおも何か云いつのろうとする。それをうんざりしたようすでひょいと顔をめぐらしたイシュトヴァーンは、ふいにぎょっとしたような顔をした。
レムスが、胸に腕を組んで、マストの残骸にもたれかかるようにしながら、おもしろそうにこちらを見おろしていたのである。


グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3940V3:2015/06/08(月) 21:15:01 ID:3z4GG4Kk
「あら、レムス——何よ、ひとをびっくりさせて」
リンダが叫んだ。
「気がついてたのなら、早く来なさいよ、ぐずね——なによ、変な目つき。どうかしたの?」
「いや、別にどうもしないよ」
レムスは云って、ひらりと身軽にマストの台座からとびおりてきた。
「変ねえ。あんたって、さっきみたいた顔つきしてると、ひどくナリスに似てるわ。これまでそんなこと、思ったことなかったんだけど——光のかげんかしら」
「そう?」
興味なさそうにレムスは云った。
「それどころじゃないわ——レムス、たいへんよ。グインが……」
リンダがふいに思い出したようにせきこんだ。
「知ってる。でも、いまは、そんなことをいってるときじゃないよ」
「まあ!おまえまで、そんなこと、だなんていうの!みんなグインのことなんかどうでもいいのね。いいわ、わかったわ。じゃわたし一人ででもグインを助けてみせるからいいわ——」
「どうでもいい、と云ったんじゃない」
レムスはしごく冷静に云った。
「いまはそれどころじゃない、と云ったんだよ。うしろをみてごらん、リンダ。船のみなさんが、目をさましてこの船にふりかかった災難は、ぼくらのせいだ、と決めたらしいよ」
「え——?」
リンダはふりむき、そして青ざめた。
かれらのいる上甲板のすぐ下まで、二、三十人の幽鬼のように髪をふり乱した全員どもがいつのまにか、こっそりと忍び寄っていたのである。
「ふん、さっそく、水入りのつづきをしたいってのか」
イシュトヴァーンがすらりと剣をぬきはなった。
「へえ。お前もやるかい」
おもしろそうにレムスを見ていう。レムスはすでに長剣を手にしていた。
「どうだい、お前の弟も、なかなか育ってきたじゃないか。……どれ、お手並み拝見といくかな」
イシュトヴァーンがニヤリと笑った。


「きゃあ!」
リンダが悲鳴を——何ひとつまともにききとれぬ叫喚と、そしてひとかたまりになった死闘のなかで、激しい悲鳴にも似た声で呼びつづけていた。
「イシュトヴァーン——イシュトヴァーン!ああ、グイン、グイン!グインさえいてくれれば……グイン、助けて、イシュトヴァーンを助けてえ!」
さすがに、一人対十人である。
イシュトヴァーンは三人までも切りふせたものの、前後左右に敵をうけて、もはや少年少女たちをかえりみることもできなくなっていた。
彼の肩からも、足からも、頬からも、ポタポタと血がしたたりおちていたが、彼は手傷をおっていることに気づきすらしなかった。彼は狼のようにもぐり、とびかかり、とびさすり、息もつかずに縦横に剣をふるいつづけていた。


「リンダ!」
イシュトヴァーンはあえいだ。
「畜生、レムスのばか!何をしてやがる、あれほどリンダのそばからはなれるなと云ったのに!」
巨大な、頭がつるつるの黒人が、もがくリンダの肩をつかみ、そののどに半月刀をさしつけていた。
「刀をすてろ、小僧」
大男がわめいた。
イシュトヴァーンはぐっと息をつめた。
「うまいぞ、ダボ」
「娘を殺されてもいいのか」
「ドールのまわし者め!」
イシュトヴァーンはののしりながら、リンダの目を見た。
リンダは黒人の、黒光りする太い腕に口をふさがれたまま、必死な目でイシュトヴァーンを見つめていた。その目にぶつかったとたん、イシュトヴァーンは、がっくりと力をぬいた。
「わかったよ、畜生ッ」
叫ぶと、からりと剣を投げ出す。


「殺すなよ、てめえら。まだ、手を出すな。仲間の敵、船に凶運をもたらしたやつだ。ゆっくり、面白え趣向を考えてやらなきゃ気がすまねえからな」
「おおさ、ひっくくれ」
「縛りあげろ」
「ハッ」
イシュトヴァーンは、自らのへまをあざ笑うかのように唾を吐きすてた。こうなっても、なおも、彼は少しも絶望などしていなかったし、戦意を失ってもいなかった。彼はただ、反撃の機会をねらうために、云うなりになっていたのだ。
「レムスのばかやろうめ」
口の中でイシュトヴァーンはののしり、わざと悲鳴をあげるほどにきつく逆手にねじあげられて帆網にくくりつけられはじめても、声ひとつ立てなかった。


グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3941V3:2015/06/08(月) 21:18:36 ID:3z4GG4Kk
「さあ、この娘は、おらのもんだぞ」
黒人のダボが有頂天になってわめいた。
「見ろや、大したべっぴんだぜ。この髪の毛ときたら、ほんとの銀みてえだ」
「おや?」
ふいに誰かが眉をしかめた。
「あのもう一匹のガキは——それからあのサルみてえなちびが……」
「どっかにもぐりこんでふるえてやがるのさ」
勝ちほこった海賊が云ったときだ。
「ヒャッ」
「な、なんだ」
いきなり、かれらは首をすくめて上をふりあおいだ。
「雨かよ」
「いや、それにしちゃ、ヌルヌルしやがるぜ」
「妙な匂いが——うわッ、ガキめ、あんなところに!」
誰かが大声をあげて、上を指さした。
イシュトヴァーンとリンダも思わずつられて上を見——
そして息をのんだ。
「レムス!」
主な三本の帆柱のうち、折れのこった一本——
そのかなり高いところに、レムスがいつのぼったのか、しっかりと枝木をふまえて立っているのだ。
そのからだは、ナワでマストにくくりつけられ、その手には、ひとつのツボをもっている。レムスはまた、そのツボをさかさにし、すると下へむかって、黄色っぽいどろどろした液体がぬるぬると流れた。
「わッ」
「こ、こりゃ油だ」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


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3942V3:2015/06/08(月) 21:21:10 ID:3z4GG4Kk
スニはスルスルとマストをのぼりつめると、レムスにもってきたツボを手わたした。それをまた、レムスは勢いよく、船めがけてふりまいた。人々の頭も、からだも、甲板も油でまみれた。
と見てから、レムスは、静かにかくしから火打石をとり出し、ほくちのぬのをとり出した。
かち、かち、とスニに布をもたせて火をつけはじめる。
「わああーッ!」
「あ、悪魔みてえなガキだ!」
「火をつける気か。油をまいて——」
たちまち、海賊は、リンダとイシュトヴァーンをはなしてマストに殺到した。
スニがスルスルと途中までおりた。ぱっととり出したのは、セム族の吹き矢だった。みるみる、毒矢に目や顔を射られて、マストによじのぼろうとした数人がギャーッと叫びながらおちていった。
「きさま、やめんかーッ」
「そんなことをしたら、きさまも一緒に火あぶりだぞ」
「きさまの仲間どもも焼け死ぬんだぞ」
下では手のほどこしようもなく、じだんだをふんでわめきたてる。
それへ、
「そうとも!」
「ぼくたちも死ぬ。しかし、お前たちも、この船もろとも、全員いっしょに焼け死ぬんだ。ぼくたちだけがつかまってなぶり殺しになるよりは、みんな一蓮托生で、あっさり火のなかで全滅したほうが、ぼくとしては満足だからね!」
「やれるものなら——」
云いかけた瞬間に、レムスはほくちを下へおとした。
ぎゃあッ、とすさまじい海賊どもの絶叫がおこる。かれらはてんでに逃げ出そうとし、中には海へ早てまわしに身を投じるものすらあったのである。
しかし、火はたちまち燃えひろがりはしなかった。レムスはにやにやしながら、長くしてあったほくちをたぐってひきもどし、その勢いで消えたそれに、ていねいに火をつけ直した。

「降伏しろ」
レムスの容赦ない声がなおもひびく。
「降伏するんだ。ぼくたちに決して危害を加えぬ。ぶじに目的地まで運べるよう、もとの航路をさがす、とドライドンにかけて誓え。そうすれば火を消してやる。——ぼくも約束しよう。お前たちは、われわれを人質にとったり、売りとばすより、われわれの味方につき、われわれに協力した方が、はるかに安全と——そして、財宝を手に入れられることになる。ぼくたちを期日どおりライゴールへ運んだら、そのとき、お前たちに新しい船一隻と——そしてお前たちひとりひとりに百ランの報酬を約束しよう。イヤというなら、これまでだ。ここでぼくもお前たちもろとも、火だるまになって、この船をわれわれ全員の燃える墓にするまでだ。選べ!」
「くそっ」
イシュトヴァーンは、海賊たちの注意がレムスの方へそれたその瞬間に、たちまちナワを切ってぬけ出し、リンダをとりもどして、船首へとびこんでいた。思わずかれはヒュッと口笛をふいて呟いた。
「これが、あの、白い羽根を生やしてると思ってたパロのひよこか。ルアーの黄金の剣にかけて、大した玉だぜ。いやまったく、アレクサンドロス、イアソンもびっくりの知恵者だぜ。なんてえ大ばくちだ——それになんて度胸だ」
「レムスったら……」
リンダはうめくように云った。あまりにもめまぐるしい展開に、おどろくことさえも忘れているようで、彼女は自分がイシュトヴァーンにとりかえされて、そのたくましい腕の中に、しっかりと抱きしめられていることさえ、なかば無意識のままだった。
「やっぱりグインが正しかったのかもしれねえな。あいつはひょっとしたら、いい国王陛下になるかもしれん」
イシュトヴァーンは呟く。その黒い目には、しぶしぶながらの感嘆の色がうかんでいた。

「ふうっ」
思わず、イシュトヴァーンも、剣を手にしたまま、深い息をつく。
「まずは、やれやれだ」
「だ、だって——」
「いや。おれはレントの海賊船に乗ってたからよく知ってる。ドライドンへの誓いは、船乗りにとってヤヌスの誓いより神聖だ。最悪の連中でも、この誓いだけは決して破れない。少なくとも、海の上ではな」
イシュトヴァーンはにやりと笑ってみせた。
「とりあえず助かったぞ。あんたの弟に、礼を云いなよ。姉貴風を吹かすのはやめてさ」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


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3943V3:2015/06/08(月) 21:24:16 ID:3z4GG4Kk
「下のようすはどうだ」
イシュトヴァーンは、何やら奇妙なものをせっせとつくる手は休めぬまま、きいた。
「また、何やら、集ってわるだくみをしているようか」
「いいえ——いまのところ、それは大丈夫だと思うわ。ダボたちは、船室で、ずっとばくちをしているわ」
「レムスは」
「かれらと一緒なの。あれ、どういうのかしら」
リンダは不服そうに、眉をしかめた。
「こないだのことでは、少し見直したまではよかったんだけど——あの子ったら、変に、海賊たちに気に入られてしまったらしいのよ。度胸がある、とか何とかいって。その上、あの子まで、何のつもりなんだか、あの不潔な連中あいてに、いろいろ話しこんだり、ばくちを教えてもらったり、船のことをあれこれきいたりしているの。あんな、下等な連中と気のあうような、そんなところのある子だと思わなかったわ。いやあねえ、スニ」
「そう云ったもんでもないさ」
イシュトヴァーンはしきりに小刀で木切れのはしをけずりながら、上の空の返答をした。
「いずれ国王にもなる身なら、かっこうの、しもじもの事情に通じる勉強ってものさ。おれなら、あの子は、したいようにやらせとくね。あいつにゃ、自分の考えってものがあるんだろうよ」
「それが、気にくわないんだわ」
双子の姉は、腹立たしげに云い、日にやけたひざをそろえてイシュトヴァーンのかたわらにすわりこむと、可愛い口をとがらせた。スニが、リンダのとなりにちょこんとすわる。
「その、自分の考え、なんてものを、いつの間にあの子がふりまわすようになったのかと思うと。——いつだって、あの子、わたしのあとをくっついてまわって、わたしのうしろにかくれて、ちょっと何かからかわれたり、いじめられたりするとすぐにぴいぴい泣いたものよ。双児に生まれて——パロのふたつぶの真珠、と呼ばれて。わたしたちが生まれたとき、一人はパロの偉大な王となり、一人は偉大な予言者となる、と占い師たちは占ったわ。いつでも——そうよ、ほんとにいつでも一緒で、一ザンとはなれていたことはなくて。何かわけがあってひきはなされると、わたしたち、赤ん坊のころから、わあわあ泣いて、一緒になるまではどうしても泣きやまなかった、とお母さまが話して下さったわ」
リンダは淋しそうに、スニの小さな頭を、そっとなでながら続けた。


グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


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3944V3:2015/06/08(月) 21:26:22 ID:3z4GG4Kk
「ところで、グインのことだが——このごろ、何も云わなくなったが、とうとうあいつはもうダメだとあきらめたのかい?」
「そうじゃないわ」
リンダのくちびるがふるえた。スニがイシュトヴァーンを怒ってにらみつける。
イシュトヴァーンは目をそらしたが、一瞬その黒い目の中に、何か複雑な光がうかんだ。
リンダはうつむいてくちびるをかんだ。その彼女は、いつもの彼女らしくなく、ひどくたよりなく、かよわい、庇護を必要とする小さな見すてられた子どものように見えた。
しかし、彼女は、ぐいと頭をふりやって、心をふるいおこした。リンダはぎゅっとスニの肩を抱きしめながら、海面へ目をやり、きっぱりとした声で云った。
「その反対だわ。わたし、考えたのよ。グインはやっぱり特別なんだわ。だから、グインが、死んだり、わたしたちの前からいなくなることなんか、決してあるわけがない。前にも——グインがラゴンの援軍を頼みにいったときも、わたしたちがもうダメだと思ったさいごの瞬間に、グインは風穴の中からあらわれて来た。わたしね、イシュトヴァーン。わたしたちとグインの運命って、きっと何か、ふしぎな、ヤーンのみのしろしめす糸でかたくよりあわされている、という気がしてならないの。わたしの予言の力は知ってるでしょ——そのわたしが、グインともう二度と会えない、という気がしない以上、グインは死んでやしない。グインは死ぬことなんて、ないのかもしれない。そして、グインは生きているかぎり必ず、わたしたちがほんとに追いつめられれば、わたしたちを救いにあらわれてくる、という気がするの。だって、グインはわたしたちの守護神なのだもの。だから——そう考えたから、わたし、いたずらにさわいだり、泣いたりするのをやめたのよ。グインを信じ、じっと待っていることにしたの。そうすれば、絶対にグインはわたしのもとにかえってくるわ。——ねえ、イシュトヴァーン。覚えてるでしょ、ノスフェラスをたつとき、海路アルゴスへというコースを占ったら、それはすなわちグインに多くの危難がふりかかる、と出たわね。そしてほんとにこれまでのところ、グインひとりが、旅のいちばんつらい部分を身にひきうけてるような気がする。でも、あの占いには、わたしたちとグインとの別れの星は出ていなかったもの。わたし、信じるわ——グインを。わたしの占いを。わたしとグインの運命がひとつだってことを」
リンダはまばたきをして、健気に涙をみなもとへおしもどした。
イシュトヴァーンはひどく奇妙なよこ目づかいでリンダを見た。これまでしたことのない、複雑な目つきだった。
(わたしとグインとの運命がひとつ、だと?)
彼はこっそりひとりごちた。
(それじゃおれの立場はどうなるんだ。くそ、この問題は、やつがくたばってりゃいざ知らず、やつが生きてたとしたら、いずれかたをつけなくちゃならんな。——というのも、たしかにこの娘っ子のいうとおり、このおれの人並すぐれた第六感でも、ヤーンの黄ばんだひげにかけて、グインのやつがくたばった、という気は、どうしてもして来ないからな!)

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3945V3:2015/06/08(月) 21:27:48 ID:3z4GG4Kk
さっきからイシュトヴァーンがせっせと作っていたものは、ようやくできあがりかけていた。それは、木切れの弓づるをつなぎあわせた輪になっていて、何かのワナか、捕り網のように見えた。
「ふん、こいつは、ヤーンの尻尾をつかまえるためのワナなんだよ」
イシュトヴァーンはそっけなく云って、網の奥に、羽根と布でつくった白いフワフワしたものをくくりつけた。それはどうやら鳥のように見えた。
「まあかわいい。それなに」
「これは、おとりさ。これをこう——よし、できた」
イシュトヴァーンは、スニにおさえていたつるの端をはなさせた。パシーンと音をたてて、空中高く、そのかご状のものが舞いあがる。長いつるがそのかごを、マストの残骸にくくりつけている。
イシュトヴァーンは、手もとにのこしてあった細いほうのつるをひっぱった。
「まあ」
リンダとスニは目を丸くして見上げた。青い空に、そのかごに結びつけられたまがいものの鳥が、そのつくりもののつばさをひろげ、イシュトヴァーンがつるをひくと、パタパタとつばさをはばたくのである。
「すてき。でも、これ一体どうするつもりなの?かざりもの?」


「よーし。あざやかだろう」
イシュトヴァーンは得意顔で、スルスルとワナをひきおろし、ばたばたもがく鳥を気をつけてつかんだ。
「おい、どうする。こいつ、用がすんだら食っちまうか。首をひねった方が、話が早いんだが。まずいもんじゃねえぞ」
「いやよ、やめて」
リンダは顔をおおった。
「こんなきれいな鳥じゃない。せずにすむなら殺したりしないで、あとで放してあげて。——でも、それで、どうしようっていうの?」
「うん、だからさ。こいつを調べて、どっちの方角にどのくらい行けば陸地があるか、推理してやろうというのさ」
「そんなこと、できるの?まるで、判じものみたいね」
「できるさ。それもお前さんの占いよりゃ、ずっと理に叶ってるとおれは思うがね。ヴァラキアの船乗りにゃ、昔から伝わってきたやりかただし」


「でも、そうしたら、あの人たちが……」
「あいつらにゃ、あいつらのしたいようにさせときゃいい。いいか、レムスにもこっそりそう云っとけ、時期をみて、この船からぬけ出すから、そのつもりでいろ、とな。そのときになってもたもたしてたら、お前でもレムスでも容赦なく置いていくぞ。第一あの海賊どものこった。たとえドライドンの神聖な誓いをたてて、いまのところはなんとか何ごともなくおさまっているといっても、それはドライドンの領土なる海の上では、誓いをやぶってかいじんの怒りを招いてはならぬ、というだけの理由だ。一歩でも陸に上がりゃ、その瞬間に、もうドライドンの誓いを守る理由はない、とばかりおれたちにおそいかかって来るだろう。だから、こっちも、とにかくまずはどこかに上陸しわそれから別の船をさがすなりしてライゴールを目指すのが上策さ」
「わ——わかったわ」
リンダは心細そうに胸を両手で抱きしめた。


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3946V3:2015/06/08(月) 21:29:00 ID:3z4GG4Kk
リンダはリンダで、レムスがずっと海賊どもの方へ入りびたっているので、つれづれなるままに、上甲板でスニをあいてに、あれこれとおしゃべりをしてすごしていた。彼女はスニに中原の風習を教えたり、ことばを教えたりしていた。もう、スニは、相当にこみいったことまで、いくぶん発音に難のある、リンダでないとわかりにくいような云いかたでではあったが、すらすらとしゃべることができるようになっていたし、リンダの長いつややかな髪をくしけずったり、それを編むこともおぼえていた。

「ねえ、スニ。ずっと前、スタフォロス城で、はじめてスニとわたしが会ったときのこと、覚えている?」
「はじめて——アーイ、姫さまがトルクから助けてくれた。こわい人が出た」
「そう、そのときよ……ね、スニ。あなた、あのとき、わたしがグインの話をして、グインが自分の名前と《アウラ》ということばしか覚えてない、といったら、ひどくこわがったわね。あれは、どうしてだったの?」
スニはびくんとした。
「わたし、そんなことしないよ」
「したわよ。セムのことばで何か云って、とてもおどろいていたわ。——《アウラ》って何だか、知っていたんでしょう、スニ?それを、わたしに教えてちょうだい」
「スニ、知らない。アウラなんて、知らないよ」
「まあ、スニ」

その夜である。
「シッ——音をたてるな」
忍びやかな声が、ともでささやきかわされていた。

「みんな、乗ったか——よし、レムス、そっちを漕げ。はじめは、静かに櫂を水にいれろよ——綱を切るから、つかまってろ」

リンダはスニを抱きしめ、じっと迫ってくる黒いかたまりを見上げていた。
(イヤだわ)
彼女はそっとささやいた。
(この島は、よくない予感がする。できたら、上陸したくないわ——でももう、そんなことを云っていられる状態じゃないのだから、しかたないけれど……でも、この島には、何かがあるわ。不吉よ——わたしには、わかるのよ)
沈黙の内に時が流れ——
やがて、ザッ、と音をたてて、ボートのへさきが、砂浜につきささった。
かれらは、ロスを出て十何日ぶりかの、固い大地を足の下に踏みしめたのである。

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3947V3:2015/06/08(月) 21:30:49 ID:3z4GG4Kk
「どうした。寝られないのか」
彼は云った。
「いまのうちに、じゅうぶん体力をたくわえておけと云ったろう」
「ええ。——でも、疲れていないのよ、わたし」
「そうか。——じゃ、ここへ来て、すわって海でも見たらどうだ」
リンダは、ためらいがちに、イシュトヴァーンのかたわらの少し低いところに腰をおろした。
そこは高くなっていて、目の下の崖の向こうに、夜光虫の輝く海が美しく見わたせた。

「とても——きれいだわ」
リンダはしばらく黙っていたが、吐息のような声で、この圧倒的な静寂を破ることをおそれはばかるようにささやいた。
「きれい——などということばでは似合わないくらい。あまりにも、神々しくて、何かをかくしていて、そして何かを告げていて、大きくて——怖いくらい」
「美しい——ときたね」
イシュトヴァーンはそっけなく云った。
「おれは、残念ながら、これからどうやってここを切りぬけるか——この海をどうやって乗りきってお前さんたちをアルゴスにおくりとどけられるのか、それで頭がいっぱいで、とうていそんなのんびりと海をながめてるわけにゃいかないね」
「……ごめんなさい」
リンダは、しばらくの沈黙のあと、小さく云った。
イシュトヴァーンは、びっくりしたようすで、リンダを見た。
「わたし、いつでも、考えなしなことばかり—…自分勝手なことばかり、云ったりして、あなたにもグインにも迷惑ばかりかけているのね。わたしはきっと、あのクリスタルの宮殿の中で、何でもわたしのいうことをきき、いちばんにわたしをちやほやしてくれる人ばかりにかこまれて育ったので、何かがきっと欠けおちた人間になってしまったのだわ。それで、自分ではそんなつもりもないのに、何か云うたびに、あなたを怒らせたり、いやな思いをさせたりしてしまうのね。なんだかわたしはほんとうにあなたのじゃまばかりして、重荷になってばかりいるようで、もうほんとうにイヤになってしまったわ。あなたがわたしのことをきらいだったり、バカな娘だと思ってもふしぎはないわね」
「何をいってるんだ——ばかな」
イシュトヴァーンは、何かしらひどく当惑したような、あわてたような声を出した。
しばらくだまっていたが、
「一体なぜまた、おれがあんたのことを、きらいだなんて思うんだ?」
彼は、奇妙な、こもったような云い方でつぶやいた。
まるで、自らの口にすることを、自分できくのがこわいとでもいうようだった。
リンダはなさけなさそうに云った。
「あなたは、わたしが、自分の欠点を、自分で少しも知らないし、そんなものはないと思っている、と思っているのでしょ。でも、そんなことはないのよ——ほんとうは。ただ、わたし……きっと、すなおでないだけなの」
「リンダ——」
イシュトヴァーンは、ますます、リンダから顔をそむけ、意地になりでもしたように、彼女をみまいとした。
「おれは、少しばかり口はわるいが——しかしそれは、いつもカッとなったとき思わずいうことで、心からそんなふうにあんたのことを思ってなんか、決していやしないよ」
「まあ——」
リンダのつぶやきは、低かったが、ひどく雄弁だった。

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3948V3:2015/06/08(月) 21:34:11 ID:3z4GG4Kk
イシュトヴァーンの息づかいが、わずかに早まった。しばらくの間、どちらも何も云わず、あたかもどちらか先にこの沈黙を破った人間が、このたたかいに似たはりつめた緊張のとばりをあけ、その結果を身にひきうけねばならぬとおそれてでもいるかのようだった。
二人は、強情にたがいを見まいと顔をそむけつづけていた。しかし、その重苦しい時間を、ふいに破ったのは、イシュトヴァーンのほうだった。
「そのう——おれはつまらんことを考えていたよ。前にはおれはたしか、おれが生まれたときに予言された《光の公女》についてあんたやグインにしゃべったと思うが……」
「ええ」
リンダはどことなくほっとしたように云った。
「覚えているわ」
「そのう、つまり——おれは、いまじゃ、あんなことをあんたに云うんじゃなかったなと思ってるんだよ」
「なぜ?」
リンダのいらえは、あまりにもすばやかった。
「つまりさ——」
イシュトヴァーンはそっとくちびるをなめた。
「だから、おれは心配したのさ。あんなことをいったので、だから、リンダ、あんたがおれのことを、そのう……あんたが王女だから、だから、その——」
「わたし、国を追われた王女だわ」
リンダは下唇を吸いこみ、激しく云った。
「わたしはもう何も持っていない。たとえアルゴスへぶじについたとしても、おばの助けをこい、そのあわれみにすがって、軍隊をかりてパロへせめのぼる、なんてことが、ほんとうにできるかどうかわからない。アルゴスの民は草原の人々で、かれらはとても情誼にあついけれど、でもかれらだってたかが血が少しばかり混じりあっているというだけで、他の国の無力な子どもたちのために国のすべてをかけてまで戦ってくれはしないでしょう。たとえそれにおばの口添えで、パロ奪還の軍をおこすことができても、モンゴールをうちまかす望みは少なく、そして国をとりもどせばこんどはそのためにうけたアルゴスの恩恵がわたしたちの負債になる。わたしたちは幼くて、何の力ももっていないから、どんなことをでももうたしかだと信じるわけにはいかないの。聖なる王家の聖なる血をひいているというだけでは、そのへんで平和にくらしている漁師の子どもよりもさえ、多くをもっていることになどなりはしないわ。あなたやグインがかしてくれている力にだって、はたして、ふさわしい約束どおりの報酬どころか、何を払えるのかわからない。わたしが——わたしとレムスがいま、たしかに持っていると云えるのはもう、このからだのいのちだけよ。それもあなたが守ってくれなければ、いつ失ってしまうかわからない。——わたしたちは、そんなものになってしまったのよ。父もなく、母もなく、財宝もない。それでも王女などと云えるかしら?ただの孤児、そうよ、わたしたちはあなたがいなくては何もできない無力な孤児にすぎないのよ!」
「お前さんが、そんなことを考えていようなんて、真実の守り神なるヤヌスにかけて、おれは考えてもみなかったよ」
思わず口から出た、とでもいったように、イシュトヴァーンは云いかけた。
が、リンダがいきなりわっと泣き出したので、あわてふためいた。
リンダは長いこと忘れていた涙がようやく流れ出すすべをとりもどした、とでもいうかのように、手放しで、王女の誇りも気丈さも投げすてて泣いていた。彼女は結局のところ十四歳にしかすぎなかったのであり、年齢と、それまでの境遇のわりに、あまりにも苛酷なたてつづけの試練に、あまりにも長いあいださらされつづけて、一刻として心の安まるいとまさえなかったいたいけな少女なのだった。彼女の若さと生来の情ごわさとが、これまで辛うじて彼女を支えていたけれども、いまはその牙城はくずれおちた。彼女は、ひどく小さく、かよわく見え、そして恥ずかしさも忘れてしゃくりあげた。


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3949V3:2015/06/08(月) 21:35:17 ID:3z4GG4Kk
イシュトヴァーンは狼狽した。
「悪かった」
ふだんの彼らしくもなく、ほとんどおろおろして、彼は口走った。
「悪かった。つまらんことを云っちまったよ——悪気でいったんじゃない。本当だ、ヤヌスにかけて、サリアにかけて、イリスにかけて誓うよ。だから泣かないでくれよ。リンダ——なあ、リンダ……」
彼は、当惑しながら手をのばし、なおもしゃくりあげている少女の肩にそのぶこつな手をおき、何とか少女の心をなだめ、やわらげようとした。
が、その手がリンダの、うすい服一枚につつまれた、やせたきゃしゃな肩にふれたとたん、彼はびくっと、まっかにおこっている炭火にでもふれたように手をはなした。
リンダもはっと身をかたくした。彼女のすすり泣きは止まっていた。
リンダは両手を口にあて、泣き腫らした瞳で、息をつめて、じっとしていた。それから彼女は、まるでそこに何を見出すのか、それを少しも知らない、とでもいうような、おどろきと、そしてわななきにみちた目で、ゆっくりと頭をまわし、イシュトヴァーンの方をみた。
彼女の長い睫毛が激しくまばたき、そしてその、夜明けのスミレ色の大きな眼は、なにか、云い知れぬ激情と、期待と、そしてやさしい思い——そう、女らしくやさしいあふれる思いをたたえて、ゆるやかに大きく見はられた。
「イシュトヴァーン——?」
彼女は、どこか甘やかな、かすれた声でささやいた。
「リンダ」
イシュトヴァーンは唾をのみこんだ。

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3950V3:2015/06/08(月) 21:38:32 ID:3z4GG4Kk
「リンダ——」
彼は、ためらい——
それから、少女をぐいと抱きよせた。
リンダはさからわなかった。彼女は目をとじて、顔を仰向けた。その小さなあごを彼はこわれもののように指で支え、そして、まるで生まれてはじめて世界を見る子供のように、ふるえながらくちびるをよせていった。
「イシュトヴァーン……」
ようやく、彼がくちびるをはなすと、リンダは、目をとじたまま、夢みるようにささやいた。
「イシュトヴァーン——わたしを愛している?」
「サリアにかけて、おれの心臓はトートの愛の矢にふれられちまったらしい」
イシュトヴァーンはリンダの耳もとでささやいた。
「あんたがパロの王女だからでもない。おれが光の公女をさがしているからでもない——リンダ、おまえはきれいだ。どこの誰より美しいよ」
「おお——イシュトヴァーン」
としか、リンダは云えなかった。
彼女の目には、再び涙がこみあげてきた。しかしそれはさっきのような、労苦と忍耐とに疲れ、うみはてた、辛い、苦い涙ではなかった。その涙は甘く、リンダのかたくこわばった心をやわらかくときほぐしていった。
「お前が、あのとき——《ガルムの首》の上であのやくざな船長がおれの上に剣をふりかぶったとき、『イシュトヴァーン、死んではいや』と叫んで、かくれ場所からとび出してきただろう?」
イシュトヴァーンは、いとしくてならぬような目でリンダを見おろしながら、その頬を両手で囲んでささやいた。
「あのとき、おれは、もうこれがさいごかもしれない思いの中で、嬉しかった——トートにかけて、あのとき、おれは、はじめて知ったんだ……これまでおれがずっと、いつもあんたのことで苛々したり、腹を立てたり、かんしゃくをおこしたりしていたのが、どうしてだったのか——どうしてあんなにいつでもあんたのことが気にかかり、あんたがおれをどう思っているのかが、なぜそうもおれを不安にさせたのか……」
「おお、イシュトヴァーン——わたしたちは生きてるわ!」
リンダの声は、誇らしいひびきをはらんでいた。


グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3951V3:2015/06/08(月) 21:39:51 ID:3z4GG4Kk
「わたしたちはここにいて、そうして、一緒にいるわ」
「ああ」
「イシュトヴァーン——わたしが、もう決して国をとりもどすことがなくなっても、紫と黄金に包まれることがない、ひとりぼっちの孤児だ、ということがはっきりしても、それでもやっぱりわたしのことを可愛いと思ってくれる?」
返事のかわりに、イシュトヴァーンは、しっかりとリンダのほっそりとしたからだを抱きしめた。
「ずっとわたしと一緒にいてくれる?わたしを守って——そうして、わたしがどこへいって、どんな運命があるときにも、かわらずそばにいてくれる?」
「ああ」
イシュトヴァーンは、陽気な黒いきらめく目に、厳粛な表情をうかべ、皮肉な微笑をたたえていた口もとを、ぎゅっとひきしめた。
「誓う。おれの名誉にかけて——何よりも神聖なおれの唯一の神ヤヌスにかけて、おれはお前のそばにいる。決してはなれない、お前を守る」
「わたしがどうなろうとも?」
「ああ、どうなろうとも」
彼は、足もとに、ベルトからぬいてよこたえてあった細身の剣をとった。
そして、それをすらりとひきぬくと、リンダの前に立ち、腕をまっすぐにのばして、自分にむけて剣を持ち、その柄を、リンダの方にさしだした。
「おれの生命はお前のものだ、リンダ。疑うなら、いますぐその柄を押して、おれの生命をとるがいい」
「聖なるヤヌスの名において」
リンダは答えた。そして、彼女は、おごそかなしぐさでその剣を彼の手からとりあげ、柄にくちびるをあて、横にして彼に返した。
「おれは生まれて二十年、おれ自身のほかの誰にもこの剣を捧げたことはない」
彼は云った。
「他の誰にも、二度と捧げない」
リンダは何も云わず、ただじっとイシュトヴァーンを見つめた。
「お前たちはおれが必ず無事にアルゴスへ届けてやる。これまでにも、何度も云ったが——そして、アルゴスについたら、おれは……」
「もしわたしたちが、パロをとりもどせたら——」
リンダはうっとりとささやいた。
「もうずっと前に約束したわね……わたしたちをアルゴスにつれていってくれたら、あなたを聖騎士侯に任命するのがその報酬だって——そうしたら、あなたは云ったのよ。それならパロをとりかえしたら、おれをクリスタル公にして、わたしの左にすわらせてくれるかって……」
「もし——」
イシュトヴァーンは何か云いかけた。が、ふいに口をつぐみ、リンダをひきよせ、その唇を荒々しく唇でおおい、リンダが力つきたようにその胸にすっかり身をあずけるまで、はなそうとしなかった。
「おれは、クリスタル公にしてほしくて、お前に聖なる誓いをしたんじゃない。それを、忘れないでくれ」
彼はいくぶん、荒々しい云いかたをした。リンダは笑った——……どこかに勝利のひびきをおびた、十四の少女でも成熟した女と同じようにすでにその中に知っている、女性特有のきわどい叡智と自信にみちた笑い。
「わかっているわ、イシュトヴァーン」
彼女は云い、イシュトヴァーンの唇を細い指でなぞった。

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3952V3:2015/06/08(月) 21:43:36 ID:3z4GG4Kk
グイン、16巻までアニメ化されてます

で、リンダとイシュトヴァーンの健気で可愛いラブシーンの場面がこちら♪

http://blogs.yahoo.co.jp/chihaya1023/GALLERY/show_image.html?id=http%3A%2F%2Fblogs.c.yimg.jp%2Fres%2Fblog-c2-ee%2Fchihaya1023%2Ffolder%2F620740%2F65%2F41421465%2Fimg_1%3F1248265086


大分簡略化されてるので、私的には不満もあるのですが、まあ及第点ではあるかなと(*`Д´)ノw


梅(*`Д´)ノ♪

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3953V3:2015/06/08(月) 21:47:18 ID:3z4GG4Kk
ありゃ、リンク切れのようです(;^_^A

すみません、ご興味持たれた方は、アニメのグインで感想ブログをググって見て下さい
ブロガー次第で、印象的なシーンなどを色々アップされておりますので

3954V3:2015/06/08(月) 21:51:57 ID:3z4GG4Kk
因みにこちらがグインアニメの公式HP

各キャラクターがどんなアニメキャラ化してるのか、ご参考まで


主要キャラには違和感を持ちませんでしたので、絵面としては個人的には合格点をあげたいと思います

3955V3:2015/06/08(月) 22:01:46 ID:3z4GG4Kk
因みにって、アドレス貼り忘れてるorz

http://www.guinsaga.net/


梅(*`Д´)ノ♪

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3956V3:2015/06/08(月) 22:04:06 ID:3z4GG4Kk
「ち、畜生っ」
イシュトヴァーンの口からうめき声がもれる。
「待ち伏せしやがったな」
「おお、待ちかねたぜ、ウサギども!」
「ドライドンの神聖な誓いを裏切りやがって」
「それは、どっちの云うことだ、この悪党ども」
イシュトヴァーンは応酬しながら、すばやく、あいての人数をかぞえていた。
(十五人はいるな——ということは、森に十人はいる。半分だけ上ったとして……弓が五人……オノが二人、棍棒が一人、あとは剣)
「ひとを、売りとばすの、やっつけるの、腹黒いたくらみをしやがって。ほんとなら、てめえらこそドライドンの怒りにふれて、いかづちに打たれて船が沈んじまってるところだぜ」

「ケス河の大口よりもでけえ口をたたくヴァラキアのイシュトヴァーンよ。おれたちが何人いるのか、てめえにゃ数も数えられねえのか」
「数えたところでもぐらの毛の数と同じことだ。てめえらなぞ、何百匹いやがったところで屁でもねえ」
「ほざきやがったな」
海賊どもがニタニタ笑い出した。
イシュトヴァーンはすらりと剣をぬきはなち、うしろにリンダをかばいながらささやいた。
「おい、うしろ、何人いる」
「まだ、森から出て来たのは五、六人かしら」
「そいつを何とかかわして、森の中にとびこんで逃げろ。レムスがおくれているらしいから、あいつでもいねえよりゃマシだ。いいか、おれがやつらの方はひきうける」
「イヤよ!」
リンダの叫びは、自分でも思いがけぬほどつよかった。
「もう、誰かと別れ別れになるのはイヤ。もう——もうあなたとはなれているのはイヤよ、イシュトヴァーン!」
「リンダ、そんなことを云ってるときじゃない」
イシュトヴァーンは苛立った。
「やつらのあのいやらしい笑いが見えねえのか」
「おれたちゃ、いやらしかねえよ」
アイがゲラゲラと笑った。
「てめえ一人でいい思いしようっていう、おめえの方がよっぽどいやらしいや。——おい、みんな、あまっ子にゃ、傷つけんなよ。黒丸はこのあんちゃんだけだ。あまっ子は、おらたちにやさしくしてくれるんだからな」

「そんなことだと思った」
木の上にかくれたレムスの方は、森にまわっていた追手がすっかり森の外へ出た、とみてとって、木をすべりおりはじめていた。
「あのくらいのことに予想がつかないようじゃ、イシュトヴァーンも、戦略家としては大したことないな。——リンダの予知もだけど」
その冷静な濃むらさきの瞳がするどく光って、何かを計算していたが、
「よーし、やはり、それしかないだろう。少し時間がかかるし、危ないけど——そのくらいなら、あいてはたかが自己流の剣しかできぬ海賊どもだし、イシュトヴァーンもなんとかもちこたえるだろう。まだ、船からののこりの奴が上陸してくる途中かもしれないし、それがいちばんいい。——目のまえのサソリから逃げようとして、うわばみをつつき出す、とアレクサンドロスにあったけど、それは、そのときのことだ」

ようやく黒一色にみえていた洞窟の内部の暗さに目が馴れて来た。案外、せまいようだ。しかし、天井はひくいし幅もせまいけれども、ずっと奥まで細くのびているようにみえた。

レムスはくちびるをかみ、剣をもちかえると右手をたかくさしあげ——そして呪文をとなえはじめた。
むろん、王家の女性のそれとは比べものにはならぬけれども、《魔道師の王国》パロでは、王族なら誰しも、最もかんたんな魔道の手妻は、子供のころから教えこまれる。
それはもうひとつのものと並んで、レムスにできる、二つだけの手妻だった。レムスのたかくさしのべた手のまわりが、青白くかがやきはじめ——やがて、ボッとともった鬼火の、青白い冷たい光が、深い闇を冒涜するかのようにぼんやりと照らし出した——
途端!
「ああッ!こ、これは!」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


梅(*`Д´)ノ♪

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3957V3:2015/06/08(月) 22:45:58 ID:3z4GG4Kk
「きゃあ——イシュトヴァーン!」
いきなり、リンダの肩は、うしろから、がっきとつかまれ、軽々ともちあげられた。
「見ろ——見ろ!あまっ子をつかまえたぞ」
すさまじいあかがみた悪臭がリンダの胸をつまらせた。リンダは宙にかかえあげられたまま、バタバタと手足をもがき、その手の短剣でうしろをつき刺そうとしたが、たやすく、手刀でうちおとされた。
そののどにぐいと、ギラギラ光る半月刀がつきつけられる。
「どうだ、兄ちゃん、剣をすてな」
「あのばか。——」
イシュトヴァーンは歯がみをした。が、そのたくましい手につかまれ、ウサギのように怯えた目を見開いているリンダを見たとき、ひくい呻き声をあげてぽいと剣を放り出した。
「よーし、やっちまえ」
「ああ!やめて、やめて、やめて!」

海賊どもの円陣がくずれ、そのまん中に倒れているイシュトヴァーンのからだから、返り血でない、新鮮なまっかな血が流れ出すのが見えた、と思ったとき、ふいにリンダの視野はおぼろげにかすんだ。
(ああ——)
リンダは奇妙な、ほとんどうっとりとした夢心地のうちに思った。
(だめ。——わたしは、気をうしなってしまう。……いえ、もう、気を失ってしまったのよ——だって、ほら、わたしは幻をみているもの……何の音もしなくなって、森の中から——おお、グインが、グインのなつかしい姿があらわれて——おお、わたしのグイン……グインはなんて強いのかしら。イシュトヴァーンにひどいことをしている人たちを、つぎつぎに、文字どおりつかみ上げて、叩きつけてゆくわ。ひとり、ふたり、三人——イシュトヴァーン、ああ、どうしたの、死んではイヤよ——動かない。血を流して……イシュトヴァーン、愛してるわ——グイン、グインさえ来てくれれば、なんてきれいなんだろう。緑と森と草のなかで、黄色と黒の毛皮がとてもきれい——おかしいわ。豹をきれいなんて——でもきれいなのだもの。ほらもうみんな片付けてしまった。グインひとりさえいれば何も怖くない、何も恐れることはない、何も、何も……)
暗黒が彼女を訪れた。

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

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3958V3:2015/06/08(月) 22:54:23 ID:3z4GG4Kk
「グ——グイン」
「そうなんだ。たまげたことにな」
云ったのはグインのうしろに立っていたイシュトヴァーンだった。
「おれもどうやら、この旦那はまさしくシレノスその人にちがいないと信ずる方に決めはじめたぜ。どうだ、ええ?ヤーンその人にだってこうはできない時の氏神じゃないか、ヤーンの山羊のひづめにかけてさ!」

「あ——あなた、どうして……どうして——」
「さあ、それが、俺にもよくはわからんのだ」
グインは安心させるようにリンダの肩にそっと手をおいた。
「あのとき、俺はあのふしぎな光の船を見たあと海におち——波にのまれて、息もできず、これで本当にさいごだと覚悟した。気がとおくなり——ところが、気を失う寸前に、俺は見たのだ。あの船が、海中を、まるで水上と同様にすべり進んで来たかと思うと、その甲板におちてくる俺をうけとめた。次の瞬間、出入口があき、全身光につつまれているような男か女かもわからぬ姿の人間があらわれ——そして俺はその人間が俺をかかえ上げながらたしかにこういうのを聞いたのだ。
『アウラ・カーの名において』
——俺はききかえそうとした。が、そのときはもう俺の意識は失われかけていた」
「アウラ——カー?」
思わず、反射的にリンダはスニを見——そして、スニが、ビクッと身をちぢめて、アルフェットゥの名を呟くのを見た。その目にはたしかに、恐怖の色がうかんでいた。


「それはそうと、真珠のもう一方のかたわれが見えんようだな」
グインが云った。
「あ——」
気づいて、リンダは愕然とした顔になる。
「レムス——ど、どうしたのかしら」
「やつらにとっつかまったかな」
「そ、そんな……」
「冗談だよ。なかなかどうして、あのガキは、そんなめにあうほど、抜けちゃいないよ、姉貴と違ってさ」
「また……」
「あいた。このじゃじゃ馬、そんなにつよく縛ったら歩けねえよ」
「ほほう」
グインは何かおかしそうにイシュトヴァーンを見た。
「おまえの、レムスへの評価は、ちょっとの間にずいぶん変わって来たらしいな」

「おお、レムス、お前か。ぶじだったか」
緊張をといてふりかえる。
岩かげからあらわれた、レムスの顔は青かった。

「どっちみちここにこうしているわけにはいかないし——あの中で見たものについて説明するよりも、ひと目じっさいに見てもらう方が早いんじゃないかな。それに、もしぼくの考えにまちがいがなければ、ぼくたちは全員、あともういくらもたたぬうちにこの島を出られるはずだ。いや——出ないことには、死ぬほかないと思う。——この島はもうじき噴火するよ」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


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3959V3:2015/06/08(月) 23:02:25 ID:3z4GG4Kk
パロ、クリスタルの都——

「そこの旅行者。止まれ!」
「止まれといったら、止まらぬか。どこから来た、どこへ行く、手形をみせろ」
「呼んだのはおれのことか?」

旅のマントのフードをふかくかたむけていた長身の旅人は、ちょっとためらうふうをした。
が、肩をすくめると、手をあげてパチンと止め金をはずし、顔の下半分をおおっていた止め布をとって、フードをうしろにはねた。
あらわれたのは、まだ若い、気品のある顔だった。おもながな、端正な、いちずな——モンゴール赤騎士隊長、アストリアス子爵の顔である。

「怪しい奴め。剣をすてろ、小屋の中でとりしらべる。きさま、本当にフェルドリック卿の知りあいなのか」
「卿を、暗殺しようとでもいう、クムかユラニアのまわし者だろう」
「な、何だと、無礼な」
アストリアスの激しやすい顔が、たちまち真っ赤にそまった。
「おれが、ユラニアのまわし者だと。いやしい虫けらめ、それは誰に向かって云うことばだ。いやしくも大公殿下の赤騎士隊長、ゴーラの赤い獅子といわれたこのアストリアスにむかって——」
ハッとして、アストリアスは口をつぐんだ。
が、もうおそかった。
「ゴーラの赤い獅子——!」
「アストリアス!そ、そうか、どこかで見た顔だと思ったが、あの似顔絵の」
「おい、シン、おたずね者のアストリアスだぞ」
「おおっ、思わぬ大手柄だ」
「き、きさまら。ふざけるな、きさまらなどにこのおれが——」
(こうなったらしかたがない)
切りふせて、血路をひらき、クリスタル市内へまぎれこむばかりだ—切りそう、アストリアスが決意のほぞを固めたときだ。
「おや、おや、おや」
うしろからふいに、びっくりしたような叫び声がきこえてきた。

「おれの名はヴァレリウス」
ヴァレリウスはニッと笑った。
「あんたのことはマリウスからきいたんだよ。そう、マリウスからな」
「マリウス」と、ことさらにつよめた発音で、ヴァレリウスは云った。
とたんに、ふしぎなことがおこった。
「マリ……ウ……ス——」
「そうだとも。心配するな、あんたの身は、このヴァレリウスがひきうけたんだ。マリウスさまの友達は、このヴァレリウスにも友達だ、そうだろうが?」
ヴァレリウスの含み声を、ほとんどアストリアスはきいていなかった。
頭の中にふいに、ひとつの圧倒的な、抗うことなど思いつきもせぬような命令——
(アストリアス。この男についてゆくのだ。この男を信頼し、何もかもうちあけ、その云うとおりにしろ)
誰のかわからぬ、黒い輝く双の眸が、いまにも彼をのみこむかのように迫ってきて、彼にきっぱりとそう命じはじめたのだった。
それが、ユノで、マリウスと魔導士たちにかけられた、のちにキイ・ワードをきけばたちまちよみがえる後催眠であることを、アストリアスは夢にも知らぬ。

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

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3960V3:2015/06/08(月) 23:04:36 ID:3z4GG4Kk
「——お客様でございます」
小姓のシモンが云いに来た。アルド・ナリスは机にむかって書きものをしていた手を一瞬やすめた。
その美しい眉宇に、ほんの一刹那、かすかな翳りに似たものがよぎる。
が、羽根ペンをおいてふりかえったとき、かれの顔は晴れやかになっていた。

「リギア!」
かれは、信じがたいものでも見たかのようにつぶやいた。
「リギア、よく無事で……」
「わたくしこそ——ナリスさまの、ごぶじなお姿を拝見して、何もかも……」
「リギア。手をあげて下さい。この椅子へ」
「いいえ、わたくしはここでよろしゅうございます」
「リギア——」
ナリスは、静かに、リギアに近づき、その足もとにひざまづき、その手をとった。
「私の——女騎士」

「これまで、一体、何を?いや、むろん云いたくなければ、云わなくてもよいが」
「これもちょうどよい機会と存じ、そのまま奴隷娘に化けて、モンゴールの兵舎に入りこんで探っておりました」
この豪胆なルナンの娘は云った。
「ちょうど、さいわいなことに、わたくしを捕らえたのが、黒騎士隊長カースロンの下の隊だったので、うまく位が上のものの目をひいてそちらへはべらされるようにして、結局カースロンはむりでしたが、その右腕の、小隊長ダラスのそばづきになるのに成功いたしました。そして、いろいろと面白いことを——ここは、よろしゅうございますか?」
「大丈夫。これだけ明け放ってあれば、立ちぎきもできぬ。その扉をあけておいてくれ——そばへ、リギア」

ナリスはふいに、子どものように無邪気な、ほとんどはしゃいでいるといいたいようなようすになって、リギアの手をつかんだ。
「まったく、わたしの乳きょうだいは、なんというイラナなんだろう!——ねえ、リギア、あなたに何かしてあげなくてはいけないね。あんなに大きな犠牲を私のために払ってくれたのだから——云って下さい、何がほしい?愛用の剣、ドレス、舞踏会の女王の座、それとも宝石類、私のくちづけ、この髪?昔もよく云ったけれど——どうしたらいいの、リギア、って?」
「何も」
「しかし、それでは——」


リギアは、かぶとを深くかぶったまま、アムネリスを通すためにドアの横で待ち、それから一礼して、男のような歩き方で出ていった。アムネリスは、フロリーが扉をしめるあいだ、ふしぎそうにふりかえっていたが、
「ご家来ですの——男の方?それとも女騎士?」
ときいた。
「目が早いことだ」
ナリスはひとりごちた。恋人にむかって、迎える手をさしのべながら、
「むろん、男ですよ。どうしてです——おお、あなたは今日も光の公女そのものだ」
「この髪型、お気に召しまして?」
「むろん気づいていましたとも。——光の塔のようだ。アマルスの発表した新しい髪ですね。おお、宝石をちりばめて——これでまた、クリスタル・パレスじゅうの姫君が、嫉ましさにまっさおになって、廊下のすみでこっそりあなたの髪のかたちを書きうつすんですよ。ところで、何をお飲みに——その服をみれば、決まっている。ヴァシャの赤い酒ですね。シモン!」
アムネリスは、すきとおるような緋色の絹を、ゆたかに波立たせた、パロふうのドレスの裾を嬉しそうにもちあげた。アムネリアの花の精でつくった香水の香が、持ち去られたアムネリアよりもっとつよい、その花の匂いで室をみたした。
(きつい香りだ。くらくらする)
ナリスはつぶやいた。アムネリスが不安そうにのぞきこむ。
「え?——どうなさいましたの?」
「何でもない。ただ、あなたが光というより、炎そのもののようにあまりに熱すぎるので、そばへ寄ったら焼かれてしまいはせぬかとおじけていたのですよ。そう、ルアーの火にとけたあの小っぽけな霜の乙女のように。でもこちらへおいで、アムネリス。あなたなら焼かれてもかまわないから」
「では心の底まで焼きつくしてあげるわ」
アムネリスは恋に酔う娘の勝ち誇った声で叫んだ。そして彼女はナリスの腕に身を投げこんだ。

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3961V3:2015/06/08(月) 23:07:32 ID:3z4GG4Kk
「ナリス様——」
「おお、リーナス。ダーヴァルスとルナンも」
アムネリスがひきとってから、サンルームに入って来たのは、それとはうってかわった武張った訪問者であった。

「例のものが手に入りましてございます」
「例のものが。やはり、クリスタルにか」
「はい。ディーン様のおかげにて、こちらの意のままで」
「ふむ、まあ、使い途はヴァレリウスにまかせよう。ずいぶん面白い使い途をさがし出してくれようさ」


アムネリスは幸福だった。
彼女は愛する人との婚礼をまちかに控えた十八の乙女だった。たびたび、占い師たちのわけのわからぬ託宣のおかげで、その日どりはのびのびになっていたが、ついに、正式にそれは紫の月の十日、『サリアの日』と決められた。

「私は知らなかったのだわ」
ありとあらゆる男まさりの評判にもかかわらず、しんはとても女らしいアムネリスは、ナリスの肩にもたれ、かれのやさしい手に愛撫されている甘やかな夕べのひとときに、ナリスに云うのだった。
「私は前に、女はドレスのすそでもひいて、舞踏会で敵の首をとるがいい、とある人から云われたことがありましたわ。そのときは、私はそれを、ひどい侮辱だととって、それを云った男を一生憎むだろうと思ったけれど、でも、こうしてあなたのおそばにいると、何だか他のことはすべてどうでもよくなって、ただいつまでもこうしていたい、それが女として生まれることのできた、いちばんの幸せなのだ、という気がしてきて……」
「そう、アムネリス?私たちはもっともっと、いくらでも幸せになれるよ。私は永遠に、私のイラナの足元に膝まづくだろうし、あなたが私を愛してくれる限り——こんな幸運を信じられないのは、私の方ですよ——私の生命はあなたのその白いやさしい手の中だしね。もう少し、クリスタルの町がおちついたら、二人で遠乗りに出かけよう。私は、私のこんな美しい妻を、人に見せびらかす機会を逃すなどということはできないよ、イラナ」
そう——
たしかに、アムネリスは幸福の絶頂にいたのである。
もし、ときどき彼女の心をおそう、わけのわからぬかげり、憂鬱、不安のきざしのようなもの、それさえなかったならば、たぶん、アムネリスほど幸福なものはこの世にいないとさえいってもよかっただろう。


グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

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3962V3:2015/06/08(月) 23:09:01 ID:3z4GG4Kk
「なにごとだ、タイラン」あわただしく夜着の上に豪奢な部屋着をはおっただけのアムネリスは、あくびをかみころしながらきいた。
「あとせめて、二ザンも待てぬほどに?」
「たったいま、夜に日をついでかけとおした使者が到着いたしまして。すぐお耳に入れねばと思いまして」
「ゆうべは、少し、おそかったかしら」
アムネリスはうっとりと、昨夜のナリスの、彼女の為に作ってくれたすばらしい詩のことを思い出しながらいった。
「お起こし致しまして、申しわけございませぬが、ことはいささか急を要するので」
「それはもうわかった」
アムネリスは云った。
「いったいどこからの使者だ?トーラスか、それとも——」
「カウロス公国よりの使者で」
「カウロス——ずいぶんとまた、遠くから……」
「はい、姫さま、わるい知らせでございます。ついに、アルゴスが起ち、国をあげて、縁つづきたるパロを救えと軍をおこしましてございます。トルースや、アルゴス周辺の騎馬民族も参戦したもようで、アルゴスから兵をかりてパロへと立った、アルゴス滞在中であったベック公を、草原の町リャガのあたりで討たんとしたカウロスの軍勢は、かえってアルゴス、トルース連合軍に包囲され、敗北を喫しました。そのまま、連合軍はベック公を救出し、着々と騎馬民族の軍団の参加をえて数をふやしながら、一気にカウロスをうちやぶるべく北進をつづけているとのことでございます。——カウロスが破られれば、あとはパロの南辺をふせぐものは、ただの自由開拓民の村だけで——」
「トーラスへは?」
「カウロス公国のジラール公は、モンゴールの援軍を要請しておられます。で、ただちにひきついだ早馬がトーラスへたちましたが、トーラスからの軍勢をまっていては、カウロスに手おくれになるやもしれず——それより前に、このクリスタルに駐屯中の部隊を、ただちにさしむけては、と——」
「ガユスは?」
「ただいま、占っております」
「では、ガユスの云うようにすればよい。どのみち、クリスタルは平和なのだし」
アムネリスは面倒くさそうにいった。
「タイランにまかせる。好きにするように。——おお、いまクリスタルの軍をうごかしてしまったら——」
「は——?」
「婚礼のときの、閲兵式が見すぼらしくなるわ。父上の軍が間にあえばよいけど——杞憂ではないの、タイラン?カウロスは勇猛でなる草原の民の国。アルゴスもトルースも小国だし、それに草原は何万モータッドもひろがっている。かれらがそれをこえて、クリスタルへ到達するとは必ずしも考えられない。——もう少しようすをみては?そのうち、カウロスから、鎮圧したという知らせが来るかもしれないし」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』


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3963V3:2015/06/08(月) 23:12:18 ID:3z4GG4Kk
草原——
いっぽう、はるかなアルゴスでは、クリスタル・パレスへの報告にあったとおり、いまやまさに、カウロス公国と、ベック公、アルゴス、それにトルースの戦いの幕が切っておとされようとしていたのである。

「誰かおらんのか。衛兵——衛兵!」
マハールの白亜宮、アルゴスの主都たるその白い宮殿の正門前で、大声でどなっているのは、《アルゴスの黒太子》スカールだった。
「開門!おれだ、スカールだ!」

「兄上。——兄上」
遠慮を知らぬ野人のスカールが、とりつぎも乞わず、ずかずかと入っていったのは、兄であるアルゴス国王スタックの謁見室だった。

「スカール、少しはつつしめ。こちらは、クリスタルよりの使者ヤルーどのだ」
「ふん」
スカールは鼻息を噴いた。ひと目みてそれとわかる魔導士の黒い服、あやしい、この明るく白い白亜宮にそぐわぬ暗い雰囲気——おおむね、例の「とじた空間」と称する黒魔術をでもつかって、つい先ほどクリスタルからついたのにちがいない。
「どうも無骨なやつで——これが弟の、王太子スカールです」
「存じあげております」
「兄上。こんな、のんべんだらりと社交ごっこをしている場合ではないぞ。俺は国境からハン・イーをとばしてきた」
いっこうにとんちゃくせぬスカールが云った。
「兄上。ベック公が危ない。すぐ兵を出す。命令を出してくれ」
「何と云う」
「ベック公はリャガの近くで足どめをくっている。カウロスはついにベック公をうつことにした。すでに公国軍二万が国境を出ている。ベック公はトルースで一万かりて二万に達するはずだった。しかしカウロスに足どめされてトルースに入れない。このままでは、俺が騎馬の民をあつめ終わるよりさきに、ベック公がカウロスの手におちる」
「リャガで?」
スタック王が立ちあがった。
同じ父から生まれているということが、信じがたいほどに、この兄弟は似ていない。英明で、名君の名もたかいが、むしろ哲学者肌とでもいいたい、物腰のおだやかなスタック王と、荒々しく悍馬のようなスカール。——スタック王はパロの姫を母にもち、自らもパロのエマ王女を妃にむかえ、一方スカールは、グル族の女を母にもっている。
「騎馬の民はいまちょうど移動の季節で、ふれをまわしたが集まりおえるにはまだ最低一両日はかかる。それからリャガへたっては間にあわぬ。アルゴス正規軍をつれていますぐ発つ」
「スカール」
困惑した表情で、スタック王がヤルーとスカールを見くらべた。「兄上、一刻を争う」
「スカール、ヤルーどのは、クリスタル・パレスから来たのだ」
「アルド・ナリス?」
ヤルーは両袖をあわせて魔導士ふうに手をくんだまま、そうだともちがうとも、何も云わなかった。
「何のおもむきだ」
「それはな、スカール——」
「陛下。私から王太子殿下にご説明申しあげましょう」
魔導士ヤルーはゆっくりと、スカールに向き直る。
「私はアルゴスに、六万の兵をおかりしに参った使いでございます」
「六万だと。いま動かせるほとんど全部じゃないか」
「さようで——それをさらに二つにわけ三万を海路ロスからモンゴールの背後へ入らせてトーラスをつかせわ三万を、陸路からケイロニア—パロ間に出現させます。そしてベック公とトルースの連合軍を、パロ南辺にすすめ、相呼応してパロ国内の反乱軍がすべての宿を掌握し、トーラスとパロ駐留モンゴール軍の連絡をたちきるという——かようの作戦の手はずをととのえまして——」
「ふん。海と、ケイロニアのおさえ、パロ南辺でカウロスをおさえ、そしてモンゴールをいたるところで孤立させる。——みごとな作戦だが、そのまえにベック公がたかだかリャガあたりでカウロスの手におちては何にもなるまい。しばらく——そうだな、五日待て、ヤルーとやら。俺がアルゴス軍をひきい、ベック公を救い出して、また戻ってくるのに五日あればじゅうぶんだ」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

梅(*`Д´)ノ♪

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3964V3:2015/06/08(月) 23:14:59 ID:3z4GG4Kk
「太子さま——」
ヤルーがゆっくりと口をひらく。彼がしゃべりはじめると、明るい草の色と空の色、白と緑の光あふれる草原の国アルゴスに、にわかに黒雲が一点わき出すようにさえ思える。
「お耳を」
「何だ。勿体ぶりおって」
スカールは魔導士も、それのまきちらすあやしげな雰囲気も——また、占いや託宣、黒魔術もみな好まなかった。彼は黒くふとい眉を一直線になるほどしかめながら、ヤルーの口もとへ耳を近づけた。
「……」
ヤルーは、このアルゴスの誇る白亜の宮殿の中でさえ、大声を出してはこころもとない、とでもいうように、ひそやかに語りはじめる。
「何だと……」
ひとこと、ふたことをきいただけで、スカールの顔色がかわり、くちびるがぐいとひき結ばれた。

「そのようなたくらみ、俺は好かぬ」
スカールはヤルーをにらみすえたまま、よくひびく声でつづけた。
「それがだれの考えたことかは知らぬが——そしてまた、それは俺の口をさしはさむことでもないが、俺はそんな、けがらわしい作戦の片棒をかつぐ気はないぞ。——よいわ、勝手にしろ。兄上が、それに応じて兵を出すというなら出すがいい。アルゴス国王は兄上だ。俺ではない。が、俺は俺のやりたいようにやる。誰のさしずもうけぬ。五十万モータッドもはなれたところにいるたれかに、ボッカの駒のひとつのように、思いのままに動かされたりはせんぞ」

「俺はベック公を助けにリャガへゆく」
「おい、スカール。兵は——」
「アルゴス正規軍などいらぬ。好きにしろ、パロへおくるなり、モンゴールの背後をつくなり——煮て食おうが、焼いて食おうが。そんなもの、なしでも俺は一向かまわん。俺は黒太子スカールだ」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

梅(*`Д´)ノ♪

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3965V3:2015/06/08(月) 23:17:15 ID:3z4GG4Kk
「危ない!」
ヒュンッとするどい音をたてて、たったいままでベック公の頭のあった空間を矢がとびすぎた。
ベック公は、ウマの首にとっさに上体をふせながらどなった。
「卑怯者め!正々堂々と、しょうめんから戦いをいどむことはできんのか。卑劣なモンゴールの盟邦ともなると、下っ端まで卑怯者だわ」
「公、少し、うしろにおさがり下さい」
うろたえて叫んでいるのは、ベック公の右腕の、テルシデス伯爵だった。
「うしろへさがれだと。こんな、たかが、牛飼いばらを相手にうしろへなどひいたら、このベック、末代までの笑い者だわ」


一万の兵をかりて、一足さきにマハールを発った、パロの勇将ベック公の心づもりでは、街道ぞいにまっすぐリャガをめざし、リャガでまたあるていどの傭兵をつのって、リャガをアルゴスの味方につけたうえ、あらためて道をトルースへとり、トルースの都トルフィアでトルース軍と合流して大軍勢となる、という予定であった。トルースは小国ながらその民は勇猛をきわめ、その上に、「トルースの忠誠」とことわざになるほどに、その民は誠実、一途である。
リャガをおさえ、トルースと合流したとなれば、その軍勢は大国カウロスといえどあなどるわけにゆかぬ数にふくれあがる。ベック公にとって、目ざすはパロ、クリスタルの都以外でなかったから、かれは草原地方をおしとおる前にカウロスとまっこうからぶつかることを賢しとしなかった。
それはまた、ベック公とつねに行動をつねに共にするテルシデス伯、軍師たる魔導士ランズのとるところでもなかった。二人の意見は、むしろリャガを避け、直接にトルースをめざしては、というものであったが、しかしその場合、万一リャガがカウロスにくみすれば、ベック公の一行は、再びトルースから、パロへの赤い街道に出るためには、いやおうなしにリャガを征服するか、さもなくば、次の宿場チュグルまでを、街道を避け、草原をおしわけて何千モータッドも進軍してゆかねばならない。
草原には、砂漠のようにあからさまな遭難の危機こそひそんでいなかったが、そのかわり、いつ、どのようなかたちで、草原にすむ気の荒い少数民族——その全ての実態は、アルゴスの王宮にさえ把握されていないのである——の攻撃、あるいはカウロスの奇襲、を受けるかわからぬおそれがあった。
それゆえ、ベック公のリャガ経由説を、ランズもテルシデス伯も、さまで強硬に反対はしなかったのである。

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

梅(*`Д´)ノ♪

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3966V3:2015/06/08(月) 23:18:40 ID:3z4GG4Kk
「敵だあッ!」
ベック公にかしあたえられた一万は、アルゴス正規軍——もとより、いくたびも国境をめぐる確執をくりかえして、カウロス公国の旗じるし、いでたちは知りぬいている。
ベック公の下知を待つまでもなく、たちまちかれらはかぶとの面頬をおろし、手綱を左手にうつして、右手に半月刀をひきぬく。ウマのたかぶりをしずめながら、散開の指示を待つ。
「先まわりしおったな」
ベック公は、呪いのことばを吐きすてた。
「くそ——リャガは、カウロスに寝返ったか。ランズ!」
「は!」
「戦うか。退くか」
「戦いを」
魔導士はためらわずに云った。ベック公はテルシデスを見た。伯爵もまた、力づよくうなづいている。
「退くすべはすでに断たれております、公」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

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3967V3:2015/06/08(月) 23:21:56 ID:3z4GG4Kk
「おお——きこえる」
「きこえるぞ!」
「やって来る——こっちへ来る!」

「スカール参上!」
陽気なよくひびくわめき声もろとも、黒太子スカールを先頭に、グル族の勇猛果敢な戦士たちがわあっと戦場へなだれこんでくると、士官たちの方がさきにたじろいだ。
「殺せ!」
スカールは、まさしく、大地を割ってあらわれ出た、凶猛な黒い狼の長とも見えた。
その手にたかだかと、大きな半月刀がさしあげられ、なかば鞍から身をうかせて、右手の刀が一閃すると、たちまち着実にあいてを切りふせてゆく。
その、髪も目も皮膚の色も、いでたちもすべて闇の黒につつまれたなかに、むき出しにした白い歯だけがあざやかに輝いてみえる。
「グル・シン!」
「ウラーッ!」
スカールの左手があがったとたん、グル・シンひきいる一隊が、スカールの本隊からわかれ、リャガめがけてつっこんでゆく。
スカールの左には、いつもぴったりとつき従う小柄な女戦士のすがたがあった。
「おお、これはすごい」
うっとりとベック公は見つめながらつぶやく。さながら猛虎に見とれる心地だ。
「これはすごい。ききしにまさる——おう、何という戦いぶりだ。まるで狼だ。それにこのグル族の、一糸乱れぬこと——わがパロの聖騎士団にもひけをとらぬ。おお、それにあの女戦士——」
思わずみとれて嘆声をもらしたが、ふいに我にかえり、
「おれとしたことがそんなことを云っている場合ではなかった。いまだ、一気に敵を踏みつぶせ」
あわてて鞍つぼをたたき、レイピアをふりかざしてとびあがる。
「テルシデス!ゆくぞ、スカールどのの、側面援護だ」

「やあ、ベック公!」
風のように、ウマをよせてきたスカールは、歯をむいてニヤリと笑った。
「遅れて、すまなかった」
「なんの、スカールどの、あいてはたかがカウロスの雑兵ばらだ」
「こんなことだろうと、グル族に、リャガ国境地帯を見張らせていたのでな。しかし、こちらも、あれやこれやで約束の援軍がおくれ、いまもグル族とウィムト雑兵だけをひきつれて、とりあえずさけつけたばかり——さぞ気がもめるだろう。すまぬな」
「いや、いや——」
ベック公はふと、スカールのうしろにぴったりとつき従っている、さっきも目についたスカールの小さな影のような一騎をみて、そして小さく感嘆の息をついた。
きっちりと長い髪をまいてとめたリー・ファは、そのかわいい、山猫のような顔にぬけめなく光るつりあがった目で、じっと太子のうしろにひかえている。野性の匂いのする美貌と、人馴れぬネコのようなようすとは、パロの女性になじんだベック公には、まったく異国めいて見なれぬものにうつった。


グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

梅(*`Д´)ノ♪

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3968V3:2015/06/08(月) 23:23:27 ID:3z4GG4Kk
「損害は?」
「われわれは、ほとんどありません、太子さま。カウロスが、およそ五千」
「わが隊はいささかこうむりました。いま並べさせてみたところ、二、三千やられています」
カイル隊長が報告する。
スカールはうなづき、何か考えるふうで、ゆっくりとそのへんを小さい輪を描いてハン・イーにまわらせていたが、ふいに顔をあげた。
「おお、のろしだ。見ろ、リャガの城塞を」
あわててみな空をふりあおぐ。
くっきりと晴れた空に、リャガの白い城壁の上からゆらゆらとひとすじの煙が立ちのぼったかと思うと、いきなりスルスルと糸がひかれて、きのうの夜までカウロスの国旗をはためかせていた旗台に、アルゴスの星月旗がのぼっていった。
つよい風にはたはたとはためいている星月旗をみあげて、アルゴス軍の口からわあっと歓声があがる。
「なんと」
ベック公はテルシデスに、あきれ顔でささやいた。
「どうやらあの城塞の中には、あつも各国の旗が用意してあるらしいな」
「驚かれたろう、ベック公」
ききつけてスカールが大声で笑い出す。
「だがまだおどろくのは早い。これからさ」
スカールがまだ云いおわらぬうちだった。
ぴったりととざされていた城門の内側で、たかだかと笛のふきならされるのがきこえ、そして、やにわに、城門が左右へきしみながらひらきはじめた。
ルアンの湖水の、せまくなったところへかかる、はね橋が、しずしずとおりてくる。
「こりゃまたみごとなものだ」
ベック公は口笛を吹いた。
「もしここでまた、カウロスの大軍があらわれたら、どうなるのです、スカールどの」
「そりゃ、もちろん、すぐにはね橋をあげ、旗をおろしてようすを見るだけだな。もし、きゃつらがアルゴスの旗をおろさなければ、われわれの方がつよいとふんでいることになる」
「いっそそこまでゆけば見事としか云えませんな」
「グル・シンがうまくやったらしい」
それにはこたえずに、スカールはリー・ファに云った。
「グル族を整列させろ。カイル、われわれのあとから入れ。——今夜はリャガだ」


「公、今夜もういちどはかるが、おれの考えでは、このままリャガをぬけて、一路トルースに入り、トルフィアで兵をあつめたなりまっしぐらに東進することを考えた方がいいと思う。——まことにすまぬ話だが、アルゴス正規軍はひきつれて来られぬことになった。いや、むろん、公におかしするのがいやだというのじゃない。実は出がけにヤルーとかいうクリスタルからの使者が来て、アルゴス正規軍六万を、二つにわけてモンゴールのおさえに出せとの催促なのだ」
「ヤルーが?」
ベック公のほおがひきしまった。かたわらのランズ魔導士をかえり見る。
ランズは黙って、いくぶん頭を下げた。
「そこでわれわれとしては、トルース軍と合流したあと、カウロスが背後をついてアルゴスをおそうのを阻むか、いっそカウロス本国をついて一気におとすか——それにはちと、人数が足りんな。あるいはトルースに背後をまかせ、おれとベック公は海路からモンゴールをおそう隊か、陸路ケイロニアのおさえに北上する隊か、いずれかに合流するか。ベック公にまかせよう」
「これは、なかなか、考えてみないことには——」
「まあな。——いずれにせよ、どうやらこれでわれわれも、今度こそ中原、草原すべてをまきこむ大きないくさの渦中には居ることになったというわけだ。ベック公、このいくさは、なかなか小ぜりあいではおわりそうもないな」
「うむ——それにしても……」
「パロ=アルゴス連合がふっとぶか、モンゴールという国がこの地上に存在せぬようになるか、いずれにしても、これは、おそらく、長く——きわめて長くつづきそうな気がするぞ。あんたがたの好きな、例の予感、霊感ではないがな」

グイン・サーガ第八巻『クリスタルの陰謀』

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3969V3:2015/06/08(月) 23:33:21 ID:3z4GG4Kk
第八巻『クリスタルの陰謀』は、これにて終了
沢山の人間達が入り乱れて、物語が複雑化して行くので面倒臭いったらありゃしない(*`Д´)ノw


で、ここまでの雑感というかツッコミ所なんですが、モンゴールの奇襲に遭うまで長く平和を保っていた筈のパロに、なんで『勇猛公』なる尊称が付く公爵が存在してるんでしょうかw
14歳になるリンダやレムスだけでなく、25歳になるナリスですら戦乱を経験していないパロなのに、どうして戦争での功績でしか与えられない尊称を持つ30歳の公爵が存在してるのよ〜w

国境の小競り合い程度ではわざわざ公爵当人が出向くとは思われず、また、赴き競り勝った所で、与えられるのは勇猛というより、無謀公の陰口ではと(;^_^A

3970V3:2015/06/08(月) 23:50:17 ID:3z4GG4Kk
思うにこれは、グインが書かれた時代の、日本のインテリ達の限界だったかなと

グインの第一巻が書かれたのは、昭和五十八年、西暦で言えば1983年です
この当時の日本は、左翼思想が社会全体を覆っており、ことに、自分を「自由でありたい、進歩的な人間でありたい」と願ってたような、当時のインテリゲンチァ達に取って、軍事だ戦争だの実感、体感は、遠い話だったのだと思います


「戦争も経験していないのに、勇猛公が存在してるのはおかしくないか?」

早稲田の文学部卒で、在学中に中島梓名義で評論家賞を授賞するような早熟な才女の作者ですら、この当たり前の疑問が湧かなかったのは、ひとえに世相の影響かとw
あと、当初からの担当編集者で、後に栗本薫と結婚した今岡清にも、同じ疑問が湧かなかったのか、はたまた湧いた所で、人気作家に物申す事が出来なかったのかw


戦争で功績を立てた訳でもない人物に対して、戦時での尊称を与えるって、安重根を将軍呼ばわりする韓国人と変わらなくないか?と思ったことは内緒にしとこうw

3971アイナメ:2015/06/09(火) 08:33:56 ID:DQhbUjr2
V3さん。(*´ω`*)お疲れ様でした。面白かったよー!

書きたい事いっぱーいの御大!!仕込みのネタもあっちこっちに散りばめられて…
これって全部回収できんのかいなと…σ^_^;
案の定、御大の悪い癖が出て伸びる延びるーーW
出だしは、ツッコミ箇所が一杯w。V3さんも指摘してましたが、弟と2人で、なんでやーね〜ぞ
これは〜と、あははは(^◇^;)思い出しました。

3972V3:2015/06/09(火) 13:09:57 ID:YO7cDlik
アイナメさん、こんにちわ( ´ ▽ ` )ノ

ツッコミ所、満載だと気付いたのは大人になってからw
後に明らかになるケイロニアの内情とアキレウス皇帝の性格ですが、あの国が何でモンゴールと手を結んだのかと小一時間(;^_^A
まあ、グインには全ての謎を回答出来る奥の手がゲフンゲフンw

ところで、本スレでちょっと面白いレスが


559 :O.チキチキ(っ´ω`c)◆cxxSdZRnyHzR :2015/06/09(火)07:48:55 ID:eu0 ×
日本の天変地異を年表で記したサイトより。
http://www.nagai-bunko.com/shuushien/tenpen/ihen00.htm

http://imgur.com/txauzOX.jpg


1650(慶安 3)年
3月23日 関東地方で大地震。家屋に被害、死者多数。日光でも被害。翌日も地震。
6月20日 江戸で大地震。城櫓倒壊。大名町家も破損。1日に4、50回も揺れる。
7月16日 江戸で地震。
7月27日 淀川決壊し、大坂洪水。大坂城に被害。
8月 7日 秩父で氷降。鳥多く打殺される。
8月29日 唐津で長雨により洪水。25000石損。城・民家などに被害。
12月 7日 京で地震。
この年、毛が降る。
 
こ の 年 毛 が 降 る
 
こ  の  年  毛  が  降  る

560 :名無し :2015/06/09(火)07:50:13 ID:2EN ×

こ の 年 毛 が 降 る

グラスウールみたいなもんかな。ちょっと夢がないけどw




いや、それは「エンゼル・ヘアーだ!」と、グインファンとして叫んでおこう(*`Д´)ノww

3973アイナメ:2015/06/09(火) 13:39:08 ID:DQhbUjr2
いや、それは「エンゼル・ヘアーだ!」と、グインファンとして叫んでおこう(*`Д´)ノww

そうか、じゃあとは(*`Д´)ノ!!!「イド!!」の出現を待つばかりなり〜w

関東平野一杯の…くず湯………w

3974V3:2015/06/09(火) 13:52:17 ID:YO7cDlik
ところで、こっそりとアニメの愚痴をw

イシュトヴァーンの考察モドキにも書いた、「何故イシュトヴァーンは、リンダに固執するか」という点について私が一番の決定打だと思っている場面、嵐の最中、海賊船長に斬り殺されそうになったイシュトヴァーンを助けるべくリンダが飛び出してくる場面が、アニメではカットされてしまってました…(~_~;)

まあ、アニメは全般的にアムネリスをメインヒロインとして扱ってましたから、致し方ないのでしょうが

因みにアムネリスは、原作よりアニメの方が魅力的です
ある意味アストリアスも、アニメの方がキャラ立ちしてて、印象深いww

原作には無い設定の、イシュトヴァーンのムチ使いというのも良かったと思います
プロレスラーみたいな戦士や海賊達を相手に細身のイシュトヴァーンが負けない為の説得力を補強してました

リンダは…、まあ、言わぬが花w
私はリンダに思い入れが強過ぎるので、多分一番口煩いタイプのファンでしょうから(;^_^A

3975:2015/06/09(火) 13:53:30 ID:1begOuGQ
何だかそのサイト、面白いですね♪
こんなのも♪

979(天元 2)年4月21日
備中国より言上あり、去1日、都宇郡撫河郷箕島村に、形も味も飯の如き物が降り、人民これを食す。(日本紀略 7)

1141(永治 1)年9月25日
名称不明の物体が京中を飛び交う。形は胡麻の如し。(百錬抄 6)


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3976V3:2015/06/09(火) 14:01:37 ID:YO7cDlik
桃さん、こんにちわ♪

これは、アフラマズダさんの出番なのでしょうね(*`Д´)ノ

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3977アイナメ:2015/06/09(火) 14:03:56 ID:DQhbUjr2
アニメは。(*´ω`*)色々考えて、見ませんでした…
キャラの設定ラフ画の時点で、間違いなくテレビを壊すなと(笑)
まあまあの評価がついているですようですな…
リンダをもうちょっと大事しても〜と思ったけどね。
…御大の愛は別なキャラのようだったけどねw

3978V3:2015/06/09(火) 14:40:24 ID:YO7cDlik
アニメはアニメで、中々良かったですよ
グインがとても「グインらしかった」です
イシュトヴァーンは、声優さんのお陰か演出のせいか、二枚目成分多目で、愛嬌成分は殆んど無かったのが残念ですね
砂ヒルを食べさせられた場面もカットされてたようなw
リンダは、声優さんが余り良くなかったし、神秘的な雰囲気が皆無に近かった(;^_^A

男性にはウケていたようですが、戦乱やバトル場面が、アニメ的オーバーアクションになってて、苦笑せざるを得ませんでしたw
グイン、人間を地面に埋めるな(*`Д´)ノw
イシュト、岩を剣で切るな(*`Д´)ノw
ナリス、そんな高い所から落ちたのなら大人しく死んでろ(*`Д´)ノw
ヴァレリウス、二枚目過ぎる(*`Д´)ノw
リギア、デカいおばちゃんやん(*`Д´)ノw
アムネリス、いい人補正掛けられて贔屓され過ぎ(*`Д´)ノw

セム族、村の地面を舗装する知能なんて持ってたら、普通に人類として扱われてるっつーの(*`Д´)ノw
ラゴンがまんまインディアンで、下手したら問題視されるぞコレ(*`Д´)ノw

端役にしか過ぎない女達が美形過ぎ(*`Д´)ノw
悲運の酒場女ミリアですらリギアより全然綺麗とか、スタッフは力の入れ所がおかしい(*`Д´)ノw

マリウス、歌が下手(*`Д´)ノw
しかも全てメロディ同じって、プロとして食べて行けないでしょソレ(*`Д´)ノww


あ、いや、面白かったですよ?
ホントに(;^_^A

梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3979アイナメ:2015/06/09(火) 14:55:26 ID:DQhbUjr2
wwwwwwwwwwww大草原だわwwwwwwwww
※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3980V3:2015/06/09(火) 14:55:55 ID:YO7cDlik
でも、エンディング曲の
「Saga〜This is my road」
作詞・作曲・編曲・歌 - カノン

これは文句無く最高の出来(*`Д´)ノ!
グインから離れて一つの楽曲としても素晴らしいし、歌詞がグインの世界観というか、リンダの世界観をとても上手に表現してて、これ以外に無いだろうと唸らせる出来(*`Д´)ノ♪♪♪
カノンという女性歌手の声も素晴らしく美しい
この歌手が作詞作曲を手掛けたそうですが、本編を読んだ上で作詞したのか、はたまたスタッフから筋の説明だけ聞いて書いたのかは知りませんが、本当に秀逸な歌詞です

一人の大人として、哀愁を持って共感出来る、そんな歌です


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3981V3:2015/06/09(火) 15:04:38 ID:YO7cDlik
アイナメさん、原作読者なら、ネタとしてアニメをご覧になられても宜しいのでは?

「ええっ!?そんな改変しちゃうの!?うおっ、そう来たか!?」みたいな、原作ファンを色々驚愕させてくれるアニメでした(*`Д´)ノw

リンダとイシュトヴァーンのLOVEシーンは全般的に簡略化されてて、「イシュトヴァーンの今後に大きな影響を与える出来事なのにな〜。二期目とか余り考えてないんだろうなあ〜」と、個人的にはぶちぶち思ってましたが(;^_^A

3982アイナメ:2015/06/09(火) 15:26:50 ID:DQhbUjr2
>>3981
チラ見はした上での判断│ω )ウフフフ・・・・
自分なら声はこの人!!!とw

あまりのギャップに ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ピクピク

わたしの中の黒い思い出……
(*`Д´)ノ!!!ツッコミは弟くんがしてました。
………馬鹿野郎!報告にくるな!


アニメやってた時の、は、な、し、

3983V3:2015/06/09(火) 15:49:48 ID:YO7cDlik
わ〜、アイナメさんのイチオシ声優さんを教えて下さいな(*`Д´)ノ♪

私はグインには小林清志さんをイメージしてましたが、堀内賢雄さんも良かったです
何というか、高貴で色気がある♪
リンダは、あの声優さんのあのトーンでは、性格が暗く感じられて、イメージにそぐわなかったですね
グインへの熱烈な信者っぷりも、あの声優では表現しきれてなかったなあと
レムス役の声優は良かったと思います
気弱な白レムス時代と、その後の厨二病発動した黒レムスとを見事に演じ分けてましたよ
イシュトヴァーンはもちっと跳ねるような演技が欲しかったですね〜
やんちゃで下品な部分が、二枚目ボイスのせいで随分と縮小されてしまってました(;^_^A


しかし、普通にグイン話が出来る人と再び巡り会えるなんて、これぞヤーンの思し召し?w
旧ちゃんのグインスレは、怨嗟が通底しているので参加しにくいったらありゃしない(;^_^A
色々ツッコミ所を楽しく語らうって、ホント久しぶりで嬉しいです(*`Д´)ノ♪

お付き合い下さって有り難うございますm(_ _)m

3984アイナメ:2015/06/09(火) 16:10:55 ID:DQhbUjr2
こちらこそ。(*´ω`*)っ旦~~、お疲れ様
またいつか、時間が会えばね。

3985V3:2015/06/21(日) 19:51:19 ID:8FW5AIyk
☆☆☆☆☆☆閲覧注意☆☆☆☆☆☆

これから、V3作のグイン・サーガ二次創作を投稿します
「そんなもの、読みたくない」という方はどうぞスルーして下さいませm(_ _)m



グイン・サーガ二次創作
『星月夜』

何がどうしてかは分からないが、ふとイシュトヴァーンの健康な眠りが妨げられた。
船は穏やかな波に乗り、微かな揺れを彼の寝床に伝えているだけであるにも関わらず、彼の目はふいに覚めた。
「…ん?あ…?」
小さな窓から射し込む星明かりが照らす室内に、何とは無しに目を向ける。
ドキリと、心臓が跳ねた。
どっくどっくと波打つ胸の理由を探すべく、イシュトヴァーンの眠気は完全に覚め、彼は薄い毛布を跳ね除け上半身を起こした。
(リンダはどこだ!?)
室内には、レムスとスニしか居なかった。
今や、イシュトヴァーンが我が命に代えても守りたいと思っている、愛する少女の姿が、眠っている筈の寝床から、かき消えていたのだ。
ドッと冷たい汗が脇のしたに流れる。
(リンダ!)
傍に置いた剣を掴むと、イシュトヴァーンは慌てて室を飛び出し、口から飛び出しそうになる心臓を宥めながら、海賊どもの室内へ直行した。
ガンガンと、頭の中に最悪の想像が浮かぶ。
最悪の海賊どもに、陵辱されている、最愛の少女の姿が——。

「クソッタレ!」
イシュトヴァーンは、歯の隙間から呪詛を吐き出し、おのれの最悪の想像が当たっていた場合には、例え自分の命が失われようとも愛しい娘を救うのだと熱く腹を決めて、全身に緊張を漲らせながら海賊どもの室へと急いで向かった。

しかし——。

イシュトヴァーンを拍子抜けさせるほど、海賊どもの室は静まり返っていた。
いや、ガァァだのグォォだのの、高鼾は聞こえて来たのだが。
(……?)
てっきり、イシュトヴァーンの眠った隙を突いて、船乗りに取っては何より大事な海の神ドライドンへの誓いも反故にして、リンダを攫い陵辱の真っ最中かと危惧した輩達の居住区から聞こえてくるのは、どれもこれも、眠りの真っ最中であることをしめす鼾やバリバリという歯軋りだけである。
それ以外の喧噪は、聞こえて来ない。

ふぅっと、イシュトヴァーンは吐息を吐いた。
どうやらこの様子では、リンダという、とっておきの生贄を手に入れて、邪悪な祭りの真っ最中という訳ではないらしい。
(厠にでも行ってるのか?)
だとしたら、わざわざ探しに行くのもためらわれた。
リンダも、用足しをイシュトヴァーンに知られたくはないだろう。

安堵の息を吐きながら、ばくばくする鼓動を抑えるために何度か深く息を吸い、額にも浮かんでいた汗を拳でぬぐいながら、イシュトヴァーンは、夜風に当たって汗を乾かそうと、最上階の甲板へと向かった。

そこに、リンダがいた。
《つづく》

3986V3:2015/06/21(日) 19:54:27 ID:8FW5AIyk
☆☆☆☆☆☆閲覧注意☆☆☆☆☆☆
グイン・サーガ二次創作
『星月夜』

《つづき》
なんだよお前、こんなとこにいたのか。何も言わずに居なくなったから驚いたじゃねえか——。
そう、イシュトヴァーンがリンダに声をかけようとした時である。
リンダは船の縁で何やらゴソゴソとうごき、暫くすると、ロープで海に垂らしていた桶を引き上げる様子が見えた。

ドキリ。
先程の、冷たい手で心臓をギュッと鷲掴みにされたような嫌な鼓動とは違う、どうしてかイシュトヴァーンにも判別はつかないが、妙な具合に鼓動を打つ何かに押され、イシュトヴァーンはさっとリンダには見えぬ物陰に身を隠した。
トクトクトクと、小さいけれども、いつもとは違う拍子でイシュトヴァーンの胸は波打つ。

リンダは、桶で引き揚げた海水に布を浸すと、それをギュッと絞り、自分の手足をゴシゴシと擦りはじめた。
イシュトヴァーンに、合点がいった。
(そうか。風呂にも入れないから、汚れを落としたくてこっそり真夜中に抜け出して、身綺麗にしたかったのか)
船には一応、風呂場もあるのだが、ろくに掃除をしていないせいで、イシュトヴァーンですら使うのを諦めたほど不潔な場所となっていたのだ。
厠もご同様だったが、そこはリンダが観念して自分で掃除をするようになって以降、目に見える汚れや臭気は改善されていた。
しかし、風呂場は厠より数倍広かったので、掃除を諦めたようだった。

(だったら、俺に言ってからやればいいのに。そうしたら、見張りに立ってやったのに)
僅かな間に、それだけの思いが去来したが、しかし、次の瞬間には、(リンダが、俺にそれを頼む事すら恥ずかしいと思ったのかな)とも、思う。

何日も風呂に入らず、水浴びさえも出来ないでいる自分の状況を、女になりかけの少女が、気軽に他人に打ち明けて助力を乞うとは思えない。
ましてリンダは、単なる少女ではなく、中原の華と謳われた、数千年の歴史を誇る高雅な国、パロの王女である。
誇り高い彼女が、自分の体の汚れを他人に、しかも男に、口にするのも躊躇ったのであろうことは、容易に想像出来た。
少し前までなら弟のレムスに頼んで見張り番でも務めて貰っただろうが、先日の一件以来、レムスは冷笑的な態度を全面に漂わせているので、頼みにくい雰囲気だったのかもしれない。
スニとはまだ、複雑な言葉のやり取りも出来ていない状態だ。

ぽりぽりと顎をかきながら、リンダがこっそりと真夜中に室を抜け出した理由が分かったような気がして、イシュトヴァーンは、そのまま、じっと身を潜めた。

ふと見上げた空には、無数の星と、夜の女王たるイリスが一際大きく輝いていた。
しかし、その輝きは、昼を照らすルアーとは違い、人間の目を焼き尽くすような苛烈さはない。
いつまで眺めていても、イリスは、その静謐で優しい光を、穏やかに披露するばかりである。

ファサ。
それまでとは違う物音に、イシュトヴァーンは、その物音がした方に目を向けた。
ハッとした。
リンダが、その身に着けていた衣服を脱ぎ落とし、細くて白い裸身を、静かな月光にさらしていたのだ。
(あッ…)
見てはならないと、理性がイシュトヴァーンに警戒を発する。
しかし、そんな理性など瞬く間に蹴散らす程の本能が、その目をリンダの白い裸に吸い寄せた。
《つづく》

3987V3:2015/06/21(日) 19:56:55 ID:8FW5AIyk
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グイン・サーガ二次創作
『星月夜』

《つづき》
リンダは、固く絞った布を使い、ゴシゴシと胸を擦り、背中を擦り、もう一度その布を桶に浸し、汚れを洗い落とした後、再び固く絞った布を使って、股間をゴシゴシと拭った。

(……)
イシュトヴァーンの胸に、これまで感じた事がなかった感慨が溢れる。
学の無い彼には、その気持ちを上手い言葉で言い表す術は無かったが、イシュトヴァーンが感じた心情を書き表すとしたら、それは、「女神の沐浴を覗き見してしまった人間の男」のそれであったことだろう。

リンダの体は、女神というには豊かさが足りなかったが、小さく膨らんだ胸や、細い胴、柔らかそうな尻、そこから伸びるすらりとした白い両足は、画家ならば絵に残しておきたいと熱望するような、成熟を迎える直前の、少女期特有の神がかった美を宿していた。
女の裸など、腐るほど見て来たイシュトヴァーンの目にさえその裸体は、恋しい相手という以上に何か特別なもの、神秘的なものに思えて、呼吸さえ忘れさせた。

畏怖に打たれたようなイシュトヴァーンが静かに見守るうち、リンダは脱ぎ捨てた服を身に纏い、白銀の髪に手をやりながら、独り言を云った。
「ああ、さっぱりしたわ。やっぱり、思い切って甲板に出て良かったわ。水音を気にしなくていいし、風も気持ちがいい。あんなお風呂場で裸になったら、病気になってしまいそうだもの。気持ち悪い虫もうじゃうじゃいたし」
「——ほんとは、髪も洗いたいところだけど…。でも、仕方ないわ。海水で髪を洗ったら、きっと余計に痛んでしまう。ただでさえ、陽に灼けてひどい有様なのに…」
リンダが、小さなため息を吐く。
その胸に、砂漠の中で行軍していても手入れを怠らない、艶やかに輝く黄金色の髪の女の姿が過ぎった。
キュッと眉毛を顰めたのち、顔を上げ、夜空を見上げる。
決然とした声音で、リンダは神々に祈った。
「聖なるヤヌスよ、そして夜を照らすイリスよ。どうか、従兄弟ナリスが、あんな、高慢ちきの人殺し女と、間違っても結婚などしませんように。どうか、私の大事な従兄弟ナリスをお守り下さい。——おお、そして、グインをどうか、無事に私達の下へお返し下さいますように。グインは私達の守護神です。それ以上に、とても大事な存在なのです。どうか、グインを、一日も早く——」
両手を組み合わせ、こうべを垂れる。その姿から、真摯な思いが伝わってくるかのようだった。

小さな呟きだったが、その声は風に乗ってイシュトヴァーンの耳にも届いた。
《つづく》

3988V3:2015/06/21(日) 19:59:10 ID:8FW5AIyk
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グイン・サーガ二次創作
『星月夜』

《つづき》
(……)
複雑で苦い思いがイシュトヴァーンの胸に湧き、その体の硬直を解いた。
そっと踵を返し、リンダに気がつかれぬよう、足早に自分達に充てがわれた室へと戻る。
何も知らずに眠っているレムスとスニを起こさぬように自分の寝床に潜り込むと、しばらくしてリンダが室へと帰って来た。
「どこへ行ってた?」
「イシュトヴァーン、起きてるの?」
寝たふりをしてやり過ごせばいいのにと、自分でも後悔しながら、それでもイシュトヴァーンは、リンダに話しかけずにはいられなかった。
「厠か?夜中に一人でうろつくなと言っただろう」
答えを知っているのに、何故か咎めるような口調でリンダを詰問した。
「え、ええ。……それと、夜風に少し当たって来たの。星がすごく綺麗だったわ」
嘘が下手なリンダは、ためらいながら、機嫌の悪そうなイシュトヴァーンに言い訳をした。物音を立てなかったつもりだが、自分のせいでイシュトヴァーンを起こしてしまったのかも知れないと、申し訳ない気持ちになる。
「起こしてしまったのなら、ごめんなさい。みんな寝静まっているので、一人でも大丈夫だと思ったのよ」
囁き声で詫びるリンダに対してイシュトヴァーンは急に自己嫌悪に陥り、柔らかな口調で囁き返した。
「いや、お前のせいじゃない。何となく目が覚めただけだ。用が済んだなら、早く寝ろ。寝不足だと、船酔いしやすくなるぞ」
イシュトヴァーンの口調が変わったことにホッとしたリンダは、素直にその言葉に従い、自分の寝床で横になった。
「お休みなさい、イシュトヴァーン。あなたも、寝てね」
「ああ」

ロスの宿屋以降、こうした挨拶は幾度となく交わしているのに、何故か今夜のリンダの言葉は、殊更にイシュトヴァーンの胸に染みた。囁き声が、耳に甘く響いたからかも知れなかった。

白い裸体が、閉じた瞼の奥に浮かぶ。
月明かりに照らされた少女の姿は、幻想的で、まるで、夜空の星が落ちて来て少女の姿に形を変えたかのように、ほの白く光っていた。
至純——。
そんな言葉は、イシュトヴァーンの語彙には無かったが、そうとしか表せない思いがイシュトヴァーンの全身を浸していた。

親もなく、まともな教育など受けた事もなく、それ故、当然のように、まともな宗教との付き合い方もイシュトヴァーンは知らない。
だから、イシュトヴァーンは気がつかなかった。
自分にとってのリンダが、単に愛しい少女というだけでなく、夜空で船乗りを導く星のような存在となりつつあることを。
或いは、迷える人々を導く、聖典のような存在となりつつあることを。

果たしてそれは、イシュトヴァーンにとって大いなる喜びをもたらす福音なのか、それとも、苦しい思いで彼を打ち付ける呪縛となるのか——。

答えは、運命を司る神、ヤーンのみぞ知るところであった——。

【終】

3989JB:2015/06/21(日) 21:05:43 ID:cd9Xn8jw
一番乗り(^.^)

やり過ごせばよいのに話しかけてしまったイシュトヴァーンの気持ちは
よくわかります
グインのことしか頭にないリンダに
自分の存在をしめさずにおれなかったのかな
と思いました(^.^)

至高・至純・至聖、リンダは神棚にあげるべき人なのか( ゚д゚)

3990V3:2015/06/21(日) 21:54:29 ID:8FW5AIyk
JBさん、有り難うございますm(_ _)m

そうです、イシュトヴァーンがリンダに話しかけずにいられなかったのは、嫉妬心でした
原作でも、リンダ絡みでナリスやグインに嫉妬して色々苦しんでますw

以前の考察にも触れた事ですが、イシュトヴァーンにとってのリンダは、正に神棚に上げたかのような存在ではと個人的に感じ、このような話が出来ました

少々ネタばれをしますと、イシュトヴァーンという男はグイン・サーガの中に出てくる人物としては飛び抜けてスケベというか、健康な男性として描写されてるのですよ
(名前が出てくる女達だけの数でも、沢山の女達と寝ていますw)
そのイシュトヴァーンが、何故だか初恋のリンダにだけは、キス以上のことはしていないのです

後に原作内でイシュトヴァーン自身も「何故、手を出さなかったのだろうか?」と疑問視してますが、当人曰く、まるで、魔法にかかったみたいにそんな気にはならなかったとのこと

リンダが後に言うには、グインと再会して以降、船の上で相当いちゃついてたようなのですが(胸にイシュトヴァーンの頭を抱きしめた事が何度もあったそうな←リアルタイムでの描写は無し)

この疑問を解消すべく、あれこれと考察したのが、イシュトヴァーンのリンダへの神聖視説でして
原作での、嵐の夜のリンダの姿が決定打となったと私は思っているので、今回の創作はその補強という小ネタでした

小説という形でこの二人を書いたのは実は初めてでして、何やら面映ゆい気もします(;^_^A


初めて登場して貰ったのに、真っ裸にしてごめんよリンダ(*`Д´)ノw
しかも、覗き見させちゃってるしww
まあ、長い付き合いなんで許してちょw

感想を寄せて下さって、有り難うございましたm(_ _)m

3991さつまあげ:2015/07/14(火) 08:43:23 ID:jZt0Xq8.
おはようございます
このスレではお久しぶりです

古本屋に50円で売っていた中江俊夫詩集を買いました

3992アマデ:2015/07/14(火) 11:37:43 ID:hTKYSfh2
さつまあげさん、こんにちは(*^_^*)


このスレは、規定の一万レスを突破した為にPart2スレに移行致しました(次スレに移行するに辺り「エルミタージュ図書館」と改題しております)。

快便さんが以前使用していたサブ板運営会社がサービスを停止するに辺り、したらば掲示板に引っ越しをする事になりました。
引っ越し作業簡略化の為に、一回の投稿に数レスが纏められており、その為、此方に新規に書き込む余裕は存在してます
しかし、可能は可能ですが、参加者は上記の事情により図書館スレに移行しておりますので、このスレは閉架しているものとご了解下さいませm(_ _)m

と、いうことになっておりますので図書館の方へぜひお越しください<m(__)m>
お待ちしております(^◇^)


http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1431402899/

3993V3:2015/07/26(日) 15:41:36 ID:bHpvlW72
こっそりと、グインのエンディングテーマ曲
http://youtu.be/2T2pGjOzAtM


梅(*`Д´)ノ♪

※小説スレの中身は、1〜2097レスまでです

3994アマデ:2016/03/09(水) 10:24:07 ID:Flh4YbHY
エルミタージュ図書館オーナーのV3さんご自慢の作家のJBさん待望の新作♪
「いざ・べるびる」いや、表向きには「イザベルビルヂィング」の物語
管理人の名は風見志保。そう!かのライダーV3の本名である♪
くせ者ぞろいの入居人をまとめているのは黒いあいつか管理人か?
日常と非日常の狭間で紡がれる物語。
アナタもビルに入居してみたくなること間違いなし(*`Д´)ノ!!!

※注意事項デス(*^-^)
感想は是非エルミタージュ図書館スレへお願いします。
作家へのプレゼント、花束、ラブレターも同じく図書館へお願いします。
なお、作家の好物であるカステラは高級品のみとさせていただきます♪
よろしくおねがいします(*`Д´)ノ!!!

3995風見志保:2016/03/09(水) 10:34:43 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日記①
○月×日
カリカリとドアを掻くような音がしたような・・・気がしたので開けてみるとやはり居た。猫のカラスマ。
もっとはやく開けろよ、オレはずいぶん待ったのだぜ、
というように私をねめつけながらえらそうに入ってきた彼は、管理人席の横でぱったんぱったんと尾をふる。
わたしが席につくと当然のように膝の上に乗ってくる。そしてパソコン画面に向かってちんまりと収まる。
彼の良いところはけして仕事の邪魔をしないことである。
それどころか膝の上にいるときは、お腹をモフモフしようが肉球をモミモミしようが好きなようにさせてくれるところがまことにエライのである。
彼はヒゲもツメもなにもかもが真っ黒なカラスネコ。烏丸である。飼い主は住人のひとりであるアイナメ氏である。
今日も私がカラスマの頭の上で顎をコロコロさせながらそのビロードのような感触を堪能していたそのとき、住人のひとりが帰宅した。
「あ、マークさん、お帰りなさい」
「ただいまです〜」
なんだかヨロヨロ疲れた様子。登山帰り?大荷物だ。新製品の雪山耐久テストでもしてきたのだろうか。
よろけながら立ち去っていくマークさんの背中に向かって、わたしは叫んだ。
「このあいだもらった試供品、好評でしたよ!」
マークさんはよろけながら手を振って背中で返事をした。
彼はもちろん日本人なのだが、マーク企画という事務所名から、その名でよばれている。

3996風見志保:2016/03/09(水) 10:37:26 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日誌②
○月△日
昨日の日記、いや日誌を読み返したらトコナメさんの名前を間違って書いていた。訂正、訂正。それからマークさんの本名はアツタさんである。
「あなたの感じた第一印象が読みたいの。だからボールペンで書きなさい。私を楽しませるように。いいわね」
オーナーの命令である。トコナメさん、トコナメさん、絶対にトコナメさん。これでよし。
カラスマはきょうも膝の上だ。愛い奴。秘密兵器「四万十産川海苔」を投入しようかしまいか悩む。カラスマがハッと私の顔を見上げる。各種高級海苔を私はオーナーから賜っている。いや正確にはカラスマが賜っている。
「カザミさんが食べても別に構わないけど、基本的にカラスマちゃん用だからね」
いや、きょうはやっぱり止めた。あ、そう?という感じでカラスマは顔をもとに戻した。カラスマ、お前はなんて素直な奴なんだ。トコナメさんに言わせると、実家ではかなりワガママらしいのだが。きょうはどの首輪にしようかな、青いのにしよ。私は首輪掛けから素敵な青い皮製のを手に取った。本皮製である。もちろんオーナーがナツメさんに特注したものである。彼女の紹介はまた後日。青い首輪をまとったカラスマ。ふつくしい。恋しちゃいそう。あ、オトナシさんが帰ってきた。
オトナシさんはフリーのピアノ調律師である。漫画で表現するところの髪の毛がピンピンはねている状態。つまりかなりお疲れなご様子。
「オトナシさん、お帰りなさい」
「ただいま帰りましたあ〜」
「かなりお疲れですね」
「きょうのお宅は隣の家が改築中だったの。ガンガンガンガン、ゴンゴンゴンの騒音の中でお仕事しました」
「プ、プロはさすがですね」
「作業環境は選べませんから。でも今日はきつかったです。カラスマちゃん、あとでウチ来てくれる?」
カラスマは、んなごぉ〜と返事をした。
「オーナーからオトナシさんへ仕事の依頼がきてます。仕上げてくれたら2か月分の家賃免除だそうです」
「に、にかげつぶん、ですか?がんばります(*`Д´)ノ 」
オトナシさんはサブのお仕事も持っているのだ。その内容はまた後日。ちなみにカラスマの首輪は住人が自由に好きなものに付け替えることができるシステムである。管理人窓口には首輪箱があり、はずした首輪を入れるようになっている。着せ替え率は非常に高いが、カラスマ、実家に帰るとすぐに、はずせ!とトコナメさんに要求しているらしい。実家以外では不満の微かなそぶりすらみせないカラスマ。このビルヂングの中でお前が一番の働き者なのかも。

3997風見志保:2016/03/09(水) 10:41:54 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日誌③
きょうは朝から中庭で、見慣れた光景、ポールさんとカラスマのお馴染みのバトルが繰り広げられていた。ポールさんのお手製のフクロウ飾りつき竹製の首輪を、「つけてごらんよ!」「…(フン!)」押し問答である。へいっ、ゆっ、カラスマ、ワタシの愛がわからないのか、んべっんべっ(無視して毛づくろい中)。
「ポールさん、肌ざわりが気に食わないんですよ、きっと、カラスマは」
「どうして?布や皮製より涼しくてゼッタイにコッチのほうがイイはずだよ!」
負けず嫌いである。
「だって実際、前足でブロックされちゃうんでしょ?」
「そうなんだよ。首輪もった手を近づけると、ぴとってカンジでワタシの手を前足で押さえるンだよ。手を動かしてもニクキュウがずっとついてくるンだよ。もうシンボウタマランなんだよ」
「(わざとやってるのか。カラスマもたいへんだな)へいっ、ゆっじゃなくてここはイギリス風に、おう、まいでぃあ〜、のほうがいいかもしれませんよ」
わたしはカラスマを抱き上げてなでてやった。
「イギリスふう?」
「だってミス・マープル観てたらよく言ってたと思うんだけど。というか、教えてくださいよ、ポールさんが」
「イングリッシュなんかとうに忘れたもンね」
「カラスマにはナツメさん作の青い皮の首輪が一番似合うんです」
「ふん。あ、ナツメさんとこいってこよ!」
「あんまり邪魔しちゃだめですよ〜」

ポール・シンクレアさん。木彫芸術家。梟作品を作ることをライフワークとしている。同じくこのビルヂングに工房をもつナツメさんに、新作数(かず)比べを挑んでいるらしい。そして「量より質というコトバがあるわよ」と毎度毎度ナツメさんに諭されているらしい。ミセス・アマデの情報によると、本当はナツメさんに諭されたいから押しかけているらしい。彼女についてはまた後日。明るく元気、が基本のポールさんだが、ときには気分が沈むこともある。にんげんだもの。そして工房シンクレアの看板に「辛クレア」の紙が貼り付けられる。そんなときは住人総出でその紙に「ポールさん、愛してるよ」「ポールさん、ダイスキ」「ポールさん、今度デートしてね」と書き込むことが・・・なぜか・・・決まっている。
なんでこうなった?

3998風見志保:2016/03/09(水) 10:46:32 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日誌④
弥生○日
「いいわ、いいわよ、その調子。ワタクシ楽しんでます。でもひとつ気になる事があるの。マークさんからもらった試供品てなんなの?
アナタ、それについて言及したんさい(*`Д´)ノ 」

日誌とは本来、その日起こった出来事を中心に語るべきものだと思うが、オーナーがこう言うのだから仕方がない。話は約二ヶ月前にさかのぼる。
マークさんことマーク企画のアツタさんはアツイ男だ。仕事においてもきっとアツイのだろう。アツイ事は良いことだ。だがしかし、女性に対するそのアツサはときとしてカラスマのお叱りをうける。
「おはようございます、カザミさん」
カラスマは、きょうはめずらしく管理人室窓枠の近くに彫像のごとく、おお、古代エジプト猫神様のごとく威厳をもって座っている。そこにマークさんの登場だ。
「おはようございます、マークさん。今朝の寒さは格別ですね」
「寒くても寒くても、カザミさんはいつもスカート姿ですね。素敵です!」
「あ、ありがとうございます。厚手のタイツをはいても(しまった、エサを与えたか?)この寒さには辛いですが、それでもスカートはきたい女性はたくさんいますね」
「タイツですか!」
「(やはり反応したか…)はい・・・タイツです」
「登山用タイツをはけばバッチリ寒さは防げますよ!」
「そんなの厚手すぎて不恰好でしょうが!」
「・・・そうか」
しばらく遠くをながめるように顎に手をやり考え込むマークさん。じつは少しばかり顔がイイのは事実だ。ちょっと目の保養。カラスマはいつのまにか寝そべって毛づくろい。
「!」
「ど、どうしたんですか?」
「新製品のアイデアが浮かびました。試着会を私の部屋でしましょう!」
カラスマがのっそりと起き上がって私の顔をみる。おい、そろそろか。
「試着ってタイツの?」
窓から顔を突っ込まんばかりに熱心なアツタさんだ。カラスマがウォーミングアップするかのように前足をふみふみしている。おい、いつでもいいぞ。
「もちろんそうです!カザミさんのスカート仲間のお友達も誘うの忘れないでくださいね」
「マークさんたら、なに言ってるんですか」
ゆけ!カラスマ!私はカラスマに目で合図した。マークさんは頬にまともにカラスマソフトパンチを受けた。

そんなマークさんだが、先に書いたように仕事に対しては真面目にアツイ。試作品はしっかりと作ってくるのだ。出来上がったそのタイツは、膝上はアルパイン用高級素材、膝下は従来のタイツ素材でできているという優れものだった。友人達にも大好評だった。そのイケメン変態紳士を紹介して、という友人もいたのだが・・・。

どうしたもんかな・・・。

3999風見志保:2016/03/12(土) 22:04:48 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日誌⑤
弥生△日
これは断じてサボリではない。オーナーに認められているのである。
日誌に書いているという事実がその証拠。
私がデスクの上に文庫本を広げると、カラスマが私と本の間で香箱をつくる。
カラスの濡れ羽色、ぬばたまの黒髪、カラスマのびろうど。
自室の本棚が手狭になってきた私は本の整理をはじめたのだが、手放すと決めた途端に、もう一回読んでから・・・誰もがそう思った経験があるのでは?
“最後にもういちど読書”今回はトールキンの「指輪物語」(瀬田貞二・田中明子訳)文庫全九巻だ。
原題は「The Lord of the Rings」。
映画版は「ロード・オブ・ザ・リング」。まるで、プロレスのよう( ゚д゚)
でも日本語では単数でも複数でも「指輪」でかまわないから間違いとはいえない。
指輪物語あるいは指輪王とかにするとなんだかのん気なイメージを与えてしまうのも確か。指輪は全部で19個あってそれ以外にもうひとつ。そしてそのひとつの指輪がすべてを支配する。
一つの指輪は、すべてを統べ、
一つの指輪は、すべてを見つけ、
一つの指輪は、すべてを捕えて、
くらやみのなかにつなぎとめる。
影横たわるモルドールの国に。

さしずめ、ここでは
 一匹の猫は、すべてを統べ、
一匹の猫は、すべてを見つけ、
一匹の猫は、すべてを捕えて、
平穏と慰めをあまねく広め
世はすべてこともなし   byカザミ

2回目読書は速い。とばし所がわかっているからか。それにしてもホビットもドワーフもエルフも詩ばっかり歌ってないで早く話を進めて欲しいものだ。ひと目3行のスピードで、そうそうこんなお話だったと思い出す。
カラスマのビロードのような背中からは、ぽかぽかとした日なたのにおいがする。
干し草のにおい、は嗅いだことはないがハイジのいう香りはこんな感じかもしれない。
時折ビロードの背中にに顎をすりすりしつつ・・・ページをめくりつつ・・・すりすり・・・

カラスマが私の顔の下でごろんと半回転するのと「・・・さん、カザミさん」という声に気がつくのとほぼ同時だった。「はいっ?」と目を覚ました拍子にカラスマのツメに髪がひっかかった。あいたたた。トコナメさんが目の前に居た。
「あ〜ぁ、じっとしててくださいよ」
「すみません・・・お恥ずかしいところをお見せしました」
カラスマは、私とご主人にはさまれたらさすがに・・・ご主人を選んだ。さっさとトコナメさんの足元へひょいと飛び降りてしまった。
「いやいや、いつもカラスマをかわいがってくれてありがとう。また取材で1週間ほど留守にしますので、彼をよろしくお願いします」
「了解です。大歓迎です」
トコナメさんはフリーのコラムニスト。花鳥風月、歳時記を散りばめた農業に関するコラムを得意とするひとである。このビルヂングの敷地内と飛び地にオーナー所有の菜園があるのだが、トコナメさんが管理を任されている。作物の種類は自由に決めて構わない、時々収穫物を適当に物納してくれる事、そのために家賃は割引、これがオーナーの提示した条件である。ビルヂング敷地内の菜園にはトコナメハーブ園があり、そこで採れるハーブは住人達が好きに食してよいことになっている。
「今週の収穫してよし(*`Д´)ノ リストはこれです」
「ありがとうございます。さっそく掲示板に貼ります」

パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム。
サイモン&ガーファンクルの世界ではないか。
さらにバジル、ルッコラ、カミツレ・・・

すばらしきかなイザベルビル。

4000風見志保:2016/04/15(金) 11:51:55 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日誌⑥
卯月○日
トコナメさんが取材旅行に出て一週間が経つ。昨日連絡があり、さらに出張が一週間延びた。これはカラスマのお泊りが延びたということ。私はニヤニヤがとまらない。カラスマは街中でたまたま出くわしても「アンタなんか見たこと無いね」という態度をとる。それはもう、徹底的に他人のフリだ。野良たちの手前、そのほうが格好がつくのかもしれない。驚いたことに飼い主のトコナメさんに出会ったときも同じだというから恐るべし知恵猫、カラスマ。トコナメさんは、彼を預けに来るときは必ず毛布入り「有田みかん」箱を持参する。高価な猫ちぐらを購入しても見向きもされなかったとのこと。だが正直なところ、私としてはこのみかん箱を断りたい。

だって、
だってカラスマ、眠るなら私の隣にすればいいじゃないの

毎晩お布団をめくって、ほら〜あったかいよ、ここにおはいりよ、と呼びかけるのだが成功した試しがない。秘密兵器・四万十産川海苔をちらつかせ布団の中へ誘い込んだときは、パリパリとおいしそうに平らげたあとにさっさと出て行こうとするので、そうはさせじとむぎゅっと抱き締める。すると彼は思いとどまってくれる・・・10秒間だけ。きっちり10秒カウントして、「これで、気はすんだろ?」といわんばかりに私の腕の中からすり抜けていく。三陸産高級岩海苔のときは15秒。衣片敷きひとりかもねむ。つれない。

館内巡回をする私のあとになり先になりついて歩くカラスマ。きっと彼の縄張りを見回っているつもりなのだろう。彼が面倒をみてあげている人々(つまり、私がお世話をしている人々)はまともな大人達である。ただしきわめて個性的ではある。ここの住人達をひとことで表現すればこうなる。管理人の手を煩わすような問題を起こす人々ではないのでありがたい限り。本日も平和、世はすべて事もなし、と言いたいところではあるけれども。お茶目というか、子供っぽい住人も中には・・・
「カラスマ〜、また、だよ」

ポールさん家の看板に「辛クレア」の張り紙発見。まだ誰もメッセージを残していない。
「仕方ないね。ナツメさんがしばらくお留守だから淋しいのかな、ライバルがいなくて」
もうほっとけば?と言いたげにカラスマは前足の毛づくろいを始めた。
「そういうわけにもいかないよ。ポールさん、カワイイひとだからね」
張り紙の横にビニール紐で垂らしてあるマジックペンを取って、わたしはメッセージを書いた。喜んでくれるといいね、と振り返ったその先にカラスマの姿はもう無かった。

 巡回を終えて管理人室へ戻ってみると、掲示板の前に、素敵なワンピース姿の女性が居た。
「アマデさん、おはようございます」
振り返った女性の腕のなかに、カラスマはちゃっかりとおさまっていた。
「おはようございます、カザミさん。トコナメハーブ園の情報ながめてたらお腹すいてきちゃった」
フラウ・アマデ。わたしの貴重な情報源。ご主人はオーストリア人のヘル・アマデウス、音楽事務所を経営している。自宅は別の場所にあるが、ご主人が長期出張中の際にはここに住んでいる。趣味を兼ねたお仕事は将来性ある若手演劇集団の発掘だ。
「“ルッコラ”の文字をみるとイタリアン食べたくなるよね、カラスマ」
知らんがな、といった様子のカラスマの頭に遠慮なく顎をすりすりさせてアマデさんは言った。
「たしかに、そうですねえ」
「カザミさん、今度オーナーにテナントとしてレストラン経営者を入れて欲しいって伝えてくれないかしら。トコナメ野菜を使ったイタリア料理、オトナシさんのお友達の音楽家によるコンサート、これ最高じゃない(*`Д´)ノ 」
「はあ、わかりました・・・」
オーナーがアマデさんの提案を受け入れることは、驚くなかれ、結構、ある。

つづく

4001風見志保:2016/04/15(金) 11:53:25 ID:Flh4YbHY
管理人カザミの日誌⑥
卯月○日 つづき


 カラスマは外へ遊びに出ていってしまい、業務もヒマで、時は春、眠たい。当たり前だ。
あ〜もう限界だと思ったそのとき、ふっと影が差したように感じた。目の前にポールさんがいた。
「ヒドイじゃないのカザミさん!どこからみてもフサフサでしょうに?」
ポールさんが自分の頭を指差してまくしたてている。
「なんでイジワルなこと書くのよ。カザミさん、そんなひとだったの?!」
「な、なんのことやら私には・・・」
「これだよ!」
とポールさんは私の目の前に辛クレア張り紙をつきつけた。
「・・・ぐぅ」
「ぐ〜のねもでない、とか言うんだよね、日本語で。ひどいよ(´;ω;`) 」
「いや、“ぐ”です・・・」
「ぐのねもでない?どっちでもいいよ!見てよ私のカミ、どこがハゲなのよ?」
ため息をつきながら私は言った。
「ポールさん、“ゲ”と“グ”が似ていることは私も認めます」
ふぁっ?といいながらポールさんは、私につきつけていた張り紙をおもむろに見直して、ゆっくりと読み上げた。
「わたしのココロからの ハ・・・ゲじゃなくてグ をポールさんに カザミより」 
(^.^)/(^.^)/(^.^)/(^.^)/
 ポールさんは上機嫌で帰っていった。
いいよいいよ、ポールさん、かわいいから許す。

4002風見志保:2016/07/27(水) 22:26:15 ID:dNAIfh2A
管理人カザミの日誌⑦
文月○日
 夏の昼下がり、風はそよとも吹かず、じっとりと額に浮かぶ汗・・・と言いたいところだが、管理人室はエアコンが効いて天国である。冷暖房代にウルサイことを言わないオーナーは正しい。快適な職場環境は能力発揮に必須。さあ私も頑張って・・・ヒマをつぶさなくては。イザベルビルはいま、ひっそりとしている。なぜならば、

ポールさん・・・英国へ(本人は、帰国じゃなくて旅行だよ(^^)/ と言っていた)
ナツメさん・・・フランスへ(お買いもの、あるいはインスピレイションを求めて)
アマデさん・・・オーストリアへ(ご主人とオペラ堪能しまくり)
マーク・アツタさん・・・北アルプス連峰のどこか
オトナシさん・・・北海道へ里帰り

いまイザベルビルの住人はわたしも含めて3人と1匹だ。そのうちの一人、トコナメさんがやってきた。左手にカラスマを抱き、右手にブラシを持って。
「こんにちは、カザミさん。またお願いしていいかな?カザミさんにブラッシングしてもらったあとはツヤッツヤで男ぶりが数段あがるんだよ、カラスマ。例のやり方、やってみようとしたんだけどまったく受け付けてくれないんだよ。なんでカザミさんには無抵抗なんだろ?」
「うふふ、どうしてでしょうねえ。カラスマ、こっちおいで。今から農作業ですか」
「うん、行ってきます」
「熱中症に気を付けてくださいよ。あとで様子見に行きますからね」
「はいはい、ありがとう。じゃあ、よろしく」

 トコナメさんが熱中症にならぬよう、アナタときどきチェックしたんさい(*`Д´)ノ

オーナーの厳命である。トコナメ野菜をたっぷり供給してもらうために、わがオーナーは万全の態勢だ。

 四万十産川海苔の存在をトコナメさんは知らない。
「いい?カラスマ?この海苔、食べたいよね?おとなしくするんだよ。ブラッシングが終わってからあげるからね」
わかってるって、だから早くして、と言わんばかりにカラスマはごろんとお腹を出した。
「背中からだよ、カラスマ」
あぁそうか、というふうにカラスマは「伏せ」の態勢をとった。わたしのブラッシング方法は、はっきり言おう、「逆毛ぶらっしんぐ」だ。普通の猫は嫌がって拒絶するのだろう、きっと。猫飼い経験の無い私にはわからないけど。でもカラスマは普通の猫じゃない。話のわかる猫だ。
逆毛にブラッシングするほうが確実に抜け毛をすきとることができるはず。ある日、猫素人の私は考えた。当たり前だが初回は強烈に嫌がられた。すっかりご機嫌斜めになったカラスマへのお詫びに四万十産川海苔を与えたのが彼との契約の始まり。それが今や、結構、ブラッシング中は気持ちよさそうにしている。実は快感なのではないか?シゲキがあって・・・。
「たくさん抜けるもんだねえ。ほんと暑そう」
トコナメさん持参のものとは別に小型のブラシを数種類、私は常備している。しっぽ用、手足用、頭のてっぺん用、である。
「ほうら、カラスマ、男前のできあがりだよ。最後に赤の首輪をつけて、と」
四万十産川海苔をぱりぱりと食べるカラスマを見ながら、そろそろトコナメさんチェックの時間かなと考えていたとき、もうひとりの住人が帰ってきた。

「ヒメさん、お帰りなさい」
正確にはヒメカワさんという名前である。他の住人達から「青年」と呼ばれることもある。それに対し素直に「はい」と返事するいいひとだ。だがよく考え事をしながらぼ〜っと歩いているときがある。わたしは目の前を通り過ぎようとするヒメさんに慌てて呼びかけた。
「アッハイ、ただいま帰りました」
「ファックス、きてますよ」
ヒメカワさんはとある出版社の装丁室勤務なのだが、副業が認められているのか個人で事務所を開いている。家賃もバカにならないと思うのだがどうやって工面しているのか。そこらあたりはナゾである。個人客からの要求に答えてオリジナル装丁本を請け負う事務所主宰である。わたしはオーナーからの注文ファックスをヒメさんに渡しながら言った。
「両耳にイヤホンはあぶないから外では気を付けてくださいよ?」
ハイわかりました、と素直に返事してまたイヤホンをつけるヒメさんであった。

「さて、カラスマ、麦茶もってご主人の様子見に行こうか。夕方にやって来るご新規の入居者はいったいどんな人だろうね」

4003名無しさん@ベンツ君:2017/12/10(日) 14:40:26 ID:alxz1x.M
乙です…///

4004うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:15:58 ID:LNssCYN6
アレクサンデル・デュマ『モンテ・クリスト伯』(^^)/

1815年
あの英雄はエルバ島に幽閉されていた
そう、ナポレオン・ボナパルト

王政復古フランスの君主はルイ18世
ギロチンの露と消えたルイ16世の弟
彼のもとで再起を果たした貴族たちによるボナパルト派排除は苛烈をきわめていた

同年2月
フランスはマルセイユに、モレル商会所有の帆船ファラオン号が帰港
われらが主役、一等航海士のエドモン・ダンテスは、船長代理をつとめていた
二十歳かそこらの、背の高い、黒髪に黒い瞳の好青年
モレル氏の信頼も厚い優秀な船乗り

ともに船に乗る会計士のダングラール
エドモンを妬み、嫌っている
数字に強く、頭のいい奴。良心のかけらも持たない奴。
他人をそそのかし、自分の手は汚さない奴
この男の悪だくみによってエドモンは幸福の絶頂から地獄へと突き落とされるのだ

ファラオン号のルクレール船長は航海の途中、病いで亡くなった
なぜか、予定外のエルバ島へと寄港命令を出していたという
船長は死ぬ間際に、エルバ島のベルトラン(ナポレオンの侍従長)に小さな包みを渡すよう
エドモンに命令したという
そしてエドモンは忠実に命令に従い、侍従長に包みを渡し、ナポレオンにも面会した

船主のモレル氏はボナパルト派であった
この話を聞いて喜ぶが、同時に、エドモンに忠告する
エルバ島の閣下に接触したことが知れると、どんな危険にさらされるかわからんぞ

私はただ命令に従っただけで、包みの中味も知りませんし、ナポレオン閣下ともごく普通の会話をしただけですよ
どんな危険な目に遭うというのですか

モレル氏の心配を笑いとばすエドモン

ダングラールは手紙の件をエドモンがモレル氏に伝えていないことを知る
手紙だって?私には渡してくれなかったが?
おかしいな、船長は包みと手紙を渡していたと思ったが・・・
なぜ君は包みのことを知っているのかね
いや、あの、船長室を通りがかったときにちょうど・・・
きっと私の勘違いですな、エドモンにはこのことは言わんでください

エドモンには婚約者がいた
カタロニア人の美女メルセデス
メルセデスと、そして、息子の帰りを待ちわびる父
このふたりにすぐにでも会いにいきたいエドモンだった

ダングラールの話が気になるモレル氏はエドモンに問う
なにか他に話すべきことは無いか?
臨終のとき船長が私あてに手紙を書いたとか?

お書きにはなれませんでした、とエドモン
そして今のお話しで思い出したのですが、2週間休暇をいただけませんか?
パリへ行く用事があるのです

いいとも
でも三か月後には戻っていてくれないと困るよ
船長がいないとな!

私が船長に?!
ありがとうございます!!

ところでエドモン
ダングラールには満足しているかね?

友達としてならば、いいえ
彼は私を嫌っているようです
つまらないことで喧嘩をして、つい言ってしまったのです
モンテ・クリスト島に10分だけ上陸して、かたをつけようじゃないかって
それ以来、彼はわたしを嫌っているようです
でも会計士としての仕事ぶりは申し分ありません

エドモン
君がファラオン号の船長だったらダングラールを喜んで残すかい?

モレルさん
あなたの信用を得ている人物なら誰だろうとわたしは尊重しますよ

君はほんとに立派だな、さあ、もう行きなさい

モレル氏の背後にたたずむダングラールの眼差しは暗かった

4005うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:17:55 ID:LNssCYN6
エドモンは家へと向かう
老父は息子の姿をみて喜ぶが、体が弱っているようである
食料がほとんど底をついている
出航前にお金は置いていったのに、どうして?お父さん
隣人のカドルッスが、エドモンが彼に借りた金の取り立てをしたらしい
申し訳なく思うエドモンだった

そのカドルッスがやってきた
よう、エドモン、良く帰って来たな
飲んだくれの仕立て屋カドルッス

エドモンは冷ややかに言う
ああ、帰って来たよ 給料も出たし、困ったときはたすけてあげられるよ

その必要はない 仕事はあるんでな
隣人同士助け合うもんだ おれは貸した あんたは返した これで貸し借りなし

貸してくれた恩はもちろん忘れないよ

モレルさんの夕食会をことわってきたらしいな
いくら親父さんに早く会いたいからって、船長になるんならおべっかは使っとくもんだぜ

ぼくは、そんなことは無しで、認めてもらいたいんだ

へ、結構なこって
あのカタロニア娘のところへも早く行ったほうがいいぜ
別嬪さんのまわりには男がいっぱいだからな
ま、でもあんたが船長になるんなら、あんたを断る気にはならんだろうよ

(少し不安になって)
ぼくが船長になろうとなるまいと、彼女はぼくを愛してくれるさ

結構、結構、はやく行ったほうがいいぜ

密談するダングラールとカドルッス
奴の様子はどうだった?
ふん、俺に金を借りてたくせに、なんなりとお役に立てるよだとさ
えらそうにまるで船長になったみたいによ

で、奴はあの娘のところへ行ったんだな
あの娘にくっついてまわってる男がいたよな、たしか

ああ、従兄弟かなんかだ
奴が船長になったら、気軽に口もきけねえな

おまえ、エドモン・ダンテスが嫌いか?

おれは・・・横柄な態度をとる奴が嫌いだ

さてと、ちょいと見物がてら飲みに行こうぜ
もちろん俺のおごりで

飲んだくれのカドルッス
エドモンのことが嫌いなわけではなかった
いやむしろ好きだった
ならば助けてやればよかったのに
弱い奴、カドルッス

4006うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:18:59 ID:LNssCYN6
フェルナン、あなたのことは好きよ
でもそれは兄に対する愛のようなものなの
あなたとは結婚できない

暗い眼差しのフェルナンをみて恐れを感じ、
メルセデスは言う
エドモンに何かあったら、わたしは生きてはいないわ!

わかったよ、メルセデス

そこへやって来るエドモン
フェルナンとエドモンの間に走る緊張感

幸せの絶頂にある恋人たちを残して、フェルナンは去る

酒場の近くを通りかかるフェルナン
その彼を呼び止めるダングラール

言葉たくみにフェルナンを煽るダングラール
泥酔状態のカドルッスはエドモンが標的となっていることを朦朧とした頭で感じ取り
抗議の声をあげるが、ダングラールにうまくかわされる

ダングラールの悪だくみとは?

4007うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:20:45 ID:LNssCYN6
ダングラールとカドルッスに煽られて、フェルナンは嫉妬の炎を燃やしている
そこへエドモンとメルセデスがやってくる

エドモンはいう
今日には父の家で婚約を済ませ、明日か、明後日にはこの店で婚約披露宴をするよ

ダングラールはいう
えらく急ぐんだな 次の出航まで三か月もあるってのに・・・

パリへ行く用事があるのでね

パリ?パリははじめてか?ダンテス

うん でも僕の用事じゃないんだ 
亡くなったルクレール船長の最後の用事をどうしてもしなくちゃならない

ダングラールはぴんと来た
これは例のエドモンが内緒にしている手紙と関係がある
きっとナポレオンの侍従長ベルトランからの手紙をパリへもっていくのだ
素晴らしい考えを思いついたぞ

恋人たちは去って行った

ダングラールはフェルナンにいう
「あんた、ほんとにあの娘が好きなんだな」
「知り合ってからずっと」
「でもそこで髪をかきむしってるだけか。あんたの国のやり方はそんなもんかい」
「ほかにどうしろって言うんです」
「私が知るわけないだろ」
「あいつを刺そうと思った。でも女がそんなことしたら自殺するっていうんだ」
「そんなの口だけに決まってるだろ」
「あんたはあの娘を知らない。あの娘は一度宣言したら絶対にやる」
(馬鹿め、女が死のうが死ぬまいがどうでもいい。俺はあいつが船長にさえならなきゃいいんだ)
「あの娘が死んだら俺も死ぬ」
「これぞまさしくほんとの恋ってやつだ、ヒック」
「おい、カドルッスお前はもうできあがってるな。
フェルナン、君はいいやつのようだから私がその苦しみから救ってやろう、だが・・・」
「おれはまだ酔ってねえぞ〜、ヒック」
「だが・・・何なんです?」
「ダンテスが死ななくたって結婚はお流れになりそうだぜ」
「死以外にあのふたりを引き離すものはありませんよ・・・」
「ヒック、このダングラールはなあ、悪賢いんだぜ〜、ヒック、そうさダンテスは死ぬ必要はねえよ。あいつはいい奴よ。おれはあいつが好きだよ、達者でいろよダンテス、ヒック」

いらいらと立ち上がるフェルナンを引き留めるダングラール

「牢屋の壁で離されるのも、死んでいるのとおんなじことだろう?」
「んだな、ヒック、でも牢屋はいつか出るぜ、ヒック、
エドモン・ダンテスってからにはきっと仕返しはするぜ、ヒック
でもよう、なんであいつが牢屋にぶちこまれるんだ?いいやつだぜ、ダンテス、お前の健康に乾杯だ、ヒック」
「あいつを逮捕させる方法があるんですか」
「そりゃ探せばあるだろうさ。でも私が首つっこむことじゃないな」
「あんたにもダンテスを特別憎む理由があるんでしょう?」
「とんでもない!誓って言うが、全然ないよ。あんまり君が辛そうだからさ。ま、自分で考えてみるんだな」

4008うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:21:47 ID:LNssCYN6
席を立つふりをするダングラール
引き留めるフェルナン

「あんたがやつを憎んでようが憎んでなかろうが、どうでもいい
やり方を見つけてください。やつが死ななくていいんならメルセデスも死なない」

「ヒック、ダンテスを殺すだあ?あいつは友達だ。やつは今朝、俺に金をわけようとしてくれた。俺がやつにしてやったようにな。おれはダンテスを殺させないよ、ヒック」
「馬鹿め、誰があいつを殺すなんて言った?冗談だよ。ほれ、あいつの為に飲めよ」
「だから、どうすればいいんです?」
「まだ、見つからないのかい?」
「あなたが見つけてくれると言った!」

「ペンとインクと紙をもってこい」
「ヒック、おれはいつだって、一本のペン、ひと瓶のインク、一枚の紙きれのほうが
剣やピストルより恐ろしいと思ってたよ、ヒック」
「フェルナン、こいつにもっと飲ませろ」

ダングラールがフェルナンに言う

ダンテスは今度の航海の途中、ナポリとエルバ島に寄っている
もしだれかが、国王の検事にあいつをボナパルト派だと告発したら・・・
ほら、こんなふうに左手で筆跡をごまかして書くのさ

国王ならびに教会に忠実な物として、検事閣下に対し、以下のことをお知らせ申し上げます。
ナポリ、ポルト・フェライヨ(エルバ島)に寄港後、今朝スミルナより帰港したファラオン号の一等航海士エドモン・ダンテスは、ミュラー(ナポレオン義弟 ナポリ王)より簒奪者(=ナポレオン)宛の手紙、および簒奪者よりパリのボナパルト委員会宛の手紙を託されました。
ダンテスを逮捕なされば、その証拠を入手できるでありましょう。この手紙は、彼の身辺、彼の父親の家、もしくはファラオン号上の彼の船室内で発見されるはずであります

宛名は「検事殿」、これで万事終わりさ

「ヒック、んだ、万事終わりだ。ただたしだ、それは汚ねえぞ」
カドルッスは手紙を奪おうをする

「冗談にきまってるだろうが!おれだってダンテスはいいやつだと思ってるぜ」
ダングラールは手紙をくしゃくしゃにして酒屋の庭の隅に投げた

「ヒック、ああ、よかった。あいつに悪いことするのは黙ってられん、ヒック」

カドルッスを支えながら酒場をあとにするダングラール
振り返って、フェルナンが投げ捨てたあの手紙に飛びついてポケットに入れたのを確認した

4009うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:23:00 ID:LNssCYN6
エドモンとメルセデスの婚約披露宴が開かれている
エドモンの父親、船主のモレル氏、ダングラール、カドルッス、そしてフェルナンもいる
そわそわと落ち着かないフェルナンの様子を観察するダングラール

エドモンによると、もうすでに結婚許可証は得ており1時間半後には市役所で正式に結婚が成立するという
慌てはじめるダングラールとフェルナン

祝福のざわめきが最高潮に達したそのとき、窓から外を見ていたフェルナンが弾かれたように立ち上がった

階段から重々しい足取りと剣のがちゃがちゃいう音が聞こえてくる
警部と4人の兵士たち
エドモン・ダンテスの逮捕令状が出ているという
逮捕理由?我々は知らされていません
何かの間違いであると確信しているエドモンは困惑しながらもおとなしく連行されていった
悲しみに打ちひしがれるエドモンの父親とメルセデス
事実確認のため、慌てて出ていくモレル氏

酒場でのおぼろげな記憶がよみがえるカドルッスはダングラールに言う

これがあんたの言ってた冗談の結末か?おい!
こいつはひどすぎるぞ!

とんでもない。あの手紙は破いちまったぜ

うそだ!隅っこのほうへ投げただけだろうが!
あいつだ!フェルナンの野郎だ!

あいつはそんな利口者じゃない。

戻って来たモレル氏は逮捕理由を皆に告げる
それは「ボナパルト派である」とされたから

ああ、やっぱりお前はおれをだましたな!あの冗談は実行されたんだ!
ひでえ話だ!なにもかもしゃべってやる!

うるさい、だまれ!
エドモンがエルバ島へ寄ったのはほんとなんだぞ。あいつをかばうやつも同罪だぞ?
いいのか?

モレル氏は検事代理ヴィルフォール氏にエドモンの情報を訊いてみようと思っていた
そしてダングラールに、この件についてどう思うか尋ねる
ダングラールはモレル氏に、エドモンがエルバ島に立ち寄ったことが胡散臭いと言う
そして、モレル氏が消極的ボナパルト派であることをにおわせ、恩を売るかのように
誰にも話しておりません、と付け加えるのであった

4010うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:24:15 ID:LNssCYN6
検事代理ヴィルフォール
過激な王党派
将来を嘱望された男
ルイ18世のおぼえめでたいサン・メラン侯爵の令嬢ルネの婚約者
だがしかし、栄達を約束されているかのような彼にも弱点があった
それは・・・

サン・メラン侯爵邸での夕食会から、急きょ、エドモンの件で呼び出される
待ち受けるモレル氏
エドモンの誠実さを訴え、助けて欲しいと懇願する

隠れボナパルト派のくせに!冷たくあしらうヴィルフォールであった

エドモンを尋問するヴィルフォール
明るく好感の持てる態度のエドモンに、寛大な処置をしてもよいかと思いつつあったのだが・・・

君は誰かの恨みを買ったことがあるか?この告発状を読んでごらん

じっくりと読むエドモン。筆跡に見覚えはない

ここに書いてあることは事実なのかな?

事実であって、同時に事実でありません、とエドモン
亡くなった船長の指示に従っただけだと

エルバ島から持ち帰った手紙を見せなさい

お手元の書類の中にあると思います、とエドモン

探しながらヴィルフォールは言う。宛先はどこだったのかな?

パリ、コック=エロン通りの、ノワルチエ氏です

雷に打たれたような衝撃を受けるヴィルフォール
あわただしく手元を探り、問題の手紙を取り出す
宛名を確認する
つぶやく・・・コック=エロン通り、ノワルチエ・・・

ご存知なんですか?

いや、国王陛下の下僕たる私が謀反人など知るわけがない!
中味を読む・・・血の気がひく

不安になるエドモン
いずれにしても、手紙の中味は知りません

しかし、宛先は知っているな?

直接渡さねばならなかったので、はい

この手紙は誰にも見せていないのだな

誰にも見せてません

(もしもこの手紙の内容をこの男が知っていたら、そしてノワルチエがわが父だと知ったならば、私は破滅だ)
よし、わかった
君を釈放する権限は私にはないから、予審判事にその許可を取るまで少しの間だけ君を拘留する。そして君にとって不利な証拠であるこの手紙は燃やしてしまおう

暖炉の火に手紙をくべるヴィルフォール
エドモンは無邪気に検事代理の言葉を信じ、
警部に連れられて部屋を出ていったのである。感謝の眼差しさえ見せながら。

ヴィルフォールは椅子の中に倒れこんだ
私はいつまで父の過去にしばられなければならぬのか
待てよ、この手紙が俺の運を開くかもしれない
ぐずぐずしてはいられない!

ヴィルフォールはナポレオンのエルバ島脱出計画を知らせることにより
サン・メラン侯爵を破産から救い、ルイ18世にも感謝される

ナポレオンは計画どおり脱出していた(いわゆる百日天下)

ヴィルフォールに騙されたとも知らずエドモンは
馬車に乗せられ、船に乗せられ、“その場所”を自身の眼でみてはじめてこれから自分がどうなるのか知った
“シャトー・ディフ”
海に浮かぶ監獄島
その地下牢につながれた

メルセデスはヴィルフォールを訪ねた
ヴィルフォールは「あの男は重罪人であり、この件は私の手を離れた」という

モレル氏はほうぼう駆けずりまわっていたが、徒労に終わる

カドルッスは不安と苦悩にさいなまれていたが、彼にできるのは飲んだくれることだけ

ダングラールだけは良心の呵責も不安も感じていなかった
むしろ楽しさすら感じていた

老ダンテスは悲しみと不安で息絶えんばかりであった

ヴィルフォールのもとにノワルチエがやってくる
ナポレオン陛下はすでにパリをめざし、進軍中だ
お前はわしをかばうのだ
陛下が返り咲いたあかつきにはわしがお前をかばってやる

ナポレオンは復活する
百日のあいだ・・・

4011うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:25:17 ID:LNssCYN6
ナポレオンがパリ入城を果たし、ワーテルローの戦いで敗れるまでの百日
王党派支配→ナポレオン派支配→ふたたび王党派の支配
ヴィルフォールは父ノワルチエのおかげもあるのか、その地位は脅かされなかった
そしてモレル氏の嘆願をのらりくらりとうまくかわしていた
エドモンの父親はメルセデスの腕のなかで亡くなった
死に際しての費用など、モレル氏が負担した
それは王党派支配の世の中で勇気の必要な行為だった
ダングラールはナポレオン派が再び台頭すると、エドモンが解放されることを恐れて
スペインの商社へ転職し、その後の消息はわからない
フェルナンはメルセデスに尽くし、彼女の心をつかみつつあった

さてシャトー・ディフのエドモンは・・・

4012うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:26:41 ID:LNssCYN6
なぜ監獄へ入れられたのかその理由さえわからないエドモン
その理由をもうひとりの囚人ファリャ神父が解き明かしてみせた

エドモンより数年早く収監されていたファリャ神父は
イタリアの有力枢機卿の秘書をしていた人物であった
小国家乱立の弱小イタリアではなく、統一イタリア王国の誕生を望んでおり、
そのため政治犯として獄へつながれた
獄中では身の回りの物で作った道具で研究にいそしみ、イタリア統一論文を書く
博覧強記の人物
看守たちの間では、ありもしない財宝の話をしつづける“キチガイ神父”と呼ばれる人物

エドモンとファリャ神父は別々の独房に入れられていた
実はファリャ神父は何年もかけてこっそりと脱獄のためのトンネルを掘っていた
ところが、外の景色の見えない独房での計算によって海の方向を割り出して方向を決めたために、間違ってエドモンの独房室へ向かって掘り進むこととなった
その結果、ふたりの独房はトンネルでつながったのであった

エドモンが逮捕されるに至るまでの話を聞き、ファリャは謎ときをする
ダングラールとフェルナンの仕業であろうよ
だが、検事代理の行動がわからぬ 本当にそなたに同情的であったのか?
ノワルチエだと?わしはそいつに会ったことがある
ノワルチエ・ド・ヴィルフォールだ

すべてを理解したエドモンだった

4013うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:27:50 ID:LNssCYN6
看守の目を盗み、ファリャ神父のもとへと通うエドモン
神父から外国語、物理、化学、上流社会のしきたりにいたるまで、あらゆる知識を吸収しようと努力する
その目に宿る激しい復讐の念を心配するファリャ神父であった

ファリャ神父には持病があり、次に発作を起こせばもう死ぬことは確実であった
そして神父は最大の秘密をエドモンに明かすこととした

わしはもうすぐ死ぬ そなたと共には逃げられない
わしの言う財宝は本当にあるのだ
そなたにその場所を教えよう

財宝とは、ファリャ神父が仕えたスパダ家につたわる莫大な遺産のことであった
その昔、法王アレッサンドロ6世とその息子チェーザレ・ボルジアが、スパダ家当主を殺害してまで奪取しようとして果たせなかった莫大な財宝
ファリャ神父が仕えていたスパダ枢機卿は、その先祖代々の財宝の在りかをしるした遺言書を見つけられないまま亡くなった
だがファリャ神父は遺言書を発見したのだと言う

その財宝が隠された場所はモンテ・クリスト島である

財宝の在りかを示す遺言書の内容をエドモンに暗記させ、遺言書は燃された
そしてファリャ神父は亡くなる
エドモンは袋詰めにされた神父の遺体を自分の独房へ運んでベッドへ寝かせ、自分は神父の代わりに袋の中へと入った
シャトー・ディフでは、囚人が死ねば遺体は袋詰めにされ、足に重りをつけて、絶壁から海へと投げ込まれる
嵐の夜、船乗りであり水泳の達人であるエドモンはなんとかシャトー・ディフ近くの岩礁へ這いあがることに成功する
目の前で一隻の船が難破するのを岩礁から目撃し、岩礁で一夜を明かすエドモン
翌朝、難破した船の船員を装い、沖を通る船に助けられる
シャトー・ディフの住人となってから14年の歳月が流れていた

エドモンを助けた船は密輸船であった
優秀な船乗りであるエドモンはみるみる船長の信頼を勝ち得ていった
密輸船は地中海を往復する
モンテ・クリスト島を何度も横目にみながらも、エドモンは決してあせらなかった
14年もの囚人生活を送った身である
待つことには慣れている

密輸船の乗組員仲間にヤコポという男がいた
エドモンはこの男は信じるに足る人物であるように思えた
ちょうどファリャ神父がエドモンを信じたように

ある大きな密輸取引の話がもちあがり、船長は取引現場を無人島のモンテ・クリスト島にすると言った
狂喜するエドモン
船長から厚い信頼を寄せられるエドモンは助言する
「その島なら安全この上もないが、この大きな取引を成功させるには、
事を手早く行うことでしょう」

4014うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:31:48 ID:LNssCYN6
シャトー・ディフで暗記した枢機卿の遺言書にもとづき、モンテ・クリスト島の隠し財宝を探すエドモン・ダンテス
スパダ家の紋章入りの木箱を発見する
箱の中味は3つに分けられていた
1・金貨25,000枚
2・金の延べ棒1,000本
3・ダイヤ、真珠、ルビー 両手で10杯分

エドモンはポケットを宝石でいっぱいにしてから
財宝を土の下に隠し、迎えの船を待つ
モンテ・クリスト島滞在6日目、迎えがやってきた

エドモンはリヴォルノへ上陸
そして小粒のダイヤを現金化し、小さな船を買う
そして密輸船の同僚ヤコポにその船と別途資金を与え、マルセイユへ渡り、父ルイ・ダンテスとメルセデスの近況を探るように指示する
ヤコポには伯父の遺産が思いがけず入ったからと説明
以後、ヤコポはエドモンの忠実な部下となる

エドモンと密輸船との契約は切れていた
船長に惜しまれながらも、別れを告げる
ヤコポはマルセイユへ
エドモンはジェノバへ
ふたりはモンテ・クリスト島で落ち合うことを約束

エドモンはジェノバでヨットを手に入れる
船室に細工を施し、隠し財産の収納場所とした
そしてモンテ・クリスト島へ戻り、財宝をすべてヨットへ移し、ヤコポの到着を待つ
ヤコポが持ってきた知らせは「父は死亡 メルセデスは行方不明」というものであった
エドモンはヤコポに自分の秘密を語る

エドモンはマルセイユに向かうことを決意する
19歳でシャトー・ディフに送り込まれ、14年後に脱出、密輸船に助けられ、リヴォルノの床屋へ行き、14年ぶりに鏡をとおして自分の姿を見たとき、マルセイユの誰ひとりにも見分けられることはないだろうと確信していた

リヴォルノで手に入れたイギリスのパスポートを持ってマルセイユへ
ファラオン号のかつての部下を見かけ、話しかけるが、彼はまったく気づかない
かつて自分が住んでいたメラン小路の6階の住まいへと向かうエドモン
そこには見知らぬ若い夫婦が住んでおり、エドモンは家の中をみせてもらい、涙を流す
仕立て屋のカドルッスは商売がうまくいかず、街道筋で宿屋をしているという
エドモンはイギリス人のウィルモア卿と名乗り、その建物全体を買い取り、6階に住む若夫婦に今住んでいる部屋を明け渡させ、その代わりに他のどの部屋でも自由に選ばせるよう手配した

そして司祭の姿に変装し、カドルッスの宿屋ポン・デュ・ガール亭へ向かう

4015うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:32:51 ID:LNssCYN6
司祭(エドモンの変装)はカドルッスの宿屋の内部をしげしげとながめる

あんまり金はなさそうだとお思いなんでしょう?
このご時世、正直だけじゃいい暮らしができるわけじゃない
正直ってことにゃ自信があるんでさ

そなたのその自慢が本当ならばたいへん結構
私は固く信じているのだよ
おそかれはやかれ正直者は報われ、悪者は罰される

ご商売柄、そうおっしゃるんでしょうよ

そういう言い方はよろしくない
私が今言ったことの証拠を見せてあげられるかもしれぬ

・・・というと?

そなたが私の探している人物であるか知らねばならぬ
1814年か15年ごろにダンテスという船乗りを知っていたか?

ダンテス!
知っていますとも!手前のいちばんの友達でさあ
あの可哀想なエドモン
まだ生きてますか?釈放されましたか?幸せですか?

絶望したまま、みじめに死んでいったよ
私は死の床によばれたのだ
死に際に、どうしても投獄された理由がわからないと言い、
彼の不幸の謎を解き、名誉を回復して欲しいと私は頼まれたのだ
獄中仲間にある富裕なイギリス人がおり、看病のお礼にと牢を出るときにダイヤをダンテスに渡した
5万フランの価値があるダイヤだ
今ここに持っているがね

ダイヤのついた指輪を見せる司祭

私はダンテスの遺言執行人になったのだ
「私には3人の友人と1人のフィアンセがいます 友人のひとりはカドルッスです」

身ぶるいするカドルッス

「そしてもう一人はダングラールといい、3人目は、恋敵の私を好いてくれていて・・・」

悪魔的な微笑みを浮かべるカドルッス

「フェルナンといいます フィアンセは・・・」
私は忘れてしまったな、名前を

メルセデスですよ
それで?

マルセイユへ行ってくださいと
ダンテスがしゃべっているのだよ、わかるね?
そしてこのダイヤを売り、5等分して友人たちに分けてやってくれ
この世で私を愛してくれたのはあの連中だけだから

なんで5等分なんです?今あげた名前は4人ですぜ?

5人目は亡くなったと聞いたからね
ダンテスの父親だ
そなたその老人のことを知っているか

カドルッスによると、エドモンの父ルイ・ダンテスは息子がいなくなって1年ほどして亡くなった
死因は餓死であったと
司祭は椅子から跳びあがって叫ぶ
そんな、そんな馬鹿なことがあろうはずがない!
その気の毒な老人は皆から見捨てられていたというのか!

いいえ
メルセデスやモレルさんが放っておいたわけじゃありませんです
ただあの老人はフェルナンを嫌っておりました
まったく気の良いエドモン、自分の女房を欲しがっている奴を友人と呼ぶなんて

ではそなたは、フェルナンがダンテスになにかしたことを知っているのだな?

知っている、と思います

話してくれたまえ

4016うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:33:46 ID:LNssCYN6
お話ししてなんになりましょう
あいつが生きてて、教えてくれといって来たって申しません
死んじまったんなら憎みも復讐もできない
闇に葬っちまいましょう

では真の友に贈るべき物をそれを受け取る価値のない奴らにくれてやれと申すのか

おっしゃるとおり
あの可哀想なエドモンの遺産なぞ、今の連中にとっては大海に落ちる一滴の水でさあ

ほう、その連中は金持ちになったのだな
話してくれないか?

やめましょう 長い話でさ

そなたの要人深さは尊重する
それにそなたの態度はほんとうに善良な人間の態度だ、もうその話はよそう
私に託されているのはほんの形式的な仕事だからな
ではこのダイヤを売るとしよう

このダイヤの値打ちの五分の一が手前のものになるんで?

父親の分を加えて4等分ということになるな

なぜ4人で分けるんです?

あなたがた4人がエドモンの友達だったからだよ

裏切り者に褒美をやるなんて神への冒涜だ!罪悪だよ

友人たちの住所を教えてもらいたい
彼の遺言を実行するために

大粒の汗を流すカドルッスは腹を決める
みんな申し上げますよ

それが一番よいな
私がどうしても聞きたいからというのではなく、要するに遺言者の願い通りに
遺産を配分できるようにしてくれればそれが一番良い
では、話を伺おうか

4017うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:35:18 ID:LNssCYN6
カドルッスの告白

決して手前がしゃべっちまったことをばらさないで欲しいのです
これからお話しする連中は、今では金も権力もある
手前なんぞ、指一本でコップみたいに粉々にされちまう

エドモン・ダンテスが逮捕されて以来、
父親の老ダンテスはろくに眠らず、ひきこもっていた
モレル氏やメルセデスがひんぱんに様子を見に来ていたが、衰弱が激しい
みかねたメルセデスは家へ連れていこうとしたが、父親は決して家を離れようとはしなかった
エドモンがいつ帰ってきてもよいように
そしてとうとう、メルセデスやモレル氏に会うことも拒絶するようになった
家の中から音がしなくなった四日目、鍵穴からのぞくと青くやつれた顔の老ダンテスが見えた
メルセデスとモレル氏に知らせて、医者を呼んだ
医者は胃腸炎と診断し、老人に節食を指示した
老人はよろこんだ
食べなくてもいいのだ 生きなくてもいいのだ なんたって医者がそう指示したのだから
それ以来、家のドアは開けたままとなった
心配したメルセデスは老人を連れ出そうとしたが、彼は頑として動かなかった
メルセデスはそのまま枕元に残り、モレル氏は暖炉の上に自分の財布を置いていった
食事をとらなくなって九日目、老人はメルセデスにこう言い残して死んだ
「もしエドモンにまた会ったら、わしは、あれの幸せを祈りながら死んだと伝えてくれ」

4018うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:36:42 ID:LNssCYN6
私になにもかも話すと約束したことを忘れるでないぞ
さあ、その老人の息子を絶望の果てに殺し、父親を餓死させた連中というのは
どういう奴らだ?!!

一人は嫉妬、一人は野心から、エドモンをねたんだ二人の男
フェルナンとダングラールでさあ

嫉むあまりに何をしたのだ?

エドモンをボナパルト党員だと密告したんです

二人のうちどちらがだ?
本当に悪いのはどちらだ?

二人ともですよ 一人は密告条を書き、一人は投函した

どこで書いたのだ?その密告状は?

婚約の日に、その居酒屋で

ああ、やはり、そうだった ファリャ神父あなたは人間についても事物についても
なにもかもご存知だ

なんですって?

なんでもない 続けよ

ダングラールが左手で書いて筆跡をごまかし、フェルナンがそれを出したのです

だが、そなたもいたぞ!

なぜ、手前がいたことをご存知なので?

それほど詳しく知っているのはそういうことであろう

その通りです
手前はその場におりました

そなたは黙って見ていたのか?それではそなたも同罪ではないか!

あいつら、手前にしこたま飲ませたんですよ
でもそんな酔っ払いでも、言えることは言いましたですよ
でも・・・これは冗談だって・・・あいつらそう言ったんですよ

ところが翌日、それは冗談でなかったことをそなたは知ったわけだ
それなのにそなたは何も言わなかった
エドモンが逮捕されたとき、その場にいたのに!

そうです
でも手前は口を開きかけたんですよ
でもダングラールのやつが脅したんです
もしも本当にボナパルト派の手紙を奴が持ってたらどうするんだ
奴をかばうお前も同罪だぞって・・・
手前はあの頃、お上のすることが怖かった
だから黙っちまったんです 卑怯でした でも、これは罪じゃない

わかった そなたはなりゆきにまかせただけだ

でもあれ以来、昼も夜も後悔しています
手前が落ちぶれたのもその報いだと思っとります

わかった そなたは正直に話してくれた もう罪は許されるであろう

残念なことにエドモンは死んじまった
あいつは手前を許しちゃくれませんでした・・・

あれはなにも知らなかったよ

でも今はたぶん知ってます 死んだ連中はなにもかもわかるっていいますから

4019うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:37:50 ID:LNssCYN6
そなたはモレルさんという名を何度か口にしたが、その人はこの悲惨な事件に関して
どんなことをしたのかな?

ダンテスの雇い主で、誠実で勇気があって献身的な人がやることをしました
やつのために20回も嘆願しましたよ
父親の家の暖炉に財布を置いていったことを話しましたね
あの財布のおかげで爺さんの借金も払えたし、葬式も出せた
赤いレースの大きな財布でね 手前がまだ持っとります

そのモレルさんという立派な方はきっとお幸せなんだろうね

手前同様お幸せですよ

なんだって?!不幸なのか! どうしてだね?

2年のあいだに5隻の船を無くし、破産寸前ですよ
エドモンの乗っていたファラオン号
あの船がもしも今度戻ってこなかったら破産だ
もうおしまいです

モレルさんにご家族はおられるのか

聖女のような奥様とお嬢様そして陸軍中尉の坊ちゃんでさあ
お嬢さんは心に決めたお人がいるんだが、その両親は破産寸前の家の娘を嫁にしたがってないらしいです
こんなときは家族がいるほうが苦しいもんです
なぜって、ひとりなら頭にピストルぶっぱなせばそれで終わりです

なんということだ

先ほど申し上げあことを除けば、なにひとつ悪くない手前は貧乏のどん底
ところがフェルナンとダングラールは黄金を枕というわけでさ

ダングラールはどうなったのだ
一番悪い奴だ そそのかした奴だ

4020うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:39:12 ID:LNssCYN6
マルセイユを離れ、スペインの銀行の手代となりました
そして戦争でフランス軍の軍需品を扱ってひと財産つくって
株取引で何倍にも増やした
そして銀行家の娘と結婚し、やもめになったら今度は未亡人と再婚だ
いまやダングラール男爵ですよ
モンブラン通りにお屋敷があります

ほう?では幸せなのだな?

大金持ちが幸せっだってんなら、奴は幸せなんでしょうよ

では、フェルナンは?

こいつはまた話が別です
でもよくわからんのですよ 奴の一生は秘密だらけなんでしょうよ、きっと
フェルナンはナポレオン復帰の少し前に招集されましてね
前線で将軍の部屋の伝令任務についてました
ところがこの将軍はイギリス軍と内通しておりまして、フェルナンも誘ったわけです
ナポレオンが王位につたままだったら軍法会議ものですがね
ブルボン王朝のもとでは推薦状でさあ
奴は少尉になって帰ってきました
そして例の将軍のおぼえもめでたいわけで、大尉になった
ダングラールも同じころ最初の投機をしておりました
その後フェルナンはスペインへ派遣され、ダングラールとかたらってなんだかうまいことやったらしい
要するに功績をあげたんですよ
大佐になってレジョン・ドヌール勲章と伯爵の称号持ちです
モルセール伯爵、これが奴の名前
そしてギリシャ独立戦争の義勇軍に参加しました
しばらくして奴が軍事顧問としてアリ・パシャに仕えていると聞きました
アリ・パシャは殺されましたが、死ぬ前に奴にかなりの金を与えたらしい
その金をもって奴がフランスに戻ってきたときは、中将ですよ
今ではパリのエルデ通りに豪壮な屋敷を持ってますよ

ではメルセデスという娘は?

今じゃ、パリ一流の大貴婦人でさ
メルセデスははじめのうちは絶望していました
兄と慕っていたフェルナンが出征するとひとりぼっちになっちまった
そこへフェルナンが少尉となって戻って来た
フェルナンは嫌われていたわけじゃない
愛されてなかっただけ
メルセデスはエドモンのためにもう半年待ってくれと言った
そして半年後に結婚式が行われました
貴婦人になるための勉強もがむしゃらにやりましたよ
そんなに頑張るのも気を紛らすため、忘れるためだったと思います
いまじゃ金持ちの伯爵夫人ですよ
でも・・・あんまり幸せじゃないと思うんです

どうしてだね

手前はこのとおり貧乏のどん底で、昔の友達が助けてくれやしないかと思いましてね
ダングラールの家では中にも入れてくれませんでしたよ
フェルナンは召使に100フラン持ってこさせましたっけ

ではどちらとも会えなかったんだな

ええ、でもモルセール夫人は、メルセデスは手前のことを見ました
屋敷の外へ出たときに、上から財布が落ちてきたんでさ
上を見たらちょうどメルセデスが窓を閉めるところでした

ヴィルフォール氏はどうしたね?

あの方は友達じゃありませんので存じ上げません

あの人がエドモンの不幸にどんな役割を演じたかも知らない?

存じません
知っているのはエドモンが逮捕されてからサン・メラン侯爵のお嬢様と結婚して
マルセイユを離れました
きっとダングラールみたいに金持ちになって、フェルナンみたいに尊敬されてるんだ
手前だけが貧乏でみじめ 神様からも忘れられてる

それはちがう
神は必ず思い出しになる
これがその証だ
このダイヤを受け取るがよい そなたのものだ

なんですって?手前ひとりのものだと?
冗談はよしてください

このダイヤはエドモンの友の間で分けられるべきものだった
だが、友はひとりしかいなかったということだ
私は、幸せがどういうものか、絶望がどういうものか知っている
人の心をもてあそぶことなど決していたさぬ
受け取るがいい
だがそのかわり、モレル氏がダンテス老人の暖炉の上に置いて行ってくれたという
その赤い財布を私にくれないか

4021うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:40:18 ID:LNssCYN6
テペデレンリ・アリ・パシャ
オスマン帝国時、ギリシャを支配した半独立専制君主
デュマ作の小説、『モンテ・クリスト伯』(1844年〜1846年)には「アリ・テブラン」(Ali Tebelin)の名で言及され、彼の暗殺をめぐる物語はこの作品の重要な要素を構成している。登場人物のひとり、エデ(Hayd&eacute;e)はアリの娘という設定で、父の死により奴隷に身を落とした彼女は、暗殺の手引きをした者を捜している。

ウィキペディアより(^^)/

4022うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:41:59 ID:LNssCYN6
31,2歳くらいの身なりの良いイギリス人がは、マルセイユ市長のもとを訪れた
ローマのトムスン・アンドフレンチ商会の代理人と名乗り、モレル父子商会の情報が
欲しいと言う
市長は、モレル父子商会が不運に見舞われていることは事実であるが、それ以上のことは言えない、モレル氏は厳格なまでに誠実な方である、とだけ答える
そして、より詳しいことが知りたければ刑務監査官のボヴィル氏を訪ねるとよい、と言った
氏はモレル商会にかなりの投資をしているはずだから、と

イギリス人はボヴィル氏を訪ねた

わたしはモレル商会に20万フラン投資しています
もし15日までに彼の持ち船のファラオン号が帰らない場合には返済は不可能です
支払い停止です

それでは私がその債権を買い取りましょう

あなたが?でも相当割り引かれるんでしょうな?

いえ、20万フラン、現金で

どう考えてもその6%も戻ってきませんよ

わたしはトムソン・アンド・フレンチ商会の代理人です
わたしにわかっておりますことは、債権譲渡と引き換えにその金額をお支払いする用意があるということだけです
ただし、仲介手数料はいただきます

ええ、ええ、手数料はふつう15%ですが、もっとお望みですか?
おっしゃってください

わたしの手数料というのはもっと別の性質のものです
あなたは刑務監査官でいらっしゃいますね
収監簿をお持ちですね
それを見せていただきたいのです
わたしの恩人ファリャ神父がシャトー・ディフに収監され、そこで亡くなったと聞きました
その方の死の模様を知りたいのです

イギリス人は収監簿をめくる
ファリャ神父の綴り
そしてエドモン・ダンテスの綴り
すべての書類がそろっていた
密告状、検事調書、モレル氏の請願書、ヴィルフォールの添え書き
イギリス人は密告状をそっとポケットに入れる
調書を読み、ノワルチエの名が書かれていないのを見る
「エドモン・ダンテス、熱狂的ボナパルト支持者
エルバ島脱出に重要な役割を果たす
厳秘に付し、厳重な監視下におくこと」
ヴィルフォールの手になるものであった

刑務監査官ボヴィル氏は、ファリャ神父が亡くなった日に、ひとつの事件があったという
エドモン・ダンテスという囚人が神父の遺体と入れ替わり脱獄しようとした
しかし、シャトー・ディフの埋葬方法を知らず、海の藻屑となったのだと
「死亡証明がありますよ ダンテスに肉親がいれば死んでいるのか生きているのか知る必要があるかもしれませんから」

4023うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:43:57 ID:LNssCYN6
>>4022
のボヴィル氏ですが、わたしの語りでは省きましたが、
シャトー・ディフにエドモンが収監されてまもなくの頃
監査にやってきた人物なんですね
つまりエドモンとは一度会っているのですが、気づきません
そしてボヴィル氏はそのときにエドモンの願いを聞き入れ、
再度調書をあたってみることを約束し、実際そのとおりにするのですが、
ヴィルフォールの記述を読んで、「これでは仕方がない」と結論づけた人物です

4024うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:44:54 ID:LNssCYN6
悪い人ではないです
エドモンと面接したときに同情を覚えたものの、形式通りにさらっと調べただけってとこですね
ヴィルフォールのごまかしにまったく気づかなかったと

ヴィルフォールはいわゆる送検をせずにエドモンを牢獄へ送ったので
裁判所側の資料を調べれば矛盾に気づいたかも、というような内容があったような・・・
シャトー・ディフの囚人をきちんと面接したということだけでもめずらしいみたいですよ
この後、物語ではもう登場しないかもw

4025うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:47:32 ID:LNssCYN6
モレル商会の内部を知り、数年前にマルセイユを離れ、今われわれが到達した時期にこの商会にまた足を踏み入れた者は、大きな変わりように気づいたであろう
使用人として残っているのは今やたったふたり
片目の会計係の老人コクレス
23,4歳の青年エマニュエル・レモン
エマニュエルはモレル氏の令嬢ジュリーと恋仲であった
両親がなんとかして商会を辞めさせようとしても頑として残っていたのである

トムスン・アンド・フレンチ商会から派遣された男は、ボヴィル氏との面会の翌日、このモレル商会を訪れた
14年の歳月はこの立派な商人に大きな変化をもたらしていた
50歳になろうとしていた彼の髪は白くなり、額には苦労のしわがよっている

明らかに同情のまざった好奇心を見せるこの英国人の眼差しに苦しさを覚えていたモレル氏であった

何か私にお話しになりたいことがおありとか

トムスン・アンド・フレンチ商会は今月及び来月中にフランスで3,40万の支払いをせねばなりません
手前どもでは、あなたの支払いがきわめて正確であることを知り、あなたの署名のある手形を見つけ得る限り集めました
そして手形の期限が来次第、お宅で現金化し、それを支払いに当てるよう申しつかっております

(深いため息とともに)
どのくらいの額になりましょうか

刑務監査官ボヴィル氏から譲渡を受けた20万フラン
これとは別の手形が3万2500フラン
そして有価証券で5万5000フラン
合計いたしますと28万7500フランです

28万7500フラン・・・

そうです
ところで率直に申し上げますと、マルセイユ中に広まっている噂では、あなたは取引に対処できなくなっているとのことですが

父が35年間経営しそれを受け継いで24年、モレル商会の署名のある手形で支払われなかったものはただの一枚もございません

4026うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:48:32 ID:LNssCYN6
もちろん承知しております
しかし、名誉を重んずる男同士、率直にお話しいただけませんか
あなたはこの度のこれも同様に正確にお支払いになれますか

そのように率直におっしゃられますとこちらも率直にお答えします
お支払いいたします
そうあってほしいと思っています 
私の船ファラオン号が無事に帰港さえすれば・・・
ただ不幸にしてそれがかなわない場合は、私は支払いを停止せざるをえないと思います

そのような場合に助けてくれる友人はおられない?

取引に友はいません
よくご存じではありませんか
あるのは取引だけです

それはそうですね
ではファラオン号が最後の望みですね

そうです
その望みの糸が切れれば・・・完全に破産です

私がお宅へ参りましたときに船が一隻入港してきましたが?

あれはボルドーのジロンド号です
ファラオン号の情報を持ってきてくれるかもしれませんが・・・
こんなに遅れるのは尋常ではない
ほんとうなら1か月も前に着いていなくてはならないのです

階段からどやどやと足音がした
ジロンド号に助けられたファラオン号の船員たちが到着したのであった
ファラオン号はやはり沈んだ
船員は全員助かったと聞いて安堵するモレル氏
水夫頭のペヌロンから嵐の様子を聞き、よく頑張った、みんな立派だとほめるモレル氏
契約通り、200フランの給料を出すから良い雇い主を探すように言う
船員たちは支払い猶予で構わないというが、モレル氏は会計係コクレスに支払いを命じる

船員たちと共に部屋の外へ出される際、娘のジュリーは心からの哀願の眼差しを、隅のほうですべてを眺めていたトムスン・アンド・フレンチ商会の代理人に投げかけた
男はそれにかすかな微笑みで答えたのである
冷静な観察者ならば、その氷のように冷たい顔に、そのような微笑みがほころぶのをみて、
意外の感に打たれたことであろう

男ふたりだけになった

なにもかもご覧になったとおりです

拝見しました
ほかの不幸同様、まったく不当な不幸がまたひとつあなたを襲ったことをね
そこで、私があなたにとって好ましい男になりたいという気になったのです
私はあなたの主たる債権者でしたね

少なくともあなたは支払い期日のもっとも近い手形をお持ちです

期日の延期をお望みですか

延期していただければ私の名誉はすくわれます したがって私の命も

どの程度の延期を?

・・・2か月

結構です 3か月お待ちしましょう
ではこの手形をすべて書き換えてください
9月5日午前11時に(このとき時計はちょうど11時をさしていた)参上いたします

階段の途中で、英国人はジュリーに会った
彼女は降りるふりをして実のところ待ち構えていたのである

お嬢さん
いつか「船乗りシンドバッド」という署名の手紙が来ます
中に書いてあることがどんなに奇妙なことでも、
必ずその手紙のとおりに行動してください 
そうすると約束してくれますね

誓います

結構です ではさようなら いつまでも今のまま正しく清らかにいてください
そうすれば神様がきっと、エマニュエルを夫としてお与えくださいますよ

中庭で、英国人は水夫頭ペヌロンに会った
「一緒にきてくれないか 君に話しがある」

4027うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:49:31 ID:LNssCYN6
エドモンによってもたらされた3か月の猶予によって、モレル商会は人々の予想を裏切って着実に支払いを続けた
そんな中、モレル氏はファラオン号の船長ゴマールのもとを訪れた
怪我のため他の船員より遅れて帰国した船長を見舞ったのだった
そうでもしないことにはゴマールは給料を受け取りに来ないとわかっていたからだ
玄関先で出会ったペヌロンは、上から下まで新調の服を着ており、ばつが悪そうであった
新しい主人を見つけたのだな、皆が幸せになりますようにとモレルは思った

順調な支払いもついにはどうにもならぬときがやってくる
モレルはその日、馬車でパリへと向かった
本能的な反駁によって、取ることを控えていた方法をついに取ったのである
ダングラールに会いに行ったのだ
彼がスペインの銀行へ転職する際、モレルは少なからぬ労をとってやったのだった
いまや彼は大富豪であり、多大な信用の持ち主である
しかしその本能的な反駁は正しかった
モレルは屈辱的な拒絶にあって、うちひしがれて帰宅した

とうとうこの家ももうおしまいかもしれない
モレル夫人とジュリー嬢は軍人である長男のマクシミリヤン・モレルに手紙を出した
マクシミリヤンはしっかりとした青年であった
モレル氏は息子に自由に道を選ばせたのだ
彼の母と妹はやがて見舞われる不幸な事態に心の支えとなってもらおうと呼び寄せたかったのである

モレル商会に残された現金は7、8000フラン
9月5日までの入金は4、5000フランである
つまり28万7500フランの手形決済にたいして1万4000フランしかない
9月4日
モレル氏は落ち着いていた
二人の女性にはかえってそれが恐ろしかった
エマニュエルは懸命に安心させようとするが、力はない
寝室にとじこもるモレル
夫人は遺書を書いているのだと悟る
お父さまをけっしてひとりにさせてはいけないとエマニュエルはジュリーに言う

9月5日8時
マクシミリアンが帰宅した
そのことをジュリーがモレル氏に知らせようとしたとき、ひとりの男が1通の手紙をもってやってきた
「ジュリー・モレル様ですね」
ひどいイタリア語訛りのその男は
「この手紙をお読みください お父様の浮沈にかかわることです」と言った
ジュリーはその手紙を奪い取るようにして、急いで封を切った

直ちにメラン小路に行き、15番地の家にお入りください
管理人に6階の部屋の鍵をもらい、その部屋に入り、暖炉の隅の赤い絹のレースの財布を取り、その財布をお父上にお渡しください
11時までにこれをなさることが必要です
あなたは私の命令に忠実に従うという約束をなさいました
その約束をお忘れにならぬよう

船乗りシンドバッド

ジュリーは歓声をあげた
イタリア訛りのその男はすでに姿を消していた
そしてもう一度読み直そうとして追伸に気づいた

この役を、あなたご自身おひとりでなさることが必要です
もし誰かをおつれになったり、あなた以外の方が現れれば、管理人は、そんな話は知らぬと言うでしょう

追伸を読んでジュリーはためらい、エマニュエルに相談する

行かなければいけません
おひとりで行くんです 
私が近くの角でお待ちしますから、お嬢様のお帰りが遅ければすぐに助けに参ります

あなた、この手紙の指示通りに行けと言うのね

そうです
お父様の浮沈にかかわることだと言われたのでしょう?

でもお父様の危機って・・・?

一瞬ためらうエマニュエル
今日は9月5日ですね
今日の11時にお父様は30万フラン近くの支払いをせねばならないのです

ええ、もちろん知っています

ところがお父様の金庫には1万4000フランしかない
誰かが手を差し伸べてくれなければ、破産です

ああ、一緒に来てちょうだい

4028うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:50:22 ID:LNssCYN6
そのころモレル夫人は息子にいっさいを話していた
マクシミリヤンはしばし茫然としていた
そして階段を駆け上がっていった

「ああ、こうなるのではと恐れておった」
突然の息子の帰還にモレル氏はうめく

お父さん!なぜ銃をお持ちなんです!?

モレル氏はすべてを息子に説明する
もうすでに万策尽きた
30分後には私の名に傷がつく
お前が母さんと妹を養うのだ それはお前の義務である
お前は昂然と顔を上げ、こう言って生きよ
私は生涯で初めて約束を履行できなくなったが故に自らの命を絶った男の息子です、とな
ああそうだ 大事なことがある
トムスン・アンド・フレンチ商会だけが私に同情的な態度を示してくれた
この商会にまず返済をして欲しい
この人はお前にとってもっとも大切な人であらねばならぬ

モレルは椅子にすわった
まだ彼には7分残されている
銃を手に取った
時計はもうすぐ11時を・・・

お父様!助かったのよ!
お父様は救われたのよ!
ジュリーが赤い絹のレースの財布を手に父の腕の中に飛び込んできた
その財布がかつて自分のものであったことを思い出す
中には28万7500フランの支払い済み手形が入っていた
そしてハシバミの実ほどの大きさのダイヤも・・・
「ジュリーの嫁入り資金」と書かれた紙とともに

モレルは額の汗をぬぐった
時計は11時を打った

ジュリー、説明してくれないか これはお前の財布ではなかろう?

メラン小路の家の中、15番地の6階の部屋の暖炉の隅
ジュリーは手紙を見せる

おまえ、ひとりでここへ行ったというのかい?

エマニュエルがついて来てくれたの
でもおかしいのよ、あのひと、どこかへ行ってしまって・・・

モレルさん、モレルさん!
階段からエマニュエルの声がした
ファラオン号です!ファラオン号が帰ってきた!

なにを言っているのだ、お前は気でも狂ったのか?

今度はマクシミリヤンが部屋にはいってきた
お父さん、なんだってファラオン号が沈んだなんて

舳に白い文字で『ファラオン号 マルセイユ、モレル父子商会』と書かれた
前のファラオン号と同じように紅と藍を積んだ一隻の船が、錨を投げ、帆を絞っていた
甲板の上にはゴマール船長がいた
ペヌロンがモレルに合図を送っていた

顔半分を黒い髭で覆われた男がひとり、遠くからモレルの姿を見守っていた
モレルは見知らぬ恩人の姿を天に求めるかのように、ぼんやりとした視線を空に向けていた

「ヤコポ、ヤコポ、ヤコポ」
男が呼ぶとボートが近づいてきた
船乗りのように身軽に飛び乗ると男はもう一度モレルの姿を見た

高貴な心に幸いあれ
あなたが成し、これからも成されるであろう善行のすべてに祝福あらんことを
そして私の感謝のしるしも、あなたの善行と同じく闇に埋もれたままでありますように
さて、今度は、親切・同情・感謝よ、さらばだ
心を彩るいっさいのそうした感情よさらば
俺は、善人たちに報いるために神の身代わりとなった・・・
復讐の神よ、悪人どもを罰するため、汝の席をわれに譲れ!

4029うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:52:00 ID:LNssCYN6
時は1838年(エドモン変装の英国人がモレル氏の前から姿を消して8年ほど経つ)

アルベール・ド・モルセール子爵 ←フェルナンとメルセデスの息子
フランツ・デビネ男爵

パリの最上流の社交界に属する青年たちは
ローマでカーニバルを楽しむ約束をしていた

イタリア滞在中のフランツはアルベールが到着するまで気ままな旅を楽しむ
ナポレオンの運命をたどり、コルシカ島、エルバ島へ、狩猟をしにピアノサ島へ
狩猟の成果がいまひとつで機嫌を悪くするフランツに船頭はいう

男爵さまがお望みなら、よい猟ができる島がごぜえますよ
あの島でさ
モンテ・クリスト島

でもあの島で猟をする許可は持っとらんよ

そんなものはいりません 無人島です 岩礁で耕せる土地なんか無いんでさ
トスカーナ領ですがね
野生の山羊がおりますよ
ただね
あの島には密輸業者や海賊や山賊なんかが集まるんで、あの島へ行ったことが役人にばれると面倒なんでさ
秘密にしてくださいよ

島には密輸業者と思われる集団がいた
なんのことはない、船頭も多少は知っている奴らなのであった
友好的ではないもののフランツの野営には無頓着な様子であった
ところが彼らの頭(かしら)が、フランツがフランス人だと知ると、夕食に招きたいと言っているという
ただし、頭のいる場所までは目隠しをするという条件で・・・
フランツは受けることにした
船頭の話では、その頭はジェノバ製のヨットを持つ謎の大金持ちの殿様、遊びで旅をしているという

なんという名の人物なんだね?

船乗りシンドバッドと名乗ってる
本名も知らねえし、どこの生まれかもしらねえ
その頭のいる隠れ家は魔法の御殿と呼ばれてる
あっしもその場所を探してみたことはあるんだがまったく見つからねえんだ
__
フランツが目隠しをはずすと、彼は豪勢な家具に囲まれた部屋の中にいた

目のまえにいる男は40歳近くのチュニジア風の衣装を身につけていた
顔色は青白く、はっとするほど美しかった
ただその青さは異常だった
まるで長いこと墓の中に閉じ込められていて、その後二度と生きている者の血を取り戻さぬ男のようであった

アリという名の召使が次々とご馳走を運んできた

このアリは口がきけないのです
一日おきに舌、手、首を切る刑を言い渡されておったのですが、一日目に舌を切られたところで私が救いましてな かねてより唖の召使が欲しかったものですから

フランツはこの温厚そうに見える男の口から出る残酷な話にとまどう
あなたはあのシンドバッドと同じように、航海を続けておられるのですか

ええ、まさかそれを達成できるとは思えなかった時期に抱いた夢でした
ほかにもそんな念願を抱いてますが、いずれ順次達成できるでしょうね
彼の眼は異常に狂暴な光を帯びていた

シンドバッドを観察するうちに、フランツには、彼が社会から迫害を受けて、社会に復讐しようという恐ろしい考えを持った人物のように見えてきた

シンドバッドは言う
あなたのお考えは当たっておりません 私は博愛の徒ですよ
そのうちにパリへ行ってみようと思っています

パリは初めてですか

そうなのです
あまりパリに興味を持たなすぎるように見えるでしょうな
でも私が悪いんじゃありません
ひどく遅れてしまいましたが、いつかきっと、参ります

そのときは僕もパリにいたいと思います
今日の歓迎の御恩返しをいたします

ありがとうございます
しかし、もし参るとしても、匿名でということになりましょうな

フランツはシンドバッドから濃厚な謎のジャムを味わうよう勧められる
それはハッシッシであった
ハッシッシがもたらす快楽から覚めたとき、彼は船頭の待つ場所におり、
シンドバッドは船出をした後であった

4030うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:52:53 ID:LNssCYN6
本土に上陸してしまうと、忙しさにとりまぎれて、フランツはこの出来事を一時忘れていた
そしてローマで友人と会うことしか頭になかった

ローマでアルベールとフランツは落ち合った
手配していた宿の部屋は狭く、ふたりは不満に思う
宿の主人によるとシチリアかマルタのとある大金持ちが他の部屋を買い占めているという
しかもカーニバルの混雑で馬車の手配はできないし、見物しやすいコルソ通りの窓辺の席も確保できないという
さらに満なふたりであった
フランツはアルベールをコロッセオへと案内しようとするが、宿の主人は彼が決めた経路は危険であるという
なぜならあの山賊ルイジ・ヴァンパがいるから、と
主人はふたりに、牧童から山賊の頭となったルイジ・ヴァンパの話を語って聞かせる
その中でルイジが“船乗りシンドバッド”と名乗る旅人と出会ったと聞き、
フランツは驚く
安全な経路をとってアルベールをコロッセオへ連れて行くフランツ
案内人にアルベールを任せて、ひとりぶらぶらしていると
怪しげな二人組の密談を目撃する
カーニバルの日に死刑執行される囚人を救い出す打ち合わせだった
ひとりの男(実はルイジ・ヴァンパ)がもうひとりに言う
「ペッピーノを救ってくだされば、あなたのどんなご命令にも従います
世界の果てからも駆けつけます」
感謝されているほうの男の声に、フランツは聞き覚えがあった
船乗りシンドバッドの声であると思った

フランツとアルベールはオペラ座へと出かける
彼らの正面の桟敷席に素晴らしく美しい婦人が座っていた
ギリシャ風の衣装を身に着けている
その背後に男の姿が見えたが、顔まではわからなかった
第二幕の途中でその男が立ち上がった
フランツはその男があのモンテ・クリストの住人であり、コロセウムで見かけた男だと思った

フランツとアルベールが宿へ帰ると、宿の主人が言う
お隣の部屋のモンテ・クリスト伯爵がおふたりに馬車の席とコルソ通りにあるロスポリ館の窓のお席をご提供するとおっしゃっています
そうこうするうちにモンテ・クリスト伯からの使いがやってきた
明朝ご挨拶したい、と

モンテ・クリスト伯に会うフランツとアルベール
フランツは彼をやはりあの“船乗りシンドバッド”だと思う
伯のほうも気が付いているはずなのに、素振りにも見せない
フランツも、自分から言い出してはいけないような、なぜかそんな気にさせられて、
何も言えない
モンテ・クリスト伯が、本日行われる処刑の観覧を2人に誘う

処刑も祭りの一部なのだ
世界中の処刑を研究し、つぶさに観察してきたが、それも到底罪を償うには値しない
「死は刑罰ではありましょうが、罪をつぐない得るほどのものではありません」
「もしあなたの心からその人を奪われたら、永久にふさがることのない心の空洞ができ、
心に四六時中血を流し続ける傷を残すようなたいせつな誰かを、ある男が、いまだかつて聞き及んだこともないような責め苦の果て、終わることのない拷問の果てに殺したとする。その場合でも、社会があなたに許している報復で十分だとあなたはお思いになりますか」

「行くかい、アルベール」
「行くとも。伯爵の雄弁で決心がついたよ」
伯爵の部屋をあとにするふたり

「アルベール、伯爵をどう思う?」
「どう思うって?好ましい人じゃないか。歓待してくれるし、学識深いし、思慮も深い。
「しかしね。ひとつだけ妙な事に気づかなかったかい?」
「どんな?」
「ばかに注意深く君を観察していたよ?」
「そうかなあ。もう一年もパリに帰ってないから、野暮ったいと思われたのかな」

処刑される囚人はふたり
ひとりはアンドレア もうひとりはペッピーノ
アンドレアは残虐な方法で処刑された
ペッピーノは寸前に赦免された

フランツは椅子に倒れ込み、半ば意識を失った
アルベールはカーテンにしがみつきながら、必死に立っていた
伯爵は悪魔のように勝ち誇ってじっと立っていた

4031うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:53:47 ID:LNssCYN6
カーニバルの仮装行列の喧騒は最高潮に達していた
ふたりの青年は伯爵の提供してくれた馬車に乗り、存分に楽しんでいた
そんな中、異国でのアヴァンチュールを追い求めていたアルベールは謎の仮面の女性に夢中になる
その女性から手紙が届き、逢引にでかけるアルベール
フランツは少し不安に思いながらも彼を送り出す

マント姿の男がアルベールからの手紙をフランツのもとへ持ってきた
間違いなく彼の筆跡で、誘拐されたので身代金を用意して欲しいとの内容
金を届けなければ、アルベール・ド・モルセール伯爵の命はない
ルイジ・ヴァンパの仕業だった

フランツとアルベールの所持金では不足していた
フランツはモンテ・クリスト伯爵を頼る
伯爵はこころよく金を提供しようとする
フランツは伯爵をじっと見つめて言う
あなたが一緒に行ってくれればルイジ・ヴァンパはアルベールを解放するのでは?
ヴァンパはあなたに恩があるでしょう?ペッピーノのことで・・・

天気はいいし、ローマの田園を散歩するのも結構楽しいでしょうな
フランツと伯爵はペッピーノを従えて部屋を出た
武器ももたず、金ももたず

ローマ郊外のカタコンベに山賊の隠れ家はあった
伯爵の登場にルイジ・ヴァンパは驚き、彼を恭しく迎える
「まさか伯爵さまがおいでくださるとは」
「お前は約束したことを忘れたようだな」
「どの約束を忘れたと?」
「わたしだけでなく、わたしの友達にも指一本触れぬということになっていたのではなかったか。今夜お前はアルベール・ド・モルセール子爵を誘拐してここへ連れてきたではないか」
そしてフランツをぞっとさせるような口調で続けた
あの青年は私の“友人のひとり”なのだと
(読者諸兄はエドモンにとって“友人”はどんな意味を持つか気付きましょう(^^)/ )

大慌てで手下を怒鳴りつけるルイジ・ヴァンパ
そしてすぐに伯爵とフランツをアルベールのところへ案内する

アルベールはこの緊急事態に、なんと眠り込んでいた
フランツは彼の肝のすわった態度に同国人として満足を感じた
ルイジ・ヴァンパもアルベールの態度には感じ入っているようである

モンテ・クリスト伯爵が助けにきてくれたことを知り、アルベールは感謝の握手を求める
びくっとしながら手を差し伸べる伯爵に気づくフランツ

アルベールとルイジ・ヴァンパはなんのしこりもなく別れることに同意した
ヴァンパはフランツとアルベールに、気が向けば遊びにきてくれてかまわないとまで笑いながら言い、伯爵にはもう一度詫びを言った

翌朝、アルベールはモンテ・クリスト伯爵に「あなたは僕の命の恩人である」という
伯爵は捕らわれていたときの彼の立派な態度をほめた

「僕の父、モルセール伯爵はフランスとスペインで高い地位についています
いつでもあなたのお役に立ちたいと思っております」
「実はそう言ってくださるのを待っておりました
私はパリへまだ行ったことがありませんでして・・・
パリの社交界に紹介してくださる方がいれば、こんなありがたいことはありません」
「喜んでお役に立ちたいと思います
実はパリから知らせが参りまして、帰らなくてはいけなくなりました
僕も、僕の家族も、伯爵を全身全霊でお迎えいたします」
「ご厚意お受けいたします
こうした機会がなかったばかりに、かねてから考えていながら、計画を実行できなかったのです」

フランツはその計画が、モンテ・クリストのあの洞窟で伯爵がふともらしたものであることを疑わなかった

伯爵は3ケ月後にはパリへ行くと約束する
同じ日、同じ時刻にいかがですか
わたしは誰にも真似できぬほど時間に正確な男です
5月21日午前10時半にパリのお宅へお伺いします

フランツに握手の手を差し伸べる伯爵
その手の冷たさにぞっとするフランツ

あなたもパリへ?
いいえ、わたしはベネチアへまいります
ではパリではお目にかかれませんね

伯爵と別れたあと、アルベールはいう
「フランツ、なんだか君は心配そうだね」
「伯爵は不思議な人なんだよ
君とパリで会うという約束が気になって仕方がない」
「おい、フランツ、君は変だぞ」
「これからする話を絶対に口外しないと約束するかい?」

モンテ・クリスト島への旅とローマのコロセウムでのこと話すフランツ
アルベール、僕が君ならば、どこの国の人なのか、どうやって暮らしをたてていのか、
あの莫大な財産はどうやって築き上げたのか、彼の前半生を知りたいと思うがね

アルベールは気にした様子もなかった
モンテ・クリスト伯爵はきっと慈善家なのさ

4032うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:54:57 ID:LNssCYN6
5月21日
モンテ・クリスト伯爵との再会約束の日
アルベールのもとへダングラール夫人からの手紙が届く
オペラの桟敷席への招待状である
彼にはダングラール家の令嬢ウジェニーとの縁談話が持ち上がっていた

モンテ・クリスト伯との面会に当たり、以下の面々が集まっていた
モンテ・クリスト伯到着までの彼らのむだ話を紹介しておこう(^^)

リュシャン・ドブレ
大臣秘書官
フランスはスペイン王家を牛耳るべく現国王の次子に仏領内で亡命政府をつくらせようとしている
「おや、知らなかったのかい?証券取引所には一昨日から洩れてしまっている
どうやって情報を入手したんだか、ダングラール氏は百万も儲けたよ」
「アルベール、君はいいなあ。君はなにもしなくてよくて」
「腹が減った。早く食べさせてくれよ。夕べはヴィルフォールさんのところで食べたんだ。
検事なんて連中はひどいものを食ってるよ。まるでみんな後ろめたい気持ちがしてるみたいな感じだよ」

ボーシャン
新聞記者
「午前中、衆議院でダングラール氏の演説を聞かなくちゃならなくて、
晩にはダングラール夫人のところで貴族院の悲劇を聞かされることになっている」
(読者諸兄は思い出そう(^^)/ カドルッスの話では貴族の未亡人と再婚したとか・・・)
「ボーシャン、僕とウジェニー・ダングラール嬢との結婚話が持ち上がっていることを覚えてるかい?」
「その結婚はだめさ。国王はあの人を男爵にすることはできた。貴族院議員にすることもできるだろう。だがほんとうの貴族にすることはできんよ。あまりにも貴族的な武人であるモルセール伯爵が、たかが200万くらいの持参金で、身分違いの縁組に同意なんかするものか。モルセール子爵の嫁は侯爵令嬢くらいでなけりゃ」
「それにしても200万は大金だぜ」とアルベール
「結婚すればいいさ。どうせ財布と結婚するんだろう」とドブレ

シャトー=ルノー
名門貴族
「アルジェリア騎兵隊のマクシミリヤン・モレル大尉を紹介させてくれたまえ。僕の命の恩人でね。あとは人柄を見ればわかるだろう。僕の英雄に頭を下げてくれ」
「子爵(アルベールのこと)、もしもの場合には、大尉が僕にしてくれたことを君にもしてくれるようお願いしておきたまえ」

マクシミリヤン・モレル大尉
(読者諸兄は思い出そう(^^)/  モレル父子商会の長男)
「男爵は少し大げさに言っておいでなのです」

4033うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:55:46 ID:LNssCYN6
一同、話題はシャトー=ルノーがモレル大尉に助けられた話へと移る
「僕がアフリカへ行く気になったことは知ってるよね。ピストルが撃ちたくて行っただけの話なんだ。君たちも知っているように、決闘は嫌いになっちまった。僕が事を丸く収めてもらおうと思って頼んだ二人の立会人に、無理矢理親友の一人の腕をぶち抜かされてしまってからね。君たちみんなも知ってる、あの気の毒なフランツ・デビネの腕をだもの・・・」
(読者諸兄は・・・( ゚Д゚)・・・ここでフランツ登場)
「なにがもとで決闘したんだったかな?」とドブレ
「もうあのとこを思い出すのはまっぴらごめんだ」

シャトー=ルノーはアルジェリアにおける戦いに気まぐれで参加して、アラビア人に殺される寸前でモレル大尉に助けられた模様

モレル大尉が微笑みを浮かべながらいう
「あれは9月5日で、父が奇蹟的に救われた記念の日なのです。ですから、私のできる範囲で、毎年この日を記念することにしているのです。英雄的であろうとなかろうと、犠牲的であろうとなかろうと、かつて幸運が私たちにしてくれたことのお礼に、不運に苦しむ人になにかしてあげねばならなかったのです」

アルベールはいう
僕もじつは命の恩人を待っているんだ
その人は10時半きっかりにやってくるはずなのだ

そしてルイジ・ヴァンパに誘拐された話を一同に披露する
そしてその恩人はモンテ・クリスト伯爵というのだと

そんな名前の貴族はいない、と断言する名門貴族出身のシャトー=ルノー

モンテ・クリストは島の名前ですよ、とモレル大尉

そのとおり、その島の領主であり王なのです
トスカーナのどこかで伯爵の称号を買ったのかもしれませんね
伯爵は“船乗りシンドバッド”と名乗って、黄金でいっぱいの洞窟を持っているんだ
あ、この洞窟の話は内緒だよ
フランツが知っている、とアルベール

(船乗りシンドバッドという語に反応しないところをみると、モレル大尉は妹から聞いていないのか?(^^)だが・・・)
私も、ペヌロンという水夫からそんな洞窟の話を聞いたことがあります、とモレル大尉

とにかく、モンテクリスト伯爵は実在するんだよ、とアルベール

時計が10時半を打ち、召使が告げる
「モンテ・クリスト伯爵閣下でございます」

4034うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:56:36 ID:LNssCYN6
伯爵が戸口に姿を現した
最高の仕立て屋による洗練されつくした装いであった

アルベールが友人たちを紹介する
アフリカ騎兵隊大尉モレルを紹介したとき、伯爵は、それまでの丁重かつ冷淡、無感動な様子から一変し、その蒼白な顔に一瞬赤味がさした
アルベールがモレル大尉のことを英雄的な行為をした方であると紹介すると、
「ああ、この方は高貴な心をお持ちなのですね、それはよかった」と伯爵はいう
モレルはあっけにとられてモンテ・クリストの顔をみつめた
その表情は柔和で言葉の調子は優しく、その感嘆の仕方がどれほど異様であろうとも、それで腹をたてるわけにはいかなかった

一同は食堂へ向かう

昨日の朝から何も食べず、馬車のなかではねむっていたというモンテクリスト伯爵に
一同はなぜそんな状態で眠れるのか、と尋ねる

伯爵はハッシッシの話をする
フランツ・デビネ男爵に訊いてごらんなさい、と
そのハッシッシは純度が非常に大切なので、原料は自ら採りに行き、丸薬にするのも自分で行うという
そして実物をエメラルドをくり抜いて作った入れ物から取り出して見せた
皆の目は丸薬よりもその見事なエメラルドのほうに集まった
伯爵が言うには、このエメラルドは同じものが3つあり、あとの2つは大公と法皇に差し上げたという
その返礼に、大公は一人の女の身を自由にし、法皇は一人の男の命を救ってくれた、と

アルベールは「ペッピーノのことですね」という
伯爵はいう「まあ、そんなところです」
話題はルイジ・ヴァンパに移る
伯爵は彼がまだ小さくて羊飼いをしていた頃から知っているという
山賊になった彼が、伯爵の顔を忘れていたのか、襲いかかってきたときに逆に彼を捕まえが、官憲に引き渡さなかったのだと
新聞記者のボーシャンがいった
「もう旅人は襲わないように、という条件をつけて、ですね」
伯爵はこたえる
「違います。私と私の友人には手をつけぬという条件です。
あなた方、社会主義者、進歩派、人道主義者の方々は異様に受け取られるかもしれませんが・・・私は隣人のことなどに心を用いたりしません。私を守ってもくれない社会、さらに言わせていただければ、一般的にいって、私を痛めつける場合にしか私のことを考えてはくれない社会など、私は決して守ろうとはしませんよ」
シャトー=ルノーは叫んだ
「利己主義をこれほど強烈に弁護する勇敢な男の弁を聞いたのは初めてだ。すばらしい」
モレル大尉が言った
「しかし、お言葉ですが、知人でもないモルセールさんを救出なさったことによって、あなたは、隣人と社会に奉仕なさったことになりますよ」
モルセールが叫んだ
「伯爵!僕の知る限りで最も厳格な理論家のあなたが、理論でやっつけられましたね。あなたはエゴイストどころか、まるで逆の博愛主義者だってことがすぐ明らかにされますよ。あなたは持ち合わせてもいない悪徳を持っているかのような顔をし、そなえている美徳をお隠しになる」
モンテ・クリストはいう
「モルセール子爵、あなたは見ず知らずの他人ではありませんでしたよ。ともにカーニバルを楽しんだではありませんか。それにあなたもご承知のとおり、私にはあなたにパリのサロンへの紹介をお願いするという下心があったのですから」

4035うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:57:35 ID:LNssCYN6
話題は伯爵のパリにおける住まいに移る
伯爵はたった今パリへと到着したばかりだということだったから・・・

アルベールは自分の住まいを提供するわけにはいかないが手頃な家を一軒世話する、という
ああ、たしかご縁談が持ち上がっているというお話でしたね、と伯爵

父がこの縁談に熱心なんです
ウジェニー・ダングラール嬢です

ウジェニー・ダングラール!
ダングラール男爵のお嬢さんではありませんか、と伯爵

ええ、そうですよ、“新”男爵ですがね、とアルベール

それがなんだというのです
国家に対してそれだけのことをしたのなら・・・と伯爵

ボーシャンが言う
「たいへんな功績ですよ。本心は自由主義者なのに、1828年にシャルル10世のために600万の起債を成功させ、国王に男爵にしてもらい、レジョン・ドヌール勲章を授けられた。その略綬をチョッキのポケットのところにつけていると思いきや、なんど上着の襟のボタン穴に堂々とつけている男です」
アルベールはいう
「未来の岳父の悪口は「やめてくれよ。伯爵はダングラール男爵をご存知なのですか」
モンテ・クリスト伯爵はいう
「いいえ、しかし、近いうちにお見知りおき願うことになるでしょう。
男爵に振り出された、ロンドンのリチャード・アンド・ブラウント、ウィーンのアルシュタイン・ウント・エスケレス、ローマの・トムスン・アンド・フレンチの各商会の信用状を持っておりますから」
モレル大尉は驚く
「トムスン・アンド・フレンチ商会をご存知ですか!ああ、伯爵、きっとあなたは私どもがいくら調べてもわからなかった調査に手を貸していただけると思います。あの照会は私どもの家に恩をほどこしてくれたのですが、どういうわけか、いくら問い合わせをしてもそんなおぼえはないとしか返事をしてくれないのです」
「なんなりと申しつけください」と伯爵は答えた

話題は伯爵のパリでの住まいへと戻る
それぞれ、良い場所を提案する中で、モレル大尉がいう
「メレ街にある洒落た小さなアパルトンマンをおすすめします。妹夫婦が住んでいるのです」
「妹さんがいらっしゃるのですか」
「ええ、素晴らしい子です。夫は私どもが不幸のどん底にいたときに支えてくれた男です。エマニュエルといいます。ふたりとも伯爵が必要となさることはなんでもしてくれますよ。休暇のあいだ、私も住んでおります」
モンテ・クリスト伯爵はいう
「ほんとうにありがとうございます。私は、もしそうしていただけるなら、妹さんご夫婦に紹介だけしていただきましょう。実はもう私の住まいは用意されているのです」
伯爵は説明する
先に執事・召使どもをパリへとやり、彼らは準備万端ととのえて待っているのだという
場所は超一等地の「シャンゼリゼ30番地」だった

皆から、邸宅に召使たち、あなたに足りないのは愛人だけだと冗談をいわれた伯爵

わたしにはすでに女奴隷がいます
ギリシャ語しかしゃべれない女奴隷
あなた方はオペラ座やボードヴィル座で愛人をお雇いになる
私はコンスタンティノープルで買いました、と

伯爵のおもな使用人たちは
このギリシャ人の女奴隷
コルシカ人の執事ベルトゥチオ
召使のアリ(口のきけない)

伯爵いわく
「私の周囲に居る者たちは、誰でも離れていくことは自由です。離れて行けば、私の世話も誰の世話もいらないというわけです。おそらくそれで、私から離れていかぬのでしょうが」

モレル大尉は伯爵に名刺を渡し、メレ通り14番地へ必ず来てください、といった

4036うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:01:21 ID:LNssCYN6
<登場人物>
モルセール伯爵(=フェルナン エドモン・ダンテスの敵)
モルセール伯爵夫人(=メルセデス エドモンのかつての恋人)
アルベール・ド・モルセール子爵(フェルナンとメルセデスの息子)
モンテ・クリスト伯爵(=エドモン・ダンテス)


友人達が帰ったあと、アルベールはモンテ・クリスト伯爵に自分の部屋々々を案内して回る
裕福な若者にありがちな雑多なコレクションの数々
美術、科学あらゆる方面の学識豊富なモンテ・クリスト伯爵にあらためて感嘆するアルベールだった
モンテ・クリスト伯は一枚の絵の前で足をとめた
カタロニアの衣装を身に着けた美しい婦人の絵であった
アルベールによると彼の母を描いたものだという

父伯爵はなぜかこの絵が気に入らず、母が僕の部屋用にとくれたのです
母は僕の部屋へくると必ずこの絵をながめて涙を流すのです
結婚して20年になる両親ですが、この絵だけが夫婦の間に影を落としています

モンテ・クリスト伯はアルベールの表情を鋭く観察してみたが、彼はそれ以上のことは知らないようだった

それでは母屋のほうへご案内いたします
父も母もあなたに会いたがっております

客間に通ずるドアの上に紋章がみえた
モンテ・クリストはこの紋章を注意深くみつめた
「青地に金のツグミが7羽並んでいる。これはモルセール家の紋章でしょうね
私は紋章を読む知識はあるのですが、紋章学となると無知でして。なにしろ、トスカーナ公国の力を借りた成り上がり貴族ですから。しかも、各地を旅するのに持っていると便利だからと人に言われたからという理由でその身分を得ることにしたわけでしてね」
「おっしゃるとおり、これは我が家の紋章です。父の先祖の。赤地に銀の塔は母のほうの先祖の紋と組み合わされています。南仏ではもっとも古い家柄の一つときいています」
モンテ・クリストは答えた
「そのとおりですよ。ツグミがそれを表しています。あなたの父方のご先祖は13世紀のフランス十字軍までさかのぼります。これはたいへんなことですよ」
客間のもっとも目立つところに、勲章を三つつけた軍人の肖像画が飾られていた
その勲章は持ち主がスペインとギリシャにおいてなにか外交上の使命を果たしたことを示してもいた
モンテ・クリストがしげしげと肖像画をながめていると、モルセール伯爵があらわれた
その男は少なくとも50歳くらいにはみえた
その顔には疲労と気苦労が刻み込まれているようにみえた
モルセール伯爵はモンテ・クリストに丁重に例の言葉を述べる
「たった一人の跡継ぎの命をお助け下さり、御恩は一生忘れられるものではございません」

モルセール伯爵家が家系を偽っていることは先刻承知のモンテ・クリスト
「パリ到着早々その日のうちに、名声に背かぬ価値をお持ちの方とこうしてお知り合いになれて、まことに光栄に存じます」
軍務をしりぞき、今は政治と工業の分野に身を置いているというモルセール伯爵を、謙虚で崇高な人物だと熱心にほめるモンテ・クリスト
モルセール伯爵はモンテ・クリストにすっかり魅せられる

アルベールが言った「あっ、母です」

4037うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:02:03 ID:LNssCYN6
モルセール夫人は蒼い顔をして戸口に立ち尽くしていた
しばらく前から夫と客人の会話を聞いていたのだった
モンテ・クリストが振り向くと、戸口に添えていた夫人の手がだらりと下がった

ふたりは恭しく礼を交わした
息子が生きながらえておりますのはあなた様のおかげでございます
あなた様に神様のおめぐみがあるよう祈っておりました
今日は心の底からのお礼を申し上げる機会を、こうしてくださったことを感謝いたします

奥さん
過分なお言葉をいただきました
ひとりの人間を救う、これは善行というほどのことではありません
人としてごく普通の行いです

モルセール伯爵は議会出席のために出かけた
夫人はモンテ・クリストをもてなそうとするが、モンテ・クリストはまだパリに着いたばかりなので、今回は辞去するという
モンテ・クリストが馬車に乗りこむ姿を、夫人はカーテンのかげから見送った

アルベールが母のもとに戻ると、夫人は気付け薬を手に、椅子に座り込んでいた
「お母さん、顔が蒼いですよ。ご気分が悪いのですか」
「モンテ・クリストというお名前は、いったい何なの。苗字、地名、それとも称号?」
「たぶん、称号だと思いますよ。トスカーナ領の島をひとつ買ったのですよ。でもあの人は貴族の家柄だなんてひとことも言ってませんよ。自分を成り上がり貴族と呼んでいます」
「あの方の物腰態度、見事だったわ」
「非の打ちどころがありませんよ。全ヨーロッパのどんな貴族をも凌駕しています」
「アルベール、伯爵さまは外見どおりの方だと思う?生まれをきいているのではなく人柄を聞いているの」
「あの人についてはずいぶんと変わったことを見たもので、僕に言わせるなら・・・
バイロンの作品の主人公みたいな人ですね
不幸が生涯消えることのない刻印を押した人。古い家柄の残党の一人で父親の財産を奪われはしたが、その才能で財を築き、そのおかげで社会の掟を見下しているような人物ですよ。
モンテ・クリストは島の名前で、密輸業者や海賊の巣窟になってます
彼らが礼金を払っているかもしれませんね」
「ありそうなことね」
「でも、なんだっていいじゃありませんか。モンテ・クリスト伯爵は素晴らしい人です。パリ中のサロンで大成功しますよ」

「伯爵さまはおいくつぐらいかしら」
メルセデスは明らかにこの質問を重大な事と考えているようだった

「35,6です」
「そんなにお若いの?まさか」
「でも、そうなんですよ。いろんなお話の中で計算してみるときっちりと合う
あの年齢が無いようにみえる不思議な人はたしかに35歳です」
「あの方はあなたに友情を抱いてくださったのね・・・」
「僕は好きです。フランツ・デビネが何と言おうとね
彼はあの人のことを僕にあの世からよみがえったような人だと思わせようとしたんです」
伯爵夫人は恐怖に襲われたかのようだった
「アルベール、新しい人とのお付き合いには気を付けなさい」
「伯爵のどこに気を付けろというのです?」
「そうね。あなたの命の恩人だというのに、不安に思うのはばかげているわね
ところでお父様はあの方を愛想よくお迎えしたの?」
「それはもう申し分なく。伯爵がまるで30年来の知己のように実に効果的にうまいお世辞を2,3回言ったらすっかり上機嫌になりましたよ」
伯爵夫人は答えなかった
夫人は深い夢想のなかへ沈んでいくようだった

4038うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:02:47 ID:LNssCYN6
モルセール伯爵邸をあとにしたモンテ・クリストはシャンゼリゼ通りの自宅へと戻る
ブーローニュの森近くのとある屋敷を購入するため、売買契約を結ぶべく、公証人を呼びつけていたのであった
モンテ・クリストの有能な執事ベルトゥチオはその物件について具体的には何も知らされておらず、その地名“オートゥイユ”を聞いて青ざめた
彼にはその地における重大な秘密があった

ベルトゥチオのささやかな抵抗を無視し、売買契約を結ぶモンテ・クリスト
公証人と執事を追い払ってひとりになると、ポケットから鍵付きの紙入れを取り出し、首にかけた鍵でそれを開け、中のメモと売買契約書の番地とを照合した
「オートゥイユ、ラ・フォンテーヌ通り18番地
まちがいないな。あとはどうやって泥を吐かすかだ。1時間後にはわかるはず」
「ベルトゥチオ!」
執事がやってきた
「君はパリ郊外を知っているね」
「い、いいえ、閣下存じません」ふるえる執事
「今からオートゥイユへ行くから、付いてくるように」

2人を乗せた馬車は20分でオートゥイユに到着した

屋敷の門番が姿を見せた
モンテ・クリストは、自分が新しい主人であると告げる

門番
「もとはサン・メラン侯爵の別荘でした。ブルボン王家に忠実に使えた貴族様です
一人娘がおありで、ニームやヴェルサイユで検事をなさってたヴィルフォール様と結婚なさいました」
ベルトゥチオは顔面蒼白だった

モンテ・クリスト
「その一人娘のお嬢さんは亡くなられたときいたように思うが」
「そうです。21年前のことでさ」

虚脱状態のベルトゥチオとともに屋敷内を見て回り、庭へと出る
執事の足が止まる
「私は、これ以上さきへは行けません。よりによってここだなんて」
「私は君がコルシカ人であることを知っている。暗い顔でしょっちゅう昔の復讐のことかなにかを思い出していることも知っている。イタリアではそのことを見過ごしてきた。なぜなら、あの国ではそういうことも通用するからね。だが、ここはフランスだ。人殺しというのはきわめて悪い趣味とみなされている。ブゾニ司祭に責任を取ってもらう。司祭が君を私のもとへよこし、君は立派な資質を持っていると推薦してきたのだからな」

(^^)/ 読者諸兄はカドルッス宅へエドモン・ダンテスの遺言を果たしにダイヤと共に現れた司祭をご記憶でしょうか
あの人がブゾニ司祭です 
もちろんエドモン・モンテ・クリストの変装です
ベルトゥチオがニームというところで牢に入っていたときに懺悔をした司祭なのです(^^)/

「なにか盗みでもしたのかね」
「とんでもございません。復讐です。単なる復讐だったのでございます
この屋敷で・・・」
「なんだと?ここで?それは不思議な偶然の一致だな。
君はサン・メラン侯爵に恨みがあったというのか」
「侯爵様ではありません。ほかの男です。あの男が一撃を受けたまさにその場所に伯爵さまは足をとめられた。その先にプラタナスの木があって、その木の下の穴にあの男が子供を埋めたのです。ブゾニ司祭にだけお話ししました」
「私は君を、少しはコルシカ人で、大いに密輸業者のにおいがし、有能な執事だとおもっていたが、どうやらほかの顔もあるようだ。もう君は私の家の者ではない」
「伯爵さま!もしもすべてを話せばこのまま使っていただけるのでしたら、すべてお話しします。ブゾニ司祭様でも一部しかご存知ないのです。ああ、でも、どうかそこにお立ちにならないでください!そこにあなた様がヴィルフォールと同じマント姿で立っておられると・・・」
「なに!ヴィルフォールなのか!」
「そうです」
「ニームの検事であり、サン・メラン侯爵の娘を結婚し、最も誠実、峻厳、過酷な司法官として知られている・・・」
「はい、その非の打ち所がない名声で知られるその人が、とんだ破廉恥漢なのでございます」
「証拠を握っているのか」
「少なくとも握っておりました」
「証拠を失くしたのか。間抜け」
「はい。でもよく探せば見つかると思います」
「すべて話すのだ」

4039うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:03:32 ID:LNssCYN6
ベルトゥチオの話
自分には兄がひとりいた
ナポレオン復活時にコルシカ部隊の中尉だった
ナポレオンの百日天下終焉とともに部隊は解散した
ニームにいったん滞在するから金を届けて欲しいと、コルシカの私のもとに兄から手紙がきた
大好きな兄の頼みなので、密輸で使っていたそのニームの宿屋まで、自分で届けることにした
当時、南仏一帯には殺戮の嵐が吹き荒れていた
ボナパルト派と目された人々を通りで惨殺する集団がいたのだ
ニームの町に入ると、いたるところに死体があった
ボナパルト軍の軍服姿のままであるはずの兄の身を案じた
宿屋に駆けつけると、兄はすでに殺されていた
犯人の仕返しを恐れて住民は口を閉ざすので、フランス司直に訴えることにした
マルセイユからきた検事代理が出世してニームの検事になっていた
ナポレオンのエルバ島脱出をいちはやく政府に知らせたというヴィルフォールだった

(^^)/ 読者諸兄は思い出そう
エドモンがエルバ島から持ち帰った手紙をヴィルフォールが読み、驚愕した
そこには父ノワルチエの名前が書かれていたため手紙は燃され、エドモンはシャトー・ディフへ送られた
この手紙の情報をもとに、ルイ18世の覚えめでたくなり、サン・メラン侯爵の資産を守った

ベルトゥチオは兄殺しの犯人をつきとめてほしいとヴィルフォールにうったえた
ヴィルフォールの回答は、ナポレオン側の軍人なら仕方なし、革命に悲劇はつきもの、政府には何の責任も無い、とけんもほろろの冷たさであった
ベルトゥチオはヴィルフォールに“ヴァンデッタ”(血の復讐)を宣言した
「あんたは、兄がナポレオン派だったから殺されてよかったと思ってるんだ。あんたは王党派だからな。俺もボナパルト派だ。俺は宣言するぞ。あんたを殺す」
ヴァンデッタを恐れて、ヴィルフォールはヴェルサイユへ異動を願い出た
ベルトゥチオはあせらずに機会をうかがい、検事がオートゥイユへこっそりと行くことをつきとめる
オートゥイユの屋敷の持ち主はサン・メラン侯爵だが、侯爵はマルセイユにいた
男爵夫人としか名前のわかっていない若い未亡人に貸しているとかいう話だった
その女性は18,9ぐらいの背の高いブロンドの美人で妊娠していた
屋敷を見張っていたある夜、絶好の機会がやってきた
ヴィルフォールが何かを小脇に抱えて庭へ出てきて、穴を掘り始めた
そして小脇に抱えてきた小さな箱を埋め終えたそのとき、短剣で襲った
箱を穴から掘りだして蓋を開けてみると生まれたばかりの赤ん坊が入っていた
人工呼吸をして蘇生させ、養育院にあずけた
赤ん坊の産着には二つの文字が刺繍されていた
その文字の一つは産着についたままになるように産着の布を切った
男爵冠の下にHとN
故郷へ帰り、義姉に報告した
義姉は赤ん坊を連れてくればよかったのに、と言った
目印があるから、と産着の半分を見せた

4040うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:04:13 ID:LNssCYN6
モンテ・クリスト
では次に聞くが、君がニームの監獄へブゾニ司祭を呼んだとき、何の罪に問われていたのだ?

再び密輸の商売を夢中になって始めた
義姉のくらしを助けるためもあった
しかし、兄が殺されたニームの宿屋はもう使いたくなかった
するとその宿屋のほうがやってきて支店を出したので、そこを使うことにした
ある日、義姉が産着の半分をもって養育院へと行き、赤ん坊を連れて帰って来た
美しい男の子でベネデットと名付けたが、性格は性悪だったが、読み書き計算はよくできた
ある日の密輸取引の際、裏切り者がいたのか、官憲がやってきた
必死で逃げて例の宿屋へたどりついた 
カドルッスとその妻カルコントが営む宿屋
階段下の物置から様子をうかがっていると、カドルッスが見知らぬ男と帰ってきたところだった
男は宝石商人らしい
ハシバミの実ほどもあるダイヤの値段について3人でもめていたが、結局は宝石商人の言い値を飲むことになったようだった
商人は金を払いダイヤをもって宿を出るが、おりしも外は嵐で立ち往生となりふたたびカドルッスのところへ戻って来た
カドルッスとカルコントは恐ろしい企みを抱いたようだった
カルコントとカドルッスは宿の2階へ商人を泊めた
その夜、惨劇は起きた
ピストルの音と悲鳴で居眠りから目覚めた
格闘するような音が聞こえた
頭上の階段に何か重いものが転がって来た
板の隙間から生温かい雨のようのがぽたぽたと落ちてきた
血まみれで青い顔をしたカドルッスが降りてきて、ダイヤの小箱と金を持って闇へ消えた
階段には頭を撃たれたカルコントの死体、2階には包丁で刺された宝石商の死体があった
茫然となっていると、尾行されていたらしく税関吏が踏み込んできた
カルコントの血を浴びていた自分は逮捕された
自分の無実を認めさせるのは困難と思い、カドルッス夫婦と宝石商の会話の中に出てきた「ブゾニ司祭」という人物を探して欲しいと判事に訴えた
判事はブゾニ司祭を探しだしてくれ、ブゾニ司祭はダイヤに関する私の話を裏付けてくれた
カドルッスは外国で捕まり、フランスに戻され、一切を白状(女房の教唆)した
彼は無期懲役、私は釈放された
ブゾニ司祭がモンテ・クリスト伯爵への紹介状を用意してくれた

モンテ・クリスト
君がお姉さんのことも子供のことも私に教えてくれなかったのはどういうわけかな

それはもっとも不幸な思い出につながるからであった
性悪のベネデットが遊ぶ金欲しさに義姉を“拷問ごっこ”と称していたぶり、殺したのであった
ベネデットは金を奪い、姿を消した
「ああ、あのヴィルフォールの血筋というのは呪われた一家でございます」

モンテ・クリスト
「あの惨劇を演じた君にとっては胸をえぐるような恐怖を与えるものが、私には心地よいとさえいえる。これはこの邸に思わぬ価値を添えてくれるだろう」

ふたりはシャンゼリゼの屋敷へと戻る
その後、モンテ・クリストがイタリアでいつも連れていたあのギリシャ美人の若い婦人が到着した。“エデ”という名の。

4041うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:12:43 ID:LNssCYN6
おさらい(^.^)

マルセイユのモレル商会所属の優秀な船乗りであり、カタロニアの美女メルセデスを婚約者にもつエドモン・ダンテスは、無実の罪で14年間牢につながれる
原因となった人物はカドルッス、フェルナン、ダングラール、ヴィルフォールの4人である
(なお、ダングラールとヴィルフォールについては、読者の混乱を避けるためか、ファーストネームは明らかにされていない)

ダングラール
エドモンを陥れるための偽りの告発書をつくり、フェルナンをそそのかした

フェルナン
エドモンからメルセデスを奪うため、その告発状を当局へ送った

カドルッス
エドモンに仕掛けられた罠に気づいていたのに我が身可愛さに何もしなかった

ヴィルフォール検事
エドモンがエルバ島より預かった手紙に自分の父親(ノワルチエ)の名前が書かれていたがためにエドモンを無裁判の監獄送りにし、証拠の手紙を燃やした

4042うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:13:22 ID:LNssCYN6
14年間の牢生活で、エドモンは囚人仲間のファリャ神父の導きにより膨大な量の知識を獲得し、莫大な財宝の隠し場所を知り得る

ファリャ神父の死去に伴い、その遺体とすりかわり、エドモンは奇跡的に海へと脱出に成功

密輸船に拾われ、船長の信頼を得て、地中海に浮かぶモンテ・クリスト島の財宝を手に入れる機会をうかがう

無事に財宝を手に入れ、密輸船と円満に手を切る
エドモンは“英国人のウィルモア卿”としてマルセイユへ帰還
懐かしの我が家を訪問し、カドルッスの行方をつかむ

エドモンは“ブゾニ司祭”としてカドルッスを訪問する
4人の陰謀の全容、恋人メルセデスの現在、父の死の様子、恩人モレル氏の財政状態をつかむ
カドルッスについては、陰謀の実行に手を貸しておらず、エドモンを救わなかったことを後悔していることから復讐の対象からはずし、財宝のほんの一部であるダイヤモンドを与える

エドモンはモレル商会を“トムスン・アンド・フレンチ商会の代理人”として訪問
恩人モレル氏を破産から救い、氏の自殺を未然に防ぐ
モレル氏の子供たちマクシミリヤンとジュリーは“船乗りシンドバッド”および“トムスン・アンド・フレンチ商会の代理人”と名乗った人物を、以降、父の恩人として崇め続ける

善行はここまで、以降は復讐の権化エドモン=モンテ・クリスト
その後物語には8年間の空白がある
8年の間にモンテ・クリストは復讐対象3人の周辺を綿密に調査したと思われる
また、エデという名のギリシャ人美女を救った
彼女の悲劇の原因は復讐対象3人のうちのひとりフェルナンにあった
エデとは父娘ほどの年齢差があるが、彼女はモンテ・クリストのことをひとりの男性として敬い愛している
モンテ・クリストは、エデを奴隷として買ったと公言するが(実際にそうであるが)王女のように大切にし(実際、王女だった)、実の父のように彼女を教育・養育している
エデが示す愛情を亡き父への思いと同じものととらえていたモンテ・クリストだが、最後には気が付いた(^.^)

4043うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:14:13 ID:LNssCYN6
≪歴史年表≫(^.^)
1804年 ナポレオンによるフランス第一帝政
1814年 ナポレオン、エルバ島へ追放
4月 ルイ18世による第一次王政復古
1815年 2月 エドモン、シャトー・ディフの牢へ
      3月 ナポレオンの100日天下(〜6月)
      7月 ルイ18世復位
      10月 ナポレオン、セント・ヘレナ島幽閉
1823年 仏軍、スペイン侵攻(ダングラール及びフェルナン、富と名誉を獲得)
      ギリシャのヤニナ陥落(エデの父アリ・パシャ暗殺 フェルナン富獲得)
1824年 9月 ルイ18世死去、シャルル10世王位
1829年 2月28日 エドモン、脱獄成功
      9月5日 エドモン、モレル氏救済
1830年 フランス7月革命 ブルボン朝→オルレアン朝へ
1838年 初頭 ローマにて モンテ・クリスト伯登場
      フランツ・デビネ、アルベール・ド・モルセール(フェルナンの息子)と交わる
      山賊のルイジ・ヴァンパ登場
      5月 モンテ・クリスト伯、パリへ ← 今ここ
      そして10月5日にはなにが?(^.^)

モンテ・クリスト伯は綿密な計画と莫大な資産を使い、着実に敵を追い詰めますが、自ら直接手を下すわけではなく、間接的な手段を取ります
愛するメルセデスを奪われた苦しみ、父親の餓死という形の自殺、この自らが味わった苦しみを復讐対象にもあたえます
目には目を、歯には歯を、のバビロニア方式です
モンテ・クリスト伯は、東洋的(ここでいうオリエント世界はトルコまででしょう)な思考をする人間である、とデュマは描写しています
14年の牢獄生活を象徴するかのような顔色の青白さ、無表情、時折発せられる他人をぞっとさせるほどの深い声の響き、知性と品を感じさせるけれども冷酷な風貌が描かれます
ただ、モレル商会の子供たちであるマクシミリヤン、ジュリーとその夫エマニュエル、ギリシャのエデに対しそそぐ眼差しは温かいです

≪復讐相手4人の家族、末路など≫

カドルッス
一度は見逃してやり、再起の糧となるはずのダイヤモンドまで与えたが、結局ろくでなしのままであった
モンテ・クリスト伯の屋敷へ忍び込み、結果的に・・・
犯人は>>498のベネデット

フェルナン(フェルナン・ド・モルセール伯爵)
汚れた過去を暴かれ、息子アルベールと妻メルセデスに去られる
社会的に破滅する
モンテ・クリスト伯と決闘しようとするが、結局・・・

ヴィルフォール検事
家庭内でつづくある事件および不義の子(>>498のベネデット)のせいでその権威は失墜する
妻エロイーズ、息子エドワールを失い、自身は・・・状態へ
亡き先妻(サン・メラン侯爵令嬢)との間に生まれた娘ヴァランチーヌの運命は?
そして不義の子を産んだ女性は誰なのか?

ダングラール
モンテ・クリスト伯が出現して以来、なぜかどんどん資産が失われていく
娘ウジェニーを金持ちイタリア貴族(>>498のベネデットの経歴詐称)に嫁がせようとして失敗、経済的窮地に陥る
結婚に興味のない娘ウジェニーに去られる
夫人のエルミーヌとの間にそもそも愛情は無く、夫人は捨てられる
パリからローマへ逃げるも、山賊のルイジ・ヴァンパが・・・

4044うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:15:44 ID:LNssCYN6
以上の予備知識をもとに(^.^)
>>4040のつづき
シャンゼリゼ通りのモンテ・クリスト伯邸の前に見事な英国馬に引かせた馬車が止まる
乗っているのは銀行家ダングラール
面会を希望するが門番に断られる
トムスン・アンド・フレンチ商会からモンテ・クリスト伯という謎の人物に無制限貸付口座を開くよう要請され、はたしてどんな人物なのか偵察に来たのであった
追い返されるダングラールの馬車を窓から眺めるモンテ・クリスト伯
執事のベルトゥチオに言う

たしか君にはパリで最高の馬を二頭買うように命じたのに、私の馬と同じような馬がまだパリに二頭いて、私の厩にそれらが入っていないとはどういうわけかね

伯爵さま、お話しの馬は売り物ではございませんでした

それだけの代価を払える者にとっては、すべてが売り物であることを知りたまえ

ダングラール様はあの馬に1万6000フランお支払いになりました

それなら、3万2000出さねばならなかったのだ
銀行屋というものは、資産が倍になるチャンスを逃がすものではない
今夜5時、私はある人を訪ねなければならない
わたしの馬車に新しい馬具をつけてあの二頭をつないでおくように

5時になった 馬車には新しい馬がつながれていた

モンテ・クリスト伯爵は執事に次のような指示を与え、馬車でダングラール邸へと向かった
ノルマンディー海岸に港つきの土地を買い、伯所有のコルヴェット(小型軍艦)を停泊できるようにする
伯所有のヨット、汽船と常に連絡を取り合う
その後北仏、南仏の街道沿い10キロごとに中継地を確保する

4045うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:16:22 ID:LNssCYN6
ダングラールと対面するモンテ・クリスト伯
伯を胡散臭い人物とにらむダングラールの態度は横柄だ
モンテ・クリスト伯は慇懃無礼・完全無欠な態度で応戦する
ダングラールは完全に圧倒され、無制限貸付枠を設けることを承知する
初年度の枠はとりあえず600万フラン、さらに入用の場合は上乗せ・・・
まず手始めに明日50万届けていただけますかな?受領書を執事に渡しておきますから・・・

ダングラールはモンテ・クリスト伯を自分の妻に紹介するという
ナルゴンヌ侯爵の未亡人であり、ダングラールと結婚したために身分を落とした妻であった
妻の部屋に案内されるとその部屋にはアルベールの友人リュシャン・ドブレ(>>360)がいた
ダングラールはドブレを「私どもの古い友人である」と紹介するが、夫人の愛人であることは
モンテ・クリストはすでに知っていた

ダングラール夫人は36歳だがその美しさはとくに記しておくに値する
ドブレからすでにモンテ・クリスト伯に関する話を聞いていた夫人は興味津々で出迎えた

伯爵は一年の予定でパリに滞在されるのだが、なんとその間に600万お使いになるとおっしゃるのだよ、とダングラール

いつ、お着きになりましたの?

昨日の朝です

ひどい時期においでになりましたのね
夏のパリはやりきれませんのよ
つまらない競馬ぐらいしかございませんわ
伯爵さま、馬はお好きでしょうか

私は生涯の一部を東方で過ごしました
かの人々は2つのものしか愛しません 馬の気品とご婦人がたの美しさ

小間使いがやってきて、夫人になにごとか耳打ちする
あなた!ほんとうなんですの?

何がだね、と目に見えてうろたえるダングラール

4046うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:17:05 ID:LNssCYN6
馬車にあたくしの馬をつけようとしたら、厩にいないというのです
これはいったいどういうことなんですの?

それはね、まあお聞き

ええ、伺いましょう
ここにおいでのお二人にも聞いていただきとうございますわ
ダングラール男爵は厩に馬を10頭もっています
そのうち2頭はあたくしの馬です 
美しい、パリ随一の馬です
ドブレさんはご存知ですわね、あたくしのあの葦毛を
ヴィルフォール夫人が明日ブーローニュの森へおいでになるのに、あたくしの馬車をお貸しする約束なのに、あの馬が見当たらないのです!
きっと主人があれを売ったんですわ!
ほんとに投機家ってなんていやらしい人種なんでしょう!

あの馬はね、元気が良すぎるんだよ お前の身が心配でならなかったのだ

なにをおっしゃるんですか
あたくしはパリ随一の御者を使っていましてよ

もっと良い馬を見つけてあげるよ
伯爵、あなたにあの馬をおすすめすればよかった
ただみたいな値段で譲ってしまったのですからな

お気遣いありがとうございます
でもじつは今朝、かなり良い馬でしかもあまり高くないのを買いましてね
ほら、ドブレさん、ご覧ください
あなたも馬はお好きとみえますが

ドブレは窓へ近づいた
その間にダングラールは、あの馬を元値の倍で売ったのでその分け前をやろうと夫人を宥める

ドブレが叫んだ
あ!
私の見間違いでなければ、奥さんの馬が伯爵の馬車につながれている・・・

ほんとうに、あたくしの馬だわ!

モンテ・クリストは驚いたふりをする
まさか、そんなことが?

信じられん、と青い顔のダングラール

いかにもダングラールに同情するかのように伯爵はささやいた
ご婦人方というものはまことに恩知らずなものですな
あなたが親切心からしてあげたことにもまったく心動かされない
恩知らずというよりもどうかしている、というべきですかな
一番簡単なのはご婦人方に自分の判断通りにさせておくことです
それで事故が起こったとしても自分の責任ですからね

ダングラールは凄まじい夫婦喧嘩を予感していた
ドブレは嵐の到来を予感してそそくさと帰った

モンテ・クリストはこれ以上長くとどまって、彼が手に入れようとしている立場を損なってはならぬと思い、一礼してすぐ退去した
よし!
これで俺は目的を達した
いまやあの夫婦間の平和は俺の手中にある
そして、夫の心も妻の心も一挙にひきつけてしまうことができる
今日のところはウジェニー・ダングラール嬢に紹介してもらえなかったのが残念だ

4047うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:17:51 ID:LNssCYN6
二時間後、ダングラール夫人はモンテ・クリストから手紙を受け取る
美しいご婦人を嘆かせたままパリの社交界にデビューしたくはないので夫人の馬をお返しする、とあった
馬には馬具がつけられたままで、両耳にリボンがかざってあり、そのリボンには一粒ずつダイヤが縫い付けられていた
ダングラール宛の手紙には、金持ちの気まぐれから夫人に贈り物をしたことを詫び、さらに、東洋風な馬の返し方をしたことを詫びていた

夕方、モンテ・クリストは唖の従者アリを連れてオートゥイユの別荘へ向かった
ここはブーローニュの森へ向かう街道沿いにある
そしてアリは馬の扱いに長けていて、投げ縄の名手である
一台の馬車がやってきた
その御者は必死で猛り狂う馬たちを制御しようとしている
暴走する馬車には、一人の婦人と子供が載っていた
アリが投げ縄で馬の脚をからめとり、馬車を止める
モンテ・クリストは玄関を飛び出して婦人と子供を抱きかかえ、邸内へ入る
気絶したままの子供をみて泣き叫ぶ婦人
モンテ・クリストが小瓶に入った血のように赤い液体を一滴、子どもの唇に落とすと、その子は息を吹き返した
婦人はエロイーズ・ド・ヴィルフォール、子どもはエドワール
ダングラール夫人ご自慢の馬が引く馬車に乗ってみたかったのだと言う
モンテ・クリストは大げさに驚いてみせ、馬の件を説明する

それではあなたがモンテ・クリスト伯爵さまですのね!
エルミーヌ(ダングラール夫人)からお噂は伺いましたわ

ヴィルフォールの息子エドワールをモンテ・クリスト伯は観察する
息を吹き返すやいなや室内をうろつきまわり、伯爵の薬瓶をかたっぱしから開けようとする
どんなわがままも満たしてもらえる子供の態度である
「坊や、さわっちゃいけない。そこには臭いをかいだだけでも危険な薬があるから」

我が子をたしなめながらも、それらの薬瓶に興味をあらわにするヴィルフォール夫人
その様子を、モンテ・クリストは見逃さない

伯爵は夫人とその子どもをヴィルフォール邸へ送り届けてやった
エロイーズ・ド・ヴィルフォールはダングラール夫人にその日のことを手紙に書く
恐ろしい目に遭ったけれど、そのおかげで、あのモンテ・クリスト伯に会えたと

4048うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:18:31 ID:LNssCYN6
この馬車にまつわる一件はその日のうちに知れ渡った
ヴィルフォールはシャンゼリゼ通りのモンテ・クリスト伯爵邸へ礼を述べに向かうこととなった

司法界でも最高の地位を占めるヴィルフォール検事
原則として彼は人を訪問したり、答礼の訪問をしたりはしない
「尊大なふりをせよ、さらば汝は尊ばれん」を常に意識している
まるでペテン師か犯罪人に対するようないつもの横柄な態度で、モンテ・クリストに礼を述べる
モンテ・クリストから「当たり前のことをしただけであり、あなたが礼を述べにくる義務など無かったのに」と鼻であしらわれ、驚く
モンテ・クリストの書斎の机に広げられた地図を見て「地理の勉強ですか?私がもしもあなたのように何もしないですむ身分ならもう少しましな事をやりますね」と言う
モンテ・クリストから「なるほど顕微鏡で人間を研究する者にとっては人間など醜悪な蛆虫ですからね。私のことを何もしないですむ身分だとおっしゃるが、あなたはなにかしているのですか?もっとはっきり申し上げれば、“なにか”に価するほどのことをしているとお思いなのですか」
と皮肉られ、さらに驚く
ヴィルフォールは反撃する
「あなたは外国の方だ。我が国では裁判がどれほど慎重かつ着実に行われるものか、あなたはご存知ないのです」と言ってしまう( ゚Д゚) オマエガイウナ
あらゆる国の法律を熟知した自分に言わせれば、反座刑(目には目を・・・のこと)が神のみ心にかなうのだと言い切るモンテ・クリスト
さらに自分は神から果たすべき使命を与えられ、大臣や王などよりも上位に位置する特殊な人間である、と言い切るモンテ・クリスト
モンテ・クリストvsヴィルフォールは続きますが、省略( ゚Д゚)

4049うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:19:06 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールは驚愕の域に達してモンテ・クリストにたずねる
「伯爵、ご両親はおありですか」
「いいえ、天涯孤独です」←父は餓死という形の自殺
「それは残念ですな。ご両親がいれば、あなたのその自負心をくじくような光景をご覧になれますよ。あなたは死しか恐れないとおっしゃいましたね」
「恐れるとは申しません。私の歩みをとどめ得るのは死のみだと申し上げたのです」
「では、老衰は」
「年をとる前に、私の使命は果たされていることでしょう」
「狂気は」←ここ重要(^^)
「私はもう少しで気が狂うところでした」←シャトー・ディフでの経験
「死、老衰、狂気以外にも恐ろしいものがあります。脳溢血です。
私の父ノワルチエはフランス革命でもっとも過激な活動をした男ですが、いまや身動きできぬ哀れな老人です。肉体が滅びるのを待っているだけの口もきけない屍です」
(^^)/ 読者は思い出そう。エドモンが預かった手紙に「ノワルチエ」の名があったがためにヴィルフォールは保身のため彼を牢獄送りにした(^^)/
「それはおいたわしい。私には父親の苦しみがその子の精神に大きな変化をもたらすことはよくわかっております。是非お宅を訪問して皆さまの抱える悲しみを拝見して、おのれに謙虚な心を抱かせるのに役立てましょう」
ヴィルフォールは帰った
伯爵は見送りもしなかった

これだけ毒を吸えばたくさんだ
心が毒でいっぱいになった
解毒剤を求めに行こう
モンテ・クリストはエデの部屋と向かった

4050うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:19:37 ID:LNssCYN6
エデは屋敷の一番奥にある東洋風にしつらえた美しい部屋に暮らしている
召使たちは女王に仕えるかのように教育されている
身に着けるものはすべてギリシャ風
ビロードのような大きく黒い瞳、まっすぐな鼻、サンゴのような唇、真珠のような歯
若さの花が今を盛りと咲く、19か20歳
モンテ・クリストはエデの侍女を呼び、エデのそばへ行ってよいか尋ねさせる
もちろんのことその希望はすぐにかなえられた
「なぜ許可などお求めになりますの?あなたはもう私のご主人様ではありませんの?」
「エデ、ここはフランスなのだよ。だからお前は自由の身だ」
「何をするための自由でしょう」
「私と別れてもいいのだ」
「あなたとお別れする!お別れしてどうするというのでしょう」
「多くの人と会うのだ。そして美青年たちの中にお前の気に入った者がいたら・・・」
「私はいままで、あなたほど美しい方にお目にかかったことはございません。
そして父とあなた以外に愛した人もありません」
「それはお前がほとんど私と父上としか話をしたことがないからだよ」
「なぜ他の人と話をする必要がございましょう。あなたは私を“私の愛そのものだ”とお呼びくださいます」
「エデ、お前はお父上のことを覚えているか」
「父はこことここにいます」エデは目と心臓に手を置いて言った
「では私はどこにいるのかね」
「あなたはどこにでもいたるところにおいでです」
「エデ、お前は今や自由なのだ。いたいだけここにいて、外へ出たくなったら外出するがいい。
召使たちはお前の命令通りに動く。ただひとつだけ、お前に頼んでおきたい」
「おっしゃってください」
「お前の出生の秘密を明かさぬこと。過去については一言もしゃべってはならぬ。
お父上の輝かしいお名前と、お気の毒な母上のお名前を口にしてはならぬ」
「私はどなたにもお目にかかりません」
「エデ、パリではそのように引きこもっていることは不可能だ。
ローマやフィレンツェ、ミラノ、マドリッドでやったように、学ぶのだよ。
それはきっとお前のためになる。
私がお前から離れていくことなど決してないことはお前がよく知っているではないか。
花から離れるのは木ではない。
木から花が離れるのだ。
お前の若さをいたずらに失わせるようなまねはせぬ。
お前は私をお父上のように愛していてくれるが、私はお前を娘のように愛しているからね」
「それはまちがっておられます。
私はあなたを父のようになど愛してはおりません。
私のあなたへの愛は、別の愛です。
父は死にましたが、私は死にませんでした。
でも、もしあなたがお亡くなりになったら、私も死にます」

平行線( ;´Д`)

4051うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:20:10 ID:LNssCYN6
伯爵はマクシミリヤン・モレルの招きに応じるべく出かける
恩人モレル氏のふたりの子マクシミリヤンとジュリー、その夫エマニュエルの住むメレ通りへ

モレル商会を引き継いだジュリー&エマニュエル夫妻はその後順調に経営を続けていたが、今後の暮らしに必要な資金を確保したのちそれ以上の利潤を望まず、円満に経営権を他者へとゆずり、幸せに暮らしていた
ジュリーは一族の危機の際に助けてくれた“船乗りシンドバッド”と名乗る人物のことを、モンテ・クリストに話す
神様は天使のひとりをおつかわしになった、と
喜びに胸が震えるモンテ・クリストはそれを隠すかのように歩き回り、ガラスケースに収められた絹の財布を見つける(>>303

さきほどお話しした天使が遺してくれたもので、大事にしているのです
中にはその天使のような方からの手紙も入っております

そのようなことをしてくれた人物は、いまだに誰なのかわからないのですか?

マクシミリヤンは答える
トムスン・アンド・フレンチ商会の代理人と名乗るイギリス人であったということ以外には・・・
伯爵はあの商会と関係がおありでしたね
なにかご存知ありませんか?

モンテ・クリストはジュリーのまじまじと見つめてくる視線を避けながら言う
ウィルモア卿という男を私は知っているのですが、
そういった慈善をほうぼうで行っていると聞いたことがありますが、
おかしな人物でして、感謝などというものの存在を信じていないんですよ

まあ、ではいったい何を信じておいでなのかしら、お気の毒な方、とジュリー

この言葉はモンテ・クリストの心の奥の奥にある琴線に触れた

でもあの時以降、彼もどうやら人の心に感謝というものが存在することの確証を得たかもしれません

4052うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:20:48 ID:LNssCYN6
あの方をご存知なら、私たちを会わせてくださいませんか

もしもその人物がウィルモア卿だったとしても、彼にはもう会えないでしょう
この世でもっとも幻想的な国へ旅立ってしまいましたから
それに、彼ではないかもしれません
もし彼だったならばその話を私にしたでしょうからね

そんな・・・と涙ぐむジュりー

マクシミリヤンはジュリーに言う
伯爵のおっしゃるとおりだよ
お父さんがいつも言っていたじゃないか
『私たちに幸せをもたらしてくれた人は、あれはイギリス人ではない』って

びくっとするモンテ・クリスト
お父さんが、モレルさんがそうおっしゃっていたのですか?

父はあの行為の中に奇蹟をみていました
恩人が私たちのために墓から出てきたと思っていました
懐かしい友、失われた友の名を何回となく口にして夢見ていました
そして死が迫ったとき、もしかしたら?が確信に変わったようなのです
最後の言葉は『マクシミリヤン、あれはエドモン・ダンテスだよ』でした

モンテ・クリストはジュリーに言う
奥さん、ときどきご挨拶にあがることをお許しください
お宅が好きですし、厚いおもてなしに感謝いたします
このような気持ちはもう長い年月忘れていたものですから

そう言い残して去る

エマニュエルは言う
モンテ・クリスト伯爵っていう人は変わったお方ですね

マクシミリヤンは言う
うん、でもすばらしい心の持ち主だと僕は思う
それにたしかに僕たちを愛してくださる

ジュリーは言う
あの方の声が心にしみたわ
それに・・・なぜか、この声は初めて聞く声じゃないって気がしたの

4053うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:21:52 ID:LNssCYN6
マクシミリヤン・モレルはヴァランチーヌを愛していた
ヴィルフォールと先妻のあいだの娘ヴァランチーヌである
身分が違い、到底ヴァランチーヌの相手としてヴィルフォール家へ出入りすることはかなわない
ふたりはヴィルフォール邸の敷地と隣の農地を仕切る塀ごしに言葉を交わすことしかできなかった
ヴィルフォールが決めたヴァランチーヌの婚約者はフランツ・デビネ男爵であった
((^^)/ モンテ・クリストとローマで出会ったフランツです)

ヴァランチーヌはヴィルフォール家内では決して幸せではなかった
父親はあのヴィルフォールだし、継母のエルミーヌは実子エドワールを相続人にさせたがっている
ヴァランチーヌの味方は父方の祖父であるノワルチエだけである
そのノワルチエはヴィルフォールがモンテ・クリストに語ったように、病いのため口もきけず、身動きもできない
だが、瞬きの回数や、辞書を指し示す方法によって、ヴァランチーヌとノワルチエは意志の疎通をはかることが完全にできた(ヴィルフォールもできますが(^^)/ )

父は私にとっては他人同然です
私に無関心です
継母は執念深く私を忌み嫌っています
弟のエドワールを溺愛しているんですの
継母が私を嫌う理由は、財産のことからきているように思います
あの人には財産がないの
私には母の遺産があるし、サン・メラン侯爵夫妻(母方祖父母)の財産もありますから
遺産を半分弟にあげて、それでふつうのお家のふつうの娘になれるのならそうしたいのに

可哀そうに、とマクシミリヤン

私は弱くて、この家につながれているんです
父は私に対して絶対的な力を持っています
非のうちようの無い過去と、ほとんど攻撃しようのない地位に守られているんですもの
ああ、マクシミリヤン、もし戦えば、あなたも打ち壊されてしまうでしょう

4054うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:22:26 ID:LNssCYN6
どうして君はそんなに絶望的になるんだい
昔のフランス王国とは違うんだよ
最も高貴な貴族は帝国の家柄に溶け込んでしまった
大砲の貴族、つまり軍人と一体となったんだよ
ぼくには軍隊での輝かしい経歴と、自由になる財産もある
それに僕の父のマルセイユでの声望は素晴らしいものなんだ
僕たちの故郷では畏敬の念をもって迎えられるんだよ
マルセイユは君の故郷でもあるじゃないか

マルセイユのことは言わないでください
お母さまのことを思い出してしまうの
それに・・・教えてくださらない?
昔マルセイユであなたのお父様と父の間に何かあったのかしら

いや、僕の知る限りそんなことはない
ただ君のお父さんはブルボン派で僕の父は皇帝派だったけど

あなたがレジョン・ドヌール勲章をもらったことが新聞に載った日、
家中の者が祖父の部屋にいたの
あ、ダングラールさんもいたわ
私はいつもどおりお祖父さまに新聞を読んでいて・・・
思い切って貴方の叙勲の記事を読みあげたの
そしたら、父がぎょっとしたようにみえたの
ダングラールさんまで・・・
ただ、お祖父様はあなたの叙勲を喜んでいらしたの

塀ごしの二人の会話は召使の呼びかけで打ち切られる
「お嬢様、お客様です。モンテ・クリスト伯爵さまです」

マクシミリヤンはつぶやいた
どうしてモンテ・クリスト伯爵はヴィルフォール氏と知り合いなんだ?

4055うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:23:02 ID:LNssCYN6
モンテ・クリスト伯爵の訪問はヴィルフォールの訪問に対する答礼であった

ヴィルフォール夫人、ヴァランチーヌ、エドワールが出迎える
ヴァランチーヌはその母である亡きサン・メラン侯爵令嬢ルネゆずりの気品ある美しさをもち、モンテ・クリストの目を引いた

三人を前にして、モンテ・クリストは急に、以前どこかで会っているのではないか、と言い出す
そして、その場所は2年前のイタリア、ペルージアであったという

エドワール君は孔雀を追いかけ、ヴァランチーヌ嬢は庭へ散歩へ出かけ、奥さんだけが葡萄棚の下に座っておられました
私は長いガウン姿という東方的な服装でしたが、奥さんとお話ししましたよ

はっと思い出して夫人は少しうろたえる
あの方がモンテ・クリスト伯爵さまでしたの?
ヴァランチーヌ、ノワルチエ様の食事の用意ができたかみてきてくださらない?
エドワール、あなたは部屋へお戻りなさい

夫人が取り乱した理由は、2年前モンテ・クリストとした会話の話題が“毒物”についてであったからである

4056うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:23:37 ID:LNssCYN6
女性であれほど薬にお詳しいとは、感心いたしました

私は神秘学に興味がありまして、植物学や鉱物学が好きでしたの
ところで、あのときおっしゃっていたことは本当ですの?

何がですかな?

毒物を毎日少しづつ摂取し続けると、やがてその毒に耐えられる身体になるという・・・

本当ですよ
私は今も訓練しておりますからな
いずれは東方で暮らしたいと思っておりますのでね
伯爵は毒への耐性をつける方法を懇切丁寧に教えてやる

夫人は興味津々で耳を傾ける
エドワールを生き返らせてくださったあのお薬は高価なものなのでしょうね
私が使っているこの丸薬も良いものですが・・・

ああ、なるほど、しかしそれは嚥下する必要がありますからな
やはり液体の薬が良いでしょうな
しかし、あの薬は一滴であれば、人を生き返らせますが、何滴も与えると確実に死を招きます
注意せねばなりません

夫人がおずおずとその薬の作り方を所望したい様子をみせると、伯爵はその願いを聞き入れるという

その後、歴史上の毒殺事件などが話題に上る
伯爵は巧みに、毒殺という行為に至った者の心理を理解しているかのように話をすすめ、
夫人を暗に“勇気づける”

ヴィルフォール邸をあとにしながら伯爵はつぶやいた
土地は上々、蒔いた種は必ず芽を出すぞ
翌日、伯爵は頼まれた処方を夫人のもとへ送り届けた

4057うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:24:15 ID:LNssCYN6
その日の夜、パリ・オペラ座

ダングラール夫人
リュシャン・ドブレ(ダングラール夫人の愛人 アルベールの友人)
ウジェニー・ダングラール嬢
3人が座る桟敷席をながめながら、シャトー・ルノーはアルベールに言う
君の婚約者ダングラール嬢はすごい美人じゃないか

しかしアルベールはこの婚約に乗り気ではない
たしかに美人だが、僕はもっとやさしくて女らしいひとがいいのだ、と

(^^)/ ウジェニー嬢は非常に頭の良い、同性愛的傾向の持ち主として描かれ、男性にも結婚にも興味を示しません
音楽仲間の女性とのちに”駆け落ち“したりします(^^)/

モンテ・クリスト伯爵がギリシャのエデを伴って自分の桟敷席に現れる
それを見たダングラール夫人はアルベールにモンテ・クリスト伯爵を連れてきて欲しいと頼む
ウジェニー・ダングラール嬢は、自分の母のそんな様子に何の興味もない

アルベールは言われた通り、モンテ・クリスト伯爵の桟敷へと向かう
モンテ・クリストは、モルセール伯爵(アルベールの父、つまりフェルナンのこと)は来ないのかとたずねる
父はダングラール夫人の桟敷席に今晩来る予定です、とアルベール
ダングラール夫人の隣の美しいお嬢さんがウジェニー嬢で君の婚約者か?と伯爵
そうです、と答えながらも気持ちは複雑そうなアルベール

幕間にモルセール伯爵(フェルナン)がダングラール夫人の桟敷席へやってくる
それを見たモンテ・クリストは、エデを残してひとり挨拶へと向かう
ギリシャの話題にモルセール伯爵が反応し、ヤニナのアリ・パシャに仕えていたこと、
パシャのおかげで財をなしたことなどを話す
モンテ・クリストはモルセール伯爵の姿がエデのいる桟敷から見えるように仕向ける

エデの敵がモルセール伯爵であることが確認された

数日後、アルベールとリュシャン・ドブレはモンテ・クリスト伯爵邸へダングラール夫人の御礼の使いとして赴く
(ドブレはダングラール夫人の意を受けてモンテ・クリストの生活ぶりを観察しに来た模様)
モンテ・クリストは、モルセール伯爵家とダングラール家の間柄に話題をもっていく
アルベールによると

わが父とダングラールさんはスペインで共に働きました
革命で零落した父と、親の遺産など全く無かったダングラールさんが出世の糸口をつかんだのはかの地です
父は政治および軍隊での素晴らしい出世
ダングラールさんは政界及び財界での目覚ましい出世ですね
(^^)/ 革命で零落した・・・とは笑わされるが、アルベールは父の嘘で塗り固めた経歴を知らない(´・_・`)
ウジェニーさんとの結婚は両家でもう決めたことです
でもぼくは、ああいう美しさはあまり好きではないのです・・・
乗り気でないのはぼくだけではありません
母(メルセデス)がよい顔をしないのです
ダングラール家に偏見をもっているようなのです
ダングラール夫人ともほとんど行き来はありません
本当は一か月半前には、話を決めるために両家が集まらねばならなかったのですが、
二か月のばしました
ぼくは母が悲しむのは嫌ですし、ウジェニーは17歳、ぼくは21歳で、急ぐ必要もなかったし・・・
でもその延期期間もそろそろ終わりなんです

アルベールは、母を苦しめないためなら父と喧嘩してでも結婚を避けたいと思っているので、
モンテ・クリスト伯爵に協力してほしいと言う
伯爵は、味方になるとも答えず、横を向いていた

4058うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:24:48 ID:LNssCYN6
ダングラール家の財産のことに話題が移る
ドブレによるとダングラール氏自身もやり手だが、大胆に投機に手を出すのは夫人のほうなのだという

アルベールは冗談でドブレにいう
情報なんてものが便りにならないことは君がよく知っているだろうに
夫人が投機に手を出さないよう教訓を与えてやればよい、という
夫人に嘘の情報を与えて投機させ、翌日新聞がその情報を否定すると夫人は損をする
モンテ・クリストは一言ももらさずこの話に耳を澄ませていた
アルベールにそんなことを言われたドブレの内心の動揺に気づかないモンテ・クリストではなかった

ドブレが帰ったあと、モンテ・クリストはアルベールに言う
オートゥイユの別荘にヴィルフォール家、ダングラール家、モルセール家を招待しようと考えていたのですが、君や君のお母さんが結婚に消極的だとのことなので、モルセール家は招待しないことにいたします
君のお母さんにはぜひ良い印象を持って欲しいから・・・
でもダングラール家の皆さんにモルセール家を招待しないことで文句を言われても困りますので、そちらでもっともらしい先約でも用意しておいてください

アルベールはモンテ・クリストのはからいに感謝する
そして本日は父伯爵も留守で母とふたりだけなので夕食に招待したいという
しかしモンテ・クリストはその申し出を断る
このあと人と会う約束があるからと

アルベールはイタリアにいるフランツから手紙が来た、と言う
モンテ・クリストはたずねる

彼はいい青年ですね
ひょっとしてあの非業の最後を遂げたデピネ将軍のご令息ですか?

そうです
彼はヴィルフォールのお嬢さん(ヴァランチーヌ)と婚約しています
彼の気持ちはぼくがダングラール嬢に抱いている気持ちとよく似ていますよ

4059うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:25:23 ID:LNssCYN6
アルベールが帰り、モンテ・クリストは執事ベルトゥチオに指示する
オートゥイユの別荘を美しく整えること
お客の名前?未定だ
執事はさっそく出かけた
(執事のベルトゥチオは事前に誰が招待されるか、知らないほうがよいのです(^^)/ )

モンテ・クリストが会う約束をしていた人物はふたり
52歳の男と20歳くらいの男
それぞれ別の部屋へ招き入れる
(^^)/ それぞれの男とモンテ・クリストのとんちんかんな会話が続きます
興味ある方はぜひ本編をお読みください
ややこしくて紹介できません(,,;・∀・)ノ
結論申し上げますと、対ダングラールの仕込みです
イタリアの名門貴族バルトロメオ・カヴァルカンティ
その息子アンドレア・カヴァルカンティ
という名の親子を“作り上げました”
しかもこの詐欺男2人は自分たちがそもそも利用されていることを知らず、
それぞれ“ブゾニ司祭”“ウィルモア卿”からモンテ・クリストのもとへ送り込まれました
金持ちのイタリア貴族としてダングラールに紹介される予定です(^^)

4060うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:26:02 ID:LNssCYN6
いつものように塀ごしに会話をするマクシミリヤン・モレルとヴァランチーヌ・ド・ヴィルフォール
ヴァランチーヌの婚約者はフランツ・デビネである
マクシミリヤンは、アルベールから聞いた話として、フランツがまもなく帰国するらしいと彼女に告げる
結婚話が進んでしまうことを不安がるふたり
しかしヴァランチーヌが言うには、継母は結婚には反対のようだと言う
なぜならば、一年前、彼女が修道院に入りたいと言ったときに賛成したからだと・・・
彼女が修道院に入れば、亡き母の遺産も、母方祖父母の侯爵夫妻の遺産も、父方祖父のノワルチエの遺産もすべてが父ヴィルフォールへ集約され、最終的には継母の子エドワールのものになるからだという
彼女が修道院行きを思いとどまったのはひとえに祖父ノワルチエが悲しんだからだった
マクシミリヤンはモンテ・クリスト伯爵がきっと自分たちの力になってくれる、という
彼が伯爵に寄せる絶対的な信頼をヴァランチーヌは全く理解できない
彼女いわく、いまや伯爵がヴィルフォール家の支配者だという
あの気難し屋の父ヴィルフォールが伯爵を尊敬しているし、母はまるで万能者のごとく崇めているし、弟のエドワールまでが伯爵に夢中だという
一方伯爵はヴァランチーヌにはまったく興味をしめさず、儀礼以上のものを感じたことはないと彼女はいう

わたしの味方はたったひとり、ノワルチエお祖父さまだけなのよ

マクシミリヤンはそれでも言うのだった
モンテ・クリスト伯爵は次の土曜にぼくを夕食に招待してくださったんだよ
君のご両親も出席する夕食会に!
これはぼくたちへの素敵な配慮だと思わないかい?

ヴァランチーヌは召使に呼ばれて邸内へと去る

4061うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:26:44 ID:LNssCYN6
脳溢血で倒れて以来、ノワルチエ氏は視覚と聴覚だけで周囲の情報をつかんでいる
腕の動き、声の響き、身体の姿勢が失われても、この老人の漲る活力はその目を見ればわかる
ヴィルフォール、ヴァランチーヌ、忠実な老僕バロワは老人の眼差しからその考えを読み取ることができた

ヴィルフォール氏、ヴィルフォール夫人はノワルチエに報告する
ヴァランチーヌを嫁に出すことに決めた
相手は家柄もよく、財産もある、申し分ない相手
フランツ・ド・ケネル、デピネ男爵である、と・・・
ノワルチエの目に動揺が走る
ヴィルフォールは言う
ヴァランチーヌは父上をことのほか愛しております
結婚後もヴァランチーヌは父上と3人で暮らすように取り計らいます

ノワルチエは苦悩と怒りで爆発しそうな表情を浮かべていた

ヴィルフォール夫人は言う
デピネ男爵も親代わりの叔父上さまたちも喜んでおられます
お母さまは男爵が生まれてすぐお亡くなりになったし、お父様は1815年に殺されておしまいになって・・・ですからあの方はご自分の意志だけでお決めになれますの

フランツの父、ケネル将軍とノワルチエとの間の事情を知りながら、ヴィルフォールは言ってのける
あの事件は謎の殺人事件でしたな

ノワルチエの唇はひきつった

もしあの事件の真犯人が我々のような立場にいて、娘をフランツ・デビネに与えて、かすかな疑惑の痕さえも消してしまえたら、さぞかし嬉しい気がするでしょうな

ノワルチエはその眼差しで「そうか、わかった」と言った
深い軽蔑の色と理知的な怒りをたたえながら・・・

ではお父様、失礼いたしますわ
エドワールをよこしましょうか?

ノワルチエは激しく瞬きした
(受諾は目を閉じる 拒否は何度もまばたきする)
拒否されたヴィルフォール夫人は思わず唇をかむ

ではヴァランチーヌを?
ノワルチエは目を閉じた

ヴァランチーヌがやってくる
彼女はひとめでノワルチエが怒っていることを察する
おじい様は誰に怒っているのかしら?わたしに?
『そうだ』
結婚の話を黙っていたからかしら でもお父様の命令だったの・・・
『ちがう』
じゃあ、どうして怒ってらっしゃるの?
わかった 私を愛してくださってるからなのね
結婚したら私が不幸になるとお考えなのね
『そうだ』
フランツさんが嫌いなの?
『そうだ そうだ そうだ』
私もフランツさんが好きじゃないの
修道院に入りたいと言ったとき、お祖父さまはお怒りになったでしょう?
実はこの結婚から逃げたかったからなの
老人の目から涙が一粒流れた
ああ、この結婚はお祖父さまをうんと悲しませるのね
お父様の計画を二人でやめさせることができたらいいのに!
ノワルチエはいたずらっぽい表情を浮かべる
まるでお前のためにわしにできることがある、と言わんばかりである

ヴァランチーヌは辞書を駆使する方法でノワルチエの指示を仰いだ
こたえは
『公証人を呼べ』であった

4062うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:27:21 ID:LNssCYN6
ノワルチエは遺言状をつくる、という
公証人は誰を相続人とするのか尋ねる
皆の予想を裏切って、ヴァランチーヌではない、という
ヴィルフォール夫人は「ではエドワールでしょうか」と尋ねるが、激しく拒否される
ヴァランチーヌ(彼女は遺産にはもちろん未練はない)は
「お祖父さまは、わたしがフランツさんと結婚することにお怒りで、それで私に遺産を残さないとおっしゃるのね!」と言う

『そうだ』
公証人の、では財産をどうするのか?という問いに『貧しい人々のために使う』とノワルチエ

公証人が利害関係者たるヴィルフォール氏の考えをたずねると、ヴィルフォールは
「父の考えを私が否定することはありません
父の希望どおりにすればよい
私は自分の良心にしたがって自分の決めた通りに娘の結婚話を進めるだけです」

ノワルチエの望み通りの遺言書がつくられた
ヴァランチーヌがデピネ男爵との結婚を止めないかぎり、遺産は与えない、と

(^^)/ ヴィルフォールは、フランツの父、ケネル将軍殺人事件の犯人をノワルチエだと考えています 物語のはじめのほうでそのような会話をノワルチエとしています
そのとき、ノワルチエは多くを語りませんでした

ノワルチエの部屋を出たヴィルフォール夫妻はモンテ・クリスト伯爵の来訪を告げられる
ヴィルフォールの動揺ぶりをモンテ・クリストは見抜き、何があったのかと尋ねる
老人の気まぐれに振り回され、期待していた遺産を受け取ることもできず、娘が不幸になりそうなのだと答えるヴィルフォール

ノワルチエ氏ですか?
口もお聞きになれぬ状態だと確か伺いましたが?

父は、その目で、なんでも語ることができるのですよ
あの目は人を殺すこともできます

モンテ・クリストの前で夫妻の会話はつづく
モンテ・クリストは一言も聞き漏らすまいとしている

「老人の世迷言や子どもの気まぐれが、私が決定した計画をひるがえすことなどあってはならない デピネ男爵は私の友人だった その子息との縁組は最も望ましいものなのだ」
「ヴァランチーヌはこの結婚に反対でした 
お義父さまとふたりで計画したことだとしても意外には思いませんわ」
「この結婚は必ず実現させる」

モンテ・クリストは、フランツ・デピネのことは知っており好青年なのにノワルチエ氏はなぜそこまで彼を嫌うのか?と尋ねる
夫人は、孫娘を手放したくないだけでしょう、と言う
モンテ・クリストは、政治的な理由があるのでは?と指摘してヴィルフォールをぎょっとさせる
お父上はボナパルト派でしたよね、とモンテ・クリスト
常の慎重さを忘れて、ヴィルフォールは苦々しく自分の父が最も過激な共和主義者であったことを口走る

それならそのことでしょうね、とモンテ・クリスト
フランツ君のお父上ケネル将軍とノワルチエさんは政治的な場で会ったのでしょう
将軍はナポレオンの下で働きはしましたが、腹の下では王党派の心情を持っていたのでは?
将軍を同志にできると考えた連中に招かれて、ボナパルト派の集会へ出たあとに殺されたんでしょう?

ヴィルフォールは恐怖にも似た気持ちを抱いてモンテ・クリストを見つめた
(^^)/ まったくその通りだったのです

4063うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:27:59 ID:LNssCYN6
ノワルチエ・ド・ヴィルフォールのお嬢さんがフランツ・デピネ夫人と名乗るのはすばらしいことですね、
と言うモンテ・クリストの腹の底を読み取ろうとするヴィルフォール
しかし、モンテ・クリストは愛想の良い笑みを浮かべているだけ・・・

しかし、失礼ながら、とモンテ・クリストは言う
「自分が嫌悪する男の息子と結婚するからといってノワルチエ氏がお嬢さんの相続権を奪うのはまあわかるとしても、あの可愛いエドワールはべつに責められるべき落ち度もないように思いますがね」

で、こざいましょう?不自然ほど甲高い声で答える夫人(,,;・∀・)
デピネさんにこの話を伝えて、むしろ先方からお断りいただけるよう・・・

そんなことは許されない!
娘の評判に傷がつくし、私が消そうと思っている昔の噂にまた・・・
伯爵の前で、これ以上家の中のことをお見せするのはよさないか

夫人をみつめながらモンテ・クリストは言う
ご主人の言うとおりですよ
フランツ君はちかく帰国するようですが、私がもし忠告できるほど親しければ
このお話がこわれないようにさっさと決めておしまいなさいと言うのですがね

あきらかにうれしそうなヴィルフォール

フランツ君にしても、お宅のように、約束を守り義務を履行するためにそれほどまでの犠牲も厭わないような家族の一員となることに感激するでしょう、とモンテ・クリスト

モンテ・クリストは週末の夕食会への出席をお忘れなく、と言っていとまを告げようとする
ヴィルフォールの「シャンゼリゼのお宅で?」という質問に
「いえ、オートゥイユの別荘です」と答える

動揺するヴィルフォール
オートゥイユ・・・
ああ、そうでした 妻と息子を馬車の事故から助けていただきました
えっ・・・フォンテーヌ通り?28番地ですと?
そ、それではサン・メランの別荘を買ったのはあなた!

サン・メラン侯爵の持ち物だったのですか
それは知らなかったな、とモンテ・クリスト
オートゥイユの別荘は私は好かなくて・・・とヴィルフォール
だからといって夕食会に欠席なさることはないでしょう?とモンテ・クリスト
いや、もちろん、なるべく参ります、とヴィルフォール

実はこれから“信号機”を見学に行くのですよ、と言いながら
モンテ・クリストはヴィルフォール邸をあとにした

4064うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:28:38 ID:LNssCYN6
(^^)/ 読者は思い出そう、モンテ・クリストの執事ベルトゥチオの告白を
兄の復讐をヴィルフォールに対して行ったベルトゥチオは、
その現場でヴィルフォールが赤ん坊を埋めたのを目撃し、その子を救った
ベネデットと名付けたが、性悪に育ち、行方知れず
そして赤ん坊の母親は一体誰?
(^^)/ そして信号機とは(^^)/
この時代、電信信号はもちろん発達しておらず、一定の距離をおいて建てた信号機を常駐番人が操作し、速報をリレー式におくっていた
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51CZxs4UPuL._SX349_BO1,204,203,200_.jpg
この本はキース・ロバーツ『パヴァーヌ』ですが
表紙のイラストに信号機が描かれています
エリザベス1世が暗殺され、スペインによるカトリック支配が行われ、産業革命の無い英国
という史実と違う世界を描いた小説
まあまあ面白かったです(^^)/


“モンレリの塔”と呼ばれる信号機を見に行くモンテ・クリスト
もちろん金持ちの奇妙な趣味で見学に行ったのではない

信号手は庭いじりの好きな平凡な男であった
モンテ・クリストは愛想よく話しかけ、塔内を見学させて欲しいという
ほほう、なるほどこんな仕組みになっているのですな
え?そこをどいてくれないと信号が見えない?望遠鏡で覗かないと?
ねえ、あなた、もっと大きな庭と年金が欲しくありませんか?
私ならそれをあなたに用意してあげられる
え?どいてくれないと罰金を払わなくてはいけない?
その必要はありませんよ
この金をもってあなたはすぐにでも“理想の庭”つきの家へ引っ越せばいいのですよ
そのまえに、ここに書いてある通りの信号を送ってからね

こうしてモンテ・クリストは偽の情報を流すことに成功した

4065うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:29:21 ID:LNssCYN6
信号通信が内務省に届いてすぐ、ドブレはダングラール夫人のもとへ駆けつけた
「ご主人はスペイン公債をおもちですか」
「ええ、600万ほど」
「なりゆきで売ってしまうのです」
「どうしてですの」
「ドン・カルロスがブリュージュを脱出してスペインへ戻ったのです」
夫人は夫のもとへ駆けつけ、ダングラールは仲買人のところへ駆けつけ、
値段に構わず売れと命じた
ダングラールが売りに出たのが知れると、スペイン債はたちまち値を下げた
ダングラールは莫大な損をしたが、債券を全部処分した
夕方ある新聞に記事が載った
「信号通信によると、国王ドン・カルロスはブリュージュの監視の目を逃れ、カタロニア経由でスペインへ帰国 バルセロナは王を支持して蜂起した」
しかし翌日、別紙には
「昨日のドン・カルロスの信号通信は誤報 ドン・カルロスはブリュージュにおり、
スペインは平和そのもの 霧による信号通信の誤読」
債権相場は落ち込み分の倍上昇し、ダングラールの損害はさらに膨らんだことになる

さて、オートゥイユの別荘の夕食会である
ベルトゥチオはモンテ・クリスト伯爵の指示を完璧にこなす
伯爵の言ったとおり、赤い緞子の部屋はさわらずに・・・
(^^)/ ベルトゥチオはヴィルフォールが実は生きていることを知りません

4066うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:29:58 ID:LNssCYN6
招待された人々がつぎつぎとやってくる
マクシミリヤン・モレル
シャトー・ルノー
リュシャン・ドブレ
ダングラール夫人(ドブレに小さな手紙を渡す)
ダングラール(顔色は青い・・・)

召使が告げる
バルトロメオ・カヴァルカンティ少佐殿
アンドレア・カヴァルカンティ男爵様
お着きでございます

ダングラールはモンテ・クリストにたずねる
どういう方たちなのですか?

イタリアの大貴族ですよ
財産を食いつぶすことしか考えていないようですね
あなた宛ての信用状を持っているらしいので、あなたのためになるかと思って招きました
ご紹介しますよ
息子さんのほうはお嫁さん候補をパリで見つけたがっているようですよ

モンテ・クリストはダングラール夫人にたずねる
ご主人の顔色が悪いようですが、なにかありましたかな?

株でもやって失敗したんじゃございません?
誰のせいにしていいのかわからないでしょう

召使
ヴィルフォール様ご夫妻お着きでございます

ヴィルフォールは懸命に動揺を押し隠している
まったく、女だけが心を押し隠す術を心得ている、と笑うモンテ・クリスト

ベルトゥチオがモンテ・クリストに客の人数の確認をしにやってくる
自分の目で数えるがよかろう、と答えるモンテ・クリスト

指示されたとおりに客間を見回すベルトゥチオは驚愕する!
あ、あの女がいる!
あの女とは誰だ?
あの、庭にいた女です、妊娠していた・・・待っていた女です
ベルトゥチオは口をぽかんと開けたまま、ダングラール夫人を見つめていた
誰を待っていたんだね?
ああ、あの人です、あの人は死ななかったので?
ああ、ヴィルフォール検事は生きているぞ
死になどしなかった
さあ、落ち着いて数えるんだ
ヴィルフォール夫妻で2人、ダングラール夫妻で4人、
シャトー・ルノー君、ドブレ君、モレル君で7人、
バルトロメオ・カヴァルカンティ少佐、8人

8人です

待て、よく見ろ
アンドレア・カヴァルカンティ君だ ほら今、振り返った

・・・ベネデット!

ベルトゥチオはよろよろしながらも食事の準備が整ったことを告げる

4067うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:30:34 ID:LNssCYN6
モンテ・クリストはヴィルフォール夫人に腕を与えた
「ヴィルフォールさん、ダングラール夫人のお相手をお願いします」

このオートゥイユの別荘を訪問することに少なからぬ抵抗を覚えた客人たちもいたわけだが、不安よりも、モンテ・クリスト伯爵の豪奢な生活を見てみたいという好奇心のほうが勝ってしまったのだった
晩餐は豪勢なものであった
あらゆる地域からの珍味が信じられない鮮度で供されていた
伯爵に不可能の文字は無い(^.^)

晩餐後に豪華に飾り付けた邸内を客に案内してまわるモンテ・クリスト

執事に言い含めてそのままにしてある“赤い緞子の部屋”
この部屋には本能的に悲劇を感じるので手を入れずそのままにしてある、と説明

ヴィルフォールは黙り込み、ダングラール夫人は長椅子に座り込む

この部屋には庭へと通じる隠し階段があって・・・とモンテ・クリストが説明するに及んで、
とうとうダングラール夫人は半ば気を失った
ヴィルフォール夫人が気付薬を飲ませた
モンテ・クリストは、うまく薬を作れたのですね、と夫人に言う

この騒ぎにダングラールはカヴァルカンティの父親と鉄道敷設計画談義中であった
カネの臭いをかぎつけて( ゚Д゚)

気を取り直したダングラール夫人の手をとって庭を案内しながら、信じないかもしれませんが、私はこの邸で犯罪が行われたと確信している、とモンテ・クリスト
検事さんもおられることだし、説明いたしましょう

検事を庭のとある場所へひっぱっていく
私はここに腐葉土を入れさせようと、掘らせたのですよ
そうしたら
箱、いやむしろ箱の金具ですな
出てきたのです
新生児の骸骨がありました

騒然となる周囲を前に、ヴィルフォールは「犯罪だとは決めつけられないだろう」という
生き埋めにされたと決めつけるわけにはいかないから、と

既に死んでいたというなら庭に埋めるのはおかしい、とモンテ・クリスト
この国では嬰児殺しはどうなりますか?と無邪気にカヴァルカンティ父
そりゃ、ばっさり首を切るだけですよ、とダングラール
そう、私もそう思います、そうですよね?ヴィルフォールさん?とモンテ・クリスト
その通りです、と検事

どうやらコーヒーのことを忘れていたな、私は・・・
みなさんあちらへどうぞ

4068うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:31:08 ID:LNssCYN6
ダングラール夫人にすきをみてささやくヴィルフォール
「話しておかねばならないことがある
あす、検察庁の私の部屋で」
「わかったわ」

4069うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:31:40 ID:LNssCYN6
夜も更けて客人たちは帰り始める
ダングラールはモンテ・クリストがカヴァルカンティ親子を丁重に扱うのを目にして
彼らを、パリの社交界で息子の教育の総仕上げをする大金持ちだと思い込んだ
詐欺親子のほうは、ダングラール銀行から気前よく金が支払われると聞かされているので
愛想良くすることこのうえない
ダングラールは自分の馬車にカヴァルカンティ父を乗せて帰ることにした

息子のほうのアンドレア・カヴァルカンティがひとりで馬車に乗り込もうとしたとき、
みずぼらしい男が近づいてくる
よう!ベネデット、けっこうなご身分だな・・・男はカドルッスだった

4070うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:32:14 ID:LNssCYN6
ダングラール夫妻は帰宅後、派手に夫婦喧嘩をした
そもそもこの夫婦間に愛情はなく、カネだけが二人の間をつないでいた
夫人が浮気をしようが、夫を陰でバカにしようが、ダングラールには何ほどの事でもなかった
彼にとって唯一我慢のならないことそれは、自分のカネが減ること、だった
モンテ・クリストの信号機操作のおかげで、莫大な損をしたダングラールは、夫人の愛人である大臣秘書のドブレが現政府の指導のもとダングララールを陥れたのではないかとすら疑っていた

お前のことに口出ししたことはない
お前もそうしろ
お前は自分の金庫だけでやってくれ
私は他の亭主どもとはちがうぞ
ちゃんと見た、いつだって見てきた
ただのひとつの過ちも私の目から隠すことはできないのだぞ
ヴィルフォールさんからドブレさんまでな
お前が私をおぞましい男とするのはいい
が、笑いものにするのは許さん
私を破産させること、これは特に許さん!!

ヴィルフォールさんですって?それはどういう意味なの?

最初の夫のナルゴンヌ氏は、9か月間家を留守にして帰ってきたらお前は妊娠6か月だった 
相手が検事ではどうしよもなく、苦悩と怒りで死んじまった
なぜ検事を殺さず、自分だけが死んだのか
それはナルゴンヌ氏には守るべき金庫が無かったからだよ
ドブレさんは情報源として役に立たないなら価値はない

ダングラール夫人は夫の前で失神してみることを試みるが、できなかった(´・ω・`)
なによりもまず、気がついたら夫はもう目の前にいなかった・・・

4071うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:32:50 ID:LNssCYN6
この夫婦喧嘩の翌日、ダングラールはシャンゼリゼのモンテ・クリスト伯爵邸を訪ねる
イタリア貴族カヴァルカンティ親子の情報を得るためであった

スペイン債で損をしたと聞きましたが、と尋ねるモンテ・クリストに
ここのところちょっと不運が続いていると愚痴るダングラール
もう4回ほどスペイン債の損害のようなことがあればお終いですね、とモンテ・クリストにからかわれる
カヴァルカンティ親子の財産のことを教えて欲しいと言うダングラールに、モンテ・クリストはあの人のことはよくは知らない、友人のブゾニ司祭からそれとなく聞いた話だけしか知らないと言う

大した財産は持っていないという人もあれば、何百万も持っているという人もありますな

あなたご自身の意見は?とダングラール

私の意見では・・・ああいう古い貴族というのは長子にだけ代々伝えられる財産みたいなのがよくありますからな
でも会ったのは3回ほどなんですよ
ブゾニ司祭のほのめかしでは数百万の財産を資本にしたがってるとか聞きましたが・・・
まあ、当てになさらないでくださいよ
私は責任を負いませんからね

そんなこと問題ではありませんよ
よいお得意さんを紹介していただきました
ところでああいった人たちはご子息を結婚させるのに持参金を持たせるのですかな?

それは場合によりけりでしょう
ははあ、あなたはアンドレアに嫁を世話したいのですな
まさかご自分のお嬢さんではありませんよね
アルベール君がフィアンセでしょう?

4072うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:33:34 ID:LNssCYN6
まあ、たしかに、彼のことは考えてはいますけどもね・・・
つまり、モルセール氏との間では何回か話したことはありますが
モルセール夫人とアルベールは・・・
ところでなぜ、夕食にモルセール家の人々を招待なさらなかったのですか?

ああ、先方から断られたのですよ
モルセール夫人が海の空気を吸うように医者から言われたとかで

海の空気ね・・・そうそう、たしかにあの人の身体にはいいでしょうよ

どうしてです?

あの人は若いころ、海の空気を吸っていたからです

(ダングラールの皮肉にはモンテ・クリストは気が付かないふりをする)
ま、とにかく、お嬢さんほど金持ちではないにしても、アルベールには立派な家名があるではありませんか

たしかに
ですが、私の家名だって私には可愛いですからね

それはそうでしょうが
あなたも頭の良い方だからおわかりになるでしょう
5世紀末から続いている古い貴族のほうが評価されることは・・・

(せせら笑いながらダングラールは言う)
だからこそ、アルベール・ド・モルセール氏よりもアンドレア・カヴァルカンティ氏のほうを選ぶのですよ

モルセール家はカヴァルカンティ家にひけはとらぬと思いますが

ところが彼の名はモルセールではない
私の場合は私を男爵にした人がいる
ところが彼は、勝手に伯爵になってしまったのですよ

まさか!

いいですか、伯爵
モルセールは30年来の知己です
私がただの店員だったころ、モルセールはただの漁師でした

その頃の名前は?

フェルナン・モンデゴですよ

確かですか?

当たり前ですよ
しょっちゅう彼から魚を買ったんだ

それならなぜ、あの家にお嬢さんをやろうとしたんです?

それは、モルセールもダングラールも成り上がりだからですよ
2人とも貴族になり、2人とも金持ちになった
つり合いが取れている
ただひとつ、彼については人が噂し、私については噂しないことがある

いったい何なのです?

いや、なんでもありません

ああ、わかりましたよ
フェルナン・モンデゴという名で思い出したことがあります
その男のことをギリシャで聞きました

アリ・パシャの件で?

その通り

あれが臭いんですよ
わたしも真相を知ろうといろいろやってみたんですがね

どうしてもお知りになりたいのなら簡単ですよ
ギリシャに取引先をお持ちだと思いますが

もちろん

ヤニナにも?

ええ

それではヤニナの取引先に手紙を書くんですな
アリ=テペレンの悲惨な末路にフェルナンというフランス人がとう関わったのか
問い合わせてごらんなさい

なるほど!
今日さっそく書きますよ

で、もし醜悪な内容の返事を受け取られたら・・・

お伝えしますよ

ダングラールは飛ぶように帰って行った

4073うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:34:17 ID:LNssCYN6
裁判所にヴィルフォール検事を訪ねるエルミーヌ・ダングラール夫人
ふたりきりで話すのはずいぶんとひさしぶりである
ヴィルフォールは亡き妻ルネ・ド・サン・メラン侯爵令嬢との婚約発表の場で
ナルゴンヌ氏の妻であったエルミーヌと出会った模様である

昨日のモンテ・クリスト伯爵の夕食会ではずいぶんと罰せられましたわ

ヴィルフォールは夫人の手を握りながら言う
気の毒に・・・
でもそれ以上に打ちのめされることがあるのです・・・
モンテ・クリスト氏は、あの木の下を掘ったところで、
子供の骨も、箱の金具もみつけたはずはない
なぜなら、あの木の下には、そのどちらもありはしなかったはずだから

なんですって?でも、あの子をあそこへ埋めたのではなかったの?
わたくしを騙したの?

この20年間私が背負ってきた重荷を、いま話そう
私たちは赤ん坊が死んでいると思った
私は箱にその子を入れ、庭に穴を掘り、埋めた
私が土をかけ終えたそのとき、あのコルシカ人の男に襲われた
決闘の傷だと偽って、私は三ケ月間、死と戦った
どうにか命をとりとめ、さらに半年間マルセイユで療養した
その間に、ナルゴンヌ氏の未亡人であるあなたはダングラール氏と結婚したね
私はパリへ戻るが早いか、あのオートゥイユの家に残された私たちの痕跡を一切隠さなくてはと思った
あのコルシカ人は、私が庭に埋めるところを見たかもしれないと思った
だから庭を掘り返してみたんだよ
でも、いくら掘り返しても見つからなかったのだ・・・

なんですって・・・?

一瞬、気が狂ってしまえばいいと思った・・・
私はなぜあの男が死骸を持ち帰ったのだろうと考えた
もしも我々を脅すためならば、当局へ持ち込むだろう

・・・どういうことなの?

もっと致命的な、さらに恐れねばならぬなにかがある
たぶん、あの子は生きているのだ
あの人殺しが、あの子を救ったのだ

ダングラール夫人が凄まじい叫び声をあげた

誰かが私たちの秘密を知っているのだ
モンテ・クリストは私たちの前で、あの子がもはや埋まってはいなかった場所からあの子を掘り出したと言ったのだから、この秘密を知っているのは、それはあの男だ

正義の神様の復讐だわ・・・
夫人はつぶやいた
あの子は?あの子の行方は?

あの夜、育児院にひとりの赤ん坊が預けられたらしい
男爵冠半分とHの文字のついた布にくるまれて

まちがいないわ、私の名、エルミーヌ(Hは発音しない)・ナルゴンヌの頭文字よ!
ああ、坊やは生きていたのね!

だが、私が育児院へ行った半年ほど前に、ひとりの女が布の半分を持って、子供を引き取りに来たらしい
その後の行方はわからない
だが、私はもう一度捜査を再開するつもりだ
私を駆り立てるものはもはや良心ではない、恐怖だ

でもモンテ・クリスト伯爵はなにもご存知ないのでは?
知っているならあんなふうに私たちに交際を求めるかしら

いや、人間の悪意というものはきわめて底の深いものだ
われわれに話をするときのあの男の目に気づいたか?

たしかに不思議な目だけれど
れよりも私がおかしいと思ったのは、あの素晴らしいご馳走に、あの人がまったく手をつけなかったことよ

あの男には何かたくらみがある
一週間以内にモンテ・クリスト氏の正体をつきとめてみせる
彼がどこから来たか、これからどこへ行くのか、なぜ我々の前で庭から赤ん坊が掘り出されたなどと言ったのか

4074うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:34:52 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールとダングラール夫人が話し合っていたその同じ日、
モルセール夫人(メルセデス)と息子のアルベールは保養先の海辺から帰って来た

アルベールはさっそくモンテ・クリスト邸を訪問し、自分と母親抜きで行われた夕食会の模様をモンテ・クリストにたずねる
ウジェニー・ダングラール嬢との結婚話が不発終わるような手助けをしてくれたか、と無邪気にたずねるアルベールにモンテ・クリストは素っ気ない

思いがけない展開はあったかもしれない
ダングラールさんがアンドレア・カヴァルカンティ君と食事を共にして・・・

ああ、あのイタリアの貴公子ですか
(貴公子とは大げさですな・・・と言葉を濁すモンテ・クリスト)
(^^)/ モンテ・クリストはダングラールに対しても
「カヴァルカンティを自分は積極的に推すわけではない」という態度をことあるごとににじませています(^^)/

アルベールは自分の母親が理想の女性であることを熱心に語る
ウジェニー嬢にはまったく魅力を感じないと・・・

あ、そうそう、フランツがもうすぐ帰国しますよ
ヴィルフォールさんに呼ばれてね
ダングラールさんがウジェニー嬢を僕に嫁がせるのと同じくらい熱心ですよ
ヴィルフォールさんはヴァランチーヌ嬢をフランツに嫁がせようとしています
彼はまじめですからね
ヴィルフォール家に対して敬意を抱いていますから

モンテ・クリストはダングラール嬢との結婚を嫌がるアルベールに言う
君はほんとうにうぬぼれ屋さんですね
ほっといても、ダングラール嬢との結婚の約束を引っ込めるのは、たぶんあなたのほうじゃありませんよ

えっ!
アルベールは目をむく

4075うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:35:26 ID:LNssCYN6
ダングラール氏はね、別の男に惚れこんじまったのですよ

いったい誰に?

私は知らない
よく見、よく考え、なにか暗示が目についたら、すかさずとらえて活用することですね

わかりました
ところで、母が、じゃなくて父がこの土曜日に舞踏会を開くつもりでいます
それから、カヴァルカンティ父子への招待を引き受けてくださいますか

カヴァルカンティの父親のほうはもうパリを発っているでしょう

ご子息は残っておられるでしょう?
ご子息を連れてくるのを引き受けてくださいませんか

いいですか、私は彼のことをよく知らないんですよ

あなたがご存知ない?

3,4日前に初めて会っただけです
彼のことは保証できませんよ

でもあなたはあの人をお招きになったじゃありませんか

私の場合は違います
ある立派な僧侶が私に紹介してきたのです
彼のめがね違いかもしれません
直接ご招待しなさい
彼がダングラール嬢と結婚するようなことになると、あなたは私のやり口を咎めるでしょうからね
そして、私と決闘なんてことになるかもしれません
それに私自身、行けるかどうかわかりません

なぜ来てくださらないんですか?

まだお招きを受けていないからですよ

ぼくはわざわざ自分でお招きにきたんですよ

ああ、それはどうも御親切に
しかし、さしつかえがあるかもしれません

母がお願いしているんです

モルセール夫人がですか(ぎくっとする)

土曜日には来てくださいますね
母とぜひお話しなさってください
母がこんなふうに興味を示したのはあなたが初めてです

夫人がお望みならば、わかりました
ダングラールさんは?

お招きしました
ヴィルフォールさんもお招きしたいのですが、どうもこれは絶望的です

怒ってらっしゃいませんか?
私はダングラールさんのことなど話すべきではなかったですね

とんでもない、いくらでも聞かせてください

ところでフランツ君はいつ着くのですか?

5,6日後くらいです
サン・メラン侯爵夫妻が着き次第、結婚式でしょう

デピネ君がパリに着いたら、ぜひ連れてきてください

モンテ・クリスト伯爵はアルベールを見送る
後ろにはベルトゥチオが控えていた

どうだった?

夫人は裁判所にいらっしゃいました
1時間半ほどいてから家に帰りました

それではベルトゥチオ、ノルマンディーへささやかな土地を探しに行ってもらおうか

4076うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:35:59 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールはモンテ・クリスト伯爵がどのようにしてオートゥイユの事件を知ったのか調査を始めた
もと刑務監査官でいまや治安当局上部に昇進したボヴィルという男の報告によると
「モンテ・クリスト伯爵と呼ばれている人物はウィルモア卿ととくに親しく、
ウィルモア卿は裕福な外国人であり、時折パリに現れ、現在パリ滞在中である
モンテ・クリスト伯爵はまた同時に、
シチリアの僧ブゾニともとくに親交がある
ブゾニ氏は中近東方面で数多くの善行をほどこし、かの地では高名な僧である」

ヴィルフォールはブゾニ司祭とウィルモア卿のパリでの居所を調べさせ、直接訪問する

4077うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:36:37 ID:LNssCYN6
ブゾニ司祭 vs ヴィルフォール

あなたはモンテ・クリスト伯爵をご存知でしょうか

ザッコーネ氏のことを話しておられるのかな?

ザッコーネ!ではモンテ・クリストという名ではないのですか

モンテ・クリストというのは土地の名、岩礁の名で、苗字ではない

ではザッコーネ氏についてお伺いしますが、その方をよくご存知で?

存じている

どのような人物ですか?

マルタの大きな船造りの倅でな

その噂は知っておりますが、当局としては噂だけで満足するわけにはいきません

しかし、その噂が真実ならばそれに満足するしかなかろう

お言葉に確信がおありで?

私はザッコーネの父親を存じている

は、はあ

幼い頃、その息子とよく遊んだものだ

しかし、伯爵のあの称号は?

そんなものは金で買うことができる

あの人物に友達はいますか?

あの男は知り合いになった者はすべて友達と思っている

しかし、敵もいるでしょう?

一人だけいる

その人の名は?

ウィルモア卿だ

その方からもお話しはうかがえるでしょうね?

あの人はザッコーネと時をおなじくしてインドにおったから、重要なことをな

あなたはそのウィルモア卿と仲がよくないのですか?

私はザッコーネが好きだし、あの男が嫌うので、そのため疎遠になっている

モンテ・クリスト伯爵は今回パリへ来た以前にも、フランスへ来たとことがありますか?

いや、一度も来たことはないな 
半年前私のところへ色々教えて欲しいといってきたほどだから
でも私はいつまたパリへ戻れるかわからないので、バルトロメオ・カヴァルカンティ氏を差し向けた

よくわかりました
では最後に、名誉と人類愛と信仰の名において率直にお答えください
モンテ・クリスト伯爵はどういう目的でオートゥイユの家を買ったのですか

よく知っている
あの男は私に話したからな
ビザン男爵がパレルモに創設したような精神病院にするためだよ
評判は聞いておられるかな?
すばらしい施設だ

ヴィルフォールは自宅へ戻り、1時間後ウィルモア卿のもとへ向かう
ヴィルフォールはあらかじめ手紙で面会を求めていた
それに対しウィルモア卿は10時に会う約束を与えていた
ヴィルフォールが10時10分前にウィルモア卿の家に着いたとき、卿はまだ帰宅していなかったが、時計が10時を打てば必ず帰るという
時計が10時を打った

4078うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:37:09 ID:LNssCYN6
ウィルモア卿 vs ヴィルフォール

ウィルモア卿は赤茶けた顎鬚に白髪のまじった金髪
イギリス風の服装
(モンテ・クリスト伯爵は黒髪でした(^.^) )

ウィルモア卿の話
モンテ・クリストは若い頃、当時英国と戦っていたインド土候の軍隊に身を投じた
ウィルモアが彼に出会ったのはかの地で、ふたりは戦った
ザッコーネは捕虜となりイギリスへ送られ、牢獄として使用された廃船に乗せられたが、泳いで脱出した
ギリシャの反乱が起こり、彼はギリシャ人側についた
その際に銀鉱を発見した
これが彼の財の源である
フランスに来た理由は鉄道で一儲けするためである
彼は有能な化学者であると同時に物理学者でもあるので、新しい信号装置を開発し、その実用化をはかっている

一年にどのくらいの金を使う男でしょうか?

せいぜい5,60万フランでしょう けちな男ですよ

彼のオートゥイユの家について何かご存知でしょうか?

ええ、もちろん
あの男は夢みたいなことをいろいろやってみては破産するタイプの投資家です
ドイツにあるような温泉宿にするつもりなんですよ
湯脈を掘り当てようと庭中掘りまくってます
そのうち周囲の家も買いまくるのでしょうよ
わたしはあの男を憎んでますから、あいつの破産がみたくて後を付け回してます

なぜあの男を憎んでおいでなのですか?

あの男が私の友人の細君を誘惑したからです
あの男とは3回も決闘しましたな
今も私は射撃の練習を欠かしておりません

ヴィルフォールが帰ったあと、ウィルモア卿は寝室へ入った
出てきた姿は、黒髪と艶のない肌のモンテ・クリスト伯爵であった

ヴィルフォール検事はこのふたつの訪問でやや安心した
安心材料があったわけでもないが、さりとて不安になる材料もなかったのである

4079うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:37:51 ID:LNssCYN6
土曜日がやってきた
モルセール伯爵邸の舞踏会の日である
ダングラール夫人はひどく不安に感じていたので、欠席しようかと思い始めていたが、途中ヴィルフォール検事の馬車とすれ違い、検事から出席するように言われる

舞踏会はメルセデスの趣味の良さが発揮されて素晴らしく趣向がこらされている
ダングラール氏
ダングラール夫人
ウジェニー・ダングラール嬢
ヴィルフォール夫人
ヴァランチーヌ・ヴィルフォール嬢
マクシミリヤン・モレル
アンドレア・カヴァルカンティ

アルベールはモンテ・クリスト伯爵を迎える
ダングラール氏がモンテ・クリストに挨拶に来る
モンテ・クリストはドイツのとある富豪の信用不安について教える
ダングラール氏は青くなりながらもアンドレア・カヴァルカンティに媚を売りに向かう

メルセデスはモンテ・クリストの様子を観察している
アルベール、伯爵様は何も召し上がらないことに気づいた?
伯爵は小食なんですよ
好き嫌いがおありなのかしら?
さあ、でもローマでお会いしたときはなんでも食べてましたよ
アルベール、あの方に何かおすすめしてみてちょうだい

アルベールは伯爵にアイスクリームをすすめた
伯爵は頑固に辞退した

4080うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:38:55 ID:LNssCYN6
庭での夜食の用意ができて、招待客は誘導される
メルセデスはモンテ・クリストに言う
伯爵さま、腕をお貸しくださいませんこと?
ふたりはそのまま腕を組んで庭の奥の方へ散歩に出る
メルセデスは温室へと案内し、マスカットをひと房摘んで伯爵へ差し出す
奥さん、申し訳ないのですが、私はマスカットは食べません
ため息をつきながら、メルセデスは次に桃を差し出す
伯爵は断る
アラビアには同じ屋根の下でパンと塩を分ちあう者は永遠の友となる、と言いますわね
ここはアラビアではありませんし、フランスにはパンと塩を分かち合うことも、永遠の友もありません
私たちはお友達ですわね、とメルセデスは詰め寄る
もちろん、どうしてそうでないわけがありましょう、と答える伯爵
しかしその口調はメルセデスが期待していたものとはまるでちがう

伯爵様はほうぼうを旅して、苦労もなさったと伺いましたけど
ひどい苦労をいたしました、たしかに
今はお幸せですのね?
私の今の幸せは過去の苦しみと同等のものです
伯爵様、ご家族は?
誰一人おりません
この世につなぎとめるものがなくて、どうして生きていけますの?

奥さん、私のせいではありません
マルタに愛する女性がおりましたが、戦争がつむじ風のようにそのひとを奪ってしまいました
私はその娘がわたしを待っていてくれると思っていましたが、私が帰ってみると、娘は結婚していました
よくある話でしょうが、私はおそらく他の男よりも心が弱いのでしょう
ひどく苦しみました
それだけの話です

わかりました
今でもその女性への愛情が残っておりますのね
その方にはお会いになりましたの?

いいえ、一度も
その人のいる国にはその後一度も戻りませんでした

その方があなたを苦しめたのをお許しになりましたの?

その人のことは許しています

あなたをその方から引き離した人たちのことは今でも憎んでおいでなのですね

夫人はモンテ・クリストの正面に立つ
その手にはまだマスカットの残り房がある

召し上がってください

奥さん、わたしは決してマスカットは口にしません

メルセデスは絶望的な身振りでその房を茂みへ投げ捨てた

そのときアルベールが駆け足でやってきた

4081うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:39:32 ID:LNssCYN6
たいへんです
いまヴィルフォールさんが夫人とお嬢さんを迎えに来られました
サン・メラン侯爵夫人がたった今パリへお着きになったのですが、
侯爵がマルセイユを発って最初の宿で亡くなったというのです

屋敷へと歩き出したメルセデスは立ち止まり戻って来た
アルベールの手とモンテ・クリストの手を重ね合わせて言った
私たちはお友達ですわね

モンテ・クリストは答えた
あなたのお友達だなどと、そんな大それたことは私は求めません
ですが、どんな場合にも、私はあなたの従順な僕(しもべ)です
__
ヴィルフォールはモルセール邸での舞踏会へも行かず、書斎にこもっていた
過去の記録を念入りに調べなおしたが、オートゥイユの事件を利用して復讐を図る者にはたどりつかない

サン・メラン侯爵夫人が倒れ込むようにやってきて、夫侯爵の死を告げる
まったく突然のことで、医者が言うには脳溢血らしいと

ヴィルフォール家の悲劇は続きます( ゚Д゚)

4082うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:40:04 ID:LNssCYN6
ヴァランチーヌは祖母である侯爵夫人に付き添っていたが、ノワルチエのもとへ呼ばれる
侯爵夫人は疲れたためか眠りにおちていた
ノワルチエは『お前には私がついているから大丈夫だ』と目で訴える

ヴァランチーヌが侯爵夫人のもとへ戻ると、夫人は父ヴィルフォールを呼べという
ヴィルフォールがやってきた

ヴァランチーヌのお婿さんはフランツ・デビネさんというのですね
私たちの味方だったデピネ将軍のご子息ですね
簒奪者(ナポレオン)がエルバ島から帰った数日前に殺されなさった・・・

そのとおりです

ノワルチエさんの孫娘との結婚がその方の気に障ることはないのですね

もう昔の敵意など消えてしまいましたよ、幸いなことに
私の知る限り、もっとも優秀な男の一人です

それでは、結婚を急がねばなりません
私はもうそんなに長くは生きていられないから

おばあさま!

この子には母がいないのですから、結婚には祖母が祝ってやらねばなりません
わが娘ルネの代わりにわたくしが!

おばあさま、おじいさまがお亡くなりになったばかりなのにお式をすることをお望みなんですの?

そんな月並みなことはどうでもいいの
私は死ぬまでに婿の顔を見ておきたいの
私の孫を幸せにするように命じておきたいの
昨夜の私の眠りはひどいものでした
いまヴィルフォールさんが立っているその場所に、あなたの奥さんの化粧室に通じるあのドアから白いものがはいってくるのを私は見たのよ!
そこにあるコップが動く音を聞いたの
あれは主人の魂です
私を呼びに来たのよ
デピネさんがお着きになったらすぐ知らせなさい
そして公証人を呼んでちょうだい
私たちの財産が確かにこの子へいくようにしなくては
喉がかわいたわ
そのコップのオレンジエードを飲ませておくれ

ヴァランチーヌは、夫人が動く音を聞いたというそのコップを気味が悪そうに渡した
夫人は一気に飲み干した

ヴァランチーヌは夫人にマクシミリヤン・モレルとのことを打ち明けようと思ったが、この誇り高い貴族の女性に許されるとはとても思えない

4083うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:40:33 ID:LNssCYN6
公証人がやってきて夫人の部屋へ入った

そしてダブリニー医師がやってきた
ヴァランチーヌはサン・メラン侯爵が亡くなり、侯爵夫人は寝込んでいるので診て欲しいと説明する
ダブリニー医師はサン・メラン侯爵夫人が幻覚を見ていると聞き、不審に思う
そのような気の弱い女性ではないのに・・・

ヴァランチーヌは、庭へ出て、例の場所へと向かう
マクシミリヤン・モレルがすでにいた
ヴァランチーヌは、祖母がフランツとの結婚に賛成し、挙式を急がせていると話す
マクシミリヤンはヴァランチーヌに駆け落ちを迫る
(^^)/ 愁嘆場がつづきますが、はっきりいってどうでもいいので省略(^^)/

ヴァランチーヌは、夜、闇に紛れてマクシミリヤンと落ち合うことを承諾する
ふたりが駆け落ちを決めたその翌々日、マクシミリヤンはヴァランチーヌから手紙を受け取る
今夜9時に結婚の契約が交わされるという
祖母の容態が悪くなってきたとも

駆け落ちは今夜と決まった

マクシミリヤン・モレルはモンテ・クリスト伯爵邸へ行く
フランツ・デビネが結婚の報告をモンテ・クリスト伯爵に告げにきたという
マクシミリヤンは伯爵にすべてを打ち明けたくなったが、我慢していた

4084うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:41:08 ID:LNssCYN6
夜になり、マクシミリヤンは馬車を用意してヴァランチーヌを待つ
しかし、9時を過ぎても彼女は現れない
ついに彼は屋敷内へと忍び込み、屋敷の異様な静けさに不安になる
正面階段に男がふたり現れ、マクシミリヤンは会話を立ち聞きする

男はヴィルフォール氏とダブリニー医師だった

なんと、なんと恐ろしい死に方だ!

ヴィルフォール君、君を慰めるためにここへ呼んだのではない 
その逆だ
侯爵夫人は確かに高齢ではあったが、健康状態はすこぶる良かった

悲しみのあまりに死んだんだよ
40年も侯爵と一緒だったのだから

夫人のあの症状は、植物性の毒物だよ
おそらく多量のブルシンかストリキニーネ・・・

そんなばかな!

夫人が死んで利益を得る者は?

ヴァランチーヌだけが遺産相続人だが・・・そんなことをちらりとでも考えたら
私は自分の心臓に短刀を突き刺すよ

例えば老僕のバロワは?
ノワルチエの水薬を夫人に与えたとか・・・
ブルシンをノワルチエの治療に私は三か月前から用いている

バロワは夫人の部屋に入ったことなどない
君の言葉はいつだって信頼しているけれども、けれども・・・

もうひとり信頼できる医者を呼んで、解剖させてくれないか?

ああ、なんということを言うのだ、ダブリニー
君以外の者に知られれば、捜査の対象となってしまう
この私の家に捜査が入るなどと!
そんなことはあってはならない!
君は私に何も言わなかった
そうしてくれ、お願いだ・・・

ダブリニーはしかたなく、ヴィルフォールの頼みを受け入れる

ふたりを見送ったマクシミリヤン
ある部屋のバルコニーに愛しいひとの姿を見つけ、邸内へ忍び込む
ヴァランチーヌから聞いていた邸内の様子を思い浮かべ、彼女がいる部屋へ

侯爵夫人の亡骸の横たわる部屋で、ヴァランチーヌは驚きもせず彼を迎えた
フランツ・デビネが来る前に夫人は息を引き取ったので、結婚契約はまだ交わされていなかった
ヴァランチーヌは彼女の唯一の味方ノワルチエのもとへマクシミリヤンを連れて行く

4085うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:41:42 ID:LNssCYN6
おばあ様が亡くなったいま、ノワルチエお祖父さまだけが私の味方だと言って、マクシミリヤンを紹介する

わたしはこの方を愛しています
この方以外のものにはなりません
もしどうしても他の人のもとへ嫁ぐよういわれたら自殺してしまいます

辞書とペンと紙を使って、マクシミリヤンはノワルチエと会話する
ヴァランチーヌをさらっていって結婚するつもりであること
いずれヴィルフォール氏が許してくれるのではないかと

ノワルチエの返事は『それはならぬ』だった

では、フランツ・デビネ君のもとへ行きます
そして彼と決闘する

ノワルチエの返事は『それもならぬ』だった

ではどうすればよいのですか!

ノワルチエの返事は『わたしが』だった
ノワルチエは成功することに確信があり、責任を持つ、というのだった

僕たちは待つしかないのですか?
『そうだ』
結婚の契約書はどうなるのですか?
微笑み・・・
署名は行われないとおっしゃるのですか?
『行われない』

マクシミリヤンは老僕バロワに案内されてヴィルフォール邸をあとにした

4086うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:42:19 ID:LNssCYN6
サン・メラン侯爵夫妻の葬式が行われる
参列者のアルベール、ボーシャン(新聞記者)、シャトー・ルノーは口々に夫人までが亡くなったことを不思議がる
フランツ・デビネはヴィルフォール家の一員と同じように扱われて、参列していた
参列者の中にマクシミリヤン・モレルがいた
アルベールはフランツを紹介する
マクシミリヤンは心のうちをなにひとつ悟られないよう努力し、挨拶を交わした

葬式を終え、ヴィルフォールはフランツと話し合う
侯爵夫人のいまわの際の言葉はヴァランチーヌの結婚を滞りなく行うことであり、夫人の遺産はすべてヴァランチーヌが相続することになっている、ついては今日にでも結婚契約を交わしたい、と

フランツは喪中であることでヴァランチーヌの心中を思いやっていたが、父親のヴィルフォールが万事支障ないというので、それではそのように、と回答する
ただし、署名時の証人としてアルベールとシャトー・ルノーに同席してもらいたいと言い、ヴィルフォールは了承する
その2人が来るのを待って、署名することと決定された

ヴィルフォールは家人たちに30分後に署名すると告げる
ヴィルフォール夫人はエドワールを抱いて青ざめた様子である
ヴァランチーヌはノワルチエの老僕バロワに絶望的な眼差しをおくった

4087うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:42:53 ID:LNssCYN6
フランツ、アルベール、シャトー・ルノー、および公証人がやってきた

公証人はフランツに説明する
ノワルチエの遺言状では、ヴァランチーヌがフランツと結婚すると財産を相続できないとされている

ヴィルフォールは
父の遺言に異議をとなえるものはこの家にはいない
他の誰との結婚でもノワルチエは気に入らない
ヴァランチーヌを手放したくないのだから、という

フランツは
ヴァランチーヌの財産について調べたことはない
自分が望んでいるのはただ幸せだけである、と述べる

そのとき、老僕のバロワがやってきてノワルチエがフランツに会いたがっていると告げる

ヴィルフォールはぎくっとした
ヴィルフォール夫人は膝からエドワールを滑り落とした
ヴァランチーヌは真っ青だった
公証人はヴィルフォールのほうを見た

そんなわけにはいかぬ、とヴィルフォール
いますぐ、とのことでございます、とバロワ

4088うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:43:31 ID:LNssCYN6
フランツはいった
ノワルチエさんがお呼びになったのはこの僕なのですから、誰よりも僕がお望みのとおりにしなくてはならないと思います
この機会に敬意を表することができれば幸せに思います

いや、それにはおよびませんよ、と慌てるヴィルフォール

フランツは毅然としていう
ノワルチエさんが僕に対して抱いておられる嫌悪が、どれほど誤ったものであるかということを証明できる機会を逃したくありません
__
ヴィルフォール、ヴァランチーヌ、フランツの3人はノワルチエの部屋を訪れる
ノワルチエは老僕バロワに指示して、手紙のようなものをフランツに渡し、読むように伝える

「1815年2月5日開催 サン=ジャック通りのボナパルト派クラブにおける議事要録」

フランツは読むのをやめた
1815年2月5日!父が殺された日だ!
このクラブを出てから父は行方不明になったんだ!

要録にかかれたいきさつ

エルバ島のナポレオンより、ケネル将軍(フランツの父)はナポレオン政権に対する献身的忠誠を抱いていると思われることからボナパルト派クラブに迎え入れよとの指示があった
ケネル将軍のもとへクラブから出席要請状が送られた
会合の場所は知らされず、道中目隠しをされること、永久に会合場所を知ろうとしないことを名誉にかけて誓うように要請された
ケネル将軍は要請を受諾した
決して強要されたものでなはなく、将軍の意志であったことを明確に記しておく
クラブの会長は将軍に、ナポレオン派を支持するのか確認する
エルバ島の思惑と違い、将軍はあくまで王党派であった
国王陛下を裏切ることなど絶対にできない、と将軍は述べる
会長は言う
では、我々のクラブについて絶対に他言しないことを名誉に誓っていただこうか
謀反の企みを見過ごせというのか!それを紳士の行動だと言うのか!
できないならば生きては帰さぬ、と言わんばかりの雰囲気に、将軍は我が子のことを考え、しぶしぶ誓う
帰り道、目隠しされながら馬車の中で将軍は、同乗していた会長を思わずののしってしまう
会長は侮辱された、と受け止めた
馬車にいたのは4人
4人は川のそばで馬車から降りた
会長と将軍は決闘することとなった
会長が勝った

立ち合い人の署名とともに、ケネル将軍は正当な決闘で斃れたのであり、伝えられるように、罠にかけて暗殺されたのではない、と証明されていた

4089うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:44:11 ID:LNssCYN6
フランツは息子にとってはあまりに恐ろしいこの朗読を終え、涙をぬぐっていた
ヴィルフォールはこれ以上騒ぎを起こさないでくれ、とノワルチエに懇願しようとしたとき、
フランツはノワルチエにたずねた

あなたはこの痛ましい事件を詳細にご存知なのだし、立派な署名でそのことを明らかにされています
どうか教えてください
このクラブの会長の名前を!
父を殺した者の名前を!

ヴィルフォールはうろたえたようにドアのノブを探った
ヴァランチーヌは誰よりも早く、老人がなんと答えるかがわかり、一歩あとずさった

ノワルチエさん、お願いです!
『よし』とノワルチエが答え、辞書をみつめた
フランツは辞書を取り上げ、震える声でアルファベットを読み上げMまで唱えた
『それだ』
青年の指が単語の上を走る
だがどの単語にも老人は否定の答えをする
ヴァランチーヌは両手に顔をうずめていた
ついにフランツはMOI(私)という単語に到達した
『それだ』と老人は答えた
フランツが叫んだ
あなたが!あなたなんですか!私の父を殺したのは!
『そうだ』ノワルチエは威厳をこめた眼差しで答えた
ヴィルフォールはドアを開けて逃げ出した

4090うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:44:49 ID:LNssCYN6
アンドレア・カヴァルカンティはパリの社交界にうまく食い込みつつあった
ダングラール家に完全に入り込んでいた

モンテ・クリストがダングラール家を訪れた
ダングラール夫人はオートゥイユの別荘でのこと以来、モンテ・クリスト伯爵の名を聞くだけで背筋が凍るような気もするのだが、かといって伯爵が姿を見せないと不安になるし、実際に訪問を受けたらその魅力的な笑顔にたちまち虜となってしまう有様であった
ウジェニー嬢は相変わらず素気なく、アンドレア・カヴァルカンティは彼女の気を引こうと苦労している様子である
ウジェニーは女友達の音楽家とピアノ室にこもりっきりである
そんななか、ダングラールが帰宅した
ダングラールはピアノ室のドアを自ら開けて、アンドレア・カヴァルカンティを招き入れた
ダングラール夫人はモンテ・クリストに、その朝またミラノの取引先の破産で3,40万損をしたのに平気でいる夫の太っ腹な態度を誉めるのであった
モンテ・クリストは思った
『よし、もう損を隠すようになったな。一か月前は損を吹聴したのに』

いや、奥さん、損などダングラールさんは株で取り返してしまいますよ

主人は投機はいっさいいたしませんのよ

ああ、そうでした
ドブレさんが言ってました
投機のデモンに身をささげているのはあなただと

今はもう興味を失くしてますの

それはよくありませんよ
わたしが銀行家の妻ならば、いや事業なんて幸運か不運だけですし、夫の幸運だけにすがらずに自分の財産を確保しようとしますね

夫人は話題を変える
ヴィルフォールさんはほんとうにお気の毒だったわ

なにがあったのですか

ご存知でしょうに
サン・メラン侯爵夫妻はお亡くなりになるし、お嬢さんのご結婚だって・・・

え、フランツ・デピネ君がお相手でしょう?

昨日の朝、フランツさんが、無かったことにしてくれ、とおっしゃったそうです

それはまたどうして?

ダングラール氏が戻って来た
いや、なかなかの好青年ですな、伯爵
カヴァルカンティ公爵は・・・ほんとうに公爵なんですよね

わたしは保証しかねます
父親のほうを公爵だと言って紹介はされましたが

あなた、もしモルセールさんがいらして、ウジェニーの部屋にアンドレアさんがいるのを見られたらどうなさるの?

あの男はめったに顔を出さんじゃないか
アルベール君は娘をそんなに好きじゃないんだよ

でも私たちの立場では・・・

アルベール・ド・モルセール子爵さまがお見えでございます

4091うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:45:17 ID:LNssCYN6
夫人はウジェニーへ知らせようと立ち上がったが、夫は
「ほっておけ」
夫人は驚いて夫の顔をみつめた

ダングラールの冷たい態度は直接アルベールにも向けられ、アルベールも皮肉にやり返す

ダングラールはモンテ・クリストに、アルベールのフィアンセとしての冷たい態度を訴える

たしかに、冷たいですな
でももう約束なさったんでしょう?

たしかに約束しましたよ
でも娘を愛してもいない男にくれてやるとは言ってません
あの男、親爺そっくりの傲慢さだ

私のあの青年への友情が私を盲にしているのかもしれないが、彼は好もしい男ですよ
きっとお嬢さんを幸せにしますよ
なんといってもお父さんの地位が高いですから

ですかね?

どうしてそんな、怪しそうな顔をなさるんです?

昔のことがありますからな
あのうさん臭い

父親の過去など息子に関係ありませんでしょう

おおありですよ!

一か月前は、あなたもこの結婚は申し分ないと思っておられたじゃありませんか
いや、私は困惑してるのですよ
あのカヴァルカンティ君にあなたが会ったのは私の家ですからね
私は彼のことはよく知らないのですよ
重ねて申し上げておきますが

私はよく知ってます、それで十分です
ひと目でわかりますよ
あなたはあの青年について公平な見方はなさらんのですなあ

4092うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:46:04 ID:LNssCYN6
モルセール家との約束を知りながら、わきから割り込んで財産にものを言わせるというのはどうも見苦しい

世間では日常茶飯事ですよ

とはいえ、このまま破談にするわけにはいきませんよ、ダングラールさん
モルセール家のほうは、すっかりその気になってますからね

その気になってますかね?

はっきりしてます

それなら、そう言えばいいんだ
伯爵、ちょっとその旨、あの家の父親にお伝え願えませんか

お望みなら、よろこんで

明確に、最終的な申し入れをしてほしいんですよ
娘をほしい、日取りはいつ、金銭的な条件をはっきり
合意するならする、駄目なら駄目とね

いいでしょう、お伝えしましょう

召使がダングラールを呼びにくる
お茶をどうぞ、と夫人が言う
ダングラールが興奮した面持ちで戻ってくる
モンテ・クリストの問いかけに答える

いま、ギリシャから郵便がとどきましてね

横目でアルベールを見るダングラール

アルベールとモンテ・クリストは共に帰宅する

伯爵、ギリシャからの知らせってどういう意味なんですか?

どうして私にわかるというのです?

だってあなたはあの国に詳しいから

アルベールはウジェニーに挨拶をしに行った
入れ替わりにダングラールがモンテ・クリストのもとへ

いやあ、いいご忠告をくださいましたよ
フェルナンとギリシャのヤニナ、この2つには恐るべき話があるのです

ほう!

いつかお話ししますよ
あの青年を連れ帰ってください
私はもうあの男と一緒にいるのはかないません

4093うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:46:42 ID:LNssCYN6
帰りの馬車の中で、アルベールは言う

僕の競争相手がダングラール家に入り込んだな
あなたが庇護なさってるアンドレア君ですよ

良くない冗談ですよ
私はアンドレア君を庇護などしておりません、少なくともダングラール氏に対しては・・・
ダングラール氏は君のことがお気に入りですよ

あの人が?とんでもない!

それは君の思い違いですよ
私はダングラールさんに対して最終的な申し込みをするようモルセール伯爵に伝えるように頼まれたのです

ああ、伯爵、そんなことはなさらないでしょう?

私はちゃんと伝えますよ
約束したんだから

モンテ・クリストはアルベールに屋敷に上がるよう誘う

エデの奏でるグズラ(楽器の名)の音が聞こえてきて、自然と彼女の話題となる
モンテ・クリストはアルベールに
エデは私の奴隷だが、あの国で最も地位の高い王女であると告げる

そんな方がなぜ奴隷に?

戦争の落とし子ですよ、運命のいたずらです

お名前は秘密なのですか

君は私の友人だし、口外するなと言えば、黙っていてくれるでしょう

名誉にかけて

君はヤニナのアリ・パシャの話を知っていいますか

アリ=テペレンのことですか?
もちろんですよ
父はその方に仕えて財を成したのですから

ああ、そうでした、忘れてました
エデはその娘です
なんですって?
アリ=パシャとあの美しいヴァジリキ妃との間の娘?それでいてあなたの奴隷?

そう、可哀想に
ある日、コンスタンティノープルの市場を通りかかったときに買ったのです

伯爵、こんなことを言うのはいかにも不作法なのですが、
僕に王女様を紹介してくださいませんか

喜んで
ただし2つ条件がある
誰にも私があの子を君に紹介したことを言わないこと
君の父君があの子に仕えていたことを言わないこと
そして
直接ものを尋ねてはいけませんよ
訊きたいことがあればまず私に言うこと

わかりました

4094うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:47:19 ID:LNssCYN6
エデの部屋にモンテ・クリスト以外の男性が足を踏み入れるのは初めてだった
エデはギリシャ語でモンテ・クリストにたずねた
どなたをお連れに?ご兄弟、お友達、ただの知り合い、それとも敵?
モンテ・クリストはギリシャ語で答えた
お友達だよ
何語でお話ししましょうか?
イタリア語にしなさい

アルベールはエデの美しさに圧倒されながら、何の話をしたらよいかとモンテ・クリストに訊ねた
なんでもお好きなことでかまいませんよ
この子の国のことや、幼い頃の思い出とか・・・

エデは5歳のときにギリシャを離れた
アルベールはモンテ・クリストに彼女の身の上話を聞きたいと言う
あなたは僕に父のことを話してはならぬとおっしゃいましたが、
この方はきっと話してくださると思うんです
こんな美しい口から父の名が出たら、どんなに僕は嬉しいか!

モンテ・クリストはエデのほうを向いて、特に注意して聞くようにと眉で合図しながら、
ギリシャ語でこう言った
「オ父上ノ身ノ上ヲオ話シ タダシ、裏切リ者ノ名ト裏切リニツイテハ話シテハナラヌ」

なんとおっしゃったのですか、とアルベール

「君は私の友達だから、君に対しては何も隠さなくていいと言ったのですよ」

エデは4歳のある晩、闇にまぎれて父アリ・パシャ、母、警護の者たちと宮殿を脱出し隠れ家である湖上のあずまやへたどりついたときのことを話し始める
ヤニナの宮殿の守備隊が、父アリ・パシャを捕らえるためにスルタン(トルコ皇帝)が派遣した軍司令官と手を結んだからであった
そこで父は、全幅の信頼をおいていたフランス人のある将校をスルタンのもとへ派遣してから隠れ家へと引退する決心をした

その将校を、その名を覚えておられますか?とアルベール
モンテ・クリストとエデは素早く視線を交わす

いいえ、思い出せません
もう少ししたら思い出すかもしれませんから、そのときにはお答えします
アルベールが自分の父の名を言いそうになったが、モンテ・クリストは制止した

4095うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:48:04 ID:LNssCYN6
隠れ家は湖のあずまやであった
地下室には金貨や火薬が大量に備蓄されており、パシャの命令で妃とエデは地下室にこもった
ある朝、父パシャから呼び出しがあった
「もう少しの辛抱だ
今日ですべては終わる
スルタンからの勅命が今日とどく
わしの運命が決まる
完全な赦しがえられれば、堂々とヤニナに帰ることができる
悪い知らせであれば、今夜逃げるとしよう」

湖を複数の船が渡って来た
「いよいよ我々の運命が定まるときがきた
30分後には皇帝の返事がわかる
エデをつれて地下へ戻れ」

地下室へ戻るとき、母はコンスタンティノープルへ派遣され、父が全幅の信頼をおいていたあのフランス人の姿を認めていました
護衛の者が言うには、短剣をよこされた場合にはスルタンが赦免を拒否したことを意味し、指輪がよこされた場合は赦免されたことを意味すると言いました
そして短剣を渡された場合は即座に火をつけると

地下室に男がやってきました
その男は
「スルタン万歳、アリ・パシャは完全に赦された」と言いました
その男は父が派遣したフランス人でした
護衛の者はあくまで指輪の提示を求めました
フランス人は指輪を見せ、それを確認した護衛は槍の火を消しました
消すやいなや護衛は兵士5人に刺殺されました
母は私を抱いて、私たちしか知らない隠し階段へ逃げました
羽目板の隙間から父の様子が見えました
金文字で書かれた書面を手にした男が父に向って言いました
「皇帝陛下の上意を伝えに来た。陛下は汝の首を所望だ」
父は突然高笑いし、義勇兵たちと共にピストルと新月刀を持って戦いました
最後は20人の男が父に襲いかかりました
母は気を失い、私は床に転がされました
母が意識を取り戻したとき、私たちはスルタンが派遣した軍司令の前にいました
母は言いました
「私を殺してください。ただ、アリの妻としての名誉だけはお守りください」
「わしに言っても駄目だね」
「誰に言えばいいのです」
「そこにおる、お前の新しいご主人様にだ」
そう言って、父の死に対して最も功績のあった者のうちの一人を指さしました

アルベール
では、あなた方はその男のものとなったのですか

いいえ、さすがにそれはできず、その男は私たちをコンスタンティノープルへ行く奴隷商人に売ったのです
私たちはギリシャを渡り、スルタンの城門までたどりつきました
そこには父アリの首がさらされておりました
母は衝撃のあまり倒れ、死んでしまいました
私は市場に連れて行かれ、アメリカ人に買われました
いろいろ教育してくれて、私が13歳になるとスルタンに売ったのです

モンテ・クリストは言った
そして私が前にも言ったように、スルタンから買ったのですよ
ハッシッシの丸薬の入れ物と同じエメラルドでね

アルベールは今聞いた話に呆然となっていた

4096うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:48:42 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールはフランツから次のような手紙を受け取った
「今朝あのような事情をお明かし下さった以上、
ノワルチエ・ド・ヴィルフォール氏は同家とフランツ・デピネ家の縁組がよもや可能とは思われますまい
フランツ・デピネは、
今朝語られた事件につきご存知であったとお見受けするヴィルフォール氏が、
事前にこのことについてお知らせくださらなかったことをきわめて遺憾に存じます」

ヴァランチーヌはマクシミリヤン・モレルに破談を報告した

そしてヴィルフォール夫人はとある行動をとった
ノワルチエのもとへ行き、
デピネ家とは破談になったのだからヴァランチーヌに財産を返してやって欲しいと言ったのである

ノワルチエはヴィルフォール夫人の心を探ろうとしたのだが、
見極めることはできなかったのである

ノワルチエは公証人を呼び、遺書を作成しなおした
ヴァランチーヌが自分から引き離されることはないという条件のもとに、
全財産を孫娘に遺贈したのである
サン・メラン侯爵夫妻の財産を相続し、
いままた祖父からの遺贈を受けたヴァランチーヌは
将来莫大な年収を得ることとなった

4097うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:49:27 ID:LNssCYN6
モンテ・クリストはダングラールからの依頼事を実行するべく、
モルセール伯爵家を訪問した
その結果、モルセールはダングラールのもとへ正装して赴いたのである

「ダングラール男爵、やってきましたよ
どうも長いあいだ、昔の約束事をうろうろしていたが」

ダングラールはそっけない
「どういう約束だったかな、伯爵」

あなたは形式を重んずるんだな、といってモルセールは深々と頭を下げて言う
「私は、息子アルベール・ド・モルセール子爵の妻としてウジェニー・ダングラール嬢を
いただきに参上したことを光栄とするものであります」

ダングラールは眉をひそめた
「返事をする前に少々考えたいんだがね」
「考える?この話をしてから8年になるのに、考える時間が無かったのかね」
「もう一度考え直す必要のある事は毎日のようにあるさ」
「いったいどういうことなんだ?わけがわからんぞ!」
「ここ2週間ばかりの間に新しい事態が・・・」
「はっきりさせようじゃないか。モンテ・クリスト氏に会っただろう?」
「しょっちゅうお会いする。友人だからな」
「あの人に、私がこの縁談について態度がはっきりしない、と言っただろう?」
「その通り」
「だから、私は来たのだよ。あなたの約束の履行を促しにね」
ダングラールは無言だった
「そんなに急に気持ちが変わったのか?私を馬鹿にしているのか?」
「なによりも私が苦しんでいるのだ。やむにやまれぬ事情があってな」
「なにが言いたいんだ。いずれにせよ、私の家との縁組を拒むんだな?」
「拒んでいるんじゃない、心を決めかねているんだよ」
「まさか、あなたの寵愛が戻るのをおとなしく待っている私だとは思わんだろうね」
「それじゃ、あなたが待てないというんなら、この話はなかったことにしようじゃないか」
モルセールは怒りで爆発しそうになっていた
「ダングラール、我々も古い付き合いだ。お互い思いやりを持つべきだろう
あなたが倅に好意的でなくなったのにどんな事件があったのか教えてもいいだろう」
「子爵個人のことではないんだ。これ以上言わないのをありがたく思うんだな」
「私には聞く権利がある
家内に文句があるのか?
私の財産が十分ではないというのか?
政治的意見が違うからか?」
「そんなことではない
そんなことは承知のうえで約束したんだから、あれこれ理由を探すのはやめたまえ
延期、という言葉を使おう
時がすべてを解決してくれる
一日のうちにひどい中傷がはたと止むこともある」
「この私を中傷する者がおるのだな?!」
「せんさくは止そうといっておるのだ。この私のほうがつらいんだよ」
モルセールは怒り狂って帰って行った
ダングラールはモルセールが一言も「自分のせいではないか」と言わなかったことに気づいた

翌朝、ダングラールは新聞『アンパルシアル』を手にした
ボーシャンが編集主幹をしている新聞である
『ヤニナからの通信によれば』という記事を確認し、にやりとする

4098うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:50:08 ID:LNssCYN6
これと同じ頃、
アルベールは興奮の面持ちで、シャンゼリゼ通りのモンテ・クリスト伯爵邸を訪ねた
モンテ・クリストは射撃の練習に出かけたという
アルベールは練習場へ向かい、伯爵をつかまえる

アルベールは友人のボーシャンに決闘を申し込むので、
モンテ・クリストに介添え人になって欲しいと言う

いったいどうしたんです?理由は?
名誉を傷つけられたからですよ
これを読んでください

『ヤニナからの通信によれば
今まで知られていなかった、少なくとも公表されていなかった事実が明らかにされた
ヤニナの町を守っていた各城砦は、アリ=テペレン太守が全幅の信頼を寄せていた、
フェルナンというフランス人将校により、トルコ軍に引き渡されたものである』

この記事のどこが君を傷つけるんですか?

どこがって・・・僕の父、モルセール伯爵はフェルナンという名前なんです

それで、アリ・パシャに仕えておられた?

つまり、ギリシャ独立のために戦っていたんです
中傷もはなはだしい!

論理的に話をすすめましょうか
今のフランスで、士官フェルナンがモルセール伯爵と同一人物であることなど、
知っている者がありますか
1822年だか23年だかのヤニナのことなど今さら関心を持つ者が?

だから陰険なんですよ
僕は父の名を受け継ぐ者として、この名にかすかな疑惑の影さえ漂うことを許しません
ボーシャンに取り消させます

ボーシャン君は取り消さないでしょうね

4099うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:50:41 ID:LNssCYN6
それじゃあ、決闘です

よく考えてみなければいけませんよ
私が思うには・・・私の言うことに腹を立ててはいけませんよ
私はね、報道された事実は真実だと思う

父の名誉にかかわるそんな推測は息子としては容認できません

ボーシャン君のもとに介添え人を送る前に、情報を集めることです

誰から?

たとえばエデからでも
この件の真相をあきらかにして、もしも万一、君のお父上が不幸にして・・・

伯爵、ぼくはそんな推測は容認いたしません
拒否します

どうしても?
では最後にもうひとつ
介添え人を送るのではなく、ボーシャン君に君自身で会いに行きなさい

どうして僕が自分で行かねばならないのですか

そうすれば、問題は君とボーシャン君の間だけのことになる
もし、ボーシャン君が取り消す気になっている場合は、
彼に善意からするのだという余地を残しておいてやらねばなりません
もし逆に取り消しを拒めば、その時こそ、他人を介入させるときです
相手の自尊心にかかわることをさせようとするなら、
ほんのわずかでも相手の自尊心を傷つけてはいけない

わかりました
僕一人で参ります

ほんとは全然行かないにこしたことはないんですがね

そんなことはできません
もし、万策尽きて決闘ということになったら、介添え人になってくださいますよね

モンテ・クリストはそれまで見せなかったほどの真剣な表情で言った
「子爵、時と場合によっては、私が君に対して身をなげうつ覚悟でいることは、
君もご覧になったはずです
しかし、君が今私に求めていることは、私が君にしてあげられる範囲を逸脱しているのです」

なぜなんですか

いつかわかります
でもそれまでは秘密にしておくことを許してもらいたい

わかりました

4100うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:51:14 ID:LNssCYN6
アルベールは新聞社のボーシャンのもとへ向かう

やあ、アルベール、なんでまたこんなところへ?

記事の取り消しをして欲しいんだ

君が記事の取り消しを?いったいどの記事だ?

ぼくの家族の一員の名誉を傷つける記事の取り消しだ

なんだって?そんな馬鹿な

ヤニナからの通信だよ

ヤニナ?誓って知らんぞ
(アルベール、新聞を見せる)

この士官が君の親類だというのか?で、ぼくにどうしろと?

君の新聞が僕の家族を侮辱したんだよ
取り消しを要求する

君はどうも話の仕方をしらんな
とにかく、フェルナンというのは誰なんだ

僕の父だ
20もの戦場を駆け巡ったフェルナン・モンデゴ・モルセール伯爵
その名誉にけがらわしい泥を塗った!

君の父上?それなら君の憤激もわかるな
もう一度読み直してみよう
で、どこにフェルナンが君の父上だと書いてあるんだ?

書いてなくとも他人はそう思うだろう
だから取り消しを要求する

うん

よかった!

だが、ぼくがこの記事が誤報であると確認してからだ

なんだと!

私は敵の脅迫など我慢なりませんし、友人からならなおのこと
誓って申し上げて私がまったくあずかり知らなかったこの記事を取り消せと言われるんですな?
さもなければ決闘ですか

そうだ!(アルベールは興奮のあまりなにがなにやらわからなく・・・)

私はあなたが脅迫しに来られたことにより、この記事の内容に興味を持ちました
この記事は権威ある筋より否認されるなり確認されないかぎり取り消されません

では、介添え人を差し向けます
今夜あるいは遅くとも明日には・・・

とんでもない
どうしても必要となったときに僕は決闘場へ行く
三週間待ってもらおう
三週間後には「そうだあの記事は誤報だった」「あの記事は事実だった」
どちらかの答えを用意してあいまみえましょう

三週間!その間、名誉は汚されたままだ

以前のように君が友人だったら「我慢しろよ、アルベール」と言うところだが、
今はこう言わせてもらう
「そんなこと知ったこっちゃありませんよ、こちらは」

決闘日は9月21日となった

4101うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:51:50 ID:LNssCYN6
マクシミリヤン・モレルはノワルチエから呼び出しを受けた
ヴァランチーヌが代弁した
ノワルチエはこの家を出るつもりであり、老僕バロワが今、適当な部屋をさがしていること
ヴァランチーヌはノワルチエのそばを離れるつもりはないので一緒に住むこと
父ヴィルフォールが同意すれば、すぐにこの家を出ること
同意しなければ、成年に達するまで1年半、待つこと
そしてマクシミリヤンとの結婚の約束を守ること

老僕のバロワはマクシミリヤンを迎えに急いで走ったため、汗びっしょりだった
ノワルチエは自分が飲んだ残りの水差しのレモネードに目をやった
ヴァランチーヌがグラスに注いでバロワに勧めた

それを飲んだバロワはひどい神経障害にみまわれて倒れた
屋敷内は大騒ぎになった

おりよくダブリニー医師が来ていた
ヴァランチーヌとヴィルフォールは医師を探しに行った
ヴィルフォール夫人がやってきた
彼女がまず見たのはノワルチエだった
夫人は顔色を変え、その老僕からその主人へといわば跳ね返った
ノワルチエは奥の奥まで見通すような視線を夫人に浴びせていた
ヴァランチーヌはマクシミリヤンに騒ぎに紛れて帰るように言う

ダブリニー医師にはなすすべがなかった
患者がレモネードを飲んだと聞き、その現物を押さえるべく調理場へ突進し、あやうくヴィルフォール夫人を突き飛ばすところだった

バロワは死んだ

ダブリニー医師はヴィルフォールに告げた
サン・メラン侯爵夫妻も急死した
君の家では皆急死してしまうね、ヴィルフォール

ダブリニーの分析により、レモネードからは植物毒が検出された

4102うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:52:29 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールが叫ぶ
私の家には死神がいる

ダブリニーは言う
犯人がいる、と言いたまえ
犯人の狙いはノワルチエだったのだろう
ノワルチエには治療薬として毒物が処方されているので身体が慣れているのだ
サン・メラン侯爵夫妻も本当は殺されたのではないか?
ノワルチエの遺産相続のことを考えても、ヴァランチーヌ嬢に疑いがかけられるだろう
私は告発する
君の義務を果たしたまえ

ダブリニーに泣きつくヴィルフォール
ならば、二度と私をこの屋敷へ呼ばないでくれ
たとえ君が毒を盛られたと思ったときもね
こう言い残してダブリニーは帰った

4103うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:53:04 ID:LNssCYN6
アンドレア・カヴァルカンティはダングラール邸を訪問して、ダングラール氏に
ウジェニー嬢に対する恋心をほのめかす

はやる心を押さえながらダングラールは言う
しかし、結婚は早すぎやしませんかね
あなたのお父さんはもう帰国してしまわれたし・・・

このパリで僕が花嫁を見つけたら逃がすことのないように
身分証明やら必要な書類は全部用意しておいてくれてるんですよ

二人は持参金の話やら、アンドレアの母の遺産やら
もっぱらビジネスの話で盛り上がる

ダングラールはたずねる
それはそうと、あなたの社交界における後ろ盾であるモンテ・クリスト伯爵は、
この私どもへの申し込みにどうして一緒にいらっしゃらないのです?

僕はきょう、伯爵の家から来たのですが、あの人はいい人ですが変わってましてね
結婚の申し込みなんてことにいままで責任をとったことはないし、これからもないからというのです
まあ、公的にはなにもしたくないが、あなたが話をなされば、そのときには答えるとのことです

アンドレアは、来月はいろいろと入用なのでといって、モンテ・クリストの署名のある手形をダングラールに渡す

こんな手形ならいくらでも引き受けますよ、とダングラール

ダングラール邸をあとにしたアンドレアはカドルッスと落ち合う

カドルッスがダングラールやモルセールと知り合いだときいて驚くアンドレア
しきりに金をねだるカドルッスは、アンドレアの”金の生る木“を教えろという
アンドレアは、パリにおける庇護者のモンテ・クリスト伯爵が実は自分の父親であり、
遺言状に相続人として自分の名前を書いてくれたと言う

その伯爵はそんなに金持ちなのか?
自分の財産の総額もわからないくらい金持ちだよ
屋敷の間取りを教えろとせがむカドルッス
うすら笑いを浮かべながら、アンドレアは間取り図を書いてやる
週に2,3回オートゥイユの別荘に伯爵は行くんだけど、使用人がいなくなったら物騒で泥棒に入られますよって俺は言ってるんだけどな
『泥棒に入られたとしても、私にはなにほどのことでもない』らしいよ

アンドレアは去っていった

ベネデットの奴め、遺産を相続して悪い気はしまいて
その日を早めてやった奴は悪い友達にはなるまいよ

4104うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:54:07 ID:LNssCYN6
カドルッスとアンドレア(=ベネデット)の密談の翌日

執事のベルトゥチオがノルマンディーから戻って来た
モンテ・クリスト伯爵の指示どおり、ノルマンディーのル・トレポールに家を準備し、
伯爵所有のコルヴェット艦の入港手続きも終え、いつでも命令在り次第出航できるように整えてきたのだった

ベルトゥチオ、よくやった
フランス滞在もあと一か月以上にはならないはずだ
すみやかに出発の準備をととのえておくように
それから
パリからル・トレポールへは一夜のうちに行かねばならない
街道8カ所に代え馬を用意しておくように

すでに万事手配ずみでございます

モンテ・クリストはオートゥイユへと向かった
そこへ手紙が届く
差出人不明で、その内容は
シャンゼリゼ通りの伯爵邸に男が侵入する
その目的は化粧室の机にあると思い込んでいる書類である
警察を介入させずに解決するのがよいだろう
というものであった

モンテ・クリストはこの手紙は自分の命を狙う罠であると察知する
そしてシャンゼリゼの屋敷に残る召使たちを全員オートゥイユへ集め、邸内を無人の状態にしたうえで、モンテ・クリスト自身と唖の忠実なる召使アリはこっそりと戻った

その夜
男がひとり寝室に侵入してくる
屋敷の外には様子をうかがう男がもうひとりいる
隠し部屋から観察するモンテ・クリストは侵入者がカドルッスであると知り、おどろく

「カドルッス君、こんな夜更けに何のようだね」
とびあがるカドルッス
「ブゾニ司祭さま!」
「どうやら、いつまでたっても性根は直らぬとみえる。人殺しめ!」
「ちがいます!あの宝石商をやったのは女房でして。あっしは懲役をくらっただけで」
「では刑期を終えたのか」
「ある人に助けられたんで」
「脱獄したのか!悪質な累犯だな」
「いや、つい出来心で、食うに困って・・・お願いします、もう一度お助けを」
「本当のことを言えば、見逃してやってもよい。誰に監獄から出してもらった?」
「ウィルモア卿というお方で。いや、そのお方はベネデットというコルシカ人を助けたんですが、あっしも一緒に・・・」
「そのコルシカ人はどうなった?」
「知りません。いや、ほんとうに」
そう言いながらじりじりとカドルッスは司祭に近づいた
「嘘をつけ!今でもその男と仲間なのであろう」
「いや、あの、そのベネデットはこの屋敷のモンテ・クリスト伯爵の倅になっちまって」
「ベネデットが伯爵の息子だと?」
今度は司祭が驚く番だった(ははん、読めてきたぞ)
「で、今はその男はなんと名乗っておるのだ」
「アンドレア・カヴァルカンティ」
「ああ、あのダングラール嬢と結婚の予定だという男か!
その男に前科があるのを知ってだまってるつもりか」
「仲間の出世を邪魔する必要はありませんや」
「そうだな、知らせるのはお前ではなくこの私の役目だ」
「やめてくださいまし。わしら、おまんま食い上げになっちまう」
「ダングラール氏になにもかも説明しよう」
「くそっ」
カドルッスは短刀を伯爵の胸に突き刺した
ところが短刀は刃こぼれしてはね返ってしまった
伯爵はカドルッスの腕をひねりあげ、床へねじふせた
「どうかお慈悲を!」
司祭はカドルッスを立ち上がらせ、慈悲を与える代わりに、これから言う通りの告白書を書けという
『あなたがお邸に出入りさせ、お嬢様を嫁がせようとなさっている男は、
私とともに、ツーロンの監獄を脱獄した前科者でございます。
あの男の囚人番号は59号、私は58号でございました
奴の名はベネデット
両親には一度も会っていないため、本名は奴自身知りません』
ダングラール男爵様、銀行家、ショセ・ダンタン通り
カドルッスはしぶしぶ署名した

4105うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:54:46 ID:LNssCYN6
司祭は入って来た窓から帰れ!と言う
カドルッスが窓から降り始めると、司祭はろうそくをかざした
屋敷の外で待ち受ける男に見えるように

カドルッスは外塀にたどりつき乗り越えた
その刹那、彼の背中に向けて振り下ろされた腕
第二の攻撃は脇腹
そして三回目は胸に・・・
「助けてくれ!」
その絶叫を聞いて、アリとその主人が駆けつけた

司祭さま、た、たすけてくだせえ
モンテ・クリストはアリに指示して、ヴィルフォール検事と医者を呼びにやる
カドルッスよ、お前はもう助からぬ、刺した奴を知っているか?
ええ、知ってますとも・・・ベネデットだ
モンテ・クリストは例の秘薬を2,3滴カドルッスに飲ませる
お前の供述書を書いてやる
お前は署名するだけでよい

『私は、ツーロンの監獄での仲間、囚人番号59号、コルシカ人ベネデットにより殺害され、
死んでいくものであります』
モンテ・クリストはカドルッスにペンを持たせ、彼は最後の力をふり絞って署名し、気を失った
薬瓶をかがせると、ふたたび目を開けた

4106うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:55:25 ID:LNssCYN6
あの男は伯爵にお前を殺させようとしたのだよ
伯爵に密告したのだ
伯爵が不在だったので私が代わりにお前を待ち受けていたのだ
あいつはお前のあとをつけてきた
あっしがここを出るとき、あっしが殺されるのをあんた知ってたんだ!

私はベネデットの手に神の裁きを見たからだ

神のお裁きだと?そんな話聞きたくねえや!

神はお前に健康と力と十分な仕事、そして友達さえも与えた
だがお前は、ただ怠けて酒に溺れ、最良の友を裏切った
友を裏切ってからお前は貧困に陥った
これは神の警告だ
神が私の手を通して奇蹟をお前に与えたとき←(^^)/ ダイヤのこと
お前はそれを手にしたとたん、もう不足だった
人殺しによって財産を倍にしようとした
だから神はお前を人間の裁きの場へ引き出し、財産を取り上げた

あれは・・・女房がやったことだ!
それに、終身刑だなんて・・・

お前は死刑ではなく、終身刑となったとき、神のお慈悲に喜んだはずだ
そしてひとりの英国人により再度お前に奇蹟が行われたのだ
お前は人並みの暮らしができたはずなのだ
なのにお前は第三の罪を犯した
神も疲れた
お前を罰し給う

ベネデットは・・・奴は逃げちまう!

ベネデットも罰される

あんただって罰されるぞ!坊さんならあっしを見捨てていいわけがない!
俺は神さまなんて信じねえ!

私を刺し殺そうとしたくせによくもそんなことが言えるものだな
神は存在する
こうして私がお前のまえに立っていることがその証拠

あんたいったい何者なんだ・・・

わたしの顔をよく見るがよい

ブゾニ・・・司祭
(モンテ・クリストは司祭のかつらを取る)
おっ、あのイギリス人の・・・あんたはウィルモア卿だ!

私はブゾニでもウィルモアでもない
おまえの若い頃を思い出せ
よく見るのだ

昔あんたを知ってたような気がする・・・だが、誰だ
俺を知ってるんならなんで見殺しにする・・・

それはお前の傷が致命傷だからだよ
もしも助けられる傷ならば、そこに神の慈悲を見出しただろう
父の墓にかけてお前の命をもう一度だけ助けただろう

息も絶え絶えのカドルッスは言った
父の墓にかけて・・・だと?いったいあんたは・・・

伯爵は今まさに死のうとする男を悲しげに見つめながらその耳元でささやいた
「私は・・・私は・・・」

カドルッスは最後の力を振り絞ってその手を上にあげた
神よ、主よ、あっしをお許しくださいまし
あっしをみもとにお召くださいまし・・・
最後の吐息とともに彼はこときれた

ヴィルフォール検事と医師がやってきたとき、そこには祈りをささげるブゾニ司祭の姿があった

4107うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:56:01 ID:LNssCYN6
その後の2週間、パリではモンテ・クリスト伯爵邸に盗みに入った男の噂でもちきりだった
カドルッスの持ち物は発見されなかったチョッキ以外はすべて裁判所に押収された
モンテ・クリストはこの件について尋ねられると、事件は自分がオートゥイユ滞在中に起こったことであり、友人のブゾニ司祭から聞いた話以外はわからない、と答えた
ブゾニ司祭は伯爵の蔵書の中にある貴重本を探しに来ていたのだと

ベルトゥチオはベネデットの名前が出るたびにびくびくしていたが、もとより彼に注目する者などいない

ヴィルフォール検事は職務に忠実に捜査をしていたが、3週間たっても成果はなかった

パリ社交界はこの事件にあきはじめ、話題はダングラール嬢とアンドレア・カヴァルカンティとの結婚話に移り始めた
ウジェニー・ダングラール嬢はもとより結婚というものに興味はなく、アルベールを遠ざけるためにアンドレアを近づけただけであったので、明らかにこの結婚話には反撥し始めていた

4108うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:56:32 ID:LNssCYN6
ボーシャンとアルベールの決闘の期限が迫っていた
モンテ・クリスト伯爵がアルベールに言ったように、記事の人物を父親と結びつける者はいなかったが、アルベールの誇りが著しく傷ついたことには変わりない

ある朝、アルベールのところへボーシャンがやってきた
アルベールは挑戦的な態度で彼を迎えたが、ボーシャンは穏やかだった
ボーシャンは自分の足で確かめてきたのであった
ギリシャのヤニナへ赴き、現地で聞き込みをして、記事中の“フェルナン”はまちがいなくアルベールの父親であると確信してきたのであった
証拠となる書類とともに・・・

アルベールは打ちのめされた
ボーシャンはこの話は二人だけの秘密にすることを提案する
アルベールは証拠の書類を燃やした

心の中でなにかが崩れてしまったと嘆くアルベールに、勇気を出せとボーシャンは言う
この裏には秘められた悪意があるぞ
君はやはりダングラール嬢と結婚するのか?
なぜならこの縁談の成否と今回の問題にかかわりがあると僕は考えている

なんだって?君はダングラール氏が・・・?
いや、勘ぐるなよ、僕はただ、縁談はどうなったのか聞いただけだ

縁談はこわれたよ

そうか・・・
アルベール、気晴らしに出かけよう
そうだ!モンテ・クリスト伯爵に会いに行こう
あの人みたいに、人にうるさく質問しない人というのが慰め方の一番上手い人なんだよ

4109うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:57:07 ID:LNssCYN6
二人の青年が仲良く現れたのを見て、モンテ・クリストはうれしそうな様子だった
どうやらすべて終わったようですな
私のほうはといえば、厭な午前中を過ごしていましてな

なにをしておられるんですか?書類の整理?

カヴァルカンティ氏の書類ですよ

カヴァルカンティ?

ボーシャン、君は知らないのか?伯爵が世に出してやろうとしている青年さ
僕の代わりにダングラール嬢と結婚する男だよ

いや、誤解してもらっては困る
私は誰も世に出してなんかやらない
ましてやカヴァルカンティ氏なんて・・・

なんだって?ダングラール嬢と?
伯爵、あなたが縁談をまとめたのですか?

とんでもない
逆に私は反対しましたよ

ああ、アルベールのためにですね

ちがうよ、僕はこの縁談を壊してくれと伯爵に頼んだくらいだ

いいですか、私がこの縁談をすすめたのではない
私はあの青年のことは何も知らないんですよ
人は金持ちで名門だというけれど、噂にすぎないんでね
ダングラール氏に口がすっぱくなるほどそれは言ったのですがね
もうひとつ重大と思えることがあって・・・
あのアンドレア君の父君が10年間息子を知らなかったということですよ
幼い頃に誘拐されたのかなんなのか知りませんがね
10年間の息子の行状も不明です
でもダングラールさんは気にしないようですな
ところでアルベール君は浮かない顔をしていますね

頭痛がするんです

そんなときによく効く方法がありますよ
土地を変えるんです
私もいらいらしているところだ
一緒に行きませんか

伯爵、あなたがいらいらなさってる?

ボーシャン君、あなたも自分の家を捜索されてみればわかりますよ

ああ、そうでしたね
あのカドルッスという男は何者なんですか?

さあ、プロヴァンスのほうの出身みたいですが、ヴィルフォール検事もダングラール氏も見知っているようですよ

伯爵はアルベールをノルマンディーへの旅に誘った
ボーシャンはアルベールの事件が広がりをみせないか見張る必要があるということで
旅への参加を断った

アルベール君、君のお母さんが反対なさらなければ、だがね

伯爵、うちの母はあなたを好いていますよ
まだおわかりにならないのですか
母は自分の気持ちを大切にしてめったに人を好きになりません
でもいったん好きになったら、もう永久に変わらないんです

ああ、なるほどね
モンテ・クリストはため息をもらした

4110うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:57:39 ID:LNssCYN6
ノルマンディー地方のル・トレポールまでの旅は馬車でわずかに8時間
執事ベルトゥチオの準備は完璧である
モンテ・クリストとアルベールは海辺で釣りをし、狩をした
そんな生活も3日目のこと・・・

庭石を蹴散らす馬のひづめの音
昼寝から目覚めたアルベールは、自分の召使フロランタンの姿をみた

ボーシャン様からのお手紙をお持ちいたしました
手紙と新聞を差し出す召使
読んで目の前が真っ暗になり、倒れそうになるアルベール

モンテ・クリストはつぶやいた
かわいそうな青年だ
父の罪は孫子の代までも及ぶさだめなのか

伯爵、おもてなしありがとうございました
しかしパリへ帰らなければならなくなりました

いったい何が起こったのだね

馬を貸していただけますか
そして僕が出発したあとでこの新聞をお読みください
恥ずかしさに染まるぼくの顔を見られるのは嫌ですから

アルベールは出発した

『アンパルシアル紙上に報ぜられた、ヤニナ太守アリに仕え、ヤニナの城を敵に渡したばかりではなく、その恩義ある主をもトルコ軍に売り渡したフランス人士官は、同紙の報じた通り、当時実際にフェルナンという名前であった。しかし、その後、この士官はその洗礼名に貴族の称号ならびに領地の名を冠した。
彼は今日、モルセール伯爵を名乗り、貴族院の一員である』

ボーシャンが闇に葬った秘密はまたしても亡霊のように姿を現したのであった

4111うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:58:14 ID:LNssCYN6
アルベールはボーシャン宅へ飛び込んだ

その記事をのせた新聞は政府与党のものであるだけに事態は一層深刻だった
ボーシャンはすぐにその新聞社の支配人をたずねた

支配人は言う
モルセールの記事、あれは面白いとおもわんか?

おもしろすぎて名誉棄損になるかもしれんぞ

なるもんか
証拠は全部そろってるんだ
モルセール氏はおとなしくしているしかあるまいよ

誰がそんな詳しい情報を提供したんだ?
口火を切ったのはわが社だがその後は黙らざるをえなかったのに

向こうから飛び込んできたのさ
昨日ヤニナから来た男が、膨大な資料を持ち込んだんだ

ボーシャンはしかたなくその新聞社を出た
そして、記者として委員会を傍聴し、アルベールに報告する

その日の貴族院ではこの記事の話題でもちきりだった
ところが悲しいことに、モルセール伯爵自身はこの記事をまったく知らず、いつものように傲慢な様子で議会へ登場したのだった
一人の議員が演壇にたち、ヤニナ、フェルナン大佐という言葉を発した
モルセール伯爵は思いもかけぬ打撃に打ちのめされた
議長は調査の可否を求め、採決の結果、調査が行われることになった
モルセールは「必要な書類いっさいを提出する」と宣言した
調査委員会が開かれた
モルセールは書類を持参していた

このとき守衛が委員長に一通の手紙を渡した
委員長は開封しながら、モルセールに発言を許可した

モルセールは、アリ・パシャがトルコ帝国との交渉をする役目をモルセールに与えたという書類を持参し、アリ・パシャがモルセールに全幅の信頼を寄せていた証拠であると主張する
そして指揮権の象徴である指輪も見せた
パシャが封印に使用していた指輪であり、モルセールが後宮へ入れるように与えたものだった
モルセールによると、不幸にして交渉は失敗し、恩人の身を守るために戻ったときはすでにオアシャは死んでいたという
パシャは最愛の寵姫とその娘を自分に託すほど、自分は厚い信頼を寄せられていたのだと

委員長はモルセールの発言の間にその手紙を何度も読み返していた

モルセール伯爵、あなたはパシャが妃と娘をあなたに託したと言いましたね

はい、しかし私が戻ったときにはすでに、妃のヴァジリキと娘エデは姿を消していたのです

伯爵、そのことについて証人を出すことはできますか

残念ながらおりません

委員諸君ならびに伯爵、いま私が手にしているこの手紙には、妃とその娘のその後について証言できるという証人がいるという情報が載せられています
その証人はパシャの死に際にその場に居たとのことです
この証人をこの場へ呼ぶべきでしょうか

4112うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:58:47 ID:LNssCYN6
モルセールは顔色を変えた
委員たちは賛成!をとなえた

召使を連れた、全身をヴェールで覆った夫人が現れた
委員長の頼みに応じ、ヴェールを取ったその姿はギリシャ風の衣装をつけた美女であった

ああ、あの人だ、エデだ・・・とアルベール

モルセール氏はね、その人を恐怖のまなざしでながめていたよ

エデは自らの出生証明書と自分と母とが売られたときの証拠書類を提出した

「皇帝との恥ずべき取引に際して、戦勝の分け前として、恩人の妻と娘を譲り受け、40万フランで売ったのです」

モルセール伯爵の顔は蒼白だった

エデが提出した書類は、モンテ・クリストがトルコ皇帝御用商人からエデをエメラルドで買ったときのものであり、そこにはエデが奴隷となったいきさつが明確に記されていた
「エデはコンスタンティノープルへ到着の際死亡したその母とともに、7年前、フェルナン・モンディゴなる太守アリ・テベレンに仕えていたフランス士官により私に売却されたものである」
トルコ皇帝の玉璽まで押されている書類であった

委員長はいった
モンテ・クリスト伯爵を喚問することはできませんか

私の第二の父である伯爵はノルマンディーに滞在しております
フランスへ足を踏み入れて以来、私はいつでも父の敵をうつことを考えておりました
モンテ・クリスト伯爵は私に父親のように配慮してくださり、世間で起こる出来事はすべて知ることが出来るようにしてくださいました
ですから私は自分であの手紙を書いたのです

するとモンテ・クリスト伯爵は今回のあなたの行動にはいっさいかかわりがないと?

あの方はなにもご存知ありません

モルセール君、あなたはこのご婦人をアリ・テベレンの娘であると認めますか

いいえ!罠だ!これは私の敵によって仕組まれた罠であります!

おまえは私に見覚えがないのか!
おまえはフェルナン・モンデゴ、お父様の軍の教育に当たっていた士官だ!
ヤニナの城を敵に渡したのはお前!
母と私を奴隷商人に売ったのもお前!
人殺し!お前の額にはまだお前の主人の血の跡が残っている!

モルセールは思わず額に手をやった

お母さまはおっしゃいました
あの男をよくごらん、お前は王妃にもなれる身の上だったのに
おまえを奴隷にしたのはあの男
お父様の首を槍にさして高く掲げたのはあの男
あの男の右手をみてごらん、大きな傷があるでしょう
もしあの男の顔を忘れても、奴隷商人から金貨を一枚一枚受け取ったあの手をみれば思い出すでしょう
さあ今こそ、私に見覚えがないかどうか、言ってみるがよい!

モルセールは右手を隠した
実際に傷がついていたのであった

モルセール伯爵、さらなる調査をのぞみますか?ヤニナへ派遣しますか?

別になにも、モルセールは言った

このご婦人の弾劾を事実として認めるのですね?

モルセールは無言で議場をあとにした

諸君、モルセール伯爵を、反逆、裏切り、卑劣の行為あるものと認めますか

異議なし!異議なし!

エデはふたたび顔をヴェールで覆うと委員たちに挨拶し威厳のある足取りで出て行った

4113うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:59:20 ID:LNssCYN6
アルベールは涙にぬれた顔をあげた
ボーシャン、僕の人生はもう終わりだ
どんな奴が僕に憎悪を抱き続けているのかつきとめる
そして僕がそいつを倒すか、そいつが僕を倒すかだ

アルベール、ぼくがヤニナで調査をしていたときのことだ
ある銀行家をたずねたときに例の件をしゃべりかけたら、みなまで言わないうちに向こうが言うんだよ
ああ、どんなご用でおいでになったのかわかりました、と
どうしてですか、とたずねたら
二週間ほど前に同じことを聞かれたから、というんだよ
誰に聞かれたのかとたずねたら・・・ダングラールさんだった

あの男が!

アルベールとボーシャンはダングラール邸へ向かう
アルベールはダングラールに決闘の申し込みをする勢いである

「あなたのお父さんの名誉が汚されたからといって、それが私のせいですかね」
「恥知らず、きさまのせいだ!」
「私のせい?気が狂ったんじゃないのか?
この私がなんでギリシャのことなんか知るものか
私があんたの父親をそそのかして城を敵に売らせたり、裏切らせたりしたというのかね」
「かげで口火を切ったのはお前だ!」
「私が!」
「そうだ、あなただ、どこから秘密がもれた!」
「どこがって、ヤニナでしょうよ」
「父のことを誰がヤニナに問い合わせたんだ!あなただろう!」
「たしかに書きましたよ
娘を嫁にやるときに父親がする当然の行為でしょうよ
でもね、誓っていいますがね、私はヤニナへ手紙を書こうなどてんでおもいつかなかった
アリ・パシャの悲惨な最期など私が知るわけないでしょうが」
「誰かに言われたのか?」
「あなたのお父さんがどうやって財を成したか、今もってわからぬと言ったら、その人がどこで財を成したのかと聞くから、ギリシャだと答えた
そしたらその人が、じゃあヤニナへ手紙を書けばいいと言ったんですよ」
「それは誰なんです?」
「モンテ・クリスト伯爵ですよ」

アルベールとボーシャンは顔を見合わせた
ダングラールによると、ヤニナからの返事をモンテ・クリスト伯爵にも見せたと言う
伯爵はモルセール父がフェルナン・モンデゴという名であることも知っていると言う

ヤニナからの返事が届いた翌日、モルセールさんがモンテ・クリストさんにすすめられて、正式に娘をくれといって来たが、当然お断りした
モルセール氏の名誉・不名誉など私になんのかかわりがある?
そんなもので私の収入が増えるわけじゃない

アルベールはモンテ・クリスト伯爵邸でエデの話を聞いたときのことを思い出していた
モンテ・クリストはすべてを知っていたのだ

4114うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:59:51 ID:LNssCYN6
モンテ・クリスト邸へ向かうアルベールとボーシャン
だが、モンテ・クリストは不在だった

帰宅後、アルベールは母メルセデスに言った
お母さんはモンテ・クリスト伯爵が我が家で何も口にしないと言ってましたね
東洋の連中は心おきなく復讐ができるように敵の家では何も食べず、何も飲まないのですよ

モンテ・クリスト様がわたしたちの敵だというの?
あの方とは仲良くしてほしいの、アルベール

アルベールは皮肉な微笑みを浮かべた
__
その夜のオペラ座
アルベール、ボーシャン、シャトー・ルノー
3人はモンテ・クリストの桟敷席へと向かう
彼らが扉を開けたとき、モンテ・クリストの心構えはすでにととのっていた
同席していたマクシミリヤン・モレルは嫌な予感がした

わが騎士がついにゴールインということですね
ようこそ、モルセール君

我々は偽善的な社交辞令や、心にもない友情の言葉などを交わしにきたのではありません
伯爵、我々はあなたに弁明を求めにきたのです

まさかオペラ座で弁明を求められるとは思ってもみなかったな

しかし居留守を使って会いもしない相手と会おうとするなら、会えるところに行くしかないからな

私に会うのはそんなにむずかしくはありませんよ
現にあなたは昨日まで私のところにおられたはずだが?

昨日は・・・あなたがそんなに腹黒い人だとは知らなかったからですよ

それでもあなたは社交界の人士ですか
とても良識ある態度とはいえませんね
大声でわめきすぎる
ここは私の桟敷席だ
私だけが他人よりも大きな声を出す権利を持っている
帰りたまえ

ぼくはあなたをこの桟敷席から出してみせる!
アルベールは震える手で手袋をにぎりしめながら言った
伯爵はそれを見逃さなかった
(^^)/ 手袋を相手に投げつけるのは決闘の合図(^^)/

なるほど
挑戦する際にやたらと騒ぎ立てるのは君の悪い癖だ

アルベールは手袋を伯爵の顔に投げつけようとしたが、モレルがその手を押さえ、
ボーシャンとシャトー・ルノーは後ろから引き留めた
だがモンテ・クリストは座ったまま、ただ片手を伸ばし、アルベールの握りしめた指の間の
くしゃくしゃになった手袋を掴んだ

私はあなたの手袋が投げつけられたものとみなします
私はそれに弾丸をくるんでお返ししよう
さあ、ここから出て行ってください
さもないと放り出させますよ

ぞっとするような声音であった

4115うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:00:27 ID:LNssCYN6
マクシミリヤン・モレルは伯爵にたずねた
いったい彼に何をしたのです?

私がかね?少なくとも個人的には何もしていない
あの青年はモルセール伯爵の件で頭に血がのぼっているんだよ

あなたはあの件とかかわりが?

議会で証人に立ったのはエデなのだ
あの娘がアリ・パシャの娘であることは事実なのだ

アルベールをどうなさるのです?

彼をどうするか、だって?
私は明日10時までに彼を倒す
それが私のすること

ああ、伯爵、彼のお父さんは彼のことをあれほど可愛がっているのです!

そんなことを私に言うな!
あいつを苦しめてやるのだ!

マクシミリヤンはあっけにとられた
そのとき扉がまた叩かれた
ボーシャンだった

こんばんは、ボーシャン君、まあお座りなさい

さきほどのアルベールの態度は良くなかった
ですから僕は自分の判断でお詫びにきたのです
でも、紳士であるあなたはヤニナの件で説明なさることを拒否なさらないと思うのですが

私は君たち新聞記者が書きたてるように、変り者なんですよ
説明?
とんでもない、ご冗談でしょう

しかし、ときには誠実さというものが・・・

ボーシャン君、
モンテ・クリスト伯爵に命令できる者はモンテ・クリスト伯爵なのだ
だから、そのようなことは一切口にしないでもらいたい
私はしたいことをする
そして私はつねに、ものの見事にやってのける

それではあとは決闘の取り決めをするだけです

あなたが介添え役を務めるあの青年に侮辱されたのは私のほうだが、
どうせ変り者の私のこと、武器の選択は任せますよ
剣だろうがピストルだろうが、なんだったら、くじによる決闘でもかまいませんよ
どのように決まろうと、これだけは変わらない
私は必ず勝つ

必ず勝つ?

そうです、私はモルセール君を倒す
そうしなければならないのです
必ずそうなります

武器はピストル、場所はヴァンセンヌの森です

結構です
あとは静かに音楽を聴かせてください
君の友人アルベール君にお伝えなさい
今夜また来るような馬鹿な真似はするなと
あんな馬鹿で粗野な真似は彼のためにならないと
帰って寝ろ、とね

ボーシャンは出て行った

4116うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:00:59 ID:LNssCYN6
伯爵はモレルに言う
君とエマニュエルに介添えを頼めるかな

もちろんですよ
でも僕が本当の原因を知ることが必要だと思うのですけれど

本当の原因かね?
あの青年自身、盲のまま歩いているのだ
真の原因など知らずに
真の理由、をれを知っているのは私と神だけだ
だが、誓って言うが、それをご存知の神は私たちの味方になってくださるだろう

4117うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:01:31 ID:LNssCYN6
その夜
モンテ・クリストは室内で射撃のできる特製の銃で射撃の練習をしていた
召使が来客を告げた
訪問者はメルセデスだった

「エドモン、私の子どもを殺さないで」
「なんという名を口にされたのです、モルセール夫人?」
「エドモン、メルセデスです」
「奥さん、メルセデスは死に、いまではそんな名前の人を私は知りません」
「メルセデスだけはあなたにお会いしたときすぐにあなただとわかりました
いえ、エドモン、お声の調子だけであなただとわかりました
私には、モルセールに加えられた攻撃が誰によるものかなどと考えてみる必要はありませんでした」
憎悪のこもった声でモンテ・クリストは言った
「フェルナン、とおっしゃいなさい
我々はいま、すべての名前を思い出そうとしているのですから」
「お願い、私の子どもの命を奪わないでください」
「フェルナンの倅が公衆の面前で私に手袋を投げつけるところだったのを見たでしょう」
「父親を襲った不幸をもたらしたのがあなただということをあの子も見抜いたのです」
「私がモルセールを叩きのめしたのではなく、神が彼を罰したのです」
「なぜあなたが神の代理をするの、エドモン、あなたになんのかかわりがあるのです
アリ・テベレンを裏切ったからといってフェルナン・モンディゴがあなたに何をしたというの」
「おっしゃるとおり、その件はフランス士官とヴァジリキの娘との間のことで、私には何のかかわりもない
私が復讐を誓ったのは、漁師フェルナン、カタロニアの娘メルセデスの夫に対してだ」
「ああ、もしあなたが誰かに復讐しないといけないのなら、その相手は私です
あなたがいなくなって、ひとりぼっちに耐えられなくなった私に対してなのです」
モンテ・クリストは叫んだ
「だが、なぜ私はいなくなったのだ?あなたがひとりぼっちになったのはなぜだ?」
「あなたが逮捕されたからですわ、エドモン、牢に入れられたからです」
「では、私はなぜ、逮捕された?牢に入れられた?」
「それは、私は存じません」

そう、あなたはご存知ない
少なくともそうあって欲しいと私は思う

モンテ・クリストはボヴィル氏の書類ばさみから手に入れた手紙をメルセデスに見せる
ダングラールが書き、フェルナンが検事へ密告したあの手紙である

この手紙がもたらした結果は?

私は逮捕された
だが、あなたが知らないのはその期間だ
14年間、あなたから1キロしか離れていないシャトー・ディフの地下牢で
毎日毎日復讐の気持ちを新たにしながら
しかし、私は知らなかった
あなたはフェルナンの妻となり、父は餓死していたとは
私は、私は復讐してみせる

あなたは、あのフェルナンがたしかにそれをしたとお思いなの?

私の魂にかけて、そうです
フランスに帰化しながら英軍に走り、スペインの生まれでありながらスペイン軍と戦い、
アリに雇われながらアリを裏切り、殺したことにくらべれば
あなたが今読んだ手紙など恋の手管のだまし討ちにすぎない
その男と結婚した妻はこれを許すべきだろう
だがしかし
その女性と結婚するはずだった恋人には赦すことはできぬ
フランス軍は謀反人に復讐しなかった
スペイン軍は反逆者を銃殺にしなかった
死んだアリは逆臣を罰せない
だが私は神の恩寵により、墓穴から出てきた
私は復讐をしてその恩に報いねばならない

エドモン、あなたを今でも愛しているこの私のために許してください
メルセデスは跪いた
モンテ・クリストは彼女を椅子に座らせる
女の哀願の前に揺れ動くモンテ・クリストは自分の憎悪をかき立てようとする

私は復讐せねばならない
14年間苦しみ、14年間涙を流し、呪い続けたのだから
メルセデス、私は復讐せねばならない

復讐なさい!
でも、あの人とこの私に復讐してください!
あの子には復讐なさらないで!
エドモン、私の心の鏡にたえず映っているあなたの高貴で清らかな面影を曇らせないで!
祈ることと涙を流す以外に、この私に何が出来たでしょう
あなたが死体とすりかわり、海に投げ込まれたとき、あなたが発したという叫び声
私は10年の間夢に見続けたのです
岩礁のうえで妙な形の何かを揺り動かしている男たちの夢・・・
ああ、信じてください
たしかに私は罪深いけれど、私だってほんとうに苦しんだのです

あなたは自分のいない間に父親に死なれたことがあるか?
自分の愛していた女性が、自分が奈落の底で喘いでいるのに、
仇に手をさしのべるのを見たことがあるか?

メルセデスは絶望的な声音で叫んだ
ありません!
でも私は、私が愛していた人が、私の子どもの殺人者になろうとしている姿を見ました・・・!

嗚咽の声が伯爵の喉を引き裂いた
獅子は手なづけられ、復讐者は敗れた

4118うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:02:02 ID:LNssCYN6
よろしい、ご子息は生きながらえるでしょう

ありがとう、エドモン、やはりあなたは私が愛し続けていたとおりのあなたでした

死者は墓穴に戻りましょう
亡霊はまた闇の中へ帰るのです

何をおっしゃるの?

あなたがそれを命ずるのだから、死なねばならぬと言っているのです

どういう意味ですの?

わたしは公衆の面前でひとりの青年に挑戦された
メルセデス、あなたの次に私が最も愛したもの、それは私自身だ
つまり、私の誇りだ
決闘は行われる
ただ、大地が吸うはずだったあなたのご子息の血が流れる代わりに、この私の血が流れることになるだけだ

あの子は死なずにすむとおっしゃいましたのね
あなたは本当に立派な方、本当に偉大なことをしてくださった
私は苦しみのために年をとりました
昔あれほどあなたが見つめていてくださったメルセデスをもうあなたに思い出させることはできない
私は色あせ、目の輝きは失せ、美しさは消え、顔かたちは昔のメルセデスではありませんけれど、
心は昔のままの心だということが、やがておわかりになるでしょう
エドモン、もう私には神様にお願いすることなどありません
昔どおりのあなたに会えたのですもの
さようなら、エドモン、そして、ありがとう

4119うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:02:34 ID:LNssCYN6
何ということだ
あれほど時間をかけて用意し、あれほど苦労して建てた建造物が
ただ一吹きで崩れ去ってしまうとは・・・

馬鹿な!
あの青年のピストルの前に標的として立つという慈善行為をするとは・・・
モンテ・クリストはかねて用意の遺書に事の成り行きを明記しておいた
書斎の扉を開けると、エデが椅子に座ったまま眠り込んでいた

あのひとは、自分の息子のことを思い出した
それなのに私はこの娘のことを忘れていた
この娘を誰かに託さないと私は死ぬわけにはいかぬ
モンテ・クリストは遺書にさらに追記し、マクシミリヤン・モレル、その妹夫妻、エデに全財産を与えるとしたためた
そしてもしもマクシミリヤン・モレルが承諾してくれるならエデの夫となって欲しいと

決闘の朝
マクシミリヤンとその義弟エマニュエルがやってきた

マクシミリヤンはアルベールの命を守るため、伯爵に、彼の腕をねらってほしいと言う
モンテ・クリストは言う
あらかじめ言っておくが、モルセール君が私を倒すのだよ

混乱するマクシミリヤン
だが、モンテ・クリストは例によって多くを語らない
3人は決闘場へ向かう
その途中、モンテ・クリストはマクシミリヤンに、心に決めた女性はいるのか?とたずねる
いる、という返事にため息をつくのであった

決闘場へ着くと、ボーシャン、シャトー・ルノー、ドブレの姿
しかしなぜか、アルベールが居ない
10分ほど遅刻して、アルベールが馬を飛ばしてやってきた
居並んだ青年たちに集まってくれたことを感謝し、モレルにモンテ・クリストへの取り次ぎを頼む
「モレルさん、ぼくは皆の前で、モンテ・クリスト伯爵に申し上げたいことがあるのです」
伯爵はマクシミリヤンとエマニュエルに付き添われてアルベールから三歩の距離のところへ立った

諸君、もっと近くへ集まってくれないか
これからぼくが伯爵に申し上げることがどんなに奇妙に思えても、尋ねる人があればだれにでもそのまま伝えてほしい

ぼくはモルセール氏のヤニナにおける行動をあなたが暴露したことを非難し続けてきました
モルセール伯爵がたとえいかなる罪を犯そうとも、あなたにそれを罰する権利はないと思っていたからです
でも今は、あなたにその権利があることを知っています
ぼくを急ぎあなたにお詫びする気にさせたのは、フェルナン・モンデゴのアリ・パシャに対する裏切り行為ではなく、漁師フェルナンのあなたに対する裏切り行為です
ぼくは宣言します
あなたがぼくの父に復讐なさったのは当然であった
そして子としてのぼくは、あなたがそれ以上のことをなさらなかったことを感謝します

モンテ・クリスト伯爵は感謝の気持ちをこめて天を仰いだ
メルセデスの力を見たのであった
アルベールの求めに応じ、モンテ・クリストは手を差し出した

4120うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:03:06 ID:LNssCYN6
モンテ・クリスト伯爵が去ったあと、アルベールは友人たちに別れを告げた
彼はパリを去るつもりであった
屋敷へ戻り、自分の住まいである離れの中を片付け始める
母の肖像画をはずし、梱包した
気まぐれで集めた美術品や宝石類の目録を作り、机の上においた
誰も入室するなと命じておいたのに、召使が入って来た

何の用だ

申し訳ありません、モルセール伯爵様に呼ばれましたので、
子爵様のお言いつけを聞いてから伺おうと思いました
伯爵様は、私が決闘場へお供したことをご存知と思われます
なんとお答えいたしましょうか

ありのままを言え

では決闘は行われなかったと申し上げてよろしゅうございますね

ぼくがモンテ・クリスト伯爵にお詫びしたと言って来い

アルベールはまた目録の作成にとりかかった
ふと窓の外をみると、モルセール伯爵が馬車で出かけていくところだった
アルベールは母の部屋へ行った
メルセデスもアルベールとまったく同じことをしていたのであった

お母さん、ぼくは一文無しからの出発です
過去とは縁を切り、何も受け継ぎません
名前さえも

お前の良心の思う通りになさい
お前にはお友達がいるけれども、一時ご縁を絶つのです
でも望みを失わないでちょうだい

アルベールは辻馬車を呼びに行く
門前に馬車が止まり、アルベールが降りると、モンテ・クリスト伯爵の執事ベルトゥチオが
立っており、伯爵からの手紙をあずかっていた

アルベール
君がこれから何を実行しようとしているか、すべてわかっている
だが、母君には君の初めての努力に必ず伴うはずの貧困生活をさせてはならない
今日母君を襲った不幸は、母君が受けるいわれのないものであるから
24年前、私には婚約者がいた
この乙女に私は苦労して貯めた3,000フランを贈るつもりだった
父が住んでいたマルセイユのメラン小路の家の庭にこの宝物を埋めた
パリへ来る前にマルセイユに立ち寄り、今もなお宝はそこに埋まっていることを確かめた
私が生まれた日に父が植えたいちじくの木の下に・・・
いままた不思議なめぐりあわせで、この宝に同じ用途を見出したのだ

アルベールは手紙を読む母の表情をうかがっていた
「私はお受けします
あの方は、わたしの修道院入りの持参金を払ってくださる権利をお持ちなんですもの」

モンテ・クリスト伯爵は、エデとの再会に大きな喜びを味わっていた
数日前からモンテ・クリストは、この世にメルセデスは二人いるということ、自分もまだ幸せになれるのだということに気づき始めていた

ふたりの幸福は召使の声に邪魔されてしまった
「モルセール様がおいででございます」
「どっちだ?子爵か?伯爵か?」
「伯爵さまです」

4121うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:03:54 ID:LNssCYN6
「やはりモルセールさんでしたね
聞き違えたのかと思いましたよ」
「ええ、私ですとも
今朝あなたは倅と決闘をなさいましたな
倅にはあなたを倒す立派な理由がある」
「ええ、ありましたよ
ですがご子息は私と決闘しようとさえなさらなかった」
「しかし倅は、あなたが我が家を崩壊させようとしている原因とみなしておる」
「そうですな
ただし、それは二次的な原因であり、主たるものではない」
「あなたは倅に詫びをいれたか、言い訳をしたんだろう」
「詫びたのはご子息のほうですよ
この件には私よりも罪深い者がいると確信なさったのでしょう」
「それは誰かな」
「あの人の父親です」
「・・・わかった
だがその罪深い者が自分の非を認めようとは思っておらぬことをご存知でしょうな」
「存じております
だからこういうふうになることを私は予想していた」
「倅が卑怯者になることを予想していたというのか!」
「アルベール君は卑怯者ではありません」
「いやしくも剣を持つ者が不倶戴天の敵の前で戦わぬなど、卑怯というほかはない
ここにあれがおれば、そういってやるのだが」
「そんなことはご子息におっしゃるんですな」
「わしはあんたがどうも好かん
貴様を以前からずっと知っておって憎み続けてきたような気がする
われわれが決闘するほかはない、と言いにきたのだ!」
「いいでしょう」
「では、でかけましょう
介添え人などわしらにはいらんからな」
「たしかに、無用ですな
よくよく知り合った仲ですから」
「いやいや、まったく知らない間柄だからだ」
「ほう?
ワーテルローの戦いの前夜脱走したフェルナン
スペインでフランス軍の案内役とスパイ役を務めたフェルナン中尉
恩人のアリ・パシャを裏切り、暗殺したフェルナン大佐
ではないのですか
そういうフェルナンが一緒になって陸軍中将、貴族院議員モルセール伯爵が作り上げられたのでしょう」
「このわしを咎めだてしおって!
わしのほうは貴様など知らぬわ!
金銀宝石をじゃらつかせるペテン師め!
パリではモンテ・クリスト伯爵、イタリアでは船乗りシンドバッド、マルタでは・・・
だが、わしが訊きたいのは本名だ
貴様の心臓に剣をぶちこむときにその名を言ってやれるようにな!」

モンテ・クリストはいきなり隣室へ飛び込むと、船乗りの着る上着、水夫帽に着替えて、ふたたびモルセールの前に姿を現し、詰め寄った
「フェルナン!
お前は思い出せるはずだ
俺のフィアンセのメルセデスと結婚して以来、夜ごとに夢に見たはずのこの顔を!」
将軍は頭をのけぞらせ、口もきけずにたちすくんでいた
「エドモン・ダンテス!」
モルセールは後ずさりしながら壁にぶつかるとそのまま壁伝いにずるとずると扉へとたどりつき、ふらふらと歩きながら馬車へとたどりついた
「邸へ、邸へ・・・」

4122うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 18:04:28 ID:LNssCYN6
邸の少し手前で、モルセールは馬車をとめさせた
中庭には辻馬車が一台とまっていた
彼は自分の部屋へ急いだ
人が二人階段を降りてくる
メルセデスとアルベール
モルセールはカーテンのかげに隠れた
「元気を出すんです、お母さん
ここはもうぼくたちの家ではないんです」
足音は遠ざかる
モルセールは嗚咽をこらえていた
彼はこの世で愛したものの姿を見ようと窓辺へ走った
しかし、馬車の窓から、ふたりが最後のまなざしを送ることはなかった
轍の音が敷石にこだまする
一発の銃声が響き、爆風で破れた寝室の窓ガラスから一条の黒い煙が流れ出た

4123うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:34:37 ID:LNssCYN6
モンテ・クリストと別れたマクシミリヤン・モレルはヴィルフォール邸へ向かった
外階段からノワルチエの部屋へ
ノワルチエとヴァランチーヌはモレルに週2回の訪問を許していた
「ヴァランチーヌ、どうも近頃、君は顔色が悪いようだよ」
「身体がだるくて食欲がないの
お祖父さまの水薬を毎朝一さじ飲んでいるのだけれど
一さじから始めていまでは4さじ
お祖父さまにいわせると何にでも効く薬なんですって
すごく苦い薬なの
さっきも砂糖水を飲んだんだけど、半分残してしまったの 
すごく苦く感じたの」
ノワルチエはヴァランチーヌに急いで話したいという合図をした
ところが、ダングラール母娘が訪問してきたために、ヴァランチーヌは出迎えねばならなくなった
彼女はなんとなくめまいを感じていた
ダングラール夫人とウジェニー嬢はアンドレア・カヴァルカンティとの結婚を報告に来たのであった
具合の悪そうなヴァランチーヌに、ヴィルフォール夫人は、下がって休みなさい、という
「ほんとに可哀想な娘で
私、あの娘になにか大変なことが起こりはしないか心配していますの」
夫人はダングラール母娘にそう言った

階段でヴァランチーヌは足を踏み外し、マクシミリヤンはあわてて彼女を抱き上げてノワルチエの部屋へと運んだ
彼女は痙攣をおこし、頭をのけぞらせると動かなくなった
ノワルチエのまなざしを見て、マクシミリヤンは呼び鈴を鳴らし、わきの小部屋に隠れた
駆けつけた召使は大声で助けを呼んだ
書斎からヴィルフォール検事の叫び声が聞こえた
駆けつけたヴィルフォールはヴァランチーヌを腕に抱いた
そしてダブリニー医師を呼ぶべく部屋を出て行った
マクシミリヤンは小部屋から出てくると、老僕バロワが亡くなったときと同じだと感じた
そしてモンテ・クリストの言葉を思い出していた
「何か困ったことがあったら、マクシミリヤン、私のところへ来るのだ」

4124うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:35:57 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールはダブリニーの家へ飛び込んだ
「私の家は呪われている!」
「なんだって!また病人が出たのか!」
「ヴァランチーヌだ!こんどはヴァランチーヌだ!」
「あの娘がか」
「ああ、これであの子への君の疑いは晴れただろう!」

同じころマクシミリヤン・モレルはモンテ・クリスト邸の門をたたいていた
モンテ・クリストはベルトゥチオからの手紙を読んでいるところだった
「どうした、マクシミリヤン、顔は青いし、額から汗がながれている」
「死神が入り込んだ家から駆けつけてきたんです」
「ではモルセールの屋敷から来たのかね」
「いいえ、誰かなくなられたんですか」
「将軍がいま自分の頭を撃ちぬいたよ」
「ああ、それはひどい不幸だ」
「君の話に戻ろう、どうしたんだね」

マクシミリヤンは、サン・メラン侯爵夫人が死んだ夜、ヴィルフォール邸の庭で、その死因は毒殺であるというヴィルフォール検事と医師ダブリニーの密談を立ち聞きしてしまった話をする
医師ダブリニーは捜査をすべきと主張したが、検事は拒否した、と

モンテ・クリストは当事者が見たがらぬものはほっておけ、と冷たく言い放ち、マクシミリヤンは驚く
「でも伯爵、また起こっているんですよ!」
「勝手にやらせておけ、あの家は神が罰し給うのだよ
彼らはみなこの世から消えるのだ
サン・メラン侯爵、侯爵夫人、つい先日はバロワ、そして今日はノワルチエ老人かヴァランチーヌだ」
「あなたはそれを知っていながら何もおっしゃらなかった!」
「私になんのかかわりがある?
あの事件の犯人と被害者と、そのいずれかを大事に思う心など私にはないからね」
「でも、僕は、僕は、あのひとを愛しているんです!」
「君が愛している?誰を?」
「僕は今殺されようとしているヴァランチーヌ・ド・ヴィルフォールを愛しているんです
だから僕は神に、あなたに、どうすればあのひとを救えるかお尋ねしているんです!」
「馬鹿者!君はあの呪われた一族の娘を愛していたのか!」
モンテ・クリストは目を閉じ、しばし沈思黙考していた
「いいかね、モレル、私の言うことを良く聞きなさい
もし現在ヴァランチーヌが死んでいなければ、彼女は必ず助かる
君はこのまま家へ帰りたまえ
一歩も外へ出るな
私からの便りを待ちなさい」

4125うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:36:43 ID:LNssCYN6
ヴァランチーヌは気を失ってはいたが、生きていた
ダブリニーは彼女が生きていたことに驚く
「娘は助かるのか?」
「助かるよ、生きているからね
ヴァランチーヌの小間使いを呼んできてくれ」
ヴィルフォールが部屋をでていった
ダブリニーとノワルチエの視線がぶつかった
「なにかおっしゃりたいことがおありですか?」
『そうだ』
「わたしだけにおっしゃりたいですか?」
『そうだ』
ヴィルフォールが小間使いを連れて戻って来る
そのあとにヴィルフォール夫人が続いた
ダブリニーはノワルチエを観察していた
ノワルチエの目が丸く見開かれ、ダブリニーが追ったその視線の先にはヴィルフォール夫人がいた

ダブリニーは必要な処置を済ませると、ノワルチエとふたりきりになった
「あなたはお孫さんの病気についてなにかご存知なのですね」
『そうだ』
「あなたは今日の事件を予想なさっていた?」
『そうだ』
「あなたは、バロワは毒殺されたとお考えですか?」
『そうだ』
「はじめからバロワを狙ったとお思いですか?」
『思わぬ』
「別の人間を殺そうとしてバロワを殺してしまった人間が今回ヴァランチーヌを殺そうとしたとお考えですか?」
『そうだ』
「ではあの娘も死ぬでしょうか?」
ダブリニーは探るようにノワルチエを見つめた
『いや』
ダブリニーは驚いて言った
「犯人があきらめると思うのですか?」
『いや』
「では、毒物がヴァランチーヌは効かぬだろうと思うのですか?」
『そうだ』
ダブリニーは不意に思いついた
「あなたは、あの娘を毒に慣れさせていたのですね!」
『そうだ、そうだ』
ノワルチエはその目的で、ダブリニーに処方された水薬をヴァランチーヌに飲ませていたのだった
ヴィルフォールが薬を手に戻ってきた
「この薬は君の目の前で調合されたね?その後君の手から離れていないね?」
「もちろんだ」
「よし、ヴァランチーヌの部屋へ行こう」

ちょうどその頃、ヴィルフォール邸に隣接するぼろぼろの家をひとりの僧が借りようとしていた
どのような取引でそこに住んでいた住人が2時間後に引っ越していったのかはわからなかった
新たな借り手の名はジャコモ・ブゾニ
直ちに職人が呼ばれ、その家の土台から修理を始めた

4126うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:37:50 ID:LNssCYN6
さて少し時間は巻き戻って
ダングラール家では父と娘の話し合いが行われようとしていた

「あの気違い娘のやつがなんだってこのわしに話などしたいのだ?」
ウジェニーに待たされているダングラール
(^^)/ 父と娘の関係が手に取るようにわかる発言です(^^)/

お父様、お待たせしました、とやってくるウジェニー
「わたくしはアンドレア・カヴァルカンティ伯爵とは結婚いたしたくございません」
椅子の上で跳び上がるダングラール
「断る理由は何だ?ウジェニー、理由は?」
「私はどんな男の方も愛せないんです
どうして自分の一生を生涯の伴侶に縛られなくてはいけないのでしょうか
余計な荷物はすべて海の中へ捨ててしまいたいの
自分の意志だけを友として、完全に一人で生きていきたいんです
つまり完全に自由に」
「不幸な女だ、とんでもない奴だ・・・」
「その反対よ、私は幸せだわ
私に不足しているものってあるかしら
世間の人は私をきれいだと言ってくれるし・・・
あsdkfは;jlk;;以下略(^^)/ 」
「お前の性格を知っているから、率直に言おう
孫の中に自分の再生を見たいとか世間ではよく言うが、わしにはそんな弱さはない
家庭的な喜びなどにわしは関心がない」
「すばらしいわ、率直に話す、私そういうのが好き」
「わしはお前に一人の婿をすすめた
お前の為なんかではない、わしが確立しようとしている取引のためだ
あの婿をできるだけ早くおまえが迎え入れてくれることが必要だからだ
カヴァルカンティさんは、結婚すればお前に300万の持参金をくれる
この金を少なくとも1000万を生み出すために使う
鉄道投資だ」
「でも一昨日、お父様のお部屋へ行ったとき、金庫へ入れる550万の債権をお父様は私に見せてくださったじゃないの」
「あの550万はわしの金ではない
養育院の金なのだ
普段の時ならこの金を躊躇なく使うところだが、世間はわしが大損をしたことを知っておる
以前のような信用はなくなりかけておる
あの預金がすぐにでも要求されてしまえば、わしは支払い停止だ
お前がカヴァルカンティさんと結婚し、わしがあの人の持参金を手にするか、近く手にすると世間が思えば、わしの信用はまた高まり、二か月前からそうにも不可解な不運に見舞われ地に落ちた財政状況も元通りにというわけだ」
「私を300万の担保にしようというわけね」
「金額が多いほどおまえの自尊心も満足だろう」
「いいわ」
「なにがいいのだ、どういう意味だ」
「私が結婚契約に署名して、それで私の身は完全に自由にしてくださるんでしょうね」
「完全に」
「それなら、いいわ
いつでもカヴァルカンティさんと結婚します」
「おまえ、何を考えている」
「あら、それは秘密よ」
(^^)/ この後、ウジェニーはダングラール夫人とともにヴィルフォール家へ向かったわけです

4127うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:38:57 ID:LNssCYN6
ウジェニーとアンドレア・カヴァルカンティの結婚契約の日
アンドレアがモンテ・クリストの屋敷へやってくる
「こんにちは、モンテ・クリストさん」
「おお、アンドレアさん、お元気ですか」
「今夜9時に結婚契約が行われるのです、ご存知でしょうけど」
「ほう、そうですか」
「えっ、ご存知ない?ダングラールさんから通知が来ませんでしたか」
「通知は来ましたけど、時間は書いてなかったなあ
カヴァルカンティさん、うれしいでしょう?
ダングラール嬢は美人だし、それに大へんなお金持ちだし」
「そう思われますか?」
「聞くところでは、ダングラールさんは財産の半分は隠してるという話ですし、
鉄道にも乗り出すと聞いてます
すくなくとも1000万は儲けるでしょうな
アンドレアさん、あなた、いささかうまく立ちまわりましたな」
「まあ、そうですね
でもこの件では、あなたから、僕が不思議な助力を得ています」
「私から?冗談じゃない
ブゾニ神父とウィルモア卿から引き合わされただけですよ
私は個人的にはあなたのことは何も知りません」
「実はお願いがありまして」
「私に?ほほう、どんなことでしょう」
「今日の契約式で父の代わりになっていただきたいんです」
「あなた、まだ私という男がわかっておられませんね
この世のことに、とくに精神的にかかわりあうことはモンテ・クリスト伯爵という男は常に慎重なのですよ」
「ではお断りになるのですか」
「はっきりお断りします」
アンドレアは仕方なくあきらめた

4128うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:40:39 ID:LNssCYN6
その夜、ダングラール邸にはきらびやかに着飾った人々が多数集まった
アンドレアとウジェニーの結婚契約式である
ドブレ、ボーシャン、シャトー・ルノー
ヴィルフォール夫人
そしてモンテ・クリスト伯爵

夫人がダングラールに言う
「あなた、残念ですわ
モンテ・クリスト伯爵様があやうく殺されかけたあの事件で思いがけないことが起きて、
ヴィルフォールさんは来られないのですって」
「そいつは残念だな」

モンテ・クリストは言った
「ヴィルフォールさんが来られないのは私のせいじゃないかと心配です」
「まあ、伯爵様が?」
アンドレアは耳をそばだてていた
「私の屋敷に入った泥棒が死んだのは屋敷を出たところをどうやら仲間に殺されたらしくて」
「ええ、覚えてますよ」
「その男を介抱するために服を脱がせたのですが、その服を隅に放っておいたのを当局が証拠品として持って行ったのですが、ズボンと上着だけで、チョッキを忘れていったのですな」
アンドレアは青ざめながらドアへとにじり寄った
「そのチョッキが今日みつかりまして、心臓のところに穴の空いた血まみれのが・・・
私はたぶんこれは殺された男のものではないかと思ったわけです
で召使に調べさせると、ポケットから紙きれが出てきたのですよ
手紙でした
誰宛てだったと思います?
ダングラールさん、あなた宛てですよ」
「なんだって?」
「わたしはそのチョッキと手紙を検事さんのところへ届けました
これはあなたに対する何かの悪だくみかもしれませんよ」
アンドレアは隣のサロンへ姿を消した
「かもしれませんな、その殺された男はたしか前科者でしたな」
「そう、カドルッスという名前です
しかし、とにかく、契約の署名をなさってください
私のおしゃべりがみなさんを騒がせてしまいました
奥さん、お嬢さん、申し訳ありません」
ダングラール夫人が署名を終えた
「カヴァルカンティ侯爵様」公証人が呼んだ
「カヴァルカンティ公爵様、どこにおいでですか」

4129うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:43:15 ID:LNssCYN6
突然、人の波がなだれこんできた
憲兵士官と警察署長がダングラールのもとへやって来たのである
「いったいどうしたというのですか」モンテ・クリストは言った
署長は答えず言った
「みなさんのなかで、アンドレア・カヴァルカンティというのはどなたです」
「いったい、どうしたのです」ダングラールはうろたえた
「ツーロンの監獄を脱走した前科者を捕らえにきました
そして奴は囚人仲間のカドルッスという男をモンテ・クリスト伯爵邸から出たところを殺害した罪で告発されています」
アンドレアの姿は消えていた

(^^)/ どさくさにまぎれて、ウジェニーは音楽仲間のルイーズと“駆け落ち”します
(^^)/ アンドレアは逃げまくりますがついに捕まり、投獄されます
このくだりはどうでもよいし、つまらんので割愛します

4130うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:44:31 ID:LNssCYN6
ダングラール氏は額に汗し、破産という亡霊の前に莫大な赤字の欄とにらめっこ中
ではダングラール夫人は?

ダングラール夫人はこの悲喜劇に打ちのめされ、いつもの助言者であるリュシャン・ドブレに会いに行った
じつのところ、彼女はこの結婚で、母親としての務めを放棄できるとあてにしていた
ウジェニーの結婚が駄目になったのが心の底から残念だった
この結婚が自分に自由を返してくれるはずだったから・・・
しかしドブレは留守であり、夫人は帰宅した

あの事件が世間に広まれば、私たちの面目はまるつぶれだわ

夫人はヴィルフォールのことを考える
昔のことを持ち出してみよう
事件をもみけしてくれるだろう
あるいは少なくともカヴァルカンティをこのまま見逃してくれるかもしれない

翌朝、ダングラール夫人はヴィルフォール邸を訪れた
召使はなかなか取り次がない
毒殺事件のために人の出入りを厳重にしているためであった
ヴィルフォールは悲痛な笑みを浮かべて夫人を迎えた

「あなたからあのペテン師の事件がどうなっているのかお聞きしようと思って伺ったのです」
「ペテン師?アンドレア、いやベネデットは正真正銘殺人犯ですよ」
「そうです、そうですけれど!
あなたがあの男に敵意を燃やせば燃やすほど、私どもの家庭をうちのめすことになるのです
あの男のことはしばらくお忘れになってください」
「もう命令は出されたのです」
「あの男は捕まるでしょうか」
「そう願っています」
「もし捕まえたら、あの男を牢屋に入れっぱなしにしておいて!」
「できない
裁判には定められた手続きというものがある」
( ゚Д゚)お、おまえが言うか( ゚Д゚)
「私のためにでも?」
「誰のためでも、私自身のためであろうと他人のためであろうと」
「・・・」
「あなたは今こう思ったのではないか?
ではなぜおまえの身の回りで起こっている犯罪を罰せずにおくのか、と」
「ええ、そのとおりですわ」
「それは・・・
犯人がわからないからだよ・・・
真犯人の首ではなく、無実の者の首を切り落としてしまうことを恐れるからだ
犯人がわかったときには、それが誰であろうと、必ず死刑に処す
さあ、これでもあなたはあのならず者を見逃せと私に言うのですか」
「でも、あの男が言われているほどの悪人だと確信があるのですか」
「ここに書類がある
ベネデット
16歳で偽造の罪で5年服役、そして脱走、殺人
コルシカの浮浪児だ
両親もわからん」
(^^)/ あなた方の子どもです〜(^^)/
「ヴィルフォール、あの男の汚辱が私たちの家に降りかかるんです!」
「私の家には死神がいる」
「ああ、あなたは、本当に冷酷な方だわ!
私はあなたに対して同情などいたしません!」
「よろしい!
私は仕事をして何もかも忘れたいのだ!」

召使が知らせを持ってやってきた

「つかまえたぞ!」

ダングラール夫人は冷ややかに言った「さようなら」
検事はむしろ楽しそうに言った「さようなら、さあ、この公判は見ものだぞ」

4131うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:46:56 ID:LNssCYN6
ヴァランチーヌはまだ回復していなかった
昼間はノワルチエが付き添い、夕方からはヴィルフォール、ダブリニー、看護婦と見張りはひきつがれていた
ヴァランチーヌが眠ると看護婦は部屋の鍵を閉め、ヴィルフォールにその鍵を渡す
それ以後、病人の部屋にはヴィルフォール夫人の部屋とエドワールの部屋を通らなければ入れなくなる

その夜、ヴァランチーヌは意識朦朧としたまま寝付けずにいた
突然、彼女は暖炉の脇の窪みに置かれた書棚の扉がゆっくりと開くのを見たように思った
また亡霊をみているのかしら、わたし・・・
書棚から出てきた男は水薬のコップを手にして明かりのほうへ近づき、仔細に調べて、スプーンで一杯ほどの量を自分で飲んだ
「大丈夫だ、お飲みなさい」
「モンテ・クリスト伯爵さま!」
「こわがらなくてもよい
私はマクシミリヤンのために、4日前から目を離さずあなたを守ってきた」
「ではマクシミリヤンはあなたに何もかも打ち明けたのですね」
「あなたの命は僕の命だ、と言っていたよ
だから私はあなたを助けてみせると約束したのだ
あの書棚のうしろは私が借りた隣家に接しているのだ
私はあの扉の影から、どんな人間があなたのもとへやってくるか、
どんな飲み物をもってくるか、見張っていた
そして先ほどのように調べて危険な飲み物だと判断したときは
あなたに仕組まれた死の危険を避けるために身体に良い飲み物とすりかえてきたのだよ」
「死!いったいどういうことなのでしょうか」
「あなたに死をもたらす飲み物を運んできた者が誰なのか、私は知っている」
「ああ、私は熱に浮かされて幻を視ていると思っていました」
「もうすぐ12時だ
人殺しが出てくる時間だよ
今夜のあなたははっきりと目覚めている
眠ったふりをするのだ
ぴくりとも動いてはいけないよ」
伯爵は扉の向こうに姿を消した

4132うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:48:10 ID:LNssCYN6
ヴァランチーヌはエドワールの部屋の床がきしむ音が聞こえたように思い、息を殺した
ドアが開く
ヴァランチーヌにはとっさに目を腕で覆い隠すほどの余裕しかなかった
ヴァランチーヌ・・・ヴァランチーヌ・・・
呼びかける低い声
コップになにかを注ぐ音
ヴァランチーヌは思い切って腕のしたで薄目を開けてみた
白い部屋着を着た女
ヴィルフォール夫人だった

書棚の扉を開けてモンテ・クリストが姿を現した
えt
「見たかね」
「ええ、でもとても信じられません」
「ヴァランチーヌ、あなたを狙う手はどこまでもあなたを追いつめるだろう」
「でも私の身体は毒に慣れているのでしょう?」
「毒を代えtくるかもしれない
ほら、もうやっているよ
これはブルシンではない、麻酔剤だ
これを飲んでいたら、あなたは死んでいた」
「あの人はどうしてこんなことを?」
「それがわからないとは、あなたは優しい人だね
全財産をエドワールに相続させるためだよ」
「では私はどうしても殺されてしまうのですね」
「ヴァランチーヌ、あなたは愛し、愛されるために生きなければならぬ
だがそのためには私を心の底から信頼しなければならぬ
私が与えるものを、目をつぶって飲むことだ」
「父は共犯ではありませんでしょう?そうですわよね?」
「違う、だが・・・
本来、ここで私の代わりにあなたを見張っているべきなのはお父上なのだよ」
「伯爵様、お祖父さまとマクシミリヤンのために私は生きます」
「私はその二人にも、あなたと同じように、目を離さないと約束する」
「では私をどうにでもなさってください」
「ヴァランチーヌ、苦しくなっても、視覚、聴覚、触覚が無くなっても、
何も怖がらなくていい
たとえ、目覚めてみたらそこが棺の中であったとしても、私が見守っていることを信じなさい」

モンテ・クリストはヴァランチーヌに豆粒ほどの錠剤を飲ませた

4133うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:52:51 ID:LNssCYN6
エドワールの部屋の扉がまた開いた
ヴィルフォール夫人が毒薬の効果を確かめにやってきたのである
夫人はコップの中味を灰の中へ捨て、ハンカチで丹念にふいた
毛布をはねのけて娘の心臓の上に手を置いた
心臓は音をたてず、冷え切っていた

朝が来た
看護婦がヴァランチーヌの部屋へやってきた
すさまじい悲鳴

ヴィルフォールとダブリニー医師が駆けつける
「ヴァランチーヌは死んだよ」
医師の言葉にヴィルフォールは崩れるように倒れ込んだ
ヴィルフォール夫人がやってきて空涙を浮かべようとしたそのとき、夫人の目は彼女が空にしたはずのコップにくぎ付けになった
なぜならコップのなかに液体が3分の1残っていたから・・・
ダブリニー医師の目はごまかせない
「これはブルシンではない」
ヴィルフォール夫人はよろよろと自分の部屋へ戻り、ドアの向こうで倒れたようである
ダブリニー医師はそんな夫人を扉を通して見つめながら、看護婦に夫人の手当をするよう指示した
死んだ、死んでしまった・・・ヴィルフォールは呻いた
「ヴァランチーヌが死んだなんて、誰が言ったんだ!」
第三の声が響いた
マクシミリヤン・モレルだった

4134うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:57:14 ID:LNssCYN6
その日もマクシミリヤンは、勝手知ったる階段を通って、ノワルチエの部屋を訪ねた
ノワルチエの様子がおかしく、心配事がある様子だった
呼び鈴を鳴らしましょうか、と彼が言うと
老人は激しくまばたきをした
しかし召使はやってこない
老人は目を飛び出させんばかりにうろたえている

いったい、どうなさったんです?
しかしなぜ誰も来ないのだろう・・・ヴァランチーヌは?

老人がはげしくまばたきをした
マクシミリヤンは部屋を飛び出した
ヴァランチーヌの部屋からヴィルフォールのうめき声が聞こえた

4135うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 21:58:39 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールは立ち上がり、マクシミリヤンに言った
「どなたですか
死者のいる家にそのような訪れ方をするとは」

マクシミリヤンはヴァランチーヌの姿を見て、ふらふらと部屋を出て行った
ヴィルフォールとダブリニーは怪訝に顔を見合わせた
マクシミリヤンはは超人的な力でノワルチエを椅子ごと運んできて、変わり果てたヴァランチーヌの姿を見せる
ノワルチエの声なき叫びは全身から発散された
マクシミリヤンは叫び、ヴァランチーヌのそばに跪いてその冷たくなった手を握った
僕は、僕は、このひとひとのフィアンセです!
このひと亡骸は僕のものだ!
お祖父さまはすべてご存知だ!
どうか皆に説明してください!

ヴィルフォールは言う
「ヴァランチーヌに君のような人がいたとは、私は知らなかったよ
でも娘はもう、人間の愛を必要としていない
この娘に必要なのは司祭だ
最後の別れをいいたまえ」

モレルは立ち上がって言う
「それはちがう!
ヴァランチーヌは殺されたのです
ヴァランチーヌには仇を討つ者が必要なのです
ヴィルフォールさんは司祭を呼んでください
僕は仇を討つ!」

「それはどういうことなのだ」

「あなたには父親の役目と検事としての役目、ふたつの人格がおありだ
僕は自分で何を言っているのかよくわかっています
ヴァランチーヌは殺されたんです
僕はここに犯罪があると告発する
検事さん、犯人を捜してください」

ヴィルフォールはノワルチエに、ダブリニーに救いを求める目を向けた
しかし断固として肯定する目にぶつかっただけであった

「私の家で犯罪など起きてはいない!」
「僕は断言する
この4か月の間で4人目の被害者です
ヴァランチーヌ、君のお父さんが君を見捨てても、僕は必ず犯人を探し出す」

ダブリニーが言った
「私もモレルさんとともに犯罪を法的に究明することを求める」

ノワルチエが何か言いたい様子をみせた
モレルが言う
「犯人をご存知なんですか」
『そうだ』
「聞きましょう、ダブリニー先生、伺いましょう」
ノワルチエはモレルを射すくめ、ドアのほうを見た
「私に出ていけとおっしゃるのですか」
『そうだ』
「ああ、僕を憐れと思ってください」
以前、ノワルチエはドアのほうを見ている
「「せめてあとでまた来てもいいですか」
『いい』
「僕だけ出ていくのですか」
『いや』
ノワルチエはダブリニーを見た
「ヴィルフォールさんとふたりきちりになりたいのですね」
『そうだ』

4136うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 22:06:14 ID:LNssCYN6
15分後、ヴィルフォールはモレルとダブリニーを部屋へ迎え入れた

「おふたりに誓っていただきたい
この恐ろしい秘密は我々だけのものにしてもらいたいのだ
わかっている
犯人は必ず罰される
モレル君、父は犯人の名を明らかにしてくれた
その父もあなた方に秘密を守ってもらいたいと願っているからだ
そうですね?」
『そうだ』
「モレル君、父がこんなことを君に頼むのは、
犯人が凄まじい復讐

を受けると知っているからだ
そうですね?」
『そうだ』
「私に3日間の猶予をいただきたい
3日後には私は我が子を殺された恨みを晴らす
私の家の名誉を憐れみ、この復讐を私に任せると誓ってください」
ダブリニーは顔をそむけながら承諾した
マクシミリヤンはヴァランチーヌに最後の口づけをすると、部屋を飛び出していった

ダブリニーは司祭の手配をどうするかヴィルフォールに尋ねる
ヴィルフォールはなるべく近くの司祭が良いと答えたため、隣家に越してきた司祭を呼ぶことになった
ダブリニーは隣家へ向かう
玄関先にひとりの司祭が立っていた

司祭はヴァランチーヌのために祈りをささげ、老人に対してはその世話をしようと約束した
そしてヴァランチーヌの部屋とエドワールの部屋の間の扉に鍵をかけた

ブゾニ神父は夜明けまで祈りをささげ、帰っていった
ノワルチエは安心しきったように眠りについていた
かすかな微笑みさえ浮かべて・・・
ヴィルフォールはベネデット(=アンドレア・カヴァルカンティ)事件に一心不乱に徹夜で取り組んでいた
ヴァランチーヌの葬式の手配は従兄弟に任せ、仕事に打ち込んで悲しみをまぎらせるつもりだった

4137うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 22:09:43 ID:LNssCYN6
モンテ・クリストはダングラール邸を訪問した
ダングラールは暗いが愛想良く迎えた
「伯爵、モルセールは名誉を失い死んでしまうし、ヴィルフォールは家族が妙な死に方をするし、この私はあのベネデットにしてやられて世間の笑い者になるし、それに・・・」
「それに、どうしたんです?」
「娘のウジェニーは出ていっちまった」
「え、まさか」
「あの娘の性格じゃ、帰ってこいと言ったって金輪際聞きやしません」
「仕方ないじゃありませんか
でも子供だけが財産であるような文無しと違って、あなたは地位も財産もお持ちだ
耐えられなくはないでしょう?」
一瞬、からかわれているのかと思ったダングラールだったが、モンテ・クリストの人の良い微笑みに釣り込まれるように笑った
「そうですな、私には金がある
ところで申し訳ないが今、5枚の手形に署名をしなくてはなりませんでな
続きをさせてもらえますかな?」
「どうぞ、どうぞ 何の手形ですか?スペインの?」
「持参人払いの手形です フランス銀行のね」

モンテ・クリストはダングラールが得意満面で差し出した手形をしげしげと眺めた

『フランス銀行理事殿におかれましては、小生の請求により、小生の預金より、
現金にて百万フランお支払いくださいますよう 男爵 ダングラール』

「5枚で合計500万フラン!いやはやすごいやり口ですな!」
「私の仕事のやり方はこんなものですよ」
「いや、これがすぐ現金になるとすれば・・・」
「もちろん、なりますよ」
「5枚で500万フランですよ?自分の目で見ないことには信じられませんな」
「では家の店員を銀行へお連れください
目の前で見せてさしあげますよ」

4138うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 22:19:17 ID:LNssCYN6
「いやいやそれにはおよびません
私が自分でやってみたいと思います
実は今日、どうしても金が必要でしてね
私がおたくに設定した信用は600万、すでに90万は受け取りましたから
残りは510万です
この5枚の手形をいただきましょう
受取もあらかじめ用意してきています」
と言いながらモンテ・クリストは5枚の手形をポケットに入れ、受取をダングラールに差し出した

たとえ足元に雷が落ちても、これ以上の恐怖をダングラールに与えはしなかっただろう

「な、なんですって!ああ、ご勘弁願います
それは養育院に返さねばならぬ金なのです
今日の午前中に返す約束をしたのです」
「ああ、それなら話は別です
私はこの手形に固執しているわけではありません
別の形でお支払い願いましょう
ダングラール銀行は5分と待たせずに現金で500万払ってくれたと世間に言ってやろうかと
思いまして
ではこれはお返しして、別のをいただきましょうか」
モンテ・クリストは手形をダングラールに差し出した
ダングラールはハゲタカのように手を伸ばそうとして急に思い直し、
やがて微笑みさえ浮かべて、顔つきもなごんできた
「実際のところ、あなたの領収書ならば現金も同然ですな」
「そうですとも、ローマのトムソン・アンド・フレンチ商会はあなたほど難色を示さずに支払いますよ」
「いや申し訳ありませんでした」
「ではこの手形はいただいてよろしいので?」
額の汗をぬぐいながらダングラール
「どうぞ、どうぞ」
「では、いただきます」
モンテ・クリストは手形をポケットにしまった
「が、しかしまだ10万残ってますな」とダングラール
「おお、そんなはした金、手数料としてとっといてください」
「伯爵、本気でおっしゃってるんですか」
「私は銀行家相手に冗談など言いませんよ」

4139うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:11:39 ID:LNssCYN6
召使が告げた
「養育院の収入役、ボヴィル様がお見えでございます」

「ほう、どうやら私はまにあったようですな
あなたの手形の取り合いですね、これは」

モンテ・クリストは養育院の収入役と丁寧なあいさつを交わした
あのときと同じ書類ばさみを抱えたボヴィル氏とすれ違った彼の顔に微笑みが浮かんだ

「ダングラールさん、養育院の代理として参上いたしました
500万フランをいただきに伺いました」
「あ〜、ボヴィルさん、できれば24時間待っていただけませんか
先ほどあなたもお会いになったと思われるモンテ・クリストさんに500万払ったばかりでしてね
あの方はうちに無制限貸出の権利をお持ちなんです
一日でフランス銀行から1000万も引き出すのはちょっと異常に思われやしないかと・・・」
ボヴィル氏は疑惑の表情を浮かべながら言った
「おどろきましたな
あの、知己のごとく私に挨拶なさったあの方に500万お渡しになったとは」
「たぶん、あなたはご存知なくてもあちらではご存知なんでしょう
顔の広いお人ですからな」
「500万!」
「これがあの方の領収書ですよ」

『ダングラール男爵より、510万フラン受領しました
上記金額は、ローマのトムソン・アンド・フレンチ商会より随時返済されます』

「これは本当ですな」ボヴィル氏は言った
「トムソン・アンド・フレンチ商会をご存知で?」
「ええ、20万ばかし取引したことがありますが、その後あの商会の話は聞いたことがありませんな」
「ヨーロッパでも一流の商会ですよ」
「モンテ・クリスト伯爵という方は大金持ちなんですな」
「私のところと、ロスチャイルド、ラフィット、三つの無制限貸出の権利をお持ちなんです」
「一度、寄附のお願に上がらねばなりませんな
モルセール夫人と息子さんのお申し出を引き合いにだして・・・」
「ほう?」
「全財産を養育院に寄付なさいました
卑劣な手段で手に入れた金など欲しくないというわけですな」
「それはまたご立派ですな」
「ところで私どもの金の話に戻りましょうか」

4140うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:13:47 ID:LNssCYN6
いとも自然にダングラールは言った
「結構ですな、その金はお急ぎになるので?」
「明日の二時に会計検査があるのです」
「それを早くおっしゃってくださいよ
では正午にとりによこしてください」
ボヴィルは書類ばさみをゆすりながら多くを答えなかった
「あ、いいことがあります
モンテ・クリストさんの受領書なら現金も同じですよ
これをロスチャイルドかラフィットに持ち込めば・・・」
「ローマ支払いでも?」
「もちろんです、ただ、5,6000割り引かれますが」
「とんでもない、明日まで待つほうがましです」
「いや、ひょっとして、あなたが欠損の穴埋めでもしなきゃならないんじゃないか、
とかふとそんな気がしてもので」
「何をおっしゃる!」
「まあまあ、こんなことは外に出ちまうもんですよ
多少の損はしなけりゃ・・・」
「ありがたいことに、そんなことはありませんね」

明日正午の約束をして二人は別れた

ボヴィルが部屋の外へ出るやいなや、ダングラールは叫んだ
「馬鹿め!
正午に来てみろ!わしはもう遠くへ行っておるわ」

4141うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:15:06 ID:LNssCYN6
ダングラールはドアに鍵をし、金庫の中味をぶちまけ、書類を焼き捨て、
手紙を書き始めた
『ダングラール男爵夫人宛』
そして引き出しからパスポートを取り出した

4142うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:16:14 ID:LNssCYN6
ヴァランチーヌの葬列が墓地へ到着し、葬儀は終了した
ひとりになったマクシミリヤン・モレルはヴァランチーヌの霊廟の前に跪く
モンテ・クリストがやってきた
マクシミリヤンは、一人にして欲しいと言い、モンテ・クリストはその場を離れるが、彼から目を離さない
マクシミリヤンは妹夫婦が待つ家へと帰った
モンテ・クリストは彼の妹ジュリーの許しを得て、マクシミリヤンの住む階へと向かう
「さて、どうしたものか
呼び鈴を鳴らすと、彼の決心を早めるおそれもある」
モンテ・クリストは窓ガラスを割り、カーテンをまくり上げた
ペンを手に机に向かっていたマクシミリヤンは驚いて立ち上がった
「いや、すまない、足元が滑って肘でガラスを割ってしまった
割れたついでに鍵を開けさせてもらうよ」
モンテ・クリストは手を入れてドアを開けた
マクシミリヤンは冷たく言った
「お怪我はありませんか」
「さあどうかな、ところで君は何をしていた?ピストルがあるね」
「旅に出ようと思って」
「モレル君、私は誤魔化されないよ、君は自殺しようとしている
これは遺書だな」
モンテ・クリストは机から書きかけの紙を取り上げた
「そうだったとして、誰が僕を止められますか!
僕の希望はすべてついえた
この世は灰になってしまった
死なせてくれなければ僕は狂ってしまう!
それでもそれは間違っていると、あなたにそう言う勇気がありますか!」
「ある」
「僕をだまし、馬鹿馬鹿しい希望を持たせたあなたが!
何か思い切ったことをすれば、僕はあのひとを救えたんだ!
あなたが僕を引き留めたから・・・
あなたは限りない英知と物質的な力あるようなふりをしているだけなんだ
自ら神の意志の役割を演じているふりをしているだけなんだ」
「モレル・・・」
「モンテ・クリスト伯爵よ、あなたは、友が死ぬのをその目で見るのだ」
マクシミリヤンはピストルに素早く手を伸ばした
モンテ・クリストはピストルに手を置き、言った
「私は繰り返すぞ、君は死なせぬ
この世のうちでただひとり、私は君にこう言える者なのだ
『モレル、私は君のお父上の息子が今日死ぬことを望まぬ』
とね」
「なぜ、父のことを・・・」
「それは、私が、今日君が自ら命を絶とうとしているようにお父上が自殺を決意なさった日に、お父上の命を救った男だからだ
君の妹に財布を送り、モレル氏にファラオン号をお贈りした男だからだ
君が子供の頃、君をこの膝の上で遊ばせた、エドモン・ダンテスだからだ」
マクシミリヤンは全身の力が抜け、モンテ・クリストの足元にひれ伏した
だが、すぐに起き上がり、階下へ向かって叫んだ
ジュリー、ジュリー、エマニュエル!

4143うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:18:43 ID:LNssCYN6
エマニュエルは言った
「伯爵、なぜ教えてくださらなかったのですか
あれほど僕たちがしょっちゅうあの恩人のことを話すのを聞いておられたのに」
「私はこの秘密を死ぬまで埋もれさせておきたかったのだよ
だが、君のお義兄さんが乱暴なふるまいに及んだのでばれてしまった」
モンテ・クリストはこう言いながら、エマニュエルに義兄から目を離すな、とさささやいた
エマニュエルは机の上のピストルに気づいた

ジュリーは絹の財布を手に涙を浮かべていた
「その財布は返してくれないか
思い出の種は私に対して抱いてくれる愛情だけにしてほしい」
「とんでもない、だめです
伯爵様は、いつかは私たちから離れて行ってしまう
ちがいますか?」
「お見通しだな 一週間後には私はこの国を離れている
私の父は、飢えと悲しみのために息絶えたというのに、神罰を受けてしかるべき者がのうのうと生きているこの国をね」
モンテ・クリストは、ジュリーとエマニュエルに、マクシミリヤンと二人にしてほしいと告げる

マクシミリヤン、私が君に生きていてくれと願うのは、君が私に感謝する日が来るという
確信があるからなのだ
なんということをおっしゃるのですか
きっとあなたは恋などなさったことがないのでしょう
ヴァランチーヌがいなければ、僕にとってはこの世には絶望と悲嘆しかないのです

私は希望を捨てるな、と言ったのだよ

あなたは僕を説き伏せようとしておられる
僕にヴァランチーヌに会えると思い込ませようとしている
あなたの僕への影響力が怖いのです
あなたは僕に超自然的なことを信じさせてしまう!

希望をもつのだ
これからは、マクシミリヤン、君は私のそばで私と一緒に暮らすのだ
もう君は私からは離れないのだ
一週間後に君と私はフランスを後にする

で、相変わらず希望を持てとおっしゃるのですか

私は君を立ち直らせる良薬を知っているからだよ

あなたは僕が受けた苦しみを通りいっぺんのものとしか考えておられない
だから旅などで僕を立ち直らせるなどとおっしゃるのだ

私は約束を守る男だ
試しにやらせてみてくれないかね
モンテ・クリスト伯爵という男が、どういう能力の持ち主が、君はしっているのか
この世の多くの権力に対して、命令する力のあることを知っているのか
マクシミリヤン、よく聞いてほしい
一か月後の同じ日、同じ時刻にもしも君の悲しみが癒されていなければ、
私は君に弾丸をこめたピストルと、イタリアの毒の中で最も確実なものを君に与えよう

約束してくださいますか

私は誓うよ
今日は9月5日
死のうとなさっていたお父上を救ったのは10年前の今日なのだ
モレルは伯爵の手を取り、唇にあてた
伯爵は、あたかもこの崇敬の念が当然であることを知るかのように、なすがままにさせていた

4144うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:23:48 ID:LNssCYN6
アルベールとその母メルセデスはサン・ジェルマン・デュプレのささやかな住まいに暮らしていたが、その2階の借り手は素性のわからぬ人物であった

その人物とは、実はリュシャン・ドブレなのであった
ダングラール夫人との密会場所である
「リュシャン、ダングラールが昨夜出て行ってしまったの」
「いったいどこへ!」
「知らないわ
あの人、書置きを残していったの」

貞淑なる妻へ
おまえにはもう夫はいない
娘がいなくなったように、夫もいなくなる
お前には訳を話しておく義務があると考える
今朝急に500万の返済を迫られ、そのすぐあとで同額の返済を迫られた
我慢出来ぬほど不快な日になるはずの明日を避け、わしは今日家を出る
わしの財産の半分がどこへ消えてしまったのやら、わしにはてんでわからぬが、
お前ならば説明できるのだろう
今わしはお前に快く自由を返す
わしは、金持ちだが身持ちの悪いお前を妻とした
わしの財産は15年以上増え続けてきた
なのにいまだに不明な謎の破局が襲いかかりわしを踏み潰した
これは断じてわしのせいではない
お前は自分の財産をふやすことだけにつとめた
そしてお前はそれに成功した
わしはだいたいそう確信している
だからわしは、お前を妻としたときそのままに、
金持ちだが身持ちの悪い女のまま残していく
心からなる夫 ダングラール男爵

「その手紙を読んで、どうお思いになる?」
「ダングラールさんは僕たちのことに感づいたまま出ていかれたと思いますね」
「おっしゃることはそれだけ?」
「仰る意味がわかりませんが」
「行ってしまったのよ!もう帰ってきやしないわ!
あの人は自分の利害から割り出した決心は絶対に変えません
私はもう永久に自由の身なんですわ!」
ドブレは返事をしない
「そう言われても・・・どうなさるおつもりなんですか」
「あなたから仰っていただきたいの」胸をときめかせながら夫人は答えた
冷ややかにドブレは答えた
「そうですね、旅にでも出たらいかがですか」

ご主人がおっしゃるように、あなたはお金もあるし、まったく自由な身の上です
僕の考えではウジェニー嬢の婚約騒ぎで2つも事件が重なったこともあるし、
しばらくパリを留守になさるべきでしょうね
世間にはあなたが夫に捨てられて貧乏であると思わせたほうが良いでしょうね
破産した男の妻が金持ちだというのでは世間が承知しませんから
2週間ばかりパリにいて、夫に捨てられたと会う人毎におっしゃれば、あとは他人が吹聴してくれますよ
そのあとでお屋敷を出るのです 宝石類も資産も放棄なさってね
なにしろあなたの資産状況を知っているのは僕だけですからね
今ここで誠実な共同事業者として会計報告をいたしましょう

ドブレは過去半年の投機事業の収支決算を夫人の目の前で行った
「僕はあなたのお金を用心のために動産にしておいたんです
まるであなたに今にも金を返せと言われるのを見越していたみたいにね
半分は紙幣、半分は持参人払いの手形ですよ
ああ、僕の銀行はダングラールさんのところではないからご安心を」

「ふん、好きにするがいいさ」ドブレは夫人が行ってしまうとそう言った

4145うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:32:47 ID:LNssCYN6
その階上の部屋では、アルベールとメルセデスが今後の暮らし向きについて話し合っていた
メルセデスからはその魅力的な微笑みも消えていた
アルベールのほうも、贅沢な暮らしから貧乏生活への変化に居心地の悪い思いをしていた
ふたりはマルセイユへ行くことを決めた
「お母さんはマルセイユに住み、僕はアフリカへ行くと決めました
今までの名を捨て、アフリカで新しい名を名乗ります
実は、アルジェリア騎兵に身を投じたのです
僕は身売りをしました
2000フランでね」
「この子の血を売ったお金・・・」
「お母さん、安心してください
僕は死にはしません
僕は今ほど、生きたいと思っているときはないです
お母さんはゆっくり2年は所持金で暮らしてゆけます
僕が将校になったらお母さんの将来も安定します
もし僕が死んだら・・・お母さんも死んでください
そのときは、僕たちの不幸は、その頂点で終わるんです
僕はぜいたくも言わず、無茶なこともしない男になりました
お母さんは聡明な方だし、耐え忍ぶ力も強い
マルセイユのダンテスさんの家に入れば静かに暮らせます
ふたりで、やってみましょう」
「そうね、やってみましょう」

モンテ・クリストはそんなふたりを見ていた
「どうやってあの罪のない二人に、この俺が奪った幸せを返してやったものか
神が力をお貸しくださるだろう」

4146うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:36:20 ID:LNssCYN6
ベネデット(=アンドレア・カヴァルカンティ)は最も凶悪な囚人を収容する監獄に入れられていた
ある日、彼は面会室へと呼ばれた
そこにいたのはベルトゥチオだった
「あ、あんたは・・・」
「お前は相変わらず悪の道を突っ走ってるな」
「あんた、誰の使いで来たんだ
どうして俺が牢に居ることを知った」
「シャンゼリゼで馬を優雅に走らせてる高慢ちきな奴がお前だということはとっくに知っていた」
「シャンゼリゼねえ 
なあ、俺の父さんのことを話そうや
シャンゼリゼといえばさる大金持ちのお方が住んでるよな」
「お前が盗みに入り、人を殺したお屋敷か
モンテ・クリスト伯爵様は神の御寵愛深く、とてもお前のような悪党の父親になどなれぬお方だ」
「おおげさだな!
俺は親爺が誰だか知りたいんだ
必要とあれば死んだっていい
つきとめてやる!」
「そいつを教えに来たんだよ」

4147うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:36:22 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールは書斎にこもり、熱に浮かされたようにカドルッス殺害事件に取り組んでいた
休息を取るため庭へ出た検事はふと見上げた窓の中にノワルチエの姿を見た
老人は鋭い視線を庭のある一点に注いでいた
視線の先にはエドワールと遊ぶヴィルフォール夫人がいた
ヴィルフォールの顔は青ざめた
ノワルチエはその視線を急にヴィルフォールへと向けた
「わかっております、父上
もう一日だけ辛抱なさってください
お約束は必ず実行いたします」

夜は静かにふけてゆく
ヴィルフォールは朝の5時まで仕事をした
いよいよ今日だ
今日こそは正義の刃を持つ者が、いずこにひそむ罪人をも切り捨てるべき日!

召使がココアをもってきた
そんなものは頼んでおらんぞ
奥様が、きょう旦那様は例の殺人事件で弁舌をおふるいになる日だから、
力をつける必要があるとおっしゃいまして・・・
ヴィルフォールはココアの入った茶碗を見つめ、えいとばかりに飲み干した
毒は入っていなかった
召使がやってきて、夫人が傍聴したいのでお供をしたいと言っている、という
ヴィルフォールは、部屋で待つように、とだけ伝えた

身支度を終え、ヴィルフォールは夫人の部屋へ向かった
「エドワール、お母さんと話しがあるからサロンで遊びなさい」
ヴィルフォールは、子供が出て行くと扉に鍵をかけた

「まあ、どうなさったんですの」
「いつもお前が使っている毒薬はどこにしまってあるのだ」
夫人の声はかすれた
「あなた、私には・・・なんのことかわかりませんわ」
「おまえが義父サン・メラン侯爵と、義母と、バロワと、私の娘ヴァランチーヌを殺した毒薬をどこにかくしたかと聞いておるのだ」
「あ、あなた、何をおっしゃいますの」
「尋問するのはお前ではない お前は答えればいい」
「夫に対して?それとも裁判官に対してですの?」
「裁判官に対してだ!」
「ああ、あなた、あなた・・・」
「答えないつもりか!
お前は否認することはできないはずだ
お前は巧妙に犯罪を重ねた
私は愛情ゆえに盲目となってしまっていた
バロワが死んだとき、あの天使のような者に嫌疑をかけたのだ
でもそのヴァランチーヌが死んだあとではもう疑う余地はない
お前の罪は万人の知るところとなる」
若い妻は両手で顔を覆った
「お前の罪が露見したときのことをまさか考えていなかったわけではあるまい
当然科せられるべき刑を逃れるために、お前が使ったものよりもずっと楽に確実に死ねる毒物をお前は自分用にとっているはずだ
少なくとも私はそう思いたい」
夫人は跪いた
「自白しようというのか
だがもはや否認できぬとなってからの自白は刑を少しも減ずるものではないのだ」
「あなた、刑ですって?二度もおっしゃったわ!」
「お前は、お前に求刑する者の妻であるから許されるとでも思っているのか
毒殺犯には断頭台が待っている
さっきも言ったようにその犯人がより確実な毒物を自分用に取っておかなかった場合はな
いや断頭台を恐れずともよい
お前の名誉を傷つけるつもりはない
それは私の名誉を傷つけることだからな
私の言葉をよく聞いたのならわかるであろう」
「あなた、わかりませんわ・・・」
「最高司法官の妻はその夫と子供を汚辱の巻き添えにしてはならぬ」
「ええ、そうです、そうですとも」
「それでいい
お前は立派な行動をしてくれる
それに対して礼を言う」
「お礼?ああ、神様、わたし、頭がどうかしてしまいそう
まさか、あなたはそんなことをお望みにならないわ!」
夫人はふるえながらわめいた
「私が望まないのはお前が断頭台で息絶えることだよ」
「あなた・・・お願いです・・・」
「私が望むのは正しい裁きが行われることだ
私がこの地上にいるのは罪人を罰するためなのだ
お前には寛大な処置をとる
私はこう言う
楽に、速やかに死ねる毒薬を数滴は残しているだろうね」
「あなた、許して・・・
私があなたの妻であることをお考えになって!
私たちの子どものために!どうか私を生きながらえさせてください!」
「ならぬ!
お前を生かしておけば、お前はいつか、あの子まで殺してしまう女だ」
「わたしがあの子を殺す?
わたしが?あ、は、は、は、は」
夫人は狂ったように笑い、叫び、倒れた
「私が帰宅したときにまだ裁きが遂行されていなければ、私は私自身の手でお前を逮捕し、告発する」
夫人は目を開けたまま、倒れていた
ヴィルフォールはかがみこんでゆっくりと言った
「さようなら」

4148うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:39:41 ID:LNssCYN6
ベネデットの裁判の日
傍聴席は奪い合いの大人気である
ボーシャン、シャトー・ルノー、ドブレも姿を見せていた
「この1週間、ヴィルフォール検事には会えなかった
無理もないな
家庭内に不幸が続いて娘にまで妙な死に方されて」
「ボーシャン、妙な死に方ってなんだよ」
「え、つまり、あれ?あそこにいるのはダングラール夫人じゃないか?」
ドブレがびくっとなりながら言った
「なんだ、ヴェールをかぶった知らない女の人じゃないか
話を戻せよ、妙な死に方って?」
「それにしてもどうしてヴィルフォール夫人は来ていないのかな」
「あの人、気付け薬をつくって病院に贈ったり、化粧水を作ったりするのに忙しいらしいや」
「話を戻せよ、妙な死に方って?」
「君たち、なぜヴィルフォール家で人がしげしげと死ぬのか知りたくないか
なぜ、しげしげと人が死ぬか?
それはあの家の中に殺人犯がいるからだよ」
「で、その犯人は誰なんだ」
「エドワールさ」
3人は吹き出した
(^^)/ エラリー・クィーン『Yの悲劇』か

「ところでモンテ・クリスト伯爵の姿も見えないな」
「こんなことには飽き飽きなんじゃないか」
「マクシミリヤンも見かけないんだよ
妹さんはまったく心配してなさそうなんだけどな」

廷吏の声が響き渡った
みなさん、開廷です

4149うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:48:31 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールは落ち着き払った目であたりを見回していた
父親としての悲しみがいささかも平静さを失わせていないこの男の姿に、
聴衆は驚嘆し、恐怖すら覚えた

やがて被告が入廷してきた
ベネデットは居並ぶ判事たちを眺めまわし、裁判長と、特に検事をじっと眺めた
裁判長が起訴状の朗読を求める
ヴィルフォールの手になる起訴状である
その明晰かつ雄弁な文章は犯罪を色鮮やかに描き出した
これを聞けば、ベネデットは世論から見放されたといえよう
アンドレア(=ベネデット)はまったく関心を示さない様子である
ヴィルフォールの鋭い凝視はただの一度も彼の目を伏せさせることはなかった

裁判長が言った
「被告、姓名を」
アンドレアは立ち上がり、澄み切った声で言った
「裁判長は私がお答えしかねる順序で質問なさっています
私がふつうの被告とは違うと後ほど証明いたします
ですからどうぞ、違う順序でご質問を」
裁判長は驚いて陪審、検事を見た
アンドレアにたじろぐ様子はなかった
「年齢は」
「もうすぐ21歳です
1817年9月27日から28日にかけての夜に生まれましたから」
ヴィルフォールは顔をあげた
「どこで生まれたのか」
「パリ近郊のオートゥイユです」
ヴィルフォールは再び顔をあげ、ベネデットを見つめ、血の気を失った
「職業は」
「はじめは文書偽造、ついで泥棒に、最近人殺しとなりました」
ヴィルフォールは片手で額をおさえ、いきなり立ち上がったかと思うとまた椅子に倒れ込んだ
「被告、今度は名前を言うことに同意するか?
その方の意図はその名前を際立たせることにあるのであろう」
「裁判長、そのとおりです」
「では尋ねる、名前は」
「私には、名前を申し上げることができません
自分の名前を知らないからです
父の名前は申し上げることができます」
ヴィルフォールは目の前が真っ暗になった
「では父の名を言いなさい」
「はい、私の父は検事です
父の名は、ヴィルフォールです!」
「被告、そなたは裁判を愚弄する気か!」
ざわめく傍聴人の中で、どうも女が一人気を失ったらしい
「とんでもありません
私が自分の名を申し上げられなかったのは、両親が私を棄てたからです
でも父の名はヴィルフォールです
今すぐにでも証明できます」
検事はじっと座って動かなかった
「しかし、予審の際にはその方はベネデットと名乗り、孤児であると言い、コルシカが故郷だと言ったぞ」
「私は予審の際には予審にふさわしいことを言いました
私の言葉に厳粛な意味を持たせたかったからです
繰り返し申します
私は1817年9月27日から28日にかけての夜に生まれた、
検事ヴィルフォールの子どもです
ラ・フォンテーヌ通り28番地の2階、赤い緞子を張った部屋で生まれました
父は、私は死んだと母に言って、私をH・Nの頭文字をしるした布にくるんで庭へ運び、
生き埋めにしました」
傍聴人のあいだに戦慄がはしった
「だがどうして、そのように詳しく知っておるのか」
「一人のコルシカ人の男が父を付け狙い、その現場を目撃していたのです
この男は穴を掘り返し、一度は私を孤児院に預けたものの、結局は引き取ってコルシカで育ててくれました」
廷内は静まり返っていた
「続けたまえ」
「この優しい人達の間で私は幸福に育つことができたはずなのですが、
持って生まれた邪悪な性格が、養母が私に注ぎこもうとしたあらゆる美徳に勝ってしまった
養父は私に言いました
『神を呪うな
罪はお前のせいではない
お前をみじめな境遇に追いやった父親のせいだ』
その日から、私は父を呪うと決めたのです」
「その方の母親はどうしたのだ」
「母は私を死んだものと思っていました
母に罪はありません
私は母の名を知ろうとも思いませんし、
今も存じません」

4150うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:49:39 ID:LNssCYN6
この瞬間、鋭い悲鳴が聞こえ、むせび泣きに変わった
その婦人は倒れて法廷から運び出されていった
運ばれる途中でヴェールが落ちた
ダングラール夫人であった
ヴィルフォールの頭は気も狂わんばかりであったが、夫人であるとわかると、思わず立ち上がっていた
裁判長は言った
「証拠は?証拠はあるか?」
「証拠を見せろと?
では、ヴィルフォール氏をご覧ください
そのあとで証拠をお求めになってください」
検事はよろめくように判事席に進み出た
「お父さん、私は証拠を見せろと言われているんです
お見せしましょうか?」
「いや、いらん、その必要はない」
裁判長は叫んだ
「必要がない?!
それはどういう意味ですか?」
ヴィルフォールは叫んだ
「私にはわかっておるのです
私は復讐の神の手中にある
証拠などは必要ありません
今この青年が申したことは、すべて真実であります」
「なんですと?ヴィルフォールさん、気は確かですか?」
「気は確かです
今から直ちに謹慎いたします
私の後継者である検事の指示に従います」

ヴィルフォールはよろめきながら法廷を出て行った

4151うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:52:15 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールは今や重荷となり果てた法官服を脱ぎ、自分の馬車へ乗り込んだ
神よ、ああ、神よ
この運命の崩壊のかげに、彼は神の姿しか見ていなかった
彼の背に何か固い物があった
取り出してみるとそれは、彼の妻の扇であった

あの女が罪を犯すに至ったのは、この私に触れたからなのだ
それなのに私はあれを罰した
『恥を知れ、死ね』と言ってのけた
この私が・・・!
あれを死なせてはならない
何もかも打ち明けよう
私も、私も罪を犯したのだと
まさに虎と蛇の組み合わせ、私のような夫にふさわしい妻
死なせてはならぬ
私の汚らわしい罪で、あれの罪を軽くしてやらねば
あれがしたことはすべてあの子のため
子を愛する母親を絶望させてはならぬ
あの子を育てさせてやらねば
そうすれば、私も善行を施したことになる
私の心も休まるというものだ

馬車は屋敷に着いた
ヴィルフォールは馬車を降り、屋敷内に駆け込んだ
ノワルチエの部屋を通り過ぎたとき、父親ともう一人の人影をみたが、気にも留めなかった
妻の姿は見当たらない
最後に寝室へと向かった
「エロイーズ、エロイーズ」
弱々しい声が聞こえた
「どなた?」
「私だ、開けろ」
ドアは開かれない
ヴィルフォールはドアを蹴破った
夫人は引きつった顔で立っていた
若い妻は夫のほうへ手を差し伸べた
「済みましたわ
これ以上何をしろとおっしゃいますの?」
こう言うと夫人は床に倒れた
ヴィルフォール夫人は死んだ
遺体の向こうのソファの上に、エドワールが寝ていた
ヴィルフォールは駆け寄り、抱き寄せ、ゆすぶった
子供は死んでいた
エドワールの胸から畳んだ紙が落ちた
『私が良き母親だったかどうか、あなたがご存知です
良き母親は子供を残して一人旅立つようなまねはいたしません』

ふたつの犠牲
またしても神だ!

4152うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:53:05 ID:LNssCYN6
ヴィルフォールは髪を振り乱し、父親の部屋へと向かった
ノワルチエはブゾニ神父の言葉に熱心に耳を傾けているようであった

「あなたがここにおいでとは!
いつも死神のお伴をして姿を現すものとみえますな」

ブゾニは立ち上がった
重要裁判はその結末を迎えたものと思った
それ以外のことは知らなかった
「この前はお嬢さまのために祈りをささげるためにまいったのですよ」
「では、今日は何をしに来られたのです」
「あなたが十分に借りを返したことを告げに来たのです」
「おお、その声は、その声はブゾニ神父の声ではない!」
司祭は鬘を取った
「モンテ・クリスト伯爵の顔だ!」
「それも違う、検事さん、もっと遠い昔をよくよく思い出すことですな
あなたは23年前にマルセイユで、サン・メラン侯爵令嬢と結婚した日に、
この声を聞いたのですよ
思い出せ、思い出すんだ!」
「私がきさまに何をしたと言うのか!言え!」
「私に死の宣告をしたのだ
父を殺したのだ
私から自由と恋を奪い、幸せな運命を奪った!」
「誰だ!いったい誰なのだ!」
「私はあなたがシャトー・ディフの地下牢に埋めた不幸な男の亡霊だ
ついにその墓を脱け出たその亡霊に、モンテ・クリスト伯爵の仮面を与えたもうた」
「ああ、きさまは、わかったぞ!」
「エドモン・ダンテスだ」
「そうだ、エドモン・ダンテスだ
ならば、こっちへ来い!」
ヴィルフォールは妻と子供の死体を見せた
「エドモン・ダンテス、これでお前の復讐は遂げられたか?」

モンテ・クリストはその無残な光景に色を失った
彼は復讐が大きく逸脱したことを知った
彼は子供の遺骸にとびつき、脈を取り、瞳孔を調べた
そして抱きかかえ、ヴァランチーヌの部屋へ入り、鍵をかけた
「私の子どもを返せ!
ええい、畜生、きさまのような奴は死んでしまえ!」
ヴィルフォールは目を見開き、こめかみの血管は膨れ上がった
そして完全な精神の錯乱が訪れた
大声で叫んだかと思うと高笑いをし、階段を駆け下り、庭へ走った

モンテ・クリストはどうやっても救うことのできなかった子供を母親の横へ寝かせた

ヴィルフォールは庭中をスコップで掘り返していた
「ここでもない、ここでもないぞ」
モンテ・クリストが近づいた
「みつけてみせますよ!
あの子がここにいないと言っても無駄です
最後の審判の日まで探してやる!」

ああ、気が狂ったのだ
モンテ・クリストはぞっとして後ずさりした
彼は路上に飛び出した
自分に、己れのなしたことをやるだけの権利があったのか
今初めて彼は疑ったのであった
「もう十分だ・・・最後の男は見逃してやろう」

モンテ・クリストは自宅に戻り、マクシミリヤン・モレルに言った
「明日パリを発とう
あまりやり過ぎぬことを神が望んでおられる」

4153うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 13:53:55 ID:LNssCYN6
マクシミリヤン、ジュリー、エマニュエルは、このところ立て続けに起こった
モルセール、ダングラール、ヴィルフォールの悲劇について語り合っていた
とはいえ、マクシミリヤンは、ただ無感動にそこにいるというだけの様子であった

モンテ・クリストがたずねてきた
「マクシミリヤン、君を迎えにきたよ」
「どこへいらっしゃいますの?伯爵さま」ジュリーが言った
「まずはマルセイユへ」
「まあ、兄を元気にして返してくださいませ」
「君たちはお兄さんが苦しんでいるのに気が付いていたのかね」
「ええ、私たちと暮らしていたんじゃつらいんじゃないかと」
「私がお兄さんの気がまぎれるようにしてあげるよ」
「用意はできています」マクシミリヤンは言った
「そんなに急に行ってしまうの?!」
「ぐずぐずしていると悲しみが増すばかりだ」
「お兄様のこのしゃべり方!
お兄様はなにか私たちに隠してらっしゃるわ!」
「とんでもない!
お兄さんのことは心配しなくていい
元気で笑って帰ってくるよ」
「お兄様に明るさを取り戻してください」
「まだ船乗りシンドバッドを信じているかね」
「もちろん」
「ならば、安心して待ちなさい」

階段の下に、召使のアリが待っていた
「あの手紙をあの方に見せたか」
アリはうなずいた
「なんと言って、いやどうなされた?」
アリはノワルチエの『そうだ』を真似た
「よし、老人は承諾してくださった
では行こう」
馬車は出発した
途中、台地の上で、モンテ・クリストは馬車を降りた
そこからはパリが黒々とした海のように見えた
偉大なる都よ!
私の使命は終わった
さらば、パリよ
馬車はふたたび走り出す
「モレル、ついてきたことを後悔しているかね」
「いいえ、でもパリにはヴァランチーヌが眠っているんです
パリを離れることは、もう一度彼女から離れることだ」
「モレル、失われた人々はわれわれの心の中にいるのだ
私にはね、そのようにしていつでも私とともにいる人が二人いる
一人は私に生命を与えてくれた人
もうひとりは私に知性を与えてくれた人だ
迷いが生じたときは、私はいつもこの二人に訊ねている
モレル、君のこころに訊ねてみるがいい
いつまでもそんな憂い顔を私に向けるべきなのかとね」
例のごとく、伯爵の旅は素晴らしい速さで進んだ

4154うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 14:57:35 ID:LNssCYN6
活気にあふれる港町マルセイユ
モンテ・クリストにとってもマクシミリヤンにとっても懐かしい
「伯爵、ここですよ
あなたが父にファラオン号を贈ってくださったときに、父が立っていた場所です」
「わたしはそのとき、あの丘から見ていたんだよ」
モンテ・クリストはそう言って丘のほうへ目を向けると、そこにヴェールをかぶった一人の婦人の姿を見た
モレルが、あっと声を上げた
「あの船から手をふっている軍服の青年は・・・アルベール・ド・モルセールだ!」
「そう、わたしにはわかっていた」
ふたたびモンテ・クリストが丘のほうへ目を向けると、もうそこの婦人はいなかった
「君はここでなにかすることはないか」
「私は父の墓へ行こうと思います」
「それはいい
では向こうで待っててくれたまえ
私も涙を流しに行く場所があるのだ」

モンテ・クリストはメラン小路のあの懐かしい家へ向かう
かつて老ダンテスが住んでいた家である
いまでは、建物全体をメルセデスの自由なように使わせていた
メルセデスは庭でひとり泣いていた
モンテ・クリストの足元で砂がきしみ、メルセデスは顔をあげた
「奥さん、私にはもはやあなたを幸せにする力はありませんが、
友人としての慰めを受け取っていただけますか」
__
「わたしには息子だけしかおりませんでしたのに
あの子も行ってしまいました・・・」
「あなた方の未来を再建する仕事をご子息にさせておいたほうがいい
あえて予言しますが、あなた方の未来は頼もしい手に握られているのです」
「その幸運を、あの子が授かりますように
でも私がその幸運を授かることはありません
もうお墓のすぐそばにいるような心持がいたします
伯爵さま、ここへ住まわせてくださって感謝しております
人が死ぬべき場所はその人が幸せに暮らした土地ですもの」
「あなたの言葉が心に刺さります
あなたの不幸は私が引き起こしたものなのだから」
「エドモン、私の子どもの命を救ってくださったあなたを憎むわけがありません
モルセールの自慢の息子を殺すことがあなたの意図だったはずですもの
私が憎むのはこの自分なの!
ああ、私はなんて見下げ果てた女なのでしょう!
あなたは私を復讐の対象からはずしてくださった
でも、私が最も罪深いのです
ほかの人たちは憎しみや貪欲や利己心からああしたんです
なのに私は卑怯な心からああしたんです
エドモン、あなたはいまなにか優しい言葉を探している
でもそれは、ほかの女性のためにとっておいてください
私には受け取る資格がありません
この世には、最初の過ちがその将来をなにもかも駄目にしてしまうよう運命づけられている者がいるものですわ
私だけがあなたであることを見抜き、息子の命を救うできても、それが何になるというのでしょう
どのように罪深い男にせよ、私が夫として受け入れた男を、私は救うべきだったのではないでしょうか
それなのに、私は何もせずに彼を死なせてしまった
それどころか、私は卑劣な無関心さと軽蔑の念で、あの人の死に手を貸したのです
私にとっても最もつらい責苦はあなたと他の男の人たちを比較すること
あなたほどの方はこの世に一人といない
さようならとおっしゃってください、エドモン
お別れしましょう」

「別れる前になにかしてほしいことはないか、メルセデス」
「エドモン、私の願いはひとつだけ、あの子の幸せです」
「神にあの子を死から守り給えと祈りなさい
それ以外は私が引き受けよう」
「ありがとう、エドモン
私は二つのお墓の間で生きています
ずっと昔に死んだエドモン・ダンテスのお墓
この世のなにをくれると言われてもこの追憶だけは失いたくありません
もうひとつは、エドモン・ダンテスが殺した男のお墓
殺されて当然とは思います
でも死者のために祈らねばなりません」
「またお会いしましょう、とは言ってくれないのですか」
「いいえ、またお会いしましょう」
メルセデスはそう言って、天を指さした

4155うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 14:59:05 ID:LNssCYN6
活気にあふれる港町マルセイユ
モンテ・クリストにとってもマクシミリヤンにとっても懐かしい
「伯爵、ここですよ
あなたが父にファラオン号を贈ってくださったときに、父が立っていた場所です」
「わたしはそのとき、あの丘から見ていたんだよ」
モンテ・クリストはそう言って丘のほうへ目を向けると、そこにヴェールをかぶった一人の婦人の姿を見た
モレルが、あっと声を上げた
「あの船から手をふっている軍服の青年は・・・アルベール・ド・モルセールだ!」
「そう、わたしにはわかっていた」
ふたたびモンテ・クリストが丘のほうへ目を向けると、もうそこの婦人はいなかった
「君はここでなにかすることはないか」
「私は父の墓へ行こうと思います」
「それはいい
では向こうで待っててくれたまえ
私も涙を流しに行く場所があるのだ」

モンテ・クリストはメラン小路のあの懐かしい家へ向かう
かつて老ダンテスが住んでいた家である
いまでは、建物全体をメルセデスの自由なように使わせていた
メルセデスは庭でひとり泣いていた
モンテ・クリストの足元で砂がきしみ、メルセデスは顔をあげた
「奥さん、私にはもはやあなたを幸せにする力はありませんが、
友人としての慰めを受け取っていただけますか」
__
「わたしには息子だけしかおりませんでしたのに
あの子も行ってしまいました・・・」
「あなた方の未来を再建する仕事をご子息にさせておいたほうがいい
あえて予言しますが、あなた方の未来は頼もしい手に握られているのです」
「その幸運を、あの子が授かりますように
でも私がその幸運を授かることはありません
もうお墓のすぐそばにいるような心持がいたします
伯爵さま、ここへ住まわせてくださって感謝しております
人が死ぬべき場所はその人が幸せに暮らした土地ですもの」
「あなたの言葉が心に刺さります
あなたの不幸は私が引き起こしたものなのだから」
「エドモン、私の子どもの命を救ってくださったあなたを憎むわけがありません
モルセールの自慢の息子を殺すことがあなたの意図だったはずですもの
私が憎むのはこの自分なの!
ああ、私はなんて見下げ果てた女なのでしょう!
あなたは私を復讐の対象からはずしてくださった
でも、私が最も罪深いのです
ほかの人たちは憎しみや貪欲や利己心からああしたんです
なのに私は卑怯な心からああしたんです
エドモン、あなたはいまなにか優しい言葉を探している
でもそれは、ほかの女性のためにとっておいてください
私には受け取る資格がありません
この世には、最初の過ちがその将来をなにもかも駄目にしてしまうよう運命づけられている者がいるものですわ
私だけがあなたであることを見抜き、息子の命を救うできても、それが何になるというのでしょう
どのように罪深い男にせよ、私が夫として受け入れた男を、私は救うべきだったのではないでしょうか
それなのに、私は何もせずに彼を死なせてしまった
それどころか、私は卑劣な無関心さと軽蔑の念で、あの人の死に手を貸したのです
私にとっても最もつらい責苦はあなたと他の男の人たちを比較すること
あなたほどの方はこの世に一人といない
さようならとおっしゃってください、エドモン
お別れしましょう」

「別れる前になにかしてほしいことはないか、メルセデス」
「エドモン、私の願いはひとつだけ、あの子の幸せです」
「神にあの子を死から守り給えと祈りなさい
それ以外は私が引き受けよう」
「ありがとう、エドモン
私は二つのお墓の間で生きています
ずっと昔に死んだエドモン・ダンテスのお墓
この世のなにをくれると言われてもこの追憶だけは失いたくありません
もうひとつは、エドモン・ダンテスが殺した男のお墓
殺されて当然とは思います
でも死者のために祈らねばなりません」
「またお会いしましょう、とは言ってくれないのですか」
「いいえ、またお会いしましょう」
メルセデスはそう言って、天を指さした

4156うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:01:01 ID:LNssCYN6
>>4154
>>4155
だぶりました、すみません<m(__)m>

4157うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:03:12 ID:LNssCYN6
メルセデスを残し、モンテ・クリストは胸ふさぐ思いでその家を後にした
エドワールの死以来、彼の心の中には大きな変化が生じていた
「このように自分を責める破目に陥ったのは、俺の計算に何か過ちがあったからだ
俺の目的がばかげていたというのか?
まちがいだったというのか?
そんな考えは到底受け入れることはできぬ」

モンテ・クリストは過去をもとめ、マルセイユをさ迷い歩く
24年間のあの日、夜の闇のなか、衛兵に連行されていった波止場
シャトー・ディフへの舟に乗せられた場所
遊覧船を雇い、再びかの場所へ
7月革命以来、シャトー・ディフには囚人はおらず観光名所となっていた
門番に案内を頼み、モンテ・クリストは地下牢へ行く
彼の額は青ざめ、流れる汗は心臓にまで達するかのようであった
彼は、王政復古当時の看守がまだいるか尋ねたが、さすがにもういないということだった

地下牢へ案内され、ファリャ神父が掘った穴を見た
「この地下牢のことで看守のアントワーヌに聞いた話があります」
モンテ・クリストはぞっとした
その看守こそ、彼の担当だったのだ
「ここにいた囚人はひどく危険で、おそろしく頭が切れる奴だったそうです
同じ頃、もうひとり囚人がいて、こいつは頭のおかしい坊さんだったとか
もし、釈放してくれたら何百万という金をやる、と言ったらしいですよ」
「その囚人たちは互いに会うことはできたのかね」
「とんでもない!厳重に禁じられていました
でも連中、地下道を掘ったんですよ
ほら、あそこに見えます」
「ああ、ほんとうだ」モンテ・クリストの声はかすれた
「老人のほうは死んじまって、若いほうは・・・どうしたと思います?
死人を自分とすりかえて、自分が死体袋に入ったんですよ」
モンテ・クリストは目を閉じた
「奴の計算違いは、ここでは死体は海に投げ込まれるってことだったんです
埋葬人どもが崖から死体袋を海へ投げ込んだときに、悲鳴を聞いたんです」

伯爵は息のつまる思いだった
俺が自分の目的に疑問を抱いたのは、過去を忘れかけていたからだ
だがふたたび、俺の胸はえぐられた
復讐の炎は今また燃え上がる
モンテ・クリストはかつて自分のいた独房を見回した
椅子がわりの石
壁に刻まれた数字
父とメルセデスの年齢を刻んだ数字
モンテ・クリストは、墓地に運ばれる父と婚礼の祭壇をすすむメルセデスの幻影を見た
そう、わたしは思い出した!
わたしはこの地下牢で記憶力を失うことを恐れていたのだった

「そのあわれな老人の独房を見せてもらえないか」
ファリャ神父の思い出に涙するモンテ・クリスト

「案内をありがとう、これは礼だ」伯爵は金貨を門番に渡した
「え、こんなにくださるので?」
「私も船乗りだったから、お前の話には心打たれたんだよ」
「こんなにしていただいたからには、私のほうからもなにか差し上げることにいたしますよ
あのあわれな坊さんが死んだ後に見つけたんでさ
今とってきますよ」
戻って来た門番は手に巻物のようなものを持っていた
それは、布に書かれたファリャ神父の大著、イタリア統一王国に関する論文だったのである
伯爵は奪い取るようにしてその論文を手にした
『汝竜の牙を抜き、獅子をその足元に踏みつけん、と主はのたまえり』
これが答えだ!
あの陰惨な牢に俺を閉じ込めた者どもに禍あれ
俺が閉じ込められていたことを忘れた者どもに禍あれ

マルセイユのカタロニア人村を通るとき、伯爵は目をそむけた
そして、恋に等しいほどの情愛をこめてひとりの女性の名を口にした
エデ、と

4158うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:04:24 ID:LNssCYN6
モンテ・クリストはマクシミリヤンに会うため墓地へと向かった
「マクシミリヤン、君にはマルセイユに何日か滞在してもらう
私は君と別れねばならないが、君との約束は忘れないよ」
「僕のほうはきっと忘れてしまいますよ」
「いや、君はそんなことはしない
名誉を重んずる男だからね
モレル、私は君よりも不幸な男を知っている」

伯爵はエドモン・ダンテスの不幸を話す
もちろん、名前は伏せて

マクシミリヤン・モレルはその話に衝撃を受ける
「その人も、いつかは幸せになれるのでしょうか・・・」
「彼はそれを希望しているよ」
「僕はお約束します、でも忘れないください」
「10月5日、港に迎えの舟がくる
船長に私の名前を告げなさい
私はモンテ・クリスト島で君を待っている」
「わかりました、必ずその通りにします
でも忘れないでください、10月5日には、僕は」
「何度も言わせるものではない
その日になってもまだ、君が死にたいと言うのなら、私が手を貸してやる」
モンテ・クリストはマクシミリヤン・モレルを一人残し、船でイタリアへと向かった

4159うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:05:51 ID:LNssCYN6
同じ頃、一人のフランス人の男がフィレンツェからローマへ馬車を走らせていた
男は紙入れから四つ折りにしたものをとりだして言った
「よし、わしにはまだこれがあるぞ!」

フランス人は馬車を降り、スペインホテルへ入った
(^^)/ 物語の初め、アルベールとフランツとモンテ・クリスト伯爵が出会ったホテル

フランス人はトムソン・アンド・フレンチ商会の場所を聞き、再び出かけて行った
その様子を観察する男がひとり、後をつけ始める

フランス人はトムソン・アンド・フレンチ商会へ到着
「どちらさまで?」
「ダングラール男爵だ」
あとを付けてきた男は帳簿係の前の椅子にすわった
帳簿係が顔をあげ、あたりを見回す
「おや、ペッピーノじゃないか
あのフランス人に金のにおいを嗅ぎつけたか」
「あいつは金を引き出しにきたのよ
俺が知りたいのは金額だ」
「ちょっと待ってろ」

「おい、大変な額だぞ!500万!」
「モンテ・クリスト伯爵閣下の受領書で、だな
よし、あいつだ」

ダングラールが手配した馬車は商会の前で待っていた
彼はそれに乗って、ホテルへ帰り、金を枕に眠りに落ちた
翌日、彼はふたたび馬車へと乗り込んだ
まずはベネチアへ、その後ウイーンへ向かう予定だった
馬車の手配がのろく、出発が遅くなってしまう
ゆれる馬車のなかでもダングラールはぐっすりと眠った
ふと目を覚まし、窓から外を見ると、マントの男がひとり、馬に乗って並走していた
あわてて反対の窓をみると、そこにも馬に乗った男が!
ダングラールがまず考えたのは、彼らは憲兵だということだった
「ええい!罪人を引き渡そうってんだな!」
ところが馬車は町へは入らない
彼の髪は逆立った
これは・・・盗賊どもだ!

馬車が止まった
降りろ!
ダングラールは生きた心地もしない
10分ほど歩かされ、岩穴の中へと連れ込まれた
彼は山賊ルイジ・ヴァンパの手に落ちたのであった

4160うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:08:00 ID:LNssCYN6
ルイジ・ヴァンパはダングラールの顔をみて言った
「この男は疲れているな
寝かせておけ」
ダングラールはアルベールの身代金の金額を思い出していた
たしか4万8千くらいだったはず
それを差し引いてもわしにはまだ505万くらいはある
なんとか切り抜けられるだろう
そう考え、安らかに眠り込んだのだった

ダングラールは目を覚ました
そうだ、わしは山賊の虜になったのだった
いそいでポケットを探る
なぜか金はそのまま残っていた
金目の時計も盗られていなかった
おかしな山賊だ・・・

ダングラールは閉じ込められた部屋の隙間からのぞいてみた
見張りが目の前で食事をしていた
彼はふいに自分の胃袋が空っぽであることを思い出した
彼は扉をたたき、なにか食べ物をと要求したが、見張りは完全に彼を無視した
4時間がすぎ、見張りはペッピーノに交代した
ペッピーノは美食家だった
うまそうな匂い
ダングラールはは扉をたたいた
「わたしに食事をさせろとは言われてませんか」
ペッピーノは答えた
「おや、閣下はお腹がすいておられるので?
お安い御用ですよ
ただし、料金はいただきますがね」
「言うまでもない!」

ひな鳥のローストが運ばれてきた
カフェ・ド・パリにいるみたいだな、とダングラールはつぶやいた
ナイフとフォークを手にとりかかろうとしたそのとき、
ペッピーノが言った
「ここでは前金で支払うことになっておりまして」
「ほら」
ダングラールは彼に1ルイ(20フラン)を投げ与えた

4161うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:09:24 ID:LNssCYN6
ペッピーノはそれを拾い上げ
「ちょっとお待ちを
これでは少し足りませんな
あと足りないのは4,999ルイでございます」
「このやせた雛が10万フランだというのか!?
わかった、わかった、さあ、もう1ルイやろう」
「あと4,998ルイでございます」
「ばかばかしい!そいつは絶対に駄目だぞ!」
ペッピーノはさっとひな鳥を取り上げてしまった
ダングラールはふたたび閉じ込められた
ペッピーノはベーコン入りのエジプト豆を食べ始めた

30分、それでもダングラールは我慢した
「ええい!わしは食べたい!
ひからびたパン一切れでよい!」
「パンでございますね、かしこまりました」
小さなパンが運ばれた
「4,998ルイでございます」
「おい!なぜひな鳥とパンが同じ値段なのだ!」
「一品料理はやっておりません
少し召し上がろうが、たくさん召し上がろうが、料金は同じです」
「はっきりいえ!わしを餓死させるつもりだと言ったらどうだ!」
「とんでもない、閣下が勝手に自殺なさろうとしているのです
お金を払って食事なさってください
閣下はポケットに505万フランお持ちです」
「その10万を払えば、安心して飯を食えるんだな
だがどうやって払えばいいのだ」
「閣下はトムソン・アンド・フレンチ商会に口座をお持ちです
私に4,998ルイの手形を書いてくださればいいのです」
ダングラールは言われたとおりにした

4162うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:10:44 ID:LNssCYN6
翌日、ダングラールはまた腹がへった
彼は、今日は絶対に金を使うまいと思った
しかし、喉が渇いた
「飲み物がほしい」
「閣下、このあたりでは葡萄酒は高いです」
「では、水だ」
「水はもっと高いです」
「やれやれ、では葡萄酒を一杯くれ」
「手前どもでは分け売りはいたしません
一本25,000フランです」
「おい、わしを丸裸にするつもりか!」
「どうやら主人はそうなのかも」
「その主人てのを連れてこい」
ヴァンパがやってきた
「お呼びですか」
「わしの身代金としていくら欲しいのだ!」
「ざっくばらんに言いまして、閣下が身に着けておられる500万です」
「これはわしの全財産だ
巨万の富の残りがこれなのだ
こいつを奪うくらいなら殺してくれ!」
「閣下の血を流すことは禁じられておるのです」
「君も誰かに服従しているのか?」
「はい」
「その首領も誰かの手下なのか?」
「はい」
「誰の?」
「神の」
「どうもよくわからんな」
「でしょうね」
「どういうつもりなのだ」
「わかりません」
「わしの財布は空になってしまう」
「たぶんね」
「君、百万欲しくないか?いや200万、300万・・・400万!
逃がしてくれたら400万やる!」
「どうして500万払うところを400万で済むとお思いになるんで?」
「みんなもってけ!そしてわしをころせ!」
「あんまりわめきなさると、また食欲がでますよ
倹約して使わないとね」
「だが、払う金がなくなったらどうするんだ!」
「腹が減るだろうね」
ダングラールは顔色を変えた「腹がへる?」
ヴァンパは冷ややかに答えた「たぶんね」
「だが、あんたはわしを殺すつもりはないと言ったではないか!」
「ない」
「それなのにあんたは、わしが餓死してもかまわんというのか!」
「それとこれとは話が別」
「ええい、畜生め!わしは絶対に署名はせん!」
「ご随意に、閣下」

4163うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:12:21 ID:LNssCYN6
いったいこの連中は何者だ
誰でも身代金を払えば自由になれるはずなのに、なぜ自分はできないのか
おお、そうだ
いきなり急死でもすれば、奴らの裏をかくことができる
人生ではじめて、ダングラールは死を考えた
死への欲求と恐怖を抱きながら

署名はせぬという彼の決意は2日間続いた
その後、彼は食べ物を乞い、すばらしい食事に100万とられた
この囚人は絶え間なくうわごとを繰り返すようになった
そしていかなる要求にも応じた
12日ほど過ぎて、囚人の所持金はついに5万フランになった
このとき不思議なことに、彼はこの5万を死守することを決意した
5万フランという金は、一人の人間が餓死せずに済む金額である
彼は神に、この5万を守らせたまえと祈った
そして祈りつつ涙を流した

こうして3日が過ぎた
ときおり彼は錯乱に陥った
そんなとき窓越しに、粗末なベッドの上で今はの際の苦しみにあえぐ老人の姿が見えるような気がした

4日目
彼はもはや人間ではなかった
地面のむしろまで貪り食い始めていた
彼は、一口のパンに1,000フラン払うと言った
その要求は無視された
5日目
彼は扉まで身体をひきずって行った
「君だってキリスト教徒だろう
神のみ前では兄弟である男を殺すのか?
首領!首領!」
ヴァンパが現れた
「まだなにか欲しいのか」
「わしの金をとってくれ
そして生かしておいてくれ
もう逃がしてくれとはいわん
わしはただ生きていたいだけだ・・・」
「だいぶお苦しみとみえますが、あなたよりもっと苦しんだ人が多勢いますよ」
「とてもそうは思えん」
「いるとも、餓死した人たちだ」
ダングラールは窓ごしに幻影をみたあの老人の姿を思い出した
彼は呻きつつ、地面に額を打ちつけた

「後悔はしているんだな」
その声に、ダングラールの髪は逆立った
ヴァンパの後ろにマントに身を包んだ男の姿があった
「なにを後悔せねばならぬのでしょう」ダングラールはつぶやいた
「あなたが犯した罪をだ」
「おお、後悔しますとも・・・」
「それならば私はあなたを許そう」
男はマントを脱ぎ捨て、一歩前に出た
「モンテ・クリスト伯爵!」
「いや違う、私は
あなたが売り、身柄を引き渡し、名誉を台無しにした男
あなたにフィアンセが身売りを余儀なくされた男
あなたが財産を気付築くため踏みつけにした男
父をあなたに餓死させられた男
あなたを餓死の刑に処した男
だが、
わたし自身が許されるために、あなたを許す男
エドモン・ダンテスだ」
ダングラールは悲鳴をあげ、地にひれ伏した
「あなたの命は救われた
だが、他の二人にはそのような幸運は訪れなかった
一人は死に、もうひとりは狂った
その5万フランは持っているがいい
私からの贈り物だ
養育院からあなたが奪った500万フランは匿名ですでに返済されている
ヴァンパ、この人が飢えをしのいだら逃がしてやれ」

ダングラールは最高の食事を与えられ、馬車に乗せられると、街道沿いの木の下に放置された
夜が明けて、彼は小川のほとりにいることを知った
水を飲もうと川へ身体をひきずっていき、水面にかがんだとき、彼の髪が真っ白になっていることに気づいた

4164うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:14:48 ID:LNssCYN6
優美なヨットがモンテ・クリスト島に向かって疾走していた
舳先に立つ男はマクシミリヤン・モレル

モンテ・クリストが出迎える
「マクシミリヤン、君の悲しみはまだ癒されていないのか」
「僕の悲しみが癒されることもあると、本気で考えていらしたのですか」
「私は人間の心を知り尽くした者として聞いている
君は今でも、墓に入らねば癒されることのない渇きを覚えているのか」
「僕は友のそばに抱かれて死ぬためにあなたのそばに参りました
たどり着くべき場所にたどり着いたと言う気がしています
あなたは『待て、そして希望せよ』と言った
人間なんてみじめなものです、僕は希望を持ちました
何の?僕にもわかりません、何かの奇蹟かも・・・
きょうはあなたが僕に求めた猶予期間の期限の日です
10月5日です」
「わかった、ついてきたまえ」
二人は洞窟へと入って行った

「君は何も思い残すことはないのかね」
「ありません」
「私のこともかね」
モレルははっとした
大粒の涙がこぼれ落ちた
「お願いです、もうこれ以上僕の苦しみを長引かせないでください」
モンテ・クリストは思った

俺はいま、この男に幸福を返してやろうとしている
その幸福は、天秤の片方に載せた、俺がなした悪に釣り合わせるための重り
だが、もしもこの男がその幸福に価するほど不幸ではないのだとしたら・・・
善を思い返すことによってしか悪を忘れられないこの俺はどうなるのか

モンテ・クリストはモレルを試す

「いいか、君は神を信じている
魂の救済までも失う気にはなれないのではないか」
「僕の魂はもう僕のものではありません」
「モレル、君は莫大な財産がもたらすこの世の快楽を知らないから、人生に別れを告げたいなどと思うのではないか?
私の財産を君にやろう
それがあれば、なんでも君の思う通りになる
とにかく、生きるのだ」
「伯爵、あなたは僕に約束なさったのですよ・・・」モレルは冷ややかに言った
「モレル、君はこの私の家で、本当にそんなことを考えているのかい」
「ではここから立ち去らせてください
さもないと、あなたが僕を愛してくださるのは、僕のためではなくご自分のためだと思うようになってしまいます」
「わかった、君の意志は固い、君は本当に不幸なのだ
君を癒せるものは奇蹟のみ
では座りたまえ、モレル」
モンテ・クリストは銀の小箱を取り出し、その中味をひとさじすくって、モレルの前に差し出した
「これが、君が求めたものだよ」

4165うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:17:29 ID:LNssCYN6
激しい苦痛が青年をとらえた
「伯爵、僕には死んでいくのが感じられます・・・ありがとうございました」
視力の薄れた彼の目に、伯爵が微笑したようにみえた
と、同時に伯爵の姿が2倍にふくらんだようにも見えた
モレルはソファの上に身を投げた
麻痺が血管のすみずみに行き渡っていった
伯爵に手をさしのべようとしたが動かない
瞼はとじようとしている
伯爵が扉を開けたように見えた
美しい女性が入ってきたように見えた
ああ、あの天使は僕が失ったひとに似ている
ヴァランチーヌ!
声にならない叫び声をあげて、モレルは目を閉じた

ヴァランチーヌは駆け寄った

「ヴァランチーヌ、君たちはこの地上で別れることはない
彼は君に会うために墓にとびこんだのだから」
ヴァランチーヌはモンテ・クリストの手をとり、くちづけをした
「ああ、うんと感謝してほしい
君を幸せにしたという確信が、私にとってどれほど必要か・・・」
「私の感謝の気持ちがどれほどのものであるか、
どうぞ、エデお姉さまにお聞きになってくださいませ
私たちがフランスを発った日から、あなたのことを話してくれて、辛抱づよく私を待たせてくれたエデお姉さまに」
「君はエデが好きかい?ヴァランチーヌ」
「ええ、もう心の底から」
「それではね、頼みがある
エデを君の本当の姉にしてはくれまいか
モレルと君とで、あれを守ってくれないか
これから先、あれはこの世でひとりになってしまうのだ・・・」

4166うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:19:13 ID:LNssCYN6
「なぜですの?!」
うしろで声がした
モンテ・クリストは振り向いた
エデは凍り付いたような瞳をして立っていた
「それはね、エデ
お前は自由の身となるからだよ
お前にふわさしい社会的地位を、お前はふたたび得るのだよ
私の運命がお前の運命を暗いものにしてしまうことを、私は望まない」
エデの声は涙にかすれた
「では殿さまは私と別れようとおっしゃるのですね」
「お前は若く、美しい
私の名前など忘れ、幸せになりなさい」
エデは一歩しりぞいて言った
「わかりました
ご命令通りにいたします
名を忘れ、幸せになります」
ヴァランチーヌはモレルの頭を抱きながら叫んだ
「あんなに辛い思いをなさっているのがおわかりになりませんの!?」
「ヴァランチーヌ、この方に、私の心などわかるはずはありません
この方は私のご主人様、私は奴隷なんですもの
この方は、なにも御覧になる必要はないの」
伯爵はこの心を引き裂くような調子に慄然した
「エデ、お前は私と一緒にいても幸せだというのか」
「私はまだ若うございます
あなたのおかげでいつも楽しかったこの人生が好きです
死ぬのには未練がのこります」
「では、もし私がお前と別れたなら・・・」
「私は生きてはおりません」
「では、私を愛してくれるのか」
「ヴァランチーヌ、この方は私に、愛しているかとお聞きになるのよ!
ええ、愛しています!
お父様を愛するように
お兄様を愛するように
そして夫を愛するように
自分の命を、神様を愛するように
私はあなたを愛しています」
「今こそはっきりわかる
神は勝利の果てに悔恨を残すことを望んではいられないのだ
私は自分を罰しようとした
しかし神は私を許そうとなさっている
私はこの運命をお受けしよう
おいで、エデ」
エデはモンテ・クリストの胸にとびこんだ

4167うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:21:01 ID:LNssCYN6
1時間ほどの時が流れた
ヴァランチーヌはついにモレルの心臓が鼓動を打ち始めるのを感じた
ついに彼は両目を見開いた
目の前にはヴァランチーヌがいた
翌日、ヴァランチーヌはモレルに、モンテ・クリスト彼女の部屋へ現れ、一切の秘密を解き明かし、彼女を死んだものと思わせることによって奇跡的に彼女を救った経緯を説明した
「あ、ヤコポだわ、ヨットの船長よ」
「伯爵様からお手紙をあずかっております」

親愛なるマクシミリヤン
ヤコポが君をリヴォルノへ連れて行く
ノワルチエ氏がそこでお待ちだ
この洞窟にあるもの、シャンゼリゼの屋敷、ル・トレポールの別荘は
エドモン・ダンテスから主人モレル氏のご子息への結婚祝いだ
ヴィルフォール嬢がその半分を受け取ってくれるよう期待する
というのは
狂人となった父上と、義理の母と共に亡くなった弟御から同嬢に与えられる資産は
すべてパリの貧民たちに与えてやって欲しいからだ
モレル、
君の天使に伝えてほしい
サタンのように一時は己れを神に等しい存在と思い込んだが、
今は謙虚に、万能の力と知恵は神の御手にのみあることを再び悟った男のことを、
ときに祈ってほしい、と
君にはこう言おう
私が君になぜあのような態度を取ったか
それはこの世には幸福も不幸もない、ある状態とある状態の比較だけがある
極端な不幸を味わった者のみが、至高の幸福を感じ得る
生きることがどれほど楽しいかを知るためには
マクシミリヤン、
一度は死のうと思ったことがなければならない
愛する子たちよ
人間の英知はすべて次の二語に集約されていることを忘れないように
『待て、そして希望せよ』

汝が友 エドモン・ダンテス モンテ・クリスト伯爵

ヴァランチーヌは家族の身の結末を知り、涙した
彼女の幸せの代償はあまりに大きなものであった

「伯爵はあまりに良くしてくださりすぎる・・・
ヴァランチーヌは僕のささやかな財産で満足してくれるだろうに
それにしても伯爵はどこにおいでだ?」

ヤコッポは遠い水平線を指さした
その先にはカモメの翼ほどの大きさの白い帆がみえた
「行ってしまった!」モレルは叫んだ
「そんな、行っておしまいになったの・・・
さようなら、伯爵様
さようなら、エデお姉さま」
「いつかまた、お会いできるのだろうか」モレルは涙をぬぐった
「伯爵さまはおっしゃったばかりですわ
人間の英知はこの二つの言葉に集約されていると・・・
『待て、そして希望せよ』

(^^)/終わり

4168名無しさん@ベンツ君:2017/12/28(木) 23:03:48 ID:alxz1x.M
乙です


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