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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ
3215
:
V3
:2015/05/17(日) 13:23:25 ID:AsJcH7lA
グインは狼王のもってきたものをとりあげた。それはよくふとった、羽根が美しい虹色をしたバルト鳥で、まだ死んだばかりのようにあたたかかった。
グインは狼王を見つめた。狼王は、自らの贈り物が彼の心に適うか否かを恐れるようにじっと見守っている。グインはうなづくと、ためらわずそれを口にもっていった。
甘い新鮮な生血がのどへ流れこみ、ひりつくような乾きをいやした。グインは生まれながらの獣のように、するどい牙でふとった鳥を噛み裂くと、その肉を噛みとり、たちまち忘れていた飢えに襲いかかられて夢中で食べはじめた。たくましいあごが動き、ばりばりと骨を噛みくだいた。
狼王はそのようすをじっと、何かしら満足げに見守っていた。鳥をたいらげるのに夢中のグインがふと気づいて、手で鳥の片羽をひきちぎり、狼王へさし出すと、狼王は鼻のさきで押しかえすようにしたが、有難く王のお裾分けをいただく、というようにうけとると、ゆっくりと食べはじめた。
まもなく、グインはしるけのたっぷりある大きな鳥をほとんど食べつくしてしまった。この野性の食物は恐ろしく美味で、さながら神々の食事、生命そのものをむさぼり食ったというようにグインのからだのすみずみまでも満足と嘉悦でみたした。口や手のまわりについた血を、長いざらざらする舌でなめとりながら、しかし、グインはふと不安にかられて呟かずにはいられなかった。
(俺は、本当に獣なのではあるまいか?どんな文明国のたくみに調理された食物も、血をすすり、骨を砕いてむさぼり食ったこの殺したてのバルト鳥ほどに心を満たしたことはなかった。——俺はやはり、人でなく、獣人にすぎんのだろうか)
(リンダは——パロの小王女であるリンダは、いまのような、狼と並んですわり、口を血だらけにしてえものをむさぼり食う俺を見たら、悲鳴をあげるだろうか)
グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』
梅(*`Д´)ノ♪
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