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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4050うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:19:37 ID:LNssCYN6
エデは屋敷の一番奥にある東洋風にしつらえた美しい部屋に暮らしている
召使たちは女王に仕えるかのように教育されている
身に着けるものはすべてギリシャ風
ビロードのような大きく黒い瞳、まっすぐな鼻、サンゴのような唇、真珠のような歯
若さの花が今を盛りと咲く、19か20歳
モンテ・クリストはエデの侍女を呼び、エデのそばへ行ってよいか尋ねさせる
もちろんのことその希望はすぐにかなえられた
「なぜ許可などお求めになりますの?あなたはもう私のご主人様ではありませんの?」
「エデ、ここはフランスなのだよ。だからお前は自由の身だ」
「何をするための自由でしょう」
「私と別れてもいいのだ」
「あなたとお別れする!お別れしてどうするというのでしょう」
「多くの人と会うのだ。そして美青年たちの中にお前の気に入った者がいたら・・・」
「私はいままで、あなたほど美しい方にお目にかかったことはございません。
そして父とあなた以外に愛した人もありません」
「それはお前がほとんど私と父上としか話をしたことがないからだよ」
「なぜ他の人と話をする必要がございましょう。あなたは私を“私の愛そのものだ”とお呼びくださいます」
「エデ、お前はお父上のことを覚えているか」
「父はこことここにいます」エデは目と心臓に手を置いて言った
「では私はどこにいるのかね」
「あなたはどこにでもいたるところにおいでです」
「エデ、お前は今や自由なのだ。いたいだけここにいて、外へ出たくなったら外出するがいい。
召使たちはお前の命令通りに動く。ただひとつだけ、お前に頼んでおきたい」
「おっしゃってください」
「お前の出生の秘密を明かさぬこと。過去については一言もしゃべってはならぬ。
お父上の輝かしいお名前と、お気の毒な母上のお名前を口にしてはならぬ」
「私はどなたにもお目にかかりません」
「エデ、パリではそのように引きこもっていることは不可能だ。
ローマやフィレンツェ、ミラノ、マドリッドでやったように、学ぶのだよ。
それはきっとお前のためになる。
私がお前から離れていくことなど決してないことはお前がよく知っているではないか。
花から離れるのは木ではない。
木から花が離れるのだ。
お前の若さをいたずらに失わせるようなまねはせぬ。
お前は私をお父上のように愛していてくれるが、私はお前を娘のように愛しているからね」
「それはまちがっておられます。
私はあなたを父のようになど愛してはおりません。
私のあなたへの愛は、別の愛です。
父は死にましたが、私は死にませんでした。
でも、もしあなたがお亡くなりになったら、私も死にます」

平行線( ;´Д`)


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