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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4165うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:17:29 ID:LNssCYN6
激しい苦痛が青年をとらえた
「伯爵、僕には死んでいくのが感じられます・・・ありがとうございました」
視力の薄れた彼の目に、伯爵が微笑したようにみえた
と、同時に伯爵の姿が2倍にふくらんだようにも見えた
モレルはソファの上に身を投げた
麻痺が血管のすみずみに行き渡っていった
伯爵に手をさしのべようとしたが動かない
瞼はとじようとしている
伯爵が扉を開けたように見えた
美しい女性が入ってきたように見えた
ああ、あの天使は僕が失ったひとに似ている
ヴァランチーヌ!
声にならない叫び声をあげて、モレルは目を閉じた

ヴァランチーヌは駆け寄った

「ヴァランチーヌ、君たちはこの地上で別れることはない
彼は君に会うために墓にとびこんだのだから」
ヴァランチーヌはモンテ・クリストの手をとり、くちづけをした
「ああ、うんと感謝してほしい
君を幸せにしたという確信が、私にとってどれほど必要か・・・」
「私の感謝の気持ちがどれほどのものであるか、
どうぞ、エデお姉さまにお聞きになってくださいませ
私たちがフランスを発った日から、あなたのことを話してくれて、辛抱づよく私を待たせてくれたエデお姉さまに」
「君はエデが好きかい?ヴァランチーヌ」
「ええ、もう心の底から」
「それではね、頼みがある
エデを君の本当の姉にしてはくれまいか
モレルと君とで、あれを守ってくれないか
これから先、あれはこの世でひとりになってしまうのだ・・・」


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