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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ
3933
:
V3
:2015/05/26(火) 22:48:41 ID:AOkKRM4Y
さて、話はイシュトヴァーンにとってのリンダへと移ります
グインに理想の父親を見たイシュトヴァーンは、同時に、リンダに理想の母親を見たのではないかと、私は思っております
リンダは年下の美少女ですので、感情としては恋愛感情になりますし、イシュトヴァーンに自覚は全くなく、作中でもこのようには言及はされておりません
しかし、海賊船でイシュトヴァーンが殺されかけたときに、イシュトヴァーンを救おうと飛び出して来るリンダの姿に、イシュトヴァーンは内心ずっと欲しかった理想の母親の、無償の愛を見たのだと私は思いました
そしてそれは、イシュトヴァーンにとって宗教に近いものとなったのではないだろうかと思います
作者が意図していたのか、はたまた無意識だったのかは定かではありませんが、初登場時からイシュトヴァーンの口癖として、様々な神の名を口にしております
「ヤーンの黄ばんだヒゲにかけて!」とかですね
ロクな育ちではない彼ですが、傭兵や海賊などをして生きて来た身として、己が身の幸運を願う、原始的な宗教観の現れだと思います
そしてこの口癖は、リンダへの恋を自覚して移行、殆んど口にしなくなるのです
(次に投下する梅グイン『クリスタルの陰謀』で、リンダへの誓いの場面では出てきますが)
そして、その後様々な危難に遭った彼は、瀕死の時に必ず意識に上らせるのが、ヤヌスでなくルアーでなく、リンダなのです
北での冒険行で、化け物に崖から放り投げ落とされた時、落下の最中に彼が祈るのはリンダなのですよ
剣で斬られ、高熱を出し、死にかけている最中にも、彼はリンダと呻くのです
これはもう、純愛というより、刷り込みや宗教に近いものだと私は思いました
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