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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4038うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:02:47 ID:LNssCYN6
モルセール伯爵邸をあとにしたモンテ・クリストはシャンゼリゼ通りの自宅へと戻る
ブーローニュの森近くのとある屋敷を購入するため、売買契約を結ぶべく、公証人を呼びつけていたのであった
モンテ・クリストの有能な執事ベルトゥチオはその物件について具体的には何も知らされておらず、その地名“オートゥイユ”を聞いて青ざめた
彼にはその地における重大な秘密があった

ベルトゥチオのささやかな抵抗を無視し、売買契約を結ぶモンテ・クリスト
公証人と執事を追い払ってひとりになると、ポケットから鍵付きの紙入れを取り出し、首にかけた鍵でそれを開け、中のメモと売買契約書の番地とを照合した
「オートゥイユ、ラ・フォンテーヌ通り18番地
まちがいないな。あとはどうやって泥を吐かすかだ。1時間後にはわかるはず」
「ベルトゥチオ!」
執事がやってきた
「君はパリ郊外を知っているね」
「い、いいえ、閣下存じません」ふるえる執事
「今からオートゥイユへ行くから、付いてくるように」

2人を乗せた馬車は20分でオートゥイユに到着した

屋敷の門番が姿を見せた
モンテ・クリストは、自分が新しい主人であると告げる

門番
「もとはサン・メラン侯爵の別荘でした。ブルボン王家に忠実に使えた貴族様です
一人娘がおありで、ニームやヴェルサイユで検事をなさってたヴィルフォール様と結婚なさいました」
ベルトゥチオは顔面蒼白だった

モンテ・クリスト
「その一人娘のお嬢さんは亡くなられたときいたように思うが」
「そうです。21年前のことでさ」

虚脱状態のベルトゥチオとともに屋敷内を見て回り、庭へと出る
執事の足が止まる
「私は、これ以上さきへは行けません。よりによってここだなんて」
「私は君がコルシカ人であることを知っている。暗い顔でしょっちゅう昔の復讐のことかなにかを思い出していることも知っている。イタリアではそのことを見過ごしてきた。なぜなら、あの国ではそういうことも通用するからね。だが、ここはフランスだ。人殺しというのはきわめて悪い趣味とみなされている。ブゾニ司祭に責任を取ってもらう。司祭が君を私のもとへよこし、君は立派な資質を持っていると推薦してきたのだからな」

(^^)/ 読者諸兄はカドルッス宅へエドモン・ダンテスの遺言を果たしにダイヤと共に現れた司祭をご記憶でしょうか
あの人がブゾニ司祭です 
もちろんエドモン・モンテ・クリストの変装です
ベルトゥチオがニームというところで牢に入っていたときに懺悔をした司祭なのです(^^)/

「なにか盗みでもしたのかね」
「とんでもございません。復讐です。単なる復讐だったのでございます
この屋敷で・・・」
「なんだと?ここで?それは不思議な偶然の一致だな。
君はサン・メラン侯爵に恨みがあったというのか」
「侯爵様ではありません。ほかの男です。あの男が一撃を受けたまさにその場所に伯爵さまは足をとめられた。その先にプラタナスの木があって、その木の下の穴にあの男が子供を埋めたのです。ブゾニ司祭にだけお話ししました」
「私は君を、少しはコルシカ人で、大いに密輸業者のにおいがし、有能な執事だとおもっていたが、どうやらほかの顔もあるようだ。もう君は私の家の者ではない」
「伯爵さま!もしもすべてを話せばこのまま使っていただけるのでしたら、すべてお話しします。ブゾニ司祭様でも一部しかご存知ないのです。ああ、でも、どうかそこにお立ちにならないでください!そこにあなた様がヴィルフォールと同じマント姿で立っておられると・・・」
「なに!ヴィルフォールなのか!」
「そうです」
「ニームの検事であり、サン・メラン侯爵の娘を結婚し、最も誠実、峻厳、過酷な司法官として知られている・・・」
「はい、その非の打ち所がない名声で知られるその人が、とんだ破廉恥漢なのでございます」
「証拠を握っているのか」
「少なくとも握っておりました」
「証拠を失くしたのか。間抜け」
「はい。でもよく探せば見つかると思います」
「すべて話すのだ」


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