したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4139うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 10:11:39 ID:LNssCYN6
召使が告げた
「養育院の収入役、ボヴィル様がお見えでございます」

「ほう、どうやら私はまにあったようですな
あなたの手形の取り合いですね、これは」

モンテ・クリストは養育院の収入役と丁寧なあいさつを交わした
あのときと同じ書類ばさみを抱えたボヴィル氏とすれ違った彼の顔に微笑みが浮かんだ

「ダングラールさん、養育院の代理として参上いたしました
500万フランをいただきに伺いました」
「あ〜、ボヴィルさん、できれば24時間待っていただけませんか
先ほどあなたもお会いになったと思われるモンテ・クリストさんに500万払ったばかりでしてね
あの方はうちに無制限貸出の権利をお持ちなんです
一日でフランス銀行から1000万も引き出すのはちょっと異常に思われやしないかと・・・」
ボヴィル氏は疑惑の表情を浮かべながら言った
「おどろきましたな
あの、知己のごとく私に挨拶なさったあの方に500万お渡しになったとは」
「たぶん、あなたはご存知なくてもあちらではご存知なんでしょう
顔の広いお人ですからな」
「500万!」
「これがあの方の領収書ですよ」

『ダングラール男爵より、510万フラン受領しました
上記金額は、ローマのトムソン・アンド・フレンチ商会より随時返済されます』

「これは本当ですな」ボヴィル氏は言った
「トムソン・アンド・フレンチ商会をご存知で?」
「ええ、20万ばかし取引したことがありますが、その後あの商会の話は聞いたことがありませんな」
「ヨーロッパでも一流の商会ですよ」
「モンテ・クリスト伯爵という方は大金持ちなんですな」
「私のところと、ロスチャイルド、ラフィット、三つの無制限貸出の権利をお持ちなんです」
「一度、寄附のお願に上がらねばなりませんな
モルセール夫人と息子さんのお申し出を引き合いにだして・・・」
「ほう?」
「全財産を養育院に寄付なさいました
卑劣な手段で手に入れた金など欲しくないというわけですな」
「それはまたご立派ですな」
「ところで私どもの金の話に戻りましょうか」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板