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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ
3727
:
V3
:2015/05/18(月) 20:57:02 ID:GIZdUa.Q
「さあ——剣を」
カースロンの声がわずかに苛立ちをひそめた。
(ルナン!)
「し、しかし——」
思わず、ルナンはうわごとのように口走っていた。
「ルナン卿、どうなされたかな」
カースロンの目がさぐるように、ルナンの上にすえられる。
ルナンはゆっくりと剣を上へあげた。それは、いかにも、剣を鞘におさめようとするしぐさともうけとれたので、モンゴール兵は動かなかった。
ナリスは無防備に、かすかなほほえみをうかべながら、そののどもとと胸をこころもちルナンの方へむけて立っている。ルナンの腕ならば、むろん、たった一刀で、そのナリスの心臓をつらぬくことができよう。
ふいに、ルナンは、わななくような息を吐くなり、剣を鞘におとしこんだ。かしんと軽やかな音をたてて、パロふうの細身の剣は美しいかざり彫りをほどこした鞘にすべりこむ。
(わ——私にはできません)
ルナンは呻いた。
(私には、どうしても…)
「やくたいもない——」
ナリスは肩をすくめ、小さく舌打した。が、カースロンをふりむいた美しい顔からは、もういささかもそのひそやかな葛藤も、罠にかかった無念も、自らの運命へのおそれさえ、見てとることができなかった。
「ルナンも、降参したようだ」
彼はにっこりと笑って云った。
「いずれなりと同道しよう。ランズベールへでも、クリスタル・パレスへでも」
「よい覚悟だ」
にやりと、カースロンが、これは酷薄な、陰惨な笑みをうかべる。
アルド・ナリスはモンゴールの手におちたのである。
グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』
梅(*`Д´)ノ♪
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