したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4030うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:52:53 ID:LNssCYN6
本土に上陸してしまうと、忙しさにとりまぎれて、フランツはこの出来事を一時忘れていた
そしてローマで友人と会うことしか頭になかった

ローマでアルベールとフランツは落ち合った
手配していた宿の部屋は狭く、ふたりは不満に思う
宿の主人によるとシチリアかマルタのとある大金持ちが他の部屋を買い占めているという
しかもカーニバルの混雑で馬車の手配はできないし、見物しやすいコルソ通りの窓辺の席も確保できないという
さらに満なふたりであった
フランツはアルベールをコロッセオへと案内しようとするが、宿の主人は彼が決めた経路は危険であるという
なぜならあの山賊ルイジ・ヴァンパがいるから、と
主人はふたりに、牧童から山賊の頭となったルイジ・ヴァンパの話を語って聞かせる
その中でルイジが“船乗りシンドバッド”と名乗る旅人と出会ったと聞き、
フランツは驚く
安全な経路をとってアルベールをコロッセオへ連れて行くフランツ
案内人にアルベールを任せて、ひとりぶらぶらしていると
怪しげな二人組の密談を目撃する
カーニバルの日に死刑執行される囚人を救い出す打ち合わせだった
ひとりの男(実はルイジ・ヴァンパ)がもうひとりに言う
「ペッピーノを救ってくだされば、あなたのどんなご命令にも従います
世界の果てからも駆けつけます」
感謝されているほうの男の声に、フランツは聞き覚えがあった
船乗りシンドバッドの声であると思った

フランツとアルベールはオペラ座へと出かける
彼らの正面の桟敷席に素晴らしく美しい婦人が座っていた
ギリシャ風の衣装を身に着けている
その背後に男の姿が見えたが、顔まではわからなかった
第二幕の途中でその男が立ち上がった
フランツはその男があのモンテ・クリストの住人であり、コロセウムで見かけた男だと思った

フランツとアルベールが宿へ帰ると、宿の主人が言う
お隣の部屋のモンテ・クリスト伯爵がおふたりに馬車の席とコルソ通りにあるロスポリ館の窓のお席をご提供するとおっしゃっています
そうこうするうちにモンテ・クリスト伯からの使いがやってきた
明朝ご挨拶したい、と

モンテ・クリスト伯に会うフランツとアルベール
フランツは彼をやはりあの“船乗りシンドバッド”だと思う
伯のほうも気が付いているはずなのに、素振りにも見せない
フランツも、自分から言い出してはいけないような、なぜかそんな気にさせられて、
何も言えない
モンテ・クリスト伯が、本日行われる処刑の観覧を2人に誘う

処刑も祭りの一部なのだ
世界中の処刑を研究し、つぶさに観察してきたが、それも到底罪を償うには値しない
「死は刑罰ではありましょうが、罪をつぐない得るほどのものではありません」
「もしあなたの心からその人を奪われたら、永久にふさがることのない心の空洞ができ、
心に四六時中血を流し続ける傷を残すようなたいせつな誰かを、ある男が、いまだかつて聞き及んだこともないような責め苦の果て、終わることのない拷問の果てに殺したとする。その場合でも、社会があなたに許している報復で十分だとあなたはお思いになりますか」

「行くかい、アルベール」
「行くとも。伯爵の雄弁で決心がついたよ」
伯爵の部屋をあとにするふたり

「アルベール、伯爵をどう思う?」
「どう思うって?好ましい人じゃないか。歓待してくれるし、学識深いし、思慮も深い。
「しかしね。ひとつだけ妙な事に気づかなかったかい?」
「どんな?」
「ばかに注意深く君を観察していたよ?」
「そうかなあ。もう一年もパリに帰ってないから、野暮ったいと思われたのかな」

処刑される囚人はふたり
ひとりはアンドレア もうひとりはペッピーノ
アンドレアは残虐な方法で処刑された
ペッピーノは寸前に赦免された

フランツは椅子に倒れ込み、半ば意識を失った
アルベールはカーテンにしがみつきながら、必死に立っていた
伯爵は悪魔のように勝ち誇ってじっと立っていた


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板