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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ
3724
:
V3
:2015/05/18(月) 20:52:55 ID:GIZdUa.Q
「この私が、結婚だと!どうせ、いずれはモンゴールのためにどこかと縁づけられるからだとわかっていたが、しかし、せめてあと二年はと思っていたのに」
「でも、姫さまなら、きっと婚礼衣装が、この上もなくお似合いですわ」
「ええ、美の女神サリアのようですわ」
「お黙り、フロリー、ルシア。私はサリアなどまっぴらだ。私は、軍神ルアーの妻イラナにこそ、なりたいのよ」
「ほんとに、姫さまはイラナですわね」
侍女たちは笑いさざめきながら、アムネリスに湯あみさせ、黄金の髪をくしけずった。
旅の埃をおとした白いからだに、長いやわらかいトーガをまとうと、アムネリスは髪をかわかしにテラスへ出た。
そして、庭を見おろして眉をひそめた。
「ミアイル。女宮へ入って来て」
「姉さま……」
病身のモンゴールの公子は、おずおずと、憧れをこめて姉を見上げる。
「どうなの、ミアイル。ちょっとは身体は強くなったの。剣は。ウマは。兵法書は読んでいて?」
アムネリスは、いくぶん冷ややかに訊ねた。が、公子の弱々しい表情をみて肩をすくめる。
「そう!いくつになっても、お前は——死んだ母上の悪いところばかりうけついでしまって、ちっとも英雄たる父上に似ていないのね。まったく——まったく、お前が女で、パロへ嫁ぎ、私がモンゴールの公子なら、どんなによかったろう。ああ、まったく、うんざりする。ドレスを着て舞踏会なんて!」
グイン・サーガ第六巻『アルゴスの黒太子』
梅(*`Д´)ノ♪
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