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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4166うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/24(日) 15:19:13 ID:LNssCYN6
「なぜですの?!」
うしろで声がした
モンテ・クリストは振り向いた
エデは凍り付いたような瞳をして立っていた
「それはね、エデ
お前は自由の身となるからだよ
お前にふわさしい社会的地位を、お前はふたたび得るのだよ
私の運命がお前の運命を暗いものにしてしまうことを、私は望まない」
エデの声は涙にかすれた
「では殿さまは私と別れようとおっしゃるのですね」
「お前は若く、美しい
私の名前など忘れ、幸せになりなさい」
エデは一歩しりぞいて言った
「わかりました
ご命令通りにいたします
名を忘れ、幸せになります」
ヴァランチーヌはモレルの頭を抱きながら叫んだ
「あんなに辛い思いをなさっているのがおわかりになりませんの!?」
「ヴァランチーヌ、この方に、私の心などわかるはずはありません
この方は私のご主人様、私は奴隷なんですもの
この方は、なにも御覧になる必要はないの」
伯爵はこの心を引き裂くような調子に慄然した
「エデ、お前は私と一緒にいても幸せだというのか」
「私はまだ若うございます
あなたのおかげでいつも楽しかったこの人生が好きです
死ぬのには未練がのこります」
「では、もし私がお前と別れたなら・・・」
「私は生きてはおりません」
「では、私を愛してくれるのか」
「ヴァランチーヌ、この方は私に、愛しているかとお聞きになるのよ!
ええ、愛しています!
お父様を愛するように
お兄様を愛するように
そして夫を愛するように
自分の命を、神様を愛するように
私はあなたを愛しています」
「今こそはっきりわかる
神は勝利の果てに悔恨を残すことを望んではいられないのだ
私は自分を罰しようとした
しかし神は私を許そうとなさっている
私はこの運命をお受けしよう
おいで、エデ」
エデはモンテ・クリストの胸にとびこんだ


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