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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4039うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:03:32 ID:LNssCYN6
ベルトゥチオの話
自分には兄がひとりいた
ナポレオン復活時にコルシカ部隊の中尉だった
ナポレオンの百日天下終焉とともに部隊は解散した
ニームにいったん滞在するから金を届けて欲しいと、コルシカの私のもとに兄から手紙がきた
大好きな兄の頼みなので、密輸で使っていたそのニームの宿屋まで、自分で届けることにした
当時、南仏一帯には殺戮の嵐が吹き荒れていた
ボナパルト派と目された人々を通りで惨殺する集団がいたのだ
ニームの町に入ると、いたるところに死体があった
ボナパルト軍の軍服姿のままであるはずの兄の身を案じた
宿屋に駆けつけると、兄はすでに殺されていた
犯人の仕返しを恐れて住民は口を閉ざすので、フランス司直に訴えることにした
マルセイユからきた検事代理が出世してニームの検事になっていた
ナポレオンのエルバ島脱出をいちはやく政府に知らせたというヴィルフォールだった

(^^)/ 読者諸兄は思い出そう
エドモンがエルバ島から持ち帰った手紙をヴィルフォールが読み、驚愕した
そこには父ノワルチエの名前が書かれていたため手紙は燃され、エドモンはシャトー・ディフへ送られた
この手紙の情報をもとに、ルイ18世の覚えめでたくなり、サン・メラン侯爵の資産を守った

ベルトゥチオは兄殺しの犯人をつきとめてほしいとヴィルフォールにうったえた
ヴィルフォールの回答は、ナポレオン側の軍人なら仕方なし、革命に悲劇はつきもの、政府には何の責任も無い、とけんもほろろの冷たさであった
ベルトゥチオはヴィルフォールに“ヴァンデッタ”(血の復讐)を宣言した
「あんたは、兄がナポレオン派だったから殺されてよかったと思ってるんだ。あんたは王党派だからな。俺もボナパルト派だ。俺は宣言するぞ。あんたを殺す」
ヴァンデッタを恐れて、ヴィルフォールはヴェルサイユへ異動を願い出た
ベルトゥチオはあせらずに機会をうかがい、検事がオートゥイユへこっそりと行くことをつきとめる
オートゥイユの屋敷の持ち主はサン・メラン侯爵だが、侯爵はマルセイユにいた
男爵夫人としか名前のわかっていない若い未亡人に貸しているとかいう話だった
その女性は18,9ぐらいの背の高いブロンドの美人で妊娠していた
屋敷を見張っていたある夜、絶好の機会がやってきた
ヴィルフォールが何かを小脇に抱えて庭へ出てきて、穴を掘り始めた
そして小脇に抱えてきた小さな箱を埋め終えたそのとき、短剣で襲った
箱を穴から掘りだして蓋を開けてみると生まれたばかりの赤ん坊が入っていた
人工呼吸をして蘇生させ、養育院にあずけた
赤ん坊の産着には二つの文字が刺繍されていた
その文字の一つは産着についたままになるように産着の布を切った
男爵冠の下にHとN
故郷へ帰り、義姉に報告した
義姉は赤ん坊を連れてくればよかったのに、と言った
目印があるから、と産着の半分を見せた


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