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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ
3218
:
V3
:2015/05/17(日) 13:26:56 ID:AsJcH7lA
ついに、ボッと音をたてて、マルス伯の全身が、炎に包まれた。
それはまるで、この老武人をやさしく迎えにきた大気の乙女アイノの火の接吻とも——太陽神ルアーの炎のチャリオットが、この老伯爵をその手にひきあげた一瞬ともみえた。
あかあかと、白熱する火炎に全身をゆだねて、マルス伯は、なおもそこに立っていた。白髪頭も燃え上がり、彼はもはや、巨大な人間たいまつとなっていた。
そのとき、彼は目をくわッとはりさけるほどに見開いた。
「アルゴンのエル——」
その声が、崖の上のイシュトヴァーンに届いた。おそろしいほどに、ありありと、それはあたりにひびきわたった。
「アルゴンのエル。モンゴールは、決して忘れぬ……裏切者の名を——アルゴンのエル。アルゴンのエル。アルゴンの……」
思わず、おれはアルゴンのエルなんかじゃない、とヴァラキアのイシュトヴァーンが耳をおさえて悲鳴をあげそうになったときである。
マルス伯のからだは、真黒に焼けこげて、音もなく死の猛火の中に倒れこんでいった。
谷には、もはや、ほとんど生きて動くものの姿さえもなくなっていた。ただ、狂炎だけが、ごうごうと、そのおそるべき宴を飽くことなくくりひろげる。
イシュトヴァーンの顔は蒼白だった。
「悪く——悪く思わないでくれよ。こいつは、俺じゃねえ。グインの思いついたことだ……奴の頭をかざるシレノスにかけて、呪われるなら俺じゃない、グインなんだ」
グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』
梅(*`Д´)ノ♪
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