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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4095うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 17:48:04 ID:LNssCYN6
隠れ家は湖のあずまやであった
地下室には金貨や火薬が大量に備蓄されており、パシャの命令で妃とエデは地下室にこもった
ある朝、父パシャから呼び出しがあった
「もう少しの辛抱だ
今日ですべては終わる
スルタンからの勅命が今日とどく
わしの運命が決まる
完全な赦しがえられれば、堂々とヤニナに帰ることができる
悪い知らせであれば、今夜逃げるとしよう」

湖を複数の船が渡って来た
「いよいよ我々の運命が定まるときがきた
30分後には皇帝の返事がわかる
エデをつれて地下へ戻れ」

地下室へ戻るとき、母はコンスタンティノープルへ派遣され、父が全幅の信頼をおいていたあのフランス人の姿を認めていました
護衛の者が言うには、短剣をよこされた場合にはスルタンが赦免を拒否したことを意味し、指輪がよこされた場合は赦免されたことを意味すると言いました
そして短剣を渡された場合は即座に火をつけると

地下室に男がやってきました
その男は
「スルタン万歳、アリ・パシャは完全に赦された」と言いました
その男は父が派遣したフランス人でした
護衛の者はあくまで指輪の提示を求めました
フランス人は指輪を見せ、それを確認した護衛は槍の火を消しました
消すやいなや護衛は兵士5人に刺殺されました
母は私を抱いて、私たちしか知らない隠し階段へ逃げました
羽目板の隙間から父の様子が見えました
金文字で書かれた書面を手にした男が父に向って言いました
「皇帝陛下の上意を伝えに来た。陛下は汝の首を所望だ」
父は突然高笑いし、義勇兵たちと共にピストルと新月刀を持って戦いました
最後は20人の男が父に襲いかかりました
母は気を失い、私は床に転がされました
母が意識を取り戻したとき、私たちはスルタンが派遣した軍司令の前にいました
母は言いました
「私を殺してください。ただ、アリの妻としての名誉だけはお守りください」
「わしに言っても駄目だね」
「誰に言えばいいのです」
「そこにおる、お前の新しいご主人様にだ」
そう言って、父の死に対して最も功績のあった者のうちの一人を指さしました

アルベール
では、あなた方はその男のものとなったのですか

いいえ、さすがにそれはできず、その男は私たちをコンスタンティノープルへ行く奴隷商人に売ったのです
私たちはギリシャを渡り、スルタンの城門までたどりつきました
そこには父アリの首がさらされておりました
母は衝撃のあまり倒れ、死んでしまいました
私は市場に連れて行かれ、アメリカ人に買われました
いろいろ教育してくれて、私が13歳になるとスルタンに売ったのです

モンテ・クリストは言った
そして私が前にも言ったように、スルタンから買ったのですよ
ハッシッシの丸薬の入れ物と同じエメラルドでね

アルベールは今聞いた話に呆然となっていた


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