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好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ

4017うぉんさんの読み聞かせの会:2017/12/23(土) 16:35:18 ID:LNssCYN6
カドルッスの告白

決して手前がしゃべっちまったことをばらさないで欲しいのです
これからお話しする連中は、今では金も権力もある
手前なんぞ、指一本でコップみたいに粉々にされちまう

エドモン・ダンテスが逮捕されて以来、
父親の老ダンテスはろくに眠らず、ひきこもっていた
モレル氏やメルセデスがひんぱんに様子を見に来ていたが、衰弱が激しい
みかねたメルセデスは家へ連れていこうとしたが、父親は決して家を離れようとはしなかった
エドモンがいつ帰ってきてもよいように
そしてとうとう、メルセデスやモレル氏に会うことも拒絶するようになった
家の中から音がしなくなった四日目、鍵穴からのぞくと青くやつれた顔の老ダンテスが見えた
メルセデスとモレル氏に知らせて、医者を呼んだ
医者は胃腸炎と診断し、老人に節食を指示した
老人はよろこんだ
食べなくてもいいのだ 生きなくてもいいのだ なんたって医者がそう指示したのだから
それ以来、家のドアは開けたままとなった
心配したメルセデスは老人を連れ出そうとしたが、彼は頑として動かなかった
メルセデスはそのまま枕元に残り、モレル氏は暖炉の上に自分の財布を置いていった
食事をとらなくなって九日目、老人はメルセデスにこう言い残して死んだ
「もしエドモンにまた会ったら、わしは、あれの幸せを祈りながら死んだと伝えてくれ」


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