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3211V3:2015/05/17(日) 13:18:51 ID:AsJcH7lA
マルス伯が、ウマを戻す気になったのは、アルゴン中隊のエルの若々しい声にふと心をとめたからであった。
一城をあずかる大隊長ともなれば、人を見る目にもいささかの自負はある。アルゴン中隊のエルの声は、若々しく子供っぽいくせに、どこか不敵な、力強いものをはらんでい、それがこの一徹な老軍人の心にふれた。
エルは、面頬の奥から、マルス伯爵とガランスの顔をのぞきこむようにした。
「これ、面頬をあげろ、無作法者」
「はあ」
しぶしぶ、エルは面頬をあげる。おや、とマルス伯は思い、それから、なぜ自分がそう思ったのかに気づいてほほえんだ。いくぶん長めの、しかし引きしまって若々しい顔が、赤騎士隊長たるアストリアスによく似ていたのである。
黒く生き生きと光る、いたずらそうな目が、マルス伯を臆することなく、正面から見返した。声で思っていたより、もっと若い。

グイン・サーガ第四巻『ラゴンの虜囚』


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