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パロロワ総合板

リレー形式のSS企画であるパロディ・バトルロワイアルの作品投下・感想雑談を行うための掲示板です。
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1 オリロワ2014 part3 (Res:76)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 1
1名無しさん :2018/01/14(日) 01:05:46 ID:/mu.QANY0
ここは、パロロワテスト板にて、キャラメイクの後投票で決められたオリジナルキャラクターでのバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www59.atwiki.jp/orirowa2014/pages/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16903/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1416153884/

参加者(主要な属性で区分)
0/5【中学生】
●初山実花子/●詩仁恵莉/●裏松双葉/●斎藤輝幸/●尾関裕司
2/10【高校生】
●三条谷錬次郎/●白雲彩華/●馴木沙奈/○新田拳正/○一二三九十九/●夏目若菜/●尾関夏実/●天高星/●麻生時音/●時田刻
0/2【元高校生】
●一ノ瀬空夜/●クロウ
0/3【社会人】
●遠山春奈/●四条薫/●ロバート・キャンベル
0/3【無職】
●佐藤道明/●長松洋平/●りんご飴
1/3【探偵】
●ピーリィ・ポール/○音ノ宮・亜理子/●京極竹人
0/3【博士関連】
●ミル/●亦紅/●ルピナス
1/3【田外家関連】
○田外勇二/●上杉愛/●吉村宮子
0/5【案山子関連】
●案山子/●鴉/●スケアクロウ/●榊将吾/●初瀬ちどり
0/2【殺し屋】
●アサシン/●クリス
0/6【殺し屋組織】
●ヴァイザー/●サイパス・キルラ/●バラッド/●ピーター・セヴェール/●アザレア/●イヴァン・デ・ベルナルディ
2/3【ジャパン・ガーディアン・オブ・イレブン】
○氷山リク/●剣正一/○火輪珠美
0/3【ラビットインフル】
●雪野白兎/●空谷葵/●佐野蓮
0/2【ブレイカーズ】
●剣神龍次郎/●大神官ミュートス
2/6【悪党商会】
○森茂/●半田主水/●近藤・ジョーイ・恵理子/●茜ヶ久保一/●鵜院千斗/○水芭ユキ
1/8【異世界】
●カウレス・ランファルト/●ミリア・ランファルト/○オデット/●ミロ・ゴドゴラスⅤ世/●ディウス/●暗黒騎士/●ガルバイン/●リヴェイラ
0/5【人外】
●船坂弘/●月白氷/●覆面男/●サイクロップスSP-N1/●ペットボトル
1/2【ジョーカー】
○主催者(ワールドオーダー)/●セスペェリア

【10/74】

57HERO ◆H3bky6/SCY :2018/06/08(金) 01:16:54 ID:CdEWYDVs0
ボンバーガールの片手から勢いよく放たれたそれは、足元のシルバースレイヤーへと直撃する。
水中で巨大な火の花が咲き、足首を掴む灼熱の手が離れた。

酸素魚雷の直撃を受けた装甲は砕け、むき出しとなった生身からは改造人間の証である機械部分が露わになっている。
砕けた装甲の隙間から水が流れ込み、電気がバチバチと火花を散らすように漏電して水中に散った。
ダメージは甚大。無理をしてきたツケも祟って、すぐに動くことはできないだろう。

それを確認して、珠美は片腕で水を掻いて水上を目指した。
酸化剤に練りこんだ酸素はボンバーガールの体内から捻出された物である。
超人的な肺活量を誇るボンバーガールをしても水中でこれを作り上げるのはギリギリの捨て身の攻撃だった。
一刻も早く肺に酸素を取り込まねば意識が落ちる。

その焦りがある故に、確認を怠ってしまった。
砕けた仮面から覗く、その眼だけは死んでいない事を。

パチンと水中で何かが弾ける。
唸るような重低音が水中を僅かに震わせた。
それはシルバー・エンジンが回転を始めた音だ。

そもそもシルバースレイヤーの目的は水中戦に持ち込むことではない。
水中で敵を無力化? オーバーヒートした体の冷却?
そんな考えをするほどシルバースレイヤーは甘い男ではない。
敵は仕留める。それがこの男の信条だ。

シルバースレイヤーの体が白銀に発光する。
水中に引きずり込んだ目的は、逃げ場のない水の牢獄に敵を閉じ込める事にある。
漏電した状態でエンジンを全開にすればどうなるのか。
その答えがこれだ。

瞬間。雷が水中で弾けた。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


58HERO ◆H3bky6/SCY :2018/06/08(金) 01:18:09 ID:CdEWYDVs0
「ああ、あたしの力の源がなんなのかお前には言ってなかったか。
 いや、誰にも言ったことはなかったっけ、あれ、りんご飴の奴に寝物語で語ったことがあったっけか。まあどうでもいいか。
 ともかく、あたしの力は生まれつき持ってたもんじゃなくて、師匠から受け継いだ力でな。
 この師匠がこりゃまた強ぇ女でな、それなりに名の知れたヒーローだったんだが知ってるか?
 ま、師匠がくたばっちまったのはお前が改造されちまう前の話だからなぁ、知らねぇか」

少しだけ寂しげに昔を懐かしむように遠く空を見る。
珠美はあまり自らを語るような性格ではない。
同じ組織で戦ってきたが、珠美の身の上話はリクも初めて聞く。
それはそれで興味深くはあるが今はそんな話をしている場合じゃない。

「その辺の事情は後で聞かせてもらう、いろいろを含めてな」

湖の水に赤色が混じっていることに気付く。
電撃による衝撃か、激しい戦闘により傷が開いたのか、殺し屋によって喪われた腕の傷から大量の血液が流れだしていた。
湖が赤く染まって行き、それに比例して珠美の顔が青白くなっていく。
水中での大量出血は傷口が凝固せず出血多量による死につながる。
すぐに止血する必要があった。

「…………待ってろ、川岸まで引き上げてやる」

漏電の中心にいたシルバースレイヤーも巻き込まれていたが、ボンバーガールに耐爆性能がある様に、シルバースレイヤーにも改造人間としての耐電性能がある。
電撃によるダメージは比較的少なく、痺れによって動けないという事もない。
ゆっくりながら泳ぐことくらいはできる。
引っ張って岸まで泳いでいく必要がある。

「まあ、待て。聞けよリク」

だがそれを要救助者が制する。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


59HERO ◆H3bky6/SCY :2018/06/08(金) 01:19:10 ID:CdEWYDVs0
勝負はシルバースレイヤーの勝ちだが、殺し合いはどうか。
一切の容赦も躊躇もなくシルバースレイヤーはボンバーガールを殺すつもりで戦っていたが、殺すために戦ってなどなかった。
本当に殺すつもりだったのなら無力化した時点でトドメを刺すべきだったのだ。
対するボンバーガールは最初からそのつもりである。

「感情を燃やすに長けていると言ってもあたしだって他が燃やせない訳じゃない。
 まあ流石に肉体を炎と同化させるなんて芸当まではできないが、100円ライター程度のものなら、ほらこの通り」

リクは全身についた火を消そうと水中を溺れたみたいに暴れている。
だが元が血液である炎は水では消えず、服にしみ込んだ血液からは逃れようがない。
外骨格が残っていればこの程度の炎など物の数ではないのだろうが、エネルギーを使い果たした今となっては纏わりつく炎を振り払う事もできない。

「ぐっああああああああああああああああああ――――――――――ッッ!!!!」

断末魔のような声をBGMに、珠美は湖に浮かびながら水面に揺れる炎を見つめる。
心は酷く穏やかだ。
炎を見ると安心する。
師匠と出会わなければきっと放火魔にでもなっていたのかもしれない。

「勝手に担ぎ上げられて強敵と闘えるのならと入ったJGOEだったが。今思えば思いのほか悪くなかったぜ。
 人助けなんてまっぴらだったが、それなりに面白い奴らとつるめたし、それなりに面白おかしく暮らせてた。
 って―――――もう聞いちゃいねぇか」

僅かに動くようになった手でちゃぷりと水面を撫で、燃え尽きた男を見る。
焼け爛れ、焦げたように黒くなった皮膚が崩れ落ちた。
沈みゆくように月が水底に墜ちる。

「あばよヒーロー。怪人は征くぜ」

誕生を祝福するような水中の炎に彩られながら。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


60HERO ◆H3bky6/SCY :2018/06/08(金) 01:19:34 ID:CdEWYDVs0
片腕の巫女が水中を漂う。
ぼんやりと星ひとつない空を見上げながら。
名残を惜しむ様に夜に円を穿つ月を見る。

血液を燃やして傷口は塞いだ。
放電するシルバースレイヤーの様子に気づき、電撃を受ける直前に傷を引っ掻き意図的に傷を開いた。
放電で死ななければリクならば自分を助けに近づいてくると踏んだ。
そして実際その通りになった。
氷山リクはヒーローだったから死んだのだ。

結構な時間水中に浸かっているが、血液が熱を持つ珠美は低体温症で死ぬことはない。
むしろ熱いくらいの体はには心地よいくらいだ。
体の熱とは対照的に頭は冷めている、あれほど全身を支配していた苛立ちもない。
きっと今の自分を肯定したからだろう。
仲間殺しをした後だとは思えないほど、どうしようもなく冷めていた。

徐々に感覚を取り戻しつつある手足でゆっくりと水を掻いて川岸にまで流れ着く。
そして立ち上がろうとして、意識が眩んだ。
意図的に流した物とはいえ血液が足りない。
輸血用のパックとまでは言わないが、せめて味気ない補給食やレーションなんかより肉が欲しくなる。

「…………うぷっ」

肉を連想した所で、女の死体を喰らう男の姿を思い出して吐き気がした。
気持ち悪い物を見せてくれたものだ。
だが、おかげで食欲が失せた。
口元を拭って、ふらつきながら無理矢理にでも立ち上がる。

さて、あと何度戦えるのか。
次の相手はどこに居る?
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


61HERO ◆H3bky6/SCY :2018/06/08(金) 01:20:17 ID:CdEWYDVs0
投下終了です


62 ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:13:57 ID:UsvTGNLY0
投下します


63そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:15:38 ID:UsvTGNLY0
緩やかな夜風が優しく頬を撫ぜる。
風は小さな氷の粒を引き連れて、遠くに飛んで消えて行った。
何かを堪えるような表情をしていた少女は、胸元に添えた手を強く握り絞める。
乾ききった瞳で、煌めいては消えて行く自らの弱さを見送っていた。

今、悪党を受け継いだ少女の胸中には鉛のような重さが沈殿し積み重なっている。
両親を失ったあの日、そしてこの地において幾度となく味わった、決して逃れられない痛み。
それを噛みしめるように感じながら、潰されるものかと強く意思を籠めて瞳を見開く。

この重さを足を止める重石にするのではなく、足を進める礎とする。
そうする事こそが父への最大の弔いであると信じている。
決して割れない氷のように固い決意。
その決意があれば、長い別れなどいらなかった。

感傷を振り切り、氷のような少女は倒れこんだ少年の脇に屈みこんだ。
意識を失っている少年の呼吸は落ち着いており、それどころか豪快に寝息まで立てている。
この様子ならば放置しておいてもあまり心配はいらなさそうではあるのだが、診療所で待たせている九十九をすぐにでも迎えに行かなくてはならない。
大人しくしていれば早々見つかるような場所でもないとは思うが、こんな状況だ彼女を一人にしておくのは心配である。
とはいえこの場に拳正を放置しておくわけにもいかない。

「ねぇ…………新田くん起きて、ねぇってば」

ペチペチと頬を叩く。
目を覚ます気配はない。

鼻をつまむ。
うーんと少しだけ苦しそうだがやはり少年が目を覚ます気配はない。

考えてみれば、こんなバカげた殺し合いが始まってから、もうじき一日が経とうとしている。
疲労もピークに達する頃合いだろう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


64そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:16:47 ID:UsvTGNLY0
「ユッキー!」

尾行や周囲に人気がない事を確認しつつ診療所にまでたどり着き。
背負った拳正を落とさぬよう慎重に扉を開くと、慌ただしい足音と共に九十九が飛びつくようにして熱烈に出迎てくれた。

「大丈夫だった!? 怪我とかしてない!?」

九十九はユキの肩を掴むと捲し立てる様にガクガクと揺する。
その様子から彼女がどれだけ心配していたのか、どれだけ不安を感じていたのかが伝わってくるようだった。
一人きりで待っているというのは辛い事だ、その辛さはユキも良く知っている。
それでも彼女はここで信じて待っていてくれた、その気持ちは嬉しいのだが。

「ちょ、ちょっと……待って、新田くんが…………落ちるから…………!」
「あぁ、ごめん。って拳正どうしたの!? 寝てる………………? 寝てるだけ?」

そこで九十九も眠ったままユキの背に背負われる幼馴染の姿に気付いた。
一瞬、最悪の想像がよぎるが、呼吸をしている事に気づき一先ず安堵の息を漏らす。
すぐに表情を引き締めると強がるように悪態をつく。

「女の子に背負われるなんて情っけないなぁ。
 とりあえずベッドに運ぼう。重いでしょ?」

九十九が慌ただしく踵を返し、診療室へ駆けて行った。
この少女はいつだってどんな状況だって活動力に溢れている。

「一二三さん!」
「ん?」

声に診療室の扉を開いた九十九が振り返る。
待っていてくれた人に最初に伝えるべき言葉をまだ言っていない。
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65そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:17:36 ID:UsvTGNLY0
だけどそうじゃない。
彼女もユキと同じく、自分の無力を嘆き、何もできない自分を変えたくて足掻いている。
そんなただの人でしかなかったのだ。
そう気付いた。

「そうだね、そうかもしれない」

ユキは九十九の言葉(よわさ)を肯定する。
九十九に力がなく、誰かに助けられなければ生き残ってこれなかった。それは否定し様のない真実。
無鉄砲な九十九がここまで生き残ってこれたのは誰かの助けがあったからに他ならない。

「けど助けられてるのはお互い様なんだよ。私は勝手に一二三さんに助けられたって思ってる。それは本当なんだから」

それは彼女とユキに限った話ではない。
誰しも何もかもはできないのだ。
それは決して恥じる事ではない。
大切なのはそれを受け入れ、足りない自分がどう生きるかを考える事だろう。

「私たちは足りないモノだらけだ、だから助け合っていくしかないんだよ。
 助けられることは決して悪い事じゃないんだから」

一人で世界全ての善悪を背負っていた父は立派だが、ユキにはできない。
誰かに助けられて、誰かを助けて。
そうやって生きて行けばいい。
それが未熟な悪党の生き方。

「あ、れ……………………?」

その言葉がどれほどの意味を持ったのか。
不意に少女の目から一筋の涙が頬を伝って床に落ちた。
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66そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:18:27 ID:UsvTGNLY0
夜と共にガールズトークも深まった頃。
唐突に、ベッドで眠っていた少年が跳び起きた。

目を覚ますや否や野生の獣のように鋭い目つきで周囲を素早く見渡す。
ちょうど拳正の恥ずかしい昔話を吹き込んでいた最中だったので、お、バレたかな? と九十九が内心冷や汗をかいたがそうではなかった。

「きゃ…………っ!」

薬棚がガタガタと音を立て震え始めた。
次の瞬間には揺れは部屋全体にまで広がり、柱が軋みを上げる。
揺れは数秒ほど続き、徐々に小さくなり程なくして収まった。

数秒の沈黙。
完全に揺れが収まった事を確認してユキがポツリと声を漏らす。

「地震……だったみたいね」
「そう、だね」

流石は地震大国の子供たち、この程度の揺れで取り乱すでもないが、流石にこの状況下では僅かな不安が残る。

「仲いいな、お前ら」

互いにすぐ近くの相手を庇おうとしたためか、二人の少女は抱き合うような形になって固まっていた。
それに気づいてユキは離れようとしたが、九十九は逆に見せつける様に引き寄せた。

「仲いいよー」
「そうかい。そら結構なこって」

適当に返事をしながら拳正がベッドから飛び降り立ち上がる。
シッカリと両の足で立ち、固い体をほぐすように首を鳴らす。
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67そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:19:12 ID:UsvTGNLY0
「俺らだけでも、ここにいる野郎を〆てどうにかさせるって方法もあるぜ」
「それは……難しいでしょうね」

ここにいるワールドオーダーをどうにかできれば確かに全て解決する。
だが、この戦力であれをどうにかできるか、と言われれば難しいだろうし。
倒せたところで、都合よく動いてくれる相手だとも思えない。
余り現実的な案ではない。

「だろうな。ま、言ってみただけだよ。ついでに野郎を一発ブッ飛ばせたらって思っただけさ」

飄々と状況に対処してきた拳正とて、この状況に、この状況を作り出した相手に思う所がない訳じゃない。
これまでそれらしきを見せなかったのは他に優先すべきがあり、それを間違えなかったからだ。
九十九のように表立たずともその気持ちは奥底に確かにあった。

「結局は何とかできそうな奴を探して、そいつの案に乗っかるしかないってことだな」
「身も蓋もない言い方をすればそうなるわね」

方針自体はユキの父を探そうとした時と変わらない。
変わるのは誰を頼りにするかという所なのだが。

残念がら比較的普通に生きてきた拳正や九十九にこんなトンどもな状況を解決できそうな人間の心当たりはない。
この手の当てはユキに頼るしかない。
まだ放送で呼ばれていない生き残りの中で一番に浮かぶのは良くも悪くも有能な一人の女だった。

「何とかできそうな人って言ったら……恵理子さん、かな」
「恵理子さんって?」
「私の所属してる組織の幹部の人なんだけど、なんて言ったらいいのか……とにかく底が知れない人だから何とか出来るかもしれない」

ユキ個人としては苦手な人であるのだがそうも言っていられない。
父に並ぶ有能性を持つ彼女ならば、首輪の解除プランや脱出プランの一つや二つ持っていてもおかしくはないだろう。
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68そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:19:38 ID:UsvTGNLY0
世界が終わったような静寂があった。
それほどの集中を続けていた少女は息を吐いてその糸を緩める。

亜理子は地面を調べるべく屈んでいた体勢から立ち上がると、スカートの端についた泥を払う。
しかし、ぬかるんだ地面を掻きわけていた白く細い指は土色に染まり、沁み込んだ土汚れまでは払った程度では落ちなかった。
汚れが目立たたないゴシック調の魔法少女服だったのは幸いであるのだが、流石にここまで汚れると一度水浴びでもしたいところなのだが、そうも言ってられない状況である。

ダム底の調査は終了した。
手元の心許無い明かりを頼りにした調査だったが、探偵の誇りにかけて見落としはないと断言しよう。
怪しげな中央の穴のみならず、周囲一帯にまで調査の手を広げたがエレベータースイッチらしきものは見つからなかった。
他にもこれと言った手がかりらしきものは見つからず、脱出に向けての進展はない。

だが、その結果に対して彼女に落胆はなかった。
これは彼女にとっては確認作業に過ぎないのだから。

この空洞がエレベーターであると断定できる材料は殆どなく、むしろ何も見つからなかったという調査結果はそうではないと裏付ける物である。だが、彼女はこれがエレベーターであると言う確信があった。
何故なら彼女には『そうである』と言う心当たりがあるからだ。

それは死亡した一ノ瀬と対話を果たした時の話である。
彼は主催者と対峙する機会を得たと語り、彼女はその詳しい経緯を尋ねていた。
その問いに彼はこう答えた。

『貴女の前から消えた直後の話だ。気付けば僕は四角い箱の中に居ました。
 窓一つなく外がどうなっていたのかは分かりませんでしたが、僅かな振動から動いていたのは確かだ。
 階数表示もボタンすらなく登っていたのかも降っていたのかも定かではありませんが、恐らくはエレベータのような何かの移動装置。
 たどり着いた先は奴の本拠地と思しき場所でした、きっと私がそこに飛ばされたのは偶然ではない、そうなるよう設定されていたのでしょう』

彼が乗り合わせた移動手段が恐らくコレだ。
主催者の下にたどり着くために用意された箱舟。
禁止エリアによる中央への誘導もこれならば納得ができる。
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69そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:19:55 ID:UsvTGNLY0
土の地面を踏みしめる不規則な足音が響く。
ふらつく足を引きずるようにして山道を歩いているのは怪人へと墜ちた女だった。
月の光すら深い木々に遮られ、自らの足元すら朧気に闇に溶けてゆくようだ。

吐く息すら炎のように熱く、全身が高熱を帯びてたように気だるい。
整備されていない山道は踏みしめるたび体力を奪う。
まるで足に見えない重りが纏わりついたようで、足を進めるたび命が削られていくようだった。

ただ灼熱のように沸き立つ頭だけが、妙にふわふわして気分がいい。
油断すると沸き立ちすぎて意識が白む。それを強く舌を噛んで無理矢理繋ぎとめる。

口の中に広がる鉄の味を喉を鳴らして呑み込む。
曖昧にぼやける感覚の中で鋭い痛みだけが確かだった。
熱が上がるたびに余計なモノが消えて行き、神経が研ぎ澄まされてゆく。

急ぐ理由もなく、明確な目的もないのに休むこともせず。
生き急いでいるのか、死に急そいでいるのか、それすらも分からずにいる。
それなのに何故進むのか。
本人すらわからないその問い答える者など無く、目的すらわからなくなりながらそれでも足を進める。

八十八箇所を巡る僧侶のようだ。
ただ無心に頂点を目指して勾配のある坂道を踏みしめる。
人を害する血と悪意に彩られた道行であるはずなのに、心中は狂ってしまったように穏やかで、ただ白く何もない。

そうして進むうちに山頂に近いて行き、周囲を取り囲んでいた鬱蒼とした木々は目減りしてゆく。
折り重なる木々によって貼られた天上のカーテンが徐々に開かれて、女の下に月明かりが届いた。
影ばかりだった世界が輪郭を取り戻すように照らし出される。

見上げれば、そこには視界を埋め尽くすような巨大な貯水ダムが鎮座していた。
正確にはそこに在ったのはダムだったであろう何かが、だが。
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70そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:20:14 ID:UsvTGNLY0
「――――――そこか」

唐突に身を翻して、適当に作った花火未満の火薬玉を周囲一帯に放り投げる。
それを一斉に炎で薙ぎ払うと、炸裂音が周囲に鳴り響いた。

「きゃ…………ッ!?」

爆炎に飲まれた何もない空間から、フリルの付いた黒い衣装の女が現れた。
いきなりそこに現れたのではなく、透明化か何かの能力で隠れていたのだろう。
それを見破ったのは直感などではなく、単純に井戸のような穴を破壊しようとする珠美の行動に動揺が見えた。
熱を帯び鋭く尖った今の知覚ならば、姿が見えているも同然だ。

「けっ、カメレオンかよ」
「く………………ッ!」

爆風に煽られバランスを崩していた女がなんとか踏みとどまる。
今の火薬玉はあくまで炙り出しに過ぎず、敵を焼き尽くすには火力不足だ。
ダメージは少なく黒衣の魔法少女はすぐさま次の行動に出た。

「――――――ジャンプ!」

魔法少女は迷わず逃げの一手に打って出た。
この場所の保持に固執せず、一足でロケットのように飛びたちダム底から離脱する。
思わず珠美ですら目を見張るほどの見事な跳躍だった。

だがそれでも、珠美なら全力で追えば確実に追いつける。
追いつけるが、珠美は追わずに夜に消えて行く黒衣を見送った。

このぬかるんだ足元であれだけの跳躍を見せた力は大したものだが、残った足跡を見るにあの大跳躍とは釣り合わない大きさだ。
あの跳躍は純粋な筋力によるものではなく、そういうスキルか支給品か恐らくは別の法則によるものなのだろう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


71そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:20:49 ID:UsvTGNLY0
夜空より流れ星の如く魔法少女が降り注ぐ。
ざりざりと音を立て山の斜面を滑るようにして着地すると、そのままたとたと駆ける様にして山を下っていた。

魔法『大跳躍』により難を逃れることができた。
伺うように背後を振り返るが、敵が追ってくる気配はない。
追わなかったのか、追えなかったのか定かではないが、追いつかれることはなさそうだ。

それを確認して山を下る足を徐々に緩める。
月に影を色濃く落とす半壊したダム跡を見上げた。
脱出につながる重要拠点を制圧されてしまったが、あそこを保持する事自体はそれほど重要ではない。
いずれ取り戻す必要はあるだろうが、今できる調査は終えた、あのままあそこに居たとしても得るものはないだろう。

重要なのは然るべき瞬間に然るべき使い方をすることだ。
何より、あのエレベータを使うと言うのも持ちうる手段の一つに過ぎない。
いっそ切り捨て別の方法を模索する手もある。

それよりも問題なのはボンバーガールの襲撃と言う事実。
好戦的な性格であることは把握していたが、あれはそういう次元ではなかった。
ボンバーガールはヒーローとしての光の道を外れ、外道に墜ちた。
彼女は闇に向かって突き進んでいる。

それの指し示す事実は一つ。
恐らくシルバースレイヤーは敗れたのだ。
少なくともそう考えて動いた方がいい。

これは大きな誤算だ。
その可能性も考えていなかった訳ではないが、亜理子としては山頂を制圧された事よりもシルバースレイヤーの脱落の方がよっぽど痛い。
なにせリカバリーが難しい。次候補が都合よく見つかるとは限らない。

『奴』にとってはここで見つからなくても次に賭ければいいだけの話だ。
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72そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:21:42 ID:UsvTGNLY0
夜の光が草木を照らし、優しく緩やかな風が草原を吹き抜ける。
ここにいるのは何者でもないただの人間と魔族である。
何者でもなく、何物にもなれる少年と女。
勇者あらざる少年が怪物あらざる女の傍らに寄り添っていた。

オデットに刻まれた聖剣による傷は深いが、勇者の力が破棄された事により再生阻害は消滅した。
微弱ながら再生は働いており、両断された胴体はギリギリのところで繋がっている。
彼女の強い生命力によるものか思った以上に状態は安定していた。
安静にしていればその内傷は癒えるだろう。

だが果たして、この混沌の世界で何事もなく安静になどしていられるのか。
少なくともこんな誰に見られているともわからない、草原で寝転がっているのはどう考えても危険だった。
勇二が運んでいければいいのだが、勇者の力を失ったただの子供でしかない勇二では大人のオデットを背負っていくことも難しい。
辛かろうが最低限動けるようになったのならばオデット自らの足で動いてもらう他ない。

「大丈夫、立てそう…………?」
「…………ええ、なんとか」

差しのべられた手を取って、オデットが立ち上がろうとした、その瞬間だった。
大きく大地が揺れた。

勇二は咄嗟にバランスを立て直し、その場に踏みとどまった。
オデットは立ち上がろうとしていた所を突かれたせいか、バランスを崩して尻餅をついた。

「ッ! 何!? 一体何が…………ッ!?」

尻餅をついたまま混乱したように空を見上げてオデットが叫ぶ。
リヴェルヴァーナでは大地の揺れは神の怒りとされている天変地異である。
神の因子を取り込んだオデットならば地を揺らすくらいは可能だが、それも局地的なものにすぎない。
このような世界全体が震撼するような規模の揺れなど、彼女にとっては世界崩壊の前兆とすら受け取れる大事態だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


73そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:22:01 ID:UsvTGNLY0
「勇者と言う線と天才霊能力少年という君の線、これらが交わっただけでも僥倖だと言うのに、それを自ら破棄するだなんて。
 いや、いいよ実にいい。こちらの想定を超えるくらいでないと」

猛る勇二には取り合わず、男は誰も見ていないように独り口元を吊り上げ手を叩く。
その独善的な愉悦は誰のためでもなく、あるいは本人すら何も感じていないのかもしれない。
不気味な自動人形でも見ているような不安感に襲われる。

「……捨ててなんかいないよ」

確かに聖剣は捨てた。
だが勇者を捨ててなどいない。
勇二らしい勇者で在り続ける。
カウレスから託された願いは決して手放してなどいない。

「そうかい。なら君はそれでいいさ」

嗤うような口元とは裏腹な無機質な視線。
その行く先が少年から俯きがちに視線を落としていた女へと移る。

「だがオデット」

感情の見えない色のない声で名を呼ばれる。
それだけで言いようのない悪寒がオデットの背筋を撫でた。

「――――――――――君はいらない」

オデットの全てを否定するように世界を司る支配者は告げる。
それは死の予感ですらない、より深い終わりを予期させる絶望の具現。

オデットの全身が震える。
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74そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:22:37 ID:UsvTGNLY0
全てから隔絶され、全てを超越したこの世の果て。
生命の息吹を感じられない、孤独の城。
最低限の物しか置かれていない広い部屋は、開放感がある空間だというのにどこか息の詰まるような閉塞感がある。
そんな窒息しそうな息苦しい部屋の中心でソファーに浅く腰掛ける男が独り。

天上に浮かぶ照明によって、淡く照らし出された男の顔に影が落ちる。
柔らかい光を放つのは緩く回転を続ける球体だった。
釣り糸もなく宙に浮かび緩やかに自転するその様はさながら惑星のようである。

男が目を細めるでもなく、目の前に浮かぶ天球を眺める。
ミラーボールのようなこれこそが、参加者たちがいる地獄の舞台だ。
もちろんその物ではなく、情報を投影し移し出した同期転写体であるのだが。

その球体の一点を男の指がなぞる。
そこには小さなヒビが刻まれていた。

「やってくれたねぇ、剣神龍次郎」

苦言を漏らす言葉とは裏腹に、その口調は愉し気である。
最強が放った最大最期の一撃は、正しく世界を砕く一撃だった。
球体に見えるヒビは小さなものだが、世界の内核にまで届いている。
いずれその亀裂は広がってゆき世界は崩壊を迎えるだろう。

この舞台となる世界は非破壊オブジェクトとして設定してある。
世界の破壊機構であるリヴェイラが世界ごと破壊しようとしたが破壊できなかったのはそのためだ。
まさかそれを何の気も衒わない力技で突破するとは、完全に想定外の事である。

つくづく参加者たちは主催者の想定を上回る。
だが、そうでなくてはとほくそ笑む。

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75そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:23:19 ID:UsvTGNLY0
【C-5 診療所/真夜中】
【新田拳正】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、右目喪失(治療済み)、額に裂傷(治療済み)、両手に銃傷(治療済み)、右足甲にヒビ(治療済み)、肩に火傷(治療済み)、右腕表面に傷
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本方針:帰る
1:帰る方法の模索

【水芭ユキ】
[状態]:疲労(小)、頭部にダメージ(大)、右足負傷、精神的疲労(小)
[装備]:クロウのリボン、拳正の学ラン
[道具]:基本支給品一式、ランダムアイテム1~3(確認済み)、
    ロバート・キャンベルのデイパック、ロバート・キャンベルのノート
[思考]
基本方針:悪党を貫く
1:中央へと向かう
2:首輪の解除方法と脱出方法を探す

【一二三九十九】
[状態]:ダメージ(中)、左の二の腕に銃痕、鼻骨骨折(治療済み)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×3、、ランダムアイテム1~4(確認済み)
    サバイバルナイフ、サバイバルナイフ・裂(使用回数:残り1回)、風の剣、ソーイングセット、クリスの日記
[思考]
1:帰る方法を探す

【G-5 山中/真夜中】
【音ノ宮・亜理子】
[状態]:左脇腹、右肩にダメージ、疲労(中)
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76そして1日が終わる ◆H3bky6/SCY :2018/08/13(月) 01:23:35 ID:UsvTGNLY0
投下終了です


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2 テラカオスバトルロワイアル (Res:971)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 2
1名無しさん :2016/09/19(月) 13:01:48 ID:UjPEDzS60


テラカオスバトルロワイアルがパロロワ総合板に移転しました。


【wiki】ttp://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/
【避難所】ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/15086/

952 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:18:23 ID:YtyLJ3NE0




――テラカオス、そして救済の予言。
そしてイチリュウチームに最も大きな進展を持ち出したのは物置組の持っていたもう一つの予言とツバサの存在であった。

「マサカ予言ハ他ニモアッタトハ……」
「『聖別によって抑止の神は生まれ、しかし滅びの化身との戦いに敗れ、抑止の神の力を奪い取った滅びの化身は三千世界を滅ぼし尽くすであろう』ホルか」
「救済の予言と照らし合わせると聖別は殺し合い、抑止の神は化身、滅びの化身は僕が感じた沖縄に現れた驚異のことだろう……だいぶ見えてきたな」

新たな予言により、頭の回る者は救済の予言の目的とテラカオスの必要性が見えてきた。

「……えっと、つまりどういうことだ?」
「さっぱりでぃす!」

混乱気味のクリス・シマリス他数名に対し、ユーノが答えを示す。

「良いかい? 今までの話をよく思い出して。
テラカオスは瘴気をばら蒔かれた殺し合いの中で産まれた。
沖縄に現れたシャドウという存在は大災害の発生原因であるTCを纏っており、これはテラカオスにしか耐えられなかった。
そして二度目の大災害が迫っている世界で必要なのは、TCを吸収できるテラカオスということになる。
まさに抑止の神というべきだろう……だけどイナバ社長の持っていた予言ではそのままのテラカオスだと滅びの化身に負けてしまうらしい……」
「事実、私の母体であるディーヴァはシャドウに負けました。
世界はまだ大丈夫ですが再戦しても勝てる気がしません。キングストーンの力があっても」
「そのための強化プラン及びコントロール手段が救済の予言なんじゃないのかな?」

奇しくも少し前に都庁同盟軍と聖帝軍が導き出した答えとほぼ同じ解答をイチリュウチームは手に入れた。

「よくわかったけどテラカオスに頼る以外の方法はないの?
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953 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:19:04 ID:YtyLJ3NE0

「ひょっとして、ベイダーたち主催陣はこれを知ってて殺し合いを使ってテラカオスを作り、世界を救おうとしていたホルか?」
「TCを知っているところからして考えられないでもないけど、あくまで自分たちだけ生き残るためって可能性も否定できない。
第一、予言にとって大事な野球選手を保護するルールも作ってない。
巫女や勇者みたいな他の者は揃えているとしても、野球選手を守ろうとしないのは釈然としない
救済の予言を完遂できてないテラカオスは世界を救えずとも、ほんのひと握りの人なら助かるかもしれないしね」
「(ユーノくん、えらく感情的やなあ……)
うう~ん、主催幹部を1人でも捕まえないとなんとも言えへんなあ。
意外とテラカオスの特性や作り方だけ知っていて、救済の予言だけ知らなかったりして」
「まさか! 一番情報を持ってなきゃいけない主催に限ってそんなことあるハズない」
「…………そうだね」

主催には間接的に友や恋人の娘が殺された挙句自分が怪物にされたこともあり、ユーノの主催への目線は苛烈なものであった。
なお、はやてが適当に出した言葉は当たっており、すぐそばにいるアナキンが一瞬だけジト目になったが誰も気付かなかった。



「ここまできて漸く救済の予言やテラカオスの存在意義もわかってきたけど」
「儀式は野球しかないとして、巫女・器・歌・勇者はまだ何かわからないんだよな……」
「言うなれば数学の公式で答えだけできあがって、式を埋める正しい因数がわからない状態じゃな。」

この世界にテラカオスが必要なことや、大災害を乗り切るにはテラカオスに加えて救済の予言が必要なことはわかった。
一方で救済の予言の中身である儀式(野球)以外の答えはわかっていない。
四つは拡大解釈すればいくらでも当てはまってしまうだけに明確な答えが出ないのだ。
そして都庁と違い、彼らには答え合わせをしてくれる上位存在は現れなかった。

「都庁がどれだけ知ってるかわからないけど、合流した時にどこまで知ってるか聞くしかないか……」

救済の予言に関してはイチリュウチーム内部で解き明かすにはこれ以上は無理であった。
イチローが呟いたように、都庁が自分たち以上に予言を解き明かしていることを信じ直接会って聞くしかない。
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954 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:19:40 ID:YtyLJ3NE0

さっきは浄化者の死という不運によりできなくなってしまったが、ツバサに因子を吸収されることでテラカオス化が治る希望にユーノもなのはも喜んだ。

ちなみに主催のアナキンはツバサによってユーノのテラカオス化が治ることには前向きに考えていた。
これはユーノの中にあるテラカオス因子が消えるのではなくツバサに移ることによって、彼女がテラカオスとしての完成体に近づけるからだ。
ユーノも有望なテラカオス候補者だったが暴走の危険が強く、今後暴走されると予言に必要なイチリュウチームを試合ができないレベルまで壊滅させられる危険が有る。
幸いにもツバサは通常のテラカオスと違い理性を保っており、暴走の危険がない。
制御できない二よりは管理できる一。
暴発する危険があるユーノより危険の少ないツバサを完成に近づけた方が無難と見て、ユーノの因子やナノマシンを吸収させることにした。


「痛くはないハズですが、動かないでくださいね」
「わかった」

周囲が見守る中でツバサはユーノに向けて手をかざす。
するとユーノの中から黒い靄――因子とナノマシンが現れ、ツバサに吸収されていた。

「……思ったより侵食が激しい、今まで暴走しなかったのが不思議なくらい」
「え?! それって大丈夫なの!?」
「いや、治しきるのに時間がかかるだけです、あと3分はかかるかも」

ユーノのテラカオス化はかなり深刻であった。
水面下で育っていった因子はベジータ戦での覚醒に始まり、蓄積された戦闘ストレスにより仲間たちが気づかない内に育っていた。
それももうすぐ終わろうとしている。

(ツバサに因子を吸引される度に体が人間に戻っていく……僕は人間に戻れるんだ)

穏やかな表情をしているユーノの瞼の裏に移るは、なのはと将来を共に歩める未来。
フェイトとヴィヴィオたちこそいなくなってしまったが、その悲しみを幸せで埋めていける、そんな未来を思い浮かべていた。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


955 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:20:58 ID:YtyLJ3NE0

「痛いッ!」
「翼先輩!?」
「吸った分の倍の量の因子が、吸収し返されてる!」

訂正、吸収した以上の量の因子がユーノの方へと流れ込んでいた。
その影響かツバサの腕にヒビが入り、血のような因子がにじみでる。

「これは……まさか!」
「ツバサ! 吸引を中止しろ! 早く!!」

何かにきづいたギムレーとアナキンは急いでツバサに因子吸引を中止させる。
指示に従うことでツバサの因子がユーノへの流出も止まった。
一方でツバサとユーノは苦しそうだ。

「ツバサちゃん、その腕……」
「大丈夫、怪我そのものはキングストーンの治癒能力でなんとかなる。
問題なのは失ったエントロピーと因子がそのままになっている……」

ツバサの腕の怪我は本人曰く大したことはなく、すぐに治る。
だがユーノに逆流した因子等が戻らずに、ユーノのものになってしまった。

「ユーノくん! ユーノくん! しっかり!!」
「世界をカオスにしろ世界をカオスにしろ……その言葉で頭が割れそうだあ!」

ユーノは床に倒れ頭を抱えて悶えていた。
なのはは誰よりも心配そうにユーノに駆け寄り、そして救い主になると信じていたツバサを責めた。

「これはどういうことなの!?
あなたならユーノくんを救えると信じていたのに!!」
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956 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:21:32 ID:YtyLJ3NE0

「ここは……?」
「気づいたようだね、なのは」

なのはは気が付くと、病院内のベットの上にいた。
隣のベットにはユーノが横になっている。
なのはは自分がユーノを助けられないという衝撃的な事実に卒倒してしまったことを思い出した。

「あれから何時間寝ていたの?」
「15分程度、そんなに時間は経ってないよ」
「そう……ごめんなさい」
「謝ることはないさ、僕となのはの立ち位置が逆だったら同じリアクションを取っていたと思う」

涙を流すなのはをユーノは諭すように微笑む。

「いや、全部私のせいだよ」
「え?」
「今思えば、私がユーノくんが怪物化したことを千年タクウで見たのにありえないと勝手に思い込んで黙っていた。
都庁の怪物に寝取られることばかり気にしていたせいでユーノくんを怪物にしちゃった……
都庁の方にはユーノくんの病気を治す手段があったかもしれないのに!
ハス太くんやレオリオさんが死んだのも私のせいなんだよ、きっと!」

なのははただ、千年タクウがもたらした情報を信じず、または触手レ〇プばかりに気を取られてチャンスを逃したことを後悔していた。
ユーノが今苦しんでいるのは全て自分の過失によるもの、そうとしか思えず、自分を責める。

「……なのはのせいじゃないさ、運が悪かっただけだよ」
「ユーノくんは、自分が助からないと思うのに怖くないの?」
「僕はブリーフ博士やアナキン、サラを信じてるからね」
「え?」
「なのはが気絶している間に、技術に優れた人たちが僕を助けるために瘴気や因子に効く薬を作るんだってさ」
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957 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:22:00 ID:YtyLJ3NE0

ここは病院にある研究室。
過去に都庁から貰い受けた風鳴翼の片腕を検体に三人は機材を使って研究をしている。

「博士……ユーノの能力は増幅反射ですが、薬でなんとかなるものなのでしょうか?」
「できる……彼はシャドウの驚異を肌で感じとった時、暴走しかけたが睡眠薬で一時的にでも眠らせることはできた」
「ということは外部からの浄化はダメでも、薬のような何部からの浄化ならなんとかなるということでしょうか?」
「推論じゃがね。今後そのようなテラカオス化に見舞われる参加者が出ないとも限らんし、瘴気の正体解明と同時に特効薬を作り出そうとおもう」

イチリュウチームで科学知識に優れたブリーフ・サラ・アナキンの三人は特効薬を作ることを目標に研究を開始する。
大災害までに因子を集めたいツバサとしては消されると困るが、ユーノのように外部からの浄化を受け付けない存在がいる可能性を考慮して、彼女とは違う浄化の手を考え出さねばならなかった。
特効薬を使うのは最低限の人数ならばという条件で、ツバサも承諾した。

ブリーフはもちろん、サラも乗り気でありセコセコと研究のための腕を動かしている。
一方、アナキンは内心乗り気ではなかった。

(ツバサがユーノの因子を吸収してくれるなら嬉しかったが、それができないとは……
ツバサも万能でない以上、予備のテラカオスが作れなくなる特効薬作りは気乗りしないな)

テラカオスとしては最も完成に近いツバサも万が一、死亡するケースもある。
ならばユーノのような予備のテラカオスがまだ必要なのだ。
もしかするとテラカオスとして完成するのはツバサよりユーノである可能性も捨てきれないため、ユーノにはまだテラカオス候補者である必要がある。

(どうするべきか、手伝うフリをして妨害するか?
ユーノに特効薬を与えるフリをしてこっそり偽薬でも与えるか?
他の謎解明のためにも研究者であるどうするべきか……)

下手な行動をすると仲間たちに怪しまれる。
今、浦安市は邪竜の体で覆っているので正体がバレると脱出が困難。
そうでなくとも予言に必要な野球選手や、テルミが死んで情報を聞き出せなくなった以上、ブリーフやサラのような謎を解いてくれそうな研究者を手放すのは惜しい。
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958 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:22:30 ID:YtyLJ3NE0

病院の玄関口。
突然のなのは気絶のハプニングにより考察や今後の計画を一時中断したイチリュウチームだったが、ユーノ、なのは、アナキン、サラ、ブリーフの五人がいない中で再開する。

その前に萃香はギムレーの指示に従って『密と疎を操る程度の能力』を使用し、全身を霧にして浦安中を覆った。
彼女はかつて異変を起こした際にこのように体をして幻想郷を覆って住民を監視していたこともあり、生きた大規模監視カメラになることも可能だった。
チート能力すぎたためにこれまでは制限のせい一切できなかったが、首輪がなくなったおかげで可能になった。

「ギムレー、指示通りに浦安を覆ったぞ。今のところ怪しい影はなしだ」
「ご苦労、ユーノや博士たちは?」
「大丈夫、暴走の気配はないし、博士たちも順調に研究に励んでいるよ」
「そうか」

萃香という頼もしい警備員から異常がないことを聞くギムレー。
浦安は自分の体で覆って物理的な侵入ができないとはいえ、万が一を考えて萃香に見張りをさせた。
彼女の監視化ではマーダー一匹入り込むことはできまい。
またユーノが暴走する危険や、萃香には伝えてないがアナキンが裏切る可能性を考慮しての監視係でもある。
久保帯人の時のような遅れは取らないつもりであった。

「さてと計画を練ろうか」
「今、私たちがやるべきことはこれぐらいやな」

ブリーフからホワイトボードを借りたはやてが書記係として記入していく。


〇ブリーフ博士たちが瘴気に関する特効薬を作り出すまで待つ(確定)

〇救済の予言の更なる解明
 まだ謎だらけな『器・巫女・歌・勇者』の正体を突き止める

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959 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:23:03 ID:YtyLJ3NE0

場面は戻り、なのはとユーノがいる病室。
二人は今

一つのベットの上で『愛し合って』いた。


「ユーノくんは怖くないの……?」
「本当は怖いさ、今も頭の中には『世界をカオスにしろ』って言葉がうるさく聞こえてきて、気を抜くと頭が変になる……でもね!」

年不相応どころか大人並に頭が回るユーノだが、あくまで青年の姿をしているだけで中身は10にも満たない子供。
本当は怪物化が進行していく体が怖くてたまらない。

「だけど僕ははやてたちを信じている。
きっとあの人たちなら僕の病気を治し、元の人間に戻してくれると信じている。
……頑なに信じなきゃ、不安で押し潰れそうになる、君と歩む未来を失うんじゃないかと」
「ユーノくんユーノくん!」
「君は僕の希望なんだ! 君がいるからこそ僕は僕を保っていられる!」

ユーノは愛するなのはがいるからこそ、自分を見失わずに済んでいた。
少なくとも肉体は言うことを聞かなくても精神はまだ死んではしなかった。
なのはが生きている世界という現実……それだけがユーノが絶望しないための最後の砦であった。
テラカオス化はしれいないなのはにとっても、ユーノがいるからこそ自分を保てた。

「なのは、絶対に最後まで希望を捨てずに生き残ろう!」
「うん、ユーノくん!」
「全てが終わったら結婚して……二人で平和に過ごそう。
そのために僕は諦めない、諦めてたまるものかよ!」

愛しあう者を抱くたびに不安が少しずつ消えていくなのはとユーノ。
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960 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:23:39 ID:YtyLJ3NE0

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
【装備】サングラス
【道具】支給品一式、マスターソード、魔竜石、リザイアの書、不明品
【思考】
0:会議に参加する
1:DMC狂信者、その他マーダーと達と戦う
2:狂信者の中でもドリスコルだけは特に許さねえ
※邪眼を一回使いました


【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、気絶中、顔が赤い、強い悲しみと怒り、霧化中、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×50
【思考】
基本:イチリュウチームについていく
0:霧になって浦安を見張る
1:KBTITとかいうクソホモは忘れる
2:なのはとユーノが抱き合ってる件はみんなに秘密にしておこう


【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、尻尾切断(処置済み)、野球脳、激しい怒りと悲しみ、首輪解除
【装備】病衣
【道具】なし
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:会議に参加する
1:野球を邪魔するDMCは許さない
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961 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:24:15 ID:YtyLJ3NE0



【テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】健康、完全TC耐性、キングストーンにより変身可能、首輪なし、若干エントロピー減少により弱体化
【装備】キングストーン
【道具】リボルケイン
【思考】基本:テラカオスの因子を集める。この力で守れるものを守る。
0:会議に参加する
1:どうして人はあんなに残酷に殺しあえるんだろう……
2:Lさん、ゼクスさん……貴方達の犠牲を忘れません。
3:私にも救えない人がいたなんて……
※ディーヴァが持っていた能力はキングストーン以外が使用不可。
※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。
※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。
※記憶を大半喪失していますが、生みの親の名前、風鳴翼が捕食で世界を救おうとしたこと、都庁での悪い思い出、沖縄で敵が現れ敗北したこと、夢で出会った男(才人)のことは朧げながら覚えています。
※仮称としてツバサという名前が与えられました
※ユーノに吸収された因子とエントロピーは通常手段では回復できません
 他者の因子を吸収することによってのみ回復します


【シマリス@ぼのぼの】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、天子を救えなかった悲しみ、首輪解除
【装備】胡桃×1500
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:仲間と共に生き残る
0:会議に参加するでぃす!
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:衣玖さん、ごめんなさいでぃす……
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962 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:25:12 ID:YtyLJ3NE0
【二日目・19時30分/千葉県 浦安市 病院 研究室】

【サラマンディーネ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
【状態】両羽喪失(処置済み)、首輪解除
【装備】なし
【道具】一人用ポッド、スクーナー級×500、ガレオン級×30
【思考】基本:対主催
0:瘴気を研究し、特効薬を作る
1:イチリュウチームについていく
2:滅亡を止めたいとは思うものの、予言に関しては未だ懐疑的
4:リオレウス様……
5:ナッパ様の髭が一瞬だけ金色になったのを目撃しましたがあれは一体……
※予言には主催者も関わっていると推測しています
※ブリーフ博士が首輪解除を先に行ったため貯めていた首輪やスクラップを破棄しました
※アウラの民の指揮権が戻りました

【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】精神疲労(中)、深い悲しみ、首輪解除
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、機材一式、風鳴翼の右腕、TCホール観察日記
【思考】基本:対主催
0:瘴気を研究し、特効薬を作る
1:ユーノのようなテラカオス化の犠牲者はどうしても助けたい
2:対主催参加者と出会えたら、首輪を外す
3:恩人であるアナキンを信頼
4:亡くなったブルマや殺生丸くんたちのためにも技術者として戦い続ける
※首輪解除が可能となりました
※風鳴翼の右腕は四条化細胞とナノマシンの塊です。うまくいけば抽出できるかもしれません
 現在いる病院なら抽出・研究が可能
※情報交換により、風鳴翼(テラカオス・ディーヴァ)の能力の一部を知りました
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963 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:25:32 ID:YtyLJ3NE0


【二日目・19時30分/千葉県 浦安市 病院 とある病室】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】精神疲労(大)、19歳の身体、深い悲しみ、首輪解除、全裸
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】なし
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:今はユーノくんとひたすらに愛し合う
1:死んでしまったヴィヴィオたちのためにもこの殺し合いを終わらせる
2:救済の予言で世界を救えるのかな?
3:都庁に行ったエリカたちが心配
4:ユーノ君がいれば何も怖くない……と思っているけど……
5:博士たちが作る特効薬に期待
6:落ち着いたら玄関に戻る
7:レオリオさんまで亡くなってしまうなんて
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】疲労(中)、精神疲労(特大)、19歳の身体、テラカオス化進行度(特大)、首輪解除、全裸
    今はなのはのこと以外考えられない
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:今はなのはとひたすらに愛し合う
1:なのはを絶対に護るためにも、もっと力が欲しい
2:救済の予言の謎を解く
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


964 ◆LYp5adl2nU :2018/07/19(木) 12:26:34 ID:YtyLJ3NE0
投下終了です
タイトルは I&YOU(哀と憂) でお願いします


965ぐだぐだ築地市場 :2018/07/24(火) 11:37:29 ID:LmqVg4XM0
辛くも驚異のヤンデレキモウト深雪の魔の手から逃れたクロエ。
しかし狂信者のテリトリーから脱出できたわけではない。

彼女が今いる地点は築地。
ビッグサイトからあまり離れていない場所。

(クッ……狂信者が多い……隠れながら進むのは骨が折れるわ)

流石に右も左も狂信者なビッグサイト内部と比べればマシだが、狂信者の本拠地が近い位置だけに通り道になりやすく道中に狂信者は多い。
本来のクロエの実力ならばモブ狂信者など屁でもないが、今は深雪に負わされた怪我のせいで戦闘力が落ち込んでおり、モブといえど数押しで来られた場合は苦戦必至である。
故に見つからないように隠れながら移動していたが、そのせいで中々ビッグサイトから距離を取ることができなかった。

(早くイリヤのいる都庁のヘルヘイムへ行かなければいけないのに!)

時間が経てば経つほど狂信者は軍勢を整え、都庁への侵攻を始める
その時にはルルーシュや深雪も都庁攻めに加わる可能性は濃厚だ。
ルルーシュの他人を意のままに操るギアスの力や、氷を使った魔法を使う深雪の戦闘力は驚異の一言。
いくら都庁が絶大な戦闘力を持っていたとしても事前情報なしでは犠牲は確実。
特に深雪の性格を考えると確実にイリヤを殺しに来るだろう。

(都庁が三度目の侵攻を受ける前にいち早く情報を持ち帰る必要がある!
早く行かなくちゃ……)

だが一秒でも早くイリヤと合流しなければという焦りが出てしまった結果、一瞬だけ注意力を欠いてしまい、狂信者とバッタリ出くわしてしまった。

「ゲッ」
「あなたは」

桃と黒のシンフォギアを纏ったカギ爪団の1人、レジーナである。

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966ぐだぐだ築地市場 :2018/07/24(火) 11:38:19 ID:LmqVg4XM0

当然、屋根の上に狂信者の敵などいない。
全てはレジーナに背後を向かせるための算段である。
レジーナに狂信者仲間として保護されたところでビッグサイトに戻されるだけなので意味はない。
声を立てさせない内に暗殺する必要があった。

暗殺のやり方は単純明快。
適当な嘘で騙され、隙を見せたレジーナに背後から喉を切り裂くだけ。
レジーナが気づいていない内にクロエはこっそりと干将・莫耶を投影する。
周りに人影は無し。
暗殺は成功度は高い。


――ハズだった。

「え? なに!?」



彼女の失敗は目撃者となる人影がいるかいないかの確認ばかりに気を取られすぎたこと。
そして近くにあった『無人のバイク』が唐突に動き出すなどの、想像力に欠けていたことである。

「きゃあ!?」
「ええ?!」

無人のバイクはそのままクロエの側面から衝突し、クロエの体は衝撃によって築地の店の中にドンガラガッシャンと突っ込んだ。
レジーナは狂信者仲間がいたハズの背後で起きたアクシデントに狼狽す。
そこへ騒ぎを聞きつけた狂信者にして装者である切歌が駆けつけた。

「レジーナ!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


967ぐだぐだ築地市場 :2018/07/24(火) 11:39:31 ID:LmqVg4XM0




「危なかったわ、ありがとう切歌、サイドバッシャー」
「全てはクラウザーさんのためデスから、サイドバッシャーもそうデスよね?」
『おう、そうだな』

狂信者の敵をSATUGAIできてご満悦な切歌・レジーナコンビ。
戦果報告として二人はクロエの首輪を持ち帰り、サイドバッシャーに相乗りしてビッグサイトに帰還しようとする。


さて、読者の皆様は覚えているだろうか?
切歌とレジーナを助けたバイクであるサイドバッシャーの正体を。


――テラカオス化により無機物への憑依能力を得た草加雅人である。

そんな彼がどうして狂信者の味方をしているのか?
クラウザーさんを信望した……わけではない。

サイドバッシャーとして新生した彼は、合流できる勢力を求めて各地を走り回った。
ところが都庁・聖帝軍・拳王連合軍は悪い噂しかなさすぎて各所から狙われる、物置組は壊滅、イチリュウチームは物理的にボロボロ。
どこも接触は危険であり、生き残った対主催で草加が安心して戦力集めとできるところなどありはしなかった。

どこと合流すれば良いんだと考えあぐねていたところ、草加はイチローたちとドリスコルの乗るグレートゼオライマーの戦闘を遠目で見た。
イチローたちさえ圧倒するゼオライマーの戦闘力……あの力さえあればメーガナーダだけでなく、自分に立ち塞がる敵全てを抹殺できると思った草加は考えた。

グレートゼオライマーに憑依できれば俺って無敵じゃね? と。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


968ぐだぐだ築地市場 :2018/07/24(火) 11:40:02 ID:LmqVg4XM0


「いや……私1人知ってるかも」

仲間を信じたい切歌がレジーナの発言にギョっとする。
草加もまた管理人を見つけ出す手がかりかもしれないと耳を傾けた。

「レジーナ、それってどういうことなんデス」
『教えてくれないか?』
「たった1人だけ、狂信者の中にフラっと現れてそれまで何の功績を上げたわけでもないのに不自然に慕われていた上に、いつの間にか仲間内の中で一大グループの長になった奴がいるの」




「現・カギ爪団のリーダー。仮面の男であるゼロよ」





【二日目・19時09分13秒/東京都 築地】


【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】疲労(小)、決意、首輪解除
【装備】シンフォギア「イガリマ」、イグナイトモジュール@戦姫絶唱シンフォギアGX
【道具】支給品一式、クロエの首輪
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを蘇らせる。
0:ビックサイトに戻る
1:みんなの希望であるクラウザーさんは必ず蘇らせる!
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969名無しさん :2018/07/24(火) 22:53:04 ID:vaFW9w4o0
投下乙です
ルルーシュ本人の知らない所で徐々にピンチになってね?


970名無しさん :2018/08/10(金) 20:34:43 ID:oeN/p.7k0
ID:UjPEDzS60「ガクッ…」

ーーーーーーーーーーID:UjPEDzS60死亡ーーーーーーーーーー


971名無しさん :2018/08/10(金) 21:05:03 ID:oeN/p.7k0
俺「暴れてやるンゴwwwwwww」

【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】 死亡
【レジーナ@ドキドキプリキュア!】死亡
【草加雅人@仮面ライダー555】 死亡
【ID:oeN/p.7k0】死亡


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3 バトルロワイアル[special] (Res:5)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 3
1名無しさん :2018/07/26(木) 00:05:05 ID:ielCPj1M0
ルール
・バトル・ロワイアル形式で開幕。
・100人のオリキャラでバトル・ロワイアル
・予約制
・おふざけによる投稿、荒らしは禁止
・能力、キャラ設定は自由にしてもいい。次のスレ

【あらすじ】
パロロワ最大規模を及ぶオリキャラ達のバトル・ロワイアル。限られた能力で殺し合いを行う。

2名無しさん :2018/07/26(木) 00:07:01 ID:ielCPj1M0
【参加する戦士達】
1.ジョー
2.サウル
3.レマ
4.エリン
5.アレン
6.ゴクア
7.アクア
8.べリアル
9.ザニ
10.ガルシア
11.ルカ
12.トルカ
13.メアリー
14.ジェームズ
15.ローズ
16.サリー
17.エリック
18.ロドニー
19.ゲリック
20.バルト
21.アイリン
22. ウェスタ
23.アスキ
24. レオン
25.クルザード
>>1、続き>>3


3名無しさん :2018/07/26(木) 00:07:54 ID:ielCPj1M0
26. マルリアッム
27.レスター
28.イーブアン
29.エマニエル
30.アンリ
31.ジョウショウ
32.トルシア
33.ゴードン
34.グリック
35.ムリーロ
36.ラミレス
37.タスク
38.デューク
39.チゾーム
40.ニーズ
41.ベン
42.ケイン
43.ケニー
44.ジョニー
45.ライド
46.エンペラー
47.ミカヅキ
48.センテイ
49.ロスマス
50.コリシア
51.フローラ
52.メルル
53.キュリアーヌ

>>4続き


4名無しさん :2018/07/26(木) 00:08:51 ID:ielCPj1M0
54.ロスロサ
55.バニハム
56.ゲレール
57.ペゲーロ
58.バース
59.ナットレン
60.ジョブ
61.ネオン
62.トルマリン
63.ジャック
64.バスタ
65.ヘクター
66.マイク
67.アンドラ
68.ベクター
69.ヘンリー
70.ナッシュ
71.バロナ
72.ジェンキンス
73.ロマーノ
74.ゴリリン
75.クソウブラ
76.ムシャキ
77.ベルリン
78.チャン
79.カミュリ
80.エンリュク
81.シコースキー
82.デストロイズ
83.マックイーン
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5名無しさん :2018/07/26(木) 22:36:59 ID:ielCPj1M0
舞台は「ネロスト公園」


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4 パラレルワールド・バトルロワイアル part3 (Res:519)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 4
1 ◆Z9iNYeY9a2 :2015/01/15(木) 22:08:08 ID:2Sa.PFa.0
『バトル・ロワイアル』パロディリレーSS企画『パラレルワールド・バトルロワイアル』のスレッドです。
企画上、グロテスクな表現、版権キャラクターの死亡などの要素が含まれております。
これらの要素が苦手な方は、くれぐれもご注意ください。

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1351176974/

【外部サイト】
パラレルワールド・バトルロワイアルまとめwiki
ttp://www45.atwiki.jp/pararowa/
パラレルワールド・バトルロワイアル専用したらば掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14757/

500Another Heaven/霞んでく星を探しながら ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:14:02 ID:aE9bk1Lg0

突撃を間一髪で避ける巧。しかしライダーは間髪入れず旋回して再突撃を放つ。
それを巧は、更に上空へと飛び上がることで回避。
追ってくるライダーを見つつ、桜が見えないだろう距離にまでたどり着いたことを確認した巧は、ブラスターを展開。

Blade Mode

フォトンブレイカーを起動させた巧は、それを前に構えた状態でライダーの突撃を敢えて受け止めた。
地に叩きつけんと天馬の全身を押し付けるライダー。対して巧はそれに抗わずに、逆に背部ユニットの噴射を進行方向に合わせる。

地面が迫ったところで、巧はブラスターの刃を戻し、咄嗟にコマンドを入力。

激突寸前でライダーは地面から逸れるように飛び、叩きつけられた巧の体は地をえぐり地煙を上げた。

その場所は、巨人よりは少し距離があり、桜には近い場所。
夜の闇と砂埃で視界がよく見えない中でゆっくりと立ち上がる影を見た桜は、瞬時に手のサファイアの刃を展開して突撃。

今度は近距離用の短剣ではない、人の身長ほどはあろうかという大剣ほどのサイズ。ブラスターファイズのエネルギーを警戒し距離を取って斬りかかるつもりなのだろう。
地面に叩きつけられた巧が無事ではないと判断しての、トドメの一撃を放つために迫り。

砂埃ごと、巧の体を斬りつけ。

「――ー!?」

しかしその刃は、直立したファイズの体にがっちりと捉えられていた。
肩を斬りつけた刃はそこで止まり、更に後ろに引こうにも手で押さえつけられて動かせない。

力を入れて引き抜こうとした瞬間、肩に備えられた小さな砲門がこちらを向いていることに気付き。

サファイアから手を放して後ろに下がった瞬間、桜の体を肩から放たれたブラッディキャノンが撃ち抜いた。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


501Another Heaven/霞んでく星を探しながら ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:15:06 ID:aE9bk1Lg0
溶け出した泥は6つに分かれ、やがてそれぞれが形を作り出していく。

一つは黒きバイザーを備えた鎧の女騎士。
一つは巨大な岩の斧を手にした大男。
一つは長槍を手にした細身の男。
一つはローブを纏い宙を浮遊する魔女。
一つは長刀を持った和服の侍。
そして最後の一つは、4メートルはあろうかという体を持った異形の巨人。

漆黒の影に染まった、6つの存在が10メートルはあった巨人の魔力を分割させることで生み出された。

全ては間桐桜がかつて取り込んだことがある者たち。

本来泥をこんな形で使うことができる技量は桜にはない。
しかし、今の桜は夢幻召喚によってあらゆる武器を操る術を備えている。そして桜にとってこの泥は武器の一つだ。
ライダーのカードを受肉させた経験の応用、泥を人の形の使い魔として操ることを、桜は学んだ。

そうして生まれたのは影の英霊・シャドウサーヴァントとでも呼ぶべき者たちだった。
黒化英霊と比較して尚もその力は衰えており、きっと宝具を使うことも叶わぬ者たちだろう。

だが、少なくともこれらは巨人と違い相手の攻撃を受け、避けてくれる。
形を明確に定めた影響か吸収能力は失っているが、どちらにしろブラスターファイズの攻撃を受け止められないならば構わない。

「もう、壊しちゃっていいですよ。皆さん」

桜の指示を受け、一斉に巧へと迫るシャドウサーヴァント達。

巨体に見合わぬほどの素早さで迫り斧を振り抜くバーサーカー。
地面を叩き砕く一撃を避けた巧を、バーサーカーの脇を抜けてきたランサーが迫り、長槍を突き出す。
辛うじて胸部の装甲で受け衝撃を減らした巧は後ろに跳び上がり宙へと逃走。
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502Another Heaven/霞んでく星を探しながら ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:15:29 ID:aE9bk1Lg0

「っ!」

影の巨人をも吹き飛ばした一撃が来る。
桜の判断もまた早かった。

離れた距離にいたランサーがその槍を投げ、更に離れた場所にいたキャスターが魔力弾を発射。
飛び上がった巧の体を槍と光弾が打ち付け、巧の体はバランスを崩して吹き飛んだ。

「は、あははは…!バカな人…、自分から武器を捨ててそんな…」

焦りを消そうと呟きながら、巧の捨てたブラスターを拾いに歩く桜。
トランク型に戻ったそれを手に取って武器として振るおうとするも。

「何これ」

拾った物体の、あまりにも武器からかけ離れた形状を見た桜の第一声がそれだった。

例えばの話。
桜が使用したベルトがデルタギアではなくカイザギア、あるいはファイズギアであったとすれば(使えるか否か、使うことへのリスクはこの際考えないとして)今の巧でも危なかったかもしれない。
ファイズギア、そしてファイズブラスターはキー入力によってそれぞれ求める攻撃を行う武器として使えるもの。
しかしキーが分からなければただの携帯電話、使い方の分からないオブジェでしかない。

巧が実際に剣として使っていた場面を視認したのは今の一度だけ。
その一度でこれを如何にして使うのかを確認することはできていない。
武器として認識できないものは、黒騎士の力をもってしても扱いきれるものではなかった。

加えて、今しがた桜はこれを使いこなせそうにないとも認識してしまった。

仕切り直すように桜はブラスターを再度放り、巧の方を向く。
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503Another Heaven/霞んでく星を探しながら ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:15:50 ID:aE9bk1Lg0

既に何体かのシャドウサーヴァントを倒すことはできた。
しかし倒した端からまた泥は時間を置いて修復され、元の形を取り戻していく。

巧は戦っていくうちにこの影の英霊達に対して、ある程度の強さの法則が見えてきていた。

例えば、今巧の目の前で長槍を振るう槍兵。
速さは巧の目で追うのがやっとというほどであり、更に離れての射撃が一切命中しない。回避できないよう足払いして打ち込んだブラッディキャノンが外れていくのだ。
しかし一撃一撃にはそこまでの力はない。急所や装甲の薄い場所さえ当たらせなければ受け切ることができる。

槍を胴の装甲で受け止め、腕でがっちりと抑えた後で力を込めて殴り、肘打ち、膝蹴りを叩き込んだところで体が砕け泥へと戻っていく。


その後ろから攻め込んできた巨腕の大男、バーサーカー。
これは先に一度相まみえたことがある存在。しかしそれと比べれば大きく強さは劣化しているものだ。
見かけによらず速く、力強い。劣化しているとはいえ受ければただでは済まない腕力だ。だがランサーのように飛び道具に対し特別な耐性を持ってはいない様子。
ブラスターを構え、光弾を発射すると吹き飛ばされていく。

吹き飛ぶバーサーカーの後ろに見えたのは巨大な魔法陣。
キャスターは接近をこなす技量がない様子で、常に距離を取って他の使い魔達のサポートに回っている。今構えている陣も巨大な砲撃を行う準備なのだろう。
遠距離戦には通じているのか、砲撃は防御陣で防がれることが多い。

だからこそ巧は構えたブラスターから射出された赤い刃で斬りつける。
魔法陣ごと魔術師の体は切り裂かれ、その体は消失していく。


不意に背後に気配を感じた巧は咄嗟に振り返って腕をかざす。

たなびく紫の長髪が視界に映り、腕に当たった刃が火花を散らした。

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504Another Heaven/霞んでく星を探しながら ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:16:12 ID:aE9bk1Lg0







「何…?!」

変化は急だった。

キャスターが空から援護射撃を放つと同時に、その合間を縫ってランサーが槍を突き出す。
射線から離れながら槍を受け止める巧だが、その背後からセイバーの剣戟が振り抜かれる。
対応しようにもランサーの連撃を受け止めることが精一杯で、間に合わぬままセイバーの一撃をまともに受けてしまう。
更にはひるんだ隙をついてランサーの鋭く、素早い突きが巧の全身を突く。
後ろからは繰り出されるセイバーの剣、そして前はランサーの槍。そして空からはキャスターの援護射撃。
横に飛び退き避けようとしたところで、影の中から飛び出したワイヤーとその先端につけられたナイフが視界に映る。
腕や足など受けきれなかった箇所に衝撃を感じつつもバックユニットからの飛翔で後退、一同から距離を取った。


離れて周囲を見回し状況を確かめる巧。
さっきまでと比べて、明らかに動きが違う上に一度に動いてくる敵も増えており、連携も取れているように思う。

「…おい、何でだ?」
『……、もしマルチタスクが可能であるならば理論上は可能です。しかし、英霊の力を借りているとはいえこれだけの挙動を一度に扱い切ることは…。
 乾様、少し急ぐべきかもしれません。桜様は、自身の負荷を度外視して能力を行使している可能性があります』
「そうは言っても、なあ!!」

と、振るわれた刀を受け、更に後ろからライダーの飛び蹴りを拳で受け止め。
バーサーカーに放り投げられる形でこちらへと飛び込む桜の、その手の巨斧をブラスターの刃で受け止める。
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505Another Heaven/霞んでく星を探しながら ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:16:28 ID:aE9bk1Lg0

と、巧の手元を飛んでいくサファイア。

「またあなたですか。何度も何度も出てきて、すごく目障りで癇に障ります」
「桜さん、もう止めてください。これ以上、みんなを傷つけるのは――」

言葉の終わらぬイリヤへと、影の帯を飛ばして捕らえようとする桜。
それをイリヤは、不意を突かれる形になりながらもどうにか避ける。

その行動にやはり戦うしかないと迷う気持ちを払ったイリヤは地に降りて手元のカードをかざす。

「夢幻召喚!!」

光に包まれたイリヤの体を包む衣装が、桃色の魔法少女服からフードを被った黒いセーターのようなものに変化する。
その頭には二つ、髑髏状の仮面が張り付いている。

「その格好……、似た人を知ってますよ。こそこそ隠れまわる蟲みたいに鬱陶しいサーヴァント…」

小さな短刀を構えながら、アサシンのクラスカードの力を得たイリヤは周囲を改めて見回す。

見覚えのある姿をした影たちとかつて戦った黒化英霊の一人、そして見たことのない巨人が一体。

『乾さん、この格好戦闘力に少し難があるので、可能であればサポートをお願いします』
「一人よりはそりゃマシだけど、ただお前、大丈夫なのか?」
「……」

その大丈夫かというニュアンスにどういう意味が込められていると受け取ったのか、イリヤの返答はなかった。

『乾さん、お願いします』
「…ああ、分かったよ」
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506kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:17:34 ID:aE9bk1Lg0
ランサーとアサシンが先導を取り、その後ろからセイバーが追いかけ、宙を舞うキャスターが魔法陣を展開し始める。

その中で、イリヤはランサーの攻撃を素早い身のこなしで避けていく。
槍の軌道を読み、突きを顔をそらして避け、振るわれた槍は身をかがめて回避。
そこからリーチ内に入ったことで振るわれたアサシンの刀は短剣の投擲で軌道をそらし、外した隙に地を蹴る。

背を向けた無防備な状態のイリヤを斬りつけようとしたアサシンの体は、その後ろから放たれた赤い光弾によって吹き飛ばされる。
間髪入れず、イリヤの背後で槍を構えるランサーの足元を、巧がブラスターで撃ち抜きその動きを止めた。
振り向いたランサーに向けてブレイカーモードの刃で斬りつけ足止めを図る。

そのままイリヤは突っ込んでいく中で、目の前に立ち塞がる騎士と大男の姿を見た。

(セイバー…、バーサーカー…!)

この殺し合いの場でも出会った二人。しかしその姿には命を感じない。
これはまるで操り人形のように淡々とこちらへの殺意を向けるだけの存在。
あの二人に比べても力は劣化しているとはいえアサシンの能力で相手にできる存在ではない。

瘴気を纏った大剣による横薙ぎを跳んで避ける。
しかしその跳んでいる状態のところに追撃をかけるバーサーカーの一撃を避けることができず、イリヤの体は吹き飛ばされる。

地面に転がった小さな体は、そのまま動かなくなったと同時に消失。
妄想幻像によって生み出された分身を身代わりに、本物のイリヤは既にバーサーカーの背後に着地しそのまま駆け抜けている。

キャスターが宙から幾つもの光弾が放たれ地面を穿つもそれらを避けて走るイリヤの目前に現れたのは巨大な刀を構えた巨人。
マークネモの振り下ろした刀を横に回り込んで回避、次いで放たれた頭髪に結び付けられた多数の刃、ブロンドナイフを縦横無尽に走り回って避ける。

しかしその巨体を足蹴に飛び越えていこうと跳んだところでブロンドナイフの軌道が変わり、地面に刺さっていたはずの刃がイリヤへと向かう。
殺気に振り返ったイリヤの体が刃に貫かれ―――その体はバーサーカーに吹き飛ばされた時と同じく消失した。

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507kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:18:12 ID:aE9bk1Lg0

ルビーの懸念の声も最もだ。
以前戦った際はイリヤ自身が戦闘経験の少なさ故に圧されたとはいえ、ここまで機敏に、積極的に接近戦を仕掛けてくる敵だっただろうか。

『おそらく、ですが。士郎様がセイバーのクラス、イリヤ様がバーサーカーのクラスのサーヴァントのマスターであったとして。
 ライダーのマスターはもしかすると』

前を向くと、纏った鎧の音を鳴らしながらこちらへと歩み寄る桜の姿。

『なるほど…、偶然か運命か、かつて従えたサーヴァントを受肉させパスを繋げたことで、その魔力相性がかつての黒化英霊以上の戦闘力を発揮するに至っているかもしれないと』

ライダーが鎖を解くと同時、桜の拳がイリヤへと迫る。
腕で防御の態勢を取り防ぐも、基本能力の違いからか守りきれず大きく吹き飛ばされる。

痺れる腕で短刀を投げるも、桜は難なくそれを受け止め、逆に自身の武器のように構える。

『いけません!武器を手放しては桜さんの手数を増やすだけです!』
「…っ」

迫る桜の振るう短刀。
受け止めるも、同じ武器を使っているはずなのに全く受けきれない。
まるで長年の愛刀であるかのように器用にこちらへと斬りつけてくる。

どうにか急所を斬られることだけは防ぎ続けるが、腕や脚、脇腹に幾つもの切り傷がつけられていく分までは対応できない。

後ろに下がって距離を取り、再度桜の様子を確認するイリヤ。
対してゆっくりと体を起こしながらイリヤの方を見る桜。

共に息が荒く、肩で呼吸をしている。

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508kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:18:52 ID:aE9bk1Lg0
イリヤの脳裏に浮かんだのは、もう一つの世界でホムンクルスとして生まれ生かされ続けた自分の姿。
あれと同じ業を背負わされて生きてきたのが桜なのかもしれない。

『イリヤさん!!』

動きが鈍った隙を逃さず、桜の突き出した短刀はイリヤの心臓を捉えていた。
しかし貫かれたイリヤの体は黒い煙になって霧散。

『イリヤさんしっかりしてください!今のやつは危なかったですよ!!』
「ご、ごめんルビー…!」

気を取り直して桜の元を向こうとして、横から飛来する鎖の音に咄嗟に飛び退く。
桜の横でライダーも主を守るように動き始めていた。

「分からないですよね、あなたには。だってあなた、とても幸せそうなんですもの」

鎖が投げられると同時に桜が動き、短刀を突き付ける。
身を翻して避けたところで今度は桜は鎖を掴み振り回す。その鎖を掴んでいたライダーの体がこちらへと迫る。
遠心力に合わせた蹴りがイリヤの体を捉え吹き飛ばす。

「がはっ…」

地面をもんどり打って飛ばされたイリヤの体からカードが弾き出される。

『いけません!ダメージを受けすぎました!』
「イリヤ?!くそっ、邪魔だお前ら!」

地面に転がったイリヤを見た巧は近寄ろうとするも、シャドウサーヴァント達を振り切ることができず身動きが取れない。

「もしかしたら本当に、あなたはただの人として生きてきただけなのかもしれない。
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509kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:19:20 ID:aE9bk1Lg0


『イリヤさん!迎撃を!!あの武器たぶん宝具です!!』
「…っ」

振り返ったイリヤの目には、ライダーの駆るペガサスに跨りこちらへと一直線に迫る桜の姿。
その手に構えられている剣は青白く輝いている。

「―…砲撃(フォイア)!!」

急ぎルビーから魔力砲を放つも、ペガサスに当たる前に消滅。黒化英霊による劣化品とはいえ現状のイリヤの魔力ではペガサスを怯ませることすらできない。

「―――ー縛鎖全断(アロンダイト)」

目の前に迫り宝具の真名を唱える桜。
刀身に魔力の輝きが溢れる。セイバーの聖剣を抜いた時の光に似ているが、それを距離をつけて振り抜く気配はない。
おそらくはあの魔力を刃として斬りつけるつもりなのだろう。

『姉さん、障壁を!!』
『え、はい、イリヤさん!!』

サファイアの声に反応したルビー、イリヤが障壁を展開。
星型の魔力壁が前面に現れる。しかし宝具を受けるものとしてはあまりにも頼りない。

目の前に迫った光を前に、思わず目をつぶったイリヤ。
その時、体が何かに押された。


「過重湖光(オーバーロード)―――!!!」

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510kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:19:35 ID:aE9bk1Lg0

泥の中に落ちたイリヤは、闇の中を蹲って漂っていた。

本来ならすぐさま消化されるものだがそれが成されないのは桜自身が敢えて嬲るために生かしているのか、あるいはイリヤの持つ特性ゆえか。
しかし生かされたとしてもどうしようもなかった。

体から少しずつ力が奪われていく感覚。
周囲を覆う闇の中から響く憎悪のような声。

(私は…どうすればよかったの…?)

何も知らなかった。知らされなかったから。
助けたいと思ったのは真実だ。衛宮士郎のことを置いても、それがイリヤがイリヤたる思いなのだから。

だけど向き合ってしまうと、まるで自分の人生そのものに対して楔を打たれたかのような感覚に包まれていく。

この泥が、ある意味では自分が背負うべきものだということを知っている。
それを背負わされた少女と、果たしてどう向き合うべきなのか。

(分からないよ…)

それはこれまでの10年と少しをただ普通に生きてきたイリヤには重すぎるものだ。

―――だったら諦める?

誰かが囁く声が頭に響く。

諦める。それも選択肢なのかもしれない。
ここで死んでしまえば、きっとこの泥の呪いも、背負うはずだった宿命も、その苦しみも全てなかったことにできるだろう。

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511kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:20:03 ID:aE9bk1Lg0
「分かってんじゃないの、イリヤ」

そこに聞こえたのは、もう二度と聞くことがないと思っていた声で。
もう二度と見ることのない顔。

鏡写しになったように自分と同じ形をした顔、しかし褐色の肌を持ったその少女は。

「く、クロ…?!」

クロエ・フォン・アインツベルン。
既に命を落としたはずの、自身の片割れの存在。

「ど、どうして?!」
「私だって驚いてんだけどね。まさかまたこうして出てこられるなんて。
 だけど強いて言うなら、最期にあんたの幸せを祈った一人の少女の願いが起こした奇跡、ってところかしら」

と、クロが手につまんだ一枚の羽。
見覚えはあった。長田結花、クレインオルフェノクの羽。美遊が最期に彼女が残したものと言っていた。

「たぶん美遊が最期に願いを込めた結果、ほんの少しの魔力がこれに宿っていたみたいね。
 私の人格ももうカードから表出することはないはずだったんだけど、少しだけ、こうやって顔を出せたってわけ」
「それじゃあ、クロは…」
「これが最後。魔力が尽きたら消えるわ。イリヤの中に還って、ね」
「…!」

再会に喜ぶ間もなかった。
それではこうして会えた妹は、まるで自分に別れを告げるためだけに現れたみたいだ。

「どさくさで妹とか言わないでくれるかしら。
 と、そんなことを言ってる場合じゃないわね」
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512kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:20:20 ID:aE9bk1Lg0
「じゃあ言い方を変えるわ。あんたがそういう生き方をすることを願った人がいるはずよ。誰だと思う?」
「願った、人…」

アインツベルンの家からイリヤを連れ出し。その宿業から解放し。
ただごく普通の、幸せあれと願った人。

「もしかして…、ママと、お父さん?」

母親と父親。アイリスフィール・フォン・アインツベルンと衛宮切嗣。

「分かってんじゃないの」

クロはその答えを聞いて、畳み掛けるように紡ぐ。

「あんたの幸せは、あんた一人のものじゃない。ママやパパがそうあってほしいって願って戦って、その果てに掴み取ったものなの。
 それを否定するってことは、二人の戦いも否定することと同じよ」

ある時見た、封じられたクロの記憶。あれが二人が決意した時の光景なのだとしたら。
そして、クロは知っている。二人がどんな思いで自分の力を封じて、ただの”イリヤ”として生きてこさせたのか。

「これはパパとママのことだけじゃないわ。あんたと一緒に戦った人やあんたを守った人たち、その思い全部が今のイリヤ、あんたなのよ」
「………」
「それは誇るものでこそあれ、後ろめたいなんて思う必要なんてないの。
 だから、もっと胸を張りなさい。私はこんなに幸せなんだって、色んな人に守られて生きてきたんだって」

その言葉に、イリヤは自分を縛っていた一つの鎖が解き放たれたように感じた。
心に引っかかっていたものが取れ、それまで見えなかったものが見え始めた。

「そしたら、もう、後は分かってるわね」
「――――うん」
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513kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:20:59 ID:aE9bk1Lg0


ランサーを切り伏せ、アサシンの刀を受け止めた後刀を掴み動きを封じ中断蹴りを叩き込んで粉砕する。

「おい、イリヤはどこだ?!」

巨人が分かれたシャドウサーヴァント達。この中のどれかにイリヤがいる。
そう言ったのは墜落後咄嗟に拾い上げたルビーだった。

『分かりません!詳しく探知をしようにも泥のせいでジャミングが――でもイリヤさんは確かにまだ生きています!』
「くそっ!」

言いながら桜の方を見た巧。
操るシャドウサーヴァントの数は先程と比べて大きく増えている。常にほとんどの敵が動いている状態だ。

加えて。

「…っ!!」

突き出された魔力の刃を受け止める巧。
宝具によって斬りつけられたサファイアを拾ったのが桜だった。
解放された宝具のダメージは魔法使いによって作られた礼装といえども堪えたのか、サファイアはしゃべることも反抗する様子もない。

『サファイアちゃんを離しなさい!』
「五月蝿いですね。あなたもすぐ主と同じ場所に送ってあげますよ」

と、巧の背後から巨斧を振りかざすバーサーカーの姿をルビーは探知。
ランサーやアサシンの攻撃と比べれば避けやすいとはいえ、直撃すればブラスターファイズとて無事で済む攻撃ではない。
しかし桜に対応する巧は、背後のバーサーカーの対処が追いつかない。

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514kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:21:21 ID:aE9bk1Lg0

怒るイリヤの連撃。動揺しつつもその剣を受ける桜。
技量は決して劣ってはいない。むしろそれだけなら今の桜の方が上だろう。
なのに、返しの一撃を打つことができない。

「それを言ったら、友達を殺された私はあなたを許せないし!!
 いっぱい殺したんだったら先にすることあるでしょ!!
 なのにあなたは死にたいとか叱ってほしかったとかそればっかり!!」
「あなたに何がっ…!!」

逆上した桜は、攻撃を篭手の部分で受ける。
返す暇を与えることなく手に持った干将を引き、そのまま武器の主導権ごと奪い取る。
しかし奮った剣はイリヤに当たることなく。

見失ったイリヤの姿を桜が確認した時には、イリヤは高く跳び上がり矢を構え桜へと狙いを定めていた。
射出用に変形させた莫耶が桜へと向けて射出。しかし桜は着弾する寸前でその矢を受け止める。

間一髪で矢の主導権をも奪えたことに安堵した桜。
故に宙からすぐ横に転移したイリヤに気づくのが遅れる。

攻撃を警戒したが、一瞬の交錯の後イリヤはこちらから離れていく。
刹那の困惑の後、その手に握られているものの存在を見た瞬間、イリヤの狙いを桜は悟る。

「サファイア、大丈夫?!」
『い、イリヤ様…。私は大丈夫です』
「…少し、無理をさせるかもしれないけど、大丈夫?」
『――――、大丈夫です。私のことはお気になさらず!』

奪取したサファイアの声の弱々しさを見たイリヤは念の為の確認の呼びかけを行うと、サファイアは調子を取り戻したように声を出す。

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515kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:21:58 ID:aE9bk1Lg0
―――彼女は自分の意志で道を選び、それに対し真っ直ぐに進み続ける強さを持っている子だ
―――もし彼女が自らの意志で自身の運命に立ち向かい戦う意志を持ってあなたと共に立った時、彼女を共に戦う戦士として見てあげて欲しい。
   守るべき存在ではなく、背を預けて戦う仲間として。


巧の脳裏に、セイバーに言われた言葉が脳裏を過り。
そして、言葉の意味を今ようやく実感を持って理解した。

「ぶん殴って謝らせる、か」

それは自分には出せなかった答えだと思う。
背負う覚悟だけで自分の中で完結させていたが故に、桜自身の問題が見えていなかった。木場の時と同じだった。
間桐桜と向き合うにはそれだけでは足りなかったのかもしれない。

だけど、自分でもいきなり変わることはできないとしても。
わがままな少女には、更にわがままな少女の強いエゴをぶつける。
そんなことができる少女なら、あるいは。

「なら、やってみろイリヤ」

巧は地上の影の使い魔達を一瞥する。
彼らもただ見ているだけではない。隙さえあれば空の桜を援護しようと構え、あるいは飛ぼう、跳ぼうとするものもいる。

「お前の背中は、俺が守ってやっからよ!!」

そんな使い魔たちに向け、巧もまたファイズブラスターを構えた。




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516kaleidscope/涙も痛みも運命さえも超えて ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:22:14 ID:aE9bk1Lg0


【C-4/緑地地域/一日目 真夜中】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:疲労(中)、胸に打撲(小)、決意、ツヴァイフォーム変身中、クロ帰還による魔力総量増大
[装備]:カレイドステッキ(ルビー&サファイア(サファイア損傷中))@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:クラスカード(キャスター(使用時間制限))(ランサー(使用制限中))(アサシン(使用制限中))(アーチャー(使用制限中))@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、
    破戒すべき全ての符(投影)
[思考・状況]
基本:皆と共に絶対に帰る
0:桜をぶん殴る
1:その後桜を謝らせる。だから絶対に死なせない。
[備考]
※2wei!三巻終了後より参戦
※ミュウツーのテレパシーを通して、バーサーカーの記憶からFate/stay night本編の自分のことを知識として知りました。



【乾巧@仮面ライダー555】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)、決意、ファイズ・ブラスターフォーム変身中
[装備]:ファイズギア+各ツール一式@仮面ライダー555 、ファイズブラスター@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品
[思考・状況]
基本:ファイズとして、生きて戦い続ける
1:間桐桜を助けるために、イリヤの支援
[備考]
※参戦時期は36話~38話の時期です
※遊園地メンバー、イリヤ、さやかと一通りの情報交換を行いました。
※黒騎士の能力をセイバー経由で把握しました

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517 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/07/20(金) 23:22:30 ID:aE9bk1Lg0
投下終了します


518名無しさん :2018/07/20(金) 23:54:06 ID:Dvjm5l.M0
投下乙です!
たっくんもイリヤも皆格好良いなぁ
特に色んなもやもやをクロとの会話で乗り越えていつもの調子を取り戻すイリヤはグッとくる
そんで桜もこれ以上戦ったら後遺症か最悪死亡って……頼む!いい加減ハッピーエンドを見せてくれ!


519名無しさん :2018/07/24(火) 16:27:37 ID:fXz.h.ic0
投下乙
イリヤとたっくんの主人公ムーブすき


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5 平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ4 (Res:584)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 5
1名無しさん :2018/01/27(土) 23:20:27 ID:fRys9cx60
当スレッドはTV放映された
平成仮面ライダーシリーズを題材とした、バトルロワイヤル企画スレです。
注意点として、バトルロワイアルという性質上
登場人物が死亡・敗北する、または残酷な描写が多数演出されます。
また、原作のネタバレも多く出ます。
閲覧の際は、その点をご理解の上でよろしくお願いします。


当ロワの信条は、初心者大歓迎。
執筆の条件は、仮面ライダーへの愛です。
荒らし・煽りは徹底的にスルー。

565忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:33:55 ID:8TZGAhKw0

 そして、中身を見てすぐに、翔太郎の瞳は見開かれる。
 デイパックの最も上、手に取りやすい部分に丁寧に収められた、見覚えのあるドライバーを視認したために。





 ——数十分の後。
 処置を終え、手袋とマスクを外しながら手術室より出た名護を待っていたのは、張り詰めた表情を浮かべた三人の仲間であった。
 
 「お疲れ様です、名護さん。あの人は……」

 我先にと駆け寄り水を渡しながら問うたのは、翔一だった。
 総司も翔太郎もその答えを待っているようで、思わずといった様子で立ち上がっている。
 彼らに返事をするより早く、礼と共に、まず生命の実感そのものとすら言えるほどうまい水を飲み干して、名護は強くうなずき、笑顔を浮かべた。

 それを受け三人もまた安堵の表情を浮かべ、一斉に名護に駆け寄る。

 「凄いよ名護さん!本当に何でも出来るんだね!」

 「ありがとう総司くん。勿論完璧ではないが、今できる最善は尽くせたはずだ」

 「状態としては、どうなんですか?」

 「傷は塞いだが、ここに来るまでの出血が激しくてな。
これから適当な病室にでも運んで輸液……つまり点滴を打ち血圧の低下や栄養失調などを防ぐつもりだが、今のところは本人の頑張り次第としか言いようがない」

 極めて冷静に、名護は言葉を重ねていく。
 人の命が次々と失われていくこの状況で、自分の手によって誰かの命を救えた。
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566忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:34:13 ID:8TZGAhKw0

 「そうだな、俺も、必死だったのかもしれない。
 さっきの自分のミスを、なくそうとして……」

 「ミス?」

 思わず吐露した自分の感情に対し反応したのは、総司である。
 それにどこか悔いるように歯噛みしながら、しかし名護は続けた。

 「あぁ、放送が終わり、参加者の情報を纏めた後……気づいたら俺は突然公園にいたんだ。
 この状況に対するストレスが原因かもしれないが、理由もなく君たちを置いてこの場を後にするなど、戦士として許されないことだ。
 君たちが無事でいてくれたからよかったものの、一歩間違えば取り返しのつかないことになっていても仕方なかった、本当にすまない」

 その言葉を聞いて、名護以外の三人は一斉に顔を見合わせる。
 つまりは名護の中で、放送後に一人でこの場を後にしたのは『理由のないこと』として記憶されているのだ。
 この時点でもう結論を下してもよかったが……しかし翔太郎は再度口を開く。

 「……いや、いいさ。あんたの言う通りこうして俺たちはみんな生きてるわけだしな。
 それより、総司から聞いたぜ。ダグバと戦った時に加勢してくれたあの黒い仮面ライダー、キバットの力で変身した奴らしいな」

 「あぁその通りだ。元の世界ではファンガイアのキングである登太牙くんが管理する鎧……世界を滅ぼす力を持つとすら言われるその力を、彼が適当な人物に渡すとも思えないが」

 「その鎧を扱える資格を持ってるやつに、心当たりはないってことでいいんだよな、名護さん」

 「あぁ、残念ながらそうだ。なにせもう、俺の世界からの参加者で少なくとも“俺が知っている人物はいない“からな」

 名護からすれば、ただ確認すべき事実を呟いただけにすぎないのだろう、さりげなさすぎるその発言に、彼らは息をのんだ。
 だが、黙って居られる状態ではない。
 例え彼がどれだけこの事実にショックを受けようと……もう、黙って居られる理由は存在しないのだ。

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567忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:34:29 ID:8TZGAhKw0

 「名護さん、大丈夫かな……」

 「心配すんな、翔一がついてんだ。名護さんには心配いらねぇよ」

 「そうだね……」

 翔太郎の言葉は、決して気休めではない。
 ワームである自分の体と、人間である自分の精神のギャップに苦しんでいた間宮麗奈。
 彼女の心さえ溶かし再び仲間として迎え入れることの出来た彼を、翔太郎は一人間として尊敬していた。

 人は悩んでいるとき、理詰めで言葉を重ねるより翔一のように素直な感情で話の出来る存在を望む。
下手を打てば相手を逆上させる可能性さえ孕んでいたが……、しかし翔一と名護の二人ならば大丈夫だろうと彼は判断したのである。

 「にしても、記憶を消しちまうなんてな……。
もし渡が自分で消したんだとしたら、残酷すぎるぜ」

 「そんなに、記憶って大事なもの?」

 「当たり前だろ。記憶ってのは今までの自分の積み重ねだ。
 良い思い出も嫌な思い出も、全部ひっくるめて自分なんだ。
自分の記憶はもちろん、他人から見た自分の記憶も……どれだってなくしちゃならねぇ、大切な生きた証さ」

 言いながら翔太郎は、ある一人の女性を思いだす。
 須藤雪絵。かつてガイアメモリ犯罪に関与した、園咲……いや須藤霧彦の妹である。
 彼女は兄である霧彦を殺したミュージアムを、特に彼の妻でありながら彼に対し直接手を下した園咲冴子を憎悪し、忌むべきメモリに手を染めてまで復讐を図った。

 だが、彼女の末路は悲惨なものだった。
 復讐は失敗し、その報いとして永遠に昨日を繰り返させるイエスタデイのメモリを暴走させられ自我を失った彼女は、メモリブレイクを経てもなお記憶を失い廃人と化してしまった。
 皮肉にも、『昨日』の記憶を抱いてそれを取り戻すため戦った彼女はメモリブレイクによって、全ての『昨日』を失ったのである。
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568忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:34:45 ID:8TZGAhKw0

 「別にいいよ、翔太郎が悪いわけじゃないし」

 「……悪い」

 翔太郎の謝罪を最後に訪れた、気まずい空気。
 だがそれを気にすることもなく、どこかマイペースに総司は天井を見上げた。

「でも、そっかぁ。
 僕にもお母さんやお父さんがいるんだよね……」

 自分にとっては最早思い出せない、ネイティブになる前の自分の姿や記憶。
だがこうして名簿に載っている、自分にとっては身に覚えのない自分の名前を、必死で考えて、そして愛し育ててくれた人が、自分にもいる。
 当たり前のはずではあるが今の今まで決して当然ではなかったその存在が自分にもいることを自覚して、総司は初めて記憶を失う前の自分について知りたいと思った。

 「ねぇ、翔太郎のお父さんとお母さんはどんな人なの?」

 「俺の親か……まぁ、普通の親さ。
 最も、俺は小さい頃から風都の至るところに入り浸ってた悪ガキだったし、おやっさんと出会ってからは殆どおやっさんが親父代わりみたいなもんだったから、あっちからは親不孝息子って思われてるかもしれねぇけどな……」

 「そうなんだ……。僕も、お父さんやお母さんに親不孝だと思われてるのかな……。
 それに、こんなに見た目が変わっちゃったら、お父さんたちも、僕が誰だか分からないかも……」

 どことなく察していたものではあるが、不定期な仕事の入る探偵の仕事に幼少より憧れていた翔太郎の親との関係は、完全な良好とは言い難いもののようだった。
 だから、よぎってしまう。
 自分がネイティブになったのは、もしかしたら父や母に疎まれて売られた結果なのではないかと。

 だがそうして否定的な思考に陥りかけた総司の肩を叩いたのは、やはり翔太郎だった。

 「なぁ、お前の親がどんな人かなんて、俺にはわからねぇ。
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569忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:35:03 ID:8TZGAhKw0

 「ねぇ、翔太郎。一つだけ、お願いがあるんだけど」

 「あん?」

 「ブレイバックルを、少しの間だけ貸してくれないかな?」

 どこか申し訳なさそうに、しかし我慢するつもりなど感じさせないような勢いで総司は言う。
 それを借りて彼が何をやりたいのかは大体察することが出来たが、翔太郎には反対するような理由も存在しなかった。

 「構わねぇさ。さっきも言ったが、俺はこいつを拾っただけだからな。
 俺に独占するような資格なんて元からありゃしねぇ」

 言いながら渡されたブレイバックルとラウズカードを受け取って、総司は頬を綻ばせる。
 ありがとう、とだけ残して廊下を走っていった彼の背中を見やりながら、翔太郎も立ち上がり、仕切りなおすように帽子をかぶりなおす。
 さて、そんじゃ、俺は俺でやりたいことをやらせてもらうか。

 決意を新たに、翔太郎もまた一人総司が向かったのとは逆の廊下に向けて歩き出した。


 ◆


 ガチャリ、とドアが開く音と共に、総司は一人適当な部屋に入った。
 必要もないとは思うが一応気配と鏡を確認し、不意打ちの心配を拭ってから部屋に置かれた机にブレイバックルを静かに置く。
そうして少し机から離れて……ゆっくりと息を吸い込んで総司は手を合わせた。

 合掌。
 意味はもちろん、このバックルの元の持ち主の冥福を祈るためだ。
 自分がこれをする資格はないのかもしれない、遺体ではなく遺物にする時点で、ただの自己満足にすぎないのかもしれない。
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570忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:35:28 ID:8TZGAhKw0

 闇のキバの鎧を装着する登太牙についてもそうだ、彼の人格や信用できるという情報は浮かんでくるのに、何故知り合ったのか、何故彼と自分に繋がりがあるのかがわからない。
 それを理解し、同時に拭いきれない頭の霞みがかった思考について納得がいってしまったその瞬間に、名護は自分に対しての信頼がおけなくなってしまった。
 紅音也との出会いで自分が決して完璧ではなく間違うこともあるということを知ったことと、あまりにも作為的な記憶の消失に対する甘受が出来るかということは、全くの別問題だったのである。

 「名護さん」

 どうしようもない苛立ちを抱えただ夜風に身を晒し続けていた名護に向けて、後方より声が響く。
 どことなく間の抜けたそれに振り返れば、柔和な笑顔を浮かべ両手にそれぞれ何らかの液体が入った紙コップを携えた翔一の姿があった。

 「……翔一君か、体調は大丈夫なのか?
突然倒れたと聞いたが」

 「はい、全然大丈夫です、見ての通りピンピンしてます。
 あ、それより、よければこれ、飲みませんか?考え事をするときは、温かいお茶が一番です」

 「ありがとう」

 短く返し、一応彼から紙コップを受け取りこそしたものの、名護はそれに口をつけることはしない。
今となっては、全ての飲食物が味のしない無味無臭なものにすら思えたから。

 とは言えそれも翔一にとっては想定の範囲内だったのか、特に気にする様子もなく名護の横に立ち、続けた。

 「……記憶がないって、苦しいですよね。
 俺と名護さんじゃ症状は色々違うみたいですけど、俺も一応、結構長いこと記憶喪失だったんで、よくわかります」

 「そういえば、津上翔一という名前は記憶喪失中に名乗っていた別人の名前、だったか」

 「えぇ、まぁ。でももうどっちでもいいんです。
 正直、俺も津上、とか翔一くんって呼ばれるの、慣れちゃいましたし」
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571忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:35:46 ID:8TZGAhKw0

 「……それだけの理由で?」

 「はい。本当に、これだけです」

 へへへ、と髪を掻きながら照れたように笑う翔一を見て、名護はいきなり話に置いて行かれたような感覚を受けた。
 先ほどまでの話の重さと、彼が抱いていた不安に同意が出来た分だけ、そこからの立ち直り方の唐突にすら感じる語り口に驚いたのである。
 結局は、大事なのは時間の経過を待つことだけだということか、とどことなく失望した気持ちで再び目を伏せた名護に対し、しかし翔一は再度口を開いた。

 「……けどその時、思ったんです。
 この青い空や太陽を見て『生きてるっていいな』って思える俺は、きっと記憶を失う前も同じものを見たら同じことを思ってたはずだって。
 きっと前の俺も、あの時の俺が思ったような悪い人じゃなかったんじゃないかって。
 だから、俺は悩むのをやめられたんです。……自分を信じられたんです。
 まぁ実際、こんな性格だったわけなんですけど」

 へへへと笑いながら放たれた翔一のその言葉を聞いて、名護は頭を強く殴りつけられたような錯覚を受けた。
 今の自分も、記憶を失う前の自分も、自分は自分。
 目の前の細々とした障害に阻まれて見えなくなりかけていた、自分が見失ってはいけない本質。

 それを今、改めて目の前に突き出された心地だった。
 目が覚めたような表情で再度思考を巡らせ始めた名護を前に、これ以上の言葉は不必要だと感じたか、翔一はただ一言「ここ寒いですね」とわざとらしく両腕を摩りながらその場を後にしようとする。

 「待ってくれ翔一君」

 「……はい?」

 「心遣い、感謝する。
 このお茶も。実に美味しい」

 「そうですか、そういってもらえて、嬉しいです」
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572忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:36:05 ID:8TZGAhKw0


 ◆


 ——目を覚ますと、そこにあったのは見覚えのない白い天井だった。
 最初は行きつけの関東医大病院の病室かと思い再び目を瞑ろうかと思ったが、しかしすぐに頭を振ってそれを否定する。
 瞬間、彼の脳裏に今までの全てがフラッシュバックするかのように襲い掛かったため。

 突如宣言された殺し合い、殉職してしまった別世界の同業、もう一人のクウガ、凄まじき戦士、そして、炎。

 「ハァッ、ハァッ!」

 パニックを起こしたように荒く呼吸を繰り返し、痛む体を押して何とか上体を起き上がらせようとする。
 が、それは叶わない。
 点滴で腕の自由が利かなかったから、も理由の一つだが、それ以上に急激な心拍の上昇に体が追い付かず、強い頭痛を引き起こしたのだ。

 「——やめといた方がいいぜ。
 折角助かった命なんだ、無理すんな、一条さんよ」

 しかし、そうして再び無様にベッドに寝そべるはめになった彼……、一条の下に、新しい声が降ってくる。
 チラと病室の入り口を見れば、今入ってきたらしい帽子を被った怪しげな男が立っていた。
 悪い人間には見えないが、仲間と判断していいのだろうか?

 瞬間生まれた疑問のために一条が声をかけるタイミングを失ってしまったことに気付いたのか、帽子の男は自分から一歩、一条の下へと歩み寄る。

 「……あぁ、警戒させちまって悪いな。
 ここはD-1エリアの病院だ。
ここにいるのは俺と、あんたをここに連れてきた名護さん‥…名護啓介、それから津上翔一。
それと、あー、まぁ事情と本名は後で話すが天道総司、その四人だ」
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573忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:36:22 ID:8TZGAhKw0

 その翔太郎の言葉を聞いて気まずいような救われたような複雑な表情を浮かべたまま、一条は再度ベッドに横たわり、暗い表情を崩すことなく再度俯いた。

 「ありがとうございます。
 ……しかし、私はやはり無力です。
 照井警視長、京介君に小沢さん……私がもっと強ければ、彼らのことも、救えていたかもしれないんです……!」

 声を震わせ涙すら目に浮かべて自分の及ばなさを後悔する一条。
 その姿に何か思うところでもあるのか、数秒の思考の後、翔太郎は再び切り出した。

 「……強くなりたいか?」

 「——はい」

 思わず問われた言葉の意味を理解できず一瞬思考を停止させた一条はしかし、次の瞬間には考えるまでもなくその問いに即答していた。
 横になったままでも十分に伝わるような意志の強さを訴えるその瞳を見て、翔太郎もまた懐よりメーターとUSBメモリが一体化したような不可思議なアイテムを取り出す。
 それに思わず目を奪われた一条の前に、それは差し出されていた。

 「やるよ。俺よりもあんたが持つ方を、照井だって望むはずさ」

 「これは……?」

 「これはトライアルのメモリだ。
 それがあればアクセルはもっと強くなる」

 「本当ですか!?」

 一条にとって、それは思いがけない展開であった。
 照井が残したアクセルを活かしきれない自分でも、これさえあれば誰かを守れるかもしれない。
それは一般人を守る警察官としてのプライドを粉々に砕かれた一条にとって、一抹の希望の光が差したような感覚であった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


574忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:36:40 ID:8TZGAhKw0

 そう言い残して、翔太郎は病室より出て行った。
 一人残された一条は、再びその手に託されたトライアルというメモリを握りしめる。

 (もしかしたら、これがあっても俺は小野寺君にとって足手まといにすぎないかもしれない。
 それでも、ただずっと自分の非力さを嘆き続けるよりはずっと——)

 このメモリを使いこなすのに必要だという特訓。
 どれだけ厳しいものなのか、あの照井でさえ苦しんだというのなら、自分にも相当の覚悟が必要なのは間違いない。

 (それでも俺は、諦めないぞ……。
何度未確認に敗れても、その度に自分を見つめなおしそれを乗り越えてきた五代のように……!)

 そして一条は思い出す。
 紫のクウガを使いこなすための剣道の特訓、未確認生命体22号を倒すために赤のクウガのキックを高めた特訓、そして未確認生命体41号を倒すためにビートチェイサーを乗りこなした五代の姿を。
 全ての時に五代は強くなって見せた。

 きっと不安で仕方がなかっただろうに、何のこともないように笑顔を絶やさぬまま。
 自分はきっと、あれほどうまくは出来ないだろう。
 それでも、成し遂げて見せる。

 自分をこうして翔太郎と出会わせてくれた運命を信じ、少しでもユウスケの力になれるように。
 戦士クウガの横で、ともに戦える自分に近づけるように。

 (だから、力を貸してくれ、五代……。
 お前のように器用でなくて構わない、ただお前のように、試練を乗り越えられる強さを……)

 チラと窓越しに空を見上げる。
 先ほどまで一切の光の届かぬ闇に閉ざされていた世界は、いつの間にか少し白んできていた。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


575忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:37:00 ID:8TZGAhKw0


【二日目 黎明】
【D-1 病院】

【一条薫@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第46話 未確認生命体第46号(ゴ・ガドル・バ)撃破後
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、額に怪我、腹部表面に裂傷、その他全身打撲など怪我多数(処置済)、全身に擦り傷、出血による貧血、輸液中、五代たち犠牲者やユウスケへの罪悪感、強い無力感、仮面ライダーアクセルに45分変身不可
【装備】アクセルドライバー+アクセルメモリ+トライアルメモリ@仮面ライダーW
【道具】食糧以外の基本支給品×1、名護のボタンコレクション@仮面ライダーキバ、車の鍵@???、おやっさんの4号スクラップ@仮面ライダークウガ
【思考・状況】
0:小野寺君……無事でいてくれ……。
1:第零号は放置できない、ユウスケのためにも対抗できる者を出来る限り多く探す。
2:五代……。
3:鍵に合う車を探す。
4:照井の出来なかった事をやり遂げるため『仮面ライダー』として戦う。
5:一般人は他世界の人間であっても危害は加えない。
6:小沢や照井、ユウスケの知り合いと合流したい。
7:未確認への対抗が世界を破壊に導き、五代の死を招いてしまった……?
8:もう悲劇を繰り返さないためにも、体調が治り次第トライアルの特訓を行い、強くなりたい。
【備考】
※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると推測しています。
※麗奈の事を未確認、あるいは異世界の怪人だと推測しています。
※アギト、龍騎、響鬼、Wの世界及びディケイド一行について大まかに把握しました。
※変身に制限が掛かっていることを知りました。
※おやっさんの4号スクラップは、未確認生命体第41号を倒したときの記事が入っていますが、他にも何かあるかもしれません(具体的には、後続の書き手さんにお任せします)。



【名護啓介@仮面ライダーキバ】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


576忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:38:12 ID:8TZGAhKw0



【左翔太郎@仮面ライダーW】
【時間軸】本編終了後
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、キングフォームに変身した事による疲労
【装備】ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】支給品一式×2(翔太郎、木場)、首輪(木場)、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、世界の破壊を止める。
1:名護と総司、仲間たちと共に戦う。 今度こそこの仲間達を護り抜く。
2:出来れば相川始と協力したい。
3:浅倉、ダグバを絶対に倒す。
4:フィリップ達と合流し、木場のような仲間を集める。
5:乾巧に木場の死を知らせる。ただし村上は警戒。
6:もしも始が殺し合いに乗っているのなら、全力で止める。
7:もし一条が回復したら特訓してトライアルのマキシマムを使えるようにさせる。
8:ジョーカーアンデッド、か……。
【備考】
※オルフェノクはドーパントに近いものだと思っていました (人類が直接変貌したものだと思っていなかった)が、名護達との情報交換で認識の誤りに気づきました。
※ミュージアムの幹部達は、ネクロオーバーとなって蘇ったと推測しています。
※また、大ショッカーと財団Xに何らかの繋がりがあると考えています。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。
※総司(擬態天道)の過去を知りました。
※仮面ライダーブレイドキングフォームに変身しました。剣崎と同等の融合係数を誇りますが、今はまだジョーカー化はさほど進行していません。
※トライアルメモリの特訓についてはA-1エリアをはじめとするサーキット場を利用するものと思われますが詳細は不明です。



【擬態天道総司(ダークカブト)@仮面ライダーカブト】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


577忘られぬmelody! ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:38:27 ID:8TZGAhKw0



【津上翔一@仮面ライダーアギト】
【時間軸】本編終了後
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、強い決意、真司への信頼、麗奈への心配、未来への希望 、進化への予兆
【装備】なし
【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、医療箱@現実
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの居場所を守る為に戦う。
1:逃げた皆が心配。
2:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触。
3:木野さんと北条さん、小沢さんの分まで生きて、自分達でみんなの居場所を守ってみせる。
4:もう一人の間宮さん(ウカワームの人格)に人を襲わせないようにする。
5:南のエリアで起こったらしき戦闘、ダグバへの警戒。
6:一条さんの体調が心配。
【備考】
※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。
※医療箱の中には、飲み薬、塗り薬、抗生物質、包帯、消毒薬、ギブスと様々な道具が入っています。
※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。
※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました
※今持っている医療箱は病院で纏めていた物ではなく、第一回放送前から持っていた物です。
※夜間でシャイニングフォームに変身したため、大きく疲労しています。
※ダグバと戦いより強くなりたいと願ったため、身体が新たに進化を始めています。シャイニングフォームを超える力を身につけるのか、今の形態のままで基礎能力が向上するのか、あるいはその両方なのかは後続の書き手さんにお任せします。


578 ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:42:07 ID:8TZGAhKw0
以上で投下終了です。
今回のSSは仮投下こそ通してはいませんが、
原作において今のところ一切触れられていない翔太郎の両親について少し触れていたりしますので、やめておいた方がいいなどの意見があれば対応いたします。

また、執筆中に自分のうろ覚えが露になったパートもありましたので、他にも原作から誤って記憶している箇所などがあるかもしれません。
そういったご指摘や、純粋に内容への指摘、また毎度のことではありますが、ご感想などもございましたら是非お願いいたします。


579 ◆.ji0E9MT9g :2018/07/11(水) 20:50:53 ID:8TZGAhKw0
あ、それと今回のSSで登場しキザなセリフを吐いていた左翔太郎が活躍する『風都探偵』最新刊である3巻、
元記憶喪失ならではの活躍を果たした翔一くんと新しいフラグの立った一条さんの物語が交差する(!?)『漫画版仮面ライダークウガ』最新刊である9巻、
そして今回SSの舞台となった病院で働くドクターライダーたちが活躍する『小説版仮面ライダーエグゼイド』がそれぞれ先月より好評発売中です。

このところ辛い暑さが続きますが、公式出版の書物と同じくらいのペースで当ロワも更新を頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。


580名無しさん :2018/07/11(水) 21:22:09 ID:6XKlNkOM0
投下乙です!
一条さんを助けてくれた名護さんはやっぱり最高です!
そんな名護さんの記憶の欠落を指摘してくれたのは、一度は自らの記憶を失った翔一君であり、また雪絵さんの一件があるからこそ記憶の大切さを語れる翔太郎からはハードボイルドさを感じてしまいます……
そしてアクセルを受け継いだ一条さんはトライアルメモリも受け継いで、総司も自分自身の罪と向き合いながらブレイバックルを手に取る光景が、熱くて感動的でした。
だけど、そんな彼らの元には…………


581名無しさん :2018/07/11(水) 21:45:50 ID:JX/zRCI60
投下乙です!
まず最初に飛び込んでくるエグゼイドサブタイにニヤリ。翔一君の小ネタも中々。
渡の記憶の一端を掴んだ名護さん、トライアル入手の一条さんと状況が少し好転しましたね。擬態天道の成長はもう本当に頼もしさしか感じません。

戦力的にも精神的にも恐らく一番安定したこのグループの行き先は今後も気になるところです!


582名無しさん :2018/07/16(月) 16:44:27 ID:CPXDVCWo0
投下乙です。
繋ぎ兼人間ドラマ回。
ほよよ?忘られぬmelodyって何だっけ?と思ってたらEの暗号の歌詞かぁ……。
753に纏わる「記憶」を通して引用されていく、各人の「記憶」のエピソード。翔一くんや擬天はともかく、そーいえば翔太郎にもそんな事あったなぁと。
擬天の両親の話は原作では明かされてないものの、この会話自体がちょっと思わせぶりで、ここからオリジナルな話に持っていくのもアリかなと感じつつあったり。
翔太郎も元々、家族関連では何某かの事情はありそうな空気こそあった感じはしたものの、まあ明かされてないし……。
そういえば、直近で永夢の両親が明かされただけに、翔太郎って現時点で全媒体で家族について一切不明(健在かさえ謎)な超稀少な主役ライダーにあたるのかな?
そして、ロワの話に戻ると、こいつら全員、建物ごとキングにマークされてる真っ最中。みんながんばれ。フレッフレッ753。


583名無しさん :2018/07/18(水) 01:29:11 ID:STfE6udQ0
投下乙です
渡の記憶を失った名護さんに対して発破をかけたのは、同じく本編中で記憶を失っていた翔一くん!
「悪魔の科学者」なんてどっかで聞いたようなワードにニヤっとしつつ、二人のやりとりに楽しませて頂きました
他にも翔太郎と一条さんのやり取りや擬態天道の新たな覚悟など、ロワ中に関わりのあった人物のアイテムを通しての会話も大変秀逸だったと思います
でも不穏な影が迫ってきてるんだよなぁ…果たして大丈夫なのか病院組!!


584名無しさん :2018/08/14(火) 22:22:59 ID:elAc.nCc0
ユウスケと渡の対決が始まる中、あのキングが乱入する予約!?


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6 要望スレ (Res:210)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 6
1管理人★ :2011/06/26(日) 00:38:18 ID:???0
管理人への要望等ございましたらこちらへどうぞ。

191管理人★ :2017/12/10(日) 22:30:57 ID:???0
>>190
対応いたしました。


192 ◆.ji0E9MT9g :2018/01/27(土) 01:01:03 ID:EsaXLMV20
管理人さん、こんにちは、お初にお目にかかります。
さて、この度は過去ログに登録されました『平成仮面ライダーバトルロワイアル』につきまして新スレを立てさせていただきたくこのような要望を申し立てる次第であります。
もし可能なようであれば立てさせていただきますので、お返事のほどお願いいたします。


193管理人★ :2018/01/27(土) 22:48:48 ID:???0
>>192
当該スレッドの設立、問題ございません。
宜しくお願い申し上げます。


194 ◆.ji0E9MT9g :2018/01/27(土) 23:07:08 ID:EsaXLMV20
>>193
管理人様、お返事ありがとうございます。
それでは早速当該スレッドを立ち上げさせていただこうと思います。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。


195名無しさん :2018/02/11(日) 08:05:37 ID:elvYbJbY0
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>399>>401>>403は不適切な煽り、中傷の書き込みに見受けられます
申し訳ありませんが削除願います


196管理人★ :2018/02/12(月) 14:01:36 ID:???0
>>195
スレッドを精査し、当掲示板の基準に照らして問題のある書き込みについて削除いたしました。


197名無しさん :2018/03/20(火) 21:33:19 ID:8FHbDJlE0
管理人様へ
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>472>>473は遠回しな個人攻撃を行っていると思われます
申し訳ありませんがご注視お願いします

また、同スレでは似たような書き手諸氏への攻撃が最近になって数多く見られており、企画が終局を迎えようとしている中で書き手諸氏への不要なストレスやプレッシャーを与えていると思われます
企画を正しく終わらせるためにも削除のみならず、該当レス者の書き込み規制等のご検討をお願いします


198名無しさん :2018/03/20(火) 22:19:24 ID:asl2Q7.Y0
管理人さんに任せますがこれが規制になるならもう誰も書き込めなくなる


199名無しさん :2018/03/21(水) 00:37:43 ID:PT.krtfE0
>>198
要望スレで言う事じゃないだろ。
遠回しに規制はするなと言ってるようなもん


200管理人★ :2018/03/21(水) 23:13:58 ID:???0
>>197
当該スレッドにおける問題は管理人としても認識しておりますが、対応が後手に回っており
誠に申し訳ございません。
本件につきましてご説明させていただきます。

まず、問題発言の多くはPC用のプロバイダ経由ではなく、au携帯・スマートフォンからの
書き込みによるものです。
しかしながら、当該ホスト「*.au-net.ne.jp」は都度変動するアドレス群を含んでおり、
個別でのホスト規制は困難な状況です。

当該ホストは各スレッドの書き手様も使用されているものであり、大規模な巻き込みの発生が
予測されることから規制に二の足を踏んでいたこと、また当該ホストを公開することで
意図的に書き込み規制を発生させる事態も考えられたため問題の公開を控えたことから
事態を悪化させてしまったのは管理人の不徳の致すところであり、利用者の方々には
深くお詫びするものです。

今後につきまして、当該ホストから問題のある発言が続いた場合においては
利用者各位へのキャップ発行を前提とした書き込み規制を行います。
何卒ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。


201管理人★ :2018/03/21(水) 23:15:45 ID:???0
>>198
当該レスにつきましては当掲示板の基準に照らして削除および書き込み規制に値するものであると
管理人として判断しております。


202197 :2018/03/21(水) 23:31:58 ID:EcO.DN8A0
了解いたしました。
レスに目を通していただき誠にありがとうございました。


203名無しさん :2018/04/30(月) 21:32:06 ID:wLOZ5NRY0
メールいたしました。一読願います


204名無しさん :2018/05/10(木) 15:56:30 ID:nOaX0WtI0
申し訳ありません。
アニロワIfスレの粛清をお願いします


205管理人★ :2018/05/10(木) 20:24:24 ID:???0
>>204
問題のある書き込み、およびそれらに対するレスを削除すると共に、当該スレッドを過去ログ倉庫に移動いたしました。

また当該スレッドにおける書き込み内容を鑑み、ホスト「au-net.ne.jp」および「spmode.ne.jp」について
無期限の書き込み停止措置といたします。
巻き込み規制につきましては個別にキャップを発行いたしますが、ハンドルは一律ではなく、
個別に特定の可能な形式とさせていただきます。
既存のハンドルを希望される方は発行申請時にその旨をお書き添え下さい。

ご利用の皆様におかれましては悪しからずご了承頂ますよう、お願い申し上げます。


206名無しさん :2018/05/10(木) 20:27:10 ID:MoBdS.Ec0
>>205
お疲れ様です


207名無しさん :2018/06/04(月) 21:41:16 ID:x5J/Q/Cw0
管理人様、規制の件ですが「au-net.ne.jp」および「spmode.ne.jp」無期限の書き込み停止措置のことを玄関口に記載をお願いします
規制の件を知らない人が>>205の書き込みに気づかない場合、混乱を招くと思いますので


208名無しさん :2018/07/08(日) 22:20:37 ID:okPDu5Pw0
管理人様。
テラカオスバトルロワイアルスレ>>934>>937に荒らしと思わしきレスが出たので確認をお願いします。


209管理人★ :2018/07/08(日) 22:51:00 ID:???0
>>208
該当するレスを削除いたしました。


210名無しさん :2018/07/08(日) 22:51:28 ID:okPDu5Pw0
対応ありがとうございました。


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7 第二次二次キャラ聖杯戦争 part3 (Res:957)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 7
1名無しさん :2015/01/11(日) 03:53:37 ID:MASwPKVk0
ここは様々な作品のキャラクターをマスター及びサーヴァントとして聖杯戦争に参加させるリレー小説企画です。
本編には殺人、流血、暴力、性的表現といった過激な描写や鬱展開が含まれています。閲覧の際は十分にご注意ください。

まとめwiki
ttp://www63.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16771/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1406730151/


【参加者名簿】

No.01:言峰綺礼@Fate/zero&セイバー:オルステッド@LIVE A LIVE
No.02:真玉橋孝一@健全ロボ ダイミダラー&セイバー:神裂火織@とある魔術の禁書目録
No.03:聖白蓮@東方Project&セイバー:勇者ロト@DRAGON QUEST�〜そして伝説へ〜
No.04:シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア&アーチャー:雷@艦これ〜艦隊これくしょん
No.05:東風谷早苗@東方Project&アーチャー:アシタカ@もののけ姫
No.06:シオン・エルトナム・アトラシア@MELTY BLOOD&アーチャー:ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険
No.07:ジョンス・リー@エアマスター&アーチャー:アーカード@HELLSING
No.08:衛宮切嗣@Fate/zero&アーチャー:エミヤシロウ@Fate/stay night
No.09:アレクサンド・アンデルセン@HELLSING&ランサー:ヴラド三世@Fate/apocrypha
No.10:岸波白野@Fate/extra CCC&ランサー:エリザベート・バートリー@Fate/extra CCC
No.11:遠坂凛@Fate/zero&ランサー:クー・フーリン@Fate/stay night
No.12:ミカサ・アッカーマン@進撃の巨人&ランサー:セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア
No.13:寒河江春紀@悪魔のリドル&ランサー:佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ
No.14:ホシノ・ルリ@劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-&ライダー:キリコ・キュービィー@装甲騎兵ボトムズ
No.15:本多・正純@境界線上のホライゾン&ライダー:少佐@HELLSING
No.16:狭間偉出夫@真・女神転生if...&ライダー:鏡子@戦闘破壊学園ダンゲロス
No.17:暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ&キャスター:暁美ほむら(叛逆の物語)@漫画版魔法少女まどか☆マギカ-叛逆の物語-
No.18:間桐桜@Fate/stay night&キャスター:シアン・シンジョーネ@パワプロクンポケット12
No.19:ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/zero&キャスター:ヴォルデモート@ハリーポッターシリーズ
No.20:足立透@ペルソナ4&キャスター:大魔王バーン@ダイの大冒険
No.21:野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん&アサシン:ニンジャスレイヤー@ニンジャスレイヤー
No.22:宮内れんげ@のんのんびより&アサシン:ベルク・カッツェ@ガッチャマンクラウズ
No.23:ジナコ・カリギリ@Fate/extra CCC&アサシン:ゴルゴ13@ゴルゴ13
No.24:電人HAL@魔人探偵脳噛ネウロ&アサシン:甲賀弦之介@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
No.25:武智乙哉@悪魔のリドル&アサシン:吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険
No.26:美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ&バーサーカー:黒崎一護@BLEACH
No.27:ウェイバー・ベルベット@Fate/zero&バーサーカー:デッドプール@X-MEN
No.28:テンカワ・アキト@劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-&バーサーカー:ガッツ@ベルセルク

938リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:27:33 ID:r0gE53mM0





……










………………













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939リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:28:19 ID:r0gE53mM0

では、聖杯戦争を始めます

所詮、人間など誰であろうと『魔王』に成りうる存在だ

“あぁ、そうさ。人類は負けない。最後には必ず勝つ。―――だが、いつまでこれを繰り返すのだ?”

感じられなくてもいいの、ただ忘れないで。人類はまだ希望が無くなった訳じゃないことを……。

――――生きろ。

もしかしてそこのキミ、おれをサーヴァントとして呼んじゃったマスターなの?

いいだろう、人間……いや我が主(マスター)――――闘争を始めよう

マ、マスター……揉むだけならば、そんなァッ! にゅう、乳頭は! そんな、な、なんで服の上から的確に!?

もし、この聖杯にも穢れがあったならば……その時は……

――――Amen

待たせたわね全国の子ブタ! 復活ライブの始まりよ!

———願いは、自分自身のためだけにしろ。

我が槍は殿下の栄光を闢き、我が盾は殿下の栄光を覆う」

小娘め……俺は歳取って出直して来いと言ったんだがな……ガキになって来るとは面白れぇじゃねぇか

真っ平御免だ。俺の心も魂も命も俺だけのものだ
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


940リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:28:54 ID:r0gE53mM0


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始点記録(レコード)、保存。









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941リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:29:58 ID:r0gE53mM0


【空想電――

せめて名前を教えて欲しい。僕の名前を、僕が何というカタチをしていたかを。そしてできることなら呼んで欲しい。でも、無理だろうな。

な、貴様、狂戦士の分際で───ガッ!?

…………と……ちゃ……

――xxxxさん

……また、学校に……ま、ど……

行くぜ───バーサーカー。数分と持たねぇ身体だが、その命、幾らか貰っていくぜ

――悔しい

ヌウウウウアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

ひとりぼっちでいい。でも死ぬのはいや。だっておかしいから。でもしぬのはこわい。ねえそうでしょ――

…………

見なよ、やっぱりこの世界なんて――――

イイイイイイヤアァァァーーーーッッ!

――――

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


942リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:30:26 ID:r0gE53mM0








最終記録(レコード)、保存。














システムの正常再動を確認。
おまたせしました。
リブートします。




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943リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:31:46 ID:r0gE53mM0






―――空に月が浮かんでいる。


何も不思議な光景ではない。
日が沈み空が暗色に包まれる夜になれば、雲が覆いにならなければ、誰もが毎日目にするものだろう。
物珍しい欠け方もしていない。いつも通りに見える月。

そう、月に変わりはない。
たとえ、異星文明の残した地球の観測装置ムーンセルが置かれた神のキャンバス台という真実があったとしても。月は変わらず其処にある。
あるとすればそれは、見上げる側の心境と、彼らが立つ位置の変化だろう。

それは方舟。
宇宙にすれば一時の、しかし地球からすれば遠大な軌道で周回する星を泳ぐ船舶。
月のムーンセルと交信し、地球全てを記録している膨大な演算能力を用いた舟、アークセル。
古き神代の頃より存在し、今も役目の為稼働している『古代遺物(アーティファクト)』。聖書の一説に乗るノアの方舟の再来だった。

その内部たる霊子世界に招いた数十名の人間(マスター)。
そしてその『つがい』となる、歴史に名を刻んだ英霊(サーヴァント)。
時間の前後を問わず、世界の壁も関係なく、編纂も剪定の区別もなく。
ありとあらゆる境界を超えた組み合わせが集い、覇を競い、月に至る階段に足をかける権利を得る。
事象改変の域にまで至った演算装置は万能の願望器に等しい。
おしなべて願望器を求める争いはこう呼ばれる習わしがある。


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944リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:32:33 ID:r0gE53mM0








そして現在。
アークセル内で再現された聖杯戦争の舞台『冬木市』の一角に建てられたキリスト教会。
礼拝堂には一人の少女が立っている。銀色の長髪を下ろした修道服の少女は目の前の虚空に手を出して指を滑らせて『業務』をこなしている。
聖杯戦争の運営役に選ばれた上級AI、カレン・オルテンシアは自らの役割にとりかかっていた。

サーヴァントの戦闘を人目につくのを禁じるルールを敷いてる以上、自然と戦いは夜に頻発する。
地上の聖杯戦争での監督役の代理として、NPCの魂の改竄による街の沈静化を図る。それがカレンに与えられた役割の一つでもある。

今後も街の裏で続いていく戦いは激化の一途を辿る。隠蔽対策の頻度は時を追うごとに増していくだろう。
優勝者である最後の一組が決まったその時、果たしてNPCの住民達はどうなっているのか。そもそも街は原型を保てているのか。
そこに思考を向ける事はなく、カレンは業務を粛々と進行させていく。


じき夜が空ける。
箱庭内の聖杯戦争が本格的に開始して丸一日が経った。
深夜と黎明にかけて繰り広げられた乱戦も波が引き、落ち着きを見せ始めている。
サーヴァント戦は夜が本番といっても、マスターには予選時代に定められていた役割(ロール)がある。学生であったり社会人であったりと部類は様々だ。
規則性を破り他のマスターに怪しまれる危険を無くそうと思えば、この時分に積極的な行動は控え休息に入る。
少しでも情報を得ようとサーヴァント単独に行動させたり、夜勤が常である等時間に囚われる必要性のない職であれば話は別だが、接触の機会は目に見えて減るだろう。
よって今はカレンの仕事も穏やかなものだ。NPCに大規模な混乱が見られない以上忙しなく働く必要はない。


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945リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:33:08 ID:r0gE53mM0




「この、月を望む聖杯戦争をはじめとした、世界に複数行われている聖杯戦争。
 その始点、全ての聖杯戦争の原型とされるのが、この冬木の地で生まれた聖杯戦争。
 ですが、その冬木でさえ完全な形で儀式が完遂され聖杯―――願望器が優勝者の願いを叶えたという記録は、アークセルには存在していません」



そこには多くの画面が映っていた。
NPC達のものではない。より細かで、価値の高い、膨大な密度のデータが行き交っている。




「はじめは召喚した英霊を制御できず、儀式ですらない殺し合いで無為に終わった。

 次回はルールが整備され戦争の体が成っても、徒に時間ばかりが過ぎ去った。

 三度目は、始まって真っ先に手に入れる器が壊れ全てがご破算。
 
 四度目は比較的まっとうに続いた形であったけれど、前回で生んだ歪みが全ての前提を覆した。
 
 そして五度目は、それまでの負債が回って完全に破綻した」



言葉を紡ぎながら、作業を滞らせる事なく。聞かせる聴衆も子羊もいない、伽藍とした講堂には音色だけが反響する。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


946リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:34:25 ID:r0gE53mM0





◆◆◆◆




『冬木の聖杯戦争』における教会には、ふたつの役割がある。
神秘の隠匿、サーヴァントの戦闘により起きた被害の事後処理。表社会に魔術の存在を知られてはならないという絶対の法。
歪めた情報を報道に流しての隠蔽、暗示による記憶操作、時には被害を受けた公的組織へ補填する等して徹底的に真実を闇のままに封じ込める。

そしてもうひとつは、サーヴァントと令呪を失い、聖杯戦争から敗退したマスターの保護だ。
他にマスターを失いはぐれたサーヴァントが出た場合、聖杯は新たに契約者候補に令呪を再配布する。
だがマスターに適合する資質の都合上、自然と新たに選ばれるマスターは以前にマスターであった人物が選ばれる傾向が高い。
その為、万全を期するなら他のマスターはサーヴァントを失ったマスターであっても殺そうとし、狙われる側も駆け込み寺を必要とする。
その用意として教会内には幾つかの客間が設けられており、その時の名残として、この電脳上の冬木教会にもセーフハウスの機能がつけられていた。
ここは上級AI、裁定者の権限が届く地帯。余剰リソースを与え実在証明の楔を打ち込めば、教会の敷地内にいる限り、サーヴァントを失ったマスターでも消滅を免れられる。


「まさか、本当に使う機会があるだなんて思ってもみなかったけれど」
「ごめんなさい。急に客間の用意を頼んでしまって」

カレンの零したように、本来これは使われる事はないとされていた機能だ。
なのでルーラーから『空いた部屋の準備とリソースを使用させて欲しい』と連絡があった時はどうしたことかと思ったものだ。

「ああ、そこはいいのよ。下働きは慣れていますし。
 私というAIの元になった人物も、そういう奉仕に従事していたようですし。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


947リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:35:09 ID:r0gE53mM0


「ええ。本気でなければこんな決定は下しはしませんよ」

叱責・諫言ともいえるカレンの言葉にも、ルーラーは紫水晶の瞳を翳らせることなく答えた。

「―――方舟に乗り込む以前にサーヴァントと契約。記憶も失わず、NPCのロールも保有していないマスター、ですか」

道すがらにれんげから今までの簡単な経緯を聞いたジャンヌからの報告に、カレンも怪訝な表情をする。
それだけ、このマスターが異常極まるケースであるのを物語っている。

「契約が消失した後になっても自己崩壊の兆しは皆無。霊子を保っているだけならば前例のケースがあるけれどそもそも対象が不明、前者についてはまったくの想定外。
 確かに、イレギュラーの塊のような参加者ね」

サーヴァント無きマスターの生存の抜け道。それ自体は存在する。
過去に裁定者二人が直に目撃している、岸波白野を介した、遠坂凛と白野のサーヴァントとの疑似的パス共有だ。
凜自身のランサーを失って新たなサーヴァント・アサシンと契約するまでの僅かな時間ではあったが、肉体が消える兆候は現われなかった。
これは然程の問題もないとして裁定者側も認可していた。では一体れんげと契約を繋いでいるのはどのサーヴァントなのか。
更に問題とするべきはそれ以前の話。
方舟外でサーヴァントが活動して、第三者に『木片』を渡して召喚されたという、異例の事態についてだ。

「カレン。彼女について、分かったことは?」
「上級AIの権限でマスターの情報は取得しています」

浮かび上がるウィンドウに情報が記載される。
身体スキャンで得たれんげの内部データ。そして、カレンが持ち得る聖杯戦争参加者の詳細データだ。

「宮内れんげ。旭丘分校小学1年生。奇特な思考回路を持ち周囲を困惑させる発言をするものの成績は優秀。好物はカレーライスで苦手なものはピーマン。口癖は「にゃんぱすー」」
「……それ以外は?」
「飼っている狸の名前は「具」ですね」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


948リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:36:01 ID:r0gE53mM0


「肉体の魔術的特質、魂の因果的資質、いずれにも反応なし。
 神秘に触れる環境下にもなく、特殊な過去も経験していない。
 意思なく資格なく、唐突に現われた悪魔に謀れ、流されるままにアークセルに乗り込んでしまった迷い子、いえ、密航者とでもいうべきかしら」

密航者。
参加権である木片は持っていても経緯が不条理だ。イレギュラー扱いもやむなしである。
だからそう呼ぶことは、ある意味で間違いではない。

「……資格なき、とは違うでしょう。彼女もまた一人のマスターであったことには変わりありません」
「ええ、そうね。彼女もれっきとしたマスター。それは事実。
 そして既にサーヴァントを失った敗退者でもある。本来ならとうに消滅し、魂は在るべき場所へ帰還しているはずの残滓なのに」

自ら戦うと決めたわけでなく、強制的に連れてこられたマスターを知っている。
魔術や異能の素養がなくても、戦おうとするマスターが存在する。
れんげよりも幼い子供のマスターだっていたのだ。
能力や意思に依らず、ここに集ったマスターには誰もが聖杯に触れる資格を持つべきだ。
あの交渉の場で、本多・正純にも語った言葉だ。

「あの子をこのまま消しはしません。見つけた異常を是正しなければ、それこそ運営の綻びの温床となりかねません。
 多くの謎が残っている。方舟の中を通れてしまうだけの抜け道が出来ている。それを確かめなくては。そうでしょう?」
「私情で生かすのでなく、聖杯戦争を恙無く運営させる裁定者として宮内れんげは活かすべき、と?」
「マスターとしてより、ただの子供として見ている。そこは否定しません。救えるものならそうしたいとも」

子供だからという贔屓。捨てられない感情はある。さりとて感情に走って差配を誤るほど子供でもない。
伝えたいのは、あの子は罰を受けなくてはならないような事をしたわけじゃない、ということだけで。

「それだけではない―――彼女が関わる啓示でも見えた?」
「……わかりません」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


949リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:37:35 ID:r0gE53mM0



「それでも、何度やり直すことになっても私はこの手を伸ばしたのでしょう。そこだけは、後悔はありません」

受け入れるリスクや矛盾、全てを承知の上で。
街の誰も記憶していない、何処にも行く事のできない、ひとりぼっちの魂。
世界にとってないに等しい小石を"在る"のだと、ジャンヌは信じて肯定する。

納得に足る理屈は幾つもある。けれど動いた理由はたったひとつで。結局それだけで迷いは晴れてしまう。
愚かな女だと自身(ジャンヌ)は思う。それでこそ聖女に相応しいと誰かは喝采する。
啓示の導かれた行動は正しい道筋に辿り着く。それは呪いにも似た宿命を見た者に背負わせる。
たとえその通行料に幼子の犠牲が含まれているとしても。


「そう。ならこれ以上、私から言うことは何もありません。
 積極的に肯定はしませんが、あなたの願いが叶うのを祈るぐらいはしてあげます」

カレンはジャンヌのマスターではない。同じ神を信じる徒であり、同じ裁定の任の同士であるが、それぞれが別個の人格だ。諫言はあっても強制の権限は持たない。
時には意見を違えることもあるし、それが相互に変化を及ぼす場合もある。
現にエラーは生まれている、どうあれ対処は必須だ。最大の手がかりを手放すべきではない。れんげを調べることは役割上外せない。
裁定者の枠組みを外れた動きでもなし、保護も正常な対応だろう。
それにあの子がマスターの資格を持つのなら―――試すことは、多い。

「まあ、これを知った外野がまた藪をつついてくるかもしれないけど」
「……重ね重ね迷惑をかけてごめんなさい」
「一度こうと決めたらてこでも動かない、周囲を巻き込むのも構わず爆進―――――ふふ、オルレアンの乙女らしくなってきたわね」
「わかりました、わかりましたから……!生前のことをそんなにつつかないでください……」

すると、通知音と共に、窓に映っていた無数の画面が消えた。
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950リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:38:15 ID:r0gE53mM0





再開の時は此処に。
月を望む巡礼の旅人よ。辿り着く日まで、どうか足を止めないで。






「さあ、聖杯戦争を続けましょう――――――」


951リブート ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:41:36 ID:r0gE53mM0




【D-5/教会/2日目 未明】

【カレン・オルテンシア@Fate/hollow ataraxia】
[状態]:健康
[令呪]:不明
[装備]:マグダラの聖骸布
[道具]:リターンクリスタル(無駄遣いしても問題ない程度の個数、もしくは使用回数)、移動キー(教会内の燭台、月海原⇔教会の移動可能)、???
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争の恙ない進行時々趣味。
1.キャスター(ヴォルデモート)との会談について話す。必要なら職務の手伝いも。
2.ルーラーの裁定者としての仮面を剥がしてみたい。
3.言峰綺礼に掛ける言葉はない……があのキャスター(ヴォルデモート)との接触には複雑な感情
4.れんげの保護はひとまず了承
[備考]
※聖杯が望むのは偽りの聖杯戦争、繰り返す四日間ではないようです。
 そのため、時間遡行に関する能力には制限がかかり、万一に備えてその状況を解決しうるカレンが監督役に選ばれたようです。他に理由があるのかは不明。
※管理役として、箱舟内のニュースや噂などで流れる情報を操作する権限を持っています。
→操作できるのはあくまで「NPCの意識」だけです。報道規制を誘発させることはできますが、流出してしまった情報を消し去ることや、“なかったこと”にすることはできません。
※教会には『地上での冬木教会の機能』として敗退マスターを保護するための機能が残されています。本来は使用される想定のない機能です。


【ルーラー(ジャンヌ・ダルク)@Fate/Apocrypha】
[状態]:健康
[装備]:聖旗
[道具]:???
[思考・状況]
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


952 ◆HOMU.DM5Ns :2018/06/24(日) 23:43:33 ID:r0gE53mM0
投下終了です。細々と続いていきますがよろしくおねがいします


953名無しさん :2018/06/26(火) 02:15:06 ID:trBXbshE0
投下乙です。
教会に匿われて、これでれんげもひとまず安心といったところでしょうか。
様々なイレギュラーが重なった彼女は本当にただの被害者なのか、やはりジャンヌも疑問なようで。
れんげという謎を残したまま、聖杯戦争はいよいよ二日目を迎えるのですね……。
タイトルの「リブート」も相まって、今後の展開にも期待できる一作でした!


954名無しさん :2018/06/26(火) 14:11:38 ID:LSwoFV.I0
投下乙です!
好きだったスレなので続いてくれて嬉しい


955名無しさん :2018/06/28(木) 22:01:57 ID:dSsEuOPQ0
アニロワifのWikiが荒らされてますよ


956名無しさん :2018/07/08(日) 19:38:57 ID:9GEXMGpU0
投下乙です
まさか更新が来るとは思わなかった、れんげが教会に保護されて良かった麻婆じゃないから安心できるぜ


957名無しさん :2018/07/09(月) 02:07:04 ID:U0bUqTGc0
投下おつ!
二次二次の復活にふさわしいタイトルからの締め!
冒頭のちょっとした総集編もそんなセリフあったあったになったしシリアスにギャグ混ざってるのもワロタw
れんげはほんまイレギュラーだもんなー
色々先が楽しみになる雰囲気作りだった


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8 マジカルロワイアル (Res:13)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 8
1名無しさん :2017/02/25(土) 06:17:36 ID:k4qn308I0
魔法使い・魔法少女を題材とした作品を集めてバトルロワイアルをさせる
リレーSS企画です。
当企画はキャラの死亡や流血描写が出てきますので、閲覧の際はご注意ください。


したらば避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17742/

地図
ttp://i.imgur.com/aAyD1jK.png

2名無しさん :2017/02/25(土) 06:18:36 ID:k4qn308I0
【参加者名簿】

10/10【魔法少女育成計画シリーズ】
○スノーホワイト/○リップル/○ラ・ピュセル/○森の音楽家クラムベリー/○カラミティ・メアリ/○ルーラ/○スイムスイム/○ピティ・フレデリカ/○プキン/○ソニア・ビーン

9/9【魔法少女リリカルなのはシリーズ】
○高町なのは/○フェイト/○八神はやて/○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○高町ヴィヴィオ/○フーカ・レヴェントン/○リンネ・ベルリネッタ/○プレシア・テスタロッサ

7/7【仮面ライダーウィザード】
○操真晴人/○仁藤攻介/○コヨミ/○笛木奏/○メデューサ/○グレムリン/○フェニックス

7/7【とある魔術の禁書目録】
○上条当麻/○インデックス/○ステイル=マグヌス/○神裂火織/○アウレオルス・イザード/○前方のヴェント/○左方のテッラ

6/6【ハリー・ポッターシリーズ】
○ハリー・ポッター/○ロン・ウィーズリー/○ハーマイオニー・グレンジャー/○ドラコ・マルフォイ/○ヴォルデモート卿/○セブルス・スネイプ

6/6【Fate/Grand Order】
○藤丸立香(ぐだ子)/○オルガマリー・アニムスフィア/○クー・フーリン(キャスター)/○三蔵玄奘/○メフィストフェレス/○ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス

6/6【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○美遊・エーデルフェルト/○クロエ・フォン・アインツベルン/○遠坂凛/○ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト/○衛宮士郎(平行世界)

5/5【ゼロの使い魔】
○平賀才人/○ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/○タバサ/○ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド/○ジョゼフ一世

5/5【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子/暁美ほむら

4/4【東方Project】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


3名無しさん :2017/02/25(土) 06:39:36 ID:k4qn308I0
本スレを立てておきましたがOPって代理投下してもよろしいでしょうか
あと予約期限って延長なしの一週間で大丈夫ですかね。


4名無しさん :2017/02/25(土) 06:42:47 ID:k4qn308I0
【制限一覧】

・変身アイテム等の扱いは本人支給かどうかは書き手次第
・フェニックスの再生能力は頭部吹き飛んだり完全消滅した場合は死亡
・アウレオルスの黄金錬成は即死系の命令は大幅制限
・ギルの千里眼は未来予知あたりに制限
・ヴェントの天罰術式はヴェントと直接会わないと発動しない。気絶までのインターバルを倍加
・プキンの剣による認識変更に時間制限付与
・ソニアの魔法は劣化スピード低下
・フレデリカが水晶玉を通じて干渉できるのはエリア内の存在のみ。•世界越しの干渉も勿論不可能。
・白い魔法使いはエクスプロージョンの威力低下。テレポートは移動距離の制限をつける
・メデューサの石化能力は、完全石化の場合持続時間30分
・魔法少女まどか☆マギカの魔女化は書き手次第
・ほむらの時間逆行は禁止、時間停止は数秒程度


5名無しさん :2017/03/01(水) 22:58:58 ID:85RkSPPI0
オープニングは結局どうなったんですかね…


6名無しさん :2017/03/06(月) 09:18:41 ID:qM4U3JrY0
代理投下します


7 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:20:53 ID:qM4U3JrY0

 魔法とは、人知の及ばない超非科学的現象の事である。





 辺り一面は薄暗い空間。
 そこには70人程度の人影が立っている。
 そのうちの一人にしてとある世界の主人公の少年、上条当麻が最初に思ったことは

(俺は一体いつの間に連れてこられて、ここは何処なんだ?)

 だった。
 上条はとりあえず知り合いが居るか探そうと思い動こうとする。しかし身体を動かすことが出来ない。
 否、全く動かない訳では無い。上条の右手首から上と頭は動かすことが出来た。
 仕方ないので頭を動かして周りを見ると、そこには上条の目からして普通の格好をした人間やどう見てもコスプレにしか見えない服装をしている人間と様々な人物が居る。
 上条はその中に知り合いの姿を見つける。
 純白のシスター服に銀色の長髪、その姿は間違いなく。

(インデックス!)

 上条はやっと見つけた見知った存在に声を掛けようとするも、声が出ない。
 彼はこれを、魔術か超能力で身体を動かせない様にするだけじゃなく声を出せないようにしていると判断する。

(なら俺の幻想殺しで)

 そう思った彼は何とか打ち消そうともがくが
 上条当麻の右腕には幻想殺しという力が宿っている。
 これは、右手に触れた異能なら神の奇跡でも打ち消すという凄まじい能力だ。
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8 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:21:17 ID:qM4U3JrY0





(殺し合いだと? 何を言っている)

 それが、とある世界の魔法使い笛木奏が、キュゥべえの発言を聞いて最初に思ったことだった。
 彼の心に浮かぶのは怒り、とは言ってもそれは殺し合いに対する非道に対してではない。

(私にそんなことをしている時間は無い!)

 ただ単純に、自らの目的の邪魔をされて怒っているだけだ。

(こんな下らない話をしている間にも、暦は……!)

 笛木には妻と娘が居た。
 しかし妻は早くに他界してしまい、残った娘も病気で亡くなってしまった。
 そして絶望に叩き落された彼はどんなことをしてでも、どんな犠牲を払ってでも娘を蘇らせようと始める。
 しかし、娘を蘇らせる為に行ったサバトと呼ばれる儀式は笛木がアーキタイプと呼ぶ古の魔法使いに阻止されてしまう。
 それでも娘を諦めきれず再びサバトを開こうとした所で、気付けばここに居たのだ。

「断っておくけど、僕は別に享楽の為に殺し合いを開くわけじゃない。
 これは宇宙の熱量死を防ぐのに必要なことだからね」

 怒る笛木の心など気にも留めず、キュゥべえの話は続く。
 黙れ、宇宙がどうなろうと私には関係ない、暦に比べれば小さなことだ。
 しかし、そんな思いはキュゥべえの発言で一旦収まることになる。

「その代わりと言っては何だけど、この殺し合いに最後まで勝ち残ればどんな願いでも三つまで叶えようと思う。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


9 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:21:36 ID:qM4U3JrY0

 巫女服の少女、霊夢が指をキュゥべえに突きつけて宣戦布告する。
 しかし、キュゥべえはため息をついてやれやれと呟いた後霊夢に反論する。

「君は勘違いをしている。
 まずここは幻想郷じゃないし、これは君たちに解決されることが前提のおままごとな異変とは違う。
 君が解決する為に出張る必要は何処にもないんだ」
「関係ないわ。
 あんたのいうことが全部正しくても、いきなり殺しあえなんて言われて従うわけないでしょ」
「だからちゃんと報酬を用意したじゃないか」
「別にいらないわ」

 それだけ言って霊夢は空を跳び、キュゥべえに光弾を発射する。
 しかし、霊夢が放った光弾はキュゥべえに届く前に見えない壁のようなものに阻まれて届かない。

「……僕には心底理解できないけど、あの人が言うには世界には『主人公』と呼ばれる存在が居るらしい」
「いきなり何よ」

 唐突に始まったキュゥべえの話について行けない霊夢。
 しかし話は続く。

「世界はその『主人公』を中心に構成されているらしい。
 だから僕は、本来参加資格の無い上条当麻や平賀才人もこの殺し合いに参加させなければならなくなった。
 がここで困ったことが起きた、『主人公』が複数いるということをあの人は想定していなかったんだ」

 キュゥべえの一人話に笛木は理解を示す気にはなれない。
 笛木からすれば主人公など誰でも構わないからだ。

「一方通行や浜面仕上みたいな後付なら呼ぶ必要が無いと分かっていた。
 しかし最初から二人いる場合はどうしたらいいのか分からなかった、だから僕は博麗霊夢と霧雨魔理沙を二人とも呼んだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


10名無しさん :2017/03/06(月) 09:24:19 ID:qM4U3JrY0
◆7PJBZrstcc氏のOP代理投下終了です
最早予約制度なんて有って無きがごとしですがこれから予約解禁としていいですかね


11名無しさん :2017/03/06(月) 18:51:54 ID:Q3U8SlzA0
>>10
乙です
もう予約解禁でいいと思いますよ


12名無しさん :2018/04/18(水) 01:44:44 ID:HH0jlrak0
保守


13名無しさん :2018/04/19(木) 22:57:46 ID:SGohB8B20
誰も書かないのに保守とか意味無いだろ


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9 人狼方式バトルロワイヤル (Res:8)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 9
1名無しさん :2018/03/22(木) 01:32:41 ID:Qg9j/yCQ0
ルール
・クロカードはランダムで決まる。
・クロカードを持った者は必ず一人殺すこと。殺されなかったら寿命が大幅減る。3回しなかったら心臓発作で死亡する。
・クロカードは殺さない限り所持したまま。例え捨ててもポケットの中に自動的に入る。燃やしたり、ちぎったら再生して捨てる同様にポケットの中に自動的に入る。
・最後の一人になるまで終わらない。(ただし自首をした者を除く)
・殺したら裁判開始が始まる。
・誰を吊るすかを決める為に投票する。
・投票が多い人は処刑。つまり死亡する。
・クロカードを所持しても処刑されなかったらクロカードは自動的に別の人のポケットに入る。
・協力も有り。騙すか協力は勝利の鍵を握る。
・最後の一人(最後の一人の恋人がいた場合は生きることが可能)になれば願い事が叶えられる。
・運営側は死なない。※殺せば違反となり処刑される。なお殺してもすぐ生き返る。

【1日の時間割】
起床

推理開始(制限時間は5分)

裁判開始

投票(票が多ければ処刑される。)

襲撃(クロカードを所持した人のみ)


【参加メンバー紹介】
ただし最初は恋人同士ではない。

《女性》
楠木 アリス…ごく普通の女性。
吉川 七…華麗で美人だがちょっと変人。
丸本 奏…IQ200の天才少女だが多少ドジ
由嶺 鈴夢
山下 奈緒美
森川 玲子
峰原 京子
橋本 裕佳梨
友利 由紀
柚木 菜採
田野 樂子
星 薫子

《男性》
岸 裕介…成績優秀で運動神経抜群。そのため死亡されにくい。
芦田 アレン
白石 渉
黒磯 貴史
轟 亮
高木 研三
金原 螢…冷酷で残忍な一面が多い。
瞹渕 孝弘
遠藤 正治
阿久津 誠
脇坂 大輝
梶原 幸人

《オネエ・男の娘》
花澤 孝(オネエ)
菊地 ひより(男の娘)
夏目 毬(男の娘)
嶋田 奈央(男の娘)

運営(GM)…殺されてもすぐ生き返る謎の男性。

2名無しさん :2018/03/22(木) 01:34:38 ID:Qg9j/yCQ0
予約制です。


3名無しさん :2018/03/22(木) 01:44:44 ID:Qg9j/yCQ0
【オープニング】

GM「さて、これより人狼方式のバトルロワイヤルを開始します。」

アリス「何なの?」

GM「誰か一人クロカードを所持しています。クロカードを持った者は必ず一人を殺さなければいけません。」

「「エーーーッ!!?」」

全員はパニックに陥る。

GM「殺した瞬間に約5分による推理開始のタイムが始まります。5分経過で裁判開始です。」

GM「裁判は誰がクロカードを持っているかを当ていきます。時間経過したら投票開始します。票が多ければ…」

岸「多ければ…」

GM「首吊りで処刑されます。」

脇坂「嘘だろ!!ふざけるな!!」

星「そうよ!!」

GM「だまらっしゃい!反抗するなら処刑するよ!!」

脇坂「ぐっ…」

GM「さて、明日は誰が死ぬのか楽しみだな…。」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


4名無しさん :2018/03/22(木) 01:48:39 ID:Qg9j/yCQ0
【1日の晩】

金原「俺がクロカード…さて誰を殺そうか…」

金原は悩んでいる途中に花澤と出会う。

花澤「あら?金原くんじゃないのー?どうしたの?」

金原「悪いが死んでもらうかな?」

花澤「は…」シュパン!

金原は花澤の首を切った。

金原「わからないようにしよう……」


5名無しさん :2018/03/22(木) 01:48:58 ID:Qg9j/yCQ0
オープニング投下終わりです。


6名無しさん :2018/03/22(木) 01:51:54 ID:Qg9j/yCQ0
【花澤 孝 没】

【金原 螢】
所持:ダイアモンドノコギリ、クロカード
思考:生き残る。


7名無しさん :2018/03/23(金) 18:23:08 ID:yUcC4.D20
岸「クロだったから殺さなきゃ(使命感)」

丸本「あ、岸くん、こんちはー」

岸「ちょうどいいや、死ねええぇ!」

岸は丸本に襲い掛かった、だけども丸本は死ななかった

岸「クソッ! 何故だ!? 運動神経抜群の俺の攻撃で何故死なない!?」

彼の攻撃は死亡されにくいのだった

丸本「IQ200のこの私に不意打ちだと! 許せる!」

そこで丸本がドジを発揮して自分の血に滑ってこけた

その拍子にたまたま持っていた鉄パイプが勢いよく岸の頭を割る

スイカ割りのように砕かれた頭部から柘榴のような赤い中身が露わになった

丸本「クロじゃないけど殺っちまったZE」

事故だからしゃーない

【岸 裕介 没】

【丸本 奏】
所持:鉄パイプ
思考:気持ちを切り替えていく


8名無しさん :2018/04/02(月) 16:55:06 ID:RqFHa2/E0
が、しかし彼が持っていたのはクロカードではなく道連れカードだったのだった。

丸本「えっ!?事故した時クロカード所持してもなんとも…」

道連れカード…このカードはクロカードを所持した者か、道連れカード持ちの死体を目撃した人は道連れになる。

丸本「あいつ…運動神経が上手いだけの馬鹿だったのか…!?」

すると空間に穴が空いた。

丸本「嘘だろ……!!ガッ……!!」

ドォン!!

暗黒空間によって丸本は道連れとなった。

【丸本 奏 道連れ】

二日目の朝が迎えられた。


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10 バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.03 (Res:972)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 10
1NPC :2014/11/29(土) 14:40:43 ID:9sZCm6p60
ここは仮想空間を舞台した各種メディア作品キャラが共演する
バトルロワイアルのリレーSS企画スレッドです。

この企画は性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
苦手な人は注意してください。


■したらば避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/15830/

■まとめwiki
ttp://www50.atwiki.jp/virtualrowa/

■過去スレ
企画スレ ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1353421131/l50
 Log.01 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1357656664/l50
 Log.02 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1378723509/l50 <前スレ

953One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:22:51 ID:qDFS4.2M0

「なんで……なんで、こんな所に……なんでっ!?」

 だが、目前に広がる現実を受け止めることができない。志乃が失われる事実を三度も突き付けられたせいで、再会を喜ぶことなどできなかった。
 クーン達の存在も現実味を感じない。姿と声こそは寸分の狂いがなくても、根本的な何かが異なっていると警告している。ハセヲを囲むように立つ四人の笑顔は穏やかに見えても、その表情の中には底知れぬ悪意が広がっている。
 道に迷って、見知らぬ場所にたった一人で放り込まれた幼子のように。ハセヲはただ狼狽えることしかできなかった。その姿は、かつての『死の恐怖』として畏怖されていたとは思えない程に弱々しい。

「ま、まさか……お前らが……!」

 いなくなった志乃や、本来ならばいるはずのないクーン達がここにいる。
 その原因は心当たりがあるし、またこれまでだって何度も体感した。だけど、心と体がそれを受け入れているのを拒んでいた。
 そうであって欲しくないと願った。何か悪い冗談であってほしいと祈った。そんな微かな願いを込めて、言葉を紡いだけれど……

「そうよ。ハセヲ……私達四人と戦わないといけないの、たった一人で」

 たった一つの希望すらも無慈悲に壊したのは、志乃の言葉だった。
 最悪の宣告を突き付けられたハセヲの衝撃は凄まじかった。仮に現実の世界で背後から金属バットを頭部に叩きつけられても、ここまでの痛みを感じるのかどうか。
 熱い。寒い。辛い。悲しい。苦しい。痛い。死にたい。どんな言葉を用意したとしても、今のハセヲの感情を表現するに相応しくなかった。

「なんだよ、それ……そんなの、ありかよ…………!?」
「落ち着け、ハセヲ! 気持ちはわかる……俺達だって、気が付いたらこんな所にいたんだ。そして、あの榊から言われたんだ……『偽者のお前達の存在意義は、ハセヲ達と戦うことだ』ってな。
 つまり、ここにいる俺達はただのデータ。あいつらが作った、偽者の――――」
「――――ふざけんな! そんなの、納得できるわけがあるかっ!」

 クーンの声色で聞こえる説得は、しかしハセヲの怒号によって掻き消された。
 その慰めと気遣いはまさしくクーンそのものだった。そして彼の言い分は充分に納得できる。上の層ではソラだった頃の自分と深い関わりを持った司とカールがボスエネミーとして登場したように、今度は志乃やクーン達と戦わなければいけない。
 かつてのハセヲであれば、ここにいる彼らをただのデータを割り切って瞬時に叩き潰しただろう。そして今のハセヲは『死の恐怖』だった頃よりもレベルと技量の双方が格段に向上した為、ここにいる四人が一斉に襲い掛かったとしても負ける気はしない。
 だけど、そんな話ではなかった。『The World』で絆を深め合い、そしてあの世界で繋がることの大切さを教えてくれた彼らを切り捨てるなど、今のハセヲにはできなかった。例え、偽者の存在であっても。

「ごめんね、ハセヲ……君達を傷付けるようなことになって。でも、ここにいる僕達は偽者なんだ! 例え僕が倒されても、君が知っている本当の僕やガスパーには何の影響もない!」
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954One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:23:10 ID:qDFS4.2M0

「なんでだよ! なんで、そんな簡単に諦めようとするんだよ!? あんたら、今までハセヲと一緒に戦ってきただろ!? なら、何か方法が……!」
「そんなものはないって、揺光もわかっているはずだ」

 しかし、クーンの返事は凛冽たる雰囲気が滲み出ていた。常日頃、たくさんのプレイヤーに信頼されている彼とは思えない程に冷たい。
 そんな彼は今、笑みを浮かべている。あらゆる音と光を無くしたどす黒い牢屋に閉じ込められてしまい、全ての希望を奪われ、憔悴しきった者が浮かべるような自嘲だった。

「みんな、ここに来るまでに何度も戦ってきたでしょ? その中には、君達がよく知っている人だっている……それが、ここだと僕達になっただけさ。だから、気にすることはないよ」
「何で、何でそんなことを言うんだよ……そんなの、理由になる訳ねえだろ! アタシの知ってるシラバスだったら、そんなことは言うはずはねえ!
 もし、このままハセヲを悲しませるつもりなら……アタシは絶対、アンタを許さない!」
「変わらないね、揺光は。でも、だからこそ君のことを信頼できるよ。昔、僕がボルドーに襲われた時だって……君は怒ってくれた。ハセヲや、本当の僕達のこともよろしく頼むよ」
「ふざけんな! そんなのこっちからお断りだ!」

 シラバスは昔を懐かしんでいるようだが、揺光は未だに血を吐くように否定を続ける。

「……そうだった、な」

 そして、ハセヲは前を見据える。もう振り向くつもりはなかった。

「は、ハセヲ……?」
「悪かった、揺光。カッコ悪い所を見せちまって」
「何を言ってるんだよ、ハセヲ……あ、アンタ……まさか!?」
「すぐにお前らを助けてやるから、待ってろよ」

 そう言い残して、ハセヲは前に踏み出す。後ろから揺光達の静止するような叫び声が聞こえてくるが、もう止まる訳にはいかなかった。
 ここに来るまで何度も戦った。聞いた話によると、ブラックローズは実の弟をその手にかけてしまったらしい。きっと、その時の彼女は覚悟を持って戦い、勝利したはずだ。
 ハセヲと揺光だって、司やカールを相手に戦いを繰り広げた。だから、例え彼らがエネミーとして現れても、戦わなければ前に進めない。クーン、シラバスとガスパー、そして志乃……この四人を倒すのはハセヲの役目だった。


 ――ナゼ、汝ハ抗ウ? 我ハ汝。汝ハ我デアルトイウノニ
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955One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:23:32 ID:qDFS4.2M0



     2◆◆



 やめてくれ、と揺光は叫ぶ。けれど、ハセヲは止まろうとしなかった。
 自らの体躯ほどのサイズを誇る鎌を縦横無尽に振り回しながら、現れた四人にダメージを与える。勿論、四人とて決して弱くはなく、むしろこれまでのエネミーと比べると強敵の部類に入るが、ハセヲはそれを凌駕している。
 けれど、揺光はその優位を決して喜べない。それはブラックローズや岸波白野、そして白野を信頼するサーヴァント達も同じだった。

「うむ……何なのだこの壁は!? 余の剣でもヒビ一つすらも刻まれぬとは……! ええい、何とかならぬのか!?」
「むむ~! ここはこの玉藻めが思い切って魔力でぶっ放す方法もありますが……セイバーさんの筋力でも駄目なら、私の魔力も期待できませんね。この状況で、私とマスターが無駄に消耗するのは得策ではありませんし」
「それ以前に、君達がこんな所で全力など出してみろ! 私達全員が巻き添えになるのがオチだ! ここでできることは……ハセヲの勝利を、待つことだけだろう」

 アーチャーの苦々しい表情に、セイバーとキャスターは手を止めてしまう。
 この忌々しい牢獄を壊そうと何度も試した。けれど、誰が何をしてもこの壁は壊れない。この手で大剣を振るおうとも、蚊が止まった程度の衝撃があるかも疑わしい。

「レオ、ミーナ! 二人でこの壁をどうにかできないの!? このままじゃ、ハセヲは……!」
『僕達も今、皆さんを阻むファイアーウォールの解析をしています! ですが、異様なまでのデータ量を誇っているので、短時間で対抗プログラムを構築するのは不可能です!』
『仮に私達はそちらに向かったとしても、残された制限時間を考えると……』

 ブラックローズは助け舟を求めるが、レオとミーナから無情な返事しか来ない。
 揺光とて、二人の言い分は理解できる。自分達の攻撃をものともしない壁をプログラミングで解体するなど困難を極める。その上、このミッションのタイムリミットを考えると、二人に直接来て貰ったとしても間に合う訳がない。
 だけど、納得などできる訳がなかった。ここで諦めて、ハセヲを悲しませるようなことをしたくなかった。

「ハセヲッ! ハセヲッ! ハセヲオオオオオォォォォォォッ!」

 だから揺光はせめてハセヲの名前を呼び続ける。それが何の意味も持たず、また目の前で戦いを繰り広げている彼らには関係ないことを知りながらも。
 ハセヲは戦っているが、一瞬だけ見えた助けを求めるような眼を忘れない。本当は戦いたくないのに、自分達が人質に取られたせいで死ヲ刻ム影を握ることになってしまう。
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956One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:24:17 ID:qDFS4.2M0

「志乃」

 やがて残された敵は志乃だけになる。アトリに瓜二つな容姿の彼女と相対しながら、ハセヲは静かに構えた。
 パーティーのサポートが主な役割となる呪療士が錬装士と正面で戦っても勝ち目はない。志乃は追い詰められている。だけど、笑顔を絶やしたりしなかった。むしろ、これから起こる運命を望んでいるかのようにも見えてしまう。

「間に合わなくて、ごめん」
「ふふっ……なら、もう遅刻しちゃだめだよ? それから、がっかりさせないで。ハセヲを待っている人はたくさんいるでしょ?」
「ああ。俺はこれ以上、誰のことも失いたくない。みんなを……助けてみせる!」
「そっか。なら、彼女のこともお願いね」

 そんな微かなやり取りの中で、志乃はいつまでも微笑んでいる。きっと、ハセヲはこれまで何度もその笑顔に支えられたはずだ。
 だけどハセヲはそんな志乃に目がけて…………死神の鎌を振るった。ぐらりと、志乃の体は倒れていくが、その笑みを絶やすことはない。彼女なりに、ハセヲを安心させようとしているのかもしれない。
 貴方は何も悪くない。だから心配しないで。そんな想いが伝わってくるが、ハセヲはそれを素直に受け止められるのか。

「えっ……?」

 志乃のPCボディが崩れ落ちていく中、揺光は気付く。彼女が言葉を紡いでいることを。
 そして揺光と志乃は目が合った。偶然か、それとも志乃が最後の力を振り絞ったおかげなのかはわからない。けれど、震える唇から零れた儚い声は、自分に向けられているような気がした。揺光は耳を澄まし、志乃の遺言を掬い上げた。

「ハセヲのこと、お願いね」

 そんな声が聞こえた途端、志乃は跡形もなく消えていった。ガラスのように呆気なく、何一つの欠片も遺さないで。
 揺光は絶句した。闘技場へのゲートが開かれても、遠い世界で起こった出来事のように現実味を抱けない。
 ただ、無言を貫くハセヲを見つめることしかできなかった。

「…………お前ら、待っていろよ。すぐに出してやるから」

 そんな乾いた言葉を残しながら、ハセヲは真っすぐに走る。
 微塵も振り向く気配を見せないその背中が遠ざかっていくのを、揺光は眺めていることしかできなかった。
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957One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:24:34 ID:qDFS4.2M0

『私、こんな時だから明るく行こうって思っていたのに、すぐまた震えちゃって』
『こんなんじゃ私、ハセヲさんにまた怒られちゃいそうだな……』

 続くような囁きをハセヲはよく知っている。忘れるはずがない。
 その声の主をハセヲはずっと見てきた。共に戦い、共に笑って、この手で救いたいと願ったけれど、見殺しにしてしまった彼女だ。

『すいません。足手まとい、ですよね?』
『私は、』
『ここに居ます。そう信じていたい……感じていたい……』

 気配は微塵にもないけれど、彼女の声が聞こえてくる。
 異様なまでとも言える自己嫌悪と、自らを縛り付ける後悔。そんな彼女の姿をハセヲは何度見届けてきたか。かつてはただの理想主義者としか見ず、彼女の思想を嫌悪感で吹き飛ばすだけだった。
 だけど、今は違う。彼女がかけがえのない存在となった時から、この手で守れるように強くなりたかった。彼女だけではなく、クーン達だって同じ。けれど、彼らをハセヲ自身の手で殺してしまった。

『クスクス キャハハハ!』
『よかろう、ならば皆殺しである』

 しかし、ハセヲの中より湧き上がる慙愧の念を吹き飛ばすかのように。狭い世界に二つの狂笑が響き渡った。

『そうかね。では拷問を続けよう』

 続けて聞こえてきたのは、忘れもしない仇敵の嘲笑。エージェント・スミスの声に気付いた途端、ハセヲは驚愕と怒りで目をカッと開いた。

『―――あ、ああああアアアアアアああ唖吾痾合アア亜あ婀ア閼擧…………ッッッ!!!???』

 だが、耳を劈くような悲鳴へと変わってしまい、ハセヲの表情は凍り付く。
 そしてマク・アヌで起きた数多の悪夢が蘇った。スミスに傷つけられたせいで、彼女のPCボディは黒く変色していた。つまり、ここで再生されているのは、このバトルロワイアルにおける彼女の記憶だろう。
 かつて彼女はAIDAに囚われた。榊に願いを利用されてしまい、そのアバターと碑文が悲しく歪んでしまった。自分を認めて欲しい……虐げられ続けた彼女は、ただ自らの感情を吐露していた。

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958あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:25:20 ID:qDFS4.2M0



     3◆◆◆



 そうして辿り着いた先は、6度目になる闘技場エリアだった。
 相変わらずの無機質な色で満ちている。特別な飾りはなく、学習机のような道具だって何一つ備え付けられていない。だけど、ここには彼女がいることだけは確信できた。

「………………アトリ………………」

 だからハセヲは彼女の……アトリの名前を呼んだ。
 けれど、そこにいるはずの彼女は呪療士のアバターではなく、凶悪なモンスターの如くおぞましい姿だった。全身は常闇を彷彿とさせる漆黒に染まり、背中からは一対の巨大な翼が広がっていて、双眸は真紅に染まっている。
 最早、AIDA=PCと呼称するのもふさわしくない。だけど、その表情には確かにアトリの面影があった。

「……………………………………………………………………………………」

 ハセヲは茫然としながら、目の前に立つ彼女と視線を合わせる。
 彼女は泣いていた。大嵐の中に放り出されてしまった小動物のように、絶望した様子で震えている。かつて、榊に心の傷を利用された時以上に悲痛な面持ちだった。
 向き合うだけでも心が締め付けられるけど、視線を逸らすことなどできない。アトリはどれだけ否定されても理想を貫き通したのだから、それを裏切ってはいけなかった。
 例え、ここにいる彼女から拒絶されたとしても。

『ハセヲさん…………』

 そして、生徒会室からミーナの通信が聞こえてくる。先の戦いが行われた後だからか、彼女の声色は暗かった。

『ハセヲさん。
 わかっているでしょうが、そこにいるのはアトリさん……司さん達と同じように、あなたのために用意されたのでしょう。
 そして、あなたの前にいるアトリさんはAIDA=PC。恐らく、あなたも知らないアトリさんの一面だと思います』
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959あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:26:02 ID:qDFS4.2M0

「アトリ、俺は……!」
「嫌! 嫌っ! 聞かない! 何も、聞きたくない! あなただって、私のことを殺そうとしてるからっ!」

 その悲鳴が耳に入り込んだ途端、ハセヲは足を止めてしまう。
 彼女の嘆きを否定することができなかった。ハセヲがこの闘技場に現れたのは、アトリと戦う意志を示すことと同意義だから。
 そして、ハセヲの歩みはアトリに対する死へのカウントダウンに繋がる。一体誰が、その事実を否定することができるのか。

「あなたは……私のことを助けてくれなかった! 私のことを助けてくれると言ったのに、裏切った!
 苦しかった! 寂しかった! 逃げたかった! 怖かった! だけど、私は耐えたっ! きっと、あなたが助けてくれると……信じてたからっ!
 あなたが来てくれた時、私は安心した…………だけど、また裏切られたっ!」
「……アトリ……」

 アトリの口から発せられる怒涛の叫び。ハセヲはそれを耳にしながら、歩み続ける。それを阻害するかのようにアトリの触手は更に暴走するが、懸命に耐える。
 彼女が受けた苦痛や悲しみ……その全てを受け止めるのは誰の役目か? 他ならぬハセヲ以外にあり得ない。
 ここにいるアトリの言葉は、いなくなってしまったアトリの真実だろう。ただの虚構と切り捨てるなど、あってはならない。

「私はここにいたい……死にたくないっ! 生きていたい! 消えるなんて嫌っ!
 あなた達はここに来るまで……たくさんの敵を倒してきたでしょ? あなたは、志乃さん達を切り捨てた! だから私のことだって殺そうとしてるっ!
 私のことだって、偽者と決めつけて全てを奪おうとする! 私は、私はここにいるのにっ!」

 アトリの嘆きを否定することはできなかった。
 ハセヲは既に自らの手で関わりを持った者達を切り捨てた。彼らと同じように、ここにいるアトリのことだって殺そうとしているのは紛れもない事実だ。


 ――オ前ガ、二人ヲ殺シタノダト。


 あの夢で『憑神』であるスケィスから発せられた宣告が蘇る。
 まるで、あの夢を再現したかのよう光景だった。"表側"のゲームでは、かつてのスケィスによって志乃とアトリが命を奪われたように……今度はハセヲ自身の手で、二人の命が壊されようとしている。
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960あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:26:32 ID:qDFS4.2M0

「……俺なら、大丈夫だ…………」

 しかしハセヲはその助け舟を拒絶する。
 彼らの力はいらない。いや、むしろハセヲがたった一人で向き合わなければ、アトリは耳を傾けてくれなかった。

『ハセヲさん!? しかし、このままでは……!』
「だい、じょうぶ、だ……俺なら、大丈夫…………俺の話を、聞いてくれ……!」

 生徒会室で待っているレオ達と。そして、吐息のかかる距離にまで近付いたアトリに言い聞かせるように、ハセヲは言葉を紡いだ。

『…………わかりました。ですが、タイムリミットが迫っています。僕達が判断したら、その時は了承してください。ハセヲさんの犠牲は、あってはいけないことですから』

 その宣告を最後に、生徒会室から聞こえてくる声が止んだ。
 ありがとう。と、胸中でレオ達に告げながら、ハセヲはアトリをじっと見つめる。対するアトリは頭を振るが、構わなかった。

「……嘘。そうやって、あなたも私を騙そうとしてる! 都合の良い言葉を利用して、私を殺そうとしてるっ! 私はもう、あなたを信じて殺されたくないっ!」
「…………そうだよな…………」

 今はただ、アトリの言葉を肯定する事しかできない。
 "表側"でアトリの命を奪ったのはスケィスだ。そしてスケィスとはハセヲ自身でもある。ハセヲの過去が志乃やカイト、そしてアトリを殺してしまったことを否定するつもりはない。スケィスはここにいるのだから。
 でも、それを言い訳にアトリと向き合うことをやめてはいけなかった。耳を塞いで、自分を勝手な思い込みで縛り付けるなとアトリに伝えたのは誰だ? 他ならぬハセヲ自身だ。

「…………でも、聞いてくれないか? 俺は、志乃から頼まれたことがあるんだ。アトリのことを、お願いって…………」
「…………えっ?」

 志乃から託された最期の言葉を告げた途端、アトリから伝わる力が緩むことが伝わる。けれど、それで終わりな訳がない。

「嘘……そんなの、嘘に決まってる! みんな、消えたくないはずなのに……あなたが志乃さん達の命を奪って、私のことだって……!」
「嘘じゃない……嘘じゃない……志乃も、クーンも、シラバスも、ガスパーも……お前のことを、心配していた。揺光達だって、お前がここにいることを知ったら……助けるに決まってる。
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961あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:27:54 ID:qDFS4.2M0

「アトリ……」

 だからハセヲもアトリの名前を呼んだ。
 ゆっくりと、この身体に突き刺された手刀は抜かれていく。見た目はおぞましいが、元となるアトリの攻撃力が低いせいか深刻なダメージは負っていない。

「…………やっぱり、ハセヲさんはハセヲさんのままですね」
「俺は俺だ。間違えたり、立ち止まることだって、まだまだある。だけど……また歩き出すことだけはやめない。俺は、そう誓ったから」
「そっか……強いんですね、ハセヲさんは」

 そして、アトリは微笑んだ。
 その笑みはハセヲがよく知る笑顔だった。彼女だって、心に傷を負いながらも多くのプレイヤーを支えようとした。いや、辛い経験を乗り越えてきたからこそ、傷を持つ者の苦しみに寄り添えている。
 ハセヲもアトリの存在に何度支えられてきたか。彼女がいてくれたからこそ、乗り越えられた困難もあった。

「ハセヲさん…………ごめんなさい」
「謝ることなんかねえよ。今からでも、お前を助ける方法を見つけてみせる。そして、あのGMどもに……」
「いいえ。時間はないんです……ハセヲさんだって、わかっていますよね?」

 その言葉の意味に疑問を抱く暇もなく、彼女はゆっくりと後退する。
 唐突な動作に首を傾げるのと同時に、アトリは手刀を掲げた。未だに鋭利な輝きを放つ漆黒の刃より放たれる異様な気配に、ハセヲは目を見開いた。

「……アトリ?」
「ハセヲさんのことを裏切ってしまって、ごめんなさい……それと、歩き出すことをやめないでくださいね?
 助けようとしてくれて、本当に嬉しかった……本当の気持ちを伝えてくれて、ありがとうございます」
「ま、まさか…………待て、アトリッ!」
「……大丈夫ですから、ハセヲさん」

 ハセヲは前に踏み出すが、もう遅い。
 アトリは自らの胸を目がけて、その刃を突き刺した。

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962あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:28:32 ID:qDFS4.2M0



     4◆◆◆◆



 パリン、と甲高い音を鳴らしながら岸波白野達を閉じ込めていたファイアーウォールは消滅する。
 それが意味することはたった一つ。闘技場に向かったハセヲがボスエネミーの撃破に成功したことになる。

「ハセヲッ!」

 刹那、揺光は真っ先にゲートに向かって飛び込んでいった。
 無理もない。ハセヲが志乃達を模したエネミーと強制的に戦わされてから、彼女はずっと心配していた。
 それは岸波白野達も同じ。恐らく、この先で待ち構えているはずのボスエネミーだって、ハセヲの関係者のはずだ。

『…………白野さん、ブラックローズさん』

 残された岸波白野達も駆け出そうとした直後、ミーナの声が聞こえる。

『ハセヲさんは、ミッションをクリアしました……でも、ボスエネミーとして配置されたのがアトリさんだったんです。
 そこにいたアトリさんは、ハセヲさん達を助けるため……自ら、命を…………!』

 ミーナの震える声に、岸波白野は絶句した。
 ……まさか、アトリがボスとして登場した!? それにアトリが自らの手で命を絶った、だと!?
 それでは、志乃だけでなくアトリのことだって……ハセヲは二度も失うことになってしまう。
 GM達はどこまでハセヲの願いを踏み躙れば気が済むのか。ハセヲが守りたかった二人の命をいたずらに生み出し、そして使い捨ての駒のように扱う。
 そんなことを許される訳がない。結果的に、ハセヲが二人に死を導いたことに変わりはなかった。

「ハクノ! あたし達も行くわよ!」
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963あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:29:10 ID:qDFS4.2M0

「……ハセヲッ! アトリッ!」

 その時、この闘技場に新たなる声が響き渡る。
 叫びに反応して振り向いた途端、揺光が駆け寄ってくるのが見えた。遅れて、岸波白野やブラックローズも姿を現す。

「あ、アトリ……なんで、なんでこんなことに……!?」

 そして変わり果てたアトリの姿を見て、揺光は足を止める。
 震える揺光と視線を合わせるように、アトリはゆっくりと顔を上げた。

「揺光さん……ですか? よかった、助かって…………」
「良くねえよ! アンタがこんなになって……良いわけねえだろ! 今、アタシが助けてやるから待ってろ!」

 揺光は癒しの水をオブジェクト化させて使用する。だが、アトリのHPは回復しない。
 アトリのアバターの崩壊を前に、揺光は震えている。アトリを助けたいと願っているのは揺光も同じだが、どうすることもできない。
 既に蘇生効果の制限時間はとっくに過ぎている。ただアトリの最期を見届けることしかできなかった。

「…………なんで、なんで? アトリとまた会えたのに、こんなのって……ありかよ!?」
「揺光、さん……ありがとうございます……私のことを心配してくれて…………
 私、いつもハセヲさんを、悲しませてばかりだから…………ハセヲさんを、守って、あげてください……」
「アンタに言われなくても、そうするに決まってるだろ! だから、アトリも諦めるな!
 アタシは、ハセヲやアトリと一緒に『The World』でもっと冒険したいから……諦めないでくれよ!」

 ハセヲの気持ちを代弁するかのように揺光は叫ぶ。しかし、肝心のアトリはただ微笑むことしかできない。 
 白野とブラックローズは気まずそうに見つめている。霊体化して姿が見えなくなっている三人のサーヴァントも同じだろう。

「アトリ……アトリ……アトリッ!」

 ハセヲは必死にアトリの名前を呼び続ける。
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964あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:30:37 ID:qDFS4.2M0

「あ……あ、あ、ぁ、あ…………アトリッ、アト、リッ! アトリイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィッ!」

 ハセヲは慟哭する。アトリの喪失を嘆き、ただ涙を流すことしかできない。
 結局、何も変わらなかった。これ以上、誰も失いたくないと願っていたのに、それどころかむしろ自分自身の手で大切な人を殺してしまった。
 能無しだ。何も守れていないではないか。

「…………ハセヲッ!」

 崩れ落ちそうになるハセヲの体を、揺光が抱き締める。
 振り向くと、揺光もまた大粒の涙を流していた。ブラックローズも同じで、白野だけは悔しげに拳を握り締めている。
 そして、遅れて三人のサーヴァントも実体化する。皆、ハセヲを心配するかのように見つめていた。

「……揺、光…………?」
「ハセヲ! 今は、アタシ達を頼ってくれ! 頼ってくれよ!
 アタシ達は…………絶対にアンタの元からいなくなったりしない! ハセヲのそばには、みんながついてる!
 だから……だから…………!」

 むせび泣いているせいで、そこから先の言葉は遮られてしまう。
 だけど、彼女の気持ちは伝わってきた。そして、ハセヲは決して一人ではないことも。
 これまでだってそうだった。ハセヲが立ち止まりそうになっても、周りには多くの頼れる仲間がいる。

「…………………あ、あ、あ、あ、あ、あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 だからハセヲは思いっきり涙を流した。これまでに溜まったあらゆる悲しみを、胸の奥深くから空の彼方へと解放するように。
 自らの手で命を奪った仲間達に鎮魂歌を捧げるかのように。ハセヲの涙は止めどなく溢れ出ていた。



【第六層/二の月想海 クリア】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


965あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:32:36 ID:qDFS4.2M0

[チームの目的・行動予定]
基本:バトルロワイアルの打破。
1:理想の生徒会の結成。
2:ウイルスに対抗するためのプログラムの構築。
3:GMへのジャミングが効いているうちにダンジョンを攻略
4:ネットスラムの攻略
[現状の課題]
0:ダンジョンを攻略しながら学園を警備する。
1:ウイルスの対策
2:危険人物及びクビアへの対策
[生徒会全体の備考]
※番匠屋淳ファイルの内容を確認して『The World(R:1)』で起こった出来事を把握しました。
※レオ特製生徒会室には主催者の監視を阻害するプログラムが張られていますが、効果のほどは不明です。
※セグメントの詳細を知りましたが、現状では女神アウラが復活する可能性は低いと考えています。
※PCボディにウイルスは仕掛けられておらず、メールによって送られてくる可能性が高いと考えています。
※エージェント・スミスはオーヴァンによって排除されたと考えています。
※次の人物を、生徒会メンバー全員が危険人物であると判断しました。
オーヴァン、フォルテ
※セグメントを一つにして女神アウラを復活させても、それはクビアの力になるだけかもしれないと仮説を立てました。
※プレイヤー同士の戦いによってデスゲーム崩壊の仮説を立てましたが、現状では確信と思っていません。


※生徒会室は独立した“新エリア”です。そのため、メンテナンスを受けても削除されませんが、GMに補足された場合はその限りではありません。
※生徒会室にはダンジョンへのゲートが新設されています。
※VRバトルロワイアルは“ダンジョン探索ゲーム”です。それを基幹システムとしては、PvPのバトルロワイアルという“イベント”が発生している状況です。
※そのためダンジョン攻略をGM側は妨げることができません。
※ダンジョンをクリアした際、何かしらのアクションが起こるだろうと推測しています。
※生徒会室には言峰神父を除く全てのNPCが待機していて、それぞれの施設が利用できます。

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966あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:32:58 ID:qDFS4.2M0

【揺光@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP100%、強い決意、Xthフォーム
[装備]:最後の裏切り@.hack//、あの日の思い出@.hack//、PGMへカートⅡ(7/7)@ソードアートオンライン
[アイテム]:不明支給品0~2、癒しの水@.hack//G.U.×2、ホールメテオ@ロックマンエグゼ3(一定時間使用不能) 、基本支給品一式×3、ネオの不明支給品1個(武器ではない)、12.7mm弾×100@現実
[ポイント]:194ポイント/0kill
[思考]
基本:この殺し合いを止める為に戦い、絶対に生きて脱出する。
1:ハセヲ達を助ける為に前を走る。
[備考]
※Vol.3にて、未帰還者状態から覚醒し、ハセヲのメールを確認した直後からの参戦です
※クラインと互いの情報を交換しました。時代、世界観の決定的なズレを認識しました。
※ロックマンエグゼの世界観を知りました。
※マトリックスの世界観を知りました。
※バーサーカーの真名を看破しました。
※ネオの願いと救世主の力によってXthフォームにジョブエクステンドしました。
※Xthフォームの能力は.hack//Linkに準拠します。
※救世主の力を自在に扱えるかどうかは不明です。


【岸波白野@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP70%(+150)、データ欠損(小)、令呪二画、『腕輪の力』に対する本能的な恐怖/男性アバター
[装備]:五四式・黒星(8/8発)@ソードアート・オンライン、{男子学生服、赤の紋章、福音のオルゴール、開運の鍵、強化スパイク}@Fate/EXTRA
[アイテム]:{女子学生服、桜の特製弁当、コフタカバーブ、トリガーコード(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)}、コードキャスト[_search]}@Fate/EXTRA、{薄明の書、クソみたいな世界}@.hack//、{誘惑スル薔薇ノ滴、途切レヌ螺旋ノ縁、DG-0(一丁のみ)、万能ソーダ、吊り男のタロット×3、剣士の封印×3、導きの羽×1、機関170式}@.hack//G.U.、図書室で借りた本、不明支給品0~5、基本支給品一式×4、ドロップアイテム×2(詳細不明)
[ポイント]:0ポイント/2kill
[思考]
基本:バトルロワイアルを止める。
1:このゲームをクリアする
2:榊の元へ辿り着く経路を捜索する。
3:エルディ・ルーの地下にあるプロテクトエリアを調査したい。ただし、実行は万全の準備をしてから。
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967あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:33:24 ID:qDFS4.2M0

【レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP45%、令呪:三画
[装備]:なし
[アイテム]:{桜の特製弁当、番匠屋淳ファイル(vol.1~Vol.4)@.hackG.U.、{セグメント1-2}@.hack//、基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/2kill [思考・状況]
基本行動方針:会長としてバトルロワイアルを潰す。
0:バトルフィールドを破壊する為の調査をしながら、指令を出す。
1:ゲームをクリアする。
2:ハーウェイ家の党首として、いずれトワイスも打倒する。
[サーヴァント]:セイバー(ガウェイン)
[ステータス]:HP70%(+50%)、MP100%、健康、じいや
[装備] 神龍帝の覇紋鎧@.hack//G.U.
[備考]
※参戦時期は決勝戦で敗北し、消滅した後からです。
※レオのサーヴァント持続可能時間は不明です。
※レオの改竄により、【神龍帝の覇紋鎧】をガウェインが装備しています。
※岸波白野に関する記憶があやふやになっています。また、これはガウェインも同様です。
※ガウェインはサチ(ヘレン)の身に起きたことを知りました。
※蒼炎のカイトの言語を翻訳するプログラムや、通信可能なシステムを作りましたがどれくらいの効果を発揮するかは不明です。

【蒼炎のカイト@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP80%、SP80%、PP100%
[装備]:{虚空ノ双牙、虚空ノ修羅鎧、虚空ノ凶眼}@.hack//G.U.
[アイテム]:基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/1kill
[思考]
基本:女神AURAの騎士として、セグメントを護り、女神AURAの元へ帰還する。
1:ゲームをクリアする。
2:ユイ(アウラのセグメント)、騎士団を護る。
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968あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:33:55 ID:qDFS4.2M0


【第六層・二の月想海】
ミッション:制限時間以内に敵性エネミー及びフロアボスの撃破
ボス:アトリ@.hack//G.U. TRILOGY
イニスの碑文使いにして、AIDA=PCとなった呪癒士の少女。
TRILOGY本編の他にも、ゲーム本編及びバトルロワイアルでの記憶も引き継いだ状態で出現した。


969 ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:34:16 ID:qDFS4.2M0
以上で投下終了です。
何かご意見があれば指摘をお願いします。


970名無しさん :2018/02/15(木) 23:44:32 ID:OoD/o3Vs0
投下乙でした

これは、辛い。とても辛い……


971名無しさん :2018/03/15(木) 19:51:39 ID:QfPP559c0
月報の時期なので集計させて頂きます
135話(+ 1) 15/55 (- 0) 27.3


972 ◆k7RtnnRnf2 :2018/03/19(月) 07:52:57 ID:I.mnP9vs0
ttp://fast-uploader.com/file/7076968412552/

◆NZZhM9gmig氏が執筆した「Dark Infection」のワンシーンをイラストにさせて頂きました!
オーヴァンの圧倒的な力と、キリトとアスナの死別がとても印象的だったので。
読み終わった当時、オーヴァンの底知れぬ恐ろしさと共にバトルロワイアルの凄惨さが伝わってきて、物凄い絶望感を味わったことを今でも覚えています。


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11 変身ロワイアルその6 (Res:869)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 11
1名無しさん :2014/08/07(木) 11:23:31 ID:V1L9C12Q0
この企画は、変身能力を持ったキャラ達を集めてバトルロワイアルを行おうというものです
企画の性質上、キャラの死亡や残酷な描写といった過激な要素も多く含まれます
また、原作のエピソードに関するネタバレが発生することもあります
あらかじめご了承ください

書き手はいつでも大歓迎です
基本的なルールはまとめwikiのほうに載せてありますが、わからないことがあった場合は遠慮せずしたらばの雑談スレまでおこしください
いつでもお待ちしております


したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15067/

まとめwiki
ttp://www10.atwiki.jp/henroy/

85080 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:48:40 ID:gooP8PFs0



【『死神』――響良牙/変身ロワイアルの世界】



 ……おれは、空を見つめた。
 今日が、その時だ。
 ――遂に、奴らが来る。



 ――ここに連れ去られ殺し合いをさせられてから今日までの長い出来事を、おれはずっと思い出していた。



 かつて、おれは、ベリアルを倒した爆炎の中からこの地に落ちた時、すべての記憶を失った。
 そのままわけもわからず、ふらふらと彷徨い、歩いた先の街で――おれは、男の死体を見つけた。

 早乙女乱馬……というよく知った男の死体だったが、その時に思い出す事はなかった。
 おれはその時は、ひたすら逃げて……森に辿り着いた。
 そこで、おれは冷静に考え――自分こそがその死体を作り上げた殺人犯だという結論に至った。
 おれは、気が狂いそうになっていた。

 やがて、おれは怪物たちと出会う事になった。
 怪物たちの名前はニア・スペースビースト――ダークザギの情報や遺伝子を受けて異常進化し、スペースビーストのように巨大化した微生物たちだったらしい。ただ、おれはずっとわけもわからないままそいつらから逃げ、自分自身の持つ馬鹿力で戦い続けた。
 ほとんどの怪物を、おれはなんとか倒す事ができた。ちょっとの損傷ではおれは死なない。必ずしも簡単な戦いばかりではなかったが、なんとか戦い抜いた。
 そして、ある日――そんな怪物と戦うさなか、おれは頭を打ち、偶然にも、記憶を取り戻す事になった。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


85180 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:49:05 ID:gooP8PFs0
 それからどれだけ彷徨っても、おれは仲間を見つける事はできず、孤独のままだった。
 気づけば、また元の島に戻っていた。手ごたえのない旅を徒労に感じ始めたおれは、別の島に行くのをやめた。

 またそれから、毎日、島から出る事もなくつまらない日々を暮らし、戦う相手もしないのに頭の中だけで修行し、おれは、誰かが来るのを待つ事にした。

 毎日毎日、ずっと同じ事を考えていた。
 彼らもここにいないという事は――左翔太郎や、涼邑零や、高町ヴィヴィオや、蒼乃美希や、佐倉杏子や、孤門一輝や、花咲つぼみは――元の世界に帰れたのだろうか。涼村暁はどうなったのだろう。
 彼らは、帰れたとして、その先が救えたのか、そこから先のあの管理世界は終わり、今度こそベリアルとの決着がついていたのか――そんな不安を持ちながら、きっと勝てたと信じ、彼らが助けてくれるのを待った。

 だが、来ることはなかった。
 もしかしたら、おれは死んだのかと思われているのかもしれない。

 おれたちだけが、ふたりで、迷子でここにいた。
 そして――クロスミラージュも、ある時に動かなくなった。どれだけ言葉をかけても返ってこなくなり、おれはクロスミラージュも埋めた。
 おれだけが、ひとり、迷子になった。

 それから、またずっと、長い孤独だった。時間はいつしか数えていない。ある時から、どう流れても一緒だった。いま何十年なのか――百年は経っていないと思う。
 その間中、ずっと、誰かの支給品だったらしい、このオルゴール箱はおれの心を癒してくれた……。
 悲しみに潰れそうな夜に聞くと、おれは壊れ行く心をなんとか維持できるようになった。
 それだけはなんとか、今日まで壊れる事なくおれの傍にあり続けてくれた。

 ……そうだ。おれは、あいつらと一緒にその先の未来で過ごす事はできなかった。

 ただ、ある時、ある予知の力と、いくつかの情報がおれの頭に過った。
 それはダークザギが得た情報と能力だった。一度だけ仲間とともにウルトラマンノアと融合して戦った事や、ニア・スペースビーストを倒し続けた事によっておれも潜在的にその力が覚醒していたのだった。
 バカなおれが、ニア・スペースビーストなんていう言葉を作り出せたのも、ノアやザギの情報によるものだ。
 そして、ちょっとした予知の能力を得られたおれは、それから十年間、今日だけを待った。

 誰かが来る。おれを殺しに来る。
 だが、おれはそいつらを撃退する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


852 ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:52:02 ID:gooP8PFs0
投下終了です。
今回はちょっとギリギリまで書いていたので、誤字やミスがあるかもしれず、
その辺はwikiで修正するつもりですが、大筋はこんな感じです。

このスレ内で終わるのかちょっと心配ですが、万が一終わらなかったらwikiに直接投下になるかも……。
そうなったらすみません。


853名無しさん :2018/02/20(火) 06:10:22 ID:6cTEM61I0
投下乙です!
つぼみが残した最後の謎と共に、まさかとんでもない真相が明かされるとは……!
これは花華ちゃんにとって辛いですし、怒って当然ですよね。
変身ロワの世界に取り残された良牙も切ないです。一歩間違えたら、かつての克己みたいになってもおかしくなさそう……


854名無しさん :2018/02/21(水) 19:20:24 ID:yf5PLn9s0
投下乙です
残酷な真実と衝撃的な展開…
残り生存者2名、つぼみと良牙はどういう結末を迎えるんだろう


855 ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:42:32 ID:H/vzgqzw0
投下します。


85680 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:43:47 ID:H/vzgqzw0
【『探偵』/変身ロワイアルの世界】



『――ここが変身ロワイアルの世界よ』

 おれの中で、HARUNAがそう告げた。
 いわゆる肉体無きデータ人間、HARUNAを自分の身体に憑依させてみた感想だが――実に、変化がなかった。手足も意のままだし、感覚も変わらない。体のどこかに異物感があるとか、頭の中がぼんやりするとか、そんな事もなかった。おれの中をすり抜けるようにしてHARUNAのアバターが結合したかと思えば、そのままおれの身体にテレパシーのような形で指示を出しただけである。
 おれとしては、それは「HARUNAがアバターを使わず、声だけになった」ような感じだった。
 つまるところ、初体験にしては、あまり味わいのない感覚だった。

 唯一違うとすれば、そう、おれの身体が異世界移動を一切拒絶せず、この花咲つぼみがついぞ見つける事のなかった「変身ロワイアルの世界」の座標を見つけ、そこに飛び込めるようになったという事だけだった。本来、この先は参加者の遺伝子情報を持つ人間以外は立ち寄れないらしい場所だ。
 だから、花華が何なく入れるとしても、おれは本来なら条件から外される存在であるはずだった。おれには、どうやっても一生入る事ができない場所なのだ。
 このHARUNA嬢のたいへん素敵なお力のお陰で、おれはここにいると思うと、頭が上がらなくなってもおかしくはないだろう。勿論、まったく嬉しくはないし、今まで一度たりとも旅行に来たいと思った事もないし、実際目の前にあるのは景色も悪い場所なのだが、……まあ、貴重な経験ではあると云える。

 ……しかし、八十年の隔たりがあったわりには、来てみれば、実にあっけないものだ。
 こんなところを八十年、一生涯をかけて探した花咲つぼみが――この上なく失礼だが――少し哀れに思ってしまうほどだ。
 おれは、呟くように言った。

「……で、おれたちが辿り着いたのは、一体、変身ロワイアルの世界のどこなんだ? こんな光景を、おれは見た覚えがない。少なくとも、異常な場所である事くらいは把握できるんだが――」

 ――おれたちの前にあったのは、おそらく何かの実験が行われたように、奇妙な機材が並んだ研究室だ。
 一応、廃墟の中の一部屋のようだった。外からの光は差さない。窓がないのだ。電気はついているようだが、それもかなり薄暗かった。
 そして――そこにある機材は、古びて埃を被ったり、錆びたりしているが、人類が直近でようやく手に入れたようなハイテクノロジーや、あるいはそれすら超えるようないまだ見知らぬテクノロジーによって生み出されたものばかりであった。複数世界が結集して数多の技術が確立されていったにも関わらず、それで追いつかないような超技術が、八十年も置き去りにされていたのだ。
 いうなれば、「今」が廃れた後の、ずっと未来の世界にさえ見えた。
 この八十年、似たような事象が――誰かが同じように支配や殺し合いをもくろむ事象が――発生しないのは、おそらくこのシステムに人類が追いつく事がないからだと言えよう。

 HARUNAは、ここは、おれたちの求めた変身ロワイアルの世界だと言う。――おれの想定していたイメージと、何となく合致していた。この、精神病院に来たような、鬱屈とした不安の絶えない場所。それは、確かにかつて殺し合いの起こった場所らしい感慨を覚えさせていた。
 変身ロワイアルの世界だという確証こそなくとも、ここが普通の場所じゃないのは誰でも直感的に察する事が出来るに違いない。

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85780 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:44:17 ID:H/vzgqzw0

「……」

 おれの方を睨む花華の視線は耐え難いものがあったのだ。――それは、厳密にはおれの肉体を借りて好き勝手に念話を公開スピーチしてくれているHARUNAに向けられたものだが――彼女の心中はおれとしても察するものであった。
 確定性のない動機による響良牙の暗殺計画。拒む機会こそ与えられたが、入り込んだらもはや問答無用で承諾をさせるやり口。更には、その動機から推察できる花咲つぼみの身に起こりうる危険――つまり、響良牙の殺害で花咲つぼみが優勝者となった時に願いを叶えさせる権利を行使するのを同様の形で止めるのではないかという危惧――。
 あらゆる事を考えてみれば、HARUNAという少女に向けられる感情は決してやさしくは在れない。おれも同様だ。

 綴られた日記を目の当たりにした以上、おれだって心が動くのは止められない。
 しかし、彼女の持つ権限がなければ、おれは世界と世界を行き来できない。つまり、職場に帰れない。どうあれHARUNAとの関係の構築は重要な急務だ。

「……そこに、まだ響良牙が残っているんだな」

 おれは、そう訊いた。
 しかし、質問に答えないのがこのHARUNAである事は承知している。ただのつぶやきだった。案の定、明確な答えが返ってくる事もなく、おれの言葉は拾われる事もなく投げ出された。
 続けて、おれはもう一度口を開いた。

「――そうだ、ところでもう一人、ここに先客がいるんだろう。早くそいつを呼んでもらおうじゃないか」

 今度は質問ではなく、提案を呼びかけたのだ。
 良牙については、改めて確認せずとも、彼女が一度断定した以上、「良牙はここにいる」としか言いようがない。仮に彼女が答えてくれたとしても、それ以上の答えは返ってこないだろう。
 対して、彼女が散々言っていた“彼”なる人物についてはまだ詳しく聞けていないし、どこにいるのかもまったくわかっていなかった。
 ここにいないとすればどこにいるのか、率直に気になった。

『――“彼”ならこの基地のどこかにいるはずよ。出ないようにとは言ってある。外に出たところで何もないから』
「そんなんで大丈夫なのか」
『彼も人間よ。無理に鎖で繋がなくても、単なる指示で十分。……だって、世界の外を行き来できるのは私だけなんだから。彼が元の世界に帰るための力は私にしかない』
「……そうだな、きみの許可なく好き勝手に動き回るのは、誰にとっても損ばかり。おれたち同様、その“彼”とやらも、とっくに弱みを握られているという事だな」
『その通り』

 嫌な状況である。まるで騙されて入ったブラック企業から抜け出せなくなったような気分だ。尤も、今回は安易に知らない美女についていったおれにも、自業自得のきらいはある。彼女に憎しみを向けても仕方がない。
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85880 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:44:46 ID:H/vzgqzw0

 おそらく、おれが考えるに、彼女は少なくともかつての主催――ベリアルの内情に詳しかった人物だろうという事だ。
 ここを知っているという事は、この世界に立ち寄ったのもきっと初めてではないのだろうし、響良牙が本当に八十年生きている前提があるならば、彼女も八十年生きていたとしてまったくおかしくはない。
 たとえば、財団Xなる組織がかつて存在し、民間企業にも関わらずこの超世界規模の支配行為に加担をしていたというが、そこに所属していた人間やその実験によって生まれた存在である可能性も否めない。まともな人間でもなさそうだ。

 まったくのホラ吹きではないのは確かだった。おれたちをただ驚かせて楽しむだけのトリックに仕掛けているとするのなら、彼女はあまりにも力を持ちすぎであったし、おれの中に侵入するまでしなかっただろう。
 彼女の云っている事は真実だろうが、彼女の素性は隠し通されている。彼女に従ってうまく帰還の手段を探るしかあるまい。

「ずっと気になっていた事があります。HARUNAさん……あなたは、何故そのゲートを通れるんですか?」

 おれが頭の中で、口にしてしまおうか悩んでひっこめた言葉を、花華は直情的に差し出した。
 詮索して機嫌を損ねても仕方がないというのに。いくら合理的であれ、人に聞き出しすぎてヒステリックを起こされるパターンが最も厄介なのは、前の職場での教訓だ。そこでトラブルを作り出したのもこういう女だった。
 そのうえ、この女は質問されるのを極度に嫌う偏屈屋だ。事情は訊けないうえ、無理に訊こうとしても話は拗れる。

『質問に答える気はないわ。何度も言った通りよ』
「しかし、あなたを信じられるか、あなたの指示に従えるか……それを決めるには、やっぱりあなたの素性がわからないとどうしようもないです。言っている事だって信じられません。……だって、あまりにも一方的じゃないですか!」
『じゃあ私がこれから素性を告げたとして、そもそもそれは真実だと思う? それだって自在に嘘を告げられるでしょう? 何を言ったって嘘じゃないなんて言いきれない。単に説得力のある言葉を並べるだけに終わるわ。つまり時間の無駄よ。ここでは、目の前で起きる真実だけを信じればいい』
「……!」
『わかってもらえた?』

 まくし立てるような言い逃れの屁理屈だが、それは反論させない圧があった。

「……」

 花華は口惜しそうな顔をして、彼女と話すのを無駄だと悟ったようだった。両者の仲は先ほどから極めて険悪なままであった。
 おれは、花華がどんな瞳をしているのかと視線を下げたが、彼女はすぐに目をそらした。
 HARUNAと話す時、おれの方を見てはいるが、あまりおれの目を見ないようにしていたのだろう。

『――ただ、そうね。ちなみにひとつ言っておくけれど、私はかつての主催陣営とは何の関係もない。彼らの勢力に属していたわけでもなければ、過去の主催者や財団Xの残党でも何でもない。むしろ、彼らと敵対する存在といえるわ。変な邪推だけはされないように言っておくけど』

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85980 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:45:09 ID:H/vzgqzw0

「……」

 おれは、城を見るのをやめて、足元の立て札の方を見た。
 そんなおれの目の前には、ある立て札が地面に突き刺さっていて、名前も知らない真っ白な花が添えられている。



『らんまとあかねさんのはか』



 目の前の立て札には、そう書いてあった。つまり、おれは、今、乱馬とあかねさんが眠っている墓の前にいるようだ。
 方向音痴なおれがここに辿り着けたのは、間違いなく天がおれに味方しているという事だった。
 永遠の時間と予知能力まであるというのに、方向音痴ばかりはまったく改善されないのだ。……これは呪われた宿命と言ってもいい。

 これまでも何度もこの場所に向かおうとして、何度も迷った。ひどい時はこの場所に来ようと決めてから辿り着くまで、一ヶ月や二か月かかる事があったくらいだ。
 どうせ、今日もここに辿り着く事はないだろうと、おれは内心で少し思っていたのだが――おれは今日という日には、迷う事なくここに辿り着いていた。

 この狭い島でも、いつも一人で遭難してばかりだったこのおれが……。
 かつて乱馬やつぼみに誘導されながら動いていて、ようやく行きたい場所にいけたこのおれが……。

「――どれだけ前だったかな。ここで、おれはあかねさんと戦い、救えなかった事がある。そして、つぼみとここで二人、泣いた日だ……」

 いまの俺は泣かない。何度流したかしれないが、とうに乾いた。
 ……それに、こうして運命の日に迷う事なくここに辿り着けた。運が良い。涙を流すには向かない日だ。

 おれは戦う――そして、間違いなく勝つ。
 そこまでがおれの予知した未来であり、これは確実な話なんだ。

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86080 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:45:50 ID:H/vzgqzw0



【『探偵』/プチ・マレブランデス内】



 おれたちは、気まずい空気のままでマレブランデスの中身を歩いていた。
 部屋はいくつもあり、とにかく中身には不気味な空気ばかりが染みついていた。何しろ、八十年も無人なのにいまだシステムの生きている管制室に加え、妙な趣向の要人の部屋やら化け物向けの異文化的な部屋やらがあって、そこには時折、骸骨と化した死体が放置されているのである。誰か獣にでも荒らされた痕跡も残っていた。

 廃墟の方がまだずっと、恐怖は薄い。
 そこにまだ誰かが残っていそうな雰囲気さえあり、少し震える花華の隣でおれも息を飲みながら歩いていた。もしかするとおれも震えていたかもしれない。
 そんな折、花華が震えた声で言った。

「探偵さん、ここ少し……怖くないですか……?」
「……少しで済むなら立派だ。おれからすれば、ヤクザの事務所に話をつけに行って素っ裸にされた時よりか、ずっと怖いな」
「それを聞くと、探偵さんの経緯も怖いですが……」
「きみはその手の輩を相手取る仕事が怖いらしいが、おれにとってみれば超常的な戦いを強いられるきみの仕事の方が怖いね。きみは慣れていて、今も少し怖い程度で済むかもしれないが、おれの場合は、この状況は超怖いわけだ」
「まったくそうは見えませんけど」
「怖さを押し殺さなきゃ探偵なんてやっていられないさ。怖さをどう超えるか、どう対策して怖さを最低限に抑えるか、それも仕事のうちだよ。ましてや、あの街の駆け込み寺のおれにとっては、頼りのあるところを見せないと顧客も安心してくれまい」

 おれの場合、少女ふたりの手前でビクつくのは嫌なのもあるが、元々顔に出ない性質なのだろう。十分に情けない顔をしているつもりだったが、周囲からみれば全くそんな事はないだころか、厳めしいとさえ思えるらしい。
 そんな状況の中で宝さがしでもさせられているような気分だが、少しすると、目立つ大きなドアがあった。

「なんだこりゃ。HARUNA、この部屋は――?」
『開けてみるといいわよ』

 言われるだけで、教えてくれなかった。
 舌打ちしたいような気持ちでふてくされながらそこを開けると、今度は奇妙なほど暗くて広い場所に辿り着く事になった。

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86180 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:46:24 ID:H/vzgqzw0

『――ここは、おそらくかつて殺し合いのオープニングが告げられた場所よ。七十名近くが一気に収容できるような広い場所は、マレブランデスの内部にはここしかなかったわ』
「つまり、数十名の運命を一斉に変えた場所か……」
『ロマンのある言い方をするわね』
「よせ。血なまぐさいロマンは好めない」

 ロマンなどというのは――あまり言いたくはない言葉だが――不謹慎に聞こえた。
 いくら八十年前の出来事であれ、いまはその出来事の渦中にあった少女の曾孫が隣にいる。おれ自身、ロマンチストのつもりはない。現実にここで数十名の運命が纏めて打ち砕かれたのだから、それを言っただけだ。
 とうの花華の顔色は、おれには暗闇で見えなかった。電気のひとつでもあれば良いが、ほとんど暗闇だ。まあ、辛うじてうっすらと何かが見える程度には光があり、真の闇ではないようだった。彼女がただ淡々としているようなのを見ておれは安心した。

 ――ふと、そんな花華がおれに声をかけた。

「探偵さん、あそこ……誰かいます……」

 片腕をゆっくりと上げたのがぼんやりとわかった。花華が指をさしたらしい方を、おれは目を細めて見つめた。
 その先には、気配だけがあった。おれは即座に構えた。
 そこにあるのが――あるいはいるのが、何なのかはわからなかった。
 しかし、前方から物音が立ったのが聞こえた。

「――」

 ……そう、誰かが闇の中で動いている。
 花華が先にそれに気が付いたのは意外だったが、人か獣か、とにかくその闇の中には何か見えない物が声を動いていた。
 こちらに気づいてさえいないのか、敵意も害意も感じる事はない。ただ、その存在が不透明すぎておれは警戒するしかなかった。
 可能性が高いのは、もう一人の“彼”であるか、あるいは、響良牙であるかという事であった。
 そして、そのいずれであっても、おれにとって敵であるのか否かが、即座にはわからなかった。

「――花華、おれの後ろへ」

 おれは、花華を誘導した。
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86280 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:46:45 ID:H/vzgqzw0



【響良牙/C-8 花畑】



 おれの予知した未来――そこで鋭い吊り目を輝かせるのは、まぎれもなくあのカイザーベリアルに違いなかった。
 その戦いへの覚悟はある。
 何度だって倒す。何度だってぶつかる。本当にその為だけに今日まで生きてきたというのなら、まだおれにも救いがあるような気がする。
 だが、おれの心に靄を残しているのは、ベリアルの事じゃなかった。

「――」

 そう――もう一人、どこか遠くで生き残っているはずの、つぼみの事だった。
 涼村暁も、左翔太郎も、涼邑零も、血祭ドウコクも、孤門一輝も、蒼乃美希も、佐倉杏子も、高町ヴィヴィオも……生き残っていたヤツは、他の全員がもういないらしい。
 おれが願いを叶えるという事は、つまり、間違いなく……つぼみももうすぐ死んでしまうという事だった。
 おれが置き去りになった後でも、きっと世の中は動き続けていたのだ。
 そんな中で、あいつらは、おれを残して勝手に先に逝って……おれを迷子のままここに残した……。
 外の時間がどういう風に動いていたか知らないが――あとはもう、あいつらの中では彼女にしか会えないという事だった。

「右京……ムース……それに、あかりちゃん……」

 生きているよな……?
 この何十年で、あのババアはくたばっただろうが、お前たちならおれを迎えてくれると信じている。

 そう……おれはベリアルとの決戦に向かう前の日、きみとデートする約束をしたんだったな、あかりちゃん……。
 残念ながら、おれはあの場所へ帰ってくる事ができなかった。
 だから、きみはもう別の人と結ばれて、おれを忘れて別の暮らしをしている事だろうと思う。――きみがどれだけ待ってくれていたかはわからないが、もし戻れたのなら、待たせた時間の分だけ謝りたい。
 きみが生きているのなら、おれは現れて謝ればいいのか、それとももう二度と会わない方がいいのか……それはおれにはわからない。
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86380 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:47:04 ID:H/vzgqzw0



「――――ッ!!」



 そんな事を考えた瞬間、強い頭痛がおれを襲った。
 予知能力が発現した時に頭に走る稲妻。――予知に慣れないおれには、その一瞬の痛みと情報は苦痛にさえ感じた。
 それは濁流のようにおれの頭の中を流れ込み、締め付けていく。
 無数の記憶。



(――なんだ!? どうして……こんな……)



 キュアブロッサム。花咲つぼみ。一撃。おれの眼前に拳。
 何か言っている。言葉。怒り。涙。
 空に影。深い闇。雷雨。
 花。
 白いカーテン。真っ白な光。ベッド。老婆。花。誰かの手。涙。
 言葉。優しい。冷たい。光。願いを告げる。水。光。



 ……おれは、この時になって、また未来を見た。
 おれが願いを告げるまでに起こる出来事たちが、パズルのピースを見せられるように、ほんの断片的に頭の中に注がれた。

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86480 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:47:24 ID:H/vzgqzw0



【『探偵』/オープニングの広間】



 朝倉リク、と呼ばれた男が目の前にいた。
 オレンジのシャツに、デニム生地のジャケットを着た、童顔の男性。おちゃらけた印象もなければ、真面目すぎるという事もなく、普通の小学生くらいの子供がそのまま体だけ大人になったような印象さえ受ける。
 おれたちは、オープニングの広間に灯りをつけて、そのリクという男を前にしていた。彼はその広間で灯りを探していたらしかった。
 当然ながら、そこに人を運んだり、スポットライトがつけられたりしていたのだから、ここには何らかの形で電気が通っているのが自然だ。彼もこの場所を探検していたというわけである。

『彼がそう、私が呼んだ少年』

 ……正直、もっと頼りがいのある奴を想像していたが、それは桜井花華同様に未熟な印象を覚えさせるタイプだった。
 随分と平均年齢が低いパーティだ。HARUNAがもし、おれより年下ならば、おれが一番最年長という事になる。子供は苦手だと何度も言っている通りだが、そんなおれが面倒見良く彼らに引率しなければならなくなるわけだ。適材適所とは程遠い。
 彼は、おれたちに向けて、恐縮そうに挨拶をした。
 ベリアルの息子などという肩書と共に差し出されたが、普通の人間の形をしている時点でその肩書も疑わしい。そもそもどう見ても日本人じゃないか。

「あの……こんにちは。朝倉リクです」
「ああ……あんたは――ベリアルの息子って本当なのか?」
「えっと、確かに僕は、ウルトラマンベリアルの息子だけど――僕のいた世界はこことは、違う歴史を歩んだみたいで……」

 彼は少しどもった。
 どういう奴なのかわからないが、薄く笑ったままどもっていて、人見知りのような感じを覚えさせた。おれと同じく、コミュ障などと呼ばれるカテゴリの、おれとは別のコミュ障なのかもしれない。
 ……いや、考えてみればおれが威圧的だから驚いたという線もあるか。初対面を相手に過大な態度でマウントを取ろうとしてしまうのはおれの悪い癖だ。
 自分の身長と痩せた顔が少しばかり初見に優しくないのをつい忘れてしまう。
 HARUNAが言った。

『――“彼”は、ベリアルの遺伝子情報を持つ人物として私が見つけ出したわ。彼がいたのは、変身ロワイアルの出来事そのものが認知されていない世界――もっと言えば、ベリアルが別の野望を果たし、別の形で散った世界から私の仲間が呼び寄せたのが、この朝倉リク』
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86580 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:47:40 ID:H/vzgqzw0

「……今回の事も僕にとって、関係ない事じゃないと思ったから。誰かが困ってるのも、誰かの存在が消えるのも――それを守れるのが僕たちだけなら、力にはなりたいし、こうして僕たちが動かなきゃ問題は解決しない」
「まあ確かに……こうしてきみが来てくれないとHARUNAもおれも困るだろうが、きみにリターンはないはずだ。バイト料も出ないだろう」
「それは……まあ確かにちょっと困るけど……。あ、でも、それを言ったら、あなただってバイト料は出ないし、無関係でしょう! あなたこそなんで来たんですか!」

 確かにそうだ。返す言葉もない。
 誰が一番関係ないかというと、事故同然でここに来たおれだ。

「――おれも来たくて来たわけじゃないが、それは確かに……一理あると云えるな。理由はそれぞれだ。……悪かった、まあ、きみの言わんとしている事はわかった」

 考えてみれば、いわゆる「頼まれると断れない性格」というのはいくらでもいるし、それが自分にとってリスキーでも引き受けてしまうヤツはそこら中にいる。それを踏まえると、ごく普通の少年にしか見えない彼の方が、頼まれた事情を断らないリスクについて経験が浅く、こうしてここに来るのもわからなくはなかった。
 そうでなくても、HARUNAの勧誘は拒否権がない。退路を断って無理やり協力させる事だって珍しくは無かろう。
 自分にしかできない状況に使命感を覚えるというのもわからなくはない話だ。探偵が誰にでも務まる仕事だったのなら、おれはとっくに飽きていたかもしれない。

 協力できるかはともかく、まあ普通のヤツなのは見ての通りのようだ。
 これが演技だとするのなら相当凄いとしか言えない。

「……で、事情はおおよそ一割ほどわかったが、いずれにしろこうして揃ったからには、作戦を立てて良牙の殲滅をしろという話になるわけだが――これからどうするか考えてあるはずだろう」

 おれは、仲間が全員揃ったところでHARUNAに訊いてみた。
 主催者の息子である朝倉リクに、生還者の子孫である桜井花華、特異点の魔法少女HARUNAに、それから全く関係のないおれ。
 こちらには一応の戦力が二名いるとして、響良牙に勝てる見込みの話というのが不明だ。
 何しろ仲間の力も敵の力もさっぱりわかっていないし、あまりの事前研究不足の中で行き当たりばったりに世界の命運を託されている形になっている。
 このまま「作戦なんてないわよ」「力づくでいくわ」などと、むちゃくちゃな事を言われて外に駆り出されたらどうしようかという不安がおれの胸に湧いた。



『作戦なんてないわよ――こちらの戦力は十分と言っていい。……力づくでいくわ』


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86680 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:48:18 ID:H/vzgqzw0



【HARUNA/――これより少し前――】



 ……遂に時は来た。

 八十年の隔絶によって、変わっていった時の流れ。
 あるべき世界オリジナルと、派生した世界セカンド。世界は二つに分かれていた。
 二つの世界は決して交わらず、それぞれ同じ人々から始まり、分岐し、どちらも平穏を大きく崩される事もなく動いていた。

 高町ヴィヴィオが先んじて永眠し、花咲つぼみの命も僅かとなったいま、残る参加者は二人だけ――世界はそんな、誰も知らない危機に瀕しているのだ。
 優勝者の願いによっては、今までバランスの取れていた世界は、いかようにも形を変えてしまう。
 ……勿論、八十年の中で多くの別の出会いを経て子孫を育んできた花咲つぼみが願いを叶えたのなら、彼女は世界の消失など望まない。
 だが、もしその八十年を孤独に過ごした響良牙ならば、かつてそれを口にしたように、世界を消し去る願いを込めるだろう。
 ほんのわずかな時間よりも、その前の長い日常や、その後の長い虚無の方が、彼への影響は大きかったに違いないのだから……。

 そんな危機を知っていた私のソウルジェムは既に、数多の戦いによって、あと僅かで救済というところまで来ていた。
 それまでに彼女には、私の力で――多元世界移動と多元世界誘導を能力とする私の魔法で、響良牙の願いを食い止めてもらわないとならない。

 ……たとえどれだけ憎まれたとしても、最悪の事態の前に、私は桜井花華を救ってみせる。

 もし、このままセカンドがリセットし、元のあるべき世界が――それぞれ孤立した世界が求められていたのなら、セカンドにあったその先の歴史すべては根絶されてしまう事になる。
 私は、すべてが手遅れになる前にその脅威からセカンドを救わなければならない。




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867 ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:50:53 ID:H/vzgqzw0
投下終了です。
まったく予定になかったのですが、明日から「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」が公開するとの事で、宣伝のために登場させてみました。
元々いないはずの登場人物なので、他と比べるとあんまり話に絡まないかもしれませんがまあ、見られる方はぜひジードの映画もよろしくどうぞ。


868名無しさん :2018/03/09(金) 21:41:16 ID:Bm4fu2iM0
投下乙です!
まさかここで彼が登場するとは……でも確かにべリアルにとってはなくてはならない人物ですからね!
そして良牙との決着が迫るこの物語はどんなエンドマークを迎えるのか……?


869名無しさん :2018/03/22(木) 17:38:20 ID:FE2/s2to0
したらばの死者スレが4年ぶりに動いてたんだな
誰だか分からんが、こちらも投下乙!


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12 アニメキャラバトル・ロワイアル 2017 (Res:48)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 12
1 ◆ATykWUQR3E :2018/01/02(火) 21:29:04 ID:K53BxQpk0
 ここは2017年に公開されたアニメのキャラクターたちによるバトルロワイアルのリレーSS企画スレッドです。
 この企画は性質上、キャラクターの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
 苦手な人は注意してください。

【企画スレ】ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1513370169/l30
【地図】ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1423885.jpg.html

29少年少女と兎 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/14(日) 23:57:01 ID:XIyDundY0





「ハァーハッハッハ。のこのこやって来やがったな変態! 貴様の命運もここまでだ! コイツで息の根を止めてやる!」

ベアトリスの読み通りにもどってきた憂城にレイドは高らかに、高いところから告げる。彼は空に浮いてるのだ。身につけた奇妙な形の鎧の力で。
ガジェットアーマー。レイドに支給されたそのアイテムは実はかつてレイド自身が作った物だった。
飛行能力と魔力を放出する遠距離攻撃を併せ持つこれならば、地上にいる相手を一方的に攻撃し続けられる。

胸の部分についた赤い石に魔力を充填、それが光線となって放たれた。
憂城は斜め上に飛んで避け建物の壁面に着地。そのまま壁を駆け上がる。再度放たれた光線をかわしながら今度は反対側の建物へ。
三角飛びと壁面走りを組み合わせて上へ上へと超人的な動きで登っていく。

(だがアマイな)

十分な高さに達したと判断した憂城が飛びかかってきたところでレイドはさらに高度を上げた。
ガジェットアーマーはただ空にぷかぷかと浮けるだけではない。
急上昇に急降下、さらには急ブレーキまで可能な機動性、安全性とも最高クラスの飛行アイテムだ。
地上の兎がいくら跳ねたところで届くはずもない。
しかもいま相手は自由落下の最中。身動きできない空中でガジェットアーマーの攻撃を避けるすべはない。
これで積みだ。

レイドは赤い石を憂城に向ける――その眼前に銀色に光る刃が迫っていた。

「うおっ!?」

すんでのところで高度を下げる。憂城の投げた剣はレイドの真上ギリギリを掠めていった。
危ないところだった。あと一瞬でも反応が遅れていたら顔が真っ二つになっていただろう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


30少年少女と兎 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/14(日) 23:59:07 ID:XIyDundY0





彼女の脚力で憂城から逃げられるはずは到底ない。ではなぜ助かったかといえばそれは憂城がベアトリスを追わなかったからだ。
そもそも彼は最初からレイドにしか興味がなかったのだ。
最初に声をかけたのもその後の戦いも全て秘めた力を感じさせるレイドが目当てだった。
ベアトリスもずぶのド素人ではないし一度は憂城にスタングレネードを喰らわせたが、逆にいえばそれでもなお殺害にまで至れない程度の存在ということ。

いつどこでどんな敵と出くわすか分からない現状、そんな相手をわざわざ追いかけて殺すよりも別のことに時間を使うべきだと憂城は判断したのだ。
まさか彼女が偶然にも憂城の支給品、Cボールの能力に正通していて、それが周りに漏れるかもしれないとは考えもしなかった。
これは彼の落ち度というより運命のめぐり合わせというほかないだろう。
憂城にしてみればCボールは完全に未知の技術。ベアトリスはおろか全参加者を合わせても知っている存在がいるか怪しい代物だったのだ。

それに結局のところそんなことは大した問題ではないのかもしれない。
なぜならベアトリスは対憂城戦において最も注意すべき彼自身の能力、殺した相手とお友達になるネクロマンチスト(死体作り)の力を知らずに逃げたのだから。

憂城はレイドの死体を下ろす。魂の抜けたただの動く死体となったレイドが身体を起こした。憂城は屈んでレイドの目の前に参加者名簿を広げた。

「僕ねー、一緒に戦ってくれるお友達を探してるんだー。だからこの中に知ってる人がいるなら教えて」

憂城の『お友達』は基本的に喋らないがそれは喋る必要がないだけで喋れないわけではない。
質問されれば生前の記憶で答えることもできる。
もっとも複雑な思考ができないので必要な情報を引き出したいなら細かく何度も質問しなければならず時間はかかるが。
倒したいと思った宿敵のことも、守りたいと思った女の子のことも、一緒にいてくれた男のことも、『お友達』は訊かれるままに躊躇いもなく答えていった。




(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


31 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/15(月) 00:04:30 ID:ZCvsTpWU0
投下終了です

それとすいません。地図をダウンロードし忘れてしまったため正確なエリアが書けません
それと本文の後に
【参加者名@作品名】死亡
残り○○名
の文を入れ忘れました。もうしわけありませんでした


32 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/15(月) 00:09:26 ID:ZCvsTpWU0
【レイド@魔法陣グルグル】死亡
残り41名
だ。なにやってるんだ自分


33名無しさん :2018/01/19(金) 21:02:27 ID:7di1ND5M0
投下乙です。
最初の犠牲者はレイドとなりましたか。善戦虚しく、南無。
ベアトリスも形の割に中々クールな立ち回りで、今後に期待ですね。

あと地図ですが、どうにもすぐ見れなくなってしまうようで、申し訳ない。
サイトを変えてみたので、お手数ですがご確認をお願いいたします。配置図も更新しました。

地図
ttps://www.fastpic.jp/viewer.php?file=6388674457.jpg
配置図
ttps://www.fastpic.jp/viewer.php?file=4192382381.jpg


34名無しさん :2018/01/20(土) 22:00:40 ID:.kVxRetA0
おつ


35 ◆EPyDv9DKJs :2018/01/29(月) 13:30:34 ID:Q1Udsr9Q0
アンジェ 師匠で予約します


36 ◆FY./pCA9FM :2018/01/30(火) 18:54:19 ID:WYeyYuOY0
ジャック・ザ・リッパー、キノ 予約します


37 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:18:15 ID:gavtVJKU0
投下します


38 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:19:56 ID:gavtVJKU0
 D-4、この舞台の中央とも言うべき場所に位置する病院。
 聖杯大戦の舞台であったトゥファリス市街区の中に存在しており、
 都会のビルの中に違和感なく残る外見は、この場では少々浮いた建物になる。

 ある意味では、ここがスタート地点の参加者は恵まれているのだろう。
 今後のための包帯と言った応急処置、場合によっては武器、食料と多岐にわたる物資の調達。
 数多くの部屋があるので身を隠したり、逃走経路も数多く存在すると言ってもいい広さ。
 加えて、自身が受けた怪我の手当てや、それを狙って来る参加者と、中々人が集まりやすい。
 殺し合いをするしないどちらにおいても、此処がスタート地点は一つのアドバンテージになる。



『殺し合いの中で・b』



(随分厄介な状況ですね。)

 無人の病院の廊下を音を極力減らしながら歩く、一人の女性がいた。
 黒い長髪を持ち、身軽さを残しつつも整った格好をしており、
 落ち着いた雰囲気を持つ妙齢の彼女は、名簿には『師匠』と明記された女性である。
 ある国で警察を相手に篭城してる最中、目が覚めればあのホール、説明が終わればこの病院に招かれた。
 技術も、経緯も、全てが一切不明のまま自分は拉致され、首輪による生殺与奪の権利までも握られた状況。
 警察を相手するよりもずっと厄介な状況に彼女は巻き込まれていたが、さほど焦ったりはしなかった。
 元々波乱万丈な人生をしてたので、こういった危機的状況も十や二十どころの数ではない。
 これもそんな危機的状況の一つと思えば、普段通りの気構えでいけばいいだけのことだ。

(参加者は四十二名。一人で相手するのは難しい人数でしょう。)

 名簿に目を通した後、師匠は悩む。
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39 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:21:28 ID:gavtVJKU0
 彼女が狙ってみたのは、病室の鍵穴。
 弾丸は見事にヒットし、鍵穴は原形を留めていない。
 小さい的を狙えるのは師匠だからこそではあるものの、あくまで撃てればの話だ。
 説明書にあったとおり、銃を構えた状態でフレームを後退させ、コッキングを行う。 
 この銃、コッキングの際に片手を使ってフレーム全体を後退させる必要がある。
 一般的な回転式拳銃のコッキングはハンマーさえ引けばそれで澄むのだが、
 その特性上、必ず両手を使わなければコッキングが出来ないと言う問題を抱えていた。
 当然、多数のパースエイダーの経験のある師匠にとっても、これは性能が高いとはいえない。
 現在は晴れで、石造りの街並みとも言うべきトゥファリスにおいては影響は恐らくないが、
 環境にも影響されやすいと、後に進化していく銃としては、使い勝手のいいものではない。
 とは言うが、今はこれと予備の弾薬だけが武器であり、贅沢はいえなかった。

(さて、これから―――)

 病院でも散策しようかと思ったそのとき。
 その狙った鍵穴の病室から、窓が勢いよく開ける音が聞こえる。
 近く、もとい院内に参加者がいないとは彼女も思ってはない。
 寧ろ今の銃声は人をひきつける目的もあったのだが、
 まさか音を立てて存在を示すとは、予想はしていなかった。
 普通、銃声を聞けば警戒して音を立てないのが定石だからだ。
 わざと立てるのであれば、相手が頭が回らない例外を除けば、罠になる。

 一先ず、スライド式のドアを開けて部屋の様子を伺う。
 罠がありえる現状は、下手に突入はせず、軽く部屋を覗く。
 六人程人が寝かせられるベッドが並ぶ、無人の病室。
 此方には死角となる幾つかの機材や遮蔽物が存在しており、
 音の通りに窓は開いて、吹き込んだ風がカーテンを靡かせる。
 人の姿は見えないが、人がいたとされる形跡は残っていた。

「地図と・・・・・・あれは名簿でしょうか。それに―――帽子。」
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40 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:22:25 ID:gavtVJKU0
 申し訳程度の変装みたいなつもりとして師匠はそれを被っておいた。





 参加者と出会うことがないまま、師匠は病院内を物色していく。
 一通りは揃った病院だけあって、食料や医療器具、包帯と言ったものはある。
 とは言え、支給品と言う限られたものを使うというシステムのせいかは不明だが、
 目に付く所においての食料については、さほど品揃えがいいとはいえなかった。
 水分補給としてペットボトルのお茶を飲みつつ、二階を歩く。
 イマイチ殺し合いをしているという風には見えない光景だが、
 いつでも撃てるように、常に銃を手に握っていところは、
 これが殺し合いなのだと認識させるには十分だろう。

(?)

 二階を歩いていると、院内に響くエンジン音。
 音だけで何の音かは判断つかないが、次に起きたことを見た瞬間理解できた。
 病院の玄関から、一台の乗り物に搭乗し、走る人の姿を見かける。
 先の音も合わせ、院内で助走をつけていたことが十分に伺える速度だ。
 非常に目立つことをしているので最初は主催者関係の者かと思うが、
 首には生殺与奪の権利の象徴とも言う首輪がある以上、参加者だ。

(モトラドがあったのであれば、戦うべきだったでしょうか。)

 病院を散策していくうちに、分かったことがあった。
 この病院の周辺、まともな遮蔽物が余り少なく、かなり狙撃されやすい。
 あの咄嗟の判断で逃げると言う判断をした相手が、それに気づかないはずがなく、
 院内に残って邂逅を望んだが、まさか相手にモトラドがあるとは思っていなかった。
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41 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:23:10 ID:gavtVJKU0
 彼女の行動は迅速だった。
 周囲に人がいないことを確認して、一つの病室へ鍵をかけて入る。
 明らかに一般人とは思えないが、当然ながら彼女は一般人ではない。
 彼女―――アンジェはスパイだ。それも、スパイ養成所では成績はトップの。
 アルビオン共和国の情報組織『コントロール』に属したスパイのエースなのだから、
 これぐらいの動きはできたとして、彼女の素性を知る者には驚かれることはない。

 複数のベッドが並ぶ、複数人を管理する病室。
 カーテンは閉じられており、外からは人の姿は確認しづらいのは、彼女にとって好都合だ。
 調べる以上、時間をかけるのだから出来るだけ無防備な姿は晒したくなかった。
 最初に目を通すのは地図。場所が、と言うより自分が何処に拉致されたかと言う意味で。

(どういうこと?)

 地図を広げて、アンジェは疑問に思った。
 彼女が通う、ロンドンの王国領域にある名門校、
 『クイーンズ・メイフェア校』がなぜか此処に存在するのだから当然だ。
 無論、ロンドンがこんな地図の首都ではないし、アラハビカなどの地域に至っては聞いたこともない。
 病院の周辺はルーマニアに類似した場所ではあるが、名前はトゥファリス。此方も聞いたことがなく。
 老人が参加者をからかうための悪戯とも思えたが、病院を移動する際に一瞥した窓には火山が見えた。
 地図上にも、病院の向かいに火山が存在していたことから、これが嘘とも思えない。
 それらを用意する手段などは抜きに、一先ずこの地図は本物だと仮定しておく。
 移動する場合に地図と照らし合わせて、本物かどうか見極めておけばいい。

(こっちは予想通りだけど・・・・・・全員いるようね。)

 次に目を通したのは名簿。
 自分だけがこの殺し合い来るとは思ってはいなかった。
 組織には『プリンシパル』、学校では『博物倶楽部』、
 そしてプリンセスの命名は『白鳩』と呼ばれたメンバーがいることぐらい。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


42 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:27:23 ID:gavtVJKU0
 アンジェは自分だけであれば、優勝も視野に入れてはいた。
 (情報漏洩を防ぐため、あの老人も殺害対象に含めているものだが。)
 けれども、彼女の仲間がいる以上は乗るわけにはいかない。
 自分達に誰一人気づかせることなく拉致して殺し合いに招いたのと、
 もし地図が本当にその通りであったのならば、願望を叶える力はあるのだろう。
 しかし、信用に値する理由はあれども、相手がその約束を守るとも思えない。
 確かに願いはある。彼女を、プリンセスを王女にしたいと言う願いを。
 だが、それをこの屍の山で築いたもので叶えたいものではない。
 手を汚すのを忌避するわけではない。スパイの仕事をしてる以上今更な話だ。
 彼女が殺し合いに乗らないのは、それがプリンセスの行動を否定するからだ。
 あの革命の時に入れ替わってから、彼女は自分が別人だと気づかれないように
 あらゆる方面において、プリンセスと偽る為に血の滲む程の努力をしてきて今に至る。
 元々スリだった彼女が、貴族として振舞えるように、誰の手も借りれず一人で戦い続けてきた。
 誰よりも彼女を想うアンジェが、努力を全て否定するような願いを叶えはしない。

 名簿のついでにルールブックも軽く目を通していたが、
 目を通しているが、ホールで言われた内容とほぼ同様だ。
 真新しい情報は注視すればいいかもしれないが、

「!」

 今しがた、銃声が聞こえた。しかも、この扉に向けられて。
 鍵の部分が見事にひしゃげており、鍵としての機能は失われている。
 何を意味するかなど、分かりきっていたことだ。『狙われている』と。
 素手での戦闘は養成所で相応の腕は持っているが、限度はある。
 相手が武器を持ってる状況で、素手で戦うと言う選択肢は最初からない。
 アンジェは聞かれても構わないともいいたげに、窓を開ける。
 相手に気づかれている以上、今更音を隠す理由はなく。
 途中で帽子を落とすが、他と同様に回収している暇はなかった。

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43 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:28:42 ID:gavtVJKU0
 病室の窓から出た外で、アンジェはそのバイクと類似した存在、
 モトラドと言う喋る二輪の乗り物『エルメス』を病院の壁に立てかけ、
 自身は病室の中にいるまま、情報の共有をしていた。

 最初、あの出会いの後アンジュはすぐにエルメスをしまった。
 見なかったことにしようとか、そういうわけではない。
 単純にこれを出すならば、外の方が適切だと判断しただけだ。
 外へ出て引っ張り出せば、明らかにデイバックに入りきらないであろう、
 十分な大きさと重量の乗り物だったのは、流石にアンジェも表情には出ないが関心を抱く。
 質量も、何もかも無視した仕組みは奇妙とは思うが、彼女の使うCボールも似たようなものだ。
 似たようなものなのかもしれないと言うことで、エルメスが喋れる疑問と共に保留にしておく。
 今必要なのは、エルメスの持っている情報である。

 エルメスは何故此処にいるのか分かっておらず、
 アンジェが説明すると『僕も大変な目にあってるんだ』と、
 随分と楽観視しているかのようにも感じられるが、真意は不明だ。
 エルメスもまた、彼女と似た経緯で拉致されたようであり、
 主催者に関する情報となりうるものは特になかった。

 説明を終えると、アンジェはキノについて尋ねた。
 先の言及から、参加者のキノとつながりがあるのは明白だ。
 キノ以外にも参加者の情報が得られたが、もう一つ重要な情報もある。
 この殺し合い、参加者に縁のある支給品を用意している可能性が高いこと。
 となれば、彼女が愛用する銃や、Cボールもあるのではないか。
 可能ならば確保はしたいが、何れも殺し合いにおいては有力な武器になりうるもの。
 確実に参加者との交渉が必要不可欠であり、色々難しくもある。
 (自分達にとって害ある存在が所持してれば、交渉もせず殺して奪い取るが。)
 情報と移動手段、此処に武器があれば満足ではあったが、残念ながら武器はなかった。
 モトラドの予備燃料のお陰で、探索の移動には困らないかもしれないが。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


44 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:30:05 ID:gavtVJKU0
「止めようがないからね。僕は喋れるだけで、
 君が僕を壊そうとしたら、抵抗は喋ることしかできないし。
 確かにキノは、長いこと付き合ってるパートナーなのは事実だけどね。」

「随分と薄情ね。」

 彼女もまた、情に流されず任務を遂行する。
 人のことは言えない仕事をしているのだが、
 エルメスにはそのことは伝えてはいないので、
 特にそれを言及されることはない。

「モトラドと人間の持つ価値観が同じとは限らない。
 君だって、誰しも同じ価値観を持っているって思わないでしょ?」

「そうね。」

 真意かどうかは全く分からない。
 表情の類がなく、声も普段通りの声とも言うべきで、
 エルメスがキノに何を抱いているのかを伺うことはできない。

「と言っても、一つだけ条件と言うか忠告。
 見ての通り、僕は運転手がいないと動けないんだ。
 だから、アンジェが危険を冒すなら忠告はするよ。
 それに納得できないなら、僕を使うのは余り勧められないよ。」

 走るのが、モトラドにおける『生きる』と言うこと。
 即ち、運転手がいなくなった瞬間、エルメスは死ぬと同義だ。
 もしもアンジェが死んで、殺した相手が移動手段を必要とせず放置したのなら。
 エルメスは自力で動けず、命を絶つことも叶わず、運転手を待ち続けなければならない。
 死よりも惨いということは、人であるアンジェにも理解できることだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


45 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:34:49 ID:gavtVJKU0
【1日目/昼/D-4 病院周辺】
【アンジェ@プリンセス・プリンシパル】
【状態】健康、エルメス運転中(結構なスピード)、ゴーグル(エルメス付属)、任務の際の格好
【所持品】基本支給品(名簿、地図はない)、エルメス@キノの旅、モトラドの燃料のタンクと給油用ポンプ×1@キノの旅、ランダム支給品0~1(ある場合確認済み、武器ではない)
【思考】
1:仲間と合流し、この殺し合いの打破
2:ある程度、殺し合いに乗ってる風を装う(スタンスは簡潔に言えばステルス)
3:聖杯、十二大戦、コロシアムを知る参加者に警戒
4:エルメスの言う人物を探す
5:クイーンズ・メイフェア校へ向かう
6:武器の確保(Cボールなど使い慣れたものを優先したい)
【備考】
※参戦時期は少なくともcace7、メンバーが揃った後
 (具体的なのは後続にお任せしますが、任務中の格好の時期)
※この殺し合いにノルマンディー公が関わってる可能性も視野に入れてます
 (可能性は無に等しいとは思うも、いた時のことを考えてる程度)
※エルメスから、一部参加者の情報を大まかに把握しました
 (エルメスの参戦時期次第で変動。キノと師匠(但し老人)は確定)
※現在病院から南東へ南下しています
※エルメスの運転に不慣れですが、彼女の才能なら時間はかからないでしょう
※地図、名簿は頭に入ってます。ルールブックは細かい所は読めていません

『エルメス@キノの旅』
『状態』無傷、燃料100%、黒蜥蜴星に興味
『思考』
1:アンジェと共に行動する
2:キノと会った時、どっちが運転するんだろう?
3:黒蜥蜴星? 聞いたことないから楽しみだ
『備考』
※エルメスの参戦時期は後続の方にお任せします
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


46 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:35:46 ID:gavtVJKU0
以上で『殺し合いの中でb・a』投下終了です
エルメスの状態表は他と紛らわしくないように『』にしてます

所謂意志持ち支給品なので、問題ありましたらお願いします


47 ◆2lsK9hNTNE :2018/02/02(金) 22:49:32 ID:glFvZs3E0
投下乙です
師匠とアンジェ、お互い顔は合わせていないのに相手を警戒して動くのが緊張感があって凄く面白かったです
結果だけ見ればどちらも警戒し過ぎた感がありますがあくまで結果論。どちらにも冷静さや頭の良さが感じられました
アンジェは同じような思考をしているときでもベアトリスに比べてスタイリッシュな雰囲気で格好いい

エルメスは自律行動できるわけではないし、支給しても問題ないと私は思います
一人と1台の会話もらしくて好きです。とくに黒蜥蜴星のところが


48名無しさん :2018/02/14(水) 21:54:27 ID:azjr4b9.0
投下おつです

>> 少年少女と兎

自分のなかでは変な魔法使うギャグキャラなイメージが強かったレイドがまさかの善戦に驚き
憂城の狂人でありながら戦闘を周到にこなすところなど、らしさがよく出ていたと思います
ネクロマンサー能力を知ることなくベアトリスが離れてしまったので、まだまだお友達作りは続きそう

>>殺し合いの中でb・a

登場話から筆談で主催を欺こうとするとはさすがスパイですね
ステルス対主催の立ち回りに期待です
師匠も冷静に淡々と戦略を構築していて、タダモノではない印象を受けました
積極的には動かない方針みたいですが、はやく戦闘してるところを見てみたい


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13 アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4 (Res:128)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 13
1名無しさん :2017/03/05(日) 07:40:57 ID:ngLuRqqY0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17204/

避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17220/

地図
ttp://imgur.com/wm3q2BI

チャット
ttp://anirowa4.chatx2.whocares.jp/

【参加者名簿】

0/7【Fate/Zero】
×衛宮切嗣/×セイバー/×言峰綺礼/×ランサー/×雨生龍之介/×キャスター/ ×間桐雁夜
2/7【銀魂】
×坂田銀時/×志村新八/×神楽/×土方十四郎/○桂小太郎/×長谷川泰三/ ○神威
3/6【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
○空条承太郎/×花京院典明/×ジャン=ピエール・ポルナレフ/×ホル・ホース/ ○ヴァニラ・アイス/○DIO
2/6 【神撃のバハムート GENESIS】
×ファバロ・レオーネ/×カイザル・リドファルド/×リタ/×ジャンヌ・ダルク/○アザゼル/○ラヴァレイ
1/5 【ご注文はうさぎですか?】
×保登心愛/×香風智乃/○天々座理世/×宇治松千夜/×桐間紗路
2/5【デュラララ!!】
○セルティ・ストゥルルソン/×園原杏里/×折原臨也/○平和島静雄/×ヴァローナ
1/5【ラブライブ!】
×高坂穂乃果/×南ことり/×矢澤にこ/ ○絢瀬絵里/×東條希
1/5 【結城友奈は勇者である】
×結城友奈/×東郷美森/×犬吠埼風/×犬吠埼樹/ ○三好夏凜
2/5【キルラキル】
○纏流子/○鬼龍院皐月/×満艦飾マコ/×蟇郡苛/×針目縫
0/4【グラップラー刃牙】
×範馬刃牙/×ジャック・ハンマー/×範馬勇次郎/×本部以蔵
2/4【selector infected WIXOSS】
○小湊るう子/×紅林遊月/×蒼井晶/○浦添伊緒奈
0/3【咲-Saki- 全国編】
×宮永咲/×神代小蒔/×池田華菜
1/3 【魔法少女リリカルなのはViVid】
×高町ヴィヴィオ/×アインハルト・ストラトス/○コロナ・ティミル
2/3 【のんのんびより】
○宮内れんげ/○一条蛍/ ×越谷小鞠
1/2 【グリザイアの果実シリーズ】
○風見雄二/×入巣蒔菜
20/70

109 ◆D9ykZl2/rg :2017/09/29(金) 19:46:49 ID:2eumFbQg0
遅れましたがこちらにも。昨夜したらばの方で仮投下をしてきました


110 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:22:55 ID:wNw./RFs0
本投下します。


111 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:24:46 ID:wNw./RFs0
 
足取りは、思っていたより重くなかった。
人間、もうどうにでもなれと一度思ってしまえば、とことん楽になれるらしい。
重荷も責任も、全て投げ捨てて歩んでいるのだから、当然といえば当然か。
そんな無意味な自嘲が頭に浮かび、そしてその度に理世は乾いた溜息で己の中の澱を吐き出していた。
一つ一つ、身体の内側にあったものを廃棄していくように。

「……はは」

その内、理世の顔には段々と笑いが込み上げてくる。
嗄れた笑い声が、森の騒めきに掻き消されて隠されていく様は、彼女にとっては何処か痛快にすら感じられていた。
まるでそれは、自分が消えていくようだったから。
最早どうしようもない人間となってしまった自分など、消えてしまってもいいのかもしれない。
それでもそうしないのは、やはりただ申し訳が立たないからだった。
彼女を守ってくれた空条承太郎、そして銃の撃ち方、心構え、ここまで生きてくるためにしがみついていた縁をくれた風見雄二。
せめて彼等に謝って、そして、その後は──どうしようかな、と、楽観的にすら思える予想を始める。
ああ、こんなことを考えてしまう自分は、なんて酷いヤツなんだろう。
そんな退廃的な自虐の笑みを浮かべながら、理世はただ歩き続けていた。


退廃的な行軍は、彼女が広場を見つけたことで停止した。
精神の摩耗とは別に、肉体も着実な疲労を溜め込んでいたことを、そこでようやく彼女は思い出した。
このままあてのない歩みを続け、その結果倒れるというのは、格好がつかない──というより、無様に過ぎる。
とりあえず一度、腰を下ろして水分でも摂ろうと、茂みを掻き分け広場に出た。

「誰だ」

──と。
そこで、唐突に声が聞こえた。
ビクリ、と肩を震わせるが、声そのものに対する聞き覚えがあった為にすぐに恐怖は無くなった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


112Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:27:51 ID:wNw./RFs0
 
「……何があった」

やがて、僅かな静寂の後、承太郎はそんな簡潔な言葉を投げてきた。
どこから話すか迷ったものの、結局は気付いたら別れてからここに至るまでの過程を全て打ち明けていた。
追いかけてきた遊月との対峙。平和島静雄と一条蛍。肉の芽で操られている可能性のある二人。向けた銃口。飛び出してきた彼女──。

「──なるほど」

すべて語り終えた時には、少なくとも先よりは幾分か重圧は和らいでいた。
尤も、それでも此処に来る前までの理世なら恐怖で動けなくなっていただろうが。
ともあれ、幾分かは和らいだ雰囲気に、理世も下げていた頭を漸く上げる。
見上げてみれば、承太郎は、神妙な顔をして佇んでいた。

「一条や平和島についても気になることはあるが──」

そう言いながら、承太郎は背後を振り替える。
彼の視線の先へと理世も目を向けようとして、それが遮られる。
そこに突如として現れたのは、何度か見てきた彼のスタンド、スタープラチナ。
なぜ突然それを出現させたのか、理世が問おうとした次の瞬間──


「オラァ!」

──めきり、と音を立てて、『承太郎と理世の方向へ飛来した樹』が、拳に弾かれ飛んでいった。
空を舞い、その後轟音と共にそれが着地して、理世は始めてその現実を正しく認識する。
あれだけの質量がもし直撃していたら、即死とはいかないまでも甚大なダメージを受けることは疑いようもない。まして、これを投げてきた、悪意があるとしか思えない相手を、その状態で相手取るなど不可能に等しい。
そして、そもそもこんな芸当ができるような人間で、こちらに殺意を向けている存在といえば──

「──オイオイオイ、気付いてんじゃねーか。それで無視してるたぁ随分とデカい態度でいるもんだなぁ?」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


113Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:29:47 ID:wNw./RFs0
 
大砲にも似た轟音が響く。
拳と拳の衝突が生み出した衝撃が、木々を、大地を、理世の臓腑を震わせる。
数分にすら感じられる一瞬がすぎ、ギチリ、と、肉の擦れる音が続いて──その直後、承太郎が僅かに後退する。
セイバーとの戦いで流した血の多さは、流子程の実力を持つ相手ではやはり誤魔化しきれない。寧ろ、そこまでの傷を負っていながら応戦できる程のスタープラチナと承太郎の精神力の強さが窺い知れる。
だが、この場に於いて試されるのは一時の強さであることには変わりはない。

「ハッ、想像以上に酷えみてえだな!大丈夫かよオイ!」

押すべきタイミングを見逃す流子ではなく、即座に取り出した縛斬の刃で畳み掛けんとする。
辛うじて踏みとどまり、斬撃を受け流すスタープラチナ。しかし、純潔の圧倒的な膂力が齎す熾烈な連撃を受ければ受ける分だけ、スタンドも承太郎自身も余裕は無くなっていく。
弾き、弾き、受け流し──その直後に飛来した大鎌のような左足の一撃で、流石に後退を余儀なくされる。
その勢いを逆に利用し、幾らか距離を置こうとするも、それすら純潔は認めない。
獣が喰らい付くかのような踏み込みの後に、承太郎のウィークポイント、左半身へと一気に攻勢を仕掛ける。
必然、そのカバーに回らざるを得ない承太郎だが、それは同時により大きな隙を作るという意味だ。
より鋭く、より強かに、より荒々しく。加速度的に激しさを増す猛攻に、如何に承太郎といえども反撃の隙を見出す事が出来ずにいた。
その間にも、流子の手が休まる事はなく──遂に、承太郎のガードが甘くなったその瞬間を流子が射止めた。
辛うじて受身を取り着地した承太郎だが、その隙はあまりにも大きく。
再び瞬時に間合いを詰めた流子が、止めとばかりに縛斬を閃かせる。
だが、承太郎の次の行動を見て、流子も流石にその動きを止めた。
スタープラチナが持ち上げ、構えたそれは──先程流子が投げつけ、承太郎が殴り飛ばした一本の樹。
真下から抉るように放たれたフルスイングが、辛うじてガードを間に合わせた流子の体を強かに打ち据える。
角度がついた放物線を描いて吹き飛ぶも、流子も為されるがままとはいく筈もない。
冷静に純潔を飛行形態に変え、追撃に留意して距離をとりつつ着地した。

「認めたくはねえが、どうやらそうみてーだな」

それに対し、承太郎は深追いすることもなく、戦闘中に流子が吐き捨てた台詞に律儀にも言葉を返す。
その内容は、現状を的確に認識した上での判断だった。
──空条承太郎はクレバーな男だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


114Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:31:24 ID:wNw./RFs0
■  



「──じょ、承太郎さん!」
「なんだ、天々座」

森の中、木々を蹴って飛び続ける承太郎に対し、いきなり連れ去られたに等しい理世は只管に混乱していた。
そのまま吹き飛んでいく景色に気を取られそうになるが、辛うじて理性を取り戻した彼女は承太郎に呼びかける。

「逃げる、って、アイツはまだ──!」

そう、承太郎は流子を完全に、何ら制約をすることもダメージを与えることもなく放置したまま離脱したのだ。
これまで見てきた彼のスタンスとはあまりにかけ離れた行動。流子をそのまま放置すれば、被害が出続ける事は予想出来る。
それに、彼女は智乃の仇でもある。願わくば相応の報いを受けさせたい、という気持ちも全くなくなった訳ではない。

「安心しな」

しかし、そんな理世の言葉を奪うように、承太郎が呟く。
その言葉に込められたのは、確かな力強さ。
聞くものすらも立ち上がらせるような勇気を底に秘めた、ジョースター家の男の言葉。

「ヤツを放っておく気はさらさら無え。キッチリと、俺とスタープラチナでブチのめさせてもらうぜ」

──ジョセフ・ジョースターに曰く、戦闘から逃げたことはあっても、戦闘そのものを放棄したことは一度も無い。
それと同じく、承太郎もまた、纏流子との戦いそのものを放棄してなどいない。
彼の胸に宿った正義の光は、彼女を見逃すなどということを許すつもりはさらさらないのだ。

「じゃあ、何で……」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


115Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:34:01 ID:wNw./RFs0
 






──と、そこで。

「──ところが、そういうワケにもいかないんだよなあ?」

響く筈のない声が、『前方から』聞こえた。
な、と両者が呆気に取られると同時に、正面から伸びるのは二本の白い槍。
神衣純潔の肩部が変形したそれを前に、一瞬二人の思考は完全に停止した。

「──オラァ!」

それでも、承太郎は無理矢理意識を引き戻してスタンドの拳を振るう。
迫ってきた二本のそれを理世を抱えていない方の手で弾くと、そのまま進行方向の障害となる木や枝を殴り飛ばす。
地に足を着けてブレーキをかけ、立ち止まろうとして──そこで、初めて承太郎は気付く。

「──よお、死ね」

その場所、ちょうど両脇にゲートのように生えた木の間に立っている、先程まで戦っていた化物に。
何故彼女が先回り出来たか──それは、彼女が持つ遠見の水晶玉によるもの。
細かい作業が苦手故に一度は使用を諦めたが、反対に単純な操作なら十分に利用できるということ。
流子自身が飛び上がって目立つ位置に陣取り、山頂の城と見比べて方角を確認。その後ズームアウトし、二人が動いている方向を察知する──程度の使用なら、どうにか彼女にも使用出来た。
彼女が振り上げている刃が、無慈悲にも止まることの出来ない彼等へと降り注ぎ──

「──スタープラチナッ!!」
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116Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:35:47 ID:wNw./RFs0
 
「……やめ、ろ」

と、そこで。
余りにも頼りなく、か細い声が、流子の耳に届いた。
それと同時に、立ち塞がるように現れたのは──紫の髪の、少女だった。
先程承太郎に守られていた、如何にも何も出来ない一般人ですと書いてあるかのような外見の少女。

「あァ?何だテメェ、テメェから先に殺されてえのか?」

鐵の切っ先を突きつけながら、嘲るように言葉を放つ。
下らない義憤とやらでここまでやるというのは大したタマだが、しかしこうして目の前に死を提示してやってもそれが保つものか。
惨めに引き下がって後で殺すか、さもなくば両断してやろうか──そう思いながら、ゆっくりと歩み寄っていく。

「……そうだ。殺すなら、先に私を殺せ」

それでも尚、理世が退くことはなかった。
ほぼ無駄な行為だろうと理解しているだろうに、無様な立ち姿を続けていた。
その哀れにすら見える様に、

「その胆力だけは認めてやるよ。わざわざゴミが出しゃばりやがって、何で死に急ぐかねえ」

──それは、問いかけですら無かった。
答えなど求めていない、ただ独りごちることと何ら変わらない言葉。
けれど、それに確かに、天々座理世は反応して。

「──私は、人を殺したから」

ぽつり。
唐突に零れ出たそんな言葉に、流子は不意に立ち止まる。
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117Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:37:03 ID:wNw./RFs0
 


「テメーはただ、許してほしいだけだろうがよ」



──時間が、止まった気がした。
ざわめく木々の葉の音も、ただ頬を撫でる風も、何一つ彼女の脳に届くことはなかった。

「……ちが、う」

ほぼ、何も考えずに出てきた言葉だった。
気付けば、自然とそんな否定が口から零れ落ちていた。
──無論、それは致し方ないことでもあっただろう。
だって彼女は、所詮ただの一般人、高校生の少女に過ぎないというのに。
人を殺して、その罪を背負う、なんてことが、そう簡単にできるわけがないのだから。
それも、自分の寄る辺を全て失っているような状態でなら、尚更。
天々座理世が、誰かに許してもらう、あるいは殺されることで、「楽になりたい」と思うのは、やはり仕方ないというべきことでもあったのだろう。
そして──例えば、「遊月の知り合いの誰か」の存在、とりわけ彼の弟──いわば彼女にとっての智乃に対しての想像を避けるのも、またしかり。
だが、そんな深層心理、卑怯とも言える本性を理性的に認められるかは、別の話で。

「違う、違う違う違う!!私は、そんな事を思ってなんか──」

いない、と言おうとしたところで、首を持つ位置が乱暴に持ち上がる。
ぐ、という呻き声を漏らした彼女のその位置からは、いつの間にか俯いていた流子の表情は見えない。
だが、その陰に隠れた表情に、恐らくは先程から変わっていない表情に、先程以上にどうしようもなく恐怖を感じる。
──いや、恐怖ではない。
それは、きっと。
どうしようもなく人間らしい、悔やむかのような表情を。
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118Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:37:59 ID:wNw./RFs0
 



「──随分とお喋りなのは、治ってはいないようだな」



──銃声が、澱んだ空気を切り裂いて走る。
顔面を狙ったそれを、流子は空いていた左手で弾き飛ばす。
尚も断続的に放たれる弾丸に対し、流子は理世を盾にしようとするが──その一瞬を突いて、飛び出してきた男が思いきり地面を蹴る。
一気に肉薄し、すれ違い様に理世を持つ右腕に弾丸を撃ち込む。
咄嗟に理世を手放し腕を引く流子、放り出された理世を拾うのは、乱入者──風見雄二の右腕。

「…よぉ。わざわざ来やがったか」
「あれだけ喚いていれば、近くに来れば来ないやつはいないさ」

縛斬を再び抜刀して雄二へと向き直る流子に対し、雄二は姿勢を立て直しつつ油断なく周囲に気を配る。
少し離れたが、流子よりは近い位置に承太郎がいるのを確認すると、再び立ち上がって銃を突きつけ直す。

「随分と癇癪を起こしていたようだが、何か気に入らないことでもあったか?」
「うっるせぇんだよ…テメエには関係ねえ」

その声に籠る怒気は、先程とは比べ物にならない程のもの。
理世に向けていた感情を薪にして、猛々しく燃え上がるがごとき怒りの炎を滾らせた獣が、雄二へと狙いを定めていた。

「理世」

そんな彼女を冷静に観察しながら、雄二は理世に対して言葉を飛ばす。
へたりこんでいたままの彼女が、それでものろのろと顔をあげて反応したのを見て、僅かに安心したかのような表情を浮かべる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


119Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:40:38 ID:wNw./RFs0

【Gー4(中心部)/真夜中】

【纏流子@キルラキル】
[状態]:全身にダメージ(中)、左肩・左太ももに銃創(糸束で処置済み)、疲労(中)、精神的疲労(極大)、
    数本骨折、大激怒、説明しきれない感情(恐怖心?)、理世に対する嫉妬
[服装]:神衣純潔@キルラキル(僅かな綻びあり)
[装備]:縛斬・蛟竜@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(17/20)
    黒カード:番傘@銀魂、生命繊維の糸束(一割消費)@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero、
         花京院典明の不明支給品0〜1枚(確認済み) 、ジャンヌの不明支給品1枚(確認済み、武器とは取れない)
[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す
   0:雄二を殺す。承太郎と理世も追って殺す。
   1:次に出会った時、皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。
   3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。
   4:針目縫は殺す。    
   5:純潔の綻びを修繕したい。
   6:マコの事を忘れたい。

[備考]
※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。
※満艦飾マコと自分に関する記憶が完全に戻りました。
※針目縫に対する嫌悪感と敵対心が戻りました。羅暁への忠誠心はまだ残っています。
※第三放送を聞いていません。
※肉体のダメージは前の話よりは良くなっています。
※現在自動車爆弾はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲にへ向かって移動しています。
 そのまま行けば一定時間後に標的の砲台は爆破されます。誘爆し爆発範囲が広がる可能性があります。
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120Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:43:36 ID:wNw./RFs0
 




表情を動かす余裕すらも、もう残っていなかった。
自分がどれだけ醜いか、少し考えただけでも本当に嫌になるのに、それでも歩みを止めるわけにはいかないという呪いだけが自分を縛っている。
千夜に会えばきっと蔑まれ、他の人間にも人殺しと呼ばれるだろうという悲観的な未来以外に、この先の見通しなんてもう一つも見えなくて。
今はただ、背負っている承太郎の命が、歩みを止めるなと彼女を詰る。
すぐに死に至るような傷こそ追っていないが、気絶から目覚めるまではまだ時間がかかる。それまでに襲われるようなことがあれば、二人ともどうしようもない。
雄二に逃がしてもらっておいて、このまま倒れるということは嫌だ──そんな気持ちが、今は唯一の原動力だった。
一歩一歩、己の体が前に進んでいる感覚だけを頼りにして。
吐き出した息は、じっとりと身体に纏わり付いて離れない。
今の自分の酷すぎるであろう表情も、誰にも見られたくなかった。

「……わた、しは」

もう、吐き出すものは何一つなくて。
最早余計なものとなった思考をそれでも巡らす度に、どうあっても取り除けない己の愚かさに辟易するしかなく。
自分の中に残された醜さと約束が、何よりもずっしりと体を重くする重りとなって。
今はもう、苦痛でしかない行軍をただ進んでいくしかなくて。
足取りは、ただ只管に重かった。

──理世は、未だに知る事は無い。
紅林遊月の死に対し、衝撃を受けるであろう存在の内の一人はは、すぐそこにいるという事に。
承太郎が理世と出会ったとき、咄嗟にカードに戻しておいたルリグ『花代』。
未だ真実を知らぬ彼女との相対の時が、何を生むのか、それもまた──



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121 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:45:24 ID:wNw./RFs0
本投下を終了します。理世と承太郎の位置を前話から変え忘れていた為に修正してあります。


122名無しさん :2017/10/02(月) 07:18:18 ID:GTVlaIi.0
さよなら雄二、君のことは忘れない


123名無しさん :2017/10/02(月) 13:35:22 ID:xm8U8tKg0
投下乙くらい付けろよバカが


124名無しさん :2017/10/02(月) 14:12:44 ID:7UaCQH9.0
お前の方が馬鹿だおー


125名無しさん :2018/01/08(月) 13:39:56 ID:y7VjkiWs0
ガチで停滞してて草


126名無しさん :2018/01/12(金) 10:14:03 ID:a6NCK6wY0
>>125
エースが海外転勤になっちゃったし、しゃーないですよ


127名無しさん :2018/01/12(金) 10:32:53 ID:armr8wSs0
知らんよ。
転勤する前から停滞してたろ目を覚ませ


128名無しさん :2018/01/12(金) 13:19:59 ID:ynWzIIJY0
>>126
お前がageたせいで投下来たと勘違いしたじゃねーか
紛らわしいことすんな


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14 新西尾維新バトルロワイアルpart6 (Res:755)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 14
1名無しさん :2013/06/10(月) 21:34:44 ID:r8aCgNWo0
このスレは、西尾維新の作品に登場するキャラクター達でバトルロワイアルパロディを行う企画スレです。
性質上、登場人物の死亡・暴力描写が多々含まれすので、苦手な方は注意してください。


【バトルロワイアルパロディについて】
小説『バトルロワイアル』に登場した生徒同士の殺し合い『プログラム』を、他作品の登場人物で行う企画です。
詳しくは下の『2chパロロワ事典@wiki』を参照。
ttp://www11.atwiki.jp/row/


【ルール】
不知火袴の特別施設で最後の一人になるまで殺し合いを行い、最後まで生き残った一人は願いが叶う。
参加者は全員首輪を填められ、主催者への反抗、禁止エリアへの侵入が認められた場合、首輪が爆発しその参加者は死亡する。
六時間毎に会場に放送が流れ、死亡者、残り人数、禁止エリアの発表が行われる。


【参加作品について】
参加作品は「戯言シリーズ」「零崎一賊シリーズ」「世界シリーズ」「新本格魔法少女りすか」
「物語シリーズ」「刀語」「真庭語」「めだかボックス」の八作品です。


【参加者について】

■戯言シリーズ(7/7)
 戯言遣い / 玖渚友 / 西東天 / 哀川潤 / 想影真心 / 西条玉藻 / 時宮時刻
■人間シリーズ(6/6)
 零崎人識 / 無桐伊織 / 匂宮出夢 / 零崎双識 / 零崎軋識 / 零崎曲識
■世界シリーズ(4/4)
 櫃内様刻 / 病院坂迷路 / 串中弔士 / 病院坂黒猫
■新本格魔法少女りすか(3/3)
 供犠創貴 / 水倉りすか / ツナギ
■刀語(11/11)
 鑢七花 / とがめ / 否定姫 / 左右田右衛門左衛門 / 真庭鳳凰 / 真庭喰鮫 / 鑢七実 / 真庭蝙蝠
真庭狂犬 / 宇練銀閣 / 浮義待秋
■〈物語〉シリーズ(6/6)
 阿良々木暦 / 戦場ヶ原ひたぎ / 羽川翼 / 阿良々木火憐 / 八九寺真宵 / 貝木泥舟
■めだかボックス(8/8)
 人吉善吉 / 黒神めだか / 球磨川禊 / 宗像形 / 阿久根高貴 / 江迎怒江 / 黒神真黒 / 日之影空洞

以上45名で確定です。

【支給品について】
参加者には、主催者から食糧や武器等の入っている、何でも入るディパックが支給されます。
ディパックの中身は、地図、名簿、食糧、水、筆記用具、懐中電灯、コンパス、時計、ランダム支給品1〜3個です。
名簿は開始直後は白紙、第一放送の際に参加者の名前が浮かび上がる仕様となっています。


【時間表記について】
このロワでの時間表記は、以下のようになっています。
 0-2:深夜  .....6-8:朝     .12-14:真昼  .....18-20:夜
 2-4:黎明  .....8-10:午前  ....14-16:午後  .....20-22:夜中
 4-6:早朝  .....10-12:昼   ...16-18:夕方  .....22-24:真夜中


【関連サイト】
 まとめwiki  ttp://www44.atwiki.jp/sinnisioisinrowa/
 避難所    ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14274/

736着包み/気狂い ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:50:25 ID:LVJNO3B60

【二日目/黎明/?-?】
【球磨川禊@めだかボックス】
[状態]『少し頭がぼーっとするけど、健康だよ』
[装備]『七実ちゃんはああいったから、虚刀『錆』を持っているよ』
[道具]『支給品一式が2つ分とエプロン@めだかボックス、クロスボウ(5/6)@戯言シリーズと予備の矢18本があるよ。後は食料品がいっぱいと洗剤のボトルが何本か』
[思考]
『基本は疑似13組を作って理事長を抹殺しよう♪』
『0番はやっぱメンバー集めだよね』
『1番は七実ちゃんは知らないことがいっぱいあるみたいだし、僕がサポートしてあげないとね』
『2番は……何か忘れてるような気がするけど、何だっけ?』
[備考]
 ※『大嘘憑き』に規制があります
  存在、能力をなかった事には出来ない
  自分の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り0回。もう復活は出来ません
  他人の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り0回。もう復活は出来ません
  怪我を消す能力は再使用のために1時間のインターバルが必要。(現在使用可能)
  物質全般を消すための『大嘘憑き』はこれ以降の書き手さんにお任せします
 ※始まりの過負荷を返してもらっています
 ※首輪は外れています
 ※黒神めだかに関する記憶を失っています。どの程度の範囲で記憶を失ったかは後続にお任せします

【鑢七実@刀語】
[状態]健康、身体的疲労(小)、交霊術発動中
[装備]四季崎記紀の残留思念×1
[道具]支給品一式×2、勇者の剣@めだかボックス、白い鍵@不明、ランダム支給品(0~2)、球磨川の首輪、否定姫の鉄扇@刀語、
   『庶務』の腕章@めだかボックス、箱庭学園女子制服@めだかボックス、王刀・鋸@刀語、A4ルーズリーフ×38枚、箱庭学園パンフレット@オリジナル
[思考]
基本:球磨川禊の刀として生きる
 0:禊さんと一緒に行く
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


737着包み/気狂い ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:51:58 ID:LVJNO3B60









『ねえ七実ちゃん』





「髪、切らない?」


738 ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:54:59 ID:LVJNO3B60
以上です。
久しぶりの投下の上、書いた期間がツギハギのため妙な所があると思われます。
いつも通り妙な所へのご意見などよろしくお願いいたします。

失礼いたします。


739名無しさん :2016/11/13(日) 01:19:09 ID:Z.1e3q5.0
投下乙です
平和だー
(薄氷を履むなんてレベルじゃない危うさでかろうじて成り立っているいつ崩壊してもおかしくない)束の間の平和だー
混物語で平常運転な阿良々木さん見てたから忘れかけてたけどクマーも立派な(?)変態だったよ…
そしてその内容を一言一句違わず思い出せる七実も変態なのでh(踏み潰されました)
横恋慕みたいなことをしてるという自覚ありながら後ろ手になる七実が想像するとめちゃくちゃかわいい
最後の『』が外れた「髪、切らない?」がたまらなく不穏でよかったです


740名無しさん :2016/11/15(火) 00:45:32 ID:utwXllF60
集計者様いつも乙です
月報失礼します
話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
165話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)


741名無しさん :2016/11/18(金) 21:27:24 ID:bGA8JbRg0
投下乙です
球磨川の固有結界が相変わらずすぎて安堵(不安)を覚えざるを得ない
七実姉さんもなんだかんだ言いつつ乗っかるし…もう君たち殺し合いとかいいからここで暮らしたらどうよ


742 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:43:41 ID:hznMXV2k0
投下します


743非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:46:47 ID:hznMXV2k0
 

【深夜】 G-6、薬局


「手紙?」


玖渚さんが差し出した封筒を見て、僕は見たままのことを言った。ここ薬局の備品をそのまま使った何の変哲もない封筒。玖渚さん直筆の手紙が、その中に納められている。


「そ、僕様ちゃんからいーちゃんへの手紙。首尾よくいーちゃんと合流できたら、ぴーちゃんからいーちゃんに渡してほしいの。ただし、ある条件が整ったら、ね」

「条件?」

「僕様ちゃんが死んだら」


あっけなく出た言葉に、僕はふぅん、と相槌を打つ。正直なところ、意外というほどの条件でもなかった。
ついさっき、玖渚さんから「リスクを分散するために、別行動をとってほしい」との申し出を受けたところだ。水倉りすかの危険性についても、すでに説明は受けている。


「死んだら、ね。そうなると、手紙というより遺書みたいだな」

「僕様ちゃんからしたら保険みたいなもんだけどね。まあ、遺書でもあってるよ。『遺言書在中』とか表に書いたりして? ふふ」

「さすがに笑えないな……」


死。重い言葉のはずなのに、今はその重さを感じるのが難しい。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


744非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:48:20 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
【黎明】 F-7、図書館前


僕がなぜ生きているのかと言われたら「運がよかったから」と答えるほかないだろう。
謙遜でも卑屈でもなく、掛け値なしに僕は弱い。病院坂のように極端な虚弱体質というわけではないにせよ、人並み以上の体力は有していないし、玖渚さんのような頭脳や情報力もない。

ましてや、人識や伊織さんのような人殺しの才能など。

今まで僕は幾度となく死の淵に立たされている。そのたびに、誰かに助けられ、運に救われ、こうして生き延びている。
時宮時刻に襲われたときは、人識に助けられ。
不要湖では、火憐さんに庇われ。
真庭鳳凰を撃退できたのだって、玖渚さんの情報と、伊織さんが結果的にとはいえ囮のような役割を果たしてくれたからこそだった。

助けられっぱなしというだけならただ情けないだけの話だけれど、問題はそのたびに、僕以外の誰かが犠牲になっているということだ。
病院坂も、迷路さんも、火憐さんも。伊織さんだって無事では済んでいない。
僕の命が助かるたびに、いつも誰かが傷ついた。
「すべてが自分のせい」などと悲劇の主人公を気取るつもりは毛頭ない。すべてを運に任せてきたわけではないし、自分なりに最善の結果を得るため行動してきた自負はある。僕の働きが誰かを助けたこともあったはずだ。多分。

ただ、僕がいま生き残っているというのは、とどのつまりそういうことなのだ。
誰かが死に、犠牲になるくらいの不幸をもってしてようやく「櫃内様刻が、殺し合いのさなかで生き残っている」というありえない幸運は釣り合いが取れる。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


745非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:49:34 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
『死体がない』というのは、この場合、喜ぶべきことなのだろうか?
正確を期すなら、図書館の中に伊織さんが屠ったショートヘアの女の子の死体が転がってはいるが、そんなことを描写したところで何か意味があるわけではない。
死体はないが、首輪はふたつ。デイパックもふたつ。
首輪探知機の表示が示すとおり、人識と伊織さんの首輪で間違いはないだろう。デイパックもおそらくは同様だ。中身を見るまで断定はできないけれど。

なぜ首輪だけが?
疑問符をはさんではみたものの、その回答を得るのに大した思考は必要なかった。
頭の中でアラートが鳴り始める。最悪の想像であり、同時にこの状況から考え得る最も妥当な判断。
僕が今、単独で行動している最大の理由。玖渚さんたちにとっての最重要の懸念事項。


「水倉、りすか……」


とっさにスマートフォンを取り出し、玖渚さんの携帯へコールする。数秒のラグののち返ってきたのは、電話が通じない旨を知らせる電子音声だった。
電源が切られている? 玖渚さん自身がなんらかの理由で切っているのか、それとも。
伊織さんは――しまった、伊織さんの連絡先を聞いておくのを忘れていた。人識と玖渚さんの番号さえ分かっていればいいという慢心があったせいか。やむなく人識の携帯にかける。こっちは玖渚さんからのメールに番号が載っていたはずだ。


――prrrrrrrrrrrrrrrrr。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


746非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:51:40 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
【黎明】 F-6


一人で三つのデイパックを抱えて歩くのは、当然ながら体力がいるし、歩みも遅くなる。
急いで移動しなければならないと言った矢先に落ちていた荷物を余さず拾っていくというのは、傍から見れば欲の皮が張って見えるかもしれない。
もし移動手段が徒歩しかないという状況であれば、さすがに自分の荷物以外は諦めていただろう。

人識の乗っていたベスパが残されていなかったら。

運よくキーが刺さったまま放置されていた、このスクーターが手に入っていなかったら。

原付の免許なんて僕は持っていないが、どっこいここは公道ではない。そして運転するだけなら免許がなくてもできる。
事故さえ起こさなければ何も問題はない。ようは自己責任だ。

かくして僕は、三つのデイパックを身体に括り付けたまま悠々と禁止エリアからの脱出に成功した。まだ陽の昇らない時間、視界の暗い中での運転なので速度は抑え目だが、この調子なら予定より早くランドセルランドへたどり着けそうだ。


「これもまた、人識に助けられたってことなのかな……」


無意味に発した独り言はエンジン音にかき消される。さすがにそれは都合のいい考え方かもしれない。やってることだけを見ればただのバイク泥棒だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


747非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:53:43 ID:hznMXV2k0
 
8枚。つまりは8人の死者の映像。
うち5人については、さっきの放送の内容が正しければすでに割れている。戦場ヶ原ひたぎ、宗像形、黒神めだか、そして人識が殺した真庭鳳凰と供犠創貴。
つまり放送をまたいで3人、新たな死者が出ているということになる。
ちょうど3人、という数字にはもはや悪意すら感じてしまう。このDVD自体、悪意以外の何物でもないという話だけれど。
本来なら伊織さんたちが入手する手筈だったこのDVDで伊織さんたちの生死を確認するというのは皮肉もいいところだが、見ないわけにはいかない。もしそこに水倉りすかが映っていたとしたら、それは重要な情報だ。

玖渚さんたちの遺志を継ぐために。


「……いや、だから『遺志』はまだ早いって」


どうにもさっきから、死を前提に考えすぎている節がある。
こんな非常時であることを思えば、仕方がないといえば仕方がないことだが。


それとも、僕はもともとこうだっただろうか。
誰かの死を、こうも簡単に受け入れる人間。
自分が殺したときは、ああも取り乱していた癖に。


ともかく事実の把握が先決だ。安全が確保できるような場所に着き次第、DVDを再生してみよう。幸いというか、手持ちの支給品にはノートパソコンがある。再生するための機材を探す必要はない。

……仮に、玖渚さんが本当に脱落してしまったとしたら、この殺し合いの打破を試みようとしている僕たちにとっては相当な痛手だ。彼女の機械工学の知識とスキルは常人の域をはるかに超えている。
すでにある程度首輪の解析は進んでいるらしいが、その解析結果さえ、玖渚さん以外の者に理解するのは容易じゃないだろう。僕が聞いたとしても、用語の意味すら理解不能に違いない。
『死線の蒼(デッドブルー)』。
凡人たる僕たちには、越えることすら許されない一線。
その玖渚さんでさえ一筋縄ではいかないこの首輪を解除することが、彼女なしにはたして可能なのだろうか?

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


748非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:55:45 ID:hznMXV2k0
 
何だ?

僕は今、何を考えた?












――『持てる最大の能力を発揮して最良の選択肢を選び最善の結果を収める』。それが僕の持論のひとつだったはずだ。ならば必然、あらゆる選択肢を念頭に置いておかなくてはならない。












そうだ、その通りだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


749非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:59:12 ID:hznMXV2k0
思いついてしまった今、僕は僕自身に問わなくてはならない。


優勝を狙うというのは、はたして最適な解答か?


それを目指すことが、僕にできるのか?


その選択はつまり、必要に迫られればまた誰かを殺すことになるかもしれないということだ。できるできないの話ではない。「やる」という決意が、この選択には必要になるということ。
二度と人を殺したくなどない。それは偽らざる本音だ。
でも、それ以外に最善の方法が見つからなかった場合、その本音を守り通すことができるだろうか。


そもそも、こんな選択が本当に最善だと言えるのか?


万が一、最後の一人まで生き残ったとして、そのとき僕は何を願う?


何を願えば、最適な解答だと認められる?


僕はくろね子さんのような名探偵ではない。たとえ正解を手に入れたとしても、『この解答は、はたして正解なのだろうか』という不安に取り憑かれ続けるだろう。
僕の目的とは、いったい何なのか?
僕が生きている意味とは、いったい何なのか?
分からない、分からない、分からない。
分からないから、考えないようにしていた。
考えても考えても、正解など出ないような気がしたから。
正解が出たとしても、それが本当の正解かどうか分からないから。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


750非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 23:00:09 ID:hznMXV2k0
【2日目/黎明/F-6】


【櫃内様刻@世界シリーズ】
[状態]健康、『操想術』により視覚異常(詳しくは備考)
[装備]スマートフォン、首輪探知機、無桐伊織と零崎人識のデイパック(下記参照)、ベスパ@戯言シリーズ
[道具]支給品一式×8(うち一つは食料と水なし、名簿のみ8枚)、玖渚友の手紙、影谷蛇之のダーツ×9@新本格魔法少女りすか、バトルロワイアル死亡者DVD(11~36)@不明
   炎刀・銃(回転式3/6、自動式7/11)@刀語、デザートイーグル(6/8)@めだかボックス、懐中電灯×2、真庭鳳凰の元右腕×1、ノートパソコン、
   鎌@めだかボックス、薙刀@人間シリーズ、蛮勇の刀@めだかボックス、拡声器(メガホン型)、 誠刀・銓@刀語、日本刀@刀語、狼牙棒@めだかボックス、
   金槌@世界シリーズ、デザートイーグルの予備弾(40/40)、 ノーマライズ・リキッド、ハードディスク@不明、麻酔スプレー@戯言シリーズ、工具セット、
   首輪×4(浮義待秋、真庭狂犬、真庭鳳凰、否定姫・いずれも外殻切断済)、糸(ピアノ線)@戯言シリーズ、ランダム支給品(0~2)
   (あとは下記参照)
[思考]
基本:死んだ二人のためにもこの殺し合いに抗う(瓦解寸前)
 1:「いーちゃん」達と合流するためランドセルランドに向かう
  2:玖渚さんの手紙を「いーちゃん」に届ける
 3:死亡者DVDの中身を確認する
[備考]
  ※「ぼくときみの壊れた世界」からの参戦です。
 ※『操想術』により興奮などすると他人が時宮時刻に見えます。
 ※スマートフォンのアドレス帳には玖渚友、宗像形、零崎人識(携帯電話その1)が登録されています。
 ※阿良々木火憐との会話については、以降の書き手さんにお任せします。
 ※支給品の食料の一つは乾パン×5、バームクーヘン×3、メロンパン×3です。
 ※首輪探知機――円形のディスプレイに参加者の現在位置と名前、エリアの境界線が表示される。範囲は探知機を中心とする一エリア分。
 ※DVDの映像は29~36を除き確認済みです。
 ※スマートフォンに冒頭の一部を除いた放送が録音してあります(カットされた範囲は以降の書き手さんにお任せします)。



【その他(櫃内様刻の支給品)】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


751 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 23:01:01 ID:hznMXV2k0
以上で投下終了です


752名無しさん :2017/11/05(日) 01:26:57 ID:HmdfQnBs0
投下おつー
そうか、もう5分の1なんだよな……
色々と自覚や認識は進んだけど果たして合うべき辻褄はあるのか
なければ合わせれるのか


753名無しさん :2017/11/05(日) 02:12:08 ID:y4J2qcF20
投下乙です
そう来たか、というのが素直な印象
ですが思考の端々から様刻らしさが滲み出ていてマーダー化フラグが立ったときのシーンには思わずこちらもドキリとさせられました
だが様刻よ、生き残りの9人の中には強さランキング2位と3位がいるし3位とは遭遇ワンチャンあるぞ…


754名無しさん :2017/11/15(水) 16:09:48 ID:CoY2rlKQ0
お久しぶりです
月報失礼します
話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
165話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)

それと最新話Wiki収録しました
確認はしましたが見落としがあるといけないので何かありましたらお願いします


755名無しさん :2017/11/15(水) 16:11:56 ID:CoY2rlKQ0
…失礼、コピペミスりました
こちらが正しい月報でございます


話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
166話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)


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15 オリロワアース (Res:478)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 15
1名無しさん :2015/05/06(水) 16:45:35 ID:pYFZnHTQ0
ここは、パロロワテスト板にてキャラメイクが行われた、
様々な世界(アース)から集められたオリジナルキャラクターによるバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17154/

前スレ(企画スレ)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/

・参加者
参加者はキャラメイクされた150名近い候補キャラクターの中から
書き手枠によって選ばれた50名となります。

また、候補キャラクターの詳細については以下のページでご確認ください。

オリロワアースwiki-キャラクタープロファイリング
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/12.html

企画スレよりキャラメイク部分抜粋
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/109-294



地図
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/67.html

459みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:13:12 ID:ptTP.aTw0
全身に揺さぶりを感じて、目を覚ます。
すでに日は昇っていた。
視界に入る少女は確か――柊麗華。
そして、どぎついピンク――ピンク?

「そう睨むな、睨むな。妾の名は卑弥呼。お主……えんま、じゃったか?お主の師匠探しを妾も手伝ってやるぞ」

そう言って、ピンク色の髪の少女は微笑んだ。

「安心せえ。妾はお主らのような可愛い女の子の味方じゃ」

えへへ、と麗華は照れたように頭を掻いた。
エンマはそんな二人を無表情に見つめる。

「協力してくれるの?」
「うむ。妾にどーんと任せい」

薄い胸をどんと叩く。
エンマはこの卑弥呼と名乗る少女をチームにいれたメリット、そしてデメリットを考える。
が、今まで損得についても深く考えなかった少女にとって、これは中々難しい仕事だった。
数秒ほど、眉を歪めて額に手を当てた後、エンマは卑弥呼に結論を言った。

「二人かついで逃げると、両手使えなくて困るから」
そこで一度、言葉を切る。
卑弥呼の目を見つめ、続ける。
「もしもの時は、お前は、追いて逃げるから」

卑弥呼は可笑しそうに笑った。
「かまわんよ、妾はジープを持っとる」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


460みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:14:08 ID:ptTP.aTw0


時は数分ほど遡る。
未だ早乙女エンマが眠りについている時。
吸血鬼、柊麗華は昇る太陽の光を体に浴びながら、エンマの寝顔を見つめていた。
(可愛いなあ)
それは肉体の強度的な意味でも、顔かたちのことでも、両方の意味でである。
柊麗華は自分の外見を気に入っている。
気に入ったからこそ、彼は「柊麗華」を皮にして、彼女になったのだ。
しかし、気に入っているといっても、毎日見ていればさすがに飽きる。
この体で小学校に通っている彼女にとって同年代の女子は珍しいものではないが、それでも早乙女エンマは十分に上玉だった。

そして、ジルに追いかけられた恐怖やエンマの持つ暴力に対する畏怖も、数時間経ったことで、収まっている。
(ちょっとならイタズラしても、バレないよね)

思えば、こういう油断や甘さが彼を一度人生からドロップアウトさせた要因なのだが、残念ながらこれは人外になっても治らなかった。

頬に手を触れる。ぷにぷにとして柔らかい。
髪に手を伸ばす。砂で多少汚れているが、それでも口にいれたいほどきめ細かい。

未だエンマが目覚める気配はない。
そっと、麗華は自分の顔をエンマに近づける。

(さすがに唇同士はまずいよね)
でも頬を舐めるくらいなら大丈夫、とエンマは心の中で呟く。

「おお、何と何と!ロリっ子同士の百合じゃと!いいのう、いいのう。妾はそういうのも大好物じゃ!」

突如聞こえた邪悪な声に、麗華ははっと顔を上げた。
自分の目の前にいるのは、一匹の烏。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


461みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:14:44 ID:ptTP.aTw0


「怪獣ティアマト」
エンマは静かに呟く。
「うむ、妾も二人、同行者をそやつに殺された。今でこそ縮んで怪人と呼べるほどの大きさになっておるが、それでも参加者にとっては十分な脅威じゃな」
「そ、そんなのまでいるんだ……」
と、怯えた声を出して麗華はエンマを見た。
「でも、エンマちゃんなら、勝てるんじゃない。さっきもあんなでっかい虎を簡単に倒しちゃったし」
「ほう、虎をか。そいつはすごいのう。三国志でも虎に勝てそうな奴はそういないというのに」
「……怪獣はわかんないけど、それくらいの大きさの怪人なら、師匠と一緒に倒したことある。だから、たぶん勝てる」
「ならば、討伐に向かうか。妾も微力ながら協力するぞ。かたき討ちじゃ」
じろり、とエンマは卑弥呼を睨んだ。
「まずは、師匠を探したい。方針は、その後考える」

「うむ、ロリは父親と一緒にいるのが一番じゃ。背徳的なロリも好きじゃが、無邪気に父親と戯れるロリも好きじゃよ、妾は」
「じゃあ、とりあえず北上しませんか。人を探すんでしたら、端より中央のほうがいいと思いますし」
「しかしティアマトに出会ったらどうする?」
「なんとかジープで逃げ切りましょう。卑弥呼さんもさっきそれで逃げ切れたんですし、私達が二人増えても問題ないはずです」
なるほど、と卑弥呼は腕を組んだ。
「それでいいよね、エンマちゃん」
と麗華はエンマを見て、あれっと首を傾げた。
どうにも機嫌が悪そうな表情だった。
「別に、出会って、襲い掛かられたら、倒すけど」
どうやら、麗華の言葉でエンマはヒーローとしてのプライドを傷つけられたようだ。
ごめんごめん、と麗華は大仰に頭を下げる。
そういう顔も可愛いいのう、と卑弥呼はよだれを垂らす。
殺し合いの最中とは思えない、どこかふわふわとした空気が流れた。



(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


462みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:15:14 ID:ptTP.aTw0


柊麗華は高位の吸血鬼ではない。
エクソシストや退魔師、陰陽師と戦闘になれば、なすすべなく退治されてしまう存在である。
柊麗華は天才ではない。
人間であったころは典型的なダメ人間だった。吸血鬼になってからも抵抗の少ない女子供ばかりを襲った(性癖の関係もあったが)

では、柊麗華は同行者二人、二人の少女に対して、何のアドバンテージもないのか。

否、麗華には、二人に対抗する一つの武器があった。

それは。
(限界を知ること)

柊麗華は知っている。
ヒーローや怪人が入り混じるアースHを生きる早乙女エンマよりも。
同じアース出身で、しかし化物としての格で圧倒的に負けている卑弥呼よりも。

彼女は、自分の強さの限界を知っている。
そして、自分より強い者の存在を知っている。

(確かに二人と直接やりあったら勝てない。でも、状況を見極める力なら、この中で私が、いや、『俺』が一番だ)

柊麗華は知っている。
自分を吸血鬼にした真祖の吸血鬼、そのでたらめぶりを知っている。
自分が格下の人外であることを知っている。

だから強者に助けを求める。
だから無力な少女のフリをする。
だから強者の服従を誓う。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


463 ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:15:59 ID:ptTP.aTw0
投下を終了します


464 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:43:42 ID:LjUNzr.g0
裏切りのクレア、高村和花、投下します


465桜の意図 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:45:27 ID:LjUNzr.g0
魔法少女とヒーロー、どちらが強いかだって?

そりゃあお前、キャラによるだろ。
最弱の魔法少女と最強のヒーロが戦えばヒーローが勝つ。
最強の魔法少女と最弱のヒーローが戦えば魔法少女が勝つ。
最強の魔法少女と最強のヒーローが戦えば……。

ああ、だめだ。どのキャラが最強かだなんて、ファンそれぞれで違うからなあ。
やっぱあれだ、キャラクターで判断しようぜ。

じゃあとりあえず。異端対決ということで。

元ヒーロー、裏切りのクレア。混血の魔法少女、マイルドフラワー。

強いのは、どっち?



服従か、死か。
裏切りか、死か。
8歳の少女に突きつけられた厳しい選択。

マイルドフラワー、高村和花の瞳は絶望で揺らめいた。

「どうした、さっさと選ぶんだ。私はあまり気が長いほうじゃないよ」

両手を広げ、口を三日月に歪めるその女、裏切りのクレアはマイルドフラワーには悪魔にしか見えなかった。
正義の魔法少女はそこに、確かに悪が在ることを認識する。
だから。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


466桜の意図 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:45:57 ID:LjUNzr.g0


「いやはや、たいしたものだよ」

ぱちぱち、とクレアは大仰に手を叩きながら、敗者、マイルドフラワーへと歩みよる。

「その歳で、その矮躯で、そのファンシーな格好で。まさか私に9割出させるとは」

マイルドフラワーは動かない。うつ伏せに倒れこみ、魔法少女としての変身も解除された高村和花は、すでに意識は無かった。

クレアは彼女の首根っこを掴むと片腕で持ち上げ、その胸に耳を当てる。

「ふむ、まだ息はある」

そう言って、クレアは和花を背負った。

「どうやら、思った以上に面白い子みたいだな、君は」

あの時。

クレアの正拳突きが『サクライト』を消し飛ばし、和花を蹂躙した時。
彼女は、恐怖と絶望に顔を歪ませながら。
それでも、確かに。

「笑っていた。安心したように君は笑ったんだ」

あの笑みの理由は何なのか。
クレアはその答えを知っている。

「君は悪に屈しなかった。決して挫けず、自分の最高の攻撃をぶつけ、それでも――届かなかった。だが、誰が君を責められよう。これ以上、君に何を望もう。ここまで頑張ったんだ、けどどうしようもなかったんだ」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


467 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:46:55 ID:LjUNzr.g0
投下を終了します


468名無しさん :2016/02/07(日) 00:55:30 ID:K3weBxjA0
久々に見てみたら投下来てた
投下乙です。素手でビーム消し飛ばせるとかヤバい(確信)


469 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:00:31 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人
道神朱雀
ライリー
投下します


470 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:00:53 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人と道神朱雀は他の参加者の捜索を続けていた。
朱雀の他人格を警戒しつつも、先のような惨劇は避けねばならない。

「やっぱりこの首輪がネックになるか…」

竜人は自身の能力を発揮するにおいての枷に対する苛立ちを漏らす。

「すまんね、巴やん。私の知識でもこれの構造は分からへんわ。せめてサンプルでもあればちゃうんやけど…」
「サンプル、か…」

生きている自分達の首輪が外せない以上、それはすなわち死体から得たものを指すという事になる。
考えたくはないが、そうした事をする必要もあるかもしれない、と竜人は考える。
だがそもそも、首輪を解析しようとする行為自体が主催に対する反逆行為とみなされる可能性もある。
首輪を得ようとしたら自分の首輪が爆破されるなんて笑い話にもならない。
ともかく今は不確定要素が多すぎるので、首輪に関しては今は保留にしようと二人は決めた。




471 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:01:35 ID:MLe/DFvQ0
「そう警戒しないでくれよ竜人クン、僕は別に君と事を構えるつもりはないんだ」
「悪いがアンタに対していい話は聞いていないんだ。…青竜の事もあるしな」
「あの馬鹿と一緒くたにされちゃうのは心外だなぁ、戦ったってなんにもならない事くらい分かってるつもりだよ」

そう言って朱雀は…正確には朱雀の別人格の一人、"白虎"は竜人に見せるようにして首輪の「G」の文字の部分をトントンと叩いた。

「だってこれ、チーム戦でしょ?青竜は理解してなかっただろうけど、別に僕一人で勝つ必要なんてないさ」

それを聞き、竜人の目つきは険しくなる。
  、、、
「冗談だよ、そういうのを止めたいってのが君の願いだろ。敵に回せばどんな痛い目にあうかって分かってるさ、危うく朱雀君も死にかけたしね。おっと、青竜だったか」

と、皮肉っぽく言う白虎に対し、竜人はバツの悪い表情を浮かべた。

「それにこの体質はどうしようもないしね、そういう動きをするには不利すぎるよ。いつ入れ替わるかは僕にだって分からない。朱雀君や玄武は止めるだろうし、青竜は何しでかすか分かったもんじゃない」
「まあな。分かってても慣れないな、その人格変化」
「精々気をつけてくれよ、僕が死ぬって事は朱雀君や玄武まで死ぬって事なんだからさ。そりゃ君だって避けたいだろ?…っと、誰か来たみたいだね」

二人の視界に入ったのは、金色の長髪が目を惹く少女の姿であった。




472 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:02:23 ID:MLe/DFvQ0
「待ってくれ、俺たちは殺し合いには乗っていない」

竜人と白虎を前にし、明らかに警戒した様子の少女に諭すように竜人は声をかけた。
だが、少女はまるで一切の接触を拒絶するかのような強い口調で叫んだ。

「人間を信用など出来るか!帰れ!!!」
「…人間?」

その、自分は人間ではない、とでも断定するような口調に白虎はいささかの違和感を覚えた。

「さっさと帰れ!醜い人間と話す舌なんて無い!」
「話を聞いてくれ!俺は巴竜人。こっちは道神朱雀、…今は白虎か。話すと長くなるんだが…」
「ちょっと待って竜人君、うん、これはもしかして…」

竜人の発言を遮って白虎は前にズイと出る。そして少女に対しこう尋ねた。

「君の言う人間っていうのはさ…所謂他人を指す代名詞的な意味での"人間"かい?それとも種族そのものを指すって意味かい?」
「はぁ?何言ってんだ、人間は人間だろうが!」
「ふむ、やっぱりか…」

白虎は一人納得した様子で頷き、そしてこう言う。

   、、、、、、、、、
「君…中身は人間じゃないだろう?」


それを聞いて少女―――ライリーは狼狽えた。

「なんでそれを…そんな事どうだっていいだろ!」      、、、、、、、、、
「いやいやどうでもよくない。何故なら僕も…僕達もこう見えて中身は人間じゃないからね」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


473 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:02:42 ID:MLe/DFvQ0
【F-1/町/1日目/朝】

【巴竜人@アースH】
[状態]:健康
[服装]:グレーのジャケット
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを破綻させ、主催者を倒す。
1:次の現場を探す。
2:自身の身体の異変をなんとかしたい。
3:クレアに出会った場合には―
4:青龍、白虎、ライリーに警戒
[備考]
※首輪の制限により、長時間変身すると体が制御不能になります。

【道神朱雀@アースG】
[状態]:健康、白虎の人格
[服装]:学生服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを止めさせる。
1:竜人とともに付近を捜索する。
2:他人格に警戒、特に青竜。
(青竜)
基本:自分以外を皆殺しにし、殺し合いに優勝する
(玄武)
基本:若者の行く末を見守る
(白虎)
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


474 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:03:01 ID:MLe/DFvQ0
投下終了します


475 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 11:45:33 ID:MLe/DFvQ0
タイトルは「人でなし達の宴」で


476名無しさん :2017/05/28(日) 14:20:38 ID:TRjQxWJg0
まさか投下がくるとは


477名無しさん :2017/05/30(火) 01:26:40 ID:an5ZT6JY0
投下乙です
ライリー思ったより扱いやすい……のか?
青竜という爆弾抱えてるし、ライリーとも一瞬即発だし、巴は今後も大変そうですねえ


478名無しさん :2017/06/03(土) 11:46:30 ID:QFVzEDBM0
投下乙


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16 90's バトルロイヤル (Res:324)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 16
1名無しさん :2015/10/20(火) 00:14:42 ID:S/90BWeU0
こちらは90年代の漫画、アニメ、ゲーム、特撮、ドラマ、洋画を題材としたバトルロワイアルパロディ型リレーSS企画です。

90's バトルロイヤル @ wiki
ttp://www27.atwiki.jp/90sbr/

90's バトルロイヤル 専用掲示板
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17336/

地図
ttp://www27.atwiki.jp/90sbr/pages/13.html

5/5【金田一少年の事件簿@漫画】
 ○金田一一/○高遠遙一/○千家貴司/○和泉さくら/○小田切進(六星竜一)

5/5【GS美神 極楽大作戦!!@漫画】
 ○美神令子/○横島忠夫/○氷室キヌ/○ルシオラ/○メドーサ

5/5【ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風@漫画】
 ○ジョルノ・ジョバァーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○リゾット・ネエロ/○ディアボロ/○チョコラータ

5/5【ストリートファイターシリーズ@ゲーム】
 ○リュウ/○春麗/○春日野さくら/○ベガ/○豪鬼

5/5【鳥人戦隊ジェットマン@特撮】
 ○天堂竜/○結城凱/○ラディゲ/○グレイ/○女帝ジューザ

5/5【DRAGON QUEST -ダイの大冒険-@漫画】
 ○ダイ/○ポップ/○ハドラー/○バーン/○キルバーン(ピロロ)

5/5【幽☆遊☆白書@漫画】
 ○浦飯幽助/○南野秀一(蔵馬)/○幻海/○戸愚呂弟/○戸愚呂兄

5/5【らんま1/2@漫画】
 ○早乙女乱馬/○響良牙/○天道あかね/○シャンプー/○ムース

4/4【カードキャプターさくら@アニメ】
 ○木之本桜/○李小狼/○大道寺知世/○李苺鈴

4/4【機動武闘伝Gガンダム@アニメ】
 ○ドモン・カッシュ/○東方不敗マスター・アジア/○レイン・ミカムラ/○アレンビー・ビアズリー

4/4【サクラ大戦シリーズ@ゲーム】
 ○大神一郎/○真宮寺さくら/○イリス・シャトーブリアン/○李紅蘭

4/4【古畑任三郎@ドラマ】
 ○古畑任三郎/○今泉慎太郎/○林功夫/○日下光司

3/3【ケイゾク@ドラマ】
 ○柴田純/○真山徹/○野々村光太郎

3/3【ターミネーター2@映画】
 ○ジョン・コナー/○T-800/○T-1000

3/3【レオン@映画】
 ○レオン・モンタナ/○マチルダ・ランドー/○ノーマン・スタンスフィールド

2/2【ダイ・ハード2@映画】
 ○ジョン・マクレーン/○スチュアート

67/67

305竜は再び昇る ◆uuM9Au7XcM :2017/01/11(水) 00:19:41 ID:ftIs30W60

「女帝ジューザだと……あいつは俺たちが倒した……そう、たしかに死んだはず」


名簿の記入ミスか?
いや、殺し合いを催すような組織がそんなくだらないミスをするだろうか?
これがミスではないのだとしたら、ジューザが実は生きていたことになる。
もしくは――――


「生き返ったということなのか……?」


ノストラダムスは言っていた。
『このゲームの勝者には、商品としてどんな願いでも一つだけ叶えてやろう。不老不死、巨万の富、死者蘇生……あらゆる用意もある』と。


そして、
「『その証拠を持つ者とは、生きてさえいればいずれ証人に会えるだろう』とも言っていたな」


ジューザがノストラダムスの言う証拠を持つものなのかはわからない。
ただし、その可能性は高い。ということはリエを生き返らせることも可能であるということだ。

名簿を隣の席の上に置き、支給された食料であるパンをデイパックから取り出し豪快に噛り付く。
そのまま味わうこともなく咀嚼し、水で流し込んでいく。
腹が減っては戦はできぬというように、戦うためにはエネルギー補給が必要だ。
そう―――俺は再び戦うことに決めた。
リエを生き返らせることができるという確証はないが、希望を持つことはできる。彼女のためになら、俺は鬼にでもなってみせる。
考えるのはこれで終わりにしよう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


306 ◆uuM9Au7XcM :2017/01/11(水) 00:23:49 ID:ftIs30W60
投下終了です。

申し訳ありません、場所を記載ミスしていました。
正しくは【A-7 映画館/1日目 深夜】です。


307名無しさん :2017/02/01(水) 19:07:15 ID:9bcabzDA0
乙です。
林ナチュラルに悪党やなあ……猫箱の中の猫になった紅蘭のその後は如何に。
竜は……不安定な精神状態な時に連れてこられたから、仕方ないかな。
どちらも納得して楽しめる話でした。状態表の満腹にほっこり。


308 ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:08:46 ID:ZufKuwkY0
投下します。


309さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:10:03 ID:ZufKuwkY0
「バトルロイヤルねえ……。まったく……面倒なことに巻き込んでくれたもんだ」


暗闇に包まれた草原に座り込んでいるスーツ姿の男――――真山徹は面倒そうに、しかし苛立ちを含んだ物言いで呟いた。
その声はすでに疲労を感じさせ、息遣いも荒く肌には汗が滲んでいる。
すでに殺し合いに乗った者と戦闘をした後―――
というわけではなく、バトルロイヤルが始まる以前にある事情から警察に追われ、銃撃を受け負傷しているのである。


(殺し合い……もしかして……朝倉の仕業か?)


真山は刑事として数年間働いてきたが、数十人を拉致して殺し合いをさせることができる人物などそうそういるわけがない。
どこかの国のイカれた独裁者か、刺激を欲した金持ちの道楽か。
考えを巡らせても、そんなぼんやりとした可能性しか浮かばないなか、具体的な人物として思い至ったのが朝倉裕人。
真山徹の妹を同級生たちに輪姦させ自殺に追い込み。
大沢麻衣子を洗脳し自殺させ。
真山の同僚の谷口剛までも操って死に至らしめている。
真山徹が最も憎み、殺したいとさえ思っている凶悪犯罪者だ。

朝倉は何人もの人間を自分の都合のいいように操り、弄んできた男である。殺し合わせるなんてものを催したとしても不思議ではない。
だが、いくら朝倉でもここまで大規模なことをできるだろうか。
それに説明を受けた場所で死んだワニの化物はいったいなんなのか。
などといったいくつもの疑問点が湧き、朝倉の仕業だと想定したくとも確信できない現状に、思わず頭を掻き毟る。

しばらくそのような考えに頭を悩ませていた真山だったが、纏まらない考察は後回しにしようと決め、ランタンを草の茂った地面へ広げた名簿に掲げ視線を落とす。
そこにはよく知る名前が載っていた。
柴田純と野々村光太郎。

二人とも警視庁捜査一課弐係の同僚で、今年配属されたばかりの新人とどこか抜けている係長である。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


310さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:11:07 ID:ZufKuwkY0

「おいッ!そこから動くなよ」

「は、はいっ!!」


真山はすかさず支給品のサブマシンガンを構え、少女に銃口を向けると、その場で静止するように警告する。


「あ、あの……わたし、木之本桜っていいます。
 ノストラダムスって人の言いなりになって、おじさんを殺すつもりなんてあ、ありませんからっ」
「……悪いけどな、初対面の人間をはいそうですかとすぐに信用できるようなお人よしじゃないんだわ、俺」
「そんな……」


拒絶する真山の返答に、桜と名乗った少女は残念そうに肩を落とす。
真山とて、目の前の少女が自分を害するために近づいてきたと決めつけているわけではない。
だが、同僚の谷口剛ですら豹変して襲ってきたのだ、年端もいかない少女とはいえ簡単に信用しろというのは無理な話である。
しかも出会ったのが殺し合いを強制されている場所だ。
人間というものは己が死ぬかもしれないとなったら何でもやるものだ。
たとえそれが人殺しとは無縁に見える子どもであったとしても。


「それでも、……桜ちゃんだっけ?君みたいな女の子殺すのも寝覚めが悪いからさ。
 さっさとどっか行ってくんない?」


信用できなくても殺すことは躊躇われる。
そう桜に告げ、この場から立ち去ることを促す。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


311さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:12:07 ID:ZufKuwkY0


「その子たちは友達か?」
「……ええ、そうです。
 とっても大切なお友達なんです。」


桜は少し驚いた表情に変わるが、振り返らずに一歩踏み出した体勢のまま止まる。


「……そうか、会えるといいな」


それだけを言うと、小さな声で「行け」と再び促すようにして言葉を締めくくった。
次に驚くのは真山の方であった。
真山から遠ざかるように歩き出すと思っていた桜が突如反転、しかも猛然と走ってきたのである。
予想外の事態に身体に力が入ったのか、左腕の傷が痛み、構えていたサブマシンガンを手放してしまう。
慌てて右手で拾い上げ顔をあげるも時すでに遅し、桜は至近距離まで迫っており、気が付くと草原に押し倒されていた。


「おい、何のつもりだよ」
(くそっ……信用しないとか言いながら油断してどうすんだよ……)


眼前には先ほどの怯えた表情と違い、意志の強さを感じさせる瞳。
押し倒されたドサクサで、真山が構えていたサブマシンガンも桜の手にある。
後悔を胸に抱きつつ、返答を期待せずに問いかけた。


「ハァ……ハァ…………やっぱりおじさんは……悪い人じゃないって……思ったから」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


312さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:13:03 ID:ZufKuwkY0
桜が病院へ行って真山の左腕を治療するべきと主張し、じゃあ歩いていくかと真山は応じた。
そして、その必要はないと桜が言い出したのが数分前。
歩いて行かなきゃどうするんだ、車でも出してくれるのかと馬鹿にした物言いで真山が吐き捨て、それに桜がムッとしたのが数十秒前。
桜がペンダントを取り出し、何やら呪文のようなものを唱えると急にピンク色の杖が出現。
それを見て、真山が狐に化かされたような顔になったのがつい先ほどである。

真山の混乱はまだ続く。
次に桜が取り出したのは1枚のカード。そこには鳥の絵が描かれているのがチラリと見えた。


「クロウの創りしカードよ。
 我が鍵に力を貸せ。
 カードに宿りし魔力を
 この鍵に移し我に力を!」


取り出したカードを宙に投げたかと思うと、桜がそのカードに向かって杖の先端部分を叩きつける。
すると叩きつけた杖に翼が生え、桜は当然のようにその杖に跨ると、ゆっくりと宙へ浮かび箒に乗った魔女のように真山の周りをくるりと華麗に1周してみせた。


「さあどうぞ!おじさんも後ろに乗ってください。
 これで一緒に病院へ行きましょう」

「……おじさんじゃない。真山さんと呼びなさい」


何が起こったのか理解できない真山は、とりあえずずっと気になっていたおじさん呼びを改めさせることにした。



(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


313 ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:13:50 ID:ZufKuwkY0
以上で投下終了です。


314 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:13:17 ID:5M7EDqZ20
投下します。


315それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:14:20 ID:5M7EDqZ20
バトルロイヤルが始まってすぐにムースが感じたのは、殺し合いを開いた主催者への怒りであった。
そして支給品や地図、名簿の確認を行っていく過程で、怒りは焦りと不安へ変わっていく。
眼鏡を没収されなかったのは不幸中の幸いであった。彼は視力が低く、眼鏡をかけていないと銅像と人間の区別もできないほど、対象の判別ができない状態になってしまう。
名簿にはムースの知人の名前が複数人記されており、その中には彼の想い人であるシャンプーの名前もあった。
それは即ち、シャンプーが殺し合いのゲームに参加させられ、命の危険にさらされていると言う事に他ならない。
もし眼鏡まで没収されていたのなら、名簿を読むことができずにシャンプーが参加していることに気付くことができなかった。
この状況に気付くことができただけでも、本当に不幸中の幸いだったといえる。


「ここにおればいいが……」


差し当たっての目的地と定めた風林館高校へと到着したムースは、違和感を感じつつもその馴染みのある建物を見上げ呟いた。
この場所へ来た目的は、知り合いと合流しシャンプーを捜索する助力を得ることである。
強制的に殺し合いをさせられている以上は、初対面の人間は信用できないため、知り合いが立ち寄るであろう彼らの母校の名と形をしたこの場所へ赴いたのだ。
乱馬、あかね、良牙の3名のことは好きではないが、このような催しに乗るような人間ではない。むしろ抗うのが容易に想像できる。
ただし、シャンプーはどうだろうか?
ムースにとっては心底口惜しい事実であるが、彼女は乱馬に好意を抱いている。熱情的で直情的な彼女ならば乱馬のために殺し合いに乗るのではないか?
ムースは想い人が殺し合いに乗り、その結果死んでしまうことが恐ろしくて堪らない。
そんなことを考えながら校内へ入っていくと、奇妙な光景を目にした。


「これは……寝ておる……のか?」


中学生か高校生か、つまりはムースと同い年か年下ということになるが、その程度に見える少年が校舎に背を預け座った状態で熟睡していた。
一瞬、既に殺された参加者の骸かとも思ったが、寝息によって上下する肩を見て寝ているのだと理解した。
余程疲れて眠っているのか、近付いたムースを意にも介さず気持ちよさそうに眠りこけている。


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316それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:15:42 ID:5M7EDqZ20


「人の気配がしたから来てみれば……なんだコイツは」


先ほどのムースと同じ場所に立ち、同じような反応をしているこの男の名はドモン・カッシュ。
ネオジャパン代表のガンダムファイターであり、世界の調停者『シャッフル同盟』の一員キング・オブ・ハートの紋章を受け継いだ青年である。
鋭い目つきにボサボサの黒髪には赤いハチマキをし、右頬に十字の古傷を付けたその姿はどこか近寄りがたい雰囲気を漂わせている。


「おい!こんなところで寝ていると危険だぞ起きろ!」


ドモンは眠っている少年に声をかけながら、軽くゆすって起こそうと試みるも、一向に起きる気配がない。
悠長に起こしている場合ではないと、今度は頬を叩いてでも起こそうと手を振り上げた。
すると、


「――――なんだとッ!!}


攻撃する相手に反撃してカウンターをいれるかのように、頬を叩こうとしたドモンへ向かって風を切るように少年が拳を繰り出してきたのだ。
腹部へ放たれた拳をドモンは咄嗟に左腕でガードしてみせるも、彼を警戒させるには十分な威力を持っていた。


「眠ったふりをして攻撃を仕掛けてくるとは卑怯な!!
 そのつもりならば相手になってやる!!さあ、かかってくるがいい!!!」


少年に敵意があると思ったドモンはすぐさま構えをとり、戦闘態勢に入り相手に出方を窺う。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


317それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:16:48 ID:5M7EDqZ20


「寝ているとはどういうことだ?コイツは俺に攻撃を仕掛けてきたぞ」
「寝ているというのは本当ですよ。体力を回復させるため睡眠をとっているのでしょう。
 反撃してきたのは……まあ彼の本能で、というしかありませんね」
「要するに、こいつはこのゲームに乗るような奴ではないと言いたいのか?」
「……ええ。そして、オレもノストラダムスの思惑通りに殺し合いをするつもりはありませんよ。
 もちろん、仕掛けてくる相手に手加減するつもりもありませんけどね」


説明になっているのか疑問な説明をしながら、蔵馬は少年の元へ向かい彼の傍にしゃがみ、顔を覗き込む。
ドモンは、横を通り抜けていく蔵馬の美麗な横顔に見惚れてしまいそうになりつつも、二人の様子を注意深く見つめていた。
手加減するつもりはないと口にした時のほんの僅かだけ、蔵馬の雰囲気が冷徹なものへの変わった。
ドモンはそれを感じ取ると、蔵馬が見た目通りの男ではないと察する。


「おい、幽助。いくら君でもこんな所で呑気に寝ていたら危険だぞ」
「……グゥ…………ムニャムニャ……」
「だめだ……しばらく起きそうにないな」
「そういえば、その幽助というやつのデイパックが見当たらんが」


蔵馬も幽助を起こそうと試みてみるが、ドモンの時と同様に効果がないということが判明したところで、ドモンがある事実に気付く。
彼らバトルロイヤルの参加者全員に配られているはずのデイパックが、幽助の傍にないのである。
殺し合いのゲームにおいて命を繋ぐために必要不可欠な、地図や食料などが入っており、いくら実力者であったとしてもそれらなくしては死亡率は跳ね上がることだろう。
ドモンと蔵馬は二人して周囲を探してみるも、見つけることはできない。


「どこかに隠しているのか?」
「いえ、そこに気を使うのならばこんな無防備なところで寝ていないと思います。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


318それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:17:30 ID:5M7EDqZ20


「蔵馬、お前はそいつを使ってデイパックを探してくれ。俺は幽助を背負って移動する。
 そして、俺の知り合いに会ったら手助けをしてやってほしい」
「わかりました。では、軽く情報交換をして、待ち合わせの場所と時間を決めておきましょう」


基本方針が決まると、二人はすぐさまデイパックから地図と名簿、そして筆記用具を取り出し情報交換を始めた。


「まずはドモン、貴方の探し人を聞いておきましょう」
「レイン・ミカムラ、アレンビー・ビアズリーの二人だ。
 そしてもう一つ言っておくことがある。東方不敗には手を出すな」
「それは危険だから?それとも何か因縁があって自分が手を下したい相手ということですか?」
「…………両方だ」
「わかりました。こちらも伝えておきますが、戸愚呂兄弟には関わらないようにおススメします。
 少なくとも、幽助が目を覚ますまでは」

蔵馬の重苦しい物言いに、ドモンは深く肯いた。


「次に待ち合わせ場所ですが。互いに成果がなくても、二回目の放送頃にD-4地点のプレミアマカロニで落ち合いましょう。
 それまでにD-4が禁止区域となっていた場合には、E-3の駅に変更ということで如何でしょう?」
「よし、それでいこう」



蔵馬は見鬼くんが指し示す方角である西へ向かって駆けていく。
彼はドモンに伝えようか迷った結果、確証が持てずに伝えられなかったことがあった。
それは、幻海という名前が名簿に載っていることについて。蔵馬の認識では、彼女は戸愚呂弟によって殺されたはずであった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


319それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:19:13 ID:5M7EDqZ20




【F-5 風林館高校周辺/1日目 深夜】


【ムース@らんま1/2】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式(2人分)、ランダム支給品4~6(浦飯幽助の分は未確認)、
[思考]
基本行動方針:シャンプーを連れて脱出する。
1:シャンプーと合流する。
2:乱馬たちと合流する。
3:知り合い以外は信用しない。
4:可能ならば他の参加者から支給品を奪取する。


【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダム支給品2~3
[思考]
基本行動方針:打倒ノストラダムス。
1:浦飯幽助を連れてレイン、アレンビーを探す。
2:第二回放送頃にD-4プレミアマカロニまたはE-3の駅で蔵馬と合流する。
3:東方不敗は自分が倒す。
4:戸愚呂兄弟を警戒。
[備考]
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320 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:20:02 ID:5M7EDqZ20
以上で投下終了です。


321 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:00:04 ID:7iJnnJiA0
投下します。


322放たれた怪物 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:01:28 ID:7iJnnJiA0

病院というものは人の命を救う場所であるが、必然的に死が発生してしまう場所でもある。
そのため怪談の舞台になることも多く、どこか居心地の悪さを感じるものも少なくはないだろう。
夜間の大病院ともなれば、その広大さと昼間の喧騒から一転しての静けさにより不気味さはさらに増すことになる。
命を奪い合うバトルロイヤルの会場に設置された施設の一つ、大凶病院。
ゲームが開始され、この無人の病院に飛ばされた男が一階の待ち合いフロアの椅子に腰かけている。
彼の名前はチョコラータ。


「素晴らしいっ!!なんと心躍るイベントだ!」


その口から発せられたのは主催者への恨み言や嘆きではなく、最大限の賞賛の言葉。
彼の手には支給された名簿があり、そこに記された67人の名前を喜色をあらわにしながら眺めている。
それはまるで、腹ペコの子どもがご馳走の並んだメニューを手渡され、どれを食べようか迷っているかのようであった。


「この名簿に載っている者たちが殺し合うのか。
 くくく……私が主催者となってそのすべてを観察したいところだが、自ら好きに殺して回るのも悪くない」


舐めるように名簿に目を通していたチョコラータだが、ふと見覚えのある名前に目が留まった。


「ブチャラティとジョルノ・ジョバァーナ。……そしてリゾット・ネエロか」


彼らがこのゲームに参加していようと、チョコラータの行動方針に影響を与えることはない。
知った名前ではあるが、顔見知りでも親しいわけでもなく、むしろ積極的に殺しておきたい人物だといえるだろう。
ここに呼ばれる直前、チョコラータが始末しようと動いてた標的がブチャラティとその部下たちなのだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


323放たれた怪物 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:02:51 ID:7iJnnJiA0


一通り名簿を見終えたチョコラータは、次にデイパックの中身を確認し始めた。
食料などと共に入っていたのは、加工された鳥の羽と囚人用の手錠。


「おいおいおい、ビデオカメラがないぞ!
 気の利かない連中だな。これではせっかく殺しても死の瞬間を撮影して楽しむことができないではないか」


それまで上機嫌だったチョコラータだったが、お目当てのものが支給されていないことに怒りを露わにし、賞賛していた主催者へ理不尽な批判を吐き出した。
苛立ちが収まらないのかブツブツと愚痴を零しながら、取り出した支給品と院内を周って調達したメスなどの医療器具をデイパックへしまっていく。


「おや、客が来たようだな」


デイパックへ荷物をしまい終え、チョコラータが立ち上がりかけた時、正面入り口の自動ドアがゆっくりと開く音が鳴った。
人の気配を察したチョコラータは、狂気を隠すようににこやかな表情を作り人影の方へ歩き出す。
狂人の待つ病院へ、それを知らない参加者が足を踏み入れたのであった。





【E-4 大凶病院/1日目 深夜】


【チョコラータ@ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風】
[状態]:健康
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324 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:03:42 ID:7iJnnJiA0
以上で投下終了です。


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17 アニメキャラ・バトルロワイアルGO (Res:657)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 17
1名無しさん :2016/06/17(金) 00:00:13 ID:EdILi.9c0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17236/

投票所
ttp://jbbs.shitaraba.net/anime/10770/

wiki
ttp://www65.atwiki.jp/anirowago/

地図
ttp://imgur.com/aYmPt1v.jpg

【参加者名簿】

6/6【名探偵コナン】
○江戸川コナン/○毛利蘭/○灰原哀/○安室透/○赤井秀一/○ジン
6/6【うしおととら】
○蒼月潮/○とら/○秋葉流/○引狭霧雄/○斗和子/○紅煉
6/6【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
○東方仗助/○広瀬康一/○虹村億泰/○岸辺露伴/○片桐安十郎/○吉良吉影
6/6【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】
○三日月・オーガス/○オルガ・イツカ/○ビスケット・グリフォン/○アイン・ダルトン/○ガエリオ・ボードウィン/○マクギリス・ファリド
6/6【迷家-マヨイガ-】
○光宗/○スピードスター/○ヴァルカナ/○らぶぽん/○美影ユラ/○ナンコ
5/5【おそ松さん】
○松野おそ松/○松野カラ松/○松野チョロ松/○松野一松/○松野トド松
5/5【東京喰種トーキョーグール】
○金木研/○霧島董香/○月山習/○ヤモリ/○真戸呉緒
5/5【オーバーロード】
○アインズ・ウール・ゴウン/○アルベド/○シャルティア・ブラッドフォールン/○デミウルゴス/○クレマンティーヌ
5/5【うたわれるもの 偽りの仮面】
○ハク/○クオン/○ネコネ/○オシュトル/○ヴライ
4/4【ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン】
○ニンジャスレイヤー/○ダークニンジャ/○ヤモト・コキ/○シルバーカラス
4/4【ストライクウィッチーズ】
○宮藤芳佳/○リネット・ビショップ/○サーニャ・V・リトヴャク/○エイラ・イルマタル・ユーティライネン
4/4【がっこうぐらし!】
○丈槍由紀/○恵飛須沢胡桃/○若狭悠里/○佐倉慈
4/4【この素晴らしい世界に祝福を!】
○佐藤和真/○アクア/○めぐみん/○ダクネス
3/3【ガールズ&パンツァー】
○西住みほ/○西住まほ/○逸見エリカ
3/3【THE IDOLM@STER】
○天海春香/○如月千早/○星井美希

72/72

638佐藤和真ですが、戦車内の空気が最悪です ◆QkyDCV.pEw :2017/02/19(日) 21:04:31 ID:BEYVrFpk0
「うん」
仗助もみほも、闇雲にただ戦うような真似はしない。何処何処までも諦めず考え抜いて、勝ちの目を引き寄せようという努力を怠らない。そんな仗助が口にし、みほが頷くからこそ、この言葉は若気の至りだのといったものとは一線を画するのだろう。
そうした理屈を理解しているわけでもないのだが、宮藤芳佳もまた戦いを前に怯え引き下がるような者ではない。
「私も、もちろんそのつもりだよ。だって私、ウィッチなんだから」
カズマはそんな三人のノリに少し釣られている自分を自覚しながらも、まあ仕方ないか、と置かれた環境を鑑み自分を納得させる言い訳とする。
「おーおー、三人共かっこいいねえ。俺は真っ向からやりあうなんて柄でもないし、セコくコスくやらせてもらうけどな」
冗談めかしてそう言ったのだが、何故かみほにも仗助にもこの言葉は大層好評であった。
みほはぽんと手を叩く。
「はい、そういうので行きましょう。相手が強いという事だけははっきりしてるんですから、こちらは手間暇をかけてこそこそーって感じで」
始めて、嘲笑とかではなく楽しげにカズマに笑いかける仗助。
「そうだな、あんだけふざけた連中だ、おちょくってやるぐらいがちょうどいいだろ。おめえはそういうの得意そうだしアテにしてるぜ」
一人落ち込んだ気配の芳佳。
「わ、私はあまり頭を使うのは……で、でもセコくズルく、だね。頑張るよ。と、とりあえずはお夕飯のおにぎりの具をわさび漬けに変える所から……」
速攻でカズマが突っ込む。
「俺達にセコくしてどーする。後それ多分食ったら美味いぞ」
「だ、だって美味しくないもの食べるとかあんまりだし。でもちょっとした刺激っていうかびっくりをね」
「だから俺達にそーしてどーすんだよ」
二人のやり取りを見て、仗助とみほは同時に安堵の息を漏らす。それに気付いた二人はお互い顔を見合わせる。
何とか芳佳が元気を取り戻してくれて良かった、そんな事を二人が同時に考えていて。二人は同時に噴き出すと穏やかな笑みを浮かべる。
思いっきり笑い合える程精神状態は安定しているわけではない。それはひたすら冷静であろうとし続けているみほであってもだ。
ただそんな苦しい中であっても、ほんの少しなら笑う余裕を持てた。そして、自分でそうしてみて始めて、無理して作った笑みにも、心を安らげる効果があるのだと二人は知ったのであった。





【E-7/朝】

【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:
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639 ◆QkyDCV.pEw :2017/02/19(日) 21:05:15 ID:BEYVrFpk0
以上で投下を終了します。


640名無しさん :2017/02/20(月) 10:21:26 ID:uunHKq4E0
投下乙
やっぱり異世界&蘇生体験済みのカズマが居るとこういう時話進のが早いな
ふわっとしてるところはみほと仗助で埋めたりいいパーティーだ


641名無しさん :2017/03/04(土) 18:27:32 ID:UDFa.h560
こいつらの掛け合い楽しいなあ
カズマさんもだけど仗助みほがいい


642 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:51:31 ID:VD0IupEk0
広瀬康一 松野カラ松 赤井秀一、投下します。


643納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:52:18 ID:VD0IupEk0




最初の定時放送を聞き終えた後、松野カラ松は川を流れていくトド松の姿を思い出していた。
再び体に震えが来た。カラ松にはその震えの理由がわからなかったが、怖くて震えているというのだけは自分でもわかる。
悲しむよりも、怒るよりも、まず先に怖いとカラ松は思ったのだ。
助けを求めるようにカラ松は共に行動する広瀬康一に目を向ける。そこで、彼の見せた変貌っぷりに目を見張る。
怒髪天を突くとは正にこの事だろう。髪が逆立って見える程、康一は激怒していた。
康一は、声だけは平静なままで言った。
「ねえ、カラ松さん。例えば、ですよ。自分の大切な友達を、ロクに彼の事を知りもしないクソ野朗が、ざまあ見ろって言わんばかりに死んだとかぬかしたら、どう思います?」
「え? ええと……」
「ムカッ腹、立ちません? もし目の間にソイツが居たなら一発入れてやらなきゃ収まらないぐらい、頭に来ませんか? もし、親切心で言ってますーなんて戯言抜かしたら、起き上がれなくなるまで殴りたいって、思っちゃいますよね」
「お、おう。でもそれ俺じゃないからな、おーけい? 俺チガウ。俺コウイチの敵チガウ」
「わかってますよ。見境無く暴れたりなんてしません。けど、コレ、間違いなく、僕、怒っていいですよね? こんな事抜かすクソ野朗見かけたら、思い知らせてやっていいですよね?」
「うん、うん、怒っていいと思うぞー。でも俺じゃないからな、俺には怒らないでください、プリーズ」
滅茶苦茶怖いらしく、つい敬語になってしまうカラ松。
康一は自らのこめかみを手で抑え、三回、呼吸を行い心を整える。
「……ごめん、もう大丈夫。億泰君はまだ、きっと生きてる。だから……」
そこで言葉を区切って康一はカラ松をまじまじと見つめる。
カラ松の目の縁が小刻みに揺れている。さっきの放送で、カラ松の弟の名前が呼ばれたのは康一も知っている。その弟の死体を、カラ松は目にしているのだ。動揺も無理も無い話だろう。
康一はそんな彼に負担をかけるのは、心苦しいと思えた。
今の康一はもう、とにかく隠れてやり過ごすといった思考はない。こちらからも積極的に動いていって人を探し、敵と味方を見極めつつ味方を増やそうと考えている。
そんな道行きにカラ松を連れて行ったものか、と悩んだのだ。
カラ松はこの村に置いて、自分のみが動き回るというのが良さそうな考えに思えたのだが、康一は何故かそれを実行に移す気になれなかった。
彼を一人残していくのが心配だ、というのもある。ただ、危険さで言うのなら探索に共に出る方が絶対に危険だ。何せ人が居たらこちらから接触を取ろうというのだから。
カラ松は勇敢な青年だが、だからとスタンドも持たぬ彼では先のような人外相手では足手まといにしかなるまい。ましてやそんな相手に蛮勇を振るったならば結果は火を見るより明らかだろう。
ならば隠れられる場所に隠れていた方がいい、と思うのだが、やはり何度考えても、康一はカラ松をココに置いていくのは良くないと思えてしまうのだ。
「康一ボーイ?」
カラ松が不思議そうにこちらを見返してくる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


644納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:53:15 ID:VD0IupEk0
いや、ここから出ていく、それもあの殺人者達の居る方向とは別の方に向かうというのであれば、見送っても問題が発生する可能性は低いと考えられる。
この村で、赤井は生き残る算段をつけなくてはならない。それは、敵を倒す事と同義だ。
殺人者が徘徊している土地に放り込まれた多数の無力な人間達を、如何に救うのが一番効率的か。簡単だ、殺人者を全て駆逐しきってしまえばいい。
放送内容を信じるのであれば、先に出会った二人組の殺人者ではとても殺しきれないだろう数の死者が出ている。それはきっと、あの二人以外にも人殺しがいるという事だ。
赤井には効率的に手際良く、殺人者を始末していく事が求められる。では、どうするか。
この村を、殺人者にとってのキリングフィールドにしてやればいい。
武器? 無いなら作ればいい。必殺の殺し間をこの村の各所に用意し、殺人者を招き寄せて殺す。
幸い、ここは村で、幾つかの面白そうな道具も見つけてある。また和風家屋である為、軒下や天井裏も入りやすく、今康一とカラ松を見張っているように隠れ潜む事も容易だ。
これらを活用すれば、有効な武器も作る事が出来るだろうし、待ち伏せやら仕掛けやらにも向いている場所だろう。武器は、とりあえず弓辺りを赤井は考えている。
そんな危険な場所となるこの村には、彼等は居ない方がいいだろう。
或いは、殺人者であろうとこれを殺す事に忌避感のある者も居るかもしれない。だから、赤井がやるのだ。
何でもそうだ。出来る者がするのが、一番効率が良い。ここにどんな者が集められているのかはわからないが、殺人の訓練を受けている赤井がそうするのは至極理に適った行為であろう。
故に赤井は二人を見送る。彼等が悪意を持って赤井の情報を洩らすとは考え難いが、必殺の殺し間をより磐石のものとする為には用心に用心を重ねるべきだ。
あのバーボン、安室透ですら不覚を取る場所なのだから、ここは。

村から離れた所で、康一はこんな事をカラ松に訊ねた。
「ねえカラ松さん。あの村さあ、何か変な感じがしたとかそういうのあった?」
「え? いや、俺はそういうのは無かったぜ……」
そっか、といい、康一はこれ以上この話題を続けはしなかった。
康一が村を離れたのには、れっきとした理由がある。
それは康一が、あの村をかつて入り込んでしまった杉本鈴美の居る場所と、似ていると感じたからだ。
人が全く居ない町並みといった表面的な類似ではなく、もっと別の、肌にまとわりつくような、空気が違うとでもいうような、感覚だ。
以前に感じたその不思議な空気と、今この山中の村を取り巻く空気が似通っている、と康一には思えてならなかったのだ。
あくまで勘の範疇であり、理論的に云々なんて話ではないので、これを普通に話してカラ松を納得させるのは困難だろう。だから康一はああ言ったのだ。


645納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:53:42 ID:VD0IupEk0
夜が明けたとはいえ、山中の移動は困難を伴うだろうし、木々が乱立する最中を歩く事になるのであるから、不意打ちへの警戒も難しかろう。
それでも康一は、あまりあの場所に居るのはよろしくないと感じていたのだった。



【C-6/朝】
【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに反対。
1:ここに居るらしい仗助と億泰を探す。
2:ヤモリ、クレマンティーヌから逃げる。
3:カラ松を守る。
4:吉良吉影の危険性を伝え、捕まえる。
※本編終了後より参戦
※スタンドのことは「どうせ見えないだろう」と隠しています。

【松野カラ松@おそ松さん】
[状態]:健康
[装備]:H&K USP(13/15)
[道具]:予備弾薬30、支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考・行動]
基本方針:帰る。
1:康一に引っ張られて移動する
※トド松の死体を見ました。
※康一のスタンドも見ましたが、その事を康一に確認する時間的余裕はありませんでした。

【C-6納鳴村/朝】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


646 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:54:06 ID:VD0IupEk0
以上で投下を終了します。


647 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:55:13 ID:VD0IupEk0
シャルティア・ブラッドフォールン ダークニンジャ ヴライ 月山習、投下します。


648 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:55:48 ID:VD0IupEk0



どうやらここはシャルティア・ブラッドフォールンの全く見知らぬ土地であるらしい。
とっ捕まえた戦士から聞き出した話から考えるに、ここはネオサイタマという場所の近くと思われるが、そいつも拉致されて来た口で本当にそうなのかの確証も得られなかった。
シャルティアが見つけた人間は全部で四人居た。内二人は殺してしまったので残る二人を追ったのだが、どうにも見失ってしまったようだ。
眷属まで使っての捜索に全く引っかからなかったのだから、かなり高速で移動したのだろう。最早周辺には居ないと考えるべきだ。
とにかくここが何処かがわからなければどうにもしようがなく、シャルティアは特にアテもなく人の居そうな場所を目指し歩いてみる。
この町、人の住居と思しきものは所狭しと建ち並んでいるのに、人の気配はまるでない。
建築様式も何処かで見た事あるような無いような、な感じで。それなりに進んだ文化と技術を持った国だとわかる程度だ。
高いところに上がってみても、人の気配は無い。時折、妙な違和感があって集中して気配を探ってはみるものの、やはり何も引っかからない。
よほど人が居ない土地なのだろう。いや、人は居たのだが、何処かへ消えてしまったというのがより正確な気がする。
「流石に、参りましたでありんす」
もう一度、シャルティアは現状を整理する。
恐らくシャルティアは何者かに拉致された。もしくは強制テレポートの類で吹っ飛ばされた。
その際、身につけていた装備品を悉く奪われているので、そういった魔法の罠の類でもなければ、やはり拉致されここに放り出されたと見るべきか。
「まったく、これではまるで迷子にでもなった気分でありんす」
少し考えて、シャルティアは頭を抱えてうずくまった。
「まるでじゃないしっ! まるっきり迷子そのものだしっ! ああああああああああ、なにこれなにこれ、わざわざ人をさらっておいてそのまま放置って何かの特殊プレイでありんすか!? 幾らなんでもこんな現状に性的興奮をもよおすとか難度高すぎでありんしょう!」
創造主にエロゲ設定を山盛り詰め込まれたシャルティアさんにも、流石にコレは無理らしい。
遊んでいる場合ではなかったのである。
てっきり、ここにシャルティアを拉致した者から何らかの接触があるものと思っていたのだが、見つけられたのは同じように捕まって来た者ばかりである。
確認したのは一人だけであるが、シャルティアを相手にロクに前に立つ事すら出来ぬような輩がシャルティアを拉致出来るなどとは考えられないので、アレ等も先に捕えた者と同様であろうと判断した。
ここまで接触が無いのなら、恐らくシャルティアを拉致した何者かはシャルティアと会うつもりはないのであろう。
つまり、接触して来た時にそいつから直接拉致の理由を問い質そう、というシャルティアの考えは実行出来ぬという事で。
もちろんそれでは帰る方法もわからぬままだ。転移系の術は全て、この地に結界だか封印だかがなされているらしく使用不能。伝言の魔法も駄目。小憎らしい程に、シャルティアには何も出来ない状況である。
よよよ、とその場に崩れ落ちる。
「どうして何時もわたしだけがこんな目に……この前も気がついたらアインズ様に……あああああああああああああぁぁ、またこの前のような失態を晒したらきっと……」
その時のアインズの様を想像したのか、シャルティアの全身を怖気が走る。
「いやっ! 絶対に嫌でありんす! そうよ、今回は意識がなくなってるなんて事もないのだし、わたしにもまだどうにかする目があるはずっ!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


649 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:56:21 ID:VD0IupEk0
実に馬鹿丸出しなザマであるが、これは彼女のみに原因があるわけではない。
エロゲのような設定を詰め込まれているシャルティアであるが、設定とは趣味嗜好であったり、性質だったりを定めたもので。
趣味嗜好が、戦闘に有利云々ではなくそれ以外の方向に突き抜けていったような内容であるのなら、好き嫌いは概ね当人にとっての弱点にしかなりえない。
性質にした所で、冷静沈着で常に最善の判断を下せるような性格を形成するような要素は、そのほとんどが可愛いといった要素と相反する。つまり、こちらも設定を盛られれば盛られる程立ち回りが不利になっていくものだ。
シャルティア・ブラッドフォールンはそれ以外、つまり能力的な面で言えばかなりのガチ仕様であり、総合的にはナザリック守護者達の中でも最強の部類に入ろう。
スキルや能力のバランスも良く、戦闘の際の大きな弱点もない。アインズがこれと戦うと言い出した時は、残る守護者全員が止めに入った程だ。
そういった能力の高さを活かす為の頭脳に、彼女は制限が加えられているという事。さながらガンダムの阿頼耶識を通した強力なフィードバックを、安全装置が防いでいるかのよう。いや別に、シャルティアに能力を発揮したらフィードバック食らって死ぬなんて設定は無いが。
結局、シャルティアは放送を耳にしていながら聞き逃すという素敵な失態を晒す事に。
まあ主たるアインズ・ウール・ゴウンも後半聞き逃していたようなので、きっと責められるような事は無かろうが。

シャルティア・ブラッドフォールンの能力はいずれかに特化しているわけではなく、故に様々な事態に対応出来るようになっている。
ならばこうした予測も出来ぬ緊急事態の対処において、彼女程相応しい存在はあるまい。
実際、様々な術への耐性を備え、耐久力や回復力も高い、索敵能力が少々劣るも、完全な不意打ちを食らったとしても一撃でシャルティアを打倒しきるのは至難の業だ。
そしていざ攻撃に移ったとなれば、物理、魔法、双方をバランス良く行使出来、スキルも充実している為ほとんどの防御手段への対応策をその手にしている。
彼女を殺すのは極めて難しく、彼女に殺せぬ敵はほとんど居ない。そんな存在である。
挙句、初見殺しも多数所持していて、魅了の術も数多揃えている為、敵を倒した後の情報収集も万全。スキルと能力だけ見るなら、アインズよりよほど彼女の方がこの地に向いているだろう。
また装備が奪われた現状でも、彼女はアンデッドである為疲労とは無縁で、当人が手を止めるか、行動不能になるまで何時まででも戦闘力が落ちぬままに継続戦闘が可能だ。
これまでに打倒された二人の守護者、これを倒した者達ともしシャルティアが戦うとなれば、恐らくまた別の結果になっていたであろう。
アルベドでは殺しきれなかった斗和子も、シャルティアならばすり潰す事が可能だ。デミウルゴスが耐え切れなかったオシュトルの斬撃もシャルティアならば堪えきり回復再生、しかる後反撃が可能であったろう。
斗和子やオシュトルならば、シャルティアの弱点である血の狂乱発動まで戦いきる事が出来るだろう。だが、血の狂乱はただのバーサークではない。魔法やスキルの行使も可能な、暴虐の嵐であるのだ。如何な双勇であろうとこれを耐え切るのは難しかろう。
この地に招かれた事で、計らずもシャルティアは守護者最強の証明を為し得る事となろう。当人がそれを望んでいるかどうかはさておき。



月山習、一生の不覚。
とばかりに頭を抱え、おろおろとその場でふらつく喰種月山習。
放送を聞いた結果である。そりゃ、アテにしていた喰種の二人の内の一人、霧島董香の死亡をいきなり聞かされてしまえばショックも受けよう。
習がこれまでに出会ったのは四人。学生らしき少女が二人、奇特な格好をした忍者紛いが一人、少女の容姿をしたバケモノが一人。
実に半数が人外である。これほどの者が居るというのならば霧島董香程の喰種が殺されるのも理解は出来る。
彼女とは面識もあるし、それなりに気にはかけている。一度殺されかけた相手でもあるし。ただ、彼女以上に、彼女が死んだ事で衝撃を受けるだろう人物、金木研の事が気になる習だ。
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650最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:57:14 ID:VD0IupEk0
ふと、何かに気がついた習は、今居るビルの屋上から隣にビルへと飛び移る。音も無く着地をし、滑るように走る。再び跳躍、ビル端のフェンスの上に一足で飛び乗り、再び次のビルへと飛ぶ。
こんな派手なムーブ、もし他人に見られたらと思うと何時もの町ではそうそう出来ないだろう。習は少し気を良くしながらビルの屋上を飛び移りながら移動を続ける。
が、突然足が止まる。
『何っ!?』
驚いたなんてものではない。
それまでアホみたいに騒ぎ喚き、挙句隠す気配すらない死臭を漂わせながらゆっくりと移動していた対象が突然消滅したのだ。
習の鼻は喰種ならではの鋭敏さを持ち、その索敵範囲は彼が追っているゴスロリバケモノ少女の索敵範囲を軽く超えている。
別の臭いで上書きしただのでは断じてない。突如、臭いそのものが消失したのだ。
かなり壁の厚い建物にでも入ったか。いや、臭いのみならず、習の肌にひりつくように漂ってきていた死の気配までが、綺麗さっぱりなくなるというのはありえない。
だが、そうなった原因らしきものはわかるので、習は細心の注意を怠らぬままに、追跡を続けた。



ダークニンジャは流れて来た死者を告げる放送に、思う所があったのか表情を引き締める。
呼ばれた名に聞き覚えは無いが、ダークニンジャのニンジャ第六感が言っているのだ、呼ばれた名の中にも恐るべき使い手が居たであろうと。
それは直前に姿を見かけた、ニンジャならざる圧倒的脅威の存在故の事だろうか。否である。
アレの存在もまたダークニンジャが警戒を強める原因ではあろうが、だからと言ってダークニンジャのニンジャ第六感の感性にブレが生じる事は無い。
何処までも冷静に、冷徹に、現状がどうであるかを受け止める為のセンサーとしての役割に、乱れが生じる事は無いのだ。
故にこそ、ダークニンジャはこの地に複数の絶大なる脅威が存在する事を知る。
例えば江戸川コナンであっても、シャルティアのような規格外は特別である、と考えているフシがあった。
もちろん彼の知能ならばアレクラスのバケモノが複数存在する可能性にも当然思い至っているだろうが、まずはアレを対処すべしと全力をそちらに傾けてしまっている。
だがダークニンジャは違う。ニンジャならではの独特かつ超越した感性により、更なる強敵の存在をコナンよりも確かなものとして感じているのだ。
ダークニンジャは町を走る。
前述の理由により、常ならぬ警戒を周囲に張り巡らし、四方にカラテを向けながら。
そしてダークニンジャの優れた感知能力は、手にしたキルリアン感知器よりも早く、その存在をダークニンジャに教えてくれた。
これもまた、ダークニンジャがまるで出会った事のない類の気配であった。
少ししてキルリアン感知器も反応を示すが、その数値はあのバケモノはもちろん、ダークニンジャよりも大きく劣るものであった。だが、だからこそ、ダークニンジャはこの数値が戦闘力の高さではないと察する。
ダークニンジャのニンジャ第六感は、この気配の主の並々ならぬ脅威度を感じ取っていたのだ。
だがダークニンジャは今度の相手には遠くから様子を見るのではなく、自身をその脅威の前に晒しだす。
まず、ダークニンジャを前にした相手の反応を確かめる。
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651最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:58:27 ID:VD0IupEk0
ヴライと名乗った大男は、その一言と共に、巨大な長棒を振り下ろして来た。

何たる豪腕、何たる威力か。
ヴライの振り下ろした長棒は叩き付けた大地を深く抉り、跳躍し距離を取ったダークニンジャを吹き上げた土砂が襲う。
ダークニンジャ、叩き付ける土砂を厭わずじっとブライから目を離さない。
当たり前にヴライはこの土砂の中を突っ込んで来た。攻撃はまたしても単純明快な、振り下ろしの一撃。
だがその振り下ろしに、珠玉の技が込められている事をダークニンジャは見てとった。
あれほどの威力。筋力だけで為し得るものではあるまい。いや、技のみでも不可能だ。類稀な鍛え抜かれた筋力を、膨大な経験に基づいた術理により運用し、早く、強くを何処までも極め尽くして初めて至る戦人の境地の一つであろう。
実際ダークニンジャも、飛んでかわさねば危うい。ギリギリでかわしあわよくば反撃などという甘えた行為の一切を拒否する、鋭さを備えた攻撃であるのだ。
太い棍棒をそのまま長くしたような、常識外の膂力でもなくば振り回せぬ武器を軽々と振り回すヴライ。だがそれは彼の戦闘力のほんの一部に過ぎない。
ダークニンジャが注視しているのは、その長棒を大地に叩き付けた動き、そのものだ。
最初の一撃は敢えて大地を叩いた。だが、次の一撃は大地に付く直前で棒先がぴたりと制止していたのだ。
それはダークニンジャの飛び道具による反撃を警戒しての事であろう。もしスリケンなどで仕掛けていても、あの長棒が跳ね上がり容易く弾かれていた。
たったこれだけのやりとりでもわかる。この大男ヴライは、ただの力自慢などでは断じてない。もちろん、ニンジャソウルを手にした事で有頂天になってしまうような浅薄な輩とも違う。
己を厳しく律し、何時でもより強くならんと切磋琢磨し続けて来た者の持つ、重厚な土台が感じられる。
これを一言で言い表すならば、見事なカラテ、であろう。
ヴライの足は止まらない。後退したダークニンジャに向かって、三度目の振り下ろし。
『否っ!』
ダークニンジャは前二度と全く同じモーションのヴライに対し、脅威は上ではなく前と感じ、その直感を信じ動く。
果たしてヴライの振るった長棒は振り下ろす挙動から一瞬で切り替わり、奥深くへと伸びていく突きとなる。もし後ろに下がる事でかわそうとしていたならば、この突きに追いすがられ致命的な一打を許したであろう。
だがヴライが稀有な武人であると言うのなら、ダークニンジャもまた古今稀に見る優れたニンジャだ。
突きの気配を感じ取り、後退ではなく左方への跳躍に切り替えこれをかわす。
ヴライの突きの威力は周辺の大気をすら巻き込み伸び行くもので、渦を巻いた風がダークニンジャを引きずりこまんと吹き付けるが、ダークニンジャはニンジャ脚力で大地を踏みしめこれを堪える。
更に、この突きの風圧で動きを制したヴライは、三種目の攻撃、薙ぎを繰り出す。
これぞ必殺の一撃であろう。前方の空間全てを削ぎ取る回避不能の剛撃だ。
地上には物理的にこれを回避する空間が存在しない。何処に居ようと薙ぎの範囲内であり、この範囲から一足で飛べる距離を、ヴライが長棒を振るう速度を越えて稼ぐのはさしものダークニンジャにも叶うまい。
それでも、ダークニンジャは歴戦を潜り抜けてきた勇士。出来ぬをこなしてこその超一流であろう。
先程大地を深く踏みしめたのは、風圧を堪えるのみが目的ではなかった。
次撃を薙ぎと予想したダークニンジャは、深く沈みこむ事で跳躍に必要な脚力を溜め込んでいたのだ。
一瞬でヴライの頭上を取るダークニンジャ。そして、何たる妙技か。空中で一回転し、ヴライの頭部を蹴り飛ばしにかかる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


652最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:59:38 ID:VD0IupEk0
並のニンジャであればそのままヴライに足を掴まれていたであろう。ヴライのウケの強さを見てとったダークニンジャは咄嗟に、ケリを振りぬくケリではなく弾くケリに切り替えたが故のこの結果なのである。
さしものヴライも、片腕のみではダークニンジャ着地までの間に長棒を振るう事は出来ず、両者にとってあまり本意ではない形で交錯は終わる。
表面的に見えた動きは、ブライが振り下ろし、振り下ろし、突き、薙ぐ。これをダークニンジャが下がり、下がり、横に飛び、上に飛んで反撃するも受けられる。のみである。
これのみでも実にアクロバティックで迫力のあるやりとりであったのだが、これらの動きにはそれぞれ常人では踏み込みえぬ深い鍛錬と技術が詰め込まれており、両者の実力の程が知れようものだ。
現時点ではいずれに有利が付くといった風でもない。
だが、ここでダークニンジャは動きを変化させて来た。
戦場を広い道路上から、建物の中へと切り替えてきたのだ。
確かに、長物は建物内では不利であろうし、ヴライの得物を封じる意図でそう行動するのは正しい選択であろう。
建物の中へと走るダークニンジャを、そうとわかっていて平然と追うヴライ。
背の高いビルの一階ロビー、ここに入り込んだダークニンジャであったが、一階ロビーは上二階まで吹きぬけた広い空間になっており、ヴライが長棒を振り回すに充分なスペースがあった。
ダークニンジャは仕方が無いとでも思ったか、ロビーにそそりたつ巨大な柱を背負って構える。ヴライはやはり気にした風もなく長棒を振り下ろす。
そう、ヴライが構わず建物内に入ったのは、中に鉄筋が入ってようと大理石で覆われていようと、叩き砕く自信があったからである。
斜めに振り下ろされたヴライの長棒は、柱を袈裟に叩き斬ってしまう。その抉られた柱の傷跡は、明らかに長棒の長さよりも深い。
少し計算が外れたか、と柱の後ろに回りこんだダークニンジャは、これに同じく袈裟に手刀を叩き込む。こちらもヴライに負けじと中の鉄筋ごと深々と柱を抉り取る。
上にだけでなく、ヴライのドウジマを振り回しても問題ないぐらいに横にも広いフロアであるという事は、つまり、支えとなる柱にその重みが集中しているという事で。
ただの一本が支えたらず崩れるだけで、フロア全体の天井が細かく揺れ始めたではないか。
フロアの構造を一瞬で把握し、最適の柱に目をつけこれをヴライの力すら用いて破壊する。
ただ強いだけのニンジャには絶対不可能な戦い方だ。当然仕掛けた方のダークニンジャは即座にビルの外へと脱出。轟音と共に崩れ落ちてきた天井に、ヴライは避難が間に合わない。
だが、とりたてて彼は慌てる様子もなく、手にした長棒を深く後ろにまで引き構え、コンクリートの塊がヴライの頭上に至った瞬間、弧を描き長棒がこれを粉砕する。
細かな瓦礫は流石に避けようが無かったが、問題になるような大きな塊は全てその一閃で砕いたヴライは、頭上や肩に乗った瓦礫を払いもせずのそりとビルから出る。
ビルの外では、両腕を組んだダークニンジャが道路に立っていた。まるでヴライが出てくるのを待ち構えて居たかのように。
しかしヴライは外に出てもダークニンジャから目を離し、頭上高く、自らが入っていた十数階のビルを見上げている。
ヴライの知る建築では、ここまでの大きな破壊があれば建物全体に影響を及ぼす事必至であったのだが、このビルは一層の底が抜けた程度ではビクともしないようだ。
それを確認し、戦闘の最中だというのに何処か感心したような顔になる。
完全に無視された形のダークニンジャであるが、そもそもこの男、激情とは最も縁遠い男。怒りを顕に襲い掛かるような真似はしない。
そんなダークニンジャをせせら笑うヴライ。わかりやすいぐらいわかりやすく隙を見せてやったというのに、お互い引っ込みがつかなくなるような必殺の間合いへは決して踏み込んで来ようとしないダークニンジャの腰抜けっぷりを笑ったのだ。
「つまらん男だな。殺し合いをする気は無いか?」
本来のダークニンジャならば、敵が何をほざこうと黙殺するのであるが、どうしたものか、ダークニンジャはヴライの言葉に返事を返してやる。
「……ニンジャでもない、かといって人間でもあるまい。お前は一体何者だ」
ヴライの眉根が怪訝そうに寄る。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


653最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 19:00:06 ID:VD0IupEk0
「ふむ、それだけの暴威を持ちながらニンジャを知らぬか。貴様、ネオサイタマの者ではあるまい。ヤマトと言ったか、事によれば、日本の外の者か?」
ヴライにはまるでわからぬ単語ばかりだ。それにこの男の動きは、ヴライも見た事が無いと思える程独特のものであった。
この踏み込み過ぎぬ戦い方こそがこの男の戦いで、ヴライが致命的な隙を見せるのを待ち構えている、といったヴライが最初に抱いた予測は実際に隙があったにも関わらず踏み込まなかった事で外れであったとわかった。
だが同時に、この男は隙があっても攻めない、つまり今の時点ではヴライにリスクを負ってまで大きな損害を与えようと思っていない、とも考えられる。
即ち、この男の狙いは時間稼ぎ。
ならば付き合う事もあるまい、と踏み込みかけたヴライ。その足が止まる。
ダークニンジャはそちらの気配に注意を向けながら、心の中で呟いた。
『我が策、成れり』
「あー、もうっ。この魔法、気配も消してくれるのはいいんでありんすが、こっちに気付いてもらえないのは面倒この上無いっ。あー、そこの二人、今からわらわの質問に答えなんし。その後でそっちの覆面は顔を見せて見た目が良かったらもう少し生かしておいてやりんす。そっちの不細工は自殺でもしなんせ」
周囲の大気が歪んで見える程に明白な強者気配を相手に、この超が付く見下し台詞を平然と吐けるのはこの会場広しと言えど、ギルド、アインズ・ウール・ゴウンはナザリックの階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン以外におるまいて。



「うん、やっぱりあの音の所に行ったのか。さて、僕はどうしたものかな」
月山習は三者が遭遇する様を、少女、シャルティアの索敵範囲外、更にダークニンジャやヴライからも察知されぬ距離を取りながら観察していた。
漂う匂いは間違いなく戦いの匂い。あの三人がどんな会話を交わすかはわからないが、結果として戦闘は起こるだろう。
あの少女の能力を見ておきたい、出来れば実際に手合わせも、と考えていた習には願ってもない好機。しかも先程出会った忍者装束の男までヤる気でいるのだ。その上、足の遅そうな、逃げる時の囮に出来そうな者までいてくれる。
「んー、ここは僕もお邪魔するとしようか」
こきりこきりと手首を鳴らしながら、習もまた、かの人外戦場へと足を進めた。



【E-8/朝】
【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:人を探す
1:人を見つけ、ここが何処か等の基本情報を入手する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


654 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 19:01:16 ID:VD0IupEk0
以上で投下を終了します。


655名無しさん :2017/03/29(水) 19:13:31 ID:O/SMd8U60
投下乙です

康一もカラ松も何とか平常心を保てたか、ひと安心。
赤井は慎重だな。…まぁトラウマがあるし仕方ない。

シャルティアはやっぱシャルティアだなw
しかし不穏な空気…戦闘突入なるか?


656名無しさん :2017/04/01(土) 11:55:40 ID:aAV8MTuY0
投下乙です

どちらかが脱落すればよし
どちらも消耗してくれれば両方討ち取れて尚良
ダークニンジャ恐るべし…

しかし早くも最上級危険人?物が遭遇とか先が読めませんね
放送後に登場してない奴らも気になりますし
これは今後益々目を離せなくなりますね


657名無しさん :2017/04/05(水) 00:46:11 ID:a7tVttyg0
投下乙です。

正直シャルティアが負けるところが、想像出来ない。


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18 ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3 (Res:748)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 18
1名無しさん :2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

729名無しさん :2015/04/13(月) 03:40:58 ID:5CwCrtvo0
投下乙
個人的にはこっちでもいいけどな


730名無しさん :2015/04/14(火) 20:57:30 ID:zIOAUAm.0
投下乙
グレーだが悪くないと思うぞ


731名無しさん :2015/04/15(水) 23:39:01 ID:1XLVfnLE0
乙です
青鬼と阿部さんが合わさって最強に見える


732<削除> :<削除>
<削除>


733名無しさん :2015/04/16(木) 22:44:03 ID:7Uhd/PFM0
偶然でしょ(適当)


734名無しさん :2015/04/16(木) 22:57:25 ID:4ad421aw0
認定兄貴オッスオッス!
そういえば放送後でまだ動いてないのってジャギとカズマだけ?


735名無しさん :2015/06/12(金) 02:32:15 ID:Mkb9WLJI0
保守


736 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:21:18 ID:.s2iTrvs0
投下します


737 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:26:46 ID:.s2iTrvs0



「…そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」

それは、他でもないさやかにとって救いの光であった。


「みんな…生き返らせる…」

さやかは星君の吐いた言葉を呟く。
なおも星君は続ける。

「うん、始めのあのとき主催者は『優秀者には何でも一つ願いを叶える』と言っていただろう?」

だが、同時にそれはある種の悪魔の囁きのようにも感じられた。

「君や僕たちが、優勝して願いを『生き返らせてみんなを元の世界に返してほしい』と言えばこの殺し合いは実質無かった事にできるんDA」

「そうすればあの遊星やらを殺す事になっても、少しの間『痛い思い』をしてもらう程度の感覚で済む」

ムラクモが付け加える。

「痛い…思い…」

さやかは与えられた情報を反芻するのが精一杯であった。
それだけ、さやかの心理的葛藤は大きいのだ。

「で、でも…本当に願いを叶えるなんて…」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


738現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:34:44 ID:.s2iTrvs0



ーー





時は少し過ぎ、現在3人は北に向かっていた。

協力関係も築けた事なので情報交換でもすべきかとと思ったが、そうもいかない。
自分達の居るエリアであるG-04は23時から禁止エリアに指定される。
そして現在時刻は10時になろうかという時である。故にまず此処から離れなければならなかった。



「…いいのか?」

歩きながら星君がムラクモに問う。

「ああ、姑息的手段とは言え表向きは対主催を装っていた方が動きやすい。

 元より先ほどの騒動のせいでかなりの数の参加者が固まってしまった。

 故にこの周辺で参加者を殺して回るのは分が悪い」

「敢えて考えるならはっきり孤立していると言えるのは海東くらいだろうな。無論生きていればの話だけど」

星君が口にした海東という孤立した存在。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


739現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:35:55 ID:.s2iTrvs0


【f-4 南部/一日目・真夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さやかには対主催を装い、一時的に利用する。
2:星君と一先ず組む。
3:海東とは合流すべきか、だが……。
4:無力な少年を装うのはあくまで一時しのぎ
5:怪我の回復にも専念する。
6:オリーブオイルはもう要らないか
7:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
8:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零~zero~、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零~zero~×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


740 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:39:10 ID:.s2iTrvs0
投下完了です


741名無しさん :2015/07/05(日) 06:35:12 ID:6XOfOqEs0
投下乙


742名無しさん :2015/07/20(月) 08:57:30 ID:0EW0jglw0
乙です
星君とショタクモの利害関係コンビ好き


743名無しさん :2016/03/25(金) 17:52:21 ID:lbnKIO0k0
1年近く更新なし・・・
読み手としては辛いなあ
どうしようか、このスレ


744<削除> :<削除>
<削除>


745名無しさん :2016/05/13(金) 22:11:05 ID:LMtJGL/QC
続き待ってます・・・


746名無しさん :2016/05/14(土) 00:58:36 ID:wlHYriY60
一々ageんなよ


747名無しさん :2016/06/08(水) 22:44:34 ID:cpy60POs0
あら懐かしい


748<削除> :<削除>
<削除>


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19 中学生バトルロワイアル part6 (Res:637)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 19
1 ◆j1I31zelYA :2013/10/14(月) 19:54:26 ID:rHQuqlGU0
中学生キャラでバトルロワイアルのパロディを行うリレーSS企画です。
企画の性質上版権キャラの死亡、流血、残虐描写が含まれますので御了承の上閲覧ください。

この企画はみんなで創り上げる企画です。書き手初心者でも大歓迎。
何か分からないことがあれば気軽にご質問くださいませ。きっと優しい誰かが答えてくれます!
みんなでワイワイ楽しんでいきましょう!

まとめwiki
ttp://www38.atwiki.jp/jhs-rowa/

したらば避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14963/

前スレ
ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1363185933/

参加者名簿

【バトルロワイアル】2/6
○七原秋也/●中川典子/○相馬光子/ ●滝口優一郎 /●桐山和雄/●月岡彰

【テニスの王子様】2/6
○越前リョーマ/ ●手塚国光 /●真田弦一郎/○切原赤也/ ●跡部景吾 /●遠山金太郎

【GTO】2/6
○菊地善人/ ●吉川のぼる /●神崎麗美/●相沢雅/ ●渋谷翔 /○常盤愛

【うえきの法則】3/6
○植木耕助/●佐野清一郎/○宗屋ヒデヨシ/ ●マリリン・キャリー /○バロウ・エシャロット/●ロベルト・ハイドン

【未来日記】3/5
○天野雪輝/○我妻由乃/○秋瀬或/●高坂王子/ ●日野日向

【ゆるゆり】2/5
●赤座あかり/ ●歳納京子 /○船見結衣/●吉川ちなつ/○杉浦綾乃

【ヱヴァンゲリヲン新劇場版】2/5
●碇シンジ/○綾波レイ/○式波・アスカ・ラングレー/ ●真希波・マリ・イラストリアス / ●鈴原トウジ

【とある科学の超電磁砲】2/4
●御坂美琴/○白井黒子/○初春飾利/ ●佐天涙子

【ひぐらしのなく頃に】1/4
●前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/ ●園崎詩音

【幽☆遊☆白書】2/4
○浦飯幽助/ ●桑原和真 / ●雪村螢子 /○御手洗清志

男子11/27名 女子10/24名 残り21名

618 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:51:22 ID:ju7RNNqk0
投下します
予約スレにも書きましたが、投下時間が長くなってしまいそうなので、ひとまず前編を投下し、期限内に後編の投下を予定しています


619 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:52:09 ID:ju7RNNqk0

私はずっと、何かになりたかったんだと思う。伏し目がちな自分とは全然違う、周囲の注目と期待を浴びて、どんな壁も一気に飛び越えてしまうような、誰かに。
それは、御坂美琴だった。あるいは、白井黒子だった。彼女たちが持つ能力が、理想を叶える力が、羨ましかった。
だけど私は彼女たちとは違う。私は、私にしかなることができない。そんな当たり前のことに気付くまでに、取り返しのつかないことをたくさんしてしまった。
これから行おうとしていることが、それらの罪に対する贖罪になるだなんて思ってはいない。私はこれから、罪を背負って生き続けなければならない。
だからこれは、最初の一歩。風紀委員(ジャッジメント)という肩書きや低能力者(レベル1)という評価を全て取り払って、最後に残った初春飾利という無力な少女が踏み出す、第一歩だ。

瞳を閉じて、深く、とても深く息を吸う。自分の身体を確かめるために。自分の存在を感じるために。
スプリンクラーからまき散らされた水はそこら中を水浸しにするだけじゃ物足りなかったのか、小さな分子の集合になって空気の中に溶け込んでいる。
じっとりと湿っていて冷たくて、どこか重いその空気を一息に吸った。怯えながら走り回って、たくさんの汗を流しているうちに渇いてしまった喉が、少しだけ潤う。
肺の奥まで飛び込んできた空気。そこから酸素を取り込んで、熱が生まれる。胸の奥で生まれた熱が全身を巡って、力になっていく。
拳を握った。濡れそぼって冷たくなっていた指先は、もう温かい。手のひらの熱は、行き場を探している。
水の怪物から逃げ出すときには恐怖に震えていた足で、地面を踏む。今度は逃げ出すためではなく、真っ直ぐ向かうために。
大丈夫。私の身体は、もう震えていない。

ゆっくりと目を開くと、夜のとばりに包まれた薄暗い世界が、視界に広がった。視界の端で、緊急用の誘導灯が青白く光っている。放水を止めたスプリンクラーから、ぴちょんぴちょんと滴が垂れている。
フードコートに設置されていたテーブルと椅子は、水の怪物が暴れ回ったせいでパステルピンクとライムグリーンの残骸の集合体になっていた。
見える。見えている。私には今、世界がはっきりと見えている。視界と世界を狭めていた恐怖や混乱は、もう何処かへ消え去ってしまっていた。
一緒に、消えてしまったものあるけれど。けっして短くないあいだ少女の中心に在った正義は、この世界の無法や不条理に晒されて見失ってしまったけれども。
それで私が、空っぽになったわけじゃない。殉じていた法がなくなろうとも、信じていた正義を失おうとも、残ってくれたものがある。

この世界で見つけた自分だけの現実と、昔からずっと抱き続けていた小さな想い。
それを貫き通すための、黴臭い古鉄のような意思。
身体の奥、心の底。初春飾利の核心にこびりついて剥がれないそれが在る限り、私は闘える。

「――私は貴方を、救います。貴方が何を言おうと。何を思おうと。それが私のやりたいことですから。絶対に譲れないことですから」


620 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:53:11 ID:ju7RNNqk0
初春は、自分に言い聞かせるように決意の言葉を口にする。
もしもここが騒がしい都会の片隅だったならば、誰にも届かないまま消えていたような、けっして大きくはない声。
だけどここでは、それで十分だった。小さいけれど感情と意思が込められた初春の声は、届けるべき相手に確かに届いた。
――その相手が初春の言葉をどう捉えるのかは、また別の問題なのだけれど。

初春と相対する少年は、身を包むカナリアイエローのレインコートの下で、身体を震わせていた。
初春の言葉によって揺さぶられた感情が、彼の身体を迸っている。それは怒り。そして憎悪だ。
御手洗清志は初春飾利の言葉を受け入れない。否定する。醜悪な人間の業など、認めてやるものかと拒絶する。

「さっきから五月蠅いんだよ……僕がどう思おうと関係ないだって? やりたいことをやるだって? だったら僕も、お前に同じことをしてやるよ!
 お前が何をしようとしているかなんて関係ない! 僕はお前たちを殺して、他のヤツらも全員殺して、人間という人間を全て殺し尽くしてやる!
 止められるなら止めてみろ! 救いたいなら救ってみせろ! どうせそんなことできやしないんだ、人間はそういう風にできてるんだからなァ!
 ……来いよ、偽善者。お前が自分勝手に押し付けている理想ってやつが、まったく現実に即していないただの幻想だってことを教えてやるよ。

 ――その理想<げんそう>ごと、殺してやる」

御手洗は、己に支給された鉄矢を握りしめた。鏃が御手洗の手のひらに突き刺さり、裂かれた皮膚から血液が流れ出るのを感じる。
共に感じるのは、鋭い痛み。これまでにも領域(テリトリー)の能力を使うたびに御手洗が感じてきた痛みだった。
さらに強く、鉄矢を握る。握りしめた拳の隙間から真っ赤な血がこぼれ落ちて床の水たまりを赤く染めた。
そして御手洗の膨れ上がる憎悪に呼応するように水たまりから巨大な手が生まれ、続いて腕が、肩が、胴体が形成される。
御手洗の能力は、己が血が混入した液体を意のままに操る能力だ。巨人、あるいは獣の形を取る自らのしもべを、御手洗は「水兵(シーマン)」と名付けた。
水兵の中こそ御手洗の領域――いわば、彼にとっての「自分だけの現実」。醜悪な現実を塗りつぶすための、ただ一つの武器。

御手洗のそばで、彼の数倍の巨躯を持つ水の怪物が唸りをあげる。
先ほどまで使役していた水兵をも大きく上回る巨体。ちょうど人間と異形の中間に位置するような造形をした水兵だった。
だが、これでもまだ足りないと、御手洗は矢を握る手に力を込める。より強く。より深く。刻まれた傷から、水兵の力の源になる血液が流れ出る。
御手洗の手からしたたる血液が床に落ち、二体目、三体目の水兵が続けて生み出された。


621 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:54:10 ID:ju7RNNqk0
血色を失い青白くなった腕をだらりと上げて、御手洗は初春を指さした。腕が、重い。血を流しすぎている。
脳に回る血液も足りていないのか、いつもより思考が鈍い。ただでさえ光が足りなくて薄暗い視界が、さらに霞んでいた。
だが、逆に好都合だと御手洗は口の端を歪めた。余計なことを考える必要が無い。余計なものを見る必要も無い。
人間<てき>を殺し尽くす。ただそれだけできればいい。アイツを殺せ、と水兵に命令を下した。

巨体に似合わぬ俊敏な動きで、水兵は初春に接近する。水兵の内部は御手洗の絶対領域だ。
もしも水兵に捕まり、その中に取り込まれてしまえば、そこから脱出することは不可能である。
――しかし、何事にも、例外というものがある。
本来ならば御手洗清志が進んでいたはずの未来において、桑原和真が次元を切り裂く能力に覚醒し、水兵と外部を隔てる領域の壁を突破して脱出を果たしたように。
本来ならば「低能力者<レベル1>」のまま一生を過ごしていたはずの初春飾利もまた、この世界の現実に打ちのめされることで、水兵の天敵といえる能力に目覚めていた。

近づく水兵に向かって、初春は右の手のひらをかざす。重要なのは、確信だ。自分の力は世界を塗り替えられると、妄信ともいえる確信を持つことだ。
初春はこの世界で、たくさんのものを失った。それは肩書きだった。それは信念だった。それは正義だった。それは親友だった。
奪われ続けて、ようやくここまでたどり着いた。奪われなければたどり着けない場所だった。
世界は優しいだけじゃない。くそったれ、と柄にもなく汚い言葉で罵りたくなるくらいに、許せないことばかりがあった。
だからこそ、思うのだ。
自分ばかりが奪われ続けるのは不公平だ。自分だって、世界にちょっとばかりの仕返しをしたっていいじゃないか。
我が儘に、あるがままに、自分を世界にぶつけてしまおう。それこそ、世界を自分の思うがままに塗り替えてしまうくらいの強さで。

「こういうのも、開き直りっていうんですかね、式波さん」

呟きとともに、自然と笑みがこぼれた。世界を塗り替えるだなんて大それたことは、今までの初春では考えたとしても実行はしなかっただろう。
臆病で、気弱で、鈍くさくて、そんな自分が世界を変えるだなんてできるはずがないと決めつけていた。それが初春の限界だった。
だけど、今ならば――!

初春の右手が、迫り来る水兵の拳を受け止めた。水兵の剛腕によって振るわれた打撃は、初春の小柄な肉体では到底受け止めきれないはずだった。
だが、打ち勝ったのは初春のほうだった。初春を吹き飛ばすはずだった水兵の腕は、肘から先が霧散し消滅していた。
これこそが、初春が見つけた自分だけの現実。彼女が世界を塗り替えるための能力。
『定温保存<サーマルハンド>』――物質の温度、ひいては物質の分子運動を操作する初春の能力は、御手洗の領域に干渉し得る強度にまで成長したのだ。

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622 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:55:34 ID:ju7RNNqk0
「これで……どうですかっ!?」

しかし、初春の叫びも虚しく。一瞬にして消し去るはずだった水兵は、両腕を無くしながらも未だ屹立していた。
驚愕と混乱を表情に浮かべながら、初春は自分の計算通りに水兵を消滅させることができなかった理由を探し始める。
最初に考えたのは、自分の能力が想定していたよりも低出力だったのではないか、ということだった。
初春は元々、学園都市における序列では最下層に位置する低能力者<レベル1>の一人にすぎない。
劇的な進化を果たしたといえども、せいぜい強能力者<レベル3>といったところだろう。
まして覚醒を果たしたばかりでは能力が不安定であるのかもしれない。しかし――初春側だけの問題ではないと、彼女は直感していた。

「カザリ、後ろ! ボーッとしてんじゃないわよ!」

御手洗の操る水兵によって重傷を負い、未だ動けず二人の戦いを見守ることしかできなかった式波・アスカ・ラングレーの怒号が、初春の思索を強制的に途切れさせた。
危機的な状況であると知っても、それを確認する余裕はなかった。後ろに振り返ると同時に、両手を突き出す。だが、間に合わない。
いつの間にか初春の後方へ回り込んでいた二体目の水兵の一撃が、初春を吹き飛ばした。

「ぐ、うぅっ!」

骨まで軋むような痛みが、初春の全身を苛んだ。ごろごろと床を転がって、フードコートに設置されていたテーブルの足に背中をしこたま打ち付けて、ようやく止まる。
痛みを我慢して起き上がろうとしたが、折れたテーブルのささくれが初春のセーラー服の襟に引っかかって、そのまま転んでしまう。
早く立ち上がらなければいけないと頭では考えていても、身体のほうが言うことを聞いてくれなかった。全身からSOS信号が出されている。
水兵の攻撃が正確に初春を狙っていたために、急所だけは守った『定温保存』によって威力を軽減することはできた。
衝撃の完全相殺には間に合わず、防御をした上でなお水兵の重い打撃は初春の身体を吹き飛ばすに十分だったわけだが。

容易く御手洗の水兵を霧散させていた初春の『定温保存』が不発に終わったのは、ひとえに御手洗の執念の賜物だった。
水兵にとって天敵ともいえる初春の能力だが、かの『幻想殺し』のように御手洗の領域そのものを無効化していたわけではない。
分子運動操作に特化した能力によって御手洗の領域を上書きするように水兵を操り、瞬時に爆散・蒸発させていただけに過ぎないのだ。
いわば、能力の強度差をもって強引に打ち負かしていただけ。しかも手のひらで直接触れなければ発動できず、一瞬で操作できる液体の量にも限界がある。

対する御手洗の能力は、彼の血液を媒介に液体を操るものだ。そして混入された血液が多ければ多いほど、使役される水兵はより巨大に、より強靱に、より精密に行動するしもべとなる。
御手洗は、初春飾利を殺害するというただ一点の目標のために、多くの血を流した。御手洗の血を吸い肥大化した水兵は、初春の干渉に対する抵抗力を高めていたわけだ。
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623 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:56:56 ID:ju7RNNqk0
「ハッ、いいザマだな。どうだ、これで分かっただろう? お前のいう『救い』なんて、ただの幻なんだよ」

御手洗が歯を剥き出しにして、フロア中に響き渡る大きな声で笑い始める。大量の血を失ったことで青ざめながらも、その表情は喜びに歪んでいた。
床に転がったまま立ち上がることすらままならない初春の姿は、御手洗の目にはとても無様なものに見えた。
大言壮語を吐いた少女は、口にした言葉を何一つ実現させることができずに地に這いつくばっている。溜飲が下がるとは、まさにこのことをいうのだろう。

「苦しいか? 苦しいだろうなぁ! 僕が憎いか? 憎くないはずがないよなぁ!
 それでいいんだよ。人間なんてそんなものなんだよ。ただ生きているだけで他の生物を苦しめて、自分勝手に欲を満たそうとする薄汚いけだものさ!
 なぁ。顔を上げてみろよ。いつまで俯いてるつもりだ? さっきまでの威勢の良い啖呵はどうした? お前が貫きたい意地ってのは、そんな簡単に折れるような薄っぺらいものなのかよ!」

最後には、絶叫になっていた。御手洗はぺろりと唇を舐める。血を失うということは水分を失うということと同義だ。唇はかさかさに乾いて、割れていた。
霧のような空気をいくら吸っても喉の渇きは満たされなかった。身体の芯まで焼き尽くすような憎悪の炎は、言葉を吐けば吐くほどに勢いを増していった。

「おい。なんとか言ってみろよ。――この、人殺し」

ふらつきながら懸命に立ち上がろうともがいていた少女に向かって、御手洗は吐き捨てる。御手洗の言葉を聞いた初春は、身体をびくりと震わせた。
動揺を隠せない初春の様子を見た御手洗はほくそ笑み、そのまま次々と言葉を重ねていく。その言葉には重みがあった。呪いと言い換えてもいい。
御手洗と初春という、本来なら交わることがなかったはずの二人を結ぶ共通項。それは、黒の章という人間のありとあらゆる暗黒を、罪を撮影した映像。

「人を殺しておいて、よくもそんな綺麗事が言えたもんだな。お前の両手は、もう血と罪に染まってる。そんな手で誰かを救おうだなんて笑わせるぜ。
 お前もあのビデオの中で笑っていた屑どもと同じさ。外面だけはいかにも善人のふりをしておいて、その中身はあいつらのように膿んでやがる。
 お前は、本当は誰かを救いたいんじゃない――救われたいんだ! お前は悪くない、悪いのはこんな殺し合いをやらせる人間のほうだって言ってもらいたいだけだろう!
 ――甘えてるんだよ。あのビデオを見て、それでもなお自分のことを省みようともせず、犯した罪を自分勝手な理屈で責任転嫁して、赦されようだなんて思うなよ!
 思い出してみろよ。お前が殺してきた人間の、最期ってやつをな。きっとそいつらも、あのビデオの中の被害者と同じ表情を浮かべていただろうさ」

御手洗の糾弾に対して、初春は反射的に反論をしようとした。そんなことはない。御坂美琴は最期まで常盤台のエースの名に恥じない姿を初春に見せてくれた。
初春がこちら側に戻ってこれたのだって、美琴が自らの命を懸けて初春を救ってくれたからだった。彼女はきっと、絶望になんか屈しないまま、逝った。
吉川ちなつもそうだった。アスカから聞いたちなつという人物は、この殺し合いに順応できるようなタイプの人間ではなかった。
きっと、かつての初春以上に殺し合いに怯え、恐怖していたはずだ。その彼女だって、殺し合いに抗ってみせた。アスカを救ってみせた。
美琴は死に際に、最弱だって最強に勝てるくらい人間は強いんだと言ってくれた。ちなつはきっと、美琴の言葉通りの強さをアスカに見せてくれた。
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624 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:57:59 ID:ju7RNNqk0
代わりに口をついたのは、初春がこの場所に来て初めて出会った人物の名前だった。桑原和真と名乗った、とても未成年には見えない老け顔の少年の名だ。
初春が初めて彼を見たとき、やけに慣れた手つきでホームセンターの品物を根こそぎバッグに詰め込もうとしていたことを思い出す。
強面でガサツで、非常事態なら多少の犯罪行為だって大目に見てもらえるだろうという適当な倫理観を持っていて、けっして善人だといえるような人物ではなかったけれど。
不安を隠せなかった初春にかけてくれた彼の言葉の端々には、いかつい外見には似合わない優しさが見え隠れしていた。勘違いされやすいだろうけれど、根は悪人じゃないだろうなと感じていた。

「桑原? もしかして、桑原和真のことか? ……そうか、お前が桑原を殺したのか」
「っ……!」

そうだ。初春飾利は、桑原和真を殺した。それも、もっとも苦痛に満ちた死に方の一つと言われる焼死によって。
初春に支給された火炎放射器から発射された炎は、一瞬で桑原の頭部にまとわりついた。彼がごろごろと転がって火を消そうとしても、炎の勢いは衰えることがなかった。
やがて激しく暴れ回っていた桑原の身体はびくんびくんと痙攣をし始めて、最後に一度だけ大きく跳ねて、それっきり動かなくなった。
炎に反応して作動したスプリンクラーがわずかに残っていた火を消し止めて、真っ黒になった桑原の頭部が露わになった。そこには、何の表情も浮かんではいなかった。

初春はあの陰惨な光景を忘れることができない。映像だけではない。肉が焦げるあの臭いも、耳をつんざくような桑原の叫びも、何一つとして忘れ去ることなどできやしなかった。
いや、忘れてはいけない。初春飾利は桑原和真を殺したという罪と共に、あの光景も一生背負っていかなければならないのだから。

「あなたは……桑原さんのお知り合いだったんですか?」

だから、訊かなければならない。もしも目の前の少年が桑原和真の知り合いだったとしたら、初春は彼に謝らなければならない。
今にも機能停止しそうな身体を奮い立たせて、初春は立ち上がった。痛い。痛すぎる。もしかしたら骨の一本や二本は折れているかもしれない。
だけど、寝転んだままでいるわけにはいかなかった。痛みを懸命に堪えながら、初春は毅然とした視線を御手洗へ向け、自らの罪を告白する。

「あなたの言うとおりです。――私が、桑原さんを殺しました」
「……お前が思っているとおり、僕は桑原のことをよく知っている」

初春の告白を聞いた御手洗は、やっぱりな、と吐き捨てた。その視線に込められていたのは軽蔑。
御手洗の目に射竦められたように感じて、初春は身体を強張らせた。続けなければいけないはずの言葉が浮かんでこなくなった。
初春がいくら言葉を重ねたところで、桑原和真を殺したという事実は覆らない。桑原和真が生き返るわけでもない。かえって御手洗の神経を逆撫でするだけかもしれない。
それでも、御手洗が桑原のことをよく知る人物であったというならば。言わなければならない言葉がある。

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625 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:58:51 ID:ju7RNNqk0
「いったいどうやってアイツを殺したんだ? 醜悪な中身を隠すように無害な振りをして、外面だけ取り繕ってアイツに近づいたのか?
 あぁ、そういえばアイツは女には滅法弱いって調査結果も出てたっけなぁ。その貧相な身体で桑原を誑かして、鼻の下を伸ばしたところで殺したのかもなぁ!
 違うか? 文句があるなら言ってみろよ! お前がいくら否定しようと、誤魔化そうと、人を殺したっていう事実は変わらないけどな!!」

御手洗は己自身の言葉に激昂し、熱くなり、汗を撒き散らかしながら喉が枯れんばかりに叫んだ。初春は何の反論もできず、ただ俯いた。
だが――御手洗の言葉を遮るように、声が、水浸しのフードコートに響いた。それは、これまでずっと二人の対決を見守っていた少女の声だった。

「アンタ、バカぁ?」

式波・アスカ・ラングレー。御手洗の操る水兵に取り込まれ、酸欠により戦闘不能に陥っていた少女が、遂に立ち上がる。

「――さて、アンタたちが長々とおしゃべりしてくれてたおかげでようやく動けるようになったわけだけど」
「おいおい、起きて早々に人をバカ呼ばわりかよ。死にかけの身体で苦し紛れの抵抗でもするつもりか? 黙って寝ていれば、苦しまずに殺してやったのにな」
「ハッ、冗談! 誰がアンタなんかに殺されるもんですか。それに、バカって言ったのはアンタに対してじゃないわ」

アスカは御手洗から視線を切ると、初春を指さしながら彼女に向かってもう一度「バカ」と呟いた。
「アンタに言ってんのよ、カザリ。このバーカ」
「式波さん……」
「ほらもう、そこですぐ黙ろうとする! すーぐ自分が悪いんだっていうような顔をする! それもうやめなさいって言ったでしょうが!」
「は、はい! すみません……」
「だから謝るなっちゅーの!」

眉間に思い切り皺を寄せ、苛々とした様子を隠そうともしないアスカは、苦々しい顔をしながらこぼした。
「答え、見つけたんじゃなかったの? それともアンタの答えは、あんななよなよした男にちょっとつつかれたくらいで見えなくなっちゃうような、曖昧なものだったワケ?」
「――違います!」

アスカの言葉を聞いた初春は、咄嗟に反論する。
アスカはあの階段で、こう訊いた。この世界に、この空の下に、この地面の上に、人の間に、正義はあるのだろうか、と。
それは気丈に振る舞うアスカが見せた、ほんの少しの弱音のようなものだったんだと、初春は思った。
だから即答できなかった。初春の中ではその答えは自明で、初春は自分自身の中にも、世界の理の中にも、確かな正義が存在していると考えていたけれど。
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626 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:59:45 ID:ju7RNNqk0
なりたかったものは、沢山あった。それこそアスカが言う法の番人は風紀委員として皆を律する白井黒子そのもので、正義のヒーローとは御坂美琴を表現するのにもっとも相応しい単語で。
初春が彼女たちに抱いていた憧憬は、けっして嘘偽りではなかった。彼女たちのように強くなれればと、そう思って初春なりに努力を重ねてきた。
けれど、初春は弱かった。能力の開発は進まず、基礎体力でも到底追いつけない。それでも彼女たちは初春に優しくしてくれた。友達だと、言ってくれた。
それでいいと思っていた。強さを彼女たちに任せて、弱さを初春が預かって、せめて彼女たちの支えになれれば、それでいいと。
だけど今は、それだけでは足りない。

「私は、強くなんかないです。だからきっと、英雄にも主人公にもなれない」

そっと瞳を閉じて、胸に手を当てる。御坂美琴や白井黒子の顔が脳裏に浮かんで、すぐ消えた。初春は彼女たちのような強い人には、きっとなれない。
代わりに浮かんできたのは、親友の――佐天涙子の向日葵のような笑顔だった。いつも隣にいてくれた、初春にとって一番大切な友人。
彼女の優しさに、初春はいつも救われてきた。彼女がいてくれたからこそ、背中を押してくれたからこそ、初春は後ろを振り返ることなく正義を信じることができた。

「私は――いつも誰かのそばにいてあげられる、やさしい人になりたい。法の番人でも主人公でもない、ただの初春飾利として誰かの隣に立ってあげたい。
 その人の悲しみも弱さも、全部受け止められるように、なりたいんですっ!」

眉間から力を抜いたアスカが、小さく笑った。お人好しの考えだ、と初春の言葉を受け止めながらも、その笑みに嘲りの意味は込められてはいなかった。
やりたいことをやれる限りやってみせる。以前のアスカなら、努力の足りない甘ったれた考えだと一刀両断にしていただろう。
だがアスカは、訓練も経験も積んでいない一般人の吉川ちなつに救われてしまった。だったらそれを否定するわけにはいかない。

「アンタは十分優しいわよ。こっちが辟易するくらいにね。だけどマジメすぎ。だからあんなヤツの言うことまでいちいち真に受けちゃって反論もできなくなるワケ。
 ま、日本人は本当の議論ってものを知らないからしょうがないか。だから――アンタがゆっくり考える時間を、あたしが作ってあげるわ」

アスカは支給品の特殊警棒を強く握りしめながら、御手洗を睨みつける。
――今の自分では御手洗に勝つことはできないと、アスカは理解していた。あくまで一般常識の範囲に収まる能力しか持たないアスカでは、御手洗の操る水兵に対抗することは難しい。
勝つためには互いの手の内を隠したまま駆け引きに持ち込み不利を跳ね返すしかなかったが、今となっては不可能な話だ。今のアスカにできるのは、せいぜい時間稼ぎ程度だろう。
本当のことを言えば、立ち上がるだけで精一杯だった。一度酸欠状態になった脳は、まだ完全には回復していない。ぐわんぐわんと視界は歪み、鈍痛が全身を苛んでいる。
それでも――意地があった。アスカの生来の気性が、このまま何もせずに初春任せにすることをよしとしなかった。立ち上がれるなら、歩けるはずだ。歩けるなら、闘えるはずだ。

「リターンマッチよ、ワカメ頭」
「――来いよ、アバズレ女。今度こそ叩き潰してやる」


627 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:00:29 ID:ju7RNNqk0
御手洗の周囲を囲むように、三体の水兵が音もなく出現した。そのうちの一体は御手洗を守るように彼の前に鎮座し、残る二体はアスカに狙いをつけ、拳を振り上げながら迫り来る!
アスカが取れる手段は、回避の一択だ。もしも水兵の指一本でもアスカの身体を掠めれば、そのまま水兵の内部に捕らえられてしまう。

「……チッ! やっぱり厄介ね!」

にゅるりと伸びた水兵の腕をなんとか回避するアスカ。不定形の存在である水兵は、そのリーチも動きも自由自在だ。人間を相手にするように回避していてはいずれ捕まってしまう。
故に、アスカは水兵から大きく距離を取るような回避を選択せねばならなかった。当然、御手洗との距離も縮めることはできず。

「どうした!? 逃げ回ってるだけじゃ僕には勝てないぜ!!」

御手洗の挑発に青筋を立てながら、アスカは状況を再確認する。
まず、アスカの第一目的は何なのか。アスカが最低限こなさなければならないのは、初春が回復するまでの時間稼ぎだ。
アスカが見る限り、初春が能力を十全に発揮できれば御手洗の水兵はほぼ無力化できる。経験豊富なアスカが初春をサポートしながら二対一の状況を作り出すことができれば、こちらの有利は確定的だろう。
――そしてそのことは、御手洗も気付いているはずだ。そうなる前にアスカか初春のどちらかを戦闘不能にしてしまえば、能力差を数の有利で覆しうる御手洗が勝利に大きく近づくことになる。
勝負の鍵は、初春が戦線に復帰するまでの時間をアスカが稼げるかどうかにかかっている。

「ったく、まさかこのあたしが前座だなんてね。まぁいいわ。――こっちはね、アンタにも言いたいことがたくさんあるんだから!」

アスカが現在所持している武器は特殊警棒とナイフの二種類。あとは壊れた拳銃に即席のスリングショット。遠距離から御手洗を攻撃できる武器はない。
ならば戦闘によって御手洗を打ち負かすのはほぼ不可能と言っていい。だったら――今のアスカが取れる最善手は、舌戦で御手洗の動揺を誘うこと。
そして、そういった打算を抜きにしても。アスカは御手洗に対して、思うところがあった。言いたいことがあった。

「あたしはカザリみたいに優しくないからはっきり言わせてもらうわ。――人間舐めるのもいい加減にしなさいよ、このクソガキッ!
 自分だけが不幸で可哀相で、自分だけが人間の真実を知ってるだなんて勘違いして、無茶苦茶なこと言って他人を巻き込もうだなんて――ふざけんじゃないっての!!」

一気呵成に吐きだした。そうだ。アスカは最初から、気にくわなかった。御手洗が否定した『人間』とは――アスカたちエヴァンゲリオンパイロットが、命を賭して守ろうとしていた存在だ。
アスカだって人間がそんなに素晴らしい生き物だなんて思ってはいない。それこそ御手洗が言うように、自分たちの繁栄のために他の生物を蔑ろにして環境を汚しているという側面だってある。
だが、だからといって――すべてを否定されれば、腹が立つ。そんなもののために命を懸けているお前は大馬鹿者だと蔑まされているような気にもなる。

「お前は、あのビデオを見ていないからそういうことが言えるんだよッ!」
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628 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:01:48 ID:ju7RNNqk0
エヴァンゲリオンパイロットでなければ知り得なかったはずの世界。そこには多くの思惑と策謀と暗躍があった。世界を揺るがす秘密があった。
各々の目的のために動く大人たちの行いに子どもたちは振り回され、傷つけられた。それはけっして、「優しい世界」だなんて言えないものだった。
その中でアスカは、辛酸を舐めながら生き抜いてきたのだ。自分の価値を守るために。己の意味を見つけるために。

「不幸自慢なんて趣味じゃないからやらないけどね。あたしが生きてきた世界だって、アンタには想像もつかない世界だったってことよ!
 あたしはそこで、強くなきゃいけなかった! 弱さなんて誰にも見せられなかった! 他の誰でもなく、あたしが、あたしであるためにッ!
 だから――自分の弱さを正当化するために他人を言い訳の道具にして、ガキの癇癪を叫び散らすばっかりのアンタみたいなヤツに、あたしは、負けらんないのよ!」

アスカが否定したのは、御手洗の弱さだった。いや、正確に言えば、弱さを理由に身勝手な正義を振りかざして自らの矮小さを誤魔化そうとする、その在り方だった。
弱さを他者に見せないように隠すでもなく、それも己の一部なのだと受入れることもせず。弱くて何も持っていない自分は、虐げられる自分は悪ではなく正義の側にいるのだと主張して。
それが甘えでなくて、なんだというのだ。認めない。受け入れない。初春飾利ならばそんな御手洗清志さえも救済の対象としたかもしれないが、式波・アスカ・ラングレーは違う。
御手洗が己を改めるつもりがないのならば、アスカの全身全霊をもって御手洗清志という存在を否定する。それが、アスカの中に残るプライドが出した答えだった。

「五月蠅い……五月蠅い五月蠅い五月蠅いッ!」

御手洗の怒号と共に、水兵が再び動き始める。水兵が掴んだのは、フードコートに散らばる無数の椅子。
二体の水兵がそれぞれアスカと初春に狙いをつけ、椅子を力任せに投擲する。

「――カザリっ! 避けなさい!」

初春の能力が無効化できるのは、あくまで御手洗の領域能力のみ。水兵の投擲によってもたらされる物理的ダメージに対して、初春は無力だ。
水兵が投げつけた椅子が初春の小柄な身体にぶつかる寸前、初春は身体をよじってすんでのところで回避。
転がる初春のもとへ駆けつけたアスカが、初春の手を握り物陰へと強引に引っ張り込んだ。そのまま姿勢を低くして、御手洗から隠れるように場所を変えていく。
水兵を操るには御手洗の目視が必要だということはわかっている。暗闇に紛れてしまえば、ある程度の時間稼ぎにはなるだろう。

「カザリ、大丈夫?」
「ええ、どうにか。式波さんこそ、傷のほうは……」
「このぐらいなら、まぁなんとかね。多少の無茶は承知の上よ。とにかく今は、アンタがあたしたちの生命線なんだからしっかり自覚すること! 分かった?」
「……はい!」

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629 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:02:56 ID:ju7RNNqk0
「向こうだってそのことには薄々気付いてるでしょうね。だから怪物に直接殴らせず、椅子や机を武器代わりにし始めたってところかしら」
「最初に私が怪物を消し飛ばしたときに比べて、抵抗力も上がってる気がします。時間をかければ無力化は可能だと思いますが……」
「気付いてる? ……多分、アイツが能力を使うには……」

アスカが何を訊こうとしているのか察して、初春は頷いた。御手洗の能力の条件についてだろう。
御手洗との戦いの中で、彼が明らかに不自然な――本来ならば必要が無いはずの行動を取っているのを何度か目にした。
彼は自分の身体を傷つけ、その血を水に垂らしていた。おそらく御手洗の能力は、己の血を媒介に水を操る能力なのだとアスカと初春は推測する。

「これはあくまで予想ですが、血が能力の源なら、注ぎ込む血液の量を増やせば能力の強度も上がると考えるのがセオリーです」
「だからカザリの能力も効きにくくなったし、怪物自体の大きさやパワーも上がってるってわけね」
「ですが、それだけ彼は――」

二人が移動しながら小声で会話を続ける間にも、御手洗は当てずっぽうに水兵を暴れさせ、フードコート内のすべてを壊さんという勢いで破壊を続けていた。
人間に対する呪詛を撒き散らかしながら破壊の限りを尽くしている御手洗の相貌は――蒼白に染まっている。
領域の過度の行使による体力の消耗、水兵を操るための多量の出血。その両方が少年から生を奪い、死に近づけている。

「カザリ。例のビデオとかいうのを見たっていうアンタに訊くわ。――アイツは、自分が死ぬことになろうとも、人間を殺そうとすると思う?」

アスカの質問に対して、初春は咄嗟に答えを返すことができなかった。それに答えようとすれば、自分の記憶を遡ることになる。思い出したくない殺人の記憶を辿ることになる。
これが初春の傷を抉るような質問だということに、アスカは気付いているだろうか? 初春が顔を上げると、真っ直ぐにこちらを見つめてくるアスカと、視線が交錯した。
アスカの瞳の中に、出会ったばかりのころのような高圧的なそれは、なかった。初春が頑なに正義を謳っていたときに見下すような目を向けてきたアスカは、ここにはもういない。

ようやく認められたような気がした。そして、同時に気付く。初春を信頼してくれているからこそ、アスカは初春に訊いたのだと。
だから、初春も答えなければならない。桑原を殺したときのことを、ちなつを殺したときのことを、美琴を殺したときのことを思い出して。
黒の章という悪意に呑まれ、人間という種をこの世界からなくしてしまおうと彷徨い歩いていた、あのときに考えていたことを。

「……きっと。きっと、あの人も――自分が死ぬことになろうとも、その行いを止めようとはしないでしょう。
 だって、彼が殺そうとしている『人間』には、彼自身も含まれているから。自分が死ぬことすら、彼にとっては贖罪の一つなんです」

はぁ、とアスカは大きなため息をついた。理解ができないわと呟きながら、かぶりを振る。
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630 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:04:27 ID:ju7RNNqk0
「世界のため。人類のため。みんなのため。そんなことを言われながらあたしは戦ったけど、それは全部、自分のための戦いだった」

強く在るということが、アスカの存在理由だった。強く、優秀でなければアスカを求める人間はいなくなってしまう。強くなければ生きる理由がなくなってしまう。
強迫観念に似た歪な価値観に支配され、アスカは己の価値を磨き上げ、周囲に誇示することに執着するようになっていった。

「バカシンジでもエコヒイキでもダメなの。あたしが使徒を倒さなくちゃ、誰もあたしのことを認めてくれないの。
 ……自分が死ぬことになろうとも人類を守れって言ってくる大人たちの顔、アンタは見たことある?」

そう言って、アスカは力無く笑った。そしてアスカの言葉を聞いた初春の中では――なにかが、ぱちんとはまった。
御手洗とアスカは、「自分が死ぬことになろうとも人類を殺すと決めた少年」と「自分が死ぬことになろうとも人類を守れと命令された少女」だった。
或いは、「自分の弱さを認められず世界を壊そうとした少年」と「世界に認められるために自分の弱さを殺した少女」だった。
まるで正反対のようで――その実、根本は同じだ。発露の方向が違っていただけで、始まりは同じだ。
震えるアスカの手を、初春はそっと握った。初春の手が触れる瞬間、予期せぬ接触に驚いたアスカの手がびくんと跳ねた。

「いっ……いきなり何すんのよ!?」
「すみません、つい……! でも、」

でも、という逆接の後ろに続く言葉を初春は探した。今自分が言うべき言葉は、いったいなんだろう。いくらか頭の中で考えて、しかしどれもしっくり来なくて。
「式波さんの手……冷たいですね」
水使いと対峙し、ずぶ濡れになったアスカの手に触れた感想を、そのまま言うことになった。
「……ヘンタイ」
返ってきたのは、ジト目だった。

「ち、違うんですよ!? いや、違わないというか……確かに急に触っちゃったのは私が悪いとは思うんですけど……」
「……別に、イヤって言ってるわけじゃないわよ」

初春の手が振り払われることはなかった。許容してくれたんだと解釈して、初春は少し嬉しく思う。
初春が握る手に力を込めると、アスカもまた握り返してくれた。初春の手のひらの熱が、少しずつアスカの手に移っていく。

「式波さん。こんな話を知ってますか? ……手が冷たい人はですね、心が暖かいそうですよ」
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631 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:05:47 ID:ju7RNNqk0
思えば、アスカがいてくれたからこそ、初春は自分を閉じ込めていた固い殻を破り、自分だけの現実を見つけることができた。
罪の重さに潰れそうになる初春を支えてくれたから、ここまで自分の足で歩いてくることができた。
アスカは、優しい人とは言えないかもしれない。優しさ以上に厳しさがあって、周囲の妥協を許そうとしない。
だけどそれもまた、隣の誰かを奮い立たせるやり方の一つではあった。実際に、初春はアスカに救われたのだから。

「今までありがとうございました。――今度は、私の番です」
「……言葉は、見つかった?」

御手洗を説得するための言葉。それは見つかったのかと、アスカは問う。
生半可な言葉では、人間は害悪なのだと断じ、自らの命すら投げ出す覚悟を決めた御手洗には届かない。
アスカの問いに対して、初春は、小さく首を振った。だがそれは、肯定を表す頷きではなく、否定を示す横の振り。

「せっかく式波さんに時間をもらえたのに、私はまだ言葉を見つけられません。でも、やり方は思いつきました」

そう言って、初春は微笑んだ。
あぁ、とアスカは感嘆する。自分のことを無力だと卑下して、あれだけ固執していた正義を投げ捨てて、なのにこれだけ美しい笑みを浮かべられるのだから――初春飾利が、弱い人間なはずがなかった。

「――初めて私達が出会ったときのことを、覚えていますか? きっとあのとき、こうやって私たちが手を握り合う未来なんて、想像もできなかったと思うんです。
 でも今、私たちは一緒にいる。考えは違っても、思いは違っても、傍にいて、隣にいて、互いを支え合うことだってできる。
 だからきっと、彼とだって、同じことができるはずなんです。私はそう信じてるんです。信じたいんです。それが幻想なんかじゃないって、証明したいんです。
 ゆっくりと時間をかけて、たくさんの話をしましょう。一つの言葉で彼の心を動かすことができないなら、十でも百でも、千でも万でも、たくさんの言葉を届けましょう。
 ――そのための時間を、私たちで作りましょう。式波さん、ごめんなさい。もう少しだけ、あなたの力を貸してください」

繋いだ手から、初春の熱が伝わってくる。本気の熱だ。アスカの視線と初春の視線が、交わった。
こちらをじっと見つめてくる初春の瞳に、混じり気はなかった。この殺し合いの舞台で幾度も叩きのめされて、剥がされて、それでも残った純粋な感情。
単純で、だからこそ綺麗で。周りの人間すべてに疑念を向けて、ただひたすらに自分のために生きてきたアスカですら、思わず信じてしまう慈愛が、そこに在ったから。
――アスカは、素直に自分の負けを認めた。

「ま、発破かけたのもあたしだし。ここまで来たら最後まで付き合うわ」
「……ありがとうございます!」
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632 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:06:49 ID:ju7RNNqk0
暴走と言ってもいい御手洗の破壊活動は、未だ翳りを見せることなく続いていた。彼が滾らせた憎悪の炎は、自身の生命まで燃やし尽くさんと暴れ狂っている。
相貌は蒼白という表現でも生温いほどに豹変し、生気の一切を欠いた土気色になっていた。美少年と形容されていたはずの整った目鼻立ちも今では憤怒に歪んでいる。
このままだと彼の命の灯火はそう遠くないうちに燃え尽きてしまうということは、誰の目にも明らかだった。彼を救うために残された時間は、あまりにも短い。

「時間がない。最短距離で突っ走って、最速でアイツを止める――アンタの能力が鍵よ、カザリ」

アスカの声に、初春はこくりと頷いた。二人が御手洗のもとへ辿り着けるかどうか。すべてはそこに懸かっている。
今の衰弱しきった御手洗が相手ならば、アスカと初春の二人が力を合わせれば彼を拘束してしまうことは難しくないはずだ。
問題は、道中に立ちふさがる水兵たち。常識外の膂力を誇る水兵に対抗できるのは、初春の『定温保存(サーマルハンド)』のみ。

「あたしが前に出て囮と盾になる。あのバケモノたちへのトドメはアンタに任せるわ」
「……お願いです。無理だけは、しないでください」
「あぁ――それはちょっと、無理なお願いね」

アスカは、初春と繋がっていた手を振り払うように離した。狼狽する初春を後目に、緑色の非常灯に照らし出される御手洗の所在を確かめる。
そしてアスカは、初春のほうを見ることなく呟いた。

「だってもう、お”願い”は先約があるもの。チナツとミコト――あの二人の”願い”で、あたしはもういっぱいってワケ。
 二人の”願い”通りに、絶対にアンタをあそこまで届けてみせる――それがあたしのプライドだから」

だから――次の瞬間、アスカは駆け出した。

「おりゃあああああああああっ!!」

アスカの叫びに反応した御手洗が、視線を向けると同時に水兵を仕向けた。総計四体の怪物が一斉にアスカを目指し向かってくる。
しかし水兵が目の前まで近づこうとも、アスカの速度は緩まない。御手洗に向かって、一直線に、ただひたすらに走る。
いち早くアスカの元へ辿り着いた水兵の腕を、身を捩りながら回避。不自然な体勢に捻れたことで、先ほどの戦闘で負った怪我がぶり返す。
身を引き裂くような鋭い痛みと熱を感じながらも、アスカは歯を食いしばり、呻き声を噛み殺し、更に加速した。
アスカに脇をすり抜けられた水兵は振り返り、再び腕を伸ばし――しかしその腕は、アスカを捉える寸前で霧散する。

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633 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:08:05 ID:ju7RNNqk0
以上で前編の投下を終了します
予約期限内に後編の投下をしますので、少々お待ち下さい


634名無しさん :2016/11/05(土) 03:59:01 ID:FKUv6rro0
熱いです、美しいです
後半期待してます


635名無しさん :2016/11/15(火) 00:43:53 ID:NRa082JI0
お久しぶりです
月報失礼します


話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
107話(+1) 14/51(-0) 27.5(-0.0)


636名無しさん :2017/08/02(水) 20:10:45 ID:XtsQGu/A0
糸冬


637名無しさん :2017/11/07(火) 17:07:50 ID:avuANzwY0
丸一年はもうおわたくさい


名前: E-mail(省略可)
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20 仮面ライダーオーズバトルロワイアル Part4 (Res:351)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 20
1名無しさん :2015/01/10(土) 19:56:27 ID:lo8EFRkE0
当企画は、仮面ライダーオーズを主軸としたパロロワ企画です。
企画の性質上、版権キャラの死亡描写や流血描写、各種ネタバレなども見られます。
閲覧する場合は上記の点に注意し、自己責任でお願い致します。

書き手は常に募集しております。
やる気さえあれば何方でもご自由に参加出来ますので、興味のある方は是非予約スレまで。

したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15005/

まとめwiki
ttp://www18.atwiki.jp/ooorowa/

332交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:07:48 ID:UHAKG6eE0

「それより今は、あんたの力を貸して――仮面ライダークウガ」
 故にさやかは、ユウスケに助力を乞うた。
「悔しいけど、あたしだけじゃまだアポロガイストには敵わない」
 立ち上がり、再び武器を構えた赤い怪人と向き合いながら、エターナルは微かに声を震わせる。
 先程の短い攻防で痛感した。いくら同じ祈りを理由に彼の力を継いだからって、自分はまだまだ亡き師匠に追いつけていない。
 しかし絶望する気も、意地を張る気もさやかにはない。そんな必要はないのだと、克己と過ごした時間の中で学んでいたから。

「克己との約束を果たすには……あんたの力が必要なんだ」
 あの悪を、克己の仇を一人で倒せる力が――ないわけではないのに、使い熟せない自分のことは確かに悔しい。
 それでも祈りを忘れることなく。さやかは素直に、出会ったばかりの同志に共闘を申し込めた。

「……わかった。大道さんには悪いけど、俺も今は一人じゃあいつを倒せそうない……」
 そんな新たなエターナルの言葉を受けて、クウガも落としていた視線を眼前の敵手に向け、少女の隣に並び立つ。
「だから、君の力を貸してくれ……仮面ライダーエターナル」
「オーケー、望むところっ!」
 弾むような声で頷き、エターナルはクウガに背中を預けて得物を構える。

「……ちぃ、小癪な仮面ライダーどもめ」
 その様を見て、忌々しそうにアポロガイストは舌打ちした。
「二人がかりとはいえ、弱体化したクウガに中身が小娘となったエターナル……貴様ら程度、このハイパーアポロガイストの敵ではないのだ!」
「……やっぱりやってみせなきゃわかんないみたいだね、あんたみたいなバカには」
 構えを解かぬまま、エターナルは最早怒りですら無い闘志を胸に、アポロガイストの言葉を否定する。
「それにあんたの敵は、二人だけじゃない――!」
「ふん……今更アンク達が、何の力になると言うつもりだ!?」
 少女の啖呵をアポロガイストが嘲笑い、それにさやかは笑い返す。
「だからわかってないって言ってんのよ、あんたには!」
 今――ここにさやかを立たせているのは、さやか一人の力ではない。
 さやかに勇気をくれるのは、ユウスケやアンク、ネウロ達だけではない。
 こんな自分を認めてくれた、忘れ得ぬ仲間達が今も、この胸にいるのだから。
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333交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:10:57 ID:UHAKG6eE0

 しかし……それはただ、発動するだけのコストの話。
 いざ攻撃に転用できる状態――即ち召喚の完了まで、体感に基づき推測すれば、千秒近い時間を要求されていたのだ。

 仮面ライダー達は二人がかりで戦線を支えているが、方や未熟、方や疲労困憊となれば、今のアポロガイストを相手に戦力が足りているとは言い難い。
 数の差で粘れば勝ちの目もあるかもしれない。しかしこのままでは奴を倒しきる前に、エターナルとクウガのメダルは底を突くだろう。遠からず、少なくとも十五分は保たずに。
 そうなればアポロガイストに抗し得る戦力など残されておらず、“二次元の刃”による攻撃が可能となる前にネウロ自身も殺害されて終わってしまう。

「……手が足りん」
 精彩を欠いて、あるいは未熟ゆえに攻撃を捌かれ、焔に押されて後退する二人の姿を目にしたネウロは、苦々しくそう吐き出した。
 勝ち筋は見えている。だがそこに到るまでの道を崩され、間に合わない。今のままでは勝機はない。
 何か、もう一手。その欠損を埋めるだけの何かを見出さなければ……

「おい」

 そんな思考を遮る声が届くまで、ネウロは彼の接近に気づくことができなかった。
 魔力の枯渇と身体的ダメージによる精神消耗と、”二次元の刃”の召喚に意識を割いていた間に――身を隠していたはずのアンクが再び、その姿を現していた。
 アンクはその険しい視線をネウロの右手に向けたまま、口を開く。

「今呼び出してるそいつが、コアを砕ける能力か」
「……気づいていたのか」
 微かな驚嘆を胸に覚えながら、ネウロは婉曲な肯定を返した。
 そしてそれ以上の――喜悦にもよく似た、ある意味先程さやかに感じた物にも近しい感情に満たされていくのを自覚しながら、アンクの姿を睨めつける。

「それは単にコアを砕くだけじゃなく……奴を倒すのに使えるのか?」
「ああ。完成すれば魔界王にも防げない……あのアホ一匹に使うには豪勢に過ぎるが、確実に無力化できるだろうな」
「……なら、何でさっさと叩き込まねえ。何が足りないんだ」
「間合いもそうだが……これは呼び出すのに時間が掛かる兵器なのだ。完了までまだ500秒近くは必要だろう」

 ネウロの返答に、仮面ライダーの健闘も限界が近いことを見取っていたアンクは、苛立ちを隠そうともせず舌打ちした。
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334交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:12:14 ID:UHAKG6eE0

 今、彼を殺してメダルを奪う余力すらネウロには残っていない。しかしアポロガイストを撃退しなければ先がないのは、おそらくは他の誰よりアンク自身だ。
 この危機的状況において協力を拒まれることはないと、ネウロは踏んでいたのだ。
 但し。

「……何枚だ」
「さあ。先程は十枚ほどの追加で一割は短縮できたが、この先も同じ比率とは限らん。そもそもが我が輩が干からびるほど燃費の悪い兵器であることを考えれば妥当なところなのだろうが……さてアンクよ、今は何枚余裕がある?」

 そう――そもそもアンクが提供できる限界値に達していれば、話は変わって来てしまう。
 未だに体を維持できているのなら、枯渇しているということはないはずだ。
 だがそこに余裕が無いのであれば。アンクに延命のために血肉を削る覚悟はあれど、それで死んでしまうような愚は犯すまい。

「……貴様のコア、アポロガイストに奪われているのだろう? あの虫頭ではない貴様は、どこまで保つ?」
「……さあなァ。少なくとも、今すぐ撃てるほど貸してやれそうにはない」

 案の定のアンクの返答に、しかしネウロも引くことはできない。
 限界があるなら、限界まで絞り取る――それがネウロの考え方であり、やり方であり、そしてこの場における唯一の活路である以上、譲歩することなどあり得ない。
 そんな風にネウロの意志が固まる横で、再びアンクが口を開いた。

「……だが、そいつを完成させるまで、おまえは使い物にならないんだったな?」
 溜息と共に漏れた言葉には、諦念――というよりはそれを装った何か別の感情が潜んでいる気もしたが、あいにくネウロはその手の機微には疎かった。

「あいつらだけじゃ手が足りないんなら、出し惜しみしたって俺まで死ぬだけだ」
 もう少し難儀するかと思ったが、意外にもあっさりと、アンクも覚悟を決めたようだ。
 いや、そもそもネウロに声をかけてきた時点で、アンクとてこの展開は予想していたのだろう。ならば覚悟など、とっくの昔に決まっていたに違いない。
 奥の手を見透かされていたことといい、ネウロはこの人外への評価を改める必要があると認識した。
 微かに愉悦の滲んだ笑みを漏らしていることを自覚しながら、ネウロはアンクに告げた。

「どの程度短縮できるのかはわからんが、使い物にならない者を徒に増やしても仕方あるまい。献上は意識の消える寸前で止めても許してやろう」
「てめぇ、状況が状況だからってなァ……後で覚えてろ」
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335交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:13:14 ID:UHAKG6eE0

 苦い思いを噛み潰しながら、ユウスケはその足で走り出す。ナイフによる一撃をまたも楯に阻まれ、その隙に連撃を受けて防戦一方となったエターナルの元に駆けつけると、体当たりでアポロガイストを引き剥がそうとする。
 ……だが、ここに至っても、まるで神経や筋組織に異物が潜り込んでいるかのように、思うような力が出せない。

「ぬるいわ!」
 そうして手間取っている間に、アポロガイストの振り下ろした剣の柄で強かに背中を打たれ、更に崩れた先を膝で迎え撃たれる。
「ユウスケっ!」
 蹴り上げられたまま転がっているところを、守るべき少女の変身したエターナルに受け止められる不甲斐なさに、クウガは再び拳を握り締める。

「言っただろう。地の石に抗った反動と、矛盾した命令でアマダムの混乱した今の貴様では、私に勝つことなど不可能! 大人しく死を受け入れるのだ!」
「――っ、誰が!」
 反発して立ち上がるが、鈍った反動ではアポロガイストが構えた銃口から逃れきれず、放たれた炎弾に呑まれて再び後方へと身を運ばれる。

 地に叩きつけられるまで追撃がなかったのは、その間にエターナルがアポロガイストに突貫し、クウガの隙を庇ったからだ。

 だが、またしてもコンバットナイフによる攻撃は日輪の楯に食い止められ、その影から突き出された刃が肩口を掠める勢いのままにエターナルは後退する。
 後は繰り返しのように、広がった翼がエターナルを打ち据えるだけ――かと思われたが、アポロガイストは舌打ちを残し、その翼を停滞させた。

 ――同じ攻防の繰り返しの中で、しかしさやかは消耗より早く学習していたのだ。
 クウガが不調である分まで補おうとする気持ちと、残されたメダル量への焦燥が、彼女の攻め気を高め過ぎていることは、ユウスケにも見て取れていた。
 しかし初めての変身、慣れない武器で防御より攻撃を優先して勝てるほど、アポロガイストは甘くない。
 だから、彼女はかつて我武者羅なだけの攻めを諌められたことを思い出し――敢えて踏み込みを浅くして、反撃に備えたのだ。
 ここまでのパターン通りに、その追撃として翼が振り抜かれれば、更なる反撃としてそれを切って捨てられるように。

 しかし相手もさるもので、アポロガイストは寸前にそれに気づき、逆に距離を取られてしまった。
 再び火炎の嵐に見舞われるエターナルの元に駆け出そうとして、しかしクウガは一度冷静に立ち返る。

 居ても立ってもいられないのはさやかも同じだ。ユウスケよりも、目の前で大道克己を喪った彼女の方が、心に受けた傷も大きいはずだ。
 なのに、自分が耐えられないからと、我武者羅に飛び込むばかりで一体どうする。
 本当にそれしか手段がないなら仕方ない。だが、ひたすらに突撃を繰り返すしか本当に打てる手段はないのか、もう一度よく考えろ。
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336交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:14:39 ID:UHAKG6eE0

 しかし、アポロガイストの繰り出す怒涛の攻めは、なおもエターナルを仕留めるには及んでいなかった。
 変身者である美樹さやかの、ゾンビ故の再生力は疾うに把握している。何度攻撃を浴びせたところでその動きに陰りは見られず、その持久力は間違いなく厄介であるとアポロガイストも認めていた。

 ――だが、それだけではないのだ。要因は。

 アポロガイストの一撃を、エターナルはローブで捌く。
 そう、捌く。
 正面から万全の防御として受け止めるのではなく、最低限の接触でメダル消費を抑えながら、攻防の転換のラグを最低限に抑えることができるように。
 それでも彼女の刃は未だアポロガイストに届くことはないが、徐々に、しかし着実に、その喉笛までの距離を縮めつつあった。

 ――最早美樹さやかのそれは、殺し合いが始まった直後の交戦時のように、自らの弱点を晒すような素人丸出しの戦い方とは違う。
 挙動に緩急をつけ、時には反撃のための誘いの隙を見せるなど……ほんの数分前と比べてみても、格段に戦士として成長しているのだ。
 変身直後の、感情に振り回された初撃はともかく。既に彼女を本気でド素人と罵ることはできまいと、アポロガイストも内心では認めていた。

 素人ではなくとも、未だ歴戦の精鋭とはとても言えないだろう。だがこの短時間で成長していく彼女のセンスを軽視することは決してできない。

 こちらがこれだけの好条件を揃えていても、変身者があの大道克己のままならば、おそらくエターナルはアポロガイストの呼吸を読んで喉笛を狙うこともできていただろう。
 もちろん経験の不足している今の美樹さやかに、繊細な洞察力があってこその大胆さを要求される技術を発揮することはできないが――この少女は、その大道克己の指南を受けた後継者なのだ。

 持久戦に持ち込めば、不死身のゾンビだろうと先にメダルが尽きるのは仮面ライダー達の方だ。
 だが逆を言えば、持久戦ではメダルが切れるまでこちらも彼らを仕留めることはできない……その短いはずの猶予で、エターナルが真の意味で復活することをアポロガイストは恐れていた。

「気味の悪いゾンビぶりだが、いつまで続くか見ものなのだ!」
 だからこそ。そんな焦りはおくびにも出さないまま、敢えて舌先に載せる言葉は実際の認識とは真逆のものを選んでいた。
 全てはさやかの油断を招き、焦燥を煽り、感情に惑わされた末に生まれる、勝負を決める隙を作らせるために。
 今この瞬間は安全であっても、成長の余地を与え窮鼠が猫を噛みかねない長期戦に持ち込むのではなく、急所の宝石を早々と打ち砕いてその芽を詰むために。

「……だったら!」
 そんな狙いを秘めながらも、表面的に続けるのは延々と距離を保つような消耗戦。それにエターナルも痺れを切らしたのか、ローブを前面に展開して再びの突貫を開始する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


337交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:15:43 ID:UHAKG6eE0

 勝負を終わらせるつもりで構えていたアポロガイストの隙を突き、最早防御の間に合わないところにまで翠の閃光と化した拳が肉薄していたのだから。

「やぁあああああああああああっ!!」
《――MAXIMUM DRIVE!!――》
「おぐぅっ!?」
 エターナルの繰り出した一撃は、咄嗟に身を捻るぐらいしかできなかったアポロガイストの横面を思い切り捉えた。
 首が取れるかと錯覚する一撃。兜が拉げ、左側の飾りが折れ、そして身体が宙を舞うで、しかしアポロガイストもただでは転ばない。
「舐めるなっ!」
 防御が間に合わないと悟った時点で、アポロガイストは既に反撃に意識を割いていた。結果として照準できたマグナムショットは、ローブを手放し、攻撃後の微かな隙を突いてエターナルを確かに捉えた。
 起死回生の博打に精魂を一度絞り尽くしていたエターナルは、焔を纏った着弾にもんどりを打って倒れ、そしてその白い装甲を消失させた。
 
「……小娘なりによく頑張ったと褒めてやりたいところだが、これで終わりなのだ!」

 今の攻防で、遂にメダルが枯渇したのだろう。あるいはそれ故の捨身だったのか。
 駆け引きに敗北しようとも、どんな形であれ生き残った者こそが勝利者――ベルトに触れることなく生身を晒した美樹さやかを目にした己にそう言い聞かせながら、アポロガイストは再びマグナムショットの銃口を向ける。

「――さやかァッ!」
 銃爪を引く一瞬前、アンクの絶叫が耳に入り、アポロガイストは微かに視線だけをそちらに向ける。
 見ればアンクが、またガイアメモリらしき長方形の物体と――気配でわかる、奴に残されていた最後のコアメダルを、さやか目掛けて投擲したのが確認できた。

(哀れな奴なのだ)
 いや、それとも幸運なのだろうか。
 コアの放出によって瞬く間に失われていくアンクの気配、結果として崩れて行く躯の様子を目にしながら――そこまでして救おうとした相手が吹き飛ぶのは、最早避けようがないことなのだと、アポロガイストは嘲笑とともに銃爪を引ききった。
 勝負は決まった。コアメダルの到達より、ハイパーマグナムショットの弾丸がさやかを砕く方が早い。それを見届けることすらできず、自らの感情を宿したコアメダルを間抜けにも死体の前に転がし、そのままアポロガイストの糧となる愚か者の無念を想像するのに浸ろうとして――

 突然、目の前が金色の闇で染まった。

「――っ!?」
「おぉりゃあっ!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


338交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:17:40 ID:UHAKG6eE0

 そこでアポロガイストの脳裏を、一つの仮説が閃いた。

「貴様――まさか、地の石を取り込んだのかっ!?」

 究極の闇から零れ落ちたのゲブロンの破片を取り込んだグロンギや、二つのキングストーンを揃えた創世王のように。
 あれらの霊石が持つ、他の霊石と同調する能力を持って――地の石の残骸を、アマダムが取り込んだとすれば。
 二つの石が等しく小野寺ユウスケの物となれば、反発していたはずの霊石の力まで合一して取り込むことで、肉体の負担さえも緩和される。

 しかし……口は災いの元だったと悔やむとともに、本当にそれだけでライジングアルティメットに大ショッカーが埋め込んでいたセーフティが突破されたのだろうかと、微かな疑問がアポロガイストの脳裏を掠める。
 筋は通っている。しかしそれだけで、果たして消耗に回復が追いつくのだろうか。
 あるいは他にも、何か。地の石以外にも、彼奴のアマダムに影響を与えた何かがあるのではないかと。

 先程までの闇色とは異なり、金色に輝くアマダムの様子に気づいたアポロガイストはそんなことを考えたものの、それ以上悠長に構えては居られなかった。

「行くぞ!」
「く――っ!?」
 微かな思考の彷徨から帰還する前に、クウガは肉薄を開始していた。
 距離を詰めさせまいとするマグナムショットの一撃。しかしそれが、この凄まじき超戦士に通じないことは先刻証明されている――!
 当然のように、灼熱の弾丸を無造作に叩き落としたクウガは足を止めることなく懐に潜り込む。発砲の反動でやや跳ね上がっていた銃身を容易く掴み上げられ、アポロガイストは手首ごと持って行かれるかという悪寒を覚え、しかしすぐにそれを杞憂と悟った。
 何故なら代わりに、金属が爆ぜる不快な音が響いていたことに喫驚するハメとなったのだから。

「き、貴様――っ!」
 愛銃を奪い取るよりも早く、掴んだ勢いのまま軽々と握り潰された畏怖に声を震わせるアポロガイストは、続く一撃を咄嗟にガイストカッターで受け止め、切れなかった。楯を構えることは間に合っても打撃の威力に押され、そのまま胸と顔面にガイストカッターを減り込ませてしまっていたからだ。

 目の奥で散る火花が視界を封じて、一瞬の暗転。後頭部と脚部に感じる鈍い感覚は、それぞれを一度ずつ打っていた証左だろう。
 勢いのまま後方に一回転して、偶然にも元通り立ち上がった状態に戻れていたアポロガイストは、痺れが残る左腕を持ち上げるのが間に合わないのを直感的に理解して、空いた右手にアポロフルーレを握り込んだ。
 ――握り込んだ時には、やはりクウガは眼前に出現していた。

「っ!」
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339交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:18:20 ID:UHAKG6eE0

「……メダルを切らしおったな、馬鹿めがっ!」
 罅割れた仮面の下の表情は、未だ余裕がなく凍結したまま固まっていても。本来ならばこの体そのものを砕かれていた一撃が届く前に、生身を晒してしまった小野寺ユウスケを狙って、アポロガイストは火球を飛ばす。

《――ETERNAL!!――》

 しかし逆転のための一撃は、夜闇を切り裂いて現れた、蒼白い光に遮られる。
 それを為したのが何者であるかなど、最早考えるまでもない。
 アンクから与えられたコアメダルを使って再変身した美樹さやか――仮面ライダーエターナル。
 先程己がクウガに救われたように。今度はエターナルが、メダルを得たことでその真価を取り戻したあの絶対防御のマントで以て、グリードの放つ猛火を完全に防ぎきっていた。

「小娘……っ!」
「――これで、終わりだ!」

 目前の勝利を阻まれる――その再演を歯噛みするアポロガイストに、今度は仮面ライダーが勝利宣言を叩きつけた。

《――ETERNAL!! MAXIMUM DRIVE!!――》

 マキシマムドライブ――名前の通り最大出力に達したガイアメモリのエネルギーが、エターナルの全身へと伝播されて行く。
 そしてエターナルが一度に発動できるマキシマムは、一本だけではない。

《――JOKER!! MAXIMUM DRIVE!!――》
 アンクが投げ渡していた新たなガイアメモリもまた、エターナルの手でその真の力を起動する。
 全身に拡散していたエターナルの蒼白いエネルギーが、ジョーカーの放つ紫電によって導かれ、エターナルの足元へと帯雷して行く。

「だぁああああああああああああああっ!!」

 討つべき悪を目指し、吹き荒れる雷嵐を従えて、エターナルが宙に跳ぶ。高々と、力強く。
 それはまるで、左翔太郎と大道克己――同じく風都の希望たる仮面ライダーでありながら、在りし日に相容れることは遂になかった二人の力が今ここに合わさったかのような、ツインマキシマムのライダーキック。
 悪を駆逐するそれを名付けるならば、そう――死神の鎮魂歌(ジョーカーレクイエム)。
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340交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:19:44 ID:UHAKG6eE0





 ――――その瞬間、アポロガイストは己の身に起きた全てを悟り、歓喜した。

(――ならばその永遠、今この場で断ち切ってくれるのだ、美樹さやか!)
「な――っ!?」

 ハイパーアポロガイストの肉体が爆発したと同時、飛び出したコアメダルは明らかに爆風に煽られたのとは異なる機動を見せた。
 それもそのはずだった。今となってはそのクジャクのコアメダルこそが、悪の大幹部アポロガイストの意識を宿した、本体と呼ぶべきものだったのだから。
 明らかに死したはずの男の声を聞き、流石に動揺を隠せないでいるエターナル目掛けて、クジャクコアと化したアポロガイストは飛翔する。

(貴様の肉体を奪い、直ちに復活してくれる!)
 アポロガイストは、自らの肉体が滅び、コアメダルのみとなったことにより、グリードとしての性質を理解した。
 グリードの肉体は欲望の塊であるオーメダルで構成される。
 しかし自分がハイパーアポロガイストへと変じてみせたように、人間の身体もまた、メダルの代用品として機能する欲望の塊なのだと。
 そしてグリードの身体はコアが抜ければそれを形作る結合力を失い、ただのメダルの集まりへと解けてしまうが――アンクのコアメダルが全て抜けた後も、あの体は残っていたことを爆発の直前、確認していた。

 故に肉体が破壊されながらも残された自意識は、即ちその意味すること――グリードは人間の肉体を奪い、活動できる事実を知った。
 消滅することのないコアメダルに意識を宿し、何度でも肉体を新たにできる――自らがあれほど恐れた死の支配を、完全に克服した巨悪となったのだと!

(やはり私は――貴様らにとって大迷惑な存在なのだっ!)



「――まったくだな。だからここでご退場願おう」


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341交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:21:01 ID:UHAKG6eE0

「……気にすることはない。奴にトドメを刺したのは我が輩だ」

 それが事実とはいえ、この状況下においてはいっそ間抜けですらあるようなさやかの呟きに、しかし意外にもネウロは真摯な様子で応えた。

「そして我が輩、実は極力『殺人』は避けている。どんな人間であれ、生きてさえいればまた『謎』を作るかもしれんからな」

 ネウロは足元に転がる、かつてハイパーアポロガイストの肉体を構成していたメダルを拾い上げ、それを指先で弄びながら続ける。

「だが奴は既にグリード……本性はただのメダルだった。大道克己とは違う、本当にただの『物』でしかない害悪だった。だから排除したに過ぎん」
「それは……そうだけどさ」

 時折間抜けな姿を見せることはあっても、自らを悪と謳い我欲に生きるアポロガイストは徹頭徹尾、もしかすれば、魔女以上に邪悪だった。
 奴は自分達を殺そうとして来て、事実克己の命を奪った。そのことについて憎しみも恨みもあり、それを忘れる必要だってどこにも在りはしない。
 改心させることなど不可能だった。ここで殺してでも止めなければ、この先もっと大勢の犠牲者が出ていたことも疑いようはない。

 ――それでも、人の形をした、意思疎通の可能な相手に対し、一線を越えたことは初めてだったのだ。

 間違ったことをしたつもりはない。だとしても、正しいと信じることを押し通すために暴力に訴え、時には相手の生命を絶たねばならないということ。
 それが、存外、堪えるものなのだということを――さやかは漸く、実感していた。
 かつて、佐倉杏子との戦いを殺し合いなどとまどかに語っていたが、あの時はきっとこんな痛みなど、わかってはいなかっただろう。

「ヤコもそうだったが……難儀だな、ニンゲンという種族は」

 今度はアポロガイストの遺した首輪を回収しながら、やれやれとネウロが嘆息した。

「しかし、そこまで似た姿形をした物を壊すのが気に病むというのなら……まぁ、まず我々の余裕ができてからの話だが」
「――うん、考えておく」

 ネウロが言わんとすることを察して、先んじてさやかは首を斜めに振った。
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342交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:21:45 ID:UHAKG6eE0

「えっと……『全て遠き理想郷(アヴァロン)』だっけ。衛宮切嗣って人が治療に使ってるの」

 ユウスケに散らばったメダルを集めろ、と命じたネウロ自身は、今この場には居ない。
 コアメダルを一枚渡したところで、確認することがあるから引き続きメダルを回収しながら暫く待っていろと言い残し、早々に南東の方へと向かってしまったのだ。
 何をしているか気になるが、さておき。結果今は、気絶したアンクを除けばさやかと一対一。故に簡潔に留めた内容だったが、その中からもさやかは必要な情報を取捨選択し、必死に思考を束ねていた。

「どんな傷でも治せる伝説のアイテム……それがあれば」
「ああ、もし今のアンクが大変な状態だとしても、元に戻せるかもしれない」

 言い終えると共に、ユウスケは腰掛けた自分達の間に横たわったアンクに視線を向ける。
 さやかを助けるために、その身を削った――キバの世界に生きる多くのファインガイア同様、人間と共に生きる怪人に。

 彼に対しても、操られる以前からユウスケは酷いことをしてしまった。目覚めれば居心地の悪さが増してしまうだろうが、逃げるわけにはいかない。
 しかし、さやかの窮地に託したメダルが、彼の持つ最後のコアメダルだったようで……彼らにとっての生命そのものであるメダルを一度全て吐き出したアンクの意識は、今も戻ることがなかった。

 色が抜けるのとは逆に、金から黒に染まっているのだが――髪の色が変わるほど衰弱しているのは只事ではないと、グリードをよく知らないユウスケにも予想できた。
 グリードの血肉がオーメダルだというのなら、一度バラバラにされた物を戻されたところで果たして治癒できるのかは定かではないが、そこは怪人の生命力を信じるしかない。

 本当なら手持ちのメダルを全て彼に渡したいところだが、この状況では彼の護衛も含め、戦闘用にメダルを確保しておく必要がどうしてもあった。
 改めて忌々しい制限だと、ユウスケは臍を噛む。

「あっ、いや……それはそうなんだけど……そうじゃなくて」

 しかし、何故かさやかは言い淀み、視線を泳がせた。
 アンクを心配していない、というわけではないだろうし、そう思われたいわけでもないはずだ。
 理由を推察する前に、さやかは一つ小さく咳払いする。

「とにかく。ネウロが戻ったらあたし達もそっちにお邪魔しても良いかな、ユウスケ。ネウロが何考えているかわかんないけど、元々行く宛もなかったし」

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343交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:23:21 ID:UHAKG6eE0

「ところでインキュベーターよ」
「何だい?」
「ウヴァはディケイドとやらに倒された際、全身がメダルと化してバラバラになったのか?」

 更に別件として。先程目にしたアポロガイストの最期を思い返しながら、ネウロはインキュベーターに問いかける。

「そうだけど、それがどうかしたのかい?」
「こちらのことだ」

 そのように返答しながら、ネウロはもう一人のグリード――“全てのメダルを吐き出しながら”人型の肉体を形成したままの個体を思い返す。

「なるほど。だからウヴァの情報を売ったわけか」

 それが意味するところを、ネウロとの交渉材料にする際、即理解を促すことができるように。
 手に持ったキュゥべえにも聞こえないほど小さな声で呟いた後、ネウロは目当ての物を見つけていた。
 左手でインキュベーターを捕らえたまま。空いた右手で必要な操作を行い、目当ての画面を呼び出す。

「ふむ。やはりルールブックに記載がなかったとおり、認証する首輪はその状態を問わないようだな」

 呟くネウロの右手に握られていたのは、アポロガイストが身に着けていた首輪。
 彼の全身がメダルに解けた際に脱着できたそれをネウロは回収し、ATMと認証させていたのだ。
 先程口に出して確認したとおり、ルール上では首輪は参加者が装着しているかどうか、生存しているかどうかをATMとの認証条件に含んでいなかった。

「貯金はない、か……まぁ計画性のなさそうな男だったからな」

 まずはアポロガイストの残高を確認してみたが、残念ながら回収できるメダルはなかった。
 とはいえ、口に出したとおり想定の範囲内であり、本命はそれではない。

 ネウロがここに立ち寄った真の目的は、殺害数ランキングの閲覧にあった。
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344交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:24:31 ID:UHAKG6eE0

 故に、可能であればグリードへのトドメはネウロ自身が身を削るより、他に存在するコアの破壊者達に委せる方が好ましいと、ネウロは考えていたのだ。

 だがそこで問題となるのは、アンクの言が正しければ、確実にコアを破壊できる存在だという火野映司は殺し合いに乗っているということであり。
 もう一人のコアの破壊者として有力な候補である門矢士もまた、伊達明を殺している事実を、どう受け止めるべきかということだろう。

 得られた情報から考察を進めながら、画面をスクロールしていったネウロは――その表情を一瞬にも満たない刹那、硬直させた。
 そしてそれを緩やかに歪め、嗜虐的に嗤う。

「おやおや。さてこれは……」

 弄ぶように思案する、ネウロの視線の先にあるのは――ランキングに記載された、『アンク』の名前と。
 彼のスコアとして並んだ、左翔太郎とアストレア――火野映司の手によるものだと、アンクが語っていた犠牲者二人の名前だった。






      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






「……起きないね、アンク」

 ネウロの帰りを待つ間。ユウスケとのある程度の情報交換が終わってしまえば、気まずさから互いの口数が減ってしまったことに耐えかねたさやかは、何度目かになるアンクの話題に挙げていた。

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345交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:26:01 ID:UHAKG6eE0

「俺は……泉、信吾です」

 さやか達の知らぬ名を、その口から名乗り上げていた。






【二日目 深夜】
【F-3(北東端) 市街地】



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【所属】青
【状態】健康、決意、杏子への複雑な感情、Xへの強い怒り
【首輪】30枚:0枚
【コア】シャチ(放送まで使用不可)、ワニ(放送まで使用不可)
【装備】ソウルジェム(さやか)@魔法少女まどか☆マギカ、NEVERのレザージャケット@仮面ライダーW、T2エターナルメモリ+ロストドライバー+T2ユニコーンメモリ+T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】基本支給品、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、ライダーベルト(ガタック)の残骸@仮面ライダーディケイド、克己のデイパック{基本支給品、NEVERのレザージャケット×?-3@仮面ライダーW、カンドロイド数種@仮面ライダーOOO}
【思考・状況】
 基本:克己の祈りを引き継ぎ、正義の魔法少女として悪を倒す。
  0.泉、信吾……?
  1.ネウロが戻ったら、情報交換をしながら教会を目指したい。
  2.アンク達と一緒に悪を倒し、殺し合いを止める。
  3.佐倉杏子のことは……
  4.克己やガタックゼクターが教えてくれた正義を忘れない。
  5.T2ガイアメモリは不用意に人の手に渡してはならない。
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346交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:32:31 ID:UHAKG6eE0
【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【所属】無所属(元・赤陣営)
【状態】疲労(大)、精神疲労(大)、克己を殺めてしまった罪悪感、さやかへの負い目
【首輪】30枚:0枚
【コア】クワガタ(次回放送まで使用不能)、カンガルー(次回放送まで使用不能)
【装備】龍騎のカードデッキ@仮面ライダーディケイド
【道具】なし
【思考・状況】
基本:みんなの笑顔を守るために、真木を倒す。
 1.ネウロが戻ったら、B-4に戻って千冬、切嗣達と合流する。
 2.井坂、士、織斑一夏の偽物を警戒。 士とは戦いたくないが、最悪の場合は戦って止めるしかない。
 3.千冬さんは、どこか姐さんと似ている……?
 4.大道克己の変わり様が気になる。
【備考】
※九つの世界を巡った後からの参戦です。
※ライジングフォームに覚醒しました。変身可能時間は約30秒です。
 しかし千冬から聞かされたのみで、ユウスケ自身には覚醒した自覚がありません。
※ライジングアルティメットクウガへの変身が可能になりました。
 但し地の石の破片を取り込んだことや、他に何らかの影響があるためか、ライジングアルティメットに変身した際のアマダムの色が黒ではなく金になっています。
 通常のライジングアルティメットとのその他の具体的な変化については後続の書き手さんにお任せします。



【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【所属】黄
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、ボロボロの服
【首輪】55枚:0枚
【コア】コンドル:1(放送まで使用不可) 、タカ(十枚目・放送まで使用不能)
【装備】魔界777ツ能力@魔人探偵脳噛ネウロ、魔帝7ツ兵器@魔人探偵脳噛ネウロ
【道具】基本支給品一式×2、弥子のデイパック(桂木弥子の携帯電話+あかねちゃん@魔人探偵脳噛ネウロ、ソウルジェム(杏子)※黒ずみ進行度(中)@魔法少女まどか☆マギカ、 衛宮切嗣の試薬@Fate/Zero)赤い箱(佐倉杏子) 、キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ、首輪(アポロガイスト)
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347交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:34:05 ID:UHAKG6eE0



【全体備考】
※「二次元の刃」により、クジャク(感情:アポロガイスト)が破壊され消滅しました。
※キルスコアランキングでは、作中の名簿同様アンクとアンク=ロストの表記に区別がありません。
※アポロガイストが自律行動するための肉体を破壊したのは美樹さやかであるため、キルスコアは彼女の物として計上されていますが、少なくともネウロが閲覧した時点ではまだ第二回放送までの情報しかランキングには反映されていません。


348 ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:35:20 ID:UHAKG6eE0
以上で投下を完了します。
仮投下を通してはありますが、何かご指摘がございましたら気軽にご指導頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。


349名無しさん :2016/08/21(日) 18:50:24 ID:q86Df91gO
投下乙です

アンクの感情コアがお兄ちゃんの体から離れても死亡認定されないってことは、アンクの生死はお兄ちゃんの体が死んだかどうかで判断するのかな
首輪してるのはお兄ちゃんだし


350 ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 21:44:19 ID:UHAKG6eE0
ご感想ありがとうございます。
本投下後に申し訳ありませんが、全体備考欄に以下の事項を記載し忘れていたので、wiki収録時に追加させて頂きますことをここにご報告します。

>※アンクが一度泉信吾の体内から全てのコアメダルを放出したため、深夜の時間帯に赤陣営が一時的に消滅しました。現在のリーダー代行は泉信吾です。

大変失礼いたしましたが、ご了承くださいますようお願いいたします。


351名無しさん :2017/10/09(月) 23:19:51 ID:P7YHwu4A0
オーズ&アンクオリキャスで復活記念


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