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パロロワ総合板

リレー形式のSS企画であるパロディ・バトルロワイアルの作品投下・感想雑談を行うための掲示板です。
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上記以外のスレッドを希望される場合は要望スレにてご相談下さい。

また構想段階の企画については新規スレッドを立てず、下記掲示板をご利用下さい。

http://jbbs.livedoor.jp/otaku/13744/


1 : テラカオスバトルロワイアル(597) / 2 : 変身ロワイアルその6(854) / 3 : 平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ4(251) / 4 : バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.03(970) / 5 : 要望スレ(196) / 6 : アニメキャラ・バトルロワイアルIF Final(408) / 7 : アニメキャラバトル・ロワイアル 2017(48) / 8 : オリロワ2014 part3(24) / 9 : アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4(128) / 10 : パラレルワールド・バトルロワイアル part3(435) / 11 : 新西尾維新バトルロワイアルpart6(755) / 12 : オリロワ2014 part2(1000) / 13 : 第二次二次キャラ聖杯戦争 part3(936) / 14 : アニメキャラ・バトルロワイアルIF part4(1000) / 15 : オリロワアース(478) / 16 : 90's バトルロイヤル(324) / 17 : アニメキャラ・バトルロワイアルGO(657) / 18 : アニメキャラ・バトルロワイアル4th part2(1000) / 19 : マジカルロワイアル(11) / 20 : ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3(748)
21 : 中学生バトルロワイアル part6(637) / 22 : 仮面ライダーオーズバトルロワイアル Part4(351) / 23 : 複数ジャンルバトルロワアルR2(68) / 24 : 少女漫画キャラバトルロワイアル 第二巻(83) / 25 : オリ学園・バトルロワイヤル(18) / 26 : MAP地図総合スレ(186) / 27 : オールジャンルバトルロワイアル6(180) / 28 : 百合キャラバトルロワイヤル(311)  (全部で28のスレッドがあります)

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1 テラカオスバトルロワイアル (Res:597)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 1
1名無しさん :2016/09/19(月) 13:01:48 ID:UjPEDzS60


テラカオスバトルロワイアルがパロロワ総合板に移転しました。


【wiki】ttp://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/
【避難所】ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/15086/

578名無しさん :2018/02/21(水) 06:01:35 ID:tN74lqx60

「道下、遠野……」
「分かってます。この事は黙ってます」
「はい、同志もきっと世界の崩壊は望んでないと思うので」
「そうか、それと―――」

ホモ共もそう言いながら去っていった。
ホモ達もまたベクターと同じく、カギ爪の意思を尊重し世界の崩壊は避けたかったのだ。

そして誰もいなくなった部屋に一人。


「私のやっていることは……裏切りなのか」

クラウザーさんへの想いは皆が同じだったはずだ。
けれども、どうしてこうもすれ違い合ってしまうのだろうか。

「いかんな。またクラウザーさんの歌を聴き、精神を落ち着かせよう……最近動揺することが多いぞ」

更年期障害かもしれない。


【二日目・16時00分/東京都 ビッグサイト】

【セルベリア・ブレスおばさん@戦場のヴァルキュリア】
【状態】人修羅化、やや動揺、首輪解除
【装備】マロガレ@真・女神転生Ⅲ、竜殺剣ドリス@セブンスドラゴン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、自爆はしたくない
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


579名無しさん :2018/02/21(水) 06:01:52 ID:tN74lqx60



「テラカオスについて調査しろか」

道下は緊張気味に呟く。
セルベリアから下された指令の一つがテラカオスついてのの隠密な調査である。
はっきり言って、他の連中にそれをさせた場合、絶対に隠密どころか超目立つ方法で操作をする。
それにセルベリアの身近な人物ではディーに感づかれる可能性もある。
よって、それなりに距離感がありかつディーの意見に賛同しないであろうホモ達が調査に適任だった。

「重要な任務だしやり遂げないとね」
「まあ、セルベリアおばさんじゃモチベは上がらないけど、本当に世界が滅ぶなら同志ならそれは絶対に阻止しようとするしね」


【DMC狂信者 カギ爪団残党】

【道下正樹@くそみそテクニック】
【状態】健康
【装備】ユニコーンガンダム(大破寸前)@機動戦士ガンダムUC
【道具】支給品一式
【思考】
基本:同志のためにもクラウザーさんを蘇らせる。
0:テラカオスについて調査する
1:SATSUGAIする。
2:阿部さんや同志は僕の中で生き続けているんだ……。
3:テラカオスについては黙っておく

【遠野@真夏の夜の淫夢】
【状態】健康
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


580名無しさん :2018/02/21(水) 06:02:34 ID:tN74lqx60
(馬鹿ホモ共と羊水の腐った行き遅れの未婚の独身ババアが……お前らはボロ雑巾のようになるまで利用して捨ててやる)

ビッグサイトから離れた場所で、ゼロの中身ことルルーシュは邪悪な笑顔を浮かべていた。

(俺があんなつまらないバンドにハマる訳がないだろう……お前らのせいでナナリーさえ死ななければ……!)

今から数時間前の事である。
ルルーシュはたまたま聖帝軍の近くを通っていたのだが、DMC狂信者との戦いの流れ弾でナナリーは死んでしまったのだ。
もうこうなった以上ルルーシュはDMC狂信者達への復讐を思い立った。

【ナナリー・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】死亡

(とにかく、セルベリアに近づき、カギ爪団に入れたことで最低限の条件はクリアした。
 理想はセルベリアにギアスを掛ける事だったが、あの容姿を見るに通用するかは分からない。
 ほかの連中もギアスが通じない存在がいないとも限らない。安易な使用は危険だな……)

ルルーシュの持つ絶対順守王の力は、対象に一度のみどんな命令をも従わせる王の力だ。
だが確証はないがセルベリアを初め、上層部連中はギアスが通じない可能性がある。
これはDMCに限らず殺し合いの参加者達にも言えることだ。
下手に過信すれば命取りになる。

(だがカギ爪団への配置は大きい収穫だ。所詮カギ爪のワンマンチーム、要を失った集団程、脆いものはない)

カギ爪団は強力で膨大な戦力を持ってこそいるが、反面カギ爪の圧倒的カリスマによって統制されているのも事実だ。
勿論クラウザーさんへの忠誠もあるだろうが、その垣根にはカギ爪に人心掌握があることに間違いない。
故にカギ爪を失ったカギ爪団が求めるのは新たな同志の存在、より正確には同志の意思を継いだ新しいカリスマだ。
黒の騎士団を率いていたこともあるルルーシュだ。そんな集団ならば容易に心を掴み、上手く利用できるかもしれない。

(残党とはいえ、DMC狂信者でも一際目立った組織であることが間違いない。
 カギ爪の思想を振りかざせば、それに染まる者は出てくる。そこから戦力を補充してもいい。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


581名無しさん :2018/02/21(水) 06:03:26 ID:tN74lqx60

(クラウザーを生き返らせる方法があるのなら、それを利用してナナリーを生き返らせる。 
 それまでカギ爪団は俺が利用してやるさ……フフフ……アッハハハハハハハハ!!!)

「ねえ、お兄ちゃん。どうしたの、そんな怖い顔して」

その時、ルルーシュに声を掛ける褐色ロリの女の子が現れた。
イリヤを黒色にした女の子、クロエである。
細かいことは置いておいてイリヤの姉妹だ。

「何でもないよクロ……怖がらせちゃったかな」
「怖くないよ、お兄ちゃんが心配だっただけだから」

しかしそのクロエの様子はおかしい。彼女のお兄ちゃんは世界で一人しかないのだ。
だが親し気に呼ぶそれは本当の兄弟である。
それもその筈、何故ならルルーシュはナナリーを失った傷を癒すためにクロエに俺の妹になれとギアスで命じていた。
それも一人ではなく妹キャラを見つけ次第掛けてしまった。

「お兄ちゃん」

美遊・エーデルフェルトがルルーシュに抱き着く。

「ルルーシュ……ううん、お兄ちゃん」

結城美柑が照れながらお兄ちゃんと呼ぶ。

「流石お兄様」

司波深雪が褒める。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


582名無しさん :2018/02/21(水) 06:03:52 ID:tN74lqx60

「あ、貴方……何をやって……」
「くっ……“お前は俺の事が大好きな妹になれ”!!」

ルルーシュはギアスを発現させてしまった。
こう見えて、古手川も兄を持つ妹なのである。

「あっ……またやってしまった……俺としたことが!」
「おいおい、あのバカは片っ端から妹を増やすつもりか」

ルルーシュは自らの行いを悔いていた。
こんな偽りの妹を増やすなど、ナナリーに対する裏切りだというのに。
そんなルルーシュにC.C.は更に冷ややかな視線を向けた。

「お兄ちゃん……なんか人前だと恥ずかしいね」

(この声、ナナリー!?)

古手川のお兄ちゃんという声にルルーシュはナナリーとの共通点を見出していた。
そう、非常に声が似ているのだ。というか中の人が一緒である。

「お兄様と呼んでくれないか、唯」
「早速呼び捨てか、馬鹿じゃないのかあいつ」

ルルーシュの事が大好きな妹になった古手川は勿論それを拒むことはない。

「お兄様……これでいいの?」
「は、ハハハハ……最高だよ唯!」
「そうだ、美遊。君もお兄様と呼んでくれないか?」
「お兄様、どう……?」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


583名無しさん :2018/02/21(水) 06:05:07 ID:tN74lqx60


【二日目・16時00分/東京都】


【ルルーシュ・ランペルージ(ゼロ)@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、ゼロの服装、妹への欲求(超極大)
【装備】ゼロの仮面、ガウェイン@コードギアス 反逆のルルーシュ(後部座席)
【道具】支給品一式
【思考】基本:ナナリーを生き返らせる
1:カギ爪団に混じりながらDMC狂信者のクラウザー蘇生方法を探る。
2:ギアスの使用は慎重にする。
3:1の為、ゼロとして行動する。
4:こうなった以上、妹達は責任持って俺が幸せにする。

【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、ルルーシュにドン引き
【装備】ガウェイン@コードギアス 反逆のルルーシュ(操縦席)、スマホ@スマホ太郎
【道具】支給品一式
【思考】基本:ルルーシュの共犯者として行動する。
1:気持ち悪過ぎる。
2:この黒いの(クロエ)似たような奴をネットで見たぞ

【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】ギアスによりルルーシュを大好きな兄として認識中
【思考】基本:お兄ちゃん好きぃ。
1:イリヤを探す。

【結城美柑@ToLOVEるダークネス】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


584名無しさん :2018/02/21(水) 06:06:03 ID:tN74lqx60
投下終了です
タイトルは交差する狂気でお願いします


585名無しさん :2018/02/21(水) 12:59:25 ID:cbygChFA0
投下ラッシュが嬉しい 乙
また狂信者が増えたと思ったら、松ちゃんに次ぐ爆弾か
セルベリアは心中には大反対だったし、仕方ないね
それとしれっとセルベリアの状態表の名前までおばさん扱いされてて草


586名無しさん :2018/02/21(水) 13:55:26 ID:v0h89xTo0
前半と後半の差がひでぇw
更年期やおばさん扱いされてるが、セルべリアって何歳だっけ?


587名無しさん :2018/02/21(水) 14:23:26 ID:e2DyUu0.0
前半は狂信者を手玉に取る新手の巨悪かと思ったけど
このルルーシュ、色んな意味でダメくさいw

>>586
22歳……実はピヨちゃん・はやて(Force仕様なので25)より若いのだ


588名無しさん :2018/02/21(水) 14:29:32 ID:e2DyUu0.0
ついでにヴァルキュリアプレイしてたから思い出したんだけど
ルルーシュの中の人、マクシミリアン(セルベおばさんの上司)と同じなんだよなあ
ちなみにディーとドリスコル(厳密には別ゲーのコラボだが)の中の人は同じ池田秀一


589名無しさん :2018/02/22(木) 04:57:25 ID:9AUTJ9sU0
地味にクロエと美遊、美柑と古手川がいるので聖帝軍のイリヤと闇が戦いづらいですね…
個人的にはおばさん呼ばわりされて戸惑っても怒らないセルベリアがツボw


590名無しさん :2018/02/22(木) 23:29:22 ID:y5xCh9PM0
そういや、クラウザーさん復活するとどうなるの? ロワ終わるの?


591名無しさん :2018/02/22(木) 23:36:29 ID:x1GimUV20
それは書き手次第。
いちおう、そうなった時の展開は考えてる。


592名無しさん :2018/02/22(木) 23:40:37 ID:u.kaAHkI0
まぁ、クラウザーさんがシャドウに取りこまれてないと良いな……


593名無しさん :2018/02/23(金) 11:49:32 ID:uCAqf19c0
クラウザーさんが復活するよりしない方がディーの自爆テロ誘発で怖いのに、死者スレが掌握中じゃシステム使って乗り込めないからなぁ
一応死者スレ側も抵抗はしてるらしいから、仮にクラウザーさん取り込まれても狂信者の誰かが身代わりになったりとかしてそうだが


594名無しさん :2018/02/23(金) 13:17:47 ID:Neox7mZg0
これもう実質クラウザーさんも被害者やろ


595名無しさん :2018/02/24(土) 10:48:54 ID:O1KAtp7E0
DMC信者見てるとリアルでもよくあるアイドルとファンとの軋轢・かみ合わなさを感じるなw
まどかとモモみたいな信者はまとも……と言いたいが、実のところ原作的にはクラウザーさん(根岸)的には嬉しくないという罠
本人的にはココやルルーシュみたいなアンチの方が望ましいのが笑える


596名無しさん :2018/02/25(日) 18:31:32 ID:JJDLUFJY0
ビッグサイトにクラウザーさんの代わりにシャドウが降臨する可能性が…?


597名無しさん :2018/02/25(日) 18:36:35 ID:9ojorSso0
もしくはシャドウの傀儡となったクラウザーさん


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2 変身ロワイアルその6 (Res:854)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 2
1名無しさん :2014/08/07(木) 11:23:31 ID:V1L9C12Q0
この企画は、変身能力を持ったキャラ達を集めてバトルロワイアルを行おうというものです
企画の性質上、キャラの死亡や残酷な描写といった過激な要素も多く含まれます
また、原作のエピソードに関するネタバレが発生することもあります
あらかじめご了承ください

書き手はいつでも大歓迎です
基本的なルールはまとめwikiのほうに載せてありますが、わからないことがあった場合は遠慮せずしたらばの雑談スレまでおこしください
いつでもお待ちしております


したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15067/

まとめwiki
ttp://www10.atwiki.jp/henroy/

835名無しさん :2018/02/18(日) 22:13:40 ID:oFc4oFmI0
失礼します
ttp://or2.mobi/data/img/194719.jpg
私の想像ですが、変身ロワエピローグに登場する探偵さんの姿を絵にしてみました。
もしもイメージと違っていたらすみませんが……


836 ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:39:21 ID:gooP8PFs0
感想、イメージ絵ありがとうございます。
一人称視点で進むゆえ、あまり『探偵』のビジュアルは描写できないのですが、代わりに様々なビジュアルイメージを持って読んでいただけたらと思います。
180cm、テーラードジャケット、無精ひげ……それくらいしか書いてなかったかなと。
ただ、もうそういう書いてあるイメージも全部忘れて、好きな外見で考えちゃっていいんじゃないかなって。

ただいまより、投下致します。


83780 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:41:11 ID:gooP8PFs0
【『探偵』/希望ヶ花市】



 花咲家で、おれは花華の視線を一身に浴びていた。
 この時には、おれはもうある程度、事の意図はつかめていたのだった。
 これまで、左翔太郎の余計な気障と、佐倉杏子と花咲つぼみの間に流れた友人同士のコミュニケーションがかなりのノイズになったが、おそらく、肝心の真相がどうかはともかく、左探偵や佐倉探偵がどういう結論に至ったのかは読み込めていた。
 それは極めて単純な答えだったが、決して安々と口にしたいものとは云えなかった。

 しかし、これまでも言った通り、おれはその真実がどんな物であれ、花華に正確にそれを伝えるべきだった。
 永久に探し物をさせ続けるよりは、ここで決着をつけさせておいた方が良い――それがおれたち探偵の信念なのだ。

 経験上、これより苦い結末の依頼をおれは何度も目の当たりにしている。
 彼女がいかに傷つくとして、それを告げる事は大したハードルではなかったし、少なくとも言いたくないなどと駄々をこねるような人生を送ってはいない。

「花華……もう、探し物はやめよう。それは、あまりにも意味のない事だ。既にこの件は、おれたちの手に負えない事――いや、既に叶える事が出来ない物なのだろう。おそらく、いつか見つかる希望があるとして、今のおれたちではそれを見つけ出す事はできないし、曾祖母を満足させる事もできない」
「何故ですか?」

 こう言った時、花華は少々不愉快そうに眉をしかめた。
 はっきりと言いすぎてしまったきらいがあるが、だからといってソフトに伝える事などできはしなかった。彼女にとって不快感が薄まるように言っても仕方のない事だし、結局のところおれに向けられる印象が少しばかり良くなるという事は、卑怯な事でもあった。
 はぐらかさずに、おれが行き着いた結論は、彼女が不快がるように言ってやった方が良いのかもしれない。
 本来、それは、不快にならざるを得ない本質を持つ結論だからだ。――言い方ひとつで愉快になれるものでもあるまい。
 それを伝える義務をわざわざ無償で負ってしまった以上、そこから逃れる事は出来ない。

 ……ただ、せめて全くの絶望の淵には立たせたくなかった。
 おれは、ちょっとばかり言葉を選ぼうと頭の中を回転させていたが――そんな折、花華の方が続けた。

「――何かわかったなら、私にもわかるように事情を説明してください」

 素敵に感じるほどに、彼女の声色は怒りのニュアンスも含まれていた。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


83880 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:42:04 ID:gooP8PFs0

「まず、おれから言っておきたいのは――きみの曾祖母がいくつかの後悔を口にしたと言っているが、彼女が本当に後悔しているのは、おそらく“探し物”の件じゃないのがわかった、という事だ」
「えっ……」
「おそらく、さっき告げたように、もっと、おれたちの手に負えない事こそが、きみに告げられた彼女の後悔の、ほんとうの正体なんだ」

 ――いきなり、花華は絶句しているようだった。無理もなかった。
 こう言われては、彼女の信じようとした「探し物を見つける」という行為は、曾祖母にとって何の意味もない話になってしまうかもしれない。ここまでの彼女の努力を無に帰す結果に終わるかもしれない、という事なのだった。
 それに、ただ彼女の行いが無意味になるのではなく、この推理を以て、事件の未解決は確定する。

 余命僅かな――そして迷惑や心配をかけてしまった曾祖母への恩返し、という純粋な想いと焦燥に対して、それはあまりに後味の悪い結果に違いなかった。
 それならば、余命僅かな曾祖母の傍に何度も見舞いに行った方が良かったのかも、と悔いる事となってしまうだろう。

「続けるよ」

 だが、おれにはそんな彼女への配慮はできない。この後の方が問題かもしれない。
 それでも、おれは彼女にすべての推理を展開し続けなければならなかった。

「……ただ、勘違いしないでほしいが、きみの曾祖母にとっては、それを探す事は確かに重要な事だったはずだ。しかし、彼女には“それ以前に”、“大前提として”、“もっとやらなければならない事があった”んだ」

 おれは、彼女の耳に入っているのか確かめながら、続けた。

「――たとえばだ。この依頼では、最終的にこのように二人に励まされ、逆に“託されている”だろう? それが、どういう事なのか、わかるか?」
「『信頼』されている、という意味ですよね……?」
「誰が?」
「えっ……おばあちゃんが……ですけど」
「――そうだ。そうとしか言いようがない。しかし、同じ探偵であるおれからすると、それはありえない事だと思う」
「どういう事ですか?」

 この件の未解決は、「この件は諦めろ」「継続する」という意味ではなかったのだ。書かれているように、依頼人に対して「君がやれ」という意味であった。
 探偵に限らず、まともな大人は依頼された案件に対してこうは切り返さないに決まっている。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


83980 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:42:32 ID:gooP8PFs0

 何故、二人のプロの探偵が同じようにプロらしからぬ結論に至ったのか。そして、何故依頼人は事情を説明されてそれを納得し、励みとしたのか。
 それがおれにはわからなかったのだが、紐解くうちにおれは事情を察する事になった。

 ――そう、言った通りの『信頼』を向けたとしか考えられなかった。そして、何故『信頼』したのか、が問題だった。

「おそらく、そこで左探偵は、この問題はまず花咲つぼみにしか解決しえない、あるいは彼女が解決すべき問題と確信し、彼女なら果たせると信じたんだろう」
「おばあちゃんが解決すべき問題……?」
「――ああ。だから、左探偵と、それからあとで再調査した佐倉探偵は“自分が関わる問題”としてのその依頼を『終了』し、それでいて“花咲つぼみが解決できていない状況”を『未解決』として、ファイルに綴じたんだよ」
「それが、『中断』ではなく『終了』としていた意味……」
「その通り」

 いつの日か、花咲つぼみがそれを達成したのを知って、ファイルから外して処分するつもりだったのかもしれない。しかし、その日は来る事なく、二人が先に世の中に処分され、謎だけが後の時代に残されてしまったのだ。
 これが、依頼が『中断』されずに『終了』した理由だった。
 何かしらの闇に触れたわけではない。――むしろ、探偵にあるまじき感傷だ。彼らのハーフボイルドが、事件を後から見て不可解な物に見せていたのである。

「おれは、そこまで推理した後で――そういう彼らの感傷から逆算して、探し物のありかもわかってしまった」

 花華は不思議がっているようだった。
 まだ答えは見えていない。いや、現段階で彼女がどれくらい日記に目を通したのかわからないが、たぶんこういえばわかるのだろう。
 おれの答えは、これ以外に考えられなかった。

「きみの曾祖母が生涯かけて……病床につくまでずっと研究していた、管理外の異世界への渡り方と、ある世界の捜索。彼女はきっと、この時には既に、左翔太郎や佐倉杏子に約束していたんだ。そして、二人は花咲つぼみを『信頼』して見守っていた」
「まさか……」

 曾孫である花華には、この言葉でわかったようだった。
 曾祖母の事を愛している彼女にとっては、何度も聞かされた話だろうし、もしかしたら、異世界移動の技術についても必死で学んでいた姿は、何度も目にしていたかもしれない。植物学者としてだけではなく、ある一人の男の友人として。
 それはついに報われなかったのかもしれないが、未解決事件を一つ作り出してしまったのかもしれないが――しかし、彼女の仲間たちも信じるに値するほどまっすぐな努力を積み重ねた、純粋な願いだった。
 響良牙を探しに行く、と書かれた日記。
 おれは、それを目にしてしまった。
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84080 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:43:35 ID:gooP8PFs0


 これより、様々な事を一方的に花華に話した。
 この八十年、果たして何があったのか。


 左探偵は、おそらく、紛失時期を考えたり、花咲つぼみの具体的な話を聞いたりしたうえで、変身ロワイアルの「支給品」としてそれが異世界に置き去りにされていると結論づけたのだと思う。
 左探偵の場合も、同様に「大事な所持品が向こうの世界に置き去りだった事」「変身ロワイアルの戦いの前後、事務所や私物から紛失した物があった事」に思い当たる節があるのなら、余計に推理の材料が整っていた可能性が高いだろう。
 これがわかった時点で花咲つぼみにきっちり説明すればよかったのだが、彼は気取り屋な性格を見事に発揮し、「未来の君が果たせる」などと持って回った言い回しだけを残して依頼を終えた。

 おそらく、この時は彼女が「変身ロワイアルの世界」を見つけ、そこで共にオルゴールを発見し、「おれの言っていた通りだろう?」とでも声をかける算段が彼の中ではついていたのではないかと思う。気取り屋のやりたい事は見当がついている。
 しかし、そのシナリオ通りに行けばよかったが、彼は事故によって旅立ってしまった。
 風都の大人として、そして仮面ライダーとして戦った男として、恥じない誇りある最期だが――ひとつだけ、置き土産を残してしまったのだった。

 ――それから数年後。
 結果的に、「謎」に変わっていったこの案件を引き継いで再度推理したのが、佐倉杏子だった。
 しかし、もしかしたら左翔太郎と長らくバディでもあった彼女は、左探偵のそういった性格ごと読んでいたのかもしれない。当初は探し物案件として必死で探していた彼女も、ある時――同様の結論に辿り着いた。
 それはおそらくだが、あの左翔太郎の自筆のメッセージについて思い出したか、前回の調査報告書の最後の一文に着目した時の事だろうと思う。
 そして、彼女の場合は、きっとくだらない謎を残して向こうに逝った相棒に呆れつつ――しかし励ますように、花咲つぼみにすべて事情を説明した。

 ――そう、変身ロワイアルの世界に行かなければ、大事なオルゴール箱は見つからない、と。

 ――だとするのなら、探偵である自分たちの仕事はここまでだ。
 その研究をしている花咲つぼみこそがその世界を探し、そのオルゴール箱を見つけなければならない。
 そう思い、佐倉探偵は――、響良牙の生存を信じ、あの世界に彼が取り残されていると信じ、そして、その世界に辿り着きたいと思いながら日々を重ねる花咲つぼみに、事件の解決を託した。
 花咲つぼみの、友達として。

 変身ロワイアルから八十年が経過した今。
 おれは未解決ファイルとして残されたデータを読み、花華は曾祖母から「後悔」としてそのオルゴール箱の依頼を聞いた。
 そして、おれたちは出会い、彼らが辿った結論に、遂にたどり着く事になった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


84180 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:44:00 ID:gooP8PFs0

「彼女は、左翔太郎が死んだ事で、何よりその『信頼』を重く背負いながら生きる事になってしまったのだろう。彼が信じた未来を実現させなければならなかった……それから先、『涼邑零』が、『孤門一輝』が、『蒼乃美希』が、『佐倉杏子』が、『高町ヴィヴィオ』が…………彼女の中で背負われていったんだ。そして、彼女だけが残り、いまも病床で後悔としてそれを告げた……それは、今生、果たせない約束への謝罪として……きっと、胸が張り裂けそうな想いで…………」

 花咲つぼみが既に九十四歳。何度となく医療の恩恵にすがりながらも、遂にその生命は果てようという段階にきている。
 それに対し、響良牙はもう、生きていればの話だが、九十六歳。――何もない場所で、何もない世界で、生きているとは思えない。

 もっと言えば、だ。
 彼女が見つけ出そうとした世界――それさえも消滅していると言い切れない。殺し合いの為にベリアルが用意したステージであるのなら、そこはその役目を終えるとともに消えているだろうし、彼女たちが「送還」されたのもそんな意味があるように思えてならなかった。

 頭の良い彼女は、とうにその結論にだって辿り着いていたはずだ。
 しかし、信頼という呪いにかけられ、研究をやめる事もできず、一人で……ただ一人で……彼らが信じる自分を信じながら、彼女は生きた。孤独になっても、彼女は未来を信じ続け……そして、未来を生きる若い曾孫に言葉を託した。





 彼女の生きる未来なら――オルゴールは、見つかるかもしれない、と。





 ……残念ながら、おれが有給休暇を使ってたどり着いた結末は、この通りだ。
 はじめに察した通りだ。解決はできなかった。
 それは、確かにおれにとっても――とても後味の悪い結末だった。





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84280 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:44:23 ID:gooP8PFs0



 ――ここは、希望ヶ花市植物園だ。
 半民営化した植物園で、花咲薫子を理事とする。これが、花咲つぼみの祖母の名前らしく、おれからすればもうずいぶんと古めかしい名前だった。
 ……と、おれが言ってしまうのも何だが。

「……」
「……」

 そこを取り巻く空気は、最悪だった。
 謎は解決したが当初行く予定だったのだからせめて最後に花華と立ち寄ってやるか、とここに来てみたは良いのだが、何しろおれには見たいものもない。気分転換のつもりだった。彼女にとってはかなり落ち着く場所らしく、大好きな植物に囲まれる場所でもある。
 おれにとっては、園内が静かなのは実に良かった。良いのはそれだけだ。草なんてどれも同じに違いない。

 ……あのあと花華が泣きだしたのは言うまでもないが、この空気の中で再び泣き出そうとしている。
 おれは、流石にその涙ばかりは受け止めるしかなかった。彼女が確実に涙するのを予期したうえでの言葉だった。不思議と、それまでほどの居心地の悪さはなかった。おれもすっかりこの少女の涙に関しては慣れてしまったのかもしれない。
 しかし、やはり……対処には、困る。

「……なあ、花華。きみの曾祖母は幸せだったと思うか?」

 おれはそれでも、ふと訊いてしまった。
 オルゴール箱の所在よりも、おれにとってはそちらの方が大きな疑問であり、心残りにさえなっているのだ。
 この依頼の結論を踏まえると、なお納得はできないのだった。

「……え?」
「彼女は――変な力を得て、他人の為に戦って、報われないどころかその力に目を付けられて殺し合いに参加させられて、友人をたくさん失って、挙句に帰ってからもそこでの友人の響良牙の為に研究していた。世の中に認められたは良いが、その響良牙を救うといういちばんの目的は……願いは、果たせなかった事になる」

 彼女の方を見つめるが、花華の感情は図れなかった。
 どういう感情が返ってきたところで、おれは、覚悟はできている。過度に彼女に干渉するつもりはないし、この話が終わった以上は、最後にどういう心情を抱かれて終わっても構わない。
 しかし、謎が残って終わってしまうのは許しがたい。
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84380 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:44:49 ID:gooP8PFs0





『――なら、あなたたちが彼女の願いを叶えてあげればいいじゃない』









 おれたちは、その瞬間、あまりにも唐突に、奇妙な声を訊いたのだ。
 若い少女の声だった。頭の中に響いてくるような、エコーのかかったような声。

「えっ……?」

 ふと、会話を中断して、おれと花華がそちらを見ると――深紅のドレスの少女がそこに立っていた。

『――』

 長い黒髪をなびかせて、見た事もないほど白い肌で無表情にこちらを見ている少女。
 それは、極めて心霊的で、この世のものとは思えないオーラを発して、花々の中に溶けていた。

「きみは――?」

 花華とは、違う。もっと、透けているような何か。
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84480 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:45:16 ID:gooP8PFs0



【『探偵』/異世界移動】



 花華が躊躇なくそのオーロラの向こうに突き進んだ時、おれはまったく躊躇せずにその後を追っていた。
 一応、一番傍にいた保護者としての責任だと思ったのだ。知り合いでもあるし、元々依頼ではなく「私的手伝い」とした理由も「鳴海探偵事務所の存続にとって不可欠な家系の人間だったから」だとするのなら、彼女がおれの視界で危うい目に遭っているのを見過ごさないのも筋だろう。

 自分の力でオーロラを出せる人間は珍しく、あまりに怪しい物であったが、それが異世界を渡る際の化学反応のひとつなのは中学校の理科の授業で習っている。あまり詳しく勉強する事などなかったが、今や異世界移動の際には一瞬のオーロラを目にするのは珍しい事ではない。
 しかし、よく言われるように綺麗な反応には思わなかった。
 おれはむしろ、その狭間に見える世界が谷底のように恐ろしく見えた。誰も知らない場所にいざなわれるような気がしてならなかったからだ。

 今回の場合も、オーロラの中に来てしまっていた事を既に後悔している。
 この先に何があるのか、おれはわからないままに異世界に来てしまった。
 少女の正体もわからない。
 そのうえ、黒猫に変身しているときた。

「もう一度訊くが……きみの名は? どこに行くつもりなんだ」

 黒猫に聞いてしまった。
 猫に話しかけるのは、ちょっとばかり異常だ。……と思ったが、振り返れば、おれは普段からよくやっていた。
 尤も、返事を期待するのは初めてだが。

 すっかり謎の少女は、黒猫の姿としてオーロラの中を歩いている。彼女は、まったくこちらを見ようともしない。
 こんな奴についていくのは不安だが、花華は妙に肝の据わった様子で前を歩いていく。
 猫と話していても仕方がない。おれは、人間である彼女の方に意識を向ける事にした。

「なあ、花華、きみは気にならないのか? 人間が猫になったんだぞ」
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84580 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:46:13 ID:gooP8PFs0

 などと、噛み合わない会話を続けていると、一番先頭の猫がこちらを向いた。

『――騒がしいわね。私からあなたたちに危害を加えるつもりはないから。……ただ、危害を加えるかもしれない相手と会わせに行くだけ』

 彼女はさらっと云う。
 なるほど、特別な手当が出て然るべき危険な話におれたちを乗せようというわけである。
 花華もどうかと思うが、この少女の方がおかしいと云える。
 彼女が危害を加えないとしても、おれたちには関係ないのだ。「お前が危険人物かどうか」ではなく、「おれたちが危険な目に遭うかどうか」――それが問題である。
 さて、おれは再び花華に振る。

「――と、この子猫ちゃんは言っているが、花華。引き返す準備は?」
「ありません。事情を聞きましょう」
「なるほど……。だとするなら、悪いがおれひとりで、引き返す事にする」

 おれは、もはや花華を放る事にして反対を向いた。義理の追いつく相手ではなかった。ここから先は自己責任だ。
 おれは、広がるオーロラの向こうをたどれば、きっと元の希望ヶ花市植物園に戻れるだろうと思った。
 しかし、そういう風に甘い考えを浮かべた矢先、背中に声がかかった。

『……戻れないわよ。ここに来たからには、私の望む行先にしか行けない』
「――じゃあ、行先を変えてくれ。さっきの希望ヶ花市、もしくは、おれの世界の風都へ」
『残念だけど、変えるつもりがないもの。ここに来た時点で、あなたはもうこの話に乗ったものとしてもらうわ。電車の車掌が一人の乗客の意見で行先を変える事なんてないでしょう。――それに、あなたも探偵なんでしょう?』
「悪いが鳴海探偵事務所は臨時休業中だ。それに、きみから依頼を受けた覚えがない」
『それなら依頼として受けてもらう形にするわ。依頼料は弾む。ただし成功報酬よ』
「……いくらだ?」

 金の事をいわれると、つい聞いてしまうおれだった。
 成功できる見込みがあるのなら、おれはその依頼に乗ってしまう。達成するだけ給料が弾むのだから、おれに乗らない理由はない。
 黒猫が口を開ける。

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84680 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:46:42 ID:gooP8PFs0

 いきなり、質問を無視されている。まあいい。
 情報のみを抽出して実体から分離する、一つの技術――実に怪しいというか、この時代から見ても先進的な技術の話をしている。……いや、技術としては可能かもしれないが、おそらく倫理的問題・安全面での問題をクリアーできていないというのが正確なところか。
 彼女が本当に魔法少女であるというのなら、「ソウルジェムに意志を転移する」という技術を太古の昔から可能としているのだ。
 それに、言い換えれば「情報体」――つまりデータ人間は、おれたちの世界の八十年前の技術だって可能だ。おれの探偵事務所にだって、まさしくそんな探偵がいたのだから、まあ、ありえない話ではないとは云える。

 ……それから、彼女の名前はHARUNAというらしい。まったくもって、おれの言える事じゃないかもしれないが、呼び名があるというのは便利だ。いつまでも「少女」「黒猫」では仕方ない。
 なんだか、奇妙なほどに花華(ハナ)とよく似た名前であった。HARUNAは、そんな自分と似た名前の少女の名前を呼んだ。

『――桜井花華』
「何でしょうか?」
『……あなたをこうして呼んだのは、他でもない。この八十年を耐えきった世界たちが、ある理由によってその形を崩すのを防ぐ為よ。――つまり、「この世界を壊させない事」が、あなたの使命。そっちのオマケは、残念ながら本当にオマケね。来る必要はないけど、とりあえず役には立ってもらうわ』

 彼女にとっての役割は、『オマケ』か。
 まあいい。花華にとって『探偵』であるとしても、彼女にとって『オマケ』であったというだけの事。これから何の役にも立てないのなら、おれは『オマケ』として見届けよう。
 尤も、役に立つとか役に立たないとか以前に、彼女の云っている事がよくわからないのが正直なところだが。

「……HARUNAさん。ある理由によって形を崩す、と云いましたけど、それはつまりどういう事ですか? 管理局には一切聞いていませんが――」
『そういうのも後で全部言うから、とにかく質問を挟まず黙って聞いててもらえる? まあ、ひとつだけ答えておくと、あなたが管理局から一切聞いていないのは、単に無能な管理局が事態を把握していないからよ。……尤も、それを感知できる力がないから当たり前だけど。それに、あなたは確かにその組織の一員ではあるとしても、決して全情報を開示される権利がある立場ではないでしょう――?』

 そう言われ、花華は少しばかりたじろいだ。
 こうまで強く、敵意や不快感を向けられて言われれば、彼女が泣き出すか、あるいはさすがに怒り出すのではないかと心配になった。
 おれが言うのも何だが、HARUNAももう少し不愉快にならない言い方を探せないのだろうか。……何にせよ、この「情報」は、よほど性格が悪いと見えた。
 この性格の悪い「情報」は、そのまま続けた。

『――で、当面の伝えたい事情は簡単よ。いま、花華の曾祖母、花咲つぼみ――えっと、今は違う名前だっけ? ……まあいいわ。とにかく、花咲つぼみが変身ロワイアルというゲームの最後の生存者という事になっているかもしれないけど、実はもう一人だけ、あのゲームには生き残りがいるの』
「花咲つぼみ以外の生き残り? そいつは誰だ……? って、訊いても無駄か……」
『そして、世界を守る為の私たちの急務は――――』

 案の定、質問は無駄だった。彼女は勝手に話を進める。
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84780 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:47:12 ID:gooP8PFs0

『……あの変身ロワイアルというゲームの勝利条件によって得られるのは、「どんな願いも叶える権限」だった。その事は知っているわよね』

 おれはふと思い出す――何人かの参加者が、その条件を信じて「願いを叶える為」に戦いに臨み、そしてそれを果たす事がないまま散った事を。
 そう、花咲つぼみの友人の中にも、ただ一人だけそんな願いを伴ったまま戦った少女がいた。家族の蘇生という、極めて年頃の少女らしい純粋な願い。

 しかし、結局、願いを叶えた参加者はどこにもいない。最後の一人が決する事なくゲームは終わったし、あの言葉を投げかけた主催者の方が敗北した為にその権限が本当なのか偽りなのかもわからないままに物語は幕を閉ざしたからだ。
 もっと言えば、その願いを叶えようとした人間が「主催側」にもいたが、その願いはほとんど本人が望む形で叶いはしなかった。

 ある者の蘇生を望み、それを叶えはしたものの正しい形で蘇らなかった加頭順やプレシア・テスタロッサ。
 世界を取り戻す事を望み、それが叶った後に世界は元の形に矯正されたイラストレーターや魔法少女。
 そして――世界の支配を望み、一度は世界を支配したが、そのすぐ後に敗れ、世界の支配を叶えきれなかったベリアル。
 願いとは常に皮肉であるともいえた。

「ああ、だが、それがどうかしたのか? ――いや、こちらから訊いても仕方ないんだったな。……続きを頼む」
『……つまり、その願いは今、あの殺し合いの生存者が一人になろうとしている時に――その優勝者に託されようとしている』
「――優勝者、だと……?」
『そう。あの殺し合いは、一度収束したように見えたでしょう。でも、本当の意味で最後の一人になるまでは――決して終わりはしないみたいなのよ。たとえ加頭順やカイザーベリアルがいないとしても、もっと大きなシステムが動き続けている。つまり、あれから八十年間、「変身ロワイアル」はずっと続いていたの。参加者たちが互いに危害を加える事はなかったかもしれないけど』

 殺し合いはまだ終わっていないだろう、という想い。――それは、少し前におれが考えた事とまったく同じだった。
 ある意味で、それは現実だったと、彼女は云うのだ。

 しかし、その意味合いが――おれの思った形と、彼女の云う形で明らかに違う。
 おれは、生還者がまだ縛られるという意味で告げていた。しかし、彼女の言い分によると、あの殺し合いのシステムそのものが残存しているという。
 その事は、おれには関係のない話だが、驚かざるを得なかった。
 信頼の置ける情報ソースではないが、作り話にしては妙に詳しくもある。少なくともいま話している内容は正確な情報も多いし、おれは彼女のいざなうままにオーロラを辿っている。妄言発表会のやり方ではない。
 彼女は続ける。

『――そして、その生存者が、このまま花咲つぼみの死とともに願いを叶える権限を得たとするのなら、“彼”が望む願いはひとつしかない』
「それは――」
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84880 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:47:35 ID:gooP8PFs0

『そして、本来はそれこそが個々の世界の「正史」であり、「オリジナル」と呼ばれる歴史なの。いまあなたたちが生きている世界は、変身ロワイアルの介入ですべて変わった二次的世界「セカンド」と呼ばれる別の作られた偽の歴史よ……。でも、こういう形になったから、辛うじて一つの世界として成立し、持続しているし致命的な不安定はない。だけれど、万が一、それが優勝者の願いで「オリジナル」の形にもどれば――』

 おれは、この説明を聞いて即座に理解はできなかったが、咄嗟に花華の方を向いた。
 タイム・パラドックスという言葉が思い出された。彼女が言っているのは、それだ。
 この世界は既に、変身ロワイアルが発生させた「タイム・パラドックス」によって生まれ、そして育った歴史――おれたちにとっては正しくとも、決してあるべきでない形の世界。
 だが、そのタイム・パラドックスを優勝者が正してしまったとするなら、この世界からあらゆるものが消えるに違いない。
 それがその言葉の示す意味だ。

『――たとえば、わかりやすく言うと、桜井花華。あなたの存在は、消える。花咲つぼみが別の男性と出会い、別の子供が生まれ、きっとあなたの存在しない世界として再び世界は歩んでしまう。他にも多くの存在は消滅し、この時間は消える。八十年もあらゆる因果律が集った以上、今からすべて壊される事による被害は計り知れないわ。たぶん、そっちのあなたも消える。八十年が残した影響の中で、あらゆるものが消えるわ。――それから、たとえば、折角技術の相互補完により安定していた魔法少女の宇宙なんかは、再度、崩壊の危機を迎えて悲劇の世界に戻ってしまう』
「だからきみは――もう一人の生き残りを殺しに行くのか? あ……いや、殺しに行くというんだな」
『ええ、この歴史は、「オリジナル」からすれば間違ってはいる。本来殺されるべきでない人たちが殺し合いをしたけれど――その反面、殺し合いや殺し合いの後の歴史で多くの命や想いが残り、ある人たち、ある世界にとってはむしろ幸せなカタチを残している。そんなこの偽の歴史を守るのが、私の使命よ』

 おれは傍らの花華を凝視し続けた。HARUNAの言う事が本当ならば。彼女もまた、彼女やその勢力の恩恵を受けて守られる事となる――もっと言えば、あるいはおれもそうかもしれない。
 バトルロワイアルによって別の歴史を歩んだ世界において、その後の歴史で生まれた子供はすべて、消滅のリスクが極めて高い状態だと云える。あれだけ大規模な出来事が発生した中で死んだり、影響を受けたりした人間は膨大であるし――この八十年で生まれたものはおそらく、すべて消えるだろう。
 作り話にしては、設定が凝っていた。

『これから私たちの行く先――そこに、もう一人の生存者が生きているわ。言い忘れていたけど、彼は、不老不死の「死神」となっている』
「不老不死の死神……? きみは、不老不死の人間を殺せと――?」
『そして、これからあなたたちに行ってもらうのは、花咲つぼみの遺伝子情報を持つ花華や、先にあの世界に移動した“彼”。あとは、私のような“特異点”の情報端末だけが潜れる場所、――――「変身ロワイアルの世界」よ』
「……冗談だろ」

 彼女は、今、さらっと何を言ったか。
 今からあの凄惨な殺し合いの現場へ――花咲つぼみが探し求めた、変身ロワイアルの世界に連れて行くと、よりによって今日、このタイミングで、そう言ったのだ。
 いくらなんでも、あまりにもタイミングが良すぎると言わざるを得ない。おれたちの話を聞いていて、それで騙す為に話をしているとも言えない。
 八十年、それから、これから先の歴史において、そんな日はいくらでもあったはずだ。それが、よりによって今日重なるというのか。

 ……いや、だが、待て。
 先入観を捨てて考えるのなら、タイミングの良し悪しは関係ない。問題は、そんな主観よりも、確固たる事実の方だ。
 本当に、これからこのオーロラで変身ロワイアルの世界に行けるのなら――おれは、こいつを信用してもいいかもしれない。
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84980 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:48:02 ID:gooP8PFs0

『――そして、そこであなたたちが殺すべき死神は、かつて――ベリアルにトドメを刺して爆発する時、エターナルメモリの過剰適合によって「永遠」の身体を得てしまった少年――』

 おれの導き出した結論を裏付けるように、彼女はそう告げた。
 そして、その名前を出すよりも前に、おれは呟いていた。

「響、良牙……!」

 それが本当ならば――おれは、八十年間島に残り続けていた迷子と、ガイアメモリという化石に同時に出会う事になる。
 花咲つぼみの確信通りに響良牙は生きており、そして、おそらく確信を超えたところでずっと――八十年も、生きていた。
 恐ろしいほど、タフな男でもないと生きられない歴史を背負いながら。

 しかし、それを殺せとは、あまりに残酷だ。
 おれが殺し屋だったとして、受ける気にならないような依頼だった。
 ましてや、二人の人間が八十年願い続けた再会を無粋な介入で消し去ろうとしている。何より――花咲つぼみの曾孫の手で。

「――本当に、響良牙さんは生きているんですか!?」
『……とにかく、そちらのオマケは、参加者の遺伝子情報を持たないから、変身ロワイアルの世界に入る時には私が憑依する事で一時的に特異点の力を授けるわ。かつてもその方法で非参加者が入った事例があるようだけれど』
「――――本当に、その人は世界のリセットを望んでいるんですか?」
『それからもう一つ。死神はいま、エターナルの力を強めて、かつてより手ごわくなっているわ。それでも、花咲つぼみと瓜二つの顔をしている桜井花華が前に出れば、確実に油断する――その時にもう一人の“彼”に戦わせて、メモリブレイク。生身になったところで息の根を止めてもらう。憑依すれば私もあなたという実体を動かせるから、しくじっても私が何とかするわ』
「――――――本当に、そんな事に協力しろって言うんですか!? あんまりじゃないですか!? これがもし……もし、おばあちゃんも同じ願いを持っていたなら? 八十年間の歴史を戻すことを、おばあちゃんが望んだなら、今度はおばあちゃんを殺すつもりだったんですよね!?」
『いざという時は、あなたもプリキュアの力をぶつけてメモリを排出してくれれば良い。そうすれば、生身になるし、もう少し彼の殺害が現実的になる』
「――私、堪忍袋の緒が切れました!!!!!! 質問に答えてください!!!!!!!」

 花華も、この時ついに、曾祖母同様に堪忍袋の緒を切らしたのだった。





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85080 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:48:40 ID:gooP8PFs0



【『死神』――響良牙/変身ロワイアルの世界】



 ……おれは、空を見つめた。
 今日が、その時だ。
 ――遂に、奴らが来る。



 ――ここに連れ去られ殺し合いをさせられてから今日までの長い出来事を、おれはずっと思い出していた。



 かつて、おれは、ベリアルを倒した爆炎の中からこの地に落ちた時、すべての記憶を失った。
 そのままわけもわからず、ふらふらと彷徨い、歩いた先の街で――おれは、男の死体を見つけた。

 早乙女乱馬……というよく知った男の死体だったが、その時に思い出す事はなかった。
 おれはその時は、ひたすら逃げて……森に辿り着いた。
 そこで、おれは冷静に考え――自分こそがその死体を作り上げた殺人犯だという結論に至った。
 おれは、気が狂いそうになっていた。

 やがて、おれは怪物たちと出会う事になった。
 怪物たちの名前はニア・スペースビースト――ダークザギの情報や遺伝子を受けて異常進化し、スペースビーストのように巨大化した微生物たちだったらしい。ただ、おれはずっとわけもわからないままそいつらから逃げ、自分自身の持つ馬鹿力で戦い続けた。
 ほとんどの怪物を、おれはなんとか倒す事ができた。ちょっとの損傷ではおれは死なない。必ずしも簡単な戦いばかりではなかったが、なんとか戦い抜いた。
 そして、ある日――そんな怪物と戦うさなか、おれは頭を打ち、偶然にも、記憶を取り戻す事になった。

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85180 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:49:05 ID:gooP8PFs0
 それからどれだけ彷徨っても、おれは仲間を見つける事はできず、孤独のままだった。
 気づけば、また元の島に戻っていた。手ごたえのない旅を徒労に感じ始めたおれは、別の島に行くのをやめた。

 またそれから、毎日、島から出る事もなくつまらない日々を暮らし、戦う相手もしないのに頭の中だけで修行し、おれは、誰かが来るのを待つ事にした。

 毎日毎日、ずっと同じ事を考えていた。
 彼らもここにいないという事は――左翔太郎や、涼邑零や、高町ヴィヴィオや、蒼乃美希や、佐倉杏子や、孤門一輝や、花咲つぼみは――元の世界に帰れたのだろうか。涼村暁はどうなったのだろう。
 彼らは、帰れたとして、その先が救えたのか、そこから先のあの管理世界は終わり、今度こそベリアルとの決着がついていたのか――そんな不安を持ちながら、きっと勝てたと信じ、彼らが助けてくれるのを待った。

 だが、来ることはなかった。
 もしかしたら、おれは死んだのかと思われているのかもしれない。

 おれたちだけが、ふたりで、迷子でここにいた。
 そして――クロスミラージュも、ある時に動かなくなった。どれだけ言葉をかけても返ってこなくなり、おれはクロスミラージュも埋めた。
 おれだけが、ひとり、迷子になった。

 それから、またずっと、長い孤独だった。時間はいつしか数えていない。ある時から、どう流れても一緒だった。いま何十年なのか――百年は経っていないと思う。
 その間中、ずっと、誰かの支給品だったらしい、このオルゴール箱はおれの心を癒してくれた……。
 悲しみに潰れそうな夜に聞くと、おれは壊れ行く心をなんとか維持できるようになった。
 それだけはなんとか、今日まで壊れる事なくおれの傍にあり続けてくれた。

 ……そうだ。おれは、あいつらと一緒にその先の未来で過ごす事はできなかった。

 ただ、ある時、ある予知の力と、いくつかの情報がおれの頭に過った。
 それはダークザギが得た情報と能力だった。一度だけ仲間とともにウルトラマンノアと融合して戦った事や、ニア・スペースビーストを倒し続けた事によっておれも潜在的にその力が覚醒していたのだった。
 バカなおれが、ニア・スペースビーストなんていう言葉を作り出せたのも、ノアやザギの情報によるものだ。
 そして、ちょっとした予知の能力を得られたおれは、それから十年間、今日だけを待った。

 誰かが来る。おれを殺しに来る。
 だが、おれはそいつらを撃退する。
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852 ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:52:02 ID:gooP8PFs0
投下終了です。
今回はちょっとギリギリまで書いていたので、誤字やミスがあるかもしれず、
その辺はwikiで修正するつもりですが、大筋はこんな感じです。

このスレ内で終わるのかちょっと心配ですが、万が一終わらなかったらwikiに直接投下になるかも……。
そうなったらすみません。


853名無しさん :2018/02/20(火) 06:10:22 ID:6cTEM61I0
投下乙です!
つぼみが残した最後の謎と共に、まさかとんでもない真相が明かされるとは……!
これは花華ちゃんにとって辛いですし、怒って当然ですよね。
変身ロワの世界に取り残された良牙も切ないです。一歩間違えたら、かつての克己みたいになってもおかしくなさそう……


854名無しさん :2018/02/21(水) 19:20:24 ID:yf5PLn9s0
投下乙です
残酷な真実と衝撃的な展開…
残り生存者2名、つぼみと良牙はどういう結末を迎えるんだろう


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3 平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ4 (Res:251)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 3
1名無しさん :2018/01/27(土) 23:20:27 ID:fRys9cx60
当スレッドはTV放映された
平成仮面ライダーシリーズを題材とした、バトルロワイヤル企画スレです。
注意点として、バトルロワイアルという性質上
登場人物が死亡・敗北する、または残酷な描写が多数演出されます。
また、原作のネタバレも多く出ます。
閲覧の際は、その点をご理解の上でよろしくお願いします。


当ロワの信条は、初心者大歓迎。
執筆の条件は、仮面ライダーへの愛です。
荒らし・煽りは徹底的にスルー。

232対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:12:05 ID:BdiVsGB60

「おい、それどういうこったよ総司。お前が参加する理由がないってのは」

言われて、総司は一瞬だけ俯いて、しかし今度は名護を見ることなく、真っ直ぐに前を見据えて。

「だって僕は最初、自分の世界を崩壊させるために殺し合いに乗ってたんだもん」

えっ、と誰かが呟いた。
一歩分、総司から物理的に離す一同を尻目に、総司はしかし堂々と息を吸い込んだ。

「……僕は最初、世界全体から見放されてると思ってた。僕を受け入れてくれた唯一の存在のひよりも僕から離れていって、僕には本当にどこにも居場所がなくなったって思ったんだ」

ぽつりぽつりと吐き出す彼は、しかし以前までと違って憑き物が落ちたような顔をしていた。
そのままぎゅっと拳を握って自分の目の前に掲げ、月明かりに照らす。
その拳に込めた思いがなんなのか、誰にも分からなかったが、しかし総司は満足げに笑って。

「だから、この殺し合いに最初に連れてこられた時、僕はまず全部の世界を壊して、最後に自分も死ぬことを考えた。そうすれば、僕を拒絶した世界も、何もかも否定できると思ったから。……そんな存在、神様からすれば絶対に邪魔でしかないよね?」

そう言って悲しげに笑うが、それに笑みを返せる存在は誰もいない。
だが、とそれに異論を唱えるのは、やはり三原だ。

「……でも、結局総司さんは殺し合いに乗るのをやめたんだろ?それに結局ガドルって奴とかネガタロスって奴とか、悪い奴しか殺してないじゃないか。今ではどうとでも言えるけど、結局前から悪い事なんて出来なかったんだろ!?」

言いながら、三原にも何が正しいのかよくわからなくなっていた。
首領の神様が正しいのか、この場にいる仮面ライダーが正しいのか。
しかしそんな三原に、以前の自分を重ね合わせたか総司はしっかりとした目で名護を一瞥し、それから三原に向き直った。

「ううん、僕はそれ以外にも一人殺してる。――剣崎一真っていう、正義の仮面ライダーを」
「剣崎一真だと!?」

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233対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:12:31 ID:BdiVsGB60





放送から少しして。
名護は、テーブルに大きな白紙を広げ、そこに名前を記入していた。

「――何してんだよ、名護さん」

と、そこに現れたのは放送後から妙に口数の少ない真司だ。
彼なりに考え事をしていたようだが、元来より苦手な考え事を一時切り上げてこちらの動きが気になったらしい。

「……これは、今の時点での参加者の詳細をまとめたものだ。後は、一応主催者の情報も少しはまとめているが、いかんせん翔一君に聞いても名前がはっきりしなくてな」

そう言って見せられた紙には、多くの名前が書かれていた。
しかし参加者の欄にはもう22人しかいないことを痛感して、真司の胸はまた痛んだ。
こんなところで考えごとをしている場合ではない、と真司は切り替えて。

「名護さん、俺にもこの表を完成させるの、手伝わせてくれよ」
「もちろんだ。翔太郎君たちにも、手伝ってもらいたい」
「あぁ、構わないぜ、えぇとまずは――」

そうして、彼らはこの場での情報をその表にまとめていった。





「……こんなものだな」
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234対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:12:59 ID:BdiVsGB60

擬態天道総司(便宜上こう記しますが作中では名簿の名前で記されています):対主催。仮面ライダーカブト。剣崎一真、ネガタロス、ゴ・ガドル・バを殺害。ネイティブワームにも変身可能。

野上良太郎:対主催(推測)。仮面ライダー電王。恐らくウラタロスとキンタロスという二体のイマジンが憑いていると思われる。

リュウタロス:対主催。仮面ライダー電王。

紅渡:スタンス不明。仮面ライダーキバ。前回放送よりスコアをあげているので警戒はするべき。参加時期によっては名護を敵と認識している可能性あり。

名護啓介:対主催。仮面ライダーイクサ。

門矢士:対主催(推測)。仮面ライダーディケイド。大ショッカーのことを知っていると思われる。総司と面識あり(士は総司の顔を見ていない)。総司が一真を殺害した場に居合わせ交戦したため敵と認識されている可能性大。

小野寺ユウスケ:対主催。仮面ライダークウガ。名護と面識あり。

左翔太郎:対主催。仮面ライダーW並びに仮面ライダージョーカー。参加者の一人であるフィリップと合流できれば仮面ライダーWに変身できる。

フィリップ:対主催(推測)。仮面ライダーW。同上。首輪を解除できる可能性がある?


※テラーメモリの能力について。
テラーメモリはそれを使用するだけで周囲に恐怖を強制的に植え付けられる能力を持つガイアメモリ。
朝倉威はこれを食ったらしく、専門家の翔太郎でさえ対処出来ない可能性がある。
実際に対峙した翔太郎曰く能力は発動されているらしいが、ドーパントに変身できるかは不明。
※※ガイアメモリについての詳細は別記『各世界の基本的情報』にて記載。


――主催陣営詳細――
神(?):首領。黒い服を着た青年だと思われる。翔一とは面識があり、以前一度倒したこともあるらしいが、詳細は不明である。

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235対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:13:18 ID:BdiVsGB60

「この浅倉って人、木野さんを殺したかもしれないってどういうことですか?」
「あぁ、東京タワーで戦ったときに紅がアンなんとかとアギなんとかいうグラサンの男を追って倒したって話をしててな。この霧島って人のファムも、浅倉が変身した仮面ライダーの特徴と一致する。城戸の世界の仮面ライダーは戦うのがルールってことも、確か似たようなこと言ってたしな。多分こいつで間違いないはずだぜ」
「浅倉……元々凶悪犯罪者だったけど、やっぱり倒さなきゃ駄目なのか……」

そう言って、三人は沈んだ表情を見せる。
音也の情報によれば、木野はアギトを殺そうとしていたらしい。
自分の知る最初の仲違いしていた頃の彼だったのだろうが、だからといってこんなところで凶悪犯罪者に殺されてしまうなど、許されるはずもなかった。

一方で、真司の表情もまた暗い。
自分とお好み焼きを一緒に食べていた、霧島美穂。
結婚詐欺をしていたり自分のデッキを盗もうとしたりろくな女ではなかったが、浅倉に恨みを抱いたばかりに返り討ちになったのだろうか。

真司は彼女がライダーバトルに参加する詳しい事情など知らないが、それでも彼女は根は悪い奴ではなかったと思う。
そんな存在を簡単に殺し今もなお闘争を求め続けているだろう浅倉への思いは、真司とて決して穏やかなものではなかった。

「――にしても名護さん、本当にいいの?渡って人のこと、自慢の弟子だって言ってたのに、警戒すべきだ、なんて」

その後方で、そんな疑問の声を上げたのは総司だ。
それを受ける名護の表情も、決して明るくはない。

「……無論、俺だって渡君を信じたい。俺の知る渡君ならこんな殺し合いに乗るはずはないが……、有り体に言えば、彼はかなり危うい時期が多かったからな。前回の放送から彼が誰かを殺めてしまったのはランキングから分かっている。ガドルを倒した君のようなケースであれば良いが、そうだとも言い切れないからな……」

放送で一部発表された殺害数ランキング。
世界毎の発表ではあるが、キングが死に、音也は放送からずっと一緒だった翔太郎の証言で殺害を行っていないとなると、唯一の候補は彼となってしまうのだ。
その数は一つではあるものの、もしそれが殺し合いに反するものの命を奪うものであったなら。

総司のように説得を出来る相手だとも思っているが、彼と接触するのは早いほうがいいだろうと、彼はそう思考していた。

(――照井、お前は託せたんだな、一条って刑事に、お前のアクセルを)
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236対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:13:50 ID:BdiVsGB60

「――キバット君か」

それは、より一層深くなった夜の闇に溶け込んでいる黒のコウモリ。
放送前からずっと周囲の参加者を探していただろう彼が戻ってきたと言うことは、と一同の緊張感も高まる。

「――あぁ、お察しの通りだ。東側から参加者がバイクに乗ってやって来ている。しかも名護、お前も知っている参加者だ」
「……渡君か」

その名護の言葉に、キバットはその大きな瞳を閉じることで応対する。
対する名護は、思考する。
どうすれば、一番安全に、かつ彼を説得できる状況を作り出せるのか、と。

数秒考え、周囲を見渡した後、彼は意を決したようにその口を開いた。

「……俺が、一人で行く。彼がどういったスタンスであったにしろ、同じ世界の俺であれば被害を最低限に抑えられる。……皆、その間ここを頼む」

彼のその言葉には、もちろん元の世界からの知り合いである、という意味も含まれていたが、この殺し合いのルールでは同じ世界の参加者を殺す理由がないという意味も含まれていた。
もしも彼が殺し合いに乗っているにしても、考え得る最悪のケース――彼がファンガイアの心に支配されている場合――でない限り、見境なく利すらなく人を殺すような真似はするまい。
であれば、このまま病院に迎え入れ彼らを危険にさらすより、自分が単身で出向くべきだろうと彼は考えたのだ。

そうして翔一からバイクのキーを受け取り、キバットに道案内を頼んだところで、彼は振り返る。
総司も、翔太郎も、未だボロボロであるのは否定しきれない。
しかし、それから離れることを、彼は不思議と不安には思っていなかった。

翔一と真司がいるから、もそうだが、何より半人前の仮面ライダーを名乗っていた翔太郎と、仮面ライダーがなんたるかすら理解していなかった総司の目が、どちらも一人前のそれに変わっていたからだ。
もし今後何かが彼らの身に起こるとしても、決して諦めはしないだろう、と名護は思う。

であれば、そんな存在にずっとついているのではなく、自分がしたいことをする間、彼らに留守を任せるのも、信頼の形ではないか。
と、そこまで思考して、名護は総司が自分をじっと見つめているのに気付く。
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237対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:14:12 ID:BdiVsGB60

『時間だ。これより第二回放送を開始する』

その言葉と共に三島と名乗る男が、放送を開始する。
――多くの名前が、死者として呼ばれていく。
病院で死んだものは、この中に何人含まれているのだろうか、などと今更抱くべきでない思いを抱いたことを恥じつつ、彼は放送に集中する。

死者の名前などその大半は最早単なる雑音だ。
自分の世界が生き残るために必要な犠牲。
呼ばれる名前が多ければ多いほど、自分の世界は勝ちに繋がる。

そう、大事なのはもうたった二つの名前だけ。
自分の知るその二つの名前さえ呼ばれなければ、この放送に意味など――。

――紅音也。

「えっ」

と、自分でも驚くぐらい間抜けな声が出た。
キングとしての威厳などない、ただの息子として、彼は今、父の死を知った。
元の世界ではもう死んでいるとはいえ、ここでもう一度生を受けたというのに、その命は刈り取られてしまった。

――覚悟はしていたつもりだった。
放送前にディケイドが父に会ったと聞いたとき、自分は自然とその死を推測したはずだ。
しかし、話に聞く彼ならば。

或いは世界の破壊者を前にしても生き残るのではないか、とそうどこかで甘えがあった。
それが間違いであったことを自覚しつつ、彼は一層ディケイドへの恨みを膨らませ――。

――園咲冴子。
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238対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:14:28 ID:BdiVsGB60





放送は終わった。
それから以降、市街地という状況では籠城していたり罠を張っている参加者も多いだろうと彼はバイクから降りていた。
放送前に殺したアポロガイストのように、誰しもがバイクを建物の外に止めるほど愚かでもあるまい、と彼は考え、入念に一つ一つの建物を観察していく。

サガークすらも捜索に回しているのだが見つからないところを見ると、やはり病院まで一気に走った方がいいのかもしれない、と渡がそう考えると同時。
彼は、遠くから、エンジンの音が近づいてくるのを感じる。
周囲の捜索にサガークを割いたためにより広い範囲での索敵を怠ったか、と渡は思うが、しかし焦ることもないと思考を切り替えた。

向こうがどんな参加者であれ、ライジングアルティメットについての情報を聞き出し、利用できそうなら利用を、戦闘になるなら戦闘を、と気付かぬ内に好戦的になった思考で考える。
右手にはジャコーダーを握ったまま、彼はバイクのライトで自分が照らされるのすら気にせず、相手を視認、男はゆっくりとそのヘルメットを外して――

「……名護、さん?」

そこに現れた顔に、渡は、またもキングとしての風格を失った。


【二日目 深夜】
【D-2 市街地】

【名護啓介@仮面ライダーキバ】
【時間軸】本編終了後
【状態】疲労(中)、ダメージ(大)
【装備】イクサナックル(ver.XI)@仮面ライダーキバ、ガイアメモリ(スイーツ)@仮面ライダーW 、ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ、キバットバットⅡ世@仮面ライダーキバ
【道具】支給品一式×2(名護、ガドル)、ラウズカード(ダイヤの7,8,10,Q)@仮面ライダー剣、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
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239対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:14:57 ID:BdiVsGB60


【紅渡@仮面ライダーキバ】
【時間軸】第43話終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、地の石を得た充足感、精神汚染(極小)、相川始の裏切りへの静かな怒り、ハードボイルダーを運転中
【装備】サガーク+ジャコーダー@仮面ライダーキバ、エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW、ゼロノスベルト+ゼロノスカード(緑二枚、赤二枚)@仮面ライダー電王 、ハードボイルダー@仮面ライダーW、レンゲルバックル+ラウズカード(クラブA~10、ハート7~K)@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式×3、GX-05 ケルベロス(弾丸未装填)@仮面ライダーアギト、アームズモンスター(バッシャーマグナム+ドッガハンマー)@仮面ライダーキバ、北岡の不明支給品(0~1)、地の石(ひび割れ)@仮面ライダーディケイド、ディスカリバー@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:王として、自らの世界を救う為に戦う。
0:名護さん……?
1:レンゲルバックルから得た情報を元に、もう一人のクウガのところへ行き、ライジングアルティメットにする。
2:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。
3:ディケイドの破壊は最低必須条件。次こそは逃がさない。
4:始の裏切りに関しては死を以て償わせる。
4:加賀美の死への強いトラウマ。
5:これからはキングと名乗る。
【備考】
※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。
※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。
※相川始から剣の世界について簡単に知りました(バトルファイトのことは確実に知りましたが、ジョーカーが勝ち残ると剣の世界を滅ぼす存在であることは教えられていません)。
※レンゲルバックルからブレイドキングフォームとクウガアルティメットフォームの激闘の様子を知りました。またそれによってもう一人のクウガ(小野寺ユウスケ)の存在に気づきました。
※地の石にひびが入っています。支配機能自体は死んでいないようですが、どのような影響があるのかは後続の書き手さんにお任せします。





名護がいなくなって数分後。
総司は外が気になって仕方ないようで、そわそわと窓の外を見ていた。
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240対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:15:12 ID:BdiVsGB60

総司も翔一も真司もその思いは同じようで、暗黙の了解としてダグバをここで倒すべきだと彼らは考えていた。

「……どうする、名護さんを待つか?」

高まる緊張の中で、一番に口を開いたのは翔太郎だ。
ダグバの危険性を交戦し、一番味わっている彼が、この事案については仕切るべきだと判断したのだろう。
しかし、その提案に首を振ったのは総司である。

「……いや、名護さんは渡君のことで忙しいはずだし、僕たちだけで対処しなくちゃ」
「嘘だろ!?ダグバってそんなやばい奴と、俺に戦えって言うのか!?」
「ダグバって奴そんなに強いのー?戦ってみたいー」

不安を口に出す三原と、好奇心を見せるリュウタ。
先ほどから口を開かない麗奈も明らかな嫌悪を見せていることなども含めて、絶対にダグバと会わせるわけにはいかないだろう。
であれば、残された手段はあと一つだけ。

「二手に分かれて片方はダグバへの対処、もう片方は三原さんと間宮さんを逃がすことになるだろうな……」

言いつつ、翔太郎の脳内にてざっとしたチーム分けが行われる。
三原と麗奈、双方が安心感を抱いている、という面で彼らにリュウタは不可欠。
しかしそれだけでは麗奈が暴走した時の戦力が不十分、総司がついていっては逆効果なことを考えると真司か翔一かをそこに当てるべきだと思われるが……。

「城戸さん、間宮さんのこと――」
「――翔一、間宮さんについていってやってくれよ」

その思考の中で、候補に挙がった真司が、翔一にそれを頼んだことでその思考を中断する。
言われた翔一も同じ事を言おうとしていたようで、呆気に取られた表情を浮かべた。
それを見て、ようやく一本もらったなとでも言いたげな表情を浮かべつつ、真司は表情を引き締めて。

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241対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:15:29 ID:BdiVsGB60





「バルバ……、君もこのゲゲルに関わってたんだね」

一方で、放送直前にこの焦土の真ん中で目覚めたダグバは、放送を聞いてそう呟いた。
このゲゲルで散った参加者の数などどうでもいい。
ダグバの感覚からすれば、ここまでは自分にとってのゲリザギバスゲゲルだ。

弱い参加者が淘汰され、あのクウガやガドルを倒した仮面ライダーを始めとした強くて自分に恐怖を与えてくれる存在だけが、ここに残っているはずである。
それなら、これからのゲゲルは一層面白くなるに違いない、と彼は不気味に笑って。

ふと、視界の先にこちらに向かってくる三人の男がいることを確認する。
目をこらせば、その内二人は見たことがあり、また自分をそれなりに楽しませてくれたものであった。
前よりも強くなっていればいいが、と思いつつ、彼もまた彼らに向かい歩を進める。

そして数秒後。
お互いの顔が夜の闇の中でもしっかりと視認できる中で、四人は足を止めた。

「――探したぜ、ダグバ。紅の仇、取らせてもらう」

第一回放送の後、戦った帽子の男がそう言って苦々しげにこちらを見据える。
紅というのは彼と同行していた、死んでもなお自分に一撃を浴びせた男であろうか?
彼は面白かった、と思わず笑みを浮かべるが、しかしそれを気にした様子もなく次に口を開いたのはその横の男。

「未確認ってのがなんなのか、俺には正直よくわかんないけど……人の命をゲーム感覚で奪うなんて、許せない。だから……俺がここで止める」

言葉とは裏腹にその顔は苦しそうでもあったが、しかし覚悟は十分なようだ。
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242対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:15:46 ID:BdiVsGB60


【二日目 深夜】
【D-1 市街地】

【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】劇場版 霧島とお好み焼を食べた後
【状態】強い決意、翔一への信頼、麗奈への心配、仮面ライダー龍騎に変身中
【装備】龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。
0:ダグバを倒す。
1:翔一たちが少し心配。
2:この近くで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい。
3:黒い龍騎、それってもしかして……。
【備考】
※支給品のトランプを使えるライダーが居る事に気付きました。
※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解していますが、翔太郎からリュウガの話を聞き混乱しています。
※アギトの世界についての基本的な情報を知りました。
※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。
※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません)
※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました 。


【左翔太郎@仮面ライダーW】
【時間軸】本編終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、仮面ライダージョーカーに変身中
【装備】ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】支給品一式×2(翔太郎、木場)、トライアルメモリ@仮面ライダーW、首輪(木場)、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW
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243対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:16:02 ID:BdiVsGB60


【擬態天道総司(ダークカブト)@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第47話 カブトとの戦闘前(三島に自分の真実を聞いてはいません)
【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、仮面ライダーカブトに変身中
【装備】ライダーベルト(ダークカブト)+カブトゼクター@仮面ライダーカブト、ハイパーゼクター@仮面ライダーカブト、レイキバット@劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王
【道具】支給品一式×2、753Tシャツセット@仮面ライダーキバ、ザンバットソード(ザンバットバット付属)@仮面ライダーキバ、魔皇龍タツロット@仮面ライダーキバ
【思考・状況】
基本行動方針:天の道を継ぎ、正義の仮面ライダーとして生きる。
0:ダグバを倒す。
1:剣崎と海堂、天道の分まで生きる。
2:名護や翔太郎達、仲間と共に生き残る。
3:間宮麗奈が心配。
4;放送のあの人(三島)はネイティブ……?
【備考】
※天の道を継ぎ、総てを司る男として生きる為、天道総司の名を借りて戦って行くつもりです。
※参戦時期ではまだ自分がワームだと認識していませんが、名簿の名前を見て『自分がワームにされた人間』だったことを思い出しました。詳しい過去は覚えていません。
※カブトゼクターとハイパーゼクターに天道総司を継ぐ所有者として認められました。
※タツロットはザンバットソードを収納しています。


【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第46話終了後以降
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、もう一人のクウガ、浅倉との戦いに満足、ガドルを殺した強者への期待、仮面ライダーブレイドに変身中
【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣+ラウズカード(スペードA~13)+ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣
【道具】なし
【思考・状況】
0:ゲゲル(殺し合い)を続ける。
1:恐怖をもっと味わいたい。楽しみたい。
2:もう1人のクウガとの戦いを、また楽しみたい。
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244対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:16:26 ID:BdiVsGB60





市街地でダグバと仮面ライダーたちの戦いが始まったのと同じ頃。
安全な場所を求めて移動している翔一の顔は、決して晴れやかではなかった。
自分がここにいなければいけない理由はわかっているつもりだ。

しかし、それと真司たちを超危険人物の下にみすみす向かわせてしまったことに対し想うことがないということは、全くの別問題なのである。
ふと横を見やれば、リュウタが上機嫌で麗奈の横を陣取っている。
最初はダグバへの執着を隠しきれないようだったが、麗奈を守れるのはリュウタだけだ、と説得したところ、すぐにダグバのことを忘れたようだった。

扱いやすいなぁとも思う反面、この無邪気な怪人の好意を受けている麗奈の中のワームをどうにかしなくてはいけないという懸念も捨てきれるものでもない。
翔一自身はどうにかなるだろうとも思うのだが、三原やリュウタを預かる手前、ずっと自分らしく何も考えず、ではいられないのも、また事実であった。
キバットがいてくれたらなぁとぼんやり考える中、ふと寒気が身を撫でる。

夜だし冷え込むのかな、などと思うが、それだけでは説明の聞かない何か嫌な予感が、徐々に近づいてくるのを、確かに自覚せずにはいられなかった。
何か似たようなことを、先ほど聞いたような……と考えて。

「翔一!あれ見て!」

そうして顔を見上げれば、そこにいたのは上裸の男。
その男は何か近寄りがたい笑みを浮かべているのもそうだが、何故だろう、人付き合いには特に不自由したことのない翔一を以てして、関わり合いになりたくない、と感じさせる独特の雰囲気を放っていた。
しかしいつまでも不気味がっていては相手にも失礼か、と翔一は持ち前の怖いもの知らずな性格で一歩足を踏み出し――。

「お前ら、仮面ライダーか?なら俺と戦え」

その言葉に、彼と、そして発せられる嫌な雰囲気の正体を察した。

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245対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:16:44 ID:BdiVsGB60

いや、あるいは敵意とは真逆の感情すら――。
――これ以上は無粋か。
ともかく、そんな相手を容赦なく殺し、木野を殺し、今やガイアメモリを取り込んだ彼を、翔一は人間とはどうしても思えず。

未確認であったゴオマや、アンノウンに向けるそれを、浅倉に向けていた。

「間宮さん、皆下がってて。俺がこいつを倒す。木野さんの、霧島さんのためにも!」
「木野?……あぁ、あのグラサンの男か。良い殴り心地だったぜ、イライラが少しは晴れた」
「――変身!」

浅倉の挑発を聞くこともなく、翔一は叫ぶ。
瞬間光が辺りを包んだかと思えば、次の瞬間そこにいたのは最早生身の人間ではなく。
人間の無限の可能性を象徴する仮面ライダー、アギトであった。

その姿を見て、浅倉も満足げに笑って――。

「――変身!」

その腰に巻き付けられたVバックルに、白のカードデッキを叩き込んだ。


【二日目 深夜】
【E-2 焦土】

【津上翔一@仮面ライダーアギト】
【時間軸】本編終了後
【状態】強い決意、真司への信頼、麗奈への心配、未来への希望 、恐怖(小)、仮面ライダーアギトに変身中
【装備】なし
【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、医療箱@現実
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246対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:17:04 ID:BdiVsGB60


【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第40話終了後
【状態】 他人に拒絶されること及びもう一人の自分が人を傷つける可能性への恐怖、翔一達の言葉に希望、恐怖(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、ゼクトバックル(パンチホッパー)@仮面ライダーカブト、ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
0:何か……怖い……。
1:自分に出来るだけのことをやってみたい。
2:もう一人の自分が誰かを傷つけないように何とかする。
3:……それがうまく行かない時、誰かに自分を止めて貰えるようにする。
4:照井が死んだのは悲しい。一条は無事? どこへ行ったのか知りたい。
【備考】
※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。
※生前の記憶を取り戻しました。ワームの方の人格はまだ強く表には出て来ませんが、それがいつまで続くのか、またワームの人格が何をどう考えているのか、具体的には後続の書き手さんにお任せします。


【三原修二@仮面ライダー555】
【時間軸】初めてデルタに変身する以前
【状態】強い恐怖心
【装備】デルタドライバー、デルタフォン、デルタムーバー@仮面ライダー555
【道具】草加雅人の描いた絵@仮面ライダー555
0:目の前の浅倉への恐怖。
1:巨大な火柱、閃光と轟音を目撃し強く恐怖を抱く。逃げ出したい。
2:巧、良太郎と合流したい。村上、浅倉を警戒。
3:オルフェノク等の中にも信用出来る者はいるのか?
4:戦いたくないが、とにかくやれるだけのことはやりたい。けど……
5:リュウタロスの信頼を裏切ったままは嫌だ、けど……
6:間宮麗奈を信じてみたい。
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247対峙 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:17:27 ID:BdiVsGB60


【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】劇場版 死亡後
【状態】疲労(極大)、ダメージ(極大)、満足感、体の各所に火傷(治癒中)、仮面ライダーファムに変身中。
【装備】ライダーブレス(ヘラクス)@劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE、カードデッキ(ファム)@仮面ライダー龍騎、鉄パイプ@現実、ランスバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE、
【道具】支給品一式×3、サバイブ「烈火」@仮面ライダー龍騎、大ショッカー製の拡声器@現実
【思考・状況】
0:取りあえず目の前の仮面ライダー(アギト)でイライラを晴らす。
1:あのガキ(ダグバ)は次会ったら殺す。
2:イライラを晴らすべく仮面ライダーと戦う。
3:特に黒い龍騎(リュウガ)は自分で倒す。
4:殴るか殴られるかしてないと落ち着かない、故に誰でも良いから戦いたい。
【備考】
※超自然発火能力を受けたことにより、デイパックが焼けた可能性があり、そのまま走ったので何かおとした可能性があります。 また、おとした場合には何をどこに落したのかは後続の書き手さんにお任せします。
※カードデッキ(王蛇)@仮面ライダー龍騎が破壊されました。また契約モンスターの3体も破壊されました。
※テラーメモリを美味しく食べた事により、テラー・ドーパントに変身出来るようになりました。またそれによる疲労はありません。
※ヘラクスゼクターに認められました。
※変身制限、及びモンスター召喚制限についてほぼ詳細に気づきました。
※ドーパント化した直後に睡眠したことによってさらにテラーの力を定着させ、強化しました(強化されたのはドーパント状態の能力ではなく、非ドーパント状態で働く周囲へのテラーの影響具合、治癒能力、身体能力です)。今後も強化が続くかどうか、また首輪による制限の具合は後続の書き手さんにお任せします。


【D-1病院組全体備考】
変身制限に関して、完全に把握しました。
第二回放送時点での生存者の詳細について、志村純一のもの以外把握しました。
参加している全ての世界についての大まかな情報を把握しました。


248 ◆.ji0E9MT9g :2018/02/17(土) 11:20:36 ID:BdiVsGB60
以上で投下終了です。
ご意見ご感想、ご指摘などあれば是非ともよろしくお願いします。
また、3月になるまで投下できないと思いますが、その後はまた投下できると思うのでよろしくお願いします。


249名無しさん :2018/02/17(土) 19:45:11 ID:3KLB4YV.0
投下乙です!
それぞれの因縁となる相手が巡り会い、これから大規模の戦いが起こりそうですね!
翔一くんは浅倉と、総司や翔太郎はダグバとそれぞれ深い因縁がありますし。そして名護さんは渡を説得できるのかどうか?
そしてダグバ戦は何気に主人公ライダーが4人も集まっているという絵が、熱いのですけど凄く複雑な気分になります。変身しているのはダグバなので。


250名無しさん :2018/02/17(土) 22:55:05 ID:gkvi6rzM0
投下乙です。
偶然にもほぼ同時に現れてしまったマーダーを追い、それぞれ分散する対主催チーム。
主人公格も多い中で果たして誰がどう活躍し、そして誰かが脱落してしまうのか。
特に注目なのは同世界同士での話になる渡と名護さん。
考えてみればまだ第二回放送を過ぎたばかりとは思えないくらいクライマックスな展開。
次以降の予約はどれも戦闘話になりそうで楽しみですね。


251名無しさん :2018/02/23(金) 03:53:53 ID:InpOVpx60
投下乙です。
終盤に向けて加速して来ましたね。


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4 バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.03 (Res:970)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 4
1NPC :2014/11/29(土) 14:40:43 ID:9sZCm6p60
ここは仮想空間を舞台した各種メディア作品キャラが共演する
バトルロワイアルのリレーSS企画スレッドです。

この企画は性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
苦手な人は注意してください。


■したらば避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/15830/

■まとめwiki
ttp://www50.atwiki.jp/virtualrowa/

■過去スレ
企画スレ ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1353421131/l50
 Log.01 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1357656664/l50
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951One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:21:47 ID:qDFS4.2M0

「へッ、ワンパターンなこった」

 不敵な笑みと共に、さもつまらなそうな態度でハセヲは吐き捨てる。
 見る者全てを脅しにかかるように、鮮血を彷彿とさせる色合いだ。しかし、自分達にとってハッタリにすらならない。ハセヲが言うように、どんなエネミーだろうと負けるつもりはなかった。

「こんな広いエリアを用意して、アタシ達を消耗させるつもりか? だとしたら、随分と安っぽい手口だね!」

 揺光もまた、ハセヲに合わせるように煽る。
 この第六層はこれまでの攻略や、そしてかつて経験した月の聖杯戦争で通ってきたフロアと構造が異なっている。迷宮ではなく、演劇が繰り広げられるホールの如く広大な空間だった。
 5分というタイムリミットに加えて、エネミーの数でこちらを翻弄するつもりだろう。確かにこれだけの広さと、それを埋め尽くすほどの広さがあれば時間稼ぎはできる。
 タイムリミットをオーバーすればこちらが全滅するのだろうが、関係ない。誰一人として、怖気づいたりしなかった。

「さあ、さっさとかかってきやがれ! どんな奴らが相手だろうと、俺達が叩き潰してやる!」

 威風堂々とした態度で、胸を張りながらハセヲは前に踏み出す。
 その後ろ姿は禍々しいながらも、どこまでも剛健で頼もしかった。かつては畏怖の象徴とされた鎧も、自分達にとっては力強く見えてしまう。
 先導するハセヲの後に続くように、岸波白野もまた前に進もうとしたが。

「…………ッ!?」

 誰かの悲鳴と共に世界が揺れる。
 雑音が鳴り響き、視界が真っ赤に染まった。何の前触れもなく襲い掛かった衝撃によって、思わず足を止めてしまう。
 それから瞬き程の時間が経過した後、振動はすぐに収まる。だが、事態はそれだけで終わらなかった。

「な、何よこれ……どうなってるの!?」

 ブラックローズの叫びと共に、岸波白野も目を見開く。
 いつの間にか、自分達の周りには謎の障壁が囲んでいた。岸波白野とサーヴァント達は勿論のこと、ブラックローズと揺光も閉じ込められている。

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952One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:22:20 ID:qDFS4.2M0

「キシナミにレオ! どういうことだよ!? アンタらの世界でも、こんな罠が仕掛けられてたのか!?」
『いいえ! 月の聖杯戦争でこのようなトラップが存在したという記録は存在しません! 恐らく、GMが仕掛けたのでしょう!
 【5分以内に敵性エネミーを全滅させる】……恐らく、たった一人でこれから現れる全てのエネミーとの戦闘を強制させられるという意味でしょう!』
『例え、何人で挑戦を仕掛けてこようと、特定のプレイヤー以外は人質にされてしまう……つまり、ハセヲさんが勝たなければ、待っているのはゲームオーバーだけ……
 そうして、私達が挑戦したハッピースタジアムも多くのチームが犠牲になったから……その仕様を流用しているのかもしれません』

 レオとミーナの推測に、揺光は息を飲む。
 例えここからカイトが救援に駆け付けても、閉じ込められるだけだろう。ハセヲがエネミーを撃破しない限り、岸波白野達の脱出は不可能。
 つまり、ハセヲの勝利を信じる以外になかった。

「舐めたことしやがって……なら、俺がエネミー達を片付けて、キシナミ達を脱出させてやる!
 お前ら、そこで待ってろよ!」
「そいつは随分と頼もしい言葉だな、ハセヲ」

 ハセヲの叫びに応えたのは、唐突に発せられた男の声だった。



     †



 一瞬の足音の後に響いた声に、反射的に全身が震えあがる。そして振り返った途端、そこに現れた人物にハセヲは目を見張った。

「お、お前は……クーン!?」
「よっ、ハセヲ」

 ハセヲが『死の恐怖』として畏怖された頃より『The World』で多くの初心者プレイヤーを支えてきた銃戦士の男が立っていた。腰にまで届くロングヘアから放たれるサファイアの輝きと、その飄々とした笑みは見間違えようがない。
 そのいつもと変わらない様子に一瞬だけ全ての思考が停止して、張り詰めた緊張が揺らぐ。だが、すぐにハセヲの中で強烈な違和感が駆け巡った。何故、この男がダンジョンの中にいるのか。そしてこの異常事態にも関わらず、どうして平然と佇んでいるのか。
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953One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:22:51 ID:qDFS4.2M0

「なんで……なんで、こんな所に……なんでっ!?」

 だが、目前に広がる現実を受け止めることができない。志乃が失われる事実を三度も突き付けられたせいで、再会を喜ぶことなどできなかった。
 クーン達の存在も現実味を感じない。姿と声こそは寸分の狂いがなくても、根本的な何かが異なっていると警告している。ハセヲを囲むように立つ四人の笑顔は穏やかに見えても、その表情の中には底知れぬ悪意が広がっている。
 道に迷って、見知らぬ場所にたった一人で放り込まれた幼子のように。ハセヲはただ狼狽えることしかできなかった。その姿は、かつての『死の恐怖』として畏怖されていたとは思えない程に弱々しい。

「ま、まさか……お前らが……!」

 いなくなった志乃や、本来ならばいるはずのないクーン達がここにいる。
 その原因は心当たりがあるし、またこれまでだって何度も体感した。だけど、心と体がそれを受け入れているのを拒んでいた。
 そうであって欲しくないと願った。何か悪い冗談であってほしいと祈った。そんな微かな願いを込めて、言葉を紡いだけれど……

「そうよ。ハセヲ……私達四人と戦わないといけないの、たった一人で」

 たった一つの希望すらも無慈悲に壊したのは、志乃の言葉だった。
 最悪の宣告を突き付けられたハセヲの衝撃は凄まじかった。仮に現実の世界で背後から金属バットを頭部に叩きつけられても、ここまでの痛みを感じるのかどうか。
 熱い。寒い。辛い。悲しい。苦しい。痛い。死にたい。どんな言葉を用意したとしても、今のハセヲの感情を表現するに相応しくなかった。

「なんだよ、それ……そんなの、ありかよ…………!?」
「落ち着け、ハセヲ! 気持ちはわかる……俺達だって、気が付いたらこんな所にいたんだ。そして、あの榊から言われたんだ……『偽者のお前達の存在意義は、ハセヲ達と戦うことだ』ってな。
 つまり、ここにいる俺達はただのデータ。あいつらが作った、偽者の――――」
「――――ふざけんな! そんなの、納得できるわけがあるかっ!」

 クーンの声色で聞こえる説得は、しかしハセヲの怒号によって掻き消された。
 その慰めと気遣いはまさしくクーンそのものだった。そして彼の言い分は充分に納得できる。上の層ではソラだった頃の自分と深い関わりを持った司とカールがボスエネミーとして登場したように、今度は志乃やクーン達と戦わなければいけない。
 かつてのハセヲであれば、ここにいる彼らをただのデータを割り切って瞬時に叩き潰しただろう。そして今のハセヲは『死の恐怖』だった頃よりもレベルと技量の双方が格段に向上した為、ここにいる四人が一斉に襲い掛かったとしても負ける気はしない。
 だけど、そんな話ではなかった。『The World』で絆を深め合い、そしてあの世界で繋がることの大切さを教えてくれた彼らを切り捨てるなど、今のハセヲにはできなかった。例え、偽者の存在であっても。

「ごめんね、ハセヲ……君達を傷付けるようなことになって。でも、ここにいる僕達は偽者なんだ! 例え僕が倒されても、君が知っている本当の僕やガスパーには何の影響もない!」
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954One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:23:10 ID:qDFS4.2M0

「なんでだよ! なんで、そんな簡単に諦めようとするんだよ!? あんたら、今までハセヲと一緒に戦ってきただろ!? なら、何か方法が……!」
「そんなものはないって、揺光もわかっているはずだ」

 しかし、クーンの返事は凛冽たる雰囲気が滲み出ていた。常日頃、たくさんのプレイヤーに信頼されている彼とは思えない程に冷たい。
 そんな彼は今、笑みを浮かべている。あらゆる音と光を無くしたどす黒い牢屋に閉じ込められてしまい、全ての希望を奪われ、憔悴しきった者が浮かべるような自嘲だった。

「みんな、ここに来るまでに何度も戦ってきたでしょ? その中には、君達がよく知っている人だっている……それが、ここだと僕達になっただけさ。だから、気にすることはないよ」
「何で、何でそんなことを言うんだよ……そんなの、理由になる訳ねえだろ! アタシの知ってるシラバスだったら、そんなことは言うはずはねえ!
 もし、このままハセヲを悲しませるつもりなら……アタシは絶対、アンタを許さない!」
「変わらないね、揺光は。でも、だからこそ君のことを信頼できるよ。昔、僕がボルドーに襲われた時だって……君は怒ってくれた。ハセヲや、本当の僕達のこともよろしく頼むよ」
「ふざけんな! そんなのこっちからお断りだ!」

 シラバスは昔を懐かしんでいるようだが、揺光は未だに血を吐くように否定を続ける。

「……そうだった、な」

 そして、ハセヲは前を見据える。もう振り向くつもりはなかった。

「は、ハセヲ……?」
「悪かった、揺光。カッコ悪い所を見せちまって」
「何を言ってるんだよ、ハセヲ……あ、アンタ……まさか!?」
「すぐにお前らを助けてやるから、待ってろよ」

 そう言い残して、ハセヲは前に踏み出す。後ろから揺光達の静止するような叫び声が聞こえてくるが、もう止まる訳にはいかなかった。
 ここに来るまで何度も戦った。聞いた話によると、ブラックローズは実の弟をその手にかけてしまったらしい。きっと、その時の彼女は覚悟を持って戦い、勝利したはずだ。
 ハセヲと揺光だって、司やカールを相手に戦いを繰り広げた。だから、例え彼らがエネミーとして現れても、戦わなければ前に進めない。クーン、シラバスとガスパー、そして志乃……この四人を倒すのはハセヲの役目だった。


 ――ナゼ、汝ハ抗ウ? 我ハ汝。汝ハ我デアルトイウノニ
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955One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:23:32 ID:qDFS4.2M0



     2◆◆



 やめてくれ、と揺光は叫ぶ。けれど、ハセヲは止まろうとしなかった。
 自らの体躯ほどのサイズを誇る鎌を縦横無尽に振り回しながら、現れた四人にダメージを与える。勿論、四人とて決して弱くはなく、むしろこれまでのエネミーと比べると強敵の部類に入るが、ハセヲはそれを凌駕している。
 けれど、揺光はその優位を決して喜べない。それはブラックローズや岸波白野、そして白野を信頼するサーヴァント達も同じだった。

「うむ……何なのだこの壁は!? 余の剣でもヒビ一つすらも刻まれぬとは……! ええい、何とかならぬのか!?」
「むむ~! ここはこの玉藻めが思い切って魔力でぶっ放す方法もありますが……セイバーさんの筋力でも駄目なら、私の魔力も期待できませんね。この状況で、私とマスターが無駄に消耗するのは得策ではありませんし」
「それ以前に、君達がこんな所で全力など出してみろ! 私達全員が巻き添えになるのがオチだ! ここでできることは……ハセヲの勝利を、待つことだけだろう」

 アーチャーの苦々しい表情に、セイバーとキャスターは手を止めてしまう。
 この忌々しい牢獄を壊そうと何度も試した。けれど、誰が何をしてもこの壁は壊れない。この手で大剣を振るおうとも、蚊が止まった程度の衝撃があるかも疑わしい。

「レオ、ミーナ! 二人でこの壁をどうにかできないの!? このままじゃ、ハセヲは……!」
『僕達も今、皆さんを阻むファイアーウォールの解析をしています! ですが、異様なまでのデータ量を誇っているので、短時間で対抗プログラムを構築するのは不可能です!』
『仮に私達はそちらに向かったとしても、残された制限時間を考えると……』

 ブラックローズは助け舟を求めるが、レオとミーナから無情な返事しか来ない。
 揺光とて、二人の言い分は理解できる。自分達の攻撃をものともしない壁をプログラミングで解体するなど困難を極める。その上、このミッションのタイムリミットを考えると、二人に直接来て貰ったとしても間に合う訳がない。
 だけど、納得などできる訳がなかった。ここで諦めて、ハセヲを悲しませるようなことをしたくなかった。

「ハセヲッ! ハセヲッ! ハセヲオオオオオォォォォォォッ!」

 だから揺光はせめてハセヲの名前を呼び続ける。それが何の意味も持たず、また目の前で戦いを繰り広げている彼らには関係ないことを知りながらも。
 ハセヲは戦っているが、一瞬だけ見えた助けを求めるような眼を忘れない。本当は戦いたくないのに、自分達が人質に取られたせいで死ヲ刻ム影を握ることになってしまう。
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956One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:24:17 ID:qDFS4.2M0

「志乃」

 やがて残された敵は志乃だけになる。アトリに瓜二つな容姿の彼女と相対しながら、ハセヲは静かに構えた。
 パーティーのサポートが主な役割となる呪療士が錬装士と正面で戦っても勝ち目はない。志乃は追い詰められている。だけど、笑顔を絶やしたりしなかった。むしろ、これから起こる運命を望んでいるかのようにも見えてしまう。

「間に合わなくて、ごめん」
「ふふっ……なら、もう遅刻しちゃだめだよ? それから、がっかりさせないで。ハセヲを待っている人はたくさんいるでしょ?」
「ああ。俺はこれ以上、誰のことも失いたくない。みんなを……助けてみせる!」
「そっか。なら、彼女のこともお願いね」

 そんな微かなやり取りの中で、志乃はいつまでも微笑んでいる。きっと、ハセヲはこれまで何度もその笑顔に支えられたはずだ。
 だけどハセヲはそんな志乃に目がけて…………死神の鎌を振るった。ぐらりと、志乃の体は倒れていくが、その笑みを絶やすことはない。彼女なりに、ハセヲを安心させようとしているのかもしれない。
 貴方は何も悪くない。だから心配しないで。そんな想いが伝わってくるが、ハセヲはそれを素直に受け止められるのか。

「えっ……?」

 志乃のPCボディが崩れ落ちていく中、揺光は気付く。彼女が言葉を紡いでいることを。
 そして揺光と志乃は目が合った。偶然か、それとも志乃が最後の力を振り絞ったおかげなのかはわからない。けれど、震える唇から零れた儚い声は、自分に向けられているような気がした。揺光は耳を澄まし、志乃の遺言を掬い上げた。

「ハセヲのこと、お願いね」

 そんな声が聞こえた途端、志乃は跡形もなく消えていった。ガラスのように呆気なく、何一つの欠片も遺さないで。
 揺光は絶句した。闘技場へのゲートが開かれても、遠い世界で起こった出来事のように現実味を抱けない。
 ただ、無言を貫くハセヲを見つめることしかできなかった。

「…………お前ら、待っていろよ。すぐに出してやるから」

 そんな乾いた言葉を残しながら、ハセヲは真っすぐに走る。
 微塵も振り向く気配を見せないその背中が遠ざかっていくのを、揺光は眺めていることしかできなかった。
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957One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:24:34 ID:qDFS4.2M0

『私、こんな時だから明るく行こうって思っていたのに、すぐまた震えちゃって』
『こんなんじゃ私、ハセヲさんにまた怒られちゃいそうだな……』

 続くような囁きをハセヲはよく知っている。忘れるはずがない。
 その声の主をハセヲはずっと見てきた。共に戦い、共に笑って、この手で救いたいと願ったけれど、見殺しにしてしまった彼女だ。

『すいません。足手まとい、ですよね?』
『私は、』
『ここに居ます。そう信じていたい……感じていたい……』

 気配は微塵にもないけれど、彼女の声が聞こえてくる。
 異様なまでとも言える自己嫌悪と、自らを縛り付ける後悔。そんな彼女の姿をハセヲは何度見届けてきたか。かつてはただの理想主義者としか見ず、彼女の思想を嫌悪感で吹き飛ばすだけだった。
 だけど、今は違う。彼女がかけがえのない存在となった時から、この手で守れるように強くなりたかった。彼女だけではなく、クーン達だって同じ。けれど、彼らをハセヲ自身の手で殺してしまった。

『クスクス キャハハハ!』
『よかろう、ならば皆殺しである』

 しかし、ハセヲの中より湧き上がる慙愧の念を吹き飛ばすかのように。狭い世界に二つの狂笑が響き渡った。

『そうかね。では拷問を続けよう』

 続けて聞こえてきたのは、忘れもしない仇敵の嘲笑。エージェント・スミスの声に気付いた途端、ハセヲは驚愕と怒りで目をカッと開いた。

『―――あ、ああああアアアアアアああ唖吾痾合アア亜あ婀ア閼擧…………ッッッ!!!???』

 だが、耳を劈くような悲鳴へと変わってしまい、ハセヲの表情は凍り付く。
 そしてマク・アヌで起きた数多の悪夢が蘇った。スミスに傷つけられたせいで、彼女のPCボディは黒く変色していた。つまり、ここで再生されているのは、このバトルロワイアルにおける彼女の記憶だろう。
 かつて彼女はAIDAに囚われた。榊に願いを利用されてしまい、そのアバターと碑文が悲しく歪んでしまった。自分を認めて欲しい……虐げられ続けた彼女は、ただ自らの感情を吐露していた。

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958あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:25:20 ID:qDFS4.2M0



     3◆◆◆



 そうして辿り着いた先は、6度目になる闘技場エリアだった。
 相変わらずの無機質な色で満ちている。特別な飾りはなく、学習机のような道具だって何一つ備え付けられていない。だけど、ここには彼女がいることだけは確信できた。

「………………アトリ………………」

 だからハセヲは彼女の……アトリの名前を呼んだ。
 けれど、そこにいるはずの彼女は呪療士のアバターではなく、凶悪なモンスターの如くおぞましい姿だった。全身は常闇を彷彿とさせる漆黒に染まり、背中からは一対の巨大な翼が広がっていて、双眸は真紅に染まっている。
 最早、AIDA=PCと呼称するのもふさわしくない。だけど、その表情には確かにアトリの面影があった。

「……………………………………………………………………………………」

 ハセヲは茫然としながら、目の前に立つ彼女と視線を合わせる。
 彼女は泣いていた。大嵐の中に放り出されてしまった小動物のように、絶望した様子で震えている。かつて、榊に心の傷を利用された時以上に悲痛な面持ちだった。
 向き合うだけでも心が締め付けられるけど、視線を逸らすことなどできない。アトリはどれだけ否定されても理想を貫き通したのだから、それを裏切ってはいけなかった。
 例え、ここにいる彼女から拒絶されたとしても。

『ハセヲさん…………』

 そして、生徒会室からミーナの通信が聞こえてくる。先の戦いが行われた後だからか、彼女の声色は暗かった。

『ハセヲさん。
 わかっているでしょうが、そこにいるのはアトリさん……司さん達と同じように、あなたのために用意されたのでしょう。
 そして、あなたの前にいるアトリさんはAIDA=PC。恐らく、あなたも知らないアトリさんの一面だと思います』
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959あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:26:02 ID:qDFS4.2M0

「アトリ、俺は……!」
「嫌! 嫌っ! 聞かない! 何も、聞きたくない! あなただって、私のことを殺そうとしてるからっ!」

 その悲鳴が耳に入り込んだ途端、ハセヲは足を止めてしまう。
 彼女の嘆きを否定することができなかった。ハセヲがこの闘技場に現れたのは、アトリと戦う意志を示すことと同意義だから。
 そして、ハセヲの歩みはアトリに対する死へのカウントダウンに繋がる。一体誰が、その事実を否定することができるのか。

「あなたは……私のことを助けてくれなかった! 私のことを助けてくれると言ったのに、裏切った!
 苦しかった! 寂しかった! 逃げたかった! 怖かった! だけど、私は耐えたっ! きっと、あなたが助けてくれると……信じてたからっ!
 あなたが来てくれた時、私は安心した…………だけど、また裏切られたっ!」
「……アトリ……」

 アトリの口から発せられる怒涛の叫び。ハセヲはそれを耳にしながら、歩み続ける。それを阻害するかのようにアトリの触手は更に暴走するが、懸命に耐える。
 彼女が受けた苦痛や悲しみ……その全てを受け止めるのは誰の役目か? 他ならぬハセヲ以外にあり得ない。
 ここにいるアトリの言葉は、いなくなってしまったアトリの真実だろう。ただの虚構と切り捨てるなど、あってはならない。

「私はここにいたい……死にたくないっ! 生きていたい! 消えるなんて嫌っ!
 あなた達はここに来るまで……たくさんの敵を倒してきたでしょ? あなたは、志乃さん達を切り捨てた! だから私のことだって殺そうとしてるっ!
 私のことだって、偽者と決めつけて全てを奪おうとする! 私は、私はここにいるのにっ!」

 アトリの嘆きを否定することはできなかった。
 ハセヲは既に自らの手で関わりを持った者達を切り捨てた。彼らと同じように、ここにいるアトリのことだって殺そうとしているのは紛れもない事実だ。


 ――オ前ガ、二人ヲ殺シタノダト。


 あの夢で『憑神』であるスケィスから発せられた宣告が蘇る。
 まるで、あの夢を再現したかのよう光景だった。"表側"のゲームでは、かつてのスケィスによって志乃とアトリが命を奪われたように……今度はハセヲ自身の手で、二人の命が壊されようとしている。
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960あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:26:32 ID:qDFS4.2M0

「……俺なら、大丈夫だ…………」

 しかしハセヲはその助け舟を拒絶する。
 彼らの力はいらない。いや、むしろハセヲがたった一人で向き合わなければ、アトリは耳を傾けてくれなかった。

『ハセヲさん!? しかし、このままでは……!』
「だい、じょうぶ、だ……俺なら、大丈夫…………俺の話を、聞いてくれ……!」

 生徒会室で待っているレオ達と。そして、吐息のかかる距離にまで近付いたアトリに言い聞かせるように、ハセヲは言葉を紡いだ。

『…………わかりました。ですが、タイムリミットが迫っています。僕達が判断したら、その時は了承してください。ハセヲさんの犠牲は、あってはいけないことですから』

 その宣告を最後に、生徒会室から聞こえてくる声が止んだ。
 ありがとう。と、胸中でレオ達に告げながら、ハセヲはアトリをじっと見つめる。対するアトリは頭を振るが、構わなかった。

「……嘘。そうやって、あなたも私を騙そうとしてる! 都合の良い言葉を利用して、私を殺そうとしてるっ! 私はもう、あなたを信じて殺されたくないっ!」
「…………そうだよな…………」

 今はただ、アトリの言葉を肯定する事しかできない。
 "表側"でアトリの命を奪ったのはスケィスだ。そしてスケィスとはハセヲ自身でもある。ハセヲの過去が志乃やカイト、そしてアトリを殺してしまったことを否定するつもりはない。スケィスはここにいるのだから。
 でも、それを言い訳にアトリと向き合うことをやめてはいけなかった。耳を塞いで、自分を勝手な思い込みで縛り付けるなとアトリに伝えたのは誰だ? 他ならぬハセヲ自身だ。

「…………でも、聞いてくれないか? 俺は、志乃から頼まれたことがあるんだ。アトリのことを、お願いって…………」
「…………えっ?」

 志乃から託された最期の言葉を告げた途端、アトリから伝わる力が緩むことが伝わる。けれど、それで終わりな訳がない。

「嘘……そんなの、嘘に決まってる! みんな、消えたくないはずなのに……あなたが志乃さん達の命を奪って、私のことだって……!」
「嘘じゃない……嘘じゃない……志乃も、クーンも、シラバスも、ガスパーも……お前のことを、心配していた。揺光達だって、お前がここにいることを知ったら……助けるに決まってる。
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961あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:27:54 ID:qDFS4.2M0

「アトリ……」

 だからハセヲもアトリの名前を呼んだ。
 ゆっくりと、この身体に突き刺された手刀は抜かれていく。見た目はおぞましいが、元となるアトリの攻撃力が低いせいか深刻なダメージは負っていない。

「…………やっぱり、ハセヲさんはハセヲさんのままですね」
「俺は俺だ。間違えたり、立ち止まることだって、まだまだある。だけど……また歩き出すことだけはやめない。俺は、そう誓ったから」
「そっか……強いんですね、ハセヲさんは」

 そして、アトリは微笑んだ。
 その笑みはハセヲがよく知る笑顔だった。彼女だって、心に傷を負いながらも多くのプレイヤーを支えようとした。いや、辛い経験を乗り越えてきたからこそ、傷を持つ者の苦しみに寄り添えている。
 ハセヲもアトリの存在に何度支えられてきたか。彼女がいてくれたからこそ、乗り越えられた困難もあった。

「ハセヲさん…………ごめんなさい」
「謝ることなんかねえよ。今からでも、お前を助ける方法を見つけてみせる。そして、あのGMどもに……」
「いいえ。時間はないんです……ハセヲさんだって、わかっていますよね?」

 その言葉の意味に疑問を抱く暇もなく、彼女はゆっくりと後退する。
 唐突な動作に首を傾げるのと同時に、アトリは手刀を掲げた。未だに鋭利な輝きを放つ漆黒の刃より放たれる異様な気配に、ハセヲは目を見開いた。

「……アトリ?」
「ハセヲさんのことを裏切ってしまって、ごめんなさい……それと、歩き出すことをやめないでくださいね?
 助けようとしてくれて、本当に嬉しかった……本当の気持ちを伝えてくれて、ありがとうございます」
「ま、まさか…………待て、アトリッ!」
「……大丈夫ですから、ハセヲさん」

 ハセヲは前に踏み出すが、もう遅い。
 アトリは自らの胸を目がけて、その刃を突き刺した。

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962あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:28:32 ID:qDFS4.2M0



     4◆◆◆◆



 パリン、と甲高い音を鳴らしながら岸波白野達を閉じ込めていたファイアーウォールは消滅する。
 それが意味することはたった一つ。闘技場に向かったハセヲがボスエネミーの撃破に成功したことになる。

「ハセヲッ!」

 刹那、揺光は真っ先にゲートに向かって飛び込んでいった。
 無理もない。ハセヲが志乃達を模したエネミーと強制的に戦わされてから、彼女はずっと心配していた。
 それは岸波白野達も同じ。恐らく、この先で待ち構えているはずのボスエネミーだって、ハセヲの関係者のはずだ。

『…………白野さん、ブラックローズさん』

 残された岸波白野達も駆け出そうとした直後、ミーナの声が聞こえる。

『ハセヲさんは、ミッションをクリアしました……でも、ボスエネミーとして配置されたのがアトリさんだったんです。
 そこにいたアトリさんは、ハセヲさん達を助けるため……自ら、命を…………!』

 ミーナの震える声に、岸波白野は絶句した。
 ……まさか、アトリがボスとして登場した!? それにアトリが自らの手で命を絶った、だと!?
 それでは、志乃だけでなくアトリのことだって……ハセヲは二度も失うことになってしまう。
 GM達はどこまでハセヲの願いを踏み躙れば気が済むのか。ハセヲが守りたかった二人の命をいたずらに生み出し、そして使い捨ての駒のように扱う。
 そんなことを許される訳がない。結果的に、ハセヲが二人に死を導いたことに変わりはなかった。

「ハクノ! あたし達も行くわよ!」
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963あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:29:10 ID:qDFS4.2M0

「……ハセヲッ! アトリッ!」

 その時、この闘技場に新たなる声が響き渡る。
 叫びに反応して振り向いた途端、揺光が駆け寄ってくるのが見えた。遅れて、岸波白野やブラックローズも姿を現す。

「あ、アトリ……なんで、なんでこんなことに……!?」

 そして変わり果てたアトリの姿を見て、揺光は足を止める。
 震える揺光と視線を合わせるように、アトリはゆっくりと顔を上げた。

「揺光さん……ですか? よかった、助かって…………」
「良くねえよ! アンタがこんなになって……良いわけねえだろ! 今、アタシが助けてやるから待ってろ!」

 揺光は癒しの水をオブジェクト化させて使用する。だが、アトリのHPは回復しない。
 アトリのアバターの崩壊を前に、揺光は震えている。アトリを助けたいと願っているのは揺光も同じだが、どうすることもできない。
 既に蘇生効果の制限時間はとっくに過ぎている。ただアトリの最期を見届けることしかできなかった。

「…………なんで、なんで? アトリとまた会えたのに、こんなのって……ありかよ!?」
「揺光、さん……ありがとうございます……私のことを心配してくれて…………
 私、いつもハセヲさんを、悲しませてばかりだから…………ハセヲさんを、守って、あげてください……」
「アンタに言われなくても、そうするに決まってるだろ! だから、アトリも諦めるな!
 アタシは、ハセヲやアトリと一緒に『The World』でもっと冒険したいから……諦めないでくれよ!」

 ハセヲの気持ちを代弁するかのように揺光は叫ぶ。しかし、肝心のアトリはただ微笑むことしかできない。 
 白野とブラックローズは気まずそうに見つめている。霊体化して姿が見えなくなっている三人のサーヴァントも同じだろう。

「アトリ……アトリ……アトリッ!」

 ハセヲは必死にアトリの名前を呼び続ける。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


964あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:30:37 ID:qDFS4.2M0

「あ……あ、あ、ぁ、あ…………アトリッ、アト、リッ! アトリイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィッ!」

 ハセヲは慟哭する。アトリの喪失を嘆き、ただ涙を流すことしかできない。
 結局、何も変わらなかった。これ以上、誰も失いたくないと願っていたのに、それどころかむしろ自分自身の手で大切な人を殺してしまった。
 能無しだ。何も守れていないではないか。

「…………ハセヲッ!」

 崩れ落ちそうになるハセヲの体を、揺光が抱き締める。
 振り向くと、揺光もまた大粒の涙を流していた。ブラックローズも同じで、白野だけは悔しげに拳を握り締めている。
 そして、遅れて三人のサーヴァントも実体化する。皆、ハセヲを心配するかのように見つめていた。

「……揺、光…………?」
「ハセヲ! 今は、アタシ達を頼ってくれ! 頼ってくれよ!
 アタシ達は…………絶対にアンタの元からいなくなったりしない! ハセヲのそばには、みんながついてる!
 だから……だから…………!」

 むせび泣いているせいで、そこから先の言葉は遮られてしまう。
 だけど、彼女の気持ちは伝わってきた。そして、ハセヲは決して一人ではないことも。
 これまでだってそうだった。ハセヲが立ち止まりそうになっても、周りには多くの頼れる仲間がいる。

「…………………あ、あ、あ、あ、あ、あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 だからハセヲは思いっきり涙を流した。これまでに溜まったあらゆる悲しみを、胸の奥深くから空の彼方へと解放するように。
 自らの手で命を奪った仲間達に鎮魂歌を捧げるかのように。ハセヲの涙は止めどなく溢れ出ていた。



【第六層/二の月想海 クリア】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


965あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:32:36 ID:qDFS4.2M0

[チームの目的・行動予定]
基本:バトルロワイアルの打破。
1:理想の生徒会の結成。
2:ウイルスに対抗するためのプログラムの構築。
3:GMへのジャミングが効いているうちにダンジョンを攻略
4:ネットスラムの攻略
[現状の課題]
0:ダンジョンを攻略しながら学園を警備する。
1:ウイルスの対策
2:危険人物及びクビアへの対策
[生徒会全体の備考]
※番匠屋淳ファイルの内容を確認して『The World(R:1)』で起こった出来事を把握しました。
※レオ特製生徒会室には主催者の監視を阻害するプログラムが張られていますが、効果のほどは不明です。
※セグメントの詳細を知りましたが、現状では女神アウラが復活する可能性は低いと考えています。
※PCボディにウイルスは仕掛けられておらず、メールによって送られてくる可能性が高いと考えています。
※エージェント・スミスはオーヴァンによって排除されたと考えています。
※次の人物を、生徒会メンバー全員が危険人物であると判断しました。
オーヴァン、フォルテ
※セグメントを一つにして女神アウラを復活させても、それはクビアの力になるだけかもしれないと仮説を立てました。
※プレイヤー同士の戦いによってデスゲーム崩壊の仮説を立てましたが、現状では確信と思っていません。


※生徒会室は独立した“新エリア”です。そのため、メンテナンスを受けても削除されませんが、GMに補足された場合はその限りではありません。
※生徒会室にはダンジョンへのゲートが新設されています。
※VRバトルロワイアルは“ダンジョン探索ゲーム”です。それを基幹システムとしては、PvPのバトルロワイアルという“イベント”が発生している状況です。
※そのためダンジョン攻略をGM側は妨げることができません。
※ダンジョンをクリアした際、何かしらのアクションが起こるだろうと推測しています。
※生徒会室には言峰神父を除く全てのNPCが待機していて、それぞれの施設が利用できます。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


966あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:32:58 ID:qDFS4.2M0

【揺光@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP100%、強い決意、Xthフォーム
[装備]:最後の裏切り@.hack//、あの日の思い出@.hack//、PGMへカートⅡ(7/7)@ソードアートオンライン
[アイテム]:不明支給品0~2、癒しの水@.hack//G.U.×2、ホールメテオ@ロックマンエグゼ3(一定時間使用不能) 、基本支給品一式×3、ネオの不明支給品1個(武器ではない)、12.7mm弾×100@現実
[ポイント]:194ポイント/0kill
[思考]
基本:この殺し合いを止める為に戦い、絶対に生きて脱出する。
1:ハセヲ達を助ける為に前を走る。
[備考]
※Vol.3にて、未帰還者状態から覚醒し、ハセヲのメールを確認した直後からの参戦です
※クラインと互いの情報を交換しました。時代、世界観の決定的なズレを認識しました。
※ロックマンエグゼの世界観を知りました。
※マトリックスの世界観を知りました。
※バーサーカーの真名を看破しました。
※ネオの願いと救世主の力によってXthフォームにジョブエクステンドしました。
※Xthフォームの能力は.hack//Linkに準拠します。
※救世主の力を自在に扱えるかどうかは不明です。


【岸波白野@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP70%(+150)、データ欠損(小)、令呪二画、『腕輪の力』に対する本能的な恐怖/男性アバター
[装備]:五四式・黒星(8/8発)@ソードアート・オンライン、{男子学生服、赤の紋章、福音のオルゴール、開運の鍵、強化スパイク}@Fate/EXTRA
[アイテム]:{女子学生服、桜の特製弁当、コフタカバーブ、トリガーコード(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)}、コードキャスト[_search]}@Fate/EXTRA、{薄明の書、クソみたいな世界}@.hack//、{誘惑スル薔薇ノ滴、途切レヌ螺旋ノ縁、DG-0(一丁のみ)、万能ソーダ、吊り男のタロット×3、剣士の封印×3、導きの羽×1、機関170式}@.hack//G.U.、図書室で借りた本、不明支給品0~5、基本支給品一式×4、ドロップアイテム×2(詳細不明)
[ポイント]:0ポイント/2kill
[思考]
基本:バトルロワイアルを止める。
1:このゲームをクリアする
2:榊の元へ辿り着く経路を捜索する。
3:エルディ・ルーの地下にあるプロテクトエリアを調査したい。ただし、実行は万全の準備をしてから。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


967あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:33:24 ID:qDFS4.2M0

【レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP45%、令呪:三画
[装備]:なし
[アイテム]:{桜の特製弁当、番匠屋淳ファイル(vol.1~Vol.4)@.hackG.U.、{セグメント1-2}@.hack//、基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/2kill [思考・状況]
基本行動方針:会長としてバトルロワイアルを潰す。
0:バトルフィールドを破壊する為の調査をしながら、指令を出す。
1:ゲームをクリアする。
2:ハーウェイ家の党首として、いずれトワイスも打倒する。
[サーヴァント]:セイバー(ガウェイン)
[ステータス]:HP70%(+50%)、MP100%、健康、じいや
[装備] 神龍帝の覇紋鎧@.hack//G.U.
[備考]
※参戦時期は決勝戦で敗北し、消滅した後からです。
※レオのサーヴァント持続可能時間は不明です。
※レオの改竄により、【神龍帝の覇紋鎧】をガウェインが装備しています。
※岸波白野に関する記憶があやふやになっています。また、これはガウェインも同様です。
※ガウェインはサチ(ヘレン)の身に起きたことを知りました。
※蒼炎のカイトの言語を翻訳するプログラムや、通信可能なシステムを作りましたがどれくらいの効果を発揮するかは不明です。

【蒼炎のカイト@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP80%、SP80%、PP100%
[装備]:{虚空ノ双牙、虚空ノ修羅鎧、虚空ノ凶眼}@.hack//G.U.
[アイテム]:基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/1kill
[思考]
基本:女神AURAの騎士として、セグメントを護り、女神AURAの元へ帰還する。
1:ゲームをクリアする。
2:ユイ(アウラのセグメント)、騎士団を護る。
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968あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:33:55 ID:qDFS4.2M0


【第六層・二の月想海】
ミッション:制限時間以内に敵性エネミー及びフロアボスの撃破
ボス:アトリ@.hack//G.U. TRILOGY
イニスの碑文使いにして、AIDA=PCとなった呪癒士の少女。
TRILOGY本編の他にも、ゲーム本編及びバトルロワイアルでの記憶も引き継いだ状態で出現した。


969 ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:34:16 ID:qDFS4.2M0
以上で投下終了です。
何かご意見があれば指摘をお願いします。


970名無しさん :2018/02/15(木) 23:44:32 ID:OoD/o3Vs0
投下乙でした

これは、辛い。とても辛い……


名前: E-mail(省略可)
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5 要望スレ (Res:196)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 5
1管理人★ :2011/06/26(日) 00:38:18 ID:???0
管理人への要望等ございましたらこちらへどうぞ。

177名無しさん :2016/05/31(火) 11:29:12 ID:GIj3imm60
管理人さん
メールをお送りしましたので確認の方をお願いします


178名無しさん :2016/06/14(火) 22:15:17 ID:QtHi3CH.0
メールを送信しました。確認をお願いします


179管理人★ :2016/06/15(水) 23:42:29 ID:???0
>>178
対応いたしました。


180管理人★ :2016/07/01(金) 23:14:08 ID:???0
>>172での告知に基づき、スレッドの整理を行いました。


181名無しさん :2016/07/02(土) 21:06:46 ID:CafwbRAc0
管理人さん
メールをお送りしましたので確認のほうをお願いいたします。


182管理人★ :2016/07/02(土) 22:47:56 ID:???0
>>181
対応いたしました。


183名無しさん :2016/09/17(土) 15:52:28 ID:oORq2rI20
管理人さん
他板からの移転はOKですか?


184管理人★ :2016/09/17(土) 17:32:47 ID:???0
>>183
スレッド住人の総意に基づいて移転されるものであれば何ら問題ありません。
万一トラブルが発生した場合につきましては原則としてスレッド内で解決していただきますようお願いいたします。


185名無しさん :2017/02/23(木) 07:14:29 ID:/7/9SbFoO
すみません
アニメキャラ・バトルロワイアル4thの>>983の削除をお願いします


186管理人★ :2017/03/04(土) 09:21:32 ID:???0
>>185
対応済みです。
ご報告が遅れまして申し訳ございません。


187名無しさん :2017/03/04(土) 19:24:16 ID:o6KjPtpwO
>>186
ありがとうございました


188名無しさん :2017/11/07(火) 23:23:02 ID:js5PBB2Y0
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1501151750/246

企画荒らし書き込みの削除をお願いします。
問題と判断した場合は規制も視野にお願いします。


189管理人★ :2017/11/09(木) 18:55:39 ID:???0
>>188
対応いたしました。


190名無しさん :2017/12/09(土) 11:48:20 ID:QNZkQ8X.0
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>299>>301は企画、書き手諸氏に不適切な書き込みであると思われます
お忙しい中申し訳ありませんがご注視お願いします
問題と判断された場合は削除、規制等の対処をお願いします


191管理人★ :2017/12/10(日) 22:30:57 ID:???0
>>190
対応いたしました。


192 ◆.ji0E9MT9g :2018/01/27(土) 01:01:03 ID:EsaXLMV20
管理人さん、こんにちは、お初にお目にかかります。
さて、この度は過去ログに登録されました『平成仮面ライダーバトルロワイアル』につきまして新スレを立てさせていただきたくこのような要望を申し立てる次第であります。
もし可能なようであれば立てさせていただきますので、お返事のほどお願いいたします。


193管理人★ :2018/01/27(土) 22:48:48 ID:???0
>>192
当該スレッドの設立、問題ございません。
宜しくお願い申し上げます。


194 ◆.ji0E9MT9g :2018/01/27(土) 23:07:08 ID:EsaXLMV20
>>193
管理人様、お返事ありがとうございます。
それでは早速当該スレッドを立ち上げさせていただこうと思います。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。


195名無しさん :2018/02/11(日) 08:05:37 ID:elvYbJbY0
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>399>>401>>403は不適切な煽り、中傷の書き込みに見受けられます
申し訳ありませんが削除願います


196管理人★ :2018/02/12(月) 14:01:36 ID:???0
>>195
スレッドを精査し、当掲示板の基準に照らして問題のある書き込みについて削除いたしました。


名前: E-mail(省略可)
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6 アニメキャラ・バトルロワイアルIF Final (Res:408)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 6
1名無しさん :2017/07/27(木) 19:35:50 ID:uXx0gcb60
アニメキャラでバトルロワイアルをする企画、アニメキャラバトルロワイアルIFのSS投下スレです
企画の特性上、キャラの死亡、流血等の内容を含みますので閲覧の際はご注意ください。

【したらば】ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17138/
【wiki】ttp://www7.atwiki.jp/animelonif/
【前スレ】ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1460193388/
【地図】ttp://i.imgur.com/WFw7lpi.jpg


【参加者】
0/7【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
● 空条承太郎/ ● ジョセフ・ジョースター/ ● モハメド・アヴドゥル/ ● 花京院典明/ ● イギー/ ● DIO/ ● ペット・ショップ
2/6【クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
● アンジュ/ ● サリア/ ● ヒルダ/ ● モモカ・荻野目/○タスク/○エンブリヲ
0/6【ラブライブ!】
● 高坂穂乃果/ ● 園田海未/ ● 南ことり/ ● 西木野真姫/ ● 星空凛/ ● 小泉花陽
0/6【アカメが斬る!】
● アカメ/ ● タツミ/ ● ウェイブ/ ● クロメ/ ● セリュー・ユビキタス/ ● エスデス
1/6【とある科学の超電磁砲】
○御坂美琴/ ● 白井黒子/ ● 初春飾利/ ● 佐天涙子/ ● 婚后光子/ ● 食蜂操祈
1/6【鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
○エドワード・エルリック/ ● ロイ・マスタング/ ● キング・ブラッドレイ/ ● セリム・ブラッドレイ/ ● エンヴィー/ ● ゾルフ・J・キンブリー
1/5【PERSONA4 the Animation】
● 鳴上悠/ ● 里中千枝/ ● 天城雪子/ ● クマ/○足立透
1/5【魔法少女まどか☆マギカ】
● 鹿目まどか/ ● 暁美ほむら/ ● 美樹さやか/○佐倉杏子/ ● 巴マミ
0/5【アイドルマスター シンデレラガールズ】
● 島村卯月/ ● 前川みく/ ● 渋谷凛/ ● 本田未央/ ● プロデューサー
1/5【DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
○黒/ ● 銀/ ● 蘇芳・パブリチェンコ/ ● ノーベンバー11/ ● 魏志軍
0/4【寄生獣 セイの格率】
● 泉新一/ ● 田村玲子/ ● 後藤/ ● 浦上
1/4【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】
● 比企谷八幡/○雪ノ下雪乃/ ● 由比ヶ浜結衣/ ● 戸塚彩加
0/3【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
● イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/ ● 美遊・エーデルフェルト/ ● クロエ・フォン・アインツベルン
0/2【PSYCHO PASS-サイコパス-】
● 狡噛慎也/ ● 槙島聖護
0/2【ソードアート・オンライン】
● キリト(桐ケ谷和人)/ ● ヒースクリフ(茅場晶彦)
8/72

389完璧な世界 ◆ENH3iGRX0Y :2018/02/09(金) 19:29:58 ID:mV80gqw.0

「俺は銀を追ってたんだ」
「銀を? さっきまで一緒にいたのか」
「ああ、あいつは俺を逃がして、その後に消えちまった」

事情を聞いた黒は自分が銀の元へ近づいていることを確信した。

「黒、どうやってここまで来た?」
「奴はあの場所で待っていると言っていた。ここがゲートの中なのだとしたら、俺が望めば銀は居て、その場所にそこに辿り着ける筈だ」
「だが、同時に何かを失うんだぞ」

ゲートが何でもありなのは猫の承知の通りだが、その反面何らかの対価を要求される危険地帯でもある。
黒の方法で銀の元へ行くのはリスクが高いと猫は感じた。

「猫、お前はエドワード達と合流しろ。最悪の場合でも、参加者じゃないお前は御坂美琴に殺されることはない」
「それは良いが……黒、お前は……銀をどうする気なんだ」

黒は二年後の未来に於いて、ゲートの中心で恐らく銀を殺害した。
そのまま消息を絶ち、奇妙な事に猫はこの場で過去の黒と再会を果たしている。
だからこそ、既知感がある。この事態はあの時の二の舞ではないかと。
役者は蘇芳、ジュライからエドワード、雪乃、アンバー、ヒースクリフと様変わりしているが主軸は何も変わらない。

「聞け。良いか? 銀を救う手立てがあるかもしれない」

黒にとっては未来の、猫にとっては過去の、あの時のイザナミは殺す以外に止める手立てはなかった。
しかし、今は違う。役者が変わったことで新たな道も照らされてきているのだ。

「エドの錬金術なんだがな。美樹さやかって女の子が魔女っていう化け物になった時、あいつはその娘の魂を錬成して元の人間に戻していた」

魔女化したさやかを止める為にエドワードは錬成し、その巻き添えで猫も良く分からない謎の世界に行った事は強く印象に残っている。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


390完璧な世界 ◆ENH3iGRX0Y :2018/02/09(金) 19:30:37 ID:mV80gqw.0

「と、とにかく銀の奴は俺が知ってた昔の銀だった! それに殺すより、合理的で確実性がある方法があるはずだ……だから早まるな!」

「意外と仲間想いなとこもあるんだな」

猫は気恥ずかしさから、黙りこくってしまった。

「安心しろ。俺はただ、失った物を取り戻しに行くだけだ」

穏やかな笑みで黒はそう呟き、仮面を被ると猫に背を向けた。

「黒!?」

霧の中へ歩んでいく黒の背中を猫は追いかける。
ネコの疾走する脚力と、成人男性の普通の徒歩では明らかに前者が優位で容易に追いつける筈だ。
だが、二人の距離は縮まらない。走れば走るだけ黒の背中は小さく、霧に呑まれていくようだった。

「どうなってんだこの霧は……何で追いつけない……?」

ネコの体のせいなのか? それならば、猫はこの時ほど元の肉体を失った事を後悔した日はない。
ゲートの中心へ黒と銀と猫の三人で向かった際、組織に切り捨てられたが為にサーバーから切断された実質死んだ時でさえもこんな感情にはならなかった。

「待てよ……待て、行くな! 黒!!」

霧が晴れ、二つの人影はクリアになった猫の視界に写った。

「―――猫!?」

金髪を後ろに結んだ背の低い少年と、黒い長髪で剣を片手に掴んだ少女。
エドワード・エルリックと雪ノ下雪乃の二人だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


391完璧な世界 ◆ENH3iGRX0Y :2018/02/09(金) 19:31:01 ID:mV80gqw.0



【F-5/二日目/夕方】

【マオ@DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
[道具]カマクラ@俺ガイル、エカテリーナちゃん@レールガン
[思考]
基本:生還する。
0:エドと共に行動し、御坂美琴に対処する。
1:黒、銀……


【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
[状態]:疲労(極大)、ダメージ(中)、精神的疲労(大)、全身に打撲、右の額のいつもの傷、黒子に全て任せた事への罪悪感と後悔、強い決意 、首輪解除、腰に深い損傷(痛覚遮断済み)
[装備]:無し
[道具]:デイパック×2、基本支給品×2、ゼラニウムの花×3(現地調達)@現実、不明支給品0~2、ガラスの靴@アイドルマスターシンデレラガールズ、
    エドの作ったパイプ爆弾×4学院で集めた大量のガラクタ@現地調達。
[思考]
基本:生還してタスクの喫茶店にもう一度皆で集まる。
0:聖杯を壊し、御坂を倒す。
1:大佐……。
※登場時期はプライド戦後、セントラル突入前。


【雪ノ下雪乃@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】
[状態]:疲労(極大)、精神的疲労(極大)、友人たちを失ったショック(極大) 、腹部に切り傷(中、処置済み)、胸に一筋の切り傷・出血(小) 、首輪解除、右手粉砕骨折、顔面強打
[装備]:MPS AA‐12(破損、使用不可)(残弾1/8、予備弾倉 5/5)@寄生獣 セイの格率、アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース、ナオミのスーツ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
[道具]:基本支給品×2、医療品(包帯、痛み止め)、ランダム品0~1 、水鉄砲(水道水入り)@現実、鉄の棒@寄生獣
    ビタミン剤、毒入りペットボトル(少量)
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392完璧な世界 ◆ENH3iGRX0Y :2018/02/09(金) 19:31:24 ID:mV80gqw.0


【F-5/二日目/夕方】

【広川剛志@寄生獣 セイの格率】
[状態]:???、不死身、制限なし
[装備]:??? 、ペルソナ全書@PERSONA4 the Animation
[道具]:???
[思考]
基本:聖杯を手に入れる。
1:全てを果たし、そして終わらせる。

【アンバー@DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
[状態]:???
[装備]:???、ドミネーター@PSYCHO PASS-サイコパス-
[道具]:???
[思考]
基本:黒の為に動く
1:広川と戦う。


【???/二日目/夕方】

【黒@DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
[状態]:疲労(大)、右腕に刺し傷、腹部打撲(共に処置済み)、腹部に刺し傷(処置済み)、戸塚とイリヤと銀に対して罪悪感(超極大)、首輪解除
     銀を喪ったショック(超極大)、飲酒欲求(克服)、生きる意志、腹部に重傷
[装備]:黒のワイヤー@DARKER THAN BLACK 黒の契約者、包丁@現地調達×1
     傷の付いた仮面@ DARKER THAN BLACK 流星の双子、黒のナイフ×10@DTB(銀の支給品)、水龍憑依ブラックマリン@アカメが斬る
[道具]:基本支給品、ディパック×1、完二のシャドウが出したローション@PERSONA4 the Animation 、大量の水、クラスカード『アーチャー』@Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ
[思考]
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393 ◆ENH3iGRX0Y :2018/02/09(金) 19:33:47 ID:mV80gqw.0
投下終了です


394名無しさん :2018/02/09(金) 19:53:39 ID:bE4JGoxE0
>>393
投下乙です。
感想も書かずに恐縮ですがwiki収録のお手伝いをしようかなと思っています。
ゲリラ投下ということはこの作品は前編のような立ち位置で、次の投下も貴方がするということでよろしいでしょうか?


395名無しさん :2018/02/09(金) 20:29:36 ID:mV80gqw.0
>>394
そういうことになります
ややこしいタイトルにして申し訳ないです
本当は前編とか分かりやすくしようと思ったんですが思ったより長くなったので急遽細かいタイトルに別けてしまいました


396名無しさん :2018/02/09(金) 21:08:30 ID:zftyadfs0
>>395
わざわざ返信ありがとうございました。
これは個人的な質問ですが今回の先が気になる終わり方……ずばり次の投下はいつ頃でしょうか。前回の方は前編と後編の間が10日程度だったので、それぐらいでしょうか?
黒さんがどのような選択を選ぶのか楽しみに待っています!


397名無しさん :2018/02/09(金) 23:03:37 ID:mV80gqw.0
今月には投下しようと思います
本当は予約した方が良いんでしょうけどどうしてもはっきりとしたことが言えない状況なので
ここに来て本当に申し訳ないです


398名無しさん :2018/02/10(土) 22:34:16 ID:hbQMBy4E0
投下乙です
遂にこのバトロワの全貌が明かされましたね、アンバーは本当、いい女だなぁ
途中の俺ガイルパートは異様に再現度が高く、そう言えば氏がこの企画で最初に書いた作品に出てたのも戸塚君だったなぁ、
最初に脱落させたのも八幡だったなぁ、と氏の原作への思い入れが感じられました
主催陣営を欺き、婉曲的に破綻させたのは美遊だったのには驚くと同時に平行世界の士郎の願いを思い出し、儚い思いが湧きました

黒さんが銀とどう言う結末を迎えるのか、後編も全力待機させて頂きます、頑張ってください


399名無しさん :2018/02/11(日) 00:57:15 ID:kLjBQQO.0
ちょっと妄信的な書き込みが怖いな……ww


400名無しさん :2018/02/11(日) 01:36:27 ID:Zj./6.v60
普通に感想書いた人に対し妄信的とか何言ってんだこいつ
何かにつけて人を叩くのはやめて、どうぞ


401名無しさん :2018/02/11(日) 01:43:41 ID:ayWgsqks0
>>400
気を悪くさせてしまったのですねごめんなさい。
書き手が最初に書いたのは~
書き手が最初に脱落させたのは~
この書き込みがストーカーみたいで怖いと思ってしまいました……。


402名無しさん :2018/02/11(日) 02:11:29 ID:Zj./6.v60
ただ単に企画序盤から読んでて感慨深いってだけの事だと思うんですけど
その程度でストーカーだなんだと決め付ける方が怖い


403<削除> :<削除>
<削除>


404<削除> :<削除>
<削除>


405名無しさん :2018/02/11(日) 16:21:40 ID:BzdMH6fk0
削除申請はちょっと神経質過ぎるかなと思うけど>>398ももう少し誤解を招かない感想の書き方はできなかったのか
2~3行目の辺りに特に含みはありませんという方が無理がある


406<削除> :<削除>
<削除>


407名無しさん :2018/02/11(日) 17:10:15 ID:wEjVNsS60

投下乙です
最後の主催広川、普通の人間なのにも拘わらず、最終目的は主催の中で一番恐ろしかった
魂の人間牧場の様な発想にはゾッとする
エンブリヲが参加者落ちした理由の「性格」には思わず納得せざるを得ない


408名無しさん :2018/02/12(月) 18:29:45 ID:UjRdqrqw0
投下乙です
ラスボス戦が予想以上に厄介なことに、そしてナルトのイザナミを思い出してしまった
作品ごとに色んなギミックを回収しつつのギリギリの戦い
次はどんなネタがくるのか楽しみです


名前: E-mail(省略可)
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7 アニメキャラバトル・ロワイアル 2017 (Res:48)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 7
1 ◆ATykWUQR3E :2018/01/02(火) 21:29:04 ID:K53BxQpk0
 ここは2017年に公開されたアニメのキャラクターたちによるバトルロワイアルのリレーSS企画スレッドです。
 この企画は性質上、キャラクターの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
 苦手な人は注意してください。

【企画スレ】ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1513370169/l30
【地図】ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1423885.jpg.html

29少年少女と兎 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/14(日) 23:57:01 ID:XIyDundY0





「ハァーハッハッハ。のこのこやって来やがったな変態! 貴様の命運もここまでだ! コイツで息の根を止めてやる!」

ベアトリスの読み通りにもどってきた憂城にレイドは高らかに、高いところから告げる。彼は空に浮いてるのだ。身につけた奇妙な形の鎧の力で。
ガジェットアーマー。レイドに支給されたそのアイテムは実はかつてレイド自身が作った物だった。
飛行能力と魔力を放出する遠距離攻撃を併せ持つこれならば、地上にいる相手を一方的に攻撃し続けられる。

胸の部分についた赤い石に魔力を充填、それが光線となって放たれた。
憂城は斜め上に飛んで避け建物の壁面に着地。そのまま壁を駆け上がる。再度放たれた光線をかわしながら今度は反対側の建物へ。
三角飛びと壁面走りを組み合わせて上へ上へと超人的な動きで登っていく。

(だがアマイな)

十分な高さに達したと判断した憂城が飛びかかってきたところでレイドはさらに高度を上げた。
ガジェットアーマーはただ空にぷかぷかと浮けるだけではない。
急上昇に急降下、さらには急ブレーキまで可能な機動性、安全性とも最高クラスの飛行アイテムだ。
地上の兎がいくら跳ねたところで届くはずもない。
しかもいま相手は自由落下の最中。身動きできない空中でガジェットアーマーの攻撃を避けるすべはない。
これで積みだ。

レイドは赤い石を憂城に向ける――その眼前に銀色に光る刃が迫っていた。

「うおっ!?」

すんでのところで高度を下げる。憂城の投げた剣はレイドの真上ギリギリを掠めていった。
危ないところだった。あと一瞬でも反応が遅れていたら顔が真っ二つになっていただろう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


30少年少女と兎 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/14(日) 23:59:07 ID:XIyDundY0





彼女の脚力で憂城から逃げられるはずは到底ない。ではなぜ助かったかといえばそれは憂城がベアトリスを追わなかったからだ。
そもそも彼は最初からレイドにしか興味がなかったのだ。
最初に声をかけたのもその後の戦いも全て秘めた力を感じさせるレイドが目当てだった。
ベアトリスもずぶのド素人ではないし一度は憂城にスタングレネードを喰らわせたが、逆にいえばそれでもなお殺害にまで至れない程度の存在ということ。

いつどこでどんな敵と出くわすか分からない現状、そんな相手をわざわざ追いかけて殺すよりも別のことに時間を使うべきだと憂城は判断したのだ。
まさか彼女が偶然にも憂城の支給品、Cボールの能力に正通していて、それが周りに漏れるかもしれないとは考えもしなかった。
これは彼の落ち度というより運命のめぐり合わせというほかないだろう。
憂城にしてみればCボールは完全に未知の技術。ベアトリスはおろか全参加者を合わせても知っている存在がいるか怪しい代物だったのだ。

それに結局のところそんなことは大した問題ではないのかもしれない。
なぜならベアトリスは対憂城戦において最も注意すべき彼自身の能力、殺した相手とお友達になるネクロマンチスト(死体作り)の力を知らずに逃げたのだから。

憂城はレイドの死体を下ろす。魂の抜けたただの動く死体となったレイドが身体を起こした。憂城は屈んでレイドの目の前に参加者名簿を広げた。

「僕ねー、一緒に戦ってくれるお友達を探してるんだー。だからこの中に知ってる人がいるなら教えて」

憂城の『お友達』は基本的に喋らないがそれは喋る必要がないだけで喋れないわけではない。
質問されれば生前の記憶で答えることもできる。
もっとも複雑な思考ができないので必要な情報を引き出したいなら細かく何度も質問しなければならず時間はかかるが。
倒したいと思った宿敵のことも、守りたいと思った女の子のことも、一緒にいてくれた男のことも、『お友達』は訊かれるままに躊躇いもなく答えていった。




(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


31 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/15(月) 00:04:30 ID:ZCvsTpWU0
投下終了です

それとすいません。地図をダウンロードし忘れてしまったため正確なエリアが書けません
それと本文の後に
【参加者名@作品名】死亡
残り○○名
の文を入れ忘れました。もうしわけありませんでした


32 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/15(月) 00:09:26 ID:ZCvsTpWU0
【レイド@魔法陣グルグル】死亡
残り41名
だ。なにやってるんだ自分


33名無しさん :2018/01/19(金) 21:02:27 ID:7di1ND5M0
投下乙です。
最初の犠牲者はレイドとなりましたか。善戦虚しく、南無。
ベアトリスも形の割に中々クールな立ち回りで、今後に期待ですね。

あと地図ですが、どうにもすぐ見れなくなってしまうようで、申し訳ない。
サイトを変えてみたので、お手数ですがご確認をお願いいたします。配置図も更新しました。

地図
ttps://www.fastpic.jp/viewer.php?file=6388674457.jpg
配置図
ttps://www.fastpic.jp/viewer.php?file=4192382381.jpg


34名無しさん :2018/01/20(土) 22:00:40 ID:.kVxRetA0
おつ


35 ◆EPyDv9DKJs :2018/01/29(月) 13:30:34 ID:Q1Udsr9Q0
アンジェ 師匠で予約します


36 ◆FY./pCA9FM :2018/01/30(火) 18:54:19 ID:WYeyYuOY0
ジャック・ザ・リッパー、キノ 予約します


37 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:18:15 ID:gavtVJKU0
投下します


38 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:19:56 ID:gavtVJKU0
 D-4、この舞台の中央とも言うべき場所に位置する病院。
 聖杯大戦の舞台であったトゥファリス市街区の中に存在しており、
 都会のビルの中に違和感なく残る外見は、この場では少々浮いた建物になる。

 ある意味では、ここがスタート地点の参加者は恵まれているのだろう。
 今後のための包帯と言った応急処置、場合によっては武器、食料と多岐にわたる物資の調達。
 数多くの部屋があるので身を隠したり、逃走経路も数多く存在すると言ってもいい広さ。
 加えて、自身が受けた怪我の手当てや、それを狙って来る参加者と、中々人が集まりやすい。
 殺し合いをするしないどちらにおいても、此処がスタート地点は一つのアドバンテージになる。



『殺し合いの中で・b』



(随分厄介な状況ですね。)

 無人の病院の廊下を音を極力減らしながら歩く、一人の女性がいた。
 黒い長髪を持ち、身軽さを残しつつも整った格好をしており、
 落ち着いた雰囲気を持つ妙齢の彼女は、名簿には『師匠』と明記された女性である。
 ある国で警察を相手に篭城してる最中、目が覚めればあのホール、説明が終わればこの病院に招かれた。
 技術も、経緯も、全てが一切不明のまま自分は拉致され、首輪による生殺与奪の権利までも握られた状況。
 警察を相手するよりもずっと厄介な状況に彼女は巻き込まれていたが、さほど焦ったりはしなかった。
 元々波乱万丈な人生をしてたので、こういった危機的状況も十や二十どころの数ではない。
 これもそんな危機的状況の一つと思えば、普段通りの気構えでいけばいいだけのことだ。

(参加者は四十二名。一人で相手するのは難しい人数でしょう。)

 名簿に目を通した後、師匠は悩む。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


39 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:21:28 ID:gavtVJKU0
 彼女が狙ってみたのは、病室の鍵穴。
 弾丸は見事にヒットし、鍵穴は原形を留めていない。
 小さい的を狙えるのは師匠だからこそではあるものの、あくまで撃てればの話だ。
 説明書にあったとおり、銃を構えた状態でフレームを後退させ、コッキングを行う。 
 この銃、コッキングの際に片手を使ってフレーム全体を後退させる必要がある。
 一般的な回転式拳銃のコッキングはハンマーさえ引けばそれで澄むのだが、
 その特性上、必ず両手を使わなければコッキングが出来ないと言う問題を抱えていた。
 当然、多数のパースエイダーの経験のある師匠にとっても、これは性能が高いとはいえない。
 現在は晴れで、石造りの街並みとも言うべきトゥファリスにおいては影響は恐らくないが、
 環境にも影響されやすいと、後に進化していく銃としては、使い勝手のいいものではない。
 とは言うが、今はこれと予備の弾薬だけが武器であり、贅沢はいえなかった。

(さて、これから―――)

 病院でも散策しようかと思ったそのとき。
 その狙った鍵穴の病室から、窓が勢いよく開ける音が聞こえる。
 近く、もとい院内に参加者がいないとは彼女も思ってはない。
 寧ろ今の銃声は人をひきつける目的もあったのだが、
 まさか音を立てて存在を示すとは、予想はしていなかった。
 普通、銃声を聞けば警戒して音を立てないのが定石だからだ。
 わざと立てるのであれば、相手が頭が回らない例外を除けば、罠になる。

 一先ず、スライド式のドアを開けて部屋の様子を伺う。
 罠がありえる現状は、下手に突入はせず、軽く部屋を覗く。
 六人程人が寝かせられるベッドが並ぶ、無人の病室。
 此方には死角となる幾つかの機材や遮蔽物が存在しており、
 音の通りに窓は開いて、吹き込んだ風がカーテンを靡かせる。
 人の姿は見えないが、人がいたとされる形跡は残っていた。

「地図と・・・・・・あれは名簿でしょうか。それに―――帽子。」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


40 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:22:25 ID:gavtVJKU0
 申し訳程度の変装みたいなつもりとして師匠はそれを被っておいた。





 参加者と出会うことがないまま、師匠は病院内を物色していく。
 一通りは揃った病院だけあって、食料や医療器具、包帯と言ったものはある。
 とは言え、支給品と言う限られたものを使うというシステムのせいかは不明だが、
 目に付く所においての食料については、さほど品揃えがいいとはいえなかった。
 水分補給としてペットボトルのお茶を飲みつつ、二階を歩く。
 イマイチ殺し合いをしているという風には見えない光景だが、
 いつでも撃てるように、常に銃を手に握っていところは、
 これが殺し合いなのだと認識させるには十分だろう。

(?)

 二階を歩いていると、院内に響くエンジン音。
 音だけで何の音かは判断つかないが、次に起きたことを見た瞬間理解できた。
 病院の玄関から、一台の乗り物に搭乗し、走る人の姿を見かける。
 先の音も合わせ、院内で助走をつけていたことが十分に伺える速度だ。
 非常に目立つことをしているので最初は主催者関係の者かと思うが、
 首には生殺与奪の権利の象徴とも言う首輪がある以上、参加者だ。

(モトラドがあったのであれば、戦うべきだったでしょうか。)

 病院を散策していくうちに、分かったことがあった。
 この病院の周辺、まともな遮蔽物が余り少なく、かなり狙撃されやすい。
 あの咄嗟の判断で逃げると言う判断をした相手が、それに気づかないはずがなく、
 院内に残って邂逅を望んだが、まさか相手にモトラドがあるとは思っていなかった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


41 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:23:10 ID:gavtVJKU0
 彼女の行動は迅速だった。
 周囲に人がいないことを確認して、一つの病室へ鍵をかけて入る。
 明らかに一般人とは思えないが、当然ながら彼女は一般人ではない。
 彼女―――アンジェはスパイだ。それも、スパイ養成所では成績はトップの。
 アルビオン共和国の情報組織『コントロール』に属したスパイのエースなのだから、
 これぐらいの動きはできたとして、彼女の素性を知る者には驚かれることはない。

 複数のベッドが並ぶ、複数人を管理する病室。
 カーテンは閉じられており、外からは人の姿は確認しづらいのは、彼女にとって好都合だ。
 調べる以上、時間をかけるのだから出来るだけ無防備な姿は晒したくなかった。
 最初に目を通すのは地図。場所が、と言うより自分が何処に拉致されたかと言う意味で。

(どういうこと?)

 地図を広げて、アンジェは疑問に思った。
 彼女が通う、ロンドンの王国領域にある名門校、
 『クイーンズ・メイフェア校』がなぜか此処に存在するのだから当然だ。
 無論、ロンドンがこんな地図の首都ではないし、アラハビカなどの地域に至っては聞いたこともない。
 病院の周辺はルーマニアに類似した場所ではあるが、名前はトゥファリス。此方も聞いたことがなく。
 老人が参加者をからかうための悪戯とも思えたが、病院を移動する際に一瞥した窓には火山が見えた。
 地図上にも、病院の向かいに火山が存在していたことから、これが嘘とも思えない。
 それらを用意する手段などは抜きに、一先ずこの地図は本物だと仮定しておく。
 移動する場合に地図と照らし合わせて、本物かどうか見極めておけばいい。

(こっちは予想通りだけど・・・・・・全員いるようね。)

 次に目を通したのは名簿。
 自分だけがこの殺し合い来るとは思ってはいなかった。
 組織には『プリンシパル』、学校では『博物倶楽部』、
 そしてプリンセスの命名は『白鳩』と呼ばれたメンバーがいることぐらい。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


42 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:27:23 ID:gavtVJKU0
 アンジェは自分だけであれば、優勝も視野に入れてはいた。
 (情報漏洩を防ぐため、あの老人も殺害対象に含めているものだが。)
 けれども、彼女の仲間がいる以上は乗るわけにはいかない。
 自分達に誰一人気づかせることなく拉致して殺し合いに招いたのと、
 もし地図が本当にその通りであったのならば、願望を叶える力はあるのだろう。
 しかし、信用に値する理由はあれども、相手がその約束を守るとも思えない。
 確かに願いはある。彼女を、プリンセスを王女にしたいと言う願いを。
 だが、それをこの屍の山で築いたもので叶えたいものではない。
 手を汚すのを忌避するわけではない。スパイの仕事をしてる以上今更な話だ。
 彼女が殺し合いに乗らないのは、それがプリンセスの行動を否定するからだ。
 あの革命の時に入れ替わってから、彼女は自分が別人だと気づかれないように
 あらゆる方面において、プリンセスと偽る為に血の滲む程の努力をしてきて今に至る。
 元々スリだった彼女が、貴族として振舞えるように、誰の手も借りれず一人で戦い続けてきた。
 誰よりも彼女を想うアンジェが、努力を全て否定するような願いを叶えはしない。

 名簿のついでにルールブックも軽く目を通していたが、
 目を通しているが、ホールで言われた内容とほぼ同様だ。
 真新しい情報は注視すればいいかもしれないが、

「!」

 今しがた、銃声が聞こえた。しかも、この扉に向けられて。
 鍵の部分が見事にひしゃげており、鍵としての機能は失われている。
 何を意味するかなど、分かりきっていたことだ。『狙われている』と。
 素手での戦闘は養成所で相応の腕は持っているが、限度はある。
 相手が武器を持ってる状況で、素手で戦うと言う選択肢は最初からない。
 アンジェは聞かれても構わないともいいたげに、窓を開ける。
 相手に気づかれている以上、今更音を隠す理由はなく。
 途中で帽子を落とすが、他と同様に回収している暇はなかった。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


43 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:28:42 ID:gavtVJKU0
 病室の窓から出た外で、アンジェはそのバイクと類似した存在、
 モトラドと言う喋る二輪の乗り物『エルメス』を病院の壁に立てかけ、
 自身は病室の中にいるまま、情報の共有をしていた。

 最初、あの出会いの後アンジュはすぐにエルメスをしまった。
 見なかったことにしようとか、そういうわけではない。
 単純にこれを出すならば、外の方が適切だと判断しただけだ。
 外へ出て引っ張り出せば、明らかにデイバックに入りきらないであろう、
 十分な大きさと重量の乗り物だったのは、流石にアンジェも表情には出ないが関心を抱く。
 質量も、何もかも無視した仕組みは奇妙とは思うが、彼女の使うCボールも似たようなものだ。
 似たようなものなのかもしれないと言うことで、エルメスが喋れる疑問と共に保留にしておく。
 今必要なのは、エルメスの持っている情報である。

 エルメスは何故此処にいるのか分かっておらず、
 アンジェが説明すると『僕も大変な目にあってるんだ』と、
 随分と楽観視しているかのようにも感じられるが、真意は不明だ。
 エルメスもまた、彼女と似た経緯で拉致されたようであり、
 主催者に関する情報となりうるものは特になかった。

 説明を終えると、アンジェはキノについて尋ねた。
 先の言及から、参加者のキノとつながりがあるのは明白だ。
 キノ以外にも参加者の情報が得られたが、もう一つ重要な情報もある。
 この殺し合い、参加者に縁のある支給品を用意している可能性が高いこと。
 となれば、彼女が愛用する銃や、Cボールもあるのではないか。
 可能ならば確保はしたいが、何れも殺し合いにおいては有力な武器になりうるもの。
 確実に参加者との交渉が必要不可欠であり、色々難しくもある。
 (自分達にとって害ある存在が所持してれば、交渉もせず殺して奪い取るが。)
 情報と移動手段、此処に武器があれば満足ではあったが、残念ながら武器はなかった。
 モトラドの予備燃料のお陰で、探索の移動には困らないかもしれないが。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


44 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:30:05 ID:gavtVJKU0
「止めようがないからね。僕は喋れるだけで、
 君が僕を壊そうとしたら、抵抗は喋ることしかできないし。
 確かにキノは、長いこと付き合ってるパートナーなのは事実だけどね。」

「随分と薄情ね。」

 彼女もまた、情に流されず任務を遂行する。
 人のことは言えない仕事をしているのだが、
 エルメスにはそのことは伝えてはいないので、
 特にそれを言及されることはない。

「モトラドと人間の持つ価値観が同じとは限らない。
 君だって、誰しも同じ価値観を持っているって思わないでしょ?」

「そうね。」

 真意かどうかは全く分からない。
 表情の類がなく、声も普段通りの声とも言うべきで、
 エルメスがキノに何を抱いているのかを伺うことはできない。

「と言っても、一つだけ条件と言うか忠告。
 見ての通り、僕は運転手がいないと動けないんだ。
 だから、アンジェが危険を冒すなら忠告はするよ。
 それに納得できないなら、僕を使うのは余り勧められないよ。」

 走るのが、モトラドにおける『生きる』と言うこと。
 即ち、運転手がいなくなった瞬間、エルメスは死ぬと同義だ。
 もしもアンジェが死んで、殺した相手が移動手段を必要とせず放置したのなら。
 エルメスは自力で動けず、命を絶つことも叶わず、運転手を待ち続けなければならない。
 死よりも惨いということは、人であるアンジェにも理解できることだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


45 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:34:49 ID:gavtVJKU0
【1日目/昼/D-4 病院周辺】
【アンジェ@プリンセス・プリンシパル】
【状態】健康、エルメス運転中(結構なスピード)、ゴーグル(エルメス付属)、任務の際の格好
【所持品】基本支給品(名簿、地図はない)、エルメス@キノの旅、モトラドの燃料のタンクと給油用ポンプ×1@キノの旅、ランダム支給品0~1(ある場合確認済み、武器ではない)
【思考】
1:仲間と合流し、この殺し合いの打破
2:ある程度、殺し合いに乗ってる風を装う(スタンスは簡潔に言えばステルス)
3:聖杯、十二大戦、コロシアムを知る参加者に警戒
4:エルメスの言う人物を探す
5:クイーンズ・メイフェア校へ向かう
6:武器の確保(Cボールなど使い慣れたものを優先したい)
【備考】
※参戦時期は少なくともcace7、メンバーが揃った後
 (具体的なのは後続にお任せしますが、任務中の格好の時期)
※この殺し合いにノルマンディー公が関わってる可能性も視野に入れてます
 (可能性は無に等しいとは思うも、いた時のことを考えてる程度)
※エルメスから、一部参加者の情報を大まかに把握しました
 (エルメスの参戦時期次第で変動。キノと師匠(但し老人)は確定)
※現在病院から南東へ南下しています
※エルメスの運転に不慣れですが、彼女の才能なら時間はかからないでしょう
※地図、名簿は頭に入ってます。ルールブックは細かい所は読めていません

『エルメス@キノの旅』
『状態』無傷、燃料100%、黒蜥蜴星に興味
『思考』
1:アンジェと共に行動する
2:キノと会った時、どっちが運転するんだろう?
3:黒蜥蜴星? 聞いたことないから楽しみだ
『備考』
※エルメスの参戦時期は後続の方にお任せします
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


46 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:35:46 ID:gavtVJKU0
以上で『殺し合いの中でb・a』投下終了です
エルメスの状態表は他と紛らわしくないように『』にしてます

所謂意志持ち支給品なので、問題ありましたらお願いします


47 ◆2lsK9hNTNE :2018/02/02(金) 22:49:32 ID:glFvZs3E0
投下乙です
師匠とアンジェ、お互い顔は合わせていないのに相手を警戒して動くのが緊張感があって凄く面白かったです
結果だけ見ればどちらも警戒し過ぎた感がありますがあくまで結果論。どちらにも冷静さや頭の良さが感じられました
アンジェは同じような思考をしているときでもベアトリスに比べてスタイリッシュな雰囲気で格好いい

エルメスは自律行動できるわけではないし、支給しても問題ないと私は思います
一人と1台の会話もらしくて好きです。とくに黒蜥蜴星のところが


48名無しさん :2018/02/14(水) 21:54:27 ID:azjr4b9.0
投下おつです

>> 少年少女と兎

自分のなかでは変な魔法使うギャグキャラなイメージが強かったレイドがまさかの善戦に驚き
憂城の狂人でありながら戦闘を周到にこなすところなど、らしさがよく出ていたと思います
ネクロマンサー能力を知ることなくベアトリスが離れてしまったので、まだまだお友達作りは続きそう

>>殺し合いの中でb・a

登場話から筆談で主催を欺こうとするとはさすがスパイですね
ステルス対主催の立ち回りに期待です
師匠も冷静に淡々と戦略を構築していて、タダモノではない印象を受けました
積極的には動かない方針みたいですが、はやく戦闘してるところを見てみたい


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8 オリロワ2014 part3 (Res:24)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 8
1名無しさん :2018/01/14(日) 01:05:46 ID:/mu.QANY0
ここは、パロロワテスト板にて、キャラメイクの後投票で決められたオリジナルキャラクターでのバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www59.atwiki.jp/orirowa2014/pages/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16903/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1416153884/

参加者(主要な属性で区分)
0/5【中学生】
●初山実花子/●詩仁恵莉/●裏松双葉/●斎藤輝幸/●尾関裕司
2/10【高校生】
●三条谷錬次郎/●白雲彩華/●馴木沙奈/○新田拳正/○一二三九十九/●夏目若菜/●尾関夏実/●天高星/●麻生時音/●時田刻
0/2【元高校生】
●一ノ瀬空夜/●クロウ
0/3【社会人】
●遠山春奈/●四条薫/●ロバート・キャンベル
0/3【無職】
●佐藤道明/●長松洋平/●りんご飴
1/3【探偵】
●ピーリィ・ポール/○音ノ宮・亜理子/●京極竹人
0/3【博士関連】
●ミル/●亦紅/●ルピナス
1/3【田外家関連】
○田外勇二/●上杉愛/●吉村宮子
0/5【案山子関連】
●案山子/●鴉/●スケアクロウ/●榊将吾/●初瀬ちどり
0/2【殺し屋】
●アサシン/●クリス
0/6【殺し屋組織】
●ヴァイザー/●サイパス・キルラ/●バラッド/●ピーター・セヴェール/●アザレア/●イヴァン・デ・ベルナルディ
2/3【ジャパン・ガーディアン・オブ・イレブン】
○氷山リク/●剣正一/○火輪珠美
0/3【ラビットインフル】
●雪野白兎/●空谷葵/●佐野蓮
0/2【ブレイカーズ】
●剣神龍次郎/●大神官ミュートス
2/6【悪党商会】
○森茂/●半田主水/●近藤・ジョーイ・恵理子/●茜ヶ久保一/●鵜院千斗/○水芭ユキ
1/8【異世界】
●カウレス・ランファルト/●ミリア・ランファルト/○オデット/●ミロ・ゴドゴラスⅤ世/●ディウス/●暗黒騎士/●ガルバイン/●リヴェイラ
0/5【人外】
●船坂弘/●月白氷/●覆面男/●サイクロップスSP-N1/●ペットボトル
1/2【ジョーカー】
○主催者(ワールドオーダー)/●セスペェリア

【10/74】

5悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:23:14 ID:/mu.QANY0
「そうだね、侮っていたわけじゃないが、認識を改めよう。人間の五体はそこまで至れるのか」

人のまま己が五体を練り上げた達人の技量。
それは兵器に頼った森とも、人を捨て去った龍次郎とも違う。
規格外の怪力を持った怪物とはまるで違う強さの質だった。

「なに、これでもまだ頂には至らぬ身さ。未熟未熟」

正義でも悪でもない。
目的のために力を求めるのではなく。
ただひたすらに己を磨き練り上げることそのものを目的とした狂気。

人を破壊する事だけに特化した、世界を破壊する事ない人間と言う規格内の怪物。
悪威の抗体リストには世界を焼き尽くす炎や全てを切り裂く刃は登録されていても、達人の拳などというデータは入っていない。
こういう怪物もいる、という事だ。
規格外の怪物ばかりに目を向けていたからその足元を掬われた。

森茂の人生が世界を壊す怪物を倒すために捧げた56年だったとするならば。
この拳は人体を効率よく破壊するために四千年練り上げられた拳。
人と人との戦いとなれば勝てぬのは道理である。

「だが、――――――――」

だが、その道理を覆してこその森茂だ。
勝てぬのらば勝てる手段を作り出すまでである。
そしてその手段は既に完成しつつある。

魔拳士が構える。
悪威の特異性に気付いたからには狙うべくは漆黒の悪威に守られていない頭部だ。
身長差から狙いを付けるのが困難であるが、上背の相手に対する技も当然存在する。
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6悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:23:54 ID:/mu.QANY0
「おいおい…………さすがにこいつぁ」

打が通った感触がない。
体勢の崩れもなく、森はすぐさま反撃に転じ鍵爪のように変化した腕を振り下ろした。
だが近接戦の技量は次元が違う、その反撃は捌くに容易い、が。

「――――達人の拳、堪能させてもらった。だが、それもここまでだ」

悪党は宣言する。
ここから先、八極の打は通らない。

悪威は学習する。
未知の衝撃に対しても自動学習により闘いながら耐性を構築していく。
耐性が出来上がるまで相当なダメージが蓄積されただろうが、まだ動けているのだから森の勝ちだ。

モリシゲがこれまで何と闘ってきたと思っている。
未知の攻撃をしてくる相手など珍しいことではない。
そんな相手と戦ってきたのだ。
そんな相手から勝ち続けてきたのだ。
これまでも、これからも。

「そうかい? ここからだろ」

自身の研鑽を科学に否定されながら、拳士は変わらず揺らがず積み上げた八極の構え。
耐性など知ったことか。
すべきことなど一つ。
ただ打ち抜くのみ。

達人が集中に息を漏らす。
だが、その集中が僅かに乱れる。
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7悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:24:29 ID:/mu.QANY0
戦場を離れたユキたちが身を隠したのは小さな診療施設だった。
扉には鍵がかかっていたが、男が手をかざすと不思議と鍵が開き扉はすっと開かれた。
備え付けのスリッパに履き替えることもなく土足のままキィキィとなる薄い木の床を軋ませながら受付を通り過ぎる。
待合室を抜けて奥の診療室へと足を運ぶと、そこにはこの城の主が座っていたであろう丸い椅子と整頓され薬品やノート並べられた机があった。
そして部屋の片隅には、患者を寝かせる小さなベッドが置かれていた。
そのベッドの上へと抱えていた九十九をそっと寝かせる。

「鼻の骨が折れているようだ。道すがら応急処置はしておいたが、脳震盪も起こしているようだから無理はさせないようにね」

声をかけた方向からカタンという音が響いた。
フローリングの室内にローファーの足音を鳴らし、狭い診察室の入り口に立ち尽くす雪のような少女。
声をかけられても少女は俯いたまま。
暫くの沈黙の後、ようやくその口を開いた。

「どうして?――――お父さん」

付していた顔を上げる。
そこでようやく真正面から男の顔を見た。
厳つい顔に似合わぬ優しい目。
この目が悪党っぽくないからっていつもサングラスをしてたから、素顔は久しぶりに見た気がする。
その男は間違いなく森茂、その人だった。

「どうして、とは? 俺がここにいる事に対してかい? それともキミを助けたことかな?」

正直、そのどちらもだ。
移動している間に少しは頭も冷えるかと思ったが、考えが纏まらず混乱は増すばかりである。
拳正と闘っているはずの森がこちらにいるのは明らかにおかしいし、ユキを殺そうとした森がユキたちを助けるのもおかしい。
どう考えてもこの状況は、何もかもがおかしかった。

「そうだねぇ。まずはこの俺に関して答えようか」
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8悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:24:55 ID:/mu.QANY0
真実を知ろうとしたのはロバートの意思だ。
その死の原因となったユキにはその遺志を継ぐ義務がある。
だから追い求めようとした、何よりユキに関わることだ、知ろうとするのは当然の事である。
だけど遺志を継いだつもりでロバートの求めた真実とユキが求めた真実だって別のモノなのかもしれない。

自分は、自分たちは本当に愛されていたのか。
その愛は本物だったのか。
結局のところ、ユキが知りたかった真実はそれだった。
それが否定されてしまう事こそ何よりも恐ろしかったんだ。
だから最初から森はそれだけを答えていた。

「なら、あっちのお父さんはそうじゃないの…………?」

他の方法がなかった訳でもなく、生き残るためでもなく。
多くの手段からユキを殺す選択肢を選んだ。
だが残酷なその問いに父は優しく首を振る。

「いや。同じさ。あっちの俺もキミのことを大切に思っている」
「だったら…………! どうして………………?」
「君が大切だからこそ、殺さねばならない」

その結論がどうしても分からない。
生き残るためにそれしかないというのなら理解できる。
仕方ないと諦めもつくだろう。

だが、そうではない。
それではまるで、森がユキを殺したがっているようではないか。

「そう、それもまた真実だ。俺はキミを殺そうとしている」

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9悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:25:15 ID:/mu.QANY0
「世界のバランスを取るために、優勝しなくちゃいけないってこと…………?」
「少し違う。取り戻したかったのさ、俺は。この殺し合いはいい機会だった」
「取り戻したかったって、何を?」
「――――――決意をさ」

この世界には世界を捻じ曲げようと言う悪意がある。
その悪意から世界を守護らねばならない。
そう誓った、その決意を。

世界を守護る。それは人の身に余る偉業である。
人を捨てなければ大業は為らない。
故にモリシゲは捨ててきた。
情を、人間性を、不要なあらゆるものを捨ててきた。
そして世界を維持し続けてきた。
今こうして世界が成り立っているのは森のおかげであると言っても過言ではない。

「俺はこれまでそうやって来た。これからもそうするためにこれは必要な行為だ」

世界のバランスを取り永劫を管理する。
その為のナノマシン技術による延命計画。
肉体は体組織を作り替えれば維持できる、不老不死もいずれ遠くない未来に可能となるだろう。
だが、精神はそうはいかない。

つまるところ――――彼は疲れたのだ。
世界のため人間性を捨て続ける日々に。

最初から非人間であったのならばよかったのかもしれない。
だが彼は愛に満ちた男だった。
恋人を愛し、家族を愛し、仲間を愛し、隣人を愛する。
そんな当たり前の人間だったのだ。
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10悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:25:56 ID:/mu.QANY0
「だがそれでいいのさ。その矛盾を飲み込み、悪と知りながら悪を成す。
 故に我らは名乗るのだ――――悪党と」

一つの信念を錆びず変わらず長年持ち続けらるのならば、それは正真正銘の怪物だ。
あるいは、とっくに壊れているのか。

「さて、少し口を滑らせすぎたかか。あの娘に中てられたようだ」

ベッドに寝かした九十九を見つめる。
唯一使用したロバート・キャンベルが自分自身を分裂させるという例外的な使用法であったため表立つことはなかったが。
生み出された分身体は基本的に産み出した者の味方であり、僅かながらその影響を受ける。
その僅かが、こちらを選んだ森茂とあちらを選んだ森茂の行動を分けたのだ。

「滑らせついでに謝ってしまうと、キミの両親が死んだあの襲撃、あれは俺のせいだ。
 詳しくは言えないが、キミ達家族が襲われたのは俺の因果に巻き込まれたからだ。これに関しては恨んでくれてもいい」

散々心を乱してきたユキだが、その告白に対してその心中に意外にも驚きはなかった。
きっと心のどこかでそんな気はしていたからだろう。
たまたま襲われていたところに都合よく駆けつけるなんて、そんなことがあるはずがない。

「なら…………お父さんが私を気にかけてくれるのは、その責任を感じているから?」

それでも恩人であることには変わりなく、それに関して責任を感じていることは理解していたから。
責める気にも恨む気にもなれなかった。
ただ、注がれた愛が同情や責任によるものだったなら、それはあまりにも悲しすぎると言うだけで。

「いいや、違う。まるっきり関わりがないという訳ではないが、そういう責任からではないさ。
 家族に会いを注ぐようにキミに愛を注いできたつもりだ」

ギュッと両手で手を握りしめられる。
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11悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:26:33 ID:/mu.QANY0
「あんだテメェら、双子かぁ?」

眉にしわ寄せ少年が、訝しげな声を上げる。
それは奇妙な光景だった。
同じ顔をした男が、同じ声、同じ仕草で対峙している。
一卵性双生児であればそれもあり得るのだろうが、よもや生き別れの兄とここで出会ったいう事もあるまい。

どちらにも対処できるよう、それぞれを頂点にして三角形を描く位置へと距離を取る。
苦戦を強いられている中、同レベルの敵が増えたとなれば、さしもの達人とはいえ少々厳しい状況となるのだが。
ちらりと先程まで争っていた方の様子を窺うが、どうやら乱入者にこちら以上に驚いている様子である。
少なくとも味方の増援を待っていた、という雰囲気ではなさそうだ。

「…………君は、誰だ?」
「尋ねずともわかるだろう? 悪威を着ている以上、幻覚や幻影ではないという証明は成されている」

悪威の万能耐性は精神耐性まで含まれる。
逆説的に目の前の存在が夢幻でないという証明となっていた。

目の前に現れた『自分』を見る。
失ったはずの右腕も健在。
体の傷もかつて刻まれた古傷ばかり。
それはこの会場に来たばかりの森茂の姿その物だ。

幸いと言うかなんというか三種の神器まではないようだ。
と言うより衣服すらなく、加えて言うなら首輪もない。
体内ナノマシンを表面化させ、全身を黒い鎧で覆っているようである。

「クローン? それともコピーか、まさかドッペルゲンガーやスワイプマンという訳じゃあないんだよね?」
「さて、そんなことはどうでもいい事だろう」

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12悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:27:27 ID:/mu.QANY0
「そちらが二人なら、こちらも二人でいくまでだ」

言って。荷物の中らから首の消失した死体を引きずり出した。
一見すればただの猟奇死体だが、その死体が何であるのか、もう一人の森にはすぐさま理解できた。
何せよく弄った体だ、見覚えがあって当然と言える。
それは一億人に一人のナノマシン適合者、鵜院千斗の死体だ。

その死体の全身にふつふつと黒い斑点のような穴が開き始める。
まるで大量の虫に喰われていくように肉体が欠けて行き、最後には骨すら残らず消え失せた。

「おやおや。もったいないねぇ」
「そう言わないでよ。命あっての物種ってね」

ナノマシン適合者の死体。
元より研究材料としても持ち帰るつもりだった代物だが、見方を変えればそれはナノマシンの詰まった宝物庫であるという事だ。
その死体を悪刀によってバラバラに解体して体内に取り込めば、一時的なドーピングとして利用できる。
適合率と首輪による制限がある以上、パワーアップとはいかないが消費した不足分程度は補えるだろう。
そして、これだけあれば切り札が切れる。

「では、早々に終わらせよう。所詮君たちは俺にとっては前哨戦だ」

強敵に取り囲まれながら大胆にもそう言い放ち、森が左腕にはめ込まれた砲を構えた。
消滅砲『悪砲』
あらゆるものを消し飛ばすその一撃ならばなるほど早期決着にはうってつけだ。

だが、それはあくまでも当たればの話である。
どのような一撃であれ、来ると分かっているのならこの達人は躱す。
悪砲の特性を理解している森も同じく、そう簡単に当たりはしないだろう。

そんな事は砲撃手だって理解している事だ。
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13悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:28:23 ID:/mu.QANY0
とは言え、触れるものすべて消し去る消滅刀は防御はおろか受け流す事すら許さない。
選択肢はただ一つ避ける事だけ。
魔拳士は振り下ろされた斬撃の軌道を見切り、紙一重で身を躱す。
そして反撃へと転じようとした所で、その体がクンと消滅刀へと引き寄せられた。

「な…………ッ!?」

暴風に巻き込まれているからではない。
消滅した空間が損失を補填するように周囲を常に取り込み続けているのだ。
紙一重での回避では空間ごと巻き込まれる。

そう気付いた時にはもう遅い。
白い闇に引き寄せられる。
この刃に触れればあらゆる存在、それこそ剣龍龍次郎であれ消滅は避けられない。

だが、一瞬の後に巻き込まれんとする拳正の体が、横合いから蹴飛ばされた。
拳正と入れ替わる様にして、割り込んだのはもう一人の森だ。
その危険性をよく知る森は蹴り飛ばした反動で躱すが、完全とはいかず消滅に巻き込まれ僅かに皮膚の表面が剥げる。
赤い肉が露わになりそこからふつふつと血が沸き立つ。

だが直後。ボコボコと剥がれた皮膚の表面が泡立った。
傷口が塞がって行き、一瞬で修復され、黒い膜でおおわれる。

首輪がないという事はナノマシンの活動に制限がないという事だ。
三種の神器はなくともこちらのモリシゲには人の域を超えた異常再生がある。

「ああっ。俺ってメンドクサイなぁ…………ッ!」
「まったく気が合うね、俺もそう思うよ……ッ!」

そう言いながら、もう一人の森は引く。
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14悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:29:04 ID:/mu.QANY0
悪無を潜り抜け打を放つことは出来るだろう。
だが、体勢を崩そうにも崩せない。
何一つ衝撃を受け付けない相手に恐らく投げ技も通じまい。
こうも警戒されては頭部を狙うのは無理だろう。
ならばどこを狙うのか。

坦。と地面を蹴って懐へと踏みこむ。
暴風と共に迎え撃つ消滅刀。

暴風の中で息を吸う。
呼吸は力の源だ。
丹田に込めた力を爆発させるように息を吐き発勁を高める。

悲鳴のようなうなりを上げて振り下ろされる消滅刀。
それに合わせる様に拳を合わせた。

狙いは一つ。ただ一点頭部以外にも悪威に守られていない個所がある。

――――白い闇を吐き出す左腕に填められた悪砲そのものだ。

悪砲はナノマシン技術を応用した超合金によって構成されているが、悪威のような自動耐性を兼ね備えているわけではない。
並みの攻撃で破壊されるような強度ではないが――――では並みではない攻撃ならばどうか。

瞬間、大爆発が起きた。
砲撃のような一撃に悪砲が大きく軋みを上げる。

「………くぅッッ!!」

武器を持つ手を強かに弾かれ、森の体勢が完全に崩れた。
だが同時に拳正の拳の皮が剥げ、漏れ出した血液が吸込まれていくように消えてゆく。
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15悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:29:28 ID:/mu.QANY0
こんな拘束、達人に掛かれば一瞬で振り払える。
だが、決着は一瞬もかからなかった。
ビクンと少年の体が弾けるように跳ねて、そのまま地面へと倒こむ。

この悪威はありとあらゆる規格外の超常を相手取るために開発された万能兵器だ。
その中には当然、対霊も含まれる。
そして与えられた情報を解析し耐性を自動的に作り上げるという特性は単なる防具の範囲に収まらない。

崩れゆく悪威を右腕の悪刀と接続。
蓄積した情報を共有、掴んだ腕から霊的ショックを流し込む。
肉体にダメージはないのだが、降霊である以上これには耐えようもない。
触れた瞬間、気持ちよく成仏しただろう。

口元の血を拭う。
己が現身は消滅し、八極に達した魔拳士は去り、残るは未熟なその弟子のみ。
悪威は破壊され、悪砲は消滅し、残ったのは残り僅かな悪刀だけ。
こうして生きて立っているのだからモリシゲの勝ちだ。

あの男が用意した自らを殺そうという運命、その尽くを退けた。
その事実はそれなりに痛快である。

「く…………ぁ」

少年の口から呻きが漏れた。
取り付いた稀代の八極拳士の霊は排除したが、憑代となった少年が死んだわけではない。
意識こそないものの、ここで見逃すモリシゲでもない。
失った右腕を左腕のように補完して、その漆黒を振り上げる。
だが、振り下ろさんとするその手がピタリと止まった。

何か喜ばしい物を見たように悪党が笑う。
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16悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:30:31 ID:/mu.QANY0
結局、ユキは残ることを選んだ。
いいや違う。何も決断できなかったと言った方がいいだろう。
ただ動けなかっただけ。

診察室の椅子に座りながら落ち込む様に俯いて肩を落とす。
どうすればよかったのだろう?

分裂したもう一人の父から語られた話によって。
父が本気で自分を愛していることも、父が本気で殺そうとしていることも理解した。
それを喜べばいいのか、悲しめばいいのか。
そんな自分の感情すら理解できないでいた。

自分を殺そうとする父を戦うか?
それこそ無理だ。
勝ち目がないからではない。
結局のところ、自分は最後まで父を敵視することなどできなかったのだ。

だって、恩を返したいとずっと思っていた。
他の孤児院の皆もそうだ。
だから、危険な仕事だって喜んで引き受けた。
その結果が無残だったとしても、死んでいった仲間たちも誰一人として父を恨んでなどいなかっただろう。

それはユキも同じだ。
例え父が自分を殺そうとしてたのだとしても、恨めない。
与えられた愛情が本物だったと言うのならなおさらだ。

結局のところ父にとってはどちらも大事で、より大事なモノを選んだだけ。
苦しいのは父も同じだ。そんな父を憐れにすら思う。
そんな心情でどちらの父の味方もできない。
だから、動くことができなかった。
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17悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:31:12 ID:/mu.QANY0
「けど後悔しないように生きるって決めたから。私は生きて、生き残るの。そのために行かなくちゃ」

なんて強欲なんだろう。
死にに行くのではなく生きに行く。
後悔しながら生きるか、後悔せずに死ぬかではなく、後悔せずに生きるにために九十九は行くのだ。

そうすると決めたからそうするだけ。
彼女にとってはそれだけの事。
思えば拳正も、父だってそうだった。
それができない弱者はユキだけ。

ユキだってそう願った。
何かもを取りこぼしたくないと願ったはずなのに。

ユキは途端に動けなくなる。
普段だってそうだ。
いざと言う時になると引っ張るのはどんな状況でも奔放なルピナスや、意外と土壇場に強い夏実だった。

「どうやったらあなたたちみたいになれるかな…………?」

ポツリとそんな本音が漏れた。

「ん? わたしたちって私や拳正みたいにってこと?
 いやー。なんない方がいいでしょ私たちみたいなのなんて」

冗談めかした本音だったが、沈痛な面持ちのまま無言でいるユキの態度を見て。
考えたこともなかったが真剣に考えてみる。

「多分、バカだからじゃないかなぁ。いやホント……自分で言うの何なんだけどさ。
 難しい事を考えず、大事なモノが大事だから、それだけしか見えてないんだよ」
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18悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:32:38 ID:/mu.QANY0
「やあ、ようやく戦う気になったのかい。ユキ」

現れた少女を見て悪党は笑った。
待ち人が来たのだ、それは喜ばしい事だろう。
だが、対照的に険しい表情をした白い雪のような少女は首を横に振った。

「いいえ、違うわ」

彼女は戦いに来たのではない。
彼女がここにきたのは別の目的のためだ。

「助けに来たの、お父さんを」
「残念だったね、キミを助けた方の俺はもう消えたよ」

消滅刀の暴走に巻き込まれ分裂体は消滅した。
それを知り、痛みを堪えるような悲痛な面持ちでユキは俯く。
それでも再び顔を上げて森から目をそらさず、強く在ろうと視線を維持する。

「……そう、それは残念だわ、本当に。
 けど違うわ、私はあなたも救いたいのよ、お父さん」

その言葉がよほど意外だったのか。
暫く森は動きを止めると、呆れたように溜息をもらした。

「俺から何を聞かされたのかは知らないが。
 救いなど気安く口にする物じゃあないよユキ」

他者を救うということは言葉にするほど簡単な話ではない。
特に森ほどこじらせた人間を救うことなど不可能に近い。

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19悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:33:45 ID:/mu.QANY0
「さあ、覚悟はできたかい? それとも撤回するかい。まあどっちにしても殺すけれど」

森が僅かに歩を進める。
悪威は破られ、悪砲は壊れた。
残ったのは失われた両腕に当てられる僅かな悪刀のみ。

増強したナノマシンは強敵二人を退けるのに大半を使用した。
悪刀及びナノマシンの残量からして気体化、液体化は不可能。
その密度はもはや元の腕よりも軽いくらいだ。

だが、それでも。
ひよっこ一人に勝利するには十分に過ぎる。
降りかかる運命を退け続けた大悪党である。
小娘など相手になどなる物か。

「さあ来い小娘! 我は悪党商会社長、森茂である。この世全ての善と悪を知る大悪である!」

悪党を見定める戦いに相応しいく悪党らしく名乗りを上げる。
己が矜持を示すように。

「悪党商会戦闘員、水芭ユキ。行きます!」

それに倣うようにユキも名乗りを返す。
ここから先は父と娘ではなく、悪党同士の戦いだ。

氷の刃と変形した漆黒の右腕が交錯する。
打ち負け、砕け散った氷が粒となって宙に舞い、月明かりに反射して光輝く。

「くっ…………!?」

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20悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:35:01 ID:/mu.QANY0
「ッ!?」

だが全身を一本の槍とした突撃は止まらず、突撃を受けた氷壁が砕ける。
勢いを止めぬ突撃から、何とか身を躱す。
飛び込むようして前転し、立ち上がる。

細かな狙いをつけられないと見るや、瞬時に大雑把な突撃に攻撃方法を変更した。
軽量級のユキでは森の全力突撃を受ける事など不可能だ。
ユキに対して嫌になる程有効な攻撃である。

再び突撃槍が迫る。
その足止めに氷の矢を連射する。
だが豆鉄砲を連射したところで戦車が止まるはずもない。
降り注ぐ矢を全て弾き飛ばしながらユキに向かって一直線に迫る。

止まらない。
半端に攻撃していたのが災いした。
避けきれず、槍の先端がユキの脇腹を掠めた。
僅かに掠めただけなのに、ユキの体は吹き飛ばされるようにバランスを崩して倒れる。
学ランが裂け、白い肌に一筋の朱が浮かんだ。
あと数センチ深ければ、臓腑がポロリと飛び出していただろう。

「どうした!? この程度か、水芭ユキィ!」

怒号のような森の叫び。
容赦などない。
倒れたユキを粉砕すべく、全力で地面を蹴る。

「私は…………」

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21悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:36:50 ID:/mu.QANY0
「ッ! お父さん…………!?」

身を起こし、倒れた森へと駆け寄る。
森の隣でその手を取ろうとして、森がそれを制した。

「さて、あまり時間もない事だし、伝えるべきことを伝えよう」

悲観的な別れではなく、淡々と口を開く。
親子としてではなく、対等な悪党としての別れを選んだのだ。

「脱出手段はいくつか用意されているはずだが、恐らく一つは中央にあるだろう。そこを目指すといい。
 戻ったのなら孤児院の院長室にある3番目の引き出しの底を調べるといい。引き継ぎに必要な手続きはそこに揃っている。
 この手の作業で半田がいないのは痛いが、困ったことがあったら寮母を頼りなさい。君は知らなかっただろうがあれでも昔は相当な猛者だったからね、色々と助けになるだろう。
 後は妻には俺が死んだという事実だけ伝えてくれ。こうなる覚悟は常にできている女だ。気にすることはない。子供と孫にはぁ……そうだなアレが上手くとりなしてくれるだろう。キミは気にしなくていい」

シッカリとした言葉で、矢継ぎ早にに遺言めいた言葉を残してゆく。
いやそれは遺言その物なのだろう。
もう己にはあまり時間がない事を誰よりも理解してた。

「…………お父さん」

ユキの声が僅かに震える。
だが、もう涙を見せる弱さなど許されない。
悪党を継ぐとはそういう事だ。
ここで泣いてしまえば、それこそこの戦いが無意味になる。
けれど、どうしても視界が歪んで前が見えなくなっていく。

そっとその頬に手が添えられる。
今にも消えてしまいそうな漆黒の手。
仕方ないなと泣いた子供をあやす様に瞳に溜まった滴に指を添える。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


22悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:37:01 ID:/mu.QANY0
投下終了です


23名無しさん :2018/01/15(月) 00:59:19 ID:CNF7hGFQ0
投下乙です

このロワで大ボスの一人として暴れていた森茂の死、
世界のため、すべてを犠牲にしていた彼ですが、
最後の最後で、犠牲を肩代わりしてくれる孫に救われましたね。
邪道で己の変革を望んだ輝幸の力は正道を行く拳正の元へ、
心を砕いて世界を救う森茂の意思は心を拾ったユキの元へ
これで良いんでしょうね


24名無しさん :2018/01/16(火) 16:56:56 ID:2kTnRta60
>>1
wikiのリンクが切れてたので
ttps://www59.atwiki.jp/orirowa2014/


名前: E-mail(省略可)
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9 アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4 (Res:128)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 9
1名無しさん :2017/03/05(日) 07:40:57 ID:ngLuRqqY0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17204/

避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17220/

地図
ttp://imgur.com/wm3q2BI

チャット
ttp://anirowa4.chatx2.whocares.jp/

【参加者名簿】

0/7【Fate/Zero】
×衛宮切嗣/×セイバー/×言峰綺礼/×ランサー/×雨生龍之介/×キャスター/ ×間桐雁夜
2/7【銀魂】
×坂田銀時/×志村新八/×神楽/×土方十四郎/○桂小太郎/×長谷川泰三/ ○神威
3/6【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
○空条承太郎/×花京院典明/×ジャン=ピエール・ポルナレフ/×ホル・ホース/ ○ヴァニラ・アイス/○DIO
2/6 【神撃のバハムート GENESIS】
×ファバロ・レオーネ/×カイザル・リドファルド/×リタ/×ジャンヌ・ダルク/○アザゼル/○ラヴァレイ
1/5 【ご注文はうさぎですか?】
×保登心愛/×香風智乃/○天々座理世/×宇治松千夜/×桐間紗路
2/5【デュラララ!!】
○セルティ・ストゥルルソン/×園原杏里/×折原臨也/○平和島静雄/×ヴァローナ
1/5【ラブライブ!】
×高坂穂乃果/×南ことり/×矢澤にこ/ ○絢瀬絵里/×東條希
1/5 【結城友奈は勇者である】
×結城友奈/×東郷美森/×犬吠埼風/×犬吠埼樹/ ○三好夏凜
2/5【キルラキル】
○纏流子/○鬼龍院皐月/×満艦飾マコ/×蟇郡苛/×針目縫
0/4【グラップラー刃牙】
×範馬刃牙/×ジャック・ハンマー/×範馬勇次郎/×本部以蔵
2/4【selector infected WIXOSS】
○小湊るう子/×紅林遊月/×蒼井晶/○浦添伊緒奈
0/3【咲-Saki- 全国編】
×宮永咲/×神代小蒔/×池田華菜
1/3 【魔法少女リリカルなのはViVid】
×高町ヴィヴィオ/×アインハルト・ストラトス/○コロナ・ティミル
2/3 【のんのんびより】
○宮内れんげ/○一条蛍/ ×越谷小鞠
1/2 【グリザイアの果実シリーズ】
○風見雄二/×入巣蒔菜
20/70

109 ◆D9ykZl2/rg :2017/09/29(金) 19:46:49 ID:2eumFbQg0
遅れましたがこちらにも。昨夜したらばの方で仮投下をしてきました


110 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:22:55 ID:wNw./RFs0
本投下します。


111 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:24:46 ID:wNw./RFs0
 
足取りは、思っていたより重くなかった。
人間、もうどうにでもなれと一度思ってしまえば、とことん楽になれるらしい。
重荷も責任も、全て投げ捨てて歩んでいるのだから、当然といえば当然か。
そんな無意味な自嘲が頭に浮かび、そしてその度に理世は乾いた溜息で己の中の澱を吐き出していた。
一つ一つ、身体の内側にあったものを廃棄していくように。

「……はは」

その内、理世の顔には段々と笑いが込み上げてくる。
嗄れた笑い声が、森の騒めきに掻き消されて隠されていく様は、彼女にとっては何処か痛快にすら感じられていた。
まるでそれは、自分が消えていくようだったから。
最早どうしようもない人間となってしまった自分など、消えてしまってもいいのかもしれない。
それでもそうしないのは、やはりただ申し訳が立たないからだった。
彼女を守ってくれた空条承太郎、そして銃の撃ち方、心構え、ここまで生きてくるためにしがみついていた縁をくれた風見雄二。
せめて彼等に謝って、そして、その後は──どうしようかな、と、楽観的にすら思える予想を始める。
ああ、こんなことを考えてしまう自分は、なんて酷いヤツなんだろう。
そんな退廃的な自虐の笑みを浮かべながら、理世はただ歩き続けていた。


退廃的な行軍は、彼女が広場を見つけたことで停止した。
精神の摩耗とは別に、肉体も着実な疲労を溜め込んでいたことを、そこでようやく彼女は思い出した。
このままあてのない歩みを続け、その結果倒れるというのは、格好がつかない──というより、無様に過ぎる。
とりあえず一度、腰を下ろして水分でも摂ろうと、茂みを掻き分け広場に出た。

「誰だ」

──と。
そこで、唐突に声が聞こえた。
ビクリ、と肩を震わせるが、声そのものに対する聞き覚えがあった為にすぐに恐怖は無くなった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


112Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:27:51 ID:wNw./RFs0
 
「……何があった」

やがて、僅かな静寂の後、承太郎はそんな簡潔な言葉を投げてきた。
どこから話すか迷ったものの、結局は気付いたら別れてからここに至るまでの過程を全て打ち明けていた。
追いかけてきた遊月との対峙。平和島静雄と一条蛍。肉の芽で操られている可能性のある二人。向けた銃口。飛び出してきた彼女──。

「──なるほど」

すべて語り終えた時には、少なくとも先よりは幾分か重圧は和らいでいた。
尤も、それでも此処に来る前までの理世なら恐怖で動けなくなっていただろうが。
ともあれ、幾分かは和らいだ雰囲気に、理世も下げていた頭を漸く上げる。
見上げてみれば、承太郎は、神妙な顔をして佇んでいた。

「一条や平和島についても気になることはあるが──」

そう言いながら、承太郎は背後を振り替える。
彼の視線の先へと理世も目を向けようとして、それが遮られる。
そこに突如として現れたのは、何度か見てきた彼のスタンド、スタープラチナ。
なぜ突然それを出現させたのか、理世が問おうとした次の瞬間──


「オラァ!」

──めきり、と音を立てて、『承太郎と理世の方向へ飛来した樹』が、拳に弾かれ飛んでいった。
空を舞い、その後轟音と共にそれが着地して、理世は始めてその現実を正しく認識する。
あれだけの質量がもし直撃していたら、即死とはいかないまでも甚大なダメージを受けることは疑いようもない。まして、これを投げてきた、悪意があるとしか思えない相手を、その状態で相手取るなど不可能に等しい。
そして、そもそもこんな芸当ができるような人間で、こちらに殺意を向けている存在といえば──

「──オイオイオイ、気付いてんじゃねーか。それで無視してるたぁ随分とデカい態度でいるもんだなぁ?」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


113Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:29:47 ID:wNw./RFs0
 
大砲にも似た轟音が響く。
拳と拳の衝突が生み出した衝撃が、木々を、大地を、理世の臓腑を震わせる。
数分にすら感じられる一瞬がすぎ、ギチリ、と、肉の擦れる音が続いて──その直後、承太郎が僅かに後退する。
セイバーとの戦いで流した血の多さは、流子程の実力を持つ相手ではやはり誤魔化しきれない。寧ろ、そこまでの傷を負っていながら応戦できる程のスタープラチナと承太郎の精神力の強さが窺い知れる。
だが、この場に於いて試されるのは一時の強さであることには変わりはない。

「ハッ、想像以上に酷えみてえだな!大丈夫かよオイ!」

押すべきタイミングを見逃す流子ではなく、即座に取り出した縛斬の刃で畳み掛けんとする。
辛うじて踏みとどまり、斬撃を受け流すスタープラチナ。しかし、純潔の圧倒的な膂力が齎す熾烈な連撃を受ければ受ける分だけ、スタンドも承太郎自身も余裕は無くなっていく。
弾き、弾き、受け流し──その直後に飛来した大鎌のような左足の一撃で、流石に後退を余儀なくされる。
その勢いを逆に利用し、幾らか距離を置こうとするも、それすら純潔は認めない。
獣が喰らい付くかのような踏み込みの後に、承太郎のウィークポイント、左半身へと一気に攻勢を仕掛ける。
必然、そのカバーに回らざるを得ない承太郎だが、それは同時により大きな隙を作るという意味だ。
より鋭く、より強かに、より荒々しく。加速度的に激しさを増す猛攻に、如何に承太郎といえども反撃の隙を見出す事が出来ずにいた。
その間にも、流子の手が休まる事はなく──遂に、承太郎のガードが甘くなったその瞬間を流子が射止めた。
辛うじて受身を取り着地した承太郎だが、その隙はあまりにも大きく。
再び瞬時に間合いを詰めた流子が、止めとばかりに縛斬を閃かせる。
だが、承太郎の次の行動を見て、流子も流石にその動きを止めた。
スタープラチナが持ち上げ、構えたそれは──先程流子が投げつけ、承太郎が殴り飛ばした一本の樹。
真下から抉るように放たれたフルスイングが、辛うじてガードを間に合わせた流子の体を強かに打ち据える。
角度がついた放物線を描いて吹き飛ぶも、流子も為されるがままとはいく筈もない。
冷静に純潔を飛行形態に変え、追撃に留意して距離をとりつつ着地した。

「認めたくはねえが、どうやらそうみてーだな」

それに対し、承太郎は深追いすることもなく、戦闘中に流子が吐き捨てた台詞に律儀にも言葉を返す。
その内容は、現状を的確に認識した上での判断だった。
──空条承太郎はクレバーな男だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


114Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:31:24 ID:wNw./RFs0
■  



「──じょ、承太郎さん!」
「なんだ、天々座」

森の中、木々を蹴って飛び続ける承太郎に対し、いきなり連れ去られたに等しい理世は只管に混乱していた。
そのまま吹き飛んでいく景色に気を取られそうになるが、辛うじて理性を取り戻した彼女は承太郎に呼びかける。

「逃げる、って、アイツはまだ──!」

そう、承太郎は流子を完全に、何ら制約をすることもダメージを与えることもなく放置したまま離脱したのだ。
これまで見てきた彼のスタンスとはあまりにかけ離れた行動。流子をそのまま放置すれば、被害が出続ける事は予想出来る。
それに、彼女は智乃の仇でもある。願わくば相応の報いを受けさせたい、という気持ちも全くなくなった訳ではない。

「安心しな」

しかし、そんな理世の言葉を奪うように、承太郎が呟く。
その言葉に込められたのは、確かな力強さ。
聞くものすらも立ち上がらせるような勇気を底に秘めた、ジョースター家の男の言葉。

「ヤツを放っておく気はさらさら無え。キッチリと、俺とスタープラチナでブチのめさせてもらうぜ」

──ジョセフ・ジョースターに曰く、戦闘から逃げたことはあっても、戦闘そのものを放棄したことは一度も無い。
それと同じく、承太郎もまた、纏流子との戦いそのものを放棄してなどいない。
彼の胸に宿った正義の光は、彼女を見逃すなどということを許すつもりはさらさらないのだ。

「じゃあ、何で……」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


115Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:34:01 ID:wNw./RFs0
 






──と、そこで。

「──ところが、そういうワケにもいかないんだよなあ?」

響く筈のない声が、『前方から』聞こえた。
な、と両者が呆気に取られると同時に、正面から伸びるのは二本の白い槍。
神衣純潔の肩部が変形したそれを前に、一瞬二人の思考は完全に停止した。

「──オラァ!」

それでも、承太郎は無理矢理意識を引き戻してスタンドの拳を振るう。
迫ってきた二本のそれを理世を抱えていない方の手で弾くと、そのまま進行方向の障害となる木や枝を殴り飛ばす。
地に足を着けてブレーキをかけ、立ち止まろうとして──そこで、初めて承太郎は気付く。

「──よお、死ね」

その場所、ちょうど両脇にゲートのように生えた木の間に立っている、先程まで戦っていた化物に。
何故彼女が先回り出来たか──それは、彼女が持つ遠見の水晶玉によるもの。
細かい作業が苦手故に一度は使用を諦めたが、反対に単純な操作なら十分に利用できるということ。
流子自身が飛び上がって目立つ位置に陣取り、山頂の城と見比べて方角を確認。その後ズームアウトし、二人が動いている方向を察知する──程度の使用なら、どうにか彼女にも使用出来た。
彼女が振り上げている刃が、無慈悲にも止まることの出来ない彼等へと降り注ぎ──

「──スタープラチナッ!!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


116Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:35:47 ID:wNw./RFs0
 
「……やめ、ろ」

と、そこで。
余りにも頼りなく、か細い声が、流子の耳に届いた。
それと同時に、立ち塞がるように現れたのは──紫の髪の、少女だった。
先程承太郎に守られていた、如何にも何も出来ない一般人ですと書いてあるかのような外見の少女。

「あァ?何だテメェ、テメェから先に殺されてえのか?」

鐵の切っ先を突きつけながら、嘲るように言葉を放つ。
下らない義憤とやらでここまでやるというのは大したタマだが、しかしこうして目の前に死を提示してやってもそれが保つものか。
惨めに引き下がって後で殺すか、さもなくば両断してやろうか──そう思いながら、ゆっくりと歩み寄っていく。

「……そうだ。殺すなら、先に私を殺せ」

それでも尚、理世が退くことはなかった。
ほぼ無駄な行為だろうと理解しているだろうに、無様な立ち姿を続けていた。
その哀れにすら見える様に、

「その胆力だけは認めてやるよ。わざわざゴミが出しゃばりやがって、何で死に急ぐかねえ」

──それは、問いかけですら無かった。
答えなど求めていない、ただ独りごちることと何ら変わらない言葉。
けれど、それに確かに、天々座理世は反応して。

「──私は、人を殺したから」

ぽつり。
唐突に零れ出たそんな言葉に、流子は不意に立ち止まる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


117Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:37:03 ID:wNw./RFs0
 


「テメーはただ、許してほしいだけだろうがよ」



──時間が、止まった気がした。
ざわめく木々の葉の音も、ただ頬を撫でる風も、何一つ彼女の脳に届くことはなかった。

「……ちが、う」

ほぼ、何も考えずに出てきた言葉だった。
気付けば、自然とそんな否定が口から零れ落ちていた。
──無論、それは致し方ないことでもあっただろう。
だって彼女は、所詮ただの一般人、高校生の少女に過ぎないというのに。
人を殺して、その罪を背負う、なんてことが、そう簡単にできるわけがないのだから。
それも、自分の寄る辺を全て失っているような状態でなら、尚更。
天々座理世が、誰かに許してもらう、あるいは殺されることで、「楽になりたい」と思うのは、やはり仕方ないというべきことでもあったのだろう。
そして──例えば、「遊月の知り合いの誰か」の存在、とりわけ彼の弟──いわば彼女にとっての智乃に対しての想像を避けるのも、またしかり。
だが、そんな深層心理、卑怯とも言える本性を理性的に認められるかは、別の話で。

「違う、違う違う違う!!私は、そんな事を思ってなんか──」

いない、と言おうとしたところで、首を持つ位置が乱暴に持ち上がる。
ぐ、という呻き声を漏らした彼女のその位置からは、いつの間にか俯いていた流子の表情は見えない。
だが、その陰に隠れた表情に、恐らくは先程から変わっていない表情に、先程以上にどうしようもなく恐怖を感じる。
──いや、恐怖ではない。
それは、きっと。
どうしようもなく人間らしい、悔やむかのような表情を。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


118Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:37:59 ID:wNw./RFs0
 



「──随分とお喋りなのは、治ってはいないようだな」



──銃声が、澱んだ空気を切り裂いて走る。
顔面を狙ったそれを、流子は空いていた左手で弾き飛ばす。
尚も断続的に放たれる弾丸に対し、流子は理世を盾にしようとするが──その一瞬を突いて、飛び出してきた男が思いきり地面を蹴る。
一気に肉薄し、すれ違い様に理世を持つ右腕に弾丸を撃ち込む。
咄嗟に理世を手放し腕を引く流子、放り出された理世を拾うのは、乱入者──風見雄二の右腕。

「…よぉ。わざわざ来やがったか」
「あれだけ喚いていれば、近くに来れば来ないやつはいないさ」

縛斬を再び抜刀して雄二へと向き直る流子に対し、雄二は姿勢を立て直しつつ油断なく周囲に気を配る。
少し離れたが、流子よりは近い位置に承太郎がいるのを確認すると、再び立ち上がって銃を突きつけ直す。

「随分と癇癪を起こしていたようだが、何か気に入らないことでもあったか?」
「うっるせぇんだよ…テメエには関係ねえ」

その声に籠る怒気は、先程とは比べ物にならない程のもの。
理世に向けていた感情を薪にして、猛々しく燃え上がるがごとき怒りの炎を滾らせた獣が、雄二へと狙いを定めていた。

「理世」

そんな彼女を冷静に観察しながら、雄二は理世に対して言葉を飛ばす。
へたりこんでいたままの彼女が、それでものろのろと顔をあげて反応したのを見て、僅かに安心したかのような表情を浮かべる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


119Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:40:38 ID:wNw./RFs0

【Gー4(中心部)/真夜中】

【纏流子@キルラキル】
[状態]:全身にダメージ(中)、左肩・左太ももに銃創(糸束で処置済み)、疲労(中)、精神的疲労(極大)、
    数本骨折、大激怒、説明しきれない感情(恐怖心?)、理世に対する嫉妬
[服装]:神衣純潔@キルラキル(僅かな綻びあり)
[装備]:縛斬・蛟竜@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(17/20)
    黒カード:番傘@銀魂、生命繊維の糸束(一割消費)@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero、
         花京院典明の不明支給品0〜1枚(確認済み) 、ジャンヌの不明支給品1枚(確認済み、武器とは取れない)
[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す
   0:雄二を殺す。承太郎と理世も追って殺す。
   1:次に出会った時、皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。
   3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。
   4:針目縫は殺す。    
   5:純潔の綻びを修繕したい。
   6:マコの事を忘れたい。

[備考]
※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。
※満艦飾マコと自分に関する記憶が完全に戻りました。
※針目縫に対する嫌悪感と敵対心が戻りました。羅暁への忠誠心はまだ残っています。
※第三放送を聞いていません。
※肉体のダメージは前の話よりは良くなっています。
※現在自動車爆弾はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲にへ向かって移動しています。
 そのまま行けば一定時間後に標的の砲台は爆破されます。誘爆し爆発範囲が広がる可能性があります。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


120Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:43:36 ID:wNw./RFs0
 




表情を動かす余裕すらも、もう残っていなかった。
自分がどれだけ醜いか、少し考えただけでも本当に嫌になるのに、それでも歩みを止めるわけにはいかないという呪いだけが自分を縛っている。
千夜に会えばきっと蔑まれ、他の人間にも人殺しと呼ばれるだろうという悲観的な未来以外に、この先の見通しなんてもう一つも見えなくて。
今はただ、背負っている承太郎の命が、歩みを止めるなと彼女を詰る。
すぐに死に至るような傷こそ追っていないが、気絶から目覚めるまではまだ時間がかかる。それまでに襲われるようなことがあれば、二人ともどうしようもない。
雄二に逃がしてもらっておいて、このまま倒れるということは嫌だ──そんな気持ちが、今は唯一の原動力だった。
一歩一歩、己の体が前に進んでいる感覚だけを頼りにして。
吐き出した息は、じっとりと身体に纏わり付いて離れない。
今の自分の酷すぎるであろう表情も、誰にも見られたくなかった。

「……わた、しは」

もう、吐き出すものは何一つなくて。
最早余計なものとなった思考をそれでも巡らす度に、どうあっても取り除けない己の愚かさに辟易するしかなく。
自分の中に残された醜さと約束が、何よりもずっしりと体を重くする重りとなって。
今はもう、苦痛でしかない行軍をただ進んでいくしかなくて。
足取りは、ただ只管に重かった。

──理世は、未だに知る事は無い。
紅林遊月の死に対し、衝撃を受けるであろう存在の内の一人はは、すぐそこにいるという事に。
承太郎が理世と出会ったとき、咄嗟にカードに戻しておいたルリグ『花代』。
未だ真実を知らぬ彼女との相対の時が、何を生むのか、それもまた──



(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


121 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:45:24 ID:wNw./RFs0
本投下を終了します。理世と承太郎の位置を前話から変え忘れていた為に修正してあります。


122名無しさん :2017/10/02(月) 07:18:18 ID:GTVlaIi.0
さよなら雄二、君のことは忘れない


123名無しさん :2017/10/02(月) 13:35:22 ID:xm8U8tKg0
投下乙くらい付けろよバカが


124名無しさん :2017/10/02(月) 14:12:44 ID:7UaCQH9.0
お前の方が馬鹿だおー


125名無しさん :2018/01/08(月) 13:39:56 ID:y7VjkiWs0
ガチで停滞してて草


126名無しさん :2018/01/12(金) 10:14:03 ID:a6NCK6wY0
>>125
エースが海外転勤になっちゃったし、しゃーないですよ


127名無しさん :2018/01/12(金) 10:32:53 ID:armr8wSs0
知らんよ。
転勤する前から停滞してたろ目を覚ませ


128名無しさん :2018/01/12(金) 13:19:59 ID:ynWzIIJY0
>>126
お前がageたせいで投下来たと勘違いしたじゃねーか
紛らわしいことすんな


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10 パラレルワールド・バトルロワイアル part3 (Res:435)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 10
1 ◆Z9iNYeY9a2 :2015/01/15(木) 22:08:08 ID:2Sa.PFa.0
『バトル・ロワイアル』パロディリレーSS企画『パラレルワールド・バトルロワイアル』のスレッドです。
企画上、グロテスクな表現、版権キャラクターの死亡などの要素が含まれております。
これらの要素が苦手な方は、くれぐれもご注意ください。

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1351176974/

【外部サイト】
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416逆月-我ら思う、故に我ら有り ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:55:22 ID:6rSZgSRY0
槍の場所は遠い。
剣よりはあれで突く方がより村上に対し傷を負わせられるが、場所があまりにも遠い。

村上はイリヤのように今のさやかも上級オルフェノクに並ぶ存在と称したが、それはあながち間違いではない。
問題は、上級オルフェノク一人では村上を相手にするには手に余るということ。
ラッキークローバーとも戦えるほどの力量になったファイズやカイザであっても二人がかりでギリギリの戦いとなるのだ。
まだ力を使いこなし切れないさやかでは正面からの戦いに勝ち目はない。

槍を弾き飛ばした鞭を再度作り出して迫る村上。

――burst mode

そこに幾つもの光線が飛来した。
白い体に火花を散らし、思わず動きを止める。

視線を光線が飛んできた方に向けると、薄暗い闇の中を赤き光と輝く複眼で照らす、携帯型の銃口を向けた戦士が立っていた。

「…ったく、おちおち休めもしねえのかよ」
「巧さん…!」
「何だよその格好。まあいい、そいつはお前の手に余るからよ。後は俺に任せろ」
「何言ってんのよ、そっちは連戦でしょ。私のほうが戦えるんだから、そっちのが休んでてよ」
「じゃあ仕方ねえか。一緒に戦ってもらうぞ。あいつ相手は流石に俺もきついからな」

手に作り出した剣を構えるさやかの隣に並び立つファイズ。

「ファイズの力、あなたの手元に戻ってしまいましたか。全く…」
「あんたとの縁もこれっきりにさせてもらうぜ」
「一応、あなたの口から聞かせてもらいましょう。その力を我々のために振るうつもりはないですか?」
「ざけんな、お前らの仲間になるくらいだったらな、死んだほうがマシだよ」
「そうですか。では、二人仲良く死ぬといい」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


417逆月-我ら思う、故に我ら有り ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:55:44 ID:6rSZgSRY0
その背後でさやかが立ち上がる気配を感じた村上。

「やああああああああ!!!!」

ヤケを起こしたかのように叫びながらこちらに駆け寄ってくるさやか。
まだ手があるかのように言っておきながらこれか、と失望感を感じながら、巧の首を掴んだままさやかの方に頭だけを向けて花弁を飛ばす村上。
周囲の視界を覆い、空中に火花が散る。

だが、何故だ。

「…何?!」

何故この少女は未だこちらへ駆ける速度を変えていないのか。
いや、変わるはずもない。そもそも花弁が命中していない。彼女の直前で不自然に逸れていた。

幾つもの姿を持つクーフーリン、その全てが備えている特性の一つ、矢避けの加護。
視界に捉えているならいかなる飛び道具もその体には当たらないという固有のスキル。
一度目の炎を受けた時は、その能力を信じきれず自分から当たりに行ってしまったため発動させられなかった。しかしこれが逆に存在を村上の認識から反らすことにも繋がっていた。

「返ってきて!!」

更に村上の目前まで迫ったさやかは叫び声を上げる。
瞬間、10メートルほど向こうに転がっていた槍がさやかの元に飛来、その手に収まる。

村上の中に焦りが生まれる。
技量こそ上がっていたが剣の威力はそこまでではなかったため受けても問題ない。
しかしあの槍は別だ。未だに突かれた胸には強い痛みが残り続けている。

物理法則やさやかの戦いから見た経験を越えた現象に反応が遅れ、振りかざされた穂先をまともに受けてしまう。

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418逆月-我ら思う、故に我ら有り ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:56:33 ID:6rSZgSRY0
「ガ…ぁ……」

土煙が晴れると、中には地面に突き立った長槍。そして、中でうめき声を上げる村上。
足掻きで守ろうとしたのだろうか、その手で地面に杖として支えるバスターソードは中心から真っ二つに砕けている。
そして、その体は心臓があったと思われる場所には大きな穴が穿たれ、千切れかけた体は大きく歪んで脇の皮膚でかろうじて繋がっているような状態だ。

千切れた場所からは青い炎をチロチロと発しているが、全身にその炎が回ってはいない。いや、それどころかどうして未だ生きているのか不思議な姿だ。

「が、ああああ……」

叫ぶ声には、死に抗おうという意志を感じさせる。本人の強い気力が命の終着を食い止めているのだろう。

さやかにはその姿は、一見醜いようでその奥に彼なりの強い誇りを感じさせていた。
どうしてその力を巧達のようにもっと良い方向に向けることができなかったのだろうと思ってしまった。

「何…故…、あなた達は……」

だからこそ、納得できないのだろう。強い意志で成そうとしたことが潰えることが。
答えを求めているのだ。もう終わりかけている命だからこそ。

「何故、あなた達は…、抗えるのか…、戦えるのか…」

何故負けたのか、ではない。


巧は口を開かない。
彼の問いに答える気はないということなのだろう。

だけど、こうなってまで生きようとする姿に魔女へと変異した巴マミのことを思い出してしまったさやかは、とても哀れなようにも思えてしまった。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


419逆月-我ら思う、故に我ら有り ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:56:48 ID:6rSZgSRY0

「………」

村上の体は消滅し、残ったのは武器である紅い槍のみ。
この手で敵を倒したのだということを実感する。
だけど爽快感などなかった。ただあるのは、明確に一つの命を奪ったのだという認識だけ。
例え相手がどんなものだったとしても、やはり奪った命は重かった。

かつて誤って手にかけてしまった佐倉杏子のそれと、何ら変わりない。

「おい、大丈夫か?」

物思いに耽っていた時間は僅かだったと思うが、それでも心配はさせてしまったらしい。
巧が呼びかけた声で我に返る。

「大丈夫よ。うん、大丈夫。
 それよりイリヤ達の方に戻らないと。あっちでもたぶん戦いが始まってるから」
「あいつ、来てるのか」
「うん、さっきイリヤと美遊の二人と合流したんだけど、こいつとあと変な影が出てきて。
 二人はたぶん影と戦ってると思う。あっちの助けにもいかないと」

そこまで言ったところで、一息ついた影響か気が抜け、体からカードが排出される。
魔法少女の姿を飛び越えて見滝原の制服まで一気に戻る。

手元にないソウルジェムを探すと、紅い槍が刺さっているところに転がっていた。
無自覚だったが自分の命を武器に変換して戦っていたらしい。ゾッとしないでもないことだ。

ソウルジェムの色はかなりの濁りが生じている。
さらに。

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420朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:58:01 ID:6rSZgSRY0


「砲撃(シュート)!!」

美遊が空中を跳びながら巨人に向けて魔力の砲撃を撃ち出す。
しかし影は怯む気配すら見せずにこちらを捉えようと触手を動かし続ける。

動きは速くなく、カレイドの力を持ってすれば避けられるものだが、少し触れただけでも魔力の減衰が早まる。
もし万が一にでも捕まってしまったら。そのプレッシャーは大きい。

「イリヤ!!」
「大丈夫!だけどこのカードとは相性が悪い…」

イリヤもまた同じ状況。

こちらの放つ魔力弾を越えた砲撃を幾度も放っているが、それでもびくともしない。

『あの巨人は純粋な魔力の塊です。高い神秘を兼ね備えた宝具クラスの攻撃であればまだしも、通常の魔力の攻撃では…』
「やっぱり、操っている本人を…」
「お願い、それは待って!もう少し頑張るから!」

操っている本人。それは今離れたところで戦う二人、正確に言えばイリヤの姿を見ている少女。
瞳に強い憎悪の感情を宿らせた影の統制者、間桐桜。




時を少し巻き戻す。

「あなたは、誰なんですか?」
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421朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:58:19 ID:6rSZgSRY0

さっきと今、その間に何があったのか。

イリヤには想像は容易かった。
きっと放送を聞いて、衛宮士郎の死を知ったからだろう。

言葉を間違えないように、ゆっくりと口を開く。

話さねばならないことだ。向き合わなければならないことだ。
彼のことを最も知りたがっているのはきっと彼女なのだろうから。

「先輩のこと、知ってるんですか?」

桜の瞳に僅かだが光が宿る。
その様子に、もしかすると彼女を救えるかもしれないと希望を抱く。

下手な言葉の装飾など無意味だろうと、単刀直入に切り出したイリヤ。

「士郎さんは、私を守って…死にました」


今のイリヤは冷静に努めようとはしていたが、やはりそうではなく相手の感情の機微を察することまではできていなかった。
衛宮士郎の件に意識を囚われすぎ、間桐桜の現状を把握することを怠っていた。
いや、意識が向かなかったというべきか。

もし正確に言うのならば、背負った重すぎるものをどうにか軽くしたいということに頭が行き過ぎていたのかもしれない。
決して戦士ではない10歳の少女に対しそれを責めるのは酷だろう。
だが、結果だけ言うならばそれは悪手だった。

「そう…」
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422朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:58:36 ID:6rSZgSRY0

『イリヤさん危ない!』

咄嗟のことでルビーすらもそう叫ぶことしかできなかった。

その声でただ反射的に宙に飛び上がるイリヤ。
桜の足元の影が帯のように形作り、イリヤのいたところを貫くように通り過ぎていったのはその一瞬後だった。

「あれは…」
『虚数空間、先程の影と同質のものです。あれを出したということは、影を操っていたのは彼女で確定です』

サファイアは解説するも、その可能性は間桐桜を目にした時から美遊は考えていた。いや、普通は考えるだろうし、実際に映像を見ていたというイリヤなら尚更だろう。



イリヤの元へと跳び、影の伸ばす触手を魔力弾で弾き飛ばす。
魔力はすぐに吸収されて消滅するも、勢いまでは殺しきれずに後ろにはためき、その隙にイリヤは美遊の傍まで飛び退く。

そんな二人を追うかのように、先程現れた巨人は触手を伸ばしてこちらを捕えんとしている。
飛ぶ先を縫うように覆ってくる触手を一つ、また一つと避け、射程外まで飛び退く。

「イリヤ、やっぱりあの人と話すのは危険…!」
「ごめん美遊、でもやっぱり諦めきれない……」

悔しげに表情を歪めるイリヤ。
だが、戦う意思がないわけではない様子で、更に迫ってくる巨人に対してはその手の杖を構える。

「まずはこの巨人を倒してから!だからお願い、桜さんを狙うのは待って!」

おそらく桜を直接狙った方が楽にこの場を乗り越えられるだろう。彼女の付近にも影はあるが、巨人と比べればまだ対処し易い。
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423朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:58:54 ID:6rSZgSRY0

アーチャーのカードは飛行能力を失う。
今地面に足をつければ地からの影の襲撃が激化し、巨人との攻撃も合わせての対処となると危険度が高い。
それに気付いた時美遊はイリヤがアーチャーを使うことを制止していた。

有効打とならないと分かっていながらも今イリヤがキャスターを夢幻召喚し続けている理由の1つはそこだろう。
現状このカードであれば、イリヤの攻撃より火力を出せ、尚且つ飛行能力を備えている。

あるいはセイバーのカードのように超火力が備わったものであれば、飛行能力の喪失を埋めるほどの一撃が放てたかもしれないが。

そういう意味では、美遊の持つライダーのカードにはそれがないわけではなかった。

だが、あれは英霊の力の天敵、触れれば正規の英霊は正気を失い闇に侵されるというステッキたちの警告が使用を思いとどまらせていた。
あのセイバーを黒き騎士王へと変化させていたという力だ。もし宝具による突撃をしくじればこちらの精神ごと泥に侵される危険性がある。

だが、現状で思いつく最良の手段はそれしかない。


隙を見せれば嫌な予感が脳裏をひたすらによぎる。血を流して倒れたまま二度と動かなくなったロロの姿、瞳を閉じたら二度と戻らなくなった結花の最後の姿。
ここでこの大切な友だけは失うわけにはいかない。

(…やるしか、ないか…!)

触手を避けて小型の魔力弾を3発放つ美遊。
狙ったのは巨人ではない。それを操っているのだろう間桐桜。

狙い澄ましたわけではなくただ周辺にでも命中すればいいと妥協した程度のもの。
しかし意識をそれに向けることに成功はしたらしい。影は魔力弾を払い落とさんを腕を振るう。
2発は消滅するも、残った1つは桜のすぐ足元に着弾し土煙をあげた。
手で前を防ぎつつも、追撃を警戒してか美遊からは視線を逸らさなかった桜。
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424朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 00:59:36 ID:6rSZgSRY0

縛った体が、呼びかけても全く反応しない。
不審に思い振り返る美遊。

「私から先輩どころか、ライダーまで奪うのね…」
「何を言ってるの?」

言葉の意味を問う美遊。ふと桜の手に目をやった時に、その手に握られたものに視線を奪われた。

異形の頭部を持った、細身の怪物が描かれたカード。

「クラスカード…!?」
「夢幻召喚」



「時に桜さん、このようなカードに見覚えはありますか?」
「……、これは…?」
「支給品の1つに入っていたのですが、私には使い方が分からなかったもので」
「バーサーカー……?」
「心当たりがあるのですか?」
「聞いたことは、あります」
「そうですか。もしかするとこれは、あなたに縁のあるものなのかもしれない。お譲りしましょう」



正直、村上にそれを譲られた時には使い方も分からなかった。
別に捨てる理由もなかったが、手元にあってもどうしようもない。

そういえばほんの一時、似たようなカードを拾って持っていたことがあった気もした。
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425朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:00:04 ID:6rSZgSRY0
だとすればまずい。
正体の分からない英霊の力、どんな能力を、宝具を持っているのかも把握できない。

起き上がり撤退のための牽制として釘を構えて飛びかかる。
肩と脇腹を狙った一撃。致命傷となるのは避けるが動きを止めさせる程度のダメージを与えるためのもの。
しかし桜はそれを的確に捌き、逆にこちらの手を絡め取る。
ならば、と身をかがめて足払いを放とうと足を突き出すが、飛んで回避されてしまう。だが想定通り、それはこちらの手を放させるための囮。
離れた隙に飛び退こうと地を蹴り跳び上がる。

その時美遊の体が宙で急に停止する。

思わず振り返ると、手に持っていた釘に備えついた鎖が相手の腕に絡まっている。
あのような絡み方をする攻撃はしていない。おそらくはこちらの攻撃を受け止めた際、素早く鎖を絡め取ったのだろう。

それが瞬時にできるとするのであれば、あのカードの英霊はとてつもない技量を持っていることになる。

鎖が引き寄せられた気配を感じた美遊は咄嗟に手を放すが、判断が一瞬遅かった。引き寄せられた慣性は止まらず地面へと叩き付けられた。

「がっ…」

急な視界の反転による平衡感覚のブレと体を襲った衝撃で動きが止まる。

『――美遊様!』

美遊の手から離れた鎖は桜の手元でサファイアの姿に戻る。
桜の手から逃れて逃げようとするが、その手から噴出した黒い霧がサファイアを包み込み逃すことを許さない。

『こ、これは…この英霊の宝具…?』
『サファイアちゃん!?』
「二人から離れて!!」
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426朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:00:20 ID:6rSZgSRY0
痛みに呻くイリヤ。しかし足を止める暇はない。
周囲にまた影の触手が蠢き、イリヤを捕えんと飛びかかる。

安全地帯へと飛び上がろうとしたところで、今度は桜が肉薄してくる。空へと逃げる暇がない。

「あなた、確か話がしたいんでしたよね。だったら、しましょうか。お話を」
『イリヤ様、逃げてください!』
『サファイアちゃん放置して逃げるとかできないですよ!』
『私なら大丈夫です!機能は奪われてますが、精霊の人格までは乗っ取れないみたいです。
 私は隙を見て逃げますから、ですから今は美遊様を連れて逃げて!』

ならば美遊の元へと急ごうとしたイリヤだが、その先に立ちふさがるかのように桜が迫る。

ゾッとする気配を間近で当てられ、足を止めてしまうイリヤ。
その足元を、影の触手が掴んだ。

「捕まえた」
「いっ……、離して…!」

捕まった場所から徐々に力が抜けていく。
魔力、生命力を吸収されている。このまま吸収され続ければ動く体力もなくなりやがて吸収能力は肉体へと及んでいくだろう。

「健康そうな体で、お友達もいて、ずいぶんと幸せそうに生きてきたんですね。私の知るイリヤさんとはホント、大違い」
「何を…」
「そんなあなたが、私から先輩を奪ったんですよ。
 本当、許せない、許せない、許せない―――」

狂気に満ちた呟きがイリヤの耳に届く。
そして、その言葉はイリヤの思考を止めるには十分だった。

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427朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:00:36 ID:6rSZgSRY0


「イリヤ、美遊!」
「お前ら、大丈夫……っ?!」

その時だった。
巧とさやかが戦場に現れたのは。

痛みを堪えるように歯を食いしばって、イリヤの体を二人に向けて投げる。

ただならぬ気配に動きが止まる二人の元に転がるイリヤ。

「イリヤを連れて、逃げて!!」

立ち上がった美遊、その背からは血が流れ落ちている。
何が起きているのか、理解が追いついた二人は叫ぶ。

「あんた、その傷…」
「今のイリヤじゃこの人は助けられない…!イリヤがいたら、さやかさんと巧さんがいても守りきれないかもしれない…」
「お前はどうすんだよ!」
「私なら大丈夫……じゃないけど、この傷だと長くは持たない…。だから私が時間を稼ぐから…」

そう言って、眼帯を再度外してイリヤ達から視線を外す美遊。
魔眼による重圧で桜の動きが大きく鈍る。
そのまま決して振り向かないのは少女の決意の現れだろう。

しかしそれを受け入れられるはずもない。

駆け寄ろうとするさやかと巧。しかしその動きが止まる。

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428朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:00:56 ID:6rSZgSRY0

「おい!合図したら3秒くらいでイリヤ連れて走り出せ!」
「逃げるの?!」
「………ああ!」

僅かな沈黙の後巧は手の時計型ツールからメモリーを取り外し、ファイズフォンのそれと入れ替える。
ファイズの胸部の装甲が開き、全身のラインが赤から銀色に変化、顔の複眼は赤く染まる。

同時にさやかはイリヤの体を抱き上げる。
言うことを聞かない可能性も考慮して、腕の力は強めだ。

「今だ、行くぞ!」

掛け声と共にファイズの姿が掻き消える。
逃げるべき逃走先に蠢く触手に、一気に赤い円錐型のエネルギーがいくつも叩き込まれる。

それが完全に消失するまでが3秒。
数え終わったさやかは駆け出す。


「美遊ーーーっ!!!!!!」

手を伸ばして叫ぶイリヤ。

しかしイリヤの想いとは裏腹に、その気配はどんどん遠くに離れていった。




10秒。
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429朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:01:15 ID:6rSZgSRY0

イリヤ達が逃げたことを確認したことで美遊の気が抜ける。

「サファイア、みんなはもう、行った?」
『はい、3人とも遠ざかっています』
「そう…、良かった…」
『桜様お願いです!私を美遊様に返してください!』

もしサファイアが美遊の手元に戻れば、カレイドサファイアに転身できれば、魔力による治癒で傷を癒やし生き延びることもできるかもしれない。
さっきから何度も懇願しているのだが、桜は全く意に介さずにサファイアを振るい続ける。

美遊自身は重傷を負っているが、桜もまた魔眼の重圧で動きが大きく制約されている。
非常に緩慢な戦いとなっていた。

しかし、それもここまで。美遊の気が抜けたことで、体からライダーのカードが排出されてしまう。

英霊の姿から一気に生身に戻り、どっと血が流れるのを感じた。
同時に血と共に体の力も抜け、地面に倒れ込む。

「ふふふ、よくも邪魔をしてくれましたね…」

重圧の解けた桜は仰向けに倒れた美遊を見下ろしながら刃に変化させたサファイアを向ける。

「ですけど、これを回収できたから今は良しとしましょう。まあ結局追いかけるんですけどね」
「サファ、イア…」
『美遊様!』
「もし、その時が来たら…、イリヤの力に…」
『分かりました!ですからもう喋らないで!』
「何を勝手に話してるんですか?」

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430朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:01:46 ID:6rSZgSRY0
気がつけば少女は動かなくなっていた。
突いてみても何も反応しない。


『美遊様…』
「もう動かなくなっちゃったんですか?なぁんだ呆気ない」
『あなたは…!』

ただの死体となった美遊にはもう興味がなくなったとばかりに、桜は視線を逸らす。
歩む先にあるのは、排出されたクラスカード。

今の自分には赤の他人にこれを使われるのは怒りが抑えきれなくなる。
”彼女”は私のものなのだ。自分だけの力だ。

そう認識した瞬間、桜の中で1つの考え方が浮かんできた。

カードの英霊。その使い方。

カードを泥の中に落とす。
それは自分を中心に渦巻く魔力の泥だ。周囲に転がった残滓ではない。

すると魔力の泥は少しずつカードの周りに収束していき。
やがて1つの人型の黒い魔力の塊となった。

泥の中から少しずつその体が現れ、同時に黒でしかなかったそれが色づき始める。
紫の長髪。黒い衣装を纏った、長身の女。

「よく似合ってるわ、”ライダー”」

かつての自身の傍にいた一人のサーヴァントと同じ姿を象ったそれを、桜はそう呼んだ。
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431朔月-Lost Butterfly ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:01:56 ID:6rSZgSRY0
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(大)
[装備]:ソウルジェム(濁り30%)(小さな亀裂有り) 、トランシーバー(残り電力一回分)@現実、グリーフシード(濁り100%)
[道具]:基本支給品、グリーフシード(濁り70%)、アヴァロンのカードキー@コードギアス 反逆のルルーシュ、クラスカード(ランサー)(使用制限中)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、コンビニ調達の食料(板チョコあり)、コンビニの売上金
[思考・状況]
基本:自分を信じて生き、戦う
1:巧、イリヤと共に鎧の女や影の巨人から撤退する
2:ゲーチスさんとはもう一度ちゃんと話したい
[備考]
※第7話、杏子の過去を聞いた後からの参戦
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※魔法少女と魔女の関連性を、巴マミの魔女化の際の状況から察しました



【D-3/市街地/一日目 夜中】

【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:黒化、右腕欠損、魔力消耗(中)、クラスカード(???)夢幻召喚中
[装備]:マグマ団幹部・カガリの服(ボロボロ)@ポケットモンスター(ゲーム)、カレイドステッキ(サファイア)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
    クラスカード(ライダー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード(???)(夢幻召喚中)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品×2、呪術式探知機(バッテリー残量5割以上)、自分の右腕
[思考・状況]
基本:狂気に任せて行動する
1:逃げた人たちを追いかける。特にイリヤは逃さない
2:先輩のいない世界などもうどうにでもなればいいと思う

[備考]
※黒化は現状では高い段階まで進行しています。
※クラスカードを夢幻召喚した影響で状況判断力、思考力が落ちています。時間経過で更に狂化が進行する可能性があります。
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432 ◆Z9iNYeY9a2 :2017/12/23(土) 01:02:16 ID:6rSZgSRY0
投下終了です


433名無しさん :2017/12/23(土) 02:04:59 ID:/pNvvzfY0
投下乙です

まさかのランサーさやかちゃん誕生!たっくんとのナイスコンビネーションで社長を撃破
でもソウルジェムにヒビが…。
やっぱり桜は暴走しちまったか。というか社長、なにとんでもないもの渡してんだ…
とうとう美遊まで失ったイリヤは果たして再起できるのだろうか


434名無しさん :2017/12/25(月) 16:49:55 ID:usKFIupc0
投下乙です

社長はまぁ、たっくん吹っ切れ木場さん死亡、月も対主催者となればこうなっちゃうよなぁ
最後にオーキド博士の言葉の意味を理解するシーンが個人的に好き
クラスカード×2にサファイア装備の桜はやばい…。ゲーチスは斑鳩に乗ってゼロはガウェインのハドロン砲解除とマーダー勢の戦力がアップしてるな


435名無しさん :2017/12/31(日) 03:02:49 ID:7wum9LKU0
サクランスロットさんじゃないか


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11 新西尾維新バトルロワイアルpart6 (Res:755)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 11
1名無しさん :2013/06/10(月) 21:34:44 ID:r8aCgNWo0
このスレは、西尾維新の作品に登場するキャラクター達でバトルロワイアルパロディを行う企画スレです。
性質上、登場人物の死亡・暴力描写が多々含まれすので、苦手な方は注意してください。


【バトルロワイアルパロディについて】
小説『バトルロワイアル』に登場した生徒同士の殺し合い『プログラム』を、他作品の登場人物で行う企画です。
詳しくは下の『2chパロロワ事典@wiki』を参照。
ttp://www11.atwiki.jp/row/


【ルール】
不知火袴の特別施設で最後の一人になるまで殺し合いを行い、最後まで生き残った一人は願いが叶う。
参加者は全員首輪を填められ、主催者への反抗、禁止エリアへの侵入が認められた場合、首輪が爆発しその参加者は死亡する。
六時間毎に会場に放送が流れ、死亡者、残り人数、禁止エリアの発表が行われる。


【参加作品について】
参加作品は「戯言シリーズ」「零崎一賊シリーズ」「世界シリーズ」「新本格魔法少女りすか」
「物語シリーズ」「刀語」「真庭語」「めだかボックス」の八作品です。


【参加者について】

■戯言シリーズ(7/7)
 戯言遣い / 玖渚友 / 西東天 / 哀川潤 / 想影真心 / 西条玉藻 / 時宮時刻
■人間シリーズ(6/6)
 零崎人識 / 無桐伊織 / 匂宮出夢 / 零崎双識 / 零崎軋識 / 零崎曲識
■世界シリーズ(4/4)
 櫃内様刻 / 病院坂迷路 / 串中弔士 / 病院坂黒猫
■新本格魔法少女りすか(3/3)
 供犠創貴 / 水倉りすか / ツナギ
■刀語(11/11)
 鑢七花 / とがめ / 否定姫 / 左右田右衛門左衛門 / 真庭鳳凰 / 真庭喰鮫 / 鑢七実 / 真庭蝙蝠
真庭狂犬 / 宇練銀閣 / 浮義待秋
■〈物語〉シリーズ(6/6)
 阿良々木暦 / 戦場ヶ原ひたぎ / 羽川翼 / 阿良々木火憐 / 八九寺真宵 / 貝木泥舟
■めだかボックス(8/8)
 人吉善吉 / 黒神めだか / 球磨川禊 / 宗像形 / 阿久根高貴 / 江迎怒江 / 黒神真黒 / 日之影空洞

以上45名で確定です。

【支給品について】
参加者には、主催者から食糧や武器等の入っている、何でも入るディパックが支給されます。
ディパックの中身は、地図、名簿、食糧、水、筆記用具、懐中電灯、コンパス、時計、ランダム支給品1〜3個です。
名簿は開始直後は白紙、第一放送の際に参加者の名前が浮かび上がる仕様となっています。


【時間表記について】
このロワでの時間表記は、以下のようになっています。
 0-2:深夜  .....6-8:朝     .12-14:真昼  .....18-20:夜
 2-4:黎明  .....8-10:午前  ....14-16:午後  .....20-22:夜中
 4-6:早朝  .....10-12:昼   ...16-18:夕方  .....22-24:真夜中


【関連サイト】
 まとめwiki  ttp://www44.atwiki.jp/sinnisioisinrowa/
 避難所    ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14274/

736着包み/気狂い ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:50:25 ID:LVJNO3B60

【二日目/黎明/?-?】
【球磨川禊@めだかボックス】
[状態]『少し頭がぼーっとするけど、健康だよ』
[装備]『七実ちゃんはああいったから、虚刀『錆』を持っているよ』
[道具]『支給品一式が2つ分とエプロン@めだかボックス、クロスボウ(5/6)@戯言シリーズと予備の矢18本があるよ。後は食料品がいっぱいと洗剤のボトルが何本か』
[思考]
『基本は疑似13組を作って理事長を抹殺しよう♪』
『0番はやっぱメンバー集めだよね』
『1番は七実ちゃんは知らないことがいっぱいあるみたいだし、僕がサポートしてあげないとね』
『2番は……何か忘れてるような気がするけど、何だっけ?』
[備考]
 ※『大嘘憑き』に規制があります
  存在、能力をなかった事には出来ない
  自分の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り0回。もう復活は出来ません
  他人の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り0回。もう復活は出来ません
  怪我を消す能力は再使用のために1時間のインターバルが必要。(現在使用可能)
  物質全般を消すための『大嘘憑き』はこれ以降の書き手さんにお任せします
 ※始まりの過負荷を返してもらっています
 ※首輪は外れています
 ※黒神めだかに関する記憶を失っています。どの程度の範囲で記憶を失ったかは後続にお任せします

【鑢七実@刀語】
[状態]健康、身体的疲労(小)、交霊術発動中
[装備]四季崎記紀の残留思念×1
[道具]支給品一式×2、勇者の剣@めだかボックス、白い鍵@不明、ランダム支給品(0~2)、球磨川の首輪、否定姫の鉄扇@刀語、
   『庶務』の腕章@めだかボックス、箱庭学園女子制服@めだかボックス、王刀・鋸@刀語、A4ルーズリーフ×38枚、箱庭学園パンフレット@オリジナル
[思考]
基本:球磨川禊の刀として生きる
 0:禊さんと一緒に行く
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


737着包み/気狂い ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:51:58 ID:LVJNO3B60









『ねえ七実ちゃん』





「髪、切らない?」


738 ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:54:59 ID:LVJNO3B60
以上です。
久しぶりの投下の上、書いた期間がツギハギのため妙な所があると思われます。
いつも通り妙な所へのご意見などよろしくお願いいたします。

失礼いたします。


739名無しさん :2016/11/13(日) 01:19:09 ID:Z.1e3q5.0
投下乙です
平和だー
(薄氷を履むなんてレベルじゃない危うさでかろうじて成り立っているいつ崩壊してもおかしくない)束の間の平和だー
混物語で平常運転な阿良々木さん見てたから忘れかけてたけどクマーも立派な(?)変態だったよ…
そしてその内容を一言一句違わず思い出せる七実も変態なのでh(踏み潰されました)
横恋慕みたいなことをしてるという自覚ありながら後ろ手になる七実が想像するとめちゃくちゃかわいい
最後の『』が外れた「髪、切らない?」がたまらなく不穏でよかったです


740名無しさん :2016/11/15(火) 00:45:32 ID:utwXllF60
集計者様いつも乙です
月報失礼します
話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
165話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)


741名無しさん :2016/11/18(金) 21:27:24 ID:bGA8JbRg0
投下乙です
球磨川の固有結界が相変わらずすぎて安堵(不安)を覚えざるを得ない
七実姉さんもなんだかんだ言いつつ乗っかるし…もう君たち殺し合いとかいいからここで暮らしたらどうよ


742 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:43:41 ID:hznMXV2k0
投下します


743非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:46:47 ID:hznMXV2k0
 

【深夜】 G-6、薬局


「手紙?」


玖渚さんが差し出した封筒を見て、僕は見たままのことを言った。ここ薬局の備品をそのまま使った何の変哲もない封筒。玖渚さん直筆の手紙が、その中に納められている。


「そ、僕様ちゃんからいーちゃんへの手紙。首尾よくいーちゃんと合流できたら、ぴーちゃんからいーちゃんに渡してほしいの。ただし、ある条件が整ったら、ね」

「条件?」

「僕様ちゃんが死んだら」


あっけなく出た言葉に、僕はふぅん、と相槌を打つ。正直なところ、意外というほどの条件でもなかった。
ついさっき、玖渚さんから「リスクを分散するために、別行動をとってほしい」との申し出を受けたところだ。水倉りすかの危険性についても、すでに説明は受けている。


「死んだら、ね。そうなると、手紙というより遺書みたいだな」

「僕様ちゃんからしたら保険みたいなもんだけどね。まあ、遺書でもあってるよ。『遺言書在中』とか表に書いたりして? ふふ」

「さすがに笑えないな……」


死。重い言葉のはずなのに、今はその重さを感じるのが難しい。
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744非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:48:20 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
【黎明】 F-7、図書館前


僕がなぜ生きているのかと言われたら「運がよかったから」と答えるほかないだろう。
謙遜でも卑屈でもなく、掛け値なしに僕は弱い。病院坂のように極端な虚弱体質というわけではないにせよ、人並み以上の体力は有していないし、玖渚さんのような頭脳や情報力もない。

ましてや、人識や伊織さんのような人殺しの才能など。

今まで僕は幾度となく死の淵に立たされている。そのたびに、誰かに助けられ、運に救われ、こうして生き延びている。
時宮時刻に襲われたときは、人識に助けられ。
不要湖では、火憐さんに庇われ。
真庭鳳凰を撃退できたのだって、玖渚さんの情報と、伊織さんが結果的にとはいえ囮のような役割を果たしてくれたからこそだった。

助けられっぱなしというだけならただ情けないだけの話だけれど、問題はそのたびに、僕以外の誰かが犠牲になっているということだ。
病院坂も、迷路さんも、火憐さんも。伊織さんだって無事では済んでいない。
僕の命が助かるたびに、いつも誰かが傷ついた。
「すべてが自分のせい」などと悲劇の主人公を気取るつもりは毛頭ない。すべてを運に任せてきたわけではないし、自分なりに最善の結果を得るため行動してきた自負はある。僕の働きが誰かを助けたこともあったはずだ。多分。

ただ、僕がいま生き残っているというのは、とどのつまりそういうことなのだ。
誰かが死に、犠牲になるくらいの不幸をもってしてようやく「櫃内様刻が、殺し合いのさなかで生き残っている」というありえない幸運は釣り合いが取れる。

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745非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:49:34 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
『死体がない』というのは、この場合、喜ぶべきことなのだろうか?
正確を期すなら、図書館の中に伊織さんが屠ったショートヘアの女の子の死体が転がってはいるが、そんなことを描写したところで何か意味があるわけではない。
死体はないが、首輪はふたつ。デイパックもふたつ。
首輪探知機の表示が示すとおり、人識と伊織さんの首輪で間違いはないだろう。デイパックもおそらくは同様だ。中身を見るまで断定はできないけれど。

なぜ首輪だけが?
疑問符をはさんではみたものの、その回答を得るのに大した思考は必要なかった。
頭の中でアラートが鳴り始める。最悪の想像であり、同時にこの状況から考え得る最も妥当な判断。
僕が今、単独で行動している最大の理由。玖渚さんたちにとっての最重要の懸念事項。


「水倉、りすか……」


とっさにスマートフォンを取り出し、玖渚さんの携帯へコールする。数秒のラグののち返ってきたのは、電話が通じない旨を知らせる電子音声だった。
電源が切られている? 玖渚さん自身がなんらかの理由で切っているのか、それとも。
伊織さんは――しまった、伊織さんの連絡先を聞いておくのを忘れていた。人識と玖渚さんの番号さえ分かっていればいいという慢心があったせいか。やむなく人識の携帯にかける。こっちは玖渚さんからのメールに番号が載っていたはずだ。


――prrrrrrrrrrrrrrrrr。

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746非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:51:40 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
【黎明】 F-6


一人で三つのデイパックを抱えて歩くのは、当然ながら体力がいるし、歩みも遅くなる。
急いで移動しなければならないと言った矢先に落ちていた荷物を余さず拾っていくというのは、傍から見れば欲の皮が張って見えるかもしれない。
もし移動手段が徒歩しかないという状況であれば、さすがに自分の荷物以外は諦めていただろう。

人識の乗っていたベスパが残されていなかったら。

運よくキーが刺さったまま放置されていた、このスクーターが手に入っていなかったら。

原付の免許なんて僕は持っていないが、どっこいここは公道ではない。そして運転するだけなら免許がなくてもできる。
事故さえ起こさなければ何も問題はない。ようは自己責任だ。

かくして僕は、三つのデイパックを身体に括り付けたまま悠々と禁止エリアからの脱出に成功した。まだ陽の昇らない時間、視界の暗い中での運転なので速度は抑え目だが、この調子なら予定より早くランドセルランドへたどり着けそうだ。


「これもまた、人識に助けられたってことなのかな……」


無意味に発した独り言はエンジン音にかき消される。さすがにそれは都合のいい考え方かもしれない。やってることだけを見ればただのバイク泥棒だ。
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747非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:53:43 ID:hznMXV2k0
 
8枚。つまりは8人の死者の映像。
うち5人については、さっきの放送の内容が正しければすでに割れている。戦場ヶ原ひたぎ、宗像形、黒神めだか、そして人識が殺した真庭鳳凰と供犠創貴。
つまり放送をまたいで3人、新たな死者が出ているということになる。
ちょうど3人、という数字にはもはや悪意すら感じてしまう。このDVD自体、悪意以外の何物でもないという話だけれど。
本来なら伊織さんたちが入手する手筈だったこのDVDで伊織さんたちの生死を確認するというのは皮肉もいいところだが、見ないわけにはいかない。もしそこに水倉りすかが映っていたとしたら、それは重要な情報だ。

玖渚さんたちの遺志を継ぐために。


「……いや、だから『遺志』はまだ早いって」


どうにもさっきから、死を前提に考えすぎている節がある。
こんな非常時であることを思えば、仕方がないといえば仕方がないことだが。


それとも、僕はもともとこうだっただろうか。
誰かの死を、こうも簡単に受け入れる人間。
自分が殺したときは、ああも取り乱していた癖に。


ともかく事実の把握が先決だ。安全が確保できるような場所に着き次第、DVDを再生してみよう。幸いというか、手持ちの支給品にはノートパソコンがある。再生するための機材を探す必要はない。

……仮に、玖渚さんが本当に脱落してしまったとしたら、この殺し合いの打破を試みようとしている僕たちにとっては相当な痛手だ。彼女の機械工学の知識とスキルは常人の域をはるかに超えている。
すでにある程度首輪の解析は進んでいるらしいが、その解析結果さえ、玖渚さん以外の者に理解するのは容易じゃないだろう。僕が聞いたとしても、用語の意味すら理解不能に違いない。
『死線の蒼(デッドブルー)』。
凡人たる僕たちには、越えることすら許されない一線。
その玖渚さんでさえ一筋縄ではいかないこの首輪を解除することが、彼女なしにはたして可能なのだろうか?

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748非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:55:45 ID:hznMXV2k0
 
何だ?

僕は今、何を考えた?












――『持てる最大の能力を発揮して最良の選択肢を選び最善の結果を収める』。それが僕の持論のひとつだったはずだ。ならば必然、あらゆる選択肢を念頭に置いておかなくてはならない。












そうだ、その通りだ。
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749非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:59:12 ID:hznMXV2k0
思いついてしまった今、僕は僕自身に問わなくてはならない。


優勝を狙うというのは、はたして最適な解答か?


それを目指すことが、僕にできるのか?


その選択はつまり、必要に迫られればまた誰かを殺すことになるかもしれないということだ。できるできないの話ではない。「やる」という決意が、この選択には必要になるということ。
二度と人を殺したくなどない。それは偽らざる本音だ。
でも、それ以外に最善の方法が見つからなかった場合、その本音を守り通すことができるだろうか。


そもそも、こんな選択が本当に最善だと言えるのか?


万が一、最後の一人まで生き残ったとして、そのとき僕は何を願う?


何を願えば、最適な解答だと認められる?


僕はくろね子さんのような名探偵ではない。たとえ正解を手に入れたとしても、『この解答は、はたして正解なのだろうか』という不安に取り憑かれ続けるだろう。
僕の目的とは、いったい何なのか?
僕が生きている意味とは、いったい何なのか?
分からない、分からない、分からない。
分からないから、考えないようにしていた。
考えても考えても、正解など出ないような気がしたから。
正解が出たとしても、それが本当の正解かどうか分からないから。
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750非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 23:00:09 ID:hznMXV2k0
【2日目/黎明/F-6】


【櫃内様刻@世界シリーズ】
[状態]健康、『操想術』により視覚異常(詳しくは備考)
[装備]スマートフォン、首輪探知機、無桐伊織と零崎人識のデイパック(下記参照)、ベスパ@戯言シリーズ
[道具]支給品一式×8(うち一つは食料と水なし、名簿のみ8枚)、玖渚友の手紙、影谷蛇之のダーツ×9@新本格魔法少女りすか、バトルロワイアル死亡者DVD(11~36)@不明
   炎刀・銃(回転式3/6、自動式7/11)@刀語、デザートイーグル(6/8)@めだかボックス、懐中電灯×2、真庭鳳凰の元右腕×1、ノートパソコン、
   鎌@めだかボックス、薙刀@人間シリーズ、蛮勇の刀@めだかボックス、拡声器(メガホン型)、 誠刀・銓@刀語、日本刀@刀語、狼牙棒@めだかボックス、
   金槌@世界シリーズ、デザートイーグルの予備弾(40/40)、 ノーマライズ・リキッド、ハードディスク@不明、麻酔スプレー@戯言シリーズ、工具セット、
   首輪×4(浮義待秋、真庭狂犬、真庭鳳凰、否定姫・いずれも外殻切断済)、糸(ピアノ線)@戯言シリーズ、ランダム支給品(0~2)
   (あとは下記参照)
[思考]
基本:死んだ二人のためにもこの殺し合いに抗う(瓦解寸前)
 1:「いーちゃん」達と合流するためランドセルランドに向かう
  2:玖渚さんの手紙を「いーちゃん」に届ける
 3:死亡者DVDの中身を確認する
[備考]
  ※「ぼくときみの壊れた世界」からの参戦です。
 ※『操想術』により興奮などすると他人が時宮時刻に見えます。
 ※スマートフォンのアドレス帳には玖渚友、宗像形、零崎人識(携帯電話その1)が登録されています。
 ※阿良々木火憐との会話については、以降の書き手さんにお任せします。
 ※支給品の食料の一つは乾パン×5、バームクーヘン×3、メロンパン×3です。
 ※首輪探知機――円形のディスプレイに参加者の現在位置と名前、エリアの境界線が表示される。範囲は探知機を中心とする一エリア分。
 ※DVDの映像は29~36を除き確認済みです。
 ※スマートフォンに冒頭の一部を除いた放送が録音してあります(カットされた範囲は以降の書き手さんにお任せします)。



【その他(櫃内様刻の支給品)】
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751 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 23:01:01 ID:hznMXV2k0
以上で投下終了です


752名無しさん :2017/11/05(日) 01:26:57 ID:HmdfQnBs0
投下おつー
そうか、もう5分の1なんだよな……
色々と自覚や認識は進んだけど果たして合うべき辻褄はあるのか
なければ合わせれるのか


753名無しさん :2017/11/05(日) 02:12:08 ID:y4J2qcF20
投下乙です
そう来たか、というのが素直な印象
ですが思考の端々から様刻らしさが滲み出ていてマーダー化フラグが立ったときのシーンには思わずこちらもドキリとさせられました
だが様刻よ、生き残りの9人の中には強さランキング2位と3位がいるし3位とは遭遇ワンチャンあるぞ…


754名無しさん :2017/11/15(水) 16:09:48 ID:CoY2rlKQ0
お久しぶりです
月報失礼します
話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
165話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)

それと最新話Wiki収録しました
確認はしましたが見落としがあるといけないので何かありましたらお願いします


755名無しさん :2017/11/15(水) 16:11:56 ID:CoY2rlKQ0
…失礼、コピペミスりました
こちらが正しい月報でございます


話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
166話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)


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12 オリロワ2014 part2 (Res:1000)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 12
1名無しさん :2014/11/17(月) 01:04:44 ID:Um5.PoVk0
ここは、パロロワテスト板にて、キャラメイクの後投票で決められたオリジナルキャラクターでのバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www59.atwiki.jp/orirowa2014/pages/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16903/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1393052730

参加者(主要な属性で区分)
2/5【中学生】
●初山実花子/●詩仁恵莉/●裏松双葉/○斎藤輝幸/○尾関裕司
7/10【高校生】
○三条谷錬次郎/●白雲彩華/○馴木沙奈/○新田拳正/○一二三九十九/○夏目若菜/○尾関夏実/●天高星/●麻生時音/○時田刻
0/2【元高校生】
●一ノ瀬空夜/●クロウ
1/3【社会人】
○遠山春奈/●四条薫/●ロバート・キャンベル
3/3【無職】
○佐藤道明/○長松洋平/○りんご飴
2/3【探偵】
●ピーリィ・ポール/○音ノ宮・亜理子/○京極竹人
2/3【博士関連】
○ミル/○亦紅/●ルピナス
2/3【田外家関連】
○田外勇二/○上杉愛/●吉村宮子
2/5【案山子関連】
●案山子/○鴉/○スケアクロウ/●榊将吾/●初瀬ちどり
2/2【殺し屋】
○アサシン/○クリス
5/6【殺し屋組織】
●ヴァイザー/○サイパス・キルラ/○バラッド/○ピーター・セヴェール/○アザレア/○イヴァン・デ・ベルナルディ
2/3【ジャパン・ガーディアン・オブ・イレブン】
○氷山リク/●剣正一/○火輪珠美
2/3【ラビットインフル】
○雪野白兎/○空谷葵/●佐野蓮
1/2【ブレイカーズ】
○剣神龍次郎/●大神官ミュートス
4/6【悪党商会】
○森茂/●半田主水/○近藤・ジョーイ・恵理子/●茜ヶ久保一/○鵜院千斗/○水芭ユキ
6/8【異世界】
○カウレス・ランファルト/○ミリア・ランファルト/○オデット/○ミロ・ゴドゴラス�世/○ディウス/●暗黒騎士/●ガルバイン/○リヴェイラ
2/5【人外】
○船坂弘/●月白氷/○覆面男/●サイクロップスSP-N1/●ペットボトル
2/2【ジョーカー】
○主催者(ワールドオーダー)/○セスペェリア

【47/74】

981人でなしの唄 ◆H3bky6/SCY :2017/11/10(金) 00:13:35 ID:pe6GhuWI0













多くの人間に破滅と混乱を齎したバラッドの突然死。
それに対して混乱をきたしている人間はもう一人いた。
正確には人間はなく精霊、妖精の類の存在であるのだが。

『なに!? なんなのいきなり!?』

ユニコーン・ソウル・デバイス・エンチャント。
純潔なるものにか見えない聖と性を司る神聖なる存在。
彼女はとある世界の片隅にある妖精界の存在である。

契約者バラッドの死は彼女にとっても悼むべきことではあるのだが、そんな余裕はない。
人間界で一度目覚めてしまった以上、契約者をなくしてしまえば1時間ほどで消滅してしまう。
それまでに次の契約者を見つけなくてはならなかった。

『くそっ! いない、いない…………ッ!』

焦りながら周囲を見渡しながら飛行を続けるユニ。
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982人でなしの唄 ◆H3bky6/SCY :2017/11/10(金) 00:13:54 ID:pe6GhuWI0
遠くを見つめていた男の視線がユニへと向き直る。
口元の笑みが更に歪に折れ曲がった。
悪い予感がある。
悪い予感がある。
どうしようもなく悪い予感がある。

「よくやったね。ユニコーン・ソウル・デバイス・エンチャント。
 君のお蔭でそれなりに面白い展開になった。まあ、結局はダメだったけれど」

父とも言える創造主からのお褒めの言葉。
感涙に咽び泣いてもおかしくないこの言葉を受けて、ユニの心に到来したのは恐怖だった。

『……いや、やめて』

後ずさるようにユニが空中を滑る。
これが何が起きるのか、恐ろしい予感がある。

「さて、よくやってくれた君に暇を与えよう。ここから先、多分君の出番はない。
 放っておいても消えるだろうけど、明示的に消えておいた方が締まりがいい。憂いは少しでもなくしておきたいからねぇ」

直後、全力でユニは後方へと逃げ出した。
幸運なことに彼女は参加者ではない。
禁止エリアを気にする必要もなければ、大半の参加者には見えないから襲われる心配も少ない。
全力でただまっすぐ、あの男から逃れる事だけ考えていればいい。
その後の消滅など、それに比べれば些細な事だ。

だが、逃げるなど言う行為は無意味である。
どれだけ逃げようとも、どこまで逃げようとも、世界そのものからは逃れられない。

「『妖精』は『消えろ』」
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983人でなしの唄 ◆H3bky6/SCY :2017/11/10(金) 00:14:04 ID:pe6GhuWI0
投下終了です


984名無しさん :2017/11/10(金) 01:17:48 ID:jgcHUdvg0
投下乙です
殺し屋組織の最初から一番遠ざかったピーターとパラッドが
最後に残って、最期に歪みの果てを見せるとは皮肉というかなんというか…
ボンガルさん、どこまでも終わり際に恵まれねえなあ


985名無しさん :2017/11/10(金) 01:49:20 ID:DbQut5iQ0
乙です


986 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:06:37 ID:ZNZW.N9o0
投下します


987悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:08:17 ID:ZNZW.N9o0
●ドン・モリシゲ。

本名:森茂。
武器商人会社を母体とした秘密結社、悪党商会の現社長。
紛争地域である某国海域の船上で生まれたとされているが詳細は不明。
武器商人である父の事業を手伝いながら、多くの紛争地を渡り歩いていたが父の意向か某年日本へと活動の拠点を移す。
日本でどのような活動を行っていたのかその詳細を掴むことはできなかったが、何かを揉み消した跡は無数に発見できた。何らかの非合法活動に励んでいたと推察される。
程なくして一時的に悪党商会を離れていたようだが、その間は紛争地の最前線で戦っていたとも日本の秘密組織に潜伏していたとも噂されているが詳細は不明。
次に彼が表舞台に姿を現したのは悪党商会の電撃的な社長交代劇。余りの出来過ぎた革命劇に私見ではあるが前社長殺害の関与を疑っている。

悪党商会を完全に掌握し社長の座を獲得したモリシゲは事業方向を一新。
武器開発で培った技術とコネクションを社会貢献に費やす事を打ちだし、多額の寄付や投資などの多くの社会貢献活動に努め慈善家と知られるようになった。
しかし裏ではこれまで通り武器開発を進め、大規模な武器密輸シンジケートを構築。
光さす表での活動に比例して影を濃くするように裏の活動もより非合法な方向へと活動を強めた。
表の世界に秩序を齎すと同時に裏の世界に混沌を齎す、まるで二つの世界を明確に切り分ける神か悪魔のようだ。

その最たるものが孤児院運営だろう。
孤児院はモリシゲにとって都合のいい教育を行う洗脳施設であったと推察される。
彼の経営する孤児院出身の子供らには明らかに戦闘教育を受けた痕跡があり、出院後の死亡率は異常なまでに高くその死亡状況も公にはされない異常なモノばかりである。
モリシゲにとって子供たちは使い捨ての道具でしかなく、その実態は少年兵生産工場であると言えるだろう。
刑事として、親として、それ以前に人間として、身寄りをなくし道理も知らぬ無垢な子供を利用するようなやり口は到底許せるモノではない。
彼は世界から排除すべき悪党である。

                                    <<ロバート・キャンベルのノートより抜粋>>

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

世界を変える者がいる。
世界を作為的に捻じ曲げる悪意。
尻尾の先すら掴ませない巧妙さで毒を巻き、気づけば世界は癌細胞の様な病魔に侵されていた。
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988悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:09:51 ID:ZNZW.N9o0
電気により革命された世界は常に煌びやかな光に溢れ、夜を克服する事に成功した。
だが努々忘れることなかれ。その恩恵は人の営みにより与えられる物。
いかな都市とはいえ、それを維持する人間がいなければ夜はまたその猛威を振るいはじめるのだと。

街並みから太陽の日が落ちる。
街灯の光すらなく、冷たい鉄筋コンクリートの街並みを照らすのは冷たい月明かりのみである。
そんな薄暗い市街地の端にある小さな公園に集っているのは平和な国で平穏に生きてきた学生たちだった。
学業を修め学友と語らい日々を過ごす、そんな日常を送っていた少年少女。
本来であれば住み慣れた自宅で一日の疲れを癒し、明日に向け英気を養う時間である。

そして殺し合いと言う数奇な運命に巻き込まれた状況でもまた休息を取っていた。
学友たちとの合流と言う当面の目標は達せられた。
どうやって無事にこの孤島から脱出し帰還するのかという課題は残るが、先を見越して一先ず疲れ切った体を癒す事にしたのである。
今日を生き残り、明日を生きるため。

公園のベンチに腰掛けているのは二人の少女である。
どれ程の修羅場をくぐりぬけて来たのか、その身なりは薄汚れ、痛々しい傷跡がいくつも見て取れた。
応急処置はしているが素人仕事の上に大した道具もない。
このような地獄にあれば、いかなる華も薄汚れるという物だろう。
だが、男と女それぞれの学生服に身を包む二人の少女には、泥にも穢れぬ若さと可憐さの華があった。

方や溶けては消える雪のように儚げな白の少女。
方や周囲を明るく照らす太陽のような健康的な少女。
対照的な光を放つ二人の少女はパンを片手に、可愛らしいハンカチをテーブルクロス代わりにして缶詰と水をベンチの上に並べていた。

健康的な少女、一二三九十九は千切った味気のないパンを小さな口に放り込む。
家庭では台所を預かる身として食事に関して一言あるのか、缶詰とパンという味気ない食事に不満気だった。
台所でもあれば簡単な調理ならできたのに、と思うがよそ様の家に忍び込み勝手に台所を使うと言うのも流石に気が引ける。
そもそも街灯すら灯っていないこの街にガスが通っているかも怪しい。

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989悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:10:34 ID:ZNZW.N9o0
ユキには父に対する絶大な信頼がある。
ユキなんかが心配するなんて、それこそ烏滸がましいほどに父は強い。
その強さは戦力的な意味合いだけでなく、人間としての強度が違う。
ユキにとって、いや悪党商会という組織にとって常に迷いなく決断し、決して間違う事はない絶対的主柱。
森茂とはそんな人間だ。
この場においてもその存在が揺らぐことはないだろう。

「……尊敬してるんだね、お父さんの事」
「そうだね。尊敬してる」

どれだけ悪評を聞かされようとも、それだけは断言できる。
森茂はユキを救い、ここまで育ててくれた大恩人だ。
尊敬していないはずがない。

「いいなぁ、ウチなんて喧嘩ばかりだよ」
「……そうなの?」

九十九は羨む様な声でそう言うと、難しそうな顔で腕を組んで首を捻る。
ユキの中では九十九は家族仲がよさそうなイメージだったから意外と言えば意外な話だった。

実際の所、九十九は父親との折り合いが悪い。
その切っ掛けは父が家業を継がず修理屋として独立したことにある。
その父の決断に関して祖父は何も言わなかったから、九十九も必要以上に追及はできなかったが。
あれだけの腕を持ちながら家業を継がなかった父が、九十九はどうしても許し難かった。
そんなわだかまりはずっと残り続けていて、それから妙にぎくしゃくしている。

もう時代は刀など必要としていない。
伝統工芸であり芸術品としての価値はあるものの、刀の本質は失われた。
いや、失われるのが正しい世の中になった。
それは喜ぶべきことであるのだが、刀そのものが失われる、そんなのは嫌だった。
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990悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:11:22 ID:ZNZW.N9o0
「……うん。そうだね、そうする」

この激動の一日を経て九十九の心境にも変化があった。
当然だ、これだけの多くの死に触れ価値観を変えない方がどうかしている。

人は容易く別れ、合えなくなって後悔を彼岸へと持ち越す。
あっと言う間に聞きたかったことも聞けなくなるのだ。
聞けるうちに聞いておかなくては後悔する。
後悔しない生き方をしようと決めた。

「それじゃあ、お父さんと喧嘩するためにも帰らないとね!」

死ねない理由がまた増えた。
生きて帰らなければ。
九十九のその決意を聞いて、ユキがポツリと呟いた。

「喧嘩か…………私はしたことがないな」

ユキは父と喧嘩などしたことがない。
だって父はいつだって圧倒的に正しく、ユキなんかが逆らう余地などなかった。
そこに疑問を持った事などないし、疑問など必要なかった
それでいいと思ってきたし、そこに間違いなどないと思ってきた。

だけれど、今は違う。
問わなければならない。
命がけでユキに疑問を託した人がいる。
だから、このノートを託された者としての責任として。

「…………初めて喧嘩するかもね」

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991悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:12:06 ID:ZNZW.N9o0
「? どったの?」
「いや…………何でもねぇよ」
「そう? じゃあ私たちも行こ」

腕を放す。
九十九は少しだけ不思議そうに首を傾げたが、すぐさま気を取り直すとパタパタと駆けて行った。
拳正は一人、ユキから聞かされた人物像を頭に浮かべながら、表情を険しくするのだった。

「お父さん! ああよかった無事だったのね。いいえ、無事なのは心配していなかったけれど……えっと」

いち早く男の前に駆け寄ったユキは何時になく早口で捲し立てる。
普段はクールを気取ってるユキがここまで取り乱すのは再会が余りにも不意打ちだったからだろう。
そんなまとまりのない言葉を遮る様に、大男の黒い手がその頭を撫でた。

「うん。キミも無事でよかったよ、ユキ」

見慣れた笑顔にユキも安心したように表情を崩す。
そこに遅れて二つの足音が駆け付けた。
それを振り返り、ユキは二人を父へと紹介する。

「えっと、お父さん。こちら同じクラスの新田拳正くんと一二三九十九さん。
 この場で合流できて、今は一緒に行動をしてるの」
「やあ、ユキが世話になったようだね。俺はユキの保護者をしている森茂という男さ」

強面な顔に似合わぬ温和な態度で森は応じる。
友人の親に挨拶され、九十九はいえいえと照れながら頭を掻き、拳正は無言のまま目を細める。
森はその二人を一瞥した後、キョロキョロと首を振り周囲を見渡した。

「それで、キミの仲間はこれだけかい?」
「ええ、他にも仲間はいたのだけれど、みんな…………」
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992悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:12:58 ID:ZNZW.N9o0
「……………………お父さんが…………お父さんが、私たちを利用しているって本当?」

遠まわしな聞き方ができるような器用さをユキは持たない。
どう切り出そうか迷いに迷ったが、結局率直な言葉しか出てこなかった。
思わぬ言葉に森は悲し気に眉を寄せ、肩を竦める。

「酷い話だ。そんな話をどこで?」
「参加者の一人から、聞かされたわ……嘘をついているようには…………見えなかった」

FBI捜査官であるロバート・キャンベルがユキに託した言葉だ。
命を懸けて伝えられた言葉に嘘などあるはずもない。
少なくともユキにはそう見えた。

「だったらその人が勘違いをしていたんだろう。
 俺たちの仕事は誤解を受けやすいからね。それくらいユキも理解してくれているだろう?」

悪党商会は世間から見れば悪党だ。
そういう色眼鏡をかけた偏見の目で見られるのはいつもの事である。
気にするべきことじゃないさと森は重い問いを軽く流した。

「じゃあ、サクラやウミやモミジはどうなったの?」

先に卒院した孤児院の仲間たち。
その行く末を問う。
こればかりは軽く受け流せることではなかったのか。
その問いに森は真剣な面持ちで僅かに押し黙る。

その結末は問うまでもなくユキだって知っている。
彼らは全員死んでしまった。
なあなあでヒーローたちと戦う表の仕事と違う、危険を伴う裏の仕事に従事していた。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


993悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:13:36 ID:ZNZW.N9o0
「俺は殺し合いに乗っている」
「え………………?」

それはユキにとって天地がひっくり返るような衝撃だった。
傾きかけた信頼の天秤がひっくり返るほどの。

「そ、そんなッ!? お父さんならそんなことしなくてもみんなで脱出だって……!」

あんな奴の言いなりになるだなんて考えもしなかった。
悪党商会の社長にして技術顧問。
その知識と技量があれば、殺し合いに乗らずとも生還の道を歩む事は難しくない。

「そうだね。不可能ではない。だが、そうはしなかった」

事実として、森は首輪の解除に成功している。
脱出方法だっていくらでも見つけられるかもしれない。

多くが生き残る可能性のある方法ではなく、ただ一人の優勝を目指す。
その道しか選べなかったのではなく、いくつかの選べる道の中からそれを選んだ。
出来る出来ないの話ではなく、するかしないかの話だ。
これはそれだけの話である。

「…………なら」

みっともないほど震える声で解かり切ったその先を問う。
殺し合いに乗ったのならば、やるべきことなど決まっている。

「ああ、全員殺さなくちゃならないね」

殺害宣言。
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994悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:14:28 ID:ZNZW.N9o0
「それは君がそうあって欲しいというだけだろう。現実と願望を混同してはいけない」

だが森と言う脅威はこうして現実としてある。
ユキも殺すし、九十九も殺す。
それがこの現実の結末だ。

「いいえ、私は信じます」
「信じる? 何を?」
「ユッキーの信じるあなたを」
「…………へぇ」

ユキですら揺らいでいる中で、ユキの信じる森を信じるというのか。
森は少しだけ感心したように息を漏らす。

「面白いね、君。
 いや、本当に。そんな思考で、ここまで生き残ってるのが不思議で仕方がない」

ぬぅと九十九に向かって森が黒い手を伸ばす。
その指先が少女に触れる前に、背後から拳正が不意打ちのような形で跳びかかった。
問答無用で殴りかかる。

「そう急くなよ、少年」

だが、大男を容易く吹き飛ばす肘撃は翻した漆黒の手のひらに容易く受け止められた。
ピクリともしない。
感触は大岩のように固く、重い。
全身に痛いほどの寒気を感じながら、猫のような俊敏さで跳ねる様に引く。

「ッ…………べぇな。師匠級」

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995悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:15:47 ID:ZNZW.N9o0
小回りだけは小兵である拳正が上だ。
自身の発揮できる最速で回り込み、これが最初で最後の勝機と、全身に廻らせた気を爆発させ地面を踏み込む。
脇腹下にある人体急所『京門』を目がけ、最大級の裡門にて打ち抜く。
籠めるは渾身。狙うは必殺。
その後の防御も、躱されることも考えない。
そういう余分は全て捨て、ただこの一撃に全てを懸ける。

「な、」

拳正の持つ最高の一撃は狙い通り急所へと直撃した。
だが、まるで手応えと言う物がない。

当たらないのならばまだいい。
だが直撃して何一つ効果がないと言うのはどうか。
最大限の攻撃が直撃しても、何のダメージも与えられないとなればそれは何をしても、どうにもならない事に他ならない。
絶望的だ。

「もう反撃してもいいかい?」
「ッ!?」

左腕にはめ込まれた鉄甲で殴り飛ばされる。
化勁が間に合わず直撃を受け、吹き飛ばされるようにザリザリと地面を滑った。
自ら跳ぶ事で最低限のダメージ軽減はしたが、脳が揺れ景色が歪む。
踏み込み過ぎた代償は小さくない。

「てぇい!」
「おっと」

そんな拳正を助けようと、九十九が背後から森に斬りかかる。
太腿に斬りかかられた森は反射的に腕を振るった。
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996悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:16:16 ID:ZNZW.N9o0
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

黒く煤けた赤い空を見ている。

一組の男女が私に覆いかぶさるように倒れていた。
二人分の大人の体重は小さな私には押しつぶされてしまいそうになるほど重く身動きが取れない。
生暖かい赤い液体が頬を濡らす。
私はその液体を拭う事もせず、ただその光景を阿呆のように見上げていた。
悲鳴すら漏らせずただお父さんとお母さんと呼んでいた人間が、物言わぬただの肉袋となるのを見ていた。

お父さんが仕事先で遊園地のチケットをもらってきてくれた。
お母さんもじゃあお弁当を作ろうねと笑ってくれた。
ウチはお金持ちではなかったから、そういう所には縁遠くて私も何日も前からはしゃいで今か今かと次の日曜日を楽しみにしていた。
それなのに、どうして。

行楽日和の日曜日は地獄と化していた。
山道を走る多くの車は横転し、中から這いずるようにして多くの人が逃げ惑う。
転げたトラックから零れた荷物は逃げ惑う人に踏みつぶされ、何処かに届くはずったぬいぐるみは綿を出しながら笑っていた。

黒い煙を上げなら炎上する車の下には潰れたカエルみたいな死体がある。
暴れまわるゴリラみたいな怪人の足元には引きちぎられたみたいな人のパーツが転がってる、
お父さんとお母さんも私を庇うようにして、死んでしまった。

誰も助けてくれなかった。
誰も助けられなかった。
誰もが我先にと逃げ出し、逃げ遅れた者は皆死んだ。

ああ私も死ぬのだと、凍ったように冷めた心で理解する。
恐ろしくはなかった。
恐怖よりも絶望が勝った。
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997悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:17:54 ID:ZNZW.N9o0
「くッ…………そ」

倒れた拳正の下へ、逃れようもない死神の足音が迫る。
立ち上がろうと地面に手をつくが、体が持ち上がらない。

この場にいる誰よりも力量差を理解して、これがどうしようもない状況であると理解しているのは拳正である。
だが、どんな状況でも最後まで絶対に諦めないのもまた拳正だ。
この矛盾を抱えた、手が悔しげに地面を掻く。

血が抜けて軽くなっているはずなのに、自らの体がどうしようもなく重い。
だが、動かねば終わる。
動いても終わるとしても動かねば始まらない。
無理矢理に腕に力を籠める。

そこでクシャりと言う音がした。

気付けば、倒れた拍子に零れ落ちたのか、その手の下に何かが転がりそれを握りしめていたようだ。
それは拳正の支給品の中にあった、用途もわからず奥底にしまわれていた何の変哲もない本の頁だった。
この状況では血を拭う足しにもならない。
何の意味もない道具のはずなのだが。

「ん…………?」

森が眉をひそめた。
目の前で起きた僅かな異変に足を止める。
ゆらりと幽鬼のように拳正が立ち上がったのだ。

「おや、まだ立てる…………」

感心の言葉はそこで途切れる。
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998悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:18:47 ID:ZNZW.N9o0
「おいおい、いきなりなんだい、変わりすぎだろ。悪魔とでも契約したのかい?」
「悪魔かぁ。よく言われる」

辺りに霧散した悪刀を腕へと引き戻しながら、意味不明の何かを見るような眼で目の前の存在を観る。
動き自体は先ほどまでの少年の延長線、八極拳士のそれだ。
だが、あまりにも質が違う。
成長などと言う次元ではない、進化したとしか表現できない別次元の領域にある。

一体何が起きたのか。
大悪モリシゲをして一目では図れぬ、何かが起きている。

ユキの周囲の人間はある程度は洗ってある。
新田拳正の事も識っている。
拳正は普通の人間だったはずだ。
このような変化はありえない。

ならば、あり得るとするなら別の、この地にしかない要素。
つまりはあの男の用意した悪意。

クシャクシャに握りつぶされた一枚の紙切れが舞う。
それは何かの1ページ。
ヘブライ語で書かれていたため、読むこともできず意味が分からず荷物の奥底に押しこめた新田拳正の支給品。
だが、見つけたその時に同行していた少年に問うべきだったのだ。

それはかつてとある中学生が悪魔を降臨させた、とある男の”悪意”によって必然的に紛れさせられだ、望んだ存在を降霊させる”本物”の魔導書の1ページ。

少年の場合は今の自分を変えたいと言う変身願望を満たす悪魔だった。
だが拳正には少年のような願望もなければ悪魔や霊に対する知識もない。
故に、思い浮かべることのできる怪物など一人だけ。

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999悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:20:21 ID:ZNZW.N9o0
次スレへつづくのであった
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1515859546/


1000悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:37:39 ID:ZNZW.N9o0
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13 第二次二次キャラ聖杯戦争 part3 (Res:936)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 13
1名無しさん :2015/01/11(日) 03:53:37 ID:MASwPKVk0
ここは様々な作品のキャラクターをマスター及びサーヴァントとして聖杯戦争に参加させるリレー小説企画です。
本編には殺人、流血、暴力、性的表現といった過激な描写や鬱展開が含まれています。閲覧の際は十分にご注意ください。

まとめwiki
ttp://www63.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16771/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1406730151/


【参加者名簿】

No.01:言峰綺礼@Fate/zero&セイバー:オルステッド@LIVE A LIVE
No.02:真玉橋孝一@健全ロボ ダイミダラー&セイバー:神裂火織@とある魔術の禁書目録
No.03:聖白蓮@東方Project&セイバー:勇者ロト@DRAGON QUEST�〜そして伝説へ〜
No.04:シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア&アーチャー:雷@艦これ〜艦隊これくしょん
No.05:東風谷早苗@東方Project&アーチャー:アシタカ@もののけ姫
No.06:シオン・エルトナム・アトラシア@MELTY BLOOD&アーチャー:ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険
No.07:ジョンス・リー@エアマスター&アーチャー:アーカード@HELLSING
No.08:衛宮切嗣@Fate/zero&アーチャー:エミヤシロウ@Fate/stay night
No.09:アレクサンド・アンデルセン@HELLSING&ランサー:ヴラド三世@Fate/apocrypha
No.10:岸波白野@Fate/extra CCC&ランサー:エリザベート・バートリー@Fate/extra CCC
No.11:遠坂凛@Fate/zero&ランサー:クー・フーリン@Fate/stay night
No.12:ミカサ・アッカーマン@進撃の巨人&ランサー:セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア
No.13:寒河江春紀@悪魔のリドル&ランサー:佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ
No.14:ホシノ・ルリ@劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-&ライダー:キリコ・キュービィー@装甲騎兵ボトムズ
No.15:本多・正純@境界線上のホライゾン&ライダー:少佐@HELLSING
No.16:狭間偉出夫@真・女神転生if...&ライダー:鏡子@戦闘破壊学園ダンゲロス
No.17:暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ&キャスター:暁美ほむら(叛逆の物語)@漫画版魔法少女まどか☆マギカ-叛逆の物語-
No.18:間桐桜@Fate/stay night&キャスター:シアン・シンジョーネ@パワプロクンポケット12
No.19:ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/zero&キャスター:ヴォルデモート@ハリーポッターシリーズ
No.20:足立透@ペルソナ4&キャスター:大魔王バーン@ダイの大冒険
No.21:野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん&アサシン:ニンジャスレイヤー@ニンジャスレイヤー
No.22:宮内れんげ@のんのんびより&アサシン:ベルク・カッツェ@ガッチャマンクラウズ
No.23:ジナコ・カリギリ@Fate/extra CCC&アサシン:ゴルゴ13@ゴルゴ13
No.24:電人HAL@魔人探偵脳噛ネウロ&アサシン:甲賀弦之介@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
No.25:武智乙哉@悪魔のリドル&アサシン:吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険
No.26:美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ&バーサーカー:黒崎一護@BLEACH
No.27:ウェイバー・ベルベット@Fate/zero&バーサーカー:デッドプール@X-MEN
No.28:テンカワ・アキト@劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-&バーサーカー:ガッツ@ベルセルク

917狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:03:58 ID:ZcbxchO20

 それを聞いて、ただ絶句する他なかった。
 この子供は、アーカードが帰ってくると信じ込んでいるのだ。
 その男は、もうこの冬木から消え去ってしまったというのに。

「あっちゃん達、ここで待ってたらカレー食べさせてくれるって言ってたのん。
 だからうちここで待ってるん……ねえお姉さん、あっちゃんいつ戻ってくるん?」

 もう戻らない男達を待ち続ける少女に、何と答えればいいのか。
 彼等はもういないのだとありのままに伝えるのは簡単だ、しかしそれはあまりに残酷すぎる。
 聖処女は嘆きを心中に押し込み、いつもと変わらぬ優しい顔で、

「彼等は皆、少しばかりこの街を後にするようです。
 数日後にまた戻ってくるから、その時まで待っていてほしいと」

 ジャンヌは、この聖杯戦争で初めての嘘をついた。
 それは人を傷つけない為の、優しくて悲しい嘘。

「……それほんとなん?」
「ええ、本人達がそう伝えてほしいと」

 それを聞いたれんげは、不機嫌そうに俯いた。
 確かに不服だろうが、今はそれを信じてもらう他ない。

「"あっちゃん"でしたか。彼がしばらくは私と行動してほしい、と」
「分かったのん。でもうち、どこで寝ればいいのん?」
「それなら教会へ行きましょう。あの場にいれば安全です」

 ひとまずは、彼女を教会に連れていくとしよう。
 あの場所であれば、この子が他者に襲われる心配もない筈だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


918狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:04:26 ID:ZcbxchO20

 
【D-9/森林付近/二日目 未明】

【ルーラー(ジャンヌ・ダルク)@Fate/Apocrypha】
[状態]:健康
[装備]:聖旗
[道具]:???
[思考・状況]
基本:聖杯戦争の恙ない進行。
 0.れんげを教会で保護する。
 1.???
 2.その他タスクも並行してこなしていく。
 3.聖杯を知る―――ですか。
[備考]
※カレンと同様にリターンクリスタルを持っているかは不明。
※Apocryphaと違い誰かの身体に憑依しているわけではないため、霊体化などに関する制約はありません。
※カッツェに対するペナルティとして令呪の剥奪を決定しました。後に何らかの形でれんげに対して執行します。
※バーンに対するペナルティとして令呪を使いました。足立へのペナルティは一旦保留という扱いにしています。
※令呪使用→エリザベート(一画)・デッドプール(一画)・ニンジャスレイヤー(一画)・カッツェ(一画)
※カッツェはアーカードに食われているが厳密には脱落していない扱いです。
 サーヴァントとしての反応はアーカードと重複しています。

【宮内れんげ@のんのんびより】
[状態]ルリへの不信感、擦り傷
[令呪]残り1画
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]十円
[思考・状況]
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919狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:05:08 ID:ZcbxchO20


 ◇◇◇


『この森を抜けた先に、恐らく子供が独りで待っている』
『狂信者の俺には最早叶わんが、どうかあの子に寄り添ってはくれないか』

 アンデルセンは、最期にルーラーにそう頼んでいた。
 あの生真面目な少女の事だ、きっと頼みを聞き入れてくれるだろう。

 アーカードという真祖が消えた今、宮内れんげはただの少女に過ぎない。
 そして主を喪った今、彼女は数時間の内に消滅する運命にある。
 つい昨日までか弱い子供に過ぎなかったれんげに、孤独な最期はあまりに酷であろう。
 かつて彼女を拒絶した自分には無理でも、ルーラーならば寄り添える筈だ。

 アレクサンド・アンデルセンは、異端狩りの狂信者だ。
 けれども同時に、子供達の善き父親代わりでもあった。

 ヴラドを喪った今、アンデルセンの死はもう避けられない。
 他のサーヴァントと再契約を結べば生き長らえれるが、もう聖杯戦争に関わる気もない。
 かつて廃教会があったこの廃墟で、最期の時を過ごすとしよう。

 そう、これでよかったのだ。
 死者の舞踏は太陽と共に姿を晦まし、生者の時間が再び始まる。
 地獄へ堕ちる背信者は、ここで役目を終えるべきなのだ。

 けれど、その前にやるべき事がある。
 一介の神父として、誇り高き人間を弔わねばならない。

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920狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:05:30 ID:ZcbxchO20


……



…………



………………



……………………



…………………………



………………………………



……………………………………



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921狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:06:00 ID:ZcbxchO20
 自分の中にいる数百万もの魂を、ただひたすらに殺し続けてきた。
 血の一滴も飲まずに、逃げ惑う腰抜けな魂を狩って裂いて千切ってきた。

 逃げ続ける腰抜けの魂を狩るのは、堪らなく退屈だ。
 そして、その退屈しのぎに思い出すのが、かつての記憶だった。

 それは、人として生き続けたヴラド三世との、己の存在を賭けた一騎打ち。
 人間である事を誇り、そしてそれを尊いものとしたあの男の信念は、身震いする程美しくて。
 ただの人間が見せてくれたあの輝きは、しっかりとこの眼に焼き付いている。

 そして、その度に痛感するのだ。
 やはり人間は、化物なんかより遥かに素晴らしいのだ、と。

 やたらと髪の赤い長身の男を仕留めると、自分の中の魂は一人と一匹になった。
 それは即ち、アーカード本人の魂と、生と死の狭間を飛び交う確率世界の猫の魂。
 これでようやく、自分は"どこにでもいれて、どこにもいない"状態になれたのである。

 虚数の塊となったあの日から、きっと数十年は経っている筈だ。
 いつになったら帰ってくるのだと、主はきっと酷く腹を立てているだろう。
 あれから小皺はいくつ増え、どれだけ美しく老いたのか、見物である。

 ああ、それにしても喉が渇いて仕方がない。
 飲まず食わずで数十年は、流石に堪えるものがあるか。
 挨拶を先に済まそうと思ったが、これでは土壇場で血を吸いかねない。
 本人を肉眼で捕えた途端、吸血衝動が膨らまなければいいのだが。

 もう邪魔する者はどこにもいない。
 自分はもう何処にもいないし、何処にだっていれる。
 三十年前に閉じた瞳を、もう一度開く時が来た。

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922狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:06:36 ID:ZcbxchO20









「おかえり、伯爵」



「ただいま、伯爵」








【アーチャー(アーカード)@HELLSING 帰還】


923 ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:07:04 ID:ZcbxchO20
以上で投下終了となります。


924名無しさん :2017/02/20(月) 01:26:49 ID:JXeZXMP.0
投下乙です。
二次二次の名簿が決定された時から誰もが一度は妄想したこの勝負。お見事の一言です。
男は帰るべき場所のために幼き少女と約束を交わす。これから起きる戦闘前最後のささやかな日常。
互いの従者が敗北するなど思わず主は黙ってその戦いへ見送るのがかっこいい。彼らには彼らの戦場があって誰にも邪魔されたくない戦いがそこにはあった。

吸血鬼同士の決戦は血で血を洗うようなに最初から全開でどんどん惹き込まれました。
お約束の台詞回しから遂に対峙した余と私。一つ一つの文が凝っていて続きが早く読みたくなる。
アーカードの声一つで一斉に動き出す影、死の河がどれだけ増幅しようがあいつはこんなところで終わらないと。
勢いがありつつ終焉の時にはどこか儚い切なさすら感じる幕切れ。完全燃焼、その胸は空洞なんかじゃなくていっぱいの満足と共に消えたでしょう。

それはジョンスも同じで、最後まで己から目を背けずに生命を燃やす。馬鹿だけどかっこいい。
最後の最後まで己を貫き通す人間は馬鹿で、かっこよくて、最高だ。
作品も最後の最後まで目が離せない。これがHELLSINGとして最高の終わり方でした!
なんか感想っぽくありませんが改めて投下乙です!


925名無しさん :2017/02/20(月) 01:42:06 ID:mfmjgy/Q0
投下乙です!
ヴラドVSアーカード、人間VS吸血鬼。己でありながら己とは最もかけ離れた存在との闘いはやはり熱い!死の河を突き進んでくる「人間」ヴラドの姿は読んでいるこちらにも眩しく映る…
そしてやはり、その結末は「化物」を「人間」が討ち取るという、ある意味では互いに望んでいたかもしれない幕引き。
>「人間とはやはり、いいものだな」
>「……当たり前だ」
この掛け合いも、やはり「人間」と「人間に憧れた化物」、両者の最期の会話として最高のものだったと感じました
そして、ほぼ死に体ながら、それでも「安いプライド」の為に立ち上がらずにはいられなかったジョンス。アーカードも感じたように、何処か先のヴラドにも重なるところのあるその姿は、神父も認めた通りまさしく「人間」。
その神父はといえば、人間の王に神父としての弔いを送り消える…だけでなく。「子供」であるれんちょんをジャンヌに託すのは、なるほどこの人が誰より適任だ。
約束は守られることなく、その存在すらも知らない消失へのカウントダウンをただ進むれんちょんと、そこに並び立つジャンヌの姿は儚い。れんちょんに幸あれ…!
…そして、最後のアーカード。参戦時期の都合からこうして帰還し、そして原作ラストへと繋がるとはなんともニクい演出。ヴラドに投げかけた最期の言葉、「さよならだ、伯爵」はここに掛かってたのか…!
総じて、まさしくタイトル通り「立ち向かう人間」の美しさをこれでもかと感じられた話でした。大作をありがとうございました!


926名無しさん :2017/02/20(月) 01:50:51 ID:BP.iYyQY0
投下お疲れ様でした。鮮血の伝承、ここに、終幕。
よくネタにされてたたったひとつしかスキルのないヴラドだけど、この話はそれすらも、ただの人間としての在り方のように書いていて凄かった。
零号による領土の上塗りを前に、領土がなければ自分の身体からしか杭を出せないのを、なればこそこの身こそが最後の領土、護るべき人間そのものと言い切ったのもそう。
極刑王の串刺しにしたという追撃を活かしたことだってそう。
このヴラド三世の、無辜の怪物を、鮮血の伝承を手放せた、ランサーであるヴラド三世を、設定も絡めまくって人間として書ききった作品だった。
誰よりも人間に倒されることを望んだ化物が、誰よりも化物を滅ぼすことを望んだ人間に倒される。
これはそんな物語。
そして共にヴラド三世だからこそ、最後にヴラドも評価を改めたように、ヴラドとアーカードはそこに通じるものがあったという最後もまた美しい。
アーカードに想起させた安いプライドを最後まで貫いたジョンス。
神父として人間を弔い、子どもたちの幸せを祈ったアンデルセン。
果たされぬ約束を待ち続けるれんげ。彼女の残った理由もあの時期から呼ばれたアーカードならではで。
どれもこれも素敵な物語だった。
でも、何よりも、「さよならだ、"伯爵"」が好き。さよならだ我が主やおかえり伯爵を思い出させた。
その上でそのおかえりとただいまな最後に持ってくのもまたこれ以上無い〆でした。


927名無しさん :2017/02/20(月) 02:19:36 ID:frFlRs2Q0
投下乙!

みんなが考えていたヴラド三世VSヴラド三世
これは予想できるありふれたカード、という意味ではない
参加者を見た時点で誰もが考えるカードであり、『やらねばならない』カードである
たとえば実在する格闘家をモチーフとする異種格闘漫画に、馬場と猪木をモデルとしたキャラが出てきたとして――そいつらが、試合しないでいいワケがねェだろォォォォッッ!
というくらいには、誰もが『あるだろう!』と予想するカードであり、だからこそハードルが高かったカードである

それを! 誰もが期待して、誰もが楽しみで、誰もが心のなかに高いハードルを築いていたカードを! 予約し――書き切っている
冒頭から今回はその話しだぜって感じで始めて、その上で書き切っている
それだけで感動でしょう。それだけで十分でしょう。しかし『それだけ』ではない
なにせ、二人のヴラド三世を『書いた』一作ではなく、『書き切った』一作であるのだから

自分と自分であり、化物と人間であり――いられなかったヴラド三世と、あり続けたヴラド三世
本来、その時点で勝ち目は決まっている
片方がヘルシングという作品のアーカードであるのなら、もうそれだけで勝敗はわかってしまう
ヘルシングを読んだ全員がわかる。わからないのは読んでいない全員であり、わかるのは読んだ全員である

『それを選んだ』ヴラド三世であれば、『それから逃げた』ヴラド三世に夜明けを見せねばならない

――のだが、それはあまりに難しい。
なんと言っても、吸血鬼は力が強い。ただの人間では到底敵わぬほどに、力が強い

しかし、しかし――だからこそ、吸血鬼の胸に杭を立てるのは、いつだって――――

アーカードは英霊の座から召喚されたサーヴァントではなく、己のなかの人間を殺し切り、あとは犬を殲滅していただけの化物だ
安いプライドなき犬を殲滅する作業に明け暮れていたアーカードは、安いプライドに引き寄せられ、そして安いプライドでもって打倒される
安いプライドだ。安いプライドがあれば、なんとだって、化物とだって戦えるんだ
そんなヤツらに会うために、彼はここに来たのだ。そんなヤツらがもういないところから、彼はここに来たのだ
そして、打倒されてなお、しかしアーカードは敗北した化物として帰還する
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


928名無しさん :2017/02/20(月) 02:23:01 ID:5N/FkU160
投下お疲れ様でした
期待の大一番ヴラド対決ここに決着ッ……!
終わってみればさもありなん、化け物に勝つのはいつだって人間だ
正しく血で血を洗う激闘は収まるところに収まったとも言えますが、それだけに熱い物語になっていたと思います!
特にカズィクルベイを死の川で塗りつぶす、領土を侵すクロスオーバーは見事と感じ入りました
決着の果てを良い夢だったと表するヴラド3世の言葉にもグッとくる
征服王イスカンダルは王とは諸人を魅せ、共に夢を見る者と言っていましたが、そういう意味でも極刑王と不死王の主従ら素晴らしい王と従者だったなと
まさしく王道の傑作でした
こんな作品を書けるなんてやはり人間は素晴らしい


929名無しさん :2017/02/21(火) 23:40:18 ID:yuOUQQME0
投下、お疲れ様です
ヴラド同士の対決、決着ッ……!
このロワが始まってからずっと、この戦いを待ち望んでおりました。
何年も経過した末の決着、本当に満足です。素晴らしい。


930名無しさん :2017/03/09(木) 10:36:47 ID:9v8IPpGI0
乙です
英霊のコピーであるサーヴァントにとっては、聖杯戦争はただ一晩の夢なんだよね
でもその一晩の夢に己のプライドと願いを掛け本気で戦うのが儚くて熱い
そしてなんてことだ。二次二次はヘルシング最終回の前日譚だったのか


931名無しさん :2017/03/21(火) 21:10:38 ID:G0THNzsI0
FGOに人が持っていかれつつある中、どう動くか


932名無しさん :2017/09/24(日) 13:17:23 ID:gy9hhBmM0
ついに動き止まったな


933名無しさん :2017/09/27(水) 05:21:00 ID:5MVNp3NY0
くっだらねえこと書き込んで一々ageるのやめろ


934名無しさん :2017/10/06(金) 13:09:41 ID:CxJPDtyI0
次回最終回と聞いて……あれ?


935名無しさん :2017/10/06(金) 13:34:59 ID:a1RPKXNQ0
それトキワの方や


936名無しさん :2017/12/24(日) 10:51:52 ID:HIwQCazI0
やっぱり過疎ったか、まああんだけ纏まってなければ残当か


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14 アニメキャラ・バトルロワイアルIF part4 (Res:1000)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 14
1 ◆BEQBTq4Ltk :2016/04/09(土) 18:16:28 ID:Hx7oCY020

アニメキャラでバトルロワイアルをする企画、アニメキャラバトルロワイアルIFのSS投下スレです
企画の特性上、キャラの死亡、流血等の内容を含みますので閲覧の際はご注意ください。

【したらば】ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17138/
【wiki】ttp://www7.atwiki.jp/animelonif/
【前スレ】ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1448217848/
【地図】ttp://i.imgur.com/WFw7lpi.jpg


【参加者】
2/7【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
●空条承太郎/●ジョセフ・ジョースター/●モハメド・アヴドゥル/●花京院典明/ ● イギー/●DIO/ ● ペット・ショップ
2/6【クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
●アンジュ/●サリア/●ヒルダ/ ● モモカ・荻野目/○タスク/○エンブリヲ
2/6【ラブライブ!】
○高坂穂乃果/ ● 園田海未/ ● 南ことり/●西木野真姫/ ● 星空凛/○小泉花陽
2/6【アカメが斬る!】
○アカメ/●タツミ/○ウェイブ/ ● クロメ/●セリュー・ユビキタス/●エスデス
2/6【とある科学の超電磁砲】
○御坂美琴/○白井黒子/●初春飾利/ ● 佐天涙子/●婚后光子/●食蜂操祈
2/6【鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
○エドワード・エルリック/●ロイ・マスタング/○キング・ブラッドレイ/●セリム・ブラッドレイ/●エンヴィー/●ゾルフ・J・キンブリー
2/5【PERSONA4 the Animation】
○鳴上悠/●里中千枝/ ● 天城雪子/ ● クマ/○足立透
1/5【魔法少女まどか☆マギカ】
●鹿目まどか/●暁美ほむら/●美樹さやか/○佐倉杏子/ ● 巴マミ
2/5【アイドルマスター シンデレラガールズ】
○島村卯月/●前川みく/ ● 渋谷凛/○本田未央/●ロデューサー
3/5【DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
○黒/○銀/ ● 蘇芳・パブリチェンコ/●ノーベンバー11/○魏志軍
3/4【寄生獣 セイの格率】
○泉新一/○田村玲子/○後藤/ ● 浦上
1/4【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】
● 比企谷八幡/○雪ノ下雪乃/●由比ヶ浜結衣/●戸塚彩加
1/3【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/ ● 美遊・エーデルフェルト/●クロエ・フォン・アインツベルン
0/2【PSYCHO PASS-サイコパス-】
●狡噛慎也/●槙島聖護
1/2【ソードアート・オンライン】
●キリト(桐ケ谷和人)/○ヒースクリフ(茅場晶彦)


26/72

【基本ルール】
最後の一名以下になるまで殺しあう。
その一名になった者は優勝者として如何なる願いも叶えることができる。(「死者蘇生」「巨万の富」など)
参加者のやり取りに反則はない。

【スタート時の持ち物】
※各キャラ所持のアイテムは没収され代わりに支給品が配布される。
1.ディバック どんな大きさ・物量も収納できる。以下の道具類を収納した状態で渡される
2.参加者名簿、地図、ルールブック、コンパス、時計、ライトの機能を備えたデバイス。(バッテリー予備、及びデバイスそのものの説明書つき)
3.ランダム支給品 何らかのアイテム1~3個。
 ランダム支給品は参加作品、現実、当企画オリジナルのものから支給可能。
 参加外、およびスピンオフの作品からは禁止。
(とある科学の超電磁砲のスピンオフ元である、とある魔術の禁書目録からアイテムを出すなどは禁止)
4.水と食料「一般的な成人男性」で2日分の量。

【侵入禁止エリアについて】
・放送で主催者が指定したエリアが侵入禁止エリアとなる。
・禁止エリアに入ったものは首輪を爆発させられる。
・禁止エリアは最後の一名以下になるまで解除されない。

【放送について】
6時間ごとに主催者から侵入禁止エリア・死者・残り人数の発表を行う。

【状態表】
キャラクターがそのSS内で最終的にどんな状態になったかあらわす表。

生存時
【現在地/時刻】
【参加者名@作品名】
[状態]:
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:
1:
2:
※その他

死亡時
【参加者名@作品名】死亡
残り○○名

981ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:41:26 ID:2UNmXSLg0

「最後だ」

左手に火球を作り出す。
極小サイズの太陽、広川の言うそれが人であるのならば容易に消し炭へと変えてしまう。
8人の中から佐倉杏子が真っ先に飛び出し、剣を構えその名を叫ぶ。

インクルシオを開放し竜の鎧を纏った杏子と太陽が激突する。
その灼熱の炎は摂氏という宇宙規模の大熱量を誇るが、インクルシオもまたあらゆる環境に適応しその担い手も既に人の形をした異形だ。
閃光と巨大な火柱と共に一人と一つの球体は飲まれ、轟音が炸裂した。

杏子は地面に打ち付けられながらも健在。残る七人はエンブリヲを筆頭し、彼が展開するシールドのような物に身を潜める。
太陽が消滅し、白に包まれた空間が暗闇を取り戻した時、黒とタスクが躍り出る。
ノーモーションの錬金術でもほんの僅かにその前兆たる現象がある。術者の目線の動き、錬成光の予兆などだ。
黒は瞬時に術を見切り、お父様が繰り出す柱の数テンポ先に身を翻し距離を詰める。
その右腕に刃が届く。後藤、魏、御坂といった強者の戦いの中一切の刃こぼれも傷も受けず、黒を支え続けた業物友切包丁。
それはお父様が地面を錬成し、展開した盾すらも容易に両断した。しかし、右腕を庇うように乗り出したお父様に対し黒は軌道を修正した。
刹那、切り落とされたのは首だった。

「――――!」

その顔は誰でもない。御坂美琴が望んだ。最愛にして最大の男のもの。
しかし、それは皮だけである。
何故なら、首元から溢れだすその血は人のそれとは違っていた。赤い真紅の血ではなく、漆黒の闇に染まったかのように血だった。
滝のように流れ出した血は生物のようにうねり出し、触手のようにしなる。
黒の左腕に巻き付き、取り込むかのようにその身を引きずり込む。
その背後から、雷鳴が轟き雷光が振り下ろされた。
黒ごと雷はお父様を呑み込み、その破壊の閃光と共に肉体を焼き尽くして行く

雷光から黒は飛び出し、その前方に燃え盛るお父様を凝視する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


982ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:41:38 ID:2UNmXSLg0

「遊んでいるな」

服に着いた砂鉄と埃を払い、エンブリヲは忌々しく呟く。
やろうと思えば一息に全員殺せるはずだ。それをしないのは、力の使い方をテストしているのだろう。
あるいは前倒しで手に入れた力を馴染ませるという目的もあるのだろうが、どちらにしろ我々は奴と同じ土俵に立ててすらいない。

「まあいい。それもこれまでだ。決めてしまえ、タスク」

お父様の視界に影が飛び込む。それはアヌビス神を構えたタスクのものだった。
気配を消し、全員の攻撃に意識を囚われたその隙まで好機を伺っていたのだろう。殺意を込めた瞳が交差した時、既にお父様の懐へと飛び込んでいた。
だが、そこまでしても尚お父様の動きは俊敏かつ的確だ。剣が右腕に触れるより早く、その顔面を掴む。
ミシミシと頭蓋が軋む音が鼓膜を打ち、顔を圧縮される激痛がタスクを襲う。

「お、まえ……なん、かに……」

「まさか、これが切り札なのか?」

黒が杏子が御坂がエンブリヲが足立がエドワードが絶望し打ちひしがれているのを見て、お父様は呆れた声で話す。
何らかの対策か秘策を用いるだろうとは思ったが、この程度の浅知恵しかないとは。なりふり構わず、敗北覚悟でこちらに挑んできたのだろう。
所詮、人間だ。以前の国土錬成陣の時のような時間を与えさえしなければ取るには足らない。
歴史より学び、進化したホムンクルスの敵ではない。

「驕っているわね。人数も数えられないなんて」

ザンという音が耳に着いた。
消失感と共にお父様の右腕より先の感触が消えていく。
痛みはない。元より、そのようなやわな作りではない。それよりも驚愕の方が上だった。

タスクの手から零れ落ちたアヌビス神は砕け散り、そして何も手にしていない筈の雪乃が何故かお父様の背後を取り、異能のごとくアヌビス神を召喚し右腕を切り落としていたのだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


983ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:42:03 ID:2UNmXSLg0

「何、やってんのよ……」




御坂が苛立ち、声を荒げる。




「まだなのか……」



黒の目はまだ死んではいなかった。



「エドワード・エルリック!!」



そして、奴は今なんと言った?



何故奴の名が出る? 今更あれに何が出来る?


(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


984ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:42:35 ID:2UNmXSLg0


時はわずかに戻る。

「だが、お父様も馬鹿じゃない。大佐が一度倒したってことは逆に言えば、そこから学んで改良しているはずだ」

その推測を打ち立て、見事証明したエドワード本人が自ら否定するように言葉を紡ぐ。
しかし、彼の言う通りお父様が一度敗北した以上、国土錬成陣のようなカウンターへの対策もなければおかしい。
ここから錬成陣を弄ったところで、果たしてそれが有効打につながるかは分からない。エドワードとしては恐らく無意味だとも考えている。

「じゃあ、お前どうすんだよ。わざわざ勿体ぶって言ってたくせに結局駄目なのかよ」

「……俺という一つの人間を一個のデータとして錬成し直すということは、可能だろうか?」

足立の野次にエドワードは疑問で返した。当然、足立は意味が分からず硬直する。
その意味に気付いたエンブリヲは足立を押しのけ、エドワードの眼前に立つ。

「また力を貸せということか」

「そうだ。俺とお前は首輪を外す時、そしてお父様が神を手に入れた時、同じタイミングで扉を開けた。精神はより混雑し密接とは言わないものの交じり合っている可能性が高い。
 俺に必要なのはお前のネットといった未来の知識だ。もう一度、あの時のように精神から意識を繋いで、必要な知識を引きずり出し錬成に利用する」

「それって普通にネット弄って、錬成陣とかいうのを何とかするのと何の違いがあるんだ?」

杏子の言うように彼女からしてみれば、違いが分からない。そもそもエドワード自身が電脳世界に飛び込む必要性が理解できない。

「簡単だ。俺自身がその場に立ち会うことで、臨機応変に錬成陣に対応できる。奴のカウンターに対する対策の更なるカウンターになりうるってことだ」

「ようは、アンタがウィルスになるってことよね」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


985ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:42:47 ID:2UNmXSLg0

「俺という一個の情報をデータ化させる。消えるわけじゃない、肉体という質量すらも情報として組み替える」

手を合わせ、そして消失していく肉体と意識。だが不思議と恐怖はない。
これは無謀でも何でもない。ネットと呼ばれる、将来エドワードの世界でも開発されるであろう技術を100年の時を飛ばして今利用しているに過ぎない。
何も変わらない。ただ、質量に縛られた世界から別の方式で成り立つ世界へ飛び立つだけだ。

「イメージしろ、そこにあるのが当然だ。ないものねだりじゃない。新しい法則(ルール)に沿って俺を俺へ錬成し直すだけだ――」







986ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:42:58 ID:2UNmXSLg0





「なn」


呂律が回らない。
体の感覚に異常があり、意識を保てない。錯乱するなか、お父様は攻撃を中断し、内から溢れ出るなにかを必死に抑え込み繋ぎ留める。
気付けば体はノイズが走り、崩壊していく。



「待たせたな」



―――奴の声だ。勝ち誇ったあの笑顔とあの声だ。

―――しかし、その身体には私が付けた傷はない。何故だ? 回復でもしたのか? いやそもそもアイツが二人いる?

「ガイアファンデ―ションだよ。自分が支給した玩具も覚えていないのか」

―――見れば、血を抑えたエドワードが次第にエンブリヲの分身へと姿を変えた。有り得ない。見た目は変えられてもその能力まではコピーできない筈だ。

「残念だが、私は真理を見た。貴様が開けた扉、その末端程度だが十分すぎる真理を理解したよ」

―――そうだ。あの時、奴は……奴らは確かに扉を開けた。それでも、あの強引な開き方で得る扉の情報では手合わせ錬成を得ることは不可能だ。

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987ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:43:10 ID:2UNmXSLg0



「なるほど」

呆れたように広川は笑う。
やはり、人間は殺しにおいてはあらゆる生物を退ける。
闘争に向かぬ貧弱な肉体でありながら、その脳裏にはあらゆる殺害方法を画策し張り巡らせる。

それに対し神としての視線で挑んだ時点でフラスコの中の小人は誤っていたのだろう。
一度目で既に負けているのに対し、やはり二度目もそのプライド故、敗北したのだ。
ネットワークを使い錬成陣を会場内に引くという発想は悪くないが、それを人間が更に利用するという発想に至らなかった。否、神としての領域に人間が踏み入れるはずがないという決めつけがあったのだ。
しかし結果は御覧の有様だ。エドワードは瞬時に機転を利かせ、全てを突き崩してしまった。

「だが、三度目ともなれば学習はするようだ」

地鳴りが響き渡った。空間そのものを震わすような巨大な地鳴りだ。

神としてのプライドと驕りがあったのは事実だ。しかし、お父様も最悪を想定していない訳ではなかった。
もしも、自らが神として成り上がるより早く、参加者による反乱が成功してしまえばという懸念はあった。故にそれ相応の“奥の手”を用意するのは必然だ。

自壊していくお父様がその寸前で辛うじて、形を取りとめている。上条当麻としての姿はすでに微塵もなく、切り捨てられた腕からは本来現れるはずの竜は現れない。
神上へと至るはずの己を否定するその現象にお父様は憤怒を抱いた。そして、眼前に広がる人間たちに対する憎しみも。

一度目の敗北の時、お父様はある一つの可能性に気付いた。感情とやらを切り捨てたからこそ、自らは敗北したのではという疑念だった。
考えた自分本人ですら愚かしいと思った仮説だが、存外間違っていないのだと自嘲する。

本当に万が一という時に備え、お父様は自らが追い込まれた時に切り捨てた自らの“感情”をもう一度インプットするよう仕込んでいた。

皮肉にもそれはお父様を救い、支えていた。本来は自戒的ないわば負ければ人間と同レベルという意味合いだったが、よもやまさか感情により沸いた執念がこの肉体を形あるものとして留めてくれているのだ。
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988ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:43:22 ID:2UNmXSLg0

「早く、扉を開けろ!!」

真っ先にすべてに気付き叫んだのはタスク。
彼には、この場で目の前の脅威に対し最も近しく、かつ理解があった。
大雑把に言えば巨大ロボットという、SFの極みに対し常日頃より接していたためにそういった類を瞬時に連想しやすい。
だが、エドワードは所詮オカルト側の人間だ。それに気づくのが遅れたのは無理もない。
すぐに我に返り、手を合わせるが既に時は遅い。巨大な人影が生存者たちを覆い、そして影は一瞬で光へと変貌した。











最強とは何か。
あるスタンド使いは強い弱いの疑念はないと言いながら、自らを最強と自称等していたりもしたが、実際その定義は難しい。
契約者も錬金術師も超能力もパラサイトもパラメイルも魔術も帝具も魔法少女もペルソナも物事には一長一短があり、その場に適した能力もあるため最強とは言い難い。
しかし、至高という意味ではこれに勝るものなど他にはないだろう。
始まりにして至高の帝具。

「帝都守護……否、神に相応しき名はやはりこちらだろう。―――護国機神シコウテイザー」




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989ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:43:41 ID:2UNmXSLg0




エドワードは完全に死を覚悟していた。エドワードだけではなく全員だ。
圧倒的破壊に成す術もなく、塵に還る筈だったが結果はまだ生きていた。
全員が扉を潜りあの玉座から、帰還してきていた。

「なんでだ」

誰が発したか、その疑問に答えるように巨大なもう一つの人影が全員を覆う。お父様が繰り出したものとは数段サイズで劣るが、それもまさしく機甲兵器の類。
それ一つで一国など軽く蹂躙せしめるであろう威圧感を放っていた。
何より、その方に鎮座する男こそ他の誰でもない。唯一にして無二の調律者に他ならない。

「私が君たちを救ってやったということだ」

エンブリヲはヒステリカの頬を撫でながら微笑む。そこにあるのは調律者としての威厳と余裕だろうか。

「雪乃、君には無様な姿を見せたが……これが本当の私だよ」
「なにg「おいやめろ!!」

足立は悪態を吐こうとする雪乃の口を両手で覆い抑え込む。
既に彼はこの場のヒエラルキーを理解したのだ。今この場でもっとも強いのはあの男だ。逆らえば命はない。全面降伏しかないのだ。
どんなにペルソナを使おうが、あんなモノに勝てるわけがない。

(クソが……ふざけんなよ……)

足立はあの刹那の一部始終を見ていたのだ。

(あのバカでかいロボットの光線を……こいつのロボットが相殺しやがった……)
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990ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:43:55 ID:2UNmXSLg0

「まあ、良く分からないけど。ヒースクリフは生きてて、この変なの連れて増援に来てくれたったことだろ?」
「……生きてねえよ……全然違う。ヒースクリフは死んだんだ。あれは生前のヒースクリフを元に作ったプログラムを再現したアバターに過ぎない」
「え?」
「さっきも言ったが、別に気にする必要はないよエドワード君。元々、記憶人格を電脳化させるつもりだったんだ。
 エンブリヲの手を借りたとはいえ、それが可能であったと立証出来たことは非常に「そういう問題じゃねえよ!」

地面に鋼の拳を打ち付け、エドワードは叫ぶ。

「確かに、命はそんなに軽々しく扱うべきものではない。君の言いたいことは正しい」
「はあ? おまえ、このクソゲー作ったの誰だと思ってんだ!!」

足立は頭を抱える。
ヒースクリフと話を聞いていると頭が狂いそうだった。
今になって思えば、卯月も生き延びたいという点は理解できたし、エスデスのS趣味も苛めが楽しいのは分かるし、セリューのように正義と称して暴れるのだって非常に爽快だろう。
後藤のバトルジャンキーぷりも、喧嘩の強いガキ大将が調子に乗っていると思えば可愛いものだ。エンブリヲなど、男なら皆共通する下半身に率直なだけだ。
しかし、ヒースクリフの言い分は理解できない。一切として共感出来る部分がない。

(こいつマジで何言ってんだ……)

「……ヒースクリフさん、でしたよね。俺は貴方の事を良く知らないけど、貴方は一体何がしたいんですか」

「私は――」

ヒースクリフの声が掻き消される。全員がいるゲートの反対側の古代の闘技場あたりからだ。
巨大な真理の扉が現れ、それをこじ開け地響きと共に巨神兵は現れた。

「あいつ、こっちまで来れるようになったのか」

エドワードは驚嘆する。その全長は何メートルだろうか、少なくともこの浮遊島からは下半身は見えない。
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991ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:44:32 ID:2UNmXSLg0

「痒いな」

その漆黒の巨体を引き締め、シコウテイザーもまた光を放つ。ヒステリカは攻撃を中断し瞬時に遥か後方へとジャンプする。
数秒置き、先に響く爆発音と燃え盛り炎上する浮遊島。シコウテイザーはたったの一撃でこの会場の半分を消し炭へと変えたのだ。
ヒステリカの肩からエンブリヲも口笛を吹く。シールドも貼らずに一撃でも貰えば、あそこで煙を上げる残骸の仲間入りだ。

「なるほど、神を自称するだけはある。ならば、私は世界を滅ぼして見せよう」

はるか上空にいるエンブリヲの声をタスクは聞いたわけではなかった。しかし、敵として彼と対峙した経験から次の一手を瞬時に把握する。
エンブリヲはもうこの箱庭に囚われるゲームの駒ではなく、世界を掌握し人々の命を玩具のように弄ぶ調律者に他ならない。
故にあの男はやるだろう。この会場、いやこの世界そのものごと目の前の神の紛い物を葬り去る事ぐらい、ハエを払うような手つきで。

「みんな逃げるんだ! ずっと遠くへ!!」

それが無意味であることはタスクは理解していた。
物理的に逃げられる代物ではない。そんなものであれば、リベルタスなど起きてはいない。




「幾億数多の―――命の炎、滑り落ちては星に―――――――――――」


この空間全てに響き渡る調律者の歌声、その美声に聞き惚れる間もない。
両肩の外装が外れ、衝撃波が集中する。エネルギーが集約した二つの波動は世界を一つ終わらせることなど造作もない。



「強く―――強く―――天の金色と煌く」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


992ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:44:47 ID:2UNmXSLg0




「何?」




「どうやら、新世界には貴様は不要らしい。なあ、調律者よ」




しかし、光が明けたその先にシコウテイザーは健在。世界どころか会場一つ消すことすらかなわない。
ヒステリカには世界を終わらせ、新たに作り上げる力が備わっている。忌々しい制限も解かれ、調律者の力は完全に開放された筈だ。
だが、現実は調律者に無常を突きつける。忌々しい、虫けらの生存者達はおろか、目の前の神擬きすら壊す事も叶わない。

「確か……粛清モードだったか」

シコウテイザーの騎士のような装甲は剥がれ落ち、体の各部に眼球を備えた歪な異形が眼前に立ち尽くしていた。

本来ならば、シコウテイザーは皇族の血が必要だ。そうお父様にこれを駆ることは不可能なのだ。
故に調整を施した。その過程で別の世界線のシコウテイザーに搭載されていたこの機能をさらに同じ錬金術を用いて強化したうえでお父様は搭載した。
その威力規模は精々が一国程度滅ぼすしかなかったシコウテイザーが、世界そのものを滅ぼすヒステリカを相手取り、優勢であるほどだ。

「チィッ!!」

エンブリヲから余裕が消えた。
シコウテイザーの巨拳から振るわれたラッシュを捌きながら、ヒステリカは転移し距離を取る。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


993ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:45:01 ID:2UNmXSLg0



「勝てる訳ないだろ。あんなの!!」

足立は地上から神々の戦いを見上げ絶望していた。もうペルソナ程度では相手にもならない。
あれと見比べれば、後藤やエスデスなんてまだ戦えるだけマシだったのだと思える。いや、実際のところ万に一つの勝ち目があるだけまだマシだったのだ。

「ふざけんなよ、あのツンツン頭形態のがまだ良かったよ!! あんなの反則だろうがクソが!!」

足立は喚き、走り出す。もうこの場から一刻も早く逃げ出したい。
こんなことなら、捕まってずっと刑務所にいたほうが遥かに安泰で安心で幸せだった。
それもこれも全てあいつが悪い。もう何もかもあのガキ共とここにいるクソガキ共と変態と真っ黒すけが全て悪い。

「やってられるかよォ!! 畜生ォ畜生ォ!!」

「ばっ! 足d―――」

エドワードが目を見開き、手を伸ばそうとするのを黒が襟首を掴み引き戻す。その奇妙な光景に戸惑いながら足立は周囲の景色がやけに遅く流れていることに気付いた。
今走っているのに止まっているかのように緩やかな時間を感じている。そして、異様に眩しい光が足立を覆っていた。

「あっ……」

足立は消し飛んだ。
それは偶然会場に被弾した流れ弾だったが、人一つ分の人体なら容易く無に帰す程の火力を秘めていた。

「無意味に動いたアイツの自業自得だ」
「……また、かよ」

立ち上る黒煙を見つめながらエドワードは無力さに打ち震えた。
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994ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:45:19 ID:2UNmXSLg0

「ただ、エンブリヲが全力を出した一撃をアイツは無力化した。例え一か所だけだとしてもかなり厳しい」
「いやそれ以前の問題だ。杏子、お前本当に死んじまうぞ」
「え?」

タスクは目を丸くし杏子を見つめる。
咄嗟に右腕を隠そうとする杏子を、エドワードは無理やり引き寄せる。
そこには、鱗でおおわれた痛々しい皮膚が広がっていた。

「ドラゴン……?」

タスクが普段見慣れたドラゴンに近いが、杏子はあちらの住人とは無関係の筈だ。

「あの鎧か?」

猫がティバックから顔を出す。
彼は生前のウェイブと最後に出会った時、明らかに戦闘以外でのダメージを負っていることに薄々気づいていたが、あの鎧もドラゴンを模した物だった。
そう考えれば後は合点がいく。

「インクルシオのデメリットだ……。察しが良すぎると思ったんだ。あのロボットにデメリットがあるって考えも、お前がこの鎧に蝕まれてるからこそだろ?」
「これぐらい、どうってことないさ。こう見えてもゾンビみたいな体だからね」
「馬鹿言うな。ウェイブの奴が死んだのも……きっとその鎧の反動もあったはずだ。
 恐らく、力を出せば出すほど反動は増すって具合にな。あの木偶の坊とやり合ったりなんてしたら、ただじゃすまない」

魔法少女が人並外れた肉体なのは分かるが、それを加味しても杏子の体が耐えきれるとは思えない。
ソウルジェムが仮に無事でも、肉体が限界を迎えればその先にあるのは普通の人間と同じ死であるはず。
これ以上、杏子に負担は掛けられない。

「俺がそいつを使う」
「無理だよ。これには相性がある。多分、今残った面子じゃ私以外誰も使えない」
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995ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:45:30 ID:2UNmXSLg0

「話は聞いてたよな、御坂」

沈黙を貫いていた御坂に杏子は語り掛ける。

「何よ」
「いや、そういやアンタとは決着ついてないなと思ってさ」
「そう……じゃあ後で白黒着けましょうか」

言っていて、御坂は自嘲した。
まるでこの言い方じゃ杏子に生きて帰ってこいと言っているようなものだった。
互いに思う所がない訳じゃないのかもしれない。もしかしたら、違う形で会えば―――

「……そうだ猫」
「なんだ?」
「やるよ」

杏子は思い出したようにティバックからカマクラを取り出した。
新たに登場した新ネコに猫は何を考えてこんなものを支給したのか、主催の勝機を疑い始める。

「その子確か、比企谷君の……カマクラよね」

カマクラはようやく見知った顔に出会えたのか、トテトテと走りながら雪乃へと駆け寄る。
誰一人として知ることもないが、凛の手を離れてからはエルフ耳に所持されたり、穂乃果と卯月たちの険悪なムードに挟まれたりとこのネコも少なくない修羅場を目撃し潜り抜けてきた。
雪乃と再会しその安堵から甘えだしても不思議ではない。

「そうね……貴方も帰してあげないとね」
「ニャー」

雪乃はカマクラを優しく抱き上げてから背中を撫でてやった。
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996ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:45:47 ID:2UNmXSLg0



「ヒースクリフさん」

意を決しタスクはヒースクリフへと詰め寄る。

「俺は一応この殺し合いの優勝者です。願いを叶えてもらう権利は今俺にあって、貴方はそれを叶える立場にあるんじゃありませんか?」
「……確かに私は一応このゲームの製作者だ。もっとも、全ての権限は奪われてしまった“元”だが」
「俺が今一番望むのは力だ。貴方なら俺が望む力を持っている……違いますか」

ヒースクリフは不敵な笑みを見せてから、懐に手を滑らせた。
そこから見えたのは銀の光を放つ指輪だった。
タスクにとってはなじみ深く見覚えのあるものだ。それこそが他でもないラグナメイルを呼び出し操る鍵となる。

「やっぱり……」

タスクはヒースクリフから手渡された指輪を強く握りしめる。

「何時気づいたのかな」
「エンブリヲと裏で組んでいたという話を聞いた時、あいつは必ず貴方を殺すだろうと思ってました。
 それを分からないような人が、こんなゲームを作る筈がない。何か、対抗策を用意しなければおかしいはずだ」
「良く分かっている」
「親の仇ですから」
「……先に言っておこう。ヴィルキスだけは手に入らなかった。恐らく破壊されているのかもしれない」
「そうですか……」

指輪を握りながらタスクは遥か彼方、上空にて行われる戦いを見つめた。
自分のパイロット技術でどこまで通用するか。如何にラグナメイルといえどあの戦いに介入できるか。
不安要素はある。むしろ、それしかないといっていい。だが、杏子にだけ全てを任せるよりはずっとマシだ。
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997ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:46:01 ID:2UNmXSLg0





光の濁流が爆ぜては消え、更に閃光が瞬いては潰えゆく。
調律者が駆るヒステリカは迫る光線をシールドで弾き、その翼を広げ上空へと飛翔する。
シコウテイザーの頭上、脳天から光粒子の剣を展開し重力と機体そのものの加速を載せた刃を振り下ろす。

「チッ」

その巨腕をクロスさせ、シコウテイザーは剣を受け止めた。
並みの戦艦、ラグナメイルであれで一瞬で沈める程の武装だが、シコウテイザーからすればかわすまでもない。
両目が光りシコウテイザーが光線を放つ。肉薄したヒステリカに避ける時間はない。
剣を翳し盾代わりに受け流しながら、シールドを広げ機体へのダメージを最小限へと留めていく。

「ぐ、ゥ……おの、れェ……!!」

シールドへ走った亀裂からビームの一部が漏れ、エンブリヲの頬を過ぎり、赤い線を刻み込む。
更に機体にビームが直撃しヒステリカは体制を崩し、浮遊体制を保てず落下していく。

「邪魔だ。消え失せろ、調律者」

足を振り上げ、身動きが取れないヒステリカへと踏み下ろす。
これでようやく一人だ。残るは7人、いやヒースクリフの人影もあったが為に8人か。
しかし、どうでもいいことだ。重要なのは奴の始末、鋼の錬金術師を一刻も早く抹殺し勝利することだ。

そこまで考えた時に、お父様は目的を見失っていることに気付いた。

神となる手段にエドワードがあった筈が、今や奴を始末することが目的になっているではないか。
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998ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:46:13 ID:2UNmXSLg0

「マジかよ……!」

竜と魔法少女の力を上乗せした鉄拳が炸裂する。優に百は超える連打を叩き込んだ上でシコウテイザーの攻撃を避け、ターンを決めてさらに攻撃を入れる。
見事なまでのヒットアンドウェイを繰り返しながら、杏子には焦りしかなかった。
全ての攻撃が全くと言っていいほど手応えを感じないのだ。確実に拳を入れたという感触はあるが、恐らくダメージはない。

「ちょっと……不味いな」

シコウテイザーのボディを覆う無数の目が杏子を嬲るように視線を送る。
まるで嘲笑っているかのようでもあった。
タスクがテオドーラを駆り、この機体が特化する遠隔射撃能力を最大限フル活用しビームライフルを連射する。
ビームはシコウテイザーへと降り注ぎ、光の渦にシコウテイザーの姿は隠れて見えない。
しかし、タスク本人もこれが聞いているとは微塵も思わない。そもそもかわす必要がないから、避けないだけだ。

その予想通り、シコウテイザーは大地を揺るがしながら歩を進め、手を伸ばす。
後方へ加速しながら、テオドーラは手から逃れ更に射撃を続けていく。

「小賢しい蠅が増えたか」

シコウテイザーは足を軸に上半身を180℃回し光線を放った状態で薙ぎ払う。
二機と一人は回避に専念し、その隙を突きシコウテイザーは一人を捉えた。
シコウテイザーはインクルシオをその手で握りしめ、杏子はその圧力で鎧の下で目を見開き苦痛に喘ぐ。
インクルシオの防御力を以てしても尚、ただの握力でここまで圧倒されるとは。見積もりが甘すぎたと少し前の自分に腹が立つ。

「調子に、のんじゃ……ねェ……!!」


その両腕に張り裂ける程の魔力を回し、鎧に秘められた竜の力を最大限開放する。
シコウテイザーの拳は緩みその中央にあるインクルシオは一気に飛び立ち、シコウテイザーの眼前へと迫った。
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999ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:46:26 ID:2UNmXSLg0

「―――ゴッォ!?」

声にもならない呻き声を上げ、シコウテイザーの裏拳に煽られテオドーラは吹き飛んでいく。
ヒステリカ同様素早さではテオドーラがシコウテイザーを上回っていた。タスクも目では動きを追えていた。
問題はタスクの肉体だった。
ブラッドレイ戦での負傷、足立戦での疲労、あらゆる負担がここにきて膨れ上がり暴発した。

「こんな、時に……!!」

痛みが沸き上がり、血が止まらない。
考えうる限り、最悪のタイミングだ。
まだ何も成せていない。自分がここで朽ちれば、残された仲間はどうなる?

必ず道を繋ぐと約束した。

彼らと生きて帰り、もう一度集まると約束した。

アンジュの騎士としても一人の男としても、俺は……まだ何もしていない。

「きょ、うこ……」

薄れゆく景色をカメラ越しに見つめながら、共に戦っていた仲間を見つめる。
彼女も巨大なクレーターの中心で血に塗れながら、力なく横たわっていた。
助けに行きたい。そうは思っても、動かない。
タスクの意思に反し、肉体は限界を超えそれでも尚動いて、もう残された全てを使い果たしたのだろう。

「あ、ァ……悪い。エド」

横たわる杏子が少しだけ顔を動かし、シコウテイザーに集まる光を見て呟く。
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1000ゲームセット(前編) ◆ENH3iGRX0Y :2017/07/27(木) 19:46:40 ID:2UNmXSLg0



『なんじゃあ、もう諦めるのか?』



とても懐かしい声だ。
というより、つい数時間前まで行動を共にしていた男の声だ。
DIOの戦いで散っていた波紋戦士、ジョセフ・ジョースターのその人の声。
何故、彼の声が聞こえてきたのか不思議だ。彼に対して敬意の念はあるし、彼があって杏子はここまで来れたのも事実だ。
けれども、死ぬ間際に真っ先に思いつくほど親交が深い訳ではないというが、正直なとこだ。

「ごめん、私さ……助けてもらった命……無駄にしそうだわ」

不思議ではあるが、杏子本人はどうでもいいことだった。
ただあるのは申し訳なさと、言いようがない言葉にならない気持ちだけだ。
嫌に世界が静かな気がした。また走馬灯かと思う。何度もこの場で似たようなものを体感してきたからか、ある意味走馬灯のプロフェッショナルみたいになってしまった。





『でもさ、逃げ切ることが出来そうにも無いんだよ……悔しいけどあいつは馬鹿みたいに強い』


『それも知っておる。だからワシが時間を稼ぐ間にお前だけでも逃げろ』


あの激戦が鮮明に浮かぶ。
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15 オリロワアース (Res:478)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 15
1名無しさん :2015/05/06(水) 16:45:35 ID:pYFZnHTQ0
ここは、パロロワテスト板にてキャラメイクが行われた、
様々な世界(アース)から集められたオリジナルキャラクターによるバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17154/

前スレ(企画スレ)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/

・参加者
参加者はキャラメイクされた150名近い候補キャラクターの中から
書き手枠によって選ばれた50名となります。

また、候補キャラクターの詳細については以下のページでご確認ください。

オリロワアースwiki-キャラクタープロファイリング
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/12.html

企画スレよりキャラメイク部分抜粋
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/109-294



地図
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/67.html

459みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:13:12 ID:ptTP.aTw0
全身に揺さぶりを感じて、目を覚ます。
すでに日は昇っていた。
視界に入る少女は確か――柊麗華。
そして、どぎついピンク――ピンク?

「そう睨むな、睨むな。妾の名は卑弥呼。お主……えんま、じゃったか?お主の師匠探しを妾も手伝ってやるぞ」

そう言って、ピンク色の髪の少女は微笑んだ。

「安心せえ。妾はお主らのような可愛い女の子の味方じゃ」

えへへ、と麗華は照れたように頭を掻いた。
エンマはそんな二人を無表情に見つめる。

「協力してくれるの?」
「うむ。妾にどーんと任せい」

薄い胸をどんと叩く。
エンマはこの卑弥呼と名乗る少女をチームにいれたメリット、そしてデメリットを考える。
が、今まで損得についても深く考えなかった少女にとって、これは中々難しい仕事だった。
数秒ほど、眉を歪めて額に手を当てた後、エンマは卑弥呼に結論を言った。

「二人かついで逃げると、両手使えなくて困るから」
そこで一度、言葉を切る。
卑弥呼の目を見つめ、続ける。
「もしもの時は、お前は、追いて逃げるから」

卑弥呼は可笑しそうに笑った。
「かまわんよ、妾はジープを持っとる」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


460みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:14:08 ID:ptTP.aTw0


時は数分ほど遡る。
未だ早乙女エンマが眠りについている時。
吸血鬼、柊麗華は昇る太陽の光を体に浴びながら、エンマの寝顔を見つめていた。
(可愛いなあ)
それは肉体の強度的な意味でも、顔かたちのことでも、両方の意味でである。
柊麗華は自分の外見を気に入っている。
気に入ったからこそ、彼は「柊麗華」を皮にして、彼女になったのだ。
しかし、気に入っているといっても、毎日見ていればさすがに飽きる。
この体で小学校に通っている彼女にとって同年代の女子は珍しいものではないが、それでも早乙女エンマは十分に上玉だった。

そして、ジルに追いかけられた恐怖やエンマの持つ暴力に対する畏怖も、数時間経ったことで、収まっている。
(ちょっとならイタズラしても、バレないよね)

思えば、こういう油断や甘さが彼を一度人生からドロップアウトさせた要因なのだが、残念ながらこれは人外になっても治らなかった。

頬に手を触れる。ぷにぷにとして柔らかい。
髪に手を伸ばす。砂で多少汚れているが、それでも口にいれたいほどきめ細かい。

未だエンマが目覚める気配はない。
そっと、麗華は自分の顔をエンマに近づける。

(さすがに唇同士はまずいよね)
でも頬を舐めるくらいなら大丈夫、とエンマは心の中で呟く。

「おお、何と何と!ロリっ子同士の百合じゃと!いいのう、いいのう。妾はそういうのも大好物じゃ!」

突如聞こえた邪悪な声に、麗華ははっと顔を上げた。
自分の目の前にいるのは、一匹の烏。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


461みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:14:44 ID:ptTP.aTw0


「怪獣ティアマト」
エンマは静かに呟く。
「うむ、妾も二人、同行者をそやつに殺された。今でこそ縮んで怪人と呼べるほどの大きさになっておるが、それでも参加者にとっては十分な脅威じゃな」
「そ、そんなのまでいるんだ……」
と、怯えた声を出して麗華はエンマを見た。
「でも、エンマちゃんなら、勝てるんじゃない。さっきもあんなでっかい虎を簡単に倒しちゃったし」
「ほう、虎をか。そいつはすごいのう。三国志でも虎に勝てそうな奴はそういないというのに」
「……怪獣はわかんないけど、それくらいの大きさの怪人なら、師匠と一緒に倒したことある。だから、たぶん勝てる」
「ならば、討伐に向かうか。妾も微力ながら協力するぞ。かたき討ちじゃ」
じろり、とエンマは卑弥呼を睨んだ。
「まずは、師匠を探したい。方針は、その後考える」

「うむ、ロリは父親と一緒にいるのが一番じゃ。背徳的なロリも好きじゃが、無邪気に父親と戯れるロリも好きじゃよ、妾は」
「じゃあ、とりあえず北上しませんか。人を探すんでしたら、端より中央のほうがいいと思いますし」
「しかしティアマトに出会ったらどうする?」
「なんとかジープで逃げ切りましょう。卑弥呼さんもさっきそれで逃げ切れたんですし、私達が二人増えても問題ないはずです」
なるほど、と卑弥呼は腕を組んだ。
「それでいいよね、エンマちゃん」
と麗華はエンマを見て、あれっと首を傾げた。
どうにも機嫌が悪そうな表情だった。
「別に、出会って、襲い掛かられたら、倒すけど」
どうやら、麗華の言葉でエンマはヒーローとしてのプライドを傷つけられたようだ。
ごめんごめん、と麗華は大仰に頭を下げる。
そういう顔も可愛いいのう、と卑弥呼はよだれを垂らす。
殺し合いの最中とは思えない、どこかふわふわとした空気が流れた。



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462みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:15:14 ID:ptTP.aTw0


柊麗華は高位の吸血鬼ではない。
エクソシストや退魔師、陰陽師と戦闘になれば、なすすべなく退治されてしまう存在である。
柊麗華は天才ではない。
人間であったころは典型的なダメ人間だった。吸血鬼になってからも抵抗の少ない女子供ばかりを襲った(性癖の関係もあったが)

では、柊麗華は同行者二人、二人の少女に対して、何のアドバンテージもないのか。

否、麗華には、二人に対抗する一つの武器があった。

それは。
(限界を知ること)

柊麗華は知っている。
ヒーローや怪人が入り混じるアースHを生きる早乙女エンマよりも。
同じアース出身で、しかし化物としての格で圧倒的に負けている卑弥呼よりも。

彼女は、自分の強さの限界を知っている。
そして、自分より強い者の存在を知っている。

(確かに二人と直接やりあったら勝てない。でも、状況を見極める力なら、この中で私が、いや、『俺』が一番だ)

柊麗華は知っている。
自分を吸血鬼にした真祖の吸血鬼、そのでたらめぶりを知っている。
自分が格下の人外であることを知っている。

だから強者に助けを求める。
だから無力な少女のフリをする。
だから強者の服従を誓う。
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463 ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:15:59 ID:ptTP.aTw0
投下を終了します


464 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:43:42 ID:LjUNzr.g0
裏切りのクレア、高村和花、投下します


465桜の意図 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:45:27 ID:LjUNzr.g0
魔法少女とヒーロー、どちらが強いかだって?

そりゃあお前、キャラによるだろ。
最弱の魔法少女と最強のヒーロが戦えばヒーローが勝つ。
最強の魔法少女と最弱のヒーローが戦えば魔法少女が勝つ。
最強の魔法少女と最強のヒーローが戦えば……。

ああ、だめだ。どのキャラが最強かだなんて、ファンそれぞれで違うからなあ。
やっぱあれだ、キャラクターで判断しようぜ。

じゃあとりあえず。異端対決ということで。

元ヒーロー、裏切りのクレア。混血の魔法少女、マイルドフラワー。

強いのは、どっち?



服従か、死か。
裏切りか、死か。
8歳の少女に突きつけられた厳しい選択。

マイルドフラワー、高村和花の瞳は絶望で揺らめいた。

「どうした、さっさと選ぶんだ。私はあまり気が長いほうじゃないよ」

両手を広げ、口を三日月に歪めるその女、裏切りのクレアはマイルドフラワーには悪魔にしか見えなかった。
正義の魔法少女はそこに、確かに悪が在ることを認識する。
だから。

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466桜の意図 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:45:57 ID:LjUNzr.g0


「いやはや、たいしたものだよ」

ぱちぱち、とクレアは大仰に手を叩きながら、敗者、マイルドフラワーへと歩みよる。

「その歳で、その矮躯で、そのファンシーな格好で。まさか私に9割出させるとは」

マイルドフラワーは動かない。うつ伏せに倒れこみ、魔法少女としての変身も解除された高村和花は、すでに意識は無かった。

クレアは彼女の首根っこを掴むと片腕で持ち上げ、その胸に耳を当てる。

「ふむ、まだ息はある」

そう言って、クレアは和花を背負った。

「どうやら、思った以上に面白い子みたいだな、君は」

あの時。

クレアの正拳突きが『サクライト』を消し飛ばし、和花を蹂躙した時。
彼女は、恐怖と絶望に顔を歪ませながら。
それでも、確かに。

「笑っていた。安心したように君は笑ったんだ」

あの笑みの理由は何なのか。
クレアはその答えを知っている。

「君は悪に屈しなかった。決して挫けず、自分の最高の攻撃をぶつけ、それでも――届かなかった。だが、誰が君を責められよう。これ以上、君に何を望もう。ここまで頑張ったんだ、けどどうしようもなかったんだ」
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467 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:46:55 ID:LjUNzr.g0
投下を終了します


468名無しさん :2016/02/07(日) 00:55:30 ID:K3weBxjA0
久々に見てみたら投下来てた
投下乙です。素手でビーム消し飛ばせるとかヤバい(確信)


469 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:00:31 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人
道神朱雀
ライリー
投下します


470 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:00:53 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人と道神朱雀は他の参加者の捜索を続けていた。
朱雀の他人格を警戒しつつも、先のような惨劇は避けねばならない。

「やっぱりこの首輪がネックになるか…」

竜人は自身の能力を発揮するにおいての枷に対する苛立ちを漏らす。

「すまんね、巴やん。私の知識でもこれの構造は分からへんわ。せめてサンプルでもあればちゃうんやけど…」
「サンプル、か…」

生きている自分達の首輪が外せない以上、それはすなわち死体から得たものを指すという事になる。
考えたくはないが、そうした事をする必要もあるかもしれない、と竜人は考える。
だがそもそも、首輪を解析しようとする行為自体が主催に対する反逆行為とみなされる可能性もある。
首輪を得ようとしたら自分の首輪が爆破されるなんて笑い話にもならない。
ともかく今は不確定要素が多すぎるので、首輪に関しては今は保留にしようと二人は決めた。




471 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:01:35 ID:MLe/DFvQ0
「そう警戒しないでくれよ竜人クン、僕は別に君と事を構えるつもりはないんだ」
「悪いがアンタに対していい話は聞いていないんだ。…青竜の事もあるしな」
「あの馬鹿と一緒くたにされちゃうのは心外だなぁ、戦ったってなんにもならない事くらい分かってるつもりだよ」

そう言って朱雀は…正確には朱雀の別人格の一人、"白虎"は竜人に見せるようにして首輪の「G」の文字の部分をトントンと叩いた。

「だってこれ、チーム戦でしょ?青竜は理解してなかっただろうけど、別に僕一人で勝つ必要なんてないさ」

それを聞き、竜人の目つきは険しくなる。
  、、、
「冗談だよ、そういうのを止めたいってのが君の願いだろ。敵に回せばどんな痛い目にあうかって分かってるさ、危うく朱雀君も死にかけたしね。おっと、青竜だったか」

と、皮肉っぽく言う白虎に対し、竜人はバツの悪い表情を浮かべた。

「それにこの体質はどうしようもないしね、そういう動きをするには不利すぎるよ。いつ入れ替わるかは僕にだって分からない。朱雀君や玄武は止めるだろうし、青竜は何しでかすか分かったもんじゃない」
「まあな。分かってても慣れないな、その人格変化」
「精々気をつけてくれよ、僕が死ぬって事は朱雀君や玄武まで死ぬって事なんだからさ。そりゃ君だって避けたいだろ?…っと、誰か来たみたいだね」

二人の視界に入ったのは、金色の長髪が目を惹く少女の姿であった。




472 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:02:23 ID:MLe/DFvQ0
「待ってくれ、俺たちは殺し合いには乗っていない」

竜人と白虎を前にし、明らかに警戒した様子の少女に諭すように竜人は声をかけた。
だが、少女はまるで一切の接触を拒絶するかのような強い口調で叫んだ。

「人間を信用など出来るか!帰れ!!!」
「…人間?」

その、自分は人間ではない、とでも断定するような口調に白虎はいささかの違和感を覚えた。

「さっさと帰れ!醜い人間と話す舌なんて無い!」
「話を聞いてくれ!俺は巴竜人。こっちは道神朱雀、…今は白虎か。話すと長くなるんだが…」
「ちょっと待って竜人君、うん、これはもしかして…」

竜人の発言を遮って白虎は前にズイと出る。そして少女に対しこう尋ねた。

「君の言う人間っていうのはさ…所謂他人を指す代名詞的な意味での"人間"かい?それとも種族そのものを指すって意味かい?」
「はぁ?何言ってんだ、人間は人間だろうが!」
「ふむ、やっぱりか…」

白虎は一人納得した様子で頷き、そしてこう言う。

   、、、、、、、、、
「君…中身は人間じゃないだろう?」


それを聞いて少女―――ライリーは狼狽えた。

「なんでそれを…そんな事どうだっていいだろ!」      、、、、、、、、、
「いやいやどうでもよくない。何故なら僕も…僕達もこう見えて中身は人間じゃないからね」
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473 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:02:42 ID:MLe/DFvQ0
【F-1/町/1日目/朝】

【巴竜人@アースH】
[状態]:健康
[服装]:グレーのジャケット
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを破綻させ、主催者を倒す。
1:次の現場を探す。
2:自身の身体の異変をなんとかしたい。
3:クレアに出会った場合には―
4:青龍、白虎、ライリーに警戒
[備考]
※首輪の制限により、長時間変身すると体が制御不能になります。

【道神朱雀@アースG】
[状態]:健康、白虎の人格
[服装]:学生服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを止めさせる。
1:竜人とともに付近を捜索する。
2:他人格に警戒、特に青竜。
(青竜)
基本:自分以外を皆殺しにし、殺し合いに優勝する
(玄武)
基本:若者の行く末を見守る
(白虎)
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474 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:03:01 ID:MLe/DFvQ0
投下終了します


475 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 11:45:33 ID:MLe/DFvQ0
タイトルは「人でなし達の宴」で


476名無しさん :2017/05/28(日) 14:20:38 ID:TRjQxWJg0
まさか投下がくるとは


477名無しさん :2017/05/30(火) 01:26:40 ID:an5ZT6JY0
投下乙です
ライリー思ったより扱いやすい……のか?
青竜という爆弾抱えてるし、ライリーとも一瞬即発だし、巴は今後も大変そうですねえ


478名無しさん :2017/06/03(土) 11:46:30 ID:QFVzEDBM0
投下乙


名前: E-mail(省略可)
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16 90's バトルロイヤル (Res:324)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 16
1名無しさん :2015/10/20(火) 00:14:42 ID:S/90BWeU0
こちらは90年代の漫画、アニメ、ゲーム、特撮、ドラマ、洋画を題材としたバトルロワイアルパロディ型リレーSS企画です。

90's バトルロイヤル @ wiki
ttp://www27.atwiki.jp/90sbr/

90's バトルロイヤル 専用掲示板
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17336/

地図
ttp://www27.atwiki.jp/90sbr/pages/13.html

5/5【金田一少年の事件簿@漫画】
 ○金田一一/○高遠遙一/○千家貴司/○和泉さくら/○小田切進(六星竜一)

5/5【GS美神 極楽大作戦!!@漫画】
 ○美神令子/○横島忠夫/○氷室キヌ/○ルシオラ/○メドーサ

5/5【ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風@漫画】
 ○ジョルノ・ジョバァーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○リゾット・ネエロ/○ディアボロ/○チョコラータ

5/5【ストリートファイターシリーズ@ゲーム】
 ○リュウ/○春麗/○春日野さくら/○ベガ/○豪鬼

5/5【鳥人戦隊ジェットマン@特撮】
 ○天堂竜/○結城凱/○ラディゲ/○グレイ/○女帝ジューザ

5/5【DRAGON QUEST -ダイの大冒険-@漫画】
 ○ダイ/○ポップ/○ハドラー/○バーン/○キルバーン(ピロロ)

5/5【幽☆遊☆白書@漫画】
 ○浦飯幽助/○南野秀一(蔵馬)/○幻海/○戸愚呂弟/○戸愚呂兄

5/5【らんま1/2@漫画】
 ○早乙女乱馬/○響良牙/○天道あかね/○シャンプー/○ムース

4/4【カードキャプターさくら@アニメ】
 ○木之本桜/○李小狼/○大道寺知世/○李苺鈴

4/4【機動武闘伝Gガンダム@アニメ】
 ○ドモン・カッシュ/○東方不敗マスター・アジア/○レイン・ミカムラ/○アレンビー・ビアズリー

4/4【サクラ大戦シリーズ@ゲーム】
 ○大神一郎/○真宮寺さくら/○イリス・シャトーブリアン/○李紅蘭

4/4【古畑任三郎@ドラマ】
 ○古畑任三郎/○今泉慎太郎/○林功夫/○日下光司

3/3【ケイゾク@ドラマ】
 ○柴田純/○真山徹/○野々村光太郎

3/3【ターミネーター2@映画】
 ○ジョン・コナー/○T-800/○T-1000

3/3【レオン@映画】
 ○レオン・モンタナ/○マチルダ・ランドー/○ノーマン・スタンスフィールド

2/2【ダイ・ハード2@映画】
 ○ジョン・マクレーン/○スチュアート

67/67

305竜は再び昇る ◆uuM9Au7XcM :2017/01/11(水) 00:19:41 ID:ftIs30W60

「女帝ジューザだと……あいつは俺たちが倒した……そう、たしかに死んだはず」


名簿の記入ミスか?
いや、殺し合いを催すような組織がそんなくだらないミスをするだろうか?
これがミスではないのだとしたら、ジューザが実は生きていたことになる。
もしくは――――


「生き返ったということなのか……?」


ノストラダムスは言っていた。
『このゲームの勝者には、商品としてどんな願いでも一つだけ叶えてやろう。不老不死、巨万の富、死者蘇生……あらゆる用意もある』と。


そして、
「『その証拠を持つ者とは、生きてさえいればいずれ証人に会えるだろう』とも言っていたな」


ジューザがノストラダムスの言う証拠を持つものなのかはわからない。
ただし、その可能性は高い。ということはリエを生き返らせることも可能であるということだ。

名簿を隣の席の上に置き、支給された食料であるパンをデイパックから取り出し豪快に噛り付く。
そのまま味わうこともなく咀嚼し、水で流し込んでいく。
腹が減っては戦はできぬというように、戦うためにはエネルギー補給が必要だ。
そう―――俺は再び戦うことに決めた。
リエを生き返らせることができるという確証はないが、希望を持つことはできる。彼女のためになら、俺は鬼にでもなってみせる。
考えるのはこれで終わりにしよう。
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306 ◆uuM9Au7XcM :2017/01/11(水) 00:23:49 ID:ftIs30W60
投下終了です。

申し訳ありません、場所を記載ミスしていました。
正しくは【A-7 映画館/1日目 深夜】です。


307名無しさん :2017/02/01(水) 19:07:15 ID:9bcabzDA0
乙です。
林ナチュラルに悪党やなあ……猫箱の中の猫になった紅蘭のその後は如何に。
竜は……不安定な精神状態な時に連れてこられたから、仕方ないかな。
どちらも納得して楽しめる話でした。状態表の満腹にほっこり。


308 ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:08:46 ID:ZufKuwkY0
投下します。


309さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:10:03 ID:ZufKuwkY0
「バトルロイヤルねえ……。まったく……面倒なことに巻き込んでくれたもんだ」


暗闇に包まれた草原に座り込んでいるスーツ姿の男――――真山徹は面倒そうに、しかし苛立ちを含んだ物言いで呟いた。
その声はすでに疲労を感じさせ、息遣いも荒く肌には汗が滲んでいる。
すでに殺し合いに乗った者と戦闘をした後―――
というわけではなく、バトルロイヤルが始まる以前にある事情から警察に追われ、銃撃を受け負傷しているのである。


(殺し合い……もしかして……朝倉の仕業か?)


真山は刑事として数年間働いてきたが、数十人を拉致して殺し合いをさせることができる人物などそうそういるわけがない。
どこかの国のイカれた独裁者か、刺激を欲した金持ちの道楽か。
考えを巡らせても、そんなぼんやりとした可能性しか浮かばないなか、具体的な人物として思い至ったのが朝倉裕人。
真山徹の妹を同級生たちに輪姦させ自殺に追い込み。
大沢麻衣子を洗脳し自殺させ。
真山の同僚の谷口剛までも操って死に至らしめている。
真山徹が最も憎み、殺したいとさえ思っている凶悪犯罪者だ。

朝倉は何人もの人間を自分の都合のいいように操り、弄んできた男である。殺し合わせるなんてものを催したとしても不思議ではない。
だが、いくら朝倉でもここまで大規模なことをできるだろうか。
それに説明を受けた場所で死んだワニの化物はいったいなんなのか。
などといったいくつもの疑問点が湧き、朝倉の仕業だと想定したくとも確信できない現状に、思わず頭を掻き毟る。

しばらくそのような考えに頭を悩ませていた真山だったが、纏まらない考察は後回しにしようと決め、ランタンを草の茂った地面へ広げた名簿に掲げ視線を落とす。
そこにはよく知る名前が載っていた。
柴田純と野々村光太郎。

二人とも警視庁捜査一課弐係の同僚で、今年配属されたばかりの新人とどこか抜けている係長である。
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310さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:11:07 ID:ZufKuwkY0

「おいッ!そこから動くなよ」

「は、はいっ!!」


真山はすかさず支給品のサブマシンガンを構え、少女に銃口を向けると、その場で静止するように警告する。


「あ、あの……わたし、木之本桜っていいます。
 ノストラダムスって人の言いなりになって、おじさんを殺すつもりなんてあ、ありませんからっ」
「……悪いけどな、初対面の人間をはいそうですかとすぐに信用できるようなお人よしじゃないんだわ、俺」
「そんな……」


拒絶する真山の返答に、桜と名乗った少女は残念そうに肩を落とす。
真山とて、目の前の少女が自分を害するために近づいてきたと決めつけているわけではない。
だが、同僚の谷口剛ですら豹変して襲ってきたのだ、年端もいかない少女とはいえ簡単に信用しろというのは無理な話である。
しかも出会ったのが殺し合いを強制されている場所だ。
人間というものは己が死ぬかもしれないとなったら何でもやるものだ。
たとえそれが人殺しとは無縁に見える子どもであったとしても。


「それでも、……桜ちゃんだっけ?君みたいな女の子殺すのも寝覚めが悪いからさ。
 さっさとどっか行ってくんない?」


信用できなくても殺すことは躊躇われる。
そう桜に告げ、この場から立ち去ることを促す。

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311さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:12:07 ID:ZufKuwkY0


「その子たちは友達か?」
「……ええ、そうです。
 とっても大切なお友達なんです。」


桜は少し驚いた表情に変わるが、振り返らずに一歩踏み出した体勢のまま止まる。


「……そうか、会えるといいな」


それだけを言うと、小さな声で「行け」と再び促すようにして言葉を締めくくった。
次に驚くのは真山の方であった。
真山から遠ざかるように歩き出すと思っていた桜が突如反転、しかも猛然と走ってきたのである。
予想外の事態に身体に力が入ったのか、左腕の傷が痛み、構えていたサブマシンガンを手放してしまう。
慌てて右手で拾い上げ顔をあげるも時すでに遅し、桜は至近距離まで迫っており、気が付くと草原に押し倒されていた。


「おい、何のつもりだよ」
(くそっ……信用しないとか言いながら油断してどうすんだよ……)


眼前には先ほどの怯えた表情と違い、意志の強さを感じさせる瞳。
押し倒されたドサクサで、真山が構えていたサブマシンガンも桜の手にある。
後悔を胸に抱きつつ、返答を期待せずに問いかけた。


「ハァ……ハァ…………やっぱりおじさんは……悪い人じゃないって……思ったから」
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312さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:13:03 ID:ZufKuwkY0
桜が病院へ行って真山の左腕を治療するべきと主張し、じゃあ歩いていくかと真山は応じた。
そして、その必要はないと桜が言い出したのが数分前。
歩いて行かなきゃどうするんだ、車でも出してくれるのかと馬鹿にした物言いで真山が吐き捨て、それに桜がムッとしたのが数十秒前。
桜がペンダントを取り出し、何やら呪文のようなものを唱えると急にピンク色の杖が出現。
それを見て、真山が狐に化かされたような顔になったのがつい先ほどである。

真山の混乱はまだ続く。
次に桜が取り出したのは1枚のカード。そこには鳥の絵が描かれているのがチラリと見えた。


「クロウの創りしカードよ。
 我が鍵に力を貸せ。
 カードに宿りし魔力を
 この鍵に移し我に力を!」


取り出したカードを宙に投げたかと思うと、桜がそのカードに向かって杖の先端部分を叩きつける。
すると叩きつけた杖に翼が生え、桜は当然のようにその杖に跨ると、ゆっくりと宙へ浮かび箒に乗った魔女のように真山の周りをくるりと華麗に1周してみせた。


「さあどうぞ!おじさんも後ろに乗ってください。
 これで一緒に病院へ行きましょう」

「……おじさんじゃない。真山さんと呼びなさい」


何が起こったのか理解できない真山は、とりあえずずっと気になっていたおじさん呼びを改めさせることにした。



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313 ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:13:50 ID:ZufKuwkY0
以上で投下終了です。


314 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:13:17 ID:5M7EDqZ20
投下します。


315それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:14:20 ID:5M7EDqZ20
バトルロイヤルが始まってすぐにムースが感じたのは、殺し合いを開いた主催者への怒りであった。
そして支給品や地図、名簿の確認を行っていく過程で、怒りは焦りと不安へ変わっていく。
眼鏡を没収されなかったのは不幸中の幸いであった。彼は視力が低く、眼鏡をかけていないと銅像と人間の区別もできないほど、対象の判別ができない状態になってしまう。
名簿にはムースの知人の名前が複数人記されており、その中には彼の想い人であるシャンプーの名前もあった。
それは即ち、シャンプーが殺し合いのゲームに参加させられ、命の危険にさらされていると言う事に他ならない。
もし眼鏡まで没収されていたのなら、名簿を読むことができずにシャンプーが参加していることに気付くことができなかった。
この状況に気付くことができただけでも、本当に不幸中の幸いだったといえる。


「ここにおればいいが……」


差し当たっての目的地と定めた風林館高校へと到着したムースは、違和感を感じつつもその馴染みのある建物を見上げ呟いた。
この場所へ来た目的は、知り合いと合流しシャンプーを捜索する助力を得ることである。
強制的に殺し合いをさせられている以上は、初対面の人間は信用できないため、知り合いが立ち寄るであろう彼らの母校の名と形をしたこの場所へ赴いたのだ。
乱馬、あかね、良牙の3名のことは好きではないが、このような催しに乗るような人間ではない。むしろ抗うのが容易に想像できる。
ただし、シャンプーはどうだろうか?
ムースにとっては心底口惜しい事実であるが、彼女は乱馬に好意を抱いている。熱情的で直情的な彼女ならば乱馬のために殺し合いに乗るのではないか?
ムースは想い人が殺し合いに乗り、その結果死んでしまうことが恐ろしくて堪らない。
そんなことを考えながら校内へ入っていくと、奇妙な光景を目にした。


「これは……寝ておる……のか?」


中学生か高校生か、つまりはムースと同い年か年下ということになるが、その程度に見える少年が校舎に背を預け座った状態で熟睡していた。
一瞬、既に殺された参加者の骸かとも思ったが、寝息によって上下する肩を見て寝ているのだと理解した。
余程疲れて眠っているのか、近付いたムースを意にも介さず気持ちよさそうに眠りこけている。


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316それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:15:42 ID:5M7EDqZ20


「人の気配がしたから来てみれば……なんだコイツは」


先ほどのムースと同じ場所に立ち、同じような反応をしているこの男の名はドモン・カッシュ。
ネオジャパン代表のガンダムファイターであり、世界の調停者『シャッフル同盟』の一員キング・オブ・ハートの紋章を受け継いだ青年である。
鋭い目つきにボサボサの黒髪には赤いハチマキをし、右頬に十字の古傷を付けたその姿はどこか近寄りがたい雰囲気を漂わせている。


「おい!こんなところで寝ていると危険だぞ起きろ!」


ドモンは眠っている少年に声をかけながら、軽くゆすって起こそうと試みるも、一向に起きる気配がない。
悠長に起こしている場合ではないと、今度は頬を叩いてでも起こそうと手を振り上げた。
すると、


「――――なんだとッ!!}


攻撃する相手に反撃してカウンターをいれるかのように、頬を叩こうとしたドモンへ向かって風を切るように少年が拳を繰り出してきたのだ。
腹部へ放たれた拳をドモンは咄嗟に左腕でガードしてみせるも、彼を警戒させるには十分な威力を持っていた。


「眠ったふりをして攻撃を仕掛けてくるとは卑怯な!!
 そのつもりならば相手になってやる!!さあ、かかってくるがいい!!!」


少年に敵意があると思ったドモンはすぐさま構えをとり、戦闘態勢に入り相手に出方を窺う。
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317それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:16:48 ID:5M7EDqZ20


「寝ているとはどういうことだ?コイツは俺に攻撃を仕掛けてきたぞ」
「寝ているというのは本当ですよ。体力を回復させるため睡眠をとっているのでしょう。
 反撃してきたのは……まあ彼の本能で、というしかありませんね」
「要するに、こいつはこのゲームに乗るような奴ではないと言いたいのか?」
「……ええ。そして、オレもノストラダムスの思惑通りに殺し合いをするつもりはありませんよ。
 もちろん、仕掛けてくる相手に手加減するつもりもありませんけどね」


説明になっているのか疑問な説明をしながら、蔵馬は少年の元へ向かい彼の傍にしゃがみ、顔を覗き込む。
ドモンは、横を通り抜けていく蔵馬の美麗な横顔に見惚れてしまいそうになりつつも、二人の様子を注意深く見つめていた。
手加減するつもりはないと口にした時のほんの僅かだけ、蔵馬の雰囲気が冷徹なものへの変わった。
ドモンはそれを感じ取ると、蔵馬が見た目通りの男ではないと察する。


「おい、幽助。いくら君でもこんな所で呑気に寝ていたら危険だぞ」
「……グゥ…………ムニャムニャ……」
「だめだ……しばらく起きそうにないな」
「そういえば、その幽助というやつのデイパックが見当たらんが」


蔵馬も幽助を起こそうと試みてみるが、ドモンの時と同様に効果がないということが判明したところで、ドモンがある事実に気付く。
彼らバトルロイヤルの参加者全員に配られているはずのデイパックが、幽助の傍にないのである。
殺し合いのゲームにおいて命を繋ぐために必要不可欠な、地図や食料などが入っており、いくら実力者であったとしてもそれらなくしては死亡率は跳ね上がることだろう。
ドモンと蔵馬は二人して周囲を探してみるも、見つけることはできない。


「どこかに隠しているのか?」
「いえ、そこに気を使うのならばこんな無防備なところで寝ていないと思います。
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318それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:17:30 ID:5M7EDqZ20


「蔵馬、お前はそいつを使ってデイパックを探してくれ。俺は幽助を背負って移動する。
 そして、俺の知り合いに会ったら手助けをしてやってほしい」
「わかりました。では、軽く情報交換をして、待ち合わせの場所と時間を決めておきましょう」


基本方針が決まると、二人はすぐさまデイパックから地図と名簿、そして筆記用具を取り出し情報交換を始めた。


「まずはドモン、貴方の探し人を聞いておきましょう」
「レイン・ミカムラ、アレンビー・ビアズリーの二人だ。
 そしてもう一つ言っておくことがある。東方不敗には手を出すな」
「それは危険だから?それとも何か因縁があって自分が手を下したい相手ということですか?」
「…………両方だ」
「わかりました。こちらも伝えておきますが、戸愚呂兄弟には関わらないようにおススメします。
 少なくとも、幽助が目を覚ますまでは」

蔵馬の重苦しい物言いに、ドモンは深く肯いた。


「次に待ち合わせ場所ですが。互いに成果がなくても、二回目の放送頃にD-4地点のプレミアマカロニで落ち合いましょう。
 それまでにD-4が禁止区域となっていた場合には、E-3の駅に変更ということで如何でしょう?」
「よし、それでいこう」



蔵馬は見鬼くんが指し示す方角である西へ向かって駆けていく。
彼はドモンに伝えようか迷った結果、確証が持てずに伝えられなかったことがあった。
それは、幻海という名前が名簿に載っていることについて。蔵馬の認識では、彼女は戸愚呂弟によって殺されたはずであった。
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319それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:19:13 ID:5M7EDqZ20




【F-5 風林館高校周辺/1日目 深夜】


【ムース@らんま1/2】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式(2人分)、ランダム支給品4~6(浦飯幽助の分は未確認)、
[思考]
基本行動方針:シャンプーを連れて脱出する。
1:シャンプーと合流する。
2:乱馬たちと合流する。
3:知り合い以外は信用しない。
4:可能ならば他の参加者から支給品を奪取する。


【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダム支給品2~3
[思考]
基本行動方針:打倒ノストラダムス。
1:浦飯幽助を連れてレイン、アレンビーを探す。
2:第二回放送頃にD-4プレミアマカロニまたはE-3の駅で蔵馬と合流する。
3:東方不敗は自分が倒す。
4:戸愚呂兄弟を警戒。
[備考]
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320 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:20:02 ID:5M7EDqZ20
以上で投下終了です。


321 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:00:04 ID:7iJnnJiA0
投下します。


322放たれた怪物 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:01:28 ID:7iJnnJiA0

病院というものは人の命を救う場所であるが、必然的に死が発生してしまう場所でもある。
そのため怪談の舞台になることも多く、どこか居心地の悪さを感じるものも少なくはないだろう。
夜間の大病院ともなれば、その広大さと昼間の喧騒から一転しての静けさにより不気味さはさらに増すことになる。
命を奪い合うバトルロイヤルの会場に設置された施設の一つ、大凶病院。
ゲームが開始され、この無人の病院に飛ばされた男が一階の待ち合いフロアの椅子に腰かけている。
彼の名前はチョコラータ。


「素晴らしいっ!!なんと心躍るイベントだ!」


その口から発せられたのは主催者への恨み言や嘆きではなく、最大限の賞賛の言葉。
彼の手には支給された名簿があり、そこに記された67人の名前を喜色をあらわにしながら眺めている。
それはまるで、腹ペコの子どもがご馳走の並んだメニューを手渡され、どれを食べようか迷っているかのようであった。


「この名簿に載っている者たちが殺し合うのか。
 くくく……私が主催者となってそのすべてを観察したいところだが、自ら好きに殺して回るのも悪くない」


舐めるように名簿に目を通していたチョコラータだが、ふと見覚えのある名前に目が留まった。


「ブチャラティとジョルノ・ジョバァーナ。……そしてリゾット・ネエロか」


彼らがこのゲームに参加していようと、チョコラータの行動方針に影響を与えることはない。
知った名前ではあるが、顔見知りでも親しいわけでもなく、むしろ積極的に殺しておきたい人物だといえるだろう。
ここに呼ばれる直前、チョコラータが始末しようと動いてた標的がブチャラティとその部下たちなのだ。
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323放たれた怪物 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:02:51 ID:7iJnnJiA0


一通り名簿を見終えたチョコラータは、次にデイパックの中身を確認し始めた。
食料などと共に入っていたのは、加工された鳥の羽と囚人用の手錠。


「おいおいおい、ビデオカメラがないぞ!
 気の利かない連中だな。これではせっかく殺しても死の瞬間を撮影して楽しむことができないではないか」


それまで上機嫌だったチョコラータだったが、お目当てのものが支給されていないことに怒りを露わにし、賞賛していた主催者へ理不尽な批判を吐き出した。
苛立ちが収まらないのかブツブツと愚痴を零しながら、取り出した支給品と院内を周って調達したメスなどの医療器具をデイパックへしまっていく。


「おや、客が来たようだな」


デイパックへ荷物をしまい終え、チョコラータが立ち上がりかけた時、正面入り口の自動ドアがゆっくりと開く音が鳴った。
人の気配を察したチョコラータは、狂気を隠すようににこやかな表情を作り人影の方へ歩き出す。
狂人の待つ病院へ、それを知らない参加者が足を踏み入れたのであった。





【E-4 大凶病院/1日目 深夜】


【チョコラータ@ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風】
[状態]:健康
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324 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:03:42 ID:7iJnnJiA0
以上で投下終了です。


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17 アニメキャラ・バトルロワイアルGO (Res:657)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 17
1名無しさん :2016/06/17(金) 00:00:13 ID:EdILi.9c0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17236/

投票所
ttp://jbbs.shitaraba.net/anime/10770/

wiki
ttp://www65.atwiki.jp/anirowago/

地図
ttp://imgur.com/aYmPt1v.jpg

【参加者名簿】

6/6【名探偵コナン】
○江戸川コナン/○毛利蘭/○灰原哀/○安室透/○赤井秀一/○ジン
6/6【うしおととら】
○蒼月潮/○とら/○秋葉流/○引狭霧雄/○斗和子/○紅煉
6/6【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
○東方仗助/○広瀬康一/○虹村億泰/○岸辺露伴/○片桐安十郎/○吉良吉影
6/6【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】
○三日月・オーガス/○オルガ・イツカ/○ビスケット・グリフォン/○アイン・ダルトン/○ガエリオ・ボードウィン/○マクギリス・ファリド
6/6【迷家-マヨイガ-】
○光宗/○スピードスター/○ヴァルカナ/○らぶぽん/○美影ユラ/○ナンコ
5/5【おそ松さん】
○松野おそ松/○松野カラ松/○松野チョロ松/○松野一松/○松野トド松
5/5【東京喰種トーキョーグール】
○金木研/○霧島董香/○月山習/○ヤモリ/○真戸呉緒
5/5【オーバーロード】
○アインズ・ウール・ゴウン/○アルベド/○シャルティア・ブラッドフォールン/○デミウルゴス/○クレマンティーヌ
5/5【うたわれるもの 偽りの仮面】
○ハク/○クオン/○ネコネ/○オシュトル/○ヴライ
4/4【ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン】
○ニンジャスレイヤー/○ダークニンジャ/○ヤモト・コキ/○シルバーカラス
4/4【ストライクウィッチーズ】
○宮藤芳佳/○リネット・ビショップ/○サーニャ・V・リトヴャク/○エイラ・イルマタル・ユーティライネン
4/4【がっこうぐらし!】
○丈槍由紀/○恵飛須沢胡桃/○若狭悠里/○佐倉慈
4/4【この素晴らしい世界に祝福を!】
○佐藤和真/○アクア/○めぐみん/○ダクネス
3/3【ガールズ&パンツァー】
○西住みほ/○西住まほ/○逸見エリカ
3/3【THE IDOLM@STER】
○天海春香/○如月千早/○星井美希

72/72

638佐藤和真ですが、戦車内の空気が最悪です ◆QkyDCV.pEw :2017/02/19(日) 21:04:31 ID:BEYVrFpk0
「うん」
仗助もみほも、闇雲にただ戦うような真似はしない。何処何処までも諦めず考え抜いて、勝ちの目を引き寄せようという努力を怠らない。そんな仗助が口にし、みほが頷くからこそ、この言葉は若気の至りだのといったものとは一線を画するのだろう。
そうした理屈を理解しているわけでもないのだが、宮藤芳佳もまた戦いを前に怯え引き下がるような者ではない。
「私も、もちろんそのつもりだよ。だって私、ウィッチなんだから」
カズマはそんな三人のノリに少し釣られている自分を自覚しながらも、まあ仕方ないか、と置かれた環境を鑑み自分を納得させる言い訳とする。
「おーおー、三人共かっこいいねえ。俺は真っ向からやりあうなんて柄でもないし、セコくコスくやらせてもらうけどな」
冗談めかしてそう言ったのだが、何故かみほにも仗助にもこの言葉は大層好評であった。
みほはぽんと手を叩く。
「はい、そういうので行きましょう。相手が強いという事だけははっきりしてるんですから、こちらは手間暇をかけてこそこそーって感じで」
始めて、嘲笑とかではなく楽しげにカズマに笑いかける仗助。
「そうだな、あんだけふざけた連中だ、おちょくってやるぐらいがちょうどいいだろ。おめえはそういうの得意そうだしアテにしてるぜ」
一人落ち込んだ気配の芳佳。
「わ、私はあまり頭を使うのは……で、でもセコくズルく、だね。頑張るよ。と、とりあえずはお夕飯のおにぎりの具をわさび漬けに変える所から……」
速攻でカズマが突っ込む。
「俺達にセコくしてどーする。後それ多分食ったら美味いぞ」
「だ、だって美味しくないもの食べるとかあんまりだし。でもちょっとした刺激っていうかびっくりをね」
「だから俺達にそーしてどーすんだよ」
二人のやり取りを見て、仗助とみほは同時に安堵の息を漏らす。それに気付いた二人はお互い顔を見合わせる。
何とか芳佳が元気を取り戻してくれて良かった、そんな事を二人が同時に考えていて。二人は同時に噴き出すと穏やかな笑みを浮かべる。
思いっきり笑い合える程精神状態は安定しているわけではない。それはひたすら冷静であろうとし続けているみほであってもだ。
ただそんな苦しい中であっても、ほんの少しなら笑う余裕を持てた。そして、自分でそうしてみて始めて、無理して作った笑みにも、心を安らげる効果があるのだと二人は知ったのであった。





【E-7/朝】

【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:
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639 ◆QkyDCV.pEw :2017/02/19(日) 21:05:15 ID:BEYVrFpk0
以上で投下を終了します。


640名無しさん :2017/02/20(月) 10:21:26 ID:uunHKq4E0
投下乙
やっぱり異世界&蘇生体験済みのカズマが居るとこういう時話進のが早いな
ふわっとしてるところはみほと仗助で埋めたりいいパーティーだ


641名無しさん :2017/03/04(土) 18:27:32 ID:UDFa.h560
こいつらの掛け合い楽しいなあ
カズマさんもだけど仗助みほがいい


642 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:51:31 ID:VD0IupEk0
広瀬康一 松野カラ松 赤井秀一、投下します。


643納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:52:18 ID:VD0IupEk0




最初の定時放送を聞き終えた後、松野カラ松は川を流れていくトド松の姿を思い出していた。
再び体に震えが来た。カラ松にはその震えの理由がわからなかったが、怖くて震えているというのだけは自分でもわかる。
悲しむよりも、怒るよりも、まず先に怖いとカラ松は思ったのだ。
助けを求めるようにカラ松は共に行動する広瀬康一に目を向ける。そこで、彼の見せた変貌っぷりに目を見張る。
怒髪天を突くとは正にこの事だろう。髪が逆立って見える程、康一は激怒していた。
康一は、声だけは平静なままで言った。
「ねえ、カラ松さん。例えば、ですよ。自分の大切な友達を、ロクに彼の事を知りもしないクソ野朗が、ざまあ見ろって言わんばかりに死んだとかぬかしたら、どう思います?」
「え? ええと……」
「ムカッ腹、立ちません? もし目の間にソイツが居たなら一発入れてやらなきゃ収まらないぐらい、頭に来ませんか? もし、親切心で言ってますーなんて戯言抜かしたら、起き上がれなくなるまで殴りたいって、思っちゃいますよね」
「お、おう。でもそれ俺じゃないからな、おーけい? 俺チガウ。俺コウイチの敵チガウ」
「わかってますよ。見境無く暴れたりなんてしません。けど、コレ、間違いなく、僕、怒っていいですよね? こんな事抜かすクソ野朗見かけたら、思い知らせてやっていいですよね?」
「うん、うん、怒っていいと思うぞー。でも俺じゃないからな、俺には怒らないでください、プリーズ」
滅茶苦茶怖いらしく、つい敬語になってしまうカラ松。
康一は自らのこめかみを手で抑え、三回、呼吸を行い心を整える。
「……ごめん、もう大丈夫。億泰君はまだ、きっと生きてる。だから……」
そこで言葉を区切って康一はカラ松をまじまじと見つめる。
カラ松の目の縁が小刻みに揺れている。さっきの放送で、カラ松の弟の名前が呼ばれたのは康一も知っている。その弟の死体を、カラ松は目にしているのだ。動揺も無理も無い話だろう。
康一はそんな彼に負担をかけるのは、心苦しいと思えた。
今の康一はもう、とにかく隠れてやり過ごすといった思考はない。こちらからも積極的に動いていって人を探し、敵と味方を見極めつつ味方を増やそうと考えている。
そんな道行きにカラ松を連れて行ったものか、と悩んだのだ。
カラ松はこの村に置いて、自分のみが動き回るというのが良さそうな考えに思えたのだが、康一は何故かそれを実行に移す気になれなかった。
彼を一人残していくのが心配だ、というのもある。ただ、危険さで言うのなら探索に共に出る方が絶対に危険だ。何せ人が居たらこちらから接触を取ろうというのだから。
カラ松は勇敢な青年だが、だからとスタンドも持たぬ彼では先のような人外相手では足手まといにしかなるまい。ましてやそんな相手に蛮勇を振るったならば結果は火を見るより明らかだろう。
ならば隠れられる場所に隠れていた方がいい、と思うのだが、やはり何度考えても、康一はカラ松をココに置いていくのは良くないと思えてしまうのだ。
「康一ボーイ?」
カラ松が不思議そうにこちらを見返してくる。
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644納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:53:15 ID:VD0IupEk0
いや、ここから出ていく、それもあの殺人者達の居る方向とは別の方に向かうというのであれば、見送っても問題が発生する可能性は低いと考えられる。
この村で、赤井は生き残る算段をつけなくてはならない。それは、敵を倒す事と同義だ。
殺人者が徘徊している土地に放り込まれた多数の無力な人間達を、如何に救うのが一番効率的か。簡単だ、殺人者を全て駆逐しきってしまえばいい。
放送内容を信じるのであれば、先に出会った二人組の殺人者ではとても殺しきれないだろう数の死者が出ている。それはきっと、あの二人以外にも人殺しがいるという事だ。
赤井には効率的に手際良く、殺人者を始末していく事が求められる。では、どうするか。
この村を、殺人者にとってのキリングフィールドにしてやればいい。
武器? 無いなら作ればいい。必殺の殺し間をこの村の各所に用意し、殺人者を招き寄せて殺す。
幸い、ここは村で、幾つかの面白そうな道具も見つけてある。また和風家屋である為、軒下や天井裏も入りやすく、今康一とカラ松を見張っているように隠れ潜む事も容易だ。
これらを活用すれば、有効な武器も作る事が出来るだろうし、待ち伏せやら仕掛けやらにも向いている場所だろう。武器は、とりあえず弓辺りを赤井は考えている。
そんな危険な場所となるこの村には、彼等は居ない方がいいだろう。
或いは、殺人者であろうとこれを殺す事に忌避感のある者も居るかもしれない。だから、赤井がやるのだ。
何でもそうだ。出来る者がするのが、一番効率が良い。ここにどんな者が集められているのかはわからないが、殺人の訓練を受けている赤井がそうするのは至極理に適った行為であろう。
故に赤井は二人を見送る。彼等が悪意を持って赤井の情報を洩らすとは考え難いが、必殺の殺し間をより磐石のものとする為には用心に用心を重ねるべきだ。
あのバーボン、安室透ですら不覚を取る場所なのだから、ここは。

村から離れた所で、康一はこんな事をカラ松に訊ねた。
「ねえカラ松さん。あの村さあ、何か変な感じがしたとかそういうのあった?」
「え? いや、俺はそういうのは無かったぜ……」
そっか、といい、康一はこれ以上この話題を続けはしなかった。
康一が村を離れたのには、れっきとした理由がある。
それは康一が、あの村をかつて入り込んでしまった杉本鈴美の居る場所と、似ていると感じたからだ。
人が全く居ない町並みといった表面的な類似ではなく、もっと別の、肌にまとわりつくような、空気が違うとでもいうような、感覚だ。
以前に感じたその不思議な空気と、今この山中の村を取り巻く空気が似通っている、と康一には思えてならなかったのだ。
あくまで勘の範疇であり、理論的に云々なんて話ではないので、これを普通に話してカラ松を納得させるのは困難だろう。だから康一はああ言ったのだ。


645納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:53:42 ID:VD0IupEk0
夜が明けたとはいえ、山中の移動は困難を伴うだろうし、木々が乱立する最中を歩く事になるのであるから、不意打ちへの警戒も難しかろう。
それでも康一は、あまりあの場所に居るのはよろしくないと感じていたのだった。



【C-6/朝】
【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに反対。
1:ここに居るらしい仗助と億泰を探す。
2:ヤモリ、クレマンティーヌから逃げる。
3:カラ松を守る。
4:吉良吉影の危険性を伝え、捕まえる。
※本編終了後より参戦
※スタンドのことは「どうせ見えないだろう」と隠しています。

【松野カラ松@おそ松さん】
[状態]:健康
[装備]:H&K USP(13/15)
[道具]:予備弾薬30、支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考・行動]
基本方針:帰る。
1:康一に引っ張られて移動する
※トド松の死体を見ました。
※康一のスタンドも見ましたが、その事を康一に確認する時間的余裕はありませんでした。

【C-6納鳴村/朝】
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646 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:54:06 ID:VD0IupEk0
以上で投下を終了します。


647 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:55:13 ID:VD0IupEk0
シャルティア・ブラッドフォールン ダークニンジャ ヴライ 月山習、投下します。


648 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:55:48 ID:VD0IupEk0



どうやらここはシャルティア・ブラッドフォールンの全く見知らぬ土地であるらしい。
とっ捕まえた戦士から聞き出した話から考えるに、ここはネオサイタマという場所の近くと思われるが、そいつも拉致されて来た口で本当にそうなのかの確証も得られなかった。
シャルティアが見つけた人間は全部で四人居た。内二人は殺してしまったので残る二人を追ったのだが、どうにも見失ってしまったようだ。
眷属まで使っての捜索に全く引っかからなかったのだから、かなり高速で移動したのだろう。最早周辺には居ないと考えるべきだ。
とにかくここが何処かがわからなければどうにもしようがなく、シャルティアは特にアテもなく人の居そうな場所を目指し歩いてみる。
この町、人の住居と思しきものは所狭しと建ち並んでいるのに、人の気配はまるでない。
建築様式も何処かで見た事あるような無いような、な感じで。それなりに進んだ文化と技術を持った国だとわかる程度だ。
高いところに上がってみても、人の気配は無い。時折、妙な違和感があって集中して気配を探ってはみるものの、やはり何も引っかからない。
よほど人が居ない土地なのだろう。いや、人は居たのだが、何処かへ消えてしまったというのがより正確な気がする。
「流石に、参りましたでありんす」
もう一度、シャルティアは現状を整理する。
恐らくシャルティアは何者かに拉致された。もしくは強制テレポートの類で吹っ飛ばされた。
その際、身につけていた装備品を悉く奪われているので、そういった魔法の罠の類でもなければ、やはり拉致されここに放り出されたと見るべきか。
「まったく、これではまるで迷子にでもなった気分でありんす」
少し考えて、シャルティアは頭を抱えてうずくまった。
「まるでじゃないしっ! まるっきり迷子そのものだしっ! ああああああああああ、なにこれなにこれ、わざわざ人をさらっておいてそのまま放置って何かの特殊プレイでありんすか!? 幾らなんでもこんな現状に性的興奮をもよおすとか難度高すぎでありんしょう!」
創造主にエロゲ設定を山盛り詰め込まれたシャルティアさんにも、流石にコレは無理らしい。
遊んでいる場合ではなかったのである。
てっきり、ここにシャルティアを拉致した者から何らかの接触があるものと思っていたのだが、見つけられたのは同じように捕まって来た者ばかりである。
確認したのは一人だけであるが、シャルティアを相手にロクに前に立つ事すら出来ぬような輩がシャルティアを拉致出来るなどとは考えられないので、アレ等も先に捕えた者と同様であろうと判断した。
ここまで接触が無いのなら、恐らくシャルティアを拉致した何者かはシャルティアと会うつもりはないのであろう。
つまり、接触して来た時にそいつから直接拉致の理由を問い質そう、というシャルティアの考えは実行出来ぬという事で。
もちろんそれでは帰る方法もわからぬままだ。転移系の術は全て、この地に結界だか封印だかがなされているらしく使用不能。伝言の魔法も駄目。小憎らしい程に、シャルティアには何も出来ない状況である。
よよよ、とその場に崩れ落ちる。
「どうして何時もわたしだけがこんな目に……この前も気がついたらアインズ様に……あああああああああああああぁぁ、またこの前のような失態を晒したらきっと……」
その時のアインズの様を想像したのか、シャルティアの全身を怖気が走る。
「いやっ! 絶対に嫌でありんす! そうよ、今回は意識がなくなってるなんて事もないのだし、わたしにもまだどうにかする目があるはずっ!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


649 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:56:21 ID:VD0IupEk0
実に馬鹿丸出しなザマであるが、これは彼女のみに原因があるわけではない。
エロゲのような設定を詰め込まれているシャルティアであるが、設定とは趣味嗜好であったり、性質だったりを定めたもので。
趣味嗜好が、戦闘に有利云々ではなくそれ以外の方向に突き抜けていったような内容であるのなら、好き嫌いは概ね当人にとっての弱点にしかなりえない。
性質にした所で、冷静沈着で常に最善の判断を下せるような性格を形成するような要素は、そのほとんどが可愛いといった要素と相反する。つまり、こちらも設定を盛られれば盛られる程立ち回りが不利になっていくものだ。
シャルティア・ブラッドフォールンはそれ以外、つまり能力的な面で言えばかなりのガチ仕様であり、総合的にはナザリック守護者達の中でも最強の部類に入ろう。
スキルや能力のバランスも良く、戦闘の際の大きな弱点もない。アインズがこれと戦うと言い出した時は、残る守護者全員が止めに入った程だ。
そういった能力の高さを活かす為の頭脳に、彼女は制限が加えられているという事。さながらガンダムの阿頼耶識を通した強力なフィードバックを、安全装置が防いでいるかのよう。いや別に、シャルティアに能力を発揮したらフィードバック食らって死ぬなんて設定は無いが。
結局、シャルティアは放送を耳にしていながら聞き逃すという素敵な失態を晒す事に。
まあ主たるアインズ・ウール・ゴウンも後半聞き逃していたようなので、きっと責められるような事は無かろうが。

シャルティア・ブラッドフォールンの能力はいずれかに特化しているわけではなく、故に様々な事態に対応出来るようになっている。
ならばこうした予測も出来ぬ緊急事態の対処において、彼女程相応しい存在はあるまい。
実際、様々な術への耐性を備え、耐久力や回復力も高い、索敵能力が少々劣るも、完全な不意打ちを食らったとしても一撃でシャルティアを打倒しきるのは至難の業だ。
そしていざ攻撃に移ったとなれば、物理、魔法、双方をバランス良く行使出来、スキルも充実している為ほとんどの防御手段への対応策をその手にしている。
彼女を殺すのは極めて難しく、彼女に殺せぬ敵はほとんど居ない。そんな存在である。
挙句、初見殺しも多数所持していて、魅了の術も数多揃えている為、敵を倒した後の情報収集も万全。スキルと能力だけ見るなら、アインズよりよほど彼女の方がこの地に向いているだろう。
また装備が奪われた現状でも、彼女はアンデッドである為疲労とは無縁で、当人が手を止めるか、行動不能になるまで何時まででも戦闘力が落ちぬままに継続戦闘が可能だ。
これまでに打倒された二人の守護者、これを倒した者達ともしシャルティアが戦うとなれば、恐らくまた別の結果になっていたであろう。
アルベドでは殺しきれなかった斗和子も、シャルティアならばすり潰す事が可能だ。デミウルゴスが耐え切れなかったオシュトルの斬撃もシャルティアならば堪えきり回復再生、しかる後反撃が可能であったろう。
斗和子やオシュトルならば、シャルティアの弱点である血の狂乱発動まで戦いきる事が出来るだろう。だが、血の狂乱はただのバーサークではない。魔法やスキルの行使も可能な、暴虐の嵐であるのだ。如何な双勇であろうとこれを耐え切るのは難しかろう。
この地に招かれた事で、計らずもシャルティアは守護者最強の証明を為し得る事となろう。当人がそれを望んでいるかどうかはさておき。



月山習、一生の不覚。
とばかりに頭を抱え、おろおろとその場でふらつく喰種月山習。
放送を聞いた結果である。そりゃ、アテにしていた喰種の二人の内の一人、霧島董香の死亡をいきなり聞かされてしまえばショックも受けよう。
習がこれまでに出会ったのは四人。学生らしき少女が二人、奇特な格好をした忍者紛いが一人、少女の容姿をしたバケモノが一人。
実に半数が人外である。これほどの者が居るというのならば霧島董香程の喰種が殺されるのも理解は出来る。
彼女とは面識もあるし、それなりに気にはかけている。一度殺されかけた相手でもあるし。ただ、彼女以上に、彼女が死んだ事で衝撃を受けるだろう人物、金木研の事が気になる習だ。
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650最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:57:14 ID:VD0IupEk0
ふと、何かに気がついた習は、今居るビルの屋上から隣にビルへと飛び移る。音も無く着地をし、滑るように走る。再び跳躍、ビル端のフェンスの上に一足で飛び乗り、再び次のビルへと飛ぶ。
こんな派手なムーブ、もし他人に見られたらと思うと何時もの町ではそうそう出来ないだろう。習は少し気を良くしながらビルの屋上を飛び移りながら移動を続ける。
が、突然足が止まる。
『何っ!?』
驚いたなんてものではない。
それまでアホみたいに騒ぎ喚き、挙句隠す気配すらない死臭を漂わせながらゆっくりと移動していた対象が突然消滅したのだ。
習の鼻は喰種ならではの鋭敏さを持ち、その索敵範囲は彼が追っているゴスロリバケモノ少女の索敵範囲を軽く超えている。
別の臭いで上書きしただのでは断じてない。突如、臭いそのものが消失したのだ。
かなり壁の厚い建物にでも入ったか。いや、臭いのみならず、習の肌にひりつくように漂ってきていた死の気配までが、綺麗さっぱりなくなるというのはありえない。
だが、そうなった原因らしきものはわかるので、習は細心の注意を怠らぬままに、追跡を続けた。



ダークニンジャは流れて来た死者を告げる放送に、思う所があったのか表情を引き締める。
呼ばれた名に聞き覚えは無いが、ダークニンジャのニンジャ第六感が言っているのだ、呼ばれた名の中にも恐るべき使い手が居たであろうと。
それは直前に姿を見かけた、ニンジャならざる圧倒的脅威の存在故の事だろうか。否である。
アレの存在もまたダークニンジャが警戒を強める原因ではあろうが、だからと言ってダークニンジャのニンジャ第六感の感性にブレが生じる事は無い。
何処までも冷静に、冷徹に、現状がどうであるかを受け止める為のセンサーとしての役割に、乱れが生じる事は無いのだ。
故にこそ、ダークニンジャはこの地に複数の絶大なる脅威が存在する事を知る。
例えば江戸川コナンであっても、シャルティアのような規格外は特別である、と考えているフシがあった。
もちろん彼の知能ならばアレクラスのバケモノが複数存在する可能性にも当然思い至っているだろうが、まずはアレを対処すべしと全力をそちらに傾けてしまっている。
だがダークニンジャは違う。ニンジャならではの独特かつ超越した感性により、更なる強敵の存在をコナンよりも確かなものとして感じているのだ。
ダークニンジャは町を走る。
前述の理由により、常ならぬ警戒を周囲に張り巡らし、四方にカラテを向けながら。
そしてダークニンジャの優れた感知能力は、手にしたキルリアン感知器よりも早く、その存在をダークニンジャに教えてくれた。
これもまた、ダークニンジャがまるで出会った事のない類の気配であった。
少ししてキルリアン感知器も反応を示すが、その数値はあのバケモノはもちろん、ダークニンジャよりも大きく劣るものであった。だが、だからこそ、ダークニンジャはこの数値が戦闘力の高さではないと察する。
ダークニンジャのニンジャ第六感は、この気配の主の並々ならぬ脅威度を感じ取っていたのだ。
だがダークニンジャは今度の相手には遠くから様子を見るのではなく、自身をその脅威の前に晒しだす。
まず、ダークニンジャを前にした相手の反応を確かめる。
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651最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:58:27 ID:VD0IupEk0
ヴライと名乗った大男は、その一言と共に、巨大な長棒を振り下ろして来た。

何たる豪腕、何たる威力か。
ヴライの振り下ろした長棒は叩き付けた大地を深く抉り、跳躍し距離を取ったダークニンジャを吹き上げた土砂が襲う。
ダークニンジャ、叩き付ける土砂を厭わずじっとブライから目を離さない。
当たり前にヴライはこの土砂の中を突っ込んで来た。攻撃はまたしても単純明快な、振り下ろしの一撃。
だがその振り下ろしに、珠玉の技が込められている事をダークニンジャは見てとった。
あれほどの威力。筋力だけで為し得るものではあるまい。いや、技のみでも不可能だ。類稀な鍛え抜かれた筋力を、膨大な経験に基づいた術理により運用し、早く、強くを何処までも極め尽くして初めて至る戦人の境地の一つであろう。
実際ダークニンジャも、飛んでかわさねば危うい。ギリギリでかわしあわよくば反撃などという甘えた行為の一切を拒否する、鋭さを備えた攻撃であるのだ。
太い棍棒をそのまま長くしたような、常識外の膂力でもなくば振り回せぬ武器を軽々と振り回すヴライ。だがそれは彼の戦闘力のほんの一部に過ぎない。
ダークニンジャが注視しているのは、その長棒を大地に叩き付けた動き、そのものだ。
最初の一撃は敢えて大地を叩いた。だが、次の一撃は大地に付く直前で棒先がぴたりと制止していたのだ。
それはダークニンジャの飛び道具による反撃を警戒しての事であろう。もしスリケンなどで仕掛けていても、あの長棒が跳ね上がり容易く弾かれていた。
たったこれだけのやりとりでもわかる。この大男ヴライは、ただの力自慢などでは断じてない。もちろん、ニンジャソウルを手にした事で有頂天になってしまうような浅薄な輩とも違う。
己を厳しく律し、何時でもより強くならんと切磋琢磨し続けて来た者の持つ、重厚な土台が感じられる。
これを一言で言い表すならば、見事なカラテ、であろう。
ヴライの足は止まらない。後退したダークニンジャに向かって、三度目の振り下ろし。
『否っ!』
ダークニンジャは前二度と全く同じモーションのヴライに対し、脅威は上ではなく前と感じ、その直感を信じ動く。
果たしてヴライの振るった長棒は振り下ろす挙動から一瞬で切り替わり、奥深くへと伸びていく突きとなる。もし後ろに下がる事でかわそうとしていたならば、この突きに追いすがられ致命的な一打を許したであろう。
だがヴライが稀有な武人であると言うのなら、ダークニンジャもまた古今稀に見る優れたニンジャだ。
突きの気配を感じ取り、後退ではなく左方への跳躍に切り替えこれをかわす。
ヴライの突きの威力は周辺の大気をすら巻き込み伸び行くもので、渦を巻いた風がダークニンジャを引きずりこまんと吹き付けるが、ダークニンジャはニンジャ脚力で大地を踏みしめこれを堪える。
更に、この突きの風圧で動きを制したヴライは、三種目の攻撃、薙ぎを繰り出す。
これぞ必殺の一撃であろう。前方の空間全てを削ぎ取る回避不能の剛撃だ。
地上には物理的にこれを回避する空間が存在しない。何処に居ようと薙ぎの範囲内であり、この範囲から一足で飛べる距離を、ヴライが長棒を振るう速度を越えて稼ぐのはさしものダークニンジャにも叶うまい。
それでも、ダークニンジャは歴戦を潜り抜けてきた勇士。出来ぬをこなしてこその超一流であろう。
先程大地を深く踏みしめたのは、風圧を堪えるのみが目的ではなかった。
次撃を薙ぎと予想したダークニンジャは、深く沈みこむ事で跳躍に必要な脚力を溜め込んでいたのだ。
一瞬でヴライの頭上を取るダークニンジャ。そして、何たる妙技か。空中で一回転し、ヴライの頭部を蹴り飛ばしにかかる。
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652最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:59:38 ID:VD0IupEk0
並のニンジャであればそのままヴライに足を掴まれていたであろう。ヴライのウケの強さを見てとったダークニンジャは咄嗟に、ケリを振りぬくケリではなく弾くケリに切り替えたが故のこの結果なのである。
さしものヴライも、片腕のみではダークニンジャ着地までの間に長棒を振るう事は出来ず、両者にとってあまり本意ではない形で交錯は終わる。
表面的に見えた動きは、ブライが振り下ろし、振り下ろし、突き、薙ぐ。これをダークニンジャが下がり、下がり、横に飛び、上に飛んで反撃するも受けられる。のみである。
これのみでも実にアクロバティックで迫力のあるやりとりであったのだが、これらの動きにはそれぞれ常人では踏み込みえぬ深い鍛錬と技術が詰め込まれており、両者の実力の程が知れようものだ。
現時点ではいずれに有利が付くといった風でもない。
だが、ここでダークニンジャは動きを変化させて来た。
戦場を広い道路上から、建物の中へと切り替えてきたのだ。
確かに、長物は建物内では不利であろうし、ヴライの得物を封じる意図でそう行動するのは正しい選択であろう。
建物の中へと走るダークニンジャを、そうとわかっていて平然と追うヴライ。
背の高いビルの一階ロビー、ここに入り込んだダークニンジャであったが、一階ロビーは上二階まで吹きぬけた広い空間になっており、ヴライが長棒を振り回すに充分なスペースがあった。
ダークニンジャは仕方が無いとでも思ったか、ロビーにそそりたつ巨大な柱を背負って構える。ヴライはやはり気にした風もなく長棒を振り下ろす。
そう、ヴライが構わず建物内に入ったのは、中に鉄筋が入ってようと大理石で覆われていようと、叩き砕く自信があったからである。
斜めに振り下ろされたヴライの長棒は、柱を袈裟に叩き斬ってしまう。その抉られた柱の傷跡は、明らかに長棒の長さよりも深い。
少し計算が外れたか、と柱の後ろに回りこんだダークニンジャは、これに同じく袈裟に手刀を叩き込む。こちらもヴライに負けじと中の鉄筋ごと深々と柱を抉り取る。
上にだけでなく、ヴライのドウジマを振り回しても問題ないぐらいに横にも広いフロアであるという事は、つまり、支えとなる柱にその重みが集中しているという事で。
ただの一本が支えたらず崩れるだけで、フロア全体の天井が細かく揺れ始めたではないか。
フロアの構造を一瞬で把握し、最適の柱に目をつけこれをヴライの力すら用いて破壊する。
ただ強いだけのニンジャには絶対不可能な戦い方だ。当然仕掛けた方のダークニンジャは即座にビルの外へと脱出。轟音と共に崩れ落ちてきた天井に、ヴライは避難が間に合わない。
だが、とりたてて彼は慌てる様子もなく、手にした長棒を深く後ろにまで引き構え、コンクリートの塊がヴライの頭上に至った瞬間、弧を描き長棒がこれを粉砕する。
細かな瓦礫は流石に避けようが無かったが、問題になるような大きな塊は全てその一閃で砕いたヴライは、頭上や肩に乗った瓦礫を払いもせずのそりとビルから出る。
ビルの外では、両腕を組んだダークニンジャが道路に立っていた。まるでヴライが出てくるのを待ち構えて居たかのように。
しかしヴライは外に出てもダークニンジャから目を離し、頭上高く、自らが入っていた十数階のビルを見上げている。
ヴライの知る建築では、ここまでの大きな破壊があれば建物全体に影響を及ぼす事必至であったのだが、このビルは一層の底が抜けた程度ではビクともしないようだ。
それを確認し、戦闘の最中だというのに何処か感心したような顔になる。
完全に無視された形のダークニンジャであるが、そもそもこの男、激情とは最も縁遠い男。怒りを顕に襲い掛かるような真似はしない。
そんなダークニンジャをせせら笑うヴライ。わかりやすいぐらいわかりやすく隙を見せてやったというのに、お互い引っ込みがつかなくなるような必殺の間合いへは決して踏み込んで来ようとしないダークニンジャの腰抜けっぷりを笑ったのだ。
「つまらん男だな。殺し合いをする気は無いか?」
本来のダークニンジャならば、敵が何をほざこうと黙殺するのであるが、どうしたものか、ダークニンジャはヴライの言葉に返事を返してやる。
「……ニンジャでもない、かといって人間でもあるまい。お前は一体何者だ」
ヴライの眉根が怪訝そうに寄る。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


653最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 19:00:06 ID:VD0IupEk0
「ふむ、それだけの暴威を持ちながらニンジャを知らぬか。貴様、ネオサイタマの者ではあるまい。ヤマトと言ったか、事によれば、日本の外の者か?」
ヴライにはまるでわからぬ単語ばかりだ。それにこの男の動きは、ヴライも見た事が無いと思える程独特のものであった。
この踏み込み過ぎぬ戦い方こそがこの男の戦いで、ヴライが致命的な隙を見せるのを待ち構えている、といったヴライが最初に抱いた予測は実際に隙があったにも関わらず踏み込まなかった事で外れであったとわかった。
だが同時に、この男は隙があっても攻めない、つまり今の時点ではヴライにリスクを負ってまで大きな損害を与えようと思っていない、とも考えられる。
即ち、この男の狙いは時間稼ぎ。
ならば付き合う事もあるまい、と踏み込みかけたヴライ。その足が止まる。
ダークニンジャはそちらの気配に注意を向けながら、心の中で呟いた。
『我が策、成れり』
「あー、もうっ。この魔法、気配も消してくれるのはいいんでありんすが、こっちに気付いてもらえないのは面倒この上無いっ。あー、そこの二人、今からわらわの質問に答えなんし。その後でそっちの覆面は顔を見せて見た目が良かったらもう少し生かしておいてやりんす。そっちの不細工は自殺でもしなんせ」
周囲の大気が歪んで見える程に明白な強者気配を相手に、この超が付く見下し台詞を平然と吐けるのはこの会場広しと言えど、ギルド、アインズ・ウール・ゴウンはナザリックの階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン以外におるまいて。



「うん、やっぱりあの音の所に行ったのか。さて、僕はどうしたものかな」
月山習は三者が遭遇する様を、少女、シャルティアの索敵範囲外、更にダークニンジャやヴライからも察知されぬ距離を取りながら観察していた。
漂う匂いは間違いなく戦いの匂い。あの三人がどんな会話を交わすかはわからないが、結果として戦闘は起こるだろう。
あの少女の能力を見ておきたい、出来れば実際に手合わせも、と考えていた習には願ってもない好機。しかも先程出会った忍者装束の男までヤる気でいるのだ。その上、足の遅そうな、逃げる時の囮に出来そうな者までいてくれる。
「んー、ここは僕もお邪魔するとしようか」
こきりこきりと手首を鳴らしながら、習もまた、かの人外戦場へと足を進めた。



【E-8/朝】
【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:人を探す
1:人を見つけ、ここが何処か等の基本情報を入手する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


654 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 19:01:16 ID:VD0IupEk0
以上で投下を終了します。


655名無しさん :2017/03/29(水) 19:13:31 ID:O/SMd8U60
投下乙です

康一もカラ松も何とか平常心を保てたか、ひと安心。
赤井は慎重だな。…まぁトラウマがあるし仕方ない。

シャルティアはやっぱシャルティアだなw
しかし不穏な空気…戦闘突入なるか?


656名無しさん :2017/04/01(土) 11:55:40 ID:aAV8MTuY0
投下乙です

どちらかが脱落すればよし
どちらも消耗してくれれば両方討ち取れて尚良
ダークニンジャ恐るべし…

しかし早くも最上級危険人?物が遭遇とか先が読めませんね
放送後に登場してない奴らも気になりますし
これは今後益々目を離せなくなりますね


657名無しさん :2017/04/05(水) 00:46:11 ID:a7tVttyg0
投下乙です。

正直シャルティアが負けるところが、想像出来ない。


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18 アニメキャラ・バトルロワイアル4th part2 (Res:1000)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 18
1名無しさん :2016/02/12(金) 19:24:17 ID:cZpkR.8k0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17204/

避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17220/

地図
ttp://imgur.com/wm3q2BI

【参加者名簿】

3/7【Fate/Zero】
○衛宮切嗣/○セイバー/○言峰綺礼/×ランサー/×雨生龍之介/×キャスター/ ×間桐雁夜
4/7【銀魂】
○坂田銀時/×志村新八/○神楽/×土方十四郎/○桂小太郎/×長谷川泰三/ ○神威
4/6【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
○空条承太郎/×花京院典明/×ジャン=ピエール・ポルナレフ/○ホル・ホース/ ○ヴァニラ・アイス/○DIO
4/6 【神撃のバハムート GENESIS】
○ファバロ・レオーネ/×カイザル・リドファルド/○リタ/×ジャンヌ・ダルク/○アザゼル/○ラヴァレイ
3/5 【ご注文はうさぎですか?】
×保登心愛/○香風智乃/○天々座理世/○宇治松千夜/×桐間紗路
3/5【デュラララ!!】
○セルティ・ストゥルルソン/×園原杏里/○折原臨也/○平和島静雄/×ヴァローナ
2/5【ラブライブ!】
×高坂穂乃果/×南ことり/×矢澤にこ/ ○絢瀬絵里/○東條希
4/5 【結城友奈は勇者である】
○結城友奈/○東郷美森/○犬吠埼風/×犬吠埼樹/ ○三好夏凜
4/5【キルラキル】
○纏流子/○鬼龍院皐月/×満艦飾マコ/○蟇郡苛/○針目縫
2/4【グラップラー刃牙】
×範馬刃牙/○ジャック・ハンマー/×範馬勇次郎/○本部以蔵
3/4【selector infected WIXOSS】
○小湊るう子/○紅林遊月/×蒼井晶/○浦添伊緒奈
0/3【咲-Saki- 全国編】
×宮永咲/×神代小蒔/×池田華菜
2/3 【魔法少女リリカルなのはViVid】
×高町ヴィヴィオ/○アインハルト・ストラトス/○コロナ・ティミル
2/3 【のんのんびより】
○宮内れんげ/○一条蛍/ ×越谷小鞠
1/2 【グリザイアの果実シリーズ】
○風見雄二/×入巣蒔菜
41/70

981New Game ◆WqZH3L6gH6 :2017/02/22(水) 00:58:53 ID:nkVZ1xE.0


【アザゼル、セルティ、絵里、夏凜補足】
※小湊るう子と繭、セレクターバトルについて、緑子とアザゼル(タマ)を通じて結構な情報を得ました。
※大まかにですが【キルラキル】【銀魂】【魔法少女リリカルなのはVivid】【のんのんびより】
【結城友奈は勇者である】【ラブライブ!】【selector infected WIXOSS】の世界観について知りました
※チャットの書き込み(発言者:D、Iまで)に気づきました。
※墓場に地下道出入口が開通したことを知りました。
※三好夏凛のスマートフォン、東郷美森のスマートフォン、宮内ひかげの携帯電話にそれぞれの電話番号が登録されています。

・支給品説明

【螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)@Fate/Zero】
蒼井晶に支給。
人間の皮で装帳されたキャスターの魔道書の宝具。
この本自体が魔力炉となっており、所有者の魔力と技量に関係なしに深海の水魔の類を召喚し使役できる。
ただ召喚数は制限されており、それほど巨大なサイズの海魔も通常では召喚できない。細かいところは書き手様任せ。
以上の能力に加え海魔を召喚、使役していなければ少々の治癒能力を発揮できる。
効力は当ロワ内の言峰綺礼の治癒術と同程度で、回復速度は遅め。

【弓と矢@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
ホル・ホースに支給。
DIOの宝物。アニメでは42話に登場。鏃そのもの成分が一種の隕石で遅行性の毒(ウイルス)がある。
ジョジョの奇妙な冒険出典以外のキャラに使用しても基本的にスタンド能力は発現しない。
外見はひどく古びた弓矢。


【ジャック・ハンマー御用達薬品セット@グラップラー刃牙】
カイザル・リドファルドに支給。
ジャックのドーピング薬セット。大きな袋3袋分。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


982 ◆WqZH3L6gH6 :2017/02/22(水) 01:01:18 ID:nkVZ1xE.0
投下終了です。


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985 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:40:49 ID:JRgKZP4I0
今から投下を始めます。


986運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:42:21 ID:JRgKZP4I0
――点滴までは望めないか。
赤カードは参加者が手に持ち念じればイメージした食事をそのまま具現させる事ができる。
浦添伊緒奈――ウリスがやったように食器もろとも。だが点滴を具現させることは無理だったようだ。
内臓のダメージを用心しての判断だったが仕方がない。
鬼龍院皐月は赤カードからのど飴を現出させ、一口舐めた。

「……」

唾液に混じった飴成分が喉を通し胃に落ちたが痛みはない。
安心した皐月は残った飴をれんげに渡した。

針目縫との決戦の後、宮内れんげの治療を受け休憩を取っていた。

そして一息つけた皐月達はやがて針目の遺品の回収を始める事にする。
皐月とれんげ、そして皐月の衣服――神衣鮮血と、れんげの守護精霊――木霊の4者は
針目が斃れた場所へ進み、目的のものを早々に見つけ出した。

紫色の刃――片太刀バサミ
他に支給品は落ちてないようだ。

皐月の亡父、纏一身こと鬼龍院装一郎が開発した対生命戦維用武器 断ち切りバサミの片割れ。
針目に強奪され、この場に置いても悪用されていた紫色の片刃を皐月は拾い上げるべく手を伸ばす。
元は赤色だった片刃が未だ紫色である事に、針目の影響を危惧し微かな警戒を抱きながら、皐月が柄の部分を掴んだ。

「!」

片刃は瞬く間に元の赤色へと変化した。
れんげが「おお、色が変わったん!」と感嘆に近い声を上げる。
鮮血はそれを感慨深げに見つめた。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


987運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:43:07 ID:JRgKZP4I0
れんげが軽く皐月の腕を掴み、東の角を指差す。
4者は指された方へ向かい、盛り上がった土と数本の髪の毛、そして参加者の白カードを発見する。
髪の毛はウェーブがかかった栗色の長髪で目立ち、カードは月光を微かに反射に目に付きやすかった。
白カードを見る。彼女らはそこは死した参加者が埋葬された場だと理解した。
皐月はまたも白カードを見る。映し出された少女の顔は喜怒哀楽をほぼ出していない普通の表情をしていた。
そこからは人間性や最期の感情を読み取ることはできない。

皐月はふと針目が斃れた方へ向いた。そのまま無言でそっちへ向かう。
眉をちょっとしかめながら。

「…………」

先程の戦いをする前なら、気にも留めなかっただろう。
彼女はこれまで死した参加者の白カードを何枚も見てきている。
それらはどれも同じ表情をしていた。
皐月の直感と経験が針目縫の白カードを拾わせるべく脚を動かさせる。
そして拾った。

「……それがお前の本当の貌か?」

その呟きには納得の色が含まられていた。
対外的には針目はほとんどを笑顔で過ごしていた。口調も戦闘時以外は陽気そのものので。
しかし白カードに映し出せれている表情はそれとは全然違うものであった。

痩せ衰えた狂犬のような、余裕のかけらもない愛らしさとは無縁の表情。
目元に隈があると錯覚してしまいそうなギョロっとした両眼。
開くとすれば歯よりも牙が似合うであろう口元。眼帯が無い以外は髪型等に変化はない。
だが皐月にはそれは私情を抜きにして、無理やり着飾られた頭のネジが飛んだ肉食獣に見えた。

れんげがすたすたとこちらに近づいて来るのが解る。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


988運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:44:43 ID:JRgKZP4I0
「電話は通じないのか」
「ああ。チャットは可能なんだが、他の電話を確保しなければな」

鮮血の問いに皐月は軽く緊張感の含んだ声で返す。
勇者スマホ同士での通話ができないのは元からであり、皐月達もそれは存じていた。

「心配か?」

皐月は黙って頷く。
――絢瀬絵里
ここで出会った志を同じくとした皐月と同年代の仲間。
彼女は先の放送で名を呼ばれ無かったが、同行者の坂田銀時は呼ばれていた。
絢瀬の現況は不明だが、善意の参加者に保護されているなんて楽観ができる状況でもない。
一般人である彼女をそのままにしておくのは拙い。
仲間との連絡がまともに取れない以上、皐月は分校に到着次第放送局に向かいたい心境だ。
だが皐月は焦る気持ちを己を縛る前に心の何処かに置き、れんげの横に並んだ。

「ほんとにいいん?」
「疲れたら休むさ」

皐月は笑った。
旭丘分校までは少々遠く、遮蔽物がない道も通る。
時間が惜しく、ゲームに乗った者の情報も多くない現状、早々に向かう必要がある。
れんげは走る。勇者の力を得て常人離れをしたスピードで。
皐月も走る、れんげと同じ速度で。
走りながら皐月はちらりと針目の腕輪を見た。

「……」

母であり、人類の大敵である生命戦維の地球上の実質的な首魁である鬼龍院羅暁の3人目の子供――針目縫。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


989運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:45:34 ID:JRgKZP4I0
2人とも何事もなくそのままでいると考えていた訳ではない。
ある程度の惨状は覚悟していたが、それはあんまりな光景だった。

建物は半壊状態で、血のようなものが分かりやすく飛び散っている。
死者が埋められたと思しき2つ隆起がある。
そして極めつけは遠くから見ても解る草むらに隠れている何か。
それらの異常が合わさり、夜というのを差し引いてさえなお、
旭丘分校はれんげが知る学び舎とは程遠い雰囲気の戦場跡となっていたのだ。

れんげは両手を頭に当て、あーあーと途方に暮れたように呻いた。
皐月は注意をはらいながら草むらに隠れている何かへと近づく。
その行動にれんげは我に返り、少し離れて皐月の後に続いた。

何かは一人の成人男性の死体と、顔立ちが整った生首だった。
皐月は手で、精霊はれんげの目の前に塞がることで直視させないように動いた。

「……」

致命傷と思しき刺傷と無数の傷を負った死体――衛宮切嗣。
皐月は彼の遺体を調べる。
最初に遭った仲間、間桐雁夜に僅かに似ていると皐月は思った。
格好からして堅気でもなく、肉体の造りと人相からして善良とは程遠い人物と推測できる。
れんげが両目を指で隠しながらじりじりと近寄ってくるのがわかった。
息を呑む声がする。皐月はなぜか違和感を感じたがそれに作業を中断させず次を行く。
皐月は生首――ランサー ディルムッドを両手で抱えた。

「…………」

ここで皐月は何故れんげが息を呑んだか理解した。
れんげが言った。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


990運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:46:44 ID:JRgKZP4I0
なら自分にできる事は何か……。

「……埋めるか」

れんげ達は即座に同意した。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

切嗣とランサーの遺体を弔った後、2人はスマホと建物の周囲を一通りチェックし休憩している。
そして今、2人はチャットに書き込みをしていた。

I:『犬吠埼樹さんのスマホから書き込んでいます。
   鮮血とアスクレピオスは目的地に到着しました。
   途中針目縫と交戦し倒しました』

――次の連絡待ちか

皐月は他のチャット文を見ながら緊張した面持ちで息を吐いた。
れんげも少々だが顔色を悪くしている。

『一番目のMと、五番目のD。今夜、地下闘技場で話がある』

頭文字Dは強敵DIOしか該当する者はおらず、書き込んだ参加者も死去した樹を別にすれば遭遇さえしていない。
拙いのは場所、ルートからして絢瀬は地下闘技場付近にいるかも知れないから。
DIOの言動から察するに誘いに乗る可能性も高いと推測できた。
銀時の死を知らぬれんげからしても悠長に構えていられる状況ではない。
だがれんげは蛍とまだ再会していない。そのジレンマがれんげの元気を徐々に奪ってゆく。

「行こう」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


991運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:47:18 ID:JRgKZP4I0
れんげはそれを拾って白カードを利用して読むと、いつものポーカフェイスながら喜色の含んだ声を上げた。

「ほたるん無事なん。無事なん!」

手紙を読みながら皐月は柔らかく微笑み頷いた。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

『れんちゃん無事ですか?お元気ですか?
 私は承太郎さんや平和島さん達のおかげで何とかがんばっています。
 これから私達はラビットハウスに向かいます。
 もし禁止エリア指定などで行けなくなった場合は放送局に行こうと思います。
 あとここに使っている電話の番号を書きましたので
 できれば連絡をしてくれるとうれしいです。待ってます
   
                           ほたるんより』



職員室に電話はなく、所持しているスマホも通話はできなかった。
れんげは教室の中に入っている。電灯はどの教室も点けられない。
友奈達のスマホ以外の電話での通話はれんげが変身を解けば使えるかも知れないが、完全に癒えていない以上それは未だできなかった。
皐月は拾った鉛筆2本を仕舞い、今後どうするか思考する。
とにかく絵里や一条蛍と連絡を取れる機器が必要だ。
だがその機器がありそうな施設は近くにない。
皐月がれんげに声をかけようとした瞬間、教室に青白い光が溢れた。

「「れんげ?!」」

すぐさま皐月は教室へ駆ける。そこには青白い光の帯があった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


992運命の廻り道 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:48:46 ID:JRgKZP4I0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【B-2/本能字学園・校庭/夜中】
【鬼龍院皐月@キルラキル】
[状態]:疲労(小)、全身にダメージ(中)、袈裟懸けに斬撃(回復中)
[服装]:神衣鮮血@キルラキル(ダメージ小)
[装備]:体内に罪歌、バタフライナイフ@デュラララ!!
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(5/10)、青カード(8/10)
    黒カード:片太刀バサミ@キルラキル
    白カード:針目縫
    針目縫の腕輪、鉛筆2本
[思考・行動]
基本方針:纏流子を取り戻し殺し合いを破壊し、鬼龍院羅暁の元へ戻り殺す。
0:宮内れんげと共に駅へ向かう。 北西か南どちらに向かうか。
1:絢瀬絵里が心配。
2:ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を調べてみたい。
3:鮮血たちと共に殺し合いを破壊する仲間を集める。
4:襲ってくる相手や殺し合いを加速させる人物は倒す。
5:纏流子を取り戻し、純潔から解放させる。その為に、強くなる。
6:神威、DIOには最大限に警戒。また、金髪の女(セイバー)へ警戒
7:針目縫の魂(白カード)を最後を迎えるまで監視する。
[備考]
※纏流子裸の太陽丸襲撃直後から参加。
※【銀魂】【ラブライブ!】【魔法少女リリカルなのはVivid】【のんのんびより】【結城友奈は勇者である】の世界観について知りました。
※ジャンヌの知り合いの名前とアザゼルが危険なことを覚えました。
※金髪の女(セイバー)とDIOが同盟を結んだ可能性について考察しました。
※罪歌を支配しました。支配した場合の変形は身体から実際の刀身以上までの範囲内でなら自由です。
※ヴァニラ・アイス(I)の書き込みまでチャットを確認し、自身も書き込みました。

【宮内れんげ@のんのんびより】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


993 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/02(木) 15:49:16 ID:JRgKZP4I0
投下終了です。


994名無しさん :2017/03/03(金) 03:40:59 ID:s.wf/WVw0
投下乙です
ケリィ、自分が殺した女の子の友達に埋葬されるとは…


995名無しさん :2017/03/03(金) 15:47:48 ID:1Ysu.Tmw0
投下乙です
まさか、このタイミングでワープさせられることになるとは。
思い通りに行かないのが運命ってことなんだろうか。
駅に行くと言ってるけど、もう一回鮮血で飛ぶこともできるよなぁ、なんて思ったり。
書き込みや電話番号も得た二人が、どう動くかで戦況もだいぶ変わる…のかな?

一つ指摘ですが、これまでの話で鮮血のセリフは二重のカギかっこ→『』で書かれていたと思うので、そこは統一したほうが、分かりやすいのではないかと思います。


996名無しさん :2017/03/03(金) 16:29:49 ID:ajOxa4roO
投下乙です
まさかのワープ…しかも周囲にはほぼ誰もいない場所という
このロスが致命的にならなければいいが

一つ気になったのですが、勇者スマホでもあくまで基本の機能のうち通話機能にだけ使用に支障がある、というのはどうかと
絵理に連絡が通じなかったことに関しては、そもそも絵理自身は携帯を持っていないので連絡のしようがない、というのもありますし、わざわざ制限する必要は無いように感じました


997 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/04(土) 03:18:03 ID:FMVNFCuk0
感想とご指摘ありがとうございます。
問題の部分は今日に修正スレで訂正させていただきます。


998 ◆WqZH3L6gH6 :2017/03/04(土) 15:29:56 ID:FMVNFCuk0
『運命の廻り道』修正版を修正スレに投下しました。
ご確認をお願いします。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1438784746/300-306


999名無しさん :2017/03/04(土) 18:08:08 ID:Le1vg/x60
修正乙です
そろそろ次スレ建てた方がいいか


1000名無しさん :2017/03/04(土) 18:43:40 ID:bGKTzbW.0
うめ


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19 マジカルロワイアル (Res:11)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 19
1名無しさん :2017/02/25(土) 06:17:36 ID:k4qn308I0
魔法使い・魔法少女を題材とした作品を集めてバトルロワイアルをさせる
リレーSS企画です。
当企画はキャラの死亡や流血描写が出てきますので、閲覧の際はご注意ください。


したらば避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17742/

地図
ttp://i.imgur.com/aAyD1jK.png

2名無しさん :2017/02/25(土) 06:18:36 ID:k4qn308I0
【参加者名簿】

10/10【魔法少女育成計画シリーズ】
○スノーホワイト/○リップル/○ラ・ピュセル/○森の音楽家クラムベリー/○カラミティ・メアリ/○ルーラ/○スイムスイム/○ピティ・フレデリカ/○プキン/○ソニア・ビーン

9/9【魔法少女リリカルなのはシリーズ】
○高町なのは/○フェイト/○八神はやて/○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○高町ヴィヴィオ/○フーカ・レヴェントン/○リンネ・ベルリネッタ/○プレシア・テスタロッサ

7/7【仮面ライダーウィザード】
○操真晴人/○仁藤攻介/○コヨミ/○笛木奏/○メデューサ/○グレムリン/○フェニックス

7/7【とある魔術の禁書目録】
○上条当麻/○インデックス/○ステイル=マグヌス/○神裂火織/○アウレオルス・イザード/○前方のヴェント/○左方のテッラ

6/6【ハリー・ポッターシリーズ】
○ハリー・ポッター/○ロン・ウィーズリー/○ハーマイオニー・グレンジャー/○ドラコ・マルフォイ/○ヴォルデモート卿/○セブルス・スネイプ

6/6【Fate/Grand Order】
○藤丸立香(ぐだ子)/○オルガマリー・アニムスフィア/○クー・フーリン(キャスター)/○三蔵玄奘/○メフィストフェレス/○ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス

6/6【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○美遊・エーデルフェルト/○クロエ・フォン・アインツベルン/○遠坂凛/○ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト/○衛宮士郎(平行世界)

5/5【ゼロの使い魔】
○平賀才人/○ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/○タバサ/○ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド/○ジョゼフ一世

5/5【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子/暁美ほむら

4/4【東方Project】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


3名無しさん :2017/02/25(土) 06:39:36 ID:k4qn308I0
本スレを立てておきましたがOPって代理投下してもよろしいでしょうか
あと予約期限って延長なしの一週間で大丈夫ですかね。


4名無しさん :2017/02/25(土) 06:42:47 ID:k4qn308I0
【制限一覧】

・変身アイテム等の扱いは本人支給かどうかは書き手次第
・フェニックスの再生能力は頭部吹き飛んだり完全消滅した場合は死亡
・アウレオルスの黄金錬成は即死系の命令は大幅制限
・ギルの千里眼は未来予知あたりに制限
・ヴェントの天罰術式はヴェントと直接会わないと発動しない。気絶までのインターバルを倍加
・プキンの剣による認識変更に時間制限付与
・ソニアの魔法は劣化スピード低下
・フレデリカが水晶玉を通じて干渉できるのはエリア内の存在のみ。•世界越しの干渉も勿論不可能。
・白い魔法使いはエクスプロージョンの威力低下。テレポートは移動距離の制限をつける
・メデューサの石化能力は、完全石化の場合持続時間30分
・魔法少女まどか☆マギカの魔女化は書き手次第
・ほむらの時間逆行は禁止、時間停止は数秒程度


5名無しさん :2017/03/01(水) 22:58:58 ID:85RkSPPI0
オープニングは結局どうなったんですかね…


6名無しさん :2017/03/06(月) 09:18:41 ID:qM4U3JrY0
代理投下します


7 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:20:53 ID:qM4U3JrY0

 魔法とは、人知の及ばない超非科学的現象の事である。





 辺り一面は薄暗い空間。
 そこには70人程度の人影が立っている。
 そのうちの一人にしてとある世界の主人公の少年、上条当麻が最初に思ったことは

(俺は一体いつの間に連れてこられて、ここは何処なんだ?)

 だった。
 上条はとりあえず知り合いが居るか探そうと思い動こうとする。しかし身体を動かすことが出来ない。
 否、全く動かない訳では無い。上条の右手首から上と頭は動かすことが出来た。
 仕方ないので頭を動かして周りを見ると、そこには上条の目からして普通の格好をした人間やどう見てもコスプレにしか見えない服装をしている人間と様々な人物が居る。
 上条はその中に知り合いの姿を見つける。
 純白のシスター服に銀色の長髪、その姿は間違いなく。

(インデックス!)

 上条はやっと見つけた見知った存在に声を掛けようとするも、声が出ない。
 彼はこれを、魔術か超能力で身体を動かせない様にするだけじゃなく声を出せないようにしていると判断する。

(なら俺の幻想殺しで)

 そう思った彼は何とか打ち消そうともがくが
 上条当麻の右腕には幻想殺しという力が宿っている。
 これは、右手に触れた異能なら神の奇跡でも打ち消すという凄まじい能力だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


8 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:21:17 ID:qM4U3JrY0





(殺し合いだと? 何を言っている)

 それが、とある世界の魔法使い笛木奏が、キュゥべえの発言を聞いて最初に思ったことだった。
 彼の心に浮かぶのは怒り、とは言ってもそれは殺し合いに対する非道に対してではない。

(私にそんなことをしている時間は無い!)

 ただ単純に、自らの目的の邪魔をされて怒っているだけだ。

(こんな下らない話をしている間にも、暦は……!)

 笛木には妻と娘が居た。
 しかし妻は早くに他界してしまい、残った娘も病気で亡くなってしまった。
 そして絶望に叩き落された彼はどんなことをしてでも、どんな犠牲を払ってでも娘を蘇らせようと始める。
 しかし、娘を蘇らせる為に行ったサバトと呼ばれる儀式は笛木がアーキタイプと呼ぶ古の魔法使いに阻止されてしまう。
 それでも娘を諦めきれず再びサバトを開こうとした所で、気付けばここに居たのだ。

「断っておくけど、僕は別に享楽の為に殺し合いを開くわけじゃない。
 これは宇宙の熱量死を防ぐのに必要なことだからね」

 怒る笛木の心など気にも留めず、キュゥべえの話は続く。
 黙れ、宇宙がどうなろうと私には関係ない、暦に比べれば小さなことだ。
 しかし、そんな思いはキュゥべえの発言で一旦収まることになる。

「その代わりと言っては何だけど、この殺し合いに最後まで勝ち残ればどんな願いでも三つまで叶えようと思う。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


9 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:21:36 ID:qM4U3JrY0

 巫女服の少女、霊夢が指をキュゥべえに突きつけて宣戦布告する。
 しかし、キュゥべえはため息をついてやれやれと呟いた後霊夢に反論する。

「君は勘違いをしている。
 まずここは幻想郷じゃないし、これは君たちに解決されることが前提のおままごとな異変とは違う。
 君が解決する為に出張る必要は何処にもないんだ」
「関係ないわ。
 あんたのいうことが全部正しくても、いきなり殺しあえなんて言われて従うわけないでしょ」
「だからちゃんと報酬を用意したじゃないか」
「別にいらないわ」

 それだけ言って霊夢は空を跳び、キュゥべえに光弾を発射する。
 しかし、霊夢が放った光弾はキュゥべえに届く前に見えない壁のようなものに阻まれて届かない。

「……僕には心底理解できないけど、あの人が言うには世界には『主人公』と呼ばれる存在が居るらしい」
「いきなり何よ」

 唐突に始まったキュゥべえの話について行けない霊夢。
 しかし話は続く。

「世界はその『主人公』を中心に構成されているらしい。
 だから僕は、本来参加資格の無い上条当麻や平賀才人もこの殺し合いに参加させなければならなくなった。
 がここで困ったことが起きた、『主人公』が複数いるということをあの人は想定していなかったんだ」

 キュゥべえの一人話に笛木は理解を示す気にはなれない。
 笛木からすれば主人公など誰でも構わないからだ。

「一方通行や浜面仕上みたいな後付なら呼ぶ必要が無いと分かっていた。
 しかし最初から二人いる場合はどうしたらいいのか分からなかった、だから僕は博麗霊夢と霧雨魔理沙を二人とも呼んだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


10名無しさん :2017/03/06(月) 09:24:19 ID:qM4U3JrY0
◆7PJBZrstcc氏のOP代理投下終了です
最早予約制度なんて有って無きがごとしですがこれから予約解禁としていいですかね


11名無しさん :2017/03/06(月) 18:51:54 ID:Q3U8SlzA0
>>10
乙です
もう予約解禁でいいと思いますよ


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20 ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3 (Res:748)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 20
1名無しさん :2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

729名無しさん :2015/04/13(月) 03:40:58 ID:5CwCrtvo0
投下乙
個人的にはこっちでもいいけどな


730名無しさん :2015/04/14(火) 20:57:30 ID:zIOAUAm.0
投下乙
グレーだが悪くないと思うぞ


731名無しさん :2015/04/15(水) 23:39:01 ID:1XLVfnLE0
乙です
青鬼と阿部さんが合わさって最強に見える


732<削除> :<削除>
<削除>


733名無しさん :2015/04/16(木) 22:44:03 ID:7Uhd/PFM0
偶然でしょ(適当)


734名無しさん :2015/04/16(木) 22:57:25 ID:4ad421aw0
認定兄貴オッスオッス!
そういえば放送後でまだ動いてないのってジャギとカズマだけ?


735名無しさん :2015/06/12(金) 02:32:15 ID:Mkb9WLJI0
保守


736 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:21:18 ID:.s2iTrvs0
投下します


737 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:26:46 ID:.s2iTrvs0



「…そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」

それは、他でもないさやかにとって救いの光であった。


「みんな…生き返らせる…」

さやかは星君の吐いた言葉を呟く。
なおも星君は続ける。

「うん、始めのあのとき主催者は『優秀者には何でも一つ願いを叶える』と言っていただろう?」

だが、同時にそれはある種の悪魔の囁きのようにも感じられた。

「君や僕たちが、優勝して願いを『生き返らせてみんなを元の世界に返してほしい』と言えばこの殺し合いは実質無かった事にできるんDA」

「そうすればあの遊星やらを殺す事になっても、少しの間『痛い思い』をしてもらう程度の感覚で済む」

ムラクモが付け加える。

「痛い…思い…」

さやかは与えられた情報を反芻するのが精一杯であった。
それだけ、さやかの心理的葛藤は大きいのだ。

「で、でも…本当に願いを叶えるなんて…」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


738現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:34:44 ID:.s2iTrvs0



ーー





時は少し過ぎ、現在3人は北に向かっていた。

協力関係も築けた事なので情報交換でもすべきかとと思ったが、そうもいかない。
自分達の居るエリアであるG-04は23時から禁止エリアに指定される。
そして現在時刻は10時になろうかという時である。故にまず此処から離れなければならなかった。



「…いいのか?」

歩きながら星君がムラクモに問う。

「ああ、姑息的手段とは言え表向きは対主催を装っていた方が動きやすい。

 元より先ほどの騒動のせいでかなりの数の参加者が固まってしまった。

 故にこの周辺で参加者を殺して回るのは分が悪い」

「敢えて考えるならはっきり孤立していると言えるのは海東くらいだろうな。無論生きていればの話だけど」

星君が口にした海東という孤立した存在。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


739現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:35:55 ID:.s2iTrvs0


【f-4 南部/一日目・真夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さやかには対主催を装い、一時的に利用する。
2:星君と一先ず組む。
3:海東とは合流すべきか、だが……。
4:無力な少年を装うのはあくまで一時しのぎ
5:怪我の回復にも専念する。
6:オリーブオイルはもう要らないか
7:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
8:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零~zero~、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零~zero~×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


740 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:39:10 ID:.s2iTrvs0
投下完了です


741名無しさん :2015/07/05(日) 06:35:12 ID:6XOfOqEs0
投下乙


742名無しさん :2015/07/20(月) 08:57:30 ID:0EW0jglw0
乙です
星君とショタクモの利害関係コンビ好き


743名無しさん :2016/03/25(金) 17:52:21 ID:lbnKIO0k0
1年近く更新なし・・・
読み手としては辛いなあ
どうしようか、このスレ


744<削除> :<削除>
<削除>


745名無しさん :2016/05/13(金) 22:11:05 ID:LMtJGL/QC
続き待ってます・・・


746名無しさん :2016/05/14(土) 00:58:36 ID:wlHYriY60
一々ageんなよ


747名無しさん :2016/06/08(水) 22:44:34 ID:cpy60POs0
あら懐かしい


748<削除> :<削除>
<削除>


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