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パロロワ総合板

リレー形式のSS企画であるパロディ・バトルロワイアルの作品投下・感想雑談を行うための掲示板です。
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1 テラカオスバトルロワイアル (Res:789)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 1
1名無しさん :2016/09/19(月) 13:01:48 ID:UjPEDzS60


テラカオスバトルロワイアルがパロロワ総合板に移転しました。


【wiki】ttp://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/
【避難所】ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/15086/

770『衝撃』 :2018/05/15(火) 23:21:07 ID:6PWt1Ybw0


(素晴らしい……流石はグレートゼオライマー。そしてDMC狂信者驚異のメカニズムよ。
 完成に至るまでハザマや三島、カギ爪団を犠牲にしてまで雌伏の時を待った甲斐があった)

ゼオライマーのコクピットの中でドリスコルは思う。
ドリスコルの実力とヴァンツァー「レイブン」の性能ではチートキャラに到底太刀打ちできるものではなかった。
上層部に選ばれたのもエリート軍人故に狂信者軍団を指揮・運営ができるからであり、他の下っ端は戦闘力はあっても指揮スキルがなかったのだ。
戦闘力自体はロボット有りでも幹部最弱と言えた。
そこでモブにより発見されたグレートゼオライマーを手に入れた。
だがこれだけでもチートキャラの上をいくイチローのような理不尽キャラには勝つことは難しい。

だが、そこは人員だけなら腐るほどいる狂信者。
サーフを始めとした技術者が揃うことで、ドリスコルとグレートゼオライマーは超理不尽級の存在へと昇華した。
具体的にはグレートゼオライマーは狂信者が持ちうる最新鋭技術を注ぎ、元々高性能な機体が更に強化。
ドリスコル自身も戦闘シミュレーターを使うことで経験値や熟練度を獲得し本来は持ち得ない強スキルを全て獲得した。
ちなみにシミュレーターは5thに登場したものと同じで、いくらやっても時間が進行しない。
つまりフロントミッション版の精神と時の部屋を使った結果、ドリスコルは1~5全てのスキルを手に入れたのだ。
本来、「タックル」「フットワーク」「バラージュ」は初代フロントミッションには無いスキルだが、これらも狂信者なりの技術革新により手に入れたのである。

強力なグレートゼオライマーとドリスコルが完成するまでに長い時間と多大な犠牲を要したが、その見返りとしてイチローたちを手も足も出ないほど追い込んでいた。


「ん?」
「あれは?」

そこでゼオライマーのモニターとイチロー・6/の視界に空飛ぶ巨大物置が目に入る。
三人は直感であれに人が乗っていることを察した。
物置はどうやらこちらとほど近い場所に接近しているようだ。
狂信者仲間の報告ではある対主催集団を追い詰めるも突然現れた物置によって取り逃がすということがあった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


771『敗北』 :2018/05/15(火) 23:21:57 ID:6PWt1Ybw0

時間は戻り、現在。
物置やエピオン、オシリスと言った移動手段を失った二つの対主催集団が生き延びるにはグレートゼオライマーを倒すしかなかった。
ゼオライマーは次元連結システムを使った転移能力を使えるので徒歩程度ではどこまでも追ってこれるからだ。
そこで利害の一致から二つの対主催が手を組むのは当然と言えた。
……だが相手はあまりにも強大であった。

「クリスちゃんたちの仇討ちでぃす!! 胡桃船殺し(ナッツ・ボートキラー)!!」
「祈りの弓(イー・バウ)!!」
「撃ち方始め」

胡桃の投擲による暗殺技、正確無比な毒の矢、クローントルーパー軍団によるレーザー銃の一斉射撃がゼオライマーに浴びせられる。
だが、そのどれもがゼオライマーのバリアに弾かれる。

「効果なしか」
「そもそも俺とオチビちゃんの能力は暗殺向け、レックスたちクローントルーパーは手数と連携重視で一撃の火力が低い……相性が悪すぎるぜ!」
「せめてクリスちゃんとゼクスさんが生きていたら……」
「もう終わりか? では反撃をさせてもらう」

ゼオライマーの目の前に「地」の文字が現れ、同時に局所的な大地震が発生する。

「うおおお!」
「散開ッ! 散開だ!」

ドリスコルは大地震を発生させ、一辺に対主催集団を葬ろうとするアトミッククェイクを発動。
同時に地割れや尖った石柱が地中から現れる。
イチローやロビンたちは地震が発生した現場から退避するか反射神経を持って躱していくが、多くのクローントルーパーがそうはいかず、40人近いトルーパーが石に貫かれるか奈落の底に落ちて犠牲になった。
さらにドリスコルは容赦なく核ミサイル(戦術核)の雨を降らすが、イチローと6/がバットを使って打ち返し、全て上空で爆破させて不発に終わらせた。


(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


772『敗北』 :2018/05/15(火) 23:22:42 ID:6PWt1Ybw0

そしてロビンが察知した通りに、グレートゼオライマーは各所の球体から今まで以上に不気味な光を発した。

「一箇所に集まってくれてありがとう。
 これでグレートゼオライマー最強の兵器の威力を試せるぞ」
「なに……?!」

イチローたちは自分たちがドリスコルの罠に嵌ったと理解した。
Lをわざと即死しない程度に踏んでおくことで助けようとした者たちをかき集めて一網打尽にしよういうのだ。
ドリスコルが放たんとしているのは「烈メイオウ」。
次元連結システムにより収集されたエネルギーを無尽蔵に放出し都市一つを消滅させるほどの威力がある。その凄まじい威力ゆえ、通常はエネルギーフィールドを形成し、一点集中させて放出するのがメイオウ攻撃であるが、烈メイオウはその強化版であり、いかなイチローたちと言えど喰らって生きてはいられない。

「対抗できるのはレーザービーム……だが」
「威力が高すぎるのも問題だなイチロー……私は勝利に繋がるならクラウザーさん以外は躊躇なく撃てるがね」

同じ都市破壊級の威力を持つレーザービームなら烈メイオウを相殺もしくは打ち破って撃破できる可能性があるが、味方であるツバサとLが確実に犠牲になる。

「やむを得ません、投げてくださいイチローさん……ここで倒さないと勝機が……」
「撃てるわけがない、奴には味方を犠牲にする勇気など――」

他に打つ手がない以上、自分たちの死も覚悟の上でLはイチローにレーザービームを投げるように頼むが、ドリスコルは人命を優先させるイチローには投げられない。
ドリスコルはそのように思っていた。

「それは思い上がりだドリスコル!」

だがイチローはレーザービームを放った。
投げられた野球ボールが光を発し、物凄い速さでゼオライマーに向かっていく。
烈メイオウ攻撃発射体勢なので流石に分身や回避スキルは使えないという判断だが、直撃すれば確実にLとツバサは死ぬ。
ドリスコルを倒したいがためにLたちを見捨てたのかとここにいる全員は思った。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


773『敗北』 :2018/05/15(火) 23:23:32 ID:6PWt1Ybw0

「ゼオライマーが再生している! それだけじゃないドリスコルも!?」
「リジェネ……自己修復能力!?」
「ご名答だ。しかもゼオライマーは『搭乗者も』修復させる力を有していたのだ」

次元連結システムによる自己修復機能。
それによりイチローに貫徹させられたゼオライマーの装甲がみるみる内に再生していき、同時にドリスコルの致命傷になっていた胸の負傷も治って死に体から一気に健康体に戻った。

「馬鹿な、倒せたと思ったのに」
「所詮、仲間や己を犠牲にできない弱者たちはその程度のものよ。
 ……試験に付き合ってくれた返礼として烈メイオウでレ〇プしてあげよう」

ドリスコルの言葉と共にゼオライマーの修復は終わり、中断された攻撃発射準備が再開された。
機体の前に「烈」の字が浮かび上がり、あとは両の拳をぶつけるだけでイチローたちの全滅が確定した。

『メェェェイ――』
「クッ」

レーザービーム投球ももう間に合わない。
目もくらむような強い光の中、イチローは最期を覚悟した。



しかし、最期の時はなかなか訪れなかった。

「……あれ?」

見るとゼオライマーの球体から光が消え、合わせられようとした両拳も寸前で止まっていた。

『みんな! 逃げて! 今のうちに!』
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


774『敗北』 :2018/05/15(火) 23:24:16 ID:6PWt1Ybw0

「今の一瞬の内に何が起きた!?」
(チッ、浅い!)

直撃を与えて装甲に僅かなダメージを受けたものの、エピオンもこれまでのダメージのせいでヒートロッドに規定以上の出力が出ず、敵を倒すには至らなかった。
一方、衝撃でたたらを踏ませてLとツバサから退けることには成功する。

「こいつは私が抑えている内に早く! ベルナドット!」
「あいよ!」

遅れてゼクスに続くように、ベルナドットがスピーダーに乗って戦場に現れた。
その後部には気絶したクリスを乗せている。

「ベルナドットおじさんにクリスちゃんも生きてたんでぃすね!」
「ああ……命からがら、な」

物置が墜落する寸前、イナバ社長の咄嗟の判断で格納庫のハッチが開き、格納庫が吹き飛ぶ前に脱出した。
ベルナドットはゼクスからの警告を聞いてクリスを連れて医務室から慌てて飛び出し、それによってゼオライマー
から居住ブロックへの直撃を避けることができた。
それでも宙に放り出されるハメになったが、そこをゼクスのエピオンがキャッチし一命を取り留めたのだ。

「それよりも早く、ここから脱出するぜ」
「逃げるのか?」
「胡桃臭い兄ちゃん、悪いけど今の俺たちじゃひっくり返っても黒いガラクタには勝てないってのがゼクスの旦那の判断だ。
 悔しいだろうが今は逃げるしかねえ。
 ところでレックス、おまえこの円盤の操縦はできるか?」
「ミレニアムファルコンか? できないことはないが」

ベルナドットはエピオンがゼオライマーを抑えている内に、ホイポイカプセルを投げて宇宙船であるミレニアムファルコンを出す。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


775『敗北』 :2018/05/15(火) 23:25:10 ID:6PWt1Ybw0

「おい、なんのつもりだ! 死ぬぞ!」
『死は百も承知だが、誰かがコイツを足止めなくてはミレニアム・ファルコンが墜される』
「そんなことを許すわけにはいかない! ゼクス、君とは今さっき会ったばかりだけど、もう十分に仲間だ。
 僕も戦場に残って戦うから待っていろ!」

ゼクスの献身に反対したイチローはすぐに船のハッチを開けて、ドリスコルと戦おうとするがゼクスは待ったをかけた。

『イチローと言ったな。
 君の気持ちはとても嬉しいが、これが最も犠牲者を少なくする手段なんだ。
 エピオンに搭載された未来を見通せるゼロシステムもそう言っている』
「しかし……」
『首輪も外れていない君ではグレートゼオライマーは……ドリスコルは絶対に倒せない。
 例えレーザービームが使えてもこの場で勝てる可能性は0%、ゼロはそう告げている』
「ぐぬぬ……」

今の自分ではドリスコルに勝てないのは理解している。
頭ではわかっているのだが、仲間を見捨てて逃げろという答えがイチローには受け入れ難かった。

『……しかし、だ。
 ゼロシステムはここで君やベルナドットを逃がした場合、ドリスコルや狂信者に勝てる可能性も示している。
 より多くの人々を救うために、今は私を踏み台にして逃げるんだ!』

イチローとゼクスが問答をしている内に、ゼオライマーの球体に光が再び灯る。
カレンの暴走によって一時は停止した次元連結システムが再起動したのだ。

『クッ、一刻の猶予もない! 早く飛び立つんだレックス!』
「……了解、離陸します」

レックスはゼクスの願いを聞き、ミレニアム・ファルコンを千葉県の浦安に向けて飛び立たせる。
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776『敗北』 :2018/05/15(火) 23:26:31 ID:6PWt1Ybw0

「結果、おまえは今、物置を落とした雷以上の攻撃はできず、一発でも撃てば一分間はどんな攻撃もできなくなり船を追うこともできなくなるんだ」
「……なるほど、大した読みだ。だが……『タックル』!」
「ぐはッ!」

ドリスコルは格闘戦を仕掛けてきたエピオンに対し、回避不能のタックルを仕掛けて転倒させる。
そして倒れたエピオンを背面から踏む付けて動けなくした。
重量級のゼオライマーにエピオンが耐えられず、コクピットを押しつぶしてゼクスを圧迫し、血を吐かせた。

「がはッ」
「無駄な足掻きだったがこれでデットロンフーンぐらいは撃てる、あの円盤は落とさせてもらうぞ」

風の技であるデットロンフーンはグレートゼオライマー最弱の技だが、それでも飛び立ったばかりのミレニアム・ファルコンを墜とすには十分な威力を持っていた。
エピオンはゼオライマーに踏む付けられて動けず、さらに半壊状態で仲間を守ることなどできない。

「いや、これでいい……」

と思われた時、エピオンが急に光だしたのをドリスコルは目撃する。

「何!? まさかこれは――」


――命を投げ打った自爆、それがゼロシステムとゼクスが仲間を守るために出した答えであった。
大爆発がゼオライマーを包み込み、それと同時に嵐の一撃が放たれたが、それはミレニアム・ファルコンを掠めることも外れていった。


「ゼクスさぁーーーん!!」

空飛ぶ円盤の中で、ゼクスの壮絶な最期を目の当たりにしたシマリスは泣いて叫び声をあげた。
しかしゼクスの犠牲によってイチロー以下のメンバーは助かり、希望の船は無事に東京から飛び立つことができた。
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777『敗北』 :2018/05/15(火) 23:27:40 ID:6PWt1Ybw0

「やってくれる……イチローたちの追跡はもう無理か」

ゼオライマーが自爆によって得たダメージは僅かであった。
元が重装甲であるのとバリアによってダメージを軽減され、この損害も自己修復機能で程なくして戻るだろう。
しかし足元で自爆されたせいでデットロンフーンの射線を外されてしまい、イチローたちを乗せた船を逃がした。
船は既に見失っており、ただでも移動力の低いゼオライマーが機動性に優れたミレニアムファルコンを追うのは流石に骨が折れる。
残念ながらイチローたちは逃がすしかなかった。

「だが、良いデータは取れた。
 この機体も万能ではないことはよくわかった。
 次の都庁襲撃には何人か護衛が必要だな」

今の戦いで機体に対していくつかの弱点を把握したドリスコルは脳内で対都庁作戦の練り直しを考える。
そして、残敵はいないかと視界を泳がせた時、ゼオライマーの足元で小さなボールが転がっているのが見えた。

「あれは……シルフカンパニーのマスターボールじゃないか」

それはエピオンが自爆した瞬間に運良く燃えることのなかった最強の捕獲装置マスターボールであった。
ちなみにドリスコルは狂信者仲間からマスターボールの噂を聞いており、使用方法も理解していた。
さっそく降りて、ボールを拾い自分のディパックにしまうドリスコル。
何かに使える――それもこれから巻き起こる対都庁との最終作戦には特に使えそうな気がしたのだ。

ドリスコルの拾い物はもう一つあった。
今度はゼオライマーを使って腕に持って回収する。

「ぐふッ……ロ、ロリがお花畑を走ってる……」

そんな寝言をたれていたのは不意打ちで死んだと思われたオシリスであった。
彼の下半身は千切とんだが、神故の生命力により生きていたのだ。
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778『敗北』 :2018/05/15(火) 23:28:26 ID:6PWt1Ybw0





【イチリュウチーム&物置残党組】

【イチロー@現実?】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中) 、非常に強い悔しさ
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチリュウチームを優勝させる?
0:今は浦安の遊園地に帰還する
1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める
2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留
3:予言に対しては慎重に考える
4:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい
5:主催者は予言のことを知っているんだろうか?
6:オシリスやゼクスたちの犠牲を無駄にしない
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと二球以上使用すると選手生命が終わる危険があります
 いかなる回復手段を持ってもこれは回復できません
※オシリスが死んだと思っています(他のチームメイトも同様)


【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、怒りと悲しみ
【装備】胡桃切れ
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる
0:新生したイチリュウチームで予言の完遂を果たす
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779『敗北』 :2018/05/15(火) 23:29:01 ID:6PWt1Ybw0


【ロビンフッド@Fateシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(小)
【装備】祈りの弓、顔のない王。
【道具】支給品一式、予言が書かれた古文書、他不明
【思考】基本:死亡した社長にのためにも動く。
0:出来る限り人は助けたい
1:今はイチローチームについていく
2:ベルナドットとは仲良くなれそうだ
3:自然は自然でもヘルヘイムはちょっとやりすぎだぜ
※イナバ制作所社長の支給品を受け継ぎました。


【シマリス@ぼのぼの】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中) 、悲しみで涙が止まらない
【装備】胡桃×いっぱい
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:仲間と共に生き残る
0:今はイチローたいについていく
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する
4:クリスちゃんとは友達でぃす!
5:拳王連合軍、悪い奴じゃなければ良いんですが
6:ゼクスさんたちには死んで欲しくなかったでぃす……
7:6/さんを見ているとなぜかホッとする


【レックス@スターウォーズシリーズ】
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780名無しさん :2018/05/15(火) 23:29:24 ID:6PWt1Ybw0
投下終了です


781名無しさん :2018/05/15(火) 23:31:51 ID:3sZ2TdiY0
投下乙
物置組にもついに死者が、色々と重要なメンバーが死んだのは痛い


782名無しさん :2018/05/17(木) 09:38:26 ID:50eQcMLE0
誰が残っているのかわからないという意見があったので残存している参加者を名簿風にまとめてみた

☆都庁同盟軍

【都庁の軍勢】(現在地:東京新宿都庁)
〇ダオス/〇レスト/〇氷嵐の支配者/〇アイスシザース/〇ウォークライ/〇フォレストセル/〇鹿目まどか
〇暁美ほむら/〇美樹さやか/〇アルルーナ/〇桑原和真/〇エリカ/〇歪みし豊穣の神樹
【影薄組】
〇小野塚小町/〇黒子テツヤ/〇東横桃子/〇赤座あかり/〇日之影空洞/〇オオナズチ
【歌組】
〇渚カヲル/〇音無小鳥/?フェイ・イェンHD(生死不明)
【聖帝軍 本隊】
〇サウザー/〇金色の闇/〇円亜久里/〇イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/〇イオリ・セイ
〇アリーア・フォン・レイジ・アスナ/〇高津臣吾/〇犬牟田宝火/〇ザ・魔雲天/〇諸星きらり

【聖帝軍 先遣隊】(現在地:静岡県)
〇葛葉紘太/〇ふなっしー/〇チルノ/〇霧切響子/〇キュゥべえ/〇苗木誠



☆イチリュウチーム

【聖帝軍救助班】(現在地:東京江戸川区)
〇イチロー/〇◆6/WWxs901s氏/〇美堂蛮/〇伊吹萃香
【物置組残党】
〇テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』/〇ロビンフッド/〇レックス/〇シマリス/〇雪音クリス
〇シマリス/〇ピップ・ベルナドット

【リオレウス追跡班】(現在地:東京湾)
〇ナッパ/〇サラマンディーネ/〇ソウルセイバードラゴン
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783名無しさん :2018/05/17(木) 12:07:31 ID:50eQcMLE0
読み返すとシマリスが二匹いることに気づいた、残り120だね


784名無しさん :2018/05/17(木) 17:51:09 ID:L2XKY1qI0
あんまり減らそうとか言うもんじゃないと思う、一人で書いてるんじゃないんだし


785名無しさん :2018/05/18(金) 13:36:36 ID:V3S.kR.k0
ただ、いくつかの対主催勢力が壊滅からの吸収
ホワイトベース組や天魔王軍の全滅で勢力がはっきり分かれてきたね

都庁同盟派、イチリュウチーム、拳王連合派、DMC狂信者、主催、シャドウ、あと草加


786名無しさん :2018/05/18(金) 14:44:40 ID:7V46zD4g0
オシリスはこれ救助かなり無理くさいな
現在位置的な問題もあるが、イチリュウメンバーは待機組以外負傷
都庁はオオナズチが情報キャッチするかもしれんが、暴徒にDMCに拳王が迫り今度こそ他所に回せる戦力がない
ソウルセイバーだけがビッグサイト付近で動けるだろうが、ゼオライマーは単騎でどうこうできる相手じゃない


787名無しさん :2018/05/18(金) 15:38:59 ID:V3S.kR.k0
しかも貴重なウルトラストップウォッチは焼失
マスターボールはドリスコルの手の中
セルベリアおばさんは竜殺剣持ちというオマケ付きである


788ルイズコピペとか懐かしすぎて涙がで、出ますよ… :2018/05/22(火) 19:21:33 ID:2E9Ffffc0
「ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
 あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!

 (省略)

 俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!」


 今期はルイズが回想ぐらししか登場できないと知ってプッツンしたルイズコピペは支給品の核ミサイルに、その辺のモブを殺して手に入れたなんでも増やす薬バイバインで核ミサイルを無限増殖させて一気に点火し、カオスロワを核の放射能で日本ごと滅ぼそうとした。
 そんな恐ろしい計画を許したらただでさえ体の弱いルルーシュが確実に死ぬので、気づいたあきよさんに間違えられた明恵さんは支給品の因果律操作装置を使い、自爆しようとしたコピペ(と近くにいたルイーズ)を抹消しようと決意。


 ところが因果律操作装置は宇宙に残留した、日本よりも遥かに濃いTCによる汚染のせいで壊れており、コピペは抹消されることなくバグによって森友学園の内部に転移してしまった。

 そして核・大爆発。


「ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!」
「ルルーシュお兄ちゃあああああああああああああああああああああああん!!!」


 誰も知らない宇宙の片隅でルイズマニアと妹キャラ(55歳)の叫び声と共に、核の花火が上がった。
 いかな機動要塞とて内部からの核攻撃には耐えられず、明恵が手にした自己修復、自己増殖、自己進化も間に合わずに爆散す。

 なろう主人公のスマホ太郎はどうしたって?
 とっくの昔にTC汚染で死んどるわい。
 TCはどんなチートキャラでもテラカオス以外は耐えられない設定だから仕方ないのだ。

 あきえさんについて書いてて気づいたんだけど安倍『明』恵じゃなくて『昭』恵な!

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789名無しさん :2018/05/22(火) 21:57:14 ID:aCThiZqM0
二段間違いだったのかよwwwwwwww


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2 パラレルワールド・バトルロワイアル part3 (Res:474)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 2
1 ◆Z9iNYeY9a2 :2015/01/15(木) 22:08:08 ID:2Sa.PFa.0
『バトル・ロワイアル』パロディリレーSS企画『パラレルワールド・バトルロワイアル』のスレッドです。
企画上、グロテスクな表現、版権キャラクターの死亡などの要素が含まれております。
これらの要素が苦手な方は、くれぐれもご注意ください。

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1351176974/

【外部サイト】
パラレルワールド・バトルロワイアルまとめwiki
ttp://www45.atwiki.jp/pararowa/
パラレルワールド・バトルロワイアル専用したらば掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14757/

455主人公になれない少女達の話 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:05:24 ID:x.8Mv6YI0
「放送の内容だけど、もう一度教えてくれないかしら。聞いてはいたんだけど整理がしきれていなかったから」
「いいわよ。何なら放送から今までの起こったことも聞く?」
「ならついでにお願いするわ」

そうして前回の死亡者、禁止エリア、そして今現在までの起こったことをアーニャから聞くほむら。

(…皮肉なものね。まさか私達魔法少女の中で最後に生き残ったのが、美樹さやかだなんて)

巴マミは魔女化し、最期は乾巧に討たれたという。
聞けば殺し合いが始まってからの彼女はあまりに波乱万丈な道を歩いていたらしい。そして最期は失ったものに絶望し心が壊れたのだろう。

対してさやかはそんな彼女や木場勇治と戦う乾巧の姿を見て自分が歩むべき道を確立させ、村上峡児を倒したという。
多くの時間軸で最も運命に翻弄された魔法少女がよくここまで強くなったものだと関心した。

一方で自分が敗北した織莉子は、まどかの命を狙おうとしたがその近くにいた者達に懐柔され、今はアリスと共に行動しているらしい。
だが今更敗北した織莉子に対し思うところなどない。

「それにしても、ずいぶんと調子悪そうね。何か変な夢でも見た?」
「夢…なのかしらね。あれは」
「よかったら聞かせてくれない?私、夢占いとか得意なのよ」
「…私のことは…知ってるのよね。どうせ。
 私の繰り返した時間の記憶じゃない、でも私が体験したかのようなものを見たのよ。
 一人の魔法少女が、変われなかった自分に絶望する姿を私が見ていたって、ただそれだけ」
「なるほどねぇ」

少し考える素振りをして、アーニャは語り始める。

「夢っていうのはだいたいが深層意識にある願望を見せる、とかそういうことが言われているけど。
 たまに予知夢のような、知らないはずのものを見せることがあるわよね。あなたはその子のことを知らないなら、そういう可能性もあるけど―――」

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456主人公になれない少女達の話 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:07:22 ID:x.8Mv6YI0

「………」
「ふふ、油断してたわね。自分にも把握できてないようなことはあんまり口にしないほうがいいわよ。特に信用していない相手には」

笑顔で笑いかけるアーニャ。その笑みが逆に不気味に感じられた。
歳相応にも見える屈託のない笑顔なのに、その裏の得体のしれなさがほむらにもはっきりと分かるほどだった。

少なくともアーニャにはバレたことになる。
もしこれがキュゥべえの耳にでも入れば。
自分の力がアカギに見限られたのではないかと思ったあの時と同じくらいの焦りがほむらの中に湧き上がる。

「ずいぶんと焦ってるわね。でも隠せてると思ったの?たぶんアカギなら気付いてるわよ。
 だってあなたのそれと同質に近い力を持ってるんですもの」
「……」
「まあ安心しなさい。別にキュゥべえに言おうという気はないわ。あの子はたぶんまだ気付いていないし」

ほむらの警戒心を空振りさせるかのようなことを言ってのけるアーニャ。
その答えはほむらには良い知らせだったはずなのだか、ほむらの中に生まれたのは安堵より疑念だった。

「言う気はないって…どういうこと?あなた達は協力関係にあるんじゃないの?」
「ん~、協力関係っていうのも少し違うのよね。どっちかというと共犯関係というか。
 一つの目的のために各種の持ち得ている技術を出し合ってる関係なのよね」

アカギは伝説のポケモンの力を。
アーニャ達はエデンバイタルの力で並行世界のアクセスと会場の時間・空間の安定化を。
キュゥべえは感情エネルギーや因果の収集を行う機能を。

各々の得意分野で補っている。

「だけどね、正直私達やアカギに比べたら、キュゥべえは少し頑張りすぎてるのよ。あなた達のところに干渉したり、自分で会場に分身を置いたりね。
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457主人公になれない少女達の話 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:07:43 ID:x.8Mv6YI0
「…ともあれ、その定義でいくならキュゥべえはあなた達の中では一番下の扱いってことになるのかしら」
「そういう定義付けはないわね。彼自身がどう思っていようとあくまでも私達の立場そのものは同志という扱いよ。
 敢えていうならアクロマが一番下扱いになるのかもしれないけど、彼は自分が興味のあることしか興味を持たないから」
「そう。ならもう一つの質問よ。
 何故あなたはそれを私に話したの?キュゥべえに対する裏切りにはならないの?」

本来であれば情報が得られたことは喜ばしいものだが、その理由が読めなかった。
もしかするとさっき自分から情報を引き出したような、何かしらの意図があるのではないかとほむらが疑ってしまうのも無理はない。

「裏切り、そうね。確かにキュゥべえに対してはそうかもしれない。だけどもしそれが儀式全体の利になるならシャルル達への裏切りにはならないわ。
 それと、シャルルは理由があってこの儀式に協力している。だけど私には理由がないのよ。シャルルがいるから私も力を貸しているだけ」
「……」
「私ね、あなたに期待してるのよ。というか気に入ったと言ったほうがいいかしら。
 それに実を言うとキュゥべえのことは個人的感情としてはあまり好きじゃなかったりするのよね」
「個人的感情で動いてるっていうの?」
「あら、あなたの願いだって個人的感情、どころかあなた自身のエゴに近いものじゃないのかしら」
「…だからよ」

要するにただの自己嫌悪だ。


「ふふ、ずいぶん可愛い子ね。そういうところ、私嫌いじゃないわよ」
「……」
「キュゥべえには黙ってあなたに協力してあげてもいいわ。
 もしあなたの願いが、世界の可能性を、キュゥべえ的にいうならエントロピーを凌駕するものだったなら、あなたの力はきっと私達にとっても益になるものだから」
「……」

とても信じられる話ではない。
しかし接触を図ってきたこの事実には意味がある。
例え罠だとしても、乗る価値はあるかもしれない。
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458主人公になれない少女達の話 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:07:58 ID:x.8Mv6YI0

「それで、最初の質問の答えは?」
「そうね、乗ってあげる。だけど一つ質問させて。
 あなたの正体は何なの?」

ほむらにしてみれば目の前の少女はあまりに得体が知れなかった。気持ち悪いと言ってもいいかもしれない。

年は同じくらいのはずなのに、まるで巴マミに、いや、もっと年期を感じる相手にいいようにあしらわれている感覚は決して気分のいいものではない。
外見と印象のギャップがあまりにもほむらの認識を狂わせる。

これだけは解決しておかないと、このズレを残したまま行動すればきっとどこかで大きな足枷になると直感していた。

「そういえばあなたは魔法少女だったわね、なら私のギアス能力も感知できるはずよね。
 目じゃなくてあなた達が持ってる魔力を通して私を見てみたら分かるわよ」

ほむらは目を閉じて、アーニャを心の目で見るかのように意識を集中させた。
閉じられた視界には何も見えないはずなのに、そこに映り込んだのは長い黒髪を持つ妙齢の女性。
目を開くと、その女性が写った場所には目で見たままの少女、アーニャの姿があった。

「私もアリスちゃんと同じ、ギアス能力者なのよ。この体は私の魂が入り込んだただの器。
 納得してもらえたかしら?」
「…ええ。納得したわ」
「本名はマリアンヌ・ヴィ・ブリタニア。シャルル・ジ・ブリタニアは私の夫。
 そして殺し合いの参加者、ナナリーとルルーシュの母親よ」
「そう、あなたがアリスが守りたかったって子の…」

「それでどうするのかしら。まだキュゥべえが戻ってくるまでの時間はあるわよ」
「なら今のうちに聞いておきたいことがあるわ。
 さっきあなたは私の能力であなたの正体が見えるって言ったわね。
 私の魔法少女の力に対してあなた達の使う力、一体どんな繋がりがあるのかを教えて」
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459主人公になれない少女達の話 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:10:17 ID:x.8Mv6YI0
「アーニャ、ほむらと何かあったかい?」
「何もないわ。少し仲良くできないかなーなんてことを思っただけ。
 ほら、体の子とも年が近いし」
「それとその口調や調子、さっき会った時と比べてどうもおかしいように思うんだけど。
 もっと無口だったと思うし、そこまで砕けた喋り方をしていたかい?」
「これは平行世界の私のものね。あっちの私はずいぶんと破天荒でいたずら好きな感じだったから。
 こっちの方があの子の警戒心を解くにはいいんじゃないかしらって思ってね」
「そういうものなのかな。よく分からないな、君たち人間は」
「そうよ、よく分からないものよ。だからこそどうにかしようって思ってるのよ。シャルルも、アカギも」

それだけ言って、アーニャは外で待っているほむらの元に向かう。

アーニャ、マリアンヌがキュゥべえを快い存在と思っていないことは事実だ。
アレが契約のために目をつける人間は年頃の女の子、やり方も人間の感覚からすれば詐欺に近いものだ。
もしその手がナナリーに届いたら、と空想してしまうと、あまり受け入れやすい存在ではない。

そして同時に、もう一つの世界の自分に対しても抱いている嫌悪感は同じだった。
いくらあれが自分と同じ存在と言われても、あれほど自身の欲深さと周囲の省みなさは同じマリアンヌとしてもあまりに醜悪で目に余るものではあった。

まあこのどちらを言ったとしても、きっと自分もやっていることは変わらないのだろうが。

だが、一方でもう一つの世界の自分のあの奔放さは見習いたいと思うところがないでもなかった。
これまでの人格としてのあの無愛想にも思えるアーニャの顔では、他者との付き合いに際しては限界があるのではと思ったこともないわけではない。

他者との付き合い。
かつて娘・ナナリーに否定されたことがあった。そして、同じことを別の世界の息子も言っていた。
自分たちがやろうとしているのは自分たちに優しい世界を作ろうとしているだけではないか、と。
他者を通じて世界を知り、未来を見ることを諦めた自分たちにより良い世界など作れるはずがない、と。

きっとアカギが作ろうとしている世界は彼にのみ優しい世界という意味では自分たちがかつてやろうとしていることと同じなのだろう。
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460主人公になれない少女達の話 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:10:33 ID:x.8Mv6YI0

アーニャとキュゥべえが何を話しているのか。
正直自分の力を使えば会話の内容も聞き取れただろう。しかし敢えて何も聞かずにいた。

アーニャ、マリアンヌのことを信じたわけではない。
彼女に乗ることを選んだ自分の判断を信じようと思っただけのこと。

ふと思い出すのは、アーニャに言われた平行世界の自分が見た光景。
そういえば、自分がなりたかったものは鹿目まどかを守れるような存在だった。
あの最初の時に彼女に救われたように、自分も誰かを、何よりもまどかを守れるような魔法少女になりたかったんだった。

どうして忘れていたのか、などとは問わない。もうまどかを手に掛けたあの時から、目的のための手段が変わっているのだ。
自分は、アリスのような生き方はできない。
自分が自分である限り、あの時の出来事にいつまでも縛られ続ける。もしそれ以上のことを望めば、きっとあの自分のようにもっと色々なものを失うことになる。

「待ったかしら?」
「別に。別にあなたが付き合うことはないのだけど」
「いいじゃない、別に」

きっと自分には、あの時のまどかのように、誰かを救えるような、言ってみれば物語のヒーローにはなれないのだろう。

だけど構わない。
もし彼女を救うためなら。

そんなヒーローのような者に仇なす存在にも。
悪魔にもなれる。




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461 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/04/26(木) 23:10:52 ID:x.8Mv6YI0
投下終了です


462名無しさん :2018/04/27(金) 02:49:19 ID:d15p4aJU0
投下乙です

アリスと織莉子、お互い少しずつ歩み寄れたけどゲーチス&洗脳草加さんが近付いてきたか…
次回は激戦になりそうだ
一方主催陣営もゴタゴタし始めてきた。そういやナナナの皇帝夫婦は反逆と比べてマトモな性格だったな


463 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:08:27 ID:yOolfZOg0
投下します


464キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:09:47 ID:yOolfZOg0
これはまだ美遊、長田結花が健在であった時。
セイバーとその二人が共に行動していた時のこと。

「そういえば美遊、あなたに一つ聞いておきたいことが」
「何」

まだ少しは会話の取っ掛かりを掴んだセイバーは、この際疑問を可能な限り解消しておこうと一つのことについて問いかけた。

「私は、イリヤスフィールのことを知っています。しかし、それがここにいるあの少女とは異なる者であることも理解しています。
 ですから聞いておきたい。
 あなたにとって、彼女はどのような人なのですか?」

自分が知っているイリヤと、美遊が知っているイリヤは別人だ。しかしそれでも、どうしても自分の知る彼女と重ねて見てしまうのも事実。
だからこそ、そのイリヤに染まっていない、あくまでもあのイリヤスフィール自身を見ている者の言葉が聞きたかった。

「イリヤは、大切な友達」

そんな意図を察したのかどうかは分からないが、美遊は言葉を探るように口を開いていく。

「私がイリヤに会った頃、私は一人でやるべきことをやろうとしていた。だけど、私一人じゃできなくて、そんな時に力を合わせて戦うことになったのがイリヤだった。
 私ができない、色んなことができて、そのうちイリヤは友達って呼んでくれた。
 だけどイリヤは…色々あって戦うことが怖くなって、そんなイリヤがもう戦わなくてもいいようにって私が戦って、でも最後の敵は強くて、一人じゃどうしようもなかった。
 そんな時に、イリヤは助けに来てくれた。友達だから、って。自分が戦わないせいで、私が傷つくのが嫌だから、って」 
「……」
「イリヤは、魔術の世界とは離れた世界で過ごしてきた。だけど、だから私が持っていない強いところがあるって、そう思う」
「平和な世界を享受してきた者ならでは、の強さということですか」
「たぶん違う。イリヤだからこその、強さ」
「…何となくだけど、分かるかもしれません」

思案するセイバーの横で、ふと話を聞いていた結花が話に入る。
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465キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:10:13 ID:yOolfZOg0
遊園地に迫る気配を感じたセイバーは、それがイリヤ達のものだと感知して出迎えのために遊園地前に出た。

「さやかちゃん!!」

横には、親友の安否を気にしたまどかを伴って。

青髪の少女は魔法少女の衣装に身を包み、脇には銀髪の小柄な体を抱えている。
やや遅れて、後ろから灰色の何かが高速で駆け抜けてきた。
静止した灰色の何か、オルフェノクはその体を人の形へと変化させる。そこにいたのは乾巧であった。

イリヤは顔を伏せ続けていて見えないが、さやかと巧の表情は暗かった。
さやかに駆け寄ろうとしたまどかも思わず体を止めるほどに。

ふと、3人を見ていたセイバーとまどかは足りない者の存在に気付く。

「…美遊は、どうしたのですか?」
「美遊…は…」

重苦しそうに答えようとするさやか、その後ろで巧は顔をしかめながら悔しさをぶつけるかのように振りかぶった拳を壁に叩きつけた。
ガン!と薄い金属板の空洞を跳ねる音が響く。

「…嘘、美遊ちゃんも…?」

セイバーとまどかは、その反応で何があったのかを察してしまう。

「…あそこで俺が、無理やりにでも連れてきてりゃ…!!」
『…いえ、たとえ美遊さんだけ連れてきてもサファイアちゃんがいなければ結果は同じだったでしょう。
 それが分かっていたからこそ、美遊さんは』
「お前っ…!」

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466キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:10:52 ID:yOolfZOg0
やがてLがやってきたことで、巧とさやか、そしてルビーに起こった出来事についての報告が始まった。
巴マミの一件までは事前に合流したNとの情報交換で把握している。主な話はそれ以降のものだった。

「村上峡児は倒れましたか。驚異となり得た者が一人減ったというのは良き知らせですね。
 一方で、一つの驚異に膨大な力が集まったことは警戒せねばなりませんが」

話を要約するLの前で、巧はある事実に顔を顰めていた。

「あいつが間桐桜って、アレが士郎の言ってた、守りたかったってやつなの、本当なのかよ…」
「間違いありません」
『ルビーちゃんも確認しています。実際イリヤさんの呼びかけにも応じましたし』
「何があったってんだよ…」

失い続けた果てに守ると決意したものが、最大の障害として立ちはだかっている。
その事実に苦悩する巧。

「…桜は、おそらく死にたいのかもしれません。誰かの手で裁かれることで」
「………」
「デルタギアなるベルトで暴走し、自身にとって特別な存在であった者を手にかけてしまった。
 おそらく桜にとってそれを裁いてくれる唯一の存在が、士郎だったのでしょう。しかし、士郎はもういない」

顔を顰めて視線を下げるセイバー。

「もし桜がここまでの状態に陥っていなければ、あるいは私がこの命を差し出すことで士郎のことの責任を取ることも考えていましたが…。
 もはや私一人では彼女を止めることはできないでしょう。下手をすれば余計に事態を悪化させてしまう」
『あと私としては気になっているのは、あのクラスカードです。あの黒騎士のような英霊のカードは私達の認知しているものではありません』
「……。その英霊には、心当たりがあります。
 黒い鎧を纏い、他者の武器をも自分のもののように扱う騎士、私の知る者にそれが可能だろう者がいます」
『もしかしてアレ、”円卓”の誰かですか?
 それともう一つ、どうして桜さんがカードを使えたのか』
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467キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:11:11 ID:yOolfZOg0

真理を殺したと思い込んだ自分。
ファイズであることを捨てて木場の、草加の手にかかることを望んだ自分。

だとしたら。
彼女を止めにいくべきなのは。
士郎に託され、今の彼女の心に通じる経験を見た、自分なのかもしれない。


巧は椅子を引いて立ち上がった。

「巧さん?」
「間桐桜は、あいつは俺が止めに行く。お前らはここに残ってろ」

おもむろにそう言う巧。
最も焦ったのはさやかだった。

「ちょっ、巧さん、どういうつもり?!」
「どっちにしろここで待ってたらあいつそのうち追っかけて来る。だったら誰かが止めに行くしかないだろ」
「なら、私も」
『さやかさんはダメです。あなたとセイバーさんは戦闘、どころか生存だけでも魔力の有無が重要になる存在ですから、一度触れたら魔力を根こそぎ持っていく桜さんの能力との相性は最悪です。
 それに、さやかさん。気付いてないと思いました?あなたのソウルジェムのそれ』

と、ルビーはさやかのソウルジェムを示した。
小さな亀裂の入った、魂の結晶を。

『おそらくクラスカードを使う時に、ソウルジェムを触媒に夢幻召喚してしまったんでしょうね。ですが英霊の力を物質化した魂に上書きなんてしたせいでとんでもない負荷がかかったんでしょう。
 もしさやかさんが戦うことができるとすれば一度、無理が聞いても二度が限度でしょうか』
「……でも、私は巧さんの力に――」
「いいんだよ。お前はここにいろ。
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468キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:11:56 ID:yOolfZOg0


「イリヤスフィールの様子はどうです?」

情報交換が終わった後イリヤの元に向かったセイバーとルビー。
セイバーは部屋の外で待機し、ルビーが中に入りその様子を確かめていた。

『まどかさん曰く、あの後だいぶ泣いたらしいですけど今は少しは落ち着いているみたいです。
 ですが美遊さんの件は、まどかさんにもショックが大きかったらしいですね』
「…無理もないでしょう。彼女はミユに命を救われたとも言っていましたから。
 イリヤスフィールも、これで彼女自身の元の仲間は皆いなくなってしまいましたし…」

イリヤの心境を想像し暗い空気を漂わせるセイバー。
だが、この時のセイバーは心中に一つの可能性を意識していた。

「彼女は、サクラの元に行くと思いますか?」

それは、彼女がまだ戦いを続ける道を選ぶのかどうかという点。

『なんですかセイバーさん、そこでイリヤさんを戦わせるつもりですか?』
「いいえ、私が言うのではありません。彼女自身がそれを選択するか、という意味です」
『あー、なるほどそういう。
 ………もしイリヤさんが、バーサーカーさんに立ち向かった時の覇気を取り戻せたなら、追うんじゃないかと思います』

ルビーの答えはあくまでも可能性としての話。だが、イリヤがここで逃げる道を選ぶかどうかの明言はしなかった。
ずっと共にいたステッキですらも計れない主の心境。
だが逃げる、とも言わなかったそれは、きっとルビーの中でのイリヤはそこで折れるだけの存在でもないということを示しているはずだ。

その答えを聞いたセイバーは、踵を返して巧の元に向かっていった。

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469キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:12:15 ID:yOolfZOg0


「おそらく士郎もあなたも、そして私も彼女に対し一つの思い違いをしていたのかもしれません。
 士郎と私は、我々の知る彼女の印象に引きずられすぎていた。そしてあなたも、そんな士郎の感じた印象に引っ張られている。
 ですが、そうではない。彼女は、我々の知るイリヤスフィールとは別の存在なのだと、もっと早く認識するべきだったのかもしれない」
「どういう意味だよ」
「あのイリヤスフィールは、我々が思うほどか弱い存在ではないということです。
 彼女は自分の意志で道を選び、それに対し真っ直ぐに進み続ける強さを持っている子だ、と私は見ました」
『……』
「だったら何だよ。あいつをこれ以上戦わせようってのか?」

奇しくもルビーと同じ懸念をぶつける巧。
その言葉の裏には、あるいは自分だけで決着をつけようという思いも感じられた。
もし彼女を手にかけることがくれば、それも一人で背負おうとするのだろう。

だが、できることならばそれは選ばせたくはなかった。
桜のためにも、士郎のためにも、そして巧自身のためにも。

「いえ、それは私が決めることではありません。彼女自身が決断することです。
 彼女はきっと、親友の死にも決して挫けはしないでしょう。
 そしてもし決断したならば、あなたが多くの困難を乗り越えこうして自分の意志で戦う覚悟を決めたように、イリヤスフィールも戦いに向かうことが来るかもしれない。
 もしその覚悟がサクラに対して向けられたなら、私は賭けてみたいのです。
 戦いとは無縁の世界で過ごした彼女の、ただ純粋な願いから生まれるだろうその小さな希望が、サクラの抱える闇に届くかもしれないと」

伝聞ではあるが、美遊・エーデルフェルトに手を差し伸べたという時のように。
そして自らの意志でたった一人でバーサーカーに立ち向かった時のように。

彼女の持つ意志が、そして光が、桜に差し伸べられたなら。
士郎のようにはできなくても、その心に光を差すことはできるかもしれない。

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470キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:12:55 ID:yOolfZOg0
巧が手に抱えているトランクケース、ファイズブラスター。
木場との戦いで初めて使ったこともあって使い慣れたものではない。故に美遊が命を落としたあの場で使うという発想がなかった。
もっと言えば、村上と戦う時に使っていれば、もっと早くあの場に辿り着くことができて、美遊へ手を伸ばすことができただろう。

言っても仕方のないことではあるが、しかし次は同じことを繰り返したくはない。

「士郎、もしもの時は…、お前の守りたかったもの、守れねえかもしれねえ」

他の皆を守るためにはそれが最善かもしれないし、あるいは彼女を殺すことが、最も彼女を楽にする方法であるかもしれない。
だが、それは決して気持ちのいいものにはならない。ただ一つ背負う罪が増えるだけだ。

そんな場所にさやかやイリヤのような子供を連れて行きたくはなかった。

しかし。

「イリヤの持つ、希望、か…」

果たしてそれに賛同するべきなのか、全て自分で終わらせるべきなのか。
答えは出ない。しかし本当に彼女が追ってくるのかどうかも分からない。

ともかく今の自分は、自分の為せる最善を成そう。

小さく、しかし確かな決意を胸に、巧は歩み始めた。

闇を切り裂く希望の光となれるのか、それともただ敵を殺すだけの力となるのか。
それは今は巧自身にも分からない。

【D-5/一日目 夜中】

【乾巧@仮面ライダー555】
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471キボウノカケラ ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:13:05 ID:yOolfZOg0

【L@デスノート(映画)】
[状態]:右の掌の表面が灰化、疲労(小)
[装備]:ワルサーP38(5/8)@現実、
[道具]:基本支給品、クナイ@コードギアス 反逆のルルーシュ、ブローニングハイパワー(13/13)@現実、 予備弾倉(9mmパラベラム×5)、トランシーバー(電池切れ)@現実 、薬品
[思考・状況]
基本:この事件を止めるべく、アカギを逮捕する
1:アヴァロンの到着を待ち、それに搭乗して移動する
2:月がどんな状態であろうが組む。一時休戦
3:遊園地の地下にあるものをいずれ確かめたい
[備考]



【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(小)、手足に小さな切り傷、背中に大きな傷(処置済み)、精神的な疲弊
[装備]:見滝原中学校指定制服
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~2(確認済み)、ハデスの隠れ兜@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
1:Lさん達と一緒に行動する
2:さやかちゃんと話をしたい
3:美遊ちゃん…
[備考]


【セイバー@Fate/stay night】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(小)、魔力消費(大)、胸に打撲(小)
[装備]:スペツナズナイフ@現実
[道具]:なし
[思考・状況]
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472 ◆Z9iNYeY9a2 :2018/05/13(日) 23:13:19 ID:yOolfZOg0
投下終了です


473名無しさん :2018/05/14(月) 13:32:50 ID:Jks4pjSU0
投下乙です!
たっくんが桜を止める思いを固めたか……
最悪の場合殺害を見越しているとは言え、救えなかったものがあまりに多いたっくんには今度こそ桜を救って自分をちゃんと認めてあげて欲しいですね!
ブラスター使用の反動フラグなんかもちょこちょこ立ってる気はしますがどうにか持ち堪えてくれ〜

ついでさやかちゃんももう何度も戦えない身……って本当に辛い
セイバーやまどかも含め決して心身ともに万全とは言い切れない状態が続いてますし、その分現メンバー全員が桜と共に歩む明るい大団円を夢見させる、そんなSSでした


474名無しさん :2018/05/14(月) 13:35:25 ID:Evs1U9RE0
投下乙です

桜との決着はたっくんが相手する事になったか。イリヤはどう動くのか…


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3 平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ4 (Res:472)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 3
1名無しさん :2018/01/27(土) 23:20:27 ID:fRys9cx60
当スレッドはTV放映された
平成仮面ライダーシリーズを題材とした、バトルロワイヤル企画スレです。
注意点として、バトルロワイアルという性質上
登場人物が死亡・敗北する、または残酷な描写が多数演出されます。
また、原作のネタバレも多く出ます。
閲覧の際は、その点をご理解の上でよろしくお願いします。


当ロワの信条は、初心者大歓迎。
執筆の条件は、仮面ライダーへの愛です。
荒らし・煽りは徹底的にスルー。

453紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:03:30 ID:iTar0HZ60

他でもない自分の父、キバットバットⅡ世であった。
小沢から彼がこの会場にいることこそ聞いていたものの、実際にこうして出会い、そしてその現在の所有者が渡であるという状況は、些か皮肉に感じた。
しかし、そんなことを考えていられる暇もない、今重要なのは、自分とガタックゼクターでは、ユウスケに何らかの危害を加えている渡を止められないということ。

では、自分たちにはもう残された手はないのか?
否、まだ一人、彼を助けられる存在が、いるではないか。

――ACCEL

「変……身ッ!」

照井の真似をしたのか、或いは単純に体調の関係でその程度の単語さえ流暢に言えないのか、どちらにせよ残る一人、一条が戦闘の意思を示したのだ。
一瞬でその身を赤い仮面ライダーのものへと変貌させた彼は、変身により強化された肉体を酷使して立ち上がり渡のもとへと歩みを進めていく。
彼がサガに変身すればガタックゼクターが石を破壊できるだろうという算段だったのだろう。

石さえ破壊できれば後の渡の相手は不本意ながらユウスケに任せれば、と。
確かにそれであれば今の一条でも仮面ライダーに変身した以上可能な行動であったはずだった。
そう、地の石が彼らの考えた通りユウスケを痛めつけ拘束するだけのものだったなら、それで万事解決に至るはずだったのだ。

「――ぐあッ!?」

周囲に、渡へ向け駆け出そうとしたアクセルの悲鳴が響く。
渡のデイパックなどからは一切増援など出現していないというのに起きたその声に、新手の出現を疑い振り返ったキバット。
瞬間その瞳に映ったのは、生身のままアクセルを押し倒し無表情で立ち尽くすユウスケの姿だった。

「ユウスケ……!?」

思わず絶句したキバットを見向きもせず、ユウスケはアクセルを渡から遠ざける様に立ちはだかる。
一体何事が、と困惑する中、唯一一人事情を把握している渡は、彼に向けその手に持つ石を翳し叫んだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


454紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:03:46 ID:iTar0HZ60

どこか恍惚とした表情で石について解説する渡に対し、キバットは怒りを込めた左目を向ける。
たった半日。
たったそれだけの短い時間で、あの優しい青年がここまで修羅に堕ちてしまうというのか。

それを思う度キバットは見えない何かがその身体にのしかかってくる様な錯覚を覚える。
しかし、それでも。
渡がもう自分の言葉を受け入れようとしないのだとしても、キバットに諦めるつもりはなかった。

物心ついた時からずっと一緒にいた親友、紅渡。
彼を見捨てる決断をそう易々と下せるほど、キバットという存在は上手く出来てはいない。
しかしそんなキバットを前にして、渡もまたようやく感情を露わに声を荒げた。

「知った様なこと言わないで!ディケイドは全ての世界にとって敵、いや悪魔なんだ!
それを倒す為には、ライジングアルティメットの力が必要なんだよ!」
「あぁ知らねぇな!お前がディケイドに対してどんなことを思ってるのかなんて!
どうしても俺を納得させてぇって言うなら、話して見やがれ!お前が俺と別れてから何をしたのか、どうしてそんなにディケイドを倒してぇのか!」

――必死だった。
渡の、こうと決めたら譲らない頑固な性格は、キバットもよく知るところである。
自分の力を頼らずに戦うと決めたら生身で一人でも戦いに向かおうとするし、深央のことだって加々美のことだって、自分に責があると思い込んだら後の考えを受け入れるつもりは一切見せない。

だから、そんな不器用な彼をよく知っているからこそ、キバットは少しでも彼の感情を揺さぶり彼に話し合いが出来るだけの“隙”を作り出させなければいけないと感じていた。
まずはそんな細々とした繊細な部分から突き動かさなければ、紅渡という男との喧嘩は成り立ちすらしない。
それを長い付き合いで知っているからこそ、キバットは渡に、彼自身の意思でこれまでの経緯を話させる道を選んだ。

そこに、一抹の希望を見いだせる可能性を信じて。

「……わかった。そこまで言うなら、君に教えるよ。僕が、君とあの東京タワーで別れてから出会った人のこと、そして得た情報の全てを」

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455紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:04:02 ID:iTar0HZ60

愛する妻、恵との下に未来授かるだろう最愛の子供たち、その存在を彼は幻視して――。

――ディケイドはその存在そのものが世界を脅かす悪魔です。

ふと、脳裏に過ぎったその声に、自身が築くべき幸せな家庭のイメージが、焼却される。
門矢士、彼が世界を存在するだけで世界を滅ぼす悪魔だという情報。
出所も分からないはずなのに、何故かそれに信憑性を感じ疑おうともしていない自分を自覚してしまって、名護は自分自身に対しどうしようもない困惑を抱く。

「名護さん……どうしたの?」

と、考え込む名護に対し声をかけたのは弟子である総司だ。
ハッとしてみれば、どうやら自分は治療の手さえ休めて思考に没頭していたらしい。
つくづく先ほどから思うようにいかないなと自嘲して、名護は眉間を抑えた。

「……あぁ、どうやら俺は自分で思っている以上に疲れているらしい。心配をかけてすまないな総司君」
「そんな水臭いこと言わないでよ。名護さんだってガドルと戦った疲れが抜けてないだけだって。
それに、渡君のこともあるし……」
「渡……?」

そう言って思慮深げに俯いた総司を見て、名護は困惑する。
渡?自分のある意味で言えば師匠である紅音也と同じ名字なだけの存在にどうして俺が疲労をためる必要がある?
自分の言っていることに一切理解が及ばない名護を見て、いよいよ持って渡を最高の弟子と言っていた先ほどまでの名護との相違に気付いたか、総司は本腰を入れて彼に疑問をぶつけようとする。

「――カブトゼクター?」

しかし総司が声を発するより早く、瞬間名護の意識を引いたのは総司のデイパックより這い出て窓の外を見つめ続けているカブトゼクターの存在であった。
まるで誰か外の存在をこちらに知らせるかのようなその行動に、名護は総司との会話を一旦後回しにして窓を開きその先に身を乗り出した。
名護の脇の下を潜り外へと這い出ていったカブトゼクターは、そのまま空に上り同規格らしい青いクワガタのようなゼクターと合流した。

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456紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:04:20 ID:iTar0HZ60

そんな言葉だけを残して、名護はそのままゼクターたちに伴われ外へと向かっていった。
その足音が遠ざかっていくのを耳にしながら、総司はそのままベッドに大きく横たわり、真っ白な掛け布団を肩まで掛けた。
名護の様子が――主に渡に関して――おかしく感じるのは、自分が疲れているからか、或いは彼がやはりおかしいのか。

誰よりも正しいはずの師匠の異変に困惑を隠せないままに、しかし疲労故ついに思考も纏まらなくなって。
総司の意識は、そのまま微睡みの中に溶けていった。


【二日目 黎明】
【D-1 病院】

【左翔太郎@仮面ライダーW】
【時間軸】本編終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、キングフォームに変身した事による疲労、仮面ライダージョーカーに1時間変身不可、仮面ライダーブレイドに1時間5分変身不可
【装備】ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW 、ブレイバックル@+ラウズカード(スペードA~12)+ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式×2(翔太郎、木場)、トライアルメモリ@仮面ライダーW、首輪(木場)、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、世界の破壊を止める。
0:(気絶中)
1:名護と総司、仲間たちと共に戦う。 今度こそこの仲間達を護り抜く。
2:出来れば相川始と協力したい。
3:浅倉、ダグバを絶対に倒す。
4:フィリップ達と合流し、木場のような仲間を集める。
5:乾巧に木場の死を知らせる。ただし村上は警戒。
6:もしも始が殺し合いに乗っているのなら、全力で止める。
7:もし、照井からアクセルを受け継いだ者がいるなら、特訓してトライアルのマキシマムを使えるようにさせる。
8:ジョーカーアンデッド、か……。
【備考】
※オルフェノクはドーパントに近いものだと思っていました (人類が直接変貌したものだと思っていなかった)が、名護達との情報交換で認識の誤りに気づきました。
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457紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:04:36 ID:iTar0HZ60




【津上翔一@仮面ライダーアギト】
【時間軸】本編終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、強い決意、真司への信頼、麗奈への心配、未来への希望 、進化への予兆、仮面ライダーアギトに1時間変身不能
【装備】なし
【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、医療箱@現実
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの居場所を守る為に戦う。
0:(気絶中)
1:逃げた皆や、名護さんが心配。
2:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触。
3:木野さんと北条さん、小沢さんの分まで生きて、自分達でみんなの居場所を守ってみせる。
4:もう一人の間宮さん(ウカワームの人格)に人を襲わせないようにする。
5:南のエリアで起こったらしき戦闘、ダグバへの警戒。
6:名護と他二人の体調が心配 。
【備考】
※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。
※医療箱の中には、飲み薬、塗り薬、抗生物質、包帯、消毒薬、ギブスと様々な道具が入っています。
※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。
※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました
※今持っている医療箱は病院で纏めていた物ではなく、第一回放送前から持っていた物です。
※夜間でシャイニングフォームに変身したため、大きく疲労しています。
※ダグバと戦いより強くなりたいと願ったため、身体が新たに進化を始めています。シャイニングフォームを超える力を身につけるのか、今の形態のままで基礎能力が向上するのか、あるいはその両方なのかは後続の書き手さんにお任せします。




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458紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:04:51 ID:iTar0HZ60

愚かな選択であるのは分かっている。
自分が彼に述べた、『守りたい笑顔の中に自分を含めろ』という言葉に反しかねない行為だという事も、重々承知の上だ。
しかしそれでも、どんな理由をつけても今のユウスケを置いて自分だけ逃げ出すことは、一条には耐えがたい“中途半端”であった。

中途半端はするな――父から継いだその言葉について、一条は五代に出会ってから、そしてこの場に来てから何度考えたことだろうか。
元は一般人である彼らに戦いを頼らなければいけない状況に対して、自分にとってそれでもなお譲れない、中途半端の出来ない一線。
それがきっと今自分の目の前にいる悩める青年を一人にしてはいけないということなのだろうと一条は思った。

刻一刻と全身から血が抜けていくのに反する様に、彼の身体は熱く火照っていく。
その熱に任せる様に、彼はその足をユウスケに向け進める。
もしもユウスケが完全に石に支配されてしまったのであれば、まだどうにか出来ることはあるはずだ、と。

そうして新たに決意を固めたアクセルに対し、一方のユウスケはその身を包む闇の中でなおも抵抗を試みているかのように身体を捩っていた。

「一条、 さん……」
「小野寺君ッ、安心しろ、俺が今君を――」
「駄目です、逃げて……下さい……!」

苦しげに呻いたユウスケを安心させようと一条は声をかけるが、しかし得られた返答は自分からの逃避を促すものであったことに、一条は困惑する。

「何を言うんだ、小野寺君。俺が君をおいて逃げられる訳が――」
「それでも……逃げてくださいッ!このままじゃ俺は、きっとまた究極の闇になってしまう……。そうなったら、一条さんのことを、俺が殺してしまう……ッ!」

ユウスケの声は、悲痛としか形容しがたいものであった。
瞬間、一条の脳裏に、先の戦いで死なせてしまった小沢と京介の姿が浮かぶ。
あの時だってユウスケは最初に自分たちに逃げるように促していた。

それを無視して無理矢理戦場に身を置いた為に、生まれてしまった犠牲、ユウスケに背負わせてしまった責任。
それを思えば確かにこの場で逃げずにいることそれ自体が、小沢や京介の死を無駄にしかねない無謀でしかないと言えるだろう。
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459紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:05:08 ID:iTar0HZ60

「無理じゃないッ、君はクウガだろう!五代が死んだ今、自分がクウガとして戦うと彼が成し遂げられなかった使命を果たすと、君はそう言ったじゃないか!」
「でも……無理ですッ、五代さんだってこの闇から逃げられなかった……それじゃ、俺なんかが敵うわけ……ッ」
「五代に捕らわれるなッ!」

瞬間、その場を沈黙が支配した。
ユウスケが、言葉を失いアクセルを見た。
その視線を一身に受けながら、アクセルは口を開く。

「五代はッ!あいつは、確かに凄い男だった。俺が君に言った、どんな時でも笑顔を絶やさず苦しい顔や悲しい顔は誰にだって見せなかったというのは、本当のことだ。
それは誰にだって出来ることじゃない、……いや、どころかきっと、あいつにしか出来ないといっても、決して間違いじゃないだろう」

五代の笑顔を思い浮かべつつ、一条は続ける。
彼の笑顔はいつだって誰かを笑顔にし、そして悩める誰かを救い続けてきた、それは、絶対に確かなことで、恐らくはクウガの力よりずっと素晴らしい、彼の最高の特技だったはずだ。
だが、そうして五代雄介という男を心底尊敬しているからこそ、一条はまた彼にとって一種の弱さにも、気付いていた。

「だがな、小野寺君、その分あいつは……きっと、誰にも見られない場所で、誰より悲しんでいたんだ。
クウガの仮面の下で、きっといつだって五代は人知れず泣いていたんだ……」
「クウガの仮面の下……?」

人は誰も、喜怒哀楽を抱いて生きている生き物だ。
或いはそれが欠落した様な人間も中にはいるのかもしれないが、誰よりも優しく人の悲しみや怒りといった負の感情に敏感な彼にそれが備わっていないはずがなかった。
だというのにグロンギとの戦いの中で必然生まれるその負の感情を、4号としての戦いを最初から支えてきた自分にさえ、五代は吐露することはなかった。

それはきっと五代の強さの証拠で……だからこそ何よりきっと、小野寺ユウスケと違い五代が持つことの出来なかった存在なのだろうと一条は思った。

「あいつには、あいつの笑顔を守る為に隣で戦ってくれる仲間はいなかったんだ……!本当は、俺がそうなるべきだった!でも俺は結局、あいつにとっては自分と対等な存在じゃなかったんだ。
だからきっとあいつは一人で泣き続けなきゃいけなかった。皆が大好きなあいつの笑顔を浮かべ続ける為に、どうしようもない不安を隠し続けなくちゃいけなかったんだ……!」
「一条さん……」

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460紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:05:22 ID:iTar0HZ60

その呼びかけを受けて、ユウスケは大きく呻きながら、しかし先ほどまでと違い自身を取り囲む闇に対し強く抵抗を開始した。
その度に激痛が襲うのか彼の身体を電流のようなものが襲い、それはまるで闇が彼を逃がすまいとするかのようであった。

「――あああああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」

しかしその中で、ユウスケは一際大きく叫んだ。
まるで彼にずっと纏わり付いていた、ダグバや牙王といった参加者から受けた狂気すら、同時に払いのけ元の自分を取り戻そうとするかのように。
そして次に一際大きく闇が膨れあがったその時、遂に彼の身体はその果てない闇の中から吐き出された。

「――小野寺君ッ!」

アクセルが、思わず駆け寄る。
それによって何とか地に背中をつく前にその身を支えられたユウスケは、虚ろな目をして、しかし確かに笑った。

「一条さん……俺、やりましたよ。五代さんにも出来なかったことを、俺……」
「あぁ、よくやった……。それじゃ、キバットを連れて逃げよう。俺も、変身しているとは言え少し無理をしすぎたらしい……」

言いながら、アクセルはその腹を抑える。
ユウスケが闇から解放された安心感故か何度も大声を出した反動がどうやら今来たらしい。
このままでは変身が解けるまで後数分、それまでにこの状況を離脱しなければと提案する一条に対し、ユウスケは沈んだ表情を浮かべた。

「一条さん、すぐに病院に向かいましょう。この傷のまま放置していたら、一条さんは――」

必死の様子で捲し立てるユウスケを見て、しかし一条は察していた。
彼が今、それ以上に本当にやりたいことは何なのかということを。

「無理をするな。渡君を……救いたいんだろう?」
「……はい」

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461紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:05:38 ID:iTar0HZ60

「――名護さんッ!」
「ユウスケ君、久しぶりだな」

自身がこの場で出会った仮面ライダーの一人にして、渡の師匠、名護啓介。
その彼が、今こうして目の前に現れたのだった。
しかし、そうした運命の再開に、今の彼らは喜んでいる時間などない。
それを名護もアクセルの様子を見て察したようで、ユウスケに短く目配せをした。

「名護さん、この人を病院までお願いできますか?」
「当然だ、君も一緒に来るんだろう?」
「いいえ、俺にはまだやらなきゃいけないことがあるんです。
だから先に一条さんだけをお願いします」

ユウスケは、渡を救うという目的を口にはしなかった。
それに一瞬一条は疑問を抱いたものの、既に限界を迎えた身体と朦朧とする意識ではそれについて言及することさえままならなかった。

「分かった……それなら、彼を連れて病院に向かおう。
だが忘れるなユウスケ君、俺はあくまで先に行くだけだ、後から君もちゃんと病院に来るんだぞ」
「はい、分かってます」

そんな一条を置いて、二人の話はもう終わりを迎えようとしていた。
しかしそんな状況で、しかしまだ一条にはユウスケに対し言わなくてはいけないことが残っているように感じられた。

「小野寺君、何度も言うようだが――」
「――はい、俺、中途半端はしません、絶対に!」

言いたかったことを先に言われてしまって、一条は罰が悪くなり少し俯いた。
それを見て再度ユウスケは笑みを浮かべ……しかし瞬間、すくと立ち上がり渡たちがいるだろう方向へその足を既に向ける。

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462紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:06:02 ID:iTar0HZ60




【名護啓介@仮面ライダーキバ】
【時間軸】本編終了後
【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、左目に痣、仮面ライダーイクサに1時間変身不能。
【装備】イクサナックル(ver.XI)@仮面ライダーキバ、ガイアメモリ(スイーツ)@仮面ライダーW 、ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ
【道具】支給品一式×2(名護、ガドル)、ラウズカード(ダイヤの7,8,10,Q)@仮面ライダー剣、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト、カブトゼクター@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:悪魔の集団 大ショッカー……その命、神に返しなさい!
0:今は病院に戻りこの男性(一条)の手当をしなくては。
1:直也君の正義は絶対に忘れてはならない。
2:総司君のコーチになる。
【備考】
※時間軸的にもライジングイクサに変身できますが、変身中は消費時間が倍になります。
※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしていましたが、翔太郎との情報交換でそういうわけではないことを知りました。
※海堂直也の犠牲に、深い罪悪感を覚えると同時に、海堂の強い正義感に複雑な感情を抱いています。
※剣崎一真を殺したのは擬態天道だと知りました。
※ゼロノスのカードの効果で、『紅渡』に関する記憶を忘却しました。これはあくまで渡の存在を忘却したのみで、彼の父である紅音也との交流や、渡と関わった事によって間接的に発生した出来事や成長などは残っています(ただし過程を思い出せなかったり、別の過程を記憶していたりします)。
※「ディケイドを倒す事が仮面ライダーの使命」だと聞かされましたが、渡との会話を忘却した為にその意味がわかっていません。ただ、気には留めています。





「君と東京タワーで別れた後、僕は相川始という参加者と一緒に行動していたんだ。そして、そのすぐ後に大ショッカー幹部のアポロガイストともう一度出会った……」

渡の話をつらつらと聞きながら、キバットはその内容に口を挟むことさえ出来なかった。
彼が殺していた参加者がアポロガイストであったのはまだいい。
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463紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:06:25 ID:iTar0HZ60

「――でも、いやだからこそ。僕は名護さんとは一緒に行けなかった。でも名護さんは僕についてずっと責任を負ってしまう。だから決めたんだ。
名護さんから僕の記憶を消してしまえば、名護さんは僕の師匠なんかじゃない。ただ一人の仮面ライダーとして、戦う事が出来るって」
「なッ、記憶って……渡、まさかお前――」
「そう、そのまさかだよ。僕はこのベルトの力で名護さんの記憶を消した」

そういって渡はキバットにも見覚えのある、緑のベルトを掲げた。
先代のキングを打倒した後東京タワーに向かう間デイパックに押し込められていたキバットにも、そのベルトの特性は理解出来ていた。
つまりは、変身の度記憶を代償として消費する恐ろしいアイテムだと……同時に、幾ら渡が切羽詰まっているとは言え記憶を消してまで戦う事はないだろうとそう楽観視していた、いやせざるを得なかったのだ。

そんなアイテムごときで自分と渡の関係を断ち切れるはずなどないと、そう信じる他キバットに残された道はなかったのである。
だが、実際はどうだ。
渡は戦闘の副作用としてではなく、記憶を消す目的のみでそのベルトを使ったのだ。

名護との一年にもなる付き合いと、彼から学んだ多くのことを、同時に彼が渡から学んだ全てのことを、無に帰すことを知った上で。

「何てこと、しやがる……!」
「名護さんは、僕が僕でいて良いって言ってくれた……。それは嬉しかったけど……でも、今の僕にそれは許されない。
他の世界を全て破壊して僕の存在自体をなくしてもらうまで、僕に僕として生きていい時間なんて存在しないんだ……!」

その言葉を告げる渡は、とても辛そうに見えた。
だからといって彼がしたことは許されることではない、それは分かっているが……、キバットには、もう自分が言うべきことが分からなかった。
何を言えば彼が少しでも考えを変えようとしてくれるのか、それとも最早彼の考えの変化を認めない自分こそが間違っているのだろうか。

彼らしくもない後ろ向きな思考が生まれた瞬間に、渡の視線はもうキバットから外れていた。
もう、キバットには彼を呼び止めるだけの事も出来ない。
手を伸ばせばすぐに届くはずのその距離が、渡が一歩足を進める度に、彼がもう戻ってこれない場所まで向かうかのように感じる。

呼び止めなければと心は叫んでいるのに、もうキバットにその口を開くことすら――。

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464紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:06:44 ID:iTar0HZ60
つまりは本来一方的であったはずの地の石による精神的干渉が、五代雄介には存在しなかった罅と、もう一つのイレギュラーによって渡にさえ作用しユウスケにも彼の体験を全て追体験することになったということだ。

無論、そんなものは渡には知るよしもない。
故にただキバットに対し、彼は今までの行動の全てを吐露するだけだった。
それによってキバット以外の誰かに、キバットに語った以上の情報が渡るなど思いもせずに。

「何を知ったような口を……!」

言いながら渡は最早手を煩わせるのみとばかりにその手に持っていた地の石を地面に叩きつけた。

「サガーク」

それによって大きく音を立て地の石が粉砕されるのに見向きもせず、彼はその腰に自身の臣下を呼び寄せた。
戦闘の意思を露わにした渡に対し、キバットはそのままユウスケの元に飛びよる。

「ユウスケッ!お前、色々大丈夫なのか?操られてたんじゃねぇのかよ!?」
「その話は後だキバット、今は渡と戦わなくちゃいけない時なんだ」
「それは……」

ユウスケの帰還、そして渡との避けられない戦い、そのどちらをもキバットに逃げ道がないことを示しているのは分かっている。
だがそれでも。
それでも今のユウスケが渡と戦うということは……。

「――キバット、もし勘違いしてるなら、だけど、俺には渡を殺す気はないよ」
「えっ、でもお前さっきまで渡に……」
「あぁ、確かに操られてたし、それは確かに思うところもあるけど……。
でもそれ以上に、俺は今、渡を救いたい!」
「ユウスケ、お前って奴は本当に――!」

思わず、キバットは涙ぐむ。
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465紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:07:01 ID:iTar0HZ60





地の石による支配を、小野寺ユウスケがこうして無理矢理にでも抜け出せたのには、もちろん根性論以外の理由がある。
そもそもにして地の石とは、仮面ライダークウガをライジングアルティメットとしその所有者の意のままに操る能力を持つ。
その特異性は往々にして語られてきたとおり、クウガでない存在にその石は無力である。
また、この場においてクウガである五代雄介も、アマダムを砕かれクウガでなくなった為にその支配から解放されたことは周知の通りである。

では、ユウスケのアマダムは、果たして完全であっただろうか?
言い方を変えれば、『彼は未だ完全な仮面ライダークウガなのか』という問いである。
答えは否、彼のアマダムはダグバとの究極の域に達した凄まじい戦いの最中罅割れていた。

これによってクウガである証に文字通り傷が付いたユウスケは、地の石の支配下にあってなお抵抗を試みることが出来、また同時に自分の意思で言葉を発することが出来たのだ。
そして同時に地の石が可能にするライジングアルティメットという形態への変化。
元々アマダム単体で至れる限界地点であるアルティメットフォーム、それに地の石による魔力を上乗せした形態がライジングアルティメットフォームであることは、既に承知の上のはず。

或いは何らかの要因さえあれば自力でライジングアルティメットフォームに至ることも不可能とは言い切れないものの、しかし本来は極めて歪な力であると言えるだろう。
つまり本来は想定されていない形態への進化をするには、今のユウスケの身体は余りに不安定であったのだ。
元々ユウスケの身体は無理矢理にアルティメットフォームに至り急速な進化を促された形であり、それに加えて地の石による強制的な進化はアマダムの酷使に繋がってしまったのだ。

しかし地の石はそんなことを気にも留めずアマダムに新たな進化を促した。
無理な進化の強制、その先に待つのは……、アマダム自身の崩壊であった。
そして刻一刻と迫る支配にユウスケが拒絶を見せアマダムもまた崩壊を始めたなら、最終的な結論は一つ。

彼は、そしてアマダムは、その身を削り“クウガであること”、地の石による支配の条件それ自体を否定したのだ。
つまりはアマダムが地の石の強すぎる力に耐えきれず自壊を始め、それによりユウスケの身体はどんどんとクウガではなくなっていく。
アマダムとの肉体の結びつきこそがクウガである証明であるなら、それが壊れゆく度地の石の支配が加速度的にユウスケに及ばなくなったとして、何ら不思議ではないのだ。

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466紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:07:49 ID:iTar0HZ60


【二日目 黎明】
【E-1 焦土】

【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【時間軸】第30話 ライダー大戦の世界
【状態】疲労(極大)、ダメージ(大)、左脇及びに上半身中央、左肩から脇腹、左腕と下腹部に裂傷跡、アマダムに亀裂(進行)、ダグバへの極めて強い怒りと憎しみ、仲間の死への深い悲しみ、究極の闇と化した自分自身への極めて強い絶望、仮面ライダークウガに変身中
【装備】アマダム@仮面ライダーディケイド 、キバットバットⅢ世@仮面ライダーキバ、ガタックゼクター+ライダーベルト(ガタック)@仮面ライダーカブト
【道具】アタックライドカードセット@仮面ライダーディケイド、ガイアメモリ(スカル)@仮面ライダーW、変身音叉@仮面ライダー響鬼、トリガーメモリ@仮面ライダーW、ガルルセイバー(胸像モード)@仮面ライダーキバ 、ディスクアニマル(リョクオオザル)@仮面ライダー響鬼、士のカメラ@仮面ライダーディケイド、士が撮った写真アルバム@仮面ライダーディケイド、ユウスケの不明支給品(確認済み)×1、京介の不明支給品×0~1、ゴオマの不明支給品0~1、三原の不明支給品×0~1、照井の不明支給品×0~1
【思考・状況】
0:渡を救う。
1:一条さん、どうかご無事で――。
2:これ以上暴走して誰かを傷つけたくない……
3:……それでも、クウガがもう自分しか居ないなら、逃げることはできない。
【備考】
※自分の不明支給品は確認しました。
※『Wの世界万能説』をまだ信じているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。
※アルティメットフォームに変身出来るようになりました。
※クウガ、アギト、龍騎、響鬼、Wの世界について大まかに把握しました。
※変身に制限が掛けられていることを知りました。
※アマダムが損傷しました。地の石の支配から無理矢理抜け出した為により一層罅が広がっています。
自壊を始めるのか否か、クウガとしての変身機能に影響があるかなどは後続の書き手さんにお任せします。
※ガタックゼクターがまだユウスケを自身の有資格者と見なしているかどうかは、後続の書き手さんにお任せします。
※キバットバットⅢ世の右目が失われました。またキバット自身ダメージを受けています。キバへの変身は問題なくできるようですが、詳細は後続の書き手さんにお任せします。
※地の石の損壊により、渡の感情がユウスケに流れ込みました。
キバットに語った彼と別れてからの出来事はほぼ全て感情を含め追体験しています。
※カードセットの中身はカメンライド ライオトルーパー、アタックライド インビジブル、イリュージョン、ギガントです
※ライオトルーパーとイリュージョンはディエンド用です。
※インビジブルとギガントはディケイド用のカードですが激情態にならなければ使用できません。
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467紅涙 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:08:05 ID:iTar0HZ60




【紅渡@仮面ライダーキバ】
【時間軸】第43話終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、地の石を得た充足感、精神汚染(極小)、相川始の裏切りへの静かな怒り、心に押し隠すべき悲しみ、仮面ライダーゼロノスに1時間変身不能、仮面ライダーダークキバに1時間15分変身不能、仮面ライダーサガに変身中
【装備】サガーク+ジャコーダー@仮面ライダーキバ、ゼロノスベルト+ゼロノスカード(緑二枚、赤一枚)@仮面ライダー電王、ハードボイルダー@仮面ライダーW、レンゲルバックル+ラウズカード(クラブA~10、ハート7~K、スペードK)@仮面ライダー剣、キバットバットⅡ世@仮面ライダーキバ、ザンバットソード(ザンバットバット付属)@仮面ライダーキバ
【道具】支給品一式×3、GX-05 ケルベロス(弾丸未装填)@仮面ライダーアギト、アームズモンスター(バッシャーマグナム+ドッガハンマー)@仮面ライダーキバ、北岡の不明支給品(0~1)、ディスカリバー@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:王として、自らの世界を救う為に戦う。
1:仮面ライダークウガを倒す。
2:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。
3:ディケイドの破壊は最低必須条件。次こそは逃がさない。
4:始の裏切りに関しては死を以て償わせる。
4:加賀美の死への強いトラウマ。
5:これからはキングと名乗る。
6:今度会ったとき邪魔をするなら、名護さんも倒す。
【備考】
※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。
※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。
※相川始から剣の世界について簡単に知りました(バトルファイトのことは確実に知りましたが、ジョーカーが勝ち残ると剣の世界を滅ぼす存在であることは教えられていません)。
※レンゲルバックルからブレイドキングフォームとクウガアルティメットフォームの激闘の様子を知りました。またそれによってもう一人のクウガ(小野寺ユウスケ)の存在に気づきました。
※赤のゼロノスカードを使った事で、紅渡の記憶が一部の人間から消失しました。少なくとも名護啓介は渡の事を忘却しました。
※キバットバットⅡ世とは、まだ特に詳しい情報交換などはしていません。
※名護との時間軸の違いや、未来で名護と恵が結婚している事などについて聞きました。
※仮面ライダーレイに変身した総司にかつての自分を重ねて嫉妬とも苛立ちともつかない感情を抱いています。


(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


468 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/11(金) 16:09:09 ID:iTar0HZ60
以上で投下終了です。
毎度のお願いではありますが、ご指摘ご感想、ご意見等ございましたら是非ともよろしくお願いします。


469名無しさん :2018/05/11(金) 20:12:23 ID:HNJ8HKLc0
投下乙です!
ユウスケは地の石に支配されると思いきや、まさかこのような形でその闇を振り切るとは!
総司も記憶を失った名護さんに違和感を抱きつつあるので、その謎に辿りつくのも近いかもしれませんね。そして名護さんもようやくユウスケと再会し、一条さんを助けてくれたのは本当によかった……!
ユウスケと渡の戦いが始まりましたが、どちらもボロボロなのでどうなるのかが本当に不安です……


470名無しさん :2018/05/12(土) 19:05:03 ID:zTwL3cfs0
投下お疲れ様です。
今回の感想には多分に自分語りが入りますが実は私、平成ライダーシリーズでも門矢士と小野寺ユウスケのコンビが一番に好きでして。
というのもディケイド三話を初めて視聴した時の、「こいつが皆の笑顔を守るなら! こいつの笑顔は俺が守る!」という士の説教が、本当の本当に心に響いたからなんです。
それがなぜかという理由が、このSSでは完璧に描かれていました――「五代雄介には、仲間はいても、門矢士はいなかったんだ!」という、一条さんの血を吐くような叫びとして。

確かに五代さんは偉大な戦士クウガであり、ただ一人で皆の笑顔のために戦い抜いた立派な人で、支えてくれる仲間も優れた人格・能力の善き人々で……
けれど、彼と等しい責任で、時に彼の代わりに戦ったり、彼と本音でぶつかり合える対等な戦友には終ぞ恵まれず、ダグバとの決戦まで、全ての罪と責を引き受けるしかなかった悲劇が描かれたのが原典のクウガでした。

だからそれがリ・マジネーションされ、偉大過ぎる五代に比べ未熟に見えるユウスケというキャラクターが描かれた上でのディケイドにおける究極の闇との戦いで、上記の台詞が飛び出した時、本当に心を打たれたんです。
原典の偉大さを認めて安易にそれを越える能力や人格を設定するのではなく、しかし五代にもできなかった、クウガ自身の笑顔も守るために戦う。五代雄介という偉大な伝説を、門矢士と二人でなら、小野寺ユウスケは塗り替えられる――そんな原作への敬意を忘れず、受け取ったバトンと目の前で生きているキャラクターたちへの想いと相乗するようなカタルシスを一番くれたのは、彼らでしたから。

その後の、ディケイドという作品は脚本家の変更などもあって勝手に抱いた期待とは違う方向に進んでいきましたが、その無念を払拭するようなユウスケの活躍を描き、この界隈に私を引き込んでくれたのがこの平成ライダーロワという企画でした。
この企画もまた長期に渡って停滞してしまいましたが、◆.ji0E9MT9g 氏の手によって奇跡的な再開を果たした後、遂にこの時が訪れました。

原作でも五代に全てを背負わせてしまったことを悔やみ続けた一条さんが、五代を喪った後に、ユウスケを五代の代替えにしてしまうことなく、熱い内容ながら彼が口にするにはあまりに切ない言葉を吐いて。そしてディケイド作中でのリマジキバとの因縁を活かし、原作では彼の不遇の象徴だった地の石さえも乗り越えて、もう引き返せないはずの渡の心の音楽を唯一聞くことができた男として、渡や、キバットたち渡を知る皆の笑顔を取り戻すために、因縁深き"キング"に挑む――あまりにも熱くてちょっぴり切なくて何より格好良くて、2009年2月8日の感動が時を越え見事に蘇らされた、最高のSSでした。

この度は本当に良いものを読ませて頂きました。◆.ji0E9MT9g 氏、ありがとうございました。


471 ◆.ji0E9MT9g :2018/05/15(火) 00:07:57 ID:aqkIdo5M0
皆様、ご感想ありがとうございます。毎度毎度励みにさせていただいております。

さて、それはそれとして月報です。
話数(前期比)/生存者(前期比)/生存率(前期比)
124話(+7)/19/60(-1)/31.6(-1.7)

今期は私以外の所謂レジェンド書き手様の方々も書いてくださりとても嬉しかったです。
次回月報は少し投下数が落ち込むかもしれませんが、温かく見守っていただけるとありがたいです。


472名無しさん :2018/05/15(火) 03:04:03 ID:Hgl0KOyU0
投下乙です。
自分でいる事を否定した渡に挑むのは、自分である事を力にしたユウスケ。
クウガ、キバ、ディケイドといったそれぞれについて、あらゆる意味で因縁の深い二人なだけに、初対面なのが意外に感じてしまいました。
渡も思った以上に敵だらけな状況が加速し、ただでさえ色々重い現状ががんじがらめに。かつての相棒にその後の経緯を告げて徐々に決別していく姿も物悲しい限り……。


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4 要望スレ (Res:206)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 4
1管理人★ :2011/06/26(日) 00:38:18 ID:???0
管理人への要望等ございましたらこちらへどうぞ。

187名無しさん :2017/03/04(土) 19:24:16 ID:o6KjPtpwO
>>186
ありがとうございました


188名無しさん :2017/11/07(火) 23:23:02 ID:js5PBB2Y0
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1501151750/246

企画荒らし書き込みの削除をお願いします。
問題と判断した場合は規制も視野にお願いします。


189管理人★ :2017/11/09(木) 18:55:39 ID:???0
>>188
対応いたしました。


190名無しさん :2017/12/09(土) 11:48:20 ID:QNZkQ8X.0
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>299>>301は企画、書き手諸氏に不適切な書き込みであると思われます
お忙しい中申し訳ありませんがご注視お願いします
問題と判断された場合は削除、規制等の対処をお願いします


191管理人★ :2017/12/10(日) 22:30:57 ID:???0
>>190
対応いたしました。


192 ◆.ji0E9MT9g :2018/01/27(土) 01:01:03 ID:EsaXLMV20
管理人さん、こんにちは、お初にお目にかかります。
さて、この度は過去ログに登録されました『平成仮面ライダーバトルロワイアル』につきまして新スレを立てさせていただきたくこのような要望を申し立てる次第であります。
もし可能なようであれば立てさせていただきますので、お返事のほどお願いいたします。


193管理人★ :2018/01/27(土) 22:48:48 ID:???0
>>192
当該スレッドの設立、問題ございません。
宜しくお願い申し上げます。


194 ◆.ji0E9MT9g :2018/01/27(土) 23:07:08 ID:EsaXLMV20
>>193
管理人様、お返事ありがとうございます。
それでは早速当該スレッドを立ち上げさせていただこうと思います。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。


195名無しさん :2018/02/11(日) 08:05:37 ID:elvYbJbY0
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>399>>401>>403は不適切な煽り、中傷の書き込みに見受けられます
申し訳ありませんが削除願います


196管理人★ :2018/02/12(月) 14:01:36 ID:???0
>>195
スレッドを精査し、当掲示板の基準に照らして問題のある書き込みについて削除いたしました。


197名無しさん :2018/03/20(火) 21:33:19 ID:8FHbDJlE0
管理人様へ
アニメキャラバトルロワイアルIFの>>472>>473は遠回しな個人攻撃を行っていると思われます
申し訳ありませんがご注視お願いします

また、同スレでは似たような書き手諸氏への攻撃が最近になって数多く見られており、企画が終局を迎えようとしている中で書き手諸氏への不要なストレスやプレッシャーを与えていると思われます
企画を正しく終わらせるためにも削除のみならず、該当レス者の書き込み規制等のご検討をお願いします


198名無しさん :2018/03/20(火) 22:19:24 ID:asl2Q7.Y0
管理人さんに任せますがこれが規制になるならもう誰も書き込めなくなる


199名無しさん :2018/03/21(水) 00:37:43 ID:PT.krtfE0
>>198
要望スレで言う事じゃないだろ。
遠回しに規制はするなと言ってるようなもん


200管理人★ :2018/03/21(水) 23:13:58 ID:???0
>>197
当該スレッドにおける問題は管理人としても認識しておりますが、対応が後手に回っており
誠に申し訳ございません。
本件につきましてご説明させていただきます。

まず、問題発言の多くはPC用のプロバイダ経由ではなく、au携帯・スマートフォンからの
書き込みによるものです。
しかしながら、当該ホスト「*.au-net.ne.jp」は都度変動するアドレス群を含んでおり、
個別でのホスト規制は困難な状況です。

当該ホストは各スレッドの書き手様も使用されているものであり、大規模な巻き込みの発生が
予測されることから規制に二の足を踏んでいたこと、また当該ホストを公開することで
意図的に書き込み規制を発生させる事態も考えられたため問題の公開を控えたことから
事態を悪化させてしまったのは管理人の不徳の致すところであり、利用者の方々には
深くお詫びするものです。

今後につきまして、当該ホストから問題のある発言が続いた場合においては
利用者各位へのキャップ発行を前提とした書き込み規制を行います。
何卒ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。


201管理人★ :2018/03/21(水) 23:15:45 ID:???0
>>198
当該レスにつきましては当掲示板の基準に照らして削除および書き込み規制に値するものであると
管理人として判断しております。


202197 :2018/03/21(水) 23:31:58 ID:EcO.DN8A0
了解いたしました。
レスに目を通していただき誠にありがとうございました。


203名無しさん :2018/04/30(月) 21:32:06 ID:wLOZ5NRY0
メールいたしました。一読願います


204名無しさん :2018/05/10(木) 15:56:30 ID:nOaX0WtI0
申し訳ありません。
アニロワIfスレの粛清をお願いします


205管理人★ :2018/05/10(木) 20:24:24 ID:???0
>>204
問題のある書き込み、およびそれらに対するレスを削除すると共に、当該スレッドを過去ログ倉庫に移動いたしました。

また当該スレッドにおける書き込み内容を鑑み、ホスト「au-net.ne.jp」および「spmode.ne.jp」について
無期限の書き込み停止措置といたします。
巻き込み規制につきましては個別にキャップを発行いたしますが、ハンドルは一律ではなく、
個別に特定の可能な形式とさせていただきます。
既存のハンドルを希望される方は発行申請時にその旨をお書き添え下さい。

ご利用の皆様におかれましては悪しからずご了承頂ますよう、お願い申し上げます。


206名無しさん :2018/05/10(木) 20:27:10 ID:MoBdS.Ec0
>>205
お疲れ様です


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5 マジカルロワイアル (Res:13)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 5
1名無しさん :2017/02/25(土) 06:17:36 ID:k4qn308I0
魔法使い・魔法少女を題材とした作品を集めてバトルロワイアルをさせる
リレーSS企画です。
当企画はキャラの死亡や流血描写が出てきますので、閲覧の際はご注意ください。


したらば避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17742/

地図
ttp://i.imgur.com/aAyD1jK.png

2名無しさん :2017/02/25(土) 06:18:36 ID:k4qn308I0
【参加者名簿】

10/10【魔法少女育成計画シリーズ】
○スノーホワイト/○リップル/○ラ・ピュセル/○森の音楽家クラムベリー/○カラミティ・メアリ/○ルーラ/○スイムスイム/○ピティ・フレデリカ/○プキン/○ソニア・ビーン

9/9【魔法少女リリカルなのはシリーズ】
○高町なのは/○フェイト/○八神はやて/○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○高町ヴィヴィオ/○フーカ・レヴェントン/○リンネ・ベルリネッタ/○プレシア・テスタロッサ

7/7【仮面ライダーウィザード】
○操真晴人/○仁藤攻介/○コヨミ/○笛木奏/○メデューサ/○グレムリン/○フェニックス

7/7【とある魔術の禁書目録】
○上条当麻/○インデックス/○ステイル=マグヌス/○神裂火織/○アウレオルス・イザード/○前方のヴェント/○左方のテッラ

6/6【ハリー・ポッターシリーズ】
○ハリー・ポッター/○ロン・ウィーズリー/○ハーマイオニー・グレンジャー/○ドラコ・マルフォイ/○ヴォルデモート卿/○セブルス・スネイプ

6/6【Fate/Grand Order】
○藤丸立香(ぐだ子)/○オルガマリー・アニムスフィア/○クー・フーリン(キャスター)/○三蔵玄奘/○メフィストフェレス/○ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス

6/6【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○美遊・エーデルフェルト/○クロエ・フォン・アインツベルン/○遠坂凛/○ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト/○衛宮士郎(平行世界)

5/5【ゼロの使い魔】
○平賀才人/○ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/○タバサ/○ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド/○ジョゼフ一世

5/5【魔法少女まどか☆マギカ】
○鹿目まどか/○美樹さやか/○巴マミ/○佐倉杏子/暁美ほむら

4/4【東方Project】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


3名無しさん :2017/02/25(土) 06:39:36 ID:k4qn308I0
本スレを立てておきましたがOPって代理投下してもよろしいでしょうか
あと予約期限って延長なしの一週間で大丈夫ですかね。


4名無しさん :2017/02/25(土) 06:42:47 ID:k4qn308I0
【制限一覧】

・変身アイテム等の扱いは本人支給かどうかは書き手次第
・フェニックスの再生能力は頭部吹き飛んだり完全消滅した場合は死亡
・アウレオルスの黄金錬成は即死系の命令は大幅制限
・ギルの千里眼は未来予知あたりに制限
・ヴェントの天罰術式はヴェントと直接会わないと発動しない。気絶までのインターバルを倍加
・プキンの剣による認識変更に時間制限付与
・ソニアの魔法は劣化スピード低下
・フレデリカが水晶玉を通じて干渉できるのはエリア内の存在のみ。•世界越しの干渉も勿論不可能。
・白い魔法使いはエクスプロージョンの威力低下。テレポートは移動距離の制限をつける
・メデューサの石化能力は、完全石化の場合持続時間30分
・魔法少女まどか☆マギカの魔女化は書き手次第
・ほむらの時間逆行は禁止、時間停止は数秒程度


5名無しさん :2017/03/01(水) 22:58:58 ID:85RkSPPI0
オープニングは結局どうなったんですかね…


6名無しさん :2017/03/06(月) 09:18:41 ID:qM4U3JrY0
代理投下します


7 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:20:53 ID:qM4U3JrY0

 魔法とは、人知の及ばない超非科学的現象の事である。





 辺り一面は薄暗い空間。
 そこには70人程度の人影が立っている。
 そのうちの一人にしてとある世界の主人公の少年、上条当麻が最初に思ったことは

(俺は一体いつの間に連れてこられて、ここは何処なんだ?)

 だった。
 上条はとりあえず知り合いが居るか探そうと思い動こうとする。しかし身体を動かすことが出来ない。
 否、全く動かない訳では無い。上条の右手首から上と頭は動かすことが出来た。
 仕方ないので頭を動かして周りを見ると、そこには上条の目からして普通の格好をした人間やどう見てもコスプレにしか見えない服装をしている人間と様々な人物が居る。
 上条はその中に知り合いの姿を見つける。
 純白のシスター服に銀色の長髪、その姿は間違いなく。

(インデックス!)

 上条はやっと見つけた見知った存在に声を掛けようとするも、声が出ない。
 彼はこれを、魔術か超能力で身体を動かせない様にするだけじゃなく声を出せないようにしていると判断する。

(なら俺の幻想殺しで)

 そう思った彼は何とか打ち消そうともがくが
 上条当麻の右腕には幻想殺しという力が宿っている。
 これは、右手に触れた異能なら神の奇跡でも打ち消すという凄まじい能力だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


8 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:21:17 ID:qM4U3JrY0





(殺し合いだと? 何を言っている)

 それが、とある世界の魔法使い笛木奏が、キュゥべえの発言を聞いて最初に思ったことだった。
 彼の心に浮かぶのは怒り、とは言ってもそれは殺し合いに対する非道に対してではない。

(私にそんなことをしている時間は無い!)

 ただ単純に、自らの目的の邪魔をされて怒っているだけだ。

(こんな下らない話をしている間にも、暦は……!)

 笛木には妻と娘が居た。
 しかし妻は早くに他界してしまい、残った娘も病気で亡くなってしまった。
 そして絶望に叩き落された彼はどんなことをしてでも、どんな犠牲を払ってでも娘を蘇らせようと始める。
 しかし、娘を蘇らせる為に行ったサバトと呼ばれる儀式は笛木がアーキタイプと呼ぶ古の魔法使いに阻止されてしまう。
 それでも娘を諦めきれず再びサバトを開こうとした所で、気付けばここに居たのだ。

「断っておくけど、僕は別に享楽の為に殺し合いを開くわけじゃない。
 これは宇宙の熱量死を防ぐのに必要なことだからね」

 怒る笛木の心など気にも留めず、キュゥべえの話は続く。
 黙れ、宇宙がどうなろうと私には関係ない、暦に比べれば小さなことだ。
 しかし、そんな思いはキュゥべえの発言で一旦収まることになる。

「その代わりと言っては何だけど、この殺し合いに最後まで勝ち残ればどんな願いでも三つまで叶えようと思う。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


9 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE- :2017/03/06(月) 09:21:36 ID:qM4U3JrY0

 巫女服の少女、霊夢が指をキュゥべえに突きつけて宣戦布告する。
 しかし、キュゥべえはため息をついてやれやれと呟いた後霊夢に反論する。

「君は勘違いをしている。
 まずここは幻想郷じゃないし、これは君たちに解決されることが前提のおままごとな異変とは違う。
 君が解決する為に出張る必要は何処にもないんだ」
「関係ないわ。
 あんたのいうことが全部正しくても、いきなり殺しあえなんて言われて従うわけないでしょ」
「だからちゃんと報酬を用意したじゃないか」
「別にいらないわ」

 それだけ言って霊夢は空を跳び、キュゥべえに光弾を発射する。
 しかし、霊夢が放った光弾はキュゥべえに届く前に見えない壁のようなものに阻まれて届かない。

「……僕には心底理解できないけど、あの人が言うには世界には『主人公』と呼ばれる存在が居るらしい」
「いきなり何よ」

 唐突に始まったキュゥべえの話について行けない霊夢。
 しかし話は続く。

「世界はその『主人公』を中心に構成されているらしい。
 だから僕は、本来参加資格の無い上条当麻や平賀才人もこの殺し合いに参加させなければならなくなった。
 がここで困ったことが起きた、『主人公』が複数いるということをあの人は想定していなかったんだ」

 キュゥべえの一人話に笛木は理解を示す気にはなれない。
 笛木からすれば主人公など誰でも構わないからだ。

「一方通行や浜面仕上みたいな後付なら呼ぶ必要が無いと分かっていた。
 しかし最初から二人いる場合はどうしたらいいのか分からなかった、だから僕は博麗霊夢と霧雨魔理沙を二人とも呼んだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


10名無しさん :2017/03/06(月) 09:24:19 ID:qM4U3JrY0
◆7PJBZrstcc氏のOP代理投下終了です
最早予約制度なんて有って無きがごとしですがこれから予約解禁としていいですかね


11名無しさん :2017/03/06(月) 18:51:54 ID:Q3U8SlzA0
>>10
乙です
もう予約解禁でいいと思いますよ


12名無しさん :2018/04/18(水) 01:44:44 ID:HH0jlrak0
保守


13名無しさん :2018/04/19(木) 22:57:46 ID:SGohB8B20
誰も書かないのに保守とか意味無いだろ


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6 人狼方式バトルロワイヤル (Res:8)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 6
1名無しさん :2018/03/22(木) 01:32:41 ID:Qg9j/yCQ0
ルール
・クロカードはランダムで決まる。
・クロカードを持った者は必ず一人殺すこと。殺されなかったら寿命が大幅減る。3回しなかったら心臓発作で死亡する。
・クロカードは殺さない限り所持したまま。例え捨ててもポケットの中に自動的に入る。燃やしたり、ちぎったら再生して捨てる同様にポケットの中に自動的に入る。
・最後の一人になるまで終わらない。(ただし自首をした者を除く)
・殺したら裁判開始が始まる。
・誰を吊るすかを決める為に投票する。
・投票が多い人は処刑。つまり死亡する。
・クロカードを所持しても処刑されなかったらクロカードは自動的に別の人のポケットに入る。
・協力も有り。騙すか協力は勝利の鍵を握る。
・最後の一人(最後の一人の恋人がいた場合は生きることが可能)になれば願い事が叶えられる。
・運営側は死なない。※殺せば違反となり処刑される。なお殺してもすぐ生き返る。

【1日の時間割】
起床

推理開始(制限時間は5分)

裁判開始

投票(票が多ければ処刑される。)

襲撃(クロカードを所持した人のみ)


【参加メンバー紹介】
ただし最初は恋人同士ではない。

《女性》
楠木 アリス…ごく普通の女性。
吉川 七…華麗で美人だがちょっと変人。
丸本 奏…IQ200の天才少女だが多少ドジ
由嶺 鈴夢
山下 奈緒美
森川 玲子
峰原 京子
橋本 裕佳梨
友利 由紀
柚木 菜採
田野 樂子
星 薫子

《男性》
岸 裕介…成績優秀で運動神経抜群。そのため死亡されにくい。
芦田 アレン
白石 渉
黒磯 貴史
轟 亮
高木 研三
金原 螢…冷酷で残忍な一面が多い。
瞹渕 孝弘
遠藤 正治
阿久津 誠
脇坂 大輝
梶原 幸人

《オネエ・男の娘》
花澤 孝(オネエ)
菊地 ひより(男の娘)
夏目 毬(男の娘)
嶋田 奈央(男の娘)

運営(GM)…殺されてもすぐ生き返る謎の男性。

2名無しさん :2018/03/22(木) 01:34:38 ID:Qg9j/yCQ0
予約制です。


3名無しさん :2018/03/22(木) 01:44:44 ID:Qg9j/yCQ0
【オープニング】

GM「さて、これより人狼方式のバトルロワイヤルを開始します。」

アリス「何なの?」

GM「誰か一人クロカードを所持しています。クロカードを持った者は必ず一人を殺さなければいけません。」

「「エーーーッ!!?」」

全員はパニックに陥る。

GM「殺した瞬間に約5分による推理開始のタイムが始まります。5分経過で裁判開始です。」

GM「裁判は誰がクロカードを持っているかを当ていきます。時間経過したら投票開始します。票が多ければ…」

岸「多ければ…」

GM「首吊りで処刑されます。」

脇坂「嘘だろ!!ふざけるな!!」

星「そうよ!!」

GM「だまらっしゃい!反抗するなら処刑するよ!!」

脇坂「ぐっ…」

GM「さて、明日は誰が死ぬのか楽しみだな…。」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


4名無しさん :2018/03/22(木) 01:48:39 ID:Qg9j/yCQ0
【1日の晩】

金原「俺がクロカード…さて誰を殺そうか…」

金原は悩んでいる途中に花澤と出会う。

花澤「あら?金原くんじゃないのー?どうしたの?」

金原「悪いが死んでもらうかな?」

花澤「は…」シュパン!

金原は花澤の首を切った。

金原「わからないようにしよう……」


5名無しさん :2018/03/22(木) 01:48:58 ID:Qg9j/yCQ0
オープニング投下終わりです。


6名無しさん :2018/03/22(木) 01:51:54 ID:Qg9j/yCQ0
【花澤 孝 没】

【金原 螢】
所持:ダイアモンドノコギリ、クロカード
思考:生き残る。


7名無しさん :2018/03/23(金) 18:23:08 ID:yUcC4.D20
岸「クロだったから殺さなきゃ(使命感)」

丸本「あ、岸くん、こんちはー」

岸「ちょうどいいや、死ねええぇ!」

岸は丸本に襲い掛かった、だけども丸本は死ななかった

岸「クソッ! 何故だ!? 運動神経抜群の俺の攻撃で何故死なない!?」

彼の攻撃は死亡されにくいのだった

丸本「IQ200のこの私に不意打ちだと! 許せる!」

そこで丸本がドジを発揮して自分の血に滑ってこけた

その拍子にたまたま持っていた鉄パイプが勢いよく岸の頭を割る

スイカ割りのように砕かれた頭部から柘榴のような赤い中身が露わになった

丸本「クロじゃないけど殺っちまったZE」

事故だからしゃーない

【岸 裕介 没】

【丸本 奏】
所持:鉄パイプ
思考:気持ちを切り替えていく


8名無しさん :2018/04/02(月) 16:55:06 ID:RqFHa2/E0
が、しかし彼が持っていたのはクロカードではなく道連れカードだったのだった。

丸本「えっ!?事故した時クロカード所持してもなんとも…」

道連れカード…このカードはクロカードを所持した者か、道連れカード持ちの死体を目撃した人は道連れになる。

丸本「あいつ…運動神経が上手いだけの馬鹿だったのか…!?」

すると空間に穴が空いた。

丸本「嘘だろ……!!ガッ……!!」

ドォン!!

暗黒空間によって丸本は道連れとなった。

【丸本 奏 道連れ】

二日目の朝が迎えられた。


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7 オリロワ2014 part3 (Res:41)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 7
1名無しさん :2018/01/14(日) 01:05:46 ID:/mu.QANY0
ここは、パロロワテスト板にて、キャラメイクの後投票で決められたオリジナルキャラクターでのバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www59.atwiki.jp/orirowa2014/pages/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16903/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1416153884/

参加者(主要な属性で区分)
0/5【中学生】
●初山実花子/●詩仁恵莉/●裏松双葉/●斎藤輝幸/●尾関裕司
2/10【高校生】
●三条谷錬次郎/●白雲彩華/●馴木沙奈/○新田拳正/○一二三九十九/●夏目若菜/●尾関夏実/●天高星/●麻生時音/●時田刻
0/2【元高校生】
●一ノ瀬空夜/●クロウ
0/3【社会人】
●遠山春奈/●四条薫/●ロバート・キャンベル
0/3【無職】
●佐藤道明/●長松洋平/●りんご飴
1/3【探偵】
●ピーリィ・ポール/○音ノ宮・亜理子/●京極竹人
0/3【博士関連】
●ミル/●亦紅/●ルピナス
1/3【田外家関連】
○田外勇二/●上杉愛/●吉村宮子
0/5【案山子関連】
●案山子/●鴉/●スケアクロウ/●榊将吾/●初瀬ちどり
0/2【殺し屋】
●アサシン/●クリス
0/6【殺し屋組織】
●ヴァイザー/●サイパス・キルラ/●バラッド/●ピーター・セヴェール/●アザレア/●イヴァン・デ・ベルナルディ
2/3【ジャパン・ガーディアン・オブ・イレブン】
○氷山リク/●剣正一/○火輪珠美
0/3【ラビットインフル】
●雪野白兎/●空谷葵/●佐野蓮
0/2【ブレイカーズ】
●剣神龍次郎/●大神官ミュートス
2/6【悪党商会】
○森茂/●半田主水/●近藤・ジョーイ・恵理子/●茜ヶ久保一/●鵜院千斗/○水芭ユキ
1/8【異世界】
●カウレス・ランファルト/●ミリア・ランファルト/○オデット/●ミロ・ゴドゴラスⅤ世/●ディウス/●暗黒騎士/●ガルバイン/●リヴェイラ
0/5【人外】
●船坂弘/●月白氷/●覆面男/●サイクロップスSP-N1/●ペットボトル
1/2【ジョーカー】
○主催者(ワールドオーダー)/●セスペェリア

【10/74】

22悪党を継ぐ者 ◆H3bky6/SCY :2018/01/14(日) 01:37:01 ID:/mu.QANY0
投下終了です


23名無しさん :2018/01/15(月) 00:59:19 ID:CNF7hGFQ0
投下乙です

このロワで大ボスの一人として暴れていた森茂の死、
世界のため、すべてを犠牲にしていた彼ですが、
最後の最後で、犠牲を肩代わりしてくれる孫に救われましたね。
邪道で己の変革を望んだ輝幸の力は正道を行く拳正の元へ、
心を砕いて世界を救う森茂の意思は心を拾ったユキの元へ
これで良いんでしょうね


24名無しさん :2018/01/16(火) 16:56:56 ID:2kTnRta60
>>1
wikiのリンクが切れてたので
ttps://www59.atwiki.jp/orirowa2014/


25 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:46:07 ID:IGpGfdUc0
投下します


26勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:47:12 ID:IGpGfdUc0




最後に、彼女の話をしよう。




その世界は女神の悪意に満ちていた。
リヴェルヴァーナと呼ばれる世界の半分にして果ての果て、裏側に生まれてしまった不毛の大地。
大地は死ばかりが積み上がり屍山血河に満ちている。
彼女が生まれたのはそんな魔界と呼ばれる世界の僻地だった。

彼女は青空というモノを見たことがない。
常闇に覆われた空に太陽の光などなく、天から齎されれる光と言えば轟く雷鳴くらいのものであった。見上げる空は昏い。
周囲は険しい山々に囲まれ、枯れ果てた死の大地では作物など育つはずもなく、暮らしの主となるのは必然的に狩猟である。
魔界に生きる魔族たちの、闘争を好み強さを是とする価値観はこの世界が育んだといっても過言ではないだろう。

襲い、殺し、奪い、侵し、犯し、喰らう。
それを良しとする世界で生き残るには戦うしかない。
生きるための戦いがより多くを求める侵略となるには大した時間はかからなかった。
常に戦いの火が燃える。
この世界は争いと混沌を齎す為だけに生まれたのだと、そう思えるほどの地獄だった。

力こそ全て。
そんな世界において最も力を持つ者は王と呼ばれた。
魔界を総べる王、すなわち魔王と。

魔の王が坐するは魔界においてなお険しい山岳地帯の頂である。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


27勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:48:35 ID:IGpGfdUc0
「最後に言い残すことはあるか?」

刃を鳴らし、処刑人たる漆黒の騎士が問う。
罪人は視線を上げ、処刑人にではなく天上に坐する王を見た。

「魔王様! 娘は、オデットはこの件に関与していません。どうか娘だけはお見逃しいただけませぬか!」

罪人は自らの事ではなく、自らの後に処刑を待つ娘の恩赦を乞うた。
罪人の娘オデットは処刑場の端で猿ぐつわを咥えさせられたまま、全身を拘束され自らの死の順番を待っていた。

だが、その望みは難かろうと暗黒騎士は内心で首を振る。
オデットが関わっていないなど、この場で証明のしようがない。
集落一つというあれほどの規模、むしろ関わっていないはずがない。

仮に無関係だったとして、幹部の身にありながら敵対勢力を匿うなど、一族郎党皆殺しにされて当然の罪である。
オデットが殺されるのは当然の流れだ。
何より、魔王がそのような温情を与えるはずもない。

ふむ、と懇願を受けた魔王は頷き高みから処刑場を見下ろす。
土壇場に似合わぬ優雅さすら湛えた所作は、それだけでその場の空気を支配する。
正しく王、この場全ての人間が固唾を呑んで王の次の動きを待った。
そして僅かな沈黙の後。

「よかろう」
「魔王様…………ッ!?」

予想外の答えに暗黒騎士が驚愕を示した。

「魔王様! オデットを見逃せば他のモノに示しがつきません!」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


28勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:49:59 ID:IGpGfdUc0
人間界に放り出されたオデットはどこにも定住することなく彷徨い続けていた。
オデットは頭部に生える角を除けば、比較的人間に近い外見をしている。
角は隠せばいいし、得意の幻術を駆使すれば、身分を隠して人里に隠れ住む事も出来ただろう。
だが、彼女は人里には近づくことすらできなかった。

彼女にかけられた呪いは、人間でしか飢えを癒せぬ『人喰らいの呪』である。
人間を庇った罪人に対して相応しい罰だろう。
このような呪いを受けて人里など居られるはずもない。
飢餓状態で食べられない御馳走をちらつかされる様なものである、そんなのは拷問でしかない。

父の保護していた人間たちの話によれば、人族の間では魔族は人間を喰らうなどと言い伝えられているらしい
確かに魔族の中には戦意高揚のため人肉を喰らう者や特殊性癖を持つ者もいるが、基本的に人など喰わない。
誰が好き好んで人の肉など喰らうのか。
確かに理性のない魔物や魔獣は人を喰らう。だがそれは人間界の野獣も同じ事である。
だからこそ呪いとして成り立つのだろうが。

人を喰らうなんてオデットは嫌だ。
食肉としての好みの問題ではなく、人との共存を目指した父の信念を汚すようで。
何より、自分のために身勝手に命を犠牲にするような醜い存在になりたくはない。
だからこうして出来る限り人に出会わぬよう、隠れ潜むように暮らしていた。

本当に人しか喰えないのならオデットも生きるために覚悟を決めるか、潔く死を選ぶか選択できた。
だが、この呪いの最悪な所は他の物が食えなくなるわけではないという所だ。

この呪いは人以外のモノが食べられなくなる呪いではない。
何かを食べれば栄養は摂取することはできる。
ただ、どれだけ喰おうとも飢えと乾きが癒せない。
何を食べても美味いとは感じられれず、何を食べてもすぐに吐いた。
潔く死ぬこともできず、醜くも生き永らえるだけの呪い。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


29勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:50:51 ID:IGpGfdUc0
だがそこで不覚を取った。
死体があるという事は、それを作った存在がいるという事を失念していた。
魔物から不意打ちを受け、成すすべなく地面へと倒れる。
本来上級魔族であるオデットが魔物如きに後れを取ることなど在りえない話なのだが、飢餓により弱り切った今のオデットでは抵抗などできようはずもない。
このままでは死体を漁るはずがオデットが死体になりかねない。
という所で、オデットの目の前に砂金のような粒子が弾け、黄金の軌跡が舞った。

「――――――大丈夫かい?」

魔物を一撃で切り伏せた少年はオデットへと向き直る。
凄まじい斬撃に似合わぬ、思いのほかあどけない顔の少年だった。
目の前に人間がいるはずなのに、彼を食おうなどと言う発想すら浮かばない。

立ち上がることも忘れ呆然とその姿を見上げる。
体中が電撃でも受けた様に痺れていた。
ダメージによるものではない。
だた、眩いばかりの黄金の剣に目を奪われていた。

理屈も何もない。
魔族であれば誰だって一目で理解できる。

アレは己を殺すための黄金であると。

その瞬間、人間界に来てからずっと苛まれていた飢餓を忘れた。
食欲よりも恐怖が勝ったのだ。
先ほどまで魔物に襲われ直接的な命の危機に晒されていたにもかかわらず、その黄金に感じる恐怖はその非ではない。

魔族と人間。
捕食者と被食者。
その関係が、この時ばかりは入れ替わる。
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30勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:51:22 ID:IGpGfdUc0
「うわぁ。綺麗ですねぇ…………! オデットさん」
「…………そうね」

甘い花の香りが少女たちの鼻孔をくすぐった。
視界いっぱいに広がる一面の花畑に少女二人が楽しそうに声を上げる。
風に流され花弁が天に舞う。
目を細め舞い上がる花吹雪を見送りながら、オデットは太陽の眩しさに目を細めた。

大陸からすこし外れた半島にその国は位置していた。
古代からの自然を残しているだけの周辺諸国からは自然以外は何もないと揶揄されることも少なくない国である。
その為か、他国民に対して排他的な国民性であり、入国管理はとてつもなく厳しく行商人や旅人の行き止まりとして有名であった。
そして大陸より飛び出た半島であるためか、魔王軍の侵略による被害も比較的浅く。
それ故か此度の魔王軍との戦争に対する危機感が今一つ薄く、戦争に積極的に関与することなく我関せずというスタンスを通していた。

そんな国に勇者一行が訪れたのは、この国にあると言われる試練の祠に向かうためであった。
祠の奥底には有用なアイテムが眠っており、勇者のレベルアップには必須とされている祠である。
祠が存在するのは国の南端にある最古の森の奥深く。
最古の森は古代の自然の残る貴重な場所であり、そこにしかない古代生物や植物が多く生息する保護区域だ。
森自体の危険度も高く、立ち入りには国の許可が必要となる。
そのため試練の祠の攻略難易度は侵入を含め最上級とされているのだが、それはあくまで一般人にとってはという話である。

聖剣を持った勇者だけは例外だ。
勇者とは人類の希望にして最終決戦兵器。
世界を救うという大義名分は何をおいても優先される。

黄金の聖剣はあらゆる場所への許可証であり、あらゆる行為に対する免罪符である。
例え戦争に直接的な関与はしないと謳う国でもこれを否定するのは明確な人への敵対行為だ。
人間である以上、誰であろうと受け入れない訳にはいかない。
それこそ、その辺の民家に入って箪笥を漁ろうとも誰も咎めることはできないだろう。

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31勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:51:36 ID:IGpGfdUc0
「…………気づいていたの?」
「なんとなく、ですけど。ごめんなさい。強引なことをしてしまって……!」

そこで、何故かミリアの方が頭を下げた。

「安心してください、って言うのも変ですけど、兄は気づいてないと思います。
 私も兄に言う気はありませんし、オデットさんをどうこうしようと言うつもりもありません」
「なら、どうして……?」

責めるつもりはないというのなら、何故わざわざ正体を暴いたのか。
単なる好奇心だけで暴くにしてはあまりにも互いにとってリスクが高すぎる秘密である。
相手の意図がつかめず戸惑うオデットとは対照的に、ミリアは少しだけ照れくさそうに笑った。

「オデットさんと仲良くなりたかったから、ですかね」

きっとそれは嘘ではないのだろう。
だが、全てでもない。
納得がいかないと言った風なオデットの表情を読み取ったのかミリアは取り繕うように言葉を重ねる。

「せっかく一緒に旅をしているのに、秘密を抱えたままじゃあ寂しいじゃないですか。
 ほら、一人くらい事情を知ってる人間が近くにいた方がいいと思うんですよ。
 そりゃあ今のご時世簡単に開かせる秘密じゃないとは思いますけど、ここに味方がいるってことを知っておいてほしかったんです」

言い訳でもするように矢継ぎ早に捲し立てる。
呪いによる飢餓により常に苦しそうな表情を浮かべるオデットの助けになろうにも、自らの正体を隠して距離を取っているのでは助けようがない。
だからオデットの正体を知っている事を知ってもらうため、要するにミリアらしくもない強引さは自らの正体を隠し続けるのも辛かろうと言う彼女の
優しさからの行動だったという事だ。
それは何ともオデットの知るミリアらしい。
その気遣いが本物だと理解できるからこそ、分からなくなる。

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32勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:52:37 ID:IGpGfdUc0
「ぐ……………あッ!!」
「兄さん……ッ!!」

闇を引き連れた鋭い斬撃が勇者を切り裂いた。
倒れた勇者の下に慌てて駆け寄った魔法使いが癒しの光を放つが、その顔色がみるみる青ざめたものになってゆく。

「どうして!? 傷が、治らない…………!」

回復魔法を休むことなく唱え続けるが、傷が全く塞がらない。
袈裟に切り裂かれた傷口からは暗黒のような煙が沸き立つように上がり、その斬撃がただの斬撃ではない事を知らしめていた。

「よもや勇者が本当に生きていたとはな」

勇者の前に立ち塞がったのは、魔王の右腕ともいえる魔王軍の大幹部、暗黒騎士だった。
闇の巫女の予言により、新たなる勇者の出現を予期した魔王ディウスは、勇者の生まれるとされる里へと自ら赴き里ごと全てを滅ぼした。
のみならず、慎重で用心深い魔王は聖剣の眠る聖地へと先兵を遣わせ聖剣を封じるべく策を打ったのである。
決して敵を侮らない念入りで周到な魔王の先手を取った抜かりない対策と言えるだろう。

だが、魔王軍の耳に届いたのは、聖剣封印の知らせではなく、先兵を率いるガルバイン敗走の知らせだった。
何の間違いかと思ったが、その後に続く知らせを聞くうちに疑惑は確信へと変わる。
黄金の聖剣を持つ勇者は生き延びていた。
魔王を殺しうる唯一の人間が生き延びたと言うのは魔王軍にとって最大の脅威である。
故に、事実確認とその排除のため魔界最強の剣士、暗黒騎士が動いたのだ。

「ふん。だがどちらにせよこれで終わりだな」

息の虫となった勇者へ止めを刺すべく、魔剣を片手に暗黒騎士が歩を進めた。
背後に近づく死の気配を感じながらミリアは回復の手を止めず、兄を庇うようにして覆いかぶるように身を寄せる。
だがそんな抵抗は無意味だ。暗黒騎士の一刀は兄妹を仲良く切り裂くだろう。

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33勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:53:51 ID:IGpGfdUc0
魔界最強の剣士の強襲を受け、未熟な勇者は敢え無くその命を落とした。
これで彼らの冒険は終わり、とはならなかった。
死亡したのは勇者である。
人類の希望はそう簡単に潰えてない。潰えることを許さなれていない。

現れた光の賢者の導きにより、二人の少女は勇者の復活に一縷の希望を託し死者を蘇生することができるという命の宝玉を求めて旅に出た。
苦難の道のりだった。
女二人、導き手である勇者を失った旅は様々な苦難があったことは想像に難くない。
広大な海を越え険しい山を越え、幾多の苦難を乗り越えた先に、孤島に聳え立つ月牙の塔へとたどり着いた。
その頂点に存在する賢人の試練を乗り越え宝玉を手にし、遂に勇者の蘇生を果たしたのだ。

そして勇者が蘇った夜。
彼らは小さな港町にある宿に泊まり身を休めることとなった。
普段は同部屋になることも少なくないが、田舎町にしては大きな宿屋で魔王軍との戦争の影響か客も少なくそれぞれ個室を取ることができた。
無駄遣いに厳しいミリアも復活祝いの今日ばかりは寛容だった。

一人部屋でベッドに寝転がっていたカウレスは眉根を寄せ苦しげに目を開いた。
身を起こす。
死を経験し蘇生した直後という事もあるのかどうにも気分が悪い。

そもそも勇者は眠らない。そんな無駄な機能は勇者には必要がない。
確かに眠れば体力と魔力が全快すると言う特性を持つが、状態異常まで治る訳でもない。
眠れないのなら無理に眠ろうとするより、外の空気を吸った方がまだマシだろう。
枕元に立てかけていた聖剣を背負い、部屋を出たところで廊下の窓辺で一人佇むオデットを見つけた。

「眠れないのか、オデット」
「……カウレス」

美しく夜に浮かぶ赤い瞳がカウレスを捉えた。
彼女は目を合わせることに恐れるように深くフードを被り直す。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


34勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:54:33 ID:IGpGfdUc0
「失礼だな…………だがいや、その通りだ。
 正直、魔王討伐に使えるのならばキミの事情など知っても知らなくてもどちらでもいいと思っていた。その考えは今も変わらない。
 ただ、知っても知らなくてもいいのなら、知っておいてもいい。そう思っただけさ」

死を超えたからか、それとも命を救われた事によるものか。
それは些細なようで、大きな変化のようにも感じられた。

カウレスは魔族への復讐と関わりのない事には対して興味のない人間だった。
だからこそ、魔族であるオデットが取り入ることができたし、正体を詮索されることもなくここまでやってこれたのだ。

「…………私の事情なんて別段今の世の中では珍しい話でもありません。
 魔王に父を殺され、このような悲劇をもう繰り返してはならないと、そう思っただけです」

曖昧に言葉を濁す。
多くを語ればボロが出る。
この魔族を恨む苛烈な勇者に正体を知られる事だけは何としても避けなければならない。

その言葉をどう受け取ったのか。
カウレスは正面からオデットを見た。
不思議な瞳だ、燃えて濁っているようで純粋で澄んでいる。

「……君は僕に似ている」
「それは…………喜ぶべき言葉なのでしょうか?」

どう受け取っていいものか判断に迷う。
彼に限ってまさか口説いている訳でもあるまい。
魔族であるオデットが勇者に似ているなどと笑えない冗談である。

「どうだろうね。他の勇者ならともかく僕の場合は褒め言葉にならないかもしれない」

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35勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:55:53 ID:IGpGfdUc0
そして運命は大きく変わる。
何者かの悪意に弄ばれるように、殺し合いへと巻き込まれた。

拉致されたのは正真正銘の異界である。
見たこともない衣服を着た多くの人間。
見たこともない材質で作られた建造物たち。
魔法ではない謎の力を使う世界の支配者。
そして同じ舞台に立つ、魔王。
嘗てない異常事態である事は明白だった。

そしてこの地における初戦。
人類最凶の暗殺者との戦闘において醜い裏切りにあいオデットは瀕死の傷を負ってしまった。

普段のオデットは呪いによる飢餓を、強靭な理性と信念、そして聖剣による恐怖心でようやく押さえつけている。
だが、ここに聖剣はなく、瀕死にまで追い込まれたことにより理性が崩壊し魔族の本能が顔を出した。
彼女を咎めるモノは何もない。
そうして初めて人の肉を口にする。

あれ程嫌だったのに。あれ程我慢してきたのに。
どれ程に気高い理想を掲げようとも、所詮魔族は魔族。
一枚剥げばそんなものだと。自らに対する深い失意と絶望。
尤も、あの時はそんなものを感じる理性もありはしなかっただろうが。

それは決してやってはならない事だ。
そう自らに誓いを立てた。
自分がそんなことをしてしまうなど彼女にとってはどうしても受け入れがたい。

だから――――自分ではない他に理由を求めた。
己ではなく己の中に凶悪イメージを仕立て上げた。
ちょうどいい事に、そのイメージを押し付けるのに都合がいい存在がいた。
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36勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:57:03 ID:IGpGfdUc0
死を拒絶するように、生を求めるように、暗闇の中で光を求めるようにひた走る。
目的地などない疾走。
それは逃避なのか暴走なのか、分かる者などいない。

肉体は変質し、精神は分裂し、魂は穢れ落ちた。
オデットと呼ばれる少女の面影などどこにもない。
もはや正気であるのかすら疑わしい。
いや、とっくに狂っているのだろう。

それはいつから。
魔王の死を知った瞬間からか。
佐藤道明に爆破され瀕死に追い込まれた時からか。
それとも、父を失ったあの日からか。

二度の死に瀕して、彼女は自らの醜さを知った。
生きるためには他者を侵し、生きるために他者を喰らう。
高潔だった魂は醜く爛れた。
高潔であったからこそ、彼女はその醜さに耐え切れない。
もはや目を背ける事すら許されない。

生きることは斯くも醜い。
ならば。
ならば、死は美しいのだろうか。

彼女にとっての死のイメージは美しい黄金だ。

これまで幾度も死を予感したことはあった。
飢餓で死にかけたこともあった。
魔王に処刑されそうになった事だってある。
だが、あの出会いは、そのどれよりも色濃くその印象を塗り替えた。
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37勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:58:02 ID:IGpGfdUc0


そうして、一撃の下に両断された。


自ら襲い掛かったのでは殺意感知も意味がなく、攻撃の瞬間を狙われては瞬間移動も意味はない。
反射的に振るわれた黄金の刃は当然のように熱したナイフでバターを切るが如き滑らかさで胴体を中心から両断した。
腹部は脇腹の端だけが辛うじて繋がり、折れた枝木のようにくの字に曲がった体は、断面から鮮やかなまでに赤い血液と共にその中身を辺りにぶちまけていた。
神の再生力により両出された肉と肉が、再び繋がりを取り戻そうと蠢くが、聖剣による一撃はその再生を許さない。

「…………………」

勇二は足元を一瞥する。
咄嗟の事で驚いたが、勇二には怪我一つない。
邪神の肉を喰らった魔族など、聖剣使いの恰好の獲物でしかない。

転がるのは全身が醜くも爛れた黒い角の生えた怪物だった。
張りつめた筋肉には血管が浮き出ており、女性的な特徴は見て取れない。
ただ赤い瞳だけが美しく煌々と輝いていた。

「そうだ…………オデットさんを探さないと」

呆けていた頭を切り替える。
勇二からすれば、襲い掛かってきた怪物を撃退したに過ぎない。
怪物から視線を切ると、聖剣を背に担ぎ直して踵を返した。
自らを庇い死んでいった彼に報るためにも最後に残ったカウレスの仲間を探す。
家族も仲間も失った勇二の目的はそれくらいしか残っていなかった。

今しがた自らが両断した怪物が探し人であるなど知る由もない。
カウレスから聞き及んでいた特徴とはあまりにも違う。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


38勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 17:59:25 ID:IGpGfdUc0
「さぁ…………トドメを、刺して」

自ら首を差し出す力は残っていないがせめて潔く。
かつての父のように静かに目を閉じる。
取り繕いではなく、心の底から穏やかに死を待つ。

これまで数々の醜態を晒してきた自分はきっと世界一醜い。
綺麗事をほざいていただけに余計に性質が悪い。
そんな自分を自覚してしまったのだ、いっそ消えてしまいたい。

それなのに他者を食い物にしてまで、死にたくないと願ったのは何故なのか。
何のために醜くもここまで生き延びたのか。
今際の際に立たされた今になってわかる。

生に固執していたのではない。
死に固執していたのだ。

聖剣。
魔族を殺す黄金。
私を殺す黄金。

私の恐怖。
私の死神。
私の覚悟。
私の決意。
私の希望。
私の天敵。
私の黄金。
私の運命。
私の死よ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


39勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 18:00:26 ID:IGpGfdUc0
「そんなのは認めない」

だが、慈悲などない。
慈悲のために救うのではない、救いたいから救うのだ。

「けど…………どうやって」

聖の頂点である勇者には魔の頂点である邪神を救うことはできない。
勇者の一撃は再生を許さず、都合のいい回復薬もない。
ならば、とれる選択など一つしかなかった。
勇二は聖剣を地面に突き立て告げる。



「――――――――――――聖剣を破棄する」



剣から手を放す。
個人で世界を革命出来るだけの力の所有権を破棄する。
歴代勇者が猛毒と知りながら誰一人として捨てる事の出来なかった力を、勇二は何のためらいもなく放棄した。
勇二の勇者に聖剣はいらない。

「あぁ……………ッ」

勇者の力が粒子となって舞い上がり、闇に溶ける様に消えて行く。
オデットの死の象徴が霧散していく。
それまるで儚くも散りゆく花吹雪のようだった。
オデットは倒れこんだまま、名残惜しげに光の残滓を見送った。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


40勇者 ◆H3bky6/SCY :2018/03/31(土) 18:00:48 ID:IGpGfdUc0
投下終了です


41名無しさん :2018/04/29(日) 19:23:18 ID:9WVM2ZhU0
遅ればせながら投下乙


名前: E-mail(省略可)
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8 バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.03 (Res:972)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 8
1NPC :2014/11/29(土) 14:40:43 ID:9sZCm6p60
ここは仮想空間を舞台した各種メディア作品キャラが共演する
バトルロワイアルのリレーSS企画スレッドです。

この企画は性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
苦手な人は注意してください。


■したらば避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/15830/

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953One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:22:51 ID:qDFS4.2M0

「なんで……なんで、こんな所に……なんでっ!?」

 だが、目前に広がる現実を受け止めることができない。志乃が失われる事実を三度も突き付けられたせいで、再会を喜ぶことなどできなかった。
 クーン達の存在も現実味を感じない。姿と声こそは寸分の狂いがなくても、根本的な何かが異なっていると警告している。ハセヲを囲むように立つ四人の笑顔は穏やかに見えても、その表情の中には底知れぬ悪意が広がっている。
 道に迷って、見知らぬ場所にたった一人で放り込まれた幼子のように。ハセヲはただ狼狽えることしかできなかった。その姿は、かつての『死の恐怖』として畏怖されていたとは思えない程に弱々しい。

「ま、まさか……お前らが……!」

 いなくなった志乃や、本来ならばいるはずのないクーン達がここにいる。
 その原因は心当たりがあるし、またこれまでだって何度も体感した。だけど、心と体がそれを受け入れているのを拒んでいた。
 そうであって欲しくないと願った。何か悪い冗談であってほしいと祈った。そんな微かな願いを込めて、言葉を紡いだけれど……

「そうよ。ハセヲ……私達四人と戦わないといけないの、たった一人で」

 たった一つの希望すらも無慈悲に壊したのは、志乃の言葉だった。
 最悪の宣告を突き付けられたハセヲの衝撃は凄まじかった。仮に現実の世界で背後から金属バットを頭部に叩きつけられても、ここまでの痛みを感じるのかどうか。
 熱い。寒い。辛い。悲しい。苦しい。痛い。死にたい。どんな言葉を用意したとしても、今のハセヲの感情を表現するに相応しくなかった。

「なんだよ、それ……そんなの、ありかよ…………!?」
「落ち着け、ハセヲ! 気持ちはわかる……俺達だって、気が付いたらこんな所にいたんだ。そして、あの榊から言われたんだ……『偽者のお前達の存在意義は、ハセヲ達と戦うことだ』ってな。
 つまり、ここにいる俺達はただのデータ。あいつらが作った、偽者の――――」
「――――ふざけんな! そんなの、納得できるわけがあるかっ!」

 クーンの声色で聞こえる説得は、しかしハセヲの怒号によって掻き消された。
 その慰めと気遣いはまさしくクーンそのものだった。そして彼の言い分は充分に納得できる。上の層ではソラだった頃の自分と深い関わりを持った司とカールがボスエネミーとして登場したように、今度は志乃やクーン達と戦わなければいけない。
 かつてのハセヲであれば、ここにいる彼らをただのデータを割り切って瞬時に叩き潰しただろう。そして今のハセヲは『死の恐怖』だった頃よりもレベルと技量の双方が格段に向上した為、ここにいる四人が一斉に襲い掛かったとしても負ける気はしない。
 だけど、そんな話ではなかった。『The World』で絆を深め合い、そしてあの世界で繋がることの大切さを教えてくれた彼らを切り捨てるなど、今のハセヲにはできなかった。例え、偽者の存在であっても。

「ごめんね、ハセヲ……君達を傷付けるようなことになって。でも、ここにいる僕達は偽者なんだ! 例え僕が倒されても、君が知っている本当の僕やガスパーには何の影響もない!」
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954One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:23:10 ID:qDFS4.2M0

「なんでだよ! なんで、そんな簡単に諦めようとするんだよ!? あんたら、今までハセヲと一緒に戦ってきただろ!? なら、何か方法が……!」
「そんなものはないって、揺光もわかっているはずだ」

 しかし、クーンの返事は凛冽たる雰囲気が滲み出ていた。常日頃、たくさんのプレイヤーに信頼されている彼とは思えない程に冷たい。
 そんな彼は今、笑みを浮かべている。あらゆる音と光を無くしたどす黒い牢屋に閉じ込められてしまい、全ての希望を奪われ、憔悴しきった者が浮かべるような自嘲だった。

「みんな、ここに来るまでに何度も戦ってきたでしょ? その中には、君達がよく知っている人だっている……それが、ここだと僕達になっただけさ。だから、気にすることはないよ」
「何で、何でそんなことを言うんだよ……そんなの、理由になる訳ねえだろ! アタシの知ってるシラバスだったら、そんなことは言うはずはねえ!
 もし、このままハセヲを悲しませるつもりなら……アタシは絶対、アンタを許さない!」
「変わらないね、揺光は。でも、だからこそ君のことを信頼できるよ。昔、僕がボルドーに襲われた時だって……君は怒ってくれた。ハセヲや、本当の僕達のこともよろしく頼むよ」
「ふざけんな! そんなのこっちからお断りだ!」

 シラバスは昔を懐かしんでいるようだが、揺光は未だに血を吐くように否定を続ける。

「……そうだった、な」

 そして、ハセヲは前を見据える。もう振り向くつもりはなかった。

「は、ハセヲ……?」
「悪かった、揺光。カッコ悪い所を見せちまって」
「何を言ってるんだよ、ハセヲ……あ、アンタ……まさか!?」
「すぐにお前らを助けてやるから、待ってろよ」

 そう言い残して、ハセヲは前に踏み出す。後ろから揺光達の静止するような叫び声が聞こえてくるが、もう止まる訳にはいかなかった。
 ここに来るまで何度も戦った。聞いた話によると、ブラックローズは実の弟をその手にかけてしまったらしい。きっと、その時の彼女は覚悟を持って戦い、勝利したはずだ。
 ハセヲと揺光だって、司やカールを相手に戦いを繰り広げた。だから、例え彼らがエネミーとして現れても、戦わなければ前に進めない。クーン、シラバスとガスパー、そして志乃……この四人を倒すのはハセヲの役目だった。


 ――ナゼ、汝ハ抗ウ? 我ハ汝。汝ハ我デアルトイウノニ
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955One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:23:32 ID:qDFS4.2M0



     2◆◆



 やめてくれ、と揺光は叫ぶ。けれど、ハセヲは止まろうとしなかった。
 自らの体躯ほどのサイズを誇る鎌を縦横無尽に振り回しながら、現れた四人にダメージを与える。勿論、四人とて決して弱くはなく、むしろこれまでのエネミーと比べると強敵の部類に入るが、ハセヲはそれを凌駕している。
 けれど、揺光はその優位を決して喜べない。それはブラックローズや岸波白野、そして白野を信頼するサーヴァント達も同じだった。

「うむ……何なのだこの壁は!? 余の剣でもヒビ一つすらも刻まれぬとは……! ええい、何とかならぬのか!?」
「むむ~! ここはこの玉藻めが思い切って魔力でぶっ放す方法もありますが……セイバーさんの筋力でも駄目なら、私の魔力も期待できませんね。この状況で、私とマスターが無駄に消耗するのは得策ではありませんし」
「それ以前に、君達がこんな所で全力など出してみろ! 私達全員が巻き添えになるのがオチだ! ここでできることは……ハセヲの勝利を、待つことだけだろう」

 アーチャーの苦々しい表情に、セイバーとキャスターは手を止めてしまう。
 この忌々しい牢獄を壊そうと何度も試した。けれど、誰が何をしてもこの壁は壊れない。この手で大剣を振るおうとも、蚊が止まった程度の衝撃があるかも疑わしい。

「レオ、ミーナ! 二人でこの壁をどうにかできないの!? このままじゃ、ハセヲは……!」
『僕達も今、皆さんを阻むファイアーウォールの解析をしています! ですが、異様なまでのデータ量を誇っているので、短時間で対抗プログラムを構築するのは不可能です!』
『仮に私達はそちらに向かったとしても、残された制限時間を考えると……』

 ブラックローズは助け舟を求めるが、レオとミーナから無情な返事しか来ない。
 揺光とて、二人の言い分は理解できる。自分達の攻撃をものともしない壁をプログラミングで解体するなど困難を極める。その上、このミッションのタイムリミットを考えると、二人に直接来て貰ったとしても間に合う訳がない。
 だけど、納得などできる訳がなかった。ここで諦めて、ハセヲを悲しませるようなことをしたくなかった。

「ハセヲッ! ハセヲッ! ハセヲオオオオオォォォォォォッ!」

 だから揺光はせめてハセヲの名前を呼び続ける。それが何の意味も持たず、また目の前で戦いを繰り広げている彼らには関係ないことを知りながらも。
 ハセヲは戦っているが、一瞬だけ見えた助けを求めるような眼を忘れない。本当は戦いたくないのに、自分達が人質に取られたせいで死ヲ刻ム影を握ることになってしまう。
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956One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:24:17 ID:qDFS4.2M0

「志乃」

 やがて残された敵は志乃だけになる。アトリに瓜二つな容姿の彼女と相対しながら、ハセヲは静かに構えた。
 パーティーのサポートが主な役割となる呪療士が錬装士と正面で戦っても勝ち目はない。志乃は追い詰められている。だけど、笑顔を絶やしたりしなかった。むしろ、これから起こる運命を望んでいるかのようにも見えてしまう。

「間に合わなくて、ごめん」
「ふふっ……なら、もう遅刻しちゃだめだよ? それから、がっかりさせないで。ハセヲを待っている人はたくさんいるでしょ?」
「ああ。俺はこれ以上、誰のことも失いたくない。みんなを……助けてみせる!」
「そっか。なら、彼女のこともお願いね」

 そんな微かなやり取りの中で、志乃はいつまでも微笑んでいる。きっと、ハセヲはこれまで何度もその笑顔に支えられたはずだ。
 だけどハセヲはそんな志乃に目がけて…………死神の鎌を振るった。ぐらりと、志乃の体は倒れていくが、その笑みを絶やすことはない。彼女なりに、ハセヲを安心させようとしているのかもしれない。
 貴方は何も悪くない。だから心配しないで。そんな想いが伝わってくるが、ハセヲはそれを素直に受け止められるのか。

「えっ……?」

 志乃のPCボディが崩れ落ちていく中、揺光は気付く。彼女が言葉を紡いでいることを。
 そして揺光と志乃は目が合った。偶然か、それとも志乃が最後の力を振り絞ったおかげなのかはわからない。けれど、震える唇から零れた儚い声は、自分に向けられているような気がした。揺光は耳を澄まし、志乃の遺言を掬い上げた。

「ハセヲのこと、お願いね」

 そんな声が聞こえた途端、志乃は跡形もなく消えていった。ガラスのように呆気なく、何一つの欠片も遺さないで。
 揺光は絶句した。闘技場へのゲートが開かれても、遠い世界で起こった出来事のように現実味を抱けない。
 ただ、無言を貫くハセヲを見つめることしかできなかった。

「…………お前ら、待っていろよ。すぐに出してやるから」

 そんな乾いた言葉を残しながら、ハセヲは真っすぐに走る。
 微塵も振り向く気配を見せないその背中が遠ざかっていくのを、揺光は眺めていることしかできなかった。
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957One more Chance ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:24:34 ID:qDFS4.2M0

『私、こんな時だから明るく行こうって思っていたのに、すぐまた震えちゃって』
『こんなんじゃ私、ハセヲさんにまた怒られちゃいそうだな……』

 続くような囁きをハセヲはよく知っている。忘れるはずがない。
 その声の主をハセヲはずっと見てきた。共に戦い、共に笑って、この手で救いたいと願ったけれど、見殺しにしてしまった彼女だ。

『すいません。足手まとい、ですよね?』
『私は、』
『ここに居ます。そう信じていたい……感じていたい……』

 気配は微塵にもないけれど、彼女の声が聞こえてくる。
 異様なまでとも言える自己嫌悪と、自らを縛り付ける後悔。そんな彼女の姿をハセヲは何度見届けてきたか。かつてはただの理想主義者としか見ず、彼女の思想を嫌悪感で吹き飛ばすだけだった。
 だけど、今は違う。彼女がかけがえのない存在となった時から、この手で守れるように強くなりたかった。彼女だけではなく、クーン達だって同じ。けれど、彼らをハセヲ自身の手で殺してしまった。

『クスクス キャハハハ!』
『よかろう、ならば皆殺しである』

 しかし、ハセヲの中より湧き上がる慙愧の念を吹き飛ばすかのように。狭い世界に二つの狂笑が響き渡った。

『そうかね。では拷問を続けよう』

 続けて聞こえてきたのは、忘れもしない仇敵の嘲笑。エージェント・スミスの声に気付いた途端、ハセヲは驚愕と怒りで目をカッと開いた。

『―――あ、ああああアアアアアアああ唖吾痾合アア亜あ婀ア閼擧…………ッッッ!!!???』

 だが、耳を劈くような悲鳴へと変わってしまい、ハセヲの表情は凍り付く。
 そしてマク・アヌで起きた数多の悪夢が蘇った。スミスに傷つけられたせいで、彼女のPCボディは黒く変色していた。つまり、ここで再生されているのは、このバトルロワイアルにおける彼女の記憶だろう。
 かつて彼女はAIDAに囚われた。榊に願いを利用されてしまい、そのアバターと碑文が悲しく歪んでしまった。自分を認めて欲しい……虐げられ続けた彼女は、ただ自らの感情を吐露していた。

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958あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:25:20 ID:qDFS4.2M0



     3◆◆◆



 そうして辿り着いた先は、6度目になる闘技場エリアだった。
 相変わらずの無機質な色で満ちている。特別な飾りはなく、学習机のような道具だって何一つ備え付けられていない。だけど、ここには彼女がいることだけは確信できた。

「………………アトリ………………」

 だからハセヲは彼女の……アトリの名前を呼んだ。
 けれど、そこにいるはずの彼女は呪療士のアバターではなく、凶悪なモンスターの如くおぞましい姿だった。全身は常闇を彷彿とさせる漆黒に染まり、背中からは一対の巨大な翼が広がっていて、双眸は真紅に染まっている。
 最早、AIDA=PCと呼称するのもふさわしくない。だけど、その表情には確かにアトリの面影があった。

「……………………………………………………………………………………」

 ハセヲは茫然としながら、目の前に立つ彼女と視線を合わせる。
 彼女は泣いていた。大嵐の中に放り出されてしまった小動物のように、絶望した様子で震えている。かつて、榊に心の傷を利用された時以上に悲痛な面持ちだった。
 向き合うだけでも心が締め付けられるけど、視線を逸らすことなどできない。アトリはどれだけ否定されても理想を貫き通したのだから、それを裏切ってはいけなかった。
 例え、ここにいる彼女から拒絶されたとしても。

『ハセヲさん…………』

 そして、生徒会室からミーナの通信が聞こえてくる。先の戦いが行われた後だからか、彼女の声色は暗かった。

『ハセヲさん。
 わかっているでしょうが、そこにいるのはアトリさん……司さん達と同じように、あなたのために用意されたのでしょう。
 そして、あなたの前にいるアトリさんはAIDA=PC。恐らく、あなたも知らないアトリさんの一面だと思います』
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959あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:26:02 ID:qDFS4.2M0

「アトリ、俺は……!」
「嫌! 嫌っ! 聞かない! 何も、聞きたくない! あなただって、私のことを殺そうとしてるからっ!」

 その悲鳴が耳に入り込んだ途端、ハセヲは足を止めてしまう。
 彼女の嘆きを否定することができなかった。ハセヲがこの闘技場に現れたのは、アトリと戦う意志を示すことと同意義だから。
 そして、ハセヲの歩みはアトリに対する死へのカウントダウンに繋がる。一体誰が、その事実を否定することができるのか。

「あなたは……私のことを助けてくれなかった! 私のことを助けてくれると言ったのに、裏切った!
 苦しかった! 寂しかった! 逃げたかった! 怖かった! だけど、私は耐えたっ! きっと、あなたが助けてくれると……信じてたからっ!
 あなたが来てくれた時、私は安心した…………だけど、また裏切られたっ!」
「……アトリ……」

 アトリの口から発せられる怒涛の叫び。ハセヲはそれを耳にしながら、歩み続ける。それを阻害するかのようにアトリの触手は更に暴走するが、懸命に耐える。
 彼女が受けた苦痛や悲しみ……その全てを受け止めるのは誰の役目か? 他ならぬハセヲ以外にあり得ない。
 ここにいるアトリの言葉は、いなくなってしまったアトリの真実だろう。ただの虚構と切り捨てるなど、あってはならない。

「私はここにいたい……死にたくないっ! 生きていたい! 消えるなんて嫌っ!
 あなた達はここに来るまで……たくさんの敵を倒してきたでしょ? あなたは、志乃さん達を切り捨てた! だから私のことだって殺そうとしてるっ!
 私のことだって、偽者と決めつけて全てを奪おうとする! 私は、私はここにいるのにっ!」

 アトリの嘆きを否定することはできなかった。
 ハセヲは既に自らの手で関わりを持った者達を切り捨てた。彼らと同じように、ここにいるアトリのことだって殺そうとしているのは紛れもない事実だ。


 ――オ前ガ、二人ヲ殺シタノダト。


 あの夢で『憑神』であるスケィスから発せられた宣告が蘇る。
 まるで、あの夢を再現したかのよう光景だった。"表側"のゲームでは、かつてのスケィスによって志乃とアトリが命を奪われたように……今度はハセヲ自身の手で、二人の命が壊されようとしている。
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960あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:26:32 ID:qDFS4.2M0

「……俺なら、大丈夫だ…………」

 しかしハセヲはその助け舟を拒絶する。
 彼らの力はいらない。いや、むしろハセヲがたった一人で向き合わなければ、アトリは耳を傾けてくれなかった。

『ハセヲさん!? しかし、このままでは……!』
「だい、じょうぶ、だ……俺なら、大丈夫…………俺の話を、聞いてくれ……!」

 生徒会室で待っているレオ達と。そして、吐息のかかる距離にまで近付いたアトリに言い聞かせるように、ハセヲは言葉を紡いだ。

『…………わかりました。ですが、タイムリミットが迫っています。僕達が判断したら、その時は了承してください。ハセヲさんの犠牲は、あってはいけないことですから』

 その宣告を最後に、生徒会室から聞こえてくる声が止んだ。
 ありがとう。と、胸中でレオ達に告げながら、ハセヲはアトリをじっと見つめる。対するアトリは頭を振るが、構わなかった。

「……嘘。そうやって、あなたも私を騙そうとしてる! 都合の良い言葉を利用して、私を殺そうとしてるっ! 私はもう、あなたを信じて殺されたくないっ!」
「…………そうだよな…………」

 今はただ、アトリの言葉を肯定する事しかできない。
 "表側"でアトリの命を奪ったのはスケィスだ。そしてスケィスとはハセヲ自身でもある。ハセヲの過去が志乃やカイト、そしてアトリを殺してしまったことを否定するつもりはない。スケィスはここにいるのだから。
 でも、それを言い訳にアトリと向き合うことをやめてはいけなかった。耳を塞いで、自分を勝手な思い込みで縛り付けるなとアトリに伝えたのは誰だ? 他ならぬハセヲ自身だ。

「…………でも、聞いてくれないか? 俺は、志乃から頼まれたことがあるんだ。アトリのことを、お願いって…………」
「…………えっ?」

 志乃から託された最期の言葉を告げた途端、アトリから伝わる力が緩むことが伝わる。けれど、それで終わりな訳がない。

「嘘……そんなの、嘘に決まってる! みんな、消えたくないはずなのに……あなたが志乃さん達の命を奪って、私のことだって……!」
「嘘じゃない……嘘じゃない……志乃も、クーンも、シラバスも、ガスパーも……お前のことを、心配していた。揺光達だって、お前がここにいることを知ったら……助けるに決まってる。
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961あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:27:54 ID:qDFS4.2M0

「アトリ……」

 だからハセヲもアトリの名前を呼んだ。
 ゆっくりと、この身体に突き刺された手刀は抜かれていく。見た目はおぞましいが、元となるアトリの攻撃力が低いせいか深刻なダメージは負っていない。

「…………やっぱり、ハセヲさんはハセヲさんのままですね」
「俺は俺だ。間違えたり、立ち止まることだって、まだまだある。だけど……また歩き出すことだけはやめない。俺は、そう誓ったから」
「そっか……強いんですね、ハセヲさんは」

 そして、アトリは微笑んだ。
 その笑みはハセヲがよく知る笑顔だった。彼女だって、心に傷を負いながらも多くのプレイヤーを支えようとした。いや、辛い経験を乗り越えてきたからこそ、傷を持つ者の苦しみに寄り添えている。
 ハセヲもアトリの存在に何度支えられてきたか。彼女がいてくれたからこそ、乗り越えられた困難もあった。

「ハセヲさん…………ごめんなさい」
「謝ることなんかねえよ。今からでも、お前を助ける方法を見つけてみせる。そして、あのGMどもに……」
「いいえ。時間はないんです……ハセヲさんだって、わかっていますよね?」

 その言葉の意味に疑問を抱く暇もなく、彼女はゆっくりと後退する。
 唐突な動作に首を傾げるのと同時に、アトリは手刀を掲げた。未だに鋭利な輝きを放つ漆黒の刃より放たれる異様な気配に、ハセヲは目を見開いた。

「……アトリ?」
「ハセヲさんのことを裏切ってしまって、ごめんなさい……それと、歩き出すことをやめないでくださいね?
 助けようとしてくれて、本当に嬉しかった……本当の気持ちを伝えてくれて、ありがとうございます」
「ま、まさか…………待て、アトリッ!」
「……大丈夫ですから、ハセヲさん」

 ハセヲは前に踏み出すが、もう遅い。
 アトリは自らの胸を目がけて、その刃を突き刺した。

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962あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:28:32 ID:qDFS4.2M0



     4◆◆◆◆



 パリン、と甲高い音を鳴らしながら岸波白野達を閉じ込めていたファイアーウォールは消滅する。
 それが意味することはたった一つ。闘技場に向かったハセヲがボスエネミーの撃破に成功したことになる。

「ハセヲッ!」

 刹那、揺光は真っ先にゲートに向かって飛び込んでいった。
 無理もない。ハセヲが志乃達を模したエネミーと強制的に戦わされてから、彼女はずっと心配していた。
 それは岸波白野達も同じ。恐らく、この先で待ち構えているはずのボスエネミーだって、ハセヲの関係者のはずだ。

『…………白野さん、ブラックローズさん』

 残された岸波白野達も駆け出そうとした直後、ミーナの声が聞こえる。

『ハセヲさんは、ミッションをクリアしました……でも、ボスエネミーとして配置されたのがアトリさんだったんです。
 そこにいたアトリさんは、ハセヲさん達を助けるため……自ら、命を…………!』

 ミーナの震える声に、岸波白野は絶句した。
 ……まさか、アトリがボスとして登場した!? それにアトリが自らの手で命を絶った、だと!?
 それでは、志乃だけでなくアトリのことだって……ハセヲは二度も失うことになってしまう。
 GM達はどこまでハセヲの願いを踏み躙れば気が済むのか。ハセヲが守りたかった二人の命をいたずらに生み出し、そして使い捨ての駒のように扱う。
 そんなことを許される訳がない。結果的に、ハセヲが二人に死を導いたことに変わりはなかった。

「ハクノ! あたし達も行くわよ!」
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963あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:29:10 ID:qDFS4.2M0

「……ハセヲッ! アトリッ!」

 その時、この闘技場に新たなる声が響き渡る。
 叫びに反応して振り向いた途端、揺光が駆け寄ってくるのが見えた。遅れて、岸波白野やブラックローズも姿を現す。

「あ、アトリ……なんで、なんでこんなことに……!?」

 そして変わり果てたアトリの姿を見て、揺光は足を止める。
 震える揺光と視線を合わせるように、アトリはゆっくりと顔を上げた。

「揺光さん……ですか? よかった、助かって…………」
「良くねえよ! アンタがこんなになって……良いわけねえだろ! 今、アタシが助けてやるから待ってろ!」

 揺光は癒しの水をオブジェクト化させて使用する。だが、アトリのHPは回復しない。
 アトリのアバターの崩壊を前に、揺光は震えている。アトリを助けたいと願っているのは揺光も同じだが、どうすることもできない。
 既に蘇生効果の制限時間はとっくに過ぎている。ただアトリの最期を見届けることしかできなかった。

「…………なんで、なんで? アトリとまた会えたのに、こんなのって……ありかよ!?」
「揺光、さん……ありがとうございます……私のことを心配してくれて…………
 私、いつもハセヲさんを、悲しませてばかりだから…………ハセヲさんを、守って、あげてください……」
「アンタに言われなくても、そうするに決まってるだろ! だから、アトリも諦めるな!
 アタシは、ハセヲやアトリと一緒に『The World』でもっと冒険したいから……諦めないでくれよ!」

 ハセヲの気持ちを代弁するかのように揺光は叫ぶ。しかし、肝心のアトリはただ微笑むことしかできない。 
 白野とブラックローズは気まずそうに見つめている。霊体化して姿が見えなくなっている三人のサーヴァントも同じだろう。

「アトリ……アトリ……アトリッ!」

 ハセヲは必死にアトリの名前を呼び続ける。
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964あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:30:37 ID:qDFS4.2M0

「あ……あ、あ、ぁ、あ…………アトリッ、アト、リッ! アトリイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィッ!」

 ハセヲは慟哭する。アトリの喪失を嘆き、ただ涙を流すことしかできない。
 結局、何も変わらなかった。これ以上、誰も失いたくないと願っていたのに、それどころかむしろ自分自身の手で大切な人を殺してしまった。
 能無しだ。何も守れていないではないか。

「…………ハセヲッ!」

 崩れ落ちそうになるハセヲの体を、揺光が抱き締める。
 振り向くと、揺光もまた大粒の涙を流していた。ブラックローズも同じで、白野だけは悔しげに拳を握り締めている。
 そして、遅れて三人のサーヴァントも実体化する。皆、ハセヲを心配するかのように見つめていた。

「……揺、光…………?」
「ハセヲ! 今は、アタシ達を頼ってくれ! 頼ってくれよ!
 アタシ達は…………絶対にアンタの元からいなくなったりしない! ハセヲのそばには、みんながついてる!
 だから……だから…………!」

 むせび泣いているせいで、そこから先の言葉は遮られてしまう。
 だけど、彼女の気持ちは伝わってきた。そして、ハセヲは決して一人ではないことも。
 これまでだってそうだった。ハセヲが立ち止まりそうになっても、周りには多くの頼れる仲間がいる。

「…………………あ、あ、あ、あ、あ、あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 だからハセヲは思いっきり涙を流した。これまでに溜まったあらゆる悲しみを、胸の奥深くから空の彼方へと解放するように。
 自らの手で命を奪った仲間達に鎮魂歌を捧げるかのように。ハセヲの涙は止めどなく溢れ出ていた。



【第六層/二の月想海 クリア】
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965あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:32:36 ID:qDFS4.2M0

[チームの目的・行動予定]
基本:バトルロワイアルの打破。
1:理想の生徒会の結成。
2:ウイルスに対抗するためのプログラムの構築。
3:GMへのジャミングが効いているうちにダンジョンを攻略
4:ネットスラムの攻略
[現状の課題]
0:ダンジョンを攻略しながら学園を警備する。
1:ウイルスの対策
2:危険人物及びクビアへの対策
[生徒会全体の備考]
※番匠屋淳ファイルの内容を確認して『The World(R:1)』で起こった出来事を把握しました。
※レオ特製生徒会室には主催者の監視を阻害するプログラムが張られていますが、効果のほどは不明です。
※セグメントの詳細を知りましたが、現状では女神アウラが復活する可能性は低いと考えています。
※PCボディにウイルスは仕掛けられておらず、メールによって送られてくる可能性が高いと考えています。
※エージェント・スミスはオーヴァンによって排除されたと考えています。
※次の人物を、生徒会メンバー全員が危険人物であると判断しました。
オーヴァン、フォルテ
※セグメントを一つにして女神アウラを復活させても、それはクビアの力になるだけかもしれないと仮説を立てました。
※プレイヤー同士の戦いによってデスゲーム崩壊の仮説を立てましたが、現状では確信と思っていません。


※生徒会室は独立した“新エリア”です。そのため、メンテナンスを受けても削除されませんが、GMに補足された場合はその限りではありません。
※生徒会室にはダンジョンへのゲートが新設されています。
※VRバトルロワイアルは“ダンジョン探索ゲーム”です。それを基幹システムとしては、PvPのバトルロワイアルという“イベント”が発生している状況です。
※そのためダンジョン攻略をGM側は妨げることができません。
※ダンジョンをクリアした際、何かしらのアクションが起こるだろうと推測しています。
※生徒会室には言峰神父を除く全てのNPCが待機していて、それぞれの施設が利用できます。

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966あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:32:58 ID:qDFS4.2M0

【揺光@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP100%、強い決意、Xthフォーム
[装備]:最後の裏切り@.hack//、あの日の思い出@.hack//、PGMへカートⅡ(7/7)@ソードアートオンライン
[アイテム]:不明支給品0~2、癒しの水@.hack//G.U.×2、ホールメテオ@ロックマンエグゼ3(一定時間使用不能) 、基本支給品一式×3、ネオの不明支給品1個(武器ではない)、12.7mm弾×100@現実
[ポイント]:194ポイント/0kill
[思考]
基本:この殺し合いを止める為に戦い、絶対に生きて脱出する。
1:ハセヲ達を助ける為に前を走る。
[備考]
※Vol.3にて、未帰還者状態から覚醒し、ハセヲのメールを確認した直後からの参戦です
※クラインと互いの情報を交換しました。時代、世界観の決定的なズレを認識しました。
※ロックマンエグゼの世界観を知りました。
※マトリックスの世界観を知りました。
※バーサーカーの真名を看破しました。
※ネオの願いと救世主の力によってXthフォームにジョブエクステンドしました。
※Xthフォームの能力は.hack//Linkに準拠します。
※救世主の力を自在に扱えるかどうかは不明です。


【岸波白野@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP70%(+150)、データ欠損(小)、令呪二画、『腕輪の力』に対する本能的な恐怖/男性アバター
[装備]:五四式・黒星(8/8発)@ソードアート・オンライン、{男子学生服、赤の紋章、福音のオルゴール、開運の鍵、強化スパイク}@Fate/EXTRA
[アイテム]:{女子学生服、桜の特製弁当、コフタカバーブ、トリガーコード(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)}、コードキャスト[_search]}@Fate/EXTRA、{薄明の書、クソみたいな世界}@.hack//、{誘惑スル薔薇ノ滴、途切レヌ螺旋ノ縁、DG-0(一丁のみ)、万能ソーダ、吊り男のタロット×3、剣士の封印×3、導きの羽×1、機関170式}@.hack//G.U.、図書室で借りた本、不明支給品0~5、基本支給品一式×4、ドロップアイテム×2(詳細不明)
[ポイント]:0ポイント/2kill
[思考]
基本:バトルロワイアルを止める。
1:このゲームをクリアする
2:榊の元へ辿り着く経路を捜索する。
3:エルディ・ルーの地下にあるプロテクトエリアを調査したい。ただし、実行は万全の準備をしてから。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


967あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:33:24 ID:qDFS4.2M0

【レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP45%、令呪:三画
[装備]:なし
[アイテム]:{桜の特製弁当、番匠屋淳ファイル(vol.1~Vol.4)@.hackG.U.、{セグメント1-2}@.hack//、基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/2kill [思考・状況]
基本行動方針:会長としてバトルロワイアルを潰す。
0:バトルフィールドを破壊する為の調査をしながら、指令を出す。
1:ゲームをクリアする。
2:ハーウェイ家の党首として、いずれトワイスも打倒する。
[サーヴァント]:セイバー(ガウェイン)
[ステータス]:HP70%(+50%)、MP100%、健康、じいや
[装備] 神龍帝の覇紋鎧@.hack//G.U.
[備考]
※参戦時期は決勝戦で敗北し、消滅した後からです。
※レオのサーヴァント持続可能時間は不明です。
※レオの改竄により、【神龍帝の覇紋鎧】をガウェインが装備しています。
※岸波白野に関する記憶があやふやになっています。また、これはガウェインも同様です。
※ガウェインはサチ(ヘレン)の身に起きたことを知りました。
※蒼炎のカイトの言語を翻訳するプログラムや、通信可能なシステムを作りましたがどれくらいの効果を発揮するかは不明です。

【蒼炎のカイト@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP80%、SP80%、PP100%
[装備]:{虚空ノ双牙、虚空ノ修羅鎧、虚空ノ凶眼}@.hack//G.U.
[アイテム]:基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/1kill
[思考]
基本:女神AURAの騎士として、セグメントを護り、女神AURAの元へ帰還する。
1:ゲームをクリアする。
2:ユイ(アウラのセグメント)、騎士団を護る。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


968あなたの風が吹くから ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:33:55 ID:qDFS4.2M0


【第六層・二の月想海】
ミッション:制限時間以内に敵性エネミー及びフロアボスの撃破
ボス:アトリ@.hack//G.U. TRILOGY
イニスの碑文使いにして、AIDA=PCとなった呪癒士の少女。
TRILOGY本編の他にも、ゲーム本編及びバトルロワイアルでの記憶も引き継いだ状態で出現した。


969 ◆k7RtnnRnf2 :2018/02/15(木) 21:34:16 ID:qDFS4.2M0
以上で投下終了です。
何かご意見があれば指摘をお願いします。


970名無しさん :2018/02/15(木) 23:44:32 ID:OoD/o3Vs0
投下乙でした

これは、辛い。とても辛い……


971名無しさん :2018/03/15(木) 19:51:39 ID:QfPP559c0
月報の時期なので集計させて頂きます
135話(+ 1) 15/55 (- 0) 27.3


972 ◆k7RtnnRnf2 :2018/03/19(月) 07:52:57 ID:I.mnP9vs0
ttp://fast-uploader.com/file/7076968412552/

◆NZZhM9gmig氏が執筆した「Dark Infection」のワンシーンをイラストにさせて頂きました!
オーヴァンの圧倒的な力と、キリトとアスナの死別がとても印象的だったので。
読み終わった当時、オーヴァンの底知れぬ恐ろしさと共にバトルロワイアルの凄惨さが伝わってきて、物凄い絶望感を味わったことを今でも覚えています。


名前: E-mail(省略可)
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9 変身ロワイアルその6 (Res:869)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 9
1名無しさん :2014/08/07(木) 11:23:31 ID:V1L9C12Q0
この企画は、変身能力を持ったキャラ達を集めてバトルロワイアルを行おうというものです
企画の性質上、キャラの死亡や残酷な描写といった過激な要素も多く含まれます
また、原作のエピソードに関するネタバレが発生することもあります
あらかじめご了承ください

書き手はいつでも大歓迎です
基本的なルールはまとめwikiのほうに載せてありますが、わからないことがあった場合は遠慮せずしたらばの雑談スレまでおこしください
いつでもお待ちしております


したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15067/

まとめwiki
ttp://www10.atwiki.jp/henroy/

85080 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:48:40 ID:gooP8PFs0



【『死神』――響良牙/変身ロワイアルの世界】



 ……おれは、空を見つめた。
 今日が、その時だ。
 ――遂に、奴らが来る。



 ――ここに連れ去られ殺し合いをさせられてから今日までの長い出来事を、おれはずっと思い出していた。



 かつて、おれは、ベリアルを倒した爆炎の中からこの地に落ちた時、すべての記憶を失った。
 そのままわけもわからず、ふらふらと彷徨い、歩いた先の街で――おれは、男の死体を見つけた。

 早乙女乱馬……というよく知った男の死体だったが、その時に思い出す事はなかった。
 おれはその時は、ひたすら逃げて……森に辿り着いた。
 そこで、おれは冷静に考え――自分こそがその死体を作り上げた殺人犯だという結論に至った。
 おれは、気が狂いそうになっていた。

 やがて、おれは怪物たちと出会う事になった。
 怪物たちの名前はニア・スペースビースト――ダークザギの情報や遺伝子を受けて異常進化し、スペースビーストのように巨大化した微生物たちだったらしい。ただ、おれはずっとわけもわからないままそいつらから逃げ、自分自身の持つ馬鹿力で戦い続けた。
 ほとんどの怪物を、おれはなんとか倒す事ができた。ちょっとの損傷ではおれは死なない。必ずしも簡単な戦いばかりではなかったが、なんとか戦い抜いた。
 そして、ある日――そんな怪物と戦うさなか、おれは頭を打ち、偶然にも、記憶を取り戻す事になった。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


85180 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:49:05 ID:gooP8PFs0
 それからどれだけ彷徨っても、おれは仲間を見つける事はできず、孤独のままだった。
 気づけば、また元の島に戻っていた。手ごたえのない旅を徒労に感じ始めたおれは、別の島に行くのをやめた。

 またそれから、毎日、島から出る事もなくつまらない日々を暮らし、戦う相手もしないのに頭の中だけで修行し、おれは、誰かが来るのを待つ事にした。

 毎日毎日、ずっと同じ事を考えていた。
 彼らもここにいないという事は――左翔太郎や、涼邑零や、高町ヴィヴィオや、蒼乃美希や、佐倉杏子や、孤門一輝や、花咲つぼみは――元の世界に帰れたのだろうか。涼村暁はどうなったのだろう。
 彼らは、帰れたとして、その先が救えたのか、そこから先のあの管理世界は終わり、今度こそベリアルとの決着がついていたのか――そんな不安を持ちながら、きっと勝てたと信じ、彼らが助けてくれるのを待った。

 だが、来ることはなかった。
 もしかしたら、おれは死んだのかと思われているのかもしれない。

 おれたちだけが、ふたりで、迷子でここにいた。
 そして――クロスミラージュも、ある時に動かなくなった。どれだけ言葉をかけても返ってこなくなり、おれはクロスミラージュも埋めた。
 おれだけが、ひとり、迷子になった。

 それから、またずっと、長い孤独だった。時間はいつしか数えていない。ある時から、どう流れても一緒だった。いま何十年なのか――百年は経っていないと思う。
 その間中、ずっと、誰かの支給品だったらしい、このオルゴール箱はおれの心を癒してくれた……。
 悲しみに潰れそうな夜に聞くと、おれは壊れ行く心をなんとか維持できるようになった。
 それだけはなんとか、今日まで壊れる事なくおれの傍にあり続けてくれた。

 ……そうだ。おれは、あいつらと一緒にその先の未来で過ごす事はできなかった。

 ただ、ある時、ある予知の力と、いくつかの情報がおれの頭に過った。
 それはダークザギが得た情報と能力だった。一度だけ仲間とともにウルトラマンノアと融合して戦った事や、ニア・スペースビーストを倒し続けた事によっておれも潜在的にその力が覚醒していたのだった。
 バカなおれが、ニア・スペースビーストなんていう言葉を作り出せたのも、ノアやザギの情報によるものだ。
 そして、ちょっとした予知の能力を得られたおれは、それから十年間、今日だけを待った。

 誰かが来る。おれを殺しに来る。
 だが、おれはそいつらを撃退する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


852 ◆gry038wOvE :2018/02/20(火) 02:52:02 ID:gooP8PFs0
投下終了です。
今回はちょっとギリギリまで書いていたので、誤字やミスがあるかもしれず、
その辺はwikiで修正するつもりですが、大筋はこんな感じです。

このスレ内で終わるのかちょっと心配ですが、万が一終わらなかったらwikiに直接投下になるかも……。
そうなったらすみません。


853名無しさん :2018/02/20(火) 06:10:22 ID:6cTEM61I0
投下乙です!
つぼみが残した最後の謎と共に、まさかとんでもない真相が明かされるとは……!
これは花華ちゃんにとって辛いですし、怒って当然ですよね。
変身ロワの世界に取り残された良牙も切ないです。一歩間違えたら、かつての克己みたいになってもおかしくなさそう……


854名無しさん :2018/02/21(水) 19:20:24 ID:yf5PLn9s0
投下乙です
残酷な真実と衝撃的な展開…
残り生存者2名、つぼみと良牙はどういう結末を迎えるんだろう


855 ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:42:32 ID:H/vzgqzw0
投下します。


85680 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:43:47 ID:H/vzgqzw0
【『探偵』/変身ロワイアルの世界】



『――ここが変身ロワイアルの世界よ』

 おれの中で、HARUNAがそう告げた。
 いわゆる肉体無きデータ人間、HARUNAを自分の身体に憑依させてみた感想だが――実に、変化がなかった。手足も意のままだし、感覚も変わらない。体のどこかに異物感があるとか、頭の中がぼんやりするとか、そんな事もなかった。おれの中をすり抜けるようにしてHARUNAのアバターが結合したかと思えば、そのままおれの身体にテレパシーのような形で指示を出しただけである。
 おれとしては、それは「HARUNAがアバターを使わず、声だけになった」ような感じだった。
 つまるところ、初体験にしては、あまり味わいのない感覚だった。

 唯一違うとすれば、そう、おれの身体が異世界移動を一切拒絶せず、この花咲つぼみがついぞ見つける事のなかった「変身ロワイアルの世界」の座標を見つけ、そこに飛び込めるようになったという事だけだった。本来、この先は参加者の遺伝子情報を持つ人間以外は立ち寄れないらしい場所だ。
 だから、花華が何なく入れるとしても、おれは本来なら条件から外される存在であるはずだった。おれには、どうやっても一生入る事ができない場所なのだ。
 このHARUNA嬢のたいへん素敵なお力のお陰で、おれはここにいると思うと、頭が上がらなくなってもおかしくはないだろう。勿論、まったく嬉しくはないし、今まで一度たりとも旅行に来たいと思った事もないし、実際目の前にあるのは景色も悪い場所なのだが、……まあ、貴重な経験ではあると云える。

 ……しかし、八十年の隔たりがあったわりには、来てみれば、実にあっけないものだ。
 こんなところを八十年、一生涯をかけて探した花咲つぼみが――この上なく失礼だが――少し哀れに思ってしまうほどだ。
 おれは、呟くように言った。

「……で、おれたちが辿り着いたのは、一体、変身ロワイアルの世界のどこなんだ? こんな光景を、おれは見た覚えがない。少なくとも、異常な場所である事くらいは把握できるんだが――」

 ――おれたちの前にあったのは、おそらく何かの実験が行われたように、奇妙な機材が並んだ研究室だ。
 一応、廃墟の中の一部屋のようだった。外からの光は差さない。窓がないのだ。電気はついているようだが、それもかなり薄暗かった。
 そして――そこにある機材は、古びて埃を被ったり、錆びたりしているが、人類が直近でようやく手に入れたようなハイテクノロジーや、あるいはそれすら超えるようないまだ見知らぬテクノロジーによって生み出されたものばかりであった。複数世界が結集して数多の技術が確立されていったにも関わらず、それで追いつかないような超技術が、八十年も置き去りにされていたのだ。
 いうなれば、「今」が廃れた後の、ずっと未来の世界にさえ見えた。
 この八十年、似たような事象が――誰かが同じように支配や殺し合いをもくろむ事象が――発生しないのは、おそらくこのシステムに人類が追いつく事がないからだと言えよう。

 HARUNAは、ここは、おれたちの求めた変身ロワイアルの世界だと言う。――おれの想定していたイメージと、何となく合致していた。この、精神病院に来たような、鬱屈とした不安の絶えない場所。それは、確かにかつて殺し合いの起こった場所らしい感慨を覚えさせていた。
 変身ロワイアルの世界だという確証こそなくとも、ここが普通の場所じゃないのは誰でも直感的に察する事が出来るに違いない。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


85780 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:44:17 ID:H/vzgqzw0

「……」

 おれの方を睨む花華の視線は耐え難いものがあったのだ。――それは、厳密にはおれの肉体を借りて好き勝手に念話を公開スピーチしてくれているHARUNAに向けられたものだが――彼女の心中はおれとしても察するものであった。
 確定性のない動機による響良牙の暗殺計画。拒む機会こそ与えられたが、入り込んだらもはや問答無用で承諾をさせるやり口。更には、その動機から推察できる花咲つぼみの身に起こりうる危険――つまり、響良牙の殺害で花咲つぼみが優勝者となった時に願いを叶えさせる権利を行使するのを同様の形で止めるのではないかという危惧――。
 あらゆる事を考えてみれば、HARUNAという少女に向けられる感情は決してやさしくは在れない。おれも同様だ。

 綴られた日記を目の当たりにした以上、おれだって心が動くのは止められない。
 しかし、彼女の持つ権限がなければ、おれは世界と世界を行き来できない。つまり、職場に帰れない。どうあれHARUNAとの関係の構築は重要な急務だ。

「……そこに、まだ響良牙が残っているんだな」

 おれは、そう訊いた。
 しかし、質問に答えないのがこのHARUNAである事は承知している。ただのつぶやきだった。案の定、明確な答えが返ってくる事もなく、おれの言葉は拾われる事もなく投げ出された。
 続けて、おれはもう一度口を開いた。

「――そうだ、ところでもう一人、ここに先客がいるんだろう。早くそいつを呼んでもらおうじゃないか」

 今度は質問ではなく、提案を呼びかけたのだ。
 良牙については、改めて確認せずとも、彼女が一度断定した以上、「良牙はここにいる」としか言いようがない。仮に彼女が答えてくれたとしても、それ以上の答えは返ってこないだろう。
 対して、彼女が散々言っていた“彼”なる人物についてはまだ詳しく聞けていないし、どこにいるのかもまったくわかっていなかった。
 ここにいないとすればどこにいるのか、率直に気になった。

『――“彼”ならこの基地のどこかにいるはずよ。出ないようにとは言ってある。外に出たところで何もないから』
「そんなんで大丈夫なのか」
『彼も人間よ。無理に鎖で繋がなくても、単なる指示で十分。……だって、世界の外を行き来できるのは私だけなんだから。彼が元の世界に帰るための力は私にしかない』
「……そうだな、きみの許可なく好き勝手に動き回るのは、誰にとっても損ばかり。おれたち同様、その“彼”とやらも、とっくに弱みを握られているという事だな」
『その通り』

 嫌な状況である。まるで騙されて入ったブラック企業から抜け出せなくなったような気分だ。尤も、今回は安易に知らない美女についていったおれにも、自業自得のきらいはある。彼女に憎しみを向けても仕方がない。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


85880 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:44:46 ID:H/vzgqzw0

 おそらく、おれが考えるに、彼女は少なくともかつての主催――ベリアルの内情に詳しかった人物だろうという事だ。
 ここを知っているという事は、この世界に立ち寄ったのもきっと初めてではないのだろうし、響良牙が本当に八十年生きている前提があるならば、彼女も八十年生きていたとしてまったくおかしくはない。
 たとえば、財団Xなる組織がかつて存在し、民間企業にも関わらずこの超世界規模の支配行為に加担をしていたというが、そこに所属していた人間やその実験によって生まれた存在である可能性も否めない。まともな人間でもなさそうだ。

 まったくのホラ吹きではないのは確かだった。おれたちをただ驚かせて楽しむだけのトリックに仕掛けているとするのなら、彼女はあまりにも力を持ちすぎであったし、おれの中に侵入するまでしなかっただろう。
 彼女の云っている事は真実だろうが、彼女の素性は隠し通されている。彼女に従ってうまく帰還の手段を探るしかあるまい。

「ずっと気になっていた事があります。HARUNAさん……あなたは、何故そのゲートを通れるんですか?」

 おれが頭の中で、口にしてしまおうか悩んでひっこめた言葉を、花華は直情的に差し出した。
 詮索して機嫌を損ねても仕方がないというのに。いくら合理的であれ、人に聞き出しすぎてヒステリックを起こされるパターンが最も厄介なのは、前の職場での教訓だ。そこでトラブルを作り出したのもこういう女だった。
 そのうえ、この女は質問されるのを極度に嫌う偏屈屋だ。事情は訊けないうえ、無理に訊こうとしても話は拗れる。

『質問に答える気はないわ。何度も言った通りよ』
「しかし、あなたを信じられるか、あなたの指示に従えるか……それを決めるには、やっぱりあなたの素性がわからないとどうしようもないです。言っている事だって信じられません。……だって、あまりにも一方的じゃないですか!」
『じゃあ私がこれから素性を告げたとして、そもそもそれは真実だと思う? それだって自在に嘘を告げられるでしょう? 何を言ったって嘘じゃないなんて言いきれない。単に説得力のある言葉を並べるだけに終わるわ。つまり時間の無駄よ。ここでは、目の前で起きる真実だけを信じればいい』
「……!」
『わかってもらえた?』

 まくし立てるような言い逃れの屁理屈だが、それは反論させない圧があった。

「……」

 花華は口惜しそうな顔をして、彼女と話すのを無駄だと悟ったようだった。両者の仲は先ほどから極めて険悪なままであった。
 おれは、花華がどんな瞳をしているのかと視線を下げたが、彼女はすぐに目をそらした。
 HARUNAと話す時、おれの方を見てはいるが、あまりおれの目を見ないようにしていたのだろう。

『――ただ、そうね。ちなみにひとつ言っておくけれど、私はかつての主催陣営とは何の関係もない。彼らの勢力に属していたわけでもなければ、過去の主催者や財団Xの残党でも何でもない。むしろ、彼らと敵対する存在といえるわ。変な邪推だけはされないように言っておくけど』

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85980 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:45:09 ID:H/vzgqzw0

「……」

 おれは、城を見るのをやめて、足元の立て札の方を見た。
 そんなおれの目の前には、ある立て札が地面に突き刺さっていて、名前も知らない真っ白な花が添えられている。



『らんまとあかねさんのはか』



 目の前の立て札には、そう書いてあった。つまり、おれは、今、乱馬とあかねさんが眠っている墓の前にいるようだ。
 方向音痴なおれがここに辿り着けたのは、間違いなく天がおれに味方しているという事だった。
 永遠の時間と予知能力まであるというのに、方向音痴ばかりはまったく改善されないのだ。……これは呪われた宿命と言ってもいい。

 これまでも何度もこの場所に向かおうとして、何度も迷った。ひどい時はこの場所に来ようと決めてから辿り着くまで、一ヶ月や二か月かかる事があったくらいだ。
 どうせ、今日もここに辿り着く事はないだろうと、おれは内心で少し思っていたのだが――おれは今日という日には、迷う事なくここに辿り着いていた。

 この狭い島でも、いつも一人で遭難してばかりだったこのおれが……。
 かつて乱馬やつぼみに誘導されながら動いていて、ようやく行きたい場所にいけたこのおれが……。

「――どれだけ前だったかな。ここで、おれはあかねさんと戦い、救えなかった事がある。そして、つぼみとここで二人、泣いた日だ……」

 いまの俺は泣かない。何度流したかしれないが、とうに乾いた。
 ……それに、こうして運命の日に迷う事なくここに辿り着けた。運が良い。涙を流すには向かない日だ。

 おれは戦う――そして、間違いなく勝つ。
 そこまでがおれの予知した未来であり、これは確実な話なんだ。

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86080 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:45:50 ID:H/vzgqzw0



【『探偵』/プチ・マレブランデス内】



 おれたちは、気まずい空気のままでマレブランデスの中身を歩いていた。
 部屋はいくつもあり、とにかく中身には不気味な空気ばかりが染みついていた。何しろ、八十年も無人なのにいまだシステムの生きている管制室に加え、妙な趣向の要人の部屋やら化け物向けの異文化的な部屋やらがあって、そこには時折、骸骨と化した死体が放置されているのである。誰か獣にでも荒らされた痕跡も残っていた。

 廃墟の方がまだずっと、恐怖は薄い。
 そこにまだ誰かが残っていそうな雰囲気さえあり、少し震える花華の隣でおれも息を飲みながら歩いていた。もしかするとおれも震えていたかもしれない。
 そんな折、花華が震えた声で言った。

「探偵さん、ここ少し……怖くないですか……?」
「……少しで済むなら立派だ。おれからすれば、ヤクザの事務所に話をつけに行って素っ裸にされた時よりか、ずっと怖いな」
「それを聞くと、探偵さんの経緯も怖いですが……」
「きみはその手の輩を相手取る仕事が怖いらしいが、おれにとってみれば超常的な戦いを強いられるきみの仕事の方が怖いね。きみは慣れていて、今も少し怖い程度で済むかもしれないが、おれの場合は、この状況は超怖いわけだ」
「まったくそうは見えませんけど」
「怖さを押し殺さなきゃ探偵なんてやっていられないさ。怖さをどう超えるか、どう対策して怖さを最低限に抑えるか、それも仕事のうちだよ。ましてや、あの街の駆け込み寺のおれにとっては、頼りのあるところを見せないと顧客も安心してくれまい」

 おれの場合、少女ふたりの手前でビクつくのは嫌なのもあるが、元々顔に出ない性質なのだろう。十分に情けない顔をしているつもりだったが、周囲からみれば全くそんな事はないだころか、厳めしいとさえ思えるらしい。
 そんな状況の中で宝さがしでもさせられているような気分だが、少しすると、目立つ大きなドアがあった。

「なんだこりゃ。HARUNA、この部屋は――?」
『開けてみるといいわよ』

 言われるだけで、教えてくれなかった。
 舌打ちしたいような気持ちでふてくされながらそこを開けると、今度は奇妙なほど暗くて広い場所に辿り着く事になった。

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86180 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:46:24 ID:H/vzgqzw0

『――ここは、おそらくかつて殺し合いのオープニングが告げられた場所よ。七十名近くが一気に収容できるような広い場所は、マレブランデスの内部にはここしかなかったわ』
「つまり、数十名の運命を一斉に変えた場所か……」
『ロマンのある言い方をするわね』
「よせ。血なまぐさいロマンは好めない」

 ロマンなどというのは――あまり言いたくはない言葉だが――不謹慎に聞こえた。
 いくら八十年前の出来事であれ、いまはその出来事の渦中にあった少女の曾孫が隣にいる。おれ自身、ロマンチストのつもりはない。現実にここで数十名の運命が纏めて打ち砕かれたのだから、それを言っただけだ。
 とうの花華の顔色は、おれには暗闇で見えなかった。電気のひとつでもあれば良いが、ほとんど暗闇だ。まあ、辛うじてうっすらと何かが見える程度には光があり、真の闇ではないようだった。彼女がただ淡々としているようなのを見ておれは安心した。

 ――ふと、そんな花華がおれに声をかけた。

「探偵さん、あそこ……誰かいます……」

 片腕をゆっくりと上げたのがぼんやりとわかった。花華が指をさしたらしい方を、おれは目を細めて見つめた。
 その先には、気配だけがあった。おれは即座に構えた。
 そこにあるのが――あるいはいるのが、何なのかはわからなかった。
 しかし、前方から物音が立ったのが聞こえた。

「――」

 ……そう、誰かが闇の中で動いている。
 花華が先にそれに気が付いたのは意外だったが、人か獣か、とにかくその闇の中には何か見えない物が声を動いていた。
 こちらに気づいてさえいないのか、敵意も害意も感じる事はない。ただ、その存在が不透明すぎておれは警戒するしかなかった。
 可能性が高いのは、もう一人の“彼”であるか、あるいは、響良牙であるかという事であった。
 そして、そのいずれであっても、おれにとって敵であるのか否かが、即座にはわからなかった。

「――花華、おれの後ろへ」

 おれは、花華を誘導した。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


86280 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:46:45 ID:H/vzgqzw0



【響良牙/C-8 花畑】



 おれの予知した未来――そこで鋭い吊り目を輝かせるのは、まぎれもなくあのカイザーベリアルに違いなかった。
 その戦いへの覚悟はある。
 何度だって倒す。何度だってぶつかる。本当にその為だけに今日まで生きてきたというのなら、まだおれにも救いがあるような気がする。
 だが、おれの心に靄を残しているのは、ベリアルの事じゃなかった。

「――」

 そう――もう一人、どこか遠くで生き残っているはずの、つぼみの事だった。
 涼村暁も、左翔太郎も、涼邑零も、血祭ドウコクも、孤門一輝も、蒼乃美希も、佐倉杏子も、高町ヴィヴィオも……生き残っていたヤツは、他の全員がもういないらしい。
 おれが願いを叶えるという事は、つまり、間違いなく……つぼみももうすぐ死んでしまうという事だった。
 おれが置き去りになった後でも、きっと世の中は動き続けていたのだ。
 そんな中で、あいつらは、おれを残して勝手に先に逝って……おれを迷子のままここに残した……。
 外の時間がどういう風に動いていたか知らないが――あとはもう、あいつらの中では彼女にしか会えないという事だった。

「右京……ムース……それに、あかりちゃん……」

 生きているよな……?
 この何十年で、あのババアはくたばっただろうが、お前たちならおれを迎えてくれると信じている。

 そう……おれはベリアルとの決戦に向かう前の日、きみとデートする約束をしたんだったな、あかりちゃん……。
 残念ながら、おれはあの場所へ帰ってくる事ができなかった。
 だから、きみはもう別の人と結ばれて、おれを忘れて別の暮らしをしている事だろうと思う。――きみがどれだけ待ってくれていたかはわからないが、もし戻れたのなら、待たせた時間の分だけ謝りたい。
 きみが生きているのなら、おれは現れて謝ればいいのか、それとももう二度と会わない方がいいのか……それはおれにはわからない。
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86380 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:47:04 ID:H/vzgqzw0



「――――ッ!!」



 そんな事を考えた瞬間、強い頭痛がおれを襲った。
 予知能力が発現した時に頭に走る稲妻。――予知に慣れないおれには、その一瞬の痛みと情報は苦痛にさえ感じた。
 それは濁流のようにおれの頭の中を流れ込み、締め付けていく。
 無数の記憶。



(――なんだ!? どうして……こんな……)



 キュアブロッサム。花咲つぼみ。一撃。おれの眼前に拳。
 何か言っている。言葉。怒り。涙。
 空に影。深い闇。雷雨。
 花。
 白いカーテン。真っ白な光。ベッド。老婆。花。誰かの手。涙。
 言葉。優しい。冷たい。光。願いを告げる。水。光。



 ……おれは、この時になって、また未来を見た。
 おれが願いを告げるまでに起こる出来事たちが、パズルのピースを見せられるように、ほんの断片的に頭の中に注がれた。

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86480 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:47:24 ID:H/vzgqzw0



【『探偵』/オープニングの広間】



 朝倉リク、と呼ばれた男が目の前にいた。
 オレンジのシャツに、デニム生地のジャケットを着た、童顔の男性。おちゃらけた印象もなければ、真面目すぎるという事もなく、普通の小学生くらいの子供がそのまま体だけ大人になったような印象さえ受ける。
 おれたちは、オープニングの広間に灯りをつけて、そのリクという男を前にしていた。彼はその広間で灯りを探していたらしかった。
 当然ながら、そこに人を運んだり、スポットライトがつけられたりしていたのだから、ここには何らかの形で電気が通っているのが自然だ。彼もこの場所を探検していたというわけである。

『彼がそう、私が呼んだ少年』

 ……正直、もっと頼りがいのある奴を想像していたが、それは桜井花華同様に未熟な印象を覚えさせるタイプだった。
 随分と平均年齢が低いパーティだ。HARUNAがもし、おれより年下ならば、おれが一番最年長という事になる。子供は苦手だと何度も言っている通りだが、そんなおれが面倒見良く彼らに引率しなければならなくなるわけだ。適材適所とは程遠い。
 彼は、おれたちに向けて、恐縮そうに挨拶をした。
 ベリアルの息子などという肩書と共に差し出されたが、普通の人間の形をしている時点でその肩書も疑わしい。そもそもどう見ても日本人じゃないか。

「あの……こんにちは。朝倉リクです」
「ああ……あんたは――ベリアルの息子って本当なのか?」
「えっと、確かに僕は、ウルトラマンベリアルの息子だけど――僕のいた世界はこことは、違う歴史を歩んだみたいで……」

 彼は少しどもった。
 どういう奴なのかわからないが、薄く笑ったままどもっていて、人見知りのような感じを覚えさせた。おれと同じく、コミュ障などと呼ばれるカテゴリの、おれとは別のコミュ障なのかもしれない。
 ……いや、考えてみればおれが威圧的だから驚いたという線もあるか。初対面を相手に過大な態度でマウントを取ろうとしてしまうのはおれの悪い癖だ。
 自分の身長と痩せた顔が少しばかり初見に優しくないのをつい忘れてしまう。
 HARUNAが言った。

『――“彼”は、ベリアルの遺伝子情報を持つ人物として私が見つけ出したわ。彼がいたのは、変身ロワイアルの出来事そのものが認知されていない世界――もっと言えば、ベリアルが別の野望を果たし、別の形で散った世界から私の仲間が呼び寄せたのが、この朝倉リク』
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86580 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:47:40 ID:H/vzgqzw0

「……今回の事も僕にとって、関係ない事じゃないと思ったから。誰かが困ってるのも、誰かの存在が消えるのも――それを守れるのが僕たちだけなら、力にはなりたいし、こうして僕たちが動かなきゃ問題は解決しない」
「まあ確かに……こうしてきみが来てくれないとHARUNAもおれも困るだろうが、きみにリターンはないはずだ。バイト料も出ないだろう」
「それは……まあ確かにちょっと困るけど……。あ、でも、それを言ったら、あなただってバイト料は出ないし、無関係でしょう! あなたこそなんで来たんですか!」

 確かにそうだ。返す言葉もない。
 誰が一番関係ないかというと、事故同然でここに来たおれだ。

「――おれも来たくて来たわけじゃないが、それは確かに……一理あると云えるな。理由はそれぞれだ。……悪かった、まあ、きみの言わんとしている事はわかった」

 考えてみれば、いわゆる「頼まれると断れない性格」というのはいくらでもいるし、それが自分にとってリスキーでも引き受けてしまうヤツはそこら中にいる。それを踏まえると、ごく普通の少年にしか見えない彼の方が、頼まれた事情を断らないリスクについて経験が浅く、こうしてここに来るのもわからなくはなかった。
 そうでなくても、HARUNAの勧誘は拒否権がない。退路を断って無理やり協力させる事だって珍しくは無かろう。
 自分にしかできない状況に使命感を覚えるというのもわからなくはない話だ。探偵が誰にでも務まる仕事だったのなら、おれはとっくに飽きていたかもしれない。

 協力できるかはともかく、まあ普通のヤツなのは見ての通りのようだ。
 これが演技だとするのなら相当凄いとしか言えない。

「……で、事情はおおよそ一割ほどわかったが、いずれにしろこうして揃ったからには、作戦を立てて良牙の殲滅をしろという話になるわけだが――これからどうするか考えてあるはずだろう」

 おれは、仲間が全員揃ったところでHARUNAに訊いてみた。
 主催者の息子である朝倉リクに、生還者の子孫である桜井花華、特異点の魔法少女HARUNAに、それから全く関係のないおれ。
 こちらには一応の戦力が二名いるとして、響良牙に勝てる見込みの話というのが不明だ。
 何しろ仲間の力も敵の力もさっぱりわかっていないし、あまりの事前研究不足の中で行き当たりばったりに世界の命運を託されている形になっている。
 このまま「作戦なんてないわよ」「力づくでいくわ」などと、むちゃくちゃな事を言われて外に駆り出されたらどうしようかという不安がおれの胸に湧いた。



『作戦なんてないわよ――こちらの戦力は十分と言っていい。……力づくでいくわ』


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86680 YEARS AFTER(5) ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:48:18 ID:H/vzgqzw0



【HARUNA/――これより少し前――】



 ……遂に時は来た。

 八十年の隔絶によって、変わっていった時の流れ。
 あるべき世界オリジナルと、派生した世界セカンド。世界は二つに分かれていた。
 二つの世界は決して交わらず、それぞれ同じ人々から始まり、分岐し、どちらも平穏を大きく崩される事もなく動いていた。

 高町ヴィヴィオが先んじて永眠し、花咲つぼみの命も僅かとなったいま、残る参加者は二人だけ――世界はそんな、誰も知らない危機に瀕しているのだ。
 優勝者の願いによっては、今までバランスの取れていた世界は、いかようにも形を変えてしまう。
 ……勿論、八十年の中で多くの別の出会いを経て子孫を育んできた花咲つぼみが願いを叶えたのなら、彼女は世界の消失など望まない。
 だが、もしその八十年を孤独に過ごした響良牙ならば、かつてそれを口にしたように、世界を消し去る願いを込めるだろう。
 ほんのわずかな時間よりも、その前の長い日常や、その後の長い虚無の方が、彼への影響は大きかったに違いないのだから……。

 そんな危機を知っていた私のソウルジェムは既に、数多の戦いによって、あと僅かで救済というところまで来ていた。
 それまでに彼女には、私の力で――多元世界移動と多元世界誘導を能力とする私の魔法で、響良牙の願いを食い止めてもらわないとならない。

 ……たとえどれだけ憎まれたとしても、最悪の事態の前に、私は桜井花華を救ってみせる。

 もし、このままセカンドがリセットし、元のあるべき世界が――それぞれ孤立した世界が求められていたのなら、セカンドにあったその先の歴史すべては根絶されてしまう事になる。
 私は、すべてが手遅れになる前にその脅威からセカンドを救わなければならない。




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867 ◆gry038wOvE :2018/03/09(金) 18:50:53 ID:H/vzgqzw0
投下終了です。
まったく予定になかったのですが、明日から「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」が公開するとの事で、宣伝のために登場させてみました。
元々いないはずの登場人物なので、他と比べるとあんまり話に絡まないかもしれませんがまあ、見られる方はぜひジードの映画もよろしくどうぞ。


868名無しさん :2018/03/09(金) 21:41:16 ID:Bm4fu2iM0
投下乙です!
まさかここで彼が登場するとは……でも確かにべリアルにとってはなくてはならない人物ですからね!
そして良牙との決着が迫るこの物語はどんなエンドマークを迎えるのか……?


869名無しさん :2018/03/22(木) 17:38:20 ID:FE2/s2to0
したらばの死者スレが4年ぶりに動いてたんだな
誰だか分からんが、こちらも投下乙!


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10 アニメキャラバトル・ロワイアル 2017 (Res:48)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 10
1 ◆ATykWUQR3E :2018/01/02(火) 21:29:04 ID:K53BxQpk0
 ここは2017年に公開されたアニメのキャラクターたちによるバトルロワイアルのリレーSS企画スレッドです。
 この企画は性質上、キャラクターの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
 苦手な人は注意してください。

【企画スレ】ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1513370169/l30
【地図】ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1423885.jpg.html

29少年少女と兎 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/14(日) 23:57:01 ID:XIyDundY0





「ハァーハッハッハ。のこのこやって来やがったな変態! 貴様の命運もここまでだ! コイツで息の根を止めてやる!」

ベアトリスの読み通りにもどってきた憂城にレイドは高らかに、高いところから告げる。彼は空に浮いてるのだ。身につけた奇妙な形の鎧の力で。
ガジェットアーマー。レイドに支給されたそのアイテムは実はかつてレイド自身が作った物だった。
飛行能力と魔力を放出する遠距離攻撃を併せ持つこれならば、地上にいる相手を一方的に攻撃し続けられる。

胸の部分についた赤い石に魔力を充填、それが光線となって放たれた。
憂城は斜め上に飛んで避け建物の壁面に着地。そのまま壁を駆け上がる。再度放たれた光線をかわしながら今度は反対側の建物へ。
三角飛びと壁面走りを組み合わせて上へ上へと超人的な動きで登っていく。

(だがアマイな)

十分な高さに達したと判断した憂城が飛びかかってきたところでレイドはさらに高度を上げた。
ガジェットアーマーはただ空にぷかぷかと浮けるだけではない。
急上昇に急降下、さらには急ブレーキまで可能な機動性、安全性とも最高クラスの飛行アイテムだ。
地上の兎がいくら跳ねたところで届くはずもない。
しかもいま相手は自由落下の最中。身動きできない空中でガジェットアーマーの攻撃を避けるすべはない。
これで積みだ。

レイドは赤い石を憂城に向ける――その眼前に銀色に光る刃が迫っていた。

「うおっ!?」

すんでのところで高度を下げる。憂城の投げた剣はレイドの真上ギリギリを掠めていった。
危ないところだった。あと一瞬でも反応が遅れていたら顔が真っ二つになっていただろう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


30少年少女と兎 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/14(日) 23:59:07 ID:XIyDundY0





彼女の脚力で憂城から逃げられるはずは到底ない。ではなぜ助かったかといえばそれは憂城がベアトリスを追わなかったからだ。
そもそも彼は最初からレイドにしか興味がなかったのだ。
最初に声をかけたのもその後の戦いも全て秘めた力を感じさせるレイドが目当てだった。
ベアトリスもずぶのド素人ではないし一度は憂城にスタングレネードを喰らわせたが、逆にいえばそれでもなお殺害にまで至れない程度の存在ということ。

いつどこでどんな敵と出くわすか分からない現状、そんな相手をわざわざ追いかけて殺すよりも別のことに時間を使うべきだと憂城は判断したのだ。
まさか彼女が偶然にも憂城の支給品、Cボールの能力に正通していて、それが周りに漏れるかもしれないとは考えもしなかった。
これは彼の落ち度というより運命のめぐり合わせというほかないだろう。
憂城にしてみればCボールは完全に未知の技術。ベアトリスはおろか全参加者を合わせても知っている存在がいるか怪しい代物だったのだ。

それに結局のところそんなことは大した問題ではないのかもしれない。
なぜならベアトリスは対憂城戦において最も注意すべき彼自身の能力、殺した相手とお友達になるネクロマンチスト(死体作り)の力を知らずに逃げたのだから。

憂城はレイドの死体を下ろす。魂の抜けたただの動く死体となったレイドが身体を起こした。憂城は屈んでレイドの目の前に参加者名簿を広げた。

「僕ねー、一緒に戦ってくれるお友達を探してるんだー。だからこの中に知ってる人がいるなら教えて」

憂城の『お友達』は基本的に喋らないがそれは喋る必要がないだけで喋れないわけではない。
質問されれば生前の記憶で答えることもできる。
もっとも複雑な思考ができないので必要な情報を引き出したいなら細かく何度も質問しなければならず時間はかかるが。
倒したいと思った宿敵のことも、守りたいと思った女の子のことも、一緒にいてくれた男のことも、『お友達』は訊かれるままに躊躇いもなく答えていった。




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31 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/15(月) 00:04:30 ID:ZCvsTpWU0
投下終了です

それとすいません。地図をダウンロードし忘れてしまったため正確なエリアが書けません
それと本文の後に
【参加者名@作品名】死亡
残り○○名
の文を入れ忘れました。もうしわけありませんでした


32 ◆2lsK9hNTNE :2018/01/15(月) 00:09:26 ID:ZCvsTpWU0
【レイド@魔法陣グルグル】死亡
残り41名
だ。なにやってるんだ自分


33名無しさん :2018/01/19(金) 21:02:27 ID:7di1ND5M0
投下乙です。
最初の犠牲者はレイドとなりましたか。善戦虚しく、南無。
ベアトリスも形の割に中々クールな立ち回りで、今後に期待ですね。

あと地図ですが、どうにもすぐ見れなくなってしまうようで、申し訳ない。
サイトを変えてみたので、お手数ですがご確認をお願いいたします。配置図も更新しました。

地図
ttps://www.fastpic.jp/viewer.php?file=6388674457.jpg
配置図
ttps://www.fastpic.jp/viewer.php?file=4192382381.jpg


34名無しさん :2018/01/20(土) 22:00:40 ID:.kVxRetA0
おつ


35 ◆EPyDv9DKJs :2018/01/29(月) 13:30:34 ID:Q1Udsr9Q0
アンジェ 師匠で予約します


36 ◆FY./pCA9FM :2018/01/30(火) 18:54:19 ID:WYeyYuOY0
ジャック・ザ・リッパー、キノ 予約します


37 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:18:15 ID:gavtVJKU0
投下します


38 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:19:56 ID:gavtVJKU0
 D-4、この舞台の中央とも言うべき場所に位置する病院。
 聖杯大戦の舞台であったトゥファリス市街区の中に存在しており、
 都会のビルの中に違和感なく残る外見は、この場では少々浮いた建物になる。

 ある意味では、ここがスタート地点の参加者は恵まれているのだろう。
 今後のための包帯と言った応急処置、場合によっては武器、食料と多岐にわたる物資の調達。
 数多くの部屋があるので身を隠したり、逃走経路も数多く存在すると言ってもいい広さ。
 加えて、自身が受けた怪我の手当てや、それを狙って来る参加者と、中々人が集まりやすい。
 殺し合いをするしないどちらにおいても、此処がスタート地点は一つのアドバンテージになる。



『殺し合いの中で・b』



(随分厄介な状況ですね。)

 無人の病院の廊下を音を極力減らしながら歩く、一人の女性がいた。
 黒い長髪を持ち、身軽さを残しつつも整った格好をしており、
 落ち着いた雰囲気を持つ妙齢の彼女は、名簿には『師匠』と明記された女性である。
 ある国で警察を相手に篭城してる最中、目が覚めればあのホール、説明が終わればこの病院に招かれた。
 技術も、経緯も、全てが一切不明のまま自分は拉致され、首輪による生殺与奪の権利までも握られた状況。
 警察を相手するよりもずっと厄介な状況に彼女は巻き込まれていたが、さほど焦ったりはしなかった。
 元々波乱万丈な人生をしてたので、こういった危機的状況も十や二十どころの数ではない。
 これもそんな危機的状況の一つと思えば、普段通りの気構えでいけばいいだけのことだ。

(参加者は四十二名。一人で相手するのは難しい人数でしょう。)

 名簿に目を通した後、師匠は悩む。
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39 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:21:28 ID:gavtVJKU0
 彼女が狙ってみたのは、病室の鍵穴。
 弾丸は見事にヒットし、鍵穴は原形を留めていない。
 小さい的を狙えるのは師匠だからこそではあるものの、あくまで撃てればの話だ。
 説明書にあったとおり、銃を構えた状態でフレームを後退させ、コッキングを行う。 
 この銃、コッキングの際に片手を使ってフレーム全体を後退させる必要がある。
 一般的な回転式拳銃のコッキングはハンマーさえ引けばそれで澄むのだが、
 その特性上、必ず両手を使わなければコッキングが出来ないと言う問題を抱えていた。
 当然、多数のパースエイダーの経験のある師匠にとっても、これは性能が高いとはいえない。
 現在は晴れで、石造りの街並みとも言うべきトゥファリスにおいては影響は恐らくないが、
 環境にも影響されやすいと、後に進化していく銃としては、使い勝手のいいものではない。
 とは言うが、今はこれと予備の弾薬だけが武器であり、贅沢はいえなかった。

(さて、これから―――)

 病院でも散策しようかと思ったそのとき。
 その狙った鍵穴の病室から、窓が勢いよく開ける音が聞こえる。
 近く、もとい院内に参加者がいないとは彼女も思ってはない。
 寧ろ今の銃声は人をひきつける目的もあったのだが、
 まさか音を立てて存在を示すとは、予想はしていなかった。
 普通、銃声を聞けば警戒して音を立てないのが定石だからだ。
 わざと立てるのであれば、相手が頭が回らない例外を除けば、罠になる。

 一先ず、スライド式のドアを開けて部屋の様子を伺う。
 罠がありえる現状は、下手に突入はせず、軽く部屋を覗く。
 六人程人が寝かせられるベッドが並ぶ、無人の病室。
 此方には死角となる幾つかの機材や遮蔽物が存在しており、
 音の通りに窓は開いて、吹き込んだ風がカーテンを靡かせる。
 人の姿は見えないが、人がいたとされる形跡は残っていた。

「地図と・・・・・・あれは名簿でしょうか。それに―――帽子。」
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40 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:22:25 ID:gavtVJKU0
 申し訳程度の変装みたいなつもりとして師匠はそれを被っておいた。





 参加者と出会うことがないまま、師匠は病院内を物色していく。
 一通りは揃った病院だけあって、食料や医療器具、包帯と言ったものはある。
 とは言え、支給品と言う限られたものを使うというシステムのせいかは不明だが、
 目に付く所においての食料については、さほど品揃えがいいとはいえなかった。
 水分補給としてペットボトルのお茶を飲みつつ、二階を歩く。
 イマイチ殺し合いをしているという風には見えない光景だが、
 いつでも撃てるように、常に銃を手に握っていところは、
 これが殺し合いなのだと認識させるには十分だろう。

(?)

 二階を歩いていると、院内に響くエンジン音。
 音だけで何の音かは判断つかないが、次に起きたことを見た瞬間理解できた。
 病院の玄関から、一台の乗り物に搭乗し、走る人の姿を見かける。
 先の音も合わせ、院内で助走をつけていたことが十分に伺える速度だ。
 非常に目立つことをしているので最初は主催者関係の者かと思うが、
 首には生殺与奪の権利の象徴とも言う首輪がある以上、参加者だ。

(モトラドがあったのであれば、戦うべきだったでしょうか。)

 病院を散策していくうちに、分かったことがあった。
 この病院の周辺、まともな遮蔽物が余り少なく、かなり狙撃されやすい。
 あの咄嗟の判断で逃げると言う判断をした相手が、それに気づかないはずがなく、
 院内に残って邂逅を望んだが、まさか相手にモトラドがあるとは思っていなかった。
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41 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:23:10 ID:gavtVJKU0
 彼女の行動は迅速だった。
 周囲に人がいないことを確認して、一つの病室へ鍵をかけて入る。
 明らかに一般人とは思えないが、当然ながら彼女は一般人ではない。
 彼女―――アンジェはスパイだ。それも、スパイ養成所では成績はトップの。
 アルビオン共和国の情報組織『コントロール』に属したスパイのエースなのだから、
 これぐらいの動きはできたとして、彼女の素性を知る者には驚かれることはない。

 複数のベッドが並ぶ、複数人を管理する病室。
 カーテンは閉じられており、外からは人の姿は確認しづらいのは、彼女にとって好都合だ。
 調べる以上、時間をかけるのだから出来るだけ無防備な姿は晒したくなかった。
 最初に目を通すのは地図。場所が、と言うより自分が何処に拉致されたかと言う意味で。

(どういうこと?)

 地図を広げて、アンジェは疑問に思った。
 彼女が通う、ロンドンの王国領域にある名門校、
 『クイーンズ・メイフェア校』がなぜか此処に存在するのだから当然だ。
 無論、ロンドンがこんな地図の首都ではないし、アラハビカなどの地域に至っては聞いたこともない。
 病院の周辺はルーマニアに類似した場所ではあるが、名前はトゥファリス。此方も聞いたことがなく。
 老人が参加者をからかうための悪戯とも思えたが、病院を移動する際に一瞥した窓には火山が見えた。
 地図上にも、病院の向かいに火山が存在していたことから、これが嘘とも思えない。
 それらを用意する手段などは抜きに、一先ずこの地図は本物だと仮定しておく。
 移動する場合に地図と照らし合わせて、本物かどうか見極めておけばいい。

(こっちは予想通りだけど・・・・・・全員いるようね。)

 次に目を通したのは名簿。
 自分だけがこの殺し合い来るとは思ってはいなかった。
 組織には『プリンシパル』、学校では『博物倶楽部』、
 そしてプリンセスの命名は『白鳩』と呼ばれたメンバーがいることぐらい。
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42 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:27:23 ID:gavtVJKU0
 アンジェは自分だけであれば、優勝も視野に入れてはいた。
 (情報漏洩を防ぐため、あの老人も殺害対象に含めているものだが。)
 けれども、彼女の仲間がいる以上は乗るわけにはいかない。
 自分達に誰一人気づかせることなく拉致して殺し合いに招いたのと、
 もし地図が本当にその通りであったのならば、願望を叶える力はあるのだろう。
 しかし、信用に値する理由はあれども、相手がその約束を守るとも思えない。
 確かに願いはある。彼女を、プリンセスを王女にしたいと言う願いを。
 だが、それをこの屍の山で築いたもので叶えたいものではない。
 手を汚すのを忌避するわけではない。スパイの仕事をしてる以上今更な話だ。
 彼女が殺し合いに乗らないのは、それがプリンセスの行動を否定するからだ。
 あの革命の時に入れ替わってから、彼女は自分が別人だと気づかれないように
 あらゆる方面において、プリンセスと偽る為に血の滲む程の努力をしてきて今に至る。
 元々スリだった彼女が、貴族として振舞えるように、誰の手も借りれず一人で戦い続けてきた。
 誰よりも彼女を想うアンジェが、努力を全て否定するような願いを叶えはしない。

 名簿のついでにルールブックも軽く目を通していたが、
 目を通しているが、ホールで言われた内容とほぼ同様だ。
 真新しい情報は注視すればいいかもしれないが、

「!」

 今しがた、銃声が聞こえた。しかも、この扉に向けられて。
 鍵の部分が見事にひしゃげており、鍵としての機能は失われている。
 何を意味するかなど、分かりきっていたことだ。『狙われている』と。
 素手での戦闘は養成所で相応の腕は持っているが、限度はある。
 相手が武器を持ってる状況で、素手で戦うと言う選択肢は最初からない。
 アンジェは聞かれても構わないともいいたげに、窓を開ける。
 相手に気づかれている以上、今更音を隠す理由はなく。
 途中で帽子を落とすが、他と同様に回収している暇はなかった。

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43 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:28:42 ID:gavtVJKU0
 病室の窓から出た外で、アンジェはそのバイクと類似した存在、
 モトラドと言う喋る二輪の乗り物『エルメス』を病院の壁に立てかけ、
 自身は病室の中にいるまま、情報の共有をしていた。

 最初、あの出会いの後アンジュはすぐにエルメスをしまった。
 見なかったことにしようとか、そういうわけではない。
 単純にこれを出すならば、外の方が適切だと判断しただけだ。
 外へ出て引っ張り出せば、明らかにデイバックに入りきらないであろう、
 十分な大きさと重量の乗り物だったのは、流石にアンジェも表情には出ないが関心を抱く。
 質量も、何もかも無視した仕組みは奇妙とは思うが、彼女の使うCボールも似たようなものだ。
 似たようなものなのかもしれないと言うことで、エルメスが喋れる疑問と共に保留にしておく。
 今必要なのは、エルメスの持っている情報である。

 エルメスは何故此処にいるのか分かっておらず、
 アンジェが説明すると『僕も大変な目にあってるんだ』と、
 随分と楽観視しているかのようにも感じられるが、真意は不明だ。
 エルメスもまた、彼女と似た経緯で拉致されたようであり、
 主催者に関する情報となりうるものは特になかった。

 説明を終えると、アンジェはキノについて尋ねた。
 先の言及から、参加者のキノとつながりがあるのは明白だ。
 キノ以外にも参加者の情報が得られたが、もう一つ重要な情報もある。
 この殺し合い、参加者に縁のある支給品を用意している可能性が高いこと。
 となれば、彼女が愛用する銃や、Cボールもあるのではないか。
 可能ならば確保はしたいが、何れも殺し合いにおいては有力な武器になりうるもの。
 確実に参加者との交渉が必要不可欠であり、色々難しくもある。
 (自分達にとって害ある存在が所持してれば、交渉もせず殺して奪い取るが。)
 情報と移動手段、此処に武器があれば満足ではあったが、残念ながら武器はなかった。
 モトラドの予備燃料のお陰で、探索の移動には困らないかもしれないが。

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44 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:30:05 ID:gavtVJKU0
「止めようがないからね。僕は喋れるだけで、
 君が僕を壊そうとしたら、抵抗は喋ることしかできないし。
 確かにキノは、長いこと付き合ってるパートナーなのは事実だけどね。」

「随分と薄情ね。」

 彼女もまた、情に流されず任務を遂行する。
 人のことは言えない仕事をしているのだが、
 エルメスにはそのことは伝えてはいないので、
 特にそれを言及されることはない。

「モトラドと人間の持つ価値観が同じとは限らない。
 君だって、誰しも同じ価値観を持っているって思わないでしょ?」

「そうね。」

 真意かどうかは全く分からない。
 表情の類がなく、声も普段通りの声とも言うべきで、
 エルメスがキノに何を抱いているのかを伺うことはできない。

「と言っても、一つだけ条件と言うか忠告。
 見ての通り、僕は運転手がいないと動けないんだ。
 だから、アンジェが危険を冒すなら忠告はするよ。
 それに納得できないなら、僕を使うのは余り勧められないよ。」

 走るのが、モトラドにおける『生きる』と言うこと。
 即ち、運転手がいなくなった瞬間、エルメスは死ぬと同義だ。
 もしもアンジェが死んで、殺した相手が移動手段を必要とせず放置したのなら。
 エルメスは自力で動けず、命を絶つことも叶わず、運転手を待ち続けなければならない。
 死よりも惨いということは、人であるアンジェにも理解できることだ。
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45 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:34:49 ID:gavtVJKU0
【1日目/昼/D-4 病院周辺】
【アンジェ@プリンセス・プリンシパル】
【状態】健康、エルメス運転中(結構なスピード)、ゴーグル(エルメス付属)、任務の際の格好
【所持品】基本支給品(名簿、地図はない)、エルメス@キノの旅、モトラドの燃料のタンクと給油用ポンプ×1@キノの旅、ランダム支給品0~1(ある場合確認済み、武器ではない)
【思考】
1:仲間と合流し、この殺し合いの打破
2:ある程度、殺し合いに乗ってる風を装う(スタンスは簡潔に言えばステルス)
3:聖杯、十二大戦、コロシアムを知る参加者に警戒
4:エルメスの言う人物を探す
5:クイーンズ・メイフェア校へ向かう
6:武器の確保(Cボールなど使い慣れたものを優先したい)
【備考】
※参戦時期は少なくともcace7、メンバーが揃った後
 (具体的なのは後続にお任せしますが、任務中の格好の時期)
※この殺し合いにノルマンディー公が関わってる可能性も視野に入れてます
 (可能性は無に等しいとは思うも、いた時のことを考えてる程度)
※エルメスから、一部参加者の情報を大まかに把握しました
 (エルメスの参戦時期次第で変動。キノと師匠(但し老人)は確定)
※現在病院から南東へ南下しています
※エルメスの運転に不慣れですが、彼女の才能なら時間はかからないでしょう
※地図、名簿は頭に入ってます。ルールブックは細かい所は読めていません

『エルメス@キノの旅』
『状態』無傷、燃料100%、黒蜥蜴星に興味
『思考』
1:アンジェと共に行動する
2:キノと会った時、どっちが運転するんだろう?
3:黒蜥蜴星? 聞いたことないから楽しみだ
『備考』
※エルメスの参戦時期は後続の方にお任せします
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


46 ◆EPyDv9DKJs :2018/02/02(金) 11:35:46 ID:gavtVJKU0
以上で『殺し合いの中でb・a』投下終了です
エルメスの状態表は他と紛らわしくないように『』にしてます

所謂意志持ち支給品なので、問題ありましたらお願いします


47 ◆2lsK9hNTNE :2018/02/02(金) 22:49:32 ID:glFvZs3E0
投下乙です
師匠とアンジェ、お互い顔は合わせていないのに相手を警戒して動くのが緊張感があって凄く面白かったです
結果だけ見ればどちらも警戒し過ぎた感がありますがあくまで結果論。どちらにも冷静さや頭の良さが感じられました
アンジェは同じような思考をしているときでもベアトリスに比べてスタイリッシュな雰囲気で格好いい

エルメスは自律行動できるわけではないし、支給しても問題ないと私は思います
一人と1台の会話もらしくて好きです。とくに黒蜥蜴星のところが


48名無しさん :2018/02/14(水) 21:54:27 ID:azjr4b9.0
投下おつです

>> 少年少女と兎

自分のなかでは変な魔法使うギャグキャラなイメージが強かったレイドがまさかの善戦に驚き
憂城の狂人でありながら戦闘を周到にこなすところなど、らしさがよく出ていたと思います
ネクロマンサー能力を知ることなくベアトリスが離れてしまったので、まだまだお友達作りは続きそう

>>殺し合いの中でb・a

登場話から筆談で主催を欺こうとするとはさすがスパイですね
ステルス対主催の立ち回りに期待です
師匠も冷静に淡々と戦略を構築していて、タダモノではない印象を受けました
積極的には動かない方針みたいですが、はやく戦闘してるところを見てみたい


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11 アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4 (Res:128)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 11
1名無しさん :2017/03/05(日) 07:40:57 ID:ngLuRqqY0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17204/

避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17220/

地図
ttp://imgur.com/wm3q2BI

チャット
ttp://anirowa4.chatx2.whocares.jp/

【参加者名簿】

0/7【Fate/Zero】
×衛宮切嗣/×セイバー/×言峰綺礼/×ランサー/×雨生龍之介/×キャスター/ ×間桐雁夜
2/7【銀魂】
×坂田銀時/×志村新八/×神楽/×土方十四郎/○桂小太郎/×長谷川泰三/ ○神威
3/6【ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
○空条承太郎/×花京院典明/×ジャン=ピエール・ポルナレフ/×ホル・ホース/ ○ヴァニラ・アイス/○DIO
2/6 【神撃のバハムート GENESIS】
×ファバロ・レオーネ/×カイザル・リドファルド/×リタ/×ジャンヌ・ダルク/○アザゼル/○ラヴァレイ
1/5 【ご注文はうさぎですか?】
×保登心愛/×香風智乃/○天々座理世/×宇治松千夜/×桐間紗路
2/5【デュラララ!!】
○セルティ・ストゥルルソン/×園原杏里/×折原臨也/○平和島静雄/×ヴァローナ
1/5【ラブライブ!】
×高坂穂乃果/×南ことり/×矢澤にこ/ ○絢瀬絵里/×東條希
1/5 【結城友奈は勇者である】
×結城友奈/×東郷美森/×犬吠埼風/×犬吠埼樹/ ○三好夏凜
2/5【キルラキル】
○纏流子/○鬼龍院皐月/×満艦飾マコ/×蟇郡苛/×針目縫
0/4【グラップラー刃牙】
×範馬刃牙/×ジャック・ハンマー/×範馬勇次郎/×本部以蔵
2/4【selector infected WIXOSS】
○小湊るう子/×紅林遊月/×蒼井晶/○浦添伊緒奈
0/3【咲-Saki- 全国編】
×宮永咲/×神代小蒔/×池田華菜
1/3 【魔法少女リリカルなのはViVid】
×高町ヴィヴィオ/×アインハルト・ストラトス/○コロナ・ティミル
2/3 【のんのんびより】
○宮内れんげ/○一条蛍/ ×越谷小鞠
1/2 【グリザイアの果実シリーズ】
○風見雄二/×入巣蒔菜
20/70

109 ◆D9ykZl2/rg :2017/09/29(金) 19:46:49 ID:2eumFbQg0
遅れましたがこちらにも。昨夜したらばの方で仮投下をしてきました


110 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:22:55 ID:wNw./RFs0
本投下します。


111 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:24:46 ID:wNw./RFs0
 
足取りは、思っていたより重くなかった。
人間、もうどうにでもなれと一度思ってしまえば、とことん楽になれるらしい。
重荷も責任も、全て投げ捨てて歩んでいるのだから、当然といえば当然か。
そんな無意味な自嘲が頭に浮かび、そしてその度に理世は乾いた溜息で己の中の澱を吐き出していた。
一つ一つ、身体の内側にあったものを廃棄していくように。

「……はは」

その内、理世の顔には段々と笑いが込み上げてくる。
嗄れた笑い声が、森の騒めきに掻き消されて隠されていく様は、彼女にとっては何処か痛快にすら感じられていた。
まるでそれは、自分が消えていくようだったから。
最早どうしようもない人間となってしまった自分など、消えてしまってもいいのかもしれない。
それでもそうしないのは、やはりただ申し訳が立たないからだった。
彼女を守ってくれた空条承太郎、そして銃の撃ち方、心構え、ここまで生きてくるためにしがみついていた縁をくれた風見雄二。
せめて彼等に謝って、そして、その後は──どうしようかな、と、楽観的にすら思える予想を始める。
ああ、こんなことを考えてしまう自分は、なんて酷いヤツなんだろう。
そんな退廃的な自虐の笑みを浮かべながら、理世はただ歩き続けていた。


退廃的な行軍は、彼女が広場を見つけたことで停止した。
精神の摩耗とは別に、肉体も着実な疲労を溜め込んでいたことを、そこでようやく彼女は思い出した。
このままあてのない歩みを続け、その結果倒れるというのは、格好がつかない──というより、無様に過ぎる。
とりあえず一度、腰を下ろして水分でも摂ろうと、茂みを掻き分け広場に出た。

「誰だ」

──と。
そこで、唐突に声が聞こえた。
ビクリ、と肩を震わせるが、声そのものに対する聞き覚えがあった為にすぐに恐怖は無くなった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


112Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:27:51 ID:wNw./RFs0
 
「……何があった」

やがて、僅かな静寂の後、承太郎はそんな簡潔な言葉を投げてきた。
どこから話すか迷ったものの、結局は気付いたら別れてからここに至るまでの過程を全て打ち明けていた。
追いかけてきた遊月との対峙。平和島静雄と一条蛍。肉の芽で操られている可能性のある二人。向けた銃口。飛び出してきた彼女──。

「──なるほど」

すべて語り終えた時には、少なくとも先よりは幾分か重圧は和らいでいた。
尤も、それでも此処に来る前までの理世なら恐怖で動けなくなっていただろうが。
ともあれ、幾分かは和らいだ雰囲気に、理世も下げていた頭を漸く上げる。
見上げてみれば、承太郎は、神妙な顔をして佇んでいた。

「一条や平和島についても気になることはあるが──」

そう言いながら、承太郎は背後を振り替える。
彼の視線の先へと理世も目を向けようとして、それが遮られる。
そこに突如として現れたのは、何度か見てきた彼のスタンド、スタープラチナ。
なぜ突然それを出現させたのか、理世が問おうとした次の瞬間──


「オラァ!」

──めきり、と音を立てて、『承太郎と理世の方向へ飛来した樹』が、拳に弾かれ飛んでいった。
空を舞い、その後轟音と共にそれが着地して、理世は始めてその現実を正しく認識する。
あれだけの質量がもし直撃していたら、即死とはいかないまでも甚大なダメージを受けることは疑いようもない。まして、これを投げてきた、悪意があるとしか思えない相手を、その状態で相手取るなど不可能に等しい。
そして、そもそもこんな芸当ができるような人間で、こちらに殺意を向けている存在といえば──

「──オイオイオイ、気付いてんじゃねーか。それで無視してるたぁ随分とデカい態度でいるもんだなぁ?」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


113Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:29:47 ID:wNw./RFs0
 
大砲にも似た轟音が響く。
拳と拳の衝突が生み出した衝撃が、木々を、大地を、理世の臓腑を震わせる。
数分にすら感じられる一瞬がすぎ、ギチリ、と、肉の擦れる音が続いて──その直後、承太郎が僅かに後退する。
セイバーとの戦いで流した血の多さは、流子程の実力を持つ相手ではやはり誤魔化しきれない。寧ろ、そこまでの傷を負っていながら応戦できる程のスタープラチナと承太郎の精神力の強さが窺い知れる。
だが、この場に於いて試されるのは一時の強さであることには変わりはない。

「ハッ、想像以上に酷えみてえだな!大丈夫かよオイ!」

押すべきタイミングを見逃す流子ではなく、即座に取り出した縛斬の刃で畳み掛けんとする。
辛うじて踏みとどまり、斬撃を受け流すスタープラチナ。しかし、純潔の圧倒的な膂力が齎す熾烈な連撃を受ければ受ける分だけ、スタンドも承太郎自身も余裕は無くなっていく。
弾き、弾き、受け流し──その直後に飛来した大鎌のような左足の一撃で、流石に後退を余儀なくされる。
その勢いを逆に利用し、幾らか距離を置こうとするも、それすら純潔は認めない。
獣が喰らい付くかのような踏み込みの後に、承太郎のウィークポイント、左半身へと一気に攻勢を仕掛ける。
必然、そのカバーに回らざるを得ない承太郎だが、それは同時により大きな隙を作るという意味だ。
より鋭く、より強かに、より荒々しく。加速度的に激しさを増す猛攻に、如何に承太郎といえども反撃の隙を見出す事が出来ずにいた。
その間にも、流子の手が休まる事はなく──遂に、承太郎のガードが甘くなったその瞬間を流子が射止めた。
辛うじて受身を取り着地した承太郎だが、その隙はあまりにも大きく。
再び瞬時に間合いを詰めた流子が、止めとばかりに縛斬を閃かせる。
だが、承太郎の次の行動を見て、流子も流石にその動きを止めた。
スタープラチナが持ち上げ、構えたそれは──先程流子が投げつけ、承太郎が殴り飛ばした一本の樹。
真下から抉るように放たれたフルスイングが、辛うじてガードを間に合わせた流子の体を強かに打ち据える。
角度がついた放物線を描いて吹き飛ぶも、流子も為されるがままとはいく筈もない。
冷静に純潔を飛行形態に変え、追撃に留意して距離をとりつつ着地した。

「認めたくはねえが、どうやらそうみてーだな」

それに対し、承太郎は深追いすることもなく、戦闘中に流子が吐き捨てた台詞に律儀にも言葉を返す。
その内容は、現状を的確に認識した上での判断だった。
──空条承太郎はクレバーな男だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


114Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:31:24 ID:wNw./RFs0
■  



「──じょ、承太郎さん!」
「なんだ、天々座」

森の中、木々を蹴って飛び続ける承太郎に対し、いきなり連れ去られたに等しい理世は只管に混乱していた。
そのまま吹き飛んでいく景色に気を取られそうになるが、辛うじて理性を取り戻した彼女は承太郎に呼びかける。

「逃げる、って、アイツはまだ──!」

そう、承太郎は流子を完全に、何ら制約をすることもダメージを与えることもなく放置したまま離脱したのだ。
これまで見てきた彼のスタンスとはあまりにかけ離れた行動。流子をそのまま放置すれば、被害が出続ける事は予想出来る。
それに、彼女は智乃の仇でもある。願わくば相応の報いを受けさせたい、という気持ちも全くなくなった訳ではない。

「安心しな」

しかし、そんな理世の言葉を奪うように、承太郎が呟く。
その言葉に込められたのは、確かな力強さ。
聞くものすらも立ち上がらせるような勇気を底に秘めた、ジョースター家の男の言葉。

「ヤツを放っておく気はさらさら無え。キッチリと、俺とスタープラチナでブチのめさせてもらうぜ」

──ジョセフ・ジョースターに曰く、戦闘から逃げたことはあっても、戦闘そのものを放棄したことは一度も無い。
それと同じく、承太郎もまた、纏流子との戦いそのものを放棄してなどいない。
彼の胸に宿った正義の光は、彼女を見逃すなどということを許すつもりはさらさらないのだ。

「じゃあ、何で……」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


115Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:34:01 ID:wNw./RFs0
 






──と、そこで。

「──ところが、そういうワケにもいかないんだよなあ?」

響く筈のない声が、『前方から』聞こえた。
な、と両者が呆気に取られると同時に、正面から伸びるのは二本の白い槍。
神衣純潔の肩部が変形したそれを前に、一瞬二人の思考は完全に停止した。

「──オラァ!」

それでも、承太郎は無理矢理意識を引き戻してスタンドの拳を振るう。
迫ってきた二本のそれを理世を抱えていない方の手で弾くと、そのまま進行方向の障害となる木や枝を殴り飛ばす。
地に足を着けてブレーキをかけ、立ち止まろうとして──そこで、初めて承太郎は気付く。

「──よお、死ね」

その場所、ちょうど両脇にゲートのように生えた木の間に立っている、先程まで戦っていた化物に。
何故彼女が先回り出来たか──それは、彼女が持つ遠見の水晶玉によるもの。
細かい作業が苦手故に一度は使用を諦めたが、反対に単純な操作なら十分に利用できるということ。
流子自身が飛び上がって目立つ位置に陣取り、山頂の城と見比べて方角を確認。その後ズームアウトし、二人が動いている方向を察知する──程度の使用なら、どうにか彼女にも使用出来た。
彼女が振り上げている刃が、無慈悲にも止まることの出来ない彼等へと降り注ぎ──

「──スタープラチナッ!!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


116Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:35:47 ID:wNw./RFs0
 
「……やめ、ろ」

と、そこで。
余りにも頼りなく、か細い声が、流子の耳に届いた。
それと同時に、立ち塞がるように現れたのは──紫の髪の、少女だった。
先程承太郎に守られていた、如何にも何も出来ない一般人ですと書いてあるかのような外見の少女。

「あァ?何だテメェ、テメェから先に殺されてえのか?」

鐵の切っ先を突きつけながら、嘲るように言葉を放つ。
下らない義憤とやらでここまでやるというのは大したタマだが、しかしこうして目の前に死を提示してやってもそれが保つものか。
惨めに引き下がって後で殺すか、さもなくば両断してやろうか──そう思いながら、ゆっくりと歩み寄っていく。

「……そうだ。殺すなら、先に私を殺せ」

それでも尚、理世が退くことはなかった。
ほぼ無駄な行為だろうと理解しているだろうに、無様な立ち姿を続けていた。
その哀れにすら見える様に、

「その胆力だけは認めてやるよ。わざわざゴミが出しゃばりやがって、何で死に急ぐかねえ」

──それは、問いかけですら無かった。
答えなど求めていない、ただ独りごちることと何ら変わらない言葉。
けれど、それに確かに、天々座理世は反応して。

「──私は、人を殺したから」

ぽつり。
唐突に零れ出たそんな言葉に、流子は不意に立ち止まる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


117Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:37:03 ID:wNw./RFs0
 


「テメーはただ、許してほしいだけだろうがよ」



──時間が、止まった気がした。
ざわめく木々の葉の音も、ただ頬を撫でる風も、何一つ彼女の脳に届くことはなかった。

「……ちが、う」

ほぼ、何も考えずに出てきた言葉だった。
気付けば、自然とそんな否定が口から零れ落ちていた。
──無論、それは致し方ないことでもあっただろう。
だって彼女は、所詮ただの一般人、高校生の少女に過ぎないというのに。
人を殺して、その罪を背負う、なんてことが、そう簡単にできるわけがないのだから。
それも、自分の寄る辺を全て失っているような状態でなら、尚更。
天々座理世が、誰かに許してもらう、あるいは殺されることで、「楽になりたい」と思うのは、やはり仕方ないというべきことでもあったのだろう。
そして──例えば、「遊月の知り合いの誰か」の存在、とりわけ彼の弟──いわば彼女にとっての智乃に対しての想像を避けるのも、またしかり。
だが、そんな深層心理、卑怯とも言える本性を理性的に認められるかは、別の話で。

「違う、違う違う違う!!私は、そんな事を思ってなんか──」

いない、と言おうとしたところで、首を持つ位置が乱暴に持ち上がる。
ぐ、という呻き声を漏らした彼女のその位置からは、いつの間にか俯いていた流子の表情は見えない。
だが、その陰に隠れた表情に、恐らくは先程から変わっていない表情に、先程以上にどうしようもなく恐怖を感じる。
──いや、恐怖ではない。
それは、きっと。
どうしようもなく人間らしい、悔やむかのような表情を。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


118Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:37:59 ID:wNw./RFs0
 



「──随分とお喋りなのは、治ってはいないようだな」



──銃声が、澱んだ空気を切り裂いて走る。
顔面を狙ったそれを、流子は空いていた左手で弾き飛ばす。
尚も断続的に放たれる弾丸に対し、流子は理世を盾にしようとするが──その一瞬を突いて、飛び出してきた男が思いきり地面を蹴る。
一気に肉薄し、すれ違い様に理世を持つ右腕に弾丸を撃ち込む。
咄嗟に理世を手放し腕を引く流子、放り出された理世を拾うのは、乱入者──風見雄二の右腕。

「…よぉ。わざわざ来やがったか」
「あれだけ喚いていれば、近くに来れば来ないやつはいないさ」

縛斬を再び抜刀して雄二へと向き直る流子に対し、雄二は姿勢を立て直しつつ油断なく周囲に気を配る。
少し離れたが、流子よりは近い位置に承太郎がいるのを確認すると、再び立ち上がって銃を突きつけ直す。

「随分と癇癪を起こしていたようだが、何か気に入らないことでもあったか?」
「うっるせぇんだよ…テメエには関係ねえ」

その声に籠る怒気は、先程とは比べ物にならない程のもの。
理世に向けていた感情を薪にして、猛々しく燃え上がるがごとき怒りの炎を滾らせた獣が、雄二へと狙いを定めていた。

「理世」

そんな彼女を冷静に観察しながら、雄二は理世に対して言葉を飛ばす。
へたりこんでいたままの彼女が、それでものろのろと顔をあげて反応したのを見て、僅かに安心したかのような表情を浮かべる。
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119Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:40:38 ID:wNw./RFs0

【Gー4(中心部)/真夜中】

【纏流子@キルラキル】
[状態]:全身にダメージ(中)、左肩・左太ももに銃創(糸束で処置済み)、疲労(中)、精神的疲労(極大)、
    数本骨折、大激怒、説明しきれない感情(恐怖心?)、理世に対する嫉妬
[服装]:神衣純潔@キルラキル(僅かな綻びあり)
[装備]:縛斬・蛟竜@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(17/20)
    黒カード:番傘@銀魂、生命繊維の糸束(一割消費)@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero、
         花京院典明の不明支給品0〜1枚(確認済み) 、ジャンヌの不明支給品1枚(確認済み、武器とは取れない)
[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す
   0:雄二を殺す。承太郎と理世も追って殺す。
   1:次に出会った時、皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。
   3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。
   4:針目縫は殺す。    
   5:純潔の綻びを修繕したい。
   6:マコの事を忘れたい。

[備考]
※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。
※満艦飾マコと自分に関する記憶が完全に戻りました。
※針目縫に対する嫌悪感と敵対心が戻りました。羅暁への忠誠心はまだ残っています。
※第三放送を聞いていません。
※肉体のダメージは前の話よりは良くなっています。
※現在自動車爆弾はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲にへ向かって移動しています。
 そのまま行けば一定時間後に標的の砲台は爆破されます。誘爆し爆発範囲が広がる可能性があります。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


120Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:43:36 ID:wNw./RFs0
 




表情を動かす余裕すらも、もう残っていなかった。
自分がどれだけ醜いか、少し考えただけでも本当に嫌になるのに、それでも歩みを止めるわけにはいかないという呪いだけが自分を縛っている。
千夜に会えばきっと蔑まれ、他の人間にも人殺しと呼ばれるだろうという悲観的な未来以外に、この先の見通しなんてもう一つも見えなくて。
今はただ、背負っている承太郎の命が、歩みを止めるなと彼女を詰る。
すぐに死に至るような傷こそ追っていないが、気絶から目覚めるまではまだ時間がかかる。それまでに襲われるようなことがあれば、二人ともどうしようもない。
雄二に逃がしてもらっておいて、このまま倒れるということは嫌だ──そんな気持ちが、今は唯一の原動力だった。
一歩一歩、己の体が前に進んでいる感覚だけを頼りにして。
吐き出した息は、じっとりと身体に纏わり付いて離れない。
今の自分の酷すぎるであろう表情も、誰にも見られたくなかった。

「……わた、しは」

もう、吐き出すものは何一つなくて。
最早余計なものとなった思考をそれでも巡らす度に、どうあっても取り除けない己の愚かさに辟易するしかなく。
自分の中に残された醜さと約束が、何よりもずっしりと体を重くする重りとなって。
今はもう、苦痛でしかない行軍をただ進んでいくしかなくて。
足取りは、ただ只管に重かった。

──理世は、未だに知る事は無い。
紅林遊月の死に対し、衝撃を受けるであろう存在の内の一人はは、すぐそこにいるという事に。
承太郎が理世と出会ったとき、咄嗟にカードに戻しておいたルリグ『花代』。
未だ真実を知らぬ彼女との相対の時が、何を生むのか、それもまた──



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121 ◆NiwQmtZOLQ :2017/09/30(土) 20:45:24 ID:wNw./RFs0
本投下を終了します。理世と承太郎の位置を前話から変え忘れていた為に修正してあります。


122名無しさん :2017/10/02(月) 07:18:18 ID:GTVlaIi.0
さよなら雄二、君のことは忘れない


123名無しさん :2017/10/02(月) 13:35:22 ID:xm8U8tKg0
投下乙くらい付けろよバカが


124名無しさん :2017/10/02(月) 14:12:44 ID:7UaCQH9.0
お前の方が馬鹿だおー


125名無しさん :2018/01/08(月) 13:39:56 ID:y7VjkiWs0
ガチで停滞してて草


126名無しさん :2018/01/12(金) 10:14:03 ID:a6NCK6wY0
>>125
エースが海外転勤になっちゃったし、しゃーないですよ


127名無しさん :2018/01/12(金) 10:32:53 ID:armr8wSs0
知らんよ。
転勤する前から停滞してたろ目を覚ませ


128名無しさん :2018/01/12(金) 13:19:59 ID:ynWzIIJY0
>>126
お前がageたせいで投下来たと勘違いしたじゃねーか
紛らわしいことすんな


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12 新西尾維新バトルロワイアルpart6 (Res:755)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 12
1名無しさん :2013/06/10(月) 21:34:44 ID:r8aCgNWo0
このスレは、西尾維新の作品に登場するキャラクター達でバトルロワイアルパロディを行う企画スレです。
性質上、登場人物の死亡・暴力描写が多々含まれすので、苦手な方は注意してください。


【バトルロワイアルパロディについて】
小説『バトルロワイアル』に登場した生徒同士の殺し合い『プログラム』を、他作品の登場人物で行う企画です。
詳しくは下の『2chパロロワ事典@wiki』を参照。
ttp://www11.atwiki.jp/row/


【ルール】
不知火袴の特別施設で最後の一人になるまで殺し合いを行い、最後まで生き残った一人は願いが叶う。
参加者は全員首輪を填められ、主催者への反抗、禁止エリアへの侵入が認められた場合、首輪が爆発しその参加者は死亡する。
六時間毎に会場に放送が流れ、死亡者、残り人数、禁止エリアの発表が行われる。


【参加作品について】
参加作品は「戯言シリーズ」「零崎一賊シリーズ」「世界シリーズ」「新本格魔法少女りすか」
「物語シリーズ」「刀語」「真庭語」「めだかボックス」の八作品です。


【参加者について】

■戯言シリーズ(7/7)
 戯言遣い / 玖渚友 / 西東天 / 哀川潤 / 想影真心 / 西条玉藻 / 時宮時刻
■人間シリーズ(6/6)
 零崎人識 / 無桐伊織 / 匂宮出夢 / 零崎双識 / 零崎軋識 / 零崎曲識
■世界シリーズ(4/4)
 櫃内様刻 / 病院坂迷路 / 串中弔士 / 病院坂黒猫
■新本格魔法少女りすか(3/3)
 供犠創貴 / 水倉りすか / ツナギ
■刀語(11/11)
 鑢七花 / とがめ / 否定姫 / 左右田右衛門左衛門 / 真庭鳳凰 / 真庭喰鮫 / 鑢七実 / 真庭蝙蝠
真庭狂犬 / 宇練銀閣 / 浮義待秋
■〈物語〉シリーズ(6/6)
 阿良々木暦 / 戦場ヶ原ひたぎ / 羽川翼 / 阿良々木火憐 / 八九寺真宵 / 貝木泥舟
■めだかボックス(8/8)
 人吉善吉 / 黒神めだか / 球磨川禊 / 宗像形 / 阿久根高貴 / 江迎怒江 / 黒神真黒 / 日之影空洞

以上45名で確定です。

【支給品について】
参加者には、主催者から食糧や武器等の入っている、何でも入るディパックが支給されます。
ディパックの中身は、地図、名簿、食糧、水、筆記用具、懐中電灯、コンパス、時計、ランダム支給品1〜3個です。
名簿は開始直後は白紙、第一放送の際に参加者の名前が浮かび上がる仕様となっています。


【時間表記について】
このロワでの時間表記は、以下のようになっています。
 0-2:深夜  .....6-8:朝     .12-14:真昼  .....18-20:夜
 2-4:黎明  .....8-10:午前  ....14-16:午後  .....20-22:夜中
 4-6:早朝  .....10-12:昼   ...16-18:夕方  .....22-24:真夜中


【関連サイト】
 まとめwiki  ttp://www44.atwiki.jp/sinnisioisinrowa/
 避難所    ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14274/

736着包み/気狂い ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:50:25 ID:LVJNO3B60

【二日目/黎明/?-?】
【球磨川禊@めだかボックス】
[状態]『少し頭がぼーっとするけど、健康だよ』
[装備]『七実ちゃんはああいったから、虚刀『錆』を持っているよ』
[道具]『支給品一式が2つ分とエプロン@めだかボックス、クロスボウ(5/6)@戯言シリーズと予備の矢18本があるよ。後は食料品がいっぱいと洗剤のボトルが何本か』
[思考]
『基本は疑似13組を作って理事長を抹殺しよう♪』
『0番はやっぱメンバー集めだよね』
『1番は七実ちゃんは知らないことがいっぱいあるみたいだし、僕がサポートしてあげないとね』
『2番は……何か忘れてるような気がするけど、何だっけ?』
[備考]
 ※『大嘘憑き』に規制があります
  存在、能力をなかった事には出来ない
  自分の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り0回。もう復活は出来ません
  他人の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り0回。もう復活は出来ません
  怪我を消す能力は再使用のために1時間のインターバルが必要。(現在使用可能)
  物質全般を消すための『大嘘憑き』はこれ以降の書き手さんにお任せします
 ※始まりの過負荷を返してもらっています
 ※首輪は外れています
 ※黒神めだかに関する記憶を失っています。どの程度の範囲で記憶を失ったかは後続にお任せします

【鑢七実@刀語】
[状態]健康、身体的疲労(小)、交霊術発動中
[装備]四季崎記紀の残留思念×1
[道具]支給品一式×2、勇者の剣@めだかボックス、白い鍵@不明、ランダム支給品(0~2)、球磨川の首輪、否定姫の鉄扇@刀語、
   『庶務』の腕章@めだかボックス、箱庭学園女子制服@めだかボックス、王刀・鋸@刀語、A4ルーズリーフ×38枚、箱庭学園パンフレット@オリジナル
[思考]
基本:球磨川禊の刀として生きる
 0:禊さんと一緒に行く
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


737着包み/気狂い ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:51:58 ID:LVJNO3B60









『ねえ七実ちゃん』





「髪、切らない?」


738 ◆mtws1YvfHQ :2016/11/12(土) 19:54:59 ID:LVJNO3B60
以上です。
久しぶりの投下の上、書いた期間がツギハギのため妙な所があると思われます。
いつも通り妙な所へのご意見などよろしくお願いいたします。

失礼いたします。


739名無しさん :2016/11/13(日) 01:19:09 ID:Z.1e3q5.0
投下乙です
平和だー
(薄氷を履むなんてレベルじゃない危うさでかろうじて成り立っているいつ崩壊してもおかしくない)束の間の平和だー
混物語で平常運転な阿良々木さん見てたから忘れかけてたけどクマーも立派な(?)変態だったよ…
そしてその内容を一言一句違わず思い出せる七実も変態なのでh(踏み潰されました)
横恋慕みたいなことをしてるという自覚ありながら後ろ手になる七実が想像するとめちゃくちゃかわいい
最後の『』が外れた「髪、切らない?」がたまらなく不穏でよかったです


740名無しさん :2016/11/15(火) 00:45:32 ID:utwXllF60
集計者様いつも乙です
月報失礼します
話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
165話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)


741名無しさん :2016/11/18(金) 21:27:24 ID:bGA8JbRg0
投下乙です
球磨川の固有結界が相変わらずすぎて安堵(不安)を覚えざるを得ない
七実姉さんもなんだかんだ言いつつ乗っかるし…もう君たち殺し合いとかいいからここで暮らしたらどうよ


742 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:43:41 ID:hznMXV2k0
投下します


743非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:46:47 ID:hznMXV2k0
 

【深夜】 G-6、薬局


「手紙?」


玖渚さんが差し出した封筒を見て、僕は見たままのことを言った。ここ薬局の備品をそのまま使った何の変哲もない封筒。玖渚さん直筆の手紙が、その中に納められている。


「そ、僕様ちゃんからいーちゃんへの手紙。首尾よくいーちゃんと合流できたら、ぴーちゃんからいーちゃんに渡してほしいの。ただし、ある条件が整ったら、ね」

「条件?」

「僕様ちゃんが死んだら」


あっけなく出た言葉に、僕はふぅん、と相槌を打つ。正直なところ、意外というほどの条件でもなかった。
ついさっき、玖渚さんから「リスクを分散するために、別行動をとってほしい」との申し出を受けたところだ。水倉りすかの危険性についても、すでに説明は受けている。


「死んだら、ね。そうなると、手紙というより遺書みたいだな」

「僕様ちゃんからしたら保険みたいなもんだけどね。まあ、遺書でもあってるよ。『遺言書在中』とか表に書いたりして? ふふ」

「さすがに笑えないな……」


死。重い言葉のはずなのに、今はその重さを感じるのが難しい。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


744非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:48:20 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
【黎明】 F-7、図書館前


僕がなぜ生きているのかと言われたら「運がよかったから」と答えるほかないだろう。
謙遜でも卑屈でもなく、掛け値なしに僕は弱い。病院坂のように極端な虚弱体質というわけではないにせよ、人並み以上の体力は有していないし、玖渚さんのような頭脳や情報力もない。

ましてや、人識や伊織さんのような人殺しの才能など。

今まで僕は幾度となく死の淵に立たされている。そのたびに、誰かに助けられ、運に救われ、こうして生き延びている。
時宮時刻に襲われたときは、人識に助けられ。
不要湖では、火憐さんに庇われ。
真庭鳳凰を撃退できたのだって、玖渚さんの情報と、伊織さんが結果的にとはいえ囮のような役割を果たしてくれたからこそだった。

助けられっぱなしというだけならただ情けないだけの話だけれど、問題はそのたびに、僕以外の誰かが犠牲になっているということだ。
病院坂も、迷路さんも、火憐さんも。伊織さんだって無事では済んでいない。
僕の命が助かるたびに、いつも誰かが傷ついた。
「すべてが自分のせい」などと悲劇の主人公を気取るつもりは毛頭ない。すべてを運に任せてきたわけではないし、自分なりに最善の結果を得るため行動してきた自負はある。僕の働きが誰かを助けたこともあったはずだ。多分。

ただ、僕がいま生き残っているというのは、とどのつまりそういうことなのだ。
誰かが死に、犠牲になるくらいの不幸をもってしてようやく「櫃内様刻が、殺し合いのさなかで生き残っている」というありえない幸運は釣り合いが取れる。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


745非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:49:34 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
『死体がない』というのは、この場合、喜ぶべきことなのだろうか?
正確を期すなら、図書館の中に伊織さんが屠ったショートヘアの女の子の死体が転がってはいるが、そんなことを描写したところで何か意味があるわけではない。
死体はないが、首輪はふたつ。デイパックもふたつ。
首輪探知機の表示が示すとおり、人識と伊織さんの首輪で間違いはないだろう。デイパックもおそらくは同様だ。中身を見るまで断定はできないけれど。

なぜ首輪だけが?
疑問符をはさんではみたものの、その回答を得るのに大した思考は必要なかった。
頭の中でアラートが鳴り始める。最悪の想像であり、同時にこの状況から考え得る最も妥当な判断。
僕が今、単独で行動している最大の理由。玖渚さんたちにとっての最重要の懸念事項。


「水倉、りすか……」


とっさにスマートフォンを取り出し、玖渚さんの携帯へコールする。数秒のラグののち返ってきたのは、電話が通じない旨を知らせる電子音声だった。
電源が切られている? 玖渚さん自身がなんらかの理由で切っているのか、それとも。
伊織さんは――しまった、伊織さんの連絡先を聞いておくのを忘れていた。人識と玖渚さんの番号さえ分かっていればいいという慢心があったせいか。やむなく人識の携帯にかける。こっちは玖渚さんからのメールに番号が載っていたはずだ。


――prrrrrrrrrrrrrrrrr。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


746非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:51:40 ID:hznMXV2k0
 



   ◇     ◇



 
【黎明】 F-6


一人で三つのデイパックを抱えて歩くのは、当然ながら体力がいるし、歩みも遅くなる。
急いで移動しなければならないと言った矢先に落ちていた荷物を余さず拾っていくというのは、傍から見れば欲の皮が張って見えるかもしれない。
もし移動手段が徒歩しかないという状況であれば、さすがに自分の荷物以外は諦めていただろう。

人識の乗っていたベスパが残されていなかったら。

運よくキーが刺さったまま放置されていた、このスクーターが手に入っていなかったら。

原付の免許なんて僕は持っていないが、どっこいここは公道ではない。そして運転するだけなら免許がなくてもできる。
事故さえ起こさなければ何も問題はない。ようは自己責任だ。

かくして僕は、三つのデイパックを身体に括り付けたまま悠々と禁止エリアからの脱出に成功した。まだ陽の昇らない時間、視界の暗い中での運転なので速度は抑え目だが、この調子なら予定より早くランドセルランドへたどり着けそうだ。


「これもまた、人識に助けられたってことなのかな……」


無意味に発した独り言はエンジン音にかき消される。さすがにそれは都合のいい考え方かもしれない。やってることだけを見ればただのバイク泥棒だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


747非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:53:43 ID:hznMXV2k0
 
8枚。つまりは8人の死者の映像。
うち5人については、さっきの放送の内容が正しければすでに割れている。戦場ヶ原ひたぎ、宗像形、黒神めだか、そして人識が殺した真庭鳳凰と供犠創貴。
つまり放送をまたいで3人、新たな死者が出ているということになる。
ちょうど3人、という数字にはもはや悪意すら感じてしまう。このDVD自体、悪意以外の何物でもないという話だけれど。
本来なら伊織さんたちが入手する手筈だったこのDVDで伊織さんたちの生死を確認するというのは皮肉もいいところだが、見ないわけにはいかない。もしそこに水倉りすかが映っていたとしたら、それは重要な情報だ。

玖渚さんたちの遺志を継ぐために。


「……いや、だから『遺志』はまだ早いって」


どうにもさっきから、死を前提に考えすぎている節がある。
こんな非常時であることを思えば、仕方がないといえば仕方がないことだが。


それとも、僕はもともとこうだっただろうか。
誰かの死を、こうも簡単に受け入れる人間。
自分が殺したときは、ああも取り乱していた癖に。


ともかく事実の把握が先決だ。安全が確保できるような場所に着き次第、DVDを再生してみよう。幸いというか、手持ちの支給品にはノートパソコンがある。再生するための機材を探す必要はない。

……仮に、玖渚さんが本当に脱落してしまったとしたら、この殺し合いの打破を試みようとしている僕たちにとっては相当な痛手だ。彼女の機械工学の知識とスキルは常人の域をはるかに超えている。
すでにある程度首輪の解析は進んでいるらしいが、その解析結果さえ、玖渚さん以外の者に理解するのは容易じゃないだろう。僕が聞いたとしても、用語の意味すら理解不能に違いない。
『死線の蒼(デッドブルー)』。
凡人たる僕たちには、越えることすら許されない一線。
その玖渚さんでさえ一筋縄ではいかないこの首輪を解除することが、彼女なしにはたして可能なのだろうか?

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


748非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:55:45 ID:hznMXV2k0
 
何だ?

僕は今、何を考えた?












――『持てる最大の能力を発揮して最良の選択肢を選び最善の結果を収める』。それが僕の持論のひとつだったはずだ。ならば必然、あらゆる選択肢を念頭に置いておかなくてはならない。












そうだ、その通りだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


749非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 22:59:12 ID:hznMXV2k0
思いついてしまった今、僕は僕自身に問わなくてはならない。


優勝を狙うというのは、はたして最適な解答か?


それを目指すことが、僕にできるのか?


その選択はつまり、必要に迫られればまた誰かを殺すことになるかもしれないということだ。できるできないの話ではない。「やる」という決意が、この選択には必要になるということ。
二度と人を殺したくなどない。それは偽らざる本音だ。
でも、それ以外に最善の方法が見つからなかった場合、その本音を守り通すことができるだろうか。


そもそも、こんな選択が本当に最善だと言えるのか?


万が一、最後の一人まで生き残ったとして、そのとき僕は何を願う?


何を願えば、最適な解答だと認められる?


僕はくろね子さんのような名探偵ではない。たとえ正解を手に入れたとしても、『この解答は、はたして正解なのだろうか』という不安に取り憑かれ続けるだろう。
僕の目的とは、いったい何なのか?
僕が生きている意味とは、いったい何なのか?
分からない、分からない、分からない。
分からないから、考えないようにしていた。
考えても考えても、正解など出ないような気がしたから。
正解が出たとしても、それが本当の正解かどうか分からないから。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


750非通知の独解 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 23:00:09 ID:hznMXV2k0
【2日目/黎明/F-6】


【櫃内様刻@世界シリーズ】
[状態]健康、『操想術』により視覚異常(詳しくは備考)
[装備]スマートフォン、首輪探知機、無桐伊織と零崎人識のデイパック(下記参照)、ベスパ@戯言シリーズ
[道具]支給品一式×8(うち一つは食料と水なし、名簿のみ8枚)、玖渚友の手紙、影谷蛇之のダーツ×9@新本格魔法少女りすか、バトルロワイアル死亡者DVD(11~36)@不明
   炎刀・銃(回転式3/6、自動式7/11)@刀語、デザートイーグル(6/8)@めだかボックス、懐中電灯×2、真庭鳳凰の元右腕×1、ノートパソコン、
   鎌@めだかボックス、薙刀@人間シリーズ、蛮勇の刀@めだかボックス、拡声器(メガホン型)、 誠刀・銓@刀語、日本刀@刀語、狼牙棒@めだかボックス、
   金槌@世界シリーズ、デザートイーグルの予備弾(40/40)、 ノーマライズ・リキッド、ハードディスク@不明、麻酔スプレー@戯言シリーズ、工具セット、
   首輪×4(浮義待秋、真庭狂犬、真庭鳳凰、否定姫・いずれも外殻切断済)、糸(ピアノ線)@戯言シリーズ、ランダム支給品(0~2)
   (あとは下記参照)
[思考]
基本:死んだ二人のためにもこの殺し合いに抗う(瓦解寸前)
 1:「いーちゃん」達と合流するためランドセルランドに向かう
  2:玖渚さんの手紙を「いーちゃん」に届ける
 3:死亡者DVDの中身を確認する
[備考]
  ※「ぼくときみの壊れた世界」からの参戦です。
 ※『操想術』により興奮などすると他人が時宮時刻に見えます。
 ※スマートフォンのアドレス帳には玖渚友、宗像形、零崎人識(携帯電話その1)が登録されています。
 ※阿良々木火憐との会話については、以降の書き手さんにお任せします。
 ※支給品の食料の一つは乾パン×5、バームクーヘン×3、メロンパン×3です。
 ※首輪探知機――円形のディスプレイに参加者の現在位置と名前、エリアの境界線が表示される。範囲は探知機を中心とする一エリア分。
 ※DVDの映像は29~36を除き確認済みです。
 ※スマートフォンに冒頭の一部を除いた放送が録音してあります(カットされた範囲は以降の書き手さんにお任せします)。



【その他(櫃内様刻の支給品)】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


751 ◆wUZst.K6uE :2017/11/04(土) 23:01:01 ID:hznMXV2k0
以上で投下終了です


752名無しさん :2017/11/05(日) 01:26:57 ID:HmdfQnBs0
投下おつー
そうか、もう5分の1なんだよな……
色々と自覚や認識は進んだけど果たして合うべき辻褄はあるのか
なければ合わせれるのか


753名無しさん :2017/11/05(日) 02:12:08 ID:y4J2qcF20
投下乙です
そう来たか、というのが素直な印象
ですが思考の端々から様刻らしさが滲み出ていてマーダー化フラグが立ったときのシーンには思わずこちらもドキリとさせられました
だが様刻よ、生き残りの9人の中には強さランキング2位と3位がいるし3位とは遭遇ワンチャンあるぞ…


754名無しさん :2017/11/15(水) 16:09:48 ID:CoY2rlKQ0
お久しぶりです
月報失礼します
話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
165話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)

それと最新話Wiki収録しました
確認はしましたが見落としがあるといけないので何かありましたらお願いします


755名無しさん :2017/11/15(水) 16:11:56 ID:CoY2rlKQ0
…失礼、コピペミスりました
こちらが正しい月報でございます


話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
166話(+1) 9/45 (-0) 20.0(-0.0)


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13 第二次二次キャラ聖杯戦争 part3 (Res:936)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 13
1名無しさん :2015/01/11(日) 03:53:37 ID:MASwPKVk0
ここは様々な作品のキャラクターをマスター及びサーヴァントとして聖杯戦争に参加させるリレー小説企画です。
本編には殺人、流血、暴力、性的表現といった過激な描写や鬱展開が含まれています。閲覧の際は十分にご注意ください。

まとめwiki
ttp://www63.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/16771/

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1406730151/


【参加者名簿】

No.01:言峰綺礼@Fate/zero&セイバー:オルステッド@LIVE A LIVE
No.02:真玉橋孝一@健全ロボ ダイミダラー&セイバー:神裂火織@とある魔術の禁書目録
No.03:聖白蓮@東方Project&セイバー:勇者ロト@DRAGON QUEST�〜そして伝説へ〜
No.04:シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア&アーチャー:雷@艦これ〜艦隊これくしょん
No.05:東風谷早苗@東方Project&アーチャー:アシタカ@もののけ姫
No.06:シオン・エルトナム・アトラシア@MELTY BLOOD&アーチャー:ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険
No.07:ジョンス・リー@エアマスター&アーチャー:アーカード@HELLSING
No.08:衛宮切嗣@Fate/zero&アーチャー:エミヤシロウ@Fate/stay night
No.09:アレクサンド・アンデルセン@HELLSING&ランサー:ヴラド三世@Fate/apocrypha
No.10:岸波白野@Fate/extra CCC&ランサー:エリザベート・バートリー@Fate/extra CCC
No.11:遠坂凛@Fate/zero&ランサー:クー・フーリン@Fate/stay night
No.12:ミカサ・アッカーマン@進撃の巨人&ランサー:セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア
No.13:寒河江春紀@悪魔のリドル&ランサー:佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ
No.14:ホシノ・ルリ@劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-&ライダー:キリコ・キュービィー@装甲騎兵ボトムズ
No.15:本多・正純@境界線上のホライゾン&ライダー:少佐@HELLSING
No.16:狭間偉出夫@真・女神転生if...&ライダー:鏡子@戦闘破壊学園ダンゲロス
No.17:暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ&キャスター:暁美ほむら(叛逆の物語)@漫画版魔法少女まどか☆マギカ-叛逆の物語-
No.18:間桐桜@Fate/stay night&キャスター:シアン・シンジョーネ@パワプロクンポケット12
No.19:ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/zero&キャスター:ヴォルデモート@ハリーポッターシリーズ
No.20:足立透@ペルソナ4&キャスター:大魔王バーン@ダイの大冒険
No.21:野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん&アサシン:ニンジャスレイヤー@ニンジャスレイヤー
No.22:宮内れんげ@のんのんびより&アサシン:ベルク・カッツェ@ガッチャマンクラウズ
No.23:ジナコ・カリギリ@Fate/extra CCC&アサシン:ゴルゴ13@ゴルゴ13
No.24:電人HAL@魔人探偵脳噛ネウロ&アサシン:甲賀弦之介@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
No.25:武智乙哉@悪魔のリドル&アサシン:吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険
No.26:美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ&バーサーカー:黒崎一護@BLEACH
No.27:ウェイバー・ベルベット@Fate/zero&バーサーカー:デッドプール@X-MEN
No.28:テンカワ・アキト@劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-&バーサーカー:ガッツ@ベルセルク

917狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:03:58 ID:ZcbxchO20

 それを聞いて、ただ絶句する他なかった。
 この子供は、アーカードが帰ってくると信じ込んでいるのだ。
 その男は、もうこの冬木から消え去ってしまったというのに。

「あっちゃん達、ここで待ってたらカレー食べさせてくれるって言ってたのん。
 だからうちここで待ってるん……ねえお姉さん、あっちゃんいつ戻ってくるん?」

 もう戻らない男達を待ち続ける少女に、何と答えればいいのか。
 彼等はもういないのだとありのままに伝えるのは簡単だ、しかしそれはあまりに残酷すぎる。
 聖処女は嘆きを心中に押し込み、いつもと変わらぬ優しい顔で、

「彼等は皆、少しばかりこの街を後にするようです。
 数日後にまた戻ってくるから、その時まで待っていてほしいと」

 ジャンヌは、この聖杯戦争で初めての嘘をついた。
 それは人を傷つけない為の、優しくて悲しい嘘。

「……それほんとなん?」
「ええ、本人達がそう伝えてほしいと」

 それを聞いたれんげは、不機嫌そうに俯いた。
 確かに不服だろうが、今はそれを信じてもらう他ない。

「"あっちゃん"でしたか。彼がしばらくは私と行動してほしい、と」
「分かったのん。でもうち、どこで寝ればいいのん?」
「それなら教会へ行きましょう。あの場にいれば安全です」

 ひとまずは、彼女を教会に連れていくとしよう。
 あの場所であれば、この子が他者に襲われる心配もない筈だ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


918狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:04:26 ID:ZcbxchO20

 
【D-9/森林付近/二日目 未明】

【ルーラー(ジャンヌ・ダルク)@Fate/Apocrypha】
[状態]:健康
[装備]:聖旗
[道具]:???
[思考・状況]
基本:聖杯戦争の恙ない進行。
 0.れんげを教会で保護する。
 1.???
 2.その他タスクも並行してこなしていく。
 3.聖杯を知る―――ですか。
[備考]
※カレンと同様にリターンクリスタルを持っているかは不明。
※Apocryphaと違い誰かの身体に憑依しているわけではないため、霊体化などに関する制約はありません。
※カッツェに対するペナルティとして令呪の剥奪を決定しました。後に何らかの形でれんげに対して執行します。
※バーンに対するペナルティとして令呪を使いました。足立へのペナルティは一旦保留という扱いにしています。
※令呪使用→エリザベート(一画)・デッドプール(一画)・ニンジャスレイヤー(一画)・カッツェ(一画)
※カッツェはアーカードに食われているが厳密には脱落していない扱いです。
 サーヴァントとしての反応はアーカードと重複しています。

【宮内れんげ@のんのんびより】
[状態]ルリへの不信感、擦り傷
[令呪]残り1画
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]十円
[思考・状況]
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


919狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:05:08 ID:ZcbxchO20


 ◇◇◇


『この森を抜けた先に、恐らく子供が独りで待っている』
『狂信者の俺には最早叶わんが、どうかあの子に寄り添ってはくれないか』

 アンデルセンは、最期にルーラーにそう頼んでいた。
 あの生真面目な少女の事だ、きっと頼みを聞き入れてくれるだろう。

 アーカードという真祖が消えた今、宮内れんげはただの少女に過ぎない。
 そして主を喪った今、彼女は数時間の内に消滅する運命にある。
 つい昨日までか弱い子供に過ぎなかったれんげに、孤独な最期はあまりに酷であろう。
 かつて彼女を拒絶した自分には無理でも、ルーラーならば寄り添える筈だ。

 アレクサンド・アンデルセンは、異端狩りの狂信者だ。
 けれども同時に、子供達の善き父親代わりでもあった。

 ヴラドを喪った今、アンデルセンの死はもう避けられない。
 他のサーヴァントと再契約を結べば生き長らえれるが、もう聖杯戦争に関わる気もない。
 かつて廃教会があったこの廃墟で、最期の時を過ごすとしよう。

 そう、これでよかったのだ。
 死者の舞踏は太陽と共に姿を晦まし、生者の時間が再び始まる。
 地獄へ堕ちる背信者は、ここで役目を終えるべきなのだ。

 けれど、その前にやるべき事がある。
 一介の神父として、誇り高き人間を弔わねばならない。

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920狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:05:30 ID:ZcbxchO20


……



…………



………………



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(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


921狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:06:00 ID:ZcbxchO20
 自分の中にいる数百万もの魂を、ただひたすらに殺し続けてきた。
 血の一滴も飲まずに、逃げ惑う腰抜けな魂を狩って裂いて千切ってきた。

 逃げ続ける腰抜けの魂を狩るのは、堪らなく退屈だ。
 そして、その退屈しのぎに思い出すのが、かつての記憶だった。

 それは、人として生き続けたヴラド三世との、己の存在を賭けた一騎打ち。
 人間である事を誇り、そしてそれを尊いものとしたあの男の信念は、身震いする程美しくて。
 ただの人間が見せてくれたあの輝きは、しっかりとこの眼に焼き付いている。

 そして、その度に痛感するのだ。
 やはり人間は、化物なんかより遥かに素晴らしいのだ、と。

 やたらと髪の赤い長身の男を仕留めると、自分の中の魂は一人と一匹になった。
 それは即ち、アーカード本人の魂と、生と死の狭間を飛び交う確率世界の猫の魂。
 これでようやく、自分は"どこにでもいれて、どこにもいない"状態になれたのである。

 虚数の塊となったあの日から、きっと数十年は経っている筈だ。
 いつになったら帰ってくるのだと、主はきっと酷く腹を立てているだろう。
 あれから小皺はいくつ増え、どれだけ美しく老いたのか、見物である。

 ああ、それにしても喉が渇いて仕方がない。
 飲まず食わずで数十年は、流石に堪えるものがあるか。
 挨拶を先に済まそうと思ったが、これでは土壇場で血を吸いかねない。
 本人を肉眼で捕えた途端、吸血衝動が膨らまなければいいのだが。

 もう邪魔する者はどこにもいない。
 自分はもう何処にもいないし、何処にだっていれる。
 三十年前に閉じた瞳を、もう一度開く時が来た。

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922狂い咲く人間の証明(後編) ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:06:36 ID:ZcbxchO20









「おかえり、伯爵」



「ただいま、伯爵」








【アーチャー(アーカード)@HELLSING 帰還】


923 ◆WRYYYsmO4Y :2017/02/20(月) 01:07:04 ID:ZcbxchO20
以上で投下終了となります。


924名無しさん :2017/02/20(月) 01:26:49 ID:JXeZXMP.0
投下乙です。
二次二次の名簿が決定された時から誰もが一度は妄想したこの勝負。お見事の一言です。
男は帰るべき場所のために幼き少女と約束を交わす。これから起きる戦闘前最後のささやかな日常。
互いの従者が敗北するなど思わず主は黙ってその戦いへ見送るのがかっこいい。彼らには彼らの戦場があって誰にも邪魔されたくない戦いがそこにはあった。

吸血鬼同士の決戦は血で血を洗うようなに最初から全開でどんどん惹き込まれました。
お約束の台詞回しから遂に対峙した余と私。一つ一つの文が凝っていて続きが早く読みたくなる。
アーカードの声一つで一斉に動き出す影、死の河がどれだけ増幅しようがあいつはこんなところで終わらないと。
勢いがありつつ終焉の時にはどこか儚い切なさすら感じる幕切れ。完全燃焼、その胸は空洞なんかじゃなくていっぱいの満足と共に消えたでしょう。

それはジョンスも同じで、最後まで己から目を背けずに生命を燃やす。馬鹿だけどかっこいい。
最後の最後まで己を貫き通す人間は馬鹿で、かっこよくて、最高だ。
作品も最後の最後まで目が離せない。これがHELLSINGとして最高の終わり方でした!
なんか感想っぽくありませんが改めて投下乙です!


925名無しさん :2017/02/20(月) 01:42:06 ID:mfmjgy/Q0
投下乙です!
ヴラドVSアーカード、人間VS吸血鬼。己でありながら己とは最もかけ離れた存在との闘いはやはり熱い!死の河を突き進んでくる「人間」ヴラドの姿は読んでいるこちらにも眩しく映る…
そしてやはり、その結末は「化物」を「人間」が討ち取るという、ある意味では互いに望んでいたかもしれない幕引き。
>「人間とはやはり、いいものだな」
>「……当たり前だ」
この掛け合いも、やはり「人間」と「人間に憧れた化物」、両者の最期の会話として最高のものだったと感じました
そして、ほぼ死に体ながら、それでも「安いプライド」の為に立ち上がらずにはいられなかったジョンス。アーカードも感じたように、何処か先のヴラドにも重なるところのあるその姿は、神父も認めた通りまさしく「人間」。
その神父はといえば、人間の王に神父としての弔いを送り消える…だけでなく。「子供」であるれんちょんをジャンヌに託すのは、なるほどこの人が誰より適任だ。
約束は守られることなく、その存在すらも知らない消失へのカウントダウンをただ進むれんちょんと、そこに並び立つジャンヌの姿は儚い。れんちょんに幸あれ…!
…そして、最後のアーカード。参戦時期の都合からこうして帰還し、そして原作ラストへと繋がるとはなんともニクい演出。ヴラドに投げかけた最期の言葉、「さよならだ、伯爵」はここに掛かってたのか…!
総じて、まさしくタイトル通り「立ち向かう人間」の美しさをこれでもかと感じられた話でした。大作をありがとうございました!


926名無しさん :2017/02/20(月) 01:50:51 ID:BP.iYyQY0
投下お疲れ様でした。鮮血の伝承、ここに、終幕。
よくネタにされてたたったひとつしかスキルのないヴラドだけど、この話はそれすらも、ただの人間としての在り方のように書いていて凄かった。
零号による領土の上塗りを前に、領土がなければ自分の身体からしか杭を出せないのを、なればこそこの身こそが最後の領土、護るべき人間そのものと言い切ったのもそう。
極刑王の串刺しにしたという追撃を活かしたことだってそう。
このヴラド三世の、無辜の怪物を、鮮血の伝承を手放せた、ランサーであるヴラド三世を、設定も絡めまくって人間として書ききった作品だった。
誰よりも人間に倒されることを望んだ化物が、誰よりも化物を滅ぼすことを望んだ人間に倒される。
これはそんな物語。
そして共にヴラド三世だからこそ、最後にヴラドも評価を改めたように、ヴラドとアーカードはそこに通じるものがあったという最後もまた美しい。
アーカードに想起させた安いプライドを最後まで貫いたジョンス。
神父として人間を弔い、子どもたちの幸せを祈ったアンデルセン。
果たされぬ約束を待ち続けるれんげ。彼女の残った理由もあの時期から呼ばれたアーカードならではで。
どれもこれも素敵な物語だった。
でも、何よりも、「さよならだ、"伯爵"」が好き。さよならだ我が主やおかえり伯爵を思い出させた。
その上でそのおかえりとただいまな最後に持ってくのもまたこれ以上無い〆でした。


927名無しさん :2017/02/20(月) 02:19:36 ID:frFlRs2Q0
投下乙!

みんなが考えていたヴラド三世VSヴラド三世
これは予想できるありふれたカード、という意味ではない
参加者を見た時点で誰もが考えるカードであり、『やらねばならない』カードである
たとえば実在する格闘家をモチーフとする異種格闘漫画に、馬場と猪木をモデルとしたキャラが出てきたとして――そいつらが、試合しないでいいワケがねェだろォォォォッッ!
というくらいには、誰もが『あるだろう!』と予想するカードであり、だからこそハードルが高かったカードである

それを! 誰もが期待して、誰もが楽しみで、誰もが心のなかに高いハードルを築いていたカードを! 予約し――書き切っている
冒頭から今回はその話しだぜって感じで始めて、その上で書き切っている
それだけで感動でしょう。それだけで十分でしょう。しかし『それだけ』ではない
なにせ、二人のヴラド三世を『書いた』一作ではなく、『書き切った』一作であるのだから

自分と自分であり、化物と人間であり――いられなかったヴラド三世と、あり続けたヴラド三世
本来、その時点で勝ち目は決まっている
片方がヘルシングという作品のアーカードであるのなら、もうそれだけで勝敗はわかってしまう
ヘルシングを読んだ全員がわかる。わからないのは読んでいない全員であり、わかるのは読んだ全員である

『それを選んだ』ヴラド三世であれば、『それから逃げた』ヴラド三世に夜明けを見せねばならない

――のだが、それはあまりに難しい。
なんと言っても、吸血鬼は力が強い。ただの人間では到底敵わぬほどに、力が強い

しかし、しかし――だからこそ、吸血鬼の胸に杭を立てるのは、いつだって――――

アーカードは英霊の座から召喚されたサーヴァントではなく、己のなかの人間を殺し切り、あとは犬を殲滅していただけの化物だ
安いプライドなき犬を殲滅する作業に明け暮れていたアーカードは、安いプライドに引き寄せられ、そして安いプライドでもって打倒される
安いプライドだ。安いプライドがあれば、なんとだって、化物とだって戦えるんだ
そんなヤツらに会うために、彼はここに来たのだ。そんなヤツらがもういないところから、彼はここに来たのだ
そして、打倒されてなお、しかしアーカードは敗北した化物として帰還する
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


928名無しさん :2017/02/20(月) 02:23:01 ID:5N/FkU160
投下お疲れ様でした
期待の大一番ヴラド対決ここに決着ッ……!
終わってみればさもありなん、化け物に勝つのはいつだって人間だ
正しく血で血を洗う激闘は収まるところに収まったとも言えますが、それだけに熱い物語になっていたと思います!
特にカズィクルベイを死の川で塗りつぶす、領土を侵すクロスオーバーは見事と感じ入りました
決着の果てを良い夢だったと表するヴラド3世の言葉にもグッとくる
征服王イスカンダルは王とは諸人を魅せ、共に夢を見る者と言っていましたが、そういう意味でも極刑王と不死王の主従ら素晴らしい王と従者だったなと
まさしく王道の傑作でした
こんな作品を書けるなんてやはり人間は素晴らしい


929名無しさん :2017/02/21(火) 23:40:18 ID:yuOUQQME0
投下、お疲れ様です
ヴラド同士の対決、決着ッ……!
このロワが始まってからずっと、この戦いを待ち望んでおりました。
何年も経過した末の決着、本当に満足です。素晴らしい。


930名無しさん :2017/03/09(木) 10:36:47 ID:9v8IPpGI0
乙です
英霊のコピーであるサーヴァントにとっては、聖杯戦争はただ一晩の夢なんだよね
でもその一晩の夢に己のプライドと願いを掛け本気で戦うのが儚くて熱い
そしてなんてことだ。二次二次はヘルシング最終回の前日譚だったのか


931名無しさん :2017/03/21(火) 21:10:38 ID:G0THNzsI0
FGOに人が持っていかれつつある中、どう動くか


932名無しさん :2017/09/24(日) 13:17:23 ID:gy9hhBmM0
ついに動き止まったな


933名無しさん :2017/09/27(水) 05:21:00 ID:5MVNp3NY0
くっだらねえこと書き込んで一々ageるのやめろ


934名無しさん :2017/10/06(金) 13:09:41 ID:CxJPDtyI0
次回最終回と聞いて……あれ?


935名無しさん :2017/10/06(金) 13:34:59 ID:a1RPKXNQ0
それトキワの方や


936名無しさん :2017/12/24(日) 10:51:52 ID:HIwQCazI0
やっぱり過疎ったか、まああんだけ纏まってなければ残当か


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14 オリロワアース (Res:478)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 14
1名無しさん :2015/05/06(水) 16:45:35 ID:pYFZnHTQ0
ここは、パロロワテスト板にてキャラメイクが行われた、
様々な世界(アース)から集められたオリジナルキャラクターによるバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17154/

前スレ(企画スレ)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/

・参加者
参加者はキャラメイクされた150名近い候補キャラクターの中から
書き手枠によって選ばれた50名となります。

また、候補キャラクターの詳細については以下のページでご確認ください。

オリロワアースwiki-キャラクタープロファイリング
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/12.html

企画スレよりキャラメイク部分抜粋
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/109-294



地図
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/67.html

459みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:13:12 ID:ptTP.aTw0
全身に揺さぶりを感じて、目を覚ます。
すでに日は昇っていた。
視界に入る少女は確か――柊麗華。
そして、どぎついピンク――ピンク?

「そう睨むな、睨むな。妾の名は卑弥呼。お主……えんま、じゃったか?お主の師匠探しを妾も手伝ってやるぞ」

そう言って、ピンク色の髪の少女は微笑んだ。

「安心せえ。妾はお主らのような可愛い女の子の味方じゃ」

えへへ、と麗華は照れたように頭を掻いた。
エンマはそんな二人を無表情に見つめる。

「協力してくれるの?」
「うむ。妾にどーんと任せい」

薄い胸をどんと叩く。
エンマはこの卑弥呼と名乗る少女をチームにいれたメリット、そしてデメリットを考える。
が、今まで損得についても深く考えなかった少女にとって、これは中々難しい仕事だった。
数秒ほど、眉を歪めて額に手を当てた後、エンマは卑弥呼に結論を言った。

「二人かついで逃げると、両手使えなくて困るから」
そこで一度、言葉を切る。
卑弥呼の目を見つめ、続ける。
「もしもの時は、お前は、追いて逃げるから」

卑弥呼は可笑しそうに笑った。
「かまわんよ、妾はジープを持っとる」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


460みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:14:08 ID:ptTP.aTw0


時は数分ほど遡る。
未だ早乙女エンマが眠りについている時。
吸血鬼、柊麗華は昇る太陽の光を体に浴びながら、エンマの寝顔を見つめていた。
(可愛いなあ)
それは肉体の強度的な意味でも、顔かたちのことでも、両方の意味でである。
柊麗華は自分の外見を気に入っている。
気に入ったからこそ、彼は「柊麗華」を皮にして、彼女になったのだ。
しかし、気に入っているといっても、毎日見ていればさすがに飽きる。
この体で小学校に通っている彼女にとって同年代の女子は珍しいものではないが、それでも早乙女エンマは十分に上玉だった。

そして、ジルに追いかけられた恐怖やエンマの持つ暴力に対する畏怖も、数時間経ったことで、収まっている。
(ちょっとならイタズラしても、バレないよね)

思えば、こういう油断や甘さが彼を一度人生からドロップアウトさせた要因なのだが、残念ながらこれは人外になっても治らなかった。

頬に手を触れる。ぷにぷにとして柔らかい。
髪に手を伸ばす。砂で多少汚れているが、それでも口にいれたいほどきめ細かい。

未だエンマが目覚める気配はない。
そっと、麗華は自分の顔をエンマに近づける。

(さすがに唇同士はまずいよね)
でも頬を舐めるくらいなら大丈夫、とエンマは心の中で呟く。

「おお、何と何と!ロリっ子同士の百合じゃと!いいのう、いいのう。妾はそういうのも大好物じゃ!」

突如聞こえた邪悪な声に、麗華ははっと顔を上げた。
自分の目の前にいるのは、一匹の烏。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


461みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:14:44 ID:ptTP.aTw0


「怪獣ティアマト」
エンマは静かに呟く。
「うむ、妾も二人、同行者をそやつに殺された。今でこそ縮んで怪人と呼べるほどの大きさになっておるが、それでも参加者にとっては十分な脅威じゃな」
「そ、そんなのまでいるんだ……」
と、怯えた声を出して麗華はエンマを見た。
「でも、エンマちゃんなら、勝てるんじゃない。さっきもあんなでっかい虎を簡単に倒しちゃったし」
「ほう、虎をか。そいつはすごいのう。三国志でも虎に勝てそうな奴はそういないというのに」
「……怪獣はわかんないけど、それくらいの大きさの怪人なら、師匠と一緒に倒したことある。だから、たぶん勝てる」
「ならば、討伐に向かうか。妾も微力ながら協力するぞ。かたき討ちじゃ」
じろり、とエンマは卑弥呼を睨んだ。
「まずは、師匠を探したい。方針は、その後考える」

「うむ、ロリは父親と一緒にいるのが一番じゃ。背徳的なロリも好きじゃが、無邪気に父親と戯れるロリも好きじゃよ、妾は」
「じゃあ、とりあえず北上しませんか。人を探すんでしたら、端より中央のほうがいいと思いますし」
「しかしティアマトに出会ったらどうする?」
「なんとかジープで逃げ切りましょう。卑弥呼さんもさっきそれで逃げ切れたんですし、私達が二人増えても問題ないはずです」
なるほど、と卑弥呼は腕を組んだ。
「それでいいよね、エンマちゃん」
と麗華はエンマを見て、あれっと首を傾げた。
どうにも機嫌が悪そうな表情だった。
「別に、出会って、襲い掛かられたら、倒すけど」
どうやら、麗華の言葉でエンマはヒーローとしてのプライドを傷つけられたようだ。
ごめんごめん、と麗華は大仰に頭を下げる。
そういう顔も可愛いいのう、と卑弥呼はよだれを垂らす。
殺し合いの最中とは思えない、どこかふわふわとした空気が流れた。



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462みつどもえ ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:15:14 ID:ptTP.aTw0


柊麗華は高位の吸血鬼ではない。
エクソシストや退魔師、陰陽師と戦闘になれば、なすすべなく退治されてしまう存在である。
柊麗華は天才ではない。
人間であったころは典型的なダメ人間だった。吸血鬼になってからも抵抗の少ない女子供ばかりを襲った(性癖の関係もあったが)

では、柊麗華は同行者二人、二人の少女に対して、何のアドバンテージもないのか。

否、麗華には、二人に対抗する一つの武器があった。

それは。
(限界を知ること)

柊麗華は知っている。
ヒーローや怪人が入り混じるアースHを生きる早乙女エンマよりも。
同じアース出身で、しかし化物としての格で圧倒的に負けている卑弥呼よりも。

彼女は、自分の強さの限界を知っている。
そして、自分より強い者の存在を知っている。

(確かに二人と直接やりあったら勝てない。でも、状況を見極める力なら、この中で私が、いや、『俺』が一番だ)

柊麗華は知っている。
自分を吸血鬼にした真祖の吸血鬼、そのでたらめぶりを知っている。
自分が格下の人外であることを知っている。

だから強者に助けを求める。
だから無力な少女のフリをする。
だから強者の服従を誓う。
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463 ◆F3DFf2vBkU :2016/01/30(土) 00:15:59 ID:ptTP.aTw0
投下を終了します


464 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:43:42 ID:LjUNzr.g0
裏切りのクレア、高村和花、投下します


465桜の意図 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:45:27 ID:LjUNzr.g0
魔法少女とヒーロー、どちらが強いかだって?

そりゃあお前、キャラによるだろ。
最弱の魔法少女と最強のヒーロが戦えばヒーローが勝つ。
最強の魔法少女と最弱のヒーローが戦えば魔法少女が勝つ。
最強の魔法少女と最強のヒーローが戦えば……。

ああ、だめだ。どのキャラが最強かだなんて、ファンそれぞれで違うからなあ。
やっぱあれだ、キャラクターで判断しようぜ。

じゃあとりあえず。異端対決ということで。

元ヒーロー、裏切りのクレア。混血の魔法少女、マイルドフラワー。

強いのは、どっち?



服従か、死か。
裏切りか、死か。
8歳の少女に突きつけられた厳しい選択。

マイルドフラワー、高村和花の瞳は絶望で揺らめいた。

「どうした、さっさと選ぶんだ。私はあまり気が長いほうじゃないよ」

両手を広げ、口を三日月に歪めるその女、裏切りのクレアはマイルドフラワーには悪魔にしか見えなかった。
正義の魔法少女はそこに、確かに悪が在ることを認識する。
だから。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


466桜の意図 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:45:57 ID:LjUNzr.g0


「いやはや、たいしたものだよ」

ぱちぱち、とクレアは大仰に手を叩きながら、敗者、マイルドフラワーへと歩みよる。

「その歳で、その矮躯で、そのファンシーな格好で。まさか私に9割出させるとは」

マイルドフラワーは動かない。うつ伏せに倒れこみ、魔法少女としての変身も解除された高村和花は、すでに意識は無かった。

クレアは彼女の首根っこを掴むと片腕で持ち上げ、その胸に耳を当てる。

「ふむ、まだ息はある」

そう言って、クレアは和花を背負った。

「どうやら、思った以上に面白い子みたいだな、君は」

あの時。

クレアの正拳突きが『サクライト』を消し飛ばし、和花を蹂躙した時。
彼女は、恐怖と絶望に顔を歪ませながら。
それでも、確かに。

「笑っていた。安心したように君は笑ったんだ」

あの笑みの理由は何なのか。
クレアはその答えを知っている。

「君は悪に屈しなかった。決して挫けず、自分の最高の攻撃をぶつけ、それでも――届かなかった。だが、誰が君を責められよう。これ以上、君に何を望もう。ここまで頑張ったんだ、けどどうしようもなかったんだ」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


467 ◆F3DFf2vBkU :2016/02/06(土) 15:46:55 ID:LjUNzr.g0
投下を終了します


468名無しさん :2016/02/07(日) 00:55:30 ID:K3weBxjA0
久々に見てみたら投下来てた
投下乙です。素手でビーム消し飛ばせるとかヤバい(確信)


469 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:00:31 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人
道神朱雀
ライリー
投下します


470 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:00:53 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人と道神朱雀は他の参加者の捜索を続けていた。
朱雀の他人格を警戒しつつも、先のような惨劇は避けねばならない。

「やっぱりこの首輪がネックになるか…」

竜人は自身の能力を発揮するにおいての枷に対する苛立ちを漏らす。

「すまんね、巴やん。私の知識でもこれの構造は分からへんわ。せめてサンプルでもあればちゃうんやけど…」
「サンプル、か…」

生きている自分達の首輪が外せない以上、それはすなわち死体から得たものを指すという事になる。
考えたくはないが、そうした事をする必要もあるかもしれない、と竜人は考える。
だがそもそも、首輪を解析しようとする行為自体が主催に対する反逆行為とみなされる可能性もある。
首輪を得ようとしたら自分の首輪が爆破されるなんて笑い話にもならない。
ともかく今は不確定要素が多すぎるので、首輪に関しては今は保留にしようと二人は決めた。




471 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:01:35 ID:MLe/DFvQ0
「そう警戒しないでくれよ竜人クン、僕は別に君と事を構えるつもりはないんだ」
「悪いがアンタに対していい話は聞いていないんだ。…青竜の事もあるしな」
「あの馬鹿と一緒くたにされちゃうのは心外だなぁ、戦ったってなんにもならない事くらい分かってるつもりだよ」

そう言って朱雀は…正確には朱雀の別人格の一人、"白虎"は竜人に見せるようにして首輪の「G」の文字の部分をトントンと叩いた。

「だってこれ、チーム戦でしょ?青竜は理解してなかっただろうけど、別に僕一人で勝つ必要なんてないさ」

それを聞き、竜人の目つきは険しくなる。
  、、、
「冗談だよ、そういうのを止めたいってのが君の願いだろ。敵に回せばどんな痛い目にあうかって分かってるさ、危うく朱雀君も死にかけたしね。おっと、青竜だったか」

と、皮肉っぽく言う白虎に対し、竜人はバツの悪い表情を浮かべた。

「それにこの体質はどうしようもないしね、そういう動きをするには不利すぎるよ。いつ入れ替わるかは僕にだって分からない。朱雀君や玄武は止めるだろうし、青竜は何しでかすか分かったもんじゃない」
「まあな。分かってても慣れないな、その人格変化」
「精々気をつけてくれよ、僕が死ぬって事は朱雀君や玄武まで死ぬって事なんだからさ。そりゃ君だって避けたいだろ?…っと、誰か来たみたいだね」

二人の視界に入ったのは、金色の長髪が目を惹く少女の姿であった。




472 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:02:23 ID:MLe/DFvQ0
「待ってくれ、俺たちは殺し合いには乗っていない」

竜人と白虎を前にし、明らかに警戒した様子の少女に諭すように竜人は声をかけた。
だが、少女はまるで一切の接触を拒絶するかのような強い口調で叫んだ。

「人間を信用など出来るか!帰れ!!!」
「…人間?」

その、自分は人間ではない、とでも断定するような口調に白虎はいささかの違和感を覚えた。

「さっさと帰れ!醜い人間と話す舌なんて無い!」
「話を聞いてくれ!俺は巴竜人。こっちは道神朱雀、…今は白虎か。話すと長くなるんだが…」
「ちょっと待って竜人君、うん、これはもしかして…」

竜人の発言を遮って白虎は前にズイと出る。そして少女に対しこう尋ねた。

「君の言う人間っていうのはさ…所謂他人を指す代名詞的な意味での"人間"かい?それとも種族そのものを指すって意味かい?」
「はぁ?何言ってんだ、人間は人間だろうが!」
「ふむ、やっぱりか…」

白虎は一人納得した様子で頷き、そしてこう言う。

   、、、、、、、、、
「君…中身は人間じゃないだろう?」


それを聞いて少女―――ライリーは狼狽えた。

「なんでそれを…そんな事どうだっていいだろ!」      、、、、、、、、、
「いやいやどうでもよくない。何故なら僕も…僕達もこう見えて中身は人間じゃないからね」
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473 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:02:42 ID:MLe/DFvQ0
【F-1/町/1日目/朝】

【巴竜人@アースH】
[状態]:健康
[服装]:グレーのジャケット
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを破綻させ、主催者を倒す。
1:次の現場を探す。
2:自身の身体の異変をなんとかしたい。
3:クレアに出会った場合には―
4:青龍、白虎、ライリーに警戒
[備考]
※首輪の制限により、長時間変身すると体が制御不能になります。

【道神朱雀@アースG】
[状態]:健康、白虎の人格
[服装]:学生服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを止めさせる。
1:竜人とともに付近を捜索する。
2:他人格に警戒、特に青竜。
(青竜)
基本:自分以外を皆殺しにし、殺し合いに優勝する
(玄武)
基本:若者の行く末を見守る
(白虎)
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


474 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 03:03:01 ID:MLe/DFvQ0
投下終了します


475 ◆aFyiCU5AH6 :2017/05/28(日) 11:45:33 ID:MLe/DFvQ0
タイトルは「人でなし達の宴」で


476名無しさん :2017/05/28(日) 14:20:38 ID:TRjQxWJg0
まさか投下がくるとは


477名無しさん :2017/05/30(火) 01:26:40 ID:an5ZT6JY0
投下乙です
ライリー思ったより扱いやすい……のか?
青竜という爆弾抱えてるし、ライリーとも一瞬即発だし、巴は今後も大変そうですねえ


478名無しさん :2017/06/03(土) 11:46:30 ID:QFVzEDBM0
投下乙


名前: E-mail(省略可)
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15 90's バトルロイヤル (Res:324)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 15
1名無しさん :2015/10/20(火) 00:14:42 ID:S/90BWeU0
こちらは90年代の漫画、アニメ、ゲーム、特撮、ドラマ、洋画を題材としたバトルロワイアルパロディ型リレーSS企画です。

90's バトルロイヤル @ wiki
ttp://www27.atwiki.jp/90sbr/

90's バトルロイヤル 専用掲示板
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17336/

地図
ttp://www27.atwiki.jp/90sbr/pages/13.html

5/5【金田一少年の事件簿@漫画】
 ○金田一一/○高遠遙一/○千家貴司/○和泉さくら/○小田切進(六星竜一)

5/5【GS美神 極楽大作戦!!@漫画】
 ○美神令子/○横島忠夫/○氷室キヌ/○ルシオラ/○メドーサ

5/5【ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風@漫画】
 ○ジョルノ・ジョバァーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○リゾット・ネエロ/○ディアボロ/○チョコラータ

5/5【ストリートファイターシリーズ@ゲーム】
 ○リュウ/○春麗/○春日野さくら/○ベガ/○豪鬼

5/5【鳥人戦隊ジェットマン@特撮】
 ○天堂竜/○結城凱/○ラディゲ/○グレイ/○女帝ジューザ

5/5【DRAGON QUEST -ダイの大冒険-@漫画】
 ○ダイ/○ポップ/○ハドラー/○バーン/○キルバーン(ピロロ)

5/5【幽☆遊☆白書@漫画】
 ○浦飯幽助/○南野秀一(蔵馬)/○幻海/○戸愚呂弟/○戸愚呂兄

5/5【らんま1/2@漫画】
 ○早乙女乱馬/○響良牙/○天道あかね/○シャンプー/○ムース

4/4【カードキャプターさくら@アニメ】
 ○木之本桜/○李小狼/○大道寺知世/○李苺鈴

4/4【機動武闘伝Gガンダム@アニメ】
 ○ドモン・カッシュ/○東方不敗マスター・アジア/○レイン・ミカムラ/○アレンビー・ビアズリー

4/4【サクラ大戦シリーズ@ゲーム】
 ○大神一郎/○真宮寺さくら/○イリス・シャトーブリアン/○李紅蘭

4/4【古畑任三郎@ドラマ】
 ○古畑任三郎/○今泉慎太郎/○林功夫/○日下光司

3/3【ケイゾク@ドラマ】
 ○柴田純/○真山徹/○野々村光太郎

3/3【ターミネーター2@映画】
 ○ジョン・コナー/○T-800/○T-1000

3/3【レオン@映画】
 ○レオン・モンタナ/○マチルダ・ランドー/○ノーマン・スタンスフィールド

2/2【ダイ・ハード2@映画】
 ○ジョン・マクレーン/○スチュアート

67/67

305竜は再び昇る ◆uuM9Au7XcM :2017/01/11(水) 00:19:41 ID:ftIs30W60

「女帝ジューザだと……あいつは俺たちが倒した……そう、たしかに死んだはず」


名簿の記入ミスか?
いや、殺し合いを催すような組織がそんなくだらないミスをするだろうか?
これがミスではないのだとしたら、ジューザが実は生きていたことになる。
もしくは――――


「生き返ったということなのか……?」


ノストラダムスは言っていた。
『このゲームの勝者には、商品としてどんな願いでも一つだけ叶えてやろう。不老不死、巨万の富、死者蘇生……あらゆる用意もある』と。


そして、
「『その証拠を持つ者とは、生きてさえいればいずれ証人に会えるだろう』とも言っていたな」


ジューザがノストラダムスの言う証拠を持つものなのかはわからない。
ただし、その可能性は高い。ということはリエを生き返らせることも可能であるということだ。

名簿を隣の席の上に置き、支給された食料であるパンをデイパックから取り出し豪快に噛り付く。
そのまま味わうこともなく咀嚼し、水で流し込んでいく。
腹が減っては戦はできぬというように、戦うためにはエネルギー補給が必要だ。
そう―――俺は再び戦うことに決めた。
リエを生き返らせることができるという確証はないが、希望を持つことはできる。彼女のためになら、俺は鬼にでもなってみせる。
考えるのはこれで終わりにしよう。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


306 ◆uuM9Au7XcM :2017/01/11(水) 00:23:49 ID:ftIs30W60
投下終了です。

申し訳ありません、場所を記載ミスしていました。
正しくは【A-7 映画館/1日目 深夜】です。


307名無しさん :2017/02/01(水) 19:07:15 ID:9bcabzDA0
乙です。
林ナチュラルに悪党やなあ……猫箱の中の猫になった紅蘭のその後は如何に。
竜は……不安定な精神状態な時に連れてこられたから、仕方ないかな。
どちらも納得して楽しめる話でした。状態表の満腹にほっこり。


308 ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:08:46 ID:ZufKuwkY0
投下します。


309さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:10:03 ID:ZufKuwkY0
「バトルロイヤルねえ……。まったく……面倒なことに巻き込んでくれたもんだ」


暗闇に包まれた草原に座り込んでいるスーツ姿の男――――真山徹は面倒そうに、しかし苛立ちを含んだ物言いで呟いた。
その声はすでに疲労を感じさせ、息遣いも荒く肌には汗が滲んでいる。
すでに殺し合いに乗った者と戦闘をした後―――
というわけではなく、バトルロイヤルが始まる以前にある事情から警察に追われ、銃撃を受け負傷しているのである。


(殺し合い……もしかして……朝倉の仕業か?)


真山は刑事として数年間働いてきたが、数十人を拉致して殺し合いをさせることができる人物などそうそういるわけがない。
どこかの国のイカれた独裁者か、刺激を欲した金持ちの道楽か。
考えを巡らせても、そんなぼんやりとした可能性しか浮かばないなか、具体的な人物として思い至ったのが朝倉裕人。
真山徹の妹を同級生たちに輪姦させ自殺に追い込み。
大沢麻衣子を洗脳し自殺させ。
真山の同僚の谷口剛までも操って死に至らしめている。
真山徹が最も憎み、殺したいとさえ思っている凶悪犯罪者だ。

朝倉は何人もの人間を自分の都合のいいように操り、弄んできた男である。殺し合わせるなんてものを催したとしても不思議ではない。
だが、いくら朝倉でもここまで大規模なことをできるだろうか。
それに説明を受けた場所で死んだワニの化物はいったいなんなのか。
などといったいくつもの疑問点が湧き、朝倉の仕業だと想定したくとも確信できない現状に、思わず頭を掻き毟る。

しばらくそのような考えに頭を悩ませていた真山だったが、纏まらない考察は後回しにしようと決め、ランタンを草の茂った地面へ広げた名簿に掲げ視線を落とす。
そこにはよく知る名前が載っていた。
柴田純と野々村光太郎。

二人とも警視庁捜査一課弐係の同僚で、今年配属されたばかりの新人とどこか抜けている係長である。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


310さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:11:07 ID:ZufKuwkY0

「おいッ!そこから動くなよ」

「は、はいっ!!」


真山はすかさず支給品のサブマシンガンを構え、少女に銃口を向けると、その場で静止するように警告する。


「あ、あの……わたし、木之本桜っていいます。
 ノストラダムスって人の言いなりになって、おじさんを殺すつもりなんてあ、ありませんからっ」
「……悪いけどな、初対面の人間をはいそうですかとすぐに信用できるようなお人よしじゃないんだわ、俺」
「そんな……」


拒絶する真山の返答に、桜と名乗った少女は残念そうに肩を落とす。
真山とて、目の前の少女が自分を害するために近づいてきたと決めつけているわけではない。
だが、同僚の谷口剛ですら豹変して襲ってきたのだ、年端もいかない少女とはいえ簡単に信用しろというのは無理な話である。
しかも出会ったのが殺し合いを強制されている場所だ。
人間というものは己が死ぬかもしれないとなったら何でもやるものだ。
たとえそれが人殺しとは無縁に見える子どもであったとしても。


「それでも、……桜ちゃんだっけ?君みたいな女の子殺すのも寝覚めが悪いからさ。
 さっさとどっか行ってくんない?」


信用できなくても殺すことは躊躇われる。
そう桜に告げ、この場から立ち去ることを促す。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


311さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:12:07 ID:ZufKuwkY0


「その子たちは友達か?」
「……ええ、そうです。
 とっても大切なお友達なんです。」


桜は少し驚いた表情に変わるが、振り返らずに一歩踏み出した体勢のまま止まる。


「……そうか、会えるといいな」


それだけを言うと、小さな声で「行け」と再び促すようにして言葉を締めくくった。
次に驚くのは真山の方であった。
真山から遠ざかるように歩き出すと思っていた桜が突如反転、しかも猛然と走ってきたのである。
予想外の事態に身体に力が入ったのか、左腕の傷が痛み、構えていたサブマシンガンを手放してしまう。
慌てて右手で拾い上げ顔をあげるも時すでに遅し、桜は至近距離まで迫っており、気が付くと草原に押し倒されていた。


「おい、何のつもりだよ」
(くそっ……信用しないとか言いながら油断してどうすんだよ……)


眼前には先ほどの怯えた表情と違い、意志の強さを感じさせる瞳。
押し倒されたドサクサで、真山が構えていたサブマシンガンも桜の手にある。
後悔を胸に抱きつつ、返答を期待せずに問いかけた。


「ハァ……ハァ…………やっぱりおじさんは……悪い人じゃないって……思ったから」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


312さくらとあぶない刑事さん ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:13:03 ID:ZufKuwkY0
桜が病院へ行って真山の左腕を治療するべきと主張し、じゃあ歩いていくかと真山は応じた。
そして、その必要はないと桜が言い出したのが数分前。
歩いて行かなきゃどうするんだ、車でも出してくれるのかと馬鹿にした物言いで真山が吐き捨て、それに桜がムッとしたのが数十秒前。
桜がペンダントを取り出し、何やら呪文のようなものを唱えると急にピンク色の杖が出現。
それを見て、真山が狐に化かされたような顔になったのがつい先ほどである。

真山の混乱はまだ続く。
次に桜が取り出したのは1枚のカード。そこには鳥の絵が描かれているのがチラリと見えた。


「クロウの創りしカードよ。
 我が鍵に力を貸せ。
 カードに宿りし魔力を
 この鍵に移し我に力を!」


取り出したカードを宙に投げたかと思うと、桜がそのカードに向かって杖の先端部分を叩きつける。
すると叩きつけた杖に翼が生え、桜は当然のようにその杖に跨ると、ゆっくりと宙へ浮かび箒に乗った魔女のように真山の周りをくるりと華麗に1周してみせた。


「さあどうぞ!おじさんも後ろに乗ってください。
 これで一緒に病院へ行きましょう」

「……おじさんじゃない。真山さんと呼びなさい」


何が起こったのか理解できない真山は、とりあえずずっと気になっていたおじさん呼びを改めさせることにした。



(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


313 ◆uuM9Au7XcM :2017/03/20(月) 20:13:50 ID:ZufKuwkY0
以上で投下終了です。


314 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:13:17 ID:5M7EDqZ20
投下します。


315それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:14:20 ID:5M7EDqZ20
バトルロイヤルが始まってすぐにムースが感じたのは、殺し合いを開いた主催者への怒りであった。
そして支給品や地図、名簿の確認を行っていく過程で、怒りは焦りと不安へ変わっていく。
眼鏡を没収されなかったのは不幸中の幸いであった。彼は視力が低く、眼鏡をかけていないと銅像と人間の区別もできないほど、対象の判別ができない状態になってしまう。
名簿にはムースの知人の名前が複数人記されており、その中には彼の想い人であるシャンプーの名前もあった。
それは即ち、シャンプーが殺し合いのゲームに参加させられ、命の危険にさらされていると言う事に他ならない。
もし眼鏡まで没収されていたのなら、名簿を読むことができずにシャンプーが参加していることに気付くことができなかった。
この状況に気付くことができただけでも、本当に不幸中の幸いだったといえる。


「ここにおればいいが……」


差し当たっての目的地と定めた風林館高校へと到着したムースは、違和感を感じつつもその馴染みのある建物を見上げ呟いた。
この場所へ来た目的は、知り合いと合流しシャンプーを捜索する助力を得ることである。
強制的に殺し合いをさせられている以上は、初対面の人間は信用できないため、知り合いが立ち寄るであろう彼らの母校の名と形をしたこの場所へ赴いたのだ。
乱馬、あかね、良牙の3名のことは好きではないが、このような催しに乗るような人間ではない。むしろ抗うのが容易に想像できる。
ただし、シャンプーはどうだろうか?
ムースにとっては心底口惜しい事実であるが、彼女は乱馬に好意を抱いている。熱情的で直情的な彼女ならば乱馬のために殺し合いに乗るのではないか?
ムースは想い人が殺し合いに乗り、その結果死んでしまうことが恐ろしくて堪らない。
そんなことを考えながら校内へ入っていくと、奇妙な光景を目にした。


「これは……寝ておる……のか?」


中学生か高校生か、つまりはムースと同い年か年下ということになるが、その程度に見える少年が校舎に背を預け座った状態で熟睡していた。
一瞬、既に殺された参加者の骸かとも思ったが、寝息によって上下する肩を見て寝ているのだと理解した。
余程疲れて眠っているのか、近付いたムースを意にも介さず気持ちよさそうに眠りこけている。


(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


316それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:15:42 ID:5M7EDqZ20


「人の気配がしたから来てみれば……なんだコイツは」


先ほどのムースと同じ場所に立ち、同じような反応をしているこの男の名はドモン・カッシュ。
ネオジャパン代表のガンダムファイターであり、世界の調停者『シャッフル同盟』の一員キング・オブ・ハートの紋章を受け継いだ青年である。
鋭い目つきにボサボサの黒髪には赤いハチマキをし、右頬に十字の古傷を付けたその姿はどこか近寄りがたい雰囲気を漂わせている。


「おい!こんなところで寝ていると危険だぞ起きろ!」


ドモンは眠っている少年に声をかけながら、軽くゆすって起こそうと試みるも、一向に起きる気配がない。
悠長に起こしている場合ではないと、今度は頬を叩いてでも起こそうと手を振り上げた。
すると、


「――――なんだとッ!!}


攻撃する相手に反撃してカウンターをいれるかのように、頬を叩こうとしたドモンへ向かって風を切るように少年が拳を繰り出してきたのだ。
腹部へ放たれた拳をドモンは咄嗟に左腕でガードしてみせるも、彼を警戒させるには十分な威力を持っていた。


「眠ったふりをして攻撃を仕掛けてくるとは卑怯な!!
 そのつもりならば相手になってやる!!さあ、かかってくるがいい!!!」


少年に敵意があると思ったドモンはすぐさま構えをとり、戦闘態勢に入り相手に出方を窺う。
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317それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:16:48 ID:5M7EDqZ20


「寝ているとはどういうことだ?コイツは俺に攻撃を仕掛けてきたぞ」
「寝ているというのは本当ですよ。体力を回復させるため睡眠をとっているのでしょう。
 反撃してきたのは……まあ彼の本能で、というしかありませんね」
「要するに、こいつはこのゲームに乗るような奴ではないと言いたいのか?」
「……ええ。そして、オレもノストラダムスの思惑通りに殺し合いをするつもりはありませんよ。
 もちろん、仕掛けてくる相手に手加減するつもりもありませんけどね」


説明になっているのか疑問な説明をしながら、蔵馬は少年の元へ向かい彼の傍にしゃがみ、顔を覗き込む。
ドモンは、横を通り抜けていく蔵馬の美麗な横顔に見惚れてしまいそうになりつつも、二人の様子を注意深く見つめていた。
手加減するつもりはないと口にした時のほんの僅かだけ、蔵馬の雰囲気が冷徹なものへの変わった。
ドモンはそれを感じ取ると、蔵馬が見た目通りの男ではないと察する。


「おい、幽助。いくら君でもこんな所で呑気に寝ていたら危険だぞ」
「……グゥ…………ムニャムニャ……」
「だめだ……しばらく起きそうにないな」
「そういえば、その幽助というやつのデイパックが見当たらんが」


蔵馬も幽助を起こそうと試みてみるが、ドモンの時と同様に効果がないということが判明したところで、ドモンがある事実に気付く。
彼らバトルロイヤルの参加者全員に配られているはずのデイパックが、幽助の傍にないのである。
殺し合いのゲームにおいて命を繋ぐために必要不可欠な、地図や食料などが入っており、いくら実力者であったとしてもそれらなくしては死亡率は跳ね上がることだろう。
ドモンと蔵馬は二人して周囲を探してみるも、見つけることはできない。


「どこかに隠しているのか?」
「いえ、そこに気を使うのならばこんな無防備なところで寝ていないと思います。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


318それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:17:30 ID:5M7EDqZ20


「蔵馬、お前はそいつを使ってデイパックを探してくれ。俺は幽助を背負って移動する。
 そして、俺の知り合いに会ったら手助けをしてやってほしい」
「わかりました。では、軽く情報交換をして、待ち合わせの場所と時間を決めておきましょう」


基本方針が決まると、二人はすぐさまデイパックから地図と名簿、そして筆記用具を取り出し情報交換を始めた。


「まずはドモン、貴方の探し人を聞いておきましょう」
「レイン・ミカムラ、アレンビー・ビアズリーの二人だ。
 そしてもう一つ言っておくことがある。東方不敗には手を出すな」
「それは危険だから?それとも何か因縁があって自分が手を下したい相手ということですか?」
「…………両方だ」
「わかりました。こちらも伝えておきますが、戸愚呂兄弟には関わらないようにおススメします。
 少なくとも、幽助が目を覚ますまでは」

蔵馬の重苦しい物言いに、ドモンは深く肯いた。


「次に待ち合わせ場所ですが。互いに成果がなくても、二回目の放送頃にD-4地点のプレミアマカロニで落ち合いましょう。
 それまでにD-4が禁止区域となっていた場合には、E-3の駅に変更ということで如何でしょう?」
「よし、それでいこう」



蔵馬は見鬼くんが指し示す方角である西へ向かって駆けていく。
彼はドモンに伝えようか迷った結果、確証が持てずに伝えられなかったことがあった。
それは、幻海という名前が名簿に載っていることについて。蔵馬の認識では、彼女は戸愚呂弟によって殺されたはずであった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


319それぞれの道 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:19:13 ID:5M7EDqZ20




【F-5 風林館高校周辺/1日目 深夜】


【ムース@らんま1/2】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式(2人分)、ランダム支給品4~6(浦飯幽助の分は未確認)、
[思考]
基本行動方針:シャンプーを連れて脱出する。
1:シャンプーと合流する。
2:乱馬たちと合流する。
3:知り合い以外は信用しない。
4:可能ならば他の参加者から支給品を奪取する。


【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダム支給品2~3
[思考]
基本行動方針:打倒ノストラダムス。
1:浦飯幽助を連れてレイン、アレンビーを探す。
2:第二回放送頃にD-4プレミアマカロニまたはE-3の駅で蔵馬と合流する。
3:東方不敗は自分が倒す。
4:戸愚呂兄弟を警戒。
[備考]
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


320 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/28(日) 01:20:02 ID:5M7EDqZ20
以上で投下終了です。


321 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:00:04 ID:7iJnnJiA0
投下します。


322放たれた怪物 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:01:28 ID:7iJnnJiA0

病院というものは人の命を救う場所であるが、必然的に死が発生してしまう場所でもある。
そのため怪談の舞台になることも多く、どこか居心地の悪さを感じるものも少なくはないだろう。
夜間の大病院ともなれば、その広大さと昼間の喧騒から一転しての静けさにより不気味さはさらに増すことになる。
命を奪い合うバトルロイヤルの会場に設置された施設の一つ、大凶病院。
ゲームが開始され、この無人の病院に飛ばされた男が一階の待ち合いフロアの椅子に腰かけている。
彼の名前はチョコラータ。


「素晴らしいっ!!なんと心躍るイベントだ!」


その口から発せられたのは主催者への恨み言や嘆きではなく、最大限の賞賛の言葉。
彼の手には支給された名簿があり、そこに記された67人の名前を喜色をあらわにしながら眺めている。
それはまるで、腹ペコの子どもがご馳走の並んだメニューを手渡され、どれを食べようか迷っているかのようであった。


「この名簿に載っている者たちが殺し合うのか。
 くくく……私が主催者となってそのすべてを観察したいところだが、自ら好きに殺して回るのも悪くない」


舐めるように名簿に目を通していたチョコラータだが、ふと見覚えのある名前に目が留まった。


「ブチャラティとジョルノ・ジョバァーナ。……そしてリゾット・ネエロか」


彼らがこのゲームに参加していようと、チョコラータの行動方針に影響を与えることはない。
知った名前ではあるが、顔見知りでも親しいわけでもなく、むしろ積極的に殺しておきたい人物だといえるだろう。
ここに呼ばれる直前、チョコラータが始末しようと動いてた標的がブチャラティとその部下たちなのだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


323放たれた怪物 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:02:51 ID:7iJnnJiA0


一通り名簿を見終えたチョコラータは、次にデイパックの中身を確認し始めた。
食料などと共に入っていたのは、加工された鳥の羽と囚人用の手錠。


「おいおいおい、ビデオカメラがないぞ!
 気の利かない連中だな。これではせっかく殺しても死の瞬間を撮影して楽しむことができないではないか」


それまで上機嫌だったチョコラータだったが、お目当てのものが支給されていないことに怒りを露わにし、賞賛していた主催者へ理不尽な批判を吐き出した。
苛立ちが収まらないのかブツブツと愚痴を零しながら、取り出した支給品と院内を周って調達したメスなどの医療器具をデイパックへしまっていく。


「おや、客が来たようだな」


デイパックへ荷物をしまい終え、チョコラータが立ち上がりかけた時、正面入り口の自動ドアがゆっくりと開く音が鳴った。
人の気配を察したチョコラータは、狂気を隠すようににこやかな表情を作り人影の方へ歩き出す。
狂人の待つ病院へ、それを知らない参加者が足を踏み入れたのであった。





【E-4 大凶病院/1日目 深夜】


【チョコラータ@ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風】
[状態]:健康
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


324 ◆uuM9Au7XcM :2017/05/29(月) 01:03:42 ID:7iJnnJiA0
以上で投下終了です。


名前: E-mail(省略可)
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16 アニメキャラ・バトルロワイアルGO (Res:657)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 16
1名無しさん :2016/06/17(金) 00:00:13 ID:EdILi.9c0
ここはアニメキャラクターでバトルロワイアルを行うリレーSS企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17236/

投票所
ttp://jbbs.shitaraba.net/anime/10770/

wiki
ttp://www65.atwiki.jp/anirowago/

地図
ttp://imgur.com/aYmPt1v.jpg

【参加者名簿】

6/6【名探偵コナン】
○江戸川コナン/○毛利蘭/○灰原哀/○安室透/○赤井秀一/○ジン
6/6【うしおととら】
○蒼月潮/○とら/○秋葉流/○引狭霧雄/○斗和子/○紅煉
6/6【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
○東方仗助/○広瀬康一/○虹村億泰/○岸辺露伴/○片桐安十郎/○吉良吉影
6/6【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】
○三日月・オーガス/○オルガ・イツカ/○ビスケット・グリフォン/○アイン・ダルトン/○ガエリオ・ボードウィン/○マクギリス・ファリド
6/6【迷家-マヨイガ-】
○光宗/○スピードスター/○ヴァルカナ/○らぶぽん/○美影ユラ/○ナンコ
5/5【おそ松さん】
○松野おそ松/○松野カラ松/○松野チョロ松/○松野一松/○松野トド松
5/5【東京喰種トーキョーグール】
○金木研/○霧島董香/○月山習/○ヤモリ/○真戸呉緒
5/5【オーバーロード】
○アインズ・ウール・ゴウン/○アルベド/○シャルティア・ブラッドフォールン/○デミウルゴス/○クレマンティーヌ
5/5【うたわれるもの 偽りの仮面】
○ハク/○クオン/○ネコネ/○オシュトル/○ヴライ
4/4【ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン】
○ニンジャスレイヤー/○ダークニンジャ/○ヤモト・コキ/○シルバーカラス
4/4【ストライクウィッチーズ】
○宮藤芳佳/○リネット・ビショップ/○サーニャ・V・リトヴャク/○エイラ・イルマタル・ユーティライネン
4/4【がっこうぐらし!】
○丈槍由紀/○恵飛須沢胡桃/○若狭悠里/○佐倉慈
4/4【この素晴らしい世界に祝福を!】
○佐藤和真/○アクア/○めぐみん/○ダクネス
3/3【ガールズ&パンツァー】
○西住みほ/○西住まほ/○逸見エリカ
3/3【THE IDOLM@STER】
○天海春香/○如月千早/○星井美希

72/72

638佐藤和真ですが、戦車内の空気が最悪です ◆QkyDCV.pEw :2017/02/19(日) 21:04:31 ID:BEYVrFpk0
「うん」
仗助もみほも、闇雲にただ戦うような真似はしない。何処何処までも諦めず考え抜いて、勝ちの目を引き寄せようという努力を怠らない。そんな仗助が口にし、みほが頷くからこそ、この言葉は若気の至りだのといったものとは一線を画するのだろう。
そうした理屈を理解しているわけでもないのだが、宮藤芳佳もまた戦いを前に怯え引き下がるような者ではない。
「私も、もちろんそのつもりだよ。だって私、ウィッチなんだから」
カズマはそんな三人のノリに少し釣られている自分を自覚しながらも、まあ仕方ないか、と置かれた環境を鑑み自分を納得させる言い訳とする。
「おーおー、三人共かっこいいねえ。俺は真っ向からやりあうなんて柄でもないし、セコくコスくやらせてもらうけどな」
冗談めかしてそう言ったのだが、何故かみほにも仗助にもこの言葉は大層好評であった。
みほはぽんと手を叩く。
「はい、そういうので行きましょう。相手が強いという事だけははっきりしてるんですから、こちらは手間暇をかけてこそこそーって感じで」
始めて、嘲笑とかではなく楽しげにカズマに笑いかける仗助。
「そうだな、あんだけふざけた連中だ、おちょくってやるぐらいがちょうどいいだろ。おめえはそういうの得意そうだしアテにしてるぜ」
一人落ち込んだ気配の芳佳。
「わ、私はあまり頭を使うのは……で、でもセコくズルく、だね。頑張るよ。と、とりあえずはお夕飯のおにぎりの具をわさび漬けに変える所から……」
速攻でカズマが突っ込む。
「俺達にセコくしてどーする。後それ多分食ったら美味いぞ」
「だ、だって美味しくないもの食べるとかあんまりだし。でもちょっとした刺激っていうかびっくりをね」
「だから俺達にそーしてどーすんだよ」
二人のやり取りを見て、仗助とみほは同時に安堵の息を漏らす。それに気付いた二人はお互い顔を見合わせる。
何とか芳佳が元気を取り戻してくれて良かった、そんな事を二人が同時に考えていて。二人は同時に噴き出すと穏やかな笑みを浮かべる。
思いっきり笑い合える程精神状態は安定しているわけではない。それはひたすら冷静であろうとし続けているみほであってもだ。
ただそんな苦しい中であっても、ほんの少しなら笑う余裕を持てた。そして、自分でそうしてみて始めて、無理して作った笑みにも、心を安らげる効果があるのだと二人は知ったのであった。





【E-7/朝】

【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:
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639 ◆QkyDCV.pEw :2017/02/19(日) 21:05:15 ID:BEYVrFpk0
以上で投下を終了します。


640名無しさん :2017/02/20(月) 10:21:26 ID:uunHKq4E0
投下乙
やっぱり異世界&蘇生体験済みのカズマが居るとこういう時話進のが早いな
ふわっとしてるところはみほと仗助で埋めたりいいパーティーだ


641名無しさん :2017/03/04(土) 18:27:32 ID:UDFa.h560
こいつらの掛け合い楽しいなあ
カズマさんもだけど仗助みほがいい


642 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:51:31 ID:VD0IupEk0
広瀬康一 松野カラ松 赤井秀一、投下します。


643納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:52:18 ID:VD0IupEk0




最初の定時放送を聞き終えた後、松野カラ松は川を流れていくトド松の姿を思い出していた。
再び体に震えが来た。カラ松にはその震えの理由がわからなかったが、怖くて震えているというのだけは自分でもわかる。
悲しむよりも、怒るよりも、まず先に怖いとカラ松は思ったのだ。
助けを求めるようにカラ松は共に行動する広瀬康一に目を向ける。そこで、彼の見せた変貌っぷりに目を見張る。
怒髪天を突くとは正にこの事だろう。髪が逆立って見える程、康一は激怒していた。
康一は、声だけは平静なままで言った。
「ねえ、カラ松さん。例えば、ですよ。自分の大切な友達を、ロクに彼の事を知りもしないクソ野朗が、ざまあ見ろって言わんばかりに死んだとかぬかしたら、どう思います?」
「え? ええと……」
「ムカッ腹、立ちません? もし目の間にソイツが居たなら一発入れてやらなきゃ収まらないぐらい、頭に来ませんか? もし、親切心で言ってますーなんて戯言抜かしたら、起き上がれなくなるまで殴りたいって、思っちゃいますよね」
「お、おう。でもそれ俺じゃないからな、おーけい? 俺チガウ。俺コウイチの敵チガウ」
「わかってますよ。見境無く暴れたりなんてしません。けど、コレ、間違いなく、僕、怒っていいですよね? こんな事抜かすクソ野朗見かけたら、思い知らせてやっていいですよね?」
「うん、うん、怒っていいと思うぞー。でも俺じゃないからな、俺には怒らないでください、プリーズ」
滅茶苦茶怖いらしく、つい敬語になってしまうカラ松。
康一は自らのこめかみを手で抑え、三回、呼吸を行い心を整える。
「……ごめん、もう大丈夫。億泰君はまだ、きっと生きてる。だから……」
そこで言葉を区切って康一はカラ松をまじまじと見つめる。
カラ松の目の縁が小刻みに揺れている。さっきの放送で、カラ松の弟の名前が呼ばれたのは康一も知っている。その弟の死体を、カラ松は目にしているのだ。動揺も無理も無い話だろう。
康一はそんな彼に負担をかけるのは、心苦しいと思えた。
今の康一はもう、とにかく隠れてやり過ごすといった思考はない。こちらからも積極的に動いていって人を探し、敵と味方を見極めつつ味方を増やそうと考えている。
そんな道行きにカラ松を連れて行ったものか、と悩んだのだ。
カラ松はこの村に置いて、自分のみが動き回るというのが良さそうな考えに思えたのだが、康一は何故かそれを実行に移す気になれなかった。
彼を一人残していくのが心配だ、というのもある。ただ、危険さで言うのなら探索に共に出る方が絶対に危険だ。何せ人が居たらこちらから接触を取ろうというのだから。
カラ松は勇敢な青年だが、だからとスタンドも持たぬ彼では先のような人外相手では足手まといにしかなるまい。ましてやそんな相手に蛮勇を振るったならば結果は火を見るより明らかだろう。
ならば隠れられる場所に隠れていた方がいい、と思うのだが、やはり何度考えても、康一はカラ松をココに置いていくのは良くないと思えてしまうのだ。
「康一ボーイ?」
カラ松が不思議そうにこちらを見返してくる。
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644納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:53:15 ID:VD0IupEk0
いや、ここから出ていく、それもあの殺人者達の居る方向とは別の方に向かうというのであれば、見送っても問題が発生する可能性は低いと考えられる。
この村で、赤井は生き残る算段をつけなくてはならない。それは、敵を倒す事と同義だ。
殺人者が徘徊している土地に放り込まれた多数の無力な人間達を、如何に救うのが一番効率的か。簡単だ、殺人者を全て駆逐しきってしまえばいい。
放送内容を信じるのであれば、先に出会った二人組の殺人者ではとても殺しきれないだろう数の死者が出ている。それはきっと、あの二人以外にも人殺しがいるという事だ。
赤井には効率的に手際良く、殺人者を始末していく事が求められる。では、どうするか。
この村を、殺人者にとってのキリングフィールドにしてやればいい。
武器? 無いなら作ればいい。必殺の殺し間をこの村の各所に用意し、殺人者を招き寄せて殺す。
幸い、ここは村で、幾つかの面白そうな道具も見つけてある。また和風家屋である為、軒下や天井裏も入りやすく、今康一とカラ松を見張っているように隠れ潜む事も容易だ。
これらを活用すれば、有効な武器も作る事が出来るだろうし、待ち伏せやら仕掛けやらにも向いている場所だろう。武器は、とりあえず弓辺りを赤井は考えている。
そんな危険な場所となるこの村には、彼等は居ない方がいいだろう。
或いは、殺人者であろうとこれを殺す事に忌避感のある者も居るかもしれない。だから、赤井がやるのだ。
何でもそうだ。出来る者がするのが、一番効率が良い。ここにどんな者が集められているのかはわからないが、殺人の訓練を受けている赤井がそうするのは至極理に適った行為であろう。
故に赤井は二人を見送る。彼等が悪意を持って赤井の情報を洩らすとは考え難いが、必殺の殺し間をより磐石のものとする為には用心に用心を重ねるべきだ。
あのバーボン、安室透ですら不覚を取る場所なのだから、ここは。

村から離れた所で、康一はこんな事をカラ松に訊ねた。
「ねえカラ松さん。あの村さあ、何か変な感じがしたとかそういうのあった?」
「え? いや、俺はそういうのは無かったぜ……」
そっか、といい、康一はこれ以上この話題を続けはしなかった。
康一が村を離れたのには、れっきとした理由がある。
それは康一が、あの村をかつて入り込んでしまった杉本鈴美の居る場所と、似ていると感じたからだ。
人が全く居ない町並みといった表面的な類似ではなく、もっと別の、肌にまとわりつくような、空気が違うとでもいうような、感覚だ。
以前に感じたその不思議な空気と、今この山中の村を取り巻く空気が似通っている、と康一には思えてならなかったのだ。
あくまで勘の範疇であり、理論的に云々なんて話ではないので、これを普通に話してカラ松を納得させるのは困難だろう。だから康一はああ言ったのだ。


645納鳴村の見え方 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:53:42 ID:VD0IupEk0
夜が明けたとはいえ、山中の移動は困難を伴うだろうし、木々が乱立する最中を歩く事になるのであるから、不意打ちへの警戒も難しかろう。
それでも康一は、あまりあの場所に居るのはよろしくないと感じていたのだった。



【C-6/朝】
【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに反対。
1:ここに居るらしい仗助と億泰を探す。
2:ヤモリ、クレマンティーヌから逃げる。
3:カラ松を守る。
4:吉良吉影の危険性を伝え、捕まえる。
※本編終了後より参戦
※スタンドのことは「どうせ見えないだろう」と隠しています。

【松野カラ松@おそ松さん】
[状態]:健康
[装備]:H&K USP(13/15)
[道具]:予備弾薬30、支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考・行動]
基本方針:帰る。
1:康一に引っ張られて移動する
※トド松の死体を見ました。
※康一のスタンドも見ましたが、その事を康一に確認する時間的余裕はありませんでした。

【C-6納鳴村/朝】
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646 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:54:06 ID:VD0IupEk0
以上で投下を終了します。


647 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:55:13 ID:VD0IupEk0
シャルティア・ブラッドフォールン ダークニンジャ ヴライ 月山習、投下します。


648 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:55:48 ID:VD0IupEk0



どうやらここはシャルティア・ブラッドフォールンの全く見知らぬ土地であるらしい。
とっ捕まえた戦士から聞き出した話から考えるに、ここはネオサイタマという場所の近くと思われるが、そいつも拉致されて来た口で本当にそうなのかの確証も得られなかった。
シャルティアが見つけた人間は全部で四人居た。内二人は殺してしまったので残る二人を追ったのだが、どうにも見失ってしまったようだ。
眷属まで使っての捜索に全く引っかからなかったのだから、かなり高速で移動したのだろう。最早周辺には居ないと考えるべきだ。
とにかくここが何処かがわからなければどうにもしようがなく、シャルティアは特にアテもなく人の居そうな場所を目指し歩いてみる。
この町、人の住居と思しきものは所狭しと建ち並んでいるのに、人の気配はまるでない。
建築様式も何処かで見た事あるような無いような、な感じで。それなりに進んだ文化と技術を持った国だとわかる程度だ。
高いところに上がってみても、人の気配は無い。時折、妙な違和感があって集中して気配を探ってはみるものの、やはり何も引っかからない。
よほど人が居ない土地なのだろう。いや、人は居たのだが、何処かへ消えてしまったというのがより正確な気がする。
「流石に、参りましたでありんす」
もう一度、シャルティアは現状を整理する。
恐らくシャルティアは何者かに拉致された。もしくは強制テレポートの類で吹っ飛ばされた。
その際、身につけていた装備品を悉く奪われているので、そういった魔法の罠の類でもなければ、やはり拉致されここに放り出されたと見るべきか。
「まったく、これではまるで迷子にでもなった気分でありんす」
少し考えて、シャルティアは頭を抱えてうずくまった。
「まるでじゃないしっ! まるっきり迷子そのものだしっ! ああああああああああ、なにこれなにこれ、わざわざ人をさらっておいてそのまま放置って何かの特殊プレイでありんすか!? 幾らなんでもこんな現状に性的興奮をもよおすとか難度高すぎでありんしょう!」
創造主にエロゲ設定を山盛り詰め込まれたシャルティアさんにも、流石にコレは無理らしい。
遊んでいる場合ではなかったのである。
てっきり、ここにシャルティアを拉致した者から何らかの接触があるものと思っていたのだが、見つけられたのは同じように捕まって来た者ばかりである。
確認したのは一人だけであるが、シャルティアを相手にロクに前に立つ事すら出来ぬような輩がシャルティアを拉致出来るなどとは考えられないので、アレ等も先に捕えた者と同様であろうと判断した。
ここまで接触が無いのなら、恐らくシャルティアを拉致した何者かはシャルティアと会うつもりはないのであろう。
つまり、接触して来た時にそいつから直接拉致の理由を問い質そう、というシャルティアの考えは実行出来ぬという事で。
もちろんそれでは帰る方法もわからぬままだ。転移系の術は全て、この地に結界だか封印だかがなされているらしく使用不能。伝言の魔法も駄目。小憎らしい程に、シャルティアには何も出来ない状況である。
よよよ、とその場に崩れ落ちる。
「どうして何時もわたしだけがこんな目に……この前も気がついたらアインズ様に……あああああああああああああぁぁ、またこの前のような失態を晒したらきっと……」
その時のアインズの様を想像したのか、シャルティアの全身を怖気が走る。
「いやっ! 絶対に嫌でありんす! そうよ、今回は意識がなくなってるなんて事もないのだし、わたしにもまだどうにかする目があるはずっ!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


649 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:56:21 ID:VD0IupEk0
実に馬鹿丸出しなザマであるが、これは彼女のみに原因があるわけではない。
エロゲのような設定を詰め込まれているシャルティアであるが、設定とは趣味嗜好であったり、性質だったりを定めたもので。
趣味嗜好が、戦闘に有利云々ではなくそれ以外の方向に突き抜けていったような内容であるのなら、好き嫌いは概ね当人にとっての弱点にしかなりえない。
性質にした所で、冷静沈着で常に最善の判断を下せるような性格を形成するような要素は、そのほとんどが可愛いといった要素と相反する。つまり、こちらも設定を盛られれば盛られる程立ち回りが不利になっていくものだ。
シャルティア・ブラッドフォールンはそれ以外、つまり能力的な面で言えばかなりのガチ仕様であり、総合的にはナザリック守護者達の中でも最強の部類に入ろう。
スキルや能力のバランスも良く、戦闘の際の大きな弱点もない。アインズがこれと戦うと言い出した時は、残る守護者全員が止めに入った程だ。
そういった能力の高さを活かす為の頭脳に、彼女は制限が加えられているという事。さながらガンダムの阿頼耶識を通した強力なフィードバックを、安全装置が防いでいるかのよう。いや別に、シャルティアに能力を発揮したらフィードバック食らって死ぬなんて設定は無いが。
結局、シャルティアは放送を耳にしていながら聞き逃すという素敵な失態を晒す事に。
まあ主たるアインズ・ウール・ゴウンも後半聞き逃していたようなので、きっと責められるような事は無かろうが。

シャルティア・ブラッドフォールンの能力はいずれかに特化しているわけではなく、故に様々な事態に対応出来るようになっている。
ならばこうした予測も出来ぬ緊急事態の対処において、彼女程相応しい存在はあるまい。
実際、様々な術への耐性を備え、耐久力や回復力も高い、索敵能力が少々劣るも、完全な不意打ちを食らったとしても一撃でシャルティアを打倒しきるのは至難の業だ。
そしていざ攻撃に移ったとなれば、物理、魔法、双方をバランス良く行使出来、スキルも充実している為ほとんどの防御手段への対応策をその手にしている。
彼女を殺すのは極めて難しく、彼女に殺せぬ敵はほとんど居ない。そんな存在である。
挙句、初見殺しも多数所持していて、魅了の術も数多揃えている為、敵を倒した後の情報収集も万全。スキルと能力だけ見るなら、アインズよりよほど彼女の方がこの地に向いているだろう。
また装備が奪われた現状でも、彼女はアンデッドである為疲労とは無縁で、当人が手を止めるか、行動不能になるまで何時まででも戦闘力が落ちぬままに継続戦闘が可能だ。
これまでに打倒された二人の守護者、これを倒した者達ともしシャルティアが戦うとなれば、恐らくまた別の結果になっていたであろう。
アルベドでは殺しきれなかった斗和子も、シャルティアならばすり潰す事が可能だ。デミウルゴスが耐え切れなかったオシュトルの斬撃もシャルティアならば堪えきり回復再生、しかる後反撃が可能であったろう。
斗和子やオシュトルならば、シャルティアの弱点である血の狂乱発動まで戦いきる事が出来るだろう。だが、血の狂乱はただのバーサークではない。魔法やスキルの行使も可能な、暴虐の嵐であるのだ。如何な双勇であろうとこれを耐え切るのは難しかろう。
この地に招かれた事で、計らずもシャルティアは守護者最強の証明を為し得る事となろう。当人がそれを望んでいるかどうかはさておき。



月山習、一生の不覚。
とばかりに頭を抱え、おろおろとその場でふらつく喰種月山習。
放送を聞いた結果である。そりゃ、アテにしていた喰種の二人の内の一人、霧島董香の死亡をいきなり聞かされてしまえばショックも受けよう。
習がこれまでに出会ったのは四人。学生らしき少女が二人、奇特な格好をした忍者紛いが一人、少女の容姿をしたバケモノが一人。
実に半数が人外である。これほどの者が居るというのならば霧島董香程の喰種が殺されるのも理解は出来る。
彼女とは面識もあるし、それなりに気にはかけている。一度殺されかけた相手でもあるし。ただ、彼女以上に、彼女が死んだ事で衝撃を受けるだろう人物、金木研の事が気になる習だ。
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650最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:57:14 ID:VD0IupEk0
ふと、何かに気がついた習は、今居るビルの屋上から隣にビルへと飛び移る。音も無く着地をし、滑るように走る。再び跳躍、ビル端のフェンスの上に一足で飛び乗り、再び次のビルへと飛ぶ。
こんな派手なムーブ、もし他人に見られたらと思うと何時もの町ではそうそう出来ないだろう。習は少し気を良くしながらビルの屋上を飛び移りながら移動を続ける。
が、突然足が止まる。
『何っ!?』
驚いたなんてものではない。
それまでアホみたいに騒ぎ喚き、挙句隠す気配すらない死臭を漂わせながらゆっくりと移動していた対象が突然消滅したのだ。
習の鼻は喰種ならではの鋭敏さを持ち、その索敵範囲は彼が追っているゴスロリバケモノ少女の索敵範囲を軽く超えている。
別の臭いで上書きしただのでは断じてない。突如、臭いそのものが消失したのだ。
かなり壁の厚い建物にでも入ったか。いや、臭いのみならず、習の肌にひりつくように漂ってきていた死の気配までが、綺麗さっぱりなくなるというのはありえない。
だが、そうなった原因らしきものはわかるので、習は細心の注意を怠らぬままに、追跡を続けた。



ダークニンジャは流れて来た死者を告げる放送に、思う所があったのか表情を引き締める。
呼ばれた名に聞き覚えは無いが、ダークニンジャのニンジャ第六感が言っているのだ、呼ばれた名の中にも恐るべき使い手が居たであろうと。
それは直前に姿を見かけた、ニンジャならざる圧倒的脅威の存在故の事だろうか。否である。
アレの存在もまたダークニンジャが警戒を強める原因ではあろうが、だからと言ってダークニンジャのニンジャ第六感の感性にブレが生じる事は無い。
何処までも冷静に、冷徹に、現状がどうであるかを受け止める為のセンサーとしての役割に、乱れが生じる事は無いのだ。
故にこそ、ダークニンジャはこの地に複数の絶大なる脅威が存在する事を知る。
例えば江戸川コナンであっても、シャルティアのような規格外は特別である、と考えているフシがあった。
もちろん彼の知能ならばアレクラスのバケモノが複数存在する可能性にも当然思い至っているだろうが、まずはアレを対処すべしと全力をそちらに傾けてしまっている。
だがダークニンジャは違う。ニンジャならではの独特かつ超越した感性により、更なる強敵の存在をコナンよりも確かなものとして感じているのだ。
ダークニンジャは町を走る。
前述の理由により、常ならぬ警戒を周囲に張り巡らし、四方にカラテを向けながら。
そしてダークニンジャの優れた感知能力は、手にしたキルリアン感知器よりも早く、その存在をダークニンジャに教えてくれた。
これもまた、ダークニンジャがまるで出会った事のない類の気配であった。
少ししてキルリアン感知器も反応を示すが、その数値はあのバケモノはもちろん、ダークニンジャよりも大きく劣るものであった。だが、だからこそ、ダークニンジャはこの数値が戦闘力の高さではないと察する。
ダークニンジャのニンジャ第六感は、この気配の主の並々ならぬ脅威度を感じ取っていたのだ。
だがダークニンジャは今度の相手には遠くから様子を見るのではなく、自身をその脅威の前に晒しだす。
まず、ダークニンジャを前にした相手の反応を確かめる。
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651最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:58:27 ID:VD0IupEk0
ヴライと名乗った大男は、その一言と共に、巨大な長棒を振り下ろして来た。

何たる豪腕、何たる威力か。
ヴライの振り下ろした長棒は叩き付けた大地を深く抉り、跳躍し距離を取ったダークニンジャを吹き上げた土砂が襲う。
ダークニンジャ、叩き付ける土砂を厭わずじっとブライから目を離さない。
当たり前にヴライはこの土砂の中を突っ込んで来た。攻撃はまたしても単純明快な、振り下ろしの一撃。
だがその振り下ろしに、珠玉の技が込められている事をダークニンジャは見てとった。
あれほどの威力。筋力だけで為し得るものではあるまい。いや、技のみでも不可能だ。類稀な鍛え抜かれた筋力を、膨大な経験に基づいた術理により運用し、早く、強くを何処までも極め尽くして初めて至る戦人の境地の一つであろう。
実際ダークニンジャも、飛んでかわさねば危うい。ギリギリでかわしあわよくば反撃などという甘えた行為の一切を拒否する、鋭さを備えた攻撃であるのだ。
太い棍棒をそのまま長くしたような、常識外の膂力でもなくば振り回せぬ武器を軽々と振り回すヴライ。だがそれは彼の戦闘力のほんの一部に過ぎない。
ダークニンジャが注視しているのは、その長棒を大地に叩き付けた動き、そのものだ。
最初の一撃は敢えて大地を叩いた。だが、次の一撃は大地に付く直前で棒先がぴたりと制止していたのだ。
それはダークニンジャの飛び道具による反撃を警戒しての事であろう。もしスリケンなどで仕掛けていても、あの長棒が跳ね上がり容易く弾かれていた。
たったこれだけのやりとりでもわかる。この大男ヴライは、ただの力自慢などでは断じてない。もちろん、ニンジャソウルを手にした事で有頂天になってしまうような浅薄な輩とも違う。
己を厳しく律し、何時でもより強くならんと切磋琢磨し続けて来た者の持つ、重厚な土台が感じられる。
これを一言で言い表すならば、見事なカラテ、であろう。
ヴライの足は止まらない。後退したダークニンジャに向かって、三度目の振り下ろし。
『否っ!』
ダークニンジャは前二度と全く同じモーションのヴライに対し、脅威は上ではなく前と感じ、その直感を信じ動く。
果たしてヴライの振るった長棒は振り下ろす挙動から一瞬で切り替わり、奥深くへと伸びていく突きとなる。もし後ろに下がる事でかわそうとしていたならば、この突きに追いすがられ致命的な一打を許したであろう。
だがヴライが稀有な武人であると言うのなら、ダークニンジャもまた古今稀に見る優れたニンジャだ。
突きの気配を感じ取り、後退ではなく左方への跳躍に切り替えこれをかわす。
ヴライの突きの威力は周辺の大気をすら巻き込み伸び行くもので、渦を巻いた風がダークニンジャを引きずりこまんと吹き付けるが、ダークニンジャはニンジャ脚力で大地を踏みしめこれを堪える。
更に、この突きの風圧で動きを制したヴライは、三種目の攻撃、薙ぎを繰り出す。
これぞ必殺の一撃であろう。前方の空間全てを削ぎ取る回避不能の剛撃だ。
地上には物理的にこれを回避する空間が存在しない。何処に居ようと薙ぎの範囲内であり、この範囲から一足で飛べる距離を、ヴライが長棒を振るう速度を越えて稼ぐのはさしものダークニンジャにも叶うまい。
それでも、ダークニンジャは歴戦を潜り抜けてきた勇士。出来ぬをこなしてこその超一流であろう。
先程大地を深く踏みしめたのは、風圧を堪えるのみが目的ではなかった。
次撃を薙ぎと予想したダークニンジャは、深く沈みこむ事で跳躍に必要な脚力を溜め込んでいたのだ。
一瞬でヴライの頭上を取るダークニンジャ。そして、何たる妙技か。空中で一回転し、ヴライの頭部を蹴り飛ばしにかかる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


652最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 18:59:38 ID:VD0IupEk0
並のニンジャであればそのままヴライに足を掴まれていたであろう。ヴライのウケの強さを見てとったダークニンジャは咄嗟に、ケリを振りぬくケリではなく弾くケリに切り替えたが故のこの結果なのである。
さしものヴライも、片腕のみではダークニンジャ着地までの間に長棒を振るう事は出来ず、両者にとってあまり本意ではない形で交錯は終わる。
表面的に見えた動きは、ブライが振り下ろし、振り下ろし、突き、薙ぐ。これをダークニンジャが下がり、下がり、横に飛び、上に飛んで反撃するも受けられる。のみである。
これのみでも実にアクロバティックで迫力のあるやりとりであったのだが、これらの動きにはそれぞれ常人では踏み込みえぬ深い鍛錬と技術が詰め込まれており、両者の実力の程が知れようものだ。
現時点ではいずれに有利が付くといった風でもない。
だが、ここでダークニンジャは動きを変化させて来た。
戦場を広い道路上から、建物の中へと切り替えてきたのだ。
確かに、長物は建物内では不利であろうし、ヴライの得物を封じる意図でそう行動するのは正しい選択であろう。
建物の中へと走るダークニンジャを、そうとわかっていて平然と追うヴライ。
背の高いビルの一階ロビー、ここに入り込んだダークニンジャであったが、一階ロビーは上二階まで吹きぬけた広い空間になっており、ヴライが長棒を振り回すに充分なスペースがあった。
ダークニンジャは仕方が無いとでも思ったか、ロビーにそそりたつ巨大な柱を背負って構える。ヴライはやはり気にした風もなく長棒を振り下ろす。
そう、ヴライが構わず建物内に入ったのは、中に鉄筋が入ってようと大理石で覆われていようと、叩き砕く自信があったからである。
斜めに振り下ろされたヴライの長棒は、柱を袈裟に叩き斬ってしまう。その抉られた柱の傷跡は、明らかに長棒の長さよりも深い。
少し計算が外れたか、と柱の後ろに回りこんだダークニンジャは、これに同じく袈裟に手刀を叩き込む。こちらもヴライに負けじと中の鉄筋ごと深々と柱を抉り取る。
上にだけでなく、ヴライのドウジマを振り回しても問題ないぐらいに横にも広いフロアであるという事は、つまり、支えとなる柱にその重みが集中しているという事で。
ただの一本が支えたらず崩れるだけで、フロア全体の天井が細かく揺れ始めたではないか。
フロアの構造を一瞬で把握し、最適の柱に目をつけこれをヴライの力すら用いて破壊する。
ただ強いだけのニンジャには絶対不可能な戦い方だ。当然仕掛けた方のダークニンジャは即座にビルの外へと脱出。轟音と共に崩れ落ちてきた天井に、ヴライは避難が間に合わない。
だが、とりたてて彼は慌てる様子もなく、手にした長棒を深く後ろにまで引き構え、コンクリートの塊がヴライの頭上に至った瞬間、弧を描き長棒がこれを粉砕する。
細かな瓦礫は流石に避けようが無かったが、問題になるような大きな塊は全てその一閃で砕いたヴライは、頭上や肩に乗った瓦礫を払いもせずのそりとビルから出る。
ビルの外では、両腕を組んだダークニンジャが道路に立っていた。まるでヴライが出てくるのを待ち構えて居たかのように。
しかしヴライは外に出てもダークニンジャから目を離し、頭上高く、自らが入っていた十数階のビルを見上げている。
ヴライの知る建築では、ここまでの大きな破壊があれば建物全体に影響を及ぼす事必至であったのだが、このビルは一層の底が抜けた程度ではビクともしないようだ。
それを確認し、戦闘の最中だというのに何処か感心したような顔になる。
完全に無視された形のダークニンジャであるが、そもそもこの男、激情とは最も縁遠い男。怒りを顕に襲い掛かるような真似はしない。
そんなダークニンジャをせせら笑うヴライ。わかりやすいぐらいわかりやすく隙を見せてやったというのに、お互い引っ込みがつかなくなるような必殺の間合いへは決して踏み込んで来ようとしないダークニンジャの腰抜けっぷりを笑ったのだ。
「つまらん男だな。殺し合いをする気は無いか?」
本来のダークニンジャならば、敵が何をほざこうと黙殺するのであるが、どうしたものか、ダークニンジャはヴライの言葉に返事を返してやる。
「……ニンジャでもない、かといって人間でもあるまい。お前は一体何者だ」
ヴライの眉根が怪訝そうに寄る。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


653最凶のバケモノ達 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 19:00:06 ID:VD0IupEk0
「ふむ、それだけの暴威を持ちながらニンジャを知らぬか。貴様、ネオサイタマの者ではあるまい。ヤマトと言ったか、事によれば、日本の外の者か?」
ヴライにはまるでわからぬ単語ばかりだ。それにこの男の動きは、ヴライも見た事が無いと思える程独特のものであった。
この踏み込み過ぎぬ戦い方こそがこの男の戦いで、ヴライが致命的な隙を見せるのを待ち構えている、といったヴライが最初に抱いた予測は実際に隙があったにも関わらず踏み込まなかった事で外れであったとわかった。
だが同時に、この男は隙があっても攻めない、つまり今の時点ではヴライにリスクを負ってまで大きな損害を与えようと思っていない、とも考えられる。
即ち、この男の狙いは時間稼ぎ。
ならば付き合う事もあるまい、と踏み込みかけたヴライ。その足が止まる。
ダークニンジャはそちらの気配に注意を向けながら、心の中で呟いた。
『我が策、成れり』
「あー、もうっ。この魔法、気配も消してくれるのはいいんでありんすが、こっちに気付いてもらえないのは面倒この上無いっ。あー、そこの二人、今からわらわの質問に答えなんし。その後でそっちの覆面は顔を見せて見た目が良かったらもう少し生かしておいてやりんす。そっちの不細工は自殺でもしなんせ」
周囲の大気が歪んで見える程に明白な強者気配を相手に、この超が付く見下し台詞を平然と吐けるのはこの会場広しと言えど、ギルド、アインズ・ウール・ゴウンはナザリックの階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン以外におるまいて。



「うん、やっぱりあの音の所に行ったのか。さて、僕はどうしたものかな」
月山習は三者が遭遇する様を、少女、シャルティアの索敵範囲外、更にダークニンジャやヴライからも察知されぬ距離を取りながら観察していた。
漂う匂いは間違いなく戦いの匂い。あの三人がどんな会話を交わすかはわからないが、結果として戦闘は起こるだろう。
あの少女の能力を見ておきたい、出来れば実際に手合わせも、と考えていた習には願ってもない好機。しかも先程出会った忍者装束の男までヤる気でいるのだ。その上、足の遅そうな、逃げる時の囮に出来そうな者までいてくれる。
「んー、ここは僕もお邪魔するとしようか」
こきりこきりと手首を鳴らしながら、習もまた、かの人外戦場へと足を進めた。



【E-8/朝】
【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:人を探す
1:人を見つけ、ここが何処か等の基本情報を入手する。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


654 ◆QkyDCV.pEw :2017/03/29(水) 19:01:16 ID:VD0IupEk0
以上で投下を終了します。


655名無しさん :2017/03/29(水) 19:13:31 ID:O/SMd8U60
投下乙です

康一もカラ松も何とか平常心を保てたか、ひと安心。
赤井は慎重だな。…まぁトラウマがあるし仕方ない。

シャルティアはやっぱシャルティアだなw
しかし不穏な空気…戦闘突入なるか?


656名無しさん :2017/04/01(土) 11:55:40 ID:aAV8MTuY0
投下乙です

どちらかが脱落すればよし
どちらも消耗してくれれば両方討ち取れて尚良
ダークニンジャ恐るべし…

しかし早くも最上級危険人?物が遭遇とか先が読めませんね
放送後に登場してない奴らも気になりますし
これは今後益々目を離せなくなりますね


657名無しさん :2017/04/05(水) 00:46:11 ID:a7tVttyg0
投下乙です。

正直シャルティアが負けるところが、想像出来ない。


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17 ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3 (Res:748)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 17
1名無しさん :2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

729名無しさん :2015/04/13(月) 03:40:58 ID:5CwCrtvo0
投下乙
個人的にはこっちでもいいけどな


730名無しさん :2015/04/14(火) 20:57:30 ID:zIOAUAm.0
投下乙
グレーだが悪くないと思うぞ


731名無しさん :2015/04/15(水) 23:39:01 ID:1XLVfnLE0
乙です
青鬼と阿部さんが合わさって最強に見える


732<削除> :<削除>
<削除>


733名無しさん :2015/04/16(木) 22:44:03 ID:7Uhd/PFM0
偶然でしょ(適当)


734名無しさん :2015/04/16(木) 22:57:25 ID:4ad421aw0
認定兄貴オッスオッス!
そういえば放送後でまだ動いてないのってジャギとカズマだけ?


735名無しさん :2015/06/12(金) 02:32:15 ID:Mkb9WLJI0
保守


736 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:21:18 ID:.s2iTrvs0
投下します


737 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:26:46 ID:.s2iTrvs0



「…そう、みんな生き返らせてしまえばいいんDA」

それは、他でもないさやかにとって救いの光であった。


「みんな…生き返らせる…」

さやかは星君の吐いた言葉を呟く。
なおも星君は続ける。

「うん、始めのあのとき主催者は『優秀者には何でも一つ願いを叶える』と言っていただろう?」

だが、同時にそれはある種の悪魔の囁きのようにも感じられた。

「君や僕たちが、優勝して願いを『生き返らせてみんなを元の世界に返してほしい』と言えばこの殺し合いは実質無かった事にできるんDA」

「そうすればあの遊星やらを殺す事になっても、少しの間『痛い思い』をしてもらう程度の感覚で済む」

ムラクモが付け加える。

「痛い…思い…」

さやかは与えられた情報を反芻するのが精一杯であった。
それだけ、さやかの心理的葛藤は大きいのだ。

「で、でも…本当に願いを叶えるなんて…」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


738現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:34:44 ID:.s2iTrvs0



ーー





時は少し過ぎ、現在3人は北に向かっていた。

協力関係も築けた事なので情報交換でもすべきかとと思ったが、そうもいかない。
自分達の居るエリアであるG-04は23時から禁止エリアに指定される。
そして現在時刻は10時になろうかという時である。故にまず此処から離れなければならなかった。



「…いいのか?」

歩きながら星君がムラクモに問う。

「ああ、姑息的手段とは言え表向きは対主催を装っていた方が動きやすい。

 元より先ほどの騒動のせいでかなりの数の参加者が固まってしまった。

 故にこの周辺で参加者を殺して回るのは分が悪い」

「敢えて考えるならはっきり孤立していると言えるのは海東くらいだろうな。無論生きていればの話だけど」

星君が口にした海東という孤立した存在。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


739現人乱舞 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:35:55 ID:.s2iTrvs0


【f-4 南部/一日目・真夜中】


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:さやかには対主催を装い、一時的に利用する。
2:星君と一先ず組む。
3:海東とは合流すべきか、だが……。
4:無力な少年を装うのはあくまで一時しのぎ
5:怪我の回復にも専念する。
6:オリーブオイルはもう要らないか
7:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
8:早苗はいずれ殺す。
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(中)、首輪解除
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零~zero~、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零~zero~×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


740 ◆J/0wGHN.4E :2015/07/04(土) 22:39:10 ID:.s2iTrvs0
投下完了です


741名無しさん :2015/07/05(日) 06:35:12 ID:6XOfOqEs0
投下乙


742名無しさん :2015/07/20(月) 08:57:30 ID:0EW0jglw0
乙です
星君とショタクモの利害関係コンビ好き


743名無しさん :2016/03/25(金) 17:52:21 ID:lbnKIO0k0
1年近く更新なし・・・
読み手としては辛いなあ
どうしようか、このスレ


744<削除> :<削除>
<削除>


745名無しさん :2016/05/13(金) 22:11:05 ID:LMtJGL/QC
続き待ってます・・・


746名無しさん :2016/05/14(土) 00:58:36 ID:wlHYriY60
一々ageんなよ


747名無しさん :2016/06/08(水) 22:44:34 ID:cpy60POs0
あら懐かしい


748<削除> :<削除>
<削除>


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18 中学生バトルロワイアル part6 (Res:637)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 18
1 ◆j1I31zelYA :2013/10/14(月) 19:54:26 ID:rHQuqlGU0
中学生キャラでバトルロワイアルのパロディを行うリレーSS企画です。
企画の性質上版権キャラの死亡、流血、残虐描写が含まれますので御了承の上閲覧ください。

この企画はみんなで創り上げる企画です。書き手初心者でも大歓迎。
何か分からないことがあれば気軽にご質問くださいませ。きっと優しい誰かが答えてくれます!
みんなでワイワイ楽しんでいきましょう!

まとめwiki
ttp://www38.atwiki.jp/jhs-rowa/

したらば避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14963/

前スレ
ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1363185933/

参加者名簿

【バトルロワイアル】2/6
○七原秋也/●中川典子/○相馬光子/ ●滝口優一郎 /●桐山和雄/●月岡彰

【テニスの王子様】2/6
○越前リョーマ/ ●手塚国光 /●真田弦一郎/○切原赤也/ ●跡部景吾 /●遠山金太郎

【GTO】2/6
○菊地善人/ ●吉川のぼる /●神崎麗美/●相沢雅/ ●渋谷翔 /○常盤愛

【うえきの法則】3/6
○植木耕助/●佐野清一郎/○宗屋ヒデヨシ/ ●マリリン・キャリー /○バロウ・エシャロット/●ロベルト・ハイドン

【未来日記】3/5
○天野雪輝/○我妻由乃/○秋瀬或/●高坂王子/ ●日野日向

【ゆるゆり】2/5
●赤座あかり/ ●歳納京子 /○船見結衣/●吉川ちなつ/○杉浦綾乃

【ヱヴァンゲリヲン新劇場版】2/5
●碇シンジ/○綾波レイ/○式波・アスカ・ラングレー/ ●真希波・マリ・イラストリアス / ●鈴原トウジ

【とある科学の超電磁砲】2/4
●御坂美琴/○白井黒子/○初春飾利/ ●佐天涙子

【ひぐらしのなく頃に】1/4
●前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/ ●園崎詩音

【幽☆遊☆白書】2/4
○浦飯幽助/ ●桑原和真 / ●雪村螢子 /○御手洗清志

男子11/27名 女子10/24名 残り21名

618 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:51:22 ID:ju7RNNqk0
投下します
予約スレにも書きましたが、投下時間が長くなってしまいそうなので、ひとまず前編を投下し、期限内に後編の投下を予定しています


619 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:52:09 ID:ju7RNNqk0

私はずっと、何かになりたかったんだと思う。伏し目がちな自分とは全然違う、周囲の注目と期待を浴びて、どんな壁も一気に飛び越えてしまうような、誰かに。
それは、御坂美琴だった。あるいは、白井黒子だった。彼女たちが持つ能力が、理想を叶える力が、羨ましかった。
だけど私は彼女たちとは違う。私は、私にしかなることができない。そんな当たり前のことに気付くまでに、取り返しのつかないことをたくさんしてしまった。
これから行おうとしていることが、それらの罪に対する贖罪になるだなんて思ってはいない。私はこれから、罪を背負って生き続けなければならない。
だからこれは、最初の一歩。風紀委員(ジャッジメント)という肩書きや低能力者(レベル1)という評価を全て取り払って、最後に残った初春飾利という無力な少女が踏み出す、第一歩だ。

瞳を閉じて、深く、とても深く息を吸う。自分の身体を確かめるために。自分の存在を感じるために。
スプリンクラーからまき散らされた水はそこら中を水浸しにするだけじゃ物足りなかったのか、小さな分子の集合になって空気の中に溶け込んでいる。
じっとりと湿っていて冷たくて、どこか重いその空気を一息に吸った。怯えながら走り回って、たくさんの汗を流しているうちに渇いてしまった喉が、少しだけ潤う。
肺の奥まで飛び込んできた空気。そこから酸素を取り込んで、熱が生まれる。胸の奥で生まれた熱が全身を巡って、力になっていく。
拳を握った。濡れそぼって冷たくなっていた指先は、もう温かい。手のひらの熱は、行き場を探している。
水の怪物から逃げ出すときには恐怖に震えていた足で、地面を踏む。今度は逃げ出すためではなく、真っ直ぐ向かうために。
大丈夫。私の身体は、もう震えていない。

ゆっくりと目を開くと、夜のとばりに包まれた薄暗い世界が、視界に広がった。視界の端で、緊急用の誘導灯が青白く光っている。放水を止めたスプリンクラーから、ぴちょんぴちょんと滴が垂れている。
フードコートに設置されていたテーブルと椅子は、水の怪物が暴れ回ったせいでパステルピンクとライムグリーンの残骸の集合体になっていた。
見える。見えている。私には今、世界がはっきりと見えている。視界と世界を狭めていた恐怖や混乱は、もう何処かへ消え去ってしまっていた。
一緒に、消えてしまったものあるけれど。けっして短くないあいだ少女の中心に在った正義は、この世界の無法や不条理に晒されて見失ってしまったけれども。
それで私が、空っぽになったわけじゃない。殉じていた法がなくなろうとも、信じていた正義を失おうとも、残ってくれたものがある。

この世界で見つけた自分だけの現実と、昔からずっと抱き続けていた小さな想い。
それを貫き通すための、黴臭い古鉄のような意思。
身体の奥、心の底。初春飾利の核心にこびりついて剥がれないそれが在る限り、私は闘える。

「――私は貴方を、救います。貴方が何を言おうと。何を思おうと。それが私のやりたいことですから。絶対に譲れないことですから」


620 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:53:11 ID:ju7RNNqk0
初春は、自分に言い聞かせるように決意の言葉を口にする。
もしもここが騒がしい都会の片隅だったならば、誰にも届かないまま消えていたような、けっして大きくはない声。
だけどここでは、それで十分だった。小さいけれど感情と意思が込められた初春の声は、届けるべき相手に確かに届いた。
――その相手が初春の言葉をどう捉えるのかは、また別の問題なのだけれど。

初春と相対する少年は、身を包むカナリアイエローのレインコートの下で、身体を震わせていた。
初春の言葉によって揺さぶられた感情が、彼の身体を迸っている。それは怒り。そして憎悪だ。
御手洗清志は初春飾利の言葉を受け入れない。否定する。醜悪な人間の業など、認めてやるものかと拒絶する。

「さっきから五月蠅いんだよ……僕がどう思おうと関係ないだって? やりたいことをやるだって? だったら僕も、お前に同じことをしてやるよ!
 お前が何をしようとしているかなんて関係ない! 僕はお前たちを殺して、他のヤツらも全員殺して、人間という人間を全て殺し尽くしてやる!
 止められるなら止めてみろ! 救いたいなら救ってみせろ! どうせそんなことできやしないんだ、人間はそういう風にできてるんだからなァ!
 ……来いよ、偽善者。お前が自分勝手に押し付けている理想ってやつが、まったく現実に即していないただの幻想だってことを教えてやるよ。

 ――その理想<げんそう>ごと、殺してやる」

御手洗は、己に支給された鉄矢を握りしめた。鏃が御手洗の手のひらに突き刺さり、裂かれた皮膚から血液が流れ出るのを感じる。
共に感じるのは、鋭い痛み。これまでにも領域(テリトリー)の能力を使うたびに御手洗が感じてきた痛みだった。
さらに強く、鉄矢を握る。握りしめた拳の隙間から真っ赤な血がこぼれ落ちて床の水たまりを赤く染めた。
そして御手洗の膨れ上がる憎悪に呼応するように水たまりから巨大な手が生まれ、続いて腕が、肩が、胴体が形成される。
御手洗の能力は、己が血が混入した液体を意のままに操る能力だ。巨人、あるいは獣の形を取る自らのしもべを、御手洗は「水兵(シーマン)」と名付けた。
水兵の中こそ御手洗の領域――いわば、彼にとっての「自分だけの現実」。醜悪な現実を塗りつぶすための、ただ一つの武器。

御手洗のそばで、彼の数倍の巨躯を持つ水の怪物が唸りをあげる。
先ほどまで使役していた水兵をも大きく上回る巨体。ちょうど人間と異形の中間に位置するような造形をした水兵だった。
だが、これでもまだ足りないと、御手洗は矢を握る手に力を込める。より強く。より深く。刻まれた傷から、水兵の力の源になる血液が流れ出る。
御手洗の手からしたたる血液が床に落ち、二体目、三体目の水兵が続けて生み出された。


621 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:54:10 ID:ju7RNNqk0
血色を失い青白くなった腕をだらりと上げて、御手洗は初春を指さした。腕が、重い。血を流しすぎている。
脳に回る血液も足りていないのか、いつもより思考が鈍い。ただでさえ光が足りなくて薄暗い視界が、さらに霞んでいた。
だが、逆に好都合だと御手洗は口の端を歪めた。余計なことを考える必要が無い。余計なものを見る必要も無い。
人間<てき>を殺し尽くす。ただそれだけできればいい。アイツを殺せ、と水兵に命令を下した。

巨体に似合わぬ俊敏な動きで、水兵は初春に接近する。水兵の内部は御手洗の絶対領域だ。
もしも水兵に捕まり、その中に取り込まれてしまえば、そこから脱出することは不可能である。
――しかし、何事にも、例外というものがある。
本来ならば御手洗清志が進んでいたはずの未来において、桑原和真が次元を切り裂く能力に覚醒し、水兵と外部を隔てる領域の壁を突破して脱出を果たしたように。
本来ならば「低能力者<レベル1>」のまま一生を過ごしていたはずの初春飾利もまた、この世界の現実に打ちのめされることで、水兵の天敵といえる能力に目覚めていた。

近づく水兵に向かって、初春は右の手のひらをかざす。重要なのは、確信だ。自分の力は世界を塗り替えられると、妄信ともいえる確信を持つことだ。
初春はこの世界で、たくさんのものを失った。それは肩書きだった。それは信念だった。それは正義だった。それは親友だった。
奪われ続けて、ようやくここまでたどり着いた。奪われなければたどり着けない場所だった。
世界は優しいだけじゃない。くそったれ、と柄にもなく汚い言葉で罵りたくなるくらいに、許せないことばかりがあった。
だからこそ、思うのだ。
自分ばかりが奪われ続けるのは不公平だ。自分だって、世界にちょっとばかりの仕返しをしたっていいじゃないか。
我が儘に、あるがままに、自分を世界にぶつけてしまおう。それこそ、世界を自分の思うがままに塗り替えてしまうくらいの強さで。

「こういうのも、開き直りっていうんですかね、式波さん」

呟きとともに、自然と笑みがこぼれた。世界を塗り替えるだなんて大それたことは、今までの初春では考えたとしても実行はしなかっただろう。
臆病で、気弱で、鈍くさくて、そんな自分が世界を変えるだなんてできるはずがないと決めつけていた。それが初春の限界だった。
だけど、今ならば――!

初春の右手が、迫り来る水兵の拳を受け止めた。水兵の剛腕によって振るわれた打撃は、初春の小柄な肉体では到底受け止めきれないはずだった。
だが、打ち勝ったのは初春のほうだった。初春を吹き飛ばすはずだった水兵の腕は、肘から先が霧散し消滅していた。
これこそが、初春が見つけた自分だけの現実。彼女が世界を塗り替えるための能力。
『定温保存<サーマルハンド>』――物質の温度、ひいては物質の分子運動を操作する初春の能力は、御手洗の領域に干渉し得る強度にまで成長したのだ。

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622 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:55:34 ID:ju7RNNqk0
「これで……どうですかっ!?」

しかし、初春の叫びも虚しく。一瞬にして消し去るはずだった水兵は、両腕を無くしながらも未だ屹立していた。
驚愕と混乱を表情に浮かべながら、初春は自分の計算通りに水兵を消滅させることができなかった理由を探し始める。
最初に考えたのは、自分の能力が想定していたよりも低出力だったのではないか、ということだった。
初春は元々、学園都市における序列では最下層に位置する低能力者<レベル1>の一人にすぎない。
劇的な進化を果たしたといえども、せいぜい強能力者<レベル3>といったところだろう。
まして覚醒を果たしたばかりでは能力が不安定であるのかもしれない。しかし――初春側だけの問題ではないと、彼女は直感していた。

「カザリ、後ろ! ボーッとしてんじゃないわよ!」

御手洗の操る水兵によって重傷を負い、未だ動けず二人の戦いを見守ることしかできなかった式波・アスカ・ラングレーの怒号が、初春の思索を強制的に途切れさせた。
危機的な状況であると知っても、それを確認する余裕はなかった。後ろに振り返ると同時に、両手を突き出す。だが、間に合わない。
いつの間にか初春の後方へ回り込んでいた二体目の水兵の一撃が、初春を吹き飛ばした。

「ぐ、うぅっ!」

骨まで軋むような痛みが、初春の全身を苛んだ。ごろごろと床を転がって、フードコートに設置されていたテーブルの足に背中をしこたま打ち付けて、ようやく止まる。
痛みを我慢して起き上がろうとしたが、折れたテーブルのささくれが初春のセーラー服の襟に引っかかって、そのまま転んでしまう。
早く立ち上がらなければいけないと頭では考えていても、身体のほうが言うことを聞いてくれなかった。全身からSOS信号が出されている。
水兵の攻撃が正確に初春を狙っていたために、急所だけは守った『定温保存』によって威力を軽減することはできた。
衝撃の完全相殺には間に合わず、防御をした上でなお水兵の重い打撃は初春の身体を吹き飛ばすに十分だったわけだが。

容易く御手洗の水兵を霧散させていた初春の『定温保存』が不発に終わったのは、ひとえに御手洗の執念の賜物だった。
水兵にとって天敵ともいえる初春の能力だが、かの『幻想殺し』のように御手洗の領域そのものを無効化していたわけではない。
分子運動操作に特化した能力によって御手洗の領域を上書きするように水兵を操り、瞬時に爆散・蒸発させていただけに過ぎないのだ。
いわば、能力の強度差をもって強引に打ち負かしていただけ。しかも手のひらで直接触れなければ発動できず、一瞬で操作できる液体の量にも限界がある。

対する御手洗の能力は、彼の血液を媒介に液体を操るものだ。そして混入された血液が多ければ多いほど、使役される水兵はより巨大に、より強靱に、より精密に行動するしもべとなる。
御手洗は、初春飾利を殺害するというただ一点の目標のために、多くの血を流した。御手洗の血を吸い肥大化した水兵は、初春の干渉に対する抵抗力を高めていたわけだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


623 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:56:56 ID:ju7RNNqk0
「ハッ、いいザマだな。どうだ、これで分かっただろう? お前のいう『救い』なんて、ただの幻なんだよ」

御手洗が歯を剥き出しにして、フロア中に響き渡る大きな声で笑い始める。大量の血を失ったことで青ざめながらも、その表情は喜びに歪んでいた。
床に転がったまま立ち上がることすらままならない初春の姿は、御手洗の目にはとても無様なものに見えた。
大言壮語を吐いた少女は、口にした言葉を何一つ実現させることができずに地に這いつくばっている。溜飲が下がるとは、まさにこのことをいうのだろう。

「苦しいか? 苦しいだろうなぁ! 僕が憎いか? 憎くないはずがないよなぁ!
 それでいいんだよ。人間なんてそんなものなんだよ。ただ生きているだけで他の生物を苦しめて、自分勝手に欲を満たそうとする薄汚いけだものさ!
 なぁ。顔を上げてみろよ。いつまで俯いてるつもりだ? さっきまでの威勢の良い啖呵はどうした? お前が貫きたい意地ってのは、そんな簡単に折れるような薄っぺらいものなのかよ!」

最後には、絶叫になっていた。御手洗はぺろりと唇を舐める。血を失うということは水分を失うということと同義だ。唇はかさかさに乾いて、割れていた。
霧のような空気をいくら吸っても喉の渇きは満たされなかった。身体の芯まで焼き尽くすような憎悪の炎は、言葉を吐けば吐くほどに勢いを増していった。

「おい。なんとか言ってみろよ。――この、人殺し」

ふらつきながら懸命に立ち上がろうともがいていた少女に向かって、御手洗は吐き捨てる。御手洗の言葉を聞いた初春は、身体をびくりと震わせた。
動揺を隠せない初春の様子を見た御手洗はほくそ笑み、そのまま次々と言葉を重ねていく。その言葉には重みがあった。呪いと言い換えてもいい。
御手洗と初春という、本来なら交わることがなかったはずの二人を結ぶ共通項。それは、黒の章という人間のありとあらゆる暗黒を、罪を撮影した映像。

「人を殺しておいて、よくもそんな綺麗事が言えたもんだな。お前の両手は、もう血と罪に染まってる。そんな手で誰かを救おうだなんて笑わせるぜ。
 お前もあのビデオの中で笑っていた屑どもと同じさ。外面だけはいかにも善人のふりをしておいて、その中身はあいつらのように膿んでやがる。
 お前は、本当は誰かを救いたいんじゃない――救われたいんだ! お前は悪くない、悪いのはこんな殺し合いをやらせる人間のほうだって言ってもらいたいだけだろう!
 ――甘えてるんだよ。あのビデオを見て、それでもなお自分のことを省みようともせず、犯した罪を自分勝手な理屈で責任転嫁して、赦されようだなんて思うなよ!
 思い出してみろよ。お前が殺してきた人間の、最期ってやつをな。きっとそいつらも、あのビデオの中の被害者と同じ表情を浮かべていただろうさ」

御手洗の糾弾に対して、初春は反射的に反論をしようとした。そんなことはない。御坂美琴は最期まで常盤台のエースの名に恥じない姿を初春に見せてくれた。
初春がこちら側に戻ってこれたのだって、美琴が自らの命を懸けて初春を救ってくれたからだった。彼女はきっと、絶望になんか屈しないまま、逝った。
吉川ちなつもそうだった。アスカから聞いたちなつという人物は、この殺し合いに順応できるようなタイプの人間ではなかった。
きっと、かつての初春以上に殺し合いに怯え、恐怖していたはずだ。その彼女だって、殺し合いに抗ってみせた。アスカを救ってみせた。
美琴は死に際に、最弱だって最強に勝てるくらい人間は強いんだと言ってくれた。ちなつはきっと、美琴の言葉通りの強さをアスカに見せてくれた。
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624 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:57:59 ID:ju7RNNqk0
代わりに口をついたのは、初春がこの場所に来て初めて出会った人物の名前だった。桑原和真と名乗った、とても未成年には見えない老け顔の少年の名だ。
初春が初めて彼を見たとき、やけに慣れた手つきでホームセンターの品物を根こそぎバッグに詰め込もうとしていたことを思い出す。
強面でガサツで、非常事態なら多少の犯罪行為だって大目に見てもらえるだろうという適当な倫理観を持っていて、けっして善人だといえるような人物ではなかったけれど。
不安を隠せなかった初春にかけてくれた彼の言葉の端々には、いかつい外見には似合わない優しさが見え隠れしていた。勘違いされやすいだろうけれど、根は悪人じゃないだろうなと感じていた。

「桑原? もしかして、桑原和真のことか? ……そうか、お前が桑原を殺したのか」
「っ……!」

そうだ。初春飾利は、桑原和真を殺した。それも、もっとも苦痛に満ちた死に方の一つと言われる焼死によって。
初春に支給された火炎放射器から発射された炎は、一瞬で桑原の頭部にまとわりついた。彼がごろごろと転がって火を消そうとしても、炎の勢いは衰えることがなかった。
やがて激しく暴れ回っていた桑原の身体はびくんびくんと痙攣をし始めて、最後に一度だけ大きく跳ねて、それっきり動かなくなった。
炎に反応して作動したスプリンクラーがわずかに残っていた火を消し止めて、真っ黒になった桑原の頭部が露わになった。そこには、何の表情も浮かんではいなかった。

初春はあの陰惨な光景を忘れることができない。映像だけではない。肉が焦げるあの臭いも、耳をつんざくような桑原の叫びも、何一つとして忘れ去ることなどできやしなかった。
いや、忘れてはいけない。初春飾利は桑原和真を殺したという罪と共に、あの光景も一生背負っていかなければならないのだから。

「あなたは……桑原さんのお知り合いだったんですか?」

だから、訊かなければならない。もしも目の前の少年が桑原和真の知り合いだったとしたら、初春は彼に謝らなければならない。
今にも機能停止しそうな身体を奮い立たせて、初春は立ち上がった。痛い。痛すぎる。もしかしたら骨の一本や二本は折れているかもしれない。
だけど、寝転んだままでいるわけにはいかなかった。痛みを懸命に堪えながら、初春は毅然とした視線を御手洗へ向け、自らの罪を告白する。

「あなたの言うとおりです。――私が、桑原さんを殺しました」
「……お前が思っているとおり、僕は桑原のことをよく知っている」

初春の告白を聞いた御手洗は、やっぱりな、と吐き捨てた。その視線に込められていたのは軽蔑。
御手洗の目に射竦められたように感じて、初春は身体を強張らせた。続けなければいけないはずの言葉が浮かんでこなくなった。
初春がいくら言葉を重ねたところで、桑原和真を殺したという事実は覆らない。桑原和真が生き返るわけでもない。かえって御手洗の神経を逆撫でするだけかもしれない。
それでも、御手洗が桑原のことをよく知る人物であったというならば。言わなければならない言葉がある。

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625 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:58:51 ID:ju7RNNqk0
「いったいどうやってアイツを殺したんだ? 醜悪な中身を隠すように無害な振りをして、外面だけ取り繕ってアイツに近づいたのか?
 あぁ、そういえばアイツは女には滅法弱いって調査結果も出てたっけなぁ。その貧相な身体で桑原を誑かして、鼻の下を伸ばしたところで殺したのかもなぁ!
 違うか? 文句があるなら言ってみろよ! お前がいくら否定しようと、誤魔化そうと、人を殺したっていう事実は変わらないけどな!!」

御手洗は己自身の言葉に激昂し、熱くなり、汗を撒き散らかしながら喉が枯れんばかりに叫んだ。初春は何の反論もできず、ただ俯いた。
だが――御手洗の言葉を遮るように、声が、水浸しのフードコートに響いた。それは、これまでずっと二人の対決を見守っていた少女の声だった。

「アンタ、バカぁ?」

式波・アスカ・ラングレー。御手洗の操る水兵に取り込まれ、酸欠により戦闘不能に陥っていた少女が、遂に立ち上がる。

「――さて、アンタたちが長々とおしゃべりしてくれてたおかげでようやく動けるようになったわけだけど」
「おいおい、起きて早々に人をバカ呼ばわりかよ。死にかけの身体で苦し紛れの抵抗でもするつもりか? 黙って寝ていれば、苦しまずに殺してやったのにな」
「ハッ、冗談! 誰がアンタなんかに殺されるもんですか。それに、バカって言ったのはアンタに対してじゃないわ」

アスカは御手洗から視線を切ると、初春を指さしながら彼女に向かってもう一度「バカ」と呟いた。
「アンタに言ってんのよ、カザリ。このバーカ」
「式波さん……」
「ほらもう、そこですぐ黙ろうとする! すーぐ自分が悪いんだっていうような顔をする! それもうやめなさいって言ったでしょうが!」
「は、はい! すみません……」
「だから謝るなっちゅーの!」

眉間に思い切り皺を寄せ、苛々とした様子を隠そうともしないアスカは、苦々しい顔をしながらこぼした。
「答え、見つけたんじゃなかったの? それともアンタの答えは、あんななよなよした男にちょっとつつかれたくらいで見えなくなっちゃうような、曖昧なものだったワケ?」
「――違います!」

アスカの言葉を聞いた初春は、咄嗟に反論する。
アスカはあの階段で、こう訊いた。この世界に、この空の下に、この地面の上に、人の間に、正義はあるのだろうか、と。
それは気丈に振る舞うアスカが見せた、ほんの少しの弱音のようなものだったんだと、初春は思った。
だから即答できなかった。初春の中ではその答えは自明で、初春は自分自身の中にも、世界の理の中にも、確かな正義が存在していると考えていたけれど。
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626 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 22:59:45 ID:ju7RNNqk0
なりたかったものは、沢山あった。それこそアスカが言う法の番人は風紀委員として皆を律する白井黒子そのもので、正義のヒーローとは御坂美琴を表現するのにもっとも相応しい単語で。
初春が彼女たちに抱いていた憧憬は、けっして嘘偽りではなかった。彼女たちのように強くなれればと、そう思って初春なりに努力を重ねてきた。
けれど、初春は弱かった。能力の開発は進まず、基礎体力でも到底追いつけない。それでも彼女たちは初春に優しくしてくれた。友達だと、言ってくれた。
それでいいと思っていた。強さを彼女たちに任せて、弱さを初春が預かって、せめて彼女たちの支えになれれば、それでいいと。
だけど今は、それだけでは足りない。

「私は、強くなんかないです。だからきっと、英雄にも主人公にもなれない」

そっと瞳を閉じて、胸に手を当てる。御坂美琴や白井黒子の顔が脳裏に浮かんで、すぐ消えた。初春は彼女たちのような強い人には、きっとなれない。
代わりに浮かんできたのは、親友の――佐天涙子の向日葵のような笑顔だった。いつも隣にいてくれた、初春にとって一番大切な友人。
彼女の優しさに、初春はいつも救われてきた。彼女がいてくれたからこそ、背中を押してくれたからこそ、初春は後ろを振り返ることなく正義を信じることができた。

「私は――いつも誰かのそばにいてあげられる、やさしい人になりたい。法の番人でも主人公でもない、ただの初春飾利として誰かの隣に立ってあげたい。
 その人の悲しみも弱さも、全部受け止められるように、なりたいんですっ!」

眉間から力を抜いたアスカが、小さく笑った。お人好しの考えだ、と初春の言葉を受け止めながらも、その笑みに嘲りの意味は込められてはいなかった。
やりたいことをやれる限りやってみせる。以前のアスカなら、努力の足りない甘ったれた考えだと一刀両断にしていただろう。
だがアスカは、訓練も経験も積んでいない一般人の吉川ちなつに救われてしまった。だったらそれを否定するわけにはいかない。

「アンタは十分優しいわよ。こっちが辟易するくらいにね。だけどマジメすぎ。だからあんなヤツの言うことまでいちいち真に受けちゃって反論もできなくなるワケ。
 ま、日本人は本当の議論ってものを知らないからしょうがないか。だから――アンタがゆっくり考える時間を、あたしが作ってあげるわ」

アスカは支給品の特殊警棒を強く握りしめながら、御手洗を睨みつける。
――今の自分では御手洗に勝つことはできないと、アスカは理解していた。あくまで一般常識の範囲に収まる能力しか持たないアスカでは、御手洗の操る水兵に対抗することは難しい。
勝つためには互いの手の内を隠したまま駆け引きに持ち込み不利を跳ね返すしかなかったが、今となっては不可能な話だ。今のアスカにできるのは、せいぜい時間稼ぎ程度だろう。
本当のことを言えば、立ち上がるだけで精一杯だった。一度酸欠状態になった脳は、まだ完全には回復していない。ぐわんぐわんと視界は歪み、鈍痛が全身を苛んでいる。
それでも――意地があった。アスカの生来の気性が、このまま何もせずに初春任せにすることをよしとしなかった。立ち上がれるなら、歩けるはずだ。歩けるなら、闘えるはずだ。

「リターンマッチよ、ワカメ頭」
「――来いよ、アバズレ女。今度こそ叩き潰してやる」


627 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:00:29 ID:ju7RNNqk0
御手洗の周囲を囲むように、三体の水兵が音もなく出現した。そのうちの一体は御手洗を守るように彼の前に鎮座し、残る二体はアスカに狙いをつけ、拳を振り上げながら迫り来る!
アスカが取れる手段は、回避の一択だ。もしも水兵の指一本でもアスカの身体を掠めれば、そのまま水兵の内部に捕らえられてしまう。

「……チッ! やっぱり厄介ね!」

にゅるりと伸びた水兵の腕をなんとか回避するアスカ。不定形の存在である水兵は、そのリーチも動きも自由自在だ。人間を相手にするように回避していてはいずれ捕まってしまう。
故に、アスカは水兵から大きく距離を取るような回避を選択せねばならなかった。当然、御手洗との距離も縮めることはできず。

「どうした!? 逃げ回ってるだけじゃ僕には勝てないぜ!!」

御手洗の挑発に青筋を立てながら、アスカは状況を再確認する。
まず、アスカの第一目的は何なのか。アスカが最低限こなさなければならないのは、初春が回復するまでの時間稼ぎだ。
アスカが見る限り、初春が能力を十全に発揮できれば御手洗の水兵はほぼ無力化できる。経験豊富なアスカが初春をサポートしながら二対一の状況を作り出すことができれば、こちらの有利は確定的だろう。
――そしてそのことは、御手洗も気付いているはずだ。そうなる前にアスカか初春のどちらかを戦闘不能にしてしまえば、能力差を数の有利で覆しうる御手洗が勝利に大きく近づくことになる。
勝負の鍵は、初春が戦線に復帰するまでの時間をアスカが稼げるかどうかにかかっている。

「ったく、まさかこのあたしが前座だなんてね。まぁいいわ。――こっちはね、アンタにも言いたいことがたくさんあるんだから!」

アスカが現在所持している武器は特殊警棒とナイフの二種類。あとは壊れた拳銃に即席のスリングショット。遠距離から御手洗を攻撃できる武器はない。
ならば戦闘によって御手洗を打ち負かすのはほぼ不可能と言っていい。だったら――今のアスカが取れる最善手は、舌戦で御手洗の動揺を誘うこと。
そして、そういった打算を抜きにしても。アスカは御手洗に対して、思うところがあった。言いたいことがあった。

「あたしはカザリみたいに優しくないからはっきり言わせてもらうわ。――人間舐めるのもいい加減にしなさいよ、このクソガキッ!
 自分だけが不幸で可哀相で、自分だけが人間の真実を知ってるだなんて勘違いして、無茶苦茶なこと言って他人を巻き込もうだなんて――ふざけんじゃないっての!!」

一気呵成に吐きだした。そうだ。アスカは最初から、気にくわなかった。御手洗が否定した『人間』とは――アスカたちエヴァンゲリオンパイロットが、命を賭して守ろうとしていた存在だ。
アスカだって人間がそんなに素晴らしい生き物だなんて思ってはいない。それこそ御手洗が言うように、自分たちの繁栄のために他の生物を蔑ろにして環境を汚しているという側面だってある。
だが、だからといって――すべてを否定されれば、腹が立つ。そんなもののために命を懸けているお前は大馬鹿者だと蔑まされているような気にもなる。

「お前は、あのビデオを見ていないからそういうことが言えるんだよッ!」
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628 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:01:48 ID:ju7RNNqk0
エヴァンゲリオンパイロットでなければ知り得なかったはずの世界。そこには多くの思惑と策謀と暗躍があった。世界を揺るがす秘密があった。
各々の目的のために動く大人たちの行いに子どもたちは振り回され、傷つけられた。それはけっして、「優しい世界」だなんて言えないものだった。
その中でアスカは、辛酸を舐めながら生き抜いてきたのだ。自分の価値を守るために。己の意味を見つけるために。

「不幸自慢なんて趣味じゃないからやらないけどね。あたしが生きてきた世界だって、アンタには想像もつかない世界だったってことよ!
 あたしはそこで、強くなきゃいけなかった! 弱さなんて誰にも見せられなかった! 他の誰でもなく、あたしが、あたしであるためにッ!
 だから――自分の弱さを正当化するために他人を言い訳の道具にして、ガキの癇癪を叫び散らすばっかりのアンタみたいなヤツに、あたしは、負けらんないのよ!」

アスカが否定したのは、御手洗の弱さだった。いや、正確に言えば、弱さを理由に身勝手な正義を振りかざして自らの矮小さを誤魔化そうとする、その在り方だった。
弱さを他者に見せないように隠すでもなく、それも己の一部なのだと受入れることもせず。弱くて何も持っていない自分は、虐げられる自分は悪ではなく正義の側にいるのだと主張して。
それが甘えでなくて、なんだというのだ。認めない。受け入れない。初春飾利ならばそんな御手洗清志さえも救済の対象としたかもしれないが、式波・アスカ・ラングレーは違う。
御手洗が己を改めるつもりがないのならば、アスカの全身全霊をもって御手洗清志という存在を否定する。それが、アスカの中に残るプライドが出した答えだった。

「五月蠅い……五月蠅い五月蠅い五月蠅いッ!」

御手洗の怒号と共に、水兵が再び動き始める。水兵が掴んだのは、フードコートに散らばる無数の椅子。
二体の水兵がそれぞれアスカと初春に狙いをつけ、椅子を力任せに投擲する。

「――カザリっ! 避けなさい!」

初春の能力が無効化できるのは、あくまで御手洗の領域能力のみ。水兵の投擲によってもたらされる物理的ダメージに対して、初春は無力だ。
水兵が投げつけた椅子が初春の小柄な身体にぶつかる寸前、初春は身体をよじってすんでのところで回避。
転がる初春のもとへ駆けつけたアスカが、初春の手を握り物陰へと強引に引っ張り込んだ。そのまま姿勢を低くして、御手洗から隠れるように場所を変えていく。
水兵を操るには御手洗の目視が必要だということはわかっている。暗闇に紛れてしまえば、ある程度の時間稼ぎにはなるだろう。

「カザリ、大丈夫?」
「ええ、どうにか。式波さんこそ、傷のほうは……」
「このぐらいなら、まぁなんとかね。多少の無茶は承知の上よ。とにかく今は、アンタがあたしたちの生命線なんだからしっかり自覚すること! 分かった?」
「……はい!」

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629 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:02:56 ID:ju7RNNqk0
「向こうだってそのことには薄々気付いてるでしょうね。だから怪物に直接殴らせず、椅子や机を武器代わりにし始めたってところかしら」
「最初に私が怪物を消し飛ばしたときに比べて、抵抗力も上がってる気がします。時間をかければ無力化は可能だと思いますが……」
「気付いてる? ……多分、アイツが能力を使うには……」

アスカが何を訊こうとしているのか察して、初春は頷いた。御手洗の能力の条件についてだろう。
御手洗との戦いの中で、彼が明らかに不自然な――本来ならば必要が無いはずの行動を取っているのを何度か目にした。
彼は自分の身体を傷つけ、その血を水に垂らしていた。おそらく御手洗の能力は、己の血を媒介に水を操る能力なのだとアスカと初春は推測する。

「これはあくまで予想ですが、血が能力の源なら、注ぎ込む血液の量を増やせば能力の強度も上がると考えるのがセオリーです」
「だからカザリの能力も効きにくくなったし、怪物自体の大きさやパワーも上がってるってわけね」
「ですが、それだけ彼は――」

二人が移動しながら小声で会話を続ける間にも、御手洗は当てずっぽうに水兵を暴れさせ、フードコート内のすべてを壊さんという勢いで破壊を続けていた。
人間に対する呪詛を撒き散らかしながら破壊の限りを尽くしている御手洗の相貌は――蒼白に染まっている。
領域の過度の行使による体力の消耗、水兵を操るための多量の出血。その両方が少年から生を奪い、死に近づけている。

「カザリ。例のビデオとかいうのを見たっていうアンタに訊くわ。――アイツは、自分が死ぬことになろうとも、人間を殺そうとすると思う?」

アスカの質問に対して、初春は咄嗟に答えを返すことができなかった。それに答えようとすれば、自分の記憶を遡ることになる。思い出したくない殺人の記憶を辿ることになる。
これが初春の傷を抉るような質問だということに、アスカは気付いているだろうか? 初春が顔を上げると、真っ直ぐにこちらを見つめてくるアスカと、視線が交錯した。
アスカの瞳の中に、出会ったばかりのころのような高圧的なそれは、なかった。初春が頑なに正義を謳っていたときに見下すような目を向けてきたアスカは、ここにはもういない。

ようやく認められたような気がした。そして、同時に気付く。初春を信頼してくれているからこそ、アスカは初春に訊いたのだと。
だから、初春も答えなければならない。桑原を殺したときのことを、ちなつを殺したときのことを、美琴を殺したときのことを思い出して。
黒の章という悪意に呑まれ、人間という種をこの世界からなくしてしまおうと彷徨い歩いていた、あのときに考えていたことを。

「……きっと。きっと、あの人も――自分が死ぬことになろうとも、その行いを止めようとはしないでしょう。
 だって、彼が殺そうとしている『人間』には、彼自身も含まれているから。自分が死ぬことすら、彼にとっては贖罪の一つなんです」

はぁ、とアスカは大きなため息をついた。理解ができないわと呟きながら、かぶりを振る。
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630 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:04:27 ID:ju7RNNqk0
「世界のため。人類のため。みんなのため。そんなことを言われながらあたしは戦ったけど、それは全部、自分のための戦いだった」

強く在るということが、アスカの存在理由だった。強く、優秀でなければアスカを求める人間はいなくなってしまう。強くなければ生きる理由がなくなってしまう。
強迫観念に似た歪な価値観に支配され、アスカは己の価値を磨き上げ、周囲に誇示することに執着するようになっていった。

「バカシンジでもエコヒイキでもダメなの。あたしが使徒を倒さなくちゃ、誰もあたしのことを認めてくれないの。
 ……自分が死ぬことになろうとも人類を守れって言ってくる大人たちの顔、アンタは見たことある?」

そう言って、アスカは力無く笑った。そしてアスカの言葉を聞いた初春の中では――なにかが、ぱちんとはまった。
御手洗とアスカは、「自分が死ぬことになろうとも人類を殺すと決めた少年」と「自分が死ぬことになろうとも人類を守れと命令された少女」だった。
或いは、「自分の弱さを認められず世界を壊そうとした少年」と「世界に認められるために自分の弱さを殺した少女」だった。
まるで正反対のようで――その実、根本は同じだ。発露の方向が違っていただけで、始まりは同じだ。
震えるアスカの手を、初春はそっと握った。初春の手が触れる瞬間、予期せぬ接触に驚いたアスカの手がびくんと跳ねた。

「いっ……いきなり何すんのよ!?」
「すみません、つい……! でも、」

でも、という逆接の後ろに続く言葉を初春は探した。今自分が言うべき言葉は、いったいなんだろう。いくらか頭の中で考えて、しかしどれもしっくり来なくて。
「式波さんの手……冷たいですね」
水使いと対峙し、ずぶ濡れになったアスカの手に触れた感想を、そのまま言うことになった。
「……ヘンタイ」
返ってきたのは、ジト目だった。

「ち、違うんですよ!? いや、違わないというか……確かに急に触っちゃったのは私が悪いとは思うんですけど……」
「……別に、イヤって言ってるわけじゃないわよ」

初春の手が振り払われることはなかった。許容してくれたんだと解釈して、初春は少し嬉しく思う。
初春が握る手に力を込めると、アスカもまた握り返してくれた。初春の手のひらの熱が、少しずつアスカの手に移っていく。

「式波さん。こんな話を知ってますか? ……手が冷たい人はですね、心が暖かいそうですよ」
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631 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:05:47 ID:ju7RNNqk0
思えば、アスカがいてくれたからこそ、初春は自分を閉じ込めていた固い殻を破り、自分だけの現実を見つけることができた。
罪の重さに潰れそうになる初春を支えてくれたから、ここまで自分の足で歩いてくることができた。
アスカは、優しい人とは言えないかもしれない。優しさ以上に厳しさがあって、周囲の妥協を許そうとしない。
だけどそれもまた、隣の誰かを奮い立たせるやり方の一つではあった。実際に、初春はアスカに救われたのだから。

「今までありがとうございました。――今度は、私の番です」
「……言葉は、見つかった?」

御手洗を説得するための言葉。それは見つかったのかと、アスカは問う。
生半可な言葉では、人間は害悪なのだと断じ、自らの命すら投げ出す覚悟を決めた御手洗には届かない。
アスカの問いに対して、初春は、小さく首を振った。だがそれは、肯定を表す頷きではなく、否定を示す横の振り。

「せっかく式波さんに時間をもらえたのに、私はまだ言葉を見つけられません。でも、やり方は思いつきました」

そう言って、初春は微笑んだ。
あぁ、とアスカは感嘆する。自分のことを無力だと卑下して、あれだけ固執していた正義を投げ捨てて、なのにこれだけ美しい笑みを浮かべられるのだから――初春飾利が、弱い人間なはずがなかった。

「――初めて私達が出会ったときのことを、覚えていますか? きっとあのとき、こうやって私たちが手を握り合う未来なんて、想像もできなかったと思うんです。
 でも今、私たちは一緒にいる。考えは違っても、思いは違っても、傍にいて、隣にいて、互いを支え合うことだってできる。
 だからきっと、彼とだって、同じことができるはずなんです。私はそう信じてるんです。信じたいんです。それが幻想なんかじゃないって、証明したいんです。
 ゆっくりと時間をかけて、たくさんの話をしましょう。一つの言葉で彼の心を動かすことができないなら、十でも百でも、千でも万でも、たくさんの言葉を届けましょう。
 ――そのための時間を、私たちで作りましょう。式波さん、ごめんなさい。もう少しだけ、あなたの力を貸してください」

繋いだ手から、初春の熱が伝わってくる。本気の熱だ。アスカの視線と初春の視線が、交わった。
こちらをじっと見つめてくる初春の瞳に、混じり気はなかった。この殺し合いの舞台で幾度も叩きのめされて、剥がされて、それでも残った純粋な感情。
単純で、だからこそ綺麗で。周りの人間すべてに疑念を向けて、ただひたすらに自分のために生きてきたアスカですら、思わず信じてしまう慈愛が、そこに在ったから。
――アスカは、素直に自分の負けを認めた。

「ま、発破かけたのもあたしだし。ここまで来たら最後まで付き合うわ」
「……ありがとうございます!」
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632 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:06:49 ID:ju7RNNqk0
暴走と言ってもいい御手洗の破壊活動は、未だ翳りを見せることなく続いていた。彼が滾らせた憎悪の炎は、自身の生命まで燃やし尽くさんと暴れ狂っている。
相貌は蒼白という表現でも生温いほどに豹変し、生気の一切を欠いた土気色になっていた。美少年と形容されていたはずの整った目鼻立ちも今では憤怒に歪んでいる。
このままだと彼の命の灯火はそう遠くないうちに燃え尽きてしまうということは、誰の目にも明らかだった。彼を救うために残された時間は、あまりにも短い。

「時間がない。最短距離で突っ走って、最速でアイツを止める――アンタの能力が鍵よ、カザリ」

アスカの声に、初春はこくりと頷いた。二人が御手洗のもとへ辿り着けるかどうか。すべてはそこに懸かっている。
今の衰弱しきった御手洗が相手ならば、アスカと初春の二人が力を合わせれば彼を拘束してしまうことは難しくないはずだ。
問題は、道中に立ちふさがる水兵たち。常識外の膂力を誇る水兵に対抗できるのは、初春の『定温保存(サーマルハンド)』のみ。

「あたしが前に出て囮と盾になる。あのバケモノたちへのトドメはアンタに任せるわ」
「……お願いです。無理だけは、しないでください」
「あぁ――それはちょっと、無理なお願いね」

アスカは、初春と繋がっていた手を振り払うように離した。狼狽する初春を後目に、緑色の非常灯に照らし出される御手洗の所在を確かめる。
そしてアスカは、初春のほうを見ることなく呟いた。

「だってもう、お”願い”は先約があるもの。チナツとミコト――あの二人の”願い”で、あたしはもういっぱいってワケ。
 二人の”願い”通りに、絶対にアンタをあそこまで届けてみせる――それがあたしのプライドだから」

だから――次の瞬間、アスカは駆け出した。

「おりゃあああああああああっ!!」

アスカの叫びに反応した御手洗が、視線を向けると同時に水兵を仕向けた。総計四体の怪物が一斉にアスカを目指し向かってくる。
しかし水兵が目の前まで近づこうとも、アスカの速度は緩まない。御手洗に向かって、一直線に、ただひたすらに走る。
いち早くアスカの元へ辿り着いた水兵の腕を、身を捩りながら回避。不自然な体勢に捻れたことで、先ほどの戦闘で負った怪我がぶり返す。
身を引き裂くような鋭い痛みと熱を感じながらも、アスカは歯を食いしばり、呻き声を噛み殺し、更に加速した。
アスカに脇をすり抜けられた水兵は振り返り、再び腕を伸ばし――しかしその腕は、アスカを捉える寸前で霧散する。

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633 ◆7VvSZc3DiQ :2016/11/03(木) 23:08:05 ID:ju7RNNqk0
以上で前編の投下を終了します
予約期限内に後編の投下をしますので、少々お待ち下さい


634名無しさん :2016/11/05(土) 03:59:01 ID:FKUv6rro0
熱いです、美しいです
後半期待してます


635名無しさん :2016/11/15(火) 00:43:53 ID:NRa082JI0
お久しぶりです
月報失礼します


話数(前期比) 生存者(前期比) 生存率(前期比)
107話(+1) 14/51(-0) 27.5(-0.0)


636名無しさん :2017/08/02(水) 20:10:45 ID:XtsQGu/A0
糸冬


637名無しさん :2017/11/07(火) 17:07:50 ID:avuANzwY0
丸一年はもうおわたくさい


名前: E-mail(省略可)
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19 仮面ライダーオーズバトルロワイアル Part4 (Res:351)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 19
1名無しさん :2015/01/10(土) 19:56:27 ID:lo8EFRkE0
当企画は、仮面ライダーオーズを主軸としたパロロワ企画です。
企画の性質上、版権キャラの死亡描写や流血描写、各種ネタバレなども見られます。
閲覧する場合は上記の点に注意し、自己責任でお願い致します。

書き手は常に募集しております。
やる気さえあれば何方でもご自由に参加出来ますので、興味のある方は是非予約スレまで。

したらば
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まとめwiki
ttp://www18.atwiki.jp/ooorowa/

332交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:07:48 ID:UHAKG6eE0

「それより今は、あんたの力を貸して――仮面ライダークウガ」
 故にさやかは、ユウスケに助力を乞うた。
「悔しいけど、あたしだけじゃまだアポロガイストには敵わない」
 立ち上がり、再び武器を構えた赤い怪人と向き合いながら、エターナルは微かに声を震わせる。
 先程の短い攻防で痛感した。いくら同じ祈りを理由に彼の力を継いだからって、自分はまだまだ亡き師匠に追いつけていない。
 しかし絶望する気も、意地を張る気もさやかにはない。そんな必要はないのだと、克己と過ごした時間の中で学んでいたから。

「克己との約束を果たすには……あんたの力が必要なんだ」
 あの悪を、克己の仇を一人で倒せる力が――ないわけではないのに、使い熟せない自分のことは確かに悔しい。
 それでも祈りを忘れることなく。さやかは素直に、出会ったばかりの同志に共闘を申し込めた。

「……わかった。大道さんには悪いけど、俺も今は一人じゃあいつを倒せそうない……」
 そんな新たなエターナルの言葉を受けて、クウガも落としていた視線を眼前の敵手に向け、少女の隣に並び立つ。
「だから、君の力を貸してくれ……仮面ライダーエターナル」
「オーケー、望むところっ!」
 弾むような声で頷き、エターナルはクウガに背中を預けて得物を構える。

「……ちぃ、小癪な仮面ライダーどもめ」
 その様を見て、忌々しそうにアポロガイストは舌打ちした。
「二人がかりとはいえ、弱体化したクウガに中身が小娘となったエターナル……貴様ら程度、このハイパーアポロガイストの敵ではないのだ!」
「……やっぱりやってみせなきゃわかんないみたいだね、あんたみたいなバカには」
 構えを解かぬまま、エターナルは最早怒りですら無い闘志を胸に、アポロガイストの言葉を否定する。
「それにあんたの敵は、二人だけじゃない――!」
「ふん……今更アンク達が、何の力になると言うつもりだ!?」
 少女の啖呵をアポロガイストが嘲笑い、それにさやかは笑い返す。
「だからわかってないって言ってんのよ、あんたには!」
 今――ここにさやかを立たせているのは、さやか一人の力ではない。
 さやかに勇気をくれるのは、ユウスケやアンク、ネウロ達だけではない。
 こんな自分を認めてくれた、忘れ得ぬ仲間達が今も、この胸にいるのだから。
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333交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:10:57 ID:UHAKG6eE0

 しかし……それはただ、発動するだけのコストの話。
 いざ攻撃に転用できる状態――即ち召喚の完了まで、体感に基づき推測すれば、千秒近い時間を要求されていたのだ。

 仮面ライダー達は二人がかりで戦線を支えているが、方や未熟、方や疲労困憊となれば、今のアポロガイストを相手に戦力が足りているとは言い難い。
 数の差で粘れば勝ちの目もあるかもしれない。しかしこのままでは奴を倒しきる前に、エターナルとクウガのメダルは底を突くだろう。遠からず、少なくとも十五分は保たずに。
 そうなればアポロガイストに抗し得る戦力など残されておらず、“二次元の刃”による攻撃が可能となる前にネウロ自身も殺害されて終わってしまう。

「……手が足りん」
 精彩を欠いて、あるいは未熟ゆえに攻撃を捌かれ、焔に押されて後退する二人の姿を目にしたネウロは、苦々しくそう吐き出した。
 勝ち筋は見えている。だがそこに到るまでの道を崩され、間に合わない。今のままでは勝機はない。
 何か、もう一手。その欠損を埋めるだけの何かを見出さなければ……

「おい」

 そんな思考を遮る声が届くまで、ネウロは彼の接近に気づくことができなかった。
 魔力の枯渇と身体的ダメージによる精神消耗と、”二次元の刃”の召喚に意識を割いていた間に――身を隠していたはずのアンクが再び、その姿を現していた。
 アンクはその険しい視線をネウロの右手に向けたまま、口を開く。

「今呼び出してるそいつが、コアを砕ける能力か」
「……気づいていたのか」
 微かな驚嘆を胸に覚えながら、ネウロは婉曲な肯定を返した。
 そしてそれ以上の――喜悦にもよく似た、ある意味先程さやかに感じた物にも近しい感情に満たされていくのを自覚しながら、アンクの姿を睨めつける。

「それは単にコアを砕くだけじゃなく……奴を倒すのに使えるのか?」
「ああ。完成すれば魔界王にも防げない……あのアホ一匹に使うには豪勢に過ぎるが、確実に無力化できるだろうな」
「……なら、何でさっさと叩き込まねえ。何が足りないんだ」
「間合いもそうだが……これは呼び出すのに時間が掛かる兵器なのだ。完了までまだ500秒近くは必要だろう」

 ネウロの返答に、仮面ライダーの健闘も限界が近いことを見取っていたアンクは、苛立ちを隠そうともせず舌打ちした。
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334交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:12:14 ID:UHAKG6eE0

 今、彼を殺してメダルを奪う余力すらネウロには残っていない。しかしアポロガイストを撃退しなければ先がないのは、おそらくは他の誰よりアンク自身だ。
 この危機的状況において協力を拒まれることはないと、ネウロは踏んでいたのだ。
 但し。

「……何枚だ」
「さあ。先程は十枚ほどの追加で一割は短縮できたが、この先も同じ比率とは限らん。そもそもが我が輩が干からびるほど燃費の悪い兵器であることを考えれば妥当なところなのだろうが……さてアンクよ、今は何枚余裕がある?」

 そう――そもそもアンクが提供できる限界値に達していれば、話は変わって来てしまう。
 未だに体を維持できているのなら、枯渇しているということはないはずだ。
 だがそこに余裕が無いのであれば。アンクに延命のために血肉を削る覚悟はあれど、それで死んでしまうような愚は犯すまい。

「……貴様のコア、アポロガイストに奪われているのだろう? あの虫頭ではない貴様は、どこまで保つ?」
「……さあなァ。少なくとも、今すぐ撃てるほど貸してやれそうにはない」

 案の定のアンクの返答に、しかしネウロも引くことはできない。
 限界があるなら、限界まで絞り取る――それがネウロの考え方であり、やり方であり、そしてこの場における唯一の活路である以上、譲歩することなどあり得ない。
 そんな風にネウロの意志が固まる横で、再びアンクが口を開いた。

「……だが、そいつを完成させるまで、おまえは使い物にならないんだったな?」
 溜息と共に漏れた言葉には、諦念――というよりはそれを装った何か別の感情が潜んでいる気もしたが、あいにくネウロはその手の機微には疎かった。

「あいつらだけじゃ手が足りないんなら、出し惜しみしたって俺まで死ぬだけだ」
 もう少し難儀するかと思ったが、意外にもあっさりと、アンクも覚悟を決めたようだ。
 いや、そもそもネウロに声をかけてきた時点で、アンクとてこの展開は予想していたのだろう。ならば覚悟など、とっくの昔に決まっていたに違いない。
 奥の手を見透かされていたことといい、ネウロはこの人外への評価を改める必要があると認識した。
 微かに愉悦の滲んだ笑みを漏らしていることを自覚しながら、ネウロはアンクに告げた。

「どの程度短縮できるのかはわからんが、使い物にならない者を徒に増やしても仕方あるまい。献上は意識の消える寸前で止めても許してやろう」
「てめぇ、状況が状況だからってなァ……後で覚えてろ」
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335交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:13:14 ID:UHAKG6eE0

 苦い思いを噛み潰しながら、ユウスケはその足で走り出す。ナイフによる一撃をまたも楯に阻まれ、その隙に連撃を受けて防戦一方となったエターナルの元に駆けつけると、体当たりでアポロガイストを引き剥がそうとする。
 ……だが、ここに至っても、まるで神経や筋組織に異物が潜り込んでいるかのように、思うような力が出せない。

「ぬるいわ!」
 そうして手間取っている間に、アポロガイストの振り下ろした剣の柄で強かに背中を打たれ、更に崩れた先を膝で迎え撃たれる。
「ユウスケっ!」
 蹴り上げられたまま転がっているところを、守るべき少女の変身したエターナルに受け止められる不甲斐なさに、クウガは再び拳を握り締める。

「言っただろう。地の石に抗った反動と、矛盾した命令でアマダムの混乱した今の貴様では、私に勝つことなど不可能! 大人しく死を受け入れるのだ!」
「――っ、誰が!」
 反発して立ち上がるが、鈍った反動ではアポロガイストが構えた銃口から逃れきれず、放たれた炎弾に呑まれて再び後方へと身を運ばれる。

 地に叩きつけられるまで追撃がなかったのは、その間にエターナルがアポロガイストに突貫し、クウガの隙を庇ったからだ。

 だが、またしてもコンバットナイフによる攻撃は日輪の楯に食い止められ、その影から突き出された刃が肩口を掠める勢いのままにエターナルは後退する。
 後は繰り返しのように、広がった翼がエターナルを打ち据えるだけ――かと思われたが、アポロガイストは舌打ちを残し、その翼を停滞させた。

 ――同じ攻防の繰り返しの中で、しかしさやかは消耗より早く学習していたのだ。
 クウガが不調である分まで補おうとする気持ちと、残されたメダル量への焦燥が、彼女の攻め気を高め過ぎていることは、ユウスケにも見て取れていた。
 しかし初めての変身、慣れない武器で防御より攻撃を優先して勝てるほど、アポロガイストは甘くない。
 だから、彼女はかつて我武者羅なだけの攻めを諌められたことを思い出し――敢えて踏み込みを浅くして、反撃に備えたのだ。
 ここまでのパターン通りに、その追撃として翼が振り抜かれれば、更なる反撃としてそれを切って捨てられるように。

 しかし相手もさるもので、アポロガイストは寸前にそれに気づき、逆に距離を取られてしまった。
 再び火炎の嵐に見舞われるエターナルの元に駆け出そうとして、しかしクウガは一度冷静に立ち返る。

 居ても立ってもいられないのはさやかも同じだ。ユウスケよりも、目の前で大道克己を喪った彼女の方が、心に受けた傷も大きいはずだ。
 なのに、自分が耐えられないからと、我武者羅に飛び込むばかりで一体どうする。
 本当にそれしか手段がないなら仕方ない。だが、ひたすらに突撃を繰り返すしか本当に打てる手段はないのか、もう一度よく考えろ。
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336交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:14:39 ID:UHAKG6eE0

 しかし、アポロガイストの繰り出す怒涛の攻めは、なおもエターナルを仕留めるには及んでいなかった。
 変身者である美樹さやかの、ゾンビ故の再生力は疾うに把握している。何度攻撃を浴びせたところでその動きに陰りは見られず、その持久力は間違いなく厄介であるとアポロガイストも認めていた。

 ――だが、それだけではないのだ。要因は。

 アポロガイストの一撃を、エターナルはローブで捌く。
 そう、捌く。
 正面から万全の防御として受け止めるのではなく、最低限の接触でメダル消費を抑えながら、攻防の転換のラグを最低限に抑えることができるように。
 それでも彼女の刃は未だアポロガイストに届くことはないが、徐々に、しかし着実に、その喉笛までの距離を縮めつつあった。

 ――最早美樹さやかのそれは、殺し合いが始まった直後の交戦時のように、自らの弱点を晒すような素人丸出しの戦い方とは違う。
 挙動に緩急をつけ、時には反撃のための誘いの隙を見せるなど……ほんの数分前と比べてみても、格段に戦士として成長しているのだ。
 変身直後の、感情に振り回された初撃はともかく。既に彼女を本気でド素人と罵ることはできまいと、アポロガイストも内心では認めていた。

 素人ではなくとも、未だ歴戦の精鋭とはとても言えないだろう。だがこの短時間で成長していく彼女のセンスを軽視することは決してできない。

 こちらがこれだけの好条件を揃えていても、変身者があの大道克己のままならば、おそらくエターナルはアポロガイストの呼吸を読んで喉笛を狙うこともできていただろう。
 もちろん経験の不足している今の美樹さやかに、繊細な洞察力があってこその大胆さを要求される技術を発揮することはできないが――この少女は、その大道克己の指南を受けた後継者なのだ。

 持久戦に持ち込めば、不死身のゾンビだろうと先にメダルが尽きるのは仮面ライダー達の方だ。
 だが逆を言えば、持久戦ではメダルが切れるまでこちらも彼らを仕留めることはできない……その短いはずの猶予で、エターナルが真の意味で復活することをアポロガイストは恐れていた。

「気味の悪いゾンビぶりだが、いつまで続くか見ものなのだ!」
 だからこそ。そんな焦りはおくびにも出さないまま、敢えて舌先に載せる言葉は実際の認識とは真逆のものを選んでいた。
 全てはさやかの油断を招き、焦燥を煽り、感情に惑わされた末に生まれる、勝負を決める隙を作らせるために。
 今この瞬間は安全であっても、成長の余地を与え窮鼠が猫を噛みかねない長期戦に持ち込むのではなく、急所の宝石を早々と打ち砕いてその芽を詰むために。

「……だったら!」
 そんな狙いを秘めながらも、表面的に続けるのは延々と距離を保つような消耗戦。それにエターナルも痺れを切らしたのか、ローブを前面に展開して再びの突貫を開始する。
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337交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:15:43 ID:UHAKG6eE0

 勝負を終わらせるつもりで構えていたアポロガイストの隙を突き、最早防御の間に合わないところにまで翠の閃光と化した拳が肉薄していたのだから。

「やぁあああああああああああっ!!」
《――MAXIMUM DRIVE!!――》
「おぐぅっ!?」
 エターナルの繰り出した一撃は、咄嗟に身を捻るぐらいしかできなかったアポロガイストの横面を思い切り捉えた。
 首が取れるかと錯覚する一撃。兜が拉げ、左側の飾りが折れ、そして身体が宙を舞うで、しかしアポロガイストもただでは転ばない。
「舐めるなっ!」
 防御が間に合わないと悟った時点で、アポロガイストは既に反撃に意識を割いていた。結果として照準できたマグナムショットは、ローブを手放し、攻撃後の微かな隙を突いてエターナルを確かに捉えた。
 起死回生の博打に精魂を一度絞り尽くしていたエターナルは、焔を纏った着弾にもんどりを打って倒れ、そしてその白い装甲を消失させた。
 
「……小娘なりによく頑張ったと褒めてやりたいところだが、これで終わりなのだ!」

 今の攻防で、遂にメダルが枯渇したのだろう。あるいはそれ故の捨身だったのか。
 駆け引きに敗北しようとも、どんな形であれ生き残った者こそが勝利者――ベルトに触れることなく生身を晒した美樹さやかを目にした己にそう言い聞かせながら、アポロガイストは再びマグナムショットの銃口を向ける。

「――さやかァッ!」
 銃爪を引く一瞬前、アンクの絶叫が耳に入り、アポロガイストは微かに視線だけをそちらに向ける。
 見ればアンクが、またガイアメモリらしき長方形の物体と――気配でわかる、奴に残されていた最後のコアメダルを、さやか目掛けて投擲したのが確認できた。

(哀れな奴なのだ)
 いや、それとも幸運なのだろうか。
 コアの放出によって瞬く間に失われていくアンクの気配、結果として崩れて行く躯の様子を目にしながら――そこまでして救おうとした相手が吹き飛ぶのは、最早避けようがないことなのだと、アポロガイストは嘲笑とともに銃爪を引ききった。
 勝負は決まった。コアメダルの到達より、ハイパーマグナムショットの弾丸がさやかを砕く方が早い。それを見届けることすらできず、自らの感情を宿したコアメダルを間抜けにも死体の前に転がし、そのままアポロガイストの糧となる愚か者の無念を想像するのに浸ろうとして――

 突然、目の前が金色の闇で染まった。

「――っ!?」
「おぉりゃあっ!」
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338交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:17:40 ID:UHAKG6eE0

 そこでアポロガイストの脳裏を、一つの仮説が閃いた。

「貴様――まさか、地の石を取り込んだのかっ!?」

 究極の闇から零れ落ちたのゲブロンの破片を取り込んだグロンギや、二つのキングストーンを揃えた創世王のように。
 あれらの霊石が持つ、他の霊石と同調する能力を持って――地の石の残骸を、アマダムが取り込んだとすれば。
 二つの石が等しく小野寺ユウスケの物となれば、反発していたはずの霊石の力まで合一して取り込むことで、肉体の負担さえも緩和される。

 しかし……口は災いの元だったと悔やむとともに、本当にそれだけでライジングアルティメットに大ショッカーが埋め込んでいたセーフティが突破されたのだろうかと、微かな疑問がアポロガイストの脳裏を掠める。
 筋は通っている。しかしそれだけで、果たして消耗に回復が追いつくのだろうか。
 あるいは他にも、何か。地の石以外にも、彼奴のアマダムに影響を与えた何かがあるのではないかと。

 先程までの闇色とは異なり、金色に輝くアマダムの様子に気づいたアポロガイストはそんなことを考えたものの、それ以上悠長に構えては居られなかった。

「行くぞ!」
「く――っ!?」
 微かな思考の彷徨から帰還する前に、クウガは肉薄を開始していた。
 距離を詰めさせまいとするマグナムショットの一撃。しかしそれが、この凄まじき超戦士に通じないことは先刻証明されている――!
 当然のように、灼熱の弾丸を無造作に叩き落としたクウガは足を止めることなく懐に潜り込む。発砲の反動でやや跳ね上がっていた銃身を容易く掴み上げられ、アポロガイストは手首ごと持って行かれるかという悪寒を覚え、しかしすぐにそれを杞憂と悟った。
 何故なら代わりに、金属が爆ぜる不快な音が響いていたことに喫驚するハメとなったのだから。

「き、貴様――っ!」
 愛銃を奪い取るよりも早く、掴んだ勢いのまま軽々と握り潰された畏怖に声を震わせるアポロガイストは、続く一撃を咄嗟にガイストカッターで受け止め、切れなかった。楯を構えることは間に合っても打撃の威力に押され、そのまま胸と顔面にガイストカッターを減り込ませてしまっていたからだ。

 目の奥で散る火花が視界を封じて、一瞬の暗転。後頭部と脚部に感じる鈍い感覚は、それぞれを一度ずつ打っていた証左だろう。
 勢いのまま後方に一回転して、偶然にも元通り立ち上がった状態に戻れていたアポロガイストは、痺れが残る左腕を持ち上げるのが間に合わないのを直感的に理解して、空いた右手にアポロフルーレを握り込んだ。
 ――握り込んだ時には、やはりクウガは眼前に出現していた。

「っ!」
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339交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:18:20 ID:UHAKG6eE0

「……メダルを切らしおったな、馬鹿めがっ!」
 罅割れた仮面の下の表情は、未だ余裕がなく凍結したまま固まっていても。本来ならばこの体そのものを砕かれていた一撃が届く前に、生身を晒してしまった小野寺ユウスケを狙って、アポロガイストは火球を飛ばす。

《――ETERNAL!!――》

 しかし逆転のための一撃は、夜闇を切り裂いて現れた、蒼白い光に遮られる。
 それを為したのが何者であるかなど、最早考えるまでもない。
 アンクから与えられたコアメダルを使って再変身した美樹さやか――仮面ライダーエターナル。
 先程己がクウガに救われたように。今度はエターナルが、メダルを得たことでその真価を取り戻したあの絶対防御のマントで以て、グリードの放つ猛火を完全に防ぎきっていた。

「小娘……っ!」
「――これで、終わりだ!」

 目前の勝利を阻まれる――その再演を歯噛みするアポロガイストに、今度は仮面ライダーが勝利宣言を叩きつけた。

《――ETERNAL!! MAXIMUM DRIVE!!――》

 マキシマムドライブ――名前の通り最大出力に達したガイアメモリのエネルギーが、エターナルの全身へと伝播されて行く。
 そしてエターナルが一度に発動できるマキシマムは、一本だけではない。

《――JOKER!! MAXIMUM DRIVE!!――》
 アンクが投げ渡していた新たなガイアメモリもまた、エターナルの手でその真の力を起動する。
 全身に拡散していたエターナルの蒼白いエネルギーが、ジョーカーの放つ紫電によって導かれ、エターナルの足元へと帯雷して行く。

「だぁああああああああああああああっ!!」

 討つべき悪を目指し、吹き荒れる雷嵐を従えて、エターナルが宙に跳ぶ。高々と、力強く。
 それはまるで、左翔太郎と大道克己――同じく風都の希望たる仮面ライダーでありながら、在りし日に相容れることは遂になかった二人の力が今ここに合わさったかのような、ツインマキシマムのライダーキック。
 悪を駆逐するそれを名付けるならば、そう――死神の鎮魂歌(ジョーカーレクイエム)。
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340交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:19:44 ID:UHAKG6eE0





 ――――その瞬間、アポロガイストは己の身に起きた全てを悟り、歓喜した。

(――ならばその永遠、今この場で断ち切ってくれるのだ、美樹さやか!)
「な――っ!?」

 ハイパーアポロガイストの肉体が爆発したと同時、飛び出したコアメダルは明らかに爆風に煽られたのとは異なる機動を見せた。
 それもそのはずだった。今となってはそのクジャクのコアメダルこそが、悪の大幹部アポロガイストの意識を宿した、本体と呼ぶべきものだったのだから。
 明らかに死したはずの男の声を聞き、流石に動揺を隠せないでいるエターナル目掛けて、クジャクコアと化したアポロガイストは飛翔する。

(貴様の肉体を奪い、直ちに復活してくれる!)
 アポロガイストは、自らの肉体が滅び、コアメダルのみとなったことにより、グリードとしての性質を理解した。
 グリードの肉体は欲望の塊であるオーメダルで構成される。
 しかし自分がハイパーアポロガイストへと変じてみせたように、人間の身体もまた、メダルの代用品として機能する欲望の塊なのだと。
 そしてグリードの身体はコアが抜ければそれを形作る結合力を失い、ただのメダルの集まりへと解けてしまうが――アンクのコアメダルが全て抜けた後も、あの体は残っていたことを爆発の直前、確認していた。

 故に肉体が破壊されながらも残された自意識は、即ちその意味すること――グリードは人間の肉体を奪い、活動できる事実を知った。
 消滅することのないコアメダルに意識を宿し、何度でも肉体を新たにできる――自らがあれほど恐れた死の支配を、完全に克服した巨悪となったのだと!

(やはり私は――貴様らにとって大迷惑な存在なのだっ!)



「――まったくだな。だからここでご退場願おう」


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341交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:21:01 ID:UHAKG6eE0

「……気にすることはない。奴にトドメを刺したのは我が輩だ」

 それが事実とはいえ、この状況下においてはいっそ間抜けですらあるようなさやかの呟きに、しかし意外にもネウロは真摯な様子で応えた。

「そして我が輩、実は極力『殺人』は避けている。どんな人間であれ、生きてさえいればまた『謎』を作るかもしれんからな」

 ネウロは足元に転がる、かつてハイパーアポロガイストの肉体を構成していたメダルを拾い上げ、それを指先で弄びながら続ける。

「だが奴は既にグリード……本性はただのメダルだった。大道克己とは違う、本当にただの『物』でしかない害悪だった。だから排除したに過ぎん」
「それは……そうだけどさ」

 時折間抜けな姿を見せることはあっても、自らを悪と謳い我欲に生きるアポロガイストは徹頭徹尾、もしかすれば、魔女以上に邪悪だった。
 奴は自分達を殺そうとして来て、事実克己の命を奪った。そのことについて憎しみも恨みもあり、それを忘れる必要だってどこにも在りはしない。
 改心させることなど不可能だった。ここで殺してでも止めなければ、この先もっと大勢の犠牲者が出ていたことも疑いようはない。

 ――それでも、人の形をした、意思疎通の可能な相手に対し、一線を越えたことは初めてだったのだ。

 間違ったことをしたつもりはない。だとしても、正しいと信じることを押し通すために暴力に訴え、時には相手の生命を絶たねばならないということ。
 それが、存外、堪えるものなのだということを――さやかは漸く、実感していた。
 かつて、佐倉杏子との戦いを殺し合いなどとまどかに語っていたが、あの時はきっとこんな痛みなど、わかってはいなかっただろう。

「ヤコもそうだったが……難儀だな、ニンゲンという種族は」

 今度はアポロガイストの遺した首輪を回収しながら、やれやれとネウロが嘆息した。

「しかし、そこまで似た姿形をした物を壊すのが気に病むというのなら……まぁ、まず我々の余裕ができてからの話だが」
「――うん、考えておく」

 ネウロが言わんとすることを察して、先んじてさやかは首を斜めに振った。
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342交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:21:45 ID:UHAKG6eE0

「えっと……『全て遠き理想郷(アヴァロン)』だっけ。衛宮切嗣って人が治療に使ってるの」

 ユウスケに散らばったメダルを集めろ、と命じたネウロ自身は、今この場には居ない。
 コアメダルを一枚渡したところで、確認することがあるから引き続きメダルを回収しながら暫く待っていろと言い残し、早々に南東の方へと向かってしまったのだ。
 何をしているか気になるが、さておき。結果今は、気絶したアンクを除けばさやかと一対一。故に簡潔に留めた内容だったが、その中からもさやかは必要な情報を取捨選択し、必死に思考を束ねていた。

「どんな傷でも治せる伝説のアイテム……それがあれば」
「ああ、もし今のアンクが大変な状態だとしても、元に戻せるかもしれない」

 言い終えると共に、ユウスケは腰掛けた自分達の間に横たわったアンクに視線を向ける。
 さやかを助けるために、その身を削った――キバの世界に生きる多くのファインガイア同様、人間と共に生きる怪人に。

 彼に対しても、操られる以前からユウスケは酷いことをしてしまった。目覚めれば居心地の悪さが増してしまうだろうが、逃げるわけにはいかない。
 しかし、さやかの窮地に託したメダルが、彼の持つ最後のコアメダルだったようで……彼らにとっての生命そのものであるメダルを一度全て吐き出したアンクの意識は、今も戻ることがなかった。

 色が抜けるのとは逆に、金から黒に染まっているのだが――髪の色が変わるほど衰弱しているのは只事ではないと、グリードをよく知らないユウスケにも予想できた。
 グリードの血肉がオーメダルだというのなら、一度バラバラにされた物を戻されたところで果たして治癒できるのかは定かではないが、そこは怪人の生命力を信じるしかない。

 本当なら手持ちのメダルを全て彼に渡したいところだが、この状況では彼の護衛も含め、戦闘用にメダルを確保しておく必要がどうしてもあった。
 改めて忌々しい制限だと、ユウスケは臍を噛む。

「あっ、いや……それはそうなんだけど……そうじゃなくて」

 しかし、何故かさやかは言い淀み、視線を泳がせた。
 アンクを心配していない、というわけではないだろうし、そう思われたいわけでもないはずだ。
 理由を推察する前に、さやかは一つ小さく咳払いする。

「とにかく。ネウロが戻ったらあたし達もそっちにお邪魔しても良いかな、ユウスケ。ネウロが何考えているかわかんないけど、元々行く宛もなかったし」

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343交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:23:21 ID:UHAKG6eE0

「ところでインキュベーターよ」
「何だい?」
「ウヴァはディケイドとやらに倒された際、全身がメダルと化してバラバラになったのか?」

 更に別件として。先程目にしたアポロガイストの最期を思い返しながら、ネウロはインキュベーターに問いかける。

「そうだけど、それがどうかしたのかい?」
「こちらのことだ」

 そのように返答しながら、ネウロはもう一人のグリード――“全てのメダルを吐き出しながら”人型の肉体を形成したままの個体を思い返す。

「なるほど。だからウヴァの情報を売ったわけか」

 それが意味するところを、ネウロとの交渉材料にする際、即理解を促すことができるように。
 手に持ったキュゥべえにも聞こえないほど小さな声で呟いた後、ネウロは目当ての物を見つけていた。
 左手でインキュベーターを捕らえたまま。空いた右手で必要な操作を行い、目当ての画面を呼び出す。

「ふむ。やはりルールブックに記載がなかったとおり、認証する首輪はその状態を問わないようだな」

 呟くネウロの右手に握られていたのは、アポロガイストが身に着けていた首輪。
 彼の全身がメダルに解けた際に脱着できたそれをネウロは回収し、ATMと認証させていたのだ。
 先程口に出して確認したとおり、ルール上では首輪は参加者が装着しているかどうか、生存しているかどうかをATMとの認証条件に含んでいなかった。

「貯金はない、か……まぁ計画性のなさそうな男だったからな」

 まずはアポロガイストの残高を確認してみたが、残念ながら回収できるメダルはなかった。
 とはいえ、口に出したとおり想定の範囲内であり、本命はそれではない。

 ネウロがここに立ち寄った真の目的は、殺害数ランキングの閲覧にあった。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


344交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:24:31 ID:UHAKG6eE0

 故に、可能であればグリードへのトドメはネウロ自身が身を削るより、他に存在するコアの破壊者達に委せる方が好ましいと、ネウロは考えていたのだ。

 だがそこで問題となるのは、アンクの言が正しければ、確実にコアを破壊できる存在だという火野映司は殺し合いに乗っているということであり。
 もう一人のコアの破壊者として有力な候補である門矢士もまた、伊達明を殺している事実を、どう受け止めるべきかということだろう。

 得られた情報から考察を進めながら、画面をスクロールしていったネウロは――その表情を一瞬にも満たない刹那、硬直させた。
 そしてそれを緩やかに歪め、嗜虐的に嗤う。

「おやおや。さてこれは……」

 弄ぶように思案する、ネウロの視線の先にあるのは――ランキングに記載された、『アンク』の名前と。
 彼のスコアとして並んだ、左翔太郎とアストレア――火野映司の手によるものだと、アンクが語っていた犠牲者二人の名前だった。






      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






「……起きないね、アンク」

 ネウロの帰りを待つ間。ユウスケとのある程度の情報交換が終わってしまえば、気まずさから互いの口数が減ってしまったことに耐えかねたさやかは、何度目かになるアンクの話題に挙げていた。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


345交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:26:01 ID:UHAKG6eE0

「俺は……泉、信吾です」

 さやか達の知らぬ名を、その口から名乗り上げていた。






【二日目 深夜】
【F-3(北東端) 市街地】



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【所属】青
【状態】健康、決意、杏子への複雑な感情、Xへの強い怒り
【首輪】30枚:0枚
【コア】シャチ(放送まで使用不可)、ワニ(放送まで使用不可)
【装備】ソウルジェム(さやか)@魔法少女まどか☆マギカ、NEVERのレザージャケット@仮面ライダーW、T2エターナルメモリ+ロストドライバー+T2ユニコーンメモリ+T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】基本支給品、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、ライダーベルト(ガタック)の残骸@仮面ライダーディケイド、克己のデイパック{基本支給品、NEVERのレザージャケット×?-3@仮面ライダーW、カンドロイド数種@仮面ライダーOOO}
【思考・状況】
 基本:克己の祈りを引き継ぎ、正義の魔法少女として悪を倒す。
  0.泉、信吾……?
  1.ネウロが戻ったら、情報交換をしながら教会を目指したい。
  2.アンク達と一緒に悪を倒し、殺し合いを止める。
  3.佐倉杏子のことは……
  4.克己やガタックゼクターが教えてくれた正義を忘れない。
  5.T2ガイアメモリは不用意に人の手に渡してはならない。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


346交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:32:31 ID:UHAKG6eE0
【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【所属】無所属(元・赤陣営)
【状態】疲労(大)、精神疲労(大)、克己を殺めてしまった罪悪感、さやかへの負い目
【首輪】30枚:0枚
【コア】クワガタ(次回放送まで使用不能)、カンガルー(次回放送まで使用不能)
【装備】龍騎のカードデッキ@仮面ライダーディケイド
【道具】なし
【思考・状況】
基本:みんなの笑顔を守るために、真木を倒す。
 1.ネウロが戻ったら、B-4に戻って千冬、切嗣達と合流する。
 2.井坂、士、織斑一夏の偽物を警戒。 士とは戦いたくないが、最悪の場合は戦って止めるしかない。
 3.千冬さんは、どこか姐さんと似ている……?
 4.大道克己の変わり様が気になる。
【備考】
※九つの世界を巡った後からの参戦です。
※ライジングフォームに覚醒しました。変身可能時間は約30秒です。
 しかし千冬から聞かされたのみで、ユウスケ自身には覚醒した自覚がありません。
※ライジングアルティメットクウガへの変身が可能になりました。
 但し地の石の破片を取り込んだことや、他に何らかの影響があるためか、ライジングアルティメットに変身した際のアマダムの色が黒ではなく金になっています。
 通常のライジングアルティメットとのその他の具体的な変化については後続の書き手さんにお任せします。



【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【所属】黄
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、ボロボロの服
【首輪】55枚:0枚
【コア】コンドル:1(放送まで使用不可) 、タカ(十枚目・放送まで使用不能)
【装備】魔界777ツ能力@魔人探偵脳噛ネウロ、魔帝7ツ兵器@魔人探偵脳噛ネウロ
【道具】基本支給品一式×2、弥子のデイパック(桂木弥子の携帯電話+あかねちゃん@魔人探偵脳噛ネウロ、ソウルジェム(杏子)※黒ずみ進行度(中)@魔法少女まどか☆マギカ、 衛宮切嗣の試薬@Fate/Zero)赤い箱(佐倉杏子) 、キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ、首輪(アポロガイスト)
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


347交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:34:05 ID:UHAKG6eE0



【全体備考】
※「二次元の刃」により、クジャク(感情:アポロガイスト)が破壊され消滅しました。
※キルスコアランキングでは、作中の名簿同様アンクとアンク=ロストの表記に区別がありません。
※アポロガイストが自律行動するための肉体を破壊したのは美樹さやかであるため、キルスコアは彼女の物として計上されていますが、少なくともネウロが閲覧した時点ではまだ第二回放送までの情報しかランキングには反映されていません。


348 ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 18:35:20 ID:UHAKG6eE0
以上で投下を完了します。
仮投下を通してはありますが、何かご指摘がございましたら気軽にご指導頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。


349名無しさん :2016/08/21(日) 18:50:24 ID:q86Df91gO
投下乙です

アンクの感情コアがお兄ちゃんの体から離れても死亡認定されないってことは、アンクの生死はお兄ちゃんの体が死んだかどうかで判断するのかな
首輪してるのはお兄ちゃんだし


350 ◆z9JH9su20Q :2016/08/21(日) 21:44:19 ID:UHAKG6eE0
ご感想ありがとうございます。
本投下後に申し訳ありませんが、全体備考欄に以下の事項を記載し忘れていたので、wiki収録時に追加させて頂きますことをここにご報告します。

>※アンクが一度泉信吾の体内から全てのコアメダルを放出したため、深夜の時間帯に赤陣営が一時的に消滅しました。現在のリーダー代行は泉信吾です。

大変失礼いたしましたが、ご了承くださいますようお願いいたします。


351名無しさん :2017/10/09(月) 23:19:51 ID:P7YHwu4A0
オーズ&アンクオリキャスで復活記念


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20 複数ジャンルバトルロワアルR2 (Res:47)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 20
1名無しさん :2016/07/15(金) 10:32:45 ID:bma5ZPlU0
当企画は2014/1/06に企画され、1/18にパロロワ総合板にてスタートした『複数ジャンルバトルロワイアル』のリスタート企画です。
企画の性質上、キャラの死亡や流血等、残酷な内容を含みます。閲覧の際には十分ご注意ください。

執筆時は以下のルールを参照してください。
ルール
ttp://www65.atwiki.jp/fsjrowa_two/?page=%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB

制限一覧
ttp://www65.atwiki.jp/fsjrowa_two/?page=%E5%88%B6%E9%99%90%E6%A1%88%E4%B8%80%E8%A6%A7

【基本ルール】
全員で殺し合いをし、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。


【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品は基本的には全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器(覇者の剣や艦装等)、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨、アクセサリー、身分証明証・財布などは持ち込みを許される(特殊能力のある道具を除く)。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
1.ディバック どんな大きさ・物量も収納できる。以下の道具類を収納した状態で渡される
2.参加者名簿、地図、ルールブック、コンパス、時計、ライトの機能を備えたデバイス。(バッテリー予備、及びデバイスそのものの説明書つき)
3.ランダム支給品 何らかのアイテム1~3個。
ランダム支給品は参加作品、現実、当企画オリジナルのものから支給可能。参加外、およびスピンオフの作品からは禁止。
4.水と食料「一般的な成人男性」で2日分の量。

【侵入禁止エリアについて】
・放送で主催者が指定したエリアが侵入禁止エリアとなる。
・禁止エリアに入ったものは首輪を爆発させられる。
・禁止エリアは最後の一名以下になるまで解除されない。

【放送について】
6時間ごとに主催者から侵入禁止エリア・死者・残り人数の発表を行う。

【状態表】
キャラクターがそのSS内で最終的にどんな状態になったかあらわす表。

生存時
【現在地/時刻】
【参加者名@作品名】
[状態]:
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:
1:
2:
※その他

死亡時
【参加者名@作品名】死亡
残り○○名

49 ◆neIGTsycrM :2016/07/19(火) 15:58:27 ID:FTsiJxV20
投下終了です。
タイトルは「想い想い」です。


50 ◆AOioqVcMTw :2016/07/19(火) 23:23:37 ID:DIDKuHMw0
投下乙です

風先輩は成程この時期から来たか、中道にしてどちらにも触れやすい。
そして、姉妹と未来を掴もうとする妙高姐さんは頼もしいですね
自分も投下します


51 ◆AOioqVcMTw :2016/07/19(火) 23:24:18 ID:DIDKuHMw0

それはまさに死闘だった。
天の頂に最も近い場所で繰り広げられるぶつかり合い。
肉を砕き、骨を軋ませ、歯を噛みしめながらの殴り合い。
勇者と大魔王。
そう呼ばれる者達が行う闘争としては、余りにも泥臭く、清廉さに欠けると言わざるを得ない殺し合い。
己の肉体と闘気のみに全てを篭めた魂の削り合い。

彼の騎士をまぎれもなく今わの際まで追い詰め、神が鍛えし剛剣すらへし折り、
それでも。それでもなお、彼は敗れた。

その身に残されたなけなしの闘気を全開放し、飛翔する勇者。
それを追う鬼眼の魔獣。
魔獣が求めてやまなかった太陽を背に、勇者が身を翻す。
直後、正しく急転直下の勢いで魔獣に迫り―――、

(さよなら…大魔王バーン…)

そして、ユメは終わる。
その身を二つに分かたれ、石となり朽ち逝く彼が聞いた、それが最後の言葉だった。


52 ◆AOioqVcMTw :2016/07/19(火) 23:26:16 ID:DIDKuHMw0

「ヴェルザーめ…魔界で石になりながら横たわる膨大な時間に何をしていたかと思えば、こんな蠱毒の計画を進めていたとはな」

雲の切れ目に浮かぶ月に照らされながら、独りの偉丈夫が立ち尽くしていた。
高貴さを示すような洗練されたローブに身を包み、鬼すら慄く二本の角を生やした銀髪の美青年。
大魔王バーンと呼ばれた魔族の、全盛期の姿がそこに在った。

「元よりヤツが余の首と地上を狙っているのは知っていたが、ダイ達とこういった形で共倒れを狙うとは、まったくもって喰えぬ竜よ
………あるいは、それに留まらぬ別の目的があるのか」

バーンの脳裏に浮かぶは石の彫像になってなお畏れられ、魔界に置いて唯一自分と並びうる実力者。
この殺し合いの裏に居るであろう冥竜王ヴェルザーの姿だった。

「まるで狗の如く余に首輪などを嵌めたのは業腹ではあるが……
この大魔王すらチェスの駒としようとするその野心は流石余と魔界の覇権を争った者と言わざるを得んな」 

二度、三度と、朽ちたはずの自分の躰の感触を確かめるように掌を握りしめる。
その手からは暗黒闘気が漏れ出し、彼の力の強大さを表していた。
だが、

「鬼眼に力を感じぬ…余の力を制限するために不完全な復活にしたのはこのためか」


53 ◆AOioqVcMTw :2016/07/19(火) 23:27:51 ID:DIDKuHMw0

含み笑いが漏れ出す。

「フフ…良いだろう、ヴェルザー。余を復活させた義理は果たそう。
しばらくはお前の狂宴に一口乗ろうではないか」

元より、弱肉強食を至上とする彼に、力を誇示することへの躊躇は無い。
そう、今の彼にとって人間とは路上の石ころでは無く、滅ぼすべき敵なのだ。
矮小な割に閃光の様に、鮮烈で、それでいてひどく醜く悍ましい。
魔族とは決して相容れぬ種族。
それを、黒の核晶の爆破を巡る戦いで彼は知った。
故に侮りは存在しない、あの歪な種族が居る限り、魔族に繁栄は無い。
生ある限り『勝利』の二文字を、太陽を、天を目指す。
大魔王としての矜持を捨て、称号を捨て、肉体を捨て魔獣となった経験を経て『勝利』への渇望はより強くなったと言える。

何より、ここにはあの宿敵が―――、

「ダイよ…竜の騎士よ。余は一度お前に敗れたが、それはお前も同じ事。
 生ある限り、殺し合うのが余と貴様の定めよ」

きっとダイもこう思う事は確信している。
もし。ダイが、アバンの使途が此処に居なければ、
バーンは自身に首輪などと言う汚らわしい物を付けたヴェルザーの意思に反し、ゲームに逆らう道もあったかもしれない。

だが、勇者が居る以上、彼は大魔王として相対する。しなければならない。
勝利、その二文字のためならば、この首輪の戒めも、屈辱も耐えて見せよう。

ここには、悠久の時を生きた自分にすら知り得ない“何か”がある。
或いは竜の騎士すら脅かすかもしれないそんな確信じみた予感を彼は感じていた。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


54大魔王の挑戦 ◆AOioqVcMTw :2016/07/19(火) 23:34:10 ID:DIDKuHMw0
投下終了です

また、現在位置が抜けていたので追記を
【H-6/橋上/1日目・深夜】


55名無しさん :2016/07/20(水) 00:57:43 ID:nMDzjO3QO
投下乙です!
バーン様は真の姿か…制限にもよりますが、やはり対主催の大きな壁になりそうですね

一つだけ指摘を
この前の作品「想い想い」と場所が被ってしまっていますので、それだけ修正が必要かと思われます


56 ◆AOioqVcMTw :2016/07/20(水) 08:01:27 ID:fWy2n53M0
失礼しました
現在位置を【G-7/1日目・深夜】に修正します


57 ◆TE.qT1WkJA :2016/07/22(金) 06:19:43 ID:6/32u1/w0
予約分を投下します


58勝たなきゃすぐに崖っぷち ◆TE.qT1WkJA :2016/07/22(金) 06:20:28 ID:6/32u1/w0
遮蔽物一つない平原の真ん中で、長身の女性が苦渋に歪んだ顔をして蹲っていた。
普段の彼女を知る人物ならば、大層驚くことであろう。
彼女は妙高型重巡洋艦3番艦、足柄なのだから。

「提督…」

声を震わせながら、目の前でその命を散らした青年の呼び名を呟く。
艦娘の中でもとりわけ活発で好戦的な部類に入る足柄とて、敬っていた上官の死を何とも思わないわけではない。
むしろ、深い悲しみが足柄を覆っていた。

「死んだ…?あの人が?」

信じたくない。嘘であってほしい。
だが、あの時に起こったことは全て事実だと理性では理解していた。
現に、自分の首を覆う忌まわしき鉄塊と見知らぬ場所に飛ばされたことがそれを示している。

「誰も、あの道化師に勝利できなかった…」

深海棲艦との戦いの日々において、足柄は『勝利』の二文字にこだわっていた。
戦場を求め、次々と出撃していたのも全ては勝利を得るためだ。
無論、そのための鍛錬を怠らない。練度は姉の妙高がさらに上を言っていたこともあり、己の強さを求める姿は一部の艦娘の手本にもなっている。
時には、今は亡き提督に次の作戦をせがんだり、「勝つ」こととかけてカツカレーを鎮守府の皆に振る舞ったこともあった。

「……っ」

今一度、自分達を嘲笑っていた道化師とピエロの姿を思い返す。
憎い。この手で殺してやりたい。提督を葬ったあの主催者の顔を浮かべるだけで心に憎悪の炎が宿る。
だがそれ以上に、足柄の心には大きな風穴が穿たれていた。故に、その場から動けずにいた。

「もうあの人に勝利を捧げることができないなんて…」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


59勝たなきゃすぐに崖っぷち ◆TE.qT1WkJA :2016/07/22(金) 06:21:11 ID:6/32u1/w0





「そのままではお前は蹂躙されるだけだ」

足柄の背後に、ザクザクと砂利と雑草を踏みつぶす音と共に男の声がかけられる。
軍人の職業柄か、足柄はバッと効果音をつけて振り返り、支給された艤装を構えて臨戦態勢を取る。
赤いシャツに黒いロングコートを着た青年が、いつしかそこに立っていた。
腹のあたりには黒いベルトのようなものをつけている。足柄からすれば民間人の部類に入るだろうか。
だが、鋭い目つきと発される威圧的なオーラから、ただ街角で遊び歩いているような若者ではないとすぐにわかった。

「戦う気概くらいはまだ残っているようだな。…あの時、飛び出した白い軍服の男――提督と言ったか。お前の知り合いだろう。
お前と同じような服を着た気の弱そうな女が声を上げているのを見た」
「羽黒…」

思えば、提督の死を目の当たりにしたのは足柄だけではない。
あまりプライベートに踏み込んだことがない大井や北上はともかく、他の妙高型の姉妹がそれをどう受け取るかはある程度察しがつく。
その中でも特に心配なのが羽黒だ。気弱な一方で芯の強い妹だが、その芯の強さが間違った方向へ行きそうな気がしてならない。
殺し合いに乗っている可能性は…いや、考えるのはよそう。
自分のことで手一杯なのに、身内とはいえ他者のことを考えるほどの余裕は今の足柄にはない。
問題は、目の前にいる青年への対処だ。

「あなたは…『乗っている』の?」
「もしそうだとしたら、どうする?」
「あなたを倒すわ」
「自分が何をすればいいのかも分からないのにか?」
「…!」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


60勝たなきゃすぐに崖っぷち ◆TE.qT1WkJA :2016/07/22(金) 06:21:53 ID:6/32u1/w0

「じゃあ、この首輪はどうするの?生殺与奪を握られている限り、勝利は限りなく遠いわよ」
「いずれ首輪を外す力も、全てを超える強さも手に入れる。こんな巫山戯たゲームなどで俺は死なん!あんな卑劣な手を使う奴が強いなど、俺が認めるか!」

青年はこんなに力強く話しているというのに、自分は随分と弱気をことを言う、と足柄は内心で自嘲する。提督を失ったせいか。
こんな空っぽな自分でなければ、首輪が何だと言って勝利を求めて東奔西走していたかもしれないのに。
対して、この青年はキルバーンの取った行動に対して強い怒りを示しているようだった。
まるで、卑怯な手を使う者は弱い奴しかいないのだと言わんばかりに。

「――けど、『助けない』のね?」

だが、足柄は男の表情からその言葉に『弱者を助ける』という意味合いが含まれていないことを悟っていた。
この男は、所謂一般人を助ける気など毛頭ない。最初から、このゲームの主催者を見据えているのだ。

「この世界のルールは弱肉強食だ。弱い奴が消え、強い奴だけが生き残る。殺し合いなら尚のことだ。
信じられるのは己の力だけ…。戦うことを放棄した者は、生きている資格などない」

もし青年の言葉を聞いている者が他の艦娘だったとしたら、大抵は反発されたことだろう。
だが、足柄はそれを不快とは感じなかった。
この青年は、自身が負けるとはこれっぽっちも思っていない。
そこには、勝利やそのための力を貪欲に求め、卑怯な手を使うでもなく真正面から敵に向かっていく強さがあった。
首輪をつけられても、圧倒的な差を見せつけられても、本気で『力』を以てキルバーンを倒そうとしているのが見て取れる。
自身の限界を認めておらず、いかなる相手に叩きのめされようとも屈服しないのだろう。

――まるで、狼みたいね。

青年の垣間見せた強さに、足柄は心のどこかで共感と高揚を感じていることを自覚し、戸惑う。
同時に、この感覚がかつての提督に抱いていたものと同じだと気付くのに、時間はかからなかった。

――この男なら、あるいは。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


61 ◆TE.qT1WkJA :2016/07/22(金) 06:22:14 ID:6/32u1/w0
以上で投下を終了します


62名無しさん :2016/07/23(土) 00:22:57 ID:u9wBajr20
投下乙です

かんむすは個性に沿ったスタンスの取り方だなぁ
個人的には別の意味で足柄さんが飢えてなくてほっとしました
戒斗さんはバーン様とある意味通じる可能性が微レ存…?


63名無しさん :2016/07/23(土) 10:51:29 ID:GOhR5VGA0
投下乙です、足柄さんが婚期に飢えてないだと!!


64 ◆uwJySQdXGI :2016/07/23(土) 15:31:21 ID:5CIKJngA0
投下します


65一人戦車道-Lonely&Panzer- ◆uwJySQdXGI :2016/07/23(土) 15:31:59 ID:5CIKJngA0
「むう」

西住まほは考えていた。四次元ディバッグとかいう胡散臭いブツを開けたら
ゴロリと音を立てて転がり落ちてきた、この巨大な金属の球体についてである。
なんかどこかで見たことがある。いや、自分は知っている。
この前、エリカと二人で海へ遊びに行った時に、確かこいつと同じ形をした
バレーボールをドヤ顔で持っていたのを覚えている。名前は確か――。

「……で、私にこれに乗って戦えという事か?」

まほは名簿を確認する。妹のみほの他大洗女子学園の生徒が4人拉致されているらしい。
黒森峰女学園から、というか他の学園から連れて来られているのは自分一人である。
一 体 な ん の 嫌 が ら せ だ。
やや憤慨した後、まほは寂しそうに笑う。本来戦車は数人のチームで運用する物。
幾ら西住流戦車道の後継者とはいえ一人っきりではこの戦車が精一杯なのだろう。
疲れたまほは深く溜息を尽き、諦めたように謎の金属球をポンポンと叩いた。

「まさか本当に実在したとはな。一応ドイツ製らしいが履歴、戦歴の記録が一切残されていない幻の兵器。
 まあいい、これも何かの縁だ、私と一緒に初の戦歴とやらを作ってみるか?」

そう言いながらまほは球体のハッチを開け、他に支給されていた機関銃と共に内部へと乗り込んだ。




「会長ぉぉぉ~~どこですかぁぁぁ~~!!!」

大洗女子学園生徒会広報、河嶋桃は半泣きになりながら静まり返った学園艦の街を一人彷徨っていた。
冷静沈着で生真面目そうな外見とは裏腹に、人並み外れたレベルで小心者で臆病で逆境に弱い彼女が
理不尽な殺し合いに放り込まれるなどといった異常な状況に精神が耐えられるはずもない。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


66一人戦車道-Lonely&Panzer- ◆uwJySQdXGI :2016/07/23(土) 15:32:20 ID:5CIKJngA0

「おい待てキミ!!しまった、私としたことが……」

クーゲルパンツァーの内部でグロスフスMG42機関銃のグリップを握っている西住まほは
いきなり発砲されたので思わず威嚇射撃を行ってしまったことを悪手だったと反省した。
まずハッチを開けて顔を出すべきだったか?だがあの状態ではいきなりヘッドショットを
かまされていた可能性も否定できない。あの制服は大洗女子学園のものだ。
とうことはあのメガネ娘はみほの友達の可能性が非常に高い。
放置していては危険だ。何とか保護しなくては。

「仕方がない。路地裏にでも追い込んで捕獲して落ち着かせるか」

そう判断したまほはクーゲルパンツァーを起動して全力疾走する桃ちゃんを
轢かない程度の速度でゆっくりと追いかけ始めた。

「ひいいい!!!追って来たぁぁ!!!殺されるぅぅぅ!!!」

学園艦の誰も居ない静かな市街の道路を女子高生と球体が直列に並んで走る。
規模は小さくなったがこれもまた一つの戦車道なのだ。




【D-5・学園艦/一日目・深夜】
【西住まほ@ガールズ&パンツァー】
[状態]:健康
[装備]:クーゲルパンツァー、グロスフスMG42機関銃
[道具]:基本支給品一式、MG42の予備弾薬
[思考・行動]
基本方針:西住みほを保護する
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


67名無しさん :2016/07/23(土) 15:32:44 ID:5CIKJngA0
終了です


68名無しさん :2016/07/23(土) 16:02:01 ID:u9wBajr20
投下乙です
桃ちゃんのこのダメダメっぷり、実に桃ちゃんだw
まほ姉が嫌がらせか?と自問する所で二度笑わせてもらいました


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