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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5
170
:
加速せよ、魂のトルネード
◆JOKER/0r3g
:2020/09/06(日) 16:31:57 ID:6c9iHJDY0
――EXTREME
新たなメモリが極限を叫ぶと同時、ダブルの身体から眩い輝きが溢れ出す。
それに呼応するように彼が腕を大きく広げれば、そこにあったのは最早今までのダブルの比ではない。
運命で定められた最高のパートナーだけが辿り着ける最強のダブル、サイクロンジョーカーエクストリームの姿が、そこにあった。
「さぁて、反撃開始と行こうか?」
不敵に告げるダブルの声に、最早一点の不安さえも覗くことはなかった。
◆
「力を手放すが良い。それがお前達の何よりの望みだっただろう」
大ショッカーの刺客たるアンノウンが投げかけたその言葉に、イクサは内心拭いきれない不安を感じていた。
自分がその呼びかけにどう答えるか、という意味ではない。
共に戦う自身の仲間である二人がそれにどう答えるのか、迷いない確信とまで言えるようなものを抱ききれなかったからだ。
(真司君、修二君……)
俯せに地に倒れたままの姿勢で、イクサはチラと後方を見やる。
ナイトに変身した城戸真司と、デルタに変身した三原修二。
彼らに共通するのは、彼らは決して自分と違い悪への義憤によって戦っている訳ではないということだ。
真司が元の世界でライダーとなり戦っていたのは、ライダー同士の殺し合いを止め、ミラーモンスターから人々を守る為。
修二に至ってはこの数時間の別行動の間に少しばかり戦う決意を固めたばかりで、それまでは戦わなければならない状況に不平を訴え続けていた。
共に悪への義憤を人並みに抱く好ましい青年であるとはいえ、言ってしまえば力への執着という点で言えば、彼らの目標はその力を捨てることだとすら思えたのである。
(……)
彼らに対して、憤る気持ちは沸いてこない。
誰かを守る為に戦う事と、悪を打ち倒す為に戦う事は、似ているようで大きく違う。
彼らは心優しい青年だ。その拳を握り誰かを殴りつけることなど、相手が誰であれ望むはずがない。
その末に多くの命を救えるのだと頭で分かっていたとしても、無理に彼らにそれを強いることは、今の名護には出来なかった。
「……出来るかよ」
例え一人だとしても、と決意を固めようとしたイクサの動きを止めたのは、後方から届いた小さな声だった。
思わず振り返れば、名護が今まで見たことがないほどに戦意を滲ませるナイトの姿が、そこにはあった。
「何故だ、お前は戦いを止める為に力を得たはず。何故更なる戦いを求めるのだ」
地のエルが、震えた声で問いを投げかける。
彼からすれば純粋に疑問なのだろう、何故真司が立ち上がろうとしているのか、心の底から理解出来ないに違いなかった。
「俺も正直、この世界に来るまでは、ライダーなんてやめたいって思ったこともあったけどさ……でも、約束したんだ」
漏らすように呟きながら、ナイトはゆっくりと、しかし真っ直ぐに立ち上がる。
絶対に迷うことのない、曇り無き瞳を地のエルへと向けながら。
「『人類の自由と平和の為に戦うヒーロー』って意味の仮面ライダーとして、皆で一緒に戦おう、って」
「そいつはもう、いないけど」と続ける声は、それまでと比べて少し暗い。
だがそれでも言葉を途切れさせることはしない。
抱いた決意を、彼との誓いを決して嘘にはしない為に。
「だから……俺は戦う。最後まで、”仮面ライダー”として」
ナイトが告げたその名前は、最早13人の殺し合いの果て願いを叶える戦士の意ではない。
一緒に笑って、一緒に餃子を食べて、一緒に戦おうとそう屈託無く言い合った彼と、確かめ合ったその名の定義。
世界を滅びから守り、大ショッカーを倒す正義の戦士の意で仮面ライダーを名乗ったナイトの姿には、一点の曇りも見られなかった。
「俺は、知りたいんだ」
ナイトに追随するように、デルタもまた口を開く。
その声はもう、震えていなかった。
「父さんは今までどこにいたのか、俺達にベルトを送ったのはなんでなのか、それから……なんで父さんが大ショッカーにいるのか」
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