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マジカルロワイアル

8 とある絶望の殺戮遊戯 -Life is BATTLE ROYALE-:2017/03/06(月) 09:21:17 ID:qM4U3JrY0





(殺し合いだと? 何を言っている)

 それが、とある世界の魔法使い笛木奏が、キュゥべえの発言を聞いて最初に思ったことだった。
 彼の心に浮かぶのは怒り、とは言ってもそれは殺し合いに対する非道に対してではない。

(私にそんなことをしている時間は無い!)

 ただ単純に、自らの目的の邪魔をされて怒っているだけだ。

(こんな下らない話をしている間にも、暦は……!)

 笛木には妻と娘が居た。
 しかし妻は早くに他界してしまい、残った娘も病気で亡くなってしまった。
 そして絶望に叩き落された彼はどんなことをしてでも、どんな犠牲を払ってでも娘を蘇らせようと始める。
 しかし、娘を蘇らせる為に行ったサバトと呼ばれる儀式は笛木がアーキタイプと呼ぶ古の魔法使いに阻止されてしまう。
 それでも娘を諦めきれず再びサバトを開こうとした所で、気付けばここに居たのだ。

「断っておくけど、僕は別に享楽の為に殺し合いを開くわけじゃない。
 これは宇宙の熱量死を防ぐのに必要なことだからね」

 怒る笛木の心など気にも留めず、キュゥべえの話は続く。
 黙れ、宇宙がどうなろうと私には関係ない、暦に比べれば小さなことだ。
 しかし、そんな思いはキュゥべえの発言で一旦収まることになる。

「その代わりと言っては何だけど、この殺し合いに最後まで勝ち残ればどんな願いでも三つまで叶えようと思う。
 巨万の富でも、名声でも、自分に都合のいい世界でも、未知なる強敵でも、完全な死者蘇生でも叶えると約束しよう」

 大半は笛木にとって戯言だったが、最後の部分は聞き逃せない。
 賢者の石に大量の魔力を注ぎ込まなければ出来ないはずの死者蘇生を、キュゥべえはたやすく叶えると言ったのだ。

(もしそれが本当ならば……)
「はいはい、そこまで」

 笛木の思考が殺し合いに移って行こうとするその時、いきなり後ろからキュゥべえのものではない声が聞こえた。
 声からすると少女だろうか、と笛木は思った

「全く、随分と抜け出すのに手間がかかったわ」

 やがて声の少女が笛木の見える位置まで来る。
 その少女は黒髪のいかにも日本人な少女だった、年は暦と同じくらいだろうか。
 紅白の色をした、脇を出している巫女服を着ているという点を除けば普通の少女に見える。

「この魔法のバインドを抜け出すとは、流石は主に空を飛ぶ程度の能力の持ち主博麗霊夢と言った所か」
「あんたがこの異変の主犯? とっとと倒して帰らせてもらうわよ」


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