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オリロワアース

1名無しさん:2015/05/06(水) 16:45:35 ID:pYFZnHTQ0
ここは、パロロワテスト板にてキャラメイクが行われた、
様々な世界(アース)から集められたオリジナルキャラクターによるバトルロワイアル企画です。
キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

まとめwiki
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/

したらば
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17154/

前スレ(企画スレ)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/

・参加者
参加者はキャラメイクされた150名近い候補キャラクターの中から
書き手枠によって選ばれた50名となります。

また、候補キャラクターの詳細については以下のページでご確認ください。

オリロワアースwiki-キャラクタープロファイリング
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/12.html

企画スレよりキャラメイク部分抜粋
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1428238404/109-294



地図
ttp://www9.atwiki.jp/origin2015/pages/67.html

443CORE PRIDE ◇aKPs1fzI9A:2015/10/25(日) 01:18:34 ID:yU85qQho0
代理投下します

444CORE PRIDE ◇aKPs1fzI9A:2015/10/25(日) 01:19:04 ID:yU85qQho0
くははっ!やっぱり俺様の考えた通りだったなぁ、俺様の勘はやっぱ他のやつらとはちげぇんだな」

学校の三階職員室。
愛島ツバキは窓際の教員用作業デスクを眺めながら口許を緩ませた。
そしてツバキは普段なら座れない『教頭』というカード立てが置かれているデスクの椅子に腰かけゆったりとしている。

探索を始め、一時間ほどだろうか。
ツバキと陽太が一通りこの学校を回ったが、ツバキにとってこの学校は見覚えがあった。
何故ならばツバキが普段通う高校のそのものなのであるからだ。
ツバキと蓮がいつも居た生徒会室も、学食も、理科室も、教室もそのままの姿でこの殺し合いの会場に姿を現していた。

「…ツバキ、やっぱりこの学校は君の居た学校なのか」
「さぁねっ。AKANEが俺様の世界の学校引っこ抜いてここにドシーンって置いた『学校そのまま』なのか、俺様の世界の学校をそのままコピーして作り上げた『見せかけの学校』なのかまでは分かんねえよ。俺様のはや様エスパーじゃないしさ」

部屋の片隅で資料に目をやりながら、陽太は確認するかのようにツバキに聞いた。
ツバキも返答のようにはっきりとした確証は持てなかったが、そう予想するのは容易かった。

「どっちにしろとんでもない技術と手間がかかってるのに違いはないか」
「んまぁね♪」
「…なんでAKANEたちはここまでしたんだろうな。やる事は単純なのに」

壁に目をやると、おそらく年季からだろう。黒ずんだシミが見受けられる。
職員の机を見ても、職員の家族の写真や、部活動のスケジュール。添削課題までそのままの姿で置かれてある。
まるである学園のその一瞬を、人間だけ取り除いて切り取ったかのように。

陽太としては疑問だった。
殺し合いをたださせるなら、ここまで本格的に用意する必要はないのではないかと。
ただの道楽目的ではない、何か裏があるのではないかと。
深読みかもしれないが、そう思わざるをえないほどこの学校は不自然だった。

445CORE PRIDE ◇aKPs1fzI9A:2015/10/25(日) 01:19:32 ID:yU85qQho0

「さぁね〜。俺様わかんなぁーい。名探偵でも連れてこいよってなっ」

そんな陽太の疑問を差し置いて、ツバキはへらへらと笑いながらバックから双眼鏡やら、薬品やらなんやらを並べていく。
先程寄った理科室で回収してきたものだろうか。陽太は周囲の敵の有無ばかり気を使っていたのでこういった物は忘れていた。
ツバキは双眼鏡を手に取り、椅子から立ち上がると西の窓際へと行き、そこからの風景を覗いた。

「生物の田邊の机の中にあったんだぜ!教師に対するボートク?ってやつか…おっ。こりゃおもしれえ」
「どうした!」

誰か見つけたのか、と思い陽太はツバキへと駆け寄る。
ツバキはわざとらしそうに、「ほへー」と言いながら、望遠鏡を覗き続ける。

「ヘロヘロの女の子が歩いてきてるぜ、しかも…こっちに!くははっ!よく見れば『戦姫たちの夜に』の雨谷いのりじゃん!コスプレかよっ」
「…!いのり!?」

雨谷いのり。結城陽太の弟子仲間の一人で、ともに修行していた仲間だ。
世界渡航に巻き込まれてからは行方も知れなかったが、まさかこの殺し合いに巻き込まれていたとは。

驚くツバキから半ば強引に双眼鏡を取り、覗く。
確かにいのりだった。しかし怪我でもしたのだろう。数箇所の出血と、脇腹を抑えながら苦痛の表情で歩くその姿は、間違いなく危険な状態だった。


「あれ?知り合い?作者どころか媒体も違くね?あんたら 」
「知り合いも何も…俺の弟子仲間の一人だ!なんであんな姿に…っ!」

いのりは強かった。
それでこそ師匠からも毎日のように褒められていたし、彼女としてもヒーローに対して誇りがあった。
そのいのりがあそこまでぼろぼろになったのにはきっと訳があるはずだ。
陽太も知らぬ、敵が。
双眼鏡をツバキに突き返し、陽太はおもむろに出入り口のドアへと走り、その引手に手をかけようとした。


「どこ行くんだよ」

ツバキが、先程までのふざけた様な喋り方ではなく、冷静に、しかしどこか調子が抜けたように尋ねた。
もちろんツバキも、陽太の行き先など知っている。
しかし、この《打ち切りくん》の物語を知っていた。だからこそ、ここで一応、止めておく必要があった。

物語の中で結城陽太は正義感が強い熱血漢だった。
だからこそ、仲間や無実の人々が痛い目にあったり傷つけられたりすれば頭に血が上ったようになり、「彼らを助けるため」の行動をする。
しかしひっくり返せば「正義感が彼の理性を抑圧してしまう」ことになり得る。
故に「サンライズ」の話の中ではその正義感が彼を単独的な行動へと度々追いやったためかファンからの批判に晒されてしまい、打ち切りの原因の一つとなったのだった。

446CORE PRIDE ◇aKPs1fzI9A:2015/10/25(日) 01:19:53 ID:yU85qQho0
もし、結城陽太がその「サンライズ」の中の本物であるならば、おそらくツバキの話など聞かずに立ち去るだろう。しかし、ツバキとしても何も言及せずに元気に陽太にたいして
「いてらぁーー」と言うわけにもいかない。

ツバキは窓際から陽太へとゆっくりと近寄りながら口を開く。

「…あれが本当にお前の知人の『雨谷いのり』とやらって確証はあるのかよってハナシ。俺様から見たらアニメキャラのコスプレにしか見えないぜぇー?」

ドアの方を向いていた陽太は少し、肩を動かした。
確かにそうだ。世界渡航を経験した自分なら分かる。
ツバキの言う通り、あのいのりは《自分の知っている雨谷いのり》でない可能性だって十二分にある。
それどころか、凶悪的なヴィランであったらどうすればよいのか。
自分がここでやられてしまったら、それでこそツバキも、いのりも、この殺し合いに巻き込まれた人々を助けられないのではないか。

…しかし、それでも陽太は行かねばならなかった。
目の前の困っている人が居るならば、彼は駆けつけなければならなかった。
それが、師匠の教え。
《時が英雄にとっての最大の敵》。
まっすぐに、自分の正義感を信じて、行くしかなかった。

陽太は一旦大きく息を吐いてから、ツバキの方をはっきりと向いた。

「それでも俺は行く!『ヒーロー』だから!助けを求める人が居れば、どんな人でも助けてみせる!」

陽太はそう言うとドアを開け、職員室を走り出ていった。
正義感を胸に抱き、走り抜けていった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

447CORE PRIDE ◇aKPs1fzI9A:2015/10/25(日) 01:20:34 ID:yU85qQho0
一人残されたツバキはやれやれと頭を掻きながら、陽太がいつの間にやら降ろしていたディバックも持ち、右手に日輪照らせし蒼穹の銃があるのを確認してゆっくりと職員室を出た。
陽太が走っていって数分後だった。

陽太を最初は追いかけるつもりはなかったが、このままもし死んでしまえば間が悪いし、何よりツバキ自身のせいになりうるのが、なんとなくバツが悪かった。

「…そんなんだから打ち切りくらうんだぜ。『サンライズ』君。
ま、たまにはヒーローの道楽に付き合ってやりますか。くははっ」

ツバキはそう呟くとのらりくらり、ゆっくりと陽太の足跡を追っていった。

【D-7/学校/1日目/早朝】

【愛島ツバキ@アースR】
[状態]:健康
[服装]:女子制服
[装備]:日輪照らせし蒼穹の銃(日光の充電50%)@アースH
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2、陽太の基本支給品&ランダム支給品0〜3
[思考]
基本:AKANEをぶっ潰す。
1:陽太と一緒に学校を探索したかったんだけどなぁ…まぁいっかだいたい見れたし。
2:平行世界について調べる。
3:陽太を追う

【結城陽太@アースC】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:なし
[道具]: なし
[思考]
基本:AKANEと戦う。
1:いのりの元へ行く。

448名無しさん:2015/10/25(日) 01:21:17 ID:yU85qQho0
代理投下終了です

449名無しさん:2015/11/18(水) 01:21:03 ID:vYhxpiSA0
いつのまにやら投下来てた!?
乙です!果たしてどうなるのやら…

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452 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/28(木) 00:15:59 ID:zWR9sifI0
テスト

453 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/28(木) 00:17:06 ID:zWR9sifI0
短いですが
平沢茜
レイジョーンズ
投下します

454 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/28(木) 00:17:53 ID:zWR9sifI0
レイ・ジョーンズは人間の闇を知っている。
「世界崩壊」前の彼は、犯罪者を相手取る仕事をしていた。新人だったが、それでも何度か場数は潜った。だから知っている。良心や倫理観などないかのように振る舞う悪党を知っている。
「世界崩壊」後も彼は極限状態に置かれた人間の醜さを何度も見てきた。それはゾンビとはまた違う醜悪さ。所詮人間も獣に過ぎないと訴えるような、残酷で、冷酷で、恥知らず。

だが、他の世界と比べても遜色なく、あるいはそれ以上に人間の【悪】に触れてきたレイ・ジョーンズでも、彼女、平沢茜は未知だった。

犯罪者、狂人、残虐。

そんな月並みな形容詞では表せないほどの【悪】。
そもそも動機からしてレイには理解ができなかった。

――世界が平凡だったから。

なんだそれは、とレイは思う。
そんなティーンエイジャーが家出をするような理由で、彼女は何人もの人間を殺して、いや、殺し合わせてきた。

その所業、まさしく悪魔(イレギュラー)。

だが、あまりにも理解ができないからこそ、レイはそれ以上、理解することを止めた。
レイの目的は生還である。ならば、ある意味ベテランである茜は重要な要素だ。
生かしておく。それに、外見は妙齢の日本人女性であり、実際に殺人を犯す、または誰かに危害をくわえるところを見たわけではない。

こと、適応力に関しては、レイの右に出る参加者は少ない。レイは心の中から生じる不快感、生理的嫌悪に蓋をして、あくまで善良なアメリカ市民、タフな元SWATとして振る舞うことに決めた。

レイと並んで歩く茜はすっかり登りきった太陽に照らされた海を見ている。
まるで、映画のワンシーンのように、海沿いを歩くレイと茜は、映えていた。

455 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/28(木) 00:18:32 ID:zWR9sifI0


レイ・ジョーンズにとって平沢茜は未知である。
が、彼は未知に慣れている。次々に襲い来る不条理に耐性がある。

ならば、平沢茜はどうなのか。
自分のペースを崩さない彼女は、このバトルロワイアルも既知なのか。

結論から言えば、彼女の心中は決して穏やかではなかった。
まず、彼女の感情を占めるものは怒りだ。

観測者、と茜は自分を評価している。
あるいは読者、もしくは視聴者。

彼女は殺し合いを見ることが好きだ。
もし古代ローマに生まれていれば、コロッセオの常連、あるいは運営者に成っているだろうと確信する程度には、好きである。

そう、彼女は殺しあいを見ることが好きなのであって、殺しが好きなわけではない。
何度か見せしめと称して人間を銃殺、あるいは爆殺したことはあるため殺人処女でこそないが、それでもどこぞの狂人のように、殺人そのものには快楽を見出さない。

だからこそ、彼女は自分を殺しあいに招いた『もう一人の私』、AKANEに敵意や憎悪を抱いていた。AKANEも、茜の性質は知っているはずだ。知っていて、それでもなお、彼女を殺しあいに放り込んだのだ。ご丁寧に彼女に殺意を抱いているであろう参加者と一緒に。

ああ、果たしてこれほどの屈辱があろうか。
観客は、コロッセオへと引っ張り込まれ、今度は自分が主催者を喜ばせる劇の一部として扱われている。
家柄を誇らず、友人からも謙虚でいい子という評価を貰っている彼女だが、その本性は自分以外の全てを自分の欲を満たすためにあると思っている悪魔だ。だからこそ、自分がもう一人の自分の肴にされることに我慢できない。
引きずりおろす、と茜は改めて決意を固める。

彼女の心を占めるものは怒りだ。
が、それだけではない。
怒りに次いで大きな感情。それは矛盾のように思うかもしれないが、愉悦だ。

殺し合いに放り込まれたことこそ業腹だが、この趣向は悪くない。
主催者の地位を奪えれば、様々な世界の者たちをロワに参加させることができるのだ。

そのことを考えるだけで、彼女のテンションは上昇する。
ヒーローや探偵、魔法少女や偉人が同じフィールドで殺し合う様を見たら、ここ最近のマンネリも吹き飛ぶだろう。
いや、それだけではない。異世界にまで干渉できる力があれば、妄想だけで終えていたこんな趣向やあんな趣向も……と考え出したら際限が無くなる。
そういう意味では、彼女は今まさに、明日への希望を見つけたといってもいいのかもしれない。

最後に彼女の中で最も小さな、されど確かにある感情。
それは、恐怖だ。
死にたくない、と彼女は思う。
観測者である彼女にとって世界の中心は自分である。彼女は全ての価値を自分に置いている。
だからこそ、人並みに、人並み以上に、彼女は死を恐れている。

平沢茜は聡明である。元々の悪魔じみた閃きと英才教育によって、彼女の思考力は水準を超えている。が、それは殺し合いを生き抜く武器としてはいささか弱い。
何より、彼女は腕っぷしが強くない。元々運動が好きではないのだ。おそらく単純な身体能力なら参加者でもワーストクラス。アースRの参加者だけを比較しても、平均以下であることは確実。

はっきりいって、もし彼女が最初に出会った参加者が、殺意を胸に秘めていたら、平沢茜はとっくに脱落している。
それは彼女自身も重々承知している。

大物ぶるのも、余裕の笑みを見せるのも、全ては経験則だ。
この極限状況でそのように振る舞う者がいれば、他の参加者は警戒、または頼もしく思うだろう。
いずれにしても、生存率は上がる。

彼女が見てきたいくつのも殺し合いでも、マイペースを貫いた参加者は必ず終盤まで残っていた。

経験則に関しては平沢茜はトップだ。
終盤まで生き残る参加者の行動や傾向を分析し、その中で自分でも行える行動を選択。
今まで見てきた何十何百の死と同じにならないように、茜は頭を働かせる。

456 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/28(木) 00:19:11 ID:zWR9sifI0


ざあざあと波が揺れている。
港にはいくつか漁船が泊まっていた。
レイが調べたところ、エンジンは問題なく使える。
が、当然沖合に出れば首輪がボン、だ。
レイも茜をそれを理解しているからこそ、今のところこの漁船群にたいした価値を置いていなかった。
「この後どうする、茜」
レイは支給された食料――味気ない乾パンだ――を口に入れながら、横でコーヒー牛乳を飲む茜に問う。
「……そうねー、このまま放送が始まるまで、港に待機ってのはどう?」
ちらりと、レイは腕時計を見た。
もう1時間もしないうちに放送が始まる。
「俺も同じ考えさ。今慌ててここを移動するメリットがない」
「そ。それに茜ちゃんはもー疲れちゃったよおー」
そう言って、ごろんと茜はベンチに体を横にした。
無防備にレイにその肢体を、晒す。
「ジョーンズさーん、マッサージおねがーい」
そう言って、童女のようにあどけなく、笑う。
こういった相手を、レイ・ジョーンズは殺せないと脳内で冷たく計算しながら。
「はは、おやすいごようさ」
そう言ってレイは彼女の踝に手を当てる。
「いやーん、何か手つきがやらしー」
「おいおい、君から頼んだんじゃないか」
そう言って、レイは手慣れた手つきで、彼女の足をほぐしていく。
(あ、思ったよりも上手い、この人)
と、彼女が若干緩んだ脳でそんなことを考えた時。
「ところでさ、せっかく時間があるんだ。さっきの話しの続きをしたいんだけど、いいかい」
(やっぱり、来たか)
平沢茜は考える。
今話すべきこと。まだ話すべきではないこと。それを冷静に吟味しなければならない。


もし第三者が今の二人を見れば、年の離れたカップルだと思うかもしれない。

が、二人の間に絆が芽生える可能性は――今のところ、零である。





【H-5/港/一日目/早朝】


【平沢茜@アースR】
[状態]:健康、精神的疲労(小)、肉体的疲労(中)
[服装]:普通の服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考]
基本:主催を倒し、自らがこの殺し合いの主催になる
1:AKANEの元へ行く
2:ジョーンズには守ってもらいたい
3:叫、駆、嘘子の動向が気になる
4:放送があるまで港で待機
[備考]※名簿は見てます


【レイ・ジョーンズ@アースEZ】
[状態]:健康 
[服装]:ボロボロのスワット隊員服
[装備]:スペツナズナイフ×4@アースEZ、小説『黒田翔流は動かない』@アースR、仮死薬@アースR
[道具]:基本支給品
[思考]
基本:主催を倒す
1:一般人は保護
2:茜の話をもっと聞く。そのために今は茜を保護するのが先決か
3:マシロ、マグワイヤーが気になる
4:俺が作られた存在?
5:放送があるまで港で待機
[備考]※平沢茜に生理的嫌悪感を抱いています

457 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/28(木) 00:20:30 ID:zWR9sifI0
投下を終了します
タイトルは「悪魔の中身」です

458 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/30(土) 00:11:59 ID:ptTP.aTw0
今回も短いですが
卑弥呼
柊麗華
早乙女エンマ
投下します

459みつどもえ ◆F3DFf2vBkU:2016/01/30(土) 00:13:12 ID:ptTP.aTw0
全身に揺さぶりを感じて、目を覚ます。
すでに日は昇っていた。
視界に入る少女は確か――柊麗華。
そして、どぎついピンク――ピンク?

「そう睨むな、睨むな。妾の名は卑弥呼。お主……えんま、じゃったか?お主の師匠探しを妾も手伝ってやるぞ」

そう言って、ピンク色の髪の少女は微笑んだ。

「安心せえ。妾はお主らのような可愛い女の子の味方じゃ」

えへへ、と麗華は照れたように頭を掻いた。
エンマはそんな二人を無表情に見つめる。

「協力してくれるの?」
「うむ。妾にどーんと任せい」

薄い胸をどんと叩く。
エンマはこの卑弥呼と名乗る少女をチームにいれたメリット、そしてデメリットを考える。
が、今まで損得についても深く考えなかった少女にとって、これは中々難しい仕事だった。
数秒ほど、眉を歪めて額に手を当てた後、エンマは卑弥呼に結論を言った。

「二人かついで逃げると、両手使えなくて困るから」
そこで一度、言葉を切る。
卑弥呼の目を見つめ、続ける。
「もしもの時は、お前は、追いて逃げるから」

卑弥呼は可笑しそうに笑った。
「かまわんよ、妾はジープを持っとる」

こうして、チームは三人になった。

460みつどもえ ◆F3DFf2vBkU:2016/01/30(土) 00:14:08 ID:ptTP.aTw0


時は数分ほど遡る。
未だ早乙女エンマが眠りについている時。
吸血鬼、柊麗華は昇る太陽の光を体に浴びながら、エンマの寝顔を見つめていた。
(可愛いなあ)
それは肉体の強度的な意味でも、顔かたちのことでも、両方の意味でである。
柊麗華は自分の外見を気に入っている。
気に入ったからこそ、彼は「柊麗華」を皮にして、彼女になったのだ。
しかし、気に入っているといっても、毎日見ていればさすがに飽きる。
この体で小学校に通っている彼女にとって同年代の女子は珍しいものではないが、それでも早乙女エンマは十分に上玉だった。

そして、ジルに追いかけられた恐怖やエンマの持つ暴力に対する畏怖も、数時間経ったことで、収まっている。
(ちょっとならイタズラしても、バレないよね)

思えば、こういう油断や甘さが彼を一度人生からドロップアウトさせた要因なのだが、残念ながらこれは人外になっても治らなかった。

頬に手を触れる。ぷにぷにとして柔らかい。
髪に手を伸ばす。砂で多少汚れているが、それでも口にいれたいほどきめ細かい。

未だエンマが目覚める気配はない。
そっと、麗華は自分の顔をエンマに近づける。

(さすがに唇同士はまずいよね)
でも頬を舐めるくらいなら大丈夫、とエンマは心の中で呟く。

「おお、何と何と!ロリっ子同士の百合じゃと!いいのう、いいのう。妾はそういうのも大好物じゃ!」

突如聞こえた邪悪な声に、麗華ははっと顔を上げた。
自分の目の前にいるのは、一匹の烏。

まさか烏も参加者なのか、と麗華はこの殺し合いの底知れなさを感じ恐怖した。

「うむ、どうしたのじゃ。妾のことは気にするな、邪魔はせんぞ。ただこの式神で記録して動画サイトに上げるだけじゃ」
烏はそんな迷惑なことを言いながら、こちらをじっと見つめる。

(式神……)
と麗華は脳内で検索する。
高位の吸血鬼は使い魔として、蝙蝠などを使役できる。
この烏も似たようなものか、と麗華は推理した。
とりあえず、エンマを起こそうとその矮躯に手を伸ばす。

「しっかし世の中何が起きるかわからんもんじゃのう。怪獣の次は『人外同士』の百合とは!いいのう、いいのう、AKANEもわかっとるのう!」

手が止まった。
(見抜かれてる……!?)

それは柊麗華がエンマに明かしていない真実。
それを、正体不明の式神使いに見抜かれたのだ。
「ん、どうした?起こさんのか?もしやお主、自分が人間じゃないことをその赤いロリに隠しとるのか?ううむ、お主も大変じゃのう」

「あ……」

そして、そのことさえも見抜かれる。
完全に役者が違う、と麗華は痛感する。
後はまだ、この式神使いの良心にかけるだけだが。

「そうじゃのう、お主。妾に協力してきれたら、このことをそこの赤いロリに黙っておいてやるぞ」
「な、何をすればいいんですか?」

哀れな殺人鬼は、邪馬台国を治める女王に縋る。

「うむ、妾はこの殺し合いをもっと面白くする!お主は、その手伝いをしてくれ!」

――――邪悪。

ある意味、ジルやAKANEよりタチが悪い卑弥呼の言葉に、麗華は空を仰いだ。

461みつどもえ ◆F3DFf2vBkU:2016/01/30(土) 00:14:44 ID:ptTP.aTw0


「怪獣ティアマト」
エンマは静かに呟く。
「うむ、妾も二人、同行者をそやつに殺された。今でこそ縮んで怪人と呼べるほどの大きさになっておるが、それでも参加者にとっては十分な脅威じゃな」
「そ、そんなのまでいるんだ……」
と、怯えた声を出して麗華はエンマを見た。
「でも、エンマちゃんなら、勝てるんじゃない。さっきもあんなでっかい虎を簡単に倒しちゃったし」
「ほう、虎をか。そいつはすごいのう。三国志でも虎に勝てそうな奴はそういないというのに」
「……怪獣はわかんないけど、それくらいの大きさの怪人なら、師匠と一緒に倒したことある。だから、たぶん勝てる」
「ならば、討伐に向かうか。妾も微力ながら協力するぞ。かたき討ちじゃ」
じろり、とエンマは卑弥呼を睨んだ。
「まずは、師匠を探したい。方針は、その後考える」

「うむ、ロリは父親と一緒にいるのが一番じゃ。背徳的なロリも好きじゃが、無邪気に父親と戯れるロリも好きじゃよ、妾は」
「じゃあ、とりあえず北上しませんか。人を探すんでしたら、端より中央のほうがいいと思いますし」
「しかしティアマトに出会ったらどうする?」
「なんとかジープで逃げ切りましょう。卑弥呼さんもさっきそれで逃げ切れたんですし、私達が二人増えても問題ないはずです」
なるほど、と卑弥呼は腕を組んだ。
「それでいいよね、エンマちゃん」
と麗華はエンマを見て、あれっと首を傾げた。
どうにも機嫌が悪そうな表情だった。
「別に、出会って、襲い掛かられたら、倒すけど」
どうやら、麗華の言葉でエンマはヒーローとしてのプライドを傷つけられたようだ。
ごめんごめん、と麗華は大仰に頭を下げる。
そういう顔も可愛いいのう、と卑弥呼はよだれを垂らす。
殺し合いの最中とは思えない、どこかふわふわとした空気が流れた。



エンマは考える。
新しい同行者、卑弥呼。
正直口調は麗華より不愉快だし、髪の色も不自然で好きになれないし、で印象は良くは無い。
しかし、使える。
先程、式神と称してどこからともなく、烏を取り出して見せた。
この烏は卑弥呼と感覚を共有し、索敵に非常に向いている。
制限と、卑弥呼の運動不足からの体力の無さから、一度に2〜3羽しか使えないらしいが、それでも師匠探しには便利な能力だ。
(師匠、今何してるんだろう)
赤い少女は、灰色の男へ思いを馳せる。


面白い奴らじゃのう、と卑弥呼は心中で呟いた。
柊麗華。外見は可愛らしい少女だが、その中身は。
(小物じゃな)
と卑弥呼は断じた。
邪馬台国、そして敵国のクナ国には、こういう輩が大勢いた。
ここまで可愛らしい外見をした者はそういなかったが。

(そして、早乙女エンマか)
もう一人の少女は、レアだ。
二度目の人生で、似たような存在を見たような気がするが、中々思い出せない。
麗華の話しを聞く限りでは、身体能力に優れているらしい。
そして強い躰に見合わぬ、未熟な心。

(ああは言っておったが、ティアマトには勝てんじゃろうな。戦士としての格が違う)

だが、卑弥呼はそこは重要視していなかった。
今、彼女が注目するべきところは外見よりももう2〜3歳遅れているその精神性。
おそらく、「師匠」とエンマが読んでいる男は、中々歪んだ感情を彼女にぶつけていたようだ。

(妾色に染めてから師匠に遭遇というのも面白そうじゃのう。NTRものも妾も好きじゃ)

まあ、とにかく、面白く、面白く。

古き女王は、その邪悪さを胸に秘め、少女達に笑いかける。

462みつどもえ ◆F3DFf2vBkU:2016/01/30(土) 00:15:14 ID:ptTP.aTw0


柊麗華は高位の吸血鬼ではない。
エクソシストや退魔師、陰陽師と戦闘になれば、なすすべなく退治されてしまう存在である。
柊麗華は天才ではない。
人間であったころは典型的なダメ人間だった。吸血鬼になってからも抵抗の少ない女子供ばかりを襲った(性癖の関係もあったが)

では、柊麗華は同行者二人、二人の少女に対して、何のアドバンテージもないのか。

否、麗華には、二人に対抗する一つの武器があった。

それは。
(限界を知ること)

柊麗華は知っている。
ヒーローや怪人が入り混じるアースHを生きる早乙女エンマよりも。
同じアース出身で、しかし化物としての格で圧倒的に負けている卑弥呼よりも。

彼女は、自分の強さの限界を知っている。
そして、自分より強い者の存在を知っている。

(確かに二人と直接やりあったら勝てない。でも、状況を見極める力なら、この中で私が、いや、『俺』が一番だ)

柊麗華は知っている。
自分を吸血鬼にした真祖の吸血鬼、そのでたらめぶりを知っている。
自分が格下の人外であることを知っている。

だから強者に助けを求める。
だから無力な少女のフリをする。
だから強者の服従を誓う。

だから彼女は、今も生き続けている。

(今に見てなよ、最後に笑うのはこの『柊麗華』だ!)


「ところで、ジープは誰が運転するのじゃ」
「さっきまでは卑弥呼さんが運転してたんですよね」
「じゃが妾も疲れたしのう、麗華、任せる」
「え、あの、私、免許持ってないんですけど」
「妾もじゃ」
「私もだ」
こうして、少女が三人乗ったジープが町を走ることとなった。

【B-6/町をジープで安全運転/1日目/早朝】
【卑弥呼@アースP】
[状態]:健康、興奮
[服装]:巫女服
[装備]:無
[道具]:基本支給品一式、蛇腹剣@アースF、生体反応機
[思考]
基本:「楽しさ」を求める
1:ロリはいいのう!
2:このまま北上
 3:早乙女エンマを染める?
[備考]
※怪獣が実在することを知りました。
※麗華やエンマが人間ではないことを知りました
※エンマの能力をある程度把握しました
※式神(黒い烏)を召喚できます。詳細な能力や制限は他の書き手さんにお任せします


【柊麗香@アースP(パラレル)】
[状態]:健康 精神的疲労(小)ジープ運転中
[服装]:多少汚れた可愛い服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:生き残る
1:早乙女エンマと卑弥呼を利用する。
2:このまま北上する
3:早くジープの運転に慣れる
※吸血鬼としての弱点、能力については後続の書き手さんにお任せします


【早乙女エンマ@アースH(ヒーロー)】
[状態]:健康
[服装]:血で汚れている
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:師匠と合流して、指示を仰ぐ
1:このまま北上する
2:自分から戦うつもりはないが、襲われたら容赦はしない
3:このまま北上
※卑弥呼からティアマトの情報(多少の嘘が混じった)を聞きました。情報がどれだけ正確に伝わったかは他の書き手さんにお任せします
※柊麗華、卑弥呼の名前を知りました

463 ◆F3DFf2vBkU:2016/01/30(土) 00:15:59 ID:ptTP.aTw0
投下を終了します

464 ◆F3DFf2vBkU:2016/02/06(土) 15:43:42 ID:LjUNzr.g0
裏切りのクレア、高村和花、投下します

465桜の意図 ◆F3DFf2vBkU:2016/02/06(土) 15:45:27 ID:LjUNzr.g0
魔法少女とヒーロー、どちらが強いかだって?

そりゃあお前、キャラによるだろ。
最弱の魔法少女と最強のヒーロが戦えばヒーローが勝つ。
最強の魔法少女と最弱のヒーローが戦えば魔法少女が勝つ。
最強の魔法少女と最強のヒーローが戦えば……。

ああ、だめだ。どのキャラが最強かだなんて、ファンそれぞれで違うからなあ。
やっぱあれだ、キャラクターで判断しようぜ。

じゃあとりあえず。異端対決ということで。

元ヒーロー、裏切りのクレア。混血の魔法少女、マイルドフラワー。

強いのは、どっち?



服従か、死か。
裏切りか、死か。
8歳の少女に突きつけられた厳しい選択。

マイルドフラワー、高村和花の瞳は絶望で揺らめいた。

「どうした、さっさと選ぶんだ。私はあまり気が長いほうじゃないよ」

両手を広げ、口を三日月に歪めるその女、裏切りのクレアはマイルドフラワーには悪魔にしか見えなかった。
正義の魔法少女はそこに、確かに悪が在ることを認識する。
だから。

「私は、裏ぎ――らない!」

その宣言と共に右手にステッキが現れる。
とほぼ同時にその先端から桃色の極太レーザーが悪へと襲い掛かった。



『サクライト』
それはマイルドフラワーが唯一覚えている攻撃魔法にして、日本の魔法少女が放つ呪文の中でも、トップ10に入る火力を誇る魔法である。

高村和花は正義の魔法少女である。
アースMGにおいて、魔法少女は平和を守る守護者としての役割を備えている。
彼女たちは迷子の保護、町内のゴミ拾い、企業のイメージガール、だけでなく。
凶悪な犯罪者の制圧、『魔』の討伐、悪の魔法少女との激闘。
これらも正義の魔法少女、それもベテランならば一通り経験していることである。
それでも魔法少女の死亡率はアースHにおけるヒーローのそれよりずっと少ない。
それはヒーローよりも魔法少女は助け合いに重きをおくこと。
世間が魔法少女に非常に好意的なこと。
この2点が大きい。

ならば、魔法少女から、そして心無い世間の大人達から。
嘲られ、苛められ、排除されたマイルドフラワーがそれでも今まで正義の魔法少女として活動できたのは、この呪文のおかげといっても過言ではないだろう。



突如目の前に広がった桜色の世界に、裏切りのクレアは驚愕で目を見開いた。
裏切りのクレアは、それこそ和花くらいの歳の頃から戦ってきたベテランである。
ゆえに、今、自分に迫りくるものがどれほどのものなのか、瞬時に悟る。

「これは、裏切られたな……!」

そう言って、クレアは腰を落とし、両腕を交差して、胸の前で構える。
避けるには、範囲が広すぎる。
マイルドフラワーが放ったサクライトは、東光一に見せたそれより数倍の火力、範囲だった。
故にクレアはかつて『表破り』と言われた時代のように、正面から迎え撃つ。

「しかし、たいした威力だ。ヒーローの放つ必殺技に勝るとも劣らない。だからこそ、私も正々堂々、油断せず。――6割で相手をしよう」

次の瞬間、質量を持ったレーザーがクレアを呑みこんだ。
例えるならそれは巨大なブルドーザー。
あるいは津波。
この呪文を放たれた者は、文字通り吹き飛ばされ、ノックアウト。
それがマイルドフラワーの経験則だったが。

「嘘……」

驚愕と絶望が混じった声が、その喉から洩れた。
裏切りのクレアは、動かない。
身長170、体重50といくつのその体は、しかしマイルドフラワーには大岩のように思えた。
こんなことは未だかつてなかった。マイルドフラワーが敵に本気でこの呪文をぶつけ、それが当たった時。それはマイルドフラワーの勝利とイコールしていた。
魔法が封じない状況に持ってかれた時はあった。
俊敏な相手に避けられたこともあった。
しかし、直撃してもなお拮抗するのは、本当にありえない。

「もしかして君は、私がこの魔法と拮抗していると、思っていないかい?」

クレアのその声は決して大きくはないが、確かにマイルドフラワーの耳に入った。

「ならば、その言葉。裏切らせてもらおう」

90%、とクレアは呟いた。
そして、彼女は左腕を前に出し、掌をマイルドフラワーへと向ける。
そして右腕は静かに後ろに引いた。
桜色の暴虐を、左手だけで防ぎながら、彼女は笑う。

「『表破り』、見せてあげよう」

引いた右腕で拳を固く握りしめ、捻りながら前へ打つ。
――正拳突き。
クレアは『サクライト』にひとつ、突きを放った。

466桜の意図 ◆F3DFf2vBkU:2016/02/06(土) 15:45:57 ID:LjUNzr.g0


「いやはや、たいしたものだよ」

ぱちぱち、とクレアは大仰に手を叩きながら、敗者、マイルドフラワーへと歩みよる。

「その歳で、その矮躯で、そのファンシーな格好で。まさか私に9割出させるとは」

マイルドフラワーは動かない。うつ伏せに倒れこみ、魔法少女としての変身も解除された高村和花は、すでに意識は無かった。

クレアは彼女の首根っこを掴むと片腕で持ち上げ、その胸に耳を当てる。

「ふむ、まだ息はある」

そう言って、クレアは和花を背負った。

「どうやら、思った以上に面白い子みたいだな、君は」

あの時。

クレアの正拳突きが『サクライト』を消し飛ばし、和花を蹂躙した時。
彼女は、恐怖と絶望に顔を歪ませながら。
それでも、確かに。

「笑っていた。安心したように君は笑ったんだ」

あの笑みの理由は何なのか。
クレアはその答えを知っている。

「君は悪に屈しなかった。決して挫けず、自分の最高の攻撃をぶつけ、それでも――届かなかった。だが、誰が君を責められよう。これ以上、君に何を望もう。ここまで頑張ったんだ、けどどうしようもなかったんだ」

高村和花は心のどこかで、負けることを望んでいた。

「だから、私は悪くない。だから、悪に屈しても。裏切ってもしょうがない。……ククク、安心するだろう。自分の非道に、悪行に、裏切りに、大義名分が生まれた時というのは。ああ、わかるぞ。私がそうだった。私も初めはそうだったんだ」

最初から、クレアは和花を殺すつもりだった。
抗うなら、殺し。
裏切るならば真白と光一の前に連れて行き、経緯を歪曲して伝えた後、二人の目の前で和花を殺す。

しかし、彼女は考えを変えた。
この少女に自分と近い何かを感じたのだ。

「ふむ、真白ちゃんがパートナーだとすれば、この子はさしずめ、私の弟子というところか。……そういえば、名簿にはあの馬鹿弟子がいたな」

彼女の脳裏に浮かぶのは、正義感に溢れ、弱きを助け、強きを挫く、そんなヒーローの理想のような青年。
かつてクレアが育て、クレアが裏切った、彼女に最も近付いた男。

クレアは自分の服装をまじまじと見つめた。
戦闘の余波ですでに黒スーツはずたぼろに破れている。

「この恰好であいつに出会うのは、ちょっと嫌だなあ」

【C-3/森/1日目/黎明】



【高村 和花@アースMG】
[状態]:変身解除、疲労(極大)
[服装]:桃色と緑色の魔法少女服
[装備]:ステッキ
[道具]:基本支給品一式、ランダムアイテム0〜3
[思考]
基本:魔法少女は助けるのが仕事
1:???
[備考]
※夢野セレナや久澄アリアと面識があります。
※キツネ耳と尻尾は出し入れ自由です。


【裏切りのクレア@アースH】
[状態]:健康
[服装]:ボロボロのスーツ
[装備]:転晶石@アースF
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2、アイテム鑑定機@アースセントラル
[思考]
基本:優勝する
1:真白ちゃんを裏切らないとは言ってないよ(笑)
2:目の前の魔法少女を“育てる”?
3:服を探す
4:真白のところへ戻る
[備考]
※詳細な行動動機は他の書き手さんにお任せします
※高村和花と自分が似ていると考えました。彼女の推測が正しいかどうかは他の書き手さんにお任せします

467 ◆F3DFf2vBkU:2016/02/06(土) 15:46:55 ID:LjUNzr.g0
投下を終了します

468名無しさん:2016/02/07(日) 00:55:30 ID:K3weBxjA0
久々に見てみたら投下来てた
投下乙です。素手でビーム消し飛ばせるとかヤバい(確信)

469 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 03:00:31 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人
道神朱雀
ライリー
投下します

470 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 03:00:53 ID:MLe/DFvQ0
巴竜人と道神朱雀は他の参加者の捜索を続けていた。
朱雀の他人格を警戒しつつも、先のような惨劇は避けねばならない。

「やっぱりこの首輪がネックになるか…」

竜人は自身の能力を発揮するにおいての枷に対する苛立ちを漏らす。

「すまんね、巴やん。私の知識でもこれの構造は分からへんわ。せめてサンプルでもあればちゃうんやけど…」
「サンプル、か…」

生きている自分達の首輪が外せない以上、それはすなわち死体から得たものを指すという事になる。
考えたくはないが、そうした事をする必要もあるかもしれない、と竜人は考える。
だがそもそも、首輪を解析しようとする行為自体が主催に対する反逆行為とみなされる可能性もある。
首輪を得ようとしたら自分の首輪が爆破されるなんて笑い話にもならない。
ともかく今は不確定要素が多すぎるので、首輪に関しては今は保留にしようと二人は決めた。



471 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 03:01:35 ID:MLe/DFvQ0
「そう警戒しないでくれよ竜人クン、僕は別に君と事を構えるつもりはないんだ」
「悪いがアンタに対していい話は聞いていないんだ。…青竜の事もあるしな」
「あの馬鹿と一緒くたにされちゃうのは心外だなぁ、戦ったってなんにもならない事くらい分かってるつもりだよ」

そう言って朱雀は…正確には朱雀の別人格の一人、"白虎"は竜人に見せるようにして首輪の「G」の文字の部分をトントンと叩いた。

「だってこれ、チーム戦でしょ?青竜は理解してなかっただろうけど、別に僕一人で勝つ必要なんてないさ」

それを聞き、竜人の目つきは険しくなる。
  、、、
「冗談だよ、そういうのを止めたいってのが君の願いだろ。敵に回せばどんな痛い目にあうかって分かってるさ、危うく朱雀君も死にかけたしね。おっと、青竜だったか」

と、皮肉っぽく言う白虎に対し、竜人はバツの悪い表情を浮かべた。

「それにこの体質はどうしようもないしね、そういう動きをするには不利すぎるよ。いつ入れ替わるかは僕にだって分からない。朱雀君や玄武は止めるだろうし、青竜は何しでかすか分かったもんじゃない」
「まあな。分かってても慣れないな、その人格変化」
「精々気をつけてくれよ、僕が死ぬって事は朱雀君や玄武まで死ぬって事なんだからさ。そりゃ君だって避けたいだろ?…っと、誰か来たみたいだね」

二人の視界に入ったのは、金色の長髪が目を惹く少女の姿であった。



472 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 03:02:23 ID:MLe/DFvQ0
「待ってくれ、俺たちは殺し合いには乗っていない」

竜人と白虎を前にし、明らかに警戒した様子の少女に諭すように竜人は声をかけた。
だが、少女はまるで一切の接触を拒絶するかのような強い口調で叫んだ。

「人間を信用など出来るか!帰れ!!!」
「…人間?」

その、自分は人間ではない、とでも断定するような口調に白虎はいささかの違和感を覚えた。

「さっさと帰れ!醜い人間と話す舌なんて無い!」
「話を聞いてくれ!俺は巴竜人。こっちは道神朱雀、…今は白虎か。話すと長くなるんだが…」
「ちょっと待って竜人君、うん、これはもしかして…」

竜人の発言を遮って白虎は前にズイと出る。そして少女に対しこう尋ねた。

「君の言う人間っていうのはさ…所謂他人を指す代名詞的な意味での"人間"かい?それとも種族そのものを指すって意味かい?」
「はぁ?何言ってんだ、人間は人間だろうが!」
「ふむ、やっぱりか…」

白虎は一人納得した様子で頷き、そしてこう言う。

   、、、、、、、、、
「君…中身は人間じゃないだろう?」


それを聞いて少女―――ライリーは狼狽えた。

「なんでそれを…そんな事どうだっていいだろ!」      、、、、、、、、、
「いやいやどうでもよくない。何故なら僕も…僕達もこう見えて中身は人間じゃないからね」
「達?」
「分かっちゃうんだよね、やっぱり似た者同士、これだ!っていうものを感じるというか」

白虎は続けて自分の中には三体の神獣が宿っており、自分もその神獣の一体である、という事を説明した。
ライリーはにわかには信じられぬ、といった様子であったが―

(確かにこいつの身体からは人間とは違った魔力…いやそれに近い別の力の波動を感じる。あながち嘘じゃないのか…?)

「次にこちらの巴竜人君は人智を超越した能力を持った改造人間なのさ…これが証拠!」

言うや否や、白虎は右の掌を"加速"の能力を用いて超高速で振動させ、竜人の胸元へと突き立てた。
が、竜人はその一撃を一瞬でガイアライナーへと変身を完了し腕を掴んで止めた。

「おい白虎!!」
「ごめんごめん、でも寸止めにするつもりではあったよ?それに止められるって信じてたからね」

事の一部始終を見届けたライリーはポカンと口を開けていた。

「人間が魔物に…変化した?」
「これで分かったろ、僕らが人間じゃないって、じゃあ次は君について教えてもらおうかな

「…なぁ、お前ら本当に人間じゃないのか?」
「君だって似たようなものだろ?見た目だけならどこからどう見たって人間だよ」
「そりゃあ、そうだが…」

渋々、といったていではあるが一応の納得はしたライリーは自分も殺し合いには乗ってはいない事、自分は女勇者と入れ替わったオークである事、アリシアとボーンマンという参加者を探している事を二人へと告げた。

「…俺は一応、まだ人間のつもりなんだけどな。それに何だか騙してるみたいじゃないか」
「しょうがないじゃないか、こうでもしないと彼女は…いや、彼なのかな?どっちでもいいや、とにかくあの子はまともに話してくれなかったよ?」
「まあ、それについては礼を言う」
「どういたしまして」

竜人は礼を述べながらも警戒心は緩めずにいた。そしてそれは白虎だけでなくライリーに対してでもある。

(あの少女の口ぶりの節々に強い憎悪の念を感じる…なにかとても恐ろしい物が潜んでいるかのような…)

一方で白虎はライリーからもたらされた情報を整理していた。

(オークってだけあって頭の出来はそこまで良くはなさそうだな。だが、入れ替わりか…興味深いね。もしかして上手く利用すればこの体質を…)

そして、警戒心持つのは二人だけではなく、ライリーもまたそうであった。

(こいつら…本当の本当に人間じゃない?それとも…)



それぞれの思惑を他所に、時刻は早朝6時―まもなく第一回放送を迎えようとしていた。

473 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 03:02:42 ID:MLe/DFvQ0
【F-1/町/1日目/朝】

【巴竜人@アースH】
[状態]:健康
[服装]:グレーのジャケット
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:殺し合いを破綻させ、主催者を倒す。
1:次の現場を探す。
2:自身の身体の異変をなんとかしたい。
3:クレアに出会った場合には―
4:青龍、白虎、ライリーに警戒
[備考]
※首輪の制限により、長時間変身すると体が制御不能になります。

【道神朱雀@アースG】
[状態]:健康、白虎の人格
[服装]:学生服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:殺し合いを止めさせる。
1:竜人とともに付近を捜索する。
2:他人格に警戒、特に青竜。
(青竜)
基本:自分以外を皆殺しにし、殺し合いに優勝する
(玄武)
基本:若者の行く末を見守る
(白虎)
基本:一応、殺し合いには乗らない。今は
1:多人格体質をなんとかしたい
2:入れ替わりか…
[備考]
※人格が入れ替わるタイミング、他能力については後続の書き手さんにお任せします。

【ライリー@アースF】
[状態]:健康
[服装]:勇者服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:アリシアとボーンマンを探し、護る
1:AKANEと聖十字教会を殺す
2:上記以外であれば自分から襲うつもりはないが、襲ってくるなら容赦しない
3:人間は仲間にしない。信用ならない
4:竜人と白虎は人間…?それとも…?
[備考]
※竜人と白虎を完全には信用していないため、上記以外の事は話していません。

474 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 03:03:01 ID:MLe/DFvQ0
投下終了します

475 ◆aFyiCU5AH6:2017/05/28(日) 11:45:33 ID:MLe/DFvQ0
タイトルは「人でなし達の宴」で

476名無しさん:2017/05/28(日) 14:20:38 ID:TRjQxWJg0
まさか投下がくるとは

477名無しさん:2017/05/30(火) 01:26:40 ID:an5ZT6JY0
投下乙です
ライリー思ったより扱いやすい……のか?
青竜という爆弾抱えてるし、ライリーとも一瞬即発だし、巴は今後も大変そうですねえ

478名無しさん:2017/06/03(土) 11:46:30 ID:QFVzEDBM0
投下乙

479 ◆MYPVpX9yeE:2019/07/10(水) 15:46:35 ID:mPts0UwU0
真白
東光一
投下します

480同盟破棄 ◆MYPVpX9yeE:2019/07/10(水) 15:47:52 ID:mPts0UwU0
「銃を使う気は、なさそうですね」

光一の一挙一動を観察していた真白は、彼が殺し合いの場に向かない人物であることを瞬時に悟った。
軍人空手の型を取りながら、「君を無力化する」と言いのけた光一。それは殺意がないという何よりの証拠だ。
対して自分は生き残る為ならば容赦なく目の前の男を斬り伏せる覚悟がある。これは圧倒的なアドバンテージだと言っても差し支えないだろう。
一つ懸念があるとするならば、先程見せ付けられた不思議な力だ。クレアが連れ去った少女といい、超常的な能力を有する参加者が多いということになる。
しかし真白自体はアースEZの世界でこれまで生き延びてきた実力者とはいえ、ただの無能力者。まともにやり合うにはあまりにも分が悪い。

(ゾンビ能力以外にも何か隠している可能性も考慮するべきでしょうか……?)

再び真白ソードを大振り。
またしても光一はなんとか躱した。とはいえそれが精一杯なのか、それとも本当に無力化しようとしているのか、反撃はしてこない。
本来ならば実力行使で無力化するのが当然であるが、相手は幼い少女。それが原因で光一もイマイチ攻勢に出ることを躊躇して、防戦一方になっている。

2回の攻撃で光一のそういう心情を読み取った真白は、彼のことを甘いと思った。同時に、格好の獲物だとも。
ある程度の実力者なら避けられる前提の動作―――大振りの一筋を光一は見事に躱してのけた。しかしただそれだけ。
どれほどの実力があろうと、その心に他人を殺す覚悟が、殺意がなければ殺し合いでは何の意味もなさない。実力者が自分より弱く、されど殺意が充満している者に呆気なく殺されるなんて、よくあることだ。

「俺の目的は、君を殺すことじゃないからね」
「……甘いですね。ゾンビだからって慢心しているのでしょうか」

再度真白ソードの大振り。
いい加減慣れてきたのか、光一の動作が先までよりもスムーズになっている。

「無理しなくてい―――ぐはっ!?」

光一が言葉を言い終えるより先に、鳩尾に鋭い蹴りが放たれた。
真白はソードがなければ本領発揮出来ないが、だからといって真白ソードに完全依存した戦法は行わない。
時にはこうして肉体を使った攻撃も織り交ぜるし、泥臭い戦い方にも嫌悪感は一切ない。全ては、生き延びるために。

481同盟破棄 ◆MYPVpX9yeE:2019/07/10(水) 15:49:04 ID:mPts0UwU0

あまりもの激痛に体勢を崩した光一の上空へ華奢な身体が舞ったかと思えば、直後に彼の頭を鷲掴みにして地面へ叩きつける。
それと同時に真白ソードを振り下ろせば、それは寸分の狂いもなく彼の心臓を射止める―――予定ではあるが、あえてそこは外す。左肩を刺し、引き抜く。華麗に地面へ着地。

(ここですぐに殺しても良かったのですが……やっぱりクレアさんのことが懸念ですね)

今回ダシにされただけなら、それでも良い。
だが相手は裏切りのクレア。警戒しておくに越したことはないし、何より自分が「クレアは裏切ったのではないか?」と疑問を感じた。そして真白の直感は割とよく当たる。
この幼い身で、裏切りや騙し討ちが当然の世界を生きてきたのだ。そういう本能には人一倍優れているという自負はある。

(今の私ではあの人に勝てません。きっとひとたまりもなく、殺されてしまうことでしょう)

彼我の戦力差は理解している。だからこそ今は頭を絞り、対抗策を練らなければならない。
予想以上に早い裏切りではあると思うが、それでも想定していなかったわけではない。いずれ裏切られるのは確実だとすら考えていた。

「そこで相談……いえ、交渉です。私と組みませんか?」
「こ、これだけの仕打ちをしてどういうことかな……」
「説明を求めるのはもっともですね。ただ私としてはあなたに殺し合いを実感してほしかったです」
「殺し合いを……?」

真白の言葉に驚愕を隠せない光一だが、彼女の瞳を見る限りそれが嘘だとも思えない。

「ここであなたを殺してすぐに逃げ出すことも考えました。ですが、万が一クレアさんと対峙する場面があった時、きっと私単独で対処することは出来ないじゃないですか。
 残念なことに私にはあなたのような特別な力はありません。そしてクレアさんに勝てないことは、本能で察していました」
「なるほど。でも俺は殺し合いには賛同できない」
「それでも構いませんよ。ただし私を襲ってきた相手は容赦なく殺してくださいね、それが条件です」
「……呑めないな。さっきも言った通り、俺は君を無力化するつもりだった」

そこまで聞いても。真白の無表情は変わらない。普通何らかのリアクションをするべきなのだろうが、想定内の返答すぎて特にリアクションを取る必要性が感じられない。

「でもそうしなければ、私は殺されますよ。見た感じあなたは稀にいる正義感の強い方のようですが、それでもいいのでしょうか?幼い命が戦場で散らされることを、良しとするのでしょうか?」
「それは……っ!」

言葉に詰まる。
何か反論してやりたいところでもあるが、真白の言っていることは、この殺し合いにおいてはあまりにも筋が通っていた。
自分達を襲ってきた者を殺さなければ、逆に自分達が犠牲になる。当たり前の理論だ。

((光一よ、この少女の言う通りだ。怪獣から一人でも多くの人々を守るために、私達は生き延びなければならない))
((でも……っ!))
((その葛藤は私にも理解出来る。だがこうしている間にも、私達の世界は怪獣の危機に脅かされていることを忘れないことだ))

「……わかった。でも優勝狙いだけはさせないよ。それだけは認めるわけにはいかない」
「優勝狙いが一番合理的な脱出方法ですが……わかりました。あなたが生きている限り、優勝は狙いません」

真白としては、要は生きて脱出することが出来れば良いだけのことだ。
それにこの男はきっと長生きできない。殺し合いの場ではあまりにも脆すぎるタイプだ。……とはいえゾンビ能力がある以上、そうとも言い切れないかもしれないが。どちらにせよ、ラストまで生き残ったとしてもこの性格ならば自らの手で殺すのは容易いだろう。クレアと一騎打ちするよりはだいぶ気が楽である。
最終的に優勝して脱出するという方針は変えないが、今はひとまずこの男と同行してクレアから逃げるのが最も安全な策だと真白は踏んだ。
しかしこれだけではやはり心許ない。出来ればもっと戦力を増やしたい。そうしなければ、きっとクレアには勝てないし、生き残るのも困難だろうから。

ただし足手まといになるようならば容赦なく見捨てる。自分までこの光一のような正義に染まるつもりは、毛頭ない。

482同盟破棄 ◆MYPVpX9yeE:2019/07/10(水) 15:50:27 ID:mPts0UwU0

「私の名前は真白です。あなたはなんて呼べば良いのでしょうか」
「東光一。光一でいいよ」

よろしく――とは言いづらかった。
何故なら先程まで自分を殺しに掛かってきた相手だ。流石の光一もそう簡単に心を許せない。
しかし少女がこんな性格になってしまったのも、何らかの原因があるはずだ。性格を正す為にも、同行するのは悪くないかもしれない。

「わかりました。では今すぐここから逃げましょう、光一さん。きっともうすぐ、クレアさんが戻ってくるはずです」
「和花は……」
「多分もう殺されているか、最悪―――『裏切り』の犠牲になっています」
「裏切りの犠牲?どういうこ――――うぉ!?」

光一が疑問を口にし終える前に、そんなことを無視して真白は彼の裾を掴みながら強引に連れ去った。
裏切りの犠牲とは、ただの勘のようなものだが……裏切りのクレアなんて名乗る相手が、そう簡単に殺して終わり、とも考えづらい。
恐らく何らかの手を仕込んでいる。それが何かはわからないが、拷問とかならば良いが……例えば自分の支配下にならないか、だとか。アースEZにもその手の輩はよくいた。
だから今は潔く逃げる。同盟を破棄して、一目散に逃げる。あの魔法少女と組まれたら、自分達ではとてもではないが太刀打ちできないのだから。

【C-2/公園/1日目/早朝】

【真白@アースEZ】
[状態]:健康
[服装]:私服、汚れているが、それがそこはかとなくえろい
[装備]:真白ソード
[道具]:基本支給品一式、ランダムアイテム1〜3
[思考]
基本:最終的には優勝する
1:クレアが戻ってくる前に逃げる
2:ひとまずは光一と組み、彼が死ぬまで優勝狙いはやめる。出来れば他にも戦力がほしい
3:ただし最終的にはやっぱり優勝狙い。もし他の脱出法が見つかれば……?
4:光一が足手まといになるようならば切り捨てる
5:クレアさんとは会いたくないですね……
※真白ソードによって戦闘力が上がっています。ソードには他にも効果があるかも
 
【東 光一@アースM】
[状態]:ダメージ(中)、左肩に刺し傷
[服装]:MHC隊員服
[装備]:十四年式拳銃(残り残弾数35/35)@アースA
[道具]:基本支給品一式、超刃セイバーZDVD一巻@アースR、
ディメンションセイバー予備エネルギータンク2個@アースセントラル
[思考]
基本:巻き込まれた参加者を助ける
1:和花ちゃんが心配。
2:真白と組む。出来れば更生してやりたい
3:何で十四年式拳銃なんか・・・?
[備考]
※コスモギャラクシアンへの変身に必要なコスモスティックを没収されています。
他の参加者に支給されているかもしれないし、会場内のどこかにあるかもしれません。
※十四年式拳銃のような古い銃が支給されていることに疑問を感じています。

483 ◆MYPVpX9yeE:2019/07/10(水) 15:51:17 ID:mPts0UwU0
投下終了です

484名無しさん:2019/08/12(月) 20:43:11 ID:fuCt1l7c0
約2年ぶりの投下…!乙です
何気に裏切るより先に裏切られたクレア不憫

485名無しさん:2019/08/25(日) 18:53:46 ID:B0Mrd/rY0
投下乙です

真白ちゃんも中々策士。一筋縄じゃいきませんね。
奇しくもチームシャッフルの形となりましたが、これは吉と出るか、凶と出るか。
また光一は真白とどう接していくのか。
今後の展開が楽しみです

486 ◆MYPVpX9yeE:2019/10/21(月) 13:24:02 ID:ydEk7mzA0
谷山京子
スライムちゃん
東雲駆
片桐花子
投下します

487片桐花子の災難 ◆MYPVpX9yeE:2019/10/21(月) 13:24:46 ID:ydEk7mzA0
「はぁ……はぁ……。ちょっと疲れてきたね……」

みなさんどうもこんにちは?こんばんわ?おはようございます?どの挨拶が正解なのかわからないけど、谷山京子です!
ボクは今、さっき立ち去った華ちゃんをスライムちゃんと一緒に追いかけてます!
と言ってもあの子意外と早くて、なかなか追いつけないけどね……。そもそもボクが傷心してちょっと遅かったのもあるけどあまりそこは責めないで(泣)

そりゃボクは男性器が付いてるけど、乙女心くらいあるから……あんなところを見られてどう声を掛けたらいいのかわからないというのが本音です。
でもスライムちゃんは持ち前のポジティブさで「とりあえず追いかけまショウ!」とボクの手を引っ張って走らせました。
だから今こうして華ちゃんを追いかけてるんだけど……本当にどうやって謝ればいいんだろうね!もう絶望しかない気がするんですけど!

「キョーコさんはさっきの人と知り合いなんデスカ?」

一方のスライムちゃんはさすがモンむすなだけあって、全く息切れもせずにそう質問してきた。
知り合いっていうか初恋の人なんですけどー!なんて言えないよね、うん。スライムちゃん罪悪感を覚えちゃうだろうし。
よし、ここは冷静に落ち着こう。華ちゃんにドン引きされたのはすっごく、すっごく!悲しいけどスライムちゃんは何も悪くないからね!

「うん、クラスメイトの子だよ」
「そうなんデスね。でもどうして逃げたんでショウ?」

うーん……。スライムちゃんってすごく純粋みたいで、さっきのボク達の行為が世間的にアレだっていうことを理解してないみたい。
たぶんあの行為もマナを補充して主催に反逆したいっていう純粋な気持ちからなんだろうなぁ……っていうのがわかるからほんとに責めらんない!
つい出来心で華ちゃんで――しちゃったからきっと罰が当たっただけなんだ。スライムちゃんは何も悪くないんだ。

それにしても今後もマナの補充でナニを刺激されるのは困るなぁ。
少しくらいそこらへんの常識を教えたほうがいいのかな? でもボク女子だからそういう話するのちょっと恥ずかしいっ!
いやそりゃ性欲が強いことは認めるよ? でもボクだって女子だからね? 性欲強い女子も普通にいるからね、男子諸君!

……うん、それにしてもこんなところで恥じらってる場合じゃないんだけど。
だってこれから似たようなことがあったらすごく困るからね。そりゃマナが補充されるのは頼もしいけど、ボク達が不審者扱いされて狙われるとかありそうで嫌だ。
というか何より恥ずかしいよね。普通にやってること露出プレイだもん、そりゃ逃げるよね、うん。

「スライムちゃん、ボクのナニを刺激するのは一般的には恥ずかしいことなんだよ」
「? ナニってなンデスか?」
「な、ナニはナニだよ!? なんだろうね!?」

あああっ、もう自分でも何を言ってるのかわからなくなってきた! ナニがなんだかわからないよぅ!
ナニは×××だよ、なんて言えることないじゃん! そんなのスライムちゃんに対するセクハラじゃん!

「? キョーコさん? どうシマしたか?」

スライムちゃんがボクの顔色を見ながらキョトンと首を傾げてる。
ていうか走りながら余裕で首を傾げれるってすごいねスライムちゃん!さすがモンむす!

ってそんなツッコミしてる場合じゃない、どうしようこの状況!
ナニはナニだよ、ボクの股間から生えてる×××だよなんて言えないし!スライムちゃんの純粋な心を汚したくない!

そもそも普通の女の子には生えてないのになんでスライムちゃんは何も疑問に思わなかったんだろうね?不思議なことだらけだなぁ!
もしかしてスライムちゃんも生えてる? モンむすだから生えてるの?
いやでもさっきの解説で“普通”、性別を両方持つ人間なんていないって言ってたから違うのか! いやでもスライムちゃんはモンむすだから人間じゃない=生えてる可能性もありえる?
え? ていうか何気にこれよく考えたら、ボクが普通の人間じゃないって言われてない? ちょっとナニが生えてるだけで普通扱いじゃないなんて酷いなぁ(泣)

「と、とりあえず走ろう!スライムちゃん!」
「わかりまシタ!」

あああっ、もうナニだとか×××だとかそういう説明をするのはやめた!
とりあえず走ろう、走ろう!走って気分爽快!ナニもかも忘れよう!HAHAHA!悲しいなぁ!

488片桐花子の災難 ◆MYPVpX9yeE:2019/10/21(月) 13:25:44 ID:ydEk7mzA0


♂ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀


「フラウ・ザ・リッパー……? ああ。あの片桐花子か……」

片桐花子は学校でちょっとした有名人だ。
フラウ・ザ・リッパーという謎の二つ名を自称する痛々しい高校生は、学校でも少し浮いた存在である。
もっとも彼女が何も特異性がないことは、駆も理解しておりあまり警戒する必要はない。

そもそも本当にジャック・ザ・リッパーの子孫であるならもっとこう、オーラのようなものがあっていいはずだ。
何より持ってるナイフが金属製ではなくプラスチックのものだというのだから、彼女は厨二病を脱しきれなかったアレな人としか言いようがない。

「知ってるんですか?」

普段ならフラウ・ザ・リッパーとして年上にもタメ口を聞くことがある花子だが、どういうわけか駆には敬語になってしまう。
一度素で返事をしてしまったというのが大きいのだろうか?

「もちろんだ。意外とキミは有名だよ。……普段とキャラが違うようだが、殺し合いに対する疲れからか?」
「そうですね……。殺し合いっていう実感はないですけどある意味疲れました……」

「ん?」

殺し合いという実感はない?
死体や殺戮現場を見たであろう人物が言うには、程遠い言葉だ。

「……どういうことだ? サイコパスの谷山京子が誰かを殺戮した現場を、見たわけじゃないのか……!?」
「ち、違います!」

駆がこれまで考えていた誤解を、花子は明確に否定した。
彼女が見たのは謎のスライムが女の子のナニを刺激していた現場であり、別に殺戮現場だなんて大袈裟なものではない。
いやまあ乙女心は殺戮されたようなものだが、それはともかく物理的に誰かが殺されたわけじゃないのである。

「……なるほど。俺の誤解か」

そして駆はようやく自分の誤解に気が付いた。
しかし自分の考えが誤解だとするなら、花子は何を伝えたかったのだろうか?
スライムみたいなもの、だとか特に意味不明である。戦場でないなら、武器である可能性も低い。

(そういえば……)

参加者候補リストを広げ、そこに記載されている名前を一通り見てみる。
その中に一際目立つ謎の名前があった。その名も、スライムちゃん。
まるで芸名のような意味不明な名前だが、もしも花子の言っていたスライムのようなものの正体がこのスライムちゃんであるとしたら……。

「……その現場に案内してくれないか?」
「えっ。で、でも……」
「確認したいことがあるんだ、頼む!」
「そ、そんなこと言われても……」
「花子。君の安全は俺が保証する。だから、頼む」
「は、はい……」

そんなに真剣な視線を向けられると、なんだか恥ずかしくなってくる……と思いながらも花子は駆の希望も承認した。


♂ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀

ボクとスライムちゃんが走って暫くすると、向こうに人影が見えてきた。
小柄で色白なあの子は、間違いなく華ちゃんだ!やったー!と思う反面、どうしよう!感もすごい!
とにかく誤解をとかなきゃなんだけど、ナニをしていたことは事実だし……あれこれもしかして何も誤解じゃない?
いやでもボクから進んでやったわけじゃないし、スライムちゃんもマナの補充っていうちゃんとした目的もあったからやっぱりただのアレと違って誤解だよね!
うん、そうだ!そういうことにしよう!ていうか普通に誤解でいいよね!?

向こうからやってくる華ちゃんは、よく見たら少し身長の高い男の人と一緒にいる。
きっとボクとスライムちゃんから逃げ出した後に遭遇して、そのまま同行してるんだと思うけど……ボクやスライムちゃんの変な噂が伝わってないといいなぁ。
そりゃ噂が広まっても仕方ないことはしたよ? でもこれは事故であって、意図的なものじゃないから! 意図的なものじゃなければセーフにならないかなぁ!?

そんなことを考えてるうちに、距離は縮まっていって……気づけばもうすぐそこに二人は来ていた。
華ちゃん、ボクに近づくやいなやすぐに男の人の後ろに隠れちゃったけど……めちゃくちゃ気まずいよ、これ!

「あのー……華ちゃん、さっきはごめんね? スライムちゃんのマナを補充してただけなんだ……」
「ま、マナの補充でナニをナニしないでしょ!適当言わないで!それに華ちゃんって何?」

うわあああん、怒涛のナニなに攻撃だ!
でもがんばれボク、なんとか誤解をとかなきゃ……。

「ほら、華ちゃんの名前って肩斬華でしょ? だからそう呼んでたんだけど……」

アレ? よく考えたらこれってキモい?
勝手にあだ名つけてましたってよく考えたらドン引き案件かなこれ!?

「ふ、ふは……」

華ちゃんの様子がおかしい。どうしたんだろう?

「ふはははは!よくぞ言ってくれた!そう、私の名前はフラウ・ザ・リッパー!肩斬華!」
「え――――?」

今、華ちゃんはなんて言った?フラウ・ザ・リッパー?
え?え?嘘だよね?
ボクの聞き間違いだよね?

489片桐花子の災難 ◆MYPVpX9yeE:2019/10/21(月) 13:27:21 ID:ydEk7mzA0

え?まさか華ちゃんがフラウ・ザ・リッパーだなんて、そんなわけないよね?

「……この子の悪い癖だ、気にしないでくれ」
「かっこいい名前デスね」

男の人とスライムちゃんは焦るボクとは対照的に呑気にしてる。
ああ、そうか。違う世界から来たなら、フラウ・ザ・リッパーのことを知らないんだ……!

「みんな、逃げて!」

スライムちゃんと男の人の手を取って、急いで走り出す。
でも男の人は予想外に力があって、なかなか引っ張れない。このままだと殺されるのに、どうして……!?

「フラウ・ザ・リッパーは殺人鬼の名前です!ボク達と一緒に逃げましょう!」
「……何?」

男の人がフラウ・ザ・リッパーをちらりと見た。
対するフラウ・ザ・リッパー「え?え?」と戸惑ってるように見えるけど、何かの演技?
それとも華ちゃんがフラウ・ザ・リッパーというのはただの冗談? でも殺し合いの場でそんな不謹慎な冗談を言うかな?
というよりもこの華ちゃん、ボクが知ってる華ちゃんとは何か違うように感じられる。ただのそっくりさん?
いやでもさっき肩斬華って名乗ってたし……うーん、よくわかんないけど逃げないと。それともデイパックから何かを出して戦う?銃もまともに使えないのに?

「ワタシが戦いマス、キョーコさん!」
「……待ってくれ、そもそも彼女の名前は片桐花子だ。肩斬華じゃない」

「え?」

どういうことなの?
やっぱりそっくりさん?
そういえば本当にフラウ・ザ・リッパーならこうやって揉めてるうちに攻撃したらいいのに、なかなかしてこないのもおかしいよね。
男の人やスライムちゃんはわからないけど、何も能力や技術を持ってないボクなら簡単に殺せるはずなのに。

「フラウ・ザ・リッパーは彼女が自称してるだけの名前だ。殺人鬼の名前として聞いたことは、一度もない」

え?どういうこと?

「信長さんと同じみたいデスね。たぶん花子さんは別の世界のフラウ・ザ・リッパーだと思いマス」
「「「別の世界?」」」

ボクと男の人と花子ちゃんの声が重なる。
確かに世界が複数あるとは聞いたけど、そういうことってあるのかなぁ。

「はい。たとえば織田信長さんは他の世界では男性って色々な人に聞きましたケド、ワタシの世界では女の子デス」
「うーん、世界毎にそっくりさんがいるっていうこと?」
「かもしれないデス。少なくともキョーコさんと男の人でフラウ・ザ・リッパーに対する印象が全然違ってマス」
「それもそうだねぇ……」

確かにスライムちゃんの言う通りかもしれない。
スライムちゃんが色々と情報を持っていてよかった、このままじゃ誤解したまま逃げ出すところだった……。

「なるほど。確かに参加者候補リストには花子とは別に肩斬華の名前があったな。
 ところで他の世界、という言葉について詳しく聞きたいんだけど……」

「世界はいっぱいあるんデス。ワタシも一度他の世界に飛ばされたから、わかりマス」
「……信じ難いが、スライムの君が喋ったり動いてる時点で常識は超えてる。信じるしかないか」
「ありがとうございマス。確かに他の世界ではスライムが動くのはおかしいみたいデスね」

男の人は飲み込みが早いみたいで、あっさりと理解した。
花子ちゃんは疑問符を頭にいっぱい浮かべてるけど、これが普通だよねうん。というかこのリアクション的に殺人鬼には見えないかなぁ、やっぱり。

「俺は東雲駆。よろしく」
「ワタシはスライムちゃんです、よろしくお願いしマス」
「あ、ボクは谷山京子です。ちょっとナニが付いてるだけの女の子です、よろしく」

スライムちゃんが受け容れられるなら、ボクのナニも受け容れてもらえるよね、うん。
というかこういうことは事前に説明しておいたほうがいいような気もする。急にビックリさせるのもアレだし。

「花子ちゃん、さっきはごめんね。本当にアレはスライムちゃんのマナを補充してただけだから……」
「それより先に謝ることがあるんじゃないか?」

駆さんに言われて、ハッと気付く。
そういえばボク、花子ちゃんを殺人鬼だと誤解してたんだよね。まずはそっちを謝らなきゃじゃん!

「殺人鬼だって誤解してごめんなさい」
「……いいよ」

小さい声だけど、ポツリと呟いた言葉は確かにボクの耳に届いた。許してもらえて良かった……!けどこれからは世界の違いについてもよく考えなきゃね!

490片桐花子の災難 ◆MYPVpX9yeE:2019/10/21(月) 13:28:16 ID:ydEk7mzA0

「花子。これでわかったと思うが、フラウ・ザ・リッパーごっこはもうやめた方がいいかな。ここでは余計な誤解を生むだけだよ」
「はい……」

少し寂しそうな花子ちゃんの声。
フラウ・ザ・リッパーごっこをしていた時の花子ちゃんは、すごく楽しそうだった。きっとそういうのが好きなんだろうなぁ……。
でもフラウ・ザ・リッパーはボク達の世界だと殺人鬼だから、気軽に名乗っていたら絶対に誤解される。だからそれを禁じるのは、仕方ないことなんだけど……ちょっと可哀想かなぁ。

「それにしてもフラウ・ザ・リッパーか……警戒する相手が増えたな」
「そうデスね。ワタシも注意しマス」

駆さんとスライムちゃんが気を引き締める。
スライムちゃんが戦えるのはわかるけど、駆さんも戦えるのかな? なんだかボクや花子ちゃんみたいな、ただの一般人とは違うような気がする。

「さて……それじゃあ情報交換をしてもいいかな。この殺し合い、色々と変則的すぎて出来る限り情報の共有はしておいた方が良さそうだ」
「ワタシはいいデスよ」
「ボクも賛成。このまま一緒に行動してもいいんじゃないかな? 花子ちゃんは?」
「私もいいよ……」

こうしてボク達の情報交換は、始まろうとしていた。

【D-3/草原/1日目/早朝】
【谷山京子@アースP(パラレル)】
[状態]:健康
[服装]:パジャマ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:主催絶対許さない絶対にだ
1:東雲駆、片桐花子と情報交換をする
2:東雲駆、片桐花子と一緒に行動する?
※肩斬華のことを意識していましたが…。

【スライムちゃん@アースC(カオス)】
[状態]:マナチャージ(1)
[服装]:とくになし
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:主催を倒しまショウ
1:東雲駆、片桐花子と情報交換をする
2:東雲駆、片桐花子と一緒に行動する?
※氷と癒しの魔法(低級)が使えるらしいです。

【東雲駆@アースR】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:変幻自在@アースD
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]
基本:平沢茜が作り出した灰色の楽園を壊す
1:首輪を解除出来る参加者を探す
2:出来る限り早く知人と合流したい
3:山村幸太、花巻咲、麻生叫、フラウ・ザ・リッパーを警戒
4:谷山京子、スライムちゃんと情報交換をする
5:片桐花子と共に行動する。
[備考]
※世界観測管理システムAKANEと平沢茜を同一人物だと思っています。

【片桐花子@アースR(リアル)】
[状態]:健康
[服装]:学生服
[装備]:???
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:帰りたい…
1:谷山京子、スライムちゃんと情報交換をする
2:フラウ・ザ・リッパーが本物の殺人鬼……?

491 ◆MYPVpX9yeE:2019/10/21(月) 13:28:42 ID:ydEk7mzA0
投下終了です

492名無しさん:2019/11/13(水) 23:07:50 ID:/8uk.7oA0
おお、久しぶりに投下来てた。
乙です。
誤解も解けて割と大所帯になったけどどうなるかな。


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