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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5
165
:
加速せよ、魂のトルネード
◆JOKER/0r3g
:2020/09/06(日) 16:30:17 ID:6c9iHJDY0
「今の俺に、質問をするな……!」
「何……?」
思いがけぬ突飛な答えに、士が面食らったしかしその瞬間。
一条は落ちていたエンジンブレードを拾い上げて、その勢いのまま走り抜ける。
誰に止められようと止まらぬほど真っ直ぐに、ただ一直線に戦いを続ける水のエルとクウガに向けて。
「あの馬鹿……ッ!」
背後から、士が息を呑む声が聞こえる。
だがそれももう気にする必要はない。
士が懐から何らのカードを取り出すより早く、一条の振り下ろしたエンジンブレードは水のエルの背中を深く切りつけていたのだから。
「一条さん!?何してるんですか!早く逃げてください!」
「断る!例え変身できなくても、俺は警察官だ!君のことを、一人にするわけにはいかない!」
困惑を漏らしたクウガに対し、一条はしかし動じることなく応える。
だがそれでも、常人が扱うには明らかに不釣り合いな重量を誇るエンジンブレードを振り回しながら、彼はなおも揺らぐことのない闘志で水のエルへ立ち向かい続ける。
「それに、俺は気付いたんだ。仮面ライダーは、決して変身できるから強いわけじゃない。例え自分の身を犠牲にしてでも誰かの為に戦う……その意思があるからこそ、仮面ライダーは世界の希望になり得るんだと!」
「一条さん……」
相手が生身の人間故か、反撃の手を出しかねている水のエルに対して、一条の躊躇ない斬撃が飛ぶ。
あまりに大振りな攻撃は次第に躱され始めるが、それでもなお彼の勢いが衰えることはなかった。
「照井警視正は、俺に警察官としての誇りだけじゃなく、そんな仮面ライダーとしての思いも託してくれた……。だから俺が、ここで退くわけにはいかないんだ!」
いよいよ辛抱の限界が来たのだろうか。
一条の振るったエンジンブレードが、水のエルの剛腕に容易く受け止められる。
今までの重量を嘘のように一条の手から取り上げた得物を軽く投げ飛ばして、水のエルは一条の頬を殴りつける。
超常の存在たるエルロードからすれば、それはまるで蠅を払うにも等しい力のこもらぬただの手の一振り。
だがそれでもただの人間である一条にとっては、その一撃はあまりにも重いことに変わりはない。
80㎏を超えようという一条の身体が数瞬の滞空を経て地に落ち、彼の脳に痛みと苦しさを伝達する。
苦悶に呻き、地を舐める一条。
その瞳になお闘志を滾らせようとも、傍から見れば彼は最早満身創痍に違いなかった。
「もうやめてください一条さん!俺は……俺は大丈夫ですから!」
未だ地を這うクウガの悲痛な訴えが、一条の心に僅かな揺らぎを生む。
これは結局のところ、自分の自己満足に過ぎないのではないか。
あぁそうかもしれない、だが……もし仮に、それが逃れようのない真実なのだとしても。
「それでも……それでも俺は……!」
一条は己の拳に力を込めて、ふらつきながらも立ちあがる。
傷だらけの身体で、傷だらけの拳で、しかしそれでもなお譲れぬ思いだけを、その胸に抱いて。
最期の力を振り絞った一条は、ただ拳を握りしめて大きく叫んだ。
「俺は―――――君の笑顔を守りたいんだ!」
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