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変身ロワイアルその6
863
:
80 YEARS AFTER(5)
◆gry038wOvE
:2018/03/09(金) 18:47:04 ID:H/vzgqzw0
「――――ッ!!」
そんな事を考えた瞬間、強い頭痛がおれを襲った。
予知能力が発現した時に頭に走る稲妻。――予知に慣れないおれには、その一瞬の痛みと情報は苦痛にさえ感じた。
それは濁流のようにおれの頭の中を流れ込み、締め付けていく。
無数の記憶。
(――なんだ!? どうして……こんな……)
キュアブロッサム。花咲つぼみ。一撃。おれの眼前に拳。
何か言っている。言葉。怒り。涙。
空に影。深い闇。雷雨。
花。
白いカーテン。真っ白な光。ベッド。老婆。花。誰かの手。涙。
言葉。優しい。冷たい。光。願いを告げる。水。光。
……おれは、この時になって、また未来を見た。
おれが願いを告げるまでに起こる出来事たちが、パズルのピースを見せられるように、ほんの断片的に頭の中に注がれた。
つぼみは再びおれの前でキュアブロッサムへと変身し、やがて、おれと拳を交える事になるのだった。
それがおれの見た未来だ。
おれは荒い息を整えながら、再び、言葉を忘れない為の独り言を言った。
「――あれからどれだけ、時が経ったのかしらんが!」
つぼみは、これからかつてと同じ姿のまま、キュアブロッサムとしておれの前に現れる。
だが、おれは久々の再会を喜ぶのではなく――何故か、彼女と戦っていた。
彼女のまっすぐな拳がおれを狙い、おれはすかさず反撃していく。それがおれの見ているビジョンで、おれの知るこれから先の運命。
ここに咲いた花々のうえで、おれたちは戦う事になる。
……おれは、また同じように、再会する事を待ち望んだ相手と戦わなければならないというのか。
あかねさんと拳を交えたあの時と同じく――。
「……何故……! なんで、ここできみなんだ……! つぼみ……!!」
最後の二人として残ったのが、もし血祭ドウコクやゴ・ガドル・バだったのなら、まるで躊躇する事なく戦えるだろう。
あるいは、また別の誰かならばまだ心が痛む事はない。
しかし、あの時の同行者で一番の友だちで、最後の戦いでもおれに力を貸してくれた……そのつぼみがおれの最後の敵だという事実に、おれは悲観に暮れていた。
「せめて……もっと戦う意味のある相手だったなら――おれはまだ、自分の生きた時間を誇る事ができるのに……!!」
それだけでも、おれの生きる意味はぼやけていた。
仲間だったシャンプーや乱馬を失い、一条や良や多くの仲間たちが死んでいくのを見届け、挙句はに敵意を向けるあかねさんと戦い合い、戦いの果てで死ぬ事もないまま永遠の迷子になり、そしてつぼみと今度は敵同士になる……そうまでして、おれに生きる意味はあったのだろうか。
何度となく悩んだ事だが、最後の一つは決定的だった。
おれはただ、死ぬ為だけに何十年をここで過ごしているんじゃないかと思い続けたほど――長い時間を生きてきたのに。
「くっ……何故なんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
◆
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