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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5
166
:
加速せよ、魂のトルネード
◆JOKER/0r3g
:2020/09/06(日) 16:30:34 ID:6c9iHJDY0
例え門矢士のようにうまくやる事なんて出来ないとしても、どれだけちっぽけなプライドなのだとしても。
それでも自分も、クウガの隣で戦う者として最後まで共に戦いたい。
それが一条の、例え変身できなくとも譲れない最後の思いだった。
「うおおおぉぉぉぉ!」
咆哮にも等しい唸りを上げて、一条は水のエルへと拳を振り抜く。
五代に背負わせてしまった責任も、ユウスケに感じさせてしまった絶望も受け止めた一条が、その全てを込めて放つ全力の一撃。
今までの無力感も、無念も含めた全ての思いを乗せた、文字通り全力全開。
だが、だがしかし。
悲しいかな……どれだけの思いを乗せようとも、一条薫はただの人間に過ぎない。
故にその拳にどんな思いを乗せようと、その叫びにどんな感情を込めようと、高位の天使たるエルロードには通じるはずもない。
その身体を揺るがす事すら叶わぬまま、強固な肉体に打ち付けられた一条の拳は逆に砕け散り、彼の思いも同様に霧散する。
それは、紛れもない一つの事実で、覆しようもない圧倒的な実力差が生みだす当たり前の光景――であるはずだった。
「……グッ!?」
驚愕の声を漏らしたのは、他ならぬ彼の拳を受け止めた水のエルその人。
ただの人間であるとは思えぬその威力に、思わず数歩の後退を強いられたのだ。
誰もが、一条に驚きの視線を送る――或いは、この状況を生みだした一条でさえも。
「そのベルト、まさか……!」
水のエルの困惑に釣られて、一条は己の腹を見やる。
そこにあったのは、いつの間にか出現していた眩い光を放つ金色のベルト。
見覚えは、ある。脳裏に過る一人の青年の姿は、今も一条に消えぬ後悔を残し続けているのだから。
それが何故己の下に現れたのかは、皆目見当もつかないが、だからどうしたというのだ。
力はある。使い方も分かっている。なれば後は、この心が導くままに、叫ぶしかないではないか。
己に新しい生き方を示してくれたあの青年――津上翔一のように、自分らしく生きるために。
「――変身!」
刹那、光輝く一条の身体。
それが収まったその瞬間に、そこにあったのは最早生身の人間のそれではない。
頭から伸びる二本の角は黄金に輝き、その瞳はまるで彼の心の炎を映すように曇りなき赤に染まる。
腰に輝く霊石オルタリングを携えたその戦士の名は、アギト。
それは、津上翔一の死によってこの世界から滅びたとばかり思われていたとある世界を代表する仮面ライダーが、今こうして顕現した瞬間だった。
「馬鹿な……!」
一条薫によるアギトへの変身という、にわかには信じがたい奇跡にそんな定型句にも等しい驚愕を漏らしたのは、何も水のエルだけではなかった。
その衝撃は、この殺し合いを統括する大ショッカーの首領、すなわち人類の創造主たる彼にとってもまた同様のもので、大ショッカー本部にて彼は傍目すら気にすることなく動揺の声を上げていた。
「アギトは、既に滅んだはず……それなのに、何故……!」
首領の困惑は、実のところこの殺し合いが始まってから最も大きいものと言って過言ではない。
何故なら彼が首領となる前、己の世界で行おうとしていたのは他ならぬアギトの殲滅に他ならなかったのだから。
彼からすれば有象無象の異形とアギトとは、文字通り積み重ねてきた因縁と憎悪の桁が違う。
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