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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5
172
:
加速せよ、魂のトルネード
◆JOKER/0r3g
:2020/09/06(日) 16:32:38 ID:6c9iHJDY0
◆
「ウォラ!」
ダブルの振るうプリズムソードの一刃が、風のエルの身体に消えぬ傷を残す。
明らかに襲い回復に、ダブルの持つ剣そのものが自身の治癒能力を阻害しているに違いないと彼は察するが、しかし反撃の手を講じる暇はない。
横から飛び込んできたカリスの持つ双剣が、構えかけた憐憫のカマサを叩き落とし風のエルの唯一の得物を奪い去った。
「トゥア!」
カリスに切り上げられた風のエルの身体が、容易く宙を舞う。
先ほどまでと打って変わって呆気なく地を転がりながら、彼は冷静に戦況を把握する。
――このままでは彼らには勝てない、と。
どうすればいいのかは分からない。
あの方に頼んだとして、更なる力を自分にくださるという保証もない。
だがそれでも、ここで馬鹿正直に戦ったとして何の意味もないことだけは、確かな事実であった。
「あ、野郎!」
思うが早いか、ダブルが叫ぶ声も無視して風のエルは高くその翼を広げ飛び上がる。
その果てに強さを得られる根拠などなくても、ただ今は彼らにやられたくないという意地にも似た感情だけを抱いて。
だが、高く高く太陽に向けて飛んでいくその翼は刹那、太陽から彼目がけ舞い降りた金色の光に射貫かれた。
「ぐあ……ッ」
呻き、地に落ちる風のエル。
最早逃走すら許されなくなった彼が、それでも何とかその瞳に映したのは。
先ほど自身を貫いた金色の矢……否、剣をその手で受け止めるカブトの姿だった。
「これは……」
困惑を漏らしたカブトが持つその剣の名は、パーフェクトゼクター。
葦原涼の死後、誰の手にも止まることなく自立行動を続けていた孤高の存在だ。
だがそんないきさつなど、当然のことながらカブトが知るよしなどない。
今カブトに変じる総司は本来の所有者の天道とは違い、これがどんな存在なのかすら知らないのだから、それも無理のないことだった。
――刹那、パーフェクトゼクターに色とりどりの機械仕掛けの昆虫たちが集っていく。
そのうち黄色と青のそれに、カブトは見覚えがない。
だが最後に装着された紫のゼクターには、彼にも浅からぬ因縁があった。
(渡君……)
それは、自身の兄弟子であり、一度は道を違え拳を交えたこともある紅渡が使っていたサソードゼクター。
掬いきれなかった後悔の一つでもあるその力を抱いて戦うことは、総司にただの力だけでない強さを与えていた。
「助かったぜ総司、おかげでこいつを逃がさずに済んだ」
「その剣……なるほど、君がそれの本来の持ち主だったというわけだ」
「お喋りは後にしろ、まずはあいつを片付ける」
総司への感謝を漏らした翔太郎やパーフェクトゼクターへの感慨を漏らしたフィリップに対し、カリスはあくまでも冷静に戦況を見つめる。
事実、彼らを前に立ち上がった風のエルは最後の抵抗を試みようと、その敵意を込めた眼差しを真っ直ぐに三人へ向けていた。
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