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安価多ジャンルバトルロワイアル
13
:
意味をなくした ねがいとともに
◆2LRz5hdsTE
:2018/11/01(木) 01:50:46 ID:cNkgOlmo0
「ひゃ...うわぁ!?」
「うわびっくりした。あ、警視庁の当麻といいます。てかその盾デカいっすね。コスプレっすか?餃子食べます?」
「え...ぁ、はぃ.......。」
一瞬、当麻と名乗る彼女がダ・ヴィンチちゃんに見えた。よく見たら全然別人だったが。
呆気に取られるマシュをよそに、当麻は自らのペースで会話を進めていく。
「ん、良し。あ、毒は入ってないっすよ。お代わりあっちにあるんでじゃんじゃん食べちゃってください」
「.......。」
そう言って当麻が指差した先には人ともオートマタともとれないおじさんのマシンがウィンウィン動いていた。
よく見たら食券の自販機みたいな見た目をしている。バベッジやダ・ヴィンチちゃんでもあんなものは造らないだろう。
「.....いただき、ます」
そう言いつつ、マシュは恐る恐る当麻の持っていた焼き餃子を口にした。
警戒は別になかった。当麻に悪意があったとしても、対処する気力は今のマシュには無い。
また、毒だったとしても―――別に、それでもいいか、と壊れかけた精神は苦痛から逃れたいが為にささやいていた。
ばり、と油のたっぷり付いた羽根つき餃子を噛み千切る。
たっぷりと入れてあるにんにくと手作りの合せ味噌の味付けだった。
今のマシュには味を感じられる余裕など無かったのだが。さすがに味が濃すぎると思ったのか、当麻は水を差し入れ、そしてこう問う。
「落ち着いた?...で、あんたさんはなぜこんな所に?」
「.....それは.....」
脳内でフラッシュバックが重なり、言いたいことが言い出せず口ごもる。
それでも、当麻は尋ねる。
「....何があったかは分からねーけど....普通じゃねぇでしょ。こっちも周囲も気に留めないくらい絶望してて、知らない人の餃子を食べれるって事は」
「....すみません」
何か事情があるらしき少女の眼、そして――傍に付けてある、彼女と不釣り合いな程の質量を持つ金属製らしき盾をじっ、と凝視しつつ、当麻は全く動かない。
数分の空白の後、流石に当麻の目線に耐えられなくなったのか、マシュは左腕を吊るした女性に再び訪ねる。
「あの....」
「別に。でも悔しくないっすか」
「え....」
「いきなり転送されて、そっちの都合で他人との殺し合いを宣言されて。....しかも、私たちの事情を全部置き去りにされてっすよ。あたし、今相当頭にキてるんすよ」
「.......当麻さん、でしたっけ。あなたは、殺し合いには.....」
「乗らないっすよ。知り合いいるし」
即答で返される。そして、当麻は彼女がまた沈む前に名簿を支給品のキャリーバッグから取り出し。
広げて階段に叩き付けた。
「捜査の途中で勝手に転送されてムカついてるってのもあるけど、更にイライラしてるんすよ。あたしが知ってる仲間が、このファッキン名簿に載ってる事に」
陽太。瀬文。美鈴。
曲がりなりにもそれぞれの信念を持ち、あたしに力を貸してくれた大切な仲間。
「.....当麻さん」
「あたし達刑事には、他人の幸せを守る義務がある。なのに、すよ」
喋る度に当麻の名簿を叩き付ける手が、さらに強くなっていく。
「この名簿の名前一つに、今日まで生きてきた人生があった。経緯はどうあれ、幸福も、絶望も味わってきたはずのそいつらの命を、ファヴとかいうやつはくだらねぇ快楽のために潰し合わせそうとしている。.....それが何より、許せねぇんすよ」
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