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新西尾維新バトルロワイアルpart6

865第五回放送 ◆mtws1YvfHQ:2021/12/31(金) 23:24:49 ID:8FLP4Wgo0
薄暗い場所。
いかにもなマイクだけが置かれたテーブルを前に、老人は座っていた。
前方をモニターに囲まれ、それのみを光源とした光を浴びる老人。
実験名『バトルロワイヤル』。
その元凶とも言えるその老人。
箱庭学園理事長、不知火袴は静かに座っていた。
テーブルに置かれた物は僅か。
名簿と、マイク。
当初はもう少し乱雑だったその机は、終わりを間近に備え、参加者の数に比例するように綺麗な物となっていた。
そんな中、ぽつりと置かれている電源の切り替えが出来るようになっているマイクに時々目を移しながら座っていた。

「――――さて、もう間もなくですか」

不意に袴が呟き、腕の時計を見た。
時刻は五時五十六分。
六時間ごとの放送の準備は既に万全。
そんな事を袴は考えながらマイクを手元に引き寄せかけ、止めた。
そう言えばあの時もこんな風だった。
苦笑を漏らし、何ともなしに背後へと顔を向ける。
丁度良く、袴の後ろの扉が開き、老人が入って来るところ。
あの時のように。
ただ今回は目を血走らせているその老人は、開け放ったまま何の遠慮もなく袴の隣にある椅子の一つに座った。
袴が顔を向けても何も言わず、マイクを己の元へと引き寄せた。

「――死亡者は分かっていますか、博士?」
「黙れ」

軽く苦笑いしながら袴は時計に目を向ける。
五十九分。
こんな所まであの時と同じ。
確認してからモニターを一通り見渡す。
いや。
最早、見る意味のあるモニターなど片手で数えるほどもない。
忍び笑いを漏らしている間にも、タイマーの小さな電子音が鳴る。
六時零分。


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