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アニメキャラ・バトルロワイアルV

142 ◆koGa1VV8Rw:2019/06/02(日) 03:38:46 ID:NRf9D8VE0

まさかの提案。フーゴは必死に考える。
相手は達人の身のこなしでスタンドも見えている。
パープルヘイズの操作精度は悪く、
ほぼ怒りに任せてしか攻撃できない以上警戒されれば攻撃を当てることは期待薄だし、
本体への攻撃を守り切ることもできるか怪しい。
特に曜を守りながら戦うことはまずできない。
ウイルスをばらまけば感染させることにより倒せる可能性は高まる。
だが夜中ではウイルスを光で死滅させるのは難しい。
森の中は月明かりも陰る場所が多く、ウイルスが完全に死滅することを全く期待できない。
一般人の曜はウイルスを避けるのは難しいし、
感染させた状態で相手に触れられたら自分も非常にまずい。

相手との戦闘に役立ちそうな支給品も持っていない。
一粒で怪我を完治させるという仙豆。
ウイルス感染した状態で体を治しても、
夜では周りにウイルスが死滅せず残る以上再感染する可能性が高い。
曜から受け取った銃も相手がパープルヘイズと殴り合える実力を持つ以上、
ミスタのように銃の達人でもないフーゴが使ったところで、
短銃身で狙いがずれやすいことも含めて通用しないだろう。
そしてもう一つの支給品も、少なくとも今戦うために役立つ代物ではない。

フーゴにはこの状況をどうにかできる成功率の高い策が思いつかないことを、
すぐに理解してしまった。
トリッシュのために命を懸けることを躊躇ったフーゴは、
もちろんここで初めて会った一般人の少女のため命を懸けることもできない。

フーゴは観念したように、支給品の入ったデイパックをゆっくり降ろす。

「そんなっ?! フーゴ君!」

「なるほど、理解が早くて助かる」

殺し屋は納得するとともに、言葉を続ける。

「一つ他の奴の情報をやろう。
 知っているかもしれぬが参加者の中のピッコロ大魔王、
 奴は私の生まれるより過去に封印された存在だが、
 名簿に乗っているということは封印を解かれているかもしれぬ。
 奴は地上を恐怖に陥れた伝説の魔王、人間の命など虫けらとも思わないだろう。
 奴なら私の様に、お前を見逃すなどということは無いだろうな。
 強い仲間を集めるなぞして、せいぜい倒せるか頑張ってみることだ」

「くっ……!」

こいつも危険視するような存在がさらにこの島にいるというのかと、フーゴは恐ろしくなる。

「さあ、私の気が変わらんうちにとっとと行け!」

フーゴは逃げ出そうとするが、足がなかなか動かない。
曜の方を見ることができない。
一歩を踏み出し始めたとき、声が聞こえてくる。

「わ……私、フーゴ君のこと責めない。
 フーゴ君一人でも助かることが大事だよね……。
 どうか、もし私の仲間に会ったら私のこと、忘れないでって伝えて……」

フーゴはそれっきりすべてを振り切るように走り出し、見えなくなった。

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