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変身ロワイアルその6
865
:
80 YEARS AFTER(5)
◆gry038wOvE
:2018/03/09(金) 18:47:40 ID:H/vzgqzw0
「……今回の事も僕にとって、関係ない事じゃないと思ったから。誰かが困ってるのも、誰かの存在が消えるのも――それを守れるのが僕たちだけなら、力にはなりたいし、こうして僕たちが動かなきゃ問題は解決しない」
「まあ確かに……こうしてきみが来てくれないとHARUNAもおれも困るだろうが、きみにリターンはないはずだ。バイト料も出ないだろう」
「それは……まあ確かにちょっと困るけど……。あ、でも、それを言ったら、あなただってバイト料は出ないし、無関係でしょう! あなたこそなんで来たんですか!」
確かにそうだ。返す言葉もない。
誰が一番関係ないかというと、事故同然でここに来たおれだ。
「――おれも来たくて来たわけじゃないが、それは確かに……一理あると云えるな。理由はそれぞれだ。……悪かった、まあ、きみの言わんとしている事はわかった」
考えてみれば、いわゆる「頼まれると断れない性格」というのはいくらでもいるし、それが自分にとってリスキーでも引き受けてしまうヤツはそこら中にいる。それを踏まえると、ごく普通の少年にしか見えない彼の方が、頼まれた事情を断らないリスクについて経験が浅く、こうしてここに来るのもわからなくはなかった。
そうでなくても、HARUNAの勧誘は拒否権がない。退路を断って無理やり協力させる事だって珍しくは無かろう。
自分にしかできない状況に使命感を覚えるというのもわからなくはない話だ。探偵が誰にでも務まる仕事だったのなら、おれはとっくに飽きていたかもしれない。
協力できるかはともかく、まあ普通のヤツなのは見ての通りのようだ。
これが演技だとするのなら相当凄いとしか言えない。
「……で、事情はおおよそ一割ほどわかったが、いずれにしろこうして揃ったからには、作戦を立てて良牙の殲滅をしろという話になるわけだが――これからどうするか考えてあるはずだろう」
おれは、仲間が全員揃ったところでHARUNAに訊いてみた。
主催者の息子である朝倉リクに、生還者の子孫である桜井花華、特異点の魔法少女HARUNAに、それから全く関係のないおれ。
こちらには一応の戦力が二名いるとして、響良牙に勝てる見込みの話というのが不明だ。
何しろ仲間の力も敵の力もさっぱりわかっていないし、あまりの事前研究不足の中で行き当たりばったりに世界の命運を託されている形になっている。
このまま「作戦なんてないわよ」「力づくでいくわ」などと、むちゃくちゃな事を言われて外に駆り出されたらどうしようかという不安がおれの胸に湧いた。
『作戦なんてないわよ――こちらの戦力は十分と言っていい。……力づくでいくわ』
……案の定だ。
などとあきれ果てた時だった――。
外から轟音が鳴り響き、強い危険の匂いを感じたのは――。
◆
さて。
……おれにはHARUNAが一体何を考えているのか、いまだにわからない。
可愛げのない機械的な指令をひたすらにおれたちに差し出してきて、その真意や目的、真偽すらもわからないまま引き返せない時間ばかりが過ぎた。
こんな存在がおれの中に入っている事それそのものがかなり不愉快だが、もはやなってしまった以上仕方ないと諦めるしかなかった。
艦内でだべっていたおれたちに、轟音が響いて、おれたちは次に外へ出て、遂に響良牙と出会う事になる。
その前に、キーワードを一度整理しよう。
今回のキーワードは次の通りだ。
・ベリアル
・朝倉リク
・響良牙との戦い
おれたちが向かうのは――響良牙がいる、C-8の花畑だ。
◆
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