したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

第二次二次キャラ聖杯戦争 part4

87発覚 ◆/D9m1nBjFU:2019/06/22(土) 06:58:20 ID:qhlV.xww0

……堂島としてはあまり考えたくないことだが、ルリは警視の階級にあるエリートとはいえ年齢的にはまだまだ多感な年頃の未成年の少女だ。
この町に赴任する前にアキトに誑かされた可能性さえ事ここに至っては完全には否定しきれない。
洋館炎上の件にしても、第一発見者がルリというのは何とも怪しいものだ。
この町を襲う一連の事件の数々と何の関係もない幽霊屋敷に何の用があったというのか。火事ということは何らかの物的証拠の隠蔽を試みたのではないか?

「身内を疑うなんてやってられんが、こうなると昨日の警視の足取りを徹底的に洗う必要があるな」
「捜査本部に報告しないとな。銃を持ってるテンカワの追跡ももちろん大事だが内側に犯人に通じてる人間がいるかもしれないんじゃ捜査が立ち行かない。
幸いと言っちゃ失礼だが警視はここじゃ外様で明確な支持基盤はない。上の方の政治とやらで疑惑を握り潰すなんて可能性は低いだろ」




  ◆   ◆   ◆




こうして「警視の妖精」と呼ばれたホシノ・ルリは一転、一部警察NPCの間で疑惑の人となった。
裁定者サイドによるNPCへの意識操作があったにも関わらず何故こうも急に事態が変化したのか。
その要因を大雑把に、一言で言ってしまえば「間が悪かった」のだ。


刑事たちが疑念を抱いたようにホシノ・ルリが宮内れんげを連れたまま行動し続けたことは確かに警察の一員として問題があった。
普通の役職(ロール)を割り当てられたマスターであれば問題ない行為であっても、警察の制服を着ている以上その人間の行動には普通以上の規範が求められる。
とはいえ本来ならルリとれんげの行動の足跡は警察NPCに露見しないはずだった。
そんなことがあったとしてもせいぜい断片的な情報が上がる程度で、「信憑性に欠ける」の一言とともに切り捨てられ埋もれていくはずだった。
そうはならなかった原因はルリの行動に起因するものではなく、ある不幸な偶然にあった。

ルリがれんげを伴って孤児院に出向いてから少し経った頃、ルリがマークしていた天河食堂で事件が起こった。
言うまでもなくマジカルサファイアと合流した美遊がアキトを陥れるために起こした事件だ。
ただの通り魔程度ならまだしも銃を使った凶悪犯罪となれば事件現場とその付近に多数の警官が動員されるのは自明の理。
そしてある程度時間が経ち、近隣住民の動揺が落ち着いてくれば警察による聞き込みが行われることもまた自明だった。
これにより天河食堂付近で行動していたルリの足跡が警察NPCに拾われることとなり、さらに本来無関係であるはずのアキトを探すルリの行動とアキトが陥れられた事件が一本の線で結ばれてしまった。

さらに悪いことにルリは予選を経験しておらず、その辻褄合わせとして「本選開始と同日に赴任した警視」の役割(ロール)を割り振られた。
つまり日常を過ごすと同時に培われるNPCたちとの交流や絆が存在しないということ。
故に一度でも強く疑われればそれで終わりという脆さも孕んでいた。



  ◆   ◆   ◆




「戻ったぞ、ますたあ」

錯刃大学にある研究室に男の声が一つ。
アサシンのサーヴァント、甲賀弦之介が性技のライダーを仕留め主の下に戻って来ていた。

「ライダーは仕留めた。だが彼奴のますたあの姿が見えぬ。
恐らくあのライダーに見切りをつけ別の英霊と契約を結んだのであろう」

己がサーヴァントの報告を受け、弦之介のマスター、電人HALは即座に裏の空間―――禍津冬木市へとアクセスし情報を精査する。
あの空間を認識し、この研究室の工房を形成した時点で何時でも禍津冬木市の情報を調べられる仕組みを作り上げていたのだ。
その手腕によってHALは禍津冬木市で起きた破壊の痕跡を数秒と経たずに見つけた。
とある巨大な情報圧、霊基の消滅をも。

「いや……そうではないな。
彼のライダーのマスターである魔神皇はサーヴァントの消滅に従ってアークセルに消去されたようだ。
あの空間からの退去ではなく電脳死だ。ログから閲覧できる情報からしてもそれは間違いない。
どのような経過を経てそうなったかまでは確認できない以上推測する他ないが」
「ライダーがこちら側に戻って来ていたこともそうだが、何とも面妖なことだ」
「………そういえば」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板