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バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.04
121
:
宵闇
◆k7RtnnRnf2
:2020/07/03(金) 19:58:00 ID:mqM5Fyzc0
「く、黒雪姫!? レオ、一体何をしたんだ!?」
『僕の方から黒雪姫さんのPCにアクセスして、使用アバターを切り替えさせたんです。以前ニコさんのPCを解析したことがあったので、そのおかげで何とかなりました。
この学内アバターは戦闘に不向きですが、もし彼女が目を覚まさない理由がアバターの損傷にあるのなら、これで目を覚ましてくれるはずです。
…………もっとも、彼女の心のケアはジローさんに任せることになりますが』
レオは冷静に説明してくれるが、その表情は曇っていることが伺える。
それは当然だった。俺達は一度消息不明になり、しかも心身共に傷付いた状態だ。
しかもユイちゃんは攫われて、キリトの居場所だって俺達は知らないし、ここがどこかわからない以上は探しようがない。
何よりも、一番心配なのは黒雪姫だ。レオ達のサポートに期待できず、俺が彼女を支えるしかない。
『ジローさん。今、二人の転送されたエリアの情報を検出しました。
『黒い森』、『牢獄』、『電子』……途切れ途切れですが、今のところ判明しているキーワードは、この三つです。
このまま情報の検出と、ジローさん達の元に行くためのルートも調べますので、それまで無茶な行動は控えてくださいね』
「わかったよ、レオ! ここがどんな場所なのかわからないけど……黒雪姫は任せてくれ!」
レオという希望を前に、俺は全力で叫んだ。
学園にいるみんなを安心させたいという気持ちが生まれた一方、俺の心が再びどんよりと重くなる。この不気味な景色にマッチする程、暗くなりそうだ。
頑張りたい気持ちはあるけど、やっぱり怖くてたまらない。
「それにしても、ずいぶんと高い所だな……ここから落ちたらとても助からないぞ……」
そして、周囲を見渡してみると、俺達は『黒い大樹』の枝に乗っていることが分かった。遥か遠くを見渡すと、地平線にまで黒い大樹の枝や根っ子が伸びており、その先端がとても見えない。
「……樹は一本しかないけど、とんでもなく大きいから『黒い森』なのか? じゃあ、あとの『牢獄』と『電子』って一体……?」
「……うっ……ここは……?」
謎のエリアについて考えていると、呻き声が聞こえてくる。
振り向くと、気を失っていた黒雪姫が体を起こしながら瞼を開けてくれた。
「黒雪姫! よかった、気が付いたんだな!」
「ジローさん、なのか……? ここは一体……? それに私はどうして……」
「ここは、『黒い森』って言うらしいけど、詳しいことはわからない。さっきの戦いでネットスラムが壊れて、いつの間にか俺達はここにいたんだ。
でも、キリトとフォルテは……多分、別の場所に飛ばされたんだと思う。
ユイちゃんは……オーヴァンに連れていかれた……」
俺は頭の中を整理して、黒雪姫に今の状況を話す。
彼女を支えられるのは俺だけだから、できるだけ冷静さを保つ。少しだけだが、こうして話せるほどに落ち着いている。
……ユイちゃんの名前を口にした瞬間、俺と黒雪姫の表情は一気に曇ったけど。
「ユイが、オーヴァンに連れていかれた……!?」
「……ごめん。俺に力がなかったせいで、ユイちゃんを守れなくて……」
それきり、俺は意気消沈する。
ユイちゃんがオーヴァンに傷付けられていく凄惨な場面を忘れることができない。彼女はきっと助けを求めていたはずなのに、俺は何もできなかった。
俺に力さえあれば、ユイちゃんだって取り返せたはずだった。
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