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安価多ジャンルバトルロワイアル
12
:
◆2LRz5hdsTE
:2018/11/01(木) 01:48:40 ID:cNkgOlmo0
◇
「ぐっ……うぅ、ぁあ……!!!」
国会議事堂の階段に、一人の少女がうずくまっていた。
嗚咽を漏らし、抱えきれない感情を絞り切りつつも、少女―――マシュ・キリエライトはその場から崩れ墜ちるような絶望を抱いていた。
何故か。....護れなかったからだ。あの惨劇の中、共に人理復元の旅をしてきた、自らのマスターを。
あの立体映像、ファヴが殺し合いの宣言をした中、マシュの『先輩』はすぐ隣に居たのだ。
唐突に転送され、今迄とは違う首輪による生殺与奪を握られる恐怖の中、お互いの存在を確認できたことにどれほど安堵しただろうか。
きっと、先輩とならいつもと同じようにこの殺し合い、特異点も打開できる―――そう思った直後だった。
マシュにとって唯一の希望は、あっさりと脳漿をまき散らし破壊された。
声すら出なかった。悲鳴すら上げる事が出来なかった。
今迄にも辛すぎる別れは余りにもあったが、今起きていたそれは危機や試練の類ですら無かったのだ。
ファヴはまるで飽きた人形を捨てるように。子供が味のなくなったガムをポイと捨てるように、無頓着に『先輩』の命をスナックのように奪っていったのだ。
マシュの脳内にキャメロットで、ルシュドの母親を護れなかった時の光景がフラッシュバックする。
あの時と同じだ。自分は見ていたのに、何もできなかった。
そして、気が付いた。
今迄自分が、人理復元の為何より立ち向かえていたのは―――マスターが、傍にいたから。
あの人が傍にいてくれたから、喜びも試練も、分かち合う事が出来た。奮い立つことが出来たのだと。
「せんぱ…ぃ、わたし、どうすれば……」
それを無くした今。マシュは、今何をどうすればいいかすら分からない。
人理復元も。この殺し合いのことも。まるで自分を失ったかのような喪失感の中にいた。
もう、どうしようもない、何も戻らない。
わたしじしんには、もうなにもない。だったらいっそ、ここでしんでしまったほうが―――
「暗いな、おみゃーさんは。てか頭、いい香りっすね」
絶望の淵、マシュを引き戻したのは頭頂部に当てられた焼き餃子の匂いと温もりだった。
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