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アニメキャラ・バトルロワイアルV

149 ◆koGa1VV8Rw:2019/06/02(日) 03:42:45 ID:NRf9D8VE0

そして手品の途中、相手の殺し屋が片手を上に挙げる。
なにか力が集中しているように感じるけど、手品の演出かな。
これも攻撃のチャンスだ!
キャプテンキッドにもう一度電撃を放たせる。
でもそれが届く前に殺し屋は、その手をこちらに振り下ろして来た。

「どどん波!」

「えっ……?」

指が眩しいと思った後、そこから左頬をかすめる謎の光線。
後ろ髪が少し千切られて、首筋に落ちる感触。
後ろで何かに当たって爆ぜたのか、後ろからの光がこちらを照らす。

さっきフーゴ君を襲った謎の光線と同じだ。
全く撃つ前準備がわからなかった。
フーゴ君を撃つ場面を見てなかったせいだ。

さっきの恐怖心がぶり返してくる。
あともう少し正確に撃たれていたら、頭に光線が当たっていたはず。
光線を撃ってきた腕は、電撃を受けてないから痺れてない。
つまり、少しだけ狙いがずれたのは手品を強制されているおかげ。
フーゴ君の残した首飾りが無くて相手が万全だったなら……きっと私は殺されてた。
力を手に入れた万能感に浸ってしまっていたんだ。
私バカだった。
フーゴ君の言ったブチャラティさんみたいに信念のため命を懸けるんじゃなくて、
何もわからず命を捨てようとする大バカ。
今まで人と戦ったことなんてない自分が急に強くなれるわけなんてやっぱりないよね。
既にペルソナのような能力を持っていて、
戦い慣れていそうなフーゴ君が諦めた相手に私が勝てるわけがなかった。
むかつくけど、さっき言われたちょっと強くなっただけというのは正しい分析だった。

駄目だ、今は逃げなきゃ。
もっとキャプテンキッドの使い方に慣れて、フーゴ君やその仲間、
他の殺し合いに乗ってない人たちと協力しないと危ない。
私は全力で逃げるように駆け出した。
海賊が生き残るためには略奪を無闇にするだけでなく、
敵わない相手からはとっとと逃げることも大事、
そんな考えが頭の中に入って来るようだった。
きっとこのキャプテンキッドの元の持ち主も、
準備が整うまでは強敵から撤退したりしていたはず。

「キャプテンキッド! 足止めお願い!」

でも、もう怯えるだけで何もできない私じゃない。
キャプテンキッドが、今の自分に可能な限りの早さで電撃を連発する。
流石に全部は当たらないだろうけど、避けるのに集中させて足止めくらいはできるはず。

「ぐっ……ぐう……。くそっ。これでも喰らってみろ!」

掛け声の後に、木が大きく動くような音。
そして次には後ろから何か大きな物が森の中を飛んでくるような音。
一体何? 後ろを振り返ろうとする。


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