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「集合・位相入門」輪読会★2

1Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/14(月) 22:47:23
えと
「集合・位相入門」輪読会
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/
のつづきです。
詳細は>>2以下。

2Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/14(月) 22:50:10
・大学受験生くらいが読んでわかるレスを心がけましょう。
・1レスはなるべく25行以内にしましょう。
・引用にはできる限りレスアンカーをつけましょう。
・「明らか」「自明」「トリビアル」は使わないようにしましょう。
 テキストにこれらの言葉が出てきたら、そこは実は演習問題なのだ
 と解釈しましょう。

3Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/15(火) 00:09:29
>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/998
了解です。

4裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/15(火) 09:57:32
おっけー
前スレの分は納得した


補題3の証明(前スレ>>978)のとこで「選出公理により」ってあるけど
何で「選出公理により」なのかでめちゃくちゃ悩んだ。


先進めていいですか?>臺地、LAR-men、Мечислав(☆9)

5Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/15(火) 10:45:58
>>4
先に進んでください。
でもあなたが>>978でどういう悩みかたしたのかは知りたいですね。
あと、>>977>>978への注文がまだですけど、かまわず進めてください。
順次、反応を書いていきます。

6臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/15(火) 15:28:19
新スレおめ!
>>4
俺はOKです。

7LAR-men </b><font color=#FF0000>(lBLdA0dk)</font><b>:2005/03/15(火) 19:04:00
ドゾー

8Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/15(火) 20:26:52
>>http://jbbs.livedoor.jp/study/bbs/read.cgi?BBS=4125&amp;KEY=1078049875/977
>∀λ∈Λ;minW_λ=x_0であるから、min(∪_[λ∈Λ]W_λ)=x_0

理由をどぞー。

>Wの中でもx=φ(x_*)。

Wの中でってなんですか?

>W_λはW_0と一致するかまたはその切片ゆえ、W_λ<x>=W_0<x>

W_λがW_0の切片と一致するときW_λ<x>=W_0<x>となる理由を。

>実際、∀x∈W_0;x≦aだから
>W_0∪{a}の任意の空でない部分集合は最小元を持つ。よってW_0∪{a}は整列集合で、

なぜ、「∀x∈W_0;x≦a」が「W_0∪{a}の任意の空でない部分集合は最小元を持つ。」
の理由になるのですか?

>よって上と同様にしてW_0∪{a}∈Ψ。

W_0∪{a}が(iii)と(iv)を満たす理由を詳しくおねがい。

9Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/15(火) 20:30:28
すんません>>8の冒頭のレスアンカーがちょとへんです
>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/977
です。

10裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/15(火) 22:57:59
>臺地

補題3の証明(前スレ>>978)の「選出公理により」ってところ、
何で「選出公理により」なのか説明して。

いや、一応。

11Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/16(水) 09:22:14
>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/977(つづき)
W_0∪{φ(a)}が(iv)を満たすのはなぜ?

W_0⊂W_0∪{φ(a)}かつW_0≠W_0∪{φ(a)}である理由も一応。

12Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/16(水) 09:41:40
>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/978
僕は完全に納得です。
裏画像収集家さんの疑問に答えてあげてください。

13名無し研究員さん:2005/03/16(水) 13:20:56
>8
1番目とか5番目とかちょっと考えればわかるだろ。
くだらん質問多すぎてかわいそうだよ

14Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/16(水) 16:53:17
>>13
そういうご意見があるということは承っておきます。

ちょっと考えればわかる質問だってことは同意します。
ただ, 担当者はまったくの初学者なのでこのくらいのことも
きちんと説明できるかってことを確かめてもおきたいのです。

現代数学になれた人間にとってはくだらない質問かもしれませんが,
初学者にとっては, かならずしもそうとは限らないと思って質問しています。

15臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/16(水) 19:18:12
>>8
>「∀λ∈Λ;minW_λ=x_0であるから、min(∪_[λ∈Λ]W_λ)=x_0」 の理由
xを∪_[λ∈Λ]W_λの任意の元とすると、∃λ∈Λ;x∈W_λ。
このλに対して、minW_λ=x_0よりx≧x_0。つまり∀x∈∪_[λ∈Λ]W_λ;x_0≦x
⇔min(∪_[λ∈Λ]W_λ)=x_0

>Wの中でもx=φ(x_*)。
これはWでなくW_0でした。

>W_λがW_0の切片と一致するときW_λ<x>=W_0<x>となる理由
W_λ=W_0<c>とおくと、W_λ<x>=(W_0<c>)<x>=W_0<x>(前スレ912より)

>なぜ、「∀x∈W_0;x≦a」が「W_0∪{a}の任意の空でない部分集合は最小元を持つ。」
>の理由になるのですか?
UをW_0∪{a}の任意の空でない部分集合とする。Uが{a}ならば最小元はa、
Uが{a}以外ならば、U-{a}は空でないW_0の整列部分集合ゆえ、最小元cを持つ。
∀x∈W_0;x≦aなのでc≦a∴c=minU

>W_0∪{a}が(iii)と(iv)を満たす理由
xをW_0∪{a}の任意の元とする。x∈W_0のときは既に両方とも示したので、
x=a=sup(_A)W_0のとき(iii)(iv)が真であることを示せばよい。

(iii):aがW_0∪{a}の中に直前の元a_*をもつとすると、¬(∃x∈W_0∪{a};a_*<x<a)
⇔∀x∈W_0∪{a};x≦a_*∨x≧a⇔∀x∈W_0∪{a};x≦a_*∨x=a
(∵aはW_0∪{a}の上界)。よってxがW_0の元ならx≦a_*が必ず成立。
つまりmaxW_0=a_*<a。これはaがW_0のAにおける最小上界であることに反する。
よってaはW_0∪{a}の中に直前の元をもたない。性質(iii)の仮定が偽なので(iii)は真

(iv):上に書いたとおりaはW_0∪{a}の中に直前の元をもたないから、
a=sup(_A)W<a>を示さなくてはならない。ところが定義よりa=sup(_A)W_0であり、
W_0=W<a>であったから、性質(iv)は成立。

前スレ977で「よって上と同様にしてW_0∪{a}∈Ψ。」と書いたのは不適切でした。

16臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/16(水) 19:53:08
>>10
前スレ563より
>命題(AC)は、くわしくいえば、空でない集合からなる族(A_λ|λ∈Λ)が与えられた
>とき、Λで定義された写像aで、その各元λにおいてとる値a(λ)=a_λがA_λの元である
>ようなものが(少なくとも1つ)存在する、ということを意味する。

Μ(ミュー)をAの部分集合系(M_λ|λ∈Λ)として上に書いたことをあてはめる:
空でない集合からなる族(M_λ|λ∈Λ)に対して、Λで定義された写像aで、その各元λ
においてとる値a(λ)=a_λがM_λの元であるようなものが(少なくとも1つ)存在する。
つまり∃a∈A^Λ;∀λ∈Λ;a(λ)∈M_λ。
Μ=(M_λ|λ∈Λ)であるから、λをM_λに対応させる写像はΛからΜへの全単射。
∴Λ〜Μ
∴∃a∈A^Λ(∀λ∈Λ;a(λ)∈M_λ)⇔∃Φ∈A^Μ(∀M_λ∈Μ;Φ(M_λ)∈M_λ)

17臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/16(水) 20:22:35
>W_0∪{φ(a)}が(iv)を満たす理由
xをW_0∪{φ(a)}の任意の元とする。x∈W_0のときは既に示したので、
x=φ(a)のとき(iv)が真であることを示せばよい。

maxW_0=aに対して、∀x∈W_0;x≦a≦φ(a)より、このもとで
∀x∈W_0∪{φ(a)};x≦a∨x=φ(a)⇔∀x∈W_0∪{φ(a)};x≦a∨x≧φ(a)
⇔¬(∃x∈W_0∪{φ(a)};a<x<φ(a))すなわち、φ(a)はW_0∪{φ(a)}のなかに直前の元a
をもつ。よって、(iv)の仮定は偽だから、性質(iv)は成立する。

>W_0⊂W_0∪{φ(a)}かつW_0≠W_0∪{φ(a)}の理由
φ(a)>a=maxW_0を仮定しているので¬(φ(a)∈W_0)

18臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/16(水) 20:24:22
↑は>>11です。

>>13
まあまあ。明らかそうに見えても意外とわからないこともあると思いますから。

19裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/16(水) 22:47:33
>>16
λをM_λに対応させる写像はΛからΜへの全単射
ってところが間違ってると思う。

20Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/17(木) 05:14:33
>>15
>つまり∀x∈∪_[λ∈Λ]W_λ;x_0≦x
>⇔min(∪_[λ∈Λ]W_λ)=x_0

∀x∈∪_[λ∈Λ]W_λ;x_0≦xで
∀λ∈Λ;minW_λ=x_0よりx_0∈(∩_[λ∈Λ]W_λ)⊂(∪_[λ∈Λ]W_λ)だから
min(∪_[λ∈Λ]W_λ)=x_0ね。

>これはWでなくW_0でした。

「φの定義域をW_0に制限すれば」ってことね。

>W_λ=W_0<c>とおくと、W_λ<x>=(W_0<c>)<x>=W_0<x>(前スレ912より)

W_λ=W_0<c>とおくと、x∈W_λ=W_0<c>ならx<cだからですね。

21Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/17(木) 05:16:19
>>15(その2)
>>なぜ、「∀x∈W_0;x≦a」が「W_0∪{a}の任意の空でない部分集合は最小元を持つ。」
>>の理由になるのですか?
>UをW_0∪{a}の任意の空でない部分集合とする。Uが{a}ならば最小元はa、
>Uが{a}以外ならば、U-{a}は空でないW_0の整列部分集合ゆえ、最小元cを持つ。
>∀x∈W_0;x≦aなのでc≦a∴c=minU

>UをW_0∪{a}の任意の空でない部分集合とする。Uが{a}ならば最小元はa、
>Uが{a}以外ならば、U-{a}は空でないW_0の整列部分集合ゆえ、最小元cを持つ。
だけで「W_0∪{a}の任意の空でない部分集合は最小元を持つ。」がいえてませんか?
あと「U-{a}は空でないW_0の整列部分集合」は
y∈U-{a}ならy∈U∧¬(y∈{a})でU⊂(W_0∪{a})∩{a}^c=W_0∩{a}^c⊂W_0,
即ちUが空でないW_0の部分集合であることと, 整列集合の部分集合は整列集合(>>905)
となることによるわけですね。

>¬(∃x∈W_0∪{a};a_*<x<a)
>⇔∀x∈W_0∪{a};x≦a_*∨x≧a

W_0は整列集合だから全順序集合, 任意のW_0の元xとW_0の上限aはx≦aと比較可能なので
W_0∪{a}も全順序集合。だから
>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1097576246/8
が使えるって寸法ね。

22Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/17(木) 05:17:03
>>15(その3)
>maxW_0=a_*

a_*はaの直前の元なのでa_*≠aだからa_*∈(W_0∪{a})∩{a}^c⊂W_0, 即ちa_*∈W_0ってのも
maxW_0=a_*の理由のひとつですね.

>(iv):

ここでのWはW_0∪{a}のことですね。で、今度は帰結が真だから命題も真と。

23Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/17(木) 05:17:22
>>17
>>W_0∪{φ(a)}が(iv)を満たす理由

はい。おk。W_0は整列集合だから全順序集合, 任意のW_0の元xとW_0の上限aには
x≦aなる関係があり, 補題2の仮定によってa≦φ(a), 推移律よりx≦φ(a).
即ちxとφ(a)は比較可能なのでW_0∪{φ(a)}も全順序.だから,
>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1097576246/8
が使えるってこってすね。

>>W_0⊂W_0∪{φ(a)}かつW_0≠W_0∪{φ(a)}の理由

はい。

24臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/19(土) 00:06:18
>>19
やりなおし
Μ(ミュー)をAの任意の空でない部分集合系(M_λ)_λ∈Λとする。
選出公理により∀M_λ∈Μ;M_λ≠φ⇒Π_[λ∈Λ]M_λ≠φ
つまりAの元の族(a_λ)_λ∈Λが存在して各a_λがM_λの元となっている。
各M_λ∈Μに対してこのようなa_λ∈M_λをただ一つ対応させることができる。
よってこの対応を写像Φとおけば∀M_λ∈Μ;Φ(M_λ)∈M_λ
すなわち、∃Φ∈A^Μ(∀M_λ∈Μ;Φ(M_λ)∈M_λ)。

25臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/19(土) 00:09:19
集合系と集合族は本書では区別されてますがここでは同一視してます。

26臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/19(土) 11:03:09
>>20
すべてのコメント、その通りです

>>21
>だけで「W_0∪{a}の任意の空でない部分集合は最小元を持つ。」がいえてませんか?
aがU-{a}の最小値cよりも小さいと困るので
>∀x∈W_0;x≦aなので
を入れました。

>即ちUが空でないW_0の部分集合であることと,&nbsp;整列集合の部分集合は整列集合(>>905)
>となることによるわけですね。
この段階ではa∈W_0は示してないのでそのUはU-{a}ですね

残りのコメント(>>22,23も含む)、相違ありません。

27裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:28:42
>>24
おっけ
じゃ次行きます

28裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:41:33
C) Zornの補題の変形

<定義(有限的な性質)>
集合Xの部分集合に関する性質Cが次の条件(*)を満たすとき、
Cを「有限的な性質(有限的な条件)」と言う。
 (*) Xの部分集合Yが性質Cをもつ ⇔ Yのすべての有限部分集合が性質Cをもつ

※疑問
あるY⊂Xについて(*)が成り立つが別のY'⊂Xについて(*)が成り立たないとき
Cは有限的な性質と言うのか?

29裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:41:53
<定理6> 
定理5(Zornの補題)は次の命題(a)-(d)のいずれとも同等である。

(a) Cを集合Xの部分集合に関する有限的な条件とし、
 Cを満たすようなY⊂Xが少なくとも1つ存在するとする。
 そのときCを満たすXの(包含関係の意味で)極大な部分集合が存在する。(Tukey)

(b) 任意の順序集合は(包含関係の意味で)極大な全順序部分集合を持つ。(Kuratowski)

(c) 順序集合Aにおいて、その任意の空でない全順序部分集合が上に有界ならばAは極大元を持つ。

(d) Мを集合系とし、その(⊂に関する)任意の全順序部分集合Нに対して、
 Нのすべての元を部分集合として含むМの元が存在するとする。
 そのときМの中には極大な集合が存在する。

30裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:43:22
[定理5⇒(a)の証明]
М={Y⊂X | Yは性質Cを満たす} とする。
НをМの任意の全順序部分集合とする。
∪Н=∪_{N∈Н}N (集合系の和集合:第1章§2-F参照)を考えたとき
その任意の有限部分集合N'={x_i | i=1, 2, …, r}(r∈N)について
N'⊂(∪Н)より 
(∀i)(∃N_i∈Н)(x_i∈N_i)。
Нは(包含関係における)全順序集合なので
N_0=max{N_i | i=1, 2, …, r} が存在する。
このとき
(∀i)(N_i⊂N_0)
より
(∀i)(x_i∈N_0)。
∴N'⊂N_0。
N_0はCを満たすから性質Cの有限性によってN'もCを満たす。
任意の有限部分集合N'が性質Cを満たすので、∪НもCを満たす。
∴∪Н∈М。
すなわちНはМの中に上限∪Нを持つ。

以上よりМの任意の全順序部分集合Нが上限を持つことがわかった。
すなわちМは(順序⊂の意味で)帰納的な順序集合である。
定理5によってそれは極大元を持つ。//

※定理5(Zornの補題)
帰納的な順序集合は少なくとも1つ極大元を持つ。

31裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:43:39
[(a)⇒(b)の証明]
(a) Cを集合Xの部分集合に関する有限的な条件とし、
 Cを満たすようなY⊂Xが少なくとも1つ存在するとする。
 そのときCを満たすXの(包含関係の意味で)極大な部分集合が存在する。(Tukey)
を仮定する。
いま、性質C_0: 「順序集合Xの部分集合が全順序集合である」 を考える。
「全順序集合である」とはすなわち「任意の2元が比較可能である」ということなので
Xの部分集合YがC_0を満たすこととYの有限部分集合がC_0を満たすことは同値である。
ゆえに性質C_0は有限的である。
また、Xから適当に選んだ元の一つをx_0とすれば、Xの部分集合{x_0}は性質C_0を満たす。

以上よりC_0は(a)のCとしての条件をすべて満たしているから(a)をC_0に適用できる。
これよりただちに
(b) 任意の順序集合は(包含関係の意味で)極大な全順序部分集合を持つ。(Kuratowski)
が得られる。//

32裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:43:59
[(b)⇒(c)の証明]
(b) 任意の順序集合は(包含関係の意味で)極大な全順序部分集合を持つ。(Kuratowski)
を仮定する。
順序集合Aにおいて、その任意の空でない全順序部分集合が上に有界であるならば
(b)によって存在するAの極大全順序部分集合の1つBも上に有界である。
その上界の1つをbとする。
このbはAの極大元となる。
実際もしb<b'なるb'∈Aが存在したとすれば、
(bがBの上界であることから)任意のBの元b_0についてb_0<b<b'となる。
このとき(B∪{b'})⊂Aも全順序集合となるがそれはBの極大性に反する。

以上より
(c) 順序集合Aにおいて、その任意の空でない全順序部分集合が上に有界ならばAは極大元を持つ。
が得られる。//

33裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:44:25
[(c)⇒(d)]
(d)の仮定「Мを集合系とし、その(⊂に関する)任意の全順序部分集合Нに対して、
 Нのすべての元を部分集合として含むМの元が存在するとする。」
は(c)の「集合A」を「集合系М」に置き換えた文章そのままである。
よって順序集合(М,⊂)を(c)に適用すればただちに
(d) Мを集合系とし、その(⊂に関する)任意の全順序部分集合Нに対して、
 Нのすべての元を部分集合として含むМの元が存在するとする。
 そのときМの中には極大な集合が存在する。
が得られる。//

34裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/19(土) 12:45:45
疲れたんで後半はまた後日
ここまでチェックおながいしまつ

35Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/20(日) 03:23:13
>>28
集合Xの部分集合に関する性質Cが有限的な性質であることの定義は
{Y∈2^X|Yが性質Cを持つ}={Y∈2^X|∀Z∈2^Y(Zが有限集合⇒Zは性質Cを持つ}
と言い換えられるので,
{Y∈2^X|Yが性質Cを持つ}=A,
{Y∈2^X|∀Z∈2^Y(Zが有限集合⇒Zは性質Cを持つ}=Bとおくと
「あるY⊂Xについて(*)が成り立つが別のY'⊂Xについて(*)が成り立たないとき」
というのはA=B≠2^Xってことですから, Cは有限的な性質では?

えと、例を挙げよってのを演習スレに投下しときましょう。

36Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/20(日) 10:18:34
>>29
(a)のステートメントは
「Cを集合Xの部分集合に関する有限的な条件とし、
Cを満たすようなY⊂Xが少なくとも1つ存在するとする。
そのとき性質Cを満たす2^Xの元全体の集合をAとする。
Aに包含関係で順序を入れたとき、Aは極大元をもつ。」

ですね。念のため。

37Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/20(日) 10:23:05
>>30
了解です。

38裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/21(月) 01:42:31
[(c)⇒定理5の証明]
(c) 順序集合Aにおいて、その任意の空でない全順序部分集合が上に有界ならばAは極大元を持つ。
を仮定する。
いまAを帰納的な集合とすれば
定義よりAの任意の空でない全部分集合がAの中に上限を有するので
すなわち(c)の仮定を満たす。
これよりAは極大元を持つことになる。

以上より
定理5 帰納的な順序集合は少なくとも1つ極大元を持つ。
が示された。//

[(d)⇒(a)の証明]
(d) Мを集合系とし、その(⊂に関する)任意の全順序部分集合Нに対して、
 Нのすべての元を部分集合として含むМの元が存在するとする。
 そのときМの中には極大な集合が存在する。
を仮定する。
上の[定理5⇒(a)の証明]で、∪НはНのすべての元を含むМの元となっているから、証明は実質これと同じ。

これよりただちに(a)が得られる。//

39裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/21(月) 01:42:47
※注意 定理6の命題(c)は定理5にもっとも近い形をしているが
その仮定の部分は"Aが帰納的である"という仮定よりも弱い形である。
したがってこちらのほうが定理5よりも"いっそうよい"命題だと言える。
通常Zornの補題と呼ばれるのは命題(c)のほうである。
また通常帰納的な順序集合と呼ばれるのも(c)の仮定を満足するような順序集合である。
このテキストで扱っている帰納的順序集合は"強い意味の帰納的順序集合"と呼ぶこともある。

なおAが帰納的順序集合ならば
任意のx_0∈AについてAの部分集合 A'={x|x∈A, x_0≦x}も明らかに帰納的である。
よって定理5は次のように一般化することができる。

40裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/21(月) 01:44:13
<定理5’> Aを帰納的な順序集合、x_0をAの1つの元とすれば
Aの極大元xでしかもx≧x_0であるものが存在する。

<定理6(a)’> Cを集合Xの部分集合に関する有限的な条件とし、Y_0⊂XはCを満たすとする。
そのときCを満たすXの極大な部分集合でしかもY_0を含むものが存在する。


※この2つの定理はイメージ的には
帰納的順序集合を枝分かれ図で書いたとき
枝分かれしてる各方向に1つずつ極大元があるという状態。
たとえばXの字型の帰納的順序集合ならば2つの極大元があることになる。

41Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/21(月) 06:05:23
>>31
はい了解。

42Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/21(月) 06:14:03

(b)のステートメントは
「(X, ≦)を順序集合とすると順序集合(2^X, ⊂)は
(X, ≦)の全順序部分集合であり(2^X, ⊂)の極大元
であるような集合Aをもつ」
ですね。順序構造が二つでてきてややこしいけど。

43Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/21(月) 06:23:42
>>32
(b)を仮定したのなら二つの順序が登場するから
「上に有界」も「極大」もどちらの順序での話なのかが
はっきりする書き方をしてほしかったです。
まあ、文脈からわかるけどね。

我々はテキストの行間を読まなくてはいけないけど、
このスレには、なるべく読者(ROMさん)に行間を読むことを
強いることのないような書き方を心がけませんか。

44Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/21(月) 06:49:19
>>33
>(c)の「集合A」を「集合系М」に置き換えた文章そのままである

順序集合(M, ⊂)において、その任意の空でない全順序部分集合Hが、
Hのすべての元を部分集合として含むMの元Kが存在するなら
KはHの上界ってわけですね。

45Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/21(月) 07:21:48
>>38
前半ok。

後半を詳しく書けってのを演習スレにのっけましょう。

>>39
おk

>>40
定理5’から定理6(a)を導けってのを演習スレにのっけましょう。

46Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/21(月) 07:49:53
>裏画像氏
レスごとにステートメントを書き直してくれて
読むとき非常に助かりました。
いちいちスクロールしなくてすむ。

47臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/21(月) 11:31:18
>>28
>あるY⊂Xについて(*)が成り立つが別のY'⊂Xについて(*)が成り立たないとき
>Cは有限的な性質と言うのか?

言わないと思います。以下理由
その一:定義におけるXの存在意義
性質Cが有限的であるとは、>>28では
>(*)Xの部分集合Yが性質Cをもつ ⇔ Yのすべての有限部分集合が性質Cをもつ
を満足することと定義されています。もしYで(*)が成り立つがY'で成り立たないのなら、
YはXの部分集合という条件に意味はなくなると思います。
CというのはXの部分集合Y(→変数)についての命題ですが、(*)はX(→任意固定)に
についての命題だと思います。

その二:証明における有限性の利用
裏画像氏は>>30において
>∴N'⊂N_0。N_0はCを満たすから性質Cの有限性によってN'もCを満たす。
>任意の有限部分集合N'が性質Cを満たすので、∪НもCを満たす。∴∪Н∈М。
を述べていますが、この二つで(*)が∀Yの意味で利用されていると思います。
(*)が∃Yの意味なら、この二つは言えないのではないでしょうか。

その三:反例の存在
Cを「その集合の中に上限を持つ」という実数の集合Rの部分集合について
の性質とします。これは有限的性質でしょうか?(*)が∃Yの意味でだとすると、
たとえば閉区間[0,1]は上限1を持ち、その有限部分集合がRの中に上限を当然持つので、
(*)を満たすY=[0,1]が存在します。よって∃Yの意味でCは有限的性質です。
それなら定理6(a)>>29によれば、Cを満たすRの(包含関係の意味で)極大な部分集合が
存在することになります。が、それは存在しません(証明できないですけど。直感的に)
なので構成上(*)は∀Yの意味でなくてはなりません。

ついでに、もしCが「有界ならばその集合の中に上限を持つ」だったとします。これは
∀Yの意味で(*)は成立しています。定理6(a)によれば極大元が存在しなくてはなりません
が、R全体がCを満たす(仮定が偽なので)以上、それが極大元です。

48臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/21(月) 11:40:51
>>30
>М={Y⊂X | Yは性質Cを満たす} とする。
いままではМ={Y∈2^X | Yは性質Cを満たす} のように、|の前には元として含まれる
集合を書いていたのしか見たことがないのですが、このような表現はよく使われるもの
なのでしょうか?

あと、Μが空でないことを明記すべきではないですか?

>>31,32,33
納得です。

49臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/21(月) 11:41:09
「Xが性質Cを満たす」ということを記号で簡潔に表す表現はないのでしょうか?

50臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/21(月) 18:10:28
>>47のその一は自分で読み返してみても意味不明なのでなかったことにしてください。
たいした意味ではないです・・・。

>>28の疑問の趣旨なんですが。
命題①:Xの部分集合YはCを満たす
命題②:Xの部分集合Yの、任意の有限部分集合はCを満たす
①の真偽と、②の真偽が、あるXの部分集合Yにおいては一致するが、
別のあるXの部分集合Y'においては一致しない場合は、Cを有限的性質と言うのか否か?

でよろしいですか?それとも別のことが言いたかったのでしょうか?
後者の場合でしたら>>47は無視してください。

51裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/21(月) 21:07:52
>>35
その場合A=Bにならない気がする。
>>47が正しいと思う

>>36 >>42
その通り

>>43
以後気をつけます

>>44
その通り
※МとНはそれぞれロシア語のエムとエヌなのでお間違いないよう。

>>48
言われてみれば {Y⊂X|・・・} はあまり見ないかも
Мが空でないこと言うべきだった。すまん

>>49
論理学とかだとPを変項xに関する命題としたとき
xについて命題Pが成り立つことをP(x)って書いたりするな
それを真似すればC(X)って書ける。

>>50
そういうことです

52臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/21(月) 21:31:58
>>38‐40
納得です。
次項どうしましょ

53Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/22(火) 06:59:01
>>51
うん。ごめん。>>35はおかしいね。

集合Xの部分集合に関する性質Cが次の条件(*)を満たすとき、
Cを「有限的な性質(有限的な条件)」と言う。
 (*) Xの部分集合Yが性質Cをもつ ⇔ Yのすべての有限部分集合が性質Cをもつ

だから(*)はCに関する命題ですね。

D(C)={Z∈2^X|ZはCを満たす}とおくとCが(*)を満たすとは
D(C)∈{D(C)∈2^(2^X)|{Y∈2^X|Y∈D(C)}={Y∈2^X|ZがYの有限部分集合⇒Z∈D(C)}}
ってことですね。
(*)を満たしたり満たさなかったりするのはCであって
2^Xの元が(*)を満たすとか満たさないっていうのは、そもそもヘンなのでは?
で、改めまして
「あるY⊂Xについて(*)が成り立つが別のY'⊂Xについて(*)が成り立たないとき」
というのを
「Y∈D(C)⇔(ZがYの有限部分集合⇒Z∈D(C))
ではあるが
¬(Y'∈D(C)⇔(ZがY'の有限部分集合⇒Z∈D(C)))
のとき」
と解釈するなら、このときはもちろん
{Y∈2^X|Y∈D(C)}≠{Y∈2^X|ZがYの有限部分集合⇒Z∈D(C)}
だから
¬(D(C)∈{D(C)∈2^(2^X)|{Y∈2^X|Y∈D(C)}={Y∈2^X|ZがYの有限部分集合⇒Z∈D(C)}})
即ちCは(*)をみたしませんが。

54裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/22(火) 13:27:13
>>52
他の参加者の反応待ちか?

>>53
>だから(*)はCに関する命題ですね。
言われてみればその通りだ。漏れはそこで躓いてた

55裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/27(日) 23:46:22
susumenaino?

56たま:2005/03/28(月) 16:04:14
ROMだったんですけど、新規参入してもいいですか?
とりあえず、第3章の§3まで終わったつもりでいます。

57Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/28(月) 16:10:36
>>56
歓迎!!
ではD)を担当願えますか?

えとAMの友達のかた?

58たま:2005/03/28(月) 23:09:31
>>57
>えとAMの友達のかた?
うはwかなりネタが上がってますね。そうです。

じゃあ、D)やらしてもらいます。
輪講はじめてなんで、至らないとこもあるかもしれませんが、よろしくお願いします。

59臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/28(月) 23:30:47
>たま氏
うお、よろしくです〜
たしかAM氏の掲示板の問題でフェルマーの最終定理使った方ですね?

60たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/29(火) 00:11:06
トリップつけてみる

>臺地氏
うわwよく覚えてますね。ご察しの通りです。
こちらこそよろしくです。

61裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/29(火) 01:15:44
またすごい人来てるっぽいね よろしく

62Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/29(火) 01:45:20
>>60
えーっと。ひょっとしたら、HNの由来は福笑師匠のお弟子さんからとったんですか?
あなたと同窓の。関係なかったらごめん。

63a:2005/03/29(火) 15:58:31
>>62 【a】
<trackback url=a>a

64Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/29(火) 17:35:39
>>63


65たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/29(火) 23:09:53
>>61
よろしくです。全然すごい人じゃない恐れがありますが。

>>62
残念ながら、福笑師匠のお弟子さんとは関係ないです。
由来はかなり適当なんで黙秘しますw

とりあえず、今日は整列定理の証明だけ書くことにします。
疲れたんで、残りはまた明日か明後日にでも。

66たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/29(火) 23:11:43
D)整列定理
Zornの補題を用いて、Zermeloの整列定理が証明される。

定理7(Zermeloの整列定理)
Aを任意の集合とするとき、Aに適当な順序≦を定義して、
(A,≦)を整列集合とすることができる。

証明
Aの各部分集合の上には、一般に、幾通りもの順序関係が定義される。
そこで、Aの部分集合WとW上で定義された順序関係Oとの組、すなわち、
順序集合(W,O)を考え、このような組のうち整列集合になっているものの全体を
Mとする。
Aのただ一つの元aからなる集合{a}には一意的な順序Oが定義されるが、
この({a},O)はもちろん整列集合であるので、Mは空でない。
次に、Mの2元(W,O),(W',O')に対し、両者が一致する(すなわち、W=W'、O=O'である)、
または、(W,O)が(W',O')の切片となっているとき
(W,O)ρ(W',O')
として、関係ρを定義する。
このように定義されたρはMにおける順序となる。――(注1)
ここで、Mは順序ρについて帰納的な順序集合となることを示す。
Nを(ρに関する)Mの任意の全順序部分集合とすると、集合族Nは
A)の補題1(>>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/940)の仮定を満たす。
実際、NはMの部分集合なのでNの元はすべて整列集合である。
また、Nは全順序なので(W,O),(W',O')∈N,とすると
(W,O)ρ(W',O')または(W',O')ρ(W,O)のいずれかが成り立つ。
ゆえに、(W,O),(W',O')をNの異なる2元とすると、ρの定義より
(W,O),(W',O')のいずれか一方が他方の切片となっていることが分かる。

67たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/29(火) 23:12:13
従って、A)の補題1より、Nの元(W,O)の台集合全部の和集合∪{W|(W,O)∈N}=W^*には、
次のような性質をもつ順序O^*が定義できる:
(1)(W,O)は整列集合である。(従って、(W^*,O^*)∈M)
(2)Nの各元(W,O)は(W^*,O^*)と一致するか、またはその切片となる。(従って、(W,O)ρ(W^*,O^*))
この(W^*,O^*)がMにおけるNの上限となることは明らかである。――(注2)
従って、(M,ρ)は帰納的となる。ゆえに、Zornの補題より、(M,ρ)には極大元(W_0,O_0)が存在する。
このとき、W_0=Aでなければならないことが次のように示される。
もし、W_0≠Aならば、A-W_0≠φなので、A-W_0から1つの元aをとって、W_0∪{a}=W_1とし、
aを最後の元としてW_0の順序O_0を拡張する。(すなわち、W_0上ではO_1はO_0そのままとして、
∀x∈W_1に対してxO_1aとする。)そうすれば、明らかに(W_1,O_1)∈Mで、
(W_0,O_0)は(W_1,O_1)の切片となる。すなわち、(W_1,O_1)は順序ρの意味で
(W_0,O_0)よりも大きいMの元となる。これは(W_0,O_0)の極大性に反する。
よって、W=Aでなければならない。そこでO_0を≦と書くことにすれば、
≦はAにおける順序で、(A,≦)は整列集合となる。 //

68たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/29(火) 23:13:52
(注1)
反射率
(W,O)=(W,O)より、(W,O)ρ(W,O)
反対称律
(W,O)ρ(W',O')、(W',O')ρ(W,O)とすると、
(W,O)ρ(W',O')よりW⊂W'、(W',O')ρ(W,O)よりW'⊂Wなので、W=W'
よって、(W,O)が(W',O')の切片となることはない。
したがって、(W,O)ρ(W',O')より、(W,O)=(W',O')
推移律
(W,O)ρ(W',O')、(W',O')ρ(W",O")とすると
∃a∈W,(W,O)=(W',O')<a> かつ ∃b∈W',(W',O')=(W",O")<b>より
(W,O)=(W',O')<a>=((W",O")<b>)<a>=(W",O")<b>となり
(W,O)ρ(W",O")

(注2)
(W^*,O^*)がMにおけるNの上限となることを示す。
性質(1),(2)より(W^*,O^*)はMにおけるNの上界である。
(W^#,O^#)をNの一つの上界とすると∀(W,O)∈N,(W,O)ρ(W^#,O^#)
ゆえに、∀(W,O)∈N,W⊂W^#となるので∪W=W^*⊂W^#
あとは、W^*上で(W^*,O^*)と(W^#,O^#)の順序が一致することを示せばよい。
a,b∈W^*、aO^*bとすると、∃(W,O)∈N a,b∈WかつaOb であり、
しかも(W,O)ρ(W^#,O^#)であるので、aO^#bである。
よって、W^*上で(W^*,O^*)と(W^#,O^#)の順序が一致する。
以上より、(W^*,O^*)はMにおけるNの上限となる。

69たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/29(火) 23:19:20
なんか、テキストの文章とあんまり変わらない感じになっちゃったけど、まぁいっか。
質問、苦情などあれば、ばしばしお願いします。

70Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/30(水) 05:11:56
>>66
Nは集合族ではなく集合族の像、あるいはMの部分集合系とでも言っておいたほうが
正確でありましょう。このテキストでは集合族と集合系は区別するそうですから。
(cf. http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/125,
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/551)

>>67
>(1)(W,O)は整列集合である。
(1)(W^*,O^*)は整列集合である。
ですかね。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/940の(2), (3), (4)
からいえることですね。

>(2)Nの各元(W,O)は(W^*,O^*)と一致するか、またはその切片となる。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/940の(5)からですね。

>>68
>推移律
>(W,O)ρ(W',O')、(W',O')ρ(W",O")とすると
>∃a∈W,(W,O)=(W',O')<a> かつ ∃b∈W',(W',O')=(W",O")<b>より
えと, 例えばW=W'<a>となるならaはWではなくW'の元では?
(cf.http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/908)

あとはおkです。初担当、乙ですた。今後ともよろしく。

71たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 10:43:05
>Nは集合族ではなく集合族の像、あるいはMの部分集合系とでも言っておいたほうが
>正確でありましょう。このテキストでは集合族と集合系は区別するそうですから。
確かに。
添数づけられた元の族のうち、元が集合となっているようなものが集合族で、
ただ単に集合を元とするような集合が集合系でおkですよね?
ここでは、後者にあたるから、NはMの部分集合系と呼ぶのがよさそうですね。
敢えて集合族という言葉を使うなら、集合族は添数に集合を対応させる写像と考えられるから、
集合系は集合族の像と呼んでもよい。って感じですかね?

>(1)(W^*,O^*)は整列集合である。ですかね。
そうです。打ち間違えた模様。

>えと, 例えばW=W'<a>となるならaはWではなくW'の元では?
あう、ほんとですね。

72たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 10:44:44
見直したら、推移律の部分で他にもおかしな部分がいくつかあったので書き直し。

推移率
(W,O)ρ(W',O')、(W',O')ρ(W",O")とする。
(W,O)=(W',O')または(W',O')=(W",O")が成り立つ場合は明らかなので省略。
(W,O)が(W',O')の切片になる、かつ、(W',O')が(W",O")の切片になる場合、
∃a∈W',(W,O)=(W',O')<a>、かつ、∃b∈W",(W',O')=(W",O")<b>
(W,O)=(W',O')<a>=((W",O")<b>)<a>=(W",O")<a>となり
(W,O)ρ(W",O")

2行目に抜けてた部分追加。
あと、下から2行目を
(W,O)=(W',O')<a>=((W",O")<b>)<a>=(W",O")<b>って書いてたけど、
(W,O)=(W',O')<a>=((W",O")<b>)<a>=(W",O")<a>が正しいかったです。

73たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 10:49:51
あと、>>70みたいなリファレンスを随所に入れたほうが分かりやすそうですね。
今後、できる限り(探すのがめんどくさくならない限り)入れるようにします。たぶん。

74Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/30(水) 10:50:39
>>72
はい。了解です。えと☆1ですね。(知らないかな)

75たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 11:08:19
ぉ(σ・∀・)σ

76たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 16:28:10
選出公理⇒Zornの補題⇒整列定理
と証明してきたわけですが、
最後に、整列定理から選出公理を導くことにより、
この3つの命題が同値であることを確認します。

が、その前に証明の準備として選出公理の復習を少しします。
選出公理とは
   ∀λ∈Λ(A_λ≠φ) ⇒ Π[λ∈Λ]A_λ≠φ
というものでした。
(cf.http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/560-566)
これは、空でない集合からなる族(A_λ|λ∈Λ)が与えられたとき、
各A_λから同時に1つの元a_λを選び出せることを主張するものです。
ここで、各A_λは∪[λ∈Λ]A_λの部分集合と考えられるから、
この公理は次の命題Aと同値であることが分かります。

命題A
”任意の集合Aの空でないすべての部分集合の全体Nをとするとき、
任意のM∈Nに対してΦ(M)∈MとなるようなNで定義された写像Φが存在する”

念のため同値であることを証明します。
証明しやすいように上の命題を命題Aと呼ぶことにしました。

77たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 16:28:54
[選出公理⇒命題A]
 集合族(M|M∈N)を考えると、Nの定義より∀M∈N(M≠φ)が成り立つので
 選出公理より、Π[M∈N]M≠φ
 ゆえにΠ[M∈N]Mの一つの元をΦとすると
 任意のM∈Nに対してΦ(M)∈M  //
 (cf.直積の定義http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/556)

[命題A⇒選出公理]
 ∀λ∈Λ(A_λ≠φ)であるとする。
 ∪[λ∈Λ]A_λを考えて、その空でない部分集合の全体Nとすると、
 命題Aより、
 任意のM∈Nに対してΦ(M)∈MとなるようなNで定義された写像Φが存在する。
 ここで、∀λ∈Λ(A_λ≠φ)、かつ、∀λ∈Λ(A_λ⊂∪[λ∈Λ]A_λ)なので
 ∀λ∈Λ(A_λ∈N)である。
 従って、∀λ∈Λ(Φ(A_λ)∈A_λ)が成り立つ。
 λにA_λを対応させるような写像をf:Λ→Nとすれば
 ∀λ∈Λ(Φf(λ)∈A_λ)  (ΦfはΦとfの写像の合成)
 よって、Φf∈Π[λ∈Λ]A_λとなるので、
 Π[λ∈Λ]A_λ≠φ  //

78たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 16:29:50
選出公理⇔命題Aが分かったので、整列定理⇒選出公理を証明するためには
整列定理⇒命題Aを証明すれば十分です。で、証明に移ります。

[整列定理⇒選出公理の証明]
 Aを任意の集合とすると、整列定理より
 Aに適当な順序≦を定義して(A,≦)を整列集合とすることができる。
 そこで、Aの空でない各部分集合Mに対し
     Φ(M) = minM
 とおけば、minM∈Mなので、
 このΦは所要の性質を満足する。  //

これは、各部分集合からどれを選び出すかを「いっせい」に指定することにより、
具体的にΦを構成できる、という風に考えればいいと思います。


以上より、選出公理、Zornの補題、整列定理はすべて互いに同値であることが
わかりました。

79たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 16:33:37
いったん休憩。定理8は今日の夜か明日にでもやります。
打つの結構疲れる('A`)

80臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/03/30(水) 17:16:04
たま氏乙(まだあるけど)
俺はまだ斜め読みしている段階です

81たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 22:13:04
再開。

さて、最後に、整列定理および整列集合の比較定理を用いれば、
濃度の比較可能定理(テキストではP.69の末尾の注意参照)が容易に導かれることを示します。
(スレではhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/766)

定理8(濃度の比較定理)
 任意の2つの濃度は比較可能である。
 すなわち、m,nを任意の濃度とすれば、m≦nまたはn≦mのいずれかが成り立つ

証明
 A,BをそれぞれcardA=m,cardB=nであるような集合とする。
 整列定理(>>66)によって、A,Bにそれぞれ適当な順序≦_A,≦_Bを導入して、
 (A,≦_A),(B,≦_B)を整列集合とすることができる。
 さらに、整列集合の比較定理(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/929)より
 次の2つ場合のいずれか片方が必ず成り立つ。
  (1)(A,≦_A)が(B,≦_B)またはその切片と順序同型になる。
  (2)(B,≦_B)が(A,≦_A)またはその切片と順序同型になる。
 (1)の場合、AがBと対等になるか、もしくは、Bのある部分集合
 (この場合、特に(B,≦_B)のある切片)と対等になるので、
 m≦nが成り立つ。
 (2)の場合、BがAと対等になるか、もしくは、Aのある部分集合
 (この場合、特に(A,≦_A)のある切片)と対等になるので、
 n≦mが成り立つ。  //

82たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/30(水) 22:16:45
とりあえず、担当した分全部終了です。
質問、つっこみ、罵詈雑言などあればなんでもどぞー

83裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/03/30(水) 23:56:39
>たま
詳しい解説ご苦労様。漏れは特に疑問なし。

84Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/31(木) 08:43:05
>>76
了解

>>77
了解

>>78
>これは、各部分集合からどれを選び出すかを「いっせい」に指定することにより、
>具体的にΦを構成できる、という風に考えればいいと思います。
逆では?各部分集合に対してその最小元を指定する具体的な指定のしかたにより
各部分集合から、そこに属する元を「いっせいに」選び出せる、すなわち選択関数を
具体的に構成できるっていう話ですね。

85Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/31(木) 09:15:58
>>81
おk。
これ驚きますね。ベルンシュタインの定理が、整列定理によって
こんなにカンタンに示せるなんて。

なお、個人的には選出定理のことは、選択公理って言ったほうがなじみがある
と、前に言いましたが、整列定理ってのも、僕は整列可能定理という名で
教わりました。

86たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/31(木) 21:23:11
>>83
ぉ、疑問なしキタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!

>>85
>逆では?各部分集合に対してその最小元を指定する具体的な指定のしかたにより
>各部分集合から、そこに属する元を「いっせいに」選び出せる、すなわち選択関数を
>具体的に構成できるっていう話ですね。
あぅ、改めて自分の文章を見ると逆の説明に見えますね。
逆のつもりで書いたんじゃなかったんですが、うまく言葉にできなくてorz

濃度の比較定理が証明できただけでは、ベルンシュタインの定理が証明できたことにはならないんじゃないですか?
むしろ、ベルンシュタインの定理があるからこそ濃度の比較定理が言えるのでは?

87たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/31(木) 21:26:41
あぅ、アンカー微妙にミスった。ま、いっか。

88Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/31(木) 22:14:47
>>86
あ、失礼。比較定理とベルンシュタインをごっちゃにしてました。

>むしろ、ベルンシュタインの定理があるからこそ濃度の比較定理が言えるのでは?

ベルンシュタインがいえたら比較定理が言えるっていう意味じゃないですよね。
えと、どういう意味でしょう。

89たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/03/31(木) 22:51:25
>>88
えーっと、定理8を示したときに、ちょっと疑問に思ったことがあって、
(A,≦_A)が整列集合になるような≦_Aの選び方ってのは一つと決まったわけではないですよね。
だから、ある≦_Aを選んだときに、(A,≦_A)が(B,≦_B)のある切片と順序同型になって、
別の≦_A'を選んだときに、(B,≦_B)が(A,≦_A')とある切片と順序同型になったらどうしようって思ったんです。
でも、ベルンシュタインの定理があるから、そんときはm=nになるのかって納得したわけです。
こんなこと考えてたから、濃度の比較定理にはベルンシュタインの定理がいるんだって思って、
>>86みたいのこと書いたんですけど、よく考えたら、”m≦nまたはn≦mのいずれかが成り立つ”ってこと
を示すだけだったら別にベルンシュタインの定理はいらないですね。

あと、これ書いてて思ったんですけど、定理8の証明って勘違いを引き起こしやすそうですね。
ていうのは、(A,≦_A)が(B,≦_B)と順序同型になった場合がm=nで、
(A,≦_A)が(B,≦_B)のある切片と順序同型になった場合はm<nっていう風にとってしまいそう気がしました。
実際は、ある≦_Aを選んだときに、(A,≦_A)が(B,≦_B)のある切片と順序同型になって、
別の≦_A'を選んだときに、(B,≦_B)が(A,≦_A')とある切片順序同型になったりする場合も
あるから、(A,≦_A)が(B,≦_B)のある切片と順序同型になったからと言って、m<nとは言えないんだけど。

90裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/04/07(木) 07:23:22
ageとく

91臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/10(日) 20:02:11
>たま氏
納得であります
次節だれかおながい。。

92Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/10(日) 21:08:57
>>91
あれ?次は臺地氏の番かとおもってますた。

93裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/04/11(月) 07:13:01
上に同じく

94たま(☆1) </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/04/11(月) 22:44:49
上の上に同じく。
臺地氏は忙しいんでせうか?

95臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/11(月) 23:18:44
・・・・いやちっとも忙しくなんかないですけど。
まあ次は楽だし、やりまつよ

96臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/11(月) 23:52:11
第3章 順序集合,Zornの補題
§4 順序数
p116 A)順序型,順序数

【定義】―順序型
第2章で述べたように、各集合Aにはそれぞれその濃度cardAが付随さらされ、
A,Bの濃度が等しい⇔A,Bは対等 でした。
もっと形式的な言い方をすれば、集合全体の‘集まり’を対等関係という一つの同値関係で‘類別’したときの各‘同値類’が濃度でした。順序集合の間の関係である「順序同型関係」も、同値関係である(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/874の(1.8)〜(1.10)参照)から、
同様の操作を考えることができます。すなわち、順序集合全体の‘集まり’を順序同型関係によって
‘同値類’に‘類別’することが可能です。その各‘同値類’を順序型(order type)と呼びます。

Aが与えられた一つの順序集合であるとき、Aの属する‘同値類’を‘Aの順序型’と言い、それを
ordAで表します。このようにして、各順序集合Aにはそれぞれその順序型ordAが付随させられます。
その定義により、順序集合A,Bに対して、ordA=ordB⇔A〜B(順序同型)です。

【定義】―順序数
「整列集合の順序型」を特に順序数(ordinal number)と呼びます。
本節では以後順序数のみを取り扱い、それらを一般にμ,ν,ρ,…などの文字で表します。

【定義】―有限順序数、無限順序数(超限順序数)
n個の元からなる有限整列集合はどれも整列集合{1,2,3,・・・,n}と順序同型です。そこで
その順序数を、濃度と同じく「n」で表します。また、空集合も便宜上一つの整列集合と考えて、その順序数を0と定義します。自然数nや0で表される順序数を有限順序数と呼びます。
そうでない、つまり、無限整列集合の順序数を無限順序数または超限順序数と呼びます。
とくに、自然数の集合Nの順序数ordNを通常ωで表します。

97臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/11(月) 23:53:25
補足いくつかありますがまた明日。

98臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/13(水) 00:51:20
【補足1】―順序集合全体は集合か?
‘集合全体の集まり’と同様に、‘順序集合全体の集まり’もこれまで考えてきた意味での
集合ではありません。しかし、前者の場合と同じ発想をして、後者についても‘類別’の
概念を認めることにするのです。

【補足2】―「整列集合の順序型」という語法
Aを整列集合とします。Aにはただ一つの順序型ordAが付随させられることは説明しました。
もし、あるordA'=ordAを満たすA'が整列集合でなかったら、「整列集合の順序型」という語法
は変です。しかし実際には、ordA'=ordAであるなら、A'も整列集合となる・・・*ので矛盾はありません。

【*の証明】
ordA'=ordAを仮定する。定義によりA'からAへの順序同型写像fが存在。つまり、fは全単射
であり、しかもm,n∈A'に対してm≦n⇔f(m)≦f(n)。
A'が整列集合、つまりA'の任意の部分集合B'に対してminB'が存在することを示せばよい。
ここで、fの定義域をB'⊂A'に縮小し、値域をf(B')⊂Aに縮小した写像をf_1とする。
f_1:B'→f(B')が順序同型写像であることを示す。定義からf_1は全射であるから、
あとはm,n∈B'に対してm≦n⇔f_1(m)≦f_1(n)となることを示せばよい
(f_1が単射になることはこの主張に含まれている)。

m,n∈B'⊂A'ならば、m≦n⇔f(m)≦f(n)であり、しかもf_1がfの縮小であることから
f(m)=f_1(m)∧f(n)=f_1(n)なので、結局m≦n⇔f_1(m)≦f_1(n)。よってf_1は順序同型写像。
すると、Aが整列集合であることからその部分集合f(B')には最小元cが存在する。
つまり∀b∈f(B');c≦b⇔∀b'∈B';c≦f_1(b')⇔∀b'∈B';f_1^(-1)(c)≦b'(∵f_1は順序同型写像)。
∴B'には最小元f_1^(-1)(c)が存在する。∴A'は整列集合□

【補足3】―n個の元からなる有限整列集合はどれも整列集合{1,2,3,・・・,n}と順序同型であることの証明
また今度。。

99臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/13(水) 23:46:16
【補足3】―n個の元からなる有限整列集合はどれも整列集合{1,2,3,・・・,n}と順序同型であることの証明
n個の元からなる有限整列集合を、A={a_1,a_2,a_3,・・・,a_n}(a_1<a_2<a_3<・・・<a_n)とおき、
B={1,2,3,・・・,n}とおく。写像f:B→Aをf(i)=a_iで定めると、fは順序同型写像である。
実際、どのAの元a_iに対しても、f(j)=a_iを満たすj∈Bが存在(j=i)するので、fは全射。
m,n∈Bに対して、m≦n⇔a_m≦a_n⇔f(m)≦f(n)が成立するのでfは順序単射。
よってfは順序同型写像。∴B〜A(順序同型)⇔A〜B。よって示された。□

これで一応終わったつもりです。

100Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/13(水) 23:54:36
>>99
a_1<a_2<a_3<・・・<a_nとできるのはなんでかってのを
すべての自然数nについて述べんなんのでは?

101臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/14(木) 00:18:22
>>100
整列集合なら全順序集合なので・・

102臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/14(木) 01:20:50
全順序ってだけでは理由として弱いかも

n個の元からなる有限整列集合を、Aとおく。
Aは整列集合なので、Aには最小元が存在するが、それをa_1とおく。
A-{a_1}にも最小元が存在するが、それをa_2とおく。a_1<a_2である。
A-{a_1,a_2}にも最小元が存在するが、それをa_3とおく。a_1<a_2<a_3である。
A-{a_1,a_2,a_3}にも最小元が存在するが、それをa_4とおく。a_1<a_2<a_3<a_4である。
以下この操作を繰り返して、a_1,a_2,a_3,・・・,a_nを構成すると
A={a_1,a_2,a_3,・・・,a_n}であってa_1<a_2<a_3<・・・<a_nとなる。

103たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/04/16(土) 11:51:58
>>98
【*の証明】のところでf_1を考えた理由はなんなんだろう?
fのまま議論しても問題ないように思うんだけど。

他んとこはおkです。

104臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/16(土) 15:09:00
>>103
A'はAに順序同型です。A'の任意の部分集合Bを考えたとき、
B'はAのある部分集合に順序同型になっていることを示したかったんです。
で、あとは順序同型なら最小元は最小元に移ることをつかって∃minB'を示してフィニッシュ、
という方針でした。

105臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/16(土) 15:11:55
>>96
訂正:五行目
×付随さらされ
○付随させられ

テキストは「付随せしめられ」でしたけどなんか古めかしいので変えてました。。

>>104にも訂正が。
×A'の任意の部分集合B
○A'の任意の部分集合B'

106たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/04/16(土) 16:48:04
>>104
なるほろ。なっとくです。

107裏画像収集家 </b><font color=#FF0000>(ggGgggQQ)</font><b>:2005/04/24(日) 00:12:32
次hあ漏れの番だと思うが飛ばして進めてください後から追いつく

108臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/04/24(日) 19:22:20
というわけでたま氏か先生よろしく。

109たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/04/24(日) 23:09:15
それじゃあ、次は僕がやりますね。

110Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/24(日) 23:17:31
たまちゃん、よろしくおねがいします。

111たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 02:59:40
>>110
たまちゃんって・・・・・こっぱずかしー(〃▽〃 )

今週ちょっと忙しかったんで、遅くなっちゃいました。スマソ。
では、続き投下します。

112たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 03:01:53
B)順序数の大小
順序数に順序を入れることを考えます。
μ、νを二つの順序数とし、A、BをordA=μ、ordB=νでなるような整列集合とすれば、
整列集合の比較定理(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/929)より
次の3つの場合のいずれか1つしかも1つだけが成り立ちます。
  (��)A、Bは順序同型である。
  (��)AはBのある切片と順序同型である。
  (��)BはAのある切片と順序同型である。
(��)の場合、定義よりμ=νです。
そこで、(��)の場合μ<ν、(��)の場合ν<νと定義します。(注1)
通常と同じようにμ<ν又はμ=νであることをμ≦νと書くことにすれば、
≦は明らかに順序数の間の全順序となります。

注1.well-definedであることの証明
 ordA=ordA'=μ、ordB=ordB'=νとすると、A〜A'、B〜B'(順序同型)
 AはBのある切片と順序同型であるとすると、
 ∃b∈B A〜B<b>
 f:B→B’;順序同型写像とすると
 A'〜A〜B<b>〜B'<f(b)>となるので、
 μ<νの定義はA、Bのとり方によらない。
 BがAのある切片と順序同型である場合も同様。  //

113たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 03:05:23
あっ、文字化けた。訂正してもっかいはります。

B)順序数の大小

順序数に順序を入れることを考えます。
μ、νを二つの順序数とし、A、BをordA=μ、ordB=νでなるような整列集合とすれば、
整列集合の比較定理(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/929)より
次の3つの場合のいずれか1つしかも1つだけが成り立ちます。
  (1)A、Bは順序同型である。
  (2)AはBのある切片と順序同型である。
  (3)BはAのある切片と順序同型である。
(1)の場合、定義よりμ=νです。
そこで、(2)の場合μ<ν、(3)の場合ν<νと定義します。(注1)
通常と同じようにμ<ν又はμ=νであることをμ≦νと書くことにすれば、
≦は明らかに順序数の間の全順序となります。

注1.well-definedであることの証明
 ordA=ordA'=μ、ordB=ordB'=νとすると、A〜A'、B〜B'(順序同型)
 AはBのある切片と順序同型であるとすると、
 ∃b∈B A〜B<b>
 f:B→B’;順序同型写像とすると
 A'〜A〜B<b>〜B'<f(b)>となるので、
 μ<νの定義はA、Bのとり方によらない。
 BがAのある切片と順序同型である場合も同様。  //

114たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 03:06:50
有限順序数の間では、いま定義した順序≦が自然数または0の間の通常の順序と一致します。
n個の元からなる有限整列集合はどれも整列集合{1,2,3,・・・,n}と順序同型であること(>>99)とかを鑑みれば、
これは明らかですね。
また、任意の無限整列集合はNと順序同型であるか、またはNと順序同型な切片を含むことが示されます。(後述)
従って、任意の超限順序数μに対してω≦μとなります。
これは、ωが'最小'の超限順序数であることを意味します。


補足.
任意の無限整列集合はNと順序同型であるか、またはNと順序同型な切片を含むことを示せ。

証明
 Aを任意の無限順序集合であるとする。
 整列集合の比較定理より
  (1)A、Nは順序同型である。
  (2)AはNのある切片と順序同型である。
  (3)NはAのある切片と順序同型である。
 のうちいずれか1つしかも1つだけが成り立つ。
 もし、AがNのある切片と順序同型だったとすると、
 ∃n∈N A〜N<n>となるが、N<n>は有限集合であり、
 これは、Aが無限順序集合であることに矛盾。  //

115たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 03:11:02
さっき定義した≦によって、任意の順序数からなる集合は全順序集合をなしますが、
さらに詳しく、整列集合をなすことが証明されます。
そのことを証明するために、1つ補題を示しておきます。

【補題】
 μを1つの順序数とし、ν<μであるような順序数ν全体の集合をS_μとすれば
 S_μは整列集合であって、しかもordS_μ=μとなる。
 
【証明】
 AをordA=μであるような集合とする。
 aをAの任意の元とするとA<a>〜A<a>なので、定義よりordA<a><ordA=μ
 故に、∀a∈A ordA<a>∈S_μ
 逆に、ν∈S_μとすると、∃a∈A ordA<a>=μ
 しかも、§2の補題3(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/916)より
 a≠a'ならばA<a>とA<a'>は順序同型でないので、このaはνに対して一意的に定まる。
 従って、Aの各元aに対してordA<a>=νを対応させる写像はAからS_νへの全単射である。
 しかも、この写像は順序同型写像になる。
 実際、a<a'ならばA<a>〜(A<a'>)<a>よりordA<ordA'であり、
 ordA<a><ordA<a'>ならば∃a''∈A<a'> A<a>〜(A<a'>)<a''>=A<a''>よりa=a''であり、
 a=a''∈A<a'>よりa<a'となる。
 従って、A〜S_μ
 故に、S_μは整列集合であり、S_μ=μ  //

116たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 03:16:29
これで準備が出来たので、任意の順序数からなる集合が整列集合をなすことの証明に移ります。

【定理9】
 順序集から成る任意の集合は大小の順序に関して整列集合をなす。
 
【証明】
 Sを任意の順序数から成る集合とし、TをSの空でない任意の部分集合とする。
 Tが最小元を持つことを示せばよい。
 Tの1つの元をμとする。もし、μより小さいTの元が存在しないならばμ=minTである。
 μより小さいTの元が存在するならば、T'={ν|ν∈T,ν<μ}はS_μの空でない部分集合で、
 さきの補題より、S_μは整列集合なので、その空でない部分集合であるT'には最小元minT'が存在する。
 このminT'は明らかにTの最小元でもある。
 Tが最小元を持つことが言えたので、Sは整列集合である。  //


なお、>>115の補題のS_μに最大元が存在する場合は、それはμの'直前の順序数'となる。
一般に、順序数μに対して、その直前の順序数が存在するとき、μを孤立数という。
それに対して、直前の元を持たないような順序数を極限数という。
0は直前の元を持たないが孤立数のうちに含める。
例えば、ωは明らかに1つの極限数である。また、任意の極限数は明らかに、超限順序数である。

117たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 03:24:39
担当終了。個人的に、>>115の補題がなんとなく( ゚Д゚)ウマ-でした。
質問、つっこみ、罵詈雑言などあればなんでもどぞー。


はやく位相にいきたくてうずうずしてきた今日この頃。

118Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/05/01(日) 03:39:53
たまちゃん。乙でした。
(昔、「たまちゃん」を自称してらしたと思ったもので)
すーっと読める説明ですね。

おっしゃるように>>115の補題はウマーですね。

ええと。概念把握のための練習みたいな話を、演習スレに貼っときます。
(せっかく建てた演習スレだし)

位相まであと少しです。五節もすこし楽しみなんですけどね。

119たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 04:02:31
>>118
いえいえ、たまちゃんで全然問題ないですよw
5節も楽しそうですよね。線形の授業ではぐらかされたベクトル空間の基底の存在が示せるみたいでドキドキものです。
(といいつつ、3節のHamelの基底の問題やってたからだいたい方針が見えたりしてるんですけど)

うずうずしてきたのは、不動点定理とかちょこっとやって関数解析への興味がいっそう強くなったからで、
位相を勉強してはやく関数解析へのホットラインを繋げたいなーとおもったり。

120Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/05/01(日) 04:25:54
>>119
集合位相、代数系、をとりあえずやって、
その後は、測度、関数解析、関数論
(この3つはどの順でやるのがいいか迷うし、いっぺんに建てるかも)
の輪読をスレッド上でやるってのが、中期的目標です。

dsで微分幾何の輪読をやるようですね。。

121たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/01(日) 05:34:54
>>120
まほろタンが忙しそうなんであっちはもうちょっとしてからゆっくり始めることになるかと思います。

夜更かししすぎて、空が白んできたんできたし。ねよっと( ・д⊂ヽ゛

122臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/05/02(月) 22:50:25
>>119-120
>>115の補題
>>117のことでは?

>>115
>通常と同じようにμ<ν又はμ=νであることをμ≦νと書くことにすれば
細かすぎるけど、このことはこの本では示してないんだよね。
この本の定義ではa<b⇔a≦b∧a≠bだったのにね。
松坂さんはこれは当たり前って思ったのかな。

>>117
>逆に、ν∈S_μとすると、∃a∈A ordA<a>=μ
最後のμはνでは?

>実際、a<a'ならばA<a>〜(A<a'>)<a>よりordA<ordA'であり、
A'って何ですか?

123臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/05/02(月) 22:56:01
ああごめん俺のギコナビの表示が変なだけだった・・・訂正。

>>113
>通常と同じようにμ<ν又はμ=νであることをμ≦νと書くことにすれば
細かすぎるけど、このことはこの本では示してないんだよね。
この本の定義ではa<b⇔a≦b∧a≠bだったのにね。
松坂さんはこれは当たり前って思ったのかな。

>>115
>逆に、ν∈S_μとすると、∃a∈A ordA<a>=μ
最後のμはνでは?
>実際、a<a'ならばA<a>〜(A<a'>)<a>よりordA<ordA'であり、
A'って何ですか?

124たま </b><font color=#FF0000>(RT2HgTis)</font><b>:2005/05/02(月) 23:44:25
>>123
>この本の定義ではa<b⇔a≦b∧a≠bだったのにね。
細かいけど、確かにちょっと怪しいね。
実際、A⊂(A-B)∪Bなわけだし。
一応証明しときます。

【証明】
 反射率より、a=b⇒a≦bが成り立つので
 a≦b⇔a≦b∧(a≠b∨a=b)
   ⇔(a≦b∨a≠b)∧(a≦b∨a=b)
   ⇔(a≦b∨a≠b)∧a≦b
   ⇔a≦b∨a≠b  //

>最後のμはνでは?
ほんとだ。書き間違えです。

>A'って何ですか?
スマソ。ordA<ordA'じゃなくて、ordA<a><ordA<a'>です。

125臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/05/02(月) 23:48:38
>>115
もひとつ。最終行は
ordS_μ=μですね?

あんま本質と関係ない細かいとこばっかつっこんですみません。
うざがられてもしかたないですが・・。

126臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/05/02(月) 23:51:42
>>124
スマソリロードしてなかった。。納得です。
演習スレの9でもおんなじようなことしているので参照してみてください。

127Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/05/06(金) 00:16:53
えーと。
次はなんとなく裏画像氏の番なのかな。
でもまあ、だれでもいいことにしましょう。
原稿の用意はあるのに、連続投稿になってしまうから、
というような遠慮をしてても、進行が遅くなるだけだし。

次の人はだれの筈だから、今回は遠慮しとこう
というのはやめて、原稿できてる人は、どんどん投稿してよい
っていうシステムにしましょう。なん連続であっても。

投稿がかぶったら両方よんで、両方に突っ込めばいいことだし。

というわけで、つぎまた担当なさってもぜんぜんおk
ですよ。たまちゃん。

128Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/05/06(金) 00:37:09
あ、もちろん、裏画像氏でも、臺地くんでも、いいですよ。

129臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/05/11(水) 23:44:08
先生かたま氏か裏画像氏よろしく・・・

130Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:33:04
C)順序数の演算
えー.2つの順序数に対して1つの順序数を対応させる"写像"を考えようというわけです.
写像に""をつけたのは,じゃあ始集合は?って言われたら困るからです.
「すべての順序数の集合(Ωとする)」というの考えてΩ×Ωを始集合にすればよさそう
なのですが,これは,もしあるとすれば>>116によって整列集合になりますので,
ordΩ(=χとおく)が存在します.
Ωの定義からχ∈Ωとなりますが,一方で>>115よりordΩ<χ>=χとなりますので
ordΩ<χ>=ordΩ.即ちΩとΩ<χ>が順序同型となり
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/916
に反します.
したがって「すべての順序数の集合」などというものを集合のうちに入れてしまうのは
ちょとマズーなわけです.
かつて元の族とか集合族を写像で定義した際,「終集合を重視しない立場」に立ちましたが,
こんどは「始集合も重視しない立場」に立って,写像を考えようというわけです.
その"写像"で,2つの順序数をともかく選んできたとき,「和」だの「積」だの「冪」だのと名づけ
るに相応しい,1つの順序数を決める対応を定義しようというわけです.
本来集合S上の(二項)演算とはS×SからSへの写像のことです.

131Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:33:38
ではまず和の定義から.
μとνを順序数とします.このときこの2つの順序数の和μ+νを次のように定義します.
まず,μとνは順序数ですからordA=μ,ordB=μなる整列集合A,Bが取れます.

ここでもしA∩B≠Φとなっているなら,たとえばA'=A×{☆},B'=B×{★}とし,
(x,☆)(≦_A')(y,☆)⇔x(≦_A)y,
(s,★)(≦_B')(t,★)⇔s(≦_B)t
でA'B'に順序を入れると,AとA',BとB'はそれぞれ順序同型だから,
ordA'=μ,ordB'=ν,A'∩B'=Φ
とすることができます.
もともとA∩B=Φであるならこの操作は省略できます.

132Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:33:57
さてこのとき,
C=A'∪B'に
(x,y)∈A'×A'ならx(≦_C)y⇔x(≦_A')y,
(x,y)∈A'×B'なら,x(<_C)y,
(x,y)∈B'×B'ならx(≦_C)y⇔x(≦_B')y
と定義すると,
D⊂CならD=(D∩A')∪(D∩B'),(D∩A')∩(D∩B')=Φ.
(x,y)∈(D∩A')×(D∩B')ならx≦yだからDはD∩A'内に最小元をもちます.
だからCは整列集合となります.
整列集合A,Bからこの方法で整列集合Cを作ることを
「Aの上にBを並べてCを作る」
と呼ぶことにしましょう.
このCの順序数ordCをμ+νと定義します.

133Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:34:15
この定義が妥当な定義であるためには,AとBのとり方によらず,
AとBの順序数のみによってμ+νが決まることがいえなければなりません.
そこでAと順序同型なA",Bと順序同型なB"をとりましょう.必要なら特定の一元集合
との直積集合を考えることによりA∩B=Φとできます.
このとき
ordA+ordB=ordA"+ordB"
であることがいえればよいのです.
Aの上にBを並べて整列集合A∪Bをつくり,
A"の上にB"を並べて整列集合A"∪B"をつくります.
f_AをAからA"への,f_BをBからB"への順序同型写像とし,
fをA∪BからA"∪B"への写像f|A=f_A,f|B=f_Bとなる写像として定義します.
即ちx∈Aならf(x)=f_A(x),x∈Bならf(x)=f_B(x)と定義するわけです.
このfがA∪BからA"∪B"への順序同型写像となっているわけです.
実際,(x,y)∈(A∪B)×(A∪B)で,x≦yなら
(x,y)∈A×Aでも(x,y)∈A×Bでも(x,y)∈B×Bでも
f(x)≦f(y)となるのでfは順序写像,
f|A'もf|B'も全射だからfも全射.
よってf(x)≦f(y)なら(f(x),f(y))はA"×A"かA"×B"かB"×B"のどれかの元.
どれの元であってもx≦yとなるのでfは順序単射.したがってfは順序同型写像となります.

134Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:34:39
μもνも有限順序数ならa_0<a_1<…<a_(μ-1),b_0<b_1<…<b_(ν-1)として
μ=ord{a_0,a_1,…,a_(μ-1)},ν=ord{b_0,b_1,…,b_(ν-1)}
a_0<a_1<…a_(μ-1)<b_0<b_1<…<b_(ν-1)とすると
μ+ν=ord{a_0,a_1,…,a_(μ-1),b_0,b_1,…,b_(ν-1)}となり有限順序数の和は
自然数の和と一致します.

Aが整列集合ならA∪ΦとΦ∪AとAは整列集合としてみな等しいので,
μを順序数とするとμ+0=0+μ=μとなります.

ただ一般には,順序数の和は交換可能とは限りません.
たとえばN∪{★}に,N内では通常の自然数の大小で,Nの元と★の間には,
すべてのNの元よりも★の方が大きいとして,順序を入れる整列集合と,
{★}∪Nに,N内では通常の自然数の大小で,Nの元と★の間には,
すべてのNの元は★より大きいとして,順序を入れる整列集合を考えることにより,
ω+1≠1+ωとなります.実際,f(1)=★,2以上のNの元nに対してf(n)=n-1で
(N∪{★})<★>から{★}∪Nへの写像fを定めると,このfは順序同型写像となります.
したがってhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/916
>>113により1+ω=ord({★}∪N)=ord(N∪{★})<★><ord(N∪{★})=ω+1となります.

135Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:03
順序数の和について次の法則が成り立ちます.
(4.1)(μ+ν)+ρ=μ+(ν+ρ)
(4.2)ν<ν'⇒μ+ν<μ+ν'
(4.3)μ<μ'⇒μ+ν≦μ'+ν

(4.1)の証明.A,B,Cをそれぞれ順序数がμ,ν,ρである整列集合であるとする.
A∩B=Φ,B∩C=Φ,C∩A=Φを満たすものが取れる.
D=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
E=B∪CをBの上にCを並べて作った整列集合,
F=D∪CをDの上にCを並べて作った整列集合,
G=A∪EをAの上にEを並べて作った整列集合とする.
FとGは集合としては一致するのですべてのFの元xに対してf(x)=xなる
FからGへの全単射fが取れるがこれは順序単射である.■

136Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:20
(4.2)の証明.A,B,B'をそれぞれ順序数がμ,ν,ν'である整列集合であるとする.
A∩B=Φ,A∩B'=Φを満たすものが取れる.
ν<ν'であるのでB'<b>とBが順序同型になるようなB'の元bが取れる.
このとき
C=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
C'=A∪B'をAの上にB'を並べて作った整列集合とすると
CとC'<b>=(A∪B')<b>=A∪(B'<b>)は順序同型になる.
したがってordC<ordC'.
(A∪B')<b>=A∪(B'<b>)となるのは
x∈(A∪B')<b>⇔x∈A∪B'∧x<b⇔(x∈A∧x<b)∨(x∈B'∧x<b)⇔x∈A∨x∈B'<b>
⇔x∈A∪(B'<b>)となるからである.■

137Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:41
(4.3)の証明.A,A',Bをそれぞれ順序数がμ,μ',νである整列集合であるとする.
A∩B=Φ,A'∩B=Φを満たすものが取れる.
C=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
C'=A'∪BをA'の上にBを並べて作った整列集合とする.
Cのいかなる切片もC'と順序同型になりえない事を言えばよい.
c∈AならordC<c>=ord{x|x∈C∧x<c}=ord{x|x∈A∪B∧x<c}
=ord{x|x∈A∧x<c}=ordA<c>.>>113よりordA<c><ordA=μ.
仮定よりμ<μ'=ordA'.(4.2)と0+μ=μ+0=μよりordA'=ordA'+0<ordA'+ordB'=ordC'.
したがってordC<c><ordC'.
c=minBならordC<c>=ordA=μ<μ'=μ'+0<μ'+ordB'=ordC'.
c∈B-{minB}でordC<c>=ordC'であるとすると,
(4.2)の証明中で示したのと同様に
ordC<c>=ord(A∪(B<c>)).
またordC'=ord(A'∪B)であるので
A'∪BからA∪(B<c>)への順序同型写像fがあるはずだが,
g=f|(A∪B)とおくとgはA∪BからA∪B自身への順序単射と見ることができるが
g(c)∈A∪B<c>となるのでg(c)<cとなる.これは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
に反する.■

138Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:59
なお(4.3)においては等号を省くわけには参りません.
1<2ですが1+ω=2+ωです.
実際{★}の上にNを並べて作った整列集合から,{☆,♪}の上にNを並べて作った整列集合への
写像fをf(★)=☆,f(1)=♪,2以上の自然数nに対してf(n)=n-1と定めれば,
fは順序同型写像になります.

μが順序数だとします.このときμ+1なる順序数を構成することは,
ordA=μなる集合Aの上に{★}を並べてA∪{★}なる整列集合を作ることによって,
μによらず可能ですが,μ<ν<μ+1なる順序数νは存在しません.
実際,A∪{★}の最大元は★ですのでxをA∪{★}の任意の元であるとすると
x≦★,よってord((A∪{★})<x>)≦ord((A∪{★})<★>)=ordA=μ.
即ちA∪{★}のいかなる切片の順序数もμ以下になります.
即ちν<μ+1ならばν≦μとなるわけです.
「いかなる順序数も直後の順序数はもつ」ということですね.
逆,というか直前の順序数を持たない順序数ってのはありますね.
極限数は皆そうです.

139Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:40:46
足し算が非可換ってのは、えらく特徴的ですね。
集合Aから集合Bへの全単射(濃度同型写像?)はいくつもありうるけど
整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像はたったひとつしかない
ってのも特徴だと思ったけど。

えー。積、冪の定義が残ってますが、えらく長くなってしまったので
ここで一旦、担当終わりってことでよろしいですか?
引き続いて担当してもいいですけど、とりあえず、ここまでの内容について
質問、ダメだし、ご意見をお願いします。

140たま ◆U4RT2HgTis:2005/05/22(日) 18:14:28
詳しい解説おつです。

>>130
導入( ゚Д゚)ウマー

>>131
☆使ってるのに妙にうけたりwww

>>132
僕は「Aの上にBを並べてCを作る」っていうより、
「Aの後ろにBをくっつける」って感じでイメージしてます。
たぶんμ+νって書き方と、集合の外延的記法の影響ですね。

>>138
この辺テキストではかなりさらっと流してて、あれ?って感じでした。

この章は、(4.3)の証明やってて
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
の補題がかなり使いやすいってことに気づいて(*゚∀゚)=3 ムッハーでした。
使える補題をさらっと散りばめて、読者に練習問題で使わせるっていう本の構成は
流石だなーと最近感じまふ。

以上、僕は特に問題なしです。

141Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 19:17:38
>>140
ドモ。

>Aの後にBをくっつける
まさしくそういうイメージなのですが、「上に有界」なんて言い方があるので
上に並べるって書いてしまいました。
ええと「集合の外延的記法の影響」ってのは?

>>137の証明はやや乱暴でしたね。
あれじゃAがA'の部分集合になってるように見えてしまう。
近々やり直します。

>本の構成は流石
本当に教育的に書かれている本ですねえ。

>前スレ915
うん。この辺りの補題のありがたみが、よく分かる小節ですね。

たまちゃん、積と冪、担当する?

142たま ◆U4RT2HgTis:2005/05/22(日) 19:51:33
>>141
>ええと「集合の外延的記法の影響」ってのは?
えっと、例えば自然数全体の集合を{1,2,3,4,5,・・}って感じに書くから、
自然と要素を横に並べて考えるようになったんだろうなぁと思って。
でも、確かに人間の普通の感覚では大きいものは上で、小さいものは下って感じだし、
きっと集合論がまだちゃんと確立してなかった時代の人はそういうイメージをしたのかなぁと。
ほんでもって僕が右が大、左が小っていうイメージで理解してたのは外延的記法の影響かなぁと。

>>137の証明はやや乱暴でしたね。
それほど乱暴でもないかと。自分でおんなじような証明やってたからそう思っただけかもしれないけど。

>たまちゃん、積と冪、担当する?
んーどうしよ。ほかの人の説明も聞いてみたいけどみんな忙しそうだしなぁ。
まぁいいや、僕が担当します。経験浅いし、練習練習。

143Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 19:56:25
>>142
ああ。左から右への横書きの習慣からってことですか。
アラビアの数学が世界標準だったら左が大、右が小ってイメージになってたかも、ですね。

144Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/23(月) 00:32:26
たまちゃん、捨てアドさらしてくれませんか?

145臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/05/25(水) 23:17:32
ただいま読解中です。もうすこしお待ちを・・・

146Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/27(金) 23:40:04
お待たせしました。
>>137のやり直し.
(4.3)の証明.A,A',Bをそれぞれ順序数がμ,μ',νである整列集合であるとする.
A∩B=Φ,A'∩B=Φを満たすものが取れる.
さらにA,A'はA⊂A'となるように取れる.
μ<μ'だからA'<a>とAが順序同型となるようなAの元aが取れる.
ordA'<a>=ordA<ordA'であるのでA'<a>をAと考えればよい.
C=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
C'=A'∪BをA'の上にBを並べて作った整列集合とする.
Cのいかなる切片もC'と順序同型になりえない事を言えばよい.
c∈AならordC<c>=ord{x|x∈C∧x<c}=ord{x|x∈A∪B∧x<c}
=ord{x|x∈A∧x<c}=ordA<c>.>>113よりordA<c><ordA=μ.
仮定よりμ<μ'=ordA'.(4.2)と0+μ=μ+0=μよりordA'=ordA'+0<ordA'+ordB'=ordC'.
したがってordC<c><ordC'.
c=minBならordC<c>=ordA=μ<μ'=μ'+0<μ'+ordB'=ordC'.
c∈B-{minB}でordC<c>=ordC'であるとすると,
(4.2)の証明中で示したのと同様に
ordC<c>=ord(A∪(B<c>)).
またordC'=ord(A'∪B)であるので
A'∪BからA∪(B<c>)への順序同型写像fがあるはずだが,
g=f|(A∪B)とおくと,終集合を拡張してgはA∪BからA∪B自身への順序単射と
見ることができるが,g(c)∈A∪B<c>となるのでg(c)<cとなる.これは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
に反する.■

147臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/01(水) 00:34:54
お待たせして申し訳ありませんでした。
最近ROM気味・・・

>>139
>整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像はたったひとつしかない
これってテキストおよび輪読会のどこかで証明しましたっけ?
とっさに証明法が思いつきませんでした。

>>146
>さらにA,A'はA⊂A'となるように取れる.
この場合だけ示せば、>>133によりA⊂A'ではない場合もOkってことですね。

148たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:20:40
つづき。

濃度のときと同じように、今度は順序数μ、νの積μνを定義しましょう。
A、BをそれぞれordA=μ、ordB=νであるような整列集合とします。
(今度は必ずしもA∩B=φである必要はありません。)
目標としては、直積A×Bに適当な順序を入れて整列集合を作って、その集合の順序数ord(A×B)
をμνと定義することを目指します。
そこで、A×Bに次のような順序≦を導入します。
(a,b),(a',b')∈A×Bに対し、
 (a,b)≦(a',b') ⇔ (b<b')∨(b=b'∧a≦a')
と定義します。
念のため断っておくと、b<b'の"<"はBにおける順序であり、a≦a'の"≦"はAにおける順序です。
≦_Aとか≦_Bって書いてもいいんですが、とくに誤解が起きる恐れがないところでは、
普通に≦とかくことにします。その方が見易いんで。
ちょっと、脇道にそれましたが、先の定義は乱暴に言ってしまえば、
先にBの元の大きさを比べて、決まらなかったらAの元の大きさを比べろってことです。
このように、定義した≦がA×Bにおける順序になることは容易に示されます。――(注1)

149たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:21:00
さらに、(A×B,≦)が整列集合になることを示します。
 MをA×Bの空でない任意の部分集合とすると、
 A×BからBへの射影pr_BによるMの像
  B'=pr_B(M)={b|∃a∈A((a,b)∈M)}
 はBの空でない部分集合になります。
 (射影ってなによ?って思ったあなたは今すぐ
  http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/565
  を参照しましょう。)
 Bは整列集合なのでB'には最小元b_0が存在します。
 次に、
  A'={a|(a,b_0)∈M}
 を考えると、A'はAの空でない部分集合になるので、
 最小限a_0が存在します。
 このようにa_0,b_0を定めると(a_0,b_0)はMの最小元となります。
 実際、(a,b)∈Mとすると、b∈B'よりb_0≦b
 b_0<bならば直ちに(a_0,b_0)≦(a,b)であり、
 b_0=bならばa∈A'となるので、a_0≦a
 従って、(a_0,b_0)≦(a,b)となる。 //
これで、(A×B,≦)が整列集合になることがわかったので、めでたく
順序数ord(A×B)をμνと定めることができます。
注意しておくとこの定義も、A、Bの取り方によりません。――(注2)
そして特にμ、νが有限順序数の場合は、この積は自然数(または0)の間の
通常の積と一致します。――(注3)
また、A×φ=φ,φ×A=φよりμ0=0μ=0が成り立ち
A×{1}〜A,{1}×A〜A(〜は順序同型)よりμ1=1μ=μが成り立ちます。
(実際、A×{1}からAへの射影pr_Aは明らかに順序同型写像となります。)

150たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:21:48
(注1)
反射律
 Aにおける順序の反射律より、a≦aが成り立つ。
 また、b=bなので、
 (a,b)≦(a,b)が成り立つ。 //
反対称律
 (a,b)≦(a'b)かつ(a',b')≦(a,b)とすると、定義より
 b≦b'かつb'≦b
 故に、Bにおける順序の反対称律より、b=b'
 従って、b<b'、b'<bは成り立たないので、
 b=b'∧a≦a'とb'=b∧a'≦aが成り立つ。
 故に、Aにおける順序の反対称律よりa=a'
 従って、(a,b)=(a',b') //
推移律
 (a,b)≦(a'b)かつ(a',b')≦(a",b")とすると、定義より
 b≦b'、b'≦b"――(*)
 Bにおける順序の推移律より、b≦b"
 もし、b≦b"なら直ちに(a,b)≦(a",b")が成り立つ。
 b=b"ならばBにおける順序の反射律より
 b≦b"、b"≦b
 これと(*)から、Bにおける順序の推移律を用いて
 b"≦b'、b'≦bがわかり、
 これと(*)から、Bにおける順序の反対称律を用いて
 b=b'=b"がわかる
 故に、a≦a'とa'≦a"が成り立つこととなり、
 Aにおける順序の推移律よりa≦a"
 従って、b=b"∧a≦a"が成り立つので(a,b)≦(a",b")となる。 //

151たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:22:16
(注2)
ordA=ordA'、ordB=ordB'であったとすると、
AからA'への順序同型写像fとBからB'への順序同型写像gが存在する。
そこで、A×BからA'×B'への写像hを次のように定める。
(a,b)∈A×Bに対し、
 h((a,b))=(f(a),g(b))
このように、定めたhはA×BからA'×B'への順序同型写像となる。
実際、(x',y')∈A'×B'とすればf,gが全射より
∃x∈A,∃y∈B s.t. f(x)=x',g(y)=y'
故にh((x,y))=(f(x),g(y))=(x',y')となりhは全射。
また、(a_1,b_1),(a_2,b_2)∈A×Bに対し、
(a_1,b_1)≦(a_2,b_2)⇔(b_1<b_2)∨(b_1=b_2∧a_1≦a_2)
          ⇔(g(b_1)<g(b_2))∨(g(b_1)=g(b_2)∧f(a_1)≦f(a_2)) (∵f,g順序同型)
          ⇔(f(a_1),g(b_1))≦(f(a_2),g(b_2))
          ⇔h((a_1,b_1))≦h((a_2,b_2))
よって、hは順序単射。
従って、hは順序同型写像となりord(A×B)=ord(A'×B') //

(注3)
A={1,2,・・・,n},B={1,2,・・・,m}とすると、
A×B={(i,j)|i,j∈N,1≦i≦n,1≦j≦m}となり、
A×Bの元の個数はmn個となるので、A×Bの順序数はmnとなります。

152たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:23:18
順序数の積はまた、次のように捉えることも出来ます。

いま、(A_λ)_(λ∈Λ)を次のような集合族であるとします。
 (1)添数集合Λは順序数νの整列集合
 (2)∀λ∈Λについて、A_λは順序数μの順序集合
 (3)λ,λ'∈Λ,λ≠λ'⇒A_λ∩A_λ'=φ
このとき、和集合∪[λ∈Λ]A_λ(=Uとおく)に次のような順序≦を導入します。
 (1)∃λ∈Λ;a,a'∈A_λのときはUの順序はA_λ内の順序≦_λと一致
 (2)a∈A_λ,a'∈A_λ'でλ≠λ'のときはλ<λ'⇒a<a'、λ'<λ⇒a'<a
このように定義した順序≦は確かにU内の順序と成ります。
実際、
 反射律
  a∈Uとすると、∃λ∈Λ;a∈A_λであり、a(≦_λ)aなので、(1)よりa≦a' //
 反対称律
  a,a'∈Uとし、a≦a'∧a'≦aとする。
  もし、a∈A_λ,a'∈A_λ'かつλ≠λ'とすると、
  a≦a'より、λ<λ',a'≦aよりλ'<λが成り立つ。
  すなわち、(λ≦λ')∧(λ'≦λ)∧(λ≠λ')
  従って、Λにおける順序の反対称律より(λ'=λ)∧(λ≠λ')となり矛盾。
  故に、∃λ∈Λ;a,a'∈A_λである。
  このとき、a(≦_λ)a'∧a'(≦_λ)aとなり、≦_λの反対称律よりa=
 推移率
  a∈A_λ,a'∈A_λ',a''∈A_λ''とし、a≦a',a'≦a''とする。
  λ<λ'またはλ'<λ''が成り立てばΛ内の推移律よりλ<λ''が成り立ち、a<a''となる。
  またもし、λ=λ'=λ''であるとすると、a(≦_λ)a',a'(≦λ)a''となり、
  ≦_λの推移律よりa(≦_λ)a''
  故に、a≦a''となる。

153たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:24:05
さらに、この順序≦に関してUは整列集合となります。
実際、MをUの任意の空でない部分集合であるとします。
Λ_M={λ∈Λ|∃a∈M;a∈A_λ]
と定めると、Λ_MはΛの空でない部分集合なので、最小元λ_0が存在します。
また、U_M={a∈U|a∈M∧a∈A_(λ_0)}
と定めると、U_MはA_(λ_0)の空でない部分集合になるので、順序≦_(λ_0)に関して
最小元a_0が存在します。
このa_0がMの最小元になることが以下のように示されます。
a∈Mとすると、∃λ∈Λ_M;a∈A_λ
このλに対し、λ_0≦λであり、a_0∈A_(λ_0)であるので、
λ_0<λならば、直ちに、a_0<a
またλ_0=λであるとすると、a∈U_Mであるから、a_0≦a

154たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:24:32
これで、上に定義した順序≦に関してがUが整列集合になることがわかりました。
実は、このUの順序数はμνとなるのです。
このことは、次のようにして示されます。
 AをordA=μとなる1つの整列集合とすると、∀λ∈Λ;ordA_λ=μなのでA〜A_λ
 故に、∀λ∈Λ;∃f_λ:A→A_λ s.t. f_λは順序同型写像
 ここで、A×ΛからUへの写像fを次のように定めます。
 (a,λ)∈A×Λに対して
  f(a,λ) = f_λ(a)
 このように定めたfは明らかにA×ΛからUへの順序同型写像になります。
 実際、x∈Uとすれば、∃λ∈Λ;x∈A_λ
 f_λはAからA_λへの全射なので、∃λ∈Λ;∃a∈A;f_λ(a)=x
 すなわち、∃(a,λ)∈A×Λ;f(a,λ)=x
 従って、fは全射。
 次に、fが順序単射になっていることを示します。
 (a,λ),(a',λ')∈A×Λに対して、(a,λ)≦(a',λ')であるとすると
 (λ<λ')∨(λ=λ'∧a≦a')
 もしλ<λ'ならf(a,λ)=f_λ(a)∈A_λ、f(a',λ')=f_λ'(a')∈A_λ'よりf(a,λ)<f(a',λ')
 また、もし(λ=λ'∧a≦a')なら、f(a,λ)=f_λ(a)∈A_λ,f(a',λ')=f(a',λ)=f_λ(a')∈A_λ
 f_λが順序同型写像であることよりf(a,λ)(≦_λ)f(a',λ')
 f(a,λ)∈A_λ,f(a',λ')∈A_λより≦と≦_λと一致するので、f(a,λ)≦f(a',λ')
 逆に、f(a,λ)≦f(a',λ')とすると、f(a,λ)=f_λ(a)∈A_λ、f(a',λ')=f_λ'(a')∈A_λ'であるので
 λ<λ'またはλ=λ'∧f_λ(a)≦f_λ'(a')
 故に、λ<λ'またはλ=λ'∧f_λ(a)(≦_λ)f_λ(a')
 もしλ<λ'なら(a,λ)<(a',λ')
 また、もしλ=λ'∧f_λ(a)(≦_λ)f_λ(a')ならf_λが順序同型写像であることより
 λ=λ'∧a≦a'となり、(a,λ)≦(a',λ')となる。
 従って、fは順序単射。
 以上よりfはA×ΛからUへの順序同型写像でとなる。
 故に、A×Λ〜UすなわちordU=μνとなる。 //
上に述べたことは、順序数μ、νの積μνは"μをν回加えたもの"であるということを意味します。
ただ、μνは"μをν回加えたもの"であるが、"νをμ回加えたもの"ではないことに注意しなければ
なりません。実際、μ2=μ+μですが、2μは一般にμ+μと等しくありません。

155たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:25:15
順序数の積については以下のことが成り立ちます。
 (4.4) (μν)ρ=μ(νρ)
 (4.5) ν<ν',0<μ ⇒ μν<μν'
 (4.6) μ<μ',0<ν ⇒ μν≦μ'ν

【証明】
(4.4)
 ordA=μ,ordB=ν,ordC=ρとする。
 f:(A×B)×C→A×(B×C)をf((a,b),c)=(a,(b,c))で定めると
 fは順序同型写像になる。
 全射は明らか。
 (A×B)×Cにおける順序を≦_1,A×(B×C)における順序を≦_2とすると
 ((a,b),c)(≦_1)((a',b'),c')⇔(c<c')∨(c=c'∧(a,b)≦(a',b'))
              ⇔(c<c')∨(c=c'∧((b<b')∨(b=b'∧a≦a')))
              ⇔(c<c')∨((c=c'∧b<b')∨(c=c'∧(b=b'∧a≦a'))
 (a,(b,c))(≦_2)(a',(b',c'))⇔((b,c)<(b',c'))∨((b,c)=(b',c')∧a≦a')
              ⇔((c<c')∨(c=c'∧b<b'))∨((b=b'∧c=c')∧a≦a')
              ⇔(c<c')∨((c=c'∧b<b')∨((b=b'∧c=c')∧a≦a')
              ⇔(c<c')∨((c=c'∧b<b')∨(c=c'∧(b=b'∧a≦a'))
 従って((a,b),c)(≦_1)((a',b'),c')⇔(a,(b,c))(≦_2)(a',(b',c'))⇔f((a,b),c)(≦_2)f((a',b'),c')
 故に、fは順序同型写像になる。
 よって、(μν)ρ=μ(νρ)が成り立つ。

156たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:25:42
(4.5)
 ordA=μ,ordB=ν,ordB'=ν'とする
 ν<ν'より∃b'_0∈B';B〜B'<b'_0>なので
 ∃f:B→B'<b'_0> 順序同型写像
 g:A×B→(A×B')<(minA,b'_0)>を次のように定める。
 g(a,b)=(a,f(b))
 このように定めたgは順序同型写像になる。
 実際、B<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|(a,b')<(minA,b'_0)}であり、
 b'<b'_0⇒(a,b')≦(minA,b'_0)⇒(a,b')∈(A×B')<(minA,b'_0)>
 またb'=b'_0ならば∀a∈A;minA≦aより、(minA,b'_0)≦(a,b')
 故にB<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|b'<b'_0}={(a,b')∈(A,B')|b'∈W(b'_0)}
 従って、gは全射。
 また、(a_1,b_1)≦(a_2,b_2)⇔(b_1<b_2)∨(b_1=b_2∧a_1≦a_2)
              ⇔(f(b_1)<f(b_2))∨(f(b_1)=f(b_2)∧a_1≦a_2) (∵fが順序単射)
              ⇔(a_1,f(b_1))≦(a_2,f(b_2))
              ⇔g(a_1,b_1)≦g(a_2,b_2)
 従って、gは順序同型写像
 故に、A×B〜(A×B')<(minA,b'_0)>となるのでμν<μν’ //

157たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:26:00
(4.6)
 見通しがよくなるよう一つ補題を用意します
【補題】
 A,BをordA=μ、ordB=νなる整列集合とする。
 このとき、AからBへの順序単射が存在するならばμ≦νである。
【証明】
 AからBへの順序単射が存在する、かつ、μ>νとして背理法を用いる。
 (注:μ<νと仮定できるのは、順序数全体の集合が全順序であることによる)
 仮定より∃f:A→B、fは順序単射
 μ>νより∃a_0;A<a_0>〜B
 故に∃g:B→A<a_0>、gは順序同型写像
 gの終集合をAに拡大した写像をg~とする
 このとき、g~(B)=A<a_0>であり、g~は順序単射である。
 g~f:A→Aを考えるとg~fは順序単射になる。
 実際、a≦a'⇔f(a)≦f(a') (∵fが順序単射)
      ⇔g~(f(a))≦g~(f(a')) (∵g~が順序単射)
      ⇔g~f(a)≦g~f(a')
 ところが、g~(B)=A<a_0>とf(A)⊂Bより
 g~(f(A))⊂g~(B)=A<a_0>
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/489より
 g~(f(A))=g~f(A)なので、g~f(A)⊂A<a_0>
 従って、g~f(a_0)∈A<a_0>={a∈A|a<a_0}
 故にg~f(a_0)<a_0
 然るに、これはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
 の補題2に反する。
 従って、AからBへの順序単射が存在するならばμ≦νである。 //
これを踏まえて、(4.6)を証明します。
ordA=μ,ordA'=μ',ordB=νとします。
このときhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1110808043/115より
A'〜S_μ'なのでA⊂A'となるようにAを取れます。
補題より、A×BからA'×Bへの順序単射が存在することが言えれば(4.8)がいえたことになります。
fを恒等写像I_(A×B)の終集合をA'×Bに拡大した写像だとするとfは明らかに順序単射になるので、
μν≦μ'νとなる。 //

158たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:26:49
(4.6)において"μν≦μ'ν"の等号を省くことは一般にはできません。
例えば、1ω=2ωとなります。

また、一般に交換律μν=νμは成り立ちません。
例えば、ω2≠2ωとなります。
【証明】
 定義よりord(N×2)=ω2,ord(2×N)=2ω
 f:2×N→(N×2)<(1,2)>を次のように定める。
 f(1,n)=(2n-1,1),f(2,n)=(2n,1)
 このように定めたfは2×Nから(N×2)<(1,2)>への順序同型写像になる。
 実際、(N×2)<(1,2)>=N×{1}であることよりfは明らかに全射。
 また、i,i'∈{1,2}として
 (i,n)≦(i',n')⇔(n<n')∨(n=n'∧i≦i')
 n<n'ならば2n-1<2n<2n'-1<2n'より、iの値に関わらずf(i,n)≦f(i,n')
 n=n'∧i≦i'ならばf(1,n)<f(2,n)より明らかにf(i,n)≦f(i,n')
 逆に、f(i,n)≦f(i',n')とすると、f(i,n)=(2n-2+i,1)なので
 (2n-2+i,1)≦(2n'-2+i',1)
 ∴2n-2+i≦2n'-2+i'
 ∴2(n'-n)+(i'-i)≧0
 -1≦i-i'≦1なので
 n'≧nでなければならない。
 n'>nのときiの値に関わらず、2(n'-n)+(i'-i)≧0が成り立つ。
 n=n'のときi'-i≧0となりi≦i'となる。
 従って、(i,n)≦(i',n')
 これで、fが順序同型写像となることがわかった。
 故にω2>2ω //

159たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:27:13
また、順序数の和と積について次の'左分配律'が成り立ちます。
 (4.7) ρ(μ+ν) = ρμ+ρν
【証明】
 ordA=μ,ordB=ν,ordC=ρ,A∩B=φとする。
 このとき、C×(A∪B)から(C×A)∪(C×B)への順序同型写像が存在することを示せばよい。
 分かりやすいようにC×(A∪B)における順序を≦_1,(C×A)∪(C×B)における順序を≦_2とする。
 f:C×(A∪B)→(C×A)∪(C×B)をf(c,x)=(c,x)で定めると
 このように定めたfは順序同型写像になる。
 実際、全射は明らか。
 (c,x)(≦_1)(c',x')とすると
 (x<x')∨(x=x'∧c≦c')
 x∈A,x'∈Bのときは(c,x)∈(C×A)、(c',x')∈(C×B)となるので、
 f(c,x)(≦_2)f(c',x')
 x,x'∈Aまたはx,x'∈Bのときは、明らかに(c,x)(≦_2)(c',x')
 逆に、f(c,x)(≦_2)f(c',x')⇔(c,x)(≦_2)(c',x')とする。
 (c,x)∈(C×A)、(c',x')∈(C×B)のときは
 x∈A,x'∈Bとなるのでx<x'
 従って、(c,x)(≦_1)(c',x')
 また(c,x),(c',x')∈(C×A)または(c,x),(c',x')∈(C×B)のときは
 (c,x)(≦_2)(c',x')より明らかに(c,x)(≦_1)(c',x') //
 
注意:'右分配律'(μ+ν)ρ=μρ+νρは一般には成り立ちません。
例えば、ω=2ω=(1+1)ω≠1ω+1ω=ω+ω=ω2

160たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:31:38
担当終了ー。
なんか、こまごまと書いてたら、未曾有の長さになってしまいますたw
流れだけ掴んだら、途中の細かい証明は読み飛ばしちゃったらいいと思われます。
なんていうか、自分で読み返す気にもなれないw

とりあえず質問、つっこみ、罵詈雑言などあればなんでもどぞー。

161臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/04(土) 23:42:52
たま氏すご・・・・とにかく乙です。
がんばって読みまつ

162Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:08:05
>>147
整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像がf,gと二つあれば,
任意のAの元aに対してA<a>〜B<f(a)>,A<a>〜B<g(a)>.
よってf=gってのが
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/920
に.

>この場合だけ示せば、>>133によりA⊂A'ではない場合もOkってことですね。
そうです.

163Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:08:11
>>147
整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像がf,gと二つあれば,
任意のAの元aに対してA<a>〜B<f(a)>,A<a>〜B<g(a)>.
よってf=gってのが
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/920
に.

>この場合だけ示せば、>>133によりA⊂A'ではない場合もOkってことですね。
そうです.

164Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:10:52
>たまちゃん
乙でした.以下コメントです.

>>148-149
おk.

>>150
>b=b"ならばBにおける順序の反射律より
> b≦b"、b"≦b
正確には「順序の反射律と「=」の対称律より」ですね.
あとは了解.

>>151
注3は、mn個からなる整列集合は順序同型を除いて1つしかないことによるわけですね.
あとは了解.

>>152-153
おk

165Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:12:31
>>154
fが全射であることの証明中の
>f_λはAからA_λへの全射なので、∃λ∈Λ;∃a∈A;f_λ(a)=x
∃λ∈Λはなくていいですね.

>実際、μ2=μ+μですが、2μは一般にμ+μと等しくありません
ω2=ω+ωで2ω=ωってわけですね.N^({★,☆}×N)の元fをf(★,i)=2i-1,f(☆,i)=2iとして
定義すれば,fが順序同型写像になると.

>>155
おk

>>156
えー.言いたいことは全部伝わりましたが,記号の書き間違いが結構目立つというか
気になりますね.

>>157
あ,「順序数全体の集合」とはケンノンな.ここは,「整列集合の比較定理
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/)
を理由にすべきでは.
あとはおk.見事な証明ですね.

166Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:13:09
>>158
ありゃ.>>154に対する僕のコメントはココにかかれたあったか.
逐次的に読んでは,コメントかいてるもので,すんません.

>>159
>全射は明らか.
はは.fの始集合と終集合は集合としては同じだから,fはアイデンティティマップ
だもんねー.

>x,x'∈Aまたはx,x'∈Bのときは、明らかに(c,x)(≦_2)(c',x')
「x,x'∈Aまたはx,x'∈Bのときは、x=x',x<x'の別に応じて,
それぞれ(c,x)(=_2)(c',x'),(c,x)(<_2)(c',x')」
かなあ.「明らか」の使用を避けるなら.
fが順序単射になってることの証明も,こんな風に書けば「明らか」は
使わずに済みますね.

さて,冪はどうしよう.三章四節の問題10と問題11を演習スレにでも貼って
五節へ進みますか.次の人が担当してもいいけど.

五節(まえせつとAかな),あるいは順序数の冪,臺地くんか裏画像氏,担当しますか?

167Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:16:10
うー.かちゅ〜しゃがヘンだ.
書き込みしたらたったひとこと「エラー」とだけ警告が出る.
出るんだけども,実は書き込めてるみたい.
>>162-163の連書きは,このためですm(_ _)m

168たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/09(木) 18:59:48
>>164
>正確には「順序の反射律と「=」の対称律より」ですね.
「=」の対称律をどう使うのかいまいちわかんないです。
反射律よりb≦bでb=b"だから、右辺または左辺のbをb"にしてもよくて、
b≦b",b"≦bって感じで考えたんですけど。

>注3は、mn個からなる整列集合は順序同型を除いて1つしかないことによるわけですね.
そです。そういえばよかったんですね。

>>165
>>156はちょっと書き間違えがひどいですね。
きっとながなが打ってたから疲れていたんです。と、言い訳してみたりw
書き直しをはっときます。

(4.5)
 ordA=μ,ordB=ν,ordB'=ν'とする
 ν<ν'より∃b'_0∈B';B〜B'<b'_0>なので
 ∃f:B→B'<b'_0> 順序同型写像
 g:A×B→(A×B')<(minA,b'_0)>を次のように定める。
 g(a,b)=(a,f(b))
 このように定めたgは順序同型写像になる。
 実際、(A×B')<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|(a,b')<(minA,b'_0)}であり、
 b'<b'_0⇒(a,b')<(minA,b'_0)⇒(a,b')∈(A×B')<(minA,b'_0)>
 またb'=b'_0ならば∀a∈A;minA≦aより、(minA,b'_0)≦(a,b')
 故に(A×B)<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|b'<b'_0}={(a,b')∈(A,B')|b'∈B'<b'_0>}
 従って、gは全射。
 また、(a_1,b_1)≦(a_2,b_2)⇔(b_1<b_2)∨(b_1=b_2∧a_1≦a_2)
              ⇔(f(b_1)<f(b_2))∨(f(b_1)=f(b_2)∧a_1≦a_2) (∵fが順序単射)
              ⇔(a_1,f(b_1))≦(a_2,f(b_2))
              ⇔g(a_1,b_1)≦g(a_2,b_2)
 従って、gは順序同型写像
 故に、A×B〜(A×B')<(minA,b'_0)>となるのでμν<μν’ //

169たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/09(木) 19:10:06
>>165
>あ,「順序数全体の集合」とはケンノンな.ここは,「整列集合の比較定理
>(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/)
>を理由にすべきでは.
ぉ。ほんとだ。「順序数全体の集合」って、こんな危ういことかいちゃダメですね。

>>166
>>159はちと「明らか」を使いすぎでしたね。
なんかこの辺そろそろ面倒くさくなってきてたもんで(;´Д`)

170臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/10(金) 21:24:52
>>162
納得です。

>>166
ごめんなさい一週間も経ったのにまだたま氏の分も読めてないです。。
なんとか追いつきたいですが・・・。

171臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/19(日) 21:56:01
>たま氏
遅くなってマジすみません!!謝^n

>>150推移律 
>もし、b≦b"なら直ちに(a,b)≦(a",b")が成り立つ。
b<b'ですね。

あとは理解しました。先生もおっしゃってましたが>>157の補題がすげーです。よく思いつきましたね
あと>>158の証明も感服しますた。

最近疲弊していて今週は担当ムリポです。ああなんかスレの進度が去年と同じパターソに突入している・・・
なんとか打破したいです誰か助けて

172臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/22(水) 01:31:15
踏ん張り所!

第3章 順序集合,Zornの補題
§4 順序数
C) 順序数の演算―【整列積、冪】

本文では順序数の冪には触れていませんが、4節演習問題10番11番では取り扱っているので
ここで説明しようと思います。まずは整列集合の直積集合に順序を定義します。

(A_α)_α∈Λを、整列集合Λを添数集合とする集合族とし、各A_αはe_αを最小元とする整列集合とする。
ここで、直積Π_[α∈A]A_αの元a=(a_α)_α∈Λで、Λの高々有限個の元αを除けばa_α=e_α
であるようなものを考え、そのようなa全体の作るΠ_[α∈A]A_αの部分集合をAとする。
つまりA={a∈ΠA_α|card({α∈Λ|a_α≠e_α})<cardN}

Aの相異なる2元a=(a_α)、a'=(a'_α)をとる。
a_α≠a'_αとなるαは有限個しか存在しないから、β=max{α∈Λ|a_α≠a'_α}が存在する。(注1)
このとき、
a_β<a'_βならばa<a'
a_β>a'_βならばa>a'
のように、写像a、a'の間に順序を定義する。

このようにAに順序を導入すると、この順序についてAは整列集合となる。(注2)

173臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/22(水) 01:32:08
イメージがわかないので具体例を。
Λ=N、A_α={1,2,・・・,α}としてみます。e_α=1 for all αです。このとき、
A={a∈ΠA_α|card({α∈N|a_α≠1})<cardN}。
α=2,3,4に対してはa_α=α、その他のα∈Nに対してはa_α=1で写像a∈Aを定義します。
α=4,5に対してはa'_α=α^2、その他のα∈Nに対してはa'_α=1で写像a'∈Aを定義します。
このときaとa'はどちらが大きいか調べて見ましょう。
β=max{α∈Λ|a_α≠a'_α}=max{2,3,4,5}=5です。a_5=1、a'_5=25よりa_5<a'5、よってこの場合a<a'です。

注1、注2の証明とかまた後で。というか出来ないかもしれないのでその場合他の方に○投げしますw

174臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/22(水) 01:51:52
【定義】―整列積
上に書いたことを用いて順序数の整列積を定義する。
順序集合Λを添数集合とする順序数の族(μ_α)_α∈Λが与えられたとき、各αに対してord A_α=μ_αである
ような整列集合A_αを取り、集合族(A_α)α∈Λを構成する。これから、上のようにして作った整列集合Aの
順序数を、(μ_α)_α∈Λの整列積Π_[α∈Λ]μ_αと定義する。特に、∀α∈Λ;μ_α=μであって、ord Λ=νであるとき、Π_[α∈Λ]μ_αをμ^νと書く。これが順序数の冪の定義である。

(注3) Λ={1,2}とすると、Π_[α∈Λ]μ_αは>>148-149で定義したμ_1μ_2に一致する。

(注4) 
冪の演算に関して、次の指数法則が成立。
(4.8)μ^ν*μ^ρ=μ^(ν+ρ)
(4.9)(μ^ν)^ρ=μ^(νρ)
ただし、(μν)^ρ=μ^ρ*ν^ρは一般には成立しない。

175Мечислав(☆10) ◆QRDTxrDxh6:2005/08/31(水) 01:30:34
えー。臺地が近々つづきをかくそうです。

176臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/08/31(水) 01:31:30
本当にゴメンナサイ
9月こそ頑張る所存です

177臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/07(水) 22:38:56
>>172
(注1)
【証明】
{α|a_α≠a'_α}⊂{α|a_α≠e_α}∪{α|a'_α≠e_α}で右辺は仮定より有限集合だから、
左辺は有限集合であり、しかも整列集合Λの部分集合なので整列集合。よって>>102
操作を考えれば、左辺に最大元が存在することがわかる。

(注2)
以下を利用(2節演習問題2番)
【補題】
順序集合Aの元の列(a_n)_n∈Nで、a_1>a_2>a_3>・・・>a_n>・・・となるものをAにおける降鎖という。
Aが全順序集合の場合、Aが整列集合⇔Aにおける降鎖は存在しない である。

【補題の証明】
対偶:Aにおける降鎖が存在⇔Aは整列集合でない を示す。
(⇒)
Aにおける降鎖(a_n)_n∈Nが存在したとすると、Aの部分集合{a_n|n∈N}には最小元が存在しない。
よってAは整列集合でない。
(←)
Aが整列集合でないと仮定すると、Aのとある部分集合B(≠φ)には最小元が存在しない。
よって任意のBの元bに対して、M_b={x∈B|x<b}は空でないから、選択公理により
∀b∈B;Φ(b)∈M_bとなる写像Φが存在する。Bから一つの元b_0を選び、n≧1に対して
b_n=Φ(b_(n-1))でBの元の列(b_n)_n∈Nをつくると、これはAにおける降鎖である。
以上より補題が示された。

【注2の証明】
上の補題により、A={a∈ΠA_α|card({α∈Λ|a_α≠e_α})<cardN}に降鎖が存在しないこと
示せばよい。背理法を使う。つまり、Aに降鎖a^(1)>a^(2)>・・・>a^(n)>・・・が存在するとして
矛盾を導く。注1により、{α|a^(n)_α≠e_α}(a'=eとした)には最大元が存在するが、それをα_n
とおく。するとα_1≧α_2≧・・・≧α_n≧・・・である。なぜなら、たとえばα_1<α_2とすると
max{α|a_α≠a'_α}=α_2で、α_1より大きなαに対してはa^(1)_α=e_αであるから
a^(1)_(α_2)<a^(2)_(α_2)つまりa^(1)<a^(2)となり矛盾。したがってα_1≧α_2となる。他の場合も同様。

ところが、{α_n|n∈N}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_n)は降鎖でない。
したがってあるn0∈Nが存在してα_n0=α_(n0+1)=・・・=α_(n0+n)=・・・となるしかない。
この値をα~とおく。
ここで、Aでの降鎖の存在の仮定より、a^(n0)>a^(n0+1)>・・・>a^(n0+n)>・・・であったが、
これはAでの順序の定義より、a^(n0)_α~>a^(n0+1)_α~>・・・>a^(n0+n)_α~>・・・ということ。・・・*
しかるにこれは整列集合A_α~における降鎖の存在を主張するものであるから、補題に矛盾。
したがってAには降鎖は存在しない。つまり、Aは整列集合である。(証明終わり)

178臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/07(水) 22:42:23
はっきり言って自力では出来ませんでした・・・後ろの答えを写しまくりました。
しかも*の部分はなんでかいまだにわかりません。
a^(n0)_α~=a^(n0+1)_α~であっても、α~よりちょっと小さなαで
a^(n0)_α>a^(n0+1)_αってなっていればa^(n0)>a^(n0+1)じゃないかと。
うーん・・・

179たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 00:04:20
オヒサシブリですw

>>178
>a^(n0)_α~=a^(n0+1)_α~であっても、α~よりちょっと小さなαで
>a^(n0)_α>a^(n0+1)_αってなっていればa^(n0)>a^(n0+1)じゃないかと。
ほんとだ。解答読んだとき気づかんかった。

とりあえず、自分で解いた解答を晒してみる。。

証明
MをAの空でない任意の部分集合とする。
e=(e_α)_(α∈Λ)とすると、e∈MのときはminM=eとなる。
故にe∈M^cのときにMに最小元が存在することを示せばよい。(「含まない」の記号が出ないorz)
a∈A-{e}に対してβ_a=max{α∈Λ|a_α≠e_α}と定義する。
また、Λ_M={β_a|a∈M}とおく。
Λ_MはΛの空でない部分集合なのでminΛ_Mが存在する。それをβ_0とおく。
次に、N={a∈M|β_a=β_0}とおくと、Nは当然空ではないので、
pr_(β_0)(N)はA_(β_0)の空でない部分集合である。
A_(β_0)は整列集合なので、min(pr_(β_0)(N))が存在する。
すなわち、∃b∈N s.t. pr_(β_0)(b)=min(pr_(β_0)(N))
このbがMの最小元となる。
実際、β_0はΛ_Mの最小元なので、∀a∈Mに対して、β_a≧β_0であり、
b∈Nよりβ_b=β_0であるので、∀a∈Mに対してβ_a≧β_bである。
β_a>β_bであれば、b_α≠a_αなる最大のαはβ_aであり、
β_aの定義より、b_(β_a)=e_(β_a)、a_(β_a)≠e(β_a)となるので、a>b
また、β_a=β_bであれば、a,b∈Nとなるので、
pr_(β_0)(b)=min(pr_(β_0)(N))であることからa_(β_0)≧b_(β_0)であり、
a≧bが成り立つ。 //

180たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 00:11:37
おかしい所あったら指摘ヨロ。
久しぶりだから自分のノート見直すのに時間かかった。

自分でノート書くのと自分のノートを見るのは大違いだと改めて実感しました。
この前、自分ですごい明解なイメージができた、と思って嬉々としてノートとったとこを見直したら、
どこが明解なのかさっぱり分からなくてビックリしましたw

181臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/08(木) 02:07:57
>>179
a_(β_0)≧b_(β_0)⇒a≧bは必ずしも言えないのではないでしょうか。
a_(β_0)=b_(β_0)の場合だったら、結局aとbの大小はβ_0より小さな元を調べない限り
わからないと思います。


Λ=N,e_α=1,A_α⊂N
α : 1  2  3  4  5  6  7  8
━━━━━━━━━━━━━━━━━
a  : 1  1  2  2  1  1  1  1
b  : 2  9  1  2  1  1  1  1
c  : 1  1  1  3  1  1  1  1
d  : 3  5  1  1  4  1  1  1

α=8以上の場合、写像a〜dのどれもがαを最小元1に写す。
こんな感じのΠ_[α∈N]A_αの部分集合{a,b,c,d}を取ってきます。
β_0=4、min(pr_(β_0)(N))=2です。
>∃b∈N s.t. pr_(β_0)(b)=min(pr_(β_0)(N))
に該当する写像は、上の図の場合a、bの二つがあり、さらにaとbの大小を決定する必要があります。
b_(β_0)≧a_(β_0)(ていうかともに2で等しい)ですが、この場合はα=3のときの様子よりb<aです。

この問題難しい・・・

182たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 02:19:16
>>181
あぁほんとだ。同じ間違いして他から気づかんかったんか。
もうちょっと考えて見ます。

183たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 13:52:05
これでどうだ!文字が多すぎて分かりにくかったらスマソ。

【補題】
順序集合Aの元の列(a_n)_n∈Nで、a_1>a_2>a_3>・・・>a_n>・・・となるものをAにおける降鎖という。
Aが全順序集合の場合、Aが整列集合⇔Aにおける降鎖は存在しない である。

【注2の証明】
上の補題により、A={a∈ΠA_α|card({α∈Λ|a_α≠e_α})<cardN}に降鎖が存在しないこと
示せばよい。背理法を使う。つまり、Aに降鎖a^(1)>a^(2)>・・・>a^(n)>・・・が存在するとして
矛盾を導く。注1により、{α|a_α^(n)≠e_α}には最大元が存在するが、それをα_1^(n)
とおく。するとα_1^(1)≧α_1^(2)≧・・・≧α_1^(n)≧・・・である。

ところが、{α_1^(n)|n∈N}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_1^(n))は降鎖でない。
したがって∃n1∈Nが存在してα_1^(n1)=α_1^(n1+1)=・・・=α_1^(n1+n)=・・・となるしかない。
この値をβ_1とおく。
ここで、Aでの降鎖の存在の仮定より、a^(n1)>a^(n1+1)>・・・>a^(n1+n)>・・・であったが、
これはAでの順序の定義より、a_(β_1)^(n1)≧a_(β_1)^(n1+1))≧・・・≧a_(β_1)^(n1+n)≧・・・ということ。
{a_(β_1)^(n1+n)|n∈N}は整列集合A_(β_1)の部分集合なので、(a_(β_1)^(n1+n))は降鎖ではない。
したがって∃n2'∈Nが存在してa_(β_1)^(n2')=a_(β_1)^(n2'+1)=・・・=a_(β_1)^(n2'+n)=・・・となる。
さらに注1により、{α|(a_α^(n)≠e_α)∧(α<β_1)}(n≧n2')には最大元が存在するが、それをα_2^(n)とおく。・・・(注)
するとα_2^(n2')≧α_2^(n2'+1)≧・・・≧α_2^(n2'+n)≧・・・である。
ところが、{α_2^(n)|n∈N,n≧n2'}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_2^(n))は降鎖でない。
したがって∃n2∈Nが存在してα_2^(n2)=α_2^(n2+2)=・・・=α_2^(n2+n)=・・・となるしかない。
この値をβ_2とおく。

このように、∃β_kがあって、α>β_kでa_(α)^(nk)=a_(α)^(nk+1)=・・・=a_α^(nk+n)=・・・
であるような、降鎖a(n)の部分列(a_(nk+n))があるとき、a(n)が降鎖であることより
a_(β_k)^(nk)≧a_(β_k)^(nk+1))≧・・・≧a_(β_k)^(nk+n)≧・・・となる。
{a_(β_k)^(nk+n)|n∈N}は整列集合A_(β_k)の部分集合なので、(a_(β_k)^(nk+n))は降鎖ではない。
したがって∃n(k+1)'∈Nが存在してa_(β_k)^(n(k+1)')=a_(β_k)^(n(k+1)'+1)=・・・=a^(n(k+1)'+n)=・・・となる。
注1により、{α|(a^(n)_α≠e_α)∧(α<β_k)}(n≧n(k+1)')には最大元が存在するので、それをα_(k+1)^(n)とおく。
するとα_(k+1)^(1)≧α_(k+1)^(2)≧・・・≧α_(k+1)^(n)≧・・・である。
ところが、{α_(k+1)^(n)|n∈N,n≧n(k+1)'}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_(k+1)^(n))は降鎖でない。
したがって∃n(k+1)∈Nが存在してα_(k+1)^(n(k+1))=α_(k+1)^(n(k+1)+2)=・・・=α_(k+1)^(n(k+1)+n)=・・・となるしかない。
この値をβ_(k+1)とおく。
すると、α>β_(k+1)でa_(α)^(n(k+1)=a_(α)^(n(k+1)+1)=・・・=a_α^(n(k+1)+n)=・・・となる。
このようにして、β_kとnkからβ_(k+1)とn(k+1)を定めることが出来る。

このようにして作った(β_k)_(k∈N)はβ_kの作り方から、
β_1>β_2>・・・>β_k>・・・となるが、これはΛにおける降鎖であり、Λが整列集合であることに反する。
したがって、Aに降鎖は存在しない。すなわち、Aは整列集合である。 //


(注)注1が保証しているのは{α|(a^(n)_α≠e_α)∧(α<β_1)}が空でないときその最大元が存在することである。
 よって、{α|(a_α^(n)≠e_α)∧(α<β_1)}が空でないことを言っておかないといけない。
 背理法によってこれを示す。
 {α|(a^(m)_α≠e_α)∧(α<β_1)}=φであるようなm(>n2')が存在したとすると、
 ∀α<β_1においてa_α^(m)=e_αとなるが、
 α>β_1においてはa_(α)^(n2')=a_(α)^(n2'+1)=・・・=a_(α)^(n2'+n)=・・・となるので、
 a(m)>a(m+1)を満たすようなa(m+1)は存在しない。したがって、a(n)が降鎖であることに矛盾。
 よって、∀n>n2'に対して{α|(a^(m)_α≠e_α)∧(α<β_1)}≠φ

184臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/09(金) 00:34:26
うお。がんばって読むのでしばらくお待ちを・・・

185たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/09(金) 00:42:05
>>177の証明でα~まで引き下げて矛盾がでないんなら、もっと引き下げたら矛盾がでるだろうって方針です。

186臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/09(金) 00:52:23
なるほど。たしかにminΛまで全てチェックして整列してしまえばいいですよね。
しっかし>>177の*って結局本の解答マチガイなのだろうか。うーん間違ってるとは
思えないんですが・・・。ひさしぶりにやると全然勘が働かない

187たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/09(金) 01:02:36
間違いでいい気がするけど、これだけ代表的な本の間違いは全て訂正されてそうだしなぁ。
まぁでも、自分を信じようw

188Мечислав(☆10) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 04:57:42
著者の間違いを発見できた臺地くん、
それを訂正できたたまちゃん、
お見事です。

順序数の族の整列積の定義には、別の流儀もあります。
いわば帰納的に定義するのですが,説明には結構字数が要ります。
数レスではすまず、二十レスくらい要りそうです。
別スレを立てるほどではないのでここに書くのが適当なのですが、
一度に書くのはチョットしんどいので、不定期連載みたいな形式に
させてもらえませんかね。実はいっぺんに書こうとしたンですが
書くほうも辛いし、読むほうだって辛かろうとおもいまして。

189Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 05:53:49
【整列積の別の定義】その1
まずは準備です。9ちゃんが、前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/14

    ある集合Aとものaを考えるとき、
    「a∈A または a??A のいずれか一方のみが成立し、
    両方同時に成立したり、両方同時に不成立であったりしない」場合に限って、
    Aを”集合”と呼んでよいことにします。
と集合を定義していますが,この定義だと,禁忌であった集合全体の集まりとか
順序数全体の集まりなども集合にしなくてはいけないことになります。
しかしこれらを集合のうちに含めるとおかしなことになってしまうことは
すでに見ました。
cf>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/551,
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1110808043/130

190Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 05:54:21
【整列積の別の定義】その2
そこで,これら集合全体の集まり,順序数全体の集まりのような,
ある対象がその集まりに属するか否かの一方のみが成立し,両方同時に成立したり,
不成立だったりはしないが,集合と考えると不都合が起こるものにも名前をつけよう
という試みがありました。フレンケルやノイマンによる試みです。このような
数学的にはっきりしていると考えられる集まりを領域と呼ぶことにし,集合の
話のときと同じように,領域に対して,部分領域,和領域,積領域,関係,写像等の
概念を導入し,いくつかの公理を仮定しようと言うわけです。集合も領域のうちの
ひとつです。X,Yが領域でX∈Yが成り立つYが存在するとき,Xを集合とするわけです。
仮定された公理からは例えば領域Xが集合ならXの部分領域だの積領域だのも集合,
A,Xを集合としたときの族(X_α)_[α∈A]が与えられたとき,これらの和領域,積領域
も集合である,等の命題が導かれます。こうして集合論を公理的に展開しようという
わけです。その公理系の無矛盾性も問題となるのですが,それは数学基礎論の範囲です。

191Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 05:54:54
【整列積の別の定義】その3
この"領域"という術語を用いると,
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/761
で苦し紛れに定義した濃度の概念も
  集合全体の領域U(←なんと「宇宙」とか‘universe’と名づけられてるそうです)
  の2つの元A,Bに対し,AからBへの全単射が存在するとき,A〜Bと定めると,
  〜はU上の同値関係であり,〜によってUを類別したときの各M(∈U)の同値類をcard(M)
  と書き,Mの濃度である
と定義したりもできます。

えー、今日はここまでにします。べつに領域などを導入しなくっても
整列積の別の流儀は説明できそうなんですけど,まあちょっとした紹介がてら
書いてみました。

>臺地
その4を待ったりせずにどんどん書き込んでくださって結構ですよ。

192臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/19(月) 00:53:05
>>183
まだお待ちを・・・

>>189
もともとの出発点としての集合の位置づけはそうだったのか。あらためて確認しました。

>>190
’領域’か・・・「数学的にはっきりしている集まり」って表現がいかにも扱いにくそうって感じを
出してますね。これからどう展開されるかに期待

193たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/10(土) 11:20:53
再開させようと思う今日この頃。§5からゆっくり書き始めますね。

実を言うと先に最後まで読み切りました。
問題も一応全部やったので、問題の解答集とかも暇になったら作るかもしれないけど予定は未定です。

194臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/12/11(日) 19:41:24
>>193
よろしくお願いします。俺は結局順序数の冪で挫折しましたorz
いろいろと忙しいはずなのに、どのように時間を見つけて読んだか教えてくだされ・・・
ついでにその気力を分けて欲しいです

195たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/11(日) 21:22:41
>>194
実はそんなに忙しくないだけっていう・・・
実験のレポートが鬼めんどくさいのを除けば、後期は授業12コマしか出てないんで。
空いた時間に図書館でちょっとずつやりました。
気力は・・・あるのかわかんね。ゆっくりやってまふ。

196うどん ◆csFiRniTeg:2006/01/08(日) 05:30:54
こんな時間ですが質問です。

≦を<∨=で定義しても、<を≦∧≠で定義しても
どっちでもいいみたいなんですが、これは何故なんでしょう?

197たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/08(日) 23:02:10
>>196
順序として普通に定義されるの≦で、<はあくまで≦を使って定義される、すなわち≦∧≠であって、
<∨=で≦を定義してもよいっていうよりはむしろ<∨=は実ははじめに定義した≦の定義
と一致しているので、≦の変わりに<∨=を考えてもよいってな感じだと思います。
これは、
反射率より、a=b⇒a≦bが成り立つので
a≦b⇔a≦b∧(a≠b∨a=b)
  ⇔(a≦b∧a≠b)∨(a≦b∧a=b)
  ⇔(a≦b∧a≠b)∨a≦b
  ⇔a<b∨a≠b  //
より言える。というのではだめですかね?

198Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/09(月) 02:23:42
>>197
えー、おひさ。

ラメさんの>>196の問題提議は
ある公理を満たすような関係<を定義し、
それから<∨=⇔≦と定義すると
関係≦は順序になっていて、その順序になった「≦」
から<⇔≦∧≠と関係「<」を定義すると「<」と「<」は一致する。。。
という話ではないでしょうか。

↑そのことを原稿にしましたんで「て」にうpしときます。
「て」のドキュメントのなかの「演習/集合位相入門note.pdf」です。
そのファイルの*6,*7,*8あたりに≦と<のカンケーについて書いておきました。
*35でN∪{ω}に順序を入れるとき*6-*8みたいな事を考えないで
順序がはいるものなのでしょうか。。

199たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/09(月) 04:02:52
>>198
そういうことかorz
原稿の*6-*8あたり目を通しました。面白かったです。
「<」の公理から出発して順序を定義することもできるんですね。

*35はNの元a,bに対してはa≦bを通常のNの大小に従って定め、
Nのすべての元xに対してx≦iかつ¬(i≦x)であると定め、i≦iと定める。
とかだとうまくいくかな。ちょっとせこい感じがするけど。

200Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/09(月) 04:15:19
>>199
うん。そう定めておけばいいのに、
テキストではすべてのNの元xに対して
x<iとするとしかいってないので、
それだと「明らかに整列集合」どころか
順序が入ってるのかどうかすら明らかじゃない、
*6-*8みたいな議論をしなくちゃいかんように思えて。

順序ってのはもともと数の大小を抽象的に扱おうとしたわけだから
≦が<または=だってのはまあ当たり前だという気分はわかるんだけど
<を≦∧≠だと定めてしまった以上、*6-*8の議論は必要ですよねえ。

201あしぺた:2006/01/09(月) 04:45:53
なるほど!天才ですね!!
普通にその箇所読み流してました!
眼が悪いので読み流すくせがついてるわけですが
頭のなかで咀嚼することは出来たはずであります!

202うどん ◆csFiRniTeg:2006/01/10(火) 00:33:47
>>199
元はといえば先生からの問題提起でして、俺がよく理解できてなかったため
誤解を生む質問の仕方をしてしまったようです。スマソ・・・

203Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 01:28:07
「て」にうpした原稿、三章二節B、切片と超限帰納法の部分追加うp。
徐々に追いついて、整列積の別定義ができたころに、テキスト版うp
することにしよう。

204あしぺた:2006/01/10(火) 04:42:38
超限帰納法:
P:整列集合の部分集合
小さな元全部Pに入ってるならその元も入ってる
ときに
全部の元入ってる


整列集合とは限らない集合に関して超限帰納法の一般化を考えてみましたが、
良い案が浮かびません


ところで
実数体での整列順序を入れる具体例が分かれば、
超限帰納法が使えるので、
実数に関する命題を証明するのに役立つかな
と思ったのですが、
そういった具体的構成を発見するのは恐らく不可能とのことです

205Je n'ai pas de nom!:2006/01/15(日) 01:31:16
>>200
改めて考えて思ったんですが、テキストの定義にi≦iだけ補えばちゃんと順序集合になるんじゃないでしょうか?
えっと、実際テキストではiはNのどの元とも異なる元と定めると書いてあるので、
任意の自然数nに対してn<iと定めるってのは、任意の自然数nについてn≦iと定めるって意味で書いてると解釈して。

実際、任意のN∪{i}の元xに対してx≦iと定めれば
まず任意のx∈N∪{i}に対してx≦x
x≦yかつy≦zとすると、x,y,zがすべて自然数の場合は当然x≦z
z=iのときは、iの定義よりx≦z
y=iであるとすると、i≦zという関係が定義されているのはz=iのときだけであり、このときi定義よりx≦z
x=iなら同様にy=i,z=iのときしか定義されておらず、このときx≦z
また、x≦yかつy≦xとすると、x,yがともに自然数ならば当然x=yで
xまたはyがiならば、x=y=iのときしか仮定は定義されておらずこのときx=y
よって、N∪{i}は順序集合となる。

206たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/15(日) 01:35:30
>>205は僕です。途中で書き込み押してしまったorz

えっと、>>204に書いた見たいにうまくいくんじゃないかと思いました。
この場合、先生の<から定義した順序との違いは、
<からの定義ではx∈Nに対して¬(i≦x)が成り立つが、
204の定義では¬(i≦x)が成り立つかどうかは考えていないってとこです。

どうでしょ?

207たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/15(日) 01:37:18
ああー、2行目と3行目は204じゃなくて205ですねorz
最近注意力散漫だ。

208Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 17:21:15
なるほどi≦i追加で順序になりますね。
順序になるんだったら線形順序になるから
x∈Nに対して¬(i≦x)もおkじゃないですか?
xとiはx≦iでx≠iだからx<i、よって¬(i≦x)ってわけで。

209たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/21(土) 21:09:17
>>208
あーほんとですね。確かに。
うーんと、これ考えてたらまたちょっと気になることが。
i≦iを追加して順序にした体系で¬(i≦x)が成り立つのは"≦が順序である"っていう性質によるじゃないですか?
ていうのは、実際i≦xを示すには、i≦xを仮定して、x≦iと合わせると、推移率よりi=xとなりi≠xに矛盾するってやるわけで。
でも、≦は確かに順序の公理を満たしてはいるけれど、ただの関係であると思ってしまえば、i≦xを仮定したみたところで、
それがどうしたの?って感じですよね。だって、推移率が使えるのは≦は順序の公理を満たす関係であるっていう性質を使っている
わけだから。
そう考えると、ある関係≦が順序の公理をを満たしているってことと、ある関係≦が順序である(あるいは、ある関係が順序の公理を
満たすような関係である)ってことの間にはギャップがあると思うんです。
で、このことを踏まえると、具体的に関係を入れて順序集合を構成しようと思うときはやっぱり、先生がやったように、
<∧=を順序にするのが論理的にギャップがなくていいのではないかと思いました。
テキストの順序の定義では「ある関係Oが順序の公理を満たすとき、Oを順序と呼ぶ」と書いてありますが、これも細かいですが
「順序の公理を満たすような関係Oを順序と呼ぶ」と書いたほうがいいのかなと思いました。

うーん、これでうまく伝わるのかなぁ(;´Д`)

210Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/21(土) 22:08:54
>>209
「ある関係Oが順序の公理を満たしている」…(1)

「ある関係Oが順序の公理を満たすような関係である」…(2)
の間にギャップがあるという主張ですか?

えーっと、(1)と(2)の違い、もう少し詳しく言ってもらえないでしょうか。

集合AにA上の関係Oが与えられて、そのOが順序の公理を
満たしているということ(3)と
集合Aと順序の公理をみたすA上の関係Oをセットで考える(4)
ということにはギャップがあるってことなのかな。

(3)の段階で(A,O)を順序集合といってしまうのは少々乱暴で、
(3)の状況下はOは順序の公理を満たしているから
改めてAとOの組を順序集合と呼ぶと宣言しなければ
(4)と同じにならないってかんじなのかな。

211たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/21(土) 22:50:19
>>209
4行目の推移率は反対称率の間違いです。

>>210
えーと、(3)と(4)の差を言ってるんじゃなくて、(1)と(2)の差のことです。
まず(2)の場合、つまり「ある関係Oが順序の公理を満たすような関係である」ときに
aObかつa≠bが成り立っているとします。
このとき、¬(bOa)が成り立つのかどうかという問題を考えます。
このときは、bOaを仮定すると「Oは順序の公理を満たすような関係である」ので、
反対称律よりa=bが成り立ち、a≠bに矛盾する。
よって、¬(bOa)が成り立つことになります。これは通常の推論ですね。
一方、(1)の「ある関係Oが順序の公理を満たしている」ときは
bOaを仮定すると、ある関係Oが順序の公理を満たさない関係になるだけであって、
そこまでの話です。なので、¬(bOa)が成り立っているかどうかは判断できないとわけです。

こういう風に考えると、ある関係Oが順序の公理を満たしているときに、
「Oが順序である。」っていってしまうことは(1)だったものを暗黙のうちに(2)と見なすことになり、
ひとつのギャップを超えることになると思うんです。
この点が気になるんで、先生の定義を採用する方がいいかなぁと思ったんです。

212Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/21(土) 23:18:51
>>211
(1)の下では
aObかつa≠bがなりたつなら
bOaとすると(順序の公理を満たしているはずの)Oが順序の公理をみたさなくなってしまう

がいえるだけだっていってるわけですか。

やっぱりよくわかってないなあ。
>>209

>≦は確かに順序の公理を満たしてはいるけれど、ただの関係であると思ってしまえば

ってのがよく分かってないのだとおもう。
≦が「確かに順序の公理を満たしている」なら「ただの関係」じゃなくて「順序」だろう
っ思ってしまうところに私の解釈のマチガイが隠れているとは思うのですが。。

213たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/24(火) 00:15:56
>>212
やっと解決しますた。関係の認識があやふやでした。
この問題を考えていく中で、A上の関係RはAの元の組(a,b)に対して、
"aRbが成り立つ"、"¬(aRb)が成り立つ"、"未定義"の三つの状態があるとして
考えるようになっていたのがそもそもの諸悪の根源でした。
実際には、数学的な議論の対象になりうるために、関係Rには
Aの組(a,b)に対してaRbが成り立つか¬(aRb)が成り立つかがはっきりするしている、
すなわち、aRbまたは¬(aRb)のいずれかか一方のみが必ず成り立つ
ことが要請されなければならないみたいで、他のテキストなんかを見るとそのような
記述がありました。 排中律を認めているんだからこのようなことを要請するのは
当然といえば当然なんですが、今までそのことにきづきませんでしたorz

214たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/24(火) 00:16:12
えと、何が疑問だったかって言うのを簡単に(一般化して?)述べると、
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/684
に書かれてある
「Aにおけるひとつの2項関係を定めることは,結局A×Aの1つの部分集合を与えることと本質的に異ならない」
ってことが本当に正しいのかどうかてことで、もう少し正確に言うと、
R(G(R))=Rが本当に成り立つのかってことでした。僕は2項関係は上で書いたように
aRbが成り立つ"、"¬(aRb)が成り立つ"、"未定義"の三つの状態があるとみなしてしまっていた
ものだから、G(R)を考えることで、(a,b)∈G(R)または(a,b)∈G(R)の二つの状態しかないことに
なってしまい、すなわちR(G(R))は"aRb"と"¬(aRb)の"二つの状態しか考えないこと
になり(もっといえばRで未定義だった部分をすべて¬(aRb)で置き換えてしまうことになり)、
R(G(R))=Rは成り立たないんじゃないかと思っていたんです。

で、特にこの場合では、"関係Rが順序の公理を満たす"っていう状況下では、Rは"未定義"の
部分を含んでもいいけれど、"関係Rが順序の公理を満たすような関係である"という状況下では
Rの反対称律の性質のために、"未定義"だった部分が¬(aRb)で置き換わってしまい、
ギャップがあるのではないかと思っていたんです。

でも、最初に述べたようなことが関係Rに要請されていればこのようなことが起きずに、
「Aにおけるひとつの2項関係を定めることは,結局A×Aの1つの部分集合を与えることと本質的に異ならない」
とおもってよくギャップが解消されるのでめでたしめでたしです。
ちょっと深入りしすぎたみたいだ。。

215あしぺた:2006/01/24(火) 16:38:13
深煎りしすぎです!www

深い理解を求めようとする態度が素敵ですよ!

216Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/05(日) 02:05:47
「て」にうpした原稿、三章二節C、「整列集合の順序同型」の部分追加うp。
http://groups.msn.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7/page.msnw
よりどぞ。

217臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/13(月) 17:38:04
復帰します

問.>>172のAが整列集合であることを示せ。
【証明】
任意のB⊂Aを取る。minBの存在を示せばよい。Aの定義(a_α≠e_αなるαは有限個)より、
どのBの元もあるαより先では(e_α)と同じはず:
   ∃α_m∈Λ;∀a∈B;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α  ★1
このようなα_mは一つではないが、Λは整列集合だからその中で最小なものを選べる:
   α_m=min{α_m|∀a∈B;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α}
Λ<α_m>が無限集合とすると、a_α≠e_αなるαが無限に存在することになり、Aの定義に反するので
Λ<α_m>は有限集合。よって小さい方から順にΛ<α_m>={α(1),α(2),・・・,α(M)}(Mは自然数)とおける。
なお、α(M+1)=α_mとおくとこれはΛにおけるα(M)の直後の元である。

ここで次のように集合B_(M+1)⊃B_M⊃・・・⊃B_1を帰納的に定める:
(i)B_(M+1)=B
(ii)k=1,2,・・・,Mのとき、B_(k+1)まで定まっているとする。各a∈B_(k+1)のα(k)成分の集合
{a_α(k)|a∈B_(k+1)}(⊃A_α(k)で、整列集合)の最小元を与えるa∈B(一つ以上はある)
からなる集合をB_k(≠φ)とする:
   B_k={b∈B_(k+1)|b_α(k)=min{a_α(k)|a∈B_(k+1)}}

このとき、
∀k=1,2,・・・,M;∀a,b∈B_k;a_α(k)=b_α(k)  ★2
∀k=1,2,・・・,M;∀a,b;(a∈B_k∧b∈B_(k+1)‐B_k)⇒a<b  ★3
なぜなら、★2は、a,b∈B_kならばB_kの定義と最小元の一意性から、a_α(k)=b_α(k)=min{a_α(k)|a∈B_(k+1)}となることよりわかる。
★3は、a∈B_k∧b∈B_(k+1)‐B_kならば、★1と★2よりα(k+1)以降はa=b:∀α∈Λ;α≧α(k+1);⇒a_α=b_α。
さらにa_α(k)<b_α(k)から、max{α∈Λ|a_α≠b_α}=α(k)であって、a<bとなることよりわかる。

すると★1と★2によりB_1には一つしか元がなく、しかも★3によりそれがB_(M+1)=Bにおける最小元となることがわかる。
以上より示された。□

218あしぺた:2006/02/13(月) 22:47:39
たしか一年生でしたね
立派です!


略証明


Aの元 a = (a_α) に対し a_α が e_α でないαの集合を Λa とかこう
Aの部分集合Bを任意にとる
∪[a∈B]Λa の最小元をmとおく
このとき a_m ≠ e_m なるBの元 (a_α) がある
そうした (a_α) のうち最小なもの(Amの整列性ゆえ存在)がBの最小元 ■

219あしぺた:2006/02/13(月) 22:53:09
ああ違うね

もう少し複雑な証明が必要のようだ

220Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/13(月) 22:55:31
>>218
かれは受験生のころからこれ読んでますよ。われわれと一緒に。

221臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/13(月) 23:32:15
>>217>>172の続き
以上の事実を用いて順序数の整列積を定義することができる。すなわち、整列集合Λ
を添数集合とする順序数の族(μ_α)_α∈Λが与えられたとき、各αに対してordA_α=μ_αで
あるような整列集合A_αをとる。これから>>172のようにしてつくった整列集合Aの順序数を
(μ_α)_α∈Λの整列積Π[α∈Λ]μ_αと定義するのである。

・冪の定義
特に、全てのα∈Λに対してμ_α=μで、ordΛ=νであるとき、Π[α∈Λ]μ_αをμ^νとかく。

・例
Λ={1,2}のとき、Π[α∈Λ]μ_αはC)>>148-149で定義した積μ_1μ_2と一致する。
この確認はまた後日・・・

これで冪が定義できたのでちゅうぶらりんな状態は脱したかと思います。
演習問題11とかたま氏の証明を読むとかいろいろ残ってはいますが・・・
てか>>172が6月だから8ヶ月も放置してたんですね・・・ごめんなさい
これからは心を入れかえてがんばれればいいなー。とりあえず明日の数学のテストで優を・・・!

222Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/13(月) 23:35:13
>>221
お!がんがれー。
コメントはおいつくまで少々おまちを。

223あしぺた:2006/02/13(月) 23:41:29
どうしてあるαがあってそこから先ではって言えるの?


たとえば整列集合をNで考えBとして一点だけ1の値をとるもの全体を考えると?


あとなんでべきなのかわからない
集合A、Bのべきとは写像A→Bの全体


整列集合の任意個の直積が添え字集合に整列順序が入ってるなら自然に整列集合になるということを言おうとしたのかな

224あしぺた:2006/02/13(月) 23:44:10
ごめ
ちゃんと整列積って書いてるね


べきはこれから定義するとこだったんだね

225あしぺた:2006/02/14(火) 00:06:17
AはΠA_αより小さい集合だから
整列積というのは整列集合の直積の順序数ではないんだね
何かスッキリしないなあ(笑)

226たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/14(火) 02:15:41
>>217
復帰してるっ!僕も続き書くとか言いつつ書いてなかったですねorz
テスト終わったし、また頑張ります。

>∃α_m∈Λ;∀a∈B;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α  ★1
証明の1,2行目から言えるのは
∀a∈B;∃α_m∈Λ;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α
じゃないかと。
各aに対してはα_mが取れるけど、Bすべての元aに対してα≧α_m⇒a_α=e_αを
成り立たせるようなα_mはとれないのでは?
例えば、BとしてA自身を考えて、a_α≠e_αなるαが一つしかないような元を考えればわかりやすいかも。
このようなαはどんどん大きくしていけるから、★1は成り立たないと思う。

>Λ<α_m>が無限集合とすると、a_α≠e_αなるαが無限に存在することになり、Aの定義に反するのでΛ<α_m>は有限集合。
例えばΛ=(N∪{ω})とするとき、
Aの部分集合Bとして、B={a|a∈Aかつa_ω=e_ω}を考えれば、α_m=ωとなりΛ<α_m>=Nで無限集合となりますよ。

227たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/14(火) 02:27:54
217の後半の発想は使えそうな気がする。
別証考えて見よっかな。

228臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/15(水) 00:12:52
>>223>>226
仰るとおりですね。α_mはaに依存してとるしかないか・・・(なんかこの辺実数とかで出てくる一様〜性に似てますね)
ならば、∀a∈B;∃α_m(a)∈Λ;∀α∈Λ;α≧α_(a)⇒a_α=e_α。
α_m(a)は一個じゃないかもしれんけど、そのなかで最小なものを取ることにする。
で、α_m゜=min{α_m(a)|a∈B}とおいて以下>>217の代わりにα_m゜を用いればいけるとみた。
これなら>>226後半もクリアできると思う。α_m゜から先のαでは、e_αばっかりになるようなaを考えれば、
Λ<α_m゜>は有限集合じゃないといけないはず。

229たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/15(水) 00:35:27
>>228
ちょっと違った。
∀a∈B;∃α_m∈Λ;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α
はいえない。
Λ=(N∪{ω})として、Aの部分集合としてB={a|a∈Aかつa_ω≠e_ω}を考えてみると。

あと、α_m゜が取れる場合も後半はクリアできないと思う。
Λ=(N∪{ω_1,ω_2})を考える。ここで、∀n∈Nに対して、n<ω_1<ω_2で順序を入れる。
Aの部分集合としてB={a|a∈Aかつa_(ω_1)≠e_(ω_1)}を考えると、α_m゜=ω_2
Λ<α_m゜>=N∪{ω_1}で無限集合となる。

別解考えてみたけど、やっぱり降鎖の考えが本質的な気がする。
違う考え方するときも何らかの形で選択公理使わないと難しいんじゃないかな?

230臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/15(水) 00:37:30
ああほんとだ・・・考え直し。

231あしぺた:2006/02/15(水) 00:56:27
思ったより難しいですね(笑)


ちょっと今日はもう寝ます(笑)

232臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/15(水) 00:59:01
>>225
あ、それ俺も感じました。きっと直積全体だと大きすぎて整列集合のクラスを超えちゃうんでしょうね。

233あしぺた:2006/02/15(水) 08:46:37
整列化定理によると
任意の集合には整列順序が入れられるので
整列集合のクラスという言い方は曖昧に思います

234たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/15(水) 09:05:51
>>233
曖昧というか先に順序を入れてるんで、その言い方はまずくないですか?
一応>>183で解答を提出してるんですけど、どうですか?

235あしぺた:2006/02/15(水) 09:57:47
判読に苦労しましたが良さげですね
論理の構想力が素晴らしいです!(笑)

236あしぺた:2006/02/15(水) 10:18:16
β_1の存在はΛの整列性から一発で出ます


降鎖による証明は
要はAが最小元のない部分集合Bをもつとし矛盾をみちびく証明を
簡単のためBが可算としてよい
とした証明ですね

237あしぺた:2006/02/15(水) 10:24:18
自宅にはパソコンないので今から登校して大学から証明書きます(笑)

たまさんの証明をヒントに簡潔版を思いついた模様

238あしぺた:2006/02/15(水) 14:03:39
証明
B⊂Aを任意にとる。

b∈Bに対し、Λ_b^(1) := {α∈Λ|b_α≠e_α}とし、
m_1 := min{max Λ_b|b∈B}と定義する。
そして次のようにして、点列(m_n)の帰納的定義を行う。
B^(n+1) := {bのm_nでの値をe_(m_n)に変えたもの| b∈B^(n), max Λ_b = m_n} とし、
Bに対するΛ_b^(1), m_1 の定義とまったく同じに、B^(n)に対してΛ_b(n+1), m_(n+1) と定義する。
ただし途中でΛ_b^(n)が空集合となった場合、m_n以降は定義しない。

このとき、{m_1,m_2,...}はΛの部分集合だから最小元をもつ。
しかも(m_n)は狭義単調減少列だから、結局、{m_1,m_2,...}は有限集合。
k点集合だとする。

このとき、Λ_b^(1) = {m_1,m_2,..,m_k} なるBの元がある。
Bの最小元があるとすればこれらのなかにある(なぜか?)。

ところで、Λ_b^(1)の元のうち、m_nでとる値が最小なものが存在する(n∈N)。
n=1でそうした元がただ一つ存在するならば、それが最小元。
nまででそうした元が複数存在したとしても、n+1でそうした元がただ一つ存在するならそれが最小元。
したがってBの最小元が存在する。■

239あしぺた:2006/02/15(水) 14:09:55
訂正版

証明
B^(1)⊂Aを任意にとる。

b∈B^(1)に対し、Λ_b^(1) := {α∈Λ|b_α≠e_α}とし、
m_1 := min{max Λ_b|b∈B^(1)}と定義する。
そして次のようにして、点列(m_n)の帰納的定義を行う。
B^(n+1) := {bのm_nでの値をe_(m_n)に変えたもの| b∈B^(n), max Λ_b = m_n} とし、
B^(1)に対するΛ_b^(1), m_1 の定義とまったく同じに、B^(n)に対してΛ_b(n+1), m_(n+1) と定義する。
ただし途中でΛ_b^(n)が空集合となった場合、m_n以降は定義しない。

このとき、{m_1,m_2,...}はΛの部分集合だから最小元をもつ。
しかも(m_n)は狭義単調減少列だから、結局、{m_1,m_2,...}は有限集合。
k点集合だとする。

このとき、C:={b∈B^(1) | Λ_b^(1) = {m_1,m_2,..,m_k} } は空でない。
Bの最小元があるとすればCの元である(なぜか?)。

ところで、Cの元のうち、m_nでとる値が最小なものが存在する(n∈N)。
n=1でそうした元がただ一つ存在するならば、それが最小元。
nまででそうした元が複数存在したとしても、n+1でそうした元がただ一つ存在するならそれが最小元。
したがってB^(1)の最小元が存在する。■

240あしぺた:2006/02/15(水) 14:14:14
このとき、{m_1,m_2,...}はΛの部分集合だから最小元をもつ。
しかも(m_n)は狭義単調減少列だから、結局、{m_1,m_2,...}は有限集合。
k点集合だとする。

の部分は不要ですね(笑)

241あしぺた:2006/02/15(水) 15:26:53
再訂正

B^(1)⊂Aを任意にとる。

b∈B^(1)に対し、Λ_b^(1) := {α∈Λ|b_α≠e_α}とし、
m_1 := min{max Λ_b|b∈B^(1),Λ_b≠φ}と定義する。
そして次のようにして、点列(m_n)の帰納的定義を行う。
B^(n+1) := {bのm_nでの値をe_(m_n)に変えたもの| b∈B^(n), max Λ_b = m_n} とし、
B^(1)に対するΛ_b^(1), m_1 の定義とまったく同じに、B^(n)に対してΛ_b(n+1), m_(n+1) と定義する。
ただし、Λ_b^(n)がすべてのb∈Bに対し空集合となったとき、m_nを定義しない。

このとき、{m_1,m_2,...}はΛの部分集合だから最小元をもつ。
しかも(m_n)は狭義単調減少列だから、結局、{m_1,m_2,...}は有限集合。
k点集合だとする。

このとき、C:={b∈B^(1) | Λ_b^(1) ⊂ {m_1,m_2,..,m_k} } は空でない。
B^(1)の最小元b_0があるとすれば、それはCの元である。

なぜなら、、
まずmaxΛ_(b_0)^(1)=m_1であることは明らか。
Λ_(b_0)^(1)のi番目に大きい元がm_iに一致する(i=1,..,p)とし、
i+1番目に大きい元αが存在しm_(i+1)に一致しないとすると、
m_(i+1)<αであるから、b_0の最小性に反する。
(つまり、Λ_(b_0)^(1)の濃度がkより小さいか、Λ_(b_0)^(1)={m_1,m_2,..,m_k}であるかのどちらかである)

ところで、Cの元のうち、m_nでとる値が最小なものが存在する(n∈N)。
n=1でそうした元がただ一つ存在するならば、それがCの最小元。
nまででそうした元が複数存在したとしても、n+1でそうした元がただ一つ存在するならそれがCの最小元。
したがってB^(1)の最小元が存在する。■

242あしぺた:2006/02/15(水) 15:30:49
まだ誤植があった^^;;;;;;
おそらくこれで完全版

証明:

B^(1)⊂Aを任意にとる。

b∈B^(1)に対し、Λ_b^(1) := {α∈Λ|b_α≠e_α}とし、
m_1 := min{max Λ_b^(1)|b∈B^(1), Λ_b^(1)≠φ}と定義する。
そして次のようにして、点列(m_n)の帰納的定義を行う。
B^(n+1) := {bのm_nでの値をe_(m_n)に変えたもの| b∈B^(n), max Λ_b^(1) = m_n} とし、
B^(1)に対するΛ_b^(1), m_1 の定義とまったく同じに、B^(n)に対してΛ_b^(n+1), m_(n+1) と定義する。
ただし、Λ_b^(n)がすべてのb∈Bに対し空集合となったとき、m_nを定義しない。

このとき、{m_1,m_2,...}はΛの部分集合だから最小元をもつ。
しかも(m_n)は狭義単調減少列だから、結局、{m_1,m_2,...}は有限集合。
k点集合だとする。

このとき、C:={b∈B^(1) | Λ_b^(1) ⊂ {m_1,m_2,..,m_k} } は空でない。
B^(1)の最小元b_0があるとすれば、それはCの元である。

なぜなら、、
まずmaxΛ_(b_0)^(1)=m_1であることは明らか。
Λ_(b_0)^(1)のi番目に大きい元がm_iに一致する(i=1,..,p)とし、
i+1番目に大きい元αが存在しm_(i+1)に一致しないとすると、
m_(i+1)<αであるから、b_0の最小性に反する。
(つまり、Λ_(b_0)^(1)の濃度がkより小さいか、Λ_(b_0)^(1)={m_1,m_2,..,m_k}であるかのどちらかである)

ところで、Cの元のうち、m_nでとる値が最小なものが存在する(n∈N)。
n=1でそうした元がただ一つ存在するならば、それがCの最小元。
nまででそうした元が複数存在したとしても、n+1でそうした元がただ一つ存在するならそれがCの最小元。
したがってB^(1)の最小元が存在する。■

244あしぺた:2006/02/15(水) 23:44:22
あげ(笑)

245たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/16(木) 21:04:01
>>229でわけのわからないこと言ってたorz
「整列集合⇒降鎖は存在しない」の証明には選択公理いらんな。

>>242
おお、すごい。>>183よりだいぶ見やすいですね。
でも、ちょっと表記が気になったので少しだけ。
Λ_b^(1)とかΛ_b^(n)の添え字はいらなくないですか?Λ_b^(n)の定義はΛ_b^(1)と同じわけだし。
>ただし、Λ_b^(n)がすべてのb∈Bに対し空集合となったとき、m_nを定義しない。
ていうのも少しおかしい気が。
Λ_bがすべてのb∈B^(n)に対し空集合となったとき、m_nを定義しない。
って書いたほうがいい気がします。

246臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/16(木) 21:45:21
>>183>>242
すみません。やっと読みました。感服しました。まだ完全には飲み込めてないところもあるので細部まで
読み込みたいと思いますが、たぶん致命的欠陥はないような気がします。

恥ずかしい話ですが、ここ二日間ほど俺の意思と意地と知略と論理と存在の全てを賭けて
この問題を解決しようと取り組んできました。しかし結果は敗北のようです。一応アイデアを形にするとこ
までは行ったんですが、あしぺた氏の簡潔な証明を見た瞬間にがっくりきてしまいました。
この問題さえできればまた立ち直れると思ったんだけどな・・・

247臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/17(金) 22:10:52
>>242>>245
おそらくΛ_b^(1) := {α∈Λ|b_α≠e_α,b^(1)∈B^(1)}
以下順にΛ_b^(k)={α∈Λ|b_α≠e_α,b^(k)∈B^(k)}
なのではないでしょうか?
そうしないと折角最小元の候補を絞ったのにその意味がなくなってしまう気が・・。

248あしぺた:2006/02/18(土) 10:33:47
>>247 そうです

249臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/20(月) 09:56:06
>>221の続き
・Λ={1,2}のとき、Π[α∈Λ]μ_αはC)>>148-149で定義した積μ_1μ_2と一致する ことの確認
ordA_1=μ_1、minA_1=e_1なる整列集合A_1とordA_2=μ_2、minA_2=e_2なる整列集合A_2を取る。
A_1×A_2に定められた順序と、Π[α∈{1,2}]A_α⊃A={a∈Π[α∈{1,2}]A_α|a_α≠e_αなるαは有限個}
に定められた順序の性質を比較してみる。
ところで、Λが既に有限集合なので、AはΠ[α∈{1,2}]A_α自身となる。
Π[α∈{1,2}]A_α=A_1×A_2であったから、あとはΠ[α∈{1,2}]A_α上の順序とA_1×A_2上の順序が同じもので
あることを示せばよい。

A_1×A_2上の順序は、その異なる元(a_1,a_2),(b_1,b_2)∈A_1×A_2に対して、
(a_1,a_2)<(b_1,b_2)⇔a_2<b_2∨(a_2=b_2∧a_1<b_1)で定義される。
A=Π[α∈{1,2}]A_α上の順序は、その異なる2元a,b∈Aに対して、
a<b⇔α*=max{α|a_α≠b_α}においてa_α*<b_α*⇔a_2<b_2∨(a_2=b_2∧a_1<b_1)で定義される。

よって、Π[α∈{1,2}]A_α上の順序とA_1×A_2上の順序が同じものであるから、
順序も含めてこの二つの整列集合は一致。したがって順序数Π[α∈Λ]μ_αとμ_1μ_2も一致。

250臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/20(月) 10:11:07
あっ整列積の定義がwell-definedであることを示してませんね。

【命題】
∀Λ∀(A_α)_[α∈Λ];ordA_α=μ_αかつminA_α=e_αかつordΛ=ν
⇒ord{a∈Π[α∈Λ]A_α|a_α≠e_α}=μ^ν

これはとりあえず後回しで・・・

251臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/20(月) 22:38:41
>>250
(μ_α)[α∈Λ]が与えられたとき、各αに対してordA_α=ordB_α=μ_αとなる整列集合の族
(A_α)[α∈Λ]、(B_α)[α∈Λ]を考える。Π[α∈Λ]A_αの部分集合Aを
A={a∈ΠA_α|a_α≠minA_αなるαは有限個}、Π[α∈Λ]B_αの部分集合Bを
B={b∈ΠB_α|b_α≠minB_αなるαは有限個}でそれぞれ定める。
ordA=ordB、すなわちAからBへの順序同型写像が存在することを示せばよい。
仮定より各αに対してordA_α=ordB_αだからA_αからB_αへの順序同型写像f_αが存在する。
そこでf:A→Bをf((a_α)[α∈Λ])=(f_α(a_α))[α∈Λ]で定めるとこれがAからBへの順序同型写像となる。

なぜなら:
fが全射かつ単射かつ順序単射であることを示せばよい。
・fが全射であること
∀b∈B;∃a∈A;f(a)=b⇔∀b∈B;∃a∈A;(f_α(a_α))[α∈Λ]=(b_α)[α∈Λ]を示せばよいが、
f_αが全単射であることから、(a_α)[α∈Λ]=((f_α)^(-1)(b_α))[α∈Λ]とおけばよい。

・fが順序単射であること
a<a’⇔f(a)<f(a')を示せばよい。ここで、f_αが単射であることから
{α|f(a)_α≠f(a')_α}={α|f_α(a_α)≠f_α(a'_α)}={α|a_α≠a'_α}。これらの集合の最大値をα~とおく。
するとf(a)<f(a')⇔f(a)_α~<f(a')_α~⇔f_α~(a_α~)<f_α~(a'_α~)⇔a_α~<a'_α~(∵f_αは順序同型写像)
⇔a<a'

以上より示された。□

252臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/21(火) 00:07:14
>>174
(4.8)μ^ν*μ^ρ=μ^(ν+ρ)
【証明】
・準備
ordA=μ、ordΛ=ν、ordΜ=ρとなる整列集合Λ,Μを取る。ただしΛ∩Μ=φ
これらから「和、積、冪の順序数が定義される」整列集合を構成していく。
新しい整列集合における順序の定め方は今までの通りである。
>>131-132、積>>148、冪>>221

まずν+ρ=ord(Λ∪Μ)。
直積Π[α∈Λ]Aの部分集合B={b∈Π[α∈Λ]A|b_α≠minAなるαは有限個}、
直積Π[β∈Μ]Aの部分集合C={c∈Π[β∈Μ]A|c_β≠minAなるβは有限個}、
直積Π[γ∈Λ∪Μ]Aの部分集合D={d∈Π[γ∈Λ∪Μ]A|c_γ≠minAなるγは有限個}とする。
するとμ^ν=ordB、μ^ρ=ordC、μ^(ν+ρ)=ordD。
そこでμ^ν*μ^ρ=μ^(ν+ρ)⇔B×C〜D(順序同型)だから、
B×CからDへの順序同型写像fが存在することを示せばよい。

そこでfを推定してみる。
f:B×C→Dをf(b,c)=f((b_α)[α∈Λ],(c_β)[β∈Μ])=(d_γ)[γ∈Λ∪Μ]=dとさだめる。
ただしdはd_γ=b_γ(γ∈Λのとき)、d_γ=c_γ(γ∈Μのとき)というAの元の族である。

253臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/21(火) 00:08:20
ああああ次の証明も書いたのに送信間隔が短すぎて消えた・・・・orzorz
また今度

254Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/21(火) 00:36:39
>>253
送信間隔が短すぎて消えたって?

連投は十秒以上あければおkにしてありますが。

255臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/21(火) 01:04:28
おそらく5秒ほどでした・・・
そうか10秒っていう制限があるんですね。知りませんでした。。

256あしぺた:2006/02/21(火) 01:11:40
整列集合を添え字集合とする整列集合の直積の部分集合で、
有限個の成分だけが最小元でないようなものの集合を、
制限直積(restricted direct product)
というらしい(『集合と位相』彌永昌吉、彌永健一)

257Je n'ai pas de nom!:2006/02/21(火) 01:14:12
ちょっと前までは三十秒っていう制限だったんだけど
待ち時間にいつもイライラしてたんで十秒にしたんですが。

かちゅーしゃなら「あとx秒かけません」ってでるだけで
きえたりはしないんだけどなあ。

258Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/21(火) 02:58:51
↑はぼくです。

259臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/23(木) 16:56:10
>>252の続き
fがB×CからDへの全射かつ順序単射であることを示す。
・全射であること
任意のd∈Dを取る。b∈B、c∈Cを∀α∈Λ;b_α=d_α、∀β∈Μ;c_β=d_βで定めると、
f(b,c)=dとなる。

・順序単射であること
(b,c)<(b',c')⇔c<c'∨(c=c'∧b<b')
⇔β~=max{β|c_β≠c'_β}が存在してc_β~<c'_β~∨(∀β∈Μ;c_β~=c'_β~かつα~=max{α|b_α≠b'_α}に対してb_α<b'_α)
⇔γ~=max{β|f(b,c)≠f(b',c')}に対して、f(b,c)_γ~≠f(b',c')_γ~
⇔f(b,c)<f(b',c')

よってfはB×CからDへの順序同型写像である□

なぜ二日開いたかって?聞かないで下さい・・・

260臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/23(木) 16:57:38
ん・・コピペミス
誤)⇔γ~=max{β|f(b,c)≠f(b',c')}に対して、f(b,c)_γ~≠f(b',c')_γ~
正)⇔γ~=max{β|f(b,c)≠f(b',c')}に対して、f(b,c)_γ~<f(b',c')_γ~

261あしぺた:2006/02/23(木) 18:13:59
整列集合の双対概念も整列集合ということにすると
全順序集合は整列集合を「並べた」集合なのか
というようなことを考えていた(笑)

262あしぺた:2006/02/23(木) 18:15:52
一点集合なら整列集合だから
ある意味自明なんだけど(笑)

263臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/28(火) 16:22:01
>>174
(4.9)(μ^ν)^ρ=μ^(νρ)
【証明】
・準備
ordA=μ、ordΛ=ν、ordΜ=ρとなる整列集合A、Λ、Μを取る。ord(Λ×Μ)=νρ。
B={a∈Π[α∈Λ]A|a_α≠minAとなるαは有限個}とするとordB=μ^ν
C={b∈Π[β∈Μ]B|b_β≠minBとなるβは有限個}とするとordC=(μ^ν)^ρ
D={d∈Π[γ∈Λ×Μ]|d_γ≠minAとなるγは有限個}とするとordD=μ^(νρ)
そこでCからDへの順序同型写像が存在することを示せばよい。

任意のCの元c=(((c_β)_α)[α∈Λ])[β∈Μ]を考え、d=(d_(α,β))[(α,β)∈Λ×Μ]∈Dを
∀(α,β)∈Λ×Μ;d_(α,β)=(c_β)_αで定める。
cをdに対応させる写像f:C→Dは順序同型写像となる。fが全射かつ順序単射であることを示す。

・全射であること
任意のDの元dを取る。c∈Cを(c_β)_α=d_(α,β)で定めると、f(c)=dとなる。

・順序単射であること
c<c'⇔β~=max{β∈Μ|c_β≠c'_β}に対し、((c_β~)_α)[α∈Λ]<((c'_β~)_α)[α∈Λ]
⇔β~=max{β∈Μ|c_β≠c'_β}、α~=max{α∈Λ|(c_β~)_α≠(c'_β~)_α}に対し(c_β~)_α~<(c'_β~)_α~
⇔γ~=max{γ∈Λ×Μ|f(c)_γ≠f(c')_γ}に対しf(c)_γ~<f(c')_γ~
⇔f(c)<f(c')
以上より示された。□

264臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/28(火) 16:32:52
>>174
(μν)^ρ=μ^ρ*ν^ρの成立しない例。
(ω2)^2=ω(2ω)2=ωω2=ω^2*2<ω^2*4=ω^2*2^2

思ったんですが、指数法則っていくつあるんでしょう?3つ?
数学II(高校の)の教科書でも
a^p*a^q=a^(p+q)
(a^p)^q=a^(pq)
(ab)^p=a^p*b^p
の3つでした。
なんだか、他にもありそうな気がしてたんですがこれだけでいいのか。

265臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 02:17:22
p122
第3章 順序集合、Zornの補題
§4 順序数
D) 順序数と濃度

・順序数μの濃度
ordA=ordA'=μなる整列集合A、A'の間には順序同型写像がありますが、これは全単射なのでA〜A'(対等)
したがってcardA=cardA'です。つまり、μを順序数に持つような整列集合Aの濃度cardAは一意に定まるので、
ordAをcardAに対応させる写像p(ドイツ文字)を考えることが出来ます。p(μ)(=cardA)を「順序数μの濃度」といいます。

(4.8)μ<ν⇒p(μ)≦p(ν)
∵ordA=μ、ordB=νとなる整列集合A,Bを取る。μ<νなら、AとB<b>が順序同型になるようなb∈Bが存在する。
 AからB<b>への順序同型写像をf1、f1の終集合をBに拡大した写像をf2とすると、f2:A→Bは単射。∴p(μ)≦p(ν)
 ちなみに等号が省けるとは限らない:ω<ω+1だがp(ω)=p(ω+1)=アレフ0
(4.8)'p(μ)<p(ν)⇒μ<ν
∵(4.8)の対偶より、p(μ)<p(ν)⇒μ≦ν。p(μ)<p(ν)かつμ=νはありえないから、p(μ)<p(ν)⇒μ<ν。

(4.9)p(μ+ν)=p(μ)+p(ν)
∵A,Bは上のように取るとして、p(μ+ν)=card(A∪B)=cardA+cardB=p(μ)+p(ν)

(4.10)p(μν)=p(μ)p(ν)
∵p(μν)=card(A×B)=cardA*cardB=p(μ)p(ν)

266臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 02:17:45
・濃度mに属する順序数
pの逆対応を考えて見ましょう。この逆対応の始集合は濃度全体の集合となります。
 ∵mを任意の濃度とし、cardA=mであるような集合Aを取る。整列定理によりAに順序≦を導入して(A,≦)を
  整列集合とできる。するとp(ord(A,≦))=mであるから、任意の濃度mに対しp^(-1)(m)≠φ
与えられたmに対して、p(μ)=mとなる順序数μ、すなわちp^(-1)(m)の元を「濃度mに属する順序数」といいます。

・始数
mが有限の濃度なら、逆像p^(-1)(m)={m}なのでmに属する順序数が一意に定まりますが、
mが無限の濃度なら逆像p^(-1)(m)は無限に多くの元が存在します。
 ∵μ∈p^(-1)(m)を取ると、m=p(μ)=p(μ+1)=p(μ+2)=・・・よりμ+1,μ+2,・・・∈p^(-1)(m)
  (参照:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/777
   無限集合に有限集合を付け加えたものは、元の有限集合と対等)

しかし、このような場合もp^(-1)(m)からは、「最小元」という特別な1つの元を選ぶことができます。実際、p^(-1)(m)
は順序数からなる集合なので、定理9>>116によりminp^(-1)(m)が存在します。これをmの始数と言います。
mが無限の濃度のとき、mの始数は極限数(直前の順序数がない順序数)となります。
 ∵もしmの始数minp^(-1)(m)に直前の順序数ρがあるとすると、minp^(-1)(m)=ρ+1。
  ここでmが無限の濃度であることから、p(ρ)=p(ρ+1)=mよりp^(-1)(m)∋ρ<ρ+1=minp^(-1)(m)これは矛盾。

・濃度と始数は1対1対応
Μを任意の濃度の集合、S={mの始数minp^(-1)(m)|m∈Μ}とするとき、α:Μ→Sをα(m)=minp^(-1)(m)
で定めると、αは順序同型写像となります。
 ∵αが全射なのは明らか。順序単射:m<n⇔α(m)<α(n)は、まず⇒は(4.8)'よりわかる。←は、(4.8)よりα(m)<α(n)⇒m≦n
  α(m)<α(n)かつm=nはありえないから、α(m)<α(n)⇒m<nとなることよりわかる。

さて、順序数からなる任意の集合は整列集合なので、Sは整列集合となります。整列集合に順序同型な集合はまた
整列集合なので、Sと順序同型なΜも整列集合となります。以上より以下の定理が示されました。
【定理10】濃度からなる任意の集合は大小の順序に関して整列集合をなす。

267臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 02:28:54
これで集合編は残すところ §5Zornの補題の応用 だけとなりました。
著者いわく、ここはやんなんくてもいいよ的雰囲気出してるんですが・・・
やっぱやらなきゃダメなのかな。

268あしぺた:2006/03/02(木) 02:39:57
ツォルンちゃんは、学部であまり使わないよ
環論で一カ所あとベクトル空間の基底の存在定理くらい
院でも基礎論とかやるなら別だけど使わない


早く位相やりたいなあ!そわそわ(笑)

269Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/02(木) 02:52:36
>>268
つハーンバナッハ。

>>267
まあやっときましょう。
今やんなくてもいずれ立てる予定のスレッドで
やることになると思う、今やっといて
そのときにまたやれば、馴染み深くなっていくというものです。

270あしぺた:2006/03/02(木) 03:12:45
関数解析を真面目にやってないことがバレました(笑)
あんなの学部でやるのおかしいよ(笑)


選択公理周りの命題の関係
http://lanig.exblog.jp/361267/
http://lanig.exblog.jp/387698/

271Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/02(木) 04:40:35
>>270
前スレでAC、ツォルン、テューキー、WOの同値性はやりました。

272 ◆ZFABCDEYl.:2006/03/02(木) 06:00:03
>>270
このブログはあしぺたワールド?
0で割っちゃったって感じが・・。
お気に入りに入れました。

273臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 22:11:17
>>268
Zornあんまり活躍しないのか・・・
もうすぐ位相ですね。この本も最初は基礎的だからしばらくは楽?だといいな

>>269
了解です。しゃーない。やりますかw

>>270
選択公理から排中律が証明できんのか!これは興味深い

274Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/02(木) 22:21:59
>>273
よくわかんね。
Pが真であることを仮定して矛盾を導いて¬Pだっていう論法の中で
すでに排中律つかってない?

275臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 22:39:45
p125
第3章 順序集合、Zornの補題
§5 Zornの補題の応用
前文

 Zornの補題(およびその変形)は現代数学の多方面できわめて重要な応用を持っている。この補題は(その形からいって
当然のことであるが)、ある種のものの’存在’を示すために有効に用いられる。その場合、具体的な構成方法までは
与えられないのが普通であるが、むしろこの補題は、単純な具体的構成法では示されないような’存在’を積極的に
肯定するところに意義があるのである。

 本書では、これまでに、たとえば§3の整列定理の証明にZornの補題を用いたし、また§3の問題の中にZornの補題の
いくつかの応用を与えた(このスレではやってませんが・・・)。また後半の位相空間論の部分では、たとえば
Tychonoffの定理(第5章定理13>>???さーていつになることやらw)の証明にZornの補題が用いられるであろう。

 しかし、このような補題の使用に慣れるためには、もっと多くの経験を積むことがおそらく必要である。そのため、本節
では本論をいくらか離れて、Zornの補題の代数系などへの二三の応用例を与えておくことにする。本節を設けたのは
いわば参考のためであって、ここでは代数系に関するいくつかの概念が仮定される。それゆえ、位相空間論に早く
進みたい読者は、本節を省略してもさしつかえない(このスレでは↑の通り管理人権限により差支えがでたのでやります、w)。
ただし本節の最初の項A)はこれまで述べてきた集合論に関する話題である。

というわけでこれから「Zornの補題により極大元が存在する」という文言がどこかの印籠のごとく燦然と三連発しますが、
極大元があって、・・・それでどうなんの?と思うかもしれません。実は極大元があるという条件の使い方は似ています。
俺の国語力不足でそれを今ここには書けませんが実際の証明を見てもらえばなるほど、と思ってもらえるはずです。

276臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 22:50:06
>>274
うーんちょっと読んでみたんですが今の俺では少々知識不足みたいです・・・
記号論理の授業でやったことを思い出して解釈してみます。

277臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/02(木) 23:09:02
>>274
直観主義的論理って書いてあるんで、¬の導入則の公理:
Γ,Φを仮定して矛盾が出る(⊥が導かれる)とき、Γから¬Φが導かれる(Γは命題の集合、Φは命題)
を使っているんではないでしょうか?
導入則とかいう言葉が通じないかもしれないんで、
http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thb0442/winter04.pdf
http://72.14.207.104/search?q=cache:rabQbxnd0mYJ:www.bf-web.net/~2005s117/shikepuri/archives/kigoronri_sikepuri.pdf+%E7%9B%B4%E8%A6%B3%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E7%9A%84%E8%AB%96%E7%90%86%E3%80%80%E5%B0%8E%E5%85%A5%E5%89%87&amp;hl=ja&amp;gl=jp&amp;ct=clnk&amp;cd=2
など。てか後者は東大のシケプリかよ(汗

278あしぺた:2006/03/02(木) 23:22:46
>>273
面白いよね

>>274
論理学や基礎論は何を前提としてるかを抑えておかないと無意味ですね
否定記号導入規則というのがあるんです
すなわち、Aを仮定して矛盾が出たら¬Aを推論の列(論理学では推論や証明を論理式の列と捉えます)に書き加えて良い、というもの
これを推論規則に使ってます
直観主義は、排中律を否定しますが、否定記号導入規則は認めている
すると、もし選択公理を認めたら否定記号導入規則により排中律が出てくることになる
だから直観主義論理では選択公理を排除するわけです

279あしぺた:2006/03/02(木) 23:24:59
>>275
『論理学をつくる』戸田山和久
は、決定的名著なので気が向いたら入手して持っておくといいかも
おれの論理学についての蘊蓄は本書によるところが大(笑)

280Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/02(木) 23:32:44
>>278
了解。

>>279
それ友達がもってて、ちょっと必要があって一年位前に
パラパラみたんですけど、かなりいい本のようですね>戸田山
実はほしいなあ、買おうかなあとおもって昨日アマゾンにいって
中古をみたらそれでも3000円。
…もうちょっと後にしよう。となりました。

281あしぺた:2006/03/02(木) 23:43:40
>>275

存在することを主張する定理を存在定理という
例:中間値の定理

存在定理は、具体的に「どこに存在するか」については何も主張していなくて、「どこかにあるよ」としか言ってないからやっかい。
でも中間値の定理から最大値の原理(実数上の連続関数は閉区間上で最大値をもつ)が言える
そこからロルの定理が言えて平均値の定理が言えてテイラーの定理まで言えてしまう
中間値の定理は、「どこかにあるよ」という釈然としない主張だが、威力が強い(笑)

ツォルンの補題も、存在定理だけど威力が強い

まあ実用的には
極大元があることを証明したいならツォルンちゃん
と覚えておくといいかも(笑)

例えば、ベクトル空間の基底とは生成系であり一次独立な系のこと
これは一次独立系のなかで包含関係について極大な元のことと同値だね
それを「基底とは極大な一次独立系」という
ベクトル空間に限らず一般に空間に基底があるとすっきりと空間が分析できるから、
基底があると嬉しい(笑)
数学を研究してて何か自分で空間を定義してみたはいいがこれって基底あるのかなという場面が出てくる
そういうときツォルンちゃんのお世話になると思うよ(笑)

282Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/02(木) 23:52:23
>>281
>でも中間値の定理から最大値の原理(実数上の連続関数は閉区間上で最大値をもつ)が言える

Kwsk

283あしぺた:2006/03/02(木) 23:59:42
ちょっと待って
訂正します

一般には極大な一次独立系は生成系とは限らない
ベクトル空間を抽象化した概念に加群というのがありますが、加群には生成系でない極大一次独立系がある
(じつは加群には基底が存在するとは限らない)

集合位相入門ではベクトル空間の基底存在定理を示すために
極大な一次独立系の存在をツォルンの補題からまず導き、
それが生成系であることを示す
というアウトラインのようですね

284あしぺた:2006/03/03(金) 00:21:49
>>282

たぶん言えないですね

実数の連続性から中間値の定理と最大値の定理が言える
どちらも存在定理である
この2つの定理からロルの定理、平均値の定理、テイラーの定理が順に導かれる
の間違えでした

ちなみに中間値の定理、最大値の定理は、位相空間上の実数値連続関数についての定理に一般化されます
(集合位相入門の202と218ページ)
本質的には閉区間のコンパクト性と連結性から2つの定理が言えるんですね
実数においては、コンパクト部分集合は有界閉な部分集合のことで、連結部分集合とは実数全体か区間のこと(201ページ)
したがって、その上で最大値の定理と中間値の定理が成り立つような実数の部分集合は、閉区間しかない
だから微積では最初のほうで閉区間を考えるんですね

いやはやすっきりしましたね(笑)

285あしぺた:2006/03/03(金) 00:55:15
実数の連続性から最大値の定理は出てくるんだから、
中間値の定理から連続性公理が証明できたら、
中間値の定理から最大値の定理が言えることになるね

中間値の定理から連続性公理が言えるとは、次の意味とする

Xを位相の入った順序体
Aを実数体Rの連結部分集合つまり区間またはRとする
f:A→X 連続
f(x)=α、f(y)=β
このとき
任意のα<γ<βなるγ(順序体の順序)に対して、f(z)=γなるz∈Aがある
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
このとき、Xは連続性公理をみたす。
(連続性公理をみたす順序体は実数体に同型だから、このことはX=Rを意味する)

286あしぺた:2006/03/03(金) 01:01:55
これは不成立
なぜなら
Qは連続性公理をみたさない順序体ですが、
 ̄ ̄ ̄ ̄より上の部分が成り立つ


ちなみにQは連続性公理をみたさない順序体のくせに、
最大値の定理も中間値の定理も成り立つし、微分も定義できちゃう(笑)
そう考えると連続性公理の上に微積分学が成り立つという教え方は問題ありかと(笑)

287あしぺた:2006/03/03(金) 01:12:56
訂正

Qだと最大値の定理成り立たないや

-(x-√2 )^2
を反例として考えれば良い

Q上の微積分学だと
中間値の定理は成り立つけど最大値の定理は成り立たない
だから平均値の定理やテイラーの定理は言えない
例えば、x^3 を[0,1] で考えると反例になってる

なるほどだからわざわざQでなくてR上で微積分学をやるわけか

288あしぺた:2006/03/03(金) 02:09:39
C上の解析学も可能なんだよね
Cは順序の入ってない体だから平均値の定理とかナシの世界

一般に距離の入った体上の解析学ってどんなかなと思ってたら
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Articles/p-adic_number.txt
に遭遇(笑)
ついでにHaar測度を知った

289Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/03(金) 02:36:27
>C上の解析学

普通の函数論のことじゃなくって?

 #無限次元空間上の解析学ってのもありますね
 (修士のときに手を染めてました。)

290あしぺた:2006/03/03(金) 03:06:05
関数論です

無限次元解析学とは、関数解析ですかね?
作用素の強微分とかスペクトル分解とかあるみたいですが、
一般のノルム空間からノルム空間への作用素に対して微分や積分が定義されてるのは見たことないです
例えばどんなものがありますか?

291Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/03(金) 04:00:18
>>290
>一般のノルム空間からノルム空間への作用素に対して微分や積分が定義されてるのは見たことないです
>例えばどんなものがありますか?

つフレシェ微分

>無限次元解析学とは、関数解析ですかね?

えーと、
ブラウン運動を函数空間上のメジャーだと思うわけです。
このメジャーから積分が定義できますね。
ブラウン運動はバナッハ空間で実現されるので
フレシェ微分が考えられますが、これだと確率微分方程式の解
が微分できないとか、いろいろ不都合があるんで
微分概念の拡張が(とくにブラウン運動の積分と調和するような微分概念)
考えられたりしています。

>初学者のみなさん。
すみません。上の話はまだよく分からんとおもいます。
まあフレシェ微分ってのはノルム空間(松坂で後のほうででてきます)
からノルム空間への写像に対するある種の微分概念です。
メジャーについてはこのスレが位相に入ったら伊藤清三を読むスレを
立てる予定ですのでそれまでお待ちを。

292あしぺた:2006/03/03(金) 07:47:37
>>291 なるほどありがとう!
フレシェ空間での解析学というのも聞いたことがあるなあ

293臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/03(金) 19:07:55
おお何やら難しい話が・・・後で読んでみます。

p126
第3章 Zornの補題
§5 Zornの補題の応用
A) 濃度に関する二三の定理
本項ではZornの補題を用いて、濃度に関するいくつかの命題を証明する。
これは本書の主題の一つである'集合論'に直接関係するものである。
【定理11】
Mをひとつの無限の濃度とし、nをn≦mであるような任意の濃度とする。そのとき
   (5.1) m+n=m
が成り立つ。

【証明】
[命題1] 2m=mを示せば十分。
 ∵m≦m+n≦m+m=2mだから、2m=mが示されていればベルンシュタインの定理
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/748定理2)よりm+n=m。

そこでこれを示そう。
[準備1] 文字設定
AをcardA=mとなるような1つの集合とし、I={0,1}とする。
Aの部分集合Bと、I×BからBへの写像fに関する次の条件(*)を考える。
   (*)fはI×BからBへの全単射
そして条件(*)を満足する組(B,f)全体の集合をΜとする:Μ={(B,f)∈2^A×B^(I×B)|fは全単射}。
また叙述を明確にするため、組(B,f)を一般にPのような文字で表し、P=(B,f)であるときB=B_P,f=f_Pと書くことにする。

[命題2] Μ≠φ
 ∵mが無限の濃度という仮定からAは無限集合で、その部分集合Bとして可算集合B_0を取ることができる
(参照:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/769定理4)。
2cardN=cardN(参照:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/841(3.16))だから、
I×B_0からB_0への全単射f_0が存在する。そこで(B_0,f_0)∈ΜだからΜは空でない。

[準備2] Μ上の順序
P,Q∈Μに対し、B_P⊂B_Q(したがってI×B_P⊂I×B_Q)で、写像f_Qが写像f_Pの拡大になっているとき
(すなわちI×B_P上でf_Qがf_Pと一致するとき)、P≦Qと定めることでΜ上に順序を導入する:P≦Q⇔B_P⊂B_Qかつf_P=f_Q|I×B_P

294臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/03(金) 19:09:08
>>293の続き
[命題3] ≦についてΜは帰納的順序集合
ΝをΜの任意の全順序部分集合として、ΝがΜの中に上限を持つことを示す。まずB*=∪[P∈Ν]B_Pとする。
I×B*からB*への写像で、全てのf_P(P∈Ν)の拡大となっているものをf_*とする:∀P∈Ν;f_P=f*|I×B_P

・命題3-1
f*は定義できる。つまり、x∈I×B*を取るとx∈I×B_PとなるP∈Νが存在するが、f_P(x)の値はPの取り方に
よらず一意的に定まる。そこでこの値をf*(x)とすることになる。

∀x∈I×B*;∀P,Q∈Ν;(x∈I×B_P∧x∈I×B_Q)⇒f_P(x)=f_Q(x)を示せばよい。
ΝがΜの全順序部分集合という仮定から、P<Q,P=Q,P>Qのどれか一つだけが必ず成立。
P=Qのときにf_P(x)=f_Q(x)となるのは明らかである。P<Qのときは、順序の定義より
B_P⊂B_Qだからx∈I×B_P⊂I×B_Qで、これまた順序の定義よりf_P=f_Q|I×B_Pゆえ
f_Q(x)= (f_Q|I×B_P)(x)=f_P(x)。P>Qのときも同様。よって示された。

・命題3-2 (B*,f*)∈Μ
f*:I×B*→B*が全単射であることをしめせばよい。全射であることは、任意のB*の元bを取ると、∃P∈Μ;b∈B_P。
Μの定義よりf_Pは全単射であるから、逆写像f_P^(-1)が存在する。f_P^(-1)(b)∈I×B_Pなのでf*の定義より
f*(f_P^(-1)(b))=f_P(f_P^(-1)(b))=bとなることからわかる。単射であることは、f*(x)=f*(x')∈B*を仮定すると、
∃P∈Μ;f*(x)=f*(x')∈B_P。f_PというI×B_PからB_Pへの全射が存在することからx,x'∈ I×B_P。
よってf*の定義からf_P(x)=f*(x)=f*(x')=f_P(x')となり、f_Pは単射なのでx=x'となることよりわかる。よって示された。

・命題3-3 (B*,f*)=sup(_Μ)Ν
3-2より(B*,f*)∈Μだから、あとは∀(B,f)∈Ν;(B,f)≦(B*,f*)を示せばよい。
これは、B*,f*の定義よりB⊂B*かつf=f*|I×Bとなることからわかる。

以上より、Μの任意の全順序部分集合はΜの中に上限を持つことがわかったので、
Μは≦に関して帰納的順序集合である。(命題3証明終わり)

295臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/03(金) 19:11:59
>>294の続き
そこでZornの補題によりΜに極大元(それより大きな元が存在しないような、その集合の要素)(B~,f~)が存在する。

[命題4] A-B~=Cとすると、Cは有限集合。
Cが無限集合と仮定して矛盾を導く。Cが無限集合なら、可算集合B'を含む
(参照:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/769定理4)。
I×B'からB'への全単射が存在するが(参照:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/841の(3.16)))、
それをf’とする。

・命題4-1 B'~=B~∪B'(直和)とおくと、I×B'~=(I×B~)∪(I×B')(直和)
∵まず、B'⊂C、C∩B~=φだからB'∩B=φなのでB~∪B'は実際直和である。次に、
(I×B~)∩(I×B')≠φと仮定すると、x∈(I×B~)∩(I×B')を取ることが出来るが、
pr(_B)x∈B~∩B'=φ(pr(_B)はB成分への射影)となり矛盾する。
そこで(I×B~)∩(I×B')=φだから(I×B~)∪(I×B')も直和である。

・命題4-2 (B'~,f'~)∈Μ
I×B'~からB'~への写像で全単射となるものが存在することを示せばよい。
f’~|I×B~=f~、f’~|I×B'=f’で写像f’~:I×B'~→B'~を定める(4-1より(I×B~)∪(I×B')が直和だから、この方法で写像を構成できる)
と、これが全単射となる。全射であることは、任意のb∈B'~を取ると、b∈B~ならf(f~^(-1)(b))=b、b∈B'なら
f(f’^(-1)(b))=bとなることからわかる。
単射であることは、f’~(x)=f’~(x')を仮定すると、f’~(x)=f’~(x')∈B~のときf~(x)= f’~(x)=f’~(x')=f~(x')でf~は単射ゆえx=x'となるし、
f’~(x)=f’~(x')∈B'のときも、f’(x)= f’~(x)=f’~(x')=f’(x')でf’は単射ゆえx=x'となることからわかる。

・命題4-3 (B~,f~)<(B'~,f’~)
これは、B'~,f’~の定義からB~⊂B'~=B~∪B'かつf~=f’~|I×B~となることよりわかる。

4-2,4-3は(B~,f~)がΜの極大元であることに矛盾する。よってCは有限集合である。(命題4証明終わり)

296臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/03/03(金) 19:13:31
>>295の続き
するとA=B~∪Cで、cardA=card(B~∪C)=cardB~
(参照:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/777系1)。
よって、m=cardA=cardB~=card(I×B~)=2m。以上より定理11が示された。□

【系】mが無限の濃度ならば、m=2m=3m=・・・、つまり∀n∈N;nm=m。
∵nに付いての帰納法。n=1は明らか、n=2は定理11。n-1(n≧3)まで示されたと仮定してnの場合を示す。
 (n-1)m=m、m=mを辺々たしてnm=2m、n=2の場合よりnm=mとなる。よって示された。□


f'とダッシュが半角だと非常に見づらいので、全角にしました:f’
ふー。分量が多いですね。この項、これで終わりでなくてさらにもう一個定理が出てきます・・・
この定理11の結果を使うのでいくぶん短くはなるみたいです。

297あしぺた:2006/03/03(金) 22:57:32
このあたりは証明をフォローする以上にやることがないね
見るべき深いものがないというか

位相空間の章に入ったら具体例を考えたり概念のつながりを調べたりと楽しい

ところで負の濃度を考えられないかとか濃度全体のクラスはどんな代数構造なのかとか濃度の演算を他に定義できないかとか
1人で無理やり盛り上げてみた(笑)

298たま ◆U4RT2HgTis:2006/03/04(土) 00:53:36
臺地氏乙です。

>>270
この選択公理から排中律をしょうめするってやつ、
論理展開は理解できるんですが、 排中律が成り立つか成り立たないか分からない命題Pに対して
A={x|(x=0∧P)∨x=1}
っていう集合を定義するのはありなんですか?
というか、このAは集合と呼べるんですか?
なんか中身がはっきりしてないかもしれないものを集合だと呼ぶことに違和感があるんですけど。

299Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/03/04(土) 00:59:02
>>297
まあまあ。あせらないで。
楽しみはあとにとっときましょう。

300たま ◆U4RT2HgTis:2006/03/04(土) 01:08:45
>>298
ああ、勘違いしてた。
Pは命題だから真偽ははっきりしてるからAの中身ははっきりしてるはずだし、問題ないのか。
排中律ってPが命題でも¬Pが命題でないかもしれないって意味か。

301たま ◆U4RT2HgTis:2006/03/04(土) 03:50:23
やっぱりよくわからんな。
A,Bを仮に集合と認めると、A,Bは有限集合の部分集合なんだから、
選択関数なんか用いなくても元を選択する気もするし。

やっぱり、どんなものを命題と認めるかとか、どんな述語で定義したものを
集合とよぶのかとかいう公理的扱いを学ばないとこの辺は考えても
哲学的になっていくだけっぽい。
てことで混乱を招きそうなので、>>298>>300の僕のレスは華麗にスルーしてください。
そのうち論理学とか公理的集合論もしっかりやって、この辺説明できるようになりたいな。

302あしぺた:2006/03/04(土) 11:01:34
A,Bは集合です
xのみを量化されてない変項とする論理式に対して
{x∈U|Q(x)}
は、集合です
ただしUは議論領域

だから
{x∈N|x=1∧3=4}
は集合だね、空集合
{x∈R|∀y∈N,y≠x}も集合だよ
∀y∈N,y≠xにおいてyは量化されてるから、
量化されてない変項はxのみ
よって集合

あとPを任意の閉論理式(量化されてない変項を含まない論理式)としたとき
{x∈U|Q(x)∧P}
も集合だよ
なぜなら、Q(x)∧Pは、xしか量化されてない変項を含まない論理式だから。
だから、
{x∈N|xは奇数∧(私はあしぺたです)}
も集合なんだ(笑)
この類推で問題になってるA,Bも集合だと分かる

303あしぺた:2006/03/04(土) 11:09:46
補足

議論領域を適当に広いものとして解釈すれば
議論領域をUとする論理式P
議論領域をVとする論理の体系の変項xと論理式Q(x)(ただしxのみを量化されてない変項とする)
があって、
U⊆Vではない
だったとしても、
{x∈V|Q(x)∧P}

{x∈W|Q(x)∧P} (ただしW=U∪V)
と解釈すれば集合とみなせます

議論領域が拡大しても論理式が論理式でなくなることはありませんから

304あしぺた:2006/03/13(月) 21:41:22
最近位相空間論に目覚めた(笑)


児玉之宏、永野啓応『位相空間論』
は、松坂さんの本の次にやるには最適かも(笑)

位相空間に次元があるっていう話が一番オモロかった(笑)

305green:2006/06/27(火) 00:58:01
大学で「集合・位相」の授業とってるんですが、何から何まで分かりませぬ。(;´Д`)
誰か分かりやすく教えてください。

306green:2006/06/27(火) 01:01:07
教授に聞きにいったら、「もう少し考えてから来て下さい」と言われますた。
でも、何を書いてあるのか分からないからさっぱり読めないのです。
助けて

307Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/06/27(火) 01:15:50
>>306
テキストは何使ってるんですか?
もし松坂なら、
前スレ
「集合・位相入門」演習スレッド
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1097576246/
と、現行スレのレス番を示して、ココがよくわからんのですが
って言う具合に聞いてくだされば、答えられるかもしれませんよ。

308green:2006/07/13(木) 23:08:49
>>307
松坂も一応もってるんで、もうちょっと勉強してからきます。

309Je n'ai pas de nom!:2006/07/22(土) 12:42:27
はじめまして。集合位相の濃度の問題で苦戦しています。
誰かよろしければ教えてください。

次の集合の濃度はアレフ1であることを示せ。
P(N)\F(N)

単射であることを示したらいいというのはわかったのですが、
単射であるという証明の仕方がわかりません。
お願いします。

310Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/07/22(土) 13:33:28
>>309
P(N)はNのべき集合?
F(N)はなんですか?

311Je n'ai pas de nom!:2006/07/22(土) 20:21:09
遅くなってすみません。

P(N)はべき集合で、
F(N)はNのすべての有限部分集合のなす集合族です。

312Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/07/22(土) 22:02:11
>>311
「集合・位相入門」輪読会
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/777

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/841-845

「可算集合の有限部分集合全体の集合は可算集合…☆」
からいえます。

☆は
たとえば∪[n=1,∞]N^nからF(N)への写像を
(a_1,…a_n)(∈∪[n=1,∞]N^n)を{a_1,…a_n}(∈F(N))
に対応させる全射を考えれば分かりますね。

313Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/07/22(土) 22:05:12
最後の行
× に対応させる全射を考えれば分かりますね。
○ に対応させる写像とし、これが全射であることを考えれば分かりますね。

314Je n'ai pas de nom!:2006/07/22(土) 23:47:29
ありがとうございました!!
よくわかりました。
頑張って解いてみます。

315green:2006/08/03(木) 03:48:37
>>307
テキストは↓でした。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4781910912/250-1587589-6927462?v=glance&amp;n=465392&amp;s=books

316Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:57:35
>>315
章立てとページ数から察するに,濃度とか順序とか選択公理と
その同値な諸命題なんかにはあんまり触れずに,
素朴集合論を最低限みたあと,直ちに
実数の構造を観察し,ユークリッド空間へ,距離空間へ,さらには
一般の位相空間へとだんだんと一般化していく本のようですね.

わからないところがあれば,抜き書きして,ここで質問してみてはどうでしょう.

317green:2006/08/06(日) 00:18:34
>>316
そうさせていただきまする

318Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/21(月) 01:16:25
「て」にうpした原稿、三章二節D、「整列集合の比較定理」の部分追加うp。
http://groups.msn.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7/page.msnw
よりどぞ。

9スレ発足三周年の日までにうpしたかったんですけどね。
順序数の積の別定義、確率論をつかったワイヤストラスの多項式近似の証明
いつか書きますんで、気長にお待ちくださいませ。

319Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/22(金) 03:53:49
三章一節と二節、再読。

323Je n'ai pas de nom!:2011/05/18(水) 00:32:20
最近「集合・位相入門」読んでいます。まだ人はいらっしゃいますか?

324Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2011/05/19(木) 02:38:43
>>323
たぶん、3、4人はいるのではないでしょうか。

325323:2011/05/20(金) 19:13:56
2週間前から読み始めていま第1章§5です。。。
わけあってあと約280Pを高速で精読しなければいけません。。。
このスレを参考にさせていただきます。。。

326Je n'ai pas de nom!:2011/06/14(火) 16:02:08
問題難しいですね。。。

理解していないから解けないのか、
理解しているけど解き方を知らないから解けないのか…
十中八九、前者だろうけど。。。

327Je n'ai pas de nom!:2011/06/15(水) 04:09:21
(A∩B)∪(B∩C)∪(C∩A)=(A∪B)∩(B∪C)∩(C∪A)の証明ですが,
分配律を用いる方法以外の方法がありましたら教えてください。

330yuriq:2012/11/10(土) 00:38:14
最近読み始めました

(A∩B)∪(B∩C)∪(C∩A)=(A∪B)∩(B∪C)∩(C∪A)
の一般化ぐらいなら作れます

よむかたいましたら
メールお願いします
(あんまスレチェックしないので
輪読する人いたらここ借りたいと思います)

331Je n'ai pas de nom!:2013/01/22(火) 14:23:15
社会人です。
章末問題が解けずに挫折していましたが、また読み始めました。

336jutano:2017/10/30(月) 22:40:20
学生です。
以前読みかけて途中で止まっていたのを最近また読み始めて、今4章の位相の比較のところです。
盛り上がってたときに読みたかった。10年以上前ですね…


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