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('A`)はドクトラセブンのようです

119名無しさん:2018/08/15(水) 01:37:22 ID:Idv8IINY0


120名無しさん:2018/08/15(水) 02:22:45 ID:WKAJfq7U0

ドックン成長してるな
怪人や宇宙人以外にも怪異がある世界観がいいね

121名無しさん:2018/08/15(水) 12:36:20 ID:wD4RGvTg0
ツンェ…


122名無しさん:2018/08/16(木) 21:28:29 ID:FkFSIO1k0
乙る

123名無しさん:2018/08/18(土) 19:58:21 ID:1Z5FE2gg0
なかなか面白い、笑い村のデレはいいキャラだった


124名無しさん:2018/08/19(日) 11:20:50 ID:JrSZlQPY0
第五話『あなたはどっち』

旦那「ただいまー」

深夜遅く、一人の酔っ払いサラリーマンが帰宅した。
遅くなったのは上司や同僚たちとキャバクラに行ったからだ。
結婚して一年ちょっと、新婚の頃は寄り道もせずに自宅直帰だったが最近はこのざま。
それを奥さんがキツイ目つきで出迎える。

奥さん「お帰りなさい。今日も楽しんできたようね。」

機嫌悪そうに口を開く。

旦那「いやーごめんごめん。これも仕事の付き合いだからさ。」

口ではそう言うが心は一切そう思っていない。
正直みんなでキャバクラに行って騒ぐのが楽しくて仕方ないのだ。
建前はみんなにいやいや連れていかれているという風だ。

奥さん「へーそう。」

その言葉を全く信じていないような返事をした。

125名無しさん:2018/08/19(日) 11:21:17 ID:JrSZlQPY0
奥さん「本当かねえタマ。」

二人が飼っているペットの猫にしゃべりかける。

ニャー!と返事をして首輪の鈴を鳴らす。

旦那「本当だよなタマ。」

適当な返事をしながら着替え始める。風呂にも入らず寝るつもりだ。
別に浮気をしているわけじゃないんだからこれくらいいいだろそう思う旦那。
これだから女はうるさくて仕方ない。
ストレス社会の現代において何らかの発散方法は必要だ。
キャバクラに行くことは別に違法でも何でもない、金を払ってるんだ当然の権利だろう。
そんな身勝手なことを考えながら寝巻に着替える。

だがこの旦那は気づいていない。
奥さんんはこんな遅い時間までしっかり自分の旦那が家に帰りつくまで起きて待っていたことに。
ずっと心配していたことに。
そういったことに気づかないで何と身勝手なことをしているのだろうか。

着替えている最中後ろの方で、奥さんが猫とじゃれているようで頻りにニャーという声が聞こえた。
着替えを終えて振り返ると奥さんがこちらの方を睨んでいた。

旦那「なんだ怒ってんのか?」

126名無しさん:2018/08/19(日) 11:21:40 ID:JrSZlQPY0
いや違う様子がおかしい。
睨んでいるようだがその目は人間のものではない。まるで猫のようだ。
それに爪もだいぶ伸びている。さっき見たときはそんなに尖ってたか?
歯もなんかギザギザじゃないか……

まるでゲゲゲの鬼太郎の猫娘の化け猫モードのようだ。
それが獲物を見つけたようなまなざしを向けてくる。

旦那「ど、どうした…調子悪いのか?」

汗を垂らしながら後ずさりをし、逃げようとする。

奥さん「シャー!!」

人間とは思えないような跳躍を見せ旦那に飛び掛かる。
顔を引っかき腕にかみつく。

旦那「ギャアァァァァ!」

127名無しさん:2018/08/19(日) 11:22:14 ID:JrSZlQPY0
ヴィプトラ警備隊基地の作戦室

ξ゚⊿゚)ξ「この時間、本当面白い番組ないわね。」

テレビのチャンネルを頻りに変えながらツンヌがつぶやく。

爪'ー`)「ニュースにしてもらっていいかなツンヌ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ちきしょう。どのチャンネルも似たようなもん流しやがって。」

ξ゚⊿゚)ξ「個性を出せよ個性を!」

どこから持ってきたのか作戦室に似つかわしくないソファーであぐらをかきながら愚痴をこぼす。

爪'ー`)「あのぉツンヌさん?ニュースが見たいんですが……。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ」

渋々ニュースに変える。

爪'ー`)「どうもありがとうね。」

ニュースキャスター「続いてのニュースです。」

ニュースキャスター「昨晩遅く、仕事帰りの男性が自宅で妻に襲われ重傷の模様。」

ニュースキャスター「警察の発表では暴行した妻は記憶がないとのこと。」

( ^ω^)「ヒョーッ。おっかない事件だな。ウチも気をつけんといつこうなるか。」

(,,゚Д゚)「たまには休暇取って家族サービスでもした方がいいんじゃないか?」

128名無しさん:2018/08/19(日) 11:22:53 ID:JrSZlQPY0
( ^ω^)「いやいや、休みはしっかり体を休めんと。」

( ^ω^)「そう思って家帰ると家事手伝えだの子供の面倒見ろだのうるさくてかなわんよ。」

( ^ω^)「正直俺は休みより仕事してる方が心が休まるよ。」

('A`)「トンでもねえ社畜根性だな。」

( ^ω^)「なぁに、ドクオにもいずれわかr……」

(;^ω^)「すまん結婚できそうにない奴に言うことじゃなかったな。」

(#'A`)「おい!なめんなよコラ!」

確かに彼女いない歴=年齢だがそれでも可能性はゼロじゃないはず……
そうだよね?

ξ゚⊿゚)ξ「可能性という言葉を信じて0.00001%でも可能性があればとか思ってんのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「やれやれ哀れな奴だな。」

ξ゚⊿゚)ξ「向き合えよ現実と。」

(#'A`)「ギギギギ」
  _
( ゚∀゚)「同様の事件が十四件起きているようですよ。」

話をぶった切りながらジョルジュが入ってきた。

129名無しさん:2018/08/19(日) 11:23:46 ID:JrSZlQPY0
爪'ー`)「そうなのか?」
  _
( ゚∀゚)「ただ、被害者と加害者の関係は肉親、友人、赤の他人と関連性は低いようですが。」
  _
( ゚∀゚)「加害者は暴行当時の記憶がなく、被害者はみな化け猫のように襲われたと証言しているようです。」
  _
( ゚∀゚)「また事件が起こる前に加害者はみな猫と戯れていたそうです。」

爪'ー`)「ふーむ。」

('A`)「はッそんのただ単に猫好きの本性が出ただけだろ。」

('A`)「普段は凶暴な本性を隠してイラっとしたらすぐ暴力を振るう。」

('A`)「本当猫そっくり、ただそれだけの事件だな。」

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁ?テメー何言ってんだぁ?」

('A`)「おやおや俺の考えを証明するかのような人物がいましたか。」

('A`)「隊長今回の事件は解決しましたよ。犯人は猫派です。」

('A`)「猫なんて害獣は速やかに駆除するべきです。ペットは犬だけいれば十分ですよ。」

(*'A`)「犬はまさに人類の友。」

130名無しさん:2018/08/19(日) 11:24:43 ID:JrSZlQPY0
ξ#゚⊿゚)ξ「なんだテメー犬派か、通りで。」

ξ゚⊿゚)ξ「犬派なんて少数派はそうやって存在をアピールしないと誰も見てくれないもんな。」

ξ゚⊿゚)ξ「哀れな少数派にも発言権くらいはくれてやろう。寛大な猫派に感謝しろよ。」

('A`)「少数派?」

(#'A`)「少数派は貴様ら猫派の方だろう!」

(#'A`)「犬の良さもわからん知能指数の分際で。」

ξ゚⊿゚)ξ「はー、人間様に媚売ってへーこらしてるだけの犬畜生がそんなにいいか。」

(#'A`)「ギギギギギ」

(#'A`)「犬と人間は家族になれるんだよ!自分勝手な猫が家族になれるとでも?」

(#'A`)「あんな奴ら人間を利用しているだけに過ぎん。厚かましい獣害だ!」

ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!所詮犬派は犬を自分たちに都合のいい道具にしか見ていないってことだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ9m「猫は違う。誇り高くて人間と対等な関係を築いている。犬などという下っ端根性丸出しの生物とは違うんだよぉ!」

131名無しさん:2018/08/19(日) 11:25:09 ID:JrSZlQPY0
('A`)「猫畜生ごときが誇りだと?」

(#'A`)「片腹痛いわ!便所虫以下の生物の分際で!」

ξ゚⊿゚)ξ「これだけは言っておいてあげる。」

('A`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「たとえテメーが犬を飼ったところで犬はテメーを主人と認めねえよ。」

ξ゚⊿゚)ξ9m「テメーは犬畜生以下だからな!」

(#'A`)「キィーー!!」

(#'A`)「ブーン!何か言ってやって!」

(;^ω^)「え?俺?」

( ^ω^)「まあ猫より犬の方が好きだけど。」

( ^ω^)「でも猫も好きよ。というかどうでもよくない?」

('∀`)「はい、犬派の方が多い。俺の勝ち!!」

ξ-⊿-)ξ「本当、犬派ってアホよね。」

ξ゚⊿-)ξ「ギコ!犬派にトドメをさしてあげなさい。」

(;゚Д゚)「いや、確かに俺は昔犬に噛まれてから犬は苦手だけど。」

ξ゚⊿゚)ξ「ほら見なさい。人間を襲うのはいつも犬じゃない。」

(;'A`)「グゥ……。」

132名無しさん:2018/08/19(日) 11:25:45 ID:JrSZlQPY0
(;'A`)「ジョ、ジョルジュ!」
  _
(;゚∀゚)「あー、どっちも同じくらい好きなんだよぉ……。」
  _
(;゚∀゚)「どっちかなんて決められないぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「ケッ」

('A`)「優柔不断ヤローが。」
  _
(;゚∀゚)「……。」

ξ゚⊿゚)ξ「隊長は……。」

爪'ー`)「それがこう見えてハムスタたξ゚⊿゚)ξ「隊長はキツネ派とかいうオンリーワンだから仕方ないか。」

爪;'ー`)「……。」

('A`)「この事件、猫派が犯人だと犬派がしっかり証明してやる。」

ξ゚⊿゚)ξ「フン、こんな陰湿なことするのは犬派の仕業よ。猫派が証拠をつかんでやる。」

('A`)「行くぞブーン!」

ξ゚⊿゚)ξ「行くよギコ!」

(;^ω^)(;゚Д゚)「ちょ、ちょっと!」

そう言って四人は調査に出発した。

爪'ー`)「え?俺この事件調査しろなんて言ってないよ?」

爪;'ー`)「言ってないよね?ジョルジョ?」
  _
(;゚∀゚)「……。」

133名無しさん:2018/08/19(日) 11:26:12 ID:JrSZlQPY0
猫派のツンヌとギコはヴィプンターで高級フランス料理店に来ていた。

(゚、゚トソン「噂には聞いてたけど実物見るとマジイケメンねギコ隊員って。」

ツンヌの親友のトソン。今日はトソンと昼を一緒に食べる日だったのだ。

(,,゚Д゚)「どうも。」

ξ゚⊿゚)ξ「先ずはハラ満たさないとな。」

(゚、゚トソン「写真撮っても?」

パシャパシャ

ギコの返事を聞くより先に写真を撮りまくる。

(,,゚Д゚)「……。」

(,,゚Д゚)「トソンさんって雑誌記者なんですか?」

(゚、゚トソン「ええそうよ。もっと笑ってもらっていい?」

パシャパシャ

(,,゚∀゚)「こう?」

(゚、゚トソン「いいね!次は決めポーズ!」

パシャパシャ

134名無しさん:2018/08/19(日) 11:26:42 ID:JrSZlQPY0
(,,゚Д゚)「何か今回の事件で調べたこととかないんですか?」

(゚、゚トソン「正直、警察の発表以上のことは何も。」

(,,゚Д゚)「そうですか。」

(゚、゚トソン「一応すべての現場の写真とかあるけど見る?」

(,,゚Д゚)「いいですか!ありがとうございます。」

(,,゚Д゚)「うーむ。」

次々と写真をめくる。

ξ゚⊿゚)ξ「しかし、食った食った。」

食べ終わり膨れた腹をポンと叩く。

(゚、゚トソン「何かわかりました?」

(,,゚Д゚)「いや何も。」

(,,゚Д゚)「でも少し気になることがね。」

ξ゚⊿゚)ξ「なんかあった?」

爪楊枝を使い歯の間の食べかすを落としながらツンヌが聞く。

135名無しさん:2018/08/19(日) 11:27:16 ID:JrSZlQPY0
(,,゚Д゚)「現場の写真自体はなんてことのない傷害事件の跡だが……。」

(,,゚Д゚)「これを見ろ。」

ξ゚⊿゚)ξ(゚、゚トソン「?」

ギコが見せたのは加害者が飼っていた猫の写真。

ξ*゚⊿゚)ξ(゚、゚*トソン「カワイイ!」

(,,゚Д゚)「よく見てくれ。」

(,,゚Д゚)「みんな同じ首輪をしているだろ?」

ξ゚⊿゚)ξ「ほーん、で?」

(,,゚Д゚)「ひょっとしたら何かあるかもしれない。この首輪を基地に持ち帰り調べてみよう。」

(,,゚Д゚)「すまないがトソンさん、この首輪の出所を調べてもらってもいいですか?」

(゚、゚トソン「報酬がたんまりなら。」

136名無しさん:2018/08/19(日) 11:27:55 ID:JrSZlQPY0
(,,゚Д゚)「お願いします。」

ξ゚⊿゚)ξ「よし、そうと決まれば会計よ!経費で落とすわ。」

(,,゚Д゚)「馬鹿、ダメに決まってるだろ!自腹だ自腹!」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?うちの安月給でここの飯食えるわけないじゃん。」

(,,゚Д゚)「あのなぁツンヌ!」

(゚、゚トソン「落ち着いて二人とも。ここは店の中ですよ。」

(,,゚Д゚)「すみません。」

(,,゚Д゚)(よかったこの人は比較的まともかも)

(゚、゚トソン「じゃ会計よろしくギコ隊員。」

そう言って伝票を渡す。

(,,゚Д゚)「え?」

(゚、゚トソン「は?まさか女の子にお金出させるわけじゃないでしょうね?」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおいギコ、男として見苦しいぞ。」

(,,゚Д゚)「あぁ、俺が馬鹿だった。淡い期待した俺が。」

渋々払うギコ。
支払いの料金を見てイケメンの顔が崩れたのはこれが初めてだった。

137名無しさん:2018/08/19(日) 11:28:22 ID:JrSZlQPY0
猫派の二人が加害者の飼っている猫を何匹かお借りして基地に一度帰還する。
ギコはジョルジョと一緒に猫と首輪を持ち研究室に向かった。
ツンヌはというと一匹だけ猫を借りてじゃれあいながら作戦室に帰りつく。

( ^ω^)「お帰り、何か成果があるといいな。」

ξ゚⊿゚)ξ「ぶたさんでちゅよー。」

猫「ニャー!」

(*^ω^)「お、猫もいいよなぁ。」

('A`)「おいブーン!貴様裏切るつもりか!!」

( ^ω^)「いや、俺はどっちも好きなんだが……。」

(#'A`)「キィー!!」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そっちのゴキブリ以下の下等生物には近づいちゃだめよぉ。」

猫「ニャー!」

(#'A`)「このクソ猫と猫派め。」

爪'ー`)「それで犬派のお二人さんは何か収穫あったのか?早々に帰ってきたが。」

('A`)「はっはっはっ隊長、そもそもが猫好きという人格に問題ある人種が起こした事件ですぜ。」

('A`)「そこに裏があるようなことはあいつらの知能じゃ無理ですよ。」

138名無しさん:2018/08/19(日) 11:28:50 ID:JrSZlQPY0
( ^ω^)「一応現場の周辺とか肉親、友人関係すべて聞いてきましたがこれといったことは……。」

爪'ー`)「そうなるとギコたちが持ってきた首輪の結果しだいか。」

( ^ω^)「そうですね。」

('A`)「どうせただの首輪だよ。」

('A`)「もうじきお前ら猫派の陰謀だということがわかるぞツンヌ!」

振り向きながら猫と戯れているツンヌに声をかけた。

(;'A`)「!?」

振り向くと戯れていたはずのツンヌがこちらを睨みつけている。
話で聞いた通りの猫のような目、鋭くとがった歯と爪。
獲物を見つけたような目をドクオに向ける。

(;^ω^)「隊長これは?!」

爪'ー`)「どうやらただの人間同士の事件というわけではなかったようだ。」

(;'A`)「ど、どうしたんだツンヌ?落ち着こう、な?」

震えながら声をかける。
その瞬間、ツンヌが動き出した。
両腕を高々と掲げた。

139名無しさん:2018/08/19(日) 11:29:50 ID:JrSZlQPY0
ξ゚⊿゚)ξ「百万パワー+百万パワーで二百万パワー!」

(;'A`)「!」

ξ゚⊿゚)ξ「いつもの二倍のジャンプで二百万×2の四百万パワー!」

そう言いながら天井ぎりぎりまでジャンプする。

ξ゚⊿゚)ξ「そして!三倍の回転を加えれば四百万×3の…ドクオお前を超える千二百万パワーだぁ!」

(;'A`)「どういうことなの???」

ツンヌが光の矢となって二刀流スクリュードライバーをドクオめがけて放つ。
寸前のところで少し軌道が変わり、ドクオの左頭部のただでさえ薄い髪の毛をごっそりそぎ落とす程度で済んだ。

(; A )「あ…あぁ……」

ξ ⊿ )ξ

(;^ω^)「二人とも大丈夫か?!」

二人のもとに駆け寄る。
どうやらツンヌは力を使い果たして気絶しているようだ。

140名無しさん:2018/08/19(日) 11:30:23 ID:JrSZlQPY0
爪;'ー`)「なんということだ。」

呆然と立ち尽くす。その時のだ。
  _
( ゚∀゚)「隊長!検査の結果が出ました。」

ジョルジョとギコが戻ってきた。

(;゚Д゚)「「うぉ!なんだこりゃ?」
  _
( ゚∀゚)「どうやらあの首輪には一部の人間に作用する洗脳装置になっていたようです。」

爪'ー`)「なんだと!!」
  _
( ゚∀゚)「その一部の人間というのが猫好きというわけです。」

爪'ー`)「しかし一体だれがこんなことを。」

(,,゚Д゚)「出所も判明しました。○○ペットショップのみで販売されているそうです。」

爪'ー`)「よし、ブーン、ギコ、ジョルジョはそのペットショップに急行してくれ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)「了解。」

141名無しさん:2018/08/19(日) 11:30:59 ID:JrSZlQPY0
爪'ー`)「ドクオは……。」

そっとドクオの肩に手を置く隊長。

爪'ー`)「いいかドクオ。男という生き物はな、苦労や辛い思いをした分だけ薄くなるんだ。」

爪'ー`)「だがそれはそいつがどれだけ頑張ってきたという勲章なのだ。」

爪'ー`)「誇りに思うんだ。」

(; A )「……。」

爪'ー`)「……。」

爪*'ー`)「プー!クスクス!」

爪*'ー`)「すまんドクオ、そこで休んでいろ。俺はツンヌを医療室まで運ぶ」

そうしてドクオを置いてみな作戦室を後にした。

(; A )「…い。」

(#'A`)「絶対に許さない!」

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

142名無しさん:2018/08/19(日) 11:31:31 ID:JrSZlQPY0
ドクトラセブンに変身してブーン達より先にペットショップにたどり着く。

(#'A`)「貴様らのくだらん侵略作戦はばれている!さっさと姿を現せ!!」

ドアを思い切り開け怒鳴り込む。

(  ω )「ほぅ。もう我々の作戦を見破るとはなかなかやるな。」

('A`)「き、貴様は?!」

( ФωФ)「私は猫星人のロマネスクだ。」

見たまんま猫の星人が店の奥から出てきた。

( ФωФ)「やれやれ、猫好きな人間どもを我々猫星人の奴隷に洗脳して地球を征服してやろうと思ったんだがな。」

( ФωФ)「明るみになったのなら仕方ない、力ずくで地球を侵略してやろう。」

( A )「プ……。」

( ФωФ)「ん?」

143名無しさん:2018/08/19(日) 11:32:06 ID:JrSZlQPY0
('∀`)9m「プギャーー!!!」

('∀`)「やっぱり猫の仕業だったかwww!俺にはっ最初からわかってたからねぇwww!!」

('∀`)「やっぱ猫ってクソだなwww地球を侵略しようなんてクソの極みwww」

('∀`)「猫派が敗北することなんてわかってたことだけどwww」

('∀`)9m「おい!猫派の連中!!これからは犬派の皆様に頭下げて生活しろよ!!」

('∀`)「いや本当、こんなクソみたいな生物好きになるとかないだろwww」

('∀`)9m「プギャーー!!!」

( ФωФ)「なんだこいつ。」

('∀`)「くせぇwwwくせぇwww猫とかくせぇwww」

▼ ェ ▼「なんだ騒がしいようだな。」

(;'A`)「だ、だれだ!」

店の奥からまた声がした。

144名無しさん:2018/08/19(日) 11:32:47 ID:JrSZlQPY0
▼・ェ・▼「私は犬星人のビーグル。」

見たまんま犬の星人が出てきた。

▼・ェ・▼「だから言っただろうロマネスク。犬の首輪に洗脳装置を仕掛けるべきだと。」

( ФωФ)「ふん。結果は変わらん。」

▼・ェ・▼「これからは我々犬星人がのこ地球侵略の指揮をとろう。」

▼・ェ・▼「地球人どもは一人残らず我々の食料にしてやる。」

(;'A`)「あ…あぁ……」

( ФωФ)「それはいくら何でもやりすぎだ。地球人にも我々と同水準の知能を持った者もおるだろう。」

( ФωФ)「少しくらいは対等な立場の者を作るべきだ。」

▼・ェ・▼「何を馬鹿なことを。こんな未開の星にそんな知能を持つやつなどおらん。すべて食料にしてやるべきだ。」

( ФωФ)「まったく貴様は野蛮すぎる。」

(; A )「……だ」

▼・ェ・▼( ФωФ)「ん?」

('A`)「嘘だこんなのウソに決まっている……。」

ブツブツと独り言を言いながら頭のアイス・ラッガーを手に持ちゆっくりと近づく。

145名無しさん:2018/08/19(日) 11:33:23 ID:JrSZlQPY0
▼・ェ・▼「さてまずはこいつをどう処分してやるか。」

( ФωФ)「まあ待て。異星人同士まずははなs

ドスッ

アイス・ラッガーがロマネスクの腹に突き刺さる。

(;ФωФ)「うぐぅ!」

ドスッドスッドスッ

何かしゃべりながら何度も刺し続けるドクトラセブン。

▼;・ェ・▼「お前落ち着け!」

バッとロマネスクとドクトラセブンの間に入るビーグル。

(;ФωФ)「す、すまないビーグル。」

▼・ェ・▼「気にするな。」

普段は仲が悪いこの二人は実はまっとうなライバル関係でいつも切磋琢磨してきた中なのだ。

▼・ェ・▼「とりあえず貴様はおちt

ドスッドスッ

▼;・ェ・▼「がぁ!」

('A`)「これは夢。夢だ。」

ブツブツ言いながら二人をメッタ刺しにする。

▼;・ェ・▼(;ФωФ)「ちょっと待って……」

ギャァァァァ

146名無しさん:2018/08/19(日) 11:33:51 ID:JrSZlQPY0
十数分後
ヴィプトラ警備隊の三人が到着する。

( ^ω^)「いいか二人とも、これから敵の本拠地に行く。」

( ^ω^)「警戒を怠るなよ!」

(,,゚Д゚)「まかせろ!」
  _
(;゚∀゚)「よ、よし、やるぞう……。」

腰の光線銃構えてペットショップに突入する。

( ^ω^)「全員手を上げろ!!」

( ^ω^)「!!」

▼ ェ ▼(  ω )

そこには二体の星人が息絶えていた。
二人とも鋭利な刃物で切り刻まれていた。
  _
(;゚∀゚)「な、何があったんだ?」

(,,゚Д゚)「仲間割れでも起こしたか?」

その後の調査でこの二体が今回の事件の首謀者であることが分かった。
そして仲間割れを起こして共倒れという結論に至る。

147名無しさん:2018/08/19(日) 11:34:17 ID:JrSZlQPY0
ξ゚⊿゚)ξ「かぁー。なんだかねぇ今回の事件。」

(,,゚Д゚)「ん?どうした?」

ξ゚⊿゚)ξ「猫の星人と犬の星人が今回の犯人だなんてね。」

ξ゚⊿゚)ξ「犬の星人だけならよかったのに。」
  _
( ゚∀゚)「いいかいツンヌ。猫か犬かどちらか一方じゃなくて自分の好きな方の好きなとこだけ見ればいいんだ。」
  _
( ゚∀゚)「それでたまにはもう片方のよさそうなところを見てあげればいつか分かち合えるはずさ。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ」

('A`)「優柔不断ヤローが。」
  _
(;゚∀゚)「え?」

('A`)(クソ、ツンヌに毛をそぎ落とされてからついさっきまでの記憶がない)

('A`)(なんという失態だ)

('A`)「まあいい。ツンヌ!いずれこの決着はつけてやるぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「いいだろう。いつでもかかってきな。」

( ^ω^)「ふぅー。パトロール行ってきました!」

爪'ー`)「ご苦労。」

148名無しさん:2018/08/19(日) 11:34:40 ID:JrSZlQPY0
爪'ー`)「だがその荷物は何だ?」

( ^ω^)「いやー途中で腹減っちゃってお菓子買って来ました。」

( ^ω^)「どうぞ隊長。」

そうやってみんなに配りあとはドクオとツンヌのみとなった。

( ^ω^)「あと二つ、好きな方取ってくれ。」

そう言ってきのこの山とたけのこの里を見せる。

('A`)「おいおいブーン!そんなの一択だろ!」

('A`)「なんできのこの山と豚のえさが一緒の扱いなんだよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーその面だけじゃなくて舌もイカレてんのかよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「きのこの山とか正気か?」

ξ゚⊿゚)ξ「病院で治療してもらって来いよ。その顔面も一緒に。」

('A`)「はー、このお嬢さんは少数派ということで喧嘩を売ることでしかアイデンティティを証明できないとは。」

('A`)「なんと哀れな少女でしょうか。」

('A`)「救いの手を差し伸べてあげましょう、これをお食べなさい。」

149名無しさん:2018/08/19(日) 11:35:02 ID:JrSZlQPY0
ξ゚⊿゚)ξ「宗教じみたことやり始めやがって。」

ξ゚⊿゚)ξ「こんなゲロ以下のものにすがらないといけないなんて、きのこの山好きはなんと救いのない人種だ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あの世で後悔してろ。」

(#'A`)「ジョルジョ!言ってやれ!!」
  _
( ゚∀゚)「うーむ、俺どっちも好きなんだが。」
  _
( ゚∀゚)「気分次第で食べ分けるとかどう?」

ξ#゚⊿゚)ξ「カァーッぺッ!」

(#'A`)「優柔不断ヤローが!」
  _
(;゚∀゚)「……。」

爪*'ー`)「俺はアルフォードが好きだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「聞いてねぇよ。」

('A`)9m「部外者は黙ってろ。」

爪;'ー`)「……。」

(,,゚Д゚)「アホらし。」

( ^ω^)「まったくだ。」

第五話『あなたはどっち』

終わり

150名無しさん:2018/08/19(日) 11:35:42 ID:JrSZlQPY0
今回は以上です。
いつもコメントなどありがとうございます。

151名無しさん:2018/08/19(日) 13:19:57 ID:CZKPJAoU0
ツンクズな上に猫派でタケノコ派とかもう救いようねぇな


152名無しさん:2018/08/19(日) 15:18:24 ID:kIJ2LV5k0
対立煽りはマジ害悪

153名無しさん:2018/08/19(日) 15:43:58 ID:vVEPKwfc0
おつ
あれ?ドクオ何気に強くなってね?
敵二体を一方的に殺戮してるし

154名無しさん:2018/08/19(日) 23:20:39 ID:Xi32j1XY0
>>152
でもキノコってあんまり美味しくないよね
ビスケットにチョコ乗せただけだしタケノコと違って他でも食べられる味
タケノコ味はタケノコでしか得られない唯一無二のもの
そこが大きく違うね

155名無しさん:2018/08/20(月) 18:28:50 ID:hBgG6YBw0
ドクオがサイコ過ぎる



156名無しさん:2018/08/29(水) 12:19:55 ID:D/8q.6A.0
第六話『隣人は宇宙人』

俺の名前は佐藤裕也。
四月からVIP大学に入学したばかりの大学生。
実家は田舎も田舎な地方の港町。周りに遊べるところもないつまらない街だ。
そんな田舎が俺は嫌いだ。だから地元の友達を置いて一人で都会に出てきた。

奨学金を貰いバイトをすれば一人暮らしでも十分だと思っていたが、結局親からの仕送りが必要だった。
本当は嫌だったがオヤジに頭を下げて仕送りをしてもらう。
親父は最後まで俺の大学進学に反対した。どうも俺に跡を継がせて漁師にしたいらしい。
ダメだの一点張りだ、どうしてダメなのか一切言わない。本当に面倒な奴だ。大っ嫌いで仕方ない。
こんな田舎の港町で一生を終えるなんて御免だ。

そう言った反対を押し切って俺は今、都会にいる。
都会はいい。ここに何でもある。そして常に時代の最先端を行っている。
Fラン大学ではあるが来たかいがあった。

157名無しさん:2018/08/29(水) 12:20:20 ID:D/8q.6A.0
友達A「なんだピャー、お前この後の講義ちゃんと出るのか?」

(`ェ´)「ああ、やっぱこういうのはちゃんと出ないと。」

友達B「じゃぁ俺たちの分も出席用紙に名前書いといて。」

友達C「お前何気にまじめ君だよなwww」

(`ェ´)「まかせとけ。」

友達A「よろしくー。」

そう言って友人たちは講義をサボり遊びに出て行った。ピャーというのは俺のあだ名だ。
確かに次の講義は数回サボったところで単位を落とす恐れはない。
それどころか出席用紙に名前さえあれば課題もなくそれだけで出席扱いになる。名前だけ書いて教室を抜け出す奴もよくいる。
たとえ役に立たないような講義でもしっかり出るべきだろ。そう思いながら渋々みんなの名前を書く。

(`ェ´)「はぁ。」

大学に入って友達はできた。
だがそれは何となく表面だけの友達のような気がした。
確かに一緒にいて楽しいがいざって時にみんなは俺のことを助けてくれるのか、不安になるときがある。

(`ェ´)「今日の講義はこれで終わりか。」

158名無しさん:2018/08/29(水) 12:20:44 ID:D/8q.6A.0
一人寂しく大学を後にして近場のバイト先のホームセンターに向かう。
そこで品出しやレジなどのバイトをしている。平日は毎日夕方から閉店まで。土日はどちらか一日。
その日のバイトが終わりアパートまでの帰路に就く。時間にして8時過ぎ頃だ。

(`ェ´)「今日はちょっと早いな。」

(`ェ´)「コンビニで時間をつぶすか。」

近くのコンビニに入りすでに一度読んだことがある漫画雑誌をもう一度読む。
チラリと時計を見ると二十分ほど経っていた。頃合いの時間だな。
時間をつぶしていたのは理由がある。毎日この時間にアパートに着く。これが狙いだ。

そこそこ古いアパートに着く。二階建ての計六部屋。ここの二階真ん中の部屋が俺の住んでいるところだ。
鉄の階段を上がると手前の部屋で一人の女性がドアを開けようとしていた。

(*`ェ´)「こ、こんばんわ!」

どもりながら挨拶をする。

ζ(゚ー゚*ζ「あら、こんばんわ佐藤くん。」

159名無しさん:2018/08/29(水) 12:21:29 ID:D/8q.6A.0
そのとても美しい女性は西川デレさんだ。近くの花屋さんで働いているらしい。
にこりと笑いながら挨拶をしてくれる。
こんなきれいな人がお隣で何と幸せなことだろう。

(*`ェ´)「毎日こんな時間までお仕事、お疲れ様です!」

ζ(゚ー゚*ζ「フフ、ありがとう。」

ζ(゚ー゚*ζ「でも佐藤くんも大学にアルバイトにで毎日大変でしょ。」

(*`ェ´)「いえ、毎日が楽しいんでそんなことないです!」

ζ(゚ー゚*ζ「元気があって羨ましいな!私も頑張んないとね!」

ζ(゚ー゚*ζ「それじゃぁおやすみなさい。」

(*`ェ´)「はい!おやすみなさい!」

お互い自分の部屋に入る。
毎日どんな嫌なことがあってもデレさんと会話できればすべてが吹き飛ぶ。

(*`ェ´)「はぁ。」

デレさんって彼氏さんとかいるのかな?そんなことばかり気になってしまう。
だが気になることはもう一つある。もう一つのお隣さんだ。
ここに引っ越してからまだ一度も会ったことがないのだ。

160名無しさん:2018/08/29(水) 12:21:58 ID:D/8q.6A.0
表札には『宇宙 人』とだけ書いてある。どう考えても怪しさMAXだ。
だがデレさんは何度も会っているそうでいい人だという。
男の人らしいがいったいどんな人なのだろうか。本当に宇宙人ということはないな。

流石に同じアパートで宇宙人が別々に部屋を借りるということはないだろう。
というのも実はこの部屋は前の借りていたやつが地球を侵略に来ていた宇宙人だったらいい。
そのおかげでこの部屋は家賃が一万円で済んでいる。だから流石にまたということはないだろう。

そんな日が何日か続いたある日のこと。
その日は珍しく、いつもの時間だがデレさんがいない。
今日は仕事が長引いたのかな?そんな日もあるだろう。
そう思いながら自分の部屋のドアに手をかけると奥の部屋で音がした。

(`ェ´)「あ、どうもこんばんわ。」

どうやらお隣さんがいたようなので挨拶をしておく。
どんな人なのだろうと目を凝らしてそちらの方に目を向けた。

≫(‘♀’)≪「どうもこんばんわ。」

返事を返してきたそれはチョウチンアンコウの宇宙人だった。

(`ェ´;)「ファッ!?}

あまりの出来事で身動きが取れない。
なんとかヴィプトラ警備隊に連絡しなくては……。

161名無しさん:2018/08/29(水) 12:22:39 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「どうしたんだ?大丈夫か君?」

そう言いながら近づいて来る宇宙人。
ビビって声すら出ない。

(`ェ´;)「ひぃ…くるなぁ……」

そんな時、誰かが階段を上がってくる音がした。
デレさんだった。

ζ(゚ー゚*ζ「こんばんわ佐藤くん。あら、人さんもいるじゃない。」

≫(‘♀’)≪「ああ、デレさんこんばんわ。」

(:`ェ´)「へ?」

≫(‘♀’)≪「急にこの子が固まってしまってね。どうしたもんか。」

ζ(゚ー゚*ζ「フフ、それは人さんを始めて見た人はそうなりますよ。」

(:`ェ´)「???」

それからデレさんから説明を受けた。
どうやら宇宙(ウチュウ)人(ジン)と名乗る宇宙人は故郷の星を失い宇宙難民となって、たまたまこの地球を見つけたらしい。
そしてこの地球を第二の故郷として暮らしているらしいのだ。

(`ェ´)「そんなのウソに決まってるじゃないか!」

声を荒げて訴える。
侵略者がはいそうですというはずがない。
そうやって地球に侵入して侵略作戦を開始するに決まっている。

162名無しさん:2018/08/29(水) 12:23:02 ID:D/8q.6A.0
ζ(゚ー゚*ζ「私は少し前にある宇宙人に助けられたことがあるの。」

ζ(゚ー゚*ζ「だから全ての宇宙人が敵ではないことを知ってる。」

ζ(゚ー゚*ζ「その宇宙人と人さんは同じ感じがするの。だから私は人さんを信じるよ。」

まったくもって根拠のない話だ。
もし違ったらどうするのだろうか。
でもデレさんがいうなら……

(*`ェ´)「デ、デレさんがいうなら俺も信じるよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう佐藤くん。」

≫(‘♀’)≪「……。」

≫(‘♀’)≪「すまないねぇ佐藤くん。こんな魚臭い隣人だけどよろしく頼むよ。」

(`ェ´;)「は、はい……。」

≫(‘♀’)≪「……。」

ζ(゚ー゚*ζ「それじゃぁ二人ともおやすみなさい。」

そう言ってデレさんは自分の部屋に入っていった。

163名無しさん:2018/08/29(水) 12:23:38 ID:D/8q.6A.0
得体の知れない奴と残されてしまった。
デレさんの手前信じるとは言ったが正直どうも……

≫(‘♀’)≪「なあ佐藤くん。」

(`ェ´;)「な、なんです?」

≫(‘♀’)≪「君もデレさんのことが気になるのかい?」

(`ェ´;)「え?!い、やそんなことは……」

慌てて否定する。なんでそんなことがわかるのか。

≫(*‘♀’)≪「実はお恥ずかしながら私もデレさんのことが……ね。」

≫(*‘♀’)≪「あんな美しい女性はこの宇宙でもそうはいないよ。」

(`ェ´)「あんた宇宙人だろ?人間に欲情すんなよ。」

≫(‘♀’)≪「種族を超えても愛というのはあるのだよ。」

(#`ェ´)「デレさんには指一本触れさせないぞ!」

≫(‘♀’)≪「ハハハ、やはり気があるんじゃないか。どうやら私たちは同じ価値観の同士じゃないか。」

≫(‘♀’)≪「さて、私も今日はもう寝るとするよ。おやすみ。」

(`ェ´;)「……。」

こうして俺と奇妙な隣人との生活が始まった。

164名無しさん:2018/08/29(水) 12:24:06 ID:D/8q.6A.0
人さんは料理がすごくうまくてよく晩飯の時にはご厄介になった。とくにアンコウ料理が得意ようだ。
そこにはデレさんも来てよく三人で食事をした。
その時に人さんとは良く話した。人さんのことについて。

(`ェ´)「なあ人さん、そろそろ本当の名前を教えてくれよ。人ってのが本名じゃないだろ?」

≫(‘♀’)≪「教えてもいいけどどうせ発音できないぞ。」

≫(‘♀’)≪「いいかい、私の本当の名前は『―――』っていうんだ。」

(`ェ´)「???」

(`ェ´)「いまなんて?」

≫(‘♀’)≪「だから言ったろ人間には発音できない言語だから。」

そんなことから

(`ェ´)「人さんの星ってどんな星なの?」

≫(‘♀’)≪「星のほとんどは海に覆われていたけど、この地球よりはるかに進んだ文明を持っていたよ。」

ζ(゚ー゚*ζ「やっぱり海の中で生活してたんですか?」

≫(‘♀’)≪「そうだね。陸でも生活できるんだけどやっぱり海の中が落ち着くな。」

(`ェ´)「じゃぁ地球でチョウチンアンコウを見たらびっくりしたでしょ!しかも地球人は食べるし。」

≫(‘♀’)≪「いや、私の星でも地球と同じように魚のチョウチンアンコウはいたよ。」

(`ェ´)「なるほど、こっちで言う人間とサルみたいなもんか。」

≫(‘♀’)≪「まぁ、地球のように食用にはできなかったけどね。」

ζ(゚ー゚*ζ「え、それだとこっちに来て食べるようになったんですか?!」

165名無しさん:2018/08/29(水) 12:25:01 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「ハハハ、それが私の星では地球のように国がいくつも別れておらず、一国だったんだがチョウチンアンコウを食べる食べないで国が割れてね。」

≫(‘♀’)≪「長年それで戦争が続いたものだよ。最終的に和解してまた混乱が起きないようにその手の議論が禁止されたけどね。」

ζ(゚ー゚*ζ「何だか変な話ですね。」

(`ェ´)「おいおい、進んだ文明のくせにだいぶアホなことで争ってんじゃん。」

≫(‘♀’)≪「本当、あいつも食べておけば死なずに済んだのに。」ボソッ

(;`ェ´)「え?」

≫(‘♀’)≪「まぁそれが8百億年続いた私の星の汚点ではあったけどね。」

(`ェ´)「8百億年??」

(`ェ´)「宇宙が誕生したのは百億年くらい前じゃなかったか?その前に星があるわけないでしょ人さん。」

≫(‘♀’)≪「ハハハハハ」

≫(‘♀’)≪「それは地球の化学が全然進んでいないからだよ。」

≫(‘♀’)≪「我々の文明の研究では数百兆年前だと考えられていたよ。」

(;`ェ´)「数百兆年前って…」

ζ(゚ー゚*ζ「何だか気が遠くなりそうな数字ですね。」

≫(‘♀’)≪「それも確かではないんだけどね。」

≫(‘♀’)≪「宇宙には寿命が数十億あるような宇宙人もいるんだ。そもそもが一番発達した文明の星ですらこの宇宙のことはほとんどわかっていないんだ。」

(`ェ´)「なんだよそれじゃぁ地球の馬鹿にしてるくせに大差ないじゃないか。」

166名無しさん:2018/08/29(水) 12:25:36 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「そうなんだよ。この宇宙のほとんどの星は自分達こそが一番だと思っている。」

≫(‘♀’)≪「だから自分たちより遅れている文明は未開な星だとあざ笑い、進んでいる星にはほんの少し先にいるからっていい気になるなって嫉妬する。」

≫(‘♀’)≪「そんな物なんだ。」

ζ(゚ー゚*ζ「……。」

(`ェ´)「……。」

≫(-♀-)≪「私の星もそうだった。自分たちの星が滅ぼされるはずがないと思い込んでいた。」

≫(‘♀’)≪「宇宙連盟でもそれなりの地位についていたからね。」

≫(‘♀’)≪「ところがある日、メテオールというすさまじいエネルギーを秘める鉱石が大量に埋蔵されているという調査結果が出たんだ。」

≫(‘♀’)≪「そのメテオールって代物が大量に保有したものがこの宇宙を制すようなものでね。」

≫(‘♀’)≪「自称宇宙の正義の味方や宇宙連盟の星々が私たちの答えも聞かず星を解体し始めたんだよ。数日もかからなかったかな。」

≫(‘♀’)≪「あっという間に星が粉々さ。急すぎて人口の一割も脱出できなかったよ。」

≫(-♀-)≪「……。」

ζ(゚ー゚*ζ「人さん……。」

≫(‘♀’)≪「笑ってしまう話があってね。結局調査結果は間違っていてまったくメテオールは埋蔵されていなかったんだよ。」

≫(‘♀’)≪「ハハ、笑っちゃうだろ。自分たちは高度な文明を持っているってふんぞり返っていたらある日突然滅ぼされて。」

≫(‘♀’)≪「この通り宇宙難民さ。」

(;`ェ´)「ま、まぁ命があって何よりじゃん…。」

167名無しさん:2018/08/29(水) 12:25:58 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「この星に来るまでも大変だったよ。」

≫(‘♀’)≪「宇宙難民ってのはどの星も扱いが厳しくてね。受け入れられても一生監視がつくし種を増やすことは許されないんだ。」

≫(‘♀’)≪「一人でも逆らえばみんなまとめてお陀仏さ。」

ζ(゚ー゚*ζ「そんなひどい!」

≫(‘♀’)≪「それが宇宙では当たり前なんだよデレさん。みんな侵略者だと思っているからね。」

≫(‘♀’)≪「受け入れる理由もただ単に自分たちがどれだけ寛容かをアピールするためさ、優しさからじゃないんだ。」

≫(‘♀’)≪「だから助けたつもりじゃないんだ。」

≫(-♀-)≪「そうやっていろんな星を渡り歩いてここを見つけたよ。」

≫(‘♀’)≪「私一人になってしまったがね、ハハ。」

(`ェ´)「……。」

そう言う人さんの眼は悲しみであふれていた。
ここに来るまでに失った人の中には人さんにとって大切な人もいたはずだ。
その人たちの分も生きようとしているのだろう。

168名無しさん:2018/08/29(水) 12:26:29 ID:D/8q.6A.0
ζ(゚ー゚*ζ「ここは人さん、あなたにとってのもう一つの故郷です。」

ζ(^ー^*ζ「何かあったら私に言ってください!力になりますよ!」

≫(*‘♀’)≪

(*`ェ´)

眩しいくらいの笑顔だった。

(*`ェ´)「俺も力になるぜ人さん!」

≫(‘♀’)≪「ありがとう二人とも!二人に出会えて本当によかったよ。」

そんな感じで盛り上がりながら人さんお手製のあんこう鍋を食べる。

(*`ェ´)「うっまーい!」

ζ(゚ー゚*ζ「本当、美味しいですよ!人さんの料理!」

≫(‘♀’)≪「当然ですよ!デレさんのために作ったんですから!」

(;`ェ´)「あれ?俺は?」

≫(‘♀’)≪「君はついでかな。」

「なんだよそれ!」

「フフフ」

「ハハハハハ!」

正直今までの人生で一番楽しい一時だった。
そして人さんとは初めて出会う心から通じ合える親友だと感じた。
パチンコに行けば勝った方が晩飯を奢りあったりした。
ほとんどが両方負けて人さんの行きつけの居酒屋でやけ酒を飲んだ。

169名無しさん:2018/08/29(水) 12:26:57 ID:D/8q.6A.0
(`ェ´)「ていうか人さんバイトしてたのかよ!よく宇宙人だとバレないね。」

≫(‘♀’)≪「水族館でバイトしとるんだがみんな着ぐるみ着てると思ってるよ。」

(`ェ´)「居酒屋のおっちゃんもそうだけどなんでそれで通るの?!」

≫(‘♀’)≪「これが人徳のなせる技かな?」

(`ェ´)「技っていうか……納得できないな。」

(`ェ´)「実は催眠術とか使えるんじゃない?」

≫(‘♀’)≪「そんな能力あればこんなオンボロアパートに住んでないよ。」

(`ェ´)「まあそうか。でも家賃一万なんてそうそうないよな。」

≫(‘♀’)≪「一万?私は二万だが……。」

(`ェ´)「安くなってるのは俺だけか。何でも前の住人が宇宙人だったらしくてね、そのおかげで安くなったんだよ。」」

≫(;‘♀’)≪「な……」

≫(#‘♀’)≪「それなら私も大家さんと話し合ってくる!宇宙人が住んでたら安くなるんだろ!!」

(;`ェ´)「落ち着けって自殺行為だろそれ。」

≫(#‘♀’)≪「君に負けていられない!」

人さんは変なところで負けず嫌いだ。

≫(#‘♀’)≪「私に勝ったと思うなよ!最後に勝つのはこの私だ!!」

(`ェ´)「……。」

170名無しさん:2018/08/29(水) 12:27:30 ID:D/8q.6A.0
(`ェ´)「話を戻すけど、人さんて人間にない特殊な能力とかないの?」。」

≫(‘♀’)≪「巨大化くらいかな?」

≫(‘♀’)≪「あ、でもこの頭のチョウチンの触手には……」

ζ(゚ー゚*ζ「こんばんわ二人とも。」

玄関先で話しているとちょうどデレさんも帰ってきたようだ。

≫(*‘♀’)≪(*`ェ´)「こんばんわデレさん!」

≫(*‘♀’)≪「そうだデレさん、この前見たい映画があるって言ってませんでしたか?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ、今話題のアメリカンヒーローVSジャパンヒーローがすごく気になってまして。」

≫(*‘♀’)≪「どうです、今週の土曜日にでも二人で行きませんか?」

(;`ェ´)「!?」

しまった出し抜かれた。

ζ(゚ー゚*ζ「ごめんなさい、土曜日は予定が……。」

≫(;‘♀’)≪「そうですか。」

(*`ェ´)「なら日曜日に俺と二人で行きませんか!」

ζ(゚ー゚*ζ「その…土日泊りで出かけるのでごめんなさい。」

≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「!?」

(;`ェ´)「そ、そうですか……。」

ζ(゚ー゚*ζ「また今度三人で遊び行きましょうね。それじゃおやすみなさい。」

≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「おやすみなさい。」

≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「……。」

言葉を交わさなくても目を見ればお互いに考えていることが分かった。

『土曜日に後をつけて野郎かどうか確認するぞ』

我々のデレさんに手を出す奴は許さない!
土曜日、日も登らないうちから玄関で待機してデレさんが出発するのを待つ。
朝7時ごろデレさんが階段を降りる音がするのでそっと後をつけていく。

171名無しさん:2018/08/29(水) 12:29:38 ID:D/8q.6A.0
(;`ェ´)(正直、人さん目立つのでは?)

≫(‘♀’)≪(なぁにあえて堂々としていれば逆に目立たないものだよ)

≫(‘♀’)≪(私の経験談からね)

(;`ェ´)(そうですか……)

そうやって後をついていくとデレさんは駅に入っていった。
どの電車に乗るのだろうか、そう考えている時に人さん誰かとぶつかった。

ξ゚⊿゚)ξ「痛いわねあんた!どこに目ぇつけてんのよ!!」

≫(;‘♀’)≪「す、すみません。ちょっとよそ見してましてね。」

ξ#゚⊿゚)ξ「テメー不細工な面しやがって!もう少し周りに気ぃ使えや!」

めんどくさそうな輩に絡まれてしまった。

≫(;‘♀’)≪「ごめんなさい。」

(;`ェ´)「……。」

(゚、゚トソン「まぁまぁツンヌ、相手さんも謝ってることだしさ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「チッ」

(゚、゚トソン「でもまぁあんたが約束の時間に間に合いそうってんのも中々ないよね。」

ξ゚⊿゚)ξ「今回は割と簡単に外泊許可が貰えったからね。」

(゚、゚トソン「あんたの上司には同情するよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

ξ゚⊿゚)ξ「おっと、集合時間まであと少しじゃん。早くいこトソン。」

(゚、゚トソン「はいはい。」

ξ゚⊿゚)ξ「それと魚面のテメー!」

≫(;‘♀’)≪「!」

ξ#゚⊿゚)ξ9m「次はねぇぞ!」

≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「……。」

そう言ってその恐ろしい輩はどこかに行ってしまった。それと同時に完全にデレさんを見失ってしまった。
仕方ないので野郎二人で映画を見に行きいつもの居酒屋へ。その後デレさんに聞いたら女友達でネズミーランドに行ってきたらしい。
本当かな?

172名無しさん:2018/08/29(水) 12:30:12 ID:D/8q.6A.0
そんなこともあったが人さんといると本当に楽しかった。
大学の友達よりも信頼できる。
いや、地球人と宇宙人といったこと関係ない本当の友達なんだと思う。
そんな日々がずっと続くと思っていた。
ある日の大学で講義が終わった後いつものメンバーで話していると誰かの家で焼肉パーティーしようということになった。

友達A「じゃあさ、ピャーの家でやろうぜ!」

(`ェ´)「別にいいけど。」

友達B「お隣にすげぇ美人さんがいるんだっけ?」

(`ェ´)「あぁ。でも俺たちなんて眼中にないと思うぜ。」

友達B「それを落とすのが腕の見せ所だろ。」

友達C「よっしゃwww!焼肉パーティーだwww!」

その日はバイトも休み食材と酒を買いみんなで俺の家に行く。
準備も整いあとは焼くだけだ。
そんな時に友達Cが聞いてきた。

友達C「そういえば一番奥の部屋の表札に『宇宙 人』ってあったけどどんな奴が住んでんの?」

友達A「『宇宙 人』?なんだそりゃ?」

友達B「やべーじゃんwwwヴィプトラ警備隊呼ぶかwww」

どうやらみんな人さんに興味津々なようだった。
そんなに気になるならみんな合わせてやるかな。人さんも新しい友達欲しいだろうしな。
それは余計なお世話だったことにその時の俺は気づくことができなかった。

173名無しさん:2018/08/29(水) 12:30:50 ID:D/8q.6A.0
(`ェ´)「個性的な人だけどいいひとだよ。みんな会ってみるか?」

友達C「いいねぇ会おうぜwww何なら一緒に焼き肉食べようぜwww」

みんなで人さんの部屋の前に行きおれがドアをノックする。

(`ェ´)「人さんいる?」

そう声をかけると人さんが出てきた。

≫(‘♀’)≪「何だい佐藤くん?」

(`ェ´)「いやぁ、大学の友達が人さんも焼き肉一緒に食べないかってさ。」

そう言いながらみんなの方に振り返る。

友達C「あ…あぁ……」

友達A「う…宇宙人だぁぁあ!!!」

友達B「ヤベー!!ヴィプトラ警備隊呼べ!!ヴィプトラ警備隊!!」

174名無しさん:2018/08/29(水) 12:31:15 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「「!?」

みんな騒ぎ出した。友達Cは腰を抜かし、友達Bはすぐさまスマホを取り出して電話をしようとしている。

(;`ェ´)「い、いやみんな落ち着けよ。人さんは悪い奴じゃないからな……」

必死に弁解しようとするがみんな聞く気がない。
その時、普段少し威張っている友達Aが人さんの前に立ちはだかる。

友達A「みんな早く逃げろ!」

友達A「おおおおお!来るなら来い!あ、相手になってやる!」

額は冷や汗が滲め出て足は震えているし腰も引けているが必死に人さんを威嚇する。

友達B「お、おぉ」

友達Bが俺と友達Cの服をつかむと無理やり下の駐車場まで運ぶ。
駐車場まで逃げたのをを見た友達Aも一目散に逃げていく。

prrr

友達B「早く出てくれぇ!」

175名無しさん:2018/08/29(水) 12:31:41 ID:D/8q.6A.0
prrr

(,,゚Д゚)「こちらヴィプトラ警備隊作戦室。どうされました?」

友達B「宇宙人が出たんです!!助けてください!!」

(,,゚Д゚)「なんだって!?場所は?」

友達B「場所は○○地区の××アパートです。」

(,,゚Д゚)「よし分かった。君は早く安全な場所に避難しなさい。」

(,,゚Д゚)「隊長、○○地区の××アパートに宇宙人が出現したようです。」

爪'ー`)「○○地区は今ブーンとドクオがヴィプンターでパトロール中だったな。至急向かわせろ!」

爪'ー`)「ギコとジョルジョはヴィプトラホーク1号で出動!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解!」

176名無しさん:2018/08/29(水) 12:32:21 ID:D/8q.6A.0
友達C「なんで宇宙人があんなとこにいるんだよ。」

友達B「もうすぐでヴィプトラ警備隊が来てくれるぞ。」

友達A「こえぇよ、はやくきてくれ……。」

(;`ェ´)「ああ、なんてことを……。」

アパートに行こうとする俺の手を友達Aがつかむ。

友達A「おい、どこに行くつもりだよ。」

(`ェ´)「はなしてくれ!俺は人さんに謝らないと!」

友達A「何言ってるんだ!あいつは宇宙人だぞ!」

無理やり手を振りほどき人さんの元に向かう。

友達A「おいピャー!!」

友達B「まさかピャーのやつ洗脳されてるんじゃ……」

友達C「マジかよ!やべーぞそれ!」

友達たちは追えるほどの勇気はもうなかった。

177名無しさん:2018/08/29(水) 12:32:45 ID:D/8q.6A.0
(;`ェ´)「はぁはぁ……」

(;`ェ´)「人さん、ごめん俺のせいで!」

≫(‘♀’)≪「いいんだ佐藤くん。」

≫(‘♀’)≪「きっと遅かれ早かれこうなっていたさ。」

(;`ェ´)「でも!」

≫(‘♀’)≪「なぁに今まで佐藤くんやデレさんのおかげで楽しく過ごせていたから十分さ。」

(;`ェ´)「そうだ!俺とデレさんでヴィプトラ警備隊に人さんが侵略者じゃないことを説明すればいいんだ!」

≫(‘♀’)≪「……。」

≫(-♀-)≪「それは無理だよ佐藤くん。」

(;`ェ´)「どうして?!」

≫(‘♀’)≪「それができないことは彼らヴィプトラ警備隊が一番よくわかっているよ。」

≫(‘♀’)≪「もし彼らが私のことを宇宙難民だと地球に受け入れたとして、この星を狙う侵略者はそれを見逃さないだろう。」

≫(‘♀’)≪「侵略者は私と同じように偶然この星に流れ着いた宇宙難民と主張するだろう。」

≫(‘♀’)≪「私という前例がある以上受け入れるしかない。そうなったらあとは簡単だ。」

≫(‘♀’)≪「地球人の目を盗んでゆっくりと侵略作戦を進行するだけさ。」

178名無しさん:2018/08/29(水) 12:33:12 ID:D/8q.6A.0
(;`ェ´)「そんなの可能性の話だろ!?」

≫(‘♀’)≪「その可能性がある以上この地球を守る彼らはその決断ができないのさ。」

≫(‘♀’)≪「たった一つの判断ミスで星なんて簡単になくなってしまうよ。」

(;`ェ´)「そんなのあんまりだ……」

≫(-♀-)≪「いいかい佐藤くん、この宇宙では優しさとは欠点なんだ弱さなんだよ。」

≫(‘♀’)≪「相手にやさしくするというのは隙を見せること、それを見せればみなそこに付け込んでくる。」

≫(‘♀’)≪「だからこそ私はこの星で佐藤くんやデレさんに会えてよかったよ。」

≫(‘♀’)≪「こんな魚臭い私にやさしくしてくれて本当にうれしかったよ。ありがとう。」

(;ェ;)「人さん……。」

≫(‘♀’)≪「佐藤くんも早くみんなのところに戻りなさい。あまりここにいると後でいろいろ検査されることになるよ。」

(;ェ;)「うぅぅ」

≫(‘♀’)≪「なぁに私は戦闘力は低いが少しは抵抗して何とか逃げて見せるよ。」

(;ェ;)「ごめんよ人さん!!」

泣きながらみんなのところまで走る。

≫(‘♀’)≪「さてやれることはやってみるか。」

179名無しさん:2018/08/29(水) 12:33:37 ID:D/8q.6A.0
友達A「ピャー!!よかった無事だったか!」

友達B「心配かけやがって!」

友達C「おいあれ見ろ!ヴィプンターだ!!」

ちょうどそこにヴィプンターが到着した。

( ^ω^)「君たち大丈夫か?」

('A`)「ブーン彼らを頼む!」

ドクオはブーンに大学生たちを頼んで単身、宇宙人がいるアパートに突入する。
光線銃を構えて部屋に入るが誰もいない。

('A`)「どこだ!!出てこい腰抜け野郎!!」

ドクオが部屋の中を捜索している時アパートの外が光る。

チョウチンアンコウ型の宇宙人が巨大化したのだ。

('A`)「なに?!くそう!」

とっさに懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

180名無しさん:2018/08/29(水) 12:34:04 ID:D/8q.6A.0
ドクトラセブンも巨大化して応戦する。
チョウチンアンコウの宇宙人に飛び掛かるとすぐさま一本背負いをかます。
ドーンとすさまじい音を立てながら周りの住宅を押しつぶし宇宙人が倒れこむ。
馬乗りになり、何度も殴りつけるドクトラセブン。

(;ェ;)「あぁやめてくれよぉぉ!」

友達ABC「いいぞやれぇ!ぶっつぶせぇ!!!」

そこにヴィプトラホーク1号が到着する。

(,,゚Д゚)「珍しく押してるようだな。」
  _
( ゚∀゚)「俺たちの出る幕はなさそうだが一応援護できる位置で待機しておくか。」

(,,゚Д゚)「オーケー!」

(#'A`)「デュワァ」

('A`)(こいつあんまり抵抗してこないな)

('A`)(俺の強さに戦意喪失したか?)

('∀`) ニヤリ

181名無しさん:2018/08/29(水) 12:34:30 ID:D/8q.6A.0
ドクトラセブンは立ち上がると無理やり宇宙人を起こして担ぎ上げるとブレーンバスターを決める。
すぐさま持ち上げると今度はパワーボムだ。

(#'A`)「ダァー!」

次々と大技を決めていく。

('A`)(そろそろトドメと行くか)

また宇宙人を持ち上げると高々とリフトアップする。そして回転しながら思い切り投げ捨てる。
これがドクトラセブンの必殺、ドクトラハリケーンだ。
高層ビルに突撃してビルを倒しながらピクリとも動かない。
目標が動かないことを確認して必殺のドクトラショットをぶち込む。
あえなく爆発四散する宇宙人。

('∀`)「ふぅ」

ひさしぶりに地球人の前で敵を倒した。しかも初めての完封での圧勝だ。
ご満悦の表情で空に旅立っていくドクトラセブン。

182名無しさん:2018/08/29(水) 12:34:57 ID:D/8q.6A.0
(;ェ;)「あぁなんでだよぉ……人さんが何したっていうんだ!!」

友達A「大丈夫かピャー?」

( ^ω^)「こりゃぁまずいな。洗脳の疑いがあるぞ。」

友達B「そんな!ピャーは元に戻るんですか?」

( ^ω^)「なんともいえんが、時間をかければ何とかなるかもしれない。」

( ^ω^)「まずはヴィプトラ警備隊の病院に連れていく。」

友達C「ピャー!あんな宇宙人なんかに負けるなよ!!」

友達A「毎日お見舞いに行くからな!」

そうして俺はヴィプトラ警備隊の病院に入院する羽目になった。
病院では毎日いろいろな検査をし、いろいろな薬を投与された。
そして最後に医者が「あの宇宙人と君の関係はどんなものかな?」と聞いてくる。

(`ェ´)「人さんは俺の親友だ!!」

それは曲げられない。だってそれが事実なんだから。
俺がそう言うと医者は険しい表情をしながら去っていく。そんなことが何日も続いている。
どうやらデレさんがきて人さんのことや俺のことを話してくれたらしい。そのせいでデレさんも入院させられそうになったが

『('A`)「何をしている!!デレさんは大丈夫だ!俺が保証する!」』

気持ち悪い顔の隊員が猛反発して事なきを得たらしい。

183名無しさん:2018/08/29(水) 12:35:24 ID:D/8q.6A.0
('A`)「なあ少年、いつまでここにいるつもりだ?」

('A`)「どうせ大学サボりたいからここで入院してるんだろ?」

( ^ω^)「確かにウチの看護師さんはレベル高いの多いからな。目の保養になるぜ!」

(`ェ´)「人さんは侵略者じゃない!なんでそれがわからないんだ!」

( ^ω^)「こいつは参った。なかなか強力な洗脳を受けたようだな。」

(`ェ´)「なんで人さんはダメでドクトラセブンとかいうのはいいんだよ!」

(`ェ´)「あいつだって侵略者かもしれないだろ!」

(#'A`)「何を馬鹿なことを言っている貴様!彼が侵略者なわけないだろ!!」

('A`)「なぁブーン。」

( ^ω^)「……。」

( ^ω^)「なるほど、確かにその可能性もあるな。」

(;'A`)「!?」

(;'A`)「まてよ冗談だよな?」

( ^ω^)「おいおい、あいつは俺たちの仲間じゃないか。冗談だよ。」

(;'∀`)「だよな!焦ったぜ。」

( ^ω^)(一応隊長に進言しておこう)

(`ェ´)「……。」

検査が終わると隊員たちが心配して毎日来てくれているが正直どうでもよかった。
でも一番つらいのは見舞いに来てくれることだ。

184名無しさん:2018/08/29(水) 12:36:01 ID:D/8q.6A.0
ζ(゚ー゚*ζ「佐藤くん、辛かったと思うけどもう大丈夫だから早く帰っておいで。」

そう優しく励ましてくれるデレさんを直視することができなかった。
俺のせいで人さんを失うことになってしまって申し訳ない。

友達A「今日も講義の出席簿にピャーの名前書いておいたぜ!」

友達C「びっくりだよな、入院してるやつが出席してんだもんwww」

友達B「課題もピャーの分出してあるから単位は心配するな!」

友達A「だから早く元気になれよ!」

(`ェ´)「……。」

俺の勝手な思い込みだったんだ。
みんな俺を心配してくれている。みんな本当に俺のことを友達と思ってくれていたんだ。
なのに俺が自分で勝手に壁を作っていただけだったんだ。

親父「今日は調子どうだ?」

親父「そう言えば山田君だっけ?裕也の小学校の時の友達。最近結婚したそうだよ。」

(`ェ´)「そう。」

実家からここまでかなり遠いはずなのに毎日見舞いに来てくれる。
今までそんな会話したことなかったくせに無理して何とか会話しようとしているのがまるわかりだ。
ただ単に口下手だけど俺のことが心配で仕方なかったんだろう。だから大学に行くのを反対していたんだ。

(`ェ´)「……。」

(;ェ;)

185名無しさん:2018/08/29(水) 12:36:29 ID:D/8q.6A.0
涙が止まらなかった。
自分がどれだけ自分勝手な人間か。
どれだけ他人のことを考えていないやつなのか。
自分が情けない。

結局のところ俺は人の外見としか付き合っていなかったのだ。
自分の都合ばかりで他人の中身を見ようとしなかった。
だから外見がすでにぶっ飛んでいた人さんとは中身同士の付き合いができたんだ。

ここを出よう。ここにいても人さんが戻ってくるわけじゃない。
くだらない自分のプライドなんて捨てなくては。
みんなを悲しませる。
きっと人さんも……

医者「あの宇宙人と君の関係はどんなものかな?」

(`ェ´)「……。」

(`ェ´)「彼は侵略者です。俺は洗脳されていました。」

医者「!」

医者「やっと洗脳が解けたようだね、よかったよ。」

ヴィプトラ警備隊が家まで送ってくれることになった。
気持ち悪い顔の隊員がヴィプンターを運転してくれた。

186名無しさん:2018/08/29(水) 12:36:55 ID:D/8q.6A.0
('A`)「よかったな少年、洗脳が解けて。」

(`ェ´)「はい……。」

ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!」

笑いながら俺の肩を叩いてくる。
本人はそんなに強くたたいているつもりはないようだがかなり痛い。

ξ゚⊿゚)ξ「そうか、お前はVIP大学か。つまり私の後輩じゃないか。」

ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!」

ξ゚⊿゚)ξ「○○教授はまだ生きてるか?あのジジイ。」

ξ゚⊿゚)ξ「××講義はとっておいた方がいいぞ!あれは出欠も課題もテストもないからな単位余裕だぞ。」

その後も大学での裏技みたいのをいろいろ教えてくれた。

ξ゚⊿゚)ξ「就職においてヴィプトラ警備隊だけはよしておけよ!ブラックだからな。」

ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!」

('A`)「しかし、少年のおかげでまたデレさんと再会できてよかったぜ。」

('A`)「今回はしっかり連絡先も聞けたしな。」

ξ゚⊿゚)ξ「おっせーなオイ。」

ξ゚⊿゚)ξ「私は村の時には聞いておいたぞ。」

ξ゚⊿゚)ξ「この前もトソンと三人でネズミーランド泊りで行ってきたしな。」

(;'A`)「な、それなら俺にも連絡先教えてくれればっよかったのに。」

ξ゚⊿゚)ξ「貴様のような金玉に脳みそが詰まっている人種に教えるわけなかろう。」

(;'A`)「ギギギ!」

187名無しさん:2018/08/29(水) 12:37:30 ID:D/8q.6A.0
そんなこんなしているうちにアパートに着く。

('A`)「ほら着いたぞ。」

ξ゚⊿゚)ξb「後輩よ、何か困ったことがあればこのツンヌさんを頼れよ。」

('A`)「!」

('A`)(そうかこういう時にカッコよくアピールすれば俺のファンが増えるかもしれない)

('∀-)「達者でな少年、頼るのは俺でもいいぞ。」

できる限りのキメ顔でウインクする。

(`ェ´)「……ありがとうございます。」

ペコリとお辞儀をする。
あの女の隊員はいろいろとんでもないことを言っていた気がするがきっと俺を励ますために言ってくれたんだろうな。
運転していた隊員もわざと変顔して笑わして元気を出させようと。
人のやさしさが今はつらかった。
そのあとは重い足取りで階段を上がる。
自分の部屋のドアを開けた。玄関に入ろうとしたときお隣の部屋から誰かが出てきた。

新しい入居人「ああどうも初めましてお隣さん。新しく越してきたものです。」

(`ェ´)「……どうも。」

顔を合わす気力もなかった。

188名無しさん:2018/08/29(水) 12:37:56 ID:D/8q.6A.0
新しい入居人「何やら大変だったみたいですね。」

新しい入居人「まあおかげでここの家賃8000円になったみたいなんですけどね。」

ハハっと笑いながら話す。

(`ェ´)(人さんに感謝しろよ)

(`ェ´)「そうですか、良かったですね。」

そのまま顔を合わせることなく自分の部屋に入ろうとした。

「まぁ何というか私の勝ちだな!」

(`ェ´)「え?」

慌てて新しい入居人の方を見る。

≫(‘o’)≪「言っただろう最後に勝つのはこの私だって。」

(;`ェ´)「な、なんで!」

≫(‘o’)≪「君に言い忘れていたが私の触手は自分に擬態させることができるんだよ。」

確かにご自慢の触手がなくなっていた。

≫(‘o’)≪「それを巨大化させてデコイのようにして逃げようと思ったら何やらいい感じに一人プロレスしてくれてね。」

≫(‘o’)≪「触手もそのうち元通りになるし本当に助かったよ。」

(;ェ;)「よがった。ほんどうによがっだよ!」

泣きながら人さんと抱き合う。

≫(;o;)≪「おいおい君ももう大学生だろ。そんな泣くんじゃないよ。」

そう言う人さんも泣いていた。
でも本当に生きていてくれてよかった。

ζ(゚ー゚*ζ「!」

ζ(^ー^*ζ(よかったね!二人とも!)

189名無しさん:2018/08/29(水) 12:38:18 ID:D/8q.6A.0
俺の名前は佐藤裕也。
どうやら隣人との奇妙な生活はまだまだ続きそうだ。

第六話『隣人は宇宙人』

終わり

190名無しさん:2018/08/29(水) 12:38:40 ID:D/8q.6A.0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

191名無しさん:2018/08/29(水) 15:21:11 ID:JLcfuWvQ0
乙!

めっっっっっっちゃ良かった

192名無しさん:2018/08/29(水) 16:08:04 ID:DWv0DGLQ0
一気に読んだ
めちゃくちゃ好き

193名無しさん:2018/08/29(水) 17:05:20 ID:fFq51UiE0
なんだよ、いい話じゃないか











ツンはクズ

194名無しさん:2018/08/29(水) 22:00:26 ID:X4ReU0460
佐藤くん、人さん…よかったなぁ (´;ω;`)

195名無しさん:2018/08/30(木) 08:26:12 ID:Wa/sasqg0

https://i.imgur.com/B8xidGM.png
https://i.imgur.com/xUvUV32.png

196名無しさん:2018/08/30(木) 17:59:36 ID:meMYhF/s0
なんじゃこりゃ!久しぶりにブーン系来たら、面白い新作始まっているじゃない
ドクオは正義のヒーローになれなかったようですみたいでwktk。続きまってるぞ〜('∀`)

197名無しさん:2018/08/30(木) 20:51:49 ID:FNqpi9wU0
イイハナシダナー

198名無しさん:2018/08/30(木) 22:47:50 ID:xuuaQkdg0
いつもコメントや支援などいただきありがとうございます。
今回は支援絵までいただき、本当に感謝です!
ドクトラセブンだけでなくξ゚⊿゚)ξとG師匠のようですの方も支援絵いただけてビックリです。
今後も頑張っていきますのでよろしくお願いします。

199名無しさん:2018/08/31(金) 00:49:34 ID:WEpzC2TI0
師匠もアンタだったのか
どっちも大好きだよ

200名無しさん:2018/09/02(日) 17:51:51 ID:dtxykwpQ0
第七話『侵略宗教』

夏の暑さも少し落ち着き、日が落ちるのも早くなってきたころ一人のサラリーマンが帰路についていた。
顔に精気は感じられず、その目はまるで死んだ魚のようだ。
現代では珍しくない社畜の一人。今日も上司に怒られ散々な一日だった。
その上親しい友人はあまりおらず、彼女もいない。なにより碌な趣味もない生きる屍といった方がいい人物だ。
しかし、それすら今の世では珍しいことじゃない。

サラリーマン「はぁ。」

ため息をつきながらいつもの道をいつもの時間にいつものように帰る。
家に帰っても、明日仕事に出てもループしているわけではないのに何も変わらない同じ日を繰り返すだけ。
なぜ自分は生きているのかと考えるが、特に答えが出ることもなく繰り返す毎日。

だがその日は違った。

( ∵)「迷える地球人よ、救いが欲しくはないか?」

サラリーマン「え?」

突然背後から声をかけられ振り返る。
お坊さんのような服装をした人物が立っていたが、その顔は人間ではなかった。
髪の毛や鼻が無く小さな穴のような目と口がポツンとあるだけだ。まるで呪いの人形のような顔。

サラリーマン「な…なんだお前?!宇宙人か!」

サラリーマン「ヴィプトラ警備隊に連絡しなきゃ。」

サラリーマン「えっと…あれ?」

慌ててスマホを取り出そうとするが焦って中々ポケットから取り出せない。
そういうところから日ごろの要領の悪さがうかがえる。

( ∵)「てい!」

201名無しさん:2018/09/02(日) 17:52:32 ID:dtxykwpQ0
恐ろしく速い手刀を首に撃ち込むと、声も出す暇もなくその場に倒れこむ哀れなサラリーマン。
倒れたサラリーマンを引きずりながら空き家に運んでいく。

サラリーマン「う…」

意識を取り戻し、周りを見渡すと見知らぬ家のようだ。
そして自分の体を見ると何やらいろいろな機械がついた椅子に拘束されているようだ。

( ∵)「気が付いたか地球人よ。」

サラリーマン「な…何をするつもりだ!」

サラリーマン「お願いだ助けてくれ!」

必死で命乞いをする。

( ∵)人「安心しなさい。私はあなたのような救いを求めている地球人を助けに来たのですよ。これから神のお告げがありますから。」

手を合わせながら優しく話しかける。

( ∵)人「身体の力を抜き頭を空にしなさい。」

そう言いながら椅子につながれているリモコンのスイッチを押す。

サラリーマン「あぎゃあぁぁぁ!!」

電流が流れるとともに悲鳴が上がる。

サラリーマン「が…」

しばらくしてから拘束を解きサラリーマンを起こす。

( ∵)「目が覚めましたか?」

サラリーマン「はい。ビコーズ様のおかげでこの世に希望が持てました。」

( ∵)「クックックッ。地球人なんぞこの洗脳装置でみなかわいい信者にしてやる。」

( ∵)「この私を神と崇めるがいい愚かな地球人ども!!」

202名無しさん:2018/09/02(日) 17:53:10 ID:dtxykwpQ0
それから数日後の日本上空。
ヴィプトラホーク1号がパトロールのため飛行していた。

('A`)「ヴィプトラホーク1号より本部へ、ヴィプトラホーク1号より本部へ。」

爪'ー`)「こちら本部、フォックスだ。」

('A`)「現在P地点上空を飛行中異常なし。どうやら今日も平和そうですよ。」

爪'ー`)「パトロール中は警戒を怠るなよ。」

('A`)「了解。このまま基地へ帰還します。」

本部への報告を済ませて帰路へと進路をとる。

(,,゚Д゚)「うん?なんじゃありゃ?」

一緒に搭乗していたギコが何かに気づき指さす。
空き地で十数名ほどの人間が集まり何かに対して祈りをささげていた。

('A`)「何してんだろ?こんな平日の昼間から。」

(,,゚Д゚)「宗教か何かか?」

('A`)「どっちにしろ平日のこの時間帯に暇そうなことができてうらやましい限りだよ。」

(,,゚Д゚)「それは俺たちが頑張っている証拠だよ。誇りに感じようぜ。」

('A`)「ハハ、それもそうだな。」

それ以上の深追いすることもなく飛び去っていく。
宇宙人の恐るべき侵略が進行しているとも知らず。

203名無しさん:2018/09/02(日) 17:53:41 ID:dtxykwpQ0
( ∵)(うーむ、一日一人二人信者にする程度ではペースが遅いな)

( ∵)(何かいい案を考えねば)

空き地で信者たちに自分を崇めさせている最中に新たな作戦を考える。
侵略地に来てから考えるなど愚の骨頂である。
もっと前もって用意周到に準備しないと。
そうしている時、空き地の前の道を一人の男性が歩いていた。

この時間にうろついている暇人ならこいつもこの世に希望が見いだせないやつか。
そう思い信者たちに襲わせ洗脳装置にかける。

敏腕プロデューサー「おいお前ら何するんだ?!」

捕まった彼はその業界では凄腕のプロデューサーだ。
彼の手で生まれたトップアイドルは数知れず。
今日は久々の休みでたまには実家に顔を出そうとこの辺を訪れていたのだ。
抵抗もむなしくあっさり洗脳されてしまう。

( ∵)「どうだね君、生まれ変わった気分は?」

敏腕プロデューサー「……。」

敏腕プロデューサー「なるほど俺がやるべきことは今のショックで分かったが、洗脳装置はこれだけか?」

( ∵)「?!」

( ∵)「ああ、これだけだが。」

あからさまにほかの信者たちとは違う何かを感じた。

204名無しさん:2018/09/02(日) 17:54:07 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「そうなると少し待て。」

そう言うなり手を顎に当てアゴヒゲをさすりながら数分考え事。

敏腕プロデューサー「じゃぁまずこの辺一帯の一人暮らしの老人に手当たり次第勧誘だ。」

敏腕プロデューサー「それと俺の叔母がこの辺の不動産やってるから一軒家借りて本拠地とするぞ。」

(;∵)「ちょっと!勝手に何言ってるんだ!」

敏腕プロデューサー「信者増やしたいんだろ?ならまずは一人暮らしで金を持っている高齢者に居場所を与えて数を増やす。」

敏腕プロデューサー「奴らはすることなく一人寂しくしているから人の集まる場所、つまりおしゃべりできる空間があれば喜んでくるだろう。」

敏腕プロデューサー「そうして入会料なりなんなりでこっちは金儲け…いや資金調達だ。その金を使い地球侵略をやるんだろ?」

敏腕プロデューサー「若い連中は碌な趣味もなさそうな敗者どもに強引に声をかけて入会。これはトーク力がいるな。」

(;∵)「お、おぉ…」

敏腕プロデューサー「これは俺の知り合いの凄腕営業マンを洗脳してやらせるとして……。」

敏腕プロデューサー「さぁ、みんなやることは多いぞ!」

( ∵)(これはいい人材をゲットできたのでは?)

205名無しさん:2018/09/02(日) 17:54:44 ID:dtxykwpQ0
凄腕営業マン「そこの方、ちょっといい?」

しょぼくれたサラリーマン「はぁ、なんですか?」

凄腕営業マン「いや、あなたのような幸薄そうな方にいいところがありましてね。」

凄腕営業マン「どうかなおばあちゃん、ここなら毎日みんなとおしゃべりできるよ!」

おばあちゃん「あらそうかい、それはよさそうだね。」

それから数日ほどで十数名だった信者が数百名ほどにも増えた。

敏腕プロデューサー「いやー増えた増えた。」

( ∵)「いい働きでしたよ敏腕プロデューサー、そして凄腕営業マン。」

凄腕営業マン「この程度朝飯前だよ。」

敏腕プロデューサー「だが、教祖様はこれから忙しくなるぞ。説法とか説き聞かせないとな。」

( ∵)「そこらへんは適当にやりましょう。」

敏腕プロデューサー「いいわけないだろ!そう思ってもう知り合いの映画監督を洗脳済みだよ。教祖の振る舞いとしゃべり方などを指導してもらえ。」

敏腕プロデューサー「説法の内容はこれに書いてきたから読んで。」

( ∵)「流石仕事が早いな。」

堅物映画監督「どれではやってもらおうか。」

( ∵)「では。」

( ∵)「―――」

自分なりにできる演技をした。
堅物映画監督も安物のパイプ椅子に座りながら、うんうんと頷きながらそれを見ていた。
説法が終わり堅物映画監督が立ち上がると笑顔でビコーズ星人に近づく。
近づくや否や全力でその顔を殴る。

206名無しさん:2018/09/02(日) 17:55:09 ID:dtxykwpQ0
( ∵)「え?」

正直人間程度に殴られたところで全く痛くないがびっくりした。

堅物映画監督「なんだこのゴミクズ以下の演技は!!」

怒鳴りつけながら首元をつかむ。その勢いで唾が飛び散る。

堅物映画監督「今時小学生でもこんなひどい演技せんぞ!」

そこから指導が入り何度やり直しても堅物映画監督からのダメ出しは止まらない。
それでも数時間、演技指導は続く。

堅物映画監督「あと一時間したら俺は帰るぞ。」

敏腕プロデューサー「監督さんそう言わずにさ、彼も頑張ってるから。」

すかさず敏腕プロデューサーがフォローに入る。

堅物映画監督「今抱えてる仕事があるんだよ!それわかってんのか!!」

またビコーズ星人をにらみつけながら怒り出す。

(;∵)「す、すみません……。」

堅物映画監督「わかってないだろてめぇ!!こっちは仕事の合間必死に探しておめぇのお遊びに付き合ってやってんだぞ!!」

パイプ椅子を蹴飛ばしながら吠える。
その後も指導してもらいながら最終的に堅物映画監督曰く中学生レベルにはなったらしい。

( ∵)(何かがおかしい)

207名無しさん:2018/09/02(日) 17:55:56 ID:dtxykwpQ0
それから数日で信者の数は数千人まで増えていた。
だが、その頃には感じていた違和感が確かなものになっていた。
例えばトイレで大きい方をしていた時

(*∵)「ふぅ、スッキリ。」

ガサゴソッ

( ∵)「!?」

トイレの後ろで物音がした。
何事かと思い窓を開けて外を見てみると信者Aが何か茶色いものをゴム手袋で持っていた。それもとても臭そうに。
あれはまさか……私の排泄物?

( ∵)「あなた何をしているのです?!」

声をかけると慌てて逃げていく。
あとを追いかけて問い詰めていると敏腕プロデューサーがやってきた。

敏腕プロデューサー「あ、ついにバレちゃった?」

( ∵)「は?」

今こいつなんて言った?

敏腕プロデューサー「いやさぁ、俺も本当はこんなこと信者に頼みたくなかったんだが、お前商品価値がありそうなもん生産できそうにないじゃん。」

敏腕プロデューサー「だからお前から生み出されるもの必死に探したわけ。そしたらクソしかなくてさ。まあ表面を加工して信者たちにお守りとして高値で売り出してるわけよ。」

(#∵)「何を勝手にやってるんですか!!」

敏腕プロデューサー「それよりお前そろそろテレビに行く時間だろ。早くいってこいよ。」

(;∵)「あ、あぁすぐ行くよ。」

208名無しさん:2018/09/02(日) 17:57:21 ID:dtxykwpQ0
何やら自分の知らないことが多すぎる。幹部たちがいろいろ勝手にやってくれるのはいいが、限度というものがある。
これから行く仕事も地方のローカル番組で芸人じみたことをしてこなければならない。私はそんなことを望んではいなかったが、敏腕が勝手に……。
市でイベントがあれば参加してゆるキャラめいたこともした。一般市民への露出を増やして信者獲得だと言っていたが。
そのせいで最近は分刻みのスケジュールだ。自分の時間が持てない。何より幹部たちは私を物として見ている気がする。

おかげでよく頭痛がするようになったし、悪夢も何度も見る。
あの洗脳装置がある部屋で幹部たちが笑いながら私を装置に座らせる夢だ。

( ∵)「お疲れ様でしたー。」

収録が終わり出演者たちに挨拶しながら自分の楽屋に戻る。

敏腕プロデューサー「なんだよあの収録。」

敏腕プロデューサーのダメ出しが始まる。
『もっとカメラの前で面白いこと言え、言ってることがまじめで硬すぎる。』『体張って笑いをとれ』『好感度を上げろ』
拠点に戻れば敏腕の持つて来た芸人のDVDを見せられ笑いの勉強が延々と続く。
信者たちの前で説法を説き聞かせている時は必ず堅物映画監督のチェックが入りその後で怒られる。

だがそのかいあって信者の数は増え続け収入もかなりのものらしい。
幹部連中はそれで私腹を肥やしているようだ。私は毎日幕の内弁当だが。
しかし、儲かっているならそれでいい……いや違う。
なんだろう大切な目的を忘れている気がする。……でも思い出せない。

敏腕プロデューサー「おい、いよいよ全国放送の番組での出演が決まったぞ!これで全国展開だ!」

敏腕プロデューサー「もっと儲けるぜ!」

凄腕営業マン「俺は別荘を購入したいと思ってたからよかった。」

堅物映画監督「俺は孫に新車買ってやるかな。」

敏腕プロデューサー「そう言うわけだからしっかり顔売って来いよ。」

( ∵)「はい、任せてください。」

言われた通り番組に出たものの、拠点に戻ればダメ出し、説教の嵐。

209名無しさん:2018/09/02(日) 18:00:02 ID:dtxykwpQ0
爪'ー`)「なんだこいつ?!」

( ^ω^)「どっからどう見ても宇宙人だよな。」

('A`)「こういう被り物でもしている売れない芸人じゃないの?」

(,,゚Д゚)「それにしたってこれは……。」

爪'ー`)「ジョルジョ、何かわからないか?」
  _
( ゚∀゚)「ええ、とですね。」

コンピューターですぐさま検索をかける。
  _
( ゚∀゚)「あったこれだ。」
  _
( ゚∀゚)「どうやらあれは現在P地点周辺で新しく誕生したビコーズ教の教祖のようですね。」

爪'ー`)「宗教?」

爪'ー`)「胡散臭いな。」
  _
( ゚∀゚)「P地点のローカル番組や市でのイベントなど積極的に参加してそこでの知名度はなかなかの模様。」
  _
( ゚∀゚)「かなりのペースで信者を増やしており、今回初めての全国番組に出演。」

(,,゚Д゚)「なるほど、全国展開にするわけね。」

210名無しさん:2018/09/02(日) 18:00:27 ID:dtxykwpQ0
( ^ω^)「下手すると信者全員洗脳されている可能性があるわけか。」

('A`)「調査しようにも結構面倒な案件だな。」

爪'ー`)「だがこうも堂々とされたらな。」
  _
( ゚∀゚)「お、これアイドルユニット『VIP340』のプロデューサーが幹部なのか!」
  _
( ゚∀゚)「へー、幹部連中はかなりの羽振りがいいみたいですよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「そいつは本当か?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ならばその調査は私に任せてもらおうか。」

('A`)「まじかよ大丈夫か?」

(,,゚Д゚)「不安しかねぇ。というかろくでもないこと考えてそう。」

ξ\⊿\)ξ「大丈夫よこのツンヌさんを信じなさい。」(臨時収入もらい!)

爪;'ー`)「ま、まぁ久しぶりにやる気ならツンヌに任せるか。くれぐれも慎重に頼んだぞ。」

ξ゚⊿゚)ξ「OK、それじゃ行ってきまーす!」

211名無しさん:2018/09/02(日) 18:01:22 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「はっはっはっ。全国区から入信したいとの問い合わせが殺到だぜ!」

凄腕営業マン「ビコーズストラップなどのグッズも工場に注文済みでいよいよ生産開始だよ。」

堅物映画監督「少しは頑張ったじゃないかお前も。」

( ∵)「皆様のおかげです。」

堅物映画監督「だがあまり調子に乗るなよ。」

( ∵)「……。」

なんだろう、やりたかったことはこれではなかったはず。
この地球で私は何をしようとしていたのか?今はそんなことより彼らが儲けていればそれでいいや。
そう考えている時、拠点の玄関で何か騒ぎ声が聞こえる。

信者A「大変です敏腕プロデューサーさん!とんでもない奴が押しかけてきました!」

敏腕プロデューサー「なに?!何事だ?」

ξ゚⊿゚)ξ「三下のザコじゃ話にならねぇ。幹部に合わせろ。」

ヴィプトラ警備隊のツンヌが押しかけてきた。
幾多の信者たちを押しのけ幹部たちが集まる部屋へ入り込む。

(;∵)「う…」

212名無しさん:2018/09/02(日) 18:01:49 ID:dtxykwpQ0
ξ゚⊿゚)ξ9m「お前がこの中で一番偉い奴か?」

敏腕プロデューサーを指さす。

敏腕プロデューサー「こ…これはこれはツンヌ隊員、どうされました?」

予想外の来訪者に戸惑いながらも何とか対応する。

ξ゚⊿゚)ξ「いやな、テレビ見てたら面白い奴が映っててな。気になったからここに来たわけよ。」

敏腕プロデューサー「ツンヌ隊員もビコーズ教に興味がおありですかな?」

ξ゚⊿゚)ξ「そんなところだ。」

そう言いながらビコーズ星人を睨む。

ξ゚⊿゚)ξ「これが地球人の顔ねぇ。」

(;∵)「……。」

敏腕プロデューサー「彼は整形に失敗しただけのちゃんとした地球の人間ですよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ふーん、まぁいい。本題に入ろう。」

ξ゚⊿゚)ξ「私をここの幹部にしろ。」

213名無しさん:2018/09/02(日) 18:02:14 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー、凄腕営業マン、堅物映画監督、(;∵)「!?」

とんでもない申し出。

ξ゚⊿゚)ξ「悪い話じゃないはずだ。私のネームバリューもプラスされて知名度アップ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それに実は教祖が宇宙人だろうが私がいればおいそれとヴィプトラ警備隊も手が出せない。」

ξ゚⊿゚)ξ「そして私は幹部として金をたんまりいただく。最高のギブアンドテイクじゃないか。」

敏腕プロデューサー(噂でツンヌ隊員はガチのクズだと聞いたことがあるが本当だったとは)

敏腕プロデューサー「それは名案だぜひともよろしく願いたい。」

ξ゚⊿゚)ξ「交渉成立だな。これは前金としていただこう。」

机の上に置かれていた札束をつかむとポケットにしまい込む。

敏腕プロデューサー「そうなるとツンヌ隊員にも洗礼を受けてもらわないとね。」

ξ゚⊿゚)ξ「洗礼?」

一同はツンヌを洗脳装置の部屋まで案内する。

(;∵)(なんだろうこの部屋にいるといやな気分になる)

敏腕プロデューサー「これに座っていただき、少し電流を流して洗礼完了ですよ。」

ヴィプトラ警備隊の隊員を洗脳できればもう我々を邪魔できる者はいない。

ξ゚⊿゚)ξ「面白そうじゃん。」

自ら洗脳装置に座りセットすると自分の手でボタンを押す。

ξ×⊿×)ξ「oh!」

一瞬電流が走るが大したことなさそうに立ち上がる。

ξ゚⊿゚)ξ「これで終わりか案外つまらんな。それで次は何だ?地球侵略の作戦でも考えるのか?」

敏腕プロデューサー「侵略だなんてとんでもない。金儲け……もとい、この世に幸せを見いだせない者に居場所を与える活動ですよ。」

( ∵)(侵略?)

(  )「う…」

頭を抱えてうずくまる。頭の中で様々な記憶が渦巻く。
そして思い出すあの日の出来事を。

214名無しさん:2018/09/02(日) 18:02:43 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「教祖様、どうぞお弁当です。」

( ∵)「うむ、ありがとう。」

敏腕からもらった弁当を半分ほど食べると突然体が動かなくなる。

(;∵)「な、なんだ?」

敏腕プロデューサー「流石は宇宙人、人間なら死んでるくらいの量の睡眠薬入れても体が動かなくなる程度とは。」

(;∵)「なんのつもりだ貴様!」

凄腕営業マン「まぁまぁ教祖様、気になさらず。」

そう言いながら数人でビコーズ星人を担ぎ、洗脳装置の部屋まで運びセットする。

(;∵)「この私に逆らうのか貴様ら!地球人の分際でぇ!!」

敏腕プロデューサー「洗脳の設定はこうして。よし。」

(;∵)「あぎゃあぁぁぁ!」

抵抗すらできずにあっさりと幹部たちに洗脳される。

敏腕プロデューサー「お前の役目は何だ?」

( ∵)「はい、私の役目は幹部の皆様が私腹を肥やせるよう身を粉にして働くことです。」

堅物映画監督「俺たちの命令は?」

( ∵)「絶対です。逆らいませんご主人様。」

敏腕プロデューサー、凄腕営業マン、堅物映画監督「フハハハハハ!!」

215名無しさん:2018/09/02(日) 18:03:10 ID:dtxykwpQ0
( ∵)「思い出した……。」

(#∵)「貴様らよくも私の宗教を侵略したな!!」

(#∵)「私の宗教の目的は地球人を私の信者に洗脳し、征服することだ!!」

なんと間の悪いタイミングで洗脳が解けたのだろうか。

ξ゚⊿゚)ξ「なんだ思ったよりあっさり目的を暴露しやがったな。」

ξ゚⊿゚)ξ「地球侵略が目的だとよ隊長。」

おもむろに左手の通信機に話しかける。
どうやら通信状態のまま乗り込んでいたようだ。

爪'ー`)「よくやったツンヌ。全員ヴィプトラホーク1号で出撃だ!」

(;'A`)「正面突破過ぎない?慎重とはいったい……。」

(#∵)「おのれ小娘ごときが!!」

まだだ、こいつをすぐに始末して装置さえ持ち出せば別のところで宗教を再開できる。
すぐさまツンヌに念動力を浴びせようを両腕を向けようとする。が……

ξ゚⊿゚)ξ「おせぇ!!」

一瞬で距離を詰め目と鼻の先にツンヌがいた。

(;∵)「な?!」

ξ#゚⊿゚)ξ「オラァ!」

左のアッパーがビコーズ星人の腹に刺さる。

(;∵)「ゴァ!!」

凄まじい衝撃で体をくの字に曲げながら宙に浮く。
すかさず追撃。右の掌底打ちを顔面に放つ。

(;∵)「ギャァァァァ!」

もし鼻があれば折れ曲がっただろう。
派手に吹き飛びながら壁に激突する。すぐさま起き上がろうとするが、すでにそこに奴がいる。

216名無しさん:2018/09/02(日) 18:03:34 ID:dtxykwpQ0
ξ#゚⊿゚)ξ「ハイヤァァアァ!!」

シャイニングウィザードが決まり、メキッという音がする。頭蓋骨にひびが入ったのだ。

(;∵)「あががが……」

悲鳴を上げながら転がる。何という強さだ。こいつ人間か?
しかしチャンスが訪れた。なんとか距離を作ることができたのだ。
急いで念動力をツンヌに向けて放つ。これでおしまいだ。

ξ゚⊿゚)ξ「見切った!!」

腕を体の前でクロスしながら突っ込んでくる。簡単に念動力を突破してきやがった。

(;∵)「嘘やん?!」

右腕を軽くビコーズ星人のみぞおちに置く

ξ-⊿-)ξ「スー」

(;∵)「や、やめ――

ξ゚⊿゚)ξ『発勁!!』

そう叫ぶとツンヌの足元の床にひびが入り、ビコーズ星人が壁を突き破り家の外まで吹き飛ぶ。

(; )「―――」

悲鳴も上げられない。

217名無しさん:2018/09/02(日) 18:04:00 ID:dtxykwpQ0
ξ゚⊿゚)ξ9m「テメーは知らないだろうが覚えとけよ宇宙人。地球には男女平等って言葉があるんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「私が顔がかわいいだけでヴィプトラ警備隊の隊員に選ばれたと思うなよ。」

事実、地球を守る防衛隊が顔だけで隊員を選ぶわけない。厳しい訓練を耐え抜ける者のみが選ばれるのだ。
当然その基準は男女別ではない。肉体的強さが一番。例外もいるが。

('A`)「うん?」

('A`)(なんだろ馬鹿にされた気がする)

そしてツンヌは戦闘面(素手)ではヴィプトラ警備隊最強!その戦闘力は一人次元が違う。
それ故に隊長も面と向かってツンヌに怒れないのだ。その暴力が自分に向きそうで。
しかし近年の戦闘は光線銃がもっぱらなのでそこまで必要とされていない。

ξ゚⊿゚)ξ9m「カッカッカッ!弱いのう貴様。私が戦ったことのある中(人間サイズの宇宙人)では下の上ってところだな。上の上になってから出直して来いよ。それでやっと対等。」

ξ゚⊿゚)ξ「まあ貴様が弱者なのはわかっていたがな。」

ξ゚⊿゚)ξ「宗教などという物に救いを求めるなどというのがそもそも弱者の考え。」

ξ゚⊿゚)ξ「当然ここに入る前に抵抗してきた連中も弱いこと弱いこと。」

敏腕プロデューサー「?!」

そう当然この拠点にはいつ警察などの捜査が来ても抵抗できるように信者が何十人といたのだがこれだけの音がしてもここに来ない。
つまり先ほどの玄関先の騒ぎで壊滅させてきたのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「故に洗脳などに簡単にかかる。今までに洗脳装置は見たり食らったりしてきたからわかる。」

ξ゚⊿゚)ξ「そういうのは対象者とのリンクが重要。」

前の猫の洗脳装置にかかったのは猫が好きすぎるので物凄いかかりが良かったのだ。

218名無しさん:2018/09/02(日) 18:04:25 ID:dtxykwpQ0
ξ゚⊿゚)ξ「だから今回の装置はこの世に幸せを見いだせないような中身空っぽの哀れな連中ばかりかかる。」

ξ゚⊿゚)ξ「現に私や幹部連中を見ろ、まったくと言っていいほど洗脳されてないだろ。しっかりとした自分を確立しているからな。」

ξ゚⊿゚)ξ9m「そしてテメー、どうやら幹部連中によって洗脳されてたようだな。」

ξ゚⊿゚)ξ「つまり自分の星でだれからも必要とされなかったから地球で弱者から必要とされるような教祖として侵略を考えた。」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな心の弱い奴に私は負けねぇよ。」

(; )「ぐ……。」

その通りだ。故郷ではみんな私のことを馬鹿にして必要としていなかった。だから自分が必要とされる世界を作りたかったのだ。

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!ここまでのようだな!」

勝ち誇るツンヌ。

信者A「それでも私には教祖様が必要なんだ!!」

信者B「負けないで教祖様!!」

腕があらぬ方向に曲がったり頭から血を流したりしている信者たちが押し寄せてきた。

ξ゚⊿゚)ξ「あぁん?」

信者C「そうだよあんたの言う通りだよ。俺たちは心の弱いもんだよ。」

信者D「だからこそ言う私たちには教祖様みたいな居場所をくれる人が必要なんだ!!」

信者A「私たちの生きる希望をなくさないでくれ!」

敏腕プロデューサー「お前たちの……」

所詮金儲けのための宗教だとしか考えていなかったがちゃんと彼らの心のよりどころになっていたのだ。

219名無しさん:2018/09/02(日) 18:04:57 ID:dtxykwpQ0
信者E「ワシはもうそんなに生きられないだろう。だがそんなワシに同じ孤独だった仲間と引き合わせて楽しい時間をくれたんんじゃ!!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!弱者どもがわめきやがって!!」

敏腕プロデューサー「お前自分がネット上でなんて言われているか知ってるか?ツンヌはクズだとか自己中だとか叩かれてんだよ!!」

堅物映画監督「そうだ人間のクズ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「何とでも言うがいい。自己中?自己中で何が悪い!!」

ξ゚⊿゚)ξ「私は私の人生を生きているんだ!自分がやりたいことをやりたいようにやる。それのどこが悪いってんだ!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「他人に気を使ってつまらん人生を歩んでたまるか!私はいつだって自分の幸せが一番なんだよ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「貴様らのように自分の人生ですら主役になれずモブキャラで終わるような奴に何と言われようが何とも思わん!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

大いに笑う。

凄腕営業マン「なんでお前のような奴が地球防衛の仕事してんだ!やめちまえ!!」

信者F「この人格破綻者!!」

信者303「人間の心も忘れちまったのかよ!!」

信者53「胸が断崖絶壁!!」

信者C「今時暴力系ヒロインははやらねぇんだよ!!」

敏腕プロデューサー「サイコパス野郎!」

力ではかなわない彼らのささやかな抵抗。それすらも笑ってまったく効いていない。
本当に人格を疑うレベルだ。彼女が架空の人物で本当に良かった。実際に居たら関わりたくない人物№1だ。

ξ゚⊿゚)ξ9m

そんなツンヌが笑うのをやめ、信者や幹部をオオカミが獲物を見るような目でにらめつけながら確実に一人一人指をさしていく。

220名無しさん:2018/09/02(日) 18:05:23 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「?!」

信者A「ひ……」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーらの顔覚えたからな。」

直ぐに静まり返る。圧倒的威圧で黙らせる。恐るべき悪魔。

その時ある信者が気付く

信者303「あれ?教祖様は?」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、奴ならさっきお前らを置いて逃げてったよ。薄情な奴だな。」

敏腕プロデューサー「いや、気づいたなら追えよ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

ξ゚⊿゚)ξ「なんで?」

敏腕プロデューサー「え?後追いかけてトドメ刺すとかさ……君ヴィプトラ警備隊の隊員だよね?」

ξ゚⊿゚)ξ「それこそ追う必要ねぇよ。」

全員が絶句した。

敏腕プロデューサー「嘘だろこいつ?」

ξ゚⊿゚)ξ「本当素人は困るぜ。もうトドメなんか必要ねぇんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あいつはじきに死ぬ。私の発勁でな。」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁ最後の悪あがきで巨大化して暴れるかもしれんけどそんなことないよなwww」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

どうやらツンヌさんはフラグという言葉を知らないようだ。

221名無しさん:2018/09/02(日) 18:05:50 ID:dtxykwpQ0
(;∵)「はぁはぁ……」

かなりのところまで逃げてきた。体中が痛い、死にそうだ。
おかしいこの星は。侵略に利用するつもりで洗脳したら逆に洗脳され金儲けに利用された。
恐ろしい戦闘マシーンは思考回路がいかれている。バーサーカーか何かか奴は。
このまま死んでたまるか。少しでもこの怒りをぶつけてやる。

(#∵)「おぉぉぉ!」

巨大化して町を攻撃する。

( ^ω^)「隊長あれを!」

タイミングよくヴィプトラホーク1号が駆けつける。

爪'ー`)「奴め、いよいよ暴れだしたか。攻撃開始だ。」

( ^ω^)「了解。」

ヴィプトラホーク1号からレーザー攻撃が発射される。
命中したものの余計に怒りを買った。

(#∵)「おのれぇ!!」

(;^ω^)「うぉ!」

念動力がヴィプトラホーク1号を襲う。
操縦が利かなくなり住宅街に不時着するが衝撃でみな気絶した。一人を除いて。

(;-A`)「う…」

衝撃でドクトラアイが床に落た。
フラフラと立ち上がり倒れこむようにドクトラアイを装着する。

('A`)「デュワァ!」

颯爽と飛び掛かるが念動力で吹き飛ばされる。

(;'A`)「ダァァァ……」

転がりながらすぐ立ち上がり果敢に立ち向かうが鬼気迫るビコーズ星人はなかなか強敵だ。

222名無しさん:2018/09/02(日) 18:06:18 ID:dtxykwpQ0
(#∵)「なめるなぁ!」

またしても念動力で飛ばしてくる。

(;'A`)「グゥ」

しかし今度は何とか踏みとどまる。

('A`)「デュワ!!」

両腕をクロスさせると逆にドクトラ念力で反撃する。

(;∵)「おぉ!」

吹き飛び倒れこむ。

('A`)「行くぞ!」

手を手裏剣を飛ばすようなしぐさを行いながら指先から弾丸のようなエネルギー弾を何発も発射する。
けん制しながら接近戦に持ち込む。

('A`)(念力での遠距離攻撃ばかりなら接近戦は苦手だな)

ある程度近づきパンチを繰り出す。

( ∵)「甘い!」

その手をつかむと一本背負い。

(;'A`)「がはぁッ」

( ∵)「よしここでトドメだ!」

その時だった。

223名無しさん:2018/09/02(日) 18:06:42 ID:dtxykwpQ0
(;∵)「オロロロロ……」

大量の血を吐き出す。
ついにツンヌの発勁による影響で最後の瞬間を迎えようとしていた。

(;'A`)「??」

チャンスとばかりにゼロ距離でドクトラショットを放つ。
爆音とともに仰向けに倒れこむ。

(;∵)「ド……ドクトラセブンよ……最後にお願いがある…」

(;'A`)「なんだ?」

額のビームランプが点滅を始める。

(;∵)「私の遺体は火葬して灰は宇宙に撒いてほしい。もう彼らの道具にされるのは勘弁だ。」

(;'A`)「……。」

敵ではあったがそういった願いをかなえてやるのもヒーローの務めだ。

('A`)「ああ、まかせろ。安らかに寝るといい。」

( ∵)「ありがとう。」

そう言うともう力が残っていないのか、人間サイズまで戻る。
運が悪いことにちょうど押しつぶした建物のがれきに紛れてしまう。

(;'A`)「あれどこ行った?」

(;'A`)「……。」

一度ドクオに戻って探すか。そう思い空に飛び立つ。

224名無しさん:2018/09/02(日) 18:07:09 ID:dtxykwpQ0
( ∵)

目を閉じビコーズ星人は考える。人生いろいろあったがこうやって穏やかな最期を迎えられるならよかったといえるのでは。
最後がよければすべてよし。

そう考えている時に声が聞こえた。

「いたぞこっちだ。」

ドクトラセブンが見つけてくれたのかな?そう思い目を開ける。

敏腕プロデューサー「いやー見つかってよかった。」

(;∵)「?!」

堅物映画監督「だが確かにもう死ぬなこりゃ。」

凄腕営業マン「安心してくれもう腕利き剥製業者には連絡済みだからこのまま持っていこう。」

敏腕プロデューサー「よーし、こいつ剥製にして本堂に飾ってやるぜ!」

(;∵)(や、やめてくれ!)

必死で助けを求めようにももう声すら出すことができない。

(;∵)(お願いだぁ誰か助けてぇー)

(; )(神様ぁぁぁ)

哀れな侵略者の願いは叶うことはなかった。
その後、ビコーズ教は解体されたが、熱心な信者の一人が高値で宇宙人の剥製を買って毎日拝んでいるだとか。

225名無しさん:2018/09/02(日) 18:07:30 ID:dtxykwpQ0
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私のおかげで無事解決したな!」」

コーヒーをすすりながら上機嫌そうだ。

('A`)「珍しく仕事したというか初めて活躍?しているところを見たぞ。」

ξ゚∀゚)ξ「この通り臨時収入もゲットできたしな!」

そう言ってポケットから札束を取り出す。

(;'A`)「いやダメだろ!被害者に返して来いよ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁ?これは私の戦利品だぞ!!」

(,,゚Д゚)「戦利品とかそういう話じゃない!!」

( ^ω^)「馬鹿なまねはよせ!ヴィプトラ警備隊の品格が疑われるぞ!!」
  _
( ゚∀゚)「今ならまだ間に合うぞ!辛うじて人として認めてもらえる!」

爪;'ー`)「臨時ボーナス出すからさ。それで何とか。

ξ゚⊿゚)ξ「チッ」

渋々半分だけ差し出す。
  _
(#゚∀゚)(#'A`)(#゚Д゚)(#^ω^)爪#'ー`)「オイ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「仕方ねぇな。だがボーナスは倍出せよ。」

ツンヌに対抗する時はすさまじい団結力を発揮する。
そうしなければ対抗できないのだ。
恐るべきツンヌ。
頼むから普通の人間になってくれ。そう思う隊員たち。

第七話『侵略宗教』

終わり。

226名無しさん:2018/09/02(日) 18:08:07 ID:dtxykwpQ0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

227名無しさん:2018/09/02(日) 21:23:32 ID:SQAiof9I0
ツンヌつええ…


228名無しさん:2018/09/02(日) 23:36:08 ID:1vRiaMYM0
ツンヌのおぞ……失敬
恐ろしさが垣間見えまくりすぎてモロに見えてるなこれ

乙!

229名無しさん:2018/09/02(日) 23:59:44 ID:w5ZUblO60
なんか宇宙人の方に感情移入してしまう
地球人はロクな奴がいないな
隕石でも落として終わらせよう

230名無しさん:2018/09/03(月) 07:32:26 ID:NnrNf80c0
( ゚д゚ )「えぇ・・・・・・」

ドクオちゃんと火葬してやれよwww

231名無しさん:2018/09/03(月) 10:42:03 ID:W9oRjZ6E0
それでもツンヌには一回酷い目にあって欲しいものだ

232名無しさん:2018/09/04(火) 15:58:58 ID:OIcoTuh20
ビコーずカワイソス

233名無しさん:2018/09/10(月) 00:09:55 ID:8zWFalD.0
第八話『忙しすぎる侵略地』

その夜、ヴィプトラ警備隊の防衛網をかいくぐり一機の未確認飛行物体が地球に侵入した。

早朝の作戦室。

( ^ω^)「それでトイレから戻ったら嫁が誰かと言い争いしてるわけよ。」

( ^ω^)「何事だって間に入ったら相手さんが前日にお世話になったソープの嬢でさ。」

( ^ω^)「相手さんも覚えてるようで、いろいろ嫁にバレれたくないからあんまり強い当たりできなかったわけ。」

( ^ω^)「そしたら嫁からあんたもガツンと言ってやってよ!!みたいな。」

( ^ω^)「でも相手さんも『昨日の夜の盛んなこと言ってもいいのよ!』って顔されてさ。」

('∀`)「おいおい、最初の威勢はどこに行ったんだよwww」

(,,゚Д゚)「子供さんもそこそこ大きくなったんだから少しは自重したらどうだ?」

( ^ω^)「いやいや、男子たるものいつだって下半身のままにいくってもんよ。」

爪'ー`)「ハハハ、懐かしいな俺もそんな頃があったが、包丁持ちだされて以降はやめたな。」

( ^ω^)「流石隊長、くぐって来た修羅場が違いますね。」

爪'ー`)「どれ今度はおれの武勇伝を語ってやろう。」

ξ゚⊿゚)ξ「これだから下半身に支配されている連中って下品で仕方ない。」

爪'ー`)「そう、あれは十数年前――

これといった事件もなくのんびり雑談をしながらくつろいでいる時であった。
  _
(;゚∀゚)「隊長、大変です!!」

血相を変えたジョルジョが慌てて作戦室に入ってきた。

234名無しさん:2018/09/10(月) 00:10:38 ID:8zWFalD.0
爪'ー`)「どうした?」
  _
(;゚∀゚)「この写真を見てください。」

そう言いながら何枚かの写真を机の上に広げる。
その写真には薄っすらであるが宇宙船が写されていたのだ。

爪'ー`)「これは!?」
  _
( ゚∀゚)「宇宙ステーションVIP3が昨日の夜、撮影したものです。」
  _
( ゚∀゚)「今朝、観測員が写真を確認したところ見つけたようです。」

爪;'ー`)「まずいなこれは……。」

爪'ー`)「これの撮影された時間は?」
  _
( ゚∀゚)「23時34分、現在から7時間以上も前です。」

('A`)「!?」

(;'A`)(この宇宙船はまずいぞ、オワタ星人のものじゃないか)

(;'A`)(オワタ星人は侵略のエキスパート。その星の住人を数人人質にしてわらしべ長者のように次から次に要求を行い、あっという間に征服すると聞く)

爪'ー`)「そうなると敵にはすでに十分な時間を与えてしまったわけか。」

爪'ー`)「ヴィプトラ警備隊直ちに出動!敵が大規模な侵略作戦に出る前に叩くぞ!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

そうしてヴィプトラ警備隊と地球に侵入したオワタ星人の長い戦いが始まる。

235名無しさん:2018/09/10(月) 00:11:09 ID:8zWFalD.0
\(^o^)/「なるほどなるほど。この星の情報収集は大体終わった。」

\(^o^)/「サルしかいないと思っていたが、一応文明じみたことはしているようだな。」

\(^o^)/「どれ、いつも通りサクッと征服して他の宇宙人にこの星を売り払うかな。」

\(^o^)/(できれば子供などの弱者が最初の人質交渉に便利なんだが……)

\(^o^)/「ちょうど良さそうなのがいるではないか。」

夕方、入念な現地調査を終えていよいよオワタ星人が動き出した。
そして公園で数人の子供たちが遊んでいるのを見つけたのだ。
見た目は殆ど地球人と変わらないので警戒されることなく子供たちに近づく。

\(^o^)/「君たち私と遊ばないかい?」

子供A「おじさんだれー?」

子供B「それじゃぁかくれんぼでもしてあそぶ?」

子供C「それならおじさんがさいしょにおにね!」

子供D「60びょうかぞえたらさがしていいよ。」

\(^o^)/(よしよし、いい感じだな)

\(^o^)/(一人ずつ捕まえて宇宙船に閉じ込めておこう)

\(^o^)/「範囲はこの公園の中だけだよ。それじゃ数えるからね!」

その公園はそこそこの広さがあり木々が生い茂っていて、こっそり転送装置を使うにはピッタリであった。

子供たち「はーい。」

236名無しさん:2018/09/10(月) 00:11:35 ID:8zWFalD.0
\(^o^)/「いーち、にー、さーん……」

子供A「なんだあのおっさん?気持ちわりぃ。」

子供B「そろそろ塾行こうぜ!」

子供C「一人で遊んでろよな。まったく。」

子供D「ひょっとしたら塾終わってもやってたりしてwww」

子供A「ヤベーよそれ、事案だ事案www」

そう言いながら公園を後にする子供たち。
現代において子供ですらそんなに遊んでいる時間はないのだ。

\(^o^)/「ろくじゅう!よーし探すぞぉ!」

そうとも知らずひたすらに公演を探し回る。
すでにいないとも知らずに。

数分後

\(;^o^)/「はぁはぁ……」

\(;^o^)/(おかしい、調べた情報には地球人は擬態や変身能力はなかったはず!)

\(;^o^)/(こうも見つからないとは……)

\(^o^)/「まさかもう家に帰ったとか?」

\(^o^)/(待て、あんな純粋無垢な子供たちがそんなことをするか?)

\(^o^)/「面白い、たかが地球人のガキどもの分際でこのオワタ星人様から隠れ通せると思うなよ。」

\(#^o^)/「すぐに見つけ出して人質にしてやる!」

本気になり血眼になって探し始める。

237名無しさん:2018/09/10(月) 00:11:57 ID:8zWFalD.0
子供A「やっぱ特殊相対性理論は――だと思うな。」

子供C「いやそうじゃないと思うぞ。あれは――であるからして……」

子供B「オイ見ろ!あいつまだ探してるみたいだぞ!」

夜の九時過ぎ子供たちが塾を終えて家に帰る途中で公園の近くを寄ると、まだあのおっさんがいた。

\(;^o^)/「くそぉ、どこだガキども!!」

子供D「うはぁwww通報してやろうぜwww」

遠くから眺めているとちょうどヴィプンターが通りかかる。

('A`)「おい君たち!こんな時間に何をやっているんだ?」

子供たち「あ!ヴィプトラ警備隊の……」

ヴィプンターが見えたときはキラキラとした目で見ていたが、ドクオを見るなりその顔は暗くなった。

('A`)「?」

(,,゚Д゚)「どうしたドクオ?」

反対側のドアからギコが降りてくる。

子供たち「おお!ヴィプトラ警備隊のギコ隊員だー!!カッケー!!」

ギコに子供たちが群がり尊敬のまなざしで見つめ、体中にべたべたと触ったりしている。

('A`)「……。」

238名無しさん:2018/09/10(月) 00:12:31 ID:8zWFalD.0
(,,゚Д゚)「おぉ、みんな落ち着け。そうか塾の帰りか、気をつけて帰れよ。」

(,,゚Д゚)「怪しい人とか見なかったかい?」

ギコがそう聞くとみんな揃ってドクオを指さす。

子供A「こいつ怪しいだろ。」

子供B「こんな変な顔したやつ、本当は宇宙人だと思うけど。」

不細工に対する扱いはどの星も似たようなものなのだ。

(,,゚Д゚)「君たちひどいこと言うじゃないか。」

(,,゚Д゚)「確かにドクオの顔は不細工で気持ち悪い。さらに臭い。」

(;'A`)「……。」

(,,゚Д゚)「だがな、ヴィプトラ警備隊に顔の良さなんてものは関係ないんだよ。」

(,,゚Д゚)「こいつはこんな顔だけどね、いざって時は命懸けで君たちを守ってくれる勇気があって悪い奴と戦える強いやつなんだ。」

(,,゚Д゚)「この俺が保証するよ!なんたってドクオはヴィプトラ警備隊の一員だからな!」

(*'A`)「ギコ…///」

よせやい、そんなに言われたら惚れてしまうだろこのイケメン。

('A`)「まあそういことだ。最近は危ない奴が多いから気をつけて家まで帰るんだよ。」

子供たち「はーい。」

手を振りながら自分たちの家に帰る子供たちを見送り、どこにいるかわからない侵略者を探しに出る。
早く見つけ出して退治せねば。この星の平和は俺が……いや、俺たちが守らねばならないのだから。

239名無しさん:2018/09/10(月) 00:13:21 ID:8zWFalD.0
\(^o^)/「……。」

その様子を見ていたオワタ星人。

\(^o^)/(どうやらこの星の子供はかなり悪知恵が働く汚い心の持ち主のようだ)

\(^o^)/(狙う対象を変えるか)

その日は夜が明けるまで決死の捜索を続けるが一向に手がかりすらつかめない。

(#'A`)「クソォ!このままでは……」

作戦室で見つけられない苛立ちから机を強くたたく。

( ^ω^)「まあ待てドクオ。焦りは禁物だ。」

('A`)「しかしブーン、早く見つけ出さないと!」

地球人たちは知らないオワタ星人の恐ろしさ。
それを知っているからこそ気持ちが急いでしまっているドクオ。

( ^ω^)「お前の焦る気持ちもわかるさ。もしかしたら侵略者が一瞬で地球を滅ぼせる恐るべき兵器を持っているかもしれん。」

( ^ω^)「そんなときにこそ冷静さが必要なんだよ。焦りのせいで見落としや重大なミス、慌てていたら冷静な判断が下せない。」

( ^ω^)「一番恐ろしいことはいざって時に普段通りの自分が出せないことさ。」

('A`)「確かにその通りだ。」

('A`)「よし、もういっちょパトロールに行ってくるぜ!」

落ち着いた様子で作戦室を後にする。

爪'ー`)「懐かしいな。昔はブーンもあんな感じでいつも焦りまくっていたな。」

( ^ω^)「俺は優秀な人間ではないんで自分の苦い経験から学びますよ。」

( ^ω^)「さて俺もパトロール行ってきますかな。」

爪'ー`)「気をつけてな。」

240名無しさん:2018/09/10(月) 00:13:48 ID:8zWFalD.0
\(^o^)/「さてここなら人質に向いた連中がたくさんいるだろう。」

その日オワタ星人が向かった先は中学校。
確かにここならたくさんの学生がおり、まとめて捕まえるにはよさそうだ。
なんなく校内に侵入して手ごろなクラスを見つける。そして堂々とドアを開けて教室に入り込む。

\(^o^)/「やあやあ地球人の諸君、私は悪名高いオワタ星人だ!」

先生「な、なんだね君は?!」

バーコード頭で黒ぶちメガネの先生がおびえて腰を抜かした。
そうだこういう反応だ。恐怖で恐れおののく弱者を見下すのは気持ちいい。

\(^o^)/「諸君らは栄えあるオワタ星人の地球侵略最初の人質に選ばれたんだよ。」

先生「ひぃぃ!た助けてくれぇぇ!」

ひたすらに命乞いを始める教師を見下しながら声高らかに笑う。

\(^o^)/「フハハハハハ!!抵抗しないのであれば命の保証はしてやろう!」

そう俺はオワタ星人。俺の名前を聞いた奴はどいつもこいつも絶望の淵に叩き落されるのだ。
その時一人の生徒が手を挙げた。

生徒A「先生、そんなことより授業の続きをお願いします。」

241名無しさん:2018/09/10(月) 00:14:10 ID:8zWFalD.0
\(^o^)/「?!」

こいつ今なんて言った?『そんなことより』って言ったのか?

生徒B「先生いつも言ってたじゃないですか。この時期の勉強の頑張りでそいつの人生が決まるって。」

生徒C「私、人生の負け組になりたくありません。早く授業を再開してください。」

生徒D「もう受験戦争は始まってるって言ったのは先生じゃないか。」

先生「……。」

さっきまで涙目になりながら取り乱し、命乞いをしていた腰抜けの先生がスッと立ち上がる。

先生「そうだったな。先生が間違ってた。すまん。」

先生「それじゃ授業を再開するぞ。57ページを開いて。」

\(;^o^)/「いやちょっと!!」

その後はどんなに話しかけても無視された。
というかどいつもこいつも授業に集中しっぱなしで俺が眼中にない。

\(;^o^)/「えぇ……」

鬼気迫るその迫力に押され、その場から立ち去る。
勉強漬けすぎない?たまには勉強から離れることも大切だと俺は思うよ。
策を練り直すか。

242名無しさん:2018/09/10(月) 00:14:17 ID:KUlUgPL20
支援!きてる!

243名無しさん:2018/09/10(月) 00:14:39 ID:8zWFalD.0
その日もヴィプトラ警備隊の頑張りをあざ笑うかのように侵略者は居場所をつかませない。

( A )

フラフラと基地内を歩くドクオ。
丸二日寝ることなく捜索を続けていた疲れが出始めていた。
  _
( ゚∀゚)「大丈夫か?少し仮眠室で休んだ方がいいぞ。」

('A`)「だがみんな休んでいないのに俺だけ休むのも……。」
  _
( ゚∀゚)「何言ってんだよ、それで倒れたら元も子もないだろ。」
  _
( ゚∀゚)「大丈夫だ。俺たちヴィプトラ警備隊は6人ぽっちじゃない、この基地の数千人が仲間だ。」
  _
( ゚∀゚)「誰かが休んでいる間に他のみんなが頑張る!だからドクオは自分の次に休んだやつの分頑張ればいいんだ。」

('A`)b「ありがとう、少し仮眠室で寝てくるよ。」
  _
( ゚∀゚)「あぁ、しっかり休めよ。」

ドクオはV78星雲では感じたことのない仲間同士の強い絆をこの星に来てから感じ始めていた。

244名無しさん:2018/09/10(月) 00:15:11 ID:8zWFalD.0
会社員A「いやー何とかお得意先のシステム開発、間に合いましたね。」

会社員B「こことの契約切られたらウチはお終いだからな。納期が短くても何とかやるしかない。」

会社員A「でもやっと今日家に帰れますよ。」

会社員C「そう言えばAさんとこの息子さん今日が誕生日でしたっけ?」

会社員A「そうなんだよ。ここ数年誕生日に家に帰れなかったからね、今年こそは何としても祝ってやりたかったよ。」

会社員D「なら先輩、今日はしっかり家族サービスしてこなきゃですね。」

会社員A「あぁ、家に帰っても一仕事さ!」

prrr

会社員A「おっと、噂をすれば。」

会社員A「はいもしもし。」

息子「パパ今日は帰ってこれるの?」

会社員A「これから帰るからプレゼントを楽しみにして待ってなさい。」

息子「やったー!パパが久しぶりに帰ってくるー!!」

電話の向こうでは大はしゃぎのようだ。

平和そうな夕方、とある会社のオフィスでは久々に早く帰れそうだと会社員が支度をいると突然の停電が襲った。

会社員たち「!!」

245名無しさん:2018/09/10(月) 00:15:32 ID:8zWFalD.0
一瞬の停電の後すぐさま電気がつく。

会社員A「なんだ今のは?」

会社員B「ああ!!完成したシステムが消えてる!!」

会社員たち「な、なんだってー!」

\(^o^)/「フハハハハハ!恐ろしいか地球人たちよ!」

\(^o^)/「貴様らの作ったシステムはこのオワタ星人が消し去ってやったぞ!」

\(^o^)/「だが本当に恐ろしいのはこれからだ。貴様らは地球侵略の最初の人質になるのだ!!」

部長「納期まで時間がないぞ!間に合うのか?!」

会社員B「何とかするしかないでしょ!たとえ徹夜してでも。」

会社員C「そんな。せっかく久しぶりに定時で帰れると思ったのに……。」

会社員A「……。」

会社員D「A先輩……。」

会社員A「すまん息子よ、今日はどうやら帰れそうにない。また今度ちゃんと祝おうな……。」

息子「大丈夫だよパパ!いつもパパが頑張ってお仕事してるから僕たちは生活できるんだ!」

息子「だから僕はパパのお仕事終わるまでずっーと待ってるよ!」

その声は電話越しでも震えているのが分かった。本当はすぐにパパに会いたいのだろう。
その気持ちを押し殺して必死に強がりパパを励ます。何と健気な少年か。

246名無しさん:2018/09/10(月) 00:15:55 ID:8zWFalD.0
会社員A「ありがとう……。」

電話を切ると唇を強くかみしめる。

会社員たちがAに対して励ましの言葉などを投げかける。

会社員E「なに辛気臭いことやってんだよお前ら。」

そんな中一人、事態を把握したと同時にシステム開発を開始している人物がいた。

会社員D「あなたは嫌われ者の会社員E!」

会社員E「くだらない励ましとかなれ合いなんてしてんな!口よりも手を動かせ!」

会社員E「完成品のプログラムはみんな頭ん中入ってんだろ。今からみんなでやれば遅くなるが今日中には何とかなるかもよ。」

会社員A「Eさん……。」

会社員E「フン、勘違いするなよ!俺はこの会社がつぶれたら困るからやるだけだからな!!」

みな急いで自分の席に着きプログラムを入力し始める。

\(^o^)/「あ…あの……。」

声をかけようと思ったが途中でやめる。みんなの目を見ると感じとる。
その目は死んだ魚のような目であるが、その目には『仕事』と書いてあるように見えたのだ。
こいつらは自分の命なんかよりも仕事の方が重要なのだと悟った。
それを感じるとともに足は自然と会社の外に向かう。この星の奴らはいったい何なんだ。

247名無しさん:2018/09/10(月) 00:16:20 ID:8zWFalD.0
爪'ー`)「しかしこれだけ探して何も見つからないとはな。」

( ^ω^)「実はもう宇宙に帰ってしまったとか?」

('A`)「それはない。」

('A`)(あのオワタ星人が何もせず帰るはずがない)
  _
( ゚∀゚)「全国の監視カメラやドライブレコーダーなど確認しましたが何も情報はないようです。」

(,,゚Д゚)「調査の仕方を変えてみますか?」

なかなか足取りをつかめないヴィプトラ警備隊は一度作戦会議に入る。
あれやこれや意見が出るが良さそうなの方法が見つからないでいた。

ξ゚⊿゚)ξ「隊長、コーヒー。」

爪;'ー`)「あ、いやすまなかった。すぐにコーヒー淹れるよツンヌ。」

慌ててコーヒーメーカーの方に走ろうとする。

ξ゚⊿゚)ξ「?」

ξ゚⊿゚)ξ「いや、みんなの分のコーヒー淹れたから飲んでよ。」

そう言うツンヌが持つお盆にはコーヒーが入った全員分のカップが。

248名無しさん:2018/09/10(月) 00:16:43 ID:8zWFalD.0
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「???」

爪;'ー`)「どうしたツンヌ?頭でも打ったのか?病院行こうな?」

(;゚Д゚)「洗脳でもされたか?検査してもらえ。」
  _
(;゚∀゚)「貴様宇宙人が入れ替わっているな!ツンヌがそんなことするわけないだろ!!」

(;^ω^)「余命でも宣告されたんだろ?知り合いに葬儀屋がいるから予約は任せろよ。」

(;'A`)「今更イメチェンしてもおせぇぞ!!ツンヌ=クズの方程式は変わらねぇ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「ここんとこみんな忙しそうだから少しはサービスしてあげたんだけど。」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「……。」

どうやらあのツンヌですら事態の深刻さを感じて役に立とうとしているようだ。
人というものは変わることができるんだな……
いや違う、今だけだ。反動がすごいことになりそうだ。
でもあなた本当にツンヌだよね?

爪'ー`)「俺は明日地球が滅んでも驚かん。」

249名無しさん:2018/09/10(月) 00:17:08 ID:8zWFalD.0
\(^o^)/「……。」

オワタ星人は考える。
自分の名前を聞けばこの宇宙ではすぐさまに自分の求める反応が返ってくる。
だがこの星は違う。それは無知故のことだと思っていたがそうではなさそうだ。
皆が皆、自分のやるべきことばかり考えていて命のことなど二の次のようだ。

すべてにおいて自分の命がすべてであろう。
なのになぜこの星は仕事や勉強などにそんなに命を燃やすのか?
そんなに急いで人生が楽しいのか?
甚だしくて仕方がない。

だがそんなことより一番問題なのはプライドだ。
このオワタ星人、幾多の星を侵略してきた絶対の自信とプライドがある。
それなのにここでは自分の恐ろしさが全く通用していない。
そんなことは許されない。もうなりふり構ってられないのだ。
誰でもいい声をかける。誰でもいいから俺の話を聞いてくれ。

\(^o^)/「おい、そこのババァ!俺の話を聞け!!」

それから何人にも声をかけたが『今忙しい』『後にしろよ』『手が空かないから他の奴にしろ』
など、誰も取り合ってくれない。
ついには腰の曲がったおばあさんに声をかける始末だ。

おばあさん「あ?あんだって?わしゃ耳が遠くてのぉ。道に迷ったならあそこの交番で聞きなさい。」

\(^o^)/「違う!そうじゃない、頼むから話を聞いてくれぇ!!」

無理やり手を引き近くの交番まで連れていく。
その最中にもただでさえこれからアイドルのコンサートに行くのに時間がないのにとかつぶやいている。
ばあさん、もう年なんだから家でおとなしくしてろよそんなんなら。

警察「どうされましたか?」

おばあさん「この若いのが道に迷ったらしくてね。それじゃあとはよろしく。」

そそくさとどこかに向かっていくばあさん。
仕方ない、この際警察官でもいいか。

250名無しさん:2018/09/10(月) 00:17:36 ID:8zWFalD.0
警察「目的地はどこだい?連れはいる?」

\(^o^)/「私はオワタ星人。この星を侵略しにきたのだ!」

\(^o^)/「貴様を地球侵略の最初の人質にしてやろう!」

警察「……。」

警察「はぁ……。暇人はいいよな。」

\(;^o^)/「あの……ちょっと?」

警察「ヴィプトラ警備隊から侵略者捜索の協力で警察も全力で捜索してるってんのに。」

警察「もう数日帰れず、ろくに寝られず、通常業務もしているのに。」

警察「平日の昼間に暇なニートにからかわれるんなてな……。」

\(;^o^)/「違うんです!本当に――

警察「テメー恥ずかしくねぇのかよ!!碌に仕事もしてないでくだらない遊びばっかしてやがって!!」

\(;^o^)/「……。」

ああそうか、外見が地球人と変わらないからみんな信じてないのか。
でも外見が違いすぎればすぐにヴィプトラ警備隊に見つかるし…

警察「そんなに自分が宇宙人だってんなら電話貸してやるからヴィプトラ警備隊に電話しろよ!!」

警察「ほらよ!!」

怒りながら無理やり渡される。

251名無しさん:2018/09/10(月) 00:19:01 ID:8zWFalD.0
prrrr

( ^ω^)「はいこちらヴィプトラ警備隊、作戦室。」

\(;^o^)/「あ、いやその……。」

( ^ω^)「どうされました?」

\(;^o^)/「……。」

( ^ω^)「?」

なんで敵に電話してるんだろ。
横で警察は『早くしゃべれよ』とせかしてくる。
ええいもうどうにでもなれ。

\(^o^)/「私はオワタ星人。この星を侵略しにきたのだ!」

\(^o^)/「これは宣戦布告だ!恐れおののく(#^ω^)「テメーコラァ!!何言ってんだ!!」

(#^ω^)「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ!!どれだけ俺たちが苦労して地球防衛をしてると思ってんだ!!」

(#^ω^)「舐めたことで電話してきやがって!!ぶちのめすぞ!!」

爪'ー`)「どうした?」

(#^ω^)「いえ、自称侵略宇宙人のクソガキが電話してきましてね。」

爪'ー`)「まったくいつの時代も困ったやつはいるな。どれ代われ。」

爪'ー`)「さて君。どうしたんだい?」

\(;^o^)/「いえ、私はオワタ星人でこの星を侵略しにきたのんですが……。」

爪'ー`)「そうか。楽しいかい?」

\(;^o^)/「……。」

252名無しさん:2018/09/10(月) 00:19:25 ID:8zWFalD.0
爪'ー`)「君もいろんなことがたまっていてこんなことをしていると思うが、今みんなすごく大変な思いをしているんだ。」

爪'ー`)「だからカリカリしている。」

爪'ー`)「でもね、君のような奴を救うのも我々の仕事だ。もし本当に自分が宇宙人だというのならこの基地まで来なさい。その時は相手になろう。」

\(^o^)/「……。」

まさか基地の住所を教えてもらえるなんて思ってもいなかった。機密事項とかどうなってんだ?
だからといって今行けばすぐにやられてしまうだろう。
それでいい。このままじゃ終われない。たとえ命を落とそうが侵略者として葬られたい。
勝ち負けではないのだ。自分が宇宙人で侵略者であると認められたいのだ。
言われた住所に行くとヴィプトラ警備隊の基地の入り口が見えた。

\(^o^)/「そこの警備員たち、私はオワタ星人。この星を侵略しにきた。」

警備員「何を言っている?」

\(^o^)/「ここの隊長にさっきの奴が来たと言え。」

それからほどなくしてヴィプトラ警備隊の隊員たちが来た。

爪'ー`)「君、本当に来たのか?」

\(^o^)/「フハハハハハ!かかってくるがいいヴィプトラ警備隊!」

爪#'ー`)「このクソガキがぁあぁ!!」

( ^ω^)「隊長、落ち着いてください。」

血眼になってオワタ星人に飛び掛かろうとする隊長を羽交い絞めにする。

253名無しさん:2018/09/10(月) 00:19:49 ID:8zWFalD.0
爪#'ー`)「本当に来る奴があるか!!」

爪#'ー`)「お前死にたいんだってな!望み通りにしてやるよ!!」

( ^ω^)「隊長ダメです。」

\(;^o^)/「お願いだからかかってきて……。」

(,,゚Д゚)「さっさと失せろ。眉間に穴をあけられたくなかったらな。」

すごく睨まれている。一人じゃない、その場にいる全員から。
ああそうですか私はただの暇人ですね、ごめんなさい。
何かが折れるような音がしてからその場から離れる。

爪#'ー`)「フーッフーッ!」

('A`)「どうした?何かあったのか?」

( ^ω^)「たいしたことはない。ただの暇人がおこしになられただけだよ。」

('A`)「そうか。これからヴィプトラホーク2号で宇宙を捜索してくる。」

( ^ω^)「了解、気をつけてな。」

254名無しさん:2018/09/10(月) 00:20:18 ID:8zWFalD.0
その日の夕方には宇宙船にたどり着いた。
無言のまま操縦席に着くと目的地を自分の母星に設定する。
もう帰ろう自分の星に。

あっという間に宇宙船は大気圏外に出る。

\(^o^)/「……。」

この星はおかしい。いや、住んでいる連中がおかしいのだ。なぜそうまでして忙しくしているのか?
もっと冷静に考えろ。お前たちが相手にしていたのは恐るべき侵略者なんだぞ。
そもそもが俺のことを知らない時点でヤバイ。どうして宇宙では常識的なことを知らないのだ。
だからあんな舐めた態度が取れるのだ。本当に未開で無知な星ほど恐ろしいことはない。
だがそのせいでプライドというものが叩きおられてしまった。こんな未開人たちに。

\(^o^)/「実家の農家でも継ぐかな……。」

もうこの先侵略者として他の星を侵略する自信がなくなってしまった。
自分の存在をこうまで否定されるとは思ってなかった。
まさかこんなことでこのオワタ星人が終わるとはな。

\(;o;)/「あれ?なんで泣いてんだろ……。」

悔しさと悲しさで知らず知らずのうちに涙がこぼれていた。

\(;o;)/「こんなクソみたいな星、俺が侵略しなくても勝手に自分たちで滅びるさ。」

苦し紛れの捨て台詞。だがそうだろ。こんな自分たちの命を大切にしない星。
忙しくしているせいで大切なことを見落とすんだ。ざまあみろ。

255名無しさん:2018/09/10(月) 00:20:44 ID:8zWFalD.0
膨大な宇宙、ヴィプトラホーク2号が漂いながら不審な飛行物体をを探していた。

ヴィプトラホーク2号とは
全長:64m 全幅:12m 重量:62t 最高速度:マッハ5(空中)・光速の2%(宇宙空間) 乗員:4名 
マッハ5で飛行する、ロケットのような形状をした宇宙戦闘艇。宇宙での戦闘、救助作業などが主な任務。
大気圏内ではジェットエンジン、宇宙空間ではイオン推進で飛行する。武装は機首のレーザー砲。

('A`)「どこにいるオワタ星人!!」

必死に宇宙空間をレーダーや目視で探索する。何としても見つけ出す。この星を守るため。
それはV78星雲のヴィプトラの戦士としての任務ではない。ドクトラセブン一個人として守りたいのだ。
この星に来てからいろいろな戦いや出会いがあった。

自分も最初はただの未開な星だと思っていた。
彼らは確かに文明レベルも低いし戦闘面でもたいしたことはない。
でもそんな彼らと接していくうちにわかったのだ。
地球人もその他の宇宙人もそんなに変わりがないということに。

外見や戦闘力は違うだろうが一番大切な中身は同じだ。
みんな必死に生きようとするし、大切なものを守るために頑張れる。
そう言ったところに何の違いもないのだ。

それなのに我々宇宙人は自分たちがより高次元な存在だと見下している。
そういった傲慢さや慢心が他者との溝を作っているとも知らずに。
だが彼らにそういったものはない。
自分たちと他の星たちの科学力の差を知しっているからこそ慢心せずに必死に戦えるのだ。

地球人たちはどんなことにも必死に立ち向かう。仕事や勉強などに。
それがいずれ自分のためや大切な人のためになるから。
だから命を懸けて頑張るのだ。時に疲れ切ってしまう人もいるが。

地球に来てよかった。今ならそうはっきりと言える。
この星の人たちが気づかせてくれたのだ大切なことを。
そうでなければ今もV78星雲の命令でただ戦うだけの奴になっていたところだろう。

256名無しさん:2018/09/10(月) 00:21:16 ID:8zWFalD.0
('A`)「む!あれは!」

地球に来てからの心境の変化を感じていたドクオが宇宙空間でオワタ星人の宇宙船を見つけた。

('A`)「ヴィプトラホーク2号から本部へ、宇宙船を発見追跡します!」

爪'ー`)「こちら本部。よくやったドクオ。だが気をつけろ敵はこの数日見つけることすらできなかった強敵だぞ。」

(;'A`)「く、早い!」

見つけたはいいが敵の宇宙船の方が早い。
このままでは逃げられてしまう。奴を逃がすわけにはいかないのだ。
あのオワタ星人が何もせずに帰るはずがない。今回は偵察で次回に本格的な侵略をするのだろう。
そうはさせない。ここで必ず倒すのだ。

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

すぐさまドクトラセブンになり追いかける。

\(;o;)/「これからは平和に過ごそう。」

\(;o;)/「ん?」

意気消沈しているオワタ星人はレーダーに映るそれに気づかなかった。
アラートが鳴るころには時すでに遅くドクトラセブンが必殺のドクトラショットを撃った後だった。

\(^o^)/「オワタ」

因果応報。幾多の星を素早く侵略してきたオワタ星人は宇宙船ごとあっけなく爆発四散する。
こうしてヴィプトラ警備隊とオワタ星人の数日にわたる戦いに幕が下りた。

257名無しさん:2018/09/10(月) 00:21:44 ID:8zWFalD.0
爪'ー`)「諸君の頑張りのおかげで無事、侵略者を倒すことができた。」

('A`)「いやー、今回は本当に大変でしたね。」

( ^ω^)「久しぶりに熟睡するぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃぁ私は明日から旅行に行くからよろしく。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)爪'ー`)「「……。」

爪'ー`)「知ってた。どうせこうなるって。」
  _
( ゚∀゚)「ツンヌが変わるはずありませんからね。」

(,,゚Д゚)「俺は少し信じてみたんだがな。」

ハハハハハ

笑いがあふれる作戦室。

prrrr

('A`)「こちらヴィプトラ警備隊、作戦室。どうされました?」

('A`)「なに!?ふむふむ、よし分かった。」

('A`)「隊長、宇宙人を見かけたとの通報です。」

爪'ー`)「よし、ヴィプトラ警備隊直ちに出動!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

ヴィプトラ警備隊に休みはない。この地球を守るため常に戦い続けるのだ。

第八話『忙しすぎる侵略地』

終わり。

258名無しさん:2018/09/10(月) 00:22:29 ID:8zWFalD.0
今回は以上です。
いつもコメントや支援ありがとうございます。
来週もみんなで見よう。

259名無しさん:2018/09/10(月) 00:26:31 ID:KUlUgPL20
乙!
オワタは……うん、まぁ。うん。
自業自得なんだけどね、なんだろうね……この感じはね……。

切ないというかやるせないというか……

260名無しさん:2018/09/10(月) 00:59:48 ID:HJ5wHTK20
オワタ星人の言ってることもドクオの言ってることも最もに聞こえる
一体どちらが正しい認識なのだろうか
それとも単なる考え方の違いなのか
何か色々と考えさせられる

261名無しさん:2018/09/10(月) 01:13:46 ID:u83.AuF.0
オワタ……

262名無しさん:2018/09/10(月) 02:23:55 ID:2nrQrMRs0
前回にも続いて怪人側が可愛そうな話で笑った


263名無しさん:2018/09/14(金) 12:25:33 ID:QC4HveNE0
第九話『笑顔を取り戻せ』

その夜その女性は後悔していた。
こんなことになるならちゃんと誰かに一緒に帰ってくれるようにお願いするべきだった。
ここ最近仕事帰りに誰かにつけっられている気がする。
そう友達に相談したが、気のせいかもしれないと一緒に帰ろうかと言う友達の申し出を断ってしまったからだ。

薄暗い夜道、会社から家に帰るには人通りや街灯が少ない道を通らなくてはならない。
月明りだけを頼りに必死に走る。だが、仕事ではくスカートはどう考えても走ることに適していない。
走りながら後ろを振り返る。だがそこに人影がない。しかし、何者かの気配を感じたのは確かだ。
最初はちょっとした物音だった。でも日に日に誰かが歩いているような音が聞こえ、今では息遣いまで聞こえる始末。

電話して誰か呼ぶ?それじゃ間に合わない。周りを見渡しても助けを頼めそうな人はいない。
道を変えるべきだった。明日からは遠回りでも人通りが多い道を帰ろう。友人と一緒に。
後悔ばかりが頭をよぎる。でもあと少し。あと少しで家に着く。
後ろを気にしながら息が苦しくなりながら走る……

264名無しさん:2018/09/14(金) 12:26:03 ID:QC4HveNE0
やっとのことで家の前まで付く。後ろをもう一度振り向くが、そこには何もない。
あの気配も消えている。よかった、何とか今日も振り切ったみたい。
そう思い後ろを向いたまま歩くと何かにぶつかる。慌てて振り返る。

(∴◎∀◎∴)

身長は二メートル以上ありそうで、ぶくぶく太った気持ち悪い男が立っていた。
いつの時代だというような黒ぶちメガネの奥からぎょろりとした目玉がジッと見つめてくる。
髪はボサボサで、顔はニキビがひどく、たらこの形に似た肉付きのいい分厚い唇をしていた。
ひどい悪臭を放ちながら、フーッ、フーッと呼吸をしている。途中で聞こえたのと同じだ。

恐怖のあまり悲鳴を上げることすらできないでいる。
誰か助けてと心の中で精一杯叫んでいるが誰にも聞こえることはない。
男は分厚い唇をニヤリと曲げるとゆっくり右手を向ける。

体をカタカタと震わせながら女性は、自分の頭ほどの大きさがありそうな手のひらに人の顔があるのを見た。
翌朝、その女性が意識不明の状態で発見された。

265名無しさん:2018/09/14(金) 12:26:29 ID:QC4HveNE0
爪'ー`)「……。」

作戦室では険しい表情で隊長がニュースを見ていた。
同じニュースを見ていたツンヌがイライラした様子で口を開く。

ξ#゚⊿゚)ξ「本当、男ってしょうがない連中が多いわよね!」

TVでは昨晩起きた女性が襲われた事件をニュースで伝えていた。

ξ#゚⊿゚)ξ「野郎どもは全員、去勢することを義務付けるべきよ!!」

('A`)「こういう事件を起こすのは男の中でもごく一部だぜ。そのせいで全員を去勢ってんのは行き過ぎだろ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「何言ってんのよ!男なんて犯罪の可能性を秘めた悪党じゃない!」

('A`)「だからその発想がおかしいんだって。」

( ^ω^)「少なくともツンヌを襲うなんて勇敢で無知な奴はこの世にいないから安心しろよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「まるで自分たちはこの事件とは無関係と言いたげじゃない。」

( ^ω^)「ハハハッ。俺たちは天下のヴィプトラ警備隊だぜ?か弱き女性を襲うなんてな。」

('A`)「そこらの奴らと教養のレベルが違うんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それならパソコンおよびスマホの履歴見せて見なさいよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「教養レベルが高くて聖人レベルに清いあなた方なら、きっとエロ動画とかの検索履歴もないことでしょう。」

('A`)( ^ω^)「……。」

('A`)「…わかった、この話はやめよう。ハイ!! やめやめ。」

( ^ω^)「これからパトロール行ってくるけどツンヌ隊員は何か欲しいものはないかい?買って来ますよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「フン、下半身に支配された民族どもが!」

男性のパソコンやスマホの履歴は見てはいけない。
なぜならそこにはその人の趣味、趣向が詰まっているからだ。
中には知られたら社会的に抹消されてしまうような人もいるだろう。
この二人はまさしくそれだ。

266名無しさん:2018/09/14(金) 12:27:05 ID:QC4HveNE0
爪'ー`)「…今回の事件は『X』仕業らしい。」

('A`)ξ゚⊿゚)ξ「X?」

キョトンとする二人をしり目にジョルジョが待ってましたと言わんばかりに口を挟む。
  _
( ゚∀゚)「女性が襲われる暴行事件で被害者から全く同じ特徴の人物が証言で挙げられている。」
  _
( ゚∀゚)「身長は二メートル以上、かなりの肥満体、古い黒ぶちメガネ、ひどいニキビ顔のたらこ唇。頭ほどの大きさがある手のひらには人の顔ある。」
  _
( ゚∀゚)「毎年被害が数人、そして昭和初期から同様事件が生き続けている。なのに一切の手掛かりがない。」
  _
( ゚∀゚)「そのために警察は一連の犯人を『X』と名称して世間からその存在を隠している。近年では都市伝説としてその存在が噂されているようだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「昭和初期?そんな体格の爺目立つだろよ。なんで見つかってないんだよ。」

爪'ー`)「人間の仕業とは思えんのだよ。」
  _
( ゚∀゚)「被害にあうのは若くとてもきれいな女性でおとなしい人ばかり。」
  _
( ゚∀゚)「襲われる数日前から夜誰かにつけられている気配を感じ、顔をつかまれると朝まで意識不明。」
  _
( ゚∀゚)「怪我などは一切ないが、PTSDのせいか被害者はその後笑うことができなくなる。」
  _
( ゚∀゚)「そして被害者はみな事件から長くても十年ほどで亡くなってしまうそうだ。」

(;'A`)「自殺ってことか?」
  _
( ゚∀゚)「いや、段々と生気がなくなっていき衰弱死。」

267名無しさん:2018/09/14(金) 12:27:28 ID:QC4HveNE0
( ^ω^)「そうなってくると宇宙人の仕業か?」

爪'ー`)「昔そういう話になり、警察と合同で事件を捜査したこともあったが何もわからなかった。」

爪'ー`)「何より宇宙人が犯人だとして目的が分からない。」

ξ゚⊿゚)ξ「ケッ!どうせ猟奇的な趣味のクズなだけだろ。宇宙を通してどうして野郎はこういうやつらばかりなのかね。」

爪'ー`)「被害者は出ているが、地球侵略の可能性が低いため我々の調査対象から外されたがな。」

爪'ー`)「そして警察も神出鬼没で年数件程度なので半ばあきらめて調査の打ち切りだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「やるせないわね。今も被害が出てんのよ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「そんなのこの私が許さない!必ず犯人に報いを受けさせてやる!!」

居ても立っても居られないツンヌは急いで犯人逮捕に出発した。
丁度パトロールから帰ってきたギコと入れ違いになった。

(;゚Д゚)「何かあったのか?」

(,,゚Д゚)「鬼と今すれ違ったがまた問題発生?」

結局この事件はヴィプトラ警備隊では扱わないこととなった。
他にも重要な事件や調査が山積みのためだ。
優先度は何事にも大切なのだと隊長は力説していた。
確かに日本の人口を考えて年数人程度の被害ならそんなに急いだり優先したりする事柄ではない。
……その考えが間違っていた。すぐに後悔することとなった。

268名無しさん:2018/09/14(金) 12:28:00 ID:QC4HveNE0
それから数日後。すでにこの前の事件のことなど忘れていつものようにパトロールに出かけていた夜。
ヴィプンターで夜道を走っていると見たことのある美しい後姿が見えてきた。

(*'A`)「こんばんわデレさん!仕事帰りですか?デュフフフ!」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、こんばんわドクオさん。いつもお世話になっています。」

ヴィプンターを停め、窓を開けてデレさんと話す。夜、ヴィプンターでパトロールするときは必ずここを通る成果が出た。
これからはこの時間に通るようにしなくては。

(*'A`)「最近物騒ですからね。どうですか家まで送りますよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫ですよ、もうすぐにつきますので。」

夜も寂しいでしょう。何なら自宅の警備もしましょうか?
と言いそうになったが今はまだこらえよう。もう少し好感度を上げなくては。
不意にバックミラーを見ると怪しい人影がちらりと映る。

('A`)(ストーカーか?)

一大事だ。とっちめてやらねば。
デレさんに見えるように退治しようかと思ったが、こういうことは知らなれないようにする方がカッコよく思える。
デレさんを見送り、人影が動くのを待つ。少し待ってから影が動いた。
今だ!勢いよくドアを開け人影に向かって指をさしながら決めポーズを決める。

('A`)9m「こんな夜遅くに俺のデレさんに何か用かい?話なら俺が聞いてやるよ!」

これは決まった。できればデレさんにも見てもらいたかったな。
そう思いながら人影を見るとこれまた見たことのある顔が。

(;`ェ´)≫(;‘♀’)≪ 「……。」

この前の少年と……
この前のチョウチンアンコウの宇宙人じゃないか!!

269名無しさん:2018/09/14(金) 12:28:27 ID:QC4HveNE0
(;'A`)「きっ貴様!この前倒したはずの宇宙人じゃないか!!デレさんに何の用だ!」

≫(;‘♀’)≪ 「ああ、どうもその節は。」

≫(‘♀’)≪「最近物騒だろ。夜道にデレさんが襲われないようにこうやって守ってるんだよ。」

('A`)「このストーカーめ!俺のデレさんに近づくんじゃない!」

(`ェ´)「デレさんはあんたのものじゃないぞ!!」

そんなこんなで少しの間騒いでいた。
そして宇宙人の話に耳を傾ける。

('A`)「なるほどなそれで宇宙難民になったのか。」

('A`)(そう言えば昔見たなニュースでチョウチンアンコウ星が分解されるの)

≫(‘♀’)≪(君のところの星が頑張ってくれたおかげだよ)

(;'A`)(ま…まあそれは運がなかったってことで)

≫(‘♀’)≪(……)

テレパシーで話し合う異星人たち。

(`ェ´)「でもこれで人さんが侵略者じゃないってことがわかったろ!」

('A`)「わかったが、俺以外の隊員にはこのこと言うなよ。多分容赦しないから。」

これは事情を知るドクトラセブンだからこそ、人さんのことを認めることができたのだ。
他の隊員たちだとこうはならない。

≫(‘♀’)≪「そうさせてもらう。よろしく頼むよ。」

≫(‘♀’)≪(異星人同士としてね)

('A`)(少しは俺の寛容さに感謝しろよ)

(`ェ´)「ふぅ、よかった。」

270名無しさん:2018/09/14(金) 12:28:53 ID:QC4HveNE0
≫(‘♀’)≪「ところでドクオ隊員、晩飯はまだかい?まだなら特製のあんこう鍋をふるまうよ。」

(`ェ´)「人さんの料理は最高だぜ!」

丁度腹がすいているタイミングだった。

('A`)「そう言うならいただこうかな。」

先ほど騒いでいた三人が仲良くアパートに向かうとデレさんが倒れていた。

≫(;‘♀’)≪ 「デレさんどうしたんだ?!」

(;'A`)「しっかりデレさん!!」

(;`ェ´)「きゅ、救急車!救急車呼んで!!」

ζ( - ζ

慌てて駆けつけるが既に意識はなかった。すぐに救急車が来て運ばれたが、命に別状はないそうだ。
しかし、騒いでいたといっても5分程度。そしていた場所もアパートからそんなには離れていない。
その間に不審者や噂されるような人物は見かけなかった。
だがこれは俺のせいだ。俺がしっかり部屋まで送り届けていたら……
翌日、意識を取り戻したそうなので見舞いに行くことに。

271名無しさん:2018/09/14(金) 12:29:23 ID:QC4HveNE0
ξ゚⊿゚)ξ「噂の悪漢に襲われたんだって?あんたは本当ついてないよね。」

ζ(゚-゚ζ「でも物を盗られたり怪我がなくてよかったわ。」

他の被害者同様その顔からは笑顔が抜き取られていた。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「そういう悪党に襲われる役はヒロインである私の仕事よ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、違う私は主人公か!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

ζ(゚-゚ζ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「今のは笑うところよ。」

ζ(゚-゚ζ「ごめん、目が覚めてから何だか笑うことができなくて。」

ξ-⊿-)ξ「きっと襲われたショックのせいよ。一時的なものだからすぐにまた笑えるようになるさ。」

ξ゚⊿-)ξ「全く、笑い村出身のくせに笑えなくなるなんてデレも忙しいな。」

ζ(゚-゚ζ「そういう星の下に生まれちゃったのかな?」

ξ゚⊿゚)ξ「弱気なことは言わないの。あんたを襲ったやつはその命をもって償わせる。必ずだ。」

拳を強く握りながら誓う。

272名無しさん:2018/09/14(金) 12:29:51 ID:QC4HveNE0
ζ(゚-゚ζ「本当、ツンヌは穏やかじゃないんだから。」

(;A;)「ごめんよデレさん!!俺がちゃんと部屋まで送り届けていればぁあぁ!!」

ζ(゚-゚ζ「泣かないでドクオさん。あなたの申し出を断ったのは私だから、あなたに何の責任もないよ。」

(;A;)「でもぉお!!」

ζ(゚-゚ζ「すみません、だいぶ心配かけたようで。」

(;A;)「必ず……必ずあなたの笑顔を取り戻して見せます!!」

ζ(゚-゚ζ「二人ともありがとう。」

ζ(゚-;ζ「あれ?」

ζ(;-;ζ「なんだろう?急に涙が……」

ξ ⊿ )ξ「デレ……」

デレが落ち着きを取り戻してから二人は病室を後に基地へと向かった。
作戦室に着くなりツンヌはが隊長の首をつかむと思い切り持ち上げる。
君は人類やめてない?

ξ#゚⊿゚)ξ「クソオヤジテメー!!『X』とかいうやつの調査を後回しにしたせいでデレが襲われたじゃねぇか!!」

爪;'ー`)「グググ……苦しぃ……」

(,,゚Д゚)「待てツンヌ!その怒りは友人を襲われたせいか?」

ξ#゚⊿゚)ξ「当たり前でしょ!!」

(,,゚Д゚)「なら今回知らん奴が襲われていたらそんなに怒らなかったってことだろ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁ?」

(,,゚Д゚)「どのみちあの時から調査したところで今回の事件は防げなかっただろう。」

(,,゚Д゚)「それくらいに『X』の情報はなさすぎるんだよ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「チッ」

仕方なく手を放して隊長を開放する。

273名無しさん:2018/09/14(金) 12:30:18 ID:QC4HveNE0
爪;'ー`)「ゲホゲホ……殺されるかと思った……。」

( ^ω^)「しかしだからといって今から調査を再開したところで捕まえられる相手だとお思えんな。」

爪;'ー`)「ツンヌは怒るかもしれんがヴィプトラ警備隊としてはその事件より他のことに力を入れたい。」

爪;'ー`)「人間蒸発事件や夜な夜な泉の底が怪光を放つ事件。新防衛レーダー開発にあたり博士たちの護衛。」

爪'ー`)「我々がやらなければならないことは多いんだ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「ギギギ!!」

(,,゚Д゚)「それなら隊長、普段の仕事をこなしながら空いた時間で調査をするのは問題ないということですか?」

爪'ー`)「それができるというなら止めはしないさ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「ハッそうと決まれば話が早い。必ず捕まえて地獄を見せてるぜ!!」

それから普段の仕事プラス、『X』についての調査が始まった。
ツンヌは夜な夜な人気がないところを、鬼のような形相で一人走り回っているようだ。

('A`)「あれは意味があるのだろうか?」

( ^ω^)「囮をかって出ているらしいがあんだけ殺気出してりゃ誰も近づかねえって。」

('A`)「そのうち都市伝説になりそうだな。怪奇ツインドリル女とか。」

( ^ω^)「捕まったら最後バラバラにされそうだなそれ。」

爪'ー`)「それでみんな何か情報は入ったか?」

(,,゚Д゚)「過去の情報通り、現場には妙な電磁波を検知。敵はワープ装置か何かを使用していると思われます。」

( ^ω^)「正直そうなるとお手上げですよ。ワープ先がわからない以上。」

爪'ー`)「被害者も日本全国となってくるとパトロールじゃ限界があるからな。」
  _
( ゚∀゚)「隊長、過去の事例を見てみましたが気になるものを見つけました。」

爪'ー`)「なに?どんなものだ。」

274名無しさん:2018/09/14(金) 12:30:42 ID:QC4HveNE0
ジョルジョが古い新聞のコピーを広げた。
記事には富豪一家惨殺?!と書いてあった。
内容は明治時代中頃、ある富豪一家が惨殺されたというもので使用人たちもほとんどが殺されてしまったそうだ。
ただ一人、キモ・オターという使用人を除いて。
そして何よりその富豪の娘は顔を剥がされて殺されたというのだ。

(;'A`)「猟奇的すぎないかこの事件……」

('A`)「しかし、被害者が殺されているとなると別事件では?」

(,,゚Д゚)「いや、『X』の手のひらには人の顔があるんんだろ?そうなるとこの娘さんの顔の皮じゃないのか。」

(;'A`)「?!」

( ^ω^)「だが明治時代だなんて昔すぎないか?」
  _
( ゚∀゚)「もう一枚こっちの記事を読んでくれて。」

もう一枚の新聞の記事には先ほどの事件より数日前のことが書かれていた。
キモ・オターという人物が山奥で円盤状の乗り物を見つけたと書かれていた。

( ^ω^)「ということは円盤に乗っていた宇宙人がその使用人に成りすまして事件を起こした。」

( ^ω^)「円盤が壊れて宇宙に帰れないので未だに地球で、か弱い女性を襲い自分の猟奇的な欲望を満たしていると。」

( ^ω^)「これが『X』の正体ってところか。」

爪'ー`)「奴のことがわかってきたがそれだけだとまだ対策のしようがないな。」

(,,゚Д゚)「円盤があったとされるところを調べてみましょう。何か残っているかも知れない。」

( ^ω^)「そうと決まればすぐに出発だ。」

ピロリンッ

('A`)「!?」

ドクオのもとに一通のメールが届く。

('A`)「すまん、俺は寄るところがあるから。」

そう言って一人別の場所へ行く。

275名無しさん:2018/09/14(金) 12:31:10 ID:QC4HveNE0
≫(‘♀’)≪「待っていたよドクオ隊員。いや、ドクトラセブン。」

('A`)「いったい何の用だ。俺は忙しいんだぞ。」

人さんに呼ばれて彼のアパートを訪れる。

('A`)「緑茶じゃなくてほうじ茶がよかったな。」

ちゃぶ台に座り出されたお茶を一口呑み込む。

≫(‘♀’)≪「私は君に対して憤りを感じている。」

('A`)「お前んとこの星のことはかわいそうだと思うが、俺に言われてもな。」

≫(‘♀’)≪「そのことについてもう何も言うつもりはない。デレさんのことだよ。」

('A`)「全力で犯人を調査中だ。黙って待っていろ。」

≫(‘♀’)≪「何度も彼女の病室にお見舞いに行っているが、未だに笑うことができない。」

≫(‘♀’)≪「デレさんの笑顔は我々の希望なのだよ。」

('A`)「大丈夫だ。犯人の手掛かりを少しつかんだからはもうすぐさ。」

≫(‘♀’)≪「私も私なりに調べたがこれが宇宙人の仕業だと思うかい?」

('A`)「地球人にこんなことができるとは思えないね。」

≫(‘♀’)≪「道具さえあれば人間でも可能さ。」

('A`)「?」

276名無しさん:2018/09/14(金) 12:31:42 ID:QC4HveNE0
≫(-♀-)≪「ドクトラセブン、私はねこの星に来てから宇宙人も地球人もそんなに変わらないと思うようになった。」

('A`)「それは俺も思う。」

≫(‘♀’)≪「だが、宇宙人には傲慢な奴が多い。だから平気で他人を傷つけ侵略できる。」

≫(‘♀’)≪「それは地球人も同じだ。宇宙人ほどではないが彼らの中にも平気で他人を傷つけることができる者もいるのさ。」

≫(‘♀’)≪「通称『X』とやらに襲われた被害者がなぜ早くに死んでしまうと思う?」

('A`)「……」

≫(‘♀’)≪「奴は被害者から笑うという感情を奪うついでに生命エネルギーも吸収している。」

≫(‘♀’)≪「だから被害者は平均寿命より早くに亡くなってしまうんだ。」

≫(‘♀’)≪「なぜそんなことをするのか。生命エネルギーを吸収する事により自分の寿命を延ばすためだ。」

≫(‘♀’)≪「地球人よりも寿命がはるかに長い我々宇宙人がそんなことをするか?」

('A`)「つまり地球人が自分のためにこんなことをしていると。」

≫(‘♀’)≪「君はのこの星を守りに来ているのだろうがどうする?敵は助けるべき地球人かもしれないぞ。」

(-A-)「……」

('A`)「宇宙でもこの地球でも正義は一つなんだ。」

('A`)「俺がやることは変わらない。」

≫(‘♀’)≪「そうか。」

('A`)「話はそれだけか?」

≫(‘♀’)≪「ああ。君の目を見れば何があっても大丈夫そうだ。」

('A`)「それじゃ、俺はいくぜ。」

そう言ってどドクオはある場所へと向かう。

≫(‘♀’)≪(彼女のことを頼むぞドクトラセブン)

277名無しさん:2018/09/14(金) 12:32:06 ID:QC4HveNE0
あいつとの会話で敵が誰であろうと覚悟は決まった。
そして何より敵の居場所を探す方法が思いついた。
なぜ被害者は差はあれど襲われて十年ほど生きていられる?
生命エネルギーが欲しいのであれば襲った時にすべて吸収すればいいのに。
しないということはできないのだ。
つまり、今も襲った被害者から生命エネルギーを吸収し続けているということだ。

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

ドクトラセブンに成りデレさんが入院する病院を目指す。
屋上に着地すると目にはエネルギーを集中させる。

(☆A☆)「デュワァ」

ドクトラセブンの目が光る。
そうすることで普段目に見えないものが見えるようになるのだ。

デレさんの病室から白く細いエネルギーがどこかに向かって伸びているのかがわかる。

('A`)「デュワ!」

それに沿って飛んでいく。
記事に書かれていた山とは全く違う山奥に続いていた。
いくつもの白く細いエネルギーが一か所に集まっていた。

(☆A☆)「もういっちょ」

もう一度目を光らせると何もなかった空間に円盤がが突如現れる。
今までに姿を消していたのだ。なかなか見つからなかったわけだ。

278名無しさん:2018/09/14(金) 12:32:51 ID:QC4HveNE0
すぐさまその円盤に入り込むドクトラセブン。

(;'A`)「う!!」

そこには恐ろしい光景が広がっていた。
壁や床、天井に至るまでびっしりと美女の顔があるのだ。
そしてその全てが笑顔で笑っているのだ。

これは今まで襲われた被害者たちなのだろう。
だがこれは本当に笑顔なのか?
恐る恐る進みコントロールルームにたどり着く。

(∴◎∀◎∴) 「誰だ貴様!!」

('A`)「お前の悪事もここまでだキモ・オター!!」

(∴◎∀◎∴) 「!!」

(∴◎∀◎∴) 「フハハハ!実に何年ぶりだその名前で呼ばれるのは。」

('A`)「なぜこんな恐ろしいことをするんだ!」

('A`)「今すぐに彼女たちを元に戻せ。」

(∴◎∀◎∴) 「寝言は寝て言え!!」

(∴◎∀◎∴) 「俺は手に入れたんだ楽園を!」

(∴◎∀◎∴) 「死んでもこの楽園は手放さんぞ!」

('A`)「お前の身勝手な欲望のせいでいったい何人もの女性が辛いめにあったと思っているんだ!」

(∴◎∀◎∴) 「辛い?何を言っている。彼女たちは笑っているじゃないか。」

(∴◎∀◎∴) 「そうさみんな俺のために笑っている。」

(∴◎∀◎∴) 「俺も彼女たちも幸せなのさ。」

('A`)「本気で言っているのか?」

279名無しさん:2018/09/14(金) 12:33:17 ID:QC4HveNE0
(∴◎∀◎∴) 「そう言う貴様はどうだ、今までこんなに美女たちの笑顔を見たことがあるのか?」

(∴◎∀◎∴) 「お前のために笑ってくれる人はいたのか?そもそもまともにしゃべったことあるか?」

(;'A`)「ギギギ……」

(∴◎∀◎∴) 「いるわけないよなそんな顔で!」

(#'A`)「黙れお前の方が顔はひどいだろ!!」

(∴◎∀◎∴) 「だが俺には俺のために笑ってくれる女がこんなにいる。」

アハハハハハハ

キモ・オターが手を振ると急に彼女たちの笑い声が大きくなった。

『キモ・オターさんかっこいい』『キモ・オターさん大好きー』『あなたとずっと一緒に居たい』

さらに腕を振ると彼女たちは口々にキモ・オターを誉め始める。

(;'A`)「……!」

(*∴◎∀◎∴) 「フー!!気持ちいいぜ!!」

(∴◎∀◎∴) 「だから邪魔なお前には消えてもらう!」

(∴◎∀◎∴) 「この円盤に乗ってきたやつのようにな!」

そうか。こいつは何か問題があって不時着したこの円盤に乗っていた宇宙人を始末してこの円盤を手に入れたのだ。

(∴◎∀◎∴) 「キエェェイ!!」

キモ・オターが殴り掛かってくる。

('A`)「フン」

ノーガードでそれを受けるドクトラセブン。

バキィッ

('A`)「所詮この程度か。」

(;∴◎∀◎∴) 「な!!」

いくら生命エネルギーを吸収し、パワーアップして人間離れしたものになったところで元が地球人。
どんなに頑張っても肉弾戦で宇宙人にかなうわけ無いのだ。弱っていない限りなんてことない。
宇宙人に肉弾戦で勝てる奴がいたら見てみたいものだ。どんな化け物か。

280名無しさん:2018/09/14(金) 12:33:46 ID:QC4HveNE0
殴ってきた手を持つとアームブリーカーでへし折る。

('A`)「デュワ!」

(;∴◎∀◎∴) 「ギャァァァァ!!」

('A`)「少しは痛みというものがわかったか?」

(;∴◎∀◎∴) 「キヒヒヒッヒ!」

(∴◎∀◎∴) 「やっちまったなぁ。」

('A`)「ん?」

キモ・オターが壁の顔に手を当てるとその顔がしおれていき折れた腕が完治した。

(;'A`)「何をした?!」

(∴◎∀◎∴) 「ここにある顔たちは俺が襲った連中の生命エネルギーの塊。当然それを一気に吸収すれば怪我なんてこの通り。」

(∴◎∀◎∴) 「お前が俺にダメージを与えるたびにこいつ等が犠牲になると思え。」

(∴◎∀◎∴) 「フヒヒヒヒヒ!」

(;'A`)「卑怯者め!」

手が出せないドクトラセブンをしり目に円盤のコントローラーパネルに手を伸ばす。
ポチポチと操作すると急にドクトラセブンが宙に浮き壁や床、天井に何度もたたきつけられる。
何とか回転することにより円盤による操作を弾き飛ばす。

(;'A`)「グゥゥ……」

だが思いのほかダメージが大きかった。

(∴◎∀◎∴) 「俺に逆らうやつはこうなるんだ。」

(∴◎∀◎∴) 「笑えみんな。」

アハハハハハハ

また彼女たちが大笑いし始まる。

281名無しさん:2018/09/14(金) 12:34:15 ID:QC4HveNE0
(∴◎∀◎∴) 「戻ってたまるか元の生活なんて。」

(∴◎∀◎∴) 「下に見られるだけの人生なんか……」

(∴◎∀◎∴) 「ここに居ればみんながいてくれるんだ!俺を見て笑顔をくれるんだ!」

('A`)「……」

こいつの言う通りだ。今までの人生ろくに女性と関わってきたことなんてない。
それどころか不細工だからということでひどい扱いを受けてきた。
可能性という言葉は恐ろしい。良い意味にも悪い意味にも使える。
自分だって何かのきっかけがあればこいつのようになっていたのかもしれない。

だがはっきり言えることがある。
今、俺が戦わなくては彼女たちの笑顔は取り戻せない。

('A`)「わかってない……お前は何も……」

ふらふらと立ち上がる。

(∴◎∀◎∴) 「あぁ?何がわかってないって言うんだ?」

(∴◎∀◎∴) 「俺はこの通り彼女たちの笑顔の中にいるんだ。」

('A`)「これが笑顔だと?」

('A`)「フフフ、笑わしてくれる。」

('A`)「デレさんは泣いていた。今も必死にお前なんかに負けないと戦っている。」

('A`)「他の被害者もそうだ。お前なんかに感情をとられまいと必死にな!」

('A`)「笑うだけが人間の感情じゃない、泣くことや悲しむことだってそうだ!そういったものすべてが人間に必要なんだ!」

(;∴◎∀◎∴) 「だ、黙れ!俺は笑顔という一番良い顔さえ手に入れればいいんだ!!」

('A`)「これが本当に彼女たちの笑顔だと言っているのならお前は大バカ者さ。」

(;∴◎∀◎∴) 「お前は見たことがあるというのか彼女たちの笑顔を?!」

('A`)「見たことあるさ。デレさんの笑顔は……」

('A`)「そうデレさんの笑顔……」

('A`)「……」

282名無しさん:2018/09/14(金) 12:34:39 ID:QC4HveNE0
あれ?そういえば俺、デレさんの笑顔なんて見たことないぞ。
というか女性の笑顔って見たことあるか俺?

マウントを取ろうとしたドクトラセブン。
当然といえば当然。
自分自身がそんなに女性と接してこなかったのでそんなの見たことがないのだ。

(;'A`)(女性の笑顔くらい一度くらいあるだろ思い出せ俺)

(;'A`)(……)

('A`)(この際、かーちゃんでもいい)

(;'A`)(ダメだあのババアため息か苦笑いしかしたことねぇ)

(;'A`)(となると……)

ξ゚∀゚)ξ

(;'A`)(これしかねぇ)

(;'A`)(これを笑顔とみていいのか)

(;'A`)(そもそもが女性がしていい顔じゃねぇ)

('A`)「……」

('A`)「いいかデレさんの笑顔はすごく輝いている。」

('A`)「こうなんて言うかキラキラとね。」

諦めて嘘をつくことにした。
無いんだもん仕方ない。

(;∴◎∀◎∴) 「嘘ダァァァ!!」

(;∴◎∀◎∴) 「お前ごときが見れるわけないだろぉ!!」

うん。その通り嘘さ。

283名無しさん:2018/09/14(金) 12:35:04 ID:QC4HveNE0
(#∴◎∀◎∴) 「ギリギリギリ!!」

思い切り歯ぎし、顔を真っ赤にして悔しがる。
まるで童貞だと信じていた友人がそうではなかったと知った時のような感じだ。

('A`)(よしチャンスだ!)

額のビームランプに手を当て、ドクリュウム光線の態勢をとる。

(#∴◎∀◎∴) 「馬鹿め俺を攻撃したところで意味がないぞ!!」

確かにキモ・オターを攻撃しても意味がない。
それどころか被害者の生命エネルギーが吸われてしまう。

('A`)(狙いはお前じゃない!!)

発射されたドクリュウム光線は円盤のコントローラーパネルを打ち抜く。
バチバチと火花を立て円盤の機能が停止する。
すべては円盤の力なのだ。その元を絶てばいい。

('A`)「……」

('A`)「本当は他の方法を探すべきなのだろうが、あいにくこれしか考えがひらめかなくてな。」

円盤の機能によって女性たちから集めていたエネルギーが消える。
当然壁や床、天井の顔も消える。本来あるべき彼女たちのところへ戻ったのだ。
そしてそれはキモ・オターへ流れていた生命エネルギーも消えてしまったのだ。
生命エネルギーの供給を断たれ、みるみる体がしぼみだす。

(;∴◎∀◎∴) 「あぁぁあぁ!!死にだぐなぃい!!だずげでぇ!!」

地獄の苦しみを味わった後、骨と皮だけになる。

('A`)「……」

恐ろしい人間であった。
だが自分もこうならないように気をつけなければならないのだ。
誰しも恐ろしい怪人になりえるのだから……

284名無しさん:2018/09/14(金) 12:35:43 ID:QC4HveNE0
( ^ω^)「まさか地球人が宇宙人の機械を利用してこんな恐ろしいことしてたなんてな。」

爪'ー`)「被害にあった女性たちに笑顔が戻ったといっても何だかモヤっとする。」

ξ゚⊿゚)ξ「犯人を私がこの手で直接血祭りにあげられなかったのは残念だが、デレが無事に戻ったから良しとするか。」

ξ゚⊿゚)ξ「だが、やっぱお前ら全員去勢しとけ。」

(;^ω^)「だからそれは飛躍しすぎ!」

(*'A`)「フーッ」

一枚の写真を見つめるドクオ。

ξ゚∀゚)ξζ(^ー^*ζ(*'∀`)

ホントはツーショット写真がよかったが、まあいいでしょう。
どんな報酬よりもありがたい写真だ。
元気になって良かったねデレさん。
  _
(;゚∀゚)「隊長、最近人通りの少ない夜道で恐ろしい目つきをした鬼が走り回っていると通報がありました。」

爪;'ー`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「なんだもう次に事件か。」

ξ゚⊿゚)ξ「どれこの私が一肌脱いでやろう。」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(それはお前のことだよ妖怪ツインドリル女)

そう思う隊員たちであった。

第九話『笑顔を取り戻せ』

終わり

285名無しさん:2018/09/14(金) 12:36:32 ID:QC4HveNE0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
さぁ、来週もみんなで見よう。

286名無しさん:2018/09/14(金) 14:15:00 ID:eNC6mUWE0
良かったなどくお!!!

287名無しさん:2018/09/14(金) 21:26:28 ID:ABqUiKpU0
乙!

288名無しさん:2018/09/14(金) 23:21:23 ID:EZaBAlR.0
誰もがキモ・オターになり得る…か
俺も気をつけよう

289名無しさん:2018/09/18(火) 19:31:59 ID:8Yl7RU0Q0
ツンヌがもはや人間扱いされてなくてわろす

290名無しさん:2018/09/21(金) 23:14:59 ID:0ohUMJJQ0
第十話『消されたヒーロー』

「ねえねえ、知ってる?VIPトラマン幻の最終回って。」

「なにそれ?またオカルト話?」

「昭和の特撮ヒーローが大量生産されてた頃の一作品らしいんだけど、これが市場には出回ってないらしいのよ。」

「へー、どうでも。あっ辛!この四川麻婆豆腐、辛い!トソン食べて。」

昼間の高級中華料理店、二人の女性がのんきに食事をしていた。

(゚、゚トソン「その幻の最終回がマニアの中では高額で取引されてるんだって。」

ξ゚⊿゚)ξ「特撮ヒーローとか興味ないし。あと残り食べて。」

(゚、゚トソン「ところが、その最終回を購入したマニアは行方不明になるって噂が広がってるのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「くっだらねぇ。大金の割にショボい話だったんじゃねぇの?これ食べて。」

(゚、゚トソン「私、辛いのダメだから。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ」

291名無しさん:2018/09/21(金) 23:15:26 ID:0ohUMJJQ0
(゚、゚トソン「残せば?」

ξ゚⊿゚)ξ「死んだばあちゃんに食べ物は残さず食べろって昔から強く言われてたから残したくないの。」

(゚、゚トソン「教育熱心なおばあちゃんがいたのにこんなのに育つとは。」

ξ゚⊿゚)ξ「子育てって大変ね。」

(゚、゚トソン「あんたが言うか。」

ξ゚⊿゚)ξ「仕方ねぇ、基地にいる豚に食わすか。店員、タッパーくれ。」

(゚、゚トソン「それじゃ会計はいつも通り経費でお願いね。それとVIPトラマン幻の最終回の件もよろしく。」

ξ゚⊿゚)ξ「それウチが調べる必要ある?」

(゚、゚トソン「私の後輩がそれを調査して行方不明なのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおい、それなら自分で調べて記事にしろよ。」

(゚、゚トソン「特撮とか興味ないし。私は自分の興味があることしか記事にしない質だから。あんな子供だましのどこがいいんだかね。」

ξ゚⊿゚)ξ「それな。」

(゚、゚トソン「そう言うことでお願いね。」

292名無しさん:2018/09/21(金) 23:16:18 ID:0ohUMJJQ0
ξ゚⊿゚)ξ「って話が昼間あったわけよ。」

ξ゚⊿゚)ξつ「ほれブーン、四川麻婆豆腐だ食え。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)爪'ー`)「……。」

爪'ー`)「俺もう何も驚かんよ。」

('A`)「フーッ、前にも見たなこの展開。」

(,,゚Д゚)「回数重ねても許されないからなオイ。」

( ^ω^)「いや、今は腹減ってないんだが。」

ξ゚⊿゚)ξ「御託はいいからなんちゃらマンの調査行って来いよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あと豚は早く食え。」

( ^ω^)「一応これでも人類ですからね。仕方ない食うか。」

爪'ー`)「これだけは言うけど、我々はそんなくだらないこと調査しないからな。」

ξ゚⊿゚)ξ「だろうな。」
  _
(*゚∀゚)「まぁまぁ隊長、その話は割と我々がやるべき仕事かもしれませんよ。」

何やら嬉しそうにジョルジョが割り込んできた。

爪'ー`)「なに?」
  _
(*゚∀゚)「消された最終回を持つとされる有名な作品ですよ。」
  _
(*゚∀゚)「VIPトラマン、1970年代に放送開始。当時の特撮ヒーロー作品のひとつで宇宙からきた巨大ヒーローが怪獣と戦うストーリー。」
  _
(*゚∀゚)「事故のせいで防衛チームの一人と融合してしまい、ピンチの時にはVIPトラマンに変身する。」
  _
(*゚∀゚)「怪獣特撮ものだが毎週、町の模型を派手に破壊したりとなかなか迫力のある作品です。」
  _
( -∀-)「ただ、残念ながらなかなか視聴率が伸びずに全39の予定が打ち切りで全37話に……」
  _
( ゚∀゚)「しかし、今でも根強いファンが多く、現代ではかなり評価されています。」
  _
(*゚∀゚)「そして何より珍しい最終回。打ち切りの影響か、まるでなんて事のない通常回が最終回で当時の視聴者はかなりびっくりしたそうです。」

293名無しさん:2018/09/21(金) 23:17:40 ID:0ohUMJJQ0
ξ゚⊿゚)ξ「うまいそれ?」

( ^ω^)「辛いけどうまい。どこの店?」

ξ゚⊿゚)ξ「それうまいとか味覚イカレてんじゃないの?」

(,,゚Д゚)「隊長、コーヒー淹れましたよ。」

爪'ー`)「おお、ありがとう。」

('A`)「俺にもくれよ。」

(,,゚Д゚)「はいよ。」

('A`)「どうも。」

熱く語るジョルジョだが、誰もその話を聞いてくれない。
誰も興味がないようだ。ジョルジョをそっちのけで各自くつろぎ始めた。
しかし、ジョルジョは興奮しきっていてひたすら語り続ける。
自分だけの世界に入り浸っている。
  _
(*゚∀゚)「おかげでマニアの中では実は別に最終話が作られていたんじゃないのかって憶測がありまして。」
  _
(*゚∀゚)「VIPトラマンの星の連中が地球を侵略して終わるとかそんな説があったり。」
  _
(*゚∀゚)「ネットでは、何とか最終話を手に入れた猛者のやはりとんでもない話であったとの書き込みがあったり。」
  _
(*゚∀゚)「最近では数百万でその最終回が取引されているようで。」
  _
(*゚∀゚)「実は俺も貯金を全額はたいて購入しようかと考えている次第です。」
  _
(*゚∀゚)「早く見てみたいものですな。」

目を子供のようにキラキラと輝かせている。
人生において趣味を見つけることは大切なことだ。
それがどんな趣味でも他人の目を気にする必要はない。
自分の好きなことを語るのはいいことだ。
だがそれは時と場合を考えよう。

294名無しさん:2018/09/21(金) 23:18:17 ID:0ohUMJJQ0
(,,゚Д゚)「さて俺はパトロール行ってくるよ。」

( ^ω^)「ドクオこれから新型兵器のテストに行くぞ。」

('A`)「今回の新型爆弾はどれほどの威力かな。」

ξ゚⊿゚)ξ「そろそろデザートの時間だな。どこに食いに行くか。」

爪'ー`)「おっと会議の時間がもうすぐだな。」

ジョルジョをおいて各々作戦室を後にする。
  _
(*゚∀゚)「個人的には通常回のような最終回は割と好きですね。」
  _
(*゚∀゚)「それこそまだまだこれからVIPトラマンの物語は続いていくのだというようで。」
  _
(*゚∀-)「でも一番好きな回は第八話の……」
  _
(;゚∀゚)「あれ?みんな?」

それからすぐにみんなVIPトラマンのことなど忘れてしまった。
ただ一人ジョルジョのみ、その話を聞いてから幻の最終回を購入することを決意していた。

295名無しさん:2018/09/21(金) 23:18:39 ID:0ohUMJJQ0
それから数日後。
  _
(*゚∀゚)「♪〜」

('A`)「どうしたジョルジョ、鼻歌なんか歌いながら?いいことでもあったか?」
  _
(*゚∀゚)「やっとネットでVIPトラマン最終回を購入できそうなんだ。」

('A`)「なんだっけそれ。つまらなくて打ち切られたやつだっけ?」
  _
(#゚∀゚)「馬鹿なことを言うな!!VIPトラマンは素晴らしい作品なんだ!!」
  _
(#゚∀゚)「見たこともないニワカ以下のカスは黙ってろ!」

(;'A`)「お、おぉ。すまなかった。」

熱狂的なファンの前でけなすのダメ絶対。
  _
( ゚∀゚)「しかし、購入の仕方が謎すぎるんだよな。」
  _
( ゚∀゚)「現金で数百万を手で持ちながらパソコンの前に座り、相手さんから送られてきたメールのURLに飛ぶだけだってんだから。」

('A`)「からかわれてんじゃないか?」
  _
( ゚∀゚)「VIPトラマンファンの同志がそんなことするかよ。早速自分の部屋で見て来るぜ!」

('A`)「今日は防衛会議があるそうだから遅れるなよ。」
  _
( ゚∀゚)「ああ、後でな。」

そうして別れた後、ジョルジョは会議には来なかった。
基地のどこを探しても見つからず、噂の事件に巻き込まれたとされた。

296名無しさん:2018/09/21(金) 23:19:06 ID:0ohUMJJQ0
爪#'ー`)「まったくぶったるんどる!!」

爪#'ー`)「防衛隊のメンバーが自分の趣味で事件に巻き込まれたなどと!」

( ^ω^)「事件を調査した結果、幻の最終回自体は昭和から噂されていたようですが、実際に行方不明になるのはここ数か月からのようです。」

(,,゚Д゚)「その最終回を見たとされる書き込みを見ると。」

『あんな恐ろしい最終回とは……』『まさかそんな展開になるなんて涙が止まらない』『これを見ないで人生を終えるなんて考えられないよ』
『やっぱVIPトラマンはVIPトラマンだぜ!』『VIPトラマン最低!ファンやめます』

(,,゚Д゚)「などあまり内容が語られていないのばかりです。」

('A`)「被害者はみなネットで最終回を売っているという人物と接触。」

('A`)「その人物の言う通り、現金で数百万を手で持ちながらパソコンの前に座り、相手さんから送られてきたメールのURLに飛んだもよう。」

('A`)「メールのURLも知らべましたが、なんのページにもつながらないようです。」

爪'ー`)「人間一人、突然消失するのが地球人の仕業とは考えにくい。敵は宇宙人だと思われる。」

爪'ー`)「ギコはジョルジュの使用したパソコンに何か痕跡がないか調べてくれ。」

爪'ー`)「制作元のVIP谷プロにその幻の最終回が有るのか無いのか確認をドクオとブーン頼む。」

(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「私これから○ンハンやるけど、いい?」

爪'ー`)「君はいつも通りでいいよ。」

隊長がツンヌを見る目はすべてをあきらめているようだ。

297名無しさん:2018/09/21(金) 23:19:37 ID:0ohUMJJQ0
ヴィプンターでVIP谷プロに向かう二人。
社員に話を聞くとそんな最終回は存在しない。ただのくだらない噂だと追い返された。

( ^ω^)「まあそうでしょうね。」

('A`)「本当は隠しているだけかもしれんぞ。」

('A`)「倉庫に忍び込んでテープを確認しない限りないとは言い切れん。」

( ^ω^)「それじゃ、不法侵入やっちゃいますか。」

こそこそと忍び込む。
地球の平和を守るためなら多少の不正行為は目をつぶってもらう。

('A`)「これは違いそうだな。」

( ^ω^)「お!これ鏡男じゃん懐かしい。」

ガサゴソと音を立てながら調べていると倉庫の扉が開いた。

(;^ω^)(;'A`)「!」

掃除のじいさん「誰じゃ!そこで何をしている!」

事情を説明すると社員には黙ってくれるそうだ。
そしてこのじいさんは当時の撮影班の一人だということだ。

掃除のじいさん「そうじゃ。わしもあのVIPトラマンの制作にかかわっていたのじゃ。」

('A`)「じゃあ噂されてる幻の最終回ってあるのか?」

掃除のじいさん「フーッ」

タバコを吸いながら話し始めた。

298名無しさん:2018/09/21(金) 23:20:09 ID:0ohUMJJQ0
掃除のじいさん「最終回は放送されたあの話が最終話さ。」

掃除のじいさん「当時はだいぶ言われたよ。これのどこが最終回だって。強敵も出なければVIPトラマンは自分の星に帰ったりしない。」

掃除のじいさん「出てきた怪獣もなんてことのない奴、ストーリーもいつも通りの大したことのない話。」

掃除のじいさん「翌週に至っては最終回だと思わなかった人たちから大量の電話が来たよ。今週は休みなのかって。」

( ^ω^)「やっぱりただのガセだったか。」

('A`)「しかし、なぜそんな最終回にしたんだ?」

掃除のじいさん「視聴率が振るわなかったからね。予定に大幅に削られたのもあるな。」

掃除のじいさん「なにせ裏番組のフル面ライダーが人気過ぎてね。同じ特撮なのにかなりの差をつけられよ。」

( ^ω^)「フル面ライダーって今もシリーズの続くあれか。今のはフル面ライダーAってやつがやってるな。」

掃除のじいさん「こっちも負けじといろいろ話が面白くなるように工夫とかしてみたんだがな。」

掃除のじいさん「でもそれは自己満足だったんだ。自分たちはこれは面白いだろうってやってみたが、面白いかどうか決めるのは視聴者なんだ。」

掃除のじいさん「回を重ねるごとにその差がどんどんわかっていったよ。」

掃除のじいさん「向こうは大成功、こっちは失敗作。悔しかったな。それでもあきらめずに頑張ったさ。」

掃除のじいさん「こっちだってそれなりに面白いんだぞって。まあ結果、打ち切りだけどね。」

('A`)「……」

299名無しさん:2018/09/21(金) 23:20:36 ID:0ohUMJJQ0
掃除のじいさん「でもあの頃は大変だったけど楽しかったよ。」

掃除のじいさん「近所の子供たちがVIPトラマンのどこどこが面白いとか、あのシーンがかっこよかったって言ってくれてね。」

掃除のじいさん「それだけでも作った甲斐があったよ。今もVIPトラマンが好きだって言ってくれる人たちがいるらしいしね。」

掃除のじいさん「そうやって楽しんでもらえることが一番なんだよ。だから最終回はこの先もまだまだ続いていく終わり方にしたんだ。」

('A`)「なるほどいろいろ考えがあったんですね。」

掃除のじいさん「それともう一つ。『彼』の終わりを我々が考えるなどというのがね……」

('A`)「彼?」

( ^ω^)「誰のことです?」

掃除のじいさん「VIPトラマンにはモデルがいるんだ。正直この作品自体が『彼』が存在したことを忘れないように作ったものなんだが。」

掃除のじいさん「これ以上のことは言えない。君たちは目的を果たしたんだろ、早く帰りなさい。いい加減見つかるぞ。」

気になることだが長居はできそうにない。そそくさとその場を後にする。
通信で隊長に報告を済ませると基地へと向かう。

爪#'ー`)「ムムム、こうも何も手掛かりがないとな。」

いらだちを隠せない隊長は胸ポケットから煙草を取り出すと口にくわえてライターを取り出す。
火をつけようとしたところで殺気に気づく。

ξ#゚⊿゚)ξ9m

鋭い目つきで睨みつけながら壁に書かれた文字を指さしている。

『禁煙』

悪かったね。そう言い残して喫煙所に向かう。
昔はよく吸っていたが、最近は健康を考えてたまにしか吸わないようにしている。
大体吸うときはイライラが収まらない時だ。

300名無しさん:2018/09/21(金) 23:21:11 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)「あれ?」

喫煙所がある場所に着いたがそこには何もない。

清掃のおばちゃん「あら隊長どうされました?」

爪'ー`)「ここに喫煙所ってなかったっけ?」

清掃のおばちゃん「何言ってんのよ隊長さん、基地内は全部禁煙になったじゃない。」

清掃のおばちゃん「ツンヌちゃんが頑張って働きかけて排除したの知らないの?」

爪'ー`)「……」

仕事以外で自分の気に入らないことに全力出すあの子はなんなの?
結局一服するために基地の外まで出る羽目になる。
タバコをくわえて火をつけようとするがなかなかつかない。
ガスが切れていたか?

(,,゚Д゚)「どうぞ。」

どうやら先にいたギコが火をつけた。

爪'ー`)y‐「フーッ。ありがとう。」

(,,゚Д゚)y‐「隊長も一服ですか?珍しいですね。」

爪'ー`)y‐「一服のつもりだったんだが作戦室からここまではなかなかな運動だよ。」

(,,゚Д゚)y‐「ハハ、全くです。気軽に吸えませんからね近頃は。」

爪'ー`)y‐「昔は作戦室でもみんなで吸ってたもんなんだがな。」

(,,゚Д゚)y‐「今はみんな吸いませんからね。」

爪'ー`)y‐「ブーンとか吸ってなかったか?」

(,,゚Д゚)y‐「子供出来てからやめたそうです。」

爪'ー`)y‐「いいねぇ一発でやめれて。俺なんて何度挑戦したことか。」

301名無しさん:2018/09/21(金) 23:21:33 ID:0ohUMJJQ0
(,,゚Д゚)y‐「俺は彼女には悪いですが、生涯現役で吸わせてもらいますよ。」

爪'ー`)y‐「そう意気込んでた奴らはどんどんとやめていったなぁ。」

(,,゚Д゚)y‐「値上げや世間的に許されなくなってきてますからね。でも俺は負けないですよそんな波に。」

爪'ー`)y‐「しっかりと分煙してればいいじゃないかよ。もう少し俺たちを認めてくれよ世間のみなさんよぉ。」

そんな戯言を言いながら二本目のタバコに火をつける。

(,,゚Д゚)y‐「そう言えばVIPトラマンって隊長が子どもの頃やってたやつなんじゃないですか?」

爪'ー`)y‐「……」

爪'ー`)y‐「俺はガキの頃は特撮なんてまがい物、見てなかったな。」

爪'ー`)y‐「何せ本物のヒーローがいたからな。」

(,,゚Д゚)y‐「?」

爪'ー`)y‐「フーッ」

爪'ー`)y‐「なあギコ、昔この地球に怪獣が実際に居たことは知ってるか?」

(,,゚Д゚)y‐「そんなの小学校の歴史で習いますよ。我々の前の組織、VIP特捜隊が全て退治したって教えられましたよ。」

爪'ー`)y‐「ああ、そう教えているらしいな。」

爪'ー`)y‐「いいかギコこれから言うことは絶対に誰にも言うなよ。」

(,,゚Д゚)y‐「はい?」

302名無しさん:2018/09/21(金) 23:22:17 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)y‐「確かに俺がガキの頃にはまだ怪獣がいてVIP特捜隊が戦ってたよ。でもそれだけじゃない。」

爪'ー`)y‐「『彼』もいたんだ。」

(,,゚Д゚)y‐「彼?」

爪'ー`)y‐「みんなモナトラマンって呼んでいたよ。」

(,,゚Д゚)y‐「まさかドクトラセブンみたいなやつがいたんですか?!」

爪'ー`)y‐「あんな奴と一緒にするな。彼は本当に強くてみんなの憧れだったよ。」

爪'ー`)y‐「俺も彼に憧れヴィプトラ警備隊を志したさ。」

(,,゚Д゚)y‐「しかしなぜそんなヒーローがいた形跡がないのですか?」

爪-ー-)y‐「今も覚えている。俺もその場にいたからな。彼は最後に負けてしまったんだ。」

爪'ー`)y‐「侵略者が作り出した最強の宇宙恐竜に。」

爪'ー`)y‐「そしてその宇宙恐竜をVIP特捜隊が倒し、彼の仲間が彼を宇宙へと連れていってしまったよ。」

爪-ー-)y‐「その後は全世界で彼の記録を抹消して彼のことをしゃべったりするものが出れば逮捕。」

(,,゚Д゚)y‐「まさか手柄を一人占めして、今まで地球人だけで戦っていたように情報統制したってことですか!!」

爪'ー`)y‐「ああ、俺も当時はそう思って必死で抵抗したさ。意味がなかったがな。」

爪'ー`)y‐「でも今ならその選択もわかる。」

303名無しさん:2018/09/21(金) 23:22:50 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)y‐「彼は地球人にとって希望になりすぎたんだ。希望が無くなってしまうということは絶望さ。」

爪'ー`)y‐「だから我々地球人は嘘をついて自分たちをごまかすことにしたんだ。モナトラマンなんていなかった、すべて自分たちの力でやっていたんだと。」

爪'ー`)y‐「そうして偽りの希望と平和を作り出したんだ。みんなの憧れを消してね。」

(,,゚Д゚)y‐「消されたヒーローですか。」

爪'ー`)y‐「俺はずっと思っていたよ。彼は傷をいやしたけど今の地球を見て失望したんじゃないのかと。」

爪'ー`)y‐「だから彼はもうこの星に来ないんだと。」

爪'ー`)y‐「そしてらあいつが現れやがった。」

爪'ー`)y‐「どうやら彼は育てていたようだ。自分の教え子をな。」

(,,゚Д゚)y‐「フーッ」

(,,゚Д゚)y‐「だから最初ドクトラセブンを見たとき攻撃しなかったんですね。」

爪'ー`)y‐「フッ、てんでなっちゃいなかったがな。」

爪'ー`)y‐「でも地球ならあいつを任せられるって思ったんだろうな。」

(,,゚Д゚)y‐「ええ、偉大なヒーローの教え子なら俺たちも力を貸しましょう。」

タバコの火を消し作戦室に戻る。
少し長居しすぎたかな。

304名無しさん:2018/09/21(金) 23:23:17 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)「さて諸君、こうなったら強行策に出るぞ。」

爪'ー`)「最終回を購入したいと敵に接触し、敵のもとに転送しされてアタックをかける。」

(;'A`)「かなり危険じゃないですか?」

( ^ω^)「肉を切らせて骨を断つわけですね。」

(,,゚Д゚)「危険ではありますが手っ取り早いですね。」

(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「おら、さっさと志願兵出て来いよ。」

( ^ω^)「よし俺が。」

(,,゚Д゚)「いやいや俺が。」

∩(;'A`) スッ

爪'ー`)( ^ω^)(,,゚Д゚)「!?」

ξ゚⊿゚)ξ「オイオイ、弱虫大丈夫か?足震えてるぞ。」

(;'A`)(本当は行きたくねぇよ)

(;'A`)(でももし行き先が宇宙空間だったりしたら俺じゃないと……)

爪'ー`)「それならドクオに頼もう。頼んだぞ!」

(;'A`)「りょ……了解です。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!ここに来た時よりもいい顔になってきたじゃん!」

( ^ω^)「いつでも変わってやるからな。」

(,,゚Д゚)「何が起こるかわからんから気をつけろよ。」

(;'∀`)b  ニターッ

精一杯の強がりだ。

305名無しさん:2018/09/21(金) 23:23:56 ID:0ohUMJJQ0
割と簡単に標的とコンタクトが取れた。
あとは噂通りに準備をして相手からのメールを待つ。

(;'A`)「き、来た……」

みんなは少し離れた所から見守っている。

(;'A`)「フーッ」

落ち着けよ俺。
向こう側に敵がたくさんお出ましでも落ち着いて対応だ。
発信機も付けていくんだから時間を稼げれば助けが来る。

('A`)「よし行くか!」

覚悟を決めてメールのURLをクリックする。

('A`)「うん?!」

ぐにゃりと体が曲がりながらパソコンの画面へと吸い込まれていく。

( ^ω^)「なるほどこうやって被害者と金を回収していたのか。」

爪'ー`)「発信機は?」

(,,゚Д゚)「現在特定中!」

ξ゚⊿゚)ξ「あの現金くれるなら私行ってもよかったかも。」

爪;'ー`)「君はおとなしくしてましょうね。」

(,,゚Д゚)「発信機の場所を特定しました!場所は○○の高級マンションです。」

( ^ω^)「高級マンションとは中々いいとこに潜んでたもんだ。」

爪'ー`)「よし出発するぞ!」

( ^ω^)(,,゚Д゚)「了解!」

306名無しさん:2018/09/21(金) 23:24:25 ID:0ohUMJJQ0
('A`)「ここは?」

どうやらどこかの部屋に出た。
おっ高そうな家具が置いてある。外を見れば高層ビルが見えた。
マンションの一室か?

「あ?何で転送された人間に意識があるんだ?」

(;'A`)「だ、誰だ!」

声がする方へと振り向く。

(-_-)「普通の人間ならば転送された影響で当分意識がないんだが。」

(-_-)「さてはお前はドクトラセブンだな。」

('A`)「お前はヒッキー星人だな。」

骸骨のように細い手足、体で色も真っ白の宇宙人だ。

('A`)「さらった人たちはどこだ!ジョルジョを返せ!」

(-_-)「フフフ、彼らなら洗脳して地方の深夜コンビニのバイトをさせてるよ。」

('A`)「は?」

307名無しさん:2018/09/21(金) 23:24:49 ID:0ohUMJJQ0
(-_-)「ドクトラセブンよ愚かだと思わないか自分で働くのは。」

(-_-)「こうして間抜けな地球人を利用すれば働かずしていい生活が送れる。最高じゃないか。」

('A`)「働け、この引きこもり野郎!」

(-_-)「一度このおいしい方法を見つけたらやめられないね。」

(-_-)「地球人は愚かだよ、存在しない最終回に食いつき大金を持ってきてくれるとは。」

(-_-)「公式で否定されているのに、マニアというものは馬鹿なことに金を使ってくれるよ。」

('A`)「それで捕まえた人間を洗脳してバイトさせてバイト代を着服するって魂胆か。」

(-_-)「三食外食、キャバクラ、風俗行きまくり。貧乏人にはマネできないさ。」

(#'A`)「この野郎羨ましい生活送りやがって!苦労して金を稼ぐことを知れ!」

(-_-)「労働などという低俗なことは奴隷どもにやらせるのが一番だ。地球はいい。奴隷が多くて。」

(#'A`)「だがお前の企みもここまでだ。」

(#'A`)「デュワ!」

ドクトラセブンに変身しながら飛びかかる。
ヒッキー星人も負けじと応戦しながら巨大化する。

308名無しさん:2018/09/21(金) 23:41:08 ID:0ohUMJJQ0
(;'A`)「グワー」

見た目の割に怪力の持ち主らしく投げてばされるドクトラセブン。
立ち上がりにワンツー、フック、アッパーとコンビネーションをきれいに決めるヒッキー星人。

(;'A`)「ひぎぃ」

あっという間にグロッキー。

(-_-)「噂通り大したことない奴だな君は。」

(;'A`)「……!」

(;'A`)「なぁお前、VIPトラマンは見たことあるか?」

(-_-)「あぁ?馬鹿言えあんなお子ちゃまなもん見るかよ。」

(;'∀`)「ダメだなぁ、自分が利用するものはしっかり目を通しておかなきゃ。」

(-_-)「なんだ負け惜しみか?」

問答無用で渾身の右ストレートを放とうとした瞬間、ヒッキー星人の背中にレーザー攻撃が命中した。

(;-_-)「ギャァ!なんだ?!」

振り返るとヴィプトラホーク1号が攻撃してきた。

309名無しさん:2018/09/21(金) 23:41:37 ID:0ohUMJJQ0
(;-_-)「おのれ虫けらどもがぁ!」

('A`)「貴様の相手は俺だ。」

後ろから捕まえるとジャーマンスープレックスを決める。

(;-_-)「ゴフ」

爪'ー`)「今だ爆弾投下。」

( ^ω^)「了解、爆弾投下。」

ヴィプトラホーク1号のウエポンベイが開くと大量の爆弾がヒッキー星人めがけて投下された。

(;-_-)「ぁがガガガ」

('A`)「VIPトラマンは一人で戦ってたんじゃないぜ、彼には仲間がいたんだ。」

見事な連係プレイ。
ドクトラセブンが隙を作り、そこにヴィプトラホーク1号が攻撃。
悶えているヒッキー星人にドクトラセブンが追撃。

(;-_-)「一対一で戦えよ卑怯者!」

('A`)「侵略者に慈悲はない。」

310名無しさん:2018/09/21(金) 23:42:10 ID:0ohUMJJQ0
ロケット弾の弾幕が降り注ぐ。
身動きが取れない相手にドクトラショットを叩き込む。

(;-_-)「アアアアアアア!」

あえなく爆発四散。

(;'A`)「はぁはぁ…」

額のビームランプが激しく点滅する。
援護がなければ危なかった。

(,,゚Д゚)「何とか退治できましたね。」

爪'ー`)「ひやひやさせやがって。」

(;'∀`)b  ニカッ

( ^ω^)「あのキモイ顔はどうにかならんのかな。」

爪'ー`)「顔はどうにもならんさ。さて我々は帰るぞ。」

( ^ω^)「了解。」

311名無しさん:2018/09/21(金) 23:42:39 ID:0ohUMJJQ0
ほどなくしてさらわれていた人たちも発見され保護された。

爪'ー`)「どんな趣味を持つのは構わないが、くれぐれも仕事に支障は出さないでくれよ。」
  _
(;゚∀゚)「ご迷惑をおかけしました。」

('A`)「おいジョルジョ、VIPトラマン気になって見てみたが面白いじゃないか。」
  _
( ゚∀゚)「だろだろ!やっぱ特撮ヒーローはいいだろ!」

('A`)(すごく親近感がわくんだよな)

ξ゚⊿゚)ξ「正直、私はベルトで変身して戦う方がいいな。」

('A`)「?!」
  _
( ゚∀゚)「お、ツンヌもか。フル面ライダーもいいぞ。」
  _
( ゚∀゚)「お勧めはフル面ライダーZZだな。」
  _
( ゚∀゚)「あれは――

ξ゚⊿゚)ξ「いや特撮じゃなくて。現実にそういうの配備してもらいたいの。」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでも今のフル面ライダーって巨大な敵とも戦うらしいじゃない。」

ξ゚⊿゚)ξ「なら私もベルトで変身して巨大な宇宙人と戦いたいな。」

(;'A`)「……」

312名無しさん:2018/09/21(金) 23:43:04 ID:0ohUMJJQ0
( ^ω^)「想像しただけでも恐ろしいな。」

爪'ー`)「冗談抜きで一度頭を改造された方がいいと思うよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、お前の顔のこと言われてるぞ。」

(;'A`)「俺のことじゃないからね。」

ξ゚⊿゚)ξ「カー、そういう組織があればそこに就職したのに。」

( ^ω^)「むしろよくここに就職できたな。」

ξ゚⊿゚)ξ「変身できれば私一人で活躍してグッズ販売でガッポリ稼げるのに。」
  _
(;゚∀゚)「ヒーローにあるまじき行為だな。」

ξ゚⊿゚)ξ「私はもっと褒めたたえられたい!」

(;'A`)「こいつは力を手に入れちゃダメなタイプだ。」

(,,゚Д゚)「……」

(,,-Д-)「見返りを求めず、自分のために戦わない。」

(,,-Д-)「たとえ存在を消されようとも力を持たない人のために戦う。」

(,,゚Д゚)「そういうことですね隊長。」

爪'ー`)「ああそうさ。」
  _
( ゚∀゚)('A`)( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「?」

('A`)(なんだろう、大事な場面ではしょられてた気がした)

第十話『消されたヒーロー』

終わり

313名無しさん:2018/09/21(金) 23:43:28 ID:0ohUMJJQ0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

314名無しさん:2018/09/22(土) 00:10:09 ID:kPQEadrg0
おつ!
ドクオやるじゃん

315名無しさん:2018/09/22(土) 01:54:23 ID:Uk/Ja4M20
モナトラマン糞テキトーにドクオ配備してるじゃねーか!

316名無しさん:2018/09/22(土) 09:05:43 ID:ruK5tAFU0
乙!
地球の扱いワロタ

317名無しさん:2018/09/23(日) 03:53:47 ID:3A6pLGuY0
実はモナトラマンも落ちこぼれだったりしたのかな?
色々と繋がってきて面白い

318名無しさん:2018/09/28(金) 12:20:37 ID:6keEnkms0
第十一話『この恨み』

観測員「ん?なんだこのデータは?」

その日ヴィプトラ警備隊に謎の音声データが送り込まれてきた。

観測員「フォックス隊長、これがどこからともなく送られてきたのですが何でしょう?」

爪'ー`)「どれ一度流してみよう。」

謎の音声データを再生する。

『% %#”&”#$$’!#%』

( ^ω^)「なんだこりゃ?誰かいたずらで送ってきたか?」
  _
( ゚∀゚)「一応いろいろなデータと照合してみましょう。」

爪'ー`)「頼んだぞ。」

爪'ー`)「侵略者の通信などでなければいいが。」

('A`)(これは宇宙語)

('A`)(俺に助けを求めていたな)

('A`)(罠かもしれないが行ってみるか)

('A`)「隊長、パトロールに行ってきます。」

爪'ー`)「気をつけてな。」

ドクオは急いでその音声データで示された場所へと向かった。
目的地に着きヴィプンターを停めてあたりを見回す。

319名無しさん:2018/09/28(金) 12:21:05 ID:6keEnkms0
('A`)「言われた通りに来てやったぞ。出てこい。」

『よかった、よかった。ちゃんと来てくれたんだね。』

('A`)「!」

声のする方へと振り返る。

( `ー´)「助けてくれよドクトラセブン。一大事なんだ。」

('A`)「貴様は残虐非道なネーノ星人ではないか?!」

( `ー´)「確かに我が種族は残虐非道で有名だが、私は違うよ。みんな一緒にしないでくれ。」

('A`)「それで助けてほしいこととはなんだ?」

( `ー´)「実は申し訳ないのだがね、たまたま通りかかってこの星を見つけて調査の一環で地球人を一人拉致したんだ。」

('A`)「のっけから何やってんの君?」

( `ー´)「まあまあそこはいいでしょ。宇宙船に連れ込んだらその子がパニックになっちゃって。」

( `ー´)「転んだ拍子に頭ぶつけたら打ちどころが悪かったみたいで死んじゃってさ。」

(;'A`)「な……」

(#'A`)「貴様何やってるんだ!!」

(;`ー´)「本当に事故だったんだよ。信じてくれ。正義の味方は相手を信じることから始まるんだろ。」

(#'A`)「グググ……」

(#'A`)「それで困っているというわけか。」

(;`ー´)「それで困っているんだが、君が思っているのと違うと思う。」

('A`)「?」

( `ー´)「そしたら出るようになったんだよ。」

(;`ー´)「俺の宇宙船で幽霊が。」

(;'A`)「え?」

320名無しさん:2018/09/28(金) 12:21:36 ID:6keEnkms0
一人では怖くて宇宙船に戻れないということで一緒についていくことになった。
ネーノ星人が腕時計のボタンを押すと一瞬で宇宙にある宇宙船にワープした。

(;'A`)「ゆ、幽霊だなんてこの宇宙旅行が当たり前の時代に何を言っているのかね。」

ちょっと冷房が効きすぎではないかこの宇宙船。震えているのは決して怖いからじゃないんだからね。

(;`ー´)「幽霊が出るようになってからラップ音がしたり物が勝手に宙に浮いたり、挙句の果てには宇宙船の機能が停止してしまったよ。」

(;'A`)「物音は宇宙船が故障してるから変な音が鳴ってるだけで、物が浮くのはここが宇宙だからだろ。」

(;`ー´)「この船は新品だし故障してないかの確認はしたよ。それに重力発生装置やごく一部の機能は生きてるし。」

(;'A`)「……。」

(;`ー´)「だからドクトラセブン、早く幽霊を倒してくれ。自分の星に帰れないんだよ。」

(;'A`)「仕方ない。まあどうせ幽霊なんていないと思うがね。」

恐る恐るドクトラアイを装着して変身する。

(☆A☆)「デュワァ」

ドクトラセブンの目が光る。
普段では見れないものを浮かび上がれせることができるのだ。
船内を一通り見渡すが何も見つからない。

('A`)「ほら言った通り幽霊なんていなかったろ。」

('A`)「船の故障だよ。俺も手伝うから一緒に探そうぜ。」

( `ー´)「なんだ故障だったのか。よかったよかった。」

('A`)「フフフ。」

( `ー´)「へへへ。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

大いに笑う。誰にだって間違いはあるのさ。

321名無しさん:2018/09/28(金) 12:21:59 ID:6keEnkms0
('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

('∀`)( `∀´)

('∀`)д( `∀´)

('A`)川д( `ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)

(;`ー´)「ワーーープ!!」

すぐさま腕時計のボタンを押す。
一瞬にして地球へとワープする二人。

(;'A`)「何あれ今の??」

(;`ー´)「だから言ったろ幽霊が出るって。」

(;'A`)「正直俺には除霊なんてできないぞ。」

(;`ー´)「何かいい方法はない?」

(;'A`)「あー。塩まいたり盛り塩したらいいんじゃないか。」

( `ー´)「いいねそれ。」

そういうことになりそのまま近くのスーパーに向かう。
塩以外にも線香なども購入することにした。

322名無しさん:2018/09/28(金) 12:22:21 ID:6keEnkms0
( `ー´)「おいドクトラセブン、だいぶ地球人にジロジロ見られてるぞ。」

一般人A「奥さん見てアレ。ドクトラセブンじゃないの?」

一般人B「本当だわ。宇宙人も買い物するのね。」

ヒソヒソ

一般人C「お、ドクトラセブンじゃん、写真とっとこ。」

カシャッ

( `ー´)「マナーがなってないなここの連中は。そこから教育してやれよ。」

('A`)「おかしいな、いつもはこんなに見られることなかったのに。」

それはそうだ。ドクトラセブンのまま買い物していれば注目を浴びる。

レジ店員「当店のポイントカードはお持ちですか?」

('A`)「ああはい、あります。」

どこからともなく財布を取り出しカードを渡す。

レジ店員(ウチのカード持ってるんだ、まさか常連?)

レジ店員(というかどこから財布出した?)

謎の空間からとモノを取り出すのはよくあることだ。

323名無しさん:2018/09/28(金) 12:22:42 ID:6keEnkms0
買い物を済ませてまた宇宙船へと向かう。
適当に塩をまき、それっぽくお経を唱える。
ところどころに盛り塩をしておく。

('A`)「フーッ、これだけやれば被害者の怒りもおさまるだろう。」

( `ー´)「しっかり成仏してくれよ。」

一応様子を見るため少し滞在する。
船内にあるネーノ茶を飲みながら雑談。

( `ー´)「どうなん、地球防衛の仕事は?」

('A`)「結構手慣れてきた感じかな。俺にかかればこんなもんよ。」

( `ー´)「へー。」

('A`)「ネーノはどうよ。」

( `ー´)「最近はどこも規制が厳しくてね。なかなか残虐なことできないぜ。」

('A`)「おいおい、お前も残虐行為やってんじゃないかよ。」

( `ー´)「いっけねー。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

盛り上がっているところで異変が起きた。
少しずつ盛り塩が勝手に動き出したのだ。

('A`)「あ……」

ズズズズズ……

音を立てながらゆっくりと何か文字になっていく。

『この恨みはらさでおくべきか』

('A`;)(;`ー´)「……。」

('A`;)д(;`ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)「!!!」

(;`ー´)「ワーーープ!!」

すぐさま腕時計のボタンを押す。
一瞬にして地球へとワープするネーノ星人。

324名無しさん:2018/09/28(金) 12:23:40 ID:6keEnkms0
('A`;)川д川

(;'A`)川д川

(;'∀`)「あ、どうも。」

(;'∀`)川д川「……。」

(゚A゚)人「ドクトラワーーープ!!」

ドクトラワープとはドクトラセブンの必殺ワープだ。
両手を合わせて念じることで一瞬にして遠くへとワープできるのだ。
ただし、エネルギーを激しく消耗するので多用はできない。

(;゚A゚)「はぁはぁ…」

( `ー´)「どう?倒してきた?」

(;゚A゚)「倒してきた?じゃねぇぇぇ!!」

(;゚A゚)「俺を置いていくなよ!!」

( `ー´)「そこは天下無敵のドクトラセブン様に頑張ってもらおうと思って。」

(;'A`)「本当に出し抜きとかやめよう。」

( `ー´)「でも困った。めっちゃ怒ってる。」

( `ー´)「この星で頼りになる奴おらんの?」

('A`)「ヴィプトラ警備隊以外の連中で頼れそうなやつといえば……」

('A`)「あいつがいたな。」

325名無しさん:2018/09/28(金) 12:24:13 ID:6keEnkms0
ちゃぶ台を囲みながらお茶を飲む三人。

('A`)「今度からほうじ茶置いてくれよ。」

( `ー´)「お茶ならジャスミン茶がよかったな。」

≫(‘♀’)≪ 「来るなり文句とはいい度胸してるじゃないか君ら。」

( `ー´)「しかし、チョウチンアンコウ星人の生き残りがいるとは驚いたね。」

( `ー´)「てっきり絶滅したもんだと思ったぞ。」

≫(‘♀’)≪ 「それでどうしたんだい?」

('A`)「かれこれしかじかで。」

≫(‘♀’)≪ 「それは私に言われてもどうしよもないよ。」

( `ー´)「そこを何とか。同じ宇宙人同士じゃないか。」

( `ー´)「手伝ってくれないならチョウチンアンコウ星を滅ぼすぞ!」

( `ー´)「ってもうないんだった。」

('A`)「おいおい、ブラックなジョークはやめてやれよ。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

≫(‘♀’)≪ 「……。」

≫(‘♀’)≪ 「正直、事故だというのは嘘だと私は思っている。」

(;`ー´)「ちょ…本当だよ信じてくれよ。」

('A`)「おいおい人さんよぉ、長旅で信じる心を忘れちまったのか?他人を信じること、それが大切なのだよ。」

≫(-♀-)≪ 「君がそう言うなら私はこれ以上は何も言わないよ。」

≫(‘♀’)≪ 「幽霊で困っているというなら、専門である寺とかに行ったらどうだい。」

('A`)「流石は人さん、ナイスアイディア!」

( `ー´)「よくやった絶滅危惧種!せいぜい長生きして絶滅を長引かせろよ。」

( `ー´)「それじゃ寺に行こうぜドクトラセブン。」

326名無しさん:2018/09/28(金) 12:24:36 ID:6keEnkms0
適当な寺を見つけて坊さんに泣きつく。

( `ー´)「―――っていうことなんだよ助けてくれ坊さん。」

('A`)「相手は宇宙人だが信じてください。」

お坊さん「いや……ドクトラセブンが言うなら信じましょうか。」

お坊さん「しかし、ネーノ星人さん。あなたはかなりの恨みを買ったようですね。」

お坊さん「こんなに禍々しい怨念は初めてですよ。」

(;`ー´)「……。」

お坊さん「一番大切なのは心の底からの謝罪です。誠心誠意謝ることが許されることでは必要ですよ。」

(;`ー´)「何度も心の底から謝っているのだがな。」

お坊さん「……。」

お坊さん「いいでしょう。ではこのお札を宇宙船の中に貼りなさい。」

お坊さん「あなたのことを守ってくれるでしょう。」

( `ー´)「話が早いな坊さん、ありがとよ。」

('A`)「ご協力感謝です。では。」

お札を受け取るなり颯爽と飛び出していく二人。

お坊さん(正直あれ程の恨み,お札で封じ込めるか)

お坊さん(何をしたのか知りませんがこの世は因果応報ですよ)

327名無しさん:2018/09/28(金) 12:24:59 ID:6keEnkms0
宇宙船に着くなり素早くお札を張り付ける。

( `ー´)「よし、これであいつも成仏したんかな?」

('A`)「安らかに眠り給え。」

( `ー´)「お前は運が悪かったんだよ。恨むなら自分の運命を恨め。」

('A`)「まあこれで解決ってわけか。」

( `ー´)「いや本当助かった。呪い殺されるんじゃないかと思ったからな。」

('A`)「これからは今までの行いを悔いて生きて行けよ。」

( `ー´)「坊さんにでもなるかな。そうすりゃ自分で除霊もできるし。」

('A`)「コラァ!反省が見られないぞ!」

( `ー´)「おっとこりゃ失礼。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

無事事件も解決したし最後は笑って締めよう。
そう思って馬鹿笑いしている時だった。
突然バリバリッと音を立ててお札が破け飛んだ。

('∀`)( `∀´)「!!!」

('A`)川д( `ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)

(゚A゚)人(;`ー´)「ワーーープ!!」

二人してワープする。

328名無しさん:2018/09/28(金) 12:25:27 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「あのクソ坊主!!効果ねぇ札なんて渡しやがって許さねぇぞ!!」

(;゚A゚)「お前ー!!また置いてこうとしたろ!!」

( `ー´)「いや時間稼ぎになるかなって。」

(;゚A゚)「あんなのと戦えるか―!!!」

( `ー´)「落ち着けよ。次の作戦を考えないと。」

(;゚A゚)「はぁはぁ…」

('A`)「しかし坊さんの札でもダメとなるとな。」

二人して次の作戦を考えている最中、後ろの方で空間がゆがむ気配がした。

('A`)д( `ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)

(;`ー´)「嘘だろ!!!なんで???」

川д川9m「オ…オボエタ……」

ドクトラセブンを指さす。

(;'A`)「ハハ……嘘やん……」

死んでから成長するって嘘でしょ。
あの技習得するのにすごく苦労したんだよ?
そんな見よう見まねで出来る普通?

(;'A`)「死んでからも技を習得するなんて勉強熱心ですねー。」

後ずさりしながらなんとか時間を稼ごう。

(;`ー´)「流石は社畜の星ですね。国民性がはっきりわかるよ。」

川д川「……。」

返事をすることなくゆっくり近づいてくる。
もう漏らしそう。

329名無しさん:2018/09/28(金) 12:26:38 ID:6keEnkms0
そんな時にこの地球で教えてもらった技のことを思い出した。
ブーン直伝の技だ。

『( ^ω^)「いいかドクオ。これはピンチに陥った時の一発逆転の技だ。」』

『( ^ω^)「俺もこの技で何度命を救われたか。ここぞという場面で使うんだぞ。」』

('A`)(あの技しかない)

(;'A`)(しかし、失敗したら死を意味する)

('A`)(だがこの窮地を脱すにはこの技しかない)

覚悟を決めたドクトラセブン。新技を繰り出す。
空高く飛び体をひねりながら高速回転をする。
幽霊の目の前に着地すると両膝と手を地面につけ、額も地面にこすりつける。
これがブーン直伝のジャンピング土下座。

『( ^ω^)「いや本当これが決まると、どんなことでもかあちゃんに許してもらえるんだ。」』

これは決まったろ。

('A`)「すみませんでしたぁ!!許してくださいィ!!」

('A`)「そもそも僕は何もしていないでしょう!」

('A`)「だから僕の命だけはどうか助けてぇ!!」

('A`)「何でもしますからぁ!!」

必死の命乞い。
どうだ、これなら許すしかないだろ?

ちらりと幽霊の顔を見上げる。

川д゚川

あっダメだこれ。
殺意満々な目で睨みつけてくる。

(((((;'A`)))))

震えが止まらない。ついでに失禁してた。
身体って不思議だ。追い込まれたときは勝手に震えて漏らしちゃうんだもん。

330名無しさん:2018/09/28(金) 12:27:05 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「あ、テメー!」

( `ー´)(いやでもこれが地球の謝罪の仕方か?)

( `ー´)(俺もやるしかねぇ)

滑り込みながら土下座するネーノ星人。

( `ー´)「ごめんなさい許してください!!」

( `ー´)「なかなか死ねなくなる薬を投与して一週間ほど拷問してすみませんでした!!」

(;'A`)「?!」

( `ー´)「苦しみ悶えるあなたの顔をオカズに飯を食べてごめんなさい!!」

( `ー´)「拷問でグロテスクな顔になったあなたを罵倒してすみません!!」

( `ー´)「あなたの家族も同じ目に合わせてやると言ってごめんなさい!!そんなことしませんから!!」

( `ー´)「地球も滅ぼすとか言いましたが諦めます!!」

(;'A`)「おまえ……」

(;`ー´)「ホントごめんなさい、許してくださいぃぃ!!」

(;`ー´)「地球の子供だって小さい昆虫を殺して遊んだりするだろ。あれと同じだって!」

(;`ー´)「舐めろというなら靴でも舐めますからぁ!!あ、幽霊は足ないんでしたね。」

(;`ー´)「お願い殺さないでぇ!!」

( `ー´)(これだけ謝れば許してくれるだろう)

チラリと顔を上げる。

川д゚川

あ、めっちゃ怒ってる無理だこれ。
ジョーっという音とともに失禁。

331名無しさん:2018/09/28(金) 12:27:30 ID:6keEnkms0
川д川「グルルルル……」

( `ー´)(これ死んだ)

もうネーノ星人が諦めたその時だった。

(;'A`)「待つんだ!」

幽霊とネーノ星人の間に割って入るドクトラセブン。

(;'A`)「君がこいつを呪い殺してはダメだ。」

(;'A`)「確かにこいつは君に何をされても文句は言えないことをした。」

(;'A`)「でもだからといって殺してしまっては君の清い魂が汚れてしまう。」

('A`)「君は清い魂のまま天国に行くべきだ。」

('A`)「こいつは宇宙連盟が責任をもって裁くよ。」

(;`ー´)「はい。宇宙連盟で罪を裁かれてきます!!だからお願い助けて!!」

川д゚川

(;'A`)「あ、お気に召さないのであれば彼のことは好きにしていいです。」

(;`ー´)「おいドクトラセブン、テメー!!」

(;`ー´)「ヤるならこいつも一緒にヤれ!!」

(;'A`)「やめてぇえぇぇ!!」

もう一度失禁。
すごい。まだ出るんだ。

川д川「……。」

幽霊がおれに微笑んだ気がした。

(;'A`)「?!」

スーッと天に召されるような感じで消えていく幽霊。
どうやら俺の思いが通じたようだ。

332名無しさん:2018/09/28(金) 12:27:52 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「助かったのか?」

(;'A`)「たぶん。」

その後、宇宙船にワープして船が動くかどうか確認した。

( `ー´)「よかったすべてのシステムが動いてる。」

('A`)「そうかよかった。自分一人で宇宙連盟の本拠地まで行けるな。」

( `ー´)「ああ、そこですべてを話して罰を受けてくるよ。」

('A`)「外に出れるのはいつになるかわからないが、しっかり懺悔して来いよ。」

( `ー´)「ありがとうドクトラセブン。お前のおかげで自分のしてきたことの恐ろしさに気づけたよ。」

('A`)「では俺は帰るが、お前が生まれ変われることを願っているよ。」

そう言い残してワープしていくドクトラセブン。

( `ー´)「さて俺も行かなくてはな。」

( `ー´)「地球、なんて恐ろしい星なんだろうか。」

( `ー´)「早く立ち去ろう。」

そう呟きながら宇宙船を動かす。
残虐非道のネーノ星人も、さすがに恐ろしい出来事の後で心を入れ替えることができたのだろうか。

333名無しさん:2018/09/28(金) 12:28:14 ID:6keEnkms0
('A`)「いやー、また助けを求める弱き者を助けてしまった。」

≫(‘♀’)≪ 「自画自賛では?」

('A`)「いやいや、これがおれの実力さ。」

ズズズ

差し出されたお茶をすする。

('A`)「やっぱりお茶はほうじ茶だな。」

≫(‘♀’)≪ 「しかし、無事解決したのならなんでまたウチに来たんだい?」

('A`)「だってもうすぐデレさん帰ってくるだろ。」

≫(#‘♀’)≪ 「あぁ?」

(*'A`)「週末にデートに誘うかなと。」

≫(#‘♀’)≪ 「ハッ、残念だったな今度の週末はデレさんと映画に見に行くのさ。」

(;'A`)「な!」

(#'A`)「そんな馬鹿なことがあるか!!嘘だと言え!!」

≫(‘♀’)≪ 「残念だなぁ。これが現実なのだよ。」

<(;'A`)>「そんなの嘘だぁあぁ!」

≫(‘♀’)≪ 「ハーッハッハッハ!」

334名無しさん:2018/09/28(金) 12:28:50 ID:6keEnkms0
(;'A`)「そんなこんな魚野郎と二人でデートだなんて……。」

≫(;‘♀’)≪ 「まあ二人っきりじゃないんだがな……。」

≫(;‘♀’)≪ 「佐藤君も一緒だ。」

('A`)「それで何時にどこ集合かな?」

≫(;‘♀’)≪ 「君も来るつもりか。」

('∀`)「映画はみんなで楽しく見ようや。」

かわいそうな犠牲者が出たのは悲しいことだが、無事説得もできたし悪い奴も改心させることもできた。
相手を倒すだけがヒーローの仕事じゃないんだ。
地球人も宇宙人も変われる。それがきっと大切なんだ。

≫(‘♀’)≪ 「所で風呂に入ってくれないか。」

('A`)「?」

≫(‘♀’)≪ 「ションベン臭くてたまらん。」

(;'A`)「……」

≫(‘♀’)≪ 「気になってたんだがその体でどうやって排泄するんだ。」

('A`)「そんなんこうやってこうや。」

≫(゚♀゚)≪

見てはいけないものを見た。そんな気がした人であった。

335名無しさん:2018/09/28(金) 12:29:12 ID:6keEnkms0
( `ー´)「だいぶ地球から離れたな。」

( `ー´)「……。」

(#`ー´)「ちぃ、地球人ごときがこの俺様をあんなにも恐怖に叩き落すとは……」

(#`ー´)「絶対に許さん!!」

( `ー´)「宇宙連盟の本拠地?誰がそんなところに行くか!!」

( `ー´)「ネーノ星に帰って艦隊を連れて地球を攻撃してやる!」

( `ー´)「待っていろ地球人、地獄がどんなものか見せてやる!!」

(#`ー´)「あのクソ女の家族にはたっぷりと仕返ししてやるからな!!」

( `ー´)「フフフ!」

( `∀´)「アハハハハハハ!!」

川( `∀´)

川д( `∀´)

川д゚(;`∀´)

数日後、無人の宇宙船が発見された。

第十一話『この恨み』

終わり

336名無しさん:2018/09/28(金) 12:29:58 ID:6keEnkms0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

337名無しさん:2018/09/28(金) 15:35:34 ID:pDmNRpp60
乙!
ネーノざまぁ

338名無しさん:2018/09/28(金) 15:40:40 ID:3V9eJkDQ0
乙!
なんだかんだ地球が強い

339名無しさん:2018/09/29(土) 02:55:42 ID:74ChCoUY0
ネーノざまぁ
苦しみ抜いてし、ね

340名無しさん:2018/09/29(土) 10:46:55 ID:r5p/GYNY0
最強兵器貞子

341名無しさん:2018/10/17(水) 18:11:55 ID:i2iryNdI0
おい!ヴィプトラ警備隊なにしてるんだ。このままじゃ、地球が宇宙人に征服されちゃうだろ!!!

342名無しさん:2018/10/21(日) 01:18:12 ID:7UyEXeOI0
すみません、最近サボってました。
これから投下します。

343名無しさん:2018/10/21(日) 01:18:42 ID:7UyEXeOI0
第十二話『ペテン師』

( ^ω^)「そういえば隊長、もうすぐ新型兵器のコンペ大会ですね。」

爪'ー`)「そういえばもうそんな時期か。」

ヴィプトラ警備隊では年一回新型兵器のコンペ大会をやっている。
そこで勝ち抜いたものがヴィプトラ警備隊の装備品として支給されるようになる。
そして未完成でも見込みありと見られれば金銭的な支援などが得られるのだ。
だが逆に言えば見込みがないと判断されれば支援は切られてしまう。

(,,゚Д゚)「去年見た感じだとバルケン博士の生物兵器が今年は来るんではないですかね。」

( ^ω^)「あー、あのライオンをベースにした生物兵器を作った博士か。確かにすさまじい戦闘力だったな。」

爪'ー`)「いやどうかなあの兵器は。」

(,,゚Д゚)「隊長はあまり評価してないみたいですね。」

爪'ー`)「我々が求めるのは戦闘力のみじゃないぞ。去年は途中で暴走して危うく大惨事直前だったじゃないか。」

(,,゚Д゚)「そこを改善して乗り越えてくるのが科学者というのもじゃないですか。」

爪'ー`)「正直、生物兵器は根本的に間違ってると思うぞ。」

344名無しさん:2018/10/21(日) 01:19:15 ID:7UyEXeOI0
  _
( ゚∀゚)「俺はアサピー博士のロボット兵器に期待したいな。」

( ^ω^)「あの首だけしかなかったやつか?おしゃべりの相手が欲しいわけじゃないんだぜ俺たちは。」
  _
( ゚∀゚)「待て待てギコ。確かに去年は首だけのロボットだったが、まるで人間としゃべっているかのようなAIを完成させていたじゃないか。」

(,,゚Д゚)「確かに人間のようにしゃべっていたが、もう少し品格とか言葉使いとかどうにかしてもらいたかったがな。」

爪'ー`)「まさかステージ上から喧嘩売られるとは思わなかったよ。ホント誰かさんみたいで怖かった。」

去年参加していた四人は同時に一人の人物を見つめた。

ξ゚⊿゚)ξ「おん?どうしたお前ら?そんなに私を見つめて。」
  _
( ゚∀゚)「少なくともアップデートしてまともなAIにさえしてボディも完成すれば、これから先の宇宙人との戦闘ではロボットがやってくれるわけですから。」

爪'ー`)「そうなればいよいよ我々はロボットにとって代わられるわけだな。」
  _
(;゚∀゚)「危険な仕事が減るのはいいことではないですか。」

ξ゚⊿゚)ξ「リストラするなら老害たちから頼むぜ!」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(リストラ筆頭はお前だよ)

('A`)「しかしそんなにすごいロボットがこの地球で作られているのか?」
  _
( ゚∀゚)「ああ、ドクオは去年いなかったもんな。ちょうどその時の動画があるから見てみるか。」

そう言ってジョルジョが動画を流す。

345名無しさん:2018/10/21(日) 01:19:53 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「それでは皆さんに見ていただきたいのがこちらの『メタリックレモナ』です。」

ステージ上で自己紹介を済ませてアサピー博士が机の上にかけられた布をとると、首から上のみの女型のロボットが置かれていた。

(-@∀@)「さあメタリックレモナ、皆さんにあいさつしてごらん。」

|゚ノ ^∀^)「おうテメーら、人の顔をじろじろ見てんじゃねーよ。」

口を開けばみなが期待した感情がなく丁寧な言葉でのあいさつではなく、人間らしいすらすらした喋りで汚い言葉を話し始めた。

|゚ノ ^∀^)「見せ物じゃねーんだよ!!」

(;-@∀@)「あー、メタリックレモナさん自己紹介しようか。」

|゚ノ ^∀^)「ああ、すまんそうだな。」

|゚ノ ^∀^)「あぁん?」

|゚ノ ^∀^)「おい!!そこのおっさんなにガンくれてんだよ!!」

346名無しさん:2018/10/21(日) 01:20:19 ID:7UyEXeOI0
|゚ノ ^∀^)「そこのデブの隣のテメーだよ!!えっ俺?みたいな仕草をしたお前だよ!!」

|゚ノ ^∀^)「喧嘩売ってんなら相手してやんぞ!!」

爪;'ー`)「いや、ただ普通に見てただけなんだが……。」

|゚ノ ^∀^)「どうしたかかって来いよ!テメー玉無し野郎か?」

爪;'ー`)「一応おれそれなりの地位の人間なんだが。ちょっとこれはまずいんじゃないか?」

|゚ノ ^∀^)「来ねーならこっちから行くぞ!そこの席だな!待ってろや!」

爪;'ー`)「その状態でか?」

(;-@∀@)「落ち着こうな。メタリックレモナ。」

|゚ノ ^∀^)「私はやると言ったらやるぞ!ぶちのめしてやる!」

(;-@∀@)「とりあえずおじさん謝って。」

爪;'ー`)「え?」

(;-@∀@)「こうなっちゃうと収まり効かないからさ。お願いしますよ。」

とんでもない話ではあるがここは大人になってやるか。そう思ったフォックスは軽く「すまなかった。」と頭を下げた。

|゚ノ ^∀^)「テメーは謝り方も知らねえのかよ!頭を地面にこすりつけろよ!」

(;-@∀@)「ああ!ちょっとレモナ待って!!」

そんな感じでろくに研究成果の発表もできぬままアサピー博士の発表は中断された。

347名無しさん:2018/10/21(日) 01:20:55 ID:7UyEXeOI0
(;'A`)「確かにAIのレベルは人間に近いようだがこれはちょっと……。」

爪'ー`)「今思い出してもよくあの内容で資金援助が受けられたものだ。」
  _
( ゚∀゚)「完璧な自我を持っていましたからね。自分で考えて動くこと。これが新型兵器は重要とされることですよ。」

( ^ω^)「でもあんな知能のロボット兵器が配備されても困るぜ。」

ξ゚⊿゚)ξ「そう?面白そうなやつじゃん。」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(お前みたいのがこれ以上増えてたまるか)

(,,゚Д゚)「でもアサピー博士と言えば中々な苦労人だよな。確か去年のコンペ大会前日に奥さんを事故で亡くしてるんだっけ。」
  _
( ゚∀゚)「そこら辺のエピソードも応援したくなるんだよな。」

('A`)「おいおいマジかよ。そんな状況でよくやったなこんなこと。」
  _
( ゚∀゚)「アサピー博士、親は脳科学の世界的な研究者。博士自体も最初は脳と機械を直接繋げる研究を行うが突如としてロボット工学の道へ。」
  _
( ゚∀゚)「そこでは今まで磨いてきた脳の知識を生かし、人間に近いAIを持ったロボット兵器の開発に挑んでいた。」
  _
( ゚∀゚)「やっと形になった製品披露の前日に最愛の妻が自動車事故で端から川に転落。かなり深い河のせいで奥さんの死体は発見できなかったそうだ。」

348名無しさん:2018/10/21(日) 01:21:21 ID:7UyEXeOI0
  _
( ゚∀゚)「自分と息子を残して逝ってしまったが、挫けることなく今も兵器開発に尽力を尽くしている。」
  _
( ゚∀゚)「まさに科学者の鏡ですよ。」

( ^ω^)「うーん、ただたんに研究にとりつかれているだけじゃないのか?」

('A`)「科学者によくありがちな自分の研究第一野郎ってことか。おっそろしいったらありゃしない。」
  _
( ゚∀゚)「何言ってんだ二人とも。あのメタリックレモナは奥さんのレモナさんをモデルにして作られたんだぞ。それだけ愛した人なんだ。」

爪'ー`)「まあともかくだ。上の方から有力候補の博士護衛の仕事が回ってきている。下手したら侵略者たちに狙われるかもしれんからな。」

爪'ー`)「アサピー博士はドクオとジョルジョ、バルケン博士はブーンとギコが護衛してくれ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「私もどこか遊び行きたいんだけど。」

爪'ー`)「それならVIP研究所で変身ベルトの研究をしているそうだからそこの警備を頼む。」

ξ゚⊿゚)ξ「よし来た任せろ!」

各自がそれぞれの護衛場所へと向かった。

349名無しさん:2018/10/21(日) 01:21:46 ID:7UyEXeOI0
( ,'3 )「どうぞブーン隊員とギコ隊員。ここが私の研究施設だ。」

バルケン博士の研究所に入っていく二人。

(,,゚Д゚)「博士の研究は去年見させていただきいましたが、生物兵器とはすごいですよ。」

( ^ω^)「ライオンのあれは分厚い鋼鉄を豆腐のように切り刻んでいましたからね。」

( ,'3 )「お世辞はよしてくれ。結局前回は制御が利かなくなり暴走し始めてしまった。」

(,,゚Д゚)「でも今回はもうそれを克服したんじゃないですか?」

( ,'3 )「ああ。今回のは完ぺきだ。」

( ^ω^)「おお、それはぜひ拝見させていただきたいですね。」

( ,'3 )「それは困るな。情報というものはどこから漏れるかわからないからな。」

( ^ω^)「博士は我々を信用していないのですか?!」

( ,'3 )「私は今回で勝ち抜かねば次がないのだよ。だから絶対に勝たなけれならない。だから悪いが何も教えられないし見せることもない。」

( ^ω^)「そんな……。」

( ,'3 )「まあベースの生物くらいは教えてやろう。ヒグマだ。」

( ^ω^)「おお、ヒグマですか。」

( ,'3 )「そうだ。だがそれ以上は何も言わんからな。私は奴に何としても勝たなければならない。あんなロボットになんぞ負けてたまるか!」

(,,゚Д゚)「アサピー博士のことですか?」

( ,'3 )「私は長年この研究に人生を費やしてきたのだ。あんな新参者に軽く持っていかれてたまるか!」

どうやらバルケン博士はアサピー博士に対抗意識を燃やしているようだ。

350名無しさん:2018/10/21(日) 01:22:20 ID:7UyEXeOI0
('A`)「こんにちはアサピー博士。ヴィプトラ警備隊のドクオとジョルジョです。博士の護衛に参りました。」

博士の家の呼び鈴を鳴らし声をかける。
ほどなくしてアサピー博士が出てきた。

(-@∀@)「待っていましたよお二人とも。どうぞ中へ。」

自宅を改装して自宅兼研究施設にしているようで、リビングでは息子のぃょぅがTVゲームをしていた。

(-@∀@)「ほらぃょぅ、二人にあいさつして。」

(=゚ω゚)「その守り方はダメでしょ。はい、ヘッショいただき!」

小学校低学年ほどの少年はヘッドホンをしてゲームに夢中のようであった。

(-@∀@)「まったくこの子は。すみませんね、ゲームに夢中になるといつもこうで。」

('A`)「はは、楽しんでいるならいいじゃないですか。」
  _
( ゚∀゚)「いやぁでも光栄だな。あのアサピー博士とお話しできるなんて。」

(-@∀@)「光栄だなんて、僕なんてまだ大したことない科学者ですよ。」

リビングのテーブルに座りながら、博士が淹れたコーヒーをすすりながら雑談をする。
  _
( ゚∀゚)「謙遜しないでくださいよ。あんなに人間に近いAIなんて初めて見ましたよ。」

興奮気味に語るジョルジョ。

(-@∀@)「未完成なあれをそこまで評価してもらえればうれしい限りだね。」
  _
( ゚∀゚)「ちなみに今回はどんなものを披露してくださるんですか?」

(;-@∀@)「あー、悪いね。当日まで作品は絶対内緒にしたいんだ。」
  _
( ゚∀゚)「そうですか残念です。」

351名無しさん:2018/10/21(日) 01:22:48 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「最終調整がうまくいってなくてね。前回の失態から未完成のものは見せたくないんだよ。」
  _
( ゚∀゚)「コンペまで日がそんなにありませんが大丈夫ですか?」

(;-@∀@)「なんとかするさ。おかげでここんところずっと研究室にこもりっぱなしだもの。他のことに手が回らなくて大変さ。」

('A`)「それにしたらこのリビングとかだいぶきれいじゃないですか。誰か掃除でもしてるんですか?」

(;-@∀@)「あ、ああ。息子のぃょぅがやってくれているんですよ。死んだ妻に似てそういうところはちゃんとしてくれてありがたい。」

('A`)「そうなんですか。早くに母親を亡くしたのにしっかりしているんですね。」

(-@∀@)「だから僕もしっかりしないとと思うのですが、どうもうまくいかなくてね。」
  _
( ゚∀゚)「焦りは禁物ですよ。息子さんのためにも亡くなられた奥様のためにも頑張りましょう。」

(-@∀@)「ありがとう。」

('A`)「……。」

博士とジョルジョは灘何か雑談しているようだが、ドクオだけが席を立ちぃょぅの元へと歩み寄る。

('A`)「やあぃょぅ君。面白いかいそのゲームは?」

ゲームに夢中な少年にやさしく語りかける。

(=゚ω゚)「あ!馬鹿何やってんだ味方!アホみたいに凸って死んでんじゃねぇ!noobどもめ!」

(=゚ω゚)「いきなり1対5ってマジかよ。」

352名無しさん:2018/10/21(日) 01:23:15 ID:7UyEXeOI0
('A`)「……。」

('A`)「ねぇねぇそれはなんてゲーム?」

(=゚ω゚)「ああ!!クソそこにいたのかよ、やられた。」

(;'A`)「ぃょぅ君話聞いてる?」

はぁ…というため息とともにヘッドホンを外すぃょぅ少年。

(=゚ω゚)「キモ貞に付いてる目玉は飾りかよ。ヘッドホンしてんのわからなかった?」

(=゚ω゚)「このゲームはレインボーセブンスシージってFPSなんだけど音を聞くのが重要なんだよね。」

(=゚ω゚)「周りでアホみたいに騒がれると気が散るんだけど。わかるキモ貞?」

(;'A`)「それは悪かった。でもキモ貞ってなんだい?」

(=゚ω゚)「キモい童貞のことだよおっさん。」

(#゚A゚)「どどどど童貞ちゃうわ!!何を言ってるのかな君は??言ってる意味が分からないなー。子供が何を言い出すんだ。」
(#゚A゚)「いやーびっくりだねお兄さん。いきなり童貞認定されるなんて俺が。俺は経験豊富だよ。まったくこれだから子供はねー、何を根拠にそんなこと言ってんだか。」
(#゚A゚)「本当困っちゃうな。大人をからかっちゃいけないよボーイ!あんまり舐めたこと言ってるとお兄さんも穏やかにはしてられないね。」

顔を真っ赤にして早口で反論する。図星をつかれたら人間平常ではいられない。必死のウソでごまかそうとする。

(=゚ω゚)「その反応マジでキモ貞じゃん。」

(#゚A゚)「ギギギギギ!」

353名無しさん:2018/10/21(日) 01:23:42 ID:7UyEXeOI0
(=゚ω゚)「お前モテたことねぇだろキモ貞。所詮童貞野郎には無理な話か。」

(#゚A゚)「このクソガキバカにしやがって!!童貞をなめるなよ!童貞の素晴らしさもわからないで!!」

(=゚ω゚)「その歳で童貞は誇れることじゃないだろ。」

(#゚A゚)「ジョルジョ!!何か言い返してやれ!!」
  _
( ゚∀゚)「え、俺が?なんで?」

(#゚A゚)「お前も童貞だろ!こんなガキに舐められてたまるかよ!」
  _
( ゚∀゚)「???」
  _
( ゚∀゚)「いや俺は童貞じゃないんだが……。」

(;'A`)「?!」

(;'A`)「おいおいジョルジョ、冗談はやめろよ。俺たちモテない同志じゃないか。お前も童貞だろ?」
  _
( ゚∀゚)「確かにモテないが、俺だって彼女がいた時期とかはあるぜ。」

(#゚A゚)「この裏切りもんがぁ!!」

奇声を上げながらジョルジュに飛びかかるドクオ。

(=゚ω゚)「哀れだなキモ貞。」

(#゚A゚)「キィィィ!!」

子供相手に全力でキレる男、それがドクオだ。

354名無しさん:2018/10/21(日) 01:24:12 ID:7UyEXeOI0
その後、夕方には護衛を切り上げて基地へと帰る。
24時間そばにいられるとプレッシャーで作業がはかどらないそうなので夜は護衛しないということになった。

(,,゚Д゚)「今年のバルケン博士は期待できますよ。」

バルケン博士組も同様の理由で護衛から帰ってきていた。

(,,゚Д゚)「どうやらアサピー博士に対抗心を燃やしているらしくて熱意がすごかったですよ。」

爪'ー`)「確かバルケン博士はずっと生物兵器開発に人生をささげていたからな。近年やっと注目されるようになたんだ。若造には負けられないだろう。」
  _
( ゚∀゚)「でもアサピー博士も負けてませんよ。ここ数年で兵器開発で突然現れた新星ですけど、今年は完成品を見れそうです。」

( ^ω^)「どっちが制すか今から楽しみだねぇ。」

( ^ω^)「……。」

( ^ω^)「で、あいつはどうしたんだ?」

( A )「俺は童貞じゃない俺は童貞じゃない俺は童貞じゃない……」 ブツブツ

作戦室の隅でブツブツと同じ言葉を繰り返す。子供相手に完全敗北を期した哀れな敗北者だ。
  _
( ゚∀゚)「それはほっといていいと思う。」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおい、VIP研究所も大したことなかったぞ。」

爪'ー`)「お気に召さなかったか?」

355名無しさん:2018/10/21(日) 01:24:44 ID:7UyEXeOI0
ξ゚⊿゚)ξ「試作品のベルトをつけてうろついてたらちょうど侵略者を見つけたから戦ったんだけどさ。」

ξ゚⊿゚)ξ「視界が見ずらいのや無駄にごちゃごちゃしたもんつけてて動きずらいし受け身とりずらい。」

ξ゚⊿゚)ξ「しかも息もしにくい上に中はかなり暑いときた。」
  _
( ゚∀゚)「まだ開発段階のものなんだから仕方ないんじゃないか。」

ξ゚⊿゚)ξ「意味が分からないのがフォームチェンジとかいうの。わざわざ敵の前でガジャット切り替える必要性。」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな隙を見せるなら初期フォームからパワータイプとスピードタイプ両方の特性いれとけよ。」
  _
(;゚∀゚)「いや、フォームチェンジはロマンだからさ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ロマン?命懸けの戦いにそんなもんはいらねぇよ。」
  _
(;゚∀゚)「……。」

爪;'ー`)「ツンヌがまじめに批評してる?!」

ξ゚⊿゚)ξ「しかも無駄に必殺技が多すぎる。エフェクトが派手なのはいいが、一番重要なのは使いやすい技だ。」

ξ゚⊿゚)ξ「必殺パンチとキックがあれば十分なんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「結局脱いで素手で倒したし。」

( ^ω^)「もう君に武器は必要ないのでは?」

(,,゚Д゚)「いつも思うがツンヌは本当に地球人なのだろうか。」

ξ゚∀゚)ξ「自分にできないことを成し遂げる人間を見てひがむなよ。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

356名無しさん:2018/10/21(日) 01:25:17 ID:7UyEXeOI0
それからは基地と博士の家を行ったり来たりの日々だった。
  _
( ゚∀゚)「でも博士、なんでまた脳科学の道からロボット工学へ?」

(-@∀@)「……。」

(-@∀@)「話せば長いが、簡単に言うとロボット工学の方が僕の力を発揮できると思ったからさ。」

('A`)「脳科学のときはどんな研究を?」

(-@∀@)「脳と機械を直接つなぐ……究極を言えば機械の体に脳みそを移植するという研究かな。」
  _
( ゚∀゚)「サイボーグですか。」

(-@∀@)「そんなとこなんだけど倫理的にも実験で使えそうな脳みそ確保もできずに諦めたけどね。」

(-@∀@)「でも何においても人類にとって役に立つ研究がしたかったわけですよ。」

('A`)「立派ですね博士は。それに比べて息子ときたら。」

チラリと目を向けるといつも通りゲームをしているぃょぅ。

('A`)「立派なお父さんがいるのに君はまたゲームかね?まったくかわいげのないガキなことだ。」

(=゚ω゚)「あー、何も聞こえないなぁ。たとえ聞こえてもキモ貞という人生の負け犬に何を言われても何も思わないけど。」

357名無しさん:2018/10/21(日) 01:25:50 ID:7UyEXeOI0
(#'A`)「ギギギ…クソガキめ。」

('A`)「子供は子供らしく外で遊んだらどうだ。行きたいのであれば遊園地にだって連れてってやるぞ。」

(=゚ω゚)「先週ママとネズミーランド行ったばっかだし。」

('A`)「ああそうかい。」

('A`)「ん?ママと?」

(-@∀@)「……。」

(-@∀@)「すみませんねドクオさん。まだぃょぅはレモナが死んだことを受け入れられていないのですよ。未だにレモナを見たなどといってしまうのです。」
  _
( ゚∀゚)「なんてかわいそうな。」

('∀`)「そうかそうか。そりゃぁまだ子供だもんな。どんなに強がったって所詮は弱っちい子供よ。」

(=゚ω゚)「なんだいつもよりキモい顔しやがって。」

('∀`)「無理に強がるなよ。お兄さんが遊び相手になってやるからな。」

(=゚ω゚)「……。」

毎日のように護衛に行きアサピー博士を雑談してぃょぅに暴言を吐かれる。
そんな日々が過ぎていきいよいよコンペの前日の夕方となった。

358名無しさん:2018/10/21(日) 01:26:20 ID:7UyEXeOI0
( ^ω^)「ではバルケン博士、我々はこれで帰ります。」

(,,゚Д゚)「明日は成功を祈っています。」

( ,'3 )「ありがとう二人とも。明日は死力を尽くすよ。」

( ,'3 )(そうすべては明日なのだ)

( ,'3 )(たとどんなことをしてでも奴のロボット兵器に勝たなくてはならない)

( ,'3 )(どんな手を使ってもな…)

バルケン博士は走馬灯のようにこれまでの人生を振り返る。
周りからは自分の研究を馬鹿にされても負けずにひたすら研究を続け。
資金面では何度も頭を下げて食費などの生活費を削りすべてを研究に費やした。

( ,'3 )「……。」

恋愛や人付き合いなどすべてを犠牲にしてきた。自分にとって親しい人などいない。
それほどまでに愚直に研究のみにすべてをかけたのだ。いつか報われると信じて。
だからこそアサピー博士に負けるわけにはいかないのだ。
負け=研究の否定=自分の人生は無駄だったということになる。そんなのは許されない。

( ,'3 )「クマーよ、お前は私の最高傑作だ。必ず勝利してくれると信じている。」

(・(エ)・)「グルルルル……。」

鉄格子を挟んで自分の作品と向かい合う。
自分がこいつのすごさを一番よく知っている。
においをかげば執念深くどこまでも追跡し、圧倒的パワーと驚異的な耐久力を誇る。
相手が何であろうと負けるはずがない。

だが自分でもわかっている。ヴィプトラ警備隊が求めるのは獣臭い生物兵器ではなく、人工知能を搭載したロボット兵器だと。
でもだからといって白旗など上げられないのだ。諦めるわけにはいかない。

( ,'3 )「いざというときは戦ってでも……。」

359名無しさん:2018/10/21(日) 01:26:51 ID:7UyEXeOI0
  _
( ゚∀゚)「今日も博士との雑談楽しかったです。明日は博士の勝利を信じてますよ!」

('A`)「明日の朝は会場まで護衛に来ますのでよろしくお願いします。」

(-@∀@)「明日もよろしく頼みますよ。」

('A`)「でも博士調整は完ぺきなんですか?」

(;-@∀@)「あ、あぁ大丈夫完璧さ。」

(;-@∀@)「ではまた明日。」

(=゚ω゚)「一人で凸ってディフィーザー目標部屋に落としてってんじゃねぇ!!」

また野良に暴言を吐いているぃょぅ。
その様子をじっと見つめるアサピー博士。

(;-@∀@)(明日、明日さえ乗り切れれば……)

(-@∀@)「ぃょぅちょっといいかい?」

(=゚ω゚)「なにパパ?」

(-@∀@)「明日のことでお願いがあるんだ。」

そう言って今まで誰もいれなかった研究室にぃょぅを連れていく。

(-@∀@)(すべては明日を乗り越えること)

(-@∀@)(明日さえ乗り越えられればいいのだ)

(-@∀@)(どんなことをしてもな!!)

各々の思惑が交差する。
そうしてコンペ当日を迎えるのであった。

360名無しさん:2018/10/21(日) 01:27:22 ID:7UyEXeOI0
('A`)「おはようございます博士。お迎えに参りました。」

(-@∀@)「おはよう。何とか調整が完了したよ、見てくれ二人とも。」

ガシャン!ガシャン!と音を立てて一台の子供型ロボット兵器が歩いてきた。
その外見は小学校低学年の子供くらいの大きさだがメタリックな外装、いろいろな装置がごてごてと取り付けられている。
だが人間のように軽快に歩いて登場してきた。

(十)「おはよう。」
  _
( ゚∀゚)「おお!これが完成品ですか?」

(-@∀@)「これが私が作り上げた原子王です!」

('A`)「スゲー」

(-@∀@)「出は早く会場に行きましょう。」
  _
( ゚∀゚)「あれぃょぅ君は?」

(;-@∀@)「ぃょぅは今日は家にこもってゲームするそうなので。時間ないですし早く生きましょう。」
  _
( ゚∀゚)「そうですか。わかりました。」

('A`)「しっかしなんでまたこんなガキみたいなサイズで?」

(;-@∀@)「そりゃぁ……まぁいろいろとあってね。」

(十)「キモ貞はうろせぇないつも。」

('A`)「いろいろですか。」

('A`)「……」

('A`)(キモ貞?)

若干の違和感を感じながら会場に急ぐ三人と一台。

361名無しさん:2018/10/21(日) 01:27:50 ID:7UyEXeOI0
コンペが始まり、何人かの研究者の発表が終わらせいよいよアサピー博士の番となった。
会場には各種関係者からただの一般市民まで数千人ほどが見に来ていた。

(-@∀@)「皆さんお久しぶりです。去年は散々だったアサピーです。」

(-@∀@)「でもご安心を今年は完ぺきなものをご覧に入れましょう。」

(-@∀@)「カモン!原子王!」

その掛け声とともに観客席に手を振りながら原子王がステージ上に現れた。

(十)「どうもみなさん、俺が紹介いただいた原子王です。」

爪'ー`)「どうやら今年はまともなAIになったみたいだな。」

( ^ω^)「これなら実戦配備してもいいですね。」

最前列に座るヴィプトラ警備隊の隊員たちがああでもないこうでもないと言い合っている。

ξ゚⊿゚)ξ「しっかしまたなんでこんなちんちくりんなサイズ?」

(-@∀@)「皆さんも驚きでしょう。こんなに小さくて大丈夫なのかと。」

(-@∀@)「逆ですむしろ。僕に言わせたらね。」

(-@∀@)「何事もデカけりゃいいというものではないのですよ。戦闘においてでかいってことはただの的。」

(-@∀@)「被弾面積を減らして物にも隠れやすい方が戦闘では有利。」

(-@∀@)「そして見せてあげなさい原子王お前の運動力を。」

(十)「OK!」

ステージ上を側転バク転宙返りをきれいに決めて着地する。
おお!という歓声が巻き起こる。

(-@∀@)「小さいからこそ軽快にこのような技ができるのです。これに武器を持たせれば敵などあっという間に殲滅できますよ。」
  _
( ゚∀゚)「今年はアサピー博士に決まりですね!」

興奮気味に立ち上げるジョルジョ。

(;゚Д゚)「ま、まだだ。バルケン博士だって……」

('A`)(どうも引っかかるな……)

362名無しさん:2018/10/21(日) 01:28:26 ID:7UyEXeOI0
その頃、順番待ちをしているバルケン博士はその光景を裏方から覗いていた。

( ,'3 )「ぐ……ここまでのものを作り上げてくるとは……」

( ,'3 )(こうなれば最終手段に出るしかない)

(十)「あらよ。」

裏方で不穏な動きがあるのを知らずに逆立ち歩きをしながらステージ上を回る原子王。

(-@∀@)(順調だ、これならパターンAで大丈夫そうだ)

('A`)(……)
   _
『( ゚∀゚)「アサピー博士、親は脳科学の世界的な研究者。博士自体も最初は脳と機械を直接繋げる研究を行うが突如としてロボット工学の道へ。」』
   _
『( ゚∀゚)「やっと形になった製品披露の前日に最愛の妻が自動車事故で端から川に転落。かなり深い河のせいで奥さんの死体は発見できなかったそうだ。」

『(;-@∀@)「ぃょぅは今日は家にこもってゲームするそうなので。時間ないですし早く生きましょう。」』

『(十)「キモ貞はうろせぇないつも。」』

('A`)(まさか!)

ずっと気になることがあったドクオは発表中今までの記憶をたどっていた。
そしてそれが一本の線でつながったのだ。

('A`)「アサピー博士!あの野郎なんてことをしてやがったんだ!」

怒りに任せて立ち上がるドクオ。

363名無しさん:2018/10/21(日) 01:29:36 ID:7UyEXeOI0
去年のコンペ前日に妻が事故にあい死体は見つからない。
その翌日には妻そっくりのロボットが出てきた。
そして今年は息子の姿がなく背丈が息子と同じロボットが……
それを過去に脳と機械をつなげる研究をしていた科学者がやっていたとなるとあロボットの正体がわかったのだ。

('A`)(自分の妻と息子の脳みそを機械に移植するとはなんてことしやがる)

ステージ上のアサピー博士の元へと駆け込もうとした矢先だった。

( ,'3 )「流石ですねぇアサピー博士。」

自分の番でもないのに突如としてバルケン博士がステージ上に現れたのだ。

(;-@∀@)「ちょ…急に何ですか!?」

( ,'3 )「いえ素晴らしい作品を見ていてもたってもいられなくなってな。」

( ,'3 )「だからどうです、私の生物兵器と勝負しましょう。どちらが強いかを。」

(;-@∀@)「は?」

突然の申し出だ。

( ,'3 )「兵器たるものその強さが一番大事。そう思いませんかね会場のみなさん。」

(;゚Д゚)「バルケン博士何言ってんだ?」

( ,'3 )「今年は私かアサピー博士のどちらかだと言われているんです。手っ取り早く観客がいるところでケリを付けましょう。」

もうバルケン博士に残された道は力技しかなかった。
ここであの原子王を戦闘で破壊すれば自分にもチャンスがある。そう考えたのだ。

364名無しさん:2018/10/21(日) 01:30:06 ID:7UyEXeOI0
( ,'3 )「さあ来いクマー!」

パチンッと指を鳴らすと天井から生物兵器クマーが下りてきた。

(・(エ)・)「クマー!」

体長3mの熊の化け物だ。

( ,'3 )「私の生物兵器か貴様のロノボット兵器か、いざ勝負!」

( ,'3 )「行くのだクマー!!」

(;-@∀@)「逃げろぃょぅ!!」

そう叫ぶと原子王はダッシュで観客席の方へと逃げ込んだ。

(十)「これやべぇって!!」

一瞬にして会場が悲鳴に包まれ大混乱に陥った。

365名無しさん:2018/10/21(日) 01:30:34 ID:7UyEXeOI0
観客を盾に会場から出ようとする原子王。
それを追うクマーだが無関係な人間は傷つけられないようで思うようにあとが追えないでいる。

( ,'3 )「何をしている!!正々堂々戦え!!」

( ,'3 )「お前からも言わんかアサピー!」

( ,'3 )「?!」

アサピー博士がいた方を振り返るとすでに姿がなかった。

爪'ー`)「バルケン博士そこまでっだ。すぐに辞めさせろ。」

(,,゚Д゚)「バルケン博士なぜこんなことを……」」

( ,'3 )「どうしても勝ちたいんだよ私は!!」

爪'ー`)「どうやらあなたはただの身勝手な奴なようだな。」

会場の外ではなんとか逃げだした原子王とアサピー博士が合流していた。

(;-@∀@)「なんて事態だ。」

('A`)「そこまでだアサピー博士!お前の悪事は見抜いたぞ!」

原子王を追うのはクマーだけではなかったのだ。真相に気づいたドクオも後を追っていた。

(;-@∀@)「こんな時に面倒な奴が!」

(十)「あのクマ早すぎ!!」

会場を何とか抜け出したクマーは原子王に一直線で近寄り渾身の右で殴り掛かる。

(・(エ)・)「グォオォォ!!」

(十)「アアアアアアア!」

なすすべもなく原子王の頭が軽々ととんだ。

(;-@∀@)「しまったぁ!」

('A`)「???」

(・(エ)・)「???」

366名無しさん:2018/10/21(日) 01:31:08 ID:7UyEXeOI0
コロコロと転がる原子王の頭。しかし中身は空っぽ。
というか外見はロボットぽく塗装や加工しただけのフルフェイスヘルメットだったのだ。

(=゚ω゚)「アブねぇ首が飛ぶところだった!!」

その下にはぃょぅの顔があった。

あっけにとられるドクオとクマー。
予想外の出来事で体が止まる。
そうしているうちに一台の車がものすごいスピードでアサピー博士とぃょぅの元へと突っ込んできた。

|゚ノ ^∀^)「早く乗りな二人とも!パターンBだよ!」

死んだはずのレモナだった。

(-@∀@)「ナイスタイミング!」

(=゚ω゚)「流石ママだね!」

二人を乗せると急発進で逃げていく。

(;・(エ)・)「……」

(・(エ)・)「クマー!!」

動揺したが自分の使命を思い出し後を追いかけるクマー。

('A`)「は?」

未だ理解できずに立ち尽くす。

367名無しさん:2018/10/21(日) 01:31:40 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「あのクソジジイめ余計なことしてくれたな。」

(-@∀@)「おかげでパターンAが失敗したじゃないか。」

パターンAとは今年の発表を何とかごまかして資金援助をもらい、そのまま国外逃亡するという作戦だ。

|゚ノ ^∀^)「理想はパターンAだけど、失敗したら仕方ないよ。このままパターンBで逃げるよ。」

パターンBとは去年の資金援助の残りをすべて持ち出してそのまま国外逃亡するという作戦だ。

(=゚ω゚)「パパ!これ早く脱ぎたいんだけど。」

(-@∀@)「ああすまん。直ぐ脱がしてやるからな。」

あっという間に取り外される原子王の外装。
外装といっても前日の夜アサピーとレモナが適当に作ったロボットぽく見えるスーツなだけなのだ。本当のところはロボットのコスプレをしていただけだ。
そして去年のあれはレモナの顔に似せた頭だけの模型を作りそこにカメラとスピーカーとマイクを付けただけのものだ。
会場の外でレモナが適当にしゃべっていただけなのだ。
そしてその前日には交通事故にみせかけレモナが死んだようにして保険金もたんまり手に入れたのだ。

(=゚ω゚)「それでどこの国に行くの?」

(-@∀@)「ぃょぅはどの国に行きたい?」

(=゚ω゚)「ドバイとか。」

|゚ノ ^∀^)「旅行じゃないのよ。」

(-@∀@)「おっと、レモナもう少し飛ばした方がいいかもな。あの熊公がまだついてきやがる。」

|゚ノ ^∀^)「あいよ!」

アクセルをさらに踏み込み加速する。

(・(エ)・)「クマー!!」

二足歩行で猛ダッシュして追いかける。

|゚ノ ^∀^)「流石に街中でのチェイスはつらいねぇ。高速でぶっちしてやる!」

(-@∀@)「時代遅れの生物兵器がマシンの力に勝てるかってんだ!!」

(-@∀@)「ギャハハハハ!!」

高速道路に入るアサピー一行。
そこで待ち受けていたのは渋滞。

368名無しさん:2018/10/21(日) 01:32:10 ID:7UyEXeOI0
|゚ノ; ^∀^)「こんな時に!事故でもあったのか!!」

万事休す。
Uターンしようにもすでに後ろにはクマーが。

(;-@∀@)「ひぇぇ……」

(;-@∀@)「く、クマさん落ち着こうよ。原子王の正体はただの人間の子供だったんだよ。もう追ってくる必要はないよ。勝負は君たちの勝ちだ。」

(・(エ)・)「グォオォォ!!」

所詮、熊公にはそんなこと理解できずに与えられた使命を全うするためにぃょぅに襲い掛かる。

(;-@∀@)(;゚ω゚)|゚ノ; ^∀^)「ああああああああ!」

もうおしまいだ。
その時だ。

('A`)「デュワァ!」

飛んできたドクトラセブンがぃょぅとクマーの間に割って入り押しのける。

(・(エ)・)「クマー!」

クマーも負けじと組み付いてきたドクトラセブンの肩にかぶりつく。

(;'A`)「ぐわぁぁ!」

歯が肉に食い込みミシミシとすさまじい音が響く。
圧倒的な咬合力だ。流石はバルケン博士の最高傑作だけあって恐ろしい戦闘力。

369名無しさん:2018/10/21(日) 01:32:46 ID:7UyEXeOI0
26
(・(エ)・)「クマー!」

(;'A`)「あぎゃぁぁあぁぁ!」

肩から大量の血が噴出した。
このままでは食いちぎられてしまう。

(;'A`)「グウウウ……」

(;'A`)「デュワ!」

噛みついている頭をしっかり抱えるといっきに身長40メートルまで巨大化する。

(;・(エ)・)「あがががががg!!!」

噛みついていたクマーの口は裂け顎が外れる。

(;・(エ)・)「コフューコフュー」

人形のように両手でクマーをつかむと思い切り握りつぶす。
口から血や内臓を吐き出しながら絶命した。

('A`)「ふう。」

圧倒的体格差質量差の前には何物も敵わない。

(;-@∀@)「助かったのか?」

今度はアサピーたちが乗る車を持ち上げるとタイヤをもぎ取り会場の方へと飛んでいく。

(=゚ω゚)「スゲー飛んでる!!」

(=゚ω゚)「お前よく見ると気持ち悪い顔してんな。」

(=゚ω゚)「まさかお前もキモ貞?」

(#'A`)「ギギギイ」

会場付近に車を置くとそのまま空へと飛び立つドクトラセブン。

370名無しさん:2018/10/21(日) 01:33:21 ID:7UyEXeOI0
爪'ー`)「さてアサピー博士、どういうことか説明してもらいましょうか?」

すぐさまヴィプトラ警備隊に囲まれる。

( ,'3 )「貴様原子王はどこにやったのだ!!」

(;-@∀@)「ええとですね……」

('A`)「原子王などいうのは存在しませんよ。あれはただのコスプレで、こいつらはただのペテン師だったわけですよ。」

( ,'3 )「ということは私の勝ちか!」

(-@∀@)「そいつはどうだろうね。テメーの最高傑作はドクトラセブンがブツのめしたぜ。」

(-@∀@)「何よりも原子王の正体がぃょぅだとわかっても殺意満々で襲ってきたぞ。」

(-@∀@)「所詮与えられた使命を全うすることしか考えられないド畜生だってことなんだよ。」

( ,'3 )「ぐ……」

(-@∀@)「ざまあねぇなぁ!ひたすら人生をゴミクズ兵器に捧げて結果がこれだと。」

(-@∀@)「お前の人生なんだったんだろうな。」

(-@∀@)「ギャハハハハ!!」

(,,゚Д゚)「貴様は黙っていろペテン野郎!」

(,,゚Д゚)「必死に頑張ってきたバルケン博士を馬鹿にするんじゃない!」

371名無しさん:2018/10/21(日) 01:34:23 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「必死に頑張ってきた?」

(-@∀@)「まじめに生きてきてこのざまじゃ笑うしかないだろwww」

(-@∀@)「こいつの人生すべてが無駄だったんだよ!」

(-@∀@)「まじめに生きてこんなクソみたいな人生なら、嘘ついてでも楽しく生きた方がましだろ!」

(-@∀@)「ギャハハハハ!!」

(#゚Д゚)「野郎!!」

爪'ー`)「落ち着けギコ。あとは警察に任せよう。」

|゚ノ ^∀^)「しかたねぇ。当分は刑務所生活を楽しむかな。」

(;'A`)「こいつらまったくへこたれてねぇ……」

爪'ー`)「ああいう連中は何言っても無駄だよ。更生のしようがない。」

( ,'3 )「は…はは……私はなんて無駄なことをしてきたんだろうか……」

(,,゚Д゚)「博士……」

その後アサピーとレモナは警察に引き渡された。
後で分かったことだが、アサピーは元々親の七光りで脳科学の科学者であったが実際には何も研究していなかったそうだ。
毎日遊び惚けていたせいでいよいよ親からすら見放された。なので親のコネを使い自称ロノボット工学者として資金だけ巻き上げ家族三人で豪遊していたらしい。
そして事件後、ぃょぅは祖父祖母に面倒を見てもらうことになったが……

(=゚ω゚)「パパもママも出所して使えそうなら面倒見てもいいが、使えなさそうなら自分でどうにかしてもらうよ。」

(=゚ω゚)「大人なんだしそれくらいは自分で責任取ってもらんないとな。俺にたかるなよ。」

とのことだ。何と可愛げのないことだろうか。これだけいい性格してりゃ人生困ることはないだろう。
まああの親にしてこの子というわけだ。
その後、バルケン博士は改造した動物が店員の喫茶店を開いたら大盛況。

( ,'3 )「いや本当、人生無駄にしてたwww」

人生気軽に生きるのが一番だ。

372名無しさん:2018/10/21(日) 01:34:52 ID:7UyEXeOI0
こうして新型兵器のコンペ大会は終わりを迎えた。

( ^ω^)「しっかし今年は大変でしたね。」

爪'ー`)「だが有能な新兵器が採用されたぞ。」
  _
( ゚∀゚)「どんなヤツです?」

爪'ー`)「変身ブレスレットを装着して戦闘の際に変身する。」

爪'ー`)「5人そろって変身したらポーズを決めて、防衛戦隊ヴィプトランジャーと叫ぶ。」

(;'A`)「?!」

爪'ー`)「人間サイズの敵にはそのまま戦闘。巨大化されたらそれぞれが専用のマシンを呼んで合体し、ヴィプトラロボで戦う。」

ξ゚⊿゚)ξ「私レッドやりたい!」

ξ゚⊿゚)ξ「主人公は私よ!」

( ^ω^)「なら俺は追加戦士枠でゴールドやる。」
  _
( ゚∀゚)「それならもうドクトラセブンもいらないですね。」

(;'A`)「ちょっと!」

(,,゚Д゚)「地球は我々地球人の手で守らないとな。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)爪'ー`)ξ゚∀゚)ξ「はっはっはっはっは!」

(;'A`)(まずい俺のアイデンティティがなくなってしまう!)

爪'ー`)「まぁ嘘だけどね。」

(;'A`)「なんだ嘘か、よかった。」

373名無しさん:2018/10/21(日) 01:35:18 ID:7UyEXeOI0
( ^ω^)「おいおい、こんな嘘に騙されてんなよドクオ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、レッドやりてぇ。」

爪'ー`)「ま、新兵器があろうとなかろうと我々がやることは変わらないさ。」
  _
( ゚∀゚)「でもヴィプトランジャーの研究はだいぶ進んでいるみたいだな。」

(;'A`)「嘘だろ?!」
  _
( ゚∀゚)「嘘だよwww騙されすぎだろドクオwww」

ξ゚∀゚)ξ「だっせぇwww」

(#゚A゚)「キィィィ!!」

嘘は絶対よくない。
そう思うドクオであった。

第十二話『ペテン師』

終わり

374名無しさん:2018/10/21(日) 01:35:41 ID:7UyEXeOI0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

375名無しさん:2018/10/21(日) 10:50:30 ID:ToC3XHxE0
安定して面白いな!乙

376名無しさん:2018/10/21(日) 18:13:15 ID:BqADkvGQ0
乙です

377名無しさん:2018/10/21(日) 22:53:37 ID:AV8uGID20
乙!

378名無しさん:2018/10/23(火) 07:30:12 ID:Cno0vxgM0
乙、やっと更新きたな。待ってたぞ
ってサボってたんかい!?ま、まさか文戟に浮気を・・・
ウルトラマンよろしく週1更新頑張ってくれよー

379名無しさん:2018/10/24(水) 13:08:19 ID:dWPdWM0Y0
話数が進むほど人類のロクでもなさがクローズアップされてきてワロタw

380名無しさん:2018/10/26(金) 22:41:39 ID:fRcSXe1I0
第十三話『永遠の命』

リポーター「セントジョーンズ先生おめでておございます!これで三年連続世界的な文学賞のVIP賞受賞ですね!」

TVでは世界的ななにかの賞を誰かが受賞したことでもちきりだった。

リポーター「今のご感想を聞かせてください。」

(’e’)「特にこれといって。」

五十代ほどのそのやせこけた男性は、興味なさげにそのリポーターの方を精気の感じない目で見ながら答えた。

リポーター「えっと……さすがに三年連続となるとなれちゃいます?」

(‘_L’)「先生はお疲れのようなので秘書の私が代わりにお答えましょう。」

そう言って秘書と名乗る男がひたすらリポーターの質問に答えていた。
そして最後に「先生にとって小説とは何ですか?」と質問をされたときと、遠くを見つめていた目がギョロリと質問者の方を向くと

(’e’)「永遠の命だ。私は永遠の命を手に入れるためにだけに小説を書いている。」

そう答えた。
一瞬ざわついた会場だが、秘書が「ほかに質問がないようなら終わりにします。」
そう言って会見を終わらせた。

作戦室ではその光景を煎餅をむさぼりながら、あまり興味なさそうにボケーっとした表情でドクオが眺めていた。

ξ゚⊿゚)ξ「永遠の命とか中二病かよこのおっさん。」

('A`)「本当なー。」

381名無しさん:2018/10/26(金) 22:42:07 ID:fRcSXe1I0
最近は暇なのか腑抜けた様子で全員ででのんきにニュースを見ている。

爪'ー`)「なんだっけ?この人の作品名。」

(,,゚Д゚)「あれですよ確か。えーっと、恋愛小説の……」

( ^ω^)「ファンタジー小説だと思ったけど違ったっけ?」

誰も思い出せそうになかったのでチラリと一人の人物に視線が集まる。
  _
( ゚∀゚)「おやおや皆さん、世界的に有名なセントジョーンズ先生の作品を知らないのですか?」

いろいろ喋りたさそうにしていたジョルジョが口を開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「流石は物知り博士、何でも知ってんな。ホントどうでもいいことから。」

ξ゚⊿゚)ξ「で、どうでもいいウンチクたれろよ早く。」
  _
(;゚∀゚)「では……」

382名無しさん:2018/10/26(金) 22:42:33 ID:fRcSXe1I0
  _
( ゚∀゚)「セントジョーンズ先生、三年ほど前から突如現れた恋愛小説作家。デビュー作にして超大作の『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』は上、中、下の全三巻。」
  _
( ゚∀゚)「主人公は現代に生きる魔女の末裔で最後の一人のミセリ。そんな彼女とひ弱でただの人間でしかないセントとの純愛ストーリー。」
  _
( ゚∀゚)「ただの恋愛だけではなく、魔女の血を狙う悪の組織と繰り広げられる豪快で爽快なアクションシーンは痛快。」
  _
( ゚∀゚)「上巻はまったくの無名でこっそりと売り出されたのにもかかわらず、じわじわと売れ一年もしないうちに大ヒット。」
  _
( ゚∀゚)「映画化や漫画化、絵本化までされどれもかなりの売り上げ。」
  _
( ゚∀゚)「そして今年に最終巻の下巻が発売。まだ俺は下巻を読んでいないんですが、感動的な最期みたいですよ。」

('A`)「へー。」

爪'ー`)「ああそうだ、すっかり忘れてた。そんな作品名だったな。どうも恋愛小説は興味がわかなくてな。」

( ^ω^)「それわかります。俺も昔、嫁とデートで恋愛映画見に行ったんですけどものの五分で飽きましたもん。」

(,,゚Д゚)「俺もそうだな。他人の甘ったるい恋愛話なんて見たりしても背筋がゾッとするだけだ。」

( ^ω^)「マジでゲロ吐くかと思うくらいだぜ。」
  _
(;゚∀゚)「あれー、みんな興味なさげかな?」

ξ゚⊿゚)ξ「本当にどうでもいい情報をどうも。下がっていいぞ無駄話博士。」
  _
(;゚∀゚)「名作だよホント。俺も時間があれば読みたいんだけどなー。」

一人ぼそぼそとしゃべるジョルジュだが、みんなもう別の話題で楽しそうに話している。
前にもこんなことあったなとか思いつつも、いつものことだと思うことにしたようだ。

383名無しさん:2018/10/26(金) 22:42:58 ID:fRcSXe1I0
それから数日後、パトロールから帰ってきたジョルジュが嬉しそうな表情で一冊の本を持ちながら帰ってきた。
どうやら本当にいいことがあったようで、鼻歌交じりに浮かれている。

('A`)「どうした?なにかいいっことでもあったのか?」

爪'ー`)「おいジョルジョ浮かれすぎだぞ!我々ヴィプトラ警備隊はいついかなる時も気を張って、何が起きてもすぐに対応できるようにせねば。」

爪'ー`)「我々の仕事の重要性を自覚しろ!」
  _
( ゚∀゚)「いやー、それがパトロールのついでに前に話した『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』の下巻買いに行ったんですよ。」

爪'ー`)「なんだっけそれ?最近聞いた名前だな。」

( ^ω^)「たしか中世時代の推理小説だっけ?」
  _
( ゚∀゚)「たまたま寄った本屋で運命的な出会いをしまして。」

(#'A`)「あぁん?」
  _
( ゚∀゚)「漫画みたいな展開で二人同時に同じ本を手に取ろうとして手が触れてさ。」
  _
( ゚∀゚)「その人も『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』の大ファンらしくてそっから長々とおしゃべりしちゃったよ。」

(,,゚Д゚)「本当にすごい美人だったよ。俺に彼女がいなかったらナンパしてたくらいだ。」
  _
( ゚∀゚)「お互いに同じシーンが好きで、意気投合しちゃってね。永遠と思えるほどの時間が過ぎていったよ。」

(,,゚Д゚)「おかげで俺一人でパトロールするハメになったよ。しかも戻ってきてもまだ話してるし。」

(#'A`)「ケッ!自慢話かよ。」

384名無しさん:2018/10/26(金) 22:43:28 ID:fRcSXe1I0
  _
( ゚∀゚)「ギコに無理やり連れてかれなければまだいろいろ話せたのに。」
  _
( ゚∀゚)「でも最後に名前が聞けて良かった。『西川デレ』さん、一生忘れないあの人は女神だ。」

(#゚A゚)「き、貴様あぁ!!」

(#゚A゚)「俺のデレさんに近寄るんじゃねぇ!!」
  _
( ゚∀゚)「なんだドクオ知り合いなのか!なら話が早い、連絡先を教えてくれ!」

(#゚A゚)「誰が貴様なんぞに教えるものか!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なるほどなジョルジョ、その下等生物にまですがるとは本気のようだな。」

ξ゚⊿゚)ξ「どれ、5万で教えてやってもいいぞ。」
  _
(;゚∀゚)「5、5万だと…いや5万でも安いもんだ。」

( ^ω^)「これはいよいよジョルジュにも春が来るかな。」

爪#'ー`)「お前ら浮かれた話もいい加減にしておけよ!!防衛任務をなんだと思っている!!」

久しぶりにフォックスの逆鱗が落ち、一旦その場は落ち着いた。
それからというのも、ジョルジュは仕事の合間に小説を読むとすぐさまスマホで誰かにメッセージを送っているようだ。
そしてドクオはというと、恨めしそうにその光景を見ることしかできなかった。

(#゚A゚)「ギギギギギ」

( ^ω^)「そんなに気になるなら自分でも読んだらどうだ。会話に入れるぞ。」

('A`)「小説なんてくだらないもんに興味はないんだよ俺は。」

('A`)「そうだ!ネットで結末を調べてネタバレしてやる!」

( ^ω^)(こいつマジで大人げねぇ)

385名無しさん:2018/10/26(金) 22:43:55 ID:fRcSXe1I0
(,,゚Д゚)「しかしそれは奇妙な事件ですね。」

爪'ー`)「ああ、だがまだそれが宇宙人の仕業なのかは見当もつかんがな。」

フォックスとギコが事件でもあったのか、神妙な趣で作戦室に入ってきた。

( ^ω^)「何か事件でもありましたか?」

爪'ー`)「最近謎の仮死事件が多数起きているようだ。」

( ^ω^)「仮死事件?」

(,,゚Д゚)「今まで元気だった人間が突然仮死状態になる事件が起きてるようだ。それも日常生活で突然。」

( ^ω^)「そりゃまた奇怪な。」

爪'ー`)「被害者の近くには一冊の本が落ちているようだ。」

爪;'ー`)「なんだっけあの…セント何とかってやつが書いた……」

( ^ω^)「あのサスペンスサイコホラーのあれですね。」

(;゚Д゚)「いや、セントジョーンズ著書の『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』っていう恋愛小説でしょ。」

爪'ー`)( ^ω^)「そうそれそれ!」

(,,゚Д゚)「いい加減覚えましょうよ。」

('A`)「じゃぁあれか?被害者は小説の出来が良すぎて昇天しちゃったってやつか?」

( ^ω^)「小説ごときにそんなこと起きるわけないだろ。」

( ^ω^)「その小説も所詮『アアオモシロカッタナ』程度だろ。なあジョルジュ!」
  _
(  ∀ )「……」

386名無しさん:2018/10/26(金) 22:44:27 ID:fRcSXe1I0
( ^ω^)「ジョルジュ?」

ブーンがやさしく触ると力なくジョルジュがその場に倒れこんだ。

爪;'ー`)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「?!」

倒れたジョルジュの手には例の小説が握られていた。

(;'A`)「おい!しっかりしろジョルジュ!!」

フォックスは握られたいた本をとると軽くパラパラとめくってみる。

爪'ー`)「ブーン、この本を解析してみてくれ。ギコは本の出版社に問い合わせろ。」

( ^ω^)(,,゚Д゚)「了解!」

すぐさま医療室に運ばれたが、はやり仮死状態とのことだった。
そして解析に回された本だが、恐るべきことが分かったのだ。

( ^ω^)「解析の結果、例の本は地球上に無い物質が使われているようですね。」

( ^ω^)「現在の地球の科学力では解析できない機械も組み込まれていたようで、こいつが事件にかかわっていたことは確かです。」

(,,゚Д゚)「本の出版社はどうやら実際には存在していないようです。しかし、なにやら書店やなどにはどこからともなく届けられていたとのことで。」

爪'ー`)「こうなったらセントジョーンズを直接とっちめるしかないようだな。」」

(,,゚Д゚)「セントジョーンズの潜伏場所と思われるべき場所は現在二か所に絞られています。」

('A`)「しかし敵もなかなか大胆なことをしますね。まさか有名人が宇宙人とは。」

爪'ー`)「だからいつも言っているだろ、いつどこで誰が侵略者なのかわからないと。」

ξ゚⊿゚)ξ「ああいう連中は性根が腐ってんな。本に小細工をはさむたぁ性格がひん曲がってるぜ。」

('A`)(ツンヌが言うのか?)

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ小説なんて書くやつって根暗で陰湿な野郎なんだろうな。姑息も姑息。きっと人に面と向かって意見だとか言えねぇタイプだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「恋人がいたこともなく童貞で、他の仕事してたらつかえない人間なんだろうな。いや、その小説ですら大したことないんだろうぜ。」

(;'A`)「ちょっと辛辣すぎやしませんかね。」

ξ゚⊿゚)ξ「だが私が連絡するのがもう少し遅かったらデレもやられていた。その落とし前はつけさせてもらおう。」

387名無しさん:2018/10/26(金) 22:44:53 ID:fRcSXe1I0
爪'ー`)「潜伏場所と思われるのは実家と…都内の廃工場?」

(,,゚Д゚)「ええ、度々そこでうろついている姿が目撃されているそうです。」

爪'ー`)「よし、なら二手に分かれて突入する。ブーンとギコは実家の方へ、ドクオとツンヌは廃工場の方へ行ってくれ。

( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

ヴィプンターで目的地の廃工場に向かうドクオとツンヌ。

('A`)「なあ敵の目的は何だと思う?」

ξ゚⊿゚)ξ「目的だぁ?そんなもんどうでもいいね。標的を見つけ次第ぶちのめす。簡単な話だろ。」

(;'A`)「いや、目的が分かれば敵の動きも考えられると思うんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「小難しいこと考えやがって。いいことを教えてやろう。戦いにおいて知能なんて必要ない。」

ξ゚⊿゚)ξ「心理戦だとか頭使うのは面倒だからな。直感で動くのが一番よ一番!」

('A`)(こいつは野生の生き物かなんかなのだろうか?)

('A`)(狩りをする動物ももう少し頭を使うと思うが)

('A`)「俺が思うに敵は永遠の命を求めているんだと思う。確かTVのインタビューではそこだけ食いついていたからな。」

('A`)「それに被害者が仮死状態になっていることも考えれば、奪った命を自分のものにしようとしているのかも。」

ξ゚⊿゚)ξ「永遠の命?また中二病みたいな。」

('A`)「だから早く何とかしないと大変なことになりそうだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それならこう考えられえないか、死なないサンドバックが手に入ると。」

(;'A`)「君は何をする気?」

そうこうやっているうちに目的地の廃工場に着いた。
腰の光線銃を構えると静かに侵入する。

388名無しさん:2018/10/26(金) 22:45:19 ID:fRcSXe1I0
中は殆ど片付けなどされていないようだ。埃だらけで古い機械などがそのままになっている。
ただ、工場の真ん中には大きな金魚鉢のような装置が置いてある。
それだけが埃もかぶっておらず、新しめだ。何よりもそのまま装置の中には、ヒトダマのようなものが大量に入っていた。

('A`)(なんだあれは?)

ξ゚⊿゚)ξ(でっけえ金魚でも飼ってんのか?)

装置のそばで人影が動いた。
すぐに物陰へと隠れる二人。

(’e’)「……」

セントジョーンズだ。

装置のそばで何かを探している様子だ。
確保しよう物陰から飛び出そうとしたとき、誰かが工場に入ってきた。

(‘_L’)「先にいらしていたんですね先生。」

秘書の男が現れた。その手には何やら大きなアタッシュケースを持っている。

(‘_L’)「間一髪でしたね。ヴィプトラ警備隊も気づいたようですが先にここにたどり着くことができましたよ。」

(‘_L’)「やはり運命は我々の味方をしていますね。」

(’e’)「こんな方法で永遠の命を手に入れるなんて聞いていなかったぞ。」

(‘_L’)「犠牲になった人々にはそういう運命だったと諦めてもらうしかないですよ。何事にも犠牲はつきものでしょう。」

(’e’)「どうやら私と君では求める永遠の命は違ったようだ。」

(‘_L’)「何を言っているんです先生?」

(‘_L’)「いろんな出版社に小説を持ち込んでもまったく相手にされなかったあなたと、何か売れるものを探していた私がだよ。」

(‘_L’)「同じ目的である永遠の命を探し求めていた同志が運命的な出会いをしたというのに。」

389名無しさん:2018/10/26(金) 22:45:45 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「……」

('A`)(やはり永遠の命が目的だったか)

('A`)「そこまでだ二人とも!ヴィプトラ警備隊だ!」

光線銃を向けながら飛びだす。

(;‘_L’)「もう来ていたのかヴィプトラ警備隊!」

ξ゚⊿゚)ξ「こそこそと悪さをしてたみたいだが、サンドバッグになりたいのはどっちだ?」

(;‘_L’)「待ってくれ!話を聞いてくれ!」

('A`)「早く集めた命を元に戻すんだ。」

(‘_L’)「フィレンクト星人最後の生き残りなんだよ!」

('A`)「!?」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?何星人だって?」

(‘_L’)「フィレンクト星は急な気候変動や暴動などのせいで滅んでしまったんだ。私ははその最後の一人なんだよ。」

(‘_L’)「私が死ぬということは一つの種族が滅ぶということ。そんなかわいそうなことがあっていいのか!」

(‘_L’)「私は何としても生きてフィレンクト星人を再建させなくてはならないんだ。そのためにも永遠の命が必要なんだ。」

(‘_L’)「だから無駄にたくさんいる地球人が減ったところでいいだろ。見逃してくれ!」

390名無しさん:2018/10/26(金) 22:46:11 ID:fRcSXe1I0
('A`)「そうはいかない。まずは元に戻すんだ!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!悪いが命乞いは私には通じねぇ。」

(‘_L’)「チッ、穏やかにすましてやろうと思ったのによ。」

すごい弱気だった表情が一変してフィレンクトの体が一瞬光る。
すると、全身紫色で頭には二本の角と鋭くとがった牙がある悪魔のような姿のフィレンクト星人が現れた。

(‘_L’)「地球人二人ぐらい始末するなんてわけないぜ!」

('A`)「な?!」

(;'A`)(まずい、ツンヌやセントジョーンズがいては変身できない)

ξ゚⊿゚)ξ「お!やる気になったか!」

(’e’)「私はな、フィレンクト。君がミセリと同じ心境だったから手を貸したんだよ。」

(‘_L’)「ミセリ?誰だそれは?」

(’e’)「彼女は最後の魔女だった。それでも彼女は気高く必死に自分の人生を生きようとしていた。」

(‘_L’)「何を言ってる?それは小説の話だろ?」

ξ゚⊿゚)ξ「おっさん、現実と夢想の区別もつかないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ小説書くやつって頭のネジが抜けてんじゃないの?」

('A`)(お前はそれどころじゃないがな)

391名無しさん:2018/10/26(金) 22:46:38 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「私の書いた小説は本当のことだよ。私が彼女と一緒に体験したことを書いたのがあの作品なんだ。」

(‘_L’)「何を馬鹿なことを言っているのだ。魔女なんかこの世にいるわけないだろ。」

(’e’)「フフフ、宇宙人の君がそんなことを言うのかい?事実は小説より奇なり、だよフィレンクト。」

(‘_L’)「だからどうしたと言うのだ!体験を書いたということはミセリは死んだということじゃないか!」

(’e’)「そうさ、魔女をよみがえらせこの世を支配しようとした連中と戦い散った。しかしそれでもミセリは自分で満足いく人生だと言ってくれたよ。」

(’e’)「私と出会えてよかったと言ったんだ。そして誰のためでもない自分のために生きた。」

(‘_L’)「ならセントはお前のことだったのか。ならばお前が永遠の命を手に入れようとするのはミセリを蘇らせることだろう。」

(‘_L’)「それこそ俺の目的と一緒じゃないか。この装置を使えば人間の命を分け与えてもらえる。お前にも使ってやろう。ともに頑張ろうではないかこれからも。」

(-e-)「……」

(’e’)「ミセリは言っていたよ、言葉や文字にはとてつもない力があると。その力は様々な効果を人に与えると。」

(‘_L’)「?」

(‘_L’)「お前も魔法が使えるのか?」

(’e’)「そんなものは使えないさ。私はただのひ弱な人間さ。」

(’e’)「その力というのは人のここをに作用する。人を喜ばしたり悲しませたりするとてつもない力さ。」

(’e’)「そしてそれは誰でも使うことができる。だからこそ使い方には気をつけなければならない。簡単に人を傷つけてしまうからね。」

(‘_L’)「無駄話が過ぎるぞ。何が言いたいんだ?」

392名無しさん:2018/10/26(金) 22:47:05 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「言っただろ言葉には力があると。その力の使い方や見方を変えれば違うものがわかるのさ。」

(’e’)「フィレンクト。君は嘘をついた。」

(‘_L’)「!!」

(’e’)「最初に会って君から話を聞いたとき二はすでに感ずいていたよ。」

(’e’)「星が滅んだ、これは本当のことだろう。だが君は同胞たちを蘇らせる気なんてないのだろう。」

(’e’)「永遠の命を手に入れてこの宇宙を支配する気なんだろ。」

(‘_L’)「……」

(‘_L’)「最初はイカれた奴だと思っていたが、無駄に勘のいい奴のようだな。そうさ俺の目的は永遠の命を手に入れこの宇宙を支配することさ。」

(‘_L’)「だが俺に手を貸すというのならミセリを蘇らせるのを手伝ってやってもいいぞ。」

(’e’)「君が地球を侵略しようが宇宙を支配しようが私にはどうでもいいことだ。だが、私の求める永遠の命を壊そうというのならそうはいかないのだ!」

そういうとセントジョーンズは何かのリモコンのようなものを取り出しボタンを押した。

(;‘_L’)「貴様それは!!」

装置を制御するリモコンだ。
さっき探していたのはこのリモコンのようで、操作すると閉じ込めていたヒトダマが解き放たれあるべき所へと戻っていく。

(;‘_L’)「なんということをする!!あれだけあれば数万数十万年年分の寿命が延びたのに!!」

(’e’)「求める永遠の命が違うと言ったはずだ。」

(’e’)「彼らは私が永遠の命を手に入れるためには生きていてもらう必要がある。」

(;‘_L’)「は?」

(’e’)「私が求める永遠の命とは人々の心の中で彼女とともに生き続けることさ。」

(;‘_L’)「??」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ頭イカれてるだろうテメー。」

393名無しさん:2018/10/26(金) 22:47:33 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「世の中のいろいろな作品というものは、良ければ良いほど人の心に残る。そしてそれが幸せな感情なら幸せな気持ちとともに私たちは生き続けられるのさ。」

(’e’)「人類が続く限り人々の心の中で生き続けること、これほどまでに素晴らしいことはないのだよ。」

('A`)「……」

(#‘_L’)「そんなくだらないことのために俺の計画を邪魔したというのか!!ただではおかんぞ!!」

(’e’)「君はそう思うだろうが、私に言わせれば君の言う永遠の命ほどくだらないものはないよ。」

(#‘_L’)「なんだと!!」

(’e’)「仮に君が永遠の命を手に入れたところで今日あったことなど数百万、数千万年もたたないうちに忘れるだろう。この先出会うであろう連中のことも忘れるであろう。」

(’e’)「ならばそういった出会いに意味はあるのか?君にとって何の意味がある出会いになるのだ?この先何億何兆と一人で生き続けてなんになるというのだ。」

(’e’)「長く生きれば生きるほど時間の流れは速くなるぞ。そんなの一人ぼっちで生きているのと変わらないではないか。」

(#‘_L’)「グ…グググ……」

(#‘_L’)「黙れ!地球人ごときが…下等生物ごときがぁ!俺の計画を邪魔しやがって!!」

フィレンクト星人の角から怪光線が発射した。
それは見事にセントジョーンズの胸元を貫いた。

('A`)ξ゚⊿゚)ξ「!!」

('A`)「セントジョーンズ!!」

ドクオが駆け寄るがもう手の施しようがなかった。

(;’e’)「ヴィプトラ警備隊か。なぁに気にするな、元々あの小説が完成したら生きるつもりなどなかったのだから。」

(;’e’)「最後に自分の目的を果たせて満足だよ。」

(;'A`)「くっ……!」

(; e )「そうさ、これでやっとミセリの元へ…と……」

( e )

(‘_L’)「ざまあねえなゴミクズめ。貴様はもともと俺にいいように使われる運命にあったんだよ!地獄で後悔してろ!」

394名無しさん:2018/10/26(金) 22:48:26 ID:fRcSXe1I0
ξ゚⊿゚)ξ「テメーやってくれるじゃねぇーか!」

ツンヌが戦闘態勢に入った。

(‘_L’)(地球人ごとき二人いようだどうということはない)

(‘_L’)(だがヴィプトラ警備隊他いうことを考えれば、万が一に備えて一人ずつ相手をした方がいいだろう)

(‘_L’)「ところで見たまえこれを。」

フィレンクト星人がアタッシュケースを高々と掲げる。

(‘_L’)「これにはそこのゴミが書いた売り上げの一億が入っている。」

(‘_L’)「これから先の資金にしようと持ってきたものだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?!」

(‘_L’)「欲しけりゃくれてやるぞ!」

そう言って投げ飛ばす。
アタッシュケースは窓ガラスを割りはるか遠くへと飛んで行った。

('A`)「馬鹿言えそんな手にだrξ¥⊿¥)ξ「ドクオ、奴が何か重要なものを投げた!私が確保してくるから時間を稼げ!」

そうですね。とんでもない馬鹿がここにいましたね。

(‘_L’)「クックック、やはり運命は俺に味方している!」

('A`)「フィレンクト星人、お前は負けていたよ。」

(‘_L’)「あぁ?なんだって?」

('A`)「お前はセントジョーンズに負けたんだ。精神的にな。だから物理的な攻撃で命を絶つしかなかったんだ。」

395名無しさん:2018/10/26(金) 22:48:55 ID:fRcSXe1I0
(#‘_L’)「精神的?何言ってやがる!結局死んでんなら俺の勝ちだ!」

('A`)「お前の気持ちもわかるよ。この星の連中は肉体的には弱いはずなのにとてつもなく強い奴が大勢いてビックリするよな!」

(‘_L’)「??」

('A`)「運命が味方してるだって?逆だ逆。ツンヌを追い払ったのは間違いだったな!」

('∀`)「おかげで変身できるぜ!」

胸元からドクトラアイを取り出し変身する。

(∞)「デュワ!」

(;‘_L’)「き、貴様はドクトラセブン!」

('A`)「お前の野望もここまでだ!!」

フィレンクト星人に飛び掛かるドクトラセブン。
相手も負けじと殴り返してくる。

('A`)「ウオォォォ!!」

(‘_L’)「負けるものか!!」

壮絶なラッシュの打ち合い。
打ち勝ったのは……

('A`)「オラァ!」

(;‘_L’)「ぐわぁぁ」

殴り飛ばされるフィレンクト星人。
追撃で飛び蹴りを放つドクトラセブン。
しかし、一瞬にして姿を消すフィレンクト星人。

396名無しさん:2018/10/26(金) 22:49:23 ID:fRcSXe1I0
('A`)「?!」

後ろにワープしたフィレンクト星人が光線を放つ。

(;'A`)「イデデデデ!」

反応が遅れ、背中に直撃してしまう。
隙を見逃さないフィレンクト星人は後ろからつかみかかり、バックドロップを決める。
美しい放物線だ。

(;'A`)「ぐぇ……」

受け身も取れずに後頭部を強打してしまう。
だがすぐさまクラッチを切り体勢を立て直して反撃する。
しかしまた背後にワープされてしまう。

(‘_L’)「間抜けがアホめ!!」

今度はバックドロップで蹴り飛ばす。

(;'A`)「うへぇ……」

吹き飛ばされながらもドクリュウム光線で反撃する。

(‘_L’)「そんな技が通じるか!」

また姿を消す。

('A`)「今だ!」

消えたと同時に後ろにローリングソバットを放つ。

(;‘_L’)「うぐぅ!!」

狙い通りみぞおちに命中する。
よろけたフィレンクト星人の頭を両手でつかむと膝蹴りの連打。
何発かぶち込んだら首投げを決める。
その後も激しい死闘が続いた。

397名無しさん:2018/10/26(金) 22:49:46 ID:fRcSXe1I0
お互いにフラフラとなんとか立っていられる程度だ。
そしてドクトラセブンの額のビームランプは激しく点滅している。活動限界が近いのだ。
決着をつけなくては互いに限界が近い。

('A`)「オリャァ!!」

(‘_L’)「ドリャァ!!」

同時に飛び蹴りを放つ両者。
空中で交差して着地する。

('A`)「……」

(‘_L’)「……」

(;‘_L’)「グ……」

片膝をつくフィレンクト星人。

( A )「ガハァ!」

その場に倒れこむドクトラセブン。

(;‘_L’)「危なかった。あともう少しでやられていたぞ。」

(‘_L’)「だがあと一人始末すれば俺の完全勝利だ!!」

(‘_L’)「フハハハハハ!!」

(;'A`)「ま…まだだ!!」

必死に立ち上がろうとするドクトラセブン。
とっくに限界を迎えている。どう考えても勝てるはずがない。
だがここで立ち上がるのがヒーローなのだ。

('A`)「俺はお前に負けるわけにはいかない!!この地球を守るため!!」

どこにそんな力が残されているのか徐々に立ち上がる。

(;‘_L’)「な?!」

398名無しさん:2018/10/26(金) 22:50:14 ID:fRcSXe1I0
('A`)「こっから逆転するのがヒーrξ゚⊿゚)ξ「おっと間に合ったか!私のサンドバックは生きてるな!」

(;'A`)「?!」

ξ゚⊿゚)ξ「アタッシュケース探すの苦労したぜ。あれ、ドクオの奴は?」

ξ#゚⊿゚)ξ「あの腰抜け野郎逃げやがったな!!」

ξ゚⊿゚)ξ「おお、ヘタレンダーZボロボロじゃないか。」

('A`)「俺はドクトラセブンだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな気を使わなくていいぜ、その名前つけたのはウチのキモイ奴だろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「私にはわかるよお前の本当の名前が。それがヘタレンダーZだろ。」

('A`)「いえ、本名はドクトラセブンです。」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「まあいいヘタレンダーZ、後は私に任せろ!」

(;'A`)「よせ!お前の敵う相手じゃない!!」

(‘_L’)「やはり運命は俺の味方のようだ!」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

(‘_L’)「俺からして困る展開は応援を呼ばれることだったんだが、自分から出てきてくれるとはな。」

(‘_L’)「所詮お前らの運命はこうなることに決まっていたんだろう。」

(‘_L’)「フハハハハハ!!」

399名無しさん:2018/10/26(金) 22:50:45 ID:fRcSXe1I0
ξ゚∀゚)ξ「カーッカッカッカッ!!」

腹を抱えて笑い出すツンヌ。

(‘_L’)「何が可笑しい!!」

ξ゚∀゚)ξ「だってよ、いい歳したおっさんが運命だとか言ってんだぜ笑うしかないだろうよ!」

ξ゚∀゚)ξ9m「テメーにいいこと教えてやるよ!運命を信じてていいのはいたいけない少女か、いまだに白馬の王子を信じてるメンヘラ女だけだぜ!」

(#‘_L’)「ギ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「その運命なんて言葉は言い訳のための言葉だぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「何か失敗したやつがこうなる運命だったって言い訳するためのな!」

ξ゚∀゚)ξ9m「だからテメーはこの後『俺はこうなる運命だったんだぁ』って後悔しながら地獄に落ちるんだ!」

ξ゚⊿゚)ξ「さあかかってきな!!」

戦闘態勢をとるツンヌ。

(#‘_L’)「地球人ごときが舐めた口ききやがって!!」

(#‘_L’)「この俺を怒らせたことを後悔させてやるぞ!!」

(#‘_L’)「貧弱でただおびえることしかできない哀れな下等種族がぁ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なにゴチャゴチャ喚いてんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「さっきも言ったが私に命乞いは通じねぇぜ!ビビってんだったらこっちから行くぞ!」

(#‘_L’)「?!」

あとはツンヌさんが全部やってくれました。

400名無しさん:2018/10/26(金) 22:51:12 ID:fRcSXe1I0
一発ぶんなぐって動きを止めたら素早く後ろをに回ってチョークスリーパーで首を絞める。
そのまま簡単に首をへし折って終わった。

ξ゚⊿゚)ξ「準備運動にもならなかったな。」

( _L )

('A`)「は?」

確かにドクトラセブンと死闘を繰り広げて消耗していたはずだが、それでも地球人が瞬殺するなんて……

('A`)「は?」

今起きた現実を受け入れられないドクトラセブン。

ξ゚⊿゚)ξ「必殺メイプルリーフクラッチの練習台にしてやろうと思ったんだが、大したことなさすぎだろ。」

フィレンクト星人の死体の頭を踏みつけながらツンヌは余裕な表情だ。

ξ゚⊿゚)ξ「不完全燃焼。」

ムスッとすごく不満そうにする。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、でももう一人いいサンドバックがあったな。」

クルッとドクトラセブンの方を向くが、すでにドクトラセブンはいなかった。

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、勘のいいやつめ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

(;'A`)「どうやら終わったようだな。」

スッと姿を現すドクオ。

401名無しさん:2018/10/26(金) 22:51:44 ID:fRcSXe1I0
ξ#゚⊿゚)ξ「腰抜け野郎どこに隠れてやがった!!」

(;'A`)「いや俺もいろいろ戦ってたんだよ。それで君を呼びに行こうと……。」

ξ゚⊿゚)ξ「まあいい。終わったからとっとと帰るぞ。」

('A`)「……」

黙ってセントジョーンズの亡骸を見つめる。

ξ゚⊿゚)ξ「まあこの仕事をしていれば助けられない命もあるさ。それくらい慣れろよ。」

慣れろ。言葉でいうのは簡単だが、実際にこの手で助けられない命を目の当たりにしてしまうと……

ξ-⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「私たちは全能な神様なわけじゃないんだぜ。どんなに頑張ったって所詮はただの人間でしかないんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「空も飛べなければ時間も巻き戻せない。ましてや人の命を蘇らせるなんてな。」

ξ゚⊿゚)ξ「だからこそいつも必死に生きてんだろ戦ってんだろ私達は。」

ξ゚⊿゚)ξ「今日起きたことは忘れるな。お前の記憶にしっかり刻め。それが私たちの義務だ。」

('A`)「ああ……そうするよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ早く運転お願い。私この後トソンと飲み行くから基地に行く前に居酒屋によってね。」

(;'A`)「切り替え早くない?」

ξ゚⊿゚)ξ「これだから新兵は適応力が遅い。必死に生きてるって言ったろ。だから私は人生を精一杯楽しく生きてるわけよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ヘボい精神力じゃこの先生き残れんぞ新兵。偉大な先輩を参考にしろよ。」

(;'A`)「……」

少しでも感心した自分が馬鹿だった。

402名無しさん:2018/10/26(金) 22:52:06 ID:fRcSXe1I0
でもあんたは永遠の命を手に入れたんだったよな。
人類が続く限りあんたは彼女とともに生き続けるなら俺は人類が滅ぶその瞬間まで守り続けるよ。
それなら文句はないだろ。

('A`)「永遠の命か……」

俺もこの先地球の教科書とか載るようになるのかな?
そうすれば地球人の心の中で永遠に生き続けるのかな?

('A`)「……」

いや違うな。
たとえ地球人の記憶に残らなくても俺は戦うよ。
永遠の命なんていらない。
俺はこの星が好きだ。だからこの星のために戦うんだ。
それは自分が決めたこと。人にまったく知られていなくてもいい。
この先戦いで命を落とそうと後悔はない。

('A`)「それじゃあ俺は行くよ。」

( e )

満足気に笑うセントジョーンズの亡骸を後にする。
きっと彼と彼女はこれからも生き続けるだろう。人々の心の中で。

第十三話『永遠の命』

終わり

403名無しさん:2018/10/26(金) 22:52:50 ID:fRcSXe1I0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

404名無しさん:2018/10/26(金) 23:10:58 ID:f/VW831g0
セントジョーンズ……

405名無しさん:2018/10/26(金) 23:35:26 ID:kkuWeS060
いつもながら素晴らしいな
ドクオが少しずつ成長してるのが良い

406名無しさん:2018/10/27(土) 18:49:36 ID:W6FCnulA0
>>399
ここクソワロタwww

407名無しさん:2018/10/27(土) 21:49:39 ID:CZNe5Y2w0
ツンが量産の暁には宇宙人なぞあっという間に叩いてくれるわ

408名無しさん:2018/10/28(日) 19:08:41 ID:DFUoMimM0
きたきたw
いやー、このジョルジュ一緒にいたら楽しそうで好きだわ。ドクオのセリフの変化からも徐々にヒーローとしての自覚や成長がみてとれるな
そろそろ急成長する話もでてくるのかしら?

409名無しさん:2018/10/28(日) 22:10:16 ID:jwSnLeHo0
今日発見して一気に読んでしまった
これからも期待してます

410名無しさん:2018/11/14(水) 22:33:40 ID:0Sx6YJI20
第十四話『宇宙一のラーメン』

上司「ちょっといいかいトソンくん。」

(゚、゚トソン「はい、なんでしょうか?」

仕事の途中、上司に呼び出されるトソン。
彼女の働いている会社は雑誌編集部で芸能関係からオカルト雑誌まで幅広く出版している。
その中でオカルト雑誌を担当している。トソン自身は芸能関係を担当したかったようだが、人生そううまくはいかない。

上司「忙しいとこ申し訳ないんだが……」

(゚、゚トソン「?」

上司「来週から別の雑誌の編集部に行ってもらうこととなった。」

(゚、゚トソン「は?」

上司「最近うちはだいぶ売り上げが落ちてね。しかも取材に行った記者が何人も行方不明になるし。」

上司「だからオカルト雑誌は廃刊して人材は他の部署に異動することになったんだよ。」

(゚、゚トソン「え!じゃぁ私芸能関係に移動できるんですか!!」

目を輝かせながら質問する。
願ってもない話だ。やっと自分でやりたかった仕事ができる。
今までまったく興味もわかないオカルト話の記事とか書いていたが、やっと報われる時が来たのだ。
トソンの目には希望であふれていた。

上司「その…悪いんだが……」

上司「ラーメン雑誌に方に移動になったんだ。」

(゚、゚トソン「は?」

一瞬にして絶望に変わる。
希望というものはあまりいだかない方がいい。

411名無しさん:2018/11/14(水) 22:34:07 ID:0Sx6YJI20
その日の仕事を雑に終わらせて職場を後にする。
こんな仕事本当にやってられない。やめてやろうか?
……今は我慢のときだ。いつか必ず芸能関係の編集部に行ってやるんだ。
子供の頃からの夢だったじゃないか。私が芸能人の秘密を暴いて記事にして連日ワイドショーを賑わせる。
記者会見で汗を滝のように流しながら、しどろもどろに返事をする光景を見て酒を飲むと。
その昔からの夢を叶えるために今まで頑張ってきたんじゃないか。もう少し耐えなくちゃ。

(゚、゚#トソン「……」

そう思ってもイライラが止まらない。感情のコントロールって難しい。
でも私は知っている。こういうときはなにをすればいいかを。きっと社会人ならみんな知っている。
酒!飲まずにはいられない!

いつもの行きつけの飲み屋を目指す。そしてこういう時は一人で飲むよりもう一人はいた方がいい。
うるさく騒げれる親友が。
いつでも簡単に呼び出せて飲みに行ける素晴らしい親友だ。

(゚、゚トソン「さてと。」

バックにしまっていたスマホを取り出すとすぐに電話をかける。

prrr

prrr

prrr

(゚、゚トソン「?」

いつもはワンコールで出るのだが、今回はなかなか出ない。
珍しく仕事でもしてるのか?

ξメ゚⊿゚)ξ「もしもしどうしたの?」

412名無しさん:2018/11/14(水) 22:34:38 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「ごめん仕事中だった?」

ξメ゚⊿゚)ξ「いやー、久しぶりに骨のあるやつと戦っててね!やっぱ戦いってこうお互いの実力が近くないとつまんないわよね。」

(゚、゚トソン「そう。ならお仕事頑張ってね。」

ξメ゚⊿゚)ξ「おう!」

そう言って電話を切る。

ξメ゚⊿゚)ξ「すまなかったな。急に電話がきたもんだから。」

ξメ゚∀゚)ξ「さあ続きと行こうぜ!まだまだこれからだろ私たちの死闘は!!」

ξメ゚∀゚)ξ「調子が上がってきた!行くぜオラァ!!」

顔には傷が付き服もボロボロになってもまだ元気そうに突っ込んでいくツンヌ。

強い宇宙人(嘘だろこの地球人!俺の全力の攻撃を受けてピンピンしてる)

今しがた全力を出し切ってしまい、もう絶望しかない宇宙人。
その二人のやり取りを近くで見ているだけのドクオ。

(;'A`)(こいつマジでおかしいだろ……)

ツンヌ優勢でボコボコにしていく。
改めて地球の神秘をその目で見届けるのであった。

413名無しさん:2018/11/14(水) 22:35:05 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「はー」

ため息をつきながら、居酒屋まで歩く。
仕方ない今日は一人で飲みまくるしかない。
そう思っているうちにもう目的地まで付いた。
さぁやけ酒だ。

(`ェ´)「今日はパチンコ勝ちに勝ったぜ!」

≫(‘♀’)≪「やったな佐藤君!」

(`ェ´)「奢ってやるから感謝しろよ人さん。」

≫(‘♀’)≪「あざっす!マジ感謝!」

≫(‘♀’)≪「アンコウ料理のフルコース食おうぜ!!」

(`ェ´)「そんなコースこの店に無いでしょ。」

≫(‘♀’)≪「そうだった。」

アハハハハ!

同じタイミングで反対方向から楽しそうに飲みに来た客がやってきた。
このイライラしている時にこうも楽しそうにふざけあっている連中を見ると腹の底から怒りが込み上げてきた。

(゚、゚#トソン「チッ」

舌打ちをしながらにらめつける。

(`ェ´;) ≫(‘♀’;)≪

すぐさまおとなしくなる二人組。
威嚇した連中を置いて店に入りひたすら酒を注文した。

(゚、゚#トソン「あのクソ上司がぁ……」

もう既にどのくらい飲んだのか覚えていない。
それと同じくらいどれほどの愚痴をこぼしたのかも……

414名無しさん:2018/11/14(水) 22:35:33 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「ヒック……」

店長「お客さんそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」

居酒屋の申し出になんて答えたかすら覚えていないが、気づくと自分が住むマンションがある駅の近くまで来ていた。

(゚、゚*トソン「ヒック…わたしゃ酔ってなんかないよ……」

千鳥足で何とかマンションの方へと向かう。
その時だった。美味しそうなラーメンのニオイが。

(゚、゚*トソン「あぁん?らーめん?」

まさしく今見たくないランキング一位のものだ。
なんでラーメン雑誌になんて……
でもものすごく美味しそうなニオイだ。
こんなところにラーメン屋なんてあったっけ?好奇心から足がニオイのする方へと向かっていく。

(゚、゚*トソン「屋台のラーメンかぁ。」

珍しくこんなところで屋台を出しているみたいだ。
好奇心と美味しそうなニオイのせいで席についてしまった。

( `ハ´)「イラッシャイネー。」

中華服を着たその男は片言の日本語をしゃべっていた。
昭和くらいの漫画とかである中国人キャラみたいな見た目であるが、すぐさまこいつが地球の者でないのが分かった。

(゚、゚*トソン「おっさん宇宙人かー」

( `ハ´)「そうアルよ。ワタシ宇宙人ネ!」

(゚、゚*トソン「口調もいつの時代だよー」

( `ハ´)「ワタシは宇宙人でも味は確かネ!」

常連客A「おうよ!嬢ちゃんシナーさんの作るここのラーメンは宇宙一だぜ。」

隣に座る酔っ払いのおっさんが絡んできた。

415名無しさん:2018/11/14(水) 22:36:00 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「宇宙一ねー。言うじゃない。それなら一杯頼もうかしら。」

( `ハ´)「アイヨ!」

すぐさま麺を湯で始め、ささっと具をのせれば完成だ。
差し出される味噌ラーメン。

(゚、゚*トソン「ではいただきます!」

ズズズッ

(゚、゚*トソン「!!」

(゚、゚*トソン「うまい!!」

(゚、゚*トソン「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせて煮込み豚足と背脂を加えた濃厚スープに、味噌の芳醇なコクが融合しやみつきの美味しさ!」

(゚、゚*トソン「濃厚なスープと太麺が合うこと合うこと!」

(゚、゚*トソン「チャーシュー、卵、ネギに至るまでひと手間加えることで最高の味を引き出している!」

(゚、゚*トソン「こんなうまいラーメンを食べたは生まれて初めて!!」

常連客A「だろだろwww宇宙一の看板は伊達じゃないぜwww」

( `ハ´)「そう言ってもらえると幸せアルよ。」

(゚、゚*トソン「おっさん名前は?」

( `ハ´)「ワタシはシナー星人のシナーアルよ。」

(゚、゚*トソン「私はこういう者なんだけど。」

416名無しさん:2018/11/14(水) 22:36:32 ID:0Sx6YJI20
急いでバックから名刺を取り出して渡す。
まだオカルト雑誌の記者の奴だが。

(゚、゚*トソン「来週からラーメン雑誌の記者になるからシナーさんの記事書かせてよ。」

( `ハ´)「それはうれしい申し出アルね。」

( `ハ´)「でもこの店のことハ内緒にして欲しいヨ。」

(゚、゚*トソン「なんで?!有名になればお客さんもいっぱいでシナーさんウハウハじゃない。」

( `ハ´)「ワタシは所詮宇宙人ネ。」

( `ハ´)「なんの許可もなく勝手二店してるネ。」

( `ハ´)「そんなヤツハいつ始末されても文句言えナイ。この宇宙の常識的ルールネ。」

常連客A「そうだからシナーさんの屋台はいつどこで開くかわからないんだよ。今日は久しぶりに見つけられてよかったよ。」

(゚、゚*トソン「そんなもったいない……」

( `ハ´)「ワタシはこの宇宙デ究極の料理を作ルために旅してたアル。」

( `ハ´)「そんな中この地球ヲ見つけたネ。地球はスバラシイヨ。」

( `ハ´)「こんなにイロイロな食材アル星他にないネ。」

( `ハ´)「だからワタシ細々トデモお客さんに自慢のラーメン食べてホシイ。」

(゚、゚*トソン「そう言われちゃ私も黙ってるしかないじゃん。」

( `ハ´)「アリガトウアル。」

(゚、゚*トソン「今度は友達といるときに見つけれたらいいな―。」

美味しいものを食べるといらいらした気分も吹き飛ぶ。
これなら明日も頑張れるかな。

417名無しさん:2018/11/14(水) 22:37:07 ID:0Sx6YJI20
('A`)「ツンヌってマジに地球人なん?」

( ^ω^)「あれだよ、突然変異種とかだよ。」
  _
( ゚∀゚)「いや俺は自分を地球人だと思い込んでいる異星人説を押すね。」

(,,゚Д゚)「それだけ鍛錬したということだろ。俺たちも負けてられないな。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私のいる高みまで来るがいい敗北者どもよ!」

('A`)「化け物め。」

爪'ー`)「おっともうこんな時間か。それでは俺は会議に行ってくるから後のことはよろしく頼むぞ。」

( ^ω^)「了解です隊長!帰りは何時ですか?」

爪'ー`)「あー、今日は帰ってこれんと思う。また明日の朝な。」

( ^ω^)「そういうことですか、どうぞ楽しんできてください。」

爪'ー`)「いつも言っているが、くれぐれもヴィプトラ警備隊の隊員だということを忘れないで節度ある行動をするように。」

足早に作戦室から出ていく。

ξ゚⊿゚)ξ「ケッ!いいよな上の連中は。堂々と飲んで騒いでしに行けてよ。」

('A`)「ツンヌも堂々と飲んで騒いでしてると思うよ。」

( ^ω^)「まあまあ。そういった飲みの席は人付き合いで重要だぜ。」

418名無しさん:2018/11/14(水) 22:37:39 ID:0Sx6YJI20
爪*'ー`)「いやーおひさー元気にしてた?」

キャバ嬢「フォッちゃんひっさー!」

もうかなり飲んで二次会かも三次会かもわからない中、気づけばお気に入りの嬢がいるキャバクラへ。

爪*'ー`)「寂しくしてたー?はいこれプレゼント!」

キャバ嬢「ありがとー!寂しかったー!もうフォッちゃん来なかったからずっとつまんなかったもん!!」

爪*'ー`)「ごめーん!お仕事忙しくて―これなかったーのぉ。」

キャバ嬢「じゃあ今日はいっぱい甘えてやるー!」

爪*'ー`)「甘えて甘えて!もう本当は毎日会いに来たいのに!」

キャバ嬢「そんなに防衛任務って大変なんだね!」

爪*'ー`)「そんなのホントは部下に任せっきりだからほとんど何もしてないけどねwww」

キャバ嬢「もうフォッちゃんたらぁ!でもまたヴィプトラホーク1号乗りたいなぁー。」

爪*'ー`)「任して任して!また一緒に日本の上空を散歩しよう!」

キャッキャウフフと楽しい時間を過ごす。
他の長官たちも自分のお気に入りの嬢と楽しんでいる。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、自宅への帰路に就く。

爪*'ー`)「ヒック……ウェー……」

フラフラと歩いているといい匂いがしてきた。
旨そうなラーメンのニオイだ。
そういえば締めのラーメンを食べていないことに気が付き、ニオイの元へと歩く。

爪*'ー`)「味噌ラーメン一杯。」

419名無しさん:2018/11/14(水) 22:39:37 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「ハイヨ!」

元気よく返事をし、作業に取り掛かる店主をまじまじと見つめる。
いつの時代の中国人キャラだ?というかこいつ宇宙人では?

爪*'ー`)「あれぇ?あんたちょっとしてぇ。」

いや、酔っ払っているせいなのかもしれない。
そう思いながら質問をしようとしたら隣の席の酔っ払った若い女性が話しかけてきた。

(゚、゚*トソン「おっさんおっさん!シナーさんは宇宙人だけど料理の腕は確かだぜ!」

爪*'ー`)「ふぇぇ……」

(゚、゚*トソン「あれこのおっさんどっかで見たことあるな。」

(゚、゚*トソン「まぁ常連のこの私のいうことを信じなさい。」

(゚、゚*トソン「ここのラーメンは宇宙一よ!」

爪*'ー`)「ふぁぃ……」

酔っ払いすぎて思考が回らない。

( `ハ´)「どうゾ!自慢の味噌ラーメンアルよ!」

爪*'ー`)「いただきまふ。」

ズズズッ

爪*'ー`)「!!」

爪*'ー`)「何といううまさ!」

爪*'ー`)「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせt(゚、゚*トソン「もうその説明は私がしたからいいよ。」

爪*'ー`)「いやでもうますぎる!!」

( `ハ´)「そう言ってもらえれば料理人としてシアワセアルよ。」

(゚、゚*トソン「常連から忠告だけどこの屋台のことは誰にも言うなよ。」

(゚、゚*トソン「シナーさん宇宙人だから見つかったら始末されちまうよ。」

( `ハ´)「ヴィプトラ警備隊にだけはナイショにしてほしいアルネ。」

(゚、゚*トソン「いいか絶対に黙っとけよおっさん。」

爪*'ー`)「ふぇぇ……」

420名無しさん:2018/11/14(水) 22:40:15 ID:0Sx6YJI20
どうやって帰ったのかわからないが次に意識が戻った時には自宅のベットだった。

爪; ー )「頭イテー……」

激しい頭痛が襲う。二日酔いだ。だいぶ飲んだようだ。
昨日の夜の出来事がかなりあいまいで何とか顔を上げると嫁が鬼のような形相で睨んでくる。

从#'ー'从「あなた昨日また遅くまで飲んでいたでしょ!今朝玄関の戸が開けっぱなしでしたよ。」

从#'ー'从「それに脱いだ服がそのままになってるし、煙草の臭いはするし!」

爪; ー )「はい…ごめんなさい……」

从#'ー'从「もう一度やったら煙草だけじゃなくてお酒も禁止します!!」

爪; ー )「そ、それだけは……」

ただでさえ痛む頭にさらに怒りの怒鳴り声が響く。
天下のヴィプトラ警備隊隊長も奥様には頭が上がらないのだ。

爪;'ー`)「おはよう諸君……」

フラフラしながら作戦室に入っていくフォックス。

( ^ω^)「おはようございます。おや、どうやら昨日はだいぶ飲んだみたいですね。」

(,,゚Д゚)「だいぶ顔色悪いですよ。」

爪;'ー`)「歳のことを考えずに飲んでしまったよ。」

何とか椅子に座り一息つく。

爪'ー`)「……」

( ^ω^)「何か考え事ですか?」

爪'ー`)「いや、何でもないよ……」

爪'ー`)(何か大事なことを忘れている気がする)

爪'ー`)(そう、何かとてつもなくうまいものを食べたはずだ)

舌の上で確かに残る何かの味。
それのことばかり考えながら数日数週間が過ぎていく。
あの日以来夜は一人でパトロールに回っていた。

421名無しさん:2018/11/14(水) 22:40:53 ID:0Sx6YJI20
そんなある日、たまたま夜私服で出る私用があり一人で街中をうろついていた。
そうしていると何やら嗅いだことのある旨そうなニオイが……
ニオイを頼りに向かう。

爪'ー`)(このニオイだ!俺が探していたのは!)

気づけば屋台の席に座っていた。

( `ハ´)「イラッシャイアル!」

( `ハ´)「お!お客さんまた会ったアルネ!」

(゚、゚*トソン「ようよう!久しぶりじゃんおっさん!元気してたか?」

(゚、゚*トソン「あんたもここの常連になれたようだな!」

上機嫌な酔っ払いが絡んでくる。

爪;'ー`)「あ……」

欠けていたピースがはまるようにあの時の記憶がよみがえる。

爪'ー`)「み、味噌ラーメン一杯……」

( `ハ´)「ハイヨアル!」

爪;'ー`)「……」

(゚、゚*トソン「おっさんどうよ最近は?」

爪;'ー`)「え?」

(゚、゚*トソン「その感じだと仕事もできなさそうな窓際族のサラリーマンぽいけど、ちゃんと仕事行ってるか?」

422名無しさん:2018/11/14(水) 22:41:21 ID:0Sx6YJI20
爪;'ー`)「そりゃまぁ一応……」

( `ハ´)「お客さん元気ナイネ。ワタシのラーメン食べて元気出すヨ!」

差し出される味噌ラーメン。宇宙一のラーメンだ。
しかしここで葛藤が……
確かにこれは自分が探し求めていたものだが、相手は宇宙人。そして自分はヴィプトラ警備隊の隊長なのだ。
普段から隊員たちに厳しく防衛の心得を説いてきた。
その自分が宇宙人の作ったラーメンを美味しそうに食べているのはどうか。

爪;'ー`)「……」

( `ハ´)「どうしたアルか?食べないと冷めるヨ。」

(゚、゚*トソン「さてはおっさん今日は嫌なことがあったな!上司の怒られたとか?」

(゚、゚*トソン「あれか?その上司が一回りも年下でみんなの前でどやされたとか?」

(゚、゚*トソン「おっさん仕事できなさそうだもんなぁ。」

(゚、゚*トソン「いいかおっさん、そんなときはこれだ。」

そう言いながら日本酒を差し出す。

(゚、゚*トソン「同じ店の常連だからな。今日は私がおごってやるよ。」

爪;'ー`)「いや今日まだ仕事があるんで……」

(゚、゚*トソン「いいよいいよそんなこと!ほらグイッといって!」

勢いに飲まれていただくことにした。

爪*'ー`)「やっぱここのラーメンは最高だな!宇宙一だよ!」

爪*'ー`)(今は制服着てないからいいよな)

(゚、゚*トソン「だろだろwww」

( `ハ´)「お客さん元気になってワタシうれしいヨ。」

替え玉を頼み酒もさらに飲む。
こんな幸せなひと時があろうか。

423名無しさん:2018/11/14(水) 22:41:47 ID:0Sx6YJI20
一方その頃、ドクオ、ブーン、ツンヌはヴィプンターでこの近くをパトロールしていた。

ξ゚⊿゚)ξ「平和すぎて暇。」

('A`)「平和ならいいことじゃないか。」

ξ゚⊿゚)ξ「定期的に体動かさないとなまっちゃうのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「それならあんたサンドバックになる?」

(;'A`)「遠慮しときます……」

( ^ω^)「なあ二人とも腹減らね?」

運転しながらブーンが二人に聞いてきた。

ξ゚⊿゚)ξ「確かにこの時間は小腹がすいてくるわね。」

('A`)「ちょっと何か食べてくか。」

( ^ω^)「よし!食い行くか!ここら辺て飲食店あったっけ?」

('A`)「オイ見ろあそこ!屋台があるじゃん!」

( ^ω^)「ラーメンみたいだな。行ってみようぜ!」

屋台の近くにヴィプンターを停め屋台の座席に座る三人。

( `ハ´)「イラッシャイヨー!」

(;`ハ´)「あ……」

( ^ω^)「貴様宇宙人だな!ここで何やってる!」

(;`ハ´)「アイヤー!!」

すぐさま逃げ出すシナー星人。

424名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:21 ID:0Sx6YJI20
('A`)「待てこらぁ!!」

その後を追いかけるドクオとブーン。
その光景を席に座りながら見ているツンヌ。

ξ゚⊿゚)ξ「ちくしょう。せっかくラーメンが食べられると思ったのに。」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

爪;'ー`)「……」

ツンヌの隣で黙って座っているだけのフォックス。

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁん?」

隣のフォックスに気づく。

(゚、゚*トソン「あれ、ツンヌじゃん!」

ξ゚⊿゚)ξ「お!トソン!」

厄介な二人に囲まれるフォックス。

(;`ハ´)「アイェェェェ!!」

('A`)「止まれコラァ!!」

(;^ω^)「ウオォォォ!」

猛ダッシュで鬼ごっこを繰り広げる三人。

肥満体の宇宙人を追うドクオ。その二人を追う肥満体ブーン。
ドクオがシナー星人につかみかかれそうな瞬間、シナー星人が突然しゃがむと足払い。

(;'A`)「グエェェ!」

壮大にスッ転ぶ。

( `ハ´)「足元は要注意アルよ!」

(; A )「うーん……」

(;^ω^)「コノヤロー!」

気絶しているドクオを置いて追いかける。
そのまま歩道橋を上がっていくシナー星人。

425名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:52 ID:0Sx6YJI20
(;^ω^)「はぁはぁ…ちょっと待て……」

( `ハ´)「マテと言われてマツヤツハいないアル。サヨナラー!」

そう言ってタイミングばっちりに通りかかった大型トレーラーの荷台に歩道橋から飛び降りる。

(;^ω^)「なんのぉ!!」

少し遅れてブーンも飛び降りた。

(;`ハ´)「なかなかしつこいアルね。」

(;^ω^)「うぉあぶね!」

飛び乗ったはいいが、ギリギリだったため上半身だけが荷台にぶら下がっている状態だ。
おまけにその衝撃で光線銃を落としてしまう。それでもよじ登るブーン。

(;^ω^)「げっ!銃落とした……こりゃ始末書もんだな。」

(;`ハ´)「ふー、こうなったら戦うしかないアル。」

戦闘向きでないシナー星人だが覚悟を決める。

( ^ω^)「逃げ場はないぜ!観念するんだな。」

( `ハ´)「イヤアァァ!」

( ^ω^)「ハイヤァァ!」

壮絶な徒手戦闘を繰り広げる。
互いにギリギリのところで躱したりさばいたりする。

( `ハ´)「ハイィィ!」

( ^ω^)「なんの!」

シナー星人の足払い。華麗に飛んでかわすブーン。
二人とも太ましい体格ではあるが、俊敏に動いている。
持久走などの体力勝負のものには弱いが、その脂肪の下に隠された筋肉は伊達ではないのだ。
動けるデブというやつだ。

( ^ω^)「ふー……ん?」

なかなか勝負がつかない中トレーラーの進行方向がわかるブーンが気付く。

(;^ω^)「ゲエェェェ!!!」

426名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:20 ID:0Sx6YJI20
どうやらこのトレーラーはトンネルを通るようだ。高さがギリギリの。
このままではすり下ろされてしまう。
慌てて反対方向へとダッシュ。

(;`ハ´)「アイヤー!!」

シナー星人も気づいて同じように猛ダッシュ。
トレーラーの後ろでジャンプするが、同じようなトレーラーが何台も連なっていた。
後ろにいたトレーラーの荷台にまた着地。

(;゚ω゚)(;`ハ´)「ああああああアアアアアアア!!」

ひたすら走る。ミンチにならないように。
走って飛んで着地を繰り返す。

(;゚ω゚)「ヒギイィィィ!」

(;`ハ´)「アイエェェェェ!」

体力の限界が近かったが、何とかトレーラー集団が終わりを迎えてその後ろにいた軽トラの荷台に着地した。

(;^ω^)「いやほんとう、本当に一生分走った……」

(;`ハ´)「こんなんなるならダイエットしとけばよかったアル。」

(;^ω^)「筋トレはしてきたが、ランニングはしてこなかったからなー。」

(;`ハ´)「何事モ好き嫌いはダメネ。」

(;^ω^)「自分のことを動けるデブだった思ってたが、やっぱ標準体形が一番だな。」

(;`ハ´)「本当アル。」

( ^ω^)( `ハ´)「ハハハハハ!」

(;^ω^)(;`ハ´)「……」

トンネルの中では息を整えながら沈黙が続く。

427名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:47 ID:0Sx6YJI20
ξ*゚⊿゚)ξ「ウンメー!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが本当にラーメンか!!こんなにうまいもん人生で初めて食た!」

(゚、゚*トソン「おっさんよかったのか?あれあんたの替え玉じゃん。」

爪;'ー`)「きゅ、急に食欲がなくなってしまってね……」

ξ*゚⊿゚)ξ「オラ私にも日本酒注げよおっさん。」

爪;'ー`)「あ、はい。」

ξ*゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!仕事中の酒はうまいよな!そうだろおっさん?」

爪;'ー`)「いや……そんな……」

ξ*゚⊿゚)ξ「おらおめーも飲めよ!」

爪;'ー`)「遠慮……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

爪;'ー`)「い、いただきます……」

(゚、゚*トソン「もうツンヌおっさんにあたらないの!かわいそうでしょ!!」

(゚、゚*トソン「今日も仕事でやらかしてつらい目にあってきたみたいなんだからねー。」

(゚、゚*トソン「だから能無しダメダメ窓際おっさんいじめちゃダメー!」

爪;'ー`)「……」

ξ*゚⊿゚)ξ  ジ―ッ

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

爪;'ー`)(助けて誰か)

恐ろしい宴は続く。

428名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:12 ID:0Sx6YJI20
トンネルを抜けると静かに立ち上がり戦闘態勢をとる二人。

( `ハ´)「ズドリャアァ!!」

ブーンめがけて飛びかかるシナー星人。

( ^ω^)「オリャアァ!」

その勢いを利用して巴投げで投げ飛ばす。

( `ハ´)「謝謝!アリガトウアルヨ!」

( ^ω^)「?!」

( `ハ´)「投げ飛ばされる。コレ狙い通りアル。」

投げ飛ばされ宙を舞っているシナー星人はそのまま反対車線の車に着地する。

(;^ω^)「しまった!」

( `ハ´)「サヨナラー!」

あっという間に離れていく見失う。

( `ハ´)「ふー、あぶなかったアルよ。」

適当なところで降り人気のない場所にたどり着く。
ここならもう安全だ。
――そう思った時だった。

(#'A`)「やってくれたじゃないか貴様!!」

(;`ハ´)「アイヤー!!ドクトラセブンナンデー!!」

('A`)「このドクトラセブン様の探索能力をなめるんじゃない!」

ドクトラセブンは空からずっと先ほどの光景を見ていたのだ。

('A`)「往生せい。!辞世の句くらいは読ませてやるぞ。」

( `ハ´)「……」

( `ハ´)「辞世の句なんて読ムキナイヨ。」

(#'A`)「ほう、抵抗するというのか。」

( `ハ´)「もとよりこうなることは覚悟の上。」

( `ハ´)「それならドクトラセブン、アナタワタシの最後のお客さんになるネ。」

429名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:42 ID:0Sx6YJI20
持っていた携帯端末を操作するとどこからともなく屋台が出てきた。
すぐさま作業に取り掛かりあっという間に自慢の味噌ラーメンができた。

( `ハ´)「ヘイお待ちアルよ。」

('A`)「な……」

罠か?
そう思ったが今まで嗅いだことがないような美味しそうなニオイ。

(;'A`)「ゴクリッ」

本能なのか?体が勝手に動く。
席に座ると理性は食べるべきでないと思っても手が箸を持ち麺を口へと運ぶ。

ズズズッ

(*'A`)「!!!」

(*'A`)「ウマーーー!!!」

(*'A`)「え?」

(*'A`)「ウマーーー!!!

ズズズッ

(*'A`)「これウマーーー!!!」

圧倒的語彙力のなさ。
出てくる感想がうまいしかない。

( `ハ´)「フフフ、そう言ってもらえればワタシも満足いく人生だったネ。」

あっという間に食べ終わってしまった。

(;'A`)「……」

( `ハ´)「ワタシは目標の宇宙一のラーメンを作れたアル。それどころかお客様に満足してもらえて最高だったヨ。」

( `ハ´)「他の星に異星人が勝手に来てたら何されても文句ハ言えナイ。それがこの宇宙のルール。」

( `ハ´)「さっき言った通り覚悟はできてるヨ。一思いにやるネ。」

(;'A`)「ぐ……」

430名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:10 ID:0Sx6YJI20
ルールや決まりごとは絶対だ。
それを破るやつがいたとしたらそいつが絶対に悪い。
だが、ルールや決まり事というのは完ぺきなものは少ない。
当たり前だ。所詮そんなものは人が作ったにすぎないのだから。

ならばたまには守らなくてもいいじゃないか……そうはいかない。
そうなればやがてみんな誰も守らなくなる。それでは無秩序な世界になってしまう。

寛容さは大切だ。ルール違反であったとしても、それを管理する者が判断して例外などを認めることなども時には必要。
だが何でも寛容であることは危険だ。今回のことで言えばシナー星人を見逃しても、もし誰かの命を奪ったりしたら……
責任を取ると言うことは簡単だ。誰かが責任をとるだろう。だがそれをしたところで失われた命は戻ってくることはないのだ絶対に。
そういった葛藤の中にドクトラセブンはいた。

(;'A`)(シナー星人を倒すことは簡単だ)

(;'A`)(だがそんなことをしたら……)

('A`)(宇宙一のラーメンが食えなくなる!!)

地球防衛任務とラーメンを天秤にかけていた。

(;'A`)(落ち着け俺!たかがラーメンだぞ!)

(;'A`)(どっちが大切か考えて見ろ!そんなの決まってるだろ)

('A`)(ラーメンだ!)

(;'A`)(……)

(;'A`)(落ち着け俺)

431名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:40 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「どうしたアル?」

( `ハ´)「顔色も悪いみたいアルよ。」

(;'A`)(宇宙人の地球滞在を許すわけには……)

(;'A`)(そうだ一人認めたら大量に湧いて出るぞ!)

(;'A`)(しかしまた食べたい!)

(;'A`)「グググググ……」

そんな時にドクトラセブンの脳裏に一人の人物がよぎった。

≫(‘♀’)≪

ああそういえば人さんいたしいいんじゃないかな。

( `ハ´)「体調がよくないカ?」

('A`)「まあ待て。」

ポンッとシナー星人の肩に手を置き優しくささやく。

('A`)「次に店を開く時間と場所を教えろ。」

( `ハ´)「は?」

('A`)「察しが悪いな。そうすりゃ見逃すって言ってんだよ。」

('A`)「見た感じお前は悪いことしそうな感じじゃないしな。」

(;`ハ´)「お前マジアルか?」

驚きを隠せない。星を防衛するにあたってそんな考えでいいのか?
それにヴィプトラの戦士はもっと容赦がない連中ばかりのはずなのだが……

('A`)「じゃあ何かあったらここに連絡くれ。」

連絡先を書いた紙を渡すとサッと空に飛び立っていくドクトラセブン。

(;`ハ´)「えぇ?こんなんアルか?」

432名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:06 ID:0Sx6YJI20
翌日。

(;^ω^)「やべー…昨日宇宙人取り逃がしたどころか光線銃紛失しちまったよ…」
  _
( ゚∀゚)「おいおい隊長がまたブチギレるぞ!『光線銃をなくすとは何事だ!!日頃のたるみが!!』みたいな感じかな。」

(,,゚Д゚)「ご愁傷様。」

prrr

('A`)「おっと携帯に電話だ。」

('A`)「はいもしもし……了解!」

('∀`)「ちょっとパトロール行ってくるからしっかりご説教受けとけ。」

(;^ω^)「クソォ…みんな他人事だと思いやがって……」

そんなこんなしている作戦室にフォックスが入ってくる。

(,,゚Д゚)「隊長、ブーン隊員がお話したいことがあるそうです!」

(;^ω^)「あ!ちょっと!」

爪'ー`)「なんだ?」
  _
( ゚∀゚)「ではではお二人でごゆっくり!」

そう言って二人から離れるギコとジョルジュ。

(;^ω^)「いや、それがその……光線銃を紛失してしまいまして……」

爪#'ー`)「なに!!光線銃を紛失しただと!!」

あっという間に怒りが頂点。
いつも通り怒鳴り散らすかと思われたときにフォックスは昨日の出来事を思い出す。
自分もヴィプトラ警備隊にあるまじき行為をしていたあの出来事を。

爪;'ー`)「ま、まぁそういうときもあるさ。今後気をつけるように……」

何という歯切れの悪さ。
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「???」

予想外のことで動揺する隊員たち。
それから数日フォックスはどんなことでも怒ることはなかったとか。

433名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:31 ID:0Sx6YJI20
昼間どこかの駅周辺の屋台。

('A`)「おら食いに来てやったぞ。」

( `ハ´)「イラッシャイ!」

( `ハ´)「味噌ラーメン一つネ!」

('A`)「いやー今日も食えるなんて幸せだな!」

('A`)「ん?」

ξ*゚⊿゚)ξ「おおドクオじゃん!」

昼間だというのに一杯やりながらラーメンを食べているツンヌ。

(゚、゚*トソン「なになにツンヌの知り合い?」

(゚、゚*トソン「ってブッサイクな面してんじゃん!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが前に言ったグロテスクな新人よ。」

(゚、゚*トソン「マジで人間?同じ生物とは思えないんですけどwww」

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

(;'A`)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと二人とも失礼でしょ!!」

(*'A`)「あ!デレさんこんにちは!」

ζ(゚ー゚*ζ「すみませんドクオさん、二人ともだいぶお酒飲んでるみたいで。」

ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオお前も一杯飲んでけよ!」

(;'A`)「いやまだ勤務中だから……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

( `ハ´)「ハイヨ味噌ラーメンアル!」

宇宙一のラーメン。今日もどこかで開店中。
もしかしたらあなたの街にもやってくるかも。

第十四話『宇宙一のラーメン』

終わり

434名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:59 ID:0Sx6YJI20
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

435名無しさん:2018/11/15(木) 01:03:18 ID:u9Yed/qM0
乙!面白かった
めっちゃ味噌ラーメン食いたくなったわ……

436名無しさん:2018/11/15(木) 01:15:14 ID:WXIaQmec0
おつ
この時間に飯テロもどきはやめてくれよ…

437名無しさん:2018/11/16(金) 20:14:25 ID:YvO5tpUE0
乙です

438名無しさん:2018/11/16(金) 22:21:22 ID:ShRt8KvI0
シナーさんが無事でよかった。

439名無しさん:2018/11/16(金) 22:26:30 ID:ShRt8KvI0
おつんつん
シナーさんが無事でよかった

440名無しさん:2018/11/17(土) 02:14:13 ID:MBRIr2TY0
これだいすき

441名無しさん:2018/11/21(水) 19:42:03 ID:NEGEHMnk0
ツンが完全に人間やめてて草

442名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:09 ID:cGkZm8J.0
第十五話『正しさこそ正義』

ある日、日本列島では宇宙人に襲われるという事件が多発した。

不細工な女「白い全身タイツみたいな羽の生えたやつに襲われたのよ!」

不細工な女「『正義のヒーロー』のなんちゃらマンだって言ってたけど、そいつの光線浴びたらこんな顔にされたの!!」

不細工な女は涙ながらに語ると光線を浴びる前の写真を見せる。
そこにはすごい美人が映っていた。今は見る影もない。

( ^ω^)「こいつはひでぇ。」

ハゲたイケメン「俺はフサフサだった自慢の髪の毛がこのありさまだよ!」

その頭は無残にもハゲ散らかしていた。

('∀`)9m「プギャー!ざまぁ!イケメンざまぁ!」

胸が断崖絶壁の女「アーン、Fカップあった私の胸がぁ!!」
  _
(#゚∀゚)「これは許せん事態だ!!」
  _
( ゚∀゚)「ちなみにお嬢さん、俺は貧乳も大好きだよ!」

低身長の男性「180以上あった俺の身長が……」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはいはい。」

低身長の男性「ちょっと俺の話聞いてます?」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるせぇな!いまアプリのパワプロやってんだから黙ってろよ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あ!このクソビッチレイリー!読心術失敗してんじゃねぇぇぇ!!」

低身長の男性「……」

女「私の自慢の彼ピッピがマッチョマンになっちゃった……」

女「ぽっちゃりが好きでいい感じに脂肪がついてたのにぃ!!こんなのヤダ!」

マッチョマン「……」

(,,゚Д゚)「君いい体してるじゃん!いつもどんなトレーニングしてるの?」

マッチョマン「あ、わかります?僕はいつも――」

女「ヤダヤダこんなマッチョマン!!前みたいな豚ちゃんに戻ってよー!!」

そんなような被害が多発していた。

443名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:39 ID:cGkZm8J.0
( ^ω^)「しかし、自称『正義のヒーロー』がひどいことしやがるよな。」
  _
(#゚∀゚)「まったくだ。おっぱいに手を出すなど男としてあるまじき行為だぞ。」

('A`)「だが目的がわからんな。『正義のヒーロー』とやらがなぜ人間を醜くしようってんだ?」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!自分で『正義のヒーロー』を名乗るやつに碌なのはいねぇよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「知ってるか?絶対英雄になれない条件。」

('A`)「?」

('A`)「そんなのあるのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「おぉよ!その条件ってのが……」

('A`)「うんうん。」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、なんだっけ?」

ξ゚⊿゚)ξ「おい、ウンチク博士!」
  _
(;゚∀゚)「いや、俺もそんなの知らないよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、こういう時に使えねぇ。」

爪'ー`)「あー、いいか諸君。現在『正義のヒーロー』と名乗る不届き者が事件を起こしている。」

爪'ー`)「我々ヴィプトラ警備隊の威信をかけてこれを排除するぞ!!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

444名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:08 ID:cGkZm8J.0
必死の捜索もむなしく、なかなか『正義のヒーロー』とやらを発見することができなかった。
そして後を絶たない被害者たち。そんな日が続いたある日、ドクオが一人でパトロールと街中で男の悲鳴が聞こえた。
急いで路地裏に向かうと一人の女性の格好をした人物がうずくまっていた。

('A`)「大丈夫ですか?」

(;'A`)「う……」

そのうずくまっている女性の恰好をした人の顔を見るとまるでおっさんのような顔になっていた。
さらにその声は野太い男の声。

うずくまる女性「ひどい…こんなんじゃ人前に出れないよ……」

(#'A`)「なんていうことだ!許せん!!」

(#'A`)「君をこんなにしたやつはどこに行った?」

スッと指をさす。

('A`)「必ず捕まえてやる!」

指をさされた方に走っていく。
ある程度行くと行き止まりになっていたが『正義のヒーロー』とやらの姿がない。

('A`)「逃げられたか。クソォ!!」

見失ったと思った時であった。

???「もしやこの私をお探しかな?」

トォッという掛け声とともにスーパーヒーロー着地を決めるその全身が白いタイツ。
着地をすると同時に決めポーズをビシッと決める。

(☆)「はるか遠くスター星からやってきた一つの流れ星!」

(☆)「『正義のヒーロー』ジャスティスマンここに見参!!」

445名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:46 ID:cGkZm8J.0
全身が白いタイツで覆われ、白い羽を生やし顔には大きな星が一つ。
そう彼こそがスター星からやってきたスター星人で『正義のヒーロー』ジャスティスマンなのだ。

('A`)「どちらかというと○ンタゴンでは?」

(☆)「?」

(☆)「何のことを言っているのかわからんが、このジャスティスマンの前では偽りの姿は許されない!!」

(☆)「必殺ジャスティスビーム!!」

そう言うと顔の星のマークからビームが発射されドクオに命中した。

(;'A`)「うわ!!」

(;'A`)「ってあれ?」

ドクトラアイを使っていないのにドクトラセブンに変身した。

(☆)「私のジャスティスビームはどんなものも本当の姿に戻すことができるのだよドクトラセブン。」

('A`)「そういえばスター星人にはそんな技があったな。」

('A`)「ん?」

('A`)「ということは……」

(☆)「まさかこの『正義のヒーロー』が地球人どもを醜い姿に変えたとでも思っていたのか?」

(☆)「逆だよ。化粧などで自分の顔を偽ったり、カツラでハゲ散らかした頭を隠したり。」

(☆)「シリコンで胸を大きく見せたり、シークレットシューズで高く見せたり。」

(☆)「脂肪の塊のような肉襦袢でマッチョな身体を隠したり、身体は男なのに心は女で性転換手術や整形で外見だけ女になったり。」

(☆)「そういった嘘をついた者を本来の姿にしただけさ。」

(☆)「そして私が解除するか死なない限りジャスティスビームを受けた地球人は嘘偽りがつけない。」

('A`)「なるほど。」

('A`)「しかし、ちとやりすぎなのでは?」

446名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:22 ID:cGkZm8J.0
(☆)「何を言っている。真実が一つのようにこの宇宙でも正義は一つなのだ。」

(☆)「この宇宙では嘘が多すぎる。それを正しに来たのだ私は。」

(☆)「そう、正しさこそが正義!!故にジャスティスマンは『正義のヒーロー』なのだ!!」

('A`)「いやだからやりすぎだって。化粧だとかそれくらい許してやれよ。」

(☆)「そうはいかんのだよ。地球のような未開でサルしか住んでないような星が宇宙連盟に認められるには正しくなくてはいけない。」

(☆)「だからこそこのジャスティスマンが嘘を排除して正しい星へと導かなくてはならない。」

('A`)「排除ってどうするつもりだよ。」

(☆)「嘘や偽りをするような奴は悪だ。私のこの警告も無視するような奴らは始末するに決まっているだろ。この『正義のヒーロー』に逆らうというのだからな。」

(☆)「悪は滅ぼさねばならない!!」

(;'A`)「始末ってやりすぎだろ!!そんなんじゃ侵略者と変わらないぞ。」

(#☆)「テメー!!誰が侵略者だ!!俺は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ!!」

今まで優しそうな感じでしゃべっていたジャスティスマンが怒鳴り散らす。

(#☆)「こちらとらこんな宇宙でも端の端、辺鄙な地球とやらに来てやってんだぜ。感謝こそされど侵略者扱いとは何事だ!!」

(#☆)「ぶちのめすぞテメー!!」

(;'A`)「ちょっと落ち着けって……」

(#☆)「チッ!」

煙草を一本吸って少し間を置く。
怒り狂っていたジャスティスマンも落ち着きをとり戻した。

(☆)「やはり宇宙ケシの実入りの煙草はうまい。」

('A`)「始末とかじゃなくてもう少し穏やかな方法とかないのか?」

(☆)「……」

(☆)「ドクトラセブン、君はなんでそこまで地球人ごときに肩入れするんだ?」

447名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:59 ID:cGkZm8J.0
('A`)「俺も最初はこんな星とか思っていたよ。」

('A`)「でもこの星を守っているうちに悪くないなって思うようになってさ。」

(☆)「ならばなぜ君は自分の存在を偽る?」

(;'A`)「え?」

(☆)「諸星ドクオとはなんだ。偽りの存在で接していてそれは本当に仲間だとでもいうのか?」

(;'A`)「そ、それは……」

(☆)「君もわかっているのだろ。所詮地球人など排他的で宇宙人を受け入れられないのだと。」

(;'A`)「……」

何も言い返せなかった。
正直なところ自分の正体をみんなに教えようかと考えたことは何度かある。
しかしそれが受け入れられなかったらと考えると……
初めてできた仲間に拒絶されるのが怖かったのだ。

(☆)「所詮地球人との絆なんてそんなもんだろ。」

(;'A`)「……」

(☆)「お互いスター星人とヴィプトラの戦士の仲ではないか。」

ヴィプトラの星とスター星はそれなりに友好的な関係なのだ。

(☆)「私が執行する正義を邪魔しないでくれ。」

('A`)「そうはいかん!!たかが化粧や嘘程度のことで地球人を始末なんかさせないぞ!!」

(☆)「おいおいマジかよテメー!」

448名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:25 ID:cGkZm8J.0
(☆)「俺はさっさとこんな星とおさらばしたいんだよ。こんな何もない星。」

(☆)「だかかもう少ししたら大々的に粛清したりして嘘をつくような連中は排除するつもりだ。」

(☆)「そうしてこの星を正しい方へと導いてやれば他の星でも正義が執行しやすい。」

(☆)「なにより私達スター星の評価がうなぎのぼりだ。そしてこの俺は称賛や名声を手に入れられる。」

(☆)「これこそが『正義のヒーロー』!!ドクトラセブン、君もだから目指しているんだろ『正義のヒーロー』を。」

('A`)「……」

('A`)「確かに目指していたな。そんな『正義のヒーロー』を。」

('A`)「かっこよくて強くてモテて人々から尊敬されてもてはやされる。そんな『正義のヒーロー』になろうだなんて思っていたな。」

(☆)「だろだろ!もう少しでそんな『正義のヒーロー』になれるんだぜ俺達は!だから手を貸してくれよ。」

('A`)「憧れていたよ。でもさ気づいたんだ。この星を守るために戦っているうちに。」

('A`)「昔憧れていた『正義のヒーロー』ってのはただ薄っぺらいだけの言葉だってことに。」

(☆)「は?」

(#☆)「テメー喧嘩売ってんのか!!『正義のヒーロー』が薄っぺらい言葉だと?取り消しやがれよコラァ!!」

(#☆)「所詮自分の正体を偽るような奴はこの地球人どもと同じで悪でしかないんだな!」

(#☆)「まずはテメーから排除してやるよ!!」

('A`)「短気すぎるのはよくないぜジャスティスマン。どうだ俺と少し地球を守ってみないか?」

(#☆)「こんなカスみて―な星守る価値なんてないだろ!!」

('A`)「やってもいないのに決めつけるのはよくないぞ。きっと驚くような経験ができるぞ。」

449名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:55 ID:cGkZm8J.0
(#☆)「真実が一つのようにこの宇宙で絶対的なことがある。」

(#☆)「この俺ジャスティスマンは『正義のヒーロー』で俺こそが正義なんだよ!!」

(#☆)「つまり俺に逆らうやつはみな悪なのだ!!」

(#☆)9m「その『正義のヒーロー』が断言する!お前は悪だドクトラセブン!!」

(;'A`)(こいつめんどくせぇ)

そんな風にドクトラセブンが思っている時だった。
冒頭で出てきた不細工な女がたまたまその近くを通りかかりジャスティスマンを見つけたのだ。

不細工な女「あ、テメーは!!」

(☆)「!」

ドクトラセブンの後方にいた不細工な女は猛ダッシュでジャスティスマンに向けて走っていく。
詰め寄っていろいろ文句を言おうとしているのだろう。
ジャスティスマンは面倒なのがきたとしか思っていないようだ。
ドクトラセブンも後ろをちらりと見てジャスティスマンに掴みかかるようなら引き離さないとな程度にしか考えていなかった。

地球人程度ではどんなに頑張っても宇宙人にダメージを与えられない。例外の人物を除いて。
それこそ武器がなければ無理な話だ。ただの一般市民がそんなものを持っているはずがない。
二人ともそう思って油断していた。それは一瞬だった。

不細工な女「テメーだけは許さねぇ!!」

ドクトラセブンとすれ違うその一瞬だった。
直感なのか本能なのなのかはわからないが、ドクトラセブンの頭アイス・ラッガーをつかみ取るとそのままジャスティスマンののど元に切りつける。

(;☆)「ガ……」

(;'A`)「!」

完全に油断していた。
緑色の血がジャスティスののどから噴き出した。

450名無しさん:2018/11/23(金) 02:12:37 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「き、貴様何をする……わ、私は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ……」

地面でのたうちながら必死に切られたのどを抑えるジャスティスマン。

(;☆)「私は嘘をつく地球人を正しく導こうとしていただけなのに……」

(;☆)「本来あるべき姿で他人と接しなくては何事も正しくないのだ……嘘偽りなど……」

不細工な女「確かにお前の言うことには一理あるかもな。」

(;☆)「そうだろ……私は『正義のヒーロー』絶対に正しいのだ……」

不細工な女「だがな!!テメーのそのくだらねぇ考えはテメーだけでやってろ!!他人にその考えを押し付けてんじゃねぇ!!」

(;☆)「正しいことを広めるのが『正義のヒーロー』の役目でもあるのだよ……」

不細工な女「なにが『正義のヒーロー』だ!!そんなの小学生のごっこ遊びで卒業しとけ!!」

不細工な女「大人になっても『正義のヒーロー』なんて言ってるやつはなぁ、心が子供のままの子供大人か」

不細工な女「ただ『正義のヒーロー』って言葉に酔いたいだけの自分が大好き野郎だけなんだよダボがぁぁ!!」

不細工な女「それにテメーが本当に『正義のヒーロー』だってんならなんで本当に困ってる人間を助けに行かねぇ!!」

(;☆)「困ってる人間……?」

不細工な女「紛争地域だとか災害地だとかで本当に困ってる人たちだよ!!」

不細工な女「なんでそういう人たちを差し置いて自分のくだらねぇ考えを強要してんだよ!!」

451名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:11 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「いや……」

地球人を完全に見下していたジャスティスマンにそんな考えは全く浮かばなかったのであった。

不細工な女「要するにテメーは後者なんだよ。『正義のヒーロー』に酔いしれてるだけの自己中!」

中指を立てながらまくしたてる。

不細工な女「私によくわからんビーム当てたときも長々と正しさがだとか正義がどうたらとか」

不細工な女「上から目線で説教しやがってよぉ!!テメーのくだらねー価値観なんてどうでもいいんだよ!!」

不細工な女「押しつけこそが悪だと知れよカスが!そんなに嘘つかれんのが怖いんならよぉ引きこもってろよ!!くだらねー考えもそのクソッタレの頭ん中で完結させとけ!!」

(;'A`)(AAも名前もないようなモブがやたらとしゃべるな……)

(;☆)「ゴ……」

(;☆)「」

『正義のヒーロー』は何も言い返せることができずに無様にも息を引き取った。

(;'A`)「……」

ジャスティスマンが死んだと同時に今までジャスティスビームを浴びた地球人たちが戻っていく。
偽りの姿に。

化粧で超絶美人「やった!元の顔に戻った!!」

フサフサなイケメン「俺の髪(カツラ)が戻ったぞ!」

女「やったあ!私の彼ピッピが元のぽっちゃりデブに戻ったあ!」

肉襦袢で覆われたマッチョマン(お!肉襦袢が元に戻った)

被害者たちは喜びの喚起を上げる。

化粧で超絶美人「よかったよかった。」

ニコニコしながら喜んでいる。
その近くをフサフサなイケメンが通りかかる。

452名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:46 ID:cGkZm8J.0
フサフサなイケメン「お!かわいいこちゃん見っけ!!」

それに気づいた化粧で超絶美人は慌てて手に持っていたアイス・ラッガーを捨ててフサフサなイケメンの元へと駆け寄る。

化粧で超絶美人「アーン、宇宙人に襲われて怖かったぁー!」

そう言いながらフサフサなイケメンに抱き着く。

化粧で超絶美人「ドクトラセブンがいなかったら危なかったのぉ!怖くて動けなーい!」

フサフサなイケメン「仕方ないな。どうこの近くで休んでかない?」

化粧で超絶美人「うん!どっかで休んでこ!」

そうして二人は手を握りながらどこかへと去っていった。
嘘や偽りがあろうと世の中というのは問題なく回っていくのだ。
そんなに無理して正そうなど無駄な労力でしかない。

('A`)「……」

ただ一人残されるドクトラセブン。

('A`)「だから言ったろ、驚くような経験だできるって。」

('A`)(そういえば真実はいつも一つだとか言っていたな)

真実が一つというが本当にそうなのだろうか?
車は道の左側を通る。
だがそれは日本での話だ。世界では右側が主流。

('A`)(そして宇宙では左だとか右だとかはない)

('A`)(弱い者が強い者に道を譲るのだ)

そういった様々な見方をすれば真実は本当に一つなのだろうか。

('A`)「だがお前の言う通りかもしれないな。」

そう、自分が諸星ドクオと偽る限りみんなと本当の仲間だといえないのかもしれない。
でもいつか本当の自分をみんなに打ち明けられる時が来るのだろうか……
いやうち開けなくてはならないのだ。地球人と本当の友になるためには。
そう遠くない未来に。

第十五話『正しさこそ正義』

終わり

453名無しさん:2018/11/23(金) 02:14:20 ID:cGkZm8J.0
今回は短いですが以上です。
いつもありがとうございます。

454名無しさん:2018/11/23(金) 07:43:46 ID:5kWSKTJM0
不細工な女ツンヌかと思ったわwww

乙!

455名無しさん:2018/11/23(金) 08:20:55 ID:.RMH2c2A0
>>454
たぶんつんぬだぞ

456名無しさん:2018/11/23(金) 12:50:47 ID:gX7HjT0Y0
恐らくツンヌ星人とかオーガ星人とかそんなのが混ざりまくってるだろ戦闘力高すぎだわ乙

457名無しさん:2018/11/24(土) 07:38:00 ID:rzLVRc5k0
おつ

458名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:01 ID:QOpG40xs0
第十六話『氷点下零度の戦い』

皆さんは人間の一番の武器は何だと思いますか?
知能を挙げる人がいれば道具を使えること挙げる人もいるでしょう。
現代ならば兵器だったり爆弾、核など凶悪なものも。

しかしそういった恐るべき兵器も悪天候だったり天災の前では無力だったりします。
さらには最新鋭の戦闘機であっても飛行中、エンジンにただの鳥を吸い込むだけで簡単に壊れてしまいます。
どんなものも使いようなのです。

今でこそ使い勝手のいいインターネットも元は軍事目的で開発されました。
それがあっという間に誰でも使えて便利なものに。
過去の戦争では殺虫用のガスが恐ろしい毒ガスに。恐ろしい毒ガスだったものが殺虫剤になったりしたのです。
どんなものでも生活に欠かせないようになったり、生活に欠かせないようなものが恐るべき侵略兵器にも――
今回はそんなお話。

459名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:51 ID:QOpG40xs0
ときは12月31日の大晦日、年の終わりに地球の危機が迫っていた。

('A`)「あー、今日で今年も終わりかー。」

('A`)「でもさすごく気になるんだけど、なんで今日は俺たちしかいないの?」

雪が降り積もる富士山。ここの地下数百メートルにヴィプトラ警備隊の基地がある。
いつもは数千人の隊員たちが忙しく働いているのだが、この日は静まり返っていた。

爪'ー`)「毎年恒例で大晦日は我々だけが防衛任務に就き、一般隊員はお休みだ。」

そう、この日は作戦室にいるフォックス、ドクオ、ブーン、ジョルジュ、ギコ、ツンヌのみなのだ。

(;'A`)「地球防衛に休みの日とかあっていいんですか?!」

爪'ー`)「一日くらいな。どうせ侵略者だって今日くらいは休みだろ。」

(;'A`)「いやいやいやいや!」

( ^ω^)「まあ、今日何か起きてもいいように我々がいるんじゃないか。」

(;'A`)「マジかよ……」

爪'ー`)「その代わり我々はクリスマスが休みだったんだからいいだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「確かに今年のクリスマスは楽しかったなー。」
  _
( ゚∀゚)「俺、ツンヌ、デレさん、トソンさん、佐藤君、人さんでだいぶ飲んださわいだしたよな。」

ξ゚⊿゚)ξ「人ってやつずっとチョウチンアンコウの着ぐるみ着てて笑うわ。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
  _
( ゚∀゚)「本当に楽しかったよ。」

460名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:16 ID:QOpG40xs0
(;'A`)「え……」

(;'A`)「何それ聞いてない……」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、すまん!ドクオに言うの忘れてた。」

(#゚A゚)「おまえ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな過ぎたこと怒ってんなよ。今日は大晦日だぜ、のんびりしようや。」

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

( ^ω^)「いやー今年のクリスマスは久しぶりにハッスルしたから子供が増えるかも。」

(,,゚Д゚)「それはよかったじゃないか。俺はヴィプトラホーク2号に彼女と乗って宇宙ステーションVIP3で一晩明かしたよ。」

( ^ω^)「ヒュー!宇宙旅行とはやるじゃん。」

(,,゚Д゚)「そりゃぁもちろんヤりましたよ。」

( ^ω^)「おいおい、何の話だよ!」

ワハハハハハハ!

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

リア充が憎い!!
クリスマスだとかバレンタインとかそんなイベントは地球のローカルな行事でしかないのだ。
V78星雲でもそんな都市伝説があるようだが俺は知らん。
所詮は都市伝説なのだ!!だって俺は体験したことないんだもん……

461名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:42 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「つーかなんか寒くない?」

(,,゚Д゚)「確かに寒い。」

( ^ω^)「外は雪も降っているみたいだしな。」

爪'ー`)「そもそも暖房止まってない?」
  _
( ゚∀゚)「そういえば最近ボイラーの調子が悪いみたいなこと誰かが言ってたな。」

爪'ー`)「そうなると誰かが直してこないとな……」

突如として静まり帰る作戦室内。
さっきまで暖房が効いていたこの部屋でも寒くなってきたのに、暖房が全く効いていないであろうボイラー室に行くなどと……
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していた。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

ξ゚⊿゚)ξ「エーン、ツンヌボイラーの直し方がわかんなーい!ツンヌが下手に触ったらもっと悪くなっちゃうよー!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子だった。

(,,゚Д゚)「え?」

(#'A`)「は?」
  _
(;゚∀゚)「うわぁ……」

( ^ω^)「スタンド攻撃でも食らったか?」

爪'ー`)「これは悍ましい。何と悍ましい。」

ξ゚⊿゚)ξ「はい、というわけで私を除いたお前らだけで何とかしてこいよ。」

(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「……。」

462名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:14 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「仕方ない。こうなったら最年長である俺が行ってくるか。」

( ^ω^)「流石隊長!!」

('A`)「さす隊!!」

爪;'ー`)「う!」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)「?!」

爪'ー`)「いやー最近の激務とこの寒さじゃ年老いたこの体じゃムリかなー。」

わざとらしい咳をしたかと思うと頻りに四人の方をチラチラと目線を送る。

(,,゚Д゚)「あー、はいはいはい。」
  _
( ゚∀゚)「チッ」

('A`)「マジ老害。ホント老害。」

( ^ω^)「上司が仮病使ってくる件について。」

爪'ー`)「そういうわけだから若い連中でどうにかして。」

にらみ合う四人。

爪'ー`)「ボイラー室から戻ってきたら暖かいコーヒーを淹れてやるよ。」

463名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:44 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「なぁ、世の世で最も公平なものを知ってるか?」

( ^ω^)「ジャンケンだ。ジャンケン。」

( ^ω^)「これでけりをつけよう。」

('A`)「ほう、この主人公補正ありありなドクオ様にジャンケンで勝負を挑むというのか。」

('A`)「この№1主人公ドクオに!」

( ^ω^)「ジャンケンなんて所詮運よ運。」

( ^ω^)「いつだってこのラッキーマン・ブーンは幸運ですべて乗り切ってきた!!」

(,,゚Д゚)「ジャンケンをなめんな!これはれっきとしたスポーツだぜ!」

(,,゚Д゚)「反射神経といえばギコの動体視力をなめんなよ!」
  _
( ゚∀゚)「主人公補正だとか幸運だとか動体視力とか無駄なんだよ!」
  _
( ゚∀゚)「ミスターデータベースこと、このジョルジュに蓄積されたデータをもとにすれば塵に等しいぞ!!」

再びにらみ合う四人。
戦いの火蓋が切られた。

ジャーンケーン―――

地下深くにあるヴィプトラ警備隊の基地。
その廊下を一人の敗北者がボイラー室に向けて歩いていた。
その口はひたすら負け惜しみを吐いてより一層みじめさを醸し出していた。
そして寒さなのか負けて悔しいのか身体が小刻みに震えている。

464名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:10 ID:QOpG40xs0
('A`)「そもそも隊長やツンヌが参加してないのがおかしい。」

('A`)「全員参加でやるべきだったんだよ。」

('A`)「なにより機械いじりならジョルジュが行けばいいじゃんかよ。」

ブツブツとひたすらに文句を言っている。

('A`)「まあいい。さっさと直せば暖かいコーヒーが俺を待っているんだ。」

(('A`))「うぅ寒い。」

廊下の壁に取り付けられた温度計は零度を示していた。

('A`)「?!」

敗北者ドクオは廊下にある物が置かれているのに気付いた。
コタツだ。冬といえばこれがあればなんとかなる日用家具。
なんて変哲もないコタツが廊下に置かれている。
どう考えても罠だ。人が少ない今日を侵略者に狙われたのだ。

('A`)「うおぉぉぉぉぉ!!」

急いでコタツに近づく。
罠なのだからよく調べなくては。

('A`)「ふう。」

なんなくコタツに入りくつろぎだす。
何という恐ろしい侵略兵器だ。
一瞬にしてどドクオを無力化してしまった。

( <●><●>)「フッフッフ!貴様らがコタツを見つければ本能的に入ってしまうことはワカッテマス!」

凶悪な侵略者ワカッテマス星人だ。

( <●><●>)「愚かな地球人よそのコタツに入ったら最後、このバリア発生装置がある限り外には出れないのだよ!」

( <●><●>)「フハハハハハ!!泣いて喚いてももう遅いぞ!!」

('A`)「お!お茶あるじゃん!」

('A`)「茶がうめ―。」

( <●><●>)「……」

465名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:44 ID:QOpG40xs0
ドクオが出てからすでに数十分が経過していた。

( ;<●><●>)「お前もう少し焦りとかないの?」

('A`)「冷蔵庫に簡易トイレにテレビもあるしここから出る必要ある?」

( ;<●><●>)「ヴィプトラ警備隊の隊員だよね?」

('A`)「むしろ俺ここに住むわ。」

( ;<●><●>)「?!」

( ^ω^)「おいおいドクオ、まだ直らんのか?」

直るのが遅いのでしびれを切らしたブーンが様子を見に来たようだ。

( ^ω^)「!」

(#^ω^)「貴様ァァァ!!」

ブーンが猛ダッシュで向かってくる。

( ;<●><●>)「し、しまった!バリア発生装置はボタン一つで簡単に解除されてしまう!」

焦るワカッテマス星人。
まったく動揺しないドクオを相手していて次の作戦に移れなかったのだ。

(#^ω^)「オオオオオオ!」

雄たけびを上げながらコタツめがけてスライディング決める。

( ^ω^)「ふう。」

( ^ω^)「お!ミカンあるじゃん!」

( ;<●><●>)「……」

466名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:13 ID:QOpG40xs0
その後も

(,,゚Д゚)「ボイラー直すのにどれだけ時間かかってんだよ!」

(,,゚Д゚)「!!」

(,,゚Д゚)「オラァァァ!」

(,,゚Д゚)「ふう。」

('A`)「せんべいあるけど食べる?」

(,,゚Д゚)「おお、ありがと。」

爪#'ー`)「まだ直らんのかぁぁぁ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「おい!テメーら!!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「もう少し詰めろ。私が入れないだろ。」

( ;<●><●>)「……」

コタツを囲ってみんなで楽しそうにくつろいでいる。

爪'ー`)「TVあるじゃん!紅白見ようぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「は?ガキ使に決まってんだろ!老害に決定権はねぇ!」

( ;<●><●>)「あの…みなさん?」

( ;<●><●>)「私は地球を侵略しに来たワカッテマス星人なんですが……」

( ^ω^)「隊長!!」

爪'ー`)「どうした!」

( ^ω^)「この冷蔵庫ビールがありますよ!」

爪'ー`)「いいねぇ!みんなで一杯やりながら年を越そう。」

( ;<●><●>)「こいつらマジ……」

467名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:38 ID:QOpG40xs0
侵略者の言葉などに耳を貸さずに忘年会でもやっているのかと思うくらい盛り上がりだす。
普段の厳格な彼らからは想像もできない光景だ。
これほどまでに人間をダメにしてしまう。それがコタツだ。

( ;<●><●>)「まぁ、結果的には大成功だから良しとするか。」

少し納得がいかないようだが、結果がすべてなのだ。

( <●><●>)「しかし、電気屋で売ってた普通のコタツなのにそんなにいいのか?」

一瞬自分も入ってみようかと思ったが、本能的に一度入ったら二度と出られない、そう感じたのでやめた。

( <●><●>)「さて、今残っている隊員はジョルジュだけということは……ワカッテマス!」

( <●><●>)「情報によるとジョルジュはおっぱいが大好きだという。そこでお前らだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「地球人の一人くらい私たちにかかればどうということはございません。お任せを!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「もうすぐでこの星は私たちのものですね!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私が軽く始末してくる!ここで待ってな!」

身長が高くスタイル抜群でセクシーな服装のB,C。なのよりもその豊満な胸は素晴らしい。
逆に身長も低く断崖絶壁な胸のAはワカッテマス星人に寄り添っている。一番のお気に入りのようだ。

( <●><●>)「フハハハハハ!お前たちはそこで地球が侵略される瞬間を見ているがいい!!」

ξ゚⊿゚)ξ「年の終わりに地球の終わりが来るとはなかなか乙なものじゃないか。」

(*^ω^)「いい体してんじゃんそこのネーチャン!こっちで一緒に飲まない?」

(,,゚Д゚)「隊長、いい感じに熱燗ができましたよ。」

爪*'ー`)「いやー俺はここで働いてからみんなで楽しく年を越すなんて初めてだよ。」

(*'A`)「あー、コタツ最高!!」

( <●><●>)「……」

ジョルジュの元に魔の手が迫る!

468名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:10 ID:QOpG40xs0
  _
( ゚∀゚)「みんな遅いな。何かあったか?」
  _
(;゚∀゚)「まさか宇宙人が侵入しているんじゃ!?」

一人作戦室に残されたジョルジョは異変に気付いたが、時すでに遅く刺客がやってきていた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「ハーイ!そこのお兄さん私といいことしない?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

謎の美女がジョルジョにゆっくりと近寄っていく。その手にはナイフを隠し持っているとは知らずに。
ジョルジョの視線はその豊満な胸に集中している。

( <●><●>)「大好きなおっぱいを見つめながら死ぬといい!フハハハハハ!」

手に持った端末からその様子を眺めている。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ウフフ、もう落ちたも当然ですね。」

(*^ω^)「俺もいいことしてほしいぜ!」

(*'A`)「俺も。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B(こいつらマジ?)

仲間たちはのんきにしているとも知らずに状況が呑み込めていないジョルジョ。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「最高の気分で天国に逝けるよ!」
  _
(  ∀ )「……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C(もらった!)

そうナイフで突き刺そうとした時だった。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

ナイフより早くジョルジョが光線銃を抜き引き金を引いた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「グワァァ!!」

あっけなくその場に倒れこむ。

( ;<●><●>)「ば、バカな!完全におっぱいに意識がいっていたはず!!」

469名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:40 ID:QOpG40xs0
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故パットなんて使うんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ……気づいたのね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私みたいな女は胸が大きくないと誰も相手しないのよ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「だからパットを使って偽ったとしてでも男に相手にしてほしくてさ……」
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形がとか色とかそんなのじゃないんだ。」
  _
( ;∀;)「たとえなくてもおっぱいに感謝することを忘れちゃダメなんだ!!」
  _
( ;∀;)「そんな初歩的なこともわからない男どもがこの地球に、宇宙には多すぎる……」
  _
( ;∀;)「どうしててここでもおっぱいが泣かなきゃいけないんだ!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ、あんたにもっと早く会えていればこんなことにはならなかったのにね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「うっ……」
  _
(  ∀ )「許さねぇ!」
  _
(#;∀;)「どこのどいつだか知らんが絶対に許さない!!」

ジョルジョの悲痛な叫びが響いた。

470名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:10 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「嘘だろあいつパットを使ってたのかよ!」

( #<●><●>)「騙されたぜまったく!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジョのやついったい何言ってんだ?」

('A`)「あいつやべえな。」

(,,゚Д゚)「おっぱい話になるとあいつスイッチはいるからなぁ。」

( ^ω^)「俺が風俗嬢は顔が不細工でもおっぱいさえデカけりゃイけるって話してたら小一時間説教されたよ。」

爪*'ー`)「そんなことより誰か芋焼酎のお湯割り作って。」

(,,゚Д゚)「了解!」

ブッ

オイ誰だよ屁したの!!
うわくせえ!
何食ったらこんなに臭いんだ!!

( <●><●>)「こいつらはこいつらでまったく緊張感ないし。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「フン!ならば今度は私が行ってくるよ!」

( <●><●>)「お前の胸は本物だろうな!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「これ見てそんなこと言えんのかい?」

そう言いながらBは胸元を大きく開く。
疑いようのない大きな乳が見える。

(*<●><●>)「ふーん!良い胸だ!」

(*'A`)「眼福眼福!」

(*^ω^)「ヘイ!ネーチャン!もっとこっち向いて!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ちょっと待ってな!サクッと始末してくるぜ!」

そう言ってワカッテマス取り巻き美人三人衆Bはジョルジュの元へと向かう。

ξ゚⊿゚)ξ「ピザでも頼まねぇ?」

(*'A`)「いいね注文しよう!」

(*^ω^)「おいおい、俺が余計ピザになっちまうよ!」

471名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:37 ID:QOpG40xs0
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「やっと見つけたよ!地球征服とCの敵をとらせてもらうよ!」
  _
( ゚∀゚)「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私の完璧な体を見ながら息絶えな!!」

悩殺ポーズをとりながらジョルジョに襲い掛かる。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

あっという間にジョルジョは光線銃でワカッテマス取り巻き美人三人衆Bを打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ギャアァァァ!」
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故おっぱいにシリコンを入れるんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「なんだ……気づいたんだね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私みたいな女は胸が大きくないと(ry
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形が(ry

先ほどと同じやり取りの後、ワカッテマス取り巻き美人三人衆Bは息絶えた。

( #<●><●>)「あいつも偽乳かよ!!」

( #<●><●>)「もう何も信じれん!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「待って。あなたには私がいるでしょう。」

( <●><●>)「ああ、すまない。そうだったなお前がいたな。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「確かに私は胸がないけど、それなら信じられるでしょ?」

( <●><●>)「フッ、お前になら嘘をつかれても俺は大丈夫さ!なぜって愛してるからだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「もう、ワカッテマスったら。」

濃厚な接吻をし始める二人。

472名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:05 ID:QOpG40xs0
(,,゚Д゚)「お熱いねぇお二人さん。」

(#'A`)「ケッ!リア充が!!」

(*^ω^)「俺までムラムラしてきたぜ!」

爪*'ー`)「あと十年若ければ俺もはそこに混ざれたんだがな。年取るって怖い。」

ξ゚⊿゚)ξ「場所を考えろよ。獣かテメーら。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ふう。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「じゃぁちょっと待っててね」

( <●><●>)「君がすぐに戻ってくるのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!!」 キリッ

すぐさまジョルジュの元へと向かうワカッテマス取り巻き美人三人衆A。
                                _
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「お前がジョルジョだな!貴様の(#゚∀゚)「このクソヤローがぁ!!」

有無を言わさず光線銃で打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ギョエェェ!」
  _
(#゚∀゚)「テメー男だろ!!おっぱい見ればすぐわかんだよ!!」
  _
(#゚∀゚)「ペッ」

死体に唾を吐きかける。

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

( ;<●><●>)「あいつ男だったのかよ!!通りでガードが堅いかと思ったが……」

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

(*'∀`)「ハハハハハ!ざまぁ!!」

(,,゚Д゚)「まさかの展開だな。」

( ^ω^)「俺も昔ナンパした奴にチンコがついてた時は焦ったな。」

473名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:33 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「ちくしょう!!なんて日だ!」

ワカッテマス星人がうろたえているとついにジョルジョがこの場にたどり着いた。
  _
( ゚∀゚)「みんな助けに来たぞ!」
  _
(;゚∀゚)「え?コタツ?」

そこでジョルジョが見たのは、みんな楽しそうにコタツでくつろいでいる光景だった。
TVを見ながらビール飲んでる。そんな異様な光景だった。
もっとせっぽ詰まった状況だと思っていたが彼らにしたらそうではないらしい。

( <●><●>)「助けに来た?あなたわかってますか?地球人と宇宙人の力の差を?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

一瞬で距離を詰めると手刀で光線銃をはたき落して蹴り飛ばす。
とっさに腕でガードするジョルジョだったがそんなもの関係ない勢いで吹き飛ばされる。
  _
(;゚∀゚)「ウゲェッ!」

( <●><●>)「わかってますあなた?地球人がどれだけ弱いか?」

(,,゚Д゚)「つ、強い!」

( ^ω^)「これやばいんちゃうん?」

ξ゚⊿゚)ξ「何やってんだよジョルジョ!その程度の攻撃でやられてんなよ!相手はたいしてことないぞ!」

爪*'ー`)「いいねえこれ。年末らしく格闘技を見てるみたい。」

('A`)「おら立て!殴り返せよ!」

('A`)「もっとこう……ああ!」

爪*'ー`)「誰かセコンドついてやれよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?いやよ!コタツから出たくない。」

('A`)「俺も。」

( ^ω^)「隊長どうぞセコンド。」

(,,゚Д゚)「見てるだけで十分っスよ。」

474名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:01 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀゚)「うぅ……」

何とか立ち上がるが、一方的にボコられるジョルジョ。

( <●><●>)「んん?さっきは絶対に許さないとか言ってたようだが、この程度なんですかぁ?」

( *<●><●>)「フーッ!!地球人がこの程度だというのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
  _
(; ∀ )「……」

一方的にボコボコに殴られていたジョルジョ。ついに限界を迎えて倒れようとしていた。
だがその時にジョルジョの身に映るものがあった。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌのおっぱいだった。

('A`)「は?ツンヌのおっぱい?」

('∀`)「断崖絶壁、まな板、洗濯板と比喩するものはあれどこれがおっぱいだなんてナッシング!!ギャハハハハ!」

ξ#゚⊿゚)ξ (;'∀`)「あ……いえなんでもないです……」

アァ!ヤメテェー!!

オラァァァ!!

ウギャァァァァ!!

475名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:34 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀ )(そうだ!おっぱいだ!)
  _
(; ∀ )「うおぉぉぉぉぉ!!」

( <●><●>)「急になんだい?叫んだところでどうにもならないことは……」
             _
( <●><●>)「ワカッテm(#゚∀゚)「オラァァァ!!」

ジョルジョが全力で殴りつける。

( ;<●><●>)「グォ!!」

地球人のパンチくらいどうということはないと受けてみると予想外の威力でふらつく。
チャンスとばかりに猛ラッシュで殴り続けるジョルジョ。
  _
(#゚∀゚)「地球人の!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「漢の!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「いいや俺の一番の武器はこの拳だ!!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「俺の拳はおっぱいを揉むために!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「そしてそのおっぱいを守るために振るうんだ!!」

( ;<●><●>)「グワァァ!!」

( ;<●><●>)(なんだこの力は?!地球人にこんなに強いなんて……)

壮大に吹っ飛ばされるワカッテマス星人。

( ;<○><○>)「こ、こんなの…ワカラナイ……」

( <○><○>)「」
  _
(;゚∀゚)「はぁはぁ…」
  _
(;゚∀゚)「やったぜ!」
  _
(;゚∀゚)「この装置のせいでみんな出られなかったんだな。」

バリア発生装置のボタンを押して解除する。
  _
( ゚∀゚)「これで出られるぞ!」

476名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:59 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「よくやったジョルジョ!お前ならやれると信じてたぞ!」

( ^ω^)「ジョルジョはいざって時に頼りになるな!」

(,,゚Д゚)「知識だけじゃないのがジョルジョだぜ!」

('A`)「俺はジョルジョが主人公だとずっと思ってた!」

ξ゚⊿゚)ξ「マジジョルジョ神!」

「ジョルジョ!ジョルジョ!ジョルジョ!」
  _
( ゚∀゚)「よせやいみんな!」

みんなジョルジョを囲んで褒めたたえてくれる――
そう思っていた。
だが現実はそう甘くないのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「はいここで革命!」

(;'A`)「アアアアアアア!オワタ……」

爪;'ー`)「この終盤まで待っていたのか……」

(,,゚Д゚)「ツンヌは神か!生き返った!!」

(;^ω^)「クッソ、大貧民はそりゃぁうれしいよな……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

どこで見つけたのかトランプで大富豪をしていた。
  _
(;゚∀゚)「あの……みんな?」

爪'ー`)「うん?あ、もう終わってたのか。お疲れ。」

ξ゚∀゚)ξ「フーッ!大富豪だぜ!」

(; A )「OH……」

ξ゚⊿゚)ξ「終わったんならついでにボイラー直して来いよ。」
  _
(;゚∀゚)「え……?」

477名無しさん:2018/12/08(土) 02:24:30 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「お、もうすぐ新年じゃん!」

(,,゚Д゚)「年明けと同時にビールイッキしようぜ!」

爪'ー`)「いいねぇ乗った!」

ξ゚⊿゚)ξ「オラ、早くいって来いよ。ついでに作戦室が温かくなったら呼べよ。」
  _
(;゚∀゚)「……はい。」

一人寂しくボイラーを直しに向かう。
自分も一緒にコタツに入ろうかと思ったがあまりに温度差に諦めた。それに俺までだらけてしまったらまずいだろうし……
自慢したいわけではなかったが、少しくらいは褒められたかった。
何か思っていた展開と違った。

心まで冷め切ってしまったジョルジョはこの冷え切った基地を歩いて行った。
その背中は哀愁が漂う。

(,,゚Д゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「おい大変だみんな!さっきの宇宙人の死体がない!」

( ^ω^)「なんだまだ生きてたのか、しぶといな。」

ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジョ!しっかりトドメ……もういないか。」

爪'ー`)「じゃあここにいる誰かがいかないとな。」

('A`)「は?俺は絶対嫌だぞ!ここに住むんだ!」

さっきまで楽しそうに仲良くやっていたのに突然静寂が訪れた。
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していたのだ。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

478名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:01 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「いや〜ん、ツンヌ宇宙人こわーい!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子。

爪'ー`)「仕方ないここは俺が……」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ……」

爪'ー`)「あー、やっぱ歳には勝てないかなー。」

突然の仮病。

( ^ω^)「仕方ないジャンケンで決めるぞ。」

('A`)「フン、最後はどんなことがあろうと主人公が勝つんだよ!」

(,,゚Д゚)「さっきのジャンケンはスローで欠伸が出たぜ!また余裕で見切ってやる!」

( ^ω^)「目をつぶっていても勝てるよ。幸運の女神は俺についてるからな!」

いくぞ!ジャーンケーン――

( ;<●><●>)「ゲホゲホ……」

( ;<●><●>)「地球人を侮っていた……」

( ;<●><●>)「だが十分な収穫はあったぞ!」

( ;<●><●>)「地球人はコタツの前では無力になるのだ!」

ワカッテマス星人が乗る円盤は地球圏を飛び出し宇宙をさまよっていた。

( <●><●>)「今度はコタツをさらには配置して地球人全員を無力化してやる。」

( <●><●>)「フハハハハハ!」

( ;<●><●>)「?!」

ワカッテマス星人はレーダーに映る影に気づいた。

('A`)

ドクトラセブンだ。

479名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:35 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「クソ!!」

必死に円盤からレーザー攻撃をするがドクトラセブンには効いていない。

('A`)「デュワ!」

必殺のドクリュウム光線を発射する。

( ;<●><●>)「あー、これはもうどうしよもないことは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ

あっけなく爆発するワカッテマス星人の円盤。






こうしてワカッテマス星人の地球侵略は幕を閉じたのです。
しかし恐ろしい侵略者でした。あのヴィプトラ警備隊を壊滅一歩手前まで追い込んだのですから。
そしてコタツ。
ただの日用品がここまで恐ろしい侵略兵器になろうとは……

どんな物も使いよう一つで恐ろしい侵略兵器になりえるのです。
皆さんも物を使うときは気をつけましょう。
侵略者はいつどんなものを使ってくるのかわからないのですから。

第十六話『氷点下零度の戦い』

終わり

480名無しさん:2018/12/08(土) 02:29:01 ID:QOpG40xs0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
少し早いですが、今年の更新は今回までの予定です。
今年は皆様にだいぶお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。

481名無しさん:2018/12/08(土) 09:28:54 ID:Cpz9s8tM0


482名無しさん:2018/12/08(土) 11:45:38 ID:WA9n3wVI0
清々しいクズ共だ

483名無しさん:2018/12/08(土) 17:39:33 ID:yBR5sdGM0
緊張感なさすぎだろw
でもコタツと布団は悪魔的だから仕方ないね

484名無しさん:2018/12/08(土) 19:30:14 ID:2BFQNR..0
乙です

485名無しさん:2019/01/06(日) 03:04:40 ID:SCd38K/s0
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
これから投下していきます。

486名無しさん:2019/01/06(日) 03:05:19 ID:SCd38K/s0
第十七話『怪しい老人』

(´・_・`)「ああ、今日も疲れた。」

夕方、一人の社畜が帰路についていた。
今日も嫌いな上司に罵倒されこき使われて肉体も精神もボロボロだ。
しかし、そんな彼にも支えがあった。

(´・_・`)「今日も君のおかげで一日何とか頑張れたよタチャンカ!」

そう言いながら彼はスマホでアイドルの画像を気持ち悪い顔でニヤニヤしながら覗いていた。
タチャンカ、ゲームのキャラクターだ。
普通の人が見れば気持ち悪いだろうが、彼からしたら唯一心の支え。
そしてそのゲームを通じて知り合った人たちだけが彼の数少ない友達なのだ。
だから彼からしたらタチャンカこそが人生のすべてである。

(´・_・`)「でもいやだなぁ、あのうるさい上司さえいなければ……」

そう愚痴をこぼしながらいつも通る公園を歩いていると、見知らぬ老人がどこからともなく現れた。

/ ,' 3「もし、そこのお方。何かお困りのようですね。」

その老人は小汚い恰好をして、フードを深々とかぶっていたのでシワシワで歯が何本も抜けた口元くらいしか見ることができない。
しかし、この辺では全く見たことがない。ホームレスか何かか?そう思った。

(;´・_・`)「な、なんですあなた?」

/ ,' 3「あっしはしがない商人です。この地球をフラフラ回りながら商いをしてましてね。」

/ ,' 3「あなたのような方にとっておきの商品があるのですよ。」

どこからともなく飴の入った袋を取り出すと、それを手渡してきた。

487名無しさん:2019/01/06(日) 03:05:49 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「その飴をなめると幸運があなたに舞い降りるでしょう。」

/ ,' 3「一袋三十個入りなので毎朝忘れずに舐めてくだせぇ。」

(;´・_・`)「いやこんなのいらないよ。」

/ ,' 3「それはお試し品ですからお代は結構。次の袋からお代をいただきますので。」

/ ,' 3「それではあなたに幸あらんことを。」

(;´・_・`)「ちょっと!」

(;´・_・`)「?!」

スッと霧のように消え姿が見えなくなってしまった。

(;´・_・`)「なんだったんだ今の……?」

夢のような出来事であったが、確かに手にはあの飴が入った袋が握られていた。

(;´・_・`)「……」

不気味ではあったが、不思議とその飴を捨てることはできなかった。いつか必要になる気がして。
そのまま家に帰ったが、その飴をなめることはないまま数日が過ぎていく。
何も変わらない日常。仕事では上司に怒られては叩かれての繰り返しだ。
ただそんな仕事が忙しい日々を送っていたある日、珍しく寝坊をしてしまった。
朝食を用意している時間もなく急いで支度を済ませたが、何かエネルギーになるものをと思ってずっと置いてあったあの飴玉を一つなめることにした。

(;´・_・`)「変なもの入ってないよな?」

少し警戒したが時間が惜しいのでそのまま口の中へ。
なんともいえない味がしたが食えないことはない。

(´・_・`)「幸運が舞い降りる……か。」

488名無しさん:2019/01/06(日) 03:06:17 ID:SCd38K/s0
数日前だが不思議とあの老人に言われたことを鮮明に覚えている。
しかし、ただの戯言だと思いそのまま出社した。
どうせ今日も上司にいろいろ言われてしんどいんだろうな――
そう思った。

(;´・_・`)「え?上司が事故で入院?」

会社に着くなりみんなその話題でもちきりだ。
何やら信号無視をした上司が車にひかれて大けがを負ったようだ。
命に別状はないようだが、当分会社には来れないそうだ。
それを聞いて小さくガッツポーズをした。

その日は本当にいい日であった。
いやな上司はいなくなり、休憩時間にたまたま会社に偉い人と雑談をする機会があるとえらく気にいられたのだ。
そのまま別の部署に異動することとなった。自分がずっと行きたかったところだ。

その後はあの飴をなめて会社に行くことにした。
それからはいいことばかりの毎日だ。
どこからどう見ても地味でさえてない上にキモオタの代表なような自分であったが、新しい部署の仲間は親切に接してくれた。
それどころかよく遊びに誘ってくれ、服のコーディネートまでやってくれたのだ。
彼らはどう見てもリア充で自分とは真逆な存在なはずなのに、なぜか会話が弾むのだ。頭の中に次になんてしゃべったらいいのか浮かんでくる。
これもあの飴の効果なのかな?

飴をなめるようになってから人生がまるで変った。
仕事終わりや休みの日はリア充の仲間たちと遊びに出かけ、ついには女の子ともデートに行くようになっていた。
今までの自分では考えられないようなことだ。女の子との会話もベストなセリフがスラスラ浮かんでくる。
そして頭に浮かんだことを行動するとすべて大正解というようになんでもうまくいった。

(´・_・`)「なんて幸せなんだ。」

これが幸せなんだということがよくわかる。
だが、その反面失われた時間があった。
今まで心の支えにしていたタチャンカだ。
タチャンカのゲームや動画を見る時間はなくなったし、そのつながりの友達ともまったく連絡を取っていなかったのだ。

489名無しさん:2019/01/06(日) 03:06:43 ID:SCd38K/s0
(´・_・`)「……」

(´・_・`)「まぁいいか。」

(;´・_・`)「?!」

タチャンカのことをふと思い出した拍子に大事なことに気が付いた。
飴がもうないのだ。この飴がなくなったら自分はどうなるのだ?そう思うと恐怖でいてもたってもいられなかった。
夜遅かったが、慌てて家を飛び出してあの老人がいた公園へと向かう。

(;´・_・`)「はぁはぁ…」

真夜中の公園をひたすら探す。
だが冷静に考えればこんな時間にいるはずがないのだ。

(;´・_・`)「あ、明日の夕方ならいるかな?」

なんとしてもあの飴を手に入れなければ……
そう考えていた瞬間だ。

/ ,' 3「あっしをお探しですかいお客さん?」

突然背後から声がした。

(;´・_・`)「ヒッ?!」

馬鹿な周りには誰もいなかったのに?!

/ ,' 3「へっへっへ。お客さんはこれをお求めですかな?」

そう言うとあの飴の袋を取り出した。

(;´・_・`)「あ、あぁそれだ!それを売ってくれ。」

/ ,' 3「ええ、お売りしやしょう。でも今度はただじゃありやせんぜ。」

(;´・_・`)「いくらだ?」

たとえ数万だろうが払うつもりだ。それだけ出す価値があるのだあの飴には。

/ ,' 3「お金はいりやせん。」

(;´・_・`)「金は要らないだと?」

490名無しさん:2019/01/06(日) 03:07:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ええ。たった一つの物をいただければこの飴を一生分差し上げやすよ。」

(;´・_・`)「何が欲しいって言うんだ?」

/ ,' 3「あなたの大事なものでっせ。それは命より大事なもの。」

命より大事なものだと?
何かとてつもなく恐ろしいものを盗られるのでは?
恐怖のあまり身体が強直する。

/ ,' 3「そう、あなたの心の支えの等身大のタチャンカフィギュアですな。」

(;´・_・`)「な!」

等身大のタチャンカフィギュア。
これは自分の人生で唯一誇れる持ち物だ。
世界でたった数体しか存在せず、一体数百万した代物だ。
借金をしてでも購入し、これのおかげでヴィプマス仲間ではかなり有名になれた。

背中のボタンを押せばタチャンカのメイン曲が流れそれ以外にもタチャンカやカリンカも聞くことができる。
毎日これを眺め、辛いときは何度も話を聞いてもらった。
一人暮らしも彼女がいれば寂しくなかったのだ。それくらいに自分にとって大切なものでこれこそ自分の誇りそのもの”だった”。

(;´・_・`)「……」

(;´・_・`)「……」

(;´・_・`)「ほ……」

(;´・_・`)「本当に”そんなものでいいのか”?」

/ ,' 3「あっしはそれさえいただければ十分でっせお客さん。」

(´・_・`)「いやー助かる。最近はむしろ邪魔だったんだよあれ。無駄に場所取るし。何よりあんなのあったら女の子を家に上げられないよ。」

/ ,' 3「では取引成立でございますな。」

(´・_・`)「これでずっとあの飴が手に入るなら最高だよ!」

/ ,' 3「これから毎月この飴があなたの元へと届きますよ。たとえどこに引っ越そうそとね。」

ニヤリと笑う怪しい老人。

491名無しさん:2019/01/06(日) 03:07:51 ID:SCd38K/s0
地味な青年の小練ショーンは喜んで自分の家へと帰っていった。
きっと彼のこれからは何一つ困らないで幸せな人生を歩んでいくことでしょう。
あの飴のおかげで。
そして気づくことなく一生を終えることでしょう。これから歩む人生は本当の彼自身のものではないことに。
何より彼は一番大切なものを永遠に失ったことに。

/ ,' 3「しかし困った。こんなデカい物どうしたものですかね。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「ネットで売りやすか。」

そんな怪しい老人がいることも知らずに今日もヴィプトラ警備隊の作戦室は騒がしい。

('A`)「!!」

('A`)「オイ見ろジョルジョ!タチャンカの等身大フィギュアがネットオークションで売ってるぜ!!」
  _
( ゚∀゚)「な、なんだってー!!」
  _
( ゚∀゚)「ウオォォォ!!マジじゃん!」

('A`)「しかし今すでに500万円か……」
  _
(;゚∀゚)「ぐぅむ……だがたとえ借金をしてでも手に入れなければ!」

('A`)「二人で力を合わせれば行けるか?」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「お前ら仕事中に何してんだ?」

('A`)「隊長!仕事どころではありませんよ!なんたってあのタチャンカのフィギュアですよ!」
  _
( ゚∀゚)「地球防衛より大切なことです!!」

爪#'ー`)「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「フィギュアとかお前ら何キモイことしてんだよ。」

(#'A`)「お前にタチャンカの何がわかる!!ジョルジョ言ってやれ!」

492名無しさん:2019/01/06(日) 03:09:10 ID:SCd38K/s0
  _
(#゚∀゚)「本当、タチャンカのタの字もわからないやつが我々の高等な会話に入ってくるというのがおこがましい。タチャンカとはヴィプマスタ―という大人気アイドルプロデュースゲームに登場するキャラクターの一人。
     出身はロシア・サンクトペテルブルクでアイドルで公表されている年齢17。しかし本当の年齢は29だ。声優はヴィプ坂すみれ。タチャンカは愛称で、本名はアレクサンドル・セナフィエフ。男の名前だが、
     それは男のようにたくましく育ってほしいという軍人の父親の願いが込められてつけられた。事実、女であっても厳しく育てられ現在は身長/体重:183cm/99.8kにまで育つ。その肉体はまるで肉の鎧。
     偉大な父の跡を継ごうとロシア軍に入隊。そして特殊部隊:スペツナズに長年所属。彼女に転機が訪れたのは日本での作戦実行中にたまたま見たヴィプ海やヴィプ月が行うライブを見て心を奪われる。
     その後周りの反対を押し切り日本語を勉強して来日。念願だったヴィッププロダクションに所属するようになる。本名のアレクサンドル・セナフィエフではあまりにもイカツイということでヴィプ槻にタチャンカ
     の愛称を名付けられた。それからの彼女の活躍はすさまじく軍隊で鍛え上げた肉体から繰り広げられるダンスは誰よりも機敏でパワーあふれるパフォーマンスをする。コサックダンスを得意とするが、
     一番の得意なダンスはタチャンカダンス。密輸した彼女専用装備のRP-46軽機関銃をステージにセットして激しく銃身を上下左右に振りまくる。このキレッキレっぷりは彼女の人気の高さの秘訣だ。
     普段は空包だっが、アンコールやハイテンションの時は実弾をぶっ放して会場を沸かせる。ただこのタチャンカはステージ上だけでなく普段からフルフェイスマスクを被っており素顔を見たものはいない。
     そういったお茶目な面やミステリアスな一面のおかげでヴィプマスでも常に人気上位。そのため、彼女をメインに置いた映画が上映され賛否を呼んだ。なぜ賛否かというと、映画終盤でライブを行うはずであったが、
     ライブ会場がテロリストたちに占拠されてしまう。タチャンカはテロリストを皆殺しにしようとしたが、ヴィプ海やヴィプ月といったメンバーが歌で彼らの心を救おうと提案して対立。甘っちょろいことを言う他のメンバーに
     タチャンカがブチギレ乱闘騒ぎ。なお一方的にタチャンカが他メンバーをボコボコにしたもよう。そのせいで大量のタチャンカアンチを作ってしまったのだ。その後はたった一人でテロリストたちを一人一人始末していくが、
     ボロボロになった他のメンバーたちが最後の力を振り絞りライブを始める。それを聞いたタチャンカやテロリストたちは涙して心が浄化され手を取り合いステージ上の他のメンバーを応援した。
     その時に最初に見たアイドルのライブの光景を思い出したタチャンカは自分が間違っていたことに気が付いて他のメンバーに謝罪。アンコールでタチャンカダンスを披露。だがダンス中、間違って実弾で改心したテロリストたちを射殺。
     初の素顔見せをテヘペロっと最高の笑顔で締めた。銀髪で色白、透き通った青い瞳で頬には以前の戦闘で負った傷があるが、その傷を隠すためにマスクをしているのではなくただ単にいつ戦闘があっても頭を抜かれないようにするためと、
     大勢の人に見られるのが慣れておらず恥ずかしいからなのだ。映画自体は繁盛したが、ボコボコにされた他のメンバーファンがタチャンカを許せずにタチャンカファンと壮絶なレスバトルを長年続けた。さすがにまずいと思ったスタッフや
     タチャンカの中の人が謝罪して、DVDではその暴力シーンがカットされる事態が発生して終息した。今も大量のアンチはいるが、甘っちょろい考えに唾を吐きかけるくらい気嫌いして割と短気なところがタチャンカの魅力の一つ。
     最近あったテレビアニメシリーズでも生意気な後輩に対してはロシア方式のけじめをつけさせ病院送りにしたり。抜けているところはとことん抜けているが、いざというときは頼りになる。そういったところがおれは大好きですね。
     いつかタチャンカの故郷を聖地巡礼したいとは思うんですがなかなか時間が取れなくて。でも自分なりにタチャンカの機銃、RP-46軽機関銃を自作してみたりはしましたよ。ファンなら当たり前のことですが。でもタチャンカで一番重要な
     エピソードといえばあれは外せないですね。スマホのアプリでタチャンカに追加された一番最初のエピソードで――――

493名無しさん:2019/01/06(日) 03:09:41 ID:SCd38K/s0
  _
(#゚∀゚)「―――」
     
(;'A`)爪;'ー`)ξ;゚⊿゚)ξ(;^ω^)(;゚Д゚)「……」

その後もジョルジョはしゃべることしゃべること。
よくその早口で下噛まないなとかお前いつ呼吸してんだというくらいしゃべる。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、うん、すごいねー、タチャンカすごいねー。」

あのツンヌが引いた。
いやさすがのツンヌでもこれは何も言う気になれないようだ。
  _
(#゚∀゚)「まったく何にも知らない素人風情がタチャンカのことで口を挟むな!これくらいむしろ一般常識だぞ!」
  _
(#゚∀゚)「だよなドクオ!」

(;'A`)「!!」

(;'A`)「……」

(;'A`)「……」

(;'∀`)「あ……あぁ、そうだな……」

必死の作り笑いをするしかなかった。
今まで自分はヴィプマスにおいてかなりのオタクだと思っていたのに……
ひょっとしたら上位にいるのではとか考えていたが間違いだったようだ。

494名無しさん:2019/01/06(日) 03:10:18 ID:SCd38K/s0
(;'A`)(俺はただのニワカだ…)

(;'A`)(下手したら一般人に毛が生えた程度か?)

(;^ω^)「あ、隊長!ここの防衛範囲について質問がありまして……」

爪;'ー`)「うん、なにかな?」
  _
(#゚∀゚)「でもいいかタチャンカは―――」

いまだに一人で語っている。
仕方ないのでみんな違うことをし始めるのだ。

(,,゚Д゚)「よ、よし!ドクオ、パトロールに行こうぜ!」

('A`)「あぁ、行こう!」

ギコからの助け舟だ。
面倒な奴はほっとくのが一番。
ヴィプンターで適当にパトロールをして公園で一休み。

(,,゚Д゚)「フーッ平和はいいぜ!」

「もし、そこのお方。」

(,,゚Д゚)「?」

/ ,' 3「あなたはヴィプトラ警備隊のギコ隊員じゃありやせんか。」

495名無しさん:2019/01/06(日) 03:10:50 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「何か用かじいさん?」

薄汚い老人がギコの前に現れた。
かなり匂うが、顔色一つ変えずに接するギコ。

/ ,' 3「あっしはしがない商人です。どうですギコ隊員にいい商品がありやすぜ。」

(,,゚Д゚)「?」

老人は懐からおもちゃの光線銃のようなものを取り出しギコに差し出す。

/ ,' 3「これは不思議な銃でして狙った相手はたとえどんな奴であろうと一発でしかも確実に当てて仕留めることができる銃でございます。」

(,,゚Д゚)「は?」

/ ,' 3「これはお試し品ですから弾は十発。でももしギコ隊員のお持ちのその光線銃をいただけるなら無限に撃てる正規品をお渡ししやすぜ?」

(,,゚Д゚)「……」

ボケた老人のたわごとか?
いやだが目は本気だ。

(,,-Д-)「フーッ。」

(,,゚Д゚)「いいかじいさん、あんたの話が本当だったとしても俺はそんなものいらない。」

/ ,' 3「?!」

/ ,' 3「なぜですかい?!」

(,,゚Д゚)「もし俺がその銃で活躍したところでそれはおれの実力じゃない。その銃の力だ。」

(,,゚Д゚)「その銃に頼りきってちゃそれがなくなったとき俺は何もできなくなる。」

(,,゚Д゚)「だからいらない。むしろそんなものに頼らなくてもその銃に負けないくらいにならないとな。」

(,,゚Д゚)「何より俺の銃はヴィプトラ警備隊に入った時からの相棒だ。」

(,,-Д-)「こいつとはいくつもの死闘を戦って来たからな。血と汗が染みこんでるんだ。」

(,,゚Д゚)「これこそ俺の誇りなんだよ。そう簡単に誰かに渡せないね。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「へっへっへ。あなたは本当のことを仰ってますね。目を見ればわかりやす。」

496名無しさん:2019/01/06(日) 03:11:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ではこちらの缶ジュースはどうです。今喉乾いてるでしょう。」

(,,゚Д゚)「おお、ありがたいね。いくら?」

/ ,' 3「500円です。」

(,,゚Д゚)「は?ちょっと高くない?」

/ ,' 3「いえいえ、あっしのような浮浪者はちょっと値を釣り上げて物を売らないと生きていけないのですよ。」

(,,゚Д゚)「いやでもそれくらいなら自販機で……」

/ ,' 3「そうですかい。ギコ隊員は地球は守っても、あっしのような弱者までは守るつもりはないということですかい。」

/ ,' 3「あぁ、今日も残飯をあさらなきゃなぁ……まともな食い物なんてもう何日も……」」

(;゚Д゚)「グググ……」

(,,゚Д゚)「ああ、もう仕方ない買ってやるよ!はい500円!」

/ ,' 3「へっへっへ。毎度ありギコ隊員。」

そう言うとスッと姿を消す老人。

(,,゚Д゚)「ちくしょういいようにやられたぜ。」

('A`)「どうしたギコ?」

トイレを済ませたドクオがギコの元へとやってきた。

(,, Д )「はぁ…カモられた……なんでああいう時ノーと言えないんだ……」

('A`)「?」

('A`)「ん?あれは?」

遠くへ歩いていく怪しい老人の背後が見える。

('∀`)「ほぅこれはこれは。」

497名無しさん:2019/01/06(日) 03:12:31 ID:SCd38K/s0
夕方先ほどの公園。

/ ,' 3「今日はもう商いは終いにしやしょう。」

あの老人が商売をやめて片付けをしている。

('∀`)「やあやあ、アラマキ星人さんよぉ商売繁盛かい?」

/ ,' 3「?!」

('A`)「おっと妙な動きをするなよ。この地球になんのようだ?侵略にでも来たのか?」

光線銃を構えながらドクオが問う。

/ ,' 3「これはこれはドクトラセブンの旦那、あっしのことはご存知じゃありやせんか?」

('A`)「ああ知ってるとも。アラマキ星人、宇宙で最弱な肉体を持ちどんなやつにもこびへつらう。」

('A`)「まさに下っ端も下っ端。強者や上の者たちに不思議な道具を売りながらなんとか生かしてもらえている哀れな連中さ。」

/ ,' 3「ええ、おっしゃる通りですよ。ですからこの星を侵略するつもりなんてこれっぽっちもありやせん。」

/ ,' 3「ただこの星で商いができればいいんですよ。」

('A`)「フーム、どうしたものかな。」

/ ,' 3「なら旦那にとびっきりの商品を差し上げましょう。」

('A`)「ほう、なんだ?」

/ ,' 3「このヴィプトラブレスレットですよ。」

('A`)「なんだこれ?」

/ ,' 3「これを付けたものは無敵になれるんですよ。」

/ ,' 3「あなたの同期にヴィプトラマン弱って方がいたでしょう。」

('A`)「ああいたな。」

/ ,' 3「その方はヒーローランキングで最下位争いをする程度だったんですが、これをつけたとたんに上位争いに食い込むほどの実力者になられたんです。」

498名無しさん:2019/01/06(日) 03:13:03 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「な!まじか!」

('A`)「え、ちなみに俺はヒーローランキングで何位?」

/ ,' 3「旦那はランキング外でっせ。」

(;'A`)「え?」

/ ,' 3「圏外も圏外。存在自体知られてないんじゃないんですかい?」

(;'A`)「は、はー、ランキングとかどうでもいいし……そんなのにこだわってるのはまちがいだしー」

必死の負け犬の遠吠え。

/ ,' 3「それはさておきこのヴィプトラブレスレットを差し上げますからあっしが地球で商いするのを許してくだせぇ。」

/ ,' 3「もし少しでも侵略していると思ったのならその時始末してくれて結構ですから。」

('A`)「それならいいだろう。じゃあそれは貰っていくぞ。」

/ ,' 3「でも旦那、忘れないでくだせぇあっしとの約束を。」

/ ,' 3「商売において一番大切なことは信用でっせ。それがなきゃ商売できやせん。」

/ ,' 3「だからあっしは絶対地球を侵略しませんよ。なんで旦那もあっしが侵略していると思わない限り……」

/ ,' 3「あっしを攻撃したりするのはなしですよ。」

('A`)「OK、それでいこう。」

/ ,' 3「それではあっしは失礼させてもらいやす。」

/ ,' 3「でもお忘れないように。約束は絶対ですよ。」

とくにその時のことを気にしないで返事をした。
すでに左腕につけたヴィプトラブレスレットのことで頭がいっぱいだったのだ。
いいものを手に入れた。

それからのドクトラセブンの活躍はすさまじかった。

499名無しさん:2019/01/06(日) 03:13:38 ID:SCd38K/s0
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」

一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」

町では忍者の宇宙人が建物を破壊していた。

|/゚U゚|「今日からこの星は拙者のものでござる。」

激しく忍者をする忍者星人。汚いなさすが忍者きたない。

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民D「いや待てあれを見ろ!」

('A`)「デュワ!」

一般市民ABCD「ドクトラセブンだ!」

(#'A`)「ダァァァ!!」

有無を言わせない先手必勝。
アイス・ラッガーを忍者めがけて投げつける。

|/゚U゚|「ギャアァァ!!」

一瞬にして盾に真っ二つ。
がしかし、ボンッと音とともに丸太に変わる。
変わり身の術だ。

(;'A`)「な!」

慌てて左右を見渡すが忍者の姿がない。
その時ドクトラセブンの影が動き出す。

|/゚U゚|  ニヤリ

激しく忍者が影に化けていたのだ。
さっさと後ろから羽交い絞めにするとドラゴンスープレックスを決める。

(;'A`)「グワァァ!!」

すぐさまドクトラセブンと距離を置きクナイを大量に投げつける。
少しずつ削っていく作戦だ。
汚いなさすが忍者きたない。

500名無しさん:2019/01/06(日) 03:14:15 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「ウググ……」

なかなか反撃できないドクトラセブンだがここで動いた。
左手首に付いているヴィプトラブレスレットを外し高々と掲げる。
ピカッと一瞬光ると激しく忍者の動きを封じる。

|;/゚U゚|「な、なんだ体が動かん?!」

('A`)「デュワァァァ!」

そして激しく忍者めがけてヴィプトラブレスレットを投げる。
投げられたヴィプトラブレスレットは光の刃となって激しく忍者をバラバラに解体した。

|;/゚U゚|「サヨナラーーー!!」

しめやかに爆発四散。

('A`)「ふぅ。」

('A`)「デュワ!」

一息つくと空へと旅立っていく。

一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」

一般市民C「今回もあっという間に瞬殺だったな。」

一般市民D「やっぱヒーローはこのくらい強くあってもらわないと。」

それから数日後。

一般市民A「うわー怪獣だ!!怪獣がでたぞー!」

一般市民E「ひぃぃいすごく寒いぃ!!」

雪だるまの怪獣「ゴオォォォ!!」

町で暴れる雪だるまの怪獣は冷凍ガスを吐き続ける。

雪だるまの宇宙人「いいぞ!我が雪だるま怪獣ユーキダルーマ!このまま地球を氷の星へと変えるのだ!!」

雪だるまの怪獣の足元には人間サイズの雪だるまの星人がわめいている。
どうやらこの雪だるまの宇宙人が連れてきた怪獣らしい。
そしてこの冷凍ガスのせいで町中は氷漬けだ。

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民D「いや待てあれを見ろ!」

501名無しさん:2019/01/06(日) 03:14:43 ID:SCd38K/s0
('A`)「デュワ!」

一般市民ACDE「ドクトラセブンだ!」

ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」

有無を言わせない先手必勝。
雪だるまの怪獣の政党ガス攻撃だ。

(;'A`)「グワァァ!!」

一瞬にして氷漬けにされるドクトラセブン。

一般市民C「あぁドクトラセブンが…」

一般市民D「地球の終わりだぁ……」

雪だるまの星人「フハハハハハ!どうだ地球人ども!」

雪だるまの星人「お前たちの頼みの綱のドクトラセブンはこの様だ絶望するがいい!!」

雪だるまの星人「さぁユーキダルーマよ!氷漬けのドクトラセブンを粉々に粉砕してやれ!!」

ユーキダルーマ「ゴオォォォ!!」

勝利を確信した雪だるまの怪獣が氷漬けのドクトラセブンを攻撃しようとした時左手首のヴィプトラブレスレットが光る。
一瞬にして解凍されるドクトラセブン。

('A`)「デュワ!」

一般市民A「やった!ドクトラセブンが生き返ったぞ!!」

一般市民E「そうだよ怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」

ユーキダルーマ「ギギギ…」

ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」

もう一度強力な冷凍ガスを噴き出す。

('A`)「デュワ!」

サッとヴィプトラブレスレットを盾に変身させて冷凍ガスを吸い始めるドクトラセブン。

502名無しさん:2019/01/06(日) 03:15:12 ID:SCd38K/s0
ユーキダルーマ「!!」

('A`)「デュワァ!」

吸い込んだ冷凍ガスを何倍にも強力にして盾から放出する。

ユーキダルーマ「ギィヤァァァ!!」

今度は逆に雪だるま怪獣ユーキダルーマが氷漬けになる。

(#'A`)「ダァァァ!」

盾に変身させたヴィプトラブレスレットを元に戻して怪獣めがけて投げつける。
エネルギー弾となったブレスレットが怪獣に当たると大爆発を起こした。

雪だるまの星人「バ、バカな!俺のユーキダルーマが……」

跡形もなく吹き飛んだ。

('A`)「デュワ。」

仕事を終えたブレスレットは投げつけたときよりも早くドクトラセブンの左手首に戻る。

('A`) ギロッ

雪だるまの星人「ひっ……」

(#'A`)「ダァァァ!」

ドクトラセブンの指先から放たれたレーザー光線が雪だるまの星人に直撃して焼き尽くす。

雪だるまの星人「ヒギィィィィ!!」

これがドクトラセブン必殺のハンドビームだ。

('A`)「デュワァ!」

一仕事終えたドクトラセブンは颯爽と空へと飛び立っていく。

503名無しさん:2019/01/06(日) 03:15:40 ID:SCd38K/s0
一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」

一般市民C「しかし今日は焦ったよ。危なかったんじゃないか?」

一般市民E「馬鹿言え怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」

一般市民E「大事なことだからもう一度言うが、怪獣ごときの冷凍ガス氷漬けにされて体をバラバラにもぎ取られるヒーローがいてたまるか!」

このようにドクトラセブンはあっという間にして無敵のヒーローに早変わりしたのだった。
そしてそれはドクオでいる時でも同じである。

爪'ー`)「素晴らしいなドクオ!最近の活躍は身を見張るものがあるぞ!」

('∀`)「いやーそれほどでもないですよ!」

気持ち悪い顔をニヤケ笑いすることでさらに気持ち悪くするドクオ。

( ^ω^)「ここ数週間の宇宙人撃破数ダントツの一位だからな。スゲーなおい!」

(,,゚Д゚)「いつの間にそんな努力してたんだ?」

('∀`)「ただ単に眠っていた俺の力が目覚めただけだよ。」

('∀`)「なんて言うか頭で考えた理想の動きに体がついてきてるって言うか……あーこのレベルの話をしてもみんなには無理か。」

( ^ω^)「おぉ、言ってくれるじゃないか。」

(,,゚Д゚)「こりゃあ負けてられない!俺もドクオに習って努力しなくちゃな!!」

('∀`)「俺のレベルに来ようったってそりゃぁ無理な話だな!」

('∀`)「ハハハハハ!」
  _
( ゚∀゚)「クソォ、ちょっと前まで俺より成績悪かったのに……」

('∀`)「そうできる人間をひがむなってジョルジョ!」
  _
(;゚∀゚)「グググ……」

爪'ー`)「まぁみんなもドクオに追いつけるよう頑張ってくれたまえ。」

('∀`)「フハハハハハ!やっと俺の時代がきたんだ!!」

504名無しさん:2019/01/06(日) 03:16:11 ID:SCd38K/s0
左腕で光線銃を撃てば目をつぶっていたって百発百中一撃必殺。
敵を追っていてもブレスレットからエネルギーが常に補充され疲れることなく全力疾走でどこまでも追える。
重いものを持つ時ですらブレスレットの力で軽々持ち上げる。
そんなパーフェクトドクオに成ったのだ。

('∀`)「これが……これがおれの実力なんだ!!どんな奴が相手でも負ける気がしねぇ!!」

天狗になったドクオ。
そんな天狗なドクオがいる作戦室にボロボロになったギコが運ばれてきた。

(,, Д )「」

(;^ω^)「馬鹿!いくら何でも無茶しすぎだって!!」
  _
(;゚∀゚)「もう少し戦う相手は考えようぜ……」

ブーンとジョルジョが肩を抱えながら運んできた。

('∀`)「どうしたギコ、侵略宇宙人ごときに敗北したか?まったくダサいな!」

(,, Д )「」

ξ゚⊿゚)ξ「まったくだ。ギコ程度の分際でこの私に格闘訓練の相手を頼むとは百年はえぇ!!」

(;'A`)「え?」

( ^ω^)「なんでも最近ドクオに追いつくために必死でいろいろトレーニングとかしてるみたいだぜ。」
  _
( ゚∀゚)「でもいくら何でもツンヌはまずい。」

ξ゚⊿゚)ξ「つまらんサンドバックだった。」

ξ゚∀゚)ξ「おいドクオ今度はお前が相手になれ!ここんところ調子いいんだろ?」

(;'A`)「い、いや……」

ちらりとブレスレットを見つめる。
すごい勢いで振動していた。
どうやら『戦うな!』と必死で訴えているようだ。
ブレスレットでも勝てないのか?ブレスレットでも勝てないなと納得した。

(;'A`)「ほら、格闘戦なんてほとんどないだろ。だからそんな意味ない訓練しても意味ないさ。」

必死に言い訳をしておく。そうだ今は銃撃戦がほとんどなのだから生身で格闘する必要なんてない!

(,, Д )「意味ないことなんてないさ……」

(;'A`)「!」

ボロボロだったギコが口を開く。

505名無しさん:2019/01/06(日) 03:16:39 ID:SCd38K/s0
(,, Д )「もし光線銃が使えない状況で戦わないといけない状況がきたとしたら?」

(,, Д )「お前は尻尾をまいて逃げるのか?」

(,, Д )「そうじゃないだろ!武器がなくても挑まなきゃいけないんだぜ俺たちは!!」

(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「弱いくせに吠えるじゃん。」

(; Д )「こ、これからツンヌにも負けないように頑張るんだよ……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!それならもう一ラウンドやるか!!」

(; Д )「今はちょっと……」

( ^ω^)「そういう意気込みは大事だが、人類最強にいきなり挑むのは無謀だろ。」

('A`)「まったくだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「人類最強?私がか?」

('A`)「え?違うの?」

ξ゚⊿゚)ξ「私より強い奴は少なくとも私が知ってる限り数人はいるぞ。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)('A`)(,, Д )「は?!」

ξ゚⊿゚)ξ「親父や兄貴にはまだ負け越してるしな。他にも二、三人ほど負け越してるし。」

(;'A`)「もうその人たちが防衛隊になればいいんじゃない?」

ξ゚⊿゚)ξ「お前その気持ち悪い頭には何も入ってないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「結局のところ対宇宙人戦はほとんどが銃撃戦だぜ。生身の格闘戦なんて一割もないだろ。」

('A`)「いやでもツンヌいつも素手で倒してんじゃん。」

ξ゚⊿゚)ξ「ありゃー『この俺が地球人ごときに素手で負けるはずがな!!』って考えてるアホな奴らだからな。」

506名無しさん:2019/01/06(日) 03:17:21 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「実際、巨大化できる奴に巨大化されたら手も足も出ねぇよ。だから私が相手してんのは頭に血が上った馬鹿ばかりになるな。」

ξ゚∀゚)ξ「おかげでいつも死闘を楽しませてもらってるがな!カッカッカッ!」

ξ゚⊿゚)ξ「むしろ下手に実力差を感じて遠距離戦に徹される方が面倒だ。一応距離を詰めて戦おうと思えば戦えるんだろうけど面倒臭すぎる。」

ξ゚∀゚)ξ「そういうやつが相手の時は誰かに任せて私は飲み行くけどな!」

( ^ω^)「おま!!じゃあこの前の宇宙人はそういうやつか!!道理で連絡があった場所に行ってもツンヌの姿がないと思った!!」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、そうやって実戦を積みながら人類最強を目指しているわけよ私は!ついでにストレス発散にもなるし。」

('A`)「君は地球を守る目的でヴィプトラ警備隊になったんじゃないわけ?」

( ^ω^)「おいおい!ツンヌがそんな崇高な考えしてるわけないだろ!」

('A`)「そりゃそうだ。」
  _
( ゚∀゚)「むしろそういう理由の方が安心するぜ。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)('∀`)「ハハハハハ」

それから数週間後。

爪'ー`)「さすがドクオだな!今週もトップの成績じゃないか!」

爪'ー`)「そしてギコ!頑張ったな。ドクオと並ぶ成績だ!」

('A`)「……」

(,,゚Д゚)「いえいえ、俺のトレーニングに付き合ってくれたみんなのおかげですよ。」

(,,゚Д゚)「それにドクオ一人に頼りきりじゃドクオに何かあった時に何もできなくなりますからね!」

('A`)「……」

('A`)(こいつマジか?地球人でこの俺に並ぶだなんて……)

( ^ω^)「あれだけ頑張ってりゃな!」
  _
( ゚∀゚)「ドクオとギコのエースさえいれば安泰ですね!」

爪'ー`)「馬鹿言え。お前ら二人もそのエースと同じくらい頑張るんだよ!!」
  _
(;゚∀゚)(;^ω^)「ゲッ……」

507名無しさん:2019/01/06(日) 03:17:53 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「宇宙人撃破数はよくても格闘戦は全然だけどな。」

ξ゚⊿゚)ξ「あれぇー?私に負けないように頑張るんじゃなかったのぉー?」

(;゚Д゚)「それはまだこれから……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!オゥ早くしろよ!」

(;゚Д゚)「そうだドクオ、パトロール行こうぜ!」

('A`)「あぁ。」

そうして二人はヴィプンターでパトロールに出かけた。
何事もなく巡回をしているとあの公園にたどり着く。
少し休もうと公園を散歩することにした二人だが……

/ ,' 3「おや、ギコ隊員お久しぶりです。」

(,,゚Д゚)「ああ、いつしかののじいさん。元気にしてたか?」

/ ,' 3「えぇ、おかげさまで。ところでギコ隊員、またジュースでも――

そんな会話をしている時、その公園でサッカーをしていた少年たちが蹴ったボールがアラマキ星人に当たった。

/ ,' 3「おっと……」

よろけて倒れた拍子にかぶっていたフードが捲れた。

(,,゚Д゚)「大丈夫か?じいさ――

(,,゚Д゚)「!」

そのフードはアラマキ星人を人間に擬態させるものであった。
それが捲れた今、アラマキ星人の本当の顔があらわになる。
赤鬼のように真っ赤な肌で頭には二本の角。
それを見た一般市民たちは騒ぎだす。

(,,゚Д゚)「貴様宇宙人だったのか!!」

すぐさま光線銃を構える。

どちゅん!

アラマキ星人が煙球を地面に投げつけ、その煙に紛れて逃げ出す。

(,,゚Д゚)「ゲホゲホッ、ドクオそっちに行ったぞ!仕留めるんだ!!」

('A`)「ん?」

508名無しさん:2019/01/06(日) 03:18:28 ID:SCd38K/s0
なんと間の悪いことでしょう。
アラマキ星人の逃げた先にはちょうどドクオがいたのでした。

/ ,' 3(旦那、約束ですぜ)

(;'A`)(……!)

あの時の約束を思い出す。
が、こうもギコや一般市民が見ている前でやすやすと宇宙人を見逃すわけには……
なにより最近はギコに追いつかれてきた。ここらで少し差を作らねばと考えていた時だったのだ。

(;'A`)「うおぉわぁぁぁ!」

ヤケクソ気味にアラマキ星人を打ち抜いた。
あっさりとその場に倒れ絶命する。

(; A )「はぁはぁ…」

(; A )(しまった勢いで……)

(; A )(や、約束が…)

(,,゚Д゚)「流石ドクオだな!」

(;'A`)「え…や……まぁな…」

爪'ー`)「お前なら必ず仕留めると思ったぜ。」

(;'A`)「え?」

( ^ω^)「そりゃぁあのドクオだからな。」
  _
( ゚∀゚)「あんな弱っちい宇宙人逃がすはずないよな。」

ξ゚⊿゚)ξ「これからも必ず宇宙人を仕留めてくれるんだよな。」

(;'A`)「な…なんでみんな……?」

ギコと二人できたはずだ。
フォックスやブーン、ジョルジョ、ツンヌがここにいるはずがない。

509名無しさん:2019/01/06(日) 03:18:55 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「どうしたんだいつもみたいに天狗になれよ。」

( ^ω^)「凶悪な侵略者を倒せたんだぞ。」

ξ゚⊿゚)ξ「きたねぇ顔で笑えよ。」
  _
( ゚∀゚)「地球に平和が訪れたんぜ。」

爪'ー`)「それがお前のやりたいことだろ。」

<(;'A`)>「やめ……」

みんな頭を抱えうずくまるドクオを取り囲む。

「喜べよ。」

「やったじゃないか。」

「うれしいだろ。」

「成りたい自分じゃないか。」

「強くて羨ましいな。」

<(;'A`)>「やめてくれぇぇぇ!!」

『そうだろ俺すごいだろ』

(;'A`)「!」

聞きなれた声がした。
この声は……

『だって俺は無敵で最強のヒーローだもん』

『どんな奴だって瞬殺だぜ』

(;'A`)「アァ……」

('A`)『それがこの俺ドクトラセブン様だ』

510名無しさん:2019/01/06(日) 03:19:23 ID:SCd38K/s0
自分だ。自分がいた。
ゆっくりとこっちに歩いてくる。

('A`)『弱かった俺なんていなかった』

('A`)『いたとしたらそいつは偽物』

('A`)『なぁそうだろ』

(;'A`)「お前は誰だ!!」

('A`)『俺は俺だよ』

ヴィA`)『お前がよく知っている俺だよ』

(;'A`)「?!」

ヴィプトラ`)『無敵のスーパーヒーロードクトラセブンだ』

ヴィプトラブレスレット『だからもうお前は必要ない』

ヴィプトラブレスレット『さようなら』

(; A )「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(,,゚Д゚)「大丈夫かドクオ?!」

(;'A`)「はっ!!」

気が付くとそこは基地の医務室だった。」

(,,゚Д゚)「老人に化けていた宇宙人を始末したら突然倒れたんだ。」

(;'A`)「はぁはぁ…ゆ、夢だったのか?」

(,,゚Д゚)「だいぶうなされてたぞ。」

511名無しさん:2019/01/06(日) 03:19:59 ID:SCd38K/s0
(,,-Д-)「……」

(,,゚Д゚)「すまないドクオ。」

(;'A`)「え?なにが?」

(,,゚Д゚)「どうやら今まで俺たちはドクオに頼りすぎたようだ。」

(,,゚Д゚)「その分の疲れが一気に出たんだろう。」

(,,゚Д゚)「ドクオにすべて任せるわけにはいかないと思ってたんだがな……」

(;'A`)「いや……」

疲れなのか?
まるで現実のような夢だった……
いや夢というのはそういうものか。

(;'A`)「大丈夫だ…もう大丈夫だ。」

ビーッ!ビーッ!
突如として基地の警報が鳴り響いた。

『V地点I市にて巨大宇宙人出現、隊員は至急現場に急行されたし!!』

『繰り返す――

(,,゚Д゚)「やれやれ忙しいな。それじゃぁ行ってくるぜ。」

(;'A`)「待て俺も……」

(,,゚Д゚)「今日くらい休んでいろって。たまには俺たちだけでやり遂げてみせるさ!」

ドクオを置いて行ってしまった。

(;'A`)「馬鹿言え地球人だけで倒せるわけないだろ!!」

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

ドクトラセブンに変身して現場へと向かう。

512名無しさん:2019/01/06(日) 03:20:31 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「フハハハハハ!これからこの星は俺様ポセイドンの物となるのだ!!」

町では侵略宇宙人が暴れていた。

一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」

一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民F「待てあれを見ろ!」

一般市民ABCF「ドクトラセブンだ!」

('A`)「デュワ!」

一般市民A「これでもう安心だな。」

一般市民G「パパっとやっつけてくれ!」

一般市民F「いやー生であのドクトラセブンの戦いが見れるだなんて最高だよ。」

一般市民B「頑張れドクトラセブン!!」

(゜3゜)「来たかドクトラセブン!ここがお前の墓場になるのだ!!」

ポセイドン星人が逆水平チョップを仕掛ける。

(;'A`)「ぐぉっ」

(#'A`)「なんの!!」

ドクトラセブンも負けじと逆水平チョップを返す。
激しいチョップの応酬が繰り広げられる。
両者の実力は均衡しているようだ。

(;゜3゜)「グゥゥ、ならば!」

チョップ攻撃と見せかけてのラリアット。

(;'A`)「うげぇぇぇ」

派手に吹き飛ぶ。倒れたところに今度はエルボードロップだ。

(; A )「ギャアァァァ!」

513名無しさん:2019/01/06(日) 03:20:57 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「どうしたその程度かぁ!!」

ポセイドン星人は空に飛び立つとそのままドクトラセブンめがけて急降下。
フライングボディプレスで攻撃。

(; A )「あ……が……」

一般市民A「いつもの調子はどうしたんだよ!」

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民B「負けるなドクトラセブン!!」

一般市民H「早くブレスレット使えよ!いつもそれで倒してたろ!!」

(゜3゜)「フーッ!!俺様の勝ちだ!!」

勝ち誇るポセイドン星人は両手を高々と掲げて勝利の余韻に浸りながらドクトラセブンの周りを歩き回る。
その油断しているスキを突く。

('A`)「デュワ!」

咄嗟に左手首のブレスレットをつかむ。
が……

(;'A`)「……」

ブレスレットを掴むが固まるドクトラセブン。

(;'A`)「……」

514名無しさん:2019/01/06(日) 03:21:27 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「!」

(゜3゜)「テメー今何しようとしやがった!!」

(゜3゜)「クソがァァァ!」

何度も何度もドクトラセブンを蹴りつける。

(;'A`)「グワァァ……」

一般市民D「なにブレスレット使うのためらってんだよ!!」

一般市民A「あー、こりゃ無理だな。」

一般市民C「さて逃げるか。」

一般市民I「前みたいなザコに戻ってね?」

一般市民B「が…頑張れ頑張れ!!」

(;'A`)「うがぁ!」

(;'A`)(ブレスレットを使えば勝てるだろう)

(;'A`)(だがそれだと……)

ドクトラセブンの額のランプが激しく点滅しだす。

(゜3゜)「フヒーッヒッヒッヒ!!」

勝利の雄たけびを上げ始める。

(; A )「……」

それまで見ていた一般市民たちも殆どが逃げ出していた。

一般市民B「あぁ……そんな負けないで……」

(゜3゜)「これでこの星を手に入れたぞ!!フハハハハハ!」

515名無しさん:2019/01/06(日) 03:21:55 ID:SCd38K/s0
一方その頃現場へと急行するヴィプトラホーク1号。
  _
( ゚∀゚)「もうすぐで目的地に着くぞ。」

(,,゚Д゚)「まったく誰かさんがトイレにこもってなければもっと早く行けたんだがな。」

( ^ω^)「いやー、すまんすまん。おかげででっかいのがひねり出せたよ。」
  _
( ゚∀゚)「だが情報によるとすでにドクトラセブンが交戦中みたいだぞ。」

( ^ω^)「お、なら俺たちの出番はなしか。良かった良かった。さっさと戻ろうぜ。」

(,,゚Д゚)「いや待て。どうやらまずい状況のようだぞ。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)「!!」

(; A )「……」

(;^ω^)「あらら、撃沈してらっしゃる?」
  _
( ゚∀゚)「となると我々だけでどうにかするしかないな。」

(,,゚Д゚)「ドクトラセブンがやられるくらいだ。相当強い奴だぞ。何か作戦を考えよう。」

( ^ω^)「よしきた!なら久しぶりに『アレ』やるぞ!!」
  _
( ゚∀゚)「『アレ』と言うと……」

(,,゚Д゚)「『アレ』だな!よし乗った!」

( ^ω^)「そうと決まれば二人とも準備しろ!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解!!」

516名無しさん:2019/01/06(日) 03:22:29 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「さあさあ哀れな地球人の奴隷たちよお前らの守り神ドクトラセブンを公開処刑してやるぞ!」

一般市民B「やめてくれぇぇぇ!!」

(゜3゜)「うんうん、心地の良い叫び声だ!」

(゜3゜)「ウハハハハハ!!」

(゜3゜)「うん?」

ちょうどポセイドン星人の視界にヴィプトラホーク1号が入る。

(゜3゜)「ヴィプトラ警備隊のザコどもめ。無駄なあがきをするつもりか?」

(゜3゜)「これでも食らえ!!」

口から怪光線を発射した。

( ^ω^)「そんなすっとろい攻撃が当たるかよ!」

一瞬にしてα号β号γ号の三機に分離して回避した。

(;゜3゜)「な!!」

三機それぞれからミサイルやレーザーで攻撃する。
圧倒的弾幕。その弾幕の前にはいかなるものも防御するだけで手いっぱいだ。
そして見事な連係。二機で注意をひき、残る一機でスキを突く。

(;゜3゜)「グギギギギ!!ちょこざいな!!」

(; A )「う……」

(;'A`)「はっ!」

気を失っていたドクトラセブンが目を覚ました。
そこには分離したヴィプトラホーク1号に手も足も出ないポセイドン星人がいた。

(,,゚Д゚)「いまがチャンスだぜドクトラセブン!」

ギコが合図を送る。

('A`)「デュワ!」

(;゜3゜)「げっ!」

517名無しさん:2019/01/06(日) 03:22:58 ID:SCd38K/s0
後ろからつかみかかりリフトアップする。
そのまま必殺のドクトラハリケーンで投げ飛ばす。

(;゜3゜)「うげぇ……」

(#'A`)「ダアァァ!!」

トドメに必殺のドクトラショット。

(;゜3゜)「アアアアアアア!!」

情け容赦なしに爆発四散。

(;'A`)「はぁはぁ…」

ヴィプトラ警備隊の援護がなければやられていた。
ギリギリの戦いであった。

分離していたヴィプトラホーク1号も合体して基地へと帰還する。
そしてドクトラセブンも。

一般市民B「……よかった。」

戦いが終わり一般市民たちも戻ってきた。

一般市民A「やっと終わったみたいだな。」

一般市民D「ここ最近すごく強くなったと思ったがそんなことなかったな。」

一般市民C「ただの確変気だったのか?」

一般市民J「えー!またあのクソザコに戻ったの?!幻滅しましたファンやめます。」

一般市民A「面も悪いくせにそのうえ弱いときたらいいとこないだろマジ。」

一般市民B「でもいつも必死に戦ってくれてるよ!」

一般市民A「そうかもしれんが……俺が求めるヒーローって強くてカッコよくないと。」

一般市民D「そうそう。」

一般市民B「……」

518名無しさん:2019/01/06(日) 03:23:27 ID:SCd38K/s0
その日、夜の公園にドクオが一人でいた。

('A`)「……」

ずっと左手首のヴィプトラブレスレットを見つめている。

('A`)「……」

('A`)「……」

('A`)「……」

決心がついたのかそれを外すと地面に置き光線銃で撃ち抜いた。
ヴィプトラブレスレットはパチパチと燃え上がって燃えカスだけが残った。

「旦那よかったのですかい?」

背後から聞いたことのある声がした。

('A`)「やはり生きていたか。」

/ ,' 3「そりゃぁもちろんでっせ。それなりに修羅場は乗り越えて来やした。」

/ ,' 3「死の偽装くらいお手の物ですよ。」

('A`)「そうか……」

/ ,' 3「代わりのヴィプトラブレスレットを用意しやしょうか?」

('A`)「いやいい。」

('A`)「……」

('A`)「きっとあれに頼っていたら俺は俺じゃなくなっていたんだと思う。」

('A`)「もう少しで俺はヴィプトラブレスレット掛け器になるところだった。」

/ ,' 3「……」

('A`)「なによりあれがあったところで俺が強くなってるわけじゃないんだ。」

('A`)「下手したら前より弱く……」

('A`)「ブレスレットをこの先使い続けたとして、もしブレスレットが無い状態で戦わないといけなくなったら」

('A`)「『クソォ、ブレスレットさえあれば……ブレスレットさえあればこんな奴に!!!』って俺は喚いていたと思う。」

519名無しさん:2019/01/06(日) 03:24:01 ID:SCd38K/s0
( A )「俺は弱いよ……」

/ ,' 3「旦那は確かに弱いですよ。」

/ ,' 3「それも最弱。ホントにヴィプトラの戦士なのか疑うくらいに。」

/ ,' 3「マジでクソ雑魚なめくじ。いやそれ以下。クソ雑魚微生物?もっと下か。」

/ ,' 3「あんたヴィプトラ養成学校卒業したんだよね?それでその弱さはヤバイ。」

/ ,' 3「こんなにクソ弱くてダサいの初めて見た。」

/ ,' 3「記念に写真撮ってもいい?SNS乗っけて友達に自慢したい。クソダサ最弱野郎とツーショットって。」

(;'A`)「ちょっと辛辣過ぎない??」

(;'A`)「え、なに?俺に罵声浴びせるために出てきたの?」

/ ,' 3「旦那ダメですぜ現実逃避は。事実はちゃんと受け入れなきゃ。」

(;'A`)「もうちょっとオブラートにお願いしたいんだけど。」

/ ,' 3「それが甘えで逃げだといってるんですよ旦那。」

/ ,' 3「まぁ少々脱線しやしたが、話の続きです。」

/ ,' 3「長年この宇宙で商売してきやしたが、こんなに弱い方は始めてです。」

(;'A`)「……」

/ ,' 3「旦那、ヒーローで一番大切なものは何だと思いやす?」

/ ,' 3「強さですよ。」

('A`)「……」

('A`)「そうだろうな……」

/ ,' 3「勘違いしないでくだせえ。肉体的な強さじゃありやせん。」

/ ,' 3「心の強さですよ。」

('A`)「!」

520名無しさん:2019/01/06(日) 03:24:36 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「肉体的強さってのはそれはヒーローとしたら前提として当たり前ですよ。」

/ ,' 3「今までに肉体的に強い方は腐るほど見て気やした。」

/ ,' 3「旦那と比べ物にならないほどに強い方たちですよ。」

/ ,' 3「でもそういった方たちはすぐに新しい力に飛びついて来やした。」

/ ,' 3「強化アイテムなんてこぞってね。」

/ ,' 3「そして力に溺れていった。その力を求めて争いを始めるなんてよくある話なんてレベルじゃないくらいに。」

/ ,' 3「やがてそういうヒーローだった者たちが宇宙の平和を脅かすものへと変わっていきやした。」

/ ,' 3「そして力を求める方はすぐ勘違いしやす。」

/ ,' 3「あれはヴィプキュアという商品を少女たちに買っていただいたときでしたかね。彼女らはそりゃぁもう楽しそうに自分たちの敵対する勢力と戦っていやした。」

/ ,' 3「今日かアイテムも喜んで使っていただきやしてね。でも闘いが続く中ある日のことでした。ヴィプキュアのサービスを提供する会社が潰れてしまいましてね。」

/ ,' 3「彼女たちは変身できなくなってしまったんです。そしたら彼女たち敵が目の前にいても尻尾巻いて逃げ出しやしてね。まぁその後どうなったか語る必要はないですね。」

/ ,' 3「結局のところそれは彼ら、彼女たちの本当の力じゃないんです。ただの道具の力に過ぎないものだったんですな。」

/ ,' 3「それを自分たちの力だと思い込み、それがなくなればなにもできなくなる方たちばかりで。」

/ ,' 3「少し話がそれやすが、あっしの話をさせてくだせえ。」

旦那も知っての通りあっしは宇宙でも最弱と呼ばれるアラマキ星人です。
そらぁ生きるために必死で周りに媚を売りいろいろな商品を売ることで何とか生きながらえてきやした。
そうして長年生きていろいろな経験を積んだあっしは商売で少し面白いことをするようにしたんです。
人生を満たしていない方に過ぎた力や道具を与えてその方の人生を180度変えるように。

最初の方はなんてことのない料理人でした。でも先祖代々料理屋をしてやして地元の人たちからも愛されてやした。
しかし、心のどこかではもっと店を大きくだとか知名度を上げたいとか考えてたんでしょうね。あっしが最高の料理ができる包丁を差し上げたら喜んで使いなさりましたよ。
店も大賑わいで宇宙でもその名前を知らない人はいないくらいにね。でもそんなに繁盛していても地元の人たちはその店に寄り付かなくなったんです。
気づいたときにはその店の主人はもう作れなかったんですよ。代々受けづいて地元の人たちに愛されていた料理の味を。

あっしはそうやって商品を売った方からお代よりもその方の誇りをいただくことにしやした。
そしたら面白いこと面白いこと。どんな方でも喜んで誇りをお代として渡してくださいやした。
底辺にいたあっしはその光景を見ることに生きがいを感じていやした。

521名無しさん:2019/01/06(日) 03:25:08 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「これまでの星でそうやって商売してましてね。あっしの商品を断る人なんていやせんでした。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「この星に来るまでね。」

('A`)「?」

/ ,' 3「この地球で初めて出会いましたよ。あっしの商品を断った方に。」

/ ,' 3「あっしの人生で初めてでしたよ。」

/ ,' 3「でもあの方はわかってやした。そんなものに頼っていてはだめになると。自分の力でそのレベルにたどり着かなきゃいけないのだと。」

/ ,' 3「そういう心の強さが必要なんですよ。」

('A`)「やっぱすごいな地球人は……」

/ ,' 3「でもその方は旦那の身近にいますぜ。」

('A`)「え?」

/ ,' 3「ギコ隊員ですよ。ギコ隊員。」

('A`)「あぁ、あいつか。そりゃそうだよな。あいつ自力でヴィプトラブレスレットを使う俺レベルまで来たもんな。」

('A`)「あいつスゲーよ……」

( A )「なのに俺は……」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「旦那、あっしはこの地球でもう一つ初めての経験をしやした。」

/ ,' 3「今まであっしが商品を売った方は誰一人その商品を捨てる方はいませんでしたよ。」

/ ,' 3「むしろ何が何でもその商品にしがみつく方ばかりでね。」

/ ,' 3「旦那も初めての方ですよ。あっしの商品を自分の意思で捨てた方は。」

522名無しさん:2019/01/06(日) 03:25:35 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「一度手に入れた強大な力を捨てるのもまた、心の強さが必要なんですよ。」

/ ,' 3「だから自信を持ってくだせぇ。旦那は自分が思っているよりお強いお方だ。」

(*'A`)「え、そう?」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「一応言っておきますがあくまで心の強さでっせ。」

/ ,' 3「肉体的強さは――

(;'A`)「あー、わかってるから。もうそれ以上言わなくても!」

/ ,' 3「忘れないでくだせぇ旦那。一番大切なことを。」

/ ,' 3「それさえしっかりわかっていればこの先大事なものを失わないですみますよ。」

('A`)「忘れないように今回のことは。」

/ ,' 3「あっしはこの星にすごく興味がわきました。他にも心の強い方がいるんじゃないのかと。」

/ ,' 3「だから今一度宣言させてもらいましょうか。」

/ ,' 3「あっしは地球を侵略する気はまったくありやせん。」

('A`)「今度はその約束守るよ。」

/ ,' 3「祈っておりやす。この先旦那が自分の実力で戦えることを。」

/ ,' 3「ではあっしは行きますぜ。またどこかでお会いしやしょう。」

('A`)「あぁ、また会おう。」

('A`)「後悔しないよ俺は、ヴィプトラブレスレットを捨てたこと。絶対にだ!」

そう固く誓う。

523名無しさん:2019/01/06(日) 03:26:03 ID:SCd38K/s0
それから数週間後。

爪'ー`)「あー、まぁどうしたと言うか。」

爪'ー`)「あの調子がよかった時期は何だったんだドクオ?」

(;゚Д゚)「大丈夫かドクオ?まだ調子が悪いのか?」

(;゚Д゚)「ひょっとしてスランプとかかな?」

( ^ω^)「確変終了!確変終了!いつも通り平常運転に戻っただけだよな!」
  _
( ゚∀゚)「いやー、良かったっ良かった。」

(#'A`)「ギギギギギギギギ!!!!」

ドクオもドクトラセブンも以前通りの実力に戻り今まで通りの評価に戻った。

ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!こいつマジクソ雑魚ナメクジ!!!」

ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!」

(#゚A゚)「キィィィィィィィ!!!!」

(#゚A゚)(クソォ!ヴィプトラブレスレットさえあれば!!)

(#゚A゚)(ヴィプトラブレスレットさえあればこんなことにぃぃぃ!!!)

ヴィプトラブレスレットを捨てたことを全力で後悔するドクオであった。

第十七話『怪しい老人』

終わり

524名無しさん:2019/01/06(日) 03:28:43 ID:SCd38K/s0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
今後の予定としてあと二話通常回をやった後、前編後編の最終回になります。
あともう少しですが、お付き合いいただければ幸いです。

525名無しさん:2019/01/06(日) 04:03:53 ID:EPoWiCx.0
どう転ぶかと思ったけどええ話じゃった

526名無しさん:2019/01/06(日) 09:40:28 ID:IdqEt8vc0
乙!!

527名無しさん:2019/01/07(月) 00:21:13 ID:T3.6Y97Y0
ツンヌが負け越すとかどんな化け物だよw
乙でした

528名無しさん:2019/01/07(月) 05:02:20 ID:EL2kZmRw0
おつ
ツンヌが最強じゃないの…?
こいつらを巨大化できる装置を開発したらどんな宇宙人でも勝てるだろ

529名無しさん:2019/01/07(月) 05:36:25 ID:9eam0mbw0
>>528
そうだな…………

色々と滅ぶんじゃね?

530名無しさん:2019/01/07(月) 20:23:30 ID:5txTNqUg0
明けましておめでとさんさん
いつも楽しく読んでます。今年も期待してまっせ

531名無しさん:2019/01/23(水) 22:50:38 ID:djBPHcOU0
第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』

prrr

( ^ω^)「はい、こちらヴィプトラ警備隊作戦室。どうなされました?」

( ^ω^)「!!」

( ^ω^)「なに!ふむふむ!分かった!」

ガチャリッ

( ^ω^)「隊長!」

爪'ー`)「どうしたブーン?」

( ^ω^)「今、モララー星人を目撃したとの連絡が……」

爪'ー`)「……」

(;'A`)「……」

作戦室にかかってきた電話。
その電話一本で忙しそうにしていた作戦室は静まり返る。
みな黙ってフォックスの方を覗いていた。
表情はいつも通りではあったが、その瞳には怒りが感じられるのだ。

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「場所は?」

( ^ω^)「AA地点にある小さな村の古い駄菓子屋だそうです。」

爪'ー`)「そこはジョルジュとギコが謎の怪電波を探知して調査しに向かった場所だな。」

爪'ー`)「なるほどそういうことか……」

爪'ー`)「HAHAHAHA!!」

爪'ー`)「よし残りの連中も出発するぞ!」

( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解。」

532名無しさん:2019/01/23(水) 22:51:05 ID:djBPHcOU0
AA地点に向かうヴィプンター内。

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、また田舎かよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「つーか全員で行く必要ないんじゃねーの?」

( ^ω^)「いやそこはさ、ツンヌもいろいろ感じようよ。この空気。」

爪'ー`)「……」

('A`)(ホント重っ苦しいこの空気)

(,,゚Д゚)「ギコからヴィプンターへ、ギコからヴィプンターへ。」

先にヴィプトラホーク1号で現場に着いていたギコから通信が入る。

爪'ー`)「こちらヴィプンター。」

(,,゚Д゚)「現在通報があった駄菓子屋の前で待機中。先に中に入り制圧しましょうか?」

(,,゚Д゚)「やはりここは隊長を待ちますか?」

爪'ー`)「いや構わん。大切なのはいち早く奴を仕留めることだ。」

爪'ー`)「何かされる前に仕留めるんだ!」

(,,゚Д゚)「しかし、モララー星人は隊長の因縁の相手では?」

爪'ー`)「フッ、ああそうさ。」

爪'ー`)「奴のことはこの何十年一度だって忘れたことはない。」

爪'ー`)「そうあれはまだ俺が二十台の頃だ……」

爪'ー`)「今もしっかり覚えてる。あれはひどい嵐の夜だっtξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?」

爪;'ー`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーその話は何度も聞いた。」

533名無しさん:2019/01/23(水) 22:51:31 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「要約してやろうか。」

ξ゚⊿゚)ξ「昔、侵略者追ってた。」
ξ゚⊿゚)ξ「仲間がトラップにかかって死んだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「絶対許さねぇ!」

ξ゚⊿゚)ξ「以上。」

ξ゚⊿゚)ξ「おい、三行で済んだぞ。なんでいつも長々テメーの昔話に付き合わねぇといけねぇんだ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「一回聞けば十分なんだよ。これで何度目だその話!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんならもっと簡潔にしてやろうか?」

ξ゚⊿゚)ξ「絶許」

ξ゚⊿゚)ξ「以上。」

ξ゚⊿゚)ξ「おいこら二文字で済むぞ。」

爪;'ー`)「あぁ……うん……ごめんね……」

(;^ω^)「ちょっ……隊長!!我々はその話聞きたいです!!」

(,,゚Д゚)「ええ!隊長の口から何度でも聞きたいですよ!」

('A`)「お願いです隊長!いつものように話してください!」
  _
( ゚∀゚)「これから乗り込む我々の士気を高めるためにもぜひ!」

爪*'ー`)「みんなそういうなら仕方ないな。」

爪'ー`)「そうあれはまだ俺が二十台の頃だ……」

爪'ー`)「今もしっかり覚えてる。あれはひどい嵐の夜だっtξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?」
  _
(;゚∀゚)爪;'ー`)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「大概にしろよテメーら。」

534名無しさん:2019/01/23(水) 22:51:54 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)「……」

(;^ω^)(;'A`)「……」

(;'A`)(すごく気まずい)

(;^ω^)(なんていたたまれないんだ)

とても感じ悪いヴィプンター内。
仕方ないので代わりにフォックス隊長の回想。

これはまだ彼が二十台の頃だ。
ひどい嵐の夜、もう使われていない工場で彼は戦友と地球を侵略しに来た宇宙人たちと戦っていた。

(*‘ω‘ *)「オイオイ、モララー星人ってのはこの程度かよ!」

爪'ー`)「はっ!数だけしか能のないのか!」

『ぐわー!!』

『ギャアァァァ!!』

次々と光線銃でモララー星人を仕留めていく若かりし頃のフォックスと戦友ちんぽっぽ。

(*‘ω‘ *)「おいフォックス!お前なん人倒したよ?」

爪'ー`)「ざっと十人だな。お前は?」」

(*‘ω‘ *)「俺も十人だ。」

爪#'ー`)「チッ、同数か……」

(*‘ω‘ *)「この俺についてこれてんだ十分に誇れよ。」

爪#'ー`)「そうはいかねぇんだよ!!」

爪#'ー`)「今日多く倒した方が渡辺に告白する権利を手に入れる約束だろ!!」

爪'ー`)「だから…俺は絶対に勝つんだ!今日お前に!!」

(*‘ω‘ *)「……」

(* -ω- *)「正直俺はそんな勝負どうでもいい。」

爪#'ー`)「なんだと貴様!!」

535名無しさん:2019/01/23(水) 22:52:15 ID:djBPHcOU0
(#・∀・)「チクショウォォォ!!」

(#・∀・)「おのれ地球人ども!!よくも我が同胞たちを!!」

侵略してきたモララー星人最後の生き残りが叫んだ。

(#・∀・)「許さん……許さんぞぉ!!」

(#・∀・)「絶対に復讐してやる!!」

そう言いながらモララー星人は工場から逃げ出していった。

爪'ー`)「おあつらえ向きに一人残ってたじゃないか!」

爪'ー`)「あいつは俺がいただく!!」

無警戒にモララー星人を追いかける。

(*‘ω‘ *)「!!」

(*‘ω‘ *)「待てフォックス!!」

モララー星人が居たあたりに近づくとピーっと言う機械音が聞こえた。
それは小型な爆弾であった。人が近づくと作動するタイプ。
モララー星人が逃げるときに設置していったのだ。

爪;'ー`)「しまっ――

真夜中、そして嵐だったせいで気づきにくいが普段なら……慎重に対応していれば簡単にわかったはずだ。
だがその時のフォックスは焦りから判断を間違えたのだ。
爆発音とともに吹き飛ぶ。

爪;'ー`)「グッ……」

数メートルほど吹き飛んだフォックスだったが、思いのほか軽傷だった。

爪;'ー`)「はっ!」

自分がなぜ軽傷だったかそのわけがすぐにわかった。

(* ω  *)「……」

爆発の直前にちんぽっぽがかばってくれたのだ。
そのちんぽっぽは重傷でもう手の施しようがない。

536名無しさん:2019/01/23(水) 22:52:55 ID:djBPHcOU0
爪;'ー`)「おいちんぽっぽ!!しっかりしろぉ!!」

爪;'ー`)「なんで俺なんかかばったんだよ!!」

(* ω  *)「お…俺よりお前の方が生きるべき人間だからさ……」

爪;'ー`)「?!」

(* ω  *)「お前は俺とは違う……人のためにヴィプトラ警備隊に入って人のために戦える奴だ。」

(* ω  *)「なにより人のために泣いて怒って……人を愛せる人間だ……」

爪;'ー`)「馬鹿野郎それくらいお前だって――」

(* ω  *)「俺はそんなふうにはできなかった……だって俺は復讐のために戦っていたから……」

(* ω  *)「子どもの頃に家族を侵略者どもに殺されたあの日から!」

(* ω  *)「その日から俺は一人でも多くの侵略宇宙人をこの手で始末することばかり考えていたんだ……」

(* ω  *)「だから死ぬときは戦いの最中だって思ってたよ……」

爪;'ー`)「だからって……」

(* ω  *)「ずっと復讐ばかり考えていたが今は悪い気分じゃない……戦友のお前を守れて……」

(* ω  *)「お前と渡辺のおかげだよ俺がこうして人間みたいなことを思えるのは……」

(* ω  *)「だから勝負がどうとかじゃなくてお前の気持ちを伝えてやれ、待ってるはずだよ彼女は……」

(* ω  *)「それに他の奴は馬鹿にしてたが俺は嫌いじゃなかったぜお前の夢……」

爪;'ー`)「俺の夢?」

(* ω  *)「前に言ってたろ……いつか…きっといつか宇宙人とか地球人とか関係なく手を繋ぎあえる平和な世界が来るといいって……」

(* ω  *)「確かにお花畑みたいな話だけどさ、いつかそんな平和は時代が来る……と…い…い……」

爪;'ー`)「ちんぽっぽ?!」

爪;'ー`)「オイ!!」

爪;'ー`)「……」

爪;ー;)「うわぁぁぁぁぁ!!!」

537名無しさん:2019/01/23(水) 22:53:22 ID:djBPHcOU0
フォックスはひたすら叫んだがその声は嵐に消されてしまった。
その後、血眼になってモララー星人を探すが一向に見つかることはなかった。
地球から逃げたのか今でも侵略の準備をしているのか、はたまた応援が来るのを待っているのか。
そして長い月日が流れた。
だが、時間はフォックスの復讐心を消すことはなかった。

そして現在。

爪'ー`)(ついに見つけたぞモララー星人)

爪'ー`)(長年の恨み……)

爪'ー`)(……)

爪-ー-)(……)

(;^ω^)「もう少しでつきますよ隊長。」

(;'A`)「その村って何か観光名所とかあるのかな?」

(;^ω^)「いやー何にもない村だそうだぜ。」

(;^ω^)「でもそういうところこそ混浴温泉とかありそうだよな。」

(;'∀`)「そりゃぁいい、後で調べてみようぜ!」

重っ苦しい空気を何とか和ませようとする二人。

ξ#゚⊿゚)ξ「テメーら遊びに行くんじゃねぇんだぞ!!」

(;^ω^)(;'A`)「はい……」

ξ゚⊿゚)ξ「これだから田舎に行くのは嫌なんだよ。」

どうやらもうどうしよもないようだ。

538名無しさん:2019/01/23(水) 22:53:46 ID:djBPHcOU0
(,,゚Д゚)「よし、じゃぁ二人で乗り込むぞ!」
  _
( ゚∀゚)「できればみんなと合流してからの方がよかったんだが……」

(,,゚Д゚)「ビビってんなよ。感づかれて逃げられたら元も子もないだろ。」

(,,゚Д゚)「突入してこっちの指示に従うようなら拘束、抵抗するようなら攻撃だ!」
  _
( ゚∀゚)「了解!」

光線銃を構えた2人が駄菓子屋に乗り込んだ。

(,,゚Д゚)「モララー星人!おとなしく降参しろ!!」

( ・∀・)「おやまぁいらっしゃい。」

肌は青色、髪の毛は赤い、目の色は黄色いモララー星人が出てきた。

( ・∀・)「いつか来るだろうとは思っていたが、今日がその日か……」

( -∀-)「言う通りに従うよ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「!」

思った反応とは違い従順であった。
  _
( ゚∀゚)(罠か?)

(,,゚Д゚)(そんな感じではなさそうだが)

逃亡生活に疲れて侵略するのをあきらめたのか?
それともまた違い、まるですべてを受け入れるという覚悟が感じられた。
その後、二人の指示に従い両手に手錠をはめられた。
  _
( ゚∀゚)「ジョルジョよりヴィプンターへ。」

爪'ー`)「こちらヴィプンター。」
  _
( ゚∀゚)「現在駄菓子屋に突入して標的を確保。」
  _
( ゚∀゚)「モララー星人は無抵抗でしたので現在拘束中です。」

爪'ー`)「なに?!」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「そうか、了解。」

539名無しさん:2019/01/23(水) 22:54:10 ID:djBPHcOU0
( ^ω^)「流石ギコとジョルジョだな!あっという間に制圧するなんて。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、面白くねぇ。長年逃げのびたやつだというからどんな奴かと期待してたんだがな。」

('A`)「でもこれであとは隊長が焼くなり煮るなり好きにできますね!」

爪'ー`)「……」

('A`)「?」

('A`)(どうしたんだろ隊長)

( ^ω^)(きっとどうやってギタギタのボコボコにするか考えてるんだよ)

('A`)(ひー、恐ろし)

それからほどなくしてヴィプンターが到着した。
その頃には騒ぎを聞きつけた村人たちが駄菓子屋に集まっていた。

( ^ω^)「ほらほらどいたどいた!後の始末は我々ヴィプトラ警備隊がするからみんな早く帰りなさい!」

村人1「待ってくれ、確かにモララーは宇宙人かもしれないが悪い奴じゃないんだよ!」

村人2「そうだあいつは長年この村でオラたちと平和に暮らしてたんだ!」

子供1「やめてよぉ!僕は毎日ここでお菓子買ってるんだぞ!」

子供2「私だって!」

(;'A`)「ちょっと皆さん落ち着いて……」

ドクオたちが到着するなり村人たちが詰め寄ってきた。

ξ゚⊿゚)ξ「こいつら洗脳でもされてんのか?先にブツのめしとこうぜ!」
  _
(;゚∀゚)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「馬鹿やめろツンヌ!!」

ツンヌの殺気を感じた村人たちは逃げるように去っていった。

(;'A`)「みんな知っていたのか?」

( ^ω^)「かくまっていたとなると問題だなぁ。」

(,,゚Д゚)「みんな早く来てくれて助かった。ずっとあんな調子で大変だったんだよ。」

540名無しさん:2019/01/23(水) 22:54:34 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「この村一帯洗脳されてんじゃねぇの?」

ξ゚∀゚)ξ「私が調査して確かめてやろうか!」
  _
( ゚∀゚)「いや、手持ちにあった装置で確認してみたがその疑いはない。」

( ^ω^)「するってぇとあのモララー星人は実はいい子ちゃんだって言うのか?」

爪'ー`)「……」

(;^ω^)「そ、そんなはずありませんよね。」

爪'ー`)「まあいい。村人たちが奴のことをどう思っていようが関係ない。我々の仕事をするだけだ。」

爪'ー`)「明日、基地へと連行して裁判にかける。」

爪'ー`)「どうせ死刑だろうがな。」

( ^ω^)「隊長自らの手でケリをつけなくていいんですか?」

爪'ー`)「任務に私情を挟むな!我々はヴィプトラ警備隊だぞ!」

(;^ω^)「す、すみませんでした隊長。」

爪'ー`)「俺が一晩ここに泊まって奴を見張る。みんなは周辺を警戒していてくれ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーが一番私情挟んでんじゃねーかよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「裁判なんか必要か?さっさと始末して基地に帰ろうぜ。」

その後、ブーンとドクオは駄菓子屋周辺を警備し始め、
発信源はモララー星人であろうと思われるが、ギコとジョルジョは目的の怪電波の調査にのり出した。
そしてツンヌは早く自分だけ休もうと宿を探す。

('A`)(しかしモララー星人か、生き残りがいたんだな)

('A`)(数十年前にモララー星は侵略されて滅んだって聞いたが)

541名無しさん:2019/01/23(水) 22:55:04 ID:djBPHcOU0
( ・∀・)「……」

爪'ー`)「……」

( ・∀・)「あー、ずっと見つめられても照れるんだが。」

( ・∀・)「どうだい、あんたも食べないか?」

手錠をされていても器用に晩御飯を作るモララー星人。
二人分の料理を用意しちゃぶ台に座る。

( ・∀・)「このみそ汁はモララー星自慢の一品だ。」

( ・∀・)「宇宙の味をどうぞご堪能あれ。」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「お前はこの顔に見覚えがないのか?」

( ・∀・)「……」

( -∀-)「見覚えも何もあの夜のことは一生忘れられないよ。」

爪'ー`)「ならばお前の汚い頭に風穴開けても文句は言わないな。」

( ・∀・)「あぁ。好きなようにしてくれて構わない。」

爪'ー`)「……」

爪#'ー`)「なぜ貴様はそう冷静でいられる!!」

爪#'ー`)「俺は貴様がやったことを一日だって忘れたことはない!!」

( ・∀・)「……」

( ・∀・)「俺もそうさ。あの夜のことは忘れられない。俺はあの夜に一人ぼっちになってしまったんだ。」

爪#'ー`)「?」

542名無しさん:2019/01/23(水) 22:55:38 ID:djBPHcOU0
あの日……地球人たちに復讐を誓ったあの日。
侵略部隊でたった一人生き残った俺は自分たちの円盤に向かいモララー星に連絡を入れたよ。
地球人たちは思っているよりずっと強いからもっと大部隊を送ってくれとな。
だが帰ってきた返事はとんでもないものだったよ。

『いま我々モララー星は侵略されている!!』

『いや違う。もう滅ぼされるんだ!!!』

(;・∀・)「な、なにを言っているんだ本部!」

『いま我々モララー星は偽モナー星人に仕掛けられた強力な爆弾で焼き尽くされようとしている!』

『ここももうじき――

そこで通信が途絶えたよ。

(;・∀・)「本部?本部!!!」

なんとも間抜けな話さ。
自分たちが他の星を侵略している隙を突かれてあっという間に滅ぼされて……

そして俺はたった一人この宇宙に残されてしまったわけだよ。

(# ∀ )「クソォ、クソォオォォ!!」

(# ∀ )「絶対に許さねぇ!!滅ぼしてやる!!こんな地球なんて星滅ぼしてやる!!」

すべてを失った俺はその怒りをこの星に向けたんだ。
一人ぼっち、そう一人ぼっちの侵略者になっても目的を遂行すると。

無我夢中で一人でも多くの地球人をこの世から消してやろうと何も考えずに円盤から飛び出していったね。

(# ∀ )「ウオォォォ!!」

その時は何も見えてなかったよ。いや本当に。

(# ∀ )「!!」

馬鹿みたいに飛び出したらさ、通りかかったトラックに轢かれて一瞬でボロ雑巾だよ。
血もいっぱい吐いた。紫色の血を。

543名無しさん:2019/01/23(水) 22:56:05 ID:djBPHcOU0
それでもフラフラと歩いて気づいたらこの駄菓子屋の前さ。
そしたら何か異変を感じた駄菓子屋の婆さんが出てきたんだ。
丁度いい。せめてこいつだけでも道連れにしよう。そう思った。

イ从゚ ー゚ノi「……」

(#・∀ )「ば…ババア……覚悟しr……」

(; ∀ )「」

そこで俺は気を失った。
次に気が付いたときは居間で寝ていたよ。手当もされてな。

(;・∀・)「ここは?」

イ从゚ ー゚ノi「おやまぁ、気が付きましたかい。」

(;・∀・)「?!」

(;・∀・)「どういうつもりだ!!」

イ从゚ ー゚ノi「?」

(;・∀・)「見てわからないのか?俺は宇宙人だぞ!」

イ从゚ ー゚ノi「そりゃ見ればわかりますよ。」

(;・∀・)「ますますわからん?なぜ俺なんて助けたんだ?」

イ从゚ ー゚ノi「あなたが困っているような顔してましたからね。」

イ从゚ ー゚ノi「困っている人がいたら助ける。当たり前のことじゃ。そこに地球人だとか宇宙人だとかないよ。」

(;・∀・)「???」

イ从゚ ー゚ノi「行くところがないのなら、その怪我が治るまで家にいなさい。」

俺にはその婆さんが言っていることがわからなかったよ。
見ず知らずの人間どころか宇宙人だぜ?助ける意味がない。
そのはずなのに……

544名無しさん:2019/01/23(水) 22:56:28 ID:djBPHcOU0
とりあえず傷が完治するまではこの家にいるつもりだったよ。
場合によってはここを侵略の拠点にしてやろうなんって考えもしたさ。

イ从゚ ー゚ノi「どれ傷の様子はどうじゃ?」

(;・∀・)「いでで!下手に触るなクソばばぁ!!」

イ从゚ ー゚ノi「それだけ言えればそれなりによくはなってるのぉ。」

(;・∀・)「こちらとら重傷なんだからもう少し丁寧に扱え!」

イ从゚ ー゚ノi「腹はすいたか?」

(;・∀・)「!」

そういえばいろいろありすぎてろくに食事をしてなかった。

(;・∀・)「あぁ、何か食い物はあるか?」

イ从゚ ー゚ノi「直ぐに作るから待ってなさい。」

イ从゚ ー゚ノi「それとワシの名前は銀という。お前さん名前は?」

( ・∀・)「俺の名前は……」

( ・∀・)「フンッ!貴様ら地球人ごときに名乗る名前なんてない!」

イ从゚ ー゚ノi「そうかい……」

しばらくして持ってこられた食事は初めて食べた地球の料理だった。
なんともいえない味だったよ。あの頃は。
すぐに恋しくなったね。もう食べられない故郷の味が。

それから数日後、一人で歩けるくらいには回復してトイレに行ったんだ。
途中のお部屋に仏壇があるのを見つけてな。
銀の婆さんにも旦那がいたのかと思ってちょっと覗いてみたんだ。
古い写真にはまだ少し若そうな男が写ってたよ。結婚して早いうちに亡くしたんだなって。
でもまだあったんだ。

そっち写真には比較的きれいで若い夫婦と小さな子供が写っていた。
ああ、子供夫婦と孫も亡くしてたんだな。
少しだけ同情したね。
でもだから俺を助けたんだと思ったんだよ。
残りの余生一人だと寂しいから俺を助けて恩を売って世話をしてもらうって魂胆か。
だから俺にやさしくしてたんだなって。

545名無しさん:2019/01/23(水) 22:56:56 ID:djBPHcOU0
お前の思い通りになるか。怪我が治ったらすぐにここを出て俺の復讐を果たすんだ。
俺の復讐心はまったく消えちゃいなかった。それどころかますます大きくなっていったよ。
そんなことを思っていたら珍しく銀の婆さんの元へと客人がやってきてな。
俺は素早く押し入れに隠れたよ。だから二人の会話がよく聞こえた。

最初はなしていた会話はなんてことのないご近所の噂話さ。
それから次第に銀の婆さんの話になっていったよ。

客人「なぁ銀さんやい。今度この近くに老人ホームができるみたいだけどそっちに行く気はないかい?」

イ从゚ ー゚ノi「……」

イ从゚ ー゚ノi「いやワシはいいよ。」

客人「でも身の回りの世話も大変だろう。それに一人だと何かあった時に……」

イ从゚ ー゚ノi「馬鹿な話だと思うけど、こうしてワシが家にいれば息子家族が帰ってくる気がしてな……」

イ从゚ ー゚ノi「それにまだ学校の帰り道に駄菓子を買ってくれる子供たちがおるから店をたたみたくないんじゃ。」

客人「そうかい。でも気が向いたらいつでも言ってくれ。」

客人「だがな、ちゃんと現実は見なきゃいかんで。」

客人「お前さんの息子家族は宇宙人に殺されたことは忘れちゃいかん。だからもう帰ってこんのだよ。」

イ从゚ ー゚ノi「……」

(;・∀・)「!!!」

その後話を聞いているとよくわかった。
銀の婆さんの息子家族は長い連休の時に泊りがけでこっちに来ようとしていたらしい。
その時に運悪く地球を侵略しに来た宇宙人に襲われとても悲惨な殺され方をした。
それからまたしばらく会話したのちに客人は帰っていった。

(;・∀・)「オイ!さっきの客人の話は本当か?」

イ从゚ ー゚ノi「……」

イ从゚ ー゚ノi「あぁ本当さ……」

(;・∀・)「じゃぁなんで宇宙人の俺を助けたんだ!!」

(;・∀・)「敵だとか恨みだとかそういうのがあったんじゃないのか?!」

546名無しさん:2019/01/23(水) 22:57:26 ID:djBPHcOU0
イ从゚ ー゚ノi「あの時も言ったろあんたが困った顔してたからさ。」

(;・∀・)「そんな訳――

イ从゚ ー゚ノi「ワシもさ家族を亡くしたときお前さんと同じ顔をしてたんだよ。」

イ从゚ ー゚ノi「悲しくて悔しくて許せなくて。そりゃ恨んだりもしたさ。」

(;・∀・)「ならなんで!!」

イ从゚ ー゚ノi「でも一番許せなかったのは宇宙人じゃない、自分自身だったのさ。」

イ从゚ ー゚ノi「あの時ワシが息子たちにたまにはこっちにおいでなんて言わなければ。無理にお願いなんてしなければ。」

イ从゚ ー゚ノi「ずっと悔やんでいたよ。だからせめてもの罪滅ぼしに子供たちにいい思いをしてほしくてこの駄菓子屋をまだ続けているのさ。」

イ从゚ ー゚ノi「だからあんたも許しておやり。自分自身を。」

( ;∀;)「!!」

イ从゚ ー゚ノi「何があったのかわわからないが、あんたの心には復讐心があるのがよくわかる。でもそれは一番許せないやつを隠すためだ。」

イ从゚ ー゚ノi「どんなに自分を恨んでも何にもならないよ。だから許しておやり。」

( ;∀;)「お…俺は地球を侵略しに来たモララー星人だぞ!!……肌の色だって血の色だって違う!!」

俺がそう言うと銀の婆さんは俺をやさしく抱きしめてくれた。

イ从゚ ー゚ノi「でも涙の色は同じじゃないか。肌の色や血の色が違うからなんだって言うのさ。」

イ从゚ ー゚ノi「あんたはあんただろ?」

イ从゚ ー゚ノi「もう自分を責めるのをやめてこれから何をすべきかをよくお考え。」

( ;∀;)「うぅ……うわぁぁぁぁぁ!!!」」

久しぶり泣いたよ。
そうさおれはずっと後悔していた。
更なる利益を求めて他の星を侵略しようだなんて欲をかいたから、他の星を支配して奴隷にしようと考えたから……
そんなことを考えないで一番大切なものを守ろうとすれば防げたのかもしれない。少なくとも一人ぼっちになんて……
バカみたいな自分が一番許せなかったんだ。

547名無しさん:2019/01/23(水) 22:57:52 ID:djBPHcOU0
俺はこの地球に来て初めて理解したよ。
俺たちモララー星人も地球人も何も変わらないんだって。
同じように家族を愛し恋人を愛し友を愛する。
そういった同じ心を持つ同志だってことに。
なのに俺たちは……

( ・∀・)「それから俺はこの村の人たちの役に立つように頑張ったさ。」

( ・∀・)「そしたら徐々に彼らも俺のことを受け入れてくれてね。」

( -∀-)「今はだいぶ前に死んだ銀の婆さんの代わりにこの駄菓子屋をついで子供たちに菓子を売ってたんだ。」

爪'ー`)「……」

( ・∀・)「でも、だから許してくれなんて言う気はない。」

( ・∀・)「いつか俺がしたことが裁かれる日が来るなら受け入れるつもりだったさ。」

( ・∀・)「俺のことは好きにするといい。覚悟はできている。」

爪'ー`)「ケッ、なに自分だけしゃべりたいだけしゃべってんだ。」

爪'ー`)「オイ!ここは喫煙できるのか?」

( ・∀・)「あぁ、好きに吸ってくれ。」

そう言いながら灰皿を取り出す。

爪'ー`)y‐「おぅ、ありがとよ。」

爪'ー`)y‐「フーッ」

爪'ー`)y‐「お前の御託はどうでもいいが、今度は俺が話そう。」

爪'ー`)y‐「これはとんでもねぇ大馬鹿野郎の話さ。」

548名無しさん:2019/01/23(水) 22:58:17 ID:djBPHcOU0
それはひどい嵐の夜、もう使われていない工場でそいつとそいつの戦友は地球を侵略しに来た宇宙人たちと戦っていた。
その日も順調に侵略者たちを倒していったよ。
でもそいつはライバル視していた戦友に一歩及んでいなかった。一度も勝てたことがなかったんだ。
だからくだらない賭け事をしてでも何としても勝とうとした――

ちょうどおあつらえ向きにまだ侵略宇宙人が一人残っていてこれはチャンスだと思ったんだそいつは。
奴を倒せば初めて勝てる。絶対に逃がしてたまるか。
そういった焦りのせいで逃げた侵略宇宙人が仕掛けた罠に気づかなかった。

普段だったら見落とさない物もその時は見えてなかった。
気づいたらもう吹っ飛んでたよ。でも大した怪我じゃなかった。
起き上がって周りを見てようやく状況が呑み込めた。

そいつのことを戦友がかばってくれたんだ。戦友はもう手の施しようがなかったよ。
そして戦友は最後にそいつのことを守れてよかったって言ったんだ。
戦友はそいつのくだらない夢が嫌いじゃないって言ってくれたんだ。

そのお馬鹿野郎は敵も追わずにその場で大泣きしてたよ。
もう息をしていない戦友をずっと抱きしめながら。
そしてずっと憎んで恨んだよその侵略宇宙人を。
誓ったさ、必ず敵をとると。

そうやって自分をごまかしたんだ。他の奴を恨むことで。
大馬鹿野郎は。
ずっと一番に憎んで憎んでぶちのめしたくてボコボコにしてやりたい奴から。

結婚しても、子供ができても、市や早生な時間が訪れても、そいつの心のどこかではそれが許せなかった。
一番憎い奴がなぜ幸せになっている?そう思うたびに逃げた侵略宇宙人を思い浮かべてそいつが憎いと思うようにしていた。
でも何十年と時が経とうとその憎しみは消えなかった。周りにはその侵略宇宙人を絶対に許さないとか言ってるが、本当はもうそんなつもりはないのに。

その大馬鹿野郎が一番許せなかったのは自分自身だったんだ。
あの時の自分の軽率で間抜けなことが許せなかった。
何よりそのせいで同じ釜の飯を食べ、ともに戦い続けた戦友の命を奪ってしまったことが。

その事実を受け入れられなくてずっとごまかし続けたのさ。
心の隅で本当はわかっているくせに。
しまいにゃいまだに自分のことを許せないでいる。

549名無しさん:2019/01/23(水) 22:58:43 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)y‐「フーッ」

爪'ー`)y‐「そんな大馬鹿野郎がこの地球にはいるらしい。」

( ・∀・)「……そうか。」

( ・∀・)「そいつもいつか自分のことを許せるときが来るといいな。」

爪-ー-)y‐「さぁ、来るかねぇ。そんなときが……」

( ・∀・)「いや、いつか来るさ。」

( ・∀・)「俺のようなどうしよもない奴だって許すことができたんだから。」

爪'ー`)y‐「そうか……そうなるといいな。」

( ・∀・)「さて、そろそろ湿っぽい話はやめて飯でもどうだい?この村のいい酒も出すぜ!」

爪'ー`)「そいつはいい。頂こう!」

それから二人は飯を食べながらいろいろ話した。
まるで昔からの親友のように。

爪;'ー`)「おいなんだこのみそ汁!!クソまずいぞ!!他のはなかなかの味なのにこれだけなんだ??」

( ・∀・)「失敬な!それは我がモララー星の郷土料理だぞ!」

( ・∀・)「この味もわからんとはな。いやなら俺が全部食べる。」

爪;'ー`)「それなら無理してでも食うさ……」

飯のは話から……

( ・∀・)「まじであのツンヌって隊員はやばいんじゃないか?ネットの書き込みでもすごい言われようだ。よくあんなの防衛隊に入れたな。」

爪'ー`)「あの時に戻れるなら当時の俺を殴り倒してでも阻止したいぜ。『そいつは入隊させるな!!』って。」

爪'ー`)「本当に自分勝手で上司の俺のいうことなんて全く聞かないんだもん。扱いに困るよ。」

550名無しさん:2019/01/23(水) 22:59:09 ID:djBPHcOU0
部下や仕事の話、趣味や昔話など時間が許す限り喋る。
酒もかなり進み夜もかなり深くなってきた。

爪*'ー`)「もうこんな時間かそろそろ寝ないとな。」

(*・∀・)「おいおい、ヴィプトラ警備隊のフォックス隊長ともあろうものがこの程度の酒でもうギブアップか?」

爪*'ー`)「ハッ、この程度序の口でしかねぇ。哀れなモララー星人が明日護送中にゲロ吐かないように配慮してやってるだけだし!」

(*・∀・)「それならもう一杯乾杯しよう。一気だぞ!」

爪*'ー`)「望むところだ!」

「カンパーイ!!」

爪*'ー`)「本当にうまいなこの酒。」

(*・∀・)「……」

爪*'ー`)「どうした?」

(*-∀-)「いやちょっと考え事をな。」

爪*'ー`)「?」

(*・∀・)「最近たまに夢で見るんだ。滅ぼされた星にいた俺の家族や友達と銀の婆さんや地球の人たちが楽しそうに手を繋ぎ合っている夢を。」

(*-∀-)「自分でも馬鹿な考えだとは思うんだけどさ。いつか……いつか遠い未来にでも何星人とか関係なく一緒に暮らしていける――そんな平和な世界が、時代が来たらいいって。」

爪*'ー`)「!」

(*・∀・)「なぁフォックス、お前は来ると思うか?そんなお花畑な未来が。」

爪*'ー`)「……さぁな。」

(*・∀・)「来るわけないよなー。」

(*・∀・)「ハハ……」

爪*'ー`)「まっ、そんな夢物語を話すよりも飲みが足らんぞ!」

(*・∀・)「明日二日酔いになっても後悔するなよ。」

爪*'ー`)「HAHAHAHA!このフォックス隊長がこの程度で便所が友達になるとでも?」

551名無しさん:2019/01/23(水) 22:59:55 ID:djBPHcOU0
翌朝。

( ^ω^)「おはようございます隊員、お迎えに上がりました。」

( ^ω^)「あ、こりゃぁー無理そうだな。」

爪; ー )「ウーン……」

(; ∀ )「お…起きろ…お前の部下が迎えに来たぞ……」

爪; ー )「頭イテー……」

(; ∀ )「ウェ……ちょっとトイレ篭ってくる……」

爪; ー )「待て……俺も吐きそう……」

( ^ω^)「それじゃ外で待ってますんで準備できたら来てくださいね。」

地獄の二日酔いに苦しむ二人を置いて外に停めてあるヴィプンターへ向かう。

('A`)「どうだったブーン?やっぱ無理そうだった?」

( ^ω^)「ああ。出発するまでには当分かかりそうだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「まったく、たいそうな身分なことだぜあいつ!普段はエラソーなこと喚いてるくせに自分は侵略宇宙人と楽しく酒飲みやがって!」

ξ#゚⊿゚)ξ「頭ハイメガかよ!!」

('A`)「?」

( ^ω^)「?」

('A`)「でも何はともあれ、あとはモララー星人を基地まで護送するだけの楽な作業だな。」

( ^ω^)「本当な。協力的で助かるぜ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「だから私はさっさと帰りたいんだけど。」

(;'A`)「少しは我慢しろよ。カルシウムが足りてないんじゃない?」

( ^ω^)「のんびり待ってササッと帰って終わりにしようぜこんな楽な仕事。」

(,,゚Д゚)「いや、本当にこれで終わりか?」

('A`)( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「?」

552名無しさん:2019/01/23(水) 23:00:22 ID:djBPHcOU0
(,,゚Д゚)「妙だとは思わないか?俺とジョルジョが調査に出発してから基地に通報が入るタイミングが良すぎる。」

( ^ω^)「たまたまそういうタイミングで通報が入っただけだろ。それだけのことだ。」

(,,゚Д゚)「だがそうなるとこの村の人たちがモララー星人のことを通報したと言うのか?」

(,,゚Д゚)「昨日この近辺を調査してる間ずっとモララー星人はいい奴だから酷いことしないでくれってそこら辺の人たちから言われ続けたぞ。」

('A`)「警備してる俺たちのところにも来たなそういう人たち。」

(,,゚Д゚)「それだけ信用してる村の人が通報?」

( ^ω^)「中には嫌ってるやつもいるだろうし、たまたま通りかかった人間が通報したとか。」

(,,゚Д゚)「モララー星人が出現したのは何十年も前だぞ。その名前や姿を覚えている人間がどれだけいるか。」

(,,゚Д゚)「まぁ、嫌っている村の奴かもしれない……一応確認で基地に通報があった所を調べてもらったよ。」

(,,゚Д゚)「そしたらこの村に唯一ある公衆電話だぜ。」

('A`)「公衆電話?」

( ^ω^)「ふーむ、確かに妙だな。今の時代通報するために公衆電話なんて使わんだろうしな。」

(,,゚Д゚)「そうなると通報者は携帯電話などを持っていない人物。その上自宅の電話もないときた。」

(,,゚Д゚)「知り合いがいれば電話を借りるなりできるだろうにわざわざ公衆電話を使わなければならない。」

(,,゚Д゚)「こうは考えられないか。そいつは自分の出した怪電波をヴィプトラ警備隊に探知され調査しに来られてまった。」

(,,゚Д゚)「だから自分のことを隠すために丁度見つけたモララー星人になすりつけたと。」

( ^ω^)「他に敵がいるって言うのか?!」
  _
( ゚∀゚)「その可能性が高そうだ。」
  _
( ゚∀゚)「やっと怪電波の発生源を探知したぜ!」

('A`)「場所は?」
  _
( ゚∀゚)「モララー星人のいる駄菓子屋とは違う場所だな。あっちの森の方だ、みんな付いてきてくれ!」

('A`)「よし行こう!」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?森とか勘弁しろよ!お前らだけでどうにかしろよ!!」

553名無しさん:2019/01/23(水) 23:00:47 ID:djBPHcOU0
四名は探知機が示す方へとへと向かう。
  _
( ゚∀゚)9m「あそこだ!」

ジョルジョが指さす方に見知らぬ宇宙人たちがせっせっと作業をしているようだ。

( ^ω^)「みんな一旦隠れろ。」

すぐさま物陰に潜みその様子をうかがう。

(  ゚¥゚)「どうやら上手くヴィプトラ警備隊を欺けたようだな。」

(  ゚¥゚)「いやー運よくモララー星人の生き残りがいてよかったぜ。」

(  ゚¥゚)「もうじきヴィプトラ警備隊も引き上げていくだろうさ。」

(  ゚¥゚)「さっさとこの爆弾の設置作業を終わらそうぜ!」

(  ゚¥゚)「これで地球も火の海になる。」

('A`)「!」

('A`)(奴らは偽モナー星人!)

偽モナー星人とは数十年単位で住んでいる星を別の星へつ移り住む連中だ。
その際に手ごろな星を見つけては協力な爆弾でその星を火の海にして自分たちの住みやすい環境に変えてしまうのだ。
そうやって滅ぼしてきた星は数知れず。

(;'A`)(そうなるとあれは爆弾か……)
  _
( ゚∀゚)「何やら物騒なものを仕掛けているようだが。」

(,,゚Д゚)「地球へのプレゼントってわけではなさそうだな。」

( ^ω^)「なんにせよコソコソしている奴らがいいことしてるわけない。一気に制圧するぞ!」

( ^ω^)「準備はいいな!行くぞ!!」
  _
( ゚∀゚)('A`)(,,゚Д゚)「オゥ!」

掛け声とともに偽モナー星人に突撃する。

( ;゚¥゚)「?!」

( ;゚¥゚)「しまったヴィプトラ警備隊だ!」

「オラァァァ!!」

「ウギャァァァァ!!」

554名無しさん:2019/01/23(水) 23:01:12 ID:djBPHcOU0
電光石火のごとく数人いた偽モナー星人を始末する。

( ^ω^)「ざっとこんなもんか。」

(,,゚Д゚)「で、これをどうするよ?」
  _
( ゚∀゚)「!」
  _
( ゚∀゚)「おい待てこれ動いいてるぞ!」

(;'A`)「しまった!」

(  ゚¥゚)「残念だったなヴィプトラ警備隊の諸君。この爆弾が作動した以上もう地球はおしまいだ!」

一人生き残っていた偽モナー星人が爆弾を作動したのだ。

(  ゚¥゚)「これ一つで地球全体が火の海だ!あと数分の命をせいぜい必死に生きるがいい!」」

(  ゚¥゚)「フハハハハハ!」

そう言いながら強大化する偽モナー星人。

(;'A`)「クソォ、どうする?」

( ^ω^)「慌てるな。俺とドクオで応戦するからその隙にジョルジュ、ギコはヴィプトラホーク1号に迎え。」

( ^ω^)「奴を倒さないことには爆弾の解除もできん。」

(,,゚Д゚)「了解、ジョルジュ行こう。」

ブーンとドクオが地上から光線銃で攻撃するがあまり効果は薄いようだ。

(  ゚¥゚)「その程度の攻撃が通じるか!これでも食らえ!」

口から毒ガスを吐き出す。

(;^ω^)「うげぇ!これはまずい。一旦後退するぞ!」

ガスの中ヴィプンターの方へと向かうブーン。

('A`)(よし、今なら)

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

555名無しさん:2019/01/23(水) 23:03:26 ID:djBPHcOU0
('A`)「デュワァ!」

(  ゚¥゚)「む!ドクトラセブン!」

毒ガスを吐き続けているがものともせずに殴り掛かる。

(#'A`)「ダァァァ!」

何発も何発も。

( ;゚¥゚)「ウグゥ……」

必死の反撃で殴り返してくるが、その勢いを利用して巴投げだ。
投げ飛ばした後は素早く駆け寄り偽モナー星人の両足を持つとジャイアントスイングでさらに投げ飛ばす。

( ;゚¥゚)「こ、この野郎!!」

起き上がった偽モナー星人は飛び蹴りを放つが、サマーソルトキックで迎撃される。

('A`)「デュワァ!」

( ;゚¥゚)「ぐへぇ……」

そしてヴィプトラホーク1号が到着した。

(,,゚Д゚)「攻撃開始!」

ヴィプトラホーク1号のレーザー攻撃が偽モナー星人を襲う。

たまらず転び回る偽モナー星人にしっかりと狙いをつけるドクトラセブン。
必殺のドクトラショットを放ち爆死させる。

( ;゚¥゚)「ひどぉぉぉっぉ!!」

('A`)「ふう。」

一息つくドクトラセブンだが、まだ終わってはいない。
一番まずいものが残っている。

(;'A`)「グググ……」

爆弾の表示を見ると爆発まであとわずかだ。
一発で地球を火の海にできる破壊力を持つ爆弾。
飛んで宇宙に運んでも安全な距離まで運ぶ時間がない。

(;'A`)(ならドクトラワープで……)

しかし、ドクトラワープはエネルギーを激しく消耗するので多用はできない。
つまりそれで遥か遠くの宇宙に運んでもドクトラセブン自身は安全なところまで逃げれない。

556名無しさん:2019/01/23(水) 23:03:58 ID:djBPHcOU0
(;'A`)(ドクトラワープを使えば俺は無事ではいられない)

('A`)(いや、地球のためならこの命惜しくない)キリッ

覚悟を決めるドクトラセブン。

( ・∀・)「待つんだドクトラセブン!」

駄菓子屋から外に出ていたモララー星人が声をかける。

('A`)「!?」

( ・∀・)「君は地球のために自分の命を捨てようとしているね。」

( ・∀・)「大丈夫だ。俺にいい考えがある。」

( ^ω^)「なに?どうするというのだ?」

( ^ω^)「あれを仕掛けていた連中は物の数分で爆発すると言っていたぞ。」

( ・∀・)「駄菓子屋の裏には俺が乗ってきた円盤が隠してある。」

( ・∀・)「そいつにはあと一回分ワープするだけのエネルギーは残っているからそれで爆弾を運ぶのさ。」

爪'ー`)「お前……」

ξ゚⊿゚)ξ「はっ、何を言うかと思えばそうやって自分だけ助かろうって魂胆か。」

ξ#゚⊿゚)ξ「逃がすわけねぇだろうがよ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんなら今すぐにでも始末してやろうか?」

爪'ー`)「待てツンヌ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーはその侵略宇宙人を信じるっていうのかよ?!」

爪'ー`)「ああそうだ。」

( ^ω^)「……」

557名無しさん:2019/01/23(水) 23:04:24 ID:djBPHcOU0
ξ#゚⊿゚)ξ「馬鹿かよテメーは!!なに敵の言葉を信じてんだ?」

ξ#゚⊿゚)ξ「今地球が滅ぶかの瀬戸際なんだぜわかってんのか??」

爪'ー`)「わかっている。あいつは信じられる奴だ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「テメーまさか一緒に酒飲んだくらいでそいつとお友達にでもなったって?」

ξ゚⊿゚)ξ「こりゃ笑える。」

ξ゚⊿゚)ξ「人間とゴキブリが友達になれるか?」

ξ#゚⊿゚)ξ「なれるわけねぇよなぁ!!そんな奴がいたら顔が見てみたいぜ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんな気持ち悪く悍ましくて存在自体許せない生物となんてよぉ!一緒の空間にいるだけでも勘弁だぜ!そんなのと不可能だよなー!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「それ以上に不可能なんだよ!!侵略宇宙人とお友達になるなんてなー!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「まさか安っぽくて中身のねぇ感動話でもされて心許したとか言わねぇよな?」

ξ#゚⊿゚)ξ「そんなくだらねぇ話信じねぇよなぁ!!」

爪'ー`)「すべての責任は俺が負う。だから頼むツンヌ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「話になんねー!!」

( ^ω^)「ツンヌ、隊長を信じろ。」

( ^ω^)「大丈夫だ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、勝手にしろ。」

558名無しさん:2019/01/23(水) 23:04:50 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)「すまない。」

( ・∀・)「大丈夫かフォックス?」

爪'ー`)「漏らすかと思ったよ。」

( ・∀・)「だが聞いていた話よりずっと聞き分けのいい部下じゃないか彼女。」

爪'ー`)「今日はだいぶ機嫌がいいらしい。」

( ・∀・)「でも本当にいいのか?」

爪'ー`)「なんだ嘘ついたのか?」

( ・∀・)「いや。あとのことは任せてくれ。」

( ・∀・)「あ、でも一つ嘘はついたな。」

爪'ー`)「?」

( ・∀・)「昨日のみそ汁はモララー星の味を再現しようと失敗したやつだ。」

( ・∀・)「もう郷土の味を思い出せなくてね。本当はあんな味じゃなかったよ。」

爪;'ー`)「おま……」

( ・∀・)「ははは、そういうことだ。」

そう言いながらモララー星人は円盤へ向かった。

爪'ー`)「まったく……」

その光景を見送る。

559名無しさん:2019/01/23(水) 23:05:15 ID:djBPHcOU0
( ・∀・)「さぁ、何十年ぶりだがちゃんと動いてくれよ円盤ちゃん。」

円盤にたどり着いたモララー星人は急いで円盤を起動させる。

( ・∀・)「よかったまだ生きてる。」

フラフラと上昇し始めた円盤は千鳥足のように不安定になりながら爆弾の上空まで飛んで行った。

(;・∀・)「いやぁ、久しぶりの運転の上に二日酔いときた。一発免停だなこりゃ。」

(;'A`)「……」

( ・∀・)「あ、ちゃんと仕事はこなすから安心してくれ。」

円盤の下から爆弾めがけて光を当てると爆弾が浮き上がり円盤内に収納された。

( ・∀・)「ドクトラセブン、地球のことは頼んだぞ。」

( ・∀・)チラリ

円盤からフォックスの方を見つめる。

( ・∀・)「……」

( -∀-)「さて、そろそろ行くかな。」

( ・∀・)「さらばだ地球よ!」

モララー星人が乗る円盤が光に包まれるとその姿を消した。

爪'ー`)「あばよ、モララー。」

560名無しさん:2019/01/23(水) 23:05:43 ID:djBPHcOU0
偽モナー星(元モララー星)では偽モナー星人が、地球が火の海になるのを今か今かと待ちわびていた。

(  ゚¥゚)「もう少ししたらあの青い星が真っ赤に染まるぜ!」

(  ゚¥゚)「ヒヒヒヒヒ!楽しみだなぁ!」

(  ゚¥゚)「あの美しい星が荒れ果てた大地しかなくなるんだ。最高な光景が見られるぜ!」

地球が滅ぶ瞬間を楽しそうに待っている彼らの元に一機の円盤が現れた。

( ・∀・)「今帰ったぞ我が故郷よ!」

モララー星人が乗る円盤だ。
もうそこはモララー星人が知る自分の星ではなかった。

(  ゚¥゚)「なんだありゃぁ?」

(  ゚¥゚)「どこの奴だ?」

( ・∀・)「どうも初めまして俺はこのモララー星のモララー星人さ。」

( ・∀・)「君らも一緒に派手に逝こうぜ!」

( ;゚¥゚)「モララー星人?生き残りがいたのか!」

( ;゚¥゚)「まさか復讐に来たのか?!」

( ;゚¥゚)「ひぃぃ!!」

( ・∀・)「だいぶ変わっちまったなこの星も。」

( -∀-)「でもまぁいい人生だったよ。」

( -∀-)(最後に親友もできたしな)

( -∀-)(おれは一人ぼっちじゃなかったんだ)

「あれを打ち落とせー!!」

「亡霊ごときが今更なんのようだ!」

騒ぎ始める偽モナー星人たちだったが、一瞬にして光に包まれた。
偽モナー星、元モララー星はもう一度炎に包まれたのだ。

561名無しさん:2019/01/23(水) 23:06:06 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「敵を倒して地球が無事で万事解決ってんのはわかる。」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃぁ今は何の時間なんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでやること終わって基地に帰らねぇんだ?」

ξ#゚⊿゚)ξ「なんであのおっさんは一人黄昏て哀愁漂わせてんだ?」

('A`)「人間そういうときも必要だよ。」

( ^ω^)「そうそう、今は少しゆっくりしようぜ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「私はさっさと基地に帰ってゆっくり休みたいの!なんでこんな何もない田舎で時間つぶさなきゃいけないの?」

ξ#゚⊿゚)ξ「ああぁぁあぁ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「もう我慢ならん!!あのおっさんぶちのめして帰るぞ!!」

('A`)「おっとそうはいかないな。」

( ^ω^)「隊長の元に行きたいなら我々を倒してからにするんだな。」
  _
( ゚∀゚)「四対一だ!さすがのツンヌだって人数差はどうしよもない!!」

(,,゚Д゚)「悪いが今日の俺たちは一味違うぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、そう言うならお前らちゃんと遺書は書いただろうな?」

ξ#゚⊿゚)ξ「あの世で後悔するんじゃないぞ!!」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)「?!」

手加減を知らない人間、それがツンヌ。

562名無しさん:2019/01/23(水) 23:06:30 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)y‐「フーッ」

煙草を吹かすフォックス。
後ろから聞こえる悲痛な断末魔には耳を傾けない。

爪'ー`)y‐「……」

爪'ー`)y‐「平和な世界か……」

昔自分でも夢見たこと。
歳を取るにつれてそれが夢物語だと段々にわかっていく。不可能だと理解していく。

爪'ー`)y‐「でもいつか来るといいなそんな時代が。」

爪'ー`)y‐「そうだろちんぽっぽ、モララー。」

そんな世界は来ないとわかっている。
でもそれでも信じたいのだ。
そんな世界が来ると信じているから戦うのだ。

爪'ー`)y‐「お前たちや俺が信じたその日が来るまで俺は…俺たちは戦い続けるさ……」

一人黄昏るフォックス。その目は寂しそうに遠くを見つめている。

第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』

終わり

563名無しさん:2019/01/23(水) 23:07:06 ID:djBPHcOU0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

564名無しさん:2019/01/24(木) 00:28:56 ID:CGyEd3F20
そうかなと思ったけど投下したてホクホクの自分の作品ネタぶっこむなよww
それはそうと(  ;∀;)イイハナシダナー

565名無しさん:2019/01/24(木) 07:48:17 ID:GB9YYOLs0
乙です

566名無しさん:2019/01/24(木) 19:01:23 ID:TTnyVVAo0
おつ
モララー生きて欲しかった…

567名無しさん:2019/01/24(木) 23:38:56 ID:wkd8311E0
隊長いかすぜ
モララーよ永遠に・・

568名無しさん:2019/01/25(金) 00:27:16 ID:yoLeGk2o0
>>551
〉ξ#゚⊿゚)ξ 「頭ハイメガかよ!!」

お前だろwwwwwwww

569名無しさん:2019/02/03(日) 21:18:25 ID:d0LtOfMM0
第十九話『戦士にも休日を』

('A`)「隊長、申し訳ないのですが、今日はこれからお休みをいただきたいのですがいいですか?」

爪'ー`)「ん?ああ、今日は暇そうだからいいぞ。」

('A`)「ありがとうございます。」

爪'ー`)「そういえばまだドクオは有休一度も使ってなかったな。」

( ^ω^)「ドクオが休み貰うとは珍しい。何か用事があるのか?」

('A`)「今日はちょっと友達とな。」

ξ゚⊿゚)ξ「友達ぃ?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?お前に友達いたの?」

('A`)「失敬な!友達の一人や二人くらいいますぅ!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうせ画面の中から出てこないんだろ。会話も選択肢でするだけの。」

(;'A`)「実在の人物ですから!」

ξ;゚⊿゚)ξ「おま!まさか友達料とか請求されるタイプの奴らだろそれ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「私が一言ガツンと言ってやるから任せろ!」

(;'A`)「いや、ちゃんとした友達だよ?」

ξ゚⊿゚)ξ「いいかドクオ、どんなにつらくたってちゃんと現実を見ないとだめだぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「お前に友達がいるとかそれはまやかしか幻覚だ。」

(;'A`)「……」

爪'ー`)「そういうことなら今日は楽しんで来いよ!」

('A`)「はい!」

(,,゚Д゚)「後のことは俺たちに任せとけ!」

570名無しさん:2019/02/03(日) 21:20:00 ID:d0LtOfMM0
休みの許可をもらい急いで私服に着替えると基地からこっそり出る。
人目をがないことを確認するとドクトラアイを取り出し変身。

人間サイズのまま目的の廃墟ビルまで飛んでいく。
目的地に着いたらもう一度よく周りを見渡して人がいないことを確認したら透視能力。
何もない場所に空間の歪みを見つけたらそこに飛び込んだ。

('A`)「すまん遅くなった。お待たせ。」

≫(‘♀’)≪ 「お疲れ様。もう準備はできてるよ。」

( `ハ´)「これでミンナ揃ったネ。」

/ ,' 3「さぁさぁ、旦那の席について。早く一杯始めましょうや。」

アラマキ星人が持っていた商品の一つを使い、何もないところに自分たち専用の異空間を作り上げた。
そこにシナー星人の屋台やテーブル、イスなどを持ち込み地球人に気づかれることなく一杯できる場所を作ったのだ。
そう今日はこの星に住む宇宙人たちの飲み会なのだ。

≫(‘♀’)≪ 「デレさんに頼んでいろいろ料理を作ってもらったから美味しくいただこう!」

( `ハ´)「酒のツマミはワタシ作ったネ。」

('A`)「うほぉ!こりゃぁ旨そうなのばかりだ!」

/ ,' 3「お酒もこの星だけでなく宇宙のいい酒もご用意しやしたぜみなさん。」

/ ,' 3「とはいっても最初の一杯はこの星の風習に従ってビールにしておきますか。」

みんなで手際よくビールを注ぎ合う。

('A`)「よし、みんな酒はあるな。」

('A`)「さっさと飲もうぜ。」

/ ,' 3「旦那ぁこういう時は一言あってから始めるもんですよ。」

≫(‘♀’)≪ 「ここのみんなはドクトラセブン、君とのつながりのおかげで出会えたんだ。乾杯の挨拶を頼むよ。」

('A`)「仕方ないそういうことなら。」

('A`)「えー、ではご指名いただきましたので。」

('A`)「まぁー何と言うかですねぇー。こーみんなとー……」

('A`)「あー、出会えた?というかーなんですかね?えーっと……」

571名無しさん:2019/02/03(日) 21:20:34 ID:d0LtOfMM0
( `ハ´)「ヘタ。ヘタ過ぎネ。」

/ ,' 3「旦那もう少しなんとかなりやせんか?」

≫(‘♀’)≪ 「はぁ、君に頼んだ私がバカだった。」

(#'A`)「ギギギギギギギギ!」

(#'A`)「あー、では気を取り直して。」

(#'A`)「お前ら誰のおかげでこの地球にいられるのかよーく考えて感謝してくれ!」

(#'A`)「誰のご厚意で許してもらっているのかをな!」

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「……」

≫(‘♀’)≪ 「ああ、そうだね。私が出した触覚の偽物に気づかずにひたすらに一人プロレスしてくれた君のおかげだ!」

≫(‘♀’)≪ 「おかげでこうして生きてられるよ!」

( `ハ´)「本当、そうアルネ!地球防衛しているはずなのにラーメンに負けて滞在を許してくれたアナタのおかげネ。」

( `ハ´)「私利私欲を尽くすとはこういうことヨ!」

/ ,' 3「いやー、ヴィプトラブレスレットに存在を持ってかれそうになった哀れな旦那のおかげでっせ!」

/ ,' 3「泣きべそかきそうな旦那の顔が忘れられやせん!」

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「本当に感謝だよ!」

(;'A`)「……」

('A`)「はい、本当にですね、広大で無限な宇宙の中でこうしてそれぞれが違う星人が」

('A`)「本来まったく我々に関係ない星である地球で出会えた奇跡!」

('A`)「ここにいるみんなに!そして奇跡を起こしてくれたこの地球に!」

('A`)「カンパーイ!」

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「カンパーイ!」

572名無しさん:2019/02/03(日) 21:20:59 ID:d0LtOfMM0
(*'A`)「あぁうまい!この一杯のために生きてる!」

(*`ハ´)「地球ハ様々な食材だけじゃなくてウマイサケモ豊富でイイネ!」

≫(*‘♀’)≪ 「いい飲みっぷりじゃないかドクトラセブン。一気飲みするとは。ハイどうぞ。」

空になったジョッキにビールを注ぐ。

(*'A`)「ああ、ありがとう。」

(*'A`)「酒なんて本当にたまにしか飲んでる暇がないからな。」

(*`ハ´)「そんなに忙しいアルか?」

(*'A`)「そりゃぁヴィプトラ警備隊だもん。毎日忙しくてそもそも休み自体がない。」

(*`ハ´)「でもツンヌ隊ハよくラーメン食べながら酒飲みに来るネ。」

(*'A`)「あいつは別格だからな。」

/ ,' 3「正直あの方は恐ろしくて近寄れないですな。」

(*'A`)「たまに思うがあいつは本当に人間なのか?」

≫(*‘♀’)≪ 「実は違ったって言われても納得出来る。」

/ ,' 3「異常なまでの強さとか関係なしに人間性も疑うところばかりで。」

(*'A`)「いろいろ人間離れしてるって言うか……」

≫(*‘♀’)≪ 「普通じゃないってやつだ!」

(*'A`)「そうそう、それ!」

「ハハハハハ!」

一人暮らしの部屋程度しかない空間では、それは楽しく飲んでいる。

573名無しさん:2019/02/03(日) 21:21:25 ID:d0LtOfMM0
ξ゚⊿゚)ξ「暇ー!」

ξ゚⊿゚)ξ「私もたまには休んで飲みにでも行こうかなー。」

( ^ω^)「たまには?いつもじゃなくて?」

(,,゚Д゚)「おいツンヌ、今日はすでにドクオが休みだからこれ以上は人減らせないぞさすがに。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?ならあいつ連れ戻すか。」

爪;'ー`)「そもそも君はもう有休がないとかのレベルじゃないからね?」
  _
( ゚∀゚)「隊長!」

爪'ー`)「どうしたジョルジョ?」
  _
( ゚∀゚)「今、我々ヴィプトラ警備隊の観測員が妙なものを探知しまして。」
  _
( ゚∀゚)「これを見てください。」

作戦室のモニターに日本地図が映し出されるとどんどん拡大されていき、とある場所が映し出した。
すると様々な画像処理がされていくと映し出されていた場所がゆがみだした。

爪'ー`)「これは?」
  _
( ゚∀゚)「推測すると空間の歪みです。その歪みの中は我々がいるこの世界とは別の空間があると思われます。」
  _
( ゚∀゚)「歪み自体は一人暮らしの部屋程度の大きさですね。」
  _
( ゚∀゚)「ただまれにそういった歪みは自然発生したりするよう出すが、万が一のことを考えると……」

爪'ー`)「なるほど、侵略者がその空間に潜んでいる可能性があるわけだ。」
  _
( ゚∀゚)「はい。」

ξ゚∀゚)ξ「おっと仕事じゃんか!あいつ連れ戻せよ!」

爪'ー`)「まあ待てツンヌ。まだ確定したわけじゃない。」

574名無しさん:2019/02/03(日) 21:22:05 ID:d0LtOfMM0
爪'ー`)「その歪みには我々人間は入れるのか?」
  _
( ゚∀゚)「推測では入れると考えられます。自然発生した歪みには人が入って消えてしまうそれが――

(,,゚Д゚)「なるほどそれが俗にいう神隠しの正体か。」
  _
( ゚∀゚)「そういうこと。」

爪'ー`)「なら誰かその歪みの中に入って侵略者がいるかどうか確かめてみるか?」
  _
( ゚∀゚)「それはちょっと危険ですね。」

爪'ー`)「?」
  _
( ゚∀゚)「その歪みの中に侵略者がいて酸素もあれば問題はないですが、もし人が消える神隠しの歪みだったとすると」
  _
( ゚∀゚)「その歪みから外に出られても今の時代に戻ってこられるか怪しいところです。」

( ^ω^)「ひょっとしたら未来に行っちゃったとか?」
  _
( ゚∀゚)「そういうこと。」

爪'ー`)「うーむ、そうなってくるとリスクが高いな。」

爪'ー`)「ならその歪みを無理やり閉じたらどうなる?」
  _
( ゚∀゚)「その歪みは消滅しますね。空間の中にあったモノもろとも。」

爪'ー`)「なるほど、ならその歪みを閉じる方向で行こう。」

爪'ー`)「それなら侵略者が利用してる場合でも倒せるし自然発生ならそこに入ってしまう人間がでる心配もない。」

爪'ー`)「頼めるか?」
  _
( ゚∀゚)「はい。みんなの力を借りれば歪みを閉じることのできる武器を開発できると思われます。」

(,,゚Д゚)「よし任せろ手伝うぜ!」

( ^ω^)「ちなみにどんな原理で閉じるつもり?」
  _
( ゚∀゚)「それはもちろん○○博士の論文にあった……を利用して××教授の理論――

爪'ー`)「面白い考えだな!」

(,,゚Д゚)「それならいける気がする!」

( ^ω^)「流石ジョルジュ!考えることが違うな!」

ξ゚⊿゚)ξ「???」

575名無しさん:2019/02/03(日) 21:22:34 ID:d0LtOfMM0
≫(*‘♀’)≪ 「今度さ私は、デレさんと遊園地行くんだ。」

(*'A`)「は?」

/ ,' 3「それ佐藤君とかいうのも一緒だろ。」

≫(*‘♀’)≪ 「う……」

(*`ハ´)「そうやって二人で行くかのように話し盛るノ良くないヨ。」

(*'A`)「ま、人さんがデレさんと二人でデートなんて不可能な話だもんな!」

≫(*‘♀’)≪ 「ぐぅ……」

/ ,' 3「そんな飛ばしをする人さんには熱燗を一気してもらんないといけませんな。」

(*`ハ´)「そうアルネ!」

≫(*‘♀’)≪ 「熱燗一気?おちょこじゃなくてとっくり丸ごといってやるよ!!」

≫(*‘♀’)≪ 「いただきまーす!!」

≫(*‘♀’)≪ 「ゴクゴクゴク……」

≫(*‘♀’)≪ 「ぷはぁー、楽勝だね!」

(*`ハ´)「ヒュー!イイ飲ミップリネ!」

≫(*‘♀’)≪ 「あたぼうよ!日本酒の人と言われた男だぜ!」

/ ,' 3「こりゃあ旦那も負けてられないですよ!はい、熱燗とっくり一つ。」

(*'A`)「おらぁ!見てろよお前ら!!」

(*'A`)「ゴクゴク……」

(*'A`)「ぶふぅ!!」

≫(*‘♀’)≪ 「うわ!きたねぇ吐き出しやがった!!」

(*`ハ´)「ムリはダメ絶対!」

(*゚A゚)「おぼぼぼ……」

576名無しさん:2019/02/03(日) 21:23:21 ID:d0LtOfMM0
/ ,' 3「でもデレさんって女性は素晴らしいですな。我々宇宙人のことを受け入れてくれてこんな料理まで。」

(*'A`)「うま!うまぁ!!」

(*'A`)「デレさんの料理うま!」

≫(*‘♀’)≪ 「本当にいい出会いができたよ。佐藤君にも出会えたし。」

(*`ハ´)「普通じゃ考えられないことヨ。他の宇宙人を受け入れれるなんて。」

/ ,' 3「大体の宇宙人同士の関係は利害の一致や利用できるかとかですからね。」

≫(*‘♀’)≪ 「自分の星を失って仲間を失って絶望したけどこの星のおかげで私はまた生きていける。」

(*`ハ´)「ワタシも迫害を受けるコトナク宇宙一のラーメンを作れているネ!」

/ ,' 3「今まで出会ったことのないような心の強いお方が多くていい星ですよここは。」

(*'A`)「うま!うまぁ!!」

(*'A`)「あ、これもうまぁ!!」

(*`ハ´)/ ,' 3 ≫(*‘♀’)≪ 「……」

≫(*‘♀’)≪ 「正直ヴィプトラの戦士っていったら自分たちの利益のためらな平気で星を滅ぼしても気にしないやつらだと思っていた。私の故郷にしたように。」

(*`ハ´)「本当ネ。相手のイイブンなんてまったく聞かないヤツラばかりと思っていたヨ。」

/ ,' 3「旦那はそういった方たちとは違いますね。」

≫(*‘♀’)≪ 「ああ。」

(*`ハ´)「でももう少し強くて頼りになってほしいアルよ。」

≫(*‘♀’)≪ 「それな。」

/ ,' 3「それが旦那ってことですな。」

(*'A`)「うま!うまぁ!!」

(*'A`)「あれ?みんなどうしたの?」

≫(*‘♀’)≪ 「いや、なんでも。」

/ ,' 3(これが元宇宙最強のモナトラマンの教え子ですかい)

(*`ハ´)(何かの間違いネ)

577名無しさん:2019/02/03(日) 21:23:43 ID:d0LtOfMM0
(*`ハ´)「そうだ新作のラーメン作ったアル!ミンンな食べて!」

(*'A`)「おお!醤油ラーメンか今度は!」

(*'A`)「うま!これうまいよシナー!」

(*`ハ´)「良かったアル。少し自信無かったアルよ。」

≫(*‘♀’)≪ 「うん、確かにうまい…でも……」

(*`ハ´)「?」

/ ,' 3「ああ、確かにおいしいですよこのラーメン。」

/ ,' 3「しかし、いつもの味噌ラーメンには遠く及ばない。」

≫(*‘♀’)≪ 「あの味を知っている人がこっちを頼むかって言ったらそれはないね。」

(*`ハ´)「やはりそうカ。」

(*'A`)「あれ?これもおいしいよ?」

(*`ハ´)「自分でも自慢の味噌ラーメンが一番うますぎて後から作るメニューがそれについていかないヨ。」

≫(*‘♀’)≪ 「まったくもって贅沢な悩みだよ。」

/ ,' 3「どうです?宇宙一の料理を作れる包丁を差し上げますぜ!」

/ ,' 3「代わりにこの屋台をいただければ。」

(*`ハ´)「飲んでるときに商売するなアル。それにこの屋台はワタシの誇りネ。絶対にあげないヨ。」

(*'A`)「シナーおかわり!」

(*`ハ´)「ハイあるヨ。」

578名無しさん:2019/02/03(日) 21:24:06 ID:d0LtOfMM0
  _
( ゚∀゚)「その部品はこっちに。あっ!その部品はまだ付けないで!」

(;^ω^)「おっとすまん。」

(,,゚Д゚)「ええっとここか?」
  _
( ゚∀゚)「そこにお願い。」
  _
( ゚∀゚)「隊長!手が震えてますよ!それじゃだめです!余計なことはしないでください。」

爪;'ー`)「ごめん……」

ξ゚⊿゚)ξ「オラオラ!さっさと作れよお前ら!」
  _
( ゚∀゚)「ツンヌはさっき言ったシステムできた?」

ξ゚⊿゚)ξ「いやまったく。そもそも何とかシステムなんて意味が分からん。」
  _
(;゚∀゚)「あーそう。とりあえずツンヌは作戦室でゲームでもしてて。」

ξ゚⊿゚)ξ「マジでいいの!?」

ξ゚⊿゚)ξ「サンキュー!」
  _
(;゚∀゚)「ふぅ。」
  _
(;゚∀゚)「あ!ギコそこはまだ!」

(,,゚Д゚)「あれ?ああ先にこれか。」

( ^ω^)「普段いろいろ開発している方々には頭上がらないですね。」

爪'ー`)「そうだな。」
  _
( ゚∀゚)「隊長!突っ立ってると邪魔です!ブーンもサボってないで手を動かして!」

爪;'ー`)(;^ω^)「あ、はい。」

ドクトラセブンたちが楽しく飲んでいる間にヴィプトラ警備隊では新型のミサイルの開発が急がれていた。

579名無しさん:2019/02/03(日) 21:24:30 ID:d0LtOfMM0
≫(*‘♀’)≪ 「いやーだいぶ飲んで食べて話した。」

(*`ハ´)「本当今日は楽しかったよ。」

/ ,' 3「こうやってまったく違う宇宙人同士が楽しく飲めるなんて考えられませんからね。」

(*'A`)「……」

(*'A`)「お、俺さ……」

(*`ハ´)/ ,' 3 ≫(*‘♀’)≪ 「?」

(*'A`)「と、友達ができたのこの地球に来てからなんだ。」

(*'A`)「V78星雲ではずっといじめられて見下されて友達なんていなかった……」

(*'A`)「ヴィプトラ警備隊のみんなとも……ここにいるみんなとも仲良くなれて……」

(*;A;)「友達になれて本当によかったよ!!!」

≫(*‘♀’)≪ 「どうどう。」

(*`ハ´)「まったく泣くことナイネ。」

/ ,' 3「旦那、みんな同じ気持ちですぜ!」

(*;A;)「うぅ…おれ…おでぇ!!」」

(*;A;)「じきゅうにぎでほんどうによがっだぁ!!本当にみんなだいずぎぃ!!」

≫(*‘♀’)≪ 「……」

(*;A;)「だがらおではじぎゅうをまも――

≫(#‘♀’)≪ 「馬鹿野郎!!」

バチンッ!!

本気でドクトラセブンに平手打ちを食らわせる人。

(*;A;)「?!」

/ ,' 3(*`ハ´)「!!」

580名無しさん:2019/02/03(日) 21:25:04 ID:d0LtOfMM0
≫(#‘♀’)≪ 「その顔は何だ!?その目は何だ!?その涙は何だ!? 」

(*;A;)「え?」

≫(#‘♀’)≪ 「お前がやらずして誰がやる!?お前の涙で、奴が倒せるか!?この地球を救えるのか!?」

(*;A;)「え?え?」

≫(#‘♀’)≪ 「皆必死に生きているのに・・・挫ける自分を恥ずかしいと思わんか!!」

≫(#‘♀’)≪ 「やるんだ・・・!もう一度やるんだ!」

(*;A;)「どういうことなの?」

≫(#‘♀’)≪ 「馬鹿野郎!!」

バチンッ

もう一度引っぱたく。

/ ,' 3(*`ハ´)「いいぞ!もっとやれ!」

酔っ払ってくると自分でも何をやっているのかわからなくなる。
よくあると思う。
その後もよくわかなないことで怒鳴る人だったり大泣きするドクトラセブンだったり
その様子を動画でとるアラマキ星人だったり気にせずに一人飲み続けるシナー星人だったりと大騒ぎだ。

≫(#‘♀’)≪ 「そんなんではツルク星人には勝てないぞ!!」

(*;A;)「誰それぇ??」

(*`ハ´)「ああ、焼酎は芋のロックに限るヨ。」

/ ,' 3「お二方ともいい動画撮れてますよー。」

581名無しさん:2019/02/03(日) 21:25:31 ID:d0LtOfMM0
  _
( ゚∀゚)「これをこうして……」
  _
( ゚∀゚)「よしできたぞ!」
  _
( ゚∀゚)「対異次元空間用ミサイルジョルジョ一君号!」

( ^ω^)「名前もう少しなんとかならなかった?」
  _
( ゚∀゚)「いい名前だろ!」

( ^ω^)「そう……」

(,,゚Д゚)「でもちょっとたくさん作りすぎたのでは?十発以上あるぞ。」
  _
( ゚∀゚)「少ないより多いに越したことはない。余ってもいつか使うかもしれないだろ。」
  _
( ゚∀゚)「システムも入力してあるから後は基地から飛ばすだっけだ!」
  _
( ゚∀゚)「まず試しに一発撃ってみましょう!」
  _
( ゚∀゚)「隊長、お願いします。」

爪'ー`)「やっと仕事が回ってきたかな。」

爪'ー`)「ではお言葉に甘えてスイッチを……」

ポチっと

ヴィプトラ警備隊の基地から発射されたミサイルは目的地周辺で爆発した。

( ^ω^)「あれ?失敗?」
  _
( ゚∀゚)「フフフフ、よくモニターを見てくれ。」

モニターに映し出されていた歪んでいるのが少し歪みが消え始めた。
  _
( ゚∀゚)「これで時間がたてば消えるでしょう。」
  _
( ゚∀゚)「連続して数発撃てば一瞬で消滅するんですがね。」
  _
( ゚∀゚)「ハハハハハ!」

582名無しさん:2019/02/03(日) 21:26:11 ID:d0LtOfMM0
≫(#‘♀’)≪ 「まったくわかったか……」

≫(*‘♀’)≪ 「あれ?」

≫(*‘♀’)≪ 「なんの話してたんだっけ?」

(*;A;)「うえーん!!えーん!!」

≫(*‘♀’)≪ 「あれ?なんで泣いてるの?」

(*`ハ´)「さてそろそろ片づけをシマショウ。」

/ ,' 3「ん?」

グワーン!  グワーン!

突然ドクトラセブンたちがいる空間が揺れ始めた。

≫(*‘♀’)≪ 「なにごと?」

(*`ハ´)「敵襲アルか?」

/ ,' 3「これひょっとするとヴィプトラ警備隊に見つかって攻撃受けてるかも。」

/ ,' 3「いやーちょっとヴィプトラ警備隊を侮りましたな!」

≫(*‘♀’)≪ 「このままだとどうなる?」

/ ,' 3「本来の空間とのつながりが消えてみんな消滅しますね。」

(*'A`)「え?」

(*`ハ´)「早く出ようアル!!」

583名無しさん:2019/02/03(日) 21:26:37 ID:d0LtOfMM0
爪'ー`)「こうして後は眺めていれば勝手に消えるのならそんなに急ぐこともあるまい。」
  _
( ゚∀゚)「ええ、これで歪みの中に侵略者がいるのなら何かしらの反応があるはずですからね。」

( ^ω^)「でももったいないなーあんなに作ったのに一発でいいなんて。」
  _
( ゚∀゚)「無駄に撃ちすぎても意味ないからね。」

ξ゚⊿゚)ξ「へーこれがミサイルの発射ボタン。」

(,,゚Д゚)「おいツンヌ!絶対押すなよ!絶対だぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「わかってるってそんなことー」

ξ゚∀゚)ξ「っと見せかけて!!」

ポチポチポチポチポチッ

圧倒的ボタン連打!

ξ゚∀゚)ξ「バーカこんなボタンあるのに押さずにいられるか!!」

(,,゚Д゚)「ああ!」
  _
( ゚∀゚)「いやまぁ地球に害があるわけでないからいっぱい撃っても問題はないけどね。」

ξ゚∀゚)ξ「ならいいよな。」

大量のミサイルが撃ちださられ爆発していく。
そして歪みも消滅した。

( ^ω^)「一件落着ぅ!一件落着ぅ!」

584名無しさん:2019/02/03(日) 21:27:17 ID:d0LtOfMM0
(;`ハ´)「ワタシが一番最初に外に出るネ!」

/ ,' 3「おやぁ?誇りである屋台はどうするんですか?最初はあっしが出やす!」」

(;`ハ´)「ハハハハハ!誇りより命が一番ヨ!屋台は生きてさえいれば簡単にやり直せるアル!」

≫(;‘♀’)≪ 「一番はこの私が!!デレさんとのデートがあるのでね!!」

(;'A`)「それ一対一じゃないだろ!!」

(;'A`)「ここはやはり俺が一番最初に出て安全を確保する!!」

(;'A`)≫(;‘♀’)≪(;`ハ´)/ ,' 3「ウオォォォオォ!!」

みんな我先に出入口に手を伸ばした。

が―――

シュワンッ

(;'A`)「あ……」

目の前で出入口が消えた。

(;'A`)「あああああああああああああ!!!」

/ ,' 3「どうするんですか?どうするんですか?どうするんですか?これぇ!!」

≫(;‘♀’)≪ 「あががっがが!!」

(;`ハ´)「みんな落ち着くアル!」

(;'A`)≫(;‘♀’)≪/ ,' 3「!」

( `ハ´)「こういう時はお落ち着いて……」

( `ハ´)「辞世の句を詠むアル!」

(;'A`)「あああああああああああああ!!!」

/ ,' 3「どうするんですか?どうするんですか?どうするんですか?これぇ!!」

≫(;‘♀’)≪ 「あががっがが!!」

徐々に空間自体が消え始めた。

585名無しさん:2019/02/03(日) 21:27:43 ID:d0LtOfMM0
≫(;‘♀’)≪ 「ドクトラセブンこういう時はワープとかできないの?」

(;'A`)「俺のワープは遠い場所まで移動できるだけだ!別空間に移動したりはできない!」

/ ,' 3「旦那ぁヴィプトラの戦士でしょ?何とかして下せえ!」

( `ハ´)「%’%#’’’&&’)%&&」

/ ,' 3「シナーさん自分の星の言語で辞世を詠むのやめてぇ怖いから!!」

(;'A`)「えぇっと、こういう時は……」

('A`)「そうだ!」

('A`)「デュワ!」

突然その場で高速回転し始めるドクトラセブン。
そうこれこそがヴィプトラの教え。
困ったら回転するのだ。

ドクトラセブンの体が光り始める。

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「?!」

うわああああああ!!

まばゆい光に包まれるとその場の全員が消えた。

( A )「う……」

('A`)「はっ!」

そこは元の場所であった。
何とか高速回転のおかげで戻ってこれたのだ。

≫(‘♀’)≪ 「流石はドクトラセブン、助かったよ。」

≫(‘♀’)≪ 「また君には命を救われたな。」

( `ハ´)「今度ラーメンサービスするヨ!」

/ ,' 3「旦那ならなんとかしてくれると信じてましたよ。」

('A`)「まったくお前らは。」

586名無しさん:2019/02/03(日) 21:28:14 ID:d0LtOfMM0
無事に異次元空間から脱出できたドクトラセブンたち。
これで今回の話は終わり―――
そう思った時だった。

(;'A`)「あれ?」

ぐらりっ

ドクトラセブンは力が抜けたように膝をついた。

≫(‘♀’)≪ 「どうした?」

(;'A`)「いや、ちょっと疲れかな?さっきの高速回転が思ったよりエネルギーを消耗したらしい……」

(;'A`)(違うこの感じは)

(;'A`)「ゲホゲホッ」

/ ,' 3「旦那まさか風邪ですかい?」

( `ハ´)「悪くなる前によく休んだ方がいいアル。」

(;'A`)「そうするよ……」

(;'A`)「じゃあなみんな……」

「ああ、また今度!」

そう言ってみんなと別れた。

(;'A`)(これは今までの戦いでの消耗と蓄積したダメージだきっと!!)

フラフラ

(; A )(このままではまずいぞ……)

突如訪れたドクトラセブンの異常!
このままどうなってしまうのか?

第十九話『戦士にも休日を』

終わり

587名無しさん:2019/02/03(日) 21:34:22 ID:d0LtOfMM0
いつもありがとうございます。
今回は以上です。
次回で最終回前編後編ですが、それはあくまで元ネタのウルトラセブンをリスペクトでの前編後編になります。
長さ的には前編後編合わせて普段と変わらないか、少し長い程度だと思います。
前編後編を書き上げたら同時に投下するか後編は日を置くかはできてから考えます。
あと少しですが最後までお付き合いいただけたら幸いです。

588名無しさん:2019/02/04(月) 02:39:24 ID:FJeIcc5E0
なんと、最終回とな


589名無しさん:2019/02/04(月) 10:55:34 ID:zTCs1VOc0
マジか終わるのか……!
ともあれ今回も面白かった

590名無しさん:2019/02/04(月) 10:57:23 ID:wYf6q2Aw0

とりあえず回転しときゃなんとかなるな!

591名無しさん:2019/02/06(水) 01:48:47 ID:75JhdSIk0
おつ
これ大好き

592名無しさん:2019/02/12(火) 07:28:12 ID:6eeXFmLM0

100選目指して頑張れ!

593名無しさん:2019/02/12(火) 18:58:22 ID:ifD2GzfY0
完結したら真っ先に推すぞ

594名無しさん:2019/03/03(日) 09:15:04 ID:m13jzxs.0
バードミサイルをぶち込んでやるぜ!(ポチポチポチポチ
これを思い出した

595名無しさん:2019/03/09(土) 00:19:57 ID:A.YRKkos0
最終話『史上最悪の侵略者』(前編)

爪#'ー`)「まったくぶったるんどる!ぶったるんどるぞ!!」

ヴィプトラ警備隊基地作戦室ではフォックス隊長が怒り心頭であった。

( ^ω^)「本当ですね。有休で楽しんできたと思ったら風邪ひいてダウンだなんて。」

爪#'ー`)「自分の体調管理ができないとはヴィプトラ警備隊員にあるまじきことだ!!」

(,,゚Д゚)「今は基地の医務室で寝てますからもう一日も休めば元気になるでしょう。」

爪#'ー`)「風邪くらいで休むとは!俺が若い頃は――」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーはよく二日酔いでくたばってるだろ!人のこと言えんのかよ!!」

爪;'ー`)「そ…そうですね……」
  _
( ゚∀゚)「でも本人は風邪だと言ってましたが、見た感じもっと酷いような状態でしたね。」

( ^ω^)「ああ、それな。先生に診てもらえって言ってもこれくらい大丈夫だっていうこと聞かないんだもん。」

(,,゚Д゚)「医者が嫌いなのかな?」

( ^ω^)「馬鹿言え子供じゃあるまいしそんなことないだろ。」

(,,゚Д゚)「まぁドクオがダウンしてる間は我々が頑張るしかないな。」
  _
( ゚∀゚)「その話は置いといて。隊長、Z地点で今まで発見されたことのない新しい鉱石が発見されたとの連絡がありました。」

爪'ー`)「新しい鉱石?」
  _
( ゚∀゚)「ええ。なんでもその鉱石は凄まじいエネルギーを秘めているようでして。」
  _
( ゚∀゚)「地球が抱えているエネルギー問題に新たな道が切り開かれるかもしれません。」

爪'ー`)「そいつはいい話だな。」
  _
( ゚∀゚)「このメテオールさえあればもう怖いものなしって話ですよ。」

596名無しさん:2019/03/09(土) 00:20:23 ID:A.YRKkos0
( A )「うぅ……」

体中がだるい。すごい高熱も出ている。
もし基地の医療施設を使われて俺の体を調べられてしまったら地球人でないことがばれてしまう。
だからこそこのボロボロの体で何とかしなくてはならないのだ。

( ^ω^)「よう!調子はどうだ?」

( A )「ブーン……」

( A )「この様子を見て大丈夫そうに見えるか?」

( ^ω^)「俺が前にやったギックリ腰の時よりはましそうに見えるぜ。」

( ^ω^)「ほら風邪薬持ってきたから飲んどけ。」

( A )「すまん。ありがとう。」

( ^ω^)「まぁあれだな。ハメ外すのはいいが、体調管理はしっかりしろよ。」

( A )「あぁ……すまない……」

( ^ω^)「そんなんだとこっちまで調子が狂うな。」

( ^ω^)「今作戦室じゃメテオールとかいう新鉱石の話で大騒ぎだってんのに。」

(; A )「え?」

( ^ω^)「ああ、なんでもスゲーエネルギーを秘めた鉱石なんだと。」

( ^ω^)「しかもたった一つのめっちゃでかい物らしい。東京ドーム数百個……いや数千個分の大きさだとか。」

(; A )「メ……メテオールだと!!」

( ^ω^)「?」

( ^ω^)「見つけた調査班の検査結果によるとハンマーで強くたたくだけでエネルギー波が発生したり」

( ^ω^)「何とか少し鉱石を削り取ることに成功してビームや光線を当てるとただの石になってしまったりとか」

( ^ω^)「扱いがかなり大変らしい。」

(; A )「あ、ああ!」

なんとういことだ。非常にまずいことになった。
今まで聞いたことのない巨大なメテオールがこの地球に埋蔵されていると知られたら――

597名無しさん:2019/03/09(土) 00:20:46 ID:A.YRKkos0
メテオール。

それは恐るべき力を持つ鉱石。
宇宙ではそれを求めるあまり争いが絶えない。
それを多く持つものがこの宇宙を支配できるといわれるほどだ。

しかし、扱いが難しく文明レベルが低いとまともに扱えずただの石にしてしまうことも。
なのでかなり文明が発達した星出ないとその真価を発揮できない。
強い衝撃や光線といったものは当ててはいけないのだ。

あまり力を持たない星でメテオールが見つかれば強い星から圧力や場合によっては力ずくで奪いに来る。
中には強い星たちの争いに巻き込まれて戦場になることも。
そしてメテオールが見つかった星は例外なく滅ぼされる。
塵一つ残らないほどに星を解体されて。

力のある星が見つければ繁栄や幸福を手に入れられる。
方や力のない星で見つかれば絶望と不幸が訪れる。

その恐るべきものが地球で見つかってしまったのだ。
今の地球ではメテオールをうまく使うことはできないだろう。
もしそれが他の星に見つかるようなことがあれば……
地球のような弱小な星はあっという間にこの宇宙からその姿を消すことでしょう。

地球に今まさに恐るべき侵略者の魔の手が――

598名無しさん:2019/03/09(土) 00:21:08 ID:A.YRKkos0
(; A )「隊長!メテオールが発見されたって本当ですか?!」

ボロボロの体で無理をして作戦室まで乗り込むドクオ。

爪'ー`)「おぉドクオ!体調はどうだ?あー、その様子だとまだ駄目そうだな。」

( ^ω^)「あまり無理をするなよドクオ。」

(,,゚Д゚)「ああ、そうだぞ。風邪はちゃんと治してからじゃないと。」

(; A )「俺の体のことなんてどうでもいいんだ!本当にこの地球にメテオールがあるとなると大変なことになる!!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)爪'ー`)ξ゚⊿゚)ξ「?」
  _
( ゚∀゚)「どうしたんだ?今世紀最大の発見に何か不満があるのか?」

(; A )「違うんだ!メテオールがあるとこの宇宙のありとあらゆる星から狙われてしまう!!」

(; A )「そうなったらおしまいだ!!」
  _
( ゚∀゚)「??」
  _
( ゚∀゚)「おいおい、今だって地球は侵略者たちに狙われてるんだぜ?何が変わるってんだ。」

( ^ω^)「そうだ。だから我々はこの新エネルギーを利用した強力な防衛兵器なんて開発できれば怖いものなしだってことだよ。」

(; A )「今までのような単体だったり個人的な侵略とはわけが違う!星全体が攻めてくる!下手したら宇宙連盟だとかが……」

ξ゚⊿゚)ξ「何言ってんだテメー?熱のせいで顔面だけでなく頭の中までイカれたか?」

爪'ー`)「落ち着けドクオ。未知の鉱石で心配になる気持ちもわかるがそんなに気を急いでも仕方ないぞ。まずはゆっくり休んで風邪を治せ。」

(; A )「なんでみんな俺の言うことをわかってくれないんだ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「宇宙連盟だとか寝言は寝てから言えや!あれだったら寝かしつけてやろうか?当分目が覚めないくらい!!」

(,,゚Д゚)「おいよせツンヌ!」

599名無しさん:2019/03/09(土) 00:21:43 ID:A.YRKkos0
そんな風にいつものように騒いでいると宇宙ステーションVIP3から連絡が入った。

VIP3隊員「こちら宇宙ステーションVIP3、こちら宇宙ステーションVIP3!本部応答願います!」

爪'ー`)「こちら本部作戦室、どうした?」

VIP3隊員「現在地球に接近する謎の球体を発見。猛スピードで真っ直ぐ地球を目指しています!」

爪'ー`)「なに?!」

VIP3隊員「こちらの計算によると数分後には地球に到着する模様!」

爪'ー`)「了解、十分に警戒する。」

( ^ω^)「やれやれ、ドクオがそんなこと言うもんだからもう攻めてきたぞ。」
  _
( ゚∀゚)「しかし、宇宙ステーションVIP3から送られてきた映像を見るとこの赤い球体にはデカい宇宙人が一人ってところでは?」

(,,゚Д゚)「なんにしろ地球に来るからにはそれなりに覚悟してもらわないとな!」

(; A )「あの球体は!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんだお前知ってんのかあの球体?」

(; A )「なんてことだ……タカラ星人の物じゃないか!」」

ξ゚⊿゚)ξ「あんだって?」

(,,゚Д゚)「タカラ星人?」

( ^ω^)「隊長知ってます?」

爪'ー`)「いや記憶にないな。」
  _
( ゚∀゚)「うーん、基地のデータベースで検索してもヒットしませんね。」

ξ゚⊿゚)ξ「ホントお前さっきから意味わかんないこと言いやがって何なんだよ!」

(; A )「う……」

600名無しさん:2019/03/09(土) 00:22:19 ID:A.YRKkos0
タカラ星人

この広い宇宙で悪の限りを尽くす最恐で最狂、凶悪な宇宙人だ。
残虐非道で逆らうものはみんな始末してきた。こいつに滅ぼされた星の数は数えきれないほどになる。
その姿を見るだけで戦意喪失し命乞いを始める者たちや恐怖や恐ろしさに屈して配下になるものも多い。
なによりヴィプトラ戦士の一番の敵でタカラ星人率いる悪の軍団との争いが絶えない。

そんな奴がこの地球に来たと言うのか!
まさかもうメテオールのことを知って……
いやそれなら手下を引き連れているはず。
たった一人で来たということは何かあったのか?

いや、一人でもその強さはこの宇宙でトップクラスだ。
間違っても俺やヴィプトラ警備隊だけでどうにかできる相手じゃない。

だが何とかしなくてはならないのだ。
このボロボロの体でも。



  _
( ゚∀゚)「隊長!例の球体が地上に降ります!」

爪'ー`)「映像をモニターに映せ。」
  _
( ゚∀゚)「了解。」



(,,^Дメ)

作戦室のモニターに映しだされたタカラ星人。
その体は痛ましいほどに傷だらけですぐにでも手当をしなければならない深手を負った状態であった。

( ^ω^)「なんだ?地球を侵略しに来たとしたら少しボロボロすぎないか?」

(,,゚Д゚)「うーん、かなりの深手を負ってるようだが。」

( ^ω^)「わかった要するにあれだ!宇宙を旅していたら悪党に襲われて命からがら逃げ延びてきたってとこだ!」

601名無しさん:2019/03/09(土) 00:22:43 ID:A.YRKkos0
(; A )「ば、馬鹿なそんなはず……」

そうだそんなはずがない。
あの宇宙最悪の悪党がそんな目に合うはず……

ξ゚⊿゚)ξ「この現状を見てアレが脅威になる侵略者だってのか?」

(; A )「本当なんだ信じてくれ!」

(; A )「あいつはこの宇宙で最悪の悪党タカラ星人なんだ!」

教科書で何度も見た顔だ。見間違えるはずがない。

ξ#゚⊿゚)ξ「だからよぉ……なんで地球人のテメーがそんなこと知ってんだって話だよ!!」

爪'ー`)「まぁ待てツンヌ。ドクオは体調不良で錯乱してるだけだ。」

( ^ω^)「しかしどうします隊長、あの宇宙人。」

爪'ー`)「見た感じ暴れるようなそぶりもないしあの傷の深さならほっといても勝手に死にそうだから今は監視だけにしておこう。」
  _
( ゚∀゚)「そうですね。あのままならそう長くはもたないでしょう。」

(; A )「何を言ってるんです隊長!!弱っているならすぐにトドメをさすべきです!」

(; A )「今までにあいつに何個の星が滅ぼされ何人の尊い命が奪われたことか!」

(; A )「万が一回復されたらこの地球の手に負える相手じゃありません!!」

爪'ー`)「そうは言ってもなドクオ。下手に刺激して暴れられた方が面倒だぞ。」

( ^ω^)「そうだそうだ。ほっといても勝手にくたばってくれそうなんだぜ?それなら放置しておいた方がいいに決まってる。」

( ^ω^)「それに今日のお前は何か変だぞ?」

ξ゚⊿゚)ξ「こいつの頭がおかしいのはいつものことだろ。」

(,,゚Д゚)「今はよく休んで体調を整えた方がいい。」

爪'ー`)「誰かドクオを医務室まで連れてやっていってくれ。」

602名無しさん:2019/03/09(土) 00:23:24 ID:A.YRKkos0
(; A )「どうして誰も俺の言うことを信じてくれないんだ!!」

(; A )「こうなったら俺一人でも!」

急いで作戦室から飛び出して現場に向かおうとするドクオであったが、

(; A )「あ……」

フラフラとその場に崩れ落ち意識を失った。

爪'ー`)「ほら言わんこっちゃない。」

( ^ω^)「まったく世話の焼ける奴だ。」

そのまま医務室までブーンとギコに抱えられて運ばれるドクオ。

爪'ー`)「無理をしやがって。気持ちが先走るのはわかるが、もう少し冷静に物事を判断できないとな。」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしたって今日のあいつの狂いっぷりは笑うしかねぇぞ。」

爪'ー`)「体調不良でも地球を死ぬ気で守りたいんだろうなあいつは。」

ξ゚⊿゚)ξ「マジでそういう考えはアホくさいったらありゃしない。」

爪'ー`)(お前にもうもう少しそういう気持ちがあったらな)

爪'ー`)「ジョルジュ、宇宙人に動きは?」
  _
( ゚∀゚)「いまだに沈黙中です。やはり相当な深手かと。」
  _
( ゚∀゚)「しかし降り立った場所がまずいですね。メテオールが見つかった場所の近くです。」

爪'ー`)「調査隊は退避したか?」
  _
( ゚∀゚)「はい。安全な場所まで退避済みです。」

爪'ー`)「あいつにメテオールが見つからなければいいが。万が一に備えていつでも出撃できる体制を整えておくように!」
  _
( ゚∀゚)「了解です。」

603名無しさん:2019/03/09(土) 00:23:50 ID:A.YRKkos0
『――ブン……』

『――ブン!』

『目を覚ますのだヴィプトラマンセブン!』

(; A )「う……」

医務室で死んだように眠るドクオに遥か遠くからテレパシーが届いた。

(; A )「誰だ?」

『私だよヴィプトラマンセブン。元気にしていたか?』

薄暗い医務室で目を覚ましたドクオの前に幻影が現れた。

(; A )「あ、あなたは!」

( ´∀`)『そうだ私だヴィプトラマンセブンよ。』

('A`)「モナトラマン教官!!」

( ´∀`)『地球防衛は頑張っているかねヴィプトラマンセブン?』

(;'A`)「あ……いえ……その……」

( ´∀`)『どうした?』

(;'A`)「俺ドクトラセブンですけど……」

(;´∀`)『え?!』

(;'A`)「……」

(;´∀`)『……』

(;´∀`)『えっと……』

( ´∀`)『いいかドクトラセブン、名前などというものはど大した意味はないのだよ!』

(;'A`)「そ、そうですか。」

(;'A`)「しかしモナトラマン教官、いったい何の用ですか?」

(;'A`)「そ、そうだ今地球に――

(;'A`)「!」

(;'A`)(しまった今下手なことは言えないぞ!!もしメテオールがバレたら……)

604名無しさん:2019/03/09(土) 00:24:18 ID:A.YRKkos0
『あー、久しぶりの会話をしているところ悪いんだがいいかね?』

(;´∀`)『すみませんキング。どうぞお話下さい。』

|::━◎┥『ではいいかね。えーと何トラマンだって言ったけこいつ?』

(;'A`)「あ、あなた様はヴィプトラマンキング!!」


ヴィプトラマンキング
V78星雲で一番に偉い人だ。
この人がV78星雲の方針などすべて決めている。一般戦士からしたら神のような存在でまず会えることすらできない。
そんな雲の上のようなお人なのだ。そんなお人が俺になんの用が?

<_プー゚)フ 『キング、彼はドクトラセブンというようです。』

|::━◎┥『そうかわかった。』

(;'A`)(ヴィプトラマン上司もいる!)


ヴィプトラマン上司
本名はヴィプトラマン・エクストプラズマン。
名前がなげーしヴィプトラの戦士を束ねている長だから通称「上司」と呼ばれるようになった。
この方も偉い人で下っ端ではまず会う機会もない。

(;'A`)「私に何か御用ですか?」

|::━◎┥『用があるっちゃあるんだがな。』

|::━◎┥『まずは順を追って話そう。』

|::━◎┥『えーっと確か君と同期のヴィプトラシャキンを知っているかね?』

(;'A`)「あ、はい。」


ヴィプトラシャキン
こいつは俺と同期だが、こいつはすごすぎる。
頭もいいし運動神経良すぎでその上技も豊富だ。何よりイケメン。
最強といわれたモナトラマン教官の跡を継ぐものとしてみんなからもてはやされていた。
俺とは大違いだったよ……

605名無しさん:2019/03/09(土) 00:24:42 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥『その彼がなんとあの忌まわしきタカラ星人をギッタギタのボッコボコにしてやったわけだ!』

|::━◎┥『こんなうれしいニュースは久しぶりに聞いたね!』

|::━◎┥『だが、卑怯で卑劣なタカラ星人は何とか逃げだしやがってな。』

|::━◎┥『さっさとくたばればいいものを。』

|::━◎┥『今君がいる地球まで逃げ込んだわけだ。』

|::━◎┥『しかしだよ!ヴィプトラシャキンはすでに致命傷を奴に負わしていたようで奴はもうそう長くは生きてはいられない!』

|::━◎┥『本当に実にいいことだ!その死にぞこないを追ってヴィプトラシャキンともう一人有能なヴィプトラマン弱が今地球に向かっている。』

('A`)「本当ですか!」

('A`)「よかった。それならタカラ星人も何とかなる。」

|::━◎┥『焦るな!あんな死にぞこない放っておいても勝手に死ぬ。重要な話はこれからだ。』

('A`)「?」

|::━◎┥『我らV78星雲最新の科学力でタカラ星人を追跡していたら素晴らしいものを見つけてね!』

(;'A`)「……」

|::━◎┥『メテオールだよ!それもとびっきり巨大な!』

(;'A`)「あ…あぁ……そんな……」

|::━◎┥『それだけ巨大なメテオールがあればこの宇宙を支配できる――

|::━◎┥『オホンッもとい、この宇宙を正しい方向へ我々が導くことができる!!』

やめてくれ
それ以上先のことは言わないでくれ
そんな恐ろしい言葉を聞きたくなんかないんだ
だからお願いだよやめてくれ

606名無しさん:2019/03/09(土) 00:25:15 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥『だから君には何とかタカラ星人をメテオールから遠ざけるんだ。』

|::━◎┥『そしてその地球の猿どももな!』

|::━◎┥『ヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱がタカラ星人を始末したら我々の本隊も直に到着するだろう。』

|::━◎┥『我々の計算では地球のメテオールは星の中心深くまで伸びていると推測している。』

|::━◎┥『ククククク、早くそのデカいメテオールをこの手したいわ!』

|::━◎┥『本隊が到着したら他の星の連中どもに邪魔されんようにすぐさま地球の解体を始める!』

|::━◎┥『ドクトラセブン!お前に下す任務はその地球にいる我々に抵抗しうる猿どもをいち早く滅ぼすのだ!!』

(;'A`)「……」

|::━◎┥『ククククク!笑いが止まらん!もう少しだ!』

|::━◎┥『もう少しで長年夢見たこの宇宙が手に入れられる!』

|::━◎┥『それだけ巨大な力が手に入れば我々に逆らえるものなど!!』

|::━◎┥『ククククク!!』

<_プー゚)フ 『いや〜ほんと長かったですね!』

|::━◎┥『あの口うるさい宇宙連盟の奴らもスター星などという連中もその気になれば簡単に滅ぼせるぜ!!』

<_プー゚)フ 『我らヴィプトラの長年の夢がかなうときが来た!う〜ん最高だよ!!』

|::━◎┥『ククククク!!!』

<_プー゚)フ 『ヒャーッハッハッハ!!』

(;'A`)「……」

( ´∀`)『……』

ついに訪れた地球最大の危機!
ついに現れた史上最悪の侵略者!
どうするドクトラセブン!


最終話『史上最悪の侵略者』(前編)

終わり

607名無しさん:2019/03/09(土) 00:26:26 ID:A.YRKkos0
いつもありがとうございます。
今回は以上です。最終話後編は特に問題なければ土曜の夜に投下できると思います。
最後までよろしくお願いします。

608名無しさん:2019/03/09(土) 00:44:33 ID:JuS653a20

まさかの展開

609名無しさん:2019/03/09(土) 01:37:03 ID:SrXtDjhE0
つんぬ……

610名無しさん:2019/03/09(土) 03:10:36 ID:ouuEStIM0
おつ
もうおしまいだ…
ここからハッピーエンドなんて不可能だ
みんな死ぬんだ (´;ω;`)

611名無しさん:2019/03/09(土) 10:29:30 ID:gGEwclw20

急展開だな

612名無しさん:2019/03/09(土) 22:52:10 ID:A.YRKkos0
最終話『史上最悪の侵略者』(後編)

(;'A`)「あ、あのキング、それは本気で言ってるのですか?」

|::━◎┥『?』

|::━◎┥『君もヴィプトラの戦士なら我々の目的くらい知っているだろ?』

|::━◎┥『我々はこの宇宙で唯一の正義だ!』

|::━◎┥『だから正しい我々こそがこの宇宙を正しく導かねばならないのだよ!』

|::━◎┥『当然今までそれに逆らう者や勢力、星どもにはそれ相応に対処してきたがね!』

<_プー゚)フ 『あ〜キング、彼はそういうことを言っているのではないのかも。』

|::━◎┥『?』

<_プー゚)フ 『彼が例のヴィプトラの戦士史上最悪の汚点ですよ。』

|::━◎┥『まさかこいつが例のクソ雑魚なめくじでマジの出来損ない野郎?』

<_プー゚)フ 『はい、歴代最低の成績を残し続けた最弱野郎です。』

<_プー゚)フ 『ですから彼は自分一人の力では地球の抵抗勢力を無力化できないといってるのでしょう。』

|::━◎┥『マジかよ使えねー!』

<_プー゚)フ 『おいドクトラセブン!地球にはどんな敵対勢力がいる?』

<_プー゚)フ 『その勢力が分かればこちらで対処できるかもしれん。』

<_プー゚)フ 『かつて我々に逆らったヴィプトキュアとかいう小娘どものように供給元を文字通り潰してやるさ』

|::━◎┥『いたな昔そんな勢力が!』

|::━◎┥『思い出すだけで笑っちまうよ!生意気にも我々にたてついて抵抗しよってな!』

|::━◎┥『供給元の会社を徹底的に破壊してやって変身できなくしてやったら泣きわめきやがって!』

|::━◎┥『小娘どもの必死の命乞いは笑ったなぁ!ククククク!』

613名無しさん:2019/03/09(土) 22:52:38 ID:A.YRKkos0
<_プー゚)フ 『その星を制圧しに向かった戦士たちの記録映像は何度見ても笑えますもんね!』

<_プー゚)フ 『本当……思い出すだけで……』

<_プー゚)フ 『ヒャーッハッハッハ!!』

|::━◎┥『ククククク!』

|::━◎┥『いやしかし、さすがはモナトラマンといったところか。』

|::━◎┥『こんな辺鄙で何もない宇宙のはずれにもちゃんと我々ヴィプトラの戦士を配置しておくとは!』

|::━◎┥『おかげで地球は紛れもない我らV78星雲の勢力圏内になるのだからな!』

( ´∀`)『……』

(;'A`)「すみません!!!」

|::━◎┥『?』

|::━◎┥『どうしたドクトラセブン?』

(;'A`)「俺にはこの地球を滅ぼすようなまねできません!!!」

|::━◎┥『は?』

|::━◎┥『こいつ何言ってるんだ?』

<_プー゚)フ 『あ〜、これはあれですかね。少し長く猿どもと生活したせいで愛着がわいたとか。』

|::━◎┥『くっだらねぇ感情抱いてんな!』

|::━◎┥『なぁおい!テメーはヴィプトラの戦士だろ!この私が命じた神聖な任務よりくだらねぇ感情を優先するんじゃない!』

(;'A`)「お願いです!地球を滅ぼすのを考え直してください!』

|::━◎┥『テメー!!クソ下っ端がこの私!キングに逆らうというのか!!』

<_プー゚)フ 『おいモナトラマン!!お前どんな教育をしたんだ!!』

(;'A`)「お願いです!俺の話を聞いてください!!」

614名無しさん:2019/03/09(土) 22:53:07 ID:A.YRKkos0
<_プー゚)フ 『恐れ多いぞ貴様!!このお方はもうすぐ宇宙で一番偉い人になる方ふぁぞ!!』

<_プー゚)フ 『貴様のような便所に這いつくばっているような輩が声をかけていい人ではない!!』

|::━◎┥『はぁ……流石は辺境の地に飛ばされるだけある人物だな。』

<_プー゚)フ 『申し訳ありませんキング。まさか弱いだけでなく頭もカスだとは思いませんでした。』

|::━◎┥『もうよい。ドクトラセブンとやらお前はさっさとタカラ星人をメテオールから遠ざけろ。』

|::━◎┥『メテオールは高エネルギーの塊だが、怪我とかを治癒する力はない。』

|::━◎┥『それでもタカラ星人に見つかれば最後の悪あがきでメテオールの力をすべて使ってこの宇宙を終わらせるかもしれんからな。』

|::━◎┥『タカラ星人を誘導した後は何としてでも地球を制圧するのだ。』

|::━◎┥『地球にはこの宇宙が平和になるための小さな犠牲になってもらう。』

|::━◎┥『これは最終決定だ!』

|::━◎┥『つーか、ただの猿どもにメテオールの扱いがわかるか!!慎重に扱わないとただの石になるんだぞ!!』

|::━◎┥『そうなったら宇宙的な大発見がパーだ!!』

(;'A`)「……」

|::━◎┥『未開な土地でも長く住めば愛着がわくものだろう。』

|::━◎┥『だがなはるか昔から宇宙の覇権をとるために続く争いは止むことがない。』

|::━◎┥『だからこそ我々が覇権をとることで醜い争いを終わらせるのだ!』

|::━◎┥『そしてこの宇宙に知らしめなくてはならない!』

|::━◎┥『我らヴィプトラの戦士こそがこの宇宙で一番優秀で正しく完ぺきな種族なのだと!!』

|::━◎┥『我々の圧倒的強さを見せつけなくてはならないのだ!!』

615名無しさん:2019/03/09(土) 22:53:35 ID:A.YRKkos0
('A`)「強さだと……?」

('A`)「自分たちの目的のために平気で命をもてあそんだりできることを強いとは言わない!!」

('A`)「それこそが弱さなんだ!!」

|::━◎┥『あぁ?』

('A`)「心が弱いから平気で他人を攻撃できて、心が弱いから他者を支配しようだなんて考えるんだ!」

('A`)「俺はこの地球に来てそんな連中をいっぱい見てきた!」



あるやつは自分に何もないからまだ文明が遅れているこの星来て、自分の進んだ文明の道具を使いそれを動画にして投稿した。
そうしてこの星の人たちからもてはやされた。だがそれは自分の星でまったく相手にされなかったから自分を受け入れてくれるところを探していたにすぎない。
道具を使わなくては何もないのに。

あるやつは自分の人生がつまらないから他人の人生を本にして読もうとしたんだ。
空っぽの自分を少しでも中身があるように思えるために。

あるやるは自分の星で必要とされなかった。だから地球で洗脳装置を使ってでも自分のことを教祖と崇め必要とされるようにしようとした。
そうしなければ誰も求めてくれないから。

あるやつは働きたくないから洗脳した地球人を使って楽な生活を送ろうとした。
とんでもない野郎だ。必死で働いて生きる大切さを知らない奴だ。

あるやつは遊び感覚で捕まえた人を拷問してその命をもてあそんだ。
それがどれほどの恨みを買うかも知らずに。

あるやつは他人の命を使い永遠の命を手に入れようとした。
たった一人永遠に生きた所で何も得るものはないことも知らず。

('A`)「そういった心に弱さを持つものたちと戦った。」

616名無しさん:2019/03/09(土) 22:54:04 ID:A.YRKkos0
('A`)「確かに地球人にも平気で嘘をついたり私利私欲を尽くす人もいた。」

('A`)「人の笑顔を奪ったり負の感情を誰か一人に押し付けたり。」

('A`)「そういった弱い人たちもいたさ。」

('A`)「でもそれ以上に強い人たちと多く出会えたんだ。」



ただ単に馬鹿みたいに戦闘力が高い奴もいるよ。
自己中で自分勝手な奴だ。でもそれはしっかりと自分の人生を生きているってことなんだ。
いや、でもも少し自重するって言葉を知ってほしいが。

強力な呪力を愛するものを思う気持ちで打ち破った人がいる。
それどころか地球人以外の種族にも優しく接してくれる慈愛に満ちた心優しい人だ。

マジイケメンで運動神経抜群な完璧超人がいる。羨ましいったらありゃしない。
でも道具の力じゃなくて自分の力で成長しようとする努力家だ。

いつも自分のバカみたいな体験談を話して場を和ませたりしてくれる仲間思いのデブがいる。
そのやさしさに何度救われたことか。

博学で何でも知ってる。でもたまに語りすぎて自分だけの入ってしまう物知りがいる。
たとえ周りから相手にされなくても気にしない。他人にどう思われてもそれだけ明確な自分というモノを持っているから大丈夫なんだ。

いつも厳しくて厳格な人がいる。
でもその厳しさは他人のことを思っての厳しさなんだ。優しくするだけがすべてじゃない。厳しさも必要だってことを知っているから。

('A`)「そういった人たちと俺は出会えたんだ!」

('A`)「地球人だけじゃない!」



自分の故郷を我々ヴィプトラの戦士に滅ぼされ流れ着いたこの星で必死に生きるやつ。
この星で宇宙一のラーメンを作るやつ。
いろんな便利道具を売り歩いてそいつの心の強さを見定めてるやつ。

('A`)「そんな連中にも出会えた。」

('A`)「この星はそういった俺にとって大切な人たちがいるんです!!」

('A`)「だから俺はこの星を守るために戦うんだ!!ヴィプトラ戦士の任務のためじゃない!!」

617名無しさん:2019/03/09(土) 22:54:33 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥『お前はヒーローにあるまじき行為をしているな……』

|::━◎┥『いいか、ヒーローとは自分勝手な私情で力を使ってはならんのだ。』

|::━◎┥『それはいずれ自分勝手な正義になり、また新たなる争いを生むのだ。』

|::━◎┥『だから我々ヴィプトラ戦士は私が定めたルールに従わなくてはならんのだ!!』

|::━◎┥『それが力あるものの務め。』

|::━◎┥『貴様のくだらん私情など捨ててしまえ。』

<_プー゚)フ 『それともあれか?』

<_プー゚)フ 『地球がなくなった後の自分のポストが心配なのか?』

<_プー゚)フ 『現金な奴め。仕方ないな。無能でもできて高給取りな仕事を用意しておいてやる。』

('A`)「そんなものいらない!」

|::━◎┥『金が要らない?なら名誉か?』

|::━◎┥『仕方ない。宇宙で一番名誉なヴィプトラ賞にノミネートしてやろう。』

<_プー゚)フ 『正気ですかキング!!その賞にノミネートされるためだけにヒーローを目指す者も多い最高に名誉な賞にそんな無能を』

|::━◎┥『金が要らん奴は大抵名誉のためにヒーローやってるからな。お前その口だろう。』

<_プー゚)フ 『今の歴史でもヴィプトラ賞にノミネートされるのはヒーローの一握りにも満たないというのに……』

<_プー゚)フ 『俺も欲しい!!』

|::━◎┥『流石に受賞はさせられないがな。だがそれでお前も満足だろう。』

<_プー゚)フ 『ふう、これで万事解決ですね。』

|::━◎┥『まったく、欲深い奴を相手にすると大変だな。』

618名無しさん:2019/03/09(土) 22:55:02 ID:A.YRKkos0
('A`)「あなたたちは本当に何もわかってないんですね。」

('A`)「俺はそんな金だとか名誉が欲しいから戦ってるんじゃない!!」

('A`)「死んでほしくない幸せになってほしい、そんな大切な友達のために命を懸けて戦ってです!」

('A`)「だから誰になんて言われようがそこは変えられないんだ!!」

|::━◎┥『金や名誉が要らない?』

|::━◎┥『マジかよこいつ!?』

|::━◎┥『も一度言うがそんな自分勝手な奴はヒーローでも何でもない。我々ヴィプトラの戦士というヒーローに逆らうということは』

|::━◎┥『貴様は悪そのものだぞ!!』

|::━◎┥『お前もかっこいい尊敬されるヒーローを目指したんじゃないのか?』

|::━◎┥『まだ今なら引き返せるぞ。』

|::━◎┥『猿の友達と我々ヴィプトラの戦士という絶対的ヒーロー、どちらをとるというのかね?』

('A`)「俺を悪だというのならどうぞご勝手に。」

('A`)「俺はたとえヒーローじゃなくても自分の大切なものを守るために戦う!それが俺だ――

('A`)「それがドクトラセブンなんだ!!」

|::━◎┥『えぇ……』

|::━◎┥『こいつ正気じゃないだろ……』

<_プー゚)フ 『ひょっとしたらこいつ動物愛護団体とかかも……』

|::━◎┥『あー、文明レベルが低くてもほんのちょっと知能があるから殺しちゃダメだっていう団体?』

<_プー゚)フ 『そうとしか考えられません。じゃなきゃあんな猿の星に固執する必要がないですもん。』

|::━◎┥『えー!何それ面倒くさい奴じゃんこいつ!!』

|::━◎┥『ちょっとぉ!!モナトラマンどうにかしてよ!!』

( ´∀`)『……』

(;'A`)「モ、モナトラマン教官……」

619名無しさん:2019/03/09(土) 22:55:33 ID:A.YRKkos0
(;'A`)「たとえモナトラマン教官に何を言われようとも俺の意思は変わらないです!!」

( ´∀`)『……』

( ´∀`)『ヴィップ駅のさ。』

(;'A`)「え?」

|::━◎┥『ヴィップ駅?どこそこ?』

<_プー゚)フ 『さぁ?聞いたことないですね。』

( ´∀`)『ヴィップ駅の前にヴィプトラ食堂ってあるじゃん。』

('A`)「あの気味の悪い等身大の日本人形が入り口に立ってるあのヴィプトラ食堂ですか?』

( ´∀`)『そうそう。』

( ´∀`)『怪獣を倒した後にVIP特捜隊のみんなとあそこで食べる飯は本当にうまかった。』

('A`)「教官もあの店に行ったことがあるんですか?!」

( ´∀`)『ああ。』

( ´∀`)『昔から結構古い店だったけどまだやってたのか。息子さんがあとを継いだのかな。』

|::━◎┥『???』

|::━◎┥『こいつらなんの話をしてるんだ?』

<_プー゚)フ 『まったくわかりませんな。』

( ´∀`)『あそこの生姜焼き定食は最高だよな。』

('A`)「いや、あそこはとんかつ定食が一番ですよ!」

( ´∀`)(チッ、こいつニワカかよ)

('A`)(うわぁダセェ、通ぶってるのに知ったかとか)

('A`)「え?でも教官も地球に来たことが?」

( ´∀`)『ああ。俺が『宇宙最強』と呼ばれてそれなりにたった頃かな。』

620名無しさん:2019/03/09(土) 22:56:03 ID:A.YRKkos0
俺もヴィプトラ賞だとか最高のヒーローだとかを憧れてヴィプトラの戦士になったよ。
それでずっと上からの命令通り必死に戦った。毎日毎日悪と殺し合いだよ。
そうしていくうちに強くなり気づけば『宇宙最強』さ。

宇宙最強になってからも何も変わらない日々が続いたよ。
ひたすらに上からの命令で悪と殺し合いをする日々。

でもそのかいあってか周りからは尊敬のまなざしとかファンができたりだとかいろいろいい思いもあったさ。
名誉あるヴィプトラ賞も何度か受賞したし。

でもある日ふと思ったんだ。
自分が成りたかったものってこんなものだったのかって。
振り向いた背後にある死体の山を見て思ったんだ。
ただ上からの命令で戦い、命を奪うことが俺のやりたかったことなのかって。

そう考えるようになってからモチベーションが落ちてな。
ある日戦っていた悪党を取り逃がしてしまって宇宙のはずれまで追いかけた。
正直やる気がなくて大盛り上がりな一番の戦場から逃げ出したかったんだ。

その悪党を追って行きついたのが地球だったよ。
その星に着いたら運悪くパトロールしてたVIP特捜隊とぶつかって死なせてしまったんだ。
やべぇと思ってとりあえず俺の命を共有することで事なきを得た。
本当はすぐに戦場に戻るのがいやだったからだけどな。

それからしばらくは一つになった地球人と一緒に生活した。
その地球人の目を通していろいろなものを見て感じたよ。

最初は文明レベルも低い貧弱な連中だと見下していた。
ただサボれる口実があればどうでもよかったからそんな未開な土地でもいいやって。

でもさ、その星のみんなみんな必死に自分の人生を生きようとしてた。
輝かしい未来を信じて明るく平和な世界にしようと。

確かに悪い奴や卑怯な奴もいたよ。
でもそれ以上に家族や恋人を愛し、友と友情を育んでいく地球人を見ているうちに尊敬と敬意を持つようになった。

だから俺はまだ怪獣が暴れる時代、VIP特捜隊と一緒に地球人のために戦おうって思った。
辛いことや悲しい戦いもあった。
だが、信頼できる地球の友と戦えて幸せだったよ。

地球人のために戦っている、その時初めて気づいた。
自分が何のために戦いたかったのか。
ただ上の命令通りに力をふるっていたころにはなかった気持ちに。
地球に来なかったら俺はただ力の強い「だけ」の奴になっていた。それは本当に恐ろしいことさ。

621名無しさん:2019/03/09(土) 22:56:29 ID:A.YRKkos0
10
( ´∀`)『最後はまさか最強の宇宙恐竜「ヴィットン」と戦うハメになるとはな。』

( ´∀`)『負けはしたが、地球は守れてよかったよ。』

( ´∀`)『まぁその時のケガでも最前線に立てない体になったがな。』

( ´∀`)『いやー懐かしいな。』

('A`)「じゃぁ任命式で地球を指名したのは……」

( ´∀`)『あぁ、地球は俺にとって大切な星だからな。』

( ´∀`)『俺に何のために戦うのかを教えてくれた。』

( ´∀`)『V78星雲に戻ってからずっと地球のことは気にしていたんだ。だからドクトラセブン、お前を向かわせた!』

('A`)「教官!!」

('A`)「俺はこの星に来れて本当によかったです!」

( ´∀`)『そうか。ならよかった。』

( ´∀`)『……』

( ´∀`)(気にはしてたんだけどここ数年は仕事が忙しくて忘れてたんだけどね)

( ´∀`)(というか問題児だったお前のことも忘れたいって思ってたら本当に忘れてな)

( ´∀`)(任命式の時はマジで焦った)

( ´∀`)(でもさすが俺!咄嗟に地球の名前が出できてくれてよかった)

( ´∀`)(……)

( ´∀`)(適当に任命しても結果的に良かった)

( ´∀`)(さすが俺!)

622名無しさん:2019/03/09(土) 22:56:56 ID:A.YRKkos0
( ´∀`)『ドクトラセブン、覚悟が決まっているのならお前が何をしなくてはならないかわかっているはずだ。』

( ´∀`)『あとの責任はすべて俺が負う。さあ早く行くんだ!』

('A`)「はい!」

|::━◎┥『え?』

|::━◎┥『嘘でしょモナトラマン!!』

( ´∀`)『どんな処罰でも何なりと。』

|::━◎┥『えぇ!!』

<_プー゚)フ 『ちょっと!!早く……早くヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱、早く着いて!!』

ドクオはボロボロの体で医務室の外へと飛び出していった。

その頃作戦室。
  _
( ゚∀゚)「大変です隊長!」

爪'ー`)「どうした?」
  _
( ゚∀゚)「例の宇宙人がついに動き始めました!それもメテオールの方へ!」

爪'ー`)「なに?!」

爪'ー`)「仕方ないドクオ以外の全員で出撃する!みんなヴィプトラホーク1号に搭乗しろ!」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?ふざけんな!私これから

爪'ー`)「一人欠けている以上他の連中で頑張るしかないんだ。ツンヌも少しは我慢しろ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「なめんな!それならあの貧弱野郎を叩き起こして無理やり乗せてやる!!」

爪'ー`)「あ、おい!」

そう言って猛ダッシュで飛び出していくツンヌ。

( ^ω^)「ヴィプトラホーク1号の出撃準備はすでに完了してますがどうします?」

爪'ー`)「仕方ないツンヌが戻るまで待つか。」

(,,゚Д゚)「その間にあの宇宙人が何もことを起こさなければいいんですがね。」

爪'ー`)「ホントなそれ。」

623名無しさん:2019/03/09(土) 22:57:27 ID:A.YRKkos0
かすかに感じるエネルギーを感じ、その方向へと向かいながらタカラ星人は考える。
宇宙最悪で最恐と恐れられた自分がなぜこんな様なのかと。



(,,^Дメ)「クソォ……クソガァ!!」

すべてはあのヴィプトラシャキンとか言う新人のせいだ。
モナトラマンの再来とか言われてたが所詮噂程度だと思って油断した。
俺が唯一勝てないと思っていたあのモナトラマンと本当に同等の力をもってやがった。
おかげで手下も全滅したし俺ももう長くはもたん。

(,,^Дメ)「チクショウこんなはずでは……」

モナトラマンさえいなければこの宇宙は俺様のものになると思っていたのに……

(,,^Дメ)「こんなところで終わってたまるか!!」

だが何とか逃げおおせてたどり着いたこの星は文明レベルが低すぎて俺様のこの怪我を手当てすることすらできない。
時間がたてば当然お陀仏だし、死ぬ前にヴィプトラシャキンがここにたどり着くかもしれん。
死ぬにしたってただでは死なん。一人でも多く道ずれにしてやる。

そう思ってどうするか考えていたが何も浮かばなかった。
正直もうまともに戦う力など残っていない。下手したら下級戦士にもやられてしまうだろう。
まさかこの俺様が死ぬ前に絶望を味わうことになるとは……
俺様はこの宇宙の悪の帝王だぞ!これがこんな無様な最期だと!!許されるはずがないのだ!!

しかしだ。
この星に来てからわずかに感じたメテオールの気配。
今までに感じたことのないほどの質の高い気配だ。
もしかすると巨大なメテオールがこの近くにあるのかも。

(,,^Дメ)「まさかこの俺様が『希望』だとかいうものにすがるときが来るとはな。」

だがもし俺様が考えただけのメテオールがあるとすれば死ぬ前にこの宇宙も一緒に終わらせることができるだろう。

(,,^Дメ)「一人では死なんぞ。」

(,,^Дメ)「くひひ!この宇宙すべてのものが道ずれだ!!」

そうだすべて終わらせる。俺様をこんな目に合わせておいて他の者がのうのうと生きていていいはずがないのだ!!
俺様に絶望を与えただけお前たちにも同じだけの絶望を与えてやる!

624名無しさん:2019/03/09(土) 22:57:52 ID:A.YRKkos0
ξ゚⊿゚)ξ「あの野郎医務室にいないじゃないか!」

ξ#゚⊿゚)ξ「さてはサボるための仮病だったな!!許さねぇ!!」

怒りに燃えるツンヌは医務室を飛び出しドクオを探す。
それは本能的なものなのかそれとも戦いの中で培った気配を察知する力なのかドクオがいる基地の外へと一直線に向かっていった。

('A`)(これが俺、ドクトラセブン最後の戦いになるだろう)

('A`)(このボロボロの体がどれだけ持つか……)

(-A-)(……)

('A`)(やってやるさこの命に代えても!)

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

いざ変身しようとしたその時――

ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオ!テメーこんなところでサボってやがったのか!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「例の宇宙人が動き出したっていうからお前私のの代わりに行って来い!!」

('A`)「……」

ツンヌに背を向けたまま口を開かない。

ξ#゚⊿゚)ξ「なんとか言ったらどうだ!!」

クルッとツンヌの方へと向き直る。

('A`)「ツンヌ、俺は……俺はね……」

('A`)「人間じゃないんだよ!」

('A`)「V78星雲からきたドクトラセブンなんだ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「え……」

625名無しさん:2019/03/09(土) 22:58:18 ID:A.YRKkos0
('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「びっくりしただろう。」

ξ゚⊿゚)ξ「いいや。」

ξ゚⊿゚)ξ「人間じゃなかろうが宇宙人だろうがドクオ、お前がドクオであるのには変わりないだろ!」

ξ゚⊿゚)ξ「それがたとえヘタレンダーZでもドクトラセブンでもな!」

ξ゚∀゚)ξ「それにテメーの顔を見て人間だって思うやつの方が少ないぜ!」

(;'A`)「ギギギ……」

('A`)「でも他のみんなもそう言ってくれるかな……」

ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿言え!他の連中も同じように言うさ。」

ξ゚∀゚)ξ「それが私たちだろ!」

('A`)「ありがとうツンヌ。」

('A`)「だが俺はもう行かなくてはならない。」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

('A`)「西の空に明けの明星が輝くころ、一つの光が宇宙へ飛んでいく。それが俺なんだよ。」

∞⊂('A`)「さよならツンヌ!」

ξ゚⊿゚)ξ「オイ待て!」

ξ゚⊿゚)ξ「何するつもりだ!」

∞⊂('A`)「地球がピンチなんだよ!!」

(∞)「デュワ!」

ツンヌの目の前でドクトラセブンに変身する。

('A`)「ジュワー!!」

そのまま空へと飛び立っていった。

626名無しさん:2019/03/09(土) 22:58:43 ID:A.YRKkos0
ξ゚⊿゚)ξ「あいつ……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?頭おかしくなって意味不明なこと喚いてたんじゃないの??」

ξ;゚⊿゚)ξ「マジにドクトラセブンに変身しやがった!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?マジ?」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとみんなー!!」

慌てて基地へと戻っていくツンヌ。

627名無しさん:2019/03/09(土) 22:59:16 ID:A.YRKkos0
(,,^Дメ)「近づくほどに強く感じるぞ!やはりこの辺にメテオールがあるな!!」

(,,^Дメ)「くひひ!やったぜ!」

本能的な感覚でメテオールに近づいていくタカラ星人。
この宇宙を道ずれにできそうで上機嫌になってきている。
ついにメテオールの一部が見えてきた。

(,,^Дメ)「!!やったぜ!ついに見つけた!!」

そんなタカラ星人に近づいていく一つの影があった。

(,,^Дメ)「ん?」

('A`)「デュワ!!」

(,,^Дメ)「な?!」

タカラ星人の背後へと着地して構えるドクトラセブン。

(;^Дメ)「俺様を追っていたヴィプトラの戦士がもう着いたというのか!!」

(;^Дメ)「おのれぇ!!あともう少しだったというのにぃ!!」

(;'A`)「ぐ……」

フラフラ

(,,^Дメ)「あぁ?」

しかしそのヴィプトラの戦士はすでに弱り切っていた。
額のビームランプは激しく点滅しているし。

(,,^Дメ)(こいつすでに俺様より弱ってないか?)

(,,^Дメ)(それに俺様を追ってきたというならヴィプトラシャキンもいるはず……)

(,,^Дメ)(そうか!こんな辺鄙な星に元々派遣されていたやつだな!)

(,,^Дメ)「ふぅ、焦ったぜ!こんな星に行かされるってことは相当な役立たずってことだな。」

(#^Дメ)「脅かしやがって!!」

(,,^Дメ)「おとなしくしていたら命は取らないでおいてやろう。」

(,,^Дメ)(まぁどうせすべて消し飛ぶんだがな)

628名無しさん:2019/03/09(土) 22:59:52 ID:A.YRKkos0
(;'A`)「うぐぅ……」

立っているのがやっとの態勢でドクトラショットの構えをとる。

(,,^Дメ)「おいおい、まさかこの俺様と戦うつもりか?」

(#^Дメ)「たとえ弱っていようがテメーみたいなクソ雑魚なめくじの攻撃なんて効かないんだよ!!」

(;'A`)(しっかり狙えドクトラセブン!)

(;'A`)(これを外したら終わりだ…)

('A`)(この一撃に俺のすべてをかけろ!!)

('A`)「デュワァァァァ!!」

ドクトラセブンの残っていた全エネルギーが発射された。

(,,^Дメ)「バリアー!!」

そう叫ぶとタカラ星人の目の前に光の壁が現れた。
だがそれとは別に明後日の方へと飛んでいくドクトラショット。

(,,^Дメ)「ケッ、所詮は底辺中の底辺。大事なとこで外しやがったな。」

(,,^Дメ)「どのみち当たっていても意味はなかったがな。くひひ!」

('A`)「……」

だがその時

タカラ星人の背後の方が光りだす。

(,,^Дメ)「?!」

(,,^Дメ)「何事だ!!」

メテオールが一瞬光り輝くとスッと輝くが失われただの石になった。

(;^Дメ)「あ……あぁ!!」

ドクトラセブンの狙いは最初からメテオールだったのだ。

('A`)(これでいい……これでもうV78星雲や他の星から地球が狙われることは……)

( A )(これで……いい……んだ……)

629名無しさん:2019/03/09(土) 23:00:19 ID:A.YRKkos0
その場に力なく倒れこんだドクトラセブン。
激しく点滅していたビームランプはもう光ることはない。
すべての力を出し尽くして力尽きたのだ。
一度エネルギーが尽きたらもう立ち上がることはできない。

(;^Дメ)「あァァァァ!!チクショウ!チクショウォォ!!!

最後の希望が踏みにじられ絶望へと変わった。
皮肉な話だ。今までさんざん他者にほんの少し希望を抱かせてから目の前で絶望へと突き落としてきた。
そんな自分が今度は絶望に叩き落されたのだから。

(;^Дメ)「許さねぇぇえ!!」

(;^Дメ)「そうまでしてテメーが守りたかったこの星を俺様の命が続く限り地獄に変えてやる!!!」

(;^Дメ)「こんなクソ雑魚なめくじの底辺野郎にこの俺様がァァァァ!!」

激しく怒り散らすタカラ星人。
だがすでに力尽きたドクトラセブンはピクリとも動かない。

( A )


















「―――で……ン……」

ほんの少し

何か聞こえた気がした

誰かが叫んでいる

630名無しさん:2019/03/09(土) 23:00:44 ID:A.YRKkos0
ζ(゚ー゚*ζ「負けないでドクトラセブン!!」

(`ェ´)「負けるな!!立ち上がってくれドクトラセブン!!」

一般市民B「頑張れ!!頑張れドクトラセブン!!」

ζ(゚ー゚*ζ「いつもあなたが私たちのために必死でボロボロになりながら戦ってるのずっと見てきたわ!」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたに助けられてばかりで何もしてあげられないけど……」

ζ(゚ー゚*ζ「でもお願い負けないでドクトラセブン!!」

聞こえる大切な人たちの声が

聞こえるみんなの応援してくれる声が

(゚、゚トソン「ほら立って!立ち上がって構えなさいよ!!」

(゚、゚トソン「さっきいい感じににらみ合ってたとこカメラで撮れなかったからもう一度同じ感じでお願い!」

一般市民A「やっぱあのブレスレットあった方がよかったんじゃないか?」

一般市民A「でもまぁ頑張ってくれよ!」

一般市民C「そうだ負けんなそんなよわっちそうなやつに!」

(=゚ω゚)「はぁ、所詮キモ貞はこんなもんか。」

(=゚ω゚)「少しはいいとこ見せて見ろよドクトラセブン!!」

川д川(負けてはダメよ!あなたはまだこっちの方に来てはいけない人よ!)

( `ハ´)「相手があのタカラ星人デモかなり弱ってるネ!」

( `ハ´)「勝ってまたミンナで楽しくオサケ飲もうヨ!!」

/ ,' 3「旦那、あっしは知ってやすぜ!旦那がお強い人だって!」

≫(‘♀’)≪「頑張れ。我々は信じてるぞ君の勝利を。」

≫(‘♀’)≪「だから……立ち上がるんだドクトラセブン!!」

631名無しさん:2019/03/09(土) 23:01:53 ID:A.YRKkos0
不思議だ
今までもう何も残っていなかった体にほんの少し力がわいてきた

どこからわいたかわからない力だけど……
いや違う
そうだそうだったな

『(’e’)「言葉や文字にはとてつもない力がある」』

あぁそうだこの星に来てから学んだことじゃないか

ありがとうみんな

皆のおかげでもう少しだけ戦える

('A`)「デュワ!」

ドクトラセブンが立ち上がった。
光を失っていた額のビームランプはまた激しく点滅を開始している。

(,,^Дメ)「……」

(,,^Дメ)「なんのつもりだ?」

(,,^Дメ)「底辺中の底辺が、弱ってはいるがこの俺様に勝てると思っているのか?」

(#^Дメ)「テメーみたいな便所虫以下の奴がこの俺様に何ができるってんだ!!!」

(#^Дメ)「テメーも他の奴らのようにションベン漏らしながら命乞いすりゃぁ楽に死なせてやったのによぉ!!」

(#^Дメ)「弱いくせに俺様に歯向かうのか?」

(#^Дメ)「お前みたいなタイプが一番ムカつくんだよ!!何もできねぇ役立たずの分際でよくも俺様の邪魔をしたな!!」

怒り心頭。ひたすらに相手をののしる。
こうなったら最後相手が絶望の淵に叩き落されなければ気が済まないのだ。

(#^Дメ)「お前にはたっぷり思い知らせてやる!!自分が如何にゴミ――

(#'A`)「ダァァァ!!」

先手必勝。至近距離からのアイス・ラッガーを放つ。
残り少ないエネルギーではもう光線技は使えない。
だが、格下が格上に勝てるかもしれない数少ない方法。
不意打ちからの切断技だ。

真っ直ぐタカラ星人に向かっていく。
が――

632名無しさん:2019/03/09(土) 23:02:21 ID:A.YRKkos0
(,,^Дメ)「本当よぉ……」

(,,^Дメ)「お前は俺様のこと舐めてるのか?」

飛んできたアイス・ラッガーをたった指二本で受け止めた。

(;'A`)「な!」

(,,^Дメ)「お前、相手との戦闘力の差わかってる?」

(,,^Дメ)「この距離なら当たると思ったか?」

(,,^Дメ)「こんなちんけな技で俺様が倒せると思ったのか?」

(#^Дメ)「テメー――!!!」

(#^Дメ)「なんもわかってねぇだろ!!お前ごときが相手になるわけがねぇんだよ!!」

(#^Дメ)「お前のようなゴミクズは一生地べた這いつくばって哀れに生きてりゃいいものをよぉ!!」

(#^Дメ)「俺様にたてついてんじゃねぇよ!!」

(#^Дメ)「決めた!決めたぞ!!」

(#^Дメ)「テメーのこの武器でその首跳ね飛ばしてさらし首にしてやる!!」

(#^Дメ)「くたばりやがれ!!」

高々にアイス・ラッガーを掲げてドクトラセブンめがけて投げようとする。

(;'A`)「ぐ……」

あっという間に大ピンチ。

だが諦めない。
なぜなら知っているから。
いつもこういうときは来てくれたから。

633名無しさん:2019/03/09(土) 23:02:46 ID:A.YRKkos0
アイス・ラッガーを投げる直前のタカラ星人にどこからともなくレーザー攻撃が命中する。

(,,^Дメ)「あぁ?なんだ?」

咄嗟に攻撃が飛んできた方を見るタカラ星人。
ヴィプトラホーク1号だ。

( ^ω^)「大丈夫かドクオ?!」
  _
( ゚∀゚)「ドクオ、援護は任せろ!」

(,,゚Д゚)「忘れるなドクオ、いつだって俺たちはお前の味方だぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおいへばってんなよドクオ!」

ξ゚∀゚)ξb「一発くらいイイやつお見舞いしてやれ!!」

爪'ー`)「まったく、お前は最後まで俺たちの力が必要だったな。」

爪'ー`)「だがそれがお前なんだドクオ!だから思いっきりやれ!!」

ヴィプトラホーク1号からレーザー攻撃やロケット弾が大量に発射され命中する。
が、全く効果がない。

(,,^Дメ)「ゴミクズの味方はハエってところか。」

(#^Дメ)「お似合いだなテメーら!!」

('A`)「デュワ!」

その隙に後ろに大きく跳躍してタカラ星人と距離をとる。

(#^Дメ)「今度こそくたばりやがれぇ!!」

ヴィプトラホーク1号の攻撃など全く気にせずにアイス・ラッガーをドクトラセブンに投げつける。

(#'A`)「デュワァ!」

飛んできたアイス・ラッガーを脳波でコントロールして当たるギリギリのところで躱してそのままタカラ星人めがけて再度放つ。

634名無しさん:2019/03/09(土) 23:03:12 ID:A.YRKkos0
(#^Дメ)「本当に学習能力がないな無能な奴は!!」

(#^Дメ)「何度やっても結果は同じなんだよ!!」

また指二本でキャッチしようとする。

( ^ω^)「これでも食らえ!!」

ヴィプトラホーク1号から発射されたレーザー攻撃はタカラ星人の顔面に命中した。
ダメージは全くない。
しかし、視界を遮るには十分だ。

(;^Дメ)「し、しまっ―――

スパンッ



('A`)「デュワ!」

戻ってきたアイス・ラッガーを頭に装着する。

(  Дメ)






ゆっくりとドクトラセブンめがけて一歩二歩と足が動いたが、ぼとりっと首が落ち崩れ落ちた。

(;'A`)「はぁはぁ…」

(;'A`)「……」

('A`)「……」

('A`)「ジュワー!!」

力なく立ち上がり、少しだけみんなの方を見つめると西の空へと飛び立っていく。

635名無しさん:2019/03/09(土) 23:03:35 ID:A.YRKkos0
宇宙空間

ボロボロのドクトラセブンが地球を目指していたヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱と合流した。

ヴィプトラマン弱「おいおいお前なんてことやってくれたんだよ。」

(; A )「……」

ヴィプトラマン弱「せっかく俺がタカラ星人にトドメを刺そうと思ったのに。」

ヴィプトラマン弱「お前の手柄じゃないからな!!タカラ星人を倒したところで!」

ヴィプトラマン弱「つーか、お前やらかしすぎだろ。メテオールを無駄にしちまうとか。」

ヴィプトラマン弱「ホント無能な奴は余計なことしかしないよな!」

(; A )「……」

ヴィプトラマン弱「でもよ……」

ヴィプトラマン弱「お前にしたら頑張ったんじゃないか。そんなボロボロになるまでよ!」

(`・ω・´)「ドクトラセブン。君がやった行いは愚かなことだ。」

(`・ω・´)「そう上の連中は言うだろう。事実、かなりお怒りのようだ。」

(`・ω・´)「だが一つだけ確かなことがある。」

(`・ω・´)「君はこの地球を守ったんだ。」

(`・ω・´)「それはどんなことがあっても変えられないただ一つ確かな事実だ。」

(`・ω・´)「まずはよく体を休めよう。」

(`・ω・´)「さぁ、帰ろう我々のV78星雲へ。」

ボロボロのドクトラセブンはヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱に抱えられながらV78星雲へと帰っていった。

636名無しさん:2019/03/09(土) 23:04:01 ID:A.YRKkos0
地球

ヴィプトラホーク1号を着陸させ地上に降り立ったヴィプトラ警備隊はドクトラセブンが旅立っていった空をずっと眺めていた。
  _
( ゚∀゚)「ドクオは死んで帰っていくのだろうか?」
  _
( ゚∀゚)「もしそうならドクオを殺したのは俺たち地球人じゃないか!」
  _
( ゚∀゚)「あいつは傷ついた体で最後の最後まで人類のために戦ってくれたんだ!」
  _
( ゚∀゚)「ドクオを殺した俺たちなんて……あんないい奴……」

( ^ω^)「そんな馬鹿な。ドクオが死んでたまるか!」

( ^ω^)「ドクオは生きている。きっと生きているんだ。」

( ^ω^)「遠い宇宙から俺たちの地球を見守ってくれるさ!」

( ^ω^)「そしてまた……元気な姿で帰ってくる!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

ξ゚⊿゚)ξ「なに辛気臭いこと言ってんだよお前ら!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうせドクオのことだ!『('A`)「あ、すんません。忘れ物したんで帰ってきました。」』」

ξ゚⊿゚)ξ「って感じに帰ってくるさ!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(,,-Д-)「……」

(,,゚Д゚)「あいつが命懸けで守ってくれたこの星をもっといい星にしないと!」

(,,゚Д゚)「あいつが命を懸けて守ってよかったって言える星に。」

爪'ー`)「そのためにも地球は我々人類の自らの手で守り抜かないとな。」

爪'ー`)「だから……」

爪'ー`)(だからいつでも帰ってこいよドクオ!)

637名無しさん:2019/03/09(土) 23:04:31 ID:A.YRKkos0
地球からはるか離れたV78星雲

|::━◎┥「本当、君らにはうんざりするよ。」

('A`)「……」

( ´∀`)「それで我々にはどんな処罰を?」

|::━◎┥「まずは馬鹿な真似をしてせっかくのメテオールを無駄にしたそこのドクトラセブン!」

|::━◎┥「お前は出世などはこの先一切なく、異動もない!一生地球とか言う未開な星でも守ってろ!」

('A`)「え?」

('A`)「本当にそれだけでいいんですか?」

<_プー゚)フ 「こいつマジ?」

<_プー゚)フ 「あんな未開の星の防衛なんて俺は一日だってやりたくないのに。」

<_プー゚)フ 「お前はマジで感覚がいかれてるだろ。」

|::━◎┥「まぁいい。こんな廃産物は一生未開なところに飛ばしておくに限る。」

|::━◎┥「わかったらさっさといけ!お前の顔はもう二度度見たくない!」

('A`)「しかし俺の体はもうボロボロで……」

|::━◎┥「は?」

|::━◎┥「テメーただの風邪ごときで仕事を休むって言うのか!!」

|::━◎┥「いい加減にしろよこの役立たず!!」

('A`)「風邪?」

|::━◎┥「テメーを診た医者がただの風邪だって言ってんだよ!!」

(;'A`)「ただの風邪だったんだ……」

|::━◎┥「だから早く失せろ!!」

('A`)「はい!喜んで地球に行ってきます!」

そういってV78星雲を飛び出していくドクトラセブン。

|::━◎┥「本当、ゴミの相手は疲れる……」

<_プー゚)フ 「まったくですね。」

638名無しさん:2019/03/09(土) 23:04:56 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥「そしてモナトラマン、お前にはまた戦場の最前線に復帰してもらう。」

|::━◎┥「古傷のせいで昔のように戦えなくてもやってもらうぞ!」

( ´∀`)「……」

( ´∀`)「わかりました。」

|::━◎┥(ククククク!昔ほどではないがあのモナトラマンだ)

|::━◎┥(今でも限定的とはいえトップクラスに近い実力を持つ)

|::━◎┥(メテオールが手に入らなかったが、タカラ星人がいなくなった今我々に敵対する勢力も減るだろう)

|::━◎┥(そこにモナトラマンも投入すればメテオールがなくとも……)

|::━◎┥「ククククク!」

|::━◎┥「時間をかければ結果は変わらんのだ!」

<_プー゚)フ 「当分はまだ忙しくなりそうですな。」

|::━◎┥「さぁ我らの野望のために戦うのだモナトラマン!」

( ´∀`)「了解です。」

( ´∀`)(本当、自分の欲望に正直な連中だな)

( ´∀`)(まぁ、地球が助かったのならよしとするか)

( ´∀`)(……)

( ´∀`)(さて、転職しよ)

639名無しさん:2019/03/09(土) 23:05:20 ID:A.YRKkos0
ヴィプトラ警備隊基地作戦室

爪'ー`)「ではかねてより計画があったヴィプトラホーク3号の開発計画だが、本格的に始動する。」

爪'ー`)「それにあたって隊員たちの要望が知りたいということだ。」

爪'ー`)「ヴィプトラホーク3号はこうして欲しいということはあるか?」

(,,゚Д゚)「そうですな、ヴィプトラホーク1号、2号が大型なので小回りの利く小型な戦闘機がいいですね。」

( ^ω^)「地底の調査ができるように地底戦車を搭載できるようにするのはどうですか?」

爪'ー`)「なるほど、いい案が出てきたな!他には?」

ξ゚⊿゚)ξ「マニュアルで操作するのばっかだからよ、オートマ限定の免許でも運転できるようにしろよ。」

(;゚Д゚)「それ車の免許の話しだろ!?」

(;^ω^)「ツンヌの運転はトラウマしかない。」

(;^ω^)「マジでヴィプトラホーク1号の運転をさせたときは死ぬかと思った」

(;^ω^)「まだ格納庫の段階でロケットエンジン点火するんだもん。」

(;^ω^)「丁度機体の外にいたら点火されて豚の丸焼きになるかと思った……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!そういえばそういうこともあったな!」

爪;'ー`)「うん……とりあえず簡単に操縦できる機体がいいと。」
  _
( ゚∀゚)「俺としては機体の先端部にドリルをつけたらいいと思うのですが。」

爪'ー`)「お前それ意味があると思ってるのか?」
  _
(;゚∀゚)「やはりそう言うスーパーメカはロマンを追求することも大切かと……」

(,,゚Д゚)「さすがにそれは無駄じゃないか?」

( ^ω^)「戦闘機にドリルがあったところでなぁ」
  _
(;゚∀゚)「くそー、ドクオならわかってくれたんだろうにな。」

ξ゚∀゚)ξ「バーカ!ロマンだとかくだらないもんいらないんだよ!」

('A`)「馬鹿言えツンヌ!ドリルは男の魂なんだぞ!必要に決まってる!」

640名無しさん:2019/03/09(土) 23:05:48 ID:A.YRKkos0
  _
( ゚∀゚)「やっぱドクオはわかってるな!」

('A`)「あたぼうよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「ドリルとかガキかよお前ら……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ん?」
  _
(;゚∀゚)「え?」

(;゚Д゚)「あぁ?」

(;^ω^)「おま……」

爪;'ー`)「ドクオ、お前どこからわいた?」

(;'A`)「あ、いえ、どうやらただの風邪だったらしくてお薬もらったらよくなりまして……」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「ハッハハハハ!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私が言った通りじゃん!」」

爪'ー`)「まったくお前というやつは。でもそれがお前だな!」

(;'∀`)「いやぁ、アハハ……」

Prrrr

('A`)「おっと!」

('A`)「はいこちらヴィプトラ警備隊!なに?ふむふむ!」

('A`)「隊長!宇宙人が現れたとの通報です!」

爪'ー`)「よし!ヴィプトラ警備隊出動だ!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」




どうやらドクトラセブンの戦いはまだまだ続くようです。



('A`)はドクトラセブンのようです

終わり

641名無しさん:2019/03/09(土) 23:12:07 ID:A.YRKkos0
以上を持ちまして ('A`)はドクトラセブンのようですは終わりとなります。
半年以上になりましたが、皆様に応援していただいて無事に最終回を迎えることができました。
本当にありがとうございました。

前作以上に誤字脱字が多かったですが、こんなにも多くのコメントなどいただけて感謝するばかりです。
これで自分の書きたかったものは全部書き切ったと思うのでこれからは読専に戻れます。
本当に皆様には感謝です。
ありがとうございました。

642名無しさん:2019/03/09(土) 23:55:52 ID:vN.pDLX.0

これを読んだら本家も見てもらいたくなるな

643名無しさん:2019/03/10(日) 00:05:05 ID:Ice4xzBU0
大縁談

644名無しさん:2019/03/10(日) 01:01:52 ID:fjnjYsOM0
大団円だろ
完結乙

645名無しさん:2019/03/10(日) 01:29:11 ID:zkTJ1Mtk0
乙、面白かった!

646名無しさん:2019/03/10(日) 04:01:05 ID:xn03IG9k0

凄く面白かった
いつかまた何か書いてください

647名無しさん:2019/03/10(日) 12:34:32 ID:9sDZtsGU0
お疲れ様です、楽しかった!

648名無しさん:2019/03/11(月) 17:47:20 ID:lgt6cYxQ0
ひたすらに乙!
G師匠といいハイメガ系女子といいドクトラセブンといい、スラッスラ読めて本当に面白かった!


次回作があればいつでも支援しにいくぞ!

649名無しさん:2019/04/22(月) 12:25:19 ID:BxrEnfHk0
最大の乙


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