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('A`)はドクトラセブンのようです

1名無しさん:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』

地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が

( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」

( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」

( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」

( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」

このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。

2名無しさん:2018/07/27(金) 13:30:36 ID:2b9l/F6s0
( ^Д^)「よーし、一般市民全員切り刻んでやるぞぅ!一応、一人でも生還されたら罰ゲームするから期待しないで待ってろよ。」

(;^Д^)「あ、こいつうめぇ。いや、チーターだなこいつ!」

(;^Д^)「一発も俺のチェーンソーがあたらねぇぇ!!」

(#^Д^)「うぜぇぇえぇ!」

(#^Д^)「ああああ!全員に逃げられたぁ!ゆるさねぇぞぉ!」

(#^Д^)「今いたやつら俺が地球侵略した暁にはひどい目に合わせてやるからな!覚えておけよ!!」

(#^Д^)「つーか、このゲームクソゲーだな。開発した連中も血祭りにあげてやる!」

( ^Д^)「ふう。」

( ^Д^)「しかたねぇ罰ゲームやってくか。」

( ^Д^)「まぁ実際に罰受けるのは俺じゃないんだけどなwww」

3名無しさん:2018/07/27(金) 13:31:01 ID:2b9l/F6s0
そう言って緑色の肌、黄色い唇、眉毛やまつげや髪の毛など一切生えていない以外ほとんど地球人と変わらない容姿のプギャー星人はタブレットを取り出した。
タブレットには地球以外の文字と世界地図が表示されていた。

( ^Д^)「ほいじゃ適当にここだ。」

地図に指が触れるとタブレットに表示される世界地図がどんどん拡大されていき、あるレストランの厨房が映し出された。
そこには今ちょうど完成されたであろうメインデッシュの肉料理が置かれていた。

( ^Д^)「お、高級レストランかな?三ツ星とかそんなレベルっぽいな!うまそうだ。」

そう言いながら腕をタブレットに突っ込み引き抜くと、その手には先ほどの肉料理が。

( ^Д^)「おら画面の前の猿ども。お前らが一年頑張って働いても食えないような料理だぞ。」

( ^Д^)「いただきまーす!」

( ^Д^)「ムシャムシャ!なんの肉かわかんねーけど、うめー!」

( ^Д^)「でもさっき昼めし食ったばっかだからもういらねえや。」

まだ半分ほど残っているのに料理をごみ箱に捨てる。

( ^Д^)「というわけで今日も君たち猿どもに無駄な労力と資源を使わせたぜ!」

( ^Д^)「こういう積み重ねが侵略には大切なんだぜ!」

( ^Д^)9m「それじゃあ画面の前の猿ども!チャンネル登録と高評価しとけよ!」

( ^Д^)「次の動画でまた会おう!!」

4名無しさん:2018/07/27(金) 13:31:27 ID:2b9l/F6s0
日本のはるか上空、一機の飛行物体があった。
我らが地球防衛軍『ヴィプトラ警備隊』が誇る超兵器ヴィプトラホーク1号だ。

全長:42m 全幅:20m 重量:74t 最高速度:マッハ4 乗員:6名
α号β号γ号の3つからなる大型戦闘攻撃機だ。空中で3機に分離・合体が可能で大気圏内外での飛行が可能。
主兵装はα号、β号、γ号共に対地、対空兼用のレーザーとミサイル。
その他オプションでロケットランチャー、特殊噴霧装置、投下式磁力吸着爆弾マグネチックセブンなどがある。

そして、そのヴィプトラホーク1号を操縦するのは――

(,,゚Д゚)

ギコ隊員
年齢25歳 隊歴3年
銃の腕はヴィプトラ警備隊で№1、運動神経抜群でなによりイケメン。

(,,゚Д゚)「ヴィプトラホーク1号より本部へ、ヴィプトラホーク1号より本部へ。」、

通信用のマイクを握りながらギコ隊員がしゃべる。

爪'ー`)「こちら本部、フォックスだ。」

所変わってヴィプトラ警備隊本部作戦室。
ギコ隊員の通信に出たのは――

5名無しさん:2018/07/27(金) 13:31:51 ID:2b9l/F6s0
爪'ー`)

キリヤマ・フォックス隊長
年齢52歳 隊歴34年
こわもての外見通り口うるさく厳しい隊長だ。

(,,゚Д゚)「現在V地点上空を飛行中異常なし。I地点を経由して基地へ戻ります。」

爪'ー`)「了解、気を付けて戻れよ。」

そう言って通信を切る。

6名無しさん:2018/07/27(金) 13:32:16 ID:2b9l/F6s0
爪'ー`)「今日も平和な一日になりそうだな。」

ξ゚⊿゚)ξ「隊長、コーヒー。」

ξ゚⊿゚)ξ

友里ツンヌ隊員
年齢…いやこりゃ失礼 隊歴1年
ヴィプトラ警備隊の紅一点。顔は世界トップクラスでかわいい。顔は。

爪'ー`)「ああ、すまないなツンヌ。だがさっき自分で淹れたコーヒーがあるから大丈夫だ。」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

爪'ー`)「どうした?」

ξ゚⊿゚)ξ「私の分のコーヒーは?って聞いてんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「なんで自分の分だけで済ませてんの。」

ξ゚⊿゚)ξ「本当、おっさんって気が利かないわね。」

爪;'ー`)「わ、わるかったな。直ぐ淹れるよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「おう。早く淹れろよ。」

7名無しさん:2018/07/27(金) 13:32:40 ID:2b9l/F6s0
ヴィプトラ警備隊本部内トレーニングルーム
一人の隊員がベンチプレスで重さ100キロをはげしく上下させていた。

( ^ω^)「フンフンフン!」

( ^ω^)

フルハシ・ブーン隊員
年齢33歳 隊歴11年
ヴィプトラ警備隊きっての怪力の持ち主だ。

( ^ω^)「ふう、いい汗かいた。」

( ^ω^)「そろそろ指令室に戻るかね。」

8名無しさん:2018/07/27(金) 13:33:07 ID:2b9l/F6s0
作戦室の自動ドアがウィーンと開くとギコ隊員が入って来た。

(,,゚Д゚)「パトロールから戻ってきました。」

爪'ー`)「うむ、ご苦労。」

( ^ω^)「しかし隊長、こう平和だと我々の存在意義が危ういのでは?」

爪'ー`)y‐「まあそう言うな。我々が忙しくしているより、暇しているほうが地球の人間にはいい。」
  _
( ゚∀゚)「そうは言っていられないようですよ、隊長。」
  _
( ゚∀゚)

ジョルジュ隊長
年齢29歳 隊歴9年
コンピューターや機械に強い。三度の飯よりおっぱい。 
  _
( ゚∀゚)「また例の奴が動画を挙げたようです。」

そう言ってジョルジュがリモコンをいじるとモニターに動画が流れる。

9名無しさん:2018/07/27(金) 13:33:35 ID:2b9l/F6s0
(#^Д^)「だぁー!クソ、やってらんねーこんなクソゲー!」

(#^Д^)「罰ゲームだ罰ゲーム。お前ら猿どもの!」

( ^Д^)「というわけでバーチャル〇ーチューバ―の素顔を暴いていきたいと思います。」

( ^Д^)「どいつにしよっかなー。よしこいつ、母者ってやつにするか。」

( ^Д^)「どうせこんなん本当の顔は醜いんだろ。」

いつも通りタブレットを取り出し画面を操作していく。

( ^Д^)「テメーら地球の猿どものコンピューターなんて文明って呼べるもんじゃないんだよ!」

( ^Д^)「住所特定もよゆー。よし見つけた。」

( ^Д^)「おらテメーらよく見ろ!これがバーチャル〇ーチューバ―母者の本当の顔だ!」

カメラ見向かってタブレットの映像を見せる。そこには60歳ほどだと思われるババアの姿が。
しかし、そもそもバーチャル〇ーチューバ―母者はアバターからリアルなババアを使っていたのでそんなに違いがなかったのであった。

(;^Д^)「え?」

(;^Д^)「ちょっと!?」

(*^Д^)「タイプかも。」

10名無しさん:2018/07/27(金) 13:34:00 ID:2b9l/F6s0
所詮異星人、地球人とは美に関する見方が違う。

(*^Д^)「デートしてぇ…」

そう言ったところで動画が終わる。

(;゚Д゚)「何か悍ましいものを見た気がするんだが…」

( ^ω^)「しかしこれで何個目だ?こいつの動画は?」
  _
( ゚∀゚)「この一か月ほどで百二十ほどだな。」

(,,゚Д゚)「一日4つ挙げてるペースか。」

( ^ω^)「隊長こいつほっといていいんですか?一応侵略者って謳っていますが。」

爪'ー`)「やっていることが結局のとこ迷惑〇ーチューバ―の上位互換でしかないからな。」
  _
( ゚∀゚)「レストランの料理盗んだり、出前頼んで配達した人を店までワープさせて料金の踏み倒し、個人情報の流失などですかね。」

爪'ー`)「今は警察が動いてる。上もいよいよ侵略めいたことをしない限り様子見だと言ってたしな。」

( ^ω^)「こうも堂々とやってるの見るとな。どうも挑発してきてるとしか。」

(,,゚Д゚)「暇ですし調査にでも行きますか、隊長?」

爪'ー`)「いくら暇だからと言って迷惑〇ーチューバ―を捕まえるのは我々の仕事ではないよ。」
  _
( ゚∀゚)「初投稿から炎上しながら話題を集めて現在チャンネル登録数10万人を突破、あまり放っておくのはどうかと。」

11名無しさん:2018/07/27(金) 13:34:24 ID:2b9l/F6s0
ξ゚⊿゚)ξ「なんかだいぶ煽られてるけど。」

スマホの動画を見ながらツンヌが言う。

ξ゚⊿゚)ξ「今、生放送の雑談でうちらのこと言ってるぞ。」

今度はツンヌがリモコンを操作してモニターから動画を流す。

( ^Д^)「だから言ってるだろ、猿が文明じみたことやっても所詮猿なんだって。」

( ^Д^)「ヴィプトラ警備隊だって結局俺にビビっちまってなんもしてこないし。」

( ^Д^)「つまるところ、猿による防衛隊だろ?恐れる必要がないね。」

( ^Д^)「特にあの隊長!昔の写真と今の写真比べて見てみろよ。」

( ^Д^)「だいぶハゲてきてんじゃんwww」

( ^Д^)「薄くなってるよ!潔く剃れよみっともないwww」

( ^Д^)「絶対あれ毎朝鏡の前でまだ大丈夫とか言ってんだぜwww」

( ^Д^)「部下も言ってやれよ髪のことwwwあと加齢臭もきついってwww」

ξ゚⊿゚)ξ「確かになwww」

爪#'ー`)「俺とジョルジュでヴィプトラホーク1号で上空から、ブーンとギコでヴィプンターで地上から捜索!ツンヌは基地で待機!」

爪#'ー`)「ヴィプトラ警備隊出動!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「ほーい。」

12名無しさん:2018/07/27(金) 13:34:49 ID:2b9l/F6s0
ヴィプンターとはヴィプトラ警備隊が誇る数々の特殊装備を内蔵した専用車だ。
全長:5.3m 全幅:1.9m 重量:1.8t 最高時速:365km(地上走行時)・80km(ホバー飛行時) 乗員:6名

基地は機密保持のために静岡県の富士山麓の地下数百メートルに建造されている。
その地形や自然を利用して厳重にカムフラージュされた基地内に3000人ほどの隊員が勤務しており、
作戦室、メディカルセンター、各隊員の個室、燃料室、動力室、各メカの格納庫に発進ゲート、超感度レーダー施設、来客用のホテルなど最新の設備と兵器を装備し、地下モノレールや専用のシークレットウェイも存在する。

ブーンが運転するヴィプンターが樹海近辺へとやってきた。

(,,゚Д゚)「かすかに識別不能な電波が出てるみたいだな。」

ヴィプンターの計器を見ながらギコ隊員が言う。

( ^ω^)「ここいらで降りて――?!」

突然ヴィプンターの前に人が飛び出してきた。

(#^ω^)「こら!どいたどいた!ヒッチハイクの相手をしている暇はないんだ!」

(#^ω^)「早くどかんかこいつ!」

(,,゚Д゚)「道を開けろ!我々の邪魔をしたいのか!?」

13名無しさん:2018/07/27(金) 13:35:37 ID:2b9l/F6s0
('A`)「はっはっは。邪魔なんてとんでもない。その逆ですよギコ隊員。」

(,,゚Д゚)「どうして俺の名前を?!」

('A`)9m「あなたがブーン隊員で防衛軍きっての怪力の持ち主ということも知ってますよ。」

ブーンを指さしながら言う。

( ^ω^)「我々に何か用でもあるのかい?」

('A`)「あなたたちの手助けをしようと、さっきからここで待っていたんですよ。」

('A`)「プギャー星人を探しているのでしょう、私なら場所がわかります。」

( ^ω^)「何を言っているんだ?馬鹿らしい。」

('A`)「闇雲に探してもこの樹海じゃ迷うだけですよ。」

14名無しさん:2018/07/27(金) 13:36:01 ID:2b9l/F6s0
(,,゚Д゚)(どうするブーン?)

( ^ω^)(一旦こいつの言う通りにするか)

(,,゚Д゚)(正気か?!)

( ^ω^)(なあにこのタイミングで出てくるんだもしかしたら奴の仲間かもしれない)

(,,゚Д゚)(なるほど、わざと敵の罠にかかりに行くのか)

( ^ω^)(必ず尻尾をつかんでやる)

( ^ω^)「よし、そこまで言うなら案内してもらおうか。」

('A`)「さあついてきなさい。」

( ^ω^)「ところで君は何者なんだ?」

('A`)「御覧の通りの風来坊ですよ。」

(,,゚Д゚)「名前は?」

('A`)「名前?そうですね、諸星ドクオとでも名乗っておきましょうか。」

ブーン隊員とギコ隊員はそのドクオと名乗る謎の男についていった。

('A`)(ふう、地球人というのは無駄に警戒心が高いな)

そうして三人は樹海の森の中に入っていった。

15名無しさん:2018/07/27(金) 13:36:28 ID:2b9l/F6s0
5分後

( ^ω^)「あとどれくらいで着きそうなんだ?」

('A`)「もうすぐですよ。」

('A`)(まったく地球人はこの程度の電波も感知できないのか)

('A`)(所詮未開の星だな)

15分後

( ^ω^)「なぁおい、まだか?」

(,,゚Д゚)「全然何も見当たらないのだが。」

(;'A`)「も、もうちょっとだから…」

(,,゚Д゚)(様子がおかしいようだが?)

( ^ω^)(警戒しておこう)

30分後

(#^ω^)「おい、貴様!いい加減に――」

(;A;)「ほ、本当にもうずこじだがらぁ…」

泣いているドクオを見て両隊員は今現在遭難していることに気づいた。

(;A;)(あれ?おかしいな)

(;A;)(こんなはずじゃなかったのに)

(;A;)((確かに怪電波はこっちから…)

16名無しさん:2018/07/27(金) 13:36:49 ID:2b9l/F6s0
一時間後

( ^ω^)「おらぁ!見たか、戻ってきたぞ!」

ブーンが持ち前のサバイバル技術を生かしてヴィプンターを停めたところまで戻ってきた。

(,,゚Д゚)「流石はブーンだぜ。」

( ^ω^)「樹海でのサバイバル訓練は何度もやってきたからな!」

('A`)「……。」

(,,゚Д゚)「ご協力ありがとう。君はもう帰――」

(,,゚Д゚)「!?」

その時ギコが気付いた。
ヴィプンターを停めた反対側の森の中に赤い建物のようなものがちらりと見えたのだ。

(,,゚Д゚)「ブーンあれは!」

( ^ω^)「行ってみよう。」

近くによってみるとそれは赤い円盤だった。

('∀`)「ほら言った通りあったろ!」

(;゚Д゚)(;^ω^)「こいつ!」

17名無しさん:2018/07/27(金) 13:37:14 ID:2b9l/F6s0
円盤はコンテナほどの大きさで入り口らしき扉とインターホンが見つかった。
ブーンがボタンを押す。

ピンポーン!

円盤の中から音がした。
さらに中から声が聞こえる。

「今生放送中なんだけど。誰だよこんな時に。」

( ^Д^)「どちら様?」

そう言いながらドアを開けるプギャー星人。

(;^Д^)「あ!」

( ^ω^)「やあやあ!」

(,,゚Д゚)「どうも初めましてお猿さんの防衛隊ですよ。」

直ぐさまドアを閉めるプギャー星人。

(#^ω^)「おらぁ!戸を開けんかい!」

(#゚Д゚)「せっかく会いに来てやったんだからお茶の一つくらい出さんかい!」

激しくドアをたたく二人。

(;^Д^)「本当、すみませんでした。許してください。」

(;^Д^)「遊びでやってました。地球を侵略する気なんて全くありません。」

(;^Д^)「だからゆるしてぇぇえ!」

( ^ω^)「ガキが調子に乗りやがって。」

(,,゚Д゚)「今ならボコボコにするだけで済ましてやる。」

18名無しさん:2018/07/27(金) 13:37:39 ID:2b9l/F6s0
突然円盤から煙が噴き出してきた。

(;^ω^)「なんだこりゃ!!」

( ^Д^)「馬鹿め、猿どもが!」

突然円盤が上昇して煙幕をまき散らしながら逃げていく。

(,,゚Д゚)「逃がさん。」

そう言うなりすぐさま腰の光線銃を取り出し狙撃する。
見事に円盤に命中して街へと落ちていく。

( ^ω^)「追いかけるぞ。」

ヴィプンターに乗り込み後を追う二人。
墜落と同時に巨大化するプギャー星人。街を破壊し始める。

('A`)「やれやれ、やっと俺の出番か。」

謎の男ドクオがついに動く。
そう彼は地球人ではなかったのだ。
彼は地球から遥か彼方、V78星雲のヴィプトラの戦士なのだ。
懐からレンズは黄色で赤いメガネのような物を取り出す。
ドクトラアイだ。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

19名無しさん:2018/07/27(金) 13:38:00 ID:2b9l/F6s0
一瞬にしてドクオだったものが我らが無敵のヒーロー、ドクトラセブンに変身したのだ。
身長40メートル、体重35,000トンまで巨大化するドクトラセブン。
掛け声とともに空に飛び立つ。

( ^ω^)「ヴィプンターから本部へ、ヴィプンターから本部へ。」

移動中に本部へ連絡を入れる。

( ^ω^)「本部、応答願います。本部!」

ξ゚⊿゚)ξ「うるさいわね!今チェーン・ソウ・デスマッチでいいとこまできてんのよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「で、なに?」

(;^ω^)「現在プギャー星人を発見して追跡中、町で暴れているもよう。」

ξ゚⊿゚)ξ「あっそう、頑張ってね。」

ガチャッ

(;^ω^)「……。」

(,,゚Д゚)「おい、あれ見ろブーン!」

空を指さす。
そこには銀の頭、赤い体のヒーローが飛んでいた。

( ^ω^)「なんだあれは!」

20名無しさん:2018/07/27(金) 13:38:29 ID:2b9l/F6s0
( ^Д^)「グオォォ!」

手当たり次第に建物や車を殴ったり蹴飛ばしている。
それはただ八つ当たりをしているようだった。
物を壊すことにいっぱいで飛んできているドクトラセブンに気づかない。
上空から飛び蹴りを放つドクトラセブン。

(;^Д^)「?!」

直前で気づくがもう遅い、防御すら間に合わない――
が、飛び蹴りはプギャー星人の少し上をかすめて外れた。
ビルに突っ込むドクトラセブン。

(;'A`)「デュワァ…。」

瓦礫からはい出しファイティングポーズをとる。
にらみ合う二人。
だが一向に手を出そうとしない両者。
実はこのドクトラセブン、まだヴィプトラ養成学校から卒業したばかりの新参者なのだ。
ヴィプトラ養成学校とはヴィプトラ戦士を育成する学校なのである。
1学年40名ほどで卒業と同時に配属先を言い渡され、そのまま旅立っていくのだ。
その中でドクトラセブンは落ちこぼれで、歴代でもないくらい最低得点を更新し続けた。
配属先の発表でも教官のモナトラマンが配属先を考えるのを忘れていたほどだ。

21名無しさん:2018/07/27(金) 13:38:53 ID:2b9l/F6s0
( ´∀`)「それでは卒業生の皆さん、初めての職場でも頑張ってください。」

( ´∀`)「ん?ドクトラセブン?」

(;´∀`)「やべ、忘れてた!」

(;´∀`)「えーと…」

( ´∀`)「!」

(;´∀`)「ち、地球とかどうかな?」

そんな感じで決まったのだ。
そして地球などほとんどのものが知らないくらいの知名度で、防衛する必要があるのか疑問視されるくらい未開の地とされていた。
無敵のヒーローとか言ったがホントはただのヘタレヒーローなのだ。

(;'A`)(あ、相手の出方を見るのが基本だったよな)

22名無しさん:2018/07/27(金) 13:39:15 ID:2b9l/F6s0
ひよって手が出ない。
だがそれはプギャー星人も同じだ。
彼の親は事業に成功して中々の金持ちであった。
それに甘んじて彼は働きもせずに悠々自適な生活をしていたが、いよいよ親に追い出された。
宇宙を彷徨ううちに、地球を見つけた。
その地球では自分と同じ働いてもいないのに動画を上げるだけで人からもてはやされる。
それなら自分でもできるかも――
そう思って自分でもやってみた。大反響だった。
たとえ炎上だとしてもそこでは自分が主人公になれたのだ。
レベルの低い文明でも自分をこんなにももてはやしてくれる。、最高じゃないか。
それが彼が動画を上げる理由だった。
正直、侵略なんて全く考えていない。
そういうスタンスでやっていたのだ。
だから今までの人生で喧嘩だとかはしたことがない。

(;^Д^)(ちくしょう、なんでヴィプトラの戦士が…)

(;^Д^)(こんなはずじゃなかったのに)

膠着状態が続く。
本当のところ、二人は似た者同士の異星人なのだ。
だがここにきてドクトラセブンが動いた。
プギャー星人にタックルをかます。
もみ合いになりゴロゴロと転がる。
上をとったのは――

( ^Д^)「ウオリャァ!」

マウントポジションを取ったプギャー星人がドクトラセブンの顔面目掛けて拳の雨を降らす。

23名無しさん:2018/07/27(金) 13:39:41 ID:2b9l/F6s0
(;'A`)「グゥゥ」

殴られ続けるドクトラセブン。
とっさに両手をピースサインにして額のビームランプにあてっる。
額のビームランプからドクリュウム光線が発射した。
プギャー星人の顔面にあたりのたうち回る。

(;^Д^)「ギャァァ」

距離をとり向かい合う二人。
両方とも腰が引けている。
また膠着状態が続きそうなその時だった。
  _
( ゚∀゚)「隊長いました!あそこです!」

爪#'ー`)「おっしゃぁ!全弾発射じゃぁ!」

ヴィプトラホーク1号からレーザーとロケット弾が雨あられと降り注ぐ。

(;^Д^)「あばばばば」

(;^Д^)「ぐえぇぇ!」

断末魔とともに爆発四散するプギャー星人。

24名無しさん:2018/07/27(金) 13:40:05 ID:2b9l/F6s0
爪#'ー`)「ざまあみろ、くそ小僧がぁ!」

爪#'ー`)「HAHAHAHA」
  _
(;゚∀゚)「隊長、もう一体なにかいますよ?」

爪'ー`)「俺は満足したからもう帰るぞ。」
  _
(;゚∀゚)「りょ、了解。」

満足気にヴィプトラホーク1号は帰っていった。

(;'A`)「……。」

('A`)「デュワ!」

一仕事終えて空へ飛び立つドクトラセブン。

25名無しさん:2018/07/27(金) 13:40:29 ID:2b9l/F6s0
( ^ω^)「いやー無事に事件解決ってとこかな。」

作戦室で椅子に座りながらブーンが言う。

(,,゚Д゚)「しかし、もう一体の巨人は何だったんだろ?」
  _
( ゚∀゚)「目下調査中だが、なんともね。」

雑談の最中、作戦室の自動ドアが開く。
隊長ともう一人見慣れた男が入ってきた。

爪'ー`)「みんな、紹介しよう。新しい我々の仲間だ。」

('A`)「どうも、諸星ドクオです。」

(,,゚Д゚)( ^ω^)「お前は!?」

(,,゚Д゚)( ^ω^)「正気ですか隊長?!」

爪'ー`)「仕方ないだろ求人に応募があったのはこいつだけなんだから。」
  _
( ゚∀゚)「いくら何でも採用していい人材かどうかは考えるべきでは?」

26名無しさん:2018/07/27(金) 13:40:49 ID:2b9l/F6s0
ξ゚⊿゚)ξ「おいおい、新人テメー!」

ξ゚⊿゚)ξ「鏡ってもん見たことあるか?」

(;'A`)「え?」

ξ゚⊿゚)ξ「その顔で地球人な分けねえだろうがよ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「正体を表せ!侵略者め!」
  _
(;゚∀゚)(;゚Д゚)(;^ω^)「ツンヌ、落ち着け…」

爪'ー`)「まあドクオ、うちはかなりのブラックだがよろしく頼むぞ。」

('A`)「よろしくお願いします!」

('A`)(やはり地球人はちょろいな、簡単に防衛隊に潜入できたぞ)

('A`)(ふふふ、見ていろ今まで俺を馬鹿にしていたやつらと地球人ども)

('A`)(これからは俺の時代だ)キリッ

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱりキメェ。」

こうしてドクトラセブンの戦いが始まった。

第一話『侵略〇―チューバ―』

終わり

27名無しさん:2018/07/27(金) 13:41:21 ID:Q880mm7U0
プギャーあっさり退場かおつおつ

28名無しさん:2018/07/27(金) 13:41:56 ID:2b9l/F6s0
今日の分は以上です。
ありがとうございました。

29名無しさん:2018/07/27(金) 15:24:06 ID:7iSqsHf20
ツンさん辛辣過ぎて草


30名無しさん:2018/07/27(金) 18:29:58 ID:dG9vBy/Q0


31名無しさん:2018/08/04(土) 00:01:46 ID:jCo0AwVk0
第二話『人間図書館』

「ねえねえ、知っってる?人間図書館って。」

「なにそれ?またオカルト話?」

(゚、゚トソン「本当、あんたヴィプトラ警備隊にいるのに何も知らないのね。」

ξ゚⊿゚)ξ「うちって物知りじゃなくても就職できるみたい。」

昼間のおしゃれなイタリアレストラン、二人の女性がいた。

(゚、゚トソン「宇宙人と戦うならいろんな知識持ってなきゃ。」

都村トソン、保育園から大学までツンヌと一緒の親友。
雑誌記者で現在はオカルト雑誌を担当している。

32名無しさん:2018/08/04(土) 00:02:23 ID:jCo0AwVk0
ξ゚⊿゚)ξ「そういうのはまじめに働いてるやつらが持ってるからいいの。」

パトロールと称して絶賛おさぼり中のツンヌ。
二人は週に何度か昼を一緒に食べている。時には息抜きも必要だ。

ξ゚⊿゚)ξ「で、なんなのそれ?」

(゚、゚トソン「国立VIP図書館の地下には秘密の部屋があってそこには世界中の偉人から凡人様々な人間の記憶が書物になっておいてあるんだって。」

ξ゚⊿゚)ξ「またそんな都市伝説、あんたほんとそんなの信じてるの?」

(゚、゚トソン「信じちゃいないけど、一応カルト雑誌の記者だからね。」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとそんなくだらないことを多忙なヴィプトラ警備隊に調査をお願いする気?」

(゚、゚トソン「ええそうよ。」

(゚、゚トソン「でも記事を書くためじゃない。」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(゚、゚トソン「人間図書館を記事にしようと調査していた私の先輩が数週間前から行方不明なの。」

ξ゚⊿゚)ξ「カルト記者が行方不明なんてよくあることじゃないの?」

(゚、゚トソン「よくあることよ。」

(゚、゚トソン「でもその先輩も友人が人間図書館について調べて行方不明になったから調査を始めたの。」

33名無しさん:2018/08/04(土) 00:02:50 ID:jCo0AwVk0
ξ゚⊿゚)ξ「ほう。」

(゚、゚トソン「私も少しだけ調べたけど人間図書館について調べた記者はかなりの数が行方不明みたい。」

ξ゚⊿゚)ξ「なるほど、それは何かありそうね。」

ξ゚⊿゚)ξ「でもそういうときこそ記者魂がって自分で調査するもんじゃない?」

(゚、゚トソン「わかってないわねツンヌ。私の見立てでは先輩達はもう生きてない。」

(゚、゚トソン「生きてこその人生よ。お金のために働いてるけど命を懸けて記事を書きたいとは思はないさ。」

(゚、゚トソン「危ない橋は他人に渡らせる。これが私のもっとう。」

ξ゚⊿゚)ξ「は、さすがはわが親友よ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あとは私たちヴィプトラ警備隊に任せなさい。」

そう言いながら経費で二人の昼代をだすツンヌ。

34名無しさん:2018/08/04(土) 00:03:14 ID:jCo0AwVk0
ξ゚⊿゚)ξ「って話が昼間あったわけよ。」
  _
(;゚∀゚)(;゚Д゚)(;^ω^)(;'A`)爪;'ー`)「……。」

(;'A`)「え、なに?堂々とさぼってたこと話し出したよこの人。」

(;'A`)「というか昼飯代を経費ですますとかありなん?」

(;゚Д゚)「あれ?自主的にパトロール行ったと思ったらおさぼりですかい?」

ξ゚⊿゚)ξ「何言ってんのあんたたち。重要なのはそこじゃないでしょ。」

( ^ω^)「バカバカしい。我々ヴィプトラ警備隊を何だと思っているんだ。」

( ^ω^)「そんな都市伝説を調べるのなんて暇人にさせておけばいい。」
  _
( ゚∀゚)「でもその都市伝説はネットでも有名だな。」

(,,゚Д゚)「なんだジョルジュ知っているのか?」
  _
( ゚∀゚)「ああ、確かこんな話だった。」

35名無しさん:2018/08/04(土) 00:03:38 ID:jCo0AwVk0
長年、国立VIP図書館に努めていたA子はもうすぐ定年退職だ。
昔のことをしみじみ思い返しながら仕事をしているとB美のことを思い出した。
自分が就職した当初いた定年まじかの先輩だ。退職前に行方不明になったB美だ。
B美曰はくこの図書館の地下倉庫には隠し通路がありそこから秘密の部屋に行けるのだとか。
その部屋には大量の本があり、一冊一冊に一人の人間が生まれてから死ぬまでの記憶が書かれているそうだ。
バカバカしいと思って忘れていたが、今になって思いだした。
実際そんな隠し通路なんて見たことない。
だが最後にもう一度探してみるか。そう思い地下の倉庫を探してみる。
やはりいくら探しても隠し通路なんて見つからない。
仕事に戻ろう、そう思い倉庫のドアに手を伸ばすと入り口近くの壁が少しはがれているのが見えた。
近寄って見てみるとはがれているところには穴が開いているようだった。
この壁の向こうは通路なのだが何やら違う風景が見えた。
好奇心から壁をさらにはがしてその穴の中に入る。
驚くべき光景だった。
中には広くきれいな空間が、そして大量の本棚と本。
タイトルはいろいろな言語で書かれていた。その中で日本語の本もあった。
織田信長、武田信玄、宮本武蔵、福沢諭吉、様々な偉人の名前が…
その中で一つ気になるものがあった。
B美の名前が書いたタイトルの本があったのだ。
恐る恐る手に取って読んでみる。
最初のほうはすべて擬音ばかりで文章呼べる物ではなかった。
なんなのこれ。そう言いながら真ん中のほうまで読み飛ばす。
そこには何をどうした、どう思った、など日記のようのものであった。
読んでいても面白くなかったので最後のほうを読んでみる。

36名無しさん:2018/08/04(土) 00:04:01 ID:jCo0AwVk0
長年、国立VIP図書館に努めていたB美はもうすぐ定年退職だ。
昔のことをしみじみ思い返しながら仕事をしているとC子のことを思い出した。
自分が就職した当初いた定年まじかの先輩だ。退職前に行方不明になったC子だ。
C子曰はくこの図書館の地下倉庫には隠し通路がありそこから秘密の部屋に行けるのだとか。
その部屋には大量の本があり、一冊一冊に一人の人間が生まれてから死ぬまでの記憶が書かれているそうだ。
バカバカしいと思って忘れていたが、今になって思いだした。
実際そんな隠し通路なんて見たことない。
だが最後にもう一度探してみるか。そう思い地下の倉庫を探してみる。
やはりいくら探しても隠し通路なんて見つからない。
仕事に戻ろう、そう思い倉庫のドアに手を伸ばすと入り口近くの壁が少しはがれているのが見えた。
近寄って見てみるとはがれているところには穴が開いているようだった。
この壁の向こうは通路なのだが何やら違う風景が見えた。
好奇心から壁をさらにはがしてその穴の中に入る。
驚くべき光景だった。
中には広くきれいな空間が、そして大量の本棚と本。
タイトルはいろいろな言語で書かれていた。その中で日本語の本もあった。
織田信長、武田信玄、宮本武蔵、福沢諭吉、様々な偉人の名前が…
その中で一つ気になるものがあった。
C子の名前が書いたタイトルの本があったのだ。
恐る恐る手に取って読んでみる。
最初のほうはすべて擬音ばかりで文章呼べる物ではなかった。
なんなのこれ。そう言いながら真ん中のほうまで読み飛ばす。
そこには何をどうした、どう思った、など日記のようのものであった。
読んでいても面白くなかったので最後のほうを読んでみる。

37名無しさん:2018/08/04(土) 00:04:23 ID:jCo0AwVk0
A子は驚いて読むのを止める。
今自分と同じことをB美はしていたのだ。
深呼吸をしてから先を読み進めようとした時だった。
後ろから誰かが近づいてくる音が。
慌てて振り返るA子。

「おやおや、どちら様かな」

A子の悲鳴が地下に響き渡る。
その後A子を見た者はいない。

(;'A`)「は…はは…そんな話…」

ξ゚⊿゚)ξ「へー、そんな話だったんだ。」

( ^ω^)「まったくもってくだらないねそんな作り話。」

(;'A`)「そ、そうだよな作り話だよな。」

ドクオが腰を抜かしながら言う。

( ^ω^)「当たり前だろ!主人公が行方不明なら誰がそんな話広められるんだ。」

('A`)「そりゃそうだ。なんだ作り話かよ焦った。」

38名無しさん:2018/08/04(土) 00:04:53 ID:jCo0AwVk0
( ^ω^)「いい大人がそんな話信じてどうするんだ。ねぇ隊長。」

爪'ー`)「まったくもってその通りだな。」

爪'ー`)「だが、だぞブーン。侵略者はどんな方法で地球を侵略するかわかったもんじゃない。」

爪'ー`)「すでに数名行方不明が出ている以上何らかの事件に巻き込まれたとみるべきだ。」

(;^ω^)「まじですか隊長?!」

爪'ー`)「調査して何もなければそれでよし。」

爪'ー`)「ギコ、ドクオ調査にあたってくれ。」

(,,゚Д゚)('A`)「了解!」

ヴィプンターで国立VIP図書館に向かう。
図書館内をくまなく捜査するが何も見つからない。
受付にも人間図書館について聞いてみる。

受付「その話は私も入った当初聞きましたよ。」

受付「でもその話はネットで小さいころから知ってましたし。」

(,,゚Д゚)「……。」

('A`)「ということはあの話は嘘ってことかな。」

39名無しさん:2018/08/04(土) 00:05:22 ID:jCo0AwVk0
受付「まさかその話信じてたんですか?」

(#'A`)「ば、馬鹿なことを言うな君!そんなウソ話で誰がビビるか!」

そう言うドクオの足は震えていた。

('A`)「ドクオから本部へ、ドクオから本部へ。」

腕についている通信機を使い本部へ連絡する。

爪'ー`)「こちらフォックスだ。」

('A`)「調べましたが秘密の通路もなにもありませんよ隊長。」

('A`)「やはり所詮は都市伝説、暇人の書いた嘘ですよ。」

爪'ー`)「そうかご苦労、もう調査は終了でよさそうだな。」

('A`)「今時そんなオカルト話信じる奴の気が知れませんね。」

爪'ー`)「そう言うな、我々はいつも万が一に備えて行動せねばならんのだぞ。」

('A`)「そうですね隊長。」

適当な返事をして通信を切る。

40名無しさん:2018/08/04(土) 00:05:45 ID:jCo0AwVk0
('A`)「いやーしょうもない仕事だったなギコ。」

(,,゚Д゚)「……。」

('A`)「どうしたギコ?考え事か?」

(,,゚Д゚)「いや、少し引っかかることが。」

('A`)「さっさと基地へ帰ろうぜ。」

ヴィプンターが停めてある場所へ向かう途中、駐車場整理のじいさんと出会った。

じいさん「いつもお仕事ご苦労様です。」

(,,゚Д゚)「どうもありがとうございます。」

挨拶を返すとそのじいさんは暇なのか無駄話を続けてくる。

('A`)「そうなんすか。」

('A`)「すごいっすね。」

('A`)「へーマジっすか。」

適当に返事をするドクオ。

41名無しさん:2018/08/04(土) 00:06:07 ID:jCo0AwVk0
何やらこのじいさん少し前までこの図書館で働いていて定年退職して今はバイトで駐車場整理をしているようだ。

(,,゚Д゚)「じいさん人間図書館について何か知ってないか?」

('A`)「調査終わったんだからもういいんじゃないかギコ?」

じいさん「ああ、わしもここに勤め始めた当初先輩からその話は聞いたよ。」

(,,゚Д゚)「今までに行方不明になった従業員はいましたか?」

じいさん「わしにその話をしてくれた先輩が定年前に居なくなったかな。」

じいさん「ほかにも数人程度。でも十数年前は建物を移してからは一切なくなったよ。」

(,,゚Д゚)「やはりな。」

('A`)「おいおいどうしたってんだよ。」

(,,゚Д゚)「さっきの受付の人もこのじいさんも先輩から人間図書館について聞いてきている。」

('A`)「まさか都市伝説を信じてるのか?何もなかったじゃないか。」

(,,゚Д゚)「受付の人もネットで話自体は知っていたが実際に先輩からも話を聞いてる。」

(,,゚Д゚)「わざわざ新人にそんなくだらない話をするか?」

42名無しさん:2018/08/04(土) 00:06:29 ID:jCo0AwVk0
('A`)「冗談で話したかもしれないだろ、もうしまいにして帰ろうぜ。」

(,,゚Д゚)「その線もあるだろうな。だが、じいさんが勤め始めたのは何十年も前だろう。その頃からあの話があるということは可能性が高い。」

('A`)(なんで地球の社畜どもはこう仕事を増やそうとするのかね)

(,,゚Д゚)「じいさん、昔の図書館があった場所ってどこらへんにある?」

じいさん「今は更地になっとるがあそこらへんだのう。」

そういって指をさした方向に向かう。
更地になっているところを入念に調べるギコ。

('A`)「どうせ何も見つからないよ。早く基地で茶菓子でも食べながらゆっくりしようぜ。」

(,,゚Д゚)「待て!ここをよく見て見ろ。」

一か所地面が掘り返された跡があった。
急いで地面を掘ると部屋の後のような空間がある。
下りて調べてみるとどうやらあの話の地下倉庫のようだった。
そして話の通りドアの近くの壁には穴が開いてありそこからかすかに光が見えた。

43名無しさん:2018/08/04(土) 00:06:56 ID:jCo0AwVk0
(;'A`)「嘘だろ!」

(,,゚Д゚)「どうやら本当だったらしいな。中を調べてみよう。」

銃を構えながら恐る恐る中に入る二人。
あの話の通り中には広くきれいな空間が、そして大量の本棚と本がある。

(,,゚Д゚)(本当に世界中の偉人の名前が書いてある…)

(;'A`)「もういいんじゃないかな、実際に人間図書館はありました以上。で。」

ドクオが足を震わせ弱音を吐いている時だった。

「まいったな。ついにヴィプトラ警備隊にもここがばれたか。」

慌てて二人が声のする方へ体を向けたが遅かった。
謎の怪光線を体に受けてしまい意識を失う二人。

(-A-)「ぅ…」

('A-)「ん?」

('A`)「は!」

どれほど時間がたったかわからないが意識を取り戻したドクオ。
そばにはまだギコが倒れている。

44名無しさん:2018/08/04(土) 00:07:20 ID:jCo0AwVk0
「お目覚めかねドクオ隊員。」

(;'A`)「誰だ貴様は!」

 /^o^\「私はフッジサーン星人。」

そう言う彼は頭がまさに富士山のような形であった。

(;'A`)「貴様ここで何をしている。」

(;'A`)「早く降伏しろ!さもないとひどい目に合わせるぞ!」

腰が引けながらドクオが吠える。

 /^o^\「そう慌てなさんな、私は地球を侵略しに来たわけじゃないんだ。」

 /^o^\「ただ趣味の読書をするためにこの星に来たんだよ。」

('A`)「読書だと?一連の行方不明はお前の仕業だろ、よくそんなことが言えるな。」

 /^o^\「やれやれ君は落ち着きという言葉を知らないのか?」

 /^o^\「なぜ君が今死なずにいるのかをよく考えてくれ。」

 /^o^\「私のマシンを使えば生きている人間ですら本にできるのだよ。人間だけじゃない宇宙人でもね。」

(;'A`)「!?」

(;'A`)(こいつ俺の正体に気づいて…)

45名無しさん:2018/08/04(土) 00:07:42 ID:jCo0AwVk0
 /^o^\「正直、倒れている彼の方がそうだと思っていたが、不細工な君の方だったとはね。」

(#'A`)「顔は関係ないだろてめぇ!」

不細工な顔がさらに不細工になりながら怒る。

 /^o^\「本題に入ろう。取引をしないか?」

('A`)「取引だと?」

 /^o^\「さっきも言ったが私は地中を侵略する気はない。ただこうして年に何人か人間を本にできればそれでいいんだ。」

 /^o^\「やはりどんなフィクションより現実の話は面白い。地球人たちは実にいい本になってくれるよ。」

 /^o^\「君はそれを見て見ぬふりをしていればいい、そうすれば私が君の地球防衛の仕事を手伝おう。」

('A`)「何を勝手なことを言っているんだ貴様!」

 /^o^\「この宇宙は情報戦が一番大事だぞ。人間に化けて調査するより私が宇宙の最新機器を使った方が手っ取り早いだろう。」

(;'A`)「ぐ…」

 /^o^\「早く仕事での実績を手に入れてこんな未開な星から出たいとは思わないか?」

('A`)(確かにこいつの言う通りだ)

46名無しさん:2018/08/04(土) 00:08:09 ID:jCo0AwVk0
('A`)(未開の文明よりも最先端の宇宙の技術を使った方が手っ取り早い)

('A`)(なによりヴィプトラの戦士で優秀なこの俺がいつまでもこんな田舎の惑星でくすぶっているわけにはいかない)

 /^o^\「ギブアンドテイクはどこの星でも大切だと私は思うなぁ。」

('A`)(多少地球人が犠牲になったところでコラテラルダメージだと思えば悪くない)

('A`)「確かにそうかもな。」

 /^o^\「よかった君が話のわかるやつで。」

 /^o^\「流石の私もV78星雲の連中と争う気はないよ。」

('A`)「だが忘れなるよ、主導権は俺にあるんだ。」

('A`)「俺がその気になれば貴様なんぞあっという間にボコボコにしてやるからな。」

 /^o^\「……。」

 /^o^\「まあいい、そうと決まれば早くギコ隊員を連れて基地に連絡を入れてくれ。」

('A`)「?」

 /^o^\「君たちと連絡が取れずにいたせいでヴィプトラ警備隊がここに向かっていいるようだ。」

そう言ってフッジサーン星人はモニターを指さすとそこにはヴィプトラホーク1号が飛んでいた。
どうやらかなりの時間気絶していたらしい。

47名無しさん:2018/08/04(土) 00:08:33 ID:jCo0AwVk0
('A`)「まったく、地球人はどうも無駄に仕事が好きらしい。」

 /^o^\「君たちに撃った光線は並の地球人では一日起きないようなものだから何とかごまかしてくれよ。」

('A`)「仕方ない。これは貸し一つだぞ。」

ギコを担ぎ上げてその場を後にしようとするドクオ。

 /^o^\「では今後ともよろしく頼むよ、ヴィプトラ弱君。」

(;'A`)「え?」

 /;^o^\「おや違ったかな?こんな辺鄙な星に配属になっったから今年の新人で評価の低かったヴィプトラ弱だと思ったが…。」

 /;^o^\「では○○君か?それとも××?」

ドクトラセブンの同級生の名前を片っ端から言うがドクトラセブンの名前が上がらない。

 /;^o^\「そう言えば今年のヴィプトラの戦士で歴史上かつてないくらいのヘタレがいるって聞いたな。」

 /;^o^\「確かドクトラセブン…。」

(;'A`)「ギギギ…」

 /^o^\「……。」

突然フッジサーン星人の目の色が変わった。
異変を察知したドクオはギコをその場におろし、距離をとるとドクトラアイを取り出す。

48名無しさん:2018/08/04(土) 00:09:00 ID:jCo0AwVk0
∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

すぐさまドクトラセブンに変身した。
だが、ドクトラセブンがファイティングポーズをとるより先にフッジサーン星人が手をかざすと、透明なガラスの容器がドクトラセブンに落ちてきた。

(;'A`)「な!」

一瞬で閉じ込められてしまった。

 /^o^\「それは生物を本に変える装置だよ。」

(;'A`)「何をするここから出せ!」

必死に装置をたたくがびくともしない。

 /^o^\「それは中からじゃどんなことをしても壊れない。外からなら簡単なのにね。」

ニヤリと笑いながら装置に近づく。

(;'A`)「ギブアンドテイクはどうした?!」

49名無しさん:2018/08/04(土) 00:09:22 ID:jCo0AwVk0
 /^o^\「私が怖いのはヴィプトラ警備隊でもドクトラセブン、君でもない。」

 /^o^\「ヴィプトラの戦士だよ。」

 /^o^\「もし君がヴィプトラの戦士としてそこそこの人物なら君から連絡が途絶えれば応援が来るだろう。それが私の恐れていることだ。」

 /^o^\「だが君のようなクソザコなら音信不通になって助けが来るか?」

(;'A`)「?!」

 /^o^\「来ないだろうね。未開の惑星で不良債権が消息を絶ったとなれば喜んで放置するだろう。」

 /^o^\「これはいいものを手に入れた。落ちこぼれの戦士は未開の土地でどんな心境で最期を迎えるのだろうか?」

 /^o^\「いい本になりそうだな。」

(;'A`)「やめろぉ!だしてくれぇ!出してくれよぉ!!」

必死に泣き叫ぶ。

 /^o^\「最後にもっと地獄を見せてやる。」

フッジサーン星人がモニターのヴィプトラホーク1号に向かって目から怪光線を発射する。
すると飛んでいたヴィプトラホーク1号が空中で停止した。

 /^o^\「これから彼らをゆっくり始末するよ。」

 /^o^\「それを見てしっかり絶望していい本になってくれよ。」

そう言い残し、姿を消すフッジサーン星人。

(;A;)「いやだぁぁあ!しにだぐないぃ!」

人間図書館ではドクトラセブンの悲痛な叫びがこだました。

50名無しさん:2018/08/04(土) 00:09:44 ID:jCo0AwVk0
(;゚∀゚)「隊長やはりだめです!何をやっても動きません!」

ヴィプトラホーク1号の機械をいじっていたジョルジュが叫ぶ。

(;^ω^)「脱出装置も動きません。」

爪;'ー`)「まずいこのままだと全滅するぞ!」

すでに機内はパニックとなっていた。

ξ゚⊿゚)ξ「おいおいあれ見ろよ。でかいのが歩いてくるぞ。」

巨大化したフッジサーン星人がゆっくりと確実に歩いて向かってきていた。
その顔は満面の笑みだった。

ξ゚⊿゚)ξ「また気持ち悪い奴が出てきたのぉ。」

爪;'ー`)「のんきなこと言ってる場合か!とりあえずレーザーで攻撃だ。」
  _
(;゚∀゚)「だめです、攻撃も出来ません。」

爪;'ー`)「万事休すか…。」

51名無しさん:2018/08/04(土) 00:10:10 ID:jCo0AwVk0
(;A;)「あああああああ!」

ドクトラセブンが泣き叫んでいる時だった。

(,,-Д-)「う…」

(;A;)「!?」

(,,゚Д゚)「はッ!」

(;A;)「ギコ、ここから出してくれぇ!」

(,,゚Д゚)「お前はあの時の巨人じゃないか!」

(,,゚Д゚)「なんでまたこんな人間サイズに?」

(;A;)「ばやくだじてぇ!!」

驚き戸惑いながら装置か救出する。

(;A;)「ありがとうだずかったあ。」

(,,゚Д-)「うっ…」

よろよろと膝をつくギコ。
並の人間ならまだ意識がないが、鍛えているギコだから目を覚ますことができたのだ。
だがそれでもまだダメージが抜けていない。

52名無しさん:2018/08/04(土) 00:10:35 ID:jCo0AwVk0
(,,゚Д-)「いったい何があったんだ?」

(,,゚Д゚)「そうだドクオ!ドクオはどこだ?!」

よろけながら必死にあたりを探す。

(,,゚Д゚)「なあ、あんたドクオを見なかったか?不細工で頼りなさそうな奴なんだが。」

(;'A`)「…。」

(,,゚Д-)「そうか知らないか…」

(,,゚Д゚)「待ってろドクオ必ず見つけてやるからな…」

(,,-Д゚)「不細工で性格もクズだけどよぅ……大切な仲間だからな。」

息も絶え絶えにまたあたりを探し始めた。

(;'A`)「…。」

急いで外に飛び出すドクトラセブン。
巨大化して空に飛び立つが、ヴィプトラホーク1号の方ではなくただひたすら上昇する。
あっという間に大気圏外に出る。

53名無しさん:2018/08/04(土) 00:11:03 ID:jCo0AwVk0
('A`)(もうV78星雲に帰ろう)

('A`)(俺にはヴィプトラの戦士なんて無理だったんだ)

(;A;)(戦うことがこんなにも怖いことだったなんて)

ドクトラセブンの心はすでに折れていた。
今までも散々お前には無理だと言われて、周りからはいじめられていた。
友と呼べるものは一人もいなかった。
それでもヒーローになりたかったのだ。
必死に頑張ったつもりだがこのざまだった。

('A`)(今のご時世仕事なんて腐るほどあるだろう)

そう考えながらV78星雲に進路をとろうとしたとき思い出す。

『(,,-Д゚)「不細工で性格もクズだけどよぅ……大切な仲間だからな。」』

('A`)(……)

仲間なんて言われたのは生まれて初めてであった。

('A`)(俺が行ったところで何も変わらんさ)

('A`)(それにあいつらどうせ俺の名前ですら知らないだろうしな)

('A`)(でも……)

54名無しさん:2018/08/04(土) 00:11:29 ID:jCo0AwVk0
  _
(;゚∀゚)「もうだめだぁ…」

爪#'ー`)「ただでは死なん!全員武器をとれ!最後まで戦うぞ!」

もうフッジサーン星人が数百メートルまで迫っていた。

ξ゚⊿゚)ξ「やべーまだレンタルDVD返してなかった。まだ終わらんのか隊長!」

爪;'ー`)「君は本当にマイペースだね。」

そんな時ブーンが叫ぶ。

( ^ω^)「なんだあれは?!」

はるか上空を指差す。
なにかか大きな物が落ちてきている?
人の形をしているようだ。
  _
( ゚∀゚)「新手か?」

爪'ー`)「いや、見たことがあるぞ!」

( ^ω^)「えぇっと、あいつなんて名前だっけ?」

ξ゚⊿゚)ξ「次なに借りようかな。」

55名無しさん:2018/08/04(土) 00:11:53 ID:jCo0AwVk0
落下物の正体は我らがヒーロー、ドクトラセブンだ。
心が折れても何度でも立ち上がる。それがヒーローだ。
フッジサーン星人めがけて一直線。

 /^o^\「さてどう料理してあげましょうかね!」

勝利を確信している彼に警戒という文字は無かった。
ヴィプトラホーク1号の隊員をどうやって拷問していくか考えることでいっぱいだったのだ。
集中を欠いた、もう敵はいないと油断した、この後読む本のことで浮かれていた、完全なる慢心だ。

頭から降下しているドクトラセブンはしっかりと目でフッジサーン星人をとらえている。
手をクロスし頭の前に突き出す。

 /^o^\「ん?」

気づいた時にはもう遅い。
脳天にドクトラセブン渾身の体当たりが決まる。

 /;^o^\「うぎゃぁぁあぁ!」

悲鳴をあげ、頭を抱えて転がり込む。

('A`)「デュワ!」

さっそうと立ち上がり構える。

56名無しさん:2018/08/04(土) 00:12:16 ID:jCo0AwVk0
 /;^o^\「おぉおぉぉ!」

よろけながら立ち上がるが予想外の攻撃で大ダメージを受けているのを見逃さない。

('A`)「ダァアァァ!」

思い切りジャンプしてフッジサーン星人に肩車のような形で乗っかる。
両足でしっかり両脇をロックすると隙だらけの脳天に肘鉄を何度も振り落とす。
ストームエルボーだ。

(*'A`)「デュワ!デュワ!」

ちょっと得意げになってきた。

 /;^o^\「ぎいぃぃ!」

意識が朦朧としているフッジサーン星人も決死の反撃に出た。
体中に電流を流す。

(;'A`)「グゥゥ…」

背中から地面に落下して転げまわるドクトラセブン。
そんな様子をぼやけてだがしっかり目でとらえるフッジサーン星人。
一撃で再起不能寸前まで追い込まっれるが、何とか片膝たちになる。
そんなドクトラセブンによろよろと近寄ってくるフッジサーン星人。

57名無しさん:2018/08/04(土) 00:12:39 ID:jCo0AwVk0
(;'A`)「く、くるなぁー!」

後ずさりしながら地面に落ちている手のひらサイズの岩を苦し紛れに投げつける。
だがそんな物が当たったところでダメージにもならない。

(;'A`)「ひぃぃぃ」

一瞬にして形勢逆転してしまった。
そもそも不意打ちが成功したから戦闘で優位に立てただけだったのだ。
まともに戦っていたらそもそも戦いにすらならない。
組み付かれたら最後勝ち目はない。

 /#^o^\

怒りの表情で近づく。
だが彼も頭のダメージが相当で派手な光線技も出せないでいる。
現にさっきの電流も彼の技の中で一番弱い。それも普段の10%程度の出力だ。
あとは組み付いて殴り倒す。
そう思いゆっくり近づく。

(;'A`)「たしゅけてぇぇ!」

58名無しさん:2018/08/04(土) 00:13:03 ID:jCo0AwVk0
無我夢中で周りのものを投げつけた。
無意識に自分の頭についてるアイス・ラッガーも投げていた。
格下が格上に唯一勝つ手段、切断技。
狙いもつけないで投げたそれは運よくフッジサーン星人の首にあたる。

スパンッ

(;'A`)「!?」

ボトッ

フッジサーン星人の首が落ちると大量の血がっ噴き出す。
一歩半ほど進むとその体は崩れ落ちた。

(;'A`)「はぁはぁ…」

よくわからないが勝利した。
よろめきながら立ち上がる。

('A`)「デュワ!」キリッ

決め顔をしながら空に旅立つ。

59名無しさん:2018/08/04(土) 00:13:38 ID:jCo0AwVk0
( ^ω^)「本当、今回は死ぬかと思ったぜ。」

作戦室でコーヒーを飲みながらブーンが言う。

(,,゚Д゚)「全員無事でよかったよ。」

('A`)「しかし、今回は彼のおかげでしたね。」
  _
( ゚∀゚)「彼は我々に好意的な存在だと思いますが、どうです隊長?」

爪'ー`)「ああ。俺は彼を我々地球人の仲間だと迎え入れようと思う。」

('A`)(よしきた!)

('A`)「そうなってくると彼にも立派な名前が必要では?」

爪'ー`)「誰かいい名前を考えてくれ。」

('A`)「どうです、ドクトラsξ゚⊿゚)ξ「ヘタレンダーZ。」

(;'A`)「?!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうよヘタレンダーZで。」

爪'ー`)「いいんじゃないそれで。」

爪'ー`)(正直名称なんてなんでもいいよ)

60名無しさん:2018/08/04(土) 00:14:01 ID:jCo0AwVk0
  _
( ゚∀゚)「ヘタレンダーZかぁ、それでデータベースに登録しておきますね。」

(;'A`)「いや、ドクトラセブンですよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?何それセンスなさすぎでしょ。」

( ^ω^)「そんなもめることじゃないだろ。俺もヘタレンダーZに一票。」

(;'A`)「みんな待ってくれよ!ドクトラセブンがいいに決まってるだろ!」

(;'A`)「なあギコ!」

(,,゚Д゚)「未確認生命体マーク2なんてどうだ!」

ξ゚⊿゚)ξ「4・1・1で私の案で決まりのようだな。」

(;'A`)「やめてくれそんな変な名前!」

ξ#゚⊿゚)ξ「黙れ!この国は民主主義国家だぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「少数派に居場所はねぇんだよ!」

(;'A`)「ドクトラセブン!!」

ξ゚⊿゚)ξ「ヘタレンダーZ!!」

(;A;)「ドグドラゼビュンン!!」

この後ドクオが大泣きしたので何とかドクトラセブンに決まった。

第二話『人間図書館』

終わり

61名無しさん:2018/08/04(土) 00:15:17 ID:jCo0AwVk0
今回は以上です。
ありがとうございました。

62名無しさん:2018/08/04(土) 01:25:42 ID:mzhIidP20
ツンがクズ過ぎる

63名無しさん:2018/08/04(土) 04:14:56 ID:lFjMeiXM0
ツンwwwwwwwwwwwwwwwギコにならケツ掘られてもいい

64名無しさん:2018/08/04(土) 08:53:43 ID:Th9AQbUU0
クソワロタwww
乙!

65名無しさん:2018/08/05(日) 00:30:43 ID:srp.ho2I0
おつ
ドックンかわいいな

66名無しさん:2018/08/10(金) 17:19:27 ID:2KVRA2XU0
第三話『笑い村』

爪'ー`)「さて諸君、新しい仕事ができたぞ。」

長官に呼び出された隊長が作戦室に戻ってくるなり口を開いた。

( ^ω^)「何か事件でもあったんですか?」

コーヒーを一口飲みながらブーンが返す。

爪'ー`)「ああ、現在ある村で連続して家畜が何者かに襲われている。」

('A`)「どうせ野生動物に襲われたんでしょそんなもん。」

ドクオがめんどくさそうに言う。

爪'ー`)「まあ待てドクオ、話は最後まで聞くもんだぞ。」

爪'ー`)「犠牲になった家畜はみなロケット弾でも撃ち込まれたんじゃないかと思うくらい原形をとどめていない。」

(;'A`)「!」

爪'ー`)「警察が調べたところ、犯人は道具を使わずに素手で行ったと思われる。」

爪'ー`)「また、死骸には人間の歯の跡が数か所残っていたそうだ。」

67名無しさん:2018/08/10(金) 17:19:56 ID:2KVRA2XU0
(;'A`)「に、人間がそんなことをやったというんですか?!」

(,,゚Д-)「なるほど、それを調べるというわけですね。場所はどこです?」

銃の整備をしながらギコがしゃべる。

爪'ー`)「笑い村だ。」
  _
( ゚∀゚)「笑い村と言えば日本で唯一、万引きレベルの軽微な犯罪ですら起きたことがないというあそこですか?」

コンピューターをいじりながらジョルジュが聞いた。。

爪'ー`)「その通り。平和で穏やかな村で怪事件が発生したのだ。」

( ^ω^)「すると今頃村は大騒ぎってことですかい。」

爪'ー`)「そうでもないらしい。」

( ^ω^)「?」

爪'ー`)「なにやら被害にあった農家も笑って済ませてしまったらしい。」

68名無しさん:2018/08/10(金) 17:20:22 ID:2KVRA2XU0
(;^ω^)「家畜が犠牲になってるのにですか?!」

('A`)「なんだか気味が悪い村ですね。」

爪'ー`)「常に笑いの絶えない村のようだがな。そういうことでジョルジュ、ギコは調査を頼む。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解。」

ξ#゚⊿゚)ξ「かぁー!粉塵使えやゆうたが!」

〇ンハンをやりながらツンが吠える。
作戦室のモニターを使い大画面で臨場感があふれる。やはり画面がでかいは正義だ。

ξ#゚⊿゚)ξ「ホント使えねーな野良は。乙っちまったじゃねーかよ。」

コントローラーを床にたたきつけ、かんしゃくを起こす。

爪;'ー`)「君も笑い村の住人のようにもう少し穏やかさとか持たない?」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)(〇ンハンしてるのには突っ込まないんだ)

69名無しさん:2018/08/10(金) 17:20:44 ID:2KVRA2XU0
ギコがヴィプンターを運転しながらグンマ―県の山奥へと向かう。
  _
( ゚∀゚)「笑い村、鎌倉時代から存在する村で現在の村民は数百人程度。」
  _
( ゚∀゚)「その頃から喧嘩すら起きたことがなく、村民皆が穏やかで常に笑っている。その為村には交番に一人警官がいる程度。」
  _
( ゚∀゚)「大きな工場などなく農業や零細企業で大体が生計をたてているっと。」

ジョルジュがノートパソコンで調べたことを音読する。
  _
( ゚∀゚)「何だか昔の田舎って感じだな。」

(,,゚Д゚)y‐「昔、旅行で行ったときはまさにそんな感じだったな。」

煙草をふかしながら運転するギコが言う。
  _
( ゚∀゚)「なんだ、行ったことあるのか。」

(,,゚Д゚)y‐「ああ、ガキの頃な。」

(,,゚Д゚)y‐「村でのことはあまり覚えてないが、行ったことはよく覚えてる。」
  _
( ゚∀゚)「そんな印象に残ろことがあったのか?」

70名無しさん:2018/08/10(金) 17:21:06 ID:2KVRA2XU0
(,,゚Д゚)y‐「フ―」

煙草の火を消すと続ける。

(,,゚Д゚)「旅行の前日に親父とお袋が浮気がどうとかで喧嘩してな。」

(,,゚Д゚)「一応俺の誕生日で旅行行こうって話だったからギスギスしながら行ったわけよ。」
  _
( ゚∀゚)「あー、そりゃあ印象に残るな。」

(,,゚Д゚)「いや違うんだ。」
  _
( ゚∀゚)「?」

(,,゚Д゚)「車が村に入るや否や俺含めてみんな笑い始めてさ、なにも面白くないのに。」

(,,゚Д゚)「さっきまで喧嘩してた親が突然いつもみたいになってよびっくりだぜ。」

(,,゚Д゚)「村の人みんな陽気でノリのいい連中ばかりでよ、若い仲居さんに親父がお触りしまくっても笑ってたぜ。」
  _
(*゚∀゚)「なに!それは本当か?!」

ジョルジュが興奮気味に質問する。

(,,゚Д゚)「ああ、お袋も笑ってやがったよ。」
  _
(*゚∀゚)「笑い村最高じゃねえか!」

71名無しさん:2018/08/10(金) 17:21:37 ID:2KVRA2XU0
(,,-Д-)「それが地獄だったんだよなぁ。」

(,,゚Д゚)「帰りの車、村を出た瞬間にお袋がブチギレしてえらかったぞ。」

(,,゚Д゚)「なんで旅行前にあれだけ女のことで揉めたのに仲居さんのお尻とか触るの!とか言ってたな。」

(,,゚Д゚)「離婚寸前までいったなぁ。」

昔のことをしみじみ思い出していた。
  _
( ゚∀゚)「ふーむ、今回の事件とは別に何かありそうだな。」

(,,゚Д゚)「俺もそう思う。お、もうすぐで村だな。」

笑い村
そう書いた看板を横目に村に入った。
  _
( ゚∀゚)「まあ調査ほどほどに、たまにはこういった田舎で羽休めしていこうぜwww」

(,,゚Д゚)「せやなぁwww」

村にヴィプンターが入った途端に二人の様子がっ変わる。
普段のキリッとした表情から重荷を解き放っただらけた顔だ
二人は交番の警官のもとへと向かい、被害にあった農場へ向かう。

72名無しさん:2018/08/10(金) 17:22:01 ID:2KVRA2XU0
被害者のじいさん「朝起きたら牛たちが全滅してるんだもん笑ったわwww」

笑いながらその時の様子を話す。

警官「ほかの被害も似た感じですぜwww」

どうやら犯行はすべて夜中のようだ。そして被害者はみな笑っていて、何とかなるでしょと考えている。

被害者のじいさん「おかげ様で今仕事がなくて暇も暇なんですよwww」

(,,゚Д゚)「羨ましいですなwww」
  _
( ゚∀゚)「俺もニートに成りたいwww」

被害者のじいさん「そんなん誰でもなれなっせwww」
  _
( ゚∀゚)「せやなwww」

胸が豊満なJK「あれ、ヴィプトラ警備隊のギコ隊員じゃね?」

ただのJK「ホントじゃん!写真撮ってもらおうぜwww」

学校さぼりのJK二人組が調査中の隊員二人を発見した。

胸が豊満なJK「そこのイケメンさーん、一緒に写真撮ってwww」

73名無しさん:2018/08/10(金) 17:22:24 ID:2KVRA2XU0
(,,゚Д゚)「おぉよ!このイケメン様のサインも一緒にくれてやろうwww」

ギコも上機嫌に答える。

ただのJK「ジョルジュもいるじゃん!このカメラで三人撮ってwww」
  _
( ゚∀゚)「後で俺とも撮ってくれよwwwはいチーズ!」

カシャッ

任務もそっちのけで撮影を始める。
そんな中ジョルジュがある言葉を思い出す。

『(,,゚Д゚)「村の人みんな陽気でノリのいい連中ばかりでよ、若い仲居さんに親父がお触りしまくっても笑ってたぜ。」』
  _
( ゚∀゚)「ゴクリッ」
  _
( ゚∀゚)「ヘイお嬢さん方!ちょっとお触りしても?」

胸が豊満なJK「ちょっとこのおじさんマジエロスwww」

ただのJK「股間に脳みそあるんですかwww」

(,,゚Д゚)「www」

そう戯れていると……

警官「……。」

74名無しさん:2018/08/10(金) 17:22:47 ID:2KVRA2XU0
(,,゚Д゚)「ヘイ隊長!隊長www」

予定されていた定時連絡からかなり遅れて本部に連絡が入る。

爪'ー`)「どうだ何かわかったか二人とも。」

(,,゚Д゚)「そんなことより今俺らがどこにいるかわかります?www」

爪'ー`)「?}

(,,゚Д゚)「交番ですwwwジョルジョがJKに痴漢未遂で捕まりそうwww」

爪#'ー`)「あぁ?」
  _
( ゚∀゚)「やべwwwこのの村初の犯罪者になりそうwww」

爪#'ー`)「……。」

(;^ω^)(やべぇ隊長がキレてる)

ξ゚⊿゚)ξ(本当空気読めない連中っているよね)

(;'A`)(ツンヌがそれ言う?君こそ鏡見た方がいいんじゃない)

ξ゚⊿゚)ξ(?毎日見てるんですが、何言ってんの?)

ξ゚⊿゚)ξ(むしろあんたこそ毎日見っててその顔はマジヤバイ)

('A`)「……。」

75名無しさん:2018/08/10(金) 17:23:21 ID:2KVRA2XU0
警官「まあJKたちも訴えるつもりもなさそうだから今回は厳重注意で済ましますよwww」

警官「流石に私の目の前だとダメですよそういうのwww」
  _
( ゚∀゚)「まじ感謝wwwサンキューお巡りさんwww」

爪'ー`)「よしわかった、お前ら二人今すぐ戻ってこい。」

爪'ー`)「ブーン、ドクオ、ツンヌは代わりに調査に当たれ。」

( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解。」

ブーンが運転するヴィプンターがグンマ―の山奥に向かう。

ξ゚⊿゚)ξ「まじ面倒、田舎とか私大っ嫌いなんだけどー。」

('A`)(そんなこと言ったらこの星なんて田舎も田舎だぞこの原始人め)

( ^ω^)「お、もうそろそろだな。」

笑い村
そう書かれた看板と一台の見慣れた車があった。
ヴィプンターだった。村から少し出たところで止まっている。
中の二人は顔面蒼白で震えていた。急に現実に戻ったのだろうか。

( ^ω^)(ご愁傷様!)

心の中でそう思いながら車を走らせる。
基地に帰れば地獄だろう。

76名無しさん:2018/08/10(金) 17:23:46 ID:2KVRA2XU0
ξ゚⊿゚)ξ「今の二人の顔見たwwwマジワロスwww」

('A`)「www」

( ^ω^)「隊長に締め上げられる様が浮かぶぜwww」

村に入った瞬間に大笑いし始める三人。

('A`)「お、第一村人ハッケーン!」

ヴィプンターの前に一人の女性がいるのを見つけた。それはとても美しい人であった。

ζ(゚ー゚*ζ

(*'A`)「あの人からいろいろ話を聞こうずwww」

美人にめっぽう弱い。それが男というものだ。そこは宇宙共通。

(*'A`)「ヘイ彼女www一緒にお茶しない?」

窓から体を乗り出しナンパする。

その女性は無表情で無視をする。

( ^ω^)「マジで美人じゃん!何ならホテルで休んでく?」

ブーンも声をかける。ドクオは無視されたがブーンを見るなりその女性は動揺していた。

ζ(゚ー゚*ζ「ぶ、ブーンなのどうしてここに?!」

( ^ω^)「へ?」

77名無しさん:2018/08/10(金) 17:24:16 ID:2KVRA2XU0
一瞬ハッとした女性はそれがヴィプトラ警備隊のブーン隊員だと気づいて落ち着きを取り戻した。

ζ(゚ー゚*ζ「すみません人違いでした。でもヴィプトラ警備隊がこんな村に何の御用ですか?」

( ^ω^)「今この村で怪事件が起きてましてね、その調査ですよw」

(*'A`)「この村についていろいろ聞きたいんですがwww」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですかでしたらどうぞこちらへ。」

そう言って一軒のお屋敷に案内される。

(*'A`)「立派なお屋敷だなwwwここに住んでんの?」

ζ(゚ー゚*ζ「そうです。遅れましたが私はデレと申します。」

(*'A`)「名前も美しいw」

ξ゚⊿゚)ξ「なに、金持ちのお嬢さんなの?なら仲よくしようぜwww」

ζ(゚ー゚*ζ「いえ、主人がお柱様に選ばれたのでここに住んでいるのです。」

78名無しさん:2018/08/10(金) 17:24:40 ID:2KVRA2XU0
( ^ω^)「なんだ旦那いるのか、こんないい奥さんいるなんて羨ましいなwww」

('A`)「ほんまなw」

ζ(゚ー゚*ζ「……。」

デレはちらちらと何度もブーンを見ていた。

ξ゚⊿゚)ξ(ちょっとブーンデレと知り合いだったの?さっきもあんたの名前読んでたし今もずっと見てきてるじゃない)

( ^ω^)(いや初対面だよ)

ξ゚⊿゚)ξ(そんなこと言ってホントは浮気相手じゃないの?あんたの奥さんにチクるわよ!)

( ^ω^)(ちょwww冤罪だってwww)

('A`)(ブーン結婚してたんだ)

( ^ω^)(おぅよ、ガキも二人いるぜ!)

('A`)(幸せな家庭があるのになかなかプレイボーイだなwww)

( ^ω^)(だから違うってwww)

それからデレにこの村で起きている事件を説明した。

79名無しさん:2018/08/10(金) 17:25:28 ID:2KVRA2XU0
ζ(゚ー゚*ζ「そんなことがあったんですか、知りませんでした。」

('A`)(?)

少し妙であった。ジョルジョたちの数少ない報告の中にはこの村に人間はみな常に笑顔であるとあった。
だがこの人は常に無表情なのだ。

( ^ω^)「しかしなぜこの村はこうも平和で争いごともないのですかね?」

ζ(゚ー゚*ζ「それはすべてお柱様のおかげなのです。」

ξ゚⊿゚)ξ「それってあんたの旦那の?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええそうです。お柱様がこの村の辛さ、悲しみ、憎しみ、恐怖といった負の感情を一人で請け負っているからなのです。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぇー。」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

いまいちわかっていない様子だ。

ζ(゚ー゚*ζ「そろそろ主人の食事の時間なのでお会いしますか?」

そう言うデレに三人はついていった。

80名無しさん:2018/08/10(金) 17:26:02 ID:2KVRA2XU0
屋敷を出て少し山に行ったところに古びた井戸と物置小屋のようなものがあった。

井戸の桶に料理の乗ったお盆を入れるとゆっくりと下におろした。
そして懐中電灯をつけると小屋の中へ。
小屋には石段の階段がひたすら地下へと伸びていた。
懐中電灯のわずかな光を頼りにゆっくり薄暗い闇の中をと下っていく。

('A`)(以前の俺だったらこの程度のことでビビっていただろう)

('A`)(俺も強くなったってことかな)キリッ

ドクオがキモイ顔をしている内にそこにたどり着く。
鉄格子の檻がありその中で何かが蠢いていた。人の形をしているようだ。
デレは手慣れた様子でさっき井戸におろした料理を運ぶ。どうやら井戸の底と繋がっているようだ。
鉄格子の隙間から中に料理を置く。すると人型の黒いモヤのようなものがうなり声をあげながら食べ始めた。

('A`)「は?」

よく目を凝らしてみると人間を黒いモヤが覆っていたのだ。

(  ω )「グォォ!」

あっという間に食べ散らかされ檻の外へ捨てられる食器。
それを拾うとそそくさと階段を上がり屋敷へと帰る。

81名無しさん:2018/08/10(金) 17:26:26 ID:2KVRA2XU0
ζ(゚ー゚*ζ「あれが私の主人の西川ホライズンです。」

一枚の写真を差し出しながらデレが口を開いた。

( ^ω^)

よく見なくてもブーンとうり二つ。この世の中は三人くらい自分と似た人間がいるそうなのでそう珍しいことじゃない。

( ^ω^)「なるほど、だから俺と旦那さんを間違えたのか。」

(*^ω^)「今日くらいは俺が旦那の代わりになってやるぞwww」

ζ(゚ー゚*ζ「結構です。」

そのままこの町の成り立ちを話す。

鎌倉時代この村の近くにはたいそう悪い盗賊が住んでいたそうだ。
村人たちは毎日恐怖や飢えと戦って疲労していた。
そんな中、一人の僧がこの村を訪れ盗賊を退治した。
その時、盗賊の体に何かの模様を描き呪文を唱えると突然盗賊が苦しみだした。
それと同時に村から負の感情が消えたのだ。
それがこの村の始まり。
僧が旅立つ前に村人たちに
『この幸せを続けたいなら盗賊が死んだら別の人間にその心臓を食べさせなさい。』
『そうやっていけば永遠にこの村には笑いが絶えないでしょう』
そう言い残したそうです。

82名無しさん:2018/08/10(金) 17:26:49 ID:2KVRA2XU0
ζ(゚ー゚*ζ「そうしてこの村は今まで続いてきたのです。誰か一人を犠牲にして。」

ζ(゚ー゚*ζ「だからブーン(西川ホライゾンのあだ名)は私に出会わなければあんな目に合わなかったのに。」

今度はデレたちの出会いを長々と話し始めた。

ξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?三行ぐらいでまとめて。」

ζ(゚ー゚*ζ「東京の大学でで出会う。」

ζ(゚ー゚*ζ「卒業後、ブーンは田舎が好きだから私の故郷へで生活。」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょうど新しいお柱様を探しているタイミングでブーンがお柱様に。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁー。」

ξ゚⊿゚)ξ「で、なにあんたは悲しんでんの?」

ζ(゚ー゚*ζ「それがまったく。悲しくもつらくもないんです。」

ζ(゚ー゚*ζ「でも楽しくもうれしくもない。ただ生きているような…。」

('A`)「そんなことこの俺が忘れさせてあげますよwww」

ニヤリと不細工な顔をさらに気持ち悪くする。

83名無しさん:2018/08/10(金) 17:27:23 ID:2KVRA2XU0
ζ(゚ー゚*ζ「私がお柱様のことを知っていればこんなことには……。」

( ^ω^)「というとこのことを知っているのは村でもごく一部なんですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「この村の生まれの男性のみとお柱様に選ばれた家族のみです。」

ξ゚⊿゚)ξ「ザ・田舎の文化ね。」

('A`)「…。」

ζ(゚ー゚*ζ「今日泊まるところがなければここに泊まっていってください。」

ζ(゚ー゚*ζ「私一人では広すぎるので。」

( ^ω^)「それはありがたい、ご厄介になりますかなwww」

だいぶ日も落ちてきている。今日はここで一泊しよう。
隊長にデレから聞いたことを報告する。

爪'ー`)「そんなカルトめいたことが実在するとはな。」

爪'ー`)「だが今回に事件に無関係とも言えないな。引き続き調査を頼む。」

('A`)「りょうかいっス。」

面倒くさそうに返事をする。

爪#'ー`)「くれぐれもヘマはするんじゃないぞ。」
  _
(  ∀ )(,, Д )

隊長の後ろでは二名ほど死んだようにしていた。

84名無しさん:2018/08/10(金) 17:27:47 ID:2KVRA2XU0
('A`)「さて明日はこの村をも少し回ってうまいもん食って帰るか!」

( ^ω^)「せやせや!」

そうして三人は眠りについた。
深夜、誰も気づかないところで異変は怒っていた。
地下の西川ホライゾンゆっくりと立ち上がると檻の戸を閉める南京錠に右手を向ける。
そうするとモヤが伸びて南京錠を覆うをカチャリと音を立てて堕ちたのだ。
そのまま井戸から外に出る。その間に西川ホライゾンの体を覆うモヤは大きく怪物のように変貌を遂げていた。

(  ω )「ガァァァ!」

その咆哮は痛みからなのか怒りからなのか誰にも分らない。
それは西川ホライゾンの意思で動いているのかそれとも呪術自体に自我ができたのか、
はたまた今まで犠牲になったお柱様の怨念なのか……。

本能のままに外を飛び回りまた農場を襲撃する。

牛「モオオォォ!」

(  ω )「ギャァァ!」

力任せに牛を叩く。
花火のように散っていく牛たち。

農場の主「なんじゃこんな時間に……。」

牛の悲痛な叫びを聞いて牧場主がやってきた。

85名無しさん:2018/08/10(金) 17:28:36 ID:2KVRA2XU0
農場の主「なんじゃこりゃ!カッカッカッこれが噂の怪物かのうwww」

笑いながら西川ホライゾンに近づく。

農場の主「なんじゃwwwおぬしがはんn

グシャァという音とともに頭が激しく飛び散る。

(  ω )「オォォォォ!」

ついに人間にも被害を出し始めた。

次々に民家を襲い始める。
ついに村人たちに正体がばれた。

村人A「なんだ犯人はお柱様だったのかwwww」

村人B「仕方ない、痛めつけて牢屋に戻そうずwww」

村人たちは鍬や鎌などを持ち次々に西川ホライゾンに襲い掛かる。
とは言え圧倒的な力をもつ西川ホライゾンの前に村人たちはどんどんミンチになっていく。
それでも村人たちは笑いながら向かっていく。
そう彼らには人間で大切な感情、恐怖がないのだ。

86名無しさん:2018/08/10(金) 17:29:03 ID:2KVRA2XU0
子供「ああ、父ちゃんがバラバラになっちゃったwww」

村人C「あいたwww右手が吹っ飛んだwww」

そんな騒ぎもドクオたちに届いた。

(-A-)「Zz…Zz…」

('A`)「なんだ、騒がしいな。」

ドクオが騒ぎの元に向かうとそこは地獄絵図。
あたり一面に血と肉片が飛び散り今もなお村人たちが笑いながら飛び掛かっていく。

('A`)「仕方ない俺が手本を見せてやろう。」

懐からドクトラアイを取り出す。。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

('A`)「皆さんあとは任せなさい!」

颯爽と登場し、村人たちを引かせる。

87名無しさん:2018/08/10(金) 17:29:27 ID:2KVRA2XU0
村人D「あれなんだっけ?」

村人C「確か何とかセブン?」

子供「ぶっさいくな顔www」

(;'A`)「デュワ!」

敵の前で構えて初めて感じたこの村の異常性。
ドクトラセブンに変身することで呪術から逃れてわかったのだ。

(;'A`)(なんなんだこの状況は!)

地獄絵図を見て完全に動揺してしまった。その隙を見逃さない。

西川ホライゾンが右手をドクトラセブンに向けるとモヤが伸び、首を持ち上げ締め付ける。

(;'A`)「グゥゥ…」

物凄い力で締め付ける。とても人間の力とは言えない。

88名無しさん:2018/08/10(金) 17:29:56 ID:2KVRA2XU0
('A`)「デュワァ!!」

アイス・ラッガーを西川ホライゾンに向けて投げる。
右腕の付け根にあたりぼとりと腕が落ちる。

(; ω )「ガギャァ!」

悲鳴を上げてその場にうずくまる。
モヤの消えた右腕を見るとミイラのようにやせ細っていた。
傷口からは大量の血が流れ出ている。
本体自体が相当弱っているのでちょっとした攻撃で致命傷になるようだ。

村人D「いいぞなんたらセブン!あとは俺たちに任せろwww」

また村人たちが寄ってきた。

村人E「でもこんなことがあったんだお柱様を変えた方がいいんでねぇか?」

村人C「村人Aなんてどうだ?」

村人F「Aならさっきミンチになっとったぞwwww」

村人C「なんとwww」

村人F「まだあの西川なんたらでいいんでねぇか?」

村人D「そや、手足を切り落としておとなしくさせればええwww」

89名無しさん:2018/08/10(金) 17:30:23 ID:2KVRA2XU0
その時、一人が西川ホライゾンの元へ駆け寄っていった。

ζ(゚ー゚;ζ「もやめて!この人を楽にしてあげて!」

デレであった。

ζ(゚ー゚;ζ「もうこんなことやめようみんな!間違ってるよこんなこと!」

必死に叫ぶデレを無理やり引きはがす村人たち。

村人C「ほれなんたらセブン!今のうちに手足をもいでやwww」

(;'A`)「…。」

ζ(;ー;*ζ「お願いドクトラセブン!!」

('A`)「!?」

('A`)(涙!)

('A`)「デュワ!」

両腕でL字を作る。
ドクトラセブン必殺光線のドクトラショットだ。

ドクトラショットは西川ホライゾンに命中し跡形もなく爆散。
爆発を見届けると空へと帰っていく。

90名無しさん:2018/08/10(金) 17:30:47 ID:2KVRA2XU0
村人D「あああああ!お柱様がいなくなっただぁ!!!」

村人C「いでぇよ!!!おでのうでがぁ!!」

子供「父ちゃんがしんじゃったぁぁぁ!!」

「イタイイぃ!」

「イヤダシニタクナイヨォ」

その晩村人たちの悲痛な叫び声が鳴り響いた。

( ^ω^)「以上が我々の報告です。」

翌朝、夜にあったことを報告する。

爪'ー`)「まさか侵略者じゃなくて我々人間の起こした事件だったとは。」

爪'ー`)「まだ化学でも証明できないことがあるのだな。」

爪'ー`)「三人ともよくやった、ゆっくり帰ってきてくれ。」

通信をすますと基地へ帰る準備を進める。

('A`)「あれ?デレさんもどこかお出かけするんですか?」

荷造りをしているデレ。

ζ(゚ー゚*ζ「私はこの村を出ていこうと思います。」

91名無しさん:2018/08/10(金) 17:31:10 ID:2KVRA2XU0
ξ゚⊿゚)ξ「そうよね。お柱様いなくちゃここにいるメリットないもんね。」

(;^ω^)(;'A`)「……。」

ζ(゚ー゚*ζ「私はブーンの分も幸せに生きなきゃ。」

ζ(゚ー゚*ζ「この村のように辛いことや恐怖から逃げ続けるのはもうやめにします。」

ζ(゚ー゚*ζ「だから都会に出て今度はつらいことや悲しいことと向かい合って生きていきます。」

そういう彼女の目には無表情の時とは違い生きるエネルギーで満ちていた。

ξ゚⊿゚)ξ「言うじゃない、何かあったらこの私が力になるわ!」

ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう。」

そう言い残してデレは旅立って行った。

( ^ω^)「正直俺は心配だぜ。大丈夫かな。」

('A`)「大丈夫さ、彼女は強い人だよ。」

('A`)(そうだあの人は打ち勝ったのだ)

('A`)(あの呪術はこの俺でもドクトラセブンに成らなければならなかった)

('A`)(それにあの人は最後打ち勝ったのだ)

('A`)(あの涙は西川ホライゾンのことを思い流した悲しみのだ)

('A`)(どうやら地球人は俺が思っているよりも強いようだな)

その後、笑い村は世界でも類を見ないほどの犯罪件数が起きるようになり一年もたたないうちに消滅した。

第三話『笑い村』

終わり

92名無しさん:2018/08/10(金) 17:31:37 ID:2KVRA2XU0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

93名無しさん:2018/08/10(金) 18:35:00 ID:Kbefa2Zg0
どっくんが頼もしくなってて嬉しい


94名無しさん:2018/08/10(金) 23:19:49 ID:TtqxulHU0
おつ
途中が地獄絵図すぎるw

95名無しさん:2018/08/11(土) 22:25:52 ID:Q0rQn.Lc0
おつ!毎度飽きなくて好きだわ

あとツンがサイコパスで笑うwww

96名無しさん:2018/08/12(日) 17:39:54 ID:oSXj4tuc0
乙ー

97名無しさん:2018/08/15(水) 01:26:25 ID:NrfdtQEI0
第四話『旧第四倉庫』

静岡県の富士山麓の地下数百メートル、ここに我らがヴィプトラ警備隊の基地はある。
そこではメインの防衛チーム6名以外に整備士、医療関係者、レーダー員、通信士、観測員、など様々な職種の人間が働いている。
その数は数千人ほどだ。彼らのほとんどはその仕事が表立って評価されることはない。
世間にとってヴィプトラ警備隊と言えばいつもの6名でしかないのだ。

それでも彼らは自分の仕事に誇りと使命感を持って日夜仕事をしている。
それが地球の平和を守ることで大切だと知っているから。
だから一般市民に評価されなくてもそんなことは気にも留めないのだ。

警備員A「お疲れ様です!」

一人の青年、警備員Aが本来一か月ぶりの休日のはずなのに職場に来ていた。

警備員B「あれ、Aじゃないか。今日は休みじゃなかったのか?」

だいぶ歳を食っているだろう中年男性が声をかける。

警備員A「いえ、警備員Cさんがご両親が突然倒れたそうなので警備員Cさんの代わりに出勤になりまして。」

警備員B「そいつはご苦労なこった。」

ヴィプトラ警備隊は簡単には休暇をくれない。
たとえ急用ができても代理を立てなければ休めないのだ。
そして休みも月に一度あればいい方だ。
その休みも緊急事態が発生すればあっという間に呼び出される。

98名無しさん:2018/08/15(水) 01:27:02 ID:NrfdtQEI0
警備員A「この時間の警備員Cさんの巡回コースってどのルートですか?」

警備員B「旧4コースだよ、ご愁傷様。」

警備員Bが不敵に笑いながら答える。

警備員A「げ、旧4コースですか!!。」

警備員の顔が険しくなる。

旧4コースとはヴィプトラ警備隊の基地でも一番端にある旧第四倉庫まで巡回しなくてはならないのだ。
ヴィプトラ警備隊は平成の頭頃、度重なる侵略者との戦闘と老朽化で現在の基地を新たに増設した。
その時に第四倉庫(現在の旧第四倉庫)から拡張していった。

そのため旧基地と現在の基地は旧第四倉庫を通じて繋がっているのだ。
しかし、旧基地は完全封鎖されほとんどが埋め立てがされている。
そんな中、旧第四倉庫だけが現在も使用を考えられ残された。
だが結局今まで使われることなくずっとほこりをかぶっている現状だ。

そしてそこは警備員たちの中では『出る』ともっぱらの噂なのだ。
何人かが見たらしい。

警備員B「それじゃ巡回頼むぞ!」

着替えを終えた警備員Aの肩をポンッと叩く。
警備員Aは渋々巡回に出た。
そう言った話は信じないのだが、あまり自分から近づきたいとは思わない。

99名無しさん:2018/08/15(水) 01:27:27 ID:NrfdtQEI0
カツン

カツン

自分の足音だけが廊下に響く。

資料室、ボイラー室、様々な部屋を入念にチェックしていく。
いつ侵略者がこの基地に侵入するかわからない。
だからこそ常に抜かりなくやらなくてはならない。
この基地が落ちることそれすなわちこの星の終わりを意味する。
自分たちがしている仕事はそれほど重要なのだ。

カツン

カツン

やっと半分ほど巡回が終わった。
正直ここを折り返せばもう終わったも当然だ。
そう思いながら警備員Aは旧第四倉庫までたどり着いた。

旧第四倉庫、自分が就職したときの説明と新人時代先輩と一緒に回ったくらいしかここには来たことがない。
本来自分が巡回しているコースには含まれていなかったからだ。
だが今日は違う。
人の仕事の代わりだがしっかりチェックしなくては。

100名無しさん:2018/08/15(水) 01:27:49 ID:NrfdtQEI0
扉は鉄でできた重い扉。
本来は自動で開くように設計されたはずなのだが、配線の故障か何かで自力で開けなくてはならない。
ほとんど使われていないため放置されているようだ

ギギギ……

鈍い音をさせながらなんとか人一人分の隙間が空いた。

警備員A「ふぅ。」

ため息をつきながら中に入る。
中は当然電気もつかず薄暗い。棚が何個か置いてあるが特に何も置いてあるわけではない。
なによりずっと掃除もしていないようで床にはほこりが降り積もっていた。
何かよくわからない白い煙が漂っているようにも見えた。

ひとしきり倉庫内を見て回る。
倉庫と言ってもここはそんなに大きくない。
学校の教室より少し広い程度だ。
普段の巡回よりも何もないことを強く願う。

警備員A(よし、なにもなさそうだな)

足早に第四倉庫を後にしようと扉に手をかけた。

ジリリリリ

警備員A「?!!」


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