したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

第23回参議院議員選挙(2013年)

1やおよろず ◆N22LLUydY2:2010/07/14(水) 08:06:13
第22回参議院議員選挙(2010年)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1202752370/

2813名無しさん:2013/07/23(火) 10:54:45
>>2764
サッカージャーナリストの小澤一郎さんがいます
政治信条は不明ですが早大卒ですね
ttp://valenciasoccerlife.blog6.fc2.com/

2814名無しさん:2013/07/23(火) 20:30:25
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013072300869
自民、3.5%増の150億円=政党交付金、民主は8.9%減-時事通信試算

 参院選の結果を踏まえ、各党に支給される2013年の政党交付金額を時事通信が試算したところ、
 改選議席から31増やして圧勝した自民党は、3.5%増の150億6200万円になることが分かった。
 結党以来最低の17議席と惨敗した民主党は、8.9%減の77億7300万円となる見通しだ。
 政党交付金の年間総額は約318億円。各党への配分額は、所属国会議員数や国政選挙の得票率によって決まる。
 年4回に分けて支給するが、既に2回分は交付済みのため、10月と12月の支給分に再計算した額が反映される。
 みどりの風は所属参院議員4人が全員落選。政党要件を失うため、今後の2回分は受給できない。政党交付金制度に反対している共産党は受給申請していない。 
 自民、民主両党以外への年間交付見込み額と増減率は次の通り。
 日本維新の会29億5500万円(8.8%増)▽公明25億7400万円(0.6%増)▽みんな20億2700万円(13.3%増)▽生活7億8700万円(3.5%減)
 ▽社民4億9400万円(8.6%減)▽新党改革1億1500万円(7.4%減)

2815チバQ:2013/07/23(火) 21:22:59
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk39010634000c.html
2013参院選:共産健闘、39年ぶり7万票 浜川氏、民主現職抑え次点に /高知
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 今回の参院選高知選挙区では、共産新人の浜川百合子氏(33)が7万2939票を獲得し、民主現職の武内則男氏(54)を抑えて次点に食い込んだ。共産の公認候補が7万票以上を獲得するのは1974年の第10回参院選以来39年ぶりの健闘。共産は比例代表でも民主を上回り、過去2番目に高い4万9514票を獲得した。

 共産は昨年12月の衆院選で3小選挙区で計7万8502票を集め、佐竹峰雄・党県委員長は当時から「確実に訴えが浸透している」と手応えを語っていた。さらに前哨戦とされた東京都議選でも議席を倍増させるなど党の勢いが増していた。

 浜川氏本人も選挙戦で「反自民の受け皿になれるように」と、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加に真っ向から「ノー」を唱え、陣営も「自共対決」を鮮明に打ち出して舌戦を展開した。

 町村部では浜川氏は1万4893票、武内氏1万4503票と拮抗(きっこう)した。しかし無党派層が多い市部では11市のうち「大票田」高知市を含む7市で武内氏を上回っており、武内氏に代わり「反自民」票を取り込めたのが躍進の一因と言えそうだ。

 浜川氏は21日深夜、短文投稿サイト「ツイッター」で「たくさんの方が願いを託していただきました。(中略)願いは消えない。頑張り続けます!!」とツイートしている。【倉沢仁志】

2816チバQ:2013/07/23(火) 21:28:48
http://mainichi.jp/area/oita/news/20130723ddlk44010501000c.html
2013参院選おおいた:「反自民」仕切り直し 協力関係改めて模索−−民主、社民、連合大分 /大分
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 21日投開票の大分選挙区(改選数1)で自民現職の礒崎陽輔さん(55)=公明推薦=が次点の無所属新人、後藤慎太郎さん(38)=生活・社民推薦、みどりの風支持=にダブルスコア近くの票差をつけて再選した。結集できずに自民圧勝を許した“反自民勢力”側からは、仕切り直しを求める声も上がった。【佐野優】

 民主、社民、連合大分の協議による「大分方式」での候補者擁立が難航した末、後藤氏に一本化された。だが、選挙戦では一枚岩になれなかった。

 選対委員長の内田淳一・社民県連代表は「(大分方式が)あったから全国と比べれば善戦した」と振り返った。だが、連合大分幹部は「(民主と連合が)全力に近い力を出せる環境にならなかったのが痛かった」と打ち明け、「3者に責任がある。改善方法を求めていこうという話になってしかるべきだ」と、協力関係の議論が必要だとの認識を示した。

 一方、候補擁立を断念した民主も厳しい戦いを強いられた。県内比例票は2010年参院選の約3分の1の6万350票(得票率11・95%)、昨年末の衆院選からも3万票減らした。首藤隆憲幹事長は「ショックだ。候補者を擁立できず、民主党をアピールできなかった」と唇をかんだ。後藤氏の落選について「民主と政策が違い、どれぐらい浸透したか分からない」としつつ、「勝てる体制を作るため社民と協議し、反自民、非共産の結集を目指す」と述べ、社民と協力関係を改めて模索したいとの考えを示した。

 山下魁さん(36)が選挙区で前回を上回る票を獲得した共産。県委員会の林田澄孝委員長は「今後の戦いの土台は築けた。(政策ごとに)一点共闘の可能性を検討する。国会の中での戦いと国会外の戦いをつなぎ、自公政権を包囲する」と意気込んだ。知名度不足が響いたみんなの浦野英樹さん(44)。同党は比例代表で得票数・率とも過去2回の国政選を下回った。神雅敏選対本部長は「政治や選挙への姿勢を変えるつもりはない。一人でも多くの人に政策を訴え、しっかりした組織を作りたい」と話した。

 一方、圧勝した礒崎陣営の御手洗吉生選対本部長は「2〜3カ月前に出てきた新人(後藤さん)にあれだけの票を取られた」と課題を挙げ、公明県本部の竹中万寿夫代表は「(比例代表では)県内第2党。歴史的なこと。ちょっと胸を張ってもいい」と喜んだ。

2817チバQ:2013/07/23(火) 21:37:13
http://gendai.net/articles/view/syakai/143579
山本太郎 テレビが「抹殺」
【政治・経済】
2013年7月23日 掲載

<「公選法違反」報道も>

 21日投開票された参院選で当選した俳優・山本太郎(38)。組織・団体に依存せずに無所属を貫き通し、ひたすら「脱原発」を訴えて65万票余りを獲得したのはリッパだったが、真価が問われるのはこれからだ。当選会見で本人も語っていた通り、「これから先はイバラの道」である。

 まず最初に立ちはだかるのは、本人も勝手知ったるテレビだ。
「当選を受けたインタビュー中継で、NHKは、山本が放射性物質に汚染された食品の安全基準や、テレビとスポンサーの関係などに触れた途端、画面を切り替えてしまった。本人のコメントはなく、インタビュー映像だけの民放もあった。テレビは『たまたま』と言い訳するだろうが、選挙報道の失敗は始末書モノ。当選会場でもきっちり時間を計って中継に臨むから、間違いは起こり得ない。テレビがいかに山本を嫌っているのかがよく分かった」(芸能ジャーナリスト)

 既得権益のぬるま湯にどっぷりつかったテレビは、権力とCMスポンサーには平身低頭だが、権益を侵す“敵”には猛烈なバッシングを仕掛ける。09年の政権交代時には、民主党政権が掲げていた「電波オークション導入」に猛反発し、朝から晩まで業界を挙げて鳩山首相叩きを続けていた。当時と同じ構図だ。


「投開票前のメディアの世論調査で、山本が当選圏内に入った直後から『公選法違反』報道が流れた。メディアが狙い撃ちしている表れです。山本が当選した今、記者たちは『公人なら遠慮なく叩ける』と、大っぴらにスキャンダル探しを始めるでしょう」(永田町事情通)

 山本陣営の選挙運動を取材してきたジャーナリストの田中龍作氏がこう言う。

「彼は選挙期間中、一貫して脱原発を訴えるとともに、メディアとスポンサーの関係など『最大のタブー』を批判し続けてきました。恐らくメディアはあの手この手で潰しにかかる。年内にも議員辞職に追い込もうとするでしょう。身を守るために、永田町に精通した秘書、マスコミ対応のうまいブレーンをつけるべきです」

 まずはこれから全国で始まる当局の公選法違反者摘発の動きがどうなるのか。山本が国政で汗をかくまで越えるべき障壁は多い。 .

2818チバQ:2013/07/23(火) 21:40:47
http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/8703/
スポーツ系候補者に惜敗・完敗相次ぐ 2013年07月23日


 当選  アントニオ猪木(70=維新・比例1位)  35万6605票

 当選  橋本聖子(48=自民・比例5位)      27万9952票

 落選  塚原光男(65=自民・比例26位)      2万8902票

 落選  佐竹雅昭(47=自民・比例28位)      2万7582票

 落選  河合純一(38=みんな・比例5位)      3万9425票

 落選  鈴木寛(49=民主・東京6位)       55万2714票

 落選  田中真一(46=自民・岩手2位)      16万1499票



 以上が、参院選に出馬したスポーツ系候補者の開票結果。河合氏は昨年のロンドンまでパラリンピック5大会に出場し、競泳で金5個を含む21個のメダルを獲得した盲目のスイマー。田中氏は慶大、神戸製鋼に在籍した元ラグビー選手で、2011/12シーズンから2季、慶大監督を務めた。鈴木氏はアスリートではないが、文部科学副大臣時代にスポーツ行政にかかわり、超党派によるスポーツ議員連盟の幹事長、同2020年東京オリンピック・パラリンピック招致を目指す日本招致議員連盟の事務局長を務めている。五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を9月7日に控えたこの時期、鈴木氏がいなくなるのは議連にとって痛い事態だろう。



 鈴木氏は5位の武見敬三氏(61=自民)に約5万5000票及ばぬ次点、懸命の追い上げを見せた河合氏も3度目の国政選挙で、4位に8000票あまり離され、10年参院選(静岡選挙区)に次ぐ次点に終わった。小沢王国だった岩手で戦った田中氏も次点。一方、76年モントリオール五輪金メダルなど、月面宙返りで一世を風びした塚原氏の完敗はある意味、衝撃的な負けっぷりを見せてしまった。佐竹氏はブービーに沈んだ。



 09年衆院選後に政権交代を果たした当時、民主党は小沢一郎幹事長(当時)の意向により超党派の議員連盟より自前の議連設立を重視し、スポーツもその例外ではなかった。民主党スポーツ議連を発足させ柔道の五輪金メダリスト谷亮子参院議員(37)が会長に就いたが、消費税増税などをめぐる党内抗争で谷氏は小沢氏とともに生活の党へ移り、同議連事務局長だった元Jリーガー友近聡朗参院議員(38)も民主党を出て日本未来の党から衆院選に出たが落選。今回の鈴木氏落選で、いよいよ民主党議員はスポーツ関係の人材を失った。



 昨年の衆院選では新党大地から立候補したスピードスケートの長野五輪金メダリスト清水宏保氏(39)が地元北海道(出身の市町村ではないが)で立候補し、小選挙区当選者にほぼダブルスコアの敗北。スピードスケートの五輪銅メダリスト堀井学氏(41)も地元北海道でこちらは2位にダブルスコアの圧勝を収めた。堀井氏は道議からの転身。元巨人軍選手や監督経験者が前回10年参院選で討ち死にしたように、元有名選手だから当選確実という時代ではなくなっている。

2819チバQ:2013/07/23(火) 21:42:58
まだ若いのに
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/07/20130723t11026.htm
落選の菊地氏、政界引退表明 参院選比例代表
 参院選比例代表で落選したみんなの党新人の元宮城県議菊地文博氏(53)は22日、一切の政治活動から引退する意向を表明した。
 菊地氏は仙台市宮城野区の事務所で「正直、私の賞味期限が切れたかなという思いだ。政治家としてやれる年齢だが、今回を区切りとして政治の道から足を洗うことを決めた」と述べた。
 菊地氏は仙台市出身、仙台商高卒。1995年の県議選で自民党から立候補して初当選し、通算5期務めた。
 国政には今回を含め4回挑戦した。2005年の衆院宮城2区補選は無所属で挑み落選。みんなの党公認で臨んだ10年参院選宮城選挙区、12年衆院選宮城2区でも敗れた。
 みんなの党の林宙紀党県支部長は「次も何らかのチャレンジをしてもらいたい気持ちがあるだけに残念。菊地さんのぶれない姿勢を受け継いでいく」と述べた。


2013年07月23日火曜日

2820チバQ:2013/07/23(火) 21:45:35
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news/20130722-OYT1T01922.htm?from=ylist
鹿野・元農相「もう自ら選挙に出ることはない」


敗戦の弁を述べる鹿野氏(22日午前2時55分、山形市あさひ町の事務所で) 参院選の比例選に立候補した民主党新人の鹿野道彦氏(71)は、22日に落選が決まった。

 鹿野氏は同日未明、山形市あさひ町の事務所で記者団に対し、「自ら選挙戦に打って出るということはもう考えていない」と述べ、政界の第一線から退く意向を示した。

 鹿野氏は、今後について、「お役に立つことがあれば、という気持ちもあるが、具体的なことは考えていない」と述べるにとどめた。

 鹿野氏は1976年に衆院選旧山形1区から自民党で出馬し初当選。自民党時代は「清和会(現・町村派)のプリンス」と呼ばれ、農相などを歴任した。94年に自民党を離党。新進党などを経て98年に民主党に合流した。

 12選を目指した昨年12月の衆院選で山形1区から出馬したが落選。去就が注目されたが、民主党政権で農相を務め、党代表選にも2度出馬した知名度の高さを買われ、海江田代表が6月下旬に「党が総力を挙げて戦う選挙の象徴に」と出馬を要請。参院選の公示4日前に名乗りを上げた。

 選挙戦では、東北各県で遊説。地元の山形県では「山形の国会議員をもう1人増やそう」を合言葉に、山形選挙区で民主党県連が支援するみどりの風の舟山康江氏と連携した運動を展開し、支持拡大を図ったが、及ばなかった。

(2013年7月23日07時54分 読売新聞)

2822チバQ:2013/07/23(火) 23:30:17
http://gendai.net/news/view/109164
ひとりぼっちの山本太郎 待ち受ける「イバラの道」
【最新トピックス】
2013年07月23日 20:25 更新
 当初の劣勢を跳ね返し、参院選で66万票を超える得票を集めた山本太郎(38=無所属、東京選挙区)。当選後、「既存の政治家のようにはなりたくない。どこまでも市民に寄り添い、国会で言いにくいことを言わせてもらう」と意気込みを語ったが、気になるのは、いつまで「ひとり」で突っ張れるのか。
 
 というのも、ひとりじゃ何もできないのが国会だ。議員2人以上で構成する院内会派に属さないと、ただ通っているだけで6年間が過ぎてしまう。
 
 参院の場合、首相に疑問をぶつける代表質問をするには、10人以上の会派に所属することが要件だ(通常国会のみ5人以上)。議員立法も10人以上の賛成を取り付けないと提出できない。予算が伴う場合は、20人以上に倍増する。個人プレーをブロックするきまりごとがわんさかあるのだ。
 
 3選目の糸数慶子(65=無所属、沖縄選挙区)は「山本太郎さんなど無所属で当選した方がいる。院内会派をつくれるなら、そこに所属し、質問時間を確保できるよう模索していきたい」と秋波を送っているが、無所属が束になっても9人。所属議員が1人になった新党改革を足しても、ようやく10人だ。
 
 もっとも、「脱原発」一本勝負の山本が組める相手はおのずと限られる。
 
 原発反対の旗印を明確にして戦ったのは、共産党、生活の党、社民党、みどりの風。共産は11人に党勢を拡大し、みどりの風はゼロで解体。可能性があるのは、所属議員2人の生活と3人の社民だけ。山本本人が言う通り、これからが「イバラの道」だ。

2823チバQ:2013/07/23(火) 23:31:02
http://news.livedoor.com/article/detail/7885723/
維新の運動員、買収で逮捕 比例落選の川口陣営
産経新聞2013年07月23日17時54分
 参院選の選挙運動の見返りに男性2人に報酬を支払ったとして、大阪府警捜査2課は23日、公職選挙法違反(買収など)の疑いで、比例代表で落選した日本維新の会の川口浩氏(58)陣営の無職、小阪賀造(よしぞう)容疑者(64)=兵庫県尼崎市西昆陽=を逮捕したと発表した。

 小阪容疑者は「間違いない」と容疑を認めており、府警は現金を受け取った20代と30代の男性2人についても同法違反(被買収)容疑で捜査する。

 逮捕容疑は公示前の6月、2人に大阪府内で川口氏への投票を呼びかける内容のビラを配布させ、報酬としてそれぞれに現金十数万円を渡したとしている。

2824名無しさん:2013/07/24(水) 06:53:59
菅元首相に離党勧告へ 鳩山元首相は除籍検討

民主党の海江田万里代表は23日、参院選東京選挙区で党公認候補ではなく、無所属候補を応援した
菅直人元首相に対し、離党勧告する方針を固めた。24日に菅氏と会談して伝える。

菅氏が拒否すれば、除籍(除名)処分も辞さない構えだ。
民主党は公示直前、現職2人のうち大河原雅子氏の公認を取り消し、鈴木寛氏に一本化。
菅氏は大河原氏を支援して事実上の分裂選挙になり、結果として両氏とも落選した。

23日の党役員会では幹部から「また民主党がもめているとの印象を植え付けた」と菅氏への厳しい批判が
相次いだ。

一方、鳩山由紀夫元首相が6月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「中国側からみれば、盗んだと
思われても仕方ない」と発言した問題で、海江田氏は鳩山氏を除籍する意向だ。
鳩山氏はすでに5月末に離党しているが、離党前にさかのぼって処分を検討する。

http://www.asahi.com/politics/update/0723/TKY201307230473.html

2825チバQ:2013/07/24(水) 22:14:03
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130722/chb13072222520015-n1.htm
【参院選】
100万票の軌跡(上)石井準一氏 政敵への寛容さ求める声 千葉
2013.7.22 22:48 (1/2ページ)

個人演説会に出席した支援者を見送る石井準一氏=17日、千葉市中央区の千葉市民会館(岡嶋大城撮影)
 70万票に迫る勢いで再選を果たした石井準一氏(55)。投開票日前に県内各地の会館で開いた15回の演説会には1万人以上を動員し、支持層の厚さを見せつけた。

 「じっくりと石井の話を聞いて政策を理解してもらいたい」。陣営関係者はこう説明するが、石井氏は県議時代を含めて通算26年にわたり政界に身を置き、行政機関や業界団体に及ぼす影響力は絶大。土木建設業者の男性は「石井さんににらまれるとやっかいだ」と前置きした上で、「出席しなければ仕事の受注面で冷遇されるという不安が一番。政策がどうとかいう問題ではない」と語る。

 今回の選挙戦で自民県連は、石井氏と新人の豊田俊郎氏(60)が勢力を二分し自民票を食い合った。

 石井氏は目標とした60万票の獲得のため、今年初めから演説会を繰り返し、自民系業界団体の票を着実に固めた。選挙期間中も一貫して優位を保ったが、地盤が薄い豊田氏側の動きに対し、石井氏側にいらだちが募った。豊田氏側は「反石井」票の取り込みに加え、「自民2人目の候補」を強調して石井氏の票田にも食い込んだ。その甲斐あってか、石井氏の地元の長生村など房総地域の得票数は石井氏が豊田氏を圧倒したが、習志野市など一部の京葉、東葛地域では勢力が拮(きっ)抗(こう)した。

 当選を決めた石井氏は21日、「『石井は大丈夫だから(豊田氏に)入れてほしい』と頼んだ人がいた。努力をせずに議席がほしいだけ。卑(ひ)怯(きょう)だ」と報道陣を前に、暗に豊田氏側を批判。周辺には、豊田氏を推した県議に、平成27年の県議選で対立候補を立てる可能性を示唆し、一部で不安が渦巻いた。

 石井氏は、参院で厚生労働委員会の理事や国土交通委員長などを務め、院内での調整力には同僚議員からも評価が高い。国や県の予算を地元へ誘導する抜群の手腕に期待も多く、別の土建業者の男性は「今後6年間の生活は安泰だ」と選挙結果に胸をなで下ろす。

 ただ、2期目を迎えた石井氏は今後、政府や党の要職に就くことも予想される。飛躍に期待する支持者の間からは、対立勢力を徹底的に排除する従来の政治スタイルからの転換を望む声も上がる。自民関係者は「選挙での強さや実績は千葉では誰もが認めている。だからこそ、政敵をうまく取り込むことができるほどの器を持ってほしい」と漏らしている。

     ◇

 21日に投開票された参院選の県選挙区(改選数3)で、自民は2議席を獲得し、石井氏と豊田氏の得票数は計100万票を超えた。当選した3人に焦点を当て、17日間に及んだ選挙戦の軌跡を追った。

2826チバQ:2013/07/24(水) 22:17:07
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130723/chb13072322500009-n1.htm
100万票の軌跡(中)自民・豊田俊郎氏 公明への借り どう影響
2013.7.23 22:51 (1/2ページ)

豊田俊郎氏の手を固く握り、支持を呼びかける公明党県本部の富田茂之代表(右)=20日午後7時40分、八千代市の東葉高速八千代中央駅前(江田隆一撮影)
 選挙戦の街頭活動の「タイムリミット」まで残り20分となった20日午後7時40分。八千代市の東葉高速八千代中央駅前では公明党県本部の富田茂之代表が豊田俊郎氏(60)の選挙カーに上がり、こう叫んだ。

 「日本のためには千葉で自民2議席が何としても必要。豊田さんを国政に送ってもらいたい」

 投票日を翌日に控え、公明幹部との“蜜月ぶり”をアピールすることで県内で20万票とも言われる公明票を引き込む戦術だ。豊田氏側は、比例代表で公明が擁立した平木大作氏への投票を呼びかける「平木コール」を連発し、現場は公明の街頭演説と見間違いかねない状況となった。

 公認候補を擁立しない選挙区において公明は、支持母体の創価学会を軸に選挙区で自民候補を支援し、比例代表で自民票の提供を受ける「バーター」が基本スタンスだ。千葉では豊田氏と石井準一氏(55)の各陣営に大量の選挙はがきを渡し、それぞれの支援者が公明県本部に返信した枚数を比較して「支援の内容に濃淡をつける」(公明県幹部)としていた。

 4日の石井氏の出陣式に平木氏を伴い出席した富田氏は「平木にいただいた5倍、10倍の票を石井先生に出す」と豪語した。石井氏側から返信されたはがきは1万数千枚。県内で強力な組織を持たない豊田氏側の約10倍に上り、当初は公明票の大多数が石井氏に流れるとの見方が強かった。

 だが、選挙戦中盤の報道機関の世論調査で豊田氏の苦戦が報じられると、状況が変化する。公明の県幹部が連日、豊田氏の街頭演説でマイクを握るなど、豊田氏支援を強化した。

 投票日直前、公明のある関係者は「両氏どちらに投票すべきだとの具体的な指示はない。ただ、与党が千葉で2議席を得るため、創価学会員の多くは出遅れた豊田氏に投票すべきだと理解していると思う」と語る。

 県内の投票結果を分析すると、比例代表における自民の得票数は約83万票だったが、石井、豊田両氏の選挙区での獲得票数は比例を約30万票上回る計約110万票だった。

 別の公明関係者は「30万のうち公明、創価学会からは20万程度が選挙区で自民に流れ、そのうち6割が石井さん、4割が豊田さんに入ったのだと思う」と見立てを語る。

 豊田氏は今回、公明に“借り”を作る形となった。豊田氏を推したのは県議会で過半数を握る自民県議団の中の最大グループ「県盛会」(約30人)。石井氏を擁する「千葉政経懇話会」(約20人)に対抗する“旗頭”を得たことで県盛会の内部は喜びに沸くが、議会運営の面では今後、公明に一層の配慮をせざるを得なくなりそうだ。

2827チバQ:2013/07/24(水) 22:17:46
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130724/chb13072421330004-n1.htm
【参院選】
100万票の軌跡(下)長浜博行氏 辛勝の再選、いばらの道続く 千葉
2013.7.24 21:31 (1/2ページ)

再選を決めても固い表情の長浜博行氏(左)。右は野田佳彦前首相=21日午後8時45分、千葉市中央区(杉侑里香撮影)
 「厳しい状況だが千葉は野党第1党にとどまった。この参院選は再スタートの第一歩だ」

 長浜博行氏(54)が再選を決めた21日、千葉市内の選挙事務所で長浜氏と並んだ野田佳彦前首相は、支援者を前に固い表情を崩さなかった。

 6年前の参院選での民主候補の選挙区での得票数は、加賀谷健氏(1期で引退)と合わせて114万票を超えたが、今回は順調に推移する安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」が逆風に。長浜氏単独の約39万票にまで激減した。

 今回の選挙戦で、野田氏は連日長浜氏の街頭演説に駆けつけた。松下政経塾では野田氏が1期先輩にあたり、親しみを込めて“浜ちゃん”と呼ぶ。

 野田氏は民主への支持が離れ、現職閣僚らが相次いで落選した昨年の衆院選でも、千葉4区で16万票余りを獲得。次点の自民候補にダブルスコアの差をつけた。長浜氏陣営では、地元で健在な人気にあやかり票の上積みを図ったが、思惑通りにはいかず、連日の野田氏の演説では聴衆が数十人にとどまることも。これに対し、自民の豊田俊郎氏(60)の応援で18日に麻生太郎元首相が県内入りした際には、数百人が話に聞き入り、対照的な光景となった。

 昨年の衆院選大敗の傷が残る民主は4月、2議席の維持を断念。「1議席死守」の方針を決め、衆院選の比例代表において県内で得た53万票を目標に掲げた。頼みの綱は、約15万人の組合員を抱える連合千葉だが、ある組合員の男性は選挙期間中にこう漏らした。「4年前の衆院選と比べ、全く盛り上がらない。与党の時に何もできなかった民主を支持することに自信が持てない」

 凋(ちょう)落(らく)したとはいえ、民主は昨年末までの政権与党。長浜氏側は自民の石井準一氏(55)に次ぎ、得票順で「2番手は固い」ともくろんだ。だが選挙戦終盤に公明党の支援を得た豊田氏に競り負け、3番手に収まった。

 6年前の114万票から転落し、次の選挙に向けても好材料が見つからない民主は当面、県内でも「いばらの道」を進むことになりそうだ。県連内には暗い雰囲気が漂うが、投開票日には予想だにしなかったプラスの出来事があった。

 投票終了直後の午後8時過ぎ、終始余裕の選挙戦を演じた大物議員に混じり、早々に長浜氏の当選確実がNHKで報じられたことだ。事務所へ戻る車の中でそれを知った長浜氏は到着するなり、集まり始めた支援者に勝利を報告。「こんなことがあるのですね」。笑顔はなく、驚きを隠しきれない様子だった。

     ?

 この企画は岡嶋大城、杉侑里香、江田隆一が担当しました。

2828チバQ:2013/07/24(水) 22:23:58
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk11010242000c.html
2013参院選・埼玉:ねじれの彼方/上 自公協力、異次元に /埼玉
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 第23回参院選は、連立政権を組む自民、公明両党の与党が圧勝し、衆参各院の多数派が異なる「ねじれ国会」を解消させた。埼玉選挙区(改選数3)でも自公の候補が1議席ずつを獲得。これに対し、野党勢はみんなの党が1議席を維持するのにとどまり、逆風にあえぎ続ける民主党は議席を失って危機的な状況に追い込まれた。選挙戦を振り返り、連立与党の自公が2議席を得た結果の意味を探った。【参院選取材班】

 「ねじれを解消して安定政権を樹立しようじゃありませんか」。選挙戦最終日の20日夕、菅義偉官房長官が公明新人の矢倉克夫氏(38)の応援のためJR浦和駅東口(さいたま市浦和区)で声を張り上げた。自民は現職の古川俊治氏(50)を擁立する一方、矢倉氏に異例の推薦を出した。自民県連会長の新藤義孝総務相もマイクを握り、「全国で初めて自民党と公明党が同じ選挙区で候補者を立てながら協力する。成功させようじゃないですか」と強調した。

 選挙カーの前には、同市選出を中心に自民の衆院議員や地方議員がずらりと並んだ。17日には石破茂幹事長が来県し、矢倉氏を応援。自民側は公明側に対し、安倍政権の要である菅氏の投入も合わせ最大限の配慮を示した。最後のてこ入れのため浦和に駆け付けた公明党の山口那津男代表は「このたびは自民党のみなさまから格別な計らいをいただいて、心から感謝を申し上げたい」と感謝の言葉を惜しまなかった。

 今回の参院選では、衆院選の小選挙区で公明の支援が重要な地域を中心に、自民の衆院議員が矢倉氏の応援で街頭に立った。自身の支持者に矢倉氏を紹介する機会を設ける議員もおり、公明側は基礎票の40万票超に加え、自民側から10万票程度の上積みを期待した。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」で景気が上向きつつある中、古川氏は100万票を超える過去最多の得票で再選し、矢倉氏も60万票近い得票で2番手に入った。共同通信が実施した出口調査によると、自民支持層の1割近くが矢倉氏に投票。公明県本部の西田実仁(まこと)代表は「保守層の方々にも十分に浸透できた」と満足げに語った。

 だが、自民側には他党候補への異例の支援に不満もくすぶる。古川氏は当初、矢倉氏への推薦について「人の党の票を『分けてください』と言う前に、無党派層に訴えかけろよ。(公明を支持する)創価学会は嫌いだ」と反発した。「小選挙区は公明党なしでは戦えなくなっているのが現状とはいえ、これだけ振り回されるのは悲しい」。ある県選出の国会議員は自嘲気味に話す。

 「私たちは自民党と公明党の選挙協力の最先端にいる」と新藤氏は語る。自公の選挙協力は埼玉で、金融政策と同じように「異次元」の領域に突入した。ただ、両党には憲法改正や原発など立場の異なる政策が少なくない。連立政権の真価はこれから問われることになる。

.

2829チバQ:2013/07/24(水) 22:27:07
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk11010201000c.html
2013参院選・埼玉:ねじれの彼方/下 終盤は野党間争い /埼玉
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 「夜中になると思っていたので、正直驚いている」。21日夜、参院選埼玉選挙区(改選数3)で早々に再選を確実にしたみんな現職の行田邦子氏(47)は、さいたま市大宮区の事務所で語った。接戦で当落の判明が深夜にもつれ込むと予想されたからだ。

 「大宮で枝野(幸男衆院議員)に勝つ」。2007年の参院選で民主現職の山根隆治氏(65)の陣営にいた行田氏陣営の幹部は、そんな発破をかけて回った。行田氏は07年に民主で初当選したが、昨年7月に民主を離れ、みどりの風を経て今年3月にみんなに入ったばかり。枝野氏の地元の大宮区で山根氏に勝つことが、参院での議席の維持を意味する。同区での得票数は行田氏8507票、山根氏8472票だった。

 全体の得票数は行田氏が約49万票で、約39万票に沈んだ山根氏に約10万票差をつけた。共同通信の出口調査によると、無党派層からの支持は、自民現職の古川俊治氏(50)が3割弱で最も高く、行田氏の2割強、共産新人の伊藤岳氏(53)の2割弱と続いた。山根氏は1割強しかなく、民主支持層の支持も7割強にとどまった。

 山根氏の選対本部長を務めた枝野氏は行田氏の得票数を想定内とした上で、「山根さんの票が少ないのが問題だ」と振り返る。

 12日にあった山根氏の集会で、元民主衆院議員の上田清司知事はこんな見方を示した。「これまで民主党は自民党や公明党にいく票以外の票をかき集めれば、それなりの戦いができた。今度の戦いは違う。10人に1人の民主党の人(支持者)をしっかりたぐり寄せるのが今回の戦術ではないか」

 3議席目を行田氏と争う情勢がはっきりしてきた終盤になると、山根氏陣営は行田氏への批判を強めた。20日に大宮駅前で演説した民主の細野豪志幹事長は「政党が変わるのは確かに得かもしれない。しかし、理念はどうなったのか。やりたいことは何なのか」と訴えた。

 ところが、行田氏と競り合うどころか、山根氏の背後には約35万票を得た伊藤氏が迫った。伊藤氏は「『自民党の暴走を抑えたい』という熱い思いを肌身で感じた」と手応えを語った。

 埼玉選挙区の政党別の得票数は、自公の約160万票に対し、その他の野党が約129万票。野党が再び衆参各院のねじれを生み、政権交代を実現するためには、支持層を一段と厚くする努力が求められる。

  ◇  ◇  ◇ 
 この企画は、木村健二、狩野智彦、西田真季子、大平明日香、川畑さおりが担当しました。

2830チバQ:2013/07/24(水) 22:30:17
http://mainichi.jp/area/news/20130723ddq041010010000c.html
2013参院選:審判のあと/上 大村氏、したたか「布石」 愛知選挙区、4党候補を応援
毎日新聞 2013年07月23日 中部朝刊

 ◇自民に独自擁立論と連携論
 「アベノミクスで景気を回復させる」。愛知選挙区の自民新人の酒井庸行氏(61)は選挙期間中、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待の高さを意識し、演説に必ずこのフレーズを使った。

 応援に駆け付けたある衆院議員は壇上から会場全体を見渡し、演説でアベノミクスの話になると聴衆がうなずく様子に驚いた。「自分が戦った昨年12月の総選挙では、演説をしていても聴衆の反応は今ひとつだった。アベノミクスの追い風はすごい」と、トップ当選に自信を深めた。酒井氏の得票は105万6145票で、同選挙区過去最多を記録した。

 初当選の喜びに沸く名古屋市中区の事務所で、当選祝いに訪れた自民の中堅県議は取材に対し、圧勝を受けて「知事選に候補者を立てたい」と息巻いた。2011年2月の知事選で、自民県連推薦の候補は、自民を飛び出し無所属で出馬した大村秀章氏にほぼトリプルスコアで大敗した。県政運営で、自民と大村知事との緊張関係が続く。

 大村知事は個人県民税の減税を14年度に実施する方針を発表し、今後、県議会で審議される。この県議は「知事と対立する政策が目白押しで、年末に向け議会が騒がしくなる」と不敵に笑った。

 ただ、自民も一枚岩ではない。ベテランの岩村進次県議は選挙終盤の17日夜、酒井氏応援のために開いた個人演説会に大村知事を招いた。大村知事は「立派な票で国政に押し上げていただきたい」と応援演説し、酒井氏の到着前に会場を出た。党県連幹部は「知事選に立候補し、党を除名された人の応援はいらない」と不快感を隠さなかった。

 それでも、岩村県議は「いつまでしこりを残すつもりなのか。知事とタッグを組んで県政与党に戻るべきだ」と主張する。

 参院選で、大村知事は酒井氏のほか、盟友の河村たかし名古屋市長率いる減税日本の新人と一緒に自転車街宣し、民主の大塚耕平氏(53)の応援演説もした。終盤の19日にはみんなの党の薬師寺道代氏(49)の選挙事務所を訪れ、激励した。自民、民主両党の県議は「知事選に向けた全方位外交だ」と推測するが、大村知事は「(知事選のことを)全く考えていない」と言う。

 「アベノミクスへの評価が争点だったとすれば、国民の期待は大きく膨らんだ」。22日の定例記者会見で、参院選について聞かれた大村知事はこう答え、「安倍総理はじめ、自公与党の関係者にお祝い申し上げたい」と語った。知事選まで約1年半、勢いに乗る自民と、大村知事の駆け引きが始まっている。【駒木智一】

  × × ×

 自民圧勝、民主惨敗という民意の審判が下された参院選。選挙結果を受け、広がる波紋を追った。

2831チバQ:2013/07/24(水) 22:31:33
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddq041010011000c.html
2013参院選:審判のあと/下 道見えない野党 岡田氏、必死の応援でも届かず 第三極分裂、票奪い合い
毎日新聞 2013年07月24日 中部朝刊

 「やるべきことは全てやった」。選挙戦最終日の20日、三重選挙区の民主現職、高橋千秋氏(56)の選対本部長を務めた岡田克也前副総理は、早朝から十数カ所で街頭演説をこなして運動を終え、選挙戦を振り返った。「私の参院選は昨年の衆院選で民主党が敗北した瞬間から始まっていた。県全体ではわからないが、県北部では勝ったと思う」と、当選に望みをかけていた。

 岡田氏は年明けからミニ集会を200回以上こなし、公示後も地元に張り付き、駅前に立って通勤客らに自らビラを配った。「あれ本物だよ」と驚いた女子高生が「撮ってください」と頼むと、岡田氏は笑顔でピースサインをして一緒に写真に納まった。必死に応援する姿に刺激され、連合三重や民主系の地方議員らはフル回転した。

 それでも届かなかった。21日夜、高橋氏落選の報に、岡田氏は「残念。アベノミクスに対する過剰な期待感と戦っていた。現実では3本目の矢が実現していないことを伝えきれなかった」と語った。

 民主は岐阜選挙区で大敗し、2009年の衆院選後、岐阜県に最大9人いた所属国会議員は非改選の参院議員1人だけになった。愛知選挙区では候補者を大塚耕平氏(53)1人に絞って議席を死守したが、得票数は74万票と、10年参院選の同選挙区で当選者2人が得た計142万票からほぼ半減した。

 第三極も伸び悩んだ。愛知選挙区で落選した日本維新の会の近藤浩氏(52)は21日夜、「愛知において維新の灯を消すことはできないので、これから懸命に努力していく」と頭を下げた。維新とみんなの党は選挙協力が崩れ、別々に戦って票を激しく奪い合った。みんなの薬師寺道代氏(49)は3議席目に滑り込んだが、票が割れた結果、得票数は34万票と、自身が落選した10年参院選より3割以上減らした。維新県総支部代表の重徳和彦衆院議員は「第三極が分裂した影響は大きかった。一つにまとまらなくては自民党に対抗できない」と悔やんだ。

 維新は三重選挙区で大敗し、県総支部の松田直久支部長代行も「選挙戦以前にもう少しやり方はあったんだろうと思う」と言う。岐阜選挙区では候補者擁立すらできなかった。

 また、河村たかし名古屋市長率いる地域政党・減税日本の新人も愛知選挙区で法定得票数に届かず落選した。河村市長は23日の記者会見で第三極の結集について「第二極でないとおかしいけど、大きい勢力になってやっていかんと」と述べた。

 圧勝・自民に対抗する党はできるのか。民主は執行部の進退問題に発展し、第三極同士の協力の道筋も見えない。【田中功一、高橋昌紀、井上直樹】

2832チバQ:2013/07/24(水) 22:34:15
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk15010266000c.html
参院選・新潟:検証2013/上 「奇跡」でも危機続く /新潟
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 21日投開票が行われた参院選は、自民、民主が議席を分け合う結果となった。候補者8人が2議席を争う激戦となった選挙戦で、主要4陣営の戦いと課題を検証する。

 ◆民主・風間陣営

 生活の森ゆうこ氏(57)との激しい「2位争い」を制し、再選を果たした民主の風間直樹氏(46)。獲得票数20万4834票は、トップ当選の自民、塚田一郎氏(49)の45万6542票とダブルスコアの差がついたが、民主県連の菊田真紀子代表は21日夜、「(昨年12月の)衆院選から半年で奇跡的(な票数)ではないでしょうか」と記者団に語り、満足げな表情を見せた。「ぎりぎりのところで県民が民主にチャンスをくれた」とも。それだけ、参院選の勝利は追い詰められた末につかんだものだった。

 公示を間近に控えた6月下旬、新潟市内のホテルで前衆院議員の西村智奈美氏の後援会の集会が開かれた。招かれた風間氏は「西村さんの次の選挙の露払いのつもりで戦う」とあいさつ。西村氏も「捲土(けんど)重来を期す」と応えた。

 衆院選で県内小選挙区の全議席を失い、大敗した民主。支持率は回復せず、選挙戦に入っても逆風はやまなかった。県連は「これまでの風頼みからの脱却」(菊田代表)として、連合新潟や立正佼成会とともに異例の合同選挙対策本部を設置し、組織戦で臨んだ。

 中でも選挙戦を主導したのは、各地区の選対本部長に就いた現職・前職の国会議員だ。個人演説会への個人後援会の動員や、支持者が電話かけをするなど、精力的に支援した。県連幹部は「彼らも次の衆院選を見据えているから必死だ」と語る。

 実際に、各本部長の奮闘もあり、森氏有利と見られていた県央地域でも善戦。勝利につながった。菊田代表は「チームプレーの勝利だ」と胸を張った。

 だが、全国で改選数2以上の複数区でも議席を落とすなど結党以来の惨敗を喫した同党。2人区での議席獲得は県連の面目を保った形になったが、危機は去っていない。国政復帰を目指す前衆院議員は「支持の広がりはなく、信頼は回復できていない」と厳しい表情で語った。【塚本恒】

 ◆自民・塚田陣営

 ◇組織運営、地方議員頼み

 大勝した自民の塚田氏の陣営では、県連の星野伊佐夫会長は21日夜、「(組織が)緩んだり、たるんだりすると困ると思ったけど、最後まで引き締めができたかな」と安堵(あんど)の表情を見せた。一夜明けた22日も、45万票を超えた得票に「われわれの(事前の)読みより3万近く多く投票してもらえた」と語った。

 党への追い風、安定した組織力という万全の環境、態勢で結果を残した同党だが、2009年の衆院選で全選挙区で議席を失った痛手から完全に立て直したわけではない。

 今回、衆院1〜6区ごとに選対本部を置いたが、昨年の衆院選で初当選した新人議員の選挙区で本部長に就任したのはベテラン県議と参院議員だ。新人議員の一人は選挙終盤の塚田氏の個人演説会で、「私は陣営の一運動員。(衆院選で)皆さんに何をしていただいたか、今やっと分かっているところです」と本音を吐露した。

 個人後援会もいまだ未整備の新人議員の役割を「人寄せパンダ」(県連幹部)と皮肉る声も。県議からは「彼らの成長のためにも実権を移していくべきだ」との意見もあるが、「党員拡大の実績でも示してもらってからだ」などの厳しい目は続いている。しばらくは地方議員頼みの組織運営が続きそうだ。【小林多美子】

2833チバQ:2013/07/24(水) 22:34:56
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk15010121000c.html
参院選・新潟:検証2013/下 小沢氏の落日象徴 /新潟
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 ◆生活・森陣営

 3選を果たせなかった生活の森ゆうこ氏(57)は21日夜、「組織に頼らず、草の根の手作りの選挙をしていただいたが、全て私の力不足」と事務所に集まった支援者に頭を下げた。だが、話題が獲得議席数ゼロと惨敗した同党のことになると、「党の看板である小沢(一郎)代表にかけられた検察のわな、メディアスクラムにより失われた信頼を取り戻すことは厳しかった」と語気を強めた。側近として行動を共にしてきた森氏の落選は、小沢氏の権勢の衰退を象徴するものとなった。

 「今回は、最初の選挙の渡辺(秀央参院議員・当時)先生、前回の田中真紀子さんのように後ろ盾になってくれる人がいない。小沢先生がたくさん応援に来てください」。5月下旬、森氏の総決起集会に招かれた小沢氏に、陣営の幹部はこう依頼した。小沢氏は「分かった。たくさん行くよ」と答えたという。

 これまで森氏は、自由党の渡辺氏や、前回選では同じ民主議員だった田中氏ら有力者の支援を受け当選してきた。陣営は「今回も保守層を取り込む仕掛けが必要だ」としていたが、有効な手立ては見つからなかった。

 小沢氏は公示5日後の7月9日に新潟入りしたが、全国各地で劣勢が伝えられていた同党は、小沢氏の地元岩手でも苦戦。陣営が「新潟に再び来る余裕がないのでは」と気をもむ場面もあった。

 最終盤の19、20日。小沢氏は南魚沼市のJR浦佐駅前の田中角栄像の横などでマイクを握り、「日本のどんなところに住んでいても、安心した生活が送れるようにという田中先生の志を受け継いできたのは私です」と保守層を意識した演説を行った。だが最後の追い上げはかなわなかった。

 「このままではこの国が危うくなる。これからも闘っていく」。落選を受けて森氏は21日夜、今後も政治活動を続けていくことを明言した。小沢氏を今後も支えるかという記者の問いにも「もちろんです」と即答した。【小林多美子】

 ◆維新・米山陣営

 ◇人気頼み、抜け出せず
 4度目の国政挑戦も落選に終わった維新新人の米山隆一氏(45)は21日夜、「政治への思いがすぐ消えるわけはないが(再度の立候補は)難しいと思う」と話し、今回が最後であることを示唆した。5月中旬の橋下徹共同代表の慰安婦発言後、政党支持率は急落。米山氏の街頭での弁明もむなしく、最後まで支持は広がらなかった。

「あの発言があるまで、楽勝ムードすらあった」。最後の訴えを終えた20日夜、米山氏は疲れた表情で語った。結党して日が浅く、組織力のない維新にとって、橋下氏や石原慎太郎共同代表の「党の顔」が頼りだが、その人気頼みから抜け出せないまま、足元を固めることができなかった。

 米山氏は「(かつて所属していた)自民時代の人脈やインターネットを使って巻き返したい」として、自民時代の名簿を使った電話作戦や、演説の様子を動画配信するなどに取り組んだが、思うようにはいかなかった。県総支部の長谷川道郎幹事長は「組織を点検し、再構築を目指す」としているが、3年後の国政選挙に向けた具体的な戦略はまだ描けていない。【真野敏幸】

2834チバQ:2013/07/24(水) 22:36:29
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk01010201000c.html
戦いの底流:2013参院選・北海道/上 自民 快勝に高揚感なく 候補者選考でしこり /北海道
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 「伊達さんじゃなくて自民党に入った票だな」。当選した伊達忠一氏(74)を擁立した自民党道連の幹部は、自民圧勝を伝える新聞を開いて苦笑した。伊達氏は高齢批判や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加問題など、懸念材料を抱えた中での選挙戦だった。結果は、マイナス要素をすべて吹き飛ばすほどの追い風を受けて圧勝した。しかし、道連や陣営の間では「戦った感じがしない」と、勝利した高揚感はなかった。

 選挙に向けた候補者選考では、伊達氏を推す国会議員らと、「世代交代」を求める道議が対立。5人が乱立し、国会議員と地方議員による投票にもつれ込んだ。伊達氏に決まった後も、落選した道議の地盤を中心に支援の動きは鈍く、伊達氏のポスターがほとんどない地域もあった。

 遊説先での動員も低調だった。陣営によると、伊達氏が回った道内各地の総動員数は約1万9000人で、前回参院選(2010年)より約2割減った。全国的な党の劣勢などで伊達氏が逆風にさらされた07年参院選と比べても、地域によっては3分の1ほどだった。候補者選考のしこりやTPPへの反発が強い地域は特に少なく、陣営幹部は「ひどい状況だ」とこぼした。

 特に一変したのが新篠津村だ。自民の得票率が常に道内トップクラスを誇る保守の牙城だが、今回はTPP問題で支援の動きが後退した。

 投開票日を5日後に控えた16日、JA新しのつ前で行われた伊達氏の演説には、村長やJA組合長ら約60人が集まった。TPPへの反発を抑えようと、伊達氏は配合飼料高騰に対する政府の緊急対策などをアピールしたが、コメ農家が中心の村で反応は悪かった。

 その3日後、「TPP断固阻止」を掲げる新党大地新人の浅野貴博氏(35)が同じ場所で行った演説には、伊達氏の時とほぼ同じ数の農家が集まった。

 自民党の新篠津支部幹事長を務めるJA新しのつの西井通泰専務理事は「人の集まりはいつもの半分くらい。TPPをめぐる自民への不信感を拭い去る材料がなく、今回は厳しい」と困惑していた。ある道連幹部は「普通なら負ける選挙。追い風は続かない。課題をきちんと検証する必要がある」と話し、2年後にある統一地方選を懸念していた。

 道議や道連関係者は、昨年末の衆院選で道内全選挙区に国会議員が誕生したことによる体制の変化も指摘する。従来、道内では自民の国会議員がいない空白地域が多く、道連は実動部隊となる地方議員らに直接指示していた。しかし今回は、国会議員が間に入ることになり、新人議員が多いこともあって道連と道内各支部との連携がうまくいかないこともあった。

 伊達氏は2位に30万票以上の差をつけた。あるベテラン道議は「内部のゴタゴタは、有権者には関係のないこと。90万もの人が選んだのだから、きちんと有権者の目線でものを見なければいけない」と戒めた。【円谷美晶】

    ◇

 自民と民主の候補者が再び議席を獲得した今回の参院選道選挙区。戦いの舞台裏を追った。

2835チバQ:2013/07/24(水) 22:37:34
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk01010204000c.html
戦いの底流:2013参院選・北海道/下 民主・他党 当選にも疲労の色 得票伸ばした落選者も /北海道
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 民主党は結党以来の歴史的惨敗で、党の存続そのものが問われる選挙となった。投開票日の21日、民主の小川勝也氏(50)の選挙事務所は当選とはほど遠い静まりようで、一時は万歳三唱の自粛も検討された。当選から一夜明けた22日朝、小川氏は「素直に喜べない」と疲労を隠さなかった。

 小川氏4選の頼みは、かねての支持母体である連合北海道だった。組合員は約26万人で、1人につき5人の紹介を求めて支持固めに取り組んだ。陣営関係者は「違う組合員の紹介で3回電話がかかってきた支持者もいる」と必死ぶりを話した。

 さらに陣営は、無党派層の取り込みが難しいと判断し、地方重視で遊説した。17日間に112市町村を回り、177カ所で街頭演説をこなした。小川氏は「道議や市町村議が多いことが他県と違う強み」と語った。

 当初は、6年前に当選した2007年の約102万票から得票を半分以上減らす「危険水域」も想定された。だが実際は次点候補を23万票引き離し、約58万票で当選した。この得票を党勢回復に生かせるか問われた小川氏は「アベノミクスに失点が出てくるかによって我々の評価が変わる。いきなり政権奪取とはいかない」と答え、積極的に再生を担う決意は感じられなかった。

 一方、新党大地の浅野貴博氏(35)と共産新人の森英士(つねと)氏(35)は小川氏に水をあけられたが、過去の国政選挙より得票を伸ばす傾向を示した。

 浅野氏は約35万票を獲得。得票率は14・7%で、過去3回の衆院選比例代表で維持した13%台前半から微増した。大地は参院選で初めて、全国比例に候補者を擁立。昨年末の衆院選で失った政党要件の確保に必要な「全国比例で2%」の得票率を目指したが、1%にとどまった。鈴木宗男・党代表は「大地として一石を投じることができた」と強弁するが、業界団体など支援組織の後ろ盾はなく、支持層拡大に課題が残った。

 共産の森氏は、党躍進に乗じて前回(10年)より7万票多い約27万票を得た。だが小川氏との差が30万票以上あり、浅野氏にも競り負けた。陣営幹部は「政策が似通う大地の方が、無党派層に食い込んだ」と分析する。

 だが全国で5議席確保を目標にした比例中心の戦いだったことも否めない。6月に配られた後援会ニュースには「共産党と紙さんのご活躍に期待します」と書かれ、農協組合長や首長ら32人の名前が並んだ。裏面には比例候補の紙智子氏(58)の写真とメッセージが大きく載り、森氏は隅に小さく「いっしょにがんばります」と書かれているだけだった。

 みんなの党新人の安住太伸氏(43)は「TPP推進を訴えた反発が想像以上に強かった」と話す。党は10年の参院選道選挙区で今回を上回る約32万票を獲得。だがこの時の候補者は参院選後、党のTPP推進方針などに反発して離党。安住氏は「前回のアドバンテージはほぼない状況だった」と語ったが、陣営の人手不足は顕著で、公示後、掲示板に安住氏の選挙ポスターを全て張ることはできない状態だった。

    ◇

 道選挙管理委員会によると、道選挙区の無効票は10万5066票で、投票総数の4・19%。07年と10年は3%を下回っており、投票の意思はあるが選択肢が見つからない有権者の意識を映し出している。【森健太郎、坂本太郎、小川祐希、高橋克哉】

2836チバQ:2013/07/24(水) 22:40:16
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk08010056000c.html
2013参院選・いばらき:検証・指定席/上 自民独走 県連組織フル活用 連日、文書で引き締め /茨城
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 21日に投開票された参院選茨城選挙区は、事前の予想通り自民党新人の上月良祐氏(50)が圧勝した。得票数は選挙期間中に上方修正した55万票をも超え、2議席目に滑り込んだ民主党現職の藤田幸久氏(63)の出身地で連合茨城の強い日立市や日本維新の会の新人候補の地盤である取手市などでも他候補者を圧倒。全44市町村で最多得票を獲得した。

 上月氏は選挙カーで県内をくまなく回り、旧市町村ごとに計91カ所で街頭演説を実施。各会場では県連の組織をフル活用し、首長や県議も応援演説に立った。さらに、当選が確実視されるがゆえの上滑りを警戒。県連は毎日、各団体に気を緩めないよう求める文書を送って組織の引き締めを図った。自民の高い支持率とともに、県連一丸となった取り組み。選対本部長を務めた県連の岡田広会長は「今までで一番恵まれた候補者じゃないか」。

    ◇

 比例代表では県議に比例代表候補の担当を割り当て、県議の後援会も動かしてきめ細かな支援体制を取った。この結果、県内の比例得票数は前回2010年参院選と比べ、約9万票増の44万5077票となり、県議に割り当てられた比例代表の15候補のうち13人が当選。さらに、上月氏の演説では毎回、比例代表候補の出身母体の団体が競うようにのぼりを立て、選挙区、比例代表での相乗効果を生んだ。

    ◇

 「結果の出ない努力では意味がない。日本をもう一度良くしていくため、しっかり頑張っていきたい」。上月氏は当選後、政権与党としての成果を出していく考えを強調した。23日からは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に日本が初参加。当選祝いに駆け付けたJA県5連の加倉井豊邦会長を前に、上月氏は「攻めるところは攻め、守るところは守る。守るところも守れないようだったら、やめた方がいい」と言い切った。衆参のねじれが解消し、結果はすべて与党の責任となり、これからは野党に責任転嫁できない。

 9月8日に投開票を迎える知事選への対応も言い訳できないところに追い込まれている。これまでは参院選に集中することを理由に、知事選への対応を先送りしてきた。この間、県建設業協会や県歯科医師連盟など有力支持団体が続々と現職の橋本昌知事の推薦を決めた。前回知事選では5選を目指す橋本氏に対抗馬を擁立。参院選で自民を支援した団体も、自民県連が知事選の対応に筋を通せなければ、気持ちは冷めかねない。ある団体幹部は「我々は自民党べったりではない。是は是、非は非だ」。圧勝にも冷静に自民党を見つめている。【鈴木敬子】

 ×  ×  ×

 自民、民主が「指定席」を確保した21日の参院選茨城選挙区。6回連続で議席を分け合う構図になった背景を検証する。

==============

 ◇参院選茨城選挙区過去6回の当選者
 <1998年7月12日>

310002 郡司彰  民新<1>

256948 久野恒一 自新<1>

 <2001年7月29日>

543320 狩野安 自前<3>

256908 小林元 民前<2>

 <2004年7月11日>

583471 岡田広 自現<2>

477948 郡司彰 民現<2>

 <2007年7月29日>

540174 藤田幸久  民新<1>

427297 長谷川大紋 自新<1>

 <2010年7月11日>

499566 岡田広 自現<3>

307022 郡司彰 民現<3>

 <2013年7月21日>

560642 上月良祐 自新<1>

204021 藤田幸久 民現<2>

 ※数字は得票数、丸数字は当選回数

2837チバQ:2013/07/24(水) 22:41:10
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk08010031000c.html
2013参院選・いばらき:検証・指定席/下 2議席目争奪 組織頼み、民主終始 みんな、維新分裂も勝因 /茨城
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 2議席目に滑り込んだ民主党現職の藤田幸久氏(63)の陣営関係者は胸をなで下ろした。「維新とみんなが分裂してくれてよかった。(両党を)足せば超えられてしまうところだった」。20万4021票を獲得した藤田氏に対し、みんなの党新人の石原順子氏(52)と日本維新の会新人の石井章氏(56)の得票数は計28万1226票。両党の選挙協力が行われていれば、藤田氏は相当厳しい状況に追い込まれていたことは間違いない。

 しかも、藤田氏は“落下傘候補”の石原氏に追い上げられ、一部マスコミの世論調査で小差での議席争いが伝えられた。共同通信社の出口調査によると、藤田氏は民主支持層の約8割、石原氏はみんな支持層の7割強を固め、無党派層(支持政党なし)からはそれぞれ約2割ずつの票を得た。無党派層から同じ程度の支持を得ていることを考えれば、両氏の約5万票の得票差は両党の支持層や組織力の差とも言い換えられる。

    ◇

 「議席維持は連合の皆さんが一生懸命動いてくれたおかげだ」。藤田氏の当選確実が伝えられた21日夜、民主県連の長谷川修平幹事長は、真っ先に支持団体「連合茨城」への謝辞を述べた。当初40万票を掲げていた得票数の目標は20万票に下方修正。その20万票の獲得さえ、難しいと見られていた。このため、民主党は連合茨城のほか、藤田氏を推薦していた県医師連盟の組織票を「頼みの綱」に選挙を戦ってきた。

 これに対し、みんなの組織は一部市議らが活動しているだけで、全県の組織はないに等しい。原田雅也・みんなの党県ひばり支部長は「無党派層の反応はよかったが、維新の石井氏があれだけの票を取るとは想定外だった」。公示日の約1カ月前の出馬表明となり、活動時間が少なかったことに加え、維新との票の奪い合いになったことを敗因に挙げた。渡辺喜美代表は公示後、計3回も茨城入りして応援したものの、自民、民主の指定席の一角を取り崩すまでにはいかなかった。

   ◇
 組織の脆弱(ぜいじゃく)さで言えば、維新はさらに深刻だった。公示前、維新関係者は「茨城に地方議員がいない維新にとって、みんなとの選挙協力解消は痛い。協力が継続していたら、少なくとも10万票は上積みできる」と眉をひそめた。第三極への追い風が吹いた昨年12月の衆院選比例代表で、維新は県内第2党に躍進したものの、県内組織の活動実態はなく、完全に風頼みの状態だった。石井氏は「野党がばらばらで、『第二極』がない状態」と指摘。自民に対抗し得る野党勢力結集の必要性を強調した。【岩嶋悟、杣谷健太、安味伸一】

2838チバQ:2013/07/24(水) 22:54:44
http://www.asahi.com/area/iwate/articles/MTW1307240300003.html
「復興」で一点突破



「県や復興庁に、ガツッとやるように言いますので」。住宅再建の不安を口にする仮設住宅の住民らに声を掛ける平野達男氏=5日、釜石市


 【岩井建樹】「復興大臣になったつもりで被災地を歩く」


 3選を果たした翌22日朝。無所属の平野達男氏は会見で、「復興庁の職員を呼んで話を聞き、問題点を整理する。よい提案をすれば政府も受け入れる」。復興相を務めた人脈と経験があれば、政党に頼らなくとも問題はない、と言わんばかりだった。


 「組織も金もない選挙戦」(陣営幹部)。平野氏は17日間の選挙戦でひたすら街頭に立ち、演説の大半を復興に費やした。他の候補者や政党の批判はせず、「復興の最前線に立つ覚悟だ」と訴え続けた。


 自民党が閣僚や人気の若手議員らを連日投入し、「無所属議員に何が出来るのか」と批判を口にするのとは対照的な姿だった。


 被災地では、仮設団地を100カ所以上まわった。平野氏は「被災者に話をするのは当然」と言う一方、「戦術的な面もあった」。仮設団地で被災者と語り合う姿は、復興を訴える平野氏のイメージと重なった。


 7月11日の月命日には他陣営が被災地に押しかける中、平野氏は「その日は遺族がお墓参りをする日」と内陸部を遊説。その日の夜に盛岡市で開かれた集会では、陣営幹部が「月命日を選挙に利用せず、遊説を避けた平野氏は他の候補者とはやはり違う」と訴えた。


 こうした「完全無所属」「復興最優先」の姿勢を徹底する戦略が功を奏す。無党派層に加え、民主党、社民党といった「反自民層」、さらに落下傘候補に違和感をぬぐえない「自民支持層」の受け皿となっていった。


●慎重に自民と距離


 ただ、平野氏が始めから政党の看板に頼らなかったわけではない。


 沈む船に乗りたくないと4月に民主から逃げだした時には、「自分の原点は保守」と語り、上り調子の自民に支援を求めた。それがかなわないと、平野氏はショックで寝込んだ。


 5月の連休明けから、同級生や地元北上の企業の支援を受けて活動を再開。民主、地域政党いわて、無所属の県議8人も支援に回った。


 息を吹き返した平野氏はその後、自民を連想させる「保守」との言葉を使うのを控えた。自民に秋波を送った経緯から、「当選後に自民入りするのでは」とのうわさが出て、支援県議の後援会にも戸惑いが広がっていた。


 陣営幹部は打ち明ける。「民主や社民など『反自民層』を取り込むためには、自民入りのうわさは迷惑だった。頭のいい平野さんは言葉を慎重に選んだ」


●当選で連携流動的に


 とはいえ、当選すれば話は変わる。


 平野氏は「当面は無所属で復興最優先で活動する」との考えだ。一方、平野氏が強い関心を示すTPP参加問題や社会保障と税の一体改革については「1人でやるには限界がある」とも述べ、政党との連携も視野に入れている。


 自民側は選挙中、自民支持層が平野氏に流れることを懸念し、「平野氏の自民入りはない」とうわさの打ち消しに躍起となっていた。


 だが、4月に秋波を送られた際に平野氏を推した二階俊博総務会長代行が19日に県内入りした際、「平野氏は敵ではない」と言うなど、自民内には平野氏を評価する声も一部に残る。


 平野氏は当選直後、記者団の取材に「今は自民入りはない」と話したが、岩手でどうしても勝てない自民が、平野氏に接触する可能性は残り、流動的だ。


 北上後援会長として平野氏を支え続けた中村好雄氏は推し量る。「当選の経緯からして今は動けない。政界の動向を見ながら立ち位置を決めるつもりではないか」

2839チバQ:2013/07/24(水) 22:59:02
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20130723-OYT8T01301.htm
<参院選>脅かされた「民」指定席 組織力で「維」かわす

 21日午後11時20分頃、広島市中区にある民主党新人、森本真治の事務所では、森本が顔を紅潮させ、何度も万歳を繰り返していた。2004年の参院選以来、2議席を自民党と民主党が分け合ってきた広島選挙区。結果こそ変わらなかったが、森本は日本維新の会新人の灰岡香奈に約2万1000票差にまで詰め寄られ、民主党は“指定席”を脅かされた。その戦いの背景を探った。(矢野彰)

 昨年末の衆院選以降、県内でも自民党への追い風が吹いていた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」による円高修正で、自動車メーカー・マツダは5年ぶりに黒字化。一時は同党県連内に「参院選2人擁立論」も浮上したが、最終的には溝手顕正のみにした。2人擁立を見送った背景には、約14万5000人いる連合広島傘下の組合員に支えられ、2004年の参院選以降、常に選挙区の候補者が50万票以上を獲得する民主党の存在があった。

         ◇

 「広島は絶対に落とせない『重点区』だ」。県連幹部が口をそろえる民主党。党勢の立て直しは、森本に託された。しかし、森本は連合広島傘下の組合を回った先々で3年間の政権運営について批判を受け、組合員から「でも民主党から出るんでしょ……」と、公然と“拒否反応”を示されるなど、逆風下での選挙戦を強いられた。

 選挙直前に実施した党の調査では灰岡との差がほとんどなくなり、議席獲得に“黄色信号”がともった。選挙期間中、連日のように知名度のある党幹部が来援。陣営も「これまでの選挙では考えられない力の入れようだ」と、振り返る。

 「最大の支持団体として責任が重かった」――。薄氷の勝利に、連合広島の石井一清会長は胸をなで下ろした。しかし、得票は溝手には30万票以上の差をつけられる19万4358票で、広島市では市議時代の地元・安佐北区以外は灰岡の後じんを拝した。大手労組がある地域でも、呉市では勝ったが、府中町や東広島市では互角――。ある労組幹部は選挙結果を受け、こう話した。「今回は運が良かっただけ。投票率が上がれば、危なかった」

        ◇

 終盤の15日夜、維新県総支部代表・中丸啓の携帯電話が鳴った。「もう一押しやろう」。党の情勢調査で、先行する森本の背中が見えてきたことを受けた、党本部からの連絡だった。

 17日には共同代表の橋下徹が広島入り。大票田の福山、広島両市で街頭に立ち「民主党は本当に駄目な野党。今後の政治に有害だ。広島では民主党が2番手で、このままでは残ってしまう」と批判を繰り返した。

 橋下は、当初予定していた福岡での遊説をキャンセルし、翌日午前中も広島にとどまった。幹事長の松井一郎や、知名度が高い衆院議員の東国原英夫も合流。さらに、テレビや繁華街の大型モニターでCMを繰り返し流した。「勝負」とみて、一気に無党派層を掘り起こす作戦に出た。

 テコ入れの効果で、知名度ゼロからのスタートだった新人が、民主党、そして連合広島を苦しめた。中丸は「支援に回る県議・市議の数、地方組織の差だ。民主党の何分の一かでも組織ができていれば、ひっくり返せていた」と話した。

(敬称略)

(2013年7月24日 読売新聞)

2840チバQ:2013/07/24(水) 22:59:44
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/feature/kyoto1374503324088_02/news/20130722-OYT8T01910.htm
検証13参院選京都
<上>ぶれず訴え広い支持◆圧勝さらに組織固め



有権者にあいさつする倉林氏(22日朝、四条大橋で) 21日に投開票された参院選。2議席を争った京都選挙区では、自民党現職・西田昌司氏(54)がトップで再選され、共産党新人・倉林明子氏(52)が民主党新人・北神圭朗氏(46)らとの混戦を制して初当選を飾った。同選挙区で長らく続いた「民主、自民体制」の転換点となった戦いを振り返り、今後の各党の勢力図を展望する。(関俊一、倉岡明菜)

 「みなさんの願いをしっかりと国政に持ってまいります」。投開票から一夜明けた22日朝、倉林氏は、四条大橋でマイクを握り、行き交う通勤客に晴れやかな表情で呼びかけた。

 かつて「共産の牙城」と呼ばれた京都だが、同選挙区での勝利は1998年が最後。昨年12月の衆院選では府内6小選挙区とも完敗し、府内で得た比例票も、自民、日本維新の会、民主各党に次ぐ4番手にとどまった。



手を振ってあいさつする西田氏(22日朝、南区で) どうせ参院選も負けるだろう――。「あきらめムードもあった」(共産党府委員会幹部)というが、倉林氏は各地を地道に回って安倍政権の批判を続けた。民主党や日本維新の会が政権へのわかりやすい対立軸を打ち出せず、存在感を低下させる中、潮目は徐々に変わり始めた。

 共産党は6月の東京都議選で議席を倍増。その勢いのまま参院選に突入した。7日、四条河原町で志位委員長が来援した際には、動員をかけた支援者以外の人たちが立ち止まり、歩道からあふれた。倉林氏のツイッターにメッセージを送ってくる若者もおり、「日に日に反応がよくなった」と陣営スタッフは振り返る。

 これに対し、自民党、民主党の双方と関係の深い経済人や首長の一部は、「共産包囲網」を敷いた。北神氏の演説会などでは、門川大作・京都市長が「共産党が勝てば京都の恥だ」と呼びかけ、山田知事も応援に駆けつけた。

 しかし、幅広い支持を得たのは倉林氏だった。読売新聞が各投票所で行った出口調査によると、倉林氏は共産支持層の9割以上に加え、無党派層の25%、民主支持層の13%に浸透。北神氏は公明支持層の4割を取り込んだものの、民主支持層は6割強しか固められなかった。

 「共産党が政権に対峙(たいじ)し、ぶれずに政策を訴えてきた結果」と倉林氏。来春の知事選をにらみ、党関係者は言う。「共産包囲網を敷いた勢力にたっぷりとお返しをしないといけない」

■  □

 府内の全市区町村でトップの票を獲得した西田氏は22日早朝、地元・南区の近鉄東寺駅前で演説し、「光栄であると同時に、身の引き締まる思い」と語った。ただ、報道陣に勝因を問われると、「自民党の勝利というより、(ライバルだった)民主党の崩壊だ」と浮かれることはなかった。

 他の6候補を大きく引き離したとはいえ、西田氏の得票(約39万票)は、逆風だった2007年の初当選時から3万票弱を上積みしただけだ。自民党府連内には、議席を獲得した共産党に加え、「第3極」の維新の会やみんなの党が一定の票を得たことへの警戒感も広がる。

 「来年は知事選、2年後は統一地方選がある。組織をしっかりと固めていかなければ、またどんな『風』でひっくり返されるかわからない」。幹部は神妙に語った。

(2013年7月23日 読売新聞)

2841チバQ:2013/07/24(水) 23:00:19
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/feature/kyoto1374503324088_02/news/20130723-OYT8T01354.htm
検証13参院選京都

<下>与党時代の批判強く◆選挙協力不調共倒れ



落選を受け、有権者にあいさつする北神氏(22日、西京区で) 21日投開票された参院選京都選挙区(改選定数2)では、2004年から3回連続で公認候補をトップ当選させてきた民主党が議席を失った。選挙協力に向けた協議が不調に終わり、それぞれ候補を立てた日本維新の会、みんな党の「第3極」も当選圏に届かなかった。(南暁子、藤本将揮)

 民主党新人・北神圭朗氏(46)の中京区の事務所。21日深夜、テレビの開票速報で落選が報じられると、党府連幹部は「信じられん」とうめいた。

 2007年参院選の京都選挙区で、党公認の松井孝治氏が獲得したのは約50万票。2人を擁立した10年の前回選では、トップ当選した福山哲郎氏と落選した河上満栄氏の得票合計は約47万票。これに対し、今回、北神氏が得たのは約20万票だった。

 予兆はあった。党は直前の東京都議選で歴史的敗北を喫し、議席数で共産党をも下回った。



事務所の後片づけをする山内氏(22日、下京区で) 「民主の顔」と言える前原誠司・前国家戦略相(衆院京都2区選出)は、党本部からの「全国の候補を応援してほしい」との要請を断り、17日間の選挙期間のうち14日間も京都に張り付いた。陣営は奥の手も使った。自民党と連立を組む公明党の支持母体・創価学会に対し、「共産の躍進を阻止するため」と水面下で協力を要請した。

 手は尽くした。だが、北神氏は共産党新人の倉林明子氏(52)に約1万8000票差をつけられた。前原氏のおひざ元である京都2区の左京、東山、山科3区でさえ、倉林氏に及ばなかった。

 「政権与党時代の批判がまだまだ強かった」。事務所で報道陣に敗因を問われた前原氏はそう語り、悲壮感を漂わせた。「解党的出直しが必要だ。このままでは消えてしまう党だと認識しないといけない」

    ■  □

 「みんなの党と票を足したら、共産党も民主党もぶっちぎってたのにね」

 投開票から一夜明けた22日午前、日本維新の会新人の山内成介氏(47)が下京区の事務所で後かたづけをしていると、選挙活動を二人三脚で手伝った妻(43)の口から愚痴がこぼれた。

 山内氏が得た約16万5000票に、みんなの党新人の木下陽子氏(33)の得票を足せば、倉林氏を2万票近く上回る。特に最終盤、橋下共同代表や松井一郎幹事長が応援に入り、「追い上げている手応えがあった」(山内氏)というだけに、悔しさが募る。

 府内で両党が共倒れするのは初めてではない。昨年の衆院選では、2小選挙区で競合。維新の会は比例選で自民党に次ぐ約29万票を得たにもかかわらず、当選者を出せなかった。

 「参院選後、自民に対抗する勢力が必ず出る」。橋下氏は、京都市内の街頭演説でそう〈予言〉した。前原氏も21日夜、「自民がダメとなったときの受け皿をどうするかだ」と、野党結集の必要性に言及した。

 ただ、別の民主党府連幹部は「各党の理念や方向性には相当開きがある。埋められるとは思えない」と後ろ向きだ。次の参院選は3年後で、衆院選もその頃まで行われない可能性が高い。巨大与党・自民党に対抗する「野党」を形成できるのか。府内でも、先行きはまだ不透明だ。

(2013年7月24日 読売新聞)

2842チバQ:2013/07/25(木) 20:40:25
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk06010037000c.html
山形の進路:参院選を戦い終えて/上 自民「薄氷の勝利」 /山形
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 ◇舟山氏支えた、農政連との関係修復は
 2万739票差−−。全国で31カ所ある改選数1の選挙区(1人区)の中で、山形は当選者と次点候補が最も競った選挙区だった。国政初挑戦の自民新人、大沼瑞穂氏(34)が、みどりの風現職、舟山康江氏(47)ら3人を破って初当選を果たしたが、山形選挙区の結果は大沼氏の陣営にとって「薄氷の勝利」だった。

 大沼氏は鶴岡市で7531票差、東根市で5660票差と舟山氏を突き放したが、他の市町村では小差だった。大沼氏が舟山氏に1000票未満で勝った市町村は19カ所。一方の舟山氏は、大票田の山形市や、西置賜郡を中心に計8市町で大沼氏を上回った。

 「各種情勢調査で『接戦』と伝えられる理由が見当たらない。運動が上滑りしている感じもなかった。有権者の反応は良かったし、手応えを感じているが……」。選挙戦最終日の20日夜、自民党県連の野川政文幹事長は首をひねった。

 自民党本部は閣僚や党幹部ら延べ21人を県内に投入した。全国的な自民優勢の「風」が吹く中、山形選挙区では自民は地道な組織戦を展開した。20日には安倍晋三首相をはじめ4人の閣僚が県内で演説。運動に緩みはなかったが、最後まで勝利の手応えは得られなかった。

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加に対する反発が根強かったことも選挙戦を激しくさせた。「舟山陣営は自治労、農協、知事後援会の連合軍のような感じだった。一番大きかったのは農政連(農協の政治団体・県農協政治連盟)だ。大沼支持を呼びかける多くの議員が壁にぶつかったのはここだった」。大沼氏が初当選を決めた21日夜、野川幹事長は苦戦の理由をそう解説した。

 県連会長の遠藤利明衆院議員は、昨年の衆院選で戦ったライバルの存在を指摘する。「山形市では勝つだろうと思っていたから計算外だった。鹿野(道彦)さんが比例代表に立候補したことが、舟山さんの山形市の票を伸ばすことにつながったかもしれない」

 激しかった選挙戦は、今後にしこりを残すことになりそうだ。

 今年1月の知事選で、県議会で多数派を占める自民は独自候補を擁立せず、吉村美栄子知事の再選を後押しした。吉村知事が参院選で舟山氏を推したことは「それぞれの議員の間で不信感が募ったのではないか」(野川幹事長)とされ、今後の県政運営に影響が出る可能性がある。

 舟山氏陣営を支えた農協側との関係も注目される。県連は選挙期間中も県農政連に面談の場を設けるよう打診するなど、舟山氏支持の再考を求め続けた。

 野川幹事長は21日夜、「我々はいつでも窓は開けているぞ、という立場だ。どこかの段階で話をしなければならない。一概に敵対してはいけない」と述べ、県農政連の対応を待つ考えを示した。政府は23日からTPP交渉に参加した。自民と農協の関係修復が可能になるかは、TPP交渉の進展も影響を与えそうだ。【安藤龍朗】

.

2843チバQ:2013/07/25(木) 20:41:32
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130725ddlk06010011000c.html
山形の進路:参院選を戦い終えて/下 保守王国で、舟山氏善戦 /山形
毎日新聞 2013年07月25日 地方版

 ◇非自民、「呉越同舟」が「連合艦隊」に
 「『呉越同舟』が『連合艦隊』になった。歴史に残る戦いだ」

 参院選投開票日の21日夜、山形選挙区(改選数1)で落選したみどりの風現職の舟山康江氏(47)の選挙事務所=山形市=では、善戦をたたえる声がしきりに上がった。

 舟山氏は「これ以上ない、素晴らしい結束でした」と感謝の言葉を述べ、支持者一人一人と握手して回った。事務所はまるで当選したかのような熱気に包まれた。選挙戦を全力で戦い抜いた証しのようだった。

 「知事選に似ている」。4日の公示直後、吉村美栄子知事が初当選した09年知事選を引き合いに、陣営幹部はつぶやいた。同知事選では告示後、優勢だった自民系現職の斎藤弘氏を非自民系の吉村氏が猛追し、ひっくり返した。

 今回も、世論調査を実施した各報道機関は、安倍政権の高支持率を背景とした自民新人、大沼瑞穂氏(34)の優勢を伝えていた。だが6月以降に舟山氏の支援組織がようやく動き出すと、舟山氏の勢いは加速し始めた。

 陣営は公示後は、舟山氏の「自分の主張をしっかり伝えたい」という意向を尊重し、街頭演説を多めに設定。1日40回を超える日もあったが、演説に不慣れな大沼氏との違いを見せつけた。

 東京生まれ東京育ちの大沼氏を意識し、陣営は「ご当地候補」のアピールにも力を注いだ。埼玉生まれ埼玉育ちの舟山氏だが、小国町の夫の実家に嫁いで約10年。子供3人は町内の小中学校に通う。

 「最近移り住んだばかりで山形在住をPRする候補とは違う」「普段住んでいるからこそ、山形の実情が分かる」。演説会の度、応援弁士は繰り返した。

 民主県連、社民、連合山形、県農協政治連盟が推薦・支持し、当初は「呉越同舟」と陣営の結束を危ぶむ声もあった。ところが、共同通信が投票日に実施した出口調査では、民主支持層86%、社民支持層94%、みどり支持層98%が舟山氏に投票したと回答。非自民票を予想以上に固めた。

 考え方の異なる政党、団体が集まり、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や原発など各政策に「踏み込みにくいのでは」と懸念もあった。しかし舟山氏はTPP反対や原発反対、憲法96条改正反対を断固主張。無党派層62%(同調査)も取り込んだ。

 「気が強い舟山に『○○党に配慮して、この主張は弱めて』と指示する方が無理」。陣営幹部は苦笑いする。

 民主県連の支持決定が予定より遅れたり、円滑な県政運営に配慮する吉村知事が応援演説を積極的にできなかったりと、陣営にとって悔いが残る部分はある。それでも吉村和文選対幹事長=ケーブルテレビ山形社長=は「『保守王国』の山形では絶対数が多い自公支持層を固められると、非自民系候補はなかなか勝てない。自民追い風の中、本当によく善戦した」と話す。

 全国で自民候補が圧勝する中、大接戦を展開した山形選挙区。有権者が安倍政権に「白紙委任」を手渡したわけではないことを物語っている。【鈴木健太】

2844チバQ:2013/07/25(木) 20:43:13
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk03010534000c.html
党奔政走:参院選戦い終えて 「岩手が可哀そうだ」 つぶやく平野氏、同級生が支援へ結束 /岩手
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 参院選岩手選挙区で当選に沸いた21日夜の平野達男氏(59)事務所。乾杯の音頭を取ったのは、北上市立北上中学校の同級生で会社経営の川村昇平さん(59)。「立候補の時、届け出番号を決めるくじで私が1番を引いた。選挙結果も1番」とあいさつ。会場の盛り上げ方を心得ていた。

 民主党を出て無所属になることを決めた平野氏は4月、裏切り者のように見られ、1カ月も公の場に姿を見せなかった。川村さんは東京都内で平野氏を昼食に誘ったが、外出を拒んだため参院議員会館の部屋でコンビニのおにぎりを食べた。「自然と放っていた輝きが全く感じられない」と感じた。

 自民党と民主党が「落下傘」候補を決めた後の5月上旬、川村さんは平野氏が「これじゃ岩手が可哀そうだ」とつぶやいたのを聞いた。「離党への批判で出馬断念も考えていたと思うが、岩手の課題に対応できるのは自分しかいないという自負心が立ち直らせたのだろう」と推測する。

 組織のない平野氏を支援するため、同級生が5月下旬つくったのが政治団体「いわて・絆の会」。川村さんは選挙の手伝いをしたことがあり代表に就いた。「平野は我々の誇り。来年は還暦なのに落ちたらお祝いにならない」と呼び掛けると、集票、資金集め、草むしりと、約80人ができる範囲で汗を流した。

 「ほれ、せっかくだし、やってみろ」。6月2日午後、紫波町で街頭演説した平野氏から川村さんはマイクを渡された。経験も打ち合わせもなかった。「私は同級生です。よろしくお願いします」と話すのが精いっぱい。だが、それから投票日前日の20日まで県内300カ所以上でマイクを握り、上達していった。

    ◆

 公示の4日朝。地域政党いわての及川敦幹事長は出陣式で、平野氏支援の超党派県議団に向かって「我々は連合艦隊だ」と宣言。「一人一人が選対本部長のつもりで頑張ろう」と呼びかけた。選挙のやり方や支持者も異なる県議の集まり。力が発揮できるか不安があり、事実上の一騎打ちとなった自民党の田中真一氏(46)にはそのころ、負けているという見方もあった。

 及川氏が勝利を確信したのは新聞各紙が平野氏優勢と終盤情勢を報じた17日。この日を境に、選挙カーに手を振る人が増え、演説には拍手がわいた。「応援を迷っていた人が、平野さんでいいんだと自信を持った日。こういう雰囲気になれば100%勝てる」。及川氏はその夜、興奮していた。

    ◆

 2年後の知事選に向け、生活の党代表の小沢一郎氏の側近・達増拓也知事への対抗馬は平野氏しかいないとの見方が根強くある。達増知事は元衆院議員で、地盤は選挙区だった岩手1区。だが、今回の参院選では、応援した生活の党の関根敏伸氏(57)が平野氏の得票に及ばなかった。22日の定例記者会見で「知事の組織が弱体化しているのでは」と質問され、「次に私が知事選に出たら分かる」と意地をのぞかせたが、口を滑らせたと思ったようで「次の知事選は白紙だが」とごまかした。

 小沢氏は東京都内で21日夜に開いた敗戦の記者会見で、平野氏が民主を出る時に自民に支援を求めた経緯に触れ、ぶぜんとした顔で「このような生き方をしている政治家に、岩手で大きな支持が集まるとは信じられない」と述べた。反応を聞かれた平野氏は22日朝の記者会見で「特にコメントはない」と受け流した。【金寿英】

2845チバQ:2013/07/25(木) 20:44:03
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk03010044000c.html
党奔政走:参院選戦い終えて 「小泉さんと書かないで」 自民・田中氏、幹部の応援上滑り /岩手
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 土曜日に露店が通りに並び、買い物客でにぎわう盛岡市材木町の「よ市」。参院選投開票日前日の20日は女性を中心にさらに1000人が詰めかけた。

 黄色い歓声の真ん中は自民党の小泉進次郎青年局長。参院選岩手選挙区に立候補した田中真一氏(46)の応援遊説だが、主役は影が薄い。40代女性は、小泉氏来県を聞いて駆けつけ「近くで写真を撮りたい」とスマートフォンを握っていた。記者が「田中さんに投票するんですか」と尋ねると、「自民党はいいけど、やっぱり地元の人だよね」。田中氏は「投票用紙に小泉さんと書かないでくださいね」と、冗談にならない冗談を言って歩くしかなかった。

    ◆

 そして21日、盛岡市の事務所で記者に敗因を聞かれ「知名度不足」ときっぱり言った。横浜市出身の「落下傘」で、3選した北上市出身の平野達男氏(59)と比べるとこの点で劣勢は明白だった。

 自民は選挙戦で、多数の有名政治家で聴衆を集め、田中氏の顔を売った。常とう手段だが力の入れようが半端じゃない。公示を挟み小泉氏は3回、石破茂幹事長も3回、安倍晋三首相は公示後2回。

 確かに人は街頭に集まったが上滑りの盛り上がりだった。ある党県連幹部は心配していた。「業界を回ると、以前から自民支持なのに『(田中氏が)地元の人じゃないし』と支援を断られるんだよ」。想像以上の「落下傘アレルギー」。なぜ岩手に田中氏なのか? 党県連は十分な説明ができなかった。

    ◆

 開票の夜、支持者が引けて閑散とした事務所で鈴木俊一県連会長は「岩手でも自民に風が吹いたが、票に結びつかなかった」と自戒した。昨年12月の衆院選で、4小選挙区で計約22万票取りながら今回は6万票少ない。田中氏は「自民支持層の票が平野さんに流れた」と話した。

 その分析の象徴は投票日5日前の16日、田中氏のホームページが掲載した「重要なお知らせ」だ。平野氏を指し「『無所属候補は選挙が終わったら自民党に入るのですか』と問い合わせが相次いでおります。こうしたデマが現実になることは100%ありません」。

 平野氏の自民入りのうわさに、陣営は悩まされていた。そうなら自民支持層は平野氏の方がいいと考える。

 党県連関係者は「平野氏支援を主導した二階俊博党総務会長代行が、依然として平野氏を誘い込もうとしてうわさを広めているのでは」といぶかった。その二階氏は19日に県内入りした際、平野氏の自民入り後押しについて記者に聞かれ「末輩の私は考えていない」とかわした。一方、「平野という存在はよく知っている」とも述べた。

 質問されたからとはいえ「対立候補との関係への言及はうわさに現実味をもたせかねない」と激怒した党県連は20日、党本部に抗議文を出した。しかし、党県連自身も平野氏擁立に一時賛同した。人のことを言えた立場ではない。

    ◆

 審判が下った後、支持者が引き揚げた事務所前で党県連幹部が田中氏を励ました。「次の選挙もある」

 もう一つ、うわさがあるように平野氏が2年後の知事選に出馬すれば参院補選がある。県連幹部は「県内では、自民新人の参院選挑戦はいつも1度きり。落選すると別の人物を立てたから、毎回知名度が課題になった。岩手で田中真一の地盤を固めて再チャレンジする可能性もある」。

 田中氏も語った。「(民主側の)相手が3分裂したからチャンスではなく、1対1で勝てる力をつけなければならない」。再出馬はあるのか。【安藤いく子】

2846チバQ:2013/07/25(木) 20:44:52
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130725ddlk03010003000c.html
党奔政走:参院選戦い終えて 奥州惨敗に衝撃 生活・関根氏陣営、「王国」の落日象徴 /岩手
毎日新聞 2013年07月25日 地方版

 「参院選の必勝で次へ」。選挙戦4日目の7日、盛岡市の集会で生活の党代表の小沢一郎氏は用意された七夕の短冊に書くと、壇上で「何としても関根君を当選させ、次の総選挙で政権奪取したい」と力を込めた。県議だった関根敏伸氏(57)を立てた今回、下り坂を転がる「小沢王国」の存亡がかかっていた。だが惨敗だった。

 陸山会事件などで逆境にあった昨年末の衆院選で、日本未来の党として戦った小沢氏は、県内4小選挙区で公認候補が計22万票を獲得。これを基礎票と見込み、参院選の勝機があるともくろんだ。しかし実際の得票は9万。特に小沢氏の地盤の奥州市は、かつての小沢系で今回当選した平野達男氏(59)の半分もない1万2000票。大きく票を食われた衝撃は大きかった。

    ◆

 小沢一郎後援会連合会の小笠原直敏会長は、平野氏の名前が小沢氏の支持者に深く浸透していることに頭を悩ませた。

 平野氏は初めて出馬した12年前、当時、小沢氏が率いた自由党公認で無名ながら30万票を取り当選。民主党で戦った6年前は43万票を獲得し、得票率は全国一の62・6%。それだけの有権者に平野氏の名前が染みこんだ。

 5月に擁立を決めた関根氏の名前と切り替えてもらうには時間が足りず、「小沢さんは平野さんを担いでいると思っている人が多かった。小沢イコール平野の公式を徹底的に刷り込まれた支持者の誤解を解くのは容易でない」。小笠原氏がこぼした。

 おまけに、昨年7月の民主の分裂で平野氏が党に残った一方、小沢氏は「国民の生活が第一」「日本未来の党」「生活の党」と所属をめまぐるしく変え、支持者は混乱した。

    ◆

 選挙戦終盤の17日夕、宮古市のすし店。県内10カ所の街頭演説を翌日に控え、小沢氏は県議ら親しい4人で杯を交わした。あえて参院選に触れず、釣りの話題などで気分転換し、「明日は朝早いから」と1時間で切り上げたという。

 今年、小沢氏が東日本大震災の被災地を公に訪れたのはこの時が2回目。ただ、1回目は久慈市の畑浩治・党県連副代表の事務所を訪れただけで、大勢の有権者と会ったのは18日が初めて。

 JR宮古駅前で午前8時過ぎから行った9分間の演説では、アベノミクスやTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉参加への批判に大半を費やしたが、震災は「復興の名の下に予算が関係ないところに使われている」と1分程度言及しただけ。駅前で酒屋を営む男性支持者(64)は「復興は票にならないと思っているのか。震災直後から被災者を励ませば違った人物像が伝わったはず」とため息をもらした。

 この点も関根氏の陣営には頭が痛い。選対関係者は「小沢先生が震災発生から10カ月近く被災地に行かなかったことにいまだに批判がある」と話す。一方、平野氏の陣営幹部は「政局ばかりの人より、復興大臣として毎週のように被災地に入った平野さんの方が立派に見えて当たり前だ」と自信満々だった。

    ◆

 生活は今回、全国で議席を一つも獲得できなかった。投開票日の21日夜、小沢氏は東京都内で開いた記者会見で「次の衆院選で政権交代を目指す思いに変わりはないか」と問われ、ぶぜんとした顔で即座に「変わりません」と答えた。佐々木順一党県連幹事長は盛岡市の関根氏事務所で「選挙は政党と政策、候補者の3要素がそろって勝てる」と言い残し、その場を後にした。何が足りなかったかは語らなかった。【金寿英】

    ◇

 今回の参院選岩手選挙区の戦いは「小沢王国」の衰退を軸に展開し、新たな時代に入ったことを象徴する結果になった。参院選は終わったが、県内政界はしばらく流動化が予想され「党奔政走」は続く。=おわり

2847チバQ:2013/07/25(木) 20:45:31
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/feature/morioka1374506003419_02/news/20130723-OYT8T00064.htm
13参院選 漂流
〈上〉自民 弱い県連風つかめず 



連日の「大物」応援も生かせなかった(右は田中氏)=14日、JR盛岡駅前で 劣勢の選挙最終盤、自民党県連の怒りは党内部に向けられていた。

 「有力者の不穏当な発言は陣営全体の士気の低下を招き、当落に大きな影響を与えかねない」

 県連は20日、鈴木俊一会長ら幹部の連名で安倍首相(党総裁)に抗議文を送った。前日に県内入りした二階俊博総務会長代行が記者団に対し、平野氏を「敵じゃない。付き合いも長い」と評したためだ。

 党公認候補の田中真一氏は、党の支持票を固めきれず伸び悩んだ。実際、読売新聞の出口調査によると、党支持層の約3割は平野氏に投票していた。

 田中氏の公認前、党執行部に平野氏の支援を働きかけたとされる二階氏の発言に、中盤以降の田中氏の失速にいらつく県連内で、不信感が渦巻いた。県議の1人は「後味の悪い敗戦だ」と振り返った。

 選挙区で6連敗中だった県連は当初、内閣の高支持率を背景に「21年ぶりの勝機」(千葉伝幹事長)と勢いづいていた。

 「風」は確かに吹いていた。序盤の世論調査で党の県内支持率は42%と断トツ。小泉旋風さなかの2005年衆院選でも支持率が民主党を下回った本県では異例のことだ。

 県議の多くも「かつてないほど支援者の反応はいい」と感じていた。この手応えは、田中氏の県外出身という経歴も手伝い、与党の強みを前面に押し出す戦術に拍車をかけた。

 首相ら党幹部や閣僚は連日のように応援に駆けつけ、菅官房長官は自治体首長や業界団体を集めて陳情会を開催。支持者への電話掛けでは、「田中事務所」ではなく、地元選出の県議や衆院議員の事務所を名乗った。

 しかし、知名度が低い田中氏を、さらに埋没させる副作用も伴った。

 田中氏は演説で再三、「岩手と国政のパイプ役になる」と強調したが、具体的な政策論を語ることは少なかった。ある選対幹部は、「田中氏か平野氏かで迷う有権者が思った以上に多く、党より個人で比較された」と悔やんだ。

 公明党との協力も進まず、出口調査では、田中氏に投票した公明支持者は約半数にとどまった。

 自民党の完敗が続いた岩手では従来、県内約5万の公明票が勝敗を左右する情勢にならず、自公関係は発展してこなかった。

 16日には公明党の山口代表が県内5か所でマイクを握ったが、田中氏の同行は一度もなし。公明関係者は「一朝一夕で関係が進展することはない」と諦め顔だ。

 圧勝に沸く自民党本部と対照的な結果に、県連関係者はぼやいた。

 「党支持票を固めきれないのも、知名度の低い候補の擁立も、結局は県連の組織力の弱さが原因だ」

(2013年7月23日 読売新聞)

2848チバQ:2013/07/25(木) 20:45:54
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/feature/morioka1374506003419_02/news/20130723-OYT8T01473.htm
13参院選 漂流
〈中〉生活 小沢氏頼みもはや限界



18日、関根敏伸さん(左)の支援を呼びかけるため、小沢代表(右)が「二人三脚」で県内をほぼ1周した(18日午前8時8分、宮古市のJR宮古駅前で) 重い空気に誰一人、言葉を発しなかった。

 大船渡市の生活の党参院選比例候補の事務所。22日午前2時15分頃、約30人の支援者が見つめる先のテレビで、全国最後の121人目の当確が他党についた。生活の獲得議席は「0」のままだった。

 小沢一郎党代表の牙城だった岩手選挙区では、党公認の関根敏伸氏が平野達男氏に15万票以上の大差をつけられた。小沢氏側近は「頭の整理ができない」と放心した。

 21日夜、小沢氏は東京・平河町のホテルの記者会見で怒りをぶちまけた。

 「驚いている。平野氏のような生き方の政治家に支持が集まるとは、人間として信じられません」

 平野氏は小沢氏や民主党を離れ、出馬前には自民党にも接触した。非自民勢力の結集を20年来追い求める小沢氏にとって、これ以上の背信はない。平野氏は「負けてはならない相手」(生活県議)だった。

 関根氏の陣営は当初、昨年衆院選の小選挙区で4候補が得票した約23万票に向け、小沢氏の地元4区が牽引(けんいん)する戦略を描いた。

 だが、全小選挙区で得票を落とし、4区は衆院選の7万8057票が参院選で3万5108票に減少。小沢氏の本拠地の奥州市では、3万4643票を1万2578票に落とし、平野氏の2万8671票の半分にも達しなかった。

 関根氏の総得票は9万1048票。目標の4割にとどまった。

 県連の佐々木順一幹事長は21日、「生活として初の国政選挙で、浸透には時間が足りなかった」と、党名の変遷や、野党共闘の模索で出馬表明が遅れたことを敗因に挙げた。

 一方、県連内には、強固な組織力を誇った小沢氏の後援会の弱体化を指摘する声も出ている。

 選挙終盤の18日。小沢氏は雨天の下、県内をほぼ1周して街頭に立った。小沢氏は陣営が計画した9か所を自らの指示で1か所増やして臨んだが、動員は目指した1万人に及ばず、数千人程度だった。

 「『小沢先生が来れば何とかなる』という幻想だけで、声掛けなど具体的な動きは鈍かった」。後援会幹部は、過去に圧倒的な強さで勝ってきた成功体験に根ざす“小沢依存”の深刻さを明かした。

 民主分裂前には県内に8人いた「小沢系」国会議員は、今や3人に。参院選は、小沢氏の政治力に壊滅的なダメージを与えた。

 辛うじて県内に影響力を残すのは、県政トップを小沢氏に近い達増知事が押さえていることだ。生活県連幹部は「知事を続投してもらうしかない」と達増氏に望みをつなぐ。

 達増氏は半年ほど前から、2期で退く従来の意向を修正し、「3選出馬は白紙」と繰り返す。2年後の知事選は、「王国」の存亡をかけた戦いになる。

(2013年7月24日 読売新聞)

2849チバQ:2013/07/25(木) 20:46:14
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/feature/morioka1374506003419_02/news/20130725-OYT8T00010.htm
13参院選 漂流
〈下〉民主 分裂選 しこり残す

平野氏 連携先手探り


敗戦の弁を述べた後もほほ笑みを絶やさなかった吉田氏(左)と、硬い表情の階県連代表(中央)、黄川田選対本部長(右)(21日午後8時29分、盛岡市中央通で)  陣頭指揮を執った司令官は、おわびを繰り返した。

 「一枚岩で支えられなかったことに、県連の力のなさを感じている」

 民主党県連の黄川田徹選挙対策本部長は21日夜、落選した党公認候補の吉田晴美氏の事務所で、敗因を自らに求めた。

 会派の県議団12人のうち3人が、当選した平野達男氏を支援。黄川田氏自身の後援会も自主投票を決め、会長は平野氏の選対本部長に就いた。後援会幹部が「大半は平野氏を支持した」と証言するように、黄川田氏の地盤である衆院3区(8市町)で、吉田氏の得票は平野氏の3割にも満たなかった。

 自民党の大物攻勢や平野氏と生活の党との争いに、吉田氏は埋没した。民主党への逆風も強く、県議は「街頭でも『民主はちょっと……』という反応ばかり」と嘆息した。

 今後は分裂状態に陥った会派の行方が焦点となる。

 「お互い大変だったけど、またよろしく」。平野氏陣営だった県連の渡辺幸貫代表代行は最近、吉田氏陣営に残った大宮惇幸幹事長に呼びかけた。

 県議団は選挙前、平野氏支援を容認し、会派維持を優先する方針を確認したが、県議の間では「もうお互いに信用できない」との声も出つつある。県連の階猛代表は21日、渡辺氏らの処分について「ノーコメント」とだけ語った。

 一方、無所属の平野氏は、議会活動での連携先を慎重に探っている。



当選確実となり、支援者と握手する平野氏(21日午後、盛岡市中央通で) 「与党をチェックする側がいいのではないか」

 参院選から一夜明けた22日、平野氏はNHKの番組で野党との協力を示唆した。政策実現には与党の方が有利なだけに、平野氏陣営にも意外感が広がった。

 伏線は選挙戦にあった。建設業界を中心に「平野氏は当選後に自民入りする」との臆測が流れ、党支持層の離反を恐れた自民県連が「デマだ」と猛反発していたのだ。平野氏陣営の幹部は「今、与党との近さを強調すれば波紋が大きい。中和しようとしたのでは」と推し量った。

 終盤の世論調査で、投票先を平野氏とした回答のうち、安倍内閣を支持する人は5割弱、不支持の人も3割強だった。「微妙なバランス」(陣営)を保つため、平野氏は当面、情勢を見極めるとみられる。

 2015年の知事選に平野氏が転出するとの見方も絶えない。自民県連幹部は敗戦直後の21日夜、「2年後に(平野氏が知事選出馬で辞職し)参院補選があるだろう」と公言してはばからなかった。

 平野氏の知事選への対応は、県政界の勢力図にも左右されそうだ。

 ある県議は言う。

 「生活の党に近い達増知事の対抗馬として、自民や民主を含めた大同団結がなるかどうか。政局の絵は、これから描く」

(この企画は、小坂一悟が担当しました)

(2013年7月25日 読売新聞)

2850チバQ:2013/07/25(木) 20:46:35
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20130722-OYT8T01890.htm
「平野氏は小沢系」 他党「負け惜しみ」


 達増知事=似顔=は22日の記者会見で、参院選岩手選挙区で3選した平野達男氏を「小沢系」とする見方を示した。知事は、生活の党の小沢一郎代表の支持基盤が平野氏や民主党との間で3分裂したことを踏まえ、「小沢系から3人が立候補し、うち1人が当選したとも見られる」と述べた。

 平野氏や民主候補が、小沢氏の支持者だった有権者から票を得ていることに皮肉を込めた発言とみられるが、選挙中に小沢氏の全面支援を受けた生活候補は大差で落選。平野氏も、小沢氏との連携は明確に否定しており、他党からは「単なる負け惜しみだ」(自民県議)と冷ややかな声が漏れた。

 また、知事は「復興を強く願う県民の思いが(平野氏当選の)背景にある。それぞれの党に呼びかけ、一致協力して復興を進めていきたい」と語った。

(2013年7月23日 読売新聞)

2851チバQ:2013/07/25(木) 20:50:52
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk07010207000c.html
1議席の攻防:2013参院選・福島 自民圧勝の後で/上 ねじれ解消 /福島
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 ◇強大政権、地方の声届くか
 「(参院選の結果は)復興の加速化を続けてほしいという県民の(願いの)表れだ」。22日正午から福島市の自民党県連で開かれた役員会で、平出孝朗幹事長が満面の笑みで参院選を総括した。だが、勝利の余韻に浸るのもつかの間、「(今後の)政権運営におごりが出るようであれば、県連として物を申していきたい」と表情を引き締めた。

 自民現職の森雅子氏(48)は今回の参院選で、投票率54・52%と史上2番目の低さながら、48万4089票を獲得。高い支持率を誇る第2次安倍晋三内閣で少子化担当相に抜てきされ、選挙戦では党幹部や閣僚が次々と応援に駆け付けた。2007年参院選でトップ当選を譲った民主党現職の金子恵美氏(48)にダブルスコアを付けた。減少傾向にある比例の得票も、自民は約30万5000票で得票率36・3%と前回の10年より約8万票上積みした。

 選対本部長を務めた佐藤憲保県議は「衆院選で大勝すれば、バランス感覚で反対勢力にシフトするのが今までの傾向だった。現政権に対する大きな期待が背景にあった」と分析する。

 その言葉通り、自民は山形選挙区(改選数1)で新人候補が他党の現職候補を破るなど、参院の勢力は改選前の84から115議席となり、衆参両院のねじれも解消した。

 だが、全国的な自民圧勝は政権の力が強大になり、地方の声が弱まるとの危惧もある。自民党は昨年の衆院選公約のエネルギー政策で「原子力に依存しなくてよい経済・社会の確立を目指す」と訴えたものの、政権交代後、安倍首相は経済政策に原発の活用を盛り込み、県内10基廃炉を掲げる県連との間に「ズレ」が生じた。平出幹事長は「47(都道府県)分の1ではなく、しっかりと現状を訴え、復興をしていかなくてはならない。県連として声を大きくしていく」と強調した。

 参院選後は、県内のJAなどが「大震災・原発事故からの復興・再生の妨げにしかならない」と反対する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加が始まり、来年4月に消費税を8%に引き上げるかを政府が判断するなど、福島にとっても重要な局面を迎える。

 森氏は一夜明けた22日朝、自宅で取材に応じ「復興に向けて課題は多いが、みなさんの期待、負託を受けた。今回の選挙から1人区となり、その責任はより一層重くなる。福島の思いを国政に届けたい」と改めて意欲を燃やした。だが、その真価が問われるのはこれからだ。

    ◇

 参院選福島選挙区は自民が圧勝した。近年の国政選挙は有権者の「風」によって大勝、大敗を繰り返す。「圧勝後」の福島の政治の行方を占う。

2852チバQ:2013/07/25(木) 20:51:42
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk07010192000c.html
1議席の攻防:2013参院選・福島 自民圧勝の後で/中 寄り合い所帯の民主 /福島
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 ◇一致団結へ課題多く
 「前回得票数の半分とは。こんな選挙は初めてだ」。参院選から一夜明けた22日、議席を失った民主の金子恵美氏(48)の地元、伊達市の連合後援会の菅野庄一会長(81)は戸惑いを隠さなかった。

 菅野さんは、2010年1月に死去した金子氏の実父、金子徳之助・元衆院議員の中学時代からの同級生。徳之助氏と、「実の娘のような」恵美氏の政治活動を通算20年支えてきた。選挙の裏表を知る菅野さんにとって、前回の得票数50万票が半減する事態そのものが「信じられない現象」だった。

 公示前に民主党県連幹部が言った「党の命運をかけた戦い」は惨敗に終わった。金子氏は前回、県内全59市町村のうち54市町村で自民の森雅子氏(48)より得票が多かったが、今回勝てたのは伊達市のみ。県内選出の3人の衆参議員や有力県議が地盤とする自治体でも、票数は森氏の半数〜3分の1程度と勝負にならなかった。比例代表は伊達市も含め全敗だった。

 「全国的な民主党への逆風をはねのけられなかった」「自民はアベノミクスばかりで原発論議に乗って来なかった」。開票開始直後の21日夜に早々と敗北を認めた金子氏の選挙事務所で、党県連選対本部長の増子輝彦参院議員が敗因を分析した。その言葉には、県連レベルでは最初から勝てる選挙ではなかったとの思いがにじんでいた。

 だが、地域から国会議員を育てる活動をしてきた菅野さんの憂いは別にある。「これが2大政党制の恐ろしさなのか。選挙のたびに大きく有権者の意識が変わるのであれば、地に足を着けて政策を掘り下げる政治家が育たなくなるのでは」

 22日に福島市の県連本部で開かれた総括会議は、出席者それぞれの思惑が交錯した。金子氏の選対本部長を務めた玄葉光一郎衆院議員は「相当に強い危機感を持って当たらないと、大変なことになる」と強調したが、吉田泉衆院議員は「引き潮もあれば満ち潮もある。慌てず、体制を整えたい」と発言。県連代表の増子氏は「候補者にも組織にも脆弱(ぜいじゃく)さがあった。(連合福島など)各種団体との連携も十分ではなかった。一致団結が必要だ」と責任論の封じ込めを図った。

 「民主は個人商店の集まり」と県連関係者が指摘するように、政策も支持基盤も多様だ。衆院解散がない限り国政選挙は3年後だが、来年の知事選を控える県連には劣勢挽回の時間は限られている。候補者、県連、支持団体が一枚岩になり、逆風でも勝負できる態勢をいかに築くか。参院選は、2大政党制の一翼を担う上での宿命的課題と覚悟を突きつけた。

2853チバQ:2013/07/25(木) 20:52:34
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130725ddlk07010138000c.html
1議席の攻防:2013参院選・福島 自民圧勝の後で/下 明暗分かれた共産と社民 /福島
毎日新聞 2013年07月25日 地方版

 ◇足腰の強弱、得票差に
 昨年の衆院選から一転、第三極が候補者を擁立できず、従来通りの構図となった参院選福島選挙区。自民旋風が吹き荒れる中、即時原発ゼロや護憲など訴えが近い共産党と社民党は明暗が分かれた。

 「結果的に負けたが、政策に影響を与えられる選挙運動になった」。21日夜、福島市の事務所で共産の岩渕友氏(36)は敗戦の弁を述べた後、前向きな言葉で取材に答えた。2回目の参院選に挑んだ岩渕氏は、違法労働を強いる「ブラック企業」の追及や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加と憲法改正への反対を訴え、「自共対決」を前面に打ち出した。「民主は財界や米国からの圧力を受け、社民も自民と連立政権を組んだ。共産がぶれずに自民と対峙(たいじ)してきた」と反自民票の受け皿だと強調した。

 前哨戦とされる都議選で躍進した共産は、福島選挙区でも民主党の金子恵美氏(48)が得票を半減させる中、岩渕氏は2010年の前回比1万3192票増の7万7401票を獲得。比例代表では、同2万4986票増の7万4895票を集め、得票率では1998年に次ぐ2番目の高さだった。

 今回の選挙では比例・選挙区で計8議席を確保し、非改選と合わせて11議席となり、久保田仁・党県委員長は「無党派の若年層や商工業者など、共産党への期待が高まっていることは間違いない。党首討論の参加資格と、議案提出権を得られたので国会に福島の声を届けられる」と手応えを語った。

    ◇

 7万票獲得を目指したが、半分の3万5801票にとどまった社民の遠藤陽子氏(63)。森雅子氏(48)の当選確実のテレビ速報が流れた直後、福島市の事務所で「避難している人と、していない人の経験の差は大きい。避難の苦しさは、経験していない人には伝わりにくかった」と苦しい弁明に追われた。だが実際には、原発事故による避難者が多い双葉郡での得票も、森氏の6分の1程度だった。

 前回参院選では福島選挙区での候補者を立てられず、県議会で同じ会派を組む民主候補への支援に回った。小川右善県連代表は「候補者が立たないのは、始まる前から弱さを露呈することだ」と今回は遠藤氏を擁立。東北6選挙区で唯一の候補者だった。「反自民票を民主、社民で奪い合うのは自民を利する」と両党の共闘を求める声もあったが、民主政権が消費増税やTPP交渉参加を進めるなど、「働く人の政党と言っていたが、保守本流と変わらない」(小川代表)として、今回は独自候補にこだわった。

 遠藤氏は労働組合頼みの社民では珍しく、元教員の経歴を生かして県内各地に後援会組織を設けて無党派層への支持拡大を狙ったものの、候補者を擁立した6年前(5万4466票)より得票を大幅に減らした。小川代表は「訴えの内容よりも組織の弱体化や高齢化が課題で、各選挙区で候補者を立てられる共産より訴える力が脆弱(ぜいじゃく)だ。危機感を持って対策を考えないと、自民旋風の中で我々の主張はかき消されてしまう」と、自民の対抗勢力をつくることの難しさをにじませた。(この連載は、乾達、栗田慎一、中尾卓英、蓬田正志、深津誠、三村泰揮が担当しました)

2854チバQ:2013/07/25(木) 20:53:13
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130723/CK2013072302000195.html
浮沈―'13参院選(上)民主 「風頼み」の脱却必須
2013年7月23日

力なく敗戦の弁を述べる山根隆治氏(中)。枝野幸男選対本部長(右)、大島敦県連代表も厳しい表情だった=さいたま市浦和区で


 惨敗だった。民主党現職の山根隆治(65)の得票数はわずか三十八万九千票。民主は過去三回の参院選でいずれも候補者二人を擁立し、計百万票以上をたたき出してきた。その面影は跡形もない。

 「(二〇〇九年の政権交代で)大きな期待をいただき、その期待に応えられなかったことに対する厳しい受け止めが前提の選挙だった」。投票から一夜明けた二十二日、山根の選対本部長を務めた衆院議員の枝野幸男は、県庁での記者会見で厳しい表情を浮かべ、敗因については「(党の)主張を有権者に十分に伝えることができなかった」と語った。だが、民主関係者の一人は「それだけではなかったはずだ」。

    ■  ■

 「風頼みでない選挙をきちんとやろうと決めたのは、初めてかもしれない」。山根陣営のある幹部が今回の選挙戦を振り返った。

 民主県連の危機感はかつてなく高かった。昨年末の衆院選に続き、六月の東京都議選でも民主が大敗。枝野は公示直前、「都議選でも、きちんとやった陣営は勝ち抜いた。参院選は地力も問われる。頑張りがいのある選挙だ」とハッパを掛けた。

 連合埼玉の組織票を固めると同時に、各地の総支部をフル回転させ票の上積みを図る。戦略はシンプルだ。総支部は県内十五の小選挙区ごとに置かれ、現職や元職の国会議員らが総支部長を務めている。「総支部長が汗をかいた分だけ見返りがある」(陣営幹部)はずだったが、思うように支持は広がらなかった。

 中盤戦に入ると自民、公明両党の二人が優勢と報じられた。これにより、みんなの党現職の行田邦子(47)と三議席目を争う構図が鮮明となった。行田は六年前の参院選では山根とともに民主公認で当選したが、昨夏に離党。みどりの風を経て、今年三月にみんな入りしていた。

 「行田候補は、自らの議席を維持するため有利な環境を求め、短期間で、180度政策の違う政党を渡り歩いたのです。埼玉県連として、(六年前に)このような候補を擁立し、心よりお詫(わ)び申し上げます」

 選挙戦中盤の十七日、民主県連は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブックにそんなコメントを掲載した。正攻法では議席に届かないとみた県連は、インターネットで行田批判を広めようとした。

 行田陣営幹部は「県連が、こんなコメントを公式に出すとは」と驚く一方、「こんなことをする前に、やるべきことがあったのではないか」と皮肉った。

    ■  ■

 集票の要となる総支部長は普段から、靴を擦り減らし支持者に声をかけているか。山根が推薦をもらった団体のメンバーらをきちんと回っているのか。党の存亡をかけた今参院選で「力を出し切れていない総支部長もいた」(陣営幹部)。

 山根の落選で、民主県連所属の国会議員は枝野ら四人だけになった。次期衆院選には総支部長の多くが出馬するとみられている。だが、ある選対関係者が漏らした。「元職というだけで自動的に候補者になっても、勝てるかどうか分からない。衆院選の候補者は公募する必要があるのではないか」(敬称略)

    ◇   ◇

 自民圧勝で幕を閉じた今回の参院選。埼玉選挙区で戦った各党の浮沈を追った。(参院選取材班)

2855チバQ:2013/07/25(木) 20:53:33
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130724/CK2013072402000139.html
浮沈―'13参院選(中)自民・公明 選挙協力の果てに
2013年7月24日

史上最多得票でトップ当選を果たし、地元支持者に笑顔であいさつをする古川俊治氏=さいたま市岩槻区で


 「百万票を超えるなんてバブル、アベノミクスバブルだ。安倍(晋三)さんの経済政策への期待でこんなに伸びただけで、実体はない」

 投開票から一夜明けた二十二日。自民党県連の関係者は、再選した自民現職の古川俊治(50)の結果をこう表現した。百万七百二十五。古川の得票数は参院選の埼玉選挙区では史上最多となり、全国の選挙区でも百万を超えたのは五人しかいない。陣営が歴史的大勝に沸く中で、自民の重鎮県議の一人が打ち明けた。「たまげた。オレは何も選挙運動しなかったのに」

    ■  ■

 選挙戦終盤の十七日、東松山市の東武東上線東松山駅前。古川とともにマイクを握った地元選出の自民衆院議員、山口泰明が力を込めた。

 「古川さんには何としても百万票を突破してほしい。そして、推薦している矢倉さんにも二番手に入っていただきたい」

 自民党本部は埼玉で「与党で二議席」を目指し、公明党新人の矢倉克夫(38)を推薦した。自民が公明候補を推薦したのは埼玉選挙区だけで、参院選では過去に例がなかった。同じ選挙区で争うライバルへの推薦に古川は「不服だ」と公言していたが、山口は古川本人の目の前で、矢倉への投票も呼び掛けた。

 安倍内閣の高い支持率を背景に、古川は公示前から圧勝が予想されていた。選挙運動の核となる自民の衆院議員や県議らには、古川よりも矢倉への支援に熱を入れる姿も目立った。

 もし「アベノミクスバブル」がはじけ、次の衆院選や県議選で自民に逆風が吹けばどうなるか。自民の立候補予定者にとっては、公明の組織票を融通してもらえるかどうかが当落を左右しかねない。特に無党派層が多い都市部の自民議員は、公明とは「持ちつ持たれつ」の関係だ。「矢倉さんに自民党推薦がついたので、自分の支持者にも頼みやすくなった。『家族の一人は矢倉さんにお願いします』って」。ある自民衆院議員はそう話した。

 結果は古川一位、矢倉二位で当選だった。自公の思惑通りとなったが、別の衆院議員がつぶやいた。

 「今回の参院選では、自公協力に振り回された。悲しいけど自民党は、衆院選の小選挙区では公明党の協力なしでは戦えない。結局は自分が強くならなければ、どうにもならない」

    ■  ■

 二十一日夜。さいたま市南区の矢倉事務所は、支持者たちの歓喜の渦に包まれていた。「政治を安定させてほしいという有権者の期待が、埼玉での自公二議席につながった」。埼玉選挙区選出の参院議員で、公明県本部代表の西田実仁から笑みがこぼれた。

 初当選した矢倉の得票数は五十九万九千余り。公明の基礎票は県内で四十数万とされており、自民支持者からは、予定通り十万票程度が矢倉に融通されたとみられている。ただ、六年前の参院選の埼玉選挙区では、六十二万票を得た公明の現職が敗れた。

 公明は今後、西田と矢倉の議席維持に全力を挙げる。次期衆院選でも、県内の比例票を上積みさせることが大きな課題だ。県本部幹事長の福永信之は「自民党との選挙協力は続ける。一票でも欲しいのが政治だ」と話した。(敬称略)

2856チバQ:2013/07/25(木) 20:54:12
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130725/CK2013072502000151.html
浮沈―'13参院選(下)みんな 組織力、地力に課題
2013年7月25日

念願の再選を果たし、支持者から花束を受け取る行田邦子氏(中)=さいたま市大宮区で


 二十一日夜、みんなの党現職の行田邦子(47)が、さいたま市大宮区の事務所で歓喜の渦に包まれながら万歳した後、選対本部長の山内康一がマイクを握り表情を引き締めた。「厳しい戦いだった。行田さんにはこれからの六年間も、後援会づくりや地盤固めに努力してほしい」

 公示直後、得票見通しを計算していた行田陣営幹部の胸に不安が広がった。無党派層の票の取り込みが当落のカギを握る行田だが、投票率は下がると読んでいた。みんな支持者や行田個人の票などを積み上げても、当選ラインに届かない四十五万程度かもしれない−。「組織票を持つ連合が今回ほど怖かったことはない」。この幹部が本音を吐いた。

 行田は今回の参院選で「みんならしからぬ戦い」(陣営幹部)を続けた。みんなが三年前の参院選で埼玉選挙区に擁立した新人は、人通りが多い駅前などで演説をする「空中戦」に徹した。だが、今回は無党派層の多くが自民に流れるとみた行田陣営は小さな集会を積み重ね、じわじわと支持者を増やしていった。

 選挙戦中盤には、さいたま市浦和区の埼玉会館で決起集会を開いた。党政調会長の浅尾慶一郎は「このような箱もの(建物で開く集会)をできるのが行田の強み」と目を細めた。

 しかし行田の得票数は四十八万五千余りと、当初の予想とほぼ同じだった。では勝利の決め手は何だったのか。ある陣営幹部が話す。「さまざまな戦略も用いたし、ブレない党の主張も受け入れられたとは思う。だが、勝因は山根さんが伸び悩んだことに尽きる」。民主党現職の山根隆治(65)の「敵失」でつかんだ薄氷の勝利だった、と分析した。

    ■  ■

 国民の目が参院選の結果に注がれていた二十一日、行田事務所にいた党県支部代表の松本佳和に、この日投開票された三郷市議選でみんなの候補者一人が当選したとの連絡が入った。「また仲間が増えた」。松本は笑顔をみせた。

 みんなの県内の地方議員は現在二十人。結党から日が浅く県支部も三月に設立されたばかりで、組織は脆弱(ぜいじゃく)だ。そこで松本は、党勢拡大を今後の重要課題と位置付ける。当面、一つの自治体に最低でも一議員を誕生させることが目標で「県議団まで組めるようになれば、次の国政選挙で候補を擁立しようという環境もできる」と見通す。

 さらに県支部が望みをかけるのは、日本維新の会などとの連携だ。今回は公示直前に維新との選挙協力が破談となったが、維新は六月末の国会議員団北関東ブロック会議で、各地域の実情に応じて何らかの協力をすると決めた。埼玉では、維新の議員が街頭で行田の応援演説をしたり集会に出席したりはしなかったが、ポスター張りやビラ配りを手伝うなどした。

 松本は、こうした維新との協力が次につながるとみて期待を込める。「できれば国政選挙は候補者の一本化が望ましい。自民、公明がつまずいた時に備え、きちんとした受け皿をつくっておく必要がある」(敬称略)

2857チバQ:2013/07/25(木) 20:55:05
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20130724/CK2013072402000116.html
検証2013参院選(上) 両陣営競い、集票底上げ
2013年7月24日

(上)駅頭で元防衛相小池百合子(左)と支持を訴える石井(下)首相の安倍も豊田の応援に駆け付け後押しした=いずれも県内で


 「二つの陣営が切磋琢磨(せっさたくま)した結果だ」。参院選の投開票から一夜明けた二十二日、自民党県連会長の桜田義孝はこう勝因を語った。千葉選挙区(改選数三)で悲願の二議席獲得を果たし、安倍政権の高支持率を背景に、二人の得票は計百十万票と他党を圧倒した。

 党県連は当初、現職の石井準一に公認を絞ることも検討したが、石井と距離を置く県議の有志が八千代市長だった豊田俊郎の擁立に動いた。三月中旬に豊田の公認が決まり、選挙戦では両陣営で支援を分け合う「すみ分け」は行わずに戦った。

 着実に準備を進めてきた石井は序盤から選挙戦をリード。豊田の当選圏入りが視野に入った中盤以降は、党も豊田のテコ入れに力を入れ、首相の安倍晋三や財務相の麻生太郎ら幹部が来県した。「ここでゆるんだら向こう(豊田)に流れる」と、石井陣営も個人演説会を中心に活発に動き、二人擁立は今回、相乗効果で集票の底上げに働いた。

 「前回まで、はるかに低い党支持率でも二人公認で戦ってきた。三番目はあると思った」。豊田の選対関係者はこう明かす。共同通信の出口調査では、投票者のうち自民を支持政党に挙げた人は39・7%に上り、民主の10・8%を大きく上回った。

 自民支持層のうち石井は55・6%を集めたが、豊田も33・8%に達した。公明支持層は石井が48・2%で、豊田も21・8%を得た。トップ当選の石井には及ばないものの、豊田も自公支持票を手堅くまとめ、党組織を中心に二人の支持は浸透した。

 両候補を推薦した公明党県本部の幹部は「都議選で勢いをつけ、時期も良かった」と分析する。

 桜田は「(大勝しても二年後の)統一地方選に向け、県連内がゆるむことは考えられない」と断言。さらに「(安倍政権は)経済成長が最優先。党の長期的政策課題である憲法改正問題にも取り組むべきだ」と力を込めた。(敬称略)

    ◇

 二十一日に投開票された参院選千葉選挙区は、改選三議席のもとで初めて自民党が二議席を獲得した。議席を得た自民、民主両党を中心に各陣営の勝因・敗因を共同通信の出口調査も加味して探った。

2858チバQ:2013/07/25(木) 20:56:29
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20130725/CK2013072502000146.html
検証2013参院選(下) 風頼みから組織作りへ
2013年7月25日

(上)党代表の海江田万里(右)と支持拡大を訴える長浜=木更津市で(下)みんなの党幹部と有権者に手を振る寺田(中)=市川市で


 「党への支持は戻っていない」。選挙戦中盤、民主党現職の長浜博行の陣営幹部は表情を曇らせた。中盤以降は盟友の前首相野田佳彦が連日街頭宣伝に同行し、懸命に票の掘り起こしを図った。

 野田の地元船橋市で長浜は、トップ当選した自民党の石井準一の五万五千票に迫る五万二千票を獲得した。それでも、陣営幹部は「演説の途中で立ち去る人もいた。厳しい状況は大きく変わらなかった」と漏らす。

 民主は引退した現職加賀谷健の後継を立てず、長浜一人に絞って議席の確保を狙った。陣営が目指したのは、昨年の衆院選で党が得た比例票の五十四万票だったが、得票は大きく下回る三十八万八千票にとどまった。

 選挙前、選対関係者が「民主支持層の核」として挙げた三十数万票と一致する。衆院の十三小選挙区でそれぞれ、三万票を積み上げた数字だ。選対関係者は「結党したころの基礎的な票に戻った。ここから上がっていけるかだ」と表情を引き締めた。

 共同通信の出口調査でも長浜は、民主支持層の86・4%は固めたが、無党派層は自民、やみんなの党より少ない18・8%で、広がりはなかった。

 県連幹事長の田中信行は「反自公の受け皿になれなかった。自分たちは違うと思っても有権者から見れば、野党はみな同じように見えたのだろう」と指摘。二年後の統一地方選に向け、「地方議員が力を付けることが大事だ」と語った。

    ◇

 三年前の前回は議席を獲得したみんなの党だが、新人の寺田昌弘は次点に終わった。出口調査では、無党派層の20・9%を獲得。出馬した九候補の中では最も多く、無党派の一定の受け皿になった。

 日本維新の会との選挙協力が解消され、寺田の正式出馬表明は六月中旬にずれ込んで出遅れた。維新、生活の党など独自候補を立てた野党各党と票が分散したことも影響した。

 選対幹部は「(野党候補の)票を単純に足しても意味がない。選挙協力が実現しても野合批判はあったはずだ」と指摘する。党幹事長代理の水野賢一は「第三極の中で最も多くの票を得た。二大政党以外の勢力の核として活動していくよすがになった」と今後を見据えた。(この企画は小川直人が担当しました。敬称略)

2859チバQ:2013/07/25(木) 20:58:42
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130723ddlk20010002000c.html
岐路に立つ:検証2013参院選/上 圧勝の自民 政策推進カギに /長野
毎日新聞 2013年07月23日 地方版

 現新6氏が議席を争った参院選長野選挙区(改選数2)は、自民現職の吉田博美氏(64)がトップで3選を果たし、民主現職の羽田雄一郎氏(45)も4選した。自民・民主の「指定席」には変わりが無かったが、元来「民主王国」と言われた長野県で羽田氏が得票を大きく減らし、共産新人の唐沢千晶氏(43)が存在感を見せるなど変化の兆しもうかがえる。参院選を検証し、岐路に立つ各党の今後を取材した。【参院選取材班】

 選挙戦終盤の18日夜。定員600人の長野市若里市民文化ホールで、自民現職の吉田氏が開いた個人演説会は立ち見が出るほどの盛況だった。「おおむね成功だろう」と陣営幹部は笑みを浮かべた。企業・支持団体に動員をかけた結果だが、幹部は序盤から続く勢いを感じていた。

 昨年12月の政権奪還から半年余り。下野した民主への逆風がやむ気配がない中、陣営内では早い段階から、吉田氏にとって初当選時の2001年以来の「トップ当選」が合言葉になっていた。

 安倍晋三首相が進める経済政策「アベノミクス」によって円安・株高基調になったことを背景に、吉田氏は「アベノミクスが成果を出すためには衆参のねじれを解消しなければいけない。景気回復が一丁目一番地だ」と強調。経済問題を前面に出すことで安倍内閣への高支持率を自身の選挙戦につなげようとした。街頭での反応も「衆院選より格段に良い」(県連幹部)と手応えをつかんだ。

 結果は、民主現職の羽田雄一郎氏に7万票以上の差をつける圧勝。共同通信社が行った出口調査では、自民支持層の8割、公明支持層の6割を固めた他、無党派層にも2割以上浸透した。吉田氏は21日夜、事務所で支援者を前に「安倍晋三首相の『デフレから脱却する』という経済政策に理解をいただけた」と喜びをかみしめた。

 ただ、「問題は勝利した後だ」とある県連幹部は言う。今回の勝利が自民の組織強化につながっているわけではなく、「単に民主から離れた層が期待票として自民に流れただけ」(同じ幹部)だからだ。県内でも農業従事者を中心に懸念が強い環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の参加交渉は、23日にも日本が交渉に初参加するが、内容次第では「一気に支持率が急落しかねない」と関係者は気をもむ。

 自民のベテラン、小坂憲次参院議員も風頼みの選挙に「経済対策でも、まだ県民の懐で実感できるまでには至っていない」と指摘する。「今後、着実な進め方があって初めて次期衆院選につながる。それができなければしっぺ返しがくる」

2860チバQ:2013/07/25(木) 21:00:13
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk20010008000c.html
岐路に立つ:検証2013参院選/中 「羽田ブランド」辛勝 原点戻り民主再生を /長野
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 21日夜、上田市にある民主現職の羽田雄一郎氏(45)の選挙事務所。「当選確実」の知らせに支持者が沸く中、東京から駆けつけた羽田氏の父で元首相の孜氏(77)の姿があった。体調が優れない孜氏が、地元後援会員らの前に姿を見せたのは4年ぶりだった。孜氏と後援会「千曲会」の佐藤圭司会長が握手する姿は、厳しい党勢を背景に、祖父から3代続く「羽田ブランド」を前面に押し出した選挙戦を印象付けた。

 逆風にさらされる民主。陣営は「羽田家の羽田雄一郎として戦う」と民主色を薄め、羽田氏の国土交通相などの実績、人柄を前面に打ち出す戦略に徹した。遊説では「民主党」の名前を控え、自身の名前を連呼。その結果だろうか、地元の上田市などがある衆院3区では全17市町村で首位の得票を得た。自民現職の吉田博美氏(64)にトップ当選の座を譲ったものの、県連の倉田竜彦幹事長は「(吉田氏とは)7万票差にとどまった」と胸をなで下ろした。

 羽田氏は6年前の前回選挙で、約54万票を集め、吉田氏の約30万票に大差をつけてトップ当選している。市町村別得票では、82市町村(当時)中の67市町村で吉田氏を上まわった。今回選挙で吉田氏を上回ったのは18市町村のみ。大票田の長野市など市部では、共産新人の唐沢千晶氏(43)に追い上げられた。

 共に選挙を戦ってきた連合長野の中山千弘会長は「羽田ブランドがあったから当選できた。民主党に裏切られたという有権者の気持ちは根強い。このままだと自滅する」と危機感を募らせる。

 党県連の北沢俊美代表は「昨年末の衆院選の負けを総括しなかったことが都議選、参院選の大敗の原因」とみる。憲法改正や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、消費税増税など、国の行方を左右する課題が山積した国会は、衆参とも自公が過半数を占める結果になった。羽田氏は「民主党は3年半の政権で経験不足や権力争いで国民の失望を招いたが、政権交代可能な政治の原点に戻って党再生する。出ていく人もいるだろうが、憲法改正など同じ方向性の人を結集する」と述べた。

2861チバQ:2013/07/25(木) 21:01:11
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130725ddlk20010039000c.html
岐路に立つ:検証2013参院選/下 バラバラ野党 戦略見直し迫られ /長野
毎日新聞 2013年07月25日 地方版

 「『安倍晋三政権をストップしてくれ』という思いが支持につながった。もっと大きな世論にするため、これからも前を向いて頑張りたい」。21日夜、敗戦の弁を述べた共産新人の唐沢千晶氏(43)に、支援者からは拍手が送られた。

 安倍首相が進める経済政策「アベノミクス」を「毒矢ばかり」と徹底的に批判した共産党。参院選では反自民層の受け皿となり、唐沢氏は前回2010年の共産候補を約3万8000票上回る約15万4000票を獲得した。共産県委員会の今井誠委員長も「政権と国民の声はねじれている。この戦いは必ず今後に生きる」と手応えを口にした。

 一方、長野選挙区では社民県連が支援する無所属新人の神津ゆかり氏(46)も立候補し、約5万票を獲得。「護憲・脱原発」など主張で共通項が多い2氏の票を合計すれば20万票を超え、2位の民主現職、羽田雄一郎氏(45)の29万票にぐっと近づく。

 県内では今年初めに護憲や脱原発などを目指し、無所属統一候補の擁立構想もわき起こったが、幻となった。結果として票が分散したことに、構想を提唱した「国政選挙で共同を進める会」の安藤真后共同代表は「思った通り、野党が協力できない中で与党が勝ってしまった」と話した。

    ◇

 「訴える時間が短く、なかなか認知してもらえなかった」。みんな新人の角恵子氏(33)は21日夜、涙声で敗戦の弁を語った。同党の井出庸生衆院議員が出馬した前回選で獲得した18万票台には遠く及ばなかった。

 候補者擁立が難航し、公示2日前にやっと角氏を擁立したみんなの党。日本維新の会との選挙協力解消の影響もあったが、昨年の衆院選で高まった「第三極」への期待は、参院選で急速にしぼんだ。県内の比例代表で、みんなは約10万票と衆院選から微減にとどめたが、維新は8万票弱で、13万票近く減らした。井出氏は「一つ一つ問題を提起して世論に共感してもらえるようにやっていくしかない」と自分に言い聞かせるように語った。

 野党がバラバラで終わった参院選。自民が圧勝し、「1強時代」を迎えつつある中、野党には戦略の見直しが迫られている。

2862チバQ:2013/07/25(木) 21:02:39
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chubu/news/20130723-OYT8T00162.htm
13参院選 検証 自民の必勝戦略奏功 三重地元出身の候補者 愛知「景気、雇用」最前面



当選報告会で笑顔を見せる吉川有美さんと川崎二郎・自民党三重県連会長(右、22日午前11時46分、津市で)=杉本昌大撮影  三重県は人口が集中する北部と保守地盤が厚い南部の二つの地域に大別される。自民党が「民主王国・三重」に風穴を開けることができたのは、岡田克也前副総理が権勢をふるう北部の切り崩しに成功したためだ。

 「皆さんのお力添えで自民党の議席を取り戻すことができました」

 22日午前、津市の自民党三重県連で開かれた三重選挙区(改選定数1)の当選報告会で、吉川有美(39)は集まった業界・団体、自治体の関係者らに何度も頭を下げた。1998年以来の議席獲得に、吉川の出馬を後押しした県連会長の川崎二郎は意気揚々とあいさつに立った。「北部で岡田さんに負けない候補者を選ぶ。南部は我々の底力で支える。自民党の必勝パターンが確立した」

 川崎が候補擁立にあたってこだわり続けたのが「県北部出身者」ということだった。2011年4月の知事選で北部の三重2区を地盤とする鈴木英敬を擁立し、地元の四日市、鈴鹿両市で大量得票して当選させた成功体験があるためだ。

 しかし、川崎が考える「勝てる候補者」はなかなか見つからなかった。北部の桑名市出身、四日市市の高校卒業という経歴を持つ吉川に白羽の矢が立ったのは、今年3月末だった。

 出遅れによる知名度不足が懸念されたが、南部で民主党現職を圧倒。北部の一部ではリードを許したものの、岡田のおひざ元の四日市市と桑名市で計約7000票の差を付けた。

 北部には自動車産業や電機産業が集積している。川崎は公示直前、「そこで働く人たちが経済政策を評価してくれるかどうかがカギになる」と語った。結果は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待感が、岡田の地盤にも広がっていたことが投票に表れた格好だ。「景気のぬくもりが実感できる政策を練り上げていきたい」。川崎は自民党政権の実績を積み重ねることで、王国の切り崩しをさらに進めたい考えだ。

■  ■

 愛知選挙区(同3)でトップ当選した酒井庸行(61)は、同選挙区で史上最多となる105万票を獲得した。今回の自民党圧勝を象徴する驚異的な数字といえる。

 「100万票が重くのしかかっている。腹を据えてこの国のために頑張りたい」

 酒井は22日午前、愛知県岡崎市で支援者らを前にそう頭を下げた。新人の酒井にこれだけの票をもたらしたのは、やはりアベノミクスに対する期待感だ。実際、読売新聞社が21日に行った出口調査で、重視する政策に「景気・雇用」を挙げた人の半数が酒井に投票した。

 昨年末の衆院選圧勝で、県選出衆院議員が1から15に増え、組織選挙が強化されたとの指摘もある。全国の自民党支持率は、衆院選前の25%から今月初旬には44%まで上昇している。

 安倍首相は引き続き景気回復に最優先で取り組む考えだ。景気と密接に関連する消費税率の引き上げに踏み切るかどうかの最終判断が秋に待ち受ける。憲法改正や環太平洋経済連携協定(TPP)など、かじ取りを誤れば支持率低下に直結する難問も山積する。

 県連会長の藤川政人は、自民党の大勝を冷静に受け止める。「期待が大きいだけに、何かあれば民意はころっとひっくり返るものだ」(敬称略)



 参院選は自民党が圧勝し、東海地方でも各選挙区で議席を確保した。民主党の衰退は著しく、第3極政党も伸び悩んだ。政党勢力が「一強多弱」に突入した今回の戦いを振り返った。

(2013年7月23日 読売新聞)

2863チバQ:2013/07/25(木) 21:04:02
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chubu/news/20130724-OYT8T00104.htm
13参院選 検証 愛知・みんな、無党派つかむ

「敵は共産」維新から転換

 23日午後、愛知県庁で開かれた当選証書授与式に出席したみんなの党の薬師寺道代(49)の顔は少し日に焼け、引き締まったように見えた。「政策を議論していく仲間としてよろしくお願いします」。自民、民主両党の当選者と握手を交わし、初当選の喜びを改めてかみしめた。

 「支援団体を持たない」「しがらみがない」――。そう繰り返した薬師寺の17日間は無党派層を取り込む戦いだった。街頭演説で「女性・母・医師」であることを強調。医療や介護などの政策を訴え、無党派層に「政策実現能力があるという期待感」(陣営幹部)を抱かせることに成功した。

 読売新聞社が21日の投開票日に実施した出口調査によると、無党派層を最も取り込んだのが薬師寺で、全体の23%に上った。同じ第3極勢力の日本維新の会が10%、地域政党・減税日本が9%などで、無党派層への食い込みは顕著だった。

 議席獲得を巡り一番の脅威となったのは、逆に組織力のある共産党だった。

 「目の前の敵は共産党だ」。薬師寺陣営は6月下旬に開いた選挙対策会議で、ターゲットを維新の会から東京都議選で躍進した共産党に切り替えた。同党が「みんなの党は自民党の補完勢力」と繰り返していたことから、打ち消しのために消費増税凍結、原発ゼロなどみんな、共産両党に共通する政策を前面に出す方針も決めた。

 4回も愛知県入りした党代表の渡辺喜美は街頭演説で、「何でも反対の共産党」とこき下ろした。さらに、自ら愛知県知事の大村秀章に薬師寺への選挙協力を要請。陣営事務所での大村との会談を報道陣に公開し、知事との緊密さを無党派層にアピールした。

 「共産や維新に競り勝ったことに意味がある」。渡辺は当選が決まった薬師寺に、そう祝意を伝えた。

 しかし、無党派層頼みには限界もある。薬師寺は2010年参院選の53万票を35万票に減らした。維新の会の党勢減退がなければ、無党派層の行方はさらに混沌(こんとん)としていたとみられる。

 薬師寺は「風に左右されない地盤を作っていかないといけない」と話す。次点と7万6000票差という結果以上の激戦は、党の課題を改めて浮き彫りにした。

    ■  ■

 名古屋市中区の共産党愛知県委員会で23日、次点で敗れた本村伸子(40)と幹部ら十数人による参院選の総括が行われた。「大躍進だ。これを党勢拡大につなげよう」。会議が終始明るい雰囲気に包まれたのは、党全体で非改選と合わせて11に議席を増やしたためだ。

 比例選の県内得票数は10年の17万票から26万票に増えた。「本村の奮闘が比例票の伸びにつながった」。党県委員会からはそうした声が上がり、本村も比例選5議席獲得で「正直ほっとしている」と語った。

 本村は原発再稼働や憲法改正に反対する無党派層の一部の掘り起こしを狙っていたが、期待したほどの票に結びつかず、結果は及ばなかった。党県委員会幹部の一人は「無党派層はあてにならない」と振り返った。

 この日の総括文書は、締めくくりで組織の強化を訴えた。「今回の教訓を踏まえ、党の自力を強める活動に全力をあげる決意だ」(敬称略)

(2013年7月24日 読売新聞)

2864チバQ:2013/07/25(木) 21:04:58
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chubu/news/20130725-OYT8T00191.htm
13参院選 検証 民主 険しい再出発

三重 比例得票率「全国一」に希望


落選が決まった民主党・高橋千秋さんの選挙事務所。岡田前副総理と写っている集会の写真が、はがれかかっていた(21日夜、津市で)=杉本昌大撮影 「かつてない運動量の戦いだった。あれだけやって勝てなければ仕方ない」

 三重選挙区(改選定数1)で落選した民主党の高橋千秋(56)は、東京・永田町の参院議員会館で選挙戦をそう振り返った。3期13年を過ごしたこの地で、24日も部屋を明け渡すための荷造りに追われていた。

 高橋は経済産業政務官や外務副大臣など政府の要職を歴任した。党内分裂を招きながらも成立させた消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革関連法の審議では、参院特別委員会委員長の重責を担った。公示後、応援に駆けつけた前首相の野田佳彦が「昨年の審議を乗り切れたのは『名委員長』のおかげだ」と持ち上げたほどだ。

 「さまざまな人脈もできたし、素晴らしい経験をさせてもらった」。高橋は荷造りの合間に、吹っ切れた表情を見せた。

 これまでにない逆風での選挙戦だった。前副総理の岡田克也が高橋の支援に全ての時間を費やしたが、3月になって出馬表明した自民党新人に及ばなかった。岡田は高橋の落選が決まると「アベノミクスへの過剰な期待と戦っていた」と肩を落とした。

 しかし、「王国」の灯が必ずしも消えたわけではない。同選挙区での民主党の比例選得票は約19万5000票。得票率は23・2%で、全国平均の13・4%を大きく上回る全国トップだった。県連代表代行の芝博一は「風やムードは一過性のもの。地方議員や連合と連携し再生に向けて取り組みたい」と語った。

 高橋は25日までに議員会館と議員宿舎の片付けを終え、地元の津市に戻る予定だ。引っ越しの段ボールが積まれた議員会館の部屋で、今後のことについて問われると言葉を濁した。「先のことは分からない。これからじっくり考えたい」

   ■   ■

 岐阜選挙区(同1)で落選した民主党の吉田里江(47)はすでに、公示1か月前の出馬表明から張り付いていた選挙区を離れている。8月上旬に国際貢献の一環としてカンボジアに向かう準備のためで、24日は県連幹部が支援者らへのあいさつ回りに追われた。

 吉田の得票は約21万8000票にとどまり、自民党候補の半分にも満たなかった。党への厳しい逆風が直撃した結果で、県連代表の柴橋正直は「党に対する信頼は十分でないことは分かっている。責任を感じている」と現状を受け止める。

 全国的にも惨敗を喫したが、代表の海江田万里は続投を表明し、責任をとって辞表を提出したのは幹事長の細野豪志だけ。党公認を取り消した無所属候補を支援した元首相の菅直人の処遇を巡り、党内の混乱も続いている。

 同選挙区の候補者選定を巡っては、県連幹部が出馬要請を相次いで固辞し、混乱を招いた経緯がある。県連は8月上旬に開く常任幹事会で今後の対応を協議するが、幹部の責任を問う声は今のところ聞こえてこない。連合岐阜会長代理の舟口憲雄も「これ以上、県連内でゴタゴタを続けている場合ではない」との立場だ。

 政党組織として統治能力の欠如を指摘され続けた民主党。再生に向けた県連の取り組みにも注目が集まる。(敬称略。この連載は志磨力、新良雅司、磯野大悟、浜名恵子、黒岩宏行が担当しました)

(2013年7月25日 読売新聞)

2865チバQ:2013/07/25(木) 21:44:29
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1123/20130723_07.htm
気流どこへ 参院選ねじれ解消(上)民主惨敗/信を失い無党派離反

支持者に頭を下げる岡崎。激しい逆風にベテランも耐え切れなかった=21日午後11時55分ごろ、仙台市青葉区の事務所


 参院選は自民党が65議席を獲得して圧勝し、連立を組む公明党とともに衆参のねじれを解消した。民主党は17議席に落ち込み、東北での獲得はゼロに終わった。勢力図を一変させた民意の気流。候補者や政党は何を感じ、どう向き合うのか。

<立場が逆転>
 16年間、鉄壁だった議席が一夜にしてさらわれた。
 「私の声を皆さんに届けるような戦いができなかった。悔やまれてならない」。宮城選挙区(改選数2)で4選を逃した民主党現職の岡崎トミ子(69)は21日深夜、仙台市青葉区の事務所で絞り出すように語った。
 自民党現職に次いで2議席目を獲得したのは、みんなの党新人の和田政宗(38)。差はわずか5100票だった。
 予兆はあった。ビラを配っても受け取ってもらえない。街頭演説は無視される。民主党に対する強烈な逆風だ。
 2007年までは無党派層に支えられ、大量得票を誇った。その成功体験からは予想だにしない退場宣告。「上り調子だった頃の民主党候補を相手にしているようだった」。陣営関係者は立場が逆転した戦いを振り返る。
 連合宮城会長の山崎透は岡崎の事務所で「雪崩を打つ無党派層の怖さを知った」と漏らしたが、組織も一体ではなかった。
 例えば今回、傘下の電力総連が推した比例代表候補は宮城県内で8400票を獲得した。民主党への風当たりが強い中で、10年参院選の5200票を大幅に上回った。
 「増えた比例票がどれだけ岡崎と連動しただろうか」と党関係者は言う。岡崎は「脱原発」を信条としてきた。選挙戦では発言を控えたが、労組側の不満は消えず、連動は不発だったとの読みだ。
 政権時代の混迷を引きずり、防戦の末に沈んだ岡崎。結党以来のベテランは「(今後のことは)長年支えてくれた方たちや県連と相談しながら決めたい」と話すのが精いっぱいだった。

<王国流動化>
 岩手選挙区(改選数1)では、民主党を除名された無所属現職の平野達男(59)が、自民党新人の田中真一(46)を振り切って3選を決めた。民主党新人の吉田晴美(41)は埋没した。
 平野は孤立無援となり、苦戦もささやかれたが、「議員が育つのを待っている余裕は被災地にはない」と民主党の一部や地域政党いわての県議が支えた。
 「組織がないと言われてきたが、どこにも負けない組織ができた」と平野。党を離れた判断が結果的に勝利に結び付いたことをにじませる。
 平野が票を伸ばすほど、民主党は支持基盤を崩された。かつて比例も含め衆参の関係全議席を独占した「王国」は、昨年7月に生活の党代表の小沢一郎が党を割ったことで流動化した。流れ出す無党派票をつなぎ留める力は吉田にはなかった。

<組織に弱さ>
 東北では秋田選挙区の現職松浦大悟(43)、福島選挙区の現職金子恵美(48)も落選。衆参のねじれ解消とともに、議席が消えた。
 党福島県連は22日、総括会議を開いた。挙がったのは、後援会組織が弱いことや各種団体との連携不足など反省の声。組織強化のほか、次期衆院選に向け候補者の人選を急ぐことは確認したが、道筋は見えない。
 県連代表の参院議員増子輝彦は「泥水をすする、血のにじむような努力をしないと再生は図れない」と話した。(敬称略)


2013年07月23日火曜日

2866チバQ:2013/07/25(木) 21:44:52
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1123/20130724_01.htm
気流どこへ 参院選ねじれ解消(中)自民圧倒/組織戦奏功、押し切る

山形選挙区で初当選を決め、支持者から贈られた風船に驚く大沼氏(中央)と遠藤山形県連会長(右)。組織戦で接戦を制した=21日午後10時ごろ、山形市の事務所


<激烈な圧力>
 強力な「党営選挙」が、地元に移り住んでわずか半年の新人を議席に押し上げた。
 「私の至らなさを、皆さんでカバーしてもらった」。山形選挙区(改選数1)で初当選した自民党の大沼瑞穂(34)は21日夜、山形市の事務所で党国会議員や市町村長らに深々と頭を下げた。
 野党共闘で追いすがるみどりの風現職の舟山康江(47)への対抗策は、かつて自民党が得意としてきた利益誘導型の「締め付け」だった。
 「大沼に投票しないと安倍政権にノーを突き付けたことと同じ。アベノミクスも国土強靱(きょうじん)化も反対か、と呼び掛けろ」。13日の選対会議で、県選出の参院議員岸宏一は徹底した業界対策を指示した。
 全国31の1人区で全勝を目指す党本部の圧力は激烈だった。
 15日は経済再生担当相甘利明、17日には元官房長官塩崎恭久、19日も党参院議員会長中曽根弘文と農相林芳正。続々と大物が応援に入り、商工団体や首長、宗教団体、農業者らに接触、大沼支持を求めた。
 「もう動くな」。選挙戦序盤、公示前に舟山支持を明言した山形県知事吉村美栄子に、政府首脳らが電話でにらみを利かせた。吉村は「絶対に動きません」と答えたという。
 舟山との差は2万700票。僅差だが、票を囲い込むしたたかな戦略が積み重ねた確かな差とも言える。県連会長の衆院議員遠藤利明は「危機感を持ち、必死に大沼を売り込んだ組織戦が奏功した。万々歳だ」と誇らしげに振り返る。

<緩みと戦う>
 「愛知は大丈夫、という他陣営のキャンペーンにやられた」
 宮城選挙区(改選数2)でトップで3選を果たした自民党現職の愛知治郎(44)は22日、組織の緩みと戦ってきたことをにじませた。
 獲得したのは42万1000票。他候補を大きく引き離したが、当初の目標だった50万票には遠く及ばなかった。終盤、みんなの党新人の和田政宗(38)と民主党現職の岡崎トミ子(69)の2議席目争いが激しくなったことが、愛知に響いた。
 「愛知は当確だから別の候補に(期日前投票で)入れてきた、と言う支持者が日に日に増えた」と党関係者は振り返る。
 結果、2議席目は和田が滑り込み、民主党の指定席はなくなった。緩んでいた愛知票の一部が、民主党不信と化学反応を起こし、和田に流れたのだ。

<進む弱体化>
 「大勝と言えるかもしれないが、実感はまったくない」。22日朝、秋田選挙区(改選数1)で26万票を得て初当選した自民党新人の中泉松司(34)は、自宅で打ち明けた。
 党県連は、圧勝の影でネットワークの弱体化が進んでいることを如実に感じた。保守系の市町村議は自治体合併で減少。15年前まで5万人超だった県内の党員数は高齢化で約7000人にまで減った。
 衆参のねじれを解消した民意の振り子。それが逆に振れれば、このままの支持基盤ではまた覆される−。中泉は「おごらず、謙虚に国民に耳を傾けるだけ」と語る。(敬称略)


2013年07月24日水曜日

2867チバQ:2013/07/25(木) 21:45:13
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1123/20130725_01.htm
気流どこへ 参院選ねじれ解消(下)中小明暗/街頭・ネット併用、金星

インターネット番組を収録する(左から)藤巻幸夫参院議員、和田氏、林衆院議員=17日夜、仙台市青葉区


<組織力補う>
 支持拡大の最前線に、連呼や握手はなかった。
 終盤戦に入った17日夜、仙台市内のスタジオ。宮城選挙区(改選数2)で初当選したみんなの党新人和田政宗(38)は短文投稿サイト「ツイッター」上であった討論会に参加した。
 司会はネット界で活躍するジャーナリストの津田大介。「ネットは選挙にどんな変化をもたらしたか」「手応えは」。矢継ぎ早に繰り出される質問に、和田は黙々と回答を書き込んだ。
 討論会が終わらないうちに、スタジオ内では選挙中の日課となったネット配信番組の収録が始まった。ともに元アナウンサーの和田と党衆院議員(比例東北)林宙紀が、軽妙な会話で日中の活動を紹介した。
 陣営は業界団体の支援を受けなかった。県内5262カ所の掲示板にポスターを貼るのに3日かかったほど組織は弱かった。それをカバーしたのがネット戦略だ。
 最終盤、和田は変わり身も見せた。
 「お疲れさまでした。あさっては投票日です」。19日夜、陣営は和田をJR仙台駅前に立たせることを番組収録より優先した。視聴者数が頭打ちとなり、街頭で訴える正攻法が有効と判断した。
 「ネット選挙はまだ過渡期。稼げる票には限界がある」と林。ネットという新たな主戦場で知名度を上げ、従来の選挙手法も織り交ぜた。民主党県連幹部に「つかみどころがない」と映った戦略が、現職の岡崎トミ子(69)から金星を挙げた。

<求心力衰え>
 自民党圧勝の陰には、野党同士の激しいつぶし合いがあった。東北でも中小政党の明暗がくっきりと分かれた。
 小沢一郎(衆院岩手4区)率いる生活の党は、岩手選挙区(改選数1)に新人関根敏伸(57)、青森選挙区(同)に現職平山幸司(43)を立てたがいずれも大敗。全国でも議席ゼロに終わった。
 「一にも二にもわたしの力量が足りなかった」。21日夜、盛岡市。前復興相の無所属現職平野達男(59)に、15万票差で大敗した関根は小沢をかばうかのように釈明した。
 小沢は「王国」再生へ必死だった。18日には雨が降りしきる中、県内10カ所を回り「政党に属さなくては影響力を行使できない」と叫んだ。小沢とたもとを分かち、4月に民主党も離れた平野の現状を当てこすった。
 小沢を師と仰ぐ知事達増拓也と、その妻で昨年の衆院選岩手1区で落選した陽子も動員した。
 あらゆるカードを切った上での惨敗。小沢の求心力が衰えたことを強く印象付けた。支援する経済人は言う。「長い間、小沢の人気や集票力に頼って選挙をしてきたがついに弾が切れた」

<対決あおる>
 12年ぶりに東京など選挙区で議席を獲得した共産党。宮城選挙区で落選した新人岩渕彩子(30)は最終日の20日、仙台市中心部で「暴走する安倍政権を止められるのは共産党しかない」と自共対決をあおった。
 東北での比例の得票は32万票と前回2010年の1.5倍に達した。党宮城県委員長の中島康博は「安倍政権に不安を抱える有権者の考えと共産党の主張がかみ合った」と自信を深める。(敬称略)


2013年07月25日木曜日

2868チバQ:2013/07/25(木) 21:45:37
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1123/20130723_08.htm
激闘・参院選 明と暗(上)圧勝の内実/首相人気におんぶ

当選確実の報を受け、支持者に迎えられる愛知氏。自民党への追い風に乗り、トップ当選を果たした=21日午後8時ごろ、仙台市青葉区の事務所


 21日投開票された参院選で、宮城選挙区(改選数2)は自民党の現職が圧勝で3選し、みんなの党の新人が民主党現職に競り勝って初当選を果たした。民主、自民が議席を分け合う構図が一変し、県政界に新たな歴史を刻んだ激闘。明暗が分かれた戦いの軌跡を追った。

◎無党派つかみきれず

 早々と当選を確実にした現職が余裕の勝利に胸を張った。
 「前回に増して多くの支持を頂いた。選挙で約束したことをしっかりと成し遂げる」
 21日午後8時すぎ、自民党現職の愛知治郎(44)は、仙台市青葉区の事務所で支持者を前に力強く宣言した。
 開票状況を伝えるテレビ番組は、全国で最も早いグループで当選確実を速報した。
 「トップを目指して戦った。当確もトップだ」。過去2回の2位当選がうそのような勝ち方に、選対本部長の相沢光哉の舌は滑らかだった。

<トップが義務>
 戦いは1位当選を義務付けられた。党県連は候補者を愛知に一本化。安倍晋三政権の高支持率を背に、終始、優位に選挙戦を進めた。
 愛知が訴えの軸に据えたのも安倍首相が進める経済政策「アベノミクス」の成果だった。
 「国民のマインドは確実に前向きになった。これからはもっと良くなる」。個人演説会などでは景気回復への期待感を高める訴えに力を注いだ。
 後押しするように安倍首相も13日、仙台市に入った。「経済成長がプラスになり、雇用の指標もリーマン・ショック前に戻った。民主党が3年かかってもできなかったことを半年で達成した」。青葉区の街頭で熱弁を振るう首相に約1000人が拍手を送った。
 党国会議員や県議らも回転し、党支持層を手堅くまとめた。結果は42万1634票を得ての勝利。陣営が掲げた「2位に20万票差をつける」との最低目標も達成した。
 ただ陣営幹部の表情は晴れない。本来の目標とした「50万票」を割り込んだ。県連会長代理の藤倉知格は「全国的な追い風は受けたが、無党派層を十分に引き付けられなかった」とみる。
 共同通信社が投票日当日に行った出口調査では、無党派層の3割が、2位で初当選したみんなの党新人の和田政宗(38)に票を投じた。愛知は同じ3割にとどまった。

<活動量で不満>
 思うように票が伸びなかった要因の一つに挙がるのは、愛知の地元での活動量の不足だ。6年前から得票数を減らしたのは7市町。うち5市町は沿岸被災地だった。県議は「しっかり被災地を回っていれば、違う結果が出た」と指摘する。
 後援会の対応にも県議らから不満がこぼれる。個人演説会は20回を超えたが、後援会主催は2回のみ。祖父、父から引き継いだ組織は高齢化が進んでおり、以前から世代交代が課題とされている。
 県連幹事長の中島源陽が自らを戒めるように言う。「今後の政治状況は分からない。日常の活動で期待に応えていかないと、有権者の信頼を失ってしまう」
 アベノミクスの追い風を受けた圧勝は、支持基盤を盤石にしたとは言い切れない現実も浮き彫りにした。(敬称略)


2013年07月23日火曜日

2869チバQ:2013/07/25(木) 21:46:49
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1123/20130724_02.htm
激闘・参院選 明と暗(中)逆転の戦略/ネット駆使し攻勢

三木谷楽天社長(右端)と仙台市の中心商店街を練り歩き、無党派層にアピールする和田氏=15日


◎仙台に照準、狙い通り

 「これまではシナリオ通り。さあここからだ」。投開票日の21日午後11時、仙台市青葉区にあるみんなの党新人和田政宗(38)の選挙事務所。党県支部長林宙紀はタブレット型端末で開票状況を見ながらつぶやいた。
 選挙前から、勝負の相手は民主党現職の岡崎トミ子(69)と踏んでいた。郡部の開票がほぼ終わった時点で約2万票負けていたが、仙台市の開票が進むにつれ、差は詰まった。午後11時40分、テレビの開票速報が和田の当選確実を伝えると事務所内は大きく沸いた。
 5102票差の勝利。勝因は、ライバルに約3万票差をつけた仙台市での支持の広がりだった。

<「群衆つくれ」>
 陣営は戦略的に仙台を攻めた。和田は選挙中、市内の主要駅などで朝のあいさつ運動に徹した。昼間は無党派層を意識して、繁華街で何度も街頭演説した。楽天社長の三木谷浩史が応援に入った15日に向け、攻めに拍車を掛けた。
 3日前の12日、青葉区のホテルであった選対会議。「潮目を変えるターニングポイントだ。街頭に群衆をつくれ」。陣営中枢から党地方議員に指示が飛んだ。
 15日、三木谷の前には約300人の人垣ができた。いつもは通り過ぎる人に呼び掛けるだけの和田の街頭活動の中では異例の光景だった。陣営は、日本を代表するネット起業家の短い滞在をフルに活用しようと、演説の様子を動画で公開した。
 狙いは見事にはまり、得票は仙台市5区のほか、塩釜、名取、多賀城各市や黒川郡など仙台市の近隣市町でも岡崎を上回った。

<強く民主批判>
 序盤戦からインターネット上などで民主党や岡崎への批判を展開した和田。攻撃ぶりは日を追うごとに激烈になった。
 19日夜、仙台市の繁華街では「民主党政権は復興政策をめちゃくちゃにした。選挙中も業界ばかり回り、組織固めに必死だ」と糾弾した。
 長年、岡崎と対決してきた保守勢力もあうんの呼吸で後押しした。
 自民党現職の愛知治郎(44)を応援するはずの同党仙台市連幹部は終盤、「岡崎を落とす絶好のチャンス。支持者には冗談めかして『愛知は大丈夫。岡崎を落とすため和田に入れようという人もいる』と話している」と、暗に和田支援を呼び掛けたことを明かした。
 同じような動きは最終盤、急速に広がった。選挙戦最終日の20日午前、青葉区の仙台朝市を歩いた和田は、中年男性に「自民党員だけど知人に声を掛けている。民主党現職に負けてはだめだ」と固い握手を求められた。
 仙台攻略、保守票の切り崩し。逆転の青写真を具現化する武器になったのは、今回解禁されたネット戦術だ。和田は「ネットがなければひっくり返せなかった」と自認する。
 戦略がかみ合い、陣営が想定した以上に効果を発揮した戦いだった。(敬称略)


2013年07月24日水曜日

2870チバQ:2013/07/25(木) 21:48:02
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1123/20130725_02.htm
激闘・参院選 明と暗(下)防戦の誤算/郊外重点、逆転招く

支持者と握手する岡崎氏(左)。訴えが無党派層に広がらず、議席を失った=23日午前0時ごろ、仙台市青葉区の事務所


◎2議席目、知名度過信

 開票速報が落選を報じた21日深夜、民主党現職岡崎トミ子(69)は仙台市青葉区の事務所で支持者に頭を下げた。
 「仙台でもっと浸透できる戦いをすべきだった」
 口をついて出たのは、みんなの党新人の和田政宗(38)に約3万票差をつけられ、逆転を招いた仙台決戦への悔いだった。

<遊説方針迷い>
 陣営は、逆風下でも知名度の高さで2議席目をつかめると踏んでいた。前半戦は県内各地や労組を地道に回る支持固めを徹底。後半の勝負どころとみた仙台市でも、中心部での街頭演説を抑え、郊外に選挙カーを走らせて長年の支持層に訴える「団地作戦」を展開した。
 最終盤の19日、2度目のてこ入れに入った党幹事長細野豪志がマイクを握ったのも中心部から離れた泉区の街頭だった。「岡トミ危うしと言われている。残る議席を誰が取るべきかを考えてほしい」と必死に訴えた。
 党内きっての人気者の演説に、足を止めたのは約200人。無党派層のうねりを起こした過去の選挙を知る陣営関係者からは、「市中心部なら3倍の人が集まったはずだ」と疑問の声も漏れた。
 3連休中日の14日には、遊説方針をめぐるドタバタ劇もあった。遊説部隊が郊外を回る選挙カー日程を、現場で急きょ変更。青葉区の中心商店街で街頭演説を始めると、陣営幹部が「そこは県外客ばかりだ。団地を回れ」と打ち切らせた。
 中心部対策の強化か、郊外での支持固めか。遊説方針をめぐる迷いは、得意とした無党派層の取り込みがままならない陣営の焦りを、顕著に映し出した。

<県政界に影響>
 頼みとする労組との一体感が十分でないという誤算もあった。
 連合宮城傘下のある産別労組は、比例代表に立った組織内候補への投票呼び掛けを優先し、選挙区の岡崎にあまり触れなかった。幹部は「これまでの選挙で岡崎は票を上積みしてくれる存在だった。今回は党のイメージが悪すぎた」と振り返る。
 何度も県内に風を巻き起こしてきた民主党の顔、岡崎の退場。県政界もその影響を注視する。
 知事の村井嘉浩は22日の定例記者会見で、「ほかの若い現職が落選したのとは意味が違う。民主党の影響力が低下すれば、結果として県政界にもいろいろな影響を与える」と見通した。
 焦点は、村井の3選出馬が濃厚な知事選(10月10日告示、27日投票)に移る。注目されるのは、2009年の前回、自民党出身の村井に対抗馬を擁立した民主党の対応だ。県連幹部は「解党的な出直しが求められており、推して知るべしだ」と擁立の難しさを認める。
 県連で候補者を発掘し、党勢拡大の中心になってきたのは岡崎だった。立役者が国政の場から去る影響は計り知れない。
 県連幹事長の内海太は「絶えず人材を発掘し、逆風でも当選できる候補を地道に育てていくしかない」と言葉を絞り出す。知事選やその先を展望する余裕はまだない。
(敬称略)


2013年07月25日木曜日

2871名無しさん:2013/07/25(木) 22:14:22
海江田執行部の総退陣要求=民主沖縄

民主党沖縄県連は25日、常任幹事会を開き、参院選の総括について協議した。その結果、
沖縄での党勢後退と全国的な惨敗について「党執行部の責任は重大」とし、海江田万里代表を含む党執行部に対して
「即刻総退陣を求める」とする文書を決定した。来週にも県連幹部が上京し、党本部に提出する。
参院選沖縄選挙区について、民主党本部は沖縄県連に対し、野党票が割れれば自民党を利するとして、独自候補の擁立を見送るよう要請。
これを受けて県連は擁立を断念し、自主投票とした経緯がある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130725-00000165-jij-pol

2872チバQ:2013/07/26(金) 01:26:29
http://www.mbs.jp/news/jnn_5393030_zen.shtml
参院選、“無名の新人”が17万票獲得の理由


 参院選の比例区での当選者を個人名の得票順で並べると、トップは公明党の山本香苗さんで99万票を超えました。そして、比例区の定数である48番目は、公明党の新妻秀規さんでおよそ2万6000票でした。そんな中、政治的には無名の新人ながら、17万票も獲得した候補がいました。

 「緑の党」から出馬したミュージシャンの三宅洋平さんです。「緑の党」は政党全体の得票が少なかったため落選となりましたが、若い層を中心に支持を広げた背景には独自の選挙スタイルがありました。

 参議院選挙の投票日前日、東京・渋谷駅前は、若者で溢れかえっていました。

 「全国比例から立候補、三宅洋平!」(無所属 山本太郎氏)

 東京選挙区から無所属で立候補した俳優の山本太郎さんと抱き合ったこの男性・・・

 「緑の党推薦候補全国比例区、三宅洋平です!」

 「緑の党」から比例区で立候補した、ミュージシャンの三宅洋平さん。

 「おかしいと思うことは、腹の底からおかしいって言いたいんだ。政治の力学なんて、俺たちが変えられるんだよ!」(緑の党 三宅洋平氏)

 選挙中、最もツイッターのフォロワー数を増やすなど、ネット上で、突如、話題を呼んだ候補者です。

 沖縄を拠点に活動してきた三宅さん。選挙戦を通じ、ネット上での「ムーブメント」を引き起こすきっかけとなったのが、独自の選挙スタイルでした。三宅さんが打ち出したのは、音楽の生演奏を通じて自らの政治理念を訴えるという新しいかたちの街頭演説です。

 「僕が政治や選挙をダサいと思った要因を抜き去っていきたかった。みかん箱の上で辻立ちは、僕には似合わない。拡声機は俺たちで言う、スピーカーだよね」(緑の党 三宅洋平氏)

 「俺たちは、戦争にも原発にも、絶対負けない!」(緑の党 三宅洋平氏)

 全国で街頭ライブを行う様子が動画で配信されると、瞬く間にネット上で拡散し若者を中心に支持を集めました。

 「大飯原発、再稼働反対!」(緑の党 須黒奈緒共同代表 去年8月)

 今回、三宅さんを擁立したのは、「脱原発」や「脱経済至上主義」を掲げる政治団体「緑の党」です。「緑の党」は、環境問題などに取り組む市民運動がきっかけとなり、1970年代にオーストラリアなどで誕生。ドイツでは連邦議会で一定の勢力を持ち、日本でも福島第一原発事故以降高まった「脱原発」の機運を受け、去年7月に結党されました。

 「日本はドイツと同様工業国ですし、再生可能エネルギーの促進が本当に良い経済を作るためのチャンスだということを訴えていけばいいのです。それが緑の党の理念ですから」(ドイツ「緑の党」 ベアベル・ヘーン会派副代表)

 日本の「緑の党」は、今回初めて参院選に候補者を立て「原発の即時廃止」を最重要課題として訴えました。

 「日本の参議院選挙から世界の歴史を変えるんだよ 。戦争経済なんかもう要らないの!」(緑の党 三宅洋平氏)

 そして、三宅さんは、17万6970票を獲得。これは、比例区で自民党から当選した有名候補より、多い得票数となりました。しかし、「緑の党」全体の比例区での得票は45万票あまりにとどまって議席獲得には至らず、候補者10人全員が落選しました。結果を受けて三宅さんは、国政進出への思いを新たにしたと言います。

 「徴兵だの、戦争だの、稼働し続ける原発だの、子どもたちに残せるわけがないでしょってね」(緑の党 三宅洋平氏)

 見据えているのは、次の国政選挙。その時、日本の原発はどうなっているのでしょうか。(25日23:27)

2873ロックフェラー帝国の陰謀-見えざる世界政府:2013/07/26(金) 22:36:46
東京地検特捜部は、売国操作エージェント。
国民は、ロックフェラーが死んでも、謀略の全てが消え去ったなどと勘違いしないように。その上がいる。
その他関連:官僚、自民党、森喜朗、CIA

2874名無しさん:2013/07/26(金) 23:03:09
http://www.asahi.com/area/yamagata/articles/MTW1307240600001.html
激戦の背景(上)[PR]

 ◇ 市長選にらむ県都 自民対「非自民連合」、互角


 「山形市で競り負けた」


 参院選山形選挙区の開票結果を受けて22日朝、自民党には動揺が広がった。


 選挙では自民党の大沼瑞穂氏(34)が当選したが、山形市の得票は大沼氏が5万3760票、みどりの風の舟山康江氏(47)が5万5305票。差はわずか1545票だが、山形市での勝利を絶対条件に掲げて総力を注いできた大沼陣営には驚きの敗北だった。


 20万人超の有権者がいる山形市は、選挙の当落を左右する大票田。だが、自民党にとっては支持基盤が弱く、2004年以来3度の参院選のすべてで民主党候補に敗れた「鬼門」だ。


 しかも、大沼氏にとって山形市は血縁のある、ゆかりの深い地域。「地盤の山形市を落とせば落選しかねない」。選対本部長の遠藤利明・党県連会長は自身の後援会を総動員して山形市の票固めに徹した。


 それでも大沼氏が競り負けたのは、「非自民連合」でもあった舟山陣営の激しい追い上げがあったからだ。


 遠藤氏が「もっとも勢いをそがれた」と振り返るのが、比例区に立候補した民主党の元衆院議員、鹿野道彦氏(71)と舟山氏との連携だった。


 鹿野氏の支援者には民主党を離党した舟山氏への批判も根強くあったが、鹿野氏は演説で繰り返し舟山氏への支援を訴えた。鹿野後援会の幹部は「最終的に9割の支援者が舟山さんに入れたはず」。選挙戦終盤、舟山氏も山形市に張り付いて無党派層の取り込みに腐心したことも奏功した。


 お互いの総力をぶつけ、互角に終わった県都決戦。両者が参院選の次に見据えるのが2年後の市長選だ。


 山形市長には長らく非自民勢力の市長が当選しているだけに、遠藤氏は「次の市長選は絶対に自民党候補を当選させる選挙だ」と意気込む。舟山陣営のある選対幹部は「大沼氏の当選で山形市が地盤の国会議員が(遠藤氏と)2人になった。その影響はこれから出るだろう」と危機感を強めている。


    ◇


 自民党候補の勝利に終わった参院選山形選挙区。17日間の激戦の背景と、これからの動きを探る。(西尾邦明、遠藤隆史)

2875名無しさん:2013/07/26(金) 23:04:05
http://www.asahi.com/area/yamagata/articles/MTW1307250600001.html
激戦の背景(中)[PR]

 ◇ 舟山陣営 置賜に溝 

 近藤氏の影響力生きず


 22日未明。参院選の大勢が判明したことを受け、民主党県連会長の近藤洋介衆院議員が選挙戦を振り返った。


 「全国的に自民候補にダブルスコアで負けている中で、互角の勝負ができた」


 民主党県連は山形選挙区に独自候補を立てず、みどりの風の舟山康江氏(47)の支持を決定。結果は約2万票差で敗れたが、近藤氏が口にしたのは非自民勢力結集への手応えだった。


 しかし、舟山陣営のある幹部の見立ては異なる。


 「一番の誤算は置賜地方。選挙結果をみれば、近藤氏の力は陣営のアクセルにならなかった」


 小国町が地元の舟山氏にとって、置賜地方は強みのある地域。再選にはここで自民党の大沼瑞穂氏(34)を引き離すことが絶対条件で、陣営は「置賜から参院議員の火を消すな」を合言葉に戦ってきた。


 大票田の米沢市は近藤氏の地元だ。ただ、舟山陣営は当初、環太平洋経済連携協定(TPP)推進派の近藤氏に抵抗感が大きい農業団体の意向を尊重し、公示日の出陣式でも近藤氏にあいさつをさせなかった。近藤氏側は「民主の票が入らなくなる」と激しく反発した。


 結局、近藤氏が応援弁士に立ったのは選挙戦中盤だった。大沼氏との互角の激戦に、舟山陣営が「米沢で圧勝し、寒河江や東根で善戦するためには近藤氏とその後援会の支援が不可欠」と判断したためだ。


 近藤氏周辺からは「政策的に距離のある舟山氏を全力で支援した」との声がある一方、舟山氏のある選対幹部は「近藤氏はアクセル全開でも、後援会にはほとんど支援に動かない層もいた。それに近藤氏が表に立ったことで、そがれた農業票もある」と指摘する。


 自民党側は、昨年末の衆院選山形2区で初当選した鈴木憲和氏が置賜地方のてこ入れを徹底。最終的に舟山氏は米沢市で、大沼氏に137票差で競り負けた。


 優位に立てると踏んでいた置賜地方で、一枚岩になれなかった舟山陣営。「呉越同舟」の難しさが選挙戦略を狂わせた。(西尾邦明、遠藤隆史)

2876名無しさん:2013/07/26(金) 23:05:15
http://www.asahi.com/area/yamagata/articles/MTW1307260600002.html
激戦の背景(下)[PR]

 ∞ 勝利「次」への号砲 衆院3区 自民公認争い激化

 

 参院選山形選挙区で自民党の大沼瑞穂氏(34)の当選が決まった21日夜。党内で新たな戦いが始まった。

 

 「当選を祝う大沼氏のバンザイが号砲。これからの勝負は山形3区の公認争いだ」。ある党員はこう話した。

 

 庄内・最上地域で構成される衆院山形3区。今回の参院選で大沼氏の勝利を大きく引き寄せたのは、この山形3区をめぐる党内の「功績争い」だった。

 

 約2万票差の激戦だった山形選挙区で、大沼氏がみどりの風の舟山康江氏(47)をとりわけ引き離したのが庄内地域だ。鶴岡市と酒田市を抱えるこの地域の合計で、大沼氏は全体の票差の4割以上にあたる8813票のリードを奪った。

 

 その原動力が、前酒田市長で無所属の阿部寿一衆院議員と、鶴岡市から衆院議員を目指す加藤紘一氏の3女鮎子氏だった。

 

 昨年末の衆院選で加藤氏が阿部氏に敗れて以降、空席状態の3区の自民党公認の座を狙う阿部氏と鮎子氏は、参院選でそれぞれ後援会を動かし「功績づくり」に奔走。自民党の岸宏一参院議員が強い影響力を持つ最上地域で、大沼氏のリードが1660票にとどまっただけに、庄内地域の「貯金」は大きな援軍だった。

 

 しかし、「3区公認を得るために2人をいや応なく競わせる」(党県連幹部)戦略は、阿部氏と鮎子氏の対立をさらに深めた。

 

 阿部氏は選挙戦で、大沼氏の応援に立つたびに自身が自民党入りを望む姿勢をアピール。阿部氏に近い立場の岸氏は「(阿部氏の)自民党入りを邪魔する人がいる」と発言し、暗に鮎子氏を支持する党内の勢力を批判した。

 

 一方、新庄市で開かれた大沼氏の個人演説会では、応援弁士に招かれた阿部氏が壇上で話し始めた途端、鮎子氏の支持者らが一斉に席を立つ一幕もあった。

 

 自民党県連の野川政文幹事長は「公認候補選びについては、まず3区の自民党支部で考えをまとめてもらうのが先」と静観する構えで、今後も両氏の溝が埋まる気配はない。3年後ともいわれる次の衆院選をにらんだ火種は勢いを強めつつある。(西尾邦明、遠藤隆史)

2877名無しさん:2013/07/26(金) 23:06:44
http://www.asahi.com/area/iwate/articles/MTW20130724030910001.html
「復興」で一点突破




「県や復興庁に、ガツッとやるように言いますので」。住宅再建の不安を口にする仮設住宅の住民らに声を掛ける平野達男氏=5日、釜石市



 【岩井建樹】「復興大臣になったつもりで被災地を歩く」


 3選を果たした翌22日朝。無所属の平野達男氏は会見で、「復興庁の職員を呼んで話を聞き、問題点を整理する。よい提案をすれば政府も受け入れる」。復興相を務めた人脈と経験があれば、政党に頼らなくとも問題はない、と言わんばかりだった。


 「組織も金もない選挙戦」(陣営幹部)。平野氏は17日間の選挙戦でひたすら街頭に立ち、演説の大半を復興に費やした。他の候補者や政党の批判はせず、「復興の最前線に立つ覚悟だ」と訴え続けた。


 自民党が閣僚や人気の若手議員らを連日投入し、「無所属議員に何が出来るのか」と批判を口にするのとは対照的な姿だった。


 被災地では、仮設団地を100カ所以上まわった。平野氏は「被災者に話をするのは当然」と言う一方、「戦術的な面もあった」。仮設団地で被災者と語り合う姿は、復興を訴える平野氏のイメージと重なった。


 7月11日の月命日には他陣営が被災地に押しかける中、平野氏は「その日は遺族がお墓参りをする日」と内陸部を遊説。その日の夜に盛岡市で開かれた集会では、陣営幹部が「月命日を選挙に利用せず、遊説を避けた平野氏は他の候補者とはやはり違う」と訴えた。


 こうした「完全無所属」「復興最優先」の姿勢を徹底する戦略が功を奏す。無党派層に加え、民主党、社民党といった「反自民層」、さらに落下傘候補に違和感をぬぐえない「自民支持層」の受け皿となっていった。


●慎重に自民と距離


 ただ、平野氏が始めから政党の看板に頼らなかったわけではない。


 沈む船に乗りたくないと4月に民主から逃げだした時には、「自分の原点は保守」と語り、上り調子の自民に支援を求めた。それがかなわないと、平野氏はショックで寝込んだ。


 5月の連休明けから、同級生や地元北上の企業の支援を受けて活動を再開。民主、地域政党いわて、無所属の県議8人も支援に回った。


 息を吹き返した平野氏はその後、自民を連想させる「保守」との言葉を使うのを控えた。自民に秋波を送った経緯から、「当選後に自民入りするのでは」とのうわさが出て、支援県議の後援会にも戸惑いが広がっていた。


 陣営幹部は打ち明ける。「民主や社民など『反自民層』を取り込むためには、自民入りのうわさは迷惑だった。頭のいい平野さんは言葉を慎重に選んだ」


●当選で連携流動的に


 とはいえ、当選すれば話は変わる。


 平野氏は「当面は無所属で復興最優先で活動する」との考えだ。一方、平野氏が強い関心を示すTPP参加問題や社会保障と税の一体改革については「1人でやるには限界がある」とも述べ、政党との連携も視野に入れている。


 自民側は選挙中、自民支持層が平野氏に流れることを懸念し、「平野氏の自民入りはない」とうわさの打ち消しに躍起となっていた。


 だが、4月に秋波を送られた際に平野氏を推した二階俊博総務会長代行が19日に県内入りした際、「平野氏は敵ではない」と言うなど、自民内には平野氏を評価する声も一部に残る。


 平野氏は当選直後、記者団の取材に「今は自民入りはない」と話したが、岩手でどうしても勝てない自民が、平野氏に接触する可能性は残り、流動的だ。


 北上後援会長として平野氏を支え続けた中村好雄氏は推し量る。「当選の経緯からして今は動けない。政界の動向を見ながら立ち位置を決めるつもりではないか」
.

2878名無しさん:2013/07/26(金) 23:07:37
http://www.asahi.com/area/iwate/articles/MTW20130725030910001.html
「王国」権勢いずこ




関根敏伸氏(左)の応援演説に駆けつけた小沢一郎氏=18日、盛岡市



 【寺沢尚晃】すでに「王国」は「小国」でさえなくなってしまったのか。


 生活の党の小沢一郎代表の地元、奥州市さえ、たもとを分かった無所属の平野達男氏の2万8671票に対し、生活の関根敏伸氏は1万2578票。前回衆院選での小沢氏の3万4643票の半分も、関根氏はつかめなかった。


 「きちんとやることはやったし、長年の支持者には伝わったと思う。でも、そこまで。広がりが全く実感できなかった」と後援会幹部は言う。


 そんな幹部を、さらに落胆させたのは、小沢氏が21日夜、都内の会見で語った感想だ。


 「民主党の大臣を務め、次は自民党に(支援の)申し入れをした。このような人(平野氏)に、岩手県でこのような大きな支持が集まるというのは、私の政治家として、人間としての生き様から考えると、今もって信じられない」


 後援会幹部は「有権者に対してまでも、うらみ節を言うようになってしまった。小沢さんが、有権者から離れていくようだ」。


 立候補表明が5月中旬と、6人の候補者の中で最も遅れた。公示直前までずれこんだ衆院選時のように、公言した擁立時期がだんだん遅れていった。「勝てる候補」を探せず、平野氏と同郷の関根氏を立てるのが精いっぱいだった。


 選対本部はいつもの小沢氏が作り上げてきた通り、総括責任者、選対本部長に国会議員、衆院の各小選挙区に県議ら担当者を据え、電話作戦、企業回り、所属議員との遊説も繰り返した。


 ただ、民主党分裂前の国会議員は8人いたが、参院選直前は4人。23人いた県議も、辞職した関根氏を除くと9人に減った。


 小沢氏は、仕方なく前面に出た。公示前には、県内の業界団体と社民党の計23カ所を行脚。にらみを利かせた。終盤には関根氏と終日遊説して回った。それでも、平野氏の4割にも満たない得票での惨敗だった。


 後援会幹部は「昔は、小沢さんが選挙戦終盤に来てくれれば、逆転できた。でも今、組織にも小沢さん自身にもそんな神通力がないことは、昨年の衆院選で分かっていた」。


 小沢氏は任期満了で74歳。ワンマン政党の限界が見えて来ている。


 「小沢力」の低下の影響を最も実感しているのは達増拓也知事かもしれない。小沢氏の支援団体「欅(けやき)の会」会長に就任し、遊説に加わったが、盛岡では、平野氏の3分の1以下、惨敗した自民候補の半分しか得票できなかった。


 しかし、開票翌日の22日、定例会見でこう強弁した。


 「平野さんに小沢ブランドを感じて投票した人もかなりいるのではないか。小沢系3人の中の1人が当選したという風にも見られるのではないか」


 小沢氏同様、有権者が認識不足だったと言わんばかりの発言だった。


 その達増知事も「真の小沢系」の弱体化で、立ち位置がさらに苦しくなる。2年後に控える知事選について、かつては2期で退く意向を示していたが、3期目は「白紙」と言い始めた。立候補が取りざたされる衆院選の方が後になる可能性がある。


 今後の県政運営について問われた達増氏は、「多数を形成するように協力関係を構築していかないと」。少しずつ生活以外との距離を縮めていこうとしている。

2879名無しさん:2013/07/26(金) 23:08:17
http://www.asahi.com/area/iwate/articles/MTW20130726030910001.html
県連裂いた「裏切り」




階猛衆院議員(左)は、自らが擁立した吉田晴美氏に寄り添い続けた=13日、盛岡市の「よ市」



 【岩井建樹】「裏切り」が党県連をずたずたにしてしまった。


 21日午後8時。民主県連代表の階猛衆院議員は、テレビで平野達男氏の「当選確実」のテロップを見た。「複雑な心境だ」と悔しさをにじませた。


 4月に平野氏が民主党を離れ、階氏は急きょ、吉田晴美氏を擁立。二人三脚の選挙戦を繰り広げたが、自分の選挙のようには後援会は動かない。


 階氏の後援会は達増拓也知事の後援会から引き継いだもので、メンバーも重なる。ある支援者は「国政は階、知事選は達増を支援する。民主党を支持しているわけではない」。


 県連はそれ以上に混乱した。「落下傘候補ではダメだ」と反発。12人のうち3人が平野氏支援にまわった。階氏が檄(げき)を飛ばしても、陣営の士気は上がらなかった。21日の投開票日が近づいたある日の晩。幹部の一人は、「与えられたノルマを淡々とこなすだけ」と漏らした。結局、運営から集票まで、連合岩手におんぶに抱っこだった。


 民主党への逆風もあり、結果は、300万円の供託金さえ没収される大惨敗。階氏の地盤・盛岡市は、6人の候補者のうち、達増氏が支援する関根敏伸氏にも及ばない4位。平野氏の3分の1も得票できなかった。


 県連は、再建できるのだろうか。


 昨年の衆院選では、国会議員と県議団は、「反小沢」でつながっていた。だが今回の参院選で、「階派」「平野派」「中立」に分かれてしまった。


 県連としては、平野氏を支援した県議は当然、厳しい処分の対象となる。しかし、そうなれば分裂は決定的だ。21日夜、階氏は処分について、「ノーコメント」とした。


 一方、県議会での影響力を保ちたい県議団は、県連組織よりも会派の維持を優先したい考えだ。平野氏を支援した渡辺幸貫県議も「会派から抜ける気はない。選挙が終われば県議団はまとまる」と言う。


 だが、別の民主県議は嘆く。「階氏と県議との信頼関係は壊れたままだ。党に残るメリットもない。離党する県議が出る恐れもある」=終わり

2880チバQ:2013/07/27(土) 10:13:13
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news/20130725-OYT8T01375.htm
民・み 不和で自独走

Tweet


ヘルプ
.

みんなの党・藤岡さん(右)から握手され、とっさに左手で制止する民主党県連の渡部幹事長(7月5日、松山市で)

 21日に投開票された参院選で、愛媛選挙区(改選定数1)は自民党の井原巧さん(49)が初当選を果たした。党への追い風も受け、投票数の67%にあたる37万票余りを得た。対抗したみんなの党の藤岡佳代子さん(47)は18%にあたる10万票余り。ほぼ無名の状態で公示1か月余り前に立候補表明、最後まで苦戦した。井原さんの〈独走〉に終わった選挙戦を振り返る。

■色々な事情

 「温かい協力をお願いします。苦戦しています」。公示翌日の7月5日、藤岡さんは笑みを浮かべながら、民主党県連の渡部昭幹事長に握手を求めた。

 「ちょっと離してください」。渡部幹事長は、右手を握られ、困惑した表情を見せた。この日の回答は「どこからも態度がない」。みんな県連側から協力の要請がない、との意味だ。

 みんな、民主の両党は5月下旬、改選定数1の「1人区」では“共倒れ”を防ぐため、候補者を一本化することで合意。6月下旬には、選挙協力することまで踏み込んで方針が確認された。藤岡さんは、党本部の意向通り、選挙協力を求めた。

 しかし、両県連の間には根深い溝があり、選挙戦では最後まで〈非自民の共闘〉は見えなかった。みんな県連の横山博幸代表は、かつて民主県連幹事長を務め、昨年4月、民主党の消費税増税方針などに反発し離党していた。

 そうした因縁からか、横山代表は選挙協力を否定し続け、「政策の違うところと同じ方向を向くのは難しい」と、繰り返すだけだった。

 民主県連も、歩み寄りを見せなかった。永江孝子県連代表が、立候補の意思を表していたにもかかわらず、党本部の候補者調整により出馬を断念せざるを得なかった経緯があった。

 永江代表は7月9日、みんなへの譲歩があるかどうかを報道陣に問われ、感情を抑えきれずにいらだった。「我々から(藤岡さんを)『応援させてください』と言うのは違うのではないか。候補者を(みんなの党に)譲ったことで、すでに大きな協力をしている」

 県内では最後まで、党本部同士の“事情”は通用しなかった。

 21日夜、開票が始まってまもなく、藤岡さんの落選が明らかになった。藤岡さんは敗戦の弁を述べながら、党本部と県連の板挟みで苦しんだ心情を漏らした。「『色々な事情』があることを知っておけば、スムーズにできたと思う」

■消えた「強敵」

 井原さんが四国中央市長を辞し、立候補のための準備を本格的に進めていた当初、仮想敵は永江・民主県連代表だったという。民放アナウンサー、衆院議員の経歴を持ち、県内の民主関係者では屈指の知名度があったためだ。

 4月から選挙運動が終わるまでに、井原さんは県内全市町を3巡した。陣営関係者は「きついスケジュールだったが、永江に対抗するためだった」と振り返った。結局、知名度のある「強敵」は消え、陣営は楽勝ムードを振り払うのに懸命だったという。

 読売新聞社と日本テレビ系列各局が21日に共同実施した出口調査では、無党派層の半分余りが井原さんに投票していた。

 一方、共産党の植木正勝さん(60)は6万票余りを獲得し、同党候補者の得票率を前回選よりも3ポイント余り伸ばした。陣営幹部は「自公政権への批判の受け皿になれた」と手応えを語る。

■無風の結果

 結果が見え透いたのか、選挙結果は「無風」だった。投票率は過去最低の49・40%だった。

 永江代表は24日、民主が候補を立てず、比例でも惨敗した責任を取るとして、代表辞任の意向を示した。

(2013年7月26日 読売新聞)

2881チバQ:2013/07/27(土) 10:17:49
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130725ddlk45010477000c.html

’13参院選振り返って:/上 自民 一枚岩で選挙区独占 /宮崎

毎日新聞 2013年07月25日 地方版


 「自民党が動き(県内の主要業界)10団体も動いた。まとまれば絶対に勝てるんだ」

 参院選宮崎選挙区で前都城市長の自民新人、長峯誠氏(43)が圧倒的大差で初当選した21日夜、自民県連の中村幸一会長は組織の力を改めて強調した。

 県議選から7選7勝の長峯氏は組織づくりの重要性を熟知していた。党公認前の昨年6月、長峯氏はまず、元参院議員でかつて保守分裂選挙の当事者だった父基氏の当時のライバル、上杉光弘衆院議員(71)の自宅を訪ねた。「公認を取り参院選に出たい。応援してください」。単刀直入に切り出す長峯氏に、上杉氏はうなずき、2人は宮崎のあるべき姿などについて1時間半にわたって語り合った。

 公認決定後は、県内全ての首長を訪ね、その地域で後援会長を務めてくれる人物の紹介を依頼。旧市町村単位で張り巡らせた後援会組織には「上杉派」と呼ばれる人々も名を連ねた。

 唯一の誤算は、県内最大の政治団体・県農民連盟の推薦保留だった。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対する連盟は、3月の安倍政権のTPP交渉参加表明に反発。長峯氏の推薦を保留し揺さぶる。

 しかし連盟の本音は、支援候補を勝たせ、国に届けるTPP反対の声を強化することにあった。「自民批判と受け取られないタイムリミット」(連盟幹部)の6月に推薦を決定。長峯氏は選挙戦の拠点となるJA施設と農民票を手に入れ、連盟も「反対を貫く」との約束を得た。

 選挙終盤の16日、宮崎市であった長峯氏の総決起大会では、連盟の森永利幸委員長ら10団体の幹部がずらりと並び、アピール。一枚岩の組織戦の結果、自民は12年ぶりに県内の衆参選挙区独占を果たした。

 中村県連会長は「議員は皆若く、15〜20年は(自民一色の安定体制は)崩れない」との認識を示す。しかし、投票率は過去2番目に低い49・82%。長峯氏の得票は県内有権者の3割に過ぎない。「4年前に民主政権が生まれた理由は、自民があまりにもひどかったから。そのことを忘れてはいけない」。終盤、長峯氏の応援に駆けつけた小泉進次郎党青年局長の言葉は、有権者だけでなく、県連にも向けられている。

   ◇  ◇

 アベノミクスへの期待を追い風に自民圧勝に終わった参院選。宮崎選挙区の動きを振り返る。

2882チバQ:2013/07/27(土) 10:18:28
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130726ddlk45010487000c.html

’13参院選振り返って:/下 民主・社民 大敗に募る危機意識 /宮崎

毎日新聞 2013年07月26日 地方版


 選挙戦中盤の12日夜、宮崎市で開かれた民主元衆院議員、道休誠一郎氏(60)の演説会。支援者らを前に応援のマイクを握った社民県連の鳥飼謙二代表代行は「厳しいことも言う」と前置きし、両県連の過去のすれ違いに触れた上で訴えた。「民主を支持しても私たち(社民)に得るところはない。しかし日本は今、危機的状況だ。一緒に力を合わせ、自民党に議席を渡してはいけない」

 県内の民主と社民の関係は近年、冷え込んでいた。2007年の参院選と09年の衆院選で、ともに推薦した無所属候補が当選後に民主入りしたことなどが原因だった。それでも社民県連は、今回の参院選で民主候補の支持を決めた。昨年12月の衆院選宮崎1区で双方候補者を立て、共倒れした反省があった。社民は、「非自民統一候補」を前面に出したい民主に協力。集会での応援演説に加え、最終日の最後の訴えには太田清海代表自ら街宣車の上に上がって投票を呼びかけ、共闘をアピールした。

 「難しい問題を乗り越え、信頼関係を取り戻す作業が必要だ」と太田代表。民主県連の田口雄二代表も「両党が関係改善に向かったのは大きなプラス」と話し、連合宮崎の横山節夫会長は「久々に共闘体制を構築できた。今後も共闘は欠かせない」と雪解けムードを歓迎した。

 しかし結果は、自民の圧勝。道休氏の得票は自民候補の4分の1程度で、10万票にも届かなかった。「非自民の受け皿ともみなされていなかったことがわかった。このままでは党は消える」。予想を上回る大敗に、民主の渡辺創幹事長はショックを隠そうとしなかった。

 中央では「党存続の危機」や「野党再編」が叫ばれる両党。鳥飼代表代行は「もはや党にこだわっている場合ではないところまで来ている。党を超えて、リベラルのあり方を考える必要がある」。

 自民一強時代に突入し、関係者はこれまでにない危機意識を募らせている。(この連載は、門田陽介、百武信幸が担当しました)

2883名無しさん:2013/07/28(日) 15:33:24
参議院会派・公示前勢力
自民84・民主86・公明19
みん13・共産6・維新3
社民4・生活8・改革2
み風4・大地1・社大1
無所属6
参議院会派・新勢力
自民115・民主59・公明20
みん18・共産11・維新9
社民3・改革3・生活2
社大1・無所属1

2884チバQ:2013/07/28(日) 21:38:36
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2013072302100008.html
【北陸発】
針路を占う(上) 知事選へ党内温度差
2013年7月23日

祝福に訪れた谷本知事(左)と握手を交わそうとする山田修路さん(右)=21日夜、金沢市北安江で


圧勝自民 浮き彫り
 自民党支持者の視線が一人に集まった。参院選の投票が締め切られる二十一日午後八時直前、金沢市北安江の石川県水産会館。知事の谷本正憲が現れた。首長は当確が伝わってからの登場が定石。石川選挙区の山田修路(59)や県議らと握手を繰り返した。

 当確が伝わると、壇上の最前列に陣取り、破顔した。山田のあいさつ中、同党比例代表候補の当確が伝わると、真っ先に歩み寄って耳打ちする場面も。周囲に溶け込もうとする姿は、民主党とのバランスを重視した姿勢と大きく変わった。

 参院選で自民は石川選挙区の山田と、比例代表の宮本周司の二人が当選。県関係国会議員六人は自民が独占し、影響力が強まった。

 「両先生が見事に当選された。自民一丸となって諸課題に取り組んでまいりたい」。自民県連議員協議会長の和田内幸三が二十二日昼、県議や国会議員を集めた会合であいさつした。出席者が相次いで謝意を伝えたが「諸課題」の一つ知事選は話題にならなかった。

 反自民勢力が誕生させた全国最多五期の谷本。六選を目指すか態度を表明していない。知事選まで九カ月を切り、県議会最大会派自民の関心事は知事選だが、突っ込んだ議論はない。

 公共事業発注などで谷本県政の恩恵を受ける能登や加賀の県議は、地元で県とのパイプ役を期待される。一方、多選に批判的で主戦派の議員もいる金沢。一枚岩ではない。

 親知事派のベテラン県議は「主戦論というが候補者がいるのか。現職はどんどん包囲網をつくるぞ」。これに対し金沢市の県議は多選の弊害を強調し対抗心をあらわに。主戦派には参院選勝利の勢いに乗りたいとの思惑も見え隠れする。

 ところが、今まで知事批判をいとわなかった県連幹事長で県議の紐野義昭も「多選は歓迎されない現実がある。ただ、今の知事を自民が支えている前提もある。言葉を選ばないといけない」と話し、自民内で知事の出方を見極める慎重な考えがあることを示唆した。

 背景には知事の鮮明な自民シフトがある。参院選前から自民優勢が伝えられたせいか、公示日出陣式は自民側だけ出席した。以前の知事では考えられない対応。これが知事への対抗心を薄めているとの見方があるためだ。

 衆院議員の馳浩は二十二日、知事選について「どっしり構えてやればいい。次の執行部の課題になる」とかわした。八月十日の県連大会で役員改選予定。現役員の一人は「大会で人も変わる。参院選後の今が新たなスタート」と言い切った。

 県政界関係者の多くは、影響力を高めた自民の出方が知事選の構図を決めるとみる。だが、決断に残された時間はそう多くない。 (敬称略)

  ◇  ◇

 参院選が終わり、石川県政界は自民「一強」時代に入った。盤石の体制を築いた自民では、来春に控えた知事選に向け駆け引きが始まる。惨敗が続く民主は組織を立て直し、どう自民に対峙(たいじ)していくか。

2885チバQ:2013/07/28(日) 21:40:41
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2013072402000187.html
針路を占う(中) 大敗民主
2013年7月24日

落選あいさつのため、重い空気の事務所で壇上へ向かう一川保夫さん(中)=21日夜、金沢市割出町で


立て直しへ「十年の計」
 民主党石川県連代表の近藤和也は開票日の二十一日夜、金沢市割出町の同党候補、一川保夫の事務所にいた。テレビは早々に自民候補の当確を伝えた。結果を予期してか、事務所に集まったのはわずか二十人程度。がらんとした事務所で近藤は言葉少なに語った。「今、民主の旗に集まれと言えない。一人一人が地道に同志を増やすしかない」

 党の存在意義を否定する発言をせざるを得ないほど、結果は深刻だった。元防衛相、参院幹事長という実績を強調しながら選挙に臨んだ一川は新人相手にトリプルスコアに近い大敗。最大五人いた県関係の民主国会議員はゼロになった。

 圧勝した自民は、国会議員と県議が連携し、地域の隅々まで知り尽くす市町議が選挙でもフル回転。県内全域で盤石の態勢を築いた。対照的に民主は組織のもろさが際立つ。

 民主陣営の県議は昨年の衆院選前、九人いた。衆院選の選挙区全敗後、金沢市選出の三人が一川と距離を取り、五月には白山市選出の米光正次が六十二歳で急逝。選挙で前面に立つ県議が五人まで減ると、民主離れは系列市議らに伝播(でんぱ)し、一川が総決起集会を開いても満足に会場を埋められない状況に陥った。

 一九九八年の民主結党から十五年。逆風に揺らがない組織をつくれなかったのか。若い県連代表の近藤は「その方法が分かればもっと戦えた」と嘆く。

 来春の知事選が迫るが、民主五人の県議会会派・県政石川は最大会派自民の二十六人に比べ圧倒的に少なく、知事に対する姿勢も会派内で割れる。国政選挙惨敗続きで影響力も低下し、“三重苦”に直面している。

 県政石川会長で党県連幹事長の石坂修一は「知事選は誰が出るか未定の段階。コメントのしようがない」と言葉を濁すが、主導権を握ろうとする自民に対抗する有効な手だてが見つからないのが実情だ。

 次期国政選挙の候補選定も急務だが、「腰を据えてやらざるを得ない。民主逆風の中で誰か出てくださいと言っても、良い返事があるかという問題がある」と石坂。

 県連代表の近藤は二十三日、民主最大の応援団、連合石川の執行委員会に赴き、会長の狩山久弥らに「衆院選から八カ月で党勢を立て直せなかった」と大敗をわび、出直しを誓った。労使闘争の世界に長く身を置く狩山は「戦いは結束と粘りがないと駄目。民主はその両方がなかった」と振り返る。

 「若い政治家に良い人材もいる。誰が国政を狙い、支える県政を狙うのが誰かを話し合い、力を合わせる体制をつくるべきだ。実現には十年。それをやらない限り民主の再生はない」。そう助言するのだが…。 (文中敬称略)

2886チバQ:2013/07/28(日) 21:40:59
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2013072602000204.html
針路を占う(下) 中小政党
2013年7月26日

石川選挙区で落選するも、得票数を増やし充実した表情であいさつする亀田良典さん(中)=金沢市増泉で


存在感発揮へ道模索
 開票日二十一日夜、共産党の亀田良典陣営。東京、大阪など選挙区で十二年ぶり当選の報に金沢市の事務所が沸いた。石川選挙区で落選した亀田も「共産しかない、共産にかけてみようという期待を感じる」と語った。

 「反自民の受け皿」を強調した亀田は、投票率が下がる中で昨年衆院選の共産候補票を一万票近く上積み。石川県内比例も三万票近くで、前回より九千三百二十票増やした。

 八月以降の地方選挙で存在感を発揮し、来春知事選に臨みたい考え。党県委員長の秋元邦宏は「谷本(正憲)知事も自分の与党がどこか自覚して発言するだろう。いよいよ自共対決は明確だ」と皮肉を込める。しかし、勢いをどう持続させ党勢拡大を図るか。亀田の得票も、共産の比例票も自民の八分の一。自民相手に、どう存在感を発揮するか道筋が見えているわけではない。

    ◇

 公明党県本部が支援し四選を果たした比例代表の魚住裕一郎。選挙中から自民の膨張を見越していた。十一日、内灘町で演説し「単に与党が多くなればいい問題でない。ともすると理念先行、数の横暴になる」と連立相手の自民をけん制。弱者への気配り、庶民目線、平和へのこだわり…。自民との違いを列挙し公明の存在意義を強調した。北側一雄党副代表も「自民だけではだめ」と言い切った。

 比例で「自民一強」のあおりを受けた。魚住の県内目標は五万五千票だったが、四万六千票。低投票率も影響したが、自民は前回の十八万九千票から二十四万五千票に膨らんだ。

 党県本部代表の増江啓は、唇をかみながらも「久しぶりに県内から自民比例候補が出たにもかかわらず、前回並みの結果。互いに協力し関係は深まった」。信頼関係は継続する。自民のブレーキ役も視野に、存在感発揮のすべを探る。

    ◇

 社民党は重点比例候補だった党幹事長・又市征治=富山市出身=が三選。政党要件の国会五議席を死守し、党存亡の危機を脱した。金沢市の事務所で結果を見届けた県連代表の盛本芳久は「ほっとしたが、疲労感がある」と複雑な心境を明かした。

 県内得票が初めて一万票を割り込んだ。一方、社民同様に改憲阻止、脱原発などを掲げた共産は躍進。「厳しい結果という認識はある」と盛本。「まず地方選挙で議員を増やす。三年間国政選挙がない公算が大きいので、地方の戦いが重要になる」と起死回生を目指す。

 自民独走防止も課題で「野党共闘の形も真剣に考えないといけない」と盛本。だが、県内得票が多かった日本維新の会やみんなの党なども含め、思惑の違いを乗り越え共闘できるか。福島瑞穂党首の辞任表明もあり、不透明だ。 (文中敬称略)

  (この連載は榊原崇仁、松本浩司、小椋由紀子が担当しました)

2887チバQ:2013/07/28(日) 21:42:30
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20130722-OYT8T01779.htm
[検証 参院選]自民に追い風猛烈

 参院選福島選挙区(改選定数1)は、自民党現職の森雅子が安倍内閣への高い支持を追い風にして、民主党現職の金子恵美に「ダブルスコア」の大差で再選を果たした。選挙戦を検証する。(敬称略)

 21日午後8時過ぎ。投票終了時刻とほぼ同時に、テレビ各社が森の当選確実を報じた。NHKのテロップでは森の名前が真っ先に流れた。「日本で一番最初に当確が出た」「こんなに早く結果がでるとは」――。いわき市の事務所では喜ぶ一方、あっけにとられた支持者の姿も。森は7分後、早々と万歳を済ませた。

 報道各社が選挙期間中に行った世論調査で、森は金子を終始リードした。選挙戦終盤の18日夜、森は福島市の個人演説会で「選挙で一等賞を取ったことがありません。知事選は2番で落っこち、6年前(の参院選)も2番目でした」と語った。序盤戦では声を詰まらせながら同じ内容を訴えていたが、この日はややおどけた口調で、会場の笑いを誘った。余裕ムードは隠しようがなかった。

 自民党は1人区で29勝2敗と圧勝したが、原発事故被災地の本県も例外ではなかった。森に挑んだある陣営の幹部は、「有権者は投票した候補が落選し、自分の1票が『死に票』になるのを嫌がる。福島でも勢いのある自民に票が行った」と唇をかんだ。

 投票率の低下も、業界団体などの支持を受ける森に有利に働いた。低投票率での自民党の勝利は、昨年12月の衆院選と同じ構図だ。

 さらに、無党派層も森に流れた。読売新聞が投票所で実施した出口調査では、無党派層の44%が森を支持し、金子の27%を引き離した。「民主党政権に失望した有権者が、政権の安定を望んだ結果。それ以外、考えられない」。森の選対本部長を務めた県議・佐藤憲保は総括した。

 今回から1人区となった福島選挙区は、自民、民主両党の「指定席」が消え、「風」に左右されやすくなったとも言える。

 自民党は今後、環太平洋経済連携協定(TPP)の参加や消費税増税で決断を迫られ、被災地の議員には耳の痛い難題が待ち受ける。有権者が経済対策の「成果」を実感するまで、内閣支持率が上がる要素も見あたらない。

 福島市で22日に開かれた自民党県連の役員会。幹事長の平出孝朗は、秘書として仕えた会津出身の元外相・伊東正義が生前に語った言葉を引き合いに、こう役員にくぎを刺した。「圧勝するとおごりが出て、自民党は悪くなってしまう。気をつけないといけない」

(2013年7月23日 読売新聞)

2888チバQ:2013/07/28(日) 21:43:00
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20130723-OYT8T01397.htm
[検証 参院選]民主退潮止まらず



金子氏落選確実で肩を落とす選対本部長の玄葉光一郎氏(右)と、増子氏(21日夜、福島市の事務所で)  参院選福島選挙区で敗れた民主党現職・金子恵美が獲得した票は24万842票。自民党現職・森雅子のほぼ半分で、自身の6年前の得票の半分にも満たなかった。民主党は比例選の得票も激減。昨年12月の衆院選に続く惨敗となり、党勢回復への道のりは依然として険しい。(敬称略)

 「『民主党はごたごたやっているからダメ』(と言われる)。でもごたごたしていたのは、多くの議論をし、皆さんにお見せしたから」「『ねじれ』を解消していいんですか? (与党が)暴走していいんですか?」

 選挙戦中盤の13日夜、金子は郡山市の個人演説会で与党時代の取り組みや、衆参両院のねじれを肯定してみせた。

 だが、党県連代表の増子輝彦の応援演説は対照的だった。与党時代に実現できなかった公約や相次いだ離党といった「失敗」に目を向け、「(再登板した)安倍総理は失敗の教訓を生かしている。私たちも教訓を生かす」と強調。「次の国政選は3年後の衆参同日選しかないと思う。政権をとるため、血のにじむような努力を」と、早くも選挙後の取り組みに言及した。

 金子が50万票を得てトップ当選した6年前の参院選は「自民対民主」の構図が明確で、民主党は政権交代を声高に主張できた。だが今回は、県内原子炉の廃炉などで各候補の主張が似通い、陣営では自民党との対決軸を打ち出せなかった。

 公示前の6月17日、自民党政調会長の高市早苗が「原発事故での死亡者はいない」と発言。民主党にとって追及する好機だったにもかかわらず、金子や県連幹部が福島市で抗議の街頭演説を行ったのは3日後。自民党県連はその前日に党本部へ抗議し、「先手」を打っていた。

 「金子劣勢」との世論調査結果を報道各社が伝えた後の今月16日、陣営は選対会議を開き、選挙戦終盤は自民党との対決姿勢を強調するため、「県外原発の再稼働を認めない」「アベノミクスの危うさ」に主張を絞ることにした。

 だが、どちらも、弱い党勢の前では決め手に欠き、無党派層の目を向けさせることはできなかった。「福島では『反原発』でもっとうちに支持が来てもいいのだが…」。陣営幹部は最後まで手応えをつかみかねた。

 福島選挙区で4回連続で獲得した参院の議席を失った民主党。22日に福島市で開いた県連の選挙総括会議で、比例選東北ブロック選出の衆院議員・吉田泉は「大きな『引き潮』の中で精いっぱい努力をしても、いかんともしがたい選挙だった」と振り返り、「引き潮の後には満ち潮が戻る。それに備えじっくり体制を整えていきたい」と話した。

 次の参院選は3年後の16年。衆院が解散されない限り、それまで国政選は行われない。長い野党暮らしの間に支持と体力を取り戻せるのか。党の真価が問われる。

(2013年7月24日 読売新聞)

2889チバQ:2013/07/28(日) 21:46:52
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130725ddlk28010297000c.html
風はどこに:2013年参院&知事ダブル選/上 自民 神戸市長選、推薦決定で「つむじ風」 /兵庫
毎日新聞 2013年07月25日 地方版

 ◇辞退「勧告」も結論まだ
 「あれ、どないしてんのや」

 参院選の投開票日から一夜明け、兵庫選挙区(改選数2)での鴻池祥肇氏(72)のトップ当選をはじめ全国的な「自民圧勝」が明らかになった22日。自民党県連で党紀委員長を務める浜崎為司・神戸市議の携帯電話が鳴った。電話口の相手は、ある県連幹部。党が推薦しないと決めたにもかかわらず、今秋の神戸市長選に意欲をみせる神戸市議の森下裕子氏(48)の「処遇」を早々に求める「催促」だった。

 森下氏が市長選への立候補を表明したのは、参院選と知事選の「ダブル選」より約3カ月前の今年4月。ダブル選と同日投開票された県議補選(神戸市垂水区選挙区)に向け党の公認申請をしていたにもかかわらず、森下氏の“急転直下”の路線変更は「まさに『寝耳に水』の話」(党関係者)としか言いようがない事態だった。

 県連は元々、任期満了で引退を表明していた矢田立郎市長の事実上の後継者として、前副市長の久元喜造氏(59)を推す声が強まっていた。加えて、森下氏が既に党本部を訪れ、河村建夫選対委員長に立候補のあいさつをしていたことが発覚。「我々をないがしろにしている」と市連関係者の反発を招いた森下氏の行為は、真夏の一大決戦を前に、県連内に思わぬ「つむじ風」を引き起こした。

 事態を重く見た県連は、ダブル選後に市長選の推薦候補を決める当初の予定を変更。市連の決定を受けた3日後の6月27日に久元氏の推薦を決め、党本部の決定はダブル選の公示・告示2日前の今月2日だった。県連の推薦決定直後、選対委員長の日村豊彦県議は「参院選での連携は効果が高い」と前倒しの理由を記者団に説明したが、「市長選のせいで、ダブル選をバタバタさせたくはなかった」(中堅県議)という側面も垣間見える。

 党本部の推薦決定を受け、森下氏の対応を県連から一任された浜崎市議は今月6日、森下氏に市長選への意向を確認する、事実上の立候補辞退を「勧告」。森下氏は「まだ迷っている」と回答を先延ばしするなど、結論は出ていない。ある県連関係者は「ダブル選の期間中だったこともあり、本当は穏便に済ませたかった」と本音ものぞかせる。

 ダブル選に突き進む県連の足元で渦巻いた、神戸市長選の「つむじ風」。森下氏のフェイスブックには、参院選比例代表の自民党候補のポスターを貼る森下氏の写真が、ダブル選期間に掲載された。ダブル選が終わった今でも、二階俊博・党総務会長代行や河村氏と一緒に写った森下氏の市長選向けポスターは、神戸市内各所で有権者を見つめている。【渡辺暢、山口朋辰】

    ◆    ◆

 県内の「選挙イヤー」の冒頭を飾るダブル選が終わった。県内にも吹き荒れた「風」は今秋の神戸市長選、そして県政界をどう吹き渡るのか。「風」の行方を追ってみる。

〔神戸版〕

2890チバQ:2013/07/28(日) 21:48:14
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130726ddlk28010345000c.html
風はどこに:2013年参院&知事ダブル選/中 民主 惨敗で再建不透明 /兵庫
毎日新聞 2013年07月26日 地方版

 ◇連合兵庫も焦燥感
 「大変お世話になりました」「申し訳ございませんでした」

 参院と知事の「ダブル選」の投開票日から一夜明けた22日朝、神戸市中央区の連合兵庫事務所。参院兵庫選挙区(改選数2)で1998年の結党以来、獲得してきた議席を失った民主の辻泰弘氏(57)は、水岡俊一・党県連代表と共に職員一人一人の手をしっかりと握り、おわびと感謝を何度も口にした。

 再選を果たした2007年に兵庫選挙区で過去最高の約109万票を得た勢いは完全にそがれ、議席を奪われた維新の清水貴之氏(39)には25万票超もの大差をつけられての惨敗。支持母体として辻氏を支えた連合兵庫幹部も「ここまで差が開くとは、連合としてもショックが大きい」と驚きを隠せない。

 昨年12月の衆院選の大敗で野党に転落した民主に、森本洋平会長ら連合兵庫幹部らは再三、危機意識の足りなさを指摘し続けた。それでも、連合本部で要職を務め、政策面でも一致する辻氏は「民主内でも一、二を争うほど連合との信頼関係はきわめて良好」(陣営幹部)だった。にもかかわらず議席を失った事実に、連合兵庫幹部は「それゆえに連合頼みの感が否めなかった。労組に依存しない支持基盤を作ってほしかった」と悔やむ。

 実は、第2次安倍内閣の高支持率を背景に漂う「自民圧勝」ムードにもかかわらず、辻陣営には当初、情勢を楽観する見方も少なくなかった。参院選の公示直前に維新との選挙協力を解消したみんなが候補者を急きょ擁立し、「第三極の票が割れて戦いやすくなった」(陣営幹部)との見立てがあったからだ。

 ところが、序盤から苦戦が伝えられると、「維新は自民の補完勢力に過ぎない」と控えてきた維新批判を展開。知事選では民主も含め各党が「相乗り」推薦した井戸敏三知事(67)も、特定の党の候補者とは一緒に街頭に立たない“暗黙のルール”を破り、辻氏と何度も街頭に立つ「異例」の対応で支えた。「『辻』々に『井戸』を掘ろう」。両者は連携を強調したが、陣営関係者は「井戸から湧き出たのは(維新の)『清水』になった」と皮肉るしかなかった。

 神戸市長選を今秋に控え、民主党県連は前副市長の久元喜造氏(59)の推薦を党本部に上申しているが、既に推薦を決めた自民よりも動きは鈍い。民主と歩調をそろえる方針の連合兵庫の幹部も「民主の対応を慎重に見極めたいが、維新がみんなと連携して動くようなら我々も本気で考えないといけない」と参院選で後じんを拝した維新との対決姿勢を強める。

 21日夜、辻氏の事務所。当選確実の知らせに顔をほころばす清水氏が大写しされたテレビ画面を、辻氏は所在なげに見つめた。「民主は立て直せるのか」。居あわせた支援者に問いただされた松本剛明・前県連代表は言葉少なにつぶやいた。「再建……、難しいでしょうね」【豊田将志】

〔神戸版〕

.

2891チバQ:2013/07/28(日) 21:49:41
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130727ddlk28010332000c.html
風はどこに:2013年参院&知事ダブル選/下 第三極 “共闘”は未知数 /兵庫
毎日新聞 2013年07月27日 地方版

 ◇「恩讐の彼方」へ進めるか
 「野党が細切れになっては何もできない。(連携の)道があるはずだ」

 参院と知事の「ダブル選」が投開票された21日夜、参院選兵庫選挙区(改選数2)で落選が確実になった、神戸市中央区にあるみんなの下村英里子氏(30)の事務所。維新の清水貴之氏(39)の「当選確実」を報じるテレビ画面を無表情で見つめていた、みんなの井坂信彦・党衆院兵庫1区支部長は、集まった支援者を前に語った。

 維新の橋下徹共同代表の慰安婦を巡る発言などで、両党の選挙協力は公示前に解消。それでも「目指す方向はどちらも同じ」(みんな県関係者)「ラブコールを送っている」(維新県関係者)と、両党は「兵庫レベル」での水面下の“共闘”を模索していた。

 ところが、「渡辺喜美代表のトップダウン。自分たちは全く知らない」(みんな県関係者)中で、公示2日前に下村氏の擁立が決定。知名度ゼロからのスタートのうえ、ほとんど準備期間がない選挙戦は、陣営関係者からも「勝てると思ってはいない」との声が漏れるほどだった。

 最終的に、下村氏の得票数は約17万票と7候補中5番目。比例代表の県内得票数もほぼ同じ約18万票と、2010年の前回参院選(約36万票)から半減した。「共産よりも下回るなんて……」。井坂氏は疲れ切った表情で言葉をこぼした。

    ◇    ◇

 バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ……。21日夜、西宮市の清水氏の事務所。参院選兵庫選挙区での維新初の議席獲得に、真っ黒に日焼けした顔に白い歯が目立つ清水氏の姿をみながら、新原秀人・党県総支部代表はあふれ出る喜びを隠せないでいた。4月の伊丹・宝塚両市長選での公認候補の敗北や「橋下発言」など、「逆風」を受け続けた末の勝利の美酒は、維新の新たなターゲットに今秋の神戸市長選を浮かび上がらせている。

 道州制「関西州」を巡る評価などで対立する井戸敏三知事(67)に、知事選で公認候補をぶつける「作戦」は失敗したが、「知事のまわりからプレッシャーをかけていくためにも、神戸市長選は超重要案件」(維新県関係者)。松井一郎党幹事長も23日、市長選について「やるとなれば全力でやる」と明言した。

 ただ、実際の候補者選びとなると、みんなとの微妙な関係が絡み合う。みんなは前回09年の市長選で、矢田立郎市長に約8000票差で敗れた樫野孝人氏(50)を支援。今回も支援する意向だが、維新県関係者は「樫野氏は選択肢の一つだが、みんなの支援を樫野氏が受けるなら応援しない。参院選で、みんなにやられた事は忘れない」とにべもない。

 「市長選は維新と相乗りできればいい」(みんな県関係者)「樫野氏がどちらと組むのか。どちらに力があるかは一目瞭然」(維新県関係者)と温度差を見せる両党が「恩讐(おんしゅう)の彼方」に進めるのか。両党が参院選比例代表で県内で獲得した得票数は合計63万票超。最多得票の自民との差は約9万票に縮まる。【渡辺暢、山口朋辰】

〔神戸版〕

2892チバQ:2013/07/28(日) 22:07:55
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130722/plc13072210150002-n1.htm
【「3分の2」時代−政治はどこに向かうか】
(上)改憲「腰を落ち着けて」
2013.7.22 10:13 (1/2ページ)
 時代の歯車は大きく回った。第2次安倍政権が最大の課題としてきた参院選勝利が21日、達成された。

 続々と「当選確実」の報がもたらされる自民党本部。NHK番組に出演した安倍晋三首相の表情は晴れやかだった。

 「国民から強く背中を押された」

 首相はこの言葉に万感の思いを込めた。6年前、この時も現職の首相(自民党総裁)として臨んだ参院選で屈辱的な大敗を喫したために生じた衆参両院の「ねじれ」状態。その混乱に自ら終止符を打った。

 この日の与党の大勝によって、政治は新たなステージへと突入する。これまでの「過半数」をめぐる与野党の攻防は事実上終わりを告げ、「3分の2」をターゲットとしたせめぎ合いへと変化する。

 「3分の2」とは、憲法改正に必要な国会勢力を意味する。今回の参院選で、改憲に前向きな自民党、みんなの党、日本維新の会が計99議席以上を獲得すれば、衆参両院ともにこのラインに到達していた。

 結果は18議席及ばなかったが、「加憲」を掲げる連立政権のパートナー・公明党は非改選議席と合わせて20議席を確保。同党を改憲勢力に加えれば3分の2を超える。菅義偉官房長官が21日夜の民放番組で「ようやくここにきて現実的に憲法改正の議論ができるところまできた」と語った。

 首相も悲願の憲法改正に向けて着実に前進していることを実感している。最近、周囲に対し「仮に6年前に適当な議席で勝って第1次政権が長続きしていた場合より、今回の方が憲法改正に必要な議席に近づくだろう」と漏らしていた。

 ただ、憲法改正を無理に急ぐつもりはない。NHK番組でも、「憲法改正は国会で発議した後、国民投票で過半数の賛成がなければいけない。腰を落ち着けて安定的な状況の中で議論を深めていきたい」と述べた。

 当面は、第1次政権で成立させた国民投票法の「宿題」の(1)成年年齢の引き下げ(2)公務員の政治的行為の制限緩和(3)国民投票の対象拡大−の3点の議論を進め、同時に国民の理解を得る。熟柿(じゅくし)が自然に落ちてくるのを待つ構えだ。

 長期政権をにらむ首相の視線の先にあるのは、はや3年後の衆参ダブル選だ。それまでに参院で「3分の2」の勢力を確保できればそれでよし。そうでなければ次期選挙で再び勝ち、必ず改憲を成し遂げる。首相はそう腹を決めている。

2893チバQ:2013/07/28(日) 22:08:43
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130722/plc13072210400003-n1.htm
【「3分の2」時代−政治はどこに向かうか】
(上)安倍カラー、そろり 「勝利、楽できるわけでない」
2013.7.22 10:40 (1/4ページ)[安倍首相]
 報道各局の番組で自民党大勝が伝えられた21日午後9時40分ごろ、安倍晋三首相は自民党本部で当選確実となった候補者の名前に赤いバラの花をつけた。

 真っ黒に日焼けした石破茂幹事長と並び、カメラマンの要請に応えてほっとしたような笑顔をみせた首相だが、心中では決して平坦(へいたん)ではない今後の道程にも思いをはせていた。

 ◆舞台装置は整った

 「これから国民に問われるのは、野党ではなくて自民党の方になる…」

 昨年12月の衆院選と今回の参院選は、3年3カ月にわたり失政と失態を重ねた民主党への有権者の「鉄槌(てっつい)」という色彩が濃く、批判の矛先は自民党よりも民主党に向かった。

 だが、衆参両院のねじれを解消して「政権交代が完結」(首相)した以上、責任も批判も政府・与党がすべて負うことになる。空前の圧勝を自民党にもたらした国民の期待は今後、そのまま政権へのプレッシャーとなって重くのしかかる。

 今回の勝利で、首相が諸改革を進めるための舞台装置はひとまず整った。首相は秋の臨時国会を「成長戦略実行国会」と位置づけており、21日夜のNHK番組でもこう語った。

 「今まで進めてきた経済政策は間違っていないと訴え、支持を受けた。国民に決める政治、安定的な政治の中で経済政策を前に進めていけとの声をもらった」

 まずは経済政策を優先する考えだが、同時に安全保障や教育、公務員制度など「安倍カラー」の濃い分野の取り組みも加速させる。

 ◆党内に抵抗勢力?

 この秋には、来年4月に消費税率を8%に引き上げるかどうか判断しなくてはならない。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の参加交渉をめぐっても、首相自らが重大な判断を迫られる場面も予想される。

 省庁の幹部人事を一元化する内閣人事局設置を柱とする公務員制度改革は、霞が関の抵抗が予想される。原発再稼働問題も大きな政治課題となりそうだ。

 「参院選勝利で楽ができるわけでは全然ない。さまざまな問題で政策的な判断をしていかなくてはならない。教育改革もやるし、集団的自衛権も議論を詰めていく。現場を見ながら一つ一つ固めていく」

 首相は参院選後の見通しについて、こう周囲に漏らしている。消費税上げやTPPをめぐっては国論が二分されるのは必至だ。また、向こう3年間は国政選挙がないと見て、自民党内の不満分子が安心して騒ぎ出す可能性もある。

 皮肉なことに参院選の勝利で、参院ではこれまで以上に「族議員」「業界・団体代表」の議員が増え、首相の改革への抵抗勢力となるかもしれない。

 加えて9月末にも行われる内閣改造・党役員人事も波乱要因だ。首相は「まだ白紙」としているが、石破氏を留任させるかどうかなどの対応次第では、首相の求心力が弱まりかねない。

2894チバQ:2013/07/28(日) 22:09:07
 ◆無視できぬ米意向

 連立を組む公明党については、首相が目指す集団的自衛権の政府解釈見直しが問題となる。山口那津男代表はこれに対し、連立解消の可能性にすら言及し「断固反対」と態度が硬い。公明党は集団的自衛権をめぐり自民党と協議することは拒んでおらず、首相周辺は「公明党にはいずれ理解してもらえる」と話すが、協議は難航しそうだ。

 経団連など経済団体は中国、韓国の両国との関係改善を求めている。官邸サイドは現在、「首脳会談がなくても特に何も困らない」(政府筋)という姿勢で、対話のドアを開いたまま相手の出方を待っている。

 ただ、日中、日韓関係の緊張関係を嫌がる米国の意向も無視できない。安全保障面で日本は、米国の支援と協力に頼らざるを得ない立場だからだ。

 「オバマ米大統領の関心事は9割が内政問題だ。だから日中、日韓関係などでも『米国の邪魔はしないでくれ』という印象だ」

 日米外交筋はこう語る。ブッシュ大統領時代の米国は、当時の小泉純一郎首相が靖国神社参拝を繰り返しても介入してこなかったが、オバマ政権はその限りではないという。

 首相は21日のNHK番組で「外交問題に発展するので、靖国に行く行かないを申し上げるつもりはない」と述べた。一方で、周囲にはこう語る。

 「靖国神社参拝はきょう明日にも焦って行く、というものではない。時期と中国と韓国、それに米国の対応を見極めながら考える」

 慰安婦問題を含め、首相はかねて「歴史問題の解決は簡単ではない。匍匐(ほふく)前進で行かないといけない」とも話している。一度に解決を求めず、一歩一歩着実に進んでいく考えのようだ。

2895チバQ:2013/07/28(日) 22:10:00
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130722/waf13072221100086-n1.htm
【「3分の2」時代】
(中) 野党再編待ったなし 維新の弱みは「東西対立」
2013.7.22 21:06 (1/3ページ)

 記者会見で口元を拭う日本維新の会の橋下共同代表=21日夜、大阪市内のホテル
 みんなの党の渡辺喜美代表は最近、「てこの原理」という言葉を多用する。

 「3分の2の『てこの原理』は生きているんです。自民、公明、維新を足し合わせても(参院で)160議席には達しないんですね。われわれの18人が加わることで160を突破するんですね」

 渡辺氏は参院選から一夜明けた22日のテレビ朝日番組でも、こう強調した。

 憲法改正の国会発議が現実味を帯びる中、最も注目されているのがみんなの党の存在だ。渡辺氏が言うように、発議に必要な参院勢力3分の2に当たる162議席に達するには、みんなの党の賛同が不可欠になってくる。

 渡辺氏の言葉には、憲法改正を目指す安倍晋三首相の思いを「力点」、改憲に向けた動きを「作用点」とした上で、みんなの党の存在を「支点」に位置づけ、自分たちを高く売ろうとする意図がうかがえる。実際、番組でも「公務員制度改革など実態を先に変えておかないと、憲法を変えても意味がなくなっちゃう」と自党の看板政策をしっかりとアピールしている。

 そのことは日本維新の会も同じだ。橋下徹共同代表(大阪市長)が選挙期間中に「自民党は道州制や地方分権をやるつもりはない」と訴え続けたのも、「見返り」を求めてのことといえる。

 憲法改正を見据える安倍首相に対して、競い合うように条件闘争を仕掛けるみんな、維新の両党。だが同時に、来るべき「野党再編」に向けても主導権争いを繰り広げている。

 「維新の存続にはこだわらない」「好き嫌いがあっても『私』を押さえ込まないといけない」と再編に意欲を示してきた橋下氏。これに対し、渡辺氏は22日、都内で記者団に「いきなり誰と組むということから始まれば、民主党と同じ失敗をしでかす。維新内で再編したらいかがですか」と橋下氏を挑発した。

 両者の遺恨は根深い。さかのぼること11カ月前の昨年8月。渡辺氏は橋下氏に合併を提案。だが、橋下氏は維新の存続にこだわり、これをソデにする。その3カ月後に維新に合流した旧太陽の党の政策は、原発容認、消費税増税容認とことごとくみんなの政策と異なるものだった。これで渡辺氏は橋下氏にますます反発を覚える。

 維新の弱みは、昨年来続く「東西」の冷戦構造だ。最近では先の大戦を「侵略」と位置づける橋下氏と「侵略ではない」とする石原慎太郎共同代表との間で歴史認識の違いが鮮明になっており、「東西」のギクシャクした関係は相変わらず。渡辺氏に近い議員は「『東』の認識をやめてもわらなければいけない」とくぎを刺す。

 もっとも齢80の石原氏が歴史認識を変えるはずもない。かといって、「東西」で分裂すればみんなに再編の主導権を握られるのは確実だ。石原氏が21日の記者会見で記者団から「橋下氏は辞任する必要はないか」と問われ、「つまんない質問すんなよ。当たり前じゃないか」と一喝したのも無理はなかった。22日の正副幹事長会議では現執行部態勢を維持する方針を確認した。

 連携を意識しながらも、相互不信がぬぐえないみんなと維新。このまま両にらみが続けば、意外な政党が野党再編の主導権を握る可能性がある。

 参院選で現有議席を27も減らした民主党。党存続の危機ともいえる惨敗だが、起死回生の芽はわずかながら残されている。

 「どうやれば、これまでの民主党と違う新民主党だということを打ち出せるか分からない…」

 民主党の閣僚経験者はこううなだれるが、野党再編を意識するみんな、維新の両党が密かに注目しているのが、民主党内の非労組系議員。民主党が労組依存型の政党のままなら、両党の草刈り場になるだけだが、壊滅的打撃を受けた今が脱労組依存型の政党へと脱皮するチャンスではある。その兆しは見えつつあり、出身母体が日教組の輿(こし)石(いし)東(あずま)参院議員会長の辞任論がくすぶり始めた。

 「自民党1強」時代に問われる野党の存在価値。再編への意識は徐々に高まっているが、残された時間はそう多くない。

2896チバQ:2013/07/28(日) 22:10:40
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130723/stt13072311480001-n1.htm
【「3分の2」時代−政治はどこへ向かうのか(中)】
“敗戦処理”さえままならない民主
2013.7.23 11:45 (1/2ページ)[民主党]

厳しい表情の細野豪志幹事長=21日午後、東京・永田町の民主党本部(三尾郁恵撮影)
 民主党の細野豪志幹事長は22日深夜、短文投稿サイト「ツイッター」に海江田万里代表に辞表を提出したことを明らかにするとともに、「辞意は変わらない」と書き込んだ。

 細野氏が「責任を感じています」と言って党本部で海江田氏ら党幹部に頭を下げたのは午後1時すぎ。改選1人区全敗、結党以来最低の獲得議席、現有議席27減…。目を覆いたくなるような大敗を喫した責任者として、当然すぎる辞意表明だった。

 だが幹部らは寄ってたかって細野氏を慰留。夜のNHK番組で細野氏は「人事権は代表にある。私個人(の判断)を超えて代表に考えていただいている」と海江田氏の判断に委ねる考えを示していた。

 細野氏の辞任は、続投表明した海江田氏の進退に直結する。しかし、今の民主党に海江田氏の後任を選ぶ代表選を行う余力はない。“敗戦処理”すらままならないのが、今の民主党という政党の実態なのだ。

 今回の民主党の壊滅的な敗北は、自民党との二大政党時代の終焉(しゅうえん)を意味する。それどころか、実質的には民主党の野党第一党という立場も危うい。

 今回の参院選の結果を踏まえた参院の勢力分野を見てみよう。自民党=115、民主党=59、公明党=20、みんなの党=18、日本維新の会=9…。民主党を除けば計162議席。ちょうど参院定数(242)の3分の2にあたる。仮に自民、公明、みんな、維新の4党がまとまれば、憲法改正が発議できる計算だ。

 与党が衆参両院で過半数を制した今、個々の国会攻防で野党が存在感を発揮するチャンスはほぼない。唯一、憲法改正の発議の際にその対応が注目される。

 しかし、民主党の憲法改正へのスタンスは今も煮え切らない。今年2月にまとめた党綱領も「国民とともに未来志向の憲法を構想していく」とどっちつかずの表現にとどまった。

 ここで、民主党結党以来の構造的な弱点が浮かび上がる。それぞれの議員が強固な後援会を持たず、選挙のたびに労働組合に依存せざるを得ない。それゆえ、重要政策を判断する際、左派色の強い労組の意向をどうしても無視できない。憲法に対する民主党のあいまいな姿勢は、こうした弱みから生じた必然といえる。

 ある幹部は「民主党がどういう党なのか、はっきりさせないともうダメだ」と悲鳴を上げた。

2897チバQ:2013/07/28(日) 22:13:24
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130724/plc13072412020008-n1.htm
【「3分の2」時代−政治はどこに向かうか(下)】
TPP交渉スタート 立ちはだかる内なる敵
2013.7.24 11:59 (1/3ページ)[TPP]
 23日朝、マレーシア・コタキナバルのホテルの一室。日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に初めて参加するのを前に、自民党の農林水産関係議員4人が政府の交渉官約100人に向き合った。

 「国益を守るため、しっかりとした交渉をお願いしたい。われわれも一丸となってバックアップする」

 西川公也党TPP対策委員長はハッパをかけた。

 自民党は参院選公約で、TPP交渉の対象となっているコメなど農産重要5分野を「聖域(死活的利益)」と位置づけ、関税を死守できない場合は「脱退もあり得る」と明記した。これを主導したのが西川氏だ。

 交渉に参加できないにもかかわらず現地入りしたのは、安易に妥協しないよう目を光らせるためだった。

 参院選では農協(JA)グループの政治団体「全国農業者農政運動組織連盟」(全国農政連)が推薦する山田俊男氏が、比例代表で党内2位となる約33万票を獲得した。「TPP断固反対」を掲げるJA票の影響力は依然大きく、山形選挙区では県農政連がTPPを理由に自民党の新人候補を推薦せず、みどりの風の現職に僅差に迫られた。

 山田氏は産経新聞の取材に、「交渉で重要5分野の関税を守ることができなかった場合、国会批准での反対もあり得る」と断言した。自身の得票が6年前の参院選から10万票減ったのも「交渉に参加した安倍晋三首相に対する不信感も影響している」と語った。

 サトウキビや乳製品などの産品を抱える北海道や鹿児島県選出の議員にも「地域が壊滅する」との不満がくすぶっている。

 TPP参加に向けた壁として立ちはだかるのは対外折衝だけでなく、参院選でふくれあがった「内なる敵」になるかもしれない。

 首相周辺は「5分野で協議が難航すれば、反対派を説得する余地は狭まる」と懸念する。

 首相は参院選でのねじれ解消により政策決定や外交交渉で「決められる政治」の基盤を得た。今後3年間は本格的な国政選挙は予定されておらず、政策遂行に専念できる環境も整った。

 海外の経済成長を取り込み日本の成長を確保するためにはTPPへの参加は不可欠で、日米同盟を強化する意義も大きい。

 日米の絆を強固にする上で、安全保障面では集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しも待ったなしだが、そこでもブレーキ役が存在する。行使容認に「断固反対」を唱える公明党だ。

 安倍カラーの一丁目一番地である外交・安保で「強い日本」を築くにはTPPも集団的自衛権の行使容認も待ったなしだが、内なる敵を説得できない限り前には進めない。





 この企画は阿比留瑠比、半沢尚久、坂井広志、水内茂幸、佐々木類(ワシントン)、川越一(北京)、加藤達也(ソウル)が担当しました。

2898チバQ:2013/07/28(日) 22:14:36
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130724/plc13072412080009-n1.htm
【「3分の2」時代(下)】
中韓両国の見る目変わるか 長期政権「自由度」増す外交
2013.7.24 12:04 (1/3ページ)
 参院選投開票日を目前にした今月16日のハワイ。君塚栄治陸上幕僚長らは米太平洋陸軍・海兵隊、オーストラリア陸軍とのシニアレベル・セミナー(SLS)に出席していた。

 SLSは将官クラスが一堂に会し、腹を割って戦略的な議論をする枠組み。出席者は「日米豪の協力関係を強化する象徴として共同訓練を活発化させる」との方針で一致した。むろん中国を念頭に置いたものだ。

 2日前の14日、中国海軍艦艇5隻が北海道の宗谷海峡をオホーツク海に向け通過した。中国艦艇の宗谷海峡通過は初めてで、海上自衛隊OBは「北極海航路を行き来するための戦力を備えた証しだ」と断じる。北極海航路は地球温暖化の影響で氷が解け、各国が注目している。中国海軍は北極海航路を利用するため、対馬・大隅・津軽の3海峡に加え宗谷海峡を通過することも重要指針に掲げてきた。


日米同盟を強化


 こうした威嚇や挑発を繰り返し、首脳会談も実現しない中国との関係改善は安倍晋三首相にとって難題だ。竹島(島根県隠岐の島町)や慰安婦問題で摩擦を抱える韓国との関係修復にも手を焼いてきた。

 ただ首相が参院選で勝利し、衆参両院で与党が「3分の2」に迫ろうかという状況になったことで、政府高官は「中韓両国の見る目が変わる」とみる。短命政権であれば首相交代を機に対日交渉を仕切り直し、自国に有利に交渉を誘導できるが、長期政権となれば通用しないからだ。

 菅義偉官房長官は22日のNHK番組で、日中首脳会談に関し「間合いは狭まってきている」と明かした。

 中国社会科学院日本研究所中日関係研究センターの張勇秘書長も「日本国内の政局による制約要因が緩和され、安倍政権の対中政策上の『自由度』が増す」との見解を示した。

 その自由度がどんな変化をもたらすのか−。

 首相は22日の記者会見で「どっしりと腰を据え政策を前に進め、強力な外交も展開する」と明言した。この発言について外務省幹部は「中国側には、自由度に伴うベクトルは集団的自衛権の行使容認やTPP参加に向けられていると映ったはずだ」と分析する。

 そのことは、とりもなおさず日米同盟の強化につながる。米政府は短命政権の連続にいらだちすら見せていたが、ラッセル米国務次官補は選挙結果を受け、「期待を持って注視したい」との祝意を伝えた。

 これに対し中国は、昨年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化をきっかけに、偶発的な衝突を回避するための「海上連絡メカニズム」構築に向けた協議を拒否していたが、今年4月、再開に応じた。ただ、参院選後も尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域に海洋監視船を航行させている。

 また、23日付の韓国紙、東亜日報は、韓国大統領府は日本が歴史問題で変化を見せるまでは日韓首脳会談を急ぐ必要はないと判断している、と報じた。


受け身から脱却


 首相は25日から参院選後初の外遊としてマレーシアとシンガポール、フィリピンの3カ国を歴訪する。マレーシアとシンガポールはTPP交渉参加国。フィリピンは南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で中国と領有権問題を抱えており、首相は巡視船を供与する方針を伝える。

 フィリピンやTPP交渉参加国でもあるオーストラリアなど米国の同盟国との関係強化は、「米国を起点とした安保協力を線から面に変える」(防衛省幹部)効果も期待できる。米戦略に受け身で応じてきた姿勢から脱却し、一段高い同盟関係にも引き上げられる。

 「3分の2」が安倍外交の「自由度」を増すことになっても、目に見える効果が出るにはまだしばらく時間はかかりそうだ。





 この企画は阿比留瑠比、半沢尚久、坂井広志、水内茂幸、佐々木類(ワシントン)、川越一(北京)、加藤達也(ソウル)が担当しました。

2899名無しさん:2013/07/28(日) 22:25:41
チバさん、いつも記事貼りお疲れさんです♪
( ^ω^ )
チバさんが投票したみん党比例川田候補当選おめ

2900とはずがたり:2013/07/29(月) 17:44:12

特別寄稿・竹田圭吾 参院選の結果を\(^o^)/すべき7つの理由 <参院選・特別コラム>
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/politics/gooeditor-20130729-01.html
gooニュース2013年7月29日(月)10:00

選挙があると、そのたびに政治への失望や不信を嘆くのがマスコミのお約束だ。野党が大敗し、投票率が伸びなかった今回の参院選も、さらなる政治不信の高まりの表われと見たり、圧勝した自民党が独裁に走るのではと憂いてみせる報道がある。ふむ。

しかし今回の選挙の結果は、それほどネガティブ一色に受け止めなくてはいけないものなのだろうか。僕はあまりそう感じていなくて、むしろよかったなと思っている点もいくつかある。たとえば……

(1) 「ねじれ」のせいだという説明がもう通用しない

国会がねじれているから政治が決められないっていうのは、車の無理な割り込みでトラブルが起きるのは道路が二車線あるからだ、みたいなフリーダムすぎる理屈だと思いますが、それはともかく、ねじれが解消されたことで、与党は「だって野党が参院で問責決議出して審議を空転させるんだもーん」と言えなくなりました。

野党も、法案をつぶしてでも問責を出す戦術はもう意味を成しません。聞き苦しい言い訳や見苦しい戦法を目にしなくてすむようになることは、私たちの精神衛生上、じつに喜ばしいことです。


(2) 付け焼き刃のネット選挙は無意味とわかった

ネット選挙運動をゆるキャラ祭りと勘違いしている政党が散見されたり、ツイッターを単なる遊説日程の連絡メモと思っている候補者が目立ったりしましたが、考えてみれば、公示期間だけあわてて取り組んだところでたいした影響は生じないのは想像がついたことです。

アメリカなどの例をみても、選挙とは直接は関係なしに、政治家や候補者がふだんからターゲット層にリーチするために使ってこそ、ネットは政治の世界と世の中のコミュニケーションを深化させる機能を果たすと思われます。そのことがわかったのは大収穫ではないでしょうか。

(3) いまの選挙制度の欠陥がはっきりした

二大政党制を前提につくられた選挙制度のもとで、現実が二大政党でなくなるとどれほど極端なことが起きるのか、昨年末の衆院選と今回の参院選で私たちは思い知らされました。衆院選の小選挙区ではいわゆる「死票(落選者の得票総数)」が3000万票を超え、参院選でも31の1人区のうち29で自民党が勝利しています。

これを「欠陥」と呼んでいいのかどうかは微妙なところですが、選挙制度の問題が区割りレベルの一票の格差だけではないことがはっきりしたのは、一つの前進と言えるでしょう。

(4) 改憲の話なんて聞いてませんよとあとで言える

自民党は憲法改正を参院選公約のいちばん最後のチャプターに置き、街頭演説や討論会などでも積極的にはふれませんでした。アベノミクスのどさくさにまぎれて、という見方もできますが、いずれにしても、改憲に賛成か反対かの立場を問わず、もうちょっとじっくり議論したり考えたりする時間がほしいなあ…と思っている人にとっては、もしこの先、進め方が拙速と感じられる場合は「おいおい、参院選のときに言ってなかったじゃないですか」とツッコミを入れられるということです。これはうれしいですね奥さん。

自民と維新の会とみんなの党などを合わせても発議に必要な3分の2に届かなかったとか、メディアはもっぱら数の問題に注目していますが、憲法の内容や規定はもちろん、憲法裁判所がなく最高裁による付随的違憲審査に頼る状況で法令違憲判決がきわめて少ない日本の司法消極主義をどう考えるかなど、憲法を取り巻く制度や環境全体を見据えた議論をしていく必要があるのではと、個人的には感じます。

2901とはずがたり:2013/07/29(月) 17:44:38
>>2900-2901
(5) 理念なき政界再編にクギを刺すことができた
自分たちのところが大阪と東京でバラバラなのは棚に上げて、民主党のことを「価値観がバラバラで政党の体をなしていない」とブーメランな批判をする某市長兼共同代表がいましたが、右を向いている人たちと左を向いている人たちとどっちでもいい風見鶏の人たちが政権奪取だけを目的に結集して、ほんとうに政権を取るとどうなるかというのは、まさに民主党が身をもって示してくれたところです。

維新の会とみんなの党が選挙協力を果たせなかったり、社会民主主義に分類される勢力が衆院選のときと同じように分散したまま戦ったりしたのは、各党の権力争いとか、権力争いとか、権力争いとか、やむにやまれぬさまざまな事情があるのでしょうが、数を集めるための「野合」に対する有権者の厳しい視線もプレッシャーとして働いたのではないでしょうか。

だとすれば今回の結果は、選挙後の再編の動きに対しても、政策や理念をなおざりにして一緒になるのは許さんけんね、という無言の圧力になると期待できます。

(6) 原発なんかどうでもいい…わけではないと示された

原子力安全委員会の新しい安全審査基準が発表され、電力会社が再稼働を申請するなど、原発をめぐる状況が動いていく一方、参院選では景気や雇用や消費税に比べると原発問題が争点として注目度がやや下がった印象もありました。

ところが、結果はどうでしょう。東京選挙区では原発の即時全廃を目標に掲げる候補2人が合わせて130万を超える得票で当選し、定数5人の4割を「反原発」議員が占めることになりました。一方で、青森、福島、福井、鹿児島など、原発や原子力関連施設がある1人区の立地自治体では、公約で原発の再稼働をめざす姿勢を明らかにしていた自民党の候補が圧勝しました。

東京で当選した候補は反原発の姿勢をはっきりと打ち出していたし、都道府県単位とはいえ、立地自治体の有権者が原発問題をまったく意識しないということはないでしょう。参院選の結果を「反対支持」や「容認」とストレートに解釈してよいかどうかはともかく、原発の問題はアベノミクスに比べてどうでもいいわけではありませんよ、というメッセージにはなったはずです。

(7) みんなが政治に無関心というわけではないとわかった

今回の参院選の投票率は52.61%で、過去3番目の低さでした。ああ、やっぱり政治に関心がない人が多いんだな…と、ため息をついているあなた、ちょっと待った。よく考えてみてください。

今年は6月中旬から猛暑日が続くというとんでもない気象で、7月に入ると熱中症で救急搬送される人が全国で急増。マスコミでは、熱中症の危険があるので無用な外出は避けましょうと盛んにアナウンスされました。しかも投開票日は小中学校が夏休みに入って最初の日曜日で、子連れの家庭ではレジャーを優先しても不思議はありませんでした。

そもそも安倍政権の支持率が高く、与党に肯定的な人、批判的な人の両方が「今回は別に自分が投票してもしなくても関係ないしなあ」と考えてもおかしくありません。実際、6月に行われた東京都議会議員選挙の投票率が43.50%と史上2番目の低さで、過去に都議選と参院選が行われた年との比較から、参院選は40%台に落ち込むのではないかとも一部では予想されていました。

それほどの悪条件が重なったにもかかわらず、結果が50%台前半にとどまったということは、投票を通じて政治にかかわろうと考えている人が減っているわけではない、とも考えられます。
◇   ◇   ◇
批判的にみていかなくてはいけない面がたくさんあるのは確かだけれども、なんとなくムードで不信だ失望だあきらめだとラベリングしてしまうことが、やっぱり政治はどうにもならないのね感をさらに増幅させる逆マッチポンプになっている気もする。

 衆議院の解散がなければこの先3年間は国政選挙がないことになるが、一票の格差に関する最高裁の憲法判断やアベノミクスの行方次第ではどうなるかわからないし、2015年の春には統一地方選がある。

まあ、いろいろな角度から見ていきましょうよ、ということで。

<筆者紹介> 竹田圭吾(たけだ・けいご)。1964年生まれ。東京都中央区出身。ジャーナリスト。元『ニューズウィーク日本版』編集長。多数の情報テレビ番組に出演。

2902チバQ:2013/07/29(月) 20:45:42
http://mainichi.jp/select/news/20130729k0000e010179000c.html


参院選:組織票のはずが1票 開票ミスと提訴検討
毎日新聞 2013年07月29日 13時14分(最終更新 07月29日 15時48分)

 21日投開票の参院選で、組織票を投じられたはずの比例代表候補の得票数が1票だったのは福岡県飯塚市の開票作業にミスがあったとして、産業別労組の「UAゼンセン」(東京)が総務省の中央選管を相手取り、再集計を求めて提訴することを検討していることが分かった。

 UAゼンセンによると、参院選比例代表に組織内候補として民主党の川合孝典氏(49)が立候補し、落選した。飯塚市では開票の結果、似た名前の他候補との案分を含め1.538票を得票したが、UAゼンセン福岡県支部が同市在住の組合員を聴取したところ、15人が投票したことが判明。他党の比例候補に川合氏と同姓が1人、同名も1人いたことから、「飯塚市の開票作業でミスがあった」と主張し、飯塚市選管に再集計を求めた。

 だが公選法では比例代表の場合、中央選管の所管となるため、提訴を検討している。飯塚市は「開票作業にミスはなかった」とコメントしている。【佐藤心哉】

2903チバQ:2013/07/29(月) 21:46:19
http://mainichi.jp/select/news/20130730k0000m040081000c.html
公選法違反:自治労奈良県本部書記長を逮捕
毎日新聞 2013年07月29日 21時19分

 参院選の選挙運動に対する報酬を知人らに支払うと約束したり、現金数万円を渡したりしたとして、奈良県警捜査2課などは29日、自治労奈良県本部書記長、池本昌弘容疑者(51)=同県橿原市北妙法寺町=を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。

 逮捕容疑は、池本容疑者は6月下旬、同県香芝市内の民主党奈良県第3区総支部事務所などで、参院選奈良選挙区に同党公認で立候補した大西孝典氏(57)=落選=と、同党比例代表候補の相原久美子氏(66)=当選=の2人を当選させるため、知人ら女性4人に電話で投票を呼び掛けるよう依頼。時給1000円を支払う約束をし、別の女性1人には6月下旬から投開票日まで計50〜60時間電話をかけさせた報酬として、3回に分けて計数万円を渡したとされる。【芝村侑美】

2904チバQ:2013/07/29(月) 21:57:05
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130724ddlk12010085000c.html
自民2の票層:2013参院選ちば/1 自民2人目当選 当落線上訴え票を誘導 /千葉
毎日新聞 2013年07月24日 地方版

 ◇公明支持票も後押し 派閥の勢力争いも絡む
 「石井さんは勝つんでしょ。だから豊田さんに入れようと思う」

 参院選終盤の17日。千葉選挙区(改選数3)でトップ当選した自民党現職の石井準一氏(55)を支援していた自民県議が県北東部を遊説していると、中年男性の有権者にこう声をかけられた。県議は「選挙は何が起こるか分かりません」と石井氏への投票を求めたが、「自民支持者は2議席を確実に取るための投票行動を考えている」と感じた。

 自民は県連内で二つの県議グループが、石井氏と新人で前八千代市長の豊田俊郎氏(60)の支援に分かれ、事実上の保守分裂選挙に突入。県連では石井氏が保守票を独占し、知名度に劣る豊田氏が落選する展開が心配されていたが、豊田氏は3位で再選した民主党現職の長浜博行氏(54)に約3万票差を付ける約42万票を獲得し、2位通過を果たした。実際、共同通信の出口調査によると、自民支持者の55・6%が石井氏、33・8%が豊田氏に投票し、投票先が分かれたことが読み取れる。

    ◇

 「このままじゃ、豊田は泡沫(ほうまつ)候補だ」

 公示前。豊田氏擁立に関わった国会議員は、派閥の領袖(りょうしゅう)にハッパをかけられた。

 豊田氏は県議選と八千代市長選の経験しかなく、同市外では知名度が低いことが課題だった。しかし、現職に続く自民2人目の擁立を求めて署名した31人の県議のうち、積極的に動いていたのは十数人しかいないと言われ、「選挙スタッフは市長選からのメンバーが多く、県内全体を見る司令塔がいない」(選対幹部)状況だった。

 ただ、「自民の追い風」(国会議員)は強かった。自民は今回の参院選の比例代表で、昨年の衆院選より約6万7000票多い約83万4000票を獲得し、支持層を拡大させている。

 この「風」をつかむべく、陣営は人口の多い東葛地域を重点的に回り、話題作りのためインターネットに独自制作した寸劇や歌の動画を投稿するなど知名度アップを必死に行った。松崎秀樹・浦安市長が豊田氏支援を表明するシールを作り、選挙ポスターに貼るなど首長人脈の支援の輪も広がった。

 「東京、千葉の2議席目は、岩手、三重、沖縄と並ぶ最重点区。何とか当落選上まで来た。1票差でいいから当選させてほしい」

 13日、千葉市美浜区の海浜幕張駅前。豊田氏の街頭演説に駆けつけた石破茂幹事長は、集まった有権者に強く訴えた。8、19日に応援入りした安倍晋三首相も「2人目の候補者は大変困難な戦い」などと強調。「あえて当落線上をアピールし、自民票を誘導する戦略」(自民県連幹部)だ。

 さらに豊田氏に有利に働いたのが、自民候補2人に推薦を出した公明党の支持票だ。公明は選挙区で、自党の比例候補への貢献度に応じた協力を行うが、豊田氏は安倍首相の8日の応援演説で壇上に自民の比例候補を立たせ、公明側の不満を買った。さらに公明が求める支援者名簿も十分にそろえられなかったという。

 しかし、党本部や支持母体の創価学会は最終的に、豊田氏と現職の石井氏のどちらに投票するかは各自の判断に委ねる方向で落ち着いた。出口調査によると、公明支持者の48・2%が石井氏、21・8%が豊田氏に投票。公明県本部幹部は「石井氏有利の情勢では、支持者も自然と2人目を当選させる判断が働く。豊田氏は思いがけない割合の支持を得られたのが実感だろう」と皮肉った。

    ◇

 投票日の21日。開票作業が始まる前に当選確実が伝えられると、豊田氏は「(当選確実は)相当遅い時間と思っていたので驚いた」と喜び、自身の当選を「山が動いた」と表現した。

 ただ、その選挙活動を支えたのは麻生派だったという。豊田氏には、公示前から麻生太郎副総理が応援に入ったほか、「選挙資金が麻生派から提供された」(自民県連関係者)とされ、麻生派入りが決まったという。豊田氏の当選は、既に党内の派閥の勢力争いが絡んでいた。

   ×  ×

 21日に投開票された参院選は、自民が千葉選挙区で佐藤栄作内閣で改選数2の議席を独占した1968年以来、45年ぶりに2議席を獲得した。17日間の選挙戦を検証した。=つづく

2905チバQ:2013/07/29(月) 21:58:22
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20130725ddlk12010070000c.html
自民2の票層:2013参院選ちば/2 自民のつばぜり合い 独走石井氏、最多68万票 /千葉
毎日新聞 2013年07月25日 地方版

 ◇県連に「しこり」残す 保守分裂、豊田氏に対抗
 「ある人から『石井さんがリードしているから、2人当選のためにはもう1人に票を回さないといけないのではないか』と言われた。とんでもない話だ」

 7日に茂原市の市民会館で開かれた自民党現職の石井準一氏(55)の個人演説会。応援演説に立った山本一太沖縄・北方担当相は、自民新人の豊田俊郎氏(60)に票を分けようとする党内の動きを公然と批判した。

 石井氏は、県連内の「石井氏が票を独占し、知名度で劣る豊田氏が落選する」との懸念をよそに独走を目指した。結果、千葉選挙区の改選数が2から3に増えた2007年の選挙以降、最多となる約68万票を獲得。党国会議員は「6年後の次の自分の選挙までを考え、いかに自分の力を保持できるかを考えたのだろう」と指摘する。

 石井氏の陣営は「基礎票30万票」を目標に5月の連休明けから各地で集会を重ね計3万人を動員したほか、公示1カ月前から個人演説会の会場を準備し、連日の応援弁士を確保。「6年間、丁寧に人間関係を築き、60万票を取れる組織作りを徹底してきた」という。

 推薦を受けた公明党とも、森田健作知事が初当選した09年の知事選で、共に新人の大学教授を支援した経緯があり、「応援しやすい関係が整っていた」(公明県本部幹部)。比例代表で公明に投票するよう呼びかけるにとどまらず、選挙期間中も公明幹部に直接電話し、支援を求めた。

 一方、自民票を取り合う豊田氏の陣営に対しては対抗心をむき出しにした。5月下旬ごろには、千葉選挙区の独自候補を探していたみんなの党関係者と雑談中、新党改革代表で比例現職だった舛添要一氏の擁立を勧めたこともあった。みんなは今回、新人を擁立し次点だったが、知名度の高い舛添氏を擁立すれば、豊田氏の当選を脅かした可能性は高い。

 「いつ何が起き、違う候補に票が流れるか分からない。選挙が強ければ党内の発言力も上がる。中選挙区では同じ党の候補だろうが、絶対に勝ってやるという気持ちは分かる」

 複数候補が当選する中選挙区時代の衆院選を経験した国会議員は、石井氏の心理をこう解説した。

    ◇

 激しい保守分裂選挙後、懸念されるのが自民県連内のしこりだ。大勝して勢いに乗る石井氏側が、豊田氏を支援した県議に対し、2年後の県議選で対立候補を擁立する−−。選挙期間中、こんなうわさが飛び交っていた。

 投票日から一夜明けた22日に開かれた県連の役員会。豊田氏擁立に関わった酒井茂英幹事長が辞意を表明した。後任に内定したのは、石井氏を支援した自民県議のグループ「千葉政経懇話会」会長の浜田穂積県議だった。

 酒井氏は取材に「参院選が終わり、幹事長の役割を全うした。当選6回の県議は私と浜田氏しかおらず、後任は前から決まっていた」と人事争いを否定した。ただ、石井氏は21日夜、記者団に「『石井は大丈夫だからこっち(豊田氏)に入れてくれ』とお願いしていた人を何人か知っているが、それは一番ひきょうだ」と不快感をあらわにしている。

 石井、豊田両氏は合計で10年参院選の公認候補2人より約19万票多い109万9512票を獲得。県連の桜田義孝会長は「両陣営の切磋琢磨(せっさたくま)が運動を盛り上げ、2議席獲得に功を奏した」と総括したが、県連内のつばぜり合いは今後も続く余地を残している。=つづく

.

2906チバQ:2013/07/29(月) 22:00:11
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130726ddlk12010132000c.html
自民2の票層:2013参院選ちば/3 野党の転落 民主、組織票さえ厳しく /千葉
毎日新聞 2013年07月26日 地方版

 ◇未熟さ露呈の維新 生活は「代表の埋没」影響
 「みんなの党が追い上げている。しっかりやってほしい」

 選挙戦終盤の16日。民主党県連幹部は連合千葉の事務所に赴き、語気を強めた。組織票さえ固めきれず、危機感が募っていた。

 千葉選挙区の改選数が2から3に増えた07年以降、2人を擁立してきた民主。現職1人の引退と昨年の衆院選の惨敗を踏まえ、公認候補を現職の長浜博行氏(54)に絞り、「確実に議席を確保する」戦略をとった。

 陣営は当初、惨敗した昨年の衆院選比例代表で獲得した約54万票は最低でもとれると予想。民主支持率の低迷で浮動票が期待できないものの、30万票とされる連合千葉の組織票がある上、「1人だけの出馬なので大丈夫だろう」(県議)という思いもあった。

 しかし、元々連合が主に支援していたのは引退した現職。民主政権時代よりも経済状況が好転していることから、安倍政権の経済政策「アベノミクス」に期待する組合員も多く、連合では「与党で失敗した民主への熱心な支持が感じられない」状況が漂っていた。

 「組合員の末端まで浸透してるのか不安だ」「半分しかまとまってない」

 最終盤の19日。柏市内で自転車に乗り支持を訴えていた県議らからは不安がこぼれた。さらに、新人の日本維新の会の花崎広毅氏(36)と生活の党の太田和美氏(33)は、ともに元民主で大票田の東葛地域が地盤。「民主票が食われる」との危機感が消えることはなかった。

 投開票日。千葉市内の選挙事務所に訪れた長浜氏は硬い表情のまま、最後まで万歳三唱に加わらなかった。

 長浜氏は約39万票を獲得し3位当選に滑り込んだが、みんな公認の新人、寺田昌弘氏(45)と花崎氏の合計票は約47万票。みんなと維新の選挙協力が続いていたら落選した可能性があった。さらに連合千葉幹部は「共産党が民主の防波堤となっていた」とみる。無党派票が、みんな、維新に加え、都議選で飛躍した共産に分散されたとの見立てだ。

 無党派層の取り込みも組織票固めも、思うようにいかなかった民主。田嶋要県連代表は「なぜここまで支持を失ったかに思いをはせながら、力を合わせて党勢を立て直す」と述べるしかなかった。

    ◇

 橋下徹共同代表の従軍慰安婦問題を巡る発言で、みんなとの選挙協力が解消された維新は、ちぐはぐさが目立った。

 「浮動票が見込める東葛地区にすべきだ」

 「(衆院選で)実績があり、人も多い千葉市にすべきだ」

 公示を3日後に控えた1日夜。既に他党は決まっていた第一声の場所を巡り、地元選対事務局と国会議員団事務局が対立。候補者を2度差し替えた混乱は、候補を支える裏方にも伝染した。昨年の衆院選では、橋下氏の人気を頼りに存在感を示したものの、党組織の「未熟さ」(陣営幹部)が露呈した格好だ。

 無党派層の票を獲得しようと、7日にJR船橋駅前で行われた橋下氏の応援演説。橋下氏は花崎氏の名前を一度も口にしなかった。1000人超(陣営発表)の有権者が集まったものの、それを生かせず、選挙戦に勢いは出ないままだった。

 「維新の態勢は戦える段階ではない。もう風は吹いていない」。みんな幹部は、こう看破する。「地方に根ざした態勢作りが急務」(党幹部)だったはずの維新は、候補者選定の過程で、公認内定者が我孫子市議を辞任した後に内定を取り消すなどのドタバタぶりを見せた。市議など地元の「拠点」を自ら放棄していった側面は否定できず、今回の選挙は落選以上の痛手を負ったといえる。

    ◇

 生活の太田氏は唯一の女性候補。柏市出身の元県議、元千葉7区選出の衆院議員で地盤もあったが、票は伸びなかった。「小沢一郎代表の埋没が影響した」(自民党県連幹部)とみる関係者は多く、「一からのやり直し」(太田氏)を余儀なくされている。

 自民2議席獲得の裏には、野党の「組織崩壊」という敵失があった。=つづく

2907チバQ:2013/07/29(月) 22:01:25
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130727ddlk12010111000c.html
自民2の票層:2013参院選ちば/4 野党の「収穫」 みんな、第三極の存在感 /千葉
毎日新聞 2013年07月27日 地方版

 ◇共産は自民対決軸奏功 2年後の統一選に標準
 参院選が公示された約1週間後。市川市でみんなの党新人、寺田昌弘氏(45)の選挙カーが通り過ぎた。

 「何でも反対の共産党さん、しがらみがある民主党さんとは違います」

 聞こえてきたのは他の野党批判。「高い支持率が続く自民党から票を奪うのは困難」との判断が働いたようだ。

 特に危機感を抱いた相手は共産だった。「無党派が共産に流れている」。陣営は、原発に反対する有権者が、2030年までの原発ゼロを目指すみんなではなく、「原発即時ゼロ」を訴え、東京都議選以降勢いのある共産への支持に傾いていると分析。自民・民主などに加えて共産も強く批判する方針に変更した。

 みんなは当初、反自民・反民主の受け皿の票が割れることを懸念。日本維新の会との選挙協力を進め、維新候補を推薦することとした。しかし、維新の橋下徹共同代表の従軍慰安婦問題を巡る発言を受け、選挙協力は解消。寺田氏の擁立決定は6月に入ってからだ。

 準備不足、知名度不足を補うため「露出作戦しかない」。大票田で無党派層が多いとされる東葛や湾岸地域を中心にフル回転で渡辺喜美代表など党幹部が毎日のように応援に入った。

 「2年後の自分の選挙(統一地方選)を意識し、最後の一人に至るまで死力を尽くせ」

 選挙戦が終盤にさしかかった15日ごろ。党本部からビラ配りなどに奔走する地方議員にメールが届いた。10年参院選で水野賢一幹事長代理が当選した後、みんなの県議や市議は増え、「3年前の参院選と違い地方議員が30人近くいることは大きかった」(選対幹部)

 しかし、票は予想より伸びず、28万票の次点。共同通信の出口調査によると、無党派層の中では、最も多い21%が寺田氏に投票していたが、投票率が10年参院選よりも5・63ポイント低い49・22%となり、特に、力を入れていた湾岸地域の浦安市や市原市などで6〜7ポイント落ちたことが響いた。

 だが、短期間で一定の無党派層への浸透を見せたことで、寺田氏は「悲観することはない」と強調。水野氏も「投票率を十分に高めることができず、票を掘り起こせなかったが、第三極では優位の地位を築けた」と手応えを感じていた。

    ◇
 共産県委員会の幹部は昨年の衆院選以上の手応えを感じていた。街頭を回っていると、「9条を守りたい」と自民支持者から声をかけられることもあった。実際に、新人の寺尾賢氏(37)は毎日新聞の選挙序盤の世論調査で、寺田氏や自民新人の豊田俊郎氏(60)と激しい3位争いを展開する位置にいた。

 自民との対立軸を明確にするため、脱原発や憲法改正反対などを強く訴えた。共同通信の出口調査によると、同様に脱原発などを掲げる社民党支持層は、党県連が支援した民主現職の長浜博行氏(54)と同じ約4割が寺尾氏に投票。今回の構図を「共産対自民」と印象づけたことが功を奏した格好だ。

 結果は約23万票で寺田氏に続く5位だったが、陣営は「知名度が低いところから追い上げた大善戦」と総括。浮揚幸裕県委員長は22日、「京都、大阪、東京など地力があるところは選挙区で当選した。千葉でも地方議員を増やす必要がある」と今後の課題を述べた。

 敗北の中にも次の選挙につながる「収穫」があったみんなと共産は、既に2年後の統一地方選に照準を合わせている。

    ◇

 自民圧勝で衆参のねじれが解消した。森田健作知事は25日の記者会見で「何とか2大政党を作ってほしい」と野党再編の必要性に言及し、「強すぎる与党」に懸念を示した。長引くデフレや財政悪化、人口減少など多くの課題を抱える中、各党の役割が問われている。=つづく

2908チバQ:2013/08/04(日) 20:44:10
8082 名前:チバQ 投稿日: 2013/08/04(日) 20:43:31
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/feature/kagoshima1374501024534_02/news/20130722-OYT8T01738.htm
戦い終わって 13参院選 一覧

<上>尾辻氏「TPP反対が仕事」



自身の当選を報じる新聞に見入る尾辻氏 「反対が私の仕事。一匹オオカミらしくやる」

 参院選の投開票から一夜明けた22日、鹿児島選挙区で勝利した自民党の尾辻秀久氏(72)は、事務所で自らの勝利を報じる新聞各紙に目を通し、決然とした表情で語った。党の方針に反して、選挙戦で反対を訴え続けた環太平洋経済連携協定(TPP)についてだ。

 尾辻氏は2月に党の公認を得たが、約5万人の「盟友」を有する県農政連は、安倍政権のTPPへの交渉参加方針に反発し、推薦を保留した。このため、尾辻氏は3月に農政連を訪問。「農業に明るい先生(国会議員)方とともにやっていきたい」と、農畜産県・鹿児島を守る姿勢を強調し、5月に推薦を獲得した。

 これにより、尾辻氏は唯一とも言える懸念を払拭。1000を超える団体・個人の推薦状を背景に、選挙戦では国会議員や地方議員がフル活動した。徹底した組織戦の傍ら、演説会を積極的に展開し、参加者は1万5000人を超えた。

 「45万票以上。全市町村で勝利する」。党県連の森山裕会長は16日の拡大選対会議で、約40人の県議、市議らにハッパをかけた。

 安倍政権の高い支持率、衆院選惨敗からの立て直しが進まない民主党、県内に強固な地盤がない第3極。もたつく他党を尻目にどこまで票を伸ばすか。その一点に目線は向けられた。

 迎えた21日の開票。尾辻氏は全43市町村で勝利し、全投票者の6割に迫る40万票余りを獲得した。自民党は昨年12月の衆院選に続いて大勝を収め、保守の地盤の厚さを見せつけた。

 「野党を経験し、自民党は本当に生まれ変わったのか。本当にこれからが試される」。歓喜にわく事務所で県連幹部はつぶやいた。

(2013年7月23日 読売新聞)

2909チバQ:2013/08/04(日) 20:44:28
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/feature/kagoshima1374501024534_02/news/20130723-OYT8T01307.htm
戦い終わって 13参院選 一覧

<下>野党、対立軸つくれず 民主、大差で敗れる



陣営幹部らに敗戦をわびる皆吉氏(右)(21日夜、鹿児島市で)  「信頼はまだ回復できていない」。21日夜、開票開始早々に敗戦が決まった民主党新人・皆吉稲生氏(63)の事務所。党県連代表の打越明司氏(55)は厳しい表情で声を絞り出した。

 昨年12月の衆院選で惨敗し、不戦敗も含めて県内の全4議席を失った民主党県連。今回の参院選を「再生への第一歩」に掲げたが、蓋を開けてみれば皆吉氏の獲得票は12万票余り。40万票余りを集めて当選した自民党現職・尾辻秀久氏(72)に3倍以上の大差をつけられて敗れた。

 党県連が皆吉氏の擁立を決めたのは、公示のわずか1か月前。支持団体との調整などに時間を費やしたのが原因だった。党勢の立て直しが進まない中、出遅れが追い打ちをかけ、終始厳しい選挙戦。皆吉氏は安倍首相の経済政策「アベノミクス」の批判を訴えの中心に据えたが、耳を傾ける有権者はまばらだった。

 日本維新の会新人・岩重仁子氏(39)は「しがらみのない政治を」「鹿児島から再び維新を」と訴え、鹿児島市では皆吉氏をしのぐ票を獲得した。だが、投票率は過去最低の50・42%。浮動票は動かず、橋下共同代表の「慰安婦発言」も尾を引いて伸び悩んだ。

 共産党新人・野口寛氏(67)、諸派新人・松沢力氏(31)はともに、原発再稼働、憲法改正、環太平洋経済連携協定(TPP)などへの立場を明確にしたが、厚い保守地盤に阻まれ、支持が広がらなかった。

 「自民党の対立軸をつくることができなかった」。野党候補の陣営幹部は一様に口をそろえる。

 県内比例選の党派別得票数は、自民党が32万票弱で5割弱を占めた。民主党は2010年の前回選から6割以上の票を減らし、公明党に2位の座を譲った。

(2013年7月24日 読売新聞)

2910チバQ:2013/08/04(日) 20:45:03
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/feature/kumamoto1374502771862_02/news/20130722-OYT8T01857.htm
戦い終わって 参院選

<上>馬場さん低投票率での勝利



参院選を受けて記者会見をする(右から)山本会長、馬場さん、前川幹事長 参院選から一夜明けた22日、自民党県連事務所で開かれた総括会議。前県議会議長・馬場成志さん(48)が熊本選挙区(改選定数1)で圧勝して高揚感漂う中、山本秀久県連会長は引き締めを図った。

 「謙虚さを忘れず、(地域に根ざす)自民党の持ち味を発揮しよう」

 馬場さんは、次点の民主党現職・松野信夫さん(62)に約23万票差の「ダブルスコア」で初当選した。

 だが、投票率は、これまでで最低の52・30%。県民から全幅の信頼を寄せられたとは言い難い。「組織はしっかり機能したが、一般有権者の多くは静観した」。そんな声も聞こえてくる。

     ◇

 選挙戦は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待が高まる一方、民主党に対しては失望感が払拭されず、自民党への追い風がやまなかった。日本維新の会も、橋下共同代表によるいわゆる従軍慰安婦問題の発言を引きずり、熊本選挙区への候補の擁立を断念した。

 「気温は上がっているが、有権者のボルテージは上がらない」。選挙戦のさなか、馬場さんの陣営スタッフは手応えのなさを、そう表現。八代市で小泉進次郎・党青年局長の街頭演説を聞いていた男性(60歳代)は「自民党が一人勝ちするのが目に見えて分かる選挙。我々有権者の関心は向きにくい」と語った。

 結果は、最低の投票率。22日、記者会見を開いた自民党県連の前川收(おさむ)幹事長は「政治離れの進展、『馬場優勢』の報道、酷暑と複数の要因がある」と分析した。

 ただ、馬場さんの得票数は県内45市町村すべてトップ。自民党が比較的弱いとされる都市部の熊本市も制し、県連は、十分な支持を得たと受け止めている。

     ◇

 今回の参院選で県連の基盤はさらに強固になり、前川幹事長は記者会見で、「その分、我々の責任はさらに大きくなった」と語った。

 23日には環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に日本が参加し、秋には消費税増税の可否について判断が行われる。ともに中央と地方の事情の違いで意見が対立する可能性もある。

 「党本部との間であつれきを生むこともあるかもしれない。しかし、我々は党本部の下請け機関ではない」と前川幹事長。記者会見に同席した馬場さんも「地方のための仕事をやっていく」と45万票あまりの支持に応える決意を述べた。

(2013年7月23日 読売新聞)

2911チバQ:2013/08/04(日) 20:45:24
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/feature/kumamoto1374502771862_02/news/20130723-OYT8T01411.htm
戦い終わって 参院選
<下>民主、地方組織強化が課題



落選が確実になり事務所で頭を下げる松野さん(21日) 「地方組織の強化」。22日、民主党県連が開いた記者会見。参院選の敗北で幹部が口にした対策は、従来と同じだった。

 県連が1996年に発足して以来のテーマ。だが、いまだ強化はならず、国政選挙は毎回のように“風”頼み。今回、熊本選挙区では、県連代表でもある現職の松野信夫さん(62)が、自民党新人の馬場成志さん(48)に約23万票の差をつけられて落選した。

 「立て直しのため、人材(議員)を育てていく」。記者会見に臨んだ松野代表、鎌田聡・代表代行が、今後の対策として挙げるのは系列議員を増やすことだった。それが、地方組織の強化になるからだ。

 県議会(46人)の議員数を見ると、自民党が32人なのに対し、民主党は1人だけ。県連発足から17年。そのことが保守王国・熊本での地方組織の強化の難しさを如実に物語っている。

 民主党は昨年末の衆院選で政権から陥落し、参院選でさらに勢力をそがれた。

 「自民党が中央や県内の多くの自治体で与党を担い、民主党では魅力が乏しくも見える。どん底の中、議員を目指そうと手を挙げてくれる人は少ないかもしれない」。立て直しを決意する鎌田代表代行は、厳しい現実に弱気な発言も見せた。

     ◇

 日本維新の会県総支部も精彩を欠いた。衆院議員の松野頼久氏(比例九州)、園田博之氏(熊本4区)の県出身2人が党幹部を務めるが候補を擁立できずじまいだった。

 理由は二つあるとされる。一つは橋下共同代表によるいわゆる従軍慰安婦問題の発言による支持率の低下。もう一つは園田氏が自民党出身で早々に馬場さんの支援を決めたからだ。

 結果、県内の比例選の得票は6万1416票。昨年末の衆院選の比例票から10万5000票近く減らした。松野氏は23日、取材に対し、「厳しい結果だったが、今回は試練と受け止め党勢拡大に努めたい」と巻き返しを誓ったが、「将来的には野党内での政界再編も起こりうる」と語った。

 同衆院選で県選出の国会議員がゼロとなった社民党県連。今回は松野さんを後方支援した。落選したことで国政に対する存在感がさらに薄くなった。「自民への抑止力として地域で発言し、存在感を高めていくしかない」。前衆院議員の中島隆利代表の発言も苦しげだ。

 一方、共産党県委員会。選挙区では落選したものの、得票数は前回選の約2倍の5万8982票を獲得。都議選以来続く勢いを県内でも示した。「反自民の受け皿として有権者の選択肢になったと、手応えを感じた」と久保山啓介委員長。野党の県組織の中で唯一、笑顔で戦いを振り返った。

(この連載は北川洋平、出水翔太朗が担当しました)

(2013年7月24日 読売新聞)

2912チバQ:2013/08/04(日) 20:49:03
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/feature/akita1374512477332_02/news/20130723-OYT8T00175.htm
13参院選 検証
どん底で改心 組織力発揮



参院選前の自民党県連のパーティーで壇上に立った中泉氏(右端)と、県選出の党国会議員4人。支援者ら約1500人に衆参選挙区の議席独占を想像させ、結束を促した(5月18日、秋田市のホテルで) 「国でも与党、県でも与党。県民の思いを実現する、秋田のためになる非常にいい状態だと思う」。参院選から一夜明けた22日、自民党県連会長の金田勝年(63)は、記者会見で満足げに述べた。中泉の初当選で、自民が2003年以来となる衆参の県内選挙区5議席を独占したからだ。

 かつて重鎮政治家を擁し、「保守王国」を誇った秋田の自民は、03年の衆院選を機に崩壊に向かった。秋田1区で当時民主の寺田学(36)が初当選すると、04、07年の参院選で無所属候補(後に民主に合流)に連敗。09年衆院選の3小選挙区で全敗し、民主の衆参選挙区の独占につながった。

 「完敗中の完敗。立て直しに10年はかかると思った。『自民党はもう駄目』と言われ、支持者が離れていった」。自民党県連幹事長の県議・鶴田有司(61)は、4年前を述懐する。

 そのどん底を味わい、変わり始めたという。「選挙の実動部隊の県議や市町村議が、『これでは駄目だ』と改心した。徹底して地域を歩き、支持を訴え続けた」。鶴田は「これこそが、民主政権下でも自民の組織を維持できた理由」とみる。

 07年参院選では、自民候補の遊説に県議が同行しない時もあった。だが、石井浩郎(49)を擁立した10年参院選では組織力を発揮し、徹底したどぶ板選挙と石井の知名度の高さで圧勝。民主への逆風があった昨年の衆院選は、3小選挙区の議席を奪還した。残る参院の1議席で白羽の矢が立ったのが中泉だった。

 県連幹部は「若く清潔感があり、県議経験もある。無党派層に浸透できる要素がある」と口をそろえた。連立政権を組む公明党の支持母体・創価学会の秋田の役員によると、学会内には「自民候補を応援するなら中泉」と、かねて待望論があったという。

 ただ、中泉は元地元テレビ局アナウンサーの松浦に知名度で劣る。全県で中泉を浸透させようと、遊説は常に国会議員、県議、市町村議が同行し、多い日には10人近くに。各後援会を通じて企業・団体に働きかけ、遊説先に動員した有権者に中泉を売り込んだ。

 中泉は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復の実現を徹底して訴えた。景気回復への期待が幅広い支持につながったが、それを下支えしたのが、自民の組織力だった。

 だが、その組織も安泰とはいえない。党県連によると、県内の党員はピークだった約15年前の約5万7000人から、約7000人まで落ち込んだ。支持団体の高齢化や、有力な支持基盤だった建設業界の衰退が主な要因だ。県連は年内にも党員を1000人増やし、組織の強化を目指すという。

 選対本部長を務めた県議の鈴木洋一(69)は「昔の足腰の強い自民党に戻ったかと言えば、そんな強さはないだろう」と考える。「今回は当初から優勢だったが、組織が緩まなかったのは、かつての根拠のない自信と傲(おご)りに対する反省があるから。議席を独占した今こそ、傲りを警戒しなければいけない」と自戒した。

(敬称略、石黒慎祐)

(2013年7月23日 読売新聞)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板