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『解析概論』輪読

71Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/08(木) 01:01:01
>あと本文中に「α以外に各区間に共通なる数の存在しないことは仮定(2°)によって明白である。」
>とありますが、僕にとってはそんなに明白ではありませんでした(なかなか直感が働かないので)。
>これが「lim[n→∞](a_n)=lim[n→∞](b_n)=αによって明白である」と書いてあるのなら、かなり明白です。
>例えばx<αなる実数xも全ての区間に共通だとすると、lim[n→∞](a_n)=αよりx<a_n<αなるa_nが
>存在するはずなので矛盾します。

>>33では各区間に共通な数の一意性の証明を書き忘れてましたね。補足しましょう。

各区間に共通な数がαの他にもう1つあるとしてこれをγとする.
α<γだとするとある番号Nより大きなnについて
b_n-a_n<γ-αとなるが,これはa_n≦α<γ≦b_nに反する.
γ<αだとしても同様.■

明白っていう科白は文字通り受け取らなくてもいいと思いますよ。
明白とか自明とか明らかとかいう文字を見たら、教育的だから演習にしますよ
っていうメッセージだと思いましょう。

72たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 01:23:10
>>26まで読んだ。問題なしです。

>>5
うちの微積の授業を担当した教授は
aはSの上限である
⇔(1)∀x∈Sに対して、x≦a
 (2)∀ε>0に対して、∃x∈S s.t. a-ε<x
ってやってました。
こっちの方がε-Nとの兼ね合いで使いやすいかなって気がします。
例えば、>>21とかで。

続き読み進めます。RSKTTM氏が帰ってくるまでに追いついとくつもりで。

73Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/08(木) 02:05:18
>>72
参加してくれますか!!
うれしいね。
よろしければ>>24-25であげた問題もドゾー。

74たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 02:36:11
>>73
担当するのは時間かかるんで考え中なんですが、つっこみはやるつもりなんで遅れないように読んでいこうかなぁと。

75Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/08(木) 02:42:11
>>74
ええ。どうぞどうぞ。突っ込みだけでも大歓迎ですよ!!

76たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/09(金) 03:17:07
>>44まで読んだ。なかなか追いつかないorz

>>30
ε-Nって凄いって初めて思ったのがこの証明見たときでした。
こうやったら無限個を有限個にして扱えるんだなぁって。

>>37
l_(n_0+1)∈[a_(n_0+1)-ε/2,a_(n_0+1)+ε/2)
m_(n_0+1)∈(a_(n_0+1)-ε/2,a_(n_0+1)+ε/2]
より0≦l_(n_0+1)-m_(n_0+1)<ε.
かな。

>>43
>|a_{2n}-1|=1/n≦1/N<ε.よってlim[n→∞]a_{2n}=1である.
>α>1とすると,nが奇数や4で割って2余る自然数であるとするとa_n<1,
>1/(2(α-1))<n<1/(α-1)のとき(1+α)/2<a_(4n)<αであるがこれを満たすnは有限個である.
>よってlimsup[n→∞]a_n=1.
-1<a_n<3/2より{a_n}は有界なので、limsup[n→∞]a_n=αとおけて
∀n∈N;a_{4n}>1なのでα≧1.
しかし、仮にα>1であるとすると、
nが奇数や4で割って2余る自然数であるときa_n<1であること、及び
1/(2(α-1))<n<1/(α-1)のとき(1+α)/2<a_(4n)<αであるがこれを満たすnは有限個であることから、
αは>>39の(Ⅰ)の(1゚)の性質を満たさない。これはlisup[n→∞]=αであることに矛盾。
したがって、α=1
ってことですね。
ほんでもって、liminf[n→∞]a_n=βですね。

>>45
まだちゃんと読んでないですけど
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1110674207/272
とだいたい同じ方針ですね。

77たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/10(土) 01:41:06
>>45>>46の行間埋め。

α=ψ(α)+2πφ(α)
∴nα=nψ(α)+2πnφ(α)
ここで、x=nψ(α)とすれば、nψ(α)=ψ(nψ(α))+2πφ(nψ(α))
∴nα=ψ(nψ(α))+2π{nφ(α)+φ(nψ(α))}
0≦ψ(nψ(α))<2π,nφ(α)+φ(nψ(α))∈Nなので
ψ(nα)=ψ(nψ(α))

nψ(α)=2πとなる自然数nは存在しない。
もし、存在したとすると
nα-2πnφ(α)=2πより
nα=2π(nφ(α)+1)となり、任意の自然数nに対してnαがπの無理数倍であることに矛盾。

2π<nψ(α)となる最小のnをn_1とする.
nψ(α)=2πとなる自然数nは存在しないことより(n_1-1)ψ(α)<2π<n_1ψ(α)<4π.
∴ψ(α)=n_1ψ(α)-(n_1-1)ψ(α)>n_1ψ(α)-2π=ψ(n_1ψ(α))=ψ(n_1α)
∴ψ(n_1α)<ψ(α)

>2π<nψ(n_1α)となる最小のnをn_2とすると0<ψ(n_2α)<ψ(n_1α),
0<ψ(n_1n_2α)<ψ(n_1α)となるので、改めてn_1n_2をn_2と置きなおす。
じゃないですか?

>(d-1)lim[k→∞]ψ(n_kα)≦2π<dlim[k→∞]ψ(n_kα)なる自然数dが存在する
>このとき0<ψ(dlim[k→∞]ψ(n_kα))<lim[k→∞]ψ(n_kα)であるが,
lim[k→∞]ψ(n_kα)≦ψ(n_lα)<lim[k→∞]ψ(n_kα)+{(lim[k→∞]ψ(n_kα)-ψ(d*lim[k→∞]ψ(n_kα)))/d}
>なる自然数lがとれるので
ここはイコールがいりますね。
(d-1)lim[k→∞]ψ(n_kα)≦2π<dlim[k→∞]ψ(n_kα)なる自然数dが存在するから直ちにいえるのは
0<ψ(dlim[k→∞]ψ(n_kα))≦lim[k→∞]ψ(n_kα)です。
でも、このままだと次の論証がとちくるっちゃうんで、イコールをはずさないといけない。

もし、∃i∈Nに関してi*lim[k→∞]ψ(n_kα)=2πが成り立ったとすると、
lim[k→∞]ψ(n_kα)=2π/i
∀ε>0に対して、∃m_0∈Nをとれば、m_0<kなる任意のkにおいて0≦ψ(kα)-2π/i<ε
∴0≦i*ψ(α)-2π<i*ε
n_(k+1)の定め方より、
∴0≦ψ(n_(k+1))≦i*ψ(n_kα)-2π<i*ε
従って、m_0+1以上の任意のkに対して|ψ(n_k)|<i*ε
iはεによらない定数なので、lim[k→∞]ψ(n_k)=0となり矛盾.
ゆえに、任意の自然数nについてi*lim[k→∞]ψ(n_kα)≠2πが成り立つ。

よって、(d-1)lim[k→∞]ψ(n_kα)<2π<dlim[k→∞]ψ(n_kα)なる自然数dが存在する。
このとき0<ψ(dlim[k→∞]ψ(n_kα))<lim[k→∞]ψ(n_kα)であるが,
lim[k→∞]ψ(n_kα)≦ψ(n_lα)<lim[k→∞]ψ(n_kα)+{(lim[k→∞]ψ(n_kα)-ψ(d*lim[k→∞]ψ(n_kα)))/d}なる自然数lがとれるので

って感じですね。

78たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/10(土) 02:43:01
今日は>>56まで。
>>45,>>46以降は特に問題なしです。

>>53
>AP_n<1/nなるSの点P_nをとれば
これが取れるのは選択公理によるものだってのが「選択公理と数学」って本にのってた気がします。
M_n={P|AP<1/n,P∈S}とすればM_n≠φであるので、
選択公理より、Π[n∈N]M_n≠φ
従って、(P_n)_(n∈N)∈Π[n∈N]M_nなる点列が取れるって感じで。

79たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/10(土) 13:19:14
>>60
>AはFを覆う無数の円のうちのどれか1つに含まれる
Fが閉なので、集積点がどれかの円に含まれないといけないってのが重要ですね。

>解析概論では,函数y=f(x)の定義域はyが実数の値となるような
>xのとりうる最も広い範囲と解釈しているようです.
そんな解釈してますか?
xの区間を定めて、そこで各xに対してyの数値が定まるとき、yはxの函数であり、先に定めた区間が定義域である。
って感じで書いてますよ。
例ではそう解釈してるようにも見えますが。

>>63
>例 x∈[0,1]∩Qでy=0,¬(x∈[0,1]∩Q)でy=1とすればyは[0,1]におけるxの函数.
x∈[0,1]∩Qでy=0,x∈[0,1]∩Q^cの間違いですね。


やっと追いつきました。大筋問題なしです。
解析概論は数式使わずに日本語で説明しようとして、定義があいまいになるきらいがありますね。

80Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/10(土) 21:36:57
>>76

>>30
>ε-Nって凄いって初めて思ったのがこの証明見たときでした。
>こうやったら無限個を有限個にして扱えるんだなぁって。

「収束列は有界(>>17)」なんかもそうですね。

>>37
>l_(n_0+1)∈[a_(n_0+1)-ε/2,a_(n_0+1)+ε/2)
>m_(n_0+1)∈(a_(n_0+1)-ε/2,a_(n_0+1)+ε/2]
>より0≦l_(n_0+1)-m_(n_0+1)<ε.
>かな。

失礼。そのとおりです。

81Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/10(土) 21:38:11
>>43へのコメント

舌ったらず失礼。そのとおりです。

>>77
>一段目
はい。そのとおり。

>二段目
そのとおりです。

>三段目
そのとおりです。

>四段目
ああそうです。そうかいたてたつもりでした。スマソ。

82Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/10(土) 21:38:41
>五段目
うー致命的ミスですね。ψ(n_kα)が全部2πの無理数倍でも
lim[k→∞]ψ(n_kα)は2πの整数倍かもしれないんですね。

>六段目の補足証明。
乙です。つーか、尻拭いさせてしまってすんません。
ψ(α)はψ(kα),ψ(n_(k+1))はψ(n_(k+1)α),ψ(n_k)はψ(n_kα)
ですよね。

83Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/10(土) 21:39:11
>>78
「選択公理と数学」どこいったんかなー。ちょっとヤサガシしないと
でてこないなー。一つ一つのMnは空でなくても、点列{P_n}の存在は
選択公理による保障がいるってわけか。うーむ、P_nが帰納的に定義できたり
「一般項」を与える方法が分かってるわけじゃなく、各nに対するP_nの
存在が分かってるだけだから、厳密には(可算)選択公理が必要か。

84Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/10(土) 21:39:43
>>79
>一段目
まさしく。

>二段目。
本文にはたしかにそう書いてある(ただし始集合は定義域じゃなくって「定義区間」)
んですが、例には「区間(-∞,∞)内のすべての点xに対してyの値をy=x^2によって
与えれば,yは区間(-∞,∞)で定義されたxの函数である」などという書き方ではなく
「y=x^2とすれば,yは区間(-∞,∞)におけるxの函数である」と、あたかもx→x^2なる
対応が与えられれば、その対応に応じて定義区間が定まるような書き方をしてるように
見えるから、>>62のように書きました。

>三段目
そうです。「∈の否定の記号、機種依存文字ちゃうか?どうしよ。まあ¬
使っとくか。」って考えて¬のかかる範囲への注意がどっかへ行ってしまったようです。
スマソ。

85Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/10(土) 21:42:17
精読訂正補足証明、本当にありがとうございます。
数々の間違い、読みにくい文章すんませんでした。
自分で読み返しても、わかり辛かった。
これに懲りずに今後ともよろしく。
なお、IEでみるとき(省略されました。云々)がでない
ようにするため、1レス25行までが一応推奨です。

九節はもう少しお待ちを。

86たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/10(土) 22:31:46
>>82
>乙です。つーか、尻拭いさせてしまってすんません。
いえいえ、>>45の証明は自分ではできるかどうかw
一年のとき、演習で出されて解けなかったし。
結局誰も発表しなくて、解答がわからずじまいになってたんで、すっきりしました。

>ψ(α)はψ(kα),ψ(n_(k+1))はψ(n_(k+1)α),ψ(n_k)はψ(n_kα)
>ですよね。
あう。そうです。

87たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/10(土) 23:03:02
>>83
この辺は選択公理が必要かどうか、気づきにくいところですよね。
だいたいの教科書では{P_n}が取れることなんて、サラッと流してるし。

しっかし、選択公理が必要か必要じゃないかってなんか明晰判明にわかった気がしないんだなー。

>>84
>「y=x^2とすれば,yは区間(-∞,∞)におけるxの函数である」と、あたかもx→x^2なる
>対応が与えられれば、その対応に応じて定義区間が定まるような書き方をしてるように
>見えるから、>>62のように書きました。
なるほど。確かにそんな書き方ですね。

>>85
>なお、IEでみるとき(省略されました。云々)がでない
>ようにするため、1レス25行までが一応推奨です。
了解!

88Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:41:27
9. 連続的変数に関する極限
ある範囲で定義された点Pの函数f(P)について,Pが定点Aに限りなく近づくとき,
函数の値f(P)が一定の値αに近づくなら,αをAにおけるf(P)の極限といい,
P→Aのときf(P)→αとか,lim{P→A}f(P)=αとかく.これは詳しく言えば,
任意の正数εに対して,ある正数δが存在して,AP<δなら|f(P)-α|<ε
ならしめることができるということである.
また,任意の正数Mに対して,ある正数δが存在して,AP<δならf(P)>Mとできるとき,
lim{P→A}f(P)=∞,
任意の正数Mに対して,ある正数δが存在して,AP<δならf(P)<-Mとできるとき,
lim{P→A}f(P)=-∞である.

なお二次元において,P=(x,y),A=(a,b)とおくと,
任意の正数εに対して,ある正数δが存在して,AP<δなら|f(P)-α|<ε
とできるなら,|x-a|<δ/√{2},|y-b|<δ/√2なら|f(P)-α|<εとできるし,
任意の正数εに対して,ある正数δが存在して,|x-a|<δ,|y-b|<δならば
|f(P)-α|<εとできるとすればAP<δなら|f(P)-a|<εとできる.

89Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:41:59
したがってlim{P→A}f(P)=αの定義を,
「任意の正数εに対して,正数δが存在して,|x-a|<δ,|y-b|<δならば
|f(P)-α|<εとできる」にしてもかまわない.
なお一次元におけるlim{x→∞}f(x)=αの定義は,
任意の正数εに対して,正数Mが存在し,x>Mであるなら|f(x)-α|<ε,
lim{x→-∞}f(x)=αの定義は,
任意の正数εに対して,整数Mが存在し,x<-Mであるなら|f(x)-α|<ε
である.

90Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:42:32
命題 点Pを含む範囲で定義された函数f(P),g(P)について,
P→Aのときf(P)→α,g(P)→βならば,
(1°) lim{P→A}(f(P)+g(P))=α+β.
(2°) lim{P→A}(f(P)-g(P))=α-β.
(3°) lim{P→A}(f(P)g(P))=αβ.
(4°) lim{P→A}{f(P)/g(P)}=α/β.
ただし(4°)においては,β≠0である.

証明 (1°) 任意の正数εに対して,ある正数δ_1が存在し,AP<δ_1ならば
|f(P)-α|<ε/2とでき,このε/2に対しある正数δ_2が存在し,AP<δ_2ならば
|g(P)-β|<ε/2とできるので,δ_1,δ_2の大きくない方をδとおくと
AP<δなるPに対して
|(f(P)+g(P))-(α+β)|≦|f(P)-α|+|g(P)-β|<ε.

(2°) 任意の正数εに対して,ある正数δ_1が存在し,AP<δ_1ならば
|f(P)-α|<ε/2,とでき,このε/2に対しある正数δ_2が存在し,AP<δ_2ならば
|g(P)-β|<ε/2とできるので,δ_1,δ_2の大きくない方をδとおくと
AP<δなるPに対して
|(f(P)-g(P))-(α-β)|≦|f(P)-α|+|g(P)-β|<ε.

91Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:43:02
(3°) 任意の正数εに対して,ある正数δ_1が存在し,AP<δ_1ならば
|f(P)-α|<ε/2|β|とできる.このとき|f(P)|<|α|+ε/2|β|.
このε/2|β|と|α|+ε/2|β|に対してある正数δ_2が存在し,AP<δ_2ならば
|g(P)-β|<ε/2(|α|+ε/2|β|)とできるので,δ_1とδ_2の大きくない方をδとおくと
|(f(P)g(P))-(αβ)|=|f(P)g(P)-f(P)β+f(P)β-αβ|
≦|f(P)||g(P)-β|+|f(P)-a||β|<ε.

(4°) 任意の正数εに対して,ある正数δ_1が存在してAP<δ_1ならば
|g(P)-β|<ε/2|β|^2とできる.
また正数|β|に対して正数δ_2が存在してAP<δ_2ならば,
|g(P)|>|β|/2とできる.よってδ_1とδ_2の大きくない方をδとおくと,
AP<δなるPに対しては
|(1/g(P))-(1/β)|=|g(P)-β|/|g(P)||β|<ε.■

92Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:43:39
例 連続的変数xに対してlim{x→∞}(1+1/x)^x=e.

証明 n≦x<n+1なる自然数nに対して,
{(1+1/(n+1))^{n+1}/(1+1/(n+1))}=(1+1/(n+1))^n
<(1+1/x)^n<(1+1/x)^x<(1+1/x)^{n+1}<(1+1/n)^{n+1}
=(1+1/n)^n*(1+1/n).
>>31の例5より
lim{n→∞}(1+1/n)^n=e,また>>18の定理5(4)より
lim{n→∞}{(1+1/(n+1))^{n+1}/(1+1/(n+1))}=e.
よって任意の正数εに対してある自然数Nが存在してn≧Nなら
e-ε<{(1+1/(n+1))^{n+1}\over(1+1/(n+1))}<(1+1/x)^x<(1+1/n)^n<e+ε.
したがってlim{x→∞}(1+1/x)^x=e.■

93Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:44:42
例 lim{x→0}(sin x/x)=1.

証明 もしx>0の範囲でlim{n→∞}(sin x/x)=1が示されていれば,
任意の正数εに対して正数δがあってx<δなるxに対して|sin x/x-1|<εとできる.
sin(-x)/(-x)=sin x/xであるので,|x|<δなるxに対しても|sin x/x-1|<εとできる.
よってx>0のときlim{x→0}(sin x/x)=1であることを示せばよい.
0<x<π/2として,平面上に中心をO,半径を1とする中心角2xの円弧を描く.
円弧の両端点をA,Bとし扇型OABを考える.∠AOBの二等分線と線分ABの交点をH,
直線OHと円弧ABの交点をK,点A,Bにおける円弧の2接線の交点をCとする.
このとき三角比の定義よりAM=sin x,AC=tan x,弧AK=xである.
弧ABの長さは第三章四十節で後述するように,弧AB上にいくつかの点をとって
それらを結んでできる折れ線の長さたちの上限であるので
線分ABの長さは弧ABの長さより大きくはない.
弧AD上の二点を結ぶいかなる線分も線分ACと鋭角をなす.
したがって弧AB上のいかなる折れ線の長さよりも折れ線ACBの長さのほうが大きい.
よって弧ABの長さは折れ線ACBの長さより小さくはない.
即ち0<x<π/2のとき0<sin x<x<tan x.これよりcos x<sin x/x<1.
0<sin x<xよりlim{x→0}sin x=0,
>>90の命題(2°),(3°)よりlim{x→0}cos x=lim{x→0}(1-2sin^2(x/2))=1.
したがって任意の正数εに対してある正数δが存在し0<x<δなるxに対して,
1-cos x<εならしめることができる.よって1-sin x/x<εならしめることもできる.■

94Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:45:20
命題 点Pの函数f(P)に対して,lim{P→A}f(P)=lであるなら,
Aに近づく任意の点列{P_n}に対してlim{n→∞}f(P_n)=l.

証明 lim{P→A}f(P)=lなら,任意の正数εに対して正数δがあって,
AP<δを満たすPに対して|f(P)-l|<εとできる.lim{n→∞}P_n=Aなら,
ある自然数Nがあってn≧NであればAP_n<δなので,このとき|f(P_n)-l|<ε.■

95Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:45:51
命題 任意の点Aに近づく点列{P_n}に対して数列{f(P_n)}が収束するなら,
これらの数列は皆同じ値に収束する.またこの極限値をlとおくと,lim{P→A}f(P)=l.

証明 lim{n→∞}P'_n=A,lim{n→∞}f(P_n)=l,lim{n→∞}f(P'_n)=l'であるとする.
点列{P''_n}をP''_{2n-1}=P_n,P''_{2n}=P'_nと定義するとlim{n→∞}P''_n=A.
したがって{f(P''_n)}は収束する.lim{n→∞}f(P''_n)=l''とおくと,
{f(P_n)}も{f(P'_n)}も{f(P''_n)}の部分列であるので,>>15の定理3よりl''=l=l'.
lim{P→A}f(P)=lでないとすると,ある正数εがあって,
任意の正数δに対してAP<δであるが|f(P)-l|≧εなるPが存在することになる.
したがって任意の自然数nに対してAQ_n<1/nであるが|f(Q_n)-l|≧εなるQ_nがとれる.
したがって選択公理によりAに近づく点列{Q_n}でlim{n→∞}f(Q_n)=lとならないものが
あることになる.不合理.■

96Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/11(日) 05:47:21
>>94の命題と>>95の命題によりlim{P→A}f(P)=lであることと,
任意のAに収束する点列{P_n}に対してlim{n→∞}f(P_n)=lであることが,
同値であることが示された.
要するに連続的変数に関する極限を,数列の極限に帰着する術を得たわけである.

よって連続的変数に関してもCauchyの判定法は考えることができるし上極限,
下極限も定義できる.即ち>>36の定理によって函数f(P)に対して
lim{P→A}f(P)が存在するための必要十分条件は,任意の正数εに対して,
ある正数δが存在して,AP<δ,AQ<δならば|f(P)-f(Q)|<εである.
またlimsup_{P→A}f(P)=lim{t→0}\sup_{0<AP<t}f(P),
liminf_{P→A}f(P)=lim{t→0}\inf_{0<AP<t}f(P)と定義すればよい.
limsup_{P→A}f(P)=liminf_{P→A}f(P)=lであるならlim{P→A}f(P)=lである.

97たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/24(土) 04:08:00
>>91
(3゜)
β=0のとき
ある正数δ_1がとれて、AP<δ_1ならば|f(P)-α|<1.このとき、|f(P)|<|α|+1
ε/(|α|+1)に対して、ある正数δ_2がとれて、AP<δ_2ならば|g(P)|<ε/(|α|+1)
δ_1とδ_2の大きくない方をδとおくとAP<δのとき
|(f(P)g(P))-(αβ)|=|f(P)||g(P)|<ε

>>93
>このとき三角比の定義よりAM=sin x,AC=tan x,弧AK=xである.
AH=sin xですね。

>弧AD上の二点を結ぶいかなる線分も線分ACと鋭角をなす.
>したがって弧AB上のいかなる折れ線の長さよりも折れ線ACBの長さのほうが大きい.
ここ表現が分かりにくい気がする。
弧AB上の点P_1・・・P_nを結ぶ折れ線をとったとき、各P_iからそれぞれOCと
平行な直線を引いて、そのそれぞれの直線とACとの交点をP'_1・・・P'_nとすると
P_iP_(i+1)<P'_iP'_(i+1)となるから
(∵OCをx軸としたときのACの傾きとP_iP_(i+1)の傾きを比較して)
AC=Σ[1,n-1]P'_iP'(i+1)>Σ[1,n]P_iP(i+1)=(折れ線の長さ)
よって、弧ACの長さよりも線分ACの長さの方が大きい。って感じかなぁ。

あとは問題なしです。

98Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 22:33:37
>>97
ありゃ、また補完させてしまった。すんません。

10. 連続函数
ある範囲で定義された点Pの函数f(P)について,Pが定点Aに限りなく近づくとき,
函数の値f(P)が一定の値f(A)に近づくなら,即ちlim_{P→A}f(P)=f(A)であるとき,
f(P)はAにおいて連続であるという.

ε-δ式にいえば,
任意の正数εに対して,ある正数δが存在して,AP<δなるPに対し|f(P)-f(A)|<εならしめるとき,
f(P)はAで連続なのである.

ある範囲でのすべての点で連続な函数を,その範囲において連続であるという.

命題>>90により,ある範囲で連続な2つの函数の和,差,積,商はその範囲で連続である.
商については分母が0でない点においてのみ連続である.
定数函数や恒等函数は連続であるから,それらの和,差,積,商で表される多項式で表される函数,
有理関数は連続である.

99Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 22:38:43
|sin(x+h)-sin x|=|sin((x+h/2)+(h/2))-sin((x+h/2)-(h/2))|
=|2cos(x+h/2)sin(h/2)|≦2cdot1cdot|h/2|=|h|なので
sin xは(-∞,∞)で連続,
|cos(x+h)-cos x|=|cos((x+h/2)+(h/2))-cos((x+h/2)-(h/2))|
=|-2sin(x+h/2)sin(h/2)|≦2cdot1cdot|h/2|=|h|なので
cos xは(-∞,∞)で連続,
tan xは命題>>90によりnを整数として,すべてのnに対するx≠((2n-1)π)/2で連続である.
独立変数が実数である函数においては,
正数εに対してある正数δが存在して,a<x<a+δなるxに対して
|f(x)-α|<εが成り立つときをlim_{x→a+0}f(x)=αとかf(a+0)=αと書く習慣である.
xが減少しながらaに近づくときf(x)がαに近づくとき,このように書くのである.
正数εに対してある正数δが存在して,a-δ<x<aなるxに対して
|f(x)-α|<εが成り立つときをlim_{x→a-0}f(x)=αとかf(a-0)=αと書く習慣である.
xが増加しながらaに近づくときf(x)がαに近づくとき,このように書くのである.

100Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 22:46:12
f(a-0),f(a+0)の定義より直ちに f(a-0)=f(a+0)=α⇔lim_{x→a}f(x)=αである.
f(a-0)=f(a)のときf(x)はx=aで左連続,f(a+0)=f(a)のときf(x)はx=aで右連続であるという.
左連続と右連続の定義から直ちに,f(x)がx=aで連続であるためには,
f(x)がx=aで左連続かつ右連続であることであることが必要かつ十分であることが分かる.
函数f(x)が閉区間[a,b]で連続であるとは,f(x)が開区間(a,b)で連続,
x=aで右連続,x=bで左連続であることを指す.

>>63の4つ目の例の函数をf(x)とすればf(x)は[-1,1]で連続である.
実際,f(-1)=0,f(0)=1,f(1)=0,hが0<h<1を満たす実数なら
f(-1+h)-f(-1)=f(0)-f(-h)=f(0)-f(h)=f(1-h)-f(1)=hだから
f(-1+0)=f(-1),f(0-0)=f(0+0)=f(0),f(1-0)=f(1)である.

>>65の2つ目例の函数をf(x)とすればf(x)は(-∞,∞)で連続,
実際,x≠0だと
|sin{1/(x+h)}-sin{1/x}|
=|sin({{1/(x+h)}+{1/x}/2}+{{1/(x+h)}-{1/x}/2})
-sin({{1/(x+h)}+{1/x}/2}-{{1/(x+h)}-{1/x}/2})|
=|2cos{{1/x+h}+{1/x}/2}sin{{1/x+h}-{1/x}/2}|
≦|{1/x+h}-{1/x}|.

101Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 23:01:41
函数xは連続であるからある正数δ_1が存在して|h|<δ_1なるhに対して,
|x+h-x|<|x|/2.よって|x+h|>|x|/2.
任意の正数εに対して,ある正数δ_2が存在して|h|<δ_2なるhに対して,
|x+h-x|<ε|x|^2/2とできるので,
任意の正数εに対してδ_1,δ_2の大きくないほうをδとすると
|h|<δなるhに対して
|sin{1/(x+h)}-sin{1/x}|≦{|x+h-x|/|x||x+h|}<ε
とできる.よってsin{1/x}はx≠0で連続,命題>>90よりx≠0でf(x)も連続.
x>0なら|f(-x)-f(0)|=|f(x)-f(0)|≦xだからf(x)はx=0でも連続である.

>>79の函数をf(x)とおけばf(x)は各点で不連続である.
その証明. x∈(0,1]のとき,[(10^n)x]/10^n=x_nとおくと
数列{x_n}は{x_n}⊂(0,1]∩Qで,lim_{n→∞}x_n=xでlim_{n→∞}f(x_n)=0.
すべての自然数nに対してn√2/(n√2+1)は無理数であり,lim_{n→∞}(n√2/(n√2+1))=1.
よって(n√2/(n√2+1))x_n=y_nとおくと,数列{y_n}は{y_n}⊂(0,1]∩Q^cで,
命題>>90よりlim_{n→∞}y_n=xでlim_{n→∞}f(y_n)=1.
よって命題>>94と命題>>95により{lim_{t→x}}f(t)は存在しない.
x=0で不連続であることも同様に示される.実際lim_{n→∞}{1/n}=0で,
lim_{n→∞}f(1/n)=0だが,lim_{n→∞}{1/√{2}n}=0で,lim_{n→∞}f(1/√{2}n)=1.■

102Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 23:03:12
命題 函数f(x)に対して,lim_{x→a-0}f(x)=αであるなら,
aに近づく任意の増加数列{x_n}に対してlim_{n→∞}f(x_n)=α.

証明 任意の正数εに対してある正数δが存在してa-δ<x<aなるxに対して|f(x)-α|<εである.
いま,増加数列{x_n}がlim_{n→∞}x_n=aを満たすとすると,このδに対して,
ある自然数Nが存在してn≧Nのときa-δ<x_n<a.
よって,任意の正数εに対してある自然数Nが存在して,n≧Nに対して|f(x_n)-α|<ε.■

103Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 23:07:35
命題 函数f(x)が与えられているとする.
aに近づく任意の増加列{x_n}に対して数列{f(x_n)}は収束するなら,
これらの数列は皆同じ値に収束する.またこの極限値をαとおくと,lim_{x→a-0}f(x)=α.

証明 {x_n},{x'_n}をともにaに近づく増加列とし,lim_{n→∞}f(x_n)=α,lim_{n→∞}f(x'_n)=α'とする.
m∈{n∈N;a-1<x_n<a}=n_1としx''_1=x_{n_1}とおく.
m∈{n∈N;x''_1<x'_n<a}=n_2としx''_2=x'_{n_2}とおく.
m∈{n∈N;x''_2<x_n<a}=n_3としx''_3=x_{n_3}とおく.
この操作を繰り返してつくった数列{x''_n}はaに近づく増加列であるので
lim_{n→∞}f(x''_n)は存在する.この値をα''とおく.
{f(x''_n)}は{f(x_n)},{f(x'_n)}の部分列をともに部分列として含むので定理>>15よりα''=α=α'.
ある正数εが存在して,任意の正数δに対してa-δ<x<aであっても|f(x)-α|≧εであるxが存在したとする.
そうするとa-1<y_1<aであって|f(y_1)-α|≧εであるy_1が取れ,
(y_1+a)/2<y_2<aであって|f(y_2)-α|≧εであるy_2が取れ,
(y_2+a)/2<y_3<aであって|f(y_2)-α|≧εであるy_3が取れる.
この操作を繰り返して作った数列{y_n}はaに収束する増加列であるので
lim_{n→∞}f(y_n)=αである.不合理.■

104Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 23:14:40
開区間(a,b)で定義された函数f(x)においてf(a+0)が有限であるならf(a)=f(a+0)と定めれば,
f(x)を[a,b)で定義された関数に拡張できる.このとき拡張されたf(x)はx=aで右連続である.
先に見たようにf(x)=xsin(1/x)なる関数はx≠0で定義された函数であるがf(0)=0と定めれば,
(-∞,∞)で定義された連続関数に拡張される.このように未定義な点があることによって,
不連続になってしまう函数は適当な補正によって連続函数に拡張されることが多い.
たとえば,f(x)=(x^2-1)/(x-1)はx=1で未定義であるがf(1)=2と定めれば(-∞,∞)で定義された連続函数に拡張できる.
ある区間で定義された函数f(x)が増加であるとすると,定義域内にある点aに対して
f(a-0),f(a+0)は有限確定である.実際,aに収束する増加列{x_n}をひとつとると,
数列{f(x_n)}も増加列であるが,すべての自然数nに対してx_n≦aであるからf(x_n)≦f(a).
即ち{f(x_n)}は有界な単調列であるから,定理>>20によって{lim_{n→∞}}f(x_n)は存在する.
したがって命題>>103によってf(a-0)は有限確定である.このときf(x_n)≦f(a)よりf(a-0)≦f(a).
同様にf(a+0)も有限確定でf(a)≦f(a+0).したがってもしf(a-0)=f(a+0)であるなら
f(a-0)=f(a)=f(a+0)であるからf(x)はx=aで連続となる.
f(a-0)<f(a+0)ならf(x)はx=aで不連続である.

105Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/10(月) 23:21:04
えー。実はtex原稿をテキストに変換しながらうpしています。
tex原稿は10節まで出来上がってます。

ちょと休憩してから続きをうpします。

106Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:06:46
>>63の最後の例の函数は不連続点が稠密に分布されている増加関数である.

証明 {a/2^n;aは正の奇数,n∈N}=Aとおくと,任意の正数εに対して
|((a+2)/2^n)-(a/2^n)|<εならしめるnは存在するのでAの点は,稠密に分布されており,
a/2^n=((a-1)/2)/(2^(n-1))+(1/2^n)
=(((a-1)/2)/(2^(n-1)))+(1/2^(n+1))*2
=(((a-1)/2)/(2^(n-1)))+(1/2^(n+1))*(1/(1-(1/2)))
=(((a-1)/2)/(2^(n-1)))+(1/2^(n+1))��_{k=0}^∞(1/2^k)
と{(a/2^n)+(1/2^m)}がnを固定すればa/2^nに収束する減少列であることから
f((a/2^n)-0)=f((((a-1)/2)/(2^(n-1))))+(1/(9*10^n)),
f((a/2^n)+0)=f(a/2^n)=f((((a-1)/2)/(2^(n-1))))+(1/10^n)
となり各a/2^nにおいてf((a/2^n)-0)<f((a/2^n)+0)となる.

107Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:07:29
増加であることは次のように示される.
各項の値がが0と1のどちらかであるような数列全体の集合を{0,1}^Nとおくと,
0<x<1を満たすxに対して{0,1}^Nの元{x_n}が対応して,
x=��_{n=1}^∞{x_n/2^n}と書け,f(x)=��_{n=1}^∞{x_n/10^n}.
2の冪が分母である有理数は有限二進数で書くという注意によって,
ある自然数mがあってn≧mならx_n=1ということはあり得ない.
よってxに対する{x_n}の定まり方は一意的である.
したがって{x_n}はxの"函数"とみなせるので
φ(x)={x_n},x_n=φ(x)_nと書くことができる.
いまx<yであるとすると��_{n=1}^∞{φ(x)_n/2^n}<��_{n=1}^∞{φ(y)_n/2^n}である.
もし,すべての自然数nでφ(y)_n-φ(x)_n=0であるとすると
��_{n=1}^∞{φ(x)_n/2^n}=��_{n=1}^∞{φ(y)_n/2^n}となってしまうので,
φ(y)_n-φ(x)_n≠0となる自然数nが存在する.
自然数の整列性によりm∈{n∈N;φ(y)_n-φ(x)_n≠0}は存在するが,
m∈{n∈N;φ(y)_n-φ(x)_n≠0}=Nとおくと,
φ(x)の定義よりφ(y)_N-φ(x)_N=1または-1.
φ(y)_N-φ(x)_N=-1とすると,N以上のすべてのnに対してφ(x)_n=1ということはありえないので
��_{n=1}^∞{φ(x)_n/2^n}>��_{n=1}^∞{φ(y)_n/2^n}となってしまう.
したがってφ(y)_N-φ(x)_N=1.ゆえに1≦n<Nでφ(x)_n=φ(y)_n,φ(x)_N=0,φ(y)_N=1.
以上より��_{n=1}^∞{φ(x)_n/10^n}<��_{n=1}^∞{φ(y)_n/10^n}即ちf(x)<f(y).■

108Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:17:14
指数函数について
底aが1より大であり,指数tが有理数であるような指数函数a^tの意味と性質については既知として,
xが無理数であるときのa^xを定義し,指数函数を,全実数で定義される函数に拡張する.
無理数xに対して{x_n}⊂Qでlim_{n→∞}x_n=xである増加列{x_n}は存在する(c.f.>>48の例の証明).
{a^(x_n)}は増加列であり,x<bなる有理数bが必ず取れるので(たとえばxを十進表記したときの
少数第何位かを切り上げた数をbとすればよい){a^(x_n)}は有界増加列.
定理>>20によってlim_{n→∞}a^{x_n}が存在する.命題>>103によってこの極限値は
{x_n}のとり方によらず一意に決まる.これをa^xと定義する.

109Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:17:46
全実数で定義された指数函数a^xをa^x=f(x)とおくとf(x)は増加函数である.

証明 xが無理数,bが有理数だとしてx<bであるとする.
lim_{n→∞}x_n=xなる増加有理数列{x_n}をとると,
任意の番号nに対してf(x_n)<f(b)であるので定理>>17の証明の後段と同様の議論でf(x)≦f(b)であることがわかる.
またxに収束する減少有理数列も取れるので(たとえばxの十進少数表記の小数第n位を切り上げた数を第n項とする数列),x<b'<bなる有理数b'がとれ,f(x)≦f(b')<f(b)とできる.
このことからx<bなる有理数bについてf(x)<f(b)であることもわかる.
cがc<xなる有理数であるとすると,ある番号mが存在してn>mならc≦x_n<xとできるので
y_n=x_(m+n)とおくと,{y_n}はxに収束する増加有理数列で,すべての番号nでc≦y_n.
ゆえにすべての番号nでf(c)<f(y_n)だから,f(c)≦ f(x).
c<c'<xなる有理数c'が取れることを考えればf(c)<f(x).
r,sともに無理数で,r<sならr<p<sなる有理数pが取れるので(c.f.例>>48)f(r)<f(p)<f(s)となりf(r)<f(s)がわかる.■

110Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:19:59
f(x)は連続函数である.

証明 各xに対しp<x<q,q-p<1/nなる有理数p,qをとることができる.
このときf(p)<f(x)<f(q)でありf(q)-f(p)=f(p)(f(q-p)-1)<f(p)(f(1/n)-1).
>>27よりlim_{n→∞}f(1/n)=1だからf(q)-f(p)はnを大きくとれば,
いくらでも小さくすることができる.
f(p)<f(x-0)≦f(x+0)<f(q)であるのでf(x-0)=f(x+0).
またf(x-0)=f(x)であるのでf(x)は連続.■

0<a<1のときはa^x=(1/a)^{-x}と定義する.このときはa^xは連続な減少函数.1^x=1である.

111Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:24:10
f(x+y)=f(x)f(y).

証明 xに収束する増加有理数列を{x_n},yに収束する増加有理数列を{y_n}とする.
fは連続だから定理>>18を用いて
f(x+y)=f(lim_{n→∞}x_n+lim_{n→∞}y_n)=f(lim_{n→∞}(x_n+y_n))
=lim_{n→∞}f(x_n+y_n)=lim_{n→∞}(f(x_n)f(y_n))
=lim_{n→∞}f(x_n)lim_{n→∞}f(y_n)=f(lim_{n→∞}x_n)f(lim_{n→∞}y_n)
=f(x)f(y).■

112Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:24:44
f(x)^y=f(xy).

証明 xに収束する増加有理数列を{x_n},yに収束する増加有理数列を{y_n}とする.
f(x)^y=f(x)^{lim_{n→∞}y_n}=lim_{n→∞}f(x)^{y_n}
=lim_{n→∞}f(lim_{m→∞}x_m)^{y_n}
=lim_{n→∞}(lim_{m→∞}f(x_m))^{y_n}
=lim_{n→∞}(lim_{m→∞}f(x_m)^{y_n})
=lim_{n→∞}(lim_{m→∞}f(x_my_n))
=lim_{n→∞}(f(lim_{m→∞}x_my_n))
=lim_{n→∞}f(xy_n)=f(lim_{n→∞}xy_n)=f(xy).
ここでrを任意に固定された有理数であるとしたときのxの関数x^rが(0,∞)で連続であることを用いた.
この事実そのものは任意に固定された自然数nに対して,
xの関数x^{1/n}が(0,∞)で連続であることが分かれば,示される.
実際,x^{1/n}が(0,∞)で連続であるならrが正の有理数のときは命題>>90を有限回用いれば
x^rも(0,∞)で連続であるということが分かるし,
rが負の有理数のときは,x^r=(x^{-r})^{-1}なので
これも命題>>90によって(0,∞)で連続であることが分かる.
以下x^{1/n}が(0,∞)で連続であることを示す.
任意の正数εに対して|h|をxよりもnx^{(n-1)/n}εよりも小さくとると,
|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|=|h|/|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x^{1/n}+…+x^{(n-1)/n}|
≦|h|/|nx^{(n-1)/n}|<ε.■

113Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:25:28
a>0,b>0とすると(ab)^x=a^xb^x.

証明 xに収束する増加有理数列を{x_n}とすると,定理>>18より
(ab)^x=lim_{n→∞}(ab)^{x_n}=lim_{n→∞}(a^{x_n}b^{x_n})
=lim_{n→∞}a^{x_n}lim_{n→∞}b^{x_n}=a^xb^x.■

114Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/11(火) 01:28:36
二変数x,yの函数f(x,y)が連続であるならxを固定してyの函数と見たとき,
yを固定してxの函数と見たとき,それぞれ連続となるが,逆に,xを固定してyの函数と見たとき連続で,
yを固定してxの函数と見たとき連続であったとしても,二変数函数としては連続であるとは限らない.

証明 f(x,y)が連続であるとする.
xを固定してyの函数と見たf(x,y)をg_x(y)とおく.
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,√{k^2+l^2}<δであるなら
|f(x+k,y+l)-f(x,y)|<εとできる.
よって
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,|l|<δであるなら|g_x(y+l)-g_x(y)|<εとできる.
yを固定してxの函数と見たf(x,y)をh_y(x)とおく.
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,√{k^2+l^2}<δであるなら
|f(x+k,y+l)-f(x,y)|<εとできる.
よって
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,|k|<δであるなら|h_y(x+k)-h_y(x)|<εとできる.
(x,y)≠(0,0)でf(x,y)=2xy/(x^2+y^2),f(0,0)=0とおけば,f(x,y)はxを固定してyの函数と見たときも,
yを固定してxの函数と見たときも連続であるが(命題>>90よりわかる),二変数函数と見たときは(0,0)で不連続.
実際,任意の実数θに対して点列{(1/n,tanθ/n)}は(0,0)に近づくが,f(1/n,tanθ/n)=sin2θとなる.■

115Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:35:17
11. 連続函数の性質
この節では連続函数の性質として,中間値の定理,最大値の原理,
閉区間上での連続函数の一様連続性の3つの定理を証明する.
定理 f(P)を2点A,Bを含む範囲において定義された連続函数であるとする.
P_1,P_2,P_3,…,P_nを定義域内の点とし,これらの点をこの順で結んだ折れ線がすべて,
定義域内にあり,さらに,この折れ線上にA,Bが含まれているとする.
P_1からこの折れ線にそって測った距離がsである折れ線上の点をQ_sとし,
φ(s)=f(Q_s)とおく.
P_1から折れ線に沿って測ったAまでの距離をa,
P_1から折れ線に沿って測ったBまでの距離をbとし,
f(A)≠f(B)即ちφ(a)≠φ(b)とする.
このとき,任意のf(A)とf(B)の間の値μに対して,
a<c<b,φ(c)=μなる正の数cが存在する.

116Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:35:48
証明 f(A)<f(B)であるとする.φ(a)<μ<φ(b)なら
ψ(x)=φ(x)-μとおくとψ(a)<0<ψ(b).
命題>>90よりψ(x)は連続函数.よってaのある近傍ではψ(x)<0.
よって[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となるξが存在する.
しかしψ(a+b-a)>0であるから[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となる
ξの集合は上に有界.
定理>>6より[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となる
ξの集合には上限ηが存在する.
b-aは[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となる
ξの集合の上界の1つであるからη≦b-a.
ψ(a+η)<0であるとすると,ψ(x)が連続であることからη<η'で,
ψ(a+η')<0なる実数η'が存在し,ηが上限であることに反する.
ψ(a+η)>0であるとするとψ(x)が連続であることから
η''<ηでψ(a+η'')>0となる実数η''が存在するが,
ηが上限であることからη''<η'''≦ηで[a,a+η''']ではつねに
ψ(x)<0となるη'''が存在する.これはψ(a+η'')>0に反する.
ゆえにψ(a+η)=0.ψ(a+b-a)>0であるのでη≠b-aとなり,a<a+η<b.
f(A)>f(B)のときも同様.■

117Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:36:19
定理 有界な閉集合K上で定義された連続函数f(P)は最大値と最小値を持つ.

証明 {f(P);P∈K}が上に有界でないとするとf(P_1)>0,P_1∈KなるP_1が存在する.
このP_1に対してf(P_2)>2f(P_1),P_2∈KなるP_2が存在する.
このP_2に対してf(P_3)>2f(P_2),P_3∈KなるP_3が存在する.
この操作を繰り返してKに属する無数の点{P_n;n∈N}がとれる.
>>53の二つ目の命題より点列{P_n}は収束する部分列{P_(n_k)}をもつ.
\lim_{k→∞}P_(n_k)=P_0とおくとKは閉集合であるのでP_0∈Kであるが,
f(P)が連続であるから命題>>94より\lim_{k→∞}f(P_(n_k))=f(P_0).
しかしf(P_(n_k))>2^((n_k)-1)f(P_1)となるのでこれは矛盾.
したがって{f(P);P∈K}は上に有界.
下に有界であることも同様に示される.
定理>>6より{f(P);P∈K}は上限Mと下限mを持つ.
f(P)=Mを満たすP∈Kが存在しないとしてg(P)=1/(M-f(P))とおくとg(P)は連続であるが,
Mが上限であることから有界閉集合Kで定義されたg(P)は{g(P);P∈K}が
非有界であることになってしまい不合理.よって
f(P)=MなるP∈Kが存在する.f(R)=mなるmの存在も同様に示される.
このM,mがf(P)のKにおけるそれぞれ最大値,最小値である.■

118Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:37:28
定理>>115と定理>>117から,有界閉区間上で定義された連続函数の値域は
有界閉区間であることがいえる.

函数f(P)がある範囲において連続であるとは,その範囲の任意の点Pについて,
任意の正数εに対してある正数δがあって,
PQ<δであり定義域に属するすべてのQに対して|f(P)-f(Q)|<εとなることであったが,
この定義によるとδはPによってまちまちであってよい.
この定義よりさらに強く,δのありようがPによらないとき
f(P)はこの範囲で一様に連続であるとか,一様連続であるなどという.

119Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:38:08
例 (-π/2,π/2)で定義された函数\tan xはこの区間で連続ではあるが
一様連続ではない.

証明 任意の正数εに対してδをπとεの大きくない方とすると
|y-x|<δなるyに対して,
つねに|sin y-sin x|=2|cos{(y+x)/2}sin{(y-x)/2}|
≦2|sin{(y-x)/2}|=2sin{|y-x|/2}<|y-x|<δ≦ε,
|cos y-cos x|=2|sin{(y+x)/2}sin{(y-x)/2}|
≦2|sin{(y-x)/2}|≦2|sin{(y-x)/2}|=2sin{|y-x|/2}<|y-x|<δ≦ε
とできるので,sin x,cos xは連続,命題>>90よりtan xも連続.
0<x<x+h<π/2とすると
tan(x+h)-tan x={(tan x+tan h)/(1-tan xtan h)}-tan x
={(tan h)(1+tan^2x)/(1-tan xtan h)}>0
なのでtan xは(0,π/2)で増加.
任意の正数Kに対して0<1/√(1+K^2)≦1となるので,cos x=1/√(1+K^2),0≦x<π/2
を満たすxが存在する.
このxに対して,sinx=√(1-cos^2x)=K/√(1+K^2)であるのでK=tan xとなる.
よっていかなる正の数Mに対してもtan x>Mを満たす実数xが存在する.

120Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:38:40
さて,tan xが(-π/2,π/2)で一様連続であるとしよう.
そうするとxの位置に無関係なδで,
|x-y|<δならば|tan x-tan y|<1/2となるものが存在することになる.
各自然数nに対して,n=tan x_nを満たすx_nが[0,π/2)内に存在し,
tan xは増加であるので数列{x_n}は上に有界な増加列となる.
定理>>20より{x_n}は収束列であり,
さらに定理>>36より{x_n}はCauchyの判定条件を満たす.
即ち,任意の正数εに対して,ある自然数mが存在し,
p>m,q>mならば|x_p-x_q|<εならしめることができる.
したがって自然数nを適当に選べば|x_(n+1)-x_n|<δ/2ならしめることができる.
このときx_(n+1)とx_nは|x_(n+1)-x_n|<δを満たすが,
|tan x_(n+1)-tan x_n|=1なので|tan x_(n+1)-tan x_n|<1/2を満たさない.不合理.■

121Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:39:40
定理 有界閉集合で定義された連続函数は一様連続である.

証明 Kを有界閉集合,f(P)をKで定義された連続函数とする.
定理>>117よりf(P)は最大値と最小値を持つが,その差を総振動量といいVで表す.
Kの点Pを中心,半径をrとする閉円板をC(P,r)とし,
これとKの共通部分をC'(P,r)とする.
命題>>57よりC'(P,r)は閉集合である.定理>>117より
C'(P,r)上でもf(P)は最大値と最小値を持つ.
その差をC'(P,r)におけるf(P)の振動量といい,v(P,r)と書くことにする.
任意の正数εに対して,v(P,δ)<εとなるδが
Pの位置と無関係にとれることを示せばよい.
任意のKの点Pと任意の正数rに対してv(P,r)≦VであるからV<εなら,
任意のKの点Pと任意の正数rに対してv(P,r)<ε.

122Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/21(金) 06:40:14
0<ε≦Vとする.f(P)は連続であるから,
任意のKの点Pに対してv(P,δ_P)<εなるPに依る正数δ_Pが存在する.
Kは有界だからC(P,R)がKを含むような正数Rが存在するが,
このRについては,v(P,R)=V≧εだからv(P,δ_P)<εなる
δ_Pの集合は上に有界であり,定理>>6よりその集合には上限がある.
この上限はPによる数,即ちPの関数なのでρ(P)と表す.
ρ(P)がKで定義された連続函数であれば,定理>>117により
ρ(P)に最小値が存在するので,この最小値を与えるKの点をP_0とすれば,
任意のKの点Pに対して0<δ_p≦ρ(P)であるので,0<ρ(P_0)となり
ρ(P_0)はv(P_0,σ_(P_0))<εとなるσ_(P_0)の上限なので
Pに無関係なδでv(P,δ)<εとなるものがとれる.
以下ρ(P)がKで定義された連続函数であることを示す.
C'(P,ρ(P))の内部に点Qをとり,ABをQを通るC(P,ρ(P))の直径で,QA≦QBとする.
このときv(Q,QA)≦v(P,ρ(P))≦v(Q,QB)よりQA≦ρ(Q)≦QB.
またρ(P)-QA=PQ,QB-ρ(P)=PQであるのでρ(P)-PQ≦ρ(Q)≦ρ(P)+PQ,即ち
|ρ(P)-ρ(Q)|≦PQ.
これは,任意の正数εに対してPQ<εなら|ρ(P)-ρ(Q)|<εであること,
即ちρ(P)が連続であることを示している.■

123臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/10/30(日) 23:42:42
えーと突然ですが、先生の書いている解析概論ノートのpdf版がここで公開されています
http://jp.msnusers.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7の「ドキュメント」
ピクチャは誰でも見れるのですが、ドキュメントはメンバでないと見れないらしく、
原稿速報が見たい方はお手数ですがメンバ参加申し込みをやってください。簡単です。
聞きたいことがあれば僕(alittlehigh@ほっとめーるどっとこむ)にでもどうぞ。

124たま ◆U4RT2HgTis:2005/10/31(月) 03:51:02
>>123
入ってみた。こんなんあってんね。

125Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 05:46:53
>>124
>>123のURLでは入れないかも。
そういうときは
http://groups.msn.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7
だと入れます。

126Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 12:09:44
12. 区域・境界

内点・外点・境界
 Sを点の集合とする.点PがSの内点であるとは,
Pに十分近いところの点がすべてSの点であることをいう.
点PがSの外点であるとはPに十分近いところの点が
すべてSに属さない点であることをいう.
Sに属さない点全体の集合をSの余集合といいS'と書く.
PがSの外点であることはS'の内点であることと同じことである.
Sの内点でも外点でもない点全体の集合をSの境界という.境界の点を境界点という.
Pが境界の点ならPはSの内点でないからPのどんな近くにもS'の点が存在するし,
Sの外点でないからPのどんな近くにもSの点が存在する.
Sの内点であることとS'の外点であることは同じことであるから
Sの境界はS'の境界である.

127Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 12:10:16
命題 Sが全空間でも空集合でもないならSは境界点を持つ.

証明 AをSの点,BをS'とし,A,Bを線分で結び,線分AB上の点PとAとの距離をxとする.
Aは外点でないのでAが内点でないならAは境界点.
Aが内点なら十分小さいxに対する線分AP上の点はみな内点である.
Bは内点でないので,このようなxは上に有界である.
定理>>6により上限x_0が存在しAP_0=x_0とすると,
0<x<x_0を満たす任意のxに対してAP=xならPは内点なのでSの点となり,
P_0は外点ではない.
P_0に十分近い点がすべてSの点なら,
x_0<xでAP=xとなる内点Pが存在することになってしまうので
P_0は内点でもない.ゆえにP_0は境界点である.■

128Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 12:12:42
例 Sをxy座標平面上の有理点全体の集合とするとSは内点も外点も持たない.
即ち平面全体がSの境界である.
なお,有理点とはx座標もy座標も有理数であるような点のことである.

証明 無理数のどんな近くにも有理数があり,
有理数のどんな近くにも無理数があることを示せばよい.
xを無理数とする.[10^nx]/10^n=x_nおくと,
各x_nは有理数で,lim[n→∞]x_n=x.
これは無理数のどんな近くにも有理数があることを示している.
rを有理数とする.([10^nr]/10^n)+(π/10^(n+1))=r_nとおくと
各r_nは無理数でlim[n→∞]r_n=r.
これは有理数のどんな近くにも無理数があることを示している.■

129Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:07:33
開集合・閉集合
 集合Sが開集合であるとはSの各点がSの内点であることである.
集合Sが閉集合であるとは定義>>54で述べたように
Sに関する集積点がSの点であることである.

命題 互いに余集合であるSとS'は一方が開集合であれば他方は閉集合である.

証明 Sが開集合であるとし,点PがS'に関する集積点であるとする.
PがSの点であるなら,PはSの内点となるのでPに十分近い点はみなSの点となる.
これはPがS'に関する集積点であることに反するのでPはS'の点である.
すなわちS'は閉集合である.
Sが閉集合であるとし,点PをS'の点であるとする.
Sは閉集合であるからPはSに関する集積点ではない.
即ちPの十分近くにはSの点は存在しない.
よってPに十分近い点はみなS'の点であることになり,
PはS'の内点となる.したがってS'は開集合.■

130Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:15:12
同じ集合Sが次元によって開集合であったり開集合でなくなったりすることがある.
例えば平面上の円の内部は,円の内部のどの点をとっても,
その点に十分近いところに元の円に含まれる円がかけるから
平面上においては開集合であるが,
空間内における円の内部の点は,どの点も内点でなくなる.
集合Sが閉集合ならSは次元に関係なく閉集合である.
PがSに関する集積点であるということは,
Pの近くにいくらでもSの点があるということであるが,
SがSを含むより高次元の空間の部分集合であってもそのことは変わらないからである.

集合Sの内点全体の集合をSの開核といって(S)と書く.

命題>>56の[S]をSの閉包という.

131Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:15:43
命題 [S]はSを含む最小の閉集合であり,(S)はSに含まれる最大の開集合である.

証明 命題>>56により[S]はSを含む閉集合である.
FをSを含む閉集合であるとする.
このときPが[S]の点であるならPはSの点かSに関する集積点であるが,
PがSの点であるならSはFに含まれるのでPはFの点である.
PがSに関する集積点であるならFに関する集積点でもある.
よってFは閉集合だからPはFの点である.
したがってFはSを含む最小の閉集合である.
Sの境界点はSに関する集積点でありSの外点はSに関する集積点ではないから,
[S]とは畢竟,(S)とSの境界の和集合である.Sの境界はまたS'の境界でもあるので
(S)=[S']'.
Sの内点はSの点でもあり
[S']は閉集合であるから(S)はSに含まれる開集合である.
OをSに含まれる開集合であるとする.
このときPがOの点であるならPはOの内点であり,
OはSに含まれるからPはSの内点でもある.よってOは(S)に含まれる.
したがって(S)はSに含まれる最大の開集合である.■

132Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:16:17
Sの部分集合Tが[T]⊃Sを満たすときTはSの中で稠密に分布しているという.

点の集合の間の距離
 2つの集合A,Bの距離ρ(A,B)とはAの点Pと,Bの点Qとの距離PQの下限のことをいう.

133Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:16:50
命題 A,Bが共通部分を持たない有界な閉集合なら
ρ(A,B)=P_0Q_0となるAの境界点P_0とBの境界点Q_0が存在する.

証明 下限の意味からAの点列{P_n}とBの点列{Q_n}で,
lim[n→∞]P_nQ_n=ρ(A,B)なるものが取れる.
Aは有界であるから{P_n}から収束する部分列{P'_m}がとれる.
このとき定理>>15よりlim[m→∞]P'_mQ_m=ρ(A,B).
Bは有界であるから{Q_m}から収束する部分列{Q'_k}がとれる.
ふたたび定理>>15よりlim[k→∞]P'_kQ'_k=ρ(A,B).
定理>>15と同様の証明によりlim[k→∞]P'_k=P_0,
lim[k→∞]Q'_k=Q_0なる点P_0,Q_0が存在する.
A,Bは閉集合なのでP_0,Q_0はそれぞれA,Bの点である.
任意の正数εに対して,ある番号以上のkでP'_kP_0<ε/2,Q'_kQ_0<ε/2とできるが,
このとき
|P_0Q_0-P'_kQ'_k|≦|P_0Q_0-P_0Q'_k|+|P_0Q'_k-P'_kQ'_k|≦ Q_0Q'_k+P_0P'_k<ε
となるので
ρ(A,B)=lim[n→∞]P_nQ_n=lim[k→∞]P_kQ_k=lim[k→∞]P_klim[k→∞]Q_k=P_0Q_0.
もしP_0がAの内点であるとすると
線分P_0Q_0上にρ(A,B)=P_0Q_0>RQ_0をみたすAの点Rが存在し,
ρ(A,B)が下限であることに反する.
もしP_0がAの外点であるとするとAの点列{P'_k}がP_0に収束することはありえない.
よってP_0はAの境界点.同様にQ_0もBの境界点である.■

134Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:17:24
上の証明によれば,この定理はA,Bが閉集合でなくても成り立つことが分かる.
A,Bが閉集合であればP_0,Q_0がそれぞれA,Bの点となるに過ぎない.
このときP_0とQ_0は同じ点ではないのでρ(A,B)>0.
A,Bのどちらかが閉集合でなければρ(A,B)>0であるとは限らない.
例えばEを有界な集合としてB=A'ならρ(E∩A,E∩B)=0.

領域・閉域
 空でない開集合が連結しているとは,
その開集合が共通部分を持たない2つの空でない開集合に分割されないことをいう.
連結している開集合を領域という.領域の閉包を閉域という.

領域内に任意に1点Pをとり,その点から領域内の別のある点Qへは
いかなる領域内のみを通る折れ線を辿っても到達できないとするなら,
領域はPを含む開集合とQを含む開集合という共通部分を持たない
2つの空でない開集合に分割される.
したがって領域内の任意の2点を領域内のみを通って連結する折れ線が存在する.

空でない閉集合が連結しているとは,
その閉集合が共通部分を持たない2つの空でない閉集合に分割されないことをいう.
連結されている閉集合が2点以上をもつとき,その閉集合を連続体という.

点Pを含む領域を点Pの近傍という.近傍の径は議論の必要に応じて小さくとる.

135Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:17:55
例 一次元においてSを開集合とする.
x∈Sとすると,xはSの内点であるから
xを含みSに含まれる開区間がとれるが,
そのような開区間の左端の下限をa,
右端の上限をbとすると(a,b)はSに含まれる.
ただしSは非有界かも知れぬゆえ,
a=-∞,b=∞であることを妨げない.
S=(a,b)でない限り,(a,b)に属さぬSの点x_1が存在する.
このx_1もSの内点であるからx_1を含みSに含まれる開区間がとれるが,
そのような開区間の左端の下限をa_1,右端の上限をb_1とおくと
(a_1,b_1)はSに含まれる.先ほどと同じくa_1=-∞,b=∞であるかもしれぬ.
もし(a_1,b_1)と(a,b)が共通部分を持つなら,a<b_1またはa_1<b.
これはaが下限であることや,bが上限であることに反する.
よって(a_1,b_1)と(a,b)は共通部分を持たない.
このことより,Sは一つの開区間か,
二つ以上の共通部分を持たない開区間の和集合で表されることが分かる.
Sが閉集合でSが内点を含むなら,その内点を含む閉区間をSは含む.
上の議論と同様に,Sは無数の共通部分を持たない閉区間を持ちうるが,
閉区間を構成しない孤立した1点をも含みうる.
そのような孤立した点の集合に関する集積点がもしあれば,
その集積点もまたSの点である.

136Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:18:28
例 二次元において円の内部は領域.円周はその境界.
円内の1点や円内の一つの線分を除いた集合も領域,1点や線分はその境界.
この領域の閉包は演習を含めた円板.
円板とその円周上の一点から円の外へ一本の線分を引いて出来た集合は
端点を含めれば閉集合.この閉集合の開核は円の内部のみ,内部の閉包は円板.

例 正方形Q(0<x<1,0<y<1)の内部は領域.
Qから無数の線分x=1/n,(n=2,3,4,…)を除いたものは連結でなくなる.
この集合に正方形Q'(0<x<1,-1<y≦0)を付け加えて,
さらに無数の点(1/n,0),(n=2,3,4,…)を除いたものをSとすると,
Sは再び連結性を取り戻し,領域となる.
線分x=0,0≦y≦1はSの境界であるが,
この境界上の点からはSのいかなる内点へも
Sの内点のみを通っては線が結ばれない.
境界上の点から如何に短い線分をとろうとも,
その線分上にS'の点が含まれるからである.

137Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/10/31(月) 13:18:59
二次元において閉区間[a,b]を定義域とする連続函数x=φ(t),y=ψ(t)を考える.
このとき点P(x,y)の軌跡を(φ(a),ψ(a))を始点,(φ(b),ψ(b))を終点とする
連続曲線の定義としたいのだが,これを連続曲線の定義にしてしまうと,
異なるtとsに対してφ(t)=φ(s),ψ(t)=ψ(s)となる重複点の存在を許すことになり,
さらにこの重複点を何回も,無数に通過することをも許すことになり,
重複点自体の無数の存在をも許すことになってしまう.
そうすると作りようによっては,全円板や全正方形を塗りつぶしてしまうような
「曲線」もあるかもしれない.
これを避けるためには重複点の存在を許さないというのが一つの手である.
重複点の存在を許さない曲線をJordan曲線,
さらに(a,b)においては重複点は存在しないが,
始点と終点のみで一致する曲線をJordan閉曲線という.
Jordan曲線は線分[a,b]と一対一かつ連続に対応する点の集合であり,
Jordan閉曲線はいわば円周と一対一かつ連続的に対応する点の集合である.
円周が平面を内外二領域に分割し,それら二領域の境界をなしているように,
Jordan閉曲線も平面を内外二領域に分割し,それら二領域の境界をなす.
うーむ.証明には多大な準備がいりそうなので(中村八束教授(信州大)の
「完全証明」は別にしても)今日のところは勘弁.
解析概論で扱うJordan閉曲線はさらにいろんな制限を付け加えたりする予定である.
三次元以上では境界はさらに厄介であるが,球や立方体を適当に活用すれば,
相当なことが出来るようです.

138臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/10/31(月) 23:09:30
>>125
ありゃホントですね。これはメンバに対して表示される画面だったか。失礼しますた

139たま ◆U4RT2HgTis:2005/11/07(月) 22:54:41
>>101
この証明うまいなぁ。なんか先生はこういうのの構成がうまい気がする。

>>106
>|((a+2)/2^n)-(a/2^n)|<εならしめるnは存在するのでAの点は,稠密に分布されており
任意のxに対して∃aがあって、x∈[((a+2)/2^n),(a/2^n)]となるって言うのも言っといた方がいいかも。

>>112
>任意の正数εに対して|h|をxよりもnx^{(n-1)/n}εよりも小さくとると,
>|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|=|h|/|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x^{1/n}+…+x^{(n-1)/n}|
>≦|h|/|nx^{(n-1)/n}|<ε
ここのギャップが大きいのと、ちょっと|h|のとり方がおかしいので補足。
|(x+h)^(1/n)-x^(1/n)|={|(x+h)^(1/n)-x^(1/n)||h|}/|h| ーーー(*)
ここで、
x^n-y^n=(x-y){x^(n-1)+x^(n-2)y+・・・+xy^(n-2)+y^(n-1)}
であることに注意すると、
|h|=|(x+h)-x|=|{(x+h)^(1/n)}^n-{x^(1/n)}^n|
=|(x+h)^(1/n)-x^(1/n)||(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x+・・・+(x+h)x^{(n-2)/n}+x^{(n-1)/n}|
これを(*)の分母に代入して
|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|=|h|/|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x+・・・+(x+h)x^{(n-2)/n}+x^{(n-1)/n}|
δ=min{x/2,n(x/2)^{(n-1)/n}ε}として、|h|<δとすれば
(x+h)>x/2,x>x/2なので、
|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x+・・・+(x+h)x^{(n-2)/n}+x^{(n-1)/n}|
>|n(x/2)^{(n-1)/n}|
従って、|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|<|h|/|n(x/2)^{(n-1)/n}|<ε

140たま ◆U4RT2HgTis:2005/11/07(月) 22:55:48
とりあえず114まで読みました。pdfが見れるからちょっと読みやすくなったヽ(´ー`)ノ

141Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/14(月) 08:13:11
>>139
いつも精読ありがとうございます。

>>101
㌧。ほめられるとうれしい。

>>106
実は稠密ってのは>>132ででてくるまで定義されてないんですよね。
この本では。で、「数集合Aの点が稠密に分布されている」
というのは、文字通り「どんな小さな距離の範囲のところにも
Aの点はいくらでも存在する」を、いっとけばいいかな
とおもったもので。

>>112
ギャップ大きいですか。以後気をつけます。
>|h|のとり方
。。。迂闊でした。すみません。

えー、返信一週間も遅れてしまってすみませんでした。
今後ともよろしゅう。

142Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/28(月) 02:14:36
復刊!
ttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/8/3392410.html

143臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/11/28(月) 23:48:02
すごい本なんですか?

144Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/12/08(木) 00:29:42
>>143
すごいというか。
一応「原作者」の本だし。

145たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/08(木) 00:42:29
古本屋で100円で売ってたのを去年買ったなぁ。
最初のほうだけ読んでほったらかしだけど。

146たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/10(土) 13:57:26
>>119
>0<x<x+h<π/2とすると
>tan(x+h)-tan x={(tan x+tan h)/(1-tan xtan h)}-tan x
>={(tan h)(1+tan^2x)/(1-tan xtan h)}>0
この最後の行はどう考えてるんでしょうか?
分母>0はtan xが(0,π/2)で単調増加であることと、tan(π/2-x)=1/(tan x)を使わないといえないと思うんですが。

>>127
>0<x<x_0を満たす任意のxに対してAP=xならPは内点なのでSの点となり,
>P_0は外点ではない.
0<x<x_0を満たす任意のxに対してx<AP<x_0なるSの内点Pが存在するので、
P_0は外点ではないじゃないとだめかな。AP=xでもPは内点とは限らない。

>>136
>この領域の閉包は演習を含めた円板.
演習→円周?

147たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/10(土) 14:14:52
>>137
Jordanの曲線定理の証明の概略とか載ってる本はないんでせうか?

やっと追いついた。振動量使った証明はじめてみて面白かった。
「区域・境界」はなんか申し訳程度って感じがしますね。

148Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/12/16(金) 00:47:09
>>146
長らく返信できずにごめん。
とりあえず最初のところだけ答えときます。
なんで分母が正だっておもったのかちょっと忘れてしまったんだけど。。

1/(1-tan xtan h)=(cos xcos h)/cos(x+h)>0

って考えたのかなあ。たしかにここでグッとつまって、
ああ、なんだ簡単じゃん。これな理由なしでかいてええな。
って思ってしまったおぼえが。。

149たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/16(金) 03:55:25
>>148
なるほろ。えっと、>>119の前半ではcosとsinの連続性からtangentが連続を示してるのに、
後半でtanの式変形だけで押し切ろうとしてるのはなんか思惑があるのかなぁと思ったんです。
どこまで、cosとかsinの性質を認めて話を進めようとしてるのかちょっと気になって。

150Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/12/18(日) 23:16:21
>>146
二段目。

はい。うっかりでした。Sが非連結のときとか、連結でもドーナツ型みたいなときは
0<x<x_0でAP=xでもPはSの内点とは限らないですね。

三段目。
はい。遠州とでもでればさすがにおかしいって一発で気付きますが。
演習なら、ときどきつかう言葉なんでぼーっとしてたら見過ごしてしまったり。

むかし「無限次限」ってセミナーで黒板に書いてしまって、なんか変だなあ。
ってなったけどだれもつっこんでくれんかったことがあります。

151Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/12/20(火) 00:42:12
>>147
Jordan閉曲線定理は
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0387941266/qid=1135006618/sr=1-1/ref=sr_1_8_1/503-9919346-1555113
に証明がのってるようです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320016246/qid=1135005271/sr=8-2/ref=sr_8_xs_ap_i2_xgl14/503-9919346-1555113
に演習問題の形でその証明がのってるようですが、
幾何専攻の学生が読んでも難しいようです。

いずれにしても多大なる準備が要りそうですね。

152Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/12/31(土) 04:17:40
一章の練習問題は9問ありますが、
最後の問題を除いて解答を作成しました。
最後の問題は高木のヒントにこだわらなければ>>112
で既にやってあります。
一章の本文を読んで、練習問題を解くと
本文の理解が深まると思います。

したがって問題解答ともにここにうpするというのは
ちょっと躊躇われます。
問題とわたしの解答を読んでアレコレダメだしをしたり
ってのも悪くないとは思います。

そこで皆さんにご意見を求めたいのですが。。

1.問題解答ともテキスト版でこのスレにうp
2.問題だけテキスト版でこのスレに、解答はpdf版で「て」にうp
3.問題だけテキスト版でこのスレにうp。解答はうpしない
4.問題解答ともうpしない
5.その他の提言

どれがよろしいでしょう。たまちゃん、臺地、ラメさん、そしてRSKTTMくん。

153うどん ◆csFiRniTeg:2005/12/31(土) 18:30:57
>>152
俺はこのスレには参加してないんでよくわからないんですが・・・
今までとは違って練習問題には特別な意味があるということですか
うーん、なんとなく2.ですかねー

154臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/12/31(土) 18:58:06
先生が回答も一緒に出すのがよくないと思ってるみたいなので2.がいいんじゃないでしょうか
・・・でしゃばってすみません

155うどん ◆csFiRniTeg:2006/01/01(日) 00:00:24
あけおめ

156臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/01/01(日) 00:04:41
毎度のことながらあっけない・・・
でも、おめでとうございます!

157たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/01(日) 00:52:35
あけましておめでとうございます。

>>152
2か3で。
みんなで解いてダメだしし合うのがいいんだろうけど、それもなかなか大変か。
ROMで読んでる人とかいないのかな。

158Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/02(月) 10:34:43
お三方のご意見は2が三票、3が一票ですか。
ではとりあえず、問題だけうpし、8日後に解答を
pdfで「て」にうpということにします。

159Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/02(月) 11:02:00
練習問題(1)
(1) a_1>b_1>0;a_n=(a_(n-1)+b_(n-1))/2,b_n=√(a_(n-1)b_(n-1))とすれば,
数列{a_n},{b_n}は同一の極限値に収束する.
この極限値をa_1,b_1の算術幾何平均という.(Gauss)

(2) a>0,b>0,a_1=(a+b)/2,b_1=√(a_1b),
一般にa_n=(a_(n-1)+b_(n-1))/2,b_n=√(a_nb_(n-1))とすれば,
l=lim[n→∞]a_n=lim[n→∞]b_nが存在する.

[1°] |a|<bのとき,a=b*cos x,-π<x<πとおけば l=b((sin x)/x).

直径1の円に内接,外接する辺数nの正多角形の周の長さをp(n),P(n)とし,
a=1/P(k),b=1/p(k)とすればl=1/π

[2°] a>b>0のとき,a=b*cosh xとおけばl=b((sinh x)/x).
ただしcosh x=(e^x+e^(-x)/2),sinh x=(e^x-e^(-x)/2).

160Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/02(月) 11:02:25
(3) 有界なる数列{a_n},{b_n}に対して
limsup[n→∞](a_n+b_n)<limsup[n→∞]a_n+limsup[n→∞]b_n,
liminf[n→∞](a_n+b_n)>liminf[n→∞]a_n+liminf[n→∞]b_n.
また,差,積,商だとどうなるか.

(4) xが正の無理数ならf(x)=0,
x=p/qが負でない有理数(p/qは既約分数で,q>0)ならば,f(x)=1/qとする.
このx>0で定義された関数f(x)の連続性を論ぜよ.

(5) f(x)とg(x)は[a,b]で連続,S⊂[a,b]⊂[S]でS上ではf(x)=g(x)であるとする.
このとき[a,b]でf(x)=g(x).

(6) S⊂[a,b]⊂[S]とする.f(x)がSで定義されており,Sで連続であるとする.
f(x)が[a,b]上の連続関数に拡張できるための必要十分条件は
f(x)のSでの連続性が一様性を持つことである.

(7) f(x)は(a,∞)で連続でlim[x→∞](f(x+1)-f(x))=lならば
lim[x→∞](f(x)/x)=l.

(8) f(X)を領域Kで定義された連続関数とし,XがKの点のときf(X)が領域Gに属するとする.
g(x)をGで定義された連続関数とすると,g(f(X))はKで定義された連続関数となる.

161Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:40:22
第2章 微分法
1.微分 導関数
ある区間で関数y=f(x)が与えられているとする.
x,x_1が共に関数の定義区間に属するとき,
⊿x=x_1-x,⊿y=f(x_1)-f(x)
とおくと⊿y/⊿xは函数yのxとx_1の間での平均変化率であるという.
xを固定したときlim[⊿x→0](⊿y/⊿x)がもし存在すれば,
その値を函数yの点xにおける変化率といいdy/dxと書く.
dy/dxが存在するとき函数yは点xで微分可能であるという.
函数yがある区間のすべての点で微分可能であるとき,
yはその区間で微分可能であるという.
このときdy/dxはxの函数となるがこの関数をyの導函数といい,f'(x)と書く.

162Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:41:07
導函数の表記の仕方にはいろいろな方法がある.
dy/dxはLeibnizによるものであり,
f'(x)やy'はLagrangeによるものであり,
y^(・)はNewtonによるものであり,
D_xf(x)やD_xyはCauchyによるものである.
derived function 導函数は,微分法によって導かれた函数という意味である.
1点におけるdy/dxはNewtonのいうところのfluxion 流動率である.
ドイツではLeibniz以来これをDifferentialquotient 微分商といい,
英米ではdifferential coefficient 微分係数という.
フランスでは微分商も導函数もともにd{'e}riv{'e}eという.

163Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:41:39
以下しばらく直観的な説明をする.
函数y=f(x)のグラフにおいて⊿y/⊿xは2点(x,y),(x_1,y_1)を結ぶ弦の傾きである.
ただしf(x_1)のことをy_1と略記した.
dy/dxは点(x,y)における接線の傾きである.
接線上の点を(X,Y)とするとY-y=f'(x)(X-x).
これはまさしく接線の方程式であるが((Y-y)/(X-x))=f'(x)であるので,
dxとdyをdy/dxとは別に,単独で
dx=X-x,dy=Y-x
と定義すれば
dy=f'(x)dx…☆
なる式の意味が明確になる.式☆はxの近傍で考えることが多く,
そのためdxを変数xのdifferential 微分,dyをそれに対応する函数yの微分という.

164Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:42:24
上の議論では直観的にf'(x)を接線の傾きだとしたが,
接線とはどういう直線かが明確ではない.
以下点(x,y)における傾きf'(x)の直線を
函数y=f(x)のグラフの(x,y)における接線であると定義して,
微分商や微分の定義をしなおす.

165Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:42:46
命題
y=f(x)をある区間で定義された微分可能な函数,
x,x_1を函数が定義されている区間に属する異なる2点であるとする.
⊿x=x_1-x,⊿y=f(x_1)-f(x)とおく.εが
⊿y=f'(x)・⊿x+ε・⊿x…★
なる関係を満たしているとする.このとき,
εは(x,⊿x)の函数であり
xを固定すれば
lim[⊿x→0]ε=0.

166Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:43:04
証明
ε=⊿y/⊿x-f'(x)
となるのでεは(x,⊿x)の函数だが,
固定されたxに対しては⊿xの函数となり,
f(x)は微分可能であるので
lim[⊿x→0]ε
=lim[⊿x→0]((⊿y/⊿x)-f'(x))
=lim[⊿x→0](⊿y/⊿x-f'(x))
=0.■

167Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:43:34
命題
y=f(x)をある区間で定義された函数,
x,x_1を函数が定義されている区間に属する異なる2点であるとする.
⊿x=x_1-x,⊿y=f(x_1)-f(x)とおく.
g(x)をf(x)とは別の函数,ε(x,⊿x)を(x,⊿x)の函数で,
固定されたxに対してはlim[⊿x→0]ε(x,⊿x)=0であるとする.
これらの式の間に
⊿y=g(x)・⊿x+ε(x,⊿x)・⊿x
なる関係があったとする.このとき,
f(x)は固定されたxで微分可能でありg(x)=f'(x).

168Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:43:54
証明
⊿y/⊿x=g(x)+ε(x,⊿x)
であるので固定されたxに対しては
lim[⊿x→0]⊿y/⊿x=g(x)+0.
よってf(x)はxで微分可能でありf'(x)=g(x).■

169Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:44:42
f(x)が命題>>165の条件を満たし,
⊿x,⊿y,f'(x),εが
式★を満たしているとする.このとき
固定されたxに対して⊿x→0とするとε→0なので,⊿xよりも
ε・⊿xの方がはるかに0に近くなる.そこで⊿x→0のとき⊿yの主要部分は,
式★の右辺第一項であると考え,この項をyの微分といいdyで表す.
したがってdy=f'(x)・⊿xとなる.
φ(x)=xとおけばφ'(x)⊿x=⊿xよりxの微分dxは
dx=⊿xとなる.これらより
dy=f'(x)・ dx
となる.
これをdy/dx=f'(x)とかけばdy/dxは,それぞれ独立に定義された
yの微分とxの微分の商という意味を持つので
Leibnizによる微分商という術語はこの概念にふさわしくもある.
またdy=f'(x)・ dxという書き方においては,
y=f(x)の微分dyにおけるxの微分dxの係数と読めるので,
f'(x)に微分係数という術語を与えるのもまたもっともである.

170Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 15:46:23
えー、>>158で予告した日から8日たちましたんで
演習の解答(と二章一節を併せて)[て]にpdf版でうpしときました。


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