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『解析概論』輪読

5RSKTTM:2005/07/26(火) 23:07:10
命題

Mが集合Sの上界であるときN>Mなる実数NはSの上界である。
Mが集合Sの下界であるときN<Mなる実数NはSの下界である。

証明

上界について示す。
MはSの上界であるから、(∀x∈S)(x≦M).
N>Mだから(∀x∈S)(x≦M<N), すなわち(∀x∈S)(x<N).
ゆえにNはSの上界である。
下界についても同様にして示せる。

このように上界、下界というのはたくさんあるわけですがその中でもぎりぎりのところ、つまりなるべく小さな上界、なるべく大きな下界というものに着目します。

定義(上限、下限)

上に有界に集合Sの上界全体の集合に最小元があればそれをSの上限という。
下に有界に集合Sの下界全体の集合に最大元があればそれをSの下限という。

上の上限について次がいえます。

命題

次の同値がいえる。

aはSの上限である
⇔(1) (∀x∈S)(x≦a),
  (2) a´<a⇒(∃x∈S)(a´<x).
なお下限についても同様のことが成り立つ。

証明

(1)はaがSの上界であることを意味している。よってaがSの上界全体の集合の最小元であることと(2)が同値であることを示せばよい。
aがSの上界全体の集合の最小元であるということは、a´<aなるa´はSの上界全体の集合に属さないということと同じである(最小元の定義より)。したがってa´は¬(∀x∈S)(x≦a´)すなわち(∃x∈S)(x>a´)を満たす。以上よりaがSの上限であることと(1), (2)の同値が示せた。

さてSに最大元が存在するときそれはSの上限でしょうか。これは直観的には明らかかもしれませんが、上限というのはある種の集合の最小元として定義されていますから、字面だけ見るとそんなに明らかではないような気もしてきます。以下でこのことを証明します。


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