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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

1名無しさん:2012/07/23(月) 20:55:39 ID:FfmC0Dnw
勝手にスレを立てさせて頂きました。

薄汚い妄想だろうが職人のSSにも満たない話など、何でも良いから書きたい事は此処に書け!

Q、何か書きたいけど投下する勇気が持てない…
A、恐れるな! 勇気と誇りを持って書きこもう! 我々はアブノーマル! どんな話(餌)にも食いつくのだからぁッ!

176名無しさん:2012/10/06(土) 11:05:45 ID:b.7f2/.M
ポケモン・・・・・・

177名無しさん:2012/10/06(土) 11:44:53 ID:6T/JYOKA
随分と寂しくなってしまったな…

178名無しさん:2012/11/04(日) 00:18:10 ID:LUV7./y2
なんとなくage

179名無しさん:2012/11/04(日) 01:15:18 ID:SArSVl0Y
(自分もそうだが今後なくすためにいわせてもらうと)
作品とか感想とか以外で呟いたり上げんのやめようよ、スレ消費するだけだから

180名無しさん:2012/11/07(水) 01:12:07 ID:aMOMLifI
1ヶ月近くもスレが止まってたわけだし、そこまで目くじら立てなくても良いと思うけどなー。
まあ確かに今はもうスレッド表示数拡張されて現状全てのスレが表示されてるわけだし、ageる意味は無いかも知れないけどね。

181適当:2012/11/23(金) 11:03:53 ID:z4YPwsi.
皆さんお久しぶりです_(._.)_

長編SS 2ヶ月放置すみませんでした_(._.)_

今から、第3話投稿致します_(._.)_

温かい目で見守っていてください(;^_^A

182適当:2012/11/23(金) 11:06:00 ID:z4YPwsi.
試練3 若葉

DAY5
俺が、朝目を覚ますと…もう言う必要はないだろうか。そう、わかっている通り何一つ部屋に備え付けられているものは変わっていない。毎日、確実に変化するのは、食事ルームから漂ってくる匂いだけだ。それともう1つ寝起きで変わった事は、手元に置いてあるバッチが青色の“β”から紫色の“θ”になった事ぐらいである。俺は、紫色の“θ”のバッチを手に握るも、もう一つ重要な事(雌には気にする必要はない、雄特有の事である。)を確認する為、自分の寝ていた場所と下腹部の粘り気を確認した。

「ふう…。何とか夢精(だ)してはいないな。」

別に夢精(だ)してしまっても悪い事ではない。発情期を向かえている男(雄)なら誰しも経験した事はないだろうか。異性の事に興味を持ち始めると、たとえ好きな女性(雌)はいなかったとしても、成長過程で得た性的な知識や、興味本位でパソコンや携帯電話でこっそりとみた“そっち系”の動画を見ることにより、寝ている内に自然に雌と性交(し)ている(もしくは、前戯)夢を見てしまい、現実に目を覚ますと、つい“あちゃ”と呟いてしまう程、下腹部が取り返しのつかない事になっていたという経験だ。俺が言うのも何だが、“そっち系”の妄想をしてしまっても、女性(雌)のように下腹部が簡単に濡れずに、真正面からの見た目を隠せばいいから、男(雄)の方が楽だ!!と思って油断してはいけない。俺も学生時代の頃は、その意識を持って過ごしていた。だが、高校3年の春に“綾”と出会ってデートを重ねていく内に、度々朝起きたら“やっちゃったな…”とか“あっ!!はぁ…”とため息がつく程下腹部を汚した事があった。思春期を迎えた雄に“異性とのいやらしい行為を想像せずに日常生活を過ごせ!!”と言われてもほぼ不可能な話だ。雄は生殖機能が発達すると、“子孫を残したい”と本能に基づいた意識が、理性を押しのけて脳内を支配し始める。世の中でよく言われる“できちゃった婚”とあるが、それは雌と付き合う雄が本能に抗えずに…言い方は悪いが、犯してしまったと言えるだろう。本能に抗え、理性を保ちやすいという点では、実は雌の方が優れていると言えるのではないだろうか。俺と闘った淫乱な雌達の事はまず忘れて欲しい。雌は必ずしも雄に興味を持たない為、性欲を満たさなくても食欲と睡眠欲を満たすだけで、ある程度やっていけるからだ。

183適当:2012/11/23(金) 11:11:02 ID:z4YPwsi.
おっと、こんな性に関してのくだらない話はもうやめにして現実に話を戻す事にする。スーツを脱ぎ下腹部に粘り気がないのを確認し、安心して“ほっ”と一息ついた所に、腹が“そんなくだらない事考えてないでさっさと何か口に入れろ”と言いかけるように腹が鳴ったので、食事ルームから漂ってくるいい匂いを辿り食事ルームへと歩を進めた。

「今日は…トーストにスクランブルエッグにベーコンにサラダ…そしてドリンクは…何か白いが…牛乳でいいんだよな?」

食事のトレーに盛りつけられていたのは、バターの香りを放つ食パンのトースト2枚(2切れ)に卵焼きを砕いたようなスクランブルエッグに“普段この長さでは焼いて食べないだろう”と思える程のベーコン2切れに、ドリンクはほぼ無臭の牛乳のような液体だった。俺が“牛乳”と決めつけてしまったのは、“何の飲み物かはわからない”というままでは、怖くてなかなか口に含めない。なぜなら、監禁されている上での食事だからである。俺は絶対にこんな所で死ぬわけにはいかない。“綾”にも会いたいし、何よりも長年憧れだった父と同じような現場で働けるからだ。と言っても、PIA(アメリカのポケモンによる諜報機関)にスカウトされたので、エージェントになるか、特殊部隊に配属されるかはまだわからなかった。他にもいろんな部門があるが、俺は工学の知識技術は持っていないし、医療技術もさほどのものではない。その為、俺にはこの2種類のどれかに配属される事はわかっている。俺の希望をあげるなら、エージェントというスパイ活動に配属される事だ。父のように“戦前”に立ちたくないという訳ではなく、一人で敵地に潜入し、緊迫される状況の中で任務を無事遂行させた時の達成感を味わってみたいからだ。エージェントは特殊部隊よりも遥かに知識が多く武器の扱いも長けていなければならない。故に、特殊部隊よりもエージェントの方が難易度が難しいと言えるだろう。俺は、“毒殺されるかもしれない”という事から“死にたくない理由(ワケ)”を振り返りながらあっと言う間に食事を終了させた。残るは謎の白い液体だけとなり、俺はしばらく飲む事を躊躇していた。

184適当:2012/11/23(金) 11:17:36 ID:z4YPwsi.
「毒ではないよな…?」

そう呟き白い液体の入ったグラスを鼻に近づけても何の臭いも感じ取れない。目を閉じ神経を集中させて嗅ぐが、やはり何の臭いもない。俺は“情報”が全く得られない事に不審感を抱き、しだいに脳内が恐怖に支配されていった。

「くっ…ギャンブルか。くそっ…。」

俺は深呼吸をして、今度は液体の粘度と浮遊物がなんであるかを調べる為、にグラスを覗き込み、グラスを傾けた。が、そこからも何も“情報”は得られない。俺は死の縁のギャンブルをやらされるハメとなってしまった。

「殺されるとすれば、俺がこの施設を知りすぎた時だ。落ち着け…。」

俺はトレーにグラスを置き1日前からの記憶を辿っていた。青色の軍服を着たシャワーズとの戦闘、紫色の軍服を着たエーフィとの戦闘。入手したアイテム、入手した軍の情報、使われた技、勝因など全てを思い出した。すると、卑猥な事で次第に恐怖にかられた。俺は二匹とも性交(俺が望んだわけではないが)をし二匹とも膣(ナカ)に俺の子種を植え付けている。もしも、この2匹が自らの性欲を満たすというのは全くのデタラメで、俺の遺伝子だけを取ってこいと命じられているだけだとすればどうであろうか。さらに、俺を見ると他の雌達も性交を求める可能性があり、雌達をこれ以上はらませない為に俺を始末し、遺伝子採取を終わらせるという事もあり得る。だが、これはあくまで俺の行き過ぎた妄想であり事実ではないかもしれない。故に、そう言える根拠が見付からない。もう俺の頭に残っている“情報”を絞り尽くしたので考えることを止め、ついに俺はグラスに手をかけた。

「飲まないという選択肢もあるが、ここ以外では水分を摂取する方法はない。」

俺は意を決して震える手で口に一口液体を含んだ。味は、牛乳の味は全くせず金属と酸味のある味がした。“しまった…毒だったかもしれない…。”後悔してももう遅い。俺の脳内は絶望、死という二つの言葉に支配されその他には何も考えられなかった。

185適当:2012/11/23(金) 11:23:09 ID:z4YPwsi.
「ここで死ぬのか…くそっ…。」

気が付くと俺の頬には涙が伝っていた。せっかく愛する雌を手に入れ、憧れの職業に就けるというのに、その旅の途中に監禁され、無理矢理死闘を強いられ、挙げ句の果てには“邪魔になったから殺す。”運命の理不尽さと神を深く恨んだ。“俺が一体何をしたと言うんだ!!何故こうも残酷な運命を突きつける!?”と神に向かって問いかけていたその時、俺は体にある異変を感じた。

「あれ?死なない…。それどころか…体の筋肉が変化している気がする…。」

“やった!!助かった!!殺さないでくれてありがとう!!”と思いつつも効果がわかったので、その液体を一気に飲み干した。すると、同様の変化が倍となって返って来た。俺はある可能性があることに辿り着いた。

「新しい技が撃てそうな気がする。しかも、かなり強力な技が。」

関係ない話だが、実は白い液体を飲んでいる最中に綾との性交でのある一部分を思い出していた。俺は自分の自宅のベッドで裸になり綾が俺へのフェラチオを終わった時に、「見てこんなに出たよ。」とか言って口を開けて俺が出した白いドロドロの液体を見せつけてきた事があった。俺は顔をしかめて「気持ち悪いから、早くそいつを吐き出すかどうにかしてくれ。」と要求すると綾は「仁君のはおいしいから出さないよ。」とか言い返して来て、綾自ら俺の精子(モノ)を全て飲み干した。ここまでは、普通のあり得る性行為の光景だ。だが、問題はこの後だ。その後に綾は「ねぇ、キスしよう?」と問いかけてくるのだ。俺は、それが嫌になり思わず「どうして?」と非常識かつかなりムードをぶち壊す返答をしてしまった。彼女は涙ぐんで、「愛し合っているのに理由なんかいるの?」とせがんで来たので、俺は仕方なく「わかったから泣くな。」と言って嫌々ながらもディープキスを行った。気づく男(雄)は気づいたかもしれないが、俺がキスをすると嫌でも自分のモノから出た精子(モノ)の味を体感しなくてはいけなくなるからだ。よく雌は、「おいしいから大丈夫だよ。」というような内容で返答して勘違いをしている。よく考えて欲しい、自分の汚い所から出した精子(モノ)なんて味わいたいと思う雄がいるだろうか?同性愛者の雄以外は全員が全員ハッキリと“いやだ”と答えるハズだ。それを分かっていない雌達は、ディープキスの前にうっかりとフェラチオを優先してくる。

186適当:2012/11/23(金) 11:28:53 ID:z4YPwsi.
“順序が逆じゃないのか?”と怒って問いかけたかった所だが、綾は普段から可愛らしく、涙ぐんでいる姿に鉄槌はおろせないので、もうこっち(俺)が折れる(受け入れる)しかない。雄は、雌の涙に弱い。さらに、可愛らしい見た目が加わっているので、これは交渉の材料としてはかなり反則…いやイカサマとも言えるのかもしれない。さて、【死→最低な話題についての俺の意見→可愛い雌+涙=イカサマ】論を繰り広げた所で話を現実に戻すことにする。俺は体に感じる新しい感覚から一つの可能性を試す為に中央へ行き、特に強化されたと感じた部分を思いっきり振った。

シャン…シャン…シャン…
「あ!!これはいつも尻尾を振る時の音じゃない…。何か尻尾に刃物をつけて思いっきり振ったみたいだ…。」

振る度になる金属音に俺は感動していた。今までこんな経験はなく尻尾は武器にはならないとばかり思っていた。だが、この刃物の重低音を聞くと新しい武器を手に入れたという喜びが湧き上がって来た。

シャン…シャン…シャン…シャン…
「すごい…。何回振っても同じ音だ。完全に、思いっきり振った時の音が変化している。」

数回振った所で満足したので、この尻尾を使った攻撃技に名前を付けることにした。いいネーミングはないかと必死に頭を振り絞ったがなかなか出てこない。

「う〜ん。金属、もしくは刃物のような尻尾…そうだな、ブレードテイルにしよう。アイアンでは安直過ぎるからな。」

金属というと、一般的には鉄だ。金や銀や銅という選択肢もあるが、俺はそこまでお金持ちじゃないし、そんな物が尻尾を強化するハズはない。体を構成している主な金属は【ナトリウム・カリウム・亜鉛・鉄】だ。技名を選ぶとしたらこれらから文字って付ける訳だが、仮に【ナトリウムテイル】や【カリウムテイル】などと名付けた場合、何かすごくダサく感じないだろうか。それに【ナトリウム】も【カリウム】もそんなに強い金属ではない。次に亜鉛だが、これはもう技名として使うのはおかしい。最後に残った鉄=アイアンが必然的に最終候補にあげられる訳だが、俺はどうも納得がいかなかった。

187適当:2012/11/23(金) 11:49:44 ID:z4YPwsi.
「我ながらいいネーミング…。いいセンスだ。」

誰もその事をほめてくれる訳でもないのに、俺は一匹でにはしゃぎ、一匹でに口元を吊り上げていた。こうして、俺は2本の刀を手に入れる事となった。しかも、最大の利点は前からの攻撃を空中後転でかわしても相手にダメージを与えられることだ。距離はかなり近くないと成立しないが、接近戦闘に長けている俺にはこれはありがたい。さらに、スサノオを振ってかわされても、さらに尻尾で逆から挟み撃ちに出来る。これも相当な技術が必要だが、俺にはそこまで出来るという自信に満ちた“確信”というものが溢れていた。俺は、昨日と同じく中央で刀を振っていた。もちろん今度は1本じゃない。2本の刀を駆使出来るようにする為、刀を一心不乱に振っていた。

ブン…ブン…シャン…シャン…
「はっ!!たぁっ!!ふっ!!ふっ!!」
シャン…シャン…シャン…ヒュ…
「はっ!!はっ!!は!!おりぃやぁ!!」

昨日と同じく体が汗だくになった所でふと腕時計を見た。【12:30】と30分オーバーしてしまったが、丁度いいくらいだ。俺は荒げる息を落ち着かせ、刀をしまい、中央に立ったまま前を向き9つの扉を選ぼうとした時、重大な事に気付いた。

「あ…、そういえば“θ”のバッチを嵌めていなかったな。」

俺は二刀流を使いこなす事に必死だった為、時間も忘れ、ステージを選ぶ前にまずしなければならない事を忘れていた。急いで、“θ”のバッチを【光】と書かれたプレートの下にはめ込むと、【氾濫】の時と同じく、どこからかブザー音が鳴り、【光】という文字が【達成】へと変わり、ドアノブの下のプレートの表記が、【OPEN】から【CLOSE】という表示へ変わり、カシャと鍵をかける音が鳴り響いた。音のした【光】の扉の前へ行き扉を開けようとノブを回すが、全く回らなかった。【氾濫】の時と扉の仕組みが全く同じだったので、“バッチをはめると、それに対応した文字の扉は開かない”という事を完全に掌握して、ステージ選択の為に中央へ歩を進め、9つの扉を見つめた。扉は順に、【業火、達成、雷神、達成、闇、若葉、零下、伝説、幻想】となっている。俺は2つのステージ選択と同様にあごに手を添え考え始めた。

188適当:2012/11/23(金) 11:54:12 ID:z4YPwsi.
「ステージ選択は、いきなり違うステージにはしない方がいい。【光】が草原だったから、草原2の【若葉】を選んだ方がいいな。」

“似ているステージを選び、頭が混乱する事を避ける。”これが、俺が考えた“9つの扉”をクリアする為の最善の策だった。類似しているステージを選ぶことは、前のステージと同じ作戦、同じ戦法あるいは近い作戦、近い戦法を使うことが出来る。つまり、【光】のステージで使った戦法・作戦が、【若葉】のステージでも使うことが出来るという訳だ。同様に、ステージが森の【闇】と【伝説】も草原のステージと同じ事が言えるだろう。この瞬間俺の中で、9つの扉を行く順序がある程度決まった。光→若葉、闇→伝説という組み合わせだけは崩さないことを心がけた。体力が毎回完全に回復はしないので、体力の消耗が激しいステージを先にしてしまうとかなりの日数を有するだろう。俺は、【若葉】のステージへ行く扉のノブを捻ろうとした時に小さく独り言を呟いた。

「そういえば…若葉って誰と相手をするんだ?」

“若葉…。”俺がここから思い浮かべるのは、草タイプだろうって事以外は全くなかった。それ以外の事が当てはまらないかとなんとか頭を捻り出しても、“青々と茂っている→かなり若い年齢の相手”としか思い付かなかった。

「イメージは薄いが、考えていても仕方がない。」

前に考えた内容から、相手の姿・形を想像することを止め、俺は【若葉】と書かれた扉を開き歩を進めた。

189適当:2012/11/23(金) 11:58:09 ID:z4YPwsi.
爽やかな風、心地良く照りつける太陽、青々と茂る草、ここまでは【光】のステージと同じだった。【若葉】のステージを目を凝らして見ると、4か所に森が設置してある。その4か所は右端、左端の上と下に位置する。中央が広い原っぱで角は森という構成のステージだった。ステージを見渡していると向こう側から対戦相手の姿が見えた。

「こんにちわ。君が対戦相手?」
「あ!!なんなんだ…あの姿は…?」

対戦相手の姿は、黄緑色の軍服を着て耳と尻尾が葉のような形をしていて、体の色は黄緑…いやレモン色だろうか。瞳が、琥珀色をしたあどけない顔立ちの四足歩行の生き物(ポケモン)だった。俺は、初めて見る姿で名前はわからない。ただ、身に纏っている雰囲気で判断するなら、目の形、体の形がシャワーズやエーフィに似ている。“もしかして、これもイーブイ進化系なのか!?それとも似た他の生き物(ポケモン)なのか!?考えても仕方がない。俺は少女の質問に返答する事にした。

「そうだ。」
「はじめまして、お手柔らかによろしくね。」

“お手柔らかに…?”その言葉が妙に引っかかる。まさか、コイツも演技か?あどけない少女のフリをして、俺を油断させようって魂胆か…。”俺は、少女の言葉に首を傾げ聞き返した。

「君は未成年か。」
「うん、よくわかったね。やっぱりそう見える?」
「いや、俺は鼻が利くんでな。君からは大人特有の匂いよりも、まだ若い十代後半の匂いしかしないからな。」
「すごいね。私にはよくわかんない。」
「というか、さっきからタメ口だな。」
「え?…ごめんなさい。」

俺が年上に対しての口調がおかしい点を指摘すると、少女は目線を落としてしゅんとしていた。

「いや、特に気にしてはいない。ところで気になることがある。」
「なに?」
「お前は演技か?」
「どうして私が演技って思うの?」

俺が少女を見つめて“お前は本当の姿でいるのか”と訊いたが、彼女は平然として返してきた。ますます怪しい…。俺は再度訪ねた。

190適当:2012/11/23(金) 12:05:32 ID:z4YPwsi.
「俺を油断させようとしているだろう?残念ながらその手には乗らんぞ。」
「え…ええ!?ち…ちがうよ!!そんな…ダマすなんて滅相もないよ!!」
「は?いや、油断ならない。現に俺は同じような仮面を被った“エーフィ”に騙された。アイツはお前達の仲間だろう?」
「わ…私はそんなことしないよ!!フィがそうだったからってなんで私までって思うの!?」
「本当か?」
「本当だよ!!信じてよ!!」

俺は、自分の思い込みで少女を責めて化けの皮を剥がそうとしたが、どうやら違うようだ。彼女は懸命な瞳で俺へ訴えかけてきた。“ふざけてるとは思えない。言葉は少し途切れ途切れだが…。”さすがに、あんなあどけない顔の少女にそこまでは言い過ぎたと反省し、俺は口を開いた。

「わかった。疑ってすまない。」
「こっちこそ誤解させてごめんなさい。話し変えるけど、いつ始めたらいい?」
「君に任せる。」
「わかった。じゃあ…いくよ?」

俺は少女の合図を見て小さく頷いた。俺と彼女がしばらくお互いを見つめあっていると開始の合図が聞こえた。

『READY…GO!!』

“少女の特徴も知らない。姿も始めて見る。どんな技を使うかもわからないのに、いきなりアイテムなんか取ったってどうにもならない。”そう考えた俺は、少女に高速移動を使って急接近した。“草タイプならこの距離ではつるのムチは使えない。とすると葉っぱカッターを使ってくるハズ。”俺の思惑通りに少女は、葉っぱカッターを連射して来た。

ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
「ふっ!!はっ!!ふっ!!はっ!!」
キン キン キン キン
「私の葉っぱカッターを刀で撃ち落とすんだね。」
「軌道が読めるからな。」
「じゃあ、これは?」

少女はまた、葉っぱカッターを放ってきた。“なんだ同じじゃないか…。この距離だと普通はつるのムチなんだが、どうしても俺に当てたいのか?”俺は勝手にそう決めつけて、刀を構えた。近くまで葉の刃が飛んできた時撃ち落とそうと構えたが、ここで奇妙な光景を目の当たりにした。

191適当:2012/11/23(金) 12:11:34 ID:z4YPwsi.
ヒュン ヒュン ヒュン…シュン…
「き…消えた!?どこへ行ったんだ?」
パッ…ヒュン ヒュン ヒュン
「な!?なに!?」
ザクッ ザクッ ザクッ
「ぐはぁ!!」

“目の前に急に葉っぱカッターが現れて来た…一体何なんだ!?”俺は急に目の前に現れた3枚の葉の刃に対応出来ず、体へ直撃させてしまった。一時的に地面にヒザをついてしまったが、痛みをこらえ、刺さった葉を体から抜くと…目の前に誰もいない。俺は慌てて辺りを見回した。

「は!?どこだ…どこへ行ったんだ…。」
トントン
「うわぁ!!い、いつの間に…。」

俺は後ろから肩を叩かれ振り返ると、そこには少女の姿があった。俺は意表をつかれて思わず腰を抜かしてその場に尻餅をついてしまった。後ろへ回り込んだ少女は楽しそうに俺に笑いをかける。

「ふふ、ビックリしたでしょ?これが私の特技なの。」
「特…技?」
「ふふふ、そうだよ。晴れの日は、私はこれが大得意になるの。」
「どういう意味だ?」

俺は少女の言っている事がわからず首を傾げて訪ねた。少女は俺にニコッと微笑み話しを続けた。

「“夢特性”って知ってる?」
「なんだそれは?」
「あはは、知らないんだ〜♪」
「特性は“1つ”しかないんじゃないのか?」
「ううん。それがね、私には特性と夢特性っていう“2つ”の特性があるの。」
「はぁ!?」

俺は少女の言っている事が理解出来ずに思わず驚いて目を丸くした。彼女はその様子を見てくすくすと笑っているが、特に悪いはなく純粋に楽しんでいるという感じだった。

「君の特性は?」
「“充電”だ。同じタイプの技を受けたらある程度スタミナを回復出来る。」
「私は、“リーフガード”と“葉緑素”って“2つ”の特性があるの〜。いいでしょ〜?」
「それは羨ましいな。」
「でしょでしょ〜?」

俺が素直な感想を述べると少女は自慢気に自分の二つの特性について語り出した。俺はじっとその場を動かずに、ただ耳を傾けていた。

192適当:2012/11/23(金) 12:16:29 ID:z4YPwsi.
「私はね、お日様が出ている時は状態異常にもならないし、更に体の動きがぐ〜んと上がるの。」
「状態異常にもならないのか!?って事は…はぁ…。」
「くすくすくす。羨ましいでしょ?私には、でんじははオススメしないよ〜♪」
「なる程。これは、いい情報を得た。」
「え?いい情報って…?」

俺は口元を吊り上げ少女に聞こえやすいように故意に大きな声で独り言を呟いた。彼女は、楽しそうな表情から一気にきょとんとした表情へと変わった。俺はその様子を見て腹をかかえて笑いそうだったが、彼女に敬意を表した態度で接し続けた。

「君は…敵に自分の事を喋り過ぎだ。」
「あ…ああ!!」
「あっはっはっは。おっちょこちょいだなぁ〜。」
「うう…どうしよ…。」
「さて、明日が楽しみだな。」
「ええ!?ごめん!!今のは忘れて!!お願い…。」

少女は俺を涙ぐんだ表情で見つめ、俺の手を取り懇願した。あどけない可愛らしい顔が涙によって際立ち、さらに可愛さが一層増している。俺はそれを見て娘もいないのに、まるで娘におねだりされているような感覚を覚えた。俺は立ち上がり、彼女の頭を軽く2回叩き、優しい表情で返答した。

「敵に自分の事を教えるのは、軍隊に入っている者らしくないな。」
「あ…明日負けちゃうかな私…。」
「いや、それはない。君と俺ではハナから差がありすぎる。それに、君の言っていた特性を知った所で俺がそれに対応出来るとは限らない。それに…」
「それに?」
「君のそういう所は、カワイイな。」
「ええ!?そ…そんな事…。」

俺は少女に自分自身が思っている偽りのない感想を伝えた。彼女は照れて顔を赤く染め、俺の目から目をそらし、下を俯いていた。俺はまた少女の頭を軽く2回叩いて、優しい表情で話しかけた。

「そんな事は無い。初めて君を見た時は驚いた。こんなに幼い顔立ちをした少女が、なぜ軍隊にいるのかとな。」
「むぅ〜子供じゃないもん!!高校卒業したもん!!」
「ほう、それは悪かった。という事は18か。若いな。」
「君と同じくらいだよ。そうでしょ?」

少女は俺へ“同世代なんだろう?”と問いかけてきた。“こんな幼い少女にも子供に見られるって…俺は一体どうなっているんだ!?”俺はこの少女がどういう反応を見せてくれるかを知りたくて、ため息をつき意地悪気に言い返した。

193適当:2012/11/23(金) 12:27:04 ID:z4YPwsi.
「はぁ〜あ、君も間違えるのか。俺はこう見えても“22”なんだけどな。童顔で悪かったな。」
「あ…ええ!?ご…ごめんなさい!!てっきり私と同い年って…勘違いしてた。」

少女に“お前の見る目は間違っている”と言うと彼女は目を泳がせてあわてていた。更に追い討ちをかけたらどうなるのだろうかと思い俺は真剣な表情で言い返した。

「まったくだ。もうお兄さんはすっごく傷付いたぞ。」
「ごごごめんなさい!!謝りますから許して下さい!!」
「どうしよっかなぁ〜?」
「うう…。」

俺は口元を吊り上げて少女へ意地悪気に言い返した。彼女は俺がかなり怒っていると勘違いしていたのか、上目遣いで唇をかみ今にも泣きそうになっていた。その表情に思わず心を打たれ、良心が甦ってきた俺は、“さすがにやりすぎたか。”と思い彼女の頭を優しく撫でて言った。

「あっはっは。そんなカワイイ顔されたら許さないわけにはいかないな。」
「も〜う!!お兄さんのいじわるぅ〜!!」
「すまなかった。君に敬語は似合わない。俺とは敵だが、普段通り喋ってくれて構わない。」
「ありがとう。」
「ところで…もう1つだけ頼みがあるんだ。」
「な〜に?」
「君の…名前、いや名前はいい。俺は君のような生き物(ポケモン)を見た事がないんだ。種族名を教えて欲しい。」

今までは、彼女が上目遣いだったが、今度は俺が上目遣いで彼女に懇願してみた。後々、“雄が上目遣いって気持ち悪いな…。”と思いながらも彼女を見つめたが、意外な答えが返ってきた。

「お兄さん意地悪したからもう教えな〜い。」
「それは、すまなかった。そう言わずに教えてくれないか。頼む。」

俺は片目を激しく瞑り両手を顔の位置へ持って来て再度懇願した。“彼女が同世代と間違えるのなら、俺の事は彼女から見ても愛くるしく見えるハズ…。なんか、俺って気持ち悪いな…。”と考えつつも片目で彼女を見つめた。

「お兄さんなんかカワイイね。わかった、特別だよ?私は“リーフィア”っていって、イーブイ進化系にあたるの。私にはお姉さんもいて、お姉さんは“グレイシア”っていって私と同じくイーブイ進化系にあたるの。」

“お姉さん…?姉も軍隊にいるのか?”俺はそのことが気になったが、今は関係ないだろうと思い、質問する事はやめ、少女にお礼を言って、リタイアボタンで【若葉】のステージから脱出した。

194適当:2012/11/23(金) 12:30:31 ID:z4YPwsi.
俺は真っ白い味気ない部屋へと戻ってきた。普通なら真っ白い空間ばかりが続きおもしろくないハズだが、今日のあどけない少女との会話で頭をいっぱいにしていた。

「お姉さん…。グレイシア…。一体どんな姿なんだ?」

俺は眉間にシワを寄せ、あごに手を添えて9つの扉の内【零下】と示された扉へと目を向けた。“氷タイプなのか…?見た目はあの少女と同じなのか…?いや、しかしリーフィアと名乗る少女のお姉さんが軍隊にいるとは限らない…。という事はこの零下の番人は別のヤツだな。”これ以上想像、思考するのも大変なので、用意された夕食を取りシャワーを浴びて眠りについた。

Day6

もう俺は起きた状態なんてもう言う必要はないと思っている。そんな事よりも、昨日少女がうっかり口を滑らせてしまって“棚からぼた餅”的な情報の得かたをした、少女が持つ2つの特性の対策について考えた。

「やっかいだ…。状態異常が効かないなら、動きは止められない。更に、スピードが倍になるのはかなりやっかいだ…。俺の高速移動+電光石火でも追いつけないかもしれない。」

“少女とは普通に1対1で闘っても勝ち目はない。アイテム…それなんだが、何が有効かもわからない。技に関しては葉っぱカッターの見えないヤツもある。1日闘っただけだが、確実に言える。あの少女に勝つには、俺はかなり頭を使わなければならない。”俺は、ここでとりあえず対策を練るのを止めて、用意された朝食を取った。朝食の飲み物はまたあの青い液体だった。だが、既に効果が何であるかわかっていたので、ためらわずに飲んだ。すると昨日受けた3つの消える葉っぱカッターを受けた傷がみるみる内に塞がっていった。俺はその事に何も思わず昨日と同じ【若葉】の扉へと歩を進めた。

195適当:2012/11/23(金) 12:35:50 ID:z4YPwsi.
俺が昨日の少女と闘ったステージ辿り着くと、逆の方にある扉から少女がやって来て俺が見える位置まで近づき、笑顔を向けて俺へ言い放った。

「こんにちは。今日はもう少し頑張ってよ?」
「ああ、努力はする。」

“あの少女は強い。だから、少女は俺との闘いがつまらないかもしれない。”少女に言われて、すぐに頭の中でそう描けた俺は、特に何の感情の変化もさせず冷静に少女を見つめていた。しばらくお互いの沈黙が続き、開始の合図が鳴り響いた。

『READY…GO!!』

俺は真っ先に高速移動+電光石火を使い右へ走り出した。“少女の姿など確認している暇はない。すぐに追いつかれる。”そう思った俺はアイテムが入っている箱を目指して一心不乱に走った。

「はぁ…はぁ…。よし、あった。」

俺が200m先まで進んだ所で見つけたのは青色の箱だった。中を確認し、説明書…というかいらないな。中身が耳栓だっため、説明書よりもこれを一体何に使うのだろうか。と考えながらも次のアイテムを探す為に右下の森へと足を速めた。

「意外にここは広いな…。入ってきた場所がもう見えなくなっている。」

右下の森へと足を踏み入れた俺は、歩きながらも箱がないかと見回した。しばらく辺りを見回しながら歩いていると、再び青色の箱を発見した。俺は、何も喋らずに箱を開け中身を確認した。中には、錠剤が2、3粒入った小瓶と説明書が入っていた。説明書の内容は以下の通りである。

【動体視力底上げサプリメント】
スロットで目押しが出来ない?速い球が打てない?そんなアナタにこれ!!動体視力底上げサプリメントをご提供します!!これを飲み干すだけで、見えなかった球もスロットのラインの柄も見えるようになりますよ!!

“ムカつくな…これを書いたヤツを思いっきりぶん殴ってやりたい…。”俺はそんな事を考えながらサプリメントを一錠口へ運び飲み込んだ。錠剤が小さい為水無しで飲めた。サプリメントを飲み終え、ふと後ろを振り返った。

「よし、まだきてないな…。」

俺がそうつぶやきまた森を探索しようとした瞬間に、背中に少し強い衝撃が走った。

「わっ!!」
「うわぁ!!い…いつの間に?」

少女は俺を後ろから脅かしてきた。俺は“いるハズのない少女がなぜ後ろにいるんだ?”と驚きと疑問を持ちながら、少女との距離を急いで取った。

196適当:2012/11/23(金) 12:39:56 ID:z4YPwsi.
「いつからそこにいた?」
「今さっき。お兄さんが後ろを振り返るちょうど前かな?」
「え!?」
「くすくすくす、お兄さんが驚いている時の顔ってカワイイ。」

少女は驚きを隠せない俺を見て、口に前足をあてて口を閉じたまま笑っている。俺はその時地面に生えている草を見て、少女が使った魔法がなんであるかようやく理解した。“カモフラージュか。確かに、少女は肌の色と軍服の色で草木に近い色を出している。対して俺は、白いスーツに黄色い姿とかなり目立っている。なるほど…木の幹に隠れながら行動をしなければ、少女に簡単に見つかってしまうという事か。”俺は驚いた表情を止め冷静をよそった。

「君は魔法も使えるのだな。」
「ふふ、すごいでしょ?」
「だが、今日はやられるわけにはいかない。」

俺は少女に投稿はしないという意志を見せ、刀を抜き両手で握った。俺は少女の攻撃を避けてから反撃する為に、後足で徐々に距離を取った。だが、少女は何も攻撃を仕掛けず俺へくすっと笑いかけ、尻尾を口元へ持ってきて音を奏で始めた。

トゥートゥ トゥルートゥートゥートゥー
「なんだ?リコーダーか?」

少女の突然の行動を俺は黙って様子をうかがっていた。少女の音楽は草で吹いているとは思えない程の綺麗な音だった。しばらく音を聞いていると俺の身にある変化が起きた。

トゥー トゥー トゥー トゥールートゥ トゥ…
「あ…なんだ…急に…眠気が…。」
トゥートゥ トゥルー トゥートゥートゥー
「な…ぜ…だ…。」
バタン
「ZZZ…ZZZ…。」

俺は少女の歌を聞いて、急激に眠気に襲われその場で意識を失った。

197適当:2012/11/23(金) 12:43:49 ID:z4YPwsi.
俺は目を覚ますと真っ白い空間へと戻っていた。俺の記憶は少女の奏でる音を聞いた後に途絶えている。スーツのポケットを探ってみると、耳栓と2錠の錠剤が入った小瓶があった。

「あの歌は…そうか、催眠作用があるのか!!」

“してやられた。少女は、自分が攻撃を仕掛けてこないと俺は攻撃を仕掛けてこないという俺の意図を完全に読み切っていた。俺は先生攻撃を仕掛けない事が落とし穴となり、少女の歌によって眠らされてしまった。優れた戦闘センス…あの少女は天才だ。”俺は少女の完璧な対応に関心させられていた。

「しかし…なぜ眠くなるんだ?音がなんとなく心地良いとは感じたが。」

俺は次にあの歌がなぜ催眠作用を起こすのかを考えた。“リラクゼーションというヤツか?草タイプだからあり得る。あの音は…神経を休ませ体の興奮を抑えるアルファ波に近い音波なのか?いや、アルファ、ベータどちらが有効だったかは忘れたが、恐らくそんな所だろう。とすると耳栓はその為のものか。意外にも早く結論に辿り着いた俺は、腹が減ったので、用意されている食事を摂る為、食事ルームへと歩を進めた。今夜のメニューは、カレーライスに鮭のムニエルに野菜サラダ、そして赤色の液体だった。この3つは、腹が空いていたのであっという間に平らげたが、問題はこの液体である。

「うん…一般的なフルーツではないが、若干の青臭さがある。それが何なのかはわからないが、毒というわけではなさそうだ。」

俺は液体を嗅いで、“毒ではないが、今まで通り何か効果がある。”という事を期待して、我慢して一気に飲み干した。“得体の知れない安全なドリンクは結局一気飲みか…。”俺が数日間食事ルームで飲み続けて出した結論だ。“得体の知れない飲み物はだいたいがマズイ。”その事を知った俺は、一口含んで一気に飲み干すという二度のまずさを味わう事を止めた。一気に飲み干すと、意外にもまずくはなく野菜ジュースを飲み干したという感じが口の中に残っていた。その後、体には…特に変化は無かった。

「今日は何も感じないな…。まぁ、いい。疲れたから寝るか。」

“ドリンクの効果を考えていても仕方がない。いくら考えた所で答えなんか見つかりはしない…。”俺は食事を終えた後自分自身で結論を出し、この日は眠りについた。

198適当:2012/11/23(金) 12:48:02 ID:z4YPwsi.
Day7

俺は目を覚まし、いつもと全く変わらぬ光景を一瞬目に入れ起き上がり、用意された食事を摂って昨日と同じ、【若葉】と示された扉へ歩を進めた。

俺が【若葉】のステージへと足を踏み入れると、昨日と同様に反対側の扉から少女がやって来て、俺へ笑顔を向け軽く会釈をしある言葉だけを強調するかのように言い放った。

「おはよう、“ピッカチュウ〜”のお・に・いさん。」

“なぜ、俺の種族名だけ、変な言い方をしたんだ?何か…気分が悪いな。”少女の発見に疑問と少女の嫌悪感を抱き始めた俺は、彼女へおもむろに訪ねた。

「なぜ、そこだけこんな言い方をするんだ?」
「だって、お兄さん弱いんだもん。」
「弱い?」
「くすす、そうだよぉ〜。私に訊かなくても自分でわかっているでしょ?」

“確かに。だが、そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃないか…。それは、自分の心の中でだけで言ってくれ。”俺は、少女の返答を聞いて少し気分が沈んでしまったので、彼女へ“自分に気を遣って欲しい”と懇願した。

「はぁ…。朝から、君はヒドイな。君はもしかして見た目とは違って、空気も読めない“サゲマン”なのか?“もう少し”気を遣って欲しいな。」
「あはは。お兄さんは“もう少し”頑張って欲しいなぁ〜。あれ?ひょっとして私無理させるような事言っちゃった?だったら、ごめ〜ん。謝るからゆるしてね?てへ。」
ペロ

“コイツ言わせておけば!!”俺は、少女から嘲け笑うように言われ、謝罪され、前言撤回すると言わんばかりの態度を見せつけられたが、彼女の挑発には乗らず、彼女を睨みつけて静かに言い放った。

「今日は勝たせてもらう。減らず口もここまでだ。」
「あはは、そうだと嬉しい〜。私の技をちゃんと見切ってよ?」
「見切るも何も、今日で君とは“オサラバ”だ。」
「くすっ、じゃあいっくよ〜。」

“絶対に勝たなければ!!”四足が二足に接近戦闘で勝てるワケがない。だから、催眠に頼ったり遠距離攻撃に頼らなければならないんだからな。”俺は少女へ言い返した後に彼女の合図を受け、少女を睨みつけたまま思考を張り巡らせた。数秒後、恒例の戦闘開始の合図が俺の耳へと入り始めた。

199適当:2012/11/23(金) 12:55:26 ID:z4YPwsi.
プン…
『READY…GO!!』
ゴロン
「は?」
スリスリ

“コイツ何をやっている?”目の前の少女は合図を聞くと、その場で寝転がり地面に生えている草々を愛しく思うように、自分の頬を草々へすり付けていた。俺が、首を傾げて彼女の様子を観察していると彼女は、故意と思われる満面の笑みを浮かべて俺へ言い放った。

「お日さまが気持ち…。あれ?くすっ、お兄さんハンデあげるよ。」
「ハンデだと!?」
「うん。だって、もう私の夢特性“葉緑素”は発動しているよ?言っとくけど私、お兄さんに追いつくまでに二十秒もかからないよ?」
「二十秒…だと!?ウソをつくな。」

“いくら早いとは言え、俺も脚力には自信があるし、何せここまでで200m近くある。そんな事が…あり得るハズはない。”俺は、少女の自信に満ちた返答に疑問を抱き少女へ言い放つと、少女は嘲け笑っているのか、それとも単純に俺の発言が面白かったのか、大声で笑い声をあげて俺へ言い放った。

「あはははは!!ウソじゃないよぉ〜。だって私100走、お日さまが出ている時は7秒台だもん。」
「7秒!?」
「うん。だ・か・ら、お兄さん今の内に隠れて来て。木の上にでも上ればいいと思うよ。そこから“きっしゅ〜”な〜んちゃって。てへ。」
ペロ

“木の上からコイツを奇襲する?だが…、あんな事を言われては…。やむを得ないな。脚力ではほぼ勝ち目がない事がわかってしまったからな。態度はムカついてくるが…怒るな!!冷静になれ。やはり俺は…アイテムに頼るしか道はないからな。”少女は、相変わらずの挑発する態度を取っていたが、俺は彼女の発言を信じ、思考を巡らせ、結論を出し、彼女へ言い放ち左下の森へと駆け出した。

「そうか。ならお言葉に甘えさせてもらう。」
タタタタタ…

“あれ?いつもより…体が軽い…。まるで…宙に浮いているみたいだ!!凄いぞ!!これは…これは脚力が数段に上がっている!!”俺は少女から一瞬で距離を離せている事に驚き、目的地へ向かいながら、いつの間にか笑みを浮かべてしまっていたが、自分の予想が外れた彼女は、俺を見て驚き声を上げて俺を急いで追いかけ始めた。

200適当:2012/11/23(金) 13:01:23 ID:z4YPwsi.
「ええ!?やっぱな〜し!!逃がさないよ〜だ!!」
シュン タタタ…
「くっ!!一旦怯ませるしか無い!!」
クルッ タタタ…

俺は、少女が体勢を元に戻して自分にとてつも無い速さで接近し始めている彼女へ目を向け、彼女の方へ走り出すと彼女は、またも予想が外れたと言わんばかりに驚き、再び声を上げ始めた。

「ええ!?ど…どっちなの!?逃げるんじゃな…。」
ズザザザザ…
「おりぃやぁ!!」
ドコッ
「うふぅ!!お…お腹が…。」

“この程度じゃダメだ!!コイツの葉緑素はもっと何か効果があるかもしれない!!”俺は滑り込み少女の腹をけり上げたが、懸念が出てきた為更に攻撃を続けた。

シャン
「ふっ!!」
バシン
「痛ぁ!!」
「はっ!!」
バシン
「ったぁい!!もう!!許さな…」
ドコン
「きゃあ!!」
ドサ

“はぁ…はぁ…。これだけやればすぐには追ってこられまい…。”俺は、少女の両前足を刀で打撃を与えて動きを封じ、彼女の頭を思いっきり蹴り上げた。

ムクッ…ヨロヨロ
「も〜う、許してあげない!!リーフブレード!!」
シュイーン
「な…何!?」
「くらえぇぇい!!」
フォン
「くっ!!これは無理だ!!」
スチャン
シュバッ…タン
ヒュンヒュンヒュン フッ…

“何だ今のは!?あれが…あれは本当に葉っぱカッターの類なのか!?”少女は、俺に対して巨大な葉を額の葉から作り出し、思いっきり首を振って投げつけた。俺は、彼女の放った巨大な葉を見て驚いていたが、刀を収め空中後転を行い、彼女の放った渾身と思われる技を避けた。俺は、地面へ着地し彼女の方へ再び目を向けると、彼女は表情を保ったまま次の攻撃を仕掛けてきた。

「よけても無駄だよぉ〜!!拡散マジカルリーフ!!」
シュイーン
「終わりだね。お・に・い・さん。」
シュ シュ シュ シュ…シュン
「か…拡散で見えないだと!?くっ…こうなったら!!」
クルッ タタタタタ…
「あっ!!ズル〜い!!待…待てぇ…って足が…。」

少女は再び額の葉から数枚の葉を作り出し、俺に向けて解き放った。彼女の出した葉は、放った直後に消えたので、俺は避けるのは無理であると判断し、彼女へ背を向けて左下の森へと足を速めた。

201適当:2012/11/23(金) 13:07:44 ID:z4YPwsi.
チラッ
「はぁ…はぁ…。よし、前足にダメージを与えたのが効いたようだな。」

俺は左下の森へと足を踏み入れ走る事を止めて、息を切らしつつ独り言をつぶやき、自分の背後を確認した。昨日のように、少女の姿はそこには無かったので俺は息を落ち着かせてため息をつき周囲の捜索を始めた。

サク サク サク
キョロ キョロ キョロ
「おかしい…。この森の中には何も無い?」
サク サク サク
キョロ キョロ キョロ

“本当に何もないな…。くっ…ハズレを引いてしまったか…。”俺は森の中を捜索したが、一向に何も見つからなかったので、小さく独り言をつぶやいた。

「やはり…何もない。仕方ない、この錠剤を飲んで再戦…。」
タッタッタ…ガサッ
「何!?もう追いつかれてしまったか!!」
ピョン…ガシッ
サササササ…
ピョン…スタ

“回復が早いな…。おそらく…光合成を使ったんだろう。”俺は、背後の物音に気づきとっさに近くにあった木の上へと上った。木の幹に降り立ち、木へしがみついて下を覗き込むと、少女が辺りを見回して俺の姿を探し始めていた。しばらく彼女の様子を見つめていると、彼女はため息をついて隠れている俺を脅迫するように大声で独り言をつぶやき始めた。

「あ〜あ、こんなに探しても見つからないなぁ〜?おかしいなぁ〜?」
スッ…
「もうめんどくさいから寝かしちゃお〜っと。」

“何!?またあの笛か!!くっ…万が一ここで聞いてしまったら、下に落下して間違いなく死亡してしまう!!”俺は少女が尻尾に生えている草を使って音を奏でようとしている様子を見て、焦りながらも急いでスーツのポケットから耳栓を取り出し、自分の耳へと着用した。彼女は、大きく息を吸って自分の尻尾に生えている葉を口に当てて目を閉じ音を奏でていると思われる行動を行い始めた。俺は、彼女の演奏の様子を心の中で独り言をつぶやきながら見ていた。

トゥー トゥー トゥルー トゥー トゥーン…
“吹いているよな?音が全く聞こえないからわからないな。”
トゥー トゥー トゥー トゥールートゥ トゥ…
“同じ長さか?それとも長くするか?”
トゥートゥ トゥルー トゥー トゥー トゥー

“少女は演奏をし終えて口元から尻尾を離し、口に前足を添えて、歯を見せてほくそ笑み独り言を言い放った。俺は彼女の演奏終了を見計らい、耳栓を外し、スーツに収め彼女の声へと耳を傾けた。

202適当:2012/11/23(金) 13:22:00 ID:z4YPwsi.
スッ…
「きしししし…。これで“ピッカチュウ〜”のお兄ちゃんはぐっすり眠っちゃったハズ〜♪」
キョロキョロ
「って聞いちゃったんだから、起きてるワケないよね〜。じゃあ、探しちゃお〜っと。」
スタスタスタ
「う〜ん、見つけたらどうしよっかなぁ〜?隣で添い寝も…いいかも♪きしししし…。」

“俺を完全に眠らせたと思っているな…。しかも、挙げ句の果てには添い寝!?コイツ…バカにしやがって…。だが…何か可愛かったな…。上手く行った!!って思っている時の顔も…はっ!!イカンイカン!!そんな事はどうでもいい!!早く…アイツが去った後に別の場所へ行かなくては!!俺は、少女が独り言をつぶやいた後にその場から立ち去ったのを見計らって、様々な思いを巡らせながら、ふと横を見ると、俺が乗っている木の幹に何やら金色の箱が設置されていた。“こんな所にあったのか!!”俺は心の中で叫び、箱へと近づき始めた。

ソロリ…ソロリ…
「よく折れないな…。まぁ、どうでもいいか。」
ソロリ…ソロリ…ピタ
「これだな。」

俺は独り言をつぶやき、金色の箱を開けると何やら奇妙な色の物体が入っていた袋を発見した。袋の下にあった説明書に目を通すと俺は一瞬で顔を青ざめさせてしまった。説明書の内容は以下の通りである。

【神経ガス装置】
円を描くように八方に仕掛け、相手をその中に入れて、神経ガスを吸わせて気絶させる事が出来る。仕掛け終わったら、付属のリモコンを使って赤外線センサーを作動させること。

“お…俺に、あの少女を毒で冒せと言うのか!?くっ…神経ガス…。最悪死に至る危険性がある危険な兵器…。くそっ!!どうすれば…。”俺はこの時苦渋の選択に迫られていた。あどけない少女を殺してでも助かる道とこの兵器を使わず少女へ勝利し助かる道。俺が二つの選択肢に迫られていると、再び少女が俺の真下に現れ、独り言をつぶやき始めた。

タッタッタ…スタスタ ピタ
「おっかし〜なぁ〜。何でどこにもいないんだろ…。」
スクッ
ピト
「う〜ん、さっき私…何って言ったっけ?」

203適当:2012/11/23(金) 13:29:29 ID:z4YPwsi.
“マズい!!コイツがあのセリフを思い出してしまったら、すぐに見付かってしまう!!ここは…俺はこんなあどけない少女を殺す事なんて出来ない!!今は…森の中…。よし!!奇襲を仕掛けて怯ませ、隙を与えずに…決めてしまおう!!”少女がつぶやき終わり、首を傾げている様子を見計らって、俺は金色の箱に説明書を戻し、刀を抜いて彼女目掛けて下へ飛び降り、奇襲をかけた。

「確か…木にのぼ…」
シャン
ピョン
「ればいい…。」
「うりやぁぁぁ!!垂直切りぃぃぃ!!」
「へ?へぇ!?ウソぉ!!ちょっと待っ…」
バシン
「ったぁい!!」
ペタン
俺が、少女へ言い放つと少女は俺の方へ向いて、驚き慌てふためき始めた。俺は、彼女の背中へ刀を強く当てると、彼女は苦痛の声を上げてその場にうつぶせとなった。俺は、次の攻撃の準備に取りかかり彼女を高く蹴り上げて彼女が宙に浮いている間、刀の先端部分を当て始めた。

ドコン
「きゃあ!!」
「うぉぉぉ!!連続突きぃぃぃ!!」
シュシュシュシュシュシュシュ…
「きゃあああああ!!」

“結構なダメージだと思うが、まだダメだ!!”俺は少女の苦痛の声を聞くが、懸念を払拭する為まだ地面に倒れている彼女へ、追い討ちをかけた。

ドサ
「追撃ブレードテイル!!」
「いたた…ブレードってな…えへぇ!?」
ヒュン…ドゴォ
「きゃはあ!!」
ドサ

“はぁ…はぁ…やったか?いや…息をしている!!こうなったら!!”俺は、うつぶせになっている少女へ向けて高速で空中後転を行い、追い討ちをかけた。だが、彼女は仰向け状態になり苦痛の表情を浮かべながらも、激しく呼吸をしていたので、俺は倒れている彼女へ近づき、彼女の体を持ち上げて宙へ浮かせて、とびあがり更なる追い討ちをかけた。

タッタッタ
「うぅ…。」
ガシッ
「う…へ?な…何?」
ヒョイ
「え?そ…そらを…飛んで…。」
シュッ
「れ・ん・ぞ・く十字切りぃぃぃ!!」
バシンバシンバシンバシンバシンバシンバシンバシン
「きゃあああああああ!!」
ドサ
「追撃ブレードテイ…」
ガクッ
「はぁ…はぁ…、ダメだ。連続した…動作を…行い過ぎた…。」

204適当:2012/11/23(金) 13:32:49 ID:z4YPwsi.
俺は少女の腹部を数回もの十字を描くようにして刀で叩きつけ、彼女が地面へ仰向けになったところに更なる追い討ちをかけようとしたが、体が思った以上に疲弊しており、刀を杖替わりにして立ち、息を切らしながら彼女の方へと目をやった。彼女は、何とか起き上がろうしながら、強く睨みつけて途切れ途切れの発言を行った。

グググ…
「うぅ…。ゆ…油断したぁ…。」
「はぁ…はぁ…。ウソだろ…。コイツ…まだ闘(や)る気な…のか?」
グググ…
「はぁ…はぁ…。お…お兄ちゃ…はん、絶対に…許さな…はぁ…い。許さな…」
ドサッ

“ふぅ…。やったようだな。ほ…本当に…やった(倒した)よな?”俺は目の前で、少女が倒れている様子を見ながらも、疑問を抱いておそるおそる彼女へ接近し、彼女の体をゆすり、叩き始めた。

ソロ ソロ ソロ…
「すーすー。」
ユサユサ
「すーすー。」
トントン
「すーすー。」

“完全に気絶しているな。よし、勝った。不可能と思われた勝負に勝った!!だが…、こんな少女相手にやり過ぎた。傷もヒドいな。連れて行けるかどうかはわからないが、看病してやろう。”俺は、うつぶせのまま目を閉じて静かに息をしている少女の胸についていた、琥珀色の“π”のバッチを手に取り、もう片方の手を彼女の体に接触させた。数秒後、俺と彼女は姿を消して【若葉】のステージを後にした。

205適当:2012/11/23(金) 13:38:28 ID:z4YPwsi.
俺は、気絶した少女と共に、元の白い部屋へと姿を戻した。なぜ、少女に触れるだけで共にこの部屋へ移動出来たかは、考えずに彼女をその場に置いていき、自分の衣服がある白いスーツを手に入れた場所へと足を速めた。白いスーツを手に入れた場所に掛けられていた自分の白いシャツを手に取り、シャワールームへ直行シャツを濡らして彼女の元へと戻った。

スタスタスタ
チラッ
「すーすー。」

“うっ…かなり傷だらけ、血だらけだ…。俺は…なんて事をしてしまったんだ…。”

スッ…ピトッ
「すー、んっ…。」
ビクッ

“起きてしまったか!?”俺は、少女の声に驚きながらも彼女の体のところどころについている赤い液体を拭っていった。拭い終わり自分の白いシャツを見ると、薄い赤色で染められた箇所が出来ていたが、特に何も気にせず、シャワールームの近くの洗濯機の中へ自分のシャツを放り込み洗濯機を起動させた。その後に食事ルームから漂って来る匂いをたどり用意されていた食事がある場所へと歩を進め、静かに食事を摂り始めた。

スタスタスタ
チラッ
「スパゲティにサラダに…またあの黄色い飲み物か…。」
カチャ…
クルクルクル…パク…
カチャン

“これは、あの少女へと飲ませたい…。飲ませれば、傷も完治しやすくなるだろう。だが…体力を回復したら回復したで、俺へ攻撃してこないだろうか?いや…大丈夫だ。確かな根拠なんて何1つ無いが、あの少女は…攻撃はしてこない。”俺は、食事をし終えて静かに食器を置き様々な思考を巡らせ結論づけて、気絶している少女の元へ黄色の飲み物を持ち寄り、彼女を起こし始めた。

パシッ
スタスタスタ
「すーすー。」
トントン
「起きろ、起きろ。」
パチッ

俺が黄色の飲み物を持ったまま少女の体を叩くと、彼女は目を覚ましたので彼女へ真剣な表情を向けて声を掛け、持っている物を差し出した。

「目が覚めたな。すまないが、これを黙って口に入れてくれないか?」
ムクッ…チラ
「ん?な〜にこれ?そして…何で私はここに?」
「説明は後だ。黙ってこいつを口へ入れろ。君の体力が回復する飲み物だ。」
「え?うん、わかった。」

れろ。君の体力が回復する飲み物だ。」
「え?うん、わかった。」

206適当:2012/11/23(金) 13:44:08 ID:z4YPwsi.
俺が少女の質問答えず強く言い放つと、彼女は俺は指示に素直に従い、俺から黄色のを受け取り自らの口へと運んだ。彼女が飲み干したのを見計らい、彼女から空のグラスを受け取ると、彼女が何かを思い出したように小さく呟いた。
スッ…パシッ
「んぐっ…。ぷはぁ〜。あっ、これ…“オボンの実”だ。」
「オボンの実?」
「お兄ちゃん知らないの?」
「知らないな。そんな物は口にした事は無かったからな。」
「そうなんだ。ふ〜ん。」

“お兄ちゃん?俺は、お兄さんとは言ったが、何故勝手に身内を呼ぶような呼び方に変えているんだ?”俺は、少女の発言に含まれていたある言葉に首を傾げて彼女へ訪ねた。

“お兄ちゃん?俺は、お兄さんとは言ったが、何故勝手に身内を呼ぶような呼び方に変えているんだ?”俺は、少女の発言に含まれていたある言葉に首を傾げて彼女へ訪ねた。

「君…なぜ俺をそう呼んでいる?俺は君の“お兄さん”ではないのだが…。」
「くすっ、なんでだど思う?」
「さぁ?なぜなんだ?」
「教えないよ。」
「はぁ?」

“何故秘密にする必要があるんだ?”俺は、少女の返答を聞いてますます困惑し、首を傾げた。彼女は、俺の様子を見てあくびをし、俺の理由を述べた。

「ふぁ〜あ。だって私、眠いんだもん。」
「眠いからって…。」
「お兄ちゃんごめん。寝てもいい?」
「は?あ…ああ、別に構わないが俺が怖くないのか?俺を敵とは思わないのか?」
「ふぁ…。おもほわぁな…いよ。じゃ、お休み〜。」
ゴロン
「すーすー。」

“敵とは見なしてないという事か。何故だ?俺にはそういう風に思わせる強いオーラが…。ふぁ…イカン。俺も…もう限界だ。”少女は、俺に許可を申し出て俺から承諾を受け取ると、あくびをしながら俺へ合図を送り、一匹で眠りの世界へと旅立ってしまっていた。俺は彼女があまりにも無防備な気構えしていたので、疑問を抱き始め原因を追求しようとしたが、自分の睡魔とつかれに負けた彼女と同様に眠りの世界へと旅立っていた。

207適当:2012/11/23(金) 13:49:25 ID:z4YPwsi.
トントン トントン
「起きて、ねぇ起きてピカチュウのお兄ちゃん。」
「ん?ああ…。」
ムクッ…

俺は寝ている途中に少女に体をたたかれて声を掛けられたので、目を覚まし彼女の方へと目を向けた。目を向けると、彼女が下唇を噛んで何かを訴えるかのような苦しそうな表情を浮かべて俺へ、言い放ち訪ねてきた。

キュッ
「私…おしっこしたいの。」
「おしっこ?」
「トイレ…どこにあるの?」
「ああ、それならシャワー浴びる所と洗濯機の間…。ほら、あそこだ。」
ピッ

俺は少女の訴えを耳に入れると、彼女へ彼女自身の目的の場所へと指を差し返答した。すると、彼女は俺の指差した方向へと目を向け、驚き俺へ訪ねて来た。

「あっち?」
チラッ
「ええ!?ウソ…あれって…。」
「壁がない。仕切りがない。かなり恥ずかしい便所だな。」
「ホ…ホントにあそこでしてるの?」
「ああ、そうだが?嫌なら、ここで漏らすか?」

俺は、少女の質問に答え愚問であるとばかりに聞き返すと、彼女は俺の表情を見て、自分の目的の場所へと掛けだし、すぐ目の前まで接近して俺に不安気な表情を向けて要求した。

「あぅ…。」
タッタッタッ…ピタ
「ぜ〜ったい見ちゃダメだよ?いい?」
「ああ、わかったわかった。さっさと放尿(し)てこい。」
クルッ

俺は、少女の要求を受け入れ要求通りに後ろを向いて彼女から目を背けた。すると背後から小さな水温が聞こえ始めた。“結構距離があるのに、何で聞こえてしまうんだ?この部屋は、音が響く仕様なのか?”俺は首を傾げ黙ってしばらく何もない空間を見つめていると、後ろから足音が聞こえ始め、肩をたたかれて終了の合図を出された。

スタスタスタ
トントン
「終わったよ。」
クルッ

俺が少女の方へ振り向くと、彼女は元のあどけない可愛らしい表情を浮かべていた。俺は彼女の表情を見て安心し、ふと腕時計を見ると【18:00】となっていた。“そんなに長い間眠っていたのか。”俺が時計の表示時刻を見終わって彼女の方へ目を向けると、彼女が俺に訪ねて来た。

チラッ…スッ
「ねぇ、今何時だったの?」
「6時だ。」
「6…もしかして…朝?」
「いや、夕方の6時だ。」
「なぁ〜んだ、よかったぁ〜。」

少女は、俺から真の答えを聞き安堵の息を漏らした。食事ルームからは、いまだに匂いが漂ってこないので、俺は彼女にはぐらかされた質問を訊ねた。

208適当:2012/11/23(金) 13:55:06 ID:z4YPwsi.
「君、どうして俺を“お兄ちゃん”と呼んでいるんだ?」
「え?その方が呼びやすいからだよ。」
「俺にあんなにヒドイ事をされたのに、やたら警戒心が薄いな。」
「だって、お兄ちゃんがそういう事をする為に私を連れて来たんじゃないってわかるもん。何っていうのかなぁ〜?その…雰囲気が優しくて、落ち着く感じ。」

“確かに、その為に連れて来てはいない。オーラがないというワケではなかったようだな。何か…“綾”と初めて会った時に言われたセリフと似ているな。コイツもそれを感じ取っているのか?”俺は、少女の心を試すように質問を投げかけた。

「君が俺といて落ち着くと言うのなら、君の事を教えてくれないか?」
「私の事?」
「ああ。とりあえず…名前とかだな。年は…言わなくてもいい。」
「私は“フィア”って言うの。」

“フィアか。名字を明かさないのは何故だ?まぁ、どうでもいい。”俺は、少女の答えを受け取り次の質問を投げかけた。

「そうか。じゃあ君は、軍隊のどの位置にいる?」
「え?う〜ん、ブラッド少尉の…すぐ下。」
「下?」
「うん。何匹か兵士を連れているよ。えっと…10匹だったっけ?」

“なかなかすごいな。という事は、俺が戦っているのは、全て隊長格って事か?”俺は、3つ目の質問を投げかけた。

「すごいな。そこにある扉のバッチに、“α〜ω”とあった。それらは全て君と同じもしくは、それ以上の位なのか?」
「そうだよ。“α〜μ”までが私と同じ位?あ、でも“λ”だけは違うかな。この中での位は、一番がω(オメガ)、二番目がχ(カイ)、三番目が…ラム…ダ?だったっけ?うん、だと思うよ。」

“随分喋ってくれるな。これは、もしかして…もしかするとコイツを味方に出来るんじゃないか?”俺は少女に自分が必要な情報に関しての質問を投げかけた。

「そうか。じゃあ、それぞれの扉の番人の“種族”を教えてくれないか?」
「しゅ…ぞく?」
「ああ。ダメだったら、言わなくてもいい。」
「くふっ、そんな事ないよ。じゃあ、言うね。」
「ああ、頼む。」

俺が少女へ返事を返すと、彼女は呪文を唱えるように次々と言い放った。

209適当:2012/11/23(金) 14:03:01 ID:z4YPwsi.
「“α”スターって名前のブースター。“β”シャーズって名前のシャワーズ。“γ”サンって名前のサンダース。“θ”フィって名前のエーフィ。“λ”ブラッド少尉って名前のブラッキー。“π”は…言わなくてもいいよね?だって、おしっこしている時胸にバッチが無いのを見ちゃったもん。」
「あっ…すまない。」
「あはは、いいよ。だって私負けちゃったし。続けるね?」
「ああ。」
「“μ”は私のお姉ちゃん。シーアって名前のグレイシア。“χ”はショーン中尉って名前のジュカイン。そして最後に“ω”は…、カオス少佐って名前のゾロアーク?」

“なぜ最後だけ疑問形なんだ?”俺は、少女におもむろに訊ね返した。

「どうして最後だけ、自信が無いんだ?」
「だって、会った事無いんだもん。“ショーンおじいさん”から聞いただけで。」
「そうか。ん?おじいさん?って事は、ジュカインだけ…。」
「うん、年が65歳のおじいさんだよ。」

“65だと!?な…なぜ、若いヤツらよりも結構位が上なんだ?マズイな…、という事は相当の実力者だハズ…。というか、二匹を除けばかなり強者揃いじゃないか!!”俺は、少女の話を聞き終えた後、さまざまな思考を行い結論を出して、彼女へ反応を示した。

「中尉の下が、イーブイ進化系って…。はぁ…。大変な闘いになりそうだな。」
「くすっ、そうだね。」
「笑い事じゃない。俺はここへ誘拐され、監禁され、レベルの差がある闘いを無理矢理やらされているんだからな。」
「知ってるよ。だって会議で言ってたもん。」
「会議だと?何と?」

俺は少女の不可解な発言を訊いて思わず訊ねた。すると彼女は、ためらいを見せずに俺の質問へと答え始めた。

「レベル30の“ピッカチュウ〜”の実験データを取るからって…。」
「はぁ!?実験だと?」
「あっ…これ言って良かったのかな…。」

“実験されている!?俺を一体どうするんだ気なんだ?だが…もう喋ってくれそうにないな。”俺は、少女の更なる不可解な発言に関して質問をぶつけたくなる気持ちを抑え、彼女が不安気な表情を浮かべている事に気を遣って、彼女を安心させ始めた。

210適当:2012/11/23(金) 14:09:13 ID:z4YPwsi.
「実験体か…。ありがとう。これで謎は解けたな。」
「え?もういいの?」
「喋りすぎると、君まで命が危ない。俺は、君を殺す為にここへ来たんじゃない。治療とする為に連れて来たんだからな。君からの情報は、単なるオマケだ。

「ふ〜ん、じゃあもういい?」
「ああ。もうこれ以上喋るな。君を“裏切り者”としたくないから。」

俺が少女へ情報の暴露を抑止するように呼びかけると、彼女は耳を動かして、俺の発言のある言葉に関して、不安気な表情を浮かべて独り言をつぶやき始めた。

「そうなんだ…。私ってもう裏切っちゃったんだね…。みんなを…。」
「は?いや、それはわからないだろう?たかが、これだけで裏切りとは思えないんだが…。」
「ううん、ショーンおじいさんが言ってた。“あのピカチュウ君なかなかの腕前じゃぞ?って。」

“は?なぜ別の部屋の情報がわかるんだ?って事は…まさか!!俺は、少女の発言に不審感を抱き彼女へおもむろに訊ねた。

「待て!!君は、俺の闘った様子をどこまで聞いている?」
「う〜ん、シャーズを倒してフィを倒したって所まで。」
「なんだって!?これじゃあ、まるで…まるで俺の闘い方が筒抜けじゃないか!!」
「え?そうなるの?」

“コイツ鈍感だな…。って事は、この部屋も…まさか監視されている!?”俺は半ば呆れ始めたがすぐに強くなり、少女へおもむろに訊ねた。

「そのおじいさんからは他の事を聞いたが?」
「そうだね。部屋にいる間は、刀を振ったりして頑張ってるって。」
ガクッ
「はぁ〜。何てこった…。全部…見られていたなんて…。」

俺が少女の返答を聞いて、その場で膝をついて頭を抱えて落胆し始めると、彼女は俺を気を遣ってか、俺に激励の言葉を掛けた。

「くすっ、元気出してピカチュウのお・に・いちゃん。」
「ああ、そうだな。もういい。当然だ。“実験体”にされているワケだからな。」
「はぁ…、自由気ままでいいな君は。」
「だって、しょうがないじゃん。私、オボンの実のジュース飲んだだけで、お昼ご飯食べて無いんだし。」

211適当:2012/11/23(金) 14:13:07 ID:z4YPwsi.
“それも、そうだな。俺は動いていないから、食べなくてもいいな。”俺は、少女に告げられて腕時計を見ると【7:00】となっていた。“そろそろではないだれうか?”俺は推測し鼻を動かすと、自分の予想通りに、食事ルームの方から匂いが漂って来ていた。俺は、少女を誘導し食事ルームへと歩を進めると、食事を盛りつけてある皿には、ビーフシチューと思われる物と、サラダと青い飲み物が置かれていた。“どうしてだ?フィアの話によると、監視しているなら傷も何も負っている事を知っているハズ…。それなのに、この体力を回復させようとする魂胆は一体何なんだ?まさか…、フィアの裏切りを承知しているのか?いや…そんなハズは…。”俺が食事のメニューに関して不審感を抱いていると、彼女は待ちきれなかったのか食事を摂り始めていた。“どうする?フィアにあの青い飲み物を与えるか?それとも…。”俺が更に思考を続けていた矢先、彼女が驚くべき行動を取り始めた。

カチャ…スクッ
パク
モグモグモグ
ゴックン
カチャ…パシッ
ゴク…
「あ!!」
「え?どうかした?」
「いや…。何でも…ない。気にせず食べてくれ。」
「ふ〜ん、わかった。」

“しまった!!飲ませてしまった!!頼む…どうか、どうか毒だけは入っていないでくれ!!俺は、少女が食事を進めていく様子を心配そうな表情を浮かべて見守っていると、彼女は奇妙な行動わ取り始めた。彼女は、なぜだかそれぞれの皿に盛りつけられた物を半分だけ残すという行為を行っていた。俺は、彼女が特に苦しみ出す様子も無かったので、安心しつつも首を傾げて彼女へ訊ねた。

「君、どうして半分だけ残しているんだ?俺に気を遣っているのか?」
「うん。」
「だったら、遣わなくていい。全部食べろ。君は昼食を抜いているのだからな。」
「ダメだよぉ〜。お兄ちゃんも食べなきゃ〜。」
「君は昼食を抜いているんだぞ!?だから君が食べ…。」
「あっ、それとも変な事考えてる?私と“間接キッス”するからっ…て。」

“間接キスだと!?キ…今フィアに従えば…。はっ!!イカンイカン!!何を考えているんだ俺は!!だが…せっかくわざわざ俺に気を遣ってくれたんだ。その考え抜きで食べるか。そうしよう。”俺は少女の指示を従って残りの食事を平らげ、食器を置くと、彼女がいたずら気に微笑み俺へ訊ねて来た。

212適当:2012/11/23(金) 14:22:42 ID:z4YPwsi.
パク…カチャ
「くすっ、お兄ちゃんどう?今の気分は?」
モグモグモグ
ゴックン
「はぁ…。何がだ?」
「何って…。私と“チュー”したじゃん。」
「していない。これはキスの類に入らない。君は何を言っている。」

俺は、少女の質問に対し“何も知らない。何も感じない”という風に返答すると、彼女は俺を試すかのように質問を投げかけて来た。

「ふ〜ん、どぼけているの?」
「は?」
「ねぇ、お兄ちゃん。私は“チュー”して貰ってないんだけどなぁ〜?」
「はぁ!?君…どうしたんだ!?青いヤツを全て飲んでしまっておかしくなってしまったのか!?」

俺は少女の発言に驚き、彼女へ“正気に戻れ”と言わんばかりに言い放つが、彼女は俺を誘惑するかのように可愛らしく笑い、俺へ許可を求めて来た。

「ふふぅん。おかしくなってないよぉ〜。ただ、お兄ちゃんと“チュー”してみたいだけ。だから…接吻(し)てもいい?」
「は?いや待て、君はおかし…。」
ドン…バタン
「ぐわぁ!!」
「おかしくない〜。じゃあ、いただきま〜す。」

俺が少女へ反論しようとすると、彼女は俺をいきなり押し倒して自分の意見を通し自分の唇を俺の唇へと接触させた。その後すぐに彼女は、俺の口内を自らの舌で貪り始めた。俺は、彼女の舌を彼女の思うがままに受けて消極的な態度を取っていると、彼女が俺から口を離して、少し怒った表情を浮かべて俺へ言い放って来た。

スッ…
「ぷはぁ!!はぁ…はぁ…。ねぇ、何でお兄ちゃんのお口の中で、私の“ベロ”を撫でてくれないの?」
「はぁ…はぁ…。え?」
「私と“チュー”するのがイヤなの?」
「いや…そうゆうワケじゃ…。」
「じゃあ、ちゃんとしてね?もう一回行くよ?」
「は?あ…ああ。」

少女は俺に条件を突きつけて、俺に合図を送り先程と同じ行為を続けだした。俺は彼女の舌の感触を味わいながらも、彼女の条件を呑むことを、半ば躊躇していたが、ついに吹っ切れて彼女の条件を呑み、彼女の舌へ自分の舌を絡ませ、彼女の舌を押し込み、逆に彼女の口内を貪り始めた。俺は行為を続けている内に、いつの間にか彼女の後頭部へと手を回して、まるで“自分の物だ”と示すように行為を行っていた。やがて、長いような短いような俺と彼女の行為は終了を告げ、彼女は俺から自分の口を離し、息を切らしつつも、俺へ感想を述べた。

213適当:2012/11/23(金) 14:27:51 ID:z4YPwsi.
「はぁ…はぁ…。お…お兄ちゃん激しすぎ。け…結局自分から…接吻(し)てるじゃん。」
「はぁ…はぁ…。な…なんだ?嫌だっ…たのか?」
「そ…そんな事…ないよ。」
「だ…だったら…いいじゃ…ないか。」

俺が少女へ返答したが、彼女は呼吸を整える事に集中しており、俺へ返答をしてこなかった。俺も彼女と同様に、呼吸を整える事に集中し始めた。しばらくしてお互いの呼吸が整った時、俺はどこからか本能に直接訴えかけるような匂いが存在している事に気付いた。俺はその匂いが何であるかは大方予想がついたので、彼女へ次の行為を行うかどうか訪ねようとした時、彼女自らその行為を求め始めた。

「ねぇ、お兄ちゃん。私さっきの“チュー”のせいで、お股が濡れて気持ち悪いの。」
「ふっ、そうか。で?どうして欲しい?敵の俺に“クンニリグス”を求めるのか?」
「ふふっ。うん、そうだよ。」
スクッ…ゴロン
スッ…
「お願いしま〜す。」

俺は意地悪気に少女へ訪ねると、彼女は肯定の意を示し床に仰向けとなって、自らの最も恥ずかしい部分を俺に晒し始めた。俺は彼女の要求通りに、彼女の下腹部に顔をうずめ彼女の割れ目を舌でなぞり始めた。

ググッ…ピチャ
「ひぁ…。」
ピチャピチャピチャ
「ひぅ…。んっ…。き…気持ち良いよぉ…。」
ピチャピチャピチャ
「ひはぁ…。はうっ…。お…お兄ちゃん…上手い。」

“上手いか…。俺は任意では“綾”にしか愛撫(や)った事はないんだがな。”少女は、俺に行為を受けている最中に感想を漏らし始めた。“こんな事やってていいのだろうか?”俺は疑問が思い浮かぶも、彼女へ行為を続けた。

ピチャピチャピチャ「ふぁっ…。はふぅ…。お…お兄ちゃん…何か出そう…。」
ピチャピチャピチャ
「ひふぅ…。はへぇ…。ご…ごめん。もう限…界。」
プッシャアアア
「はぁ…はぁ…。きゃあ〜出しちゃったぁ〜。恥ずかちぃよぉ…。」

“遅く愛撫(や)ったつもりだが、結構な量だな。もしかして…コイツ相当溜まってたんじゃないか?”少女は快感に飲まれ、自らの割れ目から大量の透明な液体を俺の顔目掛けて噴射した。俺は彼女の発言から彼女の真意を読み取れたので、顔についた液体を拭って口へ含み、いたずら気に微笑み彼女へ意地悪気に訊ねた。

214適当:2012/11/23(金) 14:33:45 ID:z4YPwsi.
ススッ…パク
「あっ…私のエッチな…お汁…。」
「おいしいぞ。とっても。」
「ええ!?そ…そんな…。」
「フィア、で?次はどうする?もう終わるか?」
「ううん。お兄ちゃんのが欲しい。」

少女に訊ねると、彼女は首を左右に振って否定の意を示し、すかさず俺へ別の要求を言い放った。俺は口元を吊り上げて彼女へ言い放った。

「敵のを求めるのか?全く…君は、あのエーフィと似て“淫乱”だな。」
「ああぅ、そんな事言わないでよぉ〜。私は、フィよりエッチじゃな〜いもん。」
「監視カメラで見られているかもしれないぞ?それでもいいのか?」
「うん、いいよもう。おしっこしている所も、お兄ちゃんにお股舐められている所も写ったと思うし。それに、私も…。」
「セックスしたいのか?」
「あはっ、わかっているじゃん。じゃあは〜や〜くぅ〜ぬ〜い〜で。私に“おちんちん”ちょ〜らい。」

“もういいか。俺ももう限界だ。“綾”すまない。俺は、最低の雄だ。これは、俺の自己意志。きっと…フィアが求めなくても、最後までやってしまっていると思う。だが、君を愛している気持ちは変わらない。俺の愚行を…どうか許してくれ。”俺は少女の強い要求を聞き入れ、心の中で精一杯の謝罪を行い、自ら服を全て脱ぎ彼女の目の前に立って自分の反りたつモノをさらけ出した。彼女は、“待ってました”と言わんばかりに積極的に俺のモノをくわえ、ぎこちない舌使いで、俺のモノをほふり始めた。

チュプチュプチュプ
「あっはっは。どこを舐めている?それで、俺のを得るつもりか?」
チュプチュプチュプ
「あ〜あ、完全に貞操だなフィアは。君、彼氏いないだろう?すぐにわかるぞ。」

俺が少女の行為について批判をとばすと、彼女は一旦俺への行為を止めて、俺に“方法”を訊ねて来た。

チュパハァ
「はぁ…はぁ…。じゃあ、どうすればいいの?お兄ちゃんの言うとおり、私エッチした事ないもん。」
「さぁな、自分で考えろ。」
「イジワルぅ〜教えてよぉ〜。」
「ダメだ。甘えるな。」
「うぅ〜、絶対にお兄ちゃんのをゲットしてやるぅ〜。」

215適当:2012/11/23(金) 14:41:09 ID:z4YPwsi.
“さぁて、どう出るか。”俺は少女の返答を聞き、彼女の反撃を楽しみにしていると、彼女はよっぽど悔しかったのか、それとも躍起になってしまったのだろうか、俺が予想もしていなかった行為を行い出した。

パクッ
チュプチュプチュプ
「あっはっは。何度愛撫(や)っても無…」
シュコシュコシュコ
「だはぁ!!は…はぁ!?ちょっと待て!!君、それは無…」
シュコシュコシュコ
「いい!!だはぁ!!ろほぉ!!い…一度に二つも技をやるなぁぁぁ!!」
チュプチュプチュプ
「うっ…はぁ!!くっ…もう限界だぁぁぁ!!」
ビュク ビュルルルル…

俺は少女に自分のモノをしごかれるという行為を付け足されて、快感に飲まれて長い時間にわたって、彼女の口内へ自分の精子(モノ)を射精(だ)してしまっていた。俺は息を切らして、彼女へ目を向けると、彼女は満面の笑みを浮かべて感想を述べた。

「はぁ…はぁ…。」
チラッ
ゴックン
「くふふ、お兄ちゃんのおいしい〜。いっぱい射精(だ)してくれてありがとぉ〜。」
「はぁ…はぁ…。君、“手コキ”と“フェラチオ”は流石に“ズルイ”じゃないか。」
「だって、私下手くそだも〜ん。しょうがないじゃん、欲しかったんだし。」
「だ…だからって…。」
「お兄ちゃんが悪いんだよぉ〜?あっ、そうだね〜。だってお兄ちゃんは、私のおまんまん“ペロペロ”しながら指で“いじいじ”出来ないもんね〜。だったら謝るね。ごめんちゃい。てへっ。」
ペロ

“おまんまん?雌の性器をおちんちんみたいに呼ぶ感じか?まぁ、いいか。俺も満足させてもらえたんだし。そろそろ終わった方がいいな。フィアを…裏切り者としたくはないからな。声が聞こえなければ、俺に強要された様に写ったハズ。”俺は少女の舌を出して可愛らしい仕草を見届け、彼女へ笑みを向けて終了の合図を送った。

「ふっ、君は本当にカワイイな。」
「えへ?そ〜お?」
「ああ。よし、もう終わろう。傷は完全に回復したな?今日はもう遅い。君は部屋へ帰る事が出来ないから、シャワーを浴びるなりして寝てくれ。俺も明日の闘いに備えて寝…」
「う〜ん、イヤだ。まだ寝たくないもん。」

“眠く無いではなく、寝たくない?って事は…、当然最後までって事か…。”俺は少女が不満気な表情を浮かべて発言した事に対して、呆れた表情を浮かべて彼女を説得し始めた。

216適当:2012/11/23(金) 14:47:16 ID:z4YPwsi.
「はぁ…。フィア、いい加減にしてくれ。君と俺はレベルが違うんだ。監視カメラに君と俺がセックスしているのが、写ってしまったら、君は敵の子を宿した者と見なされて、裏切り者扱いされてしまうぞ?」
「いいよ、それでも。」
「はぁ!?君、何を言って…。」
「それとも、私とエッチするのはイヤ?」
「いや…嫌ではないが…。」
「くすっ、じゃあ決まりね。私の初めて…奪って下さい!!」
スクッ…ゴロン
パカ

“くそ、どうすればいいんだ?ここでフィアとセックスしてしまったら、フィアを殺してしまうようなものだ。俺は…こんな年端もいかない娘なんか殺したくはない!!”俺は少女が何かを期待して目を輝かせて仰向けになっている様子を見るが、真剣な表情を浮かべて彼女に諭し始めた。

「フィア、俺は君に裏切り者になって欲しくないんだ。だから止めよう。君は、俺と性交(す)るべきじゃ…あっ。」
「ぐっす…ひっく…。」
「フィア…どうして泣いているんだ?」
「だって…お兄ちゃんの事が大好きなんだもん!!」
「俺の…事が?」

少女は大粒の涙を浮かべて俺に強く訴えてきた。俺が自分を指差し彼女へ訊ねると、彼女は涙を流しながら俺へ真実を述べた。

「ぐっす…。もう正直にいうね。私が…お兄ちゃんって呼んでいるのは、呼びやすいから…ってだけじゃないよ。ピカチュウのお兄ちゃん格好良くて、強くて、素敵だった。それに、私は闘ってて楽しかったんだよ?」
「強い?弱いって言っていたじゃないか。」
「ううん。ごめんね。私はレベル50台でお兄ちゃんはレベル30台。負けて当たり前だよ。それでもお兄ちゃんは、私に勝つ方法を考えて私に挑んできてくれていた。私ね…あんなに強い雄と闘ったのなんて、お兄ちゃんが初めてだったんだよ?」
「俺が…初めて?」

俺は少女の発言に驚き彼女へおもむろにに訊ねた。彼女は何の躊躇いもなく俺の質問に答えた。

217適当:2012/11/23(金) 14:51:17 ID:z4YPwsi.
「ぐっす…。ぞうだよぉ。“草笛”を使った後に、お兄ちゃんが草むらの中で寝ていない事に私ビックリしちゃったもん。それに、私をひるませたのはお兄ちゃんが初めて。」
「あれは、催眠効果があるってわかっていたからな。君の草笛の音を聞いて、すぐに耳を塞いだんだ。」
「そうだったんだ…。あれ?でも、どうして森の中にもお外にもいなかったの?それに…私の演奏が終わるっていつわかったの?」

“あっ…確かにな。もう正直に言おう。フィアは、対戦相手で唯一俺に優しくしてくれたんだからな。”俺は、少女の涙を自分の手で拭ってあげ、彼女の質問へ答えた。

スタ スタ
スクッ…ススッ…
「え?お兄…ちゃん?」
「あっはっは。すまないな。俺は、君の真上にいたんだ。君が入って来る音を聞いて、すぐに木の上に上って、君が立ち去るのをずっと待っていたんだ。
「へぇぇ!?」
「でなきゃ、奇襲はおかしいと思わないか?“何で自分に見つからずに、木の上からとび下りて、いきなり刀を当てられたんだろう?”ってな。」

俺は少女に真実を話し、真実とは異なった行動を行った場合の矛盾点を指摘すると、彼女は俺の話に納得したのか、はっとした表情を浮かべて、俺へ相槌を打って来た。

「あっ…あー!!確かにそうだよ!!私の演奏が終わる瞬間をずっと見ていたんだったら、音を聞くタイミングも間違えないから…。」
「当然、森の中で寝ているワケないよな?」
「あぅぅ…。悔しい〜!!お兄ちゃんに一本取られたぁ〜!!」
「君の“アドバイス”のおかげだ。“おっちょこちょい”のフィ〜ア?」
「ああ〜!!もう、言わなければ良かったぁ〜!!私のバカぁ〜!!」

“何かカワイイな…。何か、俺もフィアとセックスしたくなってきたな。”俺は少女が悔しがる表情を浮かべて声を上げている様子に心を動かされ、彼女の頭を優しく撫でて、優しく笑みを向けて、彼女の望みを“叶えてやる”と言い放った。

218適当:2012/11/23(金) 14:56:09 ID:z4YPwsi.
ポン ナデナデ
「あっはっは。このカワイイヤツめ。俺は、バッチを手に入れた。今更返す気はない。その代わり、君の願いを1つだけ叶えてやる。何がいいんだ?」
「バッチ返さないんだったら、私とエッチして。」
「よし、わかった。だが始めに言っておくが、処女膜を破られたらかなり痛いぞ?それは、わかっているよな?」
「うん。高校生の時お友達から聞いた。とって〜もイタイって。でも私頑張る。だけど、泣いちゃったらごめんね?」
「そうか。覚悟があるなら、俺のモノを君の膣(ナカ)へ挿(い)れてやる。行くぞ?」

俺は少女の返答を聞いて彼女へ合図を送り、彼女の秘所へ自分のモノをうずめ始めた。俺はついに彼女の初めての証へぶつかったので、彼女へ合図を送り彼女の初めての証を一気に突き破った。彼女は意外にも表情を崩さないどころか、ますます口元をゆるませていたので、俺は疑問を抱き、彼女へおもむろに訊ねた。

ジュブブ…ピリッ
「あはっ、お兄ちゃんが挿入(はい)ってくるぅ〜。」
「あれ?フィア、痛くないのか?」
「うん。なんか…おまんまんの膣(ナカ)に、大きなセロテープが貼って会ったような感じ。」
「セロテープ!?」
「もう、いいじゃ〜ん。は〜や〜くぅ動いてよぉ〜。あれ?それとも、もう無いの?お兄ちゃんのミ・ル・ク。きゃはっ、だったらごめんね?謝るから許してね?てへ。」
ペロ

“コイツなめやがって…。貞操のくせに、経験者を挑発するとはいい度胸だな!!”少女は舌を出して可愛らしい表情で俺を嘲け笑って来たので、俺は彼女へいたずらに微笑みかけ、彼女を脅迫し、彼女の合図を待たずに自ら腰を動かし始めた。

「ほ〜う。君、俺を挑発してただで済むと思うなよ?」
「きゃはっ、私をめちゃくちゃにするつ…」
ジュブジュブジュブ
「もほぉ!?りひぃ!!なの…、って合図くらいして!!いきなりはズ…。」
ジュブジュブジュブ
「ルふぅ!!いひぃ!!よほぉ…。お兄ちゃん!!私、初めてだよ!!もっと手加…減してよ!!」

“気持ち良さでうろたえているな。よし、コイツを壊してやろう。”俺は完全にスイッチが入り、少女の訴えを無視してとんでもない返答と行動を取り始めた。

219適当:2012/11/23(金) 15:00:50 ID:z4YPwsi.
「何?もっと速く動いて欲しい?しょうかないなぁ〜。お望み通り速く動いてやる。ほれ、行くぞ?」
「へぇ!?私、そんな事言ってな…」
ジュブジュブジュブジュブジュブ
「はぁぁ!?いい!?よぉ!!は…速すぎるよぉ〜!!い…絶頂(い)っちゃうから止めて〜!!」

少女は予想も出来なかった俺の激しい行為に、喘ぎ混じりの声で、俺へ抑止をかけた。俺は、自分で速く動いてしまっているので、当然の如く快感に襲われるが、彼女へ勝利の笑みを浮かべて言い放った。

「ふはぁ!!はぁ!!た…たいした事ないな。もう終わりか?トドメを刺してやる。」
ジュブジュブジュブジュブジュブジュブ
「はへぇ!?ひゃう!!ひゃあ!!んへぇ!!こ…こうなったらお兄ちゃんも道ぢゅれだぁ〜!!」
「はぁ…はぁ…。道連れ?一体何をする気…。」
キュウウウ…
「だはぁ!!う…うわぁ〜!!ち…ちくしょうがぁぁぁぁ!!」
ビュク ビュルルルルル…

俺が少女だけ絶頂を味わせて何とか射精をこらえていると、彼女が大声で叫び、俺のモノを膣壁で強く締め上げたので、俺は耐えきれずに叫び声を上げ、彼女の膣(ナカ)へ自らの精子(モノ)を射精(だ)してしまっていた。俺が悔しそうな表情を浮かべて彼女と反対方向に仰向けになって息を整えていると、どこにそんな体力があったかは知らないが、彼女が起き上がって息を整えながらも、俺の顔を覗き込んで嬉しそうにはしゃぎ出した。

220適当:2012/11/23(金) 15:03:26 ID:z4YPwsi.
バタン
「はぁ…はぁ…。くそっ…。」
ムクッ
「はぁ…はぁ…。あはは、お兄ちゃんも道連れだぁ〜!!」
「はぁ…はぁ…。くそっ、こんなにキツく締めやがって…。反則だぞ、君は。」
「え…へへ。う…うるさはぁ…い。お兄ちゃんだって…速くした…。」
クラッ…バタン
「うほぉ!!お…おい!!フィア、大丈夫か?」
「ご…ごめん…。私もう…限…か…い。お兄ちゃんの上で…寝かせ…」
カクッ
「すーすー。」

少女は俺に反論する途中で体勢を崩し、俺に体を預けた。俺は彼女の体を受け止められずに、彼女の顔が自分の腹部へと直撃してしまったので、少しの痛みに耐えつつ、彼女へ声を掛けた。彼女は弱々しく、うつろな目をして小さな声で俺に謝罪し、俺の腹部に顔を伏せたまま静かに寝息を立て始めた。俺は彼女がやむを得ずに取ってしまった体勢だと推測し、彼女を両手で持ち上げて自分の胸元に彼女の頭を持ってくるように移動させた。その後、俺は彼女を寝かしつけるように、優しく頭を撫でながら、彼女の可愛らしい寝顔を堪能していたが、自分も次第に眠気に襲われてしまったので、彼女を抱きながら、彼女に続いて眠りの世界へと旅立った。

221適当:2012/11/23(金) 15:09:29 ID:z4YPwsi.
トントン トントン
「起きて、ねぇ起きて。」
パチッ…
「…ん?」
「朝だよぉ〜。お・は・よ。」
「あ、ああ…。」

俺は少女に声を掛けられ体を叩かれて目を覚ますと、彼女は俺に抱かれたままの姿勢のまま、前足を俺のほほに添えて微笑みを向けていた。俺は起きても尚、自分の上に乗り続けている彼女を見つめて彼女へ理由を訊ねた。

ジー
「君、何でどかないんだ?起きているなら、普通どくだろう?」
「くすっ、何でだと思う?」
「さぁ?知らないな。どいてくれないか。」
ギュウウウ…
「うわぁ!!って君…。」
「や〜だもん。お兄ちゃん暖かくて気持ちいいから、どかな〜い。」

“はぁ…、カワイイが厄介だな。敵である俺にこんなに甘えてくるとはな…。”俺は少女の要望を聞き入れふと腕時計を見ると、【6:30】と表示されていた。“そうか、まだ朝食は出てこないな…。”俺はただ朝食を待っているのも退屈なので、彼女の頭を優しく撫でながら彼女へ質問をぶつけた。

ポン ナデナデ
「ふわぁ…、気持ちいい…。また眠っちゃおっかなぁ…。」
「寝るな。君、どうして敵の俺にこんなに甘えてくるんだ?処罰が怖くないのか?」
「“裏切り”のって事?」
「ああ。もうこれはどう考えても、どう見ても君から求めてきている。軍の連中は、君をただじゃおかないハズだ。」

俺が心地良さそうな表情を浮かべている少女に、厳しい現実を告げると彼女はそのままの表情を保ちつつ、俺に相槌を打ち、俺から離れて何かを叫び出し、後ろ足を曲げて頭を下げ出した。

「くすっ、そうだね。じゃあ、保険でも打っておこうかなぁ〜。」
「保険?」
ピョン
スタ スタ スタ
「元帥様ぁ〜!!聞こえますかぁ〜?私は、ピカチュウのお兄ちゃんの味方になったワケじゃありませ〜ん!!私の愚行を…どうか許して下さぁ〜い!!もう二度と、こんな事はしませんからぁ〜!!」
スクッ ペタン
ググ…ペタン

“あっ…土下座をして許しを得ている…。そうか、やっぱりフィアも怖いんだな。軍のボスからの処罰を受けるのが…。しかし…どうしてこんなにも必死なんだ?訓練が多くなるとかその程度ではすまされないのか?”俺は少女が不安気な表情を浮かべて懸命に過去の行いを謝罪している様子に、同情しつつ疑問が湧き出てきたので少女へ訊ねた。

222適当:2012/11/23(金) 16:50:49 ID:z4YPwsi.
「フィア、どうしてそんなにも必死なんだ?そんなに怖いのか?」
「…。」
「どうした?聞いちゃいけなかったか?」
コクリ

“よっぽどの事なんだな…。うん、これはもう訊くのは止めた方がいいな。フィアは味方に出来ない。俺の味方になってしまえば生きる道なんて保障されない。あんなに…必死に謝ったんだから、きっと…許してもらえるハズだ。俺は少女が表情を暗くして黙ってうなずく様子を見て決断し、少女へ別れを促した。

「フィア、それならもう戻った方がいい。君は…俺の事が大好きなんだろうが、早めに別れないと俺と手を組んでいると勘違いされてしまうからな。」
「そうだね。くすっ、お兄ちゃんありがとう。私、お兄ちゃんに会えて良かった。」
「ふっ、俺もだ。さぁ、もう戻るんだ。そこの…【若葉】の扉からな。」
「うん、わかった。でも1つだけ…。1つだけお願いがあるの。」
「お願い?」

俺は少女の頼みを聞こうと少女へ訊ねた。少女は笑みを浮かべて自分の要求を言い放った。

「“サン”っていうサンダースはお友達なの。だから、優しくしてあげてね?」
「友達?わかった約束する。」
「それから…お姉ちゃんには厳しくしてもいいよ。」
「は?どうして?」

“友達には優しく…だけど、何故姉には冷たいんだ?”俺は少女の性格に似合わぬ発言に首を傾げ、おもむろに訊ねた。すると、彼女はいたずら気に微笑み【若葉】と示された扉へ駆け出し、俺の方へ振り向いて理由を述べ、別れの言葉を告げた。

タッタッタ
「は?おい、フィア待て。俺の質も…」
クルッ
「だって、お姉ちゃん私を子供扱いするからキライなんだもん!!」
「子供…扱い?」
「くすっ、そうだよ!!だから、う〜んと痛めつけてね?じゃあ、お兄ちゃんバイバイ!!生きてたらまた…ぐっす…また会おうね!!」
ガチャ…バタン

“生きていたらだと!?”この時俺は少女の言葉を聞いてその場にひざをつき愕然としてしまった。途端に自然に涙が頬を伝っていくのを感じた。そう、俺は彼女の発言・表情で全てを理解してしまったのだ。“逆らえば…殺される”という事を。俺はしばらく涙を流しながら彼女が去っていった【若葉】と示された扉を見つめ続けていた。

試練3 【若葉】 完

223適当:2012/11/23(金) 16:58:54 ID:z4YPwsi.
試練3 若葉 後書き
はい、これでとりあえず3話目投稿終了致しましたが、“嘲笑う”という言葉が本編にはありましたね?

本来は“嘲笑う”と書きますが、私作者の独断で敢えて嘲け笑うと書いております。理由は本来の書き方では、なんとなく嫌な雰囲気を感じてしまったからです。

私の小説での“嘲笑う”という言葉は、ちょっと相手を小馬鹿にするような感じです。ですから、本来の書き方では“完全にイジメている”“本気でからかっている”というような印象を出さないために、嘲け笑うと書いております。

その他の誤字脱字は私のミスです。

224適当:2012/11/23(金) 17:02:10 ID:z4YPwsi.
連レス申し訳ありません_(._.)_

最後にもう一言だけ言わせてもらいます。2ヶ月間放置して本当に申し訳ありませんでしたm(__)m

四話からは、出来るだけ早めに投稿致します。

225適当:2012/11/24(土) 05:25:51 ID:MjSil672
言い忘れてました(__;)
この物語は、主人公であるピカチュウの身長の方がブイズよりも大きいです。

ブイズ 45〜70
ピカチュウ(仁)80cm

ちなみに一番大きい70cmはブラッド君になります。三話に出てきました、フィアちゃんの身長は45cmです。だから主人公の上で寝ることが出来たのです。

言い忘れてすみませんでしたm(__)m

226名無しさん:2012/12/02(日) 13:33:40 ID:bKlBNm86
はじめまして。ここって…自分が考えた小説を好きに投稿していいんですよね?最近私はポケモン小説が書きたくて仕方ないのです。ただ、
・小説書くのは全くの初心者
・訳あって端末機しか使えない
・コメントを返すのが苦手
という始末です…
大丈夫でしょうか?

227どっかの星:2012/12/02(日) 14:43:45 ID:xc.RESIA
初めは誰だって初心者なのです。気になさらなくて平気なように作られたのがこのチラシの裏なのですよ〜。
wikiでの端末機器使用はあまりお勧めされていませんが、ここでは制限もないのでいいかと。コメントを返すのが苦手でも、感謝の気持ちがあればきっと伝わるので平気ですー。

チラシの裏なのですから、何の気兼ねなく小説投稿をしてくださいまし♪
新人さんは大歓迎です♪

それでは、執筆頑張ってくださいまし。

228226:2012/12/02(日) 15:24:59 ID:2JCOyvGo
では…書かせてもらいます。いきなり不安です。
多分短編になります。ギャグが多めの官能小説です。

これからは「フィッチ」と名乗りますのでよろしくお願いします。

229フィッチ:2012/12/02(日) 16:05:18 ID:2JCOyvGo
「性行為?何それおいしいの?」

ボクがその言葉を言った瞬間、親友のオノノクス君は固まったんだ。
「え…じ、じゃあ…お前精液とかクリトリスとか知らないのかよ!?」
「え、何それ、新製品のお菓子?どこで売ってるの?どんな味?」

「うがあああああああああ!!」
「オ…オノノクス君、構内で『げきりん』はダメだよ!」
ここはとある大学。ボクはここで日々この大学でオノノクス君と毎日スクールライフを楽しんでるんだ♪まあ入学して1ヶ月も経ってないけどね!
「ちょ、お前もう19だろ!?今までこの19年間何やってきたんだよ!!」
ん?19年間やってきたこと…
「えーと、食べることと勉強と食べることと…」
「おいいいいい!!」
だって…ボクが大学に来るまで大変だったんだよ?小さい頃目が見えなかったから勉強できなくて食べることしかやることなくて、やっと進化したーと思ったらやっぱり変わらない…
で、もう1進化してやっと目が見えるようになったわけ。もう大変だったよ。テストが赤点だらけで「アイツは大学行けねーな」って言われ続けたけど死ぬ気で勉強してやっとこの大学に入ったんだ。偏差値は全国的に低いみたいだけど…。
まあ進化しても食べることしか最初は頭になかったよ。むしろ食欲は増加したかな?目に見えたもの…教科書や消しゴムを食べた事もあったっけ。あんまり美味しくなかったな…。クラスメイトも食べ物に見えて食べかけたことも…というか今でもお腹が好きすぎるとポケモンが食べ物に見えてくるんだ。はあ…。食べ物じゃないと理解するのに時間かかって勉強が更に

「おいサザンドラ、誰と話してんだよ。」
あ、ごめん…長くなったね。そう、ボクはサザンドラ。常に食べることしか考えていない大学生さ!

230フィッチ:2012/12/02(日) 17:00:59 ID:2JCOyvGo
「いいかサザンドラ、確かに食べることと勉強することは生きる上で大切だ。だが…俺達はオス。ある事を忘れている。それはエロい事を考え、実現するのを目指していく事!その頂点に立つもの…、それが性行為だ!!」
いや…そう言われても分からないよ。初めて聞く言葉だし。
「その…性行為って何?」
するとオノノクス君は得意そうに、
「では教えてやろう…性行為とは人生の1大イベントなのだ(嘘です)!!」
「イベント…スポーツ大会みたいなもの?」
「そうとも言えるな。性行為には様々な力が必要だ(もちろん嘘です)。(やりきるための)体力、(素早く次の挿入に移るためのアレの)瞬発力、(自我を保つための)精神力、(誘うための)魅力が大事とされる一種の祭典だ!!」
「へー、面白そう!!オノノクス君は性行為をした事あるの?」

………………あれ、オノノクス君急に黙っちゃった。ボク変な事聞いてないよね?
「ぬがああああああああっ!!」
…ってうわああっ!オノノクス君いきなりどうしたの!「げきりん」しちゃったよ!
「俺はまだやってねーんだ畜生!やりてぇのに、何故どの女子も俺の魅力に気付いてくれねーんだぁ!!」
「ちょっと落ち着いてっ!みんな見てるよ!昼休みもうすぐ終わるよ!」
オノノクス君は勢いで回りの椅子やら机やらどんどん弾き飛ばしていく…。ダメだ、止まらない!回りも避難してる。このままじゃ…

ガラガラガラ…
あ、ドアが開いた。教授来ちゃった?これでオノノクス君は終わり…

「えーと…、この有り様をみる限りまだ講義始まっていないですよね?」

ピタッ…オノノクス君の動きが止まった。そして、
「いや全然大丈夫!時間は充分にあるから!あ、ごめん今片付けるから、さあさあ隣に座って!!」
ん?オノノクス君どうしたの急に。すると他のオスポケモンが
「ざけんなオノノクス!ミミロップちゃんは俺の隣だ!!」
「はあ、何言ってんの?俺の隣に座るって言うことはずっと昔から決まってたんだよ!!」
次々に言い争いが始まった…。それより机を…。
「あの、それよりこの状況何とかしませんか?」ミミロップさんは言ったこの一言で…。
「はいっ!!じゃあ一番片付けた奴の隣に座るってことで!」
「よし!それなら俺だ!」「いーや俺だ!急ぐぜ!」「絶対負けねぇ!うおおおお!」
ど…どういうこと?

…教室は教授が来た2分前に元の状態に戻った。肝心のミミロップさんは、
「っしゃー俺だぁ!俺が一番片付けたぜ!!さあ隣に!」
「は…はい。では失礼します。」
何故か荒らした張本人、オノノクスくんの隣に。右からミミロップさん、オノノクス君、ボクの順番になったよ。
辺りからオス達がボク達を凄い目で見てる。いや、見てるのはミミロップさんだけかな?
なんでミミロップさんが人気なのか、ボクには分からないや…。

231フィッチ:2012/12/02(日) 17:06:52 ID:2JCOyvGo
ふう…小説って難しいですね。
補足しますがオノノクスはサザンドラと大学で知り合った設定です。
あとタイトル未定です。まだまだ続きます。
感想と問題点お願いします。

232フィッチ:2012/12/03(月) 02:45:17 ID:vdsn241c
眠れないので話を進めます。…もっと上手く書かなければ。
スレ名通り妄想が爆発するかもしれません。あと官能表現は多目に見てください。全て私の独断による考えです。


「えー、では次にこの問題をオノノクス、君に答えてもらおう。他のみんなもちゃんと答えを出すんだぞ。では3分後だ。」
オノノクス君、運が悪いね。この問題は明らかに難しいって。ボクがわからない問題が答えられる訳が…
「オノノクスさん、この問題はこの計算式をこうして、こう…。そうです、これが正解です。」
「いやー、助かったよ。ありがとな。」
あ、オノノクス君他人に答え教えてもらっちゃった。まったくもう…。ん?何か周りからヒソヒソ声が…。
「アイツ…、ミミロップちゃんに答えを教えてもらうとは何様だよ」
「うらやましいぜ畜生…」
みんなミミロップさんに答えを教えてもらったことに怒ってる?それより普通に答えを教えてもらったことに問題が…。

キーンコーンカーンコーン……

「いやー、今日は助かったぜ!そうだミミロップちゃん、このあと俺暇なんだ。だから」
「あ、すみません…。このあとすぐに次の講義がありますので。では。」
「うん、じゃあミミロップさん、また明日!」
タタタタタッ…速いなぁ。もう見えなくなった。このあとも講義があるんだ。熱心だねぇ。あれ、オノノクス君、なぜか落ち込んでる。
「どうしたの?このあと講義無いんでしょ?普通喜ぶんじゃ…。」
「クッ、また誘うのに失敗した。おのれ講義め…。」
え?何で講義を恨んでるの?生物じゃ無いんだよ?そういえば誘うって確か…
「もしかしてオノノクス君、ミミロップさんと性行為を」
ドカァァァン!その瞬間「ドラゴンテール」で吹っ飛ばされた。イタタ…
「いきなり何するの!?」
「言わせんな恥ずかしいだろ!!いいか…ミミロップちゃんはこの大学内全オスポケモンの憧れなんだ!みんな彼女とのプレイを望んでるんだ!!」

233フィッチ:2012/12/03(月) 03:30:15 ID:vdsn241c
いや…いきなり語られてもボクは性行為が面白い事っていうことしか知らないし。それより、
「オノノクス君、性行為ってメスのポケモンとするものなの?」
「ああそうだ。だが誰とでもっていうわけじゃない。年頃の、そう、ミミロップちゃんのような可愛いコとするものなんだ(普通の考えです)!」
へぇー。ミミロップさんのような。でも…
「そういえば、なんでミミロップさんだけあんな人気なの?」

あ、また固まっちゃった。それから何かブツブツ言い始めた…。
「アイツ…本当に何も目覚めてないのかよ…よく19年間生きてきたな…ここで覚醒したら…ライバルになるかも……」

もしもーし、ちょっと、どうしたのー?
「…あ、すまねぇ。えーと、ミミロップが人気な訳…、まず可愛いことだな。」
可愛い?うーん、ボクが今まで可愛いと思ったのはお菓子のひ○こ位かな?
「それに頭もいい。さらにバトルも強い。そして恵まれた才能を自慢することなく、誰とでも優しく接してくる!これはもう…、恋心が芽生えるに決まってるだろ?」
恋心…?芽生える…新種の果物の種?
「じゃあ実がなったらどうなるの?」
「…恐らく分かってないな。ただ言えることは、実がなったらそれこそが性行為だ!!」

……え?ダメだ頭が混乱してきた…。
「お前も恋心が芽生える事がある…いや、もう成長しているだろう。お前がそれに気付かないだけかもしれないな。サザンドラ、ミミロップちゃんを見て普段と違うものを感じたことはないか?」
え、感じたこと?ええと…
「心に何か熱いものが沸き上がってくる!それが恋心だっ(多分)!」
「あっ!そういえば!!」
「おおっ!!」
「お腹がものすごく空いた時ミミロップちゃんを見たら、熱ーいスープで彼女を煮込んだら美味しそうだなって感じたことg」


あ、ボク飛んでる…。いや、翼使ってないよ。オノノクス君の「りゅうのはどう」で吹っ飛んだだけ。ってこのままじゃ地面に叩きつけられちゃう!よいしょっ!
ふう…。翼を羽ばたかせて無事生還。
「心配しただけ無駄だったようだな。たく…。そうだ、この本貸してやるから異性について一から勉強しろよ。」
そう言ってオノノクス君は一冊の本を渡してくれた。えーと題名は、「正しい異性との付き合い方及び初めての性行為の仕方」変な題名。しかもこの本ぶ厚い。
「じゃあ俺は帰る。お前は確かバイトだっけ。」
「うん!一人暮らしだからね!」
こうしてボクはオノノクス君と別れたんだ。さて、バイトまで時間はたっぷりあるし、図書館で料理の本でも見ようかな?

234フィッチ:2012/12/03(月) 19:56:16 ID:MmJygYrI
今回から文章の細かいミス改善します。
あとタイトルは「食欲だけで生きてきたから」に決まりました。ストーリーも展開が進んで行きます。


 はあ……なんて美味しそうな料理だろう。眺めるだけでヨダレが出てきちゃう。だけど所詮本だからなぁ……
 昔図書室で食べちゃった事があったっけ。でも味は本の味だったよ。先生にもひどく怒られたし。
 お腹すいたなぁ……。よし! バイト行く前に何か食べよっと!
 ボクは図書館を出た。その時、
「何度言われても嫌です……!」
「おいおい、金はたっぷり出すって言っただろ? 一緒に俺達と遊ぼうぜ?」
 あれは……、ミミロップさん! それに2匹のポケモン、ゴーリキーとズルズキンかな? 何してるんだろう……。いい雰囲気には見えないし。むしろ彼女嫌がってる様に見えるし。
「私は……、犯されたくなんかありません!」
「ふーん、知ってるのか。で、またいつものようにバトルで追っ払うのか? 昨日までは1匹で来たが今日は2匹だぞ?」
「ううっ……」
 確かに、1対2じゃ不利だよ。それに相手はかくとうタイプ……ミミロップさんの敗北しか見えない。こうなったら……!

「ちょっと待ったあっ! ボクが相手だよ!」
「げ、お前はサザンドラ、なんでここに!?」
「サザンドラってあの、第一回構内バトル大会の優勝者!? ヤバイ、俺達じゃ勝てねぇ!!」
 あ、相手はタイプ差考えないでびびってる! ちなみに第一回構内バトル大会っていうのはその名通りの大会だよ! ボクは頑張って優勝したんだ! 単に賞品のたくさんの木の実が目当てだったんだけどね。
「クソッ、逃げるぞ! 今日こそミミロップを犯れると思ったのに……!」
「こうなったらアニキに頼むしかねぇ! ミミロップ、次会ったときは楽しみにしてろよ!」
 2匹は逃げていった……。よかったぁ! まさか木の実目当てで出た大会がここで役立つとは!

「ミミロップさん、大丈夫?」
「はい、サザンドラさん、ありがとうございます! おかげでなんとか助かりました」
「あの人達……、確か昨日まではっていってたけど、一体どんな関係なの?」
「はい……、さっきの人達ですが実は私が入学してから後をつけまわっているんです」
「へーっ! やっぱりミミロップさんって人気なんだね!」
「あの……さっきの対応見てましたよね?私はあの人達が嫌なんです。ずっとついてきて、お金差し出して遊ぼうぜって何回も……」
「お金貰えるならいいじゃん! 遊べば? ボクならすぐ行くよっ!」
「あの……、貴方はオスですし、食べる事以外が何にも興味がないって聞きましたから、この気持ちが分からないですよね。とにかく嫌なんです! あの人達の目的は私を犯す事なんです!」
 ん……?犯す? なんだろうそれ?
 おっと、そろそろ食べとかないとバイトに間に合わない!
「分かった。じゃあ気を付けてね! これからボクはバイトなんだ!」
「はい、バイト頑張ってくださいね! さようなら!」
 あ、ミミロップさん笑ってる……。あれ? 彼女の笑顔見てると何か熱いものが……、えーとこれは……

 ま、いいや! それより……お腹すいたあああっ!!

235フィッチ:2012/12/04(火) 03:51:39 ID:MwC8YoFU
「あー寒い……。おいズルズキン、本当にこの時間で合ってるのかよ?」
「心配するなゴーリキー。ミミロップは午後8時……、あと2分位だな。この十字路を通るんだ。毎日つけてたから間違いないぜ」
「よし……、お前ら準備は出来てるか?」
「おう!」「可愛いコが犯せるって聞いたから失敗しないぜ!」
「まあコイツら飢えてるからな。大声は出すなよ。しかしアニキがこんなに協力してくれるとは……。」
「おい、来たぞ!」
「よし……、俺が合図をするまで動くなよ。タイミングを見計らって彼女を捕らえるんだ」

……………………
「今だ」


 バイト終わった〜♪お金ゲット〜♪
 今日も疲れたなぁ! よし、家でがっつり食べよう! 今日はこれで最後かな? 後は寝るだけ!
 ……え? 音楽聞いたりゲームしたりネットサーフィン? しないよ、むしろほとんどの単語初めて聞いたんだけど……。

 ん、なんだこの匂い……、ハンバーガー? ボク食べ物の匂いに関しては敏感なんだよ。新しくできたのかな? よし行ってみよう! こっちかな?よし、この角でもうすぐ……、

「や、やめてっ! 放してください!」
「うるせーな、おい、布もってこい。あとロープも」
「はいよ、しかしマジで可愛いな!」
「俺が変な女に惚れると思ったか? アジトに帰ったら犯るぞ。お、車来たな」
「おいズルック、なにハンバーガー食ってんだよ?」
「すいませんズルズキンさん。夕飯まだだったもので」
 あれは……、昼間の2匹!? 仲間も数匹いる。ボクには気付いてないみたい。ミミロップさん、布で口塞がれて両手がロープで縛られてる……。
「んーー、んーーーっ!!」
「くくく……、俺達のアジトでたっぷり可愛がってやるぜ?」

 まずい……、まずいよこの状況! 敵の数も多いしかくとうタイプだし、ボクの力じゃとても……。こういうときは警察に電話だっけ? いや、オノノクス君に来てもらおう! 彼なら強いからあいつらをすぐぶっ飛ばせる! よーし!

 だけど無理だったんだ。公衆電話が近くに無いから。携帯電話? 何それ?
バタン! ブロロロロロ……
 あ、車が動き始めた! 中にミミロップさんが! 助けないと!

 ボクは空から必死に車を追いかけたよ。この暗さに黒い車は見づらくて……。うーん、このままいくとボク一匹であいつらを倒さないといけない気がするなぁ。多分あの中に「アニキ」とかいうポケモンもいないみたいだし。どうしよう。不安だよ……。

 15分位経ったかな? 車はとある大きな建物の前で止まった。あいつらがその中に入っていく。あれがアジトか!
 見張りとかいないみたい。もうこうなったら行くしかないよ! 突入だぁ!

 その前に、バトルでお腹空くから夜食買ってこよう。え、ダメ?

236フィッチ:2012/12/04(火) 16:25:47 ID:V3NRam72
※厨二感しかない官能表現があります。前にも言いましたが多目に見てください。あとヤクザみたいなのが出てきますが言葉使いは変に思ってもスルーでお願いします。



「ククク……。可愛ええコやないか」
「でしょうアニキ! こいつは売れますぜ! 今から調教しますがアニキもどうですか?」
「よし、ワシが最初に挿れるで」

 ボクは物陰からミミロップさん達をずっと見てるんだけど……。怖くて出て行けないよ……。アニキって言われてるポケモンはローブシン。それにゴーリキー、ズルズキン達手下が5匹……。無理かなぁ……。チャンスを待とう。でも全く来なくて逆に見つかったら……! こうなるんだったら帰って寝てれば良かっ……いや嘘だよ!!

「んんっ! んんんっ!!」
「ククク……、ワシ達は『唸る筋肉』という売春組織でな。可愛いコを見つけたらここにさらって調教して、裏の奴らどもに高く売りつけるんや。お前ら、早速調教開始や! 安心せい、終わる頃には自分から求めるようになるからの!」

 調教?一体何するつもりなんだろう?あ、ゴーリキーの手がミミロップさんの体の少し膨らんでる所に。あ、揉み始めた。
「ーーーーっ!! んっ!んんっ!」
「おお、気持ちいいぜ! 予想通りの柔らかさだ!」
「あ、俺も揉ませて!」
「うるせーズルック! 時間はたっぷりあるんだから焦んなって! 下の方でも舐めてろ!」
「ふん、俺がもうペロペロしてるぞ」
 ズルズキン、いつの間にか彼女の股の部分を舐めてる! アイツら何やってるの?
「んんんーーー!!」
 ミミロップさん、顔を赤らめて何か言おうとしてる……。でも彼女は縛られてるから抵抗できないみたい。あの恥ずかしがってる顔、なんか可愛いかも……。って何考えてんのボク!
「ワシも胸揉ませてくれ」
「へい、アニキ、たっぷりとどうぞ!」
 ローブシンは勢いよく彼女の胸を揉み始めた。
「おお、ええ揉み心地やないか! 最近のコでは一番や!」
「胸の刺激は大丈夫だな。ほらほら、股を擦られるの気持ちいいだろ? 早く白いの出せって!」
 ふと見るとズルズキンが股を擦ってる。面白いのかな?
「ん……んん………っ」

 10分後……、
「お、見ろよオメーラ! 彼女やっと感じてきたぜ!」
 ミミロップさんの股が濡れてる……。なんで?
「やっとか……。我慢しなくて良かったんだぜ?」
「んんっ……んん……」
 ミミロップさんの顔を見ると顔を赤らめながら泣いてる……。可哀想だよ! メスを泣かせるなんて! ……て思ったけど……、あれ、なんだろうこの気持ち。ドキドキする……。ミミロップさん、可愛い……。あれ、ボクの下についてるモノが……、起ってきた? な、なんで?
「はあ……はあ……、なあ、俺もうギンギンで出そうなんだが」
「ミミロップの体にぶっかけとけ。俺もそうするから」
 ん……? ぶっかけとけ? アイツらの変な行動といい変な用語……。そうだ、全く分からないといえば!
 ボクはガブリアス君に借りた本をカバンから取り出した。えーと、索引で調べた方が早いかな?あ、あった。ページに移動してっと。

「メスポケモンの体に精子をかけることをぶっかけと言います。主に中出しをしたくない時に有効です。」
 精子? なんだろう……? だけどぶっかけが載ってるってことはこれが性行為なのかな?
「よし、出すぜ!」「おおっ!」
ドピュピューッ!!(早いって言わないでください。今出したポケモン達はまだ未経験です)
「んんっ……」
 子分みたいなズルッグたちが白い液体をミミロップさんにかけた! ……あの白いカ○ピスみたいな白い液体なんだろう? 出た場所は股に付いた突起物……。あ、ボクにもある。ボクも出るのかな?
「おいおい、お前らもう出したのかよ? 早すぎだろ。俺はまだ全然だぜ?」
「それはゴーリキーさんが何回も経験あるからで……」
「何しとんじゃオメーラ! ワシの手にもかかったわぁ!」
「す、すいません! まだ揉んでたんですか?」
「ああ、あまりにも気持ちよくてな。さて、エエ感じに起ってきたし、そろそろ入れるか。ズルズキン、どきぃ」
「はいよアニキ! あ、コイツ処女だぜ!」
「楽しみやな……ククク……」

237フィッチ:2012/12/04(火) 18:11:39 ID:V3NRam72
「精子…………自慰をすると出る液体です。性行為ではこれが必要となります。」
「胸…………メスポケモンの弱い箇所の1つです。揉んだり先に付いている乳首に刺激を与えるとメスは感じていきます。」
 へー、性行為って奥が深そうだね! ……いや、そんなこと言ってる場合じゃないよ。ところで何この臭い……とも言えるような匂い。発生源は……ミミロップさん? いや、彼女にいっぱいかかってる精子だ。美味しくなさそうだなぁ。
 あ、そうだ。あと挿れるっていうのも調べよう! これからする事みたいだし。
「んん、んんんっ!」
「ククク……。口が塞がれてて良く分からんなぁ。それとも挿れて欲しいんか?」
 ローブシンの下のとっても大きい突起物がミミロップさんの股の間に。あのあとどうなるのかなぁ……。あ、「挿れる」ページがあった。えーと、
「アニキー、そのままいっちゃってください!」
「おう! 挿れた時のコイツの表情が楽しみや!」
「挿れる…………オスの突起物をメスの股の間の穴に入れることです。メスの処女を失わせると共にそのオスとメスは永遠の愛を誓い合い結婚します(この本は初心者向けの本でありいろいろと触れていません。)

「け……結婚……だってええええええ!?」
「な、何だぁ!?」
「誰か隠れてやがった! 誰や!?」

 し、しまった……! つい大声で……。もう行くしかない!
「キミ達もうやめてよ!! ミミロップちゃんと無理矢理結婚なんてかわいそうだよ!!」
「アイツ何言って……、ってサザンドラ!? テメーなんでここに!?」
「ん? ゴーリキー知っとるのか?」
「アニキ、こいつ凄く強いんだ!」
「ククク……強い……か。だがお前、見る限り1匹で来たみたいやな。こっちは極道の世界を生き抜いてきたかくとうタイプが5匹。あくタイプのお前が勝つのは無理や!」
 確かに……。敵は名前の出た4匹に加えてドッコラーとワンリキー。進化前がいるとはいえ6匹相手に勝つのは……。でも……。
「んんんっ!! んんっ! んんーーっ!!」
 捕まってるミミロップさんを助け出すためにはバトルするしかない!
「バトルだっ!! 勝ったらミミロップさんは返してもらうよっ!!」
「ほう……不利な状況に自ら挑むとはエエ度胸やな。だがな……、ここでお前は終わりやぁ!!」

 よーし、くらえ「りゅうのはどう」! カッ!! やった、ワンリキーにヒット! 倒したよ!
「うおおおおお、ばくれつパンチ受けてみろおおおっ!!」
 ワンリキーの「ばくれつパンチ」が…………外れた。特性は「こんじょう」だったんだ。もう一発ドーン! はい、ワンリキー戦闘不能!
「とびひざげりーーーっ!!」
 おっと、危ない危ない。ヒョイっと。動き遅いねー。あ、反動で痛がってる。じゃあ「だいもんじ」で。ズルッグ、お疲れ様!

「な、何! もう3匹もやられただと!?」
「フン、所詮アイツらは雑魚。監察とか取引位しかしてへんからな。やけど、ゴーリキーとズルズキン、お前らは違うやろ?」
「その通りだぜアニキ! あっという間にアイツを潰してくるぜ!」
「いくぜ! うおおおおおおおっ!!」
 ズルズキン……気合いを込め始めた! あれは……「きあいパンチ」だね。
 今のうちに波動ドーン。技失敗した所をもう一発ドーン。はい終わり。
「くらえ、ばくれつパンチ!!」
やばい……ゴーリキーの特性ノーガード!? …………外れた。「だいもんじ」2連発。終了。

「あのさぁローブシンのおじさん。強いとか言ってたけど……、本当なの?」
「おじさんやと!? ワシはまだ39や! おのれ青二才め、ワイが相手や!」


「ガハッ……、強い……」
 ふう、あっけなかったね。さて、縛られてるミミロップさんを……。
「ち、ちょっと待ちぃ!」
「ん、まだやるの?」
「違うわ、なあ、その強さに惚れたで。ウチの組に入ってくれんか?」
 ……いきなり変なこと言い出したよ。ボクは組とかそういうのに興味なんか……。
「金はいくらでも出すで!そうすりゃ、何でも買える……、高くて美味しいものも毎日食い放題や!!」

 高くて美味しいもの。高くて美味しいもの。高くて美味しいもの…………


ミミロップさん<<<<<高くて美味しいもの


「うん、ボク入るよ! 美味しいもの食べたいもん! わーい! で、何するのー?」

238フィッチ:2012/12/05(水) 16:27:47 ID:aX8UwV1M
「サザンドラさん、馬鹿じゃないですか!? もう少しで貴方は犯罪者になるところだったんですよ!」
「ご、ごめん! つい美味しいものって聞くとそれしか考えられなくなるから……」
 えーと、今ボクはミミロップさんに怒られてる。近くに伸びてるローブシン。説明すると、ボクが例の事を言ってローブシンが呆れてる間に彼女の「とびげり」が決まったんだ。彼女両手しか縛られてなかったから。
「まあ、次は気を付けるから!」
「もうあんなことされたくありませんっ!」
「そう? ……ところでミミロップさん、何か臭いんだけど……」
 ミミロップさんには精子が体中に付いていた。気付いたミミロップさんは、
「あ、どうしよう……。これじゃ帰れないです……」
「とりあえず、ボクの家に行く? もう遅いし、今日は泊まってきなよ! お風呂も使っていいよ!」
「いいんですか? では……。」

 というわけでボクの家。
「湯加減はどう?」
「あ、大丈夫です。すぐ上がりますから」
「いいよ、ゆっくりはいってて! そうだ、お腹すいたでしょ、ご飯作るね!」
 ミミロップさん……、何食べるんだろう? とりあえずシチューでいいや! 野菜とか切って鍋に入れて……。

 さて、後は煮込むだけ! 時間あるしどうしようかな? そうだ、あの本読もうっと!
 しばらくして、ミミロップさんがリビングに来た。
「あ、すぐ出来るから待っててね!」
「はい……。ところでこの部屋随分殺風景ですね……」
 そうかなぁ? ボクの家にあるものはえーと、食べ物と調理器具に食器、食べるためのテーブルに料理の本……。みんなの家もそうだよね?
「テレビとか見てないんですか?」
「えーと、あ、あの箱? 家に無いんだもん。第一面白いの?」
「………………」
 ミミロップさん喋らなくなっちゃった。そろそろシチューできたかな?

「いっただっきまーす♪」
「では、頂きます!」
 シチューがやっとできたー♪ぱくっ! いやー、バトル後に食べる料理は最高だね! 
「ミミロップさん、味はどう?」
「と……とっても美味しいです!」
 え、他が理解できない味になると思った? ボクが19年間何やってきたと思う? たくさんの料理を作ったから、味はプロ級だよ! この間オノノクス君にも言われたし。
「ところで貴方のシチュー凄い量ですね……。これ、5人前位あるのでは……」
「たっぷり食べないと寝られないからね。今日はバトルもしたからね!」

 ごちそーさまっ♪美味しかったー♪さーて、寝ようっと!
「あの……私、どこで寝ればいいんですか?」
 あ、忘れてた……。どうしよう、ベッドは1つしか無いし……。
「……じゃあ……」
 ん? もしかして帰るのかな? でも夜中だし危ないよ?

「一緒に……、寝て……、良いですか?」

 え……?
 そういえばさっき本の中に、
「メスポケモンと同じベッドで寝ることは性行為を表します。」
って……。
「はっきり言います! 私を……、犯してくださいっ!!」

 えええええええええええっ!?
 ちょ……、ダメだよっ!! だって、ボクと結婚する事になるんだよっ!!
「いいんです……。私、貴方が好きなんです。貴方とするなら、大丈夫です。かくとうタイプ6匹の不利な状況でも私を助ける為にバトルを挑んだ……、その時胸がドキドキして……。それが恋って気付いたんです」

………………
「ボク、性行為ってどうやるか知らないんだけど」
「私もです」

 ミミロップさんがいいって言ってるなら……、やるしかないっ! 本を持ってベッドにレッツゴー! 初めての性行為……頑張るぞっ!

239フィッチ:2012/12/05(水) 17:39:27 ID:aX8UwV1M
「じ……じゃあ……、始めるよ?」
「お願いします……」
 えーと、本の手順だと、
「まずは相手とキスをしましょう。ディープキスと言って、長い時間キスをするのです。」
 じゃあ……。ボクは彼女の口に顔を近づけ、口を重ねた。
「ん……、んっ……」
 舌を絡め合わせる。うん。味しないね。数分後口を離した。
 えーと、次は
「挿入をする前に、胸や股等メスの感じる部分に刺激を与えます。」
 ゴーリキーたちはミミロップさんの胸を揉んでたなぁ。でもボクは手じゃ無くて顔……、待てよ?確か乳首とか言うのを吸ってもいいんだよね?
 ボクは腕の顔を彼女の胸の突起物に近づけ、吸わせ始めた。
「ひゃっ……、あん、ダメっ!」
 感じてる……よね? この声可愛い……。えーとあと股だっけ? ボクは間を舐め始めた。
「ひゃああああ!! ああん……」
 しばらくすると変な液体がさっきの様に出てきた。うーん、美味しいとは言えないかな……。

 そろそろいいかな?ボクの下のモノも起ってきたし。
「サザンドラ君、来て……良いですよ」
………………。
「本当に、後悔しない?」
「うん、貴方も私の事好きですよね?」
 え、好き?そう言えば助けた時からミミロップさんの事が頭から離れない……。これって……。
「好き……でしょ?」「う……うん」

 好きって事でいいんだよね!明日オノノクス君に確認取ろうっと! 
「じゃあいくよ!」
「はい……」 
 えいっ!!ズブッ……
「きゃ……、痛いっ! ああん!」
 あ……、ミミロップさんの中、温かい。このまま進め……ん?何かに当たってる。えーと本をっと。
「処女膜…………初体験のメスポケモンに付いている膜です。これを破れば処女は失われ、性行為をした証となります。」
 …………なるほど。この膜を破れば……。
「いくよっ!」
「はいっ!」
 えいっ!!ボクは一気にモノを挿れたっ!!
「痛い!! あああああっ!!」
 破れた……。これで性行為は出来たかな?じゃあ引き抜こう……ってあれ、何か、出そう……
「だ、出していい?」
「何を……ですか!?あっ……ああっ!!」
 もう限界っ!! 出すよっ!!


 ……………………あれ、もう朝?
何か、あれから覚えてないなぁ……。
 隣にはミミロップさん。う、またあの臭いが……。
 でも、何だろうこの清々しい気持ち。とっても美味しいものを食べきった時とはまた違う……。性行為って確かに面白かったね! さーてもう一眠り…………

 あ、今日は平日だぁ!! しかも一限目から講義!! って、ミミロップさんは!?
「起きてミミロップさん、朝だよ!!」
「うーん……。えっ……朝ですか?…………た、大変、遅刻しちゃいます!!」
 あわわ……急げぇ!!


 ハァハァ……。体を洗って急いで食べて全速力でここまで飛んで……、昨日の性行為の疲れと共にきたよ……。遅刻はギリギリセーフだったけど。講義中疲れて死にそうだった……。
 講義後、オノノクス君が話しかけてきた。
「おうサザンドラ!! 遅かったなっ!」
「うん……。ふう……。そうだ、この本返すね」
「何だ? 相当疲れてるな……。さてはこの本読みすぎて一晩中妄想してたな?」
「いや、実践したんだ。気持ち良かったよ。でも疲れて、性行為って本当にスポーツみたいだね……」

「え? 今なんて」
「あ、サザンドラくん、私次空いてるんです、一緒に勉強しませんか?」
「いいけど……ミミロップさん……、大丈夫だった? 昨日ので疲れてるでしょ?」
「少し寝そうでした……。次が休みの日に、するものですね」
「じゃあ今度の週末にもう一回する?」
「はい……良いですね!」


「おい、サザンドラお前……」
「そうだオノノクス君、昨日ミミロップさんと性行為してる時私が好きかって聞かれたけど、頭に彼女の事g」

 本気に近い「げきりん」……死ぬかと思ったよ。この後ボクのスクールライフは変わったんだ。オスポケモンに注目されるようになったりバトルを挑まれたり……。いつもみんな殺意ある目か悔しがってる目で見てるんだよね。
 何でもサザンドラを知らないオスポケモンは構内に一匹もいないとか。ボク人気出てきたのかな?
 ボクは毎日ミミロップさんと行き帰りは一緒だよ。前みたいに襲われないようにね。でも最近俺が送ってやるからってオノノクス君がうるさいんだよね。というかミミロップさんにボクの親友だからってまとわりついてる。一回パンチ食らってたよ。
 ところで……、オノノクス君「げきりん」前にこんなこと言ってたけど、どういう意味だろう?

「この裏切りものがあああああああ!!リア充爆発しろおおおおおおおっ!!」

End

240フィッチ:2012/12/05(水) 17:51:43 ID:aX8UwV1M
後書きです。
まず言わせてもらいますと、頑張って書いた結果この小説はどう見ても駄作です本当にありがとうございました。
端末機で書いた結果がこれですよ…。やはり充分な確認ができませんね。文章ミスがたくさん…。さて、妹に占領されたPC奪還してきます。
あと官能表現駄目でした(泣)。すいません。勉強し直してきます。
次もこのチラ裏で何か書こうと思っています。ただ寂しいので他の方が書いた話の後に書くことにします。

241変態博士の人 ◆k1FxHqBfLE:2012/12/05(水) 22:52:55 ID:H8sHV/x.
一通り読ませて頂きましたが…

巷で人気の学園物の悪い点が出ている事が気になりました。
学園物なら、長くて短い学校生活を起点とした話にするのが基本(良く言えば王道、悪く言えばありきたり)だと思いますが…
正直学園物で短編にして、そこに官能的な表現を盛り込むと…
どうしても展開を早くせざるを得ませんが、このお話を見た感じだと…

学園生活における主人公とヒロインとの接点は殆ど無く、主人公はヒロインにほぼ無関心だった。
ギャグ要素を強める為に、主人公は天然な性格で食欲にしか関心を持たないという考えの持ち主である…

しかしそこで違和感を感じてしまいました…
ボロクソに言う様で申し訳ないのですが、これ本当に大学生なのか? と思わされる描写が多く、そういうキャラだからでは済まされない非常識っぷりは、学校がある程に文明を築いている事が前提となっている世界観では、この非常識っぷりは大学生である事自体がおかしいという有り様にすら感じられてしまいます。


後、悪漢にあれこれされてる所を助けて、すぐ官能シーンというのも…短編とはいえ学園物としては展開が早すぎる気がします…

要するに、何が言いたいかというと…大学生である事が死に設定になってしまっているのです。


ですので、次はシチュエーションを良く考えてみてはどうでしょうか?
自分の様な原作レイパーが言えた立場では無いのはわかっていますが…

242名無しさん:2012/12/06(木) 00:11:26 ID:W5hMOu5I
上の人の言うこともありますが個人的には面白いと感じたものでした
これぐらいしか言えませんがこれからも書く際は頑張ってください

243フィッチ:2012/12/06(木) 01:02:28 ID:/e6kXGos
>>241
実は「とりあえずこんなキャラの短編小説が書きたい」という気持ちが強すぎてあまりシチュエーションを考えていませんでした。主人公を大学生にしたのは今の私と同じであり書きやすく年齢的に官能表現が何の心配も無く入れられると思ったからです。
確かに現代で考えると食欲にしか関心がない大学生というキャラ設定がこの世界観に合っていないですね…。次からは主人公のキャラと合う世界観の構成を考えます。
後半の話の展開は急ぎ足で書いてしまいました。長引きすぎると他のしっかりした小説を書く方に何か悪いと感じたからです。あとこんな駄文、早く終わらせたいという気持ちも…。このような気持ちになるならばもっと話を考えてから書けば良かっただろという事になりますね。すみません…。

ボロクソ言われる覚悟はしていたので落ち込みはしていません(軽くきましたが)。参考になったと共にこれを教訓として次からは更に良い小説を書こうと思いました。
変態博士の人さん、ご指摘ありがとうございました。

244フィッチ:2012/12/06(木) 02:34:55 ID:/e6kXGos
>>242
面白かったですか!ありがとうございます、とても嬉しいです。
これからも頑張らせて頂きます!

245フィッチ:2012/12/09(日) 06:17:50 ID:KYWqgMJQ
上の小説ですが…
実はシチュエーションやキャラの細かい設定をほぼ一から練り直して本wikiに出そうとPCで執筆しています(タイトルも変更しますが主要キャラと学園物になることは変わりません)。勝手な判断ですがすみません。

246242:2012/12/09(日) 21:57:34 ID:w80VH9zE
おお 本wikiに出す事になったんですか シチュエーション等の設定を直してだすと 待ち遠しいです待ってますので頑張ってください
応援してます

247適当:2012/12/21(金) 22:08:34 ID:MetLiZGE
裏の裏の掲示板の皆さん、お久しぶりです。適当です。早めに投稿すると言ったにも関わらず約1ヶ月もかかってすみません_(._.)_

今から、第4話投稿致します。温かい目で見守っていて下さい(笑)

248適当:2012/12/21(金) 22:11:36 ID:MetLiZGE
試練4 零下

Day8
少女が去った後、俺の頭の中では、少女の言葉が繰り返されていた。“生きていたら、また会おうね。”と何度も俺の頭の中に響いて来た。少女が別れの際に言い放ったこの言葉を、頭の中で…いや、心の中で復唱して自分に言い聞かせる度に、俺の頭の中には“後悔”という二文字が浮かび上がって来ていた。“なぜ、少女を助けてしまったのだろう。なぜ、あの時すぐに元の部屋に帰さなかったのだろう。なぜ、少女のワガママを聞いて少女とつながってしまったんだろう。”これらの事を俺が少女に行ってしまった為に、少女は軍隊の裏切り者となってしまったのだ。“微かな息を聞いて、【若葉】のステージに気を失ったまま放置をして置けば、いずれ少女自身が目を覚まし、自分の技を使って、俺に頼らずとも自分自身で回復が出来たハズだ。”俺は少女が去って行った扉を見つめて独り言を呟いていた。

「すまない…フィア。俺のせいで…俺のせいで…。君を…殺させてしまった…。俺が…俺が、助けなければ…。俺が…甘えてくる君を良く思わなかったなら…。君が死ぬ事なんて…無かったのに…。」

その後俺は、謝罪の言葉を少女が去って行ってしまった扉へ何度も呟いていた。しばらく、少女に対する謝罪の言葉を述べていると、もう一匹の俺が何かを語りかけてきた。

249適当:2012/12/21(金) 22:15:04 ID:MetLiZGE
『いつまで悔やんでいる?いつまで謝っている?本当にお前が悪いのか?お前は助ける目的で連れて来たのだろう?少女と営んでしまったのは、お前が悪い訳じゃない。少女が勝手に望み、お前と営み自分で“裏切り”を選択したのだ。お前に罪なんて無い。だから安心しろ。それよりも、まずここから脱出することが先決だ。なぜ敵の事をここまで気に掛ける?それは果たして意味がある事なのか?』
“偽善者とでも言いたいのか?それとも、恩を売っておけば少女が俺を脱出させてくれるとでも思っていたのだろう?とでも言いたいのか。違う、俺は偽善者なんかじゃない。俺は、番人からバッチを獲得してここから出たいだけなんだ。番人の死なんて望んじゃいない。あのシャワーズやエーフィに対してもそう思っている。”
『ウソだな。素直になれ。殺してでも、ここから一刻も早く脱出したいと。バッチを奪えさえすればいいんだからな。勝てないのなら道具を使え!!勝てないのなら、隙をついて無抵抗にし脅せ!!何の為にその刀を持っている?これは、脅す為にでもあるんじゃないのか?』
“違う。刀は殺す為に使うんじゃない。脅す為に使うんじゃない。敵を怯ませる為に…敵を気絶させる為に使うんだ。”
『そうか、なら好きにしろ。俺からの助言はここまでだ。これで、どこまでいけるかやってみるがいい。まぁ、脱出は出来ないだろうがな。』
“うるさい。さっさと消えろ。お前のアドバイスなんかハナから求めていない。”

250適当:2012/12/21(金) 22:20:46 ID:MetLiZGE
俺はもう一匹の自分と心の中で対話していた。もう一匹の自分に言い放つと、もう一匹の自分は何も言い返しては来ずに消え去った。なぜ、もう一匹の自分が存在していたかはわからない。もしかしたら、俺は本音と対話していたのかもしれない。俺の“悪”の心と“善”の心の対話だったのかもしれない。“だが、アイツにあそこまで言われたんじゃ、いつまでも泣いて立ち止まってはいられない。必ず…必ず、俺は俺のやり方で脱出してみせる!!”俺は決心を固め、涙を拭い、スーツを着て刀を強く背中に縛りつけた。頭に巻いているハチマキも一旦外し、再び自分の首に巻き付けた。“必ず脱出してやる。”という意思を込めて巻きつけた。その後、腕時計に目を通そうとしたが、近くから漂って来たいい匂いを鼻で感じる事が出来たので、腕時計を見る事を止めて食事を摂った。

スッ…パシ
サクッ モグモグ
ゴックン
「うん。また、あの青い液体か…。」

251適当:2012/12/21(金) 22:23:13 ID:MetLiZGE
“体力が回復する飲み物を支給しているという事は、少女の裏切りも少しは…いや、そんなハズはないな。困難が何もない時は、必ず体力回復用の飲み物が支給されるのだろうな。裏切りを…受け入れてくれるハズがない。これは実験なのだから、フィアに裏切られた時点でこの実験は失敗するからな。”俺は食事のトレーの上に乗っている青い液体を一目見て、頭の中で様々な推測を出し結論付けて食事を終わらせた。食事を一通り終えると、スーツのポケットを探り、ポケットの中身を取り出し目を向けた。ポケットの中身は、2錠入った小さな小瓶と、少女に勝利して手に入れた“π”と描かれた琥珀色のバッチだった。俺は前者を床へ置き、後者を手に握りしめ【幻想】と示された扉の近くにあった9つの窪みがある装置へ歩を進めた。9つの窪みがある装置には、【氾濫】と【光】と示されたプレートの下にそれぞれ1つずつ、バッチがはめられていた。俺は、その2つのバッチにならい“π”と描かれた琥珀色のバッチを【若葉】と示されたプレートの下の“π”という文字をかたどったような窪みへはめた。すると、“β”、“θ”のバッチをはめた時と同様に、どこからかブザー音が鳴り【光】と示された扉は、【達成】と示された扉へと変わった。俺はその様子を見届けると、ステージ選択の為に中央へ…は行かず、すぐに【零下】と示された扉へと歩を進め、扉の前で足を止めた。

「フィアとの約束が優先だ。サンという名のサンダースを先に相手するのもいいが、まずはフィアの姉に会っておかなくてはな。フィアに…裏切らせるような真似をさせてすまないと…ちゃんと謝ろう。子供扱いを…フィアを自分の子供であるかのように、フィアの面倒を見てあげているのだから、少なくとも、妹の事を優先的に想っているハズだからな。」

俺は自分に言い聞かせるように、長々と独り言をつぶやき【零下】と示された扉のノブを捻り、【零下】のステージへと歩を進めた。

252適当:2012/12/21(金) 22:29:06 ID:MetLiZGE
周りは見渡す限りの雪景色、空からは少しの粉雪、そして両サイドには、雪をかぶった木々が群れをなしていた。俺は【零下】のステージ、雪原がどんな所であるかを確かめて正面を向いた。前方には、額に氷を象徴するような結晶を身につけ、体は雪原の銀世界へ溶け込むような灰色をしており、尻尾もまた氷を象徴するような結晶で作られた、水色の軍服を身につけた一匹の四足型の生き物が姿を現した。“これが、グレイシアか。雪原というステージにいるあたり、体を見る限り、当然氷タイプなんだろうな。”俺は前方にいる生き物へ向けて口を開こうとすると、前方の者が先に口を開き始めた。

「ようこそ、零下の間へ。私が、このステージの番人よ。」
「そうか。まず、君へ謝らなければならない事がある。」
「いえ、私の方こそアナタへお礼を言わなくちゃならないわ。」
「そうか。なら、君が先でいい。内容によっては、俺の言葉の必要性が無くなるかもしれないからな。」

俺が前方の者へ“先に伝えたい事を伝えろ”と促すと、前方の者は俺の返事を受け取り再び口を聞いた。

「フィアを助けてくれてありがとう。彼女から話は聞いたわ。“アナタに助けてもらった”ってね。姉として、まずはお礼を言わせて貰うわ。」

“う〜ん、コイツの名前確か『シーア』って言うんだったよな?フィアと同じ面もあるのだろうか?”俺は少女の姉へ何の意図もない笑みを向けて返事を返した。

「ふっ、どういたしまして。フィアには対した事はして…」
「だけど…」
キッ
「“手加減”はしないからね?フィアを助けた事と、私との勝負は“関係がない”。」

253適当:2012/12/21(金) 22:31:52 ID:MetLiZGE
“氷タイプらしく冷静沈着、相手に対して冷たいという事か。”少女の姉は俺の言葉をさえぎり、逆説を用いて俺へ言い放ち、俺を威嚇するように睨みつけた。俺は彼女の意見を受け入れ、少し口元を緩ませて彼女へ承諾を出した。

「ふっ、そのつもりだ。君の言う通り、フィアを助けた事と君との勝負は関係がない。君に恩を売るつもりで助けたんじゃない。俺が勝手に罪悪感を感じ、勝手に助けたんだからな。」
「ふふっ、まだ“ヘラヘラ”しているようね。じゃあ、言わせてもらうわ。“小僧”全力でかかって来い。フィアを倒したからって、私に勝てると思うなよ?」

“相変わらず冷たいな。”俺は愛想笑いにも見えない笑いを行って辛辣な言葉を放って来た少女の姉を見て、彼女の性格を再度認識し、彼女の言葉とほぼ同じ意味の言葉を言い放った。

「こちらこそよろしく。グレイシアの“お嬢さん”。」
「言い返しだわ。じゃあ、行くわよ?幸い肝はすわっているようね。寒いステージだから早めに終わらせるわよ?いい?」
「お気遣いどうも。じゃあ、始めてくれ。」

“確かにコイツの言うとおり、このステージは気温が低く寒い。早く体を動かして、体温を上げなければ、闘うどころの話じゃないからな。”俺は少女の姉の意見に賛同し、彼女へ返事と感謝の言葉を返すと、数秒後に開始の合図が聞こえ始めた。

254適当:2012/12/21(金) 22:36:41 ID:MetLiZGE
プンッ…
『READY…GO!!』

俺は開始の合図を聞くと、前方へ走り出した。“まずは、コイツがどんな技を使ってくるかを知っておかなくてはな。”俺はそう考えつつも、彼女の元へ辿りつくと彼女へ先制攻撃をしかけた。

タッタッタ…
スチャ…
ブン ブン
ヒュン ヒュン
「避けた所をこうだ。」
ドゴン
「うわぁ!!」

“よし、チャンスだ。これで決まるかもしれないな。”俺は、少女の姉を蹴り上げ宙へと浮いた所を狙って追加攻撃をしかけた。

「連続突きぃぃぃ!!」
シュシュシュシュシュシュシュシュ
「うわぁぁぁぁぁ!!」
ドサッ

“勝ったな。なんだあっけなかったな。いや、俺のスピードが速すぎて、アイツがついてくる事が出来なかったんだ。後は、もう一回上に上げてアレを当てれば勝ちだな。”少女の姉は、俺に自分の腹部を刀で突かれて叫び声を上げ、雪の上へ仰向け状態で落ちた。俺は、次の攻撃を仕掛ける為に彼女へ接近したが、彼女はそれを待っていたかのように、素速く起き上がり、反撃を仕掛けてきた。

タッタッタ…
ムクッ…スタ
「何!?」
「なかなかやるわね。でも…甘いわよ!!」
パカッ…フィィィン
「冷凍ビームか!?くっ…。」
ヒュン…
「遅い。」
フィィィン…
「し…しまったぁ!!」
パシュウ…ピキン
「ぐはぁ!!」
ガクッ…ドサッ

“な…何でコイツはこんなにケロッとしているんだ!?腹に…腹に当てたのに全く効いていないじゃないか!!しかも…くそっ、腹に氷を受けてしまった…。さ…寒い…。体温が…ここから徐々に奪われていく…。”俺は少女の姉の口から出す水色の光線を一度はかわすが、彼女の二度目の光線を腹部に受けてしまい、あまりの冷たさに叫び声を上げて、その場にうずくまり始めていた。少女の姉は、ひるんでいる俺に近づいてすかさず追撃を仕掛けてきた。

タッタッタ…
「これで終わりよ!!アイアンテール!!」
ビュン…バシン
「ぐはぁ!!」
ヒュ…ドサ

“くそっ…もう動けそうにない…。コイツ…冷凍ビームと尻尾だけで俺をダウンに追いやるとは…。”俺は少女の姉の硬質化した尻尾を額に受けて、とばされて仰向け状態にされてしまっていた。彼女は俺の苦痛の表情へ目を向けて、俺に勝利宣言を行い、俺へ敗北宣言を促してきた。

255適当:2012/12/21(金) 22:41:28 ID:MetLiZGE
「ふん。勝負あったな。おい小僧、降参しろ。お前はもう動くことは出来ないハズだ。そんな薄い防寒効果も何もない服を着て、私の氷を受けたんだ。」
「くっ…くそぉ…。なぜだ!!なぜお前は、こんなにスムーズに動けるんだ!!ひるませたハズだろう?効いてないとは…言わせんぞ!!」
「ふっ…あはははは!!バカかお前?」
「バカ?」
“一体どう言う事なんだ!?”俺は少女の姉の高笑いを耳にした後に、彼女へ聞き返すと、彼女は俺を見下すように見下ろし、俺へ理由を言い放った。

「どうせお前は対策のしようが無いからな、教えてやる。私は、雪原地帯では常に体力を回復し続ける事が出来る。」
「なんだと!?」
「あはははは!!わかったか。まぁ、お前の素速さは認めてやろう。もう一つの特性で私の動きは素速くなるのだが、お前の剣術は速すぎて見切るのが精一杯だったな。その後の蹴り上げは負けを認めてやろう。あれは、私も防御が出来なかったからな。」

“体力を回復し続け、さらに速さもあがるだと!?くそっ…ってことは、持久戦に持ち込まれれば、こちらが負けてしまうじゃないか!!”俺は少女の姉の豪語を耳に入れてしまった事で、いつの間にか悔しそうな表情を浮かべていた。彼女は俺の反応を強めるかのように更に言い放った。

「それと、明日からは防寒着を探せ。話にならない。電気を帯電させ、体温を維持させながら闘っているのか?今のお前では、100%の力を出し切る事は出来ない。何でかは聞くなよ?私はお前の“お母さん”じゃないからな。」
「くっ…、言いたい放題言いやがって…。そんな事はわかっている。そうだな、今日は降参させてもらう。これ以上闘って勝てるとは…思…えない…からな。」
ガチガチ…
「ふん。寒いクセに強がりやがって。さっさと帰れ。体調を崩してしまわない内にな。」

俺は少女の姉の言うことに従い、腕時計についているリタイアボタンを押して【零下】のステージから姿を消した。

256適当:2012/12/21(金) 22:45:49 ID:MetLiZGE
俺は、少女の姉との戦闘を終えて真っ白い空間へと戻ると、すぐさまシャワールームへ足を速めた。“体が寒い!!寒すぎる!!急いで…急いでなんとかしなければ…。”俺はおもむろにお湯を出し、温度調節もせずに、冷え切った体へとスーツの上から当て始めた。

キュッ…ジャアアア…
ピチャン ピチャン
「はぁ…はぁ…。ふぅ〜、危なかった…。もう少しで凍…あっ、熱い!!今度は火傷してしまう!!」
キュッ
ピチョン ピチョン

腹部に受けた氷が完全に溶けたので、俺は体に急激な熱さを感じ、急いでシャワーから出るお湯を止めた。“そういえば、服を着たまま風呂に入浴(はい)っていたな…。”お湯を止めた後に、体の大部分から濡れていない感覚に気づき、自分の体に目を向けてスーツを脱いだ。“昨日も入浴(はい)ってないし、今の内に入浴(はい)るか…。”考えた矢先、突如俺に悲劇が訪れた。

ススッ…ススッ…
ガシッ…ヒュッ
ビチャ
「あっはっは。濡れているから当ぜ…ぐっ!!何だ!!は…腹が!!」

俺を襲った悲劇とは、急激な体温低下による腹痛だった。“くっ!!ガマン出来ん!!”俺はシャワールームから出て、シャワールームの隣のトイレへ足を速め、便座に飛び乗るようにしてまたがった。

ブッ…ビチャビチャビチャ…
「くっ、やっぱり下痢か…。くそっ…。朝食べた物が全く無意味になってしまった…。」
クルッ…パシッ
シュルシュルシュル…パリッ
ススッ…ススッ

不快な音を聞きつつも用を足した俺は、後ろに振り返り、貯水タンクの上へ置かれていたトイレットペーパーを手に取って、用を足した為に汚してしまった部分を拭き始めた。数回同じ動作を行った後、ようやく用を足す場所が綺麗に拭われた感覚を感じられるようになったので、トイレットペーパーを元あった場所へ戻し、作業を止めて俺は独り言を呟き始めた。

「ふぅ〜、なんてこった…。あんな寒い場所で、氷タイプと防寒効果もない服を着て闘うなんて無茶過ぎた…。俺は、そんなに毛深い方でもないのにな。」
プ〜ン
「うっ…ヒドイ臭いだ。言っている場合じゃないな。」
クイッ…ジャアアア…
「これで絶対に風呂に入浴(はい)らないといけなくなったな。まぁ、どのみち入浴(はい)るんだがな。」

257適当:2012/12/21(金) 22:50:31 ID:MetLiZGE
充分に独り言を呟き終えた俺は、便座から離れ、再びシャワールームへと歩を進めた。シャワールームへたどり着き、シャワールームから出るお湯を用いて、二日分の汚れを洗い流し始めた。先程、用を足す際に用いた部分を念入り洗い終えた事で、体の全ての部分を洗い終えると、俺は真っ白い浴槽を眺めながら、あごに手を添えて自分自身に相談し始めた。

ゴシゴシ
キュッ…ピチョン ピチョン
チラッ
ジー
スッ…ピト
「さて、どうしようか。もう寒くはないが、体を温める為に入るかどうか。」
ジー
「よし、入ろう。いや、お湯に浸かった方が良いな。寒いステージで大分体をやられているからな。」

“また腹痛が起こるかもしれない、あるいは風邪か…。”俺は懸念を交えた独り言を呟き終え、シャワーを用いて浴槽にお湯を溜めていた。“どうして、防寒着も探さずにこんな寒い格好で闘ってしまったのだろうか。”過去の自分の行動に対して疑問を抱きつつも、空(から)だった浴槽に十分な量のお湯が溜まったので、お湯を止めシャワーを元の位置へと戻し、浴槽へ体を入れた。

クッ…チャプ チャプン
「ふぅ〜。やっぱり俺は日本出身なだけはあるな。湯船に浸かると…落ち着くな。」

俺は、【零下】のステージで感じた寒気が体から瞬時に消え、体が徐々に温まる感覚を覚えて、思わず独り言を呟いていた。独り言を呟いた後に、俺はある事を思い出し、更に独り言を続けていた。

「しかし…アイツ…。冷たいだけだと思ったが、案外気を遣ってくれていたな。」

258適当:2012/12/21(金) 22:55:06 ID:MetLiZGE
アイツというのは、もちろん【零下】のステージで闘った対戦相手のことである。【若葉】のステージで闘った“フィア”と名乗る年端もいかないリーフィアの少女。その姉である、少女とは全く異なる雰囲気を兼ね備えた灰色の体を持つグレイシア。俺は、初め少女の姉と会話を交わした内は、“雌らしさが見えない程の、相手の事をつき放すヤツ”だと思っていたが、彼女との対戦を終え、彼女が別れ際に言った言葉を思い出し、改めて彼女の事を思い直していた。“さっさと帰れ。体調を崩してしまわない内にな。”もし、本当に相手に対して冷たい性格ならば、ここで気を遣うような対戦相手を心配するようなセリフを口にするだろうか。いや、そんな事は絶対に有り得ない。”俺は少女の姉のさりげない優しさを思い返しながらも、もう一つの推測を口に出していた。

「ん?とすると…あれは…。俺をバカにするような言い方は、もしかして俺に手加減させずに本気で闘わせる為の…。」

“そうか、そういう事だったのか!!なんだ…案外優しいヤツじゃないか。だが、単に俺と本気で闘いたかっただけなのかもしれないな。あっ、いやそんな事はどうでもいいか。そろそろ…上がるとするか。昼食も用意されている事だしな。”俺は、しばらくの間ぼうっとして湯に浸かりながら結論を導き、新たな推測を立てつつも、一番左端の方から鼻をくすぐるようないい匂いを察知出来たので、浴槽から出て浴槽のお湯を流し、洗濯機の中に入っていた白いシャツを取り出し、脱いだスーツを洗濯機に入れて洗濯機を動かし、白いシャツを着て食事ルームへと歩を進めた。

スタ スタ スタ
スク…グッ…
「今日の昼飯も美味そうだな。ここでは、これが唯一の救いか。」

俺はトレーに乗せられていたビーフシチューの皿を見て独り言を呟いていた。“しかし、なぜこんなに美味い物が出てくるんだ?本当に連中は、俺を実験体として監禁したのだろうか。”俺はビーフシチューと主食であるパンを交互に口に運びながらも頭を回転させて、監禁された真意を追求し始めた。“そもそも、レベル30台の俺をレベル50台と闘わせる事に何か意味があるのだろうか。普通に考えても力の差が歴然で、まず勝てるハズがない。実験体として用いるなら、同じレベルの者同士競わせた方がいいのではないだろうか。”俺はメインとサブメニューのお皿を空っぽにし、手に持っていたフォークを置いてあごに手を当て、首を傾げ推測を口にし始めた。

259適当:2012/12/21(金) 23:00:45 ID:MetLiZGE
「う〜ん、一体何が目的なんだ?俺の…内に秘めた力でも見ようと言うのか?」
カチャ…
「んぐんぐ…。ぷはぁ〜。まぁ、戦闘を終えた後に体力を回復させてくれる事はありがたいが…。」

誰も答えてくれる者はいない。そんな事は理解していながらも、無意味な独り言を呟き終え、トレーの上にあった青色の液体の入ったグラスを手に取り、液体を体に流しこんだ。その後に、空になったグラスを置き腕時計を見やった。【14:00】という表示が出ていたので、もう一戦いけるのではないか?と感じて、洗濯機の方へと足を運んだ。だが、食事の時間<スーツの洗濯が終わる時間となっていたので、当然洗濯機の時間表示画面は、“0(ゼロ)”になってはおらず俺の意志を無視するかのように動作を続けていた。

ウィン ウィン…
「う〜ん、困ったな。やはりスーツごと入ったのはまずかったか…。そもそも、昨日も洗濯していないから脱水だけでは無理だがな。」

俺は、自分の意志を無視して動き続けている洗濯機の音と、時間表示画面を見て困惑の表情を浮かべていた。俺の場合、洗濯をした後に乾燥もいっぺんに行うので、どんなに食事をゆっくりと進めていても、自分の意志を通す事は出来ないのである。“待てよ…本当にスーツは一着だけしかないのか?一着だけなら、毎日洗濯しなきゃならないし、手間が掛かり過ぎやしないか?”俺は新たな疑問を思い浮かべ、洗濯機を離れ、スーツを手に入れたタンスへと足を運び始めた。足を運び終え、タンスを事細かく調べていると、同じスーツが一着だけたたまれた状態で、引き出しに入っている事に気がついた。

ガー
チラッ…ガシッ
「なんだ、もう一着あるじゃないか。こんな事にも気がつかなかったなんて、俺は一体何をやっているんだ?」

引き出しに入っていたもう一着のスーツを手に取り、安心したように言葉を漏らし、着ている白いシャツをハンガーに掛けて、もう一着のスーツを着始めた。“そうか、気がつかない程実は監禁されていた事に焦っていたのだな。”俺は、始めてこの部屋に連れて来させられた時の事を思い出しつつも、スーツを着終え、刀を取る為に中央へと歩を進めた。

260適当:2012/12/21(金) 23:03:31 ID:MetLiZGE
スタ スタ スタ
スクッ…ガシ
シュル シュル…クッ クッ
「よし、準備が出来たな。リベンジだ。アイツは雪原地帯ではスピードが上がる。体力を回復し続けると言っていたが、本当は思い込ませる為に言ったんじゃないか?ひるませられなかったのは、寒さにより俺のパフォーマンスが全力でなかったからだ。」

“そうだ考えても見ろ、雪の場所にいるだけでそんなスゴイ事が出来るハズがない。それが出来るなら、フィアだって草原地帯にいるだけで、二つの特性が発動する事になってしまうじゃないか!!氷タイプにとっては、雪原地帯がスタンダードな戦闘ステージなんだ。だったら、同じのハズ。きっと…何かもっと条件がそろわないとダメなはずだ。”俺は刀を背中に結び終え、【零下】と示された扉を見つめて、零下の番人が語り出した自分を絶望に追いやるような発言の矛盾点を見つけ、推測を立てた。“だが、もしそうであったとしても、あのステージにそのままの状態で行けばまた同じだ。体に電気を溜めて、一定時間保温状態にして行った方がいいな。”俺は懸念を抱いたので、その場に留まって目を閉じ意識を集中し始めた。

スッ…
パチ…パチパチパチ…
「よし、これでまぁ何とかなるだろう。と言っても、恐らく20分程度しか持たないだろうが。」

俺は、体に電気を蓄電し終え、零下の番人との再戦に挑む為、【零下】のステージへと歩を進めた。

261適当:2012/12/21(金) 23:07:42 ID:MetLiZGE
俺は【零下】のステージへとたどり着いた。初めて来た時とは違った感覚で、白銀の世界を眺めていると、前方から慌てて灰色の体を持ち、水色の軍服を着た少女の姉がやって来た。“モニターで俺の様子を告げられているはずなのに、なんでこんなに慌てているんだ?”俺は彼女が息を切らして俺の数十m先へたどり着いた様子を、首を傾げながら眺めていると、彼女が俺に“予想外だ!!”とばかりに言い放って来た。

タッタッタ…
「はぁ…はぁ…。こ…小僧…。どうなっている?」
「は?何がだ?」
「お前は一日に“二戦”もするようなヤツじゃなかっただろう!!私が何をしていたかも知らないで、のこのこと入室(で)て来やがって!!」

“別に多少遅れても構わないと思うのだが…。相手が雌で都合が悪い時?う〜ん、なんだろうな…。”俺は首を傾げて、少女の姉の質問に答えずに黙っていると、彼女が自ら俺へ告白して来た。

「ティータイム中に挑んで来るヤツがいるか!!馬鹿者が!!」
「は?ティータイム?いや、待て。君の都合なんて俺が知るワケないじゃないか。」
「黙れ!!私の妹の事を知っているのだろう?だとしたら、お前と出身国が違う事ぐらいわからないのか?“ジャパン”とは風習が違うんだ!!少しは考えろ!!」

“いや、俺に言われてもな…。だが、ティータイムとやらを邪魔されて随分とご立腹らしいな。ティータイムを大事にする国?う〜ん、どこだ?アメリカじゃないし、アジア圏でもない…。ヨーロッパのどこかと思うのだが、検討がつかないな…。”俺は少女の姉に従い、頭を少し働かせてみたが、何の答えも推測すらも立てる事は出来なかったので、興奮している彼女を落ち着かせる為に、説得を試み始めた。

262適当:2012/12/21(金) 23:11:12 ID:MetLiZGE
「なぜそんなに怒っている?いいじゃないか。多少遅れて来たって。雌が用事が長い事ぐらい十分に理解しているつもりだからな。」
「私は遅刻というモノが嫌いなんだ。一日に“二戦”だと?お前…私をナメているな。体力も“全回復”させずに、私に“再戦”を挑んでいるんだからな。」

“まぁ、ダメージがこれと言ってあったワケじゃないし、それに決着が早かったからな。…これは言わない方がいいな。そんな事より、コイツの特性をキチンと確かめる方法を考えなくては。”俺は彼女へ返答せずにしばらく黙って頭を働かせていると、彼女が更に苛立ち俺へ返答を求めて来た。

「………。」
「おい、何とか言ったらどうなんだ?私は壁と話しているのか?」
「あ…、すまない。いや、君が…。」
「君が?」
「その…、あまりにも可愛くってな。」

“あっ!!マズい!!これは、今のコイツに対する挑発じゃないか!!くそ…、余計に怒らせてしまった!!。”俺は雌が苛立った際に用いるいつもの返しで、つい彼女をなだめてしまったので、案の定彼女はまゆを吊り上げ、更に強い睨みを効かせて俺に言い放った。

「はぁ〜ん。やっぱりお前、私をナメているな?覚悟しろよ?二、三日は闘えないと思う事だな。」
「ち…違う!!決して君をバカにはしていない!!言い間違えたんだ!!」
「言い間違えた?あんなに黙りこんでいたのにか?ただ、ボーっとしていただけか?」
「あっ…。」
「もう許さん。おい、始めるぞ。体力“最低値”まで追い込んでやる…。」

“うわぁ…やってしまったな。これ、ますます悪化させてしまったじゃないか!!”俺は少女の姉へ必死の弁解をしたが、言葉の選択を誤ってしまい、彼女の神経を逆に撫でてしまう結果を招いてしまった。俺に刺激された彼女は、俺へ静かに言い放って来たが、目をますます鋭くし、俺の体に穴を開ける勢いで見つめていた。彼女が言い放った後に、恒例の戦闘開始の合図が鳴り響いた。

263適当:2012/12/21(金) 23:15:07 ID:MetLiZGE
プンッ…
『READY…GO!!』
「行くぞ小僧!!覚悟しろ!!」
タッタッタ…

“うわ…冷静さを失って、先制攻撃をしかけて来ている…。たいあたり…はまず無いよな?恐らく俺と同じブレードテイルを使って来るハズ…。ここは、一旦避けてカウンターだ!!”俺は刀を抜き、少女の姉の方を見やり、攻撃を見極め始めた。

「電光石火!!」
シュン シュン
「くっ…。」
バッ
「甘い!!氷の牙!!」
ピョン
ギラッ…
「くそっ…。」
バッ バッ
ガチン
「はぁ…はぁ…。この小僧!!体に穴を開けてやる!!」

“いっけんはかみつくに近いが、たぶん別物だ。だが…コイツは冷静さを失っている。もう二、三発避けて一旦あごを蹴り上げて飛ばそう。”俺は、少女の姉の接近攻撃をバック転を使って避けた。彼女はこめかみに血管を浮き出させて、息を切らしながらも俺へ強く宣言し、再度同じ技を繰り出して来た。

ピョン…ガチン
「ふっ!!」
ヒュン
「逃げられると思うな!!」
ピョン…

“今だ!!ここで蹴り上げて連続攻撃だ!!そろそろ防寒着を探さないと、蓄電での保温効果が切れてしまう!!”俺は少女の姉がとび上がって接近して来た所を見定めて、彼女のあごを蹴り上げ、ナナメ上に飛ばし必殺技を放った。

「たぁ!!」
「何!?しま…」
ドゴン
「ぐはぁ!!」
スッ…
「連続突きぃぃぃぃ!!」
シュシュシュシュシュシュシュシュ
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
シュン…
「空中一閃…はぁ!!」
バシン
「ぐはぁぁぁ!!」
ヒュー…ドサッ

“よし今だ!!アイツはもう当分立てない!!追撃はするな。初戦のように、ワザと攻撃を受けて俺自ら接近させ、冷凍ビーム…もしくはそれ以上に恐ろしい技を使うかもしれない。”俺は少女の姉の体を刀で連続して突いて、素速くナナメ上に電光石火を用いて飛び上がり、彼女へ接近して彼女の腹部へ攻撃を当てた。最後の一撃が見事に決まったので、彼女は数十m弧を描くようにして飛ばされ、背中から雪で覆われた地面へ落下した。俺はそれを見計らって、刀を収め右の林へかけ出し彼女の前から、一時姿を消した。

264適当:2012/12/21(金) 23:19:46 ID:MetLiZGE
タタタ…
「はぁ…はぁ…。よし、まいたようだな。フィアよりも体力がありそうで、あれだけで倒れるハズがない。一時の休戦だ。この間に防寒着を見つけなければな。さいわい、俺のスーツは白。カモフラージュ効果も十分に期待出来る。」

俺は右の林へと移動し終え、呼吸を整えて“時間の猶予はあまり無い”と自分に言い聞かせ、林の奥へと進み探索を開始した。

シャリ シャリ シャリ…
「雪を踏んだ音も結構でかいな。」
シャリ シャリ シャ…
ブルッ ブルブル

“うっ…寒くなって来た。くそっ…蓄電の効果が短すぎる!!予想通りの二十分位なんだが、三十分位はもって欲しかった…。”俺は林の奥へ奥へと進み、自分が奏でる足音を気にしていたが、【零下】のステージに来る前に行(おこな)った蓄電による保温効果が切れるのを感じ、体が震え始めたので、音を気にする事なく足を速め、首を左右に速く動かし箱を探し始めた。

シャ シャ シャ…
キョロキョロキョロ…ピタッ
「あっ!!あった!!これだろう!!防寒着は!!」

俺がしばらく探索を続けていると、金色の箱が数十m先へ設置されている事を発見し、足を止めて金色の箱がある方向へ走り出した。金色の箱へ近づき、金色の箱を開けると、厚く暖かそうな同じ色のスーツと説明書が入っていた。“説明書なんていらないのだが…。まぁ、一応目を通しておこう。”俺は、スーツを手に抱え説明書へと目を通した。

【防寒戦闘用スーツ 防寒効果がある戦闘用スーツ。脇腹と太腿側面付近に更に保温効果を高めるスイッチがあるが、支給した直後は電力が“0”となっており、すぐには機能しないので注意すること。保温効果を高めるスイッチを押せば、凍結も防ぐ事が出来る。電力は、着たまま電気を体外に放出すればスーツへ充電する事が可能。】

“すごいじゃないか!!凍結も防げるだと?って事は、アイツに限りなく接近できるじゃないか!!アイツは遠→近と攻撃を変えなければ接近戦闘は出来ない。四足だから接近戦闘は苦手のハズ。”俺は説明書のある一文を読んで一匹でにはしゃいでいた。後半の文章もしっかりと目を通したが、目的の物が予想外にも優れていたので、興奮を抑える事が出来ずにスーツをじっくりと眺めていた。

265適当:2012/12/21(金) 23:23:02 ID:MetLiZGE
ジー
「ほ〜う、これが凍り状態を防ぐスイッチか。俺の電気で充電出来る所がまたいいな。コンセントを使うとなると、時間が掛かるか…」
シャリ… シャリ…
ピョン…ピタッ

“もう来たか。やっぱり早いな。ひょっとすると、本当に体力を回復し続けているのだろうか?”俺は背後の足音を察知し、箱からすぐに離れて木に背を預けて、音のした方向へと目を向けた。

チラッ…
キョロキョロ
「くそっ…どこへ行ったあの生意気な小僧め。」
シャリ シャリ
「私は鼻が利かないからな。目だけが頼りだ…。くそっ…。」

“やっぱりすぐに起き上がって追跡(つ)けてたかもしれないな。ただ、俺の足が速くて追いつけなかったと言うことか。ん?あれは…そうかわかったぞ!!やっぱりアレはウソだ。あの傷は俺の刀のあと、そして口を切っている。よし、このスーツを着てたたみかければ俺の勝ちだ。”少女の姉は怒りの表情を浮かべて独り言を呟きながら、首を左右へ動かし目的の者を探していた。俺は目を凝らして彼女をみやると、彼女の体の至る所に刀を受けた傷を発見出来たので、不敵な笑みを浮かべて、手に入れたスーツを着る為、彼女に気づかれないように距離を取ろうとしたその時、俺に災難が降りかかり始めた。

“ここでは距離が短い。スーツを着る為一旦距…。”
「クシュン」
ピクッ ピクッ
「ん?何か音がしたな…。」

俺は突然の鼻のむずがゆさに我慢出来ずに、自然に音を漏らしてしまっていた。少女の姉は、立ち止まり耳を動かして首を傾げていた。俺はあわてて口を塞ごうとしたが、再度音を漏らしてしまっていた。

“待て!!何でこんな時に!!ふざけ…”
「ハックシュン」
ピクピク
「こっちか。」
シャリシャリ…
タッ…
“マズい、感づかれた!!もう急いで距離を…”
ピタッ
「ハックシュン!!」
「そこか!!」
フィィィィン…
「しまっ…。」
ピキン
「ぐわぁ!!」

俺は自らたてた音でスーツのカモフラージュ効果を台無しにして、少女の姉を感づかせてしまい、彼女から距離を取ろうとしていた所を水色の光線で狙い打ちにされて、尻尾を凍結させられてしまっていた。俺は、何とか痛みをこらえて彼女へ方へ向き、刀を抜いて構えたが、彼女は更なる追い討ちをかけ始めた。

266適当:2012/12/21(金) 23:30:12 ID:MetLiZGE
「小僧喰らうがいい。」
パカッ…
シャン…スチャ
「くっ…イチかバチか刀で…。」
ピシュン
「何!?はやす…」
パシュウ ピキン
「がはぁ!!」

“な…何だ今の技は!?冷凍ビームよりも短く、速すぎる!!しかも…体力が一気に減り始めている!!何なんだこの技は!!”少女の姉は、口を小さく開けて真っ白い氷の弾丸を飛ばし俺の腹部へと命中させた。俺はあまりの速さに驚いてしまったので、攻撃が当たる場所をずらすことが出来ずに攻撃を受けてしまい、あまりの激痛に襲われてその場にうずくまっていた。彼女は、俺が苦痛の表情を浮かべている様子を見て、勝利の笑みを浮かべて俺へ言い放った。

「あはははは!!どうだ、私の“絶対零度・スナイパー型”の味は?」
「うぐぐ…、す…スナイパー…だと?」
「おっと、喋っているヒマなんてない。お前に受けた傷を消さなければな。」
スッ…
「空気よ。凍れ。」
フゥゥゥゥ…ピキン ピキン

“あ…あれは…。見たことがある。あれは、霰(あられ)じゃないのか!?”俺は激痛に耐えながらも、彼女が上を向いて口から冷気を放っていた様子を眺めていた。数秒後、彼女の頭上から氷の塊が出現し、彼女へと降り注ぎ始めた。

パラ パラ パラ
ピタ ピタ ピタ
シュウウウ…
「いいぞ。体が癒されていく…。」

“き…傷が消えている!?やっぱりそうだったのか!!コイツは雪原地帯にいるだけでは、体力は回復出来ない。自分の周囲に霰(あられ)がないと、体力を回復出来ないんだ。今の俺には勝ち目はない。コイツは怒っている。せっかく手に入れたこのスーツも取り上げられるかもしれない。逃げるんだ…何とか隙を突いて…。”少女の姉は、頭上に出現させた氷の塊を体に受けて、目を閉じてわずかに心地の良い表情を浮かべていた。俺は彼女が氷の塊を受ける度に、彼女の口元の傷やほほの傷が消えていく様を見やりつつも、彼女に気づかれないように片手に雪を握りしめて、激痛に耐えつつも彼女へ話しかけた。

267適当:2012/12/21(金) 23:33:20 ID:MetLiZGE
「やっぱり雪だけでは…回復出来なかったんだな。」
「あはは。その通りだ。あれは、お前をダマす為の口実だ。まぁもっとも、私は自分で霰(あられ)を作り出せるから、防ぎようがないがな。お前の勝ちなどとうに無い。」
「そうか。なら…抵抗させて…もらう。」
ギリ…ギリギリ…

俺が激痛で顔を歪めて歯を食いしばりながら宣言した事を、彼女は不敵な笑みを浮かべて笑い飛ばし、俺へ訊ねてきた。

「あはははは!!それでどうやって抵抗する気なんだ?30%〜40%の体力で私の攻撃を避けられると思っているのか?」
「ふっ、こうやってな!!」
バッ…
「何!?」
バシュウ
「うわぁ!!この…小僧待…」
シュン シュン
カチッ…
シュイイイイン…
「逃がすか!!絶対零…。」
シュン
「度…。ちっ、逃げられたか。あの小僧め顔を狙いやがって…。私は雌だぞ?少しは考えて攻撃しろ。」

俺は彼女へ言い放った直後に片手で握りしめていた雪を投げつけて、彼女の顔に命中させ、手に入れたスーツをしっかり腕に抱えて、電光石火を用いて彼女から逃げ、リタイアボタンを押し【零下】のステージを抜け出した。

268適当:2012/12/21(金) 23:37:13 ID:MetLiZGE
俺は【零下】のステージを抜け、再び真っ白い空間へと戻って来た。戻って来た途端、【零下】のステージで感じた寒気から解放されたので、安堵のため息を漏らそうとした。だが、その直後に腹と尻尾からくる激しい痛みに襲われ、真っ白な空間に叫び声を響かせてしまっていた。

シュン…
「ふぅ…。よし、無事に逃げ…。」
ピシッ…ジーン
「ぐわぁぁぁぁぁ!!は…腹と…尻尾がぁぁぁぁ!!」

“くっ…このままでは、本当に10%まで体力を持っていかれてしまう!!”俺は、激痛をこらえて歯を食いしばりながら、片手に電流を集めて叫ぶような声の調子で技名を大きく宣言し、自らの腹部へ当てた。

グッ…パチパチ
「電…撃…」
パチパチ
「拳!!」
ドゴォ
バキバキ…バキン
「がぁぁぁ!!」
ドサ

腹部へ強打を加えるとたちまち腹部を覆っていた氷は割れて、俺を激痛から解放した。だがその反面、俺は硬い物質(もの)に自分の拳を当てて砕いてしまったので、強い反動を拳に受けて叫び声を上げてしまっていた。“はぁ…はぁ…。よし、何とか…一番厄介な所の氷は割ったぞ…。あとは…、そうだな。急がないと体力3割以下に低下(お)とされてしまう…。”俺は、拳と尻尾から来る痛みをこらえて立ち上がり、体中の電流を尻尾に集め、尻尾の氷を溶かし始めた。

「はぁ…はぁ…。」
スクッ…
「うぉぉぉぉぉ!!」
パチ…パチパチ
ダラ ダラダラ…
「うおりぃやぁぁぁ!!100万ボルトォォォォォ!!」
バチン バチン バチン
ダラダラダラ…ピキン
パラ パラパラ…
「はぁ…はぁ…。や…やっはぁったぞ…。何とか…溶かす事は出来た…な。」

269適当:2012/12/21(金) 23:39:11 ID:MetLiZGE
実際には、そんな高電圧までいっていたかは定かではないが。俺は叫びつつ尻尾に大量の電流を集め尻尾を覆っていた氷を徐々に溶かし、見事に氷を電気による摩擦熱で割る事に成功した。その後激しく呼吸が乱れ、俺はその場に仰向けになって倒れてしまった。

クラッ…
「うっ…。」
バタン
「はぁ…はぁ…。だ…ダメだ。電気を…使い過ぎた。」
カクッ…カクッ…
「少し…寝よう…。その方が…い…い…な…。」
シュルシュル…パシ
スッ…カクン
「ZZZ…。」

俺は疲労の為か、強烈な睡魔に襲われて目を自然に閉ざし始めていた。やむを得ず、休憩を取る事を決断し、背中に結びつけていた刀を解いて、刀を手へ移し握りしめた。あまりに強烈過ぎた睡魔だった為か、刀を手の平寝かせたまま俺は目を閉じ、眠りの世界へ旅立ってしまっていた。

270適当:2012/12/21(金) 23:42:26 ID:MetLiZGE
3時間後…

俺は長いような短いような眠りから目を覚まし、あくびをして起き上がった。“今、何時なんだ?”俺がふと時計を見ると、【19:00】と表示されていた。俺は、もう一度大きくあくびをし、目覚めの儀式を行い始めた。

ブンブンブン
パン パン
「よし、まぁまぁ動けるまでは回復したな。残念ながら電気はまだ出せそうにないが。」

俺は首を左右へ激しく振り、ほほを両手で少し強く叩いて意識をはっきりとさせ、【零下】のステージで手に入れたスーツの事を思い出し、首を動かして手に入れたスーツを探し始めた。自分のすぐ近くにあったので、手に入れたスーツを見て安心し、手に入れたスーツをじっくりと観察し始めた。

キョロキョロ
「よし、ちゃんと持ち帰る事が出来たな。」
パシッ…ヒョイ
ジー
「ほ〜う、これが凍結防止スイッチか。このスイッチもよく見ると、雪のステージに溶け込みやすい灰色に近い色をしているな。」

“意外と親切設計なスーツだな。スイッチってもっとこう派手な色じゃないのか?”俺は、スーツに目を通し、スーツ全体が敵に発見されにくく施してある事に気づいて、自然に笑みをこぼしつつも、わずかに疑問を抱いていた。“まぁいいか。それよりもメシだ。”食事ルームから漂ってくる空きっ腹を刺激するような香りに誘われたので考える事をやめ、手に入れたスーツをその場へ置き、俺は食事ルームへと足を運んだ。

スタスタスタ…ピタ
スクッ…トン
「くんくん、今日も美味そうだな。そういえばいつも思うが、なぜこんなに美味いものを食わせてくれるんだ?監禁しているのに…。無理矢理闘わせているのに、おかしな連中だな。」
カチャ
スク…ズズッ…
ゴックン
「うん、うまい。あっ、ひょっとして“俺”を軍隊に入れたいのか?PIAエージェント候補である“俺”を。だったら、入隊(はい)ってやらないことも無いのだがな。」

271適当:2012/12/21(金) 23:46:18 ID:MetLiZGE
“本当はただ早くここから抜け出したいだけなんだが…。”俺は監禁した連中に自信気に、自慢気に自分の事を押し上げて言い放った。その時俺は、“早く抜け出したい。抜け出させてくれ。”と甘えるような態度は一切顔に出さず、“軍隊に入隊(はい)ってやってもいい。お望みならば。”と監禁されているにもかかわらず、“しょうがないなぁ。”という表情を浮かべていた。“これで本当に解放(で)られたらいいのだが、まずそんな事はないな。俺は監禁した連中に言い放った後に、すぐに思い直し黙々と食事を進めた。メインのクリームシチューを隣にあった米と合わせて平らげ、副菜のサラダを平らげ、ついにはドリンクにさしかかろうとしていた。

パクッ…カチャ
ゴックン
「はぁ〜。今日は最高だな。ここで青色のヤツが出てきたら最悪だったが、この…」
パシッ…ヒョイ
「まぁまぁ美味い、しかも青色よりも体力が回復する黄色のヤツだからな。わかっているじゃないか。」

俺は誰も返事を返してくれるわけでもないのに、独り言を淡々と呟きながら、トレーの上にあった黄色の液体が入ったグラスに目を向けて、自然に笑みをこぼし黄色の液体を体へと流し込んだ。結果はわかっていたが、黄色の液体を体に流し込む度に、体にたまっていた疲れが消え去っていくのを感じた。“そういえば、これに使われている実(み)って“オボン”とか言うんだったよな?オボン…聞いた事がないな。日本にそんな不思議な木の実なんてあったのか?いや、そもそも日本にあるのか?”俺は黄色の液体を飲み干し、グラスをトレーに置いてあごに手を添えて、少女が口にした言葉を思い出し、考えあぐねていた。“オボンなのか?それともOBONでOなんとか、Bなんとか、Oなんとか、Nなんとかの略なのか? ……。ああー!!わからん!!というか、俺はさっきからなんてどうでもいい事を気にしているんだ!!こんなの…味がラ・フランスに似ているから、ラ・フランスもどきかラ・フランス(黄)でいいじゃないか!!そうだな、大体なんなんだオボンって。お盆…こっちと思ってしまうじゃないか!!俺は、ラ・フランスもどきでいい。よし、そうしよう。オボンなんて意味がわからん。”俺は長考の末に結論を強引に出し、自分の脳内(なか)で名前を決定付け、考える事をやめた。その後中央へと足を運んで食事ルームから離れ、再び手に入れたスーツを手に取り鑑賞し始めていた。

272適当:2012/12/21(金) 23:51:18 ID:MetLiZGE
スタスタスタ
パシッ
チラッ…
「同じような仕組みのスーツで使いやすそうだな。体は温まったが、着けてみるか。」
ジィィィ…
ススッ…ススッ…
ジィィィィィ
ブン ブン
「よし、動きやすい。それに暖かいな。これなら、あのステージで闘っても寒くないから、100%の力を出し切れるハズだ。」

俺は手に入れたスーツを試着し、着心地の良さ・使いやすさを実感し、笑みをこぼして自信のある表情を浮かべ始めていた。“だが、これだけでは足りない。せっかく凍結防止機能を備えてあるんだ。これをいかさない手はない。”俺は【零下】のステージで手に入れたスーツの説明書に記されていた内容を思い出し、スーツの補助機能を発動させる為のスイッチへと目を向け、位置を再確認し、意識を集中し始めた。

「ふぅ〜。よし…。」
キッ…
パチ…パチパチ…
パチパチパチ…
キュウウン キュウウン…
「これは、電気を充電している音か?」

俺がスーツへ電流を流しこむと、高温の機械音が徐々に聞こえ始めた。俺は、電流を流しこむ事をやめて、スイッチへと手を伸ばした。

カチッ
ブーン
ジワ…ジワジワ…
「おお!!こんなに熱くなるのか!!これなら、凍結を防ぐ事が出来そうだな。ただ、熱いからもうやめるか。今は寒くないし、汗なんてかきたくないからな。」
カチッ…フッ…
「充電は出来ているみたいだな。ただ…残量がわからんところがこのスーツの欠点だな。」

“う〜ん、いつ充電完了かどうかがわかるんだ?何か、ランプでも付いているのだろうか。”俺は、スーツの補助機能を十分に堪能した後、腰の辺りにあるスイッチを押して補助機能を停止させ、難しい表情を浮かべて、スーツに対する批評を行っていた。“もしかしたら、わかるかもしれない。”俺はそう思い、スーツにまんべんなく目を通したが、充電完了を知らせるランプらしき物は見当たらなかった。“じゃあ、なんなんだ?ひょっとして、充電完了したら変な機械音が止むのか?”俺は新たな推測を立てて実証へと行動を移した。

273適当:2012/12/21(金) 23:54:58 ID:MetLiZGE
キッ…
パチ…パチパチ…
キュウウン キュウウン
パチパチパチ…
キュウウン キュウウン
「う〜ん、さすがに凍り状態を無効するとなると大量の電気が必要か。それとも、抵抗がすごいのか?電気タイプが充電しても、電圧のオーバーで壊れないよ…」
キュウ… フッ…
「う…。あっ、止まったな。」

“やはり、そうみたいだな。ところで…これって何時間まで持つんだ?凍結を防ぐって事は、かなりのエネルギーを消費するんじゃないか?う〜ん、一体どれ位なんだろうか?”俺は、しばらく鳴り響いていた高温の機械音がやんだ事で、自らの推測を確信しつつも、新たな疑問を思い浮かべて、スーツをじっと眺めながら、再度考えあぐねていた。“説明書には、何も書かれていなかった。電気タイプで充電してもそこそこの時間が必要…。30分位か?氷タイプの氷は、氷点下の温度のハズだからな。マイナス30度とか50度とかその辺りだろう。0度のハズはない。その氷を溶かすには相当の熱が必要なハズ。とすると…やっぱりその位か。”俺は疑問に対しての推測を再度立てて、確信できる内容を折り混ぜ、三度(みたび)スーツの仕組みを確認し始めた。

キョロキョロ
カチャ パカッ…
カチャ パカッ…
「バッテリーパックらしき物はないな。あのスーツと同じ様に、これは物を入れるポケットだからな。」

スーツを隅々まで確認し、“これなのでは!!”と思う所を開けて確認したが、何も入っておらず、補助道具が入る位の大きさの空間が広がっていただけだった。“まぁいいか。もし仮に連続10分とか20分とかしか持たないなら、凍らされた瞬間にスイッチを押して溶かせばいいか。”俺は、スーツの仕組みを確認する作業と考える事をやめた。その代わり、万が一の事態に備えた使用法を思い浮かべて、その場で仰向けになり、手に入れたスーツを着たまま、眠りの世界へと旅立った。

274適当:2012/12/21(金) 23:58:30 ID:MetLiZGE
Day9

俺は目を覚まし真っ白な天井と、真っ白に光ったままの複数ある電球を視界に入れ、刀を背中へ結び戦闘の準備をし終えて、腕時計へと目を向けた。【10:30】と示されている表示画面を見て、“あのジュースを飲んでも、やはり疲れていたんだな。”と考察し、既に用意されていた冷めきった食事を口へ運び、【零下】と示された扉へ歩を進めた。

ビュオオオ…
チラッ…
「来たか、生意気なピカチュウの小僧。」

俺は【零下】のステージへとたどり着き、周りの景色に目を向けようとした時、前方に灰色の体をもち、水色の軍服を着ていた者が、左の林の方へ体を向けたまま、雪で覆われた地面へ腰を下ろしていた。彼女は、俺が【零下】のステージへ到着した事に気づき、横目を流して俺へ辛辣な言葉を言い放って来た。“普通は、まずあいさつからだろう。相当根に持っているらしいな。”俺は、彼女の心を試すように自然と思わせる笑みを作り出し、彼女へ軽く会釈を行った。

「おはよう、グレイシアのお嬢さん。今日は、やたらと早いな。」
「なんだその顔は。余裕とでも言いたいのか?」
「余裕?何の事だ。」
「あはは。わかっているくせに言わせるのか?だが言ってやろう。私に“勝つ”のは余裕とでも言いたいのか?」

“やっぱり怒っているな。笑っているのを変な意味に捉えている。”俺は、少女の姉の突き刺すような視線と、静かな怒りを強調するような作り笑いを見届け、彼女の質問に対して否定の意を示した。

「そんなワケないじゃないか。君の技はどれも強力で、まともに受けていられない。それに発動もなかなか速い。ある程度方向を予測しながらかわす事で精一杯だ。」
「私の攻撃を見切っているとでも言いたいのか?」
「見切っているワケじゃない。避(よ)けられるのは偶然、決して必然なんかじゃない。それに、君は広範囲の攻撃の“吹雪”を使わずに、スピードタイプの俺を倒しているじゃないか。俺は速さに自信があるつもりなんだが…。」
クルッ…
「それはお前が100%の動きが出来ていないからだ。βのシャワーズ攻撃を避(よ)けられるのだから、私の攻撃も避(よ)けられるだろう?」

俺は、少女の姉をなだめようと彼女を好評価し、自分の事を謙遜したが、彼女は表情を一切変えず、体を正面に向けて再度質問を行って来た。俺は、彼女の表情をやわらげるために、彼女の質問へ否定の意を示し、彼女へ悩みを訊くように、質問を行った。

275適当:2012/12/22(土) 00:03:11 ID:ciHwxcCE
「いや、あのシャワーズには勝ってはいない。避(よ)けられたのは偶然でしかない。というかなぜそんなに怒っているんだ?何かあったのか?」
「ああ、あったな。」
「言ってみろ。」
「お前に顔を殴られた。それが怒っている原因だ。雌の顔を攻撃するって、どうゆう神経をしているんだ、お前という小僧は。」

“顔?連続で突いた時に当ててしまったんだな。失明させてないだけで安心したが、何かと条件が多いな。”俺は少女の姉へ謝罪せずに、“お前の意識は甘過ぎる。”とばかりに言い放った。

「君と俺はケンカをしているんじゃない。死闘をしているんだ。顔を殴られて文句を言うのはおかしくないか?」
「お前の持っている刀で攻撃されたからだ。お前が素手でなら文句はない。失明したらどうするつもりなんだ馬鹿者が。」
「それはすまなかった。だが、だからと言って刀を使わないワケにはいかない。刀無しでは、君に与えられるダメージは無い。状態異常をマヒにする事しか出来ない。」
「あはははは!!当然だ。今のお前は40レベルにしか達していない。私は55レベルだ。お前のパンチでは、私の防御力を上回る事は出来ない。」

“55…すごいな。そして、俺は今40まで上がったのか。よっぽど、苦戦を強いられて来たんだな。”俺は、少女の姉が高笑いしてこぼした情報をしっかりと受け止め、質問を行った。

「君の妹のフィアという名前のリーフィアは結構強かった。フィアのレベルはどれ位なんだ?」
「教えられんな。私よりも下だ。あとは、自分で勝手に想像している事だな。」
「あっはっは。もしかして、君よりも強いんじゃないのか?」
「うるさい、黙れ。教えようが教えなかろうが、お前は私に倒される。それだけだ。」


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