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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

222適当:2012/11/23(金) 16:50:49 ID:z4YPwsi.
「フィア、どうしてそんなにも必死なんだ?そんなに怖いのか?」
「…。」
「どうした?聞いちゃいけなかったか?」
コクリ

“よっぽどの事なんだな…。うん、これはもう訊くのは止めた方がいいな。フィアは味方に出来ない。俺の味方になってしまえば生きる道なんて保障されない。あんなに…必死に謝ったんだから、きっと…許してもらえるハズだ。俺は少女が表情を暗くして黙ってうなずく様子を見て決断し、少女へ別れを促した。

「フィア、それならもう戻った方がいい。君は…俺の事が大好きなんだろうが、早めに別れないと俺と手を組んでいると勘違いされてしまうからな。」
「そうだね。くすっ、お兄ちゃんありがとう。私、お兄ちゃんに会えて良かった。」
「ふっ、俺もだ。さぁ、もう戻るんだ。そこの…【若葉】の扉からな。」
「うん、わかった。でも1つだけ…。1つだけお願いがあるの。」
「お願い?」

俺は少女の頼みを聞こうと少女へ訊ねた。少女は笑みを浮かべて自分の要求を言い放った。

「“サン”っていうサンダースはお友達なの。だから、優しくしてあげてね?」
「友達?わかった約束する。」
「それから…お姉ちゃんには厳しくしてもいいよ。」
「は?どうして?」

“友達には優しく…だけど、何故姉には冷たいんだ?”俺は少女の性格に似合わぬ発言に首を傾げ、おもむろに訊ねた。すると、彼女はいたずら気に微笑み【若葉】と示された扉へ駆け出し、俺の方へ振り向いて理由を述べ、別れの言葉を告げた。

タッタッタ
「は?おい、フィア待て。俺の質も…」
クルッ
「だって、お姉ちゃん私を子供扱いするからキライなんだもん!!」
「子供…扱い?」
「くすっ、そうだよ!!だから、う〜んと痛めつけてね?じゃあ、お兄ちゃんバイバイ!!生きてたらまた…ぐっす…また会おうね!!」
ガチャ…バタン

“生きていたらだと!?”この時俺は少女の言葉を聞いてその場にひざをつき愕然としてしまった。途端に自然に涙が頬を伝っていくのを感じた。そう、俺は彼女の発言・表情で全てを理解してしまったのだ。“逆らえば…殺される”という事を。俺はしばらく涙を流しながら彼女が去っていった【若葉】と示された扉を見つめ続けていた。

試練3 【若葉】 完


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