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【個】『学生寮 清月館』

28常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2016/11/28(月) 00:34:47
>>27
雑賀が何気なく放った一言であったが、

 「母親ですか」
 「んん〜ん…母…」

それが常原ヤマトの琴線に触れるッ!!!


  「……………母親ァ!!!!」

  「うおああああああああああああおおおお!!!」

《みんなに愛を…母のような優しさと包容力をもって…》とは常日頃思っていることである。
それは彼が失ってしまったものであり、またメイドとしての理想系であり、
そのキーワードは、彼の悲しみや喜び、その他諸々の感情を一気に引き出すキーワードである

要するに『母』と例えられると、常原ヤマトは激しい反応を示す。

  「うぐッ…うう…うおおおお!」

涙を流している
雑賀の部屋でメイドの女装の変態がぼろぼろ涙を流しながら洋服を畳んでいる。

29雑賀 華『イッツ・ショウ・タイム』:2016/11/28(月) 23:36:51
>>28

「……おぉ、なんという」

「これでは服が汚れてしまいます」

「むしろ問題行為」

困っているのだろうか頭をかく。

「今日はお暇を与えますが?」

30常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2016/11/29(火) 00:05:23
>>29
「そ、そんな申し訳なエグッ」
「俺はメイドですから家事を成し遂げヒグッ」

その泣きっぷりは確かに仕事に差し障りが出そうであり。

「……分かりましたよ、俺、適当に切り上げざせていだだきまず…」

    ヂーン ズズッ

部屋にあるティッシュで勝手にハナをかむと、
いつの間にか持っていたゴミ袋に使ったチリ紙や菓子袋を放り込み出す。

 「あっあとこれ俺の…」

┌――――――――――――――――┐
 ☆・゚:*:゚ヽ                *:・'゚☆
         常原 ヤマト 

       家政婦やります
 
   電話番号 XXX-XXXX-XXXX
  E-mail *******************.com
 
└――――――――――――――――┘

名刺だ。(ゴミ袋に放り込んでも良い)

31雑賀 華『イッツ・ショウ・タイム』:2016/11/29(火) 00:21:15
>>30

「えぇ、えぇそれがいいでしょう」

にっこりと微笑む。
だが薄く開いた目は笑っていなかった。

「これはどうも」

名刺を受け取る雑賀。
そしてそれをこっそりとその辺のごみの中に混ぜてしまった。

「私とてもディオニスな気分です」

32常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2016/11/29(火) 00:48:32
>>31
常原の不安定な精神状態故か、雑賀の趣味から来る手際の良さ故か。
とにかく、名刺の扱いに、男メイドはまったく気付いていない様子であった。

「ゴミあづめ終わりまじだんで」「捨でまず」 
「(ディオニスってどういう意味だ…?)」

      チーン

「…失礼しました!」
「次も俺をよろしくお願いしますね!!!!!!!!」

また来るつもりらしい。
そういう訳で鬱陶しい感じのメイド男は、ちょっと綺麗になった雑賀の部屋から去っていった。



≪違いますよ俺はメイドですよ≫
  ≪あッ離してください!!!触らないで俺は不審者じゃないです!!!≫
   ≪やめて!!!なんで家政婦をこんな目に合わせるんですか!!!!!!≫

扉の向こうで警備員と揉み合っているみたいでが、
別に君の知ったことではないだろう………。

33草壁多聞『アンサング』:2016/12/02(金) 01:17:39

一人の男が廊下の壁に向かい合って何かをしている。
寮生ではない。
男は学園の教師の一人だった。

「さて……これでいいでしょう」

男が壁から離れると、そこには一枚のポスターが貼られていた。

『不審者注意!』

……大きな字でそう書いてある。

「我々の職場は、あくまで学園ですが……。
しかし、そこに生徒達がいる以上、学生寮にも気を配るのが教師の務めというものですからね」

男は一歩後ろに下がって、ポスターが曲がっていないか確認し、やがて満足そうに肯いた。
それが済むと、廊下に背を向けて、学生寮から立ち去っていく。

「しかし……『強引に奉仕活動を迫るメイド服を着た男』ですか……。
きっと何かの間違いでしょうね……。
いや、間違いであって欲しいと思いますが……」

世にも恐ろしい光景を想像しながら寮を出て行った。

34常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2016/12/17(土) 19:02:03
通りががったのは寮生でも教師でもなかった。
掃除用具をいくつか手に携えたそいつは、
…『メイド服』を着た男であった。


     『不審者注意!』

「いま不審者がうんたらって張り紙がチラリと見えた気が」
「………許せない…俺は許せません」

男は張り紙を目に入れるやいなや、
表情を鬼の如き憤怒のものに変える。

「まさか俺の清掃兼パトロールを掻い潜る輩がいるとは」
「少年少女の身を守るため!!気を配るのは家政婦の務め!!!」

廊下に落ちるホコリを箒とチリトリで寄せ集め、満足げに頷く。
すると一通りの清掃が終わったのだろうか、ツヤツヤになった窓を飛び出す。


「不審者め…貴様にはこの屋敷の『ホコリ一つ』にだって触れさせはしません…
 俺のような間違いを犯す人間を生み出さないためにも!!」

過去に自分の見たあの世にも恐ろしい光景を、しかし再び起こさせるまいと覚悟をしながら、「とりあえず防犯用具とか買うか」と買い物に向かうのだった。

35斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/20(日) 20:21:28
『スタンド使い』――それになるのには老若男女を問わないのかもしれない
だったら、僕のクラスや学校の生徒にもいないとは言い切れない

『スタンド使い』を探しつつ親睦も深められるなら都合がいいかも
そんな軽い気持ちでこの『清月学園学生寮』の下見に来ていたけど……

「……なんだこれ?」

それは適当に学生寮を回っていた時。
廊下の壁に貼られた一枚のポスターが目に付いた

        『不審者注意!』

……大きな字でそう書いてある。

「なんでこんなポスターがこんな……屋内にあるんだ、
普通不審者って言うのは表で出てくる人じゃあないのか?
この『学生寮』不審者が簡単に入れる場所だったのか?」

――参ったな

もし、このポスターが『学生たちのお茶目ないたずら』ではなく
『純然たる事実』だった場合 
もし、そんな風に不審者が多々出る何て噂が
僕のお爺ちゃんとお祖母ちゃんの耳に入った場合……

「『心配』するかな、2人に『心労』をかけてしまうかも……参ったなあ
ここに来るのはやめたほうがいいのかな。」

カチカチカチ…

僕は腕時計の螺子を巻きつつ途方に暮れていた
表情を苦笑いに変えても、有効な策が思いつくわけでは無かったが。

「……それにしても『学生寮』に来る『不審者』かあ
何してんのか想像できないし、何で捕まってないんだ?」

学校側にだって面子って物が有る筈だ、それなのに早々捕まらない?

「もしかして……『新手のスタンド使い』なのか?」
「『自分を透明にできる』とか…かな?無いとは言えないよなあ」

首に回った短いマフラーを弄りながら再び歩みを進める
もし、『スタンド使い』なら……

「せめて部屋を見て回ってから帰ろうかな……『古いポスター』かもしれないし
『不審者』が偶々見つかるとかは思わないけど。」

┌――――――――――――――――――┐

   学生自身で『家事』をして、
  『自立心』と『向上心』を培いましょう!

└――――――――――――――――――┘

斑鳩の歩いて行った廊下にはそんな標語が壁に残っていた。

36常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/08/20(日) 22:52:25
『家政婦』――それになるのには老若男女を問わないはずである
だったら、男性にしてメイドの男がここにいたって良いではないか。

『未来のご主人さま』を探しつつ親睦も深められるなら都合がいいかも
そんな軽い気持ちでこの『清月学園学生寮』に不法侵入していたけど……

「……なんだこれ?」

それは丁寧に学生寮の廊下を掃いて回っていた時。
廊下の壁に貼られた一枚のポスターが目に付いた

        『不審者注意!』

……大きな字でそう書いてある。

「なんでこんなポスターがまだ……屋内に!!!!、
普通不審者って言うのは表で出てくる人じゃあないですか!!!
この『学生寮』!俺がいる限り不審者が簡単に入れる場所なはずがない!!!!!」

――許せぬ

もし、かの不審者が『学生たちのお茶目ないたずら』であろうと
『純然たる事実』だった場合でも 
もし、そんな風に不審者が多々出る何て噂が
学生寮のお坊ちゃまお嬢様の耳に入った場合……

「『心配』!!!!みなさまの!!!『心労』!!!!!!……許せない!!!
ここに来る頻度を高めねばなるまい!!!!!!。」

ゴシゴシゴシ…

俺は掛け時計の硝子を磨きつつ奉仕の炎に燃えていた
表情は仁王のそれに変わり、学生諸子を護るための策を思いつくべく頭を回転させる。

「……『学生寮』に来る『不審者』!!!
何をされているのか想像したくもない!!! そも、何で捕まえる事ができていないのです!!!!」

学校側にだって面子って物が有る筈だ、それなのに早々捕まらない?

「クソっ……『新手のスタンド使い』に違いない!!!!!」
「よもや『自分を透明にできる』とか…!!かつて俺も見た事のある能力!!!!!」

エプロンの紐を絞めなおしながら再び歩みを進める
もし、『スタンド使い』なら……

「全部屋を見て回らねばなりません!!どうせお坊ちゃま方のお部屋には『古くなったお菓子の袋』とかが転がりまくっている!!!!
『ゴミ』!『不審者』!すべて掃除してみせます!!!!!。」

┌――――――――――――――――――┐

   学生自身で『家事』をして、
  『自立心』と『向上心』を培いましょう!

          家事に困ったときは
        メイドに頼ってください
└――――――――――――――――――┘

常原の歩いて行った廊下にはそんな標語(+マジックで書かれたメモ)が壁に残っていた。

37今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/30(土) 02:45:27

知り合い(>>38)に会いに、ここまで来たんだけど。

「ごめんくださ〜〜〜い」

        ぴん
            ポ〜〜〜〜ン 

門が閉まってるんだよね。
私はここに住んでるわけじゃないから、勝手に入れはしないし。

          ジィーーー ・・・

スマホを見て、今日会う約束をしてた相手からの連絡を待ってみる。
学生寮、ちょっと興味ある気がするから、下見がてら遊びに来たんだけど。
まあ下見って言っても、すぐ引っ越したりはフツーにできないわけだけど。

「……」

寝てるのかな、それとも出かけちゃった?
ぎりぎりに中から出てきてくれるのが一番いいよね。
待ってる人は来ないまま、待ち合わせの時間はもうすぐ、過ぎる。

38三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/04/04(木) 23:20:36
>>37

    ガチャ

「あっ――――」

「今泉先輩、こんにちは」

       ペコリ

少ししてからドアを開けて、お辞儀をしました。
入居したばかりなので、まだ諸々の整理が終わっていなかったのです。
そのせいで出るのが遅れてしまいました。

「お待ちしてました」

「まだ片付けの途中ですけど、どうぞ上がってください」

ひとまず大方の片付けは済んでいました。
来て間もないこともあって、室内は至ってキレイです。
基本的な家具は置かれていますが、それ以外の物はあまりありません。

「今、お茶を出しますので――」

「コーヒーか紅茶の方がいいでしょうか?」

39今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/04/04(木) 23:37:57
>>38

「こんにちはっ。ごめん、忙しいのに」「無理言っちゃって」

          ザッザッ

「お邪魔しま〜す」

              ズッ

靴を脱いで部屋に上がらせてもらおう。
どういう感じの部屋か、見たくて来たんだよね。
ほかの子の部屋ってもうカスタマイズ済みっぽいし。
三枝くんの部屋は、まだだって聞いたから。

「フツーにお茶でいいよ、お湯沸かしてもらうの悪いし」
「あ、そうだ。これ、お土産!」

「ここ置いとくねっ」
「つまらないものだけど、新居祝い。よかったら食べてみて」

お菓子の紙袋を……渡しに行くと邪魔だろうし、机に置いておく。

40三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/04/05(金) 00:00:53
>>39

「いえ、もうほとんど終わってますから」

「こちらこそ、わざわざお土産を用意して頂いてありがとうございます」

     コトッ

テーブルの上にお茶を二つ置きました。
それから、勉強机に置かれた紙袋を持ってきます。

「――結構いい部屋なんじゃないかと思います」

「それなりに広いですし」

「個人的な感想ですけど、ご参考までに」

中等部に上がったことが、入居のきっかけでした。
一人で暮らしてみることで、自分を成長させたかったのです。

「あの――もしよかったら、今泉先輩も食べませんか?」

「一人で食べるのも、少し寂しいので」

袋の中身を出して、テーブルの上に置きます。
中身は何でしょうか?

41今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/04/05(金) 00:42:28
>>40

「確かに、もうだいぶ片付いてるみたい」
「――うん、いい部屋かなっ」「住みやすそうだし」

       ガサッ

「あっ、そうだよね、開けちゃおっか!」
「『クッキー』買ってきたんだ」

              ごとっ

「よいしょ」

袋の中から、包装したクッキーを出した。
これならそのまま持ってきてもよかったかな。

「これ、美味しいんだよ。フツーに人気あるし」
「東京のほうのお店のやつなんだけど」
「スカイモールで売ってたから、買っちゃった」

箱を開けながら、説明する。

「三枝くん甘いものすきだっけ? 私はフツーに好きかな〜」

42三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/04/05(金) 01:15:30
>>41

「はい、好きですよ」

「『あんみつ』なんかが特に好きです」

「もちろん『クッキー』も好きですけど」

箱の中に並んだクッキーを覗き込みます。
今泉先輩の言う通り、どれも美味しそうです。

「先輩の『先生』は甘いものは――――」

「あっ」

「『先生』は食べられないんですよね?」

頭には、先輩のスタンドのことが浮かんでいました。
『コール・イット・ラヴ』は、自分の意思を持っていました。
だから、つい人と同じように考えてしまいました。

「『先生』も、クッキーを食べられたら良かったですね」

「そうしたら、三人で食べられたかもしれないです」

「千草のスタンドが入ったら『四人』になりますけど」

クッキーの一つに手を伸ばし、口元に運びます。
そのまま一口かじりました。

「――――美味しいです」

「何だかしっとりしていますね」

「ドライフルーツもたくさん入っていて、とても美味しいです」

43今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/04/05(金) 01:28:18
>>42

「あんみつ。あれもおいしいよねえ」

「あ、先生は食べないかな。食べてるとこ見ないし」
「『こころ』はあるけど、ご飯食べたりは出来ないんだよね」

           バリッ
「んん」

    ムシャムシャムシャ

               ゴクン

「……美味しい〜っ」
「いやー、思ったより美味しいねこれ」

「ドライフルーツ」「えーと」「パインとかかな」
「なんかそういう感じの味が、した気がする」

フツーにおいしくってコメントに困っちゃうな。
でも、お土産としてきっといいものを選べた気がする。

「もうちょっと部屋とか、見てみていい?」
「キッチンとか見てみたいかなあ」「あとシャワーとか」

「見られたらいやなものとかあったら、フツーに遠慮するけど」

でもまあ、あんまりやましいものとかなさそうなタイプだよね。
もちろん、誰だって見られたくないものくらいあるだろうし、そこは配慮するつもり。

44三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/04/05(金) 01:57:05
>>43

「こっちに入っていたのは『イチジク』ですね」

「それから『アプリコット』でした」

「果物や野菜のことは少しだけ詳しい方なのです」

「『ベジタリアン』なので」

クッキーを食べながら、お茶を飲みます。
でも、クッキーならコーヒーか紅茶の方が良かったかもしれません。
次の機会があれば、そうすることにしましょう。

「どうぞ、キッチンはこちらの方になります」

「そんなに広くないですけど、使いやすいですよ」

今泉先輩の先に立って、まずキッチンを案内します。
面積は広くありませんが、必要な機能がまとまっているという感じでしょうか。
持参した冷蔵庫や電子レンジ、オーブンなどの電化製品が置かれています。

「あっ――冷蔵庫の中身なら、まだあんまりありません」

「後で買い物に行かないといけませんね」

『見られたらいやなもの』という言葉を、そのように解釈していました。
今日くらいはコンビニで済ませても良いかもしれませんが、自炊も『自立』の一歩です。

45今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/04/05(金) 02:19:01
>>44

「へ〜っ、そうなんだ」「詳しいんだねえ」

「最近よく聞くよね、ベジタリアンって」
「私はフツーに何でも食べちゃうな」

宗教とか信仰とか、そういうのなのかな。
フツーにあんまり深く聞かないほうがいい気がした。

         スタスタ

「キッチン、使いやすそうでいいねっ」
「レンジとかは自分の……」「だよね?」

「流しも結構広いし」
「自炊とか、しやすそうだなあ」

それから冷蔵庫を見たら、先回りで言われちゃった。
中身を勝手にみるつもりはないけど、見なくていいみたいだ。

「三枝くん、料理とかできるんだっけ?」
「ここ、たしか家事とかはだいたい自分でやる方針なんだよね」

材料買いに行くって言ってるし、できるんだろうな。
なんていうか、フツーに、女子より女子力高そうな感じするし。

46三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/04/05(金) 03:01:44
>>45

「はい、そうですね」

「『自立心』を養うためだそうです」

「千草も、できるだけ早く自立したいと思っているので――」

「それで、ここに入居することにしたんです」

千草は、多くの人に尊敬されるような『立派な人間』になりたいのです。
今から『自立』の訓練をしておくことは、きっと役立つと思ったのです。

「料理も、自分なりに頑張っているつもりです」

「今は、まだ人並みですけど」

「今日は――『揚げ出し豆腐』でも作ろうと思います」

確か、豆腐は冷蔵庫になかったと思います。
忘れずに買ってきましょう。

「今泉先輩は、料理はよくされてますか?」

「何か得意なメニューがあれば教えて欲しいです」

一瞬、先輩の『先生』に聞いてみようかと思いました。
だけど、『先生』は料理の先生ではないです。

「それで――」

「『浴室』は、こっちですね」

キッチンを出て、浴室に向かいます。

「さすがに家のお風呂場と比べると小さいですけど――」

「でも、あくまで一人用ですから十分な大きさですね」

浴室の中は、こじんまりしたサイズです。
一人住まいですから、丁度いい大きさと呼べるんじゃないかと思います。

47今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/04/05(金) 03:09:49
>>46

「自立心、かあ」「えらいねっ」

「私は……まあ、料理、できなくはないし」
「たまに、作ったりもするけど」
「揚げ出し豆腐なんてどう作るかわかんないや」

「『スクランブルエッグ』とか得意かな!」
「ベーコンも一緒に焼いたりとかね」

卵を崩すやつ。
あれはフツーに、私でも作れるし、得意だよ。

それでお風呂を見せてもらったけど、まあこんな感じだよね。

    ザッ

「うん、十分だね」
「湯船も、けっこうフツーにちゃんとしてるし」

            ザッ

「もし寮住むとしてもけっこうやっていけそう、かな」
「ありがとうね、三枝くんっ。いろいろ見せてくれて」

               ニコー

「おかげでどんどんノリ気になってきたかも」

お礼は、ちゃんと言っておく。
お土産もけっこう私が食べちゃったわけだし。そういうの抜きでもね。

48三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/04/05(金) 20:00:47
>>47

「もし今泉先輩が学生寮に入ったら、お祝いに行きますね」

「今日のお返しです」

         ガチャ

浴室の扉を閉めて、また居間に戻りました。
それから少し話をしていると、丁度いい時間になっていたようです。

「――――途中まで送りますよ」

「買い物に行かないといけませんし」

「よかったら、また遊びに来て下さると嬉しいです」

「連絡を入れて頂ければ、部屋にいますので」

今泉先輩と一緒に玄関を出て、歩いていきます。
お祝いに来てくれた今泉先輩は、気配りの上手な人だと思いました。
他の人の良い所を見習っていきましょう。
そして、これから『自立』に向けて努力していきたいです。
寮に入居した今日、千草は改めてそう思いました。

49三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/01(日) 22:25:32

  ――――カリカリカリカリ

「ふう……」

         パタン

寮の部屋で、生徒会の議事録を整理していました。
一段落したので、少し休憩しましょう。
お茶でも入れようと思い、立ち上がった時でした。

                ピンポーン

「――はい?」

     ガチャッ

ベルが鳴ったので、外に出てみることにしました。
どなたがいらっしゃったのでしょうか?
もしかすると、千草が約束を忘れているのかもしれません。

50猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/02(月) 23:06:03
>>49

「やぁ三枝さん」

猿渡楓、十七歳、高等部二年、生徒会所属。
栗色の髪、右側頭部にいくつかの編み込み、背が低く、幼めの顔立ち。
三枝千草の知人。

「いま、時間いいかな?」

51三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/02(月) 23:48:39
>>50

「あっ、猿渡先輩でしたか」

中等部と高等部の違いはありますが、千草と同じく生徒会に所属している方です。
そういえば、鉄先輩や日沼先輩も高等部二年生ですね。
何だか、この学年の方と縁があるような気がします。

「どうぞ、入って下さい。
 今ちょうど、お茶を入れようと思っていた所なので」

先輩のために、ドアを大きく開けました。
室内は質素な方で、あまり物は置かれていません。
身の丈にあった生活をしなければなりませんから。

「――せっかくですから、先輩にもお茶をお出ししますね」

52猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/03(火) 00:01:01
>>51

「どうも、お邪魔するね」

頭を下げて部屋へと入っていく。
靴は揃えて玄関口に置いておいた。

「あぁ、お構いなく」

「そうだ。カップケーキをいくつか持ってきてるんだ。それをお茶請けしてもらえるかな」

そう言った猿渡の手にはビニール袋。
透明な袋の中で小さなカップケーキがいくつも閉じ込められていた。

53三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/03(火) 00:18:10
>>52

「ありがとうございます。では、そうさせて頂きますね」

    スタスタスタ

「カップケーキなら、お茶より紅茶でしょうか?すぐにお持ちしますので」

猿渡先輩に声を掛けてから、キッチンに入ります。
出てきた時には、両手でお盆を持っていました。
その上には、二つのカップが載っています。

「どうぞ、猿渡先輩。お口に合えばいいのですが……」

      コトッ

テーブルの上の先輩の前に、カップを置きます。
中身は市販の紅茶です。
先輩の好みを知らないのが、少しだけ不安ですが……。

「――そういえば、今日はどのようなご用でしょうか?」

猿渡先輩の様子を見ると、急ぎの用事ではないと思います。
もしかすると、千草が約束を忘れていたのでしょうか?
そうだとしたら申し訳ないです。

54猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/03(火) 00:47:30
>>53

「ボクはその辺り気にしないから適当でいいよ」

「三枝さんの好きなように」

カップケーキをテーブルに置いていく。
プレーン、チョコチップ、ココアパウダー練り込み、シュガーデコレーション。
様々な飾りつけのカップケーキが積まれていく。

「どうも……こちらこそお口に合えばいいけど」

「……ウップス」

カップケーキの山が少し崩れた。
落ちたカップケーキを持ち上げてまた積んだ。

「別に急ぎでもないんだけど」

「生徒会の活動はどうかな、とか。あとは……三枝さんが議事録の整理してるって聞いたから確認させてもらいたくて」

55三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/03(火) 01:07:20
>>54

「わっ――スゴイですね」

テーブルの上に積まれたカップケーキを見て、思わず瞬きしてしまいました。
二人で食べきれるでしょうか?
そこまで考えて、別に食べきる必要はないことに気付きました。
冷蔵庫に入れておけば、きっと数日は大丈夫でしょう。
他の寮生の方にお裾分けしてもいいかもしれません。

「そうでしたか。わざわざ気に掛けて下さってありがとうございます」

      ペコリ

「最初の頃と比べると、生徒会の活動にも慣れました。
 だけど、まだまだ未熟者ですので、今後も精進したいと思っています」

「議事録の整理は、だいぶ終わりました。
 少しは見やすくなっているといいのですが……。見て頂けますか?」

一冊のノートを先輩に差し出しました。
『生徒会議事録』というタイトルが付けられています。
会議の内容を記録するのが、千草の主な仕事です。
ですが、そのままでは少々見づらいです。
それを見やすくまとめ直したものが、この『生徒会議事録』になります。

「――高等部の生徒会はいかがですか?
 そちらの方は、よく知らないもので。
 精進のために、お話が聞けると嬉しいです」

56猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/03(火) 02:39:03
>>55

「焼き過ぎちゃったんだよね」

「ぼんやりしてたよ」

こともなげに言うけれど、言葉からは若干疲れたような色がにじみ出ていた。

「うん。議事録って慣れないと書くのが難しいから、と思って」

議事録を受け取り、猿渡はページをめくる。
時々その手を止めてじっくりと目を通したり、ページを戻したり。
途中、こぼさないように紅茶を飲んだりしながら一通り目を通して議事録を閉じた。
微笑んで、議事録を三枝に差し出す。

「いいんじゃないかな。分かりにくい所もあるけど、基本的には項目ごとでちゃんとまとまってるし」

「分かりにくい部分も、別におかしい所って訳でもないしね。内容自体がややこしいからそういう書き方になってるだけだね」

そう言ってカップケーキを一つ摘まんだ。

「高等部も基本的には変わらないかな……?」

「そっちよりは自由かもしれないけど、中等部と比べて無茶苦茶って訳でもない」

「あぁでも、受験だとかそういう部分に気を遣ったりはするかな。中学から高校と高校から大学ってやっぱり違うから」

57三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/03(火) 21:30:48
>>56

「手作りなんですか!猿渡先輩は料理がお上手なのですね。
 てっきり、お店のものかと思いました。とても良くできているので」

カップケーキを一つ取って、まじまじと見つめます。
千草は、まだ作ったことがありません。
自分にはない経験や知識を持っている人は、尊敬できる人です。
そういう人達から、多くのことを見習いたいです。
千草の目指す道は、それを積み重ねた先にあるのでしょう。

      パクッ

「――見た目だけじゃなく、味も美味しいです。
 猿渡先輩は本当にスゴイです」

ケーキを口に運び、先輩の言葉を黙って聞きました。
褒めて下さったようです。
とても嬉しいことですが、慢心してはいけません。
常に謙虚な気持ちを忘れずに、これからも学んでいきたいです。
でも嬉しいことは嬉しいので、顔に出たものを隠すことはできませんでした。

      ニコッ

「ありがとうございます。とても参考になりました。
 今度からは、もっと綺麗に纏められるようにしますね」

「……そうですね。おっしゃる通りだと思います。
 そのためにも、今の内から先を見据えていかないといけませんね」

大学生ともなると成人の方が多いですし、ほとんど大人のようなものです。
それに大学進学では、進んだ道が将来に与える影響も大きいと聞きました。
千草も、早い内から将来について考えておきたいと思います。

「――――猿渡先輩。先輩は、『鉄先輩』や『日沼先輩』のことをご存知ですか?
 二人にはお会いしたことがあるのですが、猿渡先輩と同じ学年だと思ったもので」

58猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/03(火) 23:46:18
>>57

「これぐらいは君にも作れるから大丈夫だよ」

「やってやれないことじゃあないさ」

こともなげにそう告げる。
落ち着いていて、嘘はない表情だ。

「まぁ、ほどほどでいいと思うよ」

「高校生になった途端大学受験を見据えろなんて言われるけど」

「ボクはそんなことしてたって、大抵の人には意味がないって感じるし……」

そう言った後に、猿渡は三枝のあげた名前に瞬きをした。
んー、と声を出して左手で唇に触れる。

「珍しい取り合わせだね、両極とは言わないけど……離れた場所にいる気もする二人だ」

「そりゃあ知ってるけど、それがどうかしたのかな?」

「気になることでも」

59三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/04(水) 00:24:41
>>58

「いえ、気になるといいますか……」

「最近、高等部二年生の方と知り合う機会が多かったので。
 鉄先輩と日沼先輩のようでしたから、猿渡先輩もご存知かと」

「お二人とも尊敬できる方なので、またお会いしたいと思っています。
 中等部と高等部だと、顔を合わせる機会も少ないですし……」

鉄先輩と日沼先輩は、確かにタイプの違う人だと思います。
ですが、千草から見ると共通している部分もあります。
それは、見習うべき所があるという部分です。

「あっ、猿渡先輩!
 もしお二人と会うことがあれば、『今後ともよろしくお願いします』と千草が言っていたと伝えて頂けませんか?」

「ご迷惑でなければですが……」

自分で挨拶できるのが一番なのですが、千草は中等部です。
高等部の先輩と話す場面は、多くありません。
そこで、両先輩と同学年の猿渡先輩にお願いしてみることにしました。

「猿渡先輩も、鉄先輩や日沼先輩とは違って見えますね。
 拙い表現ですが、どことなく飄々としていらっしゃるように感じます」

「猿渡先輩も尊敬できる先輩ですから。
 その落ち着きを見習いたいです」

こういう方を、掴みどころがないと言うのでしょうか?
もしかすると、失礼な言い方になってしまったかもしれません。
ただ、それが猿渡先輩の強さのような気がしたのです。

60猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/04(水) 00:35:26
>>59

「そうなんだ。別に気を遣わなくて大丈夫なのに」

「まぁ、中等部だと高等部の所には来にくいか……」

何となくそういう感情があるのは分かる。
経験としてはあまりないけれど。

「……伝えておくよ」

「でも君から直接伝えた方が二人とも喜ぶと思うよ」

静かに紅茶を飲み、そう答えた。

「飄々と……そうかな?」

「自分ではあんまり分からないけど」

「そうか……そう思うんだ」

61三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/04(水) 00:57:37
>>60

「先日お会いした高等部の先輩に、『自分は何に見えるか』と聞かれたもので。
 その方も、同じ寮生なんです」

小林先輩のことを思い出しました。
不思議な方です。
何かを悟っているような――そんな印象があります。

「千草から見ると、猿渡先輩はそんな風に見えました。
 もし気に障ったなら謝りたいです。ごめんなさい」

     ペコリ

「変な質問ですが……先輩から見て、千草はどう見えるでしょう?」

「千草は『立派な人』になりたいと思っています。
 自分なりに努力しているつもりですが、自分のことは自分では分かりにくいので……」

「ですので、今の自分が客観的にどう見えるかお聞きしたいのです」

       コトッ

飲んでいたカップを置いて、先輩を見つめます。
本当は、聞くのが怖い気持ちもありました。
ただ、将来を考えるために今の自分を知っておきたい思いの方が強かったのです。

62神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/04(水) 01:12:37
>>61

「何に見えるか? 弱気な話だね」

「……適当って言ってもいいけど」

その言葉に腕を組んで言葉を返す。
表情に変化はないけれど、何となくトーンは低かった。
目線を外し、何かを考えているようでもあった。

「別に、構わないけど」

「『立派な人』……そう。そうなんだ」

カップを置く三枝と反対にカップを持ち続けるのが猿渡だ。
外した視線は紅茶の水面に向けられていた。

「……まずは、真面目な子かな」

「不真面目ではないし、不親切でもない」

「やることはするし、誰に対しても一定の敬意を持ってるようにも見える」

63三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/04(水) 01:33:07
>>62

「そう――――ですか」

先輩の言葉を、頭の中で何度も繰り返します。
最もしてはいけないことは、人としての道を外れることです。
まだその道を歩いているのは、千草にとっては喜ばしいことでした。

「ありがとうございます、猿渡先輩」

   ペコリ

何か気の利く言葉を言おうとしましたが、思いつきませんでした。
だから、短いお礼の言葉を先輩に言いました。
その中に、今の気持ちを込めることにしたのです。

「『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』――」

それは千草の『墓掘人』の名前です。
千草の恐れる死との象徴である同時に、死後の安寧をもたらす存在。
それが千草の求める『到達点』なのかもしれません。

「千草の好きな言葉です」

    ニコッ

「先輩、このケーキを他の寮生にお裾分けしてもいいでしょうか?
 たくさんありますし、二人で食べるのも勿体無い気がしたので……」

「――それに、とても美味しいですから」

64猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/04(水) 01:47:13
>>63

「……でも忘れないでね」

「真面目さも優しさもそれだけでは薬にも毒にもならないってこと」

別に批判をしたいわけじゃないけどね、注釈をしてカップケーキをかじった。
表情は動いていなかった。

「イッツ・ナウ・オア・エヴァー」

復唱。
そして咀嚼。
その意味を噛み締めるようにして理解しにかかる。

「おすそ分けは自由にしてもらっていいよ。ボクも今日の分が余ったら寮で配ろうと思ってたから」

「ボクが配るより、君が配った方が受けよさそうだし……ってかー?」

そこでやっと猿渡も微笑んだ。

65三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/09/04(水) 02:13:40
>>64

それは、とても重い言葉でした。
少なくとも千草にとってはそうでした。
そして、それを忘れないようにしようと心に決めたのです。

「先輩、あの……もし――――もしですよ」

何か千草に手伝えることがあったら、その時は遠慮なく言ってくださいね」

「千草に出来ることは何でもしますから」

真剣な表情で、勇気を出して先輩に言いました。
もしも、それが危険なことだったとしても、千草は手伝いたいです。
『夢』に近付くために必要なことは、どんなことでもやり遂げたいのです。
千草は――――この世で何よりも『死ぬこと』が怖いです。
『死』に近付くことも、それと同じくらい怖いです。
ですが、『安らかな最期を迎える』ためなら、その怖さに立ち向かいたいと思っています。
『恐怖を乗り越えて成長することを願っている』――妖甘さんも、そう言ってくれました。

「あの……生意気なことを言ってごめんなさい。
 でも、どうか忘れないで下さい」

考えには、行動が伴わなければ意味がありません。
何かを成し遂げて、それを積み重ねること。
その大切さを、改めて感じられたように思いました。

「――――それなら……今から二人で配りに行きましょう。
 きっと、皆さん喜んでくれると思います」

     ニコリ

ケーキの入っていた袋を持って立ち上がり、先輩に笑顔を見せます。
お裾分けは、何かを成し遂げるための第一歩です。
とても小さな一歩ですが、それでも一歩には違いありませんから。

66猿渡『ウェスタン・ホワイト・キッド』:2019/09/04(水) 02:35:33
>>65

「……何でもなんて言っちゃあ駄目だよ」

「必要だからって騙したらどうする?」

左手で唇に触れながらそう言った。

「うそうそ」

ほんの少し微笑みの色を声に含ませながら続ける。

「でも、覚えておく」

立ち上がる。
三枝が立ったから自分も立ったのだ。
これからやることは二人でないと出来ないから。

  オーパッキャマラド
「一緒に行こう友よ、だよ」

67黒羽 灯世『インク』:2019/10/07(月) 02:23:11

「んぐぐ…………っ」

      ゴツンッ

「このっ」   「私をてこずらせてっ」

            ゴツンッ

中等部の生徒、だろうか?

猛禽類か、蛇か――――あまりよろしくない目つきの少女だ。
顔立ちは整っており、袖が広く……振袖のように改造された制服も、
雰囲気に『浮いていない』……が、『大和撫子』と言うには雑味が多い。

自室と思われる部屋に『荷物』を運び込もうとしている。
どうやら『家具』か何かのようだ。

    フゥフゥ…

「……」

「『強敵』なのだわ……」

              ボソッ

が、段ボールの幅が絶妙に入り口と噛み合わない。
縦に持てば入りそうだが、その少女の細腕では難しそうだった。

68三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/09(水) 00:34:07
>>67

「――お困りですか?」

『高い少年の声』のような『低い少女の声』のような声がしました。
いつの間にか、小さな人影が近くに立っています。
『小学生と中学生の間ぐらい』の背丈です。
『少年のような少女のような風貌』でした。
服装はキッチリしたブレザーですが、これは私服のようです。

「お手伝いします」

    スッ

段ボールの箱に向かって、両手を軽く差し出しました。
困っている人を見かけたら、お手伝いする。
『立派な人』なら、そうするべきでしょう。
そして、千草は『立派な人』を目指しています。
だから、千草もお手伝いしたいのです。

69黒羽 灯世『インク』:2019/10/09(水) 01:20:15
>>68

少女は振り返って、目を細めた。
極端ではないが、背は三枝より一回りは高く、
見下ろすような形でその――――少年?を見る。

「あら、困っているように見えた?
 手伝ってくれるなら、断りはしないけど」

             グラッ

「……」

余裕っぽい顔を見せたが、重心がグラつく。
すぐに立て直したが、顔の焦りは消えない。

「いえ、ありがたく受け入れるのだわ」

・・・箱はなかなか、重かった。
手を差し伸べるとそれが分かる。

「……ちょ、ちょっと一旦下ろしましょうこれは。
 下ろして、向きを変えて、持つのが良さそうだわ。
 こう、あなたがそっちの端、私がこっちの端をね」

          フラッ

              「……おわかりかしら?」

70三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/09(水) 01:41:18
>>69

「はい、分かりました。では、こちらを支えますね」

    ユラリ

思ったよりもズッシリしていて、足元がふらつきました。
ですが、手伝うと決めた以上は後には引けないのです。
千草の『墓堀人』が力持ちなら良かったと、この時は思いました。

「中等部一年の『三枝千草』と申します。
 あの――失礼ですが、先輩でしょうか?」

お手伝いをしながら、尋ねてみます。
ここに入居するのなら、『寮生仲間』ということになるでしょう。
きちんと挨拶をしておかなければいけません。

「千草も少し前から入居していますので……。
 何か分からない事があれば、遠慮なく言って下さいね」
           
         ユラッ

「出来ることなら、何でもお手伝いします」

そう口にすると、ほんの少しだけ『立派な人』に近づけたような気がしました。
でも、思い上がっていてはいけません。
反省します。

71黒羽 灯世『インク』:2019/10/09(水) 02:45:39
>>70
             クロバネ トモヨ
「中等部…………『三年』の『黒羽 灯世』よ。
 あなたよりは先輩、ということになるのだわ。
 でも年上だからって畏まらなくてもいいのよ。
 フフッ、べつに……敬ってくれても良いけど」
 
背は高いにしても、非力なのは三枝と同じで、
こういうのは非力なのが二人集まっても、
軽く感じる『基準』に届かないのか……重いままだ。

が、黒羽の負担は減ったのか、顔に余裕は生まれる。

「あと、この寮には私も結構前から住んでるのだわ。
 これは実家から送られてきたの……よいしょっ。
 ……本棚ね。本をたくさん読みなさい、って事かしら」

「引っ越しとかじゃないの、だから荷物はこれだけだわ」

小等部はともかく、中等部以降の生徒は寮生も多い。
その大部分を任されるこの『清月館』においては、
以前からの入居者同士が初対面でも、何も不思議はない。
都市部のマンションに住まう者同士がそうであるように。

「頼もしいのね? その心構え、フフッ! 『悪くない』」

「お返しにあなたも、私に出来ることなら頼ってくれていいわよ。
 私にはね、強みがあるの。『勉強』を教えることも出来るし、
 『スポーツ』の方も、パワー以外はそこそこ自信があるのだわ。
 でも、それより一番得意なのは…………『記者』としての活動ね」

本棚と称された段ボールを、少しずつ屋内に引き込む。
扉をくぐると、どこか海外の柑橘類のような匂いがした。

「なにせ私は新聞部に入っているのよ。
 それでね、中等部分の校内新聞も書いているの!」

「それで……あなたの『出来ること』は、なにがあるのかしら?」

72三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/09(水) 19:31:19
>>71

「あっ――」

「そうでしたか……」

「――いえ、何でもありません」

先輩風を吹かせてみたかったので、少しだけ落ち込みました。
思い上がっていたバチが当たったのでしょう。
やはり、謙虚な気持ちを忘れてはいけません。

「黒羽先輩は『新聞部』なのですね。凄いです。
 千草は、新聞を『読む』ことしか出来ません」

「きっと黒羽先輩みたいな人を『文武両道』と呼ぶんでしょうね。
 それが、記者としての活動にも役立っているんでしょうか?」

また一人、『尊敬できる人』と出会えました。
日々、こういう出会いを積み重ねていきたいのです。
その先に、千草の目指す目標があると思えるからです。

「千草の『出来ること』ですか……」

「あの――『生徒会』に入っています」

「そこで『書記』をやらせて頂いています。
 記録を取ったり、取った記録を整理するのが主な仕事です」

ほんの少し、黒羽先輩の仕事と似ているような気がしました。
でも、それを口には出しません。
謙虚な気持ちが大切だと、千草は学びましたから。

73黒羽 灯世『インク』:2019/10/10(木) 00:06:00
>>72

(寮の事を私に教えて『上』に立ちたかったのかしら?
 大人しそうに見えて、それなりに『野心的』なようね)

マウントを取りたがる黒羽には、三枝の気持ちがわかる。
本当にわかっているのだろうか? とにかく、そう見た。
あえて口には出さない。『煽りたい』わけではないから。

「そうね、文武両道と言って大げさではないのだわ。
 期末テストの点も、スポーツテストの点も、
 どっちも上の方だし……上に立つ者と言えるわね。
 フフッ! 記者は『上』に立っていてこそ、だもの。
 上から下は見えても、下から上は見えない物が多い。
 それに……話す側に『甘く見られない』のも重要だわ!」

「つまり大いに役に立っている。おわかりかしら?」

それは黒羽の信条でもある。
記者は、『上』にいるべき存在である。
そして、『中立的』な立場であるべきである。

「……『生徒会』?」

「あらあら、あらあら! 『生徒会』の書記!
 あなたもなかなか『低くない』立ち位置にいるようだわ!
 ねえねえ、この荷物を置いたら、少し話を聞かせてもらってもいいかしら?
 もちろんお茶とお菓子くらい出すわ! 私、お茶を淹れるの得意なの」

少女の自室は整っていた。
無駄なものがないわけでもなさそうだったが、
散らかっていたり、汚れていたりする様子はない。

そしてなるほど、本棚というものは今は存在しないし、
それを置けるだけの、十分なスペースはありそうだった。

「よいしょっ……この辺りに置きましょ。……たぶん組み立てる必要があるし、
 それはあなたが帰ってからするのだわ。ゆっくり下ろして。手を離す時はいっしょよ」

74三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/10(木) 00:38:36
>>73

『夢』というのは『野心』とも言えます。
そして、千草には『夢』があります。
だから、千草には『野心』があるのかもしれません。
それは分かりません。
いずれ分かるのでしょうか。

「はい、千草に答えられることでしたら何でも。
 それに、先輩のお話も聞いてみたいので」

    ニコ

「喜んで、お受けします」

先輩とお話ができることは、千草にとっても嬉しいことです。
きっと勉強になると思うからです。
新しい出会いは、新しい学びのきっかけでもあるのです。

「――はい、分かりました」

黒羽先輩に合わせて、箱を下ろしていきます。
重いので、手を挟まないようにしないといけません。
腕が痺れてきましたが、最後まで気を抜かずに。

「慎重……にっ……」

         グッ

「手を……離しますねっ……」

そろそろ力が入らなくなってきました。
これを期に、もう少し運動も頑張ろうと思います。
黒羽先輩を見習いたいです。

75黒羽 灯世『インク』:2019/10/10(木) 01:22:24
>>74

             ズシン…

部屋の隅のスペースに、
大きな段ボールが横たわった。

「フゥーー……どうもありがとう。
 無事に運び込めて……よかったのだわ!」

額にかいた汗を拭う黒羽。
余裕の表情だ。

          プルプル

・・・その腕は微妙に震えているが。
三枝と、残存する力は変わらないのかもしれない。

「……ちょっと、お茶を入れるからそこで待ってて」

部屋の奥に引っ込む。

「緑茶でいい? 紅茶が良い? コーヒーもあるのだわ。
 お菓子はいろいろあるから、いろいろ持ってきてあげる」

そして壁の陰から顔だけ出して、そのようなことを聴いてきた。

76三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/10(木) 01:41:57
>>75

「ふぅっ……」

「お役に立てて――何よりです」

「――ふぅ……」

両手を軽く握ります。
もう少しで落とす所だったかもしれません。
無事に運べて良かったです。

「ありがとうございます」

    ペコリ

「先輩にお任せします。
 『動物性食品』以外なら、好き嫌いは少ない方なので」

千草は、いわゆる『ベジタリアン』です。
昔――人から見ると、そう昔でもないのですが、
千草は『人の死体』を見たことがあります。
その直後くらいから、『動物性食品』を受け付けなくなりました。
多分、『あれ』を思い出すからでしょう。
他の人より体の成長が遅れているのは、
栄養が偏っているせいもあると思います。

     キョロ

お手伝いしようかと思いましたが、却って邪魔になるかもしれません。
待つ間、失礼にならない程度に部屋を眺めます。
整理整頓の仕方など、参考にしたいと思います。

77黒羽 灯世『インク』:2019/10/10(木) 03:44:00
>>76

「――――『動物性食品』? フフッ。心配無用よ。
 お酒が好きなおじさんじゃないんだから、
 お菓子って言って『イカ』を持ってきたりはしないのだわ」

そういう経験があるのかもしれない。

     「あっそうだわ」

「置いてあるノートとか、勝手に触ったら、嫌よ!
 記者としての『マル秘情報』とかもあるから……」

三枝の要望を聞き届けて、
今度こそ黒羽は部屋から出て行った。

・・・部屋の中を眺める。

机には彼女の懸念らしきノートや手帳、ファイル、他に教科書など、
それなりに量がある紙の類が……パソコンの周囲に積まれていた。
紙そのものが置かれている事は無い。すべてファイルに綴じているらしい。

アルバムや日記帳など、大いに『プライバシー』であろうものもあるが、
そうしたものは『鍵付き』を選んでいるようで、望んでも見る事は難しそうだ。
小さなアロマディフューザーらしきものもあり、香りの発生源はあれだろう。

壁にはいくらか『表彰状』などがあり、その規模は大小問わない。
『書道』のコンクール、『塾』の物らしきテストの優秀賞、
『新聞大会』の『入賞』……由来不明の、『手作りの表彰状』……
どれも額縁に収まっていて、壁に取り付けられたフックに掛かっている。

中身の見えない棚や、クローゼットらしき棚など、調度品は高級感があり、
清月館の備え付けではない。本棚もそうだが……小遣いで買える範囲ではあるまい。

                         コポポポポポ……

奥からは茶を注ぐような音が聞こえてくる。もうじき戻ってくるのではないだろうか?

78三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/10(木) 17:49:31
>>77

「はい、触りません。
 『何があっても』、『絶対に』。
 勝手に人の物を触るのは、良くないことですから」

妙に力の入った言い方で、返事が返ってきました。
人の物を触るのは悪いことです。
そんなことをしていては、『立派な人』にはなれませんから。

「『表彰状』を沢山お持ちなんですね。千草も見習いたいです」

一番の関心は、やはり壁の『表彰状』でした。
それは、何か大きな事を成し遂げた証です。
沢山もらっているという事は、やはり黒羽先輩は凄い人なんでしょう。

(『表彰状』をもらえるのは、きっと『立派な人』です)

千草も沢山の表彰状を頂ければ、『立派な人』になれるでしょうか。
そうすれば、『素晴らしい死に方』が出来るでしょうか。
『表彰状』の群れを眺めて、そんなことを考えます。

「……」

「…………」

いつの間にか、考えることに没頭してしまいました。
一度『理想の死』について考え始めると、止まらなくなるのです。
黒羽先輩が戻ってきても、気付かないのではないでしょうか。

79黒羽 灯世『インク』:2019/10/10(木) 22:56:54
>>78

「良い心がけなのだわ。ね、もう少し待っていてね。フフッ。
 ペットボトルのお茶より、ずっとおいしく淹れているから!」

返事に返事を返して――――
それからしばらくして、部屋に戻ってきた黒羽。

「お待たせ〜……あら? あらあら。
 私の輝かしい『強さ』の証を見ているの?
 フフッ! 好きなだけ見せてあげるのだわっ」

            コトンッ

「とりあえずお盆、置くわね。中身は『緑茶』……それとお菓子」

机の上に置かれた木の盆には、ガラスの小さな急須と、コップ。
それに市販の『ごませんべい』や『抹茶チョコレート』など、
和風で揃えてはいるがあまり節操のない菓子類が並ぶ。

「……ちょっと? もしもし、あなた、聞こえてる?」

・・・そうしてから、没頭している様子なのに気付いて声をかけた。

80三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/10(木) 23:24:07
>>79

「……はい?」

    ハッ

「あっ――すみません。ちょっと『考え事』をしていたので」

我に返って、黒羽先輩に向き直ります。
ちゃんと人の話を聞かないのは悪いことです。
こんなことでは、『目標』から遠のいてしまいます。

「先輩の強さを『見習いたい』――と」

至って真面目な表情でした。
真剣とも言えるでしょうか。
お盆の方を見て、その表情が和らいだようです。

「ええと……『緑茶』ですか?
 黒羽先輩の分も注いでおきますね」

「先輩ばかり動いてもらうのは申し訳ないので……」

        トトトトト…………

急須を手に取って、コップにお茶を注ぎます。
先輩の分が先で、自分の分は後です。

「――――どうぞ」

          トン

先輩の前にコップを置きましょう。

81黒羽 灯世『インク』:2019/10/11(金) 00:29:21
>>80

「フフ、良いわね。他人の見るべき点は見習う。
 そうして自分だけでは立てない高さに上れる。
 私も、あなたの『強さ』を見つけたなら、
 それは参考にするべきかもしれないのだわ」

「そういう、素直に人を褒められる所とかかしら?」

           スッ

「あら、ありがとう。
 『謙虚さ』もあなたの強みのようだわ!」

緑茶は急須越しにも冷えていた。
コップに注ぐと、芳香と共に冷気も感じる。
水出し、というヤツなのだろう。
季節は境目だが、労働の後には良い。

「さて――――と」

「あなたの強みは見えて来たけど……
 最初に聞きたかったのは『生徒会』のことなのだわ」

「実はね、あまり取材をしたことがなかったの。
 『生徒会長』とかは、就任の時に誰か記事を書いてたけど。
 『書記』や『会計』なんかは、誰なのかも把握しきれていないし。
 ねえねえ、普段はどんな仕事をしているの? ……メモをしていい?」

                  スッ

ポケットからメモ帳を取り出しながら、矢継ぎ早に言葉を浴びせた。

82三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/11(金) 00:51:11
>>81

「どうぞ、メモはお構いなく」

正座して、居住まいを正しましょう。
これは『取材』されていると思っていいのでしょうか。
何だか緊張してきました。

「ええと……」

    コホン

思わず、軽い咳払いを一つ。
こうしたことは、あまり経験がありません。
変死体の『第一発見者』として、
警察の人達に色々と聞かれたことを思い出します。

「さっきお話した通り、会議の記録係と記録の整理が主な仕事です。
 他にも、色々と『雑用』などをやらせて頂いてます」

「今は自分が一番下なので、
 経験を積むために出来ることをしたいのです」

「あとは――――『花壇の手入れ』など。
 これは生徒会とは関係ないのですが……」

「そういった所でしょうか。お役に立てましたか?」

さすがは新聞部の先輩です。
『チャンス』を見逃さない姿勢は、ぜひとも参考にしたいと思います。
『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー(今がその時だ)』です。

83黒羽 灯世『インク』:2019/10/11(金) 01:28:10
>>82

「ああ! そんなに固くならなくっていいの。
 ちょっとした雑談くらいに思ってくれていいのだわ!」

とはいってもメモを取っているのだ。
取材、と考えても不思議など何もない。

「そうね、書き記す、と書いて『書記』だもの。
 やっぱりそういう事を主にするものなのね。
 雑用も、私も一年のころはしていたし……」

         クイッ

「そういう経験も『強さ』に繋がるものね。
 やったことがあるのと、ないのとでは違う」

コップを傾けてから、メモにペンを走らせる。
 
「『速筆』や『聴きとる力』がカギという点では、
 記者にも近いところがあるかもしれないのだわ。
 記者も、記す者、と書いて『記者』だもの。
 もちろん、記すだけじゃあないけれどね……花壇?」

「『お花が好き』ってこと?
 それとも、『書記として』しているのかしら?」

気になる単語を耳聡く拾った。初期の活動は普通だが、『花壇』は意外といえる。

84三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/11(金) 01:55:14
>>83

「いえ、『書記』の仕事とは関係ありません。
 『お花』は――嫌いではないですけど」

「どちらかというと『自主的に』です。
 あまり世話をされていなかったようなので」

    クイ

ひとまず、お茶を頂きましょう。
ちょうど喉が渇いていた所でした。
コップを置いて、さらに話を続けます。

「自分に出来ることはしていきたいのです。
 生徒会の活動に関わらず、どんなことでも」

千草の夢は『理想的な最期』です。
そのためにどうすればいいか、自分なりに考えました。
悪いことをすると、ロクな死に方をしないと聞きます。
では、その『逆』ならどうでしょう。
誰からも尊敬されるような『立派な人』なら、
とても『素晴らしい最期』を迎えられるのではないでしょうか。

「千草は『立派な人』になりたいと思っています。
 大勢の人から慕われて、支持されるような人物になりたいのです」

「ですから――今の内から積み重ねていきたいのです」

「その……大袈裟かもしれませんが」

    ニコ

黒羽先輩から固くならなくていいと言われたので、少し笑います。
ただ、表情は真面目なままでした。
それは、千草にとっては大事なことですから。

85黒羽 灯世『インク』:2019/10/11(金) 02:25:45
>>84

冷えた緑茶は、言うだけあってボトル詰めの市販品より、
雑味が少なく――――なんというか、『それっぽい』味がした。

「まあまあ! すごくいいことだと思うのだわ!
 『立派さ』……上位の立ち位置というのは、
 お空から降ってわいてくるものじゃあ、ないのよね。
 そのことを分かってるみたいだから――――あなたも『強い』」

「フフッ! もちろん私も分かっているけどね。
 私とあなた、今の時点ではどちらが『上』かしら?
 目指すところが違う以上、あえて比べはしないけどね」

比べたら私の方が上、と言外に込めつつ、
三枝の『強さ』もまた、黒羽の中で確かになったようだ。

「でも、『立派な人』……すごくいいと思うわ。
 あなたは『立派じゃない人』になんてならないと思う。
 私はそう思うの。……ねえ、大げさなんかじゃないのだわ!」

それが何かの意味を持つかは分からないが、
これもまた、一つの『支持』とは言える、か?

熱の入った夕焼け色の瞳が、鋭く、三枝を見据えていた。

「だって、おわかりかしら? 私も、『慕われる』とは違うけれど、
 どんな『圧力』にも屈さず、おもねることのない、
 『中立にして、強者』……そういう『上に立つ』存在を目指してるのだから」

              「『大げさな夢』とは、思わないのだわ。
               ――――あなたのその顔も、そういう意味でしょう?」

86三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/11(金) 02:44:53
>>85

「ありがとう――ございます」

    ペコリ

何と言えばいいか、少し迷いました。
でも、素直な気持ちを言葉にすることにしました。
そうするのが一番いいのではないかと思えたからです。

「先輩の『強さ』に負けないように、千草も頑張ります」

黒羽先輩の目標と千草の目標は違うのでしょう。
ただ、『上を目指す』という所は似ているような気がしました。
だから、何となく先輩に共感を覚えたのかもしれません。

「先輩のことを教えてくれませんか?」

「今は、どんな取材に力を入れているんでしょうか?」

「もし『秘密』なら――無理にはお聞きしませんので」

生徒会のことを聞かれたので、先輩の活動について尋ねました。
先輩が言われたように、記者と書記は似ていると思います。
『聴き取り』や『書き取り』以外にも、
何か見習える部分があるのではないでしょうか。

87黒羽 灯世『インク』:2019/10/11(金) 21:22:48
>>86

「フフッ、素直でよろしい。…………私のこと?
 構わないわ。…………そうね、話していい範囲なら、
 今は『事件』より『人間』に重点を置いてるのだわ。
 学内でそれほど大きな事件は、今は起きていないし」

        ピリ

「兆候とかは、無くはないけれど。
 それこそ『秘密』……杞憂なら、ややこしいもの」

菓子の包装を破きながら、曖昧な答えを返す。
実際に今黒羽が追っているのは……『スタンド使い』だ。

「だから今は、人間ね! 運動部とかすごく良いのだわ!
 夏の大会とかも終わって、部活動も落ち着いたから、
 インタビューがしやすいし…………」

      パラパラ

袋を半分ほど開けた菓子をコップの乗ったソーサーに立てかけ、
先程から開いていたメモ帳をめくる黒羽。これが取材帳なのだろうか。

「この前は高等部の、『卓球部 』の人にインタビューしたのだわ。
 個人戦で県『ベスト8』……全国の卓球部員の中で、相当『上の方』と言える。
 まあ、お話はごく普通だったけど。強者が変わり者ばかりとは限らない好例ね」

「ねえねえ。あなたの周りにも、いないかしら? 運動部の……強い人が、面白い人」

88三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/11(金) 22:07:20
>>87

「『運動部』――ですか。
 練習が忙しいと、お話を聞きにくいですしね」

「確かに、今は丁度いい時期だと思います」

    スッ

抹茶チョコレートを食べながら、黒羽先輩の話に頷きます。
そういえば鉄先輩も、こういうのがお好きなようでした。
前に喫茶店で会った時に、
『黒蜜ときなこのプリン』を注文していたことを覚えています。

「そうですね……」

質問されたのは、まさに鉄先輩のことを思い出していた時でした。
先輩は何人か知っていますが、
運動部というと真っ先に思い浮かぶのは鉄先輩です。
そこで、鉄先輩を紹介することにしたのです。

「『鉄先輩』は、いかがでしょうか?
 高等部二年生で、『剣道部』に所属している方です」

「大会にも参加しておられました。
 『個人戦』のメンバーに選ばれていらっしゃるので、『強い人』かと」

「――宜しければ、『連絡先』をお教えしましょうか?
 もし取材されるなら、『アポ』も取りやすいかと思いますので」

89黒羽 灯世『インク』:2019/10/12(土) 00:04:38
>>88

「ええ……そうなの、そうなのよ。
 このシーズンを逃すと、今度は冬の大会とか、
 来年に向けた合宿とか、またどんどん忙しくなるし」

             パリパリ

「取材だなんて照れ臭い、って人も多くって。
 大会の結果が出てすぐの今なら、
 『勢い』で受けてくれる人も多いのだわ!」

薄いごませんべいばかりを開封する黒羽。

「へえ、『鉄』……? ええと」

      パラパラ

メモ帳にはいくつもの付箋が付いている。
それを頼るようにして、どこかのページでめくるのを止めた。

「メモに名前があったのだわ。
 そうそう、剣道部……高等部二年生。あなたの情報通りね!
 でも、コネクションが無くって……会えてなかったのよね。
 良いのかしら? その人の『連絡先』……勝手に私に教えて?」

「ああもちろん、教えてもらえるなら喜んでもらうのだわ!」

90三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/12(土) 00:27:02
>>89

「もし何か問題が起きたら、もちろん責任を取ります。
 それに、黒羽先輩なら大丈夫かと」

「これでも人を見る目はある方ですから」

          ニコ

「鉄先輩は真面目で気配りの出来る人ですから、
 きっと実りのある話が聞けると思いますよ」

誰にでも教えたりはしません。
ただ、黒羽先輩は責任感の強そうな人です。
知り合って間もないですが、そう感じました。

「――では、お教えしますね」

           スッ

スマホを取り出して、鉄先輩の連絡先を伝えます。
いきなり知らない相手から連絡が来ると、
驚かせてしまうかもしれません。
このことは、後で鉄先輩にも言っておくことにしました。

「連絡先を伝えたことは、千草から鉄先輩に話しておきます。
 そうした方が、スムーズに話が進むかと思うので……」

「あっ――」

「鉄先輩は『和風』のものがお好きなようでした。
 お役に立つか分かりませんが、ご参考までに」

91黒羽 灯世『インク』:2019/10/12(土) 01:34:06
>>90

「あら、あら、あら。『謙虚』かと思ったけど……
 違うのね。あなたもやっぱり『強い』みたい。
 ええ、ここまでお膳立てしてもらったんだし、
 近いうちに『取材』を申し込んでみるのだわ!」

            スッ

「『実り』を手に入れるためには、動かなくっちゃあね。
 安心なさい、おわかりみたいだけど、私なら大丈夫だから」

    サラサラ

ペンでメモ帳の――白紙のページに連絡先を書く。
書道の影響だろうか、字は整っていた。

「そうね、至れり尽くせりだけど……お願いするのだわ。
 私が『会いたがってた』ってことにしておいてくれる?」

鉄の人柄は知らない。
三枝が勝手に教えたかのような形にしてしまうよりは、
黒羽が聴こうとした形にする方が、何かと良いだろう。

そして、緑茶を注ぎ直し・・・

「奇遇ね、私も和風が好きよ。
 有用な情報……ありがたくいただくのだわ!」

「会う場所は『甘味処』なんてステキかもしれないわね……」

92三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/12(土) 02:06:44
>>91

「分かりました。では、そのように伝えておきますね」

         ニコ

「ええ、そういった場所は喜ばれると思います。
 前に偶然、『喫茶店』でお会いしたことがありました」

「その時、『黒蜜ときなこのプリン』を注文しておられました。
 千草も少し頂きました」

「そういえば――その時、先輩は『地図』を広げていた気がします。
 地図の上に幾つか『印』を付けて……」

         スゥッ

「――『印』を付けて……」

無意識の内に、片手を頭に添えていました。
その地図の上に、
『暴行』や『通り魔』という、
物騒な言葉が書かれていたのを思い出したからです。
そういった『死』に繋がりそうな単語を見ると、
つい『クラッと』来てしまうのです。
こういう時は深呼吸です。
気分を落ち着けてから――言葉を続けます。

「『この街の危ない所をマークしておきたい』――
 そう言われていました」

多分、鉄先輩には何か考えがあったのでしょう。
でも、その理由は聞きませんでした。
何となく、軽い気持ちで聞いてはいけないような気がしたからです。

93黒羽 灯世『インク』:2019/10/12(土) 03:10:14
>>92

「あなた、人と会った時のことをよく覚えてるのね。良い事よ。
 まあ、私もそういうのはしっかり覚えておくタイプだけれど。
 そこのところは記者のたしなみだから……フフッ」

「それにしても、地図に……『印』?
 ……『危ない所をマーク』……」

              「っ」 

「――――――フフフッ! すごく、すごく面白いのだわ。
 剣道部がすることとは思えない、いえ、『何ならそんなことをする』のかしら?」

「つまり彼も何かを『探している』……
 単なる『運動部』という以上に、
 有意義で『上等』な話が出来そうね!」

(少なくとも、人に見られて困るような『マーク』じゃないようだし)

口元に幅広い袖を当てて、目を細めて笑みを浮かべる黒羽。

「これは取材のプランを練っておかなくっちゃいけないのだわ……!」

              ゴクッ
                  ゴクッ

高揚した口調でそういうと、緑茶を飲み終え、一息つく。
・・・一通りのことは話したのかもしれない。黒羽は次の話題をすぐには切り出さない。

94三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/10/12(土) 05:48:05
>>93

「――――…………」

うっかり言ってしまいましたが、良かったのでしょうか?
つい、そんなことを考えてしまいました。
黒羽先輩は喜んでいるようですが……。

「……分かりません」

「もしかしたら――『何か』あるのかもしれませんね」

でも、きっと黒羽先輩なら大丈夫でしょう。
『会いたがっていたことにして欲しい』という言葉から、
そう思い直しました。
気配りの出来る人でなければ、そんなことは言わなかったはずです。

    ――――ゴクッ

コップに残っていた緑茶を飲み干しました。
あまり長居しても、ご迷惑になると思います。
この辺りでお暇することにしましょう。

「ご馳走様でした、黒羽先輩。そろそろ失礼しますね。
 お話できて楽しかったです」

「あっ――」

  クロバネ      クロガネ
「『 黒羽 先輩』と『 鉄 先輩』――
 口に出してみると少し似てますね」

    クスリ

「――――それでは」

              ペコリ

立ち上がり、お辞儀をして出口に歩いていきます。
ところで、黒羽先輩はお気付きでしょうか。
今まで話していた相手は、
本当に『少年』だったのかどうか定かではないことに――――。

95黒羽 灯世『インク』:2019/10/13(日) 06:56:28
>>94

「『もしかしたら何か』を確かめるのが、
 まさしく、『記者』の仕事なのだわ!
 フフッ、隠し事ってほどでもなさそうだしね」

隠し事を暴くのには危険が伴うものだが、
少なくとも三枝に見せても問題ないものらしいし、
藪蛇を突つくようなことにはならない、と考えている。

・・・果たしてどうなることか。

「えっ……ま、まあ似てるかも? ……似てるわね。
 言われてみれば……一文字違いだものね、フフッ。
 こちらこそ楽しめたのだわ、次の楽しみも出来たし」

      「それじゃあまたね」

突然のユーモアに翻弄されつつ……
立ち去って三枝の背中を見ながら、メモを走らせる。

「…………」

      ピタッ

その名前、役職、年齢まで書いて……性別で、手が止まったのだった。

96今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/20(日) 18:17:30

ここに引っ越してくる話が、だいぶ進んできたんだ。
だから今日はちゃんと許可をもらって下見に来たわけ。
空き部屋の内装とか、庭とか……いろいろ見せてもらった。

「…………ふう」

      チャリン チャリン…

それで今は談話室にいる。
談話室っていうのかな?
寮生がお話したりするための部屋?

自販機があったりして、休憩にちょうどいいかなって。

   ポロ

「あっ」

         コンッ…… コロコロコロ

挿れようとした小銭が落ちて、転がって。
ソファの下の方に入って行っちゃうのを、私は目で追っていた。

97夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/21(月) 20:11:01
>>96

    ピコンッ

ふと、『LINE』の新着メッセージが届いた。
小銭が落ちて転がっていくのと同じタイミングだ。
今のところ、見える範囲に他の人はいない。

『イズミン、いまヒマ??』

『わたしはヒマだぞ!!』

『そういえばさぁ』

『ひっこしするんだって??』

『ビックリ!!』

『いや、チョットまてよ』

『イズミンがイマなにしてるかスイリしてみるから』

『ガクセイリョーのだんわしつでコゼニおっことした!!』

『どう??あってる??』

98今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/21(月) 23:52:06
>>97

『ごめんなさい今は用事でして〜 もうすぐ終わりますけど!』

『あれ、私話しましたっけ!
 すぐじゃないですけど、もうちょっとしたら寮に』

『え、推理ですか?』

       キョロ
            キョロ

ユメミンの推理は、当たるんだよね。
でも前は『元から知ってたから』だったし・・・
今回は? どこかから見てるのかな。

『わー、正解です! さすがは名探偵ユメミン』

『(拍手する兎のスタンプ)』

              ゴソ  

『なんでわかっちゃうんですかっ?
 私は名探偵じゃないんで、ヒントをください』

そこまで返信してから小銭を拾うためにしゃがんだ。
ソファの下、結構広いし、自販機の下に転がったりしなくてよかったよね。

99夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/22(火) 00:17:01
>>98

    ピコンッ

『ヒントその1!!
 わたしはミミがイイ!!
 (ピョコンと動く兎の耳のスタンプ)』

『ヒントその2!!
 わたしはアチコチでさいしんジョーホーをさがしてる!!
 (キョロキョロする白兎のスタンプ)』

『ヒントその3!!
 わたしはオクジョーからイズミンがソコにはいるのをみた!!
 (高層ビルのスタンプ)』

次々に『ヒント』が送られてきた。
イズミンのまえにたちふさがるナゾ……。
シンピのベールにつつまれたシンジツとは??
こんや、そのこたえがついにあかされる!!
きょうがくのラストをみのがすな!!

100今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/22(火) 01:20:55
>>99

          キョロ

              キョロ

ユメミンの『ドクター』は確かに耳が良い。
耳が良いんだけど……そんなに大きな音したっけ?
ユメミンは屋上にいるんだよね?

フツーに、わかんないな。
うーん、『小銭が転がった』じゃなくて『落とした』って言ったよね。
目で見てるんじゃなくて、『聞いてる』んだとは思うんだけど。

「……」

             ガラララ

窓を開けてみた。

『えーっ、ぜんぜんわかんないですね』

             バタン

それから、ドアも。

『私、名探偵じゃなくってフツー探偵かも』

いくら耳がよくっても、音が聞こえるくらいの距離って限られてる。
他にも音ってたくさんあって、それが混ざり合うから。ユメミンは、どこだろう?

101夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/22(火) 01:54:27
>>100

       バタン

「――――あ」

思わず声が出てしまった。
手に持っていたスマホから顔を上げ、イズミンの方を向く。
開かれたドアの向こうにあったのは、見慣れた姿の相手だった。

「いまから『ヒントその4!!わたしはイズミンをおいかけてみることにした!!』と、
 『ヒントその5!!わたしはドアのそとでコゼニがおちるオトをきいた!!』を、
 おくるところだったのに〜〜〜」

        ゴソ

要するに、そういうコトだったらしい。
スマホをしまい、談話室に入る。
それから、置いてあるソファを見て、そこに座った。

「イズミンが『ひっこしする』ってハナシは、
 ついさいきんグーゼン『コミミ』にはさんでさぁ」

「オクジョーからみえたときに、そのコトをおもいだしたんで、
 チョットついていってみようかなぁ〜〜〜とおもって。
 ココって、そんなにきたコトなかったし??」

「でも、ホントにビックリだな!!
 ひとりぐらしかぁ〜〜〜。
 いつのまにか、イズミンがオトナのカイダンをのぼっていたとは……」

ウンウンと頷きながら、そんなコトを口走る。
冗談交じりだが、驚いたのは本当だった。
なんていうか、イガイなカンジがしたから。

102今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/22(火) 02:43:13
>>101

「あっ」

      ニコ

私は笑った。

「なんだ、フツーに外にいたんですねっ」
「どうやったのかなって、びっくりしてました」

びっくりするよね、フツー。
ユメミンもびっくりしてるみたい。

「座りましょっか」

ソファの、空いてる向かいに座った。

「ああ、そうだったんですね〜」

「クラスの子とかに、ちょっと話しましたし」
「引っ越し決まったのは……」「そこからかなあ」

別にだれに聞かれてもいいんだけどね。
ラインか何かで言った気も、しなくはないし。

「一人暮らしにあこがれてたってわけでもないんですけど」
「寮に住んでたら」「いつでも学校の友達に会えますし〜」

「それに、そう、オトナとして独立したって感じがするじゃないですか?」

103夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/22(火) 03:03:28
>>102

「ほうほう、イズミンやるなぁ〜〜〜。コレは、まけてられないな!!」

「ひっこしおわったらさ、アソビにいってもイイ??
 オヤツとかもってくから!!」

「『ひとりぐらしのトモダチのトコにアソビにいく』っていうのも、
 ソレはソレでなんとなくオトナなカンジがするし!!」

寮生のトモダチっていたっけ??
いたような気もするけど、少ないと思う。
だから、ジブンにとってもキチョーなタイケンになるんじゃなかろうか??

「そういや、こないだアリガトね。アドバイスしてくれて。
 ホントたすかったよ〜〜〜!!」

少し前の『デート』のコトを思い出す。
あの時は色々と楽しかった。
たぶん、イズミンのお陰でウマくいったんだと思う。

「まさか、イズミンもしってるとはおもわなかったなぁ〜〜〜。
 たしか『ピアノ』ひいてたんだよねぇ??
 やっぱキザなヤツだな!!」

104今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/22(火) 03:17:34
>>103

「いいですよ! むしろ大歓迎ですっ」
「私、インテリアとか、全然わかんないから」
「ユメミンそういうのセンスあって得意そうですし」

「デートのお返しにアドバイスしてください!」

ユメミンと私の服のセンスとかは違うと思うけど、
私、センスらしいセンスってのはないから。
だから、参考に出来ると思うんだよね。

「そうそう。デート、楽しめたみたいでよかったです」

「イカルガ先輩、『バラ』……の形の綿あめ買ってきたんですよね!?」
「あは」「ピアノは弾いてましたけど、そういう感じじゃなかったので」

「やっぱりデートだと、張り切るものなんですかねえ」

そう、そうだった。
イカルガ先輩の話……バラに、手で目隠し。は、してないんだっけ?
とにかく、意外なくらいキザで……ミステリアスだったんだ。

「ちなみに、あれからまた会ったり連絡したりしてるんです?」
「付き合いとか、そういうのじゃないのは分かってますけど〜。その後というか」

「そういうの気になるんですよねっ」

ユメミンは一つの所に留まらない。けど、少しくらい足を止めてたりはするかもしれない。
そういう話って興味あるんだよね。自分1人じゃ、どうやってもわからないところだったりするしさ。

105夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/22(火) 18:36:59
>>104

「おっ、イイね〜〜〜!!
 そんなコトいわれたら、ユメミンはりきっちゃうな!!
 スミズミまでビシッ!!とコーディネートしちゃうぜ!!」

「うんうん――『バラのワタアメ』。こんなカンジの」

        スッ

スマホを出して、イズミンに写真を見せよう。
ピンクと緑のザラメで出来たバラの形の綿菓子。
食べた後に撮ったらしく、若干欠けた部分が見えた。

「ジブンでつくるカンジのトコだったんだよね〜〜〜。
 『ワタアメせいぞうマシーン』みたいなのがあって、
 そこにオカネいれてさ。
 で、ナニがでてくるかとおもえば…………」

「でも、キレイでオモシロかったし、けっこうスキだったな!!
 もうないのがザンネンだな〜〜〜。
 『バラ』は『ハラ』のなかにはいっちゃったから!!」

「そのあとはコレといってナイかなぁ〜〜〜。
 わたしもイロイロといそがしいし!!
 ちょっとマエは、ひとりで『ユーレイさがし』にいってきたんだ。
 そういう『ウワサ』をきいたから、たしかめてやろうとおもって!!」

「まぁ、いってみたらタダのヒトだったんだけど。
 なんか『ショクブツ』のコトしらべてるっぽかったよ。
 『ショクブツ』っていうか『ヤソウ』っていうヤツ??」

夜中に人魂が出るっていう噂だった。
実際は、ライトの明かりだったんだけど。
それを持ってたヒトは『リカオン』っていう名前だったっけ??

「いや、『タダのヒト』じゃないか??『スタンド』もってたし!!」

106今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/22(火) 23:09:36
>>105

「わー、楽しみですっ。お部屋決まったら教えますね!」

どうせ住むんだもん。
色々考えるのが、フツーだ。

「それで……これですかっ。例の『バラ』」
「あ〜、ありますね、そういう機械」
「バイキングとかにもあるやつ」

「あはは、食べちゃえば全部同じですもんねえ」
「こうして画像が残ってるから、今でもわかりますけど」

お砂糖なんて、口に入れた段階でもう同じだもんね。
固いか、柔らかいかってくらいで。

「ああ、そうなんですねえ〜」

進展がないのは、予想通りかも。それより。

「というか……『ユーレイ探し』ですかっ」
「確かにありますもんね、そういううわさ。私も聞いたかも」
「正体はスタンド使い……」「多いですねえ、スタンド使い」

「でも、うわさになるってことは」
「スタンドが見えない人にも幽霊に見えたってことですよねっ?」
「そうなると〜、怖そうな感じの人だったんですか?」

107夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/22(火) 23:27:10
>>106

「なんか『ヒトダマ』がでるとかいうハナシでさぁ〜〜〜。
 いってみたら、なんと!!『ライト』だった!!」

ったく、ガセネタつかませやがって!!
ダレだ、テキトーなウワサながしたヤツは!!
セキニンシャでてこいよ!!

「ベツにコワソーなカンジじゃなかったな。
 ウチらとおんなじくらいのコだったし。
 カレシのシャシンとかみせてもらったっけ」

「『ユーレイ』みれなかったのはザンネンだな〜〜〜。
 まぁおわったコトきにしてもしかたないし、『ツギ』だな『ツギ』!!」

ジンセーはみじかいのだ。
あしぶみしてたら、あっというまにオバアチャンになってしまうぞ。
だから、ドンドンさきにすすんでいかねばならん。

「イズミンのほうは、さいきんほかにナンカあった??
 かわったコトとかオモシロいコトとか」

108今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/23(水) 00:32:06
>>107

「へ〜っ、そうだったんですねっ」
「確かに夜、草探してライトつけてたら幽霊っぽいかも」
「野草……」「生物部とかに入ってる子なのかな」
「まあいいや」

「私の方は、最近もフツーですね〜」
「特に何も……」

そう言いながら拾ったお金を見る。

「お休みも一人ぐらしの準備ばっかりですし」
「アルバイトとかも探した方がいいのかな〜、とか」
「私、バイトってしたことないんですよね」

中学生で出来るバイトって、無いし。
お手伝いって名目ならできるらしいけどね。

「ユメミンって〜、バイトとかしてる子います? 友達に」

「ユメミンはしてないですよね」「確か」

109夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/23(水) 00:56:14
>>108

「バイトかぁ〜〜〜」

「トモダチにはいないな、たしか。
 わたしもやってないし」

「まぁ、たまにやってるんだけど」

今のところ、『アリーナ』関係のヤツが多い。
闘技場に出たりとか、新しい競技のテストに参加したりとか、
子供の世話をしたりとか。
『アリーナ』とのコネは、面白いコトが見つかりそうなのでベンリだ。

「『イベントけい』のバイトとかどう??
 タノシソーじゃない??」

「そういうのだったら、キョーミあるな〜〜〜!!」

「それか、フリーマーケットとか!!あったらだけど!!」

バイトについて考えてる内に、ふと『あのコト』が頭に浮かんだ。
『アレ』は今までで一番ヤバい体験だった。
色んな場所に首を突っ込んできたが、
あれ以上にヤバイのはなかった。
今まで思い出さないようにしていたのは、
それを自分の中で消化するのに時間が掛かったからだ。
日常に帰ってきて、デートやら何やら楽しいコトを挟んだお陰で、
ようやく心が落ち着いてきた。

「あのさ……チョットだけいいたいコトがあるんだけど」

「きいてもらってもイイ??」

110今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/23(水) 02:02:39
>>109

「あ〜、『フツーじゃない』バイトですねっ」
「スタンド関係とかの」「地下闘技場でしたっけ」
「そういうのは私、出来そうにないし」

「イベント系! 楽しそうですね〜〜〜」
「イベント会社とか、バイト募集してるみたいで」
「まだちゃんとは調べてないんですけど」

「……?」

そこまで言い終えて、私は首を傾げた。
ユメミンの『こころ』は分からないけど、何かいつもと違う。
そういう気がしたんだ。だから私はうなずいた。

「いいですよ」

「ちょっとじゃなくっても」「言ってみてください」

私はユメミンにすべては話してない。
だからユメミンに全部話せって言えるわけじゃない。

けど、言いたいことがあるなら、それは聴く。友達だから、フツーだ。

111夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/23(水) 02:48:32
>>110

「――――ありがと」

自然と笑顔になった。
そう言ってくれるんじゃないかとは思ったけど、
もしダメって言われたらと思うと不安だったから。
そして、ぽつりぽつりと話を始める。

「チョットまえ、『ヘンなコト』があって。
 よみちをあるいてたら、いきなり『バール』でアタマなぐられて、
 ソレでしんじゃってさ」

「まぁ、ソレは『ユメ』だったんだけど」

「で、そのあとで、
 『ユメのなかでわたしをヤッたハンニン』とたたかうコトになって。
 ソイツをやっつけないと、
 『ゲンジツのジブン』もしんじゃうってハナシだったから」

「それで、たたかったんだけど、マジでヤバかった。
 『アタマいかれたヤツ』が、カンゼンに『コロスき』でかかってきてさ。
 『ドクター』の『ツメ』がふっとばされるし、
 そのツギは『ユビごと』なくなるし。
 さいごには『トラックのバクハツ』にまきこまれてイシキなくなったし」

「『しぬ』とおもった。マジで。
 イマまでそんなコトおもったコトなかったけど、ホンキでおもった。
 コワかった。『チョー』が『1000コ』つくぐらい」

「でも――――なんだかんだあったけど、かえってこれてさ。
 すっごいホッとした。『いきててよかった』ってシンケンにおもった」

そこまで言って、言葉を切る。
大体は言い終えた。
あと残ってるのはコレだけ。

「まえにイズミン、いってくれたじゃん??」

「『もしフシギのくににいったりするなら――』」

「『さいごはチャンとフツーのガワにかえってきてくださいね』って」

「こうしてイズミンとしゃべってると、
 『ホントにフツーのセカイにかえってこれたんだな』っておもえて」

「――――スゴイあんしんする」

「だから……こうウマくいえないんだけど……」

「なんていうか――――ホントにアリガトね」

      ニコッ

そう言って、もう一度笑った。
イズミンとお喋りしたり遊んだりしてると、『フツー』を満喫できる。
普段あんまり意識してない『フツーの大切さ』みたいなモノが、
分かるような気がする。
多分、それは大事なコトなんだろうと思う。
『フツーじゃないコト』の後だと、いつもよりもそう感じる。

112今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/23(水) 03:44:57
>>111

「………………………」

私はユメミンの話を最後まで聞いていた。
私にはユメミンの気持ちは、こころは分からない。
何もかもとんでもなくて、フツーじゃない話で。
でも『共感』っていうのを、することはできる。

「私は」

「私は、ユメミンが生きて戻ってきたのが」
「『嬉しい』です」「本当に……よかったって」

「そう思います」
「お礼なんてなくっても。友達が無事だっただけで」
「『嬉しい』ですよ」

私が知らないところで、ユメミンは死にかけてた。
私が知ってても、何か出来たかは分からない。
けど、そういうのが『スタンド使い』の『不思議の国』なんだ。

「……」

それでも。

「……」

「それでも……『不思議の国』なんですよねっ?」
「『不思議で怖い事』があって」「『フツー』で安心しても」
「きっと」「たぶん」「それでも」

「それでも不思議の国に行くのがユメミンだと思うから」

「やっぱり私は……いつでも『フツーの世界』にいる」
「それは、お礼が欲しいからとかじゃなくって」
「うまく言えないんだけど……そうするのが『友達』だと思うから」

「……だって『不思議の国のアリス』は、『フツーに帰る』までが物語ですから!」

私は『フツーであること』にせいいっぱいだ。そんな私が、友達としてできるのは、そういう事だ。

113夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/23(水) 18:29:42
>>112

「うん――――」

「あのときはコワイとおもったけど――
 でも、それでもやっぱり『ボウケン』したいんだよね」

「だって、わたしは『アリス』だから」

命の危険に晒されたことで、自分の気持ちを再確認できた。
もしかすると、また怖い目に遭うかもしれないと思う。
そうだとしても、この気持ちは変わらなかった。
生きてる限り、『不思議の国』を冒険したい。
それが私の『本当の気持ち』だ。

「そうだよね――――」

「『いったっきり』じゃあ『ツギのセカイ』にいけなくなっちゃうもん」

「だから、イマみたいに『フツーのセカイ』にかえってくるよ。
 こっちにだって、たのしいコトはいっぱいあるから」

「イズミンとオシャベリしたり、あそんだりしたいし」

「――――だから、ゼッタイかえってきたいな」

『不思議の国』を冒険した『アリス』は、
最後には元の世界に戻ってくる。
だから、私もそうじゃないといけない。
だって、私は『アリス』だから。

「ん〜〜〜!!なんか、しゃべったらスッキリした!!
 コイのなやみも、ソレいがいのコトも、
 トモダチにソーダンするってだいじだな!!」

「スッキリしたらハラへってきた。
 イズミン、もうすぐヨウジおわるんだっけ??
 なんかカルくたべにいかない??」

114今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/24(木) 01:09:27
>>113

「さすがユメミンですっ」
「私はほんとに……いつでも『フツー』ですからね!」
「ユメミンは好きなだけ『不思議』の世界に行って」

「それで、帰ってくるんです」
「それが、友達ですから」

私は……そうあるべきだと思う。
フツーじゃない『スタンド使い』になって。
それでも私は『フツー』であるべきなんだ。

「あは」

元気になったユメミンに、私は笑った。

「用事っていうか、もう少し見学しようかなって」
「思ってたんですけど〜」「別にもう切り上げてもいいかな」

「いいですねっ、どこか行きましょう」
「ユメミンおすすめのお店とかあります? この辺」
「なければ私が探しますけど」

席から立って、小銭を財布にしまい直す。
見学はいつでも来れるし、もう、必要な分はしたと思う。

115夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/10/24(木) 01:41:12
>>114

「うんうん!!
 じゃあユメミンの『データベース』にアクセスしてみるから!!」

新しい『不思議』を探すために、日々『ドクター』を使って、
色んな場所で聞き耳を立てている。
要するに、そうやって聞いた情報を思い出すというコトだ。
アレはおもすぎるし、かといってアレだとカルすぎてものたりないし……。

「ただいまケンサクチュウ…………よし!!」

「ホシミカイドーのほうに、
 あたらしく『フルーツサンドイッチ』のセンモンテンができたってハナシをきいてさぁ。
 マチをあるいてるときに、コミミにはさんだんだよね〜〜〜。
 なかなかヒョーバンいいらしいから、ソコいってみよう!!」

「なんかスゲーぶあついのもあるみたいだから、シェアしてたべない??
 たのんでみたいけど、ヒトリだとキツソーだし」

    タッ

ソファから立ち上がって、軽い足取りでドアの方に歩いていく。
イズミンが引越ししたら、その時は遊びにこよう。
ナニもっていこうかな??
きがハヤイか??
まぁ、きにすんな!!

「――――そんじゃ、いこう!!」

116今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/10/24(木) 02:49:00
>>115

「フルーツサンドイッチ! いいですね〜」

           ニコ

不思議な事だけじゃなくて、フツーのこともよく知ってる。
不思議とフツーは『表裏一体』ってやつなのかもしれない。

「飲み物も楽しみです」
「『フルーツ』に力を入れてるんだし」
「まだ寒くなりきる前に『スムージー』とか飲んどきたいな」

ユメミンの後から着いて行く。
前に進み続ける私の友達が振り返った時、そこにいたいと思った。

117斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/10/31(木) 14:34:49
男がいた
彼の周りの壁には、無数の飾りが張り付けられている。

〜♪

キラキラと輝くモール、オバケ達を象った切り絵、無数の駄菓子
傍に置かれた段ボール箱は、ハロウィン用の無数の飾りを詰め込まれ
子供のおもちゃ箱のような様相を呈している。

〜♪

彼は大量の飾りが入った段ボール箱を足元に置いて
口笛を吹きながら、飾りの一つ一つを両面テープで
白い廊下の壁をキャンパスの替わりと言うかのように張り付けていた。

118ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2019/11/01(金) 20:30:33
>>117

    パタタタッ

どこからか、一羽の『小鳥』が飛んできた。
『背中の羽』の一部が逆巻き、『天使の翼』を思わせる形を成している。
『頭の羽毛』も独特で、まるで『パーマ』をかけたような風貌だ。
全体的に、何となく『高級感』が感じられる。
少なくとも『普通の野鳥』には見えない。

「コンニチハ。ゲンキデスカ?ゴハンタベマシタカ?」

小鳥が喋り始めた。
これは『インコ』のようだ。
街中で覚えた言葉を口にしているのだろう。

          バサッ

「チョーウケタ」

「ハロウィンノ ヒトカト オモッテ」

「チョーウケル」

段ボールの縁に着地したインコが、中身を覗き見る。
それから、『大きく首を傾げるような動作』をした。
鳥類の目は人間と違って『側面』に備わっているため、
凝視する時は『片目』で見た方が都合が良いのだ。

119斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/11/01(金) 21:42:45
>>118

奇妙な訪問者に、陽気な口笛を止め
彼はチラと視線を向けた

「駄目だよ、それは」

軍人風に短く刈り上げた頭髪、学生服の首元には赤いスカーフが巻かれ
整った顔には微笑みを湛えている

「君の言う通りに、ハロウィーン用なんだ。」

瞳だけは笑っていないが
彼はいたって優しげに小鳥に向けて語りかける

「インコさん、体に悪いのも有るが、君は『仮装』してないだろう?」

「学生は勉学が本分だが、季節を忘れてしまうのは本末転倒
これはそう言う祭りのご褒美なんだ、この廊下じゃ、『季節感』って物がないからね」

       ニッ

「……と、解らない筈なのに言ってしまうのが、人類共通の『悪癖』なんだなぁ。」

〜♪

視線を戻し、陽気なハロウィンの口笛を吹きながら、壁にゴーストの切り絵を張り付ける
最初から彼は、『話せない』インコが何をしても、止める気は無いのだ。

120ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2019/11/01(金) 22:24:20
>>119

「トリフネ マーヤ ッテイイマス」

「ウラナイシ デス」

「ケンドーブニ ショゾクシテイマス」

インコは、何やら謎めいた文章を喋っている。
別々の場所で聞いた言葉を繋ぎ合わせたらしい。
『トリフネマーヤ』なる人物が、実際にどういう人間なのかは不明だが、
『占い師』や『剣道部』ではないだろう。

    ブンブンッ
           ブンブンブンッ

インコが『パンクロッカー』のように上下に激しく頭を振り始めた。
いわゆる『ヘッドバンギング』のような状態だ。
何かに興味を持っていたりすると、このような仕草を見せる事がある。
ハロウィン用の飾りに関心を抱いたのかもしれない。
実際、このハゴロモセキセイインコ――
『ブリタニカ』は、その知性を刺激されていた。

「キミ」   「ジンルイ」   「ガクセイ」

まるで会話の返事を返すかのように、少年の言葉が繰り返された。
見た目以上に賢いのかもしれない。
あるいは、ただの偶然か。

121斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/11/01(金) 22:53:34
>>120

塗装された壁に一つ、また一つと笑うカボチャやコウモリを張り付けていく
手際は稚拙だが、破れないように注意を払いながら

そんな最中にまた、インコ……『ブリタニカ』……が言葉を紡ぐ
単語を組み合わせ、まるで文章のように。


     (……?)


それは彼の視線と興味を引くには充分だった
すこし悩むそぶりを見せながら、目の前のブリタニカを見る。

 「……そうだな、僕は人類で学生の、『斑鳩 翔』」 「そういう君は『鳥類』で……」



――彼のポケットから、独りでに『スマートフォン』が、体をなぞる様に浮かび上がり
制服の左手首に止まると、ガラスの画面が独りでに点灯した。

アプリの一つを開くと、検索エンジンにインコの名前と共に
無数の画像が羅列されていく……少しして、一つの名前と画像が浮かび上がった



 「……『ハゴロモセキセイインコ』?」
 「ものまねをする個体がいて……これは、君の事だな」

一息を置いて、画面を追う
モニター越しに、色彩豊かな、ともすれば『華やかな』という表現が似合う鳥達が映る。

 「美しい羽は、品評会が各地で盛んに行われる程、人気が有る、と」
 「食べ物は種子、果実を好む、ふぅん。」

興味深いような仕草と共に、段ボールの奥に手をやり

 「昔、ペットに飼われてた大量のインコが野生化して、電線に止まっているっていうニュースがあったっけね。」

数回ほど漁ると、彼はそこから真っ赤な『林檎』を取り出した。


 「僕の『おやつ』のつもりだったんだが、半分いるかい?君。」

122ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2019/11/01(金) 23:35:49
>>121

目の前のインコは、スマートフォンで調べた情報と一致した。
どうやら、このインコは『それ』のようだ。
一般的に普通のセキセイインコよりも高い値を付けられている品種だ。

    ファサァッ

自らの美しさを誇るかのように、インコが羽を広げる。
ホワイト、コバルトブルー、バイオレットの三色。
背の『羽衣』は、価値が高いと言われる左右対称の形だ。

「インコ」   「カジツ」   「コノム」

         トッ トッ トッ

段ボールの縁を歩き、『ハゴロモセキセイインコ』が林檎に近付いた。
だが警戒心があるのか、いきなりがっついたりはしないようだ。
先程と同じ首を傾げる仕草で、林檎を観察している。

「ボク」   「キミ」   「ハンブン」

インコは、そのように囁いた。
先に食べてみせた方が良いかもしれない。
もしくは、食べやすいように半分に『分割』することを希望しているのか?

123斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/11/01(金) 23:50:59
>>122

 「結構賢い……と、言うより」

袖の下から折り畳みナイフを取り出して開くと
林檎に突き刺し、半分に割っていく

 「『賢すぎる』かな?」

先程までとは違う手先の器用さで、滑らかに半分に林檎を割ると
半分を段ボールの縁に、ナイフで刺して止める、きめ細やかな白い果肉の中央、芯の辺りは透き通ったように透明だ。

 「ものまねの『単語』を繋いだ『文章』で意思表示……っていうのは
 『チンパンジーが適当に叩いたタイプライターが、シェイクスピアの一節を叩きだした』くらいの物、だと思ってた」

 「それでも、こうして目の前にして、『結構ある事だ』とは、思えない」
 「……君が『特別』なのかな?」

半分になった果実を一口齧る
シャリリと良い音がした。

 「『僕』みたいに。」

笑顔を一つ、自身に向けての自嘲気味の苦笑なのか、仲間を見つけての愉快な笑みなのかは、表情からは解らない
ただ、彼は笑っている。

124ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2019/11/02(土) 00:12:57
>>123

斑鳩の思う通り、このインコは確かに『賢い』。
偶然会話が成立する事もあるかもしれない。
一回だけなら。
それが何度も続く事は珍しい。
あったとしても、どれ程の確率になるだろうか?

    ツンツン

林檎の断面を、嘴で軽くつつく。
安全を確かめたのか、やがて啄ばみ始めた。
その様子だけ見ると、ごく普通のインコと同じだ。

「ボク」   「カシコイ」   「キミ ミタイニ」

インコが『人語』を口ずさむ。
その発話に何か意味があるのか、それともないのか。
『真偽』の程は不明だ。
ただ、たまたま出くわした人間と鳥が同じ林檎を口にしている。
それは事実としてある。

125斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/11/02(土) 02:16:41
>>124

    シャリ

「前に、君みたいなのを見た時は、『猫』だったかな」
「喋ったりはしなかったし、性格としても、しやしないだろうが。」

肩を竦めながら、最後のひとかけらを胃袋に放り込むと
手を拭いたハンカチを懐に納めて、飾りの一つを取る

「ところで、林檎の恩を着せるようだが、君に……」

口を開きかけ、思いとどまる
暫く悩むようなそぶりを見せ、彼は苦笑する

「…………いや」


 (……人間の事情を鳥に頼むのも、酷だろうな)


「――さ、続き続き」

そうして固まった後、何事も無かったかのように振舞うと
飾りの一つを手に、立ち上がった

「どれだけ特別だろうと、僕がいなくても神様がやってくれるわけじゃあないからな。」

それだけを言って笑うと、彼は壁を飾り付ける作業に戻った。


(鳥はああ言うが、僕は、賢くはないだろうな……賢ければ、もうやめているだろうから。)

126ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2019/11/02(土) 19:02:16
>>125

斑鳩は思い止まった。
そもそも、このインコが『スタンド』と関係しているという保障はない。
『ロスト・アイデンティティ』に対して反応したのかどうかも不明だ。
もしかすると、単なる『賢すぎるインコ』かもしれない。
それにしたって珍しい事には変わりないだろうが。

「アリガトー」

しばらく林檎を啄ばんでいたインコが、頭を上げて『人語』を発した。
そして、品評会が開かれる程に美しいとされている羽を広げる。
小さな天使――そう呼ぶ人間も中にはいた。

「コノ デアイニ カンシャヲ」   「アナタ ニ サチガ アルコトヲ」

どこかで聞いたのであろう言葉を、インコが発話する。
斑鳩の心を察したかのような言葉選びだった。
単なる『偶然』か?
それとも『特別』なインコなのか?
真実は分からない。

               ――――バササッ

最後の言葉を告げ終わり、ハゴロモセキセイインコが飛翔した。
廊下の窓から飛び出していき、そのまま見えなくなる。
その後には、抜け落ちたらしい一枚の『羽毛』が残されていた。

127斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/11/02(土) 19:58:39
>>126

結局のところ……
あのインコが『スタンド使い』だったとして

僕の両親を助けてほしい、精神を治すスタンド使いを見つけてほしい、等と頼むのは筋が通らないのだ
だって彼女はただの鳥であって、僕達の仇である『人間』ではないのだから。

窒息するような感覚の中、微笑むままに考える
僕は両親を助けるために行動している、これが『原則』

しかし良心に従えば、それは大体の人にとっては『迷惑』なのだ
他人に心を割くならば、誰に頼む事も出来ない事だ


 (……結局、そうだと気付いてしまっては、『良心』故に、僕は誰にも頼れないのではないかな。)


――最後の飾りが段ボールから消え去ると
空になった箱を抱えて、背を向ける

 「ハッピーハロウィン」

彼が誰ともなく1人ごちると
飾り付けられた廊下を背に、口笛が遠ざかって行った

128斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/11(水) 00:36:57

 「――割れてた?何が」

スマートホンのスピーカから落ち着いた男性の声が響く中
シャワーから上がった僕は雑に頭を拭いていた。

 「『サッカーボール』?知りませんよそんなの、前の『体育倉庫の大穴』だって、多分別の……でしょうけど
 見つからないほうがいいでしょう、その後起こしてないのなら事故みたいなもんですよ。」

 「例え心の中で『人殺しをしてやろう』と考えていても、考えるだけで一生行動に移さないのなら殺人鬼とは言えないでしょ?
 それとも、藪をつついて蛇を出してみますか?僕としては好都合ですけど……。」

 「え?いや、僕は情報屋ではないのでなんとも……それは、まあ 一人なら知っていますけど、費用何処から出るんです
 先生方が納得しませんよ、ただでさえ大きい箱の中でやりくりしているんでしょうから。」


バスタオルを放る、世間の回り物は資本主義に移行する前から後まで、ほぼ何時だって金である
人が死んだ等と言う所には、大体金の匂いがコバンザメの如くついてくる

ましてやそれが、世の子供達をいい所に行かせたい親心から出た金なら、猶更扱いには慎重になるのだ
少なくとも、サッカーボールやコンクリートの壁やホタテが、タダじゃないのは確かだ。


 「はい、それと……新聞部の方なんですけど、ええ、調べている子が
 有名なので直ぐ解りました、何回か賞も取っているみたいで。」

テーブルの上に乱雑に置かれた資料を手に取る
幾つかの名前に赤線が引かれ、その傍には目撃箇所と、ふせんで関連がありそうな事態をくっつけている

……僕の名前の近くがやたらカラフルなのは無視した、見てもしょうがない。

 「え?それだけじゃない? 屋上の鍵? ……いやぁ酷い奴がいたもんだなー、捕まえて死刑にしましょう、ダビデ王の如く。」

 「お褒めに預かり光栄です、もちろん、ええ
 それじゃ、生徒会長殿。」

通話が切れる、彼の懸念はよく解る事だ
ただでさえこの学校は『多すぎる』、何か出てるんじゃないかと洗ってみたが
今のところそれらしいものは見当たらない、僕の手では届かないという所だろう。

そして、その手の届かないところで生徒に対して『何か』が有った時
下手をすれば、そこに『別の恐ろしい何か』が介入してくるのだ、たぶん。

 「んー……何処から手ェつけるかな……っていうか
 このマンモス校のクラスメイトの数から何人かリストアップして、『あなたスタンド使いですか?』って馬鹿正直に聞くの?僕が?」


 (…………)


資料を放り投げた、紙吹雪のように、或いは雪のように紙切れが飛び散る。


 「―――手が足りないよォォォォ!
 無理とは言わないけど非効率的過ぎるだろ!あの生徒会長、かんぺき僕に押し付ける気だよコレ!
 大体なんだよこの部活の総数!この辺り絶対要らないだろ!誰だこの部活許可した教師!」

 「……これじゃあそれ専用の『部活』でも作った方が手っ取り早い、絶対
 でもそれを作るために、僕以外の『スタンド使い』が必要であって。」

卵が先か、鶏が先か?
哲学的な問題である、問題は答えではなく、僕は哲学者では無いと言う事だが

無駄に飛ばした資料を一枚一枚拾い集めて、纏めてベッドの下に張り付ける
秘密のスパイごっこは何時やっても楽しい事だ。

 「…………よし」
 「今日はもう『スパイダーマン』見よう、サム・ライミ版。」

部屋着に着替えてDVDを起動する、右手にポップコーン、左手にコーラ
問題は明日の僕がきっとやってくれるでしょう、頑張れ明日の僕。


 「『暗すぎる』とか言われるけど、かと言って『アメイジング』は明るすぎるんだよなあ
 確かにスパイディ特有の戦闘中の軽口ないけどさ、元がナードだぜ? ……まあ役者の個性生かそうと思ったら、ああなるのかな。」


元々は興味が無かったが
確か……そう、森の中で『あの子』に言われて興味を持ったのだったか

『スパイディ』僕とは似ても似つかない奴だ、彼女はどうして似てると言ったのか、単に能力のせいなのか
休日夜半の学生寮で、僕はぼんやりと映画を見ながら考えていた。

129?????『????・?????』:2019/12/12(木) 01:32:52
>>128
 「…アメコミ映画ですか ちかごろ流行っていますよね」
 
物音ひとつ立てずやって来た『男』は君の放り投げたバスタオルを拾い、
抱えた洗濯籠にそれを詰め込んだ。


 「お坊ちゃま」
 「頑張り過ぎは体に毒ですよ…たまの夜更かしは良いですが」
 「せめて、お風呂上がりは温かくしてください!ここの所冷えますから!!」


そして、君がポップコーンを齧ろうとしている横で、
男は手早く書類を拾い上げ、重ねて机に置いた。

  「失礼いたしました。ごゆっくり」

畳まれた毛布を君の脇に置き、静かに『男』は離れてゆく。

130斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/13(金) 00:33:54
>>129

 「やっぱりー?乾燥して寒い季節だと風邪とか怖いものなあ」

 「でも優秀な家政婦とか、メイドがいるとつい横着しちゃって、ねー。」

     ヒュンッ 

                ガキィン!

 「……ところで、そんなに急いで戻らずに、ちょっとお話してこうぜ」

 「そこまでしてもらって、茶の一つも出さずに帰すの礼を失するってもんだしな。」

全身に鎖を巻き付けた男が、ゆっくりと体を起こし、冷ややかな目で見据える
周囲のドアや窓の金具には、液体化した金属……のような物がへばりつき
開閉は破壊せねば不可能なほどに拘束されていた。

 「誰だ、オタク」 「ノックくらいして貰わねぇと、流石に『俺』も、ちと困るんだがよ。」

131常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2019/12/13(金) 02:46:35
>>130
男は君のほうを向いた。屈強な男だった。
そしてそう!斑鳩の察した通り、こいつはメイド服に身を包んだ『メイド』であった!!

 「『常原(ツネハラ)』でございます!」
 「ここの寮、などで家政婦をいたしております」

…『学園の裏事情』に詳しい君であるから、分かる。
君は、学園と密接な関係にある『清月館』が、『メイド』を雇っているなど聞いたことがない。
『部屋がいつの間にか綺麗になってて怖い』とかの噂なら聞いたかもしれない。
『しばし学生寮に現れる女装変態不審者』の情報なら…どこだったかで、確実に耳にした気がする。

 「お茶 ……身に余るお言葉ですが、洗濯をせねばならないので」
 「俺が『家事』をしないと、お坊ちゃまお嬢様型は来週も
 『洗っていないシーツ』でお休みになる羽目になってしまいます まったくだらしない!!!」


まるで何事もないかのように、開かなくなっているはずのドアに向き直る。
『常原』の手にはいつの間にか『鋏』が握られていた。

    [ギキキ…キュィィ……]

傍らには、小柄なヌイグルミのような、『ビジョン』。

132斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/13(金) 03:30:30
>>131

「…………」

目を背ける、視線を戻す、目の前にはやっぱりメイド服がある
何故か男性がそれを着用している、屈強な男性が、女性用のメイド服を、着用している。

――問題点が多すぎる。

 「さっき俺は『誰だ』って聞いたけどアレは訂正することにしたぜ『ツネハラさん』。」

 「『何だ』あんた。」

 「あ、因みにさん付けしたけど、これは別に親しくなりたいとか、尊敬からのさん付けではなく
 二度と関わりたくねえなあって感じの敬語だからよろしくお願いします。マジで。」

清月学園にも七不思議という物は有る
ただしかの学校はマンモス校、生徒の数だけ噂があり、8だったり6だったりするが
その中でも共通しているような事はある『ムキムキメイドさん』である、これが原因か、知りとうなかった。

 「というか待て、色々待て 何処から言っていいから解らねえから深呼吸をさせてください。」

割と知りたくなかった、そして今理解したくない事態が起きている上にかのメイドはスタンド使いに見える。
何でメイドなのか、メイドは神話生物であったのか、そんな物をデリバリーした覚えはない。

 (理解が追い付かねえ……。)

空を見上げたいが目に見えるのは天上であった
知ってる天井だ、助けてベンおじさん。

133常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2019/12/13(金) 21:23:03
>>132
「何、と仰られましても」
「俺は『メイド』ですよ……!?!?」

ツネハラは質問に若干困惑している。『見ればわかるでしょ…?』みたいな顔だ。

「関わりたくないなどと!悲しいですよ俺は」
「悲しいですが、お坊ちゃまがそうお望みであるなら…我慢いたします!」
「『今まで通り』、こっそり洗濯したりこっそりお掃除するに留めますよ!俺!」

斑鳩少年はこんなものデリバリーした記憶はない。ないのだが、
口ぶりからするにメイドさんはよくお部屋にサービスに来ているみたい。よかったね。

 「深呼吸しますよ俺も!」
  「すぅ――――――――――――――――」

      [チョキ チョキ]


ツネハラの大きな胸が膨らんだ。
メイド服は、フリルとかレースが付いてる感じの、
カワイイ目の装飾がついているやつだった。
胸元に若干だが露出がある。えっちだね。

      [キリ キリ ] 

後ろの『スタンド』は、鋏でドアを布か何かのように静かに切り裂いている。

 「―――――はァあああああッッッッ!!!!!!!!!」

メイド男が息を吐く。動作は静かなくせに声がでかい。

134斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/13(金) 23:27:01
>>133

 「いや、見ればわかるでしょ…?みたいな自分がルールブックみたいな面しないでくれます?
 見てわかんねぇから聞いてんだよ……!」

何故自分の語気が荒くなるのか、何故彼に平然と自らの行いを正当化されているのか

一つだけ解るのは自分のルールは通用しないと言う事だけだ、よくない。

 「っていうか今、『今まで通り』っつったか!言ったよな!
 嘘だろマジかよクソァ!!!この何かにパンツとか洗われたりしてんの、台所に出てくる『ホームステイ』より嫌だ!」


ショウは激怒した。必ず、かの 邪智暴虐 ( じゃちぼうぎゃく ) のメイドを除かなければならぬと決意した。
ショウには男装したメイドがわからぬ。ショウは、転校生である。
スタンドを持ち、仮初の友と遊んで暮して来た。けれども不審者に対しては、
人一倍に敏感でもないが自分がされる立場になるとは思わなかった、その鍛えられた胸筋見せつけるように動かすのやめろ
フリルと筋肉のコントラストが眼に毒どころか地獄である。


 「そして……」

          ヒュンッ

 「後ろでなにコソコソしてんだこの不審者がァァァ!」

         スパァン!

空中に放られた『鉄球』に振りかぶって鉄拳一撃

球体が波紋のように広がり鉄のカーテンと化すと、常原に被るように放たれた

掴まれば即座に結合して『一分の一ツネハラメタルフィギュア』が出来上がるであろう。


『俺』に敵を捕縛する気など無かった

でも殺すのが何か嫌なので警察に突き出そうと思った、初めての感情であった。

135常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2019/12/14(土) 00:05:10
>>134
 >         ヒュンッ

 >「後ろでなにコソコソしてんだこの不審者がァァァ!」


「鉄球!!あぶないですよ!!『ドリーム・ウィーバー』ッ!!!」

メイド男は、斑鳩の投げた球体を警戒し、
自身のスタンドを前に出す。

 >        スパァン!

 が、『ロスト・アイデンティティ』は『鎖』の能力。
斑鳩自身を縛る形で発現されるが、他人を縛る事だってお手の物。
たちまち、『等身大メタルメイド&メタルスタンド立像』の完成だ!見よこの肉体美。

「あッ なんの能力!!」
「…あちこちが…キツくて…!!!…絞まって!!!!ああっ!!!!」
「メイドめを縛り上げて!!!何をなさるおつもりで!!!『何』をっ!!!」
「くッ……お坊ちゃまっ!!!」

喘いだりしている。

136斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/14(土) 00:56:01
>>135

 (――攻撃して割と後悔しかけてんのも初めての経験だな。)

目の前で『喘いで動く!等身大メタルメイド&メタルスタンド立像』(税別)
を作り出したはいいが、冒涜的なメイド服が視界に入らなくなった代わりに
何故か後悔し始めていた、罪悪感とかでは決してなかった。

メイドの言動を華麗にスルーして携帯を取り出す

 「もしもし?パイセン?
 いやあ前の事はお互い水に流して……ところで変質者ってやっぱり粗大ゴミですかね?
 交番?いやあちょっと、逃げられそうなんで……。」

……しかし、こうして落ち着いて考えてみると少し妙にも思える
何故この人物は鍛え上げられた身体をしているのだろう?

育児は戦争だと言うが、スタンド能力と
鍛え上げられた身体を、こんな目的に使うとは考えにくい事だ、正気なら。

 (つまり、メイドになる前に何か別の目的で体を鍛えていて、その後にこうなった……?)

 「――だから何だっていうんだ。」

単に生まれた時から筋肉モリモリ、マッチョマンのメイドさんだ
そういう星の元に生まれてきた場合、今の推理が馬鹿らしくなるのが何か嫌だった

なので脳内ゴミ箱に捨てることにした
>そっとしておこう

 (大分息苦しい筈だと思うんだけど、元気だなあ……酸欠で大人しくなったら交番の前に捨てよう。)
 (いや、待てよ……?)

 「あー……ツネハラさん、逃がしてもいいけど『条件』がある
 貴方が知ってる『他のスタンド使い』の『名前』と『能力』、知ってるだけ言えば解除する事にした、どうだ?」

このメイドがこうして不法侵入するというなら、恐らく校内の生徒ほぼ全員が対象であろう
その中では自分と同じく、スタンドで対処した生徒もいる筈である

 「ついでにもう来ないでくださいね、ホント、お願いします。」

嘘をつかれる懸念はあったが
所詮蜘蛛の糸なので懐は痛まない……と思うことにした
そう思わなければやっていられなかった。

137常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2019/12/14(土) 01:27:34
>>136
君の発言を聞いて、金属メイドスタチューは動きを止める。

「かしこまりました…」
「『ですがお断りさせていただきます』」

 「ひとつ。斑鳩お坊ちゃまは喧嘩をよくなさるため、
  お洋服がすぐほつれ、ボタンもとれてしまうためです」

 「ふたつ。ほかのお方の『スタンド能力』をお教えする、
  というのは『品位』に欠くためです」

     ビ リッ

君の纏わせた『鉄の鎖』が、まるで『紐』でも切るかのように引きちぎられた。
中から常原が出てきた。可愛らしい装飾の『鋏』を持っている。


 「これだけはお教えしましょう 
  俺の能力は、『物体をヌイグルミのようにいたします』」

中で喘いでいたからか、メイド男は服髪が乱れ、上気していた。えろす。
そして、左目の『眼帯』が外れている。
左顔面に大きな切り傷の痕。メイド男は『隻眼』だった。

138斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/14(土) 13:35:31
>>137

 「成程、正論だ。」

言っている事は実に正しい

 「……じゃあ、その『品位』に来る前のノックとか不法侵入の拒否を期待するのは駄目なんですか?」

だがそれに行動が伴うとは限らない
その好例を垣間見た気がした

おまけに『鎖』が『紐』の如く断ち切られた
『ぬいぐるみにする能力』……人型の実体が出ていた所から、器物型では無い
おそらく、ここに入ってきたのも『壁』を『ぬいぐるみ』にしたのだろう、物音がしないのも道理である

 「――?別に『喧嘩とかした覚え』はないけど。 その、『外れやすいボタン』を治そうとするのも…困る
 それは僕のお祖母ちゃんにやってもらわなきゃいけない事なんだ、理由は言わないけど。」

隻眼の事は気にしないことにした、僕に事情がある様に、彼にも事情があるのだろう
態々眼帯で隠そうといているソレを追求する事は彼の言う通り、『品位』に欠ける。

 「だから、清掃と洗濯までなら……まだ……ゆ……」

それはそれとして直視したくないのもあった。

 「くっ!負けるな僕!立ち向かえ僕!恐怖を燃やすんだ!
 たかが野郎のメイドが押しかけてきてるだけだ!!斑鳩翔はうろたえなぁい!」

両親の、ひいては自分の為に戦うと決めていた、影と鎖はその為の力だと思っていた
でも予想外の出会いに心が折れそうだった。予想できるかこんなもん。

 「清掃と洗濯までは許すし、何なら不法侵入の件も許すから、ボタンなおすのはやめろ……大事な家族の事情なんだ」

首を絞められた雄鶏が絞り出すような声は震えていて
悪魔に魂を売り渡した気がした

実際にはメイドだが。

139常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2019/12/14(土) 14:47:16
>>138
「ん、喧嘩はなさらない?」
「……あっその『鎖』 それが若干お洋服に擦れて…るんですかね!? 
 鎖がお坊ちゃまのからだから生えてるように見えましたが…
 不思議!!!!不思議ですよ!!!」

乱れた服を整えながら眼帯メイド男はひとり納得している。
不思議なのはこいつの方だ。

「メイドというのは、悟られ過ぎず静かにに仕事をするものです 
 よって、ちょっとぐらいの不法侵入は業務のうち!!!日常茶飯事!!」
「瀟洒に!!!そして静かに!!そのうえ『可愛く』!!!!」
「それが現代のメイドですよ!!!!!!!」
「時代は『ポリティカル・コレクトネス』!!!!
 看護婦もキャビンアテンダントも男性の仕事になりました!!!
 現代のメイドだってそうなんですよ!!!!」

斑鳩のお察し通り、この男『倫理観』とかが狂っている。
こんなのに出遭ってしまった運命を呪うといい。

 「………『家族』」
 「………それを言われると弱いですね」 

「…
 夜更かしは控えてくださいね!!
 スナック菓子ばっかりじゃなくてお野菜とお肉をしっかりたべて下さい!
 シーツはしっかり洗ってくださいよ!!
 制服のシャツはしっかり洗ってください!
 首の裏の黒ずみは石鹸でこすってあげて!!!
 アイロンもしっかりかけるんですよ!!
 ボタンが外れたら自分で直してくださいね!!!」

「以上!!!!!!俺からは以上です!!!約束ですよ!!!!」

斑鳩翔は悪魔との契約に成功したようだ!!

140斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/12/14(土) 20:24:57
>>139

 (早速現代のメイドの三つ目あたりを違反してるんだがそれはいいのか?)
 (というかまずポリコレ以前に性別が違うんなら、執事で良かったろ。)
 (不法侵入が日常茶飯事とか公言したら仕える先は留置所だぞ)

等々の台詞を忍耐と下唇を犠牲にぐっと飲みこんだ、血の味がする
もう一々あげつらっているとキリが無いからだ

彼は僕をツッコミによる過労死にさせるためにきた、ボケ星人当たりに違いない。
ここは華麗にスルー……

 「――お前は俺の母親かァ!」


……出来なかった、要項の多さが理不尽だったのではない、世話を焼くための要項が
隣にいない母親と祖母がダブって地雷を踏みこんだような物だった。


 「クソァ!しかもこいつ妥協してるように見せかけてほぼ妥協してねぇ!」
 
 「あ、今自分で『母親』って言って何かイラッてきた、殺す。」

当初の困惑で堪忍袋の緒は既に切れていたが、一周回った冷静さが怒りが再燃させてしまった
なまじ会話を試みたのが斑鳩の間違いだったのかもしれないが、彼は子供だったのだ

ヒュン ヒュンヒュンヒュン…シュヴォォォーッ!

回転する銀の円盤……鎖のスリングから、無限の鉄球が放たれ
斑鳩の視線上が『穴開きチーズ』か『レンコン』のようになるまで5秒を切っていた。

141常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2019/12/14(土) 21:27:08
>>140
> ヒュン ヒュンヒュンヒュン…シュヴォォォーッ!

「……ははははは!!!お坊ちゃまは恥ずかしがり屋さんですね!!!!」
「では洗濯をしてきますからね!!!俺は!!!」

メイド男は冷や汗をかきながら後ずさり、鋏でドアに開けていた裂け目に体を突っ込んだ。
中国雑技団かなにかのように柔らかく、素早く体をねじりこみ、
部屋から脱出していったのだった。宇宙人のような男は去った。
洗ってないバスタオルは畳んで置いて行った。

       シーーーーン


 「ボタンの付け方がわからなかったら
  いつでも聞いていいですからね!!!!俺に!!!!」

…最後に遠くからあの犯罪者の大声が聞こえた。

142ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/12/23(月) 21:15:50

トトトトトト……

学生寮の前を、小さな犬が歩いている。
黒毛のチワワだ。
首輪を身に付けているが、近くに飼い主は見当たらない。
そこに刻まれた名前は『DEAN』。
首輪にはリボンが付いていた。

(ここは――生徒が寝起きする場所だったな……)

        キョロ キョロ

何食わぬ顔で辺りを見渡す。
誰もいなければ、ちょっとばかり中を見てみようかとも思った。
ヨシエはここにいないが、もしかしたら将来入るかもしれない。
今の内に調べておく意味は、一応ある。
もし誰かいたらいたで――まぁ、適当に誤魔化せばいい。

143小林『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2019/12/23(月) 23:06:07
>>142

『機動阻止システムって言ってな。
アメリカが研究してる致死性兵器。ジョーの能力と噛み合うだろ?』

「えぇ。然し、アレ等の成分はポリアクリルアミドが入ってますしね。
発がん性が心配ですし。普通にワックスなり何なり購入すべきだと思うが」

『ローションでも箱詰めで買うほうが安上がりかもなぁ。
まぁ、とりあえず実践して作って効力を確かめようぜ。
幸い沢山の水と洗剤少々混ぜれば出来るんだし』

  ジャブジャブ……。

貴方(ディーン)が学生寮の庭あたりを散策すると
何やら幾らかの洗剤、そして其の一本を大き目のバケツに入れて
攪拌している高等部の制服を着た二人組を見かけた。
一人は茶髪で不良めいた装飾、もう一人は学生服をバンカラ風に
着こなしており。普通の寮住まいの学生と言うには些か気風が異なってる。

ヤジ「お? ジョー、犬っ チワワだぜ、あれっ。最近誰か飼い始めたん?」

小林「いえ……私の記憶には思い当たりませんね。迷子では?」

不良風の男子が、先に気付いて貴方(ディーン)を指し声を上げる。
バンカラ風に着こなす男子が貴方(ディーン)に近づいて来る。

144ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/12/23(月) 23:34:02
>>143

(ここを住処にしてる人間か……)

(どんな奴か知らないからな。距離を置くか……)

(この前の『鎖』を使う奴みたいに、
 得体の知れない人間の可能性も――――)
 
(なくはない、か)

      トトト

小林が近付くと、チワワは少し離れた。
警戒しているのかもしれない。
しかし、吼えたりする事はなく、至って冷静な態度だ。

(『住人の質』で『場所の質』も分かる。
 この二人も『治安のレベル』を知る参考にはなるか)

奥の人間と手前の人間に、交互に視線を巡らせる。
それからチワワは小林を見た。
何故なら、こちらに近付いて来ているからだ。

(奥の奴――ああいう身なりは『治安の良くない場所』に多い。
 …………『マイナス』だな)

145小林『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2019/12/24(火) 00:08:13
>>144

貴方(ディーン)は小林が近づくと同等に間合いを置く。
 それに、マイナスポイントの評価を頂いた不良風の恰好の
青年は眉を顰めるでもなく、へぇーと声を上げつつ感想を述べる。

ヤジ「やっぱ、どっかの飼い犬かね? 唸ったり吠えたりするでもなく
ジョーや俺の事を逐一観察してるっぽい感じだしよ」

こりゃ、かなり飼い主が賢いか。その犬の先天性だなと評価を不良は下す。

小林も立ち止まり、それ以上貴方(ディーン)に近づく事は止めて
評価する人物のほうへ踝を返す。

小林「じゃあ、この子はスタンド使い?」

ヤジ「ハハ、それだったらヤベェな。動植物の有するスタンドってのはさ……
霊長類である俺達と違って、犬とか他の生き物ってもろ自然の過酷さを
影響受けるだろ? だから結構危険な代物が多いんだってよ」

所属してる所の受け売りだけどよ、と不良青年は付け加え
バケツに洗剤を混ぜる作業を続けている。
 どうやら、彼等二人。随分スタンドに精通してるような感じでもある。

小林「そう言えば、つい最近にカフェで謎を好む方と知り合いましたよ
彼も動物でしたね」

ヤジ「へー? そりゃ犬かい」

小林「いえ、違いましたが……」

ヤジ「おっと、答えは言わなさんな。自分で正解してぇ
……うーん、お前の行きそうな動物喫茶とかだと
まさかまさかの熱帯魚とかアロワナとかが?
違う? それじゃあウミヘビとか?」


小林「海魚類から離れてくれないかな」

男子二人は、貴方から注意を逸らし雑談を繰り広げてる。
 どうやら、一人は貴方とは違う動物のスタンド使いと知り合いのようだし
もう一人は何かの組織に加入してるようだ……。

146ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/12/24(火) 00:38:08
>>145

(『スタンド』について詳しい連中――――
 それだけじゃあ良いとも悪いとも言えない)

(今の所『危険人物』じゃあないな。
 もっとも、それも『確証』はない訳だ)

     トトト

(なら、『そこ』を探ってやるか)

チワワが近付いてくる。
相手は犬だ。
人間と比べて表情は分かりにくい。
そもそも、この犬は表情豊かな方ではなかった。
何かを観察しているように、二人のやり取りを見ている。

          トスッ

そして、チワワは二人から少し離れた位置に座った。
興味を引く話も幾つかあった。
『人間以外のスタンド使い』は見た事がないが、
俺の他にも存在するのは当然だ。
『組織』にしたって、『固体』が増えれば、
『群れ』が出来るのは自然な流れだろう。
まぁ、それはいい。

(さっき、片方は俺に近付こうとしていた。
 だから今度は俺の方から近付いた)

(――――『餌』は俺だ)

147小林『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2019/12/24(火) 01:00:08
>>146

小林「? ……また近づいてきましたね。
我々のしてる事に関心がある……?」

ヤジ「餌が欲しいって感じでもねーよな。
まっ、襲い掛かって来る訳でも無いし」

放っておいていいだろ、と不良の装飾をする青年は
バケツに洗剤を混ぜる作業を続けている。

小林は、貴方(ディーン)をしげしげと眺め
唐突に気づいた表情をして呟いた。

小林「首輪が見えますね。D E A N……ディーンが
この子の名前でしょうか?」

ヤジ「おいおい、清月の学生寮にわざわざ学部長(dean)さんが
お越しってかよ。素行の悪い不良の俺達を注意する為に遥々来てくれたってか」

小林「余り笑えるジョークじゃ無いな」

ヤジ「そりゃ、笑わせる為にやってる訳でもないし。
それよか出来たぜ、ジョー。ちょいと触れて実行してみな。
大分ぬめり気はあるけど、その能力も問題ねぇだろ」

ジョーと呼ばれる青年は、えぇと告げるとバケツに手を触れる。
すると、『丸い水槽のようなものにブリキ金魚が漂う』スタンドが
宙に浮かび上がったのが貴方(ディーン)にも見て取れた。
だが、直ぐにその水槽もバケツに戻した。

ヤジ「まぁ、問題ねぇな。それじゃあ何時も一個は携行する感じか
適当な水筒に入れておく感じでOK?」

小林「持っていて職質を受けた時、どう返答するんだい。
それなら何かあった時、適当な空き家なりでワックスか洗剤なり
入手するほうが早いんじゃないか」

ヤジ「別にワックス持ち歩いても、不審がられねぇだろ。
ジョーの場合は普段でも少々変わってるって思われてんだから問題ないって」

軽口を叩き笑う不良に、少し呆れた表情で向かい合う青年は
溜息と肩を竦める仕草を小さく行う。

どうやらバンカラの青年のスタンドをテストしてるようだが……。

148ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/12/24(火) 01:18:42
>>147

『ディーン』という名前を聞いて、二人を交互に見た。
どうやら、その名前は『正解』のようだ。
それから、チワワはバケツに視線を向ける。

(『水』か……。
 わざわざバケツから出した所を見ると、『水』が必要らしいな)

座ったまま、『テスト』の様子を眺める。
どうやら、あれは『実体化』しているようだ。
それなら、『見えていても』おかしくはない。

(まぁ――――『何をするか』見せてもらうか)

しかし、水が勝手に浮き上がったのを見れば、普通は驚くだろう。
この『ディーン』には、そうした様子は見られない。
肝が据わっているのかもしれないし、暢気なだけかもしれない。

(攻撃されるような事は…………恐らくないだろうが、
 うっかり『とばっちり』が来ないとも限らない)

密かに四肢に力を込めておく。
何かあった時に、即座に動けるようにするためだ。
その必要がなければ何よりだが。

149小林『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2019/12/24(火) 22:31:14
>>148(レス遅れすみません)

ヤジ「……ジョーの推察が正しいのかもな。
普通、見え辛いとは言えバケツからヒャポン見たいなもんが
唐突に浮かんできたら、何かしら反応するが。
その学部長さんは『その反応自体抑えている』ように見える」

小林「では何の用件で此処に来たのでしょうね。
誰かしら救援を求めてるにしては落ち着き払っている。
単純に物見雄山 又は君が述べる敵対組織が愛玩犬のフォルムを
活かした偵察犬なりを敵情視察で寄こしたとか?」

ヤジ「んー……身元割れてんなら、普通に襲撃するのが早いと思うが」

不良青年は、複雑そうに貴方を数秒見て。頭を掻いて、勘括るのも良くねぇと
呟きつつ開かれた寮のほうに横に置かれてる何か大き目のものを外のほうへ引っ張り出す。

――モミの木だ。

ヤジ「そんじゃーお願いするぜジョー。
学部長さんも少し下がってなよな」

ジョーと呼ばれる青年は、はいはいと言いつつ先程と同じ浮遊させた
ソフトボール大の水槽を五つほど直列に並べてモミの木から
庭の中央までのルートに水槽を移動させ、暫くしてピシャピシャッと
水槽が解除されて、幾らかの洗剤の香りが地面に漂う。

幾らかの人数が居ないと持ち運ぶのが難しいサイズの木だが
摩擦を無くさせた地面なら、二人掛かりで倒さず押して移動させるのも
容易に執り行える。その為のバケツでの滑りやすい液体作りだったのだろう。

ヤジ「夜になれば、イルミネーション付けて此処らへん煌びやかだぜ」

小林「一先ず、寮の何人かには取り付けの声掛けをしますよ。
……ディーンさんも、お知り合いの方が居ればご自由に見に来てください」

貴方(ディーン)に気を遣ってか、小林は丁寧に夜にでも
飾りつけで満点の夜空に綺麗なクリスマスツリーが出来るだろう場所への
許可をした。尤も、貴方は誰の許可など貰う事など無いのだし 
人間の男の勝手な発言ではある。

150ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/12/24(火) 23:33:28
>>149

    ピクッ

(悟られたのか?カンが良いというか……)

(言われてみれば、『ノーリアクション』なのは不自然だったな。
 『驚く演技』ぐらいするべきだった)

(もっとも、まだ『能力』を知られた訳じゃあない……)

俺は人間に買われ、人間に捨てられ、人間に拾われた。
俺の能力が『人間』を必要とするのは、
その辺りに関係があるのかもしれないな。
妙な因果だが、身に付いてしまったものは仕方がない。
結局の所、俺は『人間達の世界』でしか生きていけないんだろう。
俺は、それを『定め』として受け止めている。

          ポウッ

首輪に結ばれている『リボン』が淡い輝きを放った。
『水槽』と同じく『実体化』しているので、ヤジにも見える。
しかし、次に起こった事はヤジには分からない。
小林は『声』を聞いた。
それは、『スタンド使いだけにしか聞こえない声』だ。

《……気が向いたらな》

《俺は『敵』でも何でもない……。ただ『見物』に来ただけだ》

《アンタに『縄張り』を仕切る権限はなさそうだが、
 親切には感謝する。それだけ言いたかった》

《――――じゃあな》

        フッ
              トトトトト…………

別れの挨拶を告げると、『リボン』から光が消えた。
そして、チワワは立ち去っていった。
その夜、一人の女性に連れられた『幼い少女とチワワ』が、
ツリーを見物に訪れていたという話だ。

151三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/01(土) 21:39:14

    ザック ザック
              ザック ザック

学生寮の裏手――そこに『何か』がいました。
フードを目深に被り、シャベルを携えた人型のスタンドです。
延々と地面を掘り続ける姿は、『墓堀人』を思わせました。

    ザック ザック
              ザック ザック

千草は考えていました。
自分に出来る事は何なのか。
それは『墓穴』を作る事です。
だから、こうして穴を掘り続けているのです。
始めてから、かれこれ二時間程になるでしょうか。

    ザック ザック
              ザック ザック

『闇を覗く時、闇も覗いている』という言葉があるそうです。
この穴の奥を覗いたら、誰かが覗き返してくるのでしょうか?
もしそうだとしたら――その何かとは何なのでしょうか。

    ザック ザック
              ザック ザック

それを確かめるために、
今こうして『墓穴』を掘っているのかもしれません。
『墓穴』は相当な深さになっています。
でも――その『何か』は、まだ見えてきません。

152常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 00:40:01
>>151

  ザッ    ッ

後ろで、『落ち葉』をはらう音。

   ザッ    ザッ

……君の掘っている穴のそばに『落ち葉』が寄せられている。

 「お体はお冷えになっておられませんか?」
 「あたたかいミルクティーを持ってまいりましたよ」

君の視界に竹ぼうきを持った大柄な男の姿。
『ムキムキ』で『メイド服』だ。

153三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 00:59:00
>>152

「えっ」 「あっ」 「はい」

その姿に驚きました。
『突然』だったもので。
その時は、格好までには考えが至っていませんでした。

「あの――」 「その――」

『墓穴』は消してしまった方がいいのでしょうか。
ですが、急になくなるというのは不自然です。
短い時間の間に考えて、今は残しておくことにしました。

「ありがとう――ございます」

    ペコ

お言葉に甘えて、お茶を頂きましょう。
それで少しは落ち着けるのではないでしょうか。
頭の中が混乱していて、それ以上は考えが進みませんでした。

154常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 01:25:26
>>153
 「いえいえ」

突然やってきた男は、箒を傍らに立てかけた。
ピンク色の魔法瓶を取り出し、プラスチックのコップに中身を注ぐ。

 「どうぞ」

コップを君に手渡してきた。
『ミルクティー』のようだ、湯気が立っている。甘い香りがする。
にこやかに笑う筋肉メイド男は片目に『眼帯』を付けていた。君が混乱するのも無理はない。

 「こちらこそ ありがとうございます!!」
 「枯葉のやり場に困っていたので!!!!」

155三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 01:42:36
>>154

「――いただきます」

ミルクティーが喉を通っていきます。
甘さと温かさで気持ちが落ち着いてきました。
後ろの『墓堀人』も、シャベルを地面に突き立てて休んでいます。

「その――この『穴』は……」

心の中で、どう説明しようかと思いました。
上手い言葉が思いつきません。
でも、その必要はなかったみたいです。

「そう……ですか?」

「少しでもお役に立てたのなら嬉しいです」

    ニコ

「あの、おかしな事を言ってしまったらすみません」

「ええと――『何か』……見えていますか?」

もしかすると『見えている』のでしょうか。
確認のため、『墓堀人』が動きます。
シャベルを肩に担いで、壁際の方向へ。

156常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 02:06:07
>>155
君はよくわからない男が手渡してきた
よくわからないミルクティーを警戒もせずに飲んでしまった
砂糖がたっぷり入っているようだ。甘い。

……毒とかは入っていないみたいだ。
三枝の体は温まった。変なことは起きない。

    ザザザァ―――ッ

男は、君の掘った穴に『落ち葉』を流し込んでいる。

  「何って、なんです?」
   「なにか危険でもございますか?」
 
     ザザァ―――ッ 

竹ぼうきで大量に流し込んでいる。みるみる穴が埋まっていく。
そのあいだ、男は、その片目が『墓掘人』を追っているのが、
三枝には明らかに見えた。

  「ああ、穴は、危ないです」
  「しっかりふさいでしまいましょう!」
  「あぶなくなければ、良いのです」

157三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 02:22:35
>>156

「いえ、危ない事はないと……思います」

『穴』が埋まってしまいました。
その奥に『何か』が見えるかと思っていたのですが。
見えなくなってしまいました。

「そうですね」

「埋めてしまえば――危なくないです」

でも、この『墓穴』が誰かの役に立ったのです。
その事実こそが、千草の探していた『何か』かもしれません。
もしそうなら、きっと『意味』はあったのでしょう。

    カツンッ

墓堀人がシャベルを地面に打ち付けました。
その直後、『穴』は跡形もなく消えてなくなりました。
中に詰め込まれていた枯葉を道連れに。

「――――これで『危なくない』ですね」

158常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 02:42:52
>>157
男は墓掘人のすることを静かに見ていた。

「―――はい!!!!!安全ですね!!!」

眼帯ムキムキメイド男は君に向き直った。

 「寮生のみなさまの身を (無許可で勝手に) 預かる身としましては」
 「あぶない事は見落とせないのです」

 「この寮には『変態の不審者』が出没するという話も!!ございます!」
 「なにか危険がございましたらこの『常原』にお任せを!!!俺に!!!!」

どうやら男の名は『常原』というようだ。ひとり張り切っている。

「……ところでお体は冷えていらっしゃいませんか?」
「お嬢様、ずっと掘っていらしたので……」
「屋内に戻られては如何でしょうか」

159三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 03:08:09
>>158

「『常原さん』とおっしゃるのですか。覚えておきますね」

    ニコリ

『不審者』というのは、『危険な人』という意味でしょう。
常原さんはミルクティーを下さいましたし、励ましてもらいました。
改めて見ると、少し変わった格好のように見えますが、
きっと『良い人』でしょう。

「『三枝千草』と言います。『三つの枝』に『千の草』と書きます」

           ペコリ

その姿は、『少女』にも見えるし『少年』にも見えました。
声質も同じような雰囲気です。
どうやら、平均よりも大分成長が遅れているようです。

「――そうですね。では、そろそろ部屋に戻ろうと思います」

少しぼんやりしていたせいで、
一部を聞き逃してしまったかもしれません。
具体的に言うと、
『身体が冷えている』と『ずっと掘っていた』の間くらいです。
でも、聞き返すのも失礼なので、挨拶しましょう。

「常原さん、ありがとうございました。美味しいお茶でした」

            ペコ

いつの間にか、『墓堀人』も消えていました。
そして、そのまま寮に入っていきます。
最後に、入り口の前でもう一度お辞儀をするのを忘れずに。

160今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 00:48:29

――――今、『私の部屋』にいるんだ。


          がら
              ん


っとした、何もないフツーの部屋なんだけどね。

引っ越してきた、ばっかりだから。
でもここが今日から私の世界なんだ。
家具とかも、後から届く予定。

友だちにも『ここに来た』ことを連絡した。
だから今は、別に何もせずに、誰かが来るのを待ってるんだ。

161???『???』:2020/04/07(火) 01:10:20
>>160
       〜〜〜♪

その時、外でドアのチャイムが鳴った。
『誰か』が来たようだ。
呼んだ相手かもしれないし、家具が届いたのかもしれない。

162今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 01:14:07
>>161

           『ぱち』

私は動き出す。

「はーいっ」

家具かな? 人かな?
どっちだって、嬉しいよね。
どっちも私が呼んだんだ。

だから急いでドアの前に立って、『覗き窓』から外を見た。

163夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/07(火) 01:31:03
>>162

覗き窓から外を見ると、寮の廊下が見えた。
そこには誰もいない。
と――――。

      バ ッ

死角になっていた覗き窓の真下から、『誰か』が立ち上がる。
見覚えのある姿が、覗き窓の向こう側を見返している。
そう!!ワタシだ!!
イズミンがひっこししたんだってよ。
じゃあ、おいわいしにいこうぜ!!ってカンジできたぜ!!

      パクパク

以上の心中を、無音の『口パク』で語る。
イミ?ねーよ!!
これでも伝わるかなと思ったけど、
たぶん伝わらないから開けてもらおう。

164今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 01:37:42
>>163

「ああ」

            ガチャ…

「こんにちは、ユメミンっ」
「どうぞどうぞ上がってください〜。我が家に!」

ドアを開けて、出迎える。
ユメミンは一番に連絡した部類だと思うんだ。
そしたら一番に来てくれた。

こういうのが『嬉しさ』ってやつだよね。

「何もないところですけども……」
「ほんとに何もないですよ、まだ」

言葉通り、本当に何もないんだ。
どこにでも座れるし、寝転がれる真っ白な部屋だ。
備え付けの家具とかはあるけどね。

「いや〜、今日はうちに来てくれてありがとうございますっ」

165夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/07(火) 02:24:48
>>164

「――それでは、おジャマいたします」

こういうのはハジメがカンジンだし、さいしょはテイネイにいこう。
イズミンのあたらしいスタートだし。
まあ、はいったあともテイネイをたもてるホショウはないけどな!!

          「うおッ」

       「おおおおおおおおッ」

   「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

部屋の中央まで来たところで、室内を見渡しながら一回転する。
絵の描かれていないキャンバスのように、真っ白で何もない部屋。
未来に繋がる部屋。
『これから』に溢れた小さな世界。
こういうのを見ると、何だか無性にワクワクしてくる。

「いやぁ〜〜〜『イイ』!!
 なんか、こう……『ミライがいっぱい』ってカンジ??
 ついついたのしくなってくるね〜〜〜」

「これから『アレ』とか『ソレ』とか、いろんなモノがふえていくワケだ。
 あ!!もちろん『コレ』もわすれちゃいけないな!!」

       ドサッ

そのまま部屋の真ん中に座り込む。
持ってきた荷物は隣に置いておこう。
中身は『コレ』だ。

「きょうはさぁ〜〜〜『おいわい』しようとおもって。
 イズミンに『プレゼント』よういしたんだ〜〜〜」

          キョロ キョロ

「ココって『トケイ』ある??
 まぁ、トケイはいくつあってもこまんないからダイジョーブ!!
 『トキはカネなり』っていうし」

「『ジカンをおしえてくれるトケイはオカネみたいにやくにたつから、
 あればあるほどウレシイ』!!」

「――――ってイミの!!」

           ゴソ ゴソ

「ババン!!これぞ『ハトどけい』!!
 いちじかんおきにでてきてジカンをおしえてくれるカワイイヤツ!!
 よるのあいだは、ハトにねてもらうキノウつき!!」

取り出したのは、シンプルなデザインの『鳩時計』だった。
何がいいか悩んだ結果、選んだのが『時計』だった。
そして時計コーナーを見て回っている時、
ビビッと来たのが『鳩時計』だったのだ。

166今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 23:05:45
>>165

私は何もない部屋の真ん中に立つ。
それから、ユメミンが座ったのに合わせて座る。

「プレゼント!」
「わ、なんですか〜」「楽しみですっ」

「時計はないですねえ、スマホありますし」
「あ〜、あと目覚まし時計なら」
「時計のプレゼント、なんですかっ?」

「って」

そして現れた物を見たんだ。
それが何か、ユメミンが言うまで気付かなかった。
だって名前は聞いたことあるけど、見る事あんまりないよ。

「鳩時計」
「え、ほんとに出てくるやつですかっ?」「ハトが」

眺めてみる。

「え〜〜〜どうしよう、これ、『嬉しい』です」
「ありがとうユメミン」

それから持ち上げてみる。

「どこに飾ろうかな……どこにでも飾れちゃいますもんねえ」
「ほんとに、未来がいっぱいで」「きっと楽しいと思いますっ」

「……あ、お菓子とか食べますか? 甘いものしかないですけど」

167夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/07(火) 23:58:16
>>166

「そうそう、『そのハトどけい』。
 ウワサにはきいていたが、ジツザイしていたとは……。
 セカイはひろいな!!」

「――――だいじにしてね!!」

鳩時計をイズミンに手渡した。
喜んでもらえて良かった。
イズミンがうれしいとユメミンもうれしい。

「イズミンのスキなトコにかざってくれ!!
 どんなインテリアにもあうように、シンプルなヤツをえらんだから!!
 おてごろなサイズだから、つくえにもおけるし……」

「あ、そうそう。『ココ』おしたらおためしできるんだった。
 いざ!!『ハトがでてくるボタン』!!」

     ポチッ

鳩時計は、大きすぎず小さすぎない程々の大きさだった。
それから、裏側にあるボタンを押してみる。
モニター機能というやつだ。

  サラサラサラ…………
           
         クルッポー クルッポー
                     
                 パタパタパタパタ

小川のせせらぎが流れ、小窓から出てきた鳩が羽を動かしながら鳴いた。
それを興味しんしんな様子で見つめる。
実は、自分も実際に見るのは初めてだったのだ。

「コレはいやされるな〜〜〜。ジツにイイかいものだった!!
 あ、オカシ??たべるたべる!!メニューはナニかな??」

168今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/08(水) 01:17:18
>>167

「机に置くのもいいですね〜」
「壁に掛けようかなって思ってたけど……」
「お試しを見てから考えようかな」

  サラサラサラ…………
           
         クルッポー クルッポー
                     
                 パタパタパタパタ

「おお〜っ」
「こういう感じなんだ」
「お洒落ですねえ」

本格的な感じだ。
確かに、癒される気がする。
1時間おきに鳴るとしてもびっくりしなさそうだ。

「勉強中に出てきたら時間の意識できそうだし」
「壁よりは机かな〜」
「いやあ、いいものをありがとうございますっ」
「大事に使いますよ!」

         ニコ…

私は笑う。

「あ、お菓子は『クッキー』がたくさんあるんですっ」
「お腹すいたら食べようかなって思って、買いすぎちゃいまして……」

どれくらい食べ物を買ったら良いかとか、難しいんだ。
お腹は減るけど、クッキーしか食べないわけにはいかないし。栄養とかね。

169夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/08(水) 01:39:38
>>168

「おっイイね〜〜〜。クッキーたべよう!!」

「あ、『クッキー』っていったらさぁ…………。
 ちょっとまえ、『バレンタイン』あったじゃん??
 そんで、『イカルガくん』にチョコあげちゃったよ〜〜〜」

「てづくりのヤツ。われながらイイできばえだったな〜〜〜。
 ハジメテにしてはじょうできだった!!」

「せっかくのイベントだし、あげたときのハンノウもみたかったし。
 まぁまぁのリアクションだったかな??」

取り合えず喜んではもらえた。
ただ、彼のナゾを解く手がかりのような反応を期待したところもある。
そういうイミでは、パーフェクトとは言えない。

「まあ、いっか!!きになるモノは、ほかにもイロイロあるし。
 このまえは、こうえんで『カマキリ』みたんだ!!
 こういうカンジのヤツ」

     ササッ

両手を上げて、『カマキリのポーズ』をしてみせる。
そういえば、アイツにはにげられたんだった。
いつかリベンジせねばな!!
とはいえ、みたいものはまだまだある。
たぶんリベンジするのは『2せいきご』くらいになるとおもう。

「そしたら『クロガネくん』が…………。
 イズミン、『クロガネくん』ってしってる??」

170今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/08(水) 11:48:22
>>169

立ち上がって、備え付けの棚からクッキーを取った。
白い箱に入った、丸いクッキー。
真ん中にジャムがついてるやつだ。

「へぇ〜、イカルガ先輩に!」「しかも手作り!!」

イカルガ先輩。
あの人の『秘密』をユメミンは知ってるのかな。

「いいですねえ、バレンタインしててっ」
「私もクラスの男子には配りましたけど」
「フツーに、手作りはしませんでしたし」

どっちにしても、口には出さないようにしないとね。
顔には、出そうと思わなきゃ出ないし。

それにしても手作りチョコなんて、やっぱりユメミンは行動力が凄い。
本命だったりは……しないんだろうな。相手がイカルガ先輩だし。

「バレンタインからカマキリ……あは、落差がありますねっ」
「ユメミン、虫も好きなんでしたっけ」
「私はフツーですけど」

「クロガネ……『剣道部の鉄先輩』ですよねっ?」
「剣道が強いのと〜」「あと」「『女子が苦手』で有名な……?」

「鉄先輩が、カマキリをどうしたんですっ? 竹刀で倒しちゃったとかですか?」

171夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/08(水) 19:57:01
>>170

「そうそう、そのクロガネくん!!」

「ワタシがもりのおばあさんにケーキをとどけようとしてたんだ。
 そしたら、『きょだいカマキリ』があらわれてさぁ〜〜〜。
 ちょうどクロガネくんがやってきて、
 『カマVSしない』のたたかいになったんだ!!」

「ソウゼツなしとうのすえに、イガイなシンジツがあきらかに!!
 ジツはカマキリはオナカがすいてて、
 ケーキのニオイにつられてでてきちゃったんだ。
 それで、ワタシがケーキをわけてあげて、いっけんらくちゃく!!」
 
「――――そんなんだったらオモシロかったんだけどね〜〜〜」

見つけたのは『ただのカマキリ』だった。
それでも、ナマで見たことのなかった自分にとっては大きな発見だった。
しかし、セカイはひろい。
みあげるような『きょだいカマキリ』が、どこかにソンザイするかもしれない!!
たぶん『ジャングルのおくち』とか『ぜんじんみとうのヤマのうえ』とかに。

「ホントはね、
 『カマキリをカンサツしてるユメミンをクロガネくんがカンサツしてた』ってだけ。
 そしたらカマキリがにげちゃったから、かわりにクロガネくんをカンサツするコトにした。
 なかなかたのしかったから、カマキリとイイしょうぶだな!!」

「そういえば、クロガネくんとイカルガくんってトモダチらしいよ。
 なんかイガイ…………でもないか??
 いや、やっぱイガイ??」

172今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/08(水) 23:24:20
>>171

「ええ〜。森のおばあさん?」
「まあ、ケーキはみんな好きですもんねっ」
「おばあさんも」「カマキリも」

前半の話は、笑って頷いておく。

「……あは、やっぱりそういう展開でしたか」

ユメミンのこういうノリには慣れてきたんだ。

「それにしても、鉄先輩が観察ですか」
「それも、ユメミンっていう『女子』を」
「うーん」「何だろ」

もしかして、好きとか?
好きだから見てるってタイプにも思えない。
女子は苦手らしいけど、苦手なりにちゃんと言いそう。

わかんないけどね、人の『こころ』なんて。

「イカルガ先輩と仲良しなのも意外……かも?」
「雰囲気は違うっていうか」「文化系と体育会系?」

「ちなみに、なんで観察してたか言ってましたっ? 鉄先輩は?」

クッキーの缶を開けながら、気になったところを聞いてみるんだ。

173夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/08(水) 23:53:08
>>172

「ん〜〜〜なんでだろね??
 クロガネくん、ナンかいってたっけ??」

思い出してみる。
あのトキは、カマキリをおいかけてて……。
そしたらスマホがなって、ふりむいたらクロガネくんがいたんだっけ??

「たいしたコトはしてなかったよ。
 ユメミンが『ほふくぜんしん』してたくらいで」

「それで、きづいたらクロガネくんがいたってカンジ。
 クロガネくんとは、まえにもあったんだけど。
 さいしょが『ジンジャ』で、つぎが『ゲーセン』だっけ??」

「イズミンはどこであったの??クロガネくんと」

    ヒョコッ

立ち上がって、缶の中身を覗き込みながら尋ねる。
『ガッコー』かな??
どうでもいいけど、ハトどけいのハトってジツは『カッコー』らしいぞ。

174今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/09(木) 00:04:25
>>173

「な、なるほど〜〜〜」
「何となく分かりましたっ」

ユメミンがフツーじゃない事してたから観察してたんだ。
謎が解けてしまった。やっぱりユメミンはすごい。

「へえ、神社にゲーセンですか」
「ゲーセンはちょっと意外ですねえ」
「でも不思議ではないか」

遊ばない人、ってイメージではない。

「私はフツーに学校で、ですね〜」
「前から知り合いでして」
「そんな面白い出会いとかではないんですけどっ」

ユメミンの程、面白くはない。
でも、初対面のときの鉄先輩はある意味面白かったかも。
そんなこと言ったら失礼なんだけどね。

「そういえば、前に会った時……え-と」
「『烏兎ヶ池神社』? の巫女さんと知り合いとか言ってたかな」
「あの、パワースポット神社のっ」
「って私は行った事ないんですけども」

それに見たこともないけど、『スタンド使いの巫女』らしいんだ。

「ユメミンが会ったのもその神社で、だったりするんですか?」

175夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/09(木) 00:27:31
>>174

「あ〜〜〜!!そうそう、ソレソレ。
 たしか、ソコいったんだよね〜〜〜。
 ちょうどクロガネくんがいてさぁ、
 イロイロとセツメイしてもらっちゃったよ〜〜〜」

あの時は、『漢字』が読めなくて困ってたんだ。
だから、クロガネくんがいてたすかった。
ちいさいコがこまらないように、『フリガナ』ふっとくべきだな。

「でも、『ミコさん』はしらないなぁ。
 ワタシがいったときはいなかったし。
 いや、ジツはいたのか??
 もしかしたら、おくのほうにいたのかも??」

そういわれると、なんだかキョーミがわいてきたぞ。
ナゾにつつまれたセイブツ・『ミコサン』のショウタイをつきとめねばなるまい!!
よていひょうにキチンとかいとかないとな!!

「その『ミコさん』ってどんなヒト??
 クロガネくん、なんかいってなかった??
 シュミとか、スキなたべものとか」

176今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/09(木) 00:45:21
>>175

「ああー、じゃあ鉄先輩の『行きつけ』なんですかね」

あの時は行った事無かったって言ってたけど。

「巫女さんの話……えーと」

「……うーん」

「趣味とかは言ってなかったですね」
「町中で会って、連絡先を交換したってくらいで」
「あー、あと」
「ユメミンになら言っていいかな」

鉄先輩も、フツーに教えてくれたし。
『隠してる』わけじゃないよね、多分。

「『スタンド使い』らしいんですよね〜。巫女さんも」
「たしか、『ヴィルドジャルタ』っていうスタンドで」

「その『名前以外本人にも何も分からない』……とかっ!」
「『スタンドを誰かに貰った』わけでも、ないみたいなんですよね」

不思議な話ではあるよね、スタンドを『最初から持ってる』なんてあるのかな。

177夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/09(木) 01:04:43
>>176

「へー、スミにおけないなぁ」

ああみえて、いがいにプレイボーイだったのか??
ジュンジョウそうにみせて、ケイカイされずにちかづくテクニック……。
あなどれんヤツだ!!

「『スタンドつかい』か〜〜〜。
 あえなかったのがくやまれるな……!!
 もったいない!!」

なんだか、ものすごくミステリアスなスタンドだ。
それをもっている『ミコさん』も、きっとナゾにつつまれた『フシギなソンザイ』にちがいない。
これは、なんとしてもカイメイしなければならないな!!

「『めずらしいスタンド』でおもいだしたケド、こんなコトがあってさ。
 『ユメのなかのハナシ』、チョットまえイズミンにしたよね。
 ジツは、そのまえにも『ベツのユメのセカイ』にいったコトがあって……」

「――――ん??」

そこで気付いた。
クロガネくんは、ミコさんがスタンド使いだって知ってるワケだ。
あれ??

「クロガネくんって『スタンドつかい』だったの??」

いまさら気が付いた。
そういえば、『ゲーセン』でナンかミョーなコトがあったような……。
もしかしてソレ??

178今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/09(木) 01:46:21
>>177

「ねー、意外ですよね。連絡先なんて」

スタンド絡みでも意外だ。
年上の人なら平気だったりするのかな?

「あれっ……あー、鉄先輩ユメミンには言ってなかったんだ!」
「勝手に言っちゃった」「悪い事しちゃった」
「え〜〜〜とっ」

「あのー、そうなんです」
「能力とかは知らないんですけどっ」
「実は、鉄先輩もなんですよね」

「あ、ちなみに先輩も」

             シュルル

           『今泉サン、クッキー ノ タベスギデスヨ』
           『ソレニ 勝手ニ 人ノ 個人情報ヲ……』

「先生の能力までは知らないですね」
「本当に話の流れで知った感じだったので」

「こんにちは先生、すみませんフツーに口が滑りました」

           『コンニチハ 今泉サン 夢見ヶ先サン』

              ペコリ          

「それで……話の腰折っちゃってすみませんけども」
「『別の夢の世界』っていうの、興味ありますっ。どんなユメなんですか?」

179夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/09(木) 02:10:57
>>178

「ハナシのナガレってコトは、いまみたいなカンジだったんだ??
 まぁ、よくあるよくある。
 ワタシだって、ベツにダレにもいうなとかいってないし」

街中で大音量の宣伝とかされたら、さすがに困る。
でも、信頼できる友達とかなら許容範囲だ。
たぶん、クロガネくんも同じような感覚なんじゃないかと思う。

「お〜〜〜!!『アイちゃんセンセー』ひさしぶり!!
 ゲンキだった??」

        ドシュンッ

『ドクター』を出して挨拶する。
特にイミはないけど、スタンド同士だし、その方がイイかなって。
『ドクター』は『センセー』みたいにコミュ力ないけど。

「で、なんだっけ??そうそう、『ユメ』だ『ユメ』。
 アレはねぇ……。とにかく『ヘンなユメ』でさぁ〜〜〜」

「『しあい』したんだよね。もうひとりのスタンドつかいと。
 で、そのときワタシがつかったのが『ドクター』じゃなかったんだよ。
 だそうとしたんだけど、でてこなくて。
 かわりに『ベツのヤツ』がでてきちゃったんだよねぇ〜〜〜」

「なんていうか……『マシンガン』??のスタンドでさぁ。
 バババババッ!!てうつと、
 『ヒ』とか『カゼ』とか『ミズ』とかの『ヨーセイ』がでてくんの。
 フシギなカンジのスタンドだったな〜〜〜」

あの出来事は、今でもよく分からない。
ただ、体験したのは確かだし、ただのユメでもなかった。
あの場所で見た女とは、『現実の世界』でも会っているのだから。

180今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/10(金) 02:24:50
>>179

「そうですねえ、だいたいこういう感じです」
「鉄先輩の方から気付いたみたいでしたけどもっ」
「私自身も、特に隠しては無いんで」
「気付いたなら教えちゃおうかな、と」

そういえば、鉄先輩はどこで気づいたんだろう。
はっきりとコレ、ってわけじゃなかったのかな。

              『ハイ オ久シブリ デス』
              『先生ハ イツデモ 元気 デスヨ』

「先生、病気とかないですしねっ」
「疲れたりはするんでしたっけ?」

              『ズット 補修ヲ 続ケレバ アルイハ』『デスガ』
              『ソノマエニ 今泉サンガ 疲レテシマイマス』
              『試スノハ 先生 オススメ シマセンヨ』

「そうなんだ、そうかも」「じゃあ試すのはナシで」

「それで……そう、夢です夢!」
「戦う夢、ですか〜。『違うスタンドがいる』なんて、確かにフツーじゃないですね」

「それも、私が『ドクター』を出すとかユメミンが『先生』を出すとか」
「『知り合いと入れ替わってる』なら、なんとなく分かりそうですけども」
「『知らないスタンド使い』と『お互い知らないスタンド』で戦うなんて」

「私あんまり、夢とか見ないので、分からないですけどっ」
「何かの暗示だったりするのかも」「『新しいスタンド使いとの出会い』とか!?」

それにしても、スタンド使いってよくいる。お互い『引き合ってる』みたいに、見つかるよね。

181夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/10(金) 04:35:41
>>180

「そうそう、めずらしいユメだったよ〜〜〜。
 でも、その『あんじ』ってヤツ??もしかしたらあたってるかも」

「『ユメでみたヤツ』と『ねてないとき』にであっちゃってさ。
 すごいグーゼンっていうか、よくできたサプライズっていうか」

「そのヘンは、まだよくわかんないんだけど」

いつか分かるのかもしれないし、分からないのかもしれない。
だけど、気にしない。
『アリス』には、一つのものに縛られている暇なんてないんだから。

「でも、『いれかわる』っていうのはナイスアイディア!!
 ソレたのしそう!!
 ユメミンが『センセー』で、イズミンが『ドクター』で……。
 たとえば、こんなカンジ??」

     サッ
            ササッ

自分は『先生』の隣に立ち、『ドクター』をイズミンの隣に立たせる。
それから、その場で軽くポーズを取ってみたりしよう。
ワルくないな!!

「くそッ……てごわいヤツめ……。
 コウゲキされてケガをしてしまった……!!
 『センセー』おねがい!!」

「――――みたいな??
 『オシャベリ』できるって、なんかシンセンなカンジ」

「かんがえてみたら、ちょくちょくケガしてるし。
 そういうときに『センセー』がいてくれたら、
 おおだすかりなんだけどな〜〜〜。
 『ナニかこわしちゃったとき』とかも!!」

「『イチニチだけコウタイ』とかできたらイイのにね〜〜〜」

入れ替わるなんて、そうそうあるコトじゃないと思う。
まぁスタンドってフシギだし、もしかしたらありえるのかもしれない。
実際、自分も『ドクターじゃないスタンド』で戦ったし。
『ユメの中』だけど。
どっちにしても、考えるのはタダだし面白い。

「もしイズミンが『ドクター』をだせたらさぁ。
 どんなカンジになるとおもう??」

182今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/10(金) 23:46:11
>>181

「へえ〜〜〜っ。それは『フツーじゃない』ですね」
「知らないスタンドだけなら、まだしも」
「『知らない人』が夢に出てきて!」
「しかもその人が『ほんとにいた』なんて」

「謎が深いですね〜」

ユメミンが『よくわからない』って言っている。
つまり『フツーの人と偶然あった』だけじゃなさそうだ。
何かあったのかな。深追いはしないけど。

            『オヤ 夢見ヶ崎サン ガ 生徒デスカ』
            『カシコマリマシタ、補修ヲ 開始シマス』

                スッスッ

先生が『能力を使う真似』をする。もちろん何も起きない。

「先生ノリいいですねえ」
「うーん、『ドクター』を私が使えたら」

隣に立ってる『それ』を見た。
ユメミンの『こころ』から出て来たスタンド。
勿論私には動かせないけど。

「……」

「うーん」
「フツーに、『美味しいもの』を食べるとか?」
「『ドクター』の味覚があれば、『超味覚』ですもんねっ」

前にやった事あるね。喫茶店だったかな。違ったかも。

「それか、そうですねえ」「難しいなあ」
「私には、勝手に動いてくれる、先生が向いてるのかも?」

            『褒メテモ 甘クハ シマセンヨ』
            『クッキー ハ ホドホドニ シテオキマショウネ』

「あはは、そうしておきます。『ドクター』なら私、美味しくなってなんでも食べ過ぎちゃうかも」

183夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 00:39:45
>>182

「おっ、イイね〜〜〜。さすが『センセー』、わかってる!!」

『先生』は『イズミンのスタンド』だけど、イズミンと『先生』は違う。
フシギなコトだ。
だけど、ゼンゼンちがうってワケでもない。
やさしいトコロとか。
そういうブブンをみると、なんとなくナットクできるようなきもする。

「そういえばさぁ、やったコトあったよね。
 『グルメ』になれるウラワザ!!
 これさえあれば、『ウマさ100ばい』!!
 でも、『マズいモノ』はゼッタイたべたらダメだよ。
 このまえ、シッパイしたリョウリを『アジミ』してみたら、
 マジでヤバかったしな!!」

  シ ュ バ ッ

  「――――『クッキー』ならヨシ!!」

                    サ ク ッ

自分に『超味覚』を移植して、クッキーをかじる。
それぞれの素材が持つ『味』が鮮やかに感じられ、
ハッキリしたイメージとなって頭の中に浮かんでくる。
フムフム、なるほど…………!!

「バター・さとう・ミルク・タマゴ・アーモンドパウダー……。
 あ、フウミづけに『バニラビーンズ』はいってる??」

「ジブンでいうのもなんだけど、
 『ドクター』がでてきてからベンリになったな〜〜〜。
 とおくのオトもきこえるし、よわいニオイもきづけるし、
 ハダのカンカクで、いまの『シツド』もわかる!!」

「ん〜〜〜??きょうはチョット『かんそう』してるっぽい」

「もし『ドクター』がなかったら、こまるな〜〜〜。
 『ジョーホーシューシュー』しづらくなるし。
 『アリス』は、いろんなばしょにいかなきゃいけないから!!」

「イズミンには『センセー』があってるし、そういうのかんがえると、
 やっぱ『このまま』がイチバンってカンジするよね〜〜〜」

184今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/11(土) 01:03:24
>>183

「さすが『ドクター』! 相変わらず結構なお手前で」
「えーっと、材料はそんな感じみたいです」
「試食のプロになれますよ、ユメミン」
「香水のテイスティングとかもプロになれそうだし」
「それに、それなら天気予報も出来ちゃうじゃないですか!」

「ユメミンが『使いこなしてる』のもあるでしょうけど」
「『ドクター』は、ほんとユメミンに合ってるんでしょうねっ」

旅をするにはみちしるべがいる。
しるべがあるから、歩くことが出来るんだ。
ドクターはユメミンには最高のしるべなんだろう。
私には、きっと違う。能力が違うように、人それぞれだ。

「…………もし」

「もし」「このままがよくなくっても」
「変えられないこともありますしねっ」
「『このまま』を『一番にする』のが、大事なのかも、しれませんね」

              『…………』

「あっ! 先生が良くないって意味じゃないですよ!」
「『機嫌』悪くしないでくださいねっ……!」

              『ワカッテイマスヨ 今泉サン』
              『先生ハ 怒ッタリ シマセンヨ』

「ならいいんですけど……あはは」

「たとえば〜。テストの次の範囲が苦手な所でも」
「向こうを変えてもらうわけにはいかないから、勉強をしなきゃですし?」

185夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 01:35:13
>>184

「あ〜〜〜『テスト』……『テスト』か……。
 ソレだと、あんまりやくにたたないんだよな〜〜〜。
 ソコはユメミンががんばらなきゃいけないトコだもんな〜〜〜」

得意な分野があれば苦手な分野もある。
それはヒトでもスタンドでも一緒だ。
でも、やらなきゃいけないときがあるのがツライところだ。

「でもさ、イズミンには『センセー』がにあってるとおもう。
 ピッタリっていうか、しっくりくるっていうか……」

「だから――『ソレ』でイイんじゃないかなぁ」

イズミンのコトをゼンブわかってるワケじゃない。
だけど、『トモダチ』だし。
だから、なんとなく『ダイジョーブ』っていいたくなったんだとおもう。

「もし、『このままがよくないな』ってコトがあってさ。
 でも、『かえるのがムズかしい』っておもったら――」

「そういうときは、てつだうから。
 『ヒトリ』だとムリでも、『フタリ』ならできるかもしれないし」

イズミンは『トモダチ』だ。
トモダチがこまってたら、たすける。
それは、ワタシでもわかるくらい『フツー』のコトだ。

「あ!!テストまえとかさぁ、いっしょにベンキョーしない??
 『ココ』で。『イズミンち』で。『おとまりかい』とかしてみたいし!!
 タノシソーじゃない??」

トモダチの家に泊まる。
一度やってみたかったコトの一つだ。
勉強の方が疎かになるかもしれないけど。

186夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 01:35:34
>>184

「あ〜〜〜『テスト』……『テスト』か……。
 ソレだと、あんまりやくにたたないんだよな〜〜〜。
 ソコはユメミンががんばらなきゃいけないトコだもんな〜〜〜」

得意な分野があれば苦手な分野もある。
それはヒトでもスタンドでも一緒だ。
でも、やらなきゃいけないときがあるのがツライところだ。

「でもさ、イズミンには『センセー』がにあってるとおもう。
 ピッタリっていうか、しっくりくるっていうか……」

「だから――『ソレ』でイイんじゃないかなぁ」

イズミンのコトをゼンブわかってるワケじゃない。
だけど、『トモダチ』だし。
だから、なんとなく『ダイジョーブ』っていいたくなったんだとおもう。

「もし、『このままがよくないな』ってコトがあってさ。
 でも、『かえるのがムズかしい』っておもったら――」

「そういうときは、てつだうから。
 『ヒトリ』だとムリでも、『フタリ』ならできるかもしれないし」

イズミンは『トモダチ』だ。
トモダチがこまってたら、たすける。
それは、ワタシでもわかるくらい『フツー』のコトだ。

「あ!!テストまえとかさぁ、いっしょにベンキョーしない??
 『ココ』で。『イズミンち』で。『おとまりかい』とかしてみたいし!!
 タノシソーじゃない??」

トモダチの家に泊まる。
一度やってみたかったコトの一つだ。
勉強の方が疎かになるかもしれないけど。

187今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/11(土) 02:50:00
>>186

「『ドクター』でも『超記憶力』とか『超頭脳』とか〜」
「あとは……『超直観』!とかは、身につきませんしねえ」
「まあ、そこは『先生』でも同じですけど」

                 『塾ノ 先生デハ アリマセンノデ』
                 『テスト対策ハ 日々ノ勉強デ シテオキマショウ』

「ですよねえ。ドクターも『お医者さん』ですし」
「『先生違い』ってところですね」

お互いにはお互いの先生が似合ってるってことだ。
それがちょうどいいよね。違っても変えられないんだし。

「……あはは」「もし……もし、私が変わるとしたら」
「その時は、ユメミンのおかげになると思いますよ!」

『変わる』。   

「そんな気が、きっとします」

          ニコ

「でも」

私は『フツー』以外になれるんだろうか?
あるいは『フツーのまま』でいられるんだろうか?
『何か』――――になれるんだろうか?
ユメミンなら、その『しるべ』をくれるだろうか?

「今はとりあえずっ! まずはテストの点を変えなくちゃですね」
「いいですねえお泊り会、勉強会!」
「私、数学なら得意なんですよっ」
「えーと、ユメミンは得意教科なんでしたっけ?」

私にはできない事がこの友達にはできる。
それは間違いないんだ。私も、そうあり続けたいと思う。

「もし得意教科が被ってても……せっかくお部屋があるんですし、ぜひやりましょう!」

188夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 19:49:26
>>187

わたしは変わった。
『闇の世界』から『光の世界』にやってきて、
今まで見えなかったものが見えるようになった。
それは幸せなことだと思う。
変わるコトが必ずハッピーになるとは限らない。
だけど、変わっても変わらなくても、
イズミンには幸せでいて欲しいと思う。

「ユメミンは――――『ビジュツ』とかトクイかな!!
 『ゲイジュツカンショウ』とかスキだし!!」

やっぱり『視覚』に訴えてくるものにココロ惹かれる。
どんな作者のどんな作品も、そのゼンブが新鮮だ。
どれを見ても、刺激があってオモシロい。

    サッ

「ババン!!『ムンク』!!にてる??」

両手で耳の辺りを押さえて、口を大きく開けてみる。
有名な『あの顔』だ。
ところで、ビジュツってテストあったっけ??

「『スウガク』はトクイじゃないから、
 『イズミンセンセー』におしえてもらおっかな!!
 『リカ』も、『ジッケン』とかはスキなんだけどな〜〜〜」

「あ!!『レキシ』はトクイかも!!
 まえのテストで、わりとイイてんとってたから!!
 『ユメミンセンセー』とよんでもイイぞ!!」

歴史も結構、視覚的な要素が多い。
だから、興味はある方だ。
絵とか写真を見てると、意外に覚えられたりする。

「せっかくだし、そのときはゴハンつくったりしたいな〜〜〜。
 アジミはまかせろ!!なんてったって『グルメ』だし!!」

189今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/11(土) 22:52:07
>>188

「美術ですか! 私は苦手な方ですねえ」
「絵の課題とか出たら手伝ってもらおうかな」
「って、そんなことしたらバレちゃいますか」

ユメミンの描いた絵、どんななんだろう。
私はあんまり得意じゃないんだよね。
インスピレーションとかそういうの。

「あはっ」

「芸術性高いです、その物まね」
「あの絵を描いたのがムンクだって覚えられました!」

テストには出ないかもしれない。
いや、多分出ない気がする。
けど、わざわざ言う事も無いよね。

「とりあえず歴史と数学で交換、うーん」
「そうなると現文とか英語とかが難敵ですねえ」
「他に、そういうのが得意な人も探すべきかな」

「でも、人数増えたら大変ですかね、『ご飯』作るにしても」
「量もですし」「好き嫌いとか」「好みの味付けとか?」
「私はちょっとだけ料理出来るから、その時は腕を振るいますけどね!」

ちょっととは言うけど、料理はフツーにできると思うんだ。
美味しいっていうのがフツーに分かるから、変なアレンジとかしないし。

190夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 23:40:57
>>189

「あ〜〜〜、ソレはある!!
 じゃあさ、ひとつのナベでつくれるメニューとかよさそうじゃない??
 『カレー』とかテイバンだな!!ガッシュクっぽい!!」

「キライなヒトは、そうそういないし、『シゲキ』がたりなかったら、
 たべるときに『タバスコ』でもかけときゃイイし!!」

「わたしはたべるのトクイだから、ダレよりも『した』をふるうぞ!!
 でも、てつだうくらいはできるな!!
 なきながらタマネギをきざむとか!!」

思いつくままに喋っていると、ドンドン『夢』が膨らんでいく。
『闇の中』から『光の世界』に渡り、『夢』を手に入れた。
大げさかもしれないけど、わたしにとっては大事なコトだ。

                  ゴトン

「――――おん??」

その時、遠くで『音』が聞こえた。
『超聴覚』だから聞こえた音。
大きな何かを下ろした音みたいだった。

「イズミン、なんかたのんでた??
 いりぐちのほうから、ダレかちかづいてきてるから。
 おおきな『ニモツ』もってきてるっぽいよ」

音は少しずつ近付いてくる。
向かってるのは、多分この部屋だろう。
ここで、めいたんていユメミンはひらめいてしまった!!

「まっしろなヘヤに、おおにもつ…………。
 はッは〜〜〜ん、このジケンのナゾがとけたぞ。
 きっと『カグヤ』だな!!
 『ツキ』にいかないほうの」

「『せっち』とか『くみたて』とか、そういうのない??
 てつだうから、チャチャッとかたづけちゃおう」

「『ヒトリ』より『フタリ』のほうがてっとりばやいから!!」

       ニコッ

そう言って、明るく笑ってみせる。
まもなく、外でチャイムの音が鳴った。
真っ白の部屋を彩る『色』が届いた合図――心の中で、そんな風に思った。

191今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/12(日) 02:11:54
>>190

「カレー、良いですね!」
「食べる量も自分で調節できますしっ」
「余ったら次の日食べられますし」

「勉強会、兼カレー会。楽しみにしておきますねっ!」

きっと、それは楽しいんだと思う。
いつになるかとかはいいんだ。
そういう『予定』があるのが、楽しいと思うんだ。

「わっ、何か聞こえました?」

「荷物……」「きっと家具ですね」
「正解です、ユメミン」「お姫様じゃないほうですね」

「それで、設置とか……あるんですよね〜〜〜」
「『先生』に手伝ってもらおうかと思ってたんですけど」

              『モチロン 少シハ 手伝イマスガ』
              『今泉サンガ 一番 ガンバッテ クダサイネ』

「わかってますって、先生」「って」
「ユメミンも手伝ってくれるんですかっ!? ありがとうございます〜」

「それじゃあ……よろしくお願いしますねっ」

               ニコ…

私の『白い部屋』に届いたのは、いろんな色の家具だった。
ユメミンや先生に手伝ってもらって出来上がった、色とりどりの部屋。
その真ん中に座っている私には、どんな色があるんだろう。

分かる事は、ユメミンっていう友達がいる事が、私にすごく大事な事だって、それだけ。

192斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/24(金) 13:20:06
薄力粉:300g
ベーキングパウダー:小さじ3
無塩バター:40g
卵:2個
グラニュー糖(ない):大さじ8
牛乳:大さじ4
サラダ油:適量
グラニュー糖(まぶす用):大さじ4

(12個分の材料)

薄力粉、ベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
……ふるいがあってよかった、随分と年代物だけど。

耐熱容器に無塩バターを入れて、ラップをせずに600Wのレンジで30秒加熱して溶かす。
キッチンタイマーが5個くらいあるがどれも電池切れだった、仕方ないので体内時計を使う

ボウルに卵を割り入れて混ぜ、グラニュー糖(ない)、牛乳の順に加えて、その都度混ぜる。溶かしたバターを加え、白っぽくなるまで混ぜる。
量が多い、腕は4つあるので足りているがボウルが欲しい、疲れる。

薄力粉を加えてゴムベラで切るようにして混ぜ、ラップで包んで冷蔵庫で1時間。
――省略

まな板にラップを敷いて、打ち粉をし、生地を置く。薄力粉をまぶし、ラップで挟む。めん棒で厚さ1㎝に……めん棒。
めん棒が無いのでコップで代用する(精B)消毒した定規で測ったので1cmだ。

ドーナツ型で、生地を……ドーナツ型?
型が無いのでふちの薄いコップを押し付ける、真ん中を切りぬくのはナイフで行う(精B)
残りは小さくまるめる。

鍋にサラダ油を入れて160℃に熱し、6をすべらせるようにして入れて、表面がふっくらとして、きつね色になったら裏に返し、カラッとするまで両面3分程揚げる。
……トングが見当たらないので僕のスタンドで代用する、こういう時に自分のスタンドは便利だ。
揚げた物を置く金網も『実体化した鎖』を並列状に並べた物で代用する、でも最初に用意しとけ。

完成品に粉砂糖をまぶす……出来た。

 「――できたよ!あがった物から持って行って!」

4月になり、新入生が寮に入り、そうなると歓迎会というものを開かなくてはならぬと思い至った。
そしていつの間にやら僕はドーナツ作成係(1人)とあいなった、どういう事だ。

 (おかしいな、僕はただ歓迎会の準備委員会で『(興味がないので)ドーナツ食べたい』と言っただけなのに。)

そんなこんなで寮に入るちび達にドーナツを振舞う羽目になった、作るのは5年ぶりで、僕はパティシエでもないが
……できたてあつあつというのは何にも勝ると、僕は勝手に思っている それが思い出の品になれば猶更だ。

 (理論的じゃないんだけどなー。 しかし、足りないかなコレ、もう少し追加で作るべきか?)

193朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/24(金) 21:12:02
>>192

>――できたよ!あがった物から持って行って!

「わあああああ!!! 美味しそうっス――!!」

『パウッ!』

チビ(朝山)な少女が、感嘆の声を上げてはしゃぎつつ
隣に陽気そうな柴犬も引き連れつつドーナツが置かれたトレイを掲げる。

「それじゃあ、若きパテシエよ!
デコレーション用の、きな粉に、コーディングチョコレート!
 ヨーグルトなども此処に置いておくので引き続き頼むっス!」

 ドサッ!!

少女は、追加用とデコレーションに使う具材が入った袋を少し勢いよく
貴方の前に置く。

因みに、この少女はチビだが貴方が知ってる範囲の新入生には該当しない。

194斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 12:26:32
>>193

 「待てい」

おのれ、何処へ行く 羅生門ばりに老婆…ではないが襟首に手をかけ……届かないので
『孫の手』型に形成した『鎖』で軽く引っ張る、これは金属製の孫の手です、スタンドではない。いいね?

 「逃さんぞ…逃さんぞ首領……!僕がこれ以上手が空くように見えるのか…!」

現状僕は冷蔵庫で冷やしておいた大量の材料を、まさしく常人の倍の手数で形成せねばならぬのだ
開いている手とか『4本』あっても一つも無いのであった、猫の手プリーズ。

 「デコレートも自分でやる!いいのか!新入生にドーナツ足りない事態になってもいいのか!君がミケランジェロになるんだよ!」
 「というか犬をキッチンに入れてくるんじゃないよ、毛が飛ぶでしょう。」

195朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/25(土) 20:03:59
>>194

「おっとっとっス! いかるん先輩
行き成り襟首を掴むのは止めてほしいっス! 首がとれるかと思ったっス!」

『パウパウッン』

ドーナツも落っこちそうになったっス! 権三郎も抗議の声を上げるっス!!

>毛が飛ぶでしょう

「むむっ!! 失礼なっ! 権三郎は毎日ブラッシングしてるっス!
ちゃんと入る時も足拭きマットで綺麗に足の裏を拭いたんっスよ!!
ねー 権三郎!」

『パーウッ!』フンッ (`・ω・´)

勿の論だと、権三郎も息力強く肯定の一鳴きと鼻息を吹くっス。

「それに、私といかるん先輩の仲なんだし固い事は言いッこ無しっス!!
いちまっつんと、主人公ちゃんと一緒に。歩く大根軍団とリーダーを砂旋拳や
私のハイヤー・パンチ、いちまっつんの精密斬、そして先輩の鎖弾で薙ぎ倒し!!
 彼の辻蹴りだって一緒に倒した仲なんだからっスね!!」
(※自身のゲームプレイ内容です)

「思えば、あの時は大変だったスね……
ハイヤー・ラッシュを繰り出そうとしても、辻蹴りのスタン攻撃が
先に当たって倒すのも苦労したっス。一度修行し直す事にして
 倉庫街で皆で不良やモンスターくらげに魚をチマチマ倒しつつ
この寮で伝説のメイドガイ(常原PCの事)の御飯を食べに何度も往復したのも
今となっては良い思い出なんっスよ!

・・・ま!! そー言うわけだから私はこのドーナツを守り抜く
大事な役目があるので、食堂まで運んでおくっスよ!!」

これぞ、悪の首領のザ・必殺! エクリプス・ワードっス!!!

過去の思い出話でしんみりさせて! どさくさに紛れて手伝いから逃げるっス!!

196斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 20:48:36
>>195

 「……賢いなこの犬……うん、その辺りの失礼は謝罪しよう『ゴンザブロー』。」
 「急に首を引っ張るのは良くない、悪いな。」

随分と賢い犬だ、言語を理解し、飼い主より知性が高そうに見える 見える。
そう考えながら、なにやら鋳造された過去を聞き流しつつ謝罪した、だれだよいちまっつん。

 「だがブラッシングされた毛並みを差し引いても、万が一新入生にドッグトッピングドーナツ等食べさせるわけにはいかんのだ。」
 「意気揚々と口に入れて、舌に髪の毛が絡みつくのは悲惨な事だ……この寮に入ってからの最初の思い出を悲惨にするわけにはいかんのだゴンザブロー、そこだけは解ってほしい。」

そして聞き流している話が倉庫街での仁義なきファイトクラブ〜倉庫街編〜に入る辺りで
我らが首領は独唱の才能が有るかもしれない等と閃いた、誰だよ辻蹴り。

 「……そういうわけだ、新入生にドッグアレルギーがいなければゴンザブローに歓待役を任せたかったが。」

 「そして騙されんぞ…騙されんぞ首領…!誰がいかるんだ!」

       ――ガッシャン! ドスン!

 「デコレートが出来ないなら小皿と粉砂糖も持って行ってくれ、ディップスタイルにして新入生になにをかけるか選ばせよう。」
 「知らなかったのか首領、労働からは逃げられない……!」

テーブルの上に粉砂糖の袋と小皿を置いた後に、冷蔵庫から別の生地を取り出して形成に取り掛かる
どの道店売りの品と味では勝負しようがないのだ、ならばできたてであるかどうかで勝負する他は無い。
やり合う以上はただ負けるとか認められないのが僕なのだ……!

197朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/25(土) 21:25:51
>>196

(´・ω・`)『パーウッ パウパウッ パウー パウッ!』

「あっ! 今のは『うん、僕も勝手にキッチンに入ってきて御免ねっ
大人しく お庭で待ってるから頑張って作ってね!』って応援の言葉を
いかるん先輩に投げ掛けたっスよ! 権三郎は優しいっスねー!!」

権三郎の言葉を通訳してあげるっス!! ついでに、私も一緒にドーナツと共に
退室する権三郎に続いて、この場から逃走する事にするっス!

>らなかったのか首領、労働からは逃げられない……!

あさやまはにげだした。しかし、いかるん先輩にまわりこまれてしまった!!

「おのれ くちおしや」

捨て台詞と共に地面に身を投げ出して、破壊神を呼び出そうにも
キッチンって寝っ転がったらドーナツを作るのに邪魔になっちゃうっス。

「しょ〜がねぇ〜なぁ〜 っス! お手伝いするっス!!」

とりあえず、言われた通りにデコレーションを開始してみるっス!

ドーナツにチョコを塗り付けたり、きな粉をまぶすっス!

「そう言えば、新入生ってどんな人達が来るんっスか?」

198斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 22:25:52
>>197

 「色々だろ、色々……ええ?」

ぼくの心の中で首領はバウリンガル首領にレベルアップした。
なんでわかるのかとか凄い聞きたい所だが。まあ今は優先する事がある。

コップを酷使しながら次のドーナツ生地を油に浮かべていく
香ばしい匂いをキッチン内に漂わせながら、泡立つ油の中で白い生地がきつね色に染まっていく。

 「まあ……『遠隔地からの生徒受け入れ』が学校側の利点だし」
 「親元から離れてくる心細い子、都心と同じ教育を受けたい野心ギラギラの子、集団の責任感とかの教育の一環で放り込まれた子。」

そもそも孤児院の出で親がいない子……まあ色々だ
僕が詮索する事では無いし、傷口を態々えぐって塩を塗り込んで喜ぶ趣向は僕には無い。

 「いやぁ、勤勉さに頭が下がる想いだよぼかぁ。座右の銘が『人生イージーモード』の僕には(三日で飽きるから)到底無理だし。」

      シューッ……     カタン     

 「僕に出来る事といえば精々 これからの寮生活の緊張の緩和とかの為に、こうして美味しい物を振舞うくらいだな。」
 「――ホームシックとか馬鹿にならないんだよな。」

……実体験。

 「思い出は美しいほうがいいからな。 ……よし、第二弾の余熱を取って。」
 「穴の部分抜いた奴はそのままボールで良いか、下粉のせいで混ざらないし。」

金網(っぽいスタンド)からドーナツと揚げたお団子を皿に移し、朝山の前に滑らせる。

 「さあ次だぞ首領 清月寮ではドーナツが首領を作る 今日の労働英雄は君だ。」

199朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/25(土) 23:13:46
>>198(次レスで〆させて頂きます)

>僕に出来る事といえば精々 これからの寮生活の緊張の緩和とかの為に
>こうして美味しい物を振舞うくらいだな

「ふーーーーむ!!! いかるん先輩は優しい〜〜〜〜んスねぇーー!!
それなら、この悪の首領にも。もうちょっと労働を減らしてくれる
優しさを分け与えてもバチは当たらないと思うんスよ」

唇をタコのように突き出して、朝山は抗議の呟きを唱えつつ斑鳩を見る。
これぞ悪の首領たるモーニング・マウンテンが編み出した邪悪なる抗議の顔だ。

腕がパンパンになってきたっス。こんなに量があるとは見誤っていたっス!!

>思い出は美しいほうがいいからな

・・・思い出

…………思い出

「………………きっと」

「――きっと みんな あの頃のまま帰ってくるっス」

……朝山は手を止めて、何やら上の空の表情でそう呟いた。

「…………うん? なんかいまボーっとしてたっス。
んもーーー!! いかるん先輩がドーナツを作らせ過ぎた所為っス〜よ!
労働英雄なんて嫌っス! 悪の首領の称号には似合わないっスよ!」

ぶーぶー文句を煽るっス! ついでに、いかるん先輩の周りをチョコチョコ
移動しつつ回転してやるっス!!

200斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 23:55:37
>>199

 「はいはい、これで最初の材料分は全部だから。」
 「――へぇ、結構奇麗にできたんだな、粉砂糖で充分だと思っていたけれど。」

そう言いながら鮮やかにデコレートされたドーナツの皿を見やり、その淵に指を這わせる
食は見た目から、例えどんなに美味しかろうと、見た目が悪いというのはそれだけで減点になる物だ

でなければフランス料理だのはああはなるまい、イギリス料理は知らない。

 「――『ロスト・アイデンティティ』」

       ――ズギュン!

 ジャラジャラジャラジャララララ……カチン!

鎖を伸ばし、皿の縁を覆って接続。
ドーナツが零れないように縁と、上部にそれにつながる半月状の『持ち手』を形成する。
接触分が溶接するように一体化する以上、強度は充分。持ち運びに便利なその皿専用の持ち手だ。

ブーブー口を尖らせる首領に、ドーナツの穴部分として切り取った『プチドーナツボール』をその口に放り込む。

 「ま、悪いとは思ってるんでそれで勘弁しろよ、――バウリンガル(ボソッ)――首領。」
 「『全てのドーナッツは共通の理想のドーナッツ性を有する』 ……誰だったかなープラトンだったか?」

調理場のガスと火を消して器具を水に浸し
取っ手を掴んで出来上がったドーナツを持って寮のホール……パーティー会場へ
今日は長い一日になりそうだ。

(……そういえば初対面の筈なのだけど、何故僕の名前を知ってるんだろうか?)
(ま、クラスメイトの話が耳に入ったとかだろう どうでもいいかな。)

201今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/18(月) 01:23:39

荷ほどきをしてない箱が、まだあるんだよね。
開けたら、『写真たて』なんか出て来たんだ。
入れた覚え、なかったんだけどな。
写真も、もちろん何も入ってないし。

「……」

         コト

なんとなく、机に置いたそれを眺めて待っていた。

今日は家に人が来るんだ。
荷ほどきの手伝いをしてくれるんだって。ありがたいよね。
フツーに、それは口実で、遊びに来るだけかもしれないけど。

でも、それはそれで、ありがたいと思って、待っているんだ。

202ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/19(火) 20:42:46
>>201

  タッ タッ タッ

幼い少女が小走りで廊下を進む。
背中には『リュックサック』を背負っていた。
ランドセルのように四角いデザインが特徴的だ。
スウェーデンのアウトドアブランド『フェールラーベン』製の『カンケン』。
現地の学校ではスクールバッグとしても愛用されている。

          コン コン

「こんにちはー、遊びにきましたー」

小さな手でドアをノックして、ヨシエは言う。
名目としては、確か『手伝いに来た』はずだった。
訂正すべきかどうかは迷うところだ。
だが、まぁ急ぐ必要もないだろう。
そう思い直して、俺はリュックの中でドアが開くのを待つことにした。

(――そもそも『手伝い』になるのか?)

(……却って邪魔にならなきゃいいけどな)

203今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/19(火) 23:01:26
>>201

       ガチャ

ドアを開けた。

「ヨシエちゃん、ようこそっ」
「『我が家』へ〜。さ、入って入って」

やっぱり、手伝いじゃないよね。
というか手伝わせるの、悪いよね。
外で待たせるのは悪いし、家に入ってもらおう。

「来てくれてありがと〜。ゆっくりしてってね」
「何もないところだけどっ」

「あ、ジュース飲む? フツーのオレンジジュース」

それで、とりあえず座ってもらおうかな。
コップとかは今から用意するんだけどさ。

「今日は、ディーンさんはいないんだ?」
「って。あは、いつもお散歩してるわけじゃないよね〜」

犬にさん付けって、変な感じだよね。
でも、ヨシエちゃんの犬は、フツーの犬とは違うんだよ。

204ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/19(火) 23:34:44
>>203

「お邪魔しますー」

    トトッ
         ――――トスッ

「えっとー…………」

「『お構いなく』ー」

少し考えてから、ヨシエは思い出した言葉を口にする。
そう言いながらも、目は泳いでいた。
欲しそうにしているのは『犬』でも分かる。

「ディーンもいるよー。今日も一緒!」

           ヒョコッ

ヨシエがリュックの口を開くと、黒い『チワワ』が顔を出す。
首輪に巻かれた『リボン』が、淡い光を発した。
『ワン・フォー・ホープ』を『リボン』と一体化させて発現したのだ。

《学校の近くとはいえ、
 初めての場所に一人で来させるのは心配なんだ。
 アンタに余計な面倒を掛けさせないためってのもある。
 何せ、まだ『小さい』からな》

《この話は、ヨシエには黙っておいてくれ。ヘソを曲げると困る》

これは『スタンド会話』だ。
ヨシエには聞こえていない。
だが、未来には聞こえているだろう。

205今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 00:44:34
>>204

「あはは、そんな言葉知ってるんだヨシエちゃん」
「賢いんだ〜」

笑いながら、冷蔵庫を開けた。
お構いなくって『あいさつ』みたいなものだよね。

「わ、そんなところに!」「重たくない?」

慣れてるのかな、けっこう重そうだよね。
とにかく。

「ディーンさん、こんにちはっ」

先生が出たがってるのが分かった。
別に都合とか悪くないし、出てもらおう。

           『オ久シブリデス。ディーン サン』

               ペコ…

           『エエ、カシコマリマシタ。ソノ件ハ ナイショデスネ』

《もちろん、私も内緒にしておきますっ!》
《ディーンさんは孝行犬ですね〜》
           
先生は、ヨシエちゃんには挨拶しない。
見えないもんね、ヨシエちゃんだけだと。

「あっどうしよ」
「犬用のジュースとかお菓子、無いかも」

            『今泉サン、"チョコ"ハ 禁忌デス。キヲツケテ』

やだな先生、それくらい分かってるって。

「えーと」「牛乳って飲めるんです? ディーンさんは」

とりあえず冷蔵庫の中を漁りながら、聞いてみるんだ。

ヨシエちゃんが答えてくれてもいい。
もちろんディーンさんが直接答えてくれてもいいんだよ。

206ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/20(水) 01:46:41
>>205

「ううん、大丈夫ですよー」

《重そうに見えるかもしれないが、
 いつも背負ってる『ランドセル』程じゃあないさ》

現代の小学校三年生のランドセルは、
中身入りで『5kg』近くあるらしい。
近頃は入れるものが増えて、重さが問題になっているそうだ。
いつだったか『テレビ』で言っていた。
うろ覚えだが、俺の体重は『3kg』以下のはずだ。
ヨシエはまだ一年生だから、
その分ランドセルの中身も軽いだろうが、
それでも俺の方が軽い。

《『先生』――だったな。ああ、そうしといてくれ》

『スタンドと会話をする』というのは、
考えてみれば妙な気分だった。
少なくとも、『犬と会話する』程度には奇妙と言ってもいい。
今は『スタンド』と『犬』が会話しているのだから、
尚更風変わりな光景だろう。

「あっ、ちゃんと『おやつ』持ってきてますー」

     ゴソ

「これはー、みんなも食べられるんですよー」

           ゴソ

「おいしいですよー」

ヨシエがリュックから取り出したのは『無添加クッキー』だ。
一応『犬用』ではあるが、人間も食べられるように出来ている。
人間が食べると、『素朴な味』がするらしい。

《まさか『犬用ミルク』なんてものは置いてないだろうな?
 気持ちは有り難いが、人間用の牛乳は、ちょっと都合が悪い。
 栄養がありすぎて、俺達には『度』が強すぎる》

《まぁ、『水』でいい。人間じゃあないが、『お構いなく』ってことさ》

人間用の牛乳も、『味』は悪くない。
だが、あまり宜しくないのも確かだ。
もちろん、『チョコレート』よりはマシってもんだが。

207今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 14:36:43
>>206

           『ゴ家庭ノ "方針"ハ 尊重スベキデスカラネ』
 
「……」

《牛乳ダメなんですか! 覚えておきますね》
《猫にミルクあげたりするお話、よく聞くので》
《大丈夫なのかな〜って勝手に思ってました》

「やっぱり、牛乳は良くないかな〜」「お水にしよ」

ジュースと、それから水道水。
コップと……お皿がいいよね、犬だし。
ちょうどいい深さのお皿があってよかった。

「なるほど〜。確かに教科書とかの方が重たいもんね」
「絵の具とか、ある時もあるし」

習字は、一年じゃなかった気がする。

「ディーンさんそんなに大きくないしっ」
「言われてみたら、フツーに運べそう」

           『今泉サン、足元二 コードガ アリマス』
           『引ッカカラナイヨウニ。コボシタラ 大変デス』

《どうもどうも、気を付けます!》

     ヒョイ

先生はよく見てるなあ。
一人と一匹に答えながら、スマホの充電コードを跨ぐ。

「へえ〜っ、クッキー!」
「見た感じはフツーのクッキーと同じだね」
「味が、やっぱり違うのかな」

           『キット 人間ノ体ニモ 良イノデショウ』
           『普通ノクッキーガ "悪イ"トハ 言イマセンガ』

お砂糖とか、もちろんチョコチップとかも入ってない。
『赤ちゃんのお菓子』とか、こういう感じだっけ。

「さ、どうぞ!」

            コトン
 
で、写真たてを横にどけて、コップを机に置いた。
水は……床に直置きでいいのかな。ディーンさんに失礼?

208ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/20(水) 20:00:47
>>207

《『毒』って程じゃあないが、あんまり良くはないな。
 もしも俺が衰弱しきってて、
 今にも飢え死にしそうだったら喜んで貰うところだが》

《ありがたいことに『栄養』は足りてる。
 だから――――『水』で十分さ》

  ジッ
        ピチャ ピチャ

俺は、目の前に置かれた皿を見た。
少し眺めてから、それに舌をつける。
安全に飲める水――これが手に入らない連中も大勢いる。
俺も一時期そうだった。
これ以上を望むのは『贅沢』が過ぎるだろう。

「ありがとー!」

  スッ

「……ございますー」

ジュースの入ったコップを持ち上げてから、
ヨシエは思い出したように付け加えた。
ヨシエはしっかりしている方だが、
『背伸び』をしている部分も多々ある。
こういうところも、その一つと言っていい。

           ゴクッ

「おいしいですー!」

「――未来のお姉さんも食べますかー?」

                  サクッ

『クッキー』を齧りながら、ヨシエは未来に袋を差し出した。
『人間が食べた時の感想』について、
ヨシエに意見を聞いたことがある。
それを纏めると、『優しい味がする』らしい。
ただ、『優しい味』というのがどういう味なのかは、
今一つ分からなかったが。
『優しくない味』があるとすれば、
それがどんなものかは少しばかり興味はあるな。

209今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 23:10:46
>>208

「あは。えらいねヨシエちゃん」
「礼儀正しくって」

「おかわり欲しかったら言ってね」
「買い込みすぎちゃってたくさんあるからっ」
 
まだ小一なのにね。
フツーに立派だと思うんだ。
出来なくても、やろうとしてるのが。

「わ、貰っていいの?」
「食べてみたかったんだ、それ」「美味しそうだし」

クッキーを一枚貰った。
食べてみる。

       ザク…

「わあ」

           『今泉サン』

・・・フツーに、『薄い』よね。
や、分かってたんだ。分かってますよ先生。
まあ私はほら、顔に出さなきゃ出ないからさ。

       ザク… ザク…

あ、でも噛んでたら味がしてきたかも。
これは、こういうものって思ったら……

                 ゴクン

「ほんとだ」「フツーに美味しいねっ」
「ディーンさん、いいもの食べてるんですねえ〜」

甘すぎないし、いいかも。
でもこう、口の中の水分が取られるよね。かなり。
美味しいけど、犬は大丈夫なのかな。口の中。

「あは、お水飲んでる」
「ディーンさん、こうして見るとかわいいですね」
「実際お喋りしてると、大人な感じですけども〜」

          『実際大人デスカラ、ネ』

水を飲んでるディーンさんを見て、そう思うんだ。
大人の人っていうか、まあ、成犬だもんね。人間で言う20代だっけ。

210ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/21(木) 00:07:57
>>209

「おいしいですよねー」

      ニコッ

「『ほんのり甘い味』がしてー」

            サクッ サクッ

ヨシエは、既に何度か食べていて、この味に慣れている。
だが、他の人間はどうか知らない。
美味いと思うかはともかく、
体に入れて悪いものは入っていないはずだから、
気分が悪くなるってことはないだろう。

《そうだな。野良じゃあ考えられない『豪勢』な代物だ》

そう言われて、ふと気付いた。
今、俺は『良いもの』を食ってるということに。
要するに、恵まれた生活をしているわけだ。
当たり前になっているせいで、そのことを忘れかけていた。
皿から顔を上げ、水面に映る自分の顔を見下ろす。

《――いつの間にか、俺も『贅沢』を覚えちまったか……》

捨てられて飢え死にしそうだった時、俺はヨシエに拾われた。
そして、『メシが食える』ということに対して、
心の底から感謝の念を抱いた。
だが、その生活が続くと、感動ってやつも徐々に薄れていく。
今の言葉で、それを思い出した。
最初の頃の気持ちを忘れちゃあいけないってことだ。

《この『水』のお陰で目が覚めた。礼を言っておかなきゃあな》

           ブンッ ブンッ

短い尻尾を左右に揺らす。
意図的というより、無意識の行動に近かった。
『本能』と呼ぶことも出来るだろう。

《フ……ヨシエが未来と同じくらいの年になった時には、
 俺は『爺さん』になってるだろうな》

いつまで生きられるかなんてことは、誰にも分からない。
ただ、ヨシエが大人になる頃には、俺の寿命は尽きてるだろう。
それは確実だし、どうしたって避けようもない。
だが、そうなる前に死ぬ気はない。
少なくともヨシエが一人前になるまでは生きていなきゃならない。

《……そういえば、俺は前にも『ここ』に来たことがある。
 この部屋じゃあないし、建物には入らなかったんだが》

《いつか、ヨシエがここで暮らすことになるかもしれないからな。
 どんな場所なのか、少し見ておこうと思ったんだ》

俺が来た時は、『二人組の男』がいた。
確か、片方は『スタンド使い』だったか。
あいつらも、ここに住んでいる様子だったな。

211今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/21(木) 01:40:01
>>210

「そうだね、噛んだらじわじわ甘くておいしい」
「いやな甘さじゃない、っていうのかな〜」
「何枚も食べられそう」

          『食ベスギハ ヨクナイデスヨ』
          『バンゴハンガ 食ベラレナク ナッテシマイマス』

《もののたとえですよ、先生〜っ》

私がたくさん食べすぎちゃうのも、悪いしね。
体にはいいのかもしれないけど。

というか、ディーンさん、野良だったんだ。
先生の視線を感じる。分かってる。口には出さない。
チワワの野良。『最初から野良だった』とは限らない。
そういうところに簡単には、踏み込んじゃ、いけない。

《ディーンさんには、ヨシエちゃん思いで》
《ヨシエちゃんは、ディーンさん思い》

《それって、すごく素敵だと思いますっ》

ずっとそうあったら良いな、って、思うんだよね。
そう思うのって、フツーだと思うよ。

《あは…………お礼なんて、とても》

《へえ〜っ。じゃあ今日は、下見みたいなものってことですね!》
《私も最近住みはじめたから、あんまり説明とかは出来ないですけどっ》

私も何回か下見とか来たよね。
住む部屋の事だし、気になるのは分かる。

《ちなみに、前に来たときは……ヨシエちゃんとお散歩とかです?》

そういえば小学部で住んでる子っているのかな?
中等部の子は、いるけど。

……そろそろ、ほんとに喉が渇いてきちゃった。

「よいしょっ」

               スッ……

「私、自分のジュース入れてくるけど」
「ヨシエちゃんは、おかわりいる? ディーンさんはどうです?」

212ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/21(木) 08:13:49
>>211

「ディーンも食べるよね?」

  ソッ

ヨシエが俺の足元にクッキーを置く。
俺は遠慮なく、それに牙を立てた。
『犬用』なんだから当たり前といえば当たり前だが、
俺達にとっては素直に『美味い』と思える味だ。

         ガリッ ガリッ

俺は『愛玩用』として生まれてきた。
世渡りを知らない犬が『野良の世界』で長生きは出来ない。
だから、俺には人間達の中にしか生きられる場所はない。
たとえ、どれだけ人間という生き物に嫌気が差したとしても、
生まれ持った『しがらみ』からは逃れられない。
変えたくても変えようのない『サガ』ってやつだ。

「みんなで一緒に食べるとおいしいねー」

           ニコッ

だが、まだ俺は人間に失望しきっちゃいない。
一時期は、もう二度と心を許すまいと誓ったこともあるが、
結局そうしなかった。
それはヨシエがいたからだ。
初めて俺を見つけた時の寂しそうな目。
その奥底に、俺は自分と同じ『孤独の匂い』を感じ取り、
ヨシエを支えてやりたいと思った。

「えっとー」

「……じゃあ、お願いしまーす」

           スッ

《俺はいい。これで十分だ》

ヨシエは遠慮がちにコップを差し出した。
それを横目で見ながら、俺は思う。
無理をする必要はない――と。

《いや、前は『俺だけ』で来た。
 面倒なことになりそうだったから、
 なるべく見つからないようにな》

《まぁ、見つかっちまったが……。
 ここに住んでる男二人に見られた》

《名前は知らないが、片方は『スタンド使い』だ。
 もう一人は違ったらしいが、知識は持ってるように見えた》

《――ここの住み心地はどんな感じだ?》

213今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/21(木) 23:15:52
>>212

「あは、食べてる食べてる」

「……」「そうだねっ。一人で食べるより、美味しいね」

きっとそうなんだと思う。
少なくとも、ヨシエちゃんがそう思えるのが、良い事なんだ。

「遠慮しなくていいよ〜」
「それじゃ、入れてくるね」

コップを受け取り、席を立った。

≪あ、そうだったんですねっ≫

冷蔵庫を開いてジュースを注ぎながら、振り返らずに答える。

ディーンさん、鎖で繋がれたりはしてないのかな。
これくらい賢かったらいらないのかな。

≪スタンド使い! ですかっ。意外とよくいますよねえ≫
≪男子二人組……私も心当たりはないです≫
≪『スタンド使いじゃないのに知識だけある』のは……≫

             『スタンド使いノ 側ガ モウ片側ニ 教エタノデショウ』
             『ソレダケ、信頼シテイル 間柄ナノデショウカ』

≪なるほど〜、それならありえますね≫

寮に他のスタンド使いがいる、っていうのはちょっと気になると思う。
名前も顔も分からないんだし、気にしてもしょうがないけどね。

≪住み心地は、いいですよっ。お部屋もフツーに広いですし。学校近いですし≫
≪それに≫≪いつでも学校のお友達と会えるので≫≪いろいろ助かりますっ≫

214ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/22(金) 00:09:21
>>213

《『犬も歩けば』と言う言い回しがある。
 スタンド使いが歩けばスタンド使いに当たりやすいって所か》

《そいつらは危険な人間じゃあなさそうだったが……。
 世の中には、『そうでないの』もいるようだからな》

たとえば、あの『鎖の男』だ。
実際のところ、どういう人間なのか詳しくは知らない。
だが、あいつの体からは『暴力の匂い』を感じた。
俺の『本能』が、奴は『危険人物』だと告げている。
ああいう類の人間を、ヨシエに近付けてはならない。

《そう――か。それなら良かった
 もしヨシエが入ってきたら、その時は宜しく頼む》

《……いや、その頃には未来の方が他所に移ってるだろうな。
 やっぱり止めておこう。
 代わりに、ヨシエが一人前になってることを願っておくさ》

その頃には、俺はかなり体力が衰えているだろう。
一緒に走り回れる時間は長くはない。
せいぜい無駄にしないようにしなきゃあな。

 「ここがー、未来お姉さんの『おうち』なんですよねー……」

           キョロ キョロ

          「すごーい!」

改めて室内を見回し、ヨシエは感心したように言った。
部屋に対しての評価なのか、
一人で暮らしていることに対しての感想か。
それは分からないが、
ヨシエが未来を『年長者』として好意的に見ているのは分かる。

《あとで、この建物を案内してくれないか?
 前に来た時は、中までは入らなかったからな。
 今の内に見ておきたいんだ》

《――ヨシエも興味がありそうだし、な》

未来の背中を見つめながら、俺は思う。
十年後には、ヨシエもこんな風になるんだろうか――と。
未来を支える『先生』のように、
俺もヨシエを支え続けているのだろうか。
ヨシエが一人前になっていれば、
俺が支えてやる必要もなくなっているかもしれない。
それは俺にとって喜びだが、
少々の『寂しさ』を感じることも否定はしない――――。

215今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/22(金) 01:14:55
>>214

≪スタンドは、『悪い事』にも使えますもんね≫
≪危ないことにも≫≪怖いことにも≫

              『先生ハ 手ヲ貸シマセンガ』
              『多クノ “スタンド”ハ、“本体”ノ意ノママ デスカラ』
              『改メテ 気ヲツケナクテハ ナリマセン』

≪そうですねえ、怪しいヒトには近づかないように≫
≪って、それはスタンド使いじゃなくてもフツーにそうか≫

ディーンさんの言い方は『そうでないの』を見たようにも聞こえた。
私も、そういう存在の話を、聞いたことがある。

「すごいでしょ〜」
「家具とか、選びの大変だったし」
「今も探してるし」

「もらったのもあるけどっ」

      ポッポー
               ポッポー

≪はいっ。『住むころ』には、私もここにはいないでしょうし≫
≪今の内に、『年上』として頼れるところを見せちゃいます≫

鳩時計が鳴る中、私はディーンさんに答えた。

「おまたせ、ヨシエちゃんっ」

入れ終わったジュースをテーブルに運んで、ヨシエちゃんを見る。
私は、この子にとって、フツーに頼れるお姉さんであれたらいいな。
私が人のお手本を『できる』かは分からない。けど、きっと悪い気は、しないと思うんだ。

とりあえず、これを食べ終わったら、『清月館』の案内から、はじめてみようかな。

216三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/06/20(土) 22:44:18

こんにちは、千草です。
今、清月館の入口に立っています。
足元には小さな『ホワイトボード』が置いてありました。

    処分したい不用品お引き取りします。
       
        ※生き物はお断りします。

そこには、そのように書かれていました。
今日は『思いついた事』を実行してみようと思ったのです。
だから、こうして誰かが来るのを待っているのです。

217三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/06/22(月) 21:35:21
>>216

今日は『店じまい』です。
また今度、お目にかかりましょう。
それでは――――。

218常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 01:35:23

この学生寮は、『自立心』、『向上心』を培う為、
多くの『家事』は学生自身で行わせる方針となっている――


    バサッ バサ


とはいえ、家事に乗り気な学生が、
ほかの人のぶんを纏めてやってしまう、という事も、ままある。

中庭で、誰かが洗濯物を干している。
どうやってか集めた、生徒たちの制服や靴下、ハンカチなどを、
まとめて日に当てているようだ。

219関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 01:43:27

清月学園の『通信制課程』に属する『関』は、
しかし『学生寮』の暮らしという訳では無い。
今日はあくまで、『知人』の様子を見に来ていた。
『家』では『大家族』が、彼女の帰りを待っている。

――――と。

>>218

「……?」

家事をしている誰かが、目に入った。
なんとなくそちらに近付いたのは、果たして『正解』か。

その『誰か』にも、エプロンを付け髪をお団子にした、
温和そうな少女の姿が目に入る……かもしれない。

220常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 02:12:45
>>219
君が目撃したのは、『男』だった。
体格がいい。学生ではなく大人のように見える。

  バサッ    バサ

「…ズボンにハンカチが入ったまま」
「まったく…男子の皆さまはだらしがないです」


男の服装は『異常』だった。
フリルのついたエプロン、頭に付ける白いふわふわした奴、、
黒いワンピース。
―――『メイド服』だ!

221関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 02:43:27
>>20

「えっ!!」

思わず声が出た。
エプロンを付けているのは自分もだが、
言ってはなんだが『フリル』は少ない。
あれではまるで……

「ふふっ、メイドさん……ですよう。ねえ?」

            タラ〜ッ

頬を伝った汗は暑さのせいだろうか? それとも。

「あのう……………『メイドさん』ですよねえ?」

自分に言い聞かせ、呑み込むような一度目と違い、
二度目は、その不し……『男』に、問いかける形になった。

222常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 02:59:48
>>221

 「こんにちは!」
 「はい、『メイド』ですよ……見ての通り!!」

『メイド服』はフリルが結構たくさん付いててふりふりだった。
季節に合わせてか、ワンピの丈は短めだった。逞しい脚が覗く。
胸元も涼しげだ。おっぱいが大きい。

 「お洗濯をしております」
 「俺は『家政婦』なのでお気になさらず、どうぞごゆっくり…」

丁寧な口調でそう言うと、青年はまた洗濯物を始めた。
女子のスカートとかも皺を取りながら干している。

223関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 03:24:18
>>222

「ふふ、そうですよねえ、私ったら分かりきった事。
 どう見ても……メイドさんにしか見えませんよう。
 ……その。男の人もするんですねえ……メイドさん」

          じー ・ ・ ・

思わずまじまじと観察して……自分と見比べる。
彼は、なんという堂々とした着こなしだろうか?
自分が『貧相』な体格だとは考えはしないが、
誇示するにして……やるだろうか? あの脚の出し方。
後ろめたさをまるで感じない……コスプレではないらしい。

「あぁ〜、お仕事なんですね!
 それはええと、お疲れ様です〜。
 ここ最近は暑くなって来て大変ですよねえ」

        「……あら?」

口に出す。……家政夫か? どちらにしても。

「……そのう、つかぬことをお伺いするんですけど、
 ここ、家政婦さんを雇うようになったんですねえ?」

「家事は学生が自分で……って、聞いたような」

スカートを洗う様子に手慣れたものを感じつつ、
関は固唾を飲んで、核心に迫る問いの答えを待つ…………

224常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 03:48:57
>>223
 「男性の『メイド』や『メイド服』は如何なものか、との意見もありますが」
 「職業の自由の時代ですから。仕事ぶりで挽回いたします。」

学園の、様々なタイプの制服、時折混ざる改造制服を、
男は丁寧にハンガーにかけている。
『下着』などのプライベートな衣服は混ざっていないようだが……。


>家事は学生が自分で

「………この寮にはそんなモットーもございます、が」
「学生とて忙しいでしょう?『疎か』になってしまう方もいらっしゃいます」

「そんなわけで、俺は見かねて……あの、『お手伝い』、を……はい!!」
「学生時代はこの寮にお世話になったので、
 恩返しをと思って その、『自主的に』、……やっております!!」

関の『雇う』という文言に対して、青年は、はぐらかすような雰囲気を醸し出している。
このメイド男、まさか……!?

225関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 20:19:21
>>224

「なるほど〜、そういう時代ですもんねえ。
 『服装の自由』 大事なことだと思いますよ〜。
 お国によっては、男子がスカートも普通らしいですし」  

改造制服とメイド服を見比べつつ、言う。
実際、そこにどれほど大きな違いがあるだろう?
見た目のインパクトを除けば……除ければだが……
しかも、ヤバいのは見た目だけではなさそうだが……

「そっ……そうなんですね〜っ
  
    『見かねて』……!
   
        ・・・
       『自主的』にい〜っ……!!」

『関 寿々芽』には、悪癖がある。
それは、『なあなあにしてしまう』事だ。
『見て見ぬふり』と言っても良いかもしれない……
ものすごく美化して言うならば、『慈悲』!

「それはきっと、み、皆さん助かってますよう、きっと。
 その……お手際も、とっても良いですもんねえ。さっきから……!」

不審者が不審者だと、完全に確定させることを拒んだ…………!

226常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 22:48:57
>>225

「……」
「………いやあ、いい天気です!」
「絶好の洗濯日和ですね!!!!」

メイド男は君から目を逸らしながら洗濯をしている。
(ちなみにこの男、片目が眼帯だ。)
誤魔化せている気でいるのだろうか。

「…学ランがほつれている。あの方はすぐヤンチャをするんですから」
「む、こちらはポケットに飴玉が入ったままです 返してあげないと」


 「お嬢様は『寮生』ではございませんよね
   ……どなたかの『お友達』ですか?」


―――関だけでなく、生徒たちが『なあなあ』だから、
不審者がこうして寮に出入りできてしまうのだ。
危ないのでは?年頃の女子がいるんだぞ?
君のお友達のために、この不審者をなんとかしたほうが良いのでは?


 「仲良くしてあげてください…
  この寮のご子息方はみな、いい子たちなので」
 「親元を離れて、大変な方います、
  差し出がましいようですが、助けになってあげてください……!」


    ペコリ
 
矢継ぎ早にそう言うと、不審者は君にお辞儀をした。

227関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 23:35:53
>>126

「そうですねえ、お日様がよく出ていて……
 これならシャツもすぐ乾きそうですねえ……」

         スイッ…

「朝からこれくらい晴れてくれてたら、
 いっそ、お布団でも干したかったのにい……」

関もまた男からゆっくり目を逸らす。
眼帯、は……気にはなるが……
メイド服など着ているために、
それも、『そういうもの』と捉えていた。

「まあっ、お嬢様だなんて……ふふふ。
 私、そんな、大層なものではありませんよう。
 友達……というか知り合いが住んでまして、
 ちょっとだけ〜、様子を見に来てたんです」

       「けど」

そうしたら、この不審者がいたのだ。

「…………」
「そ、そうですねえ〜。
 同じ町……同じ学園の生徒同士ですし、
 いろんな形で、助け合えればいいですねえ〜」

どういう目線なのだろうか……?
いい子たちはこの男について知っているのか?
いずれにしても……頭を下げて。

「あ、私、そろそろ帰らなきゃ……!
 お家で待ってる人がいますのでえ……」

「手を止めさせてしまいまして、すみませんでした。
 そのう…………『お仕事』頑張って、くださいねえ」

その場を立ち去ろうとする。深入りはヤバイ気がした。

228常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/29(月) 00:03:33
>>227
「なんでも、さいきんこの辺りに『ガタイのいい変態不審者』が頻繁に現れるとか…」
「危ない人に会ったらすぐに『逃げて』くださいね!!!!!」

「あっ、お知り合いが不審者とかに悩まされていないか、それとなく聞いてあげてください…」
「本当に、心配なんです………」

メイド男は、君を引き留める様子はない……優しいまなざしで洗濯物を干している…

「俺としたことが お客人に厚かましかったですね…お気をつけて。」

229常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/29(月) 00:05:10
>>227

230関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/29(月) 00:27:12
>>228

「怖……怖〜いですねえ、気を付けますよう。
 『知人』にも、気を付けるように言っておきます」

         ニコ ・・・

「……あの」

「こんなに天気がいいという日は、
 『日射病』や、『熱中症』がありますので。
 お体とか、いろいろ、お気を付けてくださいねえ」

             「……それでは〜」

どこまで『本気』なのか……
どこまで『自覚的』なのか……
『悪いひと』では、ないようだけれど。

謎はナアナアのまま、曖昧な笑みを浮かべ、その場を去った。

231三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/05(水) 22:28:56

         ピン
                ポン

「――――はい?」

            ガチャ

チャイムが鳴って、ドアを開けました。
もしかすると事前に約束をしていた方かもしれません。
そうでない方かもしれませんが。

232小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/06(木) 19:56:32
>>231

「こんにちは」    

私が入室する。何時もの微笑を模りながら 
 片手には、甘い香りを放つ紙のバックを引き提げて。

 ヤジ「よぅ、千草ちゃん。元気?
ジョーが、ケーキ持ってきてさ。一緒に食べないかって、お誘い」

背後から、ひょこっと私の親友(ヤジ)も顔を出し挨拶をする。


「シロップスポンジプディング……宜しければ
一緒に召し上がりませんか? 多忙でなければ」

233三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/06(木) 22:41:11
>>232

「あっ、お二人でしたか」

「どうぞ、上がって下さい」

部屋は綺麗に片付いていました。
机があり、ベッドがあり、テーブルがあります。
机の上には小さな『人形』が置いてありました。

「今、飲み物を用意しますね」

        トッ トッ トッ

キッチンに歩いていきます。
季節柄、麦茶にしようかと思いましたが、
ケーキに合わせるならコーヒーの方がいいでしょうか。
そう考えて、アイスコーヒーを出す事にしました。

「お久しぶりですね」

「先輩達は、いかがお過ごしでしたか?」

「千草は、最近『新しい事』を始めようと思っているのですが……」

手を動かしながら、口も動かします。
こういうのを『近況報告』というのでしょうか。

234小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/06(木) 23:28:00
>>233

出された冷たいグラスに入った氷も一緒に口の中に含みながら
アイスコーヒーを不良風の彼は先に半分程飲み干す。

ヤジ「おー、悪いね。丁度喉渇いてたんよ、今年は特別
猛暑って気がするし」

「貴方、何時も同じ事言ってる気がしますね」

ヤジ「いいじゃんかジョー。
 俺は、色々自由にやりたい事をやってるよ。
『新しい事』か。
 いいね。何でも出来る事ならやってみるもんだ!」

「私は、今は手探りです。新しい執筆は、頼まれればしてますが。
……最近の近況では、アリーナの『エクサーツ』と言う方に挑戦して
敗北を喫しましたね。あぁ、怪我はもう無いですしご心配なく」

ヤジ「それと、『関』って言うスタンド使いの嬢ちゃんにも会ったな。
なんとなく、あの子 商人(あきんど)って感じだったよ」

小林「随分、君の話を熱心に聞いてましたよね。
それと、千草さんの知り合いにも出会いました。
『斑鳩』と言う名の男子ですが……千草さんの御友人で間違いないです?」

話しつつ、小林は何やら白い感じの液体の入った丸い『水槽』を取り出す。

235三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/06(木) 23:43:26
>>234

「『斑鳩先輩』――――ですか?」

「高等部二年生の先輩ですね。
 はい、確かに何度かお会いしています」

白い『水槽』を、じっと見つめて答えます。
最初にお会いした時も、その後にお会いした時も、
見かけた事がありました。
これが小林先輩の能力なのでしょう。

「斑鳩先輩が何か?」

       ズズ…………

千草の背後から、『影』が現れます。
フードを被り、シャベルを担いだ『墓堀人』。
小林先輩のスタンドを見たせいか、
無意識に表に出てしまったようです。

236小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 12:31:07
>>235

小林は、視線や発現された『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』に
動じる事なく、食器の上に置いたシロップスポンジプディングに
『カスタードソース』。そう、先程の白い水槽を解除して振りかけた。

「イッツ・ナウ・オア・ネヴァーさんも、どうぞ。まだ幾つかあるので
別のもので良ければ『ゴールデンシロップ』もあります」

そう言って、テーブルに琥珀入りの水槽。蜂蜜シロップ入り水槽を置く。

ヤジ「千草ちゃんのスタンドって飲食出来るの? 
いや、まぁスタンドにも可能なものってあるらしいけど」

「人型のスタンドですし、問題ないのではと思いますけどねぇ。
あぁ、斑鳩さんが何があったと言う訳でないんですがね。
 話の延長線上で、知人の話が出て。千草さんの名称も偶然挙がったので」

御友人が多いのですね、と小林は微笑を濃くする。
 そして、おもむろに自分が菓子につけるマスカットジャム入り小瓶を
自然な流れでテーブルに置いた。

ヤジ「……千草ちゃん、君に聞きたい事があるんだ」

そのマスカットジャム小瓶を一瞥した親友は、重々しい口調と
真剣な顔つきで千草さんに声を掛ける。

……? 親友(ヤジ)が特に何か尋ねる事などあっただろうが?

237三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 20:45:40
>>236

「いただきます――――」

     スッ

          「――――おいしいですね」

                 ニコリ

ケーキを一口食べて、千草は笑いました。
『墓堀人』は、その様子を背後から見下ろしています。
何も言わず、動こうともしません。

「そういえば最近、
 『先輩の知り合い』が増えたような気がしていました」

「小林先輩、鉄先輩、斑鳩先輩、日沼先輩、
 猿渡先輩、今泉先輩、成田先輩……」

指を折って数えながら、
一人一人の顔を思い浮かべていきます。
皆さん立派な方ばかりです。
そういった所を、これからも見習っていきたいと思います。

     「 ? 」

              「はい、何でしょう?」

『マスカットジャムが好きかどうか』の質問でしょうか。
さっぱりしていて美味しいと思います。
でも、質問を聞く前に答えるのは失礼なので、
ちゃんと聞いてから答えましょう。

238小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 20:59:09
>>237

彼(ヤジ)の目には真剣さが伴っていた。
 数秒、重いとも感じる沈黙が過ぎた。 そして、言葉が放たれた。

ヤジ「……素麺(そうめん)とか、山菜なり天ぷらとかあるじゃん?」

何か酷く重要な事を聞くのかと思ったが。私の予想に反し、どう言う
意図なのか奇妙な言葉が流れていく。

ヤジ「普通、アレってどう言うもので食べる?
まず、素麺とかは薬味プラスめんつゆで。山菜はさっと塩振ったり
天つゆとか、レモンとかだよな?
 …………マスカットジャムは、普通つけて食べないよね?」

 ガタッ

「親友、ちょっと待ちなさい。素麺には、伊予柑なりイチゴを練った素麺がある。
山菜に天ぷらもレモンをかけて食べる方もいます。
 ――マスカットジャムはそこまで可笑しくないでしょう??」

ヤジ「いや、無いと思うぞジョー。
それは、そう言う風にアレンジしてるから美味しいのであって。
お前は普通の素麺に天ぷらにマスカットジャムで包んで食べてるだけだろ。
今日のケーキに関しては、百歩譲って許すわ。
 ケーキだから果実類は普通に合うしな。

――だけど、てめぇ……たまに御飯にマスカットジャム掛けてるよな?」

俺は見逃したりしないぞ? と昏い視線が彼の中に宿っている。
 この論争には、負けてはいけない気がする……。

「――御飯の甘味と、ジャムの風味が合わさって意外と美味しいですよ?
食べてみればわかります。
 ……そう思いません? 千草さん???」

ヤジ「( ゚Д゚) 千草ちゃんを巻き込んでんじゃねぇよ!!!
おめー、これに関しては友達巻き込んで2対1の多数決で
ジョーの勝利とか無いからな!!?」


「千草さん……マスカットジャムは合いますよね??」

真剣な顔つきで、千草さんに聞いてみる。
 親友が喧しく、都合よく俺の声を無視するな! と騒ぎ立てているが
重要では無い……筈だ。

239三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 21:36:01
>>238

    「…………」

             「…………」

                      「…………」

どちらの意見も間違っていないと思います。
小林先輩は好きで、
宮田さんは好きじゃないという違いがあるだけです。
千草も肉や魚は食べられません。

「…………『ご飯』と『マスカットジャム』を、
 一緒に食べた事がないので、はっきりとは答えられません」

「でも、ご飯には何でも合いますから。
 『納豆』や『梅干』や『ノリの佃煮』が合うのと同じように」

「『納豆』を選ぶ人もいれば、『梅干』を選ぶ人もいますし、
 『ノリの佃煮』を選ぶ人もいます。
 『マスカットジャム』を選ぶ人がいても、いいと思います」

「同じ『納豆』でも、『醤油』をかける人もいれば、
 『マヨネーズ』をかける人もいます。
 『からし』を混ぜる人もいれば、
 『わさび』を混ぜる人もいます。
 『マスカットジャム』を混ぜる人がいても、いいと思います」

「ケーキに『わさび』や『からし』を乗せるのが好きな人も、
 いるかもしれませんし」

                ニコ

感覚は人それぞれ。
それでいいと思います。
お互いにケンカしないでいられたら、
それが一番だと思います。

240 小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 22:23:31
>>239

「――親友 そう言う訳だ。謝罪してくれ」

ヤジ「(#゚Д゚) 何がそう言う訳、だ!!
おれ、絶対に謝んないからな!? ぜってー謝んないからなっ!」

「君は人の自由意思を著しく乏したんだよ?
それは『ジョジョ』と言う道を目指すとしても、ルールに反してるのでは?」

ヤジ「この論題で引き合いに出す事では無いってのー!
馬鹿、この馬鹿っ! マスカット馬鹿が!!」

罵倒はなされるものの、千草さんの前だし拳の応酬は無い。
少なくとも親友のTPOは私と同等で、友人の前で喧嘩をする気はないだろう。

ヤジ「ぜぇ ぜぇ……とりあえず、平行線を辿りそうだし話変えるか。
千草ちゃん、その先輩達って全員スタンド使いなの?」

「話題転換が急すぎるんじゃないか」

ヤジ「話の腰折らないでくれって。
まぁ、どうしてスタンド使いなのか聞き出そうとしてんのかって言うとな。
……『引力』って事しか言えないな。
スタンド使い同士が一緒にいると、自然と他のスタンド使いも
知らず知らず近くへ寄せ合うって言う説があるからさ。
千草ちゃん、多分だが大分スタンド使いの知人多いだろ?」

今は良い奴ばかりでも、先の中では悪人に出会う確率だって
高まるかも知れないからな。と彼(ヤジ)は不安さを少し口にする。

ヤジ「……千草ちゃんは、スタンド使いの組織とかどう思う?
自分に危険が及んでたら保護とかやっぱり必要かも知れないかい?」

親友は、先程の時と同じ真剣さだが。今度は至極冗談さを打ち消して尋ねてた。

241三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 22:58:08
>>240

「ご飯に『マスカットジャム』をかける人がいれば、
 『納豆』を乗せる人もいます」

「無理に好きになる必要はないと思います。
 千草も肉や魚を食べられませんが、
 無理に食べると戻してしまうので……」

「大切なのは、相手を尊重する事だと思います。
 自分を尊重するように、
 相手の事も尊重するのが一番だと思います」

好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。
無理に変えたり変えさせる必要はないと思います。
多分、それはとても難しい事でしょうから。

「――――答えられません」

「あの……宮田さんが信じられない訳ではないです。
 ただ、『話してもいい』という許可を頂いていません。
 ですから、お話する事は出来ません」

「ごめんなさい」

           ペコッ

「だけど……『全員』ではないと思います。
 千草が知らないだけかもしれませんが……」

「…………分かりません」

「『優しさも真面目さも、それだけでは毒にも薬にもならない』」

「――これは『猿渡先輩』に言われた言葉です」

「『一人の力なんて大したものじゃないんだから、
 もっと周りに頼った方がいい』」

「――これは『成田先輩』に言われました」

「もし誰かが困っているなら、その人を助けたいです。
 そうじゃなければ、『毒』にも『薬』にもなりません。
 でも、『一人の力』だけだと出来ない事も多いと思います。
 そんな時に、誰かと力を合わせる事が出来れば、
 きっと『解決の道』も見えてくると思います」

「千草は『立派な人』になりたいです。
 『立派な人』というのは、
 ただ心で思ったり口先だけであってはいけません。
 『立派な人』というのは、自分から行動し、
 必要な時には力を合わせる事の出来る人だと思います」

猿渡先輩と成田先輩。
お二人の言葉から、それを学びました。
それらは、きっと大事な事なんだと思います。

242 小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/08(土) 21:54:56
>>241(レス遅れ大変申し訳ありません。次レス程で〆させて頂きたいと思います)

親友(ヤジ)は、千草さんの瞳を僅かに鋭い視線で射貫きつつ
無言で、その言葉を聞き終えた。

ヤジ「――そうか」

そして、満足気に歯茎を出しながら笑った。その笑顔は何処となく
眩しそうなものを見てるかのように、羨ましさや侘しさも入り混じっている。

ヤジ「じゃあ、俺からも一つ。千草ちゃんにlessonを教えるよ。
――『立派』ってのはさ。案外自分の視点からじゃ判らないもんさ。
既に完成してると周りから思えても、自分自身じゃ不十分に思っちまうから。
だから、向かう道筋に不安を感じて立ち止まりそうな時はさ」

――目指す過程で、認められた時の事、目指す切っ掛けになった気持ちを
思い出すんだ。

ヤジ「そうすれば、また力強く一歩踏みしめられるよ。
……へへっ、らしくもねぇ事を言っちまったな」

 ってか、千草ちゃんベジタリアンか。なら、今度美味い
わらび餅とか土産にするよ。と、雰囲気を何時もの飄々とした感じに戻る。

その横顔を一瞥しつつ、私も千草さんの前に跪き、視線を合わせて告げる。

「目指す方角は、未だとても高く首が疲れるようでしたら。
一度その場所を見ずに、肩の力を抜いて周りの広さを見る事も良いのかも知れません」

「一先ず、今はプディングを食べましょう
冷めてしまえば味が勿体ありません」ニコッ

 目指す場所、望みたい願い。人それぞれだ

『ジョジョ』と言う頂きが何処へ向かうかは知れないけれど
今はこの、安らぎと言う表現が相応しい席での茶会に魂の洗濯をなそう。

243三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/08(土) 22:43:58
>>242

「…………そうですね」

目標を目指すきっかけになった時の事。
始まりは『死体』を見つけた事でした。
千草はベジタリアンになり、『死ぬ』のが怖くなりました。

「とても、いい事だと思います」

いくら嫌でも、人はいつか死にます。
だから、せめて『素晴らしい最期』を。
いつも、そう思っています。

「その時は、今日お二人と会った事も思い出そうと思います」

           ニコッ

誰からも尊敬されるような立派な人に。
そうすれば、きっと『素晴らしい死に方』が出来る。
それが千草の『目標』です。

「小林先輩、マスカットジャムを少し頂けますか?
 ケーキには合いそうなので……」

          パク

「――美味しいですね」

勉強も大切ですが、こうしてのんびり過ごすのも、
価値ある時間だと思います。
きっと『墓堀人』も、同じように感じている事でしょう。
小さな積み重ねが、
先に進むための『一欠けら』になってくれると、
そう信じています。

244三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/03(木) 21:52:15
ある休日の午後
部活帰りの学生や暇を持て余した学生がまばらにうろつく時間帯
スーツ姿の成人男性がデジカメを片手にうろうろしている

「学生寮の割りにすごくしっかりした建物だよねぇ
まあ、僕はずっと実家通いだったから、普通の学生寮なんて知らないんだけどねぇ」


時折、パシャパシャと建物や掲示物などを無遠慮に撮影している
腕の陰に隠れてよくは見えないが『腕章』のようなものをつけているようだが・・・・

245ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 19:28:00
>>244

離れた場所から、その姿を見つめる視線があった。
訝るような眼差し。
それを向けていたのは『人』ではなかった。

「…………」

(ここの人間――には見えないな)

(『匂い』が違う)

(――――怪しいヤツだ)

三刀屋を見ていたのは、一匹の『チワワ』だ。
『ブラックソリッド』と呼ばれる黒い毛並み。
野良ではないらしく、首輪が付いている。
名前が入っているようだが、距離があるせいで、よく見えない。
首輪には、細い『リボン』が結んであった。

246三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 21:19:33
>>245
「・・・・・?」

      キョロ   キョロ

視線を感じてあたりを見渡す
『大人』の自分がここにいる事で周囲からは好奇の目が向けられている
しかし、ここまでの『警戒心』は・・・・?

「む・・・・? なんだい、君?僕の事が気になるのかな?
気になるだろうねぇ〜〜・・・・よそ者、だからねぇ、僕は」

きょろきょろと周囲を見渡すうちに『チワワ』の存在に気が付いた
その男はズンズンと遠慮のない足取りでディーンに向かう
近づくに従って、『匂い』の違いがはっきりとし始める
『学生寮』の住人は『若者』がほとんどであるのに対し、この男は明らかに年齢が上だ
ここに来たのは初めてであるため、まったく匂いに覚えがないだろう

247ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 22:39:14
>>246

俺達から見ると、人間の年齢というのは分かりにくいが、
大体の区別ぐらいはつく。
俺が感じた『匂いの違い』というのは、それとは違っていた。
こいつの『雰囲気』は、この辺りにはそぐわない。
例えば、『教師』なんかとは種類が全く違う。
『匂い』というのは、要するに『胡散臭い』という意味だ。

(『不審者』か何かか?
 だが、その手のヤツが堂々と歩いてる事は少ない)

          スン スン

(――――だからこそ引っ掛かる)

黒いチワワは立ち止まり、鼻をひくつかせて三刀屋を見つめる。
近付いた事で、首輪に入っている名前が見えた。
『DEAN』という名前のようだ。
リボンタイのようにして、リボンが首輪に結ばれている。
首輪に比べると、リボンの方は新しかった。

248三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 22:56:41
>>247
「ワンコかー、いいねぇ
 小さくて可愛らしい動物は層を問わずに受け入れられやすいからねぇ
 ここの生徒さん達の飼い犬なのかな?」

近づいていくと、首輪に入っている名前が目に入った
首輪が付いて、誰かからの贈り物だろうか、リボンも巻かれている
『飼い主』からは随分と可愛がられていそうだ

「出来れば君も撮影しておきたいところだけど・・・
 うーん、やっぱり飼い主の許可もいるよなぁ」

近づいてみると男の『腕章』に書かれた文字が見える
『見学者』・・・・と書かれているようだ

「うーん・・・・どうかなぁ?」

手持無沙汰そうな感じで男はディーンの頭に手を伸ばした
どうやら頭を撫でようとしているようだが・・・・

249ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 23:27:00
>>248

飼い主は見当たらなかった。
当然といえば当然の事だ。
ここで飼われている訳ではないのだから。

(『外部の人間』なのは間違いない
 大手を振って歩き回っている所を見ると、
 『許可』されてるのか……)

         スス

頭を撫でようとすると、チワワは軽く後退した。
視線は三刀屋に向けられたままだ。
露骨に攻撃的な態勢ではないが、
距離を置こうとしているように見える。

(ただ――――念の為に、
 『どんなヤツ』なのか確かめておきたい)

後ろに下がったのは、反応を見るためだ。
『万一』って事もある。
ここで暮らしている訳じゃあない俺に、
この場所を守る義務も義理もない。
だが、隣にある学校には『大事な人間』が通っている。
そいつに危険が降りかかるかもしれない可能性は、
ほんの僅かであろうと見過ごせない。

250三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 23:43:19
>>249
    スス
         ヒョィ・・・

「おっと ハハハ、警戒されてしまったみたいだね」

伸ばした手はあえなく空を切る
なんとなく伸ばしただけの手だ、簡単に逃げられてしまった
空を泳ぐ手を見つめながら男は乾いた笑いを漏らす


「フフフ・・・」   ニヤリ


しばらく手を泳がしていたが、男の口元が少し意地悪な感じに歪んだ
ちょっとした悪戯を思いついたぞ、というような顔つきだ

「あ〜〜、残念残念、君に嫌われてしまったみたいだねぇ
 ちょっと意地でも捕まえてみたくなってきたよ」

手掌を空に向けて大げさに肩を竦めてみせる
そして・・・・・・   最後の言葉を呟き終わると・・・・

        ズギャンッ!

              ヴィジョン
おもむろに男の体から人型の『 像 』が出現した!
スタンドはゆっくりとディーンに近づくと丁寧な手つきで抱きかかえようとする ス精CB

251ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 00:27:25
>>250

          「 ! 」

『この手のヤツ』には前にも出くわした事がある。
目の前にいる男より、もっと危険なヤツだ。
驚きが少なかったのは、そのせいかもしれない。

(……『確認』するだけの価値はあったな)

     ポウッ……
              シュルルルルルルルッ

首輪に結ばれている『リボン』が淡い光を発した。
次の瞬間、『リボン』が独りでに解け、
首輪との接続を維持したまま、『人型スタンド』の足元に走る。
『高速』だ。

(俺達と人間の違いは少なくない)

(『その内の一つ』が――――)

         シュルルルルルルルルッ

発光する『リボン』が、『人型スタンド』の片足に向かう。
蛇のように絡み付こうとしているようだ。
それが成功したなら、
引っ張ってバランスを崩させたい(パス精CBC)。

(――――『安定性』の違いだ)

252三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 00:40:30
>>251

     ポウッ……
              シュルルルルルルルッ

「えッ? このワンコ・・・・・・ッ! まさかッ!」

   スッテ―――――――ンッ!

            「あ、痛―――ッ!」

男は完全に油断しきっていた!
同様のあまり、『リボン』が異様な動きを見せる様を眼で追いかける事しかできなかった
『ブラック・アンド・ホワイト』の足に絡みついた『リボン』が力を込めると
驚くほど容易にバランスを崩し、後ろ向きに尻もちをついた姿勢となる!

「ちょっ  ちょっとストップ!」

         ブォンッ!


スタンドの手が地面につくと同時に一瞬だけ地面に何か『四角い図柄』が浮かび上がった
―――――――――――その次の瞬間!

      シュタ―――――――――ンッ!

『人型スタンド』の姿勢が一瞬で変化した
先ほどまで確かに尻もちをつき、無様に体勢を崩していたスタンドだったが
一瞬にして『新たな姿勢』を取る・・・・・・ッ!


    ゴゴゴゴゴゴ・・・

両手を揃えて地面に置き、頭を床にこすりつける
人間たちの言葉でいうトコロの『土下座』・・・・最上位の謝意を示す姿勢である!

「すいませんでした―――――ッ!」

253ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 00:57:56
>>252

(『何か』出してきたな……)

     バッ

スタンドが姿勢を崩した瞬間、飛び退いて距離を取る。
それと同時に、足に絡んでいた『リボン』も、
『ブラック・アンド・ホワイト』から離れていく。
よく見ると、『リボン』の先端は『手』のような形に変化していた。

(コイツ……『一瞬』で……!?)

           ヒョイ

(どういうトリックだ……?)

近くに転がっていた小石を、『ワン・フォー・ホープ』で拾う。
『次の攻撃』に備えるためだ。
『スタンド使い』相手に油断は出来ない。

(さぁ――――『次』は何をしてくる?)

チワワは『リボン』の先に小石を握らせ、
三刀屋の様子を窺っている。
まだ警戒を緩めていないようだ。
やはり人間と犬では意思が伝わりにくいのか?

254三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 01:29:27
>>253
「うーん・・・ 困ったねぇ、この状況」

三刀屋はこうなってしまった原因について思いを馳せる
一体どうしてこんな事になってしまったのか・・・・運気の巡りあわせか、前世からの因縁か・・・
何が悪くてこんな状況に陥ってしまったのか・・・・!?


「完全に僕が悪いなぁ・・・・これ
 調子に乗ってスタンドを使っちゃったせいだよねぇ」

小石を拾うディーンの姿を見る
道具を使うとはなかなか賢いワンコだ
『土下座』に反応がないのは、絶対ぇ許さないという意思の表れか
それとも、人間の慣習なんて知ったこっちゃねぇというわけか

「仕方がない・・・・・やるしかない、か!」

        ゴロン・・・


三刀屋は尻もちをついた姿勢からさらに大きく後ろにのけぞる!
背中を地面につけ、四肢を空中に浮かばせる・・・・・この『ポーズ』は・・・・!?

「腹出し降参・・・・これが僕に出来る最大の謝意だ・・・・!」


    クスクスクス・・・・・ナニアレー

傍から見ると犬に向かって急に腹出し降参する怪しいおっさんだ
遠くの方から聞こえる嘲笑が耳に痛い
スタンドは三刀屋とディーンの間で土下座姿勢を続けている・・・・

255ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 20:25:23
>>254

(さぁ、次は……)

          (何を…………)

                    (………………)

ポーズを変えた三刀屋を油断なく見ていたが、
妙な雲行きになってきた事を悟る。
『地に伏した姿勢』は『何かの準備』で、
そこから仕掛けてくるのかと考えていた。
だが、そうではない……のか……?

     トトトトト…………

三刀屋に近付く。
そして、その周囲をゆっくりと回る。
危険がないかどうかを確かめているかのように。

        《――――――おい》

唐突に、三刀屋の死角から『声』が聞こえた。
肉声ではなく、『スタンドを通した声』だ。
視線が届かない頭の上の方から聞こえてくる。

256三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 20:49:26
>>255
(さて・・・・どうくるかな・・・・?)

『B&W』はどんな姿勢からでも『次の行動』を起こせるスタンドだ
例え『土下座』をしていたとしても次の瞬間には行動を起こす事ができる
もし・・・・『このワンコ』が攻撃態勢を崩さずに、本格的なスタンド攻撃をするようなら
身を守るために次の『コマ』を用意する必要があるが・・・・・

(とはいえ・・・流石に人様の『飼い犬』をいじめるのはコンプライアンス的にヤバイからねぇ
 その手は最後の手段にしておきたいけど・・・・お?)

「見てるねぇ・・・僕に君をいじめる意思はないよぅ・・・
 ほら、スタンドもこの通り『身動きが取れない』からねぇ・・・」

――――嘘だ
この姿勢からでも攻撃が出来る事を隠し、ディーンに語り掛ける
この言葉が犬に届くかどうかは知らないけれども

>        《――――――おい》

『おっと、なんだい? 僕は今、ワンコに謝るのに忙しいのだけどねぇ』

死角から声が聞こえた スタンドを使って言葉を返す
犬の飼い主かな、などという事を思いながら首を後屈させて視線を向けた

257ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 21:10:56
>>256

《『身動きが取れない』だと?》
 
《縛られてもいないのにか?》

《いや、それより――――》

目線を向けた先にいるのは、先程のチワワだった。
飼い主の姿など、どこにもない。
他に『スタンド』がいる気配もない。

《俺は、お前が『一瞬で体勢を変えるのを見た』》
 
《見え透いたハッタリだな》

『チワワ』だ。
この言葉は『チワワから』発せられている。
正確には、『リボン』から聞こえてくるようだが……。

《『四速歩行を捨てて得たモノ』がソレじゃあ、割に合わないぜ》

258三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 21:21:03
>>257
『ハハハ・・・・・やっぱりバレてたか』
「よっと!」

ずっと『降参のポーズ』を取るのは腹筋がつらい
前に向かって重心を倒し、胡坐姿勢をとる
同時にスタンドを手元に戻して同じような体勢をとった

『この言葉は・・・・君が話していると判断していいのかな?
 凄いね、超能力、ワンコと会話することもできるなんてね
 まるで「漫画」みたいな状況だよ』

犬と会話をする、という異常事態をすんなりと受け入れているのは
フィクション慣れしているおかげだろうか
ディーンと向かい合うように話をし始める

『急にスタンドを使って悪かったね、ごめんよ
 よければ・・・・これ以上攻撃をしないでくれると嬉しいのだけどねぇ』

259ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 21:46:24
>>258

《お前が何もしなけりゃ俺も手を出さない》

《『相互不干渉』ってヤツだ》

『話し方』から見て、このチワワはオスの成犬らしい。
その『声』は、外見とは真逆の印象を与える。
明確な意志を感じる『声』だ。

《普段からそんな事をしている訳じゃあないだろうな?》

《前にも『同じような目』に遭った事がある》

《街中で『妙なスタンド使い』に出くわした》

以前、『妙なスタンド使い』に追いかけられた事がある。
あの時は『ヨシエ』が一緒だった。
だから、余計に悪かった。

《その時に比べれば、さっきのはマシな方だ》

《もちろん『やっていい』って意味じゃあないが》

260三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 22:01:17
>>259
(可愛らしい外見に見合わず、随分と・・・ハードボイルドな感じの声だね
 ま、可愛いかどうかなんて人間様の主観でしかないわけだけどねぇ)

ディーンの口調に対して『寸評』を思う

『へぇ、それはまたお気の毒な事にね
 僕たちのような「スタンド使い」は変わり者が多いみたいだから・・・・災難だ』

今までに出会ったスタンド使い達を思い出す・・・
自分の原稿を燃やす男、暑さに倒れるアリス・・・・うん、変な連中ばかりだ

『僕は「まともな方」だよ、たぶん
 さっきのは・・・・そう、君の姿を撮影したくて、ね』

手に持ったカメラを掲げる

261ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 22:31:23
>>260

《あまり見かけないが、持ってるヤツを見た事はある》

《『撮る』のは『それ』じゃなくてもいいらしいな》

持ち上げられたカメラを一瞥する。
人間は『機械』という道具を使う。
街で一番多く見かけるのは、片手で持てるサイズのヤツだ。
そこら中で、それを弄っている人間を目にする。
『ヨシエ』も『それ』を持っている。

《それで気が済むんなら好きにしろ》

《撮られると寿命が縮むんじゃなければ勝手に撮ればいい》

《そういうのは初めてじゃない》

以前、公園で『トモヨ』という『筆のスタンド使い』に出会った。
その時も、何枚か写真を撮られたのだ。
『デジタルカメラ』ではなく、『スマホのカメラ』だったが。

        シュルルルルルッ

再び『リボン』が独りでに動き、元のように首元に結ばれた。
『ワン・フォー・ホープ』は『実体化スタンド』だ。
『撮っていい』とは言ったが、『スタンド』を曝すつもりはない。

262三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 22:40:48
>>261
『警戒心が強いねぇ
 人に飼われているならもう少し気を抜いてもいいんじゃないかな?
 疲れるでしょ、そんなに肩ひじ張ってると』

お言葉に甘えてカメラを構える
さて・・・先ほどまではディーンの可愛らしい様を撮ろうとしていたけれど、
その人柄(・・・犬柄?)を知ってしまうとそうもいかない

『ご本人の許可も得られたみたいだし、それじゃあ遠慮なく』

         パシャッ!

精悍なオーラのようなものを写真から感じる
他者の評価はともかく、少なくとも三刀屋にはそんな雰囲気を感じた

『オッケー! ありがとう、大事に使わせてもらうよ』

263ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 23:22:09
>>262

《『野良の身』は自分の事だけ考えてりゃあいい》

『野良』は強い者だけが生き残れる世界だ。
元々『売り物』だったヤツが、
その世界に適応できる筈はなかった。
捨てられた俺は衰弱し、くたばる一歩手前だった。

《だが、今の俺はそうもいかないんだ》

《俺の警戒は『俺自身のため』じゃないのさ》

それに比べれば、今の生活は恵まれてる。
『ヨシエ』に救われると同時に、俺は一つの『使命』を得た。
『守るべき者のために注意を払う』というのは、
野良には不要な事だ。

    《余計な事を話しちまったな》

              《俺は帰る》

    トトトトト…………

そう言い、チワワは三刀屋から離れていく。
その方向は、清月館とは逆の方向だった。
ここで飼われているのではないらしい。

              ピタ

  《もし『鎖のスタンド使い』を見かけたら気を付けろ》

      《そいつからは『妙な匂い』がした》

          《――――じゃあな》

その言葉を最後に、『リボン』から光が消えた。
『スタンド』を解除したようだ。
そして、チワワは敷地内から立ち去っていく――――。

264三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 23:38:02
>>263
『ほうほう、それはやはり君の主人の・・・・おっと』

歩き去るチワワの後姿を見送る
会話はこれで終わり、といった感じか

「ハードボイルドなワンコだったねぇ・・・
 ハハ、まるで『騎士』のような武骨な強さだ」

      ピタ

チワワの歩みが止まる、その姿を視線に留めながら
『捨て台詞』を聞き留めた

『「鎖のスタンド使い」・・・・・・?
 僕はまだ遭遇した事はないけど・・・まあいい、ご忠告に感謝するよ!
 「君たち」の今後の安全を祈ってる!』

「さて・・・・僕もそろそろ行こうか・・・・あ」

今度こそチワワを見送ると立ち上がり、この場を離れようとする
立ち上がった瞬間に先ほどまでの三刀屋の『奇行』を遠巻きに見ていた学生たちと目が合い・・・

気まずい思いをしながらこの場から去っていった

265?????『??ー?・??ー?ー』:2020/10/29(木) 00:27:41
午後。部活に熱心な学生や、素行の悪いやつでもなければ、
ぼちぼち清月館に帰っている時刻……

 「皆様、ハロウィンでございますよ」
 「お菓子をつくりました 
  シフォンケーキがあります タルトも焼きました」
  チョコレートのクッキーもたくさん! 」
 「紅茶とソーダ水も!」

食堂から学生ではなさそうな『漢』の声。焼き菓子の香り。

 「さあ俺に『トリックオアトリート』と!!!!」

 「いたずらをするぞと、脅すのです!俺を!!!!!!!!!」
 「かかってきてくださいませ!!!!………にゃ!」

266夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 01:08:19
>>265

初めて『ヤツの存在』を知ったのは、
いつかの『パーティー』の時だ。
その後、我々は懸命に『ヤツ』を追い続けた。
しかし、手掛かりは一向に見つからない。
半ば諦めかけていた時、
匿名の提供者によって有力な情報がもたらされる。
微かな希望を胸に秘め、我々は現地に飛び立った!!

  ババッ

   「トリック――――」

      ダダダダダダダダダッ

          「オア――――」

             ダダダダダダダダダッ

       「――――トリートォォォォォォォォォォッ!!」

適当に調達してきた『白い布』を頭から被って、
全力で声の方向へ突っ込む。
ビビれ!!
ここであったが100ねんめ。
たとえソラからウサギがふってこようとも、
きょうこそはゼッタイににがさん。
この『マフラー』と『テブクロ』のレイをしてやるぜ!!

267常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/29(木) 01:52:58
中央のテーブルに、
小麦粉とか砂糖とかバターで作るタイプの洋菓子がたくさん並べられている。
奥の厨房では、オーブンがごぉんごぉんと音を立てながら何かを焼いている。

顔には『眼帯』。
頭には、『白い猫耳』。
小麦粉やらで汚れたエプロン、
フリルでふりふりのワンピース…
…『メイド服』。

そんな服装の『筋肉質で大柄な漢』が皿や飲み物を並べている。

>>266(夢見ヶ崎)
匿名の提供者から噂を聞いたりしただろうか?
『学生寮に、変態メイドムキムキ怪人が出る』と。

そんなわけで、君の視線の先には、お目当ての『ヤツ』が。

 「……わあッ!!!!危ないですよ!!!!!!!」
 「そんな恰好で走って……転んだら大変です」
 「心配しますよ俺は!!!!!」

268夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 02:26:28
>>267

それは『たまたま』だった。
いつも通り、
『ドクター・ブラインド』を出して『情報収集』していたら、
ある『噂話』を耳にしたのだ。
この『匿名情報』を元に、手近な布を引っ掴み、
『現場』に急行したという経緯だった。

「『ころぶ』だとォ〜〜〜??
 いいや!!わたしにかぎってソレはないね!!」

「ナゼなら――――わたしが『アリス』だからだ!!」

布で視界が利かない状態ではあるが、
『見えない世界』には慣れている。
さらに、突撃を敢行する前に、
『ドクター・ブラインド』を発現しておいた。
たとえ見えていなくとも、『超人的聴覚』によって、
『距離感』は完璧に掴んでいるのだ。

          ピタァッ

「『アリス・イン・ハロウィンスペシャル』!!
 『ナゾのカイキセイブツ』をおえ!!
 チョウサハンのカメラがとらえた、
 ショウゲキのエイゾウとは!?
 こんせいきさいだいのミステリーが、
 こんやときあかされる!!」

           ――――ガバァッ!!

『ターゲット』の寸前で立ち止まり、
被っていた布を自ら剥ぎ取る。
フダンは1ジカンだが、スポンサーのゴコウイにより、
2ジカンのトクバンだ!!
ちなみに『ショウゲキエイゾウ』は、
ばんぐみがおわるころにCMはさんででるぞ。

「ついに……ついにみつけた……!!」

「――――『レイのオトコ』!!」

               バッ

「おっと、カンシキから『ショウコヒン』がとどいたようだ。
 キミ、『コレ』にみにおぼえがあるね??
 もういいのがれはできんぞ!!」

両手に『爪』を持つ『盲目のスタンド』を背後に立たせつつ、
首に巻いた『マフラー』と両手の『手袋』を見せる。
どちらも『手編み』らしい。
ハートマークや猫が編み込まれたキュートな柄だ。
端的に言えば、『見覚え』があるデザインだった。

269常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/29(木) 03:43:02
>>268
>――――ガバァッ!!

 「むっっ!! お顔を存じ上げておりますよ!
  以前に催し物にてお会いしましたね」

 「改めて、『常原大和(つねはら やまと)』と申します 
  お見知りおきを」

 「手袋とマフラーも、覚えております」
 「プレゼント交換のために俺が用意いたしたものですね」

謎の怪奇メイド生物は名乗ったうえでお辞儀をした。
他の生物に対する敵意はないようだ。
人間の顔を覚える程度の知能も有している様子。
『盲目のスタンド』にちらりと目をやったのが見えた、
どうやらこの未確認不明メイドもスタンド使いみたいだ。

 「………あっ忘れておりました。ごほん」

咳払い。わざとらしく猫耳を触る。
  
 「……いたずらは怖いニャ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
 「おかしをいっぱい食べていいですニャ〜〜〜〜〜!!!!!!!!」

大げさに驚いている。
声が大きい。目を見開いている。

270夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 04:13:21
>>269

「『夢見ヶ崎明日美』!!だ!!
 トモダチからは『ユメミン』って呼ばれてるけど、
 『アリス』と呼んでもいいぞ!!」

「あ!!コレ、ありがとうございました。
 これからサムくなってくるから、つかわせてもらいますね」

礼儀正しく頭を下げて、お礼を言っておこう。
頭が高い!!
ぐたいにてきに、どれくらいたかいんだろうか??
『100g5000エン』くらい??
そりゃコウキュウヒンだな!!
きっと『コクサン』だ!!
てがるな『ユニュウモノ』とちがって、
しっかりとアブラがのってるうえに、
サッパリしたクチあたりなんだろうな〜〜〜。

「どうだ、コワいだろう!!
 フハハッ!!イタズラしちゃうぞ〜〜〜!!」

       ジリッ
             ジリッ

さて、ナニをしてやろうか…………。
そのスカートをめくってやるってのはどうだ??
いや、それはコッチがコワくなるから、
やめといたほうがみのためだな!!

「――――と、おもったけど、
 きょうのトコロはオカシでガマンしてやろう。
 ウンがよかったな、コネコちゃん」

「でも、わたしはアジにはウルサイほうだぞ。
 なんつったって『グルメ』だからな〜〜〜」

              スタスタスタスタスタ

お菓子が並べられている所に歩いていって、
おもむろに手を伸ばす。
とりあえずチョコクッキーでも齧ろう。
ついでに自分に『超人的味覚』を移植し、味をチェックする。

271常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/29(木) 23:15:09
 「ふーーむ」
 「たくさん作ったのに。食べにくる人が少ないです」
 「怖いことでもあるんでしょうか?」
 「確かに俺は、ちょっぴり異様かもしれませんが。猫耳メイドですし…」
 「でも!お菓子ですよ!!!!お菓子!!!」
 「さあ俺にイタズラを!!!!!」
 「さあそこのお嬢様!!!お坊ちゃま!!」 

食堂の外に顔を出す筋肉猫耳眼帯メイド男。
もう数人来てほしいなーーーーー!!!!!


>>270
 「ええ。汚れたら洗濯機ではなく手洗いしてくださいね。
  渡してくだされば俺が洗いますが」
 
君はメイド漢ににじり寄ってみる。
常原はむちむち(筋肉)だ。おっぱい(筋肉)も大きい。
スカートの下もたいそう肉感的であることが予想できる。

 「ええ、ええ。怖いです…ニャ!!」
 「お好きなものをお好きなだけどうぞ!」

洋菓子がたくさんある。
PL的が描写を面倒くさがっているので、
君の好きなもの(あるは嫌いなもの)を
自由に描写して食べたり持ち帰ったりしていいよ。

チョコクッキーは、
『滅茶苦茶バターとかチョコが入ってる、脂がノリまくってる味』だった。
おいしいと言えばおいしいのだが、サッパリした口当たりではない。
好みが分かれそうだが、君はお気に召しただろうか?

272夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 23:40:51
>>271

「そうだ!!
 いまなら『このコネコちゃん』にイタズラしほうだい!!
 『フリータイム300エン』でイイぞ!!」

『クッキー』を食いながら、
『メイド』の横から『アリス』が顔を出す。
今ここに、
ファンシーかつエキセントリックな世界観が構築された。
さぁ、みんな!!このセカイにとびこんでくるんだ!!

      サクサクサク

「こ、これは!!」

「イブクロにガツンとくるノウコウなアジワイ!!
 トウブンがゼンシンをかけぬけていくカンカク!!
 『アレ』とか『コレ』がテンコモリ…………!!」


「つかれたときには、このイチマイ!!
 ナントカカントカ1000mgはいごう!!
 きんじつシンハツバイ!!」

            ムッシャムッシャ

「あぁ〜〜〜おいしいなぁ〜〜〜!!
 こんなおいしいオカシたべたコトないなぁ〜〜〜!!
 コレが『タダ』で『たべほうだい』だなんて、
 しんじられないなぁ〜〜〜!!」

『ドクター・ブラインド』で取ってきた『タルト』を片手に、
外に向かって声を張り上げる。
ダレかこないかな??
さぁ、カモン!!

273霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/10/30(金) 01:19:26
>>271
>>272

食堂の外にひょっこり顔を出したチャーミーな君らのすぐ隣。
…そこに、白いウィンドブレーカーを着た少女がいた。さっきから、盗み聞きをされていたようだ。



「………………………………チッ」

「…あっ いや食べ放題とか大丈夫です 二つで十分です 」
「…あとキモイし 暑苦しいし 近寄らないで欲しいです…… 」


(甘い匂いに寄せられてやって来てみたら…デカイ変なのがいて近寄りづらかったから…)

(もう一人の変なのと楽しそうにしているウチにこっそり侵入して…適当に盗んでいく予定だったケド…)



 「…バレたなら、しょうがないや…」

    ………シュタタターーッ!!!
          「ダッシュで取って逃げよう…ッ!」


こいつらに付き合ってると疲れが溜まりそうなんで、強行突破。
不意打ちでメイド服のワキの下をくぐって、食堂中央に走り抜けようと試みる。
狙うお菓子は…とにかく一番近い所にあるから……あの『※※※※』だッ!(←※常原に任せる。マジ何でもいいよ)

274常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/30(金) 01:53:53
「さあいたずらを!!!!この俺に!!!!」

>>272(夢見ヶ崎)
 「フリータイム300円……いいえ!!!!」
 「愛はプライスレス!!!!!!」

常原、腕を広げる。
人を襲う前の熊みたいな威容だ。

 「フリーハグですよ!!!!!さあ俺の胸に!!!!」


  「……ありがとうございます!」
  「そういえば、カワイイお召し物ですね!」
 メイド男は小声で君に礼を言っている。
 ファンシーな服装も気になっているようだ。

>>273(霜降)
 「うおおおおおおおおおおおおさあ俺の胸に!!!!!!」

 腕を広げて鳴いているデカい変な生物の横を、
 
>    ………シュタタターーッ!!!

 「あれっ!?!?!?!?!?」

 君は走り抜ける!
 そして、『オレンジ色のシフォンケーキ』を手づかみに!
 大きめにカットされている。ケーキなのにズッシリ重い。
 
 「カボチャをどっさりと混ぜてあります」
 「あとその他いろいろ配合」
 「さあお食べ…お食べ…」

 「…大丈夫ですよ…近寄りません 怖くない、怖くない…」

 メイド男は猫でもあやすような口調だ。

275霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/10/30(金) 02:19:19
>>274

「…重 いや重ッ…!」

でっかい…何がシフォンケーキだ…遠近法に騙された…レンガとかコンクリートブロックのサイズ感だ…
そして重い…何が入ってるんだ…フワフワな見た目に騙された…たぶん余裕で二キロはある…

「…おやつをいただきに来たのに…これは…『レーション』…」

三時のおやつにはちょっと無理だ…空挺兵がヘリの中で食べるボリューム感だ…
誤算だった……エモノがヘビー級過ぎてマトモに身動きできない…あとメイド服の体が大きくて…逃げ切る自信無い…!


 「…どけーッ キモ耳ーッ!」
  「…………みゃーッ!」

シフォンケーキを投擲する構えで、メイド服を威嚇している。
彼女の隣にいつのまにか、氷像のような獣のスタンド。ケモミミ仲間だね。

276夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/30(金) 02:33:40
>>273-274

「フフッ、ミズくさいな。わたしとアンタのナカだろ??
 『5ねんまえ』をおもいだすな……。
 ドジふんでピンチになっていたわたしが、
 アンタにたすけられて……」

何かを成し遂げたような表情で目を閉じ、
捏造した記憶に思いを馳せる。
いつの間にか『お客』がやって来ていたようだ。
ようこそユメとフシギのセカイへ!!

「ッ!?『ヤマト』がぬかれただと!?
 あの『はやさ』は、まさか…………!!」

「――――『ダッシュしてとおりぬけた』ッ!!」

     バァァァァァ――――――ンッ!!

「クソッ!!イッパイくわされたか!!」

               ダダダダダッ

特に意味もなく、お菓子を狙う少女の後に続いて駆け出す。
狙うのは同じく『シフォンケーキ』だ。
手近なフォークを手に取り、ブスッと刺して食おう。

        ムッシャ ムッシャ ムッシャ

『超人的味覚』があるので『色々』の詳細も分かるが、
めんどくさいので説明は省く。
まぁ、ウマイだろう!!
『ハロウィン』といえば『カボチャ』。
これをくわずして『ハロウィン』はかたれない。
つまり、『カボチャをせいするモノ』こそが、
『ハロウィンをせいする』のだ!!

>>275

「――――まぁまぁ。
 コイツはたしかにみためは『アレ』だけど、
 こうみえて、いがいとイイヤツだから!!
 わたしにめんじて、
 ゆるしてやってもらうってコトでヒトツどう??」

重いケーキを口いっぱいに頬張りながら、
二人の間に割って入る。
その隣には両手にメスのような『爪』を持つ『人型スタンド』。
特に構えたりはしていないので、投擲されたら、
そのまま当たりそうだ。

277常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/30(金) 03:04:58
>お嬢様ふたり

「……」

「……にゃッ お嬢様がた、お止めください!!」
「刃物や拳銃を向けあうような行為!!あぶないです!!」
「俺のために争うのはおやめください!!悲しいです俺はにゃ!!」

「食堂は皆の場所です…
 迷惑で勝手な行為はだめですにゃ!!!」

食堂にて迷惑で勝手している眼帯猫耳がなんか言っている。


>>275(霜降)
シフォンケーキからバターの香りもする。粉砂糖も降ってある。
そもそもカボチャや小麦粉は炭水化物だ。
カロリーがめちゃめちゃ高そう。
雪山での携行食とかに良さそうだね。

「いえいえ…大丈夫です…ほら、俺は道を開けますよ…!」

キモ猫耳漢は脇に行ってくれた。
カラフルなスタンド使い女子が君の前に立ちふさがってしまったが。


>>276(夢見ヶ崎)
シフォンケーキを君は食う。
みっっっっっしりした噛み応え。羊羹みたい。
黒糖とか、無塩バターとか、シナモンとか
プロテイン、亜鉛、そういう色々が入っているのが君には解る。

「いちメイドのためにそこまでおっしゃって…」
「申し訳ありません…しかしとにかく『大丈夫』…大丈夫です…にゃ!」

278夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/30(金) 03:41:25
>>277

意外ッ!!
『シフォンケーキ』のフンワリした食感など皆無!!
『羊羹』のようなしっかりした歯応えが口の中に広がる!!

     ムッシャムッシャ
                ムッシャムッシャ

まるで『ヨウカン』みたいな『シフォンケーキ』……。
いや、まて……コレはホントウに『シフォンケーキ』か??
ワレワレはおおきなオモイチガイをしていたようだ。
ナゾはとけた……!!
コレは『ヨウカン』だ!!
『ヨウカンみたいなケーキ』ではなく、
『ケーキみたいなヨウカン』……!!
なづけよう!!『シフォンようかん』!!

          「 ! ! 」

   「そうだったニャ……。
    ここはミンナがつかうバショだニャ……。
    ヒトとしてたいせつなナニカを、
    わすれてしまうトコロだったニャ……」

その代わりに、
『人としての言葉遣い』を忘れてしまったようだ。
後ろに控える『メイド男』の影響かもしれない。
あるいは、このクウカンにマンエンしているであろう、
なんらかの『チョーエネルギー』がゲンインか??

「きにしなくてもいいニャ。
 ヤマトはトモダチだニャ。
 トモダチをかばうのはあたりまえのコトだニャ」

       ササッ

「あらそうのはカナシイことだニャ。
 だから、キミのジャマはしないニャ」

ヤマトに倣い、同じように横に退けた。
同時に、さりげなく投擲の射線からも逃れておく。
『アリス』は、つねに『ぬけめ』がないのだ。

279霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/10/30(金) 18:16:35
>>277-278

「…ありがと…『コレ』は、持ち帰りにさせてもらうみゃぁッ……」

キモ耳のためというか…キモ耳と戦ってるつもりだったが…
…逃げ道を空けてくれた以上……無理なケンカをするつもりはない…投擲姿勢は解く…
変人たちの気が突然変わらんとも言えないので、背中を向ける気は無いが…

どっしりした質感…表面を保護する粉砂糖…バターとカボチャとスパイスの重層的な香り…
自分のことをふわふわシフォンケーキと勘違いしたシュトーレンじゃないか?
賞味期限二か月は踏ん張ってくれそうな気配がある『コレ』は、薄切りで少しずつ頂くとしよう…


…しかしッ!

 「…二つって、言った…!」
  「…おやつ時の女子に 二言は無いッ!」

宣言通り、もう一個何か頂いていこう、近くににある何かをわし掴むっ!
たぶん今度こそふわふわスイーツのはずだッ!

 「ニゃーッ!」
        ガシッ

…!? これは…『〇〇〇〇』!(←常原に任せる。菓子どころか食べ物じゃなくてもいいよ。)

280夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/11/01(日) 03:13:11
>>279(霜降)

        ガシィッ!

宣言と共に掴み取ったのは、『何か大きな塊』だった。
これは…………『クッション』?
しかし、何故クッションが『皿の上』に…………?

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

いや!これはクッションなどではない!!
これは――――『マシュマロ』だッ!!
信じがたい程の『巨大なマシュマロ』!
確かに『フワフワ』ではあるが……
『ハロウィン』というイベントに相応しく、
『モンスター』じみた規格外の大きさだ!!
この圧倒的な体積は通常サイズの『十倍』は下らないッ!!

「フフフフフ、ユイショただしい『ハロウィンけんてい』。
 セカイで666人しかいない『じゅん2きゅう』をもつ、
 このわたしのでばんのようだニャ!!」

   ドシュゥッ!

            ドババババァ――――――ッ!!

『ドクター・ブラインド』が高速で爪を振るう!
外科手術を思わせる精密な動きで、
『お化けマシュマロ』を細切れにカットするッ!
さらに、バラバラにしたコイツをフクロにつめてやる!!
リボンでフクロのクチをとじて、
『オバケたいじ』カンリョウだ!!
ついでにイッコもらっといた!!

「――――『ひとくちサイズ』だ!!フハハッ!!」

            ズイッ

袋詰めにしてラッピングしたマシュマロを差し出す。
一個だけ取ったマシュマロの欠片を、
『ドクター・ブラインド』が投げ上げて、
それを自分の口でキャッチして食べた。
フム、なめらかなしたざわりだ。

281霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/11/01(日) 17:19:27
>>280
掴み取ったのは…


  ズムーーーーーーーーッッッ!

戦慄的なバケモノマシュマロだった。



「えっ…ナニコレ…イヤだ…」
夢みたいな見た目に反したリアル感のある重量が凄いイヤ。
もっとこう…お菓子には、夢が詰まっていてほしい…
コレに詰まっているのは暴力的なカロリーではないか……


     > ドババババァ――――――ッ!!

>「――――『ひとくちサイズ』だ!!フハハッ!!」


「うワッ…」
  「…おー…」

突然振るわれた『メス爪』に驚いたが…やるじゃん謎の女の子。アブナイけど見直した…
そうだそうだ、ちっちゃいほうがカワイイ。ステキな個包装の気配りが嬉しい…
とにかく盛れば良いみたいな甘い考えのキモ耳メイドも見習って欲しい。



 「サンキューNo.666…資格保有者は伊達じゃないね…」

…自分のフードに放り込んどこ。
あと、ポッケに入れてた『パインフエラムネアメ』を取り出し…

ガサ…

 「…これあげるッ」
         ヒュンッ

無防備なアリスに投擲。
個包装のマシュマロの分のお礼だ。あの素早い『メス爪』ならキャッチできるだろう…
その隙に逃走。おやつ二つの目標は達成した。さよなら。




    ノシ…ノシ…

…彼女が解除し忘れた『氷像の獣』が、逃走した主の後にゆっくり(スD)付いていく…

282夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/11/01(日) 21:51:42
>>281

「いや〜〜〜このシカクをとるのはタイヘンだったよ〜〜〜。
 ベンキョウに5ねん。テストに5ねん。
 さらに、けっかハッピョウまでに5ねん。
 おもいだすなぁ〜〜〜」

「さいごのシケンは、いちやのあいだに、
 たくさんオカシをゲットしてくるっていうナイヨウだった!!
 おそいかかるジャックオーランタンのむれ。
 コウカツなマジョたちのしかけるワナ。
 そして、おそるべきアクマのアマいユウワク…………。
 かずかずのコンナンのはてに、わたしは、
 『ハロウィンにんていしょう(じゅん2きゅう)』を、
 みごとにてにいれたのだ!!」

「ハロウィンのときにコレをみせれば、
 もらえるオカシのりょうが『30%アップ』するぞ!!
 おみせでオカシをかうときも『30%オフ』になるんだ。
 『ハロウィンげんてい』で!!」

        ヒュンッ

            ――――パシィッ

「コレは…………!!
 マボロシのイッピンといわれる『パインフエラムネアメ』!!
 あまりにもウマすぎてキケンだというコトで、
 ゼンメンキンシにするホウアンが、
 ひそかにキョウギされているという…………!!
 まさか、こんなブツをかくしもっていたとは…………」

コクミンのケンリのシンガイだ!!
セイフのオウボウにたちむかうため、ワレワレは、
『パインフエラムネアメレジスタンス』をケッセイした。
のちにおこったタタカイは、ヒトビトから、
『だいいちじパインフエラムネアメせんそう』とよばれ、
『ハロウィンけんていにんていきょうかい』せつりつの、
イチインになったともいわれている!!

           ピー ピー ピー

素早くキャッチした『パインフエラムネアメ』を吹いて、
音を鳴らす。
そうして遊んでいると、
『氷像の獣』がノシノシ去っていくのが見えた。
これは…………
あらたな『フシギ』のケハイがするな…………!!

「『アリス・イン・ハロウィンスペシャル』!!
 カメラがとらえた『ナゾのカイキセイブツ』は、
 デンセツとされていた『コオリのケモノ』だった!!
 どうじにモクゲキされたショウジョのショウタイとは!?
 うかびあがるあらたなナゾ…………!!
 われわれチョウサハンは、
 こんごもツイセキをゾッコウする!!」

          ノソ……
                 
               ノソ……

うしろからノソノソついていく!!
『ショウゲキエイゾウ』もでたところで、
きょうはそろそろ『エンディング』だ。
らいしゅうもみてくれよな!!

283甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/12/19(土) 12:51:19
「もーいーくつ寝るーとーおー正月ー…」

つまらなそうに歌いながら広間を掃き掃除している。
なんとなくボランティアで掃除しに来てみたが、これが存外つまらなかった。
もう投げ出して帰ってゲームしたい気分だ

284甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/12/19(土) 20:24:31
「ほな、帰るわ」

適当に散らかして帰る事にした

「やーがてーほしがふるー
  ほしがふるーころー…」

285斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/17(日) 01:43:03

 「……」

『談話室』にて『座頭市Blu-ray』を内心喜々として再生する学生は……斑鳩 翔!
めくらの男が逆手に握った刀を疾風の如く一閃すれば、後に一瞬の間と静寂が残るのみ
 
 (実践に使う機会は無いが、これが技術だけの動きというから素晴らしいな……)

休みの昼間、偶には膝上に猫を乗せながら鑑賞するのも悪くない。

 (どうにか優位に取り入れられんかな。)

286氷山『エド・サンズ』:2021/01/17(日) 21:02:05
>>285

休日の昼、学生寮の中をふらふらと歩いていた
氷山は寮に住んでいるわけではないが、ちょっとした用事のために寮に来ていた

  シャーン   ズパンッ

「あれ? この音は・・・・・」

不意に談話室の方から聞き覚えのある『音』が聞こえてきた
家にあったDVDを何度も何度も繰り返し再生した覚えてしまった『音』だ
それは、人が斬られ、障子が破られ、血が流れる、そして最後には静寂が残る、そんな『音』だ

「斑鳩先輩」

談話室にいた先輩に後ろから声をかける
猫が逃げてしまわないように小さな声で

「懐かしい映画ですね」

287斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/18(月) 01:32:19
>>286

 「――そういう君は後輩の氷山ちゃん。」

膝に乗せた猫は気だるげに欠伸を一つ、訪問者をねめあげる
猫という生き物はえてしてふてぶてしいものだ、自分の脚を
専用の座布団だと思っているに違いない

かくいう自分も談話室を占拠するのはどうかと思うが
再生機器が有るのが此処くらいしか思いつかなかった。

 「だっけ?何時ぞやは世話になったね。」

 「興味あるの、コレ?」

288氷山『エド・サンズ』:2021/01/18(月) 18:01:15
>>287

「どうも、焼き肉の時以来です」

周りの人間たちの事情など一顧だにせずに暢気な欠伸をあげる猫と目が合った
この空間の小さな主に軽く手を振り、挨拶がわりとした

テレビでは『金髪の男』がミニマルな動きで刀を抜く姿を映している

「大好きな映画なんですよ、これ
 ずっと昔の・・・・子供の頃に家で見た映画なんですけどね
 殺陣のシーンがかっこよくて何度も見ちゃいまして・・・・」


『男』が刀を振るう
軽い動きで振るわれた斬撃の軌跡が人間の身体をなぞり
ある意味コミカルな動きで、軽々しく人体のパーツが落ちていく
血が湯水のごとく流れ、命が砂のように軽く散っていく
上映当時に『R-15』指定を受けるのも納得の描写だ

「今見ると結構グロいですね」

289斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/18(月) 21:14:47
>>288

 「……ああ、君の精神の形はああだったな」
 「ひとつ納得した。」

猫は目を細めると、喉から不気味な音を発し始め
それを合図にするかのように斑鳩も顎を撫でる。

 「しかしグロさだけで目が離せないわけじゃないな
 演技という『嘘』でも、ここまで人を惹きつけるような動きとシーンを作れる」

軽く頷いて視線を戻す。

 「高い評価を受けるわけだ。」



 「そういえばどうだい、その後
 何か『そういう件』で絡まれたりとか。」

290氷山『エド・サンズ』:2021/01/18(月) 22:01:02
>>289

「私にとっては『原点』・・・・みたいなものなんですよね、この映画は」

場面は移り変わる
勢い良く流れ落ちる白雨が画のコントラストを変える
『動』から『静』へと、そしてまた『動』へと、場のテンポが変わり続ける

「『嘘』で造られているとはいえ、役者さんの想いは『本物』ですからね
 本物の想いから生まれたのであれば、皆の心を動かすような凄いものになりますよ」
「・・・・とは言っても演技が駄目だったら、心に届くこともないんですけどね」

談話室を見回し、近くにあった椅子を引いてくる
いくらかの距離をあけて、斑鳩の隣に座った

「『そういう件』・・・・・?
 あー・・・・私の方はとくになかったですね
『アリーナ』の人達に誘われて『新年会』にお呼ばれもしたんですけど」

「うん、一抹くんに会ったりしたくらいでした」

291斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/19(火) 00:12:22
>>290

 「そう?」

 「僕としては、嘘でも心が動かせる…というのは良い事に思えるな
 『本物』って、時に残酷だからなあ。」

特に意味のないことを喋りながら、手元のBlu-rayボックスを見やる
思い出すまでもなく、これはあの時の景品であった。

 「でもそういう事なら、これは君のチョイスか……アリーナの…キサンドリアで。」

膝が揺れて猫が不機嫌そうに眼を開けると

 「…あれ?君あの件より前にアリーナにいたたたたた。」

爪を剥き出しにして斑鳩の肩を登る。

292氷山『エド・サンズ』:2021/01/19(火) 14:23:56
>>291

「・・・・・? あ、もしかして、それってそういう事ですか?
 斑鳩先輩のところに行ってたんですね」

視線に釣られて、置かれていたBlu-rayの外装に目を向けた
これとまったく同じものをつい最近買った覚えがある
どうやら流れ流れてこんなところに来たようだ

「こらこらー、おいたはいけませんよー」

椅子から軽く身を浮かせ、上半身を斑鳩の方に傾ける
そして、登山のごとく、人間の身体をよじ登るお猫様の両肩に手を添えて持ち上げた

「あー、なんの話でしたっけ? そうそう、『アリーナ』!
 実は私も『さんずさん』と一緒に『アリーナ』の試合に出た事があったんですよ」

抱えた猫を膝にのせて座りなおす

「結果は惨敗だったんですけどね」

293斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/19(火) 21:12:42
>>292

抱き上げられた猫は不満そうな唸り声を上げながらも
膝に座り直されると香箱座りをしなおす、命の暖かさと共にしっかりと重い。

 「おーいて……そうだな、うん この野良猫は食い意地張ってるからな。」

爪で登られた個所を撫でる
モニター1枚隔てたむこうと違い、血を流すなんてのは普通はこのくらいの事だ。

 「うん…うん 君が既に関わっているとは思わなかったが
 しかも参加者として。」

 「差し支えなければだが、どうして参加したのか聞いても?」

これはあまり想像がつかない、金とか名誉とかより、もっと別のを欲しそうだ
納得とか。

294氷山『エド・サンズ』:2021/01/19(火) 21:33:22
>>293

この時期、昼間とは言え、外では冷気を含んだ風がビリビリと窓を震わせる
部屋の中にもヒヤリとした空気が忍び込んでくる・・・・

そんな中、高い体温を持つ猫のお腹が膝上を適度に温めてくれた

「んー・・・! あ、結構ツメがざくっといっちゃいましたね、大丈夫ですか?」

そう言いながら、斑鳩に向けて、ポケットティッシュを手渡す
絆創膏とかがあれば良かったのだが、生憎手持ちがなかった


「参加した理由・・・・」
   『ソコカラ先ハ俺ガ説明スルゼ』

氷山の言葉に重なる様に、男性の声が響く
それと同時に、この空間の中にもう一人の人影が現れた
氷山の中から現れたそれは斑鳩もよく知っている存在・・・『エド・サンズ』だ

『「アリーナ」ッテェ組織ガドウニモヨクワカラネェ連中ダッタカラナ
 ソレガ「正義」ナノカ「悪」ナノカ見極メルタメニ参加シタ、ワケダ』

「そうなんですよねー
 私自身も『さんずさん』が活躍してる姿を見たかったというのもありますし」

295斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/20(水) 00:49:21
>>294

 「――『エド・サンズ』」

 「いや、流儀に則れば『さんずさん』か。座りながらで失礼
 半自律型ともなれば、そういうこともあるのだな…参考になった。」

こういう時猫はいい、自前の毛皮があるというのは
毛の無い猿からしてみれば羨ましい限りだ。

 「ティッシュはご厚意だけ受け取っておこう
 あの件で君には随分助けられた、これ以上は手に余る。
 助けられた身からすれば、聞けた理由は……驚愕ものだったが…」

肌の色が人それぞれなら何が重要かという事さえ人それぞれだ
そういう事だろう、己の感性でおかしいという前に何とか飲み込んでおくべきである。

 「まあ、あれは単なる営利団体みたいな物だし
 金が関与するからといって悪い事ばかりではないさ
 スタンドなんて手に入れて、潔癖症になる気持はわかるが」

 「いや、そういうわけでもないかな……君の場合
 どうにも腹が座っているようだからな。」

296氷山『エド・サンズ』:2021/01/20(水) 15:48:27
>>295

『・・・・・・・「さん」ハ要ラネェゼ』
『ドウセ、あきはノヤツガ勝手に呼ンデルダケナンダカラナァ』

差し出したティッシュを無言でポケットにしまう
自身のスタンドが話を続けようとしているのだ、余計な事は言わずに黙っている

『実際ニ連中ノ「興行」ニ参加シタ感じデハ、俺モ同意見ダナ
「良し」「悪し」ハトモカクトシテ、「外道」ナ連中デハナイッテ事ハワカッタ
ソレニ、実際ニ戦ッテミテ、こいつモソレナリニ満足シタミテーダシナ・・・・』

「酷い言い方ですね、『さんずさん』
 それじゃあまるで私が戦いたくてしょうがなかったみたいな・・・・ 『ソウダロ?』

氷山が語り終えるよりも前に自身のスタンドがそれを否定する
それを聞いて氷山は苦虫を噛み潰したような顔でちらりと斑鳩の顔を眺め、
無言のまま、言うべき言葉を探すように逡巡する
やがて、観念した表情でぽつりと言葉をこぼした


「・・・・・まあ、私が関わった理由はそういう事です
『ファン』なんですよ・・・・『さんずさん』、いえ、それだけでなく素晴らしい『結末』を見せてくれる方の」

297斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/20(水) 21:41:23
>>296

 「ふうん」

 「ま、アイドルのライブで最前席を確保するのは
 熱狂的なファンだと相場は決まっているからな。
 それが問題だという話を聞いた事も無い。」

膝の上の猫は、チラリと『エド・サンズ』を見上げたが、直ぐに興味を無くして目を閉じた
呑気にゴロゴロと不気味な音を立て始めている

 「あ、しまった 座頭市が終わってしまった……
 またソシャゲのスタミナ消費しながら最初から見なければ。」

リモコンを手に取り、膝を組み替える
君はこのまま彼と話を続けてもいいし、しなくてもよい

 「まあその気質に助けられた僕のいう事では無いが、その上であえて先輩として言っておこう
 そろそろ学業も軌道が戻ったであろう頃合いだし。」

 「――『テスト』大丈夫?」

猫がくあと欠伸をした。

298氷山『エド・サンズ』:2021/01/21(木) 00:47:00
>>297

「――――え?」

「あ、あはは・・・・『テスト』って
 そんな、3学期も始まったばかりだというのに『テスト』なんて」

スマホを取り出し、保存しておいた行事予定表を確認する
期末試験は3月だ、まだ遠い

「ほ、ほら、『テスト』はまだまだ先の話じゃ―――――― !?」

だが、氷山は知らなかった
3学期に行われるのが、『期末考査』だけではない事を・・・・
行事予定表にはもう一つの『試験』の存在が禍々しく刻まれていた

―――――――『実力試験』ッ!!


ちなみに、テスト勉強など全然やっていない
さらに言えば、入院やらなにやらあって勉強も遅れがちだ・・・・

「・・・・・・・・・・・・用事を思い出しました!」

血の気の引けた顔でおもむろに椅子から立ち上がる
その勢いで膝に載せていた猫が体勢を崩すが、
『エド・サンズ』が両手で抱きかかえて床に軟着陸させた

「失礼します!」

その言葉だけを残して、氷山は去っていく
嵐のような騒々しい立ち去り方であった

299斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/21(木) 22:34:11
>>298

 「グッバァ〜イ、センセによろしくね。」

……着地した猫が不満げに一声鳴くと
『身体が寸断され、瞬時にソファの上に移動し、再構成される』

後輩がいなくなったのを見届けてから、リモコンの再生ボタンを押した。

 「……そうだなあスリーピング、あの2人はどうなるかなあ」

 「危うくもあり、腹が座ってるようでもあり
 …どっちでも面白いと思うぜ、俺ぁ。」

尻尾を体に巻き付けて、斑鳩を見上げるその眼は
肉食獣特有のねめあげるような眼つきだった。
 
 「負けた奴が1度勝ちぐせを覚えると……忘れられねぇからな。」

300村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 01:18:57
シャッ… シャッ… シャッ…

日の高くなってきた頃、寮の中庭の隅っこで木陰に腰を下ろし、『ナイフ』を研いでいる。
先日の野営では結局、キジバト一羽、マガモ二羽、ノウサギ一羽を仕留めたが、
その際、手なりにまかせて刃先をすこし抉ってしまったらしく、切れ味が随分と落ちたからだ。

 「んん、まだかかりそうだな。
 手入れも楽しみの一つではあるんだが・・・」

研ぎの合間に砥石を濡らすかたわら、日光に刃をかざして具合を見る。

 「冬にしちゃ陽気がよすぎるなあ〜〜〜。眠くなってきちまうぜ・・・」

シャッ… シャッ… シャッ…

301ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 22:03:36
>>300

「……おう?」


中庭の茂みを掻き分けて、金髪の子供が顔を出した。
年齢的には小学校の低学年くらいか……学生寮の住民では無いだろう。


「……」


子供はだるまさんがころんだのように動きを半端な姿勢で止めると、
口を半開きにして村田をじっと見つめる。

302村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 22:26:36
>>301

 シャッ シャッ シャッ シャッ シャッ シャッ

 「・・・ふむ、どうかな」

砥ぎ水にまみれたナイフをバケツに汲んだ水で洗い、布で拭う。
磨き上げられた刃は日光をうけて静かに輝き、まだ濡れているようですらある。

 「ふふ・・・」

その仕上がりに思わずニヤリと微笑む。
もとより目つきのいいほうではないので、はた目から見ると完全にアブない人だ。

303ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 22:33:26
>>302

「うーむ、どこかで見たような気がするんじゃが」


首をひねる。
うまく思い出せなかったようだ。


「なんじゃ?
 石を切っておるのか?」


のこのこと寄ってきて作業を見つめる。
独り言なのか話しかけてきているのかわからないが、距離感が近い。
寮に侵入しているという意識は無さそうだ。

304村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 22:47:50
>>303

 「ん?・・・寮の人間じゃなさそうだな。どこから入って来たんだか。
 セキュリティはいったいどうなってんだ・・・」

小声でひとりごちる。
親元から離れてここに住む人間も多いというのに、全くけしからんことだ。

 「『研いで』いるんだ。このナイフをな。
 こうして『砥石』に擦りつけてやって、切れ味を取り戻してやるんだ。」

危険のないよう距離を確認してから、手に握ったナイフを見せる。
刃渡り10cm程度、厚みのある『シースナイフ』だ。
小学生には少々手に余る大きさをしている。

 「見ててもいいが、あんまり近寄ると危ないぞ。『よく切れる』からな。」

ザパ    ゴトン

  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ

バケツの中からもう一つ別の『砥石』を取り出し、そちらでまた『研ぎ』を始めた。

305ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 23:00:32
>>304

「わしか? あっちから来たぞい」


どこから入って来たんだと聞かれたと思ったのか、方向を指さした。
なんの参考にもならない。


「ほう? 石にそんな使い道が……」


感心した様子でしばらく作業を眺めていたが、
背負っていたリュックから石を数個取り出して地面に並べだした。


「石は重いんであんまり持ち歩かないんじゃが、
 どうじゃ?」


何がどうなのかはわからないが、
多分子供が面白いとか珍しいと思った形や模様の石なのだろう。

306村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 23:21:36
>>305

「どう、と言ってもな・・・・」

そこまで言って、地面に並べられた石のうち、一つを手に取る。
汚れてはいるが、色ガラスのような透き通った輝きをところどころから放っている。

 「・・・これは『黒曜石』だな。日本じゃさして珍しいものでもないが・・・」

ザブ  ジャバ

       ギ  ラ アッ

バケツの水で汚れを落とし、持ち主に見せてやる。
それは黒曜石本来の、吸い込まれそうなほど黒く透き通った、ギラリとした輝きを取り戻す。

 
 「なかなか『いいもの』だ。落として割らないように気をつけろよ。
 『いいもの』だが、それなりに『危険』だ。」

307ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 23:37:03
>>306

「ほう? この黒いやつが『いい』のか……
 売れるじゃろか?」


返却された黒曜石をまじまじと見つめる。
子供ながらも、石自体というよりその価値に興味があるようだ。


「なんでじゃ? 危険?
 割るとどうなる? 爆発とかするのか?」


だが、危険と言われ、石をそっと地面に置いて距離をとる。

308村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/11(木) 00:39:58
>>307

 「きれいに磨いて、加工して『アクセサリー』にでもすれば・・・
 ある程度の値段はつくだろうな。加工するのはいろんな理由で大変だが。」

きらりと光る黒い石。日本ではさして珍しいものではない。
理由は日本が『火山列島』だからだ。

 「その石は硬くて、薄くはがれるように割れる。
 そのフチはするどくなって、凄まじい切れ味を持つからだ。このナイフにも劣らない。
 『矢じり』や『槍の穂先』、『木剣の刃』に使われることもあるくらいだ。」

309ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/11(木) 00:54:33
>>308

「アクセサリー……ナイフ……なるほどのう」


砥石でナイフを磨くのを真似して、
黒曜石を磨いてみようかと思ったのか、石畳に擦りつけてみる。


「むむ」


が、角が丸くなるより先にちょっと割れてしまった。
玉ねぎを剥いていたら無くなってしまうように、
磨き上げるより割れる方が早そうだ。


「やはりわしは『交換』の方がええな。
 ……お前さんは何かこの石の中で欲しいと思うのあったりするかの?」


他の石は……つるつるした石。赤い線模様がある石。緑っぽい石などがある。

310村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/11(木) 01:25:48
>>309
 「石はどれもこれも硬くて脆い。きれいに加工するのは大変なんだ。
 原石からの磨きだしにしろ、どういう『カット』をすりのかにしろ・・・
 そういう『技術』を専門にした職人もいるくらいだからな。」

黒曜石を割ってしまったのを見て『ほらな』という顔をする。

 「そうさな・・・その『赤い石』かな。」

赤の線・・・あれは多分『へき玉』が部分的に含まれているのだろう。
瑪瑙などと種類を同じくする宝石の一種ではあるが、これもそう珍しいものではない。
川底や畑を掘っていれば見つかるような類のものだ。

 「磨けば光る、かもしれないな。珍しいものじゃないが『原石』というやつだ。」

311ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/11(木) 01:47:14
>>310

「おお。オメガ高い。
 わしもこの赤いのは良いと思っておった」


テレビか何かで覚えたのか、発音の怪しい常套句を発する。


「石は固いしのう。
 珍しい石拾いは続けるが、さらに良くするのは難しそうじゃ。
 わしはわらしべ長者を目指しておっての……
 今までに色々『交換』してきたんじゃ。
 実際にわらを『交換』したことは無いんじゃが……でもトンボを『交換』したことはあるんじゃ」


何か語り始めた。
現実はわらしべ長者のようにとんとん拍子に良いものと交換できるわけではないのか、
色々商材を集めているらしい。


「この石、何かと『交換』するかの?」

312村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/11(木) 02:01:59
>>311

 「そうはいっても、いまのおれには交換できるものなんてないしな。
 ・・・まさか『砥石』を持たせるわけにもいかないし、『ナイフ』は論外だ。」

顎に手をあて、思案顔で答える。
とはいえここで会ったのも何かの縁。何もないのも面白くない・・・

 「いや、『交換』はできないが、『商材』を増やすことはできるな。『一口』乗ってやろう。」

  ズ ギュ ゥ ン !

『ディズィー・スティック』を発現!『黒曜石』をひったくり・・・

 「よ・・・っと」

 カン  カンカンカン  コン  コココン    バキッ…
  ココン  カン  コン  カンカン   ペキッ…

ナイフを『棒化』し、それで黒曜石を小刻みに叩いて少しずつ割り、『形を整える』。ス精AB
かつて『原始の人々』がそうしたようにだ。

313ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/11(木) 02:10:40
>>312

「……」


黒曜石を奪われてぽかんとした顔をする。


「あっ、あっ、あ〜
 何をするんじゃこのオバケ……」


黒曜石を壊しているようにしか見えなかったのか、抗議の声を上げる。
怖いのか手を出しては来ないが。


「ん? ……このオバケ、何か見たことがある気がするの」

314村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/11(木) 02:28:06
>>313

 カン パラッ 
  カカン  パララ
 フッ      パララ…

 「・・・『良し』。これでいいだろう。気を付けて持てよ。」

細かくたたき割り、成形した『黒曜石』を手渡す。
小学生の掌サイズの、つややかに輝く『黒曜石の小刀』だ。

 「わらしべ長者も、ただの藁を交換したわけじゃない。藁の先にアブを結んだものを交換したんだ。
 『商売』するなら、手を入れることでモノの価値を引き出すのも重要なことだ。」

『ディズィー・スティック』を解除し、その場に再度座り込む。

 「その見た目なら、もしかしたら誰かが欲しがるかもしれないな。」

315ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/11(木) 02:41:49
>>314

「おおう?
 とんがっておる」


受け取って黒曜石……黒曜石の小刀をまじまじと見つめる。


「……ふうむ。むむ。
 そうじゃ。それではこうしよう。
 わしがこれをいったんお前さんにやる。とんがらせた手間賃じゃ。
 そして赤い線の入った石を、これと『交換』する。
 これで『交換』成立じゃろ」


どうやら『交換』というかたちにしたいらしい。
地面に散らばった黒曜石の欠片を手に取り、握る。


「おまけに飴もつけるぞ。
 イチゴ味じゃ。どうじゃ……メロン味の方がええか?」


開いた手には赤く透き通った棒付きキャンディー。

316村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/11(木) 03:59:17
>>315
 「ん、そういうなら、こいつはもらっておこう。飴は結構だ。
 君は素材を差し出し加工させ、おれは加工の報酬にこれを貰う。単純だが、これも『商売』だ。」

赤い石を拾い上げ、懐にしまう。
不純物が多い原石だが、かえってそれが『味』になることもままある。

 「ただし、それの取り扱いには注意しろよ。
 指切ったり怪我したりしても、おれは責任持たないからな。」

太陽光を受けてぎらりと輝く『小刀』を指さして言う。
『打製石器』、人類史最古の刃具。その切れ味は歴史が証明している。

 「どこから来たのかは知らないが、気を付けて帰んな。
 そろそろここの『管理人』が見回りに来る時間だ。
 ・・・見つかると面倒だからな。」

そこまで言って払うように手を振り、砥石に向かいなおす。
『仕上げ』の研ぎがまだ終わっていない・・・

317ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/11(木) 12:59:32
>>316

「うむ、ありがとう。
 長者に一歩近づいたんじゃ」

余ったイチゴの飴を自分の口に咥えると、
一応注意されたことを気にしてか、ぶかぶかの服の、
余った袖越しに黒曜石の小刀を掴み、
名実ともに自分のものになった光に透かして喜ぶ。


「見つかるといかんのか?
 それではこっそり帰るとしよう。
 さらばじゃー」


最後まで侵入者という意識が無かったのか、
なぜ見つかると面倒なのかは理解しているか怪しかったが、
忠告は素直に聞き、あまりこっそりはしていなかったが、手を振って去っていった。

318小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/21(日) 20:07:34

「……」   カリカリ キャリ シャラシャラ シュッ キュッ……

『新緑と燕子花が熱く抱擁しつつ回転するかのような、まだら模様のフォッサ
彼の瞳が喉笛を抉るかのような猛々しさが喉頭を小人が編んだかのような重さを
感じさせぬ縄で縛りあげるかのように小鳥のような吐息だけが陽が頭だけ出す時刻
冬至を10程に跨いだ日にちの中で煙管より吹きあがある煙のように揺れる。
嗚呼 そうだ そうだ 彼の人にと今日こそと暖め過ぎた、たった三文字の言葉を
外界に真実の音とする為だけに、この二つのぶら下がる無様な袋は役立ってくれない』

「ふむ……大体、この辺かな」

バンカラマントのように学生服を纏う青年は、雪が降り付く窓を背にして
学生寮の安楽椅子に腰かけて執筆を行ってる。

319三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/02/22(月) 22:22:31
>>318

    「ええと…………」

           スタ スタ スタ

             「――――こちらですね」

     コン コン コン コン

小林先輩のお部屋をノックします。
『相談したい事』があるからです。
そんなに大袈裟な事ではないですが。
千草は『紙袋』を持ってきました。
中身は『お茶菓子』です。

320小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/22(月) 23:52:06
>>318

「……ん、あぁ 千草さん。こんにちは」ニコッ

顔を上げ。執筆していた原稿と、馴染んだペンを置いて扉を開き
出迎えた人物が誰かを認識すると同時に会釈を行いつつ挨拶。
最近では作る事にも、さして苦労しなくなった微笑を浮かべる。

「どうぞ、余り整頓されていませんが」

学習机は乱雑に資料の文集なり辞書が積み重なっており、端に少し
落ちそうなバランスの皿にマスカットが食べろと主張しつつ鎮座している。

何時も挨拶はそこそこに自分の部屋かのように座っている彼(ヤジ)は
小用あって居ないものの、その痕跡を表すかのように灰皿に一本グレープと
煙草特有の燻りを混ぜ合わせた匂いがちゃぶ台の上で香っている。
そこに座布団を敷きつつ、楽にするように伝えて棚からティーカップを取り出す。

「まだ随分と冷え込みますのでね。どの水槽が良いでしょうか?
今日は三つ用意してるのですよ。
アップルティー・アールグレイ・ジンジャーティーですね」

異なる色合いの水槽を手の平で転がしつつ、千草さんの好む水槽を
容器の上に落そう。お眼鏡に叶うものが無いのならば
インスタントの茶葉なりコーヒー、無難なものも用意してる。

「親友は、今は用があって出掛けてます。もう数十分かは戻らないでしょう」

もしかすれば、彼に用事かもと一考もしつつ茶器を用意する傍らに
机に置いたマスカットの一粒で唇を湿らしつつ改めて客人の顔を観察する。
 永く色んな人と接する事が一つの分野を究める為に連なった故で
その思考は外れてるかもとも判断が寄る。

「もしかすれば、私に何か話でも?」

千草さんが選ばなかったほうの水槽を茶器の中に入れて解除を行い。
煎れたて当然のそれの湯気と共に運ばれる香りを鼻に運びつつ訊いた。

321三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/02/23(火) 00:26:02
>>320

「あっ――」

「あの……それでは『紅茶』を……」

三つの『水槽』。
前にも見た事がありましたから、それは分かります。
ただ、事前に来る事をお伝えしていなかったので、
少し驚きました。

「小林先輩は準備がいいんですね。見習いたいです」

先輩の手際の良さに感心してしまいました。
やっぱり、いつも人を出迎える心構えが出来ているのでしょう。
立派な人になるためには、それも必要な事だと思います。

「はい、今日は小林先輩に折り入ってお話が……」

「その……『スタンド』に関する事で……」

         ズズズ…………

千草の背後から、『ヴィジョン』が出てきます。
フードを被り、シャベルを肩に担いだ『墓堀人』です。

「実は、少し前から考えていていました」

「『何か出来ないか』と……」

※ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647077/151-159

「それで『不用品の引き取り』を始めたのですが……。
 なかなか『お客さん』が来なくて……」

※ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647077/216

「『積極的に動いた方がいいのかも』……と思ったのです」

「もし、小林先輩が『処分したい不用品』をお持ちでしたら、
 千草にお任せさせてもらえないですか?」

322小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/23(火) 09:18:23
>>321(レス遅れ失礼しました)

>準備がいいんですね。見習いたいです

「いえいえ、私が飲みたかったから用意しただけです。幸い、水槽は
数時間は保つので、さしたる労力はないですし。こう言った突然の
嬉しい来訪に関しても直ぐに出せる事で役立ちますから」

千草さんにアールグレイの水槽をティーカップの上に落として解除を行い。
 自身はアップルティーを。それに口を付けつつ相談を聞く。

「ふむ……千草さんの『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』さんの力を
有効活用する為、ですか」

『不用品の引き取り』。成程、確かにスタンドの力を駆使すれば
如何なる処理に困るようなものも文字通り埋めてしまえば解決するだろう。

「『お客』に関しては、私も出来る限り人に会えたら宣伝してみます。
いま、捨てようと思ってるものと言えば。彼(ヤジ)が少し溜めてる
煙草の吸殻の袋と。生ごみが少々台所にありますが。
『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』さんの手を煩わせる程のものでも
ないとは思いますけどね」

『不用品』といえる不用品は、作家である私の中だと不幸か幸福なのか
如何なる物でも受けた衝動や感覚が文章の糧となるのも相まって
極端だとゴミ屋敷を築く主のような談だが、ゴミと言えるゴミが無いのだ。
 とは言え、この寮に異臭の城をわざわざ作ろうとは思わないが。

「『何が出来ないか』……何が出来ないか、と言う言葉は私自身の問いでも
あります。こう言った、適温のお茶を何時でも差しだせる以外でも
誰かの御役として立てれば良いとは思ってるんですけどね」

解除しない残りの水槽を指で触れつつ呟く。
 『リヴィング・イン・モーメント』は、液体が無ければ発現出来ない。
発現しても、その水槽で相手を傷つける事や守る事も難しい。
盾や矛となるには蟷螂近しい代物だ。射程距離が優れてる事は
事前の脅威を察する役にはなる。だが、目前に不意に危険が出現すれば
対応するのは難しい。とは言え日常でそうそう災難が起きる事は少ないだろうが。
目の前で暴漢が誰かを襲ってる際に能力を発動して明確に助けを行う事は
難しいだろうとは言える。

「……少なくとも、私は千草さんとこうして日常で会話をするだけで
何時も通りの平和を実感出来ます。
 それで私には十分な果報者だと思えますよ」

323三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/02/23(火) 20:20:25
>>322

「……ありがとうございます。
 小林先輩とお話するのは、とても楽しいです」

それは本当の事です。
ただ、少し不安になります。
それだけでいいのかどうか。

「――『宣伝』して頂けるんですか?」

        ペコ

「よろしくお願いします、小林先輩」

一部屋ずつ回って、『回収』させてもらおうかと考えていました。
まずは『存在』を知ってもらう事が大事ですから。
でも、いきなり尋ねても『不用品』というのは中々ありません。
小林先輩の言う通り、やっぱり最初は『宣伝』からすべきでした。
『新規開拓』は地盤を固める事が肝要です。

「小林先輩の『水槽』と、千草の『墓堀人』。
 遠くまで行ける所は少し似ていますね」

「スピードも同じくらいですし……。力も……。
 何だか思ったよりも似ている所が多いかもしれません」

それでも、『水槽』と『墓堀人』は全然違います。
『姿』も『能力』も。
それに、本体の小林先輩と千草も違います。

324小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/23(火) 22:42:07
>>323

>小林先輩とお話するのは、とても楽しいです

「それは、良かった……あぁ、そうだな」

小林は、普段浮べる人が好むであろう微笑を引っ込め
真顔になり、少し考え込む間を作り上げた。

「埋め立てするゴミは無いのですが。
もし良ければ千草さんさえ構わなければ……
――いや、違う。私は貴方に聞いてほしいんだ」

・・・私の『悔恨』を


「……無理にとは言いませんよ。
話して楽しい物では決して良いものではないでしょうから。
あぁ、いえ。怪談のような類では無いのですが。
でも決して後味の良いものではないでしょうし」

普段通りの微笑の形を繕うものの、少しその力は弱まっている。

325三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/02/23(火) 23:13:48
>>324

紅茶のカップを傾けていた時でした。
気になったのは、小林先輩の表情です。
何度かお会いした事がありますが、
こんな顔を見たのは初めてでした。

「何でしょうか?お役に立てるのなら、是非お聞きしたいです」

千草は弱い人間です。
怖い話を聞いただけでも、意識が遠くなってしまいます。
もしかすると、ここで気を失ってしまうかもしれません。
そうなったら、小林先輩に迷惑が掛かります。
聞かない方がいいのかもしれません。

「…………話して下さい」

       ニコ……

でも、先輩は『聞いて欲しい』と言いました。
小林先輩から頼ってもらえたのです。
千草にとって、それは嬉しい事でした。
だから、笑顔で頷いたのだと思います。
小林先輩を安心させたくて。

326小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/24(水) 19:58:58
>>325

「有難う御座います……そうだな、何処から話すべきか。
以前、学園で鉢合わせた際の会話を覚えてます?」

>『千草さんの歳よりも、もっと幼少の……小学生に入りたて位でしたかね。
その時に、一度私は完全に『壊れる』体験がありましてね』

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647476/571


「アレは、決して比喩表現では無いのですよ」

小林は、三枝 千草に対して抑揚をつけ瞳を見据えながら話し始めた。



「――私の出身は、この町でなくもっと北へ上がった方面の町で。
物心付いた頃の家の近隣にはマスカット畑。烏兎ヶ池ほどの伝統は無いですが
近くには寺があって、繁華街まではバスで1時間程掛かる郊外な少し
寂れてはいるものの、私は生まれ故郷が好きでした」

親に内緒で果樹園に入って冒険したり等、平凡な幸福を享受してたと思いますと
区切りを付け。その表情は内容通りの柔らかさが含んでいる。

「――『幼馴染』と言うモノが、全てを崩御させるまでは、でしたが……」

然し、次のその発言の時には感情が脱ぎ捨てられ無が覆っていた。
今まで目にした事が無い程に、その顔には喜怒哀楽と言うものが見えない。
だが、直ぐに我に返ったのか申し訳なさそうな微笑の形に顔を戻して謝罪する。

「すいません、怖がらせるような空気を作ってしまいまして。
……少しだけ、関係はあるけど別の話をしますが。
千草さんは……『    』と言う町を御存知でしょうか?
(※日本にあるどの町村にも聞き覚えの無い単語だとわかる)
それと……千草さんは『スワンプマン』と言うのを御存知でしょうか」

『スワンプマン』 ある男性に雷が落ちて、その人は消失して。その近くにあった
泥沼から奇跡的に男性と同じ存在が産み出され。その同一の存在は完璧に生前の
男のままに生活するが、その泥男は死んだ男と同一と言えるのか? と言う
思考実験の類の話だ。知らなければ、その要約した説明を行いつつ
小林は訊ねる。

「これから、もっと荒唐無稽に聞こえる内容の物語が出てくるのでね。
……千草さんは、身近な親しい人間が。元々、一度は既に死んでいたけど
実は再生していたと知ったら。
 その人物をどう思いますでしょうか?
私は態度を変えないだろうと考えますし、その当人が秘密を明かしたところで
人並の関心を示すものの距離は変わらないと思います」

私は自身に対して明確な害意が存在しないのであれば、その人物の過去が
何であれ態度を変える気は無いですからと雑談に対し感想を入れる……。

327三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/02/24(水) 20:55:11

       グラ…………

『死』という言葉が聞こえた瞬間、意識が遠くなりました。
覚悟はしていても、体は反応します。
千草は、『そういう体』なのです。

「……すみません。何でもありません」

「ごめん……なさい……」

          コト

カップを置いて、深呼吸します。
『気絶』はしなくても済んだみたいです。
でも、少し気を張っておかないと、
いつの間にか意識がなくなってしまうかもしれません。

「難しい話なので……。
 すぐに答える事は出来ないですけど……」

         スゥ……

「『元々の前提』が間違っていたという事はないでしょうか?
 その……実は『いなくなっていなかった』とか……」

         ハァ……

「それとも……最初から『泥』だったとか……」

『呼吸する事』を意識しておきます。
ここで倒れたら、小林先輩に迷惑が掛かります。
それは駄目です。

328小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/24(水) 21:30:20
>>327

「大丈夫ですか?」

千草さんがふらついたのを視認して、心配な声を上げる。
流石に倒れれば介抱するものの、本人の言葉に頷いて
少しだけ時間を置く為に手元の紅茶を少し含んでから話の続きを開始した。

>『元々の前提』が間違っていたという事はないでしょうか?

「……確かに、その可能性も無くは非ず、ですよね」

「…………ただ、私の場合は。その前提が崩れていたかも知れないと言う
根拠が記憶の中には無いのですよ。先程の話の続きです
――私は、その『幼馴染』によって。
一度死んで、そして再びこの世に『小林 丈』と言う存在として
作り直された……そんな記憶がね、あるんですよ」

聞くだけならば簡素な言葉。法螺話のような内容ながら
話した人物は、言い切ると深く長い溜息を直後に吐き出す。

「……この事柄については、音仙さんにも告げた事はない。
話した事があるのは私の親友だけです。
 その事が切っ掛けで、私は私と言う自我になる前の人格形成していた
器は一度木っ端みじんに壊れました。それでも、色々あって今の私は
このように平穏な生活に浸れる無上の恩恵に至れてます。不幸では決してない。
 ただ、時々孤独感が襲い掛かるとフッと『幼馴染』について考えてしまうのです。

その子について私が抱く想いは、正直言って筆舌尽くせぬものです。
憎悪か、憐憫か、または悲哀なのか二度と会わない事に安堵出来てるのか
それとも、その全てなのか……」

時々、ふと幻聴のように。あの子がタケルと、自分であるが自分でない
名を唱える音が聞こえてくる錯覚に陥る。
 既に、もうあの子は消えた筈だと聞かされたけれど。けれど、その子の
スタンド能力と言う異能すら超越していたと感じられた。あの日の事を
思い返せば、何処か知らぬ場所で実は私を覗き見してるのではと言う
期待なのか絶望視してるのか不明な色合いの感情が胸に積もる。

少し、とても遠くへと視線を向けていたのを対峙している客人へと
視線を戻して何時も通りの笑みを表情に貼り付けた。

「とまぁ、つまらない話を聞かせて申し訳ないが、これが私が話したかった事です。
どう捉えて貰っても構いません。作家の妄想とも、何かしらの白昼夢を真実と
思ってるか、実は何かしらのスタンド使いによって幻影でも見せられたのを未だ
現実を思い込んでいる可能性だってあるでしょう。
……でも、私の大切に仕舞いこんでいる情景の中には。
今も彩りが鮮明なマスカットの畑と『幼馴染』が埋まっているんです……」

それだけを、どうしても知って欲しかった。

千草さんなら馬鹿には決してしないと信じるに値するものが秘めていたから。。。

329三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/02/24(水) 22:02:41
>>328

「………………」

その時、どう答えればいいか分かりませんでした。
理解が追いつかなかったのです。
あまりにも、話が大き過ぎました。

「…………『信じますよ』」

      ニコ……

「小林先輩が『信じて欲しい』というなら」

「千草は――――それを信じます」

いつの日か、『立派な人』になる。
それが千草の『人生の目標』です。
先輩は『信じるに値する人』です。
『立派な人』です。
だからこそ、『小林先輩の話を信じたい』と思ったのです。

「誰にも言いませんから」

それに、打ち明けてもらえた事が嬉しかったのです。
『信じられている』と思うのは、思い上がりでしょうか?
だけど、そう思えた事が、千草にとっての喜びでした。

          スッ

「――――ご馳走様でした」

          ペコ

立ち上がり、お辞儀をします。
いつまでもお邪魔している訳にもいきません。
それに、他のお部屋にも『宣伝』に行かないといけませんから。

330小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/02/25(木) 19:26:51
>>329

「………………えぇ、有難う御座います」ニコッ

私自身が、一歩前にこれから先に進めたくて。その為には抱えていた
途方もない大きさの業苦を、少しでも減らしたい自己満足の為に
千草さんを選んでしまったのでは?
 それとも、私から見ても小さな体躯のこの方の前を向く横姿が
私よりも遥かに強い事から、私は自身の停まっていた迷いが進めると
言う期待を押し付けて、甘えてしまっているのではなかろうか。

「千草さん……私は」

貴方が思う程に信のあるものだと、私自身はどうしても思えないのです。
 今でも、あの遠い遠い記憶の中にある小さな姫君のような振舞いがあった
拭おうとも拭い去れぬ人に対して、ただの一度も成した積を肯定も否定も
出来ぬ、この愚かな木偶の坊の中身に親友が告げるような黄金色の芯が
宿っているのだとは、どうしても。

「…………いえ、お気をつけて」

けど、その言葉を言うのは吝かであると思い直し。出口付近にて
そう一言と笑みを向ける。

今の私は、正しく微笑む事が出来ているだろうか?

331常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/05(月) 23:01:42
出会いや別れの季節…が、そろそろ落ち着いてきた頃合い。
朗らかな日差し。門に植えられた桜も散り始めていて。

 「こんにちは」

    ザ   ザッ

   「こんにちは!」

寮の前を掃き掃除している大柄な成人男性がいた。
タケ箒を振り振り、通りすがる人や寮生に挨拶なんかをしている。

  「いってらっしゃい…お気をつけて!」
 
    ヒッ…!  アッハイ コンニチワ…

若干『避けられている』みたいだが。

332大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/05(月) 23:37:22
>>331(常原さん)
「やぁやぁ、寮母さん、こんにちは。ご機嫌麗しゅう」
黄色いリボンのついたシルクハットを被った、緑髪に右目が青で左目が赤で、清月学園の黒い制服(改造済)に身を包んだ男装少年(女子)が、通りがかって演劇じみた仰々しい挨拶(↓ハスキーボイス↓)をした。(情報量に問題のある文章)

「この寮は実に素晴らしいね。まるで十年住んだボクの家のようだよ」

「まぁ、ボクが住み始めてまだ5日目なんだけどね」
そういえば4月1日にこんな奴が引っ越してきたような気もする。

333常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/05(月) 23:58:45
>>332
 「こんにちは。お初にお目にかかります。」

お芝居じみた不思議な出で立ちの君。
ところで、相手の外見も三つほど不思議な点がある…

一つ、大柄な体格。遠目からでもわかる、身長180以上だろう。
まるで彫刻のように、大袈裟に鍛え上げられている筋肉。

二つ、左目の『眼帯』。レース編みで飾られている。

 「全てのお嬢様お坊ちゃまを覚えるように心得てはおりますが…
  
  …申し訳ありません…俺、『寮母』ではないものでして。
  ここでは家事のみを専門にやっております。」

 「『素晴らしい』…本当でうか!それはよかった!!
  不便や違和感、変なことあったら仰ってくださいね。」


三つ。黒いスカートワンピ。エプロン。ヘッドドレス。
リボン、たくさんの白いフリル。

低く、大きく通る、実直そうな声音。『メイド服』。

334常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/06(火) 00:00:43
(ほかの新入生も、来てもいいですよ!!大神さんがよければですけど…)

335大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/06(火) 00:16:14
>>333
「ふむふむ、ふんふん、なるほど、そうか」
オッドアイの瞳で常原の外見をきょろきょろと見渡す。

「つまり、こういうことだな。いや、なにキミの姿を見れば分かるとも」
クルクルとシルクハットを指先で回す。

「ズバリ、キミは『この寮のメイドさん』だな。」
ビシッと人差し指を向け、カッコつけながらボクはキメ顔でそう言ってやったのだ。

336大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/06(火) 00:18:07
>>334
ボクが来るものを拒むはずがないだろう?
とボクは初対面の相手に訳知り顔で思うのだった。

337常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/06(火) 00:33:53
>>332
君は色の違う眼で見つめる、
常原も片目でそれを追っていた。


 「 ――! よくお分かりになられましたね!!!」

 「『家政婦(メイド)』の『常原(ツネハラ)』にございます。
  この寮では、掃除洗濯料理、家事をなんでもやっておりまして」

見ればわかるとおり、そういう事らしい。


 「ええと……………」
 「………」

 「…… 『お坊ちゃま』!!!」

しばらく無言で君を見つめていたが、
不意に、クイズでも答えるような声音で叫んだ。
君の呼び方で悩んでいたようだ。

338三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2021/04/06(火) 00:57:16
>>335-337

          「あっ――――」

                 トッ トッ トッ

    「常原さん、お久しぶりです」

          ペコリ

 「この前は、『お茶』をありがとうございました。
  今日も、お仕事ご苦労様です」

          ペコリ

「――――それでは、また」

  タッ タッ タッ

そこに、一人の『中等部生』が通りかかりました。
線が細く、小柄な生徒です。
『男の子』のようにも見えますし、『女の子』のようにも見えます。
その生徒は、常原さんに挨拶して寮に戻っていきました。
これから勉強しなければいけませんから。

339大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/06(火) 12:41:37
>>337(常原さん)
「そうだろうそうだろう。
 ボクの推理力はちょっとしたモンなんだよ、ワトソン君」(あたいったら天才ね)

「ほぅほぅ、自己紹介ありがとうございます、常原さん。
 なるほど、お掃除、お洗濯に、お料理もできるメイドさんとは完全無欠だね。(この際、その外見には目をつぶろう)
 まさに完璧の画竜点睛。さんすう大好き」

「今日の朝食のお味噌汁はとても具沢山で美味しかったよ。
 今後とも作ってくれると嬉しいな。
 さぁさぁ、今後ともよろしくお願いします」
シルクハットを胸に深々とお辞儀をする。

「お坊ちゃま……いい響きだ。『感動した』。素晴らしさのファンタスティック・フォー。」

「その肩書で名乗るならば、さしずめボクは『大神 或真 (おおがみ あるま) 坊ちゃま』であると言えるだろう。
 先日の誕生日で早くも16歳になったところの、清月学園高等部1年生さ、僕のワンダフル・ジャーニー」

「その『坊ちゃま』と言う肩書を、ボクは大変気に入ったので、
 これからボクを呼ぶ時は、その肩書を言葉を覚えたオウムのように連呼してくれたまえ、コケコッコー。
 サユリさんいわく、『DL6号事件を忘れるな』」

どうにも余計な一言を付け加えるのが癖のようだ。

>>338(三枝さん)
「やぁ、こんにちは。はじめまして」
シルクハットをとって挨拶をする。

「あの子は中等部かな?」

「いやはや、変わった人が多いものだ」

「世の中、不思議なことばかりだね、カンパネルラ」

……と、大神の持つ『シルクハット』がいつのまにか『ステッキ』に変わっていた。

「悩める救世主は言われた。
 『イリュージョンだ、リチャード、この世の全てはイリュージョンだ。
 何から何まで光と影が組織されて、像を結んでいるだけなんだ、わかるかい?』」

どうにも余計な一言を付け加えるのが癖のようだ。

340常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/06(火) 20:06:06
>>339(大神)
 「至らぬながらも家事雑事万事を屈強にこなしております。
  『家政婦たるものワンマンソルジャーたれ!!!』が俺の流派のモットーで!!!
  馬車馬やニワトリや可愛い文鳥と思って酷使していただければ!俺を!!」

 「お食事ももたびたび出してますね…
  味噌汁……俺そんなに具を入れたっけな?まあいいか」

異常メイドマン、すこし砕けた話し方をしている。
完璧敬語マンではないようだ。

「ご主人、奥様、保護者の皆さまの元を離れ、青春に励まれるご子息がた…」
「その身を預かるメイドですゆえ。『お坊ちゃま』『お嬢様』と呼ばせていただきたく。」

「…『アルマお坊ちゃま』」
「『アルマお坊ちゃま!』『アルマお坊ちゃま』!!!『お坊ちゃま』!!『アルマ』!!!」

連呼ッ!

>>338(三枝)

「お疲れ様です『三枝』『お嬢さま』」
「ミルクティーでしたら、また淹れます」

 「…それと。答案のマークシートはしっかり埋めるのですよ
  『穴』とは仲良く、危なくないように!」

お辞儀。見送る。

     ボソッ

「『勉学』…だけではない。『能力』…。
 少年少女は……弱い。気にかけてやらねば…」

341大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/06(火) 20:37:46
>>340(常原)
「なるほどその意気やよし!家政婦ワンワンソルジャー、101匹だよ全員集合!」

「ふむふむ。馬車馬でニワトリでカワイイ文鳥なわけだね、キミは」

「では、さえずってくれたまえ、文鳥クン」
ボクは調子に乗って、ステッキをクルクルと回し始めたのだが、そいつがいけなかったのかもしれない。

>『アルマお坊ちゃま!』
「ははは!」(声↑)
                       ○ ←ブンブン回るステッキの図

>『アルマお坊ちゃま』!!!
「ふふふ!」(声↑↑)
                       ◎ ←ブンブンブンブン回るステッキの図

>『お坊ちゃま』!!
「ほほほ!」(声↑↑↑)
                       ◎ ←ブンブンブンブンブンブン回るステッキの図

>『アルマ』!!!
「きゃあっ!ごめんなさい!」(16歳少女の甲高い声↑↑↑↑)

                       ↑ ←ああっ!ステッキが上空にすっぽ抜けた!の図

                            クルクル〜  ぷすっ!
(中略)

「きゅ、急に呼び捨てにしないでくれたまえ。
 お、お父様かと思って、ビックリしてしまったじゃないか」 (↓ハスキーボイス↓)

「はー、もう。
 ボクのシルクハットから、ビックリドッキリメカが出てきてしまう所だったぞ、常原トンズラー君」 (↓ハスキーボイス↓)

いつの間にか、『ステッキ』が『シルクハット』に戻っているが、些細なことだろう。
キミは何かに気づいてもいいし、気付かなくてもいい。 (具体的には性別とかだな)

342大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/06(火) 20:38:22
おやおや?sageていくのは、ボクのキャラじゃないぞ?

343常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/07(水) 00:20:06
>>341(大神)

 >「きゃあっ」

 「!?!?!?!?!」
 「わあッ!!
  大丈夫ですか!?!?!?!やってしまいました俺!!
  ごめんなさい!!!!申し訳ありません!!!」

なんか急にびっくりされたので、常原もびっくりしちゃったみたいだ。

 「あ ステッキが飛んで
   あれっ 帽子に戻って…」

薄目になりながら帽子を拾い上げる。
(すっぽ抜けた後どっかに落ちたよね?落ちたってことにしてね)
急に鳩とか出て来たら怖いぞ。

 「…『手品』が、解けちゃいましたね」
 「危ない危ない。
  隙を出すとタネがバレてしまいますよ」

 「ほら。見ませんから。どうぞかぶってください。『お坊ちゃま』。」
 
 目をつむりながら帽子を差し出す。気づく?何にだい?

344大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/07(水) 10:23:49
>>343
おやおや、常原クンが大事なシルクハットを拾ってくれたぞ。ありがたい。
鳩は出ないぞ、なんてったってボクの能力は無生物限定だからね。

「やぁ、ありがとう、常原メイド隊員。これは、お父様の大事なシルクハットなんだ。」
というわけで、ボクは常原クンからシルクハットを受け取ったのさ。

「ホントにその通りさ。油断すると、薄っぺらい手品(マジック)は解けてしまう」
そして、ボクはシルクハットを被ったのさ。

嘘も被るし、シルクハットも被る。ボクってば、そんなヤツなのさ。

「だがしかし。
 ボクらは三次元の宇宙に居るわけだけど、三次元から見た二次元は薄っぺらい。
 だとするならば、四次元から見たら、三次元は薄っぺらいのかもしれない。」

「はてさて、だとするならば、『薄っぺらい嘘のフィクション』と『重厚な現実のノンフィクション』の境界は、どこにあるというのか?
 現実のタネを明かしたら、何が出てくるのか?」
適当な言葉を並べ立てる。

「それはともかくとして。それでも。だからこそ。ボクを『坊ちゃま』って呼んでくれてありがとう、常原メイド隊員。」

「キミは確かに、可愛い文鳥で、正真正銘、立派なメイドさんだ。
 キミの真実がメイドさんであることを、ボクが観測したのだ。」

ボクはオッドアイの瞳でキョロキョロと常原クンの全身を見渡した。

            一つ、大柄な体格。遠目からでもわかる、身長180以上だろう。
            まるで彫刻のように、大袈裟に鍛え上げられている筋肉。
            二つ、左目の『眼帯』。レース編みで飾られている。
            三つ。黒いスカートワンピ。エプロン。ヘッドドレス。
            リボン、たくさんの白いフリル。
            低く、大きく通る、実直そうな声音。『メイド服』。

ふむ。

「この世界を虚飾が覆っていたとしても、キミは真実のメイドさんだ。
 この世界の他の誰もが認めなくとも、ボクが認めよう。」

「これは嘘じゃないぞ。本当だぞ。」

            うそかな? ほんとかな?

345常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/07(水) 14:03:19
>>344(大神)
「三次元…四次元…ゴジゲン…」
「フィクション…ノンフィクション?」

常原、あんまわかってなさそう。

 「…はい!俺は誠実で忠実なカワイイ文鳥…じゃなかった『家政婦』です!」

 「まあ、なんか、誰しもいろいろ悩みがあるみたいですが…」
 「春、一年生。いろいろあるでしょう。困ったときはご相談ください」

 「アルマお坊ちゃま、改めて、清月館へようこそ」

     ペコォ〜ーーーーッ

メイド男、深く頭を下げる。
珍妙な振る舞いと格好はするが、
しかしこのメイドマンは正直者であるようだった。

 「……あ、人を困らせすぎる嘘はやめてくださいね!
  おイタは許しませんよ俺!!」

346大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/04/07(水) 14:46:56
>>345
「ああ、こちらこそ改めまして、よろしくお願いするよ、シンデレラ常原クン」
元の調子を取り戻したのか、演技じみたうやうやしい挨拶をする。            ウヤウヤ〜  ←うやうやしいオノマトペ

「それは困ったな。
 ボクからウソとイタズラを抜いたら何が残ると言うのだろう。
 そこにあるのは水か?炭素か?
 それは、難しい問題だ。」

「女神の泉に身を投げてみようかな。
 常原クン的には、金のボクと銀のボクのどちらがいいかな?」

「そんなことをバカ正直に考えてしまうぐらい、『正直者』のボクだから安心したまえ。」

                くー      ← おなかが空いたオノマトペ

「ふむ、そろそろ、常原クンのおやつと紅茶を口にしたい時間かもしれない」

「またの舞台まで、退場しよう」
寮に入っていった。

347常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/23(金) 23:49:19
ガチャ



「お掃除ですよ!!!!!!!!!!!!!!!」

>>348の部屋にメイド服を着た筋骨隆々の漢が侵入している。

348飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/04/24(土) 00:44:57
>>347
部屋の中には茶髪をツインテールにした少女が一人、机に向かっていた。

「お姉ちゃん、どこにいるのよ…」

写真を眺めながら、私、飯田咲良は呟いた。
なんでもできて私より先に進む、そんなお姉ちゃんが私は大嫌いだった。
私が、こうやって悩んでてもお姉ちゃんは全然知らないんだk――

>ガチャ

>「お掃除ですよ!!!!!!!!!!!!!!!」

「きゃっ!?
 や、やめてよ!入ってこないでよ!
 な、なんだ寮母…さ、ん……?
 え、メイドさん?男の人??なんで???」

慌てて家でお母さんに言うように口答えしてしまった。
……この人は…メイドさん…?

349常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/24(土) 01:17:04
>>348

 「見ての通りの『家政婦(メイド)』にございます」

君は部屋に鍵をかけていただろうか。
かけていた?だとしてもこの男は何らかの手段で施錠を突破してくる。
『お母さん』でも『寮や学校の関係者』でも『OB』でもない。
この男、ただの不法侵入スタンド使いである。

 「お部屋を綺麗にしにまいりましたよ」
 「この寮のしきたり…
 『自立心、向上心を培う為『家事』は学生自身で行うよう努めること』」 

 「しかし、家事に専念していられない方もおられますゆえ」

大柄な成人男性だ。『メイド服(フリルでフリフリのワンピースとか!)』を着用。
精悍な顔つき、左目の眼帯がチャームポイント。
箒とかバケツとか掃除用具を乗せたカートを引いている。

 「お嬢様のお部屋は―――――」

君の部屋は綺麗?
本棚から漫画があふれたり、食べかけのお菓子の袋が転がっていたりしない?

350飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/04/24(土) 07:07:22
>>349
鍵は…かけていなかった。
田舎育ちで部屋に鍵なんてかける習慣はなかったから。
でも、こんな人が入ってくるなんて思わないじゃない!

「メイドなのは見たらわかるけど!
 でも、そんなメイドさんって普通寮にはいないでしょ!?
 それに!どこの世界にマッチョなメイドがいるのよ!??」

私は悲鳴を上げた。
姉の写真を見て物思いに耽っていたなんて知られたくない。
手当たり次第に部屋のものを不審者に投げつけ、撃退しようとする。

「ちゃんと掃除もできてるし、家事も一通りしてるもの!
 今はちょっと散らかってるけど!!
 投げたものもちゃんと片付けるんだから!!!」

私がこつこつ整えてきた、可愛らしくまとめた部屋は不審者撃退の名目のもと、
ノートや漫画、目覚まし時計などが床に散らばり、ちょっとした荒れ地へと変化してしまった。

351常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/24(土) 11:14:03
>>350
 「実際にいるではないですか、俺が!」

 「うわッ 投げないでください!」
 「お部屋が散らかってしまいます!!」

メイド男、文房具とか目覚ましとかがぶつけられながら、
あんまり痛そうにはしていないみたいだ。
というより、男の雰囲気が若干変わったというか、
顔や肌が『ヌイグルミ』のようになっているのが見えるかもしれない。

 「片づける?本当ですか?」
 「俺は『お嬢様』を信頼したいです…」

 「ですが!『いつか片づける』とおっしゃりつつも
  なかなか着手できない方々もいます!」

 「綺麗にできないのは仕方がありません
  …しっかり者でない方もいます
  ですから!!!!!そのためにこの俺がいるのです!!!!」

 「是非この常原(ツネハラ)に『片づけよ』とお命じに!!!
  俺に!!!是非!!!是非是非是非!!」

ヌイグルミマッチョメイド、興奮している。

352飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/04/24(土) 11:43:14
>>351
「い、いるけど!
 なんでいるの…?意味わかんない…。
 ……ごめんなさい、物投げて。痛かった…でしょう?」

物を投げているどさくさに紛れながら姉の写真は引き出しに隠した。これでバレないと思う。

改めて、『メイドさん』…呼ぶのも納得できないが、彼を見る。
痛かったかと聞いたが、あまり痛そうではない。
それに見た目がどう見てもおかしい。まるでぬいぐるみのように柔らかそうな姿になってる。

(等身大マッチョメイドぬい…)

よくわからないが、なんとなく見てはいけなかったナニかを見てしまったようで、目をそらし…床を見た。
どう考えても一人で片付けるのには時間がかかってしまう量、物が転がっていた。

「うぅ、片付ける、片付けるけどこんなにたくさんじゃ時間がかかっちゃう…。
 あとでお姉ちゃん探しに出かけたいし…
 思惑に乗ったみたいでちょっとイヤだけど…仕方ない、か…」

「常原さん、ちょっと手伝ってください。
 表札見ればわかると思いますが、私、『飯田咲良(イイダサクラ)』といいます。
 床に落ちてる物だけ片付けたいので手伝ってください…」

興奮したマッチョメイドぬいにお願いをする中学女児、妙な状況だった。

353常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/24(土) 12:39:17
>>352
「謝る必要はございません」
「『家政婦』はにとって家庭は戦場。常在戦中!!
 兵士がごとき肉体と精神を持てというのが俺の流派でして。
 些細なことで取り乱したりはいたしません、ご安心を」
  
マッチョぬいは『鍛えてるから平気だよ!』って言いたいみたい。

 「行って来ればよいではないですか」
 「片づけであれば、俺一人でも」

男は、散らばった色々を拾い上げ、

   ガラガラガラ
  

「――――――――――『お姉ちゃんを探す』?」

「なんですと!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「『家族』が離れ離れになったというのですか!?!?!?!?」

「まま、『迷子』ですか!?!?!?
 お姉さまはひょっとして『迷子』なのですか!?!?!」
「は!!!よもやお嬢様自身が『迷子』!?!?!?そんな!!!」

「うおおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」

物を落として取り乱している。

354飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/04/24(土) 13:04:22
>>353
「大丈夫なら、いいんだけど…」

鍛えていない中学生でも物をぶつけられたら痛いと思う。気を使われてるってことなのかな。
ちょっぴり申し訳なくて顔を背けながら物を拾った。
そうしていると後ろから、まるで物を落としたような音が聞こえてきた。

>   ガラガラガラ

>「――――――――――『お姉ちゃんを探す』?」

「え!?ちょっと落とさないでよ…!」

家から持ってきた物もたくさんあるし、さっき投げた中には『アルバム』もあった気がする。
と、とにかくメイドさんが動揺してるうちにアルバムだけでも回収したい、落としたものを拾い集めながら話を進めた。

「べ、別に『迷子』とかじゃなくて…。
 たいしたことじゃないんだ。
 ……お姉ちゃんは『家族』のことがいやでどこか遠くに行きたいんだって。
 でも、私は…お姉ちゃんに勉強でもなんでも勝てたことがないから、いなくなっちゃうのが嫌なだけ」

「だから、だからお姉ちゃんがこの学校に進学したのを追いかけてきたの。
 運が悪いのか、同じ市内にいるはずなのに一度も会えてないんだけど…」

くそ親父に大切にされていたのもお姉ちゃんで、求められていたのもお姉ちゃんだった。
そんなお姉ちゃんに勝てたら、私は私のことを認められる気がする。

355常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/25(日) 22:19:41
>>354
おおおおおおおおおおお………お?」

「 ………迷子ではない… 早とちりでしたね俺」 
「ああっ 散らかしてしまいました」


アルバムとか、君の見られたくないものは回収できた。
メイド男の目に付くことはない。

パッ   ガタガタ

「離れ離れは、辛いですからね」
「また家族みんな一緒になれれば良いのですが」

目を伏せながらメイドぬいぐるみ男は部屋を片付けている。
手早い。寮の部屋の整理整頓に慣れているようだ。  

「お姉さんのこと、好きなのですね。 
 早く再会できる事をお祈りします…」

「…ふむ、お部屋は本当に綺麗になさっているようです
 お父様お母様の教育の賜物ですね」

ぽつぽつと喋りながら、窓枠の埃とかを拭っている。
じき掃除も終わりそうな雰囲気。

356飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/04/25(日) 22:32:56
>>355
『アルバム』は見られなかったようで正直、ほっとした。
あの『アルバム』には私とお母さんの映っていない、お姉ちゃんたちだけの人生だけがあるから。
見られてしまえば不審がられるのは目に見えていた。

「そう、ですね。
 離れ離れになったら私はお姉ちゃんを越えられないで、ずっと…。
 ……あ!お姉ちゃんのこと、好きとかじゃないですから!」

話しながら見回すと、部屋は元通りどころかちり一つなくなっていた。メイドさんってすごい。

「ありがとうございました。
 すっかり綺麗になって助かりました。
 私はちょっとこの後、お姉ちゃんを探しに行こうと思うので、戸締まりとかもしちゃいますね」

 そう言って窓などを閉め、外出の準備を整え始めた。

357常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/04/25(日) 23:23:01
>>356
「ええ。ええ…」
「『鍵』はしっかり閉めてください。
 ちかごろ、寮に『女装したガタイのいい不法侵入者』が現れるらしいので。
 俺はまだ発見できていないのですが…見つけたら必ず助けを呼んでくださいね!!」

メイド男は、君が戸締りをするさまを見届けながら、道具をまとめ、
隣の部屋(鍵がかかっているように見えたのだが…)のドアを開けていた。
まだ掃除を続けるのだろう。

358飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/04/25(日) 23:34:13
>>357
……その『女装をしたガタイのいい不法侵入者』ってこの人なんだろうな。
いい人っぽいし直接言うのは微妙だけど、この勘は正しいと思った。

「それじゃあ、ありがとうございました。
 次はせめてノックしてから入ってきてくださいね」

そう言って部屋の鍵を閉めて、私は『お姉ちゃん探し』へと出かけることにした。
今日は見つけられるといいけど。うーん、駅前にでも行こうかな。

そうして寮の外へと歩いていった。

359桐谷研吾『一般人』&御影憂『ナハトワハト』:2021/05/04(火) 09:18:58

  ザッ ザッ ザッ

二人の人間が『清月館』の廊下を歩いている。
一人は紺色の制服と制帽を着用した男だ。
その姿は、一見して『警察官』である事が分かる。
もう一人は、白いワンピースを着た女だった。
異様に長い前髪が顔の大部分を覆っており、
その姿は『ジャパニーズホラー』を思わせる。

                   ザッ ザッ ザッ

数日前、『スタンド使いの不審者』が現れたという話を、
寮生である『飯田咲良』から聞いた。
二人の目的は、それについて調べる事だ。
名目上は、
『不審者の存在を警察に訴えた』という形になっている。
しかし、他の警官に話は伝わっていない。
『スタンド』が関わっているなら、警察は無意味だからだ。

360飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 11:05:38
寮の一室から中学生ほどの少女がゴミ袋を片手に出てきた。
茶髪を低い位置で二つ結びにしている彼女は、廊下を歩く二人の人影に気付いたようだ。

ーーーーーーーーーーーー
>>359
「あれ?御影さん?
 この間ぶりですね!」

部屋のゴミ捨てをしてたら、御影さんに会っちゃった。
御影さん、どこに住んでるか、そういえば教えてもらってないし…実は寮だったのかな?
今日一緒にいるのは変な杖の人じゃなくて…警察みたいな男の人…?

「えっと、この人は…警察の方、ですか?
 お疲れさまです。『飯田咲良(イイダサクラ)』と言います。なにかあったんですか?」

もしかして、また不審者が出たのかな?
御影さんになにかあったなら大変…!

361大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 11:16:31
>>359(桐谷&御影)
>>360(飯田)
「なんだいなんだい、騒がしいな。何やってるんだい、キミ達は」 (ハスキーボイス)

部屋のドアをちょいと開けて、緑髪に右目が青で左目が赤の男装少年(16歳 女子)が顔を出した。

 (※乱入が難しいようなら、部屋に顔を引っ込めて退場します。)

362桐谷研吾『一般人』&御影憂『ナハトワハト』:2021/05/05(水) 13:14:21
>>360(飯田PC)

「どうも、ご丁寧に。地域課の『桐谷』です」

「『御影憂』さんから訴えがあったので、
 見回りをさせて頂いてるんですよ」

桐谷と名乗った警官は、御影を振り返る。

「また『不審者』が出たら………………。
 危ないから………………」

            ボソッ

「『お巡りさん』………………呼んできた………………」

どうやら、『また出た』訳ではなく、
念のために連れてきたようだった。

「あぁ、あなたが飯田さんですか。
 大体の事情は伺いました。
 『不審者』を見かけたそうですね?」

「こちらの御影さんから頼まれたんです。
 『後輩の事が心配だから一度学生寮を見て欲しい』と」

>>361(大神PC)

「お騒がせしてすみません。
 『こちらの方』から、不審者の訴えがあったもので、
 ちょっと見回りをさせてもらっているんですよ」

そう言って、警官は後ろに立つ女を振り返った。
それに対し、女は無言の頷きで返す。
外見的には、むしろ、
この女の方が怪しい気がしないでもない。

「終わったら、すぐに帰りますので」

警官の方は、至って自然な対応だ。

363飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 13:37:37
>>361
……すごいカラーリングのお姉さん?お兄さん?だ。染めてるのかな?
とりあえず、騒がせちゃったことを謝らないと。

「す、すみません!
 ちょっと知り合いの方がいらしていて…」
「中二の飯田です、先輩は…?」

>>362
御影さん、優しい…!
心配してきてくれたんだ…!

「御影さん、ありがとうございます…!
 心配をおかけしました」

自室の方に視線を向けて『お巡りさん』に声をかける。

「先日、ちょっと部屋に変な人が入ってきたんです…。
 私の部屋、ここなんですけど、急にドアを開けて"お掃除ですよ!"って言いながら筋骨隆々な男の人…? 女装した…メイドさん…?が入ってきて…」

当時の状況を伝えてみる。
話せば話すほどよくわからない状況だ。

364大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 14:06:40
>>362(桐谷&御影さん)
「おやおやお巡りさん、お仕事ご苦労様です」(↓ハスキーボイス↓)

「なんだって?ここらで不審者情報?それはびっくりだな」(↓ハスキーボイス↓)

「ソイツはボクも話を聞きたいところだ、身の安全は確保しておかないと。情報共有大事。ほう・れん・そう」(↓ハスキーボイス↓)

黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)with茶色の木製ステッキ(ちょっと寝癖が立ってる)
がドアを開けて現れた。
てくてくと近づいてきた。

>>363(飯田さん)
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)with茶色の木製ステッキ(ちょっと寝癖が立ってる)
がドアを開けて現れた。
てくてくと近づいてきた。

「おお、はじめましてかな?中2の子かい。厨ニ全開ってわけだね。ボクは16歳だから確かに先輩だね。先輩風吹いちゃうぜ」(↓ハスキーボイス↓)

「飯田さんっていうのか、ボクは大神 或真(おおがみ あるま)って言うんだ、気軽にオオカミさんとでも呼んでくれたまえ」(↓ハスキーボイス↓)

「アルマ坊ちゃまと呼んでくれてもいいぞ」(↓ハスキーボイス↓)

365桐谷研吾『一般人』&御影憂『ナハトワハト』:2021/05/05(水) 14:23:07
>>363(飯田PC)

「ええと…………」

桐谷は戸惑っていた。
不審者とは聞いていたが、
『詳細』までは伝えられていなかったからだ。
もっとも、『女装』だとか『筋骨隆々』だとかは、
御影も知らなかったが。

「なるほど、よく分かりました。
 それは確かに『普通じゃない』」

「一応お聞きしますが、
 その人は『学生寮の関係者』ではないんですよね?」

「それと、何か盗られたものとかは?」

(もし関係者だとしても、
 それはそれで違った問題があるけど……)

悩む桐谷の後ろで、御影は別の事を考えていた。

「気にしなくていいから………………」

         ボソ

「………………『詳しく』」

御影は話の先を促す。
掃除という名目で部屋に侵入してくる女装男。
それだけでも常軌を逸しているが、
相手は『スタンド使い』らしい。
出来るだけ多くの情報を持ち帰る必要があった。
それ次第によっては、今後の対応も変わってくる。

>>364(大神PC)

『目撃者』から語られた情報によると、
その人物は、逞しい体付きの女装メイド男らしい。
確かに『不審者そのもの』だ。
もしかしたら見覚えがあるかもしれないが。

「ええ、その通りですね。
 危険を防ぐには、
 普段からの準備と心構えが大切ですから」

(ここにも『変わった子』が……。
 いや、そんな事を思っちゃあ失礼だ)

奇抜な格好に思わず注意が向くが、
まじまじと眺める事はしなかった。

        ――――ジッ

飯田に質問する桐谷に代わり、御影が大神を観察する。

366飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 15:05:36
>>364
見れば見るほど不思議な格好の人だ。
同じ寮にいたのになんで気付かなかったんだろう…?

「大神先輩と呼ばせてもらいますね。
 先輩は16歳なんですね。うちのお姉ちゃんも16なんです。
 もしかしたら、どこかで会ってるかもしれません」
「改めて、同じ寮生としてよろしくお願いします」

>>365
御影さんに先を促された。
思い出すと本当に謎ばかりでちょっとよくわからないけど…。

「そうなんです、ちょっと『普通じゃない』んです。
 えっと、学生寮の関係者かはわからないです。
 本人は『家政婦(メイド)』と言って私の部屋に入ってきて、掃除をしようとしていました」
「私、ちょっとその時びっくりして…身の回りのものを投げたりしちゃったんですけど、
 そんなことしちゃったのにその後、掃除のお手伝いしてくれたりして、いい人だったと思います。
 特に物を盗られたとかもなかったです。
 名前は『ツネハラ』と名乗っていました」

ちょっと時間をおいて、もう一つ付け足した。

「あ、それと…。そのマッチョなメイドさんが話してたんですが、
 "ちかごろ、寮に『女装したガタイのいい不法侵入者』が現れるらしい"です。
 同じような人がもう一人いるのかもしれないです」

この『お巡りさん』がスタンドを知っているのかもわからないし、『ぬいぐるみ』みたいだったって話してもしょうがないと思う。

367大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 15:38:40
>>365-366
「むむっ……?キミたち言う不審者と言うのはまさか……
一つ、大柄な体格、遠目からでもわかる、身長180以上、まるで彫刻のように大袈裟に鍛え上げられている筋肉。
二つ、左目の『眼帯』、レース編みで飾られている。
三つ。黒いスカートワンピ。エプロン。ヘッドドレス。リボン、たくさんの白いフリル。
そして、低く、大きく通る、実直そうな声音。
『メイド服』……」

「……常原クンのことじゃないか!?」

「彼は不審者じゃないぞ!おいしいおみそ汁を作ってくれる家庭派のメイドさんだ!」

異なる目撃情報が出てきた!?

368桐谷研吾『一般人』&御影憂『ナハトワハト』:2021/05/05(水) 15:56:42
>>366(飯田PC)

「何も盗られていない……。
 そうなると、本当に『掃除』が目的だったようですね……」

(異常な人間みたいだけど、
 それほど危険でもないんだろうか……?
 でも……少なくとも『不法侵入』……)

(しかも、同じような人間が『もう一人』いる?
 いや……いくら何でも有り得ない……)

「…………どうもありがとう。
 被害届が出ていないので警察としては動けませんが、
 『警官が来た』という事実があれば、
 少しは抑止力に繋がると思います」

話を聞き終わった所で、桐谷は軽く頭を下げる。

「………………『ツネハラ』」

御影がポツリと呟く。
これで名前が分かった。
もっとも、それだけ目立つ外見なら特定には十分だろう。

「気を付けて………………」

「いつか………………遊びに来てもいい………………?」

もしかすると、また『ツネハラ』が現れるかもしれない。
その場にいれば、直接対面できる可能性もある。
そうでなくとも、『飯田咲良』の情報を得る事は出来るのだ。

>>367(大神PC)

「はぁ…………」

(飯田さんも『いい人』だと言っているが、
 『不法侵入』を働いているのは事実……。
 風体がどうとかじゃあなく、それだけでも十分に『犯罪』だ)

(『掃除』といい『味噌汁』といい、
 家政婦か何かのつもりでいる異常者なんだろうか……?)

「…………分かりました。『情報提供』に感謝します」

(どちらせよ、『結論』は『彼』が出す)

(僕からは報告だけしておこう……)

桐谷は大神に向き直り、頭を下げた。

「それ………………『詳しく』………………」

御影が大神に問い掛ける。
何か『知っている』なら、聞き出す価値がある。
判断するのは、その後でいい。

369飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 16:13:59
>>367
「そうですそうです!
 『ツネハラ』さんはそんな感じの人です!
 ただ、私は部屋に入ってきた時以外はまだ会ってない気がします、おみおつけ…?」

大神先輩はどうやら常原さんのことを知っているらしい。……二人で並んでたらすごく面白いかも。
男装女子に、女装マッチョ。ちょっと見てみたかったかもしれない。

>>368
「どうして『掃除』をしたがるのかはちょっとよくわからないんですが…。
 すみません、警察の方が来てくれると安心できます」

そう言って、頭を下げ返した。
寮はどうしても学生ばっかりだし、変な人が入ってきたら怖いから、正直ほっとした。

その後、御影さんの方に向き直って、言葉を返した。

「ぜひ!嬉しいです!
 私、誰かを部屋に呼ぶなんて初めてです!」

御影さんが部屋に来てくれるの、嬉しい…!
ちょっといつ来てくれてもいいように部屋を綺麗にしておかないと。

370大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 16:30:52
>>368-369
「ぷんぷん!ぷんぷん!」(↓ハスキーボイス↓)
ぷんぷんしてる。

「外見で人を判断しちゃいけないんだぞぅ!確かに人間は初対面の印象が8割と言うけどね!」(↓ハスキーボイス↓)
と男装少年(16歳女子)が言っております。

「少なくとも常原クンのおみそ汁の美味しさと安全性はボクが保証するぞぅ!」(↓ハスキーボイス↓)
↑微妙にみみっちい保証範囲↑

「そりゃまぁ常原クンは誤解されそうな外見をしているかもしれないが!常原クンが人を傷付けたとでも言うのかね!?常原クンはそういう人ではないはずだぞぅ!」(↓ハスキーボイス↓)

「常原クンのおみそ汁は愛情たっぷりなんだぞ!炊きたてご飯もだ!」(↓ハスキーボイス↓)

「本当の『不審者』にそんなことができるだろうか!? いや、できない!!(反語による強調)」(↓ハスキーボイス↓)
力説した。

371桐谷研吾『一般人』&御影憂『ナハトワハト』:2021/05/05(水) 16:49:18
>>369(飯田PC)

「行けそうな時に『連絡』するから………………」

「暇だったら教えて………………」

現状、『飯田咲良』の『評定』は『ブルー』。
危険はないとは思うが、どういう人間なのかは、
まだ情報不足だ。
場合によっては、『円谷世良楽』のように、
『協力者』の一人に出来るかもしれない。
『シスター』というスタンドについても、もっと知る必要がある。
とにかく『情報』あるのみだ。

「『ペット』………………」

「………………連れていってもいい?」

『哺乳類』とは違って、
騒がないし毛を落とさないし匂いもない。
『丸呑み』なので、餌なしでも『一週間』ぐらいなら平気だ。
何の問題もない――――はずだ。

「いえ、市民の安全を守るのが我々の役目ですから」

(『市民の安全を守る』…………か。
 口ではどうとでも言えるんだ)

(それが実現できなきゃ何の意味もない)

警官としての言葉を口にしながら、
同時に『空しさ』を感じていた。
いくら意思があろうと、
『スタンド使い』相手にはどうしようもないのだ。
だからこそ、自分は『一派』に加わる決心をした。

>>370(大神PC)

「…………ええ、お話はよく分かりました。
 確かに『普通の不審者』とは違うようですね」

(『犯罪は犯罪』なんだけど……。
 これは火に油を注ぐ事になりそうだ)

(言うのはよしておこう……)

「その点は『同僚』にもよく伝えておきますよ」

桐谷はそこで言葉を切り、代わりに御影が続けた。

「『それ』………………食べたの………………?」

不審者の作った料理など、とても食べる気にならない。
『大神或真』は、『それ』を食べたのだろうか?
よっぽど度胸があるのか、それとも無用心なのか?

372飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 17:13:14
>>370
す、すごい勢いの先輩だ…。
勢いに気圧されてしまってちょっとしどろもどろになっちゃう…。

「え、そ、そうですね。人のことを見た目で判断しちゃいけませんでした。
 ごめんなさい、先輩…」

実際、常原さんは掃除を手伝ってくれたいい人だ。
『普通ではなく』て『なにそれ!?』ってなる『不審者』ではあるけど、たぶんいい人だ。たぶん。

>>371
「連絡、待ってますね!
 『ペット』さんも楽しみにしています。たしか静かな子なんですよね。
 どんな子なのか楽しみです!」

ペットさんが来るなら、うっかりなにか食べちゃったりしないように床に物は置かないようにしよう。小さく手を握って決心した。

その後、『お巡りさん』にも返事をする。

「お巡りさん、ありがとうございます。
 もしまたなにかあったら通報させてもらいます」

越してきたばかりだから小さなことでも心配してもらえて嬉しい。
この街は警察の人たちがしっかりしてていい街なんだね。

373大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 17:27:02
>>371-372
「もちろん食べたさ!具沢山で美味しかったから2杯もお代わりしたぞぅ!」(↓ハスキーボイス↓)

「その偉大なるお味たるや、実家のお母様の味を思い出してしまったくらいだ!
いや、もしかしたら実家のお手伝いさんの味だったかもしれない……?」(↓ハスキーボイス↓)
↑ちょっと自信がない↑

「ぷぷんぷぷん!ともかくだ!」(↓ハスキーボイス↓)

「大体、外見で人を判断するならばね!キミたちは本当に『警察の人間』なのかね?最近は『警察のコスプレをして詐欺を働く輩』もいると聞くぞぅ!外見で嘘をつく人間もいるからな!」(↓ハスキーボイス↓)

↑と男装少年(16歳女子)が言っております↑

374桐谷研吾『一般人』&御影憂『ナハトワハト』:2021/05/05(水) 17:51:12
>>372(飯田PC)

「うん………………」

「じゃ………………『また』………………」

        クルッ

小さく頷いて、御影は踵を返す。
『ツネハラ』については色々と分かった。
十分な収穫だ。

(そろそろ『引き上げ時』かな……)

「では、私もこれで――――」

(『スタンド』に対抗するためには、
 『まとも』な方法じゃあ駄目なんだ)

「どうも、お邪魔しました」

       スッ

(『手段』は選んでいられない)

少し間を置いて、桐谷も身を引いた。
『スタンド』の脅威に対しては、
真っ当なやり方では太刀打ち出来ない。
それは理解しているつもりだが、『迷い』もあった。
しかし、何も成せないのでは意味がないのだ。
自分自身に言い聞かせながら、
桐谷は『清月館』を後にする。

>>373(大神PC)

「いや………………『違う』けど………………」

御影が困惑した声で返した。

「申し訳ない。先に『身分証』の提示をすべきでした」

           スッ

「桐谷研吾――『地域課巡査』です」

桐谷が『警察手帳』を取り出し、大神に見せる。
そこに貼ってある『顔写真』は、目の前の男と同じ顔だった。
『本物』だ。

「えぇ………………」

信じられないという顔で、御影が大神を見返す。
もっとも、顔は前髪に隠れていて、ほぼ見えなかった。
そんな得体の知れない代物を、よく食えたものだと思う。
しかし、少なくとも毒は入っていなかったようだ。
それが分かったのは幸いだったと言える。

「まぁ………………いいや」

「………………バイバイ」

         クルッ

踵を返し、御影は立ち去っていく。
何事か納得した様子だ。
何なのかは不明だが。

「では、私もこれで」

        スッ

「――――失礼しました」

御影が立ち去ってから少しして、
桐谷も『清月館』を後にした。

375飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 18:03:44
>>374
「じゃあ、また!」

次会えるのが楽しみでしかたない。きっと顔、綻んでるんだろうな。
頬に手を当てようとして気がついた。

「あ、そうだ、ゴミ捨てなきゃ…」

>>373
「大神先輩、お騒がせしちゃって失礼しました。
 私、そろそろゴミ捨てに行くので、失礼しちゃいますね。
 今度またお茶でもしませんか?」

そう言いながらスマートフォンを出して連絡先の交換をしたいと伝える。

もしかしたら、お姉ちゃんと同じ学年かもしれないし会ったことがあるかもしれない。
もしかしたら…高一の可能性もあるけど、それでも高校生なら中学生の私より会える可能性があるし…。

376大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 18:18:15
>>374(御影&桐谷さん)
「やや!本物の警察手帳じゃないかコレは!」(↓ハスキーボイス↓)
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いやぁ、ビックリだ!なかなかホンモノをまじまじと見る機会なんてないからねぇ!」(↓ゾワっとしたハスキーボイス↓)
まじまじ。

   カチッカチッ……
   ↑大神さんのイタズラ回路が回る音↑

「お仕事おつかれです!」(↓ハスキーボイス↓)
見送った。

>>375(飯田さん)
「連絡先交換?いいよ?」(↓ハスキーボイス↓)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「キミのおかげで貴重な体験ができたもの。」(↓ゾワっとしたハスキーボイス↓)

「この出会いに感謝しなきゃね。」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクは大神 或真(おおがみ あるま)。連絡先はXXX-XXXX-XXXX、LINE IDは[USO_800]だよ。今度お茶しよう」(↓ハスキーボイス↓)
同じくスマホを出し、連絡先を交換する。

377飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/05(水) 18:35:50
>>376
連絡先を交換して、スマホをしまう。

「私は『飯田咲良(イイダサクラ)』です!
 よろしくお願いします、大神先輩!」

ちょっと変わった人だけど、同じ寮で暮らす学生同士。仲良くできたらいいな。
……『貴重な体験』ってなんだろう?『警察手帳』見せてもらったことかな?
確かに普段見ることないしね。

「じゃあ、ゴミ捨て行ってきます。また!」

ゴミ収集の時間に遅れたらいけない。
ちょっと急いで、ゴミ捨て場まで向かおう。

378大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/05(水) 18:54:18
>>377(飯田さん)
「分かったよ、いいださん?サクラさん?いいだこうはい?サクラこうはい?次会うまでに好きな呼ばれ方決めておいてね!」(↓ハスキーボイス↓)

「バイバイ!」(↓ハスキーボイス↓)
ゴミ捨てに向かう飯田を見送る。

…………

「いやはや、本物の警察とはボクもビックリだね」(素の声)
     ・・・・・・・・・・・
「そして、目コピーさせてもらった」(素の声)
大神が手に握っていた『ステッキ』がいつの間にか『桐谷の警察手帳』に変わっていた。

「ボクなら『こんな感じ』かな?」(素の声)
『桐谷の警察手帳』の顔と名前が『大神』のモノと入れ替わる。

「よし、上出来だ。『パッと見なら一般人が分からない』くらいに」(素の声)

「彼女なら『こんな感じ』かな?」(素の声)
『桐谷の警察手帳』の顔と名前が『飯田』のモノと入れ替わる。

「彼なら『こんな感じ』かな?」(素の声)
『桐谷の警察手帳』の顔と名前が『常原』のモノと入れ替わる。

      ・・・・・・・・・・・・
「なるほど『こういうことができる能力』か。『ボクの力』がだんだん分かってきたぞ」(素の声)

「さて、今度はどんな『イタズラ』をしようかな」(イタズラをたくらむ声)

大神或真→『桐谷の警察手帳』の外見情報を入手。飯田の連絡先を入手。

379七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 19:55:37
 焦げ茶の髪を背中に流した少女――七篠が寮の正面玄関に立っていた。
 どうやら七篠は学校の図書室に行っていたらしい。手には数冊の分厚い本が抱えられている。

「ただいま」

 七篠ははっとしたように口に手を当てた。

――つい家の感覚で…。

 帰宅を告げて、誰か返答してくれる人物はここにいるのだろうか。

380大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/19(水) 20:34:36
>>379(七篠さん)
「おかえりなさい、お母様」(←寝ぼけた声で)
お昼寝から目覚めたとこの黄リボン付シルクハットを被った緑髪(寝癖つき)・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が返答をした。

大神さんははっとしたように口に手を当てた。

――つい家の感覚で…。

同級生をお母さん呼びしてしまうが如き不覚ーーー!

381七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 20:47:25
>>380
 七篠は困惑しているようだ。
 同い年くらいだろうか、寝ぼけているらしい少女を見やり目をぱちくりさせた後、本を棚に置き、カバンから串を取り出してから口を開いた。

「ただいま帰りました。
 ダメですよ、寝癖を付けたままで出歩いたら。
 ご近所の方に見られたら大変です、解かしますからこちらにいらっしゃい」

――た、確かおばあちゃんならこんな感じで…。

 七篠には母親はいない。祖母が母代わりだった。
 きっと祖母ならこのようにするだろう。

 ここは寮だ。親から離れて暮らしている子供ばかりなのだから、母恋しくなる場合もあるだろう。

 七篠はだいぶ困惑――もとい混乱していた。

382大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/19(水) 21:07:29
>> 381(七篠さん)
「ああ、えーと……」 (素の声で)
パッチリと目を覚まして、オッドアイ(偽)で七篠の姿をキョロキョロと見る

「コホン!」(↓ハスキーボイス↓)
わざとらしく咳払いをして

「い、今のはちょっと間違えただけだぞ!」(↓ハスキーボイス↓)
赤面して

「うーっ!初対面の方をお母様呼びしてしまうなんて!ああっ!ボクとしたことがなんたる不覚!」(↓ハスキーボイス↓)

(こ、こういう時はどうすれば……!?)

「ドウモ はじめまして コンニチハ 大神(おおがみ)デス」 (↓ぎこちないハスキーボイス↓)

大神さんもかなり困惑しているのか、大分無理矢理感のある挨拶をしてきた。

383七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 21:28:04
>>382
 七篠は少女が親恋しくて口走ってしまったわけではないと理解し、顔を赤くした。

「ご、ごめんなさい、変なこと言って!
 私、『七篠』(ナナシノ)と言います」
「その、髪を見てつい、ごめんなさい。
 私も家にいたとき、よく髪跳ねたままでおばあちゃんによくあんな風に言われてて…。
 あ、『櫛』使いますか?」

 せっかく取り出したのだからと七篠は手に持った櫛を大神に手渡す素振りを見せる。

384大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/19(水) 21:41:51
>>383(七篠さん)
「ああ、ボクってば、髪まで崩れてるのかい! なんたる不覚!なんたる不覚!」(↓ハスキーボイス↓)

「使う!ありがとう!」(↓ハスキーボイス↓)
櫛を受け取る。

「はぁー。(タメイキ) 初対面がこんな姿とは申し訳ないね、七篠さん」(↓ハスキーボイス↓)
櫛で髪を梳かしながら謝る。

「人間、初対面の印象と外見が8割だと言うのに、ボクってばとんだ大失態だ。」(↓ハスキーボイス↓)

「ホントにもうボクってば中身が二流のニセモノなんだから、外見ぐらいはしっかりしておきたいところなのにな。」(↓ハスキーボイス↓)

「困ったものだ。」(↓ハスキーボイス↓)

385七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 22:04:29
>>384
 大神が髪を解かしているのを眺め、七篠は考える。

――中身が『二流のニセモノ』って、なにかコンプレックスとかあるのかな。
――でも、初対面の、こんな変な関わり方した人間が聞くことでもないよね…。

「私も初対面なのに変なことしちゃいましたし、お互い様です。
 なんだか、恥ずかしいですね…」

 小さく笑いながらそう返した。

「大神さん、改めて同じ寮生としてよろしくお願いしますね。
 さっきまでの恥ずかしいのは一回忘れて、今ここから、お友達としてはじめましょう?」

 七篠はどうやら慌てふためいた末に落ち着きを取り戻せたようだ。

386大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/19(水) 22:19:52
>>385(七篠さん)
「くっ……さっきのは2人だけの秘密だぞぅ……。」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクは学校ではクールキャラで通っているんだからな……。」(↓ハスキーボイス↓)

「さっきのは……! くぅっ……! 思い出すだけで恥ずかしい……!」(↓ハスキーボイス↓)

「……うむ、お互いに忘れよう! ユウジョウ!」(↓ハスキーボイス↓)

なんかよく分からんが! サムズアップ! ユウジョウ!

387七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 22:27:53
>>386
「はい、ユウジョウです。
 私も『おばあちゃんみたい』とか言われちゃったら恥ずかしいですから。
 ふたりの内緒、です」

 七篠はそう返しながら、棚に置いていた本を手に取る。
 一番上の本のタイトルは『図説 樹木学―常緑広葉樹編―』だ。シリーズ物のようで『―針葉樹―』『―落葉広葉樹―』もあるようだ。

 このままなにもなければ、七篠は櫛を受け取り部屋へと帰るだろう。

388大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/19(水) 22:39:58
>>387(七篠さん)
「櫛ありがとね」(↓ハスキーボイス↓)
櫛を返すよ。

「その本……『植物』好きなのかい?」(↓ハスキーボイス↓)
本を見て聞いてみるよ。

「ちなみにボクは『手品』と『動物』が好きさ。」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクの部屋にはこっそりとハトとハムスターがいるんだぜ。ボクの手品の相棒さ。」(↓ハスキーボイス↓)

「あ、ちなみにこれも秘密ね。 この寮って『ペットOK』か?を確かめずに連れ込んじゃったし。 でもでも手品の相棒は必要だし?」(↓ハスキーボイス↓)

389七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 22:53:29
>>388
「ちょっと、私も最近『手品』みたいなことを覚えたんですが、
 その『手品』のタネに必要なことなんです。
 ……帰る前に少しだけ。……ちょっと、見ててくださいね?」

 七篠はそう言って手に『手のひら大の付箋』を貼って背中に回すとこっそりと『リルトランク』で『付箋』に触れる。
 そして『モッコウバラ』を花の咲いた状態で生やし、大神に見せた。

「はい、ただの付箋から花が咲きました。
 ちょっと面白いですよね。この『手品』のタネがこの本なんです」

390大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/19(水) 23:06:08
>>389(七篠さん)
「へぇ!そいつは初めて見る『手品』だ!」 (↓ハスキーボイス↓)

「ははーん!『手品のタネ』と『植物のタネ』をかけてるわけだね、さすがだ! いつかそのタネを解き明かしたいとこだね。」 (↓ハスキーボイス↓)

「じゃねじゃね〜!」 (↓ハスキーボイス↓)
大神さんは部屋に帰っていった。

391七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/19(水) 23:10:55
>>390
「はい、今度会ったときには『タネ』を見つけてみてください。
 ではまた」

 七篠もそう言って部屋へと戻る。
 これから本を読んで学ぶのだ。何かあったときに力になってくれる、新たな『タネ』を。

392御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 06:11:21

    コン…………
             コン…………

控えめな動作でドアをノックする。
表札の名前は『飯田咲良』。
一応『連絡』はしてきたつもりだが、『ご在宅』だろうか?

「――――――………………」

片腕にはバッグ、もう片方の手には『ケージ』を携えている。
バッグの中身は日用品やら何やら色々だ。
ケージには布が被せられており、『中身』は見えない。

393飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 07:03:21
あれ?スマホに通知……

「ぴゃっ!??」

あ、相変わらず怖いスタンプ…なのは置いといて!!!
御影さん、もしかして部屋の前にいるの!?

慌てて部屋の中を確認する。
パジャマとか脱ぎっぱなしになってない、よし。ゴミも落ちてない、よし。あー!来客用に飲み物準備しておくんだった!

  ドタドタ
    ガタンッ
      バタッ…ゴンッ

慌てて部屋の中を確認して回り、転んでおでこをぶつけたところでノックの音が聞こえた。

>>392

「ごめんなさい!お待たせしました!どうぞ!
 あ、もしかしてペットさんですか?? 本当に静かな子ですね…!」

髪を軽く撫でつけてから、私は御影さんを出迎えた。
……おでこ、赤くなってないかな…。

394御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 15:36:23
>>393

「こんにちは………………」

       ヌゥッ

「『ペット』………………連れてきちゃった………………」

開かれたドアの向こうに、『いつものスタイル』で立っていた。
軽くお辞儀をしてから、部屋の中に入っていく。
ケージからは物音一つしない。

「………………『遊びに来た』」

「『連絡』したけど………………」

             ゴトッ

「大丈夫だった………………?」

    ドサッ

両手のケージとバッグを床の上に置いた。
それと同時に、前髪の下からさりげなく室内を観察する。
今日ここへ来たのは、『情報収集』も兼ねているからだ。

395飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 16:17:18
>>394

「…!(悲鳴を飲み込む)
 …大丈夫ですよ、すみません、LINE返せなくて。
 中へどうぞ!」

玄関を開けたら『ジャパニーズホラー』な女の人がこんにちわって…やっぱりちょっと怖い…。
スタンプもだし、怖いのが好きなのかな…?

「あ、今、クッション出しますね」

うー、御影さん、きょろきょろしてる…?
部屋、変なところ…ないよね?
ベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫…。
勉強机には教科書や勉強用の本、アルバムがあるくらいで変なのないし…ベッドにはくまのぬいぐるみが置いてあるくらい?

と、とりあえず、ちゃぶ台を出して…ピンクのクッションと黄緑のクッションを置いて…。

「今、飲み物出しますね。
 すみません、お茶しかないんですけど」

寮の共用スペースに出て、台所から予備のコップを持ってこよう。

「ちょっとコップ取りに行ってきますね。
 すこし離れますけど、ご自由に」

396御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 18:25:13
>>395

「お構いなく………………」

        ボソッ

出してもらったクッションに腰を下ろす。
クマのぬいぐるみ……確かスタンプにもクマが。
好きなんだろうか?

「――――――………………」

ふと、アルバムが目に留まった。
彼女は家庭の問題を抱えているらしい。
それを見れば、何か分かるかもしれないと思った。

(………………やめた)

アルバムには『過去』が詰まっている。
他人の過去を詮索するなど野暮な事だ。
自分自身にも、そういう所がある。
無闇に触れられたくない部分。
だから、アルバムを覗くのは止めた。

         ――――スッ

その代わりに、どんな本が置いてあるか適当に見ておこう。
立ち上がり、勉強机の周りをざっと確かめる。
もし見られたとしても理由は立つ。
彼女は『スタンド使い』になったばかり。
何か能力と関わるようなものがないとも限らない。

397飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 19:10:06
>>396

勉強机の上には何度も読み込んだらしい星見の観光本とファッション誌。そして真新しい本が数冊置いてあった。
どうやら『テレポーテーション』を扱った与太話の類いらしい。
『中二病』の罹患患者であればありがちではあるが、『テレポーテーション』に限定されて数冊とは珍しいかもしれない。

 ガチャ
    キー…

「すみません、戻りました。
 今、お茶入れますね」コポコポコポ

私は両手にコップを持って御影さんの待つ自室へと戻った。台所の冷蔵庫から氷をいくらか拝借してきたのでお茶もひんやり飲めると思うけど…。

「はい、どうぞ。
 すみません、寮だから手狭で…。
 あ、ペットさん、ケージの中のままじゃ退屈ですかね…?」

結局静かなペットってなんだろう?
やっぱり亀かなにかなのかな?

398御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 19:42:03
>>397

(『瞬間移動』………………)

他の本は、ごく普通のものだ。
だから、そこに異質なものが混ざっていれば目立つ。
気にはなるものの、率直に尋ねるのは躊躇われた。
『世良楽』のような楽天家であれば別だが、『咲良』は違う。
口には出さなくても、頭の中では色々と考えるタイプと見た。
ほんの少しであっても、勘繰られるような言動は避けたい。
彼女自身は何も感じなくとも、
咲良から話を聞いた『他の誰か』が、
それに感付く可能性は捨て切れない。

「『お茶請け』………………何が好き?」

       ゴソ

バッグから袋入りの『七味唐辛子せんべい』を取り出す。
辛さは程々。
そこそこ万人向けの品だ。

           スッ

ついでのように、横に『きんつば』を置いた。
こちらは箱入りだった。
そんなに高い品物ではなく、千円もしないくらいだ。

               ソッ…………

「………………『見たい』?」

ケージを覆う布の端っこを指で摘む。

399飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 19:58:55
>>398

私、たぶん今、目をまんまるくしながら汗を流してる気がする…。

お茶請けの準備わすれてた!
家ではほぼ人が来ることはなかったし、来るとしたらクソ親父くらいですぐ私は外に出かける羽目になっていたから考えたこともなかった。
そっか…お茶請けが必要だったんだ…。

「わ、すみません。気を使ってもらっちゃって…。
 『お煎餅』いただいてもいいですか?
 ピリ辛なの好きなんです」

ちょっと申し訳ないけど、謝ったりするのも気を使わせちゃうだろうし。
次の時は忘れないようにしようと決心する。ぐっ。

「もしよければぜひ!
 ケージもそこまで大きくないですもんね、え、どんな子だろう。
 私の予測では亀さんなんですが…」

どきどきしながら御影さんの指の動きを見守る。
片手で持てるくらいのケージだし、そんなに大きな子ではないと思う。わくわく。

400御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 20:39:00
>>399

「………………どーぞ」

小さく頷いて煎餅を勧める。
本心を言えば激辛が好みだが、
その辺りは空気を読んだという事だ。
そして――――――。

       バッ

布を取り去ると、その下から現れたのは『蛇』だった。
『中型』の真っ白い蛇。
ペットショップでお迎えした『サウザンパインスネーク』だ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/854-855)

蛇はケージの中を音もなく這っていた。
その様子を、うっとりと眺める。
芸術品のような鱗と、無駄のない洗練されたフォルム。
美点と実利を兼ね備えており、まさしく完成された形態だ。
美しい………………。

         「………………『どう』?」

何が『どう』なのか今一つ明確ではないが、
『感想』を求めているようだ。
爬虫類――特に『蛇』は、苦手な人間が少なくない。
その『恐怖』の由来は、恐竜絶滅後に生き延びた蛇が、
『小型哺乳類』を捕食対象にしていたためという説もある。
『ナハトワハト』が味方とする『闇』と同じく、
本能に根ざした『根源的な恐怖』を秘めた存在。
だからこそ御影憂は、『蛇』に惹かれるものを感じている。

401飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 20:58:04
>>400

「ありがとうございます、いただきます。
 御影さんは辛いのとかお好きなんですか?」

袋の中でお煎餅を6つに割り、少しずつ口に運ぶ。
うん、ピリ辛で美味しい。



そして、待ちわびたペットさんとのご対面…。
布が取られたそこにいたのは、綺麗なヘビだった。

「あ、ハズレでしたね、ヘビさんでした。
 お顔は亀さんに似てますし、爬虫類?ですし6割くらい正解って感じ…ですかね?」

ヘビは家の近くの山でもよく見かけるし、近くで見ると意外と可愛いので結構好きかも。
それに…

「この子、白いんですね。
 白いヘビは神様だー!みたいに住んでたあたりでは言ってたんでなんとなく神秘的で…素敵です!」

○市の白蛇が天然記念物としてWikipediaに載っていた時はちょっとびっくりしたけど、
神社があったりするくらいには当たり前で特別な存在だった。
なんとなくめでたい感じがして手を合わせる。なむー。

402御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 21:31:41
>>401

「分かる………………?」

       ボソッ

「そう………………『素敵』………………」

「『神秘的で素敵』………………」

前髪のせいで表情は読みづらいが、
声音から喜んでいる様子が伝わってきた。
『イエリ』もそうだったが、共感してもらえるのは嬉しい事だ。
どちらも『スタンド使い』というのは、単なる偶然か?

「『仲間』………………」

まだ『蛇が好き』とは言われていないが、
寵愛の対象に話が及ぶと、
『空気を読む能力』も鈍るものだ。

「『サウザンパインスネーク』………………」

「アメリカで保護の対象で輸出が制限されて………………
 生体が出回るのは珍しい………………」

        ボソ

「表面は『キール』が立ってザラザラしてるけど………………
 お腹側はツルツルでセラミック的な………………」

「『キール』っていうのは鱗にある凹凸の事で………………
 それを上手く木に引っ掛けて登っていく………………」

              ボソ

「結構いい値段したけど………………
 『お迎え』しちゃった………………」

そして自然と口数も増え、心なしか普段より『饒舌』だった。

「『辛いの』も………………好き………………」

         ボソッ

「………………『激辛料理』とか」

403飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 22:01:38
>>402

あれ、もしかして御影さん…笑ってる?
顔はよく見えないけど喜んでるみたいで、つられて笑顔になっちゃう。

「はい、神秘的で素敵です!
 珍しい子だったんですね、ヘビさんの名前はよく知らないんですけど覚えておきます!」

『サウザンパインスネーク』、1000個のパイナップルのヘビさん…。よし、覚えた。

「え、背中のでこぼこってそんな名前だったんですか?
 すごい、生きるための特性なのかな…。
 おなかのすべすべも気持ちよさそうです…!」

本当は触ってみたいけど、急に触ったりしたらびっくりさせちゃうよね。
じっと観察するだけにしておこう。いつかおなか、触らせてくれないかな…?

「こんな可愛い子だったら思わずお迎えしちゃいますよね。
 素敵なご縁で羨ましいです…」


「激辛料理、好きなんですか?
 私、あんまり食べたことなくって、おすすめのお店とかありますか?」

母の料理はあまり上手くなかった、だからよく缶詰とか食べてたんだけど…缶詰って塩辛くても激辛ってないんだよね…。

404御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 22:22:54
>>403

「『おすすめのお店』は………………」

          ――――ガシャン

「………………歓楽街の『四川料理屋』とか」

おもむろに、ケージの『ロック』を外す。
蛇は脱走の名人でもある。
うっかり鍵を掛け忘れると、たちまちいなくなってしまう。

          ゴソ

「『ハンドリング』………………する?」

両手で抱えるようにして、
ケージから『サウザンパインスネーク』を取り出す。

「最初は動くけど………………
 『安定できるポイント』を見つけたら動かなくなる………………」

「………………やってみる?」

『白蛇』は、御影の手の中でじっとしていた。
蛇に対してジメっとしているイメージを抱く人間もいるが、
蛇の鱗というのは乾いており、ほのかに温かいのだ。
それに加えて、適度なサイズ感と重量感が心地良い。

実際に体験してみれば、
その魅力が伝わる――――と思っている。

405飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 22:43:04
>>404

「歓楽街の方ってまだ行ったことないんです。
 今度ちょっと食べに行ってみます!」

だけど、歓楽街って大人が行く場所なイメージがあってちょっと不安かも…。
激辛麻婆豆腐とか食べてみたいけど、そんなところに中学生の私が行ってもいいのかな…?


「『ハンドリング』…ですか??
 え、もしかして触ってみてもいいんですか!?」

触れるなら嬉しいけど、大丈夫かな?
ヘビさん、怖がらせないようにそっと手を出してみる…。

「白蛇さん、こんにちわ…?
 いらっしゃいませ…?」

406御影憂『ナハトワハト』:2021/05/22(土) 23:14:12
>>405

「どーぞ………………」

      ソッ

驚かせないように、ゆっくりと蛇を『乗せる』。
咲良に対しても蛇に対してもだ。
空気を読む能力が鈍っていても、
その辺りの配慮は出来る。

         シュル…………

咲良の手の上で、静かに白蛇が動き出す。
腕を木に見立てるようにして、スルスルと絡んでいく。
やがて、『安心できるポジション』が決まったのか、
そこで動きを止めた。

「中学生は………………
 ちょっとだけ危ないかも………………」

「もし暇があったら………………
 一緒に行ってもいい………………」

「『予定は未定』だけど………………」

あの辺りは自分の『狩場』でもある。
深入りされるのは困るが、そこまでの心配はいらないか。
『昼間』に来るなら問題ない。
咲良の性格からして、『真夜中』に来る事は考えられない。
その点は『世良楽』も同じだろう。

「ところで――――『アリーナ』の事だけど………………」

          ボソッ

「悪いスタンド使いを
 捕まえたりする人達なんだって………………」

「………………『世良楽』が言ってた」

407飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/22(土) 23:38:41
>>406

「わぁ…!
 なんだか、意外とずっしりで、すべすべで…!
 …すごい、語彙力死んじゃってるんですけどすごいです!!」
「いいなー、大人になったら飼ってみたいかも……」

重たくて柔らかいようで硬くて、すごい。こんなに綺麗で可愛いのに、すごい!
『結構いい値段』って言ってたし、大人になって仕事に就いたら…かな?

「え、いいんですか!
 実はちょっと不安だったんです…。一緒に行けるなら嬉しいです!
 御影さんがもし行けたらで大丈夫ですから」

御影さんって本当に優しくて、気を使ってくれて、素敵な人で…いいなぁ…。
『ジャパニーズホラー』はちょっとびっくりするけど、こんな大人になれたらいいな…。



「『アリーナ』って、悪い人を捕まえるところだったんですね…!警察…みたいな…?」
「悪いスタンド使い…。そっか、そうですよね、スタンドって強いですもんね…。
 悪いこと、できちゃうんだ…」

そんなこと考えたこともなかった。
常原さんはたぶんスタンド使いだけど部屋の掃除を手伝ってくれたし、フラジールさんは献血して人助けしてた。
なにより、御影さんはこんなに素敵な人だから。
きっと、みんな優しいいい人だと思ってた。

そっと、『シスター』を出して、小さな声でつぶやく。

「『シスター』で…悪いこと、したくないな…」

408御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 00:08:16
>>407

「世の中には『悪い人』もいるから………………」

「そういう人が『スタンド』を持ったら………………」

御影憂は『狩人』である。
夜の街を徘徊して『獲物』を探し、
『ナハトワハト』を使って『恐怖』を与え、それを『糧』とする。
自分自身で選んだ生き方であり、
欠くことの出来ない『ライフワーク』だ。
『恐怖を与える側』になれば、
『恐怖を受ける側』にはならない。
だからこそ、御影憂は『恐怖』を与え続ける。

(――――――………………)

世良楽や咲良からは、どう思われているのだろうか?
『裏の活動』は誰にも知られていない。
知られているのは、
『御影憂というスタンド使い』がいるという事だけだ。
『狩人』としての側面も『一派の一員』としての側面も、
誰一人として知らない。
『秘密は絶対』――そうでなければ『活動』に支障が出る。

「………………『しなくていい』」

「『したくなかったら』………………『しない』のが一番」

同時に、御影憂には『別の部分』もあった。
『弱い者に肩入れする』という一面だ。
一方では他者を脅かしながら、
もう一方では虐げられる者に共感を覚える。
一見すると矛盾しているようだが、そうでもない。
御影が狙うのは、不良やチンピラといった、
ろくでもない類の人間ばかりだからだ。

「『でも』………………」

「もし………………
 咲良が『悪いスタンド使い』に襲われたら………………」

           ボソッ

「………………『協力』する」

            ――――――フッ

          ナハトワハト
言葉と同時に、『 夜警 』を発現する。
『本体』とは対照的に、『ゴシックホラー』を思わせる、
闇色の『帽子』と『外套』のヴィジョン。
ツバや裾はボロボロにほつれ、
風もないのにはためいていた。

409飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 00:43:07
>>408

目の前に、御影さんのスタンドが現れた。
マーブル模様の『シスター』とは全然違っていて、闇色のそのスタンドが…なんだか御影さんに似合ってるって、そう思った。

「この子が、御影さんの…スタンドなんですね…。綺麗…」

小さく、憧れを含んだため息をついた。



「御影さん…。ありがとうございます。
 たくさん気にしてくれて、たくさん心配してくれてすごく嬉しいです」

「もし、どこかで悪い人になにかされたら、私は『シスター』と反撃しようとすると思います。
 だけど、もし私だけの力でなんとかできなかったら、その時は…お願いします…」

それから一度息を吸って、覚悟を決める。

「代わりに、もし私が御影さんを助けられることがあれば、私と『シスター』で助けます。
 御影さんが襲われてたら、『シスター』を『まとって』遠くからでも『跳んで』いきます」

「私、御影さん、大好きなので!」

優しくしてくれた、心配してくれた。
警察まで呼んでくれたり、ここまで来てくれたり、本当にいろいろ御影さんにしてもらってる。
きっとこの気持ちは憧れだ。今までにない優しさを与えてくれた人への。

410御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 01:09:17
>>409

       ………………フッ

『ナハトワハト』を解除し、
両手で『サウザンパインスネーク』を引き取る。
『情報の流出』は、出来る限り避ける必要があった。
特に『スタンド』に関しては。

「分かった………………」

        ガシャッ

白蛇をケージに戻し、再びロックを掛ける。

「『助け合い』………………大事………………」

先程の言葉に嘘はない。
また、この前の『遊園地』の時のように、
こちらが同じ立場になる可能性も有り得る。
あの時は、世良楽達とは別行動で切り抜けた。
その必要があったし、
単独で動いた方がやりやすいと考えたからだ。
しかし、もしかすると『手』を借りる事もあるかもしれない。

「でも………………無理はしなくて大丈夫………………」

御影憂には『秘密』がある。
それ次第によっては、
表舞台に出る事は出来ない事もある。
しかし、『襲われていたら協力する』という事に関しては、
『善処』しよう。

411飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 07:02:24
>>410

ヘビさんを御影さんに返しながら、私はちょっと気恥ずかしくなっちゃってた。
だけど、さっきの言葉に嘘はない。もしも、なにかあれば本当に『跳んで』行くと思う。

「無理は、しないつもりです。
 御影さんの優しさに、同じくらい返したいだけなんです。
 もし何かあったら教えてください。」

御影さんの話し方は単語を漏らすようで……なんだか暗い場所の電灯みたいに夜に隠れてる言葉がありそうだなって思った。
もしかしたら、口にしてないところで悩んでるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
でも……無理に照らさないで、頼んでくれるのを待ちたいと思った。

「それに…その…まだ『跳んで』いけたこともないから…練習も必要だろうし…。
 本当に跳べるのかな…」
「もし、御影さんになにかあった時に跳べなかったら困るから…練習…?
 でもどうやって…?」

すこしだけ小さな声で口にしながら、練習方法を悩む。
フラジールさんに手伝ってもらったときは近すぎて跳べなかった。ある程度遠くで襲われてるのを見つけて跳んで護らないといけない。

412御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 15:27:28
>>411

         ソッ

会話の途中でケージに触れる。
別に意味はない。
単なる『照れ隠し』だ。

(――――――………………)

咲良は『いい子』だ。
こういう相手を前にすると、
自分のペースを見失いそうになる。
世良楽の場合は、全く怖がらずに近付いて来る事で、
こちらの調子を狂わされる。
咲良の方は、また別のパターンだ。
あまり距離が近くなると、『情』が湧き過ぎてしまう。

(………………『ダメ』だ)

それが『怖い』。
『自分の生き方』を見失うのが『怖い』。
御影憂にとって、『怖れ』という感情は、
受け入れ難いものだった。
御影憂は『恐怖を与える存在』。
『恐怖を受ける側』であってはならない。

「『跳ぶ』っていうのは………………」

「………………『咲良のスタンド』の事?」

内心の葛藤を表には出さず、
気を取り直して『仕事』に戻る。
ここに来た第一の目的は、
『飯田咲良のスタンド』について知る事だ。
そう『度会』に命じられた事を思い出し、心を落ち着かせる。

413飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 15:54:59
>>412

「そうなんです、私の『シスター』…『シスター・ゴールデンヘアー』なんですが、
 ちょっと変わってるの…かな?普段はこうして人型なんですけど…」

背中から『シスター』にぎゅーっと抱きしめさせる。
ちょっと纏ってるみたいに見えるかな?

「人が『襲われてる』のを見て『護りたい』って思ったらこんな感じで私にまとわりついて、
 速さとかも上がる?みたいです。
 それで、その『襲われてる人』のところまで『瞬間移動』するらしいんですけど…」

「だけど、まだ使えたことがなくて。
 LINEで話したフラジールさんの時は近すぎて『瞬間移動』にはなりませんでした…」

…話しすぎ…かな?
スタンドの話ってどこまで話していいんだろう。
……御影さんになら、知られてもいいかな。

414御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 16:39:15
>>413

「………………そうなんだ」

『シスター』の概要を聞いて軽く頷いてみせた。
話を聞く限りでは、『人型』から『纏うタイプ』になるらしい。
予想以上に特殊なスタンドだ。
『瞬間移動』が『能力』なのだろうか?
『条件』を必要とする所は『ナハトワハト』に近いものがある。

「私のは………………『着る型』だから………………」

「ちょっと似てる………………」

「………………かも」

『自分の能力』については話さない。
世良楽が知っているのも『ヴィジョンだけ』だ。
『ナハトワハト』は『夜は無敵』だが『昼は無力』と化す。
それを考えると、迂闊には教えられない。
また、その『能力』が、
『夜の狩り』と結び付けられる可能性も無いとは言えない。

(………………『あいつ』)

『以前の失敗』を思い出す。
歓楽街で『狩り』を終えた直後、
一度だけ『写真』を撮られてしまった事があった。
車のヘッドライトのせいで、『闇の衣』が解除されたのだ。
その時は止む無く『能力』を披露せざるを得なくなった。
『写真』は即座に削除させたし、
『あの男のスタンド』も確認出来たから良しとするか。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/972-989)

「『練習』………………したいんだ………………」

「でも………………
 襲われないに越した事ないから………………」

        ボソ

「………………『難しい』ね」

出来れば『瞬間移動』も確認しておきたかったが、
発動の『条件』が厳しい。
『ナハトワハト』以上だ。
おいそれと出せるものではない以上、
探りを入れるのは『ここまで』が限界だろう。

「だったら逆に………………
 『その状態』で出来る事を考えてもいいと思う………………」

「もし自分が襲われた時は………………
 『一人』かもだし………………」

「『能力を活かせる状況』にするのが一番だけど………………
 『そうじゃない場合』だってあるかもしれないし………………」

こちらの情報は話さないが、『アドバイス』はしておく。
『ナハトワハト』も『条件』が必須だからこそ、
その大切さが分かる。
『条件下』においては絶対的な力を持つが、
それ以外の状態では『強さ』は失われてしまう。
だからこそ、そうなった時の事も考えておく必要があるのだ。
無論、そこから『自分に有利な状況』に持っていく方が、
より重要ではあるが。

415飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 17:32:36
>>414

「『着る』…ですか…?
 御影さんがこの子を着るの、とっても似合いそうです…!」

……ちょっと怖いかもしれないけど、似合いそうなのは間違いないと思う。
いつもの『白いワンピース』から『黒い外套』に、『白』から『黒』になった御影さん。きっと綺麗だと思う。

「誰かが襲われてるのを願っちゃうのは、違いますよね。
 練習はしたいけど、したくないんです…」

「『この状態』で、纏わないでできること…。
 一人でもなんとかできる方法…。ありがとうございます、考えてみます…!」

御影さんの言うことは本当だよね。
『シスター』は私が襲われても纏えない。誰かを『護る』とき以外は人並みの力しか持ってない。
なにか、投げるものとか防犯グッズもってた方がいいのかな?


…あ、そうだ…。

「御影さん、あの、ちょっと関係ないことなんですけど…。
 その、御影さんが『咲良』って呼んでくれるように、私も『憂』さんって、呼んでも…いいですか…?」

最初は『飯田さん』だった呼び方が『咲良』にいつなったのかはわかんない。
わかんないけど、すごく嬉しかったから、私もそう呼びたいなって、そう思った。

416御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 17:50:00
>>415

「あ………………」

言われてみて気が付く。
無意識の内に、自分の中で呼び方を変えていた。
世良楽を『セララ』と呼んでいるせいもあるかもしれない。

「………………いいよ」

      ボソッ

そういえば、世良楽からも名前で呼ばれている。
咲良といい最近そういうのが多い。
まぁ、『名前呼び』くらいならどうという事もない。
『セララ』と『サクラ』、ちょっと似てる?
これも『引力』なのかもしれないけど関係ないかもしれない。

「あ………………そういえば………………」

「『フラジールさんの時は』って言わなかった?」

「『フラジールさん』………………『襲われた』の?」

うっかりして危うく聞き逃す所だった。
少なくとも『やろうとした』という事は、
『襲われる場面』に出くわしたと考えられる。
一体『誰』に襲われたのか?
そこが重要だ。
ろくでなしに喧嘩でも売られたのか、
それとも『危険なスタンド使い』だろうか?

417飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 18:07:54
>>416

「やった!
 憂さん…憂さん♪」

ちょっと小さくガッツポーズ。
呼び方が変わるときって、特別な気持ちになるよね。嬉しい。

「あ、フラジールさんですね。
 んと、LINEでちょっと話したのとあんまり変わんないんですけど、
 襲われてる人を見つけて護りたい!って思わないと『シスター』は本来の力を使えないってことを話したら、
 フラジールさん、スタンドで自分を襲わせて、私に護らせたんです」
「それで、こんな感じで…」

『シスター』を背中にくっつけたままアッパーする真似をしてみる。
たぶんこんなだったような…?

「フラジールさんの子にパンチしたら吹き飛んで消えちゃいました」

(フラジールさんとの絡み)
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1591247432/641-658

418御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 18:29:38
>>417

「あぁ………………『あれ』………………」

そういえば聞いてたような……。
さっきから調子を狂わされているせいか?
今が『危険な状態』でなかったのは幸いだ。

「『魔法使い』みたいな格好してたって………………」

「何か………………すごいね………………」

改めて考えても怪しげな外見だ。
当然、自分自身の姿は棚に上げている。
『一生』も似たような格好をしているし、どっちもどっちだ。
咲良には一緒にいる所を見られたが、
それは世良楽も知っている。
問題はない。

「今日………………『泊まっていい』?」

        チラ…………

「ダメだったら帰るから………………」

横に置いてあるバッグを一瞥する。
『DVD(ブルーレイ見られるか分からないから)』を持参してきた。
もし泊まる事になった場合は、
ついでに『鑑賞会』でもやろうという腹だ。

        ――――『ジャンル』は言うまでもない。

419飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 18:42:06
>>418

「面白いですよね。
 スタンドと本体が同じ見た目なんてあるんですね…?」


「ぜひ!
 やったー!お泊まりパーティーだ!」

あ、でも…寮の部屋、少し狭いけど…大丈夫かな…?
一応、床にクッションを置いてバスタオルかぶって私は寝るつもりだけど、

「おふとん…私のしかないんですけど、
 そこに寝てもらっても、大丈夫ですか…?
 私は床で寝ますから!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうやら飯田の部屋にはノートパソコンがあるようだ。
DVDは再生することができるだろう。

420御影憂『ナハトワハト』:2021/05/23(日) 19:00:34
>>419

「………………いいの?」

「じゃ………………遠慮なく………………」

もしかすると、また『ツネハラ』が現れるかもしれない。
その時は、そちらの情報も取れるだろう。
心の中では、そういう算段もあった。

    ――――――そして数時間後、『夜』が訪れた。


「『これ』………………持ってきたやつ………………」

          スッ

「………………『おすすめ』」

持参した『DVD』をパソコンに挿入すると、『映画』が始まる。
ひたひたと背後から迫ってくる恐怖が特徴のジャンル。
もちろん――――『ジャパニーズホラー』だった。

421飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/05/23(日) 19:16:35
>>420
                     「ぴゃっ!?」
           「ぎゃー!!!!!」
「え、あの人、えっ…えっ…!?」
           「な、なな、なに、水ぅー!!!!」
   「やだやだやだ、憂さんたすけて…!?」
               「やめてやめて、後ろ、後ろ!!」
     「休憩、そうです、休憩しましょう??ね???」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その晩、飯田の部屋からは絶えず悲鳴が上がっていたようだった。おそらく近くの部屋まで聞こえてしまっていただろう。
飯田は布団の心配をしていたが、御影の腕に縋りついて眠れない夜を明かした為、無用の心配で終わったようだった。

422常原ヤマト『ドリーム・ウィーバーレス』:2021/05/23(日) 23:44:24
「お嬢様がたが夜中に遊んでおられまして」

  廊下を掃除している。

「ほかのお部屋のかたの事を考えると、
 注意のひとつでもした方がよいかとも思ったのですが…」

しかし…できなかった…
あんなに楽しそうにしているのに…
止めに入るなんて……

 「俺は……弱い………ッ!!」
 「いったいどうすれば良かったのでしょうか……師匠………!」

苦悩のあまり独り言をつぶやいている。

423ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/25(火) 22:40:58
>>422

「モグモグ」


駄菓子を食べながら金髪の子供が廊下を歩いてきた。
外見的には小学校低学年くらい……寮というのはこの年齢の子も入れただろうか……?
食べかすがポロポロとこぼれ落ちる。


「ほお……」


そして道端で猫を見かけた時のように足を止め、メイドの小芝居を興味深そうに眺めた。

424常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/05/25(火) 23:09:09
>>423
「いけませんよ! 歩きながらお菓子を食べては」
「ああ… そんなにこぼして」


 急ぎ駆け寄る。寮の誰かのきょうだいだろうか。
 食べかすを拭く……

 「いや……しかし」
 「こういった時は……無理にでもお菓子を取り上げるべきなのでしょうか…」
 「分からない…俺は弱い…………」

 筋骨隆々で眼帯をつけてメイド服を着た漢が苦悩している。

425ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/25(火) 23:17:42
>>424

「おお?
 ああ、すまん」


足元に寄ってきて床を拭く、奇矯な姿の男性に対して、軽い驚きの声をあげる。
その拍子にひときわ大きな『美味い棒』の欠片がこぼれ、メイドの頭に乗っかった。


「……何をそんなに苦悩しておる?
 大丈夫か?」


足元に這いつくばる(ような体勢の)メイドの頭を、撫でるように菓子の欠片を払いながらそんな事を言う。
心配そうな声色に、幼い優しさがにじむ。
頭から落ちた菓子の欠片は今拭いたばかりの廊下に転がった。

426常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/05/25(火) 23:33:34
>>425
「いえ、ご心配なさらず
 またこぼされましたね……綺麗にいたします…」

 床を布巾でぬぐう。
 と。頭に感触。これは……

「………………?」
「お…おお…」「う……うッ」
「うおおおお………っッッッ」

   ポロ ポロ

  なんと、奇矯な姿の男性は身を震わせて涙をこぼしている。
 学生寮の廊下で女装した不審成人男性が泣いている。

427ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/25(火) 23:42:51
>>426

「!? どうした?
 なにか痛かったか?」


慌てて自らも這いつくばるようにして、メイドの顔を覗き込む。
両手を地面につけると、手に持っていた『美味い棒』は潰れ、
こなみじんになって廊下にカスが散らばった。


「げ、元気を出せ……
 お菓子食べるかの?」


そう言うと『美味い棒』の袋が消え、ポップな赤いカラーの『ペロペロキャンディ』が現れる。
『ペロペロキャンディ』が差し出されるが、両者とも地面に這いつくばるような体勢なので、
メイド男性の視界はペロキャンで埋まった。

428常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/05/26(水) 00:08:41
>>427
キャンディーを受け取り、泣きながらなめる。

 ペロ…ペロ…  「うっ…ウッ…」

  ペロ…………

「撫でられるということが久しぶりだったもので
 …感極まってッッッッ!!!!!!俺は!!!!!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 ガリガリガリガリガリ!!!
     バリバリバリバリ!!!!

不審な男性が幼女からキャンディーを奪い貪っている。
ちょっと元気になったみたい。

429ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/26(水) 00:17:16
>>428

「大変なんじゃな。
 よくわからんが……」


さっきのは頭に乗った食べカスを払いのけただけだが……
今度こそ慰めるようにヨシヨシと頭を撫でる。


「普段なら『交換』というところじゃが、今回は無料としておこう。
 おおう、健康な歯じゃな。
 わしは中々噛むのがうまくいかんで食べるのに時間がかかるんじゃが」


豪快に噛み砕かれる飴に感心する子供。
その小さい口では、飴をバリバリと食べるのは難しいらしい。
ちなみに『ペロペロキャンディ―』はイチゴ味だった。

430常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/05/26(水) 00:46:43
>>429
「グスッ… !施し、ありがたく頂きます!!
 身に余る光栄です!!!! ……恐縮です…勿体ない限りです…!」

撫でられ、落ち着いてきたみたいだ。
若干、身を縮め申し訳なさそうにしている。

 「ウッ ウッ  愛……これが愛!!!!!!!!!!」
 「歯磨きを…しっかりするよう両親に教えられ――――――――」


 「!!!!!!!!!!!!!!」
 「わかった!!!!わかったぞッ!!!!」

 メイド男は、急に立ち上がると、
 近くにある掃除用具を載せたカートに駆け寄る。
 そして、何かを取り出すと、君に差し出してきた。

「……お嬢様!!お菓子を食べたら歯磨きをしっかりなさってください!!!」

 『歯ブラシ(未開封)』だ。

431ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/26(水) 00:56:52
>>430

「うん? うん……なにがじゃ?」



『モグの狂信者』みたいなことを言い出したメイドに、首をかしげる。
『わからなかった』ようだ。


「う、ん……まあ、よくわからんが、わかった。
 ではこれと『交換』してしんぜよう。『メロン味』じゃ」


行動の流れはよくわからなかったが、
『歯ブラシ』を渡してきている。歯を磨けと言っている。
という行動と単純な発言の意味は理解できたようだ。
『歯ブラシ』を受け取り、ポケットからまたも『ペロペロキャンディ』を取り出し、渡す。
赤いイチゴ味と違い、緑色だった。

432常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/05/26(水) 01:21:26
>>431
 「ええ!この『常原(ツネハラ)』、道が見えて参りました」

 「………………『正しさ』と『愛』」
 「『正しさ』なんて……とっくの昔に諦めております…」

緑のキャンディをグっと握りしめると、空(天井)を仰ぐ。

 「お嬢様とお坊ちゃま、皆様にはのびのび過ごしていただいて!!!」
 「俺が掃除をする!!洗濯を!!家事!!!」
 「『正しき道』ではなくとも!!過保護と呼ばれても!!俺はしかし!」

 「やはり『愛』なのです!!!!!」
 「うおおおおおおおおおお失礼いたします!!!!!!」

眼帯メイド漢、思考や行動の流れがよくわからなくなりがちのようだ。
掃除用具を引っ張り廊下を走り去り……

 「歯は磨いてくださいね!俺との約束ですよ!」
 「それと!お菓子を食べるときは、
  できれば『食堂』などで座ってください!!!」

一回だけ振り返り、君にこう言い残した。

433ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/26(水) 01:30:04
>>432

『迷ったのなら掃除するのはやめなさない』と主は言った(言ってない)
だがもう『迷い』は無い。
『新しい道』への扉が開かれたのだ……


「よくわからんがよかったの。
 歯は……うむ」


歯ブラシを握りしめて、メイドガイを見送った。


「家が無くなったらここに住むのもいいかもしれんな。
 候補にいれておくとしよう」


子供も、どこか(勝手に)住めそうな場所を探して、寮の探索へ戻っていった。

434一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/26(水) 22:34:39
「よいしょ…よいしょ…」

デカイ保冷バッグを背負った少年が寮の入り口に到着するとスマホを手に取る。
容姿だけ見ると外国人留学生に見えなくもないが…

「来る前に全部作ってしまいましたね…
 お、重い…『インダルジェンス』助けて…」

僅かながらスタンドに荷物を持ち上げさせて七篠先輩が迎えに来てくれるまで耐える。

435七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/26(水) 22:58:37
>>434

「一抹くん!」

 焦げ茶の髪を背中に流した少女――七篠が正面玄関から声を上げる。
 遊びに来るにしても少し大荷物ではないかと訝しむが、ひとまず一抹に近寄り荷物を持つ。
 高校生女子と中一男子の筋力はそこまで大きく変わらないだろうが、年上の意地だろう。

「ごめんなさい、気付くの遅れちゃって。
 待たせちゃいましたか…?」
「こっちから上がってください。クーラーボックスの中身は……食べ物ですよね?
 ひとまず台所に置いてきましょうか」

 七篠は一抹を寮の中に案内するようだ。

436一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/26(水) 23:16:43
>>435
「あっ、七篠先輩! スタンドを使ったら楽でした!」

割りと元気そうな表情で七篠先輩にお辞儀をする。
背後には『インダルジェンス』が発現していた。
保冷バッグはずっしりとしていて甘い抹茶の香りが漂う。

「来る前に作れるだけデザートを作ってきました!
 この前のクッキーのお返しですよ」

「砂糖などはケチってないから味はするはずです。
 来月分の食費を使っただけあって人間の食べる形
 をしてるから七篠先輩も安心…?」

テクテクと七篠先輩の後を追って寮に侵入する。

437ヤジ『一般人?』:2021/05/26(水) 23:33:14
>>435-436(良かったら、ちょっと混ざりたいかなー なんて……)

〜〜〜♪

「うーっし いい感じでベーコン焼けたぜ。
スクランブルエッグも、よし 焦げ目はないな」

不良っぽい感じの茶髪に、イアリングをしている清月の制服を
着くずしている男がフライパン片手に台所で軽く調理をしている。

 ピー……ッ

「お 湯も丁度よく沸いたな。さて、と
インスタントでは、オニオン クリームポタージュ……うーん
これって感じのがねーな」

438七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/26(水) 23:35:21
>>436

「大丈夫ならよかった…」

 七篠は意外と元気そうな一抹を見てほっと息を吐く。
 そして続く言葉に目を伏せて考え込む。

――来月の食費を削ってる…?
――もしかしてそのために雀を捕まえてこようとしたのかな…。

「お返しなんていいんですよ。
 クッキーは一抹くんへのお詫びなんですから」
「食費は削ったらダメですよ?
 一抹くんは成長期なんですから、身長伸びませんよ?」

 七篠はすこし腰を曲げるようにして一抹に目線を合わせる。
 年齢差があるのもあり、今は七篠の方が大きいがそのうち一抹の方が高くなるだろう。食事をきちんと摂れば、だが。



「台所はここです。共用スペースなのでデザートを冷蔵庫に入れる前に名前だけ書いておきましょうか」

 七篠は一抹を先導し、台所へ誘導する。
 そういえば今は何時ぐらいだろうか。

439七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/26(水) 23:37:47
>>437

「あ、先客がいらっしゃいましたね」
「すみません、お邪魔します。いい匂いですね」

 焦げ茶の髪の女子が挨拶をする。
 後ろについてきているのは弟だろうか、髪の色や諸々違うようだが。

440一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/27(木) 00:08:45
>>437
「こんにちは。お邪魔してます」

今の今まで小汚いYouTuber崩れのオッサンからケバいホモのオッサンなど社会の極点を見た一抹は図々しく不良っぽいヤジに挨拶をする。
そう、紫の法衣を着ていた闇金詐欺師よりは真っ当だ。

>>438
「背が伸びる以前に私が中学卒業まで死なないか、って
 問題がですね…」

「おっと、仕舞わないと…」

              ドザァ…

妙に重い保冷バッグの中から『自家製練乳チョコ』『もっちり偽アイスプリン』『バナナカラメルパイ』『偽造チョコレートムース』『バームクーヘンブリュレ』と書かれたパックを取り出す。
しかも、かなりの量だ。殺人的カロリーの軍団が圧を放つ…

「牛乳と卵だけあれば、大抵の物を作れるようにと
 義母が教わった品々です」

「ちょっと人探しもしようかなー、と思いましたが
 彼なら生きてそうですから」

441ヤジ『一般人?』:2021/05/27(木) 00:21:54
>>439-440(許可 感謝です)

>すみません、お邪魔します。いい匂いですね

「ん? あー、気にしないでくれ。すぐ自室に戻るから
ルームメイトが普段なら作ってくれるんだけど、最近どうもフラッと
外に出ちまうから急遽自分で作らなくちゃいけなくてよ」

ヤジって皆から言われてんだ。宜しく

そう、焦げ茶の髪の毛の女性と雪のような白さが見える男の子に
見た目は少し厳ついが、気さくな笑顔で不良っぽい男は応対して名乗る。

>ちょっと人探しもしようかなー、と思いましたが

「おいおい、すげー量のデザートだな。なに? 此処で今日
パーティでもやんの? なんだったら俺も参加させてくれよ。
ちょっとした隠し芸で盛り上げぐらいやっから。代わりに少し
つまみ食い許してくれたら嬉しいなーってな。

ん? 人探しって何か困り事か?
俺で良ければ手伝うぜ」

男子(一抹)のデザートを仕舞うのを少し手伝いつつ
人探し、と言う言葉に反応して返答する。

442七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/27(木) 00:30:19
>>440

「え、一抹くん、身体弱いんですか…?
 それとも、なにか…」

 七篠の脳裏に先程の『土下座をしている一抹の写真』がちらつく。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/170

――中学を卒業するより前に殺されてしまうような、そんなバイオレンスな家庭環境…なの…?

 七篠は顔を青くしながら、ひとまずクーラーボックスから冷蔵庫にスイーツを移すのを手伝う。
 種類も量も多く、女子高生としてはこのカロリーと戦うのは気合いが必要そうだった。

「人探し…? 一抹くん探してる人がいるんですか??」

――人探しももちろん気になるけど、それより『義母』って言葉が不安…。再婚家庭…なのかな…。

>>441

「ヤジさん、ルームメイトさんがふらっとなんて…大変ですね…。
 あ、私は『七篠(ナナシノ)』といいます。よろしくお願いします」

――なんだか、ちょっと不良で怖そうかもって思ってたけど…気安い、いい人…なのかも。
――……ヤジ、野次…うーん、矢地さん…とかかな。あとで表札見てみたらわかるかな?

443一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/27(木) 01:12:15
>>441
「幾つかは持っていっても構いませんよ!
 七篠先輩が私を忘れないようにと死ぬほど作りました」

「そうですね。『偽造チョコレートムース』と『バームクーヘンブリュレ』がオススメです」

『バームクーヘンブリュレ』の例
ttps://delishkitchen.tv/recipes/164108059679916524
がパック詰めされて差し出された。
その隣に切り取られてパック詰めにされた『偽造チョコレートムース』が置かれる。
一例:『チョコレートムース』
ttps://m.youtube.com/watch?v=LY7W7nT5yZ0&t=34s

「お手伝いしてくださるなら嬉しいのですが…
 文系青年の小林さんって名前の方です」

「たまに古文? 何かの詩? を唱え始める不思議な方で
 制服をバンカラマントみたいに着てたり…」

「あっ! ヤジさんみたいにピアスして気がします!」

あれ以来、生死不明の小林さんが持つ特徴を思い出していく。
それなりの変人さんだったから有名かもしれない。

>>442
「一年前までは弱かったですけど宗像さんっておじさん
 と会ってからは元気が出まして…」

「この間みたいに轢かれるのが軽い部類の『不幸』が
 定期的に降り注ぐのです。最初は拉致でしたね。
 次は本格的に死にかけて危なかったですけど、
 過ぎれば良い思い出です」

懐かしそうにするが次々と物騒な言葉が繰り出される。
『家庭』というレベルを越えて一抹個人に生死を争うような『不幸』が引き寄せられているらしい。

「探し人は小林って名前の変人さんで私の同類。
 一緒に事故った仲間です。生きてる…はず…」

444ヤジ『一般人?』:2021/05/27(木) 01:32:02
>>442-443

>ルームメイトさんがふらっとなんて…大変ですね

「ななしのちゃんね、よろしくー。あぁ、因みにヤジってのは
あだ名でさ。本名は……あぁ、名前は宮田だから。
そーなんだよ、なんか誰か探してるみたいでさ。すげー謝らなくちゃ
いけない気がするけど、思い出せねーとかで……」


>文系青年の小林さんって名前の方です

ポロッ

「うぉっとと……。
……なんだ、ジョーの事を探してんのか。君」

不良青年は、まじまじと君(一抹)を見つめる。
そして、少し困ったように眉の片方を上げて頭を掻いて呟いた。

「あー、多分。君が探してるの、俺のルームメイト兼相棒で
たぶん間違いねーよ。そんな説明の奴、この街に二人もいねーだろうし。
……けど、参ったな。
ジョーの事探してくれてるのうれしーけどよ。これ、俺が言っちまって
いいか迷うけどさ……。
――ジョーは、君の事『忘れてる』かもしれねー」

445七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/27(木) 07:47:49
>>444(ヤジさん)

「ヤジさんは宮田さんなんですね。
 あ、それなら、もしよければ私のことも『ユズ』って呼んでくれたりすると嬉しいです。
 下の名前が『譲葉(ユズリハ)』なんです」

――次に譲る葉より、大馬鹿十八年の柚子でいたい。

 七篠はその気持ちを口に出さず、ただあだ名として『ユズ』を提案する。

>>443(一抹くん)

「一抹くんを忘れるなんてそんなことないですよ。
 この間のことがあって忘れちゃうなんて、できませんから」

 先日の『オジロ』との一件。
 年下の少年が両腕をあんなにしてしまい入院し、七篠自身は無傷だったことで七篠は後悔を抱いていた。
 おそらく忘れることは不可能だろう。


「不幸が…それもこの間のが軽い…んですか…。
 その『宗像』という人に…なにかされたんじゃないんですか…?
 オカルトみたいですけど…」

 七篠はヤジを気にして『スタンド』とは言わなかった。

――健康にする代わりに不幸を呼ぶ『スタンド』があってもおかしくない、よね。
――光に当たったら後ろ向きに歩いたり、本から食べ物出したり、『普通じゃないことができる』んだから『不幸を呼ぶ』ことだって…。

 想像が正解かどうかはわからない。
 だが、七篠は『宗像』という人を警戒した方がいいのではと考える。

>お二人(小林さんについて)

「小林…さん…ですか?
 うーん、小林さんって名字の方はクラスにもいますけど、そんな感じじゃないし…。
 もし見つけたら一抹くんに教えますね」

「……ルームメイトさんが、一抹くんが探してる小林さんで、その…『記憶喪失』…なんですか…??
 た、大変です…!」

446一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/27(木) 11:04:03
>>444
「やっぱりですか…」

夢は所詮、夢でしかない。死んでしまったら忘れてしまう。
私を弟のように見てくれた小林先輩とは一生会えない。
これが宗像さんの抱える虚無感だろうか?
既に『タカ』は刑務所の中。怒りが胸に灯ることもなく失ったものを想うことしかできない…

「でも、生きてるって分かっただけでも良かった…
 小林先輩が忘れても私が覚えていれば、私の知る
 小林先輩は生き続けるのですから」

「それはそうと忘れられたのが悔しいので会ったら
 小林先輩に頭突きします…」

私は自身の心を『墓碑』として亡き小林先輩を想い続けることにしよう。
祈るように今を生きる。小林先輩の言葉を胸に刻んで…

>>445
「宗像さんは私に何もしていませんよ。
 ただ、大切な人の死を心に刻んで『墓碑』のように
 多くを語らず生きる人ですからね」

「会えば分かる、としか言い様のない方です。
 確か配管工をしてるらしいのでマンホールの下に居る
 かもしれませんよ?」

『不幸』だとは思うがスタンド使いとして力を得てからは、あらゆる『不幸』が『試練』へと転じた。
抗いようのないものは『不幸』だ。
しかし、スタンドを手にした時から切り開くという選択肢も同時に得た。

「そういった人が七篠先輩にも現れるといいですね」

と、思うが七篠先輩は普通のままでも良いかもしれない。
特別な出会いより日常を積み重ねる方が彼女には合っているはずだ。気性も大人しく雀に似ている…

447ヤジ『一般人?』:2021/05/27(木) 13:04:54
>>445-446

「おぅ ユズちゃん。うん? ちゃん付けは流石になれなれしいか?
 まぁ、そのほうが親近感出ると思うから、そう呼ばせてや」

俺は単なるヤジで良いから、と笑いつつ七篠に告げ。

>やっぱりですか…

「『やっぱり』って、事は。なんか死ぬような目に遭ったのか?
それとも、なんかスタンド能力で此処を弄られたのを一抹君は
目撃したって感じか?
 ……あぁ、俺は使い手じゃないけど、知識あるから全然べらべら
喋ってくれて構わねぇよ。何人かと仕事の一環で鉄火場は経験あっから」

多分、使い手の知り合いだろうし。こっちの女の子(ユズ)も
十中八九お仲間だろうと見当つけた上で、此処と言う強調の際に
頭の部分を指すジェスチャー混じりで話す。

>忘れられたのが悔しいので会ったら小林先輩に頭突きします…

「………うーん、それはちょっと 今は 止めとくほうがいいんじゃないか?」

不良青年は、困ったように眉間を細めて忠告する。

「会ったら、多分。ジョーはぶっ倒れるか何なり良い事おきねーと思う」

448七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/27(木) 13:15:31
>>446

 七篠は一抹の言葉にすこしほっとしたような表情を浮かべる。
 一抹は『宗像』に対して好感をもっているように思えた。七篠が懸念していた『不幸を呼ぶスタンド使い』のような人物ではないのだろう。

「ごめんなさい、変なこと言ってしまって」
「マンホールの下に…。もしかしたら、いつか会えちゃうかもしれませんね。
 もし会えたらお話ししてみたいかもしれません。
 一抹くんの言う『そういった人』がどんな人なのか、気になりますし」

>>447

「流石にちょっと、呼び捨て…?はハードルが高いかもです。
 ヤジさんって呼ばせてください」
「ヤジさん、スタンド知っているんですか…!
 この街ってたくさんスタンド知ってる人がいたんですね…!」

――スタンドって、もしかして結構ポピュラーなのかな…?
――私が知らなかっただけ…?

449一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/27(木) 16:54:13
>>447
「スタンド使いじゃないのにスタンドを知ってる…
 さては『アリーナ』の黒服さん! 違うか…」

夕立先輩救出後に『タダヒト』って人が沢山率いてたけど彼等は何者なんだろう。
『アリーナ』のランカーとは違う感じはしたが…

「それはそうと一年前に私と小林さんは『ウルトラ星見ボーイズ』と名乗る連中に夢の中で殺害されました」

「他にも矢貫さん、夢見ヶ崎先輩さんって方々が居て
 2つのチームに別れて報復を行いました。
 私は小林さんと組んで構成員二人を『再起不能』に」

「しかし、私たちの方にリーダー格が来て二人一緒に
『夢』の中で殺されてしまいました。
 リーダー格の名前は『タカウジ』。元は闇金の男で
 『押し売り強盗』の首魁もやっていたらしいです」

「『夢世界』にて人々を殺害して自分たちの『王国』を
 作り上げるのが目的で、私たちに反撃されて逮捕され
 たようですね」

「結局、連中の背後には『殺意』と『悪霊』を操る蛇尾川
 って黒幕が居たり、『エクリプス』全盛期に存在した
 最悪のスタンド使いが暗躍してたり…」

「小林先輩は文学青年さんだから『ネタ』になるかな?
 これが小林先輩と私に起きた事件の全貌となります。
 親友の貴方から教えれば、きっと信じてくれるはず」

運が悪かったら『運命』とやらに引っ張られた小林先輩とも朝陽先輩の『夢』で再開していたかもしれない。
『アダージョ』の言っていたホームレスさんが使うスタンドならば…

>>448
「七篠先輩でも少しだけ頭突きしようかと思いました。
 嘘です。本当だったら軽く『慈悲の刃』で…」

冷蔵庫に無数のデザートを突っ込みながら笑顔を見せる。
ラベルの上に七篠先輩の名前を書いておけば、盗み食いする者など現れまい。

「この町にはスタンド使いが沢山居ますよ。
『音仙』『和国姉弟』の二人が増やしてるみたいです。
 私も『音仙』さんによって目覚めたタイプです」

「他にはスタンド犯罪者の集まり『エクリプス』残党。
『タダヒト』って人曰く、現代のナチスらしいです。
 構成員二人と遭遇しましたが…クズでしたね」

「スタンド使いだからといって全員が味方ではなくて
 潜在的な敵と考えた方が良いですよ。
 仲良く出来ない者は絶対に現れる。仲良く出来ない
 だけならマシですが…」

イマイチ気が合わないから戦おうって思うのは子供だ。
ある程度の譲歩は社会を生きる上で必要な処世術。
しかし、七篠先輩は気が弱いから心配だ。やはり、しばらくの間は彼女を見守った方が良いかもしれない。
無理難題を押し返す気概が身につくまでは…それに『冷房』の恩恵もある…

450ヤジ『一般人?』:2021/05/27(木) 20:36:33
>>448-449

>さては『アリーナ』の黒服さん! 違うか…

「あー、いいとこ突いてるよ。黒服ではねーけど、アリーナ勤めなんだ。
ユズちゃん驚いてるけど、スタンド使えなくてスタンド知ってる奴って
そんな滅多にねーって」

雑談交えつつ、静かに一抹の話に耳を傾けた。
そして、一通りそれが終わってから抑揚つけて返答する。

「あー、なる程。夢の中のスタンド……か
どうりでジョーとは頻繁に会うけど、怪我もねぇのに突然なんの兆候なしに
魘されて『すまない』『いかないでくれ』『ゆるしてくれ』とか何度も
呟くと思ってたよ。んでもって起きてる間に聞いても、余り要領得ない感じだし。

……いま、一抹君が会ってもさ。ジョーには多分『覚悟』って言うか
そう言うもんが足りないんだと思う。あいつは、どんな空間や理由があれど
君を守れなかった事がだいぶショックだったんじゃねーかなぁ」

俺には推測しか語れないけどさ。そう、彼にとって君の歩んだ道程は
傍観者の立場であるが故に、その意見だけで話題は更に踏み込むのは避けた。

>『エクリプス』残党。現代のナチスらしいです。
>構成員二人と遭遇しましたが…クズでしたね

「その二人の名前は? 俺、もしかしたら知ってるかもしれねー。
今さっき話した通りアリーナ勤めだから、どんな奴等だったか聞いてみてーわ」

お菓子の名前登録を手伝いがてら、もう少しヤジは君等と世間話を続けるようだ。

451七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/27(木) 20:58:53
>>449

――『慈悲の刃』でなにされちゃうの…!?

 七篠は驚き、思わずといった様子で自身を確認する。一抹が七篠の名前を容器に書いていることには気付いていないようだ。

 『無痛の刃』と以前形容していたそれであれば、七篠が気付かないうちに傷ができていてもおかしくはない。
 そして、(おそらく)何事もなかったことを確認すると一抹に顔を向ける。

「あれ、一抹くんも『音仙』さん……先生に会ったことがあるんですか?
 なんだか、兄弟弟子みたいですね」

「スタンド使いは基本的に敵…。
 私より経験の豊富な一抹くんが言うならそうなんだろうとは思います。
 ……次こそは、一抹くんが怪我しないで済むように頑張りますから」

 『エクリプス』、現代のナチス。
 以前七篠が聞いた『アリーナ』は危険は伴うが街の大企業のような存在だった。
 『エクリプス』はそれとは違う、もっと危険な存在ということなのだろう。

 今ちらりと出た『タダヒト』という人物が何者かはわからない。
 だが、一抹との面識があり『エクリプス』がそのような存在だと教えてくれるということはいい人なのだろうと七篠は考える。

――年上として、一抹くんに迷惑をかけないようにしないと!

 七篠がそう決心していると、一抹がヤジに『夢の中で殺された』と話してるのを聞き、ぎょっとしたようだ。

――迷惑とか怪我とかそういうレベルじゃなかった…!?

>>450

「あ、そうなんですね…?
 じゃあ知っていたら『アリーナ』の人なのかなと思うことにします…!
 ヤジさんは『アリーナ』でどんなお仕事をされているんですか…?」

 七篠にとって『アリーナ』は野良犬の捕獲に15万円出す組織だ。
 他の仕事はどのようなものがあるのか、気になったらしい。

452一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/27(木) 22:29:41
>>450
「詳しい知らないってことは『タダヒト』さんの派閥と
 違う。別の派閥にヤジさんは属している…?」

クァンガンさんの話によると『アリーナ』は複数の派閥が牽制し合っているらしい。
そんな世界に何故、ヤジさんが身を置いているのだろうか。

「『夢』の世界は魂を希釈し、再構築する際に生まれる
 不思議な空間らしいです。人は毎夜、死んでは再構築
 されては生まれ変わると『タカ』は言ってました」

「小林先輩は『魂』の再構築が上手くいってないのかも
 しれません。そんなに落ち込まずとも良いのに…」

「もう一回死んだから大丈夫ですよ!」

もう『夢』を見ることは叶わないが朝陽先輩と夕立先輩に助力できたのだ。これ以上は行く機会もあるまい。
また『悪霊』が現れでもしない限りは…

>その二人の名前は? 俺、もしかしたら知ってるかもしれねー。

「裏切りの太門と愛欲のアダージョ。一度は死んだ二人
 ですが『悪霊』となって生きてました」

「でも、上の人に聞いたら起こられるかもしれません。
 名前を知る人達全員から死ぬほど恨まれてました
 私も、うん、複雑な気持ちがあります…」

哀れな二人組だったがド畜生であることに変わりはない。
あの場所で死んでくれて本当に良かった…

>>451
「先生と彼女を呼んでいるのですね。立ち位置は近い。
 弟子とは違うような…医者みたいな感じです…」

「潜在的な敵ってだけで上手く立ち回ればいいのです。
 過剰に警戒しても疲れるだけです。最低限の警戒
 を怠らなければ怖い人達じゃないですよ」

少し脅かし過ぎたかもしれない。やんわりと微妙に訂正。
割りと七篠先輩は誰にでも好かれそうだが…

「あの程度の傷は大したことありません。
 ご自分を責めないでくださいね。私の方こそ弱くて…」

453ヤジ『一般人?』:2021/05/27(木) 22:51:27
>>751-752(ここら辺で自分は引きます。お付き合い感謝です)

「うん? 別にユズちゃんが想像するような面白い事は特にないぜ。
万引きG見たいに、スタンド見えない軽犯罪者ひょっ引く担当もいれば
児相とかで、最近息子や娘が変なもんが見える出るって話を聞いたら
スタンド出てるか調査に乗るとか。俺はスタンド使えないから
主にそんな人達の実務報告を記録で整理したりとか雑用よ」

七篠に、そう淡々と語る。

「魂の再構築……か」

そう、相棒(小林)の状態については少し間を形成し一考する素振りをしつつも
それ以上語る事をヤジはしなかった。

>裏切りの太門と愛欲のアダージョ

「ア アダージョっ? おいおい、こんな場所で
んなビッグネーム聞くとは思わなかったぜ……」

一抹の言葉に、明らかにヤジは驚愕を表情に浮かべた。

「散々、敵味方も巻き込んで暴れる奴だったからな。
ん、あぁアリーナでも有名なブラックリストよ。死霊になっても執拗に
迷惑かけてたって聞いても、全然不思議に感じねぇわ。
いや、すげーな一抹君。アダージョと遭遇して生き延びて……いや、厳密には
夢で敗北したとしても、他の仲間達の勝利に貢献したんだろ?
そんで、いま目の前で生きて立ってんだ」

そりゃ、誇っていいよ。と、ヤジは学生にしては随分と大人びた
小林にも少し似た感じで一抹を労った。

「……なんか二人とも、俺が『アリーナ』にスタンド使いでないのに
身を置いてんの不思議そうだけど。色々とこっちにも過去があんのよ
ほら、スタンド使いの所為で身内に不幸が起きて済し崩しみてぇな……けど
こんな辛気臭い話しても、飯食うのに不味くなるし」

俺の事は、そんな気にしなくて良いよ。と話を切り上げた。


「いや、色々話してくれて最近気になってた事も納得したし、貴重な事も聞けたよ。
ユズちゃん、また色々楽しい話を聞かせてや。
一抹君、今はジョーもジョーで自分自身と闘ってる最中なんだよ、きっと。
いずれ俺は、君とジョーが再び知り合いになった切っ掛けの過去に清算つけて
再会出来るって信じてるよ」

つーか、何なら連絡先交換しとくぜ? その方がスムーズにジョーも
君(一抹)と出会えるだろうし。と提案を最後に持ち掛けた。
受ければ、何時か星間通信あたりで小林が『思い出せば』
一抹君に連絡してくれるだろう。

「そんじゃ、二人とも邪魔したな。俺は自室戻って飯食うから」

そう、調理したものを抱えてヤジは去っていく……。

454七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/27(木) 23:02:01
>>452

「最低限の警戒…難しいですね…。
 知らないことが多くて、なにから警戒していいのかもわからないので…。
 私にはいろいろ足りないところがありますし、すこし大袈裟に警戒しておこうかなと…」

 七篠にはまだまだ不足している部分が多い。
 スタンド使いとしての経験もだが、敵意を持ったスタンド使いとの関わりはこの間の『岩川』が初めてだった。
 知識の不足もあり、警戒してしたりないということはないだろう。

 そして七篠は顔を曇らせて言葉を続けた。

「一抹くん、私は年上です。
 本来、年下の一抹くんを助ける側です。
 だけどできなかったんです。だから、私は悔やんでいるんです。
 私自身が、悔やんでいるんです」

>>453

「本当に生活支援課みたいな感じのお仕事だったりするんですね。
 雑用でも、学生でそんなにいろいろしてるのはすごいと思います!」

455一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/27(木) 23:33:19
>>453
「天然モノのスタンド使い確保と独り歩きスタンドの警戒
 そんなことまでしていたんですか…」

経済活動を重視する彼等にとっては『治安維持』も必要な活動らしい。
スタンドの見えないヤジさんの身が心配だ。
小林先輩と一緒でも近距離パワー型の護衛無しは厳しいものがあるはずだ。

「いや、私は運良く太門の首を落とせただけで…
 本当の意味で奴を救ったのは…」

それにしても明るい人である。この人なら信用して協力
しても大丈夫だ。
連絡先と自分のスタンドについて書いたメモをヤジさんに手渡す。

「何かしら人手が必要な時は使ってください。
 一回に付き十万からで! 小林先輩のことをよろしく
 お願いします!」

自室に帰るヤジさんにお辞儀をして見送る。
見た目はファンキーだが明るく優しい人だった…

>>454
「私は人の役に立つべくスタンドを使っています。
 だから過程で骨折しようが臓腑を抉られようが些細
 な事なんですよ? 分かってください」

「しかし、その悔しさは七篠先輩の強くすることでしょう」

「そのためなら傷を負ったのも無意味ではなかった。
 寧ろ、もっと私は傷つくべきでしたね」

デザートの山を仕舞い終えて七篠先輩に向き合う。
もっともっと七篠先輩は強くなれる。
そのためなら半死半生の状態になってもいい。

「……ところで七篠先輩のお部屋は何処ですか?
 お昼寝しましょう! 私は床で! 硬い床が好きです!」

456七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/27(木) 23:51:21
>>455

「些細なことって言われても…わかってくださいって…、それでも…」
「それでも、傷ついたらダメですからね。
 ……心配しますからね…?」

 七篠は俯きながら一抹の言葉に納得できていないようだ。
 思いのほか、頑固らしい。

 七篠は一抹を自室に案内しようとする。
 一抹が異性だという意識はないらしい。高校生女子からすると、小学生から中学生に上がってすぐの子は異性には思えないのかもしれない。

「こっちです。
 うーん、ベッドは一つしかないですけど、タオルケットとか予備の毛布はあるのでお昼寝はできると思いますよ」

 部屋に入るとベッドが一つに勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
 壁には手のひら大の付箋があちこちに貼られている。

 七篠は収納からタオルケットと予備の毛布を出した後、『リルトランク』を出した。
 そして付箋に触れさせ『ラベンダー』を咲かせる。

「よく眠れますよ」

457一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/05/28(金) 00:16:40
>>456
「私は人のために生きていくのが一番楽しいのです。
 そして、死に近づいた時こそ…」

部屋に入る直前で何かを口走るが部屋を案内されて要らない話題を打ち切る。
一抹にとって知り合いの女性の部屋に入ることは恐れるものではない。本当に恐ろしいのホモだ。

「女の子の部屋って感じですね。お邪魔します!」

部屋に入って早々に便箋を気にしたりと興味津々だ。
電子レンジが無いみたいだからホームレスのおじさんに直してもらったのを譲ってみようか。

「毛布だなんて駄目ですよ。私は部屋の隅で寝ます…
 あと、暑くなったら…定期的にお邪ま…」

部屋の隅に一抹は横になると即座に寝てしまった。
寝れる時に寝て起きる。それを体言する寝方だ。
今なら風呂に沈めても起きないかもしれない…

458七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/28(金) 00:28:05
>>457

「ね、寝ちゃった…」

――ラベンダーがあったにしても、早すぎない…?

 七篠は驚きながら、流石に部屋の隅に寝かしておくのはと思い、『リルトランク』と二人(?)がかりでベッドに移した。
 『リルトランク』はパワーD…つまり、七篠と大差ない力しかない。だが、二人であればこのくらいの年の子供を移動させるのは難しくないはずだ。
 ベッドの上で眠る一抹に冷えすぎないようにタオルケットをかけて見守る。

「よく寝てるなぁ…。ほっぺたぷにぷにだね」

 ベッドの横に座り込み、意味もなく頬をつついてみる。起きる様子はない。
 そうしているうちに、七篠も眠くなってきたのだろう。ベッドにもたれかかりながら小さく寝息をたてはじめた。

 エアコンが除湿をかける快適な室内で、ラベンダーの香りとともに二人は眠ってしまった。

459七篠 譲葉『リルトランク』:2021/05/28(金) 00:39:25
>>457-458

460村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/03(木) 20:00:59
「〜♪」

カリカリ バキ !
           カッ カツ! メキョ

鼻歌まじりに、寮のキッチンで何やら動いている。
同時に何かを引っ掻くような音も聞こえてくる。

461赤月『サクソン』:2021/06/03(木) 22:59:30
>>460

「なんだ、あの音は?」

学校を終え、学生寮へと帰ってきた赤月であったが、
キッチンで何やら奇妙な音が鳴っているのに気が付いた

思わず、好奇心からキッチンの中を覗き込んでしまう

462村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 00:40:52
>>461
カリカリ… パキャ!

キッチンでは男子生徒が小刀のようなものを片手に、『貝』を剝いていた。
大振りで、小学生が想像するような見た目・・・『ホタテ』だ。

 「〜〜♪〜♪」


貝の横から小刀を差し込み、貝紐を下に落としながら貝柱を断ち切って貝を開け・・・
鼻歌交じりに、慣れた手つきでホタテを剥いていく。

463赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 00:51:59
>>462

(何だあれは? 貝類?)

(この国に帰って来てから、食卓に海産物を見る機会が増えたが、
 流石にまだまだ、あれを生で食べたいとは思えないな)

小気味よく貝を捌く青年に好奇の目を向ける
そうやって、背後からこっそりと見ていたのだが

    コツッ

とうとう物音を立ててしまう

464村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 01:29:23
>>463

  ピタ !

 「・・・『物音』。」

 「別に見てても構いやしないが・・・入ってくるなら、一つ条件があるぜ。」

物音のほうに首を向けて、言葉をかける。

 「『手は洗え』だ。消毒もな。」

周囲に目をやると、キッチンの入り口に洗面台、消毒用アルコールが配置されているのがわかるだろう。

465赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 13:46:59
>>464

「気付かれてしまったか・・・・
 すまない、盗み見をするつもりはなかった」


物陰に隠れたまま、応える
その声は落ち着いた口調の割に甲高く、女の声のようだ

「手は、洗ってこよう
 しかし、少し意外だな、君のような男子でもその辺りは気になるのか」

偏見に満ちた受け答えをしながらも、
指示には従い、おとなしく手を洗うこととした

466村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 16:17:15
>>465
 「メシが不味くなるのだけはごめんこうむるというだけの話だ。
 こういう血の気の少ない食材で当たると、概ねひどい目に遭うと相場が決まってる。
 ふふ…まぁ、滅多にあることじゃないが。」

あらかた剥き終えたのか小刀を置き、
ホタテを『貝柱』と『その他の部位』により分け始めた。

 「『紐と肝』は後で甘辛く煮つけて食うとして…今日の本命は『貝柱』だ。
 そうだな…半分を昆布締めで、もう半分を『ユッケ風のタレ』に絡めて『ホタテ丼』で食うとするか…」

上機嫌のまま、作業を進める。
どうやらこの後の献立も決まっているらしかった。

467赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 18:57:12
>>466

「器用なものだな・・・・これはまとめて調理してはいけないのか?」

手洗いを終え、キッチンの中に顔を出す
中学生くらいの少女だ・・・・背はいくらか高いが、顔つきにあどけなさが残る
学年を示す校章は中学二年生のものだが、着用している中等部の制服は新品のように新しい

「わざわざバラバラにするのは面倒だし、
 腹に入ればだいたい同じなのではないか?」

そんな彼女は、食を蔑ろにするような発言しながら、村田の手元を見ている

468村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 19:59:42
>>467
 「その辺は気分次第だ。『M県南三陸産の活けホタテ』。
  良いものはどう食っても美味いが…今日は『いいこと』があった祝いだからな。
 多少面倒でも、手をかけて美味いものを食いたい気分の時はある。」

取り外した紐と肝から、さらに食べない部位…『ウロ』

469村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 20:02:51

>>467
 「その辺は気分次第だ。『M県南三陸産の活けホタテ』。
 良いものはどう食っても美味いが…今日は『いいこと』があった祝いだからな。
 多少面倒でも、手をかけて美味いものを食いたい気分の時はある。」

取り外した紐と肝から、さらに食べない部位…『ウロ』を取り外していく。
この部分は悪くなりやすく、当たると酷い目にあう。

 「…見ねえ顔だ。もっとも、おれもその辺の連中と親交があるわけじゃ無いが。」

470赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 22:05:31
>>469

「そうか、この料理は祝いの品であったか
 うん、祝いの席には特別なモノを食べるものだ」

在りし日の事を思い出す
兄がいた頃はちょっとしたお祝いがとても嬉しかったものだ

「・・・気づいたか?
 ああ、私は今月から清月学園に転校してきた者だ
 名を赤月ナカレという」

6月と言う時期、転校してくるにしてはだいぶ時期が外れている

「そうか、君は高等部の生徒か
 そうなると、『先輩』という言葉を使うのが妥当なのだろうか?」

471村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 23:02:05
>>470
「よしてくれ。そんな上等な人間じゃない。
 おれは『村田』だ。ま、今後何処かしらで会うこともあろうさ。」

喋りながらも手は止まらない。
小刀で取り分けた貝柱を4等分に切り付け、酒をかけて馴染ませる。

 「珍しい名前だな。ハーフとか、そんな感じだ。」

472赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 23:20:48
>>471

「なるほど、先輩と言う言葉は適当でなければ無理に使う必要はないのか
 では、君の事は村田と呼ぶ事にしよう」

「私の名前は、兄がつけてくれたものだ
 名前の由来はわからないが、結構気に入っているよ」

正直に言えば、名前の由来はわからない、といった方が正しい
物心ついた頃には親はなく、親代わりの兄からそう呼ばれていた
だから、実際の所、これが本当の名前なのかも、自分が日本人なのかもわからない

(『後見人』からはこの名前にあった戸籍も用意してもらっているが・・・
 考えてみれば、彼も随分と謎の存在だな)

そんな事を思っていると、村田の料理が完成に近づいてきたようだ

  ぐぅ〜〜〜〜〜〜・・・

転校初日で環境に慣れるのに疲れたせいかお腹が盛大に鳴る

473村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 23:44:53
>>472
 「ハラ減ってんのか・・・ま、一人分作るのも、二人分作るのも大して変わりはしない。
 『昆布締め』は後の楽しみに取っておくとするか。」

手を止めて小刀をまな板に置くと、冷蔵庫へ向かって中身を漁り・・・
カウンター式の食卓を指さす。

 「15分待て。おとなしく座ってろ。」

――――――――――― 15分後 ―――――――――

 「まぁ喰え。味は保証する。」

しばしのち、『赤月』の前に料理が差し出される。
炊きたての白米と・・・『揚げ物』だ。

◆今日の献立
 ・ホタテの貝柱のフライ定食(赤月のみ)
 ・ホタテ貝柱と紐のユッケ丼(村田のみ)

474赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 23:57:52
>>473

「そうだな、まあこの辺はコンビニエンスストアも近いし、
 ちょっと走って行けば・・・・む?」

当初、村田が何をしようとしているのか、理解が及ばなかった
しかし、時間が経過するにつれ、美味しそうな匂いがあがりはじめると
村田の狙いが理解できた

「ゴクリ・・・・ これを食べていいのか?
 し、しかし、私の所持金はそれ程多くはない、後で金を払えと言われても払えないぞ!」

純粋な好意から食事を作ってもらった経験は、残念ながら乏しい
来たばかりの土地だという事もあり、不安が顔に上がる

475村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/05(土) 00:21:39
>>474
 「これだけあってもおれだけじゃ食い切らない。
 朝市から仕入れると美味くて安いのはいいが、一人ぶんの量というわけにはいかないからな。
 斑鳩や鉄、小林あたりに押し付けてもよかったが、せっかくだ。」

隣に座って、どんぶりに向かって手を合わせ、食べ始める。

 「んん。初夏のホタテは『貝柱』が特に美味い。
 歯応え、甘味、大きさ・・・冬のホタテでもかなわないだろうよ。」

476赤月『サクソン』:2021/06/05(土) 00:37:40
>>475

「・・・・ありがとう
 それでは、遠慮なくいただこう」

サクサクとした衣の中にプリプリの貝柱が身を潜める
 
   「熱っ」

揚げたてのフライだ
時折、予想外に熱い部分に舌が触れてしまうが、
口を丸く開け、外気で熱を冷ましながら、食を進めていく

      「はぐっ」

その次は白米だ
箸を使った食事にまだ慣れないため、フォークで米を掬い取る

「美味しい・・・・ こんなに美味しいものを食べたのは初めてだ
 君は実は凄い料理人なのではないか?」

477村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/05(土) 01:04:12
>>476
 「素材がよけりゃ、美味いものを作るのは簡単だ。
 ひとえに第一次産業を営む皆々様の努力の結果を、こうしていただいているに過ぎない。
 実際のところ、家庭料理の味なんてのは素材が8割だ。」

甘辛いコチュジャンベースのたれをかけた貝柱丼をかきこむ。
強い甘味としっかりとした歯ごたえ。活けものならではの新鮮さ。えぐみのかけらも感じない。

 「別に料理人を見下すわけじゃないが、本当に偉大なのは農家、漁師、畜産家・・・
 そういう人たちだってことだ。とても真似できることじゃねぇ。」

もう食べ終わったのか、箸をおいて手を合わせた。

478赤月『サクソン』:2021/06/05(土) 01:27:06
>>477

「そういうものなのか・・・」

過去の食生活を振り返ってみると、素材に拘った事など今までなかった
食事は常に兄が用意した加工食品であったし、
そもそも、常にキッチンがあるとも限らなかったため、料理などほとんどやってこなかった

「それならば、君はそういった人達の代弁者だな
 素材の声を聴いて、私にこうして伝えてくれたのだから」

「だから、私も素直に言おう、ご馳走様、美味しかったよ」

これはこの国に来てから使うようになった言葉の一つだ
食事に対する感謝の言葉・・・・食事を誰かと一緒にするのも久しぶりだ

「『目的』を果たすために来た地なのだが、
 思ってた以上に『好き』になれそうだ・・・・それではな」

そういうと、少女はキッチンを離れて部屋へと帰っていく
真新しい家具を置いたばかりの自室へ・・・

479村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/05(土) 04:55:24
>>478
 「そういうもんだ。お粗末様。」

赤月が去って行ったあと、食器を流しに出して、手早く後片付けをする。


 「・・・さすがに誰かいたんじゃ、呑むわけにいかないからな。」

後片付けが終わった後、下処理に使った日本酒をグラスに注いで、
残ったホタテをひとつ剝いてしまう。
 
   トライコーン 
 「『三人組』の門出に。」

グラスを掲げ、ホタテを口に放り込み酒で流し込む。

彼らに対してできることは、もはやない。
あの三人の道行が幸福なものであることを願って、盃を干した。

480<削除>:<削除>
<削除>

481りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 06:49:38
客間
「知らないという罪と…
 知り過ぎる罠…」

10歳程の『頭 に 鈴 蘭 を 咲 か せ た』少女が
ソファに腰を掛け、元気無く歌っている
頭の鈴蘭も項垂れている…様に見える

当然ながらこの花はこの寮の住民ではない

482大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 09:48:37
>>481(りんちゃんさん)

「おや、こんにちは、素敵なおチビさん ボクらよく似ている。」 (↓ハスキーボイス↓)
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が現れて挨拶をした。

「はじめまして、だよね?
 初めて見るけど、初等部の子かな?
 それとも、ここの寮の関係者さんかな?
 お兄さんかお姉さんがいるのかい?」   (↓ハスキーボイス↓)
話しかけてきた。

「ああ、家政夫の常原クンの妹かもしれないな。」   (↓ハスキーボイス↓)

「その『花』、素敵だね。 ボクのこのシルクハットにも負けないぐらい、素敵だ。」 (↓ハスキーボイス↓)
シルクハットをいじりながら、花を褒めてきた。
どうも『りん』の頭の『花』を、帽子か、カチューシャか、花飾りと勘違いしているようだ。

483りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 10:15:26
>>482
「…あぁ、こんにちは、人間のお兄さん…」

大神に話しかけられても、ぼーっとした感じだ
死んだ魚の様なハイライトの無い目で大神を見やる

「どれも違うよ…
 ここで人間達に会えば元気になるかなと思って来たけど…
 全然元気になれないや…」

>その『花』、素敵だね。

「!!」

『花』について触れた時、突然頭を押さえて震え出した
よく見れば、花の周りの所に怪我をしたような痕跡がある

484大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 10:48:43
>>483(りんちゃんさん)
「おや、どれも違うのかい。」 (↓ハスキーボイス↓)

「ちょっと、待ってくれたまえ! その頭……怪我をしているじゃないか!」 (↓ハスキーボイス↓)

大神さんブレインが高速思考を始めた!

 ①頭に怪我
 ②怪我をした上で治療がされていない
 ③死んだ表情をしている
 ④言動にネガティブさが見られる
 ⑤暴力や怪我に対する極度の恐怖心が見られる
  →被虐待児の可能性

 ⑥寮関係者ではない
 ⑦関係者ではないに関わらず、この寮に入らざるを得ない状況
 ⑧親族・縁者が頼りにならない状況
  →適切な保護を受けられずに、この寮に駆け込んだ可能性

「……分かった。」 (↓ハスキーボイス↓)

「じゃあ、こうしよう。今からキミは、『ボクのお客さん』だ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「これなら、キミは寮の関係者。寮に入っても大丈夫だ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「まずは、その頭の怪我の治療をしよう。ちょっと楽にしていてくれたまえ。ソファで横になったっていい。今、寮に備え付けの応急治療キットを出すから。」 (↓ハスキーボイス↓)

大神さんは寮の戸棚を漁って、備え付けの応急治療キットを出すことにした。

485りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 11:04:59
>>484
(すいません、怪我は残っていますが一応治療は施してあります。
 描写不足で申し訳ありません)

「…?」

お兄さんが何か言ってるけど、よく分からない…
頭がぼーっとして、あまり考えが纏まらない…
考えがそっちに向かない…

「…あのね…
 ずーっと考えてたんだ、うちって何だろうって
 たくさん考えたけど、分かんないんだ…」

ソファの横になり、虚空に向けて語り出す
語り掛けている相手は、大神か?自分か?

この場にいない、誰かか?

486大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 11:22:28
>>485(りんちゃんさん)
(承知しました)

机の上に、戸棚から出した、お客様用のお菓子(クッキー)と、お茶(麦茶)を出す。

「飲みたければ飲んで。 食べたければ食べて。 休みたければ休んで。」 (↓ハスキーボイス↓)

「ゆっくりしていって。」 (↓ハスキーボイス↓)

ソファでリラックスして横になった、りんを見て、少し安心する。
まずは、ゆっくりしてもらって、話を聞いてみよう。

「考えても分からないなら、考えるのをちょっと一休みしちゃっても、いいんじゃないかな。」 (↓ハスキーボイス↓)

「ボクもボクがよく分かってないもの」 (↓ハスキーボイス↓)

人の温度が伝わるように、そっと『りんの隣』に座る。

            ・ ・ ・ ・ ・
「ああ、こういう時は『こっちの声』の方が、キミは安心するのかな? こんな格好だけど、ボクはお兄さんじゃないんだ。 」 (16歳少女 相応の声)

487りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 11:51:48
>>486
「……おねえさん?」

隣に座り、本来の声で語り掛ける大神を
少し意外な顔で見る

「うん…何か落ち着く…
 ありがとね、うちに合わせてくれて」

自分の事を気遣ってくれる大神の思いやりが、りんには嬉しかった
少し、ほんの少しだけ笑顔になった

      (こういう優しい人もいるから、人間って大好き)

「おねえさんも、自分が分かんないんだね…
 うちは、うちがわたしなのか、うちなのか
 ずっと考え続けて疲れちゃった…
 おねえさんの言う通り、ちょっと休んじゃおうかな…?」

「けど、休む前におねえさんの意見も聞いてみようかな…?
 ねぇ、おねえさんから見てうちってどう見える?


            うちは人間?花?       」

488大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 12:12:14
>>487(りんちゃんさん)
「ああ、休んでていいよ。」 (16歳少女の声)

大神さんは、ソファで横になったりんに『自分の上着』をかける。

「『ボクにキミがどう見えるか』だって?」 (16歳少女の声)

「どう見えるかで言えば、『人間』かな。ボクにはキミが『人間』のように見えるよ。」 (16歳少女の声)

「ただ、それって、そんなに大事なことかい?
 ボクなんて見ての通り、ボクだったり、オレだったり、ワタシだったり、アタシだったりするぜ?」 (16歳少女の声)

「そうだよね? ポッポくん、はーちゃん」 (16歳少女の声)

りんにかけた、大神さんの上着から 『ポッポくん』(ハト。手品の相棒) と 『はーちゃん』(ハムスター。手品の相棒) が出てきた。

  ポッポくん 「ポッポー」

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」

489りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 12:42:04
>>488
「…おねえさんも、自分の中にいっぱいの自分がいるんだね
 …うちはうちがわたしであってもうちであっても、うちだよね」

>「そうだよね? ポッポくん、はーちゃん」
「わっ」

かけられた上着から突然出てきた1匹と1羽の、手品の相棒達

「ハトさん!ハムちゃん!かわいい!
 おねえさんの友達?」

『ポッポくん』と『はーちゃん』の可愛さに身を起こし
興味津々な目で見ている

490大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 13:04:17
>>489(りんちゃんさん)
「まぁね。 人それぞれ、十人十色の花模様ってやつじゃないかな。」 (16歳少女の声)

「そう、ポッポくんとはーちゃんは、ボクの大事な友達、手品の相棒をしてくれてる。」 (16歳少女の声)

  ポッポくん 「ポッポー」

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」

  手品の相棒と言うだけあってか、ハトもハムスターもなかなか『人馴れ』しているようだ。

  二匹とも『りん』を恐れる様子もなく、じっと見ている。

  ……と思ったら、机の上のクッキーを食べ始めた。 食い意地である。

  ポッポくん 「ポッポー」 サクサクサクサク

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」 サクサクサクサク

「ハトのほうがポッポくん、ハムスターのほうがはーちゃんさ。」 (16歳少女の声)

「そう言えば、名乗ってなかったね。

 ボクは 大神 或真 (おおがみ あるま) 。 この寮の住人さ。」 (16歳少女の声)

491りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 13:27:17
>>490
机の上のクッキーを食べるポッポくんとはーちゃん

「可愛いなぁ〜、動物って」

グゥ〜
クッキーを貪る動物達を見て、りんも食欲を刺激された

「うちもお腹減った
 待ってポッポくん、はーちゃん、うちも食べるよ〜!」

パクッ、サクサクサクサク

2匹に負けじと夢中でクッキーを食べる
口の中いっぱい頬張り、はーちゃんと同じハムスターのようになっている
麦茶で一旦口の中の物を胃袋に洗い流して

「美味しい!美味しいよ!
 美味しい物を味わえるって、生きてるからだよね!」

美味しい物を食べられるのは、人間だから、生きているから
未だに答えを見出せていないりんだが、とりあえず一旦は
そう結論付け納得する事にした

「大神 或真…えぇと、えぇと…
 あるちゃんって呼んでいい…?
 うちはね、りんって言うんだ!覚えてくれると嬉しいな」

492大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 13:59:46
>>491(りんちゃんさん)

  ポッポくん 「ポッポー」 サクサクサクサクサクサクサクサク

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」 サクサクサクサクサクサクサクサク

  りんちゃんに負けるまいと二匹は食べるペースを上げる。 ……などということはなく、単なる畜生ゆえの食い意地である。

「その呼び方でいいさ、『りんちゃん』。」 (16歳少女の声)

「気が向いたら、また寮に来るといい。ボクの名前を出せば邪険にはされないだろうさ。」 (16歳少女の声)

「お腹が空いてて、美味しいモノを食べたいのならアレだね。
 今度、常原サンを紹介するよ。料理が得意な『かせいふ』サンだ。ボクの方から、声をかけておくよ。」 (16歳少女の声)

 (↑あえて常原さんの性別を曖昧にしておく姑息なテクニック↑)

「少々、ビックリするような外見かも知れないが、内面がいい人なのは、ボクが保証しよう。」 (16歳少女の声)

493りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 14:27:06
>>492
「『かせいふ』さん?会ってみたいなぁ〜その人」

常原さんに会った時、りんはどんな反応をするか…
しかしりんは無類の人間好きだ
例え女装したゴッツイおっさんだったとしても
それはその人間の個性として気に入るかもしれない

そのりんが嫌うような人間は…

そうこうしているうちに、クッキーもお茶も完食してしまった

「ごちそうさま〜、美味しかったよ!
 うち、元気出てきたよ
 美味しい物を食べるのってやっぱり大事だよね
 うち、やらなきゃいけない事を思い出したよ」

スクッと立ち上がり、憑き物が落ちたような晴れやかな顔で言う

「音のおねえさんやあやちゃん達に食べてもらえるような
 美味しい鈴蘭料理を作らなきゃ!」

りんは手を振り、学生寮を後にする

「ありがとうね、あるちゃん
 今度は鈴蘭料理と鈴蘭茶を持ってくるから
 ここの人間達みんなで食べようね〜!」

                 毒 殺 宣 言

494大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 14:44:55
>>493(りんちゃんさん)

「ああ、またおいで、りんちゃん。」 (16歳少女の声)
手を振り、りんを見送る。

「はて、鈴蘭料理……?
 聞いたことがないな。
 確か、この前の『彼女』(七篠さん)は植物に詳しそうだったから、どんな料理か聞いてみることにするか。」 (16歳少女の声)

495赤月『サクソン』:2021/06/09(水) 23:15:37

「おかしいな」

ここは学生寮の共同キッチンだ
中学生くらいの女の子が、鍋をコンロにかけて何かを煮ている

「どうしてこんな事になったのだろう」

鍋の中身は『カレー』だ・・・・・恐らくは
それというのも、カレーの香りはするものの、中身はかなり水っぽく
茶色っぽい煮汁といった方が正しいくらいの代物になっているからだ

496飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/09(水) 23:26:14
共同キッチンにはもう一人、茶髪をツインテにまとめた少女――飯田が缶詰を見つめていた。

>>495

「缶詰にはちょっと飽きたかも…」

正直私は料理ができない。
お母さんが料理下手だったから、ぶっちゃけた話、私も下手。
なにか他に食べるものないかなぁと周囲を見回すと最近クラスに転入してきた女の子が鍋と向かい合ってるのが見えた。

……カレーの匂いがする…?

「カレーですか?赤月さん」

そういえばクラスで赤月さんと話したことあったっけ、どうだろう。

497赤月『サクソン』:2021/06/09(水) 23:35:31
>>496

「君は確か・・・」

目の前の少女の顔を見て、記憶を思い出す
確か、学校で同じクラスの・・・・

「そう、『飯田咲良』・・・だったかな?」

鍋から目を話し、話しかけて来た彼女に応答する
『転校初日に行ったおかしな自己紹介に怯む事無く話しかけてきてくれた子』・・・だったような気がする
・・・・・もしかしたら完全に勘違いかもしれないけど

「うん、カレーを作ろうとしていたのだけれど・・・」

鍋の中身を飯田に見せる
鍋の中には茶色いお湯、バラバラの生煮え野菜、赤みが残る豚肉、ルーの溶け残り
そんな感じだ

「何がいけないのか、こんな感じになってしまってね
 咲良には何がいけないのかわかるかな?」

498飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/09(水) 23:51:09
>>497

そうだ、確か…初日に挨拶でこんなこと言ってて…。

>「この街に潜む『影の組織』について知っている者は私のもとに来てくれ
>私が言いたい事はそれだけだ」

変な組織なら『アリーナ』っていうのを『フラジール』さんに教えてもらったからそれで気になって話しかけたんだった。
『血気盛んな人に』って言われたし、盛んかわかんないからまだ話してないけど…。


そんなことを思い出しながら鍋の中を見てみる。
うーん、なにがいけないんだろ…。

「こういうときは、まず火が通ってるかみるって聞いた気がするから…」

鍋から『にんじん』を一つ取り出して箸をぶっさしてみる。固い…。

「もっと煮込めばいいのかも!」

味付けはわからないけど、そもそも固かったら食べれないし…。
とりあえず煮込んでみるのを提案する。

499赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:04:48
>>498

「なるほど! 煮込み方が足らなかったのだな!」

うんうん、と笑みを浮かべながら頷く
鍋に蓋をして、火を強火に調整・・・・!

   ゴォォォォオオオオ・・・・

「やはり頼りになるのは心強い友だという事か
 うん、正しい料理の仕方を教えてくれてありがとう」

「ところで、先程から缶詰を見つめていたようだけど、
 開けなくていいのかな?」

ふと、飯田の眺めていた缶詰に目を移す

500飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 00:10:58
>>499

ゴオオオオと音を立てるコンロに、グツグツと勢いよく鳴る鍋。これぞ料理!って気がする。
あれ?そういえば…お母さんもこんな感じだったような…?

「お役に立てたならよかったー」

「缶詰、缶詰ね…。
 実は私、料理そんなできなくて、缶詰とレトルトで繋いできてたんだけど飽きちゃって…。
 もしよかったらなんだけど、一緒にカレー食べたらダメかな…?」
「この缶詰あげるから、おねがいっ!」

今日の缶詰は『鯖の煮付け』だ。
暖めてご飯の上に乗せるつりだったけど…流石に飽きた!

501赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:21:06
>>500

    ゴオオオォォォォ・・・・

「なるほど、君の缶詰と私のカレーとの物々交換と言うわけだな
 私は一向にかまわない! むしろ・・・・」

同年代の子と食べ物を交換する・・・
その発想に思い至った時、赤月の心が知らず知らずのうちに昂った
今までに感じた事がなかったその感情に戸惑いながら、答える

「むしろ・・・・うん、なんだろうか、とても喜ばしく感じる
 是非とも交換をして欲しい・・・・・む?」

     ゴオオオォォォォ・・・・

そんな事を言っている間にも火は燃え続けており・・・・
あれ? 何か鍋から白い煙が上がっているような?

502飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 00:31:04
>>501

「やった!今日の御飯はカレーだ!
 赤月さんありがとうー!」

小さく万歳をして、缶詰から逃げれた喜びを表現…したところで目がコンロに釘付けになった。

「け、けけけけむりー!!」

えっと、えっと、どうしたらいいんだろう。
とりあえず火を消さないと!
慌てながらコンロに近付いて火を消そうとする。

き、きえた…?

503赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:48:45
>>502

「ふふふ・・・・」

飯田程ではないが、目を細め、小さく笑みを浮かべる
友達と食べ物を交換するという行いを面白く感じているのだ

  ゴォォォオオオオ・・・・・

>「け、けけけけむりー!!」

「しまった!」

        ガバッ!

飯田がコンロの火を消したのに気づかずに、思わず鍋の蓋を開けてしまう!
その瞬間! ぼんっという小さな破裂音とともに、熱々の内容物が周囲に飛び散る!

504飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 01:03:06
>>503

「ぴゃっ!!?」

鍋からすごい音がしてびっくりして音の元を見たら…飛んでくるアツアツ野菜!
もちろん、飛んでくる過程で多少冷めてる、はず。でも熱そう!!

『シスター・ゴールデンヘアー』を出して赤月さんの持ってる鍋のふたを奪取!
飛んでくる野菜を蓋で叩き落とす…!

子供の私よりも『シスター』の方が力があるし、早いから多少は対応…できるはず…!
赤月さんからしたら…鍋の蓋が宙に浮いたように見えるのかな…?

「こ、こわかったね…」

505赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 01:13:08
>>504

   パァンッ!

「・・・・・! 『サクソン』!」

熱々の野菜が弾ける瞬間に、赤月は己を守るために行動を起こす
自身のスタンドの内、『トレンチコート』のみを発現し、
その布地で火傷から身を守ろうとしたのだが・・・・

「あ・・・」

その瞬間に『シスター・ゴールデンヘアー』が鍋の蓋を奪い、
飛んでくる野菜を叩き落とした!

「咲良・・・・君のそれは・・・・」

『トレンチコート』のヴィジョンを着こむ赤月と
『人型のスタンド』を発現した飯田・・・・両者が鍋の前で向かい合う

506飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 01:28:58
>>505

……?
赤月さん、早着替えした…?

「もしかして…見えてたり…?」

赤月さん、『シスター』のこと『それ』って言ってるし…見えてるよね…?
転校生が『お仲間』ってなんだか小説とかマンガみたい!
赤月さん、主人公なのかな?それともヒロイン?

私はこの間、憂さんに言われた『世の中には悪い人もいる』『そういう人がスタンドを持ったら』って言葉を忘れて、ちょっと浮かれちゃった。
だって主人公みたいだし…。

「えと、この子は私のスタンドで…『シスター・ゴールデンヘアー』っていって、
 危ないと思ったからつい出しちゃった、ごめんね…?」

どうしよう、消した方がいいかな?
悩みながら『シスター』に手を挙げさせて敵意はないよーとアピールしてみる。

507赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 18:23:21
>>506

「・・・・謝る必要はない」

赤月は自分を守ってくれた『シスター』の正面に立ち、
値踏みするかのような目つきで見つめていた
数秒間程度、その姿勢を続けた後、苦笑するように表情を和らげる

「むしろ、私はお礼を言わなければならないな
 私が危ないと思って助けてくれたのだろう? ・・・・ありがとう」

飯田に向き直り、ぺこりと頭を下げる
だが、顔を上げた時、その目つきは厳しさの色を帯びていた

「しかし・・・・ 君がスタンド使いだというのであれば、聞かなければならない事がある
 君は『アリーナ』という言葉を聞いたことはないか?
 この町に住まうスタンド使いが作り上げた・・・・『影の組織』の名前なのだが」

508飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 18:44:40
>>507

謝る必要はない、その言葉にちょっとほっとした。
マーブル模様の『シスター』を眺める赤月さんの表情は少し柔らかい。よかった。

「びっくりしたよね、怪我もなくてよかった…!」

続く赤月さんの言葉にちょっと首を傾げる。
『アリーナ』。知ってはいるけど詳しくはないそれを赤月さんに教えていいのかちょっとわからないし…。

「……答える前に二つだけ聞いてもいい?」
「ひとつ、赤月さんはどうして『アリーナ』について知りたいの?
 ふたつ、赤月さんは『血気盛ん』な人?」

憂さんは『アリーナ』のことを『乱暴』って言ってたし、『フラジール』さんも『血気盛んな若人なら喜ぶ』って話してた。
きっと、危なくて大変な場所なんだと思う。
そんな場所をクラスメイトに紹介していいのか、私にはわからないから。

509赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 21:03:44
>>508

(どうしよう・・・・)

先日、歓楽街で出会った男性と同じように、質問を返される
正直に答える事は一向に構わないと思っているが、それで飯田が巻き込まれてしまう事は・・・・

(咲良は良い人だ この町に来て何もわからなかった私に、こんなにも親切にしてくれた
 彼女が私の味方になってくれると嬉しいけど・・・ 危険な事に巻き込むわけにもいかない)

「兄に・・・・ 私の兄を酷い目に合わせたスタンド使いが『アリーナ』にいる」

『殺意』は覆い隠す
だが、飯田と秘密を共有したいという衝動を抑える事が出来なかった
詳しい事情は離さないように、少しだけ自分の事を伝える

「だから、そいつを探し出して『文句』を言ってやりたいんだ
 それが、私が『アリーナ』を探す理由で・・・まあ、今の言葉でそれなりに私が血気盛んだって事がわかるだろう?」

正直に真実を話さない事、卑怯にも自分にとって都合の良い部分だけ話す事
それらが赤月に罪悪感を抱かせ、お腹の奥が重くなるような痛みを感じさせる

510飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 21:32:27
>>509

私は赤月さんの言葉を聞いて、自分に置き換えて考えてみる。

……お姉ちゃんが、『乱暴』な『アリーナ』の人に酷い目に遭わされたら。

お姉ちゃんは私が知る限り、スタンドを持っていなかった。
少なくとも、見たことはない。
そんなお姉ちゃんがなにかされたら、本当に『酷い』ことになると思う。

そしたら、私はお姉ちゃんを越えることはできなくなる。
この町に来た理由がなくなる。それは…許せない。

「…私にもお姉ちゃんがいるから、怒る気持ちも『文句』言いたい気持ちもわかる…かも。
 ……『文句』だけ、だよね?
 それなら…教えてもいい…かな…?」

「えっと、まず私は『アリーナ』って言葉は知ってる。
 これは『フラジール』さんって『スタンド使い』に教えられたこと」
「次に、私は『フラジール』さんからもらった『アリーナへの紹介状』を持ってる。
 赤月さんが『文句』を言いに行くのに使えるかはわからないけど……」
「……必要…だよね…?」

『アリーナへの紹介状』は部屋の机の中。
もし必要なら渡そうと、そう考えた。

511赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 21:55:43
>>510

「『アリーナへの紹介状』・・・・! 『フラジール』・・・・!」

予想以上に重要な情報の存在に目を丸くして驚く
このまま『紹介状』を飯田から受け取れば、『目的』に向けて大きく前進できるはずだ

「ああ、必よ・・・・・」

だが・・・・『必要』という一言を言う寸前に躊躇する
自分は今、目の前の少女を言いくるめる様にして情報を手にしようとしている
親切で・・・・友達になれるかもしれない相手に対して、だ

(もしも・・・・このまま『紹介状』を受け取ってしまったら、
 私は咲良に対して今後、どんな顔で接すればいいのだろう
 私はこの子と友達になりたい・・・・ でも!)

(こんな騙すような事をしてしまって・・・・本当に友達になれるのか・・・・?)

「か・・・ぁ・・・・    ・・・・・すまない」

声を絞り出すようにして、謝罪の言葉を口にする
覆い隠そうと思っていた本音が、アスファルトを捲る様に顔を出す

「私は君に・・・・ 本当の事を伝えてなかった・・・・
『文句』だけではない、本当はそいつを・・・・そいつを・・・・」

「殺したい・・・・と、思っているんだ
 兄の・・・・仇なんだ、そいつは・・・・・」

512飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 22:17:00
>>511

「お兄さんの…『仇』…」

私は思わず赤月さんの言葉を繰り返した。
『酷い』以上の、つらいことだった。

転校してきた日に赤月さんが言っていた『訳あって越してきた』という言葉が頭をよぎった。
お兄さんを殺した相手を殺すために、この町にやってきたんだろうって、理解しちゃった。

軽く深呼吸をして目を伏せる。

「もし…もしも、私が赤月さんみたいにお姉ちゃんを殺されたら、
 私は私の目標を失っちゃう」
「私はお姉ちゃんを探しに、お姉ちゃんを越えるためにこの町に来たから、
 そんなことをされたら…許せないと思う…」

一呼吸置いて、赤月さんの目を見る。

「だから、赤月さんがそう考えて行動するのを止められない。
 人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、だけど『仇討ち』は止められない」
「本当のことを教えてくれてありがとう。
 改めて、こう言うね。もし、必要なら『アリーナへの紹介状』を渡すよ」

513赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 22:33:22
>>512

「・・・・・・・・。」

言ってしまった・・・・
罪を告白した解放感とともに、友を巻き込んでしまう事への恐れが心中に巻き起こる
自身の『殺意』を曝け出した事が、今後の活動の妨げになるかもしれない
あるいは・・・・・

(咲良が裏切って・・・・ 『アリーナ』に告げ口をする事も・・・・?)

ぞっとするような恐怖心が湧いてくる
もしも、目の前の少女に裏切られてしまったら、と思うと今更ながら自身の行いが怖くなる

「あ・・・・」

>「もし…もしも、私が赤月さんみたいにお姉ちゃんを殺されたら、
> 私は私の目標を失っちゃう」
>「私はお姉ちゃんを探しに、お姉ちゃんを越えるためにこの町に来たから、
> そんなことをされたら…許せないと思う…」


>「だから、赤月さんがそう考えて行動するのを止められない。
> 人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、だけど『仇討ち』は止められない」
>「本当のことを教えてくれてありがとう。
> 改めて、こう言うね。もし、必要なら『アリーナへの紹介状』を渡すよ」

「・・・・・・・。」

飯田の言葉からは赤月に対して真摯に向かい合う気持ちが感じられた
ありがたい、という感情と同時に、そんな相手を一瞬でも疑ってしまった事を恥じ、
羞恥心から無言で目を伏せてしまう

「そうか、君にも『姉』がいるのか
 ふふ・・・きっと君に似て優しい人なのだろうな」

「・・・・『必要』なんだ、君の持つ『紹介状』が」

514飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 22:43:42
>>513

赤月さんの言葉に軽く笑って返した。

「私が優しいかはわかんないかな。
 だって、私、赤月さんが『仇討ち』するのを止めないんだよ?」

「ちょっとここで待っててもらってもいい?
 『紹介状』、私の部屋の机にしまってあるから」

そう言って振り返ったところで、周囲の惨状が目に入る。
そういえば、ご飯を作ろうとしてたんだった。

「……そうだ、なんなら部屋まで一緒に来てついでにご飯食べちゃわない?
 カレーは爆発しちゃって食べれないかもだけど、
 私が飽きちゃった缶詰でも二人ならきっと美味しいよ」

ここを軽く片付けてからだけど。
そんな風に小声で口に出して様子を伺ってみる。

515赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 23:12:19
>>514

「それでもだ
 私の『目的』を知っても離れていこうとしなかっただろう?
 それは咲良が優しいからだ、と思う」

周囲の惨状、飛び散ったカレーや焦げた鍋を見る
なかなか酷い有様だ・・・・片付けにはそれなりに苦労するだろう

「うん、わかった
 ただ、この惨状を起したのは私の責任だ だから私に任せてくれ」

そういうと、赤月は鍋やキッチン周りの掃除に取り掛かる
ゴシゴシと力を込めて洗うが、なかなかの重労働のため額に汗がにじむ

516飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 23:36:24
>>515

「ありがとう。
 だって、私にも赤月さんの気持ちわかっちゃったから…」

「片付け、やるなら一緒にやろう?」

先に片付けを始めた赤月さんを手伝いながら、重いものの片付けやこびりつきには『シスター』を動かす。
『シスター』は大人の人くらいの力があるんだから私よりもこういうときは便利だ。

そうしてしばらくして、片付けが終わった。
キッチンは惨劇が起きる前の状態に戻ったし、ついでに缶詰とごはんは準備ができて『シスター』に持たせてる。

「赤月さん、私の部屋こっちだから」

そう言って部屋まで手を引いていく。

私の部屋にはベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
勉強机には教科書や勉強用の本、アルバム。 ベッドにはくまのぬいぐるみが置いてあるくらいの普通の部屋だ。

517赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 23:52:34
>>516

「すまない、それではそちらの掃除を頼む」

一人では相当の時間がかかるであろう掃除も二人でやれば比較的短時間で終わった
今までの人生でほとんどなかった、二人での作業に内心少し楽しい気分を味わいながら、
作業は瞬く間に終了し、夕ご飯の準備も済ませてしまった

「ここが咲良の部屋か・・・ 私の部屋とは大違いだ」

飯田の部屋も比較的物は少ない方かもしれないが、
赤月は越したばかりのせいもあってそれに輪をかけて物が少ない
そのため、部屋に入って早々にそんな感想を口にする

「・・・・・・・。」

  チョイチョイ
        チョイチョイ

ついつい、くまのぬいぐるみが気になって、指でつついている

518飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/11(金) 00:07:11
>>517

ちゃぶ台を出して、ごはんと缶詰と箸を並べながらくまのぬいぐるみをつつく赤月さんを見る。

「えー、そうなの?
 今度赤月さんの部屋にも行ってもいい?楽しそう!」

「その子、家から連れてきたの。
 小さい頃からずっと一緒で、お母さんが買ってくれたんだ」

お母さんの買ってくれた大事な私の友達。
たぶんお金の出所はクソ親父だろうけど、このくまさんの可愛さに罪はない。

ご飯の準備ができたので、机から『アリーナへの紹介状』を取り出す。

「はい、これ。
 『フラジール』さんからもらった、『アリーナへの紹介状』」

519赤月『サクソン』:2021/06/11(金) 00:24:41
>>518

「私の部屋は何もないぞ
 正直に言って、咲良のお気に召すものなんて何も・・・・
 うん、私も咲良のようにこういう『可愛いぬいぐるみ』を買った方がいいのかな」

赤月の部屋には生活に必要な物以外はほとんど置いてない
冷蔵庫ですら、普段コンビニで食べ物を買っているために置いてないくらいだ
『くまのぬいぐるみ』をじっと見つめ、今度咲良が遊びに来るまでに何かを買おう、と決意する

「では、ありがたく拝領しよう」

両手を恭しく掲げて、ありがたく書を授かる
この『紹介状』が果たして仇につながるかはわからない
そもそも『アリーナ』という組織の全体像やその目的も知らないくらいだ
だが、これこそが自身の『目的』を果たすための出発点なのだと、赤月はそう感じた

机の上に並べられた食事を前にして、手を合わせる
と、食事を始める前にふと思い出した事があった

「そうだ、今更という気もするけど、咲良に言いたい事があったんだ
 ・・・・・面と向かって言おうとすると少し恥ずかしいけれども」

「私と・・・・友達になってくれないか」

言おうとはしていたが、学校では言えなかった言葉だ
そして、これはこの町に来て初めて言った言葉でもあった

520飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/11(金) 00:37:13
>>519

「それなら、今度一緒に買い物行く?
 『ぬいぐるみ』とか、お揃いで買ったら楽しそうだよ」

きっとこの町には知らないだけでいろんなお店があるだろうし、友達と行けたら楽しそうだから。

「ハイリョウ…拝領?
 赤月さんってすごく大人っぽい言葉使うよね。
 これが、赤月さんのお役に立ちますように」

赤月さんの手を合わせる動作に合わせて、私も手を合わせる。
いつもと同じ缶詰とごはん。だけど誰かと一緒で、特別なごはん。

「いただきます」

そう言ったところで赤月さんが止まったことに気付く。
話をふむふむと聞いて、大きく頷いてみる。

「私、赤月さんとはもう友達なつもりだったみたい。
 改めて、よろしくね。赤月さん!」

二人での食事は和やかに過ぎていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『フラジール』さんからの『アリーナへの紹介状』をもらったやりとりはこちら。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1591247432/641-657

521赤月『サクソン』:2021/06/11(金) 00:56:03
>>520

「お揃いの『ぬいぐるみ』か、ふふ、それはとても素敵な話だ」

口元を綻ばせながら、楽し気に買い物の話をする
これもまた、今までにない初めての経験であった

「・・・・ありがとう、改めてよろしく頼む・・・・咲良」

友達と一緒に食べるご飯
それは赤月にとって、とても楽しい最初の経験であった
この先に待ち受けているかもしれない『闘い』は一旦心の隅に仕舞い込み
今はただ楽しい時間を過ごしていった・・・

赤月ナカレ『サクソン』⇒『アリーナへの紹介状』を獲得
            『友達』が出来た

522甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 08:05:45
厨房
「いつになったらなくした未来を私ここでまた見る事出来るの?」

白い布地に返り血を浴びたようなエプロン(そういう絵柄)を着用し料理をしている

こいつはここの住人ではないが、風邪を引いた>>523のお見舞いに来てお粥を作っているのだ

523大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 11:51:12
>>522(甘城さん)

「ゴホゴホ……いつもすまないねえ……」(↓風邪引き&余裕がないので演技してないぞ↓)

緑髪・右黒目(いつものカラコン入れる余裕がない)・左黒目(いつものカラコン入れる余裕がない)の男装少年(16歳 女子)がベッドで寝込んでいる。

  ポッポくん(ハト) 「ポッポー」

     はーちゃん(ハムスター) 「ハムハムハムハム」

ハトとハムスターは傍らのケージの中でおとなしくしている。

524甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 12:31:47
>>523
「風邪引きは大変ね…」

完成したお粥を大神の前に置く

「食べられそう…?」

このお粥、普通のお粥ではない
何か『肉』が入っている…

あま公からは『血』のにおいがする…
元々返り血模様のエプロンだが、本物の『血』が付着しているようだ…

525大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 13:47:49
>>524
「やや、すまないねぇ……『甘城さん』」

「『甘城さん』で良かったよね?
この前のお墓にそう書いてあったような……?
ちなみにボクは『大神さん』なわけだけども」

エプロンの血を見つつ……
ありがたくいただこう。

  ズズズッ……モシャモシャ……

「この味……この肉はアレかい? ウミガメの肉かい?」

526甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 14:09:28
>>525
「正解、『甘城さん』さんで合ってるわよ、『大神さん』」

大神が食べたお粥は、普通に美味かった
塩味を効かせていて若干濃い目の味付けだ

そして、大神が口にした件の『肉』

>ズズズッ……モシャモシャ……

『鶏肉』よりもジューシーで、『魚肉』に似た感じもする
『鶏と魚の中間』のような味わいだ

>「この味……この肉はアレかい? ウミガメの肉かい?」

「不正解、『ウミガメ』の肉なんて簡単には手に入らないわ
 一回『料理』してみたいけどね…」

「けど、それに近い『肉』よ
 何だと思う…?」

お粥には『肉』の他に数個の黄色い『卵』が入っている

「そういえば、これは食前に飲む物だったわね…
 今更だけど…飲む?」

そういうとあま公は、コップに並々と注がれた『真っ赤な液体』を大神に差し出した

527大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 14:32:59
>>526
「やや、これは美味しいね……。
 『甘城さん』さんさわやか三組さんは料理がジョーズなんだね。
 ボクだったらこうはいかない。」

「はてさて……この不思議な肉は……
 ふむ、キミからのナゾナゾか」

「クジラ……ではないな」 ほえーる!

「ラッコ……ではないな」 ムワァ!パツンパツン!

「となると、スッポンではあるまいか?」 すっぽーん!

「真っ赤だね。トマトジュースかい?アセロラジュースかい?ありがとう」 ごくごくごく

特に疑いなく飲んでみよう。

528甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 15:02:25
>>527
「正解
 それは…さっき池で捕まえて来たスッポンよ」

そのスッポンは、先程あま公が池に行って捕まえて来たスッポンだ
その手には、スッポンに噛みつかれた痕があり、大分苦戦したようだった

「今度は、最近この辺に出没するようになった『ワニガメ』を捕まえて来ようと思うのだけど…
 どう思う?」

>ごくごくごく

疑いなく飲んだその赤い液体は、『鉄とワイン』の味がした
これは『生き血』だ
『スッポンの生き血』は酒と割って飲むものだ

529大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 16:06:04
>>528
「あっあっあっ……ちょっとちょっとちょっと……これは……」

ムラッ!

ズキューーン!!

希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ!!!

「その手の傷はまさか……ボクのためにか!?
 ああ、キミはなんということを!?」

風邪とスッポンとアルコールの融合カード!
ただでさえ演劇じみた大神さんの態度に磨きがかかったぞ!

「おお、キミの料理と看病ばかりか、その傷の十字架までボクは背負わねばならないのか!」

「よかろう!その悪しき『ワニガメ』とやらの捕獲にボクも協力しようではないか!」

乗り気だ!

530甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 16:32:31
>>529
「…大袈裟」

芝居がかった大仰な大神に
顔色一つ変えず冷静に対応する

大神のスッポン粥を手に取って

「病人は大人しく看病されてろ、ほら」

匙を大神の前に突き出す
「あーん」の形だ

「『ワニガメ』の危険度はスッポンの比じゃない…
 ハントするには相応の準備が必要…
 リスクは高い…けど、味は期待出来る」

531大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 16:58:40
>>530
「あむあむあむ……」
あーん、して食べる。

「……『10秒』だ。」
あむあむしながら、何事かを呟く。

「1日、1回、1個だけ、そして『10秒』。」

「その間だけ、ボクの手品は『魔法』になる。」

「……簡単に言うとボクは1日に10秒だけ『常軌を逸したレベルのヤバいモノ』を作成できる。

例えば『世界一鋭い銛』とか『アフリカゾウが瞬時に倒れる毒』とか。
それらは『固体』に限られるけども、想像できる範囲での『最強』を作れる。
最強の即効性の毒を使ったとしても、10秒で無くなるから、死だけを残して、後は無毒、食べても安心。」

「キミはその『ワニガメ』をどうしたい?
捕獲?殺傷?その他?」
問う。

532甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 18:03:54
>>531
「それは、この前貴方が漏らした奴の能力?」

>捕獲?殺傷?その他?

「殺すわ」

一片の迷いも無く『殺す』と答えた、甘城天音

「奴らに罪は無い、けど
 放っておけば生態系を荒らす危険な外来種だから

 建前はともかく、単純に食べてみたいから
 外来種を駆除するっていう大義名分で狩る」

そろそろ食べ終えただろうか?
『ビター・スウィート・シンフォニー』の能力で
器に『桃のコンポート』を盛る

「それ食べて、早く寝なさい」

533大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 18:28:07
>>532
「漏ら……漏らしてないよ!漏らしてないもん!漏らしてないから!」

あーやだやだ、漏らしたヤツって大抵そう言うんですよ。

「む、この桃のお菓子おいしい……スイーツ……」 ぱくぱく

「まぁ、ボクの手が必要なら呼んでほしい」

「今日の看病のお礼くらいはさせてくれたまえ」

「あ、コレ、ボクのLINE_IDね。呼び出したい時の連絡先。」
連絡先を渡しといた。そして、寝た。

534御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 00:49:11

        ――――ドサッ

寮内の一室に荷物を運んでいた。
出入りをスムーズにするため、
ドアストッパーを設置して開けっ放しにしてある。
近くを通れば、その部屋の中に、
『ジャパニーズホラー』じみた女がいるのが見えるだろう。

535飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 08:55:15
>>534

あれ?なんだか見たことあるような…憂さん?
憂さんって寮に住んでるとかは言ってなかった気がするけど…どうしたんだろう?

「こんにちわ、憂さん。
 その…この間(>>421)はくっついちゃってごめんなさい!」
「荷物、どうかしたんですか?手伝いますか?」

536御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 12:41:29
>>535

「あ………………『咲良』………………」

            ボソッ

呼び掛けられて、声のする方を向く。
ダンボールを床に下ろした所だった。
部屋の中には、布を被ったケージも置いてある。

「別に………………いい………………」

「気にしてないから………………」

本音を言うと、あそこまで怖がるとは思わなかった。
だが、ホラーというのは怖がってこそのもの。
あれだけ怖がってもらえれば、作品も本望だろう。

「………………『引っ越してきた』」

円谷世良楽・飯田咲良・空井イエリ・氷山あきは・ツネハラ……。
これまでの調査で、学校や寮内にも、
『スタンド使い』は少なくない事が分かった。
それらを『見張る』には、自分も寮に入居している方が、
何かと都合がいい。
同じ『清月生』としての立場を利用すれば、
近い場所から自然に動向を窺える。
そのため、今まで住んでいた『ワンルームマンション』から、
『清月館』に越してきたのだ。

「『荷物』………………あと『二つ』あるから………………」

「片方………………運んでくれる………………?」

『自室』を出て、寮の入口に視線を移す。

537飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 13:01:35
>>536

「よかったぁ…」

気にしてないという言葉にほっとして、息を吐く。

「『引っ越し』…!
 それなら今度から一緒にごはんとかテレビとか楽しめますね…!」
「にしても、この時期の引っ越しはちょっと珍しいですね。
 あ、でもこの間も一人来たし、意外とあるのかな…?」

この間引っ越して来た赤月さんの部屋はまだ殺風景らしいけど、憂さんの部屋はどうなるんだろう?
荷物がいろいろあるみたいだから殺風景にはならないかな?

「『荷物』ですね、わかりました!
 取りに行ってきます!」

そう言ってから私は寮の入り口まで行って、荷物を持って憂さんのところに戻った。

「持ってきました。
 荷解きとか手伝うことがあれば私と『シスター』がお手伝いしますよ」

『シスター・ゴールデンヘアー』は人並みの力はあるし、力仕事があるなら私より役に立つと思う。どうかな?

538御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 13:33:53
>>537

「――――――………………」

「………………うん」

          コク…………

やや間を置いてから、小さく頷く。
ここに来た『目的』を忘れてはならない。
スタンド使いに近付くのは、あくまでも『手段』だ。
改めて、そう自分に言い聞かせる。
情に流されてしまうようでは、『使命』は果たせない。

      スタ スタ スタ

「他にもいるんだ………………最近来た人………………」

「………………転校生?」

並んで荷物を運びながら、相槌を打つ。
今の時期というのは確かに珍しい。
自分には理由があるが、普通は転入してきたとかだろう。
珍しいといえば珍しいが、別に有り得ない事じゃない。
それが『昨日の相手』だとは思いもしなかった。

「………………ありがとう」

「じゃあ………………『それ』………………」

           スッ

そう言いながら、ダンボールの一つを指差す。

「中に『参考書』とか入ってるから………………」

「………………あっちの『本棚』に並べといて」

ダンボールは開かれており、
中には『心理学』の本がギッシリ詰まっている。
また、『恐怖』に関する書籍も多い。
『恐怖の原因と反応に関する総合的考察』
『最新科学で読み解くホラー』
『古今奇談怪談全集』
『実録心霊スポット行脚』
……そういったタイトルが目立つ。
部屋には机があり、その横に本棚が置かれていた。

539飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 14:00:05
>>538

「そうなんです、私のクラスに『転校生』が来て…!
 その子とこの間いっしょにご飯食べたりしたんですよ。
 今度紹介しますね!」

そういえば…赤月さんも早着替えしてたし、たぶんスタンド使い…なんだよね?
詳しくはわかんないけど、憂さんと同じようにお洋服のスタンドだったなぁ…。
そんなことを考えながら私はお手伝いをした。

「『本棚』ですね、わかりました。
 大学生ってたくさん本を持t…」

「ぴゃう…」

箱の中にある本は先日見た『ホラー映画』を連想させる感じで、私は思わず『シスター』を出してくっついた。
ここ最近は『シスター』に添い寝してもらったり、トイレの前に『シスター』を立たせたりと甘えてばかりだ。だって怖いし。

『シスター』を隣に待機させて、本の表紙を見ないようにしながら、本棚に片づけていく。

「う、憂さんって、『大学二年生』でしたよね。
 どんな勉強されてるんですか?」

この本が求められる勉強ってどんなだろう。
『趣味』じゃなくて『参考書』…だもんね?

540御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 14:21:59
>>539

その転校生がどんな生徒かは知らない。
話を聞く限りでは、咲良と同じ寮生のように思える。
まぁ、何かの足しにはなるだろうか?

「『専攻』は………………『心理学』………………」

恐怖関係の本も多いが、
それと同じくらい心理学関係のものもある。
恐怖関連の書籍については、『個人的な参考書』だった。
夜の街で道行く人間に『恐怖』を与える時、
どうやればより効果的かを研究するための。

「人に特定の『刺激』を与えた時………………
 どういう事が起きるか………………」

「………………そんな感じの研究」

        ――――ハラリ

本を片付けていると、一枚の写真が床に落ちた。
ダンボールの底に埋まっていたようだ。
7〜8歳ほどの少女が、12歳くらいの少年と手を繋いでいる。
背景は何処かの行楽地らしい。
写真に写る少女は、曇り一つない明るい笑顔を見せていた。

541飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 14:39:45
>>540

「『心理学』、勉強されてたんですね。
 ……それで怖い映画とか本とかいろいろあるんですね、納得です!」
「『刺激』…びっくりしたら思わず声が出ちゃうとかそんな感じ…です?」

そうして話しながら片付けをしていたら、写真が落ちたのに気付いた。

…これ、女の子と男の子…?
もしかして、憂さんの昔の写真かな?初恋の相手とかだったりして…!
ちょっと写真のこと、憂さんに聞いてみようっと。
そんなことを考えて、私は手に持った本を本棚に片付けてから憂さんの方に写真を持って近付いた。

「憂さん、片付けてたら写真が…。
 これ、憂さんです?可愛いですね…!」

542御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 18:25:08
>>541

「………………そーいうこと」

        ゴソッ

会話を続けながら、荷解きを行う。
そちらには食器類が入っていた。
皿やカップを出して、食器棚に収めていたが――――。

      ピク…………

「あ………………」

「………………『うん』」

御影憂の素顔を見た人間は多くない。
おそらく、咲良も見た事はなかったはずだ。
しかし、何となく『面影』が残っているようには感じられた。

「これ………………どこだっけ………………」

「………………『星見プレイランド』?」

確か、そんな名前の場所だったような気がする。
この頃は、まだこんな風に笑えた。
懐かしい思い出だ。
そう――――『思い出』。
それは、既に『過去』となっている。

543飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 18:52:13
>>542

「憂さん、やっぱりべっぴんさんなんですねー…!」

引っ越しの荷物に入ってるってことは憂さんだと思って聞いたら当たりだったみたい。
写真をわかりやすいところに置いておく。うん、やっぱり笑顔でかわいい。

「『星見プレイランド』!
 初めて聞きました、楽しそうな場所ですね」
「『星見』ってことはこのあたりの場所なんですか?
 実は私、まだまだ詳しくなくて…」

本棚の前に戻って片付けをしながら話を続ける。
本当は男の子のことも聞きたいけど、それ以上にこの場所が気になった。

544御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 19:14:33
>>543

「見られちゃった………………」

「………………えへ」

照れたように笑う。
芝居――ではなかった。
実際、恥ずかしいものがあるのは確かだ。

「レジャー施設っていうか………………
 体を動かす場所っていうか………………」

「大きな『エアー遊具』があって………………
 飛び跳ねたりして遊んで………………」

古い記憶を辿りながら語る。
だいぶ行ってないが、まだ営業しているのだろうか?
チェックしてないから分からないが、
何となく『そうだといいな』と思った。

「その時は………………
 『従兄弟』と行って………………」

「途中で迷子になって………………
 『呼び出し』してもらったっけ………………」

話している内に記憶が鮮明さを取り戻し、
ぽつりぽつりと言葉が口をついて出た。

545飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 19:50:52
>>544

照れ笑いしてるような気がする憂さんにつられて笑い返しちゃった。

「そうなんですね。
 憂さんってなんだかインドア派なイメージがあったんでちょっと意外かもです!」

私はあんまりそういうレジャー施設みたいなところ行かなかったけど、行ったら楽しかったのかな。
手を動かしながら話を続ける。

「『従兄』のお兄さんからはぐれちゃったんですか…。
 『呼び出し』で合流できたならよかった…」
「『従兄』さんってどんな人なんですか?」

なんとなくだけど、憂さんは凛としてるというか…一人っ子っぽいイメージがあったから聞いてみたくなった。
憂さんと一緒にいたお兄さんはどんな人だったんだろう。

546御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 20:20:40
>>545

昔は明るい太陽の下で動き回るのが好きだった。
今は『光』が嫌いになった。
夜の闇の中が何よりも落ち着く居心地の良い場所だ。

「………………『責任感』が強い人」

「それから………………『優しい』………………」

「『弱いものいじめ』が許せない人だから………………」

自分と同じように、『従兄』も昔と比べると変わった。
ただ、心の根底にあるものは、今でも変わっていないと思う。
『一般人』が『スタンド使い』に傷付けられる事を防ぎたい一心で、
血の滲むような努力で『準備』を整えてきた。

リハビリ中にコンピュータの専門知識と技術を学んで『特許』を取得し、
自力で動けるようになった後は各地を放浪し、
『スタンド』を手に入れるために、『スタンドを与える者』を探し続けた。
だけど、やっと見つけた相手からは、『才能がない』の一言で切り捨てられた。
そして、彼と再会した時、私は『スタンド使い』になっていた。

(――――すまない)

最初に、彼はそう言った。
自分がスタンド使いになって矢面に立つつもりだったから。
最初の予定とは立場が逆になってしまったが、後悔はしていない。

「今日………………一緒に『ご飯』食べる?」

「何か………………作るから………………」

無意識の内に過去に入り込んでいた意識を現実に引き戻し、そう言った。

547飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 20:40:22
>>546

「『責任感が強く』て『優しい』、『弱いものいじめ』が許せない…。
 ……『従兄』さんと憂さんって似てるんですね」

寮に変な人が出た。私のただそれだけの言葉で警察を連れてきてくれた。
お姉ちゃんを探してる。そんなことを言ったらLINEで見つかった?って気にかけてくれた。
私が悪いスタンド使いもいるって知ったとき。私が襲われたら協力してくれるって言ってくれた。

憂さんは本当に『従兄』さんと似てると、そう思った。


話していたら、気付けば本棚に本を詰め終わってた。

「え、いいんですか!」
「私も、その…お手伝いしてもいいですか?
 実は料理、へたっぴで…すこしでも練習したいんです!」

そういえば憂さんって激辛料理が好きって言ってたっけ?
作るのも辛いのが多いのかな?

548御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 21:08:43
>>547

「そう………………かな………………?」

自分では分からない。
自分がそんな人間だと、自信を持って言える気がしない。
今だって、自分を慕ってくれる咲良を騙している。
いっそ全部打ち明けてしまえば。
そうすれば、少しは気持ちが楽になるのかもしれない。

(『情』に流されちゃいけない………………)

感情は歯車に詰まった小石だ。
思考を鈍らせ、判断を狂わせる。
だから、『使命』に不要な感情は捨てなければいけない。
こんな事を思うのは、それが徹底出来ていないからだ。
『昨夜のスタンド使い』を『真っ直ぐすぎる』と称した自分も、
結局の所まだまだ甘い。

「これから………………『買い物』行くけど………………」

          スッ

「………………来る?」

ちょうど食器類の片付けも終わった。
スマホと財布やエコバッグの入った鞄を持って立ち上がる。
残りの整理は帰ってきてからでもいい。

        ザッ

先に立って部屋を出る。
表には、『御影』の表札が出ている。
それを見返してから、正面に向き直った。

「『豆腐』と………………
 『ひき肉』と………………
 『長ネギ』と………………」

その日の夕食は――――『麻婆豆腐』だった。
咲良に配慮して、辛さは『程々』だった。
ただし、自分の皿には『唐辛子』を大量に追加して、
『真っ赤』になっていたが――――。

549飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 21:38:20
>>548

「そうです!
 私にとって憂さんは『従兄』さんみたいに素敵な人です」

『ジャパニーズホラー』な外見は今でもちょっと怖いけど。それでもいい人だと思う。
少なくとも、私にとっては優しくて素敵な人だ。

「あ、はい!
 買い物行きます!」



その後は二人で買い物をして、一緒に『麻婆豆腐』を食べた。
辛かったけど、お母さんのご飯より美味しくて大人のお姉さんなんだって改めて憂さんを尊敬しちゃった。

……テレビとかで見そうなくらい、『真っ赤』な『麻婆豆腐』を食べてる姿はちょっとびっくりしちゃったけど。

今日もそんな、素敵な一日だった。

550御影憂『ナハトワハト』:2021/06/18(金) 18:54:22

    ガチャ…………

夜明け近く、『狩り』を終えて自室に戻ってきた。
その姿を誰かが見ていたかもしれない。
あるいは見なかったかもしれない。

       グラッ
           ――――ドサァッ

いずれにせよ、御影は糸が切れたようにベッドに倒れ込み、
そのまま昼頃まで眠り続けていたという。

551御影憂『ナハトワハト』:2021/06/22(火) 23:56:43

  ガチャ…………

『深夜0時』を回った頃、自室の扉を開けて廊下に出る。
第一は『夜の狩り』を行うためだ。
そして、今日は『別の仕事』もある。

     スタ スタ スタ…………

             行き先は――――『歓楽街』方面。

552赤月『サクソン』:2021/06/24(木) 23:45:06
先日から立て続けにあった『襲撃者』への対応で疲れが溜まっていたせいか
それとも、日毎に蒸し暑くなっていく日本の気候にまだ慣れていないせいか
その日の赤月はいつも以上に寝苦しい夜を過ごしていた・・・・
学生寮の自室のベッドの上で呻き声を上げながら、彼女は一つの夢を見た


夢の中で赤月が目を開くと、そこはかつて過ごしていた『家』の中であった
ふと立ち上がってみると、視線が随分と低く、昔の情景を夢で見ているのだと気づいた
鉄格子が嵌められた窓からは太陽の光が降り注ぎ、今が昼間だと知らせてくれる

ぐぅ、と唐突にお腹が鳴った
夢の中だというのにお腹が空くのか、とそのおかしさに笑いながら、
赤月は今よりもずっと小さな手を伸ばして戸棚を開けた
中には乾いて硬くなったパンがあったので、少しずつ噛んでお腹を誤魔化す事とした

兄が『仕事』に出かけてからもう2週間になる
今までも、『仕事』で長期間家に帰らない事はままある事ではあったが、
ここまで長く帰らないと流石に心配になってくる・・・・

とはいえ、『家』の扉には鍵がかかっているから勝手に出ていく事は出来ない
赤月は『本の部屋』に向かい、暇を潰す事にした

『本の部屋』には兄が仕事に使っているのであろうか、『戦闘』や『兵法』の本がたくさん置かれている
正直、あまり興味が湧く内容ではなかったが、娯楽の乏しいこの『家』で他にやる事もないため、
暇な時はずっとそれらの本を読んでいた

夕方になり、ガチャガチャと扉を開ける音が鳴り始めた
兄が帰ってきた合図だ! 一つ二つと外の鍵が解かれる音が続いたため、嬉しくなって玄関へ駆け出した
やがて、十の鍵全てが解かれ、蝶番を軋ませながら扉がゆっくりと開かれる―――
赤月はその様子を喜びに満ちた顔で見つめ・・・・・そして


兄の存在は『赤月の世界』の『全て』であった
がらんどうの部屋の中に、兄がいる時だけは生きる実感を感じさせられた
だからこそ・・・・『世界』を奪った人間は決して許さない


浅い眠りから目覚めると時刻は午前5時半であった
学校へ向かうには随分と早い時間であったが、寝直す気分でもなかったため起き上がって支度を整える
『アリーナ』の刺客が自分を狙っているという事実は、赤月の精神を確かに疲弊させていた
目の下に隈を作りながら、今日もまた学校へと向かう

553御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 07:57:27

     スゥー………………

談話室のソファーに横になっている。
昨日は『心理学』の講義に出て、
『ホラーモチーフの飲み屋』でバイトして、『ビラ配り』をした。
それが終われば、あとは自由時間。
『ナハトワハト』で不良やチンピラを数人ビビらせて、
寮に帰ってきた。
疲れてソファーに座り込み、そのまま寝入ってしまったのだ。

    「アレ乗りたい…………」

         ボソッ

    「………………来て」

      クルンッ

『寝言』を口走りながら、寝返りを打つ。
一見ソファーから落ちそうに見えるが、
器用にバランスを取っている。
『夢』を見ていた。
楽しかった思い出。
まだ『恐怖』を知らなかった頃の記憶だ。

554赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 16:13:20
>>553

「・・・・・・・・。」

学校から帰ってくると談話室で眠り込む女性の姿を認めた
いつもなら、このまま真っ直ぐに自室に帰る所であったが、
連日、気を張り詰めていた事による疲れのせいか、御影の横の椅子に座ると
そのまますぐに意識を手放してうとうととした眠りに落ちてしまう


   「ZZZ・・・・」
            ガタッ

      「ZZZ・・・・」
               ガタッ!!

器用にバランスを取る御影と違い、こちらは大分危ない姿勢だ
首が船を漕ぐ度に座っていた椅子が大きく動き、足元で大きな音が鳴る

   やがて・・・・・

 「ZZZ・・・・」
      グォ・・・
             ガッシャァァンッ!!

バランスが本格的に崩壊し、
遂には背中から崩れる様に大きく倒れ込んでしまった!

555御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:02:52
>>554

眠っていても、大きな物音は耳を通して頭に響く。
近くで寝ている人間を叩き起こすには十分な音量だった。
結果、御影の意識は、
夢の世界から現実世界に引っ張り出される。

    パチ…………

            ノソッ…………

ゆっくりと目を開け、まずは体を起こした。

            ササッ

       ササッ

変な場所で寝ていたせいで髪が乱れている。
両手で前髪を直し、髪の隙間から倒れている相手を見た。
『見た顔』だ。

「………………何してるの?」

        ボソッ

内心の考えを表には出さず、その少女に声を掛けた。

556赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 18:20:58
>>555

御影が髪の隙間から覗き込むように倒れた少女を見つめると、
先日の歓楽街で『見た顔』である事がわかる

「いたたたた・・・・・
 すまない・・・・起こすつもりはなかったんだ」

床にぶつけた背中に手を当てながら、倒れた椅子を支えにして起き上がる
中学生にしては身長が高いが、全体的に疲れたような表情を浮かべており、
目の下には隈が出来ていた

「少し、休むだけのつもりが寝入ってしまった・・・・」

そう呟くと同時に、忙しなく周囲に視線を向ける
まるで、何かを警戒しているようにも見える・・・・

557御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:40:23
>>556

何かを警戒している雰囲気。
理由は何となく分かる――というより、自分が理由だろう。
『尾行』は途中で中断したが、
追われる側からしたら精神を削られる事は間違いない。
それも『ナハトワハト』の強さだ。
どんな人間でも、張り詰めた状態が続けば隙が出来る。

「いいよ………………別に………………」

そして、隙を狙えば力で上回る相手も倒せる。
『ビラ』を撒いたのも同じ理由だ。
直接対峙すれば、『一般人』は『スタンド使い』に適わない。
しかし、『間接的な手段』なら、戦う方法は幾らでもある。
そのために『情報』を利用するというのが『一生』の考えだった。

「良かったら………………『うち』来ない………………?」

         スッ

「『お茶』………………淹れるから………………」

ソファーから立ち上がり、片手を上げて自室の方向を指差す。

558赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 19:01:39
>>557

「いいのか・・・・?」

普段であれば、こんな怪しい誘いに乗る事はありえない
普通の家の子でも、まともな危機管理能力があれば
知らない大人について行くなんて事はないだろう・・・・しかし

「では、お言葉に甘えよう」

連日の緊張のせいで危機管理能力がバグったせいか
はたまた、寝起きのせいで状況判断能力が欠けているせいだろうか
御影の誘いに簡単に乗ってしまう

夢遊病の様なふらついた足取りで、赤月は御影の部屋へと向かう

途轍もなく大きな『隙』だ・・・・
恐らく、一般人でも簡単に勝ててしまえるような・・・・

559御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 22:58:15
>>558

「同じ『寮生』だし………………」

(相当参ってるっぽい………………)

「………………『いいかな』って」

相手の反応から、
かなりコンディションは良くない事を理解した。
ともあれ、頷きを返して部屋に向かう。
表の表札から『御影』という名前が分かるだろう。

     ガチャ…………

「………………ここ」

基本的な間取りは赤月の部屋と同じだ。
そこそこ物はあるが、散らかってはいない。
中央に小テーブルが置いてある。

「適当に座ってて………………」

        スッ

「………………『お茶』淹れるね」

そう言って奥に引っ込む。
部屋の隅にはケージが置いてある。
白い布が被せてあった。

560赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 23:27:46
>>559

「ああ・・・・・」

どことなく精彩に欠ける返事をして勧められた通りに適当な床に座った
今一つ焦点の合わない目で部屋の中を見回す
ほとんど物が置かれていない自室と比べると生活感のある部屋だ

「・・・・・いけない
 少し、他人と関わり過ぎている・・・今も『奴ら』に狙われているかもしれないのに」

少しずつ、意識がはっきりとしてきた
先日の『高見盛』とのやり取りで今すぐに『攻撃』を仕掛けられる事はないと判断したが、
『歓楽街の監視者』が今も自分を見ている可能性は捨てきれない
他人を巻き込まないように、人との関わりは避けていたのだが・・・・

「私の詰めの甘さのせいだ
 御影、と言ったかな? あの人に累が及ぶ前に早くこの場を離れないと」

そう言いながら、立ち上がろうとしたところで・・・

    ふらっ・・・

「あっ」

      ガシャッ!

体調が悪い時に急に立ち上がろうとしたせいか立ち眩みを起してしまう
ふらついた足が布が被さるケージに躓く

561御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 00:33:16
>>560

『御影』――それが『監視者』の名前である事を、
赤月は知らない。

      ハラリ…………

躓いた衝撃でケージを覆っていた布が落ちる。
そこから出てきたのは『白い蛇』だった。
『サウザンパインスネーク』と呼ばれる種類だ。
急に大きな音を出されて驚いたらしく、
頭を上げて赤月を見つめている。
そうこうしていると、『飼い主』が帰ってきた。

「あ………………」

     コトッ

カップをテーブルに起き、ケージに歩み寄る。

「いい子いい子………………」

ケージに顔を寄せ、蛇を落ち着かせる。
そうしてから、赤月に手を差し伸べた。
拒否されなければ、ベッドに座らせよう。

「………………無理してない?」

「『頑張りすぎ』………………良くない………………」

具合が悪いのは誰が見ても分かる。
こんな状態では、この間のように襲われた時、
とても対処は出来ないだろう。
だから連れてきた。
御影が属する『一派』としては、利用価値がある人間だ。
簡単に倒れては困る。

「何があったか知らないけど………………」

そして、御影個人としても、何となく放っておけなかった。
危なっかしいし、
どことなく自分と似た部分もあるように感じたからだ。
『追い詰めた責任』も――ないではない。

562赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 00:57:48
>>561

部屋に上げ、休息を提供しているこの部屋の主人こそ
自身をここまで追い詰めている『監視者』本人である事を赤月はまだ知らない

「す、すまない・・・・あっ」

視線を下げる赤月に顔を合わせる様に『白蛇』が頭を上げた
爬虫類に対して苦手意識を持つ者は多い
しかし、赤月にとっては全てのものが目新しく・・・・

「綺麗だ・・・・」

「・・・・・はっ、申し訳ない、私の不注意で布を開けてしまった」

思ったまま、率直に感想を述べた
驚いた『白蛇』に何かをしてやろうかとも考えたが、宥め方がわからず
御影が差しだした手に従ってベッドの上に座った

「ありがとう・・・・ でも、このままじゃあ駄目なんだ」

御影の言葉を聞き、数秒ほどの間をあけてぽつりと呟く
視線はなんとなく『白蛇』の方をふらふらとさせていた

「すまない・・・ 何を言っているのかわからないと思うけど
 私は・・・・ 私は何者かに『監視』・・・『観察』されている」

被害妄想ともストーカー被害とも言えるような言葉ではあるが
御影にはわかるだろう・・・・目の前の少女が何に恐怖しているのかを

563御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 09:34:45
>>562

「私は………………『御影憂』………………」

御影憂は『恐怖』を与える事を望み、
獲物を求めて夜の街を徘徊している。
それは自分にとって『食事』と同等の行為であり、
ゆえに止める事が出来ない。
しかし、決して無差別ではなく、
自らに定めた『ルール』が存在する。

「………………『大学部二年生』」

決して危害は加えない事。
人に迷惑を掛けずに生きている者は狙わない事。
その二つの『原則』を以って、
自身が憎む『邪悪なスタンド使い』になる事を、
ギリギリの所で踏み止まっている。

(ダメだ………………)

この少女は『獲物』になるべき人間ではない。
『ルール違反』だ。
このままでは、自分が憎む者達と同じになってしまう。

「これ………………」

       ソッ

持ってきたカップを差し出す。
中身は砂糖とハチミツ入りのホットミルクティーだ。
暑い時期なので、温度はぬるめにしてある。
こういう時は、
いきなり言葉で説得しようとしても上手くいかない。
まずは『感覚』に訴える事だ。

       ガシャッ

ケージを開けて、白蛇を外に出す。
蛇というと危険なイメージが付き纏うが、
それはあくまでも一握り。
全てが有毒であったり攻撃的である訳ではない。

        シュルルルル…………

白蛇は、飼い主の腕の中で緩やかに蠢いている。

564赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 20:13:01
>>563

「あ、ああ・・・・『赤月ナカレ』だ・・・
 中等部の・・・2年生という事になるか」

赤月がここまで追い詰められてしまっている事は御影にとっては予想外だったかもしれない
心の中にやましい気持ちがあるからこそ、まったく無関係の出来事を繋げて考えてしまっている・・・
それが赤月の心の中に、存在しない『敵』を作り出してしまっているのだ

だが、双方ともにそんな不運な偶然が重なっているとは思いもしないだろう

「だから、すぐにでもこの部屋を離れ・・・・」

>「これ………………」

>       ソッ

「うっ ありがとう・・・・」

ベッドを離れ、すぐに自室に戻ろうとしたところで、カップが差し出される
お茶を用意してもらったのに、飲みもしないのは礼儀に反すると思ったのだろうか
腰が浮いたところで、また腰を落とし、カップの中の液体に口をつける

心地いい温度の甘ぁいお茶だ
ピリピリとした心が休まり、穏やかな気分にさせられる
そのせいか、すぐに部屋を離れる気分が失せていく

「・・・・随分と人に馴れた蛇なんだな
 何か、特別な訓練でもしているのか?」

565御影憂『ナハトワハト』:2021/06/29(火) 00:40:53
>>564

事実、想定外の事態であった。
本来ならば、そこにいることさえ気付かせずに、
終わるはずだったのだ。
そうならなかったのは、他の二つの要因が関係している。
『サクソン』の能力、『フラジール』の襲撃、『御影』の存在。
これら三つの要素が一つでも欠けていれば、
現在の状況には至らなかっただろう。

「ちょっと違う………………」

        ボソ

「蛇を人間に馴れさせるんじゃなくて………………」

「人間が蛇に合わせる………………」

「何を考えているのか読み取る努力をする事………………」

       ボソ

「………………つまりは『愛情』」

相手の事を知り、相手に近付こうとする。
距離を縮めさせるのではなく、こちらから歩み寄るのだ。
習性や好き嫌いが分かれば、
何となく接し方も分かってくるものだ。

「………………触ってみる?」

       ソッ

カップの中身がなくなった頃合を見計らって、
腕の中の白蛇を差し出す。
蛇というとヌルヌルしたイメージがあるが、
実際の蛇はサラサラした質感を持っている。
そして、動物と触れ合えば、
少しは落ち着くのではないかと考えたのだ。
『アニマルセラピー』という療法もある。
もっとも、普通は『犬』や『猫』だが……。

566赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 01:20:32
>>565

「へぇ・・・・ なあ『白蛇』、お前は一体何を考えているんだ?」

お茶を飲み干したタイミングで、誘いの声がかかる
赤月はうん、と小さく頷くと両手を白蛇に差し出した

    シャラ・・・・

白蛇はゆっくりとした動きでこちらに乗り移る
鱗と肌が擦れてサラサラとした触感を感じる

「ふ・・・ふふふ、変な感覚だ・・・・冷たくて、さらさらしていて」

直前のアドバイスを実践するように、蛇がしたい事を考える
どうも、この蛇はそれ程動きたがらないように感じたため、蛇を両手に乗せたままじっとしている
だが、それではどうにも腕が疲れるため、やがて両手を自分の腿の上に置いた

「ふぁ・・・・・ん・・・・・・」

お茶を飲んで身体を温めたせいだろうか、
それとも『アニマルセラピー』が予想以上に効果を上げたせいだろうか
蛇を両手に乗せたまま、赤月の身体はベッドの上にゆっくりと倒れ込む

「・・・・・。」

耳を傾ければ、静かに寝息を立てているのがわかるだろう
どうやら完全に眠ってしまっているようだ
先程とは違い、警戒の解けた面立ちで、深い眠りに落ちている・・・・

567御影憂『ナハトワハト』:2021/06/29(火) 08:43:33
>>566

目の前の少女を見て、『昔の自分』を思い出す。
心に傷を負って長期入院していた頃の事を。
カウンセリングを繰り返したが効果はなく、
アニマルセラピーが行われた事もある。
転機が訪れたのは、ある夜の事だった。
その日は天気が悪く、雨が降り、雷が鳴っていた。
カーテンの隙間から窓ガラスが見え、
ガラスに映る自分の姿が、
一瞬恐ろしい怪物のように思えた。
その時に感じた『恐怖』が、過去の記憶と重なり合い、
自分の中で『何か』が弾けた。

「どーぞ………………」

          シュルルルルル…………

蛇が両手に乗せられると、
サイズに見合った適度な重みが腕に伝わる。
温厚な性質らしく、激しく動き回る事はしていない。
最初は鱗のひんやりした感覚が目立った。
しかし、徐々に鱗の下にある仄かな体温が感じられてきた。
そこにあるのは冷血さではなく、確かな『命の息吹』だ。

「――――――………………」

「ふぅ………………」

寝入ってしまった赤月を見下ろして、小さく息を吐く。
もし自分が本当に『刺客』だったとしたら、
この場で寝首を掻いている所だ。
しかし、そんな事をする必要はない。
直接的な戦闘ではなく、
『情報』を利用して『状況そのもの』を動かす。
それが『一般人』である『リーダー』のやり方であり、
『懐刀』である御影も、それに倣っている。

        ソッ

サウザンパインスネークをケージに戻し、カップを片付ける。
それから机に向かい、ペン立てからボールペンを取った。
一枚のメモ用紙に、以下の内容を書き付ける。

          サラサラサラサラサラ

  疲れた時はまた来ていいよ。
  御影さんの連絡先は→『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
  よかったらお話してね。

         スッ

折り畳んだメモを赤月のポケットに忍ばせ、
夏用のタオルケットを掛ける。
ポケットを探って、
ついでに『情報』を得ようかとも思ったが――――やめた。
『何となく』だ。
そして、借りた本を返すために図書館に向かった。
『小泉八雲著:怪談』だ。

568赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 22:56:21
>>567

「う・・・・ん・・・・・・っ」

赤月が目を覚ました時、部屋には誰もいなかった
自分にかけられたタオルケットとポケットの中に入れられた『メモ』の存在から
どうやら、この部屋の主『御影』の世話になったという事を知る

「・・・・・・・しまった」

時計を見るとあれから数時間が経っているようだ
一瞬だけ、『敵』の存在が頭をよぎるが、すぐにその発想を打ち消す
久しぶりに不安に苛まれずに安眠したため、心に物事を考える余裕が生まれていたからだ

「違う・・・・大丈夫、大丈夫だ・・・・
 御影がいなくなったのは外出する用事があったから・・・・『奴ら』に襲われたわけじゃない」


「・・・・そうだ」

深い休息で頭が回るようになったおかげか、一つの考えが頭に浮かんだ
その考えを実行するべく、近くにあったボールペンを『仕込み刀』に変えて、自分の手の甲を切る

痛みはあるが・・・・すぐにその痛みは和らいだ・・・・
『サクソン』の能力が発動しないという事は、
この部屋に『目撃者』がいないという事だ

「クッ・・・・・! こんな簡単な事に気づかなかったなんて!
 ずっと私は・・・・・居もしない『幻影』に苦しめられていたのか・・・・・いや」

「ずっと休息も取らずに余計な気を張っていたのは私の方か・・・・
 ちゃんと休んで、頭が働いていればわかったはずの事だ
 憩わせてもらった御影には・・・・本当に感謝をしないといけないな」

改めて『メモ』を読む
簡潔ながら、こちらへの気遣いを感じさせる文章だ
赤月はそれを丁寧に折りたたむと、大事そうにカバンの中に仕舞った

「ありがとうございました」

この場にいない『部屋の主』に一礼をして
自室へと戻っていった

569一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 14:03:15
すっかり『復讐者』たちの溜まり場と化した寮。
そこに一匹の『復讐者』が帰…侵入する。
湖畔の適当な枝を切り落とした物で身体を支える少年。

「少し気怠い…家まで遠いし中で休まないと…」

『フラジール・デイズ』との戦闘で負った軽い怪我とスタンド採血で不調だ。
硝子混じりの砂の掠り傷と『反発』で吹き飛んだ際の打撲。どれも軽微だが積み重なるとキツい。

「あっ、七篠先輩に連絡し忘れた…」

杖をスタンドに支えさせながらフラフラする。
タクシーだけは駄目だ。遊部先輩に渡したタクシー代=今月の食事代で使えない。
アリーナの諸々で手にした『百万』は屋根裏にある。

「庭で座ってスタンドエネルギーを…ハァハァ…」

『チラシ』を手に適当な椅子に座って休む。
チラシに描かれた次なる敵の姿に首を傾げながら。

570ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/30(水) 21:58:52
>>569

少年は寮の庭に備え付けれた椅子……ベンチに座る。


   ガシッ
                  「……ん〜」


するとベンチの下から手が伸びてきて、少年の足を掴んだ。
か細い鳴き声のようなものもかすかに聞こえる気がする。

571一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 23:14:55
>>570
「ホームレス…寮に…?」

スタンドで腕を掴み返してベンチの下から引きずり出す。
自然薯のように優しく折れないように(パス精:CCA)

「悪いことしないから出ておいで」

「風歌さんだったら両手を外して泣かせる」

572ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/30(水) 23:28:46
>>571

「……ん」


小さく細い腕がベンチの下から出てくる様子は、
いきなりの事であれば、幽霊か何かかと思ってしまうかもしれない。
だが少年は冷静に、優しく手をベンチの下から引きずり出した。


「うう、眩しいの……
 なんじゃ……? 誰じゃ……?」


出てきたのは、少年よりも幼い金髪の女の子だった。
サイズの合わない大人もののシャツをワンピースのように着ており、
少々薄汚れているが、これはベンチの下にいたからだろう。
ホームレスというほどではない。

573一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 23:56:04
>>572
「いや、なんか足を掴まれたから掘り返してみました。
 名前は一抹 貞世。それはそうと汚いです」

スタンドでナイの土埃を落としてあげよう。
『インダルジェンス』の腕は『悪感情』の『鎮静』の効果を常に展開しているので妙な感覚がするかもしれない。

「外国人さんです?」

スタンド使い『通り魔』のチラシを隣に置く。
ウルフカットの白髪である一抹も顔立ちは外国人っぽい。
傍目から見ると外国人同士の交流に見えるだろう。

574ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 00:10:27
>>573

「わしは日差しが熱いのでベンチの下に避難しておった者じゃ。
 名前はない……」


両手で日差しから目を防御しながら、名乗り返す(?)少女。
陸にうち上げられた魚のようだ。


「お? なにか、暑さが気にならなくなってきたような気がするの。
 あ……オバケじゃ」


が、『鎮静』の効果か、少し元気になってきた。
驚きも鎮められたのか、『インダルジェンス』を見て道端に猫がいた時くらいのリアクションをする。
驚きが悪感情かどうかは知らないが……


「外国人? うーん、多分そうなんじゃないかの」


自分の出身をいまいち把握していないのか、小首を傾げながら
ベンチの下からリュックを引きずり出し、水筒を取り出している。

575一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 00:46:30
>>574
「オバケ…ナイちゃんもスタンド使いっぽいですね。
 名前が無いからナイちゃんと呼びます」

「お家も無いとか? 私の家に来ます? 町外れの教会
 の隣に建てられたデカイ家ですよ。
 私を拾ってくれた老夫婦のお家です」

さらっと人を家に勧誘する。
子供同士の会話だからか不健全さもない。
あるのは世知辛さだけだろうか。

「私も人種不明ですし、町の懐の深さに感謝です」
あっ、リュックもある。半分だけホームレスですね」

「そういえば、七篠先輩の部屋の合鍵持ってたんだ。
 無断で冷房を使ってもバレない…」

風歌やナイちゃんのように生きるには図太さが必須。
そして、劣らぬ図々しさを一抹も持ち合わせていた。

576ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 01:04:48
>>575

「別にかまわんが……
 お前さんはここの住民ではないのか」


懐が深い町だが、闇の深そうな住民は多い。
いや、むしろだからこそだろうか。
ホームレスのいない町は、つまりホームレスを追い出すような町なのだ。


「家はあるぞ。わしのではなく死んだ爺の家じゃが……
 レイボウというのは涼しくなるやつじゃな?
 それはついておらんが……
 わしのスタンドはオバケは無いが、氷ならいくらでも出せるぞ。飲むか?」


飲んでいた水筒を振ってカラカラと音を立てさせる少女。
中に氷が入っているらしい。


「合鍵。知っておる。好きに入ってもいいというやつじゃな?
 ここは住みやすそうじゃの。
 やはり爺の家が使えなくなったらここに住むのがいいかもしれん。
 メイドさんもおるしの」

577一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 01:38:28
>>576
「あぁ、そういえば町の住民のつもりでしたが…
 ゴミ袋にねじ込まれていた私を義父母が拾ったのです
 から一応、私も町の住民ですね」

「闇ですか? 『エクリプス』やらスタンド使いの通り魔。それに両親を殺害したい子供とか」

ナイに通り魔の情報が書かれた『チラシ』を見せる。

『○月×日△時頃
    □□□ビル付近で通り魔事件発生
     犯人は身長160cm前後の若い女
       素顔を隠して行動している
       見かけた者は注意されたし』

「ちなみに今さっき実物と戦ってきました。
 人間そっくりの人型ヴィジョンで不審者っぽい格好で
『遊部』なる女性を追いかけて来ました」

「力は弱く動きは人並み。再発現する度に道具を出して
 襲い掛かってきます。珍妙な『演技』をしながら」

一抹の身体には軽い擦り傷や打撲傷が複数ある。
実際に戦って生き残った証拠である。

「そうそう! 涼しくなるやつです!
 七篠先輩って方の部屋ですが、まぁ、平気かな?」

「好き勝手は駄目ですよ。定期的にひっそり入るのです
 というより爺とやらな死体はしっかり埋葬しました?」

ナイちゃんが何処から来たのか不明だが生きてるのか死んでるのか怪しい連中の潜む星見町はホームレスには生きやすいだろう。
そういった者が町を廻しているのだ。逆に逃がしてくれないぐらいだ。

「えっ、メイド? そんなのも? えぇっ…」

578ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 01:58:20
>>577

「全然知らんの……テレビでそんなのやっとらんかったし。
 いや、通り魔とやらはこの間、風歌と百目鬼じゃったか……が、なにか話しておった気がするが……
 そういえばお前さんもさっき風歌の名を出して腕を折るとか言っておったような……
 喧嘩しておるのか?」


風歌鈴音と少女は2度会った事があるが、明確に自己紹介したわけではない。
風歌と百目鬼が互いに呼び合っているのを耳にしただけだ。
なので記憶は曖昧である。


「なんと。襲われたのか。ぶっそうな話じゃの。
 あの……傷口に貼るシールみたいなやつ……いるか?」


絆創膏のことだ。
近年、その効果は疑問視されることもあるらしいが……


「合鍵を持っていたら勝手に入っていいとテレビで見たがの……
 うむ、爺か? ちゃんと庭に埋めておいたぞ。
 苦労したが、死んだことがバレると色々面倒なことになる。それくらいはわしも知っておる。
 それで、ひっそり入るのか?」


テレビで偏った常識を語りながら、リュックを背負う。
リュックから突き出た竹刀からは『こ』『う』『か』『ん』と書かれた布が垂れ下がっていた。

579一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 02:33:12
>>578
「風歌さんは悪事(ワルさ)しますからね。
 定期的に色々折らないと…」

「しっかり埋めたなら大丈夫でしょう。
 日本は屋根さえ有れば生きるに困りません。
 ここが駄目なら教会でも大丈夫です。炊き出しも
 定期的にやるのでナイさんは生きていけますね」

ふと、目にした『交換』の文字に首を傾げる。
それがナイちゃんのスタンド能力なのではないか?

「ナイちゃんナイちゃん。背中の『交換』って何ですか?」

ナチュラルに寮内部へと侵入しようとしながら聞く。
彼女から何か良いものが得られるかもしれない。

580ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 02:48:15
>>579

「風歌のお嬢ちゃんはこの間、ソバを食べさせてくれたんじゃ。
 じゃが悪事(ワルさ)か……やはり怪しいお金なのかの。
 そんな事言っておったような気がする」

「ほう。炊き出しとな。
 今度行ってみようかの」


サイズの合っていないサンダルをカパカパさせながら
少年の後について寮へ向かう女の子。


「うむ。よくぞ聞いてくれた。これは看板? いや、ノレン? じゃ。
 わしは『交換屋』をやっておる。
 さっき氷をいくらでも出せると言ったじゃろう。
 正確には水筒をいくらでも出せる……じゃがな。
 わしの『スタンド』は一度『交換』したものを何度でも出せるんじゃ」

581一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 03:35:44
>>580
「あっ、これは『アリーナ』の連中が欲しがるやつ。
『エクリプス』って組織に捕まりますよ…」

「もしも、ナイちゃんが風邪で寝込んだら危ないので
 寮の合鍵と我が家の合鍵、この2つを絆創膏と
 交換してくださいませんか?」

「咽が渇いたので水筒と氷もください。
 交換素材は抹茶ムースケーキと手作りアイスケーキ。
 私の手作りだから消えようが誰も気にしません」

一抹の図太さが爆発する。『交換』によってナイが日常で
使える物を増やそうとしている。
今年の猛暑を彼女が凌げるように七篠先輩へと作った物も『交換』していく。

「スマホとかは後が怖いから無しにしましょう。
 ナイさんオススメの綺麗な物とかありませんか?
 市場価値が無くても綺麗なら構いませんよ」

一抹は男だが光り物が好きだ。天然石だろうが価値が無かろうと美しいなら好きだ。
偽物の宝石だろうと輝くなら喜ぶ少年である。

「あっ、寮の合鍵と我が家の合鍵は交換で一つ返して
 ください。餅パンケーキとシカゴピザを…」

ナイのことが心配なのか作り置きまで『交換』してくる。
恐ろしいほどの心配性だ!

582ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 03:59:29
>>581

「お、おお……?
 ばんそうこう? あっ、傷口に貼るシールのやつじゃな。
 えーと、水筒……」


急な注文に、わたわたと対応する女の子。
寮の合鍵とは『七篠の部屋の合鍵』だろうか?
いくらでもコピーを作り出せる見知らぬ人物に合鍵を渡されてしまう
まだ見ぬ七篠氏が哀れである。


「ええと? 綺麗なもの、綺麗なもの……ふうむ?
 凄い綺麗なものならあるんじゃが、『解除』したらただの定規に戻ってしまうしの。
 残るものの方がいいじゃろ? うーん
 え? ああ、『交換』が済んだら増やせるから鍵は普通に返してもいいんじゃが、
 別のものと『交換』してくれるならそれは嬉しいが……」


嬉しい悲鳴、というやつか。
怒涛の注文に慌てている。
歩きながらでは受け渡しも難しいし、部屋についてからゆっくりやり取りした方がいいかもしれない。
(もっとも、『所有権』の『交換』であって受け渡しをする必要はないので
 口で言い合うだけでも成立はするのだが)

583一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 09:39:46
>>582
「ナイちゃんと七篠先輩のスタンドは相性が良い。
 だから仲良くなって欲しいです」

「広葉樹とか発現して強いのですから。
 いずれ、私もスタンドが成長して追いつきますが」

このナイちゃんって子のスタンド能力は弁理すぎる。
ある程度は私たちの射程内に納めたい。
それにホームレス生活だって長くは続くまい。

「そういえば、遊部ってスタンド使いには気をつけた方が良いかもしれません。証拠は半分だけですが通り魔スタンドの本体かもしれません」

「『悪感情』の『鎮静』を受けて苦しむ姿など初めて
 見ました」

そうこう喋っていたら七篠先輩の部屋に着いた。
一抹は勝手に入って冷房のスイッチを入れている…

「天然石とか鈍くても光る石は見つかりましたか?」

584七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 11:25:41
 部屋に入るとベッドが一つに勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
 壁には手のひら大の付箋があちこちに貼られている。一部の付箋からは『白い花が咲く枝』が生えていてなにやら甘い香りが漂っている。

 エアコンが音を立て、冷気を吐き出しはじめたその部屋に、焦げ茶の髪を背中に流したお姉さん――七篠がいた。

>>583

――あれ、冷房…?
――一抹さんかな、よく涼みに来るもんね。

「お帰りなさい、冷蔵庫に麦茶ありますけど飲みますか…?
 ……あれ? お友達ですか?」

 一抹と、その後ろを歩く子供を見て七篠は目をぱちくりさせている。

585ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 11:50:54
>>583

「そのセンパイとやらもスタンド使いということか。
 そして遊部とやらもスタンド使い……?
 色々おるもんじゃな」


勝手に部屋にお邪魔する子供2人。
冷房を入れたからといってすぐに涼しくはならない。
『交換』で渡された『水筒』の中身は『関 寿々芽』自家製のお茶だ。
味は少し独特だが、さきほど言ったように氷が入っている。
部屋が冷えるまでの間、氷を楽しむことは出来るだろう。


「石な……変わった石は時々、仕入れとして拾うんじゃが、重いからの。
 あんまり持ち歩いてはおらんし……小粒ならいくつかあるが、あんまりピカピカしたのは……
 ああ、石ではないらしいし、光ってもおらんが、綺麗なのはあるの。
 ダイアナちゃんが言うには石じゃあないらしいが」


七篠氏の部屋のテーブルを勝手に使い、リュックから出した石を並べていく。
多くは赤や緑だったり変な模様が入った石で、雲母や翡翠なのかもしれないが、
透き通ってキラキラしているということはない。
ナイが言う、「綺麗なの」はシーグラスだ。
波で洗われた曇りガラスなので、ピカピカはしないが、宝石のようではある。


「それと、さっき言ったように本当はただの定規なんじゃが、コレとか」


こちらは、『小翠 蒼輝』と『交換』した小槌だ。
本体は木製だが、金銀宝石で装飾が施されている、豪華な一品である。
ただしスタンド能力で変身させたもので、解除すると定規になる。

586ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 11:54:10
>>584

「!?」


気づかなかった……入った時は台所とか死角にいたんだろう、多分。
いかにこっそり入ろうと、すでに住民がいるなら無意味である。
そして部屋の主ならば、普通にいて何もおかしくはない。


「おおお、おるぞ。
 いや、合鍵があるならば許可されておるという事じゃからよいのか」

「……お邪魔しておる!」


ちょっと慌てたが、とりあえず挨拶した。

587一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 12:19:59
>>584
「おじゃまします。この子は凄いんですよ!
『交換』したものを無限に出せます!」

「代償として七篠先輩の部屋の鍵が一個増えます」

軽い擦り傷と打撲傷に絆創膏を貼りながら答える。
何やら不気味な『チラシ』も持っている…

「この『チラシ』の通り魔と戦って来ました。
 それでボロボロになってたらナイちゃんと会いまして」

抹茶ムースだの手作りアイスを差し出す。
そして、当然のように部屋の隅っこに座る。

>>585-586
「『シーグラス』とミニアイスケーキを交換で…」

「あっ、彼女の部屋の主です。優しい人ですよ」

と、持ってきた抹茶ムースだの手作りアイスを置きながら隅っこに行く。

588七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 12:33:23
>>585-586

――『お邪魔しておる』…。
――このくらいの子がちょっと変わった口調で話すのってなんだか可愛いよね。

「挨拶できて偉いです。
 えっと、私は『七篠譲葉(ナナシノユズリハ)』と言います、お嬢さんはお名前は?」

 勉強机に石を並べていたのを見て、ちゃぶ台を出しながら話しかける。

――『スタンド』の話してたし、こんな小さいのに『スタンド使い』なのかな?

>>587

「いらっしゃい、たくさん増やせるのはすごいですね。
 じゃあ、この子も『スタンド使い』なんですね」
「……一個増えるくらいならいいかな?
 お嬢さん、他の人にあげたらお姉さんはすこし困っちゃうのでやめてくださいね?」

 そうして話しているうちに一抹のボロボロな様子に気付いたようだった。

「一抹さん、また怪我してるじゃないですか!」

 『リルトランク』で壁の付箋に一枚剥がし、一抹の背中に貼る。
 そしてまだ絆創膏を貼っていない切り傷の近くに巻き付くように『サネカズラ』を生やす。
ttp://www.e-yakusou.com/sou/sou320.htm

「『オジロ』の怪我に使ったのと同じ葉っぱです。
 傷のところに揉んで貼り付ければ多少でもよくなりますよ」
「おやつ、ありがとうございます」

 一抹用と思われるクッションが当然のように準備されている。

589ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 12:51:50
>>587-588

「凄いじゃろう。
 名前はない。一抹ちゃんからはナイと呼ばれておるが」


褒められて得意気だ。


「そうじゃ、さっそく見せてやろう。ぬん」


二人が治療している間に、ちゃぶ台の上の上の石が、特にエフェクトもなく、
瞬時に袋詰めの大量の駄菓子やら、今交換したばかりのアイスケーキや抹茶ケーキやらに変わっていく。
まるでパーティだ。
無限に出せる、と言っても本質的に『交換』なので、石が交換素材になったわけだが……
元が石でも交換後の物に影響は無い。食べる人が気にしなければ。

590一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 13:20:02
>>588
「えへへ、『エクリプス』構成員みたい本体は逃がしちゃいましたが…次は本体を頑張って殺ります!」

外国人のような子供二人、大量のお菓子、『エクリプス』構成員殺害宣言をする子供。
普通なら怪しまれるが星見町は懐が深い。

「たまにはナイちゃんもお部屋に入れてあげてください
『交換』した分だけ彼女のレパートリーは広がります」

七篠先輩の部屋が子供たちとスイーツに占領されていく。
一抹がデザートを持ち込む度に七篠先輩は太っていくのだ…

>>589
「私が『殴打変換型』と呼ぶスタンド能力に似てます
 どんどん食べてくださーい!」

当たり前のようにクッションを手に取り食器を配る。

591七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 13:26:03
>>589

――名前はナイ、ナイちゃん。

「ナイちゃん、可愛いお名前ですね」

 おそらく天丼である勘違いをしたところで七篠は治療を終えたらしく、ちゃぶ台がおやつで埋まっているのを見る。

「わぁ、この駄菓子懐かしいです…!
 えっと、ナイちゃんの『スタンド』は『交換』するとものが増えるんですよね?」

 『リルトランク』で『みかんの実った枝』を手のひら大の付箋に生やして、付箋ごと手に持った。

「『みかんの枝』と、その駄菓子を交換できませんか?
 私の子はいろんな『木の枝』が生やせるんです。
 もし他のがよければこういうのがほしいって言ってくれれば準備できるかも…」

 子供の欲しがりそうなものとして、食べ物が成る枝を作ったが、『みかん』であることにこだわりはなさそうだ。

>>590

「……『エクリプス』?」

 七篠は悪いスタンド使いがいることがあるというのは知っているようだが、
『エクリプス』という単語に覚えがないらしく、首を傾げている。

「正直、一抹さんがよく来てるので子供が一人や二人増えようと気にしないですよ。
 ナイちゃんもこれからぜひ来てください」

 一抹の肥えさせようという作戦(?)に気付かないまま、七篠は一抹の準備した『抹茶ムース』に手を伸ばした。

592ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 13:54:37
>>590-591

「勇ましいんじゃな。わしは喧嘩はしたことないのー。
 スタンドのオバケもおらんし」


『ベター・ビリーブ・イット』にヴィジョンは無い。
『交換』物は交換元の物質と完全に同じなので、スタンド物質でもない。
よってスタンドに干渉できる方法が少ないのだ。
今ちゃぶ台の隅に置いてある小槌は数少ないスタンド物質である。


「ほう。七篠先輩ちゃんも食べ物が出せるんじゃな。よいぞ!
 食べ物も大分充実してきたの。
 欲しい枝か? ……枝……うーむ。カッコいいやつを頼む」


そういう意味では『みかんの木の枝』……貴重だ。
武器になりそうなものがあれば自衛力が上がるかもしれないが、
ナイには戦闘経験が無いこともあり、あまり思いつかないらしい。


「知っておるぞ。『エクリプス』ってあれじゃろう。新幹線のことじゃ」

593一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 21:58:48
>>591
「少し昔に来たスタンド使いの大集団で町に月を堕そうとし、考えうる悪行を成し遂げた連中らしいですよ」

「現代のナチスみたいなもので今も残党が残り、多くの
『アリーナ』所属者が死ぬほど恨んでいます。
 この前の『緒方』さんは特に…」

知らなくてもいい気もするが三回は連中絡みのせいで死んだから教えておこう。
『エクリプス』構成員を名乗っていない不審者スタンドも見つけ次第、『アリーナ』に確保させたい。

「私が関わった事件が成功したら星見町に『悪霊』が
 彷徨って適合した人は暴走スタンド使いに。
 適合しなくても武器を手にした者の殺傷事件が絶えな
 い地獄が誕生してました」

「ついでにスタンド使い7人で挑んでも軽く皆殺しに
 するのが二人。七篠先輩もスタンドに目覚めた以上
 は逃げられませんよ」

>>592
「殺し合いがしたくなくても勝手に来ますからね…
 ナイさんとか歩くドラえもんですよ。
 知ったら捕まえて良いように使いたいと考える連中
 は無限に現れるかと…」

「私も七篠先輩みたいに『慈悲の刃』を…一体型だから
 無理ですね…」

『インダルジェンス』の手の甲から二振りの刃が展開される。流石に『交換』対象とはならないだろう。
その前にナイちゃんには確たるスタンドヴィジョンが存在しない。

「ナイちゃんは世界一硬い樹の枝とか燃えるユーカリの枝とか自衛のために『交換』した方がいいですね」

と、言いつつ学生鞄からリコーダーを取り出す。
先端が斜めに斬られた竹槍コーダーだ。
地味に斬る突くが可能な武器である。

「この竹槍コーダーもオススメです。斬る突く!」

594七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 22:09:30
>>592

「格好いい枝…」

 七篠は片手に『みかんの枝』を持ったまま、もう一枚『手のひら大の付箋』を持ち悩みこんでいる。
 父親はよく家を空け、祖母と二人の時間が多かった七篠には『格好いい』がいまいちわからないようだ。
 そして、なにかを思いついたように『異様に棘が生えた枝』――『スナバコの枝』を生やした。なにやら『木の実』が生えている。

「なんだか、肩とかにトゲトゲがついてたりすると格好いいって聞いたことがある気がするので…。
 こういうのはどうですか?」
「この枝、トゲトゲしてるだけじゃなくて『散弾を発射する枝』なんです。
 強いのは『格好いい』…ですか?」

 『スナバコの枝』は見かけの厳つさに加え、種を時速240kmで周囲に飛ばすことがあるという強さもなかなか魅力的な木だ。
 もちろん、出しっぱなしで破裂してしまったら危険なので交換したものはひとまず七篠によって解除されるだろうが…。
ttps://news.nicovideo.jp/watch/nw5841807
ttps://ryusblog.exblog.jp/17191459/

――ロボットアニメが好きな男の子が『トゲトゲ』と『強いの』を格好いいって言ってた気がするし、ありかな…?

>>593

「『エクリプス』…。
 新幹線じゃなくてそんな怖い人たちだったんですね…」
「『アリーナ』の人たちと今後も関わるようなら知ってた方が良さそう…。
 一抹くん、ありがとうございます」

――とっても怖い人たちがいて、その残党が今もこの街にいるかもしれない。
――また、戦うことになるかもしれない。
――その時のために、すこしでも練習しないと。

「その話を聞いちゃうと…ナイちゃんに強い枝をあげたいですが…」
「『ユーカリ』は摩擦で発火させてるので…。
 ナイちゃんの能力で摩擦させられるなら燃やせるかもしれないですが…」
「『リグナムバイタ』は硬い分、すごく重いですし…」

 そう言いながらナイを七篠は見る。
 『リグナムバイタ』は一抹より年少の少女が持つには重すぎそうに思える。

595ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 22:29:55
>>593-594

「ふーん? 悪い奴らなんじゃな!」


リアクションは軽かった。
実感が無いのかもしれない。
月を堕とすだとか、まさしくテレビの中のフィクションでしか見ないだろう。


「それで悪い奴らをやっつけられるというわけか……
 うむ。カッコいい!
 ではこれと『交換』でどうじゃ!」


とはいえ、悪に対抗する事は乗り気らしい。
それはそれで逆に危ない気もするが。
それとも、いつになく協力的な人間に囲まれてテンションが上がってるだけかもしれない。
無意味に手を振りながら、リュックから取り出した適当なゴミから『交換』で出現したのは、
茶色い塊……『キーウィのぬいぐるみ』だ。よく見ると黄色いクチバシがある。
一抱えもあって無駄にデカい。

596一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 22:53:33
>>594-595
「キーウィフルーツっぽい…私の抱き枕に丁度良い…」

「はい、竹槍コーダーです。ナイちゃん強化クエスト!」

年代が近いのもあってはしゃいでしまった。
そして、一抹も子供だ。疲労と眠気に負けつつある。
通り魔を撃退してスタンド採血から同世代との邂逅で疲労した一抹はボロボロだ。

「ナイちゃんさん、これ、私の電話番号…」

「あの野郎…次は滅多刺しに…」

通り魔のチラシを抱えたまま寝落ちする。
既に三回は死んだ一抹は『夢』を見ない。
静かに床で丸くなるだけだ。

597七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 23:01:33
>>595

――よかった、格好良かったみたい。

「『ぬいぐるみ』、いいんですか?
 でも…せっかくですから、さっきの駄菓子をいただきますね。
 『スナバコの枝が生えた付箋』と『交換』です」
「それにしても…。
 まるっこくて可愛いですね、その『ぬいぐるみ』。
 なにかのキャラクターかな?」

 七篠は『キーウィ』を知らないらしく、目を丸くして『ぬいぐるみ』を眺めた。

>>596

「あ、一抹くん…また床で寝て…」

 七篠と『リルトランク』、二人がかりで一抹をベッドへと運んだ。(パD*2)
 本人の要望通り、『ぬいぐるみ』は一抹の抱き枕になっている。

 部屋は冷房がしっかりと効いてきて、一休みするにはいい気持ちだ。
 ベッドは子供ならもう一人眠れるくらいの大きさだろうか。

598ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 23:21:52
>>596-597

「これはトリらしいの。羽は無いんじゃが」


ナイは名前は憶えていなかったが、実在の鳥だ。
キーウィフルーツは鳥のキーウィが名前の元らしいので、一抹はある意味正しい。


「おや? 一抹ちゃん? ……寝ておる」


電話番号を受け取り、少年をベッドへ運ぶ手伝いをする。
(助力になっているかは微妙だ)


「家に帰らんでいいのかの?」


一抹は教会の老夫婦に拾われた。と聞いた。
それ以上の事は知らないので、「老夫婦が待っているのでは?」
と思うのは普通の発想だろう。


「わしは一人暮らしじゃがな……ふあ」


ハシャギ疲れたのか、ナイも小さくあくびをもらす。

599七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 23:29:56
>>598

「トリさんでしたか、ダチョウの足が短い版…みたいな…?」

 七篠は首を傾げながら一抹の抱く『ぬいぐるみ』を見る。

「一抹くん、最近よくここで寝てるんですよ。
 冷房を求めてくるみたいで…」
「それもあって、合い鍵渡してるんです。
 これから暑くなっちゃうから、私がいないときに来たら困っちゃうだろうし…」

 そう答えながら七篠は思案気な表情を浮かべる。

――…こんなちっちゃい子が、一人暮らし?
――家庭の事情かな…。心配…。

「ナイちゃん、ナイちゃんももし冷房ほしかったりご飯が食べたくなったら気軽にここに来てね
 もう一抹くんがこんな感じで来るから、気にしないで来ていいからね」

600ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 23:45:03
>>599

「えらく親切じゃの……」


「わしは、食べ物は種類も増えてきたし、氷も、塩飴も出せるから平気じゃ……
 まあ、冷房は……あると助かるがの……
 冷房を求めてスカイモールに行くことも……あるしの……」


「…………」


あくびはうつるというが、少年の眠気が伝染したのか、ナイも眠そうだ。
まだギリギリ意識はあるようだが。


「……!」

「…………」


寝落ちしかけた時にガクッとなって一瞬覚醒する感じの動きをしている。

601七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 23:55:55
>>600

「お店だとゆっくりできないこともありますし、気が向いたときでもどうぞ」

――放置児童、ネグレクト…。
――放っておけないけど、あんまりつっこんで嫌がられてもよくないし…。

「ナイちゃんも寝ますか?
 一抹くんと同じベッドになっちゃうけど…」

 眠そうなナイを見て七篠はベッドを勧める。

602ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/02(金) 00:10:32
>>601

「だい……じょうぶじゃ」

「ななしの……せんぱちゃ……が
 寝るばしょなくなって……じゃろ?」

「……ましまろ……?」


何か遠慮していたようだが、
最後には完全に関係無い寝言になり、そのまま意識を失った。
まあ、夜に七篠がベッドが必要になる頃には起きて帰っていくかもしれない。

そして後には食べかけの駄菓子やらケーキやらが大量に残されたのだった。

603七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/02(金) 00:35:02
>>602

「寝ちゃった…」

――外国人の子供が二人、寮のベッドで寝てるのってなんだか変な感じ。

 七篠は二人にブランケットをかけ直してから、ちゃぶ台の上を片づけ始めた。
 駄菓子はともかく、ケーキやムースは冷やしておかないといけないだろう。

「あ、そうだ。ついでに晩御飯作っちゃお」

 そうつぶやくと二人に書き置きを残し、冷蔵庫のある寮の台所に向かった。
 灯りが落とされた部屋では寝息とすこしの寝言だけが響いていた。

┌───────────────┐
│                      .│
│  今日の晩御飯はカレーです    │
│                      .│
└───────────────┘

604赤月『サクソン』:2021/07/02(金) 22:24:32

「・・・・・・・。」

夜の学生寮・・・・談話室にあるソファに中学生が一人座っていた
まだ着替えていないせいか、服装は制服のままである
そして・・・その左腕には仰々しいほどの『包帯』が巻き付けられている

(『サクソン』の能力のおかげで『監視者』の存在がわかるようになったとはいえ、
 流石に無理をし過ぎたか・・・・痛みが続き過ぎて、これでは能力の発動がわからない
 『自傷』による『探知』は程々にして・・・・  痛ッ!?)

「くっ! 左手が・・・・! 左手が疼く・・・・!」

左手を握りしめ、言葉を発する
また、少女の目の前・・・・卓上には数十本単位でボールペンが置かれていた

605一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/02(金) 23:58:30
>>604
「うん…うん…七篠先輩のお部屋に泊まっていきます
 落ちてきた硝子の破片で打撲を…えっ、無理がある?」

「一年前から私は強くなったから平気なのですよ。
 じゃあね、切りますよ。しつこいと義母に言います」

廊下から『チラシ』を片手に少年が現れる。
外泊許可を得た少年は『チラシ』を目立つ場所に貼るらしい。

       ○月×日△時頃
    □□□ビル付近で通り魔事件発生
     犯人は身長160cm前後の若い女
       素顔を隠して行動している
       見かけた者は注意されたし
    追記:後日、湖畔にて出没。撃退。
    長距離型? 手足を切断済み。DF無し?

貼りに来たのだが身長が低すぎて貼る場所に悩み始めた。
小学生か、中1っぽいが行動力はあるらしい。

606赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 00:09:22
>>605

「うん・・・・?」

ふと、廊下の方を見ると一人の少年が『チラシ』を張る場所に苦労している様子であった
ソファから立ち上がり、少年の所へと向かう

「こんな夜分に熱心な事だ
 何のチラシかはわからないが、一つ、私に手伝わせてくれ」

こちらの身長は中学生の割に比較的高く、160cmある
頭一つ分高い位置から、ひょいっと『チラシ』を取り、丁度いい場所を探そうとするが・・・・

「む? これは・・・・ ・・・・・ッ!?
 君! この『チラシ』はいったい誰から受け取ったんだ!?」

『チラシ』の内容を読むや否や、驚きに満ちた表情で一抹を問い詰める

607一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 00:27:49
>>606
「お、大きい…! 散歩してたら通り魔に遭遇して撃退
 した後に寮まで帰る途中に拾いました」

「歓楽街の空からパラパラと沢山降ってきたもので…
 倒した後に配られても困っちゃいますね。
 おそらく本体は生きてると思いますが追記しました」

追記の部分は少年が鉛筆で書いたらしいが物騒な内容だ。
謎のスタンドの『チラシ』は多く配られたらしい。
よく見ると外国人らしき少年は手足に『絆創膏』を貼っている。

「落ち着いて落ち着いて。『インダルジェンス』」

『インダルジェンス』を発現して赤月の手を握る。
『悪感情』は『鎮静』されて落ち着いた気分になるだろう。

608赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 00:44:47
>>607

(この『チラシ』に書かれている情報は、『襲撃者』のものだ
 そして・・・・こんな情報を得られる人間なんて、私以外には『監視者』しかいない!)

「どういう事だ・・・・?」

思わず、疑念が口について出てしまう
『襲撃者』と『監視者』は同じ『アリーナ』の人間であり、共犯だと思っていた
しかし、この『チラシ』の内容は・・・・緩やかに両者が敵対関係にある事を示している

「それにしても、君は一体・・・・?
 ・・・・・ハッ!?」

頭に浮かんでいた疑念のせいで『インダルジェンス』の出現に気づかなかった
次の瞬間に、少年のスタンドが赤月の手を握りしめる

まずは表層的な感情・・・・『驚き』と『不安』が『抑制』され、落ち着いた気分になる
すぐに手を振り払わなくてもいいや、と思うくらいに・・・・そして

「あ・・・・  あああ・・・・!」

心の奥で・・・・『何か』が摩耗する感覚を覚える
『インダルジェンス』の『抑制』はあくまでも表層の『悪感情』を消すものである・・・
心の奥深くに眠る『あの感情』を『抑制』することは出来ない

だが・・・・心の奥にこびり付いた『あの感情』の表面を優しく撫でられるような・・・・
そんな感覚を覚えた時、赤月の身体は突発的に動いた!

「やめろッ!」

トレンチコートを着た人型のスタンド『サクソン』を発現!
『インダルジェンス』の手を払い、本体は真後ろに跳躍した

「何が目的だ・・・・君は!」

『感情』に触れられる恐ろしさを今更になって覚え、息を荒げる

609一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 01:06:23
>>608
「あの、落ち着いてくれませんか?
 私の『インダルジェンス』の能力は『悪感情』の
『鎮静』。失敗した様子ですが…」

「お役に立てなかったようです。すみません」

ペコリと小さな頭を赤月に下げる。
別に隙を突かれても良いのか隙だらけだ。

「騒ぐと他の先輩たちに〆られるので静かに。
 なんか纏うタイプ多いですね…」

「それにしても『チラシ』のスタンドは敵だらけ。
 消滅の間際に『エクリプス』所属っぽいことを…
 あれは『本体』を仕留めないと無駄ですね。
 きっと、スタンドが『本体』を演じる能力…」

一抹も本気で戦うとなれば、食らいつけるが感情の火薬が足りないと眠気が勝つ。
度胸があるのかスタンドも解除されている。

610赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 01:25:04
>>609

「余計な事だ・・・! 私のこの『想い』が『悪』である事は否定しない
 だが・・・・だが、決して消させはしない!」

目の前の少年の語る言葉は、恐らく彼にとっては善意の言葉なのだろう
しかし、『悪感情』にこそ、自身の存在基盤を持つ赤月にとっては
その少年の語る言葉は無自覚な死の宣告に過ぎない

「恐ろしい能力だ・・・君のその『インダルジェンス』とやらは
 私は・・・『悪感情』を消される時、恐ろしさを感じなかった!
 心地いいとさえ思ってしまった!」

『インダルジェンス』が消えた後も、警戒態勢は解かない
一抹から一定の位置を保ち、臨戦状態を維持する

「この『怒り』の風化こそが、私にとって最も恐れる事だというのに!」

611一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 02:17:08
>>610
「その反応、不審者の本体らしき存在が見せたものです
『悪感情』を『鎮静』されては困るみたいな…?」

「私も戦ってる途中に怒りを力としますが怒鳴り散らす
 のと一瞬の爆発力に使うのでは効率が違う」

「さては復讐者さんですね? 怒りがアイデンティティってことは…」

斑鳩先輩とか纏うタイプは情緒不安定なのが多い。
感情の燃費が非常に悪い。

「私は親殺し希望者ですが『鎮静』など一瞬のものです。 怒りの火は決して消えない。僅かな火種から一気に
 燃え盛るものですよ」

「この程度の力を恐れてはなりません。本当に恐ろしい
 のは自分の力の弱さ。おどおどしちゃ駄目です!」

生まれて12歳。今まで『殺意』と『憎悪』に身を焼かれてきた一抹は『仲間』を見つけて少し嬉しかった。
淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳に『憎悪』の業火を宿す。

「私たちは『お友達』です。復讐者の!」

『鎮静』の力を持ちながら『復讐』を否定しない。
『慈悲』とは様々な面を持つ。ヤバい一面も当然のように持ち合わせる。

「『怒り』が『悪感情』で結構! なよなよは駄目です!」

612赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 09:43:09
>>611

>「私は親殺し希望者ですが『鎮静』など一瞬のものです。 怒りの火は決して消えない。僅かな火種から一気に
> 燃え盛るものですよ」

「・・・・・・ッ!!」

途中まで、なんだこの少年は、というような態度で話を聞いていたが、
一抹のその言葉を聞いた瞬間に、逆鱗に触れてしまったかのように表情が一変した

「お前・・・・親を、『家族』を殺すというのか・・・・!?」

赤月にとっては『家族』とは奪われた世界そのものであった・・・

だからこそ、そんな言葉を口にする一抹に対して、
理解できない『怪物』を見るかのような視線で睨付けているのだ

「ふざけるな! お前に『友達』だなんて呼ばれたくもない」

距離を取り、『サクソン』を一度、解除する
そして、『サクソンのトレンチコート』だけを着込むように再発現した
右手に『チラシ』を握りしめる

「選べ! 口を噤んでこの場から去るか!
 それとも、ここで私と戦うか!」

激情に任せて、熱を持った言葉が口を衝く

613一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 11:15:01
>>612
「ちょっと談話室は不味いですよ…
 近くの何処かでやりましょう」

「何か良い感じに人気の無い場所とか…」

常にバーサーク斑鳩先輩のような彼女を放ってはおけない。戦って互いに見えてくるものもありそうだ。

(野バトルを承認したいのですが判定が上手く出来る気が
しないのでGMを募集してよろしいでしょうか?)

614赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 12:25:59
>>613

「そうだな・・・・『裏庭』に行こう」

確かにこの場所でやり合えば、無関係の人間も巻き込まれるかもしれない
『裏庭』での勝負を提案する

そして、行く前にテーブルの上のボールペンを3本掴んで、
『トレンチコート』のポケットに入れておく

そして・・・・
【戦】『スタンドバトルスレッド』 その1
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049803/448-

(了解しました では、スレを移動した後、後日GMが見つかった後に再開でいかがでしょう?
 個人的にはいけるところまではセルフジャッジでもいいかとも思っていましたが、お任せします)

615一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 12:50:36
>>614
「もし、私に勝ったら襲撃者の本体のヒントを与えますよ!」

ボールペンを取る赤月の不思議な行動に首を傾げるが『リコーダー』と『縄跳び』を手に、彼女の後を追って『裏庭』に向かう

『学生寮』から『裏庭』へ移動。

616飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 18:11:47
薄手のパジャマ姿の少女――飯田が共有スペースにいる。
どうやら髪を乾かしているようで、濡れて暗い茶色になった髪を背中に垂らしている。
しっかりと暖まった身体はほんのりと紅潮していて、普段とは違う装いもあいまって見知った相手でも別人のように思えるかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーー

ゴォオオオ…!

「お風呂って気持ちいいんだけど、髪乾かすのって面倒だよね…。
 髪の毛細いからすぐ痛んじゃうし…」

617ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 22:45:04
>>616

この寮の風呂事情はどうなっているのだろうか。
個室ごとに浴室があるのだろうけど、大浴場とかそういうのがあったりするのか。
わからないが……


「こういう場合、風呂上りには牛乳を飲むんじゃったか。
 出せんが……というかあんまり飲んだ記憶無いの、牛乳って」


なんかビショビショの小さいのが現れた。
どこかの部屋の主に風呂に入らせてもらったのか、勝手に入ったのか知らないが、同じく風呂上りなのだろう。
迷惑なことに、髪からポタポタ水滴が床に落ちていた。


   わしゃしゃしゃしゃ


一応拭く気はあるようで、持っていたリュックから取り出した、あんまり水分を吸わなさそうな布(ひざ掛け)で、
濡れた犬を拭くような勢いでぬぐい始める。

618飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:01:31
>>617

「わっ!えっと、だ、大丈夫!?」

ちっちゃい子…小学生くらいかな…?
びしょびしょ…このままじゃ湯冷めして風邪引いちゃいそう…。
さっきまで私が使ってたバスタオルだけど、使ってる膝掛けよりかは水を吸ってくれるかな…。

「こっち来れる…? 拭いてあげるから」

私は一度ドライヤーを置いてその子の近くに行って拭いてあげようとする。
共同浴室に予備のタオルとかないかな…。

619ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 23:14:09
>>618

小学校だとしても低学年だろう外見。
普通に考えたら寮の住民ではない。


「なんじゃ? 大丈夫じゃが?」


怪我人を見たときのようなリアクションをされても、
子供自身は別に痛くも痒くも無いので急に話しかけられて不思議そうにしているだけだ。


「自分で拭けるんじゃが……」


談話室にドライヤーを持ち込むのは私物だろうが、
言われてみれば共同浴場があるなら備え付けタオルもあるだろう。
単に知らなかったのか気づかなかったのか、この子供は持ってきていないようだが。

自分で拭けると言いつつも、かといって抵抗するほどでもないと思ったのか、のこのこと近づいていく。

620飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:24:08
>>619

「ごめんね、すごくびしょびしょだから心配で。
 タオルドライしっかりしないと風邪引いちゃうよ」

私はそう言いながらこっちに来てくれた子を拭いてあげる。
近付くと白に近い金髪に露が伝って、なんとも神秘的な……女の子…だよね?
服を着てるなら服もびしょびしょになってないかな…。

「えっと…ここの子じゃ…ないよね?
 誰かお兄さんかお姉さんのところに来たの?」

もしかしたら迷子かもしれない。

621ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 23:36:42
>>620

子供の髪は柔らかい。
先ほどの光景を見た限り手入れは乱暴のようだが、
幼さゆえにか、特に傷んだ様子は無い。


「そうだったのか……心配をかけたようじゃの」


この年齢だとそう性差は無いが、女の子だろう。髪も長い。
服装は、夏だからか大き目のシャツを一枚着ているだけで、
確かに見て見れば多少濡れているようだった。
シャツの下には何も来ていないのかうっすら肌の色が透けている。


「いや……うーむ……まあ、そんなところじゃ。
 ここに来るまでに濡れたのでな、うろついてたらいい感じの湯があったので入ってしまった」


そもそも風呂に入る前から濡れていたらしい。
梅雨の時期だ。いつ雨が降ってもおかしくはない。

622飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:50:45
>>621

「勝手に心配しちゃっただけだから」

私は髪を拭きながら言葉を漏らした。
髪質は柔らかで、しっかりドライヤーをかければふんわりと仕上がりそう。きっと可愛い。

よくよく見るとこの子の服はシャツ一枚で…いくら小さい子だからってちょっと問題がありそうな気がする。
世の中には幼い子供にしかいろいろできない変な人もいるらしいし…このままにしていられない。

「そっか、今日雨だったもんね…」
「……えっと、着替え持ってる?
 髪の毛濡れたまま出てきちゃったから服濡れちゃってるし…。
 このままじゃ風邪引いちゃうよ」

すこし、部屋にある服のことを考える。
流石に私の服をそのままは着れないと思う。あ、でも『ロングTシャツ』ならワンピースっぽく着れるかも。

「私の服でよければ、貸してあげようか…?」

623ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 00:07:11
>>622

「ん、服は……『記録』にないの。ふあ」


髪を拭かれて心地よさそうだ。
少し眠そうな声と共に、小さくあくびを漏らした。


「風邪になる?
 それは……確かに困るの。薬の『記録』も無いし……
 いままでは風邪になったことは無かったんじゃが……
 うむむ、迷惑でなければ頼もうかの」


『ロングTシャツ』……まあ、今の服装とそう変わらないだろう。
元々サイズの合わない大人もののシャツを着ているだけのようだ。

624飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 00:19:42
>>623

「迷惑なんかじゃないから大丈夫。私の部屋こっちね」

私はそう言いながらタオルとドライヤーを持って、小さい子の手を引いて部屋に連れて行った。

ベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
勉強机には教科書や勉強用の本、ベッドにはくまのぬいぐるみがある、いつもの私の部屋だ。

収納から『薄桃色のロングTシャツ』を取り出して渡してあげる。

「はい、これどうぞ。着替えてこれる…?
 ……あ、もしかして…下着も、濡れちゃってる…?」

流石に子供サイズの下着はないから…もしそうなら脱いでもらってドライヤーで乾かしてあげよう。

625ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 00:39:33
>>624

握った子供の手は柔らかく、儚いほど小さかった。
それこそ飯田の細腕でも力を込めたら折れてしまいそうだ。


「うむ、すまんの」


子供はその場で着替え始める。
着ているものはシャツ1枚だけだったらしい。一時的に裸になる。
外見的な性差は無いと書いたが、実は男の子という事もなく、ちゃんと女の子だった。


「髪も拭いてもらって世話になったの。
 牛乳は無いが代わりに……これは服と『交換』じゃ。あちち」


と、リュックから取り出したのは『ホットココア缶』だ。熱いらしい。
じめじめしているが、気温自体はそれほどではない。ホットでも飲めないことはないだろう。
まあ、嫌なら冷蔵庫に突っ込んでおいて後で飲めばいいのだし。


「服はええと……後で洗って返すぞ」

626飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 00:47:09
>>625

は、はだか!??
私は驚いてついじっと見ちゃった…。内心謝る。
…流石に…上はともかく下がないのはよくないよね…。
ばい菌が入ったら大変だし…。

私は慌てて収納からまだ開けていない予備の下着と、針と糸を出して下着をその子に履かせてからサイドを縫って縮めようとする。

「ごめんね、ちょっと大きいのしかないから縫っちゃうね」


「ココアありがとう。
 服は返さなくてもいいから、ちゃんと着てね…?」

本当に変な人の餌食になりかねない。
この子の保護者はどこにいるんだろう…。

627ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 01:01:48
>>626

「なんじゃ? うん? 危ないぞ」


突然下着を履かせられて子供は慌てるが、ヘタに動くと針が怖い。
大人しくしている事にしたようだ。
何故かホールドアップして推移を見守る。


「それではわしがちゃんと服を着ておらんようではないか。
 まあ、しかし、わしの服は爺のじゃからの……
 学校行ってる子らとは違うのは気になっておったが」


大き目の服はお爺さんのおさがりらしい。
見るとリュックも、大人ものの大きいサイズだ。
仮にこのサイズのリュックにパンパンにつめたら子供には背負えないだろう。
あと学校には行っていないらしい。

628飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 01:12:40
>>627

「急に縫っちゃってごめんね。でも、女の子なんだから。
 ちゃんと下着は履かないとこわーい男の人に連れてかれちゃうよ?」

急に変なことをしたからびっくりさせちゃったみたい。
でも、流石に女の子を『ノーパン彼シャツ』状態で放置するわけにはいかないし…。

「お爺さんと住んでるの?
 学校に行ってる子とは違うって……もしかして学校行ってないの?」

日本では滅多に見ない髪の色、細い手足、下着も着ていない、びしょ濡れ、学校に行っていない。
これまで目を逸らそうとしていたことがはっきりと浮かんできた、ような気がする。

「……もしかして…困ってることとか、ない?
 私の知り合いに『地域課の巡査』さん…警察の人がいるから、ちょっとお話ししてみない…?」

629ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 01:31:58
>>628

「なんじゃ、通り魔だの『えくりぷす』だの、怖い男だの、ぶっそうな話じゃな。
 なにかごわごわするが、これを着ておけば襲われんというなら、着るがの……
 というわけで、このケーキと『交換』じゃ。良いか?」


何が「というわけ」なのかわからないだろうが、子供の中では自明なのだろう。
リュックから『抹茶ムースケーキ』を取り出して、ちゃぶ台の上に置いた。


「いんや、爺は死んでしまっての。
 学校は行っておらん。
 警察は……なにかバレるとまずいことになるんじゃないかの?
 よく分からんが……テレビとかを見ると……
 別段困っておるというほどのことも無いしの」


日本語に違和感は無いが、金髪は染めているというわけでもなく、地毛だろう。
目の色も青い。普通に考えれば日本人ではない。
詳しい事情はともかく、テレビ由来の漠然としたイメージだが、
警察に目を付けられるとまずいのではないかとは思っているらしい。

630飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 07:17:11
>>629

「よくわからないけど…ちゃんと着てくれるなら『交換』するね」

この子の中の遊びのルール…かなにかかな…?
出しっぱなしはよくないから冷蔵庫の中に入れておく。

……聞けば聞くほど、よくない状態じゃないかな…。
お爺さんは死んでて、警察に知られたらまずいかもしれないって知識だけで今まで避けてすごしてたの…?

「警察に知られても怖くないから大丈夫だよ。
 警察のお兄さんは『市民の安全を守るのが我々の役目』って言ってたし、
 もし知られても、守ってくれるはずだよ」

外国人の子供が保護者を亡くして一人で生きてるよりは警察に保護してもらった方がマシだと思う…。
私は、クソ親父が来て家から出されて『放置子』になった時も保護してもらえなかったけど…。
以前ここに来た桐谷さんはそんな人に見えなかった。

631ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 13:35:46
>>630

「これで下着については心配はなくなったの」


Tシャツをめくって下着を確認している。
どんな下着なんだろうか……
なおこれは、後の場スレ描写の参考にするためであり、セクハラでは無い。
赦して欲しい。


「そうじゃろうか……
 でもドラマじゃと、警察が守るのは、税金を払っていて日本国民だからと言っておったぞ。
 わしは……当てはまらんような……
 これは秘密じゃが、国籍? とかそういうの、無い……ような気がする、多分……」


『市民の安全を守るのが警察の役目』なのだろう。
しかしこの女の子は、自分が市民であるかどうかという時点で自信が無さそうだ。
実際に町に住んではいるのだが、住民票はあるのか? というと、怪しい。


「わしはこの町を離れられん。
 理由は説明できんのじゃが、この町じゃないとダメなんじゃ」


それでも法治国家の警察だ。賄賂と暴力が横行しているとか、そういう腐ったことは無い。
国籍が無いとしてもそう酷い事にはならないだろう。
が、保護されるということは、身柄を委ねるということだ。
もしかしたら町外の施設に預けられるかもしれない。
この子供自身にもよくわからないが――『ベター・ビリーブ・イット』が正常に能力を発揮できるのは『星見町』限定なのだ。

632飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 15:03:48
>>631

「女の子がそんなことしちゃダメだよ!?」

慌ててシャツをめくる彼女を止めた。
決して、中学生にもなって『前にリボンのついた薄桃色の綿パンツ』を私が持っていたことが恥ずかしかったんじゃない。
小さいとはいえ、女の子がそんなことをするのは流石にちょっとよくないかなって…。
(下着の参考資料 これの左右を縫ってすこし縮めたもの ttps://tshop.r10s.jp/mhfield/cabinet/mh/10-2493-454-6.jpg?fitin=720%3A720 )

「国籍がないし、離れられない…?
 そっか、それで『警察にバレるとまずいことになる』んだね…」

私は考え込む。
学校に行ってないのもたぶん『戸籍がない』から行ってないことを怪しまれないのが大きいと思う。

「それなら今度、私が『知り合いの話』ってことで警察に電話かけてみようか?」
「知り合いの子供がお爺さんと住んでたんだけど、
 お爺さんが死んでしまって一人になってしまったんですがけど、
 この街で保護してもらえるところはないですか?」
「こんな感じで話して、もし大丈夫そうなら…えっと、君に伝えるってことで」

話してて気付いた。
そういえば私、名乗ってないしこの子の名前知らない!
ついでに連絡先があるのかもわからない!

633ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 15:17:59
>>632

「男ならよいのか? 女は色々面倒じゃな」


と無意味にへらず口をたたきながらも、素直にTシャツを下した。


「うむ……? 別にわしは今のままで困ってはおらんがの……。
 電気とか水道とか、自動引き落とし? そのまま使えるし、
 電話も、爺を勝手に使っておるが、動くし」


そう言うと、リュックからスマホを取り出す。ちょっとヒビが入っているが、使えるらしい。
色々と心配されているが、そもそも困っていないようだ。
親切心なのだろうが、保護してもらったとして、今より良くなるのか? というと絶対とは言い切れない。
いや、戸籍とか学校とか、将来を考えると今のままというのは良くないのだろうが。


「あ、爺が死んだことがバレると、なにか色々と面倒になると思って、
 庭に埋めておいたんじゃが……これは大丈夫じゃろうか?」


2人しかいない部屋の中で、無意味に耳に近づいて、ヒソヒソ話す様子は、
『凄い秘密だからこうやって話すもの』というようで、微笑ましいかもしれないが、その内容は犯罪だ。

634飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 15:39:17
>>633

「男の子もよくないけど…。
 女の子はそういうことすると怖い男の人に酷いことされちゃうかもしれないからね。
 ちゃんと下ろせて偉いね」

頭を撫でながら話す。
タオルドライだけだったけどもうかなり乾いてるしドライヤーまでは必要なさそうかな?

「今は困ってなくても、お爺ちゃんのお金がなくなっちゃったら電気も水も止まっちゃうよ?」
「お爺ちゃん、埋めてあげたんだね…。
 お墓を作ってあげるのはいいことだよ、偉いね。
 ちなみにお家ってどのあたりかな…?」

こ、子供のしたことだし、死体遺棄でも許してもらえるのかな…?
とりあえずご遺体を確認しないと…。今の時期だと腐って臭いが出てるかもしれない…。

「あ、スマホ持ってるんだね。
 連絡先交換しよっか、私は『飯田咲良(イイダサクラ)』っていうの。
 君の名前は?」

スマホを取り出して交換する。

635ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 15:49:33
>>634

頭を撫でる。柔らかく細い髪質のようだった。
完全に乾いているというわけではないが、気にならない程度だ。


「うむ。じゃから次の家候補を探したりもしておるぞ。
 家は……」


家は湖畔近く……町はずれの方にあるようだ。
少なくとも庭はあるらしいので、一軒家なのだろう。


「わしはユキシラとか、ナイとか……そんな感じで呼ばれることもあるの」


交換した連絡先によると、『雪白 権六郎』というらしい。
これは本来の所有者である爺とやらのデータだろう。

636飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 16:00:59
>>635

「おうちはあっちの方なんだね。
 今度寄らせてもらってもいい?」
「次のおうちかぁ…。おうちって借りるの難しそうだね…。
 子供だとどうやっても契約できないだろうし…」

考え込む、やっぱり無理っぽい?
次のおうちを見つけたくても、基本的にこんな小さい子に家を貸す人はいない。
家出人だと思われて通報されちゃうのがオチ…。

「ナイちゃん…ナイちゃん、時々ここに泊まりに来ていいよ?
 おうちだとひとりでしょう…?」

このなんとも危なっかしい生活をしてそうな子の予備の家になった方が安心かもしれない。
たぶん洗濯とかもできてないだろうし…ホームレス一歩手前…。

637ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 16:23:52
>>636

「まあ、よいが……結構うろうろしておるんで、居るからはわからんがの」


家は教えたものの、あまり歓迎していない声色だった。
死体を埋めた家だ。出来れば来てほしくないのかもしれない。


「おお、そう言ってもらうのは2度目……3度目? じゃ。
 ここのな……七篠先輩ちゃんにも、入って良いと言わておるんじゃ。
 爺の家には冷房が無いからの。
 知っておるか? 七篠先輩ちゃん」


そんな事を言いながら鍵を取り出す。
その鍵の部屋番号に見覚えは……あるのだろうか?
同じ寮なのだから、別に知り合いでも全然不思議ではないだろう。
それ以上の関係などこの子供が知る由も無い。

638飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 16:34:07
>>637

「『七篠』…!?
 え、えっと、待てよ私…。もしかしたら同じ名字の別人かもしれないし…」

私は早鐘を打つ心臓に手を当てて、深呼吸をする。
私の『腹違い』の『お姉ちゃん』。私がここに来た理由。追いついて、追い越したい相手。

「えっと、七篠先輩『ちゃん』ってことは…女の人…で合ってる?
 私より年上の、ちょっと背が高くて焦げ茶っぽい髪の…」

『七篠』はかなり珍しい名字でそうそう同じ名字の人はいないと思うけど、念のため確認してみる。
さっきまでのナイちゃんのおうちの問題は、私の頭の中からすっ飛んでた。

639ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 16:47:21
>>638

「ん?」


知り合いでは無いが、見知らぬわけでもなさそうな、妙な反応に首をかしげる。


「うむ。女の人じゃ。年上……? かどうかは……わからんが、
 髪も……まあ、そんな感じじゃったと思うが……」


どうもふわふわした返答が続く。
自分より年上だと全員お姉さんという認識なのか、
見た目で年齢を察するスキルがあまりないのかもしれない。


「よくわからんが、同じ苗字の知り合いがいる、というコトかの?
 七篠先輩ちゃんは、名前は……ユズリハと言っておったと思うが……」


特徴はハッキリ答えられなかったが、名前は憶えていたらしい。
背丈や髪色は変化する可能性があるが、それより名前の方が明白だろう。

640飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:09:45
>>639

「『ユズリハ』…!??」

「そ、そうなの。
 私の『知り合い』でここに越してきてるのは知ってたから…ちょっとびっくりしちゃって…」

『七篠譲葉』が『お姉ちゃん』であるということ。
そう話してもこの子にはぴんとこないことかもしれない。だから敢えて知り合いだって言ってみた。
性的なことを理解してそうにないこの子に『腹違い』なんて説明できる気が私にはしなかった。

「ちょっと、鍵をしっかり見せてね」

手にとって部屋番号を覚える。
……織姫様、彦星様、ありがとうございます。まさかこんな早く叶うなんて…。

 ┌───────────────┐
─│ お姉ちゃんに、会えますように │
 └───────────────┘

641ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:17:58
>>640

「ほう、そうじゃったか」


素直に鍵を渡す。
ここまでの飯田の態度もあり、警戒心はゆるゆるのようだ。


「では今から行ってみるか? おるかもしれん。
 いなくとも、合鍵があるということは、いつでも入ってよいということじゃし」


むん、と腕を組んで頷く子供。
そもそも常識がゆるゆるなのかもしれない。
少なくとも、まともな教育を受けていないのは確実だ。

642飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:23:37
>>641

「い、今…!?
 でも、『善は急げ』って言うし…」

流石に合い鍵で勝手に入るのはよくないけど、部屋に行って確かめるのなら…いいよね…?
確認した合い鍵をナイちゃんに返しながら立ち上がる。

「……行ってみよっか。」

643ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:30:08
>>642

「うむ」


飯田の部屋を出て、
ぺたぺたと小さな素足が音を立てながら進む。


「やっぱり廊下はちょっと暑いの。
 いるじゃろうか?
 いなかったら冷房が効くまで時間がかかってしまうの」


のんきな事を言いながら、あっという間に『七篠譲葉』の部屋の前だ。
徒歩数分もかからない。同じ建物内なので当然だが。


「おるかー?」

644飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:39:14
>>643

ナイちゃんの声と同時にノックをしてみる。
心臓の音が早くなるのがわかる。

…。
……。
………。

へんじがない。

「る、留守みたいだね。
 どこかに出掛けてるのかな…。それとも…お風呂とか…」

ちょっと早口になりながらナイちゃんに声をかける。
会いたいけど、久しぶりすぎてなんだか会いたくない気持ちもあるみたいで…。
このもやもやは…なんなんだろう…。

645<削除>:<削除>
<削除>

646ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:48:14
>>644

「入らんのか?」


不思議そうに首をかしげる子供。
飯田の葛藤など知る由も無い。


「わしは……どうしようかの。
 まだ雨は降っておるか……」


ナイは別段、部屋に入る事に躊躇は無いらしい。
まだ雨は降っているとなれば、濡れて帰るということもない。
となれば、七篠の部屋で休むのだろうか。
その場合、帰ってきた部屋の主に、今日あった事を話したりするのかもしれない。

あるいは飯田が誘えば飯田の部屋に泊まっていくだろう。

647飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:59:25
>>646

「ちょっと、躊躇っちゃって…」

場所は確認した。
また来たら…今度は会えるかもしれないし…会えないかもしれない。

「ナイちゃん、もしよかったら私の部屋に止まっていく?
 狭いかもだけど、ぎりぎり二人寝れるかなって」

ナイちゃんに簡単な女の子向けの防犯について教えることを心に決めて、部屋に戻ることにした。

648ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 18:08:55
>>647

「ふうむ?」


子供には世の中のことは理解できない事が沢山だ。
不思議そうな顔をしたものの、いちいち追及はしなかった。


「うむ?
 ではお言葉に甘えようかの」


ナイに誘いを断る理由は無い。
小さな手が飯田の指を掴んで、2人は連れ立って部屋へ戻っていったのだった。

649七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 09:52:11
> 「おるかー?」
>        コンコン

 …。
 ……。
 ………。

 その日、七篠は本当は部屋にいた。
 明かりもつけず、布団にくるまり部屋で一人、耳を離れない『野太い声援』と戦っていた。
 男の下卑た声が耳を離れず、そんな場所で年下の男の子が戦っていたのを見たショックで誰とも会いたくないようだった。

――男の人って、ああいうのが好きなの…?

 七篠はあの『アリーナ』の送迎の女性から『男性常連選手』が来ると聞いたことを思い出す。

――12歳の、一抹くんですらあんなことを期待されるようなところなんだから…。
――もし…何度も来てる、大人の男の人だったら…。

 七篠の知識は少ない。せいぜい『少女マンガ』程度だ。
 そんな16歳の少女にはショックが強かった。
 新たに生まれたこの『トラウマ』に七篠は立ち向かえるのか。

              ――to be continued.

650石動織夏『パイオニアーズ・オーバーC』【中3】:2021/07/13(火) 10:16:29
> 「おるかー?」

「む、誰かが俺を呼んでいる」

シャチのヒレのような頭をした少年が寮の前を通りがかった。オルカくんだ。

「……気のせいか」

そのまま通り過ぎていった。彼は寮住まいではなく、実家住まいなのだ。

651一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 14:32:16
>>649
「七篠先輩! 帰って来ましたよ!」

四回のノック後に合鍵で七篠先輩の部屋に侵入する。
どうせ、怒られるなら好き勝手するのが一抹だ。
インド風の伸びるアイスを手に七篠先輩に歩み寄る。

「冷房付けますねー」

652七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 14:45:47
>>651

 ドアの開く音に布団に籠もった七篠がびくっと震えた。小さく衣擦れの音がする。
 続く一抹の声にガバッと布団から出て一抹の元まで駆け寄り確認する。

――怪我…してない!

「い、一抹くん…!?
 あれ、さっきの試合で怪我して入院したんじゃ…?」

 七篠は訝しむ。
 合鍵を渡している相手だから帰ってくるのはおかしくないが、軽傷とはいえ入院した相手がこんなに早く帰ってくるのはおかしいと思っているようだ。

653一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 14:58:50
>>652
「前に教えたじゃないですか。秘密の『第五外科』
 お金を万単位で支払えば、如何なる傷も治せます」

「ただし、『夢』の中で受けた霊障なるものは不可。
 それのせいで私は『夢』を見れません」

トルコ風アイスを七篠先輩に渡して自分の分を混ぜて
遊び始める。
12歳の多感さの欠片もなく好き勝手にする。

「さては七篠先輩、最中派の試合を見てヘタレてました
 ね? 七篠先輩は分かりやすいです」

654七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 15:08:46
>>653

「そういえば…聞いたような…?
 でも、一抹くん、『オジロ』の時はしっかり一週間入院してましたよね…?
 あ、もしかして学校サボる口実に…!?」

「夢が見れなくなる、ぞっとしますね…」

 七篠は見様見真似でトルコ風アイスを混ぜ始める。食べたことがないようでひたすら混ぜている。

「へ、へたれ…。
 そうかもしれませんけど…。
 むしろ一抹くんはなんにも思わないんですか…? その…」

 七篠はあまりにいつも通りの一抹の姿にすこしばかり呆気にとられているようだった。

655一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 15:38:53
>>654
「七篠先輩は襲われる側だから怖いですよね。
 私も二回拉致されたり命を狙われること数回。
 甲乙つけがたい悩みです」

「ちなみに『オボロ』の時は純粋に忘れてました。
 今回は七篠先輩がヘタレてそうだから早目にです」

殺し合いに慣れた一抹も人の内心を察する感性はある。
頼りないスタンド使い後輩のために『十万』程度は安いものだ。

「生まれたての私はゴミ袋に入れられて捨てられてました。そこを義父母に拾われたわけですが見た目と教会暮らしが祟って迫害されるように…」

「つまり、殴られ慣れてるから何が来ても怖くありません。聖職者の息子だから炊き出しをしたり路上で苦しみ抜いた末の孤独死とか見てるので…」

幼少期から『死』は当たり前のように転がっていた。
懺悔室で富める者や病める者の後悔も山ほど聞いた。
大切なものは祖父母ぐらいしかない。

「私にとって怖いのは誰にも必要とされず役にも立てず
 無意味に死んでしまうこと」

「七篠先輩は平常運転で良いんですよ。
 そっちの方がおも…可愛らしいですから!」

『インダルジェンス』を出して七篠先輩の肩に触れさせて『鎮静』を発動。
今回はちょっと刺激が強すぎたのかもしれない。

「アイス食べたら一緒に寝ましょうね!」

656七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 16:22:34
>>655

「そう…ですね…。
 いや、流石に男の人に襲われた経験はないので…。
 拉致されたり死にかけている一抹くんの方が大変だと思います…」

 七篠は年下の先輩に想定以上にハードな経験が多いことと、どうやらこれは慰めらしいと理解して微笑んだ。
 どうやら『鎮静』が効いたようで穏やかな表情をしている。

「大丈夫ですよ、一抹くん。
 私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
 ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

「……一抹くん? もしかして『面白い』って言いかけましたか?
 酷いです!」

 七篠はすこし怒るようなポーズを取る。
 もちろん『鎮静』されているので怒ってはいない。これはあくまで怒ったフリのようだ。
 本心を話したことを誤魔化そうとしてるのかもしれない。


 七篠のアイスは練りすぎてもはや伸びるどころか溶けつつある。ストローで吸えそうだ。

――『ウツギ』が作れれば、ストローみたいに使えるのに…。

 七篠は『落葉広葉樹』のことを考えながら、どうにかしてアイスを食べ進めた。

657一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 16:55:42
>>656
「と、言っても七篠先輩の方が強いのですが…
 そこは私が上手いこと『枝』を使いますね」

「スタンド使いも死ぬ時は死ぬから運次第ですね。
 死なないために戦闘センスを磨く努力をしないと」

『インダルジェンス』で自分の口元にトルコ風アイスを運びながら『鎮静』を続ける。

「まぁまぁ怒らずに。可愛らしいということで。
 どんどん食べて肥えてくださいね!」 

「さぁさぁ、七篠先輩は疲れてるのです。
 ベッドで寝て精神的に回復しましょう」

アイスを食べ終えたら七篠先輩をスタンドで持ち上げてベッドにポイして寝かせる。
上手いこと『鎮静』が効いて眠ってくれるだろう。

658七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 17:20:20
>>657

「私なんて、全然強くないですよ。
 『オジロ』の時から一抹くんに頼りっぱなしです」
「戦闘センス…。練習あるのみですね」

「もう! やっぱり私を肥えさせようとしてたんですね!」

 七篠は怒ったフリを続けながら『リルトランク』を発現させて『インダルジェンス』に抵抗を試みる。
 …が、能力差で『リルトランク』も引きずられていった。
(『リルトランク』パD 『インダルジェンス』パB)

「……一抹くんも、一緒に寝るんでしょう…?
 今日は疲れたでしょうし…」

 横にさせられた七篠は掛け布団を軽く持ち上げ、一抹に中に入るように促す。
 『男性への恐怖』という悪感情が『鎮静』されているからか、それとも一抹が最中の『アリーナ』で行為に至らなかったからか。
 七篠は変わらず一抹のことを『恐れるべき異性』とは認識していないようだった。

――……一抹くん、すぐいなくなっちゃいそうだから『木の枝』で手錠みたいにできないかな…。
――でも『インダルジェンス』がいると『枝』折られちゃうし…。

659一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 18:05:43
>>658
「大丈夫。血を流せば良くないものは出て痩せますよ!」

「抵抗力がよ、弱い…どっこいしょ…」

失礼な事を言いつつ『インダルジェンス』で七篠先輩をベッドにポイする。
『リルトランク』の非力さに寄らば、絶対に負傷不可避な技の必要性を感じる。
既にナイちゃんさんが有効活用しているかもしれないが…

「ここ最近は轢かれたり不審者を斬って赤メッシュさん
 と決闘しかけたり、最中に捕まって戦ったりと休む
 暇も無かったので隣に失礼します!」

「『インダルジェンス』で良い夢を…!」

遠慮なく隣に侵入して『鎮静』を自動発動させたまま寝る。
私は『夢』を見れないが七篠先輩は『鎮静』によって余計な要素の省かれた理想的な夢を見るだろう。

「後で、抜け出して『音仙』のところに行かなきゃ…」

660七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 18:19:31
>>659

 七篠は一抹を抱き枕にしていい夢を見たらしい。

              今度こそ to be continued.

661うわさばなし:2021/07/13(火) 23:06:34
どこかで、2人の学生が言葉を交わしている。

「なあ、オタクに優しいギャルって実在すると思うか?」
「おめー、頭が平成初期のおっさんか? リア充オタクなんて今時普通だ。漫研の男どもは大半ワンピ全巻持ってるガチ勢なくせに彼女持ちも珍しくねー。それも、スクカ上位のな」
「じゃあ、根暗はどうよ」 
「あー、それアメ研? アメコミ同好会のオタクくんと……」
「正解、できてるって噂のギャルだよ……まだらの……」

まだらと口にした少年は、僅かに声を細めて言葉を続けた。

「パパ活やってるって噂の……」

パパ活――売春の隠語を耳にしたもう一人の少年は、呆れた顔をした。

「ツラのいい女の外見が派手ならパパ活? ちょっとおめーの良識疑うぜ。ないのは知ってるけどな」
「外見だけじゃねーよ! あの金遣いだよ!」

片方は興奮し、声を荒げる――もうひとりはうるさそうに顔を顰めた。

「カスみてーな金しか降りねーから、使うもんは自腹で買うのが同好会だ、いいか、あのまだら、出てる邦訳アメコミ『全部』買って『同好会』に寄付してんだぞ 安くても二千円の本だぞ? 毎月いくら飛ぶと……」
「バイトでもしてんじゃねーの」
「そんなキャラじゃねーよ。一人称あーしの女をどこが雇うんだよ」
「キャラ立ってるし、遊園地じゃね?、ほ?し?みランドとか、ポ……」

もう一人が二軒目の施設の名前を告げようとしたのを遮って、片方が再び声を潜めた。

「……実は、俺、見たんだよ。まだらがあの風俗ビルに入るの」

風俗ビル――滅びゆく世界の一つ。
いつか、いつかと少年たちが憧れ、時に貯めた金を握りしめて挑む桃源郷。
そのビルに入る女は――大抵が、従業員だ。
 
「ぜってーにフーゾクかパパ活だって! な!!」

興奮を強める一方とは真逆に――もう一人は、溜息を付いた。

「実はな、俺も見たんだよ」
「何を」
「その近くのジャズ喫茶でバイトしてんのな、まだら。オタクくんと」
「は!?」
「俺、場末マニアだからさ。巡るんだよ、銭湯とか、立ち食いそば屋とか。そしたら制服着た2人が駄弁ってんの見た。後で調べたら、ジャズ喫茶と風俗ビルと持ち主が同じだったんだ。おめーが見た時は、まだらは面接でもしにいったんだろ」
「……まじか」
「嘘ついてどーすんだよ。俺にあいつを庇う理由があるか?」

それを懸命に探している様子の少年に、もう一人は言葉を続ける。

「客が来ないの承知で遊びでやってる店だから、給料はかなりいいらしいぜ?、まだらとオタクくんが普段何に金使ってるにしろ、2人の『バイト代』合わせりゃアメコミ買う余裕くらいあんだろ。ウチはバイトありだし、疚しくはねーだろ」

もうひとりの言葉を受けた一方は――がくりと肩を落とした。

「つまんねーの、マジなら割引してもらおうとおもったのに」
「おめー、ホントクズだよな」
「でもダチだろ」
「一応な」

662御影憂『ナハトワハト』:2021/07/16(金) 18:58:42

風呂上り――タオルを頭に巻いて談話室に座っていた。
前髪を上げているため、顔が完全に露出している。
知り合いであっても、誰だか分からない可能性が高い。

         パラ…………

手に持っている雑誌を捲る。
ここに置いてあった星見町のタウン誌だ。
歓楽街周辺の記事を、それとなく眺める。
『ロングヘアの宿命』として髪を乾かすのは容易ではない。
そして、今は『別の問題』も抱えていた。

663円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/17(土) 03:48:03
>>662

「それじゃーまた来るね! バイバーイ!!」

――――知った声が聞こえた。

……少し離れたところから聞こえたそれは、
すぐにその主の足音に変わって近付いて来る。
とにかく、騒がしい存在だった。

制服の上に薄いパーカーを羽織っており、
学校帰りに遊びに来ていたのを伺わせる彼女は、
道順の問題か、談話室の前を通って…………

         じっ

「……あれあれーっ?」

猫のような視線を御影の方に向け、立ち止まった。
普段と異なる装いのためか、まだ気付いてはいない。

664御影憂『ナハトワハト』:2021/07/17(土) 15:58:52
>>663

『別の問題』とは『ドライヤーが壊れた』事である。
ゆえに『タオルドライ』を徹底する他なかったのだ。
しかし、『髪の長さ』ゆえに気の遠くなるような時間が掛かる。
ここで雑誌を読んでいたのは暇潰しのためだった。
『狩場』にしている歓楽街の情報も、
ついでにチェックしておこうという考えもあった。

「………………」

(あ………………ヤバ………………)

雑誌に隠れて様子を窺いつつ、平然とした態度を装う。
だが、内心は『不味い』と感じていた。
苦手な相手だ。
出来れば避けて通りたかったが、既に見られている。
どうするべきか…………。

(『どんな』だったっけ………………)

「えっと――――何ですか?」

自分でも忘れかけていた『素の声』で応じる。
御影憂は『本当の自分』を見せる事を好まない。
それは『弱さ』を見せる事に繋がるからだ。
自分は『恐怖を与える側』であり、
『恐怖する側』であってはならない。
普段の呟くような喋り方は、
ファションやヘアスタイルと同じく、
『恐怖』を煽るための『演出』。
しかし、あまりにも長く続けてきたせいで、
それが身に染み付いてしまっていた。
『元々の声』を出すために、
『演技』をしなければならない程だ。

「私の顔に何か付いてます?」

(今は………………気付かれたくない………………)

外見と相まって『別人』で通せるはずだ…………多分。

665円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 00:00:18
>>664

御影の内心を知ってか……いや、知らずだろう。
しばらくその顔を見ていたが――――

「あはーっ、ごめんネ、勘違い勘違い!
 お顔には何にもついてないでーす。
 あたしの友達に似た人いるから、
 その人が『イメチェン』したのかなーって!」

いずれにせよ見た目だけでなく、
声も違えば、セララも他人だと認識したらしい。

            トコトコ

「ねえねえーっ、それって何の本……ですかー?」

                ストン

「あ! 星見町の本ー? あたしにも見せて見せて!」

が、それがセララを退けるという結果にはならない。
躊躇いない動きで、一つ離れた席に腰を落とした。

別に知らない人なら知らない人で、
談話室にいるなら話しかけて良いと言う考えだった。

666御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 00:47:04
>>665

御影憂の素顔は、特に恐怖を煽るような印象ではない。
『眉根を寄せる癖』のせいで、
いつも困ったような表情をしているように見える。
それだけ見ると、むしろ『恐怖を与えられる側』の顔立ちだ。
顔を隠す最大の理由は『恐怖を与えるため』である。
同時に、『素顔が怖い顔に見えないから』でもあった。

「あ、そうなんですか」

そのまま話を切り上げようとした。
多分『どこかに行くのだろう』と思ったからだ。
しかし、あろう事か隣に座られてしまった。

(あぁ………………)

(セララ………………『こういうヤツ』だった)

心の中で、自分自身の『考えの甘さ』を痛感する。
御影憂と相対する者は、
一度は『恐れ』を抱かなければならないのだ。
初対面から平然と近付いてくる人間など、
決して存在してはならない。

(絶対いつかビビらせてやる………………)

                 (………………『いつか』)

だが――――とりあえず『今』を乗り切らねばならない。

       「はい、いいですよ」

            スッ

そのために『演技』を続ける。
表面上は至って自然な態度を装いながら、
広げた雑誌をセララの前に差し出す。
歓楽街周辺のスポットが紹介されているページだ。
記事の一隅に『ホラーをテーマにした飲み屋』が載っていた。
テーブルに料理を運ぶ女性店員の写真も掲載されている。
格好が『死装束』なのは、この店の趣向らしい。
写っているのは他でもない『御影憂』だった。

667円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 01:12:38
>>666

セララは、その顔に何かを言うでもない。
何も知らないからだ。

「あはーっ、ありがとうございまーす! 失礼しまーす」

              ズイッ

「えーっと、どれどれー。
 わ、大人のお店ばっかりだー。
 あたしも大人になったら行ってみたーい」

身を乗り出して雑誌を見る。
円谷世良楽は誰にでもこんな調子なのだろう。
    
「あ! うそーっ、ねえねえ見て見て……くださーい!
 この人ー! あたしの『友達』が写ってる! あはーっ」

                   ピ

目ざとく『御影』を紙面に見つけると、
その写真を指差して『知らない人』に笑う。

「先輩……あ、先輩ですよねー?
 あのねあのね、この人に似てると思ったんですよ! すごい偶然ー!
 んー、でもでも、こーやってみると全然違うかも! 髪型とか……」

違う訳はないのだが……雑誌で見る仕事中の人間と、
直接見るオフの人間、しかも装いが違えば、そう思うのも不思議はない。

668御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 01:47:19
>>667

御影の写真が使われたのは、
『最も雰囲気に合っていた』からだった。

「え、うん――――」

「『すごい偶然』――――」

「――――だね」

言う言葉が思いつかず、ただ相手の言葉を繰り返した。
『バイト先』の記事が載っていたのは予想外だった。
そういえば、少し前に『取材』が来ていたような…………。

「『友達』なんだ」

(セララで助かった………………)

「ちょっとだけ似てるかも」

そもそもセララでなければ何の問題もなかったのだが。

「似てる人は『世の中に三人はいる』って言うし」

「『その内の一人』……だったりして……」

相手はセララだ。
よほどドジを踏まない限りバレる事はない。
だが、意味がないと分かっていても、
どうしても焦ってしまう気持ちは否定できない。

「あの――『その人』って、どんな人?」

『何か言わなければならない』と考えた結果、
口から出てきた言葉が『それ』だった。

669円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 02:28:20
>>668

「ねー、ねーっ!あたしもびっくりー!
 同じ顔が3人いるって、『ドッペルゲンガー』でしたっけ。
 この前テレビでやってたかも。会ったら死んじゃうって!
 怖いよねー。先輩気を付けた方がいいですよ、あはははーっ」

ホラーな話題だが、怖れてはいないのだろう。
笑顔のままで写真を見ていたが……

「この人? えっとねー、大学部の先輩で、心理学やってるんだって!
 カッコいいですよねー心理学って!
 ほらほら、メンタリストってやつですよ! テレビに出てくる!」

以前にも聞いた事のある事を言うのは、
セララが特に心理学に詳しくないから、
それしか言える事が無いのだろう。

「それでね、すっごい面白くってさー。良い人でー。
 ファッションちょっと変わってるけど、おしゃれですし。
 あとあと、迷子の子を助けてあげたりとかするし!
 あたしのことも、いつも優しくしてくれるんですよー。あはーっ」

他意はどこにも存在しない。

           「お菓子くれたりとか、お話聞いてくれたりとか、
            あたしがいないとこで褒めてくれたりとか」

「すっごい大事なお友達ー。他の友達のみんなも、同じくらい大事ですけどネ」

深い響きもない。考えもない。単にそう思ってるからそう言ったのだろう。

670御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 03:07:02
>>669

何しろ相手はセララだ。
褒め言葉など大した意味を持たない。
どうせ考えもなしに言ってる事は分かりきっている。
単なるリップサービスでしかない。
適当に聞き流しておけばいい。

       ソッ…………

だが、何となく顔を背ける。
別に深い意味はない――――はずだ。
ただ、ほんの少し照れくさくなっただけで。

「そういえば……歓楽街で『通り魔』があったんだって」

しかし、セララは『利用価値』が高い事も事実だ。
こちらが何を聞こうが疑問を抱く事はないし、
呆気ないくらい簡単に誤魔化す事が出来る。
そこが『サクラ』とは違う所だ。
彼女も人を信じやすい方だが、『思慮』がある分だけ、
セララほど動かしやすくはない。
ただ、個人的な感覚だけで言うと、
苦手なセララとの接触は多くしたくないのが本音だが。

「『犯人』は『身長160cm』くらいの『若い女の人』らしいよ」

「気を付けてね」

だが、一応の『仕事』は果たしておく。
『情報の流布』――
『危険なスタンド使い』に対する『プロパガンダ』だ。
戦いにおいて『情報戦』はつきもの。
馬鹿正直に正面からぶつかるだけが戦い方ではない。
『情報』を握っているという事は、
そいつの『首』を抑えている事と同義。
スタンド使いが『一人の人間』に過ぎない以上、
どんな能力を持っていようと、
『身動きを封じる方法』など幾らでもある。
それが御影憂が属する『組織』の戦い方だ。

671円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 03:29:43
>>670

「えー!? 通り魔ー!? こわーい。
 そんなニュース初めて聞きましたよ、先輩って情報通ー!
 でもでも、160cmの人ってたくさんいるし気を付けづらーい!
 130cmとか、190cmくらいあってくれたらよかったのにネ。あはーっ」

疑う事や悩む事はあまりなかったが、
今回については情報が少なすぎた。
当てはまる人間は無限にいるだろう。
とはいえ、だからこそ深刻みはなく、セララは笑う。

             ―♪

「あ! 先輩ごめーん、あたし連絡来たからそろそろ行かなきゃでーす」

          サッ

ポケットに入ったスマートフォンから短い着信が鳴ると、
雑誌から指を離し、椅子からそそくさと立ち上がった。
連絡が来ること自体は、決まっていた事なのだろう。

いずれにせよ、セララは過ぎ去るようだ。

「この後ご飯だからー、パパとママが迎えに来てくれるって!
 あはーっ。ねえねえ、先輩は今日の晩御飯、もう食べました!?
 あたしは今日ねー、お寿司! 楽しみ、楽しみー!」

                「それじゃーまたネ、先輩!
                 あ! 先輩も大学部だと思うし、
                 もしあたしの友達に会ったらよろしくー!」

陽が沈めば夜が来る。髪もじきに乾くだろう。また、御影の時間はやってくる――――

672御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 17:14:20
>>671

『情報』は強力な武器だが、
一度出してしまえばそれで終わり。
今は出すタイミングではない。
今は、まだ。

「いってらっしゃい」

「――――バイバイ」

話の大半を聞き流し、去っていくセララを見送る。
同時に、『乗り切れた』事に密かに安堵した。
何の躊躇もなく正面から踏み込んでくる。
やはり、あの手のタイプは苦手だ。
雑誌を閉じて、テーブルに置く。

      スルゥッ

           バ サ ッ

タオルを解くと、異様に長い前髪が溢れ出し、顔を覆った。

「………………」

     スッ

おもむろに指を髪に通すと、
湿り気を帯びた感触が指先に伝わる。

「まだ………………乾いてない………………」

『夜』までには乾くだろうか。
いっそ、このままというのもいいかもしれない。
新たな『演出』としては悪くない。

(でも………………髪が痛みそう………………)

          ソッ…………

一人になった後、静かに自室へ引き上げていった。

673村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/19(月) 21:44:09
パタパタパタ…
       パタパタパタ…

「こんなもんでいいかな。あとは端から済ませていこうか・・・」

寮の裏庭で『七輪』を複数持ち出し、『炭』を焚いている。

674小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 12:50:49
>>673

「何をなさってるんです? 村田さん……」

別に煙がこちらの開放してる窓に入ってきたわけで無いが、こうも多いと
流石に匂いが来て原稿に文章を埋める手も中断してしまう。

何より、最近は余り夢見が悪いと言うか、何か大事な事を眠りの中に
埋めてるようだが掘り起こす事が出来なく。つまり、簡潔に説明すれば
寝てはいるが、眠った気がせず寝不足に近い感じで目の下にも隈が少し生えてる。

「何かお手伝い出来るなら、しますが……」

少し足がふらつくものの、外靴へ履き替えて村田さんの元に赴く。

「それと、一つ話したい事が村田さんにはあったんです。
電話でなくて、直接ね……」

丁度いい。『あの時』の事について懸念を告げる事にしよう。

675村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 18:02:40
>>674

 「よお、小林か。
 じきにキャンプシーズンだ。スキレットのシーズニングでもしておこうかとな。
 何、大した仕事でもねえ。」

見れば、いくつか鋳鉄製のフライパンが転がっている。

 「奇遇だな。おれもお前にキチッと話を通しておかにゃならんと思っていたところだ。
 大方、この間のゲーセンでのことだろ?
 あの時は余裕がなかったからな。腰据えて諸々喋るには、いい頃合いだ。」

676小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 19:32:33
>>675

「えぇ、話を擦り合わせるのにはね。
電話で相談しようかとも思いましたが、万が一通話を傍受される
可能性を考えれば、こうやって偶然会える時を狙って話し合いたかった」

地面に転がるフライパンを一瞥しつつ、村田氏の隣に立つ。

「私が、あの事件で村田さんが見えない場所にスタンドを飛ばした時
気になるものを見たんです。
――『蝙蝠』
 星見町で、単に生息してるか抜け出したペットの可能性もありますが
確かに、あの時。私は、そちらより自分達を観察する意思を知った」

携行してるマスカットティーから、ビー玉サイズの水槽を発現して
手の中で転がす。無機質なブリキ金魚は手の中で回っている。

「本当なら、私一人でも行方を追うべきだったのでしょうが……如何せん
蝙蝠のスピードと私の能力では地力が競り負ける。
 もう少し違ったアプローチは出来たかも知れませんが……」

あの時、居合わせた違和感について。こちらは告白した。

「村田さんは、どのような話を?」

677村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 19:56:45
>>676

「『蝙蝠』ね…そう珍しい生き物じゃないが、お前がそう言うならそうなんだろう。
 なんにせよ、おれたちのことは向こうに割れてると思っていいだろうな。」

フライパンを一つ拾い上げて炭火にかけ、多めの油を注ぐ。

 「実はな、『刀傷持ち』のスタンド使い…過去に倒したことがあったんだ。
 言っただろ、『チンピラをシメた』って。その時の首魁が『それ』だったって訳だ。」

 「図らずも二度、おれは奴さんの企みを挫いたことになる。そしておそらく、相手も挫かれたことに気づいている。
 となれば、だ。今までと同じ手を打ってくることはないはずだ。」

678小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 20:16:21
>>677

「『刀傷持ち』を……」

つまり、奇しくも。あの時の事件以前から村田さんの運命に絡みついてたのだろう。
その見えぬ相手と彼を繋ぎ合う縁が。

「……私は、私なりに。今回の事件を追ってみようかと思います。
そうすれば……どうも、最近。何か大事な事を忘れていると言う事を
自覚出来始めたんですよ。ですから、思い出せるなら……それがどのような事であれ」

思い出したい。そう村田さんに告白する。

「……私は非力です。リュウカさん達を追い込んだ首謀者と偶然遭遇しても
止める事は出来ないかも知れませんが……それでも、やれる範囲で
出来る事はしてみようと思います」

「その時、手を貸して貰えるのなら。村田さんにも声をかけます。
村田さんも、一人で全てやろうとは思わないでください。
 こんな取り柄の少ない私でも、多少の助力は出来るでしょうから……」ニコッ

679村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 20:49:04
>>678

 「『追うな』と言って聴くわけもないだろうから、一つだけ忠告しておくぞ。
 このヤマは、おれたちが思っているよりはるかに底の知れねぇ話だ。
 なんせ『アリーナ』が手出しをこまねいているワケだからな。」

 「『深追い』はするな。これだけは肝に銘じておけ。
 ・・・文字通りにお前の『骨を拾う』ことになるのはゴメンだぞ、おれは。」

『ゲンマ』と『リュウカ』の顔に深々と走る刀傷を思い出しながら、苦々しく顔をゆがめて言い放つ。
ぶっきらぼうな物言いだが、小林のことを慮っていることはわかるだろう。

 「これは勘だが・・・今まで『黒幕』は見境なく『切って』、端から目覚めさせていたんだろう。
 『ゲンマ』も『リュウカ』も、およそ企みとか闘いに向いた性格をしていなかったからな。
 目覚めさせたスタンド使いたちが起こす事件の物陰に隠れて、何かをしようとしていたはずだ。」

 「だが、それはおれたちが挫いた。だからおそらく、今度からは『切る相手を選ぶ』はずだ。
 闘い、策謀、悪意・・・そういうのに長じた人間を狙って切り、より指向性を持たせて来る。
 なんだかわからんが、『黒幕の企み』を成就させるために。」

徐々に熱され、煙を上げ始めるフライパンと炭火を眺めながら口を開く。

 「もしかしたら、『黒羽』が何か掴むかもしれない。
 独自の情報網をもっているようだから、奴にナシをつけておくのも手かもしれないな。」

680小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 19:25:08
>>679(レス遅れ失礼しました)

>『深追い』はするな。これだけは肝に銘じておけ。
>お前の『骨を拾う』ことになるのはゴメンだぞ

「以前、子供の頃に。手痛い経験は済んでますので、安心して下さい。
村田さんにはご迷惑かけませんから」

忠告が届いてるのか、通じてないのか。依然、小林の微笑は崩れない。

「そうですね、黒羽さんなら。まだ何処かで思わぬ拍子で今回と似た話を
仕入れるかも知れません……まぁ、その時は村田さんの方にも連絡を
入れてくれると思いますよ」

彼女は聡明ですから、そう言葉を終えて。暫く次の話題に頭を巡らせてから
一つ約束していた話題を、村田さんに振る事にした。

「話を大きく変えますけど。今、粗大ゴミでも何でも構いませんか
捨てるのに困ったものとかあります?
 いえ、私の知人がゴミ処理を扱える能力者でして。人の為に役立ちたいと
言う事で適当な相手を探してるんですよ」

村田さんでなくても、知り合いで気軽に困ってる方がいれば引き受けてくれるでしょうと
友人(千草)と交わしていた約束事を彼に告げた。

681村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 21:26:15
>>680

 「・・・まぁ、分かっているならいい。
 当面なにがし波風が立つこともねぇだろうから、おれたちにも牙を研ぐ時間はある。
 『アリーナ』に預けたあいつらにも、時間が必要だろうからな。」

『タツ』はともかく、『ゲンマ』と『リュウカ』は己の牙を研ぐ理由がある。
いずれ彼らの力を借りることになるかもしれないことを考えれば、準備期間は必要だ。

 「『ゴミ』か。おれの『能力』もその辺の処理は得意だから、持て余したモノの覚えはねぇな。
 お前も見ただろうが、あのときやった『爆破』の要領でだいたいのものは・・・」

フライパンに注がれた油を新聞紙にしみ込ませ、『棒化』。
それを炭火で炙ったあと宙へ放り投げ、解除。すると・・・

 ヴォ  ワン!

『火綿』のように急激に発火し、火柱を上げて灰すら残さず消失する。

 「この通りだ。殴って壊すしか能のない力だが、こういうところだけは便利に使わせてもらってる。」

682小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 21:53:36
>>681

「なるほど、あの時の爆発は……この要領でしたのですね」

『ディズィー・スティック』 村田さんの力は今まで目にしたスタンド使い
の中でも卓越している。あり得ないが、彼と自分が戦闘するとして
直接的にぶつかっても数秒で敗北を喫するだろう。これに限っては
村田さんでなくて、別のスタンド使いでも同様の結果だが。

ジェルマン、ブルバックス。どちらに関しても自身一人では太刀打ちする術は
無理だった。前者は居合わせた善意と力を有する二人により。
 後者は手も足も出なかったのが現状だ。

「謙遜せずとも、それだけ突出していれば村田さんは容易に誰かれに
襲われる事があっても逆に相手を返り討ちに出来るじゃないですか。
 逆に、一芸どころか覗き見する以外の用途だと周りに都合の良い道具が
無ければ私は何も出来ませんよ」

微笑を苦笑の形に変えつつ、懐から前もって携行してる飲み物を入れた
『水槽』を取り出す。今日も猛暑に近い

「どれか飲みます? 前もって冷やしてる『麦茶』『ファンタ(グレープ)』
『カルピスソーダ―』が本日のラインナップですよ」

三つの水槽を手の平で転がしつつ、要望を聞いた。

「……私の能力も、液体を内包する以外で何か出来ればいいんですけどね」

683村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 22:53:55
>>682

 「『戦士』に必要な才能と、『詩人』に必要な才能は違う。
 そのくらいのことは、お前が一番よくわかってるんじゃねえのか。」

 「少なくとも、あの戦いでお前はお前にしかできないことをした筈だ。
 伴ってなかったのは力の大小じゃない。お前の『覚悟』の問題だ。違うか?
 あの瞬間、おれとお前の間に決定的な差があったとすれば、目的のためには妥協しない『覚悟』だけだ。」

先の戦いを思い出す。小林は敵を打倒する意思に欠けていた。
『リュウカ』にずいぶん入れ込んでいたようだし、彼らを敵として認識できていなかったのかもしれない。
とはいえ、最終的には小林にしかできない手段で手を下した。
もし最初からその気であれば、おれが何もせずとも彼らを制圧するに足る『能力』ではあるはずだ。

 「剣でしか倒せない敵がいるなら、詩句でしか倒せない敵もいる。
 ・・・お前のすべきことは自嘲じゃない。研鑽だ。『それ』がおまえの『才能』ならな。」

宙に浮かぶ水槽を眺めながら言う。
かつて背中を預けた男にだからこそ、あえて厳しい言葉を投げるのだ。

684小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 23:26:02
>>683(宜しければ次で〆させて頂きます)

「ジェルマンと言う怪盗にも詩人と言われましたが。
そんなに、私は詩人のような体裁で過ごしてますかね?」

詩情を解するのも、唱えるのも好んではいる。
 だが、こう出逢った人物に言われると不思議に感じる。
一応、自分では普通にしてるつもりなのだが……まぁ、これについては
置いておこう。

「……『覚悟』か。
村田さんは『無慈悲』になれ、と言いましたよね。

例え、その相手が自身にとって代え難い存在と敵対したとしても……
そんな状況は、無い事こそ一番良いですが。
 それでも村田さんは…………いえ」

忘れて下さい、今の言葉は。と彼に問いかけるのを止めた。

あの時、彼の『覚悟』は十分 瞳に焼き付けた。

「了解しました、研鑽つとめます

……リュウカさん達に、また会える機会があれば。快癒した後にでも
再会を村田さんがしたら、私から、あの時は手伝えず申し訳なかった事と
お相手出来た事の感謝を告げて下さいね」

彼女からすれば、余計な事かも知れませんが……。

685村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 23:59:54
>>684
 「・・・言いてぇことはなんとなくわかる。だから、言っておこう。
 おれがその無慈悲を以て守りたいのは『おれの世界』そのものだ。
 その平和を守るためなら、障害はすべて破壊する。脅威はすべて叩いて潰す。元凶はすべて排斥する。
 ・・・たとえそれが、『おれ自身』であったとしてもだ。」

 「何もかも捨てて、諦めてきたような男だ。
 今更『自分自身を捨てる』ことに、何の未練もありゃしねぇ。」

問いを止めた小林に対して、あえて続ける。
ぎらりと光る鋭い視線が小林を突き刺す。自己を顧みない過剰な覚悟が言葉から滲む。

 「『リュウカ』については覚えておく。
 だがもし、お前が『アリーナ』の『漣派』と呼ばれる連中と会うことがあったなら、『直接』伝えられるだろう。
 これもただの勘だが、彼らの口ぶりからいって『アリーナ』にも色々あるらしい。
 ・・・すこしはマシな顔した『リュウカ』が見られるだろうよ。多分な。」

686常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/08/04(水) 23:19:55
「うおおおおおおおおおお夏休み突入!!!」
「お坊ちゃま方…お嬢様方…宿題は進められておりますか!?!?
 いやそんな物はどうでもいい!!!!!たっぷり遊んでください!!!!」

「そしてたくさん食べてください!!!!」
「素麺を茹でましたよ!!!」
「そしてスイカを!!!!!スイカを切りましたよ!!!!!!!」

昼。食堂。
野太い声が響いている。暑苦しい雰囲気。

687氷山『エド・サンズ』:2021/08/06(金) 20:52:39
>>686

   ゆらぁりぃ・・・

―――真夏の昼の食堂
直射日光こそ遮られているものの、熱気と湿度がムンムンに籠るこの場所で
常原は背後から殺気を感じるかもしれない

   ゆらぁりぃ・・・

振り返れば、手ぬぐいを覆面の如く目元に巻き、
両手で一振りの木刀を持った少女が手に持った獲物を上段に振りかぶっていた
服装を見るに清月の高校生のようだが・・・・・これは!?

688氷山『エド・サンズ』:2021/08/09(月) 23:10:38
>>687

    パアアアァァァァァンッ!!

その少女は常原のすぐ傍を突風の様に通り抜けると
彼の背後に置かれていた『大玉スイカ』に向けて木刀を振り下ろした

   『爆発四散!!』

残骸を回収し、言葉もなく彼女は去って行った

689常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/08/10(火) 01:07:08
>>688
「ぐおおおッ  何奴!?!?」

突然のアンブッシュ。飛沫が散り白いエプロンが赤く染まる!!!!


「……………何だかわかりません……いってらっしゃい!夏休みを楽しんで!!!」

690甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/20(金) 09:13:58
真夜中の学生寮
真っ暗闇の中、蠟燭の灯りだけが部屋を照らす
百物語も佳境に入って来た
次は誰の番だったかな…

691甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/21(土) 20:57:29
>>690
???「トリは私が飾ろう」
青白く、生気の無い顔の女が語り始める

――――――――――――――――――――

???「そして医者がうっかりお腹に入れたまま忘れてしまったメスが
   体内をズタズタに切り裂いて主人公は死んでしまいました、めでたしめでたし」
あま「泣ける話だった…」

フッ

100本目の蝋燭が吹き消され、部屋は完全に暗闇に包まれた

信玄「ところで、あいつ誰だ?」
あま「知らない」
秀吉「百物語は99話目で終わるのが普通だろ、何で100話目やるんだよ」

ザッ――――
ゴロゴロゴロゴロゴロ

突然、大雨が降りだし雷が落ちて来た

信長「てめぇは…?」
???「クックック…」

その時、天井から突如大きな手が現れ、一同に襲い掛かって来た!

あま「…青行燈…!」

絶対絶命かと思われたその時だった

「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
「破ぁ!!」
その叫び声とともに青行燈は消し飛んだ行った
やっぱり寺生まれはスゴイ、改めてそう思った

おわり

692ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/26(木) 22:27:51

「びっくりしたの」


この子供、学校に通っていないし、当然寮の住民でもないが、
特に用事もなく来て、友人の部屋に(勝手に)入ったら、血まみれで荒らされていた……
ので中庭に戻ってきた。


「まあ、ええか。
 わしも自分で涼めるようになったしの」


実体化したミニチュアの『屋敷』を出現させ、中に入る……
まるでおもちゃのようだが、スタンドパワーによって冷暖房も完備だ。
もし通りかかりの者が覗き込めば、ちっちゃい金髪の女の子が窓から見えるかもしれない。

693ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/27(金) 22:17:12
>>692

ちなみにナイが見た血まみれの部屋は、七篠 譲葉の部屋である。
【場】『自由の場』 その2(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/292-350)


  バシュバシュバシュ


「ワハハ」


窓から花火を撃ちだしたりして遊んでいる。
ミニチュア状態で発射した花火が外に出て原寸大に戻るのは、中から見ると大迫力だ。

694ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/28(土) 22:22:02
>>693

「……ふが」


暑さで目を覚ます。
どうやら寮の中庭で寝ていたようだった。
『屋敷』は快適だが、中で意識を失う(寝る)と、解除されてしまう。
結果、外で寝ていることになってしまうというわけだ。


「家じゃが住めん、というのが問題じゃの……
 帰るか……」


ふらふらと去っていった。

695七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 00:10:41
 『ハイエース』から女子高生ぐらいの焦げ茶の髪をした少女――七篠が降りてきた。

――ひとまず、『氷山さん』を安全なところへ…。

 七篠は手に持った『かき氷の器』ではなく『カバン』に軽く意識を向けながら『寮』の台所へと向った。

――私の部屋、一抹くんとナイちゃんに『鍵』を渡してるから…。
――部屋の冷蔵庫に置いておくと遊びに来ちゃうかもしれない。

――これは台所の冷凍庫の深いところに隠す…。
――『空のペットボトル』に『氷山さん』を移したのはあくまで応急措置。
――そのまま入れておくと誰かに食べられちゃうかもしれないし、『開封済のペットボトル』に入ってる『氷』ならわざわざ食べようとする人はまずいないはず…。

――『器』も、『かき氷』から戻る時に必要になるかもしれないから、こっちは…私の部屋に…。
――『器』だけなら…たぶん、一抹くんもナイちゃんも気にしないし…。

 真顔で考え事をしながら『冷凍庫』深くに『氷山さん』を隠す七篠。
 冷凍庫の深いところを掘るようにものを取り出している姿は異様かもしれない。

696大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 00:32:02
>>695(七篠さん)
するとそこへ、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)がやってきました。

「くぅくぅ おなかが なりました」(↓ハスキーボイス↓)

「なんということでしょう。
 はらぺこの おおかみの とうじょうです」(↓ハスキーボイス↓)

「こんにちは あかずきんさん。
 れいぞうこに おいしい おやつを かくしているのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

七篠の悩みは知ってか知らずか、いつも通りの大神的演劇口調で話しかける。

697七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 00:44:28
>>696

「あ、お久しぶりです。大神さん」

 七篠は『氷山さん』が一番下になるようにしてから『冷凍庫』に入っていたものを慌てて戻しながら挨拶をする。

「か、隠してなんて、いないですよ…?
 ちょっと以前友達が作ったデザートをここに入れていたなと思いまして…」

 七篠はそう言うと『もっちり偽アイスプリン』を取り出し、大神に見せる。残り二つだ。

698大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 21:38:13
>>697
「ほほぅ、それはまさかの『もっちり偽アイスプリン』……しかも個数は2個」(↓ハスキーボイス↓)

「それは、つまりズヴァリ、こういうことかね、七篠くん」(↓ハスキーボイス↓)

大神のオッドアイ(コンタクトレンズです)が妖しく光る!!!

「ズヴァリ『他の寮生たちには秘密で、キミとボクの二人きりでこっそり2個の賄賂プリンを食べる秘密のお茶会をして、プリン共犯と言う名の口裏合わせの口封じを行い、プリンの証拠隠滅をしようぜ、ここには最初からプリンなんて無かったさ、お化けなんてないさ、お化けなんて嘘さ』というわけだね?」(↓ハスキーボイス↓)

ポンコツ〜ん    ←ぽんこつ探偵の擬音

699七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 21:51:05
>>698

「そ、そうですね。
 また二人だけの『秘密』が増えちゃいますね」

 七篠はなにか隠しているような焦り方をしながら『もっちり偽アイスプリン』を片方差し出し、台所の引き出しからスプーンを取り出した。

――一抹くんが置いていった『プリン』…。
――結構時間経ってるけど冷凍だから大丈夫だよね。

「あ、そうだ。『お茶会』の話題として聞いてほしいんですけど、
 この『寮』に『クリスマス』用品とかってあったりしませんか?
 ちょっと季節外れでなんなんですけど…」

 七篠は手にしたスプーンを渡しながらそう口にする。

700大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 23:06:21
>>699
プリンを受け取る。プリンだ!イェーイ!という心は隠しておく。

「そうだよね、背徳の罪は美味だからね、しょうがないよね、ダイエットとかダイエットとか」(↓ハスキーボイス↓)

「ふむ、修学旅行の夜が如き、ひっそりお茶会のこっそり話とはなんだい……ってクリスマス用品?」(↓ハスキーボイス↓)

「ふむ……困ったな。
だってさ、なにぶんボクもまたこの4月に寮に来たところだから、そのあたりは詳しくないのだよ。
『寮備え付けのクリスマス用品』となるとおそらく、センパイや常原クンの方が詳しいだろうね」(↓ハスキーボイス↓)

「だが、求めているものが『ただのクリスマス用品』と言うなら……」(↓ハスキーボイス↓)

   パンッ   ←手を叩いた音

「ボクの方で『心当たり』がないこともないね」(↓ハスキーボイス↓)

大神の手の間から『☆型のクリスマス飾り』が出てきた。

「Magic Show」(↓ハスキーボイス↓)

701七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 23:25:35
>>700

「……ダイエット…。その言葉はちょっと聞きたくなかったかもです…」

――…水着、ちょっとおなかが気になってたんだよね…。
――海でもラッシュガードで隠してたし…。
――……それもこれも一抹くんがお菓子を持ってくるからで…。
――あれ、もしかして最近の私にやってくる問題って一抹くん絡みばっかり…?

 七篠はすこし俯き、手に持ったアイスプリンに視線を落としながら考える。


「…あ、そうなんですね。
 うーん、『常原さん』という方が詳しそうな感じなんですね。お会いしたことがないです…」

 七篠が『常原』という名前をしっかりと覚えなければと決心している内に大神の手の中に『クリスマス飾り』が現れていた。

「あ、えっ!?
 この間お話しされてた『手品』…ですか?
 全然タネがわかんなかったです…!」

 七篠はそう驚いたように言った後、小さくつぶやいた。
 近くにいる大神には聞こえているかもしれない。

「……『奇術師』ってすごく『クリスマス』っぽいかも…。
 『街にクリスマスを満たす』ののお手伝いをお願いする…? でも…」

702大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/06(月) 23:14:27
>>701
「うむ?この寮にいて、常原クンを知らないのかね?会ったことがないのかね?
常原クンは『料理・洗濯・掃除が得意な武芸百般の隻眼メイドガイ』さ。
多分、姿を一目見れば分かると思うよ」(↓ハスキーボイス↓)

「おそらくだけど、あの常原クンならクリスマス料理なんかも作れるんじゃないかな。
ああ見えてもかなり器用な人なので『飾り付け』や『お裁縫』もできそうなものだが……」(↓ハスキーボイス↓)

「なので、この寮でパーティをしたいなら、常原クンを探すといいかもしれないね」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクにできるのはせいぜい『上っ面のゴマカシ手品』ぐらいなものなのさ」(↓ハスキーボイス↓)

   パン!   ←手を叩く音

とか言いつつ大神の手の上に『手のひらサイズのクリスマスツリー』が現れた。

「Magic Show」
先程の『クリスマス飾り』はどこかへと消えている……。

703七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/06(月) 23:54:39
>>702

「そんなに特徴的な人なら見てるのなら覚えてそうなんですけど…。うーん…?
 『武芸百般』で『隻眼』の『メイドガイ?』ってなんだかすごそうですね…」
「料理とか飾り付けもお得意だなんて本当に万能な方なんですね」

 七篠はそう言いながらまだ見ぬ『メイドガイ?』に思いを馳せているようだった。

「わっ!?」
「……今度はツリーなんて…。それにさっきまでの飾りは…?」

 七篠は思わずと言ったようにつぶやいた後、何度か頷いてからまた口を開いた。

「『手品』本当にすごいです。
 二回目なのにタネが全然わかりませんでした」

「その…ちょっと三月兎みたいに変な話なんですけど、
 今『街中』を『クリスマス』にする方法を探しているんです。
 もし、タイミングが合えばなんですが…『クリスマス』を一緒にしませんか…?」
「きっと『手品』で『クリスマスショー』みたいな感じにできそうだなって…。いえ、忘れてくださいっ!
 本当に変なこと言っちゃってますね…」

 三月兎、『アリスのお茶会』とこの『お茶会』にかけた言葉なのかもしれない。
 『夏』を『冬』にする方法を探しているという異様な話な上に、
 さらに一緒に『街中』を『クリスマス』にしようと誘っている。まさに三月兎――『気でも違えた』ような話だ。

――一抹くんがいつ『夏の風物詩』になっちゃうかわからないからって…。私、焦っちゃってる…。
――スタンド使いなら経緯を話せば協力してもらえるかもしれないけど…。
――私じゃ大神さんみたいな普通の人にうまく説明できない…。

704大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 00:09:19
>>703
大神がオッドアイ(偽)をぱちくりとさせる。

「なんだって?街中をクリスマスに?」(↓ハスキーボイス↓)
人をびっくりさせるのが大好きな大神にしては珍しく自分がびっくりしているようだ。

「アレかね。それは『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『グリンチ』のようなお話かね?」(↓ハスキーボイス↓)

「『街をクリスマスに変えよう』なんて実に大した魔法(マジック)じゃないか。
不思議な奇跡、荒唐無稽の奇妙奇天烈を起こすのはずいぶんずいぶん魔法(マジック)だ」(↓ハスキーボイス↓)

「興味深い。もっと詳しく教えてくれたまえ」(↓ハスキーボイス↓)

コポコポコポ……お茶のおかわりを入れた。

「お茶会(なんでもない日パーティ)を続けようじゃあないか」(↓ハスキーボイス↓)

705七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 00:33:40
>>704

 七篠は意外にも興味を持たれ、目をぱちくりさせてから悩んだように切り出した。

「えっと…『クリスマス』を盗む『グリンチ』より、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』…。
 いえ、むしろ『美女と野獣』や『カエルの王子様』に近いかもしれません」
「これから話すことは荒唐無稽なので…
 半分『お茶会』のジョークだと思って聞いてもらえると助かります」

 七篠はそういって言葉を切り、お茶を一口飲んでからまた続けた。

「私の友人たちが『夏の魔法』にかかってしまっているんです。
 その『魔法』を解くには『街中』を『冬』にしないといけないみたいで、私はその方法を探しているんです」
「『クリスマスソングを流す』、『モミの木の香りを広げる』、『飾り付けをする』…。
 まだこのくらいしか決まってないんですけど、
 もしそこに『奇術師が手品を披露する』が入ったらとても『クリスマス』っぽいかななんて思いまして…」

 七篠はそう言うとプリンを口に運び、お茶を飲みながら大神の様子を窺った。

706大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 20:10:11
>>705
「ふむ、まず……『荒唐無稽な点』については安心したまえ。ボクは荒唐無稽が大好きなんだ。

 なので、『クリスマスの魔法』(マジック)に、ボクが協力するのは『やぶさかではない』」(↓ハスキーボイス↓)

紅茶を飲みながら、『シルクハットをかぶったキ〇〇イ帽子屋』の大神は話していく。

「ただ、『実現の現実味が薄い』と言うのも事実だね。
 正直、『ボクらがちょこちょこ活動したところで、街中に冬の魔法をかけるなんて無理』じゃないかね?」(↓ハスキーボイス↓)

「となると必要なのは、もっと『大規模で抜本的な作戦』、

 『タネに気づかれないように、大勢を魔法(マジック)に巻き込む』ような作戦。

 僕らだけで、小規模にやっても『それ』の達成は無理だ。

 それとなく、大勢を巻き込んで、いつのまにか街中をクリスマスの魔法(マジック)にかけてしまう……

 これを、【この季節に、この街に『クリスマスブーム』を起こしなさい】みたいな問題だとすると……

 たとえば、『ラジオ局』は当たってみたかい?

 『新聞』は当たったかい? 学級新聞レベルから始めてもいい。

 つまり、『マスコミ』を使う作戦だ」(↓ハスキーボイス↓)

「大人を巻き込んだほうがいい。ボクらだけじゃ、無理だから」(↓ハスキーボイス↓)

707七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 20:46:12
>>706

「ありがとうございます。
 協力してもらえたら本当に助かります」
「……そうなんです、少ない人数でちまちまっとやっても街全体が『クリスマス』にはならないですし、
 『冬』にするにもとても足りないんです…」

 そしてふむふむと大神のアイデアを聞きながら七篠はいつの間にかカバンから取り出したらしい『手のひら大の付箋』にメモを取り始めた。

「『マスコミ』、第四の権力ですね」
「『ラジオ局』は他の人と話してるときに案に上がったんですけど、
 『街中』となると『町内放送』みたいなのじゃないと難しいんじゃないかって話になったんです。
 でも、0より1ですし問い合わせてみるのもいいのかもしれないです」
「『新聞』…。『校内新聞』ってそういえば見たことがあるかも…。
 確か学園に『新聞部』がありましたよね。
 学生から広めればそこから家族やバイト先なんかに『クリスマスブーム』が広がっていきそうですね…!」

 七篠は一つ一つメモに起こし、アイデアをまとめていく。

「お手伝いしてくれそうな大人の人が私が知る限り2人います。
 今、いろんな人が連絡して回ってくれてるみたいなので、もしかしたらもっと増えてるかもしれません。
 いろんな人の力を借りたら…『荒唐無稽な夢物語』も『現実』になるかもしれないです…!」

 七篠の言う大人の人は芦田と小石川のことのようだ。

 七篠はちらりと時計を見た。
 『寮』に到着してからだいぶ時間が経ってしまっていることに気付いたのだろう。小石川が『学校』に来ると言っていたことを考えるとそろそろ動き出さなければ待たせることになると考えているのかもしれない。
 七篠は残りのプリンをすこしペースアップして食べ始めた。
 
「あ、そうだ…。
 大神さん、もしよければ連絡先交換しませんか?」

708大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 21:02:17
>>707
「でもでも、それってば、逆に考えるとさ」(↓ハスキーボイス↓)

 大神はくるりと頭の上の『帽子』をひっくり返す。 大神の頭の上でシルクハットが逆立ちしている。

「その『友人』ってのは『街1つを犠牲にするに足る存在』なのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

「魔法が解けないことで、『友人』はどう困るんだい?」(↓ハスキーボイス↓)

「右の天秤には友人、左の天秤には街中の人々」(↓ハスキーボイス↓)

 大神は頭の上で、逆さまのシルクハットのバランスを取り始めた。

「はたしてはたして、なにが正解か、どっちが正解か、どれが正解か、そもそもこの中に正解があるのか 」(↓ハスキーボイス↓)


「さてさて、ボクと連絡先交換かい。いいよ。オッケーさ」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクの真名は大神 或真(おおがみ あるま)。

 連絡先はXXX-XXXX-XXXX。

 LINE IDは[USO_800]。

 って、わけなのさ」(↓ハスキーボイス↓)

スマホを取り出し、連絡先を交換する。

709七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 21:20:59
>>708

「『友達』が『街』を犠牲にするに足る存在か、
 なぜそれをしないといけないのか。ですか…」

 七篠はスタンド使いでないであろう大神に詳細を話すことはあまりよくないだろうと考え、また口を開いた。

「……『大切な人』のために『世界を犠牲にする』物語って時々あるじゃないですか。
 それって理屈じゃないですし、『正解』も『不正解』も関わらずそうしたいからするんだと思います」
「……私は…その『友達』にいなくなってほしくないみたいです」

「連絡先、ありがとうございます。
 前の時は名字しか名乗ってなかったですね…。
 私は『七篠 譲葉(ナナシノ ユズリハ)』といいます」

 七篠はそう言って軽く笑い、『お茶会』の後片付けをしてから『氷山さんの器』を自室に隠しにいった。
 
――……キーウィのぬいぐるみとガチャピンのぬいぐるみの後ろに隠しておこう。
――棚だったら見つかっちゃいそうだし…。

710大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 21:34:01
>>709
「おっと、それは早計、早とちり」(↓ハスキーボイス↓)

「逆の逆。 『犠牲』と言う『ボクの口先三寸』に騙されちゃダメ」(↓ハスキーボイス↓)

逆立ちになったシルクハットを更に逆さまにする。

「こう考えてみたらどうか、ってこと。

 『街は楽しい』、『友人も助かる』、
 『どっちかが犠牲のバッドエンド』じゃなくて、『両取りのハッピーエンド』。

 やれるなら『Win-Winにしたい』とボクは思うんだよね」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクとしては、街を楽しい魔法(マジック)にかけたいわけ、
 その上で友人の魔法が解ければ、全員ハッピーでしょ?」(↓ハスキーボイス↓)

「楽しい魔法(マジック)の方が、街に広まるのも早いだろうし、その辺りも含めて、考えたいね」(↓ハスキーボイス↓)

「じゃねー、七篠さん、プリンおいしかったよ」(↓ハスキーボイス↓)

お茶会の後片付けをして、自室に帰っていく。

711赤月『サクソン』:2021/09/14(火) 20:29:31

カナカナとひぐらしの声が遠くに聞こえる夕暮れ時
星見町の気候はまだまだ暑い盛り・・・・『残暑』が燻るように続いている

「『会場』のあてはついたとはいえ、それだけに頼っているわけにはいかないな
 草の根的に・・・・私の方でも『クリスマス』を広めておくか」

そんな中、中学校の制服を着た女子が学生寮の中の飾りつけをしていた
飾り付けるリボンの色は赤と緑、100円ショップで買った星の飾りも散りばめている
『クリスマスカラー』の飾りつけだ・・・まだまだ冬は遠く、ハロウィンさえまだだというのに・・・?

712???:2021/09/15(水) 05:03:41
>>711
生まれて間もなく受けたのは真冬に捨てられる明確な『殺意』。
見た目ゆえに義理の両親と大きく違うので橋の下から拾われたと絶えず罵倒された。
とある派閥の長は観客たちと煽動者に噛みつく彼を『鬼』と呼ぶ。
12年間も親殺しの『憎悪』を滾らせる精神性は復讐者を越えた復讐鬼に。

     バタンッ
                カタッ

学生の少ない真っ昼間の寮に『誰か』が居る。
それ自体は不思議ではない。音の発生源は台所だ。
共用スペースで『冷蔵庫』が置かれているが…

    クスクスクス…
              クスクス…

聞き慣れない少年の笑い声が聞こえた。
そして、ノートを手にした少年のヴィジョンが廊下の飾りつけの影に発現して楽し気に絵日記を書いている…
影だけで構成された少年のヴィジョンは台所を向いているようだ。

713夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/15(水) 06:30:16
>>712

『友達』に会いに来た。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/284-287
イズミンいるかな??

714赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 07:15:31
>>712

――冬はそれほど嫌いではない
『クリスマス』は赤月にとって『特別な日』だからだ
普段は『仕事』で家にいない兄も、1年に1度のこの日だけは必ず『家』に帰ってきてくれた

外の世界の光景・・・・雪で遊ぶ子供達や一緒に買い物に行く家族連れを見ていると少しだけ寂しい感じがしたけれど
『この日』だけは必ず兄が帰ってきてくれる・・・・

(だから昔は毎日が『クリスマス』ならいいなって思ったっけ・・・・)

「ん・・・・・?」

学生が少ないこの時間帯に『何者か』の気配を感じた
クリスマスカラーのリボンと星飾りを制服のポケットに納めて台所に向かう

「何だこれ・・・・・・?
『アリーナ』の刺客・・・? 『夜警』の仲間・・・? それともまさか・・・・!?」

「話に聞いた『夏の魔物』・・・・・!?」

   ――――『ズギャンッ』!!

自身のスタンド『サクソン』の『コート』だけを発現して、慌てて台所の方を向く
また、近くに『唐辛子』や『胡椒』などの刺激物があればそれを回収しておきたい

>>713

まだ気が付いていない

715大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/15(水) 08:39:24
>>712
するとそこへ、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が……

※乱入してもいいですか?

……と見せかけて、ボクは寮住みなので『むしろ乱入してきたのはキミである』と言えるのではないだろうか?はてさて?

716一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 08:59:37
>>713
人の気配は無い。玄関から先に入れば会えるかもしれない

>>714
影だ。少年のような形をした影が『ノート』を手に『何か』を書いている。
明らかに攻撃が通るとは思えないヴィジョンのスタンド。
そいつの先には一抹が居た。既に『夏の風物詩』化が進んでいるのか白い肌が『煙』のようになっている。

「見つけた。リスクを誰も取りたくないから七篠先輩が
 持ったままになって、困った彼女は食べられたくない
 から別の容器に移す」

「各々がバラバラに意見を纏めずにクリスマスをする。
 だが、もう遅い。今からでは間に合わない」

『かき氷』と化した氷山先輩の入ったペットボトルを手にしながら振り返る。
冷蔵庫の蓋に映る赤月の姿を見ながら『インダルジェンス』が『ポケットショット』を構える。
既にスーパーポールが『一発』入っている。

「駅前の広場で七篠先輩の筆跡を真似た偽装工作も
 行った今、誰も寮には来ない。間に合わない」

『乱入』について。
赤月ちゃんに続いて1人だけ乱入可能です(キャパの問題)
夜まで『乱入』を受け付けます。乱入すると一抹の装備数が増えて危険な行動が増えます。
事件の中枢に近い人物、ミッションに関わったのが早い順で選ぼうと思います。

717<削除>:<削除>
<削除>

718一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 09:10:30
>>714
テーブルの上に望む調味料が置かれているのを見つけた。
走れば1レス以内に取って『暗器』化が可能な距離。

719赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 18:16:01
>>716

(間違いない・・・・・!)

『影』の視線の先に一抹の姿を確認した
鉄から聞いた通りに既に『夏』による洗脳が施され、肉体にも変化が現れているようだ

「一抹・・・・お前は・・・・・」

     バッ!

何事かぶつぶつと呟いている一抹に話しかけようとした直後、
問答無用で『インダルジェンス』が戦闘態勢に入った
手元にはオモチャのような『道具』・・・・だが!

(『ポケットショット』・・・・! 現代型の『武器』の一つだ・・・!)

自身の目的のために、『暗殺』に使えそうなものは色々と調べている
彼が持つ『それ』が危険性の高い『武器』の一つだと認識する

「『夏』に頭をやられたという話だけど本当みたいだな!
 一抹・・・・『心』を弄る『インダルジェンス』の使い手が逆に『心』をやられるなんて
 悪い冗談にも程があるぞ!」

武器をつきつけられたこの状況で下手に動くのはマズイ
『インダルジェンス』の動向を目で見つめながら攻撃に注意し、制服の『タイ』を解いて懐に納める
そして、懐から『暗器化』によって変化した『縄ヒョウ(金票)』を取り出したい

720夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/15(水) 18:25:36
>>716

「まぁ、こんなときは『アレ』だな『アレ』」

         ズ ギ ュ ン ッ

「――――『アレ』」

玄関に入りながら、
『ドクター・ブラインド』を発現する。
言うまでもないが、『超人的四感』を使う。
『音』とか『匂い』とか『床の振動』とか、
色々と感じ取れるだろう。
スタンドを出して情報収集するのは、街中でもやっている事だ。
なんかオモシロいコトがないかさがしてみよう。

721鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/15(水) 21:00:19
>>716

自転車を駐輪場へ止め、中へと入る。

「噂をすれば影が射す。いや、一抹くんは『影』に付き纏われている側だが…」

七篠さんから連絡を受けたスマホはしまっておこう。

722一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 21:40:49
『マップ』
ttps://media.discordapp.net/attachments/833903684081156127/887528987235065886/sample_nursing_home_map.jpg

17に一抹。40辺りに赤月。

>>719
「まだまだですね。『インダルジェンス』程度では心を
 操るとは言えませんよ。『本物』を目にしたらね…」

「『インダルジェンス』は本体である私の心を殺すため
 のスタンド。自分の『悪感情』を憎んでいるからこそ
 生まれたんです」

『縄ヒョウ(金票)』を取り出している間に『ポケットショット』からスーパーボールが赤月の足を狙って打ち出す(パス精密:BCA)+パスBB相当の威力。
60m先を走行していたバスの厚さ40ミリの強化ガラスをスリングショットの金属弾が貫通した東京八王子の事件。
『スーパーボール』では同じようには行かないが『インダルジェンス』のパワーと精密な動作が加われば、それに匹敵する威力が生み出されるだろう。

「いつかの約束通りに二人で納得するまでやりましょう
 しましたよね? どうだったかな?」

『ポケットショット』にパチンコ玉を装填しながら赤月に向かって走り始める。
元から軽い一抹が『白い煙』化した影響で人の域を越えないものの、それなりの速度で赤月に接近できるだろう。


>>715
>>720
妹夫婦のコロナ感染と祖父の入院などが決まって生活の余力が無いに等しいので今回は1vs1とさせてください。

723一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 21:43:52
>>719
十字架の意匠を各部に持つ、人型のスタンド。
手で触れた者の悪感情を、触れている限り『鎮静』する。
また手の甲から『刃』を伸ばし、『苦痛を伴わない』斬撃が可能。

『インダルジェンス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:A 成長性:D

スタンド能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/188

持ち物:新品スマホ、ポケットショット二つ、スーパーボール三つ、パチンコ玉七つ。

724常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/09/15(水) 21:46:53
掃除をしていた『大柄なメイド』が、ふと仕事の手を止めて『スマホ』を見ている。

「フム   懐かしい方から連絡が来たと思えば」
「何やら大変なことになっている様子………これは…大変ですよ!!!!!」

「……ケーキでも作りましょうか  いや 『裁縫』もいいですね」
「新しいメイド服も用立てねば!」
「すこし籠って、針仕事でもいたしますか!!急がねば!!!!」

掃除用具を片付けると、慌てて駆け出していく。
騒動には気づかない……。


(学生寮を根城とするキャラクターとしては参戦したいところですが、
乱入難しそうなので
『用事ができちゃったので気づかない』ロールだけでも。反応は不要です。)

725一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 22:00:59
>>721
まだ大きな騒音は聞こえない。
どの部屋で、何処で何をしているのかも分からない。
(キャパ限界で複数人の判定は厳しいのでお待ちを)

726赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 22:16:56
>>722

「自分自身の『悪感情』を抑えるため・・・・だと?」

やはり一々癇に障る奴だ・・・と赤月は考える
怒り、悲しみ、憎悪・・・『悪感情』に囚われる事で破滅する人間は数多くいる
だが、赤月の場合は・・・・

(『悪感情』・・・怒りや悲しみまで失ってしまったら、
 私は空っぽになってしまうじゃあないか・・・・)

『家族』を失った『悲しみ』と、失わせた相手への『憎悪』
それは今の赤月に残された唯一の『家族との絆』なのだ

「そうか・・・・それがお前の『インダルジェンス』の根幹か
 やはり、お前は私と『そりが合わない』な」

『縄ヒョウ(金票)』を懐から取り出す直前に、『ポケットショット』の弾丸が飛来する
だが、赤月は先ほどから『インダルジェンス』の動向を見つめていた
如何に凄いスピードとはいえ、狙われている位置がわかればタイミングを合わせて対処する事は出来るはず
咄嗟に両足で真上に跳躍する事で弾丸を回避したい

「だけど、同時にお前の事を少し見直した
 訳の分からない奴だと思っていたけど・・・・お前は常に自分の中の『憎悪』と戦っていたのだな」

一抹が時折見せる、理解不能なまでに苛烈な『戦闘意欲』・・・・
もしも、それこそが素の一抹貞世で、普段の彼はそれを必死になって抑えていたのだとしたら?

「気に入らない考え方だけど・・・・それだけは認めてやる!」

そして、真正面から向かってくる一抹に対して、
懐から取り出した『縄ヒョウ(金票)』を真っ直ぐに投げつけたい
縄の末端は左手で持ちながら、右手で『ヒョウ(金票)』の部分を投げつける


=============================================
『トレンチコート』を纏った人型スタンド。
 
『トレンチコート』で覆い隠した『道具』を『暗器』に変える。
実存する『暗器』の特徴を『道具』に宿し、
『道具』を『使用』した瞬間、『暗器』の本領を発揮する。
 
『暗器』による『殺傷』を『目撃』されたならば、
その者に見られる限り、その『傷』は決して癒えない。
 
『サクソン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:C(15m)
持続力:D 精密動作性:A 成長性:D

プロフィール詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/146
能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/189-190

持ち物:清月学園の学生服(着装)、スマホ、財布、ハンカチ、学生手帳、クリスマスカラーのリボン、星の飾り

727一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 23:06:12
>>726
「赤子の私が覚えているのは両親からの明確な『殺意』
 そして、教会なんて日本に馴染みのない場所の子供」

「しかし、血の繋がりが無くとも夕立先輩や氷山先輩
 たちは『憎悪』より大切な『慈悲』を教えてくれた」

『インダルジェンス』自体のスピードは人並みでしかない。距離が開いていたこともあって紙一重で避けられた。
ならば、駆け寄りながら再装填したパチンコ玉で錘を狙い落としつつ赤月の足元で『慈悲の刃』を展開(パス精:BCA)+刃の展開BC。
パチンコ玉を射出したままの姿勢で下から赤月の両足を突き刺したい。

「あの日、取り憑かれた氷山先輩を捕らえて元凶の元に
 たどり着いたのは『運命』に違いない。
 『時間切れ』を迎えた氷山先輩と偶然にも開いた日記」

「『夏の魔物』が被害者を『夏の風物詩』に変えた瞬間
 、その場に他に『夏を満喫しているもの』がいれば、
 『夏の魔物』はもう一度だけ…」

「奴が姿を消したが最後、氷山先輩の『夏の風物詩』化
 は確定する。私は迷わず二人目になった」

「今の私なら2mは跳躍可能ですが『使わない』」

728赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 23:35:27
>>727

「『殺意』を・・・・両親・・・・家族から・・・・!?」

――――胸の奥がズキリと痛む
家族から『殺意』を向けられた経験など自分にはなかったからだ
彼の独白に思わず同情の念を抱きそうになるが、その心を奥歯を噛み締めて打ち払う

「ヒヤマって奴が何者かは知らないし、興味もない・・・・
 お前が誰のためにこんな無様な姿を晒しているのかなんて知った事じゃあない
 けど、だからこそ!今のお前の姿は見ていられない!」

『パチンコ玉』が射出され、投げつけた『ヒョウ(金票)』に接近する・・・・その瞬間に赤月は行動を起こす!

「それだけの覚悟を持って『二人目』となったお前が・・・・なぜここに来た!
 お前は一体何がやりたいんだ!一抹! 『夏』に負けたのか!?」

『縄ヒョウ(金票)』の暗器化を解除する!
その瞬間に『縄ヒョウ(金票)』は元の姿・・・『クリスマスカラーのリボン』に変化する(>>719メール欄)

今の一抹は『夏の魔物』に近い性質を持っている
つまり、『夏』を好み『冬』を嫌うという事だ

だから、赤月は一つの心理的トリックを仕掛けた
それは『縄ヒョウ(金票)』の元となった物体が『タイ』であると一抹に思い込ませる事

以前、赤月が一抹に自身の能力を披露してしまったきっかけは『最中派のアリーナ』での試合だ
その時の赤月は制服の『タイ』を能力で暗器化し、『縄ヒョウ(金票)』を振るって戦った
その事を一抹は鮮明に覚えている可能性が高い

加えてこの『リボン』は今までに一抹に一度も見せた事のない道具だ
この2点を加えて騙しにかかれば、『リボン』が現れる事を事前に察知する事は困難なはず

つまり、予想だにしないタイミングで一抹の目の前に『クリスマスカラー=冬』を出現させる事で
一抹の意識を奪い・・・・瞬間的に驚かせて不意をつく事がこの作戦の目的だ

「『夏』に負けたお前など、私は怖くもなんともない!」

一抹が『クリスマスカラー』の出現に怯んだ隙を突いて
彼の攻撃が始まる前に、カウンターのように右足を伸ばし、一抹の顔面を蹴り飛ばしたい

729一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/16(木) 00:32:20
>>728
「私の目的? 敬愛する氷山先輩を奪いに来た。
『夏の衝動』からは逃げられないッ!」

「『矛盾』しているけど氷山先輩を人質にクリスマスを
 防止し、私は『白い煙』となって消えるッ!」

「『夏の魔物』は知れば知るほど強く作用してくる。
 だから、もう、私は駄目です…」

赤月は一抹の想像力を過信した。一抹にとってのクリスマスは町の木々に変な飾りつけがされたり、サンタクロースを名乗る存在が歩き回るだけだ。
何一つとして子供らしいことをしてこなかった一抹にリボンは女の子がするものという認識だ。
七篠が季節外れの『枝』を出そうが意味が分からずに攻撃するだろう。

「なんですか? それは? あぁ、季節外れ云々の…
 普通の生活してこなかったから『意味』が分からない
 七篠先輩の『枝』で季節外れの花を出されても何か
 分からないまま殴ると思います」

「冬の名物は『サンタクロース』ぐらいしか分からない」

『パチンコ玉』が赤月の額ギリギリを通り過ぎると同時に『慈悲の刃』が両太ももに突き刺さり、『インダルジェンス』がテーブル(53)に向かって赤月本体を吹き飛ばす。
『痛み』は一切なく立とうと思えば立てるはずだ。
しかし、動けば流血は激しくなる。激しく動けば意識は朦朧として気絶するかもしれない。さらに動くと『激痛』がする。

「今のは困惑しましたよ。その出血では戦闘継続は不可能だと思います。大人しくしてください」

>>713 夢見ヶ崎先輩
>>721 夕立先輩
事件の中心に関わっている方の乱入を許可します。

730七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/16(木) 00:35:46
>>729

 戦闘に決着がついたと思われたそのとき。
 焦げ茶の髪を背中に流した少女が息を切らせながら台所へと入ってきた。彼女――七篠は周囲を見渡し一抹の姿を見つけると声を上げた。

「一抹くんっ!!」

 どうやら一抹の顔見知りのようで、慌てた様子で一抹に駆け寄ると背中から抱きつく。

「ダメです、危ないことしちゃ…。
 『夏』を満喫したら…一抹くんが『風物詩』になっちゃうんですよ…?
 言ったじゃないですか、死に急がないでって…」

     「大丈夫ですよ、一抹くん。
      私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
      ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

 七篠の言葉にかつてこの『寮』で七篠が口にした言葉を思い出すかもしれない。

731赤月『サクソン』:2021/09/16(木) 01:20:37
>>729

「お前は・・・・そこまで・・・・っ!    ・・・・あ」

    ――ドグシャアァッ!

勝負を分けたのは『冬』に対する感受性の差であり、それは赤月と一抹の経験の違いでもあった
赤月にとって『クリスマス』は特別な日、一生懸命に部屋を飾り付けて、家族の帰りを待った思い出の日々
一抹にとって『クリスマス』は何でもない日、子供らしく遊ぶこともなく、色合いに意味を持たない普通の日
今までに送った人生の違いが、ここに来て現れてしまった結果だ

  ドクドク・・・・

拍動するように腿から流れ出る血液を眺めながら、今になってそれを理解した
動脈の一部を傷つけているのだろうか?傷口からは止めどなく血が流れ続ける

人間は全血液の20%を失うとショック状態に陥り、30%以上の流出で死に至るという
本で読んだ知識をもとに冷静に『死』の計算を行う赤月であったが、
それと同時に冷静であり続けてしまう自分に異常を心底恐ろしいと思った

(痛みが・・・・ない・・・・!)

動物は窮地に陥った時に交感神経を更新させる事でその窮地に対処する
『Fight or Flight(戦うか逃げるか)』と呼ばれる反応だ
だが、今の赤月は致死の一撃を受けたにも関わらず・・・・痛みがまったく存在しない
理性で理解する『死の恐怖』と肉体が認識する『無痛の安堵』・・・そのギャップに脳の認識が狂わされる

『インダルジェンス』に吹き飛ばされ、テーブルに背中から激しく打ちつけられる
台所一面に血をまき散らしながら、その真ん中で床に転がっている
痛みはないものの、急激な出血に顔が青ざめていく・・・いずれは意識も混濁してしまうだろう

「ぐっ・・・・ はぁ・・・ はぁ・・・」

>>730

「誰・・・・だ・・・・?」

致命的な一撃を受けたその直後に、何者かが台所に入ってくるのを見た
どうやら、一抹の知り合いの様だが・・・・

「まあいい・・・ 血を・・・止めないと・・・・
 ふざけるなよ、一抹・・・ 私はまだ・・・・」

乱入した女性が一抹に抱き着いている間に近くを探す
見つけたいものはタオルや手ぬぐいなど・・・適度な大きさの布だ
台所であれば、近くに布巾があってもおかしくはないはず
適度な大きさの布を見つけて、両脚の傷口を強く縛り付けたい

732赤月『サクソン』:2021/09/16(木) 17:58:17
>>731
止血処置の後、余力があれば鉄に向けて以下のメールを送りたい

『学生寮で一抹と遭遇した
 致命傷を受けた 動けない
 誰かがあいつを止めている』

733夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/16(木) 20:06:12
>>729

『ドクター・ブラインド』を発現した瞬間に認識した。
『争いの音』と『双方の声』と『血の匂い』。
それらを遠距離からキャッチする事で、
実際に『現場にいずとも』大体の状況を掴んだ。

      ク ル ッ

               ダ ダ ダ ッ

親交の深い『イズミン』に連絡を入れつつ、
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/380
身を翻して寮の外に回る。
足元の土を『ドクター』の片手で一掴み分確保し、
もう片方の手で小石を幾つか握る。
まず考えるべきは『治療手段の確保』だった。
『今泉未来』の『コール・イット・ラヴ』は傷を『補修』できる。
どのような形であれ、戦いが終わった後で、
誰よりも必要とされる存在だ。

(これで『キュウキュウシャ』はいらない…………)

平行して『イズミン』に頼んで、
寮の外から『イズミンの部屋』を通れるようにしてもらった。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/382
まず『イズミンの部屋』に入り、
そこを経由して『台所方面』に向かう。
無論、見つからないように姿を隠しながらだ。
『超人的聴覚』によって、『全員の位置』や、
そこに至るまでの『方向』と『距離』は全て分かる。
その情報を参考にすれば、難しい行動ではない。

(…………『ダレか』きた)

狙うのは『奇襲』だ。
不意を打った一撃を食らわせ、そのまま畳み掛ける。
『一抹の知り合い』が割って入ったようだが、
『説得』が成功するとは思えない。
これが『能力』によるものなら、
『言葉』で跳ね除けるのは不可能。
夢見ヶ崎が知る『スタンド』というのは、そういうものだ。

734鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/16(木) 20:34:52
>>729

『シヴァルリー』を前に発現し、寮の中を進む。
また、バッグの中から『釘』を二本ほど取り出しておく。
ここの現状は一切把握できていないが、緊急を要する事態ということだけは理解している。

735一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/16(木) 21:39:28
>>731
「そっか。赤月先輩が自分中心な理由が分かりました。
 幸せな頃があったんですね。私には分かりませんが…」

「私は要らないから『殺意』を以てして捨てられました
 ゴミ袋のゴミに声さえ出せぬよう押し込まれて。
 だから他人のために生きてないと私は…」

『冬の風物詩』は一抹に通用しない。知らないからだ。
ポインセチア? 一抹にとっては綺麗な葉っぱだ。
クリスマスカラーのリボン? 髪飾りだろう?
フユイチゴ? それも『冬の風物詩』なのだろうか。

「私は幸せだった頃なんて一切なく生きてきました。
 最中派のアリーナの連中が私を白髪鬼とか呼びますが
 復讐者やるなら復讐鬼じゃないと駄目です」

「『アリーナ』に復讐して『エクリプス』が復権する
 手伝いをしてる赤月さんは町の人々に恨まれる覚悟
 はしてますか?」

丁度良く布巾が置かれているが太ももを縛るには『サクソン』の手助けが必要不可欠。
意識がある間に血止めをしなければ出血死の恐れがある。

>>730
「あっ、〆の必殺技が…」

赤月先輩を〆ようとして必殺技の準備をしたら七篠先輩に捕獲されてしまった。
もっと早く気がつけば『パイルドライバー』で腕を切断できたのに。

「私が生きてる価値と意味なんて氷山先輩の『時間稼ぎ』以外にありませんよ」

もぞもぞと身動きしてから腕の『煙』化を始める。
と、同時に『慈悲の刃』を七篠先輩に振り下ろそうとするが直前で止まる。
『慈悲の刃』を七篠先輩に突きつけることしかできない。

「『夏の魔物』を知り過ぎた私にとって彼は友達です。
 七篠先輩は、私の『鎮静』の代わりを見つければ良い」

一抹にとって七篠先輩は守るべき対象という認識が焼きついており、『殺意』を向けられるほど喜んで斬り掛かる一抹と相性が悪い。
贅肉の無い七篠先輩に拘束されているが何をして良いか分からない。

>>733
台所方面に走っていると焦げ茶色の少女が一抹をガッチリと抱き抱えている姿が見えた。
身体が『白い煙』のようになった一抹が抜け出そうとしているが抜け出られず困惑した顔をしている。

「ダメです、危ないことしちゃ…。
 『夏』を満喫したら…一抹くんが『風物詩』になっちゃうんですよ…?
 言ったじゃないですか、死に急がないでって…」

     「大丈夫ですよ、一抹くん。
      私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
      ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

『インダルジェンス』は何度も少女に『慈悲の刃』を振り下ろそうとするが止まり、刃を突きつけるだけの状態になっている。
一抹、七篠、赤月の三人の会話は寮に入る前から全て把握している。
赤月は『慈悲の刃』の餌食になったが七篠と呼ばれる少女には手出しが出来ないらしい。

>>734
「一抹くんっ!!」

「ダメです、危ないことしちゃ…。
 『夏』を満喫したら…一抹くんが『風物詩』になっちゃうんですよ…?
 言ったじゃないですか、死に急がないでって…」

     「大丈夫ですよ、一抹くん。
      私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
      ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

台所で七篠が一抹を止めているらしく戦闘音はしない。
『殺意』を向けた分だけ『殺意』を研ぎ澄ます一抹にとって『殺意』を向けない七篠は天敵なのかもしれない。

736夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/16(木) 22:13:54
>>735

『白い煙』。
クロガネくんから聞いた『夏の魔物の影響』なんだろう。
どういう事が出来るのかは分からないが、
『一つの能力』のように使えるそうだ。
不意に予想外の事をしてくる可能性は十二分に有り得る。
警戒は怠らない。

(――――――おっとぉッ!?!?)

意外な結果だ。
ただ、自分は二人の関係を知らない。
その中で何かがあったとしても、
与り知らぬ事なのだから仕方がないだろう。
様子を見つつ、
『ドクター』の片手に持った『土の塊』を丸める。
精度を駆使し、事前に『調整』しておこう。

(でも、チンタラやってるヒマはねーぞ)

時間を掛けるだけの余裕があるなら、
自分の加勢がなくても何とか出来るかもしれない。
だが、それが難しいのも事実だ。
『ナカレ』は深手を負っていて、
今すぐにでも治療しなければならない。
求められるのは早急な鎮圧。
『イッちゃん』は『七篠先輩』とやらに動きを封じられ、
仕留め損ねた『ナカレ』に注意が注がれている。
今が『チャンス』だ。
同時に『ミス』は許されない。

(一瞬で決める)

発見されないギリギリの距離まで接近を続ける。
そして、そこで立ち止まる。
『タイミング』を計る。

737七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/16(木) 22:15:18
>>735

「必殺技なんて危ないことしちゃダメです」

 七篠はそう言いながら『サネカズラの枝』を自身の服から生やし、一抹の胴体に巻きつけるように絡めた。
 木の枝が『抱っこ紐』のようにまとわりつこうとする。(パス精CBA)
 もし仮に一抹が切断する等で解除した場合はまた改めて生やすだろう。

「時間稼ぎはもちろんありがたいですけど、
 それで一抹くんがいなくなったら私は嫌ですよ」
「正直、氷山さんより一抹くんとの方が関わりが長いんですからね?」

――ひとまず、これで一抹くんは動けないはず…。
――一抹くんはその、攻撃的だから…。必殺技とかされたらどうなっちゃうかわかんないし…。

――……鉄さんは、来れたのかな…。
――タクシーで来たから追い抜いちゃった? それとも来てない…?

 そして大声で周囲に向けて呼びかける。

「誰か! ここで倒れてる人がいます…!」

738赤月『サクソン』:2021/09/16(木) 22:19:42
>>735(GM)

「お前が・・・・ どうしてそこまで他人に気を使っているかはわかった・・・・」

思えば、『アリーナ』の時もそうだった
不自然なくらい他人に気を使い、義父からの教えと言いながらエスコートを買って出る
転校してきたばかりの私に対して『先輩』などと言うのもそのせいか

「相変わらずふざけた事を言う奴だ・・・・
 幸せな頃がないだと・・・? そんなはずはないだろう・・・・!
 お前を抱き留める彼女は? お前が畏敬を向ける夕立は?
 お前の事を想う人間がこれだけいるのに・・・・幸せでないわけがない!」

出血が続き、顔色がみるみるうちに青ざめる中で
一抹の語る自虐に真っ向から『NO』を叩きつける

(あるいは・・・・それは私も同じ事か・・・・)

「それに私は・・・・ 鬼となるつもりはない・・・・
 鬼になって、家族への想いすら忘れてしまうくらいなら・・・・この場で死んだ方がずっといい」

流石にこの状況でメールを送る暇はなさそうだ
完全に動けなくなってしまう前に『サクソン』を発現し、布巾で固く傷口を縛り上げる

(本気で・・・・ まずい状況だ・・・・)

>>夢見ヶ崎 >>鉄

台所までたどり着いたのなら、二人はそこに『血の海』を見るだろう
血だまりの真ん中では赤月が背を壁に預ける様にして倒れている
無造作に放り投げられた両脚は血に染まり、大腿の切創からは拍動するように血が流れ続けている

739鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/16(木) 23:06:10
>>735

「・・・・・・・・・・」

足音を殺し、壁に背中を預けて中の様子を伺う。現在は、七篠さんが一抹くんを説得中ということか?
戦わずに済むならそれに越したことはない。
なるべく気付かれないように視線を送りつつ、万が一、一抹くんが『慈悲の刃』を
使うようなら、その『殺傷力』を奪うつもりだ。

740鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/16(木) 23:09:06
>>737-738

「・・・・・!」

床に倒れた赤月にも気付くが、飛び出したい気持ちを抑える。
このまま一抹くんから戦闘意欲が消えたなら、すぐに病院を手配しなければ。
あるいは、ここに『彼女』がいるならばその必要もなくなるが…。

741一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/16(木) 23:51:54
>>736
赤月のした失敗は『殺意』と『冬の風物詩』を使ったこと
『サンタクロース』並みに分かりやすい物を用意しないと一抹には効果が無い。
ギリギリまで近寄れたが『インダルジェンス』は『ポケットショット』を手にしている。
下手な攻撃をすれば手痛い反撃が返って来るだろう。

「誰か! ここで倒れてる人がいます…!」

七篠の声に反応した一抹が周囲を見回す。
当然のように本体と『ドクター・ブラインド』が見つかるが『インダルジェンス』は射撃をしない。

「私より赤月さんを心配した方が良いですよ。
 アリーナの敵対勢力の駒ですから…」

「七篠先輩に負ける日が来るなんて…」

観念したというより七篠の言葉に耳を傾けて『負けた』と判断したのか『インダルジェンス』が解除された。
贅肉の無い包容と『枝』の拘束で本体の一抹は七篠に拘束されていく…

>>737
七篠の言葉に渋々だが『インダルジェンス』を解除する。
『冬の風物詩』となる『枝』を使っても一抹は少しも嫌悪感を抱かないだろう。
そして、七篠は気づいた。一抹の身体が異様に軽い。
拘束したまま動いても邪魔にならないほどの軽さだ。

「なぜ、私を助けるのです? 見放しても良かったはず
 ただ、私は七篠先輩を傷つけられない…」

「何故だ…」

一抹が放心してる間に助けを呼ぶと不思議の国から出てきたような少女とスタンドが居た。
隙を狙っていたのだろうか手に『何か』を持っている。
さらに夕立先輩までも密かに近寄って来ていた。

>>738
「スタンド使いは最終的に独りですよ。
 氷山先輩は多くの人々に慕われていたけど『変貌』の
 最終段階まで誰も助けてあげなかった」

「赤月先輩も同じだ。最後は全てを裏切る宿命にある。
 私に説教をするなら『三回』死ぬほどの戦いを経験
 してからにしなさい」

「私から見れば赤月先輩は知らないことが多すぎる…
 それに誰かが都合良く動かしているようにも…」

>>739-740
「サクッと赤月先輩はやれたのに七篠先輩だけは…」

いつでも『慈悲の刃』を振り下ろし、『ポケットショット』で迎撃可能だった『インダルジェンス』が解除される
本体の一抹は贅肉の無い七篠先輩に包容されながら『枝』で拘束されていく。

「夕立先輩対策もしてたのに七篠先輩が…私は傷つけられない…」

どれだけ『夏の魔物』が精神を蝕んでも最後の一線だけは超えられなかったのかもしれない。
もし、七篠が『殺意』を持って襲っていたら赤月と同じく『慈悲の刃』の餌食にされていたはずだ。

742夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 00:14:22
>>738

(……………ヤバいな)

相当な出血量である事は、『現場』を見るまでもなかった。
『超人的嗅覚』で嗅ぎ取れる『血の匂い』が、
あまりにも強すぎたからだ。
だからこそ、『イズミン』に『治療』を頼んできたのだから。

(しゃべるなよ、マジでしぬぞ)

重傷を負いながらも啖呵を切る『ナカレ』を見ながら、
心の中で呟いた。

>>739

       ――――ピクッ

『足音』を殺していても、『ドクター・ブラインド』には分かる。
普通では聞き取れない音を聞き取れる。
それが『超人的聴覚』だ。

(…………『たちどまってる』)

『関係者』か『部外者』か。
さしもの『超聴覚』でも、そこまでは区別できない。
ただ、『足を止めた』という事は、
明らかに『この状況』が見えている。
そして、見えていながら立ち去らないし、
不用意に近付いてもこないという事は、
『慣れている人間』だ。
もし『味方』ならラッキーだが、
ハナから当てにするような事はしない。

>>737

(――――――『来た』)

『七篠先輩』が『イッちゃん』を拘束する様子が見えた。
彼女もスタンド使いだったらしいが、
そんな事に注目している場合ではない。
重要なのは、
『イッちゃん』が『彼女の能力に掛かった』という事実だ。

           ド シ ュ ン ッ

『ドクター・ブラインド』の片手に握った『土塊』を、
『イッちゃん』の目元を狙って投げる。
そして、それが当たるか防がれるか避けられるかする前に、
もう片方の手で『小石』を放つ。
最初に投げた『土塊』に『小石』を命中させ、
狙ったタイミングで『土』を顔の近くに飛び散らせる事で、
瞬間的に視界を妨げる事が目的だ。
あらかじめ『土塊』は砕けやすく『調整(>>736)』してある。
たとえ非力なパワーでも、間単に割る事が出来るはずだ。
同時に、『ドクター・ブラインド』を『イッちゃん』に接近させる。
射程距離は『5m』だが、
足りないようなら本体も一緒に前進しよう。

743夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 00:24:03
>>741

『という算段だった』のだが――――――。

          ス ッ

「おいおいおい!!いきなりブチこわしじゃねーか!!
 せっかくスキをうかがってたのによォ〜〜〜」

バレてしまったため、堂々と出て行かざるを得なくなった。
警戒は緩めないが。
『スタンド使い』というのは油断がならない。
もう諦めたように見せかけながらも策を仕込む。
これまでの経験上、そういう風に認識していた。

「『イッちゃん』、どうした??
 このまえあったときとくらべて、
 ズイブンと『しろく』なっちゃったみたいだけど。
 『コクバンけしクリーナー』でもひっくりかえした??」

「あ、『ナカレ』もおひさァ〜〜〜」

『ナカレ』に片手を振る。
しかし、おそらく分からないだろう。
あの時は『変装』していたのだから。

「『イッちゃん』。
 アリスさぁ、クイズかんがえたんだけど、だしていい??
 『イマがたのしいコ』と『イマがたのしくないコ』がいます。
 どっちがエライとおもう??どっちがスゴイとおもう??」

「セイカイしたら、キャンディーあげるよ」

本体の手でスマホを取り出して、
『イズミン』に連絡を入れておこう。

744七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/17(金) 00:28:23
>>741

「あ、スタンドが…」

 七篠は一抹が『インダルジェンス』を解除したのを見て戦う意志はないのを理解する。

「一抹くんは私をたくさん助けてくれました。
 大丈夫です、見捨てません」
「……それにしても、一抹くん…軽くないですか…?
 ちゃんと食べてますか…? まるで空気みたいです…」

 比喩ではなく軽すぎる一抹を『抱っこ紐のような形状になっている枝』で抱えたまま、周囲にいる鉄とアリス風の少女に声をかける。

>>740,743

「すみません。奥の人…赤月さん…?
 出血が酷いみたいなんです、止血をお願いできませんか…?
 私のスタンドで薬草とかも出せるので多少傷の手当てはできるんですが、
 今、この人を捕獲しているのであまり…その、加害者を被害者の近くに寄せたくなくて…」

745赤月『サクソン』:2021/09/17(金) 00:37:08
>>741

「それ・・・・・ は・・・・・」

ヒヤマ先輩って誰の事だ・・・・とか、宿命がどうだのと大きなお世話だ・・・・とか
色々と言いたい事はあったのだが、どうやら限界が近いらしい

(血を・・・・流し過ぎた・・・・)

朦朧とし始めた意識の中で、たった一つだけ言葉を残す

「人は・・・・ 独りなんかじゃあない・・・・」

この町に来てから多くの知己を得た
新しい繋がりがいつか自分の中から『兄』の存在をも過去へと押し流してしまうのではないか
その不安は常に赤月の心の中で燻り続けている

だが、それでも今更孤独だった頃に戻る事は出来ないし、するつもりもない
それだけは目の前の少年に伝えようと、最後の力を振り絞り・・・・言葉にした

>>743

(・・・・・・?)

僅かに残った意識が騒々しい声を聞く
どうやら自分の名前を呼びかけているようだが、顔がよく見えない

746夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 00:42:21
>>743

(許可していただけるなら、今泉PCを呼んで、
 赤月PCを治療してもらう事を希望します)

747鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/17(金) 00:43:26
>>741

先程、最中さんと交わした言葉を思い出す。
一抹くんは確かにそういう面もあるが、それだけの人間ではないと。
自分は間違っていなかったと、改めて思う。でなければ、七篠さんに声をかけられたとて止まりはしなかっただろう。

「・・・・・良かった、一抹くん。正直、キミと殺し合いをしたくはなかった」

『釘』をしまい、壁から出て行く。

>>742

「キミも来ていたのか。連絡先は、やはり『今泉』さんか?」

自分と同じく登場したアリスを見て、声をかけた。
彼女と今泉さんは仲が良い。そしてこの状況で、今泉さんはもっとも必要な『スタンド使い』だ。

>>744

「ありがとう、七篠さん。お疲れさまだ」
「安心してほしい、この寮には『治癒能力』を持っている『スタンド使い』がいる」
「彼女さえ到着できれば、赤月さんが亡くなることはないはずだ」

>>745

「キミも災難だったな、赤月さん。いや、二人ならば遅かれ早かれ、こうなっていたかもしれないが」
「…この出血量は、流石に心配になるか」「念のため、応急処置をしておこう」

辺りを見回して、清潔な布があればそれで患部の根元側を縛り、出血を抑えよう。
なければ『シヴァルリー』で自分の学生服を引き千切り、適度なサイズにして縛る。

748一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/17(金) 01:44:35
>>742
落ちた『ポケットショット』からパチンコ玉が3つ。
スピードでは『インダルジェンス』を上回る『ドクター・ブラインド』が本体を攻撃した場合、本体の夢見ヶ崎に撃っていたかもしれない。

「状況次第ですね。夏の衝動に気を許せば楽しくはなり
 ますが氷山先輩のようになってしまいます…」

「だから今の私は現在を楽しまないのが正解です」

   クスクス

                 クスクス


「私には『認知』出来ず『親しみ』さえ覚える『夏の魔物』。奴を知り過ぎたから私は『一回』でも楽しむと…」

「私は楽しみたいです。けど、『時間が無い』のです
 次に夏を謳歌したら氷山先輩が本当に『かき氷』に…」

遠く離れた柱の影に真っ黒い少年のシルエットがノートを片手に一抹を『観察』している。
一切の攻撃が通用しないとハッキリ分かるほど薄い影のヴィジョンが笑う。
そして、一切聞こえていない一抹の肌は『煙』のようだ。
『夏』を謳歌すれば跡形もなく『消えて』しまうだろう。

>>744
「助けたかな…どうだったかな…」

エアコン目当てにナイちゃんと部屋を占拠した思い出の方が多い気がする。
だが、それすらも今は出来ない。エアコンを使うこと自体が夏を楽しんだと認知されたら『最後』だ。
確実に跡形もなく『煙』となって消える。

「残り一回ですね。『夏の魔物』を知り過ぎたから変貌
 の速度が早いです。きっと、私も氷山先輩のように…」

>>745
「次は私に勝てる程度には強くなりなさい。
 じゃないと『アリーナ』では勝ち残れない」
 
「では、復讐を適度に頑張って」

>>746
(今泉さんを呼んでOKです。もう来ていた扱いでも…)

>>747
「一度なら私も楽しめると思いますよ。『切れ味』より
『慈悲の刃』は刺突の際の一撃が重要ですから」

「約束をしていましたが赤月さんには私が勝ちました。
 夏の能力無しで。意外と勝てるものですね」

近くに有った布巾を使って『シヴァルリー』で止血をする
『慈悲の刃』の力により痛がることはなかったが出血は激しい。

749赤月『サクソン』:2021/09/17(金) 06:27:32
>>748

(・・・・・・・・・・・・・やっぱり嫌いだ)

痛みこそないものの出血による血圧低下はいよいよ意識を昏く閉ざす
黒に塗りつぶされる意識の中で、一抹の言葉を聞く
普段であれば噛みついていたはずのその言葉でさえ、今の自分には抵抗する意思を持つ事さえ難しい

血と共に体温が奪われているのか、酷い寒気を感じる
光も音も、今はほとんど感じられない
臨死の孤独の中で赤月は己の無力さを受け入れていた

※なんらかの手段で治療されるまで、『気絶』しています
それまでレスは行わずに、『赤月は気絶している』ものとして扱ってください

750七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/17(金) 09:49:34
>>747

「治癒能力があるスタンド使い…『アリーナ』みたいな…」
「なら早く治療を…! ここからだと上手く見えないですけど…危ないように思えます…」

 七篠の脳裏に浮かぶのは白黒のスーツの女だ。
 もちろん彼女は年齢からして『寮』には住んでいないだろう。別の人間だと推察できた。

>>748

「助けてもらってますよ。
 『オジロ』の時も、『アリーナ』を見に行って怖くなっちゃったときも」

 太らせようとしてくる思い出が多かった気がするが横に置きながら答える。

「とりあえず縛っておけば多少は拘束できるでしょう…。
 ……でも、『夏を満喫』するのを妨害したら氷山さんみたいに一抹くん、暴れちゃいますよね…。
 あ、そうだ、『日記』にすこしだけ『夏の風物詩』を置いて気を紛らわせるって方法が書いてあったような…」

>『二階の部屋に、弟の【夏欲】を少しだけでも満たせるよう【ひまわりの花】を一輪だけ置いて』
>『弟は当然不満がっていたが眼前の【ひまわり】で少しは気が紛れていたようだった』

 確かにそのような記載はあった。
 だが、それはこう続く。

>『しかし、結局、弟は【民家】へと逃亡する事となる』
>『ツルをスルスルと巻き付け、二階から一階へと向かった弟』

 一抹を満喫させない程度に夏を与える方法などあるのだろうか。

751夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 21:35:20
>>750

「ダイジョーブ!!
 そのみちの『プロ』とハナシつけてあるから!!
 どんなキズでもバババッ!!っとなおっちゃうよ!!」

           グ ッ !

『七篠先輩』に向かって親指を立てる。
とはいえ、『先生』には早めに来てもらった方が良さそうだ。
『イズミン』宛てに『追加のメッセージ』を送信する。

>>745

「『ナカレ』!!しっかりしろ!!
 『キズ』は…………あさくないけど、とにかくしっかりしろ!!」

『ドクター・ブラインド』は『ドクター』だが、『治療』は出来ない。
あくまでも『移植手術』が専門だ。
応急処置は『クロガネくん』がやってくれてるし、
せめて呼び掛ける事で『ナカレ』の意識を保つ手助けをしよう。

>>747

「イエェ〜〜〜ス!!
 つーか、ひさしぶりに『イズミン』とあそぼうとおもってきたんだけど。
 たのしみにしてたのに、ヨテイくるっちゃったよ。
 フンきざみのスケジュールが…………!!」

なんでわかんだよ??
ココロのナカでもよめるのかァ〜〜〜??
ま、『クロガネくん』は『イズミン』のコトしってるし、そりゃわかるか。

>>748

「私は今まで多くのスタンド使い達と関わってきた。
 十人や二十人じゃあない。全て含めて『五十人』はいる。
 この場にいる誰も知らないような事だって知ってる」

一抹は、『説教するなら三回死ぬ程の経験をしてからにしろ』と、赤月に言った。
確かに一抹は『激戦』を経験しているのだと思う。
それは雰囲気から理解できる。
だが、それなら自分は、
一抹よりも『大勢のスタンド使いと接触してきた経験』がある。
それは一抹にはなく、夢見ヶ崎だけが持っているものだ。

「だけど私は、自分がイッちゃんやナカレより偉いとは思わない。
 私が知ってて二人が知らない事だってあるし、
 二人が知って私が知らない事だってある」

「私はイッちゃんを尊重してるし、ナカレの事も尊重したい」

752夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 21:38:26
>>751

続けて、顔馴染みの『アリーナ』構成員『金一』に電話を掛ける。
七篠のお陰で一抹は戦いを止めてくれたが、
このままにはしておけない。
『場所』が必要になるはずだ。
それを用意してもらいたい。
出てくれるかどうかは分からないが、
掛けてみるだけ掛けてみよう。

753今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/17(金) 21:52:25
>全体

呼ばれたから、返信するよりも先に来てみた。
フツーに考えて、急いだ方がいいと思うから。

「あっ! ユメミン」「と」
「うわーーー」「すっごい事になってる」
「先生、先生ーっ、出て来てくださーい」

           『スデニ』
           『出テオリマス、今泉サン』

「あはは。さっすが先生ですっ」
    
先生は『怪我してる人』のすぐ横に出て来れるから。

「それで」
「私もなにか、手伝った方がいいんですかっ?」

               コール・イット・ラウ″
            『世界はそれを愛と呼ぶ』
            『サア補修ヲ 行イマショウ』

すぐ、あの人をなおしてくれると思う。
で。その間私は何をしてたらいいのかな。って事なんだ。

―――――――――――――――――――――――――

その場に現れたのは、髪をツインテールにした少女と、
全身をマスキングテープで巻かれたような人型のスタンドだ。

――同じ『その場』でも、スタンドの方については、
いきなり『ナカレ』の側に、『発現』された。

754鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/17(金) 22:05:34
>>748-749

「一抹くんの負けず嫌いは、いっそ病的だな。そんな口が利けるなら、キミは大丈夫そうだ」

安心したように、一抹くんへ向けて微笑む。
『夏』に浮かされた状態で寮に突撃して、犬猿の仲とはいえ顔見知りを傷付けて、
しかし敬愛する友人には刃を振るえず、逆に取り押さえられてしまう。
正直、メンタルが大分やられてしまってもおかしくはなかったが。
流石は一抹くんといったところか。後は赤月さんの容態次第か。
手当もないよりマシなレベルだ。救急車でもこれは間に合わないかもしれない。

「一抹くん、キミの身体は今どうなっている?」

>>750

「彼女がこの寮内にいるのであれば、間もなく来てくれるはずだ」
「…それよりも、確かに一抹くんをどうするかは問題だな。手記にもあったように、夏に飢えた犠牲者を完全に拘束するのは難しい」

『インダルジェンス』の膂力とその刃、更に未知数の夏の力を含めると
並大抵の装備では一抹くんを拘束することはできない。
完全な夏化までまだ余裕があるならば、いっそ夏に放り出してこちらの進行に集中する手もあるが…。

>>751

「ああ、キミは最初からそういう目的だったのか。ある意味ちょうど良かった」
「それなら今泉さんは寮の中にいるということだな?…しかしアリスが、そのスケジュールとやらの通りに行動しているイメージは付かないが」

「ところでキミは、今泉さんの家庭について、何か知っているか?」

と、そこまで訊ねたところで誰かの足音を耳にした。

「いや、すまない。この話はまた後にしよう」

>>753

「こんにちは、今泉さん。それに『先生』も」「『治療』をよろしくお願いします」

そういえば、確か『先生』は自らの意志で行動するところがあるらしい。
その間に本体である今泉さんは、治療に専念しなくていいということか。
…とはいえ、特に何か必要なものがあるわけでもないが。
代わりに、現在の事情について説明しておこう。

「今泉さん、現状について説明させてもらってもいいだろうか。
 当初はまず、オレの友人である氷山さんが、とある『民家』を訪れたことによるものなんだが─────」

現在に至るまでに起きたことを説明する。

755一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/17(金) 23:02:50
>>749
『シヴァルリー』が止血をしているが『慈悲の刃』に刺された傷は深い。身体が冷たくなり意識も失われていく。
もうすぐ『治療』系のスタンド使いが来るからには『出血死』は絶対に無いはずだ。

赤月『サクソン』⇒『再起可能』『大量出血で気絶』

>>750
「氷山先輩を食べたい…」

唐突に一抹が不穏な言葉を発する。そもそも敵地に突っ込んで来たのは何故なのか?
それは一抹が赤月との戦いで『闘争本能』を解消し、氷山を喰らって『夏の衝動』を一気に解消するためだった。
『冬の風物詩』を知らないように『夏の風物詩』を知らない一抹は最後に見たかき氷が忘れられずに来たのだ。

「『クリスマス』開催の準備をやめませんか?
 皆さんが準備していると思うと苛々するッ! 」

「せめて氷山先輩を食べさせてください!」

『包容』された一抹が苛立ち始めた。
変貌の進んだ氷山が凶暴化したように『夏の魔物』に憑依された者は『夏』を邪魔する全てを憎悪するようになるのだろう。

>>751-752
「私が関わるのは町の裏側に近い人たちばっかりです。
 有事に助けてくれる人は少ないですよ」

「それに赤月先輩とは殺し合わなきゃいけません。
 きっと、この子は『エクリプス』の捨て駒です」

「ついでに思い込みが強いから利用しやすいです。
 ずば抜けて強いほどでもないから使い潰される未来
 しか見えない憐れな子ですよ」

>>753
テーブルに叩きつけられた赤月の太ももからは相当な量の血が出ている。今すぐにでも治療が必要だろう。
実行犯らしき小さな少年は焦げ茶色の髪を伸ばした少女に包容の上から『枝』で拘束されている。

  『スデニ』
           『出テオリマス、今泉サン』

赤月の側に『転移』した『コール・イット・ラヴ』が深く刺された太ももに『テープ』を巻きつけていく。
どう見ても『重傷』の刺傷の完治は『5分』ほどで終わるはずだ。

>>754
「『かき氷』になる前の氷山先輩も全身が変貌して能力
 を得て、そのあとに日野家で『かき氷』化しました」

「今の私は『真っ白な煙』になって四肢を『煙』に変貌
 させることが可能です。つまり、もう終わりが近い」

「『夏の魔物』に親しみを感じるようになったり、私も
 『冬の風物詩』やクリスマスの準備を行う人々に憎悪
 を抱き、今にも襲い掛かってしまいそうです…」

「が、私は『冬の風物詩』は分かりませんし、クリスマスの準備が木々に飾り付けをするぐらいしか分かりません」

「ここに来るまでに嫌だったのは木々に付ける金銀の
 飾り付けだけです」

『夏の魔物』の笑い声が微かに聞こえるが飾り付けやクリスマスカラーの無い位置から動かない。
逆に一抹はクリスマスカラーのリボンや靴下の飾り付けを無視してキッチンにまで侵入している。
『サンタクロース』並みの直球な存在でなければ、一抹はシカトしてしまうかもしれない。

756夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 23:15:12
>>753

  「『イズミン』――――――」

             ダッ

          「――――――と『センセー』!!」

思わず満面の笑みでイズミンに駆け寄った。
ちゃんと顔を合わせるのは何だか久し振りだったし。
それに、今日はイズミンに会いに来てたんだから。

「イズミン、きてくれてアリガトね。
 ホントはあそびにきたのに、こんなコトになっちゃった」

「はなせばナガくなるんだけど、つまりアレがコレで」

「くわしくはクロガネセンセーがおしえてくれるって!!」

説明は丸投げしとこう。
呼び出し中のスマホを耳に当てながら、
イズミンの隣に並んで立つ。
『アイツ』でるかなァ〜〜〜??
なにしろカイショーゼロのダメオトコだからな。
『キンイチ』のヤローがでるまでハッシンぞっこうだ。

>>754

「まぁな!!アリスは『アドリブ』がウマいタイプだし!!
 なかなかワルくないチャクガンテンだとおもうぞ」

「え??なに??『イズミンのカテイカ』??」

『カレー』でもつくるのか??
きょうは『シーフードカレー』がいいな!!
いや、いっぷうかわった『ドライカレー』もすてがたい…………!!

「…………って、おい!!」

「いいかけたコトとちゅうでやめたらキモチわるいだろ!!
 なんか、このヘンがモワモワする!!」

まぁ、イマだけはゆるしておいてやろう。
ウンがよかったな。
ツギはこうはいかないぞ。

>>755

「私が心配してる事は『一つだけ』」

「『有事に助けてくれる人』に私は入ってる?」

「『入ってない』んなら今入れておいて」

>>(全体)

「――――ところで『イッちゃん』のコトなんだけど」

「『バショ』がいるんだったら、アリスに『ココロアタリ』がある。
 つーか、イマ『かけてる』トコだし」

「『アリーナ』に、ちょっとした『シリアイ』がいてさぁ〜〜〜。
 『キンイチ』ってんだけど、
 わたしの『マネージャー』みたいなもん」

「レンラクつくかどうかわかんないけど、
 もしデンワにでたら、ソイツにナンとかさせてみるよ。
 『ボンクラ』だから、やくにたつかどうかわかんないけど、
 いないよりマシだとおもう」

757七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/18(土) 07:41:42
>>753

「わ、スタンド…。『補修』…?
 もしかして、治してくれるんですか…?」

 現れたスタンドに七篠は驚いたように声を上げる。

>>755

「た、食べないでください…。
 それに『かき氷』はペットボトルに入ってるものを食べる食べ物じゃないですからね…?
 今のままじゃ食べられませんからね…?」

 ある種想定はしていた言葉に七篠はやっぱりかと思いながら答える。

「でも、一抹くんはたしか『クリスマス』ってあんまり詳しくなかったですよね…?
 大丈夫です、気のせいです。私たちは別に『クリスマス』の準備なんてしてませんよ。勘違いです」
「もし、本当に『クリスマス』を準備してたら『夏の魔物』は嫌がるかもしれないですけど…
 一抹くんは『影』を見えない…ですよね…? 嫌がってることなんて気付けないはずです」

 おそらく七篠は入ってくる直前の「冬の名物は『サンタクロース』ぐらいしかわからない」という言葉を聞いていたのだろう。
 『クリスマス』を準備していないという嘘をつき、『クリスマス』に疎い一抹をひとまず安心させようと考えているらしい。

>>754,756

「一抹くんをどうするか…。
 『リルトランク』の枝もそんなに長くは持ちませんし、
 解除する度に生やしなおしても『インダルジェンス』で切られたら終わりです。
 もうここまで変化が進んでるなら『夏』を楽しんだらたぶん…」

 七篠はそう俯きながら悩んでから続くアリス風の少女の言葉に顔を上げた。

「『アリーナ』…ですか…。
 あんなところに一抹くんを預けて大丈夫なんですか…?
 一抹くんに はしたないことをさせようとしたところに…」

 七篠は『アリーナ』がらみの依頼を一つ受けている。
 だが、その時は話に聞くだけだった『アリーナ』の実態を知ったのは先日、一抹の観戦に行ったときだ。
 つまり、実質的に七篠が知っているのは敗北した者に対し暴力を振るうように唆す治安の悪い『アリーナ』だ。
 観戦後、男性嫌悪のような状態になっていた七篠にとっては信頼度は地の底のような場所だ。

758今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/18(土) 22:10:51
>>754
>>755
>>756

「ユメミン! よかった、無事でっ……!」

               『オ久シブリ デス』『夢見ヶ崎サン』
               『ツモル話ハ “補修”ヲ 終エテカラ イタシマショウ』

「本当に、よかったです」「私」「心配してたんですよ」「本当に」
「――――遊びにはこれが終わったら行きましょうっ」「秋限定メニューとか、食べに!」

その為には、夏を終わらせないと、いけないんだよね。
治すのは先生がしてくれてるから、私はお話を聴いておこう。

「え。クロガネ……って、あれっ、鉄先輩もいたんですか!」

「とゆーかその話」
「別の人からも聞きましたよー。
 だから『町をクリスマスにして夏を倒す』んですよね?」
「そのために『アロマディフューザー』を町中に置きまくるんだーって」

小石川さんから聞いた話と同じだ。
ということは、夏の話をしてる、あの子は。

「それじゃー、あの子も『夏の魔物』にやられた子なんだ」
「なんだか怖い感じのこと言ってますけどっ」

         『夏ノ悪影響カモ シレマセン』
         『今ノ言動デ 性格ヲ決メツケルノハ 早イデスヨ』

「そうですか? まー先生がそういうなら、そういうことだと思っておきます」

赤月先輩っていうのが、この刺されてる人だよね。
この子も、この人も、お話からすると、きっとフツーじゃないんだろうな。

「とりあえず私はフツーに、人を閉じ込める場所の心当たりとかないので」
「そのあたりは、ユメミンと鉄先輩にお任せしちゃいますねっ」

二人ともスタンドの世界に、すごく慣れてるんだ。
でも、この二人はちゃんと自分のまま。私の友達と、先輩のまま。

だから、あっちの二人も、スタンド使いだから、ってだけじゃないんだろうね。

>>757

「はじめまして! 先生は集中してるので、私から紹介しますねっ」
「お名前は」

                     『コール・イット・ラヴ』
                     『“アイ”トモ 名乗ッテ オリマス』
                     『以後 オ見知リオキヲ』

「あはは、聞いてたんですね先生」
「そういうことで、一応、私のスタンドで」「能力は壊れたものを直す事!」
「消しゴムとか、割れちゃっても直してくれるんですよー」

「あ、そうそう。私は『今泉未来』って言いますっ」
         
初めて見る子にも自己紹介しておこう。
初めて見る、ってわけじゃないかもだけど。同じ学年に、こんな子、いた気もする。

759鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/18(土) 22:55:07
>>755

「そうか。『クリスマス』に疎い、その点はオレと同じで助かったな」
「何が冬の風物詩なのかは、憑依した人間によって変わるということか。
 四季のない国から来た『外国人』なら、日本の夏を経験する前であれば
 『夏の魔物』を無効化できる可能性もあるか…?」
「もし一抹くんの他にも誰かを憑依させなければならないなら、候補にはなり得るな」

一方『夏の魔物』はしっかりと『クリスマス』を認識しているようだ。
この差を活かせば、『夏の魔物』だけを一抹くんから引き剥がすこともできるか?
もっとも今重要なのは、『夏の魔物』を退治あるいは封印することであり、
引き剥がして時間稼ぎをすることは本来の目標ではないが…。

>>756

「ああいや、またこの一件が片付いた後にしておこう」

この反応だと、アリスも深くは知らないか。自分は全く知らないが。
ただ以前今泉さんと話した時から、色々と引っかかっていたことがある。
ただの杞憂で何事もなければそれで良いし、そもそも今は『夏の魔物』が最優先事項だ。
一旦その件については置いておこう。

>>757

「『アリーナ』も派閥による。…少なくとも『最中派』は、確認したアリーナの中では
 最も治安が悪く、個人的には不快な場所だ。全ての『アリーナ』がああではないよ」

「しかし『拘束』も、今の一抹くんでは難しいかもな…『雲化』とでも言えばいいか?」
「『アリーナ』にいる『スタンド使い』に、適した能力の者がいればいいが」

自分の知る『タダヒト派』のスタンド使いには、今のところ該当する人間はいない。
最悪、足を折るのが一番確実だが。自分や一抹くんはやる覚悟もやられる覚悟もあるが、
七篠さんの前でこれを口にするのはよろしくない。
幸い、アリスには心当たりがあるようだ。ひとまず彼女に委ねるとしよう。

>>758

「『アロマディフューザー』を…?スゴいな、作戦の意味はまだ理解しかねるが
 オレの知らないところでもどんどんと話が進んでいるということか」
「・・・・・最初から、知る限りの『スタンド使い』全てに助けを求めるべきだったのかもな」

三人寄れば文殊の知恵、ならば頭数はできる限り多い方がいい。
もちろん中には協力的ではない『スタンド使い』もいるだろうが。
逆に妨害をしてくる程ではないだろう。メリットが存在しないからだ。
ならば手当たり次第に声をかけるのが正解だったのだろう。
…助けを求めるのが下手な自分に、内心歯噛みした。

「すまない、今泉さん。キミの知る限りで、どんな『スタンド使い』が動いているんだ?」

760一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/19(日) 00:48:54
>>756
「あとで『連絡先』を教えてください。
 今までは夢が絶たれたり、クズの対処で交換して
 ませんでしたね」

「本当に助けを求めて良いんですね?
 私は役に立たないのに…大して強くないのに…」

>>757
「きっと『夏の魔物』はクリスマスを嫌ってますよ。
 以前と違って『冬の風物詩』を準備する人々に嫌悪感
 を抱くようになりましたから」

「未だに消滅してなかった『さんずさん』がラジオ局の
 配信に便乗して助けを呼び掛け、クズの最中がサンタ
 のコスプレをさせた女性たちを配置したり…」

「私を『仲間外れ』にして企んでるのは分かってるッ!
 見えないけど『夏の魔物』は私の友人なんです!」

「クリスマスをやめなさいッ! どうせ成功しないッ!」

氷山の時よりも『夏』を妨害する者と『冬の風物詩』を準備する者たちへの怒りが強まっている。
このままだと再び暴れ始めるかもしれない…

>>758
「傷を治せるスタンド使い…」

「みんなの手足を切断しても治されてしまう…」

少女に『拘束』される涼しく刺すような玲瓏とした風貌のあどけない少年の雰囲気が刺々しいものになっていく。
戦闘音こそ聞こえなかったが短時間で少女に深い傷を負わせた危険人物だ。
もし、『夏の魔物』が夢見ヶ崎に憑依したなら友人でも容赦なく襲い掛かるだろう。
ひと夏に一回のルールに割り込んで『時間稼ぎ』のために人柱となったのが少年ではなく夢見ヶ崎だったら…

>>759
「『3回目』は有り得ませんよ。ひと夏に最低でも二回
 が『夏の魔物』のルール」

「彼にも知性が有るから日野家ではない違う場所で被害
 を出し、これからも永遠の夏を楽しむのでしょう」

『日記』に『退治』するとまで書かれた『夏の魔物』は中途半端なことでは対処不可能な災厄だ。
一度でも取り逃がせば二度と『夏の魔物』を知る者の居る場所には姿を現さない可能性が高い。
このまま一抹を放置すると自由自在に体積を操れるようになった氷山と同じく身体を『雲』に変えるに至るかもしれない…

761夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/19(日) 05:01:50
>>757

「あぁ〜〜〜そういうのあるよね〜〜〜。
 わかるわかる。わたしも、こないだみてきたばっかだし。
 たしか『サイチュウ』ってトコだっけ??」

「まぁ、アレはアレでいいのかも。
 『ゴミバコ』がなかったら『ゴミ』いれるバショがないから」

『観戦』に行った時に、『最中派』の雰囲気は確認していた。
他の派閥も幾つか見てきたが、多分あそこがド底辺だろう。
預けようとしているのは、そこではない。

「でも、いまレンラクしてんのは『ベツのバショ』。
 『アリーナ』にも『ピン』から『キリ』まであってさぁ〜〜〜。
 『グループ』ごとに、
 『かんがえかた』とかイロイロちがったりするワケよ」

「ナニをかくそう、わたしも『センシュ』なんだ!!
 『シアイ』に『2かい』でたコトある。
 どっちも『かった』!!イェイ!!」

言葉と共に、勢い良くブイサインを突き出す。

「それいがいにも、『ようちえんみたいなバショ』で、
 『コドモのおせわするシゴト』もひきうけたコトあるし。
 ソコの『フンイキ』は、よぉ〜〜〜くしってるからさぁ。
 すくなくとも、『サイチュウ』みたいなトコじゃない」

「『ナナちゃん』もアンシンしていいぞ。
 『アリーナ』がシンヨウできないってんなら、
 このわたしをしんじろ!!」

しんじられないって??
よし、この『め』をみてみるんだ。
まるでダイヤモンドみたいにキラキラかがやいてるだろ??

「あ、ナマエしらないからしんじられない??
 わたしは『夢見ヶ崎』で『明日美』で、
 『アリス』で『ユメミン』で『アルカラ』」

「おスキなのをドーゾ」

「――――あ、デンワつながったっぽいからでてみるね??」

>>758

イズミンはユメミンのトモダチだ。
『たいせつなトモダチ』。
わたしはそうおもってるし、これからもそうだとおもう。

「おっ、いいね〜〜〜!!『モンブラン』とか!!
 『フェミレス』いかない??『フェアリー・ミトン・レストラン』。
 『オトギバナシ』がテーマになってて、
 かなりフンイキいいみせでさぁ…………」

「さすが『センセー』はシゴトがはやいですな。
 おもいっきりやっちゃってください!!」

イズミンがいてくれてホントに良かった。
これでナカレは問題ない。
あとは、イッちゃんの方だけ。

「あっちのコは『イッちゃん』。
 まえにユメミンとイッショに『ユメのセカイ』にいっちゃったコ。
 あのときはタイヘンだったな〜〜〜。
 ほら、いつだったかイズミンにきいてもらったヤツ。
 おぼえてる??」

確か、ここの『談話室』で話したはずだ。
『不思議の国』から帰ってきた後に、
イズミンと話すとホッとする。
『フツーの大切さ』みたいなものが分かる気がするから。

「で、そっちのコは『ナカレ』。
 ユメミンもナマエくらいしかしらないんだけど。
 チョットまえ『アリーナ』の『シアイ』にでてるのみたよ」

「――――あ、デンワつながったっぽいからでてみるね??」

762夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/19(日) 05:03:07
>>759

「『サイチュウ』のトコはひどいよなァ〜〜〜。
 こないだアリスも『シアイ』みにいったけどさぁ、
 わりとサイショのほうで『カネかえせ!!』っていいたくなったね。
 まぁ、はらってないんだけど」

「でも、このまえは『サスズ』のおかげでたすかったし。
 『サキュバス』のハナシしたでしょ??
 アレのとき、『サイチュウ』のヒトとイッショにいたんだけど、
 あのヒトがいなかったら、たぶんヤバかった」

「だから、アリスてきには、
 『クソだけどギリギリみどころがないでもないクソ』ってカンジかも。
 でも、ゼンタイテキには、やっぱ『クソのクソ』かなぁ」

あの場に『北落』が現れたからこそ、
『夢の世界』から脱出する方法が分かったし、
戦闘や治療のサポートもしてもらった。
それは事実だ。
『最中派』自体は『掃き溜め』同然だが、クズはクズなりに、
話が通じる人間がいない訳でもないとは思う。

「あ、ちなみにアリスがかけてるのは『ちがうトコ』だから。
 アリスが『センシュ』やってるトコでさぁ。
 『2かい』でて『2かい』かった!!」

「――――あ、デンワつながったっぽいからでてみるね??」

>>760

「もちろん。何だか随分時間が開いちゃったね」

「私が助けたいから助けるの。
 イッちゃんが助けを必要としてる時は必ず助けに行く」

「今ここにいるのだって『そのため』なんだから」

            ツンッ

『ドクター・ブラインド』の『爪』で一抹に軽く触れる。
動きを封じられているなら今なら、まず外す事はない。
これにより、『超人的聴覚』を『移植』する。
もし拘束を振り払われたら一大事だ。
万一そうなってしまえば、
一抹を助ける事が出来なくなってしまう。

>>(全体)

「みんなにオネガイがあるんだけど。
 イッちゃんがダッシュツしようとしたら、
 『おおきなコエ』でさけんでもらえる??」

イズミンは、すぐ分かってくれるだろう。
クロガネくんにも『ドクター』の『能力』は話してある。
『クロガネくん』・『ナナちゃん』・『イズミン』・『ジブン』。
この四人が一斉に叫べば、十分な音量が稼げる。
最低でも動きを止める事は出来るはずだ。

763七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/19(日) 08:45:08
>>758

「ありがとうございます。
 えと、はじめまして、私は『七篠譲葉』といいます。
 私のスタンドは『リルトランク』で、こんな風に『枝』が生やせます」

 血が溢れる惨劇とその犯人を捕まえている現状としてはこうして挨拶を交わすのはどこか異様に思える。
 七篠は『壊れたものを直せる』と聞いてすこし考え込んだように俯く。

 その……今、聞くことではないかもしれないんですけど…。
 壊れた床とかも直せますか…?

 もしも、そう聞けたら部屋の惨状をどうにかしてもらえるかもしれない。
 だが、やはりそれは今ではない。

「あ、『アロマディフューザー』の話ってそんな広がってるんですね」

 七篠は小石川と調達に出かけた『アロマディフューザー』の話がここでも出てきたことに驚いている。

>>759

「あそこの『アリーナ』が、おかしいんですか…?
 他のところを見ていないので、私は…わかりません」
「『アリーナ』ならもしかしたら拘束とかがもっと上手くて、安全にできる人がいるかもしれませんよね。
 スタンド使いがたくさんいるみたいですし」

 七篠は鉄の言葉の前半に猜疑心を抱き、後半に素直に肯定する。
 スタンド使いが多ければそれだけなにかできる可能性は広がるはずだ。
 その組織があのようなことをさせようとする場所であろうと、可能性はある。

>>760

 七篠は『夏の魔物』が一抹には見えないことを利用して口車に乗せにかかる。

「……一抹くん、『クリスマス』はオーストラリアでは『夏』の行事です。
 きっとお友達もわかってくれます。
 私たちはちょっと風変わりな『夏』をするだけですから」

 オーストラリアでは『夏』の行事だろうと星見が存在する日本では『冬』の行事である『クリスマス』。
 『スイカ』に『虫取り網』、『麦わら帽子』、『水着』、『ひまわり』や『朝顔』、『すだれ』に『扇風機』。
 『おばあちゃんち』で溢れていたのはどれも『日本の夏』だ。
 おそらく嫌う『冬』も『日本の冬』のはずだ。

「一抹くんは『夏』をやめろと言うんですか?
 私たちは一抹くんが知らない『夏』をやろうとしてるだけなんですよ」

 念のため、ルーズリーフを取り出し『リルトランク』で『サネカズラの枝』をもう一本、一抹に絡みつくように生やし拘束を強める。

 一抹は『冬』を『サンタクロース』くらいしかわからないと言った。
 もしもそれが家庭環境が元であれば、他の季節――『夏』も一般的なものはわからないかもしれない。

>>761

「そう、なんですか…。
 お二人が言うなら、そうなのかも…?」
「いろんな『アリーナ』があって、あんなところだけじゃないんですね…」

 七篠の中にはいまだに『アリーナ』への猜疑心があるが、それはそこだけの問題だと複数のスタンド使いから言われればある程度信じられたようだ。

「夢見ヶ崎さん、ですね。
 改めて、私は『七篠譲葉』といいます」
「あ、電話ですね、わかりました」

 七篠はそう言って目礼する。一抹を括り付けている関係で頭を下げることはできないようだ。

「大声…ですか? 一抹くんが逃げそうになったら…?」

 七篠は疑問を感じているようだが、実行する意志はあるらしい、頷いた。

764今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/19(日) 22:31:21
>>759(鉄)

「えーっと、これって見せていいのかな」
「鉄先輩ならいっか」「……はいっ、これですっ!」

一松くん?には見えないようにスマホ画面を見せる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
   薬師丸幸
   神原幸輔
   ココロ
   小角宝梦
   朝山佐生
   今泉未来
   成田静也
   アンジェ
   遊部玲実
   空織清次         ・・・張り紙の写真だ。

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/749
―――――――――――――――――――――――――――――――――

「とりあえずこの人たちは呼ばれてるみたいです」
「お返事したかは分かりませんけどっ」

「呼んだのは『小石川さん』って人です。鉄先輩、知り合いだったりしますか?」

>>761-762(夢見ヶ崎)

「ああっ、そうだったんですね! ……あの話の」
「それなら! 先生もますます張り切りますよ」
「ね、先生」

            『私ハ イツデモ 全力デスヨ』
            
「それもそうですかっ」
「分かりました、何かあったらすぐ叫びますよ?」

ユメミンはやっぱり、不思議の世界になれてて。
鉄先輩もだけど、すごく頼りになるなって、思う。

>>760(一抹)
>>763(七篠)

「あはは、そんな事しないでください」
「いくら治せても、フツーに痛いんですからね」

                 『…………』

あ。笑うのは違ったかも。
多分、本気で言ってるんだと、思うから。

「七篠さん」「ですねっ」
「よろしくお願いします」
「こんな時に自己紹介するのもなんですけどね」

            『コンナ時ダカラコソ』
            『互イノ コトヲ 勉強スルノハ 大事デスヨ』

「まあ、先生も、こう言ってますし」

こういう状況って初めてだから、わかんないな。

「あ、そうそう!」「アロマで解決なんて、私もびっくりしましたけど」
「一松くん?とか、他の人も大変な目に遭ってるんですよね?」

            「だったらお手伝いするのがフツーですよっ」

一松くんが暴れ出したら、すぐに大声を出せるように、見ておこう。

765鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/19(日) 22:55:51
>>760(一抹)

「あくまでそれは手記を残した者の観測情報だからな。そうかもしれないし、そうでないかもしれない」
「出来る限り一抹くんの所で踏み留めたいが、もしそうならなかった場合の事も考えておくよ」

その兄も犠牲になって、あの『民家』のどこかで夏の風物詩になっているのだろうか。
でなければ、他に『一名』だけ代わりに犠牲になることで、夏を延長できるというルールを知ることはできないはずだ。
彼の弟の為に、命を賭けられる人間が他にいたなら分からないが。

>>762(アリス)

「『夢の世界』に『最中派』の人間が…?」

すぐに思い当たったのは『自作自演』だが、アリスがそれに言及しないということは
その可能性は低いようだ。普段の振る舞いからは意外かもしれないが、彼女の洞察力は鋭い。
多少なりとも、『最中派』に対する評価を改める必要があるだろう。

「…!キミもアリーナで戦ったことがあるのか。…ああ了解した、よろしく頼む」

小さく頭を下げて、一抹くんの保護に関しては一旦アリスに任せよう。
しかし彼女も『アリーナ』の選手だったのか。
アリスの好奇心を考えれば、確かに有り得ない事ではない。…やはり少し心配になるが。
どうやら彼女は『一抹』くんに聴覚を移植するらしい。頷いて、備えておこう。

>>763(七篠)

「かつてオレの妹を襲った『通り魔』を探し、そして戦った時。彼らも利害が一致したとはいえ『タダヒト派』の人達は協力してくれた」
「組織の大きさや理念の関係で、いつでも頼りにできるわけではないが。
 この町の『治安維持機構』の一つ…と評価しても間違いではないはずだ」

とはいえ、自分もアリスの言う『アリーナ』に関しては未知数だ。
少なくとも、『タダヒト派』や『最中派』ではない。だから手放しに安全だ、とは言えない。

>>764(今泉)

「ありがとう」

今泉さんが見せてくれたスマホの画面を眺める。
彼女と朝山さんの他には、知り合いの名前はいないようだ。

「感謝する。そちらの方で動いてくれている誰かと連絡を取れたなら効率的に活動できるかと思ったんだ」

そうなると、朝山さんは一旦置いておいて、今泉さんになるだろうか─────。
そう思い視線を向けていると、そんな少女から予想外の名前が出てきた。

「小石川さんが?」
「…ありがたい、頼りになるな。後ほど彼女へと連絡を取らせてもらおう」

そしてスマホを操作する手が、ぴたりと止まる。

「申し訳ないが、小石川さんの連絡先を教えてもらってもいいだろうか…
 万が一、キミが怒られたら即座に電話番号を消すので…」

766一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/20(月) 00:23:58
>>761-762
「あのクズ女の名前は『サイチュウ』ではなく『モナカ』
 って名前ですよ…」

「『綿飴』になる前にあの女だけは殺したいですッ!
 あそこの中核となる構成員の北落さんに聞いたんです
 どれだけ負けても選手たちはケロッとした顔で帰還
 すると。きっと最中のスタンドで…」

「あの女だけは殺したいですよォォ…」

『超人的聴覚』を『移植』された一抹は最中派について恐ろしいことを口にしながら暴れる。
一抹も北落とは会ったことがあるようだ。
何をされるか分からないゆえに一抹は観客全員と『ヤミー』を敵にしてでも赤月と真金を守ったのかもしれない。

>>763
「『さんずさん』が駅前の掲示板を使ってスタンド使い
 とクリスマスの準備をしているじゃないですかッ!」

「本能的にクリスマスを準備する人々に苛々するッ!
 夏にクリスマスを行うなんて許されないッ!」

綿菓子のように軽い一抹だが暴れ始めると七篠の身体も揺さぶられてしまう。
『包容』をやめて『枝』で包んだ方が楽だろう。
ただし、そうなった瞬間に一抹は『インダルジェンス』の『慈悲の刃』で逃亡するだろう。

>>764
「大体は隠すような情報は知ってると思いますよ。
『さんずさん』の放送を聞いてから隙を狙ってました」

「完治するまで一切の苦痛を与えない『慈悲の刃』が
 有るから大丈夫ですよ。骨を斬られた感覚も無いです」

恐ろしいことを言いながら赤月に視線を向けている。
まだ戦い足りないのか一抹は不満気な表情だ。

「香りでムードを作ろうとする気でしたか。
『夏の魔物』を退治するには些か火力が足りないです」

「雪を降らせるとか市民が自主的にクリスマスを行わない
 限りは『夏の魔物』を殺せないと思います。
 奴は危険を悟れば影を伝って何処にでも逃げますから」

「最悪の場合は『供与者』を使うのも…」

>>765
「日付を無視して強引に31日目の日記を描くような奴で
 すから残暑の終わる9月を過ぎたら雲隠れしそうです」

「ひと夏に一人が普通で残暑の9月がボーナスタイム。
 私のように甘く見てると酷い目に遇わされます」

「実際に私を捕らえ損ねて負傷者も出てしまいました。
 残暑も終わりが近いです。きっと、私も…」

三人目などという甘い動きを『夏の魔物』がするとは思えない。奴は思考するスタンドのような存在だ。
本当に『クリスマス』を流行らせた程度で倒せるのだろうか?

「私は最後に氷山先輩を信じて失敗しました。
 もしも、私が甘い考えを囁き始めたら耳を貸しては
 いけません。それは確実に罠です」

特に『夏の風物詩』を知らない私も『31日』が近づくにつれて氷山先輩のようになるのだろう。
すべては『夏の魔物』の気分次第だ。

767夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/20(月) 05:40:11
>>763

「『レストラン』だってさぁ、
 マズいトコとかサービスがワルいトコとかあるでしょ??
 ナナちゃんは『マズいうえにサービスがワルいみせ』に、
 ウンわるくタマタマあたっちゃったってコト」

「『フェミレス』はウマいしサービスもいいけど」

それだけ言って、通話に集中する。
電話口の相手と交渉しているらしい。
声を聞く限りでは、どうやら話は纏まりそうだ。

>>764

「そそ、ソレソレ〜〜〜。
 ジツはサイキンも、またイロイロあってさぁ。
 きょうは、そのハナシしよっかなっておもってきたんだけど」

横からイズミンに答えて、あとは通話に専念。
知り合いらしい相手と喋っている事が分かる。
そろそろ話は纏まりそうだ。

>>765

「クロガネくんのしらない『ヒミツ』は、
 まだまだイッパイあるんだぜ??
 『あんなコト』とか『こんなコト』とかね!!」

「あ、『そんなコト』もあったっけ??」

そう言って、また通話に戻る。
『アリーナ』の人間と交渉中らしい。
聞こえる内容から判断すると、話は問題なく纏まりそうだ。

>>766

「同じ字面だから間違えちゃった。
 私『漢字』弱いから、なかなか覚えられなくて」

「あいつらの事は私も好きじゃないけど、
 今はイッちゃん達を元に戻すのが最優先」

「『泊まる場所』は予約しておくから。
 全部終わったら必ず迎えに行くよ」

明るく言ってから、通話を続ける。
電話の向こうにいる相手は知り合いらしい。
もうじき話は纏まるだろう。

>>(全体)

「――――――『ホテルのヨヤク』とっといたよ。
 『イチリュー』かどうかはわかんないけど」

そういえば『アリーナ』って『ハバツ』とかあるけどさ。
キンイチのトコって『なにハバツ』なのかしらねーな。
だいぶまえからつきあってるのに、すげーイマサラだけど。
こんどきいとくか。
つーか、さっききいときゃよかった。

「ここのバショおしえといたから、これからきてくれるって。
 とりあえず、コレでイッちゃんはダイジョーブだとおもう。
 ナニかあったら、わたしにレンラクするようにいってあるし」

通話を終了し、交渉の結果を全員に伝える。
同時にスマホを操作して、音楽プレイヤーを起動。
音量を最大にして、いつでも再生できる状態にしておく。

768七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/20(月) 07:58:08
>>764

「はい、よろしくお願いします」
「実は小石川さんにお手伝いを頼んだの、私なんです。
 お手伝いいただけるなら本当に心強いです…! ありがとうございます」

 今泉が鉄に見せてるなにかは名簿だろうか。
 今泉が『この人たち』と複数形で呼んでいるのを聞いて、七篠はかなり広範に呼びかけられているのかもしれないと思ったようだ。

>>765

「『タダヒト派』という派閥もあって、そこは『治安維持機構』みたいなところ…。
 鉄さんの言う通りなら、あそこの…『最中派』?とは正反対みたいなところですね。
 それなら安心できそうです」

 そう、鉄に返してから七篠は小声で、考え込むようにつぶやく。

「前に会った緒方さんは『大企業』みたいなものって言ってたし…
 『アリーナ』ってそれぞれ全然違う…?」

 七篠は以前、『アリーナ』からの依頼で犬を探したことがある。
 当時は『アリーナ』に派閥があると知らず疑問に至らなかったが、何派の『アリーナ』だったのか改めて疑問に思ったようだ。

>>766

「そういえば…さっきは聞き逃しちゃいましたけど…。
 氷山さんは『かき氷』になったのに『さんずさん』が動き回ってるんですか…?
 スタンドって、本体がいなくても動けるんです?」

 七篠は暴れようとする一抹を強く抱きしめたまま問いかける。
 中学一年生と高校二年生。15cmほど身長が違う上に『サネカズラの枝』2本で拘束されている。
 たとえ暴れようとある程度は押さえつけられるはずだ。
 
「……一抹くん、暴れ足りないのはわかりましたから…。
 深呼吸して、落ち着いてください。
 『クリスマス』の準備をしてるのが嫌なんですね?」

「少なくとも私は(今は)『クリスマス』の準備をしていません。
 今日は一抹くんが血で汚して壊したのをどうにかするためにシーツとかを買いに出かけていました。
 今だって『冬』の枝は出してません。これは『オジロ』の時に使った薬草の枝です」
「大丈夫ですから…落ち着いて…」

 七篠が『クリスマス』に向けてあまり動いていないのは本当だ。
 関や小石川に相談し、小石川と合流し『アロマディフューザー』の調達に同行した。
 だが、その後は寝床の確保のため、部屋を片付け、血痕と傷をどうしようかと頭を悩ませていたのだ。

>>767

 七篠は邪魔にならないように「たまたまハズレだっただけなんですね…」とだけ返して通話を終えるのを待った。
 そして、一抹の軟禁先が確定したのを聞いてほっとしたような顔をする。

「ありがとうございます…。
 これでひとまず大丈夫…ですね」
「一抹くんが氷山さんみたいに『夏の風物詩』になる前に移動しちゃいたいです」

 七篠はそう言うとはっとしたように周囲を見渡す。
 『かき氷』が溶けてしまっていないだろうか…。

769今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/21(火) 04:52:53
>>765(鉄)
>>768(七篠)

「あはは、いいですよ! 小石川さん、人集めたそうでしたしっ」
「ほら、張り紙にも連絡先書いてますし」「これ見たって言えばいいんですよ」

画面を拡大して、鉄先輩に連絡先の所を見せる。
名前がいっぱい書いてるから、分かりにくいけど。

「もし怒られたら私が無理矢理教えたってことにしてもいいですし」
「どうしても怒られたらですけど」「怒らないと思いますよ、たぶん!」

人のこころなんてわからないけど、小石川さんは、そういう人な気がする。
それにしても。

「へえ〜〜っ、そうだったんですかっ!? 初耳ですっ」
「私も」「心強いですよ」

この子がけっこう、事件の真ん中の方にいるのかな。
小石川さんも誰かから聞いた感じだったし、そうなのかも。

「そうやってちゃんと捕まえとけるような能力って、先生にはないですし」

            『アクマデ 先生ハ 先生デスノデ』
            『暴レル ヨウナラ 対応ハシマスガ』

「あは、先生に捕まえてほしいとは思ってないですよ〜」
「なんでもできるわけじゃあないんですよね、スタンドって」

それで、出来る事は出来るのがスタンドだ。
説得って、効かない気がするんだ。むしろ刺激しちゃうんじゃないかなあ。

でも、そうするのがフツーなんだろう。お話からしたら、市松君?の友達みたいだし。

>>766(一抹)
>>767(夢見ヶ崎)

「へーっ、痛くないんですかっ? すごいですね〜」

            『……痛ミガ ナクトモ』
            『負傷スルコト自体ガ 負担ニナリマス』
            『治セバイイ トイウカンガエハ 禁物デスヨ』

「あは、やだな先生、分かってますよ」  

血が抜けたりするし、あんまり、いい気分はしないだろうしね。

「私も、アロマだけじゃ効かないんじゃないかなーって」
「フツーに思ってたりはするんですけどね〜〜〜」

「……それでも」
「やれることがあるなら、やったほうがいいですから」

冬の匂いっていう感覚はわかるんだ。
でも、それがモミの木の匂いかは分からない。

「私達以外も、何かしてるかもしれませんしね」「邪魔しちゃだめですよっ?」

それでも、『足りない』火力の『足し』になるなら、フツーに、やった方が良いよ。

「あ、しちゃだめっていうか、出来ないかもですね。あはは」
「ユメミン、ほんと色んな世界を知ってるんだなぁ」「また後で、お話聞かせてくださいね」

現実が不思議の世界になってる今、本当に頼りになって、すごい。憧れるってコトなのかも。
私に出来ない事が、ユメミンには出来る。だからユメミンに出来ない事を、私がしに来たんだ。

770鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/21(火) 19:09:54
>>766(一抹)

「ああ、次はないという気概で臨むつもりだ」
「胸に留めておくよ。もっともアリスの所属する『アリーナ』のやり方次第では、
 事件が終わるまでもう接触することもなくなるだろうが…」

出来ればその方がいいだろう。
もし自分が逆の立場なら、両手両足を折ってでも止めて欲しいと思う。
一抹くんも、普段の精神に戻ったならそう思うはずだ。
だがそうせずとも『拘束』できる手段があるならば、その方が良い。

>>767(アリス)

「『ホテル』か。場所はどんな場所でも構わないと思うが、『拘束』に関しては問題ないのだろうか?」
「『インダルジェンス』の戦闘力に加えて、『雲化』の自由自在さ。
 一箇所に留めるのは決して容易くはないだろうが…。いや、その知人を信じる他はないか」

『アリーナ』の人間ならば、決して一抹くんを低く見積ったりはしないだろう。
『スタンド』というものを日常的に取り扱っている、いわば彼らは『スタンド』のプロだ。
頷いて、あとはその人物に一抹くんを引き渡せばまずはひと段落か。

>>768(七篠)

「あぁ、『緒方』さんは知っているのか。ならば話が早い、彼女も『タダヒト派』の一人だ」
「彼女と実際に言葉を交わしたのならば、その人となりは知っているだろう?」
「あくまで推測だが、恐らく彼女も『最中派』とはそりが合わないだろうな」

自分も彼女と接した回数は多くないが、己の成すべきことに実直で、誠実な人という印象だ。
『エクリプス』が関わった際だけは、感情を露わにするが…これは別に伝える必要はないだろう。

>>769(今泉)

「…ありがとう。これで彼女と協力して動きやすくなる」
「残る唯一にして最大の問題は、一般人の協力をどれだけ取り付けられるかだ。
 この現象、『スタンド使い』には簡単に説明できるが、
 一般人に説明をしても殆どは理解を得られないだろうからな」

自分もこうして『スタンド』に関わる前だったなら、
【人命がかかっているので、真夏だからクリスマスをしてほしい】などと言われても
新手の詐欺か、あるいは何かの販促としてまともに取り合わなかったかもしれない。

「小石川さんならそんなことはないとオレも思う。だが、念の為にな…」

そして小石川さんの電話番号を手に入れた。後は一抹くんの迎えが来てくれたなら、ひとまず安心だろうか。

771一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/21(火) 21:57:14
>>767
「うぅっ…私も氷山先輩みたいになるんです!」

「もし、『夏の魔物』が31日目を強引に書いて綿飴化」
 してしまったら美味しく食べてください」

問題は迎えが来ても下手なスタンド使いでは更迭中に脱走する可能性がある点だ。
『インダルジェンス』自体は平凡なスタンドでしかない。
しかし、本体の一抹が強烈な闘争本能を持つので油断ならない。
赤月に致命傷を与えた一抹が萎えてるのは『殺意』の無い七篠が捕まえているからだ。
気絶させれば、その場は凌げるが…

>>768
「今の氷山先輩は仮死状態だから暴走しているのでは?
 独立した意思の強い『さんずさん』だからこそ好きに
 動ける状態になってしまった…」

「クリスマスをやめないなら返しません…」

『かき氷』と化した氷山の入ったペットボトルは一抹が抱えていた。完全に溶けてはいないが微妙に溶け始めている。

>>769
「腕二本刺しと顔面手術から首斬りに頭刺しやら腕両断
 で赤月さんの太もも二本刺しで人体は斬り尽くしました
『悪感情』の『鎮静』も併用するから安楽死です」

「赤月さん、復活してくれないかな…血が足りないから無理ですか…」

傷の癒えてきた赤月に期待を寄せては残念そうに再戦を諦める一抹。
『悪感情』の『鎮静』と『無痛の刃』のスタンド能力を持つらしいが、そうとは思えない精神性の持ち主だ。

「『アリーナ』の各派閥を使えば、多少は強引に飾りも
 付けたりは出来るでしょうが民衆にまで浸透しないと
 無理だと思います」

「『広報』と『雪景色』が足りません。無駄です。
 それに捕まっても『脱獄』してやります…」

『夏の魔物』の意思を代弁するように断言する。
同じく離れた柱の影から少年の形をした影のヴィジョンが同意するように笑う。

      クスクス

                  クスクス

>>770
「以前に私も安心しきったところを突かれたのです。
『夏』を満喫せずとも勝手に『変貌』は進むはず」

「『残暑』の終わりも近い今こそ油断ならない時です。
 氷山先輩とは違う私の身体の到達点なら…」

以前に一抹が交戦した氷山は全身の体積を操っていた。
同じく一抹が全身を『煙』に変えて脱走しようものなら黒服では止められない。

「クリスマス実行日に『脱獄』したら『さんた』さんを
 〆て、町中の飾り付けを破壊してあげます!」

「どれがクリスマスの飾り付けか分からないので町中
 の電線を切断してイルミネーションも消しますから」

772夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/21(火) 22:45:13
>>768

「そういうコトもあるんじゃない??
 イズミンの『センセー』だって、
 ジブンでかんがえてジブンでうごいてるんだから。
 その『サンズサン』って、
 センセーとおなじようなのでしょタブン」

「あと、ホンタイがセイギョできてないスタンドとかさ。
 さっきいった『コモリのシゴト』で、そういうのみたコトあるよ」

『コール・イット・ラヴ』は『自動操縦型』。
本体が操作していなくても動く事が出来る。
実際に自立行動するスタンドがいるのだから、
さほど不思議な事だとは感じなかった。
もっとも、『サンズサン』については全く知らない。
だから、特に確証がある訳でもないのだが、
そういうものだと思っておけばいいだろう。

>>769

「ついこないだ、また『ユメのセカイ』にいっちゃってさぁ。
 しかも『3かいめ』なんだ。
 わたしもビックリしたんだけど」

また戻ってこれて良かった。
アリスは帰るまでがアリスだから。
戻れなかったら、『次の世界』に行けなくなる。

「いや、そんなにビックリしなかったか??
 もうダイタイなれてるし。
 『ユメミガサキ』っていうだけのコトはあるな!!」

次の世界に行く前には、
感覚を『ニュートラル』に直さなきゃいけない。
常に新鮮な驚きや感動を得るためには、それが必要だ。
つまり『フツー』に触れるという事。
イズミンがいてくれると、そこがフツーなんだって感じられる。
だから、安心できるんだと思う。

「『アイちゃんセンセー』??
 ここスゴいコトになっちゃってるんですけど、
 センセーってコレもキレイにできるんだっけ??」

床の上を指差す。
『コール・イット・ラヴ』の能力は『補修』。
何となく、掃除は入らないような気がするから。

>>770

「バショは『チカトーギジョー』。
 『スタンドつかいのハンザイシャ』を
 とじこめるヘヤをヨウイしてもらった。
 『カンシ』もつけるってさ」

「ま、ヘーキでしょ。
 『キンイチ』はアホだけど『ベリル』もいるし。
 『ベリル・ストック』――
 『センケツのリョウケン』ってリングネームでさぁ」

「アリスと『シアイ』したんだけど、
 フダンは『ワルいヤツら』をあいてにしてるっぽい。
 なかなか『やりて』だから、まかしといてイイとおもう」

「『ホテルだい』はアリスがはらっとくから」

言いながらウィンクして見せた。
しかし、慣れていないらしくヘタクソだ。
ただ片目を閉じただけみたいになっている。

「まぁ、ベツに『ショゾク』してるワケじゃねーけど。
 『ツキアイがある』ってだけで。
 『ほかのアリーナ』にも、ちょくちょくカオだしたりしてるし」
 
「アリスは『ひとつのセカイ』にはしばられない!!
 だって『いろんなセカイ』をみてみたいからさぁ〜〜〜」

会話しながら、さりげなく『メッセージ』を送る。

[フッフ〜〜〜ン]

[アリスはココにくるまえに『アイディア』もかんがえといたぜ。
 『クリスマス』をイッパンジンにひろめるアイディア]

[こないだ『バレンタイン』のハナシしたでしょ??
 ソレをオウヨウするワケよ]

[どんなのかしりたい??]

773夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/21(火) 22:48:12
>>771

「絶対ならない!!いいや、させない!!」

「連絡先を教えるって言ったでしょ。
 それが出来ないままお別れなんて絶対にさせない」
 
「助けるって言ったら助ける。約束したからね」

「だから――――今だけは休んでいて」

迎えが来たとして、大人しく連行されはしないだろう。
『七篠のスタンド』が外れたら、
また暴れ始めるのは目に見えている。
だからといって、七篠が一緒に行く訳にはいかない。
一抹には一旦眠ってもらう必要がある。
そのための『仕込み』は出来ている。

>>(全体)

「ナナちゃん、なんだかしらないけどさぁ」

          チラ

『ソレ』、とけたらヤバそうなんでしょ??」

一抹が抱えている『謎のペットボトル』を一瞥する。

「みんな、『さっきいったヤツ』おねがい。
 リハーサルどおりにたのむよ??」

     スゥゥゥゥ………………

「 『 ユ 』 ! ! ! ! 」

      「 『 メ 』 ! ! ! ! 」

            「 『 ミ 』 ! ! ! ! 」

                  「 『 ン 』 ! ! ! ! 」

腹の底から声を出し、思いっきり『叫ぶ』。
同時に、音楽プレイヤーの再生ボタンも押す。
『超聴覚』は移植済み。
スマホの音量も『最大』に設定してある。
『四人の声』と『大音量の音楽』を合わせ、
『音の攻撃』によって一抹の意識を飛ばす。

774七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/21(火) 23:02:51
>>769

「スタンドそれぞれで、できることとできないことがありますよね。
 治したりできるのすごいと思います」

 七篠はそう言いながら『先生』と赤月の方を見やる。
 そろそろ治ったりしていないか心配しているようだ。

>>770

「『緒方』さんは『タダヒト派』の人だったんですか。
 真面目そうで、行動で示そうとするいい人だったので…
 あの人がいる『タダヒト派』なら信頼できそうです」

 七篠の脳裏に浮かぶのは自分から犬の首輪をつけ、安全を証明してみせる『緒方』の姿だ。
 『アリーナ』は『最中派』だけではない、それを理解してほっとしている様子だ。

「鉄さんはいろんな人とお知り合いなんですね」

>>771

「『さんずさん』が特別…ってことなんですね」
「あっ、『氷山さん』っ!」

 七篠はそう口にしてからしまったと思ったのか一度止まり、一抹の様子を窺う。

――『かき氷』が入ってるペットボトルってだけで、一抹くんには確信が持ててなかったはず…。
――でも、私が言っちゃったから…バレちゃった…。
――今出してる『枝』は2本、『インダルジェンス』じゃなくて一抹くんが持ってるならまだ…。

 七篠は『リルトランク』で一抹の手元を突くように『樫の枝』を伸ばそうとしたが聞こえてきた夢見ヶ崎の言葉に動きを止める。

>>772

 七篠は夢見ヶ崎の大きな声を出すようにという指示を思い出し大きく息を吸って一抹の耳元で力いっぱい叫んだ。

「一抹くんのー!! ばかー!!!」

 『かき氷』になった氷山のようになってもいい、『クリスマス』をやめろ。
 自分を救うなと言うようなそれらの言葉に七篠は多少感じるものがあったらしく、大声を出すようにと言われて思いついたのはそんな言葉だった。

775『フーヴィアン』:2021/09/22(水) 00:36:05

 ブルルル……キキィ

『夢見ヶ崎』が、選手としてのスポンサーの『金一』に連絡してから
30分ほど経過してからだろうか。シルバーのワゴン車らしい車が
学生寮に到着し、一組の男女が降りるとインターホンを鳴らす。

ベリル「アルカラ、待たせたな。話は凡そ聞いてるが、抜けがあると
困るから私からも聞かせてくれ。夏の魔物とかに、その子(一抹)が
憑依されてる……お前たち、いや他の街のスタンド使いが総出で
冬のイベントを広めて追い出すって話で合ってるな?」

あと、他の者にも自己紹介しておく。ベリル・ストックだ……と
赤色の髪をした、落ち着いた空気の中に放(ひり)つくような闘士の気配を
入り混ぜた女性は名を名乗った。

アルキス「俺はアルキス……アルキス・グレクだ。
スタンドに憑依された子を護送するとなると、俺の能力が適任なんでな。
……準備が出来たら、それを食べさせてくれ」

そう言って、彫りが深い顔立ちの黒髪の男性は。服のポケットから
『ビスケット』を1枚取り出す。それは『ナマケモノ』の形をしていた。

アルキス「……俺の能力だ。食べれば動きが鈍くなる代わりに
殆どのエネルギーの代謝が低くなる……本物のナマケモノのようにな」

スタンド能力で出来た、お菓子のようだ。
 能力は、彼の言う事が本当なら動物当然の能力を獲得出来る感じか。

2人は、一抹の身支度。周りが短いながら別れを告げるか他に何か
やり残した事が無いかどうか確認終わるまで待ってくれるようだ……。

776今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/22(水) 00:56:01
>>770(鉄)
>>772-773(夢見ヶ崎)
>>774(七篠)

「そうですね〜。説明されても最初、何それって思いましたしっ」
「よっぽど信用できる理由が無いと、手伝ってもらえない」「かも」

小石川さんが言う冗談とは思わない。
だから、話を聞いてみたんだ。

「……え!」「また行ったんですかっ!?」
「ユメミン、ほんと、夢見……」「あは。先に言われちゃった」

ユメミンの話は、あとでちゃんと聞かなきゃ。
また大変なことがあったんだろうから。

「先生、どうなんでしたっけ」「これは『できる』の方でしたっ?」

              『私ハ “補修”スルダケデスヨ』
              『“壊レタ”モノヲ ナオス コトハ 出来マスガ』
              『オ掃除ハ 皆サンガ 自分デ スルコトデス』

「ですよねーっ。床が傷ついてるところとかは、直してくれると思いますけど――――」

              『自分デ オ掃除スルコトデ 汚サナイ 意識ガ育チマスカラ』
              『コノ場合 ココデ戦ッタ 御二人ガ 片付ケル ベキデショウ』

                          『――――夏ガ 終ワッタラ デス』

「それまで放置ってわけにもいかないですけどねっ。後で私たちで片付けますか?」

>>771(一抹)

「えー」「そんなことしない方が良いと思いますけどっ」
「私とかユメミンとかは、やさしいけど」

一抹君を助けたい人が全員なら、こうやって捕まえるだけだろうけど。

「フツーに倒す気で何人も襲ってきちゃったら、一抹くんも危ないですよ?」

町を荒らしたりしたら、フツーにそうなるんじゃないのかな。
いくら強くても、そうなったら、よくないんじゃないかな、って。

「……」「って言っても、やりたくなっちゃうんですよね?」
「自分がどうなっても」「夏を楽しむ邪魔はさせない、って」

「そういう、スタンドなんですもんね。フツーの話だけじゃ、無理ですよね」

                「ごめんね」
      「わ」

         「あああああああああああああああ」

                
   「あああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!」

ユメミンが先に言ってくれてた通り、大きな声を出して、一抹くんを攻撃する。

       もしこれで一抹くんのことを、動けないように出来ないなら。
       ……最悪の場合、私はユメミンがしない事をする。
       べつに。先生は直すしかできないけど。私はそうじゃないから。

777鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/22(水) 21:04:42
>>771(一抹)

「どうだろうな。『アリーナ』の拘束はどのような『スタンド』を用いるのか分からない」
「もしキミが不安なら、この場で四肢を折っておくが・・・」

確かに気体というものは、何よりも捉えにくい。それが意思を伴うともなれば尚更だ。
万が一、クリスマス当日に脱走して彼の言葉通り暴れ出したら大惨事だろう。
流石に『アリーナ』の影響力を持ってしても、隠蔽は不可能か?
もしそうなってしまっては、例えその後に『夏の魔物』を倒したとしても
一抹くんはしばらく表舞台に戻って来られないだろう。

>>772(アリス)

「『スタンド使いの犯罪者』を捕える施設か!成る程、これはありがたい」
「『鮮血の猟犬』・・・・・・・・・・中々カッコ良い二つ名を持つ友人がいるんだな。
 頼りになるというのは分かったが、キミはそういう人間と戦ったというわけだ」
「キミの好奇心を止めるのは不可能だとは思っているが、それでもあまり無茶はしないようにな」

ふう、と息を吐く。
興味の結果、そこの『アリーナ』で戦闘をすることになったのであって、
『アリーナ』で継続的に戦うことを目的としたわけではない。それは予想通りだ。
しかし、裏を返せば必要のない戦闘にも衝動的に自ら飛び込んでしまうということ。
自分の知るタイプの『アリーナ』なら、やはり治療手段があるのだろうが…。
と、そこでメッセージに気付く。
念のため、そこでアリスの顔を見るようなことはせずに静かに返信する。

[もちろん、タノむ。ジブンのナカでは、やはりアレにはシキンとエイキョウリョクが
 ヒツヨウということになって、モホウするのはフカノウかとオモったんだが…]

と、送信した辺りで一抹くんの方を見る。いつの間にか、『かき氷山』さんを持っていたのか。
剣道の試合の時のように、腹に力を込め、一抹くんに向けて裂帛の気合を放つ。

「ぃやあああぁぁぁぁッ!!!」

>>774(七篠)

「結果的にそうなったんだ。とある一つの『事件』を通して、色々な『スタンド使い』と知り合ってね」
「だが、特に今はそのありがたみを感じるよ」
「『繋がり』は力だ。そのおかげで、オレも復讐を果たすことができた」
「…とはいえ、現状を見るとその点に関しては七篠さんの方がよく分かっているかな」

そう言って苦笑する。
すぐに大勢の人に救援を呼びかけたのは、他ならぬこの少女だ。
それがこうして、今泉さんを含めた多くの人に助けられているのだから、わざわざ言うまでもないだろう。

>>775(『フーヴィアン派』)

現れた二人へと向けて、一礼をする。

「ベリルさん、アルキスさん、よろしくお願いします。自分は鉄夕立(くろがね ゆうだち)と申します」
「その認識にも間違いありません。現在も洗脳は解けておらず、
 隙を見て逃げ出す恐れがあるので、アリス…アルカラのスタンド能力で『無力化』中です」

>>776(今泉)

「恥ずかしながら、自分はあまり人付き合いが得意な方ではない。
 初対面の人間に頼み事をしたことなんて、そうそうないからな…」
「もしオレがコミュニケーション能力に長けた人間ならば、人間の心理を活かして何か思いつけたかな…」

現状、アリスの作戦を頼りにさせてもらうしかない。
凝り固まった自分の頭と違い、柔軟な彼女ならばあるいは誰も思いつかないような案が出てくるかもしれない。

778一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/22(水) 21:19:35
>>772-774
>>776-777
「ウグッ…絶対にッ…私は『脱獄』を成し遂げるッ…!
『クリスマス』なんて絶対に許さない…!」

「絶対にッ! 帰って来てやるゥゥゥ!!」

四人の叫びに逆らうように『インダルジェンス』を発現し、耳に向けて『慈悲の刃』を突き立てようとする。
誰よりも自分自身を憎む力の一つで聴覚を切り捨てようとするが意識を保てずに『インダルジェンス』が解除されていく。

一抹 貞世『インダルジェンス』⇒『気絶』

>>775
二人の姿を見た『夏の魔物』が姿を消す。
白髪の幼い少年が焦げ茶色の髪をした少女に拘束されている。

「ウグッ…絶対にッ…私は『脱獄』を成し遂げるッ…!
『クリスマス』なんて絶対に許さない…!」

聴覚を切り捨てようとスタンドの刃を突き立てる寸前だったが意識を失っていく。
既に戦闘後なのか太ももに『テープ』が巻かれた少女の周辺は血の海と化している。
あとは、集まった学生たちから少年を受け取り更迭するだけだ。

779夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/22(水) 22:38:49
>>774

「わたしの『ドクター・ブラインド』は、
 『めがみえない』かわりに『ほかゼンブ』スゴい。
 『チョージンテキ4カン』っていうのをもってるワケ。
 でも、まぁソレが『ジャクテン』になるトキもあってさ」

「さっきは『チョージンテキチョウカク』を、
 イッちゃんに『イショク』した。
 だから、イッちゃんは、
 『ものスゴいオト』でキゼツしちゃったってコト」

自分の能力を軽く説明する。
同時に、『ペットボトル』を取り上げて渡しておく。
何だか知らないけど、スゲー大事そうだったし。

「おてつだいサンキュー!!いいコエだった!!」

>>775

「ベリル、おひさァ〜〜〜。
 さっきウワサしてたトコでさぁ」

「みてのとおりバタバタしてたけど、
 とりあえずかたづいたから。
 あとヨロシク!!」

現れたベリルに片手を振る。
もう一人は知らないけど、
一緒にいるって事はベリルの仲間だろう。
そっちにも手を振っておく。

「『ジジョー』はソレでいいよ。
 だいたいはキンイチのアホからきいてるとおもうけど」

「『アルカラのトモダチ』だから、
 テーチョーにあつかってあげて。
 なるべくでいいからさ」

アルキスの能力は確かに護送向きだ。
ベリルの『シンプリー・レッド』は『嘘を見破る』能力。
こういう状況には、ちょっと向かないだろう。

>>776

「あ、やっぱそうなります??
 じゃ、『おそうじとうばん』は、
 『イッちゃん』と『ナカレ』ってコトで」

「でも、ほっといたらヨゴレがしみちゃうからさ。
 イズミンのいうとおり、
 とりあえずウチらがやったほうがよさそう」

「あなたのおへやをピカピカに!!
 ユメミン&イズミンサポートサービス!!
 いつでもオデンワください!!」

治療してもらっただけでも十二分の働きだ。
『これ以上』を望むというのは、いくらなんでも贅沢すぎる。
ここは、ひとまず自分達で立て替えておくとしよう。

「イズミン、てつだってくれてありがとう。
 こういうトコにイッショにいるのってハジメテだよね??
 なんかフッシギぃ〜〜〜」

イズミンとは何度もお喋りしたり遊んだりしてるけど、
こういうのは今までにない経験だ。
普通と不思議が同じ場所にある。
こんな状況だけど、何だか嬉しい気もしていた。

「――――そろそろ『ナカレ』もなおったかな??」

780夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/22(水) 22:41:12
>>777

「うんうん、すばらしいコエだ!!なかなかイケてたぞ」

         「――――――で」

              クルッ

    「わたしをよんどいてよかっただろ??」

ナカレは治療され、イッちゃんは眠り、ベリル達が到着した。
それを見届け、ここぞとばかりに得意げな顔をしてみせる。
治療したのはイズミンだし、
イッちゃんを拘束したのはナナちゃんだ。
『天敵』であるクロガネくんの存在も、
強力な牽制になったと思う。
だが、自分が果たした役割も小さくないはずだ。
今くらいは自慢してもバチは当たらないだろう。
音楽を切り、気を取り直して『続き』を喋る。

「『さっきのハナシ』だけどさぁ」

「いろんなおみせに、
 かたっぱしから『といあわせ』しまくるの。
 『クリスマスしょうひんはおいてないか』って。
 デンワでもメールでもいいし、
 てんいんにチョクセツきいてもいい」

「ヒトツフタツくらいだったらコウカないだろうけど、
 それが『メチャクチャおおかったら』どうよ??
 ダンダンきになってくるとおもわない??」

「おみせは『ジュヨウがある』ってかんがえるでしょ。
 で、『クリスマスのしょうひん』をおくようになる。
 それをみた『おキャク』も、
 『きせつハズレのクリスマス』にキョーミをもちはじめる」

「それをドンドンひろげていって、
 マチじゅうに『クリスマスブーム』をひろげるってサクセン。
 サイアクでも、みせがわのニンゲンに、
 『クリスマスをイシキさせる』にはジューブン。
 みせどうしはアンテナはってるから、
 『あっちがやってるならウチも』ってなる」

「これが『アリスのアイディア』。どうよ??」

『問い合わせ』するだけなら費用は不要だ。
電話でもメールでもいいし、直接店員に尋ねてもいい。
『売る側』に『クリスマス』を意識させれば、
連鎖的に『買う側』にも意識させる事が出来るだろう。

>>778
                   メガボリューム
「『Doctor Blind』――――――『Megavolume』」

        「お休み、イッちゃん」

意識を失った一抹の様子を見て、肩を撫で下ろす。
事前に仕込んでなかったら間に合わなかったかもしれない。
成功を見越した行動ではあったが、
紙一重だった事も確かだった。
しかし、『本番』はこれからだ。
一抹が発した『最後の言葉』を記憶に留め、
『必ず助ける』という決意を新たにする。

781赤月『サクソン』:2021/09/22(水) 22:56:05
>>一抹さん

「う・・・うう・・・・・・」

血の海の中心で倒れる赤月が呻き声を上げる
『治療』が行われた事で容態が安定したのかもしれない

※そろそろレスを再開しても大丈夫でしょうか?

782七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/22(水) 23:04:59
>>776

「え、『床』直せるんですか…!?」

 七篠は>>763で考えていたことの答えが不意に現れ驚いたように口に出した。

「あ…すみません…。
 実は…私の部屋、一抹くんが床を壊しちゃって…どうやって直したらいいか悩んでたんでつい…」

 そう事情を説明し、急な反応をしてしまった理由を今泉に伝えた。

>>777

「いろんなスタンド使いと出会うなんて…きっと大きな事件だったんですね…」

「『繋がりは力』…。
 そうですね、いろんな人に知り合っていなければこうして手伝ってももらえなかったと思います。
 私よりも知り合った人たちがすごかったんですが…」

 七篠が呼びかけたのは『二人』だ。
 だが、その二人がそれぞれ知り合いに声をかけ、更にその知り合いへと話が広がっていった。
 この街のスタンド使いが人との繋がりを大切にした結果なのだろう。

>>778

 七篠は気絶して力が抜けた一抹を咄嗟に支えきれずにすこしよろめき、そのまま一抹ごと座り込んだ。

「一抹くんが言うと本当に『脱獄』してきそうで怖いんですけど…。
 大人しくしてくださいね…」

>>779

「それで一抹くん、気絶しちゃったんですか…!
 スタンドって本当にいろいろです…」

 七篠は一抹が倒れた理由について納得がいった様子で驚いている。

「あ、ありがとうございますっ!
 この『ペットボトル』の中身、『夏の魔物』にやられてしまった被害者で…。
 溶けちゃったらどうなるかわからないので心配だったんです」

 七篠はルーズリーフを取り出すと『パルサの枝』を『リルトランク』で3本生やし、ペットボトルを覆うことで保温しようとし始めた。
 一抹を引き渡すまでは離れることは難しいと考えたようだ。

>>775

 七篠はやってきた二人へ鉄に続き、挨拶をする。

「えと、一抹くんを迎えに来てくれた『アリーナ』の人ですよね。
 ベリルさん、アルキスさん、ありがとうございます。
 私は『七篠譲葉(ナナシノユズリハ)』といいます。一抹くんをよろしくお願いします…」

「……一抹くん、気絶しちゃってるんですが…口に入れてしまえば大丈夫でしょうか…?
 それとも飲み込まないといけませんか…?」

 七篠はそう言うと脱力している一抹を見た後に台所にあるミキサーに目をやる。
 砕いて溶かして流動食のように流し込めばもしかしたらいけるのだろうか、そう考えていそうだ。

783一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/22(水) 23:40:11
>>781
目覚めて見えたのは四人全員が一抹に叫びを浴びせる姿。
七篠に抱えられた上で『枝』を使って拘束されている。
さらには別派閥の『アリーナ』勢力が来ているらしい。

「――――そろそろ『ナカレ』もなおったかな??」

『慈悲の刃』の傷も癒えてギリギリだがスタンドを発現して動かせる状態だ。
死ぬ寸前の出血をしたせいで強烈な眩暈と吐き気が襲ってくる。下手に動くと倒れるかもしれない。

784赤月『サクソン』:2021/09/23(木) 00:19:00
>>775(『フーヴィアン』)
>>776(今泉)
>>777(鉄)
>>778(一抹)
>>779-780(夢見ヶ崎)
>>782(七篠)

>「 『 ユ 』 ! ! ! ! 」

>      「 『 メ 』 ! ! ! ! 」

>            「 『 ミ 』 ! ! ! ! 」

>                  「 『 ン 』 ! ! ! ! 」
>「一抹くんのー!! ばかー!!!」
>「あああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!」
>「ぃやあああぁぁぁぁッ!!!」

    ビクッ!!

「・・・・・・ッ!? ごほっ ごほっ! 私・・・・は・・・・?」

周囲を取り囲む4人のスタンド使い達が、突然大声を出した事で目が覚めた
大腿の傷は完治したとはいえ、血を失いすぎた・・・・目が霞み、全身が泥のように重い
生あくびを繰り返しながら、目を擦り、周囲の状況を確認した

「私はまだ・・・・・・生きて・・・・・いる・・・・?」

そう言いながら、腿を手で擦る
不可思議な『テープ』が張り付けられているものの『無痛の傷』が消失している事に気付き、安堵する

「君達は・・・・鉄の仲間なのか・・・・?
 ぐっ・・・・ すまない・・・・ 来てくれて助か・・・・   ・・・・・っ!?」

周りの状況を観察するにつれて、徐々に倒れている間の会話が思い出してきた
学生寮に似付かわしくない年齢の『赤い女性』・・・・周囲の会話から彼女が『アリーナ』の人間である事を悟る
その事実に気付いた時、一瞬だけ心に湧いた『激情』を歯を食い縛って抑えこんだ

「・・・・・私は部屋に戻る
 一抹が倒れた今・・・・私はもう必要ないだろう・・・・」

自分の表情―怒りや悔しさがないまぜになったそれ―を見せないように、顔を背けて立ち上がる
極度の貧血で足元が崩れそうになる所を両手で膝をつくように支えた
そのままふらふらとした足取りで自室に戻ろうとする

785今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/23(木) 13:37:47
>>775(フーヴィアン派)
>>778(一抹)

「凄い、プロって感じですねっ」
「ユメミン、こういう人たちと知り合いなんだ〜」
「……あ、私は今泉っていいます」

鉄先輩に遅れて、自己紹介はしておこう。

「なんていうか」
「怖い感じ、ですから。しっかり閉じ込めといてください」

          「人を襲ったりしたら」
          「この子自身も、危ないと思うので」

どんなに強くても。
今この子が怪我してないのは、みんなが優しいからってだけだ。

>>777(鉄)

「あは、鉄先輩のことそんな風に思った事はないですけどっ」
「ほんとにユメミンは」「『コミュニケーション能力に長けた人間』ですもんね〜」

「凄そうな人たちとも知り合いみたいですしっ?」

私の知り合いで一番、そうなんじゃないかな。
それでも人のこころの全部は、分からないだろうし。分かるわけないんだから。

>>779(夢見ヶ崎)
>>782(七篠)

              『ソレガ ヨロシイカト』『デスガ』
              『応急処置ヲ シテオクノハ 良イコトデスネ』

                        コール
「あはは」「そうですね〜っ。イズミンはお電話一本で駆け付けますっ」
「駆け付けてほんとによかった。ユメミン、いつもこういう事してるんですもんね」

私は笑う。

「私だけがここにいたら、多分、フツーに何も出来なかったと思うし」
「不思議の世界なら、ユメミンにお任せですねっ」

              『デハ床ノ補修ハ 私ガ行イマショウ』
              『ソレバカリハ ゴ自身デハ 難シイデショウカラ』
              『一末君ニハ 治ッタ後デ 謝ッテ イタダキマショウネ』    

「ですって。先生、それじゃあお願いしますっ。このあとお部屋行きますね」

>>784(赤月)

「あっ! 起きた起きた、先生、ユメミン、起きたみたいですよっ」

              『御無事デ ナニヨリデス』
              『傷ハ スッカリ 補修デキマシタヨ』

「あ、でも、治ったからってもうちょっとゆっくりした方が……」

              『エエ』『急ギ デナケレバ デスガ』
              『出血ガ ナカッタコトニナッタ ワケデハナイノデ』

786『フーヴィアン』:2021/09/23(木) 14:33:11
>>776-785

アルキス「いや『ビスケット』に関しては、気絶から目覚めてからで
問題ない……無理に意識を失ってる間に摂取させて喉を詰まらせては元も子もない」

ベリル「安心しろ。アルカラ、お前も知ってる通りだ
移送中に目を覚まして苦しんでる振りをしても見抜けるし
暴れてもアルキスの奴は十分抑え込める実力だ。
 ただ、無力化してくれた全員には感謝を告げる。私達が余り手を出しても
余り上は良い気をしな……そっちの子に、誰か付いてやったほうがいいんじゃないか?」

そう『赤月』が室内へ戻ろうと歩く姿を見て、ベリルはそちらに意識を向けつつ
告げる。『赤月』は、自身の過去の復讐に関連する相手に赤か黒い感情を向けて
見た時、偶然だと思うがベリルと視線が合わさった。
 その抱いた感情を悟ったのか不明だが、少しベリルは貴方の只事ではない
視線に微かに片方の眉を上げ反応したようだ。


そして、アルキスが一抹を背負い車の後部座席へ乗せて自身も隣に座る傍ら
ベティは、この中で一番縁が深い夢見ヶ崎ことアルカラへ告げた。

ベリル「アルカラ……長くて『一週間』程度だ。拘束の期間はな」

ベリル「今回、彼を拘束するのは私達の属するアリーナ全体の意思ではなく
私がお前と個人の親交ゆえの依頼だ。彼を拘束する事情は私とアルキス
そして私達のアリーナ『フーヴィアン派』のリーダーと、あの銭の亡者(金一)
だけだ。信頼出来る部下となる他二名(ミゾレ・メゾ)にも話を通しておくがな」

ベリル「世間体を過剰に気にするような組織でも無いが、未成年の少年を
長く拘束する程の権限を発動するとなれば組織全体の力を使う。
だが、私達の秩序は ただ一人だけに全体の力を注ぐ事は出来ない。
そうすれば威信は崩れ、他方にもつけ入られる隙となる。
 勿論、彼を安全に隔離するのに手は抜かないし、持てる限りのリソースは
全て使うが……それでも何が起きるか分からない未来(さき)を確約は
私はしてやれない。嘘はつきたくないんでな」

彼(一抹)を一週間、保護者から引き離す言い訳は、お前達に任せるぞ。

そう告げて、アリーナの戦士 深紅の猟犬ことベリル・ストックは車を走らせる。

入道雲らしき、荒れる兆しかも知れない空の先へ。



(※一抹PCが脱走を行うとした場合。アリーナのフーヴィアン派
ベリルが発言したリーダー以外の誰かが一抹PCを鎮圧しようとしますが
成功するか失敗するかは未知数です。重傷を負えば、こちらのNPCは撤退しますし
その時点でアリーナの地下闘技場から逃げおおせると考えて貰って問題ありません。

一抹PCも、現在は特殊な立場に置かれてますが板の活躍するPCである事は
間違いないですし。xデーを失敗させようと行動させようと奮闘する意思を
阻害する権利はこちらに無いので、その旨だけは此処で告げておきます)

787鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/23(木) 20:00:25
>>778(一抹)

音に対抗しようと『インダルジェンス』が動くが、流石に速度は音の方が早い。
過敏になった聴覚に強烈な刺激を与えられて、一抹くんは気絶したようだ。

「…お疲れ様、一抹くん。二度目になるが、またゆっくりと休んでくれ」

氷山さんに加えて、一抹くんもこの怪現象のせいで振り回された被害者だ。
これ以上、加害者に回る前にゆっくりと休んでほしい。

>>779(アリス)

「アリス。勿論キミのことは最初から頼りにしている。今回も助かったよ、ありがとう」
「…キミの力を疑った事はないよ。ただオレが、人の力を頼るのが下手なだけなんだ。すまない」

アリスの振る舞いに、じっと彼女の顔を見て、何となく言葉を足してみる。
自分の思い過ごしならいいのだが、自分の過去の行動が、知らずの内に彼女を傷付けてしまっているかもしれない。
続いてアリスのプランに耳を傾けて、驚いた。

「成る程…需要を作り出すことで、社会全体を煽動するわけか」
「最近は『SNS』などで、民間の需要がより視認しやすくなっている。
 ましてや直接の問い合わせが何件もあれば、企業側としても無視はできないだろう」

もし問い合わせに引っかかったなら、実際に買いに行こう。その際の費用は全て自分が持つ。
本当に購入されたとなれば、尚更『クリスマス』に対する意欲を感じるだろう。
仲間の数が増えてきた今ならば、実行可能なはずだ。

「素晴らしいアイデアだな。これから仲間たちとも連絡を取って、打診してみよう」

>>781>>783(赤月)

「おや、起きたか。身体の調子はどうだろうか?」

今泉さんに実際に治療された人を見たのは、今日が初めてだ。
こんなに短時間で治療ができる『スタンド』は、今のところ他に見たことがない。
かなりの出血をしていたが、傷口は塞がっても貧血になったりはしないのだろうか?

「・・・・・今はゆっくりと身体を休めるんだ。この先何をするにも、それは必要だろうから」
「お疲れさま、赤月さん」

手を貸そうかと思ったが、いくら中学生とは言えど、男が自室にまで付いてこられるのは、良い気分がしないだろう。
一抹くんとの戦闘の勝敗に加えて、『アリーナ』の者が助けに来たこの状況。
彼女の精神に、少なからず影響を与えるだろう。赤月さんはこれからどう動くのだろうか。

>>782(七篠)

「ここまで大事になるとは思わなかったがな。…『スタンド』というものは
 その特異性からか、想像以上の事件に繋がることもある」
「大したことのないように思えても、『スタンド』絡みの案件に関わる時はある程度覚悟をした方が良い」
「勿論、関わらないならそれに越したことはないが」

あくまで自分と『通り魔』のみの対峙だと思っていた捜索は、『タダヒト派』や『ファム・ファタール』、
犯罪者グループの『タカウジ』たちなど多数の人間が関わることになった。
結果として得たものも数多いが、それだけの危険を伴ってきた。
必要がない限り、同じ体験は二度としたくはない。

>>785(今泉)

「そういう今泉さんも、友人は多いと勝手に思っているが。二人合わせれば、学校中の人間と知り合いでもおかしくはないんじゃないか?」
「まぁ確かに、所謂フツーじゃない知り合いはアリスの方が圧倒的に多そうだが…」

ふと、これからの作戦に使えそうな情報をこの子ならば知っているか?と思った。

「今時の子は、どういうところで買い物をするんだろうか?
 いや、それこそフツーに『スカイモール』とかなのかもしれないが、念の為に聞いておきたい」

>>786(『フーヴィアン派』)

「ありがとうございます。自分が言うまでもないでしようが、
 万が一彼が脱走した際は、アルカラに連絡を下さい。自分たちもその方が動きやすくなりますので」

そして、一抹くんを連れて行った二人の背中を見送る。
『アリーナ』の人間に気遣われるのは、赤月さんには堪えるだろう。彼女らに悪気はないだろうが。
二人が迅速に立ち去ってくれたのが、せめてもの救いか。



「・・・・・さて、そろそろオレもお暇するか」

788夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/23(木) 21:10:21
>>782

「ほうほう、そりゃタイヘンですな〜〜〜」

「でも、ワザワザそんなコトするより、
 さっさとレイゾウコにつっこんだほうがはやいとおもうぞ」

「――――『ソレ』、かして」

『ペットボトル』を渡してもらい、
『ドクター』で素早く正確に冷蔵庫を開け、中にしまう。
そういや、まだ土と石を握ったままだっけ。
もういらないからそのヘンにすてて……はマズいから、
とりあえずポケットにいれよう。

「ナナちゃん、『レンラクサキ』こうかんしようぜ!!
 ナンかあったときのために」

「あ、さっきのサクセンどう??
 ダイジョーブそうなら、ヒマなときにてつだってもらいたいし」

>>784

「『赤月ナカレ』――――また会いましょう」

背中を向けたまま、立ち去る後ろ姿に一言だけ声を掛けた。
同時に、『アルカラの連絡先』を書いたメモを、
『ドクター』の手でナカレのポケットに忍ばせる。
今の状態では気付く事もないだろうが、
後で何か手伝える事もあるかもしれない。

>>785

「じゃ、『ソージ』してから『コージ』するってコトで!!
 ユカのコージ。『ユカちゃん』ってさぁ、
 『コージ』と『ソージ』どっちがスキなんだろうね??」

じつは『フタマタ』かけてたコアクマのユカちゃん。
いままでウマいコトやってきたが、
ウッカリおなじジカンにデートのヤクソクをしてしまった!!
『コージ』と『ソージ』どっちをとるか??
そりゃあ、リョウホウとるしかないでしょ!!
じかい、『エンジェルorデビル』にゴキタイください!!

「わたしは『ケージ』とかスキかな。
 キリッとしててカッコいいし。
 でも、いがいとカワイイどうぶつがスキだったりしてさぁ。
 そういうトコもいいよね〜〜〜」

『ケイジのケージ』は、
もと『ドウブツエンしいくいん』というイショクのケイレキをもつ、
カタやぶりな『こせいはケイジ』。
だが、あるとき『テキのワナ』にはまり、
ジショクにおいこまれてしまう。
バッジをうしなったカレは、
かつてのナカマである『ドウブツたち』のきょうりょくをえて、
『ハンター』のようにハンニンをおいつめるのだった……!!
スタイリッシュガンアクションハートフルアニマルクライムサスペンスきょへん!!
キンジツこうかい!!

「じゃ、わたしもつきあっちゃお!!やるコトないけど!!
 ユカちゃんのテンケンでもしようか??」

『超人的聴覚』や『超人的触覚』を駆使すれば可能だ。
問題があるとすれば『必要ない』って事だけど。
センセーの『ホシュー』はカンペキだから。

「ユメミンのサクセンどうかな??
 『バレンタイン』をサンコウにしてみたんだけど。
 イズミンのイケンききたいなぁ〜〜〜」

789夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/23(木) 21:10:58
>>786

「『イッシュウカン』か。しかたねーなァ〜〜〜」

           ゴソッ

一抹の『監禁料』として『七万円』をベリルに渡す。

「ま、そのあいだに『カイケツ』すればイイってコトだし。
 ジューブンジューブン。ケイビしっかりたのむぞ」

「あぁ、『ナカレ』はイロイロとワケありみたいね。
 いや、アルカラもくわしくはしらないんだけど」

「アルカラにわかるのは、
 『カラダはなおったけどココロはなおってない』ってコト。
 むしろ、ヒトリにしてあげたほうがイイとおもう。
 アタマひやすジカンもひつようでしょ」

あとでナンかさしいれとくか。
『チ』のたしになるような…………。
トマトジュースとか??

「つーか、『フーヴィアンは』っていうのか。
 ハジメテきいたぞ。
 キンイチのアホにききそびれたから、
 チョウドよかったな〜〜〜。
 ナイスフォロー!!」

「それと、あのタコにもいっといたけど、
 もしナンかあったらわたしにレンラクしてね」

必要な事は言ったので、
一抹を護送するベリルとアルキスを見送る。

>>787

「ベツにクロガネくんをせめてるワケじゃないよ」

「『キョウリョクしたい』っていうキモチが、
 『クチだけじゃない』ってわかってもらいたかっただけ」

それだけ言って、短く深呼吸してから大きく頷く。

「そーいうコト。『おしてダメならひいてみろ』ってね。
 できるだけイロんなヒトがやったほうがイイとおもう。
 『ネンダイ』とか『セイベツ』とか」

「『はばひろいジュヨウがある』ってなれば、
 もっともっとコウカがでるとおもうからさぁ〜〜〜」

「クロガネくんがイマいった『スカイモール』とか、
 『いっかしょ』にしぼるのもイイかも。
 そのほうが、みじかいジカンでセイカだせるとおもう。
 『ひとつのおみせ』でブームになれば、
 『ちかくのおみせ』もノってきそうだし」

「アリスも『シリアイ』にあたっとくよ。
 クロガネくんもヨロシク!!」

クロガネくんが引き上げるんなら手を振って見送ろう。
『アレ』や『ソレ』やあるだろうし。
マジメなカオしてスミにおけないヤツだな!!

790七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/23(木) 21:38:06
>>784

「あっ……。大丈夫ですか…?」

 七篠は先ほどまで倒れていた少女が去っていくのを一抹に巻き付けていた『枝』を解除しながら見送った。

――一抹くんが戻って来たら、あんな酷いことしたの謝らせないと…。
――今泉さんがいなかったら大変なことになっちゃってただろうし…。

>>785

「いいんですか?
 ありがとうございます…。
 修理とかどうしたらいいかわからなくて、途方に暮れていたので本当に助かります。
 この後、お願いします」

 七篠は頭を下げ、ほっとしたように返事した。

>>786

「一抹くんをよろしくお願いします。
 あの感じだと脱獄しそうだとは思うんですが…」

 七篠は一抹を渡し、フーヴィアン派の二人が去っていくのを見ながら考える。

――一抹くん、前も入院して一週間サボってたし、普通に受け入れられそうだけど…。
――一抹くんのおうち…。あ、そういえば町外れの教会がおうちなんだっけ…。
――……そしたら、電話したらなんとかなるのかも…。

>>787

「そう、ですね…。
 スタンドに関わって、こんなに大きな事になるなんて想像もしていなかったので、
 本当に勉強になりました」
「氷山さんを追いかけて森を走ったのがもう遙か昔みたいに思えます…」

 まさしく今回は想定以上の大事になってしまったパターンだ。
 七篠は息を吐きながら言葉を続ける。

「次は、きちんと覚悟して関わります」

>>788

 ペットボトルを覆った『枝』を解除し、夢見ヶ崎へと手渡す。
 冷蔵庫ではなく冷凍庫の方が安心だが、あとで移しておくだろう。

「ありがとうございます。
 これで、一安心です…。あ、連絡先ですね。是非」

 七篠は連絡先を交換しながら夢見ヶ崎の案について考えを巡らせる。

「いろんなところに『冬』関係の問い合わせをするんですよね。
 わかりやすくブームを作れそうですし、いいと思います。私もやります。
 ただ…いたずらだと思われないようにいくらかは購入した方がいいのかもしれません」

791赤月『サクソン』:2021/09/23(木) 21:57:25
>>786(『フーヴィアン』)

「・・・・・・。」

自らを『フヴィアン派』と名乗る『アリーナ』構成員達
彼女らの存在を確かに認識しながらも、赤月はそれを無視する
『タダヒト派』でも『最中派』でもない別の派閥・・・彼らに対する情報は少なく、
『容疑者』の一つであるからだ

平時であれば、もう少し物を考えて『探り』を入れる事も出来たかもしれない
だが、今は・・・・『身体』にも『心』にも余裕がない

>>785(今泉)

「その言葉・・・・傷を治してくれたのは君達か・・・・」

この場を立ち去る前に彼女らの語る『補修』という言葉が耳に入った
一度立ち止まり、頭を少し下げる

「ありがとう
 でも、すまない・・・・今は少しでも早くこの場を離れたい気分なんだ・・・・」

>>787(鉄)

「・・・・・・最悪の気分だ」

その言葉に一切の嘘がない事が彼女の語調からもわかる
喉元から振り絞る様な声であり、何かを堪えているようにも聞こえる
一抹に敗北した事実は彼女の身体だけでなく、心にも強いダメージを与えているのだろう

肩を震わせながら、重い足取りで鉄の前を通り過ぎる
その時ですら、赤月が鉄の方に顔を向ける事は一切なかった

>>788-789(夢見ヶ崎)

「・・・・・・? また・・・・」

結局、最後まで赤月が夢見ヶ崎の正体に気付く事はなかった
しかし、後で『アルカラの連絡先』をポケットの中に見つけた時、
彼女の正体・・・・いや、あの時『アリーナ』で会った『彼女』の正体に気付く事になるだろう

>>790(七篠)

「大丈夫・・・・・だ
 すまない・・・・私に構わないでくれ・・・・」

七篠の言葉を振り払うようにして、この場を去ろうとする
お互いにすれ違うその瞬間、七篠は彼女の顔が見えた
一抹に生死の境まで追い込まれたその少女は今にも泣きそうな顔をしていた・・・・

そして、赤月は去って行く
血の海となった戦場を離れて、自分の部屋へと・・・・

792今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/23(木) 23:10:47
>>786(フーヴィアン派)
>>791(赤月)

「それじゃ、よろしくお願いしますっ」

事情とか、よく分からないけど。
長くは拘束しておけないのは、フツーだ。
この人達なりに出来る事を、してくれるんだなって。

「『気分』なら、しょーがないですけど」
「気を付けてくださいねっ。廊下で倒れたりとかしないように」

           『精神的状態ハ 私ニモ 補修デキマセン』
           『御礼ハ イリマセン。ゴユックリ オ休ミクダサイ』

それから、怪我してた人のことも見送る。

なんていうか、この場は収まりつつある、って事なんだろうね。

>>787(鉄)

「あは、どうでしょうっ?」「うーん」
「先輩の知り合いは、少なくはないですけど」

謙遜するのがフツーなのかな。
でも、今はそういう状況でもない気はした。

「3年くらい離れてる学年だと、
 ほとんど知り合いはいないんですよね」
「大学部の先輩とか……中等部の子とか」
「あと、一番知らないのは小学部の子ですよね」

人脈なんて立派なものじゃないけど、
高1〜高3なら結構知ってる人は多いと思う。
スタンド使いの人は、多くはないけど。

「あは、今時の子って!」「えーっと、女子のことですよね?」
「まーそうですね」「やっぱりスカイモールが一番楽しいですけど」

「歓楽街の方にも、ちょっとオシャレなお店があったりとか」
「あとはまあ、大通りですかねーっ、フツーに」

>>785(七篠)
>>788(夢見ヶ崎)

「フツーにいいですよ〜。減るもんじゃないですし」
「先生は疲れるかもですけど」

            『床ヲ 直スクライハ 大仕事デモ アリマセン』
            『業者ノカタ ノ 仕事ヲ 奪ウヨウデハアリマスガ』
            
「まあまあ。ほら、自分達でやれる事はやるのがこの寮ですしっ」

それに、先生は能力使うのがかなり好きなんじゃないかな。

            『相変ワラズ 素敵ナ ユーモア デスネ』

「あはは、そうですねっ」
「私だったら」「『オージ』様とか、好きかも」
「今どき白馬に乗って来られてもフツーに困りますけどねっ」

ユメミンの話はやっぱり、面白いと思う。
言葉を使うのが、上手いっていうのかな。
きっと皆笑っちゃうよね。

「作戦って、電話で聞くって話ですよねっ?」
「私はそれ、面白いと思いますよ」

            『懸念ガアルトスレバ』
            『悪戯ダト 思ワレル 事デショウ』
            『勿論 人命二関ワル以上 私ハ 悪戯トハ思イマセンガ』

「うーん、でもまあ実際買いたい人はいると思いますし?」
「私達以外にも多分、クリスマスの動きって広まってますよねっ?」

            『確カニ 幅広ク 情報ハ拡散サレテイマス』
            『需要ハ 作戦抜キデモ 生マレテイルカモ シレマセンネ』

「そういう人たちのグッズを買う場所も作れて、
 一石二鳥だと思います! やりましょう、ユメミン」

793鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/24(金) 00:22:20
>>789(アリス)

「断じて、キミを『口先だけ』と思ったことなど一度もない」

静かに、だがハッキリとした口調で言い切る。
これは彼女を慰めるだとか、人間関係を円滑にするだとか、そんなものは一切関係ない。
ただ誤解されたくはない、それだけのことだ。

「アリスにはオレにはない物事の捉え方ができるし、機転が効くのも知っている。
 ついこの前、キミの『スタンド』には重宝すべき能力があるのも知ることができたしな」
「あくまでオレが、自分で解決できることならそれで。不可能でもなるべく
 少人数で達成したいと思ってしまうだけだ。これは性分だからな。直すべきだとは思っているが」
「…それと、キミが女性であるのも無関係ではない。これも男女差別でよろしくはないんだろうが…」

指でこめかみをかく。恥ずかしながら、欠点というのは一朝一夕で直るものではないようだ。

「とにかく、必要な時にはまた力を貸してほしい。そして逆に、困った時はすぐに呼んでくれ」

とりあえず、これで互いに齟齬はなくなっただろう。彼女とはこれからも良い関係でいたいものだ。
早速、その名案の内容を突き詰めていこう。

「幅広い年代なら、知り合いの知り合いまで含めればそれなりに数が多いと思う。連絡を取れば、何とかなるだろう」
「分かった。手当たり次第に幅広くよりは、ある程度的を絞るべきか。
 確かに数多くに手を出しても、相手が需要を感じない程では意味がないな…。
 それにああいったタイプの店舗なら、アリスの言う通り近くの店が
 『クリスマス』を仕掛けてくるなら他の店も、否が応でも目につくだろう」
「後は、効果は然程ではないかもしれないが…店が『クリスマス』を前に出すようになったなら、
 妹に『インスタ?』とやらで宣伝を頼んでみる。しないよりはマシだろう」

>>790(七篠)

「そうやって巻き込まれるタイプに関しては、避けようがないので何とも言えないがな…
 ただ、オレは正直七篠さんがいて助かったと思っている」
「その『リルトランク』…民家にいた時から思っていたが、極めて強力な『スタンド』だ。心強いよ、ありがとう」

礼を述べ、頭を下げる。
自分はこういった物事に積極的に関わっていく姿勢であるから、一向に構わない。
でなければ、この街の『警察官』にはとてもなれないだろう。

>>791(赤月)

「・・・・・・・・・・」

何も言わずに、彼女の姿を見送る。
命があるから復讐はできる、死ななかっただけまだマシであると。
自分がそんな風になけなしの言葉を取り繕うよりかは、彼女が立ち上がるのに任せる方がマシだろう。
敗北は事実だ。それを糧にできるかどうかは、彼女次第だ。
しかし、これをキッカケに彼女が復讐を止めることはないだろうから。
どうか、無事に立ち直ってくれることを祈るばかりだ。

>>792(今泉)

「成る程。大学生や小学生に声をかけるならば、また別の人を探しておくとしよう」
「幸い、年下の子にも知り合いはいる。その子に声をかけて、知り合いに当たってもらおう」

今泉さんの言葉に頷く。

「了解した。手始めに『スカイモール』、その次に『歓楽街』や『大通り』か」「参考にさせてもらう」

女性の心理が分からない自分には、こういう話はありがたい。
しっかりと心に留め、その場にいる皆へと視線を向ける。

「この度は重ねて感謝を。何かあれば、また連絡をして欲しい」
「一抹くんが拘束された事で、一旦は危険がなくなったが…彼の言う通り、脱走の可能性もある。努努気を付けてくれ」

そう言って、寮を去る。早速スマホを取り出して、小石川さんと連絡を取ろう。

794夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/24(金) 00:47:42
>>790

「そんなにきにしすぎなくてもイイとおもうよ」

「『カクゴ』ってコトバは『サイゴのサイゴ』でつかうものだから」

二人の会話を横で聞きながら、一言だけ口を挟んだ。

「『イタズラですまないレベル』にしちゃうんだよ。
 とにかく『だいきぼ』にする。
 もちろん、『しょうひん』がならんだら『かう』。
 ジッサイ、イマひつようなワケだから」

          ピッ

「――――よし!!
 ナナちゃんのレンラクサキをゲットしたぞ!!」

>>792

「『オージさま』とはイッポンとられた!!
 さすがイズミンは『イイかえし』をしてくるな〜〜〜。
 ホットケーキひっくりかえすのもウマそうだし!!」

「『ウマ』はのりかたしらんしね。
 『パールホワイトのポルシェ』とかだったら、
 のってやってもいいぞ」

『うんてんせき』にな!!
ムメンキョだけど。
でも、『おおがたトラック』うんてんしたコトもあるし。
ユメのなかで。
そのあと『クロコゲ』になったのはバチがあたったからか??

「いや〜〜〜『センセー』はイイとこついてくるよね。
 ズビシッ!!ってカンジで」

「かんがえたタイサクとしては、
 『イタズラ』っておもわれないくらいイッパイやる。
 あと、できるだけハバひろいヒトにやってもらう。
 ガクセイだけじゃなくて、
 オトナとかもいるとセットクリョクでるとおもうし」

「とりあえずウチらでやりながら、
 たのめそうなヒトにもたのむってカンジかな??」

>>793

「そういわれるとナンかアレだな!!
 ベツに『そういうアレ』でいったワケじゃないし」

「アリスの『イシヒョウジ』っていうか、
 『ケツイヒョウメイ』っていうか、
 ようするに『そーいうヤツ』だから」

「ま!!つーワケで!!これからもヨロシク!!」

          ポンッ

クロガネくんの肩を軽く叩く。

「そのヘンはジョーキョーにおうじてやるのが、
 イチバンじゃないかなぁ。
 サイショは『イッテンシュウチュウ』で、
 タブンよさそうなきがするけど。
 『ブーム』がひろまってきたら、
 もっとハンイをカクダイしていくカンジで」

「またナンかおもいついたらレンラクするから。
 クロガネくんもナンかあったらおしえてね」

「――――そんじゃ、また!!」

クロガネくんに手を振って、立ち去る姿を見送る。
長く掛かったが、ようやく『約束』を果たせそうだ。
口には出さなかったが、
その事が嬉しかったのは事実だった。

795七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/24(金) 07:10:39
>>792

「床を直すのが大仕事じゃない…。
 先生さんはすごいスタンドなんですね」

 七篠は感嘆の声を上げる。
 そして一抹が収容され、被害者である少女も消え、場の雰囲気が解散に近付いているのを理解したのだろう、そのまま言葉を続けた。

「あの、それじゃあここを片付けたらそのまま私の部屋に来てもらえませんか…?
 一応、私の部屋は荒らされた後片付けは済んでいるので床だけなんです…」

>>794

「覚悟は最後の最後で…?」

 七篠はわかったようなわかっていないような表情でオウム返しに言う。経験の浅さからかまだはっきりとイメージできていないようだ。

「そっか、そうですね。入荷したら買っちゃえばいいんですね。
 『冬』のものはいくら買っていても今回の場合は使い道がありそうですし!
 もしも余ったりしたら本当のクリスマスで使ったらいいんですよね」

 七篠はそう言いながら掃除ロッカーを開け、掃除道具を取り出した。
 戦闘の後片付けをするつもりらしい。

>>793

「私も、鉄さんがいてくれて助かりました。
 知識も行動も、しっかりされていて…」
「『リルトランク』は便利なスタンドですけど、使ってる私がまだまだで…」

 七篠は正直まだ男性には恐怖がある。
 だが、鉄はそれに気付いた上で気を使ってくれるいい人だ。七篠の警戒心はほぼ解けていた。

「急にここに呼びつけてしまって、頼んでしまってすみませんでした。
 本当にありがとうございます」

 七篠はそう言って頭を下げると、帰っていく鉄を見送ってから掃除にかかった。

796今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/24(金) 22:50:10
>>793(鉄)

「あの子がいきなり襲って来たりしたら」
「私と先生だけじゃ、どうしようも無いですしね」

            『私ハ 戦イノ 先生デハ アリマセンカラネ』
            『何モ出来ナイ ワケデハ アリマセンガ』

「あはは、本当ですかっ?」
「本当なんでしょうけどね〜。相手は刃物ですから」

「危ないことがあったら、頼りにさせてくださいっ」
「あ」「でも、鉄先輩も、気をつけてくださいね」

鉄先輩だって刃物相手は怖いと思うけど。
でも、こういう時は、先輩を頼りにするのがフツーだよね。

>>794(夢見ヶ崎)

「あはは、ポルシェでも良いですけどっ。
 今だと外車に乗って来てくれるくらいが、
 一番、フツーにいいのかもしれませんね」

ユメミンが。
運転して来てくれるって事かと思っちゃった。
そういう話じゃないよね。

「あ! ホットケーキ、最近たまに焼くんですよ〜」
「バター乗せて、メープルシロップかけて」

       『今泉サン ソコハ 本題デハアリマセンヨ』

「そうでしたそうでした。
 ですね、とりあえず私達と……出来たらもっと、年が違う人?」

「おじさんとかおじいさんに頼めたら、ギャップありそうですけどね〜」

>>795(七篠)

       『オ褒メイタダイテ 私 光栄デス』

       『デスガ 私ニハ 木ヲ生ヤス事ハデキマセン』
       『偶然 直ス事ガ 私ノ 能力ダッタダケデスカラネ』

       『勿論 ソレヲ 最大限 活用ハ サセテイタダキマスガ』

「適材適所っていうやつですよねっ」
「それじゃーこの後、先生と一緒に行きますね」

この子の部屋の床だけ直したら、
そのあとは、ユメミンと合流して作戦開始だ。

797夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/24(金) 23:40:10
>>795

「しょっちゅうつかってると『カチがさがる』ってコト。
 であうヒトみんなに『アイしてる』っていうワケじゃないでしょ??」

「まぁ、ボチボチわかってくるとおもうよ。タブン」

適当なアドバイスをした。
実際、こういうのは口で言ってもなかなか伝わらない。
自分自身が納得できる形で理解するのが一番だと思う。

「よし!!わたしもてつだうぞ!!」

         ササッ

掃除道具入れから雑巾を取り出して、
『ドクター・ブラインド』の両手に持たせる。

「みよ!!これが『ゾウキンにとうりゅう』だ!!
 みがきぬかれたワザでピカピカにみがいてやろう!!」

    バババババババババババババッ

               バババババババババババババッ

両手に持った雑巾で、床の拭き掃除を開始する。
『外科手術』を思わせる高速かつ精密な動きだ。
手早く後始末を進めていく。

>>796

「あ〜〜〜そーいうシリアイかぁ〜〜〜。
 いるっちゃいるけど、いないっちゃいないかなぁ〜〜〜」

熱中症で倒れた時に助けてくれた人とか。
救急車呼んどいて逃げた人。
あの人もスタンド使いっぽかったけど。
『ブラック・アンド・ホワイト』だっけ。
でも、連絡先が分からないからどうしようもない。

「ま!!ナイものねだりしてもしかたないしさ。
 みんなでやれるだけやってみよ!!」

「コレがおわったら、みんなでホットケーキたべるのもいいし!!」

「――――ね!!」

とびっきりの笑顔でイズミンに笑い掛ける。
ひとまず掃除を終わらせた後は、
『センセー』が床を直すのに付き合おう。
それから『問い合わせ』だ。
なかなか忙しい。
色々あったせいで、
イズミンに『夢の話』をするのを忘れてしまい、
それは『また今度』という事になったのだった。

798七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/24(金) 23:50:26
>>796

「適材適所…。あの、もし私でできそうなことがあったらお手伝いしますので…!
 と、とりあえずさくっとここをなんとかしますね」

 七篠はそう言うと夢見ヶ崎と共に落ちた物を片付け、床を掃き清めていった。
 どうやら七篠はしてもらうことに対して、返せることが今は思いつかなかったらしい。

>>797

「『覚悟』の価値…。考えてもみませんでした…」

 七篠はそう言うと目を丸くした。
 まだまだ『覚悟』についての理解が足りていなさそうだ。

「いつか、理解できるように覚えておきます」

 七篠はそう言うとこの場を片付けていった。
 荒れているとはいえ、見た目よりかは被害は少なく、手早く終わりそうだ。
 二人であればすぐだ。

799今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/25(土) 01:02:56
>>797
>>798

「そうですねえ〜、私も」「ちょっと、いないかな」
「フツーに、出来ることをやっていきましょうっ」

             ニコ…

「ホットケーキミックス、まだあったかな」

フツーじゃない事が起きてはいるけど。
それは、フツーに戻るものだし、戻すものだ。

「自信あるんですよ」「本当に」

         『私ハ味ハ分カリマセンガ』
         『見タ目ノ 良サハ 保証シマスヨ』

「あはは、先生もこう言ってますから!」
「早く全部終わらせて、全部フツーになった皆で、食べましょう」

          ・・・出来ることをやろう。

800赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 10:03:44

血で血を洗うような激闘が幕を閉じ、関係者達が現場の掃除にいそしむ頃
赤月は重い足取りで歩を進め、ようやく自室へと辿り着いていた
だが、それが体力の限界。部屋に入ると同時に倒れるようにして床へと蹲る

「・・・・・・・う」

どろどろとした血が肌に張り付くような不快感を感じる
それを追い払おうと、床が汚れるのも構わず血に塗れた衣類を脱ぎ捨てた
スタンドの手でタオルを濡らして、未だに肌にこびりつく血を拭っていく

「うぅ・・・・・・」

・・・・やる事が一段落ついてしまった

「ううう・・・・ぅああぁ・・・・・!」

堪えきれなくなった涙が溢れ出す

「ああぁぁ・・・・・! ああぐっ・・・・ふ・・・・!」

涙の原因は『彼』に負けたからではない
敗北や死は勝負の常として既に覚悟している

「あああ・・・・・!」

情け容赦の無い『彼』の言葉のせいでもない
そもそも『彼』の言う事は滅茶苦茶であり、その言動は明らかに『夏』に狂わされている

「ああああああ・・・・・・・っ!」

――――認めてしまったからだ
自分自身の甘さ・・・・『殺意』の未熟さを・・・・

「私は・・・・・! 私は・・・・・・っ!」

『彼』を止めるため、赤月はなるべく彼を傷つけない方法を取ろうとした
しかし、『彼』は最初から全力で『刃』を振るう選択を取った・・・・
『殺意』の差が勝敗を分けた・・・・・それは確固たる事実だと、赤月は認識した

フローリングの床の上で胎児のように丸くなる

「『殺意』も・・・・『覚悟』も・・・・アイツに届かなかった・・・・!」

思えば、『歓楽街の夜』もそうだった
命を脅かす敵に対して、暗器の『刃』を向ける事が出来なかった

それに、『アリーナでの一戦』もそうだ
確実に勝負を決めるには拳で殴った方が早かったはずだ
なのに、彼女を必要以上に傷つける事を恐れて生ぬるい結末を選択した・・・・

本当の意味で赤月が敵に『殺意』を向けた経験など一度もなかった
自分が口ばかり達者な未熟者である事に気付き、その情けなさが心に突き刺さる

「『甘さ』・・・・人間性が残ってるせいで負けたんだ・・・・!
 『殺意』を研ぎ澄まして・・・・余計な『情』を捨てないとアイツには勝てない!
 『獣』に・・・・『鬼』にならないと・・・・」

そう言うと、地を這うようにして部屋に置いた『冷蔵庫』へと向かう
中には作り置きした食品といくらかの食材、飲料水が保存されていた

「血を取り戻せ・・・・」

保存していたカレーを貪るように食べ尽くす
調理前の生卵を飲み、生のタマネギに齧り付く
胃が拒絶反応を起こして戻しそうになった所を、水で無理に流し入れる
そしてそのまま床の上で眠りに就き・・・・起きたときには深夜になっていた

身体は本調子には程遠いが、無理をすればなんとか動く事も出来るか

「ここに居たら・・・・『甘さ』に絡め取られてしまう
 ・・・・・・・・・・さようなら」

鉛の塊のように重い身体を引き摺り、赤月は学生寮を離れた
向かう場所は夜の街・・・・『情』を捨て、『殺意』を研ぎ澄ますために・・・・越えなければならない一線がある

801赤月『サクソン』:2021/09/27(月) 01:22:59
>>800

「結局・・・ここに戻ってきてしまったか
 二度とここへは戻らないつもりでいたのに・・・・少し恥ずかしいな」

東の空が暁光に白み始める明け方・・・・街から一人の少女が戻ってきた
ふらふらとした足取りで顔は青白く、見るからに生気が乏しい風体であるが、
その瞳はここを出た時よりも輝いている

両手には近くのコンビニで買ってきた食料が大量に袋に詰め込まれていた
重い荷物を引き摺るようにして自室に戻る

「だけど、もう迷わない・・・」

誰彼構わない『殺意』はただの『獣』だ
歓楽街で出会った少女、真白の『強さ』を見て、
『殺意』を振りまく事は決して『強さ』などではない、という事を学んだ

「アイツの境遇を聞いて・・・私の刃は迷いを帯びていたようだ」

幼い頃からの家庭環境の違い・・・・
一抹が語る『家族』からの仕打ちに赤月は少なからずショックを受けていた
『家族』が、親が子に対して酷い仕打ちをするなど・・・・赤月の『世界』には存在しなかったからだ

「だけど今は違う・・・・私はアイツの事を少しだけ知った
 だから今度は迷わない・・・・標的も間違えない・・・・」

アイソトニック飲料を飲み、血を失って脱水気味になった身体に水分を補給する
今日は恐ろしく多くの事が起こり過ぎた・・・・

「一週間後・・・・アイツは必ず『動く』はずだ
 それまでに身体を回復させて・・・・彼を・・・・・止め・・・・る・・・・・」

そのままベッドの上に横たわり、決意を新たにすると
電源が落ちたかのように眠りに就いた

802夢見ヶ崎&三枝:2021/09/30(木) 01:07:06

『三枝千草』の自室にて――――。

       ガチャッ

「よ!!ラッコのチョーシどう??」

「ラッコさんは元気です。
 ただ……『問い合わせ』の方が芳しくありません」

「なぁにぃ〜〜〜??」

「まず単純に『数』が足りません。
 それから、流行らせるためには、
 もっと『爆発的な何か』が必要になると思います」

「なるほど…………。
 まず、この『ロセン』じたいはタブンまちがってない。
 もっと『ハデ』にするヒツヨウがあるな…………」

「いや、まてよ…………ひらめいた!!
 バクハツてきに!!ラッコいるよね??」

「はい、奥の方に。今は眠っている所ですけど」

「よし――――あとは『メディア』だ。
 そのフタツをリヨウしてやろう。
 クロガネくんには、わたしからレンラクしとく。
 チグサは、いつでもラッコをだせるようにしといて」

「分かりました」

803飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/03(日) 19:57:51
 明るい茶髪を二つ結びにした女子が談話室の机の前に座っている。
 目の前には『眠たげなサンタの陶人形』が置かれ、それを指でつついているようだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「慌てん坊の、サンタクロース」

 サンタをつつきながら小さな声で口ずさんでみる。
 この間フリーマーケットで買ったけど、やっぱり今の時期に『サンタ』は早すぎるよね?

「うーん…このままクリスマスまで押入にしまっとく?」

 いじってたらうっかり爪で弾いちゃった。
 ちりんって小さく音が鳴って『サンタさん』が倒れそうになって……。

804赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 18:20:48
>>803

――――ちりん。
ころ・・・・  ころころころ・・・・

                ぽろっ

机の上に置かれた『サンタの陶人形』
指で弾かれたサンタは机の上をころころと転がり・・・・端から地面へと転がり落ちた

「危ないっ!」

あわや地面に衝突するその瞬間、床と人形の間に手の平が差し込まれる
黒い髪に赤いメッシュを入れた少女だ・・・・野球でゴロを拾うような姿勢で屈みこみ、陶人形をキャッチした

「・・・・・間に合ってよかった」

805飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 19:02:10
>>804

「あっ…!」

 落っこちちゃった『陶人形』を追いかけようとお尻を上げて、赤月さんが受け止めてくれたのに気付いた。

「赤月さん、ありがとう。
 買ったばっかりなのに壊れちゃうところだった…」

 私はふうと息を吐いて、笑いかけた。
 陶器だから壊れやすさは折り紙付きなわけだけど、だからってすぐ割りたくないよね。
 『眠たげなサンタさん』が赤月さんを見つめてるみたい。赤と赤でなんだか似合ってる気がする…?
 私は赤月さんとサンタさんを見比べるように見てみる。

806赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 19:28:51
>>805

「珍しいね、こんな時期にサンタクロースの人形だなんて」

キャッチした右手を上に上げて、人形を持ち主に返す
赤い服を着たサンタと髪を赤く染めた赤月・・・・言われてみれば合っている感じもしないでもない

(それとも、夕立達の『作戦』が咲良たちの所まで広まってきてるって事か
 例の『作戦』を成功させるためには一般層への・・・・)   「くっ!」

考え事をしながら立ち上がろうとしたところ、急に頭を上げたせいで立ち眩みが起きてしまった
先日の大量出血の影響でここ最近貧血が続いているせいもあるだろう
顔色を青白くしながら、ふらっと足から力が抜けてしまい・・・

    バンッ!

「はぁ・・・ はぁ・・・」

机の上に左手をつけて身体の支えにした
そのまま顔を俯かせた状態で荒くなった息を整え始める

807飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 19:46:55
>>806

「だよね。
 なんだか歓楽街でいろんなお店にサンタさんがいたり、フリーマーケットで冬物売ってたりして珍しくって…」

 私はそう話したところで赤月さんが顔を青くしてふらついてることに気付いた。

「だ、大丈夫!?
 ……座れる? なにか飲む??」

 とりあえず私が座ってた椅子を譲って座ってもらおうとする。
 学校には保健室の先生はいても、『寮』にはいない。スマホを取り出して119するか悩みながら背中をさする。

808赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 20:13:04
>>807

「だ、大丈夫だ・・・・落ち着いていればじきに良くなる・・・」

椅子に座って落ち着きを取り戻す
取り出されたスマホに対しては、救急車は必要ないという事を示すために掌を向ける

「驚かせてしまって、すまない
 この前、ちょっとした『トラブル』があって血をたくさん失ってしまったんだ」

思い出すのは学生寮で起きた襲撃事件
『クリスマス』に対して敵意を燃やす『彼』の騒動・・・・・

(『クリスマス』・・・・?)

ふと、机の上に置かれた『サンタ人形』を見つめる
もしも、『彼』が『クリスマス』に対して無差別に敵意を向けるとしたら、
『サンタ人形』を持つ彼女もまた・・・・

「忠告したい事が一つだけある
 近く、この町で『クリスマスのイベント』が起きると思う」

じりじりと真夏の様な日差しが差し込む中で何を言ってるのか、と言った感じではある
しかし、鉄達が動いているからには、たくさんの一般人を巻き込んだ大イベントになるだろう

「それが始まったとしても、君にはサンタクロースの恰好をしたり、サンタのグッズを持ち歩いたりしないで欲しい」

謎めいた発言だ

809飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 20:23:34
>>808

「トラブル…。
 病院行って輸血してもらうとか、できない?」

 どう見ても具合が悪そうで、止められはしたけどやっぱり病院に行った方がいいんじゃないかって考えちゃう。
 そういえば学校でも具合悪そうだったかな? ちょっと思い出してみる。



「あ、それでサンタさんがたくさんいたんだ。
 『クリスマスイベント』に向けた準備だったんだね」

 『女性ばかりのミニスカサンタ大会』みたいな感じかな?
 歓楽街で見たの、女の人が多かった気がするし。楽しそう。

「……どうして?って聞いてもいい…?
 サンタを持ち歩くとなにか悪いことでもあるの…?」

 もしそうならなんで歓楽街の人たちはサンタ姿になったりしてたんだろ…?

810赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 20:39:41
>>809

「輸血・・・・その手があったか
 でも大丈夫、最初に比べたら大分良くなってきたから・・・栄養をちゃんと取れば治るさ」

座って休んでいるうちに顔色は随分と良くなってきた
『サンタの陶人形』をじっと見つめる

「『ミニスカサンタ大会』・・・・やっぱり、この国の主流はそういうサンタなのか」

『ミニスカサンタ』という言葉を聞いてそう呟く
コスチュームショップで『サンタ衣装』を購入した時は、自分の知っているサンタとの違いに驚いたが
一般人である彼女が言うのなら、恐らく間違いではないのだろう

「これは・・・・あまり他の人には伝えないで欲しい事なんだけど・・・・
 今、この町ではとある『スタンド』を倒すために『クリスマスブーム』が起きようとしている
 その『スタンド』は『冬の雰囲気』に弱く、そいつに憑りつかれた人間は『冬』に対して無尽蔵の『殺意』を抱くらしい」

「私も・・・・そいつに襲われて怪我をしてしまった
 今こうして血が足らなくなっているのもそのせいだ・・・・」

「だから頼む・・・・君が『サンタ』を持っているとソイツに襲われるかもしれないんだ」

811飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 21:22:17
>>810

「それならいいけど…。
 ……あ、鉄分のサプリが部屋にあるけどいる?」

 月の物の対策として私の部屋に置いてあるサプリを思い出した。
 料理が下手で『ほうれん草』や『レバー』から上手く鉄分を摂れない私には欠かせないアイテムだ。

「うーん、主流ではないと思うけど宣伝とかで女の人が『サンタコス』するのは多い気がする…?
 テレビとか絵本とかだと男の人のサンタさんが普通だけど…」

 私は首を傾げながら答える。
 赤月さんは外国にいたから『ミニスカサンタ』って存在にびっくりしてるのかもしれない。異文化交流って感じがする。



「……怪我!?
 大丈夫…? それならなおのこと病院…」

 赤月さんへの心配と一緒に、友達の身体に傷を負わせたその人にすこし怒りが沸く。
 私は怪我の痕を探して赤月さんの身体を見回して、ふとメッシュに目がいった。
 もしかしたら赤月さんが『赤い』から『冬』っぽいって勘違いされて怪我することに…?


「……危ないスタンドがいるんだ…。わかった。
 『サンタ』とか持ち歩かない」

「ねぇ、今回のスタンド使いは『お兄さん』のこととは関係ないんだよね?
 それなら、赤月さんもまた襲われないようにサンタ持ち歩いたりしない方がいいと思うんだけど…。
 赤月さんはその日、どうするの?」

 『アリーナ』に関することなら赤月さんが怪我してしまうのも仕方ないと思う。
 それが赤月さんのやりたいことだから。
 でもそうじゃないなら、わざわざ危ない目に遭いにいく必要はないと思う。

812赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 21:45:37
>>811

「・・・・・欲しい」

確かに食べ物だけでは補いきれない栄養もある
ここは厚意に甘える事とした

「怪我の事なら心配はない
 彼に襲われた時に、たまたま別のスタンド使いの助けを得て、治してもらったから
 こんな感じに・・・・」

スカートの裾を少しだけ持ち上げる
微かに覗かせた腿は雪花石膏のように白く、傷一つ無い

「傷一つ残っていない
 ・・・・・元々は刃物で思い切り腿を刺されて、湧き水みたいに血を流したのにね」

傷が残っていない事は望ましい事だ
だが、『彼』に負けた話をする時、眉間に皺をよせ眉を顰めた
自分が負けた事実を人に語るのが恥ずかしいからだ

「この件は・・・・・『兄』の事とは関係ない・・・・まったくの無関係だ」

「だけど、『スタンド』に憑りつかれた少年は私の知り合いだ
 だから憑りつかれた『彼』の事は嫌いだけど・・・・本っ当ぉ〜〜〜〜〜〜に!嫌いだけど!
 放っておくことは出来ない」

ガサッと音を立てて近くに置いていた袋を手に取る
それは駅前の雑居ビルにある『コスチュームショップ』の袋だ・・・・中には『サンタの衣装』が入っている

813飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 22:25:19
>>812

 話が一段落したらサプリを取りに行こうと考えてから赤月さんの足を見る。
 本当に怪我してたとは思えないくらい綺麗。
 ……でも、それは治してくれたスタンド使いがいたからで…。

 私は静かに赤月さんの言葉を聞いた。
 赤月さんが『放っておくことは出来ない』って言ってて、『コスチュームショップの袋』の中身がもし『サンタ服』なら…。
 それは『襲われにいく』ってことなんじゃ…。

「…赤月さんがやろうとしてることはなんとなくわかった…。
 赤月さんがやりたいってこともわかる」

「ね、赤月さん。
 また怪我して、今度は周りに誰もいなかったらどうする?
 死んじゃうかもしれないよ、すごく血が出たんだよね…?」
「私なら、『シスター・ゴールデンヘアー』なら、
 襲われてる赤月さんを遠くから、助けにいけるかもしれない」

 大人の男の人並の力で赤月さんを背負って、バイクみたいな速さで逃げ回る自分を考えながら、私はそう言った。
 赤月さんに『シスター』の詳細は話してなかったと思うけど…協力するなら話すべきかな。

814赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 22:41:32
>>813

「・・・・・・駄目だ」

飯田からの申し入れを聞きながらも、それを冷たい口調で拒絶した

「『彼』は・・・『冬』に関わる者だけを襲うわけではない
 自分に対して『敵意』を向ける者全員に敵意を向け・・・・刃を振りかざす」

「私だって、アイツを殺そうなんて思ってなかった
 アイツを取り押さえて、どうにか止めてやろうと思っただけだった・・・・
 そんな微かな『敵意』にさえも、彼は反応してしまう
 君が彼の前に出たら・・・・私を護ろうとするその意思にさえも刃を向けるかもしれない」

両手をぐっと握りしめる

「一切の『敵意』なくアイツに近づける人間なんてそうそういるものじゃあない
 それこそ、あの日『七篠』と呼ばれていたあの女性くらいなものだろう・・・・」

815飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 23:08:49
>>814

 『七篠』…。
 赤月さんからお姉ちゃんの名前が出て、たぶん私は驚いた顔をして…それから顔を伏せて考え込んだ。
 お姉ちゃんを越えるなら、同じようにできないとダメだ。

「……『その人』にできるなら、私もやれる。やりたい。」

 顔を上げて、赤月さんの方を見ながら言う。
 冷たい口調でも、拒絶されてても譲りたくない。

「もしものとき、赤月さんの逃げるのを手伝うだけだから、
 戦おうとしないし、もしも赤月さんが危険な状態になったときに、
 『護る』ために背負って逃げるだけだから、やらせて」

 私はそう言いながら『シスター』を発現させた。

「私の『シスター』ができることは片道通行の『瞬間移動』なんだけど、
 襲われてる人を見たときにその人を『護りたい』と思ったら『シスター』を纏ってその人の近く…2mくらいに移動できる」
「纏ってる間は大人の男の人みたいな力持ちになれるし、
 バイクみたいに速くなれるから…いざとなったら赤月さんのところまで『瞬間移動』して背負って逃げれると思う」

「敵意を向けないで逃げるだけだし、『その人』にできるなら私だって…!」

 気付いたら私は赤月さんの手をぎゅっと握りしめてた。

816赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 23:21:42
>>815

「い、いや・・・・しかし!」

予想外の彼女の反論に慌てて言葉が乱れる
どうにかして諦めさせようとするも、今までにないくらい強い口調の彼女に次第に圧されていき・・・・

「・・・・・・・・・わかった」

両手を握りしめられると同時に諦めの言葉を口にした
ここまで食い下がる人間を説得する言葉を赤月は持っていない

「だけど、約束してほしい・・・・憑りつかれた彼・・・『一抹貞世』は危険だ
 遠巻きに見守っているだけなら大丈夫かもしれない・・・・
 でも、君が能力を使って私の傍に来た途端に、彼は君の事も殺しに来るかもしれない」

「協力関係にある以上、私や彼の能力についても教えておこう
 私の『サクソン』は『トレンチコート』の中に隠した物を『暗器』に変える
 そして・・・一抹の能力『インダルジェンス』は両手に隠した刃を凄い力で振るい、
 スタンドに触れられると心に干渉され、感情を抑制される・・・・まったく忌々しい能力だ」

苦虫を嚙み潰したような表情で語る

「ところで・・・・違っていたら申し訳ないけど
『七篠』という女性の事を君は何か知っているのか?
 彼女の話をした途端に・・・・その・・・・君の表情が変わったような気がして」

817飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 23:43:47
>>816

 赤月さんが『わかった』って言ってくれて、お姉ちゃんと競うための切符をもらえたみたいですこし嬉しくなる。
 赤月さんが危険な目に遭うかもしれないのに嬉しいなんて変かもしれないけど…。

「赤月さんは『暗器使い』でその人は『刃物使い』…。
 だからそんなに血が出ちゃったんだ…」

 『刃物』なら刃が届かない距離にいればなんとかなるはず…。
 私より早かったらどうするかは念のため考えないといけない…。

「『感情の抑制』がどんなのかわかんないけど、
 とりあえず『刃物』が届かない距離にいるようにする。約束する」

 その後に言われた赤月さんの言葉で、私はちょっと悩んでから話し出した。

「たぶん、その『七篠』って人、私のお姉ちゃんなんだ。
 すこししか似てないし、名字も違うけど」
「私はお姉ちゃんを超えたくてここに来たから、
 お姉ちゃんができることをできないって認めたら私はここに来た意味をなくしちゃう…」
「だから、手伝わせてくれて…ありがとう」

 そう言って頭を下げる。

818赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 00:05:59
>>817

目の前の少女が『七篠』という女性に対して、闘争心を燃やしている事を赤月は知らない
自分の迂闊な言葉遣いが、彼女の心を焚きつけてしまった事も・・・・

「ありがとう・・・・
 うん、君が見守ってくれていると思うと凄く心強い」

とはいえ、斬られ方によっては彼女の救援が間に合わない可能性も高い
心構えは変えず・・・・命を賭けて相対しなければならない

「え・・・・?」

『七篠』と飯田の関係性を聞いた時、赤月はぽかんと口を開けていた
姉がいるという話は聞いていたが、それが『七篠』であるとは気づかなかったからだ
苗字が違うせいもあり、まったくの寝耳に水といったところだろう

「そうだったのか・・・・それなら、私に止める理由はない
 だけど一つだけ忠告させてくれ
『七篠』が無事だった理由は、彼女が極めて『敵意』を抱きにくい人間だったからだ
 だけど咲良は・・・・その・・・・・」

彼女もまた極めて善良な人間である事はわかる
しかし、姉の話になった途端に見せた『闘争心』・・・・
赤月にとっては好ましく思える性分ではあるが、それが一抹に対しては逆効果となる可能性が高い

「君が『七篠』を超えるためには・・・・『敵意を捨てる事』以外の方法を取った方がいいかもしれない
 流石に『七篠』と同じ方法は・・・・見ていて心配になるから」

あの日の光景を思い出す
『インダルジェンス』が今まさに人間を切り裂き、刃からは新鮮な生き血がだらりと流れていた
そんな『危険な状況』で『七篠』と呼ばれた彼女は無防備に一抹の身体を抱き留めた
一抹がほんの少しでも気を変えれば、そのまま首でも腹でも刺されて死んでいたというのに・・・・

「だから、いざその時がきても、自分の身を護る事を優先してほしい」

819飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 00:29:17
>>818

「私が出来るのは逃げるところまでだから、逃げた後は病院に頼ることになっちゃうけど…。
 できるだけ頑張って赤月さんを『護る』から」

 私はそう言ってまた手を握った。
 戦いの主役はもちろん赤月さんで、私はもしもの時のお手伝いだけど、できるかぎりのことをしたい。

「……どうやったら、お姉ちゃんを越えられるのか、
 私もわかんないけど、赤月さんに心配されないような方法を考える」

「うん…たしかに、『敵意』は…私にはたぶん捨てられない。
 お姉ちゃんを越えたいのは私の根っこだから、『敵対心』を捨てたらきっと私は私じゃなくなっちゃう。
 できそうなのはその一抹?って人に向けないようにするだけ」

 お姉ちゃんと私は近いようで近くない。
 環境の違いがたぶん大きいんだろうけど…お姉ちゃんにできて私にできないことは多い。
 だからこそ、越えたい――認めてもらいたいんだと思う。 


「私の身を護らないと赤月さんを『護れ』ないから気をつけるね」

 私はたぶん赤月さんの求めてる答え――いざとなったら赤月さんを置いて身を守ってほしい――から逃げるようにそう言ってから、
 思い出したように近くにある『紙の包み』を手にとって声を上げた。

「あ、そうだ!
 赤月さんに『プレゼント』があるんだけど…」

 そう言って『紙の包み』を見せる。
 中に入っているのは『赤いシクラメンの陶器』だ。

820赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 00:45:47
>>819

「ありがとう・・・・」

『護る』という言葉に少し複雑な表情を浮かべながら感謝する赤月
護られる事は純粋に心強いが・・・彼女を危険に巻き込むことに負い目があるのかもしれない

(やっぱり・・・咲良は私と似ている・・・・)

抱えている思いは全然別物だし、そもそも性格が似ているわけでもない
しかし、魂の奥底に仄暗い『負の感情』を抱えている彼女に、共感の念を覚えた
あるいは、彼女と仲良くなったのもそういう共通点があったからかもしれない

(『負の感情』・・・・『悪感情』か・・・・
 一抹のスタンド『インダルジェンス』は『悪感情』を何もかも消してしまう
 私達みたいに・・・・『それ』が魂の源泉になっている人間もいるのに・・・・)

>「あ、そうだ!
> 赤月さんに『プレゼント』があるんだけど…」

「ん・・・・? プレゼント!?
 何だろう、開けてみてもいいかな?」

考え事をしている間に目の前に『プレゼント』が置かれた
突然の出来事に驚くも、期待に目を輝かせながら包みを開けようとする

821飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 00:58:21
>>820

 開けてもいいかって確認してくる赤月さん。
 授業中も思ったけどやっぱりしっかりしてるよね。

「うん、どうぞ。
 これね、燃えるような赤が赤月さんみたいで思わず買っちゃったんだ」

 私はそう言いながら近くにあるもう一つの包みを見せる。

「で、こっちは私の分。
 こういうののペアってちょっと変かもしれないけど…」

 って言ってから自分の分も包みを解いていく。
 私のは『緑のシクラメンの陶器』。
 ……あ、これも『冬の花』だから『殺意』を抱かれちゃうのかな…。

822赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 18:05:55
>>821

包み紙を開き、納められていた『シクラメンの陶器』を見た途端、
ぱぁ、と輝くような笑みを浮かべる

「これ・・・・・っ!」

手触りを確かめるように両手で握りしめる
『兄』以外の人からプレゼントを受け取ったのは初めてだ
嬉しさに顔を綻ばせながらも、なかなか言葉が出てこない

「それも・・・・っ!」

お揃いだ、と率直に思った
赤月の人生において友達付き合いの経験は乏しく、
こんな時に上手い事を言えるような情緒には不慣れである
だから、思った事をそのまま言う事にした

「凄い嬉しい!ありがとう!」

823飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 18:59:37
>>822

「よろこんでもらえてよかったぁ…」

 正直ちょっぴり不安だった、喜んでもらえて本当に嬉しい。
 まぶしいくらいの笑顔でつられて私も笑顔になってるのを感じる。

「その『サンタ』と同じ人が売ってたんだ、綺麗だよね。
 赤月さん、部屋になにもないって言ってたから、お揃いの花があったら楽しいかなって思って」
「あ、これも『冬』の花なんだけど…。
 外に出してたらその人に壊されちゃうかな…」

 私はそう言って周りを見る。
 近くにその『少年』がいないか念のため確認しとかないと…。

824赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 21:19:19
>>823

「あ・・・・ん、んん・・・・多分その心配は大丈夫だと思う
 アイツは『冬』に関する知識・・・・というか、季節感が薄いから
 この『花』が冬に咲くものだなんて発想も多分ない・・・・と思う」

んんん、と頭を悩ませながら答える

「ああ・・・・思い出すだけで腹が立ってきた!
 聞いてくれ!アイツはさ、本っ当〜〜に訳のわからないやつで、
 赤と緑の組み合わせ・・・『クリスマスカラー』が何なのかも知らないんだ!
 『冬』に関するものは『サンタクロース』くらいしか知らないなんて言って・・・・おかげで酷い目にあった!」

いかにも怒り心頭な様子で愚痴を溢し始める
どうやら、その『少年』に色々と思う所がありそうだ・・・・

「ああ、ごめん、ついアイツの事を思い出してしまって・・・・
 でも良いね、この花・・・・」

赤いシクラメンを両手で翳してまじまじと眺める

「部屋に帰るのが楽しくなるよ、ありがとう」

825飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 21:34:00
>>824

「え、『クリスマスカラー』もわかんないの?
 その人、秘境にでも住んでたのかな…」

 クリスマスは流石に人里であればどこかしらで見ると思うし、その期間にあちこちでクリスマスカラーになるのはどうやっても目に入っちゃうと思うけど…。
 私の頭の中で『秘境で生まれ育ったターザン』みたいな『切り裂き魔』のイメージができる。……逃げきれるかな…。

「ねぇ、それならこの『サンタさん』なら誘導に使えるんじゃない?
 『サンタ』くらいしかわかんないならきっとこれ見たらどうにかしようって寄ってくる気がするんだけど…」

 そう言いながら赤月さんにさっき拾ってくれた『眠たげなサンタの陶人形』も渡してみる。


「そっか、赤月さん帰ってきたら一番にこの『シクラメン』を見るんだ…。
 なんだか嬉しいけど…こそばいみたいな変な気持ちだね」

 私はちょっと照れが混じった顔で笑った。

826赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 21:53:32
>>825

「・・・・・確かに。この人形なら、誰が見ても『サンタ』だってわかるから囮役には最適だ
 だけど・・・・いいの? 私がこれを持っていくと・・・多分、戦いに巻き込まれて壊れてしまうかもしれない
 せっかくの可愛い人形なのに・・・・?」

陶人形の眠たげな顔を撫でまわしながら言う

「こっちの『シクラメン』は部屋で大事に取っておくよ
 ・・・・・・・・・・例え私が帰れなくなっても、残るように」

827飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 22:07:31
>>826

「壊れちゃうかもしれないけど…私は『人形』より赤月さんの方が大切だから。
 『囮』があれば赤月さんがすこしでも楽になる…よね?」

 正直、もしもの時は赤月さんを抱えて逃げるつもりだけど、もしもがないのが一番だから。
 作ってくれたお姉さんには申し訳ないけど、友達の安全のために壊れたって言えば許してくれそうな気がする。なんとなく。

「……赤月さん、だめだよ。
 ちゃんと帰ってこなきゃ」

 じっと赤月さんの目を見て言う。

828赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 22:46:04
>>827

>「……赤月さん、だめだよ。
> ちゃんと帰ってこなきゃ」

「う・・・・・はい・・・・」

釘を刺されてしまった
大人しく、彼女の言う事を聞く事にする

(しかし・・・・)

だが、同時に赤月は考える
『今回』は一抹を止め、出来る限り傷を負わずに帰ってくる事を目的とした作戦だ
彼に勝てなくても、安全策はいくつか用意している・・・・『決死行』ではない

(でも、いずれ私は・・・・)

考えているのは『終わり』の事だ
この町で調査を繰り返し、『アリーナ』の中に仇を見つけた時
『復讐』を終えて生きて帰る事は出来るだろうか・・・・いいや、それはないだろう
『復讐』を果たしたとしても、『アリーナ』の組織力は決して赤月の存在を許さない・・・・『この場所』に変える事は決してない

再び目の前の少女の顔を見る
さっき彼女が言った言葉が頭の中で残響となっていた

(いいや・・・・それは、それこそ先の話だ
 この国のことわざでは確かこういう時・・・・『鬼が笑う』というのだったな)

『慈悲の刃』を構えた一抹が笑う姿を想像してしまった

(気味が悪い・・・・・怖すぎるぞ!)

「ごめん、ありがたく使わせてもらうよ」

陶人形をポケットの中に納めた

「大丈夫、私は必ずこの場所に帰ってくる
 だから・・・・その時が来たら、よろしく頼む」

「さて、それじゃあそろそろ戻らないと
 咲良・・・・今日は色んなものをくれてありがとう
 このお返しは、『クリスマス』が無事に終わった時にお返しするよ」

そう言いながら、自室へと帰って行った

829飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 22:52:11
>>828

>「大丈夫、私は必ずこの場所に帰ってくる
> だから・・・・その時が来たら、よろしく頼む」

「約束だからね」
「うん、お返し楽しみにしてるね」

 赤月さんと『帰ってくること』と『もしもの時の逃亡の手伝い』を約束して、私も部屋に戻った。

 その後、赤月さんの部屋のポストに『鉄分のサプリ』を入れておいた。…これでよくなってくれたらいいけど…。

830赤月『サクソン』:2021/10/11(月) 22:57:29

「そろそろか・・・・」

『Xデー』直前、赤月は自室にて改めて自分の恰好を確認する
全身を包み込む赤と白の色調、光沢のある天鵞絨にもこもこのフェイクファー
頭にはよれよれとした円錐状の帽子を被り、両肩はケープで覆われている
最近歓楽街でよく見かける客引きと同じ装束・・・・女性用サンタ服である

「大丈夫・・・・今度こそ・・・・」

身体の震えを深呼吸で鎮めると右手に抱えた袋を握りしめる
サンタが持つには似つかわしくない・・・・それは『ゴミ袋』であった

「使うしか・・・・ないか」

これを『彼』に突き付ける事については最後まで悩み続けた
しかし・・・・『彼』は強い。それこそ手段なんて選ぶ余裕が無い程に・・・・
胸が苦しくなるが、使うしかないだろう

「鉄分の摂取は万全だ
 失った血は補えたし、事前に備えられる事はたぶん全て備えた」

部屋に置かれた『シクラメンの陶器』を撫でる
少しずつ部屋に増えてきた色彩の一つであり、この部屋に帰る楽しみの一つだ
絶対にここに帰る・・・・そのための勇気を奮い立たせる

「いくぞ・・・・・!」

『彼』と戦うため、赤月はこの部屋を発つ

831甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/10/30(土) 09:57:04
ハロウィンの夜

ハロウィンとはケルト民族由来の祭りであり
あの世から戻って来る悪霊から身を守るために、魔物に扮するのだが
昨今では趣旨を忘れられただの仮装大会となっている

だがあま公の仮装はちゃんとハロウィンに関するものだった

「…」

包丁を持った鬼女カリアッハベーラ
ハロウィンになると復活し、大地を凍らせ冬を齎す冬の創造神であり、病の神だ

>>832のお部屋に突撃するあま公
多分友達の部屋だと思うが…
知らない人だったらやばすぎるだろ

832甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/10/31(日) 18:21:12
>>831
ドンガラガッシャーン

マリア「おい、何の騒ぎですこと!?」

バタン

あま「…」
マリア「あら、あま公じゃありませんの
    さっき凄い騒音がしてませんでしたか?」
あま「そこの部屋でハロウィンパーティしてた」
マリア「あら、そうでしたの
    うるせぇから次から気を付けてくださるよう伝えておいてくださいまし」
あま「ごめん、分かった
   そう言っておく」



マリア「…あの野郎、一体どこから出てきやがりましたの?
    こんな所に部屋なんて無かったはず…」

    ___l~l____
  // /  | ヽ \ \
 ./ /  /|   |  |\ ヽ ヽ
 l l /   |  |  |   \|  |
 i l  ̄| ̄  △  ̄| ̄ |  |
 ヽ,| l~~l_l ̄ ̄l_|~~| l /
  ヽ, ヽ         / l/
    ゝ、ゝ_l ̄l_/ ノ
     `ー─── '"´
    十ヽ -|-、レ |
    d⌒) /| ノ ノ

833赤月『サクソン』:2021/11/28(日) 17:40:14
>【ミ】『ソウル・ダンジョン・ストーリー』【他】より
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1631985077/319-320

   ・
   ・
   ・
   ・

「あ・・・・」

沈黙に満たされた暗がりの中で赤月は目を覚ました
首を動かして周りを見ると、ここが自室である事がわかる
どうやら、誰かがここまで運んでくれたようだ・・・・

「一抹・・・・は・・・・?」

時刻は深夜3時
『Xデー』は終わり、恐らくは全ての決着が着いた頃だろう
入道雲と化していた彼が人の姿を保っているかどうか、確認する術は今はない

「傷が・・・・」

『インダルジェンス』の刃にやられたお腹に手を伸ばす
痛みはない・・・・思い切ってぐっと押してみても血が流れる様子はない
どうやら傷跡一つ残らず傷が消えているようだ・・・・
学生寮で会った彼女・・・・それとも別の人間の能力だろうか

「また・・・誰かに貸しを作ってしまったみたいだ
 あの場には『ユメミン』がいたから・・・・またあの・・・・あ・・・・っ」

自分で言った名前に記憶が想起される
『ユメミン』・・・・一抹を救うために現れた彼女はその目的を果たすために彼と戦い・・・・そして・・・

「あ、あああ!ああああああ――――――ッ!!」

入道雲と化した一抹が放った『雷撃』
落雷の如きその一撃をまともに受けて、崩れ去る『ユメミン』
通常、人間は自然の猛威には勝てない・・・・もしもあの一撃が落雷と同等の出力を持っていたとしたら・・・

『ユメミン』が語る言葉には『希望』が満ちていた
『狭い世界』から出て『広い世界』へ目を向けるその言葉に・・・・赤月自身も期待をしてしまった
それが・・・・ただ一度の落雷と共に崩れ去るとも知らずに

『ユメミン』・・・希望の言葉を口にする彼女は一抹の凶行を受けて死・・・・

「いや・・・・違う!
 あの時・・・・最後のあの瞬間、一抹に殺意はなかった!
 もしもあいつが殺意をもって私を攻撃したとしたら・・・・既に私の命はないはずだ!」

最後の瞬間、彼の攻撃は腹を浅く切るに留まっていた
彼がもしも本気で人間を殺すつもりだとしたら、迷うことなくこの胸を一突きにするはずだ
それをしなかったのは、最後の最後に彼は『殺意』を・・・・

「結局・・・・最後の最後に自分を曲げてしまったのは私だけ・・・という事か
 あいつの両親にも頼まれていたのに・・・・私は、アイツに『殺意の刃』を向けてしまった
 アイツの事はともかく、アイラトと和世に謝りに行かないと」

「明日になったら、何が起きたのか確認しないと
 明日になったら・・・・ それまでは・・・・ 休息を・・・・」

傷は治ったものの全身を包み込むような疲労・倦怠感は変わらない
布団のぬくもりに包まれながら、意識が闇の中に溶けていく

「咲良にも・・・・ お礼・・・・」

その右手には『サンタの陶人形』がしっかりと握りしめられていた
返り血に塗れ、衝撃で塗装の一部が剝れかけながらも、あれ程の激闘を経てなお形を保っている
その感触の中に友の想いを感じながら、赤月の意識は再び闇の中へと戻っていく

834宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/27(日) 22:22:24

一人の男が寮内の『台所』にいた。
カーキ色の作業服を着た姿は、
学校や学生寮の関係者には見えない。
腰のベルトに吊られた道具袋には、
様々な工具類が収めらている。

       ――――ガチャッ

シンク下の収納スペースは、既に開かれていた。
男は配管を一瞥し、おもむろにレンチを手に取る。
何らかの『作業』を行っているようだ。

835ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/03/01(火) 22:26:08
>>834

「……ン」


金髪の子供――と言っても小学校低学年程度の外見で、寮の住民にしては幼い――が、
通り過ぎて、それから後ろ歩きで戻ってきた。


「なんじゃ?
 隠し扉か?
 こんなところに遺跡(?)が?」


男性の股の間から興味深そうに開け放たれた収納スペースを覗き込む。

836宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 00:26:28
>>835

開かれた収納部には、
調理器具などの雑多な道具が収められていた。
その奥に『配管』が設置されている。
扉の先が何処かに通じている訳でもなく、
これといって珍しい物は見当たらない。

「悪いが、後ろに下がってもらえないか」

不意に現れた『子供』を見下ろし、声を掛ける。
寮で暮らす生徒かとも思ったが、
ここで見かけた寮生との年齢が合わない。
恐らくは、誰かの知り合いだろうと考えた。

「そこにいられると、『仕事』を進められなくなる」

『学生寮』を訪れたのは、学校側から依頼を受けた為だった。
目的は『排水管の修理』だ。
よく見ると、管の一部から水が漏れているのが分かるだろう。

837ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/03/02(水) 01:02:31
>>836

「おお、すまんな」


曲解しようのない言葉に、しぶしぶ数歩下がる子供。
しかしどうにかよく見たいのか、そこから横に回り込んでみたりウロチョロしている。


「仕事? 探検するのか?」


珍しい物は無い……まあ配管工には見慣れたものだろうが、
子供にとってはどうだろうか。
少なくとも、まだ奥に入れるのではないかと思っていそうだ。

838宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 01:29:59
>>837

「いや――」

         ギュッ

空いている手で『止水栓』を閉め、一時的に水の流れを止める。

「『修理』だ」

         カチャッ

簡潔に答えながら、『モーターレンチ』を握る腕を持ち上げた。

「この学校に通っているのか?」

         グッ

排水管を接続している『ナット』を緩めながら、
横に回り込んだ子供に問い掛ける。

「君が生徒なら、一つ聞きたい事がある」

配管から視線を外さずに、言葉を続ける。

839ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 01:55:09
>>838

「遺跡潜り人じゃなく、封印の一族ということか」


排水管修理を子供なりに解釈したらしい。
そもそもの前提が間違っているが。


「なに……?」

「……」

「うむ、まあ、聞くだけ聞こう。なんじゃ?」

「ニャーン」


配管に集中しているので姿は見えないと思うが、
何か少し動揺した雰囲気が伝わってきた。

840宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 02:28:46
>>839

        ――――――スッ

『鳴き声』を聞いて無意識に手を止め、
その方向を見やった。
『例の一件』以来、
『猫』を見ると『カーバンクル』を思い出す。
猫には詳しくないが、
少なくとも『違う品種』である事だけは分かる。

「『アビシニアン』ではないな」

独り言のように短い感想を口にした後、再び作業を始める。

「君が知っていればいいが――」

一度『共に戦ったスタンド使い』――『青山流星』は、
人知れず『命』を落としていた。
具体的な年齢は聞かなかったが、
恐らくは『学生』だったのだろう。
『青山の死』について知った時、脳裏に浮かんだのは、
一人の少年の存在だった。

「『一抹貞世』という名前に心当たりはないか?」

何故、一抹の事を思い出したのか。
俺が出会った中で、
『青山と近い世代のスタンド使い』だからかもしれない。
あるいは、『共闘した経験があるから』とも思える。
明確な理由は、俺自身にも分からなかった。
ただ、青山の最期を知った時、
『一抹の生死』が気に掛かった事は確かだ。

841ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 02:42:37
>>840

「あびにゃん?」

「ニャーン」


振り向くと、子供がリュックを床に置き、そこから半分体を出した猫を撫でていた。
灰色でちょっと長毛気味の猫。多分雑種だろう。


「なんじゃ、一抹ちゃんなら知っておるぞ!
 ああ、いや、でもやっぱり学校の事とか聞かれたら困るがの……」


学校に行っていないので、学校の事を聞かれても困る子供だったが、
たまたま知り合いの事だったのでホッとした。
とはいえ一抹の学校での事は知らないことに変わりない。
まあ、子供が学校に通っていたとしても、学年が違うので大した情報はなかったかもしれないが。

842宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 03:05:16
>>841

尋ねはしたものの、『知っている』とは予想していなかった。
今回は運が良かったようだ。
そういう事もあるのだろう。

「『知り合い』だったか」

      ガチャ

配管の一部を取り外し、
『レンチ』から『ドライバー』に持ち替える。

「そちらの事情は知らないが、『学校』については聞かない」

      キュッ

床のプレートを固定するネジを緩めて外していく。

「一抹は元気か?」

他人の日常を詮索する気はない。
本人自身が語らない事に踏み込もうとは考えていない。
ただ、『生きているかどうか』を知っておきたかった。

843ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 03:22:28
>>842

「う、む……元気……
 あんまり元気じゃないかもしれん」

「オバケに呪われて……その後どうなったんじゃったか。
 死んだのは別の人だったと思うが……」

「そういえば最近見んが……
 みんなで囲んでボコボコにするとか聞いた気もするから、
 生きてても入院とかしてるかもしれん」


うんうん唸りながら、自信なさげな声が聞こえてくる。
曖昧なわりに内容がひどい。


「ナン」


悩みで気がそれた子供の手から解放されたのか、猫が宗像の近くに寄って来た。

844宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 03:49:33
>>843

聞かされた断片的な言葉から、
正確な内容を推測する事は簡単ではなかった。
だが、俺の知らない所で『何か』が起こっていたらしい。
『青山の場合』と違うのは『命はある』という事だ。

「――そうか」

『排水プレート』を外し、
床に通じる『排水管』を両手で引き抜く。

「『生きている』ならそれでいい」

知りたい事は分かった。
同時に、近付いてくる猫に気付く。
今は『仕事の邪魔』になるが、生憎ちょうど動きが取れない。

         ズズズ

僅かな逡巡の後、傍らに『アヴィーチー』を発現した。
右腕に『鋸』を備えた人型スタンドが、
猫の前方に立ちはだかり、その歩みを止めようと試みる。
『ただの猫』であれば、
『見えない壁』に突き当たったように感じられるだろう。

845ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 04:05:59
>>844

「う、うむ? よいのか……
 もし間違ってたらすまんが」


予想より薄いリアクションに逆に困惑気味の子供だった。
そもそも生きているとは明言していないのだが……
まあ、この子供の認識だとオバケに敗北=死、だが、実際は(一抹の場合)『雲』になるだけなので、
本当に死ぬパターンは、助けるために無力化しに行った人たちが勢い余って殺した場合くらいだろう。


「ニン…」


猫は『アヴィーチー』に阻まれて、その場をうろうろした。
五感共有型なら、猫の毛でくすぐられる感覚や尻尾で叩かれる感触が楽しめるだろう。
気が散るだけかもしれないが。


「機械式封印か」


さらに問答が終わったからか、子供まで寄って来た。
こちらは横から回り込んで見ているだけだが。

846宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 19:03:40
>>845

『アヴィーチー』で猫の進行を阻みながら、
寄って来る子供の姿を視界の端で認めた。
ここが『下水道』なら別だが、
屋内の修理は危険な作業でもない。
『質問に答えてもらった』という事も、理由の一つとしてある。

「俺に近付きすぎると君が汚れる」

取り外した管を床に置き、
胸ポケットから『L型ライト』を取り出す。

         カチッ

スイッチを入れて配管の先にある『暗闇』を覗き込み、
異常がない事を確認した。

「見物するなら、『程々の距離』にした方がいいだろう」

そう言った時、『危険に近付きたがる女』が脳裏を掠める。
青山が命を落とした経緯は知らない。
しかし、特に『危険』を好む種類の人間ではないように見えた。
だが、死んだ。
この世界は『個々の希望』に合うようには出来ていないのだろう。

「よければ、もう一つ聞きたい」

排水管の『パッキン』を交換しながら、子供に問い掛ける。

「この町の『クリスマス』は『夏の行事』になったのか?」

『防空壕』の仕事を終えた後の入院中に、
その噂話を耳にした。
『夏のクリスマス』の話だ。
意識して気に留めてはいなかったが、奇妙ではある。

847ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 22:12:50
>>846

「汚れるのは困るの。
 服はシャツしか出せんからな。……浴衣もあるか」

「フナス」


チラッと再度子供を見ると、大人ものの服を無理やり着たような姿をしていた。
わりとボロいところもあり拾ってきた服感もある。
ところどころにシールが貼ってあるのはオシャレだろうか。
視覚は作業に、聴覚で子供の声を聴きながら、触覚は猫が『アヴィーチー』をパンチしているのを感じるだろう。


「『夏のクリスマス』?
 そんなことないんじゃないかの。もが。
 あれは特別に1回だけだと思うが……
 うまくいってなかったらもう一回やるかもしれんな」


床に寝そべりながら、どこからか取り出したクッキーを食べる。
ぽろぽろと欠片が散らばった。

848宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 23:24:34
>>847

男の両手は革の手袋で覆われている。
排水管を扱った事で、その表面は薄汚れていた。
それを気にする様子もなく、汚れた手で作業を続ける。

「『特別』か――」

言葉を返しながら、
『アヴィーチー』を叩く猫に違和感を覚えた。
俺の知る限り、スタンドに触れられるのはスタンドだけだ。
先程はこちらから接触したが、
今は向こうから触れてきている。

「そいつも『普通』とは違うようだな」

         ガシャッ

排水管を元に戻し、
正しい位置に収まっている事を確かめる。

「似たような猫を見た事がある」

かつて依頼された仕事で、
『スタンド使いの猫』の殺処分を引き受けた事がある。
その猫は『災いの種』となる可能性を孕んだ存在だった。
『カーバンクル』がそうであったように、
『動物のスタンド使い』というのは、
ある意味で『人間のスタンド使い』以上の脅威に成り得る。

「『アビシニアン』だ」

最初に取り外しておいた部品を脇に退ける。
管の途中に配置され、
『S字』にカーブした『排水トラップ』と呼ばれる部分だ。
排水管には必須の仕組みであり、
これとパッキンが経年劣化していた事が、
漏水の大きな原因だった。

       ギュッ

劣化した排水トラップを脇に退け、
新しい物に付け替えてナットを締める。

849ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 23:38:01
>>848

「?」


『アヴィーチー』を見れば、猫パンチされたところに肉球の跡がついているのがわかるだろう。
だから何というわけでもないが。


「あびしにゃん?」

「知っとる猫に似てるのか? まあ、猫なんて皆同じようなもんじゃが」

「ミン……」


小首を傾げて猫を見る子供。
言いたいことはあまり伝わっていないようだ。
異種族の見分けはつきにくいというが、猫は動物の中でも個性が分かりやすいほうだろうが……


「これは壊れた封印か?
 もういらんのか?」


クッキーの袋でつんつんと『排水トラップ』をつつく。

850ヤジ『一般人』:2022/03/02(水) 23:42:34
>>847-848(乱入するぜ、無視しても構わない)

クッキーを食べながら談笑するナイと作業をする宗像。その『台所』へと
忙しない足音と共に、1人の青年がスマホを耳にかけつつ入り込んでくる。

「あぁ、だからバス数台で向かってくれ。あと、リーダーの出雲さんは?
どう頑張っても現地にはやはり向かうのは難しいって?
 何度も繰り返すが『夏の魔物』は他の奴等を変化させてるから最悪
先行隊の方も取り込まれて傀儡化するかも知れないんだ。とにかく
雪降らせとは言わないから、ツリーでも出せるか作れる奴等向かうよう
準備してくれ。本当頼むぜ」 pi

「出雲が出張れないとなると、万が一が起きたら危険だな。ジョー達も
頑張ってるだろうし、信じてるが…………『一抹』」フゥ……

溜息をついて、彼は冷蔵庫の飲み物と棚の自前らしい携帯食を背負ってる荷袋に
押し込んで出ようとする。焦ってる所為か、君ら二人を意識外に置いてるようだ。

851宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 00:26:54
>>849

全ての部品の取り付けを完了し、再び『止水栓』を開く。
それから、シンクの蛇口を捻った。
水は普段と同じように流れ出ている。

「似ていると言えば似ている」

『アヴィーチー』は本体と視覚を共有しない。
改めて猫の方を向いた時、初めて『跡』が視界に入った。
ダメージがないという事は、
逆に言えば『ダメージ以外の何かがある』と言える。
以前、体内から『爆破』された経験があった。
その時も、実際に起爆されるまでは、
ダメージらしいダメージは受けていない。

      ――――――ズズゥッ

収納スペースの扉を閉めて、『アヴィーチー』を解除する。
『狙われる理由』に幾つか心当たりはあるが、
『これがそうだ』とは思っていない。
これ以上の何かをする気があるなら、
とっくにやっていた筈だ。

「ああ、もう必要ない」

端的に表現するなら、
『排水トラップ』は曲がった金属製の管だ。
劣化している為に、本来の用途には使えない。
それ以外の使い方というのも、普通は難しいだろう。

「欲しいのか?」

子供の言動から、そのように感じ取った。

>>850

近くに子供と猫がいた事で、
新たに現れた人間に気付くのが遅れた。
他人の通話を聞く気がなかった事もあり、
その内容も多くは聞き取れなかったが、
『聞き覚えのある名前』は自然と耳に入ってくる。
通り過ぎていく姿を一瞥したが、それだけだ。

「――『そういう事』か」

青年が立ち去った後で、静かに呟いた。

852ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 00:42:44
>>850

「ん?」

「プムス」


子供と猫が通行人を見送る。
子供も猫と同じくらい何も考えてない顔だった。


>>851


『アヴィーチー』を解除すると、近づいてくるでもなく急に毛づくろいをしだす猫。
敵意のようなものは感じられない。


「うむ」

「汚いのも……それはそれで何かの役に立つかもしれん。
 お菓子と『交換』でどうじゃ? 飲み物の方がいいか?」


リュックからビニール袋を取り出す子供。
お菓子がぱんぱんに詰まっているようだ。

853ヤジ『一般人』:2022/03/03(木) 00:49:40
>>851-852(通り抜ける。お目汚し失礼した)

「さっさと向かわねぇとな……ジョー、無理するなよ。
『一抹』が何かあれば悲しむんだからな」

そのまま二人に対して気付く事なく台所から嵐のように突然現れ
突然去って行った……。

854宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 01:08:24
>>852

「なるほど――」

          スッ

「そういう事もあるのかもしれないな」

排水トラップを拾い上げ、シンクの水道で洗い流す。
大体の汚れは落ちた。
少なくとも、かなりマシにはなっているだろう。

「欲しければこのまま渡すが、
 『交換したい』と言うならそれでも構わない」

水に濡れた排水トラップを作業服で拭き取り、
リュックの中身を見下ろした。

「『飲み物』をもらおうか」

見るともなしに見つめながら、子供の行動を待つ。

855ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 01:25:06
>>853

「ナーン」


>>854

「いや、だから汚れたままでよかったんじゃが……まあいいか」


駄菓子がつまった袋に手を突っ込むと、にゅっと瓶が出てきた。
青っぽいくびれたような形の特徴的な容器。ラムネ瓶だ。


「これでどうじゃ? ……炭酸飲めるか?
 ココアもあるが……」

856宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 02:00:21
>>855

「手が汚れるのは良くないと思ったが」

持ち歩きに不都合な汚れは落ちている。
しかし、経年劣化を起こす程の部品であり、
単純に洗っただけで元には戻らない。
長年に渡って使い込まれた事による薄汚れた印象は、
客観的に見ても消えようがなかった。

「――悪かった」

排水トラップを差し出し、代わりに『ラムネ』を受け取る。
いつだったかは覚えていないが、
飲んだ事はあったように思う。
おぼろげな記憶に従い、ビー玉を瓶の中に押し込む。

「頂戴する」

         グイッ

一礼してから瓶を傾け、中身を一気に飲み干す。
覚えのある味が広がると同時に、
忘れかけていた光景が脳裏に広がっていく。
この世に『馨』という女が生きていた頃の記憶だ。

「ご馳走になった」

         カラン

空になった瓶の中で、ビー玉が軽い音を立てた。

857ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 02:13:25
>>856

「『交換』した時の『状態』が重要なんじゃ。
 まあ、わしも汚いのが好きなわけではない。
 そうじゃな……とりあえずこれで、こうじゃ」


ビニール袋をさかさまにしてリュックの中に駄菓子を移動させると、
カラになったビニール袋に『排水トラップ』を入れた。
そしてにおいを嗅いでみたりする。やっぱりくさいんだろうか。


「シャッ」


ビー玉に釣られてか、猫がパンチを繰り出してくる。


「封印はこれで終わりかの。
 それで、何が封印されてるんじゃ?」

858宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 02:45:14
>>857

「どうするのかは知らないが、何かの足しにしてくれ」

当然ながら無臭ではない。
まず金属特有の臭いが感じられ、
排水管の一部だった事を想起させる臭いも残っている。
耐えられない程ではないが、気分が良くなる事はないだろう。

「ここでの『仕事』は終わった」

レンチとドライバーを腰の道具袋に収め、
空いたガラス瓶を持って歩き出す。
先程の青年が出て行ったのと同じ方向だ。
ちょうど動き始めたタイミングだった為に、
今度は猫に触れられる事はなかった。

「――『色々』だ」

台所から立ち去る間際、背中越しに言い残した。
排水管を通っていくのは水だけではない。
その中には、管にとって好ましくない物も含まれている。
それらが蓄積し、問題の原因となる場合も少なくない。
つまりは、『そういう理由』だ。

859ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 03:11:52
>>858

「臭ゅっぷしっ」


鼻が刺激を感知したためか、くしゃみをした。
ビニール袋を閉じ、ぐるぐるとねじって密閉する。


「ふうむ?」


台所に座り込んだまま、一仕事終えて立ち去る宗像を見送った。
猫を掴み、小脇に抱えて立ち上がる。


「何かクールな男じゃったな」

「ナーン」

「しかし一抹ちゃんはどうなったのかの……
 ん!?
 さっき通りかかったヤツ、一抹ちゃんの話してたような?
 ううむ、聞き違いかの……」

「ニン」


猫を抱えて去っていった。

860リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/16(水) 02:12:01
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1607077443/838-851からの続き。


人気のない『夜の歓楽街』で、両者は出会った。
『心を持たない人間』と『心を持つ人形』。
その中で、人間である『遊部玲実』は、
人形の『リトル・メリー』の『懐柔』を試みた。
『人間のスタンド使い』は、
様々な要因で『心変わり』を起こす。
『人間ではないスタンド使い』に目をつけた遊部の考えは、
非常に合理的で的確であった。

    シュウゥゥゥゥゥゥゥゥ………………

薄暗い空間で、『西洋人形』に『魂』が戻る。
そこは、どこかの『部屋』らしい。
『リトル・メリー』を名乗るビスクドールは、
中央に置かれたテーブルの上に座っていた。

「すっごくビックリしたわ」

「だって」

「『憂ちゃんと同じような子』がいたんだから」

     ガチャ…………

鍵を開ける音の後にドアが開く。
ここは『学生寮』。
『清月館』だ。

「………………ただいま………………」

帰宅した『部屋の主』が、リトル・メリーを見やる。
奇しくも『遊部と同じ事を考えた人間』は他にもいた。
そして、遊部よりも早く、
リトル・メリーの存在を確認していたのだ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/668)

「『DVD』………………借りてきた………………」

それこそが『御影憂』であった。
『フラジール・デイズ』と極めて近い能力を持つスタンド使い。
あるいは、それも一種の『引力』だったのかもしれない。

「ウフフフフ、今日は何を見せてくれるの?」

「………………『事故物件:恐い間取り』………………」

「とっても楽しそうね、ウフフフフフフ」

御影に『シンパシー』を感じたリトル・メリーは、
彼女と『友達』になった。
そして、時折こうして自室を訪れていたのである。
『御影憂』と『リトル・メリー』。
『ジャパニーズホラー』と『ゴシックホラー』。
『ナハトワハト』と『メリー・バッドエンド』。
『闇』と『影』。
この二者を結びつけたのは、いわば『魂の共鳴』。

(そろそろいいかな………………)

(『連れて来い』って言われてるし………………)

       ――――――『それ』は、また別の物語になる。

861大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/04/01(金) 23:05:29
今日はエイプリルフール。
そしてまだ時間は午前中ということにしておきましょう。

さてここは学生寮。
おやおや。なんでしょう。
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が学生寮の廊下をウロウロしています。

「せっかくの年に一度のエイプリルフールなのだからウソをつかなければ」
大神さんです。

「ちなみにボクの誕生日でもある」
とりあえず大神さんはあてもなく学生寮の廊下をふらふらとして嘘の相手を探すことにしました。

ふらふらふらふら……

862大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/04/04(月) 19:47:42
「帰ろ」
大神さんは部屋に帰っていきました。

863登良悠『ニルズブランク』:2022/08/26(金) 17:39:13
「病院ほど綺麗じゃなさそうかな」

「人間の気配、みたいなのはよく感じるけど」

ぼんやりと廊下を歩いている。
つい先程荷物を部屋に置いてきた。
事故で長期入院してきたが、今日からこの学生寮の世話になる。

「どこに何があって誰がいるかな」

864猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/28(日) 00:08:41
>>863
ポリ……ポリ……


しばらく廊下を歩くと、少し広い部屋に出た。
寮の共同スペースである食堂だ。


ポリ……ポリ……


食堂といっても今は食事時間ではなく、閑散としている。
置かれているテレビがバラエティ番組の笑い声を空虚に響かせていた。
それ以外ではひとつだけ音がしている。


ポリ……ポリ……


ひとつの席にひとりの少年が座り、芋けんぴを食べながらボーっとテレビを見ていた。
赤い髪をして活発そうに見えるが、妙に細身で虚弱そうとも見える、中学生くらいの男の子だ。

865登良悠『ニルズブランク』:2022/08/28(日) 07:40:24
>>864

(音がすると思ったらテレビか)

(ここ、ご飯食べるところかな。お菓子を食べてる人もいるし)

食堂を見渡して、そんなことを考える。
人の動きを感じない。
今は利用時間でもないのだろう。

(……じゃああの人は何をしてるんだろ)

「……隣、いいですか?」

866猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/28(日) 13:47:32
>>865

  コクリ


口の中に食べ物が入っているからか、少年は黙って頷く。
そして芋けんぴを慌てて飲み込んだ。


「兄ちゃん見ない顔だね。新しく入ってきた人?
まあオレもちょっと前に来たばかりだけど……芋けんぴ食べる?」


芋けんぴを一本差し出し、話しかけた。

867登良悠『ニルズブランク』:2022/08/28(日) 14:47:24
>>866

「今日からお世話になるんだよね」

「あ、もらうよ。ありがとう」

そう言って芋けんぴを手にして椅子に座る。

「貴方はいつから?」

「あと、この寮ってなにかルールとかあるのかな」

868猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/28(日) 18:29:19
>>867
「そっか」

芋けんぴを渡した。
袋をテーブルに置いて広げてみせる。

「暇だからおやつ食べてたんだ。
芋けんぴって一本一本チマチマ食うと暇つぶしになるだろ?
一本といわず食べていいよ。新しい暇つぶしが見つかったからね」

もちろんそれは君のことだ。

「一年になるかならないかかな。病気で入院しててさ。
原因がよくわかんなくて、心霊スポットの廃墟で遊んだ後のことだったから
悪霊に取り憑かれたとか言われたこともあるんだけど。結局謎のまま治っちゃった」

「ルール……『屋根に登らない』とかかな……
あ、ゴメンゴメン普通は言われなくてもしないよね」

869登良悠『ニルズブランク』:2022/08/28(日) 23:51:57
>>868

「あぁ、入院。おそろいだね」

「とはいっても、一年リハビリだったけど」

ポリポリと芋けんぴを食べている。

「心霊スポット、なんでそんなところに」

870猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 00:19:40
>>869
「そうなんだ!イエーイ仲間〜〜〜〜」

平手を差し出してハイタッチの構えを取る。

「オレは結構入院してたな……おかげでガリガリになっちゃってさ。
若い頃はブイブイ言わせてたんだぜ?ってオッサンかよ!
小学校の頃はもっと元気だけが取り柄!みたいな感じだったんだ」

「探検が趣味でさ。なんかあるかなーと思って。
なんもなかった……と思う……実は記憶がアイマイなんだけど。
家に帰ってからフラッときてヘロヘロになっちまって病院送り。
なんだったんだろー」

「にーちゃんはなんの病気?」

871登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 00:53:59
>>870

「いえーい」

間の抜けた声でハイタッチ。
タッチした後どうしたらいいのかとくっつけたままになっているが。

「事故だよ、車で旅行中にほかの車が突っ込んできたんだって」

「記憶も全然もないんだけどね」

口では軽く言う割に冗談ではない状態らしい。

「おかげさまで両親も亡くなって、この寮に流れ着いたわけさ」

872猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 01:12:25
>>871
「そ、それは……だいぶ深刻じゃんか。
記憶喪失って……!」

ハイタッチの手はこちらから離れる。
おずおずと所在なく半握りの手が空を掴んだ。

「なんというか……
ただの自業自得のオレとはぜんぜん違うじゃん!
強く生きようぜ!ホラ芋けんぴもっと食べて!
身体は何ともないんか?」

元気づけようとして芋けんぴを大量に差し出す。

873登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 01:21:35
>>872

「いやぁ、覚えてないから悲しいともあんまりも思わないかな……」

「結局親のこともあんまり思い出せてないから感慨ないしね」

本人はあっけらかんとしてる。
強がっているとかではなく、本当にそう思っているのだろう。

「いや、そんなに芋けんぴいらないけど……」

「まぁ、体は何とかなったよ。なんとか日常には復帰出来てるしね」

874猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 01:40:07
>>873
「そっかぁ……」

悲しそうに袋へ戻される芋けんぴ。

「ウチの親みたく気味悪がって寮付きの学校にほっぽり出されるよりマシなのかな。
でもなぁ、悲しくないとしても親がいないってこと自体が普通よりメンドクサイんじゃねーか?
例えば……金とか」

「まっお互い頑張ろうな!
オレはダイキ!猿田大輝、中等部の2年生だ!」

875登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 01:59:09
>>874

「まぁお金はね。そこは大変かも?」

「遺産があると言ってもね」

そういうと腕を組んで考え始めた。
今まで頭になかったのだろう。
それなりに考える必要があると思ったのかもしれない。

「登良悠、高等部三年。19だけどね」

876猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 02:10:33
>>875
「お金は欲しいよなぁ。
オレもこないだユーチューバーになってひと儲けって思ったら
ジャーナリストのおっさんに止められちまった。
あんまり『能力』は人に見せびらかすもんじゃない……って」

「高等部かぁ。じゃ学校では会うことはないか。
でも寮では仲間だ!これからもよろしく!」

877登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 08:15:08
>>876

「なにそれ」

「ジャーナリストに止められるっていう状況がかなり謎ではあるけど」

「まぁ、忠告されたのなら仕方ないとは思うけど」

指先で髪をいじくりつつ。

「あぁ、よろしくね」

878猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 20:40:22
>>877
「オレの動画をたまたま見てるところに出くわしたんで感想聞いたって感じ。
そうしたらたまたま自称ジャーナリストだっただけなんだけど」

『山百 次言』から貰った名刺を見せる。

「これ、その人から貰った名刺。
なんか、スタンド……あーいや、特殊な力をもつ人の情報を集めて商売したいんだってさ。
乗っかると『ウィンウィン』らしいよ?ヘンな話だよね」

載っているのはそのジャーナリストを名乗る人物の名前と連絡先だ。
どう思うか、覚えるかは君次第だが。
少なくとも猿田は『ちょっと面白いことがあった話』として雑談のつもりで言っているだけだ。

「じゃ、なにかわかんないことあったら聞いてよ。そろそろ部屋に戻るからさ」

879登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 21:34:32
>>878

「あぁ、さようなら」

「もう少しここにいようと思うよ」

「ここにいたら誰かに会えそうだしね」

そう言って手を振る。

「商売ね……」

そうひとり呟いて。

880猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 22:25:38
>>879
「おたがい元気で!」

こちらも手を振って別れ、自室に帰っていった。

881赤月『サクソン』:2022/12/28(水) 20:57:25

「はぁ・・・・! はぁ・・・・!」

学生寮の一室、自室のベッドの上
平日の昼間という、普通であれば学生たちが学業に励む時間・・・・
にもかかわらず、ここに一人の女子生徒が残っていた

「(熱い・・・・・・!)」

彼女の名前は赤月ナカレ。現在の体温は『39.8度』
間違いなく、彼女は風邪をひいていた

「み、ず・・・・・・。」

ふらり、とベッドを這い出て部屋の外に出る
水筒に汲んでいた水は既に空になっている
全身はしっとりと汗に濡れ、カラカラになった喉が水分を求めていた

「(やはり・・・・無理をし過ぎたか・・・・)」

体調を崩した原因には心当たりがある
『昨日の試合』。薄着のまま行われた死闘。ぐちゃぐちゃに崩れた自尊心。
フィジカル・メンタルの両面で、限界まで力を使い果たした事が原因なのだろう

「わ、たしは・・・・・・」

熱にうなされた頭で昨日の出来事を思い返す
『勝利』は得た・・・・だが、それ以上に恐ろしい思いをしたあの出来事を・・・・


 ふらり

             ふらり

     ふ
        
         ら


       り

   ふ
 
       ら

 
     ふ

          ら
  
            ・

              ・
 
            ・

・・・・・・・・・・・・・・・・。


気が付くと赤月はどことも知れない場所に倒れていた
どうやら、夢見半分に歩いているうちに学生寮の外に出てしまったらしい
着の身着のままであったため、服装は寝間着としていたパジャマだ
裸足のままの足が地面の硬さに痛めつけられて赤くなっている

さて、ここはどこだろう?

882大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/28(水) 21:49:18
>>881
>さて、ここはどこだろう?

なんとここは学生寮横のゴミ捨て場、年末大掃除で出た沢山のダンボールの上だ。
オリンピックの選手村でも使われたダンボールを惜しみなくふんだんかつ豪勢に使ったベッドでございます。
もう少しで粗大ゴミとして運ばれてしまったかもしれない。
実に危ないところだった。

「あっ、しまった。目覚めた。
今から年末年始に向けて猟奇的大奇術人体切断ショーを練習するとこだったのに」(ハスキーボイス)

その傍らで赤い赤いマジ赤いサンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)が猟奇的なノコギリのようなもの(ダンボール製)を振りかざしている。

883赤月『サクソン』:2022/12/28(水) 22:39:14
>>882

「お、前は・・・・・・」

ガンガンに頭痛が響く中、やっとの思いで目を開け、声の主を見る
しかし、熱で頭がぼんやりとしているためか、視線も焦点もふらふらとして合わない
赤月がようやく判断できたのは、目の前にいる相手が何らかの『長い刃物』を持っている事だけだった

「お前は・・・・『小石川・・・・文子』・・・・!」

「やめろ・・・・! やはり、私を始末しに来たのか・・・・!?
 来るな・・・・!! 来ないでくれ・・・・・!」


        ガサッ

               ガサガサ!

記憶に新しく、印象が深く心に根付いた者の名前が出たのは偶然ではないのだろう
だが・・・・・これはどういう事か
赤月がその女性の名前を叫んだ直後、ゴミの中を這い潜る様にダンボールを掻き分ける
まるで・・・・その女性から逃げるように
大神が知っている赤月の姿からは想像も出来ないくらい、何かに怯えるように・・・・

884大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/28(水) 23:16:27
>>883
「はてさて……?
予想以上のビックリドッキリぶり…
『あの小石川さん』に殺されかけるなんて、赤月くんはいったい何をやったんだい……」(↓ハスキーボイス↓)

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/575-
↑大神さんは小石川さんと知り合いなのだ!

「どうにも面白そうだから、ひとつ悪ノリをしてやろうじゃあないか……」(↑悪そうな笑顔↑)
大神さんが顔に手をやると……

   グニャッ!グネッ!グネグネッ! ゴキッ!ゴキゴキッ!

「小石川さんに披露したやつでもあるが…」
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/588
(↑小石川さんへの披露)

大神の顔がグニャリと『のっぺらぼう』に変わったかと思うと…

「本人にあまり似ないが……
 『マスク』を作れるんだ、ボクは」
ビミョーに小石川っぽい顔へと変化を遂げる。

「もちろん『衣装』も」

『大神さんの顔』は『小石川にビミョーに似てるマスク』に
『サンタの帽子』は『小石川がよく被っている帽子』に
『サンタの服』は『小石川がよく着ている服』に……。

「どうにも今のキミってば夢見心地みたいだからさあ……
さらに夢を見てもらおうかあ……」(↓ハスキーボイス↓)

……

「逃げないでください、赤月サァン……」(ビミョーに小石川を真似た大人っぽい声)

ビミョーな小石川(偽)が刃物(偽)を持って、赤月に迫る……!

能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/174-175

885赤月『サクソン』:2022/12/28(水) 23:29:22
>>884

「来るな・・・・ やめろ・・・・っ!」

風邪の影響で赤くなっていた顔が真っ青になる程に血の気が引く
迫りくる小石川の偽物を見て、赤月は観念したかのように大神へと振り返る

いつの間にか、赤月の身体は『トレンチコート』によって包まれていた
『サクソン』が身に纏う『コート』の部分発現だ!

「それでも・・・・こちらに来ると言うのなら・・・・」

ぷつん、と胸元の第一ボタンを外す
その直後、パジャマに縫い留められていた第一ボタンは『羅漢銭』に変化した

「お前を・・・・・殺す・・・・・ッ!!」

『羅漢銭』を右手に握りしめて、振りかぶる
大神に投げつけようとしているようだ

886大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/28(水) 23:53:01
>>885
「おおお、落ち着きたまえぇ赤月くぅん!気をたしかに!」(キョドった声)

 大神さんは怖くなって刃物(偽)を投げ捨てた!(ポイー

「ジョーダンだよぉ、ジョーダン。マイケルくらいのジョーダン!」

 ポポポン!

『偽の毛皮』の『化けの皮』が剥がれて、元のサンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)の姿に戻った。

「ウウッ……
ゴミ捨て場に捨てられた赤月くんを見つけて、
必死で看病したボクがこんな最期を遂げようとは、
世界とはなんと残酷で不条理なのだ……ラブ&ピースはどこにある……ヨヨヨ……」(真っ赤な嘘)

まあ嘘なんですけどね

887赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 00:07:41
>>886

   グオオオォォォォ・・・・

常軌を逸した赤月の様子にびっくりして変装を解く大神
しかし、『羅漢銭』を構えた赤月の動きは止まることなく・・・・・


   ガクゥゥゥッ!

                  ブオンッ!

           「あっ・・・・」

熱の為か、はたまたそれ以外の要因か、脚の力が抜けて膝から体勢が崩れる
それとともに投球のフォームが変わり、見当違いの方向に『羅漢銭』が飛んで行った

「あっ・・・・ うわっ・・・・・」

それだけではない
体勢の崩れが全身に影響し、前方に向かって倒れ込む・・・・
つまり、大神に向かって倒れる事となった

誰も受け止める人間がいなければ、そのまま顔面を地面にぶつける事となるだろう

888大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 00:18:06
>>887
「はわわ」(はわわ)

  フワッ…

とっさに大神さんは『偽の毛皮』を多重に張って、倒れる赤月を受け止めるのでした。(暗器を投げられたら『この毛皮』で防ぐつもりだったのだ)

フワッフワの毛皮に包まれるがよい!

889赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 09:42:59
>>888

     「うっ」


  ふ
      わ

           っ

倒れこんだ瞬間、『偽の毛皮』によって作られたふわふわのクッションに包まれた
しばらく、手足をばたつかせてもがいていたが、やがてその体力も失ったのか動きを止めた
閉じられた両目は固く引き締められ、悪夢を見ているようであった

「『アリー・・・・ナ』・・・・・」

寝言だろうか?
毛皮に包まれながら、何かを呟く

「殺してやる・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!」

しばらく、うわ言のような言葉を呟いたのち、赤月の両目が開かれる
先ほどよりは大分正気を取り戻した目。しかし、体力が落ちているのであろうか
普段の彼女にはあったはずの力強さが失われていた

「アル・・・・マ・・・・?」

どうやら、ようやく正常に君の事を認識し始めたようだ

890大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 11:45:36
>>889
赤月が目を覚ますと……

「ねんねこ ねんねこ ねんねこよー
 ねんねんころりよー おころりよー
 ねーむれー よーいーこーよー
 ねーむれー ねーむれー ボークーのーむーねーにー」(ズンドコズンドコ ヘイッ!ヘイッ!)

大神さんが子守唄をサラウンドで唄っていた。
ついでに寝てる間にダンボールをソリにして引きずって移動したのか、ここは『学生寮の1階共有スペース』だ。
あまり屋外で騒いでは近隣住民のご迷惑だからな……。

 ハムスター&ハト ↑ポンピロポンポンプーペンポンペー↑(キーボードの上を駆け回っている)
 しかも大神のペットのハムスターとハトが子守唄の伴奏なのか共有スペースのキーボード(楽器)を駆け回っている……

「おや、やっと起きたかね、眠り姫くん」(↓ハスキーボイス↓)

「大神サンタさんもまさか人間をダンボールソリで運ぶとは思わなかったゾイ」(↓ハスキーボイス↓)

赤い赤いマジ赤いサンタコスの緑髪・右青目・左赤目の大神少年(16歳 女子)が赤月の顔を覗き込んでいる。

891赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 12:32:40
>>890

「・・・・・・・・??????」

眼を開けた瞬間に流れ込む情報の奔流に困惑の表情を浮かべる
はたして、これは一体なにが起きているのか? 
いつの間にかサンタの国にでも連れて来られたとでもいうのか!?

「は、はは・・・・なるほど。これは夢か
 いつの間にか・・・・サンタの国に来ていたとは」

困惑の果てに選んだ答えは『現実逃避』だ!
この光景が現実のものであると考えるのはやめた

「君はサンタクロースなのか・・・・?」

892大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 13:06:33
>>891
「えっ……」(困惑した声)

大神さんの頭に『やばーい、こいつまだサンタ信じてるよー』という思いがよぎりました。

ですが、大神さんはこうも思いました。
昔々の偉い人がこう言っていたのを、思い出したのです。


  『サンタクロースをいつまで信じてた?』なんて……
  ふざけるな!
  いつから居なくなったんだよ!?
  いいか?サンタの心を受け継いで、
  これからは君たちがサンタになるんだよ!
  『サンタなんか実際いないよ』なんてことを
  まるで自分は知識人・常識人である風に言うヤツには
  正面から向かって目を見て言ってやれ!
  俺がサンタだと!
  私がサンタなんだと!
  みんなサンタになろうよ!
  でかい……でかいサンタになれ!
  子供たちの夢を叶えさせてあげる立場にドンと座るんだよ!
  大人を逃げるな!
    by S本和彦


大神さんは『赤月くんのサンタとなること』を決心しました。
その瞳には決意の光(偽)が宿っています。
しかし大神さんはカラコンをつけているので決意の光の真贋・有無は他人からはさっぱり見えないのもまた事実なのでありましょう……。

「フフフ、メリークリスマス赤月くん。
 今年もいい子にしていたようだね。
 さぁ(売れ残りの)ケーキをお食べ」(非実在サンタの声)

大神サンタはそう言うと寮の共有冷蔵庫にあった(売れ残りの)クリスマスケーキ(スタンダードなイチゴショート)を、赤月の前に差し出しました。

(重篤な患者の言うことは否定・肯定しないほうがいいらしいしな……)

893赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 14:14:52
>>892

目の前の人間が、『サンタとなる決意』を固めた事など知る由もなく
熱に浮かされた瞳でそちらを見る

やはり・・・とか、うむ・・・・とか、何かを納得している様子だ

>「フフフ、メリークリスマス赤月くん。
> 今年もいい子にしていたようだね。
> さぁ(売れ残りの)ケーキをお食べ」(非実在サンタの声)

 「・・・・・・・・・・ッ!?」

              しゅっ!!

だが、大神がその台詞とともにケーキを持ち出した時
瞬間的に赤月の眼がギラリとした輝きを見せる!
次の瞬間には彼女の手刀が大神の喉元にまで伸びていた

「お前は・・・・・誰だ・・・・・?
『サンタクロース』は『良い子』のところに現れる者だ・・・・」

「私は違う!!」

剣呑な気配がにじみ出る!

894大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 14:30:44
>>893(893! オオ見よ神秘的な獣の数字893!)

「落ち着きたまえ、赤月くん。
そして気づきたまえ。
そんなことを気にする時点で『いい子ちゃん』なのだ、キミは。
生粋の悪い子はそんなことを思わないし、悩まないものだ」
大神サンタさんは素知らぬ顔で答えました。

「ボクにはわかっているぞ」(後方彼氏面)

そしてクリームのついたイチゴをフォークに刺し、赤月の口元に差し出しました。

「We wish you a merry Christmas
 We wish you a merry Christmas
 We wish you a merry Christmas
 And a happy New Year」

(楽しいクリスマスをあなたに
 楽しいクリスマスをあなたに
 楽しいクリスマスをあなたに
 そして幸せな新年を)

895赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 15:19:00
>>894

「なにぃっ!?
 私が・・・・・・『良い子』だと・・・・・・!?」

突き付けられた驚愕の事実にぽかんと口を開き、愕然とする
そして、そこに・・・・・・


            「もがっ!」

クリームのついたイチゴが口内へと突っ込まれた!
急速に吸収される糖分・ビタミン・水分・・・・・・そして、いくらかの電解質ッ!!

   しょり しょり しょり・・・・


              ごくり

                      ・・・・・・・・・ばたっ

肉体が、不足している栄養素を得たと判断したのか
それとも、色々と動き回って疲れてしまったのか
口内に突っ込まれたイチゴを飲み込むと同時にばたりと意識を落して眠りについた

深い、深い眠りだ
当分は目覚める事がないだろう

896大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 16:15:55
>>895
眠った赤月を見て、やれやれ、という顔をする。

「そんなことを言うキミがいい子なのは、当たり前ではないか。
現代のサンタは『それを信じた子供がいい子になる』ようなシステムだもの。
『悪いことをした子供』が『自分はいい子じゃないからサンタが来ないんだ』って思うことはまさに『それ』さ。
反省・自省をさせるシステムなのさ」(後方保護者面)

一人ぼやきながら、眠る赤月を共有スペースのソファに移し、共有の毛布をかける。

「やれやれ。
こんな年末までオオカミサンタをする羽目になるとは思わなかった」(モシャモシャ)

そして、大神さんは残ったケーキとチキンをモシャモシャするのであった。

897大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』@共有スペース:2022/12/29(木) 16:31:55
……というわけでここは学生寮の共有スペース。
ただでさえ多くの価値観を持つ学園関係者が出入りする寮という空間な上に、
時期的にクリスマス年末年始がまとめてやってきているので、
色々なあれそれが入り交ざった奇妙な空間となっている。

そんな共有スペースで、サンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)がペットのハムスターやハトと一緒にワチャワチャやっている。
どうも今は大掃除で出たダンボールを用いたAR『ニ○テンドーラボ』を共有スペースの巨大ディスプレイで遊んでいるようだ。遊ぶのに広い空間が必要だしな…。

なお、ソファの片隅に毛布にくるまった物体(>>895)があるが、よく寝ているようなので放っておいて問題ないだろう。
近くで騒いでいれば目覚めることもあるかもしれないし……。

898大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/12/31(土) 13:26:09
ゲームに飽きて年末年始の街を見に出かけた

899三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2022/12/31(土) 13:46:43
>>898

「――――『或真さん』?」

街に出かける姿を遠目に見かけ、ふと立ち止まる。
『少年』とも『少女』とも取れる姿の小柄な生徒。
『大神或真』の『従兄弟』である『三枝千草』。

「『同じ学校』だったなんて初めて知りました」

去っていく大神を見つめ、そのように呟いた。

900三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/27(月) 21:57:56

少年とも少女ともつかない小柄な寮生が、一つの部屋の前で立ち止まった。
生徒の名前は『三枝千草』、部屋の主の名前は『小林丈』。
ここを訪れるのは『初めてではない』。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647077/318-330)

     コン コン コン

はやる気持ちを抑えてドアをノックする。
どうしても確かめたい事があった。
もし応答がなかったとしても、三枝は開けようとするだろう。

施錠されていたなら――『それでも中に入る』。

(『小林先輩』……)

『小林の死』を知ったのは、『呪いの小屋』から戻った直後だった。
以前と同じように声が聞こえ、変わりない姿を見せてくれる事を期待している。
しかし、それが叶わなかった時は、『部屋を調べる』つもりで来た。



(>>ノエPL:大変お手数ですが、この行動に対する判定をお願い致します)

901『殻の部屋』:2023/02/27(月) 23:48:42
>>900

 部屋から物音はしない、耳が痛くなるような静寂さだけが
君の耳に返って来るだろう。
 
 ドアノブを回すと、呆気ないほどに簡単に開いた。

部屋の中……最近は、殆ど使用してないようだ。

冷蔵庫……中は空だ。

クローゼット……小林らしい制服や私服がそのままだ。
半分ほど、彼のかは不明だが衣類の幾つか持って行った形跡が見えた。

学習机……少し、埃が被っている。引き出しが、少し開かれた形跡がある。

902三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/28(火) 00:45:15
>>901

しばらくの間、室内からの返事を待っていた。
1分かもしれないし、5分かもしれない。
もしすると10分間も立ち尽くしていたようにも思える。
しかし、いくら待っても応答はなかった。
顔を俯かせ、意を決して部屋の中に踏み込む。

     ガチャ…………

室内を見渡し、最初に調べたのは『冷蔵庫』だった。
中身は『空っぽ』。
その事実は、既に住人がいない事を物語る。

       …………ガタッ

次に、『クローゼット』を開けてみた。
一切の躊躇いはなかった。
衣服が持ち去られた形跡を見て、すぐ一つの可能性に思い至る。
『小林の親友』。
何度か会った事もあった。

「…………?」

最後に『机』が視界に入った。
一部だけ埃が落ちているように見えたのだ。
おもむろに手を伸ばし、引き出しを開ける。

903『殻の部屋』:2023/02/28(火) 13:00:27
>>902

君は、学習机の引き出しを開いた。

小林 丈は、元は小説家を志していた。君も、耳にした事はあったであろう。

中には、まだ書きかけらしい原稿用紙やネタ帳らしいスクラップブック等が
収められてたが、一つだけ種類が異なると思えるものが目に留まった。

……『日記帳』のようだ。

 開いてパラパラと中を捲ると、一つのページに
幾つかの水滴が落ちたような跡のある部分に着目する事になる。

内容は↓と言ったもののようだ。
>ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1587792748/108

そして、全ての文章に目を通した後。一つだけ全く違う筆跡で
少し大きめに、こう書き納められいた。



    ばかやろう

 おれは   おまえを ゆるさない

904三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/28(火) 14:54:59
>>903

震える指先でページを開いた三枝は、一心に目を通し始める。
『遺言』とでも呼ぶべき文面を読み終えた後、計り知れない衝撃を受け、
危うく日記帳を落としそうになった。
信じたくない。
だが、認めざるを得なかった。
やはり、あの話は『事実』だったのだと。

「小林…………先輩…………」

『小林先輩は死んだ』。
もし相談してくれていれば…………。
いや…………そうされたとして何が出来ただろう。
きっと何も出来はしなかった。
自分は無力な人間なのだから。

      グッ

日記を握る手に、無意識に力が込められる。

「…………『スワンプマン』…………」

ふと、その言葉を思い出していた。
『一度死んで作り直された』――――三枝千草は『小林丈の秘密』を打ち明けられた事がある。
『小林の死』に直面して、その記憶が鮮明に蘇ったのだ。
『生き返った存在』なら、『死』を超越する事も可能なのでは。
『死を恐れる精神』と『小林の秘密』という二つの要因が、
他の者には辿り着けない発想に至らせたのだ。

       ジッ…………

もう一度、『最後の文章』に目を留める。

「千草は…………何が出来ますか…………?」

「『秘密』を打ち明けてくれた先輩の為に…………何が…………」

閉じた日記帳を胸に抱き、誰もいない部屋で呟く。
少なくとも、ここですべき事は終わってしまった。
他に何も見つからなければ、日記を持ったまま自室に帰っていくだろう。

905『殻の部屋』:2023/03/01(水) 09:44:29
>>904(こちらからのレスは以上となります。お付き合い有難うございます)

小林は死んだ。

噂程度でしか無かった話は、この『日記』によって信憑性が高まった。

君に出来る事。

模索すれば、幾らでもある。例えば、この日記に書かれてた人物。

『村田』 『北落砂錫』 そして、『夏の魔物討伐の同行者』

小林の真相について、更に真相の鍵を握る人物が居るかも知れない。
何せ、小林は死んだと流布されてるようだが、未だに話だけで物的証拠は
君の知る限り無い筈だからだ。

『真実』は、まだ君の手の中には無い。だが、『足掛かり』は手に入れた筈だ。

君のアイデンティティの起源は、ある場所で遭遇した『死体』だった……ならば。

――君は、『小林』に、真実が如何に悲しくても残酷でも対峙しなければいけない
時がきっと来るのだろう。

 日記を持って、君は自室を去る。誰も、君の歩みを邪魔する者は無かった。

906三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/03/01(水) 17:04:27
>>905

手の中にある日記帳に視線を落とす。

(ここに書かれている通りなら…………)

(小林先輩は――――自分の『最期』を予期していた?)

(もしかすると…………本当に…………)

三枝の心の中には、未だ不安が残っている事は否定できなかった。
単純に消息が分からないだけなら、ここまでの事態にはなっていない。
やはり、既に『この世にいないのではないか』と考えてしまう。

(だけど…………)

三枝千草は『理想の最期』を求め、それを実現する為に『功徳』を積む事を、
『人生の目標』として定めている。
しかし、それは結局の所『妥協』なのだ。
『死ぬのは怖い』が、『死なない方法』が見つからないから、
せめて『安らかに死にたい』と考えているに過ぎない。
もし『死を回避できる手段』があるとしたら、そちらを選んでいただろう。
当然、そんな都合のいいものがある筈はない――――。

(あなたに『生きていて欲しい』)

万に一つの可能性があるとしたら、それこそ小林が語った『スワンプマン』なのかもしれない。
三枝が小林丈を気に掛け、その存在に思いを馳せるのは、
優しい先輩だからというだけではなく、彼が『一度蘇った人間』だからなのだろうか。
だからこそ、ある種の『憧れ』を感じているのかもしれなかった。

       …………ガチャ

ドアを開け、誰もいなくなった部屋を振り返る。
その姿に『死』を象徴するヴィジョンが重なった。
『シャベル』を携えた『墓掘人』。

「――――…………」

ほんの一瞬、『部屋の主』の幻が見えたように感じられた。
何か言おうとして、思わず口を開く。
だが、言葉が出てくる事はなかった。
その代わりに、自身の視界が霞んでいく。
まもなく気を取り直して目元を拭い、日記帳を手にして歩き去っていった。

907赤月『サクソン』:2023/03/10(金) 21:41:51

――――とある休日の夕方。

「ん・・・・ いいぞ! 何ッ!?」

談話室に響き渡る少女の声
年頃は中学生程、黒髪に赤のメッシュを入れた少女が
テレビを前にして、両拳を握りながら歓声をあげていた

           『イクゾッ!!』

     『ヘシンッ!!』

               『ウオオオオオオオッ!!』

テレビに映し出された映像は『特撮ヒーロー物』の番組だ
CGの作りがやや粗く、この番組が十数年前の物だと判断できるかもしれない
彼女の目の前、テーブルの上にはこの番組のDVDケースが開かれたままの状態で置かれている

どうやら、彼女はDVDでこの番組を見ているようだ

「おおっ!?」

そんな光景が朝から続いている・・・・・
もう8-9時間もずっとこの調子だ

908赤月『サクソン』:2023/03/12(日) 21:14:51
>>907

日が暮れるまでそうして鑑賞会を続けていたが、
やがて時計を確認し、自室へと帰って行った

909真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 16:10:00

買い物をしに部屋から出て、
『談話室』の横を通る時、その中を見た。
人影があったから――かもしれないし、
何かしら物音が気になったのかもしれない。

>>910しだい、という意味だ。

910リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 19:58:17
>>909

談話室には誰もいない。
ただ、『妙な物』が一つあった。
『人形』だ。
赤いドレスとボンネットを纏った『西洋人形』が、ソファーに横たわっている。
その両目は閉じられ、まるで眠っているように見えた。

     ……………… ……………… ………………

          ――――――誰かが置き忘れていったのだろうか?

911真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 21:18:58
>>910

「…………」

人影に見えたのが小さな人形だった得心は、
すぐに『なぜそこに?』という疑問に変わる。

「………………」

         キョロ

悪い目つきで周りを見渡すが、
置いたものがここにいないのはすぐにわかった。

       ……人形を愛でる趣味は特にない。


「……」

せっかく談話室に入ったので、何かしよう――
そう思って『ケトル』の置いてある方に歩く。

……ちょうど、『西洋人形』には背を向ける形になるだろう。

912リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 21:51:21
>>911

寮生なら、普段から置いてあるものではない事は分かる。
人形は古めかしく、いわゆる『アンティークドール』に含まれるのかもしれない。
目立つ汚れや破損はなく、保存状態は良さそうに見えた。

       ………………コトッ

背後から物音がした。
今のように静かな環境でなければ気付かないくらい小さく軽い音だ。
位置的には『人形があった場所』の付近だろう。

    倒れたりする物は特になかった――――はずだ。

913真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 22:03:43
>>912

ケトルにまだお湯が残っているのを確認し、
淹れ直すのも面倒だったのでスイッチを入れた。

         カチ

「…………」 

>       ………………コトッ

自分が鳴らした音ではないし、
人が部屋に入った気配もない。

「今お湯触ってるから……ドッキリは危険ですの。
 思わずわたくし、全部ぶちまけちゃうかもしれないですし」

誰もいないとは思いつつ、チラッと後ろを見ながら忠告した。
もちろん、今のところぬるま湯程度でしかないのだが。

914リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 22:20:50
>>913

振り返ってみても、やはり誰もいない。
先程までと同じく、そこにあるのは人形だけだ。
しかし、何もかもが変わらないかというと、そういう訳でもなかった。

     ……………… ……………… ………………

『人形が起きている』。
両足を伸ばした姿勢で、ソファーの上に座っていた。
『起きていた人形が倒れる』のは、それなりに有り得そうな事だ。
では、その逆は?
おそらく滅多に起こるものではないだろう。

       ジッ

大きく開いた両目。
青く透き通った硝子の眼球が、真横田を見つめている。
もちろん『そう見えるだけ』だ。

         ――――――普通なら。

915真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 23:33:56
>>914

「……………………………ふーん?」

人形に歩み寄り、明るい紅色の瞳で見つめ返す。
真横田ニケは『知らない物がある』事を『知った』

        スッ

「どっかでご覧になってるんでしょうけどね。
 こーいうことがお愉快だっていうのは、
 わたくしも、ご理解してさしあげられなくはないし。
 ええー、100歩譲ってしてさしあげるだけ」

          ・・・手を伸ばす。

「まー、手の込んだドッキリに敬意を表して、
 せっかくなので、お付き合いして差し上げますの」

『人形を動かす何か』を仕掛けている。
そしてここが学生寮の談話室であり、
自分はここを偶然訪れただけな以上、
単なる『いたずら』くらいの意味だろう。

そう考えたから、対応するために行動した。

「幽霊の正体見たり――――」

もちろん…………『リトル・メリー』の正体は、知るはずもない。

916リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/29(水) 00:22:13
>>915

倒れていた人形が独りでに身を起こしたように思わせる。
本気でやろうと考えたなら、決して不可能ではないだろう。
ただ、一見したところ、仕掛けらしいものは見えない。
もしイタズラなら、なかなか巧妙に仕組まれているようだ。
確かに『手が込んでいる』。

「――――――『幽霊』じゃないわ」

指先が人形に触れる直前、真横田だけの談話室に『声』が聞こえる。
幼い少女に似た声色。
そんな人間は、ここにはいない。

  「ビックリさせないように、そっと起きたの」

     「『熱いお湯』って危ないものね」

    「ウフフフフフフフフフフフフフフフフ」

どこか底知れない笑い声が響く。
ソファーの上――――『真横田の正面』から。
そして、そこにあるのは『人形だけ』。

917真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/29(水) 21:57:29
>>216

「ッ!?」

         バッ

           「………………………なっ」

突然の声に飛び退き、『それ』を凝視する。

「……えへえっ、なんですか! 手が込み過ぎですの。
 どこかに『マイク』でもお付きになってます?
 しかもイタズラのくせに気遣いバッチリって、
 それとも………………………」

         キョロッ

周囲を見渡す。

「…………もしかしてですけど、
 いや、別に全然……あり得なくはないですね」

やや離れたまま、再び人形の顔を覗き込んだ。
そもそも『イタズラ』でここまで仕掛けをして、
しかも来るかも分からない人間を狙うよりは。

「人形のお嬢様……あなた、『そういう能力』ですか?」

あり得る可能性はもっと高い…………『スタンド能力の産物』なら。

918リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/29(水) 22:34:05
>>917

現代の機械は『小型』かつ『高性能』。
人形が動いたように思わせる事も出来る。
喋っているように見せかける事だって可能だろう。

「ウフフフフフフフフフフフフフフ」

そうだとしても、手間を掛けるには相応の理由がいる筈だ。
偶然やって来ただけの相手を引っ掛ける為に、ここまでする人間は稀にしかいない。
有り得ないとは言い切れないが、それと同じくらいか、
それ以上に有り得る『別の可能性』も存在する。

      「『能力』?」

極めて自然な動作で、人形が小首を傾げた。

    「――――分からないわ」

考えるような仕草の後、短く言葉を返す。
『メリー・バッドエンド』の能力は、『魂』を移す事。
だが、この西洋人形そのものは、『魂を移した対象』ではなく『本体』なのだ。
そして、『自分が何者であるか』は本人さえも知らない。
おそらくは、誰にも分からないだろう。

「わたし、『リトル・メリー』」

         スウッ

『名前』を名乗りながら、ソファーの上で人形がスムーズに立ち上がる。

919真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/29(水) 23:10:21
>>918

「ふぅん…………わからないならしょうがないです。
 わたくしもよく分かってませんからね。
 『無知の知』ってヤツ?」

自然な動きを見せる『リトル・メリー』に、
どちらかといえば警戒より関心が勝る。

「わたくし『ニケ』です。
 よろしく、メリーさん」

頭などは下げずに挨拶を済ませると、
隣に座って目線の高さを近づけた。
立ったまま話すのも疲れるからだ。

「ハタから見たら今のわたくし、
 お人形さんとお喋りするイタい女ですの。
 それ込みのドッキリじゃないでしょうね」

          キョロ

「まー、そんな事はないですか。
 普段はお見かけしないけど、あなたどこから来たんです?」

誰かの私物なのだろうか――?
真横田ニケは現状、これを『何』とするか判断に迷っている。

920リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 00:21:38
>>919

「『ニケちゃん』――――」

「ウフフ、覚えたわ。
 メリーは人の『顔』と『名前』を覚えるのが得意なの」

「『絶対に忘れない』から」

どことなく意味深長な言葉と共に、青い目がニケを見上げる。
光を受けて美しく輝いているものの、そこに『生命』は宿っていない。
人間の意思によって創造された『理想的な瞳』があるだけだ。

「わたし、『船』に乗って来たの」

「『ずっとずっと前』に」

質問の意味を少し誤解したらしく、そのような答えが返ってきた。

「それから『学校』にいたわ。
 もうなくなってしまったけれど」

リトル・メリーは『親善大使』として日本に贈られ、当時の学校に寄贈された。
まだ西洋の人形は珍しく、子供達から愛され、良き遊び相手となっていたのだ。
しかし、それは永遠には続かず、
あの学校も戦火で焼けてしまい、面影さえ残っていない。

「今は町外れの『教会』にいるのよ」

『鷲津ヨハネ』という『修道女』と出会い、
何度か遊びに行く内に、いつの間にか居着く形になった。
何となく『居心地』が良かったのだ。
『教会を訪れる人間の心』に興味を抱いたというのもある。

921真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 18:58:35
>>920

「ちゃんでもサンでもいいですけど、
 忘れない方がお得ですからね。
 わたくしは、わたくしを買ってくれる方に、
 『勝ち』を分けて差し上げる予定なので」

根拠の無さそうな自信を浮かばせ、人形に答えた。

「はあー、しっかりしてますの」

聞いた話への返答にはややズレているが――
内心はこうだ。『設定がしっかりしている』。

「そうなるとわたくしよりずっと、人生の先輩なわけですね。
 まあ、だから敬うというわけではないですけど……
 えっへっへ、ご重厚な人生経験を、お頼りにさせてください」

真横田ニケは『知らない物がある事』は知っているが、
その領域の『スタンド』という名前を知ったからこそ、
純粋なオカルトの領域からは目が逸れていた。

――――『生ける舶来人形』をそのまま受け取る下地は無い。

                   ・・・ カチ

「ああ、お湯が沸きましたわ。
 あなたは食べ物とかは食べるんですか?」

ケトルの方に歩いて戻りながら、首だけ振り返って尋ねる。

922リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 19:30:38
>>921

スタンドを持つのは人間に限らない。
それ以外の生物であっても発現の余地はある。
しかし、『生物ではないスタンド使い』は、極めて少数だろう。

「メリーはね、『お食事』しないのよ」

人形なら、まぁ当然ではある。
『そういう体裁』だったとしても自然だ。
『食べなくても死なない』というのは、『永遠の命』と呼べるのだろうか?
そもそも『命がない』という方が正しいのかもしれない。
『魂』と『命』の明確な違いは、メリー自身も良く分からなかった。

「ニケちゃんはどこから来たの?」

       ゴソ

ケトルに向かうニケを眺めながら、
真紅のボンネットを脱いで、そこから『何か』を取り出す。
折り畳まれた紙のような物だった。
かなり古い代物らしく、経年劣化で変色している。

923真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 20:04:45
>>922

「ええー、そうだろうとは思いましたの。
 省エネで大変よろしいとも思います」

人形に『口』も『消化器』も無いだろうし、
それくらいの設定を間違える、とも思えなかった。

「わたくし東の方から来ました。
 こういう寮生活に憧れてましたし、
 高大一貫校に入りたかったので」

            コポポポポ

「あなたみたいに、お海の向こうではないですけどね。
 新幹線にでも乗れば、すぐ帰れる距離です」

カップにコーヒー粉と、お湯を入れる。
こだわりはないが、コーヒーが好きだった。

「……それは? お買い物のメモって訳でも、
 あなたのおトリセツって訳でもないんでしょうね」

席に戻りながら、視界に映る謎の『紙片』に視線を落とす。

924リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 20:35:31
>>923

コーヒーで満たされたカップを見て、それからニケに視線を戻す。

「今は、ここがニケちゃんの『おうち』なのね」

「ここに来れば、ニケちゃんに会えるかもしれないのね」

「ウフフフフフフフフフフフフフフフフ」

         ソッ

愉しげな笑い声を交えた相槌を打ちながら、メリーの手で紙片が開かれる。

  「これはね、とっても『大事なもの』なの」

     「船に乗る前にもらったのよ」

そこには『英字』で綴られた文面が整然と並ぶ。
真っ先に目に入るのは『VISE』と『Passport』の単語だろう。
どうやら、これは『ビザ兼パスポート』らしい。

           「見て」

          スッ

  「ここの所に『スタンプ』を押してくれたの」

小さな指で示した場所には、確かに『押印』がされていた。
『小道具』に気を遣っているのも『演出』の一環だろうか?
『こだわり』がある――――のかもしれない。

925真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 20:54:49
>>924

「ええー、会える時は会えるでしょうね。
 わたくし学生ですから、
 平日とか、いない時はいないですけどね」

真横田ニケはどちらかと言えば外出が多い。
必要なものは、外にあるものだからだ。

「見せていただいていいんですか?
 大切なものなのに。
 まあ、見せてくれるなら遠慮しませんけど」

          ズイ

無遠慮に紙を覗き込む。
さほど英語力が高いわけではないが……

「ヴィ……アイ、エス……ヴィセ?
 パスポート…………ああ、『ビザ』! えっへへ」

       「どう見るか分かりませんけど、
        たしかにとっても大事ですの」

『ビザの見方』を詳しく知るわけではないが、
それが偽物にはなんとなく見えなかった。

「お海の向こうではあなた、どんな暮らしをしてたんです?
 わたくし、海外での暮らしにもちょっとは興味があります」

ずっと前海外から来たのは,部分的に本当なのだろう。
『メリー』の親か、そのまた親なのか――

・・・あるいは、もう少し非現実を現実として捉えるべきなのか。

926リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 21:38:31
>>925

ニケの問い掛けを受けて、記憶を辿るように頭を揺らす。

「メリーは大きくて広い場所にいたわ。
 わたしと似てる子が大勢いて、そこで順番を待ってたの」

思い出せる範囲で、最も古い記憶は『工場』だった。
『メリーを送り出した団体』が、そこに人形を発注したからだろう。
その頃から『魂』があったのか、
あるいは人形に何らかの形で保存されていた情報が、
魂が宿った後で記憶として蘇ったのか。
詳しい原理は分からない。
ただ、メリーの認識としては『そう』なのだ。

「メリーはね、みんなと『友達』になるために生まれてきたんですって。
 『親善大使』っていうの」

    「『お父さん』が、そう言ったのよ」

メリーが『父』と呼ぶのは、人形を製作した会社ではない。
人形を『友好の架け橋』として、先入観のない子供の内から、国同士の信頼関係を築く。
その計画の発案者であり、その為に人形を発注した人物が、メリーにとっての『父』だった。

927真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 22:22:23
>>926

「……へえー? そうなんですの。
 言っちゃえばあんまり想像がつかないですね、
 お人形が作られる光景っていうのは……」

            ズズズーッ

「職人さんが一体一体手作りで、
 というのはマンガなんかで見ましたけどね」

コーヒーを啜りながら、相槌を打ち。

「生まれた意味がハッキリしてるなんて、
 人間だったらそうそうないですけど」

           トン!

軽くなったカップを置いた。

「『親善大使』だなんて偉い立場じゃないですか。
 それで、今も人間の教会に馴染んだり……
 こうして人間とお話をする役目を果たしてる、と」

         「大層、ご立派ですの」

事実、それが『設定』なのだとして、
貫徹するための努力は並々ならないだろう。
少なくとも『趣味』とか『ドッキリ』とか、
そういう域を超えた『こだわり』を感じる。

「わたくしも親に言われましたよ。
 『誰にも負けない女になりなさい』……って。 
 まー、『誰にも負けない』なんて無理ですけどね」

ふと、時計を見る――別段急ぎの予定ではないが、
単に談話室には立ち寄っただけだ。

「これを飲み終えたら、そろそろ行く時間ですね。
 お話できてわたくしのためになりました。どうもありがとう」

928リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 23:08:01
>>927

「メリーはね、たくさんの『お友達』を作りたいの」

リトル・メリーは、明確な『使命』を授かって、この国に送り出された。
だが、結果的に役割を果たせず、その事を残念に思う気持ちがある。
だからこそ、数十年の時を経た今も、
『自らが生まれた意味』を全うしたいと考えているのだ。

『愛情』と『憎悪』が入り混じり、『歪な形』に変わってしまった後も。

「だから、ニケちゃんもメリーの『お友達』よ。
 これからも仲良くしてね」

        「ウフフフフフフフフフフフフフフ」

やや一方的ではあるが、言葉を交わした事で『友達』として認識されたらしい。
『友達』は『裏切らないもの』。
『友達を裏切る者』は『友達ではなくなる』。

         ゴソ

『ビザを兼ねたパスポート』を、大事そうにボンネットの中にしまった。

「メリーは、もう少しここにいるわ。
 『他の子』に会えるかもしれないから」

      ストン

「ニケちゃん――またメリーとお話してね」

ニケとは反対に、ソファーに座り直し、小さな手を振る。

  「『青い眼をしたお人形は』」

          「『アメリカ生まれのセルロイド』」

    「『日本の港へ着いた時』」

          「『いっぱい涙を浮かべてた』」

      「『わたしは言葉が分からない』」 

           「『迷子になったらなんとしよう』」

     「『優しい日本の嬢ちゃんよ』」 

         「 『仲良く遊んでやっとくれ』」

談話室を立ち去るであろうニケの後ろから、人形が口ずさむ『歌』が聞こえる。
『青い眼の人形』という童謡。
戦前に流行し、戦時中は『敵国の歌』として、歌う事を禁じられていた。
メリーは、この歌が好きだった。
おそらくは、ニケがいなくなった後も、その歌声は静かに続くのだろう――――。

929真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/31(金) 00:06:50
>>928

「種族人間じゃなくても……
 人間関係は『力』になりますからね。
 友達が多くて損は何もしないでしょうね」

       「こちらこそよろしくですの」

友達になるのに重い決意はいらず、
友達同士は力を貸し合える物だ。
得体の知れない存在であっても。

「『談話室』はおしゃべりの部屋ですからね。
 待ってれば出会いはあるかもしれません。
 わたくしも、ここでメリーさんを見かけたら、
 なるべく話しかけましょうかね。ええー、なるべく」

「それじゃあ、また」

そうして、カップを洗って元の位置に返すと、部屋を出て行った。

930御影憂『ナハトワハト』:2023/09/02(土) 07:09:34

学生寮――――談話室。

          「――――――………………」

白いロングワンピースの女が、床に這い蹲ってソファーの下を覗き込んでいる。
その前髪は異様に長く、顔の大部分を覆い隠してしまう程だ。
同じ寮生なら、姿を見た事があるかもしれない。

     女の傍らは『空っぽのケージ』が置かれている。

931御影憂『ナハトワハト』:2023/09/05(火) 11:41:11
>>930

    ゴソ………………

一通りの確認を終えて、おもむろに立ち上がる。

        カチャ………………

『ケージ』を持ち上げ、歩き去っていく。

            スタ スタ スタ………………

932甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2023/12/24(日) 12:28:10
12月24日 >>933の部屋
本日はここでクリスマスを過ごすようだ

自由の場が埋まってるからここを使っているだけで
別に学生じゃなくても良いし部屋じゃなくても自宅でも良い

933甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2023/12/25(月) 20:06:32
>>932
エッグノッグ、シャンメリー、コカコーラ等
みんなバラバラの飲み物を飲みながら話をする
クリスマスは何の映画を見るかについてだ

阿部マリア「だから、クリスマスはホームアローンだって言ってるじゃありせんの!!!」
クリス「ホームアローンは金曜ロードショーでやっただろ、ダイ・ハードを見るべきだよ」
マリア「クリスマスにダイ・ハードを見るべきなんて科学根拠はないだろうが!!!」
あま「ジングル・オール・ザ・ウェイでしょ」

意見もバラバラだが、食べるケーキは一緒だ
ネットで注文したケーキを開封するあま公達だったが…

マリア「おい、ケーキが崩壊してるじゃありませんのッッッ!!!」
クリス「うわぁ、これは酷い…」
マリア「どこの店に注文したんですの貴様ら!?」
クリス「高島屋…」

高島屋のぐちゃぐちゃのケーキを見てどうしたものかと悩んでいると

りん「こんな事もありうかと思って、作っておいたよ〜」
マリア「おぉ!気が利くじゃありませんのりの字!」
クリス「いや、それって…」

りんの作ったケーキをホール毎手掴みで食らうマリア

マリア「おぉうめぇ…う…」
マリア「うげ…げ…」

りん「あっ、ごめん」
クリス「やっぱり鈴蘭ケーキだったか…」

クリス「まぁ今はケーキを食べよう」

高島屋のストロベリーフリルショートケーキを食べるあま公達

りん「うん、ちゃんと美味しいね」
クリス「まぁ食えなくはない」

マリア「……」ピク ピク
あま「これは?」
クリス「後で病院に連れてこう」

           ★
            [~] ))
          (( [~~]
          [~~~~~]
  ∧__∧    [~~~~~~]
 (;`・ω・) [~~~~~~~~~]
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               ミ ★
              ミ [~]
               [~~]
       アッ !  [~~~~]
  ∧__∧て  [~~~~~~~]
 ( ´ ゚ω゚) [~~~~~~~~~]
 /   O━━━━━
 しーJ

   ∧__∧ 
  ( ´・ω・) /~~ヾ
c(__U__U /~~~~ヾヽ★

              終
            制作・著作
            ━━━━━
             ⓃⒽⓀ


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